1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年四月二十八日(水曜日)
午後一時三十三分開会
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委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
益田 洋介君 福本 潤一君
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出席者は左のとおり。
委員長 井上 吉夫君
理 事
鈴木 正孝君
竹山 裕君
山本 一太君
若林 正俊君
齋藤 勁君
柳田 稔君
日笠 勝之君
笠井 亮君
山本 正和君
委 員
市川 一朗君
加納 時男君
亀井 郁夫君
木村 仁君
世耕 弘成君
常田 享詳君
長谷川道郎君
橋本 聖子君
畑 恵君
松村 龍二君
森山 裕君
矢野 哲朗君
依田 智治君
吉村剛太郎君
伊藤 基隆君
石田 美栄君
久保 亘君
佐藤 泰介君
千葉 景子君
寺崎 昭久君
前川 忠夫君
本岡 昭次君
荒木 清寛君
福本 潤一君
緒方 靖夫君
小泉 親司君
宮本 岳志君
田 英夫君
田村 秀昭君
月原 茂皓君
椎名 素夫君
山崎 力君
島袋 宗康君
衆議院議員
修正案提出者 大野 功統君
修正案提出者 西村 眞悟君
修正案提出者 山中あき子君
国務大臣
外務大臣 高村 正彦君
国務大臣
(防衛庁長官) 野呂田芳成君
政府委員
内閣官房内閣安
全保障・危機管
理室長
兼内閣総理大臣
官房安全保障・
危機管理室長 伊藤 康成君
防衛庁長官官房
長 守屋 武昌君
外務省条約局長 東郷 和彦君
事務局側
常任委員会専門
員 櫻川 明巧君
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本日の会議に付した案件
○日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間に
おける後方支援、物品又は役務の相互の提供に
関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間
の協定を改正する協定の締結について承認を求
めるの件(第百四十二回国会内閣提出、第百四
十五回国会衆議院送付)
○周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保
するための措置に関する法律案(第百四十二回
国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二
回国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付
)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/0
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001・井上吉夫
○委員長(井上吉夫君) ただいまから日米防衛協力のための指針に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨二十七日、益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として福本潤一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/1
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002・井上吉夫
○委員長(井上吉夫君) 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の三案件を一括して議題といたします。
政府より順次趣旨説明を聴取いたします。高村外務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/2
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003・高村正彦
○国務大臣(高村正彦君) ただいま議題となりました日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
政府は、平成九年九月に公表した新たな日米防衛協力のための指針の実効性の確保のため、周辺事態、すなわち我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態が生じた際に活動する日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間の物品または役務の相互の提供を行い得るようにするため、平成八年に締結した現行協定を改正する協定を締結することにつき、アメリカ合衆国政府との間で交渉を行いました。その結果、平成十年四月二十八日に、東京でこの協定に署名を行った次第であります。
この協定は、日米共同訓練、国際連合平和維持活動または人道的な国際救援活動に必要な物品または役務の提供について、現行協定が定める自衛隊と米軍との間の相互主義の原則に基づく枠組みを周辺事態に際しても適用し得るようにするため、現行協定を改正するものであります。この協定により、自衛隊は、周辺事態において、周辺事態に対処するための我が国の措置について定めた関連の法律に従って米軍に対し物品または役務を提供し、当該法律によって認められた自衛隊の活動に関し米軍から物品または役務を受領することができることとなります。
この協定により、周辺事態に際して活動する自衛隊と米軍との間の物品または役務の相互の提供の基本的条件が定められ、我が国の平和及び安全の維持に寄与することとなると考えます。
よって、ここに、この協定の締結につき、御承認を求める次第であります。
何とぞ、御審議の上、本件につき、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/3
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004・井上吉夫
○委員長(井上吉夫君) 次に、野呂田防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/4
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005・野呂田芳成
○国務大臣(野呂田芳成君) まず、ただいま議題となりました周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
この法律案は、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態、すなわち周辺事態に際しまして、当該事態に対応して我が国が実施する措置、その実施の手続その他の必要な事項を定めることを内容としております。
平成九年九月に日米安全保障協議委員会で了承され、安全保障会議の了承を経て、閣議報告されました新たな日米防衛協力のための指針は、より効果的かつ信頼性のある日米防衛協力のための堅固な基礎を構築することを目的としており、同指針の実効性を確保することは、我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図る上で重要であります。このような観点から、平成九年九月二十九日の閣議決定において、指針の実効性を確保し、もって我が国の平和と安全を確保するための態勢の充実を図るため、法的側面を含め、政府全体として検討の上、必要な措置を適切に講ずることとされ、これを受けて、政府全体として鋭意検討してきたところであります。
本法律案は、こうした検討の成果を踏まえ、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して我が国が実施する措置等を定め、もって我が国の平和及び安全の確保に資することを目的として提案するものであります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、政府が、周辺事態に際して、適切かつ迅速に対応措置を実施し、我が国の平和及び安全の確保に努めること、対応措置の実施は武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならないこと、及び関係行政機関の長は相互に協力すること等の対応の基本原則を定めております。
第二に、周辺事態に際して一定の後方地域支援、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動を実施することが必要な場合には、閣議の決定により基本計画を定めることとしております。
第三に、自衛隊による後方地域支援としての物品及び役務の提供、後方地域捜索救助活動及び船舶検査活動の実施等を定めております。
第四に、関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、対応措置を実施することとしております。
第五に、関係行政機関の長は、地方公共団体の長その他の国以外の者に対し必要な協力を求め、または依頼することができること、及びその協力により損失を受けた場合には、政府はその損失に関し必要な財政上の措置を講ずることとしております。
第六に、内閣総理大臣は、基本計画の決定または変更があったときは、その内容を遅滞なく国会に報告しなければならないこととしております。
第七に、後方地域捜索救助活動または船舶検査活動を行っている者の生命等を防護するために、必要最小限の武器の使用ができることとしております。
以上が、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
次に、自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
外国における緊急事態に際して防衛庁長官が行う在外邦人等の輸送について、平成八年来政府部内で進めてきた緊急事態対応策の検討結果を踏まえ、在外邦人の輸送体制の強化を図るため、また、新たな日米防衛協力のための指針において、周辺事態における日米間の協力の一つとして、非戦闘員を退避させるための活動が挙げられたことを受け、その実効性を確保するため、在外邦人等の輸送手段に船舶等を加えるとともに、輸送の職務に従事する自衛官が隊員及び輸送対象である邦人等の生命等の防護のための必要最小限の武器使用ができることとする必要があります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、在外邦人等の輸送手段の追加でございます。
現行法においては、輸送手段は、まず、自衛隊法第百条の五第二項の規定により保有する航空機、すなわち政府専用機等であり、空港施設の状況等により、その他の輸送の用に主として提供するための航空機も使用できることとされておりますが、これに加え、輸送の対象となる邦人の数等の事情に応じて、在外邦人等の輸送に適する船舶及び当該船舶に搭載された回転翼航空機を用いることができることとするものであります。
第二に、武器の使用に関する規定の新設でございます。
緊急事態が生じている外国において輸送の職務に従事する自衛官が、自己もしくは自己とともに当該職務に従事する隊員または保護のもとに入った当該輸送の対象である邦人等の生命等の防護のためやむを得ない場合に武器を使用することができることとするものであります。
以上が、自衛隊法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
なお、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/5
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006・井上吉夫
○委員長(井上吉夫君) この際、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員大野功統君から説明を聴取いたします。大野功統君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/6
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007・大野功統
○衆議院議員(大野功統君) 私は、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党を代表し、遠藤乙彦君外九名から提案の周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。
この修正は、これまで行われてきた法律案についての審議を踏まえ、我が国の平和と安全を確保するための措置の充実を図る等の見地から、政府原案の基本的な考え方と枠組みはこれを維持しつつ、その上でこの法律案に対する一層広範な国民の理解と支持を得ていくとの趣旨で提出するものであります。
修正の第一は、周辺事態の定義そのものを変更するものではありませんが、第一条に「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」という文言を加え、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態を例示的に丁寧に説明することによって、その内容をより明確にするものであります。
修正の第二は、同じく第一条に「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の効果的な運用に寄与し」という文言を加えることにより、本法案が我が国及び極東の平和と安全の維持を目的とする日米安保条約の目的の枠内のものであることをより明確にするものであります。
修正の第三は、船舶検査活動に係る諸規定について、これをすべて削除することであります。なお、この点につきましては、今後、別途の法律によって措置することとしたいと思います。
修正の第四は、基本計画に定められた自衛隊の部隊等が実施する後方地域支援、後方地域捜索救助活動について、内閣総理大臣は、原則として、これらの対応措置の実施前に、緊急の必要がある場合には事後に、これらの対応措置を実施することにつき国会の承認を得なければならないこととするとともに、事後の国会承認を求めた場合に不承認の議決があったときは、速やかにこれらの対応措置を終了させなければならないこととするものであります。
修正の第五は、基本計画の決定または変更があったときは、その内容を内閣総理大臣が国会に報告しなければならないとしていることに加え、基本計画に定める対応措置が終了したときは、その結果を内閣総理大臣が国会に報告しなければならないとするものであります。
修正の第六は、後方地域捜索救助活動に際しての武器使用の規定に加え、後方地域支援としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、その職務を行うに際し、自己または自己とともに当該職務に従事する者の生命または身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができることとするものであります。
以上が、衆議院修正部分の内容の概要であります。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/7
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008・井上吉夫
○委員長(井上吉夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
三案件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514963X00219990428/8
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