1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年四月十五日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
斉藤 滋宣君 井上 裕君
海野 徹君 福山 哲郎君
三月三十一日
辞任 補欠選任
大野つや子君 鈴木 正孝君
久野 恒一君 真鍋 賢二君
脇 雅史君 有馬 朗人君
福山 哲郎君 海野 徹君
四月一日
辞任 補欠選任
真鍋 賢二君 竹山 裕君
四月十三日
辞任 補欠選任
平野 貞夫君 星野 朋市君
四月十四日
辞任 補欠選任
千葉 景子君 藤井 俊男君
星野 朋市君 平野 貞夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 荒木 清寛君
理 事
鈴木 正孝君
服部三男雄君
円 より子君
大森 礼子君
平野 貞夫君
委 員
阿部 正俊君
井上 裕君
岡野 裕君
竹山 裕君
吉川 芳男君
海野 徹君
角田 義一君
藤井 俊男君
藁科 滿治君
橋本 敦君
福島 瑞穂君
中村 敦夫君
国務大臣
法務大臣 陣内 孝雄君
政府委員
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務省刑事局長 松尾 邦弘君
法務省入国管理
局長 竹中 繁雄君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 恒男君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○法務及び司法行政等に関する調査
(前東京高等検察庁検事長に関する調査結果の
報告に関する件)
○外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
○出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/0
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001・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る三月三十日、斉藤滋宣君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君が選任されました。
また、去る三月三十一日、大野つや子君、久野恒一君及び脇雅史君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正孝君、真鍋賢二君及び有馬朗人君が選任されました。
また、去る一日、真鍋賢二君が委員を辞任され、その補欠として竹山裕君が選任されました。
また、昨十四日、千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として藤井俊男君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/1
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002・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/2
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003・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に鈴木正孝君及び平野貞夫君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/3
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004・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 法務及び司法行政等に関する調査のうち、前東京高等検察庁検事長に関する調査結果の報告に関する件を議題といたします。
まず、政府から報告を聴取いたします。但木法務大臣官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/4
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005・但木敬一
○政府委員(但木敬一君) それでは御報告申し上げます。
月刊誌「噂の眞相」平成十一年五月号に、則定前東京高等検察庁検事長が公務出張に交際していた女性を同伴したなどという記事が掲載された関係で、最高検察庁におきまして、記事の真偽につき、本人及び関係者から事情聴取を行うとともに、必要な裏づけを行うなどの調査を遂げました。
その調査の結果を御報告申し上げます。
則定氏は、法務大臣官房長であった平成五年十一月ごろ、知人の紹介で銀座の飲食店を利用するようになり、そこで従業員として働いていた女性と知り合い、交際するようになりました。
そして、則定氏は、法務省刑事局長であった平成六年九月五日、これは月曜日でございますが、から七日までの間、公務で下関市内で開催された会議に出席しており、前日の四日、これは日曜日でございますが、女性を伴って新幹線で大阪に行きましたが、それは公務とは全く関係のない私的な行動であり、女性の交通費等の全額は同氏が私費でこれを負担しているものと認められました。
次に、則定氏は女性に対し、平成六年十月ごろ、二回にわたり、小切手で五十万円、現金で三十万円の合計八十万円を渡しておりますが、女性、知人ら関係者からの事情聴取や同氏の銀行口座の調査の結果を総合すれば、同氏は八十万円全額を私費で負担しており、知人にこれを支払わせた事実はなかったものと認められました。
また、知人は全く別の機会に、則定氏の意思とは関係なく、生活費に窮している女性に三十万円を渡しておりますが、知人はこのことを則定氏に伝えてもおりませんし、則定氏はその事実を全く承知していなかったものと認められました。
次に、則定氏が、平成六年八月ごろ、横浜市内のホテルを利用するに当たり、交際中の女性とホテルを利用したことを知られないようにするために架空の名前を使用した事実は認められましたが、四年以上前のことでもあった関係で、ホテルからその裏づけを得るには至りませんでした。
その他、則定氏が友人らと銀座の飲食店で飲食したことなどにつきましては、同氏は職務上の利害関係のある業者とともに飲食したことはなく、また、その飲食代金につき応分の負担をしているものと認められ、その他、同氏を国家公務員法上の懲戒処分に付すべき事実は認められませんでした。
しかし、今回の則定氏の一連の行為は、私事にわたることとはいえ、不適切であったことは否定できず、結果として清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたものであると判断し、四月十三日、検事総長が則定氏に対し、監督上の措置として、厳重注意いたしました。
なお、則定氏は、同日付、つまり四月十三日付で辞職いたしました。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/5
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006・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/6
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007・角田義一
○角田義一君 民主党・新緑風会の角田義一でございます。
過般、中村法務大臣がああいう経過で辞任をされまして、新しい陣内大臣のもとで法務・検察に対する信頼を回復していただいて一生懸命やっていかなきゃならぬという時期に、青天のへきれきのごとくこういう事案が発生をいたしました。
私は、もう腹の底から怒っております。何たることをやるんだ。
私は、あえて則定君の男女関係のことについて触れようとは思いません。それは道徳の問題であり、基本的にはプライバシーの問題だというふうに思っております。しかし、私がむしろ重視しておりますのは、官房長あるいは刑事局長時代に銀座の高級クラブで、盛んに今官房長が知人という表現で言っておるが、会社社長、いわば業者、これと飲食をともにしているということ、このことの方がむしろ私の目から見れば、あるいは国民の目から見れば非常に重大なんです。
検察の最高幹部は、高級クラブへ行って業者と飲食をともにすることは許されない。そういうことをやっちゃいけない。そのことを一体どういうふうに思っているか。今の官房長の調査、あるいは新聞記者が発表した骨子を見ると、そういうことについて何も触れていない。この程度の調査で我々は納得できないよ。そこの方がむしろ肝心な面なんだ。
今までの汚職捜査で、接待とかというものを検察庁が徹底的にやってきた。接待だってわいろになるといって起訴してきた。その起訴する立場の者がそういうところに出入りして業者と飲食をともにする、これについてやっぱり徹底した調査をしなきゃいけないじゃないですか。そうじゃないと国民は納得しませんよ。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/7
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008・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今お尋ねの件につきましては、法務・検察といたしましても、大変重要な問題であるという認識でございます。したがいまして、その飲食状況について、短期間でございましたが、できる限りの調査を遂げたつもりでございます。
何点か申し上げますが、まず第一点は、今業者という御発言がございました。我々も、職務に関係する業者との飲食であれば、これは御指摘のような問題と思います。そのこともありましたので、その点について申し上げますと、調査の結果、確かに銀座で飲食していることは間違いがございませんが、その際に同席した者、これはいろいろの職業でございますが、少なくとも検察庁あるいは法務省の職務との関係はないということでございます。したがいまして、関係業者と飲食したかというお尋ねでありますと、それはなかったというふうに申し上げることはできます。
では、そのほかに、どんな飲食状況だったのかということでございます。
この点についても、基本的には職務外の飲食、私事にわたることが多いわけでございますが、このような報道がなされ、また国民からいろんな疑惑が持たれているということでございますので、その点につきましても、例えば知人に過度の負担をかけているとか、あるいはツケ回しをしているとか、そんなことがあるのかないのか、これもやはり重大な事項であるという認識でございます。その点につきましても調べをいたしましたが、先ほど官房長から概略の御説明の中にありましたとおり、応分の負担をしているというふうに認められました。
応分とは何だということにまたなろうかと思います。
その点についてもちょっと御説明させていただきますと、調べた結果ではいろいろなケースがございました。まず、会費を事前に徴収して行ったケースもございます。それから、二次会等で行った場合に、そのクラブなりバーなりでの飲食が終わるころに、きょうはこういう支払いだよということで人数分のそれぞれ分担を徴収される、その場で分担金を集めましてそれを一括してだれかが払うということもございました。また、そのほかには一次会、二次会というようなことで行くこともあるわけでございますが、一次会と二次会との間で全体的に見れば応分の負担になっているというケースもございました。それぞれでトータルとして考えましても、一方的に負担をかけている、あるいはツケ回しをした、あるいはその負担で飲んだというようなケースはございませんでした。
以上でございます。ぜひ御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/8
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009・角田義一
○角田義一君 私は、非常に意外に思ったのは、則定君がそういう銀座の高級クラブでそういう者と一緒に飲食をするということに強い衝撃を受けたんだ。そのこと自体に衝撃を受けたんだ。これは応分の負担以前の問題なんだ。検察のトップクラスの者がそういうところに出入りをして、業者と割り勘であれ何であれそういうことをやっていると私は夢にも思わなかった。政務次官のときですよ、彼が刑事局長のときは。私はそんなことは夢想だにしなかった。そのくらいきちっとみずからを律していると思ったんだよ。それが国民の信頼を裏切ったということになる。これが問題なんだよ。あなた方自身その辺の認識が欠けておるんじゃないですか。どうなんですか。そこがこの事件の一番の急所ですよ。大臣、どう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/9
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010・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) ただいまの御指摘、国民の怒りを代表しての御発言だと思って受けとめたわけでございます。当然のことながら、職責とか地位の重要さに十分な自覚が必要であるということでございますが、その点について御指摘のようなことで残念なことであったと、私自身そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/10
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011・角田義一
○角田義一君 時間が余りないんだけれども、厳重注意の中身に私が今言ったようなことは入っているのか、入っていないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/11
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012・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 御指摘の点もその中に含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/12
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013・角田義一
○角田義一君 私は、やっぱり国民の信頼を得るためには、応分の負担とかなんとかいろいろあなた方は言うけれども、これは明らかにした方がいい、明らかにしなきゃいかぬ。やっぱりこれからの検察行政を進めていく上にこれは恥部であることは間違いないんだ、しようがない。男と女の関係の方はいいです、こっちに置いて。そんなことはある意味じゃもう道徳の問題なんだ。こっちの業者との関係について明らかにして、例えば服務上問題がないのなら、こういうことで問題がないんだということを明らかにしなさいよ。これは恐らく各党からそういう要求が出ると思いますよ。それが一つ。これはやっぱり真剣に考えてもらわなきゃいかぬ。
もう一つ、その後の不始末の問題で、この堀口という最高検の次長検事のこのせりふ、どういうせりふだね、浮気は活力になっているなんということ。何たることをこの大将は言うんだ。これもまた厳重注意物だし、えらいことですよ。これをどう思っているんですか。何てことを言うんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/13
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014・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) ただいま御質問のありました最高検察庁の次長検事の発言につきましては、大変不適切でありました。また、本人もその点は強く認識しておりまして、直後に撤回しております。
その背景を簡単に申し上げますと、次長検事は、「噂の眞相」に載りました記事を当初読んだ段階では非常にやはり衝撃を受けまして、大変強い危惧を抱いたわけでございます。急遽調査態勢を組みまして調査が進んだわけでございますが、先ほど官房長から御説明申し上げましたように、例えば公務出張に女性と行ったというようなことについては、前日の休日での行動であり、必ずしも公務に同行したとトータルで言えるかというと、そうでもないとか、あるいはただいまの銀座における飲食の点につきましても、いわゆるたかりではないというようなことが次第に判明してくるに従いまして、その雑誌の記事を掲載いたしました新聞社に対しまして、その内容の真偽等も含めて違うことがあるのじゃないか、十分調査したのかという何か強い疑念も生じたようでございます。
そんなような感情が根底にありまして、いわゆる囲みといいまして、歩いている途中の取材でございましたけれども、十数人の記者がおりました。その際に感情の一部がつい露呈して不穏当な発言になってしまったと。浮気云々の件も、トータルとしては、そういう私事にわたることに注意を集中する余り検事が活力を失ってはならないという、全体としてはそういう趣旨なのでございますが、あたかも浮気を肯定しているような、全くその意図に反する表現ととられてしまったという点については、全く不適切あるいは適当でなかったということでございました。
そんなことで直ちに発言は撤回させていただきまして、また陳謝しているところでございます。ぜひ御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/14
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015・角田義一
○角田義一君 もう時間がありませんから、あと一つだけ要求しておきます。
これは理事会で御検討願いたいと思うんだけれども、業者との関係というか知人との関係についての調査結果をやっぱり法務委員会に提出してもらいたい。これは恐らく各党で御協議になると思いますけれども、我が党としてはそのことをまず要求する。それが一つ。
それから、不適切という表現はクリントン以来私は嫌いだ、あの表現は。これは不謹慎な発言です。したがって、これはやっぱりしかるべき処置をとらなきゃいかぬ。本人が撤回して、だれに謝ったか知らないけれども、それで済む問題じゃない。これは大臣、ちょっと考えてください。御答弁願います。
それだけで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/15
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016・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 承りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/16
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017・大森礼子
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。
私も検事の経験がありますので、今回のことで一番心配するのは現場の検事の士気が落ちることであります。この問題、今、単なる女性スキャンダルなのか、それとも職務上の問題があったのかという点、これを明らかにする必要があるのではないか。法務大臣は調査指示をしておられます。
そこで、明確にしておきたいんですが、女性スキャンダルのみであっても、それが検事のしたことであればやはりこういう調査を指示されるのか。それとも、今回の記事の中に、それに絡めて業者と一緒に飲んだとか、それから出張に伴ったのではないかという点も指摘されておりましたので、そちらの点を重視したのか。法務大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/17
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018・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 今回の一連の事柄がその地位、職責等の重要さを考えたときに大変適切ではなかった、ただいまの角田先生のお言葉をかりれば不謹慎であったというようなことでもございましたので、私としては全般についてまずは事実関係を明らかにしてもらいたいということで指示をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/18
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019・大森礼子
○大森礼子君 女性スキャンダル、もちろんいいとも思いません。しかし、その結果というのは自分が社会的評価を落とすということで受けることだろうと思います。国会の中でも不倫騒動というのは公の週刊誌ネタになっておりまして、だからといって、その党が調査を命じたということもございません。それから、かつての総理大臣も女性スキャンダルがいっぱい出ましたけれども、その政党が調査をしようとしたこともないわけでありまして、検察官だけに、女性スキャンダル、特に重い義務が課せられるのかどうか、この辺も明確にしていただきたいと思います。これは別に検事をかばって言っていることではございません。
それから、今回、懲戒処分に当たらないということで、これは国家公務員法八十二条の事由に当たらないということで依願退職になりました。私は、厚生省の岡光事務次官の事件以来、やめ方が懲戒免職なのか依願退職なのか非常に関心を持っております。いわゆる退職金の問題でありまして、岡光事件のときには、平成八年十一月十八日、ここでもう贈収賄の疑惑が出てきたわけですが、翌十九日の朝刊では、多額の現金が渡ったという記事が出ておりました。この間隙を縫って辞表が受理されまして、そのときからもう懲戒免職の対象ではなくなった、六千万円以上の退職金が渡ることになったということであります。どちらの処分にするか、将来、もし懲戒処分の事由が出てくるようなおそれがあれば、やはり辞表受理を待つべき事案なんだろうと思います。
そこで、調査をされた結果でお尋ねするのですが、これから先も懲戒免職処分が相当であったというふうな事実が出てくることは絶対ないとお考えなのかどうか、その点を確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/19
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020・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) この事件につきましては、先ほど申し上げましたとおり、できる限りの調査をいたしました。その結果につきましては、先ほど官房長からの報告で概略申し上げましたが、懲戒処分に当たるまでの事由は認められない。
しかし、今、大森先生御指摘のとおり、検察官というのはやはり厳しい身の律し方を要求されるということはそのとおりでございまして、そうしたこと等にかんがみますと、やはり職責上では厳重に注意をすべき事由ということに当たりましたので、検事総長から厳重な注意をしたということになります。
今問題になっているいろいろな事項、いろんな観点から我々も分析をして、職責上の問題があるかないかに絞りまして調査したつもりでございますが、今までの調査結果では懲戒処分事由に当たることはないと思いますし、また今後もそのような事由が出てくるということであれば、今は報告の時期ではないわけですが、そういうことも含めまして検討した結果が先ほど御報告のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/20
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021・大森礼子
○大森礼子君 次に、銀座の高級クラブ、この高級がどういうものかよくわかりませんけれども、先ほど角田先生は検事が銀座のクラブで飲むことが衝撃だったとおっしゃったんですが、自分のお金で、かい性で飲むのであれば、銀座のクラブであろうがそれは構わないと思います。問題は、一緒に飲んだ人だと思うんです。
この記事の方ではSとかMとかという感じで出てくるわけですけれども、その方の身分というようなものも一応記事として出ております。多分これは合っているのだろうと思います。それを前提としまして、前検事長、飲まれたのは仕事上のつき合い、つまり肩書きですね、検事長とか刑事局長とかいろいろあるのかもしれませんが、その肩書きを前提で飲んだのか。それとも、もともと親しい友人だから飲んだのか。この点はいかがなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/21
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022・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 結論としては、個人的、私的なつき合いということでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、職務上の関連性は全く認められない関係でございました。
若干それに触れますと、まずMという方、松田さんとおっしゃる方でございますが、庭をつくる造園業をやっておられる方で、職務上のつき合いは全くございません。最初にこの方と知り合いまして、その後、このS、これは佐藤さんとおっしゃいますが、この方とお知り合いになったと。あくまでその関係は私的な事項、私的な関係で終始しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/22
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023・大森礼子
○大森礼子君 私的なもの、公的なものと言葉で言うのは簡単なんです。
例えば、私は現場の検事という仕事をしておりましたけれども、やはりそういう疑いを持たれてはいけないということで常に身を律しておりました。もし外で一緒に飲むことがあるとすれば、それは本当に昔からの小中学校の同級生であるとか、親しい友達、それからあとはほとんどもう役所の同僚とか上司とかそういう範囲でありまして、なるべく外の人とは接触しないようにと。これもつらい仕事ですけれども、そういうふうに身を律しておりました。
それで、私的といってもその中身が問題ですが、これは日ごろおつき合いがあると考えてよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/23
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024・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 私的なつき合いがあるいは職務上の関係にも波及することがあり得るわけでございまして、まずその点については我々としても神経質に関係者に事情徴取しました。
その結果でも、数年にわたるつき合いでございますので、その間のつき合いの繁閑はどうもあったようでございます。また、必ずしも東京だけで会っているわけではなくて、地方に行った際に会ったこともあるというようなことでございまして、その濃淡もまたいろいろあろうかと思います。それで、私的のつき合いがそれ以上のものにわたるような契機はなかったし、また現実にそのような事実も認められなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/24
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025・大森礼子
○大森礼子君 検事という仕事、本当に難しい立場なんですが、現場で仕事をしておりますと、被害者の特に年配者の方から、本当によく親切にしていただいたからということで千円ぐらいのお菓子を持ってこられることもございます。そのお気持ちはとてもうれしいけれども、絶対に受け取りませんでした。
私は検事をしているときに、先輩からも、その振る舞いによって、関係者からはたばこ一本もらってもいけないのだ、そういう姿勢を教わってきたと思います。現場ではそういうふうにやっていると思います。なのに、やはり上の方がこういうことをされますと、現場としてはもうやっていられないよとまではいかないと思いますけれども、非常につらい立場になると思います。
そこら辺、法務省の官僚になったからといっても、現場の検事がどういう気持ちで仕事をしているかということをよく御理解いただきたいと思います。
私は弁護して言うわけではないのですが、この記事を読みまして、出張に女性同伴とか新聞記事も出ますけれども、そんなことはあり得ない。そういう女性を人前に出せるわけはありませんし、隠しても出張をこなす中で人目につきやすいわけであります。官房長クラスとかその上の方になりますと、出張には随行者がいるということもあると思うわけでありまして、出張そのものに同伴ということはまずあり得ないと思います。
それから、大阪のホテルとか、秘書が部屋を予約したんだろうとか、宿泊費も法務省から出ていたと思うという、これは一つの疑惑の発端となっている女性の言葉ですけれども、その根拠というのが本名で宿泊していたからというものでありまして、ここら辺は冷静に読んで非常におかしいなということは思いました。これは別に検察庁、法務省をかばって言うわけではございません。
それから一つは、私は現場の検事のことを思いまして確認したいのですが、出張をする場合、私のときは、例えばこれだけ使いましたからといって精算するのではなくて、あらかじめ規程がございまして、号俸でいくんでしょうか、このクラスの一泊であれば宿泊費もこの範囲、出張旅費もこの範囲とまとまった額を後から規程に従ってもらう、もちろん一人分なわけであります。場合によったら実は足が出る場合もあるんです。
そういう出張旅費の支給方法というものをきちっとお話しすれば、一人分以上の旅費が出ることはないということは明確だと思うんです。多分これは法務省の方でも一緒だと思うのですが、イエス、ノー、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/25
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026・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 旅費の支給方法については、先生御指摘のとおりでございます。
それから、一点だけちょっと申し上げさせていただきますと、公務に女性を同伴したかどうかという問題でございます。
結局、その前の日は休日であった、休日の行動についてはやはり私的な事項だということはいいとしても、しかし、その途中の地まで女性を同伴して、翌日は、この場合ですと大阪ですが、大阪から行っているではないか、確かに公務の命令にある日が東京ではなくて大阪じゃないかと。そうすると、ぎりぎり言いますと、大阪—東京間の運賃なんか出す必要はないんじゃないか、あるいはそれはおかしいんじゃないかという、細かい話になりますとそこまで行くのだろうと思います。
その点については、確かに出張命令を出すときにその人が現実にいる地からの旅費を計算します。ですから、出張命令者が、この前の日はあなたは大阪ですねと、では大阪から下関、下関から帰りの東京までという計算でもいいかというふうに考える場合ももちろんあるわけでございますが、この場合の出張命令は東京—下関間の往復になっております。
その点について事前に出張命令者がわかっていて、かつその経由地に比較的長く逗留するような場合はそこから出張が始まるというふうに考えられますが、この場合はたまたま前日が休みだったものですから、倫理上の問題はともかくとして、大阪までまず行っていた、それで翌日は出張命令がなされたとおり当日に大阪から下関に到着しているということでございますので、それをあえて東京—大阪間は取り消すべきだとか、あるいはそれはおかしいというふうなことは、旅費法上等からはなかなか問擬しにくいところであるのもひとつ御理解いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/26
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027・大森礼子
○大森礼子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/27
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028・橋本敦
○橋本敦君 検察官というのは、他人の非違行為を厳正に調査するという重大な職責がありますから、みずからも、言えば他の公務員以上に清廉潔白性を堅持するという重要な地位と職責があると思うんです。
今回の一連の事件は、調査の結果、服務には関係ないけれども不謹慎な状況が見られるということで、厳重注意処分にしただけでなくて辞表を受理するのが相当だという判断をされた、こういうことですね。
この問題で、どの点が具体的に不適切もしくは不謹慎というように判断せざるを得なかったのか、端的に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/28
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029・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 端的には、大きく分けますと三点あろうかと思います。今まで御質問に出ている銀座における飲食、それから二点目は、私費であるかどうかは別にしましても、女性と交際があり、かつその女性の中絶にもかかわっているというような点、それから三点目は、今私御説明申し上げましたが、出張に関して国民にあらぬ疑惑を抱かせたというような点、こういった点をトータルといたしまして、やはりぎりぎりやっていきますと、懲戒処分事由には及ばない事案と我々思いますが、しかし則定前検事長の地位あるいは検察官としての持つべき廉潔性、そういったことに照らしますとこれは看過できないということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/29
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030・橋本敦
○橋本敦君 今の三点で明らかになりましたが、まず二点目の女性との関係、親しくなってそして中絶という関係も起こって金の支払いをしたと。だから、問題の八十万というのはその解決のための支払いだということは調査の結果明らかですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/30
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031・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 御指摘の点、御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/31
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032・橋本敦
○橋本敦君 そのほか、親しい業者が三十万払っていますが、これもそれに関係する関連の費用として報道されていますが、調べましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/32
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033・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) この三十万円につきましても、やはり我々としても重大な関心を持って調査をいたしました。その結果、関係者にこの点についてもかなり詳しく聞きましたが、結論としては、その三十万円というのは女性とその支払った、記事はSと出ておりますが、この方との間での関係でありまして、払ったこと自体前検事長は知らなかったということでございますし、その知らなかった状況についてもその他の関係者からも確認がされているということでございまして、先ほど申し上げた中絶その他の八十万円の金とはまた別途の、別種の金というふうな調査結果でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/33
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034・橋本敦
○橋本敦君 その点、私はまだ調べが足らないのじゃないかと思う。
女性の方の話によれば、これで解決してくれ、おさめてくれといって渡されたというんです。だから、則定氏が知らなくても、そういう業者との親しい癒着関係が問題なんで、ここはもっと調べるべきだと思いますよ。
それからもう一つ出張の問題で、大阪まで同伴をし一夜をともにしたという問題です。これは、日曜日だからその問題については服務とは関係ない、こう言えるかというと、出張の途次ですから、出張の機会を利用して親しい女性を大阪まで連れていった、こういうことですから、全くその点で公務の出張と無関係とは言い切れない。しかも、日曜日にそういうことをすること自体、社会的、道徳的、倫理的に反する行為ですね。しかも、先ほどおっしゃったように、大阪まで行く旅費というのは全くプライベートに支払っているかといえば、出張旅費の一部で東京から大阪まで行っているわけですから、その点について厳重な調査が当然じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/34
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035・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 御指摘の点につきましては、まず道義的、倫理的な問題がある、これについては我々もそのとおりだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/35
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036・橋本敦
○橋本敦君 もう一つ重大なのは、業者との癒着の関係です。
報道されているところによりますと、則定氏は、その親しい女性のいるクラブに検事正の集まりがあった後の流れだとかということで行って、具体的に函館地方検察庁の検事正とかあるいは熊本地方検察庁の検事正とか最高検の検事だとか、そういう名刺まで出されている報道があるんです。これはうそじゃないと思うんですよ。そういう人たちをその親しい女性のいるところへ則定氏が連れていったという事実は調べましたか。調べたか、調べてないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/36
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037・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 調査しております。一部、亡くなった方もおられましたが、関係された方についてはできる限りの調査をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/37
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038・橋本敦
○橋本敦君 事実は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/38
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039・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 同期会というのはありました。確かにその雑誌に記載されているようにその二次会としてその店に十人前後で行った事実はございました。
我々としては、その支払いがどうなっているのか、重大な点でございますので、かなり詳細に調査をいたしましたが、その場で必要な金についてはそれぞれが分担して支払っているという事実が認められました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/39
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040・橋本敦
○橋本敦君 しかし、その報道された問題で私が問題にするのは、そういうような会合があったときには業者が常に一緒だったという女性の話が出ているんです。その親しい業者がそういう会合で一緒だったかどうか調べましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/40
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041・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今申し上げましたケースでは、Sとなっておりましたが、この方がおられたことは間違いございません。その人が払ったのではないかという女性の感想が書いてありますが、その点については我々も大変重大なことと受けとめましてかなり詳細に調査しましたが、そういう事実はございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/41
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042・橋本敦
○橋本敦君 支払いの事実はもっと調べてもらいたい。そういう会合に則定氏が行くときに親しくしている業者が一緒に来ているということ自体が癒着の問題として私は重大な疑惑を受けざるを得ない問題だと思いますよ。
そこで、もう一つお尋ねしたいんですけれども、国公法の九十九条にどう書いてありますか。「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」、こう書いてあるんです。明白にこの一連の行為は、不謹慎というだけじゃなくて、国公法九十九条に言うところのまさに官職の信用を傷つけ全体の不名誉となる、そういう行為だと言わざるを得ないじゃないですか。どう考えていますか。これは大臣に聞きたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/42
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043・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/43
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044・橋本敦
○橋本敦君 したがって私は、この問題は、単に個人的な行為ということにとどまらず、国公法九十九条、さらには懲戒処分を定めた八十二条の「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」に当たるのではないかということで、厳重な再調査をお願いしたいということが一つ。
そして、調査の結果は、まさに公的な検察の信頼にかかわりますから、これを公表すべきであるということが一つ。
それから最後にもう一つは、先ほども問題に出ましたが、浮気は活力であるなんというようなとんでもない発言をした堀口氏に対しては、私は法務大臣としては、これはまさに撤回し陳謝をしたということにとどまっちゃならない、やっぱりきちっとそういう発言をしたことについて厳重に注意をされるという態度をとって厳正に処理がされることを私は厳しく要求します。当然のことだと思いますが、大臣、いかがですか。この発言、このまま許していいですか。浮気は活力なんて、検察の幹部が言っていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/44
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045・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 最後に重ねて御指摘いただいた点、これは本人の真意が伝わっていないということで、先ほど事務当局からその真意を御説明したとおりでございます。
しかし、いずれにしましても、こういう立場にある人はしっかりとした自分の責任を感じて慎重に行動して言動を慎んでもらいたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/45
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046・橋本敦
○橋本敦君 いや、大臣自身が直接呼んで注意されるべきですよ。そう言っているんですよ。どうですか。当然じゃないですか。なぜやらないんですか。身内をかばうんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/46
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047・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 経過だけちょっと事務の方から申し上げますと、この発言がありまして、その直後に検事総長から注意を促したということはございます。そういうことで、本人も直ちに撤回し陳謝しているということでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/47
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048・橋本敦
○橋本敦君 いや、納得できません。大臣、もう一遍答えてください。そんなことでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/48
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049・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 直接の監督責任者である検事総長から今話したような経緯がございましたので、私としてはそれを見守っておったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/49
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050・橋本敦
○橋本敦君 大臣としてはあの発言は容認しないということは言えますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/50
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051・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 適切でなかったということは繰り返し申し上げているとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/51
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052・橋本敦
○橋本敦君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/52
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053・福島瑞穂
○福島瑞穂君 先ほど佐藤とおっしゃいましたけれども、これは佐藤章さんということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/53
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054・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/54
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055・福島瑞穂
○福島瑞穂君 熊取谷という政界フィクサーの子分であると言われていますが、検察庁はそういうふうに理解していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/55
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056・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 佐藤さん自身のさらに関連のことにつきましては、なかなか答弁が難しいことでございます。
我々が調査いたしましたのは、則定前検事長の服務上あるいはその職責上問題があるかということにつきまして我々としては徹底した調査をしたということでございますが、それに関連しない事項といいますか、そういったことについては、私ごとの範囲内あるいは関連の私的なことにあえてこういう公の場で触れるのは適切でないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/56
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057・福島瑞穂
○福島瑞穂君 先ほど松田とおっしゃったのは、肥料メーカーのしにせ、日本肥料の経営者の松田さんでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/57
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058・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) お尋ねのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/58
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059・福島瑞穂
○福島瑞穂君 調査の結果、佐藤章といつ知り合ったというふうに判明しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/59
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060・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 平成五年ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/60
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061・福島瑞穂
○福島瑞穂君 調査の結果、何回このクラブに行ってともに飲食したという結果が出ましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/61
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062・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) このクラブというと、「噂の眞相」の記事でありますと、銀座では三店指摘されております。
EとRとCという頭文字でありますが、RとCにつきましては、それぞれ一度、多くとも二度という程度でございます。この点については、調査ではSと言っておられる方は同伴していない、同席していないということでございます。Eにつきましては、回数は、何か雑誌あるいはその後の新聞報道ですと、非常に頻繁に行って、表現は悪いかもしれませんが、中には入り浸っていたというような表現を使ったマスコミ報道もございましたが、我々も注意して調べたつもりでございますが、そういったところまでは、そんな多数回ではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/62
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063・福島瑞穂
○福島瑞穂君 何回かを端的に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/63
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064・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 回数は、プライベートにわたることも含まれますので、具体的に申し上げるのはいかがかと思いますが、それほど多数でないということで御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/64
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065・福島瑞穂
○福島瑞穂君 調査結果に納得をしないんですが、大蔵省の接待は、わいろ性が認定され、本人たちは問題になりました。それに比べてやはり身内に対して甘い。調査結果は、先ほど角田先生も出してくれとおっしゃいましたけれども、調査結果が今のようなお答えだとやはり納得できません。
それで、九八年十二月号の「噂の眞相」に則定さんの人脈が載っているんですが、松田さんは若富士会という団体をつくったというふうに書いてありますが、これは事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/65
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066・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) その点も調査いたしましたが、そのような事実はございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/66
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067・福島瑞穂
○福島瑞穂君 先ほど小切手で振り出したというふうにおっしゃいました。この小切手は、だれの口座なのか、いつ開設されたのか、お金はだれが振り込んでいるのか、調査結果を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/67
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068・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今回の調査の中で、小切手が介在していたことはそのとおりでございますが、我々の調査は、一連の報道の中で、前検事長の職責にかかわること、あるいは公務に関することがあるかないかということを中心に調べておりまして、その点で口座も必要な限り詳細にチェックをいたしましたが、口座自体は私的な口座でございます。また、全く私事にわたる出入りももちろんあるわけでございまして、それ自体を公表するのはいかがなものかという判断でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/68
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069・福島瑞穂
○福島瑞穂君 現職、そしてOBの検察官に聞いても、私も検察官が小切手を持つということは聞いたことがないんです。給与生活者ですし、小切手を切る必要はない。先ほど私的な収入とおっしゃいましたけれども、公務員にどんな私的な収入があるのかと思います。
捜査は検察の本当にプロ中のプロの仕事で、お金の出入りを洗うのが非常に捜査の筋だというふうに思います。もう一度お聞きします。振り出した小切手はだれの口座でいつ開設されたのか、それも教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/69
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070・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) ちょっと訂正させていただきますと、今委員御指摘の、私的な収入とおっしゃいましたが、私は今そういうふうに申し上げたつもりはございません。要するに、私的な口座であるということを申し上げました。つまり、公務と全く関係ない口座ということでございます。
それで、女性に対してこの関係で使われた小切手は、則定衛名義でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/70
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071・福島瑞穂
○福島瑞穂君 その口座は東京相和銀行でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/71
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072・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今確認しましたが、その金融機関ではないということでございます。この点をあえて申し上げますと、東京銀行ですね、今の東京三菱銀行でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/72
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073・福島瑞穂
○福島瑞穂君 その口座は則定さんの給与が振り込まれている口座ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/73
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074・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) その点になりますと、先ほど申し上げましたように、出入り関係のほとんどは全くプライベートな領域の話というふうに我々の調査結果で認められるということでございます。したがいまして、どういう出入りがあって、それはどういう性質のものかというのに立ち入ることは適当でないと思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/74
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075・福島瑞穂
○福島瑞穂君 細かい私的なお金の出入りを聞いているのではありません。ちょっと私が想像するに、可能性として、本来給与が支払われる妻が握っている口座と、それからもしかしたらタニマチと言われる人たちから振り込まれる口座と、二つ持っていらした可能性がゼロではないかもしれないというふうに思いまして、給与が振り込まれる口座と同じだったかだけお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/75
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076・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 私どもも、この口座を調査する際の関心といいますか、調査事項の一つが、今委員御指摘のような内容の事実があるのかないのか、つまり、公務に関連するか否かを問わずそういう一定の援助を受けるというようなことで振り込まれた口座があるのかないのかということにつきましては注意をして調査をいたしました。その結果は、先ほど申し上げましたように、服務上あるいは職責上問題とすべきだというようなものはなかった。その点については、委員御指摘のように、我々の調査手法の中で最大限やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/76
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077・福島瑞穂
○福島瑞穂君 給与と同じ口座だったかだけお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/77
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078・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) その点も具体的な出入りにかかわることでございますので、なかなかお答えしにくいのでございますが、あえて申し上げますと、口座は違うということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/78
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079・福島瑞穂
○福島瑞穂君 給与とは違う口座があって、そこから小切手が、要するに支払い場所になっているわけですね。そうすると、そこの口座の資金源は何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/79
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080・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) それもお答えが大変難しいんですが、先ほど言いましたように、そこらあたりになりますと全く私的な領域でございます。また、その中で、先ほど申し上げましたように、今回のケースに関連して我々が問題にしなければならないということは調査結果にはありませんでしたので、その点についてはちょっと御答弁いたしかねるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/80
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081・福島瑞穂
○福島瑞穂君 検察官は公務員ですから、私的なお金があるということは理解ができないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/81
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082・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 一般論としてお聞きいただきたいと思いますが、いろいろな口座を個人は持ちます。それが、例えば給与の振り込まれる口座から何がしかの金をおろして原資にすることもございます。あるいは家計の収入の中、あるいは当該個人の資産の中から一定のものを口座の原資としてそれを動かしていく場合もございます。さまざまでございまして、個人が私的なそういう口座、小切手を振り出せるような口座を持つことが、そう見られることではないというとそれはそうかもしれませんが、現実にはあるわけでございまして、そこらあたりはなぜかと聞かれると、やはりそれは私的な領域の話というふうにお答えせざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/82
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083・福島瑞穂
○福島瑞穂君 接待が問題になっているわけですから、それはもう私的な領域ではなく、もしこれが大蔵、厚生であれば検察は頑張って捜査をされると思います。それに比べてそこがやはり不透明なので、私たち委員は何かあるのじゃないかと逆に非常に疑惑を感ずるわけです。調査結果についてぜひ、公表されないと逆にこちらとしては疑惑を高めますので、よろしく。
そして最後に、時間をオーバーしておりますが、一言だけ。
堀口次長検事の浮気は活力だ発言は本当にひどい差別だと思います。女性を対等なパートナーと見ずに活力源としか見ないわけですから、やはりその人権意識、特に男女平等意識がないということを図らずも露呈されてしまったのではないかという気がいたします。
法務省は今人権教育の審議会をやっていらっしゃいますので、トップの人権教育、とりわけ男女平等教育がもう緊急に必要だと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/83
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084・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) ただいまの御質問の前提は、浮気が検事の活力源だ、検察の活力源だという前提に立っておられますが、次長の発言についての報道ぶりはまさにそうなっております。ただ、実質的な発言といいますかそういうものは、先ほど当初に申し上げましたとおり、検察官が身辺のことについてあれこれ気にする余り萎縮する、検察官はそういうことがないように身を律している、それが検察官の活力になるのだ、その身の律し方が活力になるのだという趣旨で言いまして、浮気がイコール活力だと、これはさすがに次長検事といえどもそういう意図は全くなかったということはぜひ御理解いただきたい。
ただ、発言そのものがそういう誤解を招きかねないような趣旨あるいはそういうことになった点は次長も反省しておりまして、撤回しておりますし、ぜひそういうことで御理解いただきたい。
また、女性をべっ視するような発言をしないようにということはもう当然のことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/84
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085・福島瑞穂
○福島瑞穂君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/85
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086・平野貞夫
○平野貞夫君 私ごとに係ることとはいえ、各先生方御指摘のように、今回のことは不謹慎、不適切なことでございまして、法務大臣も大変きちっとした対応をなされて、検事総長が厳重注意されたということにつきましては私はそれでよかったと思っております。
ただ、この問題には二つの側面があるのではないかと私は思います。
一つは、「噂の眞相」に書かれた内容がどこまで真実でどこまで虚実かということを明確にすること。それから、率直に言いまして、業者と飲食をともにしたという行為が非常に問題にされておりますが、確かに問題だと思います、大変重責の立場の方でございますので。むしろ、特に今固有名詞が出されております佐藤章さんとか熊取谷さんという人はとかくいろいろ社会的に話題になっている人たちでございまして、業者と飲食をともにして何か利益を得たというような問題ではなくて、逆にその方たちが特定の目的を持って接触をして、そして時間をかけて「噂の眞相」というメディアを経由して大朝日新聞がそれを書くということによって何か別のねらい、堀口さんは謀略新聞という表現を使っていたようでございますが、そういう問題というか背景のこともあると思います。
決して則定さんの行為を私は擁護するものではございません。重責の立場で懐が甘いといいますか、そういう自分の立場、まあはめられたといいますか、そういうことに対する道義的責任はあると思いますが、調査の中でそういう点についてどのような御所見か、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/86
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087・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今、委員の御質問の中にありましたような、正直言いましてさまざまな思いが、法務・検察、特に私個人にとってもございます。
しかし、そういった問題以前に、先生御指摘のとおり、重責にある検察官がこういう報道の対象になるということ、それが職責あるいは職務上関連のあることになるのかという国民に大変な疑惑を持たれること、このこと自体我々としてはまず重大に受けとめまして、その真相を解明する、事実関係についてそこを徹底的に調査するということで徹底してまいったつもりでございます。そのほかいろいろなそれぞれの感想が構成員が多数の中ではあるかと思うのですが、やはりその点は真摯に受けとめて、その点が重要だというふうに我々は理解して調査したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/87
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088・平野貞夫
○平野貞夫君 その点はよくわかります。
他の先生方と違った角度で私は質問するわけでございますが、則定さんは、司法制度の改革とか司法試験の改革あるいは法務行政のあり方について非常に真摯に仕事をされた方で、人格、見識も大変立派な方でございます。誤解のないように申し上げておきますが、あの方は前尾法務大臣の秘書官をされておりまして、ちょっと間を置いて前尾衆議院議長の秘書を私がやった関係で約三十年近いおつき合いをしております。例えば公私の混同とかそういうことで報道されて、言われているようなことは私はやる人ではないということを信じております。法務省の役人さんとして政治とのけじめも大変きちっとつけて、私にすれば極めて有能な方だったと思って、御本人のわきの甘さが原因でしょうけれども、こういうことになったことについては私は友人の一人として非常に残念に思っておるのです。
それにしても、「噂の眞相」という、とかく私たちもいろいろな影響を受けたことのあるメディアがキーマンになって、本人の不徳が原因とはいえ、職責を持っている、見識を持っている有能な人物が朝日新聞というメディアを通して社会的に葬られていくという現在の日本の社会構造に私は非常に危機を感じています。法務当局にそういうことを調べろということは言いませんが、そういう一種の日本の今の社会的病根の問題も一つあるということを大臣もどうかひとつ御認識いただきたいということです。
なぜ私が具体的に朝日新聞という名前を言うかといいますと、私自身が謀略に陥れられて、社会的信用を回復するのに五、六年かかったという問題があるからでございます。
ジョン万次郎財団をつくって日米の草の根の人の交流をやろう、真に日米関係をいいものにしようという運動で金集めをして、その金集めで国会議員になったとか、それで政党をつくったとかということを朝日新聞だけではないですけれどもさんざん書かれて、それをもとに国会でどんどん質問されて、私は一つそういうマスコミのいわば暴力の被害者の経験があります。
今回の問題は本人に原因があるとはいえ、私的なこととはいえ、余りにもやっぱり不自然な展開であった。お互いに、役所の方もそういう点については身を正さなきゃいけませんし、国会側もそういうことについてはけじめをつけねばいかぬと思います。やはりきょうもマスコミの人がたくさんお見えになっておるんですけれども、僕にしてみれば余りにも残念な事件で、何とかもう再びこういうことがないように、とかく検察という職責は政治的にもあるいは経済的にもかなり利用し利用されというようなものがあるようですので、この問題を契機にぜひひとつそういうことのないような検察行政を要請しておきます。
それから、これは私の要望でございますが、ぜひ法務省としても、私は最初から佐藤章なる人物が接触していって計画的にシナリオをつくって、この有能な法務官僚を利用しよう、ある時期になったらそれをまた云々という、もう初めからそういうシナリオがあったものだというふうに推測しておりまして、そういったことについてもやっぱりほかの先生方の調査も含めてそういう面での調査もひとつ要請しておきます。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/88
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089・中村敦夫
○中村敦夫君 今回の問題は女性スキャンダルというプライベートな問題を発端に出てきてこれだけ大きくなった原因というのは、その背景にある政官財癒着という構造が見えてきたからであると私は考えております。
検察幹部の交友関係についてちょっとお聞きしたいんですけれども、検察幹部と民間業者の親睦団体である花月会というものがあります。これは実質的には住友銀行グループと取引業者、こういう人たちがスポンサーになっているわけです。このグループは構造的にいうともう大蔵省官僚の接待グループとダブっているというところに今回の問題の本質があるんではないかと私は考えておるんです。
則定さんはノンバンクのECC元会長の中岡信栄さんとの交流があったという報道がありますけれども、これは事実なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/89
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090・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) その点は事実と相違しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/90
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091・中村敦夫
○中村敦夫君 では、全然関係はないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/91
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092・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/92
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093・中村敦夫
○中村敦夫君 それで、則定さんを中心にバックアップをしたいというファンといいますか取り巻きといいますかそういう人々の中で、花月会にも出入りしていた通産省官僚のスポンサーと言われていた石油卸商の泉井純一さん、この人とも交流があったと言われています。こういう人間関係によって、通産官僚の汚職の問題というのは一度大きく持ち上がったけれども追及があいまいになって打ち切られたという経緯がありますが、これはかなりこの交友が影響したのではないかと言われておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/93
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094・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 当初の雑誌の記載にそのような表現がございました。我々としてもその点の事実関係は重大なことと受けとめまして調べましたが、先ほどの中岡という人あるいは泉井という人と前検事長との交友は一切ありませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/94
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095・中村敦夫
○中村敦夫君 則定さんの女性問題と接待に関連している業者で佐藤章さん、この方はパチンコ業界の実力者なわけですけれども、パチンコの企業である藤産業というのがありまして、ここに国税の調査が入るということで、それが寸前でとまったということは、やっぱりこの検察官僚と大蔵官僚のスポンサーというのがつまり一緒だったんじゃないか、ですからこういうことになったんじゃないかということに関していかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/95
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096・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今お尋ねのような事実関係は今回の件では認められなかったということを申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/96
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097・中村敦夫
○中村敦夫君 この佐藤章さん、この人はイトマン事件の疑惑に登場した熊取谷稔氏が経営するコスモ・イーシー社の役員だったわけですけれども、則定さんと熊取谷さんとの関係というものはどういうふうになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/97
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098・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 佐藤さんがいかなる人脈をお持ちか、あるいはいかなる交友関係をお持ちかということは全く佐藤さんの私的なことでございます。問題は、前検事長がそこらあたりの認識がどうだったかというのは確かに関係することとは思いますが、その熊取谷と言われる方と佐藤さんが交流があるということについては全く認識はなかった、あるいはそういう事実関係については承知していなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/98
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099・中村敦夫
○中村敦夫君 私は、検察庁の人々がどこへ出入りしようと銀座で飲もうと、それは自由だと思うんです。基本的には、所管の業者ともし話をする必要がある場合は、これは普通の場所で日中、省庁でもいいですから、そういうところできちっと内容の話をすべきであって、接待的な場所でやるということは大変まずいと思うんですが、どうでしょうか。これはずっと続いているんです。それで、そうそうたる法務官僚や検察官僚の名刺がクラブにあるわけですから、これはちょっとまずいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/99
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100・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 今回の報道でも業者とか関係業者というような表現があります。それだけ聞きますと、あたかも法務省あるいは検察庁の職務に関することについての業者というような雰囲気が出るわけでございますが、今回の調査の中で、そういった点で業者と言われる方はいなかったということでございます。
また、名刺の点でございますが、同期会をこの雑誌に掲載されたクラブで二次会としてやったことはありますが、検察官の名刺はその際使われたものということがいろいろな調査で明らかになっております。そういった名刺を使うことの是非等さらに御疑問もいろいろあるかもしれません。しかし、事実関係はそういうことでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/100
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101・中村敦夫
○中村敦夫君 しかし、こうしたクラブの値段というのはとんでもない値段なんです。私は芸能界出身ですからもう数え切れないほど行っておりまして、個人で払えるようなスケールの値段ではありません。三人で行ったとしても、どんなに安くても二十万以下で行けるというような場所ではないんですから、これが全部ポケットマネーでお役人さんが行けるということはあり得ないと思うんです。ですから、こうしたときにはやはりだれかが払っているというのがもう当たり前というんですか、今までのケースである。事実私もたくさんのお役人さんを知っていて事実は知っておりますけれども、検察に限ってはやはりほかの省庁より相当に倫理というものが要求される場所なんです。
ですから、どうなんでしょうか、会計予算として検察には交際費というのはあるんでしょうか。例えば則定さんの地位で特別枠とかというものは計上されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/101
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102・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) 会計の費目の中には確かに御指摘のように交際費というものはございます。それで、世間一般から、役人が交際費があるということになると、しかも今回の一連の報道などとそれがドッキングしますと、何かべらぼうな額の交際費をそれぞれ持っておるんじゃないだろうかというふうな感覚が生まれかねないので、あえて申し上げますと、例えば東京高等検察庁の一年間の交際費は幾らかといいますと、十万円ちょっとでございます。
これは何に使うのかということでございますが、やむを得ない慶弔費の支出等でございまして、これもほとんどが私的に出す領域の話ですが、やむを得ず公務で出す場合をこの十数万円の中からやっているということでございまして、何十万とか何百万というスケールの話でない点はぜひ誤解がないようにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/102
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103・中村敦夫
○中村敦夫君 私はその方が不自然だと思っているんです。つまり、どういう形の親睦会かというのはいろいろ形が違うと思うんです。まあみんな省内で一杯やろうかと、親方さんが連れていってというようなこともありますね。そういうケースもあるし、あるいは非常に何か勉強になる人たちと和気あいあいとどこかで一杯飲みたいというようなケースもあります。ですから、それに応じた良識のあるお金の設計の仕方、予算の設計の仕方が必要だと思うんです。十万円でやっていけるわけはないですよ。それはもっとちゃんとそういう予算をとって明白に報告してやると。
ですから、予算がないからこそ、こうやってわけのわからない人たちが出てきてべらぼうな金を払って接待する、それでかたいお役人さんたちは余り行ったことがないので、偉くなってからそういうところへ行くからびっくりしておかしくなっちゃうというケースが多いわけです、これ大蔵省の例なんか見ても。やっぱり若いときからある程度の世の中が見えるような、そうした行動がこそこそしないでできるようなシステムをつくられることを私は勧めたいんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/103
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104・松尾邦弘
○政府委員(松尾邦弘君) いずれにしましても、検察官という職責を考えますと、世間の人から疑惑を持たれるようなこと、これが仮に私的な領域のつき合いということでございましても、その点については人一倍配慮すべきである。中村委員が御指摘の点もまさにそこにあるんだろうと思いますが、それは今回のことも含めまして肝に銘じていくべきことかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/104
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105・中村敦夫
○中村敦夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/105
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106・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/106
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107・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 次に、外国人登録法の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
政府から両案について順次趣旨説明を聴取いたします。陣内法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/107
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108・陣内孝雄
○国務大臣(陣内孝雄君) 初めに、外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
外国人登録法に基づく指紋押捺制度については、これまで累次にわたり指紋押捺義務を緩和するための改正が行われてきたところであります。
平成四年の外国人登録法の改正において、永住者及び特別永住者について指紋押捺制度を廃止しましたが、同改正案の御審議の際、衆議院及び参議院の法務委員会において、指紋の押捺を含む外国人登録制度のあり方についてさらに検討するようにとの附帯決議がなされており、その御趣旨を踏まえ検討を進めてきたところ、同改正により永住者及び特別永住者について指紋押捺制度にかえて導入した署名及び家族事項の登録という同一人性確認手段は、その後六年余りを経て特段の問題も生じておらず、かかる確認手段はそれなりに定着しているものと認められます。
他方において、諸外国、特に先進国において指紋押捺制度を採用している国は少なく、また、外国人登録事務を実施している地方自治体から、事務の合理化などの観点から、指紋押捺制度の廃止についての要請が出されているところであります。
この法律案は、以上のような状況を踏まえ、現在指紋押捺義務が課されている外国人について指紋押捺制度を廃止し、これにかえて署名及び家族事項の登録を導入するとともに、登録原票についてその管理に関する規定の整備及び一定範囲の開示制度を新設し、あわせて外国人の負担軽減及び事務処理の簡素化を図るため、外国人登録法の一部を改正することを目的とするものであります。
次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。
第一は、現在指紋押捺義務が課されている外国人についても、指紋押捺を要しないものとするとともに、永住者及び特別永住者と同様の署名及び家族事項の登録という同一人性確認の手段を採用することとするものであります。
第二は、登録原票の管理に関する規定を整備するとともに、原則として非開示としている登録原票について、一定の範囲でその開示を認める旨の規定を新設するものであります。
第三は、永住者及び特別永住者について、登録事項のうち、「職業」及び「勤務所又は事務所の名称及び所在地」を登録原票に登録することを要しないこととするものであります。
第四は、永住者及び特別永住者について、確認期間、すなわち登録証明書の切りかえ期間を現在の五回目の誕生日から七回目の誕生日に伸長することであります。
第五は、居住地、在留の資格、在留期間等に係る変更登録申請については、外国人の同居の親族も当該外国人にかわって代理申請をすることができるよう代理申請の範囲を拡大することとするものであります。
以上が外国人登録法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
続きまして、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
平成九年に集団密航を助長、援助する行為等の処罰を内容とする出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律の御審議をいただき、同年に同法を施行したところでありますが、一時減少するかに見えた不法入国者は、その後再び増加傾向に転じております。また、退去強制された外国人がその後再び入国し、不法残留等により再度退去強制される事例も増加しており、これらの状況に早急に対応する必要が生じております。
他方、政府を挙げて推進されている規制緩和方策の一環として、我が国に正規に在留する外国人の負担軽減を図る観点から、入国、在留の手続の簡素化を可能な限り実施する必要があります。
この法律案は、以上に述べた状況にかんがみ、不法入国または不法上陸後本邦に不法に在留する行為及び被退去強制外国人の再度の入国に対し適正かつ厳格に対処するとともに、正規に在留する外国人の再入国許可の有効期間を緩和するため、出入国管理及び難民認定法の一部を改正することを目的とするものであります。
次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。
第一は、不法入国または不法上陸後に我が国に不法に在留する行為に対する罰則の新設であります。
近年、我が国での不法就労活動を目的として船舶により集団密航するなどし、その後我が国に不法在留している不法入国者や不法上陸者が激増しており、その不法在留行為は、適正な出入国管理の実施を妨げているのみならず、我が国の社会、経済、治安等に悪影響を及ぼしております。しかし、現行の出入国管理及び難民認定法においては、在留期間を経過して我が国に不法に残留する行為に対する罰則は存するものの、不法入国または不法上陸後に我が国に不法に在留する行為を直接の処罰対象とする罰則は設けられておらず、その取り締まりに支障を生じていることから、罰則の整備を図ることとするものであります。
第二は、被退去強制者に対する上陸拒否期間の伸長であります。
近年、不法残留等我が国から一たん退去強制された外国人がその後再び本邦に入国し、不法残留等により再度退去強制されるという事例が増加しており、こうした状況に適正に対応するため、被退去強制者に対する上陸拒否期間を現在の一年から五年に伸長することとするものであります。
第三は、正規在留者に対する再入国許可の有効期間の伸長であります。
在留資格を得て正規に在留する外国人に対する再入国許可の有効期間については、現在一年を超えない範囲内で決せられることとされております。ところで、昨今、我が国への投資や企業経営等を目的として在留する外国人や日本人と婚姻し我が国に在留する外国人など、我が国に長期間在留する外国人が増加しており、これらの外国人が我が国と諸外国との往来に必要な再入国許可に係る申請手続を簡素化し、あわせて事務の合理化を図るため、再入国許可の有効期間を三年を超えない範囲内に伸長するものであります。
以上が出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/108
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109・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/109
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110・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
外国人登録法の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/110
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111・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/111
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112・荒木清寛
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515206X00519990415/112
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