1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年五月二十五日(火曜日)
午後零時十分開会
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委員の異動
五月二十日
辞任 補欠選任
但馬 久美君 日笠 勝之君
五月二十一日
辞任 補欠選任
足立 良平君 川橋 幸子君
松田 岩夫君 小宮山洋子君
日笠 勝之君 但馬 久美君
菅川 健二君 高橋紀世子君
五月二十四日
辞任 補欠選任
高橋紀世子君 山崎 力君
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出席者は左のとおり。
委員長 吉岡 吉典君
理 事
田浦 直君
溝手 顕正君
川橋 幸子君
笹野 貞子君
山崎 力君
委 員
大島 慶久君
斉藤 滋宣君
鈴木 政二君
中島 眞人君
今泉 昭君
小宮山洋子君
谷林 正昭君
但馬 久美君
山本 保君
市田 忠義君
大脇 雅子君
鶴保 庸介君
委員以外の議員
発議者 吉川 春子君
衆議院議員
労働委員長 岩田 順介君
国務大臣
労働大臣 甘利 明君
政府委員
労働省職業安定
局長 渡邊 信君
事務局側
常任委員会専門
員 山岸 完治君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部
を改正する法律案(第百四十三回国会内閣提出
、第百四十五回国会衆議院送付)
○職業安定法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部
を改正する法律案(吉川春子君外一名発議)
○職業安定法等の一部を改正する法律案(吉川春
子君外一名発議)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/0
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001・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日までに、足立良平君、松田岩夫君及び菅川健二君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君、小宮山洋子君及び山崎力君がそれぞれ選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/1
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002・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
谷林正昭君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/2
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003・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/3
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004・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に川橋幸子君、笹野貞子君及び山崎力君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/4
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005・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(第百四十三回国会閣法第一〇号)、職業安定法等の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(参第一八号)及び職業安定法等の一部を改正する法律案(参第一九号)(いずれも吉川春子君外一名発議)、以上四案を一括して議題といたします。
まず、内閣提出、衆議院送付の両案について趣旨説明を聴取いたします。甘利労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/5
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006・甘利明
○国務大臣(甘利明君) ただいま議題となりました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年における社会経済情勢の変化を背景として、労働者の就業形態や就業意識の多様化が進んでおり、労働力の多様なニーズに対応した需給の迅速かつ的確な結合を促進し、適正な就業の機会の拡大を図ることが必要であります。
また、一昨年六月のILO総会において労働者派遣事業を含む民間の労働力需給調整事業の運営を認めること及びこれを利用する労働者を保護することを目的とする第百八十一号条約が採択されたところであります。
このような状況のもとで、ILO第百八十一号条約の採択により労働者派遣事業についての新たな国際基準が示されたことを踏まえるとともに、社会経済情勢の変化への対応、労働者の多様な選択肢の確保等の観点から、中央職業安定審議会において労働者派遣事業制度の見直しについて検討が重ねられ、昨年五月に、臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策としての労働者派遣事業制度の実施及び派遣労働者の適切な就業条件の確保を図るための措置を講ずるべき旨の建議をいただいたところであります。
政府といたしましては、この建議を踏まえ、本法律案を作成し、中央職業安定審議会等の関係審議会の審議を経て成案を取りまとめ、ここに提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、労働者派遣事業の対象業務の範囲について、港湾運送業務、建設業務、警備業務その他中央職業安定審議会の意見を聞いて定める業務を除いた業務をその対象業務とすることとしております。
第二に、許可等の手続等について、許可の申請書等の記載事項及びその変更の際の手続を簡素化するとともに、許可等の欠格事由として社会保険、労働保険等に係る法律の規定により罰金の刑に処せられ一定の期間を経過しない者を追加することとしております。
第三に、労働者派遣の期間について、臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策として労働者派遣事業制度を位置づける観点から、専門的な知識、技術または経験を必要とする業務等のうち中央職業安定審議会の意見を聞いて定める業務等を除き、派遣先は、同一の業務について一年を超える期間継続して労働者派遣を受けてはならないこととしております。また、労働大臣は、この労働者派遣の期間の制限に違反している者に対し、指導・助言をした場合において、なおそれに違反し、または違反するおそれがあるときは、勧告・公表をすることができることとしております。
第四に、派遣先は、一年を超える期間継続して労働者派遣を受けてはならないこととしている業務に継続して一年間労働者派遣を受けた場合において、引き続きその業務に従事させるため労働者を雇い入れようとするときは、当該派遣労働者を雇い入れるよう努めなければならないこととしております。
第五に、派遣先は、派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所、給食施設等の利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
第六に、派遣労働者の適正な就業条件の確保を図るため、派遣元事業主等のその業務上知り得た秘密の漏えいの禁止、労働大臣に対する申告を理由とした不利益取り扱いの禁止、労働者派遣事業適正運営協力員の委嘱等の措置を講ずることとしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
続いて、職業安定法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年における急速な産業構造の変化や国際化、労働者の就業意識の変化等の社会経済の構造変化に伴い、労働力需給に係るニーズは大きく変化してきております。また、一昨年六月のILO総会において、職業紹介事業を含む民間の労働力需給調整事業に関する新たな国際基準として、これらの事業の運営を認めること及びこれを利用する労働者を保護することを目的とする第百八十一号条約が採択されたところであります。このような状況及び現下の厳しい雇用失業情勢のもとで、労働者の雇用の安定を図っていくためには、労働力需給のミスマッチを解消し、失業期間の短縮が図られるよう、労働市場のルールの整備充実とその履行確保を行っていくことが重要であります。
このような観点に立って、中央職業安定審議会において職業紹介事業等に関する法制度のあり方について検討が行われ、本年三月に、公共及び民間の各機関がその特性、活力等を生かし、労働力の需給調整を円滑、的確に行えるようにするとともに、労働者の保護が十分に確保されるよう、職業安定法等の改正を行う必要がある旨の建議をいただいたところであります。
政府といたしましては、この建議を踏まえ、本法律案を作成し、中央職業安定審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一は職業安定法の改正であります。
その一として、法律の目的の規定に、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等を追加することとしております。
その二として、公共職業安定所及び職業紹介事業者等は、事業目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集、保管、使用し、これを適正に管理するために必要な措置を講じなければならないこととするとともに、賃金、労働時間といった基本的労働条件等の明示は文書により行わなければならないこととしております。
その三として、有料職業紹介事業について、港湾運送業務につく職業、建設業務につく職業その他命令で定める職業を除き、労働大臣の許可を受けてこれを行うことができることとするとともに、許可の有効期間を、現行の一年を新規三年、更新五年に延長することとしております。また、無料職業紹介事業の許可の有効期間を現行の三年を五年に延長することとしております。
その四として、通勤圏外からの直接募集に係る届け出を廃止するとともに、委託募集従事者に対する報償金に係る許可制を見直し、認可制とすることとしております。
その五として、公共職業安定所の業務として、求職者への情報提供、地方公共団体、労使団体等の協力による求人または求職の開拓、公共職業能力開発施設等との連携及び職業体験機会の付与等の措置の実施について新たに規定を設けることとしております。
その他、職業安定機関と職業紹介事業者等の協力、有料職業紹介事業に係る手数料制度の改正、職業紹介責任者の選任義務、有料職業紹介事業者等の秘密を守る義務、求職者等からの労働大臣に対する申告制度、罰則の整備等所要の整備を行うこととしております。
第二は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の改正であり、派遣元事業主による労働者の個人情報の取り扱いについて、職業安定法の改正内容に準じた規定を設けることとしております。
第三は、建設労働者の雇用の改善等に関する法律の改正であり、労働省令で定める区域に係る直接募集について通勤圏の内外を問わず届け出を要することとする等所要の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/6
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007・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) この際、内閣提出、衆議院送付の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院労働委員長岩田順介君から説明を聴取いたします。岩田順介君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/7
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008・岩田順介
○衆議院議員(岩田順介君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。
その修正の趣旨は次のとおりであります。
第一に、一般労働者派遣事業の許可の基準として、個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていることを追加することとしております。
第二に、派遣元事業主は、派遣期間の制限の対象となる業務について、労働者派遣を受けようとする者から期間の制限を超えることとなる最初の日の通知がないときは、当該労働者派遣契約を締結してはならないこととしております。
第三に、労働者派遣を受けようとする者は、派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならないこととしております。
第四に、派遣元事業主は、派遣労働者の健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者の資格取得等の確認の有無に関する事項を派遣先に通知しなければならないこととしております。
第五に、派遣元責任者の業務として、派遣労働者等の個人情報の管理に関することを追加することとしております。
第六に、男女雇用機会均等法の適用に関し、職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮並びに妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置の規定については、派遣労働者の就業に関して、労働者派遣を受ける者もまた、その労働者を雇用する事業主とみなして適用することとしております。
第七に、労働大臣は、派遣先が派遣期間の制限に違反し、かつ、派遣労働者が派遣先に雇用されることを希望している場合において、派遣先に対し、派遣労働者を雇い入れるよう指導・助言をしたにもかかわらず、当該派遣先がこれに従わなかったときは、当該派遣労働者を雇い入れるように勧告・公表することができることとしております。
第八に、派遣期間の制限の対象となる業務について、派遣先が派遣期間の制限を超えることとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行った派遣元事業主に対し、所要の罰則を科することとしております。
第九に、施行期日を、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日とすることとしております。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/8
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009・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 次に、吉川春子君外一名発議の二案について、発議者から趣旨説明を聴取いたします。吉川春子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/9
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010・吉川春子
○委員以外の議員(吉川春子君) 提案者を代表して、ただいま議題となりました労働者派遣事業法改正案並びに職業安定法改正案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
労働者派遣事業は、本来、職業安定法第四十四条によって禁止されている労働者供給事業です。これが十三年前、専門的かつ臨時的な業務に限り、労働大臣の許認可を経て、労働者派遣事業という名で解禁されました。
私たち日本共産党は、派遣事業が公認されるときから、これは、労働基準法が禁じる中間搾取を容認するものであり、労働者の団結権を奪い、正規雇用に取ってかわって、極めて不安定かつ無権利な労働者を大量に生み出さざるを得ないことを指摘してきました。
その結果はどうか。労働省の調査でも派遣労働者の数は八十六万人に達し、この周辺にはその数倍にも達する違法な派遣や派遣類似の労働者の群れをつくり出しました。現在の深刻な不況のもとでは、丸ごと従業員を派遣会社に転籍させ、そこから派遣労働者として派遣させて使うなど、リストラの手段とされている事例もあらわれています。
これらの労働者の置かれた状態を見てみますと、労働省の調査でも、民間の労働組合や有志の調査、電話相談でもほとんど共通して、契約の一方的中途解除、賃金未払い、社会保険、労働保険への未加入、プライバシーの侵害、暴露、個人情報の大量の横流しなど、いわゆる常用労働者においてはほとんど見られない権利侵害が蔓延しているのであります。
一昨年採択されましたILO百八十一号条約及びこれを補完する百八十八号勧告は、こうした無権利状態からの労働者の保護を強く求めるものでありました。
本改正案は、ILO条約及び勧告の要請を満たし、我が国の派遣労働者の無権利状態を是正するために、事業法としての性格を強く持つ現行法を、文字どおり派遣労働者保護法に改正しようというものであります。その原則は、第一に、政府案とは違って、あくまで派遣労働は職安法第四十四条の例外であり、直接雇用を原則とすること、第二に、現行派遣労働の範囲を現状以上に広げず、縮小の方向で検討すること、そして第三に、派遣労働者の保護措置を抜本的に拡充することとしております。
次に、改正案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、法律の名称及び目的に派遣労働者の保護を明確にうたいました。
第二に、正規雇用の代替を許さないために、特定企業へ専ら派遣する場合の定義を厳格にした上で、禁止することといたしました。また、人員削減を行った事業場には一年間の派遣受け入れの制限を定めました。
第三に、直接雇用原則を明確にするために、同じ派遣労働者を一年以上使用した場合や、直接面接をして採用した場合、さらに、派遣会社に転籍させて派遣労働者として受け入れた場合には、いずれも派遣先に直ちに直接雇用を義務づけることといたしました。
第四に、派遣労働者の保護を図るための具体的な施策を定めました。その主なものを申し上げますと、派遣契約の中途解除を理由とした派遣元との労働契約解除の禁止、賃金や福利厚生施設の利用など派遣先労働者との均等待遇の確保、社会保険、雇用保険加入について、派遣先の連帯責任の明確化、個人情報の収集制限、開示及び是正請求権の付与など個人情報保護措置の具体化、派遣先に団交応諾を義務づけるなど労働基本権確立の措置、時間外協定の派遣先での締結、セクハラについての派遣先責任の明確化などであります。これらの措置を実効あるものにするために、本法に基づく労働大臣への申告権を派遣労働者及びその他の労働者に保障することとしております。
第五に、派遣の中でも弊害の多いいわゆる登録型については、本法施行後三年の経過を見て、廃止することとしております。
第六に、製造業の現場で蔓延している請負に名をかりた脱法的な派遣を禁止するために、派遣と請負の区別を法律上明確にすることといたしました。
最後に、職業安定法改正案について御説明申し上げます。
労働者派遣法を改正して保護措置を強化しても、その実効性を確保する措置がなければ法改正の効果は十分には発揮できません。したがって、職業安定法を改正して、職業安定法及び派遣労働者保護法の実施にかかわって、職業安定監督官を新たに設けることといたしました。職業安定監督官には、労働基準監督官と同様、刑事訴訟法に基づく司法警察権限を与え、違法事例の摘発を行わせ、これによって法の厳格な執行が可能となると考えております。
なお、この法律は平成十二年一月一日から施行することとしております。
以上、法律案の提案理由及び内容の概要について御説明を申し上げました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/10
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011・吉岡吉典
○委員長(吉岡吉典君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明の聴取は終わりました。
四案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114515285X00919990525/11
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