1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十二年四月二十八日(金曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 中山 成彬君
理事 伊藤 達也君 理事 小林 興起君
理事 河本 三郎君 理事 山本 幸三君
理事 大畠 章宏君 理事 吉田 治君
理事 久保 哲司君 理事 吉井 英勝君
小野 晋也君 奥田 幹生君
奥谷 通君 粕谷 茂君
木村 勉君 小島 敏男君
古賀 正浩君 河野 太郎君
桜井 郁三君 新藤 義孝君
菅 義偉君 田中 和徳君
竹本 直一君 中野 清君
中山 太郎君 古屋 圭司君
細田 博之君 御法川英文君
茂木 敏充君 森田 一君
山口 泰明君 家西 悟君
奥田 建君 島津 尚純君
中山 義活君 半田 善三君
藤村 修君 赤羽 一嘉君
西川 知雄君 藤田 スミ君
青山 丘君 小池百合子君
松浪健四郎君 塩田 晋君
北沢 清功君
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通商産業大臣 深谷 隆司君
経済企画政務次官 小池百合子君
通商産業政務次官 細田 博之君
通商産業政務次官 茂木 敏充君
政府参考人
(環境庁水質保全局企画課
長) 長尾梅太郎君
政府参考人
(厚生省生活衛生局水道環
境部長) 岡澤 和好君
政府参考人
(農林水産省畜産局長) 樋口 久俊君
政府参考人
(林野庁長官) 伴 次雄君
政府参考人
(通商産業省環境立地局長
) 中島 一郎君
政府参考人
(通商産業省基礎産業局長
) 岡本 巖君
政府参考人
(通商産業省機械情報産業
局長) 太田信一郎君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官) 河野 博文君
政府参考人
(建設省建設経済局長) 風岡 典之君
政府参考人
(建設省都市局長) 山本 正堯君
商工委員会専門員 酒井 喜隆君
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委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
岡部 英男君 菅 義偉君
粕谷 茂君 河野 太郎君
小島 敏男君 木村 勉君
村田敬次郎君 御法川英文君
渋谷 修君 奥田 建君
山本 譲司君 家西 悟君
金子 満広君 藤田 スミ君
小池百合子君 松浪健四郎君
同日
辞任 補欠選任
木村 勉君 小島 敏男君
河野 太郎君 粕谷 茂君
菅 義偉君 岡部 英男君
御法川英文君 村田敬次郎君
家西 悟君 山本 譲司君
奥田 建君 藤村 修君
藤田 スミ君 金子 満広君
松浪健四郎君 小池百合子君
同日
辞任 補欠選任
藤村 修君 渋谷 修君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八四号)
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(内閣提出第六六号)
午前九時一分開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/0
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001・中山成彬
○中山委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、西川知雄君の質疑の際に通商産業省環境立地局長中島一郎君、吉井英勝君の質疑の際に通商産業省から環境立地局長中島一郎君、基礎産業局長岡本巖君、機械情報産業局長太田信一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君、環境庁水質保全局企画課長長尾梅太郎君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、農林水産省畜産局長樋口久俊君、林野庁長官伴次雄君、建設省から建設経済局長風岡典之君及び都市局長山本正堯君、北沢清功君の質疑の際に通商産業省環境立地局長中島一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/1
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002・中山成彬
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/2
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003・中山成彬
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥田建君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/3
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004・奥田建
○奥田(建)委員 民主党の奥田建でございます。ただいまの再生資源利用促進法改正案につきまして、大臣並びに政務次官に質問をさせていただきたいと思います。
まず、同時に提出されております循環型社会形成推進基本法との関連から入らせていただきたいと思います。
一日目、二日目の審議の中で質問が重なるかもしれませんけれども、まず大臣に、環境庁の方で提出されております循環型社会形成推進基本法案、そして商工委員会で審議されております再生資源利用促進法改正法案、こちらのリサイクル法の改正の方が三年四月の施行、基本法の方は基本計画が平成十五年十月と、施行と基本計画の策定に二年半の時間差というものがございますけれども、この両法の関係というものについて御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/4
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005・深谷隆司
○深谷国務大臣 今国会に上程されました循環型社会形成推進基本法案、これは、循環型社会を構築するための基本的な理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにして、政府による計画の策定、そして施策の基本となる事項を定めるということが基本法の考え方でございます。
一方、私どもが今審議していただいております法律案は、この理念を施策として具体化するもの、こうお考えいただきたいのであります。その一は、リデュース、製品の省資源化、長寿命化による廃棄物の発生を抑制する対策、二つは、部品などの再使用が容易となる製品の設計、回収した製品から取り出した部品を新たな製品として再使用する対策、三番目は、製品の回収、リサイクルの実施などのリサイクル対策の強化などの措置を事業者に対して講ずるものでございます。
したがいまして、この法律案は、循環型社会形成推進基本法案による廃棄物・リサイクル対策の枠組みのもとに位置づけられるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/5
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006・奥田建
○奥田(建)委員 ただいま、循環型社会形成推進基本法のもとに位置づけられるという大臣の答弁をいただきました。
こちらのリサイクル法の方では「廃棄物」、そういった定義についてはここには述べられておりませんけれども、基本法の方では「廃棄物等」そして「循環資源」、あるいは「再生資源」という文言での定義というものが行われておるかと思います。「廃棄物等」の「等」という中にこれまでと違った新しい考え方があるかと思うんですけれども、こういった廃棄物あるいは再生資源といった概念について、両法での、リサイクル法と基本法での整合性というものはとれておるのかということにつきまして、総括政務次官にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/6
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007・細田博之
○細田政務次官 奥田議員の御質問にお答えいたします。
再生資源利用促進法改正案では、使用済み物品や副産物のうち有用なものであって、原材料や部品等として再利用できるものを「再生資源」「再生部品」として定義しております。一方、循環型社会形成推進基本法案では、「廃棄物等」のうち有用なものを「循環資源」として定義しておりますが、これは「再生資源」「再生部品」とほぼ同義のものと考えております。
ただし、若干違いますのは、「循環資源」には、熱的利用ができるもの、つまり燃やしてそこから熱を出したり、それを使って電気にするとか、そういう熱的利用ができるものを含んでおりますが、これは「再生資源」「再生部品」には含まれておりません、いわば燃やしてしまうわけでございますから。そういうことで、そこだけが違うわけでございます。
したがいまして、循環型社会形成推進基本法案の規定する「廃棄物等」は、「再生資源」「再生部品」と廃棄物処理法の「廃棄物」とをあわせた概念であります。
なお、本法律案に規定する「再生資源」「再生部品」であっても、廃棄物処理法に規定する「廃棄物」に該当する場合には、廃棄物処理法の規制が適用されることとなります。
以上のように、本法案の対象範囲は循環型社会形成推進基本法案の対象範囲に包含されるものとして、本法律案は、循環型社会形成推進基本法案の理念のもとに施行されることによりまして、一体的に循環型社会の構築に向けて運用されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/7
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008・奥田建
○奥田(建)委員 いま一つ、循環型社会形成推進基本法の方で重要な項目としまして、排出抑制、そして再使用、そしてリサイクル、リサイクルの中でもマテリアルリサイクル、そしてサーマルリサイクルといったもの、さらには適正な処分といった形で優先順位が定められております。
リサイクル法の改正法案につきましては、このような優先順位というものはどのように位置づけられているか、あるいはあらわされているかということを、深谷大臣にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/8
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009・深谷隆司
○深谷国務大臣 廃棄物の発生を抑制するリデュース、それから製品、部品として再使用するリユース、それから原材料として再利用するリサイクル、この件に関しては、基本法では、第一にリデュース、第二にリユース、第三にリサイクルという優先順位を書いております。
一方、我々が審議していただいております法律案には順位は書いておりませんけれども、この基本法の枠組みのもとに位置づけられているという意味からいいまして、中身の順位はそのとおりであります。
同時に出された法案、改正案でありますので、二重に書かずに、基本法の方で書かれたことについて、それに沿うた施策の面で進めていこうというのが本法案の意義であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/9
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010・奥田建
○奥田(建)委員 これまで、リサイクル法の改正という形の中で、循環型社会形成基本法の概念はこちらの法案にも反映されているということを環境庁長官からも伺っております。
この法案がここに提出されるに至った経緯と申しますかそこまでの過程、当然、すべての法案がそうですけれども、各省庁への相談、調整といったものがあったかと思います。環境庁、あるいは廃棄物行政を現在つかさどっております厚生省、そういったところとの本改正法案提出までの調整の経緯といったものを政務次官に答弁していただきたいと思います。
また、法案の整合性を求めるといったことは随分前からも指摘されていることかと思います。リサイクル行政の部分、そして廃棄物行政の部分、こういったところがうまくつながっていないとどうしても法の現実のすき間ができてしまうといった中で、リサイクル・廃棄物法制度あるいは行政の一体化といった中で、どのような観点で調整が行われたかということもあわせてお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/10
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011・細田博之
○細田政務次官 この問題は既に二年ほど前から真剣な審議が開始されております。産業構造審議会地球環境部会、廃棄物・リサイクル部会合同基本問題小委員会というところで、二十一世紀を展望する循環型経済システムの構築のあり方いかんということで、平成十年の六月に審議を開始しております。その後約一年をかけまして、広く国民の意見などをお聞きしながら検討を重ねまして、昨年の七月に報告書を取りまとめたわけでございます。
通産省は、この報告書の提言を踏まえながら、また産業構造審議会廃棄物・リサイクル部会に諮りながら、法律案の立案作業に入りまして、本年の三月十七日の閣議決定を経て、今国会に提案するに至ったわけでございます。
本法律案は、循環型社会の構築のための基本理念を定める循環型社会形成推進基本法案と密接に関連しておりますので、立案作業に際しましては、両法案が整合性をとりつつ一体的に機能するものになるように、環境庁と当省が密接に連携し、十分な議論を尽くしてきたわけでございます。その過程におきまして、両省庁の考え方を明確にするための例えば文書による覚書などは締結しておりませんで、これは明確な形で調整を法律案として行っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/11
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012・奥田建
○奥田(建)委員 まだ覚書のことは聞いておりませんけれども、環境庁とは覚書は交わしていないと。それは政務次官、厚生省関係、廃掃法との関係の方でもそういった覚書文書というものはございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/12
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013・細田博之
○細田政務次官 それも同じでございます。特に行政改革の観点から、いわば権限関係に関する内々の覚書を結ぶということはよろしくない、透明な、公明正大な行政をせよという流れを受けまして、昨今そのようなことはやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/13
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014・奥田建
○奥田(建)委員 ちょっと嫌らしい質問だったかもしれませんけれども、政務次官の答弁にもありましたように、以前、行政権限といいますか裁量と申しますか、そういった中での確認といったものが文書によって行われていたという経緯がありますので、今の質問をさせていただきました。
言い古されたことかもしれませんけれども、三十年、四十年前から始まりました大量生産、大量消費、そして大量廃棄という現代の社会の中で、こういったリサイクルといった発想も発展してきたのかと思います。リサイクルのこの法案ができましてから、いろいろな資源あるいは再生物というものを分別することによって再利用できる、再使用できるといった形の可能性というものが幾つか見られてきたかと思います。また、可能性を見出すとともに、リサイクルの限界といったものもまた皆さんともにしっかりと確認しておるところではないかと思います。
こういった中で、通産省としましては、産業行政ということで、法案を読んでおりますと、また法で制限するということは大変難しい分野ではありますけれども、排出抑制といった部分に関する対策というものはやはりどうしても業者の自主的な取り組みに任せざるを得ないという部分が今の段階ではあるのかなと思っております。しかしながら、資源の有効利用という視点とともに、廃棄物の減少、削減という目標を達成しようと思うときには、やはり大量生産、そして大量消費という部分にも産業界の方から何らかの対策を打たなければならないということは、だれの目にも明らかかと思います。
大臣にお尋ねしますけれども、産業行政をつかさどる省として、こういった誇りにできない、恥ずべきと申しますか、使い捨て文化、これを改めていくために、通産省としてはどのような姿勢で臨むべきか、あるいは、大臣個人のこういったワンウエー経済と言われるものについての考え方を述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/14
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015・深谷隆司
○深谷国務大臣 使い捨て文化という言葉がバブルの時代を頂点にして本当にもてはやされた時代がございました。しかし、それは、ただいま委員御指摘のように、大量生産、大量消費、大量廃棄、こういう状況を生み出してまいりました。そして、限られた最終処分場でございますので、だんだんにそれが逼迫して、これから先を考えると処理のしようがないという状況までが見えてきたわけでございます。同時に、鉱物資源、そもそも資源が枯渇していくという問題も提起されました。
あわせて、環境の悪化という問題等を考えてまいりますと、これからの時代というのは、使い捨て文化から、資源を十分に再活用する、あるいはリサイクルさせていく循環型社会をつくっていくということが二十一世紀の日本の持続的な経済成長につながっていく、こう考える時代に入ったわけであります。しかも、これはひとり日本だけの問題ではなくて、地球的な規模で考えていかなければならない問題だと思います。
そういうような意味合いから、基本法及びただいま審議していただいています法案等の提出となったわけでございまして、私どもは、これらの法案の成立を見て、事業者も消費者も、それから政府、行政の側も、それぞれの立場を十分に認識しまして、お互いの役割を果たしながら問題の解決に当たる、いわばパートナーシップを構築していくということが大変大事なことだと思います。
そういう意味では、通産省の果たすべき役割というのは極めて重大でございますから、循環型社会構築に向けて、これらのパートナーシップがきちんと構築できるように全力を挙げていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/15
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016・奥田建
○奥田(建)委員 今回のリサイクル法からは少し外れるかもしれませんけれども、その下にあります個別法の中での容器包装リサイクルについて質問させていただきたいと思います。
今、新聞報道あるいはテレビなどで報じられておりますように、PETボトルにつきましての再商品化あるいは回収といった中での数量あるいは処分に関するミスマッチの問題が報じられております。また、この容器包装リサイクル法が完全施行に移るといった中で、義務のかかります事業者数、聞いておりますところですと、大体五百社ぐらいの対象から、数万社が対象になると聞いております。
こういった容器包装リサイクル法の対象業者が増大するという事実にもかかわりませず、事業者とリサイクル協会との契約率というものが伸びていない、あるいは回収しまして処分を依頼します自治体の参加が少ないといったことを聞いております。事業者とリサイクル協会の契約率は大体二割から三割の間だ、自治体の参加ということに至っては一五、六%の数字であると。
このような現在の状況の中で、容器包装リサイクル法が実効性を持って働いていくのかということが大変心配になるわけでございますけれども、このような実効性の確保、担保ということに関して、茂木政務次官に答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/16
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017・茂木敏充
○茂木政務次官 奥田委員の方から三点ほど御質問いただいたわけでありますが、まず第一に、PETボトルの回収とリサイクルのミスマッチの問題でございます。
委員御案内のとおり、最近、市町村でPETボトルの分別収集の機運が大変高まっている、これ自体はいいことなんですが、その分、昨年度でいいますと、分別収集量が当初の計画量を大幅に上回るペースで収集が行われた、このためにリサイクル工場の能力が一時的に不足した、こういう原因でございました。こうした事態に対処すべく、再商品化工場、リサイクル工場の稼働率の向上や、工場の設備投資の前倒し等によりまして再商品化能力を一層拡大することで、本年度は、昨年度からの繰越分を含めた全量がリサイクルをされる予定でございます。
次に、自治体の参加というのが非常に少ないのじゃないか、こういう御指摘でございますが、今年度から法律が施行されましたプラスチックと紙について申し上げますと、これは、住民に対する分別収集の方法の周知であったりとかストックヤードの施設の整備に時間がかかる、こういう問題もございまして、市町村によりましては、来年度以降に分別収集の実施を延期した、こういうところが数多く出てきているわけでございます。
しかし、PETボトルの収集を行う市町村で見てみますと、過去三年間に大幅にふえてきております。こういうことをベースにしましても、プラスチックと紙についても今後は参加する市町村は順調に増加していく、このように予測をいたしております。
最後に、いわゆる日本容器包装リサイクル協会との契約の問題でございますが、委員御指摘のとおり、これまでの契約者、これが五百社程度であった。しかし、ことしの三月末現在でいいますと、これが大幅にふえてまいりまして、約一万七千社程度となっているところでございます。さらに、現在、契約について相談中の事業者もかなりございますので、今後、数万社単位でさらに契約事業者が増加することを見込んでおります。今後とも、一層の契約促進のために普及啓発に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/17
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018・奥田建
○奥田(建)委員 御丁寧な答弁をありがとうございます。
また容器包装リサイクル法に関連してですけれども、現在、廃棄物ということで、廃棄物と言ったらいけないのかな、分別回収物ということで、自治体が回収の責任、あるいは回収したものを保管するといった状況にあるかと思います。また、この回収、保管ということは、再生ということと並びまして、非常に手間と費用のかかる部分でもございます。
法全体を見ておりますと、欧米と比べれば、日本の法律というものは、ここの部分で拡大生産者責任といった責任の範囲が少し弱いのではないか。もちろん、こういったものが出てくるということは、生産者での立場、あるいは販売者、流通業者での立場、あるいは排出者としての消費者であります家庭、個人の立場といったものが、お互いに排出者としての責任を負うことになるかと思いますけれども、今やはり自治体の負担の重さということが社会問題になっておるかと思います。
こういった負担率といいますか、回収と保管の部分についての負担のバランスといった点について、茂木政務次官にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/18
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019・茂木敏充
○茂木政務次官 奥田委員が指摘のように、循環型社会を形成していく、こういう中では、いわゆる事業者、排出業者だけでなくて、自治体それから消費者が、それぞれの商品特性に合わせた役割分担を行っていく、こういうことが極めて重要でございます。
そこの中で、先ほどもPETボトルの例で御提示をいただいたわけでありますが、分別収集量と再商品化能力の乖離によりまして、再商品化できなかったPETボトルを保管するなどの自治体の負担の増大が恒常的になりますと大変深刻な問題になる、こういうふうに考えております。しかし、現段階で申し上げますと、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、再商品化能力の拡大等によりましてこれらの問題も解消されていくのではないかな、こんなふうに考えております。
通産省といたしましては、今後ともリサイクル施設の整備促進など、適切なリサイクルの促進に向けて最大限の支援を行ってまいりたい。特に、設備が不足することによってその分が自治体に残る、こういうことが起こらないような適切な措置をとってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/19
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020・奥田建
○奥田(建)委員 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/20
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021・中山成彬
○中山委員長 島津尚純君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/21
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022・島津尚純
○島津委員 民主党の島津尚純でございます。
再生資源利用促進法の改正法案につきまして質問させていただくわけでありますが、審議も三日目に入りますと、それぞれ二日間に質問をされた皆さん方が主要なテーマ、おいしいテーマというものはほとんど食べてしまっておられるわけでありまして、大変困るわけでありますが、私は、二日間の審議をお聞きしておりまして、もっと深めた方がいいというようなテーマ、あるいは余りお触れにならなかったようなテーマ、あるいは廃棄物リサイクルの先駆者であるドイツと日本の対比等々につきましてきょうは質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。
まず、今申し上げました日本とドイツの問題でありますが、ドイツは環境政策で世界の最先端を走っていると言われておるわけでありまして、日本の環境政策も大変見習うべき点が多いというふうに思うわけであります。
しかし、我が国が再生資源利用促進法を制定いたしましたのは一九九一年でありまして、廃棄物処理法の施行はさらに二十年前の一九七〇年であります。これはドイツよりも早いくらいでありまして、ドイツの場合は一九七一年に廃棄物処理法が制定され、一九九四年に循環経済・廃棄物法が制定をされておるわけであります。
にもかかわらず、今日では日本はドイツに大きくこの問題でおくれをとっているのが現状ではないかと思うわけであります。ドイツはEUや世界の環境法に影響を与えておりますが、一方の日本は、あちこちからごみ大国だというふうに言われているような現状であります。一般廃棄物のリサイクル率を見ても、日本が一〇%であるのに対しまして、ドイツはその三倍の約三〇%に達しておるわけであります。
同じ時期に法律をつくっていながらこれほど差が開いてしまった原因というものを深谷通産大臣はどのように分析されておられるか、まずこの辺から聞かせていただきたいと思います。
〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/22
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023・深谷隆司
○深谷国務大臣 島津委員にお答えいたします。
なるほどドイツはかなりすぐれていることは確かですけれども、このたびの法律等の成立をまつことによって、むしろ日本の方が先を行くような状況になってくるというふうに考えています。
ドイツは、平成六年に循環経済法というのを制定いたしまして、リサイクルの推進に努めてきました。特に、容器包装、電池などの特定の製品ごとに事業者に回収リサイクル責任を課すというやり方をしたわけでありますが、これは大いに日本で参考になったことでございます。
我が国は、平成三年に再生資源利用促進法が制定されてから、事業者にリサイクル配慮設計等を義務づけてリサイクルを推進してきたわけでありますが、その後、平成七年に容器包装リサイクル法、平成十年に家電リサイクル法を制定して、個別の品目ごとに回収、リサイクルに取り組んでいるところでございます。
さらに、今国会において食品、建設資材の個別分野のリサイクル法案が整備され、現在審議中の本法律改正案によって、パソコンそれから二次電池の事業者による回収、リサイクルの仕組みというのができてまいりました。また、事業者に、廃棄物の発生抑制対策、いわゆるリデュース、それから部品等の再利用対策、リユースの取り組みを求めるということによって、ただいま冒頭に申し上げたように、循環型社会形成のためにまさに世界のトップに立つような内容になってきたと私は思います。
ただ、これはあくまでも法体系を整えたという意味であって、これを具体的に実践していくということでまさにこれからの私たちの責任が問われるというふうに思っております。このような法体系の整備と実績の積み上げで、我が国が環境先進国と評価されるように一層頑張っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/23
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024・島津尚純
○島津委員 ただいまの深谷通産大臣の御答弁でありますけれども、確かに今回の法改正といいますものは一歩も二歩も前進ではないかというふうに私どもも考えさせていただいております。しかしながら、やはりあるべき姿から考えますと、まだまだ問題点は多く残されているのではないかなというふうにも考えさせていただくわけであります。
我が国では、廃棄物処理法とか、あるいは再生資源のための促進法とか、さらには家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、このような個別法が別々につくられているわけであります。一方のドイツは、一つの枠組みの中で廃棄物処理というものをリサイクルの政策として行っているということであります。
この法案審議の第一日目でありましたけれども、この委員会で私どもの大畠委員が、日本のリサイクル法制は複雑でわかりにくいという質問をしたと思うんですが、そのときに細田政務次官は、現在の時点では大きなシステムを考えても逆にコストが高くなるのではないか、徐々に行こうではないかというような答弁をされたというふうに思っております。
先ほども申し上げましたように、大体同時期に日本とドイツは同じような法律を制定しながら、結果としてドイツに大きく引き離されたわけでありますけれども、このようなドイツの法体系というものをそれぞれ皆さん方は知っておられながら、日本で今日までこのようなばらばらな法体系、法制をされてきて一元化をされなかったということについて、その理由について御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/24
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025・細田博之
○細田政務次官 実効性の高い廃棄物・リサイクル対策を推進するためには、個別の製品や廃棄物などの特性や実態を十分に踏まえながら、対策としての実効性と効率性をあわせ持つ制度設計を分野ごとに行うことが必要であると考えております。
こうした観点から、今国会におきましては、廃棄物・リサイクル対策の基本理念を定めるいわゆる基本法案、それから、リサイクル対策の一般的枠組みとしての本法の改正法案、廃棄物処理対策の一般的枠組みとしての廃棄物処理法の改正法案、そして、個別分野の対策としての建設資材リサイクル法案及び食品リサイクル法案が提案されて、また、既存の容器包装、家電も含めて、幾つもの廃棄物・リサイクル関連法案が基本法案の理念のもとに施行されることによりまして、一体的な運用が図られるものと考えているわけでございます。
なお、ドイツにおきましても、調べてみますと、個別分野のリサイクルの仕組みについては、連邦参議院の承認を必要とする政令によって、つまりほとんど法律に準ずるような形で、個別の分野ごとに特性に応じた制度を構築していると聞いておりますので、我が国としては、若干タイミング的に後から形成されつつあるわけでございますが、これから追いつけ追い越せという気持ちでやっておりますので、御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/25
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026・島津尚純
○島津委員 細田政務次官の御答弁でありますけれども、先ほどドイツの問題も触れられましたけれども、ドイツの廃棄物・リサイクル対策というものは連邦環境省によって一元化されておるということであります。そして、例えば包装材政令等々をつくるときには経済省から意見を聞くというような体系になっているというふうに思うわけですね。これが一元化と私は申し上げているわけです。
大畠委員の質問に対されて、そういうふうな大きなシステム、一元化ということをすることは現時点ではかえってコストが高くなる、このような御指摘をされておるわけでありますが、細田政務次官としては、近い将来は、日本のこのような廃棄物・リサイクル政策、対策というものは、ドイツのようなそういう大きな枠組みというものをつくる、一元化していくということがやはりあるべき姿であるというふうにお考えになっていらっしゃるのかどうか、その辺を聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/26
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027・細田博之
○細田政務次官 まず、所管官庁を例えば新しくできる環境省に法案も含めて全部一元化すべきかどうかという点は、これからの省庁再編の過程における大きな課題だと思っております。
私は、やはりこの問題は、個々の経済、あるいは中小企業、商工委員会の先生方には特に御理解が深いと思うわけでございますが、循環型社会というものを考えた場合には、物の規格を統一した方が循環型という意味ではいいわけですね。あらゆる家電製品はもうこういう規格にしなさい、ガラスはこういうふうにしなさい、あるいはテーブルは足に金属などをつけないでもう全部木材でやりなさい、あるいは洋服には金属製品を使っちゃならないとか、すべてを統一規格にすればもう手間暇がかからないことは明らかであります。
しかし、では、瓶を統一できるのか。薬瓶も全部統一しなさいというふうにやれば、この自由な経済競争社会において非常に競争制約的にもなるし、それから逆に、大企業で大量に販売して利益の上がっているところにとっては大した負担ではないけれども、小さいところで小さい製品をつくっている中小企業にすべて義務づけて、こうでなきゃならないよと、製品の差別化という知恵を働かせる余地をなくしてしまうことが著しく企業間格差を広げてしまう可能性もあるわけですね。
したがいまして、やはりナショナルミニマムからくる要請と、それから、上から政府が押しつけて規格を統一させて、その方が循環型社会にとっていいのだからやりなさいという考え方とのちょうどバランスでやらなきゃいけない。
ドイツのような国は、やはり伝統的に経済統制型の考え方の人も多いし、論理が先に走ると、それでいいじゃないか、その方が循環型にいいのだからということが先走るような物の考え方の人も多いんじゃないかと推測しているのです。日本の場合は、あらゆることを事情として考えていった上で、しかし我々はやはり、大量な廃棄物だとか資源のむだ遣いとか、そういうことを考えるべき時期に来たわけですから、市場社会と環境という面をうまくマッチさせながら進めなきゃならないというところに来ておりますので。
この制度が、消費者教育も含めまして、消費者がまたどんどん賢くなって、分別もするようになる、リサイクルの輪も家電でも何でも乗ってくるということになれば、もう一段進んで、経費負担をどうするかという議論に必ず発展すると思います。
そのときには、あのときも例として申し上げましたけれども、介護保険制度というのは、昔から介護保険をやればいいじゃないかといっても難しいので、制度、施設、そういったものが全部整ってくると、次の段階に新たな施策、最もコストが安くて社会的に有用な制度というものを考える素地ができてくるであろう。その第一歩、第二歩であるという意味で御理解いただきたいということを申し上げたわけでございまして、ただこれはやたらにコストが高くなるからとだけ申し上げたわけじゃなくて、そのコストがだんだん下がってくる第一歩ではないかと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/27
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028・島津尚純
○島津委員 今の政務次官の御答弁を聞いておりますと、市場経済体制の中のバランスということでお話をされておられるわけでありますが、政務次官のお立場からいうならばそのような答弁が最も賢明な答弁であろうというふうに私は思います。
しかし、私たちがいろいろ勉強させていただいておりまして、ドイツと日本の廃棄物あるいはリサイクルの対策の中で、ドイツが先を走ってしまったという根本的な原因というものはその辺にあるのではなくて、言いにくいけれども、やはり、長い間言われてまいりました日本の縦割り行政等々に、深いところに根差した問題ではないかというふうに私は思っているわけであります。来年はいよいよ、十分とは言いませんが、省庁再編というような時期を迎えますので、そういうふうな問題というものを踏まえて思い切ったことをやらなければならないのではないか、こういうふうに思うわけであります。
言うならば、厚生省と通産省と、いろいろな形で縄張り争いをやりながらこの廃棄物・リサイクル対策というものをやってきたというのが今日の状況ではないかと思うのですが、そのあたりの事情を、例えばジャーナリストの櫻井よしこさんが週刊新潮でずっと連載していたものを一つの本にまとめて、日本の危機というようなところで書いておられるのですね。その箇所を見ますと、通産省の関係者の方がこのように語っているのです。
廃棄物処理法がリサイクルを進める上で大変障害になっているのです。価値あるものを対象から外すよう再三自分たちは申し入れているのですが、厚生省は前に進みません。厚生省はより多くを自分たちで処理したがっております。通産省所管のリサイクルの処理の中には、最終処分に類するような処理もあります。厚生省はそれも規制したがっているのであります。
こういうふうな、今申し上げたような省庁間の縄張り争いということが非常に象徴的に、手にとるように様子がわかるといいましょうか、こういうことであります。
例えば、九五年に成立をしました容器包装リサイクル法の法案作成過程も、通産省と厚生省とそして農林水産省が縄張り争いをやり、よく言えばお互いの主張をぶつけ合い、収拾がつかず、結局は内政審議室が乗り出して、そしてこの法案の調整に出張ったというようなことも私たちは漏れ聞いておるわけでありまして、こういうことが結局、根本の原因じゃないのかな、このように思います。
ですから、今回の促進法を改正するということ、一歩も二歩も前進であるということは申し上げたわけでありますが、さらには循環型社会推進のための基本法も制定をされるということは従来から見れば大変前向きなことでありますけれども、こういうこともさることながら、さらに実効性を高める中でやっていかなければならない。従来から指摘されているような、私が今申し上げたような問題、このようなことを乗り越えていくことこそが本当に真の前進につながってくるのではないかというふうに私は指摘をさせていただきたいと思うのですが、その点についてお考えを聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/28
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029・深谷隆司
○深谷国務大臣 その櫻井さんの書かれた文章の中で、通産省の者が言ったと書かれているようでありますが、よくそういう書き方、表現の仕方で、あたかもそれが通産省を代表する意見であるように書かれることは、甚だ迷惑だと常に思っているのです。役人の中にも政治家の中にもいろいろな考え方があるわけでございまして、それがそれぞれ勝手なことを言って、それを自分の主張に合わせて引用するということになると、真実を見誤ることになるのではないかと私は懸念します。
私は、よく言われるように、確かに縦割り行政というのはあることは認めます。それは、それぞれの分野で専門的な知識を持って仕事をしてきましたから、その分野に立った者から見れば、その経験を有しない他の立場の人から言われることはおもしろくないとか、いや、自分の主張はこうだから、理解してくれ、納得してくれとやり合っていくというのは、私はむしろ自然の姿ではないだろうかと思う。
一つの法案をつくるに当たって、今回のように各省庁にまたがるような場合には、つくるまでの過程においてそれぞれの立場でちょうちょうはっしの議論があるのは仕方がないことだと思う。その部分だけをとらえて縦割り行政と批判するというのは、私は正しくないと思うのであります。
いろいろな立場からいろいろな主張がちょうちょうはっしと闘わされながら、より国家的な、国民的な結論は何かということで出てきた法律というものが適正であれば、私はそれで十分ではないかと思うし、それを実際に執行する場合に、各省庁の立場を超えて国家国民的な立場できちっとやっていく、そのことが大事で、それは島津委員のおっしゃるとおりだと私どもも思っています。
今回の件に関しても、対象となる製品とか業種を熟知している事業所の所管というのがありますから、そういう意味ではいろいろな議論を闘わせてまいりましたし、それぞれの役割を結果的に果たしてきたものと私は思います。私の聞いている範囲では、例えば容器包装リサイクル法の施行事務でいえば、環境庁も参加をいたしまして作成する基本方針のもとで、通産、厚生、農水、大蔵、この関係四省庁がほとんど毎週連絡会議を設けながら一体となって取り組んできたというふうに聞いているわけであります。
いろいろございましょうけれども、御指摘のような縦割り行政というものを排除しながら、何が必要か、何が国家国民のためかということを十分に考えながら、これからもきちっと仕事をしていくように指導もあわせて行っていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/29
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030・島津尚純
○島津委員 例えば九五年の容器包装リサイクル法の法案というものを作成する過程のお話をしたわけでありますが、それをつぶさに勉強をしておりますと、確かに深谷通産大臣がおっしゃいましたことが正論だろうというふうに思いますけれども、私は、さらにその過程を見ておりますと、それぞれの官庁が背後に所管をしている業界といいましょうか分野、担当分野等があるわけですが、そこの皆さん方というか、その担当分野の意見というものを述べていかれる。そうすると、そこに欠落している視点というものは国民の視点であるとか生活者の視点であるとかということであって、通産大臣の役目としては正しいかもしれないけれども、さらに、今国家国民のためとおっしゃった、その大きな視点からいったならば果たしてどうなのかなということを指摘させていただいたわけであります。
さらに、しつこいようですがもう一つこの問題に関連して申し上げさせていただきますと、通産省にも環境立地局リサイクル推進課というのがあるわけですが、厚生省にも生活衛生局の水道環境部にリサイクル推進室というのが同じようにあるわけであります。今後、来年省庁再編が行われ、この廃棄物・リサイクル政策部門というものは環境省に移されていくということでありますけれども、来年以降の我が国の今申し上げたような廃棄物・リサイクル対策というものは、各省庁間の中でどういう役割分担をするのか、そして特に通産省はどういうふうな分野というものを背負っていくのか、この点について簡単に説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/30
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031・細田博之
○細田政務次官 廃棄物の適正処理の確保とリサイクルの促進とは、いわば車の両輪となる政策であります。例えば、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法においては、廃棄物処理行政に知見を有する厚生大臣と対象となる製品や業種に知見を有する通産大臣とか、容器包装でいえば農林水産大臣とか、そういうそれぞれの事業所管大臣が共同して廃棄物・リサイクル対策を実施することとされているわけでございます。
本法律案について申し上げますと、今回の改正で、事業者の取り組むべき事項を規定する判断の基準を事業所管大臣が策定する際に環境保全の観点から環境大臣に協議すること、製品の回収、リサイクル対策については環境大臣と通産大臣などの事業所管大臣が共同で運用を行うこと、副産物の発生抑制、リサイクル対策については環境大臣と事業所管大臣が密接に連携することなどを規定しており、廃棄物対策とリサイクル対策との一体性が十分確保されるよう配慮されているところであります。
おっしゃいましたように、やはり総論的な環境問題全体からのアプローチは、新しく環境省が統一的に政策を立案していこうというわけでございますが、やはり、例えば経済産業省、農林水産省といったような関係各省がそれぞれの産業の実態に応じながら直接よりよきリサイクル体制を進めるということは、大きな資源政策でもあり、また産業政策でもあると考えておりますので、今後、どんどん連携が深まって、うまく回転していくものと確信いたしております。
かつて私も昭和四十年代に通産省に入ったときは、まだ公害対策が十分じゃなくて、むしろ生産優先、戦後の復興という勢いが強かったのでございます。そこで公害問題が出てきて、このSO2対策その他がどんどん出て、排煙脱硫をしなさい、何をしなさいというふうになってきたわけでございますが、その過程で、意識自体がどんどん役所自体も変わって、今日のような世界に冠たる環境行政、公害行政ができてきたことでもわかりますように、必ずやこのリサイクル問題についても関係各省が協調して、いい方向に行くのではないか、またそうでなければならないという問題意識は、まさに島津委員のおっしゃるとおりだと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/31
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032・島津尚純
○島津委員 わかりました。とにかく、来年、省庁再編の中で、環境省と経済産業省が連携をしながら新たにやっていくというようなことであります。でき得るならば、やはり将来に向かってこの廃棄物・リサイクル対策の一元化というものに、あるべき姿に向かっていただきたいというふうに最後に指摘をさせていただきたいと思うわけであります。
次の問題に行かせていただくわけでありますが、現行の法体系では、有価物か無価物かで法の適用が分かれ、無価物は廃棄物ということで廃棄物処理法の適用になるということであります。そこで、客観的に見て廃棄物というようなものを有価物と言い張って、廃棄物処理法の適用を免れるというようなことも横行しておるわけであります。
例えば、野積みをされている廃タイヤも、有価物と主張すれば廃棄物処理法の保管義務や投棄禁止では取り締まれないということだろうと思います。また、廃自動車が市況によって廃棄物になったりならなかったりするということだろうと思います。
環境庁の方から、廃棄物・リサイクル対策を総合的に進めるという趣旨で今回循環型社会基本法案が提出されておりますが、これはあくまでも基本法であり、個別法で対処しなければ問題というものは解決しないだろう、こう思います。現行法の不備ゆえに起こっておる社会問題につきまして、どうやって解決されていくというふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/32
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033・茂木敏充
○茂木政務次官 野積みの問題について御指摘をいただいたわけでありますが、これは幾つかの視点が必要だと思うのです。
まず、環境保全、こういう観点から考えてみますと、個別法ということで申し上げますと、悪臭防止法それから水質汚濁防止法等の環境保護に関連する法律の定めるところによりまして、悪臭であったり排水などの規制がされることとなっております。この点に関しましては、物の有価、無価と関係なく適用されるものでございます。
それから、御指摘いただきましたように、廃タイヤなどの場合は、有価物と称しながら実態的には廃棄物である場合がある。このように実態的には廃棄物の場合には、本来廃棄物処理法に基づいた適正な処理を求めるために、同法の規定に従って生活環境の保全が図られるべきだ、このように考えている次第であります。
今後とも、回収リサイクルシステムを構築していくに際しましては、物の特性、例えば廃自動車、廃タイヤ、違った分野があるわけでありまして、こういったものも踏まえながら、生活環境の保全に配慮したものとなりますように取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/33
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034・島津尚純
○島津委員 ただいまの茂木政務次官の御答弁でありますけれども、今の御答弁では、私が指摘をした社会問題になっているような問題というものは、なかなか抜本的に解決されないのではないかなというふうにちょっと思って聞いておったのですが、よく今日まで言われてきましたように、こういう問題を少しでも解決していくためには、やはり法改正以外にはないのではないか。
例えば、有価、無価という分け方を変える。例えば、占有者、所有者は主観的にそれを有価とか無価とか判断するわけでありますが、私たち民主党が現在検討しております、ことしの十二月にも公表し、来年の通常国会で提出をしようとしておる案では、こういう廃棄物というものを、もう占有者ではなくて客観的に判断をする、定義をする、そのような法改正に持っていくべきだ。ドイツあたりも、やはりこういう同じような、私が今申し上げたような定義にしておると思うのですね。
こういうことをしない限り、どうなのでしょう、今申し上げたような問題というのはなかなか前に進まないのではないかと思うのですが、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/34
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035・茂木敏充
○茂木政務次官 廃棄物の定義の見直しにつきまして御指摘をいただいたわけでありますが、個人的に申し上げますと、私も今の定義が完全なものだ、こういうふうに考えているわけではありません。新しく起こってきた問題であり、そしてまた、問題が日々進む、こういう性格のものでありますから、廃棄物処理法で現在規定されております廃棄物の定義について見直しも含めた検討が必要ではないか、こういう観点から、現在、生活環境審議会におきまして検討される、このように聞き及んでおります。
〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/35
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036・島津尚純
○島津委員 わかりました。どうかよろしくお願いしたいと思います。
次に、廃棄物リサイクル問題の中で最も大事な問題、しかしやはりそれぞれの立場の中で最も神経を使う問題、これがいわゆる生産者責任の問題になってくるのではないか、どこがどう費用負担をするのかとかそういう問題ではないかと思いますので、その点について質問させていただきたいと思うわけであります。
OECDが七年間この問題について議論をし、検討をしてまいって、どうも最終局面を迎えておって、来年の四月には、加盟国に対してその手引書を提出していくというような話を聞いておるわけであります。例えば、廃棄物の処理費用を企業に負担させ、企業に再利用しやすい製品を生産するよう動機づけをするというような政策手法が拡大生産者責任、EPRということでありますけれども、今回我が国でも提出されました循環型社会基本法も、この考え方を一般原則とするということになっておるわけであります。
OECDの報告によりますと、拡大生産者責任の本質は、だれがごみ処理を行うかではなく、だれがごみ処理の費用を負担するかというところがポイントなわけであります。したがって、廃棄物処理費用は販売時点で製品価格に上乗せをしていくというのが望ましい、こうなっているわけであります。
ところが、拡大生産者責任の流れをくんで制定された我が国の個別リサイクル法を見てみますと、家電リサイクル法においては、収集、再商品化の費用は消費者が支払う、こういうことになっております。また、PETボトル等の回収の費用は自治体負担となっておりますので、結局これは税金であります。ですから、容器包装リサイクル法も、OECDが四月に手引書として出そうとしておるEPRから見ればほど遠い、こういうことではないかと思うのですね。
ですから、環境型社会基本法ということは、拡大生産者責任というものを原則とするということをうたっているわけでありますけれども、どうも見ておりますと、相変わらずあいまいなまま制度というものが取り入れられているというふうな指摘は逃れることができないのではないかというふうに思うわけであります。
このような制度というものが動き出してしまえば、結果としてなかなか変えることができないのではないかというふうに思うわけでありますので、来年から、例えば家電リサイクル法というものが施行、実施されるわけでありますが、この時点で、このような拡大生産者責任というものが世界の流れとして定着をしたわけでありますので、これを見直していくというようなお考えはないかどうか、その点を聞かせてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/36
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037・深谷隆司
○深谷国務大臣 OECDでそのような議論がなされていることは承知していますが、まだ決着がついていないのですね。OECDも、最終的に生産者に全部負担を負わすかという結論がついているわけではなくて、今のところは未決着、議論がそのような形でなされているという状況にあるわけであります。日本の場合の容器包装のやり方は拡大生産者責任のやり方とOECDでは認めてくれておりますから、そういう意味では考え方にそんな違いはないというふうに思います。
私どもは、今回の法律を考えてつくり上げた場合に、事業者が地方公共団体、消費者と適切な役割分担を持っていく、そういうことを基本にしながら、製品や業種の特性を踏まえた回収リサイクルシステムを構築する、それが循環型社会形成推進基本法に規定されたいわゆる拡大生産者責任と同じ考え方に立つというふうに思っております。
また、今度の法案で、パソコンなどの特定の製品の製造者に回収、リサイクルを義務づけたということもまた、拡大生産者責任の考え方をさらに広範な品目に適用しようとしたからでございます。
リサイクル費用の負担の方法としては、例えば、生産者が一時的に負担して製品価格に転嫁する、そういうやり方もありましょうし、廃棄したときに消費者が負担するという方法のあり方もございます。どちらが適切かというのは、物そのものの生産、流通、消費の実態によって決まってくるものではないでしょうか。ですから、一律に生産者にリサイクル費用を負担させるといった考え方は、私は適切ではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/37
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038・島津尚純
○島津委員 例えば、ドイツのDSD方式による生産者責任のあり方というこのシステムを見てみますと、これはやはり回収から再利用まですべてメーカーがやる、そして、それぞれのところで、例えば自治体が回収する場合はDSDと契約をしてやる、あるいは再生するためには再生メーカーと契約をして、そしてDSDがそこに費用を支払う、こんなことで、かなり完全な形でドイツは生産者責任というものが確立をしておる。
今大臣がおっしゃった例えば家電リサイクルにつきましても、排出時にその消費者がリサイクル費用、回収費をつけて出すということになっておるわけであります。これはやはり、今申し上げましたドイツのDSD方式から見たら全く違うのではないかということで、この法案審議は私も参加したわけでありますが、すぐ完璧な形にできないということであったわけでありますけれども、やはり将来はこのドイツ方式に接近をさせていくということが、あるべき正しい方向ではないかなというふうに私は考えるのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/38
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039・深谷隆司
○深谷国務大臣 ドイツのやり方も、一つの方法としては十分検討の余地があると思うのでありますが、日本の場合には、これまで市町村が分別収集という形でずっとやってきたものでありますから、これをまず利用していく、それが筋道ではないかとも考えているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/39
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040・島津尚純
○島津委員 日本のこういうふうな容器リサイクルあるいは家電リサイクル等々の法律というものを、世界の環境団体あるいはNGO等々がよく勉強しておって、これはちょっとおかしいじゃないかというような問題提起をそろそろし始めておるということで、やはり日本の政府としては、このような世界の環境団体、NGO等々の意見というものを無視することができないような状況も生まれてくるのではないかというふうに思いますので、その辺は、大きな問題になる前に検討を内部ではぜひ進めていただきたいということを申し上げておきまして、次に行かせていただきたいと思うわけであります。
いま一つ今の問題にちょっと触れさせていただきますと、例えば家電リサイクル法によって、消費者の方に回収であるとかリサイクルの費用というものを負担してもらうということが来年から始まるわけでありますけれども、そうしてきた場合、どこでもやられてきたことでありますけれども、不法投棄というものが大変多くなってくるのではないかということがまた心配として言われているわけでありますね。
この不法投棄を回避させるようなシステムというものは、もうこれは来年から始まるわけでありますけれども、何か考えていらっしゃるのかどうか、お聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/40
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041・細田博之
○細田政務次官 家電リサイクル法におきましては、小売業者に対しまして、廃家電、捨てる家電を引き取り、製造業者あるいは輸入業者に適切に引き渡す義務を課し、製造業者などに対しまして、廃家電を引き取り、適正にリサイクルする義務を課し、このような義務を履行しない事業者に対しては、勧告、命令により厳正に措置することとしており、罰則の対象ともなっているわけでございます。
これまで、残念ながら、家電製品は一〇%から二〇%ほどしかリサイクル、回収がされておりませんで、それを、例えば当面はエアコンにおきましては六〇%以上、テレビにおきましては五五%以上、冷蔵庫や洗濯機においては五〇%以上を目標にしてリサイクルが実現するようにして、さらに今後高めていく、こういうことを今計画し、政策として実行しようとしているわけでございます。
その仕組みといたしまして、小売業者から確実に製造業者等に引き渡されるような、いわゆる管理票、マニフェスト制度と言っておりますけれども、これが導入され、仕組みが厳正に運用されるよう担保されることとなります。
つまり、小売店が管理票を発行して、それをずっとメーカー、リサイクル工場、そしてまた小売店にというふうに管理票が戻る、そして、その管理票のコピーを持っておった消費者がいつでもそれを照合することができるというようなことにより、不正業者に渡って捨ててしまうような場合にはそれが後から証明ができるというような仕組みも考えておるわけでございます。
まず何よりも、消費者そして事業者の理解を得て、仕組みがわかって、それから外れた行為をしないということが必要不可欠でありますが、残念ながら消費者の中にも大きな問題、意識改革が進んでいない面がございますので、なかなか大変な事業だと思いますけれども、一層厚生省とも連携をとりつつ普及啓発活動を進める、そしてマニフェスト制度の厳正な運用をして不法投棄の防止に全力を挙げてまいりたいと思います。
もちろん、言うまでもないわけですが、廃家電も含めた廃棄物不法投棄は、廃棄物処理法により禁止されている、罰金もある違法な行為でございますので、厳正な対処も必要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/41
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042・島津尚純
○島津委員 おっしゃるとおり、決められたことをきちっとやっておかなければならないわけですが、不心得な方がいらっしゃるわけでありまして、そういうためにも、やはり私は、先ほどから申し上げてきた生産者責任ということを多くの分野で確立をさせていただきたい、このように思うわけであります。
次に、サーマルリサイクルにつきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
近年、ごみ固形化燃料、RDFによるエネルギー回収というものが注目をされてきております。ごみ発電というようなものです。食品の包装容器にアルミ箔がついていたり、あるいは食品による汚れがついていたりということで、リサイクルコストが高くなってしまう、リサイクルシステムというものがうまく機能しないというようなこともあるわけであります。そして、今申し上げたようなRDFにして発電に利用すれば、コストも安くなってくるというような考え方もあるわけであります。
そういう中で、またドイツの話でありますが、ドイツでは、九八年の六月、二年ほど前に包装政令を改正して、PETボトルでも一定の条件をつけてサーマルリサイクルが可能である、サーマルリサイクルの解禁というものをやっておるわけであります。この内容は、例えば熱効率が七五%以上の条件を満たせばとか、あるいは、プラスチックのリサイクル目標が九〇年以降は例えば六〇%であるけれども、そうすると、マテリアルリサイクルを三六%したならば残りの二四%はサーマルリサイクルに回すことができるとか、こういうふうな条件をつけてドイツは二年ほど前に、この問題、解禁をしておるわけであります。
確かに、サーマルリサイクルということは、再商品化が進まないとか有害なガスが出るとか、いろいろな問題があることは当然であります。それで、この問題につきまして、通産省としてはどのように将来ともに考えていらっしゃるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/42
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043・深谷隆司
○深谷国務大臣 循環型社会では、廃棄物を焼却して回収した熱の利用、いわゆるサーマルリサイクルを進めていくということは大変大事なことだというふうに考えています。これは、資源の有効な活用という見地からも重要だと私は思います。今度の基本法でも、リデュース、リユース、リサイクルに準じて、熱回収を資源の利用の一形態として位置づけていることは御案内のとおりです。
通産省としましては、この原則を勘案しながら、廃棄物固形化燃料、これは家庭から出るごみなどを乾燥、固形化したもので、焼却した熱を利用しようというわけで、既に発電の一部で使われておりますけれども、これの積極的な活用などを推進していきたいと思っております。
また、こういう熱回収を進めるために、経済性の向上だとか環境負荷の低減が必要であると認識しておりまして、関連する技術開発に取り組んでいかなければならないと思っています。
ちなみに、平成十二年度の予算で申し上げますと、高効率廃棄物発電技術開発費補助金として五億円計上するとか、あるいは新型廃棄物固形化燃料利用発電技術開発費補助金十億円を用意するなど、対応をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/43
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044・島津尚純
○島津委員 日本でも、プラスチックはまだだめだけれども、紙製の包装容器といいますか、これについては既に、RDF、燃料として使用しても構わない、そういうことでたしか改正されたというふうに思っております。そうでしょうか。
それから、さらには、日本は紙まで来ておるわけでありますから、いずれはドイツ並みに、PETボトルあるいはプラスチックというものは大量に出るわけですけれども、これについてもやはりサーマルリサイクルということを検討しなければならない時期というのは接近しているんじゃないかと思うのですね。
そうなってきますと、直前になってから検討するのではなくて、恐らく内部では既に関係者は検討を始めておるのじゃないかと思うのですが、そうなった場合、先ほど私が申し上げたようなドイツの一定の条件というものは、どのような条件が日本だったら想定されるのか。これから先のことですから、なかなかお答えしにくいかなとも思うのですが、わかる範囲で結構ですので、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/44
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045・深谷隆司
○深谷国務大臣 容器包装法では、紙でつくった容器包装はサーマルオーケーということになっておりますね。それはなぜかというと、ほかに使えないからですが、プラスチックの場合にはだめということになっているのですね。それはどうしてかというと、マテリアルリサイクル、つまり、もう一回材料として使える可能性があるからでございまして、現状ではそういうところでありますが、今後、いろいろな研究技術開発等が行われるに従って、また考え方や方途が変わってくる可能性は十分あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/45
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046・島津尚純
○島津委員 細田政務次官、どうですか、将来に向かっての話ですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/46
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047・細田博之
○細田政務次官 島津委員の後段の御質問に対してお答え申し上げます。
プラスチックのサーマルリサイクル導入をどう考えるか、大変難しい問題でございます。
プラスチックについて、平成九年のリサイクル等の状況を見ますと、年間約九百五十万トンが排出され、そのうち百十三万トンがマテリアルリサイクルされております。また、固形燃料として五万トンがリサイクルされておりますが、自治体等において、発電や熱回収をしながら焼却処理をされているものが二百八十万トンあります。したがって、九百五十万トンのうちの二百八十五万トン、すなわち三〇%がサーマルリサイクルされております。ここ数年の推移で見ますと、例えば、平成九年の発電によるものは、平成五年に比べて二〇%増加しているなど、総じて増加傾向にあるものでございます。
プラスチックは石油を原料とするものでありますので、燃焼させた場合には高い熱量が得られるという特徴を持っており、使用済みのプラスチックを燃焼させて熱として利用する場合、石油代替エネルギーの利用と位置づけられます。また、多種のプラスチックは着色されるなど多様な形態で使用され、排出の形態もさまざまでありますことから、一定の分別の精度を要するマテリアルリサイクルには必ずしも適さない場合もあります。
したがって、多種多様な石油化学製品、プラスチック製品ができておりますので、それらを総合的に製品ごとに細かく検討していって、最後にまたこういうふうに考えていこうという検討をこれからも進めなければならないと考えておりますが、まだ検討途上にあるということで御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/47
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048・島津尚純
○島津委員 わかりました。検討途上ということで、何となく前向きに検討されるんじゃないかなというような気持ちが伝わってきたわけでございます。
もう一つ、これも深谷通産大臣の所管ですが、例えば日本の原子力発電所、立地が非常に困難だというので、私が去年の商工委員会で質問しているころ、本当に二〇一〇年までに二十基の原子力発電所というものが新規立地可能なのですかというような話を聞いたときに、エネルギー庁長官にしても通産大臣にしても、いや大丈夫ですというようなこと、最低でも十六基は大丈夫ですというようなことを言っておられた。しかし、この一カ月ぐらいの間に、十二基とか十三基とかいうふうに減らしてしまう、こういうふうなことなんですね。
そういう中で、やはり日本も、新エネルギーといいますか、リサイクルエネルギーというものの開発を積極的にやっていかなければならない。そういう中で今私はサーマルリサイクルということを、これもやはり新エネでございますので、申し上げたわけであります。
例えば廃棄物発電というものは、ことし、二〇〇〇年で目標が二百万キロワット、先ほど申し上げた二〇一〇年では五百万キロワットを導入の目標にするということが掲げられているわけですけれども、その実績を見てみますと、例えば、九七年の数値しかわからないのですが、これが九十五万キロワットということで、とてもじゃないなというようなことを感じておるわけですね。例えばプラスチック等のサーマルリサイクルというものを導入しなくても、二〇一〇年に五百万キロワットの目標達成というものは可能かどうか、その辺について聞かせてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/48
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049・細田博之
○細田政務次官 おっしゃいましたように、過去にも、平成六年六月の新エネルギー導入大綱におきまして各種新エネルギーの導入目標が示されました。そして、この導入目標については、平成十年六月に長期エネルギー需給見通しが策定されました際に、二〇一〇年度における新エネルギー導入目標として見直しが行われた、五百万キロワット、委員御指摘のとおりでございます。
また、廃棄物熱利用につきましては、原油換算ベースで、二〇一〇年において十四万キロリットルの導入目標を掲げている中で、平成十年度末の導入実績は四・四万キロリットルであります。
こうした廃棄物の焼却時に得られる熱を活用したエネルギーは、新エネルギー導入目標の中で量的に大きな割合を占めております。したがいまして、今後、技術開発、導入支援策、立地地域周辺住民の理解の増進等を通じまして、導入目標の達成に向けて最大限取り組んでまいる考えでおります。
そしてまた、これらの新エネルギー政策のあり方については、今後のエネルギー政策の総合的な検討の中でも検討していくこととしておりまして、今週から、総合エネルギー調査会で、今後のエネルギー政策の全体的見直しと、先ほどおっしゃいました原発立地の問題もございます、私の地元も原発立地県でございまして、今一生懸命立地地域の振興の策を練っておるわけでございます。
そういったことも相まちまして、総合的にこのエネルギー政策を検討していかなければならないわけでございますが、今おっしゃいました廃棄物の発電利用、こういったものは非常に重要な柱の一つである。ただ、全体におけるシェアというところまでいきますと、大宗のところをしっかりやりながら、新たにやるべきことはまだまだたくさんあるわけでございますが、非常に重要であると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/49
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050・島津尚純
○島津委員 質問の時間がそろそろ終わりに近づいておりますのでこれで終わらせていただくわけでありますが、とにかく資源に乏しい我が国でありますので、最も資源を有効利用する、あるいはそのリサイクル政策というものを強力に進めていくというのは、世界の各国の中でも日本がそれを最も強力に推進していかなければならない立場にある国ではないかというふうに思っております。
今回の循環型社会基本法あるいは促進法の改正等々で、一歩も二歩も我が国のその体制というものは前進しつつあるわけでありますから、さらに今後、あるべき姿に向かって、通産省のそれぞれの皆さん方が尽力をいただきますことを最後にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/50
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051・中山成彬
○中山委員長 西川知雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/51
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052・西川知雄
○西川(知)委員 西川知雄でございます。
この法律の基本概念とかいうことについては、当然のことながら皆さんいろいろと議論をされて、今この審議の場でもいろいろな議論がされていると思います。したがいまして、私は、もう少し内容に立ち入って詳しくお尋ねをしたいと思います。
と申しますのは、循環型社会形成推進基本法、それを具体的に推し進めていくという意味で、このリサイクルの推進、再生資源利用促進法というのは、それを極めて具体化していかなければ推進基本法の理念は立派であっても内容が伴っていかない、こういうことになります。
ところで大臣、この今度の改正法を見ましても、例えば指定省資源化製品とか、指定再利用促進製品とか、指定再資源化製品とか、特定省資源業種とか、これの指定について、すべて政令に委任をされております。二条の七項、九項、十項、十一項のあたりでございますが、政令に委任をされている。そして、その政令の策定に当たって、事業者が守るべき判断、どういうふうにやるべきかというその基準は主務大臣の省令に任せてある、こういうことでございます。
この法案は、大臣も当然のことながらおわかりのように、実は産業界にもいろいろと影響が与えられる大変重要な法案でございます。例えばリデュースの方でも、製品の再資源化とか長寿命化の設計ということを行わないといけない、そうすると、企業としても、政令で一体どんなことが決められるんだろう、また判断基準の省令というのは一体何なんだろう、こういうことについて明確な、客観的な基準というものが設けられない限り生産コストにも非常に影響を与えてくる、こういうことになると思います。
そこで、大臣に質問させていただきますが、この政令指定をするに当たって、客観性、透明性を確保するためにどういうような具体的な手続を踏んでいくのか。これは、先ほど申しましたように、企業のいろいろな将来にとっても重要でございますので、その辺のお考えを説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/52
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053・深谷隆司
○深谷国務大臣 本法律案におきましては、対象となる製品や業種については政令で指定する、それから事業者が具体的に取り組むべき事項については省令で定めるということになっております。
今西川委員が御心配なさるような点は、十分に踏まえていかなきゃならない大事なことだと私もまず理解しております。この法案が循環型社会という意味において十分な成果を上げていくためには、政令や省令について関係者の意向を十分踏まえていくということは非常に大事なことでありまして、かつ、透明で客観的で意欲的でなければならないというふうに私は思っています。
このために、政令や省令を策定する際には、例えば産業構造審議会などのオープンな場を活用して、関係する業界はもちろんですけれども、学識経験者それから消費者などの関係者の方々の御意見なども伺いながら進めていくということでなければならないと思います。また、原案を作成した段階でこれを公開する、そしてさらに広く意見を求める、いわゆるパブリックコメントの募集なども実施していく予定でございます。
こういった透明そして客観的な手続で、本法律案による具体的な取り組みを、事業者、消費者、それから地方公共団体など、循環型社会を構成する関係者すべてにとって納得のいくようなものとするとともに、その内容も意欲的かつ実効的なものにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/53
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054・西川知雄
○西川(知)委員 ぜひ、そのような方向で行っていただきたいわけでありまして、またパブリックコメントも、ただそれを聞きおく、こういうコメントがあったんだなということではなくて、なるたけ柔軟に対応していただいて、それを取り入れる方向でやっていく、こういうことをお願いしておきたいというふうに思います。
ところで、そういう審議会の場で、消費者も含めて、産業界も含めていろいろな意見を聞くということはとてもいいことではあると思うのですが、いかんせん時間がかかってしまう。そして、技術の進歩に機動的に対応し得るかどうか、これがかなり疑問ではないかというふうなことも考えられるわけです。
平成三年の現行法の施行以来、例えば第一種指定製品にどんなことがつけ加えられてきたかというと、二つぐらいその製品が付加されただけで、そんなに新しい製品は付加されてきていない、こういう現状が実はあるところでございます。
これから技術進歩とか、環境型製品というのがいろいろできてくると製品もいろいろと進歩してくるでしょうし、そして環境に順応した優しい製品が生まれてくると思うのですが、先ほど申しましたように、審議会でいろいろと意見を聞くのはいいのですが、これが技術進歩とか新しい製品について十二分に機動的にその指定とかいうことについて対応できるのかどうか、その辺のところのお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/54
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055・深谷隆司
○深谷国務大臣 省令で定める判断の基準というのは、廃棄物・リサイクル対策を実施する上で具体的に事業者が取り組むべき内容を定めているというものでございます。
判断の基準の制定に当たっては、御指摘のように、廃棄物・リサイクルの現状とか、リサイクルに関する技術水準、あるいはその普及状況など、その実態を十分踏まえていかなければならないと思います。そして、実効性の高い事業者の取り組みを引き出すというようなものになっていくことが大事ではないかというふうに私は考えます。
判断の基準というのは、おっしゃるとおり、技術的な動向とか、あるいは社会的な必要性等に応じて適時見直すということは必要になってまいりますが、だからといって余り簡単に頻度多く改定していくというわけではございませんで、それをやるとかえって事業者が、生産過程における変化がありますから弊害になるということでありますが、大きな、相当な事情の変化があった場合に改定ということを想定しておりますけれども、ただいまお話し申し上げたように、技術的な動き、あるいは社会の変化、それらは常に踏まえて判断材料としていかなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/55
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056・西川知雄
○西川(知)委員 そこで、もう少しそこのことを明確にさせていただきたいのですけれども、この新しい法案でも、例えば、指定再利用促進製品、これについても、再利用する、こういうことの有効な利用を図る上で特に必要なものということで政令で定める製品をいう、こういうふうに書いてあるわけです。そうすると、「特に」ということは、今大臣がおっしゃったように、相当の変化がないとこれは指定がえをしないのだ、または追加をしないのだということになると一般的には解釈されるのではないかと思います。
そうすると、現行法にございますように、例えば平成三年に現行法が施行されてから、第一種指定製品について二つぐらい追加されたというような事実がございますが、大体そんなような感じで、一定限度の期間を明確にすることは不可能でございますが、最初に指定をしておいて、そして後は現行法で行われているような、大体その辺のタイムスパンで製品の追加とか変更とかそういうものを考えたらいいのかどうか。ちょっとガイドライン的なことを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/56
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057・深谷隆司
○深谷国務大臣 品目の追加については、必要があれば随時追加していくということが原則であります。
それから、ただいまお話がありましたように、例えば社会的必要性とか技術動向等で適時見直していくと申し上げたのですけれども、どのくらいの期間かというのを考えることはなかなか難しいことですが、言えることは、まず第一に、わずかな状況の変化で即変えていくという、それは事業者が取り組んでいく場合にマイナスになりますから避けるとして、一般論で言えば、新たな事情のもとで廃棄物・リサイクル対策の強化が社会的にも要請されるような場合、あるいは新たなリサイクル技術が開発されてその普及が十分に見込まれるというような場合、こういうケースなどが見直しのケースではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/57
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058・西川知雄
○西川(知)委員 用語の問題でございますから、それをどういうふうに解釈するということで、短くなったり具体的には長くなったりするわけだとは思いますが、今おっしゃったことを私なりに解釈いたしますと、ここで例えば通産大臣が決められる事業者が守るべき判断の基準とかそういうことについては、相当な外部的な変化というものが起きない限り、この判断の基準というものはそう変わらない。
したがって、事業者もこれからつくられるであろう判断の基準、これが相当な環境変化がない限りそのまま継続するというような形で考えていいかどうかだけを、ちょっとこの点については最後に確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/58
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059・深谷隆司
○深谷国務大臣 この基準を定める場合には、先ほど申したように、相当な議を経て、整合性をきちっと見守った上で、これが現時点で最良のものと思って出すわけでありますから、一般的に言えばこれを基準としてずっと進めていくわけでありますが、かといって、大きな技術革新が行われて、リサイクルの新たな技術が生まれて、それが有効に使えるとか、あるいは格別社会の特別な動きがあって要請を受けた場合、そういうときには変えざるを得なくなるし、その場合に必要なら変えていってもいいのではないかという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/59
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060・西川知雄
○西川(知)委員 その点は大変明確になったと思います。
ところで、このリサイクルと廃棄物の適正処理は一体化して考えていかないといけないというふうに思うわけでございますが、廃棄物処理法と本法律案はどういうふうに連携をするのかどうか、これをお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/60
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061・中島一郎
○中島政府参考人 お答え申し上げます。
廃棄物処理法は、御高承のように、不法投棄の防止などの生活環境の保全の観点から、廃棄物の適正な処理を確保するための規制を行っている法律でございます。一方、再生資源利用促進法は、資源の有効な利用のために事業者のリサイクル等に関する取り組みを促すための規制を行う、こういうことでございます。
このように、二つの法律の目的、それから措置の内容、体系は大きく異なってございますけれども、互いに裏表、両面でございますので、密接な関連を有しております。したがいまして、縦割りの弊害とならないような運用というものが肝要だと私どもは考えてございます。
こうした観点から、現行法におきましても、事業所管大臣は、廃棄物処理行政を所掌する厚生大臣、これは中央省庁再編後は環境大臣ということになります、厚生大臣に対しまして協力要請ができるということが規定されておりますが、今回の改正では、これに加えまして、事業者が守るべき判断の基準を定める際には環境大臣にもあらかじめ協議するということ、さらに副産物の発生抑制、リサイクル対策におきましては環境大臣と密接連携すること、さらにパソコンなどの製品の回収、リサイクル対策におきましては環境大臣と通産大臣等の事業所管大臣が共同で運用を行うということなどを規定してございまして、本法案におきましても、廃棄物対策とそれからリサイクル対策との一体性、連携が十分確保されるように配慮しているところでございます。
また、今国会に提出されております循環型社会形成推進基本法案は、循環型社会形成の基本理念のもとに、廃棄物対策それからリサイクル対策、この二つが一体的な運用が図られるものというふうに考えておりまして、当省といたしましても、かかる観点に沿ったリサイクル対策の推進にさらに努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/61
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062・西川知雄
○西川(知)委員 では、その点は関係省庁と十二分に連携をしてやっていただきたいと思います。
ところで、その判断の基準のところ、そして製品の政令での指定に当たって、ちょっと例を挙げて、そのリユースのところで少しお尋ねをしてみたいと思います。
これは当然使える部品は使いましょうということで、自動車とかパソコンとか複写機とか、そういうものが頭で考えられているところではないかというふうに思うんですけれども、しかし、使ってはみたものの、それが製品の性能に影響を与えるものではないかとか、またはその品質の維持管理が大変難しいのではないか、そういうリユースされた部品を使ってできた製品の安全性とか品質の保証とかそういうものに問題があるのじゃないか、そういうような心配も一般の消費者または企業もすると思うんです。
そこで、そういうリユース対策、これが、逆に新しい物を使おうと思ってもリユースしないといけないということで、技術革新の進歩を阻害しているような要因も見られるというふうに考えられるのですが、ここでリユース対策の対象となる製品、部品を指定する際に、ちょっと政令の中身にも入るかもしれませんけれども、また省令での判断の基準の中身に入るかもしれませんが、その辺のところはどういうふうに具体的に考えているのか、通産省の意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/62
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063・中島一郎
○中島政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘のリユースでございますが、具体的には、指定再利用促進製品あるいは特定再利用業種というところでそういうものが出てまいります。
こうしたリユース対策の対象とすべき製品の基本的な考え方といたしましては、まずその製品の排出量が大きい、それから第二に市町村が処理に困っている、第三に、資源として有用なものを多く含んでいて、その製品についてリユース対策を実施することによって資源の有効な利用に大きく寄与する、こういった観点から措置を講ずることが適当であるとまず考えております。
さらに、安全対策等々の御指摘でございますが、リユース対策を行うためには、使用された製品または部品が保全された状態で使用者から回収されるということがまず一つの条件だと思っております。例を挙げますと、複写機のように、リースあるいはレンタル方式によりまして製品の回収ルートの構築が可能である、あるいは容易である。あるいはパソコンや自動車のように、既に中古部品市場が形成されている、あるいは形成されつつあるというようなものが対象となると考えております。
またさらにもう一つの条件としまして、製品の使用期間に比べまして部品の耐久性、一部の部品の耐久性が非常に高くて、品質の劣化が少なく、一定の修理や加工を施せば機能面、安全面で十分な品質の確保が可能となる部品を多く含む製品、そういうことも一つの条件として考えてございます。
この際、リユースの対象になります部品は、技術的にもある程度成熟しているということを条件として、リユースすることによってただいま御指摘のような技術進歩を阻害することがないように、十分配慮してまいりたいと考えております。
以上のような観点から、本法におきましては、設計段階でのリユース配慮設計対策を行う指定再利用促進製品としましては、具体的には当面、自動車、複写機、パソコンあるいはパチンコ台等、また回収した部品を新製品に組み込むリユース対策を義務づける特定再利用業種としましては、複写機製造業を指定することを想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/63
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064・西川知雄
○西川(知)委員 判断の基準は大分明確になってまいりましたが、今、政令で定める製品は自動車、パソコン、複写機、パチンコ台等とおっしゃいましたが、その「等」は、当面ないということでよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/64
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065・中島一郎
○中島政府参考人 現時点では「等」については想定をしておりません。ただ、政令指定、施行につきましては来年度ということを考えておりますので、それまでの間に、追加ができればできるように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/65
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066・西川知雄
○西川(知)委員 次に、リサイクルのところでございます。
リサイクル、これは再資源化という定義ではないかと思いますが、一方、家電のリサイクル法ということについては、これは再商品化というふうに訳されているのではないかと思います。また、同じリサイクルの関係でも容器包装リサイクル法、これも同じように再商品化というふうに訳すのだと思うのです。
私、予算委員会の分科会で一回この問題を取り上げまして、再商品化ということについて、有償、無償のほかに逆有償の場合はどうなんだと。その場合に、中間処理業者などを入れて一体として有償であれば、これは逆有償の部分が入っていても有償ではないか、そういう意見もあったわけでございます。
ここでちょっと確認をしておきたいのですけれども、今回の法案におけるリサイクル、ここの概念として、有償、無償のほかに逆有償も入るのかどうか、この辺をちょっと明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/66
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067・中島一郎
○中島政府参考人 お答え申し上げます。
家電リサイクル法あるいは容器包装リサイクル法におきましては、先生今御指摘のように、廃棄物となりました廃家電あるいは容器包装をみずから製品の部品または原材料として利用する、あるいはまた、他人に有償または無償で譲渡することのできる状態にすることを再商品化と定義しているわけでございます。
一方、本法案におきましては、使用済みとなりました製品などから有用な材料や部品を取り出す、そして再利用または再使用できる状態にするということを再資源化と定義しておりますので、仮に逆有償でございましても、再利用または再使用できる状態になれば本法案の再資源化には該当するということでございます。また、再資源化の対象となる製品が有価のものももちろん含んでおるわけでございまして、この点、再資源化と再商品化は異なるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/67
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068・西川知雄
○西川(知)委員 そうすると、同じリサイクルという英語を使っていてもその定義、内容は違う、そして今回におけるリサイクルというのは、有償、無償のほかに逆有償も入る、そういうことだと理解をいたしました。
そこで、大臣、副産物の発生の抑制対策の導入でございますが、これは、各対象業種に当たる人がみずから計画を立てて、そして進捗状況を公開して、そして社会的にその取り組み状況が判断される。そういうことで、この会社はここまで計画を立てて今ここまでやっているから大変環境に配慮した仕事をしているな、そういうようなことを言われる、逆に、ここまでしか進んでいなければそれは社会的に批判を受ける、そういうことを目途としているわけでございます。
これも以前大臣にお尋ねをいたしましたが、一生懸命やるところとそうでないところ、これは、単なる社会的な評価でといっても、その社会的評価をどういうふうにするかということは極めて難しいことでございます。何かある目標を立ててそこに到達する、またはそれ以上やった、そういう企業に対して、それはよくやったなということで何かいろいろなインセンティブを与えてやれば、さらに努力をしていくというようなことになるのじゃないかと思うのです。
実は、これは逆に、やらない企業は勧告、公表、命令して、最後に聞かなかったら罰則ということになっているのですが、罰則は、御存じのように、ほとんど罰則と言えるかどうかというぐらい軽い、五十万円以下の罰金ですか、そういうようなものとか二十万円以下の罰則とか罰金とかいうことになっていますから、どうせやらないことを初めから決めている人たちは、当然のことながらやらないというようなことにもなるのではないかと懸念されるわけです。
一方、一生懸命やって、それ以上のやれる能力がある、またやったということに対して、いろいろな形でのインセンティブというのを与える必要があると思うのです。そういうことによって循環型社会というのがさらに構築されると思うのですが、その辺の大臣のお考え方をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/68
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069・深谷隆司
○深谷国務大臣 消費者の皆さんの環境に対する意識がどんどん高まってまいりますと、今回の法律に基づいて企業が循環型社会に対応できるような歩みをきちんと示すということによって、その企業に対する消費者の評価が高まるということは必然だろうと私は思うわけであります。
大体、これらの対象となる企業は比較的大きい企業でございますから、そういう消費者の動向というものは常に肌身に感ずるようにして注目していると思います。だからそういう意味では、このたびの例えば罰金の額が少ないとはいっても、公表といったような、さまざまな経緯を経てその企業が受けるマイナスというのははかり知れないものがありますから、そういう意味では相当な強い力になっていくというふうに思います。
一方で、これらの期待にこたえて頑張っている企業がより消費者から歓迎されていくという社会が望ましいわけでありますが、それは、消費者が歓迎するという意味でのインセンティブもございますが、それだけでは十分ではありませんから、そういうようなリサイクルに全力を挙げて取り組んでいる企業に対して、国としては、例えばリサイクル関連の技術開発だとか、施設の導入等を促す予算、税制措置、低利融資制度などの施策を講じていくことが大事であろうと思います。あわせて、リサイクル貢献事業者を表彰するといったような政府全体の取り組みがこれから必要になっていくのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/69
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070・西川知雄
○西川(知)委員 一生懸命環境問題に取り組んでいる企業が社会的に十二分に評価をされる、それも社会的に評価されやすい形にいろいろな情報を公開していく、ぜひそういう形をとっていただきたいというふうに思います。
最後に、先ほどから申し上げておりますように、これは環境問題、特に指定された対象となる製品や業種に関連する人、これについては、自分たちはその対象の業種になるんだろうかとか、また判断基準はどうなるんだろうか、こういうことを、通産大臣が中心となってお決めになるということで非常にその判断にみんな注目をして、自分たちの社運も左右されるかもしれないということでございますので、これは裁量の行政ということにならないように、いろいろな意見を聞いた上で客観的に、透明性があって、そして技術革新に追いついていける、そういうような柔軟性も持った上での指定なり判断基準の作成ということをやっていただきたいと思います。
最後にその点についての確認だけをいただいて、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/70
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071・深谷隆司
○深谷国務大臣 おっしゃるとおり、事業者にとりましては、その決め方によっては本当に事業に著しく影響を与えることになると思います。そういう意味では、先ほども申したような透明性、公明性、必然性、その他もろもろの観点から、幅広く御意見を承って適切な答えが出せるような状況を心して進めていきたい、通産省を挙げてその点に十分に配慮しながら努力をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/71
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072・中山成彬
○中山委員長 吉井英勝君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/72
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073・吉井英勝
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
私は、最初に、前回どういうことを取り上げたかということを少し整理して発言しておきたいと思います。
一つは、下流側の問題として、埼玉県久喜市のような先進自治体で十五分類の分別収集を行っても資源類とごみの総量は減らないこと。だから、数値目標を立てて、引き取り責任を明確にし、設計段階から発生抑制に徹底して取り組むということが必要だということを一つ取り上げました。
それから二つ目に、容器包装リサイクル法で、PETボトルの生産量が減少するのでなくて逆に急増して、回収PETの野積みがふえているということ。一方、処理工場を増設しただけでは、再生ペレットは今度は逆に倉庫で山積みになり、あふれるだけということになってきている。参考人の方からの発言でも、そういうふうになった場合はPETの生産をやめてほしいという表明があったように、業界は安いというだけでバージンペレットを使い、再生ペレットの使用を避けていては、再生資源の需要を起こすことにはならない。その結果、現に矛盾を深めてきているということを取り上げました。
それから三つ目に、再生原料の使用を進めるには、バージンペレットとリペレットの価格は同等となるように政策的配慮を考えていくか、それとも、ペレットの純度をコストを安くして同等にできる技術開発を進めていくか、あるいは、純度が若干悪くても、透明度が悪くても、強度や安全性や衛生上問題がなければPETボトルとして使用させることが必要だということも取り上げました。
それから四つ目に、最終処分の産廃処理場に契約外の重金属やPCB、砒素などが不法に投棄されたままで、長期にわたる管理や将来の土地利用に問題を生じているという現状があるということ。その上、埋め立て可能容積が急速に小さくなってきて、世界の可採資源量の逼迫ということを考えますと、最終処分量を限りなくゼロに、すなわち発生抑制には徹底的に取り組むことが必要だということも取り上げました。
そして五つ目に、事業者に設計責任、引き取り責任、費用負担の義務づけを法律で明らかにしてこそ、社会のシステム全体を発生抑制、リサイクル、リユースに切りかえていけるということ。ドイツでは、そのシステムを循環経済法で定めて厳しく取り組んでいるということを取り上げました。また、本法案とドイツ法との決定的な違いは、事業者の責任を明確にするのか、本法に見られる事業者の責任を回避するか、この点にあるということを取り上げました。
こうした前回取り上げた議論に引き続いて、本日質問に入っていきたいと思います。
前回も取り上げました久喜市の衛生組合の調査でわかったことがあります。これは、私の頭の中では、自動車とか家庭電器その他、かなり高度、複雑な商品もイメージしているわけですが、少し話をわかりやすくするために、久喜市の衛生組合では百円の使い捨てガスライターの処理に困っているということがあります。
これは非常にわかりやすいので、少し伺っておきたいと思うのですが、金属とプラスチックが固着している上に、液化ガスが残ったままということで来るわけですね。まず、金属とプラスチックの分離が構造上非常に難しい。下手すると気化したガスが爆発したり燃焼する。ですから、製造メーカーに衛生組合からこれを問い合わせると、部品をそれぞれ分離したり処理するいい方法がないと言われているんですね。
こういう場合、消費者である排出者、それから自治体、ないしは幾つかの自治体が一緒につくっている一部事務組合ですね、衛生組合、こういうところの責任で処理させるというのが立場なのか、それともやはり事業者責任を求めてこれを解決させていくのか、こういうことが出てくると思うんですが、百円ガスライターという非常にわかりやすい例について、こういう場合どういう立場で臨んでいくのか、このことから質問をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/73
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074・中島一郎
○中島政府参考人 百円ガスライターのお尋ねでございますけれども、私ども、本改正法案で対象としていきますものは、まず、今先生の御指摘がありました自治体としての処理が困難であるもの、あるいはその処理量が非常に大きいもの、またこの法案の趣旨でもございます資源としての有効な利用が意味があるもの、そういったような視点で製品を政令指定していこうというふうに考えておるわけでございます。
百円ライターにつきましては、これからの検討ということになると思いますが、金属とプラスチックが一緒に使われている、百円ライターの設計に当たってはそれが最適であるというような観点から現在そういうふうな選択がとられているものと思いますが、将来的にそういうものが技術的に、あるいは経済的に、例えば全部プラスチックにする、あるいは全部金属にするというようなことが可能であるならば、そういうものも政令の指定の対象となると考えております。ただ、百円ライターの件につきましては、現在、まだこれから検討しなければならないというような対象であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/74
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075・吉井英勝
○吉井委員 これは、たまたま百円ライターとなるとうんと安い感じなんですが、別に千円ライターを安いと考えれば同じことなんですよね。安くても大量に売ってもうければいいという発想にやはり問題があると思うんですね。
設計責任というのは、この場合ですと残存ガスの回収ですね、これも資源なんですから。たまたま百円ガスライター自体は小さいものですが、大量に販売し、大量に流通するわけですから、この残存ガスの回収と処理の方法を事業者が商品にする前に考えていくということも大事だろうし、実は、それをやらないと逆に処理の過程で非常に危ない問題が出てくる。それから、容器の金属とプラスチックが分離できる構造に初めから設計し、製作するということも大事でしょうし、あるいは分離しやすい素材にかえていくという問題。
これはたまたま百円ガスライターの例なんですが、ほかにこういうものはいっぱいあるのですね。だから、設計責任というものは、こういうことをまずやらせていく、そこから始めていくということが大事なんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/75
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076・中島一郎
○中島政府参考人 本改正案におきましては、これまでリサイクル対策として行ってまいりましたリサイクルの容易な製品の設計、製造というものの義務づけを行っていこうとしておりますけれども、それにつけ加えまして、リデュース対策としまして、事業者に省資源化、長寿命化、ただいまは百円ライターの話でございましたけれども、例えばその省資源化、あるいは、百円ライターが例としていいかどうかはわかりませんが、製品を長寿命化して長く使うということによって排出量を減らしていくというための製品の設計、製造を行うことも義務づけていきたいと考えてございます。
さらにリユース対策といたしまして、これは百円ライターの件についてはちょっと難しいかもしれませんが、新たに事業者に部品等の再使用が容易となるような製品の設計、製造を義務づけるということから、これまでのリサイクル対策としての設計、製造の義務づけというものに加えて、リデュース、リユースも含めた総合的な設計面あるいは製造面からの義務づけをしていこうということでございます。
ただ、この義務づけの具体的な対策につきましては、対象製品を政令で指定しまして、製品の特性に応じた対策内容を省令で判断の基準として定めるということは御承知のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/76
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077・吉井英勝
○吉井委員 それで、百円ガスライター、わかりやすいから例を引くのですが、リサイクルの前段にまず分解しなければいけませんね。分解できないものは流通に置かせないということ、もし流通させるならば、分解が極めて困難な設計構造上の場合あるいは素材の場合、そういうものは引き取り責任を明確にして、業者にまず引き取らせる、こういうことを明確にしていくということが大事なことじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/77
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078・中島一郎
○中島政府参考人 事業者による回収でございますけれども、本法律案におきましては、回収あるいはリサイクルを行う事業者が守るべき判断の基準ということで、回収の実施方法に関する事項、リサイクルの目標、市町村との連携といったことを規定することとしております。事業者は、これらに従って回収及びリサイクルを行う義務を負うということになるわけでございます。
回収の具体的な義務の内容につきましては、現在、久喜市の例がございましたけれども、市町村におきます収集の状況、あるいはその対象となっております製品の事業者による回収の状況を勘案しまして、事業者の消費者からの回収が実効的に、すなわちうまく効果的に行われるように今後検討して定めるということになります。
この場合には、容易に行えるというだけではなく、事業者が相当な努力をして初めて可能となる水準ということを規定していきたいということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/78
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079・吉井英勝
○吉井委員 もう一度こだわって百円ライターについて聞きますが、マッチだったら廃棄物処理できるわけですね。しかし、この使い捨てライターというのは文字どおり使い捨てであって、今日、時代の要請に逆行しているというふうに思うのですが、そこにはやはり設計段階からの問題があると私は思うのです。
ですから、せっかくこういう法律を組み立てていこうというときは、やはり設計段階での、分離できる構造、分解しリサイクルできる構造あるいは素材、そういうものにするという設計責任を明確にしておくということ、これはやはり非常に大事になってくると思うのですが、もう一度これを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/79
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080・中島一郎
○中島政府参考人 多少繰り返しになるかもしれませんが、現行法で、リサイクルの対策としまして、従来より、リサイクルが容易になるような製品の設計、製造というものを義務づけることができる、こういう形になっておりまして、対象の製品を順次拡大していきたいと考えておりますけれども、現在、幾つかの製品について政令で指定しているところでございます。したがいまして、リサイクル対策として、リサイクルが容易な製品の設計、製造ということを義務づけるという規定につきましては、現在の法律にもございます。
今度の改正のポイントは、それに加えまして、リデュース対策、そもそも廃棄物の発生量を少なくしようという発生抑制の観点からの設計、製造の義務づけ。あるいは、これも類似の発想でございますけれども、一たん廃棄物となったものももう一度そのまま使えるという形になっていれば廃棄物に回る量が減るわけでございますから、そういった観点からのリユースの対策というものがとれるような製品の設計、製造というものも義務づけている。こういうところが新しく追加したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/80
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081・吉井英勝
○吉井委員 義務づけている、あるいはこれはできるんだということを言ってみても、現に現場で問題が起こっているんだ。
私は、法律というものは、常に現場の実際に立ち返りながら検証して考えていかなければいけない。必要ならば、それはこれまでから指定をしたりいろいろな形をとって進めるべきものであったわけですから、法律をつくって、それが本当に生きたものにならないと意味がないわけですから、その点では設計責任を厳しく求めて進めていくということが必要だと重ねて指摘して、次に移りたいと思います。
現在、ドイツに日本が輸出する場合、日本基準じゃなくてドイツ基準にしないとうまくいかないということで、ソニーでもNECでもトヨタでも随分努力をしているということは、家電リサイクル法の議論のときにもいたしました。
ソニーは九六年三月から、九六年十月のドイツの政令案の施行を見越して、コンピューターディスプレーの回収を強化しておりますし、さらに九六年十月からは情報機器製品の回収を開始して、リサイクルステッカー十六万枚を購入した消費者に配付する、ステッカーを張ったものはソニーが回収、再処理、リユースの責任を果たすということでやっております。
輸出用製品はドイツ基準に合わせて高い水準で達成していっているわけですから、私は、日本企業というのはドイツ並みのことをやっていく、ドイツは業者に責任というものを求めておりますが、引き取り義務を求められても十分義務を果たして、費用負担もし、さまざまな取り組みをしてこれをやっていく、そういう力を持っているということがここに示されていると思うのです。
ですから、こういう点では、前回はPETボトルの例でやりましたけれども、製品の引き取り義務を負わせ、費用負担をさせること、そして再生ペレットなどを積極的に使わせる。これは単に価格がバージンペレットよりも高いからということで逃げるのじゃなしに、やはりそれを社会のシステムとして仕上げていく中でこうした問題も解決できるわけですから、価格の違いがあっても、積極的にバージンペレットよりも再生ペレットを使わせていくなど、そうしたことはやれるし、やはりそのことを求めていくという姿勢が今求められているのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/81
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082・中島一郎
○中島政府参考人 まず、ドイツと日本の間で、事業者が再生材の利用を促進するということについての差があるのではないかという点についてお答えをしたいと思います。
御指摘のドイツの循環経済・廃棄物法の第二十二条第二項の中で、製造の際に利用可能な廃棄物または再生原料を優先的に使うことを事業者の責務として規定しているということは承知しております。
一方、本改正法案の第四条の中で、「工場若しくは事業場において事業を行う者及び物品の販売の事業を行う者又は建設工事の発注者は、その事業又はその建設工事の発注を行うに際して原材料等の使用の合理化を行うとともに、再生資源及び再生部品を利用するよう努めなければならない。」というふうに規定いたしております。
文言に多少の相違はございますけれども、本改正法案のこうした事業者の責務規定というものは、ドイツの循環経済・廃棄物法における同規定と同じ意味である、かように考えてございまして、日本あるいはドイツ、両方どちらも事業者の再生材の採用義務については同じような義務規定をかけている、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/82
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083・吉井英勝
○吉井委員 今の点では、毎日の四月二十五日付の社説で「循環型社会法案 あいまいな旗ではだめだ」と。この社説の中では、「ごみ抑制のため、初めから資源として利用しやすい製品を作ることをメーカーに義務づけ、リサイクル費用までも負担する拡大生産者責任には独立した条文がない。それらしい言葉が登場しているだけだ。あいまいな内容では、企業に抜け道を用意しているようなものではないか。実効は期待できない。」というふうに指摘しておりますが、私もこの毎日の指摘はなかなか大事なところだと思っているのですよ。具体的に再生ペレットを何%混入して使用させるかなど数値目標を示して、二次原料の優先的投入をしないと、これは実効性が出てこない。
そこで大臣、大臣もお考えいただいていると思うのですが、確かに今局長から答弁ありましたように、ドイツの循環経済法二十二条第二項の二では二次原料を優先的に投入ということを定めて、そこは同じだという話なんですが、具体的努力をやはりしないと。そこには数値目標を示して、二次原料を、バージンペレットに対して例えば少なくとも七〇%はリペレットを使うとか、そういうふうな目標を示してやっていかないと、もちろん、仕上げていく製品によっては高い純度を求められるものもありますから、一律に全部いけるというふうにはいかないのは当たり前の話です。逆にその場合には純度の高いリペレットをつくるということも必要になるわけですが。
だから、少なくともそういう数値目標を示して、二次原料の優先投入ということを示していかないと実効性は出ないと思うのですが、ここは大臣の方から、きちっとした考えというものをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/83
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084・深谷隆司
○深谷国務大臣 これまで再生資源利用促進法においては、例えば古紙利用率だとかカレット利用率などのリサイクルの数値目標というのを事業者の守るべき判断の基準として定めて、事業者のリサイクルの取り組みを促してまいったところです。
この法案に基づく措置でも、措置の内容やその技術的、経済的な可能性を踏まえながら、数値目標の設定を活用することが必要であると考えます。例えば再資源化製品に指定することを想定しているパソコンなどでは、こうした観点から再資源化の数値目標を設定することを含めて検討しております。
いろいろな状況がありますけれども、数値目標をできるだけ決めようとは思っておりますが、一律に全部決めるという段階ではないという判断です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/84
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085・吉井英勝
○吉井委員 私はなぜそれが大事かといいますと、現に容器包装リサイクル法を国会で通したわけですが、PETボトルは発生抑制じゃなくて逆に生産量が急増しているのですね。九七年と九八年ではPETボトルの回収量は二万六千トンふえて二・二倍、確かに回収量は前進しているのです。しかし、その一方で生産量は六万三千トンふえていますから、回収の方で伸びた量よりも生産のふえた量の方が二・四倍なんですよ。
その結果、一昨日も御紹介しました川崎市の浮島処理センターのPETボトルの置いてあるところは、三メートルの高さで五十メートルにわたるPETボトルの土手ができてしまっている。そういう現状が全国各地に今見られるわけです。回収しても野積みという状況。処理センター、工場をふやして処理しても、リペレットの需要先が十分でないという問題がやはりあって、だから参考人の方からPETの生産をもうやめてほしいという発言も出てくるぐらいなんですよ。
ですから、ドイツなどでPETのリターナブルが行われているように、リターナブルという選択もありますし、透明度が若干落ちても再生ペレットを使わせるPET・ツー・PETという選択もある。いずれにしても、製品の製造に際して二次原料の優先的投入というのを、これをやはり本当に数値目標を示してやらせていかないことには、これは実効性が出てこないということになると思うのですよ。ここはもう一度大臣に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/85
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086・岡本巖
○岡本政府参考人 PETボトルを回収して、その需要の点でございますが、おおむね七割が繊維の分野、それから三割弱が卵のパックその他のシートでございますが、実は需要は大変堅調に伸びておりまして、PETボトルのリサイクルをしていわゆるフレークをつくる業者の方々は、実はもっとPETボトルは欲しいと。需要の方が非常に強いものですから、したがって、分別回収の方の量の予測という点について的確な予測が行われるということがまず前提になろうかと思いますが、需要の点については、繊維の分野あるいはシートの分野を初めとして、当面非常に強い需要がありますので、そのことが今ネックになるという状況にはないと私ども考えております。
ただ、先生の御指摘にもありましたように、先々にわたってPETボトルの生産がふえていった場合に、それが廃棄されてリサイクルに回ったということも視野に入れました場合には、やはり需要の開拓というのは非常に大事になってまいりますので、前回も御説明申し上げましたように、PET・ツー・PETという、PETボトルの需要そのものを、回収したフレークなりペレットによって新しいボトルをつくる、そのための技術開発を十一年度から進めているところでございます。
そういった取り組みによって、幸いなことに当面需要が非常に旺盛なんですが、将来にわたって確実に需要を開拓する備えを進めていくことがまず何よりも肝要ではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/86
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087・吉井英勝
○吉井委員 今の局長のお話は部分的にはよくわかるわけです。なぜ部分的かといいますと、今二十八万トンの生産量に対して回収率が一六・九%ですね。だから二割を切るぐらい回収して、その回収したものの中の幾らかがリペレットとなっているわけですから、だから非常に需要旺盛だと。しかし、残る八十数%が全部リペレットになってきたときには、あなたの今のお話というのはとても間尺に合わないわけです。
ですから、需要対策というのを本当に真剣に考えていかないと、そしてそのためにも、PET・ツー・PETのお話がありましたが、純度の高いPETというのは必ずしも求められなくても、安全性、強度、衛生、そういうところがクリアできるならばやはりそういうものでも需要を満たすとかして、本当に一〇〇%リサイクルしたものがリユースされていく、そういう需要というものを本当に考えて、だから、リサイクルの面でもリユースの面でも数値目標を立ててきちっとやっていくという仕組みをつくらないと循環型社会にはならない、そのことを強く指摘しておきたいと思います。
再生チップやペレットを使って、あるいは再生ペレットを使って製品化したグリーン商品と、バージン材だけを使って再生素材を使わない非グリーン商品との間でやはり差別を設ける。つまり、非グリーン商品には規制的手法、グリーン商品には誘導の手法を設けて、リサイクルやリユースにインセンティブを与えていくということが大事だと思うのですが、どのような規制と誘導の手法を考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/87
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088・中島一郎
○中島政府参考人 PETボトルの件につきましては、ただいま二割前後というリサイクル率、回収率のお話が出ましたけれども、回収率が年々上がってまいります。また、生産量自体も御指摘のようにふえてまいりますので、先ほど基礎局長の方から答弁がありましたように、最終的な需要の拡大というのは重要な課題だと考えております。
ただ、現時点につきましては、まず一番大切な課題といいますのは、回収されてまいりましたPETボトルをきちんと処理する再商品化能力というものを充実していく、拡充していくということが一番の課題だと考えてございます。
昨年度発生しました約五千トンという積み残し、これも、計画を超えて集まってきたものを処理すべく、昨年度中にその努力をして再商品化能力の拡充もしたわけでございますが、最終的に五千トン余ってしまったわけでありまして、今年度それを十分に処理できるように、再商品化能力を拡大していくという努力を続けているところでございます。
バージンペレットと再生されたペレットの間の価格差につきましては、先ほどの答弁の中にありましたように市場で決まるものでございまして、これは容器包装リサイクル法の施行が、現在発展途上ということもあって、揺れ動いてございます。こういう状況の中で、一たん価格的な措置をとるとしますれば、一定の期間をおいてやらなければならないという話になりますけれども、現状ではそういうことをやる状況にはないと考えてございます。まずは再商品化能力の一層の拡大、それから、本格施行にこの四月一日からなりました容器包装リサイクル法の確実な実施ということに努めてまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/88
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089・吉井英勝
○吉井委員 今、年間二十八万から三十万トンのPETボトルが生産されているのですね。生産量がどんどんふえていっているわけですよ。それで、昨年も年間五千トン処理できずに残ってきたものがあるというくらいですから。ですから、これからもどんどんふえていって、回収率を幾ら上げていったって絶対量としては残ってくる分が多い。しかも、処理できなかったものが、毎年毎年積み残される部分がふえてくるという中で、しかも需要の見通しもつけなかったら、本当にこれは深刻なことになりますよ。
ですから、やはり規制と誘導のさまざまな手法というものを考えて進めていく。そのためにも事業者の引き取り責任をきちっとし、そこをしないと、市場に価格を任せるというだけのやり方では幾らリサイクルと言ったって現実に問題は解決しないということを本当に真剣に考えていかないと、余り気楽なことを言っておったのでは、法律はつくっても実効性は出ないということを指摘しておきたいと思います。
この点では、例えばドイツは日本企業に環境基準を求めても問題はないわけですから、逆に日本が環境基準を、国際的に環境対策を求めていく、そういう環境対策の国境措置というものを考えても問題ないと私は思うのです。
これは価格の問題もそうですけれども、価格だけではなしに、例えば輸入に当たっての環境負担の扱いをどうしているかというのをデンマークとドイツの例で見ますと、ドイツワインをデンマークは輸入しております。輸入業者が一本幾らというデポジットをデンマーク国内で取って、消費者がワインの瓶を返しに来たときに金を返す。そして瓶をドイツへ戻す。デポジット制度によって、ワインの瓶がデンマークの国内に捨てられるということはなく、ドイツに戻されていく。つまり、輸入業者がリターナブルに取り組まなかったら、ドイツのワインは環境コストを上積みした高いものにならざるを得ないわけです。
環境についての国境措置をとることによって国際的にも三Rを推進していく、こういうことが今現実に行われてもいるし、やはりそういうことを、これはリターナブルでのワインの例ですが、リターナブルがいいのか、別なものについては別なことを考えていくのがいいのか、いろいろなことがあると私は思うのですが、やはり環境問題についての国境措置というものを、国際的にも三Rを推進していく上で考えていくべきときではないかと思いますが、この点について何か考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/89
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090・中島一郎
○中島政府参考人 デポジットのお話が出ましたので、それについてお答え申し上げますが、デポジットについては長い議論がございます。私ども、審議会でも、デポジットあるいはそれに類する経済的な手法をとることはいかがかという議論がございました。御承知のように、デポジット制度は、既にビール瓶などで長い歴史をもって実施をされております。瓶などの容器包装の回収率の向上とか、あるいはリサイクルの促進には有効な方法であるというふうに認識をいたしております。
ただ、デポジット制度につきまして、実際に導入をするという観点で考えますと、幾つかの点で検討すべき問題点もあろうかと思っております。
まず、デポジット金の管理をどのようにやっていくかということでございます。これが大変なコストがかかるようであれば、それは社会全体としてのリサイクルの実効性という観点からは、かえって阻害しかねないという点もあろうかと思います。
また、これは特に大都市で聞く話でございますけれども、販売店においてデポジット制を導入された場合に、それを回収する場所が、保管場所がなかなかないではないかという問題、あるいは大都市の商店では大変省力化が進んでおりまして、人手が足りないという中で……(吉井委員「簡単でいいです」と呼ぶ)はい、済みません。というような問題もございまして、そういった点も含めて、どういう製品にどういう経済的な手法を適用していくのがよいかということについては、引き続き審議会でも議論をしていこうということになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/90
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091・吉井英勝
○吉井委員 デポジット制度が導入できる分野、別な手法をとることがいい分野とか、いろいろそれはあり得るかと私は思うのです。ただ、今のお話を聞いていると、問題ばかり並べて、国内でも、国境措置を考えても、本当に国際的に三Rを進める、国内的にも三Rを進めるという、実効性ある手法という段になると、途端にトーンダウンというか、ほとんど考えていない。これは本当にひどいことだと思いますよ。私は、もっとまじめな努力を求めておきたいと思います。
これから生産段階での商品アセスメントということが大事になるというふうに思うのです。設計に当たっても、将来の廃棄物になる、それを最初から発生をどう抑制するかとか、そういう発想が大事だと思うのです。
例えば建設廃材。建設の話がさっき出ていましたが、建設廃材のリサイクルということを考えたときには、化学建材が問題になってきます。解体した後、分離しやすくするということと、木材と金属をごっちゃに使ってはどうとかこうとかという話もありましたが、それは、たとえ一緒に使って機能性もいいものであったとしても、分離しやすい設計をきちっと考えておく、そこが大事なのであって、それから建設廃材をどう利用するかということで、建築物で使う場合もあれば、バイオマスエネルギーの活用ができるように、微生物などを使ってメタンガスやエタノールをつくり、これを燃料電池と組み合わせて電気エネルギーにかえていくとか、あるいはチップにして紙パルプにするという方法もあるでしょうし、仮に燃やして火力に使うとしても、化学物質の害を避けやすくする。
つまり、設計段階から、将来を見越して、優先的にリサイクル原料を取り入れもすれば、リサイクルできるものにする、そういう商品アセスメントというものを制度化していくという、このことが大事だと思うのですが、これは大臣、やはりそういうアセスメント制度を検討ということは、大臣の方から一言お答えいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/91
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092・深谷隆司
○深谷国務大臣 循環型社会の構築に向けて、製品の設計や製造から、使用済み製品の回収、リサイクルの実施、リサイクル材の利用まで、製品のライフサイクル全般を視野に入れた対策が必要であるというふうに認識します。このような製品については、本改正案や産業構造審議会の品目別ガイドラインなどに基づいて、廃棄物のリデュース、リユース、リサイクルに配慮した製品アセスメントを実施してまいります。
また、リサイクルされた原材料やそれを使用した製品の需要拡大策についてもそうでありますが、リサイクルされた原材料や製品の品質の向上とか価格競争力を強化することが需要を拡大するということにつながりますから、そういう考えに立って、事業者の技術開発や、リサイクル施設の整備に対する税制とか、財政投融資による支援策を講じているところでございます。
政府としてはリサイクル品を率先して調達するための計画を定めておりまして、当省としてもその実施に努めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/92
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093・吉井英勝
○吉井委員 この点での基本は、製品アセスメントなき商品は流通に置かせないという、ドイツの循環経済法第二十三条二号、三号などでそういう考え方を示しておりますが、やはりそういう立場に立って、商品アセスメントの制度化というものを今後進めていく必要があるというふうに思います。
最後のテーマといたしまして、今、油化とかRDFとか熱リサイクルという問題がありますが、エネルギーとしてリサイクルするときにも、RDFのやり方では資源としても環境上も問題が生まれることがあり得ることですから、樹脂は、基本的には再生ペレットにしてリユースを考える。建設廃材とかあるいは森林の間伐材の活用として、微生物を使ったバイオマスガスをつくり、燃料電池などと結んだ発電の道も開かれてきますし、下水処理場汚泥や畜産汚泥などもバイオマスエネルギーの貴重な資源ということになります、メタンガスとかメタノールなどにすることで。
そういう点で、建設省と農水省からバイオマスの取り組みをまず聞いておきたいのと、厚生省の方にも、生ごみの微生物を使った処理でバイオマスエネルギーの活用に道を開くということができるわけですから、それぞれどういう取り組みをしていらっしゃるか、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/93
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094・樋口久俊
○樋口政府参考人 家畜の排せつ物につきまして、お答え申し上げます。
家畜の排せつ物は、畜産業から出ました廃棄物というとらえ方もございますが、お話ございましたように、利用可能な資源という形でとらえるという方法もあるわけでございまして、一番いいのが堆肥として農地に還元するということで、自然循環の中に返すという方法が望ましいわけでございますが、地域によっては必ずしもとりがたいということがございまして、エネルギー源として活用する方法がございます。
その場合、直接燃焼させてエネルギーを取り出すということがございますが、先生お話ございましたように、メタンガスの形で利用するということもあるわけでございまして、諸外国では実用化されている例も若干あるわけでございますが、我が国ではまだ実用化されていると言いがたい状況でございます。
ただ、研究開発そのものは大変大事なことと考えておりまして、農林水産省としましては、家畜の排せつ物のメタンの発酵に関する研究開発ということで取り組んでおりまして、六年度から十一年度にかけて、国の畜産試験場において研究を行っております。
その中で、若干細かくなって申しわけないのですが、研究課題が、処理コストの削減とか汚泥の削減、あるいは安定した性能の確保ということでございましたけれども、この五年間で、十一年度までで得られました成果は、電力量の削減の見通しは立っております。それから、汚泥も減らせるのではないかということの見通しも立っております。
ただ、性能の安定しますのが夏場に限られておりますので、残された課題が、一つは、施設の初期投資に大変かかりますので、これを減らせないかということが一点。それから、冬場の反応の安定性の確保、それが限られておりますので、この辺につきまして、力を注いで研究を深めていくというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/94
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095・中山成彬
○中山委員長 時間が来ておりますので、簡単に答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/95
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096・伴次雄
○伴政府参考人 森林資源につきましては、非常に人と環境に優しいということで、地球温暖化の視点からも、住宅利用もありますけれども、エネルギーとしての利用というものも非常に重要だと思っています。
それで、林野庁としては三つでございますが、一つは、いわゆる利用の手法につきまして、制度を含めた検討。それからもう一点は、技術開発として、熱効率の問題とかアルコール化とか、そういうような手法の技術開発。もう一つは、施設整備として、木材の加工施設と一体となった乾燥施設とか発電に支援をしておるところでございますが、引き続きまた整備を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/96
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097・風岡典之
○風岡政府参考人 建設現場から発生をいたします木材のリサイクルにつきましては、先生御指摘のように、製紙用の原料とか、あるいは木質ボードの材料として活用しているほか、燃料用のチップに加工しまして、熱源としての利用というのも相当行われております。今後、土木建築分野での活用とかあるいは農林畜産分野での新たな開発ということも進めていきたいと思っております。
先生御指摘のバイオマスエネルギーの利用につきましては、これは当然推進しなければならないということでありまして、関係省庁とも協力しながら、私どもとしましては、まず建設工事現場における木材の性状、中には重金属を含んだ木材とかいろいろなものが含まれますので、そういったものについての分別のやり方をどうするのかというようなこととか、あるいは燃料用チップの生産条件に対する情報提供の問題とか、そういった観点から、私どもとしてもこの問題に積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/97
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098・山本正堯
○山本政府参考人 先生ただいま御指摘の下水道の普及に伴います汚泥のリサイクルについてでございますが、お話のように、減量化、資源の有効化は大変重要であるというふうに考えております。
私ども、これまでも下水汚泥の、肥料等のいわゆるコンポスト化でありますとか、あるいはれんが、タイル等の建設資材化等について、それらの施設の整備等に努めております。あるいはまた技術開発についても推進をしておるところでございます。
また、バイオマスエネルギー活用ということで、有効利用の一環といたしまして、汚泥の処理過程で発生いたしますメタンガスを利用した熱利用発電等についての活用も推進しておるところでございます。例えば下水処理場におきます電力の一部として活用しておる、こういう状況でございます。
この結果、例えば平成九年度におきましては、汚泥発生量のうち四五%に当たる八十三万トンが有効に利用されておるということで、割合も年々増加しておるという状況でございます。
私どもといたしましても、今後とも引き続きまして必要な施策を実施いたしまして、バイオマスとしての利用を含めまして、下水汚泥のリサイクルを一層推進していきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/98
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099・岡澤和好
○岡澤政府参考人 ごみの分野におけるバイオマスエネルギーの利用に関しましては、例えば、生ごみ等をメタン発酵処理いたしまして、回収されたメタンガスを発電や熱供給に利用する技術が開発されつつあるというふうに認識しております。
また、厚生省では、し尿の処理に合わせまして、汚泥等の有機性廃棄物からのメタンの回収利用を行うことができる施設を、汚泥再生処理センターとしまして、平成九年度から国庫補助の対象としているところでございます。
今後とも、市町村が実施するバイオマスからの熱回収のための施設整備等につきまして、技術的、財政的な援助に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/99
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100・吉井英勝
○吉井委員 時間が参りましたので、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/100
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101・中山成彬
○中山委員長 北沢清功君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/101
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102・北沢清功
○北沢委員 社民党の北沢でございます。総括質問を申し上げます。
一昨日の参考人の方々の御意見を拝聴いたしましても、資源の有効な利用を促す本法案は、これからの循環型社会形成のための一歩として大きな役割を担っていることがよく示されたと考えております。基本理念を定めた循環型社会形成推進基本法の精神を生かすためにも、前向きにとらえて、通産省の責任は大きいというふうに考えます。大きい努力をしてもらいたいということで述べられたわけですが、これは通産省の基本的な姿勢ということなのかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/102
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103・深谷隆司
○深谷国務大臣 恐らく、一昨日、私が答弁の中で、国が方向性を示して事業者がそれにのっとって最大限の努力をすると言った、その考え方に対する御指摘も含まれてかと思いますが、私は、このたびの循環型社会をつくっていくということで通産省に課せられたる使命は、あるいは責任は、まことに重いものと考えています。
要するに、方向性を国が簡単に示して、あとはどうぞ事業者が御勝手にという、そんな安易な考え方を持っているわけではありません。事業者に本法案はさまざまな責任、義務を与えるわけでございまして、事業者は相当な努力が必要で、それで初めて可能になるような水準というのを念頭に置いて、私たちは義務の具体的な内容を定めておりますが、この水準に達するための具体的な役割あるいは具体的なやり方は、事業者で創意工夫の余地のあるところだというふうに考えているわけでございます。
事業者の取り組みがそういう意味では判断の基準に照らして著しく不十分な場合には、勧告とか公表、命令、罰則といったような法の規定でこの法律がさらに実効性あるものに担保されているわけでございます。
いずれにしても、申し上げましたように、通産省は大きな責任を感じながら循環型社会実現に向けて努力をしていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/103
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104・北沢清功
○北沢委員 これまでも通産省が目標を設定して事業者がそれに向けて取り組んできているわけでございますが、実際の成果の面で、通産省はその成果をどういうふうに評価をしているか。
例えば、今法案と決して無関係ではない、二十一世紀の社会にとって最大のテーマになります温室効果ガス削減についての取り組みについて、どう評価しているのか。日本は、COP3の議長国としてまず率先して意気込みを示さなくてはならない立場のはずでありますが、日本は目標値を達成すべく着々と成果が上がっているのかどうかということについて、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/104
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105・中島一郎
○中島政府参考人 温暖化対策につきましての御質問だと思いますが、我が国は、地球温暖化対策推進大綱のもとであらゆる政策手段を動員して総合的な政策を計画的に推進してまいっているところでございます。
この温暖化対策の中には、御指摘のように、行政が目標を設定しまして事業者がそれに向けて努力していく、取り組んでいくという手法も含まれてございます。
具体的には、省エネルギー法を改正しまして、自動車や家電、OA機器等の省エネルギー基準につきまして、政府がこれをより厳しく設定しまして事業者の効率向上を強く促していくということもやってございます。現在商品化されている製品のうち、最もすぐれている機器の性能を勘案して定めるという、トップランナー方式と申しておりますが、そういう考え方のもとで基準を設定して、事業者に取り組みを求めているところでございます。
このほかにも、産業界との関係におきましては、その自主行動計画の着実な実施を確保するために、関係審議会の場でフォローアップを行うなど各種施策に積極的に取り組んできております。
この効果につきましては、例えば、改正省エネルギー法は昨年四月から施行されているものでございまして、これから効果が出てくるものと考えております。
今後とも、事業者に対する取り組みのみならず、国民各層の理解と協力を得まして、多方面での施策を着実に実施して、二〇〇八年から一二年までの温室効果ガスの排出量を一九九〇年比で六%削減するという目標の達成に向けまして全力を尽くしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/105
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106・北沢清功
○北沢委員 企業の自主的な努力も大変重要でありまして、一昨日の実は新聞で見たのですが、廃棄物ゼロの自主基準を成功している企業、具体的には松下電工の彦根工場だとか、またシャープも三年前倒ししてことしの十月からやはり廃棄物ゼロという目標を決めて、成功している企業もあるわけであります。それは本当の一部にすぎず、この法案が実際に効果を上げ得るかどうかは、これから定める政令、省令にかかっておるのではないかと思います。
だから、その策定については、きめ細かさも必要ですが、さらに具体的内容や判断基準についてオープンにして、消費者、産業界双方の納得を得られるようにすることがこの法案の成否を決定するとの認識を持って策定に当たっていただきたいというふうに考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/106
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107・細田博之
○細田政務次官 本法律案におきましては、対象となる製品や業種について政令で指定いたしますとともに、事業者が具体的に取り組むべき事項については省令で定めることとなっております。今後、循環型社会の構築に向けて本法律案が十分な成果を上げますためには、これらの政令、省令について関係者の意向を十分に踏まえながら、可能な限り意欲的な内容にしてまいりたいと思いますし、年々充実をさせるということも必要でございます。
このため、政令や省令を策定する際には、産業構造審議会などのオープンな場を活用いたしまして、関係する業界はもとよりでございますが、学識経験者、消費者などの関係者の方々の御意見などを積極的に伺いながら検討を進めてまいりたいと思います。また、原案を作成いたしました段階で、これを公開し、広く意見を求めるパブリックコメントの募集なども実施していく予定でございまして、この法案の内容がより充実したものになっていくように努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/107
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108・北沢清功
○北沢委員 やはり、産業界や消費者等の納得の得られるようなオープンなひとつ省令、政令について作業を進めていっていただきたいということを強く申し上げたいと思います。
現在、環境についての関心は、企業、消費者、自治体を問わず、かなりの高まりを見せているように私は思っております。それは、先ほどお示しした新聞等によっても、先進的な取り組みをしているところがあるわけでありますが、この法案の目指す循環型社会構築に向けて、もちろん拡大生産者責任など強制力ある規制をより強化することとともに、事業者にインセンティブを与える政策的な誘導も私は必要であるというふうに考えます。
そこで、例えばよく言われておる環境税の導入などは構想として考えておらないのか。環境に優しい活動には税を軽くする、環境に悪い影響を及ぼす活動には税を重くするといったような税体系が真剣に考えられなければならないと思いますが、通産省としての御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/108
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109・中島一郎
○中島政府参考人 環境税につきましてのお尋ねでございますが、環境税等を含めました経済的措置の導入につきましては、国民生活や経済に大きな影響を与えるものでございます。環境基本法あるいは環境基本計画の中でもこれに触れておりまして、国民の理解を得つつ、国際的な制度の整合性に配慮しながら慎重かつ総合的な検討が必要というふうにされております。
通産省といたしましても、環境税を含む経済的措置に関しましては、今後、その必要性を含めて検討を行うことといたしております。その際には、環境問題を解決する手段としての有効性あるいはその導入に際しての留意点などにつきまして、諸外国の導入例も十分に検証しながら検討することが必要であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/109
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110・北沢清功
○北沢委員 先ほどの質疑の中では、非常に罰金の刑罰が軽いのではないか、そういう御質問がございましたけれども、やはりこのことを進めるには、刑罰もさることながら、そういうこれからの二十一世紀に対する我々の税負担というものを、あらゆる面で環境に向けて取り組むべきであるという意味で積極的な取り組みを強く要望を申し上げたいと思います。
一昨日の参考人の方々の御意見について、私は非常に驚いたという実は表現をこの間いたしました。日本人は、ついこの間まで、物を大切にしてごみを出さないことはごく当たり前で、大量消費、使い捨てが称賛されるというような風潮はここ三十年ほど、意識を変えることは難しいことではないとの御指摘もされました。要は、企業にとって環境に配慮するということは得になる、もうかることだという施策が実は必要であろうというふうに考えます。
だから、環境税も真剣に考慮してほしいわけでありますが、同時に、この法案に関する、環境に優しい、低コストで高品質な製品の技術開発に向けて地道な努力を促すような、即経済的効果が期待できなくても将来を見据えた研究開発が可能になるよう、助成制度も含めて積極的な支援を検討してほしいわけでありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/110
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111・茂木敏充
○茂木政務次官 循環型社会の構築に当たりましては、適切なインセンティブを与えていく、こういうことは大変重要だと思っております。そこで、委員御指摘のように、環境に配慮した製品づくりなどの環境保全に前向きに取り組む事業者に対しまして、支援を行っていくということは大変重要だと考えております。
こういった観点から、現在、通産省といたしましては、企業からの提案公募によるリサイクル関連の技術開発や、リサイクル製品の用途拡大に対する支援を行っております。同時に、事業者が行いますリサイクル施設整備への補助金、例えば民活法に基づく補助金等を交付したり、リサイクル設備を設置する場合の税制面、そして財投による助成、こういった措置をとっているところでございます。
同時に、事業者の環境への取り組みが消費者や社会全体から十分に評価されるような仕組みも有効だと考えております。このために、消費者自身が、事業者の取り組みに対応して、環境によい、優しい製品を積極的に購入するように普及啓発を行っていくこと、さらに、リサイクル等に多大な貢献をした事業者に対しましては、大臣の方からも再三答弁をさせていただいておりますが、内閣総理大臣賞を初めとした表彰を行うなど、政府全体として事業者の環境に対する取り組みを積極的に評価することなどを行っている次第でございます。
こういった取り組みによりまして、環境に積極的、自発的に取り組む事業者を当省としても一層支援してまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/111
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112・北沢清功
○北沢委員 私は、先日は、非常に意識の高い層、意識の低い層という表現で、また温暖化の問題についても申し上げたわけですが、当然、市民だとか消費者の意識が重要であることは言うまでもございません。そのためにも、PR活動を十二分に国民の隅々まで徹底するような方策、例えばNPOだとかNGOに積極的に参加を促して、連携をしていく者については助成をすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/112
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113・深谷隆司
○深谷国務大臣 循環型社会の構築のためには、事業者、消費者、行政が、いわばパートナーシップを組んで努力をしていくということで初めてその目的を達成することができると思います。そういう中で、環境に配慮した製品を積極的に買う、あるいはリサイクルのために適切な分別収集を行うといったようなことは、消費者や市民の側の極めて大きな役割になっていくのではないかというふうに思います。
こうした消費者や市民との連携を図るために、廃棄物・リサイクル政策の検討を行う産業構造審議会廃棄物・リサイクル部会、そういう場所に一般の市民にも御参加いただいておりますし、あるいは市民団体のいろいろなシンポジウムにも我々自身も積極的に参加していく必要があるというふうに思います。
そういう角度から、例えばリサイクル貢献者に対しての表彰を行うとか、いろいろな支援を国が行っていくことが大変大事だというふうに思います。
あらゆる手だてを講じて、世界に誇れるような循環型社会をつくるために一層頑張っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/113
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114・北沢清功
○北沢委員 やはり私はまだまだ、この努力目標というのはもっときめ細かに持たなきゃいけないと思います。
特に、二十一世紀における社会経済のあり方というものを、今大臣から御答弁がございまして、取り組んでいるわけですが、これが隅々に徹底してこそ初めて効果が上がるんじゃないか、私はそう思いますので、そのことを強く要望して質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/114
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115・中山成彬
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/115
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116・中山成彬
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/116
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117・中山成彬
○中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/117
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118・中山成彬
○中山委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、伊藤達也君外六名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。吉田治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/118
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119・吉田治
○吉田(治)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
再生資源の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 政府一丸となって循環型社会の実現を期すため、環境省等関係省庁間の十分な連携を図り、廃棄物・リサイクル関係法案との有機的かつ整合的な運用を行うとともに、今後とも諸外国の例も踏まえつつ、望ましい法体系のあり方につき検討すること。
二 循環型社会の実現のためには、事業者、消費者、地方公共団体の積極的な協力を得ることが不可欠であることにかんがみ、これらの関係者に対し本法の内容等について周知徹底を図るとともに、必要な情報提供を積極的に行うこと。また、環境負荷の少ない持続可能な社会を構築するためには意識の変革が不可欠であることから、環境教育を総合的・体系的に推進すること。
特に、環境負荷の少ない製品の製造及び提供並びに使用後の製品等の引き取り及び再利用等に事業者が積極的な役割を果すこと、消費者が環境負荷の少ない消費行動を行うことが重要であり、その支援を行う観点から本法及びリサイクル関係諸法・廃棄物処理法等を運用するとともに、事業者、消費者及び地方公共団体に対してもその旨の徹底を図ること。
三 本法に規定する各種製品及び業種の指定に当たっては、「技術的・経済的に可能」との要件を弾力的に運用し、可能な限り広範に行うとともに、判断基準の策定に当たっても、事業者に対して最大限の取組みを促すものとすること。
四 民間能力を最大限に活用しつつ事業者の廃棄物・リサイクル対策への一層の取組みを促す観点から、資源の有効利用に関連する技術開発、施設整備等に対する支援等に努めること。
五 リサイクル製品の新規用途の開発、国・地方公共団体における調達等により、リサイクル製品の市場拡大を支援するよう努めること。特に、公共事業におけるリサイクル製品の調達の拡大に努めること。
六 廃棄物の発生抑制やリサイクルを推進する観点から、デポジット制度等の経済的手法について製品毎の特性や実態を踏まえながら検討すること。
七 廃棄物の不適切な処理が行われる事例が発生していることから、環境面での現行の規制を徹底するとともに、さらに規制のあり方につき検討すること。
八 指定再利用促進製品及び指定副産物の判断基準の策定に当たっては、都道府県等が行っている産業廃棄物処理施策との整合性の観点から都道府県等と緊密な連携を図ること。
九 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)については、当初施行から未だ五年を経過しない今日においても既に、消費者努力により収集された容器が、必ずしも再商品化の成果に結びつかない等の実例も出てきている現状にかんがみ、同法附則に定める「施行十年後検討」条項を踏まえつつも、その施行状況につき不断の検討を行い、同期限以前であってもその運用については適時・適切な見直しに努めるべきである。
十 循環型社会の形成に向けて重要な意義を有する各種商品の本法及び関連諸法等における取り扱いについては、早急に具体化を図るべきであり、特に次の点の努力をすべきである。
1 使用済み自動車のリサイクル措置についての事業者への義務づけを含む措置の検討
2 パソコン等排出量が増大している電気・電子機器の本法の指定再資源化製品制度への指定や特定家庭用機器再商品化法の対象品目への追加
3 二次電池及びそれらを使用する製品について指定再資源化製品制度への指定
以上であります。
附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/119
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120・中山成彬
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/120
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121・中山成彬
○中山委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。
この際、深谷通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/121
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122・深谷隆司
○深谷国務大臣 どうもありがとうございました。
ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、本法律案の適切な実施に万全を期してまいります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/122
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123・中山成彬
○中山委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/123
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124・中山成彬
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/124
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125・中山成彬
○中山委員長 次に、内閣提出、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。
—————————————
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/125
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126・深谷隆司
○深谷国務大臣 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
エネルギー供給構造が脆弱な我が国においては、地球温暖化問題への対応といった環境保全及び効率化の要請に対応しながら、エネルギーの安定供給を確保するため、原子力政策を着実に推進していくことが必要であります。原子力発電は、発電開始以来三十数年が経過し、今や我が国の主要なエネルギー源として確固たる地位を占めるに至っております。
一方、原子力発電に伴い生じた使用済み燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電を進めていく上で残された最重要課題の一つであります。この課題を解決するため、最終処分費用の負担に関する世代間の公平性の観点に留意しつつ、最終処分の実施に必要な枠組みを早急に制度化することが極めて重要であります。
以上のような認識のもと、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるために必要な措置等を講じ、発電に関する原子力に係る環境の整備を図るため、今般、本法律案を提案した次第でございます。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、通商産業大臣は、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるため、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針及び最終処分計画を閣議の決定等を経た上で定めることとしております。
第二に、原子力発電環境整備機構は、概要調査地区等を選定しようとするときは、所要の調査を行い、その結果に基づき概要調査地区等を選定しなければならないこととするとともに、通商産業大臣の承認を受けなければならないこととしております。
第三に、発電用原子炉設置者は、特定放射性廃棄物の最終処分に必要な費用に充てるため、毎年、原子力発電環境整備機構に拠出金を納付しなければならないこととしております。
第四に、原子力発電環境整備機構は、最終処分計画等に従い、拠出金に見合う特定放射性廃棄物の最終処分を行わなければならないこととしております。なお、原子力発電環境整備機構が特定放射性廃棄物の最終処分を行う場合についての安全の確保のための規制については、別に法律で定めるところによることとしております。
第五に、特定放射性廃棄物の最終処分を行う原子力発電環境整備機構に関する事項、発電用原子炉設置者が納付した拠出金を最終処分積立金として管理する指定法人に関する事項その他所要の措置について定めることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/126
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127・中山成彬
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/127
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128・中山成彬
○中山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/128
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129・中山成彬
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114704461X01520000428/129
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