1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十三年十一月二十七日(火曜日)
午後一時開会
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委員の異動
十一月二十二日
辞任 補欠選任
小宮山洋子君 川橋 幸子君
十一月二十六日
辞任 補欠選任
若林 秀樹君 今泉 昭君
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出席者は左のとおり。
委員長 阿部 正俊君
理 事
田浦 直君
中島 眞人君
朝日 俊弘君
柳田 稔君
松 あきら君
委 員
久野 恒一君
佐藤 泰三君
斎藤 十朗君
伊達 忠一君
鶴保 庸介君
中原 爽君
南野知惠子君
藤井 基之君
宮崎 秀樹君
今井 澄君
今泉 昭君
川橋 幸子君
辻 泰弘君
沢 たまき君
井上 美代君
小池 晃君
森 ゆうこ君
西川きよし君
発議者 沢 たまき君
発議者 今井 澄君
発議者 柳田 稔君
発議者 朝日 俊弘君
委員以外の議員
発議者 清水嘉与子君
発議者 入澤 肇君
発議者 櫻井 充君
発議者 小川 敏夫君
発議者 江田 五月君
事務局側
常任委員会専門
員 川邊 新君
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本日の会議に付した案件
○保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案
(清水嘉与子君外二名発議)
○医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提
供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法
律案(今井澄君外五名発議)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/0
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001・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る二十二日、小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
また、昨二十六日、若林秀樹君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/1
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002・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 次に、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、発議者清水嘉与子君から趣旨説明を聴取いたします。清水嘉与子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/2
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003・清水嘉与子
○委員以外の議員(清水嘉与子君) ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・保守党及び公明党を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、保健婦助産婦看護婦法に定める資格の名称について、女子と男子とで異なっていることを改め、その専門資格をあらわすのに適当な名称とする等の措置を講じるものであります。
すなわち、保健婦助産婦看護婦法に定められている資格のうち、その名称について、女子には「婦」を、男子には「士」を用いている資格につき、これを改め、「師」を用いて、それぞれ「保健師」、「看護師」及び「准看護師」とするとともに、これらにあわせて、助産婦につきましても、「助産師」とすることとしております。
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上がこの法律案の趣旨及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/3
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004・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/4
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005・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 次に、医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を議題といたします。
まず、発議者今井澄君から趣旨説明を聴取いたします。今井澄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/5
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006・今井澄
○今井澄君 ただいま議題となりました医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、医療事故の多発、事故の際の医療機関側の不適切な対応の相次ぐ発覚などによって、国民の医療に対する信頼は大きく揺らいでおります。また、患者の権利意識の向上等を背景に、医療を提供する側の権威主義的な対応や、診療情報が十分に提供されていない現状に対し患者の側が強い不満を持つようになるなど、患者と医療を提供する者との関係のあり方が改めて問われるようになっております。
そもそも、医療は、患者を中心として、患者と医療を提供する者との共同作業として行われるべきものであり、医療が患者の理解と選択に基づいて行われるためには、医療を提供する側が患者に対しその提供する医療の内容について十分な説明を行い、診療情報を積極的に開示することにより、情報が患者と医療を提供する者との間で共有されることが必要となります。そして、そのことによって初めて、患者と医療を提供する者との間に信頼関係が生まれ、良質かつ適切な医療が行われることが可能となるとも言えるのです。しかし残念ながら、現実は、医療を提供する側の意識改革も、そのための体制の整備も十分に進んでいるとは言えない状況にあります。また、諸外国では診療情報の開示等について法制化する国がふえ、今や世界的な流れとなりつつあるにもかかわらず、我が国ではそれらに関する法制度は未整備のままです。
もちろん、我が国でもこれまでに診療情報の開示に関し法制化しようとする動きがなかったわけではありません。例えば、さきの医療法の改正に際し、医療審議会において診療記録の開示制度についても検討がなされ、その法制化を求める意見が多数であったにもかかわらず、一部の強い反対により、平成十一年の中間報告では積極論と消極論の両論が併記され、結局、法制化は見送られました。他方、法制化に消極的であった医師会の側では診療情報の提供に関する指針を作成するなどしておりますが、医療を提供する側の自主的な対応にゆだねるだけで現在の問題状況を変えることにはどうしても限界があり、診療情報の開示に関する法的な制度の整備が必要不可欠であります。そして、診療情報の開示の法制化は、その重要性が指摘されている自己情報のコントロール権を医療の分野で保障することにもつながります。
他方、医療において何よりも優先されなければならないのは、患者の安全であり、そのためにも医療事故を防止するための体制を確立することが急務であり、その点に関し、事故やヒヤリ・ハット事例に関する情報が医療機関内で収集され再発防止策として生かされるシステムの整備、医療事故が発生した場合の患者や遺族、あるいは行政に対する報告などによる情報開示の徹底が不可欠となっております。
また、医療については、医療技術の進歩等も相まってその質が問われるようになっており、医療の質の向上と医療の効率化を進める手段として、科学的根拠に基づいた医療、医療の第三者評価を促進することの重要性が増しております。
この法律案は、以上のことを踏まえ、医療を受ける者の理解と選択に基づいた良質かつ適切な医療の提供の促進、医療の透明性と安全性の確保を目的として、医療を受ける者に対する医療情報の提供、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備ということに特に着目をし、それに必要な基本的事項等について定めるものであり、そのことによって、医療の信頼性の確保及び向上と、医療を受ける者の権利利益の擁護を図っていこうとするものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、基本的理念及び責務であります。
医療は医療を受ける者と医療従事者との信頼関係のもとに医療を受ける者の理解と選択に基づいて行われること、医療の提供の際には安全かつその時点の医療水準等に照らして適切なものとなるよう最大限の配慮がなされること、診療情報については人格尊重の理念のもとに適正な管理及び利用がなされるとともに医療を受ける者と医療従事者との間で情報が共有化されるよう医療を受ける者の適切な関与につき配慮されるべきこと等を基本的理念として定め、これを受ける形で、医療機関、医療を受ける者並びに国及び地方公共団体の責務について規定しております。
第二に、医療機関に関する情報の提供であります。
医療機関は、医療従事者の員数、施設及び設備、医療の提供の実績等に関する事項を記載した書類を備え置き、医療を受ける者の求めに応じ閲覧させること、この法律に定める権利等について医療機関内において医療を受ける者の見やすいように掲示すべきこと等について定めるほか、医療機関の広告の規制緩和について、原則自由化の基本的な方向を示しつつ、別に法律で定めることとしております。
第三に、診療に関する説明等であります。
医師及び歯科医師は、診察に際し、患者等に対しその心身の状況に応じつつ診療に関し適切な説明を行うとともに、患者等の求めに応じてその概要を記載した書面を交付するほか、説明等と異なる診療または適切でない診療が行われた場合には、できる限り速やかに患者等に対しその事実、当該診療の概要などの事項を報告しなければならないものとしております。また、診療について、患者等は医療適正化委員会に相談することができることとし、第三者の意見を聞き得る道も開いております。
第四に、診療記録の開示及び訂正等であります。
患者、遺族等は、医療機関の管理者に対し診療記録の開示を請求することができ、医療機関の管理者は、開示することにより患者に悪影響を及ぼす場合などを除き、請求者に対し診療記録を開示しなければならないものとしております。なお、例外として、この法律の施行日前に行われた診療に係る診療記録の開示についてはその概要を記載した書面の閲覧または交付により行うことも認めております。また、患者は、開示を受けた診療記録の情報の内容に事実に関する誤りがあるときは、医療機関の管理者に対しその訂正等を請求することができ、医療機関の管理者は、誤りがあると認めるときは、診療記録の作成・保存の目的に必要な範囲内で訂正等を行い、その内容を請求者に通知しなければならないものとしております。
さらに、医療機関は、医療に要した費用の支払いに際して患者等から明細書の申し出があったときは明細書を交付するものとしているほか、診療情報の適切な管理、提供等を行うための体制の整備に努めるものとしております。
第五に、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備であります。
医療機関は、医療事故防止の具体的な指針の策定、医療従事者の研修など必要な体制の整備に努めるとともに、一定規模以上の医療機関についてはその構成の中立性に配慮した医療適正化委員会を設置するものとし、医療適正化委員会においては、医療事故、医療事故の防止対策等について調査審議を行い、開設者等に意見を述べるほか、苦情の処理等を行うこととしております。さらに、医療機関の開設者等に対しては、医療の提供の過程で重大な被害が生じた事故が発生したときの都道府県知事等に対する報告について義務づけをしております。
このほか、適正な医療を促進するため、医療技術評価及び医療の第三者評価の促進に関し、国の施策、関係者の協力や取り組み等について規定をしております。
第六に、苦情の解決であります。
患者等は、医療適正化委員会に対し医療または医療情報の提供に関し苦情の申し出ができ、医療適正化委員会は、事情調査を行い、開設者等に意見を述べ、その調査の結果を苦情の申し出者に対し通知するものとしているほか、都道府県等による苦情に関する相談、あっせん等の処理についても規定を設けております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上がこの法律案の趣旨及び内容の概要であります。
現在、医療保険制度の改革の議論が進められておりますが、そのためにはまず医療そのものが国民に信頼され、かつ、医療を取り巻く環境の変化に十分対応し得るものとならなければなりません。この法律が定める医療情報の提供と安全かつ適正な医療の確保はまさにその基盤となるものであり、そのためにも、この法律の制定がぜひとも必要です。
委員各位には、以上のことにつきまして十分に御理解を賜り、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/6
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007・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/7
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008・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/8
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009・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/9
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010・阿部正俊
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115314260X00920011127/10
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