1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十四年六月二十七日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月二十四日
辞任 補欠選任
池口 修次君 高橋 千秋君
六月二十五日
辞任 補欠選任
高橋 千秋君 池口 修次君
大江 康弘君 西岡 武夫君
六月二十六日
辞任 補欠選任
西岡 武夫君 大江 康弘君
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出席者は左のとおり。
委員長 北澤 俊美君
理 事
鈴木 政二君
脇 雅史君
藤井 俊男君
弘友 和夫君
委 員
荒井 正吾君
木村 仁君
月原 茂皓君
野上浩太郎君
野沢 太三君
森下 博之君
森山 裕君
吉田 博美君
池口 修次君
佐藤 雄平君
谷林 正昭君
藁科 滿治君
大沢 辰美君
富樫 練三君
国務大臣
国土交通大臣 扇 千景君
副大臣
国土交通副大臣 佐藤 静雄君
国土交通副大臣 月原 茂皓君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 森下 博之君
事務局側
常任委員会専門
員 杉谷 洸大君
政府参考人
海上保安庁長官 縄野 克彦君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民間事業者の能力の活用による特定施設の整備
の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正す
る等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
(不審船の引揚げに関する件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/0
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001・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/1
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002・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/2
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003・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案の両案を一括して議題といたします。
政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/3
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004・扇千景
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
ただいま議題となりました民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
まず、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
従来から港湾においては廃棄物を埋立処分するための廃棄物海面処分場の整備を推進してきたところですが、近年、内陸の最終処分場の不足に伴い、廃棄物海面処分場での廃棄物の受入れに対する期待が大きくなっております。一方、貴重な海面を埋め立てて整備する廃棄物海面処分場については、できるだけ長く利用できるような措置を講ずることが必要となっています。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、その要旨を御説明申し上げます。
港湾施設である廃棄物埋立護岸の適正かつ良好な形成を図るための施設であって、当該廃棄物埋立護岸において埋立てに用いられる廃棄物又は建設発生土をあらかじめ溶融、破砕、圧縮等の方法により高度に減量する機能を有するものを、港湾の利用の高度化を図るために設置される特定施設に追加することとします。
これにより、民間能力を活用した廃棄物等の減量化施設の整備を促進し、港湾における廃棄物海面処分場をできるだけ長く利用できるようにするとともに、埋立て後の造成地の高度な利用を図るものです。
次に、首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案について申し上げます。
いわゆる工場等制限制度は、首都圏の既成市街地及び近畿圏の既成都市区域における産業及び人口の過度の集中を防止し、都市環境の整備及び改善を図ることを目的に、一定規模以上の工場や大学等の新設及び増設を制限するものであり、首都圏では昭和三十四年、近畿圏では昭和三十九年に創設されました。
しかしながら、制度創設から約四十年経過した今日、製造業従業者数及び工場立地件数の減少等の産業構造の変化、少子化の進行に伴う若年人口の減少等、社会経済情勢が著しく変化しており、工場等制限制度はその有効性、合理性が低下してきております。
こうした観点から、平成十三年十二月には、国土審議会において、工場等制限制度は廃止することが適当である旨の答申が取りまとめられております。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、首都圏整備法及び近畿圏整備法につきまして、首都圏の既成市街地における工業等の制限及び近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する規定を削除する等、所要の改正を行うこととしております。
第二に、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律及び近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律を廃止することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案を提案する理由でございます。
これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/4
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005・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/5
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006・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) 次に、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。
不審船の引揚げに関する件についてでありますが、政府から説明を聴取をいたしますが、過日、理事懇談会におきまして説明を聴取をいたしまして、その際、理事の皆さん方から質問がございまして、それを取りまとめて今日は報告をいたしますので、委員の各位からの質疑はなしということで御了承をいただきたいと思います。
それでは、縄野海上保安庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/6
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007・縄野克彦
○政府参考人(縄野克彦君) 不審船の引揚げについて御説明申し上げます。
昨年十二月二十二日、海上保安庁は防衛庁から九州南西海域における不審船情報を入手し、直ちに巡視船、航空機を現場に急行させ、追尾を開始いたしました。巡視船、航空機による度重なる停船命令、射撃警告、威嚇のための射撃を行いましたが、不審船は引き続き逃走し、巡視船に対し自動小銃及びロケットランチャーのようなものによる攻撃を行ったため、巡視船による正当防衛のための射撃を実施し、その後、同船は原因不明の爆発により沈没いたしました。
同船からの攻撃により、海上保安官三名が負傷するとともに、巡視船に甚大な被害が生じました。
その後の巡視船、航空機による捜索活動により、二遺体等を揚収しております。
海上保安庁では、本庁に九州南西海域不審船対策本部を設置するとともに、第十管区海上保安本部に九州南西海域不審船捜査本部を設置し、鹿児島県警察本部と連携の上、海上保安官に対する殺人未遂等の捜査を鋭意進めているところであります。
事案を徹底解明するためには、船体を引き揚げた上で詳細に調査を実施することが必要不可欠であると一貫した認識を有しており、二月二十五日から三月一日までの五日間、巡視船搭載の自航式水中カメラ等を用いた調査により、沈没位置を特定するとともに、不審船の外観、船名等を確認しました。また、五月一日から八日までの八日間、潜水士及び潜水艇により沈没している不審船の外観調査を実施し、沈没船の船体がほぼ水平に安定した状態で海底に着底しており、船体が屈曲したり分断していないことを確認するとともに、それに併せて、遺体二体、ロケットランチャー様のもの、機銃様のものの武器四個等を揚収しております。
これらの調査結果を踏まえ、船体引揚げの可否等につきまして、専門家により技術的に検討した結果、引揚げが技術的に可能であるとの結論を得るとともに、船体の下につり上げ用ワイヤを通し、起重機台船により船体をつり上げる工法を採用することといたしました。
他方、船体引揚げにつきましては、現場海域が我が国が事実上中国の排他的経済水域として扱っている海域であるため、中国と調整しつつ適切に対処する必要がありました。船体の引揚げに関しましては、台風シーズン前に可能となるよう中国側の理解を得るべく、外交ルートを通じて中国側と協議を継続して行ったところ、今月十八日に中国側との調整が整いました。
中国との協議におきまして、中国側から重大な関心事項として、中国が国連海洋法条約上自国の排他的経済水域に対して主権的権利及び管轄権を有していることを承認することなどが表明されました。
このほか、中国側から、日本の巡視船が不審船事件発生以来現場海域に展開しているため、中国の漁船が漁場に近づけず、漁民から強い不満が提起されているとの指摘がなされておりますが、漁業問題につきましては、中国側の要求を引き続き真剣に検討し、誠意を持って対応することとしております。
中国との調整が整ったことを踏まえ、資料の一ページ目と二ページ目にお示ししておりますが、今月二十一日に開催されました関係閣僚会議におきまして、
一、昨年十二月に発生した九州南西海域不審船事案は、我が国周辺海域を重武装した国籍不明の船舶が往来し、我が国の安全に甚大なる脅威を与える状態にあることを改めて認識させた。
二、事案発生以来、関係機関により鋭意捜査を進めてきたところであるが、真相の徹底解明のためには、不審船船体の引揚げが必要不可欠である。
三、国民の安全を確保するという国家としての最重要課題に対応し、国民からの負託にこたえるため、政府として、不審船船体を引き揚げるべく速やかに作業に着手することを決定する。
との政府方針が決定されました。
その後の閣議におきまして、一般会計予備費として最大五十八億八千四百七十四万五千円の使用が決定されたところであります。なお、本予備費には中国側から要求のある漁業問題への対応については含まれておりません。
本決定を受け、海上保安庁におきましては、民間サルベージ会社と契約し、引揚げ作業に着手したところであり、今後、現場の気象状況等により延伸することがありますが、順調にいけば約一か月の作業を予定しております。
具体的作業につきましては、資料の三ページ目に図示しておりますけれども、まず、潜水艇により沈没船付近の障害物を除去いたします。次に、潜水士により船底下につりワイヤーを通すためのワイヤーガイドを作成いたします。船体前部及び後部のワイヤーガイドにつりワイヤーを通します。つりワイヤーの外れ止めのために甲板上に外れ止めワイヤーを施します。潜水士により起重機につりワイヤーを掛けます。船体を水面までつり上げ、停止をさせます。船体内の海水を排水いたします。そして、船体をつり上げ台船上に載せることといたします。といった手順を予定しておりまして、引き揚げられた船体は、その後、捜査本部のある鹿児島に搬送することとしております。
なお、引揚げ作業期間中、現場海域において巡視船等により必要な警戒監視活動を実施することとしております。
海上保安庁としましては、不審船の活動内容、犯罪目的を明らかにし、事案を徹底解明するためには、船体を引き揚げた上で詳細に調査を実施することが必要不可欠であると考えており、引き続き全力を傾注する所存であります。
なお、資料の四ページ目に抜粋をお示ししておりますが、本年四月、政府部内で「九州南西海域不審船事案対処の検証結果について」が取りまとめられております。
海上保安庁におきましては、本検証結果に基づき、海上保安庁巡視船艇、航空機の不審船追跡能力向上のための荒天の影響を受けにくい高速大型巡視船の整備、海上保安庁巡視船、航空機の情報・通信・監視能力の向上のための巡視船艇、航空機の昼夜間の監視能力の強化、職員、隊員の安全確保対策のための巡視船艇の防弾対策などの装備の充実等について必要な予算の確保に力を尽くしたいと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/7
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008・北澤俊美
○委員長(北澤俊美君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115414319X02020020627/8
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