1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十四年十一月二十一日(木曜日)
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議事日程 第十号
平成十四年十一月二十一日
午後一時開議
第一 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案(内閣提出)
第三 農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案(内閣提出)
日程第三 農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
構造改革特別区域法案(内閣提出)
午後一時三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/0
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001・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
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日程第一 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/1
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002・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。財務金融委員長小坂憲次君。
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預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔小坂憲次君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/2
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003・小坂憲次
○小坂憲次君 ただいま議題となりました両案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
初めに、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、第一に、為替取引等に用いられ、かつ、要求払い・無利息である預金については、決済用預金として、金融機関の破綻時にその全額を保護することにしております。
第二に、金融機関が破綻前に依頼を受けた振り込み等の仕掛かり中の決済の結了を可能とするため、仕掛かり中の決済債務を全額保護することにしております。
なお、流動性預金は、平成十七年三月末まで全額保護することにしております。
次に、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案について申し上げます。
本案は、第一に、金融機関等の合併等の組織再編成に伴う総会手続等を簡素化するための特例を、当分の間、設けることにしております。
第二に、経営基盤の強化に関する計画を平成二十年三月末までに提出し、主務大臣の認定を受けた金融機関等について、根抵当権の譲渡に係る特例等の措置を講ずることにしております。
第三に、組織再編成を行うことにより低下した自己資本比率を回復するため、預金保険機構が整理回収機構に委託して、優先株式の引き受け等を行う措置を講ずることにしております。
第四に、当分の間の措置として、合併等を行った金融機関等の預金者等に対し、合併等の後、一年間に限り、保険基準額の特例を設けることにしております。
両案につきましては、去る十一月七日当委員会に付託され、同月八日竹中国務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、十五日には参考人の意見聴取を行うなど慎重な審議を進めましたところ、十九日、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、五十嵐文彦君外一名から、民主党・無所属クラブの提案に係る修正案が提出されました。次いで、両案及び修正案について質疑を行い、質疑を終局した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、修正案は否決され、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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004・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。長妻昭君。
〔長妻昭君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/4
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005・長妻昭
○長妻昭君 民主党の長妻昭でございます。
民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました、いわゆるペイオフ再延期法案である預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、そして、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案について、反対の立場から討論をいたします。(拍手)
もはや、小泉内閣の経済政策が行き詰まっていることは明らかであります。小泉総理は、ペイオフは構造改革の一環であり、予定どおり実施すると公約したにもかかわらず、政策転換の説明責任を果たすこともなく、二年間の延期を決めました。
本法律案は、小泉構造改革の重要な柱であるペイオフに関する公約をほごにするという点で、まさに、小泉経済失政の象徴と言えます。
ペイオフは、預金保険の適用を預金の元本一千万円までとその利息に限ることで、消費者が金融機関をより厳しく選別し、強い金融機関を生み出すための措置であります。政府は、銀行の健全性には全く問題はなくなった、だから普通預金など流動性預金のペイオフも来年四月から実施をすると、国会で幾度となく繰り返してまいりました。
しかし、今回突然、普通預金のペイオフは二年延期する法律を提出してまいりました。金融機関が健全でなくなったから、緊急措置としてペイオフを延期するというのならまだわかります。ところが、竹中金融担当大臣も高木金融庁長官も、金融機関の健全性には全く問題はない、しかしペイオフは延期するという、意味不明の答弁を国会で繰り返すばかりであります。
小泉総理も竹中大臣も金融庁も、もう本当のことを言ったらどうでしょうか、現在の状況は金融危機そのものであると。銀行株の下落傾向が続き、株価全体を沈めている上、市場の金融機関に対する不信感は一向に消えません。
この際、即座に金融危機を宣言した上で、ペイオフ延期を一年に限定して、問題銀行への公的資金注入を経営者辞任と引きかえに断行し、民主党の金融再生ファイナルプランを実行すべきと考えます。この考え方に基づいて、民主党は、ペイオフ一年延期の修正法案を提出したわけであります。我が党が政権にいれば、一年で金融問題にけりをつけます。
助けるべきものは、銀行そのものではありません。銀行の先にある企業そのものです。遅くとも一年以内に金融システムを立て直さなければ、多くの中小零細企業が銀行の貸しはがし、貸し渋りによって力尽きてしまいます。
政府の言うようにペイオフの二年延長では、金融システム健全化も二年間先送りされることになりかねません。
今から三年前、銀行に七兆円もの公的資金を投入した際、現在と同様、銀行は健全との虚構で塗り固めたため、銀行経営者を辞任させずに、経営者が居座り続けました。このため、経営体質が何ら変わらず、今日の金融危機を招いたのです。過去の過ちは絶対に繰り返してはなりません。
小泉総理と竹中大臣並びに金融庁は、これまで、銀行は健全、健全と繰り返してきた過ちを総ざんげした上で、現在が金融危機であることを宣言しない限り、道は開けません。
本法案では、新たに決済性預金を設定して、銀行が本当に健全になった後も無期限に全額保護するという規定もありますが、税金を負担する国民にとってはたまったものではありません。銀行の体力強化の趣旨からも逆行する規定は必要ありません。
再編促進法案に関しましては、健全な金融機関同士の合併に際して、なぜ公的資金注入が必要なのか、理由が不明であります。合併に際し、経営者の責任を問わないまま、また安易な資本注入が予想されることから、本法案に反対をいたします。
政府の金融再生には三つの大きな問題があります。一に実行が遅過ぎる、二に銀行に甘過ぎる、三に理念がなさ過ぎるです。銀行に優しい政策では、最後には、国民の皆様が地獄を見ます。
小泉総理、竹中大臣が、銀行の顔色ばかりをうかがうのではなく、一刻も早く目を覚まして、民主党の金融再生ファイナルプランを丸のみすることが我が国経済再生の唯一の道であると申し上げまして、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/5
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006・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 石井啓一君。
〔石井啓一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/6
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007・石井啓一
○石井啓一君 公明党の石井啓一です。
私は、自由民主党、公明党、保守党を代表して、ただいま議題となっております二法案について、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
まず、預金保険法等の一部改正法案について申し述べます。
現在、各金融機関は多くの不良債権を抱えるなどの問題に直面しており、預金者は金融機関に厳しい目を向けております。そうした中、構造改革を進めつつ経済を持続的成長軌道に乗せるため、不良債権処理を加速化させ、不良債権問題を終結させる必要がありますが、その際には、金融システムの安定に配慮しつつ、中小企業金融等金融の円滑化に配慮することが不可欠であります。したがって、現在の流動性預金の全額保護措置を平成十七年三月末まで二年間延長し、ペイオフ解禁は不良債権問題を終結させた後の十七年四月とすることが適切と考えます。
また、経済取引にとって、決済を確実に完了させることが重要であることは言うまでもありません。今回の法改正により、要求払い・無利息等を要件とする決済用預金を全額保護する制度を創設し、決済機能の安定確保のために必要な措置を手当てすることは、預金保険制度が果たしている機能を高め、国民経済にとって極めて有意義なことと考えます。
金融システムの安定を確保しつつ不良債権処理を加速化させるとともに、将来にわたる決済機能の安定を確保する観点から、本法律案に賛成するものであります。
次に、金融機関組織再編特措法案について申し述べます。
現下の厳しい経済情勢のもと、各金融機関の経営者は、スピーディーかつ的確な経営判断により、経営基盤を強化し、顧客のさまざまなニーズにこたえていくことが期待されているところであります。
本法案は、金融機関が経営基盤を強化するため、自主的な経営判断により合併や持ち株会社化といった組織再編成を行おうとする場合、手続の簡素化や資本増強といった支援を行うことで、組織再編成を円滑化させることを目的としており、我が国金融システムをより強固なものとするため、時宜を得た法案であると考えます。
とりわけ、地域金融機関が地域経済において果たしている役割は極めて大きく、地域の資金需要に適切に対応するためには、確固たる融資対応力、経営基盤の強化は不可欠であり、こうした点について本法案は十分こたえるものになっていると考えます。
以上から、本法律案に賛成するものであります。
両法案が一日も早く成立することを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/7
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008・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 中塚一宏君。
〔中塚一宏君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/8
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009・中塚一宏
○中塚一宏君 私は、自由党を代表し、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正案、金融機関組織再編特別措置法案の二法案につきまして、反対の討論を行います。(拍手)
小泉総理の就任から一年半がたち、政府が国民の実感とかけ離れた景気底入れ宣言をしてから半年がたちましたが、株価は八千五百円前後まで落ち込み、さらに下げ続けようといたしております。この間、政府・与党は何ら有効な施策を打ち出しておりません。それどころか、金融再生プログラムのように、行政の責任者自身が、細部は全く詰めないまま、できもしないことを仰々しく並べ立て、結果として危機をあおるようなことは、言語道断と言わざるを得ません。
この二法案も、要するに、まともな経済政策を考えさえしてこなかった小泉内閣の失政を穴埋めするための方便にすぎません。
反対する理由を申し述べます。
反対の第一の理由は、今回の改正の大きな柱の一つであるペイオフ完全実施の二年延期という明白な経済政策の破綻について、小泉総理が十分な説明責任を果たしていないことであります。小泉総理は、かねてから、ペイオフ実施は予定どおりと明言し、竹中経済財政担当大臣は、ペイオフ実施延期に象徴される政府の信頼を損ねることがない経済運営を行いたいと就任当初から言っておりました。しかし、経済運営に失敗した結果、新たな不良債権が急増し、金融システムが不安視されているにもかかわらず、小泉総理も竹中大臣も、政策強化と言い張り、言葉のすりかえに終始するばかりであります。
竹中大臣は、かつて委員会審議において、ペイオフを延期しなければならなくなれば残念だと言いましたが、残念な事態に立ち至ったみずからの経済運営の責任をどう自覚しておられるのか。ペイオフ延期をしなければならない経済状況に立ち至ったのも経済運営失敗の結果であり、竹中経済財政担当大臣、小泉総理は、責任をとり、国民に謝罪をするべきであります。
反対の第二の理由は、今回の改正案では、決済性預金の保護策として、普通預金にゼロ金利の決済用預金を設け、それを全額、恒久的に保護する措置が盛り込まれておりますが、これは本来、ペイオフ完全実施を前提に講じられた措置であり、来年四月から決済用預金をつくる意義が明確ではありません。このことは、小泉内閣が金融問題に対する基本方針を持たずに、びほう策を繰り返してきたことを如実に示しております。そればかりか、同じ預金でも全額保護のあるなし併存の制度をつくることで、かえって混乱を起こすことさえあります。
反対の第三の理由は、金融機関組織再編特別措置法では、優良な銀行が他の銀行を救済合併するときの自己資本比率の低下に対し、公的資金を投入して自己資本の増強を図ることとしていますが、相変わらず、合併しさえすればよいという考えに基づいております。合併して大きくしても、経営基盤が強化されず、不良債権問題も解決しないのは、四大銀行を見ても明らかであります。特に地域金融機関の場合、地域密着で小回りのよさが必要ですが、合併によりかえってニーズにこたえることができなくなるという懸念すらあります。
以上、二法案に反対する主な理由を申し述べました。
小泉内閣が、すりかえ、居直り、自画自賛答弁に終始するだけで、何も実行力がある政策を打ち出していないこと、それが今の金融に対する国民や市場の不安の原因であります。不良債権問題を銀行の健全性に矮小化することなく経済政策としてとらえること、特にマクロ経済政策をしっかりと打ち立てることが重要であることを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/9
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010・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 吉井英勝君。
〔吉井英勝君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/10
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011・吉井英勝
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました、預金保険法及び金融機関等更生手続特例法の一部改正案並びに地域金融機関組織再編特別措置法案の二案に対し、反対の討論を行います。(拍手)
小泉内閣は、不良債権処理を二年間で一気に加速させる方針を決定して、中小企業の倒産と失業を増加させ、デフレを一層加速する政策を進めています。国民の暮らしを応援して最終需要を拡大する景気対策をとらないで不良債権処理を進めれば、不良債権がさらにふえるという悪循環をもたらすことは、これまでの実績でも明らかであります。経済危機を深刻化させる政策をとりながら、その結果、金融機関が破綻したときにペイオフを行ったのでは、信用不安を深めるばかりではありませんか。
そこで、提案されている預金保険法等の一部改正案についてです。
反対理由の第一は、今回のペイオフ延期措置が、小泉内閣の進める不良債権早期最終処理の加速化を図るためとして、その集中処理期間に対応して二年間に限定されたものだからであります。本来、預金全額保護の解除は、経済の立て直し政策による景気の回復を大前提とするべきです。機械的に二年間という期限を区切って、不良債権処理の加速策による企業つぶし、金融機関の淘汰、再編の方針と直結して出されているものだからであります。
第二に、金融機関の財務内容だけを健全性の基準とする行政手法のもとでは、ペイオフ解禁を二年延期しても問題の解決にはならないからであります。決済用預金の創設も、地域金融機関からの預金流出に歯どめをかけるものとはなり得ません。地域において金融不安をつくり出し、預金者の金融機関への信頼を失わせてきたのは、自己資本比率と金融検査マニュアルをてこに、一律で画一的な基準を押しつけ、金融機関の整理、淘汰を進めてきた政府の金融政策そのものではありませんか。
次に、地域金融機関再編特別措置法案についてです。
反対理由の第一は、地域金融機関に収益力強化を求め、合併による再編を促すものであるからです。合併して規模の拡大を図っても必ずしも地域金融機関の経営にプラスにならないことは、委員会の参考人質疑で、地域金融機関の代表が口をそろえて述べたとおりであります。合併促進に伴う店舗の廃止やリストラは、中小企業支援を後退させ、不況で苦しむ地域経済に追い打ちをかけることは必至であります。これは、収益力強化どころか、地域金融機関の経営基盤そのものを掘り崩すものになることは明らかではありませんか。
第二に、法案は、組織再編成を促すために、合併等で金融機関の自己資本比率が低下した場合に、公的資金で補う仕組みを用意していますが、一方で地域金融機関の機能を弱体化させながら、公的資金投入の仕組みをつくることは、到底認められません。
しかも、重大なのは、この合併等には大手銀行も対象から排除されておらず、自己資本比率が低下した大手銀行にも、合併前の自己資本比率を上限に公的資金が投入できる仕組みを持たせているということであります。体力がある金融機関に国民の血税を投入することは、全くの税金のむだ遣いにほかなりません。
地域金融機関の経営を安定させ、国民の金融への信頼を回復するには、政府が金融機関の収益性の重視に傾斜するのではなく、地域金融機関が地域経済と中小零細企業を支えるという、本来の役割を発揮するように行政的支援を行うことこそ必要ではありませんか。地域経済と地域の中小企業への貢献度などで金融機関を評価する、我が党が提出している地域金融活性化法案の方向こそ、その道であります。このことを強調して、私の反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/11
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012・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 阿部知子君。
〔阿部知子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/12
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013・阿部知子
○阿部知子君 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、社会民主党・市民連合を代表して、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に反対し、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)
ペイオフ解禁については、これまで一貫して、政府は、この四月にまず定期性預金、そして来年には普通預金も解禁するとの方針をずっと言い立てておりました。ところが、十月になると、これが一転して、二年延期というお話になり、百八十度の転換かと思われます。
現下の金融情勢は、皆様もよく御承知のごとく、金融機関の仲介機能が全く働いておらない、いわゆる機能不全と言える状態になっていると思います。積み重なる不良債権、銀行株の大幅な下落、自己資本比率の低下懸念など、信用と信頼がいわば命という金融機関にとっては、本当に危機的状況と言えると思います
そもそも、根幹となる銀行の収益力自体が極めて低いという日本の銀行の現状です。ペイオフ解禁はしたくてもできないというのが現状であり、このことをきちんと認めた上で、いわば二年の延長は当然の措置と言えると思います。
しかし、これまで、まずペイオフ解禁ありきだということで事を進めてきた政府・与党、とりわけ金融機関に対する監視、監督のなれ合いなどについて一切反省することのなかった、そして、突然に政策転換するその姿勢は、国民を愚弄するものであり、政治的責任放棄に等しいと思います。
しかも、ペイオフ解禁を前提にいわゆる決済性預金を設けるということですが、このことは、銀行の仕事上の負荷を増すばかりでなく、そこに、流動性に問題が生じるようないわば一つの口座ができてしまうということで、本来の趣旨を損ない、そもそも、二年の延期の時点で、かようなこそくな手段を用いずともよい話であります。
本法案の審議の直前に、政府は、総合デフレ対策なるものを打ち出しました。その中心となっているのが金融再生プログラムですが、平成十六年度には主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させることを明言しております。簡単に言うと、不良債権処理を加速させるということですが、そうであればそうであるとて、これまでの方針をきちんと転換したのであるということを明言して行うべきであります。なし崩し的、ごまかし的、言い逃れ的な手法は、一切許されるものではありません。
小泉首相が昨年六月に打ち出した骨太方針も、また、ことし二月のデフレ対策も、日本経済のデフレ克服に向かうどころか、一層デフレを加速して、決定的に低迷を持ち込みました。小泉政権以降、皆さんもこれも御承知のように、株価は下落の一途、発足時の約六割に目減りしております。金融政策だけをとっても、むしろ、経済の潤滑油たる銀行の機能を徹底的にダメージしたという点で、小泉政権の責任は重いと思います。
今、求められているのは、問題の先送りやなし崩し的なやり方を改めて、これまでの経済政策の誤りを素直に認め、そして、政治責任を明らかにした上で、並びに銀行にもきちんと責任をとってもらった上で、機能不全を起こしている金融について施策を打つべきです。
また、金融機関等の合併を促進する特別措置法案に関しては、賛成の態度を明らかにしたいと思います。
地銀、信金、信組などの地域金融機関は、いわゆる地域の金融を本当に担い、これまでも実直にやってこられたことと思います。しかし、もしも、今後、何らかの資本過少などが生じて、お互いがお互いの判断で合併という事態を選択するということも、あり得る一つの選択肢と思います。
これまでのように、ペイオフを振り回して、ペイオフ解禁を手段として信金、信組つぶしにひたすらに走ってきた政府の金融行政の姿勢を根本的に改めた上で本法案の活用を図るという前提に立ち、私どもの賛成の討論とさせていただきます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/13
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014・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/14
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015・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
まず、日程第一につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/15
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016・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第二につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/16
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017・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/17
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018・下村博文
○下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
日程第三とともに、内閣提出、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/18
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019・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/19
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020・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
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日程第三 農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/20
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021・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 日程第三、農薬取締法の一部を改正する法律案、ただいま日程に追加されました農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。農林水産委員長小平忠正君。
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農薬取締法の一部を改正する法律案及び同報告書
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔小平忠正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/21
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022・小平忠正
○小平忠正君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、農薬取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、最近における無登録農薬の流通及び使用の実態を踏まえ、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用を図るため、無登録農薬の製造、加工、輸入及び使用の禁止、輸入代行業者による虚偽の宣伝の禁止、罰則の強化等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、十一月十四日大島農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十九日質疑を行いました。質疑終局後、民主党・無所属クラブから修正案が提出され、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
次に、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、農漁協系統の信用事業のセーフティーネットである貯金保険制度について、預金保険制度と同様の整備を講じようとするもので、経営困難農水産業協同組合に係る資金決済の確保に関し、貯金者の保護を図ろうとする等のものであります。
本案は、去る十一月七日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、同日本委員会に付託されました。
委員会におきましては、十一月十九日大島農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、二十日及び本二十一日に質疑を行いました。質疑終局後、民主党・無所属クラブから修正案が提出され、討論を行い、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/22
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023・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
まず、日程第三につき採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/23
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024・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/24
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025・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/25
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026・下村博文
○下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
内閣提出、構造改革特別区域法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/26
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027・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/27
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028・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
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構造改革特別区域法案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/28
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029・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 構造改革特別区域法案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。内閣委員長佐々木秀典君。
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構造改革特別区域法案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔佐々木秀典君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/29
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030・佐々木秀典
○佐々木秀典君 ただいま議題となりました構造改革特別区域法案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、構造改革特別区域の設定を通じ、経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図るため、内閣総理大臣による構造改革特別区域計画の認定の手続、構造改革特別区域に係る法律の特例に関する措置等を定めるとともに、構造改革特別区域推進本部を設置しようとするものであります。
本案は、去る十一月八日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、同日本委員会に付託されました。
本委員会におきましては、同日鴻池構造改革特区担当大臣から提案理由の説明を聴取し、十三日から質疑に入り、十九日には参考人から意見を聴取いたしました。
本日、本案に対し民主党・無所属クラブから修正案が提出され、提出者から趣旨の説明を聴取し、さらに小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行いました。質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/30
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031・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/31
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032・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/32
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033・綿貫民輔
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時四十三分散会
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出席国務大臣
農林水産大臣 大島 理森君
国務大臣 鴻池 祥肇君
国務大臣 竹中 平蔵君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115505254X01220021121/33
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