1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十六年五月十八日(火曜日)
午前十時三分開会
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委員長の異動
五月十四日簗瀬進君委員長辞任につき、その補
欠として和田ひろ子君を議院において委員長に
選任した。
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委員の異動
五月十三日
辞任 補欠選任
柏村 武昭君 中島 眞人君
岡崎トミ子君 佐藤 泰介君
五月十四日
辞任 補欠選任
佐藤 泰介君 岡崎トミ子君
簗瀬 進君 和田ひろ子君
五月十八日
辞任 補欠選任
森元 恒雄君 加治屋義人君
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出席者は左のとおり。
委員長 和田ひろ子君
理 事
仲道 俊哉君
西銘順志郎君
森田 次夫君
神本美恵子君
吉川 春子君
委 員
岡田 広君
加治屋義人君
関口 昌一君
竹山 裕君
中島 眞人君
森元 恒雄君
岡崎トミ子君
川橋 幸子君
松井 孝治君
魚住裕一郎君
白浜 一良君
小林美恵子君
黒岩 宇洋君
国務大臣
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 小野 清子君
国務大臣 金子 一義君
副大臣
内閣府副大臣 佐藤 剛男君
事務局側
常任委員会専門
員 鴫谷 潤君
政府参考人
警察庁長官官房
長 吉村 博人君
警察庁生活安全
局長 伊藤 哲朗君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○警備業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(
内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/0
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001・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
この際、一言ごあいさつを申し上げます。
このたび内閣委員長に選任をされました和田ひろ子でございます。
本委員会は、内閣の重要政策及び警察等、国政の基本にかかわる諸問題を所管するものであり、委員長としてその責任の重大さを感じております。
このような重要な委員会の委員長として、微力ではございますが、委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会の運営に努めてまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願いします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/1
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002・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 委員の異動について御報告いたします。
去る十三日、柏村武昭さんが委員を辞任され、その補欠として中島眞人さんが選任されました。
また、去る十四日、簗瀬進さんが委員を辞任され、その補欠として私、和田ひろ子が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/2
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003・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
警備業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁長官官房長吉村博人さん外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/3
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004・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/4
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005・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/5
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006・森田次夫
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
まず、警備業法に入る前に、警察の問題につきまして若干御質問をさせていただきたいと思います。
内閣委員会で、去る十一日でございましたけれども、九州管区の警察局の視察を行いまして、そのとき、九州管区警察局の文書の廃棄状況につきまして説明を受けたわけでございますけれども、これ以外で同種の事案はあるのかないのか、まずその点について御質問をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/6
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007・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 九州管区警察局におきまして平成十年度分の会計文書を保存期限の満了前に廃棄をいたしまして、誠に遺憾でありまして、残念に思っている次第でございます。
警察庁が全国に平成十年度分の会計文書を当分の間保存するよう指示、連絡をいたしましたのが三月の二十四日でありますが、この二十四日以降に、この九州管区の事案を含めまして、捜査費関係、旅費関係、物品管理関係等の会計文書を廃棄をした所属、部局は十部局十六所属となっております。十部局十六所属でございます。
廃棄した部局の内訳を具体的に申し上げますと、九州管区警察局におきまして三所属、皇宮警察本部で一所属、八都県警察において十二所属でございます。
会計文書と申す場合には、捜査費関係あるいは旅費の関係、物品使用書等々多岐にわたるわけでありますが、その中でも、捜査費関係文書を廃棄した部局につきましては、十部局十六所属のうち、既に公表しております九州管区警察局の広域調整一課、二課以外にはこれはございません。旅費関係文書を廃棄した部局につきまして、九州管区の、先ほど申し上げました二所属と七都県警察十一所属で発生をしております。
以上申し上げましたのは、二十四日の指示連絡以降の話でございますが、それ以前におきましても、現時点で全国で相当数の部局において亡失、廃棄事案が認められているところでございまして、現在、詳しい事実関係を調査をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/7
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008・森田次夫
○森田次夫君 相当数ということでございますけれども、今後、再発防止につきまして、警察庁としてどのように考えておられるのか、その点についてもお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/8
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009・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 一連の廃棄事案を踏まえまして、警察庁におきましては、四月三十日に、全国に対しまして、会計文書の適正な保管、管理についてと題する官房長の通達を出しております。この中で、文書管理の重要性を改めて認識をして、その保管、管理に遺漏なきを期されたいと通知をしているところでございますが、同じ四月三十日に、全国の総務・警務部長会議が開催になりまして、ここで、大臣にも御出席をいただいたところでございますが、会計文書の適切な分類、保管、あるいは確認など、防止のための、文書の誤廃棄を防止するためのハード面の整備あるいはチェックを強化するよう既に指示をしたところでございます。
例えば、具体的には、職員に対する文書管理規程等の周知徹底に始まりまして、文書ファイルの背表紙などへ保存期限をはっきり記載し、色分けをするとか、いろいろ防止するためにすることはあると思いますので、これを既に、個別的ではありますが、こちらからこの会議でも指示をいたしまして、今各県で取り組んでおりますが、また公安委員会の御指導をいただきながら最終的には今後取りまとめてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/9
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010・森田次夫
○森田次夫君 それで、最終的にはいつごろまでにこれを取りまとめ、報告をされるおつもりか、そのめどでも結構でございますので、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/10
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011・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 三月二十四日以降は今申し上げた数字でございますが、それ以前のものを全部含めてということになりますと、実は所属が三千所属近くにもなりますし、六か年分ということで、今相当数まとまっておりますが、一応の私どものめどとしましては、でき得れば今月中にはという感じでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/11
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012・森田次夫
○森田次夫君 ひとつ、できるだけ速やかということでもって要望させていただきます。よろしくどうぞお願いします。
次に、警備業法の改正につきましてお尋ねをいたします。
まず、警備業法改正の前提としまして、昨年十二月に策定されました「犯罪に強い社会の実現のための行動計画 「世界一安全な国、日本」の復活を目指して」、こういうことについてお伺いいたすわけでございますけれども、ここでは治安の回復の三つの視点としまして、国民が自らの安全を確保するための活動の支援であるとか、犯罪の生じにくい社会環境の整備などがまず前提として述べられているわけでございます。そして、これらの視点を受けまして五つの重点課題が述べられておるわけでございます。その第一が平穏な暮らしを脅かす身近な犯罪の抑止であり、その具体策といたしまして、自主防犯活動に取り組む地域住民、ボランティア団体の支援等が挙げられておるわけでございます。しかし、いきなり国民が自らの安全を確保というふうに言われましても、一般の住民は素人でございますので、万全を期するのは容易ではないだろう、むしろ困難であろうというふうに思うわけでございます。
この行動計画を見ますと、もう警察は手一杯だ、だから自分たちでやってくれ、こういうふうにも取れなくもないわけでございます。国民に自助努力をお願いする一方で、警察としてもここまでやるから、そういった意気込みを見せないと国民は納得しないんじゃないのかな、こんなにも思うわけでございます。この点につきまして、まず小野国家公安委員長の御見解を承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/12
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013・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 森田議員おっしゃるとおりでございます。国民の生命、身体及び財産を保護するという、いわゆる公共の安全と秩序を維持することが我々警察の責務であると、そのような認識は持っております。ただ一方で、良好な治安というのは警察の活動のみによって保たれるものではございませんので、国民一人一人が地域におきまして安全な生活あるいはそれを確保するための自発的な取組、すなわち今先生おっしゃっていただきました自主防犯活動ということが求められておりまして、警察といたしましてもこのような活動を適切に支援をしてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
警察といたしましては、昨年から、治安回復ということを旗印にいたしまして、全国警察を挙げまして、街頭犯罪、侵入犯罪等、国民に不安を与えております犯罪に対しましての対処を推進いたしまして、その結果、八年ぶりに刑法犯認知件数が二百七十九万件と六万四千件減少したところでございますけれども、犯罪情勢はその数と申しましても大変少ないとは言える数ではございません。
そうした深刻な状況にありますことから、警察官の増員を含めてお願いをしながら、安全で安心な町づくりの実現に向けまして、今後一層その責務を全うしていくように指導してまいりたいと、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/13
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014・森田次夫
○森田次夫君 その行動計画を見ますと、平穏な暮らしを脅かす身近な犯罪の抑止の具体策といたしまして、民間事業との連携による犯罪対策の推進、それから生活安全産業としての警備業の育成と活用、こういった項目があるわけでございますけれども、今も申し上げましたとおり、一般住民に自ら安全を確保しろと言ってもこれは限界があるわけでございまして、大事なところは、警備員であるとかセキュリティー会社であるとか、そういった民間のプロに頼るしかない、これが実情だろうというふうに思うわけでございます。
そこで、民間の防犯関係の事業者でございますけれども、今や国民の安全確保の一翼を担う重要な存在である、こういうことを改めて認識しておるところでございますけれども、そこでお伺いするわけでございますが、こうした民間事業者と警察との関係、これはどうなっておるのか。縦の関係あるいは横の関係ですね、この辺はどうなっておられるのか。また、行動計画の理念としては民間事業者をどのように位置付けておられるのか。この二点についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/14
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015・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 治安を回復し犯罪に強い社会を構築するためには、警察だけでなく、国民一人一人が自らを守るという防犯意識の向上が必要であります。そして、こうした国民の自主防犯活動を補完又は代行するシステムとして、警備業の役割はますます重要なものとなってきております。
警備業は国民の安全にかかわる業務を行うものであり、質の高いサービスを提供する警備業者を国民が利用できるようにするための環境整備が重要であります。警備業者と警察の関係につきましては、国民の安全にかかわる業務が適正に行われるようにするという面で指導監督関係にあると言えますが、一方で、警察の役割と国民の自主防犯活動が車の両輪の関係にあることにかんがみますと、その国民の自主防犯活動を補完又は代行する警備業と警察は、犯罪に強い社会を構築するという目的に向けての横の協力関係にあるということも言えるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/15
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016・森田次夫
○森田次夫君 車の両輪ということで、是非ともそういったことで進めていただきたいというふうに思います。
最後に、行動計画についてもう一問だけ質問をさせていただきます。
生活安全産業としての警備業の育成と活用、こういうことを掲げておるわけでございます。また、昨年六月に出されました五百三十万人の雇用創出プログラムでございますけれども、警備業における政策課題といたしまして、人的基盤の高度化、それから専門的かつ多様な警備サービスの利用環境の整備、こういったことも掲げておるわけでございます。
現在、十四年度の末でございますけれども、警備員の総数は約四十四万人、そして総売上高が約二・七兆円、警備業は今や正に一大産業、こういうことであろうかと思います。しかしながら、依然として、育成とか、それから高度化とか専門性、そういったことが求められておるわけでございます。ということは、国民の安全確保の一翼を担う業界としては物足らない部分があるのかな、こういうふうにも思うわけでございます。
生活安全産業としての警備業に求められているその水準ですね、このくらいはしてほしいよという、難しいことかも分かりませんけれども、ある程度そういった水準、そういったものをお示しをいただきたいということと、また、今回の改正案で警備業の水準をどの程度まで高めようと、高める効果があると見込んでおられるのか、この二点についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/16
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017・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 生活安全産業としての警備業に求められる水準がどの程度かということにつきましては、一義的に申し上げられるものではありませんけれども、基本的には自主防犯活動を行おうとする依頼者の期待にこたえることが求められている水準ということであろうと考えます。しかし、現状における不適正な業務実施の事例や苦情の発生にかんがみますと、このような問題を克服して、より適正な警備業務を実施することが現在求められているものというふうに理解しております。
そうした意味で、今回の改正によりまして、警備員に対する専門的な指導教育体制の充実を通じた依頼者の需要によりよくこたえる警備業務の実現、また、社会の安全上重要な特定の種別の警備業務への検定合格者の配置の義務付けによる適正かつ充実した業務実施、また、契約の際の書面交付義務や苦情解決の努力義務の法定による依頼者の保護などの効果が期待されるところであります。こうした改正によりまして、警備業者が依頼者からの期待にこたえられる警備業務を行うことが可能になるものと考えておりまして、警備業の水準というものもそうした意味でかなり高まるものと期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/17
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018・森田次夫
○森田次夫君 次に、今回の検定制度の改正につきましてお伺いをさせていただきます。
現行の検定では法的効果はないわけでございまして、いわゆる任意の資格、こういうことになっているわけでございますね。そして、もうこの改正後は重要な種別、今五種ですか、ございますけれども、検定に合格した警備員による警備業務を、改正後は重要な種別につきましては検定に合格した警備員による警備業務を実施せねばならないこととしておりまして、この検定は法的効果を有する資格と、こういうことになるわけでございますね。
そこで、まず国家公安委員会としてどのような種別を定めようとしておられるのかということ。ということは、法の施行日から六か月間は現行制度の検定合格者についても新法の検定合格者として扱われる、附則二条でございますけれども、ことから推察しますと、現行制度と余り変わらないのではと、このようにも読めるわけでございますけれども、そうした理解でよろしいのかどうなのかということ。
それから逆に、新しい検定と現行の内容が変わりますと、現行の検定に対応する新しい種別がなければ現行の検定合格者の資格といいますか、そういったものがほごになってしまう、そういった懸念も出てくるわけでございますよね。そうしたことで、例えば現行の常駐警備とか、それから交通誘導といったものにつきましてもこれに対応する新たな種別が設けられるのかどうなのか、設けるのかどうなのかということと。
そこで伺うわけでございますけれども、新しい種別の定め方といいますか、それから新旧の検定の対応、新旧の検定の対応関係、この概略で結構でございますけれども、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/18
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019・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 御指摘のとおり、現在の検定制度は特段の法的効果はなく、また配置の義務付けといったようなものはございません。今回の改正では、そうしたことから、警備業務のうち、例えばテロ行為の対象となるような重要な施設警備、あるいは高速道路における交通誘導警備など、その実施に専門的知識及び能力を要し、また、事故が発生した場合には不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれのある社会の安全上重要な特定の種別の警備業務につきましては検定合格者の配置を義務付けていこうとするものでございます。
御質問の検定の種別につきましては、法改正により配置を義務付けることになるものでございますので、現行の空港保安警備、常駐警備、交通誘導警備、核燃料物質等運搬警備及び貴重品運搬警備につきましては、法的効果のある検定にふさわしいものとなるように、その在り方を検討してまいりたいというふうに現在考えているところでございます。
また、いったん事案が発生した場合に多数の人の生命、身体又は財産に大きな影響を与える雑踏警備につきましては、これまで特に検定の対象としておりませんでしたけれども、検定を実施する方向で検討してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/19
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020・森田次夫
○森田次夫君 そうしますと、今までと違いますのは、雑踏・交通警備が交通誘導警備と雑踏警備等という形で分かれると、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/20
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021・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 基本的に申し上げまして、これまでの種別と申しますのは特に法的な効果のない種別だということでございまして、新しい改正法に基づく検定の種別というものはいわゆる法的効果を持つものでございますので、基本的にはもうその法的性格がすっかり変わってしまうというものではございますけれども、現在、検定に合格していらっしゃる方がいる、そしてそうした知識や能力というものは今後の配置を義務付けるに当たっても活用していく必要があるという観点から、種別的には非常に似たようなものになってくるということでございますし、また、これまでは一切検定というものがございませんでした雑踏警備等につきましても、今後は新しい配置を義務付ける種別として検定を行っていきたいということを検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/21
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022・森田次夫
○森田次夫君 はい、分かりました。
それから、法改正の施行後でございますけれども、当該種別の業務に当たる者のうち、現場の総括責任者的な者が検定合格者であれば良いようでございましたけれども、人的基盤の高度化、こういったことが求められておるわけでございますけれども、将来は警備員全員に何らかの資格を持たなければならない、そうしたことまで将来は求めていくおつもりなのかどうなのか、その辺、ちょっとお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/22
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023・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 検定合格者の配置につきましては、先ほど申しましたように、社会の安全上重要な特定の種別の警備業務について配置を義務付けることといたしております。
配置基準の考え方につきましては、今後、対象となる種別の警備業務の実態を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えておりますけれども、当面は警備員のすべてではなく、例えば現場において警備業務を統括する者やこれを補佐する者について検定合格者を配置することを義務付けることとする方向で今検討を進めております。
将来的に配置を義務付ける警備業務につきましては、その拡大も検討の対象となりますし、配置基準につきましても、合格者の配置比率というものを高めるということは治安情勢によっては必要となってくるということもあり得ると考えておりますけれども、すべての警備員が検定合格者でなければならないというようなことは考えておりません。
なお、警備員の資質の向上につきましては、現在におきましても、新任の警備員は基本教育十五時間、業務別教育十五時間の計三十時間の教育を受けておりまして、こうした新任教育によりましても一定の資質というものは確保されているものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/23
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024・森田次夫
○森田次夫君 それでは次に、登録講習機関制度につきましてお伺いをいたします。
現在、検定についての指定登録者機関でございますけれども、二団体でございますよね。法改正後は、基準に合致していれば登録講習機関として検定のための講習が行える、こういうことになるわけでございますね。そこでまた、登録講習機関が法人である場合には、役員に占める警備業者の役員の割合が二分の一を超えてはならないと。もう超えると登録要件を満たさないことになるわけでございます。
現在は、指定講習機関である全国警備業協会の役員を見てみますと、その性格上からもあるわけでございますけれども、現役の警備業の方が大変多いわけでございます。現行のままでいきますと新規の基準には当然合致しないといいますか、そういった形になってくるだろうというふうに思います。警備業界関係者を半分以下にする、こういうことが必要になるわけでございますけれども、それならば残る半分はどこから連れてくるのか、こういうことにもなるわけでございます。そこで、やはり警察の天下りが増えるんではないかと、そういうふうなことを勘ぐる、勘ぐりも出てくるわけでございます。
こうした勘ぐりをされないためにも、登録講習機関への役員の警察OB、この就任につきましてはできるだけ抑制する必要があるんではないかな、このように考えるわけでございますけれども、この点につきましてお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/24
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025・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) まず登録講習機関でございますけれども、将来、登録を受けようとしている団体については、具体的には分かりませんけれども、登録講習機関制度につきましては、登録基準を満たすものであればだれでも登録を受けることが可能となるものでありますので、広く民間企業からの参入があるものと期待されるところでございます。
今回、検定に関する指定講習制度を登録講習機関制度に改めた理由といたしましては、これまでの公益法人が独占する形だったものにつきまして、これを民間ができることは民間にということで、登録基準を満たす者であればだれでも登録を受けることができることとして、行政の裁量の余地を排除したものでございます。したがいまして、登録講習機関あるいは登録講習機関となろうとする団体が登録基準の範囲内でどのような役員構成を取るかということにつきましては、それぞれの団体の判断にゆだねられることになるものでございます。
なお、現在の二つの指定講習機関の役員のうちに占めます警備業者の割合につきましては、現時点では警備業者の役員又は職員の割合は二分の一以下でございまして、他の登録要件との関係は別といたしまして、この点に関してのみ申し上げますと、要件上の問題はないということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/25
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026・森田次夫
○森田次夫君 最後の質問でございますけれども、警備業界における人材の確保につきまして大臣にお尋ねをさせていただきます。
警備員の方の平均勤続年数、普通一般に比べましても勤続年数は短いというふうに思いますし、また定着率も余り良くないというふうに思うわけでございます。
警備業の人材基盤の高度化だとか、あるいは専門的警備員サービスの充実を図っていくためにはやはり人材の確保と定着化が重要になってくるんじゃないかな、このように考えるわけでございますけれども、それができぬと生活安全産業としての警備業にはなかなか育っていけないんじゃないんだろうかな、こんなことも考えるわけでございます。
そういう点では、今回の検定制度の改正は、警備員の専門性を高め、そして意識の向上にもつながり、さらには有為な人材の業界への定着を図る上で良いインセンティブになるんではないか、このように考えるわけでございます。
治安回復の一翼を担う警備業育成に向けました小野国家公安委員長の御決意を伺いまして、質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/26
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027・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 森田議員から、人材の確保及び定着、そしてまた警備員の地位の向上なるものも先生のお話からの御提案ではないかと思いますけれども、警備業につきましては、現在、我が国の社会におきまして国民の自主防犯、こういうものを補完あるいは代行するという大変重要な役割を担っているものと私は認識をいたしております。
このたびの警備業法の改正は、そのような役割を担うに値する適切な業務が行われるようにするための改正でございまして、その一点は警備員の知識及び能力の向上ということ、それから二点目は警備業務の依頼者の保護、この二点に大きく問題点を絞りまして、こういった点の充実を図ろうとするものでございます。
そうした意味からは、御審議いただいております今回の警備業法の改正の暁には、警備員の専門性あるいはその意識、それから能力を高め、有為な人材の確保というものが必ずや私は確保できるものと確信をいたしておりますけれども、警備業が国民の重要な要望にこたえられるように、そうした体制というものをこの改正を通して私は充実をしていくべきものであると思いますし、期待されるところではないかと思っております。
そういう意味におきましては、治安回復の一翼を担う事業といたしましての位置付けとして発展をしていくものであるという、そういう皆様からの御要請と我々の確信をもって、今後一層警備業に対する指導あるいは諸般の皆様との連携に努めてまいりたいと、そのような気持ちを持っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/27
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028・森田次夫
○森田次夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/28
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029・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。
警備業法の改正点、重要な点について順次お伺いしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、依頼者の保護という観点からですが、契約に関する書面の交付ですが、これは契約前に行われるべきではないかというふうに考えております。事前の説明の中では、意思決定を行うのに十分な内容を概要として事前に示すので大丈夫だというふうにおっしゃっていたんですけれども、第十九条で契約前の書面交付が義務付けられるその概要の内容、まず詳細に説明してほしいと思います。
PIO—NETに登録された苦情等のうち、適正な契約の締結に関するものとして挙げられたものが六百二十八件もございました。こうした大変な件数に対しての、ケースですね、未然に防ぐことができるような内容になっているのかどうか、まずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/29
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030・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今回の改正では、警備業者との契約の締結の事前及び事後の書面交付義務を警備業者に課すことといたしておりまして、このうち事前の書面につきましては、議員御指摘のとおり、契約を締結するまでに依頼者に交付しなければならないこととしております。
契約締結前の書面交付というものは、依頼者が警備業務を行う契約の内容について十分理解した上で契約することができるようにするため、警備業者にその概要について重要な情報の説明を契約の締結に先立って行わせるものでございまして、御指摘のとおり、これらの事項が依頼者にとって契約を締結する際の極めて重要な判断材料であると考えております。
また、契約の概要に関する事項でございますけれども、内閣府令で定めることとしておりますが、その内容については、警備業者等の関係者の意見を聞きつつ、契約の実情等を踏まえ検討しているところでございますが、現段階におきましては、警備業務の対象施設、態様、実施方法等の警備業務の内容に関する事項、警備業務の対価その他依頼者が支払わなければならない金銭の概算額、また金銭の支払の時期及び方法、警備業務を行う期間、契約の解除に関する事項、損害賠償に関する事項、契約の更新に関する事項、契約の再委託に関する事項などとすることを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/30
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031・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 確かにその概要のところでは立派なものがそろっているんですね。でも、どんなに立派な書類をもらいましても、一般の消費者にとりまして、契約のときにどんなことが問題になりやすいのか、気を付けなければいけないところはどういうところなのか、他の業者の契約と比べて有利な面、不利な面はどういうところなのか、また業者の方にとりましても、これは、だますつもりはないんだけれども、依頼者が十分理解をしていなかったり、あるいは思い込みが激しかったり、後から問題になったら不本意だというふうに私は思うんですね。そういうことがないように、これまで苦情につながったケースがありましたら、そういう問題を中心にして問題事例を分析して、そして整理して、教訓として生かす取組というのが必要だというふうに思うわけなんです。
この契約前に、契約に当たって注意すべき点を具体的なケースとして紹介をしながら、依頼者に説明をするということを事業者に是非義務付けていただきたいと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/31
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032・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今回の改正におきましては、警備業務の依頼者の保護として、警備業者に契約の締結の事前及び事後の書面交付を義務付けることといたしております。
これは、今もお話がありましたように、最近の警備業に対する社会的需要の増大に伴い、警備業に対する依頼者からの苦情が数多く発生しており、その原因を見ると、警備業者が依頼者に対して重要な情報を提供していないことが原因の一つになっていることが背景でございます。
契約の締結前の書面交付は、警備業務の依頼者が契約の内容について十分理解した上で契約することができるようにするため、警備業者にその概要について重要な情報の説明を契約の締結に先立って行わせるものでございます。
契約前に依頼者に交付する書面の内容は先ほど御説明したとおりでございますけれども、こうした内容を依頼者に事前に説明することにより、依頼者において契約に当たって注意すべき点を十分理解することができるようになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/32
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033・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 やっと今回の改正点で他の業法に追い付いたかなというふうに私思っているんですね。依頼者の保護というのであれば是非前進させていただきたいということを要望しておきたいと思います。
この契約が適正になされることも必要なんですけれども、そもそも消費者が信頼できる業者を選ぶことができるようにする、選択を助ける情報提供というのが必要だと思っております。このような情報があることが個々の依頼者を保護して、また信頼できる業者を選ぶことができる、育てることもできるというふうに思うわけなんですが、大臣にお伺いしたいと思いますが、依頼者が利用しやすいようにする、個々の事業者の信頼性、これが分かるような情報、これが大事だと思っておりますが、この情報の提供ということについて是非お願いしたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/33
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034・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 警備業務の依頼者が警備業者を選択する場合に、今先生おっしゃいましたけれども、警備業者を、適正に実施するいわゆる警備業者を選択することができるように環境整備をする必要があると、おっしゃるとおりでございまして、警備業務の依頼者からの要望も多岐にわたりますことから、まず警備業者が自らのサービス内容というものを適切に依頼者に情報として提供いたしましてその選択に資するようにすることが望ましいと、そのように考えているわけでございます。
例えば、今回の改正によりまして、特定の警備業務につきまして検定合格者の配置義務を課するということ、それから、警備業務を的確に実施できる専門的な知識及び能力を有する検定合格者がどの程度その警備業者に在籍をしているかということ、それから、依頼者が警備業者を選択する際の判断材料の一つとなるということが今申し上げた点ではないかと思っております。
なお、不良・不適格業者を排除いたしまして依頼者の保護をするためには、悪質な法令違反を行いました、営業停止命令を受けた警備業者にかかわりますいわゆる情報につきましては、ホームページへの登載等により国民に提供するよう、都道府県警察を通しまして指導しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/34
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035・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 それは本当に大事なことだというふうに思っております。
つまり、不適格業者、不良業者、そのことが公表されて、そして、選択するときにそのことが十分依頼者の方が分かっているということが大事でありまして、昨年の「警察学論集」にもきちんと、警察庁の生活安全企画課長の方もきちんと消費者を保護するという観点から述べられておりますけれども、指示処分、受けた者、業者が一定の基準に基づいて公表されるということに関しましては、何回どうしたらそうなるとか、そういう具体的なルール、基準というものは設けられておりますでしょうか。
やはり、苦情の多かった業者の名前の公表、事件、事故の多さというのに関する情報などは大いに参考になると思いますので、検定を取得した警備員が警備員全体に占める割合というのも役に立つだろうというふうに思っておりますので、全国警備業協会にそういった点について促すおつもりかどうかについてもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/35
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036・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 全国警備業協会につきましては、警備業協会といたしまして、いわゆる警備業者、依頼者の方から警備業者に対する苦情というものがあった場合に、これを解決する、いわゆる業界として解決する活動を今現在行っているところでございます。
やはり、依頼者と警備業者との間のいろんなこうした苦情につきましては、その依頼者及び警備業者だけに任せるのではなく、やはりそうした業界が間に入って、あるいはその業界が指導をして行っていくということは大変重要なことだというふうに思っておりますので、私どもとしましても、そうした警備業協会等に対するこうした苦情の解決の努力につきまして指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/36
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037・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
それから、苦情の処理ではなく、解決を事業者の方に努力義務としたその趣旨は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/37
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038・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 苦情の解決の努力義務につきましては、警備業務の依頼者からの苦情の場合に敏速かつ円滑な解決を図るためには、警備業者自身が苦情の解決に取り組む必要があるというふうな認識を持っておりまして、その責任を明確化いたしまして、依頼者保護を図るために設けることとしたものでございます。
ですから、苦情の解決の努力義務といたしましたのは、警備業者の苦情に対する対応が事務的に処理すると、こういうことではなくて、苦情の円満な解決を目指して行われるべきものであるということを注意的に示したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/38
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039・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 是非徹底していただきたいと思います。
残念ながら、この警備会社、警備員による不祥事というのは絶えないようです。二〇〇三年、昨年を見ましても、十月二十五日に、診断書四通を偽造、社長ら二人逮捕、警備業法違反容疑。二〇〇三年十一月十五日には、警備会社処分で解約騒ぎ、「にしけい」即応不備、業務一時停止によって依頼者の方からの不安が高まった。これは元埼玉県警警察本部長をやっていらした西村浩司社長のところですよね。それから、十一月十八日には、関空出資警備会社、取り忘れ釣銭プール、自販機から数十万円以上が取られてしまった。今年度に入りましてからでも、二月には、賃金不払容疑で警備業者を書類送検。二月七日には、元警備業者らに懲役二年を求刑、顧客名簿窃盗公判。四月一日には、八王子の警備業者代表を賃金不払で書類送検。四月二十一日には、集金の一億数千万円盗難、警備会社の車内からと。もう苦情が次々で、この解決以前の問題だと私は思っているんですけれども、この安全、安心を売る警備業界全体の信頼性にかかわる問題だというふうに思っております。
この不祥事の対策ということがまず必要だと思いますけれども、この指導的な役割を果たすべき警備員指導教育責任者講習、この中に是非、不祥事を防止することに資する内容を盛り込むべきだというふうに思っております。この講習の中には何をどのぐらい学ばなければいけないという時限数まで詳しく書いてあっておりますけれども、その規定がありますけれども、この中に是非、不祥事を防止する、このことに役立つ内容を具体的に組み込んでいただきたいと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/39
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040・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 警備員指導教育責任者は、警備業におきます警備員の法定教育の責任者として、警備員の資質の向上に関することや警備業務の適正な実施に必要な法令に関することなどの教育に日ごろから当たっているわけでございますけれども、こうしたことに関する、そういった意味で十分な知識というものが必要になってくるわけでございます。
そうした意味で、警備員指導教育責任者としての資格を得るための警備員指導教育責任者講習におきましても、警備員の資質向上に関することや警備員が犯しやすい犯罪の類型についての講義等は行われているところでございます。
また、今回の改正案では、警備員指導教育責任者に対する定期的な講習というものが新設されることになりますけれども、この講習におきましては、最近の不適切事例や事故事例の分析、さらには反省、教訓等の講習事項を盛り込むこととすることを現在検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/40
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041・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 とにかく、不安を呼ばないように、そして、依頼者がこれでは駄目だというふうに、この業界全体に対する不信感を持たれないようにするためには、何といってもこの不祥事ということについての解決をしっかりしていくことが大事だというふうに思っております。
今おっしゃられたように、その能力、知識の向上ですとか、あるいは依頼者の保護のための課題ということについても指摘されておりますけれども、そもそもそのモラルということを、観点を含めた警備業界全体の質の向上というものが要請されているだろうというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、この検定取得者の配置義務化についてお伺いしたいと思いますが、検定制度は一九八六年に既にスタートをいたしております。今回は、これまで検定の取得も取得者の配置も任意であったものを、今度は検定を行う警備業務の種別というものを新たに組み直した上で、これを種別業務について一定の基準に従って検定取得をした警備員に従事させることを警備業者に義務付けるということなわけなんですね。
初めに、この法改正後の検定制度の在り方について確認しておきたいと思いますけれども、新しくできました種別のすべてについて検定取得者の配置義務を決めるのでしょうか。それからまた、それは一律に何人に一人という決め方をするのでしょうか。それから、検定取得者の配置を義務化することに伴って検定合格者は新たに何人必要となりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/41
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042・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今回の改正案におきましては、専門的な知識及び能力を要し、いったん不適正な業務が行われると事故を招来しかねない社会の安全の上で重要な一定の警備業務につきまして、検定合格者の配置を警備業者に義務付けることとしております。
具体的には、ハイジャック防止のための空港保安警備、テロ行為の対象となるような重要な施設警備、大規模な雑踏警備、高速道路などにおける交通誘導警備、また核燃料物質等運搬警備などにつきまして、現場の警備員のうち、一定の割合の者を検定合格者とすることを考えているところでございます。
どのような割合で検定の合格者の配置を義務付けるかにつきましては、今後、対象となる警備業務の実態及び検定合格者数を勘案して検討を進めたいと考えております。
また、多様化する警備業務の実施の適正を確保するためには、これまで実施されていない警備業務につきましても、必要があれば検定を設けるというふうに考えておりまして、先ほども申しましたように、大規模な雑踏警備に関する警備業務につきまして新たな検定の種別として設ける方向で検討をしているところでございます。
また、どのような割合で検定合格者の配置か、そして具体的に何人必要かということにつきましては、現在、対象となる警備業務の実態及び検定合格者の数といったものも勘案しながら検討を進めていく必要があるわけで、現段階では直ちに申し上げることはできませんけれども、警備業者に対して過度の負担にならないような基準にするよう配慮していきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/42
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043・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 検定制度の具体的な姿はまだ決まっていないということですね。つまり、今後検討して国家公安委員会が決めるということのようなんですが、この配置基準について種別ごとに何人に一人というふうな基準、これから考えて一律に決めるということ。
それから、例えば高速道路の交通誘導、一つの種別として挙げられておりますけれども、ここに何人に一人検定取得者がいるということが望ましいといった人数は、私は個々の具体的な状況によって全く違うと思うんですね。つまり、その道路の状況がどんなふうになっているのか、時間帯がどうであるかということによってでも違います。
ですから、大臣、どうでしょうか、国家公安委員会に、一律に何人に一人という配置基準ですね、これを種別ごとに定めるやり方というのは合理的と言えるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/43
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044・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 今、岡崎議員がおっしゃいましたように、事案によりましてそれぞれ状態が違いますので、その件に関しましては、基本的な理念は理念といたしまして、状況に応じてということがある意味では勘案されるものと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/44
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045・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 つまり、法律だけ先に通しておいて、具体的な姿はこれからで、国家公安委員会が決めるという、決めるその枠組みも余り合理的でないという、私自身はそういう印象を持つわけなんですけれども。
この検定制度そのものはもう発足して二十年以上たっているわけなんですが、これまでのところはその検定取得者の割合は余り伸びていない。制度が十分に普及しているとは言い難い。こちらで資料を見ましても、一級検定取得者の全警備員に占める割合一・〇%、二級検定取得者の全警備員に占める割合は一九・三%。つまり、これも二十年の間にこういうようなことですから、多分その間に辞めた人などもいるので、この数字はちょっと動くのかなというふうには思っておりますけれども。
こういう状況で、警備員としての知識、能力を保証する警備員の検定ということを普及させる改正としましては、今回の配置の義務化が言われておりますけれども、これはまずは普及が進んでこなかったことの分析、これをしないままに一足飛びに検定取得者の配置を義務化するということでは、私は賛成し難いんです。やはり、そもそも検定取得した方がいいという、それは取らないよりはいいという、そういうことがその業務上いい成績を残しているのかどうか、これもはっきりしていないという状況なわけなんですね。ですから、私は、やはりなぜその検定取得が広がってこなかったの分析というのは是非必要だというふうに思います。
一つには、その検定取得が不便だったんじゃないかというふうに思います。すべての公安委員会が直接検定を行っているわけではなかった。おととしの実績で見ましても、直接検定を行ったのは四十七都道府県のうちに二十一府県、半分に満たないんですね。
で、今回の改正法案には公安委員会に対して検定を義務付ける内容が含まれておりますけれども、これによってすべての都道府県で直接検定試験が行われるようになるのかどうか、お伺いしたいと思います。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/45
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046・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 現行においても、いずれの都道府県公安委員会でも警備員等の検定を行っているところでございますけれども、指定講習修了者に対する検定のみを行い、直接検定を行っていない県があるところはそのとおりでございます。これは、各都道府県におきまして受験希望者数や検定の種別ごとの警備業者の現状等、地域の実情が考慮された結果でございまして、直接検定を実施するかどうかというものがその結果判断されたものと考えております。
なお、今回の改正によりまして、一定の警備業務につきましては検定合格者の配置が義務化されることに伴い、登録講習機関による講習の状況も踏まえ、直接検定につきましても検定の実施時期、実施回数、会場等がより受験希望者の要望に沿ったものとなりますように都道府県警察を指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/46
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047・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 結局、都道府県で直接検定が行われるようにはならないということをおっしゃっているだろうと思うんですが、この全国警備業協会の特別講習を修了して取得するというケースというのは大半だったということだと思うんですね。この全警協の講習についてもそれほど回数が多いわけじゃないですよね。しかも、大都市でしか行われてこなかった。指定機関による講習制度を廃止して登録機関による講習制度に移行するということによって、民間の参入ができる、きめ細かなサービスが提供されるということが期待されているんですけれども、十分な需要がなければこれはますます講習の機会というのが少なくなってしまうんじゃないかというふうに思うし、そういうことはあり得ると思うんですね。
警察庁の資料には、検定取得警備員の事故率ということを年度別に比較した表が示されておりました。しかし、この事故率の平均を検定を取得している場合とそうではないという場合と比較しておりますけれども、この違いというのも本当にその検定制度の効果であるのかどうかというのは、実はよく分からないです。あの表だけでは分かりません。これまで警備料金に検定の取得が十分に反映されていなかったというふうに思いますので、業者、警備員にとってメリットが小さかったのではないかと思います。
それで、衆議院の方の内閣委員会で審議の場で伊藤局長は、警備員の検定の資格や勤務経験に応じてその労務単価等に差異を設ける動きが見られることも事実だと説明されておりますけれども、建築保全業務共通仕様書の積載基準を引きながら、東京地裁では技能区分がAにランクされた警備員の方が単価が一・六倍になっているというふうに言っているんですね。今後、警備員の検定というものが料金に反映されるように、例えば交通誘導警備であれば道路管理者を監督する国土交通省などに働き掛けるということで、もうそれは大変結構なことだというふうに思うんです。しかし、基本は、市場の中で、市場の中で検定が評価されて価格に反映されるようにするということが大事だと思います。
大臣、是非、自分の会社に検定合格者が何人いるかということを明らかにさせたり、契約に当たってこの仕事には検定合格者を何人かかわらせるかというようなことを示すということが有効だというふうに思うわけなんですけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/47
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048・小野清子
○国務大臣(小野清子君) ホームページ等にそのようなことを掲載するということは、警察庁が考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/48
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049・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 是非、積極的にそのことについて採用して、やっていただきたいと思います。つまり、検定が魅力的なものになるかどうかだというふうに思うんですね。
ついこの間も、「十三歳のハローワーク」という中にこの警備業というのがありまして、是非就職してほしいというようなこと書いてあって、大丈夫かなと、ちょっと私思っちゃったんですけれども、その生き方の選択肢として若い人たちが誇りを持ってその警備員として仕事を選んでいきたいというときに、受験しやすくする必要があると思います。
そこで、この検定料金なんですが、高過ぎるという悲鳴がありますね。直接検定が二万二千円か二万三千円、試験が免除されている人は九千七百円、この検定料金がいかにも高いという印象が私はありますけれども、この実費を基準として設定された金額だという説明も受けております。それにしても安くするべきだと思うんですけれども、少なくとも今後は、受験者が増えた場合に、それに伴って受験生一人当たりに掛かる費用も安くなるだろうと思いますから、そのときには検定料金も下げる余地が生まれるかどうか、お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/49
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050・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 現在、都道府県公安委員会が実施しております検定の手数料につきましては、検定の事務の特性を勘案して政令で定める額を徴収することを標準といたしまして各都道府県の条例で定められており、改正後においても同様であります。
具体的な検定の手数料の標準額は、確かに、例えば交通誘導警備の直接検定の場合が二万二千円、それ以外の警備につきましては二万三千円とされておりますけれども、この具体的な額につきましては、検定を実施するために必要となる人件費及び物件費を算出して積算したものでございます。
そういった意味で一つの、例えば検定を行う場合、あるいは講習、これは例えば、例えば講習の場合が分かりやすいかと思いますけれども、講習を行う場合に一つの教室に大勢の講習生がいますと、一人当たりの例えば会場借り上げ代であるとか、講師に対する費用といったものがその分低くなってくるわけでございますので、御指摘のように検定の受験者というものが増えてまいりますと、こうした単価というものは少しずつ下がってくるということが言えますので、私どもとしましても、検定の合格者が数多く輩出するということは、質の高い警備業というものが提供できる形につながってくると思いますので、そうした意味で検定の受験者というものが増えてくることは大変望ましいというふうに考えております。
そうした意味で、受験者が増え、なおかつこうした料金というものが下がってくることがあれば、それは大変喜ばしいことだというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/50
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051・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 今触れられました登録講習機関が行う講習の料金ですね、これも一級三万一千五百円、二級、新任教育を受けた警備員三万一千五百円、そのほか全くの新人七万一千五百円。高いとわきから声が出ていますけれども、確認したいと思いますけれども、この料金は完全に個々の業者が自由に決める金額ですよね。市場が決める価格となるということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/51
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052・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 新しい改正法におきます登録講習機関が行います講習の料金につきましては、改正法第三十条第二項にございますように、登録講習機関の業務規程において定めた上で、同条第一項により国家公安委員会に届け出ていただくこととなります。登録講習機関に対する行政の裁量の余地を排除する観点から、その額の高低について行政が関与する仕組みとはなっておりません。
したがいまして、講習会に関する料金につきましては、登録講習機関において自由に定めることができることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/52
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053・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 安くなりましたら私は検定受験者が増えるだろうと思います。検定取得者の配置を義務化するのは、その検定の種別の見直し、登録機関の登録状況、あるいは受験者数、この動向を見てからするべきだというふうに思います。
さらに、検定制度の在り方について疑問が残っている点について触れたいと思いますけれども、今、パトロール警備、位置情報システムを使った警備、ストーカー対策としての身辺警備、あるいはDV施設の警備、今までとは違った能力や訓練を必要とされる警備業務が増えておりますけれども、今後も増えていくだろうというふうに思います。
この警備業務が多様化していくということに伴って、現在の検定制度では実態に合わなくなってきているという実情が事実だというふうに思うんですね。この検定制度も拡充するべきという声もございます。しかし、新しいタイプの警備業務が増えるたびに国家公安委員会が検定制度を作って配置基準を決めて配置を義務化していくというやり方については、余り適切ではないというふうに思います。国はもっと落ち着いて、この業界に任せる部分を大きくしていくべきだというふうに思っております。
なぜ、検定についてもっと業界に任せるべきかといいますと、警備業はあくまでも国民の自主防犯であって、そう書いてありますよね、国の治安維持のシステムに組み込まれて責任の一部を負わされる、国民の方が負わされるというものではないというふうに思うんですね。
それから、平成十四年三月二十九日の閣議決定によりましても、公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画の趣旨につきましても、ここでは、検査、検定等の事務事業について、国の関与を最小限とし、事業者の自己確認、自己保安を基本とする制度に移行することを基本とする云々、たくさん書いてあります。こういうようなことでありますので、やはりこういう点からいいましても、やはり私はもっと国が落ち着いて業界に任せるという部分を大きくしていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。
天下りについて触れなければなりません。もう時間が本当に刻々と迫っちゃっておりますが。
これまでの講習機関として、指定講習機関として空港保安警備業務以外の講習を一手に担ってきた全国警備業協会には二十六人の役員がおりますが、常任の役員はそのうち二名だけでございました。いずれも警察出身の方でございます。その二名が二名とも警察庁のOB、専務理事は深山健男元神奈川県警の本部長。いろいろありますよね、不祥事の第一幕を上げた方で辞められた方でありますけれども。この公安の、空港保安の警備業務の講習を担ってきた空港保安事務センターの理事長も警察庁のOB、それから各都道府県の警備業協会の常勤の理事について見たところも、やっぱり警察OBの名前が目に付いております。ここに一覧がございます。
全国警備業会の常勤の方の理事、空港保安事務センターの理事長の報酬は月額幾らでしょうか。この方たちは警察を退職されたときにも数千万円の退職金を受け取っておりますけれども、大臣、なぜ警察のOBの方たちがこういった団体の役員になっているのか。元警察官や警察庁のOBが警察業界に再就職するということについてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/53
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054・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 警備業というのは人の生命あるいは財産、そういうものを守ることを業務の内容としているわけでございますので、警備業務の実施の適否というのは国民生活に大変大きな影響を与えるものであると、そのような認識を持っております。
警察職員というのは、在職中に国民生活の安全を守ることについての知識とあるいは経験を担っているものと考えておりますので、警備業に関係する団体、会社に警察職員が退職後就職しているケースというのはあるわけでございまして、これは職員の警察在職中に培いました経験と知識、それからその団体、会社等の健全な運営や経営に貢献できるものとこれらの団体あるいは会社が判断をいたしまして就職を請われたものであると認識をいたしておりまして、この件に関しては特段の問題はないものと、そのような認識を持っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/54
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055・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 続いて確認しておきたいと思いますけれども、この全国警備業会は、現在のまま登録講習機関となる基準を満たしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/55
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056・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 指定講習機関として検定に係る指定講習を実施しております全国警備業協会についても、法改正では登録講習機関の登録基準が定められることになりますので、この登録基準を満たす必要がございます。
全国警備業協会については指定講習を行っていることから、登録基準のうちの施設、設備及び講習要件についてはおおむねこの要件に、この基準に合致しているものと考えられますけれども、現在の社団法人全国警備業協会の役員構成では、改正法第二十六条第一項第二号の公正性の要件に関しては現状ではこれを満たしているとは言えないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/56
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057・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 基準を満たしていないんですよね。つまり、恒常的に警察OBを受け入れたとしたら、これはもう趣旨を逸脱することになっておりますので、そのことがないようにしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。
今大臣が、実際警察で働かれたときの経験、知識ということは、結局、適材適所ということについて言いたいんだろうというふうに思いますけれども、今警察の皆さんたちの不祥事が次々にありまして、先ほど私、名前を、この方の名前だけ突然言ってしまったわけなんですけれども、福岡の方ですよね。この方はもう既に桶川のストーカー事件のときに埼玉県警の警察本部長を、西村さんされておりました。その前には、一九九六年、長崎の県警本部長時代にも、組織ぐるみの、暴力団から提供されたけん銃の押収したことを装って点数を上げること、こういうことが発覚している方で、人事の刷新が必要だという方が今ここでこの警備業について就かれていて、適材適所といいますが、更に言いたくないんですけれども、こういうことがここの社長のところで、実は警備員が契約先の金融機関から千三百万円を盗んだ窃盗事件が起こった。立入検査を警察はされた。そして、しかし、残念ながら、発報装置が作動してもこの会社は現場に行かなかった。電話で確認するにとどめた地区がありました。そして昼間に警備員を配置しなかった。いろいろありまして、こういうことがあったので業務が一部停止されて、そして契約をしている人たちの中に不安が広がって、一割以上が契約解除を申し出る騒ぎになった。こういうことがあるので、何かこの適材適所、経験、知識ということについて、申し訳ないですけれども、今、私は、そうだ、ですねというふうに納得するわけにはいかないんですね。
こういう、今、警備業界、もう大きな転換点にあります。現場ではいざ知らず、経営者としてはビジネスマンとしての能力というものが発揮されていかなければいけないと思いますけれども、それぞれの団体、経営者の判断が、警察官が入った方が、受け入れた方が有利といったそういう誤解があれば、これを解消していかなければいけないというふうに思うんですね。
それで、どうも今まで隠ぺいをしてきた警察のそういう不祥事が非常に多かったので、こういうことが表に出ないというようなことは絶対駄目。先ほども、情報公開をしてくださるということだったんですけれども、そういうことと結び付いてしまったら、私は、これまで改正のために尽力してきたことについても全然駄目になってしまいます。
そこで、大臣にお伺いしておきたいと思います。最後のもう質問ですよね。
国家公安委員会の裁量で特定の会社が得をしたり、警察のOBを雇えば有利になるといった誤解を生まないような公正な仕組み、公正な運営でやってほしいと思いますので、大臣の決意を是非お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/57
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058・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 今回の改正は、あくまでも警備員の知識と能力の向上を図り、そしてまた、今回の改正におきまして警察職員に新たに権限を付与するものではなく、また、退職後のそういう職種に関する特別の措置を設けているわけではございません。
いずれにいたしましても、今回の改正というものが、御指摘のような、警備業者との癒着あるいは警察職員の天下り先の確保につながるものではないと考えておりますことを私から申し上げさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/58
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059・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 あと一分ありました。最後にこれだけは聞いておかなければなりません。
警備員の夜間勤務における仮眠、休憩時間の際に事故が発生した場合の補償を警備員に押し付けないということを徹底して行う必要があるのではないかと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/59
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060・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 夜間勤務中の警備員につきましては、一般的には仮眠あるいは休憩時間中でありましても、異常事態の発生等、一定の業務執行の必要性が生じた場合には業務を遂行せねばならない。この場合に、仮眠、休憩時間について労働時間に該当するか否かにつきましては、労働の実態に応じました労働基準法等の労働関係法令あるいは主務官庁の指導に従うべきものであるとそこは考えておるところでございます。また、警備業務という事業の執行につきまして警備員が第三者に損害を与えたような場合においては、民事法に従いまして警備業者の使用者責任が問われるものであると考えております。
ですから、警察庁といたしましては、各種法令の遵守について警備業者を指導しているところであり、その中でも労働基準法の労働関係法令等のいわゆる遵守についても指導しているところであると承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/60
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061・岡崎トミ子
○岡崎トミ子君 以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/61
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062・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
警備業法の改正ということでございますが、この間も羽田飛行場に自動車が乱入したなど、この警備業界とは関係ないのかもしれませんけれども、みんな冷やっとしたわけでありますが、世の中、警備、対テロということを含めてかなり深刻に受け止めていると思っておりますが。
今回の改正案の効果、ねらいでございますが、昨年の末に犯罪対策閣僚会議で何か五つの重点課題の一つとして、「平穏な暮らしを脅かす身近な犯罪の抑止」、その具体策として、「生活安全産業としての警備業の育成と活用」という項目が入りました。「警備員の検定・教育制度の活性化等により、警備業務の種別に応じた専門的な知識及び能力の向上を図る。」というふうにしております。
また一方で、昨年の経済財政諮問会議で雇用創出プログラム、警備業における政策課題として、「警備業の人的基盤の高度化」、それと、「専門的かつ多様な警備サービスの利用環境の整備」というのを挙げているわけでありますが、今回の警備員指導教育責任者制度、検定制度の充実強化、こういった時代の要請に添ったものというふうに理解してよいのかどうか、まずその点から確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/62
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063・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 今回の法改正につきましては、昨今の、先生今お話しくださいましたとおりで、治安情勢の深刻化というものを受けまして、警備業が国民の自主防犯活動を補完をし又は代行するという、そういう産業として社会的需要が大変拡大をしているものと、それが背景になっていると承知をいたしております。
御指摘の、政府の施策の方も以上の背景の下で取りまとめられておりまして、今回の改正案に当たります警備員指導教育責任者制度あるいは検定制度の充実強化につきましても、五百三十万人の雇用創出プログラムにあります警備業の人的基盤の高度化を図ることや、あるいは犯罪に強い社会の実現のための行動計画にもあります警備員の検定・教育制度の活性化等によりまして、警備業務の種別に応じた専門的な知識及び能力の向上を図ることを実現するために行われたものであるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/63
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064・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 警備員指導教育責任者、いわゆる指導教というふうな略称できると思いますが、現行法では営業所単位に一名の指導教の配置が義務付けられておりますが、今後それぞれ、今おっしゃったような業務ごとに営業所内に配置するというふうになっておるようで、かつまた一定期間ごとに講習を受講するということを規定しております。
そこで確認、何点か確認でございますが、この指導教の資格者証の交付、警備業務の区分ごとに行うことになっておりますが、この講習ですね、都道府県単位に行われる、これは当然専門性が高まっていくというふうに思いますが、開催回数など、どのように充実されるのか。また、現在は業務区分ごとの指導教ではないので、講義では四区分ですべて扱っているというふうに承知しておりますが、やはり各論の部分については業務区分ごとにクラス編成するとかいうことも必要になってくるんではないかというふうに思うんですが、そのような講習の制度設計になっているのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/64
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065・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 警備員指導教育責任者講習につきましては、これまではすべての区分の警備業務に関して行っておりましたけれども、改正後は区分に応じて行うこととなります。このため、当該区分に充てられる時間数も増加しますし、内容につきましても、専門性が高く、かつ現場の実態に即したものとして充実させることといたしております。
なお、講習の開催回数につきましては、区分に応じて行われることになるわけでございますので、当然増加することとなりますけれども、それぞれの区分ごとの講習の開催回数につきましては、各都道府県における警備員指導教育責任者講習の受講希望者数の実態を踏まえて、それぞれの県におきまして検討していかれるものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/65
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066・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 警備業務の区分ごとに選任される指導教育責任者でございますけれども、いわゆる警備員の重要な警備業務に定められている検定というのがありますが、その検定合格者でない方も就けることになっているわけであります。
現状はどうも検定試験を受けていない警備員指導教育責任者は大体半分ぐらいなんでしょうか、今後どのように、私は好ましくないと思っておるものですから、改善をしていくのか。逆に、この資格を規定するこの条文二十二条四項の中に必須項目として検定合格者というふうに入れるべきではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/66
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067・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 現行の警備員指導教育責任者講習の受講資格につきましては、警備員の指導教育を効果的に行うためには警備業務についての一定の知識、技能及び実務経験が必要とされるところでありまして、このため、最近五年間に警備業務に従事した期間が通算して三年以上である者、一級の検定合格者、二級の検定合格者で検定合格後、継続して一年以上警備業務に従事している者としているところでございます。
なお、社団法人全国警備業協会の調査によりますと、平成十五年四月一日現在、同協会に加盟している警備業者において、警備員指導教育責任者の資格者証の交付を受けている者は約三万人強いるわけでございます。そのうち、何らかの検定を取得している者はこの半数近くということでございまして、これは常駐警備のように最近になってようやく検定が開始されたものや、身辺警備のように検定が実施されていない警備業務があることによるものだというふうに考えられます。
今回の改正によりまして、警備員指導教育責任者につきましては警備業務の区分ごとに選任されることとなりますので、警備員に対するよりきめ細かな指導教育を実現できますよう、当該警備業務の区分に係る検定合格者や、当該警備業務の区分に関して一定の実務経験を備えた者に講習の対象を限定する方向で検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/67
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068・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、この指導教には一定期間ごとの講習を義務付けているわけでありますけれども、これは三年に一回程度というふうに想定しているようでありますけれども、これもあれですか、四業種別に行うのか合同でやるのか、また大体、講習時間というのはどの程度を見込んでいるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/68
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069・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 警備員指導教育責任者に対する定期講習につきましては、今御指摘ございましたように、三年に一回程度という頻度で行っていきたいというふうに考えております。また、それぞれの警備業務の区分ごとに、講習の中身につきましても、そうした区分ごとに最近の治安情勢や当該区分ごとの不適切な事故事例等について講習を行うことを考えております。また、講習時間につきましては、警備業者に過度の負担が掛からないよう一日で済むように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/69
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070・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 次に、検定修了者の強制配置ということについてお尋ねしたいと思います。
今回の改正は、検定制度を強化して特定の警備業務について検定合格者を必ず配置すると、必置義務という懐かしい言葉でありますが、そういう義務付けをするわけでありますが、この背景、また期待される効果というものはどういうふうに考えておられるんでしょうか。
やはり、業務中に起こす事故も当然あるわけでありますが、どうも統計では検定取得者の方が検定未取得者よりもはるかにこの事故率が低いようでございますし、また、検定というこのフィルターを通すことによって警備員として不適格な者が除外されるんではないかなというふうに、警備業界全体の底上げにもつながるというふうに思われるところでございますが、こうした効果も考えられるのかなとは思っておりますが、背景と期待される効果につきまして御確認させていただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/70
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071・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 米国における同時多発テロ事件を始めテロの脅威が高まる中、ハイジャック防止や爆発物持込み防止のための空港保安警備、原子力発電所の重要な施設警備、核燃料物質等運搬警備といった、一度事故が発生した場合に国民の生命、身体、財産に重大な影響を与える社会の安全の上で重要な一定の警備業務については、その適正な業務実施が社会的に要請されているところでございます。
今回の警備業法の改正におきましては、警備業務のうち、このような特定の種別の警備業務につきましては、専門的な知識及び能力を有する検定合格者の配置が義務付けられることとなるわけでございます。その結果、より適正かつ充実した警備業務の実施が期待されることとなりまして、そうした意味で今御指摘がありましたように、警備業界全体にとりましても全体的な質の向上というものが図られるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/71
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072・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、現在の検定合格者の処遇といいますか、その経過措置というのは附則の第五条ですか、書かれているようでございますが、現在のこの検定合格者も公安委員会の審査に合格したときは新しいこの新法での検定合格者とみなすというふうになっております。
ただ、これ本法施行というのは、附則第一条では一年六月を超えない範囲内という、随分先だなと。また、施行後六月は現行の検定も改正法の検定と同様にみなされるというふうになっているわけでありますが、現行法の検定合格者は累計で平成十四年末で九万人、現時点では十万人を超えているであろうというふうに想定されるんですが、十万人の現行検定合格者、その審査ということになるわけでありますが、相当スピードアップして大変な事務作業になる、事務作業というか、どういうふうに審査していくのかなと。審査を受ける側、要するに現行の検定合格者の負担を減らしながら、かつ不適格な者は排除するというようなことも必要になってくるだろうと思いますけれども、その審査という手続についてどのようなスキームを用意されているのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/72
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073・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) まず、現行の検定に合格している者につきましては、国家公安委員会規則で定めるところによりまして、都道府県公安委員会が行う審査に合格すれば改正後の検定に合格している者とみなすこととしておりまして、それは御指摘のとおりでございます。
どのぐらいの数かということでございますけれども、確かに累計で申しますと十万人近い方がこれまで検定に合格してきているわけでございますけれども、実際どの程度の方が現在警備業界において働いておられるかということにつきましては、正確なところは分かりませんが、全国警備業協会において調査した数字では約五万人というものが出ているわけでございます。こうした方について審査をすることになりますけれども、審査の内容につきましては、検定に合格した者とみなすだけの知識及び能力や欠格要件を審査する方向で検討しているところでございます。
具体的には、最近の警備業務に従事している期間や欠格要件の該当の有無を審査することとなりますけれども、逆に、先ほど申しましたように、警備業務に従事していない期間が長期間に及ぶなど警備業務の実務から離れている方もおられるわけでございますので、このような方につきましては、実質的な知識及び能力を審査することも含めて検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/73
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074・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、この検定合格者の配置義務付けでございますけれども、いろんな種別といいますか、警備の在り方があるわけですが、例えば二十四時間の常駐業務、そうすると、二十四時間というと大体三交代になるのかなと。そうすると、多分チームで組んでいくんだろうと思いますが、それぞれのチームに検定合格者が配置されるようにしていくということでいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/74
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075・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 検定合格者の配置を義務付ける特定の種別の警備業務では、事故が発生した場合に不特定又は多数の者の生命、身体、財産に危険を及ぼすおそれがありますことから、高い知識及び能力を持つ検定合格者の配置が必要であるというふうに考えております。
このため、御質問にありましたように、二十四時間常駐しているというような警備の場合におきまして、現実には三交代というものが多いかと思いますけれども、このような場合におきましても、有事にいつでも適切な対応が取れますように、各チームごとに高い知識及び能力を持つ検定合格者の配置を義務付ける方向で検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/75
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076・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、今度、検定そのものの在り方でございますが、現行では、空港の保安でありますとか交通誘導など五種類の警備業務について、県の公安委員会が実施する検定、それから全国警備業協会又は空港保安事業センターが行う指定講習を受講して修了講座に合格した者を検定合格として認定するやり方、この二つの手続があるようでございますが、でも県によって全然違うんですね、これ。東京なんてほとんど直接検定というのはないようでございますが、長野なんというのはほとんど直接検定だなと。各地域によって違うのかなと思いますが、大方はこの指定講習の受講による検定合格というようなやり方のようでございます。
それで、これからは検定合格者を一定数配置するという必要があるものですから、この検定の受験者というのは大幅に増えるというふうに見込まれるわけでありますが、今、指定講習のやっている全国警備業協会の方でもかなり希望者が殺到しているというふうに聞いているところでございますが、改正案では規定される登録講習機関というものが想定されているようでございますが、要するにこの登録講習機関、これは新規参入ということが考えられているようでありますが、これは見込まれるんでしょうか、確実に。もし見込まれなければ、かなり検定制度自体が十分機能しなくなるというふうなおそれもあるんではないのかなと思うわけでありますが、その辺の見込みというか見通しといいますか、その辺はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/76
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077・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今お話がありましたように、今回改正案によりましては、検定合格者の配置を義務付ける業務というものが出てくるわけでございます。それにつきましては先ほど申し述べたとおりでございますけれども、こうした警備業務に従事する警備員につきましては、現在においても相当数が既に、現在の検定ではございますが、検定の合格者でありますことから、配置義務を課すことによりまして、検定の受験希望者というものは、このことによりましては直ちに大幅に増加するということにはならないかと思います。
ただ、今回の法改正によりまして、登録講習機関は、行政の裁量の余地のない形で登録申請者が登録基準のすべてに適合しているときは、国家公安委員会はその登録をしなければならないこととされております。このような登録講習制度の導入によりまして、これらの事務あるいは事業について民間企業等への門戸開放が図られることになるわけでございます。
登録は希望者の申請により行われることとなりますので、現時点で登録講習機関の数がどの程度になるかにつきましては確定的なことは申し上げられませんけれども、一定の要件を満たせばだれでもが登録講習機関として登録することができるということでございますので、そういった意味では必ずや登録講習機関として名のりを上げる方はいらっしゃるというふうに思っておりますし、また、そうした意味で、こうしただれでもが一定の要件を満たせば登録講習機関として登録できるということで、質の高い検定合格者が輩出されることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/77
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078・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 次に、今回、利用者保護という観点から書面の交付というものを義務付けているようでございますが、えっ、今ごろというふうな私は思ってしまうんですが、この記載内容、今後詰めるということになっているようでございますが、どういった、今までいろんなトラブルが急増してきているようでございますが、結局はよく見ると内閣府令で定める事項というふうなところで、さっと下位規則に逃げてしまっておりますが、具体的にはどういうような中身になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/78
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079・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 法第十九条第二項第一号及び第六号に規定します内閣府令で定める事項につきましてはどのような内容になるのかということでございますけれども、一つは、書面の交付義務というのは、一つは契約前、そして契約後ということになりますが、とりわけ契約後の書面交付は、成立した契約の内容を確実に記録し、その内容を明確化するためのものでございまして、ここで言う改正法第十九条第二項各号の事項を記載することとなるわけでございます。
この中での第一号の警備業務の内容として内閣府令で定める事項といたしましては、警備業務の対象となる施設、場所、物品又は人物、警備業務の態様、警備員の勤務配置や事故発生時の措置等の警備業務の実施方法などについて記載することを想定しております。また、第十九条第二項第六号の内閣府令で定める事項といたしましては、損害賠償に関する事項、契約の更新に関する事項、契約の再委託に関する事項、警備業務に係る苦情を受け付けるための窓口などについて記載することを想定しているところでございます。
なお、これらの事項につきましては、現在、警備業者等の関係者の意見を聞きつつ、現状を踏まえつつ検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/79
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080・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、次の条文二十条に「苦情の解決」というふうにございます。事前に書面で交付すればトラブルも随分抑えられるんだろうな、それを期待したのをこの書面の交付ということになっていると思いますが、これは苦情の解決と、これ、努めなければならないという精神規定のような形になっておりますが、これは努力義務の担保はどうするんですか、これ。だれが苦情努力したと判断するのかというようなところも含めて、業界団体の自主的な組織作りもあるかもしれませんが、その辺についてちょっと御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/80
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081・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 警備業者の苦情解決努力義務につきましては、警備業務の依頼者等からの苦情の迅速かつ円滑な解決を図るためには、警備業者自身が苦情の適切な解決に取り組む必要があることから、その責任を明確にして、依頼者の保護を図るため設けることとしたものであります。
お尋ねの担保措置についてでございますけれども、今回の法改正によりまして、警備業者に対して依頼者への書面交付義務を課すこととしておりまして、その書面への記載事項といたしまして、苦情受付窓口に関する事項を盛り込むことなどを検討しております。これによりまして、警備業者の不適切な苦情処理を抑制することができるものと考えております。
また、次に、警備業界による苦情相談体制につきましては、現在、社団法人全国警備業協会におきまして消費者契約に関するガイドラインを定め、警備業者に対する苦情の相談窓口としての役割を果たしているところであります。今後とも苦情相談体制の一層の充実が図られますよう、社団法人全国警備業協会を指導してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/81
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082・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/82
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083・小林美恵子
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
私は、この法案審議に先立ちまして、少年被疑者に関する公開捜査についてまずお聞きをしたいと思います。
五月十一日に、茨城県警は少年の可能性のある四人の似顔絵による公開捜査をしたとの報道がありました。この事件はどんな事件でしょうか。まずお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/83
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084・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今、御質問の事件に関してでございますけれども、平成十二年五月四日午前零時三十分ごろ、茨城県牛久市内のスーパーマーケットの飲料水自動販売機前で休憩しておりました当時十七歳だった土木作業員の少年に四人組の若い男が因縁を付け、同スーパーマーケットの駐車場及び外側の階段踊り場に連れ込みまして、殴るけるの暴行を加え現金数千円を強奪した事件で、被害者は上記暴行による脳挫傷、急性硬膜下血腫により九日後の同年五月十三日に死亡しております。
目撃証言などから、いずれも十五歳から二十五歳と見られる被疑者四名につきまして捜査を行ってきたところでありますけれども、今日に至るまで被疑者を特定するに足りる有力な情報を得ておりませんことからこのたび似顔絵を公開したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/84
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085・小林美恵子
○小林美恵子君 ここで私は改めて御遺族の皆さんにお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
同時に、私も犯罪は許されないというふうに思います。御遺族の皆さんも一刻も早い犯人の逮捕をと願っておられると察しもします。しかし、今回のこの事件につきましては少年被疑者の関与ということも含まれています。そのことを考えますと、慎重にやっぱり捜査をしなくてはならないというふうに思うわけです。
そこで、私は少年というのは犯罪を犯すために生まれてきたのではないと思います。こうした事件には少年たちが置かれている背景がやっぱりあると思うんですね。それこそ少年犯罪の場合は、少年を保護し、更生する観点が歴史的にも貫かれて、少年法もだからこそあるのだと思うんです。公開捜査はこの先長い少年の将来に大きな影響を与えると思います。
そこで、警察庁にお聞きします。
今回の少年の可能性のある公開捜査は全国で初めてだと思いますが、この判断は警察庁の何に基づいてどなたが下されたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/85
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086・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今回の公開捜査を行う旨の判断は、本件捜査の状況、昨年十二月に警察庁が発出した少年事件の公開捜査に関する通達、同通達に関する当庁の見解等を総合的に勘案しまして、最終的には個別事件の捜査につきまして責任を負っております茨城県警察において行われたものでございます。
本件につきましては、被害者が死亡するなど結果が重大であること、事件から四年近くが経過して他の捜査手法による新たな情報入手が困難であること、犯行手段等から被疑者は少年であったとしても成人に近い年齢であると思料されることなどから、今回の公開捜査に関する茨城県警察の判断は妥当なものであったというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/86
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087・小林美恵子
○小林美恵子君 お聞きをしますと、四年前には傷害致死罪で、そして今、強盗致死罪ということで捜査を進められているというふうにお聞きしましたけれども、四年たってから罪名を変えるというのはどういうことなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/87
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088・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 犯罪の適用罪名につきましては、各都道府県警察におきまして収集した各種の証拠を総合的に検討していずれの罪名に該当するかを判断しているところでございます。
警察庁では、個別の事案を網羅的に把握してはおりませんけれども、一般的には、新たな証拠が得られるなど法と証拠に基づき罪名変更が適当であるというふうに判断した場合には、当然、そうした罪名の変更というものは当然これを行っているというふうに承知しております。
今回のケースでございますけれども、茨城県警察からは、所要の捜査を行っている過程で、本年に入りまして関係者から新たな供述が得られ、金品を強奪された蓋然性が極めて高くなったと判断して罪名変更を行ったとの報告を受けておりまして、罪名変更につきましては、最終的には、先ほども申しましたように本件捜査に責任を負っております茨城県警察におきまして判断されるべきものでございまして、警察庁といたしましてはその判断を尊重すべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/88
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089・小林美恵子
○小林美恵子君 私は、今のお話を聞いていますと、警察の最初の捜査の初動ミスではないかというふうに思うことがございます。この公開捜査に踏み切るために四年たってから罪状を変えたのではないかという懸念も感じるわけでございます。
続きまして、この問題で更にお聞きをしたいと思いますけれども、警察庁が昨年十二月にお出しになりました通達の文書の中に、いわゆる少年の可能性が認められる被疑者の公開捜査の考え方の中に、「被疑者が少年である可能性にも十分な配慮が必要であり、」という文言がございます。さらに、最後の方の文面に、「検挙した被疑者が少年であることが判明した場合の報道発表については、少年法第六十一条及び犯罪捜査規範第二百九条等の趣旨を踏まえて行うこと。」、こういうことが書かれていまして、「検挙後は、被疑者が成人、少年にかかわらず、速やかに被疑者に係るポスター等を撤去するなどの解除措置を徹底すること。」と述べられています。
これでいきますと、つまり入口は公開捜査をして、少年と分かった場合には六十一条、二百九条に基づいて処置を行うというふうになりますけれども、改めて少年法六十一条、犯罪捜査規範二百九条について御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/89
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090・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 少年法第六十一条は、犯罪少年の氏名、写真等を新聞紙その他の出版物に掲載することを禁止しており、これは直接には報道機関に義務を課すものであるというふうに考えておりますけれども、少年の更生に配慮するという同条の趣旨は少年事件の捜査活動におきましても十分に尊重しなければならないものと考えております。このため、犯罪捜査規範第二百九条は、少年事件の報道上の注意といたしまして、新聞その他の報道機関に発表する場合においても、当該少年の氏名又は住居を告げ、その他その者を推知することができるようなことはしてはならない旨規定しているところでございます。
しかしながら、これらの規定は、少年が既に検挙され、社会への不安が取り除かれている場合を想定しているものと考えられるところでございまして、少年被疑者が凶悪な犯罪を犯し、再び凶悪な犯罪を犯すおそれが高く、早急に身柄を確保する必要がある場合や、少年の可能性の認められる凶悪事件の被疑者の人定が明らかでなく、早急に被疑者を特定する必要がある場合等におきましては公開捜査が一切認められないものではないと考えております。
すなわち、少年自身の保護と社会的利益の均衡、捜査の必要性等の諸要素を総合的に勘案してその要否を判断し、必要かつ適切と認められる場合には公開捜査を行うことも許されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/90
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091・小林美恵子
○小林美恵子君 今日の各紙にこの事件の問題が報道されていました。私が手元に持っているのは今日付けの朝日新聞です。「似顔絵報道、分かれた判断」というふうに書かれています。ここには在京六紙と地元紙があるんですけれども、その八紙のうち、警察が公開捜査をしてマスコミに提供しても、この新聞社は八紙のうち六紙は掲載をしませんでした。また、テレビの方ですけれども、テレビも六社のうち二社しか報道していません。NHKの、この記事によりますと、NHKの広報局の方は、「少年事件であってもその凶悪性や再発の恐れなどの点から、写真や実名を報道する場合はありえる。今回は四年前の事件で、その後同様の事件は起きていないなど差し迫った再発の危険は認められなかった」ということで、似顔絵は放映しなかったというふうに書かれています。
つまり、マスメディアも今回の場合については多くが掲載をしない、放映しない、こういう立場を取ったんだというふうに思うんですね。そういうことを考えますと、私は、警察庁と茨城県警が取られた公開捜査という判断というのは慎重さが本当にあったのかということを指摘したいというふうに思うわけです。
それで、この事例が、とにかく少年被疑者に関する公開捜査では全国で初めてということになりました。しかも、罪名を四年後にして変更して踏み切ったということにあるわけですね。だから、やっぱり本当に慎重にしたのかということが本当に問われるんじゃないかなというふうに思うわけです。このことがこれからの都道府県県警の少年に対する公開捜査に当たって乱用することがないように、私は少年法の立場でやっぱり原則的に対応していただきたいというふうに思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/91
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092・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 公開捜査の運用につきましては、従来から、先生御案内のとおり、通達によりまして原則として成人の被疑者であることとされておりまして、昨年十二月に発出されました少年被疑者等の公開捜査に関する通達も従来の通達を踏まえた内容でありまして、少年の健全育成を尊重するこれまでの方針を転換するものではございません。
少年被疑者についてはもとより、人定が明らかでなく少年の可能性が認められる被疑者につきましても、公開捜査に当たりましては少年の健全育成の配慮が必要でありますが、必要以上に慎重になり過ぎることにより捜査を遂げることができず、社会の不安を除去できないとすれば、警察の責務を果たすことができないという一面もあると認識をしているところでございます。
そうしたことにより、今後とも青少年事件の公開捜査につきましては、昨年十二月に発出をされました通達を踏まえまして、少年の健全育成の精神を十分に尊重した上で事案の内容に応じた適切な対応が行われるように、警察庁におきましても都道府県警察を指導していくものと承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/92
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093・小林美恵子
○小林美恵子君 それでは、今の御答弁でいきますと、青少年の健全育成のそういう立場で慎重におやりになるということで確認してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/93
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094・小野清子
○国務大臣(小野清子君) ただいま申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/94
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095・小林美恵子
○小林美恵子君 それでは、法案の質問に入らせていただきます。
今回の警備業法一部改正法案は、警備業の専門性、また警備の知識、能力の向上、依頼者の保護が打ち出されていますけれども、その提案の理由と背景について、済みませんが簡潔に御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/95
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096・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 昨今の国際テロ情勢あるいは犯罪の件数の増加傾向、こういった点から治安情勢の深刻化を受けまして、国民の自主防犯活動を補完をし又は代行いたします警備業に対します社会的な需要が大変量的、質的にも拡大をしておりまして、その適正な業務実施が社会的に要請されるようになってきたわけでございます。
不適切な警備業務の実施による事件、事故、さらには警備業務に対する依頼者からの苦情が増加しているというのも現実でございまして、警備業が国民から本当に信頼され、より良い警備業を提供することができるようにするために、警備員の知識と能力を向上させること、警備業務の依頼者を保護すること、この二点を改正の柱といたしまして警備業の改正を行うものでございます。
具体的な点は申し上げてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/96
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097・小林美恵子
○小林美恵子君 いえ、もういいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/97
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098・小野清子
○国務大臣(小野清子君) よろしいですか。はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/98
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099・小林美恵子
○小林美恵子君 今のお話でいきますと、要するに治安情勢の深刻化というのもございましたけれども、その治安情勢につきましては、本来国民の安全を守る責務はやっぱり警察庁、警察にあると私は思います。民間の警備業界に質の向上を求めるならば、やっぱりまず警察庁自身がそのことをしっかりと御認識することが必要だと思いますが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/99
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100・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 先生おっしゃるとおりでございまして、そうしたことを私ども警察庁もあるいは各県警本部も総力を挙げて取り組んでいるところでございますが、警察庁では十分なことが果たし得ない部分を先ほど申し上げましたとおり自主防犯活動で補っていただくという観点から、私どもは警備員指導教育責任者を業務の専門別に選びまして、こうした質の向上を一層図っていただきながら、かつ私たちはその知識及び能力の高い検定合格者の配置を義務付けるなど、依頼者を保護する点も踏まえまして、共々に安全、安心の国づくりに向かって邁進をしてまいりたいと、そのような気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/100
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101・小林美恵子
○小林美恵子君 警察庁の責務は御認識されているということですね。
次に、警備員、警備希望者に対する検定についてお聞きをします。
改正案の条文、二十三条になると思いますけれども、国家公安委員会の登録を受けた者が行う講習会の課程を修了した者については検定試験の一部を免除するという登録講習機関制度の導入がなされています。
その点でお伺いしたいんですけれども、登録講習機関は二十六条で基準が定められていますけれども、その要件に合致をすれば全国どこでも設置できるということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/101
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102・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 登録講習機関につきましては、登録申請者が登録基準のすべてに適合しているときは、国家公安委員会はその登録をしなければならないこととされております。
その基準としては、講習会が適正かつ公正に行われるために最低限必要なものを列挙することといたしておるわけでございまして、そうした意味で、合致をしておればもちろんどなたでも登録講習機関となることができるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/102
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103・小林美恵子
○小林美恵子君 では、その登録講習機関の基準について簡潔に御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/103
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104・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 登録講習機関としての基準でございますけれども、具体的には、科目に関する基準として、警備業務に関する法令、警備業務の実施方法及び事故の発生時の対処要領の三科目について行われるものであること。施設設備に関する基準といたしまして、講義室、訓練施設等の施設及び設備を用いて行われるものであること。講師に関する基準として、警備員指導教育責任者資格者証の交付を受け、警備員の指導教育に通算三年以上従事した者等により行われるものであることを定めております。
また、登録講習機関の公正性に関する基準といたしまして、登録申請者が株式会社又は有限会社である場合は警備業者の商法上の子会社でないこと、登録申請者の役員に占める警備業者の役職員等の割合が二分の一を超えていないこと、登録申請者又はその代表権を有する役員が警備業者の役職員等でないことを定めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/104
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105・小林美恵子
○小林美恵子君 それでいきますと、元警察官幹部の場合は公正の基準に入るということになりますよね。それは、全国どこでも元警察幹部の天下り先を確保することになるのではないかと私は思うんです。
私が今手にしているこの文書は、堤和馬さんがお書きになった「巨大省庁天下り腐敗白書」というものの写しです。二〇〇〇年の二月ですけれども、衆議院の予算委員会に要求資料として提出されたものですけれども、ここに元警察幹部百二十二人が複数の場所も入れて二百三十二か所へ天下っているという一覧表がございました。この退職金などを見ますと、本当に多額な金額で、多額の退職金を手にして、更に天下り先まで用意をされていると。これは国民は本当に納得できないなというふうに思うんです。
今回の登録講習機関というのはこういう天下りを確保するようなことにはならないですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/105
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106・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 登録講習機関が登録基準を満たす限りにおきましては、そのような人的構成を取るかということにつきまして、それぞれの団体の判断にゆだねられるものと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/106
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107・小林美恵子
○小林美恵子君 つまり、判断すればそういうことになるということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/107
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108・小野清子
○国務大臣(小野清子君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/108
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109・小林美恵子
○小林美恵子君 今回の場合は、わざわざ新規に機関を設けるわけですよね。登録講習機関というような機関を改めて設けるわけですよね、改正案によって。そういうことは、わざわざ天下り用として設けるということに理解ができると私は思うんですけれども、これはやっぱり国民は納得できないんじゃないかということを指摘をしておきたいというふうに思います。
次にですけれども、改正案の十九条に関しまして、依頼者の保護の点で書面の交付、書面の交付というのが新規に立てられています。その内容は、内閣府の定めるものとして、警備業務の対価、依頼者が支払う金額、支払の時期、方法、契約の解除に関する事項で、すべての警備業者に書面交付義務を課すことになっています。問題はその内容と口頭説明の内容が問題だと思うんですね。消費者、依頼者が理解できる内容でなければ、結局は被害の解決にはならないと思います。
そこで、内閣府国民生活審議会は、消費者契約に関するガイドラインで、書面交付について、書面交付とともに口頭説明を求めています。特に、重要事項書面は見積書、重要事項説明書形式として重要事項二十三項目が指摘されていますけれども、この間も答弁もあったんですけれども、改めてお聞きしますが、警察庁として内閣府令にこういうことを盛り込むお考えか、再度お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/109
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110・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 内閣府令におきましては、正に重要事項といいましょうか、契約に際して、まず事前にいわゆる依頼者がこの業者と契約するかということを決めるに当たって、基本的な事項につきましては記載することを考えておりますし、また、もちろん事後の書面につきましても、これは契約内容とほぼ同一の内容のものが事後の書面になると思いますが、結果的には事前の書面も事後の書面も、基本的には内容的には非常に近いものになってくるということになりますので、契約前に十分にその契約の中身、警備業者が一体どういったことをしてくれるんだ、逆に、依頼者としてはどういった義務が生ずるんだということを十分に納得した上で契約ができるような記載事項というものを考えているわけでございます。
内容につきましては、先ほども少し申し述べましたけれども、契約に当たって本当に必要な事項というものを網羅してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/110
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111・小林美恵子
○小林美恵子君 次に、警備業界に関してお聞きをします。
私は先日、警備業界の最大大手のセコム社と中小の警備会社にお伺いをしました。中小の警備会社は、社長自らがモニターを見ながら警備に携わる。セコムでは、社内ロビーには開発物が展示をされておりまして、一方、セコムの現場の労働者は、管理者にコーヒータイムまでコンピューター画面に映し出されているような労務管理をされているような場面がございました。息つく暇のないように依頼者の緊急情報にコンピューターを注視しながら三十人ぐらいの、ワンフロアで三十人ぐらいの労働者の方が二交代制で仕事をしていました。
そこで、お聞きをします。警備業者の総売上高約二兆七千五百億円のうち、セコム、そして総合警備保障、セントラル警備の割合、また逆に中小業者の割合はどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/111
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112・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 平成十四年における警備業者の売上高というのは、先ほどお話ありましたように二兆七千数百億というふうに承知しておりますけれども、いわゆる今御指摘がございました三大グループの売上高や、警備業界全体に占める割合については承知しておりません。
また、警備業者のうち、いわゆる中小業者の割合というものは、中小企業者の数という意味では、百人未満の中小企業の警備業者というものは八千六百八十二社で、警備業者数全体の九一・七%でございますけれども、その売上高については承知していないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/112
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113・小林美恵子
○小林美恵子君 警備業界に中小業者の割合が多いということは今のお話であったと思いますけれども、この二兆七千億のうち、いわゆる先ほど私が申し上げました大手の三グループは約七千八百億、三割の売上高を占めております。つまり、少数の大手企業でやっぱりこの警備業界が大きなシェアを占められているというふうに私は痛感をします。
お会いした中小の警備会社の社長さんは、これから検定にも費用が掛かり、機械警備は中小でなかなかできないと、結局交通誘導に狭められていくというお話をされていました。警備業界の大半を占める中小警備業者への配慮というのも検討が必要だというふうに思いますが、この点、最後に大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/113
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114・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 警備業全体に言えることではございますけれども、特に中小警備業者にとりましては、眼下の社会情勢の厳しいものであるというその状況にかんがみまして、そうした中でも、国民の自主防犯体制、こういう行動を補完又は代行するという、今日の社会におきましての重要な役割を担っているものと承知をいたしております。
改正法案の施行に当たりましても、中小企業者が多数を占める警備業界の実情を踏まえまして、警備業が生活安全産業として国民から信頼をされ、そしてますます発展していくように努めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/114
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115・小林美恵子
○小林美恵子君 質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/115
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116・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
それでは、警備業法の一部改正案について質問したいと思いますけれども、前回の一部改正、この前委員会でも私、質問させていただいたんですけれども、ちょっと一点積み残しといいますか、そのときも私はあえて質問したんですが、確認させていただきたいと思います。
第三条の十号で、これは警備業を営んでいいとか悪いとかいう、その決め事なんですけれども、第七号に該当する、これはすなわち心身障害者です。心身障害者に該当する者が法人の役員に一人でもいるとその法人は警備業を営むことができないと、そう記してあります。その理由は一体何でしょうか。大臣、大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/116
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117・小野清子
○国務大臣(小野清子君) 警備業というのは、人の命、身体又は財産を守ることを主な業務内容としておりまして、警備業務の実施の適否は国民生活の安全に大変大きな影響をもたらしているというところでございます。警備業者がそのような業務を自ら行い、又はそのような業務に直接携わる警備員を指揮監督すると、そういう立場でありますので、国民生活の安全を守るためには一定の欠格事由が必要であり、このことは警備業者が法人の場合であっても同様であろうと思っているところでございます。
法人が警備業務を適正に営むことが期待されるかどうかということを判断するに当たりましては、法人のための業務を執行したり、その業務の執行に影響を与える立場にある者について適格者の有無を判断することが必要であるために、役員に欠格事由該当者がある法人は警備業を営めないとされているものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/117
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118・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 ですから、国民の身体とか財産を守る警備業という意味で欠格条項があることは私も認めます。でも、具体的に例えば私の以前勤めていた会社、社長以下何人も役員には心身障害者いました。それはさておき、じゃ十人取締役がいるところに一人精神障害者がいましたと、この人も社会復帰しようとしている、そういうような会社が、一人でもいるだけで警備業を営めない、これは私、非常に不合理だと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/118
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119・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今も大臣が申し上げられましたとおり、国民生活の安全を守る観点からも、法人の場合でも一定の欠格事由は必要と考えております。
役員がその法人に与える影響力の程度は法人ごとに千差万別でございまして、例えば欠格事由に該当する役員がその法人の事業活動に具体的にいかなる影響を与えているのか、あるいはその法人の組織構成等がどのような態様であれば役員が欠格事由に該当する場合に事業活動に悪影響を与えないのかなどにつきましては、個々の法人によって異なってくるものでございまして、警備業は国民の安全と深くかかわる産業でありますので、役員の一人が欠格事由に該当すれば、その法人自体も直ちに欠格事由に該当するという制度になっている面があるものと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/119
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120・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 いや、あのね、それこそ一くくりで欠格事由と言いますけれども、これ、局長分かりますでしょう、これ二号から特に五号までは、これ暴力団とか犯罪を犯したという意味で、反社会的な意味での欠格条項ですよ。私は言いたいんです。そういった反社会的な人間を一人でも役員でいれば、それはその会社自体、法人自体が反社会的であるとみなすことは私は可能だと思いますよ。ですが、今言った心身障害者ないしは第六号の、これはアルコール中毒者、この方も元々お酒は飲むこと自体は法的には違反ではないわけですから、そういう方々が一人いるからといって、それ自体、法人が駄目だという、私、それだったら、今言った中毒者であるとか、アルコール中毒者であるとか、ましてや心身障害者の社会復帰という意味では、前回、あれですよね、心身障害者の欠格条項を見直そうと、そういう方々をどんどん社会で働いてもらおうという、そういう意味で見直したんじゃありませんか。
これ、実際に、私が会社の社長で、さあこれから警備業を営みたい、でもうちの役員に一人心身障害者がいた、だったら私は降格させるか、ともすれば首にする、このようなことがあり得るわけですよ。この点についていかがお答えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/120
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121・伊藤哲朗
○政府参考人(伊藤哲朗君) 精神病者に係る欠格事由につきましては、前回の改正によりまして一律に排除する規定を改めまして、警備業務を適正に行うことができるか否かといった能力に着目した規定としているところでございます。警備業及び企業経営から障害者を不当に排除するものではないと認識しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/121
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122・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 それじゃ、とにかくその答弁では、何度も言いますけれども、心身障害者が排除されるわけですよ。
だから、提案します。とにかくこの号のくくり方がおかしいんですよ。これ、この前、要は第五号を暴力団と、あと第六号で中毒者、第七号で心身障害者に分けたんですけれども、第六号のこのアルコール中毒とそれ以下、麻薬、大麻、あへんの、覚せい剤の中毒者って、これ違うわけですよ、今言った反社会的な意味において。ですから、アルコール中毒者を分けて、なおかつ心身障害者を分けて、で、例えば法人にすれば、今言った例えば新七号、新八号の該当者は役員のうち例えば何分の一以上いた場合には認めないとか、法技術的に簡単にできるわけですよ。だから、その点を警察庁の方でも検討してください。もう時間がないので、このぐらいにしておきます。
ええとですね、私、今回の警備業法案について言うと、大変様々な、例えば検定制度とか講習制度、この具体的なものが余り提示されていません。要は今日の答弁でも、これから検討するとか、ないしは公安委員会にゆだねているという、その点でいろんな点が不明過ぎて、幾つか質問用意してきたんですけれども、この短い時間ではちょっと明らかにできないんで、このとにかく不明なことに対する私は、何といいますか、この警備業法案、一部改正案については私はどうもうなずけないということを指摘して、ちょっと次の観点に移らせてもらいます。
私ども、せんだってわざわざ福岡まで、九州管区警察局と福岡県警に私ども視察に行ってまいりました。やはり、せっかく向こうの警察局長からも様々なお話聞いて、我々もまだ分からない点あるんで、今日この場をおかりして、多分、官房長が御答弁されると思うんですが、端的に質問していきますので、お答えください。
私、九州の管区警察局のこの問題だけ取り上げます。これは今年の三月三十一日、いわゆる保存期間中の会計書類をその保存期間中である三月三十一日の午前中に、その書類の担当係長がシュレッダーで廃棄した、しかもその日の昼に住民からの情報公開請求を受けるその二時間前に、わずか三十分で六十センチにも上る会計書類をすべて、訓令違反を犯してシュレッダーに掛けて廃棄したという、このことについて非常に警察の説明も、とにかくやったことは重大であるにもかかわらず細かな細かな細かな日程とか人物が登場して非常に複雑なストーリーになっていると。ここをもう少し解きほぐしたいと思っております。
まず第一点、聞きましょう。今言った廃棄のついてのマニュアルがないと、ただそれについての指示系統というのは、まずは所属長、この場合課長ですね、課長の命を受けて管理担当者、この場合調整官が担当者、この廃棄した庶務係長に指示して執行する、すなわち廃棄するとあるんですけれども、今回、まず今言った末端の係長がその次の上の調整官に廃棄を申し出るという、ここからスタートしています。これちょっと意外なんですが、今言った指示系統からするとまるっきり逆なんですけれども、何でまず係長からの申出があったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/122
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123・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 調整官というのは調査官だと思いますが、今年はこういう、これから申し上げますような経緯をたどったわけでありますけれども、昨年と一昨年は、本人から話をいたしましたところ、四月一日が過ぎてその時点で調査官のところに本人が行って、これから廃棄をいたしますということを了解を取って、じゃやってくれということでやっているわけです。
今年は、御承知のとおり、広域調整一課の庶務係長というのは、文書取扱担当者として当該文書を保管をしていたわけでありますけれども、四月一日付けで大分県の方に本人が転勤になるという内示を三月十九日に受けたということで、ここら辺が甘いと言えば甘いわけでありますが、異動前に自分が廃棄をして赴任した方がいいだろうということで、文書管理担当者であるその調査官に、十年度の会計文書は私が責任を持って処分いたしますと申し出たわけであります。で、調査官は、それじゃやってくれということで、廃棄を了承した際に、廃棄の日時の確認をしないと、また年度内は文書を保管しておくべき旨を庶務係長に明確に指示をしていなかったという事実関係であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/123
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124・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 それで、重要なことは、今言った責任者である、じゃ課長、課長はこの三十一日にシュレッダー掛けるということは、これはあれですか、報告が行っていたのかどうか。
それと併せてお聞きしますけれども、私どもその広域調整第一課、第二課の空間見てきました。非常に狭いところですね。そこでどっからも見えるところにシュレッダーが置いてありました。これ、朝九時から九時半にかけて、係長大急ぎでシュレッダー掛けたわけですよ。皆さんごらんになりましたように、どこの席からもその場所が見えるわけです。
ですから、お聞きしたいのは、課長、二人の課長そして二人の調査官、そのほかその職員でそのシュレッダーを掛けているところを目撃した方はいるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/124
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125・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) まず広域調整一課と二課の調査官は、御承知のとおり、廃棄をするということを認識をしておるわけですね。それから、調整一課長と二課長に対しましては、係長はもちろんですけれども、調査官からも廃棄をする旨の報告はしておりません。したがいまして、二人の課長は廃棄日程については認識していなかったという状況がまずあります。
それから、三月三十一日の朝のことでありますが、広域調整一課全員から九州管区警察局で聴取をいたしましたところ、庶務係長がシュレッダーを掛けていると、これは異動に伴う身辺整理をやっているんだという認識で見ているわけでありまして、調整一課の調査官とそれから別の係長と係員と三名が、本人がシュレッダーを掛けておるのを目撃をしております。
私はその現場を詳細に承知していませんが、調整一課長は出勤をしておりましたが、課長席の前にどうもつい立てがあるようでして、庶務係長の裁断状況は、本人は現認をしていないそうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/125
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126・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 今ね、非常にやっぱり重要なことなんですよ。私も聞いて、課長は何も知らなかった、私もそれはもう報告受けています。ただ、調査官は、まず廃棄することは聞かされていたけれども日時は知らされていなかったと。ですから、この十年度の会計書類を廃棄することを知っていた調査官が、今のお話だと、三十一日の午前中、六十センチの分厚い書類を係長が廃棄しているのを見ているわけですね、シュレッダーを。そうですよ、いいですか、二十四日、一週間前に廃棄すると知らされている人間が、今目の前で六十センチもの書類を捨てられているときに、ああこれは身辺整理だなんて思うんですか。そんなこと思わないし、ないしは止めますよ。何かその会計書類、まさか入っていないだろうね、何々係長って聞くはずですよ。そういうことは行われなかったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/126
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127・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 広域調整一課の調査官から話を聞きましたところ、異動に伴う身辺整理の一環としてやっているんだと認識を、正にこれは間違っておるわけですけれども、そのように思っていたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/127
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128・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 官房長ね、だったらどうやって内部的にこういったミスが起こらないことができるんですか。何人も見ていて、報告もやっていて、それでいて結果的に開示請求になった二時間前に首尾よく六十センチもの書類を全部廃棄する、こんなこと、この先も起こりますよ、そんな答弁がまかり通るようだったら。
じゃ、あえて聞きますが、それで係長は、今申し上げたように、これ会計書類のプロですよ。そのプロが、訓令ですよ、大変重要な訓令でその日までは保存しろということを熟知しています、まず熟知しています。そして、彼の廃棄した書類とは名称は一体何かというと、捜査費証拠書類ですよ。捜査費証拠書類を今言った会計書類、書類管理のプロが、しかも保存期間中という訓令を知っていて廃棄する、まずこれが考えられないんですが。
更に進んで、この方は明らかに故意がありますよね、故意がある。故意があるこの係長の今回の罰が管区警察局長の訓戒で終わっているんですね。今言った責任者である調査官、しかも過失の、しかも実行行為者でない調査官は、これはあれですよ、懲戒処分ですよ、まあ訓戒という、戒告という非常にまだ軽いものですけれども。でもね、やっぱり全部係長の罪をおっかぶせておいて、その代わり罰が軽いというのは、これは組織におけるしっぽ切りのやり方の典型的なやり方なんですよ。この不整合性について、官房長、ちょっと御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/128
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129・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 事実関係は既に委員御承知だと思いますけれども、まず今回の一番のポイントは、十年度の会計文書を保存をしておくようにという連絡がその広域調整一課、二課に行かなかったということが、ここが一番のポイントであります。二点目は、庶務係長としては上司の了解は実は得ておるわけでありまして、ただ、その時点で上司の了解というのが、三月三十一日までは駄目だよということをはっきり上司が言っておけば良かったわけでありますけれども、それを指示をしていずして安易に処分を任せたと。この点が一番、やはり庶務係長よりも責任としては重いわけでありますので、そこを問うて戒告処分が相当と判断をしたわけであります。
本人は、庶務の係長につきましてはもちろん当該文書を、何をシュレッダー掛けておるのかということは、これは認識をしておるわけでありますが、当該文書を三月三十一日で、本人は三十一日の日が満ちれば必要ない文書と思っておりますから、文書を廃棄しても業務に支障がないだろうと、用済み後の文書であるとの認識から、言わば公務所の用に供する必要な文書を毀棄するという故意はないと認められましたので、それより、戒告には問うことはせずして訓戒の処分を掛けたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/129
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130・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 これ、最後の質問にしますけれども、何度も言いますけれども、庶務係長は会計処理のプロですよ。もっと何度も言いますが、この訓令というのは五年間を保存しなければならないという理由ですから、いいですか、五年間以上幾ら保存していてもいいんですよ、四月になっても五月になってもいいんです。五年たったらもう素早くシュレッダーに掛けろという訓令じゃないでしょう。それが、なぜか知らないけれども、自分四月一日に転任するからと慌てますけれども、慌てる必要ないんですよ。別に十年、二十年は取っておいてもいいけれども、最低五年は残しておきなさいよというこの中で、この中で明らかなる故意を持ってシュレッダー掛けたこの係長。
これ、あえて次のことで聞きますけれども、警察の懲戒処分の指針において、調書、被害届若しくは捜査報告書又は証拠物件を故意に廃棄した場合は免職か停職ですよ、一番重いか二番目に重い、なんですよ。にもかかわらず、今の係長、庶務係長は、その三番目、四番目の懲戒処分にも当たらず、更に下の、懲戒処分に当たらない、警察局長の、管区警察局長の訓戒だという。これは明らかに、今言ったように、これが出てくれば様々な、ともすれば業務上横領だとか詐欺とか、そういったいわゆる刑事事件の証拠になるかもしれない蓋然性の高い書類を故意に破棄して、その後のやっぱり処分が余りにも軽い。この不整合性について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/130
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131・吉村博人
○政府参考人(吉村博人君) 私どもは、この当該庶務の係長を保護するつもりは、擁護するつもりはもちろんありません。これは、正にこれだけの文書を毀棄したわけでありますので、それに相応した処分をしたつもりであります。
その際の懲戒処分の指針でございますが、確かにお尋ねのように、「調書、被害届若しくは捜査報告書又は証拠物件を故意に毀棄すること(重大なもの)」については免職又は停職と定めております。ただ、この懲戒処分の指針はあくまで一つの態様として懲戒処分の種類を示したものでございますので、実際の処分に当たってはいろんな要素、ファクターを総合的に考慮してやるんだということはこの懲戒処分の指針の冒頭にも載っけておるところでございまして、ただいまも、あるいは従来も御説明をしておりましたような事実関係の下で、本人は管区局長訓戒が相当であり、ほかの人間について戒告等々の処分に付したという状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/131
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132・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/132
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133・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/133
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134・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、森元恒雄さんが委員を辞任され、その補欠として加治屋義人さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/134
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135・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
警備業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/135
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136・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/136
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137・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/137
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138・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。金子国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/138
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139・金子一義
○国務大臣(金子一義君) このたび、政府から提出いたしました構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
構造改革特区は、地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、構造改革を更に加速させるための突破口となるものであります。
平成十四年の百五十五回国会において御審議いただき成立いたしました構造改革特別区域法においては、同年八月の第一次提案に基づき、構造改革特別区域において講ずることができる、法律事項に関する規制の特例を定めました。さらに、昨年、百五十六回国会においては、規制の特例措置を追加する構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を御審議いただき成立しております。
政府においては、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの理念の下、構造改革を推進しているところですが、構造改革特別区域推進本部においても、多様な特区の実現に向け、その後も引き続き全国から提案募集を行い、新たな規制の特例を決定してまいりました。これら本部で決定した特例措置のうち、第二次提案募集を踏まえ検討することとされていました法律の特例に関する措置の中で残っていました医療法等の特例並びに昨年六月に実施した第三次提案募集及び十一月に実施した第四次提案募集を踏まえた法律の特例に関する措置を新たに追加することを通じ、経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図るため、この法律案を提出する次第であります。
この法律案の概要を申し上げます。
第一に、医療法等の特例として、認定構造改革特別区域においては、株式会社が自由診療で高度な医療の提供を目的とする病院又は診療所を開設することができることとしております。
第二に、教育職員免許法の特例として、認定構造改革特別区域においては、都道府県教育委員会が行っている特別免許状の授与について、市町村の教育委員会も行うことができることとしております。
第三に、漁港漁場整備法等の特例として、認定構造改革特別区域においては、国又は地方公共団体が行政財産である特定漁港施設を貸し付けることができることとしております。
第四に、狂犬病予防法の特例として、認定構造改革特別区域を設定した市町村の長は、狂犬病予防員の任命、捕獲人の指定、犬の抑留について、必要な経費を自ら負担することを条件に行うことができることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願いを申し上げる次第であります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/139
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140・和田ひろ子
○委員長(和田ひろ子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115914889X01320040518/140
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