1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十六年四月二日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第十二号
平成十六年四月二日
午前十時開議
第一 工業標準化法の一部を改正する法律案(
内閣提出)
第二 独立行政法人産業技術総合研究所法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
第三 鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
一、特定外来生物による生態系等に係る被害の
防止に関する法律案及び外来生物種規制法案
(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/0
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001・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案及び外来生物種規制法案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/1
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002・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。小池環境大臣。
〔国務大臣小池百合子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/2
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003・小池百合子
○国務大臣(小池百合子君) ただいま議題となりました特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
海外から我が国に導入される外来生物には、我が国の在来生物と性質が異なることにより、我が国の生態系、人の生命若しくは身体又は農林水産業に係る深刻な被害や、そのおそれを生じさせているものがあり、これらの生物による被害を防止することは、国民生活の安定向上に資すると考えます。
この法律案は、これらの生物を特定外来生物として指定し、特定外来生物の飼養、栽培、輸入その他の取扱いを原則禁止するほか、国等による特定外来生物の防除等の措置を講じようとするものであります。
次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
第一に、主務大臣は、中央環境審議会の意見を聴いて特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本方針の案を作成し、これについて閣議の決定を求めることとしております。
第二に、特定外来生物の飼養、栽培、保管又は運搬、輸入その他の取扱いは、学術研究等の目的で特定外来生物の飼養等をすることについて主務大臣の許可を受けた場合等を除き、禁止することといたします。
第三に、特定外来生物による生態系等に係る被害の発生を防止するため必要があるときは、主務大臣及び国の関係行政機関の長は、その内容等を公示して防除を行うことといたします。また、地方公共団体又は国及び地方公共団体以外の者は、その行う防除について主務大臣の確認又は認定を受けることができることといたします。さらに、これらの防除については、本法等の規制の特例を認めることといたします。
第四に、生態系等に係る被害を及ぼすおそれがある疑いのある未判定外来生物の輸入をしようとする者は、あらかじめ主務大臣に届け出て、当該被害を及ぼすおそれがあるものでない旨の通知を受けた後でなければ、その未判定外来生物を輸入してはならないことといたします。
このほか、これらの措置を確実に実施するための措置命令、この法律案に基づく施策について国民の理解を増進させるための措置等を定めることとしております。
以上が特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/3
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004・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 小川勝也君。
〔小川勝也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/4
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005・小川勝也
○小川勝也君 ただいま議題となりました外来生物種規制法案につきまして、その趣旨及び内容について御説明いたします。
地球規模の物流や人の動きが加速する中、外来生物による病気の伝播、生物多様性や農林水産業への被害が深刻化しております。世界で絶滅した魚類の二五%、爬虫類の四二%、哺乳類の二〇%が外来生物によって滅ぼされたと言われ、生物多様性条約や国際自然保護連合は世界各国に対し、早急な対策を求めております。
我が国においては、農林業被害防止を目的とした植物防疫法があり、SARSなど感染症対策がさきの国会で強化されました。人類生存の基盤と言われる生物多様性の確保を目的とする外来生物の規制法はこれまでありませんでした。しかし、南西諸島では希少野生動物がマングースにより絶滅の危機に瀕し、生態系に顕著な影響を及ぼすアライグマの分布が全国的に拡大傾向にあるなど、生物多様性への被害は深刻になりつつあります。そこで、二〇〇二年八月、環境省は「移入種への対応方針について」をまとめ、日本に定着した移入種約二千種のリストを公表いたしました。
私たちは、この報告を受けて早急な法制化が必要と考え、NGOと立案作業を進め、政府の動きにも注目しつつ、さきの国会にこの外来生物種規制法案を提出いたしました。今回、内閣が提出した特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案は、この民主党案を下敷きにした面も多々ありますが、考え方が大きく異なる点もあるため、一部見直しの上、再提出させていただいた次第です。
次に、この法律案の主要点について、内閣提出法案との相違に重点を置いて御説明申し上げます。
第一は、規制対象を二段階としている点です。輸入を原則禁じる特別特定外来生物種と、目的を問わず適正管理を条件に輸入や飼育を認める特定外来生物種を環境省令で指定することとしております。
第二に、未知の外来生物種に対する水際規制について、国内生物種台帳を整備し、そこに記載されていない生物の輸入を行う場合は、新規外来生物種としてリスク評価を行うこととしております。
第三に、既に国内に蔓延した特定外来生物種の防除は都道府県が行うこととし、そのために必要な財政措置や指針の策定を国が行うこととしております。
その他、内閣提出案にはない非意図的導入の防止努力や動物愛護管理法を始めとする関連法制の見直しを規定しております。
民主党案は、NGOや生態学の専門家だけでなく、外来生物を経済利用する側の意見を踏まえた実効性のある法律案として自負をしております。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/5
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006・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。ツルネンマルテイ君。
〔ツルネンマルテイ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/6
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007・ツルネンマルテイ
○ツルネンマルテイ君 民主党・新緑風会のツルネンマルテイでございます。
私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提案の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案と、民主党・新緑風会提案の外来生物種規制法案について、小池環境大臣と民主党・新緑風会の発議者に質問いたします。
私たち民主党は、この法案に関する審議を是非本会議からスタートするように求め、その希望がかなえられたことを私はとっても有り難く思っています。なぜならば、本来、外来生物の問題は自然環境の問題だけではありません。生活環境のあらゆる分野にも影響を及ぼしており、参議院全体で真剣に取り組んでいただきたい問題であるからです。
まず、外来生物という言葉の定義について簡単に紹介します。外来種とは、外国又は国内の他地域から人為によって意図的あるいは非意図的には特定の地域の生態系に新たに導入される生物のことをいいます。外来種が野生化し定着すると、生物多様性への影響、例えば在来種の捕食、在来種との競合、交雑による遺伝的攪乱など、さらに農林水産業への影響、人の生命、身体等への影響、例えば伝染病媒介などを生じさせることがあり、このような悪影響をもたらす外来生物は侵略的外来種と言われます。
具体例としては、ハブとネズミ類の天敵としてインドから沖縄に導入されたジャワマングースは、個体数を増やし分布を広げ、沖縄本島北部のやんばる地域では、ヤンバルクイナなど希少種や固有種を捕食していることが確認されています。沖縄に続いて奄美大島にもジャワマングースが導入され、アマミノクロウサギなどを捕食しています。また、全国各地でオオクチバスやブルーギルという魚が問題になっていることもよく知られています。私が住んでいる神奈川県では、鎌倉市内でペットとして飼育されていたアライグマが逃げ出して、野外で急速に繁殖しています。農産物への被害も増えています。もちろん、これらはほんの一部の例にすぎません。
問題が深刻さを増している中、ようやく政府も幾つかの対策を作り始めていますが、それらはまだまだ不十分であることは明らかです。
平成十四年三月に、地球環境保全に関する関係閣僚会議では、決定された新生物多様性国家戦略には、外来生物問題への対応として、国内や地域内では既に定着して影響を生じている生物種、定着していないが定着した場合には影響が懸念される注意を要する生物種のリストの作成、飼育動物のうち、放すこと、逃げ出すことにより影響が生ずるおそれがあるものの管理といった取組を着実に進めていく必要性がありますと書いてあります。特に指摘されていることは、ペットを始め外国からの生物の輸入の実態を明らかにすることとともに、水際での管理を徹底することが求められているということです。
しかし、このような方針が今回の政府、作った法律案にはほとんど反映されていません。
また、本会議で質問したいもう一つの理由は、当然ながら民主党には対案があるからです。
外来生物種規制法案は、昨年、参議院に提出させていただきましたが、衆議院の解散に伴い、審査未了になりました。今回の政府案には、その民主党案の幾つかの部分が反映されてはいるのですが、これから明らかにしたいことは、本質的には大きな違いがあるということです。
今年になって我が党の法案は更に磨かれ、先月再び提出しました。来週から環境委員会で両案を一緒に審議できることを期待しています。
いずれにしても、政府案では対象となる外来生物の範囲が余りにも限定され、外来生物の管理の上でほとんど役に立たないものになっています。
また、政府案と民主党案の根本的な違いは、法案の名前から見ても明らかです。民主党案の名前は外来生物種規制法案となっていますが、政府案は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案となっています。つまり、民主党法案のねらいは、すべての外来生物を管理の下に置くことにあるのに対し、政府案では、限られた生物のみの被害を防止することが目的となっています。これはとても大きな違いです。
そこで、まず小池環境大臣にお聞きしたいことは、外来種二千種以上ある中で、一体なぜこの法律案では特定外来生物だけに限定したのですか。なぜ、すべての外来生物を対象にする外来生物管理法にしなかったのですか。
日本生態学会が平成十四年三月には、政府あてには外来種管理法の策定に向けて要望書を出しています。その目的も、民主党案と同様、すべての外来種を管理の下に置くことにあります。しかし、今回の政府法案の内容は、日本生態学会の要望ともほど遠いものになっています。
この根本的な違いのほかにも、政府案には多くの欠点があります。このままでは全くのざる法になってしまいます。
自然保護にかかわっている多くのNGOからも、環境省あてに修正を求める要望書が提出されていると聞いています。もちろん民主党も、数年前から外来生物の管理について、NGOや専門家たちとの意見交換を頻繁に行ってきました。
ここでは、幾つかの問題点について質問し、あとは委員会で厳しく追及をしたいと思います。
政府案では、まだ判定していない外来生物が生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるかどうかを主務大臣が判定し、特定外来生物と判定されない限り、輸入や国内での蔓延に関しても何の規制も掛からない状態になります。つまり、すべての外来生物を管理することが最初から法律の目的ではないということです。
日本生態学会の要望と民主党法案では、現存する外来種の管理がきちんとされるようになっています。
その管理ができるために、まず生態系等への影響の大きさに関するランク付けを行うことになります。それはいわゆる台帳を整理することです。そのためには、どうしても外来生物の評価判定のためには、科学委員会及び防除事業の評価や駆除した結果を科学的に評価する評価委員会の設置が重要です。
ランク付けの必要性について、環境大臣及び民主党発議者の見解をお聞かせください。
また、政令で当初指定する予定の特定外来生物をわずか数十種程度にするそうですが、その中に例えばどの生物を入れる計画ですか。環境大臣にお願いします。
民主党案では、規制対象として特別特定外来生物種と特定外来生物種の二段階の指定がなされることになっていますが、その規制内容について御説明お願いします。
御存じのように、特に近年、ペットにする目的で非常に多くの外来野生動物が輸入されています。要らなくなったときは遺棄することも頻繁に起きています。外国産の野生動物をペットにするときも、特定外来生物に指定されていないものは全く野放し状態になっていますが、そのことについて小池環境大臣はどのようにお考えですか。見解を伺います。
次に、既に国内に蔓延した特定外来生物の防除について質問します。
中央環境審議会の答申では、地方自治体の参加について、国は全国的な観点から防除の実施のための計画を策定し、地方公共団体はその地域の事情に応じて防除が必要な地域ごとに防除実施計画を策定するとなっています。
政府案では、国が防除計画を作ってからその実施に地方自治体の参加を求めるとなっていますが、なぜ都道府県が独自の防除計画を作ることができることになっていないのですか。環境大臣の見解を求めます。
一方、民主党案では、都道府県を防除の主体として位置付けて、そのために必要な財政措置や指針の策定を国が行うことになっていますが、都道府県を防除に主体として位置付けている根拠をお聞かせ願います。
また、侵略的外来生物の捕獲や駆除を行うときも、鳥獣保護法の規制を適用しないとなっていますが、そのためには在来生物も捕獲や駆除の犠牲になるおそれがあります。この項目は削除をすべきだと思いますが、環境大臣、いかがですか。
次に、国民の理解の増進について伺います。
二十八条、国は、教育活動、広報活動を通じて、特定外来生物の防除等に関し、国民の理解を求めるよう努めなければならないとなっていますが、教育に関しても、数が限られた特定外来生物の理解を求めるだけでは範囲が狭過ぎると思いますが、環境大臣の見解を求めます。
最後に、この外来種の問題は、生態系や生活の環境を守るために大変重要なことであり、党派を超えて力を合わせて取り組むべき問題であると考えています。皆様の御理解を願いつつ、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣小池百合子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/7
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008・小池百合子
○国務大臣(小池百合子君) お答えを申し上げます。
まず、外来生物の範囲についてのお尋ねがございました。
この法案では、外来生物の全体について、これまで培ってきた知見、そして学識経験者の御意見などを踏まえまして、生態系などに係る被害の状況を把握することとしております。その上で、生態系などに被害を及ぼします侵略的な外来生物を特定外来生物と指定いたしまして、そして必要な規制そして防除を行うということとしているものであります。
二つ目には、外来種のランク付けについてのお尋ねがございました。
この法案においては、生物系などへ被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある外来生物を、学識経験者の皆様方の意見をお聴きして、特定外来生物として定めることといたしております。さらに、被害を及ぼすおそれがあるかどうか疑わしいという生物についても、未判定外来生物に指定いたしまして規制することといたしておりまして、侵略的外来生物の対策を適切に進めていくことが十分できると考えております。
それから、当初指定する予定の特定外来生物についてのお尋ねでございます。
生態系などへの影響を及ぼす外来生物としては、例えばジャワマングース、カミツキガメ、アライグマなどが挙げられております。
どのような生物を特定外来生物に選定するかでございますけれども、この法案に基づきます基本方針に基本的な考え方を定めた上で、影響の実態がどうなのか、そして専門家の御意見はどうなのかをしっかりと伺いまして、個別に検討していくことといたしております。
外国産の野生動物をペットにすることについてのお尋ねにお答えをいたします。
生態系などへ被害を及ぼすおそれのある外来生物は、この法案では特定外来生物に指定をして適切に規制することといたしておりまして、御心配の点はなかろうと、このように考えております。
五番目の御質問は、都道府県の防除計画についてのお尋ねでございました。
地域の状況に応じて都道府県が主体的に防除計画を決めて策定をして、そして防除を実施することは、これは歓迎するべきことだと考えております。
この法案では、国が防除の公示をするに当たって、公示と、公に示すことをするに当たって関係都道府県の意見を聴くということとしておりまして、地方公共団体が行います防除については、一定の要件を満たす場合には特例措置を設けまして、その促進を図るということにしております。
六番目の御質問は、鳥獣保護法の適用除外規定についての削除をすべきだという御意見でございました。
特定外来生物によります生態系などへの被害の防止というのは、大変緊急の課題でございます。防除の実施が必要と考えるわけでございますが、そのため、この法案においては、鳥獣保護法に基づく規制の適用を除外する措置を設けておりまして、防除を促進するとしております。
また、その際でございますが、在来の鳥獣がそれによって捕獲されたり、殺傷されたりすることがないように、基本方針に適切な方法を定め、十分な配慮を行うことといたしております。
最後に、教育、国民の理解をもっと進めるべきであるというお尋ねでございます。
外来生物の対策では、輸入、飼育、防除など、外来生物にかかわるすべての理解を深めていくことは当然必要なことでございまして、この法案においても、特定外来生物に限定しようという趣旨ではございません。
外来生物対策に関します理解の増進については、基本方針にまず盛り込む、そしてホームページ、パンフレットなど、あらゆる手段を通じまして国民に対しての普及啓発を努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔谷博之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/8
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009・谷博之
○谷博之君 ツルネンマルテイ議員の御質問にお答えいたします。
ツルネン議員御指摘の日本生態学会の外来種管理法の制定に向けての要望書は、民主党案を作成するに当たり参考にさせていただいた資料の一つでございます。また、国際自然保護連合、IUCNの外来種対策ガイドラインは、水際規制が最も安上がりで効果的であるとしており、さらに、生物多様性条約の第六回締約国会議は、各国はリスク分析を行い、生物多様性を脅かさないと考えられる外来種のみ導入を許可すべきであると決議いたしております。
これらを踏まえ、民主党案では、水際規制に関し、まず国内生物種台帳を整備することといたしました。そして、その上で、そこに記載されていない生物は新規外来生物種とし、リスク評価を行った上で輸入を許可する、いわゆるホワイトリスト方式を取ります。この点、内閣提出案では、政省令指定種以外はすべてノーチェックとなり、日本生態学会やIUCNガイドライン、そして生物多様性条約が求める仕組みとは異なっているのであります。
次に、生物多様性への影響の大きさでランク付けを行い、そのランクに応じた対策を講じるべきと日本生態学会が要望している点でございますが、民主党案では二段階のランクを作りました。そして、まず、特定外来生物種は目的を問わず適正管理を条件とする輸入許可制とし、そのうち管理困難かつ生物多様性に重大な支障を及ぼす種を特別特定外来生物種と指定して、その輸入を原則禁じることとしております。
また、この民主党案の特定外来生物種は、適正管理を条件に、目的を問わずに飼育や養殖ができるため、例えばブラックバスやセイヨウオオマルハナバチなど、経済的利用がなされている生物にあっても指定への合意は比較的得やすく、かつしっかりとした管理を求めることができると考えております。
内閣提出案は、限られた種に厳しい規制を掛け、疑わしいものを含めてほとんどの外来生物種を野放しにする危険性があるのに対し、民主党案は、IUCNガイドラインの無害であることが十分に見込めない限り有害という予防原則の理念に基づき、広範な対象に適度な規制を掛けるものとなっているのであります。
最後に、蔓延した外来生物の防除については都道府県を主体とし、国はそのために必要な財政措置や計画における合意形成などについての指針の策定を行うこととしております。そして、これによって地域の実情に合った実効性のある防除事業が行われるものと考えております。
以上であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/9
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010・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/10
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011・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 日程第一 工業標準化法の一部を改正する法律案
日程第二 独立行政法人産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案
日程第三 鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出)
以上三案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長谷川秀善君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔谷川秀善君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/11
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012・谷川秀善
○谷川秀善君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、工業標準化法の一部を改正する法律案は、公益法人改革を推進するため、JISマーク表示制度について、認証を行う主体を国又は国の指定する認定機関から国の登録を受けた認証機関に改めるとともに、試験事業者認定制度についても、登録制度に改める等の措置を講じようとするものであります。
次に、独立行政法人産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案は、産業技術に関する研究開発等の業務を一層効率的かつ効果的に行わせるため、独立行政法人産業技術総合研究所をいわゆる非公務員型の独立行政法人としようとするものであります。
次に、鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案は、民間の自主性を生かした保安確保への取組を可能とするため、機械器具の国による検定を廃止するなど、規制を大幅に簡素合理化するとともに、鉱山保安監督部を産業保安監督部に改組する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、新JISマークに対する消費者の信頼性確保の必要性、産業技術総合研究所を非公務員型とする理由、小規模鉱山の自主保安の確保策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して緒方委員より、独立行政法人産業技術総合研究所法改正案及び鉱山保安法及び経済産業省設置法改正案に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、まず、工業標準化法改正案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、本法律案に対し四項目の附帯決議を行いました。
次に、独立行政法人産業技術総合研究所法改正案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、本法律案に対し四項目の附帯決議を行いました。
次に、鉱山保安法及び経済産業省設置法改正案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
なお、本法律案に対し五項目の附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/12
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013・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
まず、工業標準化法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/13
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014・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/14
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015・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百八十八
賛成 百八十八
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/15
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016・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 次に、独立行政法人産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案及び鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/16
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017・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/17
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018・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 百八十七
賛成 百六十七
反対 二十
よって、両案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/18
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019・倉田寛之
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/115915254X01220040402/19
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