1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十七年十月十三日(木曜日)
午前十時一分開会
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委員の異動
十月十二日
辞任 補欠選任
鰐淵 洋子君 草川 昭三君
十月十三日
辞任 補欠選任
坂本由紀子君 北川イッセイ君
辻 泰弘君 神本美恵子君
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出席者は左のとおり。
委員長 岸 宏一君
理 事
国井 正幸君
武見 敬三君
谷 博之君
円 より子君
遠山 清彦君
委 員
北川イッセイ君
坂本由紀子君
清水嘉与子君
田浦 直君
中島 眞人君
中原 爽君
中村 博彦君
西島 英利君
藤井 基之君
水落 敏栄君
朝日 俊弘君
家西 悟君
神本美恵子君
島田智哉子君
下田 敦子君
津田弥太郎君
辻 泰弘君
森 ゆうこ君
草川 昭三君
小池 晃君
福島みずほ君
国務大臣
厚生労働大臣 尾辻 秀久君
副大臣
財務副大臣 上田 勇君
厚生労働副大臣 西 博義君
大臣政務官
厚生労働大臣政
務官 西川 京子君
厚生労働大臣政
務官 藤井 基之君
事務局側
常任委員会専門
員 江口 勤君
政府参考人
内閣法制局第四
部長 外山 秀行君
財務省主計局次
長 鈴木 正規君
厚生労働省雇用
均等・児童家庭
局長 北井久美子君
厚生労働省社会
・援護局長 中村 秀一君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 中谷比呂樹君
厚生労働省保険
局長 水田 邦雄君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○障害者自立支援法案(内閣提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/0
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001・岸宏一
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、鰐淵洋子さんが委員を辞任され、その補欠として草川昭三君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/1
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002・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
障害者自立支援法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君外五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/2
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003・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/3
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004・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 障害者自立支援法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/4
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005・水落敏栄
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
本日は、三十分というお時間をいただきましたので、去る七日でございましたが、私も参加をさせていただきました大阪地方公聴会での公述人の意見陳述を聴きまして、それに伴いまして政府に確認しておきたいな、こう思いました点と、それから、これまでの委員会での同僚意見と政府側のやり取りをお聞きしておりまして、もう少し政府の方で整理をして御答弁いただきたい、こう思いました点の大きく分けて二点について幾つかの質問をさせていただきたい、このように思っております。
大阪地方公聴会での公述人の意見陳述を受けての最初の質問は、障害程度区分判定等試行事業についてであります。
障害者自立支援法では、障害者の皆様が公平に福祉サービスを利用することができるように、市町村に置かれております審査会の審査と判定に基づいて障害程度区分の認定を行うこととしております。したがいまして、この市町村が行う障害程度区分の認定は、市町村が障害福祉サービスの支給決定を行う上で最も重要な役割を果たすものでありまして、市町村が行う障害程度区分の一次判定と市町村審査会が行う二次判定の判定基準を国がどのように策定するかによって障害者の皆様のサービス内容が大きく左右される、こういうことではないかと認識しておるところであります。
厚生労働省は、この障害程度区分の判定を行うための尺度を開発するために、障害程度区分判定等試行事業なるものを全国で六十の市町村で実施をいたしました。その結果の速報が十月五日の開かれました社会保障審議会障害者部会に提示されたわけでありますけれども、さきの大阪地方公聴会におきまして大阪医師会理事の中尾公述人から、この試行事業では、コンピューターによる一次判定が精神障害者の介護を低く判定している、また医師の意見書や市町村審査会の委員構成により二次判定が大きく左右されている、こう言っておりまして、モデル事業の結果に多くの問題点があると、したがって改善の余地がある旨の御意見が述べられております。
他の公述人からも同趣旨のことが述べられておりましたので少し気になったわけでありますけれども、私は、同僚議員の西島先生とは違いまして医師ではありませんので詳細分かりません。ただ、改善の余地があると、こうお聞きしておりましたので疑問に思ったわけであります。
そこで、お尋ねですけれども、こうした公述人の御意見に対して厚生労働省はどのようにお考えなのか、またどう対処していくおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/5
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006・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
委員から御指摘がありましたモデル事業で最終結果におきましては、全障害合わせて約九六%の方が要支援以上の判定となっております。その最終結果はそうでございますが、七十九項目を使った第一次判定と最終結果との間に直った変更率が五〇・四%であったということがございまして、七十九項目だけでは精度が低いのではないかと、低いということが明らかになっております。
そこで、今後の結果は、二次判定まで入れますと九六%の方が該当するわけでございますので、試行事業において実施いたしました一次判定、七十九項目に加えて二十七項目のデータが蓄積されましたので、この二十七項目を加えまして一次判定を行うようなソフトを開発したいと。二十七項目と第二次判定、モデル事業の第二次判定との変更の関連性などをデータ処理いたしまして一次判定の中に取り入れて、一次判定の精度を上げるというようなことを目指してやっていきたいと思います。
そういったことにつきまして有識者の御意見を伺いながら、年内には適切な障害程度区分の設定に向けて検討を進めてまいりたいと思います。また、法律が施行された後も、第一次判定の精度向上、また第二次判定の結果などを見まして改めるべき点がありましたら、また精度の向上に向けて努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/6
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007・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
市町村の審査会の委員構成によっては判定が大きく左右しかねないわけでありまして、政府側としてもどこまで介入できるかということはありますけれども、是非改善方について御指導いただきたいなと、このように思います。
もう一つ、大阪地方公聴会の公述人の意見で気になったことがございます。それは、自立支援医療における重度かつ継続の範囲のことであります。これも中尾公述人でございましたが、現在、厚生労働省が示しております重度かつ継続の対象者となる精神障害者は、統合失調症、狭義の躁うつ病、それから難治性てんかんという疾病名で指定されておりますけれども、これは精神保健福祉法第三十二条の趣旨を踏まえれば、疾患名ではなく状態像で指定すべきであると、こういう御意見でございました。
そこで、厚生労働省の方で少し整理をしてお答えいただきたいんでありますけれども、精神通院医療費公費負担医療制度の根拠規定であります精神福祉法第三十二条はどのような経緯で設けられたのか、またその趣旨は何か。また、この制度が自立支援医療に組み込まれることで趣旨に変更はあるのかどうか。さらには、公述人が述べた、疾患名ではなくて状態像で指定すべきじゃないかとする御意見に対しまして厚生労働省はどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/7
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008・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) まず最初のお尋ねは、自立支援医療に位置付けられます重度かつ継続の精神障害の方々の問題でございます。
現在、精神保健福祉法第三十二条にそのような規定が設けられておりますけれども、その規定が設けられました経緯といいますのは、在宅の精神障害者の方の医療の確保を容易にするために昭和四十年に創設された制度でございまして、これまで精神障害の適正な医療を普及するという重要な役割を担っておりまして、その趣旨は今回の見直しにおいても変わらないものでございます。
次に、病気ではなくて状態で指定すべきではないかということでございます。
いわゆるこの重度かつ継続といいますのは、一定以上の所得のある方につきましても、端的に申しますと、高額な医療費がかつ継続的に生じる、こういう方々をどうするかという問題が本質でございます。当初、精神通院における重度かつ継続の範囲について状態像により規定すること、これを検討したことはございますけれども、専門家から、患者の状態像と医療費の大きさには必ずしも相関関係が見られないのではないか、あるいは、状態が悪い方というのは入院をされておりまして、今回の課題でございます通院医療の場ではむしろ少ないのではないか、このような御意見がございまして、医療費の大きなケースなど、この代表的な疾患、これを三疾患としてお示しをしたと、こういう経緯がございます。
その後、国会におきます御審議を踏まえまして、この重度かつ継続、特に精神の分野におきます範囲、これを検討する目的で、先般、自立支援医療運営調査検討会、これを立ち上げ検討しているところでございまして、現在、様々な御意見をいただいておるところでございます。
いずれにしましても、引き続き検討を行いまして、結論を得たものから順次対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/8
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009・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
私からお尋ねいたしました点は地方公聴会での公述人の意見の一部でございます。
御承知のとおり昨日も参考人の皆さんから御意見をちょうだいしておるところでございますので、厚生労働省におかれましては、制度を設計するに当たりましてこれらの意見を少しでも反映させることができますように御協力いただきたいと、こうお願い申し上げておきたいと思います。
それでは次に、これまでの政府の見解を整理してお答えをいただきたい点についてお尋ねをさせていただきます。
まず、本法案の対象となります障害者の範囲の問題であります。
本法案の審議の中では、この法律が制度の谷間にある方々にどのように適用されるのか、こうした質問が数多くなされたかと思います。尾辻厚生労働大臣はこうした質問に対しまして、谷間になっている方々のところを少しでも埋めなければならない、本法案によって少しでも前に進めたい、こう御答弁されてきたかと思います。また、政府側の答弁でも、発達障害者、高次脳機能障害をお持ちの方でも一部はサービスの対象となる、このような御答弁だったと思います。
そこでお尋ねいたしますけれども、先ほど述べました発達障害者や高次脳機能障害をお持ちの方を始めとするいわゆる制度の谷間にある方々で本法案のサービスを受けることができる方はどのような方なのか、またどのようなサービスを受けることができるのか、具体的な例を挙げていただいて、整理をしてお答えをいただきたい、このように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/9
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010・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 障害者自立支援法案、今度の法律では、障害者の対象といたしまして身体障害者、それから知的障害者、それから従来支援費では対象でございませんでした精神障害者を加えまして、こういった方々を対象といたしております。
委員から制度の谷間というお言葉がございましたが、それぞれの障害三法の制度の谷間にある方々につきましては、今回、障害三法のうちの精神障害の方は対象になりますので範囲はかなり広がりますけれども、谷間の問題、少しでも私ども埋めていきたいとは考えておりますが、根本的には、障害の定義に、現在の障害の各法の障害の定義に必ずしも当てはまらない方もおられますので、そこにつきましては、法律の附則におきまして障害者等の範囲も含め検討とされていることから、その部分については本格的に三年後の見直しに向けて検討してまいりたいと思っております。
また、委員お尋ねの発達障害や高次脳機能障害についての方々につきましては、これらの方々は精神障害又は身体障害に該当される方がございますので、そういった方々につきましては、具体的には児童デイサービス等の介護給付でございますとか自立訓練を始めとした訓練給付など、本法案のサービスの対象になるものと考えておりまして、こういった方々につきましては、現在利用できる福祉サービス、また従来は精神障害の方で利用できなかったサービスも今回整いますので、利用することができるようになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/10
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011・水落敏栄
○水落敏栄君 制度の谷間にある方々は多いと、このように聞いております。どうかそういう人たち、発達障害者や、不幸にも交通事故等で記憶がなくなった、こうした高次脳機能障害をお持ちの方にもサービスが受けられるように御配慮をお願いしたい、このように思います。
次に、障害者の所得保障の問題であります。
大阪の地方公聴会では、社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミさんから、障害者も福祉サービスを利用する以上それ相応の利用者負担を行う必要があると考えますけれども、そのためには障害者の就労の場を確保して利用者負担ができるような環境を整備する必要がある、こうした御意見がございました。
私は正にそのとおりだと思っておりまして、障害者の皆様に利用者負担を求める以上、就労支援を始めとする所得保障をいかに行っていくかということが重要な課題であると思っておりますし、本法案を実効あるものとするためにも今後きちんとこのことを議論していかなければならない、こういう点だろうと思っております。
一方で、去る六日の審議では、同僚の中村委員から、福祉工場や授産施設の工賃が低過ぎるのではないか、このような御指摘もございました。また、現行の障害年金、特に障害基礎年金の給付水準は低いのではないか、そんな指摘もあったかと存じます。私もそのように思っております。
そこでお尋ねをいたしますけれども、こうした本法案における審議を通じた指摘を受けて、厚生労働省は現時点で障害者の所得保障にかかわる課題をどのように整理されているのか、また今後どのように検討を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/11
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012・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
今の障害者の方々の所得の問題、また具体的には工賃の問題については、次のように考えております。
まず、委員から御指摘いただきました工賃が低いのではないか、授産施設の月額の工賃は一万円未満の方が四五%いるという状況でございますので、前々回、この委員会でも議論にありましたように、そういう授産施設などにおける工賃のアップのための努力をするということ、また今度の法案では就労関係の事業を強化するということで、就労移行支援、一般企業の雇用に向けた就労移行支援、また就労継続支援ということで雇用型、また雇用型ができない方につきましても一定の賃金水準に基づく就労機会の提供をするということで、正に御指摘のありました工賃、そういった賃金収入というものが上昇するような施策を図っていくということが一つの柱でございます。
また、国会での御議論の中で指摘されております障害者の所得保障問題につきましては、前国会でも御議論になり、修正がありました。今回提出させていただいている法案でも検討規定を盛り込んでいるところでございますので、障害者の所得保障につきまして、年金や諸手当など所得保障体系の在り方、障害者のただいま申し上げました就労や所得の実態とその改善策、それからそういう就労支援をするためのサービスの在り方、また地域におけるそういう体制の組み方など、総合的に考え、自立支援法の規定の三年後の見直しの際に向けて結論を得てまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/12
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013・水落敏栄
○水落敏栄君 次に、時間も大分経過してまいりましたので、通告した次の質問を一つ飛ばしまして、次に利用者の負担上限額の設定にかかわる世帯の範囲についてお尋ねをしたいと思います。
去る七月十三日の衆議院厚生労働委員会におきまして、我が党の大村議員の質問に答える形で、厚生労働省は、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子供がいる場合であっても、税制上及び医療保険上障害者を扶養しないこととしたときは、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できる、こうした旨の答弁をされておられたと思います。この措置については、関係者の御努力があり、また尾辻大臣の決断もございまして実施されるものであることを承知いたしておりますけれども、改めて関係各位に敬意を表したいと思っておるところであります。
そこで、確認をさせていただきます。この答弁に現時点でも変更がないかどうか、また福祉サービスと自立支援医療とでは違いがあるのかどうか、これを整理してお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/13
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014・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今委員御紹介がございました整理、大村議員に対するお答えについては変更ございません。委員が今お述べになったとおりでございまして、それは確認をさせていただきます。
また、自立支援医療につきましては、月ごとの負担上限定める際に、障害者の本人と同じ、こちらの方は医療でございますので、同じ医療保険に加入し生計を一とする世帯の所得で決定することを原則とさせていただきたいというふうに思っておりますので、世帯が一緒でも医療保険の加入する方を単位として加える点が、ただいまの原則に加えまして更に医療保険単位で考えるということを付加する点が福祉サービスと自立支援医療と異なる点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/14
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015・水落敏栄
○水落敏栄君 次に、自立支援医療の利用者負担上限額の問題であります。
先日、草川委員の質問に対する答弁で、育成医療においては中間的な所得層において負担の上限額を設け、市町村民税非課税ではあるけれども、所得税非課税の世帯については一万円を定率負担の上限とする、所得税課税世帯でも所得税額三十万円未満の世帯については四万二百円を定率負担の上限とする、こういう答弁がございました。
そこで、確認をさせていただきますけれども、こうした措置の基本的な考え方は何か、またこの措置は自立支援医療全体にかかわるものなのか、それとも育成医療に限定されるものなのか、整理して御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/15
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016・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。
障害者自立支援法におきます障害に係る公費負担医療制度につきましては、自立支援医療として再編し、必要な医療を確保しつつ、費用を皆で負担し支え合う制度とするため、医療費と所得に応じた負担をお願いすることとしております。
御指摘のありました中間的な所得層に負担の上限額を設ける経過措置は、自立支援医療のうち育成医療についてのみ講ずるものでございます。この経過措置がありませんと、中間的な所得層の方には原則として医療保険の負担上限額まで一割負担をお願いをいたしまして、育成医療につきましては対象となる方に若い世帯が多いという特性がありますので、大きな負担が一時に掛かる場合がございます。そこで、一定額の負担上限を設け、高額な医療費が発生した場合におきましても激変緩和を図るものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/16
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017・水落敏栄
○水落敏栄君 まだ時間が少しあるようでございますので、先ほど飛ばしました問題、またここで質問させてもらいたいと思いますけれども、個別減免と実費負担の軽減措置についてであります。
本法案では、原則としてサービスを利用された障害者の皆さんから定率による利用者負担をお願いするということになっておりますけれども、定率負担の導入に当たりましては低所得者に対してきめ細かな配慮が必要であるとの指摘が与党からも出ております。このことは、私が今更申し上げるまでもなく、大臣も重々御承知のことかと思います。このきめ細かな配慮として、政府は個別減免と実費負担の軽減措置を講ずる方針であるとお聞きしておりまして、去る六日の同僚の坂本委員の質問に対する答弁の中でもその内容が相当明らかになっております。
そこで、坂本委員の質問に追加する形で確認をさせていただきますけれども、個別減免と実費負担の軽減措置を含めた低所得者対策のうち、恒久的に実施されるものは何か、また経過期間を設けて実施されるものは何か、さらに経過期間はどのくらいなのか、お答えいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/17
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018・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
負担軽減措置のうち恒久的な措置として実施することとしているものについてまずお答えをいたします。
まず、所得に応じた月額の負担上限額を設定する、青天井にしないという恒久措置がございます。また、今お尋ねのあった世帯の範囲についての特例についての考え方、これは恒久的な措置といたします。次に、施設入所の方につきまして食費等の御負担をいただく場合でも、お手元に二万五千円を残すようにするという措置、これにつきましては、お手元に一定額を残すという考え方につきましては恒久的に残させていただきます。また、利用負担を行うことによりまして生活保護世帯に該当するようになる場合には、生活保護に該当しなくなるまで負担額を引き下げるという移行予防措置につきまして恒久措置でございます。
それから、三年間負担軽減措置を実施した後、実態を踏まえて継続の必要性も含め検討するもの、言わばそういった意味でまず三年間実施すると考えておりますものにつきましては、グループホーム、施設入所される方のうち負担能力の低い方、いわゆる個別減免と言われているものですが、その収入に応じて個別に負担上限額を軽減する措置につきましては三年間まず実施させていただきたいと考えております。
また、通所やホームヘルプ等を利用して在宅で暮らす方につきまして、負担上限額、恒久措置の上限額を所得に応じまして半額とする措置、いわゆる社会福祉法人減免措置でございますが、そこにつきましては三年間という期間で考えさせていただきたいと考えております。これは、法律の附則三条におきまして、施行三年後、法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされていることを踏まえ設定したものでございます。通所施設の食事等の実費負担のうち食費について材料のみの負担とする措置につきましても、経過的な措置でございますが、三年間の経過措置というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/18
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019・水落敏栄
○水落敏栄君 最後に、本法案にかかわる予算の確保に向けた尾辻大臣の決意についてお伺いしたいと思います。
本法案によりまして、これまで裁量的経費でありましたホームヘルプサービスにかかわる予算は義務的経費化されております。この点については障害者の皆さんにも評価をしていただいている、こういうことだと思いますけれども、義務的経費化されたとはいいましても、特にホームヘルプサービスに対する需要はまだ当面増え続けることが予想されます。したがいまして、それに見合った予算を確保していく必要があろうかと思います。また、地域生活支援事業につきましては市町村の義務的な事業として位置付けられることになろうかと思いますが、ここにも必要な予算を確保しなければ、法案を実効あるものにすることはできないと思っております。
ただでさえ伸びの大きい社会保障給付費でございます。尾辻大臣におかれましても、経済財政諮問会議等で相当御苦労いただいていることは私も重々承知をいたしておるところでございますが、これだけ意義ある法案でございますので、それなりの予算の確保に向けて全力で取り組んでいただきたい、このように思っております。
そこで、本法案施行に当たりまして、予算の確保に向けた大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/19
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020・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 国全体が大変厳しい財政状況にございますけれども、その中にありましても、障害保健福祉関係予算の推移を見ますと、平成十五年度の額が六千六百五十九億円であります。それに対しまして、平成十六年度は六千九百四十二億円でありますから、額にして前年から二百八十三億円、割合にいたしますと四・二%増えております。さらに、これが平成十七年度になりますと、七千五百二十五億円、前年度比で額の五百八十三億円、比で、割合で八・五%増、着実に伸ばしてきております。
しかし、今お話しのように、更にこれが利用者の皆さんが増えるということが見込まれますから、増えていくという中で、今回これを義務的経費にするということの意味は極めて大きいというふうに考えます。必要な財源を安定的に確保するということにつながるわけでございます。
しかしまた、今お話しいただきましたように、更に障害のある方に必要なサービスを安定的に提供する全体的な体制つくることは極めて重要なことでございますので、お話しのように、必要な予算の確保には全力を尽くしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/20
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021・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/21
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022・家西悟
○家西悟君 おはようございます。民主党・新緑風会の家西悟でございます。
十一日、本委員会で質問しました障害者並び関係者、関係団体への説明責任について質問させていただきます。
七月二十二日、前国会の参議院本会議で、我が党の平田健二議員の質問に対する小泉総理の答弁について、改めて質問します。
小泉総理の、障害者自立支援法案については延べ五百回にわたり説明や意見交換を行ったとの答弁がされました。本当に五百回、説明会や会合が行われたのでしょうか。その根拠を明らかにしてください。
昨日、障害福祉課長が改めて説明会のリストを持ってきました。三度目のペーパーです。さきに私に提出した二つのリストを整理したということです。日時の整理、会合の名称などの整理でより見やすくしたとのことです。
しかし、この新しいリストでは、大事な開催場所が抜け落ちていましたが、中身は余り変わっておりません。これで何を理解してくれというのでしょうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/22
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023・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 十一日の本委員会の議論で、お尋ねに継続してでございますが、前回お答え申し上げましたとおり、また委員が引用されました、総理が御答弁申し上げておりますとおり、五百回、延べ五百回と申し上げておりますのは、総理の御答弁を、答弁を読ませていただきますと、十六年度は、障害者も含めた関係者の要請に応じ、延べ五百回にわたり説明や意見交換を行うなどを通じて、様々な御意見、御要望を承ってきたところでございますというところの五百回であろうと思います。
平成十六年度一年間で、障害者団体等が主催する会議等において、私どもの職員を派遣して障害者や行政関係者等にいわゆる行政説明を行った回数について障害保健福祉部の各課で調査し、それを集計して算出したものでございまして、その五百回と申し上げている回数につきまして前回御提出させていただいておりましたけれども、委員から、一昨日の御質疑の中で、例えば日時等について連続しているところが飛んでいて記載されたりして、資料としてもいかがなものかという御指摘もありましたので、もう一度そこの資料を精査し、また、前回お出しいたしました資料につきましては四件ほど確認中とさせていただいたものもありますので、確認後の四件についてのデータ、それから、前回提出させていただいた資料の中で主催団体等空欄の部分がございましたので、そういった空欄の部分の補充、また、今申し上げましたように、同一の会議が二日にわたって開催されていた場合、そこの記述が飛んでいるとかそういったことがありましたので、そこを整理し、二日、二回に分けてカウントしている理由が分かるように、具体的な会議内容の追記などをさせていただいたと。
また、申し訳ないことながら、誤字、脱字、会議名の事実誤認等がございましたので、そういった点について訂正の上、提出させていただきました。
大変、そういった意味では、前回お出しした資料が、全体として誤字、脱字、事実誤認はもとより、同じ、連続してある、同一主催者の連続してある会議の間に他の会議が入ったりして、大変資料としても適正さを欠いたという点については深くおわびしたいと思いますが、五百回のというふうに私どもが申し上げた、出席させていただいた会議のリストであるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/23
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024・家西悟
○家西悟君 五百回の回数ではないというような声も聞こえますが、私はもう同感だ。同感です。
五百回と強調されて、障害者の方々、関係団体の方々に丁寧な説明や意見交換を承ったと答弁されたのは小泉総理です。私ではありません。私は、その根拠が何であるのかと質問したんです。その質問、私の質問に慌ててリストを作ったのが厚生労働省です。
資料リストを見ますと、これらの会合は障害者自立支援法案について積極的に説明や意見交換をしたというような会合のリストではないということです。
大臣、いかがでしょうか。これを、今の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/24
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025・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) この障害者自立支援法の説明に、あるいは御議論いただくという場に行って御説明を申し上げたということはそのとおりであろうと思いますので、今、先生の御趣旨、私に対してどういうふうにお聞きになっているかという御趣旨、いま一つはっきりしないところもありますけれども、お答えするとすると、説明に行ったと言っておるわけでありますから、これは説明に行ったんでありますと、こうお答えするしかございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/25
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026・家西悟
○家西悟君 説明に行ったということですので、昨日、課長が約束しました。これらの会合に出張したという資料を後日提出すると。出張をしたというリストを、資料を提出いただけるということをお約束いただいています。是非とも早々に出していただきたい。そして、今後の障害者福祉施策の当事者参加、その仕組み、説明責任をしっかりとやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/26
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027・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) リストにつきましては、主催団体からの派遣依頼、出張記録、そういったものに基づいて作成いたしましたものでございますので、そうしたものについて準備期間をいただいた上で提出させていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/27
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028・家西悟
○家西悟君 是非とも出していただきたい。
そして、大臣、いま一度申し上げます。
障害者福祉施策の当事者参加、そしてその仕組み、説明責任をしっかりやってもらいたいと思うわけですけれども、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/28
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029・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) もう説明を十分させていただかなきゃいけない、丁寧に御説明申し上げなきゃいけないということはかねて申し上げておるとおりでございますから、これはもう今後ともそのようにやらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/29
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030・家西悟
○家西悟君 是非ともそのようにやっていただきたい。なぜかというと、多くの人たちが意見聞いていないとか、これ言われているんです。私は聞いていませんと。私たちは、私というよりも私たちですね、は聞いておりません、突然この法律を出されたとか、この内容でびっくりしています、応益負担が入っているとか、どういうようなサービスを受けられるのか、その不安があって仕方がないんだというような御意見、非常に承っています、私自身も。そういうことのないようにしていただきたい。
そして、先ほども言われました、局長も。資料も出すということで、これは資料を本当に出していただきたい。でないと、本当に説明したというふうに幾ら言われても、昨日、課長の話では、取り方ですとか、相手様の取り方がそのように取っていただけなかったんでしょうとかいう御説明もありました。これは説明と言えるんでしょうかというふうに私は思えてなりません。
それと、先ほども冒頭申し上げた、この資料、開催場所が全部抜けていました。二回目の資料には開催地が入っています。一回目のときにはなかったんです。そして今度は、一回目はなく、そして、場所ないじゃないですかということになって場所入れた。それで、三回目は場所を抜いて持ってくる。これで、信用してください、五百回も、昨年の四月から一年間、十六年度は御説明をしたと、この障害者自立支援法案について説明をしてきたんだ説明をしてきたんだと言われても、私は納得いきませんという話をしているんです。
そして、今、局長の方からはその資料、要請に応じて出たということも資料をいただけるということ。これは照らし合わさないと、本当に行かれたんですか、そして向こうの受け方ですとか、マイクの前で、このたび、ごあいさつで、来賓あいさつとして、来年、障害者自立支援法案を考えていますというふうに言われた、これが説明だというふうに言われたんじゃ話にならない。
それと、この中にもあります、何か所かあるわけですけれども、表彰式や授賞式というのが、NHKの何か障害者の授賞式で説明と言っているんですよ。こんなものを、障害者の方々に説明をやったと、自立支援の説明会をやったんだというふうに言われること自体が私は理解できない。そういうものをリストに入れてくること自体が理解できないんです。
そして、今どうしてこれだけ反対運動が起こったのかということをいま一度考えていただきたい。五百回にも及んで丁寧に、懇切丁寧に御説明されたんなら、多くの人たちはその場で意見言ったはずです。この点に問題があるんだ、これはどうなるんですかというふうに理解を求めていったはずです。そして、法案になされる場合はこれをやめてほしい、こういうふうにしてほしいという要請を聞き入れながら法案策定されていったはずです。それが入っていなかったということ、だからこそ、今これほど多くの不安を抱えて、今日も大勢の方が傍聴に来られている。
私自身も障害者です。自分も介護を受けなきゃならないときが来るかもしれない。今はこうして活動できるわけですけれども、そのときに自分も困らないように、またそれは皆さんも同じようになるんじゃないか。それは人ごとではなくて、自分自身の身に置き換えていただいてこの慎重審議をお願いしたいということを言っているんです。五百回の数だけをどうこう言っているわけじゃない。どういう説明をしたのか、どう相手に説明をしていったのかということをお尋ねしている。その根拠として五百回、五百回と自信満々に小泉総理は本会議で説明されたわけです。答弁されたわけです。だからこそお尋ねしているんです。
ほかにも諸問題抱えた、質問したい点もありましたけれども、時間がもう私ありませんので、最後に大臣の決意をお聞かせいただいて、次の方へとバトンタッチしたいと思いますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/30
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031・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 大変大事なことを御指摘いただいたと思っております。
この法案を作成するに当たりまして、当時は私は大臣じゃございませんで、党の方の部会長でございましたが、部会長として障害者団体の皆さんとずっと勉強会しておりました。その中では随分意見交換もさせていただいて、いろんなことを詰めておったつもりでありますけれども、それは限られた団体の皆様方でありましたから、今お話しのように、もっと多くの団体の皆さんのお声をお聞きすればまた違う御意見もあっただろうと思うし、またいろんな御意見をお伺いするチャンスもあっただろうと思うんですが、今振り返りまして、やはりそういうことをやるべきだったかなと、そういう意味でもう少し丁寧にやるべきことがあったんではないかと反省もいたしてもおります。
そうしたことを、自らの反省も踏まえ、振り返りまして、今後とも丁寧に丁寧に皆様方の御意見を伺いながらすべてのことを進めていきたいというふうに思っております。
先生も、五百回のその回数にそんなにこだわるものではないと言っていただきましたけれども、それはそれとして、やはり国会で答弁しておることでございますから、先ほども、主催者団体からの派遣依頼文書でありますとか出張記録などをきっちりと整理してお出ししますと申し上げておりますから、そのこともさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/31
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032・家西悟
○家西悟君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/32
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033・島田智哉子
○島田智哉子君 おはようございます。民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。
昨年の参議院選挙で当選させていただいて、まだ一年生議員でございますけれども、議員になるまでは歯科医師という立場で歯科医療、国民医療に携わってきて、今国会で厚生労働委員会のお世話になることになりまして、大変光栄に存じ上げております。そして、その責任の重さというものを痛感いたしておる次第でございます。今後とも先生方の御指導をいただきますようにお願いを申し上げます。
さて、私も初登院させていただいてしばらく右も左も分からずに、戸惑うこともしばしばでございました。実はそのころ、私自身の心の中の国会七不思議というものがありまして、尾辻大臣が本会議場に御登壇される際に野党席から大きな拍手が起こったりしまして、なぜだろうというふうに思っておりました。ある先輩議員にお聞きいたしましたら、大臣は、議員として政府に対して質問なさる際に、与党、野党関係なく、国民の立場に立って徹底的に質問をされる方であるということをお話をお聞きいたしました。それで私も、大臣が議員として御質問されている会議録を読ませていただきまして、なるほどと、そのように野党から拍手が起こるのも理解をすることができたという次第でございます。
その中で私が非常に心を打たれましたのが、今から五年ほど前の予算委員会で戦没者遺族の心情についてお述べになられております。議員の立場から御遺族の心情を熱くお訴えされているそのお姿、そしてまた、大臣の御自身も御遺族というお立場で子供のころのことを、そして就職される際の大変御苦労なさったお話、そして、何といいましても、御遺骨の収集に際して自己負担を求める国に対して尾辻大臣は、「国のために死んでいった人の骨を拾いに行くのに、」「その三分の一は自分で持てと言われる国というのは私はないんじゃないかと思います。」と。御遺族の心情というもの、あるいは国民の立場に立った政治姿勢について私は大変心に熱いものを感じさせていただきました。
大臣に初めて質問をさせていただきますので、是非、尾辻大臣、議員としての政治信条というものを冒頭お聞かせいただければ幸いでございます。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/33
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034・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 政治信条というふうにお尋ねになりますと、また大きな御質問になりますし、またお答えすべきこともいろいろあろうかと思いますが、今、大臣をさせていただいております。その大臣に就任いたしましたときに私なりに心に誓いましたことは、絶対に国家国民という立場だけは曲げないようにしよう、この立場を一歩も譲らずに大臣の仕事をしたいと、そういうふうに思ってまいりました。今日までそう思ってまいりましたし、今日もそう思っておりますということだけをお答え申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/34
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035・島田智哉子
○島田智哉子君 ありがとうございます。
そうした大臣のその政治信条といいますか、当事者ですとか御家族の心情でありますとか実態を十分にお感じになられる尾辻大臣ですので、お聞きさせていただきたいと思いますが、私、議員になりましてから一年、なかなか国会用語と申しますか、ごくごく当たり前に使われている言葉でありながらなかなか理解できないことが、しばしばそういったことに直面してまいりました。今回、この法案に当たります自己負担について、これまで審議を通じて大臣は、無理のない負担、無理のない御負担という言葉を再三にわたりお使いでございます。この無理のない御負担という言葉に私自身は大変違和感を持っております。
一昨日、家西先生からもお話があったかと思いますけれども、さいたま市でくれぱすという自立生活センターで活動されている女性の方からお話を伺いました。そのお話の中でも、何が何でも負担そのものに反対ということではありませんとおっしゃっていました。できるものなら負担をするけれども、実態として負担できない状態の中で負担するように言われても、負担できないと。そうなれば、医療も福祉サービスも利用を控えざるを得ないと。そのことによって、やっとのことで自立した生活を送ろうとしているのが、それもできなくなってしまうとおっしゃっていました。御自身も障害をお持ちになってずっと家の中に閉じこもっていて、外に出ることが嫌で仕方なかったそうです。でも、仕事をきっかけで外に出るようになった。やっといろんなサービスも整備される中でお一人で自立生活スタートを始めて、そのすばらしさを少しでも、周りの障害を持っている方々に自立生活を送っていただきたいと、自立のための支援をなさっているんだそうです。
今の生活を語られているときは本当に生き生きとした表情をしていらっしゃいます。でも、今回の法案について語られるときはとっても不安な表情でおられますし、その無理のない負担、無理のない負担ということだけで、それこそ当事者の心情や実態に、これまでの大臣の御答弁をお聞きしましてもお答えになっているとは思えません。
五年ほど前、大臣は戦没者遺族の御質問の際に、三分の一は自分で持てと言われる国というのはほかにないということをおっしゃっておられました。しかし、衆議院で山井議員が、今回のような障害者の福祉サービスに応益負担を導入している国は、ほかの国にはないというふうに指摘しましたけれども、大臣は正面からお答えになっていないと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/35
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036・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) いろいろお述べになりましたので、どこの部分からお答えすべきかなと思いつつ今立ちました。
ただ、まずお述べになりました無理のない負担という表現についてでございますけれども、うまい表現といいますか、的確に表現する言葉がないものですから、私も無理のない負担をお願いしたいということで、そういう表現をいたしております。
で、それは具体的にどういうことだとおっしゃいますと、私どもも一生懸命知恵を絞りましてつくりました軽減措置がございまして、いつも申し上げておりますけれども、とにかく分かりやすくつくったつもりでもこういう複雑なものになっておるものですから、具体的にここの部分といってお尋ねいただきますと、その部分はこうしておりますというお答えできるんですが、もうなかなか全体を申し上げるというと非常に時間も掛かるしということで、ついそういう表現になっておりますことを申し上げるところでございます。
ただ、私は、本当にこの法案考えますときに気になりましたことが二つありまして、一つは負担のことでありました。これで本当に障害者の皆さん方に、払えないといいますか、負担できないような負担を強いるということであったら、これはこの法案出しちゃいかぬと、私は本当にそう思っておりました。これが一つです。
それから、もう一つ大変気になっておりましたのが工賃のことでありました。工賃のことであります。現場を何回も見に行きました。そして、作業をしておられる皆さん方のその御意見も聞きましたし、ずっとその様子も、しばらくでありますけれども見せていただいておりました。で、そうした皆さん方が頑張って月一万円とか、工賃として得ておられる。じゃ、その工賃一万円出してくださいなんて、そんなことを言ったらいかぬと、これも思っておりました。
で、そうならないような仕組みにしなきゃいかぬということで、これも私どもなりの知恵を必死で絞ったつもりであります。そして、先ほど来申し上げております、大変複雑にはなっておりますけれども、こういう仕組みの中でそのことを申し上げておりますし、したがって、よく、まず応益負担という言葉で表現されて、これは当初私どももそういう言葉使ったことは事実でありますけれども、途中で、応益の益は何だと、利益の益かとかいろんな御意見ありまして、私ども、これはやっぱりそういう表現まずいなと思って今定率負担という言葉に換えてはおりますけれども、その今私どもが言っている、定率負担とは言っておりますが、この定率負担を限りなく応能負担にしたつもりで私は思っております。そういうふうな御説明をさせていただいております。
したがって、私どもの思いからすると、実質もう応能負担に近づけた、そのことを是非御理解くださいということを今申し上げておるところでございますし、まあ、いろいろ申し上げると長くなると思いますので、そこまで申し上げて、まずはお答えにさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/36
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037・島田智哉子
○島田智哉子君 大臣がおっしゃいましたように、就労ですとか働くことで、夢ですとか希望ですとか、そういったことが障害者の皆さんも持てるような社会にできればいいなと私も思いますけれども。
実は、今日持ってきた本がありまして、もう随分前の本なんですけれども、元総理大臣でもあり、元厚生大臣でもある、引退されました橋本龍太郎さんがお書きになった、御講演された内容が書かれているんですけれども、その内容を読ませていただいたんですけれども、橋本元総理のお父様、足が御不自由でいらっしゃったということで、大学に進学を希望された際も、どこも受け入れる大学がなくって、それは軍事訓練が受けられないというこの一点でどこにも入れていただけない、大変な御苦労をされたということですけれども、わずかに私立の大学が門戸を開いており、慶応義塾を選ばれたという紹介が書いてあったんですけれども、私の心の中に熱く刻まれた文面が書かれておりますのでちょっと御紹介させていただきたいんですが、私の父の言葉ではありませんが、障害を持つ方々が、その障害をのけた部分では健常者と公平な競争のチャンスを持ち得るような社会を我々は築いていかなければなりませんし、その公平なチャンスができる、言わばその基礎の部分を社会全体が支えながらそのチャンスをつくり出すためのお手伝いをしていかなくてはならない、このように書いておられますけれども、大臣、この文面、いかがお感じになりますでしょうか、御感想をいただけたら幸いです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/37
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038・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 全くそのとおりだと思います。
そして、今そういうチャンスの幅というのも時代とともに変化しますし、むしろ広がっておるのではないかというふうに思っております。
言っておりますことは、大阪で意見を述べられたとお聞きしておりますけれども、竹中さんのところなどを見に行きますと、障害を持った方が足でコンピューターを扱っておられて、そしてそれでちゃんと仕事をして、そのことによって収入を得て頑張っておられる。そういうお姿なんかを見ますと、かつてはそういう仕事のやり方それから収入の得方というのはなかったんでしょうが、最近ではそういう収入の得る方法というのも新しくできておりますし、やはりいろいろそういうチャンスというのは更に広がっておる。
そういうものを是非使っていただけるように私どもは努力をするし、またその施策を展開していくということが必要だというふうに思っておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/38
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039・島田智哉子
○島田智哉子君 大臣も、所得がある方には御負担をしてくださいと、大臣、おっしゃいます。私もそれはそうだと思います。
しかし、そのハンディキャップを除いた部分、公平なチャレンジができる社会、そしてそのハンディキャップを除くための社会保障制度について社会全体で支えられるべきものであって、その上で、障害のある人もない人も公平な機会が与えられて、そして与えられた所得に対して公平な税負担がなされればいいのであって、現実に所得税も納め、消費税も納められておりますので、その基礎の部分に対して使った分だからといって利用者負担を求めるということは、私は公平ではないんではないかなと思っております。もしそこにお金が足りないのであれば、それは社会全体で負担し合うべきだと、私はそのように考えております。
それでは、具体的課題として、障害を持つ子供の医療と福祉の問題についてお伺いしてまいりたいと思います。
先週の水曜日に社会保障審議会障害者部会が行われたということで、その際の資料もお届けいただきました。その中にございます、障害程度区分判定のモデル事業の実施結果がございます。
先週来この委員会でも御議論になっていますように、障害者部会でもこの辺り、質問が大変に多かったとお聞きいたしております。一次判定から二次判定の変更率が五〇%という点について、あるいは精神・知的障害の要介護度が低いのではないか、また果たして二十七項目の影響がどうなのか、それで十分なのかと、そういった指摘もされていたということですけれども、やはりこうしたコンピューター処理ですとか市町村審査会での判定が障害者の実態に基づくものになるのか、こうした不安の声を多くお聞きいたします。
先日も、自閉症を持つ子供さんのお母さん方からお話を伺いましたときに、この障害程度区分の具体的な基礎づくりに自閉症などのそうした特性がしっかりと考慮されているんだろうかと大変御心配されておられました。こうした皆さんの御不安を払拭するため今後どのように対応していかれるのか、お聞かせください。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/39
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040・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
障害程度区分の件でございますが、従来、要介護認定、これは介護保険の方で用いられておりました認定基準の七十九項目に加えまして、今回二十七項目を追加いたしておりますが、その中で行動等の関連の項目、行動関連項目がございまして、そういった中では、特定の物や人に対するこだわりがお強いとか、多動や行動の停止があるとか、パニックや不安定な行動があるとか、言わば自傷行為があるとか、様々なそういう行動関連の項目を追加いたしておりまして、従来のどちらかというと身体機能だけに着目する部分ではない項目を追加いたしております。
これから正にこういう障害程度区分につきましてどの程度の精度があるのかということについて更に専門家の検証をいただきながら、また有識者などの御意見も伺いながら、適切な障害程度区分の設定に向けて検討してまいりたいと思います。
介護保険の例でも、当初設けました要介護認定基準が認知症の方については余り良くない、精度が高くないということで、介護保険実施後も見直し作業が行われたりしております。私ども、自閉症の方につきましてそういうふうになってはならないと思っておりますので、当初の設定の際にもその点について感度よく認定されるように、また専門家の方々にも御意見をちょうだいしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/40
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041・島田智哉子
○島田智哉子君 それから、児童に対する障害程度区分についてですけれども、児童については当面適用しない、そして今後三年掛けて検討していくと、そのように御説明ございましたけれども、この点について保護者の皆さんも大変不安をお持ちでして、例えば、子供を育てる中で、子供の様子に不安を持ちながら親としてはその子供の障害を素直に受け入れられないといいますか、そういう場合も多々ございますので、そうした状態でのサービスを受けられなくなるのではないかとか、あるいは全国一律のチェックで被虐待などを見落とされる危険性があるのではないかと、そうした不安や疑問の声も強くある中で、今後はどのように対応なさっていかれるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/41
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042・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今委員が御指摘になりました、例えば育児上の御不安でございますとか発達障害お持ちの御家族の方の御心配あるいはお悩み、そういったことについては現在も対応しなければなりませんし、そういったことについての対応が十分とは言えませんので、この障害者自立支援法の内外関係なく、市町村の方で相談体制をしていただくというのが今度の自立支援法の一つの柱になっておりますので、そういった中で、現状よりはこの分野に、今の御懸念の分野についても進むように、自立支援法も相まって進むように取り組んでまいりたいと思います。
第二点の障害程度区分のお話でございますが、正にそういう発達途上にある児童の方の障害の程度区分につきましては成人の場合と違った難しい問題があろうと考えておりまして、障害児施策の見直しは三年後を予定しておりますので、それに向けまして障害程度区分の開発をしてまいりたいと思います。
障害程度区分の導入ということが、何といいますか、ケアや行き届いたサービスを一律的に、画一的なサービスをするということではございませんので、そういったことに陥らないよう、むしろこういう障害程度区分の設定が早期に障害のある児童の発見につながって、適切な対応ができることにつながるように考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/42
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043・島田智哉子
○島田智哉子君 是非とも、保護者の不安ですとか疑問が解消されるまで慎重な対応をお願いいたしたいと思います。
次に、自立支援医療の育成医療についてお伺いしたいと思います。
まず、今回の内容の趣旨と現行の育成医療を利用している子供の人数と障害別の人数についても併せてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/43
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044・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。
まず、育成医療を自立支援医療への制度改正を行う趣旨でございます。
育成医療を含めました障害にかかわる公費負担医療制度につきましては、いずれも障害のある方のための制度でございますけれども、公平の観点から制度により異なっている負担の仕組みの共通化が必要であるとともに、制度の安定性、持続性を確保するという観点から、費用を皆で支え合う仕組みにすることが必要であると考えております。
御審議いただいております障害者自立支援法においては、こうした考え方に基づきまして、障害にかかわる公費負担医療制度における利用者負担の仕組みなどについて横断的に見直しを行うとともに、障害にかかわる福祉から医療にわたる仕組みを可能な限り障害種別にかかわらない仕組みとして一元化し、障害者施策全体としてその充実を図ろうとするものでございます。
お尋ねのありました育成医療の実利用人数でございます。平成十五年度の自治体からの実績報告では約五万人となっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/44
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045・島田智哉子
○島田智哉子君 先週、負担額、上限額の新たな経過措置について御答弁がございましたけれども、所得税額三十万円未満で四万二百円、所得税非課税で一万円にすると、このような内容であったと思うんですけれども、この見直しが仮に行われますと、育成医療について年間の国庫負担額というものはどのような影響額となるのでしょうか。現行制度で平成十六年度二十八億円、そして今回の法案提出段階では十四億円減と、そこまではお聞きしていたんですけれども、先週の御答弁のありました経過措置の見直しによる影響額はどれくらいの金額となるのでしょうか。お教えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/45
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046・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 今般の育成医療の経過措置でございます。
経過措置の見直しに伴う国庫負担への財政影響額といたしましては約二億円の増を見込んでおります。したがいまして、今般の利用者負担の見直し及び新たな経過措置に伴う育成医療全体の国庫負担への財政影響額といたしましては、満年度ベースで約十二億円になるものと推計しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/46
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047・島田智哉子
○島田智哉子君 大臣、この法律によって原則一割負担は求めるけれども予算を増やすと、そのように再三にわたっておっしゃっておられましたけれども、この育成医療費については先週の御答弁にあった内容としても国庫負担が四割減、大幅な削減ということになりますけれども、この点、負担が増える保護者の皆さんに対してはどのように御説明なさいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/47
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048・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 御負担をお願いいたすことになりますと、利用者の方が固定しますと、それは当然全体で予算額も落ちる、国庫負担額も落ちるということになります。
かねて私が全体をと言っておりますのは、利用者の皆さんが今後増えていく、障害をお持ちの皆さん方がいろんなサービスを利用していただく、その数が増える。その増えることを見込んで、当然のこととして全体を増やしていかなきゃいけない。しかも、義務的に国の経費として増やしていかなきゃならない仕組みにするわけでありますから、当然全体として増えていきますということを申し上げておるところでございます。ただ、部分的に利用者が増えない部分だけで見ると、まあこういうケースになるということは当然申し上げざるを得ません。
今度は今の保護者に対してということでございますけれども、これは先日もお答え申し上げたところでありますが、先ほどのあの無理のないという表現の中でも私はそのことを念頭に置いたのでありますけれども、この対象になっておられる親の方々、特別児童手当が支給されております。そして、この特別児童手当というのはやはりそういうことに使ってくださいということで言わばお渡しをしておるものでありますから、その中でお払いをいただきたいというふうに思っておりまして、私が無理のないということで判断いたしましたのは、それを超えたらこれはもうとんでもないことだと思いましたけれども、その手当の中でお払いいただけるように仕組みをつくらなきゃいけない。そして、それは十分そのようになっておると私どもは考えますので、保護者の皆さんにもその中でお払いくださいと、お願いしますということを申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/48
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049・島田智哉子
○島田智哉子君 子供の成長に伴ってかなり親御さんの負担もあるものですから、なるべく子育てをしている世代には負担が少ないように私はお願いしていきたいと思っております。
今回の育成医療、更生医療に定率負担が組み込まれることに対して、連日、子供さんの親御さん方から不安の声が多く届いているんですけれども、そもそもこれだけ少子化という問題が政策的に大きな課題となっている中で、子供を産みたいと希望する方々には産み育てやすい環境に、また今現在子育てをしている家庭にはやはりできる限り育てやすい環境、そして地域や社会全体で支え合っていこうと。これは与野党とも、具体策は違いがあっても基本的に考えは変わりはないと思います。
そこで、西川政務官にお聞きしたいと思いますが、一昨年、諸先輩議員の皆さんが成立させた少子化社会対策基本法、少子化社会において講じられる施策の基本理念が明らかにされ、国と地方の責務を明確化されたということで大変重要な法律でございますけれども、政務官はこの法案を提出された際の提案者の一人とお聞きいたしましたので、この法案を提出された際の御趣旨をお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/49
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050・西川京子
○大臣政務官(西川京子君) ありがとうございます。
本当に、一昨年だったと思います。この今、日本の少子高齢化の中で、たまたま高齢化対策というのはかなり充実してきた中で、本当に少子化という問題についての危機感がいま一つまだ国民的合意の大きな広がりになっていないんではないかという、そういう危機感の下にこの少子化対策、少子化社会対策基本法という法律を議員立法でさせていただきました。
そして、その中で、本当に子供を、もちろんいろいろな意味でこれはあくまでも個人が、産むことは個人の領域ですが、やはりこの急激な少子化というのは日本の将来にとっては大変人口のひずみ、その他大きな影響がある中で、やはり国として、国を代表して地域から選ばれている国会議員としてこのままほうっておくわけにはいかないという思いで作ったことがその趣旨でございます。
その中で、やはり子供をいろんな事情で産めないという方はもちろんいらっしゃいます。ですから、そういう方々に極力配慮しながらも、子供を産みたいけれども産めないというそういう方々には是非子供を産み育て、そして本当に大きな喜びを持っていただきながらこの国の将来に次世代を育てていただきたい、そういう思いの中で、では、そういう産みたくても産めないという人たちがいらっしゃるんなら少しでもその環境整備をきちんとしていこうと、そういう中でこの法案を提出したものでございます。
その中で、もちろん今おっしゃったように、特に子育て世代に対してのいろんな、なかなか産めないという要因が幾つかあるわけですが、その中でやはり経済的要因というのは大きな要因でございましたので、そういう中で、子供たち、子育て世代に対しては経済的な支援をいろいろな措置をしていかなくてはいけない、そういうこともきちんとうたっております。その中で、確かに医療の問題その他、子育て世代に配慮するということをうたっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/50
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051・島田智哉子
○島田智哉子君 この育成医療の国庫負担を大幅に削減して保護者負担を大幅に増大させるということに対して、これだけ社会全体で取り組もうとしている少子化対策に逆行しているとしか私には思えないんですけれども、国がそういった対応を取ることで地方に対してあるいは社会に対しても悪影響を与えるのではないかと危惧をいたしております。
この法律の第十六条では、「国及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者の経済的負担の軽減を図るため、児童手当、奨学事業及び子どもの医療に係る措置、税制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。」と、このように規定されております。この法案が審議されている際の西川政務官の御答弁、会議録でも読ませていただきました。今回、こうした障害を持つ子供の医療費の国庫負担を大幅に減らして、そしてその一方で保護者の負担を増やすと。このことはこの十六条の趣旨に反するのではないかなと私思うんですけれども、私は、どんな体に生まれても、どんな子供が生まれてもやはりしっかりと不安なく育っていく、育てられていくということが大事なのではないかなと思いますので、御見解お聞かせいただければ、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/51
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052・西川京子
○大臣政務官(西川京子君) もちろん、今島田委員のおっしゃったこと、正に本当に同感でございます。
その中で、今回のこの法律の改正の趣旨というのもまた大きな御理解いただきたいところですが、そういう障害を持っていらっしゃる方々に、少しでも多くの方々にこの公的支援を利用していただきたい、それが本来の趣旨だと私は思います。そういう中で、支援費制度を本来国が義務的経費としてきちんと責任を持つ、それは一つの大きな、障害児を持っていらっしゃる御両親の方々、保護者の方々にも大きな一つのメッセージだと、私はそう思っております。
そういう中で、やはりこの制度の公平性、やはり精神障害の方々が入っていなかった、いろんな支援費に入っていなかった。そういう中でまず公平性を持つということと、本当に安心していただくための持続可能な制度にする、そのことはやっぱり一つの大きなテーマだと思うんですね。
そういう中で、特に重度で重い病気の方々には大変負担の軽減を大きくしております。特に、正に今島田委員がおっしゃったように、子育て中の方々に対するメッセージこそ正に育成医療だと私も思っております。その中でこの育成医療の支援費が約四割減ったとおっしゃるところが、私がいろいろちょっと勉強いたしましたが、やはり高所得者層がかなり負担が多くなると、その関係でこの六億円ぐらいが、五か月間で六億円減るということでございますので、かなり子育て世代、正に中間の所得がまだお若くて多くはないと、そういう人たちには十分に配慮している制度になっていると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/52
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053・島田智哉子
○島田智哉子君 裕福な御家庭であればその御負担が大きくなるというような御説明がございましたけれども、やはり障害を持ったお子さんをお持ちの御両親というのは大変な精神的な御負担がある、本当に悩んでいらっしゃることも大きいと思います。子供の医療費、しかも障害を持つ子供の医療費、この国庫負担を一気に、まあしつこいようですけれども、四割も削減してその親に負担を押し付けるということはこの十六条に合致するんでしょうか。少子化対策について大変御理解のある西副大臣、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/53
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054・西博義
○副大臣(西博義君) 同趣旨の御質問でございますが、今回、先ほどから大臣、また西川政務官からも答弁しておられますように、この公費負担医療制度、これは各制度共通で公平なものにしようと、そしてその制度を安定化させて、そしてその上に持続可能性を追求しようと、こういう仕組みを考えております。
で、もちろんそういう観点から原則一割負担ということでございますが、所得の低い方、それから医療に関しましては継続的に治療のために相当額の費用が掛かる方、そういう方に対しては一段のこの軽減をしていこうということで上限を設けました。
しかし、特に、今委員が御発言のように、若い世代がお子さんが障害がある、ほとんどの場合が長期の医療費になる、しかも所得が一般的にまだ低い、こんな状況が容易に想像されます。そんな中で私どもも実はこのいわゆる育成医療というものが全体と同じであっていいのかという、私自身も少しそのことは気にずっとなっておりました。
幸いにして、当委員会、まさしく当委員会の中で御議論がございまして、私どもとしては一段の軽減措置ということで、先ほど委員がお話しになりました三十万円以下の所得層の中を二段階にして一万円と四万二百円ということで、再度、非課税世帯、課税世帯の間でその区切りを付けて軽減をさせていただいた、そのための予算が二億円ということも先ほど答弁させていただいたところですが、その二段、三段の軽減措置によって、今回、更に将来にわたって、先ほど西川政務官からも話がありましたように、この制度がやはり普遍化して、そして持続可能性を持つ制度に収まっていくのではないかというふうに私自身は感じているところでございまして、そういう意味では少子化対策基本法の趣旨に反するものではないというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/54
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055・島田智哉子
○島田智哉子君 少子化対策にこれだけ社会全体で一丸となって取り組んでいるときに、やはり私は、この育成医療の国庫負担大幅削減というのはやはり地方あるいは社会に対して悪影響を与えるんではないかなと私は危惧いたしております。
では次に、自立支援医療における世帯についてお聞きいたしたいと思います。
現在検討されている内容の資料を厚生労働省お出しになっていますけれども、いま一度その内容について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/55
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056・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) まず、自立支援医療におきます世帯の基本的な考え方について御説明させていただきます。
自立支援医療につきましては、基本的には医療保険の自己負担分を助成するという機能を持っていること、それから医療保険における自己負担の上限額等は同じ医療保険に加入する者を単位として設定していること、これらの実態に着目いたしまして、自立支援医療における世帯の範囲につきましては、医療保険の加入単位、すなわち自立支援医療を受ける方と同じ医療保険に加入する家族、これをもって生計を一にする世帯として取り扱うという御説明をしてきているところでございます。つまり、住民票上の世帯が同じ家族でありましても、加入している医療保険が異なる家族は税制その他における取扱いに関係なく別の世帯として取り扱うと、こういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/56
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057・島田智哉子
○島田智哉子君 厚生労働省の皆さんにとって、そこまで考えていないと言われるかもしれませんけれども、現実として障害を持つ子供を出産したことで、もちろんそれだけではないんですけれども、そのことが一つの原因となって両親が離婚をして、母親と障害を持つ子供が母子世帯になることも決して少なくはございません。ただでさえ母子世帯の年収は低くて、子供に障害があると医療費等々いろんな負担が掛かりまして、そして働く機会もかなり制限されます。そういったことで、一時的にでも母親の実家で、子供にとってみますとおじいちゃん、祖父、祖母と一緒に暮らすケースも私の身の回りにも実際にいらっしゃいます。
そうした場合の世帯の範囲というのはどのようになるか。例えばおじいちゃま、祖父、といいましても、二十代の方でしたら、お父様でしたら、まだまだ現役世代ということになると思いますけれども、その場合に、例えば祖父が組合保険に加入して、そして保護者である母と育成医療を受けている子供が国保の加入者の場合、この場合保護者である母の所得のみが対象になるということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/57
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058・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 国保の場合ではその加入している方全員の所得を換算いたしますので、お子様の場合には所得がないということになろうかと思いますので、今の事例であればお母様の所得だけということに基づいた負担上限額になるものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/58
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059・島田智哉子
○島田智哉子君 いろんなケースが考えられるんですけれども、祖父もお母さんも子供とも国保、国保に入っている場合、この場合ですと保護者である母の所得が仮に低い場合でも、おじいちゃんの所得あるいはおばあちゃんの、あるいはその母親の兄弟、みんな国保となれば、すべて合算ということになりますと保護者である母の事情と相当乖離していくと思うんですけれども、祖父は健保組合で母が国保、そして子供が祖父の健保と、こういう場合は保護者の支払う負担額が祖父の所得によって決められるというケースも出てくると思いますけれども、この点について今後検討を重ねていくということをお聞きいたしておりますけれども、この問題についても十分に検討していっていただきたいと思います。
厚生労働省、今回、障害を持つ子供の医療費負担を引き上げるという政策判断なさったわけですけれども、私は逆に現状よりもっと、もっともっと負担を軽減しなければならない問題が多々あると思っております。例えば、私は歯科医師でございますので、その分野では、中原先生も御存じですけれども、口唇裂、口蓋裂の子供たちが育成医療の給付を受けながら治療をしております。この口唇口蓋裂というのは、日本では最も多く見られる先天奇形というふうに言われております。五百人に一人の割合で生まれる先天性疾患でございますけれども、恐れ入りますが大臣は御存じでいらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/59
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060・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきました口唇口蓋裂とは、上唇や上あごの癒合不全を起こした先天異常で、手術でありますとか歯科矯正などの治療を必要とするというふうにお聞きをいたしておりまして、もちろんそういうことで大変悩んでおられる方、御苦労されておられる方がおありだということは承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/60
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061・島田智哉子
○島田智哉子君 恐れ入ります。ありがとうございます。
こうした障害を持って生まれてきたお子さんの場合、最初に体重が、哺乳障害というものがまずございますのでミルクが、おっぱいが飲めないということでなかなか体重が増えていかない。成長が著しく遅れていくということもございますけれども、体重が五キロになりまして、大臣がおっしゃいましたように二回から四回ですとか、その成長に合わせて手術をしていくわけですけれども、顎顔面の骨の成長に伴っての手術でございますので本人も大変でしょうし、親御さんも非常に大変な疾患でございます。
大変近年技術が向上いたしておりまして、臨床的評価は高まっておりますけれども、それでもやっぱりその口唇口蓋裂のお子さんを出産したお母様にとっては、とても親として罪責感といいますか、子供の将来の不安ですとか、心に大変なストレスを抱えることになるわけでございます。
そうした中でも、同じ障害を持つ母親同士の情報交換でありますとか、医師、歯科医師、看護師の励まし、それにもちろん家族の支えもありまして、多くのケースで子供を受け止めて前向きに育てていくという姿勢に変わってまいりますけれども、もちろんこの障害だけではなくて、多くの障害、病気の治療によってその痛みと闘っている子供たち、その姿を見る親御さんというのは、やっぱりそれ以上に心の痛みと闘っているのではないかなと私はお察し申し上げております。
さらに、こうした子供の通院、入院に多くの保険外負担、医療費以外にも様々な経済的な負担というものが重く重くのし掛かってまいります。
大臣は、こうした実情をどのように御認識でいらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/61
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062・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきました口唇口蓋裂の方ももちろんそうでございますし、そうした方々を含めて病気で入院しているお子さんたちの親御さんというのは、これは今いろんな費用も要るというお話もございましたけれども、様々な御負担がございますし御苦労があるということは拝察をいたすところでございます。
その中で、今回の法案でどうなるのだということになりますと、これはもう再三申し上げておりますように、医療費の負担については原則一割という御負担でありますけれども、低所得の方でありますとか継続的に相当額の医療費負担が発生する方などについては所得に応じた上限額を設定するなどの配慮措置を講じたところでございます。
こうした配慮で、是非また皆さん方にもそれを、その中での御負担をお願いをしたいというふうに申し上げておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/62
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063・島田智哉子
○島田智哉子君 大臣もお察しいただいているように、障害を持ったケースだけではなくて、また手術を受けるケースでも自宅から遠方の病院に入院すること等珍しくないケースでございますので、交通費あるいは付添いの家族の宿泊費、それぞれ個人の負担、大きな額になりますので、この家族の宿泊施設であるとか小さな兄弟を預かる子供のショートステイなど整備が必要ではないかなと思うんですけれども、こうした対策について、これまでの取組の状況について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/63
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064・北井久美子
○政府参考人(北井久美子君) 慢性疾患児童をお抱えになる御家族の負担が相当なものであると私どもも認識をいたしております。
それで、今御指摘のございました慢性疾患児家族宿泊施設と、それからいわゆるショートステイ事業の目的と実績についてでございますが、まず、慢性疾患児家族宿泊施設の事業は、医療機関に小児がんなどの慢性疾患で度々長院、長期入院をされる児童の家族のための宿泊施設でございます。親が身近におられますことによりまして入院児童の情緒安定を図るとともに、患者家族の滞在費の軽減を図ることを目的といたしております。
現在、民間団体によりまして施設の設置、運営がなされているものもかなりの数ございますが、国といたしましては、平成十年度の補正予算によりまして十八億八千万円の定額補助及び平成十三年度の補正予算によりまして四億五千万の定額補助によりまして、施設整備の補助を合計で三十九施設に行ったところでございます。
次に、ショートステイ事業につきましては、慢性疾患児の看病疲れなどによりまして児童の養育が一時的に困難になった御家庭の児童を児童養護施設であるとか母子寮において短期間預かる事業でございまして、平成十六年末で二百八十六市町村五百六十九か所で取組を進められているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/64
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065・島田智哉子
○島田智哉子君 ありがとうございます。更なる整備を進めていただきたいと、そのようにお願いを申し上げます。
もう時間になりましたけれども、最後の質問にさせていただきます。
自閉症の子供さんのお母さん方がおっしゃっておられましたけれども、いつも家族が行っているスクールバスまでの送迎を、家族が病気のときなど現在のように移動サービスが利用できるんだろうかとか、新しい基準では対象から外れてしまうんではないだろうかと、親がいなくなった後も子供だけでいろんな負担ができるんだろうか、とてもとても大きな御不安をお持ちの方が大変多いということでございます。
こうした発達障害を持つ方々あるいは難病の子供たち、さらには多くの医師から存在さえ知られていない、国内に薬がなく、親が個人輸入によって薬を調達しなければならない、そのような病気と闘っている子供たち、子供たちに限らず多くの方々が社会に支援を求められている。そうした方々が少しでも安心して暮らせる社会を築くためには、すべての国民が納得して、理解して、そして支え合うことができる真の社会保障制度が必要ではないかなと、私はそのように思う次第でございます。そのことを申し上げて、私の質問、これで終わらせていただきます。
大変ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/65
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066・津田弥太郎
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
私は、八月三日の本委員会においてアスベストの集中審議に差し替えで質問をさしていただき、今国会からは正式に厚生労働委員として仲間入りをすることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔資料配付〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/66
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067・津田弥太郎
○津田弥太郎君 ただいま資料が配られておりますが、これは前回、十月十一日の本委員会において辻委員から提出要求のあった資料でございます。
さて、この自立支援法案はさきの通常国会において、衆議院では民主党など野党が反対する中で与党の賛成多数で可決、参議院に送られて、審議中に衆議院の解散により廃案になりました。
そこで、大臣にお尋ねいたします。
衆議院において我々民主党がなぜこの自立支援法案に反対したと思われるか。野党第一党である民主党の法案反対の理由について大臣はどのように認識をされているか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/67
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068・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 前国会での御質疑、それからまた、そのさなかといいますか、六月に民主党がお出しになりましたところの障害者自立支援法案、この法案への主要な論点と修正協議項目というのをお出しになりました。そうしたものから、今のどういう反対理由があるのかということを私なりに理解をいたしておるところでございますけれども、例えて言いますと、障害福祉サービスや自立支援医療に係る利用者負担への見直しに当たり定率負担を導入することへの懸念、要するに利用者負担の問題。それから、新たに導入することにしておる障害程度区分、市町村審査会、国庫負担基準の在り方など、地域で暮らす障害者に対するサービス水準に対する懸念、サービス水準の問題。それからもう一つは、移動介護やグループホームなどの新たなサービスの在り方に対する懸念、サービスの在り方に対する問題。こうしたことをお取り上げになって反対をされたというふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/68
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069・津田弥太郎
○津田弥太郎君 私は、国会議員になってまだ二年目でありますが、民主党はこれまで反対のための反対はしてこなかったと、そう理解をしておりますし、現に、過去五年間の厚生労働委員会で審議をされました政府提出法案については、民主党は七十一本中五十四本の賛成、八割に迫る高率で賛成しているんです。雇用労働問題や社会保障など、国民の生活の根幹に位置する制度改革については、半歩前進であれば党派を超えて進めていこうという、そういう思いを政府・与党とも共有をしてきたと思っております。例えばさきの通常国会でも、法案に大きな問題があるとして激論が交わされました介護保険法の一部改正案、これにつきましても我々は最終的に与党と協議をして修正の上賛成に回ったんです。
そのような対応を取ってきた我々民主党が、本法案では、障害者の命と尊厳、家族の生活などを考えたときかえって大きな問題が生じることになるとして反対したということは大変大きな意味を持っていると私は考えます。大臣にも民主党が法案に反対したというその重みをかみしめていただきたいと思うわけであります。
そこで、確認のためお尋ねします。
八月八日の解散により廃案となった法案、すなわち衆議院段階における与党修正の盛り込まれた法案と今回特別国会で改めて提出された法案とはどこがどう違っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/69
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070・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) さきの通常国会において衆議院で修正された後、今お話しいただきましたように参議院で廃案となりました障害者自立支援法案と今回お出しをいたしております障害者自立支援法案とでは、障害福祉サービスの利用者負担と自立支援医療の施行日について、平成十八年一月一日から平成十八年四月一日に変更した点が異なります。逆に言いますと、その他は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/70
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071・津田弥太郎
○津田弥太郎君 今、大臣が答弁されましたように、通常国会で廃案となった法案と今回提出され今日も審議を行っている法案とでは、わずかに施行期日の変更のみしか違いがありません。
さきの通常国会における審議の中で法案の数多くの問題点が、先ほども大臣もおっしゃっていただいたように明らかになり、民主党は障害を持たれる当事者に代わって九項目の修正要求を出しましたが、与党からは実質ゼロ回答でありました。
障害者自身も、五月十二日には六千六百人の方々がこの法案をめぐって全国からお集まりになり、また七月五日には一万一千人を超える方が東京に集まり、二時間に及ぶ国会への請願を行いました。そのときのスローガンは、このままの障害者自立支援法案では自立できませんというものでした。連日、多数のメディアファクスによる抗議の声や要望が法案にかかわる関係議員に届けられていたことも御承知のとおりです。
そのような事情もあり、通常国会で障害者自立支援法案は、当初の会期内で成立できなかったばかりでなく、八月八日の解散時点で参議院における実質的な委員会審議はわずか一日、こういうことであったというならば、延長国会、八月十三日の会期末までに法案の成立は不可能だったのではないかと私は考えます。そう思われませんか。国民の怒りの声により、そこまで厚生労働省は追い込まれていたんです。ですから、総選挙後のこの特別国会で、八月八日時点と比べて施行期日以外は何も改善していない法案を出してきたことについては、障害者団体は信じられない思いで再び反対運動を連日展開をされております。
そこで、大臣にお尋ねをいたします。
通常国会における委員会質疑や障害を持たれている当事者などの声を踏まえ、なぜ真に自立支援が可能となる法案への見直しをこの間行わなかったのか。また一方で、衆議院段階で与党が行った修正内容を今回政府提出法案に盛り込んだ理由は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/71
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072・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) これは、改めて申し上げますけれども、今回の障害者自立支援法案は、精神障害を含めまして三障害の福祉サービスを一元化する、さらにサービス体系を再編し、地域生活支援や就労支援の充実を図る、また支給決定を透明化、明確化する、さらに利用者負担の見直しでありますとか国の負担を義務的経費にすることにより制度を安定的で持続可能なものにするなどの改革を図りまして、サービスの量の拡充を図り、障害者の自立した生活に対する支援を一層充実するものでございます。このように、どうしても必要な、お認めをいただきたいという法律案でございますから、再度私どもはお願いをしておる次第でございます。
そこで今、与党の修正をなぜこの中に入れたかということでございますけれども、これは当然国会の御意思でございますから私どもとしてはそれは尊重しなきゃいけない、また私どもの考え方と相入れないものでもございませんから、当然そうさせていただきました。その修正いただいた部分の中には、これは先ほど申し上げました、民主党がお出しになりましたところの障害者自立支援法案の主要な論点と修正協議項目の中でお述べになっておられるものもその中には入っておったというふうに、一部その修正の中には組み入れられたものと私は理解をいたしております。
それから、この間、私どもが何もせずに手をこまねいてきたわけでは全くございませんで、法案そのもの、条文の変更はいたしておりませんけれども、政省令で定めるべき点で前国会で御指摘いただいたこと、私どもも考え直さなきゃいけないという御指摘については、これは真剣にまた検討をし、それに対する答えも今回は申し上げておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/72
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073・津田弥太郎
○津田弥太郎君 確認であります。
今お答えのように、通常国会における与党修正を今回閣法に盛り込んだということは、今回の法案に関する審議は、この特別国会からゼロベースで始まるということではなく、通常国会での衆議院における審議からの継続という流れの中で大臣は受け止めているということでよろしいですね。イエスかノーでお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/73
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074・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 一言で言いますと、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/74
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075・津田弥太郎
○津田弥太郎君 それではお尋ねします。
衆議院段階での与党修正案の筆頭提出者は、七月十三日の衆議院厚生労働委員会における法案の採決に当たり、自民、公明両党を代表して法案に対する賛成討論もされております。この方の名前を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/75
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076・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 突然のお尋ねでございますから、私、どなたであったか記憶いたしておりません。後ほど調べてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/76
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077・津田弥太郎
○津田弥太郎君 そうですか。
障害者自立支援法案のさきの国会における与党修正案の筆頭提出者であり、自民、公明両党を代表して法案への賛成討論を行ったのは八代英太議員です。前議員と呼ばなければいけなくなりました。
先ほど大臣は、本法案の審議は実質的に通常国会から継続しているということを確認をいただきました。にもかかわらず、本法案において与党内でこのように中心的役割を担った議員、また障害を持たれている当事者でもある議員を自民党はさきの総選挙で公認しませんでした。私は他党の公認の是非を論ずるつもりはありません。しかし、少なくとも法案が継続して審議されているという流れの中で、こうした議員を候補者として公認しなかったこと自体が、自民党内において障害者自立支援法がいかに低い位置付けであるかを示すものである、私は指摘をしておきたいと思います。
同様に、さきの通常国会において、本法案の審議のさなかの七月五日に、後任を用意することもなく副大臣と政務官を罷免したこと自体が、政府内における本法案がいかに低い位置付けであるかを示すものであるかを併せて指摘をしておきたいと思います。
そこで、法案の各問題点について質問をいたします。
私自身、この法案、初めて説明をされたときに、果たして全体として障害者自立支援法の名前に値するかどうか、非常に疑いを持ちました。衆議院の委員会における議論でも、この法案は障害者自立支援法ではなく障害者自立阻害法ではないか、さらには障害者自殺支援法ではないか、そういった強い怒りが委員から表明をされました。
今回の法案については、客観的に内容で審査したならば、せいぜい障害福祉サービス等に関する法律といった名称に落ち着くのではないかと私は判断をしております。名は体を表すというように、法案の名称というのは本当に大事な意味を持つものであります。この法律案の具体的にどこをどのように審査をして障害者自立支援法という名称をお認めになったのか、内閣法制局の納得のいく説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/77
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078・外山秀行
○政府参考人(外山秀行君) ただいまの法案の題名についてのお尋ねでございます。
法案の題名につきましては、一般的に法案の目的あるいは法案全体の内容をできるだけ端的に表したものであるということが望ましく、したがって、題名が適切であるかどうかという点につきましては、法案の目的や全体的な規定の内容に照らして判断されるべきものというふうに考えられるところでございます。
こうした観点から現在御審議いただいております法案を見ますと、その目的が障害者の自立の支援であるという旨、第一条に規定されておりまして、また、全体的に、自立支援給付やあるいは地域生活支援事業など、障害者の自立の支援を図るための諸措置が規定された内容のものとなっていると理解しております。
このようなことから、本法案におきます障害者自立支援法という題名は、法案の目的やあるいは法案の全体的な規定の内容に即した適切なものであると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/78
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079・津田弥太郎
○津田弥太郎君 午前中の部分をここで終わりたいと思いますが、一言内閣法制局に申し上げておきたいと思います。
この法案のように、施策の前進と後退が併存する内容を持っております。あなたは前進しか言わなかった。後退も入っている。あるいは、当事者にとって賛成、反対が併存する内容を持った法案であります。法制局は努めて価値中立であることに徹していただきたい、そのことを申し上げまして、午前中の質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/79
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080・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
午後零時二分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/80
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081・岸宏一
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/81
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082・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 休憩前に引き続き、障害者自立支援法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/82
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083・津田弥太郎
○津田弥太郎君 それでは、ちょっとだけ財務省にお聞きをしたいと思います。上田財務副大臣、お見えになっていますね。
本法律案の最大の問題点は、裁量的経費から義務的経費への変更とセットで障害者福祉サービスに原則一割負担という利用者の定率負担を導入されていることであります。支援費制度のスタートにより急増した在宅サービス予算を確保し、制度を安定的にするために裁量的経費から義務的経費に変更を今回行うこと、厚生労働省としてもこれまで何度となく説明をされております。
それだけならこの法案の九十五条第一項、これを改正すれば済む話ですね、この部分。そうした法改正だけでしたら、まあせいぜい衆参一日ずつ委員会審議やれば法案は成立をしたのかもしれません。また、仮に裁量的経費のままであったとしても、不足額が発生しないような予算額を確保しておけばよかったわけであります。
支援費の導入により制度として不必要なサービスが拡大したわけではないということは、もう厚生労働省自身もお認めになっております。それで、そもそも必要となるサービス利用量を見込めず、十分な予算を確保できなかった、これは厚生労働省の責任であります。なぜそれなのに今回、裁量的経費から義務的経費への変更とセットで障害者自らが定率一割という負担増を強いられなければならないのでしょうか。
私は厚労省を一方的に責めるつもりはありません。尾辻大臣はさきの国会で、義務的経費にするために障害者の皆様にも御負担の中で努力していただくということを財政当局に対して申し上げざるを得なかったということを率直に答弁されております。
上田副大臣、尾辻大臣が言うところの財政当局の皆さん、この定率負担の導入に対して障害者からハンガーストライキを含め強い反対運動があったということをどれだけ御存じでしょうか。なぜ障害者の定率一割負担と引換えでなければ裁量的経費から義務的経費への変更をお認めにならなかったのでしょうか。納得のいく説明をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/83
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084・上田勇
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。
今、先生も御指摘になりましたように、この障害者福祉サービスが急速に増大をいたしておりますし、それに伴いまして平成十七年度におきましても予算額も対前年度比で八・五%増額するというような状況でございます。そうした中で、これは政府としても、とにかく持続可能な安定した制度にするというのは非常に重要な課題であるということは御理解いただけるというふうに思っております。
そうした観点も含めまして、この障害者福祉の在り方、政府部内でも幅広い議論を行ってまいりまして、今御質問の中で御指摘のありました利用者負担の在り方や、また、国の負担の仕組みの見直しなどにつきましても幅広い議論を行って、総合的な見直しの中でこれは政府として結論を得たものでございます。
今どちら側が言い出したというようなお話もございましたけれども、そういう性格のものというよりも、これは、今申し上げましたように総合的にいろいろな議論を行った上でこの結論を得たものであるというふうに御理解を、私たちとしては理解をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/84
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085・津田弥太郎
○津田弥太郎君 尾辻大臣が公式に述べられていることに対してそんなこと言ったら、つじつま合わなくなりますよ、同じ政府同士なんだから。
そもそも障害者の中には就労の機会が乏しく、その結果収入も少ない。加えて、障害を持つがゆえの支出というものも発生し、日々の生活は今でさえ厳しいものがあります。
今回の法案改正に伴う障害者福祉サービスの利用者負担率は、マクロにおいて、仮に社会福祉法人が減免措置を行った場合でも、居宅が一・三%から六・六%増、通所が一%から八・四%増、大幅な負担増となってまいります。これは施設から地域へという障害者福祉の理念そのものに逆行する結果となるのではないでしょうか。また、障害者の実雇用率が遅々として高まらず、障害基礎年金の支給額も同様に物価スライドで減少している今日、なぜ障害者の負担が増えなければいけないのか、どうしても納得できない。
上田副大臣は、身体障害者補助犬を推進する議員の会、議員連盟に入会されていますよね。障害者福祉には上田副大臣は深い関心を寄せられているというふうに承知をしております。また、副大臣のホームページを見させていただきましたが、政界屈指の国際派と紹介されております。国際派だとするならば、我が国の障害者予算が諸外国との比較においていかに少ないか、当然御存じ。本当にこのままでよいと思われますか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/85
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086・上田勇
○副大臣(上田勇君) 障害者福祉、障害者施策の重要性というのは、これはもう政府としても認識をしているところでありまして、だからこそ今申し上げましたように、この予算額について、これは財政の立場から言わせていただきますけれども、大変厳しい財政事情の中でも、ほかの歳出項目に比べて例外的に非常に多く伸ばしているというところでありまして、そこは重視をしているということは御理解いただきたいというふうに思っております。
そうした中で、しかし、じゃこれを将来にもわたって持続可能な制度としていくために、いろいろと厚生労働省ともいろいろと意見交換をさせていただき、また政府部内でも様々な検討をさせていただきまして、今御指摘のあった利用者負担の在り方、それから国の負担の仕組み、こうしたことも、どういう方向がそういう財政の面も含めて一番いいのか、そうしたことを幅広く議論をして、今回はそのほかの見直し等も含めて総合的に見直しを行ったという結果でございます。
全体としていろいろな御意見があるということは私も伺っておりますが、これは障害者の方々の福祉に資するものであるというふうに私たちとしては考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/86
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087・津田弥太郎
○津田弥太郎君 障害者が暮らしやすい国や町はだれにとっても優しく温かいものになれるはずであります。財政面でこれまで以上に障害者に温かい配慮をお願いを申し上げたいと思います。
退席していただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/87
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088・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 副大臣ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/88
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089・津田弥太郎
○津田弥太郎君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/89
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090・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 上田副大臣、退席して結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/90
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091・津田弥太郎
○津田弥太郎君 それでは、尾辻大臣にお伺いいたします。
今回の法改正については、多くの障害者団体から拙速な審議を行わないように、そういう強い要望が寄せられていることは御存じのとおりであります。通常国会以来、我々民主党もなぜこのような拙速な法改正を行うのかということを一貫して訴えてまいりました。
厚労省は、今回の法案の資料の中で、法案が通らなければ、地方自治体にとって義務的経費化ができないことに伴い大きな超過負担が発生するということを記載をしております。確かに、厚労省が指摘する超過負担、すなわち平成十七年度で約百九十億、平成十八年度で五百五十億、これは国費ベースで言うことですが、合わせて七百四十億という数字は決して少なくないというふうに私も受け止めます。
しかし、目を転じてみるならば、さきの解散・総選挙の費用は予算段階で七百六十九億円と見込まれておりまして、実際にそれと近い数字になるようであります。我々民主党や障害を持たれる当事者が、時間を掛けてじっくりと法案審議をしていこうと強く主張してきたにもかかわらず、押し切って、法案の成立が遅れると二年間で七百四十億円が不足すると言っていた金額以上に、一方的な解散・総選挙で国の予算を現実には使っている。このことに尾辻大臣は率直にどのような関心をお持ちになるでしょうか。
自らの党が大勝利したからそれで結構だということではなく、障害者福祉を正に担当されているお立場から、それを踏まえて率直な御意見、御感想をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/91
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092・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、前回解散になりましたときに、私はそのこと自体は大変残念なことだというふうに思いました。今お触れいただいておりますように、障害者自立支援法の審議のさなかでございましたし、再三申し上げておりますように、この法案、極めて大事な法案で、何としてでも通していただきたい、そうしないと前に進まないというふうに考えておりましたから、その法案の成立を前にして解散になりましたこと、そのことは大変残念に思いました。
解散になったことをどう思うかと言われると、私自身は大変残念に思いましたと申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/92
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093・津田弥太郎
○津田弥太郎君 では、時間もありますんで、次に進めます。
多くの障害者は、払うことが可能ならばきちんと利用者負担をしていきたいという考えでいるものと私は承知をしております。しかし、実際問題として、現在の障害者の生活の中でそれだけの利用者負担に堪えられる状況にないんです。本来は、利用者負担増は所得保障とセットで提言されてしかるべきものであります。こういう障害者の切実な声を踏まえ、現在決まっている負担軽減策、低所得者対策に加えて更に新たな対策を早急に決定をしていただきたいというふうに思うんですが、大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/93
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094・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう再三申し上げておることでございますけれども、今回の利用者負担の見直しではまず一割の定率負担をお願いいたしますけれども、所得に応じた月額負担上限を組み合わした利用者負担をお願いをいたしております。私は、限りなく応能負担に近づけたいと思いまして、そうしたつもりでございます。
ただ、それはそれとして、御負担をお願いすることは事実でございますので、私どもは、きめ細やかな、無理のない御負担をお願いをする、そして必要なサービスを受けていただきたいと、こういうことでお願いをしておるところでございますが、やはりいろんな御意見もありますし、またこの法案作った後、施行した後、いろんな御意見もまた更に出てくると思われますので、今回の法案でも三年後に法案全体について見直すこととされております。三年後には必ず見直すということを言っております。
ただ、その三年間も、私どもは、今後この法が施行されましたら利用者の皆さんの御負担の状況も含めながらきっちりと見守る必要がございますし、もしその間に必要なことが生じればこれは当然また私どもは適切に対応をすべきでございますので、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/94
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095・津田弥太郎
○津田弥太郎君 次に、自立支援医療についてお尋ねをいたします。
今回の法改正に伴う公費負担医療にかかわる障害者の負担増、すなわち国庫への影響額は幾らとなるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/95
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096・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 公費負担医療にかかわる利用者負担の見直しによる国庫負担への財政影響額は、平成十八年度の満年度ベースで約九十億円と見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/96
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097・津田弥太郎
○津田弥太郎君 これまで厚労省は、今回の負担増に伴って受診抑制は生じないということを説明をされてきました。しかし、実際には、ただいま述べられた負担増が発生することから、障害者を医療機関から遠ざけ、必要な医療を受けられず健康状態の悪化を招く、あるいは精神の通院の医療等の場合は自殺へとつながっていくのではないか、そういった懸念も持たれております。
今回新たに上限額という概念を設定されることに異存はありません。しかし、そもそもなぜ、福祉とは性格の異なる医療において一割という同じ比率が求められるのか、一割の必然性が理解できない。また、自立支援医療につきましては、障害により高額な医療費が継続的に発生をし家計に重い負担が掛かる方については、重度かつ継続として月ごとの負担の上限が設定をされております。
御存じのとおり、この重度かつ継続の範囲について現時点では、統合失調症それから狭義の躁うつ病及び難治性てんかんという三疾病が対象となっておりますが、六月二十二日に発足しました自立支援医療制度運営調査検討会、長いんだ、これ、ここにおいてこの三つの疾病に限らず更に検討を進めて、可能な疾病については法施行までに対象に加えていくということを既に答弁されております。
そこでお尋ねいたします。現在、この自立支援医療制度運営調査検討会でどのような検討がなされているのか。今後のスケジュールなども含めてお答えをいただきたいのと、例えば反復性うつ病については対象に加えられていく見通しでありましょうか。併せてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/97
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098・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、重度かつ継続という概念をそもそも持ち込んだ理由につきましては、今もお話しいただきましたけれども、医療の抑制につながらないように、大変高額な医療費というのは考えられますから、そうした医療費を、いつも申し上げておりますように無理なく払っていただこうといたしまして、これは所得に応じてという線も引いておりますけれども、やはり医療費はその所得だけでというよりも、一定所得がある方でもやはり医療費が負担になるということは十分あり得ますから、とにかくその一定の所得がある方に対してでも重度かつ継続ということで判断できる医療については上限額を定めようということで、まず低い上限額を設けたわけでございます。
そうしましたら、今度は重度かつ継続というのが何ぞやという、当然のこととして議論になります。最初は状態像で、やはり重度ということでありますから病気の状態で重度を判断するということがいいと実は私どもも思っておりまして、そのような判断をしたいと考えたんですが、今先生がお述べになっておりますこの専門家の皆さんにお集まりいただいて御意見をお聞きいたしましたところ、どうもその状態像で判断するというのが難しいというふうな御判断になりましたために、それでは病気の名前で判断する、こういうものが重度かつ継続ですよと、のものですよというふうに言おうということになったわけでございます。
これまで、実は六月の二十二日と十月の五日に二回お開きいただきまして、この検討会をいたしていただいております。十月の検討会におきましては、特に精神通院医療の重度かつ継続の範囲について議論がされまして、様々な御意見をいただいたところでございますけれども、現在、今先生もお話しになりましたように、三疾患について重度かつ継続ということで言っておるわけでありますけれども、まあこれはこれでいいだろうと。
ただ、この三疾患に限るということでありませんで、どうぞそこを御理解いただきたいと思うんですが、今三疾患名が先に名前が出ておるものですから、もうこれで終わりだという、これだけに限るというふうに御理解いただいておるようでございますけれども、決してそういうことじゃありませんで、この三疾患に限らず、反復性うつを含めてどういった疾患をこれにまた更に追加するかということの検討をいただいておりまして、これはもう検討いただいて、これも当然そうなるという御結論いただいたらどんどん加えていくという考え方でございますので、是非基本的にそう考えておるということを御理解いただきたいと思いますし、それからこれを、じゃいつ結論を出すのかということになりますので、地方自治体における新制度施行のための準備もありますから、秋といっておりますが、まあ十一月のうちぐらいにはと、更に申し上げますと、申し上げますけれども、結論を得て実施をしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/98
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099・津田弥太郎
○津田弥太郎君 是非、早急かつ積極的に進めていただきたいと思います。
続きまして、社会的入院の問題についてお尋ねをいたします。
七万二千人と言われる社会的入院の解消と、そうした方々の地域における生活が円滑に行われるよう具体的な数値目標を入れ込んだ計画を定める決意がおありかどうか、尾辻大臣の明確なお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/99
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100・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたことは私どもも大変重要な課題だというふうに思っております。精神保健福祉施策において、精神障害者に対する社会復帰でありますとか地域生活の支援というのは極めて重要な課題だと認識しておるところでございます。
この課題を解決していくためには、地域で暮らすために必要な福祉サービス、住まい、生活訓練、質の高い医療など、各般にわたる支援を実施していく必要がございます。
そのために障害者自立支援法案におきましては、精神障害を含め障害種別を超えて市町村が中心となって福祉サービスを一元的に提供する仕組みに改めまして、これはもう毎回申し上げておることでございます。市町村等に必要なサービス量の見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務付けまして、計画的なサービス提供体制の整備を図る、特に都道府県障害福祉計画については、医療計画と相まって精神病院に入院している精神障害者の退院促進に資するものとするなど、精神障害者に対する社会復帰や地域生活の支援について抜本的に強化することといたしておるところでございます。
したがいまして、今度作ってもらうそうした計画の中で、これに向けての計画しっかり述べてもらうということで、私どもは今後の施策進めていきたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/100
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101・津田弥太郎
○津田弥太郎君 しかるべく進めていただきたいと思います。
次に、障害福祉サービスと介護保険との関係についてお尋ねをいたします。
今回の改正による障害者の程度区分については、介護保険の要介護認定基準の七十九項目をベースとしてトータル百六項目でモデル調査が行われております。しかし、そもそも介護認定では寝たきりのお年寄りなどを対象とした医療モデルが基本にあるために、正しい意味での障害程度区分が行われないのではないかという危惧が持たれております。今後の障害程度区分においては、是非とも医療モデル重視ではなく社会生活モデル重視に抜本的に転換されますように、私は強く求めたい。
現在でも、障害者が介護保険の認定を受けた場合、障害福祉サービスと介護保険のサービスが併存されるときは介護保険によるサービスが優先されることに制度上なっております。しかし、このことにより従来から支給されている公的サービスの総量が減少をしてしまうわけではないというのが厚労省の建前だと思います。しかし、実際の現場では、介護保険による要介護度が低い場合、障害者福祉の上乗せサービスは認められず、その結果サービスの総量が減少するという大きな問題が発生しております。
また、両者のサービスは、デイサービスや短期入所など名称は同じであっても、それを行う施設や提供される内容が異なっているため、これまで障害福祉サービスを受けていた障害者にとっては地域における自立した生活が阻害されてしまうこともあります。
大臣、このような現状を是非解消していただきたいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/101
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102・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 二点お話しいただいたと存じます。
まず一つは、障害程度区分についてでございます。これは申すまでもありませんけれども、今地域間格差が大きいですから、これを埋める方策の一つとして全国一律の基準を作って、そしてそれで障害者の皆さんの心身の状況を判定しようと、客観的に判定しようと、そのために作るものでございます。
こうしたことで障害者程度区分の今試行事業も行っておりますけれども、まずは今最初にお話しいただきましたように、要介護認定基準の七十九項目がございますから、まずこれを当てはめてみる、そしてこれに加えて障害者の皆さんの特性というのがあるわけでございますから、そのために二十七項目を新たに加えて、すなわち七十九に二十七を足しますと百六でございますから、百六項目でこの障害程度区分を認定しようと、今モデル事業もいたしております。そうした結果の分析を行いまして、さらに、また有識者の皆さんなど各般の皆さんの御意見をいただきながら、この障害程度区分の設定はきっちりしたいというふうに思っております。
二点目にお話しになりましたのは、支援費制度を利用している方が六十五歳以上になる、そうすると今度は介護保険も適用される、このケースでございますけれども、六十五歳以上になって要介護認定をお受けになりますと、今の仕組みの中では、まず介護保険制度が優先するという優先適用ということにはなっております。しかし、介護保険の支給限度額を超えてサービスを必要とする重度の障害者の皆さんの場合や、やむを得ない事情がある場合には、支援費制度からそのニーズに応じたサービス提供を受けることができることとなっております。
ただ、まあ先生の今の御指摘は、そうはいっても現場が必ずしもそうなっていないじゃないかというお話であろうかと思いますので、制度はそのようにしておりますから、私どももよく、まずその制度がそうなっているということを周知徹底をして皆さんに知っていただくということ、それからまた適切なサービスが行われないというのは、これはあってはならないことでありますから、そのようになるように、引き続きの私どもの努力をいたしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/102
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103・津田弥太郎
○津田弥太郎君 是非積極的にお願いを申し上げます。
次に、政省令の問題についてお伺いをいたします。
本法案では、政省令にゆだねられる事項が多いことが各党から指摘をされました。その数は、告示事項を加えると二百十三項目に達するとのことであります。
そこで、お尋ねをいたします。現段階で、二百十三項目の中で、内容が固まったものは何項目あるでしょう。端的にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/103
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104・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) この二百十ございます、これを、どういうくくりになるかということはもう申し上げなくてもよろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/104
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105・津田弥太郎
○津田弥太郎君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/105
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106・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) それでは、固まっておる数をというお話でございますが、今、これらについては、それぞれの事項について正にどういうふうにするかという作業をいたしておるわけでありますけれども、今後の国会の御審議でありますとか、それから支給事業サービスの利用実態調査の結果などを踏まえて、これから詰めていくものが多いものですから、現時点で固まったという、まあ固まったというのをどういうふうに定義するかにもよりますけれども、今の時点できっちり固まったというふうに申し上げるものは少ないというふうに申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/106
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107・津田弥太郎
○津田弥太郎君 ただいまの御説明のように、本院での審議が後半あるいは与党の意向では終盤に差し掛かった現時点においても、極めて今のお話のように多くの事項が未決定のままであります。審議を行う上で必要な基礎的データなどについても、ほとんど明らかにされないままで審議が進められてまいりました。政省令や基礎的データのように法案を左右する事項が明らかにされないで、どうして十分な審議ができるのでありましょうか。
制度の改革、とりわけ負担増を強いるような改革を行う場合は、当事者の納得というものが最も大事となってまいります。また、当事者が納得するためには、手法が合理的であること、負担が許容範囲であること、これに加え、手続的にも十分な時間を掛けて内容の丁寧な説明がなされていること、自らの意見陳述の場が確保され可能な限りその声が反映されていることなどが必要になってまいります。
負担増を強いられる障害者一人一人にはそれぞれ家庭があり生活があります。例えば、国会で税法改正案が提起され、所得税や法人税あるいは消費税などの税率を改正します。しかし、何%になるかは法案が通過した後の政省令で決定しますなどということは絶対に許されないんです。先ほどの自立支援医療における重度かつ継続の対象などについても、個々の障害者にとっては日々の負担に直結する問題であり、本質的には先ほどの消費税の税率の問題と何ら異ならないものであります。ですから、対象となる疾病が完全に明らかにされないと、法案成立後の生活を考えることもできないことになるのです。
厚生労働省では、介護保険法案、そしてこの障害者自立支援法案と連続して法案の重要な内容にかかわる事項が政省令にゆだねられ、法案の国会審議の過程で明らかにされない、このことは国権の最高機関である立法府を軽視することにつながり、極めて問題であるということを改めて大臣には指摘をさせていただきます。
一刻も早く、法案の根幹部分にかかわる政省令については内容を確定するとともに、現在確定していない政省令のすべてについて、どの政省令は何月何日までに確定するのか、これを一覧表にして公にしていただきたい、このことを大臣に質問して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/107
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108・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど、固まっておるという言葉の定義もございますのでというふうにお答え申し上げたところでございますけれども、これ再三お答えいたしておりますように、現段階で私どもが想定しておる事項、特に来年四月の施行を予定しておりますので、それにかかわるようなこと、それからまた、特に大事だと、大事といいますか、非常に皆さんの御関心も当然高いと思われるこの利用者負担に関する事項については、既に具体的な数値を含めて詳細に御答弁を申し上げているところでございます。
したがいまして、御答弁を申し上げてまいりましたということを改めて申し上げますけれども、いずれにいたしましても、申し上げておりますように、そんなに時間を掛けていいものではございませんので、検討結果はもう整理できたものから順次その内容をお示しをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/108
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109・津田弥太郎
○津田弥太郎君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/109
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110・下田敦子
○下田敦子君 委員の下田敦子でございます。
私事で失礼ですが、学生時代に施設実習に始まって以来、障害者関連施設とのかかわりを持たせていただいて今日までまいりましたけれども、昨日の本委員会の参考人招致に御意見を伺いまして、障害を背負った方々から見れば、私がこのたび障害者自立支援法案の審議に加わるのは何とも不遜なことだなと改めて思いました。
がしかし、毎日毎日、何十通ものメール、それから郵便物を拝見いたしまして、負託を受けた立場から質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
また、去る十月五日、本会議場で本法案に対して代表質問をさせていただきました。そのときは、ただいまの津田委員その他多くの委員の皆様がおっしゃっておられるように、まず、応益負担を始め、たくさん障害者がこれでは困るという部分がありますので、そういうことを今また申し上げなければならないのだとは思いますが、テーマがダブらないように、本日、質問をさせていただきたいと思います。
具体的な質問に入ります前に、私ども民主党では障害者自立支援・社会参加促進法案という案を編み出しました。
まず、障害者の願いというのは、現状のサービス水準を維持向上してほしい、これが第一。そして、二番目としては、もっと社会参加したい、現状では全く不十分だと。それから三つ目は、所得保障なき応益負担には絶対反対ですと。そういうことをたくさんの声から感ずることができました。
この意味からも、コンクリートから人へという、障害者の社会参加促進のために必要な予算は掛けるという考え方であります。国民の大方が反対しているイラク派兵の費用、実にこれは三年分で今年も入れまして六百四十九億円掛けていながら、障害者の方々には応益負担を強いるというのはどういうふうに考えても私は理にかなわないと、そう思っておりますので、そういうスタンスから質問をさせていただきたいと思います。
まず第一に、このたびの障害者自立支援法のグランドデザインなど、今日まで法案作成に当たって、何人のチーム編成で実際どれぐらいの障害者の方々から、どのぐらいの現場調査、実態調査をいつからお始めになって、現在まで何時間掛けて行われたのか、お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/110
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111・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の障害者自立支援法案は、平成十六年三月の障害者部会を法案の立案過程の開始時点といたしまして、七月の中間的な取りまとめ、十月のグランドデザインの策定、そして今年二月の法案の国会提出に至るまで、およそ一年にわたって検討を重ねてまいりました。したがいまして、おおよそ一年の時間を掛けて検討をしてまいりましたということをまず申し上げます。
それから、では人数何人それに当たったのかということでございますけれども、私ども厚生労働省の障害保健福祉部、ここがこの作業に当たってまいりましたが、この職員は定員ベースで八十名、平成十七年四月現在でありますけれども、定員ベース八十名でございまして、法案作成に当たってはこの八十名の職員が直接又は間接的に携わってまいったところでございます。
〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
まず、期間と人数だと思いましたのでお答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/111
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112・下田敦子
○下田敦子君 今お尋ね申し上げましたのは、現場調査、実態調査、これはどの程度やっておられたかです。答弁漏れになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/112
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113・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 失礼をばいたしました。そこの点についてお答えを申し上げます。
法案作成の過程におきましては、居宅生活支援サービスの利用状況調査、これは平成十五年十月に公表しておりますけれども、この調査やそれから障害者支援費サービスの利用状況、これは平成十六年九月に公表いたしております。これらが実態調査でございます。私どもの行いました実態調査でございますが、これらのほかに居宅生活支援費の支出の状況については定期的に自治体からデータを収集しておりますので、そうしたものを見ながらの作業をいたしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/113
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114・下田敦子
○下田敦子君 一年間で八十人の、延べ人数なのか、あるいはまた実際におられる方々なのかちょっとあれですが、掛けてそういう現場調査、実態調査をおやりになったということでありますが、私は、障害を取りあえず大きく分けてこの三つの障害を持ち合わせている立場から一体化しようという意味は、これは大変、諸外国でもそういうふうにやっていらっしゃるわけですので、むしろこれは遅きに失したかなと思われるくらい有り難いことだと思うのです。
ですが、大変僣越ですけれども、昔はといいましょうか、このように統合とかあるいはそれぞれが独立行政法人化するなどの動きの前は、国立のそれぞれの障害者施設とか様々な出先の機関があったと思います。また、そこへ国の皆様もお出掛けになり、実際そこで何年間か仕事をなさったという経験者がたくさんおられました。ですが、このごろは意外とそういう統廃合が進んできている。大変失礼ですが、若い方々はそういう現場の経験を余り持ち合わせていない方も非常に多いのではないかという個人的な感想を持っておりまして、実は家西委員も、昨日、今日と大変一生懸命の、五百か所という総理の御答弁に集中しておられましたけれども、私は戦後の最も大変なこの法案の編成だと思うんです。
それだけに、もっともっとやっぱりそれぞれの事情から推し進めて、伺うだけではなくて、お会いして実態をもっともっとやっぱりつかんだ上で、障害者も一緒に入って、これでいいか、これでいいかということをやはり二年、三年と掛けていく必要が私はこの法案の場合にまず前提としてあるべきだと。そういうスタンスを持っておりますので、いろんな事情から今回こういうふうに急がれているということは分からないわけではないんですけれども、あえて今このことをお伺いいたしました。一年間でというのは私はちょっといささか、おやりになる方も、またこういうことを変えられる障害を持っておられる方々も少し時間が不足ではないかなと、そう個人的にも思います。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
我が国の障害者の総数は総人口の約五%という数字を発表して伺っておりますけれども、身体障害者、知的障害者、それから精神障害者のそれぞれの施設入院と入所の数、そしてまた在宅者数、この割合をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/114
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115・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今お話のございました身体障害者、知的障害者、精神障害者の数は六百五十五万九千人でございまして、一億二千六百八十二万人の我が国の人口の約五%でございます。
身体障害者については、三百五十一万六千人でございまして、九五%の三百三十二万七千人が在宅、施設に入所されている方が身体障害者の五%、十八万九千人でございます。知的障害者につきましては、四十五万九千人でございまして、七二%、三十二万九千人が在宅、施設入所が二八%で十三万人となっております。精神障害者については、二百五十八万四千人でございまして、八七%が在宅、すなわち二百二十三万九千人、入院が一三%で三十四万五千人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/115
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116・下田敦子
○下田敦子君 ありがとうございました。
この割合を伺いますと、思った以上に在宅の方々が非常に多いという現実が今分かるわけでありますけれども、ここで最もこの法案の成立を望んでいる精神障害を持った方々のサイドからちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
どの障害のある方々も、やはり施設から地域社会へその生活空間を移行したい、私どもも当たり前に暮らしたいという強い要望があります。ですが、その中で精神障害者のエリア、その調整が最もこれからテーマになるのではないかなと思います。
そこで、ちょっと予算のことをお伺いしたいんですが、精神障害者福祉サービス事業費の予算が平成十七年度で四百八十三億円とありますけれども、社会復帰施設費、いわゆる入所、通所であります。それから、居宅生活支援サービス予算はそれぞれ幾らの予算であるかをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/116
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117・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
十七年度の精神障害者福祉サービスにかかわります予算でございますが、国の二分の一の分で、恐縮でございますがお答えさせていただきますと、入所施設については八十四億円、通所施設は百十七億円、在宅サービスにつきましては四十一億円でございまして、二百億円を超えておりますが、それを倍にいたしますと全体の事業費というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/117
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118・下田敦子
○下田敦子君 精神障害者の在宅が八七%という先ほどのお答えでありますが、入院している方が一三%ということから見れば、どうしてこういうふうな予算の割合で皆さんが望むような居宅生活支援ができていくのだろうか、どうも予算の割合がどこかでおかしくなったんではないかなという気がするわけです。
実は、いただいたこの、私どもは、この自立支援法案というのは廃案になった、ある意味でほっとしたというか、ある意味で時間をもっと掛けてというふうに思ったのですけれども、また、このたび十月という次元でこの分厚いものをまた出してこられました。読ませていただきました。
これの四百二十四ページに精神病床の外国との比較というのがあって、実はこれを拝見しました中で、一九九八年物になっているわけです。私は、この一つのOECDのデータから見ますと、もっと先のところまで細かく出ているんですが、なぜかこれが、厚生省から国の研究所に調査させているという手前もあるんでしょうか、詳しくは出ていなかった。
これを見ますと、どうも日本の場合に、非常におかしなというか、他国と違うことがあるんですが、精神病床に、いわゆる入院施設費に大変お金を掛けているし、そしてそういう人たちが依然として入院しているということでありますが、他国に比べまして異常に差が開いているというのが、こういう地域に行けていない、帰っていない、地域生活を望んでいるにもかかわらずそういうことの生活ができていないというのがこのデータからよく見えてくるわけでございます。
そこで、具体的に、こういう生活をしておられる状況から見て、障害者の施設と在宅の予算配分の割合についてどういうふうな御所見をお持ちであるか、そしてまた、この病床数が他国、ヨーロッパその他に比べまして非常に増え続けてきた経緯、これは何であるかを、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/118
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119・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
まず、全体のバランスでございますが、一つは、今のサービスの実態を見ますと、この前の実態調査で十六年十月の状況でございますが、先ほど障害者の数が六百五十五万と申し上げましたけれども、在宅サービスと居宅サービスとを合わせまして、サービスを受けている方は四十万人でございます。精神障害の方は制度的な対象になっておりませんので、その数を除きますと、言わば、障害者の方で支援費のサービスの対象になっておられる方が現状では十人にお一人というのが現在の状況でございます。そういうことでございます。
二つ目は、身体障害、知的障害に比べまして精神障害の方は更に予算の規模が小さく、四百八十三億円となっておりますが、これは今までの制度でございますと、言わば福祉サービス、支援費制度の対象になっておりませんでしたので、全体的に医療サービスに比べて精神障害の方の場合には福祉サービスが立ち後れているという状況ではないかと思います。それは、十六年十月の我が国の障害者の方のサービスの状況を見ますと、精神障害の方に充てられております福祉サービスは全体の障害者の福祉サービスの一%程度であるということが示されているということで、これが今度、障害者自立支援法ができましたらこの状況が改善されるというふうに考えております。
二点目の精神病床が多いという御指摘は、つとにそういう御指摘があるところでございますが、経緯といたしましては、皆保険以後、我が国の医療体制といたしましては、昭和六十年くらいまで、昭和六十年と申しますのは、医療法の改正され医療計画が導入されるまでの間、その後、医療計画が実施されるのが平成元年でございましたので、厳密に言いますと、昭和の間、皆保険以後、昭和の期間中は病床が増加したという状況にございます。
諸外国では、精神科医療につきましては、その後、言わば地域医療が発達いたしましたけれども、我が国の方では、精神医療につきましても、まだまだ地域医療といいますか、入院から地域在宅医療にお戻りいただくという点について力が足りないということで、かねて、いわゆる治療が、在宅の基盤が整備されれば復帰される方の数も七万人おられるということで、在宅復帰を目指すということが課題になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/119
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120・下田敦子
○下田敦子君 ありがとうございました。
大変古い経験の話で恐縮ですが、約二十年ぐらい前にデンマークに参りましたときに、そこの二千床ある精神病院は全部閉鎖されておりました。もう地域へ戻すというその考え方があんなに早くから行われていたんだなということが今思い出されますけれども、ただ病床をなくすればいい、病院をなくすればいいという考え方ではなくて、実際、その裏付けを約一か月ぐらい掛けて体験をし、見させてもらいましたけれども、普通の地域社会の、団地の同じように造られたある一軒家をその地域で借りてしまって、そして、そこでは作業療法を中心に行うと。もちろん、三々五々いろいろ各所から集まってきて、治療を受けている方は病院の帰りにいらっしゃるという方もありますが、それぞれのところで、本を読みたい人は本を読むし、陶芸をして瀬戸物を作りたい人は地下室でやるし、木工作業をやる人もあるし、刺しゅうをする人もあれば織物をする人もある。すべてこれ、作業療法の領域であります。そういう仕事をしながら、またクッキングも、料理もこれは非常に一つの精神科領域の作業療法の一環ですので、それをしながらやっているという風景は実に自然でございました。そこででき上がった製品を町中のサテライトスタジオに持っていって販売もすると。自立している、確実に自立している。
そういう生活の場、治療の場でもありながらそういうことをしているというのが本当に古くからもう実際行われていますが、日本は、今、小規模作業所も大変苦労しています。この自立支援法ができ上がるとやっていけないということを何回も何回も訴えられました。
ですから、この辺をどうしていくかということを考えたときには、私は、やっぱりマンパワーの養成、そういう組織づくり、それをきちっとしなければこの法案はスタートしてはならないんだと思うんです。そのマンパワーはやっぱりすぐできるものでもありません。
私のデンマークで体験した一か月間で一緒に過ごさせていただいたその状況から見れば、介護福祉士です、ケアワーカーで非常に一つのプロジェクトを持ちながらマネジメントができる、そういう人が一人いて、それぞれの通所の人たちにそれぞれのカリキュラムと日課を組めてやっているということでありました。
ですから、それを私は是非、ここのことを、別に外国のものがすぐいいというわけではありませんけれども、そういう地域へのノーマライゼーションも図りながらやっていけるようなことを私は強く望んで、この法律のスタート前にそこまできめ細かく現場をよく知ってほしいなと思っております。大変余談になりましたが、お願いいたします。
次の質問に入らせていただきますが、市町村審査会、これの構成人員、それから開催回数、また、審査にかかわる費用をどの程度見込んでおられるのか、これをまずお伺いいたしたいと思います。
第十六条の市町村審査会の委員構成や障害程度区分の二次判定問題、知的障害、それから精神障害にも重度訪問介護対象者としての類型が必要であるという要望が多岐にわたり寄せられております。また、移動介護、それからその対象者、また現在移動介護利用者の一割程度に抑えられていると言われますが、この方々が非常に心配をしております。移動介護は地域生活支援事業ではなく個別給付で組むべきであるという要望や、あるいは重度障害の包括支援の範囲に関しても強く不安を呼んでおりますことを申し添えて、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/120
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121・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 多岐にわたって御指摘いただきましたが、まず審査会の件でございますが、市町村が審査会を設置するということで、市町村長から委員の方は任命していただこうと思っておりますが、障害者の保健福祉に関する学識経験を有する方にお願いをしたいと考えております。
一つの合議体における委員の標準定数は五人というふうに考えておりまして、五人が一つのユニットになり、そこの申込み見込み数などに応じて二つつくったり三つつくったり、そこのところは市町村にお願いする結果になっていると思います、していただくと考えております。
開催回数につきましても、対象者の数に応じてお願いをしたいと思っております。
審査会の運営に要する費用でございますが、介護保険の例で申し上げますと、認定調査会に要する費用が年間、平成十五年度のことでございますが、二百九十億円くらい掛かっております。介護保険の規模は、人数的に申し上げますと自立支援法の対象者の数の十倍くらいでございますので、その十分の一で済むかどうかは別として、そういう費用が掛かると見込まれますので、市町村に対する補助金を十八年度概算要求として要求をお願いしているところでございます。
今、移動介護、言わば移動に対する御支援、そのほか、この委員会でもコミュニケーションに対する御支援など、言わば地域生活支援の重要性が言われております。そこの部分につきましても、この自立支援法に要します義務的経費、一〇%を超える増加で予算を要求しておりますが、生活支援事業も今回新たに創設いたしますので、半年分として二百億円の予算要求をしておりますが、十九年度以降、こういったものについて予算が確保されるように考えてまいりたいと思います。
重度包括支援等の御指摘もございました。また詳しく御指摘いただければ御答弁申し上げたいと思いますが、いずれにしてもこれらは福祉サービスに関する内容になりますので、十八年度予算編成を経た上で、具体的な配分額等について審議会や関係者の方の御意見を賜りながら定めてまいりたいと思います。十八年四月までに決定をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/121
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122・下田敦子
○下田敦子君 ありがとうございました。
現場のことはるるまた、御存じでいらっしゃると思いますけれども、十五年度のこの二百九十億円、これで、介護はこれで済んだけれども、自立支援がこの十分の一で済むかというのは確かにおっしゃるとおりだと思います。
三年分で二百億円ということなんですが、実は現在の介護認定審査会は非常にお金が掛かっている、これが各市町村の悩みの種でもあるという話をよく聞きますけれども、そこで、これは一つの提言といいますか現場からの声でありますが、二年間、この一つの審査をしたものは、その状態によってすべて同じくというわけにはまいりませんでしょうけれども、余りそんなに審査の内容というのは変わるものではないと思われるものもあると思います。ですから、二年間はその審査を受けたものは主軸としてそのまま適用していったらどうなんだろうかと、ケース・バイ・ケースですけれども、こういうことは考えられないだろうかという声が出ております。
それから、次のお尋ねですが、介護保険認定審査会とこの障害者介護給付調査会の認定法を比べまして、その違いは何なのか、あるいは問題点は何であるかをお尋ねしたいと思います。
併せてお尋ねしてしまいますが、先般、十月十一日の当委員会の森ゆうこ委員が質問をされました中で、中村局長の御答弁の中で、市町村介護認定審査会とその機能を兼ねることができるというお話がございました。この根拠は何でございますか。ここをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/122
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123・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
介護保険の認定審査会とこちらの方の障害者の市町村の審査会の違いは何かということでございますが、介護保険の方の認定審査会の一番のポイントは、一次判定を踏まえまして要介護認定をするということが一番の仕事になっております。障害者の市町村の審査会につきましては、介護保険と違いまして、一次判定の場合にモデル事業でも実施いたしました行動面や精神面に関する二十七項目を加えた一次判定をするということ、それから医師の意見書、調査項目に特記された事項に基づきまして障害程度区分を基に判定をするということがございますが、もう一つは、介護保険の方は、要介護度が決まれば、その限度額の範囲内でサービスをどう使うかというのは利用者の方とケアマネジャーさんと相談して任されるということになっておりますが、こちらの方の制度、障害者の制度の方は、市町村の方がその障害程度区分などを基にサービスの支給決定もし、サービスの種類も決めると、こういうふうになっておりますので、審査会の方はそういった際に市町村の決定等に対してもいろいろ意見を言うというような機能も併せ持っているということが相違であろうと考えております。
それから、二つ目、十月十一日に御答弁申し上げましたことは、市町村の審査会の委員と介護保険の認定審査会の委員と、その委員の方が両方の資格を満たすことができるのであれば、委員を兼務することができるということを申し上げたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/123
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124・下田敦子
○下田敦子君 介護認定審査会に比べますと、その障害者介護給付等にかかわる審査ははるかに専門性を必要とされることではないかと思います。昨日の参考人の方々のお話にもあったように、市町村の方々は精神障害を知らないという御意見もございました。
それからまた、障害者介護給付の判定審査は、客観的、具体的にとらえることが困難ではないでしょうか。この点、いかがかと思います。例えば、障害はいろいろあるわけでございます。言えない、聞こえない、それから精神状態も特有の、陽性であるか、陰性症状を呈しているかなどなど、ケースがその時々で違います。ですから、まずこういうことで、はるかに専門性を有するということにおいて、私は兼ねて一緒にというふうな面々では少し心配が残ります。
そして、この審査員の中に医師とありますけれども、その専門性は問わないんでしょうか。お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/124
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125・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 高齢者の介護保険と比べてどうかということにつきましては、いろいろな見方があろうかと思いますが、いずれにしても、私ども、障害につきましても、身体障害、知的障害、精神障害、分かれており範囲が広うございますので、そういった意味では、できる限りそれぞれの分野の専門家の方の参加をいただくことが必要ではないかと思っております。
また、委員につきまして、どういう職種でなければならないというふうに指定しているわけではございませんが、精神科の領域であれば精神科の医療に精通された方が望ましく、そういった意味では、医師の中でも精神科医が望ましいということは、地域で確保ができるのであればそれにこしたことはないし、精神科の医師の方については、この自立支援法の実施に当たっては是非中核的な役割を果たしていただきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/125
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126・下田敦子
○下田敦子君 ごもっともな御答弁でございますが、果たして精神科医の需要、供給のバランスが取れるかどうか、お尋ねしたいと思います。
また、今日、コメディカルスタッフはもう様々な業務に関して誕生、生み出されているわけでございますけれども、業務免許化がされていない資格が非常に多いです。免許を取ったけれども法律の決まりが、そこに必置義務がないとか業務免許化されていないというふうなことで、大変もったいないなと私は思うんでございますが、そういう資格者があちこちにいらっしゃいまして、職業がないと、職場がないということがよく聞かれるわけです。特に、精神保健福祉士、いわゆるPSWでありますが、こういう方々はそれぞれの四大終わって更にまたこういう国家資格を受験して取っているわけでありますけれども、こういう方々を精神科領域の判定審査の中に規定してお入れになるお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/126
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127・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
モデル事業で市町村で審査会をやっていただいたわけですが、そのときに一番多かった職種は医師で、全体を一〇〇とすると二六・三%でございましたが、精神保健福祉士の方が七・四%入っておられました。そういったことを考えますと、市町村の審査会が行われる場合、精神保健福祉士あるいは社会福祉士が九・三%とか、臨床心理士が三・五%など、そういった方々が入っておられますので、そういった意味では、職種を指定しているわけではなく、地域の中でその分野に精通しておられる方に市町村の方はお願いしているというのは現状ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/127
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128・下田敦子
○下田敦子君 市町村といいましても、本当に小さな自治体もまたあるわけでございますから、この辺は任せるということは、大変これは貴重な考え方だとは思いますけれども、やはり介護保険と一緒のメンバーでというふうなことは、私はちょっと無理があるのではないかなと思いますので、強く要望します。
それから、もう一つ強くお願い申し上げたいのは、やっぱり諸外国のこういう審査の内容を見ますと、必ず障害を持っておられる方々が一緒に入って審査をしているということです。いわゆるソーシャルインクルージョンというのは、この間本会議場で申し上げましたけれども、障害が自らある方々がその障害の立場でもって審査に加わるということは絶対条件だと私は思いますので、これをやはり指導の内容なりなんなりで、やはり自治体のそこに強く話をしていただきたい。そういうことでないと、とんでもない、現実と合わないような結果が出されても困るのではないかと思います。
じゃ、次の質問に入らせていただきます。
通所サービス、ショートステイ、その他施設の食費負担の考え方、あわせて、食費、光熱水費、実費負担の算出、算定方法についてお伺いいたします。
テーマは少しそれますけれども、関連が深いことなので、まず申し上げさせていただきます。
この十月から、介護保険改定によりまして、介護保険施設の居住費、いわゆるホテルコスト、食費が保険給付の対象から外されました。利用者、施設運営者、双方にとって厳しい現状になっているという声が全国的に寄せられております。実は、介護保険の審議のときに私もお伺いしまして、このことを局長にお尋ねもし、要望を申し上げたわけですけれども、どれぐらい大変な現状にあるかと申しますと、まず施設側は、これは特養なり老健なり問いません。グループホーム、それらは問いませんが、説明責任は国にあるんじゃないかということを盛んに私のところに電話なり様々なもので寄せられます。
実際はあれですけれども、職員が土日なく、いつでも利用者に、この家族の方々に対して説明をしなければならない。多分そうなるのではないかということは、この席で以前、局長にも心配であるということを申し上げた経緯がございますけれども、やはりそうなっていて、しかも昨今は、御両親を施設にお預かりする等々になりますと、ほとんど共働きであります。ですから、どちらか、奥様に来ていただいて説明ということは平日もできない。したがって、土曜日なり日曜日に出て説明をして納得をしてもらわなければならないという作業を皆しているそうであります。
まず第一に、この改定内容が十分理解されていない。大変利用者にとっては自己負担が増えたという声がどんどん大きくなると。それから、大変その打撃を受けているということは、施設側が収益を増やしたいためにアップしたんでしょうというふうなことも言われるということを、大変心外であるということが、十何か所の施設からこういう声が聞かされました。
これらを総括して考えますと、やっぱり拙速であったと。なぜこの十月から突然このホテルコストだけを上げなきゃならなかったのかということを、まず介護保険の今までの経緯から見てまた言えるわけであります。
もう一つは、加えまして、介護保険標準負担額減額認定書、これが国の対応の遅れだと市町村は言っていますけれども、利用者にその詳細の送付が遅れまして、十月からどのぐらい利用料を支払うのかとか、あるいは何段階、どのくらいの今までの負担よりも掛かるのかとか、様々な不安あるいは情報が錯綜した状態でございまして、施設側も料金設定ができず、現場は非常に混乱しているということを伝えてきております。
こういうことを考えたときに、施設から地域社会へというキーコンセプトも国民のQOLからかんがみますと重要なことではありますけれども、大変現場ではこのホテルコストに関しての費用の設定その他において混乱をしていますし、これからまたこういうことで様々な、この自立支援法が、十八年の四月ということにはなりましたけれども、出てくる可能性が憂慮されます。
まずお伺いしたいんですが、国のこういう変更といいましょうか、新しい法律ができた、これらをどう説明していくのか、こういう広報活動といいましょうか説明責任を果たすためにはどういう方法を取られていくのか、それをまずお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/128
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129・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
通常、私どもが法律が通りましたらやらせていただいていますのは、まず介護保険で申し上げますと、保険者である市町村が、今度のこの自立支援法案も実施主体が市町村になりますので、市町村の方に情報を伝達すべく、これは全国の都道府県の担当者、課長あるいは部長などを呼んで、まずそういう実務者の会議を開いて情報伝達を努めること。二つ目は、分かりやすいリーフレットを作成して市町村やまた事業者団体の方にも、事業者の方々にも入手できるようにすること。そういった情報を厚生労働省のホームページなどにも掲載して広く利用していただくようにすること。また、可能な限りいろいろな機会に説明をさせていただく機会を設けていただくこと。そのようなことをして周知徹底を図りたい、図る努力をしているところでございます。
特に、このような利用料の変更とか、直接利用者、国民の皆様に影響することにつきましては、政府広報なども活用して、新聞やそういったところに広報もさせていただくなどの努力もさせていただくことが一般的な状況でございます。
今回は、前回、前国会で法案が廃案になりましたけれども、その審議の過程を通じ、また法案が廃案になって再提出させていただく過程におきましても、今、下田委員から御指摘いただいたようなことにつきましては、いろいろな場面で国会の先生方始め関係者の方々から強く指摘されているところでございまして、私ども非常に、自立支援法、いろんな配慮をさせていただきました反面、複雑な部分もございますので、そういった点についてできるだけ分かりやすい資料を作成し、御説明をさせていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/129
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130・下田敦子
○下田敦子君 時間が余りありませんので、一つ二つ質問をカットしながらお願いを申し上げて、もう一つ質問をさせていただきます。
やはりこういう様々な施策を立てていく、法律が新しくできる、変わっていく、こういうときに、法案を作って現場にそれをどうぞということをすると同時に、非常に時間が掛かって、大変これらのことを推し進めていくのに必要なのはやっぱりマンパワーだと思います。
やはり前からの介護保険にしてもこのたびのものについても、大変私は重要だなと思うのは、マンパワーの中で、老健局として生み出されたケアマネジャー、いわゆる介護支援専門員があると思うんですが、このケアマネジャーは、その受験資格の要件としましては大変たくさんの要件があります。資格者が書かれてあります。義肢装具士、鍼灸師も入っているはずであります。当初はそうではなかったんですが、第二弾目にたくさんの資格者が受けられるようになりました。
別に、この今挙げました義肢装具士とか鍼灸師が駄目だということで申し上げるつもりは毛頭ありませんけれども、例えば、昨日のおいでになりました参考人のお話を聞きましても、大変様々な障害を有している方、あるいは重度の障害を持っている方々、この方々がやはり生活をしていくためには、いろんな制度を様々に組み合わせて計画を立てないと、とてもとても経済的にやっていかれないと。そういうことで、様々なこれらの障害に対しての理解をしながら、そしてまた、一番大変に強く思ったのは、昨日いらしたALSの療養者の重度障害の方々ですが、この方のケアプランを作るについては、本当に様々な要素を組み合わせ組み合わせしながら作ってその看護に当たっている、介護に当たっていると。
こういうことを実際考えたときには、やっぱりケアマネジャーの方には介護福祉士とか看護師とか、そういう業務経験を、職務経験を有するマネジメントのできる人でないと私は無理だろうと思います。こういうことをどういうふうにお考えであるかをまずお尋ねします。
それから、たんの吸引、昨日も橋本参考人がそうでいらっしゃいましたけれども、たんの吸引が頻繁に起きてきます。体位の交換、それからコミュニケーションの取り方、とてもこれは普通の手話とかそういう範囲ではない、最も高度な専門的な教育を受けた専門職の方がそこにおられてコミュニケーションを取ってあげていると。こういうことを考えたときには、本当にかなりな専門的な人たちがそばにいてあげてこういう組合せもしないと、この介護なりあるいは障害者自立ということは実際は経済的にもかなり無理なんだろうなと思います。そういう点についてどう思われますか。お尋ねします。
まず、じゃそこまでお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/130
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131・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 一つはケアマネジャーについてのお尋ねでございました。
介護保険の方はケアマネジャーということで資格化をしておりまして、介護保険で五年たちましたけれども、これまで三十三万人の方が試験に合格され、八万人の方が現にケアマネジャーとして従事されているというのが現状でございます。
介護保険の方の議論でも、ケアマネジャーさんの量は確保できたけれども、今委員御指摘ありましたように、質の面でどうかというお話があり、ケアマネジャーの世界でも、仮称でございますが、主任ケアマネといって、多分委員が想定されているような、非常に能力の高い、非常に困難な方のケアマネジメントもできる人材をこれからつくろうといたしております。
委員の言われるとおり、人材の養成というのは時間が掛かりますし、大事なことでございますが、ケアマネジャーの方もそういう方向に行っているというのが一点でございます。
二つ目の、ALSの方の重度のケアを考えて、地域の中でそういったことを組み立てていくのは相当大変であり、そういったことの介護に当たる人材の育成と、養成ということも重要であるというお話でございました。
たんの吸引の問題については、医療行為、医行為との関係でいろいろございましたけれども、一定の条件の下に介護職もできるようにはなっておりますが、現実問題として、そういったことが担える人材も少ないということも事実でございます。
今度の自立支援法でも、重度の方に対する言わば給付をつくっておるわけでございますが、そういったメニューはできても、地域でそういうサービスがつくられないと意味がありませんので、そういったサービスをつくっていくということ、委員おっしゃるとおり、そういうサービスができないと、また効率的なサービスができないと、やはり制度としても持続可能でないということになりますので、その両方の観点から、やはり地域でどういう形で重度の方を支えられるのか、そういったことについてこれからも良いモデルをつくると、良い方法を確立するということに努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/131
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132・下田敦子
○下田敦子君 ありがとうございました。
大変、この資格制度を前にしたときに、救急救命士始め様々な法のかかわりの中で、医療行為あるいはそうでないものなどなどで谷間に置かれてしまわざるを得ない現場があります。その辺の整備もこれからどうか深めていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
それから、やはり同じく去る十月十一日、本委員会において、森ゆうこ委員の質問に対して中村局長が御答弁の中で、介護保険制度と障害者自立支援制度におけるヘルパーは違うというお話をされました。その違いは何なのか、これをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/132
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133・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
介護保険制度と支援費制度のホームヘルパーの養成研修課程で比較いたしますと、介護保険制度のヘルパーの養成研修課程は一級から三級の区分でございます。支援費制度のヘルパーは、これに加えまして視覚障害者の方々などの移動介護や全身性障害者の方を対象とした日常生活支援など、それぞれの障害の特性に応じた各種研修課程が組み込まれているというところに違いがございますので、違うというふうに申し上げました。
ただ、さはさりながら、高齢者と障害者の対象の違いは、今申し上げましたように違いがあると想定されて研修課程違っておりますが、実態は、介護保険制度のへルパーさんの資格を持っていれば支援費制度においてもサービスが提供でき、支援費制度の資格を有していれば、各都道府県知事の判断にはよりますけれども、介護保険制度においてもサービスが提供できるようになっておりますので、大部分のサービスについては両方相乗りされているということで、多分委員はそういった意味では違いはないんじゃないかという観点からの御質問だと思いますが、実態はそれほど違わない状況にあると認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/133
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134・下田敦子
○下田敦子君 時間がなくなりましたので、要望で終わりたいと思います。
具体的なその審議会なり委員の名前は省きますけれども、ホームヘルパーという職業といいましょうか、それを否定するものではありません。大変、戦争直後、保育士、いわゆるかつての保母がこの老人の介護に当たってきた力は大きいものでした。ですから、現在もそのホームヘルパーに負うところが多いということは分かりますが、やはり介護職に携わるその資質を高めるというのが、国の公の会議場でもきちっとこのことはおっしゃっておられることでありまして、いずれこの職種は高度な立場に取って代わっていただくということをはっきりと明言されているわけですので、私はあえてまたきちっとこの場でお願いしなければなりませんが、大変現場で混乱を生んでおります。
ホームヘルパーという言葉は使ってはいけないという決まりはどこにもありませんし、大変重要だとは思っておりますけれども、やはり国が幾ら御所管が違うとはいえ、それぞれやはり表現は正確でなきゃいけないので、介護職あるいは介護職員という、そういう言葉に正していただいた方が私は現場で余り問題が起きないのではないかと思います。どういうわけか、この老健局でお出しになるこれらのものに対してほとんどヘルパーヘルパーという表現があって、非常に混乱を招いている現状がございますので、それをあえて申し上げたいと思います。
それから最後に、社会保障審議会障害部会で、十月五日、これお決めになったようで、大変分かりやすく、より具体的に、いい方向だと思われますが、今お話が津田委員からもありましたように、二百に及ぶ省令がまだよく不透明で不確実であると。是非こういうことをとらえて、きちんとしたものへ、何よりも障害者の声を聞きながら検討していただきたい、そう思っております。
私からは以上でございます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/134
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135・谷博之
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
早速質問に入りたいと思いますが、私は、今回の法案の最大の問題は応益負担の導入だと、このように思っております。そして、今まで厚生労働省の動きを見ますと、支援費制度の問題については、その評価を厚生労働省は、利用者は歓迎をしていると、そして財務当局はお金が掛かり過ぎると、こういう認識を持っていると思いますが、厚生労働省自身は、仕組みに問題はあったとしても、いわゆる利用の掘り起こしというのが進んでいる、こういう評価を、今までの衆参両院の答弁の中でもそういうことをかいま見ることができると思います。
今日は財務省の政府参考人にも出席していただいておりますから、まず冒頭お伺いしたいのでありますけれども、このいわゆる支援費について、知的障害者あるいは障害児のそういうホームヘルプサービス、いわゆるその利用量ですね、これが当初以上に非常に予想を上回る、そういうふうな状況になってきたということですけれども、そもそもこの支援費制度が導入された時点で、財務省は厚生労働省から制度導入後、スタート後ですね、二、三年たった先の国庫ベースの予算、大体これはどのぐらい見込んでいるというふうな説明を受けておりましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/135
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136・鈴木正規
○政府参考人(鈴木正規君) ただいま御質問いただきました支援費につきましては、制度を導入いたしました平成十五年度に最初に予算計上しておりますが、その額を十二か月分で換算いたしますと五百六十三億円でございます。これに対しまして、十七年度予算においては九百三十億円を計上しているというところでございます。
ただいまの御質問でございますけれども、当時の事情をすべて私ども詳しく存じ上げているわけではございませんけれども、我々承知している範囲で申し上げますと、例えば当時、平成十七年度予算においてこのような大きな額になるという見込みを持っておられたというふうには思われないというような状況でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/136
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137・谷博之
○谷博之君 今、私の手元に厚生労働省の資料があるんですが、支援費制度が導入された二年目の平成十六年三月の時点で、障害児のホームヘルプサービスの実施市町村数、割合はわずか四割ということですね。これは非常に十分とは言えません。
要するに、この支援費制度を導入するときに、厚生労働省の見込みが余りにも低過ぎたのか、故意に低く見込むことにしたのか。つまり、厚生労働省が財務省を説得するために甘い見込みを立てたんではないかというふうに私たちは勘ぐらざるを得ないのでありますけれども、大臣、どう思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/137
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138・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
平成十五年度、支援費制度発足時におきます予算要求に当たりましては、私どもは、新障害者プランに基づきまして必要な量の確保を図る観点から予算要求を行わせていただきました。
支援費制度導入後、プランの伸び以上に大幅な増加があり、多くの利用、制度発足以前には利用を控えられていた障害者の方も含め多くの方の利用があったということで、初年度から、在宅について申し上げますと、五百十六億円の在宅の予算額でございましたけれども、百二十八億円という二割を超える不足を生じてしまったという経過がございます。
十六年度は、予算要求はその実績を勘案して伸びを見込みましたけれども、支援費制度の二年目であり、利用者が更に増えた結果、二百八十四億円という、これも六百億の予算に対しますと五割近い不足を生じてしまい、支援費制度としてはこのままでは続けられないという状況があり、障害者自立支援法の提案をさせていただいているというのがこれまでの経緯でございます。
私どもの大幅な見込み違いが、そういった意味では私どもの方の見込み違いがあったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/138
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139・谷博之
○谷博之君 大臣にもお伺いしたいところなんですが、時間の関係がありますから私の方からはあえて、こういうふうな制度導入に当たっての財務省を説得するためにというふうな故意なそういうふうな計画、数字の挙げ方とすれば、私は、余りにも問題があるんじゃないかということを言っておきたいということです。
これからの質問の答弁は簡略にしてください。
それから続きまして、昨日の参考人質疑の中で、今回の法案の中でも一番危惧をされているALS患者の重度かつ継続のいわゆるサービスの支援の関係ですね、これは非常に一番心配をされている部分でありますけれども、そういう中で改めて私、確認したいんですけれども、例えば、そもそも支援費制度において、障害の程度と比較して必要以上の給付を受けているようなケース、こういうようなものが具体的にどういう形でどのようなものであったのかということですね、この点について簡単に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/139
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140・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) ALSの方についての御質問と承知してよろしゅうございますか。
支援費制度において様々なサービスが利用されておりますけれども、私どもが承知いたしておりますのは、委員御指摘のような、ALSのような重度の方というのは、今二十六万人ほど実態調査でありますとサービスを利用されておりますけれども、重度の方というのは、ごく数的には限られた方、千名内外の方が相当重度な方で高額のサービスを利用されている実態にあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/140
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141・谷博之
○谷博之君 つまり、現行の応能負担制度においては、モラルハザードによる過剰なサービス利用というのは私どもはほとんどない、このように理解をいたしておりまして、これは財務当局にも是非この点は御理解をいただきたい、そのように理解していただいていると思うんですが。こういう部分は、私は、この法律を作る上での大前提の問題としてまずこれを踏まえていただきたいというふうに、これは強く思っております。
財務当局の方は御答弁以上で結構でございます。
それから次に、資料をお配りさせていただきましたが、ごらんをいただきたいと思います。
自立支援医療の資料、自立支援医療における自己負担の問題についてでありますが、まず資料一ということで、あなたの負担はこうなりますという、こういう資料が、これは厚生労働省が法案説明用ということで我々国会議員やあるいは審議会に配付をされております。
この右下の④、育成医療について枠囲まれたところを見ますと、いわゆる激変緩和の経過措置ということでここに書かれております。しかし、資料二を見ていただきたいと思いますが、いわゆる重い心臓病を抱える子供のいわゆる心臓手術などの場合、例えばこの階層のDの一、これを見ますと、現在の四千六百円で済んだ負担額が十一万六百円になる。激変緩和措置後でも最大二十四倍もの負担増がのし掛かると、こういうことでありました。先週の草川委員の質問によって、資料三を見ていただければ分かりますように、これが十二・一倍ということになったわけでありますが、この二十四倍が負担が増で十二・一倍が負担が軽いか、そういう議論ではなくて、これまた極めて重い負担だというふうに思っています。
そこで、まず、もう一度資料一に戻っていただきたいんですが、この右下の④のところの、医療保険の負担上限ということで点線がなされております。これは正に水平の点線として書かれておりますけれども、つまり、あたかも負担は一定額でとどまるような、こういう表示にされておりますけれども、実際は、資料四を見ていただきたいと思いますが、高額療養費還付後の負担上限、右肩上がりになっておりますね。
これは、あえてこういうふうな表示をするということは、私は、不利なデータを何か意図的にこういうふうな表示で示しているのではないかと、このように思われてなりません。その御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/141
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142・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御指摘のように、このグラフでございますけれども、医療保険の負担上限額といいますのは、中間所得層でいいますと七万二千三百円、高所得層でいいますと十三万九千八百円をベースといたしまして、それを超える部分につきましては、その総医療費から一定額を控除した額の一%を更に加えて自己負担の上限とするものでございます。
したがって、御指摘のグラフにおきましても、本来は一定額以上は一%の傾きとなるわけでございますけれども、この資料は、あくまでも利用者負担が各般の負担軽減措置によりまして来年の発足時点の十八年四月時点でどのように変わるか、これを分かりやすくお示ししようとしたものでございまして、また、中間層の負担上限は医療保険の負担上限額である旨を文字で明記しております。また、このように、子育て世帯につきましては、中間層につきましては負担上限額四万二百円、それから中間的な所得の方でも特に所得の低いような方については一万円という負担上限額を定めておることを明示しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/142
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143・谷博之
○谷博之君 これに関連してもう一点ちょっと御指摘したいんですけれども、この資料の真ん中の大枠の②というところ、これは低所得者対策ということだと思うんですが、ちょっと読みますと、原則は医療保険の負担上限額まで一割負担ですが、所得の低い方にはより低い上限額を設定します、こういうふうに書いてあります。これはあくまで恒久措置ですよね。ところが、その右下の④、育成医療の関係ですが、若い世帯が多いことなどを踏まえて激変緩和の経過措置を講じます。我々は、経過措置というのは三年間と聞いているわけですが、若い世帯が多いことが何で三年間の経過措置になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/143
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144・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 全体的に申しますと、自立支援医療につきましては、一定の負担能力のある方につきましては医療保険の負担上限額の範囲内での御負担をお願いするということが基本でございます。
しかしながら、子育て世帯への特に劇的な変化の緩和という観点からこの三年の規定を設けたものでございまして、三年という趣旨は、法案の附則第三条におきまして、この法律の施行後三年を目途として法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると、これに呼応したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/144
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145・谷博之
○谷博之君 こういうことですと、例えば今少子化対策に正に逆行する、育成医療のいわゆる受診の抑制につながっていくんじゃないかなというふうな私は気がしているんですけれども、これ大臣、どうですかね、この資料のこのグラフの書き方。それから、いわゆるそういうこの時限的な措置のやり方。こういうことについて今、例えば部長答弁したような形でもしそういう説明する理由があるんだったら、そういうことをここに書けばいいじゃないですか。
だから、普通、単純にこれ並べて考えてみると、おかしいと思いませんか、今私が指摘していることについて。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/145
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146・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、グラフのカーブの書き方でございますけれども、これ先生言っておられるように、極めて正確に書くならば、一%でこう伸びるわけですから一%の傾斜を付けるべきであります。
ただ、まあ一%の傾斜というのを非常にこう書きづらいというか見づらいので、むしろ逆に上がるということでいえば、一%の傾斜なんてそんなこと言わずに上がりますよということを明示するように書けばいいのであってと私も思います。ですから、正確にはやはり右肩上がりにしておくのが、一%といえども上がるということを明確に示せるという意味だと思います。
ただ、まああえて申し上げますと、ここの部分は一般の医療保険の世界なものですから、今度の私どもがお願いしている自立支援医療に直接と言ったら語弊があるかもしれませんが、私どもが今度特に考えましたという部分を表すところでもないということもあって、こんなことにしたんだろうと思いますが、いろいろ私も申し上げましたけれども、やはり正確に右肩上がりに書くのが正しいというふうに思いますということは申し上げますし、今後こういう図作るときには誤解のないようにきっちり右肩上がりにすべきだというふうに思います。まず、このグラフの書き方の線については、そのように思います。今後書きますときは改めます。
それから、この激変緩和のことにつきましては、まず御理解いただきたいと思いますのは、三年後の見直しと言っておりますから、すべて見直しますと言っておるわけでありまして、じゃ三年後にやめますというふうに書いているわけでもないという、すべての見直しをしますということを言っているつもりだということは是非御理解いただきたいと思います。
ですから、いろんなことをやっぱり今後所得保障のことなども、所得保障じゃありません、所得のことなども含めて全体を考えていきたいと思っていますということを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/146
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147・谷博之
○谷博之君 三年後の見直しということでは、もう一点ちょっとお聞きしたいことがあるんですが、今回の精神保健福祉法の改正で、振り返りますと、今度の改正は前々から五年前に課題になっていた部分、これは例えば保護義務規定の見直しとか、医療保護入院の適切な運用、精神医療審査会の見直し、こういったことについては実質的な改善がされておりません。
そして、この法律の附則、五年後の見直しまでこのまま放置しておくと、結局五年五年で十年間のこういう重要な問題についての見直しが行われないということになってきます。例えば、この法律が、障害者自立支援法が例えば成立したとすると、三年後にこういうふうな問題についても見直しをされるんでしょうか。重ねてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/147
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148・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 今回の場合におきましても、精神保健福祉法の一部を改正をさせていただきまして、例えて言えば十一年改正の附帯決議の中に盛り込んでいただきました精神医療審議会の合議体の構成員の見直しですとか、改善命令に従わない精神科病院の公表制度の導入ですとか、あるいは法案における権利擁護の相談支援事業への位置付けですとか、このような対応を図ろうとするものでございます。
一方、医療保護入院制度や保護者制度など、いまだ残る問題もございますので、これらにつきましては関係者の間で意見が分かれていることなどもありますので、引き続き検討を深めてまいりたいと。
いずれにしましても、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考えに基づいて、精神障害者が地域で安心して暮らせる社会を目指して一つ一つ課題へ対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/148
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149・谷博之
○谷博之君 いずれにしましても、今幾つかの問題を取り上げましたけれども、いわゆる今回のこの障害者自立支援法というのは、言うならば全体的な包括法的な私は扱い方になってスタートするんだろうと。もちろん、内容的にはいろいろ問題があるわけですから、そういう意味ではいろんな課題がやっぱりそこに盛り込まれているということはこれはもう非常に我々は指摘しておかなきゃいけないし、したがって私は、まず何といっても基本的には現在の個別法のやっぱりきちっとした趣旨、この整備をまずしていくということが一番大事なことだと思いますし、そういうものとこの障害者自立支援法との関係もこれからいろんな立場で指摘をし合っていかなきゃいけないというふうに思っているわけです。
それで、ちょっと次に、現在の長時間介護の問題について一点だけ確認をしながらお伺いをしたいと思っているわけですが、御案内のとおり、現在、長時間介護の担い手のその多くというのはNPO法人の方々が随分取り組んでおられます。こういう方々のいわゆるサービスの水準が後退しない、こういうためにも、あるいはNPO法人に限らず社会福祉法人の団体もそうですが、こういう方々の介護の水準を後退させないためには、やはりそういう実態が非常にいろんな意味で役割を果たしているこういうNPO法人の言うならば存在といいますか、役割というものをこれから引き続きこのサービス提供の柱としてやっぱり位置付けていく必要があると、こういうふうに思っています。
と同時に、いわゆる利用者負担において個別減免を受ける際にも、社会福祉法人だけではなくて、実態をかんがみながら、こういうNPO法人のいわゆるそういう対象に加えていくということも必要なことではないかと思っておりますが、この点についてはどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/149
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150・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) ALSの患者さんなどにつきましては、重度障害者等包括支援という新たな給付類型を創設いたします。その中で、ケアホームや通所施設など複数のサービスを併用される場合にサービス事業者が責任持ってこのALSの患者さんを診るというようなことですが、サービス提供事業者につきましては様々な法人の参入を促すことが必要であると考えておりますので、NPO法人などにつきましてもこういう在宅サービスについては実施していただけるという方向で、正にそれが法律の一つの柱にもなっているところでございます。
社会福祉法人の減免については、正にその名のとおり社会福祉法人の減免ということで、利用者負担の減免について社会福祉法人の方に助成するものでございますが、今ALSの患者さんのお話がありまして、他にそういうサービスを行っている社会福祉法人がない場合にはNPO法人も含めて市町村が認めた社会福祉法人以外の法人についてもこの減免を認めるということになっておりますので、委員の御指摘のようなケースについてはむしろ、なかなかこういう患者さんのサービスを担う担い手がいないということで、そのNPO法人が地域で唯一やっておられるというのが実態でございましょうから、そういった場合には社会福祉法人の減免制度が市町村が認めることになるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/150
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151・谷博之
○谷博之君 ちょっと質問の順序が前後しますが、もう一点だけ、ちょっと時間がもう来ましたが、簡単に触れたいと思います。
厚労省は支援費については、先ほど申し上げましたように仕組みにまだ不十分なところがあるというふうに認めているようでありますけれども、市町村の地域格差については支援費のどこに問題があったというふうに考えておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/151
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152・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 冒頭に見込み違いのように大きくなったというお話を申し上げましたが、一面では、支援費制度については、市町村がサービスの支給の決定、必要性に応じて支給の決定を行い、サービス量も決めるという、市町村に大きな役割を果たしていただいておりますが、その支給決定の必要性についての客観的な基準なりプロセスがないということがございましたので、今回、支援の必要度に関する尺度として障害程度区分を設定したり、各市町村に審査会を設置することにより支給決定の客観化、透明化を図ることとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/152
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153・谷博之
○谷博之君 ちょっと質問が前後しちゃって申し訳ありませんでしたが、大臣、この問題について、これは支援費制度の導入の当初から市町村にサービスの必要な量の見込みを計画としてただ単に作らせる、こういう、そういうことでよかった、その状況から、結局のところは市町村格差の是正はそういうところからやっぱり格差が出てきていると。要するに、ただ単にその計画を作らせるということではなくて、やっぱり今説明がありましたように、中身を伴った計画でないと、そういう意味では形だけということになってしまいますね。
と同時に、こういうようないわゆる地域間格差の是正というのは、結局、だからといって応益負担の導入の理由には私はならないというふうに思っているんですよね。この点は問題提起としてちょっと考え方をお示ししておきたいと思います。
それから、最後になりますが、いろいろこの資料の問題等も含めて指摘をしてまいりましたが、先ほど大臣の答弁がありましたように、これからそういう正すところといいますか、訂正するところはしっかり訂正していただき、資料の不備な点についてはしっかり説明や注釈を加えながらいい資料を、誤解を招かないようなそういう資料をこれからしっかり作っていただきたい、このように考えております。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/153
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154・草川昭三
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
昨日来から、また今、谷先生の方からもALSの患者の方々の問題提起がございましたが、私も地域で生活をするという立場から若干の質問をさせていただきたいと思います。
この支援費制度によって、重度の障害をお持ちの方でもホームヘルプサービス等を利用して地域で生活をするという選択が可能になってきているわけであります。こうした重度の障害を持った方々、とりわけALSの患者の方々のように最重度の障害者は、今回の障害者自立支援法案によって現在の自分たちのサービスがどうなるのか、非常に不安に思ってみえるわけであります。
現在、地域でこのようなサービスを使って暮らしておみえになります重度の障害者の方々がどれくらいおみえになるのか、その現状をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/154
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155・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 昨年十月段階のサービスの利用状況を調べたところでは、ホームヘルプサービスの利用状況を見ますと、現在、国の全身性障害の方に対します国庫負担の基準、月二十二万円と、これはホームヘルプサービスの場合になっておりますが、これは国庫負担の基準でございますが、それを超える方が全ホームヘルプサービスの利用者の九・六%、一万三百人おられます。で、月百万円を超えて利用される方は約〇・九%、九百人と、こういうことになっております。
なお、ホームヘルプサービスのほか、何らかの居宅サービスを利用されている方を取りますと、月百万円を超えて利用される方は利用者の、在宅のサービス利用者の〇・五%、約千三百人となっております。
したがって、こういった九百人、ホームヘルプサービスの九百人とか、居宅サービスの千三百人といった方々が非常に高額に使っておられる方であり、重度の方と推察されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/155
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156・草川昭三
○草川昭三君 今の御答弁がいわゆる重度の障害者の方々に対する支援の内容でございますね。
それで、新制度においては、現在一日十六時間の支給を受けているような重度の方々がおみえになるわけでありますが、このサービスの支給水準というのは切り下げられることがないのかどうかですね、非常に心配をしておみえになりますんで、その点を明確にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/156
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157・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
新制度におきましては、ALSなど特に重度の障害の方を想定しまして、重度訪問介護、これはホームヘルプサービスのみを利用される場合の方でございます。それから、重度障害者等包括支援、これ、いろんなサービスを組み合わせて在宅で暮らされる、これは今例に出ましたALSの方なども典型的に、精神とか知的障害でもそういった方はおられると思いますが、典型的に言わば最重度の方を想定しているものでございます。
正にこういった方々について国庫負担基準をこれから市町村を単位として設けて設定していくところでございますけれども、とにかく国庫負担基準は市町村を単位として設定させていただきますので、個々のサービス利用者に対しますお一人お一人の利用量の決定というのは市町村でやっていただくわけでございます。
国庫負担基準につきましても、今御紹介いたしましたような重度の方もおられるということを念頭に置いて、これから現行の基準、今、月二十二万というのが上限になっておりますが、そういったものの在り方についても検討させていただきたいと思っています。
いずれにしろ、お答えといたしましては、今度の制度の見直しによりまして現在サービスが利用されている方々にとって大きな変化が生じるといったことはないように検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/157
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158・草川昭三
○草川昭三君 今の局長の答弁が非常に重要だと思うんです。
もちろん、地域でサービスを使っておみえになります方々は一生懸命情報を集めておられますし、また事業者の方々からもいろんな、若干推測を交えた情報もあるわけでございますんで、私は非常にそういうお立場の方々に、言葉が悪いんですけれども同情というんですか、そういう気持ちでこの質問をするわけでありますが、是非その切り下げられることはないのですかということについて、そういうことは多分ないでしょうというような御答弁を、私は、これはまたいずれにしても採決をして衆議院に送るわけでございますが、附帯決議等々においてもこの点は十分反映をするようにしていただきたいというように思います。
それで、重度のこの障害を持った方を受け入れていただく事業者が現在も十分ではないというのは昨日来からいろいろな委員の方々も指摘をされているわけであります。問題は、十分ではないためにALS等の患者の方々が地域で本当に安心して暮らしていくことができるかどうかというのが、先ほど来私が申し上げたように、いろんな諸条件から切り下げられることになるんではないだろうか。もし事業者の方々がいなくなったら、我々、たまたまその地域にあればいいんですけれども、先ほどの谷さんの御答弁じゃないけれども、ボランティア団体の方々も対応していただけるならいいんですが、必ずしもそれは保証されるわけじゃないんで、非常にこの基盤整備というんですか、必要なサービスを十分提供できるだけの基盤整備を図るということが私は行政として、トップ行政として非常に重要なことだと思うんですが、その点についてもお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/158
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159・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 委員御指摘のとおり、今申し上げました高額な利用者の方々がおられるところを地域的にプロットしてみますと、三つの県で全体の六割を超えるというように、まだ全国で普及しているというようなものではございません。それは、今委員からお話のありましたように、地域でそういうサービス基盤がなかなかつくれていないということがあるんだと考えております。
したがって、委員御指摘のとおり、多くのケアを必要とするほか、訪問看護を始めとする医療との連携とか、様々な課題があると思いますので、そういったことの事業者のネットワークづくりとか、そういったことをやっていただく事業者をつくっていくことが大事だと思います。
今度の包括支援というのは、そういったことを事業者さんが組み合わせてやっていただけるような仕組みに、責任を持ってやっていただくような仕組みになっておりますが、いずれにしても新しいサービスである上、今申し上げましたように、地域的にも限られているということは、対象者の方もオールジャパンという意味で見ますとまだまだ限られているものでございますので、普及に当たっては先進事例や、皆さんそれぞれ御苦労をされ、試行錯誤、いろんな失敗や成功を重ねながらやっておられるということでございますので、我々も国でございますので、そういったノウハウの収集、提供あるいはモデル事業の御支援、それから研究の事業を、国としても研究を行うといったようなことを努めて、こういったことが各地で事業が広がるように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/159
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160・草川昭三
○草川昭三君 実際上の現場では吸たんというような大変難しい問題も出てきておるわけでございますし、先ほども御指摘がございましたように、医行為の問題についてもぎりぎりの対応を実際は現場ではやられておみえになるのではないだろうかと、こう思うわけでございますが、いずれにしましてもALSの方の場合は、相当数は介護保険サービスを利用した上で新しい制度を利用していかれるのではないかと、そういうように想定されるわけでございますが、そういった場合の利用者の負担というのはどういうことになっていくのか、お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/160
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161・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 御指摘のようなケース、同じ方が介護保険制度と障害福祉サービスの両方の制度を利用される場合の件でございますが、要は介護保険の制度で利用者負担があり、それから自立支援法の方で利用者負担がある場合に、それを合算しまして、トータルしましてもその上限を超えないように上限を打つということで、二つの制度だから二つの制度で独立に取られるということではなく、二つの制度を使って共通に計算をして、その合計額が天井を打つような制度とするということで、現在既に介護保険制度と支援費制度の二つの制度を利用されているALSの方については、今度の制度で従来と比べて負担が増えることがないというように配慮を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/161
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162・草川昭三
○草川昭三君 これは理事にお願いをしておるわけでございますが、是非、先ほどの答弁がありました事業者が非常に少ない現状にかんがみて、その居住する地域において必要なサービス提供が遅滞なく行われるよう、是非基盤整備を措置をしていただきたい。
また、先ほどの答弁にもありましたように、現行のサービス水準の低下を招くことのないよう、重度障害者の方々の包括支援や訪問看護の対象者の範囲については、重度の障害のある者のサービスの利用実態やニーズ等を把握した上で設定をされることをお願いをしたいわけでありますし、また、そのサービス内容や国庫負担基準については適切な水準となるよう、是非御同意を得てこの問題を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
もうあと一問、この支援費制度の問題とは別に、実は大臣、土曜日の日の日経新聞を見られたと思うんです、土曜日の日の。日本経済新聞の一面のトップ記事であります。いわゆる国民所得の九%以内に医療費の総額管理を行いたいという趣旨のことが、厚生省でもうほぼ内定をしておるかのごとき記事が出たわけであります。
私は前回のこの委員会でも、そういうことにだんだん追い詰められていく可能性があるから、ひとつよほど厚生労働省はしっかりと対応していただきたい。元々十月の四日の経済財政諮問会議にこの問題はスタートするわけでございますし、民間の委員の方々からもほぼ同様の提起がある、あるいは厚生労働省以外の役所からも同様趣旨の提起があるんで、これは外堀を埋められることになるので、しっかりと対応していただきたい。厚生労働省案数値目標を容認とまでこれ、土曜日に日経新聞に書かれておるわけですから。ですから、土曜日、日曜日、月曜日祭日で休みですから、火曜日の閣議のあった後、直ちに大臣は記者会見でこれを否定されたということも我々聞いていますが、大臣が記者会見で否定したという事実は報道されていないんですよ。虫眼鏡を見て探せばどこかから出てくるかも分かりませんけれども。
私はここを言いたいわけですよ。これはもう、今もうまさしくこう一歩一歩そこに追い込められますよということを、私はかねて来からくどいように、生意気ですけれども、そういうところになっていますよと、しっかりしてくださいよということを申し上げておるんですが、このことについて改めて大臣の強い決意をこの委員会できちっと出していただいて、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/162
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163・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 日ごろ、御指導またお力添えを賜っておりましてありがとうございます。先日お触れいただきました育成医療の際もそうでございました。今日また医療費の将来について御心配を賜りました。
一言で言いますと、これまあ既にお話しいただいたとおりでありまして、記者会見でも述べておるわけでございますけれども、これまでの私どもの主張を変えたものでは全くございません。今私どもと申しましたのは、厚生労働省としても、それから私としてもでございます。
どうしてこういう新聞記事が出るのかよく分かりませんけれども、逆に言うと、先生もこういうふうにして外堀が埋められていくのではないかと、こう言われました。私どもからすると、思っていないわけでございますから、私がそのような指示を出すこともありませんし、また私どもの主張ではないということを改めて申し上げたいと思います。
ただ、今後恐らく経済財政諮問会議などを中心にしてこれについての議論というのは進んでいくと思いますから、私どもは私どもの主張を貫いてまいりますし、主張をしてまいりますということを改めて申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/163
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164・草川昭三
○草川昭三君 以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/164
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165・遠山清彦
○遠山清彦君 同じく公明党の遠山清彦でございます。短時間の質疑になるかと思いますが、お伺いをしたいと思います。
まず最初に、地域生活支援事業についてでございますけれども、これは、サービスが一元化される市町村におきまして、それぞれの地域の実情に応じて相談支援とか医療支援、あるいは手話通訳、日常生活用具の給付等々の事業をする、それを一括して呼称している事業になるわけでございますが、まず私の最初の要望といたしまして、これは答弁要りませんけれども、それぞれの市町村でこの地域生活支援事業の中身を、あるいは予算配分を決めていくときに、障害者の皆様の声をやはり真摯に聞いて、それをなるべくそれぞれの地域において反映をしていくように厚生労働省としても周知徹底をしていただきたいということでございます。
それで、質問の方でございますけれども、通常はそれぞれの市町村が単独でこの地域生活支援事業をやっていくということを想定されていると思いますが、地域の事情によっては、市町村が共同で実施をしたり、あるいは都道府県が広域的に実施することも許容されるというふうに理解をしております。
で、御質問ですけれども、どういう事情がある場合にこういう広域化が望ましいのか。何か人口規模等の目安があるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/165
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166・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
人口規模などは考えておりません。市町村の方の御希望なり実施体制の整備の状況、あるいはリーダーとなる市町村があるとか、様々な御事情があると思いますので、二つの方式を考えております。
一つは、関係市町村の意見を聞いて都道府県が市町村に代わって地域生活支援事業の一部を実施することができる、言わば都道府県が取りあえず市町村の肩代わりをするという形で、これは自立支援法の七十七条二項でございます。あと、地方自治法に基づきまして、これは市町村が仲間を語らって複数の市町村が連携を図って広域化して実施するということで、正にもう市町村が一番やりやすいことを念頭に置いておりますので、人口の条件などは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/166
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167・遠山清彦
○遠山清彦君 分かりました。
大臣、これも質問でも何でもない、答弁要らない、私の感想でございますが、私は、今回の法案で悪いところばかり委員会では野党の先生方を中心に言われているわけですけれども、非常に今回の法案で優れている点は、やはり今まで市町村に障害福祉計画の策定が義務付けられていなかったと、今回の自立支援法が可決をすれば初めて市町村が障害福祉計画というものを策定することになるわけですね。
ですから、今まで例えば市長さんとか県知事が非常に障害者福祉に熱心なところは独自にそういうことをやってきたわけですけれども、しかし国の法律で義務付けられていませんから、全く不熱心な自治体はやってこなかったんですね。今回の法案が通れば、初めてそれぞれの自治体で障害福祉計画を作る。その中で裁量的経費でやる分、それから義務的経費でやる分も含めて、それぞれの市町村が地域の実情の、実態を把握して、障害者のニーズを把握して、そして計画を決めていくと。このことだけじゃありませんよ、このことを考えても、私は今回の自立支援法案というのは非常に障害者福祉を前進させることだというふうに思っております。
それで、この地域生活支援の事業の中に手話の通訳のサービスがございます。私、ここでお聞きをしたいのは、聴覚障害者にとって非常に重要な役割を果たしているこの手話通訳サービスが市町村によっては財政的不安があって確保が困難となる事態があるのではないかという声がございますけれども、厚労省としてこういうことがないようにするためにどういう取組をされるおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/167
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168・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 手話通訳事業、実施されておりますけれども、これもメニューはございますが、必ずしも全国の市町村で実施されているわけではないということでございます。
それで、こちらの事業は今度、地域生活支援事業として法定化し、市町村が必ず行わなければならない事業となり、国はそれで、今先生からお話のあった障害福祉計画に盛り込んでいただきますと、国は予算の範囲で費用の二分の一の補助をすると、こういうふうになっておりますので、従来よりも財政基盤が安定いたしますので、市町村の方がニーズを踏まえて手話通訳事業ということを地域生活支援事業の中に盛り込んでいただけるのではないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/168
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169・遠山清彦
○遠山清彦君 ありがとうございます。
それから、関連して、聴覚障害者団体の皆さんから、現在、全国で三十か所にある聴覚障害者情報提供施設を更に拡大をしてほしいという声があるわけでございますけれども、私も、今の御答弁に関連をいたしますが、手話通訳者の確保を確実にしていくということを考えれば、すべての都道府県にこの情報提供施設というものを設置をして、そして要請があれば手話通訳の派遣をしっかりとやっていくということが必要ではないかと思いますが、この情報提供施設の拡大について御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/169
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170・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 平成十四年十二月に閣議決定されました障害者基本計画で、全都道府県に設置を目指すとされております。委員からお話のございましたように、現在三十か所ですが、来年度三十五か所まで増える見込みでございます。
これらの整備につきましては、地域介護・福祉空間整備等交付金で施設の整備を図っていくということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/170
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171・遠山清彦
○遠山清彦君 是非対応方をしっかりよろしくお願い申し上げます。
続きまして、大臣にちょっと伺いたいというふうに思いますけれども、昨今、大臣御存じのとおり、IT技術が大変に進歩しておりまして、特にデジタル通信技術を使った情報提供、これは聴覚障害者を対象としたものを例に取ってお話をさせていただきたいと思いますが、例えば宮城県においては、現在、県庁の受付にテレビ電話を設置をいたしまして、この民間会社との通信ネットワークを通じましてオンラインで同時手話通訳のサービスを提供をしております。その結果、聴覚障害者の方が来庁したときに、人間の手話通訳がその場にいなくてもテレビを介してこの窓口担当者と会話を円滑にするようなことができると。同様なサービスは、宮城県内においては病院でも実験的に導入をして、診療に関することをお医者様と聴覚障害の患者の方がやっていると。
また、私がこれは聞いた話ですと、最近は聴覚障害者の方も携帯電話の普及でメールなんかを使ってかなり通信のやり取りをしているそうでございますが、その携帯電話を売っている民間の事業者さんも、窓口にそういう方々が来たときに、社員で手話ができる人がだれもいなくても、その機種の説明とかをその宮城の民間会社とオンラインで通じてやってもらえるというようなサービスをやっているということでございまして、私も実はこういうサービスをやっている企業なんかを実際回りまして、目の前で実演をしていただいて、大変にこれはすばらしいことだなというふうに思った次第でございます。
また、今ブロードバンドが普及をして、しかもIP電話でやりますと通話料がただというメリットを生かして、この会社はハワイにも手話通訳者を一人置いているんですね。その結果、時差がありますので、日本で真夜中でもこの手話同時通訳サービスが必要な聴覚障害者はハワイにいるその手話通訳者を使って、そして日本の必要な病院だとかそういうところとも連携取れるということで、通話料が海外でもIP電話ですからコストがゼロということで安い料金でサービス提供ができるというようなことを現実に見ました。
そこで、聴覚だけじゃなくて、視覚障害者の方もそうですけれども、今後のいろんな行政サービスの中で、こういう進歩したIT技術あるいは通信ネットワークというものを使って、いろんな行政の相談窓口とか受付にも利用が拡大できるように厚生労働省としても取り組むべきではないかと思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/171
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172・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) コミュニケーション支援に関する様々なサービス提供の仕組みを整備することは、聴覚に障害のある方のみならず、障害のある方と接する多くの方々にとって大変重要なものであると考えております。
今、具体的にテレビ電話における手話通訳サービスの普及などのお話もございました。こうした日常生活上の便宜を図るための用具を給付又は貸与して社会参加を促進することを目的として日常生活用具給付等事業ということで実施をしておりますけれども、障害者自立支援法案におきましても地域生活支援事業としてこれを法定化して、市町村が必ず行わなければならない事業の一つとして位置付けたところでございます。
御指摘にございましたテレビ電話機につきましては、聴覚障害者に配慮して設計されたものもございまして、現行法においても給付が可能なものもございます。現在、補装具等の見直しに関する検討委員会を設置して、新しく対象品目として取り入れる際のルール作り等を行うこととしておりまして、御指摘のように、障害者の情報コミュニケーション支援に資する機器についても時代に合ったものになるように検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/172
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173・遠山清彦
○遠山清彦君 大臣、ありがとうございます。私が質問の中で言い忘れた部分も含めて御答弁いただきましたけれども、要は、今、テレビ電話、いや、私が忘れたんです。
要するに、テレビ電話の普及が非常に大事なんですね。これは、今コンピューターが発達していますから、家でパソコンがあってブロードバンドつながっている聴覚障害者の方は、ビデオカメラを取り付ければ自宅でこのサービスを利用することができるようになると。また、それとは別途、テレビ電話を自宅に設置をしたりあるいは職場に設置をすることでこれが普及をするんですが、今大臣が正におっしゃっていただいたように、現行法の中で日常生活用具給付事業の対象に盛り込まれていないこのテレビ電話というものもございまして、従来はずっと聴覚障害者なんかはファクスを買うときは補助を受けていたわけでありますが、これからはやっぱりファクスではなくてこういったテレビ電話ですね、それも文字情報だけのものではなくて、手話でリアルタイムで相手と会話できるようなサービスを提供する方向で是非とも御検討をいただきたいということを確認の意味も込めて要望申し上げて、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/173
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174・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 答弁はよろしいですね。遠山さん、答弁はいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/174
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175・遠山清彦
○遠山清彦君 答弁は結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/175
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176・小池晃
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
今日ここにお持ちしましたのは、この自立支援法に反対する皆さんから寄せられたファクス、手紙。大臣、ちょっと見てください。もう本当に、すべてではない、一部ですけれども、持ってまいりましたけれども、それぞれの議員の部屋に、同じようだと思いますけれども、こういうのが寄せられてきています。これはもう全部点字のものなんですね。
やはり、一つ一つの要望書の中に、特徴としてはやっぱり一人一人の皆さんの思いが本当に具体的、克明に語られている。それは本当に、普通のこういう法案審議ではないような、やっぱりこの法案が通ったらこんなふうに自分の暮らしがゆがめられてしまうんだと、生きていけないんだという叫びが寄せられているんですよ。
今日も国会の周りには本当に座込みの人たちが多数詰め掛けておられる。こういう中で、本当に短期間でこういう重大な法案を通していいのかという怒りが今渦巻いている中での法案審議ですので、しっかりそういった人たちに対して責任を持って答えていただきたいということを冒頭申し上げたいというふうに思います。
そこで、精神保健福祉法三十二条の問題であります。
通院公費負担制度が廃止されると現在五%の本人負担というのが一割負担になってくる、家族に所得税三十万円以上の収入があれば三割負担になる、こういう仕組みでありますが、大臣、ちょっと大きな話でお聞きをしたいんですが、精神障害者の社会復帰や地域生活を支えるために作られた三十二条であるし、大きな役割を果たしてきた。これを廃止するということは、正に入院から地域へというこの大きな政策方向に逆行することになるんじゃないかと、この根本問題に答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/176
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177・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のこの精神保健福祉法第三十二条は、精神障害者の通院医療費の公費負担に関する規定でありまして、昭和四十年の改正において創設されたものでございます。
これは、昭和三十九年七月の精神衛生審議会の答申も踏まえまして、当時の精神医学の発達により、精神障害の程度によって必ずしも入院医療を要せず、通院による医療を施すことが効果的となった事情にかんがみまして、精神障害者につき通院に要する費用を公費負担とすることにしたわけでございます。この昭和四十年の制度創設以来、この精神保健福祉法第三十二条は精神障害の適切な医療の普及を推進する役割を担ってきたと考えております。
したがいまして、その趣旨について今回の見直しにおいても変わりはないものでございます。今、廃止するというお話がございましたけれども、今回の見直しにおいてもその趣旨は変わりがないということを申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/177
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178・小池晃
○小池晃君 しかし、実態はどうか。私、精神科のデイケア利用されている方にお話聞きました。デイケアに定期的に通うことが社会復帰の第一歩になっているんだと、ところがこの日数減らすしかないというお話をお聞きしているんです。
ある二十代の女性で、家族と同居されて、年金が三級、まあ月五万円弱ですね、こういう方ですが、今、二十日前後デイケアに通っていると。精神科以外の通院も含めて一か月の医療費が約一万円、携帯電話一万円、家に食費として五千円入れると。残りの約二万円で暮らしていらっしゃると、一週間五千円だと。洋服代、化粧品代、食費、交際費、雑費、もうぎりぎりだと。洋服は千円以下のものを探して買っていると。急な出費、例えば風邪引いて病院に行くとなると、友達に会うこととか携帯電話控える、そんな努力されているし、もしもここで通院公費制度なくなれば、デイケアの回数減らすしかないんじゃないかとこの方はおっしゃっている。生きる支えがなくなってしまうというふうに聞きました。
ある精神科病院の試算では、デイケア十五日利用の標準的なケースで、診察、薬代合わせて現在五%負担で六千九百八十円、これが一割負担で一万三千九百六十円、もし三割負担なら四万一千八百八十円、上限もちろんありますが、そういう仕組みになって、年金に占める割合も、今一〇%台が一割負担で二一%、三割負担だと六三%ということになってしまう。
改めて、三十二条の趣旨変えていないと大臣はおっしゃるんですが、デイケアの回数減らす、通院中断するということになれば、これは症状悪化することは必至であります。そうすれば、正に社会復帰を目的にしたその本来の目的に反することになる。その趣旨を生かすと言うけれども、結局実態としては、やはり精神障害者の社会復帰、地域生活、これをもう本当に阻害することになるんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/178
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179・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 再三申し上げてきたことでありますけれども、そういうことにならないように御負担を所得に応じて軽くしなきゃならないということで、これまでも御説明申し上げてきましたようなそれぞれの軽減措置を講じてきたところでございます。
したがいまして、私どもはそういうことにならないように軽減措置をとったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/179
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180・小池晃
○小池晃君 軽減措置とったとおっしゃるんだけれども、例えば、重度かつ継続というカテゴリーを設けてその負担の軽減を図っているということもおっしゃっております。
ちょっと参考人に聞きたいんですが、統合失調症、狭義の躁うつ病、難治性てんかん、三疾患に限定したこの根拠、これを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/180
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181・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) この三疾患でございますけれども、この重度、継続といいますのは、長期間にわたりまして継続的にかつ相当額の医療費が掛かるという疾患でございまして、それにつきまして、今議員がおっしゃいました三疾患を中心に現在検討会において論議をしていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/181
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182・小池晃
○小池晃君 だから、その三疾患にした根拠を示してくれって言っているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/182
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183・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) これらにつきましては、入院期間あるいは掛かりました医療費など、資料に基づいた検討が現在検討委員会で行われているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/183
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184・小池晃
○小池晃君 今の検討のことを聞いているんじゃないんですよ。三疾患示したわけでしょう。
私、資料でお配りして、皆さんのところにあると思うんですが、何でこの三疾患に限定したのかという根拠として、厚労省が私のところへ届けてきた資料がこれです。
要するに、レセプトを抜粋して医療費総額の四分の一占める高額なレセプトを抽出すると統合失調症が七〇%だと、アルコール依存症が八%、躁うつ病が五%、アルツハイマーが五%。これしか根拠持ってこないんです。これじゃ三疾患に限定する根拠にならないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/184
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185・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) この資料につきましては、御協力をいただける都道府県から得られましたレセプト、このうちで医療費総額の四分の一を占める百四十六件でございますが、その百四十六件の原因疾患、これを見てみますと、ここにお示ししたとおりの数字になったわけでございます。
一方で、やはり継続的に医療をするということであれば外来数も多いだろうということから、患者調査によりまして、外来患者数ということを見てみますと、統合失調症系の疾患が二三・七%、それから躁うつ病系の疾患が三〇・五%、それからあと神経症系の疾患が二二%、てんかんが一一・二%、こういうことがございました。
今、先生がお示しいただきました資料、これは厚生省のそもそも検討の当初に考えた資料でございますが、百四十六のケースのうちの五%といいますと十例も満たないということでございますので、総合的に考えまして、やはり通院されておること、これが患者調査に出てまいりますので、それと総合的に考えまして、社会保障制度審議会の障害者部会に統合失調症、狭義のうつ病、それから重度のてんかんと、この三疾患を昨年の十二月に御提示を申し上げたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/185
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186・小池晃
○小池晃君 今の説明、全く科学的に成り立っていない議論ですよ。なぜこの三疾患が高額な医療費が掛かるのか、全くそういう説明になっていないんですよ。
一方で、その二枚目めくっていただいて、先日の検討会に日精協、日本精神科病院協会が出した分析では、要するに疾患カテゴリーで特定できるエビデンスはないんだと、疾患カテゴリーによる範囲設定は公費負担医療における不公平を生み出すことになるというふうに言っている。実際にその診療に当たっている団体からこういう意見も出ている。
この結果、この日精協のこういう見解についてはどういう考え方をお持ちなんですか、厚労省としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/186
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187・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 現在、このような御見解も含めまして検討会で御協議いただいて、御相談をいただいておるところでありますけれども、私たちといたしましては、やはり資料に基づいた御論議をしていただきたいということから、日精協が出されました資料につきましても、平均入院期間ですとか医療費ですとか、そういうものも入っておりますので、更に御意見を深めていただきたい、御協議をいただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/187
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188・小池晃
○小池晃君 資料に基づかないでたらめな提案しているんですよ。今ごろ資料に基づいて検討するのは遅過ぎるんですよ。それをあいまいにしたまま法案だけ通すなんてこと許されるんですか。
大臣、これ、三疾患に限定することは合理性ないと、不公平性を生む危険もあると、ここまで言われているんですよ。ところが、こうした患者の負担を増やすということを、言わば厚労省が当初示した提案に対する重大な異論が出ているにもかかわらず、それを無視して見切り発車しようとしている。こんなこと許されるんですか。こういう重大な問題をまず解決することこそ先決じゃないですか。
私は、この問題についてのはっきりした結論を出すまで、この精神公費通院制度の廃止ということは延期すべきだというふうに考えますが、大臣、いかがですか。大臣に答えていただきたい。大臣、いいよ、もう、大臣答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/188
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189・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもうこれまで何回も申し上げてきたことでありますけれども、今度の障害者自立支援法を作るに当たりまして、無理のない御負担でお願いをしたいということを考えてきました。
そこで、医療費は特に、その他の福祉のサービスにつきましては、完全に所得に応じてというところでの上限額を引いてきましたけれども、医療は、一定の収入がおありであっても、やはり定期的に医療費が掛かるというのは家計に大きな影響が出ます。そこで、所得税額で三十万円未満の方であっても重度かつ継続ということであれば一万円までの上限をする、それ以上どんな大きな所得がおありの方であっても、これはまあ経過措置と言ってはおりますけれども、負担上限額を二万円にして御負担いただこうということを仕組みとして作ったわけでございます。そうなりますと、今議論していただいております重度かつ継続とは何ぞやという話になるわけでございます。
私も専門家でございませんので、多分そういう御主張を先生もしておられるのかなと思ったりもいたしますけれども、症状で判断するというのがいいと思っておりました。当初そう思っておりました。そこで、専門家の皆さんにお集まりをいただいて御議論いただきましたら、どうもそういうことでもない。それ大変難しい判断だ、作業だということで、疾病で決めようということにこの専門家の皆さん方の御意見が集約されてまいりました。今お話しいただきました団体の皆さんも当然この専門家のメンバーでございますから、私が承知いたしておりますところでは、当初はそういう御意見であったようにお伺いもいたしております。ただ、最近また御意見が変わってきたというようなことのようでございます。
申し上げておりますのは、専門家の皆さんの、一つの団体の御意見もぶれたりいたしますし、またそれぞれの皆さんの御意見がいろいろありますので、とにかくまず皆さんの総意がきっちり固まったところからやっていかざるを得ませんので、それじゃまずその専門家の会議の皆さんがおっしゃる今の三疾病、これはまず間違いないだろうというところで今三疾病ということを言っておりますけれども、今後ともこの専門家の会議の皆さんの御議論はいただきますし、そしてまた、皆さんの御意見がこれに加えるべきだということであれば当然加えていくわけでございますので、この作業を進めさせていただきたいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/189
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190・小池晃
○小池晃君 順序があべこべなんですよ。今の大臣おっしゃった話は、法案作るときに既にやらなきゃいけない話なんです。そこをしっかり固めた上で出してこないからこういうことになるわけで、これ、私ここが、本当に拙速なやり方がここに象徴的に表われていると。こういう大事な問題、だって、これに当たるかどうかで一体どれだけの負担になるか、全く変わってくるわけですからね。
こういうことがもうあいまいになったまま法案だけ決めて見切り発車するというのは、本当に余りにも当事者に対しても無責任なやり方だというふうに思うんです。
しかも、もう一つ問題にしたいのは障害程度区分判定モデル事業の問題です。
これ、もう何度も問題になっていますが、二次判定で大幅に修正されている。そもそも、この一次判定のソフトで大幅な修正をせざるを得なくなっているということは、高齢者介護の要介護認定の仕組みを、そのロジックを障害程度区分の中に持ち込むこと自体に無理があるということを示すものじゃないですか。参考人、お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/190
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191・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) この認定につきましては、前年度にその七十九項目の妥当性について調査いたしまして、検討いたしまして、この七十九項目では難しいだろうということで、二十七項目も加えましてその七十九項目を修正しようということで実施いたしておりますので、スタート、出発点がそもそも七十九項目の一次判定を直すという前提の作業をしようということで、まず一次判定を七十九項目でやってみて、それで二十七項目と主治医意見書と特記事項でどれだけ二次判定で直るかということを行った上で、二十七項目で、どれだけその二次判定の結果と二十七項目の追加の結果でロジックとして一次判定の判定ロジックを組み替えることができるかということをやるために実施しているわけでございます。
そういった意味で、小池委員おっしゃるとおり、その七十九項目では駄目だというところからスタートしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/191
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192・小池晃
○小池晃君 駄目だというところからスタートしたと、二十七項目加えたと、今回の結果踏まえてロジック組み直すと、それは分かりました。
ということは、今回のモデル事業の結果踏まえてロジック組み直して、実際の認定に使用する前にはもちろんもう一回実際のモデル事業を行うわけですね。そこをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/192
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193・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今、そういったことでロジックの組替えを行っておりますので、そういうことにつきましては有識者の方とも御相談しながらその検証と、新ロジックの検証ということをやってみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/193
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194・小池晃
○小池晃君 それはモデル事業をもう一回やるということですね。もう一回、その実際に新しく作ったロジックによって実際の障害者の障害程度区分の認定やるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/194
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195・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 検証の方法等も含めまして専門家の方と御相談してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/195
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196・小池晃
○小池晃君 やるとは言わないんですね。これは、私、役所の方に聞いたら、やる予定ないというふうにおっしゃっていた。
これ、本当にひどい話で、車に例えたら最初の走行試験で欠陥車だともうはっきりしているんですよ。ここは直しますというふうに言っているんだけれども、四月から実際にもう始まるわけですから、実際それがどういうふうに直されるか試しもせずに公道を走らせるということなんです。こんなこと、大臣、いいんですか。今回のモデル事業でほとんど半分修正しなくちゃいけないような実態なんですよ。新たに二十七項目ので、そのロジックで組み直すわけですよ。それを実際に試しもしないで四月からの認定に使うというんですよ。こんなことが許されるんですか。介護保険のときだっていろいろあったけれども、一回組み直したら、もう一回、小規模だったけれどもモデル事業やったりしているんです。しかも、今回のモデル事業というのは対象者わずか千八百人ですよ。これから認定しようとしている障害判定の対象者というのは三十六万人だというふうに聞いていますから、わずか〇・五%のサンプルでやっているんです。
こういう形で、実際に大問題であることが明らかになっている。直すとおっしゃるのであれば、私は、しっかりもう来年の四月からこれやろうとしているなんてとんでもない話で、十分に実際にもう一回その判定ソフトを使って試行事業を行って、果たしてその新しいロジックというのが、高齢者介護ではなくて障害者の程度区分の判定にも妥当性を持つものなのかどうか、合理性を持つものなのかどうか、それを検証してから実際行うというのが筋じゃないかと思いますが、いかがですか。
私、これ重大問題で、大臣は必要なサービス打ち切らないとおっしゃっているんです。しかし、この障害程度区分というのは、ここ、入口ですから、ここで門前払いされたら必要なサービス受けられなくなっちゃうわけでしょう。これ、制度の根幹にかかわる問題ですよ。こういうことで、こんないい加減なやり方でいいんでしょうか。私、大臣にはっきりその点、お答えいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/196
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197・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) まあちょっと、今の例にお出しになったことと直接的に同じということではありませんけれども、やはり介護保険の場合でも一次判定、二次判定、必ず違います。それはもう違うのが当然であります。同じである方が私はおかしいと思っております。
今度の場合は、今先生が言っておられるのは、ロジックを変えたことによる変更だから、これはまあ、ただ、介護保険の一次判定、二次判定が違うということとは違うんだというふうにおっしゃるんでしょうけれども、いずれにしても、ロジックを変えようと変えまいと、やはり判定を変えるとどうしてもその判定結果が変わるというのはごく自然なことだというふうに思っております。
ただ、今度のことは、今先生もお触れになっておりますように、新たに項目加えておりますから、その項目加えたことによることがどうなんだというのは、しっかりまた検討しなきゃならないわけでございますが、私は、今先生がおっしゃったように、違うからということで、まあ今後のことに心配がありというふうには実は思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/197
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198・小池晃
○小池晃君 いや、認識、それ改めていただかないと、五〇%二次判定で変更しているんですよ、ちょっとやそっとじゃないんですよ。二次判定があるからいいんだというのは余りにも乱暴な議論で、一次判定で一定の合理性、妥当性ある結果出なければ、それは二次判定で正確な判定なんかできませんし、しかも二次判定の地域の市町村審査会に知的障害者、精神障害者、身体障害者の実態分かる人が果たして配置されるのか、そんな保証全然ないんですよ。そういう中で、一次判定のソフト、今からもう本当に作り直すような段階なのに来年の四月からこれを動かし始めると、こんなことが許されるのかと私はお聞きしているんです。
大臣、率直に言ってどう思います。余りにも乱暴じゃないですか、こういうやり方は。どうですか、大臣。大臣、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/198
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199・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 先ほど変更率五〇%というお話が出ておりますが、さっき申し上げましたように、それは七十九項目の変更率でございますので、それを踏まえて、それを直すためにやっているわけで、委員も分かっておられるようでございますが、そういうことでございます。
また、介護保険の今の変更率も、一次判定と二次判定と、二、三割の変更率があるわけでございますから、大臣から御答弁申し上げましたとおり、変更率があるということが一次判定のその妥当性、それだけで論じていただくのもいかがなものかと思いますので、私ども、新一次判定を作るということは、作るということは正にいろんな意味で検証作業をするわけでございますので、その検証作業をした上でお出しをしたいということを御答弁しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/199
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200・小池晃
○小池晃君 私も、変更率が少しでもあったら駄目だなんて言っていないですよ。五〇%と二〇%、三〇%、全然違うんですよ。五〇%は変更しなきゃいけないというのは、もう一次判定やらなくてもいいぐらい、関係ないんです。だから、それは分かっていますよ。だから、七十九項目だからそうなるんでしょう。
しかし、これから二十七項目加えて新しいコンピューターのソフト作るというんじゃ全く新しいロジックが、作るような作業になるわけですよ。ところが、四月からやるというんです。余りにも乱暴じゃないかと。それだけの作業をするのであれば、作り上げたもの、全くその今の七十九項目とは違うコンピューターのソフトになるんでしょう。それをまず試してみて、本当にそれが高齢者介護でなくて精神障害者、知的障害者も含めて程度区分が判定できるソフトになるのかどうか検証しなければ、私は余りに無責任ではないかと言っているんです。こういう問題を置き去りにして、法案だけ決めて四月からスタートすると。こんなことが許されるのかと聞いているんです。大臣、答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/200
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201・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 局長からもお答えしておりますように、項目加えたらどうなるかということを検討したわけでございますから、その加える前と加えない後ということでいろいろまた変化が生じるというのは当然だというふうに思うわけでございます。
そして、介護保険の私どもは経験もありますから、この要介護認定とは項目も今申し上げているように変わってくるわけでありますが、基本的にやはりこうした認定作業ということについては既に経験もあるわけでありまして、その経験に照らし合わしてやれるというところもありますし、今からの作業で十分間に合うというふうに考えております。
いずれにいたしましても、検証しますということを申し上げておりますし、有識者の皆さんにも御相談するということも申し上げておるわけでございますから、おっしゃるように、乱暴なことをするということではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/201
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202・小池晃
○小池晃君 高齢者介護の経験でやられたら困るんですよ。全然違うんですよ。本当に、私、こんな短期間でコンピューターソフト作り直すところから始めて実際動かす、実際の認定やるわけですから、四月から。これは余りにも乱暴だと。こういうことをまず徹底的に議論し、検証することこそ、私は障害者の皆さんに対して責任を果たすことになるということを申し上げたいと思うんです。
さらに、財政が厳しいから制度を維持するために患者の負担を増やさなきゃいけないというふうに大臣、繰り返し述べていますが、今回の患者負担増によって国の財政に出る影響というのは年間二十九億円だと。精神通院公費の問題での影響は二十九億円だと聞いております。
保険局長に聞きたいんですが、うつ病の治療薬として広く使われているパキシルという薬があります。これ、二〇〇〇年に薬価収載されましたが、これ、薬価算定時の薬価と現在の価格、二十ミリグラムで説明していただきたいのと、あと、開発国イギリスですが、イギリス、フランスでは薬価幾らなのか、お示しいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/202
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203・水田邦雄
○政府参考人(水田邦雄君) お尋ねの抗うつ剤でありますパキシルでございます。平成十二年十一月に薬価収載されたものでございまして、薬価算定の基準となりました二十ミリ錠で見ますと、収載時の薬価は二百八十八・八円となってございます。その後、市場実勢価格に基づく薬価改定が行われまして、収載時より約一〇%引き下げられておりまして、現在の薬価は二百五十八・五円となってございます。
このパキシル、収載時の外国価格でございますけれども、イギリスは九十八・四円、フランスは九十四・九円でございますが、ちなみにアメリカで申しますと二百四十七・九円、ドイツでは二百三十四・五円と、このようになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/203
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204・小池晃
○小池晃君 アメリカというのは自由価格の国ですから余り参考にならないと思うんですが、ドイツも参照薬価制度の影響なんかもあるかもしれませんが、これ、開発国はイギリスなんですね。輸入している薬なんです。日本でつくっているわけじゃないんです。それが、イギリス、フランスでは九十円台が日本では二百六十円、二倍以上なんですね。
このパキシルの売上高というのは、二〇〇四年度で四百二十億円であります。これ、もしも半分にしたとしたら二百十億円の医療費の節約ということになる。今回の公費負担制度で国が負担を減らすのは二十九億円です。医療に対する国庫負担の比率で見れば、これ、国の負担分だけでも、もしこの薬価半分にするだけでも三十億円超える節減になる可能性があるというふうに私は思うんですね。もちろん、これだけで財源を生み出せとは申しません。しかし、大臣、やっぱりこれだけ厳しい声が上がっている中で、財源の問題を言うのであれば、こういうところにもしっかりメスを入れると。このパキシルというのは、実は類似薬から算定した薬価というのはもっと低かったんです。実はメーカーは百五十円ぐらいの薬価を提示したんです。ところが、アメリカ高いものだから、外国薬との平均方式というやり方になって上がっちゃっているんですね。こういうでたらめな仕組みになっているんです。
私、こういったところ、しっかりメスを入れる余地まだまだあるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/204
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205・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 私はそのとおりだと思っております。そして、今度の医療改革、医療制度改革の中でそうしたところもしっかりとメスを入れなきゃいけないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/205
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206・小池晃
○小池晃君 入っていないんですよ。実態としてはイギリス、フランスの二倍以上の薬価が放置されているんですよ。メス入っていないじゃないですか。
あるいは更生医療や育成医療にかかわる問題として言えば、心臓ペースメーカーの問題がありますが、この心臓ペースメーカーのイギリス、フランスと我が国の価格差は今どうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/206
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207・水田邦雄
○政府参考人(水田邦雄君) 欧米諸国におきますペースメーカーの販売価格についてでございますけれども、実はこれを網羅的に把握した調査は存在しておりません。したがいまして、お求めの比較というものをきちんとして行うことは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/207
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208・小池晃
○小池晃君 でも、以前示している数字があるでしょう。それをお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/208
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209・水田邦雄
○政府参考人(水田邦雄君) 平成八年に日本貿易振興会、ジェトロでございますけれども、これが現地における限られた医療機関からの聞き取り調査をやっております。それを基にいたしました販売価格の推定値というものを出してございますけれども、それによりますと、アメリカでは六十万から七十万、イギリス、ドイツはその半分程度、フランスでは四十万から五十万となってございます。その当時の我が国の保険償還価格は百六十万から百七十万でございましたけれども、これにつきましては、内外価格差、いろいろ言われております。厚生労働省といたしましてもその是正に取り組んでいるところでございまして、現在の価格は百十六万から百四十八万と、このようになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/209
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210・小池晃
○小池晃君 でも、下がったといっても二倍、三倍なんですね。そこは同じ意見だとおっしゃるのであれば、私は、こういう患者さんから本当に悲鳴のような声が上がっているときに財源の問題を言うのであれば、やっぱりこういったところにこそ切り込んで、こういう患者に負担を押し付けるようなやり方やめるという決断をすべきじゃないですか。大臣、いかがですか。大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/210
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211・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) ペースメーカーのこともよく話題になります。これは余り軽々に言ってはいけないんでありましょうけれども、私が聞いたころに、最初に聞いたころは、ペースメーカーの国内価格はアメリカの七倍だというふうに聞いたころがございました。それからすると今大分その差は縮まったようでございますが、しかし、やっぱり相当な、今お答え申し上げた数字で言っても大分差がある。この辺、私どもが何かをしなきゃならない。今先生が言っておられるようなことで進めていかなきゃならない課題の一つだというのはもう十分認識をいたしております。
したがいまして、先ほども申し上げましたように、来年私どもは医療制度の大きな改革をしようと思っておりますから、そうした中でこうした問題にも取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/211
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212・小池晃
○小池晃君 自立支援法の前にやらなきゃいけないこと一杯あるんじゃないですか。もっともっとメスを入れなきゃいけない部分、もっともっと改めなきゃいけない部分、たくさんたくさんあるんじゃないですか。そういうことをしっかりやらずに障害者にだけ負担を押し付けるようなやり方がやはり一番の怒りの私は原因になっているんだと思うんですよ。
ちょっと続けて、いろいろと重大な問題、まだ残されている問題たくさんあるので、ちょっとお聞きをしたいんですが、補装具についてですが、これは償還払いで大変な負担になるということが昨日の参考人質疑でも問題になっています。こんな償還払いという多額の負担をかぶせるというやり方をそのままにしていていいんでしょうか。ちょっと参考人の方どうお考えか、お聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/212
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213・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今度の自立支援法では、給付の中身といたしまして、介護給付、訓練等給付、自立支援医療などと、地域生活支援事業と並びまして、補装具ということで補装具の給付をするという仕組みになっております。
補装具の支給の仕組みは、市町村が本人に代わって、今、全額負担で後で償還するのではなくて、市町村が本人に代わって払う仕組みを導入しようとしますと、事業者をあらかじめ指定しなきゃならないというようなことがあって、利用者の選択の幅が限定されると。そういうことで、今回の法案では事業者の指定制を取らず、原則お求めいただいた補装具について償還払いとするという仕組みを取ったところでございます。
しかし、今委員からお話ありましたように、利用者の方が補装具を購入する際に一時的な御負担が過剰なものとならないよう配慮することも必要であるということを認識いたしておりますので、利用者の方が全額用意しなくてもよいような仕組みが工夫できないか、検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/213
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214・小池晃
○小池晃君 これは当然検討しなければいけないというふうに思います。
あわせて、更生医療のことについてお伺いしたいんですが、育成医療については激変緩和措置が設けられたと。私は、激変緩和措置といっても、これでも激変だというふうに思っておりますが、少なくとも十八歳未満については設けられた。しかし、十八歳以上の更生医療については設けられていない。
実例で言うと、三百万円の医療費が掛かった場合、現在は所得税課税世帯最低ランクで二千三百円が、改定されれば公費負担の対象から外れて、窓口ではいきなり全額支払わなきゃいけない、九十万円。八十万円高額療養費の分が戻ってきますけれども、最終的な負担は十一万円、五十倍を超えるわけです。
大臣、これ育成医療については激変緩和という判断をしたというふうにおっしゃるんですが、更生医療についても私は当然同様の措置を講ずるべきではないかというふうに考えるんですが、これいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/214
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215・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案におきましては、障害に係る公費負担医療制度について、申し上げておりますように、自立支援医療として再編をいたしました。そして、必要な医療の確保をしつつ、費用をこれはもう皆さんで助け合うという仕組みにするということで、また所得に応じた御負担もお願いしたいということを申し上げておるわけでございます。
そこで、育成医療についてはもう今お話がございましたので、あえてもう触れません。
今回の見直しによりまして、大人の方を対象といたします更生医療について今お話しでございますから、そのことで申し上げますと、更生医療を利用される方の中で、今まで以上の御負担をお願いせざるを得ない方もいらっしゃるのはもう事実でございます。ただ、申し上げておりますように、低所得の方でありますとか、先ほど話題にしていただきました、継続的に相当額の医療費負担が発生する方については、月当たりより低い負担上限額を設定をいたしておるところでございまして、私どもはそうした配慮をいたしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/215
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216・小池晃
○小池晃君 それでは不十分だと思うんですね。
先ほど議論の中で、育成医療の激変緩和措置に要する国費は二億円だというお話がありました。本当に国の予算全体から見ればわずかな努力でできる話で、更生医療だってその数倍の規模でできるはずなんですね。
私、これ高額療養費制度というのは償還払いですから、いきなり窓口で九十万円というような費用が徴収される。これは余りにも過酷じゃないだろうか。しかも、育成医療よりも更生医療の方が平均で見れば医療費掛かっている例も多い。医療費軽減の必要性、より高いんですから、私、せめて償還払いだけでもなくすというようなことも含めてこれ検討しなければいけない課題だと思うんですが、そこはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/216
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217・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど補装具のお話をなさいましたけれども、同じようなことが言えるというふうに思います。したがって、私どもの大きな意味での課題だというふうにはとらえておりますけれども、今のことでまずお答えいたしますことは、医療費の貸付制度などもございますから、そうしたものを御利用いただいて対応していただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/217
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218・小池晃
○小池晃君 貸付制度でやれというのはちょっと余りにひどいですよ。それじゃ対応になってないですよ。今まで二千円ぐらいで済んでいたんですよ、公費負担制度であれば。それがいきなり九十万円取られるということになるという物すごい過酷な負担増になるわけですから。
私は、激変緩和できない、せめて、その窓口でのやっぱり療養費払い、償還払いにしないというのは、先ほど補装具ではそういう措置も考える発言あったと思うんですが、その程度のことは、その程度のことはやるべきじゃないですか、せめてもの罪滅ぼしとして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/218
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219・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 今いろいろ御指摘がございまして、これからよく検討してみたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/219
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220・小池晃
○小池晃君 本当にこの法案ですね、いろんな問題点、私はまだまだあると思うんです。本当に審議時間、これでは足りないというふうに思うんですが。
ちょっと、最後になるかと思うんですが、議論させていただきたいのは、義務的経費になるから安定するんだという議論があります。義務的経費にすることは私たちも前進だと思っています。しかし、国の基準を超えれば市町村の負担になることは変わりないんです。やはり障害程度区分ごとにどれだけの補助基準になるのか。例えば、ホームヘルプについて今の基準に比べてどの程度の補助基準になっていくのか。やっぱりこれが示されなければ、幾ら義務的経費になるといっても、当事者の皆さん全然安心できないと。先ほど、下がることは多分ないでしょう。多分ないでしょうじゃ駄目なんですよ。どういうことになるのか。下がらないんなら下がらないんで絶対ないと。
例えば今の水準でも駄目だと思うんです。支援費制度を導入するときには、これ大体一・五倍、措置時代の平均一・五倍するようなそういう手だてを取っているわけですし、私はやはり、そういうことは明らかにせずに、例えばホームヘルプについて障害程度によってどの程度の補助基準にするのか、あるいは重度障害者の包括支援の場合どの程度の補助基準にするのか、こういうことを示すというのは私、最低限の法案審議の条件ではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/220
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221・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今度の見直しによりまして、今委員から御指摘のありました重度障害者等包括支援始め重度訪問介護等、その重度者に対する給付も創設することといたしましたし、それから事業につきましても日中と居住と分けるというような新しい新事業体系も創設させていただいております。
具体的にどういうサービス基準になるか、またその補助、したがって国庫負担の基準がどうなるか。まずそれについては十八年度の予算編成を踏まえる必要がございますし、その後、審議会あるいはその当事者の方々の御意見なども聞きながら来春をめどに決めてまいりたいというふうに考えておりますが、再三申し上げておりますように、実態調査の結果も分かってまいりまして、重度の方の分布等も分かってまいりました。今の国のホームヘルプの基準、二十二万円、月百二十五時間という基準の妥当性というようなことも考える時期に来ておりますので、現在の給付の実態、サービス利用の実態、これからあるべき方向、それから重度者に対する給付を創設したと、そういうことを踏まえまして検討してまいりたいと思います。
再三申し上げておりますように、現在サービス利用されている方々の水準が大きく変化生じないように配慮すると、適切な水準になるように検討するということはお約束申し上げているとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/221
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222・小池晃
○小池晃君 それじゃお約束にならないんですって。大きく変化することはないというふうに言われても、大きくというのがどういうものなのか、ぐっと下がって、いや大きくない、小さいというふうに説明するのかもしれないと。これでは本当に当事者の皆さん安心できない。昨日の参考人質疑でも、日本ALS協会の橋本操会長は、重度障害者の包括支援を行われるといっても、国庫補助基準の単価示されずに法案だけ決まることが、そこが不安なんですというふうにおっしゃっていた。
大臣、やはりこれ本当に皆さん不安がっている。法案の枠組みだけ決めて春に決めますよというのは、順番逆だと思うんですよ。まずどれだけのサービスが提供されるのかということをやっぱりイメージできるようなものを示して初めて、じゃ、その自立支援法で賛成なのか反対なのかという議論になるのであって、枠組みだけ決めておいて後から付いてこいと、これは本当に、全部まあ私に任せてくださいというふうにおっしゃるだけで、これでは当事者の皆さんは安心することできないというふうに思います。
私は、大臣、障害者の皆さんが本当に安心できるように説明する責任があると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/222
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223・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) ですから、今私どもは、まずサービスの質を下げるといったようなことはしませんということをまずお約束をいたしております。それからまた、そうした中で今後のことをやっていきますということは言っておるわけでございまして、その中の国庫負担基準などの今お話もございましたけれども、これについても今基準として示しております二十二万が妥当なのかどうかといったようなことも私どもの内部では検討を既に始めておるところでございます。
いずれにしましても、これは来年度予算に絡むものでありますから、予算がしっかり決まるまで私どもが明確に言えるというものでもないということは御理解いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/223
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224・小池晃
○小池晃君 実態調査に基づいて基準額決めるといっても、現状はそのサービス利用できない自治体も多数あるわけで、今の単純に標準的な利用量を基準にするということになると、御懸念いろいろ出ているように、下がる自治体出てくる危険性もある。
私は、やっぱりこういう問題、どの程度のサービス提供されるのかということについて、やっぱりしっかり示した上で国会審議やるという、順番が逆だということを申し上げたいし、いろいろとやっているんだとおっしゃるけれども、例えば政省令事項二百十三ある、もうちょっと時間なので質問にはしませんが、政省令事項二百十三の中身一切示されていません。しかも、昨日二百十三項目ということで資料が提示されましたが、これは五月の衆議院の厚生労働委員会に出たものと、世帯の範囲についてと育成医療の経過措置除けば、ほとんど一字一句変わってないものが厚生労働省から提出されました。五か月前と同じ資料を出してきているんですよ。余りにも無責任じゃないですか。
こういうやり方で国会の審議を正に軽視しているやり方については、私厳しく抗議したいと思いますし、障害者の生活を本当に左右する重大な政省令の中身が一切示されない、補助基準も示されない、そういう中で法案の枠組みだけ通してくれというのは、余りにも虫が良過ぎる無責任なやり方だというふうに思いますが、大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/224
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225・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 政省令の数というのはどの法律もそれなりの数を持っておりまして、この障害者自立支援法における政省令の数がほかの法律との比較において大きいものでもないというふうに思っております。それはやはり、法律で骨格を決めて、あと政省令で実際の作業をどうやってやっていくかというようなことを決めざるを得ないところがございますので、今度の法律もそういう意味ではほかの法律と同じような体系にしてあるということでございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/225
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226・岸宏一
○委員長(岸宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、坂本由紀子さんが委員を辞任され、その補欠として北川イッセイ君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/226
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227・福島みずほ
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
十月六日の厚生労働委員会におきまして私が質問したことについて中村局長が答えたことについて、まず御質問いたします。
中村局長は、サービスは買うものだと、みんな買う主体になる、やはり利用者の方もシェアできる範囲でコストをシェアしていただく、それが新しい福祉の考え方ではないかと答弁をされています。
買う主体になる、これが新しい福祉の考え方で障害者自立支援法案の根幹を成すものであると。だからこそ私たちは賛成ができない、廃案にすべきだと考えます。みんなが買う主体になる、障害者もサービスを買う主体になる、この基本的な考え方には様々な根本的な問題があります。サービス、そしてサービスを買う、買うわけですよね。
それでお聞きしたい。参考人から意見が出ました。トイレに行くのも益でしょうか、御飯を食べるのも益でしょうか、学校に行くのも益でしょうか、作業所に通うのも益でしょうか、子供、障害のある子供を学校にやることも益でしょうか、電話をすることも益でしょうか、駅に行くことも益でしょうか、全部益でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/227
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228・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
何といいますか、今言われた行為、行為であることは間違いありませんし、便益であるということ、あるいは日常生活の必須の行為であると、そういうことであろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/228
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229・福島みずほ
○福島みずほ君 日常生活に必須のこと、買う主体になるということはお金がなければ駄目です。日常的に必須のことをお金がなければ買えない。問題じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/229
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230・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 一般に、私どももそうですが、日常生活で必須なこと、電気やガスや水道や交通や、そういったことについて、生活のもろもろの費用については購入せざるを得ないと、そういう世界の中で生きているということであり、そういった意味では、何といいますか、様々な財とサービスに囲まれてやっており、基本的にはそういう財とサービスというのは購入されていると、そういうことでございます。
〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/230
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231・福島みずほ
○福島みずほ君 厚生労働省は障害者施策をやることを返上されたらいいと思います。
人は確かにガス料金、水道料金、そしてガスとの契約、供給契約結び、水道料金を払います。しかし、それと基本的に違うじゃないですか。公共サービスを何と考えているのか、それがこの法案で問われていることです。
タクシーに普通の健常者が乗る、そういう話ではありません。トイレに行ったり、御飯を食べたり、障害のある子供を学校にやる、そのことが益かと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/231
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232・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 病気になって医療を受けたり、要介護状態になってあるいは障害があって様々なサービスが、言わば福祉サービスが必要になる、医療サービスが必要になると、そういったことが起こります。そういうサービスについてもお金は掛かるわけでありまして、そういう医療サービスをつくるためのお金、それから介護のサービスをつくるためのお金、これは社会的に発生します。そういった仕組みの中で、社会保障制度でなければそれらのサービスについては全部サービスを使った方が払わなければならないというのが基本だと思います。
しかし、それでは困りますので、社会保障というのはそういったサービスについてみんなで支え合うということで、言わば第三者支払をするというのが社会保障の基本だと思います。その第三者の形が税財源であり、国家である場合もありますし、アメリカのように民間医療保険である場合もありますし、日本やヨーロッパの大陸諸国のように社会保険であるという国はあろうかと思いますが、いずれにしても、個人個人で全部そのリスクをしょっていては成り立たないので、そういうリスクの分散や、それから、所得格差で払えない方の場合に払う必要がありますから、所得の移転を行ってそういったことをならすのが社会保障制度だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/232
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233・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、厚生労働省の障害者施策の根本がもう間違っています。介護保険は保険制度です。保険制度で利用料を払う。しかし、障害のある人たちはそもそも保険制度では生きていけないんです。税金でやらなくちゃいけない。公共サービスがなければ生きていけない。お金がない人が多い。あるいは障害が重い人ほど就労支援が遅れて収入がやっぱりそれは低いです。お金がない人に対して、サービスはある、おまえたちは買えといって、買えないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/233
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234・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 申し上げます。
障害者サービスであれば税金でなければならないという決め付けはできないと思います。例えば高齢者介護も、昭和三十八年から平成十二年までは税の世界で行われてまいりまして措置制度でございましたし、税財源でございましたけれども、その同じ高齢者介護が介護保険制度といって保険が使われているということもあります。障害者の方について保険料が使われていないかといえば、生まれながらの障害のお持ちの重症心身障害児施設の費用は月八十万掛かりますが、五十万円は医療保険で支払われております。したがって、障害であるからといって税であるというふうなことはないと思いまして、選択の問題であろうかと思います。
障害者自立支援制度は税財源で行いますが、応能負担を取らないというのは、一方では、応能負担の国においては、所得があれば全額自己負担あるいは給付しないという、応能負担については選択制がなじむという性格もございます。障害者自立支援法案は、すべての障害者の方に税財源を使いながら契約に基づいて普遍的なサービスを保障すると、そういう形を取ったところが違うわけでございまして、そういう形態を取る中で、まずみんなで支え合う部分は、九割は支え合おうとしようということで、税財源で九割を保障することをまず基本とする。
そうしますと、利用者の方については一割の御負担をお願いしなければなりませんが、定率負担であれば青天井になりますので、負担の上限を付けるとともに、所得や資産に応じて様々な配慮を行うということによって一割の定率負担も実質定額負担になりますし、負担率については、言われているような一〇%の負担ではなく、低所得の方については、例えば六万六千円のグループホームの方についてはゼロ%の定率負担になるなどの配慮をしていると。
そういうことを込めまして、気兼ねなく応分の負担をすることで権利としてサービスが利用できるはずであると、そういったことが同時に費用を負担していただいているタックスペイヤー、納税者の理解にもつながるということでこういう自立支援法案を提案させていただいているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/234
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235・福島みずほ
○福島みずほ君 時間に制限があるので、答弁は短くお願いします。
気兼ねなく使えるとおっしゃいました。でも、はっきり言いますと、原則として応能負担を応益負担に変える。今まで障害者福祉と公費負担医療は社会福祉の扶助原理に基づいて応能負担を原則としてきた。これを応益負担にするわけです。移動するのにも、トイレに行くにも、子供を学校にやるにも全部払えと言われる。常に財布と相談をしながら利用しないといけなくなる。気兼ねばっかりしますよ。お金なかったら基本的に使えないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/235
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236・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 応能負担の問題点としては、以前の高齢者介護もそうでありましたように、所得がありますと非常に負担が重いというような制度にもなりますし、現実問題として、多くの国がそうでありますように、低所得者を対象とした制度となりがちでございます。すべての障害者の方にユニバーサルな給付を行うという視点から、費用を納税者と利用者がみんなで支え合うと、こういう考え方から、先ほど申し上げましたように、九割はまず税で保障するということを前提にした上で、さらに、利用者でお困りにならないように、それにきめ細かな天井を打つと、こういうことをやっているわけでございまして、諸外国は応能負担が原則だというようなお話もございますけれども、その代わり、そういった国では低所得者に対象者を限定しているというようなことも間々ありますので、そういった意味でむしろ契約で自由に使えるということを原則にした支援費制度を生かしながら、応能負担ではない九割を保障する自立支援法ということをお願いしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/236
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237・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、本当にがっかりくる答弁です。
じゃ、端的にお聞きしますが、障害の重い人ほどたくさん負担をしなければならない、応益負担の考え方は正にそうですね。だからこそ問題じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/237
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238・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 例えばホームヘルプサービスを使っておられる方の四割以上が月三万円以下の御負担であります。こういった方は今のそれで、所得層にもよりますが、そういった方はむしろ定率負担にした場合に従来の応能負担よりも負担が下がることがあると、負担が下がる例もございます。したがって、それが第一点。
それから、応益負担というか、定率負担にするとサービスが使うほど費用が増えるというお話がありますけれども、したがって上限制が付いているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/238
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239・福島みずほ
○福島みずほ君 上限制度があるということが基本的に問題ではない。減免制度があることが基本的な問題ではない。応能負担をこの法案によって応益負担に簡単に切り替えてしまう、そこが問題です。
障害の重い人ほどサービスが必要。つまり益。さっき局長は水道料金払うのと一緒だと言ったじゃないですか。それはひどいですよ。政治が何のためにあるかといえば、ハンディキャップがある人たちをスタートラインを同じにするためにこそあるわけじゃないですか。しかも、お金がない。お金がないのに払えと、すべて買手になれというのは残酷ですよ。障害者の人たちだって消費税を始め、所得税を始め、税金払っていますよ。根本的な考え方が間違っている。
厚生労働省は、福祉のことを考えて厚生労働省に入った人が多いと思います。なぜこんな法案が出てくるのか。命について軽視をしているじゃないですか。サービスを、サービスという言い方も変ですね。移動したり、御飯を食べたり、トイレに行くのに一々一々全部お金を払わなくちゃいけない。我慢しますよ。使わなくなってしまう。生き方を萎縮させてしまうからこそ、この障害者自立支援法案が問題です。そのことをちっとも、ちっとも分かろうとしない。無視しているか、分かろうとしない。その厚生労働省の態度には全く納得がいきません。
この委員会でも、例えばアスベストの問題、取り組んできました。ミサイル防衛計画は一千五百億円概算要求しています。厚生労働省のアスベストの概算要求予算はわずか十五億円、百分の一です。命のことを何と考えているのか。厚生労働省はがむしゃらに財務省からお金を取ってくる。それでいいじゃないですか。ミサイル防衛計画に何百億円もお金を払い、テロ特措法を延長し、そしてイラク特措法で何百億円とお金を使って、辺野古の沖に一兆四千億円掛けて海上基地を造る。命を殺すことに税金を使うべきではなく、命を生かすことにこそ税金を使うべきです。なぜ、つまり、このことで倹約できるお金はそんなに多額ではないんですよ。子供たちの医療費にしたってそんなに多額ではありません。それを削って、未来を閉ざしてどうするのかと思います。
まず、細かく聞いていきます。政省令が二百十三ありますが、一々ブランクになっています。
障害者程度区分について、四条四項、複数の区分とは幾つの区分ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/239
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240・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 障害者の程度区分、四条四項の省令は、障害者の程度区分を定める部分の省令でございまして、当該障害者等の心身の状況を総合的に示すものとして厚生労働省令で定める区分をいうとされております。私どもは、介護保険の要介護認定基準の要支援、要介護一から要介護五の六段階に準じて設定することを考えておりますが、障害程度区分判定等試行事業の結果を更に分析し、関係者の意見を伺い、最終的に区分を設定してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/240
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241・福島みずほ
○福島みずほ君 区分が一番重要であるにもかかわらず、法案がその部分を政省令にゆだねているのは問題です。今日の時点で幾つの区分になるか、明らかにできないじゃないですか。一番肝心のことを委員会で明らかにできない。介護保険のときは、要支援から要介護まで少なくとも区分は明らかになっていました。複数の区分の区分さえ明らかにできない、これはもう欠陥法案です。
二十一条一項、認定を行う際の基準等を定める、二十二条一項、支給要否決定を行うに当たっての勘案事項を定めるとあるが、この中身は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/241
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242・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 二十一条一項の政令で定める認定を行う際の基準につきましては、介護給付につきましては、認定調査員による調査結果を踏まえて一次判定を行うこと、市町村審査会において一次判定の結果と医師の意見書と認定調査員による調査の際の特記事項を踏まえて二次判定を行うことを定めることといたしております。
第二十二条第一項の省令で定める市町村が支給要否決定を行うに当たっての勘案事項といたしましては、障害者個々人の状況をきめ細かく反映できるよう、一、障害程度区分、二、社会活動や介護者、居住等の状況、三、サービスの利用意向を反映すると、そういったことを定めることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/242
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243・福島みずほ
○福島みずほ君 厚生労働省が来年度予算を要求した際、その積算根拠となる報酬単価の上限時間や上限金額をどのように想定していますか。
二十九条三項、報酬額の基準を定めるとあるが、どのような基準ですか。
九十四条二項、障害福祉サービス費等負担対象額の算定方式を定める、九十五条二項、国が支給決定事務処理費用及び地域生活支援事業を補助するに当たり必要な事項を定めるとあるが、どのように定めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/243
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244・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
二十九条三項、報酬額の基準を定めるの基準につきましてでございますが、これは介護保険の介護報酬や医療保険の診療報酬に当たるものでございまして、基準につきましては新しいサービス体系におけるサービスの種類ごとに介護給付費又は訓練給付費として支払われる額の基準を定めたいと考えております。
法第九十四条一項に定めます障害福祉サービス費等負担対象額の算定方法を定める中身としては、ホームヘルプサービスなどの国庫負担基準額の算定する方法を定めることといたしております。
第九十五条二項に定める国が支給決定事務処理費用及び地域生活支援事業を補助するに当たり必要な事項を定める中身は、国庫補助の対象とする事業等の範囲、国庫補助額の算定方法などを定めることといたしております。
なお、十八年度の概算要求に関してお尋ねがございましたけれども、支援費給付等の動向を勘案いたしまして、国庫負担所要額は一〇・八%増の四千百四十三億円を要求いたしております。これは、個別の積み上げではなく、過去の予算の伸び率、十六年度から十七年度の予算の伸びなど、例えば居宅分については一九・三%伸びておりますが、それに加えまして、さらに改善なども考えまして、居宅分については三割近い伸びを計上いたしております。
それから、介護給付、訓練等給付、施設支援費につきましては、社会福祉施設等調査に基づきます人員の平均伸び率などの影響を見込みまして所要額を算定しているということでございます。
したがいまして、今委員からお話しのありましたホームヘルプサービスに対する国庫基準額、先ほど申し上げましたように一月、今二十二万円、百二十五時間というのが上限金額になっておりますが、それはサービス事業の実態などを踏まえ、十八年度予算決定を経て、審議会等、それから関係者の方々と御相談しながら決めたいと思っておりますが、いずれにしても二十二万という上限基準につきましては上積みする方向で考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/244
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245・福島みずほ
○福島みずほ君 これの上限がどうなるのか、あるいは単価がどうなるのか、特に上限がどうなるかによって、今使っているものが使えなくなるのではないかという不安が大変あります。今局長は下がることはないとおっしゃったので、そのことをきちっと守ってくださるよう強く要求をいたします。
五条十八項、五十四条一項にあるように、自立支援医療を受ける人ができる人の対象範囲はどのようになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/245
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246・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。
自立支援法案第五条第十八項の政令で定める自立支援医療の範囲でございますが、従来の身体障害者福祉法に基づく更生医療、児童福祉法に基づく育成医療、精神保健福祉法に基づく精神通院公費負担医療、これを規定することとしておりまして、その対象となる疾患等の範囲については従来と同様でございます。
また、重度かつ継続の範囲でございますけれども、継続的に相当額の医療費負担が発生する中間所得層以上の方を対象とするものでございまして、重度かつ継続の範囲につきましては、疾病、症状から対象となるものとして精神通院公費負担医療では統合失調症、狭義の躁うつ病、難治性てんかん、それから更生・育成医療では、腎臓機能、小腸機能、免疫機能障害を対象とすることとしております。また、疾病などにかかわらず、高額な費用負担が継続することから対象となるものといたしまして、医療保険の多数該当のものを対象とすることとしております。
なお、この重度かつ継続の範囲につきましては、検討会を設置して有識者の方に御議論をいただいているところでありますので、順次見直しを行い、対象の更なる明確化を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/246
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247・福島みずほ
○福島みずほ君 五条九項にある極めて重度の障害者につきまして、いただいた政省令事項では、簡単なものが身体、知的、精神について書いてありますが、極めて重度の障害者とはどんな人を想定していますか。重度障害者に対してどの程度の予算を想定しているでしょうか。専門機関による判定とあるが、専門機関とは何を指すのか。医者なのか、福祉関係者なのか、既存の機関なのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/247
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248・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) まず、専門機関の方からお答えいたしますが、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所といった現在も各法で動いておりますそういった専門機関を想定いたしております。まあこれに限定したいというわけではございませんけれども、今そこを想定しております。
重度障害者等包括支援の対象者としては、地域でお暮らしになっている極めて重度の障害者、ALSの患者さんとかそういった方で、ケアホームや通所施設など複数のサービスを利用する障害者の方を想定いたしております。
重症心身障害児などの方がグループホームに暮らしながら多くのサービスを利用しているような取組事例もあることも承知いたしておりまして、今後そのような事例につきましても収集、分析しながら具体的な対象者像については検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/248
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249・福島みずほ
○福島みずほ君 もう一度、済みません。専門機関による判定の専門機関のところがちょっと私分からなかったので、もう一度お願いします。
それから、予算、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/249
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250・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 専門機関としては、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所といった専門機関を想定いたしております。
予算措置につきましては、先ほど申し上げましたように、予算総枠につきましては、対前年度、福祉サービスにつきましては一〇・八%増の四千百四十三億円を計上いたしております。居宅分につきましては三二・六%増と。施設分については四・一%増でございますので、居宅分を大きく伸ばしております。そういった居宅分の中から重度の障害者、重度障害者等包括支援でございますとかホームヘルプサービス、そういったものの予算に充てていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/250
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251・福島みずほ
○福島みずほ君 専門機関による専門機関とはそれぞれ相談所ということですが、その中にやはり当事者の意見をきちっと反映できるような仕組みをお願いしたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/251
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252・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今、一つは、市町村が支給決定をする際には、まず障害者の方の意向を伺うと、サービス利用意向というのが先ほどの省令案でもお聞きいたしましたように、支給決定に当たっての大きな判断材料になっておりますので、そういったことをさせていただきます。
それから、そういうふうに市町村の支給決定で問題がある場合、あるいは市町村の支給決定が定型的な決定ができないような場合には市町村の審査会にお諮りをする、あるいは御相談するということになりますので、市町村の審査会も活動をいたします。
そういうことで、支給決定、サービス利用計画を作るプロセスで障害者当事者の方の御意見を伺うような仕組みがそもそも内包されているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/252
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253・福島みずほ
○福島みずほ君 これは極めて重要なところで、極めて重度の障害者の人は支援がなくなれば本当に命に正に直結してかかわるので、この部分については当事者を極力その相談所の中に意見を聞くだけでなく入れるなど、工夫を必ずお願いをいたします。
そして、改めて判定することでそれまで支援対象となっている人が切り捨てられる、そういうことはなるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/253
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254・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
今判定されて非常に重いサービスを受けている方というのは、実際にそういうニーズがあって極めて重い障害で受けておられる方になると思いますので、そういった方がサービスの該当から外れるということは考えにくい、想定していないことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/254
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255・福島みずほ
○福島みずほ君 市町村審査会の委員については何回か前の委員会で質問をいたしました。今日改めてお聞きをいたします。
市町村審査会の求めに応じ、サービス利用申請者が意見を述べることができる、これが望ましいと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/255
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256・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
まず、そのサービス利用についての意見そのものは、先ほど申し上げましたようにサービス利用の決定は市町村がいたしますので、市町村の方が正に意向を伺ってやるということになりますので、まず審査会の方に言っていただく必要は基本的にはないと思います。
ただ、御心配されているのは、審査会がちゃんとした障害区分を、程度区分を判定してもらえるかというのが御心配だと思います。その認定には不服があるといいますか、問題があるというときにはもう言っていただいて、どんどんお話ししていただければよろしいと思いますし、そういったことについての救済制度も、措置もとっておりますので、そういう形の方が現実的ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/256
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257・福島みずほ
○福島みずほ君 給付対象外とする一定以上の所得のことについてお聞きをいたします。
障害者への給付対象外とする一定以上の所得とは所得税額三十万円以上となっておりますが、その場合の収入はどの程度と考えているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/257
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258・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 自立支援医療の対象外ということをお聞きいたしましたけれども、対象外となる所得税額三十万円でございますけれども、その場合の収入がどれほどかということにつきましては、それぞれの世帯によりまして控除の状況が異なるため一概には言い難いのでございますが、仮に御夫妻と障害のあるお子様お一人と、この三人世帯の場合では約八百万円程度であるというふうに試算をしております。
また、この所得税額三十万円についてでございますけれども、証明書類の準備にかかわる申請者の負担などについても配慮すべき、こういう御意見がございましたので、身近な自治体で確認、証明できる収入額や住民税額などの指標を活用すること、これを現在検討しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/258
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259・福島みずほ
○福島みずほ君 八百万、昨日お聞きしたら七百五十万ということでしたが、これは税引き前のもので、税を引かれた後はどれぐらいの年収と考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/259
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260・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 個別ケースによって少し異なりますけれども、それよりやはり低い額になると思います。
しばらくお時間をいただき、お答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/260
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261・福島みずほ
○福島みずほ君 例えば、両親と障害のある子供一人の三人家族、共働きで七百五十万から八百万。しかし、これは税引き前ですから、税を引かれるとかなり低くなります。
ところで、そうだとすると、今まで減免であったにもかかわらず、三割負担になっちゃうわけですね。そうしますと、実際、夫婦で障害のある子供が生まれて育てるときに、今まで減免だったけれども三割負担になってしまう。これは非常に負担になる。
今日も、それから他の議員から出ましたし、私もこの間質問しましたが、障害のある子供が生まれた親の負担が重くなる、これについていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/261
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262・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) この一定額以上の方につきまして、やはり原則として自立支援医療の対象外となるために通常の医療保険による三割負担となりまして、相当程度の負担になりますけれども、ただ、御負担能力があるということから御負担をお願いしたいと、こう思っております。
ただ、一定以上の所得の方でありましても、継続的に相当額の医療費が発生する方、いわゆる重度かつ継続に該当する場合には、経過措置としまして、自立支援医療の対象とすることによりまして、月額上限といたしまして二万円を設定をさせていただこうと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/262
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263・福島みずほ
○福島みずほ君 結局、七百五十万から年収八百万、これはさっきも言いましたが、税を引く前ですからかなり低くなる。その年収の、共働きであれ、両親であれば三割負担になると。ところが、障害のある例えば子供ですと、病院に掛かる費用や様々な、両親が泊まり込みで看病するお金、様々あります。それから、それだけでなく、どこか作業所に行くとか訓練をする、移動する、だれか頼む、おふろに入るのを手伝ってもらう、全部これ三割負担になるわけですね。物すごい負担になると。
結局、障害のある子供を抱えると、肉体的、精神的に大変なだけではなくて、経済的に大変になる。だったら親は、ある一定以上の年収があれば、もう三割になってしまうんであれば、使わない、余り子供を外に出さないというふうなことになりかねないと考えますが、いかがですか。
それで、段階的な負担変動なども考えるべきだと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/263
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264・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 二点お答え申し上げます。
先ほど御答弁できませんでした、大体幾らぐらいの実際の所得かということでございますが、それぞれのお住まいの場所の税金など違いますけれども、おおむねやはり百万円ぐらい下がるというふうに私たちは考えております。
これで御答弁に代えさせていただきます。これが一つ。
それから、第二でございます。このような高額の所得の方におかれましての御苦労、それは十分分かるわけでございますけれども、ただ相当のやはり負担能力があられるということでありましょうので、そこは御負担をいただきながら、また先ほど申し上げました重度かつ継続に該当する場合、またこの場合には最大二万円の月額が設定されておりますので、そういうことで、やはり公的な医療負担におきましては所得のより少ない方へ重点的に負担軽減措置をとるという御理解をしていただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/264
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265・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 傍聴の皆さんに申し上げます。お静かにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/265
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266・福島みずほ
○福島みずほ君 七百五十万、百万減って六百五十万、そして医療費も掛かるし、ほかの様々なお金も掛かる。それで、両親は今までと違ってすごい負担増になるわけですね。これがやはり日本の子供政策なのかと思い、本当にがっかりいたします。
段階的な負担変動など、移行措置は考えられないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/266
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267・中谷比呂樹
○政府参考人(中谷比呂樹君) 既に、育成医療につきましては、特に中間的な所得層でございます所得税非課税、それから所得税額三十万円未満の方、これらにつきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、育成医療の経過措置といたしまして負担上限額一万円、それから四万二百円を設定させていただいたところでございます。
そうしますと、その他のところでありますけれども、やはり一定所得額が三十万円以上という方につきましては、やはり御負担をお願いをせざるを得ないということでございます。
それからまた、所得税額三十万円でございますけれども、これは現在、世帯を医療保険単位ということで細分化をしておりますので、やはりそういう意味でも、その世帯の範囲という意味では保険単位ということで見ておるということも勘案していただけたらと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/267
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268・福島みずほ
○福島みずほ君 負担がずっと長期間、極端に言えば亡くなるまで続くわけです。しかも、いろんなことに全部、さっきの話ですと、局長の話ですと、電気、水道、ガス使うのと同じだとおっしゃいましたから、森羅万象、動くことにも全部お金が掛かるわけです。その負担に何で年収、結局六百五十万、それで全部負担をしなくちゃいけない。もちろん上限はありますけれども、やはり物すごい負担であると。なぜこういうところで予算の削減をするのかというのが全く理解ができません。結局、障害のある子供がきちっとスタートラインにも着けないという社会をつくっていくのだというふうに思います。
済みません、資料を配ってください。
〔資料配付〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/268
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269・福島みずほ
○福島みずほ君 居宅系、入所施設の人口十万人当たり費用比較で、大阪府の場合は、これは居宅の場合の、大阪府とそれから秋田県は非常に対極にあるというふうに思われます。これは、ホームヘルプサービスの利用者数が秋田県が全県の中で一番人数が少ない。大阪が最高に数が多い。秋田は入所施設の充実を図ってきたと言えるし、大阪はホームヘルプを始めとする居宅サービスの充実を図ってきたと言えると思います。
ところで、先日、厚生労働省の答弁で、施設から地域生活への移行ということをおっしゃいました。そのための具体的な施策が必要ではないか。秋田と大阪の違いは、ヘルパー、グループホームなどの基盤の充実の差ということにも言えると思います。施設から地域へというのはすばらしい言葉ですが、じゃ具体的にその施策をどう考えているのか。これまでサービスがなかった地域、グループホームやヘルパーさんのところの基盤整備が弱かった地域の基盤整備が極めて重要ですが、そこをどう考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/269
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270・中村秀一
○政府参考人(中村秀一君) 今度の障害者自立支援法では、全国の市町村に三年を一期とします障害計画を作っていただくと。その際、地域のニーズに応じ、在宅、施設の基盤整備を図っていただくということといたしております。それが第一点でございまして、先ごろの実態調査でも、居宅サービスあるいはホームヘルプサービス、種別によりましては実施率が、市町村の実施率が低いものもございますので、まずそういった意味で、サービスを全国的に均てん化するということが一点でございます。
二点目は、地域でのサービスをつくりやすくするということで、様々な要件緩和、事業所に対する要件緩和もさせていただくということで、地域での例えばグループホームでございますとか、地域での通所施設などの通所基盤などがつくりやすい形にしていく、またかなり大きな自治体でなければ対象者の方がそろわないというような問題がございますので、いろんな事業を最少人数、例えば二十人でできるようにするというようなこと、そういった工夫を図ることによりまして居宅、在宅のサービスの充実を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/270
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271・福島みずほ
○福島みずほ君 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律三十二条について改めてお聞きをいたします。
三十二条が削除され、自立支援法の五十八条に引き継がれますが、その内容は政省令の定めるところに従い、自立支援医療費を支給するとあり、細部は政省令になっています。障害者の人が地域に出ていけるよう法律で保障していたことがなぜ政省令に下げられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/271
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272・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、三十二条についてのお尋ねでございますが、今回の障害者自立支援法の中では、この三十二条は確かに消えるわけでございますけれども、新たに五十八条として自立支援医療というのをきっちり定めております。この自立支援医療ということで五十八条に定めておりますから、これに代わるものというふうに御理解をください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/272
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273・福島みずほ
○福島みずほ君 質問の意図が分かっていらっしゃらないと思います。なぜ法律で規定していたことが政省令になるのか。政省令だと、国会の同意なく、承認なく、議論なく、勝手に変えられるわけですね。それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/273
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274・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 三十二条という条文が五十八条という条文に、自立支援医療という言葉に変わって述べると。ですから、条文が条文に変わるということだということを御説明申し上げたつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/274
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275・福島みずほ
○福島みずほ君 ただ、公費負担医療とばあんと掲げていたのが、これが五十八条になって、しかもその細部が政省令になっている、これが極めて問題であるというふうに思います。細部が政省令になぜ格下げになっているのか、そのことを申し上げたいと思います。
ところで、この障害者自立支援法案に関して、今日冒頭、局長が前回、サービスは買うものだと、みんな買う主体になると言ったことをまず取り上げました。これが最大のこの障害者自立支援法の問題だと。買えない人々、お金のない人々、あるいは障害が重ければ重いほど収入の低い人たち、その人たちに、あなたたちは買う主体である、金を払えと、応益負担をせよと、動くのにも、移動するにも、学校行くにも、トイレに行くにも、御飯食べるにも負担せよと、それがこの法案です。健常者も金払っているんだから、電車乗るにもお金を払っているんだから、電気使うのにもお金払っているんだから、お金を負担しなさいと。上限決めたでしょう、減免決めたでしょう、それは全く理由になりません。なぜここを変えるのか。生きられないですよ。それを、この法案が、そこに本質があり、それを厚生労働省は憶面もなく主張することに強い怒りを感じます。
大臣、憲法二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、二項は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定をしています。何のために国があり、政治があり、そして公共サービスがあるのか。スタートラインに着けない、困難抱えている、ハンディキャップがある人を支え、せめて同じスタートラインにする。障害のある子供を、生活機能訓練や学校に行ったり社会参加しなければ、子供は大きくなれません。そういう子供を応援して、せめてスタートラインに着いて頑張ってもらう、そのために政治があるんじゃないですか。
この障害者自立支援法案は、憲法二十五条に違反している法案と考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/275
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276・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 傍聴の皆さん、静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/276
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277・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは、障害があってもなくても、みんなで同じように生きていきたい、そういう世の中にしたいと願っておりまして、その第一歩にするための法律だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/277
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278・福島みずほ
○福島みずほ君 障害があってもなくても生きられる社会をするのに、金払えと、みんな買い手主体だという法案では、みんなは生きていけません。この法案は廃案にすべきです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/278
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279・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/279
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280・谷博之
○谷博之君 私は、ただいま議題となりました政府提出、障害者自立支援法案に対し、民主党・新緑風会を代表して、反対の立場から討論を行います。
さきの百六十二通常国会に初めて提出されたこの法案は、数々の重大な欠陥が明らかになり、衆議院段階で骨幹にかかわる多くの附帯決議が付けられました。にもかかわらず、今回政府が再提出した障害者自立支援法案は、わずか四項目の形式的な与党単独修正案を反映させたにすぎず、構造的な欠陥を是正するに至ってはおりません。
そもそも、私たち民主党は、先進国の中で日本の障害者の社会参加は大きく立ち後れているという現状認識に立ち、重度の障害者でも地域で自立した生活ができるノーマライゼーション社会を実現するためにも、せっかく支援費制度の導入で利用が増えてきたサービスの質、量ともに拡大していくべきだと考えております。
その点、今回の法案は、従来、障害区分で縦割りに供給されてきた福祉サービスを一元化することにより、精神障害者も利用可能なサービスの基盤整備が一定程度促進されることが見込まれる点、そして、毎年予算の確保に頭を悩ませてきた状態が義務的経費化することによってある程度は解決する点、さらにまた、地域格差是正を目指し、市町村計画を義務付ける点などでは一定程度評価できるものと思います。しかし、それ以外の点では問題だらけであり、その詳細は、民主党がさきの国会で示した九項目の抜本的な修正項目のとおりであります。
とりわけ、十分な所得保障がないまま定率負担を求める仕組みは、財政危機を理由に支援費制度の導入、そして障害者基本法改正と続いてきた障害福祉拡充の流れを一気に逆行させるのではないかと危惧さえしております。そして、応益負担で障害者の社会参加が促進するとは到底思えず、言わば障害者自立阻害法と言わざるを得ないのであります。
もちろん、障害の程度と比較して不必要なサービス利用があるとすれば、納税者の立場からあってはならないことであり、本日の審議でも厚労省や財務当局からも、そのようなモラルハザードによる過剰なサービス利用は現行の応能負担の仕組みにおいて起きていないことの認識も示されたところであります。
また、知的障害者及び障害児のホームヘルプサービス利用が予想以上に伸びてしまったと言われておりますが、実際にはサービスを提供していない市町村は障害児で六〇%にも上り、とてもニーズにこたえたサービス供給量には至っていないことも明らかになりました。そして、これは結局のところ、支援費制度導入当時、厚労省が財務省を説得するために甘い見込みを示したということにすぎなかったのではないでしょうか。
次に、育成医療と更生医療を廃止し、自立支援医療に移行することにも断固反対します。
既に質疑で明らかになったように、激変緩和措置を講じたとしても、最大十二倍と大幅に自己負担額が増えてしまうのです。重い障害を抱える子供を養う若い世帯の悲鳴が聞こえます。子育てを国を挙げて支援していこうという時代に、正に時代錯誤の法案です。
実際、育成医療の来年度概算要求はわずか十九億円、今年度の予算二十二億円と比べて三億円も減額されており、これでは心臓病手術などの受給抑制が進むのを厚生労働省は見込んでいるのではないかと言わざるを得ません。そもそも、従来、児童福祉法の世界で手当てしてきた育成医療を強引に自立支援医療に含めてしまうことは、小児慢性特定疾患事業との整合性も付かなくなってまいります。
以上のことから、育成医療や更生医療の自立支援医療への移行は撤回するべきであります。
また、障害福祉の一元化といいますが、発達障害や難病など、従来から制度の谷間に置かれてきた人々を今回もまた制度の対象外とし、谷間に置き去りにすることも指摘せねばなりません。そして、厚労省の主張は三十年間変わらず、難病対策の法制化は定義が難しいとか今後の検討事項と先送りするばかりであります。
昨日の参考人質疑でも、同じく社会的援助や福祉サービスを必要としている国民が年齢や障害の程度、そして疾病の種類の違いによって大きな格差があることは、憲法の言う平等の原則に反しているのではないかとの重い指摘もありました。
私たち民主党は、近い将来の介護保険のエージフリー化を前提に、まず、余りに貧弱なサービス基盤の整備拡大、そして所得保障が先決であると考えます。
その上で、障害の害という文字を、いしへんに疑う、ないしは平仮名の「がい」に変えることも含めて、障害の定義を根本から改めた包括的な、総合的な福祉法の制定が必要だと考えております。
原則は、社会参加なくして負担なしであり、所得保障なくして応益負担なしであります。厚労省によれば、福祉サービスの利用者負担は現行の二百三十六億円から二百五十八億円も増えるとのことであります。先人たちの長い間の苦労と努力によってようやくここまで来た障害者福祉施策において、障害が重い人ほど負担が重くなるような仕組みを二十一世紀にもなって新たに導入することはあってはならないことと思っております。
以上、反対の理由を申し上げ、心ある委員各位の御判断を期待いたしまして、本法律案に対する私の反対討論を終わりといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/280
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281・遠山清彦
○遠山清彦君 私は、自由民主党及び公明党を代表し、障害者自立支援法案に賛成の立場から討論を行います。
本法案は、前国会において提出され、衆議院においては可決されましたが、衆議院の解散により、参議院では審議未了により廃案となりました。今国会においても、本委員会において熱心な議論がなされてまいりましたが、この法案は、正に現在の障害者福祉の現状の転換を図るものであり、大きな意義があります。
平成十五年度から支援費制度が始まりましたが、居宅サービスの利用が大きく伸び、国においては、十六年度では、当初予算は十五年度予算額に比べて一六・七%増の六百二億円を確保したにもかかわらず、二百七十四億円の予算不足を招きました。毎年暮れになると、与党が政府に予算的な手当てをすることを求めることが恒例になってしまう状況であります。また、現在、障害者間、地域間でのサービスの水準に大きな格差等が見られるところであり、今後更に障害者福祉を前進させるためには、こうした状況をなくし、支援を必要とするすべての障害者が適切にサービスを利用できるよう全国的な提供体制の整備を進めていくことが極めて重要であります。
本法案の第一の意義は、今後、利用者の増加に応じて大幅に伸びていくサービスを保障する財源を義務的経費として確保する道筋を付けたという点であります。これは、国が障害者の自立支援に財政的な責任を持つということであります。
第二は、今まで精神障害者福祉は、身体・知的障害に比べると支援の水準が大きく後れ、また支援費制度の枠外に置かれていましたが、今回の法案は、これを身体・知的障害者サービスと同等に位置付けることとしており、正に画期的な取組と言えます。
さらに、今後、難病、自閉症等、現在の障害者の定義には当てはまらないが日々の社会生活で支援を必要とする人々のために、法案の附則において障害者の対象者の拡大の検討を行う旨の規定を設けております。
第三の点は、就労支援策の抜本的な見直しにあります。
今回の法案は、就労支援のための施設体系を抜本的に見直し、就労移行支援事業の創設や福祉と雇用の連携を強化することにより就労支援を積極的に進めることとしたところであります。それ以外にも、重度障害者包括支援サービスの創設や障害福祉計画の策定を地方自治体に義務付けるなど、非常に重要な、また評価すべき改革が盛り込まれております。
一方で、関係者の方々からは、従来の水準より負担が大きく増えるのではないかという点に関し繰り返し要請がなされてまいりました。実際、障害者の所得水準が低く、年金水準も低い現実を踏まえ、利用者の方々の負担については十分な配慮が必要であります。利用者負担を求めるに当たっては、与党としても繰り返し政府に対してきめ細やかな配慮を求めてまいりました。
具体的には、グループホーム等で暮らす方で負担能力の少ない方については、月額六万六千円までの収入の方は定率負担をゼロとする、通所施設等を利用して在宅で暮らす方については、社会福祉法人減免により定率負担の月額負担上限額が半額となるよう負担を軽減する、育成医療の低中所得者層への配慮等であります。
障害者福祉サービスであっても、皆が能力に応じた負担をして支え合うという理念は大切ではありますが、大幅な負担の増加により生活困窮状態に陥ること、また地域での自立した生活に必要なサービスの利用が不可能となるような事態は絶対に避けなければなりません。政府においては、この点に十分配慮し、障害者の皆様の声を聞きながら、障害者の所得保障問題に今後も全力で取り組むよう強く要望いたします。
最後に、本法案が公平でより充実した障害者福祉を確立するために必要な改革の第一歩であるという点を強調し、私の賛成討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/281
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282・小池晃
○小池晃君 日本共産党を代表して、障害者自立支援法案に対する反対討論を行います。
本法案は、精神を含む三障害の福祉制度の一元化や在宅サービスに係る費用の義務的経費化などの前進面もありますが、財政削減ありきの政府方針の下で、障害者と家族に負担の増大を押し付け、障害者の生活と権利を後退させる重大な問題点があり、断じて認めるわけにはまいりません。
反対する第一の理由は、障害福祉サービスに応益負担を導入し、障害者と家族に大幅な負担増を押し付けることです。
コミュニケーションも移動も地域での生活も、御飯食べることもトイレへ行くことも、利益ではなく権利です。応益負担の導入というのは、サービスを多く必要とする重度障害者ほど重い負担を強いることにほかなりません。大臣は、限りなく応能負担に近いと言いますが、上限付きの応益負担と応能負担とは根本的に違うのです。そして、それは障害者の社会参加と自立の支援に逆行するものであります。
複雑な減免制度を設け、きめ細かい配慮をしたと言いますが、施設入所者の場合、手元に残るのは一か月二万五千円だけ。グループホーム入居者や自宅から通所施設に通う場合は、手元に生活費が残る保証はなく、多くの場合は赤字になります。わずかな工賃を大幅に上回る利用料負担を押し付けることのどこが自立支援なのでしょうか。明らかな憲法二十五条違反であります。
反対する第二の理由は、精神通院公費、更生医療、育成医療という公費負担医療制度にも応益負担を導入し、大きな負担増を求めることです。
これは、障害者と家族に経済的な打撃を与えるだけでなく、障害者の自立にも逆行します。障害者を医療機関から遠ざけ、必要な医療を受けることを妨げ、健康状態の悪化を招くことになり、命も脅かす改悪です。それぞれ特性を持っている公費負担医療制度を一緒くたに定率負担にしてしまうことは余りにも乱暴であり、断じて認められません。
また、担当局長は、サービスは金で買うものだと答弁しました。買えない人を国が責任を持って支えることこそ社会保障です。多くの障害者を買えない経済状態に置きながら、金で買えなどという態度は二重に許されるものではありません。
反対する第三の理由は、法案の根幹にかかわる重要事項が政省令事項にゆだねられており、サービス低下のおそれがあることです。
昨日、二百十三項目に及ぶ政省令、告示事項が示されましたが、本年五月に提示されたものとほとんど変わっておらず、障害程度区分、サービスの報酬額の基準、重度障害者へのサービス基準を始め、重要な内容が依然として示されていません。具体的な基準案が明らかにならなければ、これまで受けてきたサービスを引き続き受けることができる保証などありません。大事な部分を行政に白紙委任するような形で法案を通過させることは立法府の自殺行為だと言わねばなりません。
反対する第四の理由は、障害程度区分の判定について、モデル事業の一次判定がほとんど実態を反映しておらず、二次判定での変更率が五割を超えているにもかかわらず、まともな検証もしないまま早急な実施に移そうとしていることであります。
大臣は、繰り返し、必要なサービスは提供されると言いますが、障害程度区分の認定が適切になされなければサービスを受ける入口で門前払いとなってしまうわけで、制度の根幹にかかわる重大な欠陥であると言わざるを得ません。
加えて、障害者に年間総額七百億円もの負担増とサービス低下、切捨てをもたらす法案への懸念が障害者、家族、関係団体から沸き起こり、慎重審議を求める世論と運動が広がっています。
通常国会に提出された法案は、衆参両院の審議の中で次々に問題点が明らかになる中で審議未了、廃案となりました。政府は、廃案となった法案を抜本的に見直し、真に障害者の自立を支援する法案として再提出すべきであったにもかかわらず、施行時期を三か月遅らせただけで、問題点が全く解消されないままの法案を特別国会に再提出しました。しかも、通常国会で、衆議院では二か月にわたり三十八時間の委員会審議と七時間の参考人質疑、今回、当委員会での審議は今日までで十八時間、地方公聴会、参考人質疑も、合わせて五時間にすぎません。公聴会や参考人質疑では、与党会派推薦の公述人や参考人の方からも様々な懸念が表明されています。指摘された懸念を解消するため更に徹底審議し、真に障害者の自立を前進させる抜本的改善を図ることこそ国会の責務ではないでしょうか。
障害者の真の自立支援、全面参加と平等のためには、本法案を撤回し、障害者福祉施策の抜本的な再検討を図るべきであることを最後に申し上げ、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/282
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283・福島みずほ
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。社会民主党を代表して、障害者自立支援法案に反対の討論を行います。
通常国会に提出された本法案は、データの誤り、基礎的な調査が不足しているなど、土台となる部分から問題が非常に多く、慎重審議が強く望まれていたものです。また、全国の障害者、難病患者、その家族、関係者から、障害者自立支援法案では地域生活が守れない、生活水準が低下するとの必死の訴えが続いていました。しかし、当事者の不安を一切無視し、一度廃案になった同法案を本質的な問題を残したまま再上程をしました。そのことが最大の問題です。
社民党の四つの反対理由を申し上げます。
まず第一に、応益負担制度、原則一割の定率負担制度の導入は、社会福祉の公助、扶助原理を壊すものです。
これまで障害者福祉(介護、就労支援、障害児に関するサービス事業等)と公費負担医療は、社会福祉の扶助原理に基づいて、利用者の収入に応じた応能負担を原則として行われてきました。その根拠は、憲法二十五条の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利の保障によるものです。
障害者自立支援法案によって、利用量に応じた応益負担制度、重い障害、重い病気を持つ人ほど負担が増加する制度の導入をすることは、我が国の福祉の理念を根本から覆し、国の責任を後退するものにほかなりません。しかも、応益負担の経過措置、減免策を提案していますが、わずかな所得保障から多額の費用負担を強いられることや、重い障害のある人ほど費用負担が増えること、働く施設を利用しても利用負担が強いられてしまうなど、応益負担をめぐる本質的、根本的な問題は全く変わりがありません。本法案は、憲法二十五条に明確に違反するものです。
第二に、応益負担制度の導入によるものが現在の障害者の生活水準を引き下げるにとどまらず、生活保護水準を含めた我が国の社会保障基準の引下げにつながることです。つまり、障害者すら自己負担したんだからという論法で、この定率負担が他の例えば生活保護受給者や母子家庭、一人親家庭などに様々な困難を更に与えかねません。日本の社会福祉の最低ラインを引き下げることにつながりかねません。社会的な支援を必要としている人に対して困難、障害が重ければ重いほど負担を重くするという制度は根本的に誤っています。社会保障、社会福祉の名に値しません。
第三に、社会的な社会福祉基盤整備の充実、本格的な所得保障、抜本的な就労支援なしに本法の施行をすることは、極端なサービス利用の抑制を招くことになり、障害児、障害者、難病患者の生活と健康に重大な悪影響を及ぼします。
第四に、障害福祉サービスを主とする法案に目的の異なる医療を入れ込み、自立支援医療と称して従来の精神通院公費、更生医療、育成医療などを解体してしまう愚を犯していることです。医療負担の増加は、障害者、障害児の受診抑制、医療の中断、新たな障害の発生、ひいては生命の危機に直結をします。特に精神障害者通院医療は、現行一律五%の負担から原則一割、所得税三十万円以上の人では三割と、非常に重い負担となります。地域生活の継続、再発防止、自殺防止のために同医療が果たしてきたことを壊してしまいます。
私は、担当局長がサービスは買うものだと、みんな買う主体になるべきだと言ったことに強く改めて抗議をしたいと思います。生きていくことそのものがなぜサービスを買うものだと言われなければならないのでしょうか。また、買えない人たちに対して買えと、買う主体になれと言うことこそ残酷なものはありません。
障害者自立支援法案が、障害のある人たち、その家族、ひいてはすべての人たちの生き方を萎縮させるものであり、極めて問題です。同法案は廃案しかないと、今後も一貫して廃案を求めて頑張っていくことを申し上げ、私の反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/283
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284・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
障害者自立支援法案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/284
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285・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。──傍聴の皆さんに申し上げます。静粛に願います。
この際、円さんから発言を求められておりますので、これを許します。円より子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/285
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286・円より子
○円より子君 私は、ただいま可決されました障害者自立支援法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
障害者自立支援法案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
一、附則第三条第一項に規定する障害者の範囲の検討については、障害者などの福祉に関する他の法律の施行状況を踏まえ、発達障害・難病などを含め、サービスを必要とするすべての障害者が適切に利用できる普遍的な仕組みにするよう検討を行うこと。また、現在、個別の法律で規定されている障害者の定義を整合性のあるものに見直すこと。
二、附則第三条第三項に規定する検討については、就労の支援を含め、障害者の生活の安定を図ることを目的とし、社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しと併せて、障害者の所得の確保に係る施策の在り方の検討を速やかに開始し、三年以内にその結論を得ること。
三、障害福祉サービス及び自立支援医療の利用者負担の上限を決める際の所得の認定に当たっては、障害者の自立の観点から、税制及び医療保険において親・子・兄弟の被扶養者でない場合、生計を一にする世帯の所得ではなく、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択可能な仕組みとすること。また、今回設けられる障害福祉サービス及び自立支援医療の負担軽減の措置が必要な者に確実に適用されるよう、障害者及び障害児の保護者に周知徹底すること。
四、障害福祉サービスの利用者に対しては、社会福祉法人による利用者負担減免制度の導入等により、きめ細かな低所得者対策を講ずること。また、この場合においては、実施主体に過重な負担とならないよう、適切な措置を検討すること。
五、自立支援医療については、これまでの更生医療、育成医療及び精神通院医療の趣旨を継承した公費負担医療制度としての位置付けを明確にすること。また、医療上の必要性から継続的に相当額の医療費負担が発生することを理由に、月ごとの利用者負担の上限を設ける者の範囲については、速やかに検討を進め、施行前において適切に対応するとともに、施行後も必要な見直しを図ること。さらに、自立支援医療の「重度かつ継続」の範囲の検討に当たっては、関係患者団体の意見にも配慮すること。
六、自立支援医療のうち育成医療については、国会答弁を踏まえて、適切な水準を制度化すること。
七、介護給付における障害程度区分について介護サービスの必要度が適切に反映されるよう、障害の特性を考慮した基準を設定するとともに、主治医の意見書を踏まえるなど審査の在り方についての適正な措置を講ずること。また、支給決定に係る基準や手続きについては、生活機能や支援の状況、本人の就労意欲等利用者の主体性を重視したものとなるよう必要に応じて適宜見直しを行い、関係団体とも十分協議した上で策定すること。さらに、障害程度区分認定を行わないこととなる障害児については、障害児に対する福祉サービスが障害児の成長過程において生活機能を向上させる重要な意義を持つものであることにかんがみ、市町村が適切なサービスを提供できるように体制を整備するとともに、障害程度の評価手法の開発を速やかに進め、勘案事項についても必要な措置を講ずること。
八、市町村審査会の委員については、障害者の実情に通じた者が選ばれるようにすること。特に、障害保健福祉の経験を広く有する者であって、地域生活に相当の実績を持ち、中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に周知すること。また、市町村審査会の求めに応じ、サービス利用申請者が意見を述べることができることを市町村に周知すること。
九、介護給付や訓練等給付の支給決定については、障害者の実情をよりよく反映したものとなるよう、市町村職員による面接調査の結果や福祉サービスの利用に関する意向を十分踏まえることを市町村に周知するとともに、決定に不服がある場合には都道府県知事に申立てを行い、自ら意見を述べる機会が与えられていることを障害者及び障害児の保護者に十分周知すること。
十、基本指針の策定に当たっては、現行のサービス水準の低下を招くことなく、障害者が居住する地域において円滑にサービスを利用できるよう、サービス提供体制の整備を図ることを障害福祉計画に盛り込むこと、計画の策定の際に、障害当事者等の関係者の意見を聴く機会を設けることについて明記すること。また、移動支援事業、コミュニケーション支援事業、相談支援事業、地域活動支援センター事業などについては、障害者の社会参加と自立生活を維持、向上することを目的として、障害福祉計画の中に地域の実情に応じてこれらサービスの計画期間における数値目標を記載することについて明記すること。さらに、これら障害福祉計画に定めた事項が確実に実施できるよう予算を十分に確保すること。
十一、ALS、進行性筋ジストロフィー等の長時間サービスを必要とする重度障害者については、受け入れる事業者が少ない現状にもかんがみ、その居住する地域において必要なサービス提供が遅滞なく行われるよう、社会資源の基盤整備などの措置を早急に講ずること。また、現行のサービス水準の低下を招くことのないよう重度障害者等包括支援や重度訪問介護の対象者の範囲については、重度の障害のある者のサービスの利用実態やニーズ等を把握した上で設定することとし、そのサービス内容や国庫負担基準については、適切な水準となるよう措置すること。
十二、重症心身障害児施設の入所者に対する福祉サービスについては、現行のサービス水準を後退させることなく、継続して受けられるよう配慮すること。
十三、介護給付等において特別な栄養管理を必要とする場合には、サービス提供に係る報酬面での配慮の必要性について十分検討すること。
十四、居住支援サービスの実施に当たっては、重度障害者であっても入居可能なサービス水準を確保するとともに、利用者が希望していないにもかかわらず障害程度別に入居の振り分けが行われることがないような仕組みの構築や、グループホームの事業者の責任においてホームヘルパーの利用を可能とすることなど必要な措置を講ずること。
十五、障害者の雇用の促進に当たっては、障害者雇用促進法に盛り込まれている内容等を踏まえ、障害者雇用の場の創出・拡大に一層努めるとともに、雇用促進のための就労支援サービスと福祉サイドの生活支援サービス等が相互にかつ適切に利用できるためのマネジメント体制の充実を図ること。また、就労移行支援については、障害の特性を踏まえた就労訓練期間等が設定されるよう必要な措置を講ずること。
十六、障害者の地域生活の充実及びその働く能力を十分に発揮できるような社会の実現に向け、非雇用型の就労継続支援の実施に当たっては、目標工賃水準の設定や官公需の発注促進など、工賃収入の改善のための取組のより一層の推進を図ること。
十七、良質なサービスを提供する小規模作業所については、新たな障害福祉サービス体系において、その柔軟な機能が発揮できるよう位置付けるとともに、新たな施設体系への移行がスムーズに行えるよう必要な措置を講ずること。
十八、障害者の自立と社会参加に欠かせないサービスである移動支援については、地域生活支援事業の実施状況を踏まえ、必要な措置を講ずるための検討を行うこと。
十九、医療法に基づく医療計画とあいまって、精神病院におけるいわゆる七・二万人の社会的入院の解消を図るとともに、それらの者の地域における生活が円滑に行われるよう必要な措置を講ずること。また、精神保健福祉法に基づく医療保護入院の適切な運用について、精神医療審査会の機能の在り方、保護者の制度の在り方等、同法に係る課題について引き続き検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を速やかに講ずること。
二十、障害者が地域社会で必要な支援を活用しつつ自立した生活を送ることができるようにするため、障害を理由とする差別を禁止するための取組、障害者の虐待防止のための取組及び成年後見制度その他障害者の権利擁護のための取組については、実施状況を踏まえてより実効的なものとなるよう検討し、必要な見直しを行うこと。
二十一、地域生活支援事業に盛り込まれたコミュニケーション支援事業を充実する観点から、国及び地方公共団体において手話通訳者の育成と人的確保に取り組むとともに、聴覚障害者情報提供施設の設置の推進や点字図書館の機能の充実を図ること。また、視聴覚障害者の通信ネットワークを利用した情報コミュニケーション支援を進めるため、日常生活用具給付事業の対象の見直しの検討など必要な方策を講じ、視聴覚障害者の社会参加を促進すること。
二十二、市町村の相談支援事業が適切に実施されるようにするため、在宅介護支援センターなど、高齢者に係る相談支援を行う事業者を含め、専門性と中立・公平性が確保されている相談支援事業者に対し、委託が可能であることを市町村に周知すること。
二十三、本法の施行状況の定期的な検証に資するため、施行後の状況及び附則規定に係る検討の状況について、本委員会の求めに応じ、国会に報告を行うこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/286
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287・岸宏一
○委員長(岸宏一君) ただいま円さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/287
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288・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、円さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/288
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289・尾辻秀久
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/289
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290・岸宏一
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/290
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291・岸宏一
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116314260X00420051013/291
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