1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十七年十月十四日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第六号
平成十七年十月十四日
午前十時開議
第一 万国郵便連合憲章の第七追加議定書、万
国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結
について承認を求めるの件
第二 郵便送金業務に関する約定の締結につい
て承認を求めるの件
第三 障害者自立支援法案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一より第三まで
一、郵政民営化法案(内閣提出、衆議院送付)
一、日本郵政株式会社法案(内閣提出、衆議院
送付)
一、郵便事業株式会社法案(内閣提出、衆議院
送付)
一、郵便局株式会社法案(内閣提出、衆議院送
付)
一、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理
機構法案(内閣提出、衆議院送付)
一、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整
備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/0
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001・扇千景
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
日程第一 万国郵便連合憲章の第七追加議定書、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件
日程第二 郵便送金業務に関する約定の締結について承認を求めるの件
以上両件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長林芳正君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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〔林芳正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/1
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002・林芳正
○林芳正君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
両件は、いずれも昨年十月、ルーマニアのブカレストで開催されました万国郵便連合の第二十三回大会議で作成されたものでありまして、第七追加議定書等は、連合の基本文書である万国郵便連合憲章を改正し、現行の万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約を更新するものであります。また、郵便送金業務に関する約定は、郵便送金業務に関する事項についての所要の変更を加えるため、現行の郵便送金業務に関する約定を更新するものであります。
委員会におきましては、両件を一括して議題とし、条約締結の意義と万国郵便連合に対する我が国の貢献、郵政民営化後における万国郵便連合への我が国の対応姿勢、通常郵便物の到着料制度の改善、郵政民営化後の国際郵便送金業務の在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終え、順次採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/2
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003・扇千景
○議長(扇千景君) これより両件を一括して採決いたします。
両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/3
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004・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/4
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005・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十六
賛成 二百二十六
反対 〇
よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/5
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006・扇千景
○議長(扇千景君) 日程第三 障害者自立支援法案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長岸宏一君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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〔岸宏一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/6
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007・岸宏一
○岸宏一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害種別ごとに福祉サービスや公費負担医療を提供している現行制度を、市町村を実施主体とする一元的な制度に改めるため、自立支援給付を創設するとともに、地域生活支援事業、障害福祉計画及び費用負担に係る規定を整備しようとするものであります。
委員会におきましては、定率負担制度導入の是非及び利用者負担の軽減措置の必要性、障害福祉サービスの給付水準の在り方、本法の対象となる障害者の範囲の考え方、市町村審査会と障害程度区分認定の在り方、移動支援等の地域生活支援事業の在り方、障害者に対する就労支援策等について質疑を行うとともに、大阪府に委員を派遣して大阪地方公聴会を開催したほか、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して谷博之理事より反対、自由民主党及び公明党を代表して遠山清彦理事より賛成、日本共産党を代表して小池晃委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して福島みずほ委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/7
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008・扇千景
○議長(扇千景君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。家西悟君。
〔家西悟君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/8
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009・家西悟
○家西悟君 民主党・新緑風会の家西悟でございます。
民主党・新緑風会を代表し、議題となりました障害者自立支援法案に対し、反対の立場から討論を行います。
二〇〇三年、華々しくスタートした支援費制度は二年続きませんでした。このままでは市町村が超過負担を負い続け、地域から制度が破綻することが明らかになった、みんなで支え合う制度をつくらなければならないと政府は説明をしています。この二年間で、支援費制度で障害者の日常生活や社会参加が支えられ、前進したことも事実でした。
今回の障害者自立支援法案は、より一層障害者及び障害児の福祉と社会参加を図ることを目的としている法案であるとの説明ですが、障害者自立支援の名にふさわしい内容の法律であれば、私はもろ手を挙げて賛成し、尾辻大臣、ありがとうございます、あなた様は私たち障害者の神様ですと、お祝いのちょうちん行列の大行進を呼び掛けをしましょう。
しかし、この障害者自立支援法案には、これまでの障害福祉サービスでの応能負担から応益負担への導入が盛り込まれました。それを知るや、障害者や当事者支援団体は怒りを爆発させました。
思えば、昨年十月に障害者保健福祉施策グランドデザイン案が発表され、将来この国で私たち障害者がどのようにして生きていくのか、当事者として不安と多少の希望を寄せながら見守っていました。よし、これからこのグランドデザインに対し、当事者である我々障害者や支援団体はしっかりと意見を述べ、提案していこうと考えていました。しかし、その四か月後、本年二月、突然、障害者自立支援法案が国会に提出されました。障害者・当事者としての意見は反映されないのか、当事者には説明はないのか、だましよったと、政府に対して障害者の方々から大反対の合唱が浴びせられたのです。
時あたかも、小泉総理は、構造改革の本丸は郵政改革だ、郵政改革にイエスかノーかとマスコミを挙げての大キャンペーンを繰り広げていました。そのとき、小泉総理は、去る衆議院解散前、七月二十二日、本院本会議での障害者自立支援法案の趣旨説明に対する我が民主党平田健二議員の、障害者の生きる権利を脅かしかねない法案について当然当事者に対する十分な説明を行う責任があるとの質問に対し、小泉総理は、本法案については、その立案過程から障害者の方々も参加いただいた審議会で二十回にわたり論議するなど様々な場で御意見をお伺いするとともに、十六年度は、障害者を含めた関係者の要請に応じ、延べ五百回にわたり説明や意見交換会などを通じて様々な御意見、御要望を承ってきたと、いつもの自信満々の答弁をされました。
私は、早速、この答弁根拠を明らかにするように厚生労働省に求めました。そして、七月二十九日、その説明会や意見交換会と称する行政説明実績、四百九十九回のリストが私に提出をされました。しかし、よく見ると、平成十六年四月五日から今年三月九日までの日付になっていました。そこで、私が、こんな以前から障害者自立支援法案を説明をしていたんですか、グランドデザイン案が出てきてから検討したのではないですか、一年前から応益負担や障害者福祉サービスの内容について説明をしていたのですかと質問しました。
改めて後日、行政説明実績リストが再提出されたのです。今度は、日付は昨年十月から今年七月までのもので、会合の数はぐっと減って四百三十回と修正してありました。
しかも、そのリストを精査をすると、明らかに説明会や意見を聞くという趣旨の会合ではありません。同一会議が何度も重複されカウントされ、シンポジウムや地方講演会などでは複数の担当官が派遣されています。しかも、会議は各地で毎日のように行われています。同じ会合にそんなに多くの人数を掛けて出張させているんでしょうか。私は、このリストは慌てて作ったものとしか思えません。このリストを国会事務所に来られた障害者の方々にお見せしても、あの会議は法案の説明会ではない、しかも意見交換なんてとんでもないとの多くの声をいただきました。
これが、延べ五百回にわたり説明や意見交換を行うなどを通じて様々な御意見、御要望を受けてきたとの厚生官僚のでたらめな答弁の実態です。小泉総理は、官僚から答弁資料を渡されるままお答えになったのでしょうか。
今、障害者施策が大きな転換点にあることは、私ども民主党も十分認識をしております。しかし、小泉総理の進める構造改革は、障害者を始め社会的弱者の方々の生きる権利と喜びを奪い、生活不安、社会不安を呼び起こしています。これから先、すべての分野にわたって応益負担の思想が広がっていくのではないか。
体のこと、家族のこと、仕事のこと、将来のことなど不安は募るばかりです。だからこそ、この半年間、障害者・当事者は一日も休まず反対の運動を続けているのです。これは障害者だけの問題ではありません。だれでも、いつ障害を負ったり、家族に障害者を抱えたりする可能性があるのです。明日は我が身です。
私は、政治の力というものは、正に障害者や社会的な弱者の方々に及ぼさなければならないと考えます。
今年六月、政府は、二〇〇四年度障害者施策、いわゆる障害者白書を発表しました。それによると、障害者の概数を、身体障害者三百五十一万六千人、知的障害者四十五万九千人、精神障害者二百五十八万四千人と発表し、これを人口千人当たりでの人数で見ると、身体障害者は二十八人、知的障害者は四人、精神障害者は二十一人になります。国民のおよそ五%が何らかの障害を有していると報告をしています。
参議院は良識の府と言われます。私は党派を超えて呼び掛けをします。障害者の尊厳の確立と自立のために、既に海外四十か国余りで立法されている障害者差別禁止法の制定に取り組もうではありませんか。
再度、障害者自立支援法案に対し、自民党・政府と厚生官僚の皆さんに強くお訴えします。
一つ、本法においては、障害者の就労の機会の拡大と所得保障が実現する道筋が明らかになるまで、応益負担を凍結しましょう。
一つ、この障害者自立支援法においても、難病患者や内部障害認定されない方々が障害福祉サービスを受けられない制度の谷間があることを認識し、早急に解決をしましょう。
一つ、これからの障害施策の立案、審議は、当事者の参加と意見が十分反映される仕組みを検討をしましょう。
私は、民主党は、障害者を始め社会的弱者を切り捨てていくような小泉総理の構造改革に反対します。私たち民主党は、障害者や国民のセーフティーネットを守り育てていく政策を掲げ、命と健康を大切にする社会の実現のために、政治の力を高めてまいります。
私たち民主党は、政権交代を目指す責任政党として、官僚に頼ることなく、いつでも自民党・政府と話し合う用意があることを表明し、討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/9
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010・扇千景
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/10
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011・扇千景
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/11
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012・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/12
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013・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十六
賛成 百二十七
反対 九十九
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/13
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014・扇千景
○議長(扇千景君) これにて休憩いたします。
午前十時二十一分休憩
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午後三時一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/14
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015・扇千景
○議長(扇千景君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、日程に追加して、
郵政民営化法案
日本郵政株式会社法案
郵便事業株式会社法案
郵便局株式会社法案
独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案
郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/15
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016・扇千景
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。郵政民営化に関する特別委員長陣内孝雄君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
─────────────
〔陣内孝雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/16
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017・陣内孝雄
○陣内孝雄君 ただいま議題となりました六法律案につきまして、郵政民営化に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
まず、郵政民営化法案は、郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会を平成二十九年九月三十日まで設置し、同委員会が三年ごとに郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、同本部がその見直し等について国会に報告すること、持ち株会社となる日本郵政株式会社をあらかじめ設立し、その子会社となる郵便貯金銀行及び郵便保険会社を設立すること、公社の業務等の承継計画の策定等について定めるとともに、平成十九年十月一日に、郵便事業株式会社、郵便局株式会社及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構を設立し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社について、銀行業又は生命保険業の免許を受けたものとみなし、最終的な民営化を実現するまでの移行期間中に、持ち株会社は両会社の株式のすべてを処分しなければならないこと、両会社の定款に議決権の行使に関する事項を定めなければならないこと等について定めようとするものであります。
また、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案及び郵便局株式会社法案は、政府が、常時、持ち株会社の発行済株式総数の三分の一を超えて保有していなければならないことを定めるほか、持ち株会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有しなければならないこと、両会社が実施する社会貢献業務及び地域貢献業務に要する費用に充てる資金を交付するため、社会・地域貢献基金を設け、一兆円に達するまで積み立てなければならないこと、基金の額は一兆円を超えて積み立てることができ、二兆円まで積み立てる場合には、一兆円までと同じルールで積み立てなければならないこと等について定めようとするものであります。
次いで、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案は、機構が、公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、債務を履行すること等を定めようとするものであります。
最後に、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、郵便貯金法、簡易生命保険法、日本郵政公社法等十三の関係法律を廃止するほか、郵便法において、特別送達等につき信用力を確保するため郵便認証司の制度を設けるなど、関係法律について規定の整備等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、六法律案を一括して議題とし、小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行いました。
委員会における主な質疑は、総選挙の結果を踏まえた郵政民営化についての総理の所感、郵便局ネットワークの維持、民営化委員会が三年ごとに行う見直しの対象範囲、民営化委員会の委員の人選、公社の国際物流事業への進出、公社の国際貢献活動の現状と民営化後の継続可能性、財投対象機関の整理縮小等に伴う国民負担の軽減策、金融のユニバーサルサービスの確保、今後の構造改革に向けた政府の取組、郵政民営化と小さな政府との関係、アメリカの対日要求と民営化の関連、民営化に伴う職員の雇用・勤務条件への配慮等、広範多岐にわたっており、その詳細は会議録に譲ることといたします。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して藤末健三委員から反対、自由民主党及び公明党を代表して弘友和夫理事から賛成、日本共産党を代表して吉川春子委員から反対、社会民主党・護憲連合を代表して近藤正道委員から反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、六法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、六法律案に対し、簡易郵便局を含めた郵便局ネットワークの現行水準が維持されるとともに、万が一にも国民の利便に支障がないよう万全を期すこと等十五項目から成る附帯決議が行われました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/17
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018・扇千景
○議長(扇千景君) 六法案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。藤末健三君。
〔藤末健三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/18
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019・藤末健三
○藤末健三君 民主党の藤末健三です。
民主党・新緑風会を代表しまして、ただいま議題となりました郵政民営化六法案に対し、一括して反対の立場で討論を行います。
討論に入らさせていただく前に、参議院の在り方について私の思いを述べさせていただきます。
現在、我々参議院については、衆議院のカーボンコピー、参議院不要論などの議論が出ております。しかしながら、私は、参議院は六年という長期的な任期、解散がないという安定性、様々な有識者や職能代表から成る多様性という三つの特徴を有しており、民意の反映を大きな役割とする衆議院とは全く違った役割を有していると考えます。つまり、任期が四年で解散があり、小選挙区で選ばれる衆議院と違い、参議院は再考の府、そしてまた良識の府として毅然として立法活動を行わなければなりません。
ここで指摘したい重要な点があります。それは、今回政府が提出した郵政民営化法案は、前の国会で参議院が否決したものと全く同じものであるということです。もし、参議院で一度否決した法案をこの九月に行われた衆議院選挙の結果を理由に可決するようなことがあれば、それこそ我々参議院は衆議院のカーボンコピーとなってしまいます。参議院の本来の意義を発揮するためにも、郵政民営化六法案をこの参議院で否決し、参議院はその独自性をきちんと示さなければ、我々参議院はその存在意義さえも疑われます。皆さん、いかがでしょうか。
それでは、政府案に対する反対理由を申し上げます。
まず第一に、政府案では金融事業のユニバーサルサービスの維持が完全には明確にはなっていません。郵便事業の場合は政府が出資する特殊会社に移管するので、場合によって政府が助けてくれることも予測されますが、郵便貯金事業は完全な民間会社となります。金融機関は郵便局だけという過疎地もたくさんありますが、民間会社になれば撤退も可能で、何の保証もありません。
私の選挙区は全国比例区です。都会から田舎まで全国のいろんなところに伺っております。私が今でも思い出しますのは、四国の香川県の小さな漁村の郵便局です。山を越えて坂道を下るとそこに港があり、小さな木造の郵便局がありました。局長一人、職員二人で経営されている小さな郵便局です。私はそこに立ち寄り、郵便局長さんとお話をしました。そうしますと、白髪のおじいちゃん、おばあちゃんが続々と郵便局にやってこられる。恐らく、年金を下ろしたり貯金をされたりしていると思います。
私は、このようなお年寄りを拝見していて感じましたのは、もしこの郵便局がなくなったらこのお年寄りはどうなるんだろうかということです。恐らく、車やバスで町の中の銀行に行かなければ年金や保険のお金を下ろすこともできなくなります。足が不自由なお年寄りは本当に大変なことになります。
郵政改革に当たっては、党派を問わず多くの議員が指摘していますように、このような地域のお年寄りの生活を支える郵便局の維持が必要です。しかしながら、政府案は確実な担保を示していません。
小泉総理は、官から民へ、大きな政府から小さな政府へを合い言葉に選挙を戦いました。効率が悪い不必要なことを減らすといえば聞こえはいいですが、その結果、郵政民営化法案が如実に示しますように、実際のところは弱者を切り捨てるになりがちであります。
最近、景気は竹中大臣が自慢するように多少は上向いているかもしれませんが、それはあくまでも企業レベルの話です。この四年間で正規雇用が約三百万人減っています。一方で、パート、派遣社員といった非正規雇用、約三百万人増えています。また、二〇〇四年時点でフリーターが約二百十三万人、ニートと呼ばれる若者六十四万人ですよ。私の考えでは、少子化に歯止めが掛からない大きな原因の一つがここにあります。
障害者自立支援法に見られる弱者の切捨て、富む者はますます富み、弱者はますます弱くなる。年収の格差は拡大する一方です。とても子供を産んで育てる状況にありません。これでは、小泉総理がおっしゃる小さな政府ではなく、国民の数が減る小さな日本になってしまいます。
ほかにも問題があります。小泉総理が唱える官から民へのキャッチフレーズには大きな疑問符が付きます。
まず、政府案において、郵政公社は、政府が株式の三分の一超を保有する持ち株会社と、持ち株会社が一〇〇%保有する郵便事業会社、郵政窓口ネットワーク会社、そして、それらと株式持ち合いをする郵便貯金銀行と郵便保険会社となります。すなわち、政府の民営化案はただ単に特殊会社と政府系金融をつくるにすぎません。民営化の名前に全く値しない。
また、小泉総理は、これまで国債百十一兆円、財投債百四十四兆円を合わせた二百五十兆円という国の借金を増やしてきました。引き続き野方図な国債の発行や財投債の発行を続けるならば、郵便貯金や郵便保険の資金は官から民に流れることはありません。我々は、この点について重ね重ね質問をいたしましたが、明確な答えを全く得ていません。
これだけではありません。まだまだ反対の理由があります。
まず、民営化後の経営予測、骨格経営試算の前提が余りにもいい加減です。名目GDPが十年間で一・五倍、コンビニ事業は業界最大最強のセブンイレブンと同じレベルの売上げと利益を上げる、資金運用では民間銀行でさえも不可能な利益を上げるなど、約二十七万人の職場を担う事業の経営予測が余りにもずさんです。これでは郵政公社の職員の方々も安心して民営化法案を受けることはできません。
次に、民営圧迫の可能性が著しく高いことがあります。膨大な規模と力を持つ郵便局がコンビニ、不動産などの新規事業を行えば、地方の事業者が郵便局との競争により淘汰され、廃業する可能性が大きくあります。そして、二兆円もの社会・地域貢献基金は、基金という名前をかりた補助金です。採算が悪ければ補助金で手当てされるのであれば、必ずモラルハザードが起きます。
小泉総理は、郵政民営化法案が参議院で否決されたにもかかわらず衆議院を解散した理由として、衆議院で勝利し民意が示されれば、参議院の反対派も考えを変えて賛成してくれると考えたと繰り返しおっしゃっています。しかしながら、衆議院選挙で示された民意を参議院議員が酌み取ることは筋が全く違います。
今回の衆議院選では、自民党は二百九十六議席、民主党の百十三議席の二倍以上の議席を獲得しましたが、得票数では民主党のわずか一・三倍しかありません。衆院選の小選挙区という特性がこのような結果を生んでいます。したがって、衆議院の議席だけをもって民意が判断したと断じて言うことはできません。我々参議院が衆議院選の結果に従っては、何のための二院制か分からなくなります。
最後にもう一度申し上げます。今回、前の国会で否決した郵政民営化法案を参院が可決することがあれば、参院は衆院のカーボンコピーであると自らを烙印を押すことになります。
私たちは、参議院の独自性を守るため、そして国民生活を守る立場から、法案に対して断固として反対することを表明いたします。
是非、皆さん、考えてください。お願いします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/19
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020・扇千景
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/20
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021・扇千景
○議長(扇千景君) これより六案を一括して採決いたします。
阿部正俊君外百三十四名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
よって、表決は記名投票をもって行います。六案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/21
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022・扇千景
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/22
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023・扇千景
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/23
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024・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十四票
白色票 百三十四票
青色票 百票
よって、六案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/24
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025・扇千景
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00620051014/25
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