1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十七年十月二十一日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第八号
平成十七年十月二十一日
午前十時開議
第一 会計検査院法の一部を改正する法律案(
決算委員長提出)
第二 日本放送協会平成十三年度財産目録、貸
借対照表及び損益計算書並びにこれに関する
説明書
第三 日本放送協会平成十四年度財産目録、貸
借対照表及び損益計算書並びにこれに関する
説明書
第四 日本放送協会平成十五年度財産目録、貸
借対照表及び損益計算書並びにこれに関する
説明書
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○本日の会議に付した案件
一、銀行法等の一部を改正する法律案(趣旨説
明)
一、電波法及び放送法の一部を改正する法律案
(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/0
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001・扇千景
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
銀行法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/1
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002・扇千景
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。伊藤国務大臣。
〔国務大臣伊藤達也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/2
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003・伊藤達也
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、内外の金融情勢の変化に対応し、金融資本市場の構造改革を促進する必要性を踏まえ、預金者等の利便性の向上等を図るための措置を講ずるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、銀行等の代理店制度を見直し、より幅広い形態での銀行代理業への参入を認めることにより、利用者の金融サービスに対するアクセスを確保、向上させるとともに、金融機関が多様な販売チャネルを効率的に活用できるよう、預金の受入れ、資金の貸付け、為替取引等を内容とする契約の締結の代理又は媒介を営業として行う銀行代理業制度を創設することとしております。
具体的には、一般の事業者が銀行代理業に参入する際に課せられている出資規制や兼業規制を撤廃する一方、銀行代理業の適正確実な遂行を確保するため、銀行代理業の参入に当たっては許可制とするほか、兼業については個別承認制とするとともに、抱き合わせ販売や情実融資の禁止等、利用者保護等のための措置を講ずることとしております。
第二に、銀行等の経営の効率化のため、子会社規制の緩和を行うほか、銀行等の適切な業務運営を確保するため、業務委託先への報告徴求や立入検査を可能とする等、所要の措置を講ずることとしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/3
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004・扇千景
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。大久保勉君。
〔大久保勉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/4
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005・大久保勉
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。
ただいま議題となりました銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、民主党・新緑風会の立場から担当大臣に質問いたします。
本題に入る前に、日本の金融に対する私の思いを述べたいと思います。
私は、議員になる前、日本の都市銀行、そして米国の投資銀行にそれぞれ十年間勤務しておりました。この間、日本の金融は大きな変化を遂げました。
私がちょうど銀行員生活を始めたころ、日米円・ドル委員会で日本の金融の自由化が議論されました。前川レポート、プラザ合意と、金融における改革を断行する好機は幾度も訪れましたが、当時の大蔵省や金融機関幹部は、既得権益を手放すことができずに改革を後回しにして、一方でバブル経済の発生に加担するという失敗を犯してしまいました。バブル崩壊後、金融の改革は一層困難になり、また日本経済にも大きな禍根を残したことと反省されます。
ようやく大手銀行の不良債権問題は終了しつつあります。しかし、この二十年間で日本の銀行の国際的地位は大きく低下し、いまだ収益力と顧客満足度を両立した新しいビジネスモデルを確立できているとは言い難い状況です。不良債権処理にきゅうきゅうとして、IT投資や市場開拓の点で欧米の銀行に大きく水を空けられたことが一因であります。
このような問題意識もあり、私は、一、日本の金融の競争力を高め、基幹産業の一つとして雇用やGDPの拡大に貢献できるか、二、金融における消費者の権利を保障するものであるか、以上二つの観点が金融政策を論じる上で極めて重要であると考えます。
そこで、質問に入ります。
金融庁は、昨年十二月に公表した金融改革プログラムで、金融サービス立国という新しい構想を発表しました。この構想を実現するためには、銀行法の改正を行い、金融においても製造・販売の分離、そしてアウトソーシングが可能なように銀行代理人制度を創設することは有益であります。しかしながら、この法案が、これまですべての支店網を自前で構築しなければならなかった銀行の経費削減や銀行員のリストラを促す産業政策の観点だけの法案であるとすれば、賛成しかねます。あくまでも、利用者の利便性の向上、そして顧客の権利保障といった視点を欠くことはできません。伊藤金融担当大臣にこの点の明確なコミットをお願いいたします。
金融が大幅に自由化して、情報の非対称性の下、豊富な情報を持った業者が個人の顧客に対してやりたい放題できるというのであれば、金融サービス立国の名に恥じます。実際、ここ数年、業法を大幅に緩和した後、悪徳為替先物業者や悪徳無認可共済業者による金融詐欺事件が横行し、金融先物業法や保険業法を慌てて改正するという失態が起こりました。金融サービス・市場法による消費者の権利保障のための法制度が完備していない我が国において、甚大な被害が発生して慌てて業法を改正する、言わばモグラたたきの後追い金融行政にならないか、懸念するところであります。
今回の法改正で、数多くの銀行代理人が登場し、多様で多彩な店舗、営業形態になると、正規の代理人と虚偽の代理人とを識別するのが困難になるおそれがあります。特に銀行業務においては、保険業務や証券業務と違い、外務員資格制度がありません。そのため、虚偽の代理人の識別が困難で、預金詐欺など横行するおそれがございます。この点、伊藤金融担当大臣に御見解、また対策をお伺いいたします。
次に、検査体制に関して伺います。
同法案施行により、流通業、ノンバンク、あるいは証券、保険等の金融機関が銀行代理人として全国津々浦々、営業活動を行うことになると思います。また、これらの中には、銀行代理人と併せて証券や保険の代理人を兼業することも考えられます。これらの代理人は、マネーロンダリング対策を行い、銀行業務、証券業務、保険業務との間にファイアウオールを設ける必要があります。このことをより確実に実行させるためには、委託元銀行にのみ代理人の指導監督責任を負わせるだけではなく、金融当局自らも立入検査を実行することが必要であるはずです。
そこで、金融庁、特に検査の実務を行うことの多い地方財務局にそれだけの組織や要員があるのか、お伺いいたします。
中央レベルでは、旧大蔵省が財務省と金融庁と機能別に分離され、時代にマッチした組織改革が進みました。しかし、地方財務局レベルでは、相変わらず旧大蔵省時代の組織のままで、金融行政の実務を担う専門的人材を育成し、またそれらの人材を十分に生かす組織になっていないという批判をよく耳にします。地方財務局も組織再編を行い、財務と金融を分離し、それぞれの専門性や機能をより強化するような改革が必要であると私は考えます。このことに対して、谷垣財務大臣と伊藤金融担当大臣の御所見を伺います。
続いて、この法案の提出のタイミングに関する質問です。
先週、郵政民営化法案が本院で可決されました。同法律では、郵便貯金銀行は預金等の銀行業務を郵便局会社に委託することになっております。流通業や保険代理人を行う郵便局会社が銀行代理人も兼務することは、現行の銀行法上、問題が生じます。そのため慌てて銀行法を改正し、民間銀行とのイコールフッティングを取り繕っているように見えます。政府の金融サービス立国に対する決意はその程度のものであるか、私は危惧します。私は、郵政民営化法案よりもっと前にこの法案を国会に提出してそのようなそしりを回避すべきであったと考えますが、伊藤金融担当大臣、いかがでしょうか。
続きまして、この法案の地域金融機関に対する影響に関して質問します。
今年四月よりペイオフ制度が解禁されましたが、現在のところ金融秩序は平穏に推移しております。これは、地域金融機関の皆さんが地域密着型金融の機能強化に向けて鋭意努力されていることも理由の一つです。しかしながら、地方経済は引き続き低迷し、地域金融機関の不良債権問題は完全に解決したとは言い難く、また多くの地域金融機関は生き残り策を模索しております。この法案により、資本関係を超えた銀行代理人制度の解禁により、地域金融機関が大手銀行の代理人として存続することも可能になります。
そこで、一、このようなことを金融庁は実際想定しているのか、二、その場合このような地域金融機関の再編が我が国の金融システム安定にいかに寄与するか、三、地方の銀行利用者の利便性と権利保障の観点からどのように考えるか、伊藤金融担当大臣に御所見を伺います。
最近、株式市場を取り巻く環境が大きく変化しています。
年初にライブドアによるニッポン放送の敵対的買収が起きましたが、その後、企業の合併・買収をめぐる動きが活発になっております。最近では楽天によるTBS株式の大量取得による企業合併・買収への動き、そしてワールド経営陣による自社株取得、非上場化などがあります。
銀行監督の観点から、楽天やワールド経営陣に融資を行っている大手銀行の存在を見逃すことはできません。例えば、本日の東京新聞によりますと、三井住友、みずほコーポレート、住友信託の主力三行が楽天に対して計八百億円の融資枠を設定していると報じております。TBSに対する株式公開買い付けも視野に入れたTBS株追加取得資金になる公算が強いと伝えているところであります。
欧米では、このような企業合併・買収に関連した銀行融資は広く行われており、また投資銀行部門の収益の柱の一つになっております。しかしながら、これらの融資は信用リスクが高く、またインサイダー取引や相場操縦など経済犯罪の温床にもなることがあります。これらのリスクや犯罪を未然に防ぐには、現行の証券取引法、会社法及び銀行法の想定の範囲外のことも多く、新たな法規制、それに加えて銀行におけるコンプライアンス上の自主規制が必要であると考えます。
そこで、銀行が企業合併・買収ビジネスに積極的に関与していくことに対して、一、良好な金融秩序の維持、二、リスク管理、三、顧客情報管理、以上の三つの観点から、現状認識と今後の具体的対策に対して伊藤金融担当大臣の御所見を伺います。
また、会社法との関連で、同様の質問を南野法務大臣にお尋ねいたします。
最後に、一言申し上げます。
郵政民営化法案が先週、参議院本会議で百三十四対百の賛成多数で可決されました。およそ二か月前の八月八日に百八対百二十五と反対多数で否決された法案が、全く同じ参議院議員により今度は可決されたのです。民意の名をかりた自己保身のための日和見、いや「こいずみより」賛成であれば、参議院の質が問われます。我々に必要なことは、国の将来を慎重に見極め、国の将来に責任を持つことであります。
私は、郵政特別委員会で三度質問に立ちました。そこで明らかになったことは、二〇〇七年十月に今より二%以上金利が上昇している場合には、保有する国債や社債に多大な含み損が発生し、実質債務超過の状態で郵便貯金銀行が設立されるおそれがあるということであります。このような新銀行にみなし銀行免許を与えるようでは、金融庁がこれまで民間銀行に言ってきたことと、自ら政府の一員として行うこととには大きな矛盾が生じるということです。ダブルスタンダードであるという批判にどう答えるのか、伊藤金融担当大臣に伺います。
小泉政権四年半の間に国の借金が二百四十兆円も増え、国の借金残高はGDPの一・六倍を超えようとしております。民間の身を切るような努力により、景気は踊り場を脱して上昇に転じました。また、株式そして東京を中心に不動産価格は上昇に転じております。このような状況が続くと、将来金利が上昇するのが自然です。史上例のないゼロ金利がこのままずっと続くという都合のいい前提で郵政民営化のバラ色の将来を喧伝したり、国の財政計画を練ったりするようであれば、政府の危機管理能力のなさを指摘せざるを得ません。
また、自分の都合の悪いことは国民に知らしめず、楽観的で都合のいい情報だけを公表するようでは、財政・金融における大本営発表と言わざるを得ません。財政・金融における敗戦を避けるためには、情報を公開し、中身のある説明責任を政府が果たすことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/5
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006・扇千景
○議長(扇千景君) 大久保君、時間が超過しておりますので、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/6
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007・大久保勉
○大久保勉君(続) これこそが本当の構造改革を行う前提条件であります。
都合の悪いことを隠し、国民を欺き、そして将来、増税、ハイパーインフレ、行政サービスの急低下と、国民に大きなツケを負わせることのないように、小泉政権に警鐘を鳴らして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣伊藤達也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/7
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008・伊藤達也
○国務大臣(伊藤達也君) 大久保議員から八問の御質問をいただきました。
まず、利用者の利便性の向上や顧客の権利保障の視点が重要ではないかとのお尋ねがありました。
今回の銀行代理店制度の見直しは、金融サービスのアクセスの確保、向上を通じて利用者利便の向上などを図るため、より幅広い形態での銀行代理業への参入を認めるとともに、顧客保護の観点から必要な措置を講ずるものであり、御指摘の視点に十分配慮したものとなっております。
次に、銀行業務では外務員資格制度がないことから、虚偽の代理人の識別ができず、預金詐欺等が横行するのではないかとのお尋ねがありました。
今回の改正案では、外務員資格制度は設けておりませんが、標識の掲示など誤認防止のための措置を義務付けるとともに、無許可で代理業を営むことへの罰則を規定するなど顧客の保護を図っております。
銀行代理業務に対する検査体制についてお尋ねがありました。
代理業務に対する検査については、まずは銀行本体に対する検査の中で対応することを基本としつつ、代理業者自体の検査も行うこととしておりますが、財務局を含め適切な検査を実施できる体制を整備してまいりたいと考えております。
財務局の組織再編についてお尋ねがありました。
地方の金融機関の検査・監督については、金融監督庁設立の際、新たに地方支分部局を設けることは行政改革の理念に照らして適切でないとの考え方の下、既存の財務局の組織を活用することとされたものであります。金融庁としては、これまで研修等を通じて財務局職員の専門性の向上等を図ってきており、引き続き財務局の組織を活用しつつ、金融行政の機能強化に努めてまいります。
郵政民営化法案よりもっと前にこの法案を提出するべきではなかったのかとのお尋ねがありました。
今回の銀行法改正は、郵政民営化の前提としてではなく、利用者の金融サービスへのアクセスの確保、向上などの観点から行う重要な制度改正であり、できる限り早期に国会に提出すべく取り組んだ結果、今特別国会への提出に至ったものであります。
地域金融機関が大手銀行の代理人として存続する可能性と、その場合の金融システムや地方の銀行利用者の利便性、権利保障への影響についてお尋ねがありました。
今回の見直しでは、地域金融機関は、大手銀行の代理店としてビジネスを拡大できるだけでなく、自らの販売チャネルを拡大することも可能となることから、議員御指摘のような形での地域金融機関の再編に必然的につながるとは考えておりません。他方、銀行代理店制度の活用は、地方の銀行利用者にとっても金融サービスへのアクセス改善につながることから、利用者の利便性と権利保障の観点から望ましいものと考えております。
銀行が企業合併・買収ビジネスに関与することに係る現状認識と今後の対策についてお尋ねがありました。
各銀行は、経済犯罪の防止や顧客情報管理などのためのコンプライアンス体制、融資に際してのリスク管理体制の整備に努めていると認識をしております。金融庁としても、これらに関連する規制の整備や、これを担保するための検査・監督に努めてきたところであり、今後とも良好な金融秩序の維持に向けて適切に対応してまいります。
郵便貯金銀行へのみなし銀行免許の付与についてお尋ねがありました。
民営化に際しては、郵政民営化法に示された枠組みの下、適切な資産の切り分けや自己資本の配分が行われ、郵便貯金銀行の財務の健全性が確保されることになります。その上で、郵便貯金銀行へのみなし銀行免許に当たっては、財産的基礎など銀行法の免許基準に照らして適合的か金融庁が事前に審査できる制度設計となっており、ダブルスタンダードとの御批判は当たらないものと考えております。(拍手)
〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/8
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009・谷垣禎一
○国務大臣(谷垣禎一君) 大久保議員にお答えいたします。
平成十年六月に金融監督庁が設立されたわけでございますが、その際に、地方における金融機関の検査・監督については、今、伊藤大臣の御答弁にもございましたように、新たな地方支分部局を設けることは行政改革の理念に照らして適切ではないという考え方を取りまして、既存の財務局を活用していこうということで今日に及んでおります。
財務局におきましては、職員の専門性の維持向上、これは極めて大事であると考えておりまして、研修等を随時行っております。これからも、金融機関の検査・監督を含めた業務の適切な遂行に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣南野知惠子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/9
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010・南野知惠子
○国務大臣(南野知惠子君) 大久保勉議員にお答え申し上げます。
銀行の企業合併等への関与につきましては、会社法との関連での所見についてのお尋ねがございました。
さきの通常国会で成立いたしました会社法では、企業における組織再編がその経営体力や競争力を増すために有効な手段であることを踏まえ、機動的な組織再編を可能にするための様々な改革を行う一方で、企業における適切な内部統制を確保することの重要性にかんがみ、銀行を始めとする大会社における内部統制システムの構築の基本方針の決定を義務付ける等の改正を行っております。
法務省といたしましては、御指摘のあった点を念頭に置きつつ、このような会社法の円滑な施行に向けて十全の努力を払っていきたいと考えております。
以上です。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/10
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011・扇千景
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/11
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012・扇千景
○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
電波法及び放送法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/12
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013・扇千景
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。麻生総務大臣。
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/13
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014・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 電波法及び放送法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
現在、総務省では、有限かつ希少な電波を、大胆かつ迅速に、成長が期待をされます無線ビジネスに開放する電波開放戦略を積極的に推進をいたしております。この戦略の一層の推進を図るため、電波の有効利用の観点から、電波利用料の負担の在り方を見直して電波の経済的価値に係る諸要素を勘案した料額を定めるとともに、国民が携帯電話などの無線システムをいつでもどこでも利用できる環境を積極的に整備すること等が有用であろうと存じます。
あわせて、最近の放送事業をめぐる対内投資の増大等、社会経済情勢の変化に的確に対応するため、国民生活に不可欠な情報の提供手段として重要な役割を担っております地上放送につきまして、外資規制の実効性を確保していくことが重要な課題となっております。
これらが、今般、この法律案を提出した理由であります。
次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。
第一に、免許人等が無線局ごとに納めなければならない電波利用料につきましては、無線局の区分に応じ、使用する電波の周波数帯及び周波数の幅、設置場所等に従い細分して定めることとし、料額表の改定を行わせていただきます。あわせて、広範囲の地域において同一の者が開設する無線局に専ら使用させることを目的といたしました広域専用電波を使用する免許人は、毎年、その周波数の幅等を勘案して算定されます電波利用料を納めなければならないことといたしております。
第二に、電波利用料の使途として、電波のより能率的な利用に資する技術に関する研究開発に要する費用を例示として追加をさせていただきます。また、携帯電話などの無線通信を利用できない地域において必要最小の空中線電力を用いてこれらの無線通信を利用できるようにするための伝送路設備整備の補助金に要する費用につきましても、新たに例示として追加することといたしております。
第三に、外国人等が議決権の一定割合以上を占める法人又は団体が、地上放送の業務を行おうとする者の議決権の一定割合以上を占めていることを、放送局の免許の欠格事由とするものであります。また、これに伴い、株主名簿等への記載等の拒否、議決権の制限に関する規定等を整備することといたしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
なお、この法律は、一部の規定を除きまして、公布の日から起算して三か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
以上が電波法及び放送法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/14
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015・扇千景
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。内藤正光君。
〔内藤正光君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/15
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016・内藤正光
○内藤正光君 民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました電波法及び放送法の一部を改正する法律案について質問いたします。
本題に入る前に、過日のパキスタンの大地震に対する支援について、参議院を代表して官房長官にお尋ねいたします。
被災状況や支援ニーズを調査するために、私たち民主党は、今月の十一日から十七日まで、若林秀樹参議院議員を団長とする調査団を派遣をいたしました。そして、その調査を踏まえて、昨日、小泉総理大臣に申入れを行ったことは御存じかと思います。
調査団の報告によれば、パキスタン政府が当面の救援策として最優先課題に挙げているのは、本格的な冬の到来を控え、シェルターを早急に確保することのようです。そこで、単にテントや毛布を供与するだけでなく、自衛隊によるテントの設置も含めて検討し、早急に避難所の確保や防寒対策を講じ、また緊急医療支援の体制を拡充する旨の申入れを昨日、官邸に行いました。
そこで、官房長官にお尋ねをいたします。
政府は、早急に取り組むべき現地ニーズは何だと把握し、それに対していかなる具体的対策を取ってきたのか、そしてまた、今後どのような支援策を講じていくお考えなのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
次に、いわゆるハイテク犯罪に対処するための法案について、一点、法務大臣に質問をさせていただきます。
本法案により、パソコン一台の差押令状で、そのパソコンからアクセスできるすべてのサーバー等のデータ差押えが可能となりますが、さきの国会で法務省は、裁判所の発行する令状に範囲を明示することになっているので無制限にはならず、憲法違反にはならないと答弁をされております。しかし、令状には、その他本件に関連すると思われる一切の証拠といったような包括的な条項が付くことも多いと聞きますが、本法案では具体的な範囲を明示しない包括的な条項では差押えできないものと理解していいのかどうか、見解をお述べいただきたいと思います。
本題に戻ります。
電波・放送行政に関して、民主党はこれまで抜本改革案を示してきました。改革案の柱の一つは、限られた資源である電波の有効利用を促進するため、電波利用料に電波の経済的価値を反映させるとともに、周波数割当て制度を抜本的に見直すことです。そして、もう一つの柱は、通信・放送分野における公正な競争を促進するため、独立した行政機関である通信・放送委員会を創設することです。
これに対して、政府の電波行政改革に対する動きは鈍く、電波法を毎年改正してはいるものの、その改正内容は改革と呼ぶにはほど遠いものでした。今回の改正案もまたしかりです。
まず、本法案の提出の経緯について質問をいたします。
本法案は、さきの国会に提出され廃案となった電波利用料の見直しと外資の間接出資規制という全く目的の異なる別々の改正事項を一つにまとめてしまったものです。そのことを総務省に指摘すると、同じ電波法の改正ですからと答えます。何と安易な姿勢か。立法府軽視も甚だしいと言わざるを得ません。政府のこのようなやり方に対して強く抗議をするとともに、総務大臣に見解を求めます。
電波利用料の見直しについて伺います。
見直しの理由は電波資源の有効利用を促進するためであり、その手段として電波の経済的価値に係る諸要素を勘案した料額を定める必要があるとしています。しかし、本改正案に基づく新たな料額を適用しても、果たして電波の有効利用が促進されるのか、甚だ疑問と断ぜざるを得ません。
現行の電波利用料は、よくマンションの管理費に擬せられます。つまり、あくまで共益費用であって価値を勘案した使用料ではなく、南向き、北向き、あるいは階数等に関係なく、全戸数で単純に頭割りされるものという意味です。
改正後の電波利用料は、なるほど部分的には周波数、出力、利用する地域ごとに差を付けて定められてはいますが、この料額は決して電波の使用に対する対価として決まったものではありません。従前どおり電波の管理手数料を各無線局に割り当てているにすぎず、総務省が恣意的に決めるシステムは温存されたままです。
電波資源の需給が逼迫している現在、電波行政の主眼は安定的な電波利用の確保から電波資源の効率的利用の促進へとシフトしています。そんな中、制度の基本的発想や仕組みが制度の導入当初のままであるところに根本的な問題が潜んでいるんです。
そこでお伺いします。今回の電波利用料の見直しにおいて、なぜ利用料から経済価値を反映した使用料へと転換を図ることができなかったのか、また今後、使用料的なものへと転換を図っていく考えはあるのでしょうか、総務大臣にお尋ねをいたします。
電波利用料に関しては、携帯電話の負担する割合が多過ぎるとかねてより指摘されております。平成十五年度の決算によれば、全体の五%に満たない周波数幅しか使用していない携帯電話が全歳入の八割以上を負担しており、改正後もこれはほとんど変わりません。また、歳出においても、放送局は六・四%しか負担していないところを、アナログ周波数変更対策業務には三四%を支出しています。これで負担と受益の公平性が守られていると言えるのか、現状に対する総務大臣の認識を伺います。
さて、皆さん、電波利用料の算出に当たっては、まず歳出予定額ありきであることを御存じでしょうか。制度発足当初の平成五年には七十五億円であったものが、今年度には六百億円超にまで増加しているんです。十二年間で何と八倍もの増加なんです。その主な理由は携帯電話の爆発的な普及にありますが、その間に膨らみつつあった負担と受益のアンバランスに何ら対処しなかったばかりか、ここぞとばかりにぬれ手でアワの電波料収入の新たな使い道、使途を拡大し続けてきた総務省の姿勢には問題があると言わざるを得ません。
そして、私は、ここにこそ現行制度の矛盾点があると考えております。電波利用料は携帯端末一台当たりに対して課すという構造になっており、通信業者が幾ら電波の有効利用を進めていっても、電波利用料負担という点からはその努力は全く報われません。ただ総務省の電波料収入が増えるのみです。見直しの目的である有効利用促進という観点からも、また負担と受益の公平性を確保するという観点からも、無線局ごとに課金する現行制度を改めるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。今回の改正で十分に有効利用を促進し公平性を守れるとおっしゃるのであれば、その理由を明確にお答えいただきたいと思います。
さらに、無線局ごとに課金するという仕組みを温存していては、ユビキタス社会の到来に向けて、総務省が手にする電波料収入は増加の一途をたどることになるでしょう。失言さえなければ次期総理候補の一人との呼び声も高い麻生大臣、そのことに対する問題意識をお尋ねいたします。
今回の改正案でも電波利用料の使途を拡充するとしていますが、拡充される使途のうち、電波資源拡大のための研究開発については交付団体や使途が不透明です。国民がその使途に疑念を抱かないようにするためにも、総務省は電波利用料の使途について徹底した情報公開を行わなければならないと思いますが、この点についても総務大臣の見解を求めます。
続いて、放送局の外資規制について伺います。
そもそも放送局に対する外資規制に関する法案は、さきの通常国会において内閣から国会への法律の提出期限である三月十五日を一か月以上も過ぎた四月十九日に提出されたものであります。ライブドア社が外国企業から資金調達し、ニッポン放送の株式を大量に取得したことが引き金となり、外資規制に関する法案が用意されたことは周知の事実です。つまり、ライブドアのケースからわずか二か月間で泥縄式に提出された法案であり、仮に外資規制が必要であったとしても、十分な検討がなされたものか甚だ疑問であり、拙速の感がぬぐえません。
先日、党の部門会議で総務省よりヒアリングを行ったところでは、法案作成の過程で意見を求めたのは当事者である放送事業者のみとのことでしたが、本法案提出前にパブリックコメント等を行って国民の意見に十分耳を傾けたのか、提出までの手順や経緯を改めて総務大臣にお伺いします。
電波の希少性や放送の社会的影響力を考えれば、外資が放送局へ出資することに対して一定の規制を掛けることは必要な措置であるとは考えます。しかし、総務省が放送を取り巻く環境や将来の放送の在り方などについて議論をすることを怠ったため、本法案の規制の在り方についてはあいまいな点が数多く見られます。
まず、小泉総理の外資に対する考えと本法案の整合性をどう考えるのかという問題があります。小泉総理はさきの委員会で、私は外資歓迎論を取っているんです、外国資本から魅力のないような日本企業じゃしようがない、どんどん外国資本に買ってもらうような魅力ある企業に育ってこそ日本の経済に刺激を与え活性化をもたらすと発言をされております。総理の発言にもかかわらず、なぜ放送の分野については外資規制を強化するのか、その哲学を総務大臣に説明をしていただきたいと思います。
また、今後、インターネット放送など通信と放送の融合やコンテンツの国際化が急速に進展していくことを考えたとき、地上放送のみに規制を掛ける意味がどの程度あるのかという指摘もなされています。今後、インターネットを含めた広義のメディア関連事業における外資規制をどのように考えるのか、放送局以外にも外資規制を広げていくべきだと考えるのか、総務大臣に答弁を求めます。
放送局は、多様な業務展開をするためにより多くの資金を確保することが求められております。また、地方民間放送局については、デジタル化に伴う設備投資の負担が重く、苦しい経営を迫られています。そのため、いかに財務強化を図るかが大きな課題となっております。
このような環境の中で外資の出資規制を厳しくすることには、放送局が資本提携する選択肢を狭め、放送局の経営を悪化させるおそれも指摘されているところです。外資による出資規制を厳格化した場合、放送局の資金調達にどのような影響が予想されるか、総務大臣にお伺いをいたします。
そもそも今回の外資規制は、いわゆるホリエモン騒動に端を発しております。しかし、そのホリエモンこと堀江貴文社長は、今や自民党の武部幹事長から様々なアドバイスを求められるまでになってしまいました。堀江社長の外資規制に対する考えはお聞き及びかと思いますが、国内企業と外資企業を対比して考えるのは時代後れだというものです。
そこで、総務大臣にお尋ねします。本法律案の提出に当たって、堀江社長にアドバイスは求められたんでしょうか、総務大臣にお尋ねをいたします。
政府は、自らの企業防衛をしようとする一部の放送事業者や与党の強い意見に押され、拙速に法案を出してきたのではないんでしょうか。今求められているのは、外資や企業買収に対する過剰な脅威論で規制を拙速に強化することではなく、デジタル化や通信との融合が進む中、我が国における放送の今後の役割やあるべき姿の検討こそがまず求められているのではないかということを強く申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/16
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017・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 内藤議員から十一問、質問をちょうだいいたしております。
まず、法案の一本化についてのお尋ねがあっております。
前国会では、電波法の一部を改正する法律案は予算関連法案として二月の九日に、また電波法及び放送法の一部を改正する法律案は、ニッポン放送の買収事案を受けて検討を本格化した結果、四月十九日に提出したものであります。いずれも無線局の規律の見直しを目的とする電波法改正を中心といたしておるものですから、今国会では一本化して提出をさせていただいております。
次に、今回の見直しにおいて電波利用料を使用料へ転換しなかった理由と今後の考え方についてのお尋ねがあっておりました。
電波利用料は、無線局全体の受益を目的とする行政事務の費用を賄うための手数料として受益者である無線局免許人等に負担をいただいているものであります。今回の見直しにおきましては、経済的価値に係る要素等を勘案することとしましたが、手数料としての性格は変わっておりません。電波利用料の基本的な性格を考えた場合、使用料的なものへの転換は難しいものと考えております。
次に、電波利用料の負担と受益についてお尋ねがありました。
電波利用料制度は、無線局全体のための共益的な行政事務の費用を受益者である無線局の免許人等の方々に無線局の種類に応じて負担をしていただくものであります。この負担額につきましては、負担と受益の公平性の観点を含め適正となるようこれまでも国会で見直しをいただいており、利用者の理解は得られているものと考えております。
次に、無線局ごとの課金を改めるべきではないかとのお尋ねがあっております。
今回の見直しでは、携帯電話等において無線局数によらず使用する帯域幅に応じた電波利用料を一部導入することといたしております。これを含め、今回の見直しでは、電波利用料の算定に当たって経済的価値に係る要素等を勘案することとしておりまして、電波の有効利用インセンティブが働くとともに、負担の公平性が確保されるものと考えております。
次に、無線局ごとに課金する仕組みでは電波利用料の収入が増加の一途をたどるのではないかとのお尋ねがありました。
電波利用料の具体的な使途となる事務及びその事務の費用から算定されます個別の料額につきましては、国会の審議を経て法律で明確に規定をされております。使途と料額がこのように法定されることから、電波利用料収入が増加の一途をたどるという懸念は当たらないものと認識をいたしております。
次に、電波利用料の情報公開についてもお尋ねがありました。
行政事務一般について情報公開を推進し、行政の透明性を確保していくということは極めて重要と認識をいたしております。電波利用料の使途につきましても、これまでも様々な方法で情報公開をしてまいりましたが、国民に御理解をいただけますよう、今後とも積極的に取り組んでいかねばならないと考えております。
次に、法案提出までの手順や経緯についてのお尋ねがあっております。
外資規制の在り方につきましては、かねてより問題意識を持って研究調査を続けてきたところでもあります。その上で、本年二月のニッポン放送の買収事案の際に、マスメディアやホームページを通じて寄せられました国民の声はもとより、審議会、経済界、放送事業者の意見等を踏まえて本法案を作成したものであります。
次に、外資規制の哲学についてのお尋ねがあっております。
放送局に対する外資規制は、有限希少な周波数の利用は自国民を優先させるべきと思っております。放送は言論・報道機関として社会的影響力が大きいとも存じます。したがいまして、これらの事案に基づきまして、本法案は最近の対内投資の拡大等に対応するため、従来の直接出資に加え間接出資を規制することとしており、その実効性を確保するものと考えております。
次に、放送局以外のメディア関連企業等への外資規制の適用についてのお尋ねがあっております。
放送分野にありましては、その特殊性から多くの国々で一定の外資規制を行っております。他方、電気通信分野は国際的にも投資を自由化していく潮流にあると理解をしておりまして、現段階で御指摘のように規制を更に拡大していく考えはございません。
次に、放送局の資金調達にどのような影響が予想されるかについてお尋ねがありました。
本法案は、地上放送に限って、現在の直接出資に加えて間接出資を規制することにより外資規制の実効性を確保するものでして、今後、財務基盤の強化が課題とされる放送局におきまして、外資による資金調達が阻害されることのないよう適切に運用してまいる所存であります。
最後に、ドラえもん、じゃなかったホリエモン、済みません、ホリエモンに、あっ、ホリエモンじゃない、堀江社長にアドバイスを求めた事実の有無についてのお尋ねがありましたが、そのような事実はございません。(拍手)
〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/17
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018・細田博之
○国務大臣(細田博之君) 内藤議員にお答えいたします。
パキスタン等大地震への対応についてのお尋ねがございました。
今回の大地震に対しましては、パキスタン政府の要請を踏まえ、早急に取り組むべき現地における緊急支援ニーズとして、被災者の救援、緊急支援物資、支援物資等の輸送のためのヘリコプターがあるとの判断に基づきまして、我が国政府は、これまでに例えば自衛隊ヘリの三機プラス追加三機、合計六機の派遣ですとか、自衛隊員三百二十人の派遣等々を含む国際緊急援助隊の派遣、そして二千五百万円相当の緊急支援物資の供与、最大二千万ドルの無償支援を決定しております。
当面の課題は、決定済みの支援を迅速かつ効果的に実施することでありますが、さらに、委員御指摘のように、間近に迫った冬の到来に備えまして、テント等のシェルターを早急に整備する必要があることなどから、現地における具体的ニーズやパキスタン政府からの要請も踏まえまして、我が国としていかなる支援が可能か検討する考えであります。
昨日、民主党前原代表、現地に調査に行かれた若林参議院議員、藤田前衆議院議員ほかの皆様方からの要請を伺ったところであり、また、政府といたしましては、二十六日にジュネーブにおいて国連主催の支援国会合が行われる予定となっておりますので、しかるべき者を派遣し、そして総合的な、特に冬季の対策がどのように行われるべきかということにおいて積極的な役割を果たすことにより、種々の御要請等におこたえすると同時に、国際的にも大事なこの地震対策における日本の役割を果たしてまいりたいと思って現在検討中でございます。(拍手)
〔国務大臣南野知惠子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/18
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019・南野知惠子
○国務大臣(南野知惠子君) 内藤正光議員にお答えを申し上げます。
電気通信回路で接続している記録媒体からの複写、それの処分につきましてのお尋ねがございました。
この処分は、差押えの対象となっている電子計算機からアクセス可能なすべての記録媒体について行うことができるわけではありません。すなわち、裁判官が発する電子計算機を差押えの対象とする令状において、その電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にある記録媒体としてその範囲が記載されているものに限って認められるものであります。
したがいまして、例えば、本件に関連すると思われる電磁的記録が記録されている一切の記録媒体というような、差押えの対象である電子計算機からの接続状況等を問わずアクセス可能なすべての記録媒体が含まれるかのような記載がされた令状によりこの処分をすることはできないと考えております。
以上でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/19
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020・扇千景
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/20
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021・扇千景
○議長(扇千景君) 日程第一 会計検査院法の一部を改正する法律案(決算委員長提出)を議題といたします。
まず、提出者の趣旨説明を求めます。決算委員長中島眞人君。
─────────────
〔議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔中島眞人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/21
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022・中島眞人
○中島眞人君 ただいま議題となりました会計検査院法の一部を改正する法律案につきまして、決算委員会を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
近年、国会における決算審査につきましては、決算の国会への早期提出、審査内容の充実、政府に対する多岐にわたる措置の要求、さらには国会法第百五条に基づく会計検査院への検査要請の実施など、その充実を図ってきております。
こうした中、会計検査院の行う会計検査につきましても、国等の締結する契約の多様化を踏まえた検査対象の拡大、会計検査の円滑な実施の担保、さらに、会計検査院による国会等への報告時期の弾力化などが求められております。
本法律案は、このような状況にかんがみ、会計検査の機能の強化及び活用を図り、もって国会における決算審査の充実に資するため、所要の改正を行うものであります。
次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、会計検査院は、国の工事以外の役務の請負又は事務若しくは業務の受託のその契約に関する会計について、新たに検査することができるものとし、また、国が資本金の二分の一以上を出資している法人についても、工事その他の役務の請負若しくは事務若しくは業務の受託又は物品の納入のその契約に関する会計についても検査をすることができるものとしております。
第二に、会計検査院による実地の検査を受けるもの及び会計検査院から、帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出の求めを受け、又は質問され若しくは出頭の求めを受けたものは、これに応じなければならないものとしております。
第三に、会計検査院は、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求した事項その他特に必要と認める事項については、随時、国会及び内閣に報告することができるものとしております。
以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
なお、本法律案は、第百六十二回国会において、参議院改革協議会の御賛同を得て、決算委員会から提出し、参議院では全会一致をもって可決されましたが、衆議院解散に伴い、衆議院で審査未了となり、成立に至らなかった法律案と同じ内容のものでありまして、去る十九日、決算委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
何とぞ速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/22
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023・扇千景
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/23
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024・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/24
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025・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百十七
賛成 二百十七
反対 〇
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/25
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026・扇千景
○議長(扇千景君) 日程第二 日本放送協会平成十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
日程第三 日本放送協会平成十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
日程第四 日本放送協会平成十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
以上三件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。総務委員長木村仁君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔木村仁君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/26
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027・木村仁
○木村仁君 ただいま議題となりました三件につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
三件は、日本放送協会の平成十三年度、十四年度及び十五年度決算の書類でありまして、放送法の定めるところにより、会計検査院の検査を経て内閣から提出されたものであります。
まず、平成十三年度決算につきましては、一般勘定が、同年度末における資産総額六千九百八十一億円に対し、負債総額は二千六百九十八億円、資本総額は四千二百八十二億円となっております。
また、同年度中の損益の状況は、経常事業収入の六千六百七十六億円に対し、経常事業支出は六千四百四十六億円で、差引き経常事業収支差金は二百三十億円であり、これに経常事業外収支及び特別収支の差金を加えた当期事業収支差金は百三十一億円であります。このうち、八十九億円は資本支出に充当し、三十七億円は建設積立金に繰り入れ、三億円は翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越しております。
なお、本件には、特定検査対象に関する検査状況として「日本放送協会の非現用不動産の管理、処分状況について」を平成十三年度決算検査報告に掲記した旨の会計検査院の検査結果が付されております。
次に、平成十四年度決算につきましては、一般勘定が、同年度末における資産総額七千百十二億円に対し、負債総額は二千七百二十六億円であり、資本総額は四千三百八十五億円となっております。
また、同年度中の損益の状況は、経常事業収入の六千七百四十九億円に対し、経常事業支出は六千五百五十六億円で、差引き経常事業収支差金は百九十三億円であり、当期事業収支差金は百二億円であります。このうち、八十三億円は資本支出に充当し、十八億円は翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越しております。
なお、本件には、「記述すべき意見はない」旨の会計検査院の検査結果が付されております。
次に、平成十五年度決算につきましては、一般勘定が、同年度末における資産総額七千二百二十五億円に対し、負債総額は二千七百二十四億円、資本総額は四千五百億円となっております。
また、同年度中の損益の状況は、経常事業収入の六千八百二億円に対し、経常事業支出は六千五百九十二億円で、差引き経常事業収支差金は二百九億円であり、当期事業収支差金は百十五億円であります。このうち、七十七億円は資本支出に充当し、三十七億円は翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越しております。
なお、本件には、不当事項として「職員の不正行為による損害が生じたもの」を平成十五年度決算検査報告に掲記した旨の会計検査院の検査結果が付されております。
委員会におきましては、三件を一括して議題とし、NHKにおける信頼回復に向けた改革の状況、受信料減収に伴うNHK予算の補正の是非、NHK新生プランに基づく具体的な取組内容、受信料の公平負担の確保、受信料制度及び公共放送の在り方等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉川春子委員より、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より、それぞれ三件に反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、三件はいずれも多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/27
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028・扇千景
○議長(扇千景君) これより三件を一括して採決いたします。
三件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/28
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029・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/29
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030・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百十五
賛成 二百二
反対 十三
よって、三件は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/30
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031・扇千景
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十一時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116315254X00820051021/31
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