1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成十八年五月十八日(木曜日)
午前十時三分開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 舛添 要一君
理 事
浅野 勝人君
山本 一太君
榛葉賀津也君
柳田 稔君
高野 博師君
委 員
愛知 治郎君
岡田 直樹君
金田 勝年君
川口 順子君
小泉 昭男君
櫻井 新君
犬塚 直史君
今泉 昭君
佐藤 道夫君
白 眞勲君
遠山 清彦君
緒方 靖夫君
大田 昌秀君
国務大臣
外務大臣 麻生 太郎君
国務大臣
(防衛庁長官) 額賀福志郎君
副大臣
防衛庁副長官 木村 太郎君
外務副大臣 金田 勝年君
大臣政務官
防衛庁長官政務
官 愛知 治郎君
外務大臣政務官 遠山 清彦君
事務局側
常任委員会専門
員 泊 秀行君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 樽井 澄夫君
内閣府政策統括
官 東 良信君
防衛庁防衛局長 大古 和雄君
外務大臣官房審
議官 遠藤 善久君
外務省北米局長 河相 周夫君
外務省国際法局
長 小松 一郎君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
(日米安全保障協議委員会出席報告及び在日米
軍再編に係る日米協議に関する報告に関する件
)
○防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/0
-
001・舛添要一
○委員長(舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官樽井澄夫君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/1
-
002・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/2
-
003・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 外交、防衛等に関する調査のうち、日米安全保障協議委員会出席報告及び在日米軍再編に係る日米協議に関する報告に関する件を議題といたします。
まず、政府から報告を聴取いたします。麻生外務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/3
-
004・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 去る五月一日に米国ワシントンDCにて開催された日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2について、御報告をさせていただきます。
今般の2プラス2には、日本側より私と額賀防衛庁長官が、米側よりライス国務長官とラムズフェルド国防長官が出席をしております。
会合では、日米同盟が日本及びアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠な基礎を成しており、グローバルな問題に対処する上でもますます重要になっていることを改めて確認をしております。
世界及び地域の情勢に関しましても意見交換を行いました。その中で、イラクの復興及び民主化、アフガニスタンにおけるテロとの闘いについて国際協力の重要性を確認しております。その際、米側より、自衛隊の派遣等の日本の支援に対する感謝の意が表されました。また、イランの核問題の外交的解決に向け、イランに対してウラン濃縮活動の停止を求めるなど、IAEA及び国連安保理を通じた国際協力の重要性を確認しております。
北朝鮮につきましては、六者会合における共同声明の実施が重要であることを確認しました。米側より、拉致問題を始めとする北朝鮮の人権問題に高い関心を有しているとの発言がありました。なお、当方より、拉致被害者家族の訪米に当たり、ブッシュ大統領を始め米側関係者の対応に謝意を表明しております。
中国につきましては、軍事費増大に係る透明性が重要であることや、国際社会における責任ある利害関係者としての役割が期待されるとの認識を確認しております。
さらに、今般の2プラス2においては、昨年十月の2プラス2で発表した在日米軍の兵力態勢再編案について、その実施のための具体的計画を閣僚レベルで承認しました。この計画は、抑止力を維持しつつ、地元負担の軽減を実現する具体的道筋を描くものであり、今回の安全保障環境において日米安保体制を一層強化する上で極めて大きな意義を有すると認識いたしております。
今回のいわゆる最終取りまとめによって、兵力態勢再編に関する日米間の協議自体は一つの区切りが付いた形になりますが、今回の会合後発表した共同発表文にもあるとおり、今後、この再編の計画や計画検討作業等の役割、任務、能力に係る取組を着実に実施していくことが極めて重要です。
政府としても、今後とも、これらの取組の意義について、国会での審議等を通じて国民の皆様にしっかりと御説明していくとともに、関係省庁間で連携しながら、着実な実施に努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/4
-
005・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 額賀防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/5
-
006・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 私は、四月三十日から五月三日まで米国のワシントンを訪問をし、五月一日、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2において、麻生外務大臣とともに、ラムズフェルド国防長官及びライス国務長官と協議を行いました。また、五月三日、ラムズフェルド国防長官と協議を行いました。
2プラス2においては、国際情勢、日米同盟の変革と再編、イラク人道復興支援を議題として意見交換を行いました。
在日米軍の再編について、昨年十月二十九日の「日米同盟 未来のための変革と再編」における在日米軍及び関連する自衛隊の再編に関する具体的な計画を最終的に取りまとめた再編実施のための日米のロードマップを承認いたしました。
実施に関する個別の合意事項の第一は、沖縄における再編であります。具体的には、辺野古崎沿岸の普天間飛行場代替施設の建設及び在沖米海兵隊の沖縄からグアムへの移転について合意をしました。後者については、関連の施設及びインフラの整備費算定額百二・七億ドルのうち、日本は二十八億ドルの直接的な財政支援を含め、六十・九億ドルを提供いたします。また、日米両政府は、二〇〇七年三月までに嘉手納飛行場以南の在沖米軍施設・区域の統合のための詳細な計画を作成し、本計画において、キャンプ桑江、牧港補給地区等五施設については全面返還を、キャンプ瑞慶覧については部分的な返還を検討します。
第二としまして、キャンプ座間の米陸軍司令部の改編及びその後の陸上自衛隊中央即応集団司令部のキャンプ座間への移転について合意しました。
第三は、横田飛行場及び空域に関してであります。
航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊が横田飛行場に移転をし、また、横田空域の一部管制業務が日本側へ返還されます。一方、横田空域全体についてあり得べき返還に必要な条件の検討等の措置をとることが追求されます。
四点目として、米海軍の第五空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐を二〇一四年までに完了し、海上自衛隊の飛行隊等の岩国飛行場から厚木飛行場への移駐受入れに必要な施設を整備します。また、普天間飛行場に所在するKC130の飛行隊は岩国飛行場を拠点とし、訓練等は鹿屋基地及びグアムにローテーションで展開をします。なお、岩国飛行場所在の海兵CH53Dヘリはグアムに移転します。
五点目のミサイル防衛に関しましては、日米両国の緊密な連携を継続していきます。また、新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの展開地として航空自衛隊車力分屯基地を選定いたしました。
最後は、訓練移転についてであります。
当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場の三つの米軍施設からの航空機が、航空自衛隊千歳基地等六基地を拠点として行われる移転訓練に参加します。
以上が、在日米軍再編案の実施の概要であります。
また、ラムズフェルド国防長官との協議では、米軍再編、イラク人道復興支援等につき、率直に意見交換を行いました。
米軍再編については、今般の2プラス2における最終取りまとめを踏まえ、今後、着実に実施していくことにつき、ラムズフェルド長官と認識が一致し、また、私より、一九九六年の日米安保共同宣言発出後、当時予想していなかった事象が次々に起こっていることを指摘しつつ、日米防衛・安全保障協力の大きな目的、理念を示すことが重要であることを指摘しました。
イラクにおける今後の自衛隊の活動につきましては、イラク全般の政治プロセスの進展状況、治安権限移譲の状況等を踏まえて考えていく旨発言をいたしました。
今後、米軍再編につきましては今般の合意を実現していくことが課題となります。また、2プラス2の共同発表に示されているように、変化する安全保障環境において、様々な課題に対応するよう同盟の能力を向上するため、日米安全保障・防衛協力の在り方といった点を含め、政府全体としてしっかりと検討していく必要があると考えますので、関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
次に、理事会で協議をしていただきました守屋次官の発言について御報告を申し上げます。
在日米軍の再編においては、普天間代替施設の建設を始めとする日本国内の米軍施設の移転などの措置を講じることが必要となります。また、平成十九年三月までに詳細な計画を作成することとされている嘉手納飛行場以南の土地の返還事業もあります。こうした措置に伴う所要経費は、米側から詳細なスペック等のデータの提供がなくては正確に見積もることが困難であります。したがって、今現在、積み上げた数字というものはございません。
私から守屋次官に直接確かめましたところ、講演における守屋次官の二兆円という数字を挙げての発言は、グアム移転経費に関連をし、既に負担している経費に加え、再編に伴う新たな経費も負担することになるので、日本の負担は十分に大きいことを強く主張して交渉を進めてきたといういきさつをこれまでの専門的な知見を踏まえて分かりやすく話したものであります。
米軍再編関連経費につきましては、これから米国との間で事務的に細部を調整し、我が国が負担すべき経費の内容の詳細をきちんと精査していくことになります。このような段階で既に積み上げた数字があるかのように受け止められたことは遺憾であります。数字の扱いについては、今後とも十分注意をいたします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/6
-
007・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 以上で報告の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/7
-
008・浅野勝人
○浅野勝人君 今、守屋次官の講演について、米軍再編関連経費については、これから米国との間で事務的に細部を調整し、我が国が負担すべき経費の内容の詳細をきちんと精査していくことになります、このような段階で既に積み上げた数字があるかのように受け止められたことは遺憾でありますと、長官、発言であります。これは、受け止められるような表現をしたのはまずかったという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/8
-
009・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、日米の間で沖縄の米海兵隊のグアム移転の経費をどういうふうに分担するかについて議論をしている際に、日本の国としても、米軍再編に伴う米軍基地の移転等々については、グアムに移転する経費と国内移転の経費と両方あるわけでありますけれども、そういう両方を積み上げていくと相当な金額を負担することになるということをイメージ的に申し上げたものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/9
-
010・浅野勝人
○浅野勝人君 まあここですっぱり受け止められたことは遺憾でありますと長官おっしゃっているわけですから、潔い答弁をなさった方が今後に余り尾を引かないのかなと、そんな思いがいたします。
今回の日米折衝について、様々な困難な課題を解決して決着にこぎ着けた外務大臣、防衛庁長官の御努力にまず敬意を表します。
そこで、五月一日に発表された2プラス2のプレスリリースの中に、同盟関係における協力は新たな段階に入るとありますが、これは何を意味するのか、外務大臣、防衛庁長官、それぞれの見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/10
-
011・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 今般の2プラス2の最終取りまとめにおきましては、御存じのように、在日米軍の抑止力の維持と沖縄の地元の軽減の負担というものを両方実現する具体的な道筋を描くとして私どもは大きな意義があったと思っております。この実施を通じまして、日米安全保障体制というものをより一層確固たるものにすることができると考えております。
今御指摘のありましたように、この日米安全保障体制というのは、日本並びに日本周辺、アジア太平洋地域の平和と安定というものに重要な役割を果たしてきましたし、今後もまた果たしていくものと考えておりますが、その基盤の強化するということが今回の一番大きな目的であります。
世界の中の日米同盟というものにつきましては、これはいわゆる日米安全保障条約に基づく協力に限らず、政治、経済分野を含めまして幅広い分野で、いわゆる共通の価値観というものと利益に基づいて様々な問題の解決に取り組んでおるのは御存じのとおりで、確固たる日米安保体制の基盤の上に立って、日本の安全保障というものの環境における様々な課題について日米が互いに協力していくという趣旨を、今回の共同発表では、同盟関係における協力が新たな段階に入ると述べた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/11
-
012・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほどの守屋発言につきましては、浅野委員のおっしゃるとおりでありまして、国民の皆さん方に誤解を与えるようなことになったことについては極めて遺憾に思っている次第であります。
ただいまの同盟関係における協力が新たな段階に入っているということについては、去年の二月に日米間で米軍再編に伴って新たな戦略目標というものが合意されております。これは、地域的なものとして、日本の防衛、あるいはまたアジア太平洋地域の安定を確保すること等々において、朝鮮半島の平和的な解決とかそういったことが盛られているわけであります。あるいはまた、世界的には、自由と民主主義に基づいて、まあ言ってみれば世界の平和と安定に寄与する、国際的なテロに対応する等々が確認をされているわけでありまして、そういう戦略目標を実現していくために日米の協力体制がどうあるべきかということが昨年の秋に第二段階として方向性が出され、そして今度の五月一日に具体的な実施要綱が合意をされたということの意味で、日米の協力体制が新たな段階に入っているという意味に受け止めております。
一方で、冷戦後、日米同盟の関係が問われて、九六年に共同安保宣言ができ、さらにそれに基づいてガイドライン等ができて、周辺事態とか有事法制とか法体系が、あるいは国際平和協力活動等々についての法的な整備がなされつつあるわけでございますけれども、そういう中で、ガイドラインで示されたものは一定の成果を上げているわけでありますけれども、今度の米軍再編に伴う最終合意に基づいて日米同盟の役割、任務、能力というものの協力体制がつくられていくことが新しい段階に入っているというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/12
-
013・浅野勝人
○浅野勝人君 今回の再編は、地元負担の軽減と米軍の抑止力を低下させないという、相反する二つのキーワードを軸に進められています。
まず、負担の軽減について伺います。
沖縄はよく在日米軍基地の七五%を占めていると言われます。今回の再編が予定どおり完了した場合、沖縄県の負担はどのくらい軽減されるのか。基地の面積とか、危険度や騒音など表現しにくい点がいろいろありますから、今の時点で具体的に表現することは難しいとは思いますけれども、防衛庁はどのように予測をしておいでですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/13
-
014・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、浅野委員がおっしゃるように、五月一日の2プラス2で承認されたロードマップが完了した時点での沖縄における在日米軍専用施設・区域の占める割合については、キャンプ瑞慶覧が部分的な返還等と言われておりますし、その中身が決定されていないこと、あるいはまた普天間飛行場の代替施設、キャンプ・シュワブに造られる代替施設の面積や、あるいはまた那覇港湾施設の代替施設の面積等がまだ確定をされておりませんので、大変不確定な要素があって、委員がおっしゃるように、なかなかはっきりとした数字を申し上げる段階にはないというふうに思っておるわけでございますけれども。
例えば、今私が申し上げましたように、ロードマップに記載されている嘉手納飛行場以南の返還候補六施設・区域のうちキャンプ瑞慶覧については返還面積が決定されていないことから、そのロードマップが完了した時点での沖縄における在日米軍専用施設・区域の占める割合についてはっきりしたことは申し上げられない。しかし、これを除いて、これを除いて、今後返還が予想されている神奈川県の施設だとか土地だとか、あるいは沖縄県の施設だとか土地だとか、そういうものを全部、ロードマップがすべて完了するという前提で試算をすれば、沖縄における在日米軍専用施設・区域の占める割合は現在の七五%から七〇%程度になるのではないかというふうに見込まれますけれども、これは返還されれば分母も減ってくるわけでございますから、なかなかそこが、正確な、きちっとした完了した時点でないと明確には申し上げられないということは御理解をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/14
-
015・浅野勝人
○浅野勝人君 面積の問題だけでは長官なくて、危険度が軽減されるとか、あるいは騒音の問題がかなり解消されるとか、様々なメリットはあるんだろうと思うんですね。それを計数化することは困難だとは思いますけれども、その辺り、きめの細かい、何というんですか、検討を今から防衛庁で、施設庁でよく見ていかれたらよろしいかと思います。
で、抑止力の維持について伺います。
ちょっと脱線しますけれども、連休にワシントンで三日間、国家戦略研究会のフォーラムに参加した折に、アメリカ議会のトランスフォーメーション絡みの議員さんが集まってくれた席でグアム選出の女性の下院代議員に抱き付かれました。八千人のマリーンとその家族が来れば、アメリカ本土からグアム島を訪れる人が何十倍にも膨れると。私の妹はグアム島で最大のホテルを経営しているんだけれども、今からどのぐらい施設を拡張したらいいか、もう検討を始めているんだと、いつ沖縄からの移転が完了するのか、アーリアー・ザン・ベターだと舞い上がっておいででした。ちなみに、グアムは州に準ずる特別区なので、アメリカ議会の中では発言権はあるけれども投票権のない代議員と呼ばれているようで、議員とは区別されておりました。
脱線は以上で、それはともかく、八千人といえば日本にいる海兵隊員のおよそ半数です。日本の危機は朝鮮半島の北部にある。それでも沖縄米軍のプレゼンスが低下しないと判断する理由は、長官、何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/15
-
016・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) グアムに移転するのは、今先生がおっしゃったとおりで、一万八千人のうちの八千人の司令部機能がグアムに移転をすることになっておりますので、実際に沖縄等に海兵隊が残っているわけでございます。
一方で、この在日米軍再編の段階で、座間における米国の陸軍と陸上自衛隊の、言ってみれば協力体制、あるいはまた航空自衛隊と米国の空軍との協力体制、そういうものが、情報の共有や運用とか共同訓練だとか様々な分野で協力体制がしかれておりますので、全体としては抑止力、防衛能力は維持されていると思うし、沖縄におきましても、グアムに移転されたとしても初期の対処能力の部隊というのは残っているというふうに思っておりますし、むしろ日米の協力体制がしっかりしたことで抑止力というものが完全に私は堅持されているものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/16
-
017・浅野勝人
○浅野勝人君 グアムは日米地位協定外の地域ですから、地位協定外のグアムへの手当てには新しい協定が要るんじゃないかと。それから、地方自治体の協力を政府がお願いをしていく立場から、振興策などに十分配慮していく必要が出てくると思われます。
その場合、特措法、特別措置法みたいな法律が要るのではないか、そんなふうに考えますけれども、外務、防衛、両大臣、それぞれどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/17
-
018・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 先般の2プラス2で承認されました兵力態勢再編の実施計画というものには、今言われましたように、在日米軍の抑止力を維持しつつ地元の負担の軽減というものを実現するものとして大きな意義を有しておりますが、この計画を着実に実施することが最も重要。計画だけ作って実施がされないというのでは困りますので、その意味でいろいろな法準備の必要性も含めて、これは関係省庁と今後真剣に相談しつつ検討していかねばならぬもんだと思っております。
また、今言われました具体的なスキームにつきましては、更に詳細を検討していく必要がありますんで、国際約束を締結するということの要否といった点も含めて整理をしていかねばならぬもんだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/18
-
019・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) まず地元の対策についてでありますが、私どもは五月一日の最終合意の後、それぞれの基地のある市町村や知事さん等々に対しまして、その経過それから中身について誠意を持って今御説明をしているところであり、そしてこれは自治体とか地域住民の理解と協力が得られなければ進まないというのはもう委員の御指摘のとおりでございますから、今全力投球でそれをやっております。
それから、地域の振興策につきましては、それと併せて地元の皆さん、地域の皆さん方がどういう御要望があるのか、あるいはまたどういう方向で地域づくりをしていこうとしているのか、そういうことについてよく今御要望、ヒアリングをしているところであり、そういうことに基づいて関係省庁の間で相談をしながら振興策についても考えてまいりたいというふうに思っております。
また、グアム移転に伴う対応については、これはまた、きちっとこれから考えていくことであり、実際に予算を積算する過程でしっかりと対応を取ってまいりたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/19
-
020・浅野勝人
○浅野勝人君 これから考えるとおっしゃいますけれども、ロードマップを着実に進めていく上には、すべてお金の要ることであります。国民の税金をまた、通常ホスト・ネーション・サポートで六千億円という大金を使っている上に、沖縄の負担軽減が目的とはいえ莫大なお金をまた使わせていただくわけですから、それらに伴う協定を、特別協定を含めた法的措置、これからとおっしゃるが、既に相当進めて要綱のたたき台ぐらいはできているんだろうなと私は想像しているんですけれども、参議院の立場からいいますと、来年は参議院選挙ですから、来年の通常選挙、長官、そう時間ございません。秋の臨時国会を目指すぐらいのテンポでおやりにならないとロードマップに支障が出るのではないかと指摘をさせていただいておきます。
在沖海兵隊のグアム移転は、長い間様々な意味合いを込めて御苦労をいただいてきた沖縄県民の皆さんにとって、いささかの負担を和らげることにはなるとは存じますが、一方で、移転に伴い四千人とも言われる基地従業員の雇用や広大な跡地利用の問題が生じます。自治体だけで対応できる課題ではありません。今から考えておく必要があると存じますが、防衛庁長官、感想がおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/20
-
021・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) もうこれは浅野委員が御指摘のとおり、沖縄の海兵隊が八千人グアムに移転することによって、あるいは家族が移転をすることによって、雇用の問題とか地域経済に及ぼす影響というものは大きなものがあると思っております。したがって、その駐留軍労働者の雇用に対してどういうふうに対応していくかは重大な政治課題であるというふうに思っておりまして、我々もこの問題についてしっかりと対応していかなければならないというふうに思っているところでございます。
また、おっしゃるように嘉手納以南の土地等が返還をされてくると、この土地の利用についてもどういうふうにしていくのか。そういうことも、これもまた地域経済に大きな影響を与えることになります。
私どもは、そういうことをよく念頭に置いて、あるいはその基地のある自治体の皆さんとよく相談をし、と同時に、関係閣僚会議もありますので、政府を挙げてこれは取り組んで対応していくことが大事であるというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/21
-
022・浅野勝人
○浅野勝人君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/22
-
023・犬塚直史
○犬塚直史君 本題に入ります前に、先ほど話題となりました八年間で二兆円の経費が掛かるという守屋防衛事務次官の発言につきまして、今防衛庁長官が遺憾であるという表現をされたんですけどね。遺憾であるというその中身をちょっと伺いたいんですけど、遺憾ということは、この守屋事務次官が、事務次官といえば防衛庁のトップ、トップですから、この防衛庁のトップが根も葉もない数字を言ったのかと、それで遺憾と言われているのか、それとも、そうではない、余りにも細かいことを言い過ぎだと、それで遺憾と言われているのか、どちらなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/23
-
024・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 守屋次官としては、米軍再編に伴う日本側の負担について、これまでの経験則から、日本側の負担が従来の計算を含めて、あるいはまたグアム移転の経費も含めて考えれば大きな数字になる、経費になる、そういったことについてのイメージを申し上げて、日本もできるだけの努力はしているという意味のことを申し上げたと思うんですけれども、それが数字が独り歩きして、国民の皆さん方にその実際に積算をしていった場合の数字ではないイメージで取られたということで、私は遺憾に思っている、そういう話をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/24
-
025・犬塚直史
○犬塚直史君 今イメージとおっしゃいました。でも、今までの御答弁でも何度もイメージとおっしゃっておられますね。確かにイメージはしやすいと思います。八年間で二兆円ですから、四年間で一兆円ですね。一年に直すと、一年間で二千五百億円です。毎月毎月二百億円以上の税金がここに投入されるという話は、イメージとしては非常に分かりやすいんですが、余りにも細か過ぎではないでしょうか。こういう具体的な数字を積み上げなしに、全く積み上げなしに、根拠なしに言われたとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/25
-
026・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) きちっとした積み上げに基づいて言われた数字ではないというふうに思っております。ですから、遺憾と思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/26
-
027・犬塚直史
○犬塚直史君 防衛庁長官がお一人で小泉総理の全権委任を受けられて、そしてアメリカに行かれて、三時間にわたる協議を積み上げ方式でしたというふうに報告書には書いておられるんですけれども、それは積み上げとは言わないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/27
-
028・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) アメリカ側がグアム移転経費がどれくらい掛かるのか、掛かった経費の七五%を日本が負担をしてもらいたい、米国側は二五%の負担をするという考え方で交渉に臨んでおったものですから、私どもとしては、沖縄海兵隊のグアム移転は沖縄県、日本の負担の軽減に結び付くことになるので、応分の負担をしたいという考え方は伝えてあったわけでありますが、その際に、全体の何割を我々が持つということではなくて、その海兵隊を移転する場合に何が直結することになるのか、それは住宅とか、あるいはまた仕事場の庁舎であるとか、そういうその施設について、あるいはまたインフラについて積算をしていく形で日本の負担を、応分の負担を算出しようという考え方を申し述べたわけでございます。
〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/28
-
029・犬塚直史
○犬塚直史君 そのとき合意された総額が百二・七億ドルという、日米双方の費用としては巨額な金額の合意なんであります。そして、大まかなこの振り分けというものも出ている。そして、拠出の方法まで出ている。にもかかわらず、このときの合意文書を出してくれと言っても、文書はないというふうに我々は説明を受けているんですけれども、こういう巨大な数字が動く話だけではなくて、ごく一般の小さな仕事であっても、お互いに誤解をしないように、後から言った言わないならないように合意文書を作るのは当たり前だと思うんですけれども、そういうものは国会の場には出さないということでお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/29
-
030・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 米国の一定の積算に基づく経費の概要による全体の百二・七億ドルでございますけれども、我々はその中で住宅とか庁舎とか電力とかのインフラについて、直接支出、あるいはまた出資、融資で負担をさせていただくということになったわけでございますけれども、具体的にこれからその予算をしていくときに積算をして、我々がきちっと数字を積み上げていくことになります。したがって、一応財政支出二十八億ドルというのはこれは上限でありまして、我々が具体的に予算措置をとっていくときにどの程度合理化、効率化を図っていくことができるかということは、また我々の努力でこの経費を下げていくことができるということになりますし、それから出融資の分野においても、民活スキームを利用する等を図りながら経費の負担をできるだけ少なくしようとする努力をしていきたいと、そういう中で今度の経費をこれから積算をしてまいりたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/30
-
031・犬塚直史
○犬塚直史君 もう一度伺います。
守屋事務次官が発言をされた八年間で二兆円というイメージは、全く根も葉もない話なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/31
-
032・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども言いましたように、しっかりとした積算に基づいてはじき出された数字ではない。したがって、その数字が国民の皆さん方に誤解を与えた点について遺憾に思うというふうに申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/32
-
033・犬塚直史
○犬塚直史君 長官、これは私は、国民はとても理解というか納得はできないと思います。これだけ大きな税負担があるという話をあいまいなイメージというようなことで片付けられてしまう、そしてその発言をした本人が防衛庁のトップですから、その人はやはり私は説明責任があると思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/33
-
034・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 米国と、米国の責任者と直接交渉したのは私でございます。私が交渉した当事者でありますから、この問題については、これから私がしっかりと予算措置をつくるときに積算をして国民の前にお示しをし、そして透明性を持った形で御理解を得るようにしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/34
-
035・犬塚直史
○犬塚直史君 おっしゃるとおり、長官が責任者なわけですから、上司なわけですから、私は、上司として、部下がこのような重大な発言をしたときにはやはり国会にこれを明らかにする、しっかりと部下を国会に呼んで、委員会なり国会の場でしっかりと説明をさせるということはどうしても行うべきだと思うんですけれども、上司としていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/35
-
036・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、私が先ほど守屋次官から直接聞いてお話を申し上げ、そして誤解を与えたようなことについては遺憾に思うということでお話を申し上げましたので、各先生方に国会の場で御理解をいただければ有り難いし、それから、これから私もきっちりと実際のこれ仕事を行っていく、具体的な実施計画を作っていく際にしっかりとした数字をお示しをして、国民の皆さん方に納得してもらうようにしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/36
-
037・犬塚直史
○犬塚直史君 やはりはっきりとした数字と期間を言って、大きな概略を公の場でマイクを通して発言をした防衛庁の事務次官を国会の場で招致をしてしっかりとした説明をしてもらうということを強く要望して、次の質問に参りたいと思います。
まず、グアムの米軍住宅建設にかかわる費用が、先般の民主党の部門会議の中で説明を受けたときに、米本土の三倍、沖縄の二倍という、そんな積算があるとされているんですが、これはこのとおりでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/37
-
038・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 実際に、私も、この前の当委員会だったと思うんでありますけれども、建設費用がどうなっているのかということについてお答え申し上げたことがあります。
私としては、米側の見積りを聞いている段階においては、建設費用が高くなる傾向にあるということを聞いております。
それはどういう理由からかと申し上げますと、一つは、資材をほぼ島の外から搬入する必要があるということで、太平洋上の孤島という意味で資材の輸送コスト等が極めて高くなるということが一つあると思います。それからもう一つは、グアムは人口が約十六万人で、労働力が小さいために、大規模な仕事をしていく場合には、やっぱり労働者とか技術者を確保するのにコストが掛かるということが二つ目であります。もう一つは、大規模な事業を行っていくときに、工業用水とか物流とか、様々なインフラがそれは不足していることは否めない事実であります。そういうことから、どうしてもコスト高になるという傾向については聞かされておるわけでございます。
しかし、先ほど申し上げたような概算、枠組みというものは、これは米側の見積りでございますから、私としては、我が国としては当然、これから事業を実施し、予算措置を講じていく際にはできるだけ効率化を図る努力をしなければならない。民活スキーム等の活用を図りながら、できるだけ合理化を図っていきたいというふうに思っております。
それから、先ほど申し上げておりますように、今後しっかりと一つ一つ積算をして積み上げる形になって、事務的に詰めて、国民の皆さん方にお示しをしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/38
-
039・犬塚直史
○犬塚直史君 今、米側の積算というふうにおっしゃったんですけれども、私は、この米本土の三倍というようなちょっと受け入れ難いような米側の積算に、そもそもそういう交渉の舞台に上がってはいけないと、出だしからそういうところで交渉を始めてはいけないと私は強く思うわけであります。
先ほど、浅野委員長からもグアムのホテルをやっている方のお話が出ておりました。私も多少そうした経験があるんですけれども、離島だから資材が高いということはありません。特に、このグアムというところは、アジア太平洋、中国あるいは台湾というところに近いわけですね。日本からもコンテナで運べるわけですね。例えば家具ですとか、あるいはコンクリートにしましても、今海上コンテナ輸送で、安いところで物を作って、それをそこに持っていく運搬費用と、それを米本土ですべて調達する費用を比べたときには、私の今までの狭い経験ですと、輸入をした方がはるかに安いんですよね。そういうところはいかがなんでしょうか。交渉の、そもそもそういう米側の積算の交渉のテーブルに乗ってしまったということは私はまずいと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/39
-
040・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほど申し上げましたように、我々の負担の中身というのは、それぞれ直接的な財政支出というのは上限であるし、それから、出資、融資というのは民間スキームを利用しながら仕事を展開していくということでございますから、我々が独自に積算をし、効率化を図っていくことができるわけでございますから、犬塚先生のそういう経験則等も参考にしながら、できるだけ効率的に、合理的にやっていきたいし、当然予算措置及びきちっとオープンに入札された形で仕事は展開されていくわけでございますから、これはしっかりと私は積算された形で合理的に仕事がなされていくものと思います。
今、犬塚委員の御指摘もよく頭に入れながら、積算について注意を払っていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/40
-
041・犬塚直史
○犬塚直史君 それでは、実際の工事に当たっては我が国が主体的にリーダーシップを持ってやっていくというふうに今理解をいたしましたけれども、それでは実際のこの工事に当たって、設計者、ゼネコン、そしていろいろな現地で働く人たちはどこの国の会社を使うんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/41
-
042・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、まだそんな具体的に決まっているわけではありません。当然オープンな形で、日本の企業等々も参加できる環境でなければならないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/42
-
043・犬塚直史
○犬塚直史君 私は、これは米軍の移転にかかわる米側の住宅及び施設を米国の領土の上に日本が建ててあげるというスキームでありますから、当然のことながら、ここにかかわる業者の人たちは日本の会社を使うべきだと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/43
-
044・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほど言ったように、財政的にはできるだけ効率的に対応するということと、日本側の負担もあるわけでございますから、日本側の企業が堂々と参加、参入できるようなシステムをつくった上で仕事がなされていくことが望ましいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/44
-
045・犬塚直史
○犬塚直史君 ということは、日本が主体的に行う事業であっても国際入札であって、これはもう堂々とあらゆる国の業者がこの入札に参加をできるということで今イメージされておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/45
-
046・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 具体的にどこと、世界じゅうどこの国でも対象にするのかとか、具体的にそういうことは語っているわけではありませんけれども、入札でありますから、制度でありますから、オープンにしていくことが望ましいと思っております。と同時に、これは例えば米軍の施設でありますから、住宅とかそういう庁舎とかいうものについてはそういう競争原理が働いていくものとそうでないものとがあると思いますけれども、我々が負担をするところについてはできるだけそういうオープンな形でやっていくように努力をする必要があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/46
-
047・犬塚直史
○犬塚直史君 私は、やはり事業主体ですね、もちろんいろいろな業者さんを使うわけですから、それはなるべく安いところを使うということで世界じゅうから人や物を集めてくるというのは当然だと思うんですけれども、しかし、事業主体は私は日本がやるべきだというふうに強く思います。
もう一つここでお伺いしたいんですけれども、例えば、それではこの大変な事業があるわけですけど、これにまつわる消費税、関税といったものは、やはりこれは普通の事業と同じように米国に支払うことになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/47
-
048・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) この点について具体的にどういう形になっていくのか、まだよく把握しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/48
-
049・犬塚直史
○犬塚直史君 是非、例えばハワイ州であると消費税が四・一七%であります。日本がアメリカのためにこれを行う事業に当たって、ここにまた消費税ですとか、あるいは海外から物を入れたときの関税が掛かるということは、やはりこれは二重の意味でアメリカに支援をするということになりますので、当該事業にかかわってはこうしたことの免除したような数字で是非交渉していただきたいと思うんですけど、御決意をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/49
-
050・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 犬塚委員の御指摘はいい指摘だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/50
-
051・犬塚直史
○犬塚直史君 是非、交渉の方をよろしくお願いいたします。
それでは次に、日米同盟の新たな目的、理念ということを長官はあちこちで言われておられます。これは新聞記事なんですけれども、例えば、小泉総理と首相官邸で麻生大臣、額賀長官と八日の日に協議をして、六月に予定している日米首脳会談で今回の2プラス2の合意の意義を世界に向けてアピールしていく方向で米側と調整を進める方針と、これを確認したという記事があります。この席上、さらに額賀長官が、六月の首脳会談で最終合意が日米双方にどういう意味があるのか、この地域と世界にどういう貢献をしていくのか、政治的なメッセージを発する環境整備をしていくべきだと提起されたというふうにこれ記事が書いてあるんですが、これはこのとおりでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/51
-
052・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) これは2プラス2においてもそうでありますが、言ってみれば、米軍再編に伴う日米の同盟関係の協力体制が一段と進み、新しい段階に入っているというふうにきちっと書かれているわけでございます。
日米首脳会談が開かれるというふうに私は断定的に言いましたけれども、これは政府としてはまだ日程も決まってないというのが本当のことでございまして、もしそういう場合、場面があるとすれば、これだけの米軍再編に伴う戦略目標とか日米同盟の協力体制が合意されて、これからいかに役割、任務、能力を高めていくかということが我々の、両国の仕事であるというふうにうたわれているのでございますので、もし首脳会談が開かれるようなことがあれば、これは改めて日米の両首脳の間でこの問題を確認をし、きっちりとメッセージをなされた方が国民に対しても理解を深めることになるし、あるいはまた周辺の北東アジア、アジア地域、世界の皆さん方にも一定のメッセージになり、日米同盟というものが日本の安全と地域の安定だけではなくて、さらに、テロの問題だとか、あるいは人道、災害救済事業とか、そういうことにも視野を広げて国際的な平和と安定のためにこういう仕事をしているということを申し上げることは意味のあることではないのかということで申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/52
-
053・犬塚直史
○犬塚直史君 正に今、新しい日米関係の目的と理念を今発信すべきだということは大賛成であります。
この中身をどういう形で発信するかということが今問われているんだと思いますが、例えば、ここにあります二〇〇四年十月二十日付けの新聞では、大野防衛庁長官が、国際協力は日米でもうちょっと世界規模でという議論をしたいと、日米同盟の目的をアジア太平洋地域の平和と安定の維持と定義した日米安保共同宣言の見直しを示唆する発言をされているんですね。
これは、一九五一年、サンフランシスコ条約、日米同盟が始まったときには日本周辺だった。それが今度はアジア太平洋になったと。そして今度は、いろいろな状況の変化の中で今度はグローバルに日米同盟を考えていくんだというメッセージをここに込めると私は理解したんですが、そういう理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/53
-
054・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 自衛隊をどう活用するかということでございますけれども、一つは、厳然たる本来任務というのは日本の防衛であります。したがって、日本の防衛を確実なものにするためには周囲の安定が必要であるということ。
そしてまた、日本の自主防衛だけではなくて、その日米同盟の協力関係でこれを形作るということがこれまでの姿だったと思います。そして、この十数年来、PKO活動とか、あるいはまた今度はイラクの人道復興支援活動とか、あるいは国際的なテロ対策に我が国の主体的な考え方の下で行動をしているわけでございます。したがって、世界の平和と安定は我が国の安定に結び付いていくことになるという考え方の下で、今そういう自衛隊の活用のことを、国際平和協力活動をどういうふうにしていくかということで考えられているものと思っております。
そういう流れの中で、人道復興支援とか人道災害復旧派遣だとか、様々に自衛隊を活用し世界の平和と安定に寄与することができるということについて、この日米同盟の再編に当たっての戦略目標にも書かれておるわけでありますから、そういうものをきっちりと再整理をしていく必要があると。先般の日米安保共同宣言は九六年でありますが、その後ガイドラインができましたが、当時はテロのこととか、あるいはこれほど大量破壊兵器等々が拡散をする状況になるとか予想もしていなかったことでございますので、新しい安全保障環境、新しい脅威、そういったものにどう対応していくかということについて、さらに我々は国民の皆さんとともにどう考えていくのか、あるいは世界に対してどういうメッセージを与えるのかということについて考えていこうではないかというメッセージを出さしていただいたというふうに受け取ってもらいたいというように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/54
-
055・犬塚直史
○犬塚直史君 今日は多少時間に余裕をいただきましたんで、その辺のところをじっくりと聞かせていただきたいと思っております。
平成十六年の十月以来、額賀長官は自民党の安全保障調査会長をされてこられましたんで、あらゆる議論を尽くしてこられたんだというふうに私は理解をしておるんですが、是非今日はゆっくりその話を聞かしていただきたいと思います。
まず、お手元に配りました資料をごらんになってください。これは、「多国籍軍等による武力行使と日本政府の対応」と、湾岸戦争以来ここに至るまで、いわゆるPKOあるいは憲章七章に基づくPKO活動は省いてございます。それ以外のところで、一体どういう形でこういう活動が国際法上行われてきたのかということを簡単に一覧にしたものでございます。
今日は国際法局長も来られておりますので、まずは一番基本的なところを聞きたいんですが、国連憲章において戦争という言葉が使用されていないと、戦争であるか否かにかかわらず武力行使がこの憲章によって一般的に禁止されたと、戦争であろうがなかろうが、何しろ武力行使はしてはいかぬよということが一般的に決められたと理解しているんですが、これでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/55
-
056・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 基本的に、今御指摘のとおりでございまして、国連憲章第二条四項におきまして、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」という旨を定めてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/56
-
057・犬塚直史
○犬塚直史君 そこで、この表の一番上の欄をごらんになっていただきたいんですが、時期、事案の後、国連決議、安保理報告と書いてございます。一般的に、武力行使が違法とされたこの国連憲章の中で、武力行使が許されるただ二つの例がこの欄なんであります。一つは自衛権の発動、そしてもう一つが集団安全保障と。
自衛権の発動のときは、まず自衛権を発動したと、その当該国家が自衛権を発動したかどうかということの判断は、安保理にその後報告があったかどうかということで判断できると認識しているんですけれども、局長、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/57
-
058・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 今御指摘のとおり、国連憲章第五十一条に自衛権についての記述があるわけでございまして、この憲章に基づきまして、武力攻撃が発生した場合に、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛権の固有の権利というものがあるんだということがまず書いてございまして、その後に、「この自衛権の行使に当つて加盟国がとつた措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。」ということを定めてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/58
-
059・犬塚直史
○犬塚直史君 そこで、この安保理報告という小さな欄を下にずっと見ていただくと、湾岸戦争はなかった。スーダン、アフガンの空爆はあったと。で、五番のアフガン空爆、不朽の自由作戦、これはあったと。ですから、ここに出ております六回の多国籍軍等による武力行使の中で、自衛権が行使されたと考えていいのは二番と五番だけという、こういう見方になります。
ここでもう一回確認をしたいんですが、自衛権発動の三要件というのは、これはどういう要件なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/59
-
060・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 一般に、国際法上、自衛権発動の三要件と称されているものがございまして、これは、一つ、一番目が、国家又は国民に対する外部からの急迫不正の侵害があること、二番目、この侵害を排除するのに他に適当な方法がないこと、三番目でございますが、必要最小限度の実力行使にとどまること、これを通常、自衛権の三要件と称しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/60
-
061・犬塚直史
○犬塚直史君 今の自衛権の三要件、昭和三十五年以来、日本国政府が採用している要件、自衛権に対する考え方だと認識をしております。
これは日本だけの認識なんでしょうか、それとも国際法上認められている、今日は多国籍軍による武力行使の話ですので、日本のこの堅持している自衛権行使の三要件というのは、私が調べたところでは、一八三七年のキャロライン号事件以来、一般国際法上も確立された自衛権発動の三要件だと認識しておるんですが、局長、こういった理解でよろしいでしょうか。
〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/61
-
062・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 先ほど御答弁申し上げました国連憲章五十一条でございますが、ここにも、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛権の固有の権利を有するものではないと、英語でインヒアレントという言葉を使ってございます。
で、この自衛権の要件なるものが国連憲章自体に具体的に規定されているということはございませんが、ここに固有の権利とございますように、従来、この今御引用の国際裁判の判決といったようなもので積み重ねられてきた解釈というのがございまして、この自衛権の三要件というものは国際的にも、ある武力の行使が自衛権の要件を満たすために必要な要件というふうに広く認識をされていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/62
-
063・犬塚直史
○犬塚直史君 自衛権に関しては、それでは国際法上もまあ一応分かりやすいと、日本が言っている自衛権発動の三原則が国際法上も認められていると、そういった私は認識でこの欄を見ていただきたいと思います。
その欄の隣、国連決議と書いてありまして、ここでもう一度確認なんですが、集団安全保障の発動には必ず安保理の決議があると、こういう認識でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/63
-
064・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 国連憲章上、一般に、先ほど申しましたように、国連憲章第二条四項に基づきまして、武力の行使というのは一般に禁止をされていると。
それに対して、例外的に国連憲章上武力の行使が認められる場合がございまして、それは、憲章第七章の下での国連安保理の決定が、これは二十五条に基づく決定でございます、それによって法的拘束力が生ずるということでございますが、その決定がある場合。それから、先ほど申しました憲章五十一条の自衛権の行使の要件を満たす場合と、その二つがあるというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/64
-
065・犬塚直史
○犬塚直史君 そこで、このまた表に戻っていただいて、小さな枠の国連決議というところを下に見ていっていただきますと、この二番目が抜けていますけどこれはバツでありまして、ない、国連決議がなかった。
つまり、国連が当初想定をしていた集団安全保障の枠内での武力行使というのは、一番の湾岸戦争、三番のイラク空爆、そして五番の不朽の自由作戦と、この三つだけということになります。
それで、少し今度は個別の例なんですけれども、一番の湾岸戦争、これは、この表で見ますと国連決議がある、安保理報告がないと、これは集団安全保障の発動であったというところに日本国が百三十億ドルという巨額な支出をしたと。で、安保理決議は九一年の一月十五日にあったと、それだけ素早く日本が累次に資金供与を行ってきたにもかかわらず、最後は感謝の言葉さえなかったと。先日来出ているコストパフォーマンスという意味でいえば、非常にパフォーマンスが悪かった事例だと思うんですけれども、これは、日本政府の対応のところに、一月十八日に海部総理が、確固たる支持を表明をしていると書いてあります。
局長、もう一回伺います。安保理の決議がある多国籍軍による武力の行使に対しては、これは、あれですね、外務省かもしれないですね、支持を表明するというのが我が国の立場なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/65
-
066・金田勝年
○副大臣(金田勝年君) 他国のその武力行使に関する我が国の立場を判断するに当たりましては、従来から個別具体の事案に応じまして、国際法との関係のほか、外交政策上の観点も併せて総合的に判断をしてきているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/66
-
067・犬塚直史
○犬塚直史君 いや、そういうことではなくて、国連決議があった、安保理決議があった集団安全保障の枠内の武力行使に対しては、我が国は原則として支持を表明するということでよいのかどうかという質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/67
-
068・金田勝年
○副大臣(金田勝年君) 総合的に我が国としては判断するという立場であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/68
-
069・犬塚直史
○犬塚直史君 その総合的な判断というものがそのときによって変わってしまう、時々の状況によって変わってしまう、日本という国はどっちに行くか分からないということでは周辺諸国の信頼も得られないわけですから、今まで一体どういう原則を持ってやってきたということを表にしたつもりなんですけれども、例えば一番の、国連の決議があるものについては湾岸戦争は支持をしたんですね。三番の、やっぱりこれも国連の決議のあるイラク空爆に対しても小渕総理が支持を表明しているんです。五番のアフガニスタンの空爆、これに対しても小泉総理が支持を表明しています。
国連決議があるものは、もう一回伺います、国連決議がある武力行使については、日本政府としては原則支持を表明するという理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/69
-
070・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 副大臣の方から二度にわたり御答弁を申し上げておりますように、他国が武力行使を行ったと、それに対して支持をするとか理解をするとか、いろいろな表現で政府が評価をする、表明するということがあるわけでございますけれども、そのときにどういう基準で行うのかという御質問であろうかと理解するわけでございます。
これは副大臣が御答弁申し上げましたように、従来から、個別具体の事案に応じて、国際法との関係のほか、外交政策上の観点も併せて総合的に判断をしているということを御答弁申し上げているわけでございまして、そこで、国際法との関係という部分はやはり非常に重要な要素でございまして、安保理の決定が非常に明確な形で行われて、その武力行使が国際法上非常に合憲であるということが明々白々であるという場合はそれは一つの大きな要素であろうと。
ただ、先ほど来副大臣が御答弁を申し上げていますのは、最終的にどういう表現を使うかということは、そういうことも含めて総合的に判断をして行ってきているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/70
-
071・犬塚直史
○犬塚直史君 答えていただけないので結構ですが、額賀長官、この目的と理念をはっきりさせると、もちろん例外はある、総合的な判断はあると、私は当然のことだと思うんですよ。しかし、一応今までの長い長い歴史の中で武力行使は違法としたと、唯一この二つのときだけは例外と認めると。例外と認める武力行使に当たっては、後で安保理に報告をするか、あるいは事前にそのお墨付きをもらうか、どちらかしかないよと。
じゃ、他国がそういう行動をしたときに、日本はそれを一体支持するのか理解するのか、あるいは一緒に行動するのかという一応の原則は私はやっぱりはっきりと言った方がいいと思うんですね。例えば、今申し上げましたが、国連決議にあるものは我が国は支持しているんですよ。しかし、今度は二番のところをごらんになってください。国連決議がなく今度は自衛権の行使をしたということに対して、高村外相は理解できるという表現をしているんですね。
もう一度伺いますが、それでは今度は、国連決議がない、しかし安保理に対する事後の報告があったものに対して我が国は理解をするという原則を持っておるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/71
-
072・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 今御指摘のございました九八年の米国によるスーダン、アフガニスタン空爆に関する政府の見解でございますが、これはどういう理由でこういう表現を使ったのかと。これについては、従来国会において何度もお尋ねがございまして、これに対して政府がお答えしているところは以下のとおりでございます。
我が国としては、テロは世界の平和と安全にとって重大な脅威であり、テロに対しては断固たる対応を取るべきという基本的立場の下、アメリカから、米国から得た説明により、米国が軍事行動を取るに至った事情につき認識を深め、米国が取ったテロリズムに対する断固たる姿勢を十分理解するとの立場を取ったものであります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/72
-
073・犬塚直史
○犬塚直史君 この手元の資料によりますと、通常、事後の安保理への報告を受けてブリーフィングセッションが開催され、自衛権を行使した国によって説明が提供されるが、ほとんどの場合、そのようなセッションはそのような説明を聞きおくことで終わっているという資料、手元にあるんですが、そういう認識でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/73
-
074・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 先ほど以来委員から御指摘がございますように、国連憲章五十一条におきまして、自衛権の行使をある国が行ったとその国が認識する場合には直ちに安全保障理事会に報告をしなければならないということになっておりますので、その報告を行うとともに、通常はいろいろな付随的、関係の御説明がその報告を行った国からあるというふうに承知をしております。
先ほど来御議論になっておりますこのスーダン、アフガニスタン空爆に関する、米国でございますけれども、もちろんそういうブリーフィングセッションにおいて十分な御説明を伺うということは当然のことでございますが、同盟関係にある国にあるわけでございますから、その他の二国間、バイラテラルなチャネルを使いましても十分な説明を聞いているというふうに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/74
-
075・犬塚直史
○犬塚直史君 余りはっきりしたお答えないんですけど、違法だと、国際法に照らして違法だというだけの材料がなくて、しかし支持するだけの材料も持っていないと。大体難しいと思うんですね、当該国じゃないですから。そういうことは幾らでもあって、そのようなときに政府は理解するという立場が多いと認識をしているんですけど、それはよろしいですか、それで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/75
-
076・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) ただいま委員から御指摘がございましたように、自衛権を行使したと認識をする国が国連憲章五十一条に基づきまして安保理に報告を行うと、その場合に我が国として、当事国でないわけでございますので、直ちにその法的評価を加えることができるか、できる場合もありましょうし、できない場合もそれは当然あるわけでございます。
先ほど来申し上げておりますことは、他国の武力行使に対する我が国自身の立場の表明に当たりましては、そういうことを、国際法上の根拠でございますとか外交政策上の観点と、こういったものを総合的に併せて判断をしているということを申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/76
-
077・犬塚直史
○犬塚直史君 ということで、またこの紙に戻りますけれども、安保理決議がある場合は支持と、なく、事後の報告の場合は理解という形に今のところなっているんだと思います。
ここまではいいとしまして、難しいのは両方なかった場合、これ四番のコソボの空爆の場合ですね。これがいわゆる人道的介入と言われているんですけれども、こうした場合にどういうふうに評価をするかというのは、当時の高村外相は、国際法違反か否かの法的評価は下せないという、これは特別委員会での発言がありました。一般的には違法だが正当と評されているという理解でこれはよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/77
-
078・金田勝年
○副大臣(金田勝年君) コソボ空爆、この四つ目につきましては、ユーゴスラビア政府が和平合意案をかたくなに拒否をして、他方で国連安保理決議に反した行動を取り続ける中で、当時のNATOによる武力行使というものは、更なる犠牲者の増加という人道上の惨劇を防止するためにやむを得ずとられた措置であったと、このように理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/78
-
079・犬塚直史
○犬塚直史君 いや、もうちょっと細かいところを伺いたかったんですけど。
もう一回繰り返しますと、一応武力行使は禁止をされていると、オーケーになる場合は国連決議があるか事後の報告があるときだと、その両方のない場合は困ると。しかし、コソボの場合は違法だが正当と一般的には評価されていると、それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/79
-
080・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) このコソボ空爆の国際法上の合法性という議論は、一九九〇年代の終盤に、これは我が国のみならず世界じゅうで非常に議論になった点でございます。
我が国の国会におきましては、もう何度もこの議論は行われたわけでございますけれども、その際、当時の外務大臣からも御答弁申し上げましたラインが先ほど副大臣からお答えになったラインでございまして、その合法性という部分につきましては、これは今手元に持っておりますのは平成十一年四月十三日の日米防衛協力のための指針に関する特別委員会の議事録でございますが、ここで当時の高村大臣が今の趣旨のようなことを御答弁になった後で、いずれにせよ、今回のNATOの軍事行動については、我が国が当事者ではなく、また作戦面を含むNATOの軍事行動に対する詳細な情報を有しておらず、政府として法的評価を下すことができない状況にあるということを御理解いただきたいと思いますと、こういうふうに答弁をしておられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/80
-
081・犬塚直史
○犬塚直史君 こういうことを質問して一体何が言いたいのかといいますと、今、これから日米同盟の新しい目的と理念を作っていくんだと、近々発表するというような新聞報道もなされる中で、やっぱり国際法に基づいた行動を米国にあくまでも求め続けていくんだという日本の姿勢を示すことが私は一番大事だと思うんです。
いろいろな事情はあると思うんですが、やっぱりこの六番のイラク戦争にしても、ブッシュ大統領は、これごらんになってください、両方ないんですよ。国連決議、直接の国連決議はない、もちろん自衛権としての報告も両方ない。しかも、最近よく議論されております保護する責任、人道的な理由で無辜の市民が虐殺されているようなときは、当該国家がその保護する能力も意思もない場合は国際社会がそれに代わってやるというような事態でもなかった。にもかかわらずこのイラク戦争をやってしまったというときに、ブッシュ大統領はここで安保理決議六七八、六八七と、苦しいんですが、それでも国際法を無視をしないでこれを根拠とする発言をしているわけなんですね。
やっぱりこれから新しい理念を作るに当たって、米国を国際法でしっかりと武力行使を縛っていく、そういう土俵に常に引っ張っていくという日本の外交努力がこれは非常に大事だと思うんですが、外務大臣の御所見、お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/81
-
082・金田勝年
○副大臣(金田勝年君) アメリカを含めまして他国の行動にかかわる国際法上の評価につきましては、我が国は確定的な評価を行う立場にはありませんけれども、アメリカは基本的に国際法上の権利、そして義務に合致して行動をするものであると、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/82
-
083・犬塚直史
○犬塚直史君 いや、私が伺ったのは、ともすると一国主義だと言われがちなアメリカの行動に対して、同盟国としてあくまでも国際法にのっとった活動をしていくというメッセージを常に発信していくべきだという外務大臣の決意を伺いたかったんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/83
-
084・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 当然だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/84
-
085・犬塚直史
○犬塚直史君 それでは、この六番のところをもう一度見ていただきたいんですが、小泉総理の談話、イラクは十七本に及ぶ安保理決議に違反をし続けたと。
国際法局長、もう一回伺います。十七本に及ぶ安保理決議に違反をし続けたことは、国連決議に代わるような武力行使を阻却する要件になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/85
-
086・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) イラクに対する米英等の武力行使の合法性、国際法上の合法性の議論、これも繰り返し国会で御議論のあったところでございます。
一つまず最初に申し上げるべきは、イラクによる累次の安保理決議の違反自体、それだけでこの武力行使が合法、正当化されるということを政府が申し上げているわけではございません。これは、一九九〇年八月二日のイラクのクウェート侵攻にさかのぼりまして、御記憶のとおり、まず直ちに安保理がこれを国連憲章三十九条に基づきまして平和に対する破壊であるという認定をして、直ちにクウェートから撤退をするようにと、こういうまず決議を皮切りにいたしまして、経済制裁決議でございますとかいろいろ一連の決議がございまして、一九九〇年十一月二十九日に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/86
-
087・犬塚直史
○犬塚直史君 いや、そういうことを聞いているんじゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/87
-
088・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 六百七十八号、いわゆる武力行使容認決議というものが決定をされております。
その後、それに基づいて武力行使が行われまして、六百八十七号、安保理決議、これはいわゆる停戦決議と呼ばれてございますが、この中で、イラクの大量破壊兵器等の廃棄を決定し、UNSCOMを設置し、核については国連原子力機関の下での査察を行い、本件、この六七八決議の規定の受諾を条件に停戦をすると、そういうことが六八七に書いてあるわけでございます。
この六八七の受諾を条件ということに一連の違反があったと。この重大な違反が継続的に行われたと。それを受けまして、二〇〇二年に安保理千四百四十一号、この義務を遵守する最後の機会を与えるという決議が全会一致で行われていると。そういうことを従来から御説明をしてきているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/88
-
089・舛添要一
○委員長(舛添要一君) この際、政府に申し上げます。
答弁は、質疑者の趣旨を体するような形で的確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/89
-
090・犬塚直史
○犬塚直史君 私が伺いたかったのは、今るる説明いただいた安保理決議六七八、いわゆる武力行使の容認決議、そしてその後六八七、これは停戦決議ということだと思うんですけれども、そういうものに、直接的にこれをもって武力行使したのが三番のイラクへの空爆だったわけですよね。これをここでまた持ってくるということは、持ってきたことはいいんです、少なくとも国際法に対して敬意を払ったということはいいんですが、あくまでも苦しかったと。小泉総理の談話で十七本にわたる安保理決議に違反し続けたということが、この国連決議が、じゃ今、ないと私、書きましたけど、あるということになるんですか、ないんですか、そこを聞いたんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/90
-
091・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 今の御質問の御趣旨を私、完全に理解をしたか分からないわけでございますけれども、必ずしも自信がないわけでございますが、今申しましたように、このキーとなる国連決議としては国連決議六七八があり、六八七があり、そしてその六八七に基づく義務を遵守をする最後の機会を与えるという安保理決議一四四一、これが全会一致で採択をされているということを今申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/91
-
092・犬塚直史
○犬塚直史君 それでは、ここの小泉総理談話の後半の部分なんですが、国際社会の責任ある一員として、同盟国である米国等による対イラク武力行使を支持すると書いてあるんですが、これは、国際社会の責任ある一員として同盟国を支持するという意味は、これは自衛権の発動というふうに考えられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/92
-
093・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、政府が従来イラクに対する米英等の武力行使と、この根拠として申し上げていることは、自衛権の行使ということではなくて、一連の国連決議にその根拠が、正当化の根拠があるということを申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/93
-
094・犬塚直史
○犬塚直史君 私、何を申し上げたいかというと、こういう苦しい、いわゆるこれが総合的判断ですよね。こういう苦しい総合的判断の下に武力行使をするような事態をできるだけ避けなければいけない、あらゆる手段を使って避けなければいけないということを申し上げたいわけなんです。
先ほど来申し上げておりますように、武力行使が国際法で許されるのはこの二つしかないと。最近許されつつあるのは、人道的介入と解されるいわゆる保護する責任というものの場合だけなんですね。この三つのいずれにも当てはまらない。どれかを引用するのは大変いいことなんですけれども、非常に苦しい引用になってしまうということをできるだけ避けなければいけない。今後の日米同盟を考えていく上で、やっぱり同盟国として国際法の方にどんどん引っ張っていっていただきたいと私は強く申し上げたいと思います。
ここで、自衛隊法施行規則三十九条、宣誓というのがあるんですけれども、これは防衛庁の方に伺いますが、宣誓をしない限り自衛官にはなれないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/94
-
095・大古和雄
○政府参考人(大古和雄君) 自衛隊におきましては、自衛官が防衛庁に職務するときに、今の御指摘の政令に基づきまして宣誓することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/95
-
096・犬塚直史
○犬塚直史君 宣誓をしないと自衛官になれないということでよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/96
-
097・大古和雄
○政府参考人(大古和雄君) 防衛庁の職員になる際に宣誓することは、今要件にはなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/97
-
098・犬塚直史
○犬塚直史君 その宣誓の部分を今読ましていただきます。「宣誓 私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と。
これはこのとおりでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/98
-
099・大古和雄
○政府参考人(大古和雄君) 政令の記述はそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/99
-
100・犬塚直史
○犬塚直史君 自衛隊の皆さんが、事に臨んでは危険を顧みず、世界のこれからいろいろなところで、紛争地域においても活躍されるような事態が予想されるわけであります。そうしたときに、我が国の平和と独立を守る使命を自覚して、あくまでも日本国憲法と法令を遵守するからこそ命を懸けるわけであります。
今、今日、随分細かい話を申し上げましたけれども、海外に出て自衛隊の皆さんが活動するときには、やはり総合的な判断で、一体我々の活動が法令を遵守している活動なのかそうでないのかというような事態はでき得る限り避けなければいけない、当たり前のことなんですけれども。そのためには、やはり今次のイラク戦争のような余りにも苦しい国際法の引用というような事態はこれからは避けていただきたい、そのように今度の六月の会談でも強く言っていただきたいんですけれども、防衛庁長官、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/100
-
101・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 自衛隊の活用については、もうこれはおっしゃるように、憲法に基づいて、そしてまたそれに基づく法律によって行動が規定されているわけであります。それは、この前も議論がありましたけれども、国会、内閣、我々がきっちりとシビリアンコントロールの中で厳正に守っていかなければならないということであると思っております。
したがって、今後問題になるのはそういう国際平和協力活動についてでございますけれども、憲法上の武力行使はしないという前提の下で自衛隊が今後、国会の場でどういう活用がされていくかということを議論していただきたいし、そしてまた、自衛隊を活用する場合にはおっしゃるように国際法が守られていく中で行動される、それがまた我が国の安全とか平和とか安定につながっていくことでなければならないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/101
-
102・犬塚直史
○犬塚直史君 総合的判断というさっき言葉が出ましたが、総合的判断は分かるんですが、原則がないようでは、原則をはっきりと提示できないようでは近隣諸国の信頼は得られることはできないと思います。
つきまして、今度PKO、国際緊急援助以外の国際任務を常時行うための根拠法がないというために検討作業が進められていると、官房の方で検討作業が進められていると聞きますが、今の進捗状況をお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/102
-
103・樽井澄夫
○政府参考人(樽井澄夫君) 御指摘の恒久法でございますけれども、内閣官房を中心にいたしまして関係省庁間で分析、協議、検討を進めております。その際に、国際平和協力懇談会等の御報告、御提言、それから国会におきましても各先生方の御提言等々ございますので、十分に参考にさせていただきつつ、国際平和協力の在り方全般について幅広く事務的に検討さしていただいております。
この件は、我が国の国際平和協力全般にかかわる大変重要な課題でございますので、国民的な議論を踏まえて今後とも検討を進めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/103
-
104・犬塚直史
○犬塚直史君 テロに対する一体どういう取組をしていくかと、あるいは大量破壊兵器に対する取組はどういうふうにしていくかと、新しい状況の中で法体制をどうするかというお話だと思うんですけど、先般、本会議場でも申し上げましたけれども、テロというものを本来警察権の対象として取り扱われるもの、しかし、ある状況の下では自衛権の対象となり得るというような認識を私は持っているんですけど、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/104
-
105・舛添要一
○委員長(舛添要一君) どなたが答弁しますか。
小松国際法局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/105
-
106・小松一郎
○政府参考人(小松一郎君) テロという行為自体、長年にわたって国際的に議論が行われながらその定義が明確化されないというところがございますように、いろいろな多面的側面がございます。
もちろん、国内でいろいろな違法な集団がテロ活動を行うと、これに対応するのは基本的に警察的な機能であろうと思うわけでございますが、例えばいわゆるナイン・イレブンのような行為というものに対しては、あの侵害行為に対して、国際法上自衛権の発動ということで米国もアフガニスタンに対する行動について安保理に報告をしておりますし、またNATOが史上初めてNATO条約第五条に基づきまして共同対処を、これは集団的自衛権を根拠としているわけでございますけれども、五条を発動したというのは御案内のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/106
-
107・犬塚直史
○犬塚直史君 私が申し上げたかったのは、政治のメッセージとして、憲章には戦争という言葉はないんですが、ブッシュ大統領が政治のメッセージとして、これは戦争であると、テロに対する戦争であるということを言い続けているわけなんですね。
私は、最近、防衛のコストパフォーマンスなんというお話もこの間ありましたけれども、それこそコストパフォーマンスで考えるんであれば、やっぱりテロというものはあくまでも警察権で取り締まるべき対象のものであると。であるならば、警察権を国境を越えて使うためには、やっぱり司法の、裁判所も国境を越えて行っていく国際刑事裁判所というようなものもきちんと我が国は批准をして、その条約も締結をしなきゃいけないということに必然的になっていくわけなんですね。是非、限られた資源、血税を使う、このコストパフォーマンスという文脈の中におきましても、一刻も早い、まずはICC条約の締結、そしてテロを戦争とは受け取らない、そのような政治的なメッセージを出さないということを強くお願いをしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/107
-
108・緒方靖夫
○緒方靖夫君 まず、守屋事務次官の発言についてお伺いいたします。
この委員会の前の理事会で、防衛庁の事務方から資料配付と説明を受けました。その資料には、毎日新聞の四月二十七日付けの記事のコピーも添付されておりました。私はこの記事の内容に訂正を要する不正確さはないのかとお聞きしたところ、事務方はないというお答えでした。わざわざ配付してそう答えたわけですので、大臣もその点には異存がないと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/108
-
109・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども話もしましたけれども、きちっとした積算根拠に基づいて言われた数字ではないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/109
-
110・緒方靖夫
○緒方靖夫君 この記事には異存がないと、大臣もですね。
この記事には、こういうことが書かれているんですね、これは今日配っていただいたもので助かりましたけれども。グアム移転経費を除き八年間で二兆円と試算している。年間二千六百億円なので、思いやり予算などで在日米軍のために毎年支出している六千億円と合わせると年間八千六百億円の負担となると。つまり、思いやり予算を除いての二兆円ということがここで明確になっております。
ところが、大臣は繰り返し様々な経費を含むイメージ的な数字だということをおっしゃられる。私がこの間質問したときに、大臣は答弁の中で、思いやり予算だとか地域振興費だとか様々なことを考えてイメージ的な数字を守屋さんがおっしゃったのではないかと、そう答えられているわけですね。
そうすると、明らかに違うわけです。この報道の中でも思いやり予算を除いている、大臣は思いやり予算を含めた数字を述べられたと述べられている。思いやり予算は入っていないわけですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/110
-
111・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) それは、守屋次官の二兆円の話だったですかね、それともローレス副次官の三兆円の話だったですかね、私が言ったのは。ちょっと後で確認をしてから答えたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/111
-
112・緒方靖夫
○緒方靖夫君 読み上げます。大臣の答弁として、守屋次官がおっしゃったのは、そういうことを大ざっぱに、ある意味では思いやり予算だとか地域振興費だとか、様々なことを考えて、イメージ的な数字をおっしゃったのではないかと、守屋次官のお話で言っております。
ですから、私の質問は、要するに、守屋次官の話には明確にこの記事からいっても思いやり予算を除いている。しかし、大臣は入っているとおっしゃられた。一体どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/112
-
113・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) その二兆円についての話について、理事会に、お手元に示したように、守屋次官に確かめましたところ、守屋次官が言った二兆円の数字というものは、グアム移転経費に関連して、既に負担している経費に加え、再編に伴う新たな経費も負担することになるので、日本の負担は十分に大きいことを言いたいということで話をしたということでございますので、この点からいうと、グアム移転経費、じゃなくて、その思いやり予算──これはあれですかね、報道のことの中身、よく私、承知していないんで、今読んでいるところなんですけれども、ちょっと待ってくださいね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/113
-
114・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/114
-
115・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/115
-
116・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 守屋次官の話は、グアム、じゃなくて、思いやり予算は入っていないというふうに、入っていない形で言われたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/116
-
117・緒方靖夫
○緒方靖夫君 明確です。入っていないんです。もうこの文面からしても明確です。ところが、大臣は前回、私の質問に対して、思いやり予算だとか地域振興費が入っていると述べられました。
これは間違った守屋発言の解釈になりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/117
-
118・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) きっと私、その意味では、ローレス副次官が言った三兆円の数字のことのイメージで話をしたものと思いますので、もしそういうふうに受け取られておるんであるならば、それは直したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/118
-
119・緒方靖夫
○緒方靖夫君 それは明確に守屋次官がおっしゃったという文脈で述べられているので、大臣の勘違いは明確なので、是非それは訂正していただきたいと思います。
それで、そうすると、今日の大臣の発言なんですけれども、守屋次官に直接確かめたところ、今ちょうど再び述べられたところですけれども、発言は、グアム移転経費に関連して、既に負担している経費に加え、再編に伴う様々な経費に伴うものと言われていますけれども、この既に負担している経費というのは思いやり予算のことを指すのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/119
-
120・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、例えばこれから米軍の再編に伴って米軍の基地が、施設が新しくなったり、あるいは移転をしたりとかしますよね。そういう経費を含めてという意味ですね。例えば普天間飛行場の移転についてもそうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/120
-
121・緒方靖夫
○緒方靖夫君 常識的には、防衛庁がお使いになる用語からすると、既に負担している経費というのは思いやり予算だというふうに取れるんですけれども、それは含まないということをおっしゃられるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/121
-
122・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/122
-
123・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/123
-
124・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 既に負担をしている経費という意味のことですか。これは入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/124
-
125・緒方靖夫
○緒方靖夫君 思いやり予算が入っているということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/125
-
126・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) はい、入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/126
-
127・緒方靖夫
○緒方靖夫君 そうすると、要するに、今お認めになったように、大臣の議事録も訂正するとおっしゃられた、思いやり予算は含まれていないんだということで。私もそれに納得します。そのとおりだと思います。これは明確だからですね、守屋次官の発言は。
しかし、今大臣おっしゃられた、正にこの委員会で冒頭に読み上げられたその発言には、思いやり予算が入っていると今言われました。(発言する者あり)おかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/127
-
128・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) もう一度言ってください。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/128
-
129・緒方靖夫
○緒方靖夫君 先ほど思いやり予算は入っていないと、この守屋次官の発言のこの二兆円の中には、そうおっしゃられました。しかし、今、守屋次官の発言の解説として聞いたところということで言われた中には、思いやり予算が入っていると今答弁されました。おかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/129
-
130・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) グアム移転に関連して、既に負担している思いやり予算に加えて、再編に伴う新たな経費も負担することになると書いてありますが、既に負担している経費は思いやり予算を含んでおりますと。再編に伴う新たな経費ということについては、正にこれから、その普天間の代替施設だとか岩国の施設だとか、そういうものを言っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/130
-
131・緒方靖夫
○緒方靖夫君 要するに、大臣がおっしゃられたように、守屋次官の発言の中には思いやり予算は含まない、含まないで二兆円という、そういう数を出していると、そういう答えです。
しかし、この中では、こちらの大臣の発言の中では、思いやり予算を含めて様々なものをイメージ的に述べたと言われている。訂正されると言ったばかりの発言をまたここで復活させているということになるんですよ。おかしいじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/131
-
132・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) グアム移転経費に関連をして、既に負担をしている経費に加えて、新たな経費が出てきますねと、そういうことを全部合わせると日本の負担は非常に大きいんですよという意味のことを言っていると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/132
-
133・緒方靖夫
○緒方靖夫君 大臣は既に負担している経費というのは思いやり予算だと答弁されたんですよ。ですから、矛盾していると言っている。おかしいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/133
-
134・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 最初の新聞記事の中には、二兆円というのの中には思いやり予算というのは含んでいないというふうに解釈をしましたので、私が発言をしたのは、それはローレス次官の発言と勘違いをして答弁したのかもしれませんと言っているわけであります。
ここに守屋発言の、今度の、守屋さんにじかに確かめて私が言っていることの中身は、グアム移転費に関連をして、既に負担している経費に加えて、再編に伴う新たな経費も負担するので日本のお金というのはすごく多くなりますよねということを申し上げたものであるということを言っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/134
-
135・緒方靖夫
○緒方靖夫君 納得できないんですよね。要するに、私は、大臣の答弁に沿って言われているわけです。二兆円という数字を挙げての発言は、既に負担している経費を加えると。この負担している経費というのは何かという私の質問に対して、先ほど大臣はこれは思いやり予算を指すと言われました。ですから、二兆円の中には思いやり予算を含むということをこの中で説明されたわけですよ、発言で。明らかに矛盾しているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/135
-
136・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、思いやり予算というものもやってますねと、それに加えて、今度の米軍再編とかの問題については新たな負担がありますよと、そういうことのイメージで話をしたんですということを言っているわけです。
だから、思いやり予算等に加えて新しい負担が出てきましたねと、だからこんなに日本は負担をしているんですよということを申し上げていたということでありますから、ひとつ、具体的に積み上げた数字ではないので、よろしく頼みますという話をしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/136
-
137・緒方靖夫
○緒方靖夫君 私は、やはり非常に大臣の発言というのは、こんな重要な問題なのに明確ではない、はっきりしない、そのことは本当に重大な問題だと思います。
特に私思いますのは、要するに、防衛庁の今日の理事会での説明でも、守屋氏は試算という発言を使ったのかということについて、使ったかもしれない、使わなかったかもしれない、そう言っているんですよ。
アメリカとの交渉においては、まあ正確な試算はできないことははっきりしております。しかし、概算抜きに事務方が交渉しますか。大臣だって交渉しないでしょう。数字を持ってやっているんですよ。数字一切抜きにやられたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/137
-
138・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) もちろん、百二・七億ドルという全体の枠組みをグアム移転経費について話をしたわけでありますから、数字が入っているわけでございます。
ただ、そういう枠組みの全体の中身について、我々が請け負うのは自らが積算をして実質的な負担をしていくということで話を展開されているわけでございますので、そこはこれからきっちりと積算をしていく形で日本の負担がはっきりしますよということを申し上げているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/138
-
139・緒方靖夫
○緒方靖夫君 私は、これからこの問題についてはアメリカの議会でも審議が行われると思います。あるいは公聴会も開かれると思います。そのときに、アメリカ側は、何も大臣の立場を守るとか、あるいは防衛庁との間での何らかの信義を守るというよりも、自分たちのあからさまなことをどんどん述べてくると思います。私は、その過程で必ずこうした数字の問題も、日本側とどういう交渉をしたかということも早晩明らかになる、あるいは、もっと歴史的に長い時間がたてばもっと詳しいことが明らかになると思います。
そうすると、今大臣が言われている話、これはやはり非常に重大な責任があると思います。どういう交渉をしているのか、その中身が明らかになったとき、そしてまたどういう数字を挙げながら交渉したのかということが明らかになったとき、やはり私は、そういう大臣の今取られている立場、国会に対してもそういうことを明らかにしない、数字についても、私は何もすべて明らかにせよと言っているんじゃないんですよ。どういう形で、どういう手法で交渉したのかということを求めているわけですけれども、それについても、はっきりしたらお答えになるということしか言われない。つまり、現時点ではお答えにならない。私は、それではやはりきちっとした審議ができない、そう思うんですよ。ですから、その点で、いずれにしても、今大臣が取られている立場というのが本当に誠実な態度かどうかということは近く明らかにされると思います。
そういったことをきちっと踏まえて、やはりこの委員会に対して、国会に対して、また国民に対して真摯な態度でこの問題に臨むということをやはりはっきり述べていただきたいと思います。そのことを要求して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/139
-
140・大田昌秀
○大田昌秀君 まず最初に、防衛庁長官にお伺いします。
先ほどの同僚委員の質問に対して、嘉手納以南の基地が返されると広大な跡地が出てくる、それに基地従業員の雇用の問題が発生するという趣旨のことをおっしゃって、政府を挙げてこれらの問題に取り組むとおっしゃいました。
地元の新聞の報道によりますと、大体長官がおっしゃった嘉手納以南の基地を返すとなるとほぼ四千人くらいの従業員が影響を受けるというふうに報じられておりますが、具体的に、この跡地利用について防衛庁はどういう形で支援されるのか、それから雇用問題についてはどのような形でお手伝いをされるのか、お考えがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/140
-
141・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 大田先生、八千人のグアム移転が行われれば四千人ですか、私もそういう数字はまだ聞いておりません。しかし、そういう雇用の問題とか、地域経済に大きな影響を与えることは間違いがないと思いますし、それから土地の利用についてもやっぱり考えていかなければならないという問題意識は持っておりますので、しっかりと手順を踏んで、この最終合意が実行されるような形を作りながら、作りつつ、地元の人とよく相談をしていかなければならない。実際にグアムに移転されることが担保されないのにその具体的な対応策が出てこないし、土地が返還されてくることが確約されないのにしっかりした対応策が取れないわけであることはよく分かっていただけると思うんですね。
ただ、こういう最終合意が実施されていけば雇用の問題だとか土地の利用の問題が起こるということは、問題意識等を持ってしっかりと地元の皆さん方とも協議しながら対応していきたい。政府も、防衛庁だけではなくて、全体で考えていきたいという話を申し上げたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/141
-
142・大田昌秀
○大田昌秀君 再編問題はまだ実現していないから具体的な対応策は現段階では言えないという趣旨の御答弁だと思いますが。
実は恩納通信所というのがございまして、これは一九九五年に返されました。それで、政府は、軍用地転用特別措置法、俗に軍転法というのを作りまして、土地が返された後、当初は三か月間だけ管理費として地代相当分を地主に払っておったわけですが、この軍転特措法ができたおかげで三年間は補償することができるようになったわけです。ところが、もう返されてその三年間の期限を過ぎて八年たっていますけれども、まだ使えないようになっているわけです。これは、PCB汚染でその汚泥を今隣接する自衛隊の基地にたしかドラム缶八百本くらいのところに入れて収めてあるんですがね。
今、長官は、政府を挙げて跡地利用に取り組むと、雇用問題に取り組むとおっしゃったわけです。そして、再編問題はまだ実現していないから具体的な対策出せないとおっしゃったわけですが、今申し上げたように、六十三ヘクタールが返されて、実際に使われているのは四・一ヘクタール程度しかないわけなんです。そうすると、これまで防衛庁は、返された跡地について、あるいは雇用問題について具体的にどういうことをなさってこられたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/142
-
143・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) 現時点で、今、先ほど大田先生がおっしゃったように、土地の問題については、おっしゃるように、駐留軍用地返還特措法の規定に基づいて返還日の翌日から三年間を限度として借地相当額の返還給付金を所有者に支給していくことができると。その後についても、跡地利用対策の観点から、沖縄振興特措法の規定に基づいて特定跡地等に指定された跡地の所有者に対して借料相当額の特定跡地給付金等を支給することになっているということですね。
それはもうよく御存じのとおりでありますが、今後も、そういうこれまでの制度を踏まえて、返還に伴う跡地対策についてどうするかについては、実際に仕事が進んでいくことに合わせてしっかりと関係閣僚の間で考えてまいりたいというふうに思っております。
駐留軍特措、労働者の雇用の問題についても、これはこれまでも既に不況時の構造不況業種特別雇用促進なんとか法とか、様々な手当てがなされておりますけれども、そういうことに準じてこの駐留軍労働者の雇用対策も活用されていると思いますので、よく雇用の面で不安がないようにしていかなければならないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/143
-
144・大田昌秀
○大田昌秀君 私がお聞きしたのは、軍転法が適用されて、その三年間過ぎて後、随分時間がたっているけれどもまだ利用されていないということを申し上げているわけです。ですから、どうぞひとつ、政府を挙げて取り組むとおっしゃるのであれば、その辺にも是非御配慮いただきたいと思います。
それから、いま一つ、同僚議員の質問との関連でお聞きしたいんですが、前回の委員会で私がお伺いしたんですが、この今回合意されたロードマップが実現されて後、沖縄にどれくらいの軍事基地が残るかとお聞きしましたら、前回はまだ分からないという趣旨のお話でしたが、今日は七〇%残るということをおっしゃいました。確かにそのとおりだと思います。ほぼそのとおりだと思いますが、沖縄は国土面積の〇・六%しかないわけですね。その中で七〇%が残るとする。さらに、沖縄の空域の四〇%と那覇軍港を始め海面、水域の二十九か所が米軍の管理下に置かれているわけなんです。そうしますと、そういう事態に対して沖縄の人々は差別的な処遇を政府から受けているということで反発しているわけです。
長官は、そういう事態、そのロードマップが全部実現されて七〇%が残るという事態、それから空域の四〇%、それから二十九か所の水域が米軍に管理されているという事態に対して差別的処遇というふうに認識されておりますかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/144
-
145・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう私も、これまで沖縄県民の皆さん方が戦後六十一年にわたって日本の安全保障の基軸である日米同盟に基づく米軍基地を負担していただいたことに対し、本当に御労苦が重なってきたことについて私どもは重々承知をしているわけでありまして、そのことを踏まえて、今度の米軍再編に当たってはできるだけ負担の軽減をしなければならないということで精力的に取り組んできたということでございます。それが先ほど言ったような海兵隊の移転であり、あるいはまた嘉手納以南の土地の返還等々に結び付いていくことになると思いますし、今後も日米同盟の中で負担の軽減というのは、私は我々のある意味では大きな政治課題であると思っております。
負担の軽減をしていくということは、逆に言うと自衛隊の能力を高め日米同盟関係の協力関係もしっかりとしていくということでございますから、この問題について引き続いてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/145
-
146・大田昌秀
○大田昌秀君 似たような質問を外務大臣にもお願いいたします。
十七日付けの地元の新聞によりますと、国連人権委員会から任命された特別報告者で、沖縄県内の差別や人権侵害の実態を調査をしているドゥドゥ・ディエン氏が十六日に沖縄で記者会見し、狭い県土に米軍基地が集中している実態が差別を物語っており、環境破壊、騒音被害で沖縄の人々が苦しめられていると述べたと報じられています。
ディエン氏は、今回の調査結果を九月の国連人権理事会、さらに十月の国連総会に報告し、日本政府に是正を勧告するとの考えを明らかにしていますが、大臣はこのディエン氏の見解をどのように受け止められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/146
-
147・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) このセネガル出身の方なんですが、ほかの方も、御存じない方も多かろうと思いますんで、書いてある内容の沖縄のところでいえば、沖縄の人々は一八七九年の併合以来、差別的な政策を受け、その最たるものは米軍基地の集中的な設置など。日本政府は、米軍基地の存在などが沖縄県民の基本的人権と両立可能か国会に調査を求めるべきと、これが内容でございますね、この件だと思いますんで。
私どもの見解から申し上げさせていただければ、このディエンという人は、国連の人権委員会において人種差別等特別報告者として選出をされておられます。この人は今回、私的に沖縄を訪問された機会に、私的に訪日をされた機会に沖縄を訪問されたということだと思っておりますが、米軍施設の区域の七五%、今、七〇になる可能性があるというお話でしたけど、七五%が沖縄に存在しているということは事実だと存じますが、これは地政学的な事由若しくは事実上の要請等なりに基づくものであって、これは差別的な意図に基づくものでないことだけははっきりしていると思っております。
したがって、私どもとしては、この方が人権理事会に対して報告を行われると、今、大田先生の話では九月に行われるという話でございますが、日本としては事前に反論書は提出したいと思っております。
この方の個人的な見解でもあろうと思いますし、国連の見解というわけではございませんので、法的拘束力を持っていないということはもう御承知のとおりだと思いますけれども、私どもとしては、今、額賀長官からもお話がありましたように、今回の2プラス2の背景の中には、いわゆる沖縄県民の負担の軽減というのが大きな要素でございます。したがいまして、この兵力態勢の再編というものを具体的な実施に移していくときに当たって、軽減の実施というものを着実に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/147
-
148・大田昌秀
○大田昌秀君 このディエン氏についてのお考えは伺いましたけれども、今年の一月二十四日に日本政府に対して勧告をしておりますですね。その勧告の中でこういうことを述べています。
政府は、国会に対し、沖縄に米軍基地が存在し続けることは沖縄の人々の基本的人権の尊重と両立し得るのかという問題について綿密な調査を行うよう要請すべきである。また、沖縄の人々の状況との関連で差別の存在を監視する沖縄の人々及び政府の代表者から成る合同機関を設置することも奨励される。そのような機関は、政府がとるべき適切な措置及び政策に関する勧告を取りまとめるものとなろうということを言っているわけなんですね。
ですから、大臣のお考えがこのディエン氏と違うということはよく理解できますけれども、何しろ国連機関におる方ですから、そういう方がこういう形でやっていくと非常に困るわけなんで、その辺は是非御理解いただいて適切に対応していただければ有り難いと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/148
-
149・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/149
-
150・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。額賀防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/150
-
151・額賀福志郎
○国務大臣(額賀福志郎君) ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を説明いたします。
この法律案は、防衛庁設置法、自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正を内容としております。
平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、新たな安全保障環境に実効的に対応し得る体制を整備するため、施設行政及び装備品に係る組織の改編並びに地方連絡部の所掌事務等の変更を行うとともに、陸上自衛隊中央即応集団を新編し、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数を変更するほか、これらに伴い、防衛庁の職員の給与等に関し所要の措置を講ずるものであります。
以上がこの法律案の提案理由であります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
第一に、自衛隊の改編等に伴い、自衛官の定数を三百六十人削減するものであります。これにより、自衛官の定数は二十五万千二百二十二人となります。
第二に、施設行政に係る総合的な企画立案機能を強化するとともに、米軍施設・区域に係る施設行政部門と政策部門との連携強化を図るため、本庁内部部局等の所掌事務を改めるものであります。
第三に、装備品のライフサイクルを見据えたコスト管理を図るため、契約機能、原価計算機能を統合・再構築し、装備品の取得に関する統一的な指針の作成及び装備品の調達を行う装備本部を新設するものとし、その所掌事務を定める等所要の改正を行うものであります。
次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
第一に、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応するとともに、国際平和協力活動に取り組むための体制を強化するため、陸上自衛隊中央即応集団を新編するものとし、その所掌事務を定める等所要の改正を行うものであります。
第二に、地方公共団体等との協力関係を推進するため、地方連絡部の所掌事務に地方における渉外及び広報を加えるとともに、その名称を地方協力本部に改めるものであります。
第三に、即応予備自衛官の員数を十人削減するものであります。これにより、即応予備自衛官の員数は八千三百六十八人となります。
また、市町村の廃置分合に伴い、第七航空団司令部及び第八航空団司令部の所在地を改める等所要の改正を行うものであります。
最後に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正でございます。
これは、本庁内部部局の改編に伴い、防衛参事官等俸給表を適用している職員の給与制度を見直し、職員の円滑な異動及び勤務の実態に応じた処遇を確保するため、これらの職員に一般職の俸給表を適用することとする等所要の改正を行うものであります。
そのほか、関係法律の規定の整備を行うものであります。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことを心からお願い申し上げます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/151
-
152・舛添要一
○委員長(舛添要一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116413950X01820060518/152
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。