1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成十八年五月二十三日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月十八日
辞任 補欠選任
柳澤 光美君 輿石 東君
五月二十二日
辞任 補欠選任
輿石 東君 藤末 健三君
五月二十三日
辞任 補欠選任
北澤 俊美君 郡司 彰君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 羽田雄一郎君
理 事
伊達 忠一君
脇 雅史君
大江 康弘君
山下八洲夫君
西田 実仁君
委 員
市川 一朗君
太田 豊秋君
小池 正勝君
末松 信介君
田村 公平君
中島 眞人君
藤野 公孝君
松村 龍二君
吉田 博美君
加藤 敏幸君
北澤 俊美君
郡司 彰君
佐藤 雄平君
藤末 健三君
前田 武志君
山本 香苗君
小林美恵子君
渕上 貞雄君
国務大臣
国土交通大臣 北側 一雄君
副大臣
国土交通副大臣 江崎 鐵磨君
国土交通副大臣 松村 龍二君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 吉田 博美君
事務局側
常任委員会専門
員 伊原江太郎君
政府参考人
総務大臣官房総
括審議官 荒木 慶司君
農林水産省農村
振興局企画部長 宮本 敏久君
中小企業庁経営
支援部長 古賀 茂明君
国土交通省総合
政策局長 竹歳 誠君
国土交通省土地
・水資源局長 阿部 健君
国土交通省都市
・地域整備局長 柴田 高博君
国土交通省道路
局長 谷口 博昭君
参考人
日本政策投資銀
行副総裁 山口 公生君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○住生活基本法案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/0
-
001・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/1
-
002・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房総括審議官荒木慶司君、農林水産省農村振興局企画部長宮本敏久君、中小企業庁経営支援部長古賀茂明君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省土地・水資源局長阿部健君、国土交通省都市・地域整備局長柴田高博君及び国土交通省道路局長谷口博昭君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/2
-
003・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/3
-
004・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本政策投資銀行副総裁山口公生君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/4
-
005・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/5
-
006・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/6
-
007・藤末健三
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末健三でございます。
都市計画法の改正に当たりまして、質問申し上げたいと思います。
私は、今回の都市計画法の改正につきまして非常に評価しています。新しい体系をつくられまして、これから本当にもうどんどんこの国土のきちんとした発展を図っていっていただきたいと思います。しかしながら、今日は三つのポイントを申し上げたいと思います。
一つは、この都市計画法ですけれども、遅きに失したんじゃないかという印象が非常に強くあります。平成十年そして平成十二年に都市計画法を改正し、そして六年後の今、都市計画法を改正されたということでございますが、非常に遅れているんではないかというのが一つでございます。遅きに失したんではないかというポイントが一つ。
そして二点目に、今回、都市の規制、そしてまたその範囲を広げたわけでございますが、今回のこの大きなまちづくり三法の見直しということにつきましては、大型ショッピングセンターの郊外への立地ということが、規制が目的でございました。しかしながら、その内容を見ますと、その大型ショッピングセンターの立地の約半数が農地の転用になっている。その農地の利用ということにつきましてはまだまだ後手後手に回っているんではないかということでございまして、農地の問題について御質問したいと思います。
そして最後に、今回、都市計画法におきまして、自治体、特に都道府県が非常に大きな権限を持つわけでございますけれども、一つございますのは、やはり地方自治の方向、どんどんどんどん権限を地方に移譲するという中、地方自治体がきちんとしたその町の土地開発の計画を作れるような方向性を見付けなきゃいけないではないかと思っておりまして、その地方自治のまちづくりをどう考えるかというこの三点について、御質問したいと思います。
まず一点目に、この都市計画法の改正、非常に実は遅れていたんではないかということでございますが、過去のこの改正を見ますと、平成十年度、平成十二年度に全国において大型の商業施設の規制を行うような枠組みをつくっています。特別用途地区、特定用途制限地域などをつくっているわけでございますけれども、特別用途地区においてはこの八年間で十地区、そして特定用途制限地域については十二地域しか指定されていないという状況です。そしてまた、準都市計画区域の指定も三区域になっているという状況でございまして、実は、大事なことは何かと申しますと、今回の法改正がなくても自治体は規制はできる、枠組みは整っていたわけでございます。
ところが、その枠組みがこの六年間機能していないと、ほとんど機能しないまま来て今の規制になっているという状況でございますが、この原因は何か。この六年間、特別用途地区は十地区、特定用途制限地域は十二地域、そして準都市計画区域は三地区しか指定されなかった原因は何かということと、その対策が今まで取られていたかどうかについてお答えいただけないでしょうか。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/7
-
008・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 都市計画法の関係の御質問、規制の関係についての御指摘いただいてございますが、平成十年に特別用途地区制度を多様化いたしまして大規模集客施設等についても制限、規制が掛けられるということにいたしてございますし、平成十二年には、準都市計画区域の制度と特定用途制限地域制度の創設を行っております。これらによりまして、市町村が必要と判断した場合には、大規模集客施設を含む施設の立地を地域の実情に即して規制することが可能な制度といたしました。しかしながら、御指摘のように、大規模集客施設の立地規制を行う特別用途地区の指定は十件、特定用途制限地域の指定は十二件、それから準都市計画区域につきましては三件にすぎませんでした。
このように、大規模集客施設の立地規制を伴う特別用途地区や特定用途制限地域の指定が進まなかったのは、現行の都市計画法におきましては、広い地域で大規模集客施設の立地が原則的には可能であるとなってございます。そういう中で、これらの制度を活用して一つの市町村がその立地を制限したといたしましても、隣接する市町村に立地が可能ということがあるわけでございまして、広域的な観点から適正立地を確保するということがなかなか困難であったということが原因であるという具合に考えてございます。
今回の改正では、こうした問題に対応するために土地利用の原則を転換、百八十度転換いたすことといたしておりまして、いったん大規模集客施設の立地を制限した上で、その立地について都市計画の手続を通じて地域が判断することといたしております。
また、準都市計画区域の指定が進まなかったのは、現行では市町村が相当数の建築物の建築等が行われる蓋然性の高い地域をスポット的に指定する制度であったこと、また農振法の農用地区域や優良農地等につきましては準都市計画区域を指定しない運用がなされてきたことなどが原因であると考えてございます。
今回の改正では、こうした問題に対応するために、農地を含め土地利用の整序及び環境の保全が必要な区域を広く指定できるように、指定要件を見直すとともに、指定権者を広域的な観点から指定できる都道府県に改めることにいたしてございます。これらの改正によりまして、大規模集客施設等の立地が適切に行われるのではないかという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/8
-
009・藤末健三
○藤末健三君 今回の法改正の内容は分かっていますので、ちょっと答えていただきたいんですよ。なぜ平成十年度に改正した法律が八年間機能していないのをほったらかしにしたのか、平成十二年度に改正した法律を六年間機能していないのをほったらかしたのかということを明確にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/9
-
010・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 都市計画の法律は都市計画の枠組みを、市町村、県、あるいは都道府県、市町村がお決めになります都市計画制度の枠組みを決めるものでございまして、制度としてはいろんな制度を国としては用意をし、枠組みを用意し、仕組みを用意しやったわけでございますが、平成十年以降もう八年たつわけでございますし、また十二年以降まあ五、六年たつわけでございますが、結果としてそういう状況であったということで、今の時点で、この数年前からこれらについての問題点を対応しようということで、国土交通省といたしましても都市計画、そのアドバイザリー会議の意見をいただくと、有識者の意見をいただく、あるいは社会資本整備審議会にかけまして御審議をしていただくというような手続を踏まえた上で今回御提案をさせていただいているわけでございまして、今ぽんと出したわけではなくて、問題点は我々も感じておりました。その間いろいろと検討してきたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/10
-
011・藤末健三
○藤末健三君 八年ですよ、言っておきますけれども。いつ気付かれたんですか。もう質問しません。ただ、皆さん、ここに三万平米以上の大型出店のリストがあるんですよ。これを見ますと、皆様がおられます都道府県も二つは建っています。もうほとんど大型ショッピングセンターの出店は終わっているんですよ、正直申し上げて。終わって、今、法改正しますよと、八年たちましたと、ちゃんと審議をしましたと言えるんですか。いかがですか。(発言する者あり)いや、後の祭りです、これは、極端なことを申し上げますと。これだけのリストの大型出店が終わっているのに、今法律を作って規制ができますということが果たしてどれだけの意味があるか、答えていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/11
-
012・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) もう時期が遅いんじゃないかという御指摘でございますし、そういうことを御指摘される方もおられることは事実でございます、御指摘されるのはですね。御指摘される方がおられるのは事実でございまして、実態を申し上げますと、もう既に終わった、遅きに失しているんじゃないかと、もう今後何もないんじゃないかという御指摘かもしれませんけれども、大規模小売店舗立地法に基づきまして今年の一月末までに届出があった大規模店舗のうち、平成十八年四月以降に出店を予定し、かつ店舗面積が六千平米以上、おおむね延べ床面積一万平米以上に相当する大規模店の数は全国で九十一店舗もございまして、現在でも引き続き多数の出店が予定されております。
そういう意味で、まだまだそういう状況が続いているわけでございまして、じゃ、もう遅いから今やらないのかというと、決してそうじゃなくて、遅いか早いかという判断は分かれるところにあると思いますけれども、政府としては現段階でこれらにつきまして規制を掛けていきたいという具合に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/12
-
013・藤末健三
○藤末健三君 この法律を改正する意義は認めております。断言します。しかし、もう何十店舗ですか、もう七十店舗、八十店舗できているわけですよ、この法改正した後に。それも三万平米以上ですよ、私が調べたのは。よろしいですか、いつごろできたか申し上げましょうか。本当にあと二、三年早く対応されていたら、ここ数年、二、三年でできたやつが三十件ぐらいありますよ、きっと、二十件か、三万平米以上のやつが。その状況をどう見るかということを教えていただけませんか。お願いします。明確に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/13
-
014・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) そういうような状況、大規模集客施設が非常に大きく出ていったと。これはいろんなものが郊外に出ていく、それから自動車に過度に頼ったような交通体系でもって市街地が拡散していったと、中心市街地が非常に衰退していったというような現状が出てきたわけでございまして、これはこのままの形で置いていくというわけにはいかないと。特に将来、少子超高齢化社会が進んでいく中で、やはりどういうまちづくりが望ましいかという観点からも規制をしていく必要があるということを考えておるわけでございまして、現段階にそういうことについての対策ができるような法律の改正についてお願いをいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/14
-
015・藤末健三
○藤末健三君 二つ質問を申し上げます。イエスかノーかで答えてください。
一つは、この法改正のタイミングは今が最適だと思われますか、遅かったと思われますか。まず一つ。
そして、もし遅いと考えるならば、今後どのように審議会のやり方などを変えなきゃいけないか。審議会にかけて議論しましたよと、三年遅れましたよと。分かりましたよ、実際は。じゃ、どう変えるかということについてお答えください。こういう過ちを繰り返さないでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/15
-
016・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) まちづくりの問題等につきましては、中長期的な観点からやはり見ていく必要があるわけでございまして、現在の段階でこれが遅かったのかどうかということについての判断は、現時点では確かに遅いように見えるかもしれません。しかしながら、これが十年、二十年たったときに、ああ、あのときに思い切ってやって良かったねと、あの法律、新しい制度改革によりまして現在非常にいい町並みになってきたねということが出てくるんではないかという具合に考えておりまして、我々はそういうことを期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/16
-
017・藤末健三
○藤末健三君 もう本当にちょっとあきれ返りましたですよ。よろしいですか。これから皆様が、国土交通省、この国の発展、健全な発展、均衡ある発展を担う国土交通省が三年、四年遅れて施策を打てばいいという時代じゃないですよ、もう。これだけ世の中がどんどんどんどん変わっているんですよ。人口は減る、国際競争はどんどんどんどん激しくなる中で、どうこの国土をつくっていくかということを、今までみたいなスローペースで議論していたら困ると思うんですけれど、その点いかがですか。何か変えていってください、問題意識を持ってください。お願いします。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/17
-
018・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 委員もかつて経産省にいらっしゃったから、通産省にいらっしゃったからよくお分かりで御質問されているんだと思うんですが、これ、まず今回の改正については、私が一昨年の九月に大臣を就任したその日にこのまちづくり三法については是非見直しの方向で検討したいというふうに申し上げて、その後、その以前からも含めまして、政府部内、これは国土交通省だけでこのまちづくり三法できないわけですよ。政府部内でも検討を進め、また実際全国の調査もさしていただき、そういうのを積み重ねて今回提案をさしていただいているというふうに思います。
ちょっと背景的な要因、少し申し上げますと、非常に経済が、景気が厳しい状況下が続いておりましたですね。そういう中で、例えば今回のような法律を提案するという環境条件というのはなかなか整わないでしょうね。どうでしょうかね。やはり今回の法律は端的に言って規制強化です、まちづくりについての。景気が悪いときはむしろ、そうした雇用の問題であれ、その地域経済の、当面の地域経済の発展とか考えたときに、むしろ地元の例えば自治体なんかでもそういう大規模店舗が、立地は別としてですよ、できて、雇用の受皿になっていただく。実際なっていただいたわけですよ。雇用の受皿にもなっていただく、地域経済の振興にも役立つんではないかという判断も相当働いているというふうに思いますね。そういう中で、こうした法律、規制強化の法律を、あのような景気が非常に低迷していて、金融機関なんかも破綻するような状況が続いている中でこうした規制強化の法律を出すというのは、なかなか環境的には私は容易ではなかったという事情もこれは是非御考慮いただきたいというふうに思うわけでございます。
遅きに失したという御批判は、単に都市計画とかまちづくりという観点だけで見た場合にはもっと早くやればよかったんじゃないかというその御批判は私は甘受しなければならないと思いますが、だが、なかなか環境条件は整ってなかったというふうに思っております。
そういう意味では、こういう都市計画法の見直し等ができるようなようやく環境になってきたと。決して私は遅い、遅いというか、これからもう全くこの法律が機能しないとは思っていません。一方で中心市街地の活性化を進めていき、また都市機能の集積をできるだけ中心部に集積をさせていこうというふうな動きがしっかり加速がされるならば、例えば大規模店舗を運営する事業者の側に立っても、これからはむしろ中心部近くに造った方が採算が上がるのではないかというふうな観点も出てくるわけでございまして、まあこれは地域地域で様々だと思いますけども、そういう意味で今回この法律ができた意義というのは決して小さいものではないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/18
-
019・藤末健三
○藤末健三君 大臣、ありがとうございます。是非、大臣のイニシアチブで進めていただきたいと思います。
私は二つ申し上げたいと思うんですよ。一つは、恐らくこの法律の議論がやっぱり進まなかった理由に省庁のセクショナリズム、省庁縦割りの影響があるんじゃないかと私は思っています、正直申し上げて。それを解決できるのは、私はやっぱり政治の力じゃないかと。政治で任命された大臣の力、若しくは副大臣、政務官の方々の力じゃないかと思いますんで、これから頑張って進めていただきたいと思います。
そしてもう一つ、私は、これは国交省の方に申し上げたいんですけれど、ひどくなってからやるというんじゃ役所の存在意義ないですよ。役人は、私も役人やっていましたけど、将来こういうふうに悪くなるということをきちんと示し、それを先んじて防ぐのが役所の使命です、絶対。間違いありません、これは。それをやっぱりやっていただきたいですよ。これから本当に国土の開発は非常に重要な課題になります、我が国に。人口は減っていく、都市間の格差は広まる、そして国際的な競争。恐らく都市はもう上海とか釜山と競争する時代じゃないですか。その中でどういう国土があるかということは本当に役所の皆様が責任持って考えて、国民の皆様、我々に説明する義務があると思いますので、果たしていただきたいと思います。
次に、農地の話に移らさせていただきたいと思うんですが、今回の私の調査では、大型ショッピングセンター、約半数が農地だったものがそのまま商業地に転売されて、そして大型ショッピングセンターが建っているという状況でございます。そういう状況につきまして、過去二十年間で、都市計画区域外の農地が転用され商業施設になるという事例をもしよろしければ示していただきたいと思います。件数と面積をお願いしたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/19
-
020・宮本敏久
○政府参考人(宮本敏久君) 委員御指摘の件でございますが、残念ながら、過去二十年間にわたって都市計画区域外の農地が転用されて商業施設になった件数等は把握してないところでございます。
なお、都市計画区域外で、平成十一年から平成十六年の五年間におきまして、商業施設のほか、事務所、飲食店、流通業務施設、ゴルフ場等を含むものであります商業サービス等用地へ転用した面積、まあ従来の私どものデータの把握がこういう分類になっているわけでございますが、この面積は全国累計で千五百十ヘクタール、各年平均で二百五十二ヘクタールとなっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/20
-
021・藤末健三
○藤末健三君 分かりました。是非とも農業地の統計きちんとやっていただきたいと思います。
私はちょっと資料をお配りしていましたので、ちょっとごらんになっていただけますでしょうか。(資料提示)今回の都市計画法の改正におきまして、非常に都市計画法の範囲も広くなり、国の何と申しますか、国の健全な国土の利用ということにつきましては、恐らくツールと申しますか、道具が増えたと思いますが、一方で、やっぱり農地転用、先ほど申し上げましたように、今回のこのショッピングセンターが立地された大きな原因としまして、農地がショッピングセンターに転用されているという状況があります。
大きなデータをここにちょっとお示しさせていただいたんですが、農地面積は、昨日、主濱委員からもお話がありましたけれども、一九六〇年に六百万ヘクタールあったものが二〇〇四年では四百七十万ヘクタールということで約二割減っています。そして、農地転用面積、これを見ますと、二〇〇四年で一万七千ヘクタールだということでございます。新設大型店五十三件のうち二十三件が農地からの転用であると。
あと、ほかのデータを見ますと、例えば耕地の放棄されている面積が、例えば一九九五年は耕地面積の三・八%でした、一九九五年。それが二〇〇〇年には五・一%、三・八%から五・一%に上がり、そしてこの五年間、二〇〇五年には何と二倍の一一・二%になっていると。どんどんどんどん農地の耕作放棄が始まっております、特に進んでいます、近年。そしてまた、一方で食料自給率を見ますと、一九六〇年は八割が食料自給できたものが今は何と四割、半分になっていると。
私は、この土地の利用、国土の利用といった場合に、その都市の法制的な枠組みは大分進んできたとは思うんですけれども、一方で農地を見た場合にどうかと申しますと、ほとんど進んでないんではないか、一番大きな点が忘れられている点ではないかというふうに考えますが、過去三次、三十四年間にわたる国土利用計画を通じて農地は本当にどんどんどんどん減っているという状況でございます。
私が問題にしたいのは、農地の転用が容易に行われてしまうこの現在の制度に問題があるんじゃないかと思っておりまして、農地を転用して例えば商業地にしますということについては今回規制はできるようになった。ところが、農地をまた別のものにします、例えば駐車場にしますと、どでかい駐車場にしますとか、そういうものについてはまだ規制が掛かっていませんので、農地の転用がまだ引き続き続くんではないかという懸念をぬぐい去ることはできませんが、その点、農水省はいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/21
-
022・宮本敏久
○政府参考人(宮本敏久君) 御指摘のとおり、今農地の減少が続いているという状況がございます。私どもといたしましては、国民に対する食料の安定供給を図る上でも優良農地を良好の状態で確保することが極めて重要であるというふうに考えているところでございます。
このため、集団的農地あるいは基盤整備対象農地などの優良農地につきましては農用地区域として定め、農地転用を原則として認めないこととし、計画的な土地利用の推進に努めてきたところでございます。
一方、狭小な国土の我が国におきましては、社会経済上必要な土地需要にも適切に対応する必要がございまして、このような場合には、周辺の農業生産に支障が生じないよう十分調整しながら、都市計画法の開発許可制度等と連携しつつ、適切な土地利用の推進に努めているところでございます。
また、今回の都市計画法の改正につきましては、農地を含め土地利用の整序が必要となる区域を準都市計画地域として指定いたしまして大規模集客施設の立地を規制しようという内容であるものと承知しておりますが、農地転用の許可等に当たりましても、このような都市計画法等の他法令の許認可等の見込みのないものは許可しないということになっておりますので、今回の改正により農地の転用による出店も抑制されるものと考えております。
また、あわせまして、農林水産省といたしましては、今回の見直しと併せまして、農振制度あるいは農地転用許可制度につきまして、適正かつ厳格な運用を図るとともに、公共施設の整備のための農地転用を行うに当たりましても、農業上の土地利用との調整の徹底に努めるということとしておりまして、これらを通じまして優良農地の確保を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/22
-
023・藤末健三
○藤末健三君 農業振興法における農業振興地域みたいなものが定められているわけですが、農振の地域がございます。
多分御存じないと思うんで申し上げますと、先ほど申し上げた五十三の三万平米以上のショッピングセンター、二件が農振対象の土地が転用されているんですよ、二件、五十三件中二件が。
ですから、おっしゃるように、農振法を使ってどんどんどんどんその土地の転売を抑えますよ、転用を抑えますよということをおっしゃっていますけれども、実際の話を聞いてみると、申請するとほとんど認められるということじゃないですか、農振法による規制は。という状況、まあ強くされるというから結構ですけれども、強くしていってください、強くするかどうかは考えてください。
で、今のこの都市計画法を準用することによって農地の転用、そしてどんどん減っていく状況を防ぐということは、私は不可能だと思いますけど、その点どうですか。都市計画法は今回変えたように、農地の利用についても抜本的に見直すような考えはあるかどうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/23
-
024・宮本敏久
○政府参考人(宮本敏久君) 今御指摘のその中で、農地転用につきまして、大規模ショッピングセンター、申請すれば必ず、必ずといいますか、自動的かのように認められるというふうに御指摘いただきましたけれども……(発言する者あり)まあ非常に緩いんじゃないかという御指摘をいただきましたが、現実にはこれらの大規模ショッピングセンター等の農地転用あるいは農振除外というものに当たりましては、私どもとしましても、農業上の土地利用との調整、他法令の許可の見込み等を十分勘案しながら判断しておるわけでございまして、当然、今までの事例の中でもいわゆる私どもとしても事前の相談等で転用は認めないということにしている事例もあるわけでございます。
そうは言いつつ、今回、都市計画法の改正等が御提案されておりますが、これらの制度と私どもも相まちまして、しっかりした農地転用、農振許可制度の、農振除外制度の適切な運用を努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/24
-
025・藤末健三
○藤末健三君 是非、農水省の方にも頑張っていただきたいと思います。
是非、皆さん、ちょっと手元に資料をお配りしていますが、二ページ目をちょっとごらんいただけますでしょうか。右下にページを振っています、二ページ目でございます。
実は、私自身、今回の土地の利用につきましては、都市計画法と農地振興法、農地法みたいな形で土地の利用が分かれていると。今回、そのすき間に見事ショッピングセンターなんかが建ったというのが私の解釈でございます。
調べてみますと、韓国、お隣の国、韓国は土地利用制限制度がどうなっているかと申しますと、二〇〇三年に法改正を行い、国土都市計画法というものが改正されまして、都市地域と非都市地域が計画が統合されたということがございます。これは何かと申しますと、農地等の計画、そして都市計画というものがある程度は一体化されたということでございまして、私も今回のこの都市計画法の議論を見ながら、韓国のように都市計画法の規制と農地の規制というのはある程度一体化するべきではないかと考えておりまして、是非とも、国土交通省が国土の健全な発展という位置付けから是非ともこのような韓国みたいな抜本的な我が国の国土に関する法体系の見直しを検討していただけないかと思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/25
-
026・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) これから、その都市計画区域内の農地だけではなくて、その区域外にあるそうした貴重な農地についてもきちんと保全ができるような仕組みを検討していくということは、非常に私は大事なことだと私も考えております。
今回の法改正では、もう委員御承知のとおりでございまして、準都市計画制度につきまして、そういう農地についても、優良農地等も含めた区域を準都市計画区域に指定できるように指定要件の見直しをさしていただいておりますので、今後、是非それを活用して、都市計画区域外のそうした農地についても広く土地利用規制を及ぼすような仕組みを取らしていただいているところでございます。
今の委員の御指摘は、私なりにとらえますと、今、国土交通省では国土形成計画、今後の国土の整備のビジョンについてまさしく今議論をしているところでございまして、そういう中にあって、農地というものをいかに保全していくかというのはやはり重要なテーマだというふうに思っております。そういう中で、今日の委員の御意見をしっかり踏まえて議論を進めさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/26
-
027・藤末健三
○藤末健三君 是非、昨年改正されました国土形成計画、もっときちんとやっていただきたいと思うんですが、私は昨年の国会で申し上げましたときには、例えば国土利用計画、全国計画で農業地、土地の面積、一応目標値を作ってなされていたんですけど、ほとんどこの過去三次の計画はもう下っているんですよ、目標値を。それも一割とかだったと思います。そういう状況をずっと野放しにしてきたわけでございますんで、是非とも次作られる国土形成計画におかれましては、農地をも含み、そしてその農地を減らさない、もうずっと減り続けた我が国の農地、それをきちんと計画どおりに維持するようなことを盛り込んでいただきたいと思います。
農水省さんがなされなければ国土交通省さんがやってくださいよ、乗り込んで。いや本当に、本気で申し上げています、これは。各省庁の枠なんか言っている時代じゃないですよ、もう。(発言する者あり)いや、もうそれでもいいと思います、私は。
もし、農水省さんが本気で我が国土の利用を考えずに、休耕地はどんどん増え、食料自給率は落ちていく、そして農地がどんどんどんどんほかのものに転用されるようなものを放置するんであれば、国土形成計画において農地の目標を定められますんで、その中で新しい農地の考え方を示してください。これはもうお願いであります。それをしなければ、どんどんどんどん農地は荒れていく、この国の。お願いしたいと思います。
次に、都市計画法に基づく地方自治体との関係について御質問したいと思います。
都市計画法に基づきまして都市計画マスタープランを作ることになってございますが、この中におきまして、住民の意見を聞くという仕組みは盛り込まれているということでございますが、いろいろ専門家の話をお聞きしていますと、地方議会の議決事項などにしてもいいんでないかと、逆にする必要があるんではないかという意見も聞くわけでございますが、その点についてはいかがでございましょうか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/27
-
028・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 都市計画のマスタープランの御質問でございますが、都市計画区域のマスタープランについては、これは都道府県が定めることになってございまして、都市計画として定めておりますんで、都市計画の手続、都市計画審議会の議を経て定めてございます。この都市計画審議会の中には、これは法律でもって議員さんたち、議員さんが入っていただくことになってございますんで、住民の意見ももちろん伺いますが、議員さんの意見というのもそこで反映されているんではないかと考えてございます。
それからもう一つ、マスタープランとおっしゃっておりますが、市町村の都市計画のマスタープランもございます。市町村の都市計画に関する基本的な方針、いわゆる市町村都市計画マスタープランは、これは議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即して定めることとされておりまして、そこで議会の意思も反映されるものと考えておりまして、法律上、議会の議決を義務付けることまで必要ないものという具合に考えてございます。
また、市町村の都市計画に関する基本的な方針を定める際には、あらかじめ公聴会の開催等、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされており、これによりまして住民等の意見を踏まえた適切な判断も確保されるんではないかという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/28
-
029・藤末健三
○藤末健三君 マスタープランについての御説明、ありがとうございました。
皆さん、手元にお配りした資料の三ページ、ちょっとごらんになっていただけますでしょうか。市町村のまちづくりに関する主要な計画の相互関係というのを書いてございます。今の御説明いただいたのは何かと申しますと、左側の真ん中ぐらいに白い枠がございますが、都市計画区域マスタープランと、これは都道府県が作るというものです。その下に矢印がございますが、市町村マスタープランというものが、基本構想、この基本構想は何かと申しますと、地方自治法に基づく基本構想でもって作られると、またその下に地域地区の計画、あと景観法に基づく景観計画、あと都市緑化法に基づく緑の基本計画、そして右側にございますように、中心市街地活性化基本計画や都市再生整備計画とか、いろんな計画があるという状況でございます。
これを見ただけで、もう本当にこんなに一杯作ってどうすんのというと、相互関係は分かんないんですよ、もう既に、これだけの状況を見ますと。これどうすんのかと。役人の、まさしく総務省が地方自治法に基づく基本構想を作りなさいとおっしゃり、そして国土交通省がいろんな都市計画法に基づくものを作りなさいと、経済産業省が中心市街地の計画を作りなさい、交通バリアフリー基本構想を作りなさいという話になっていまして、いろんなものを作んなきゃいけない。そしてまた、これが地方自治体のいろんなパンフレットを見ると統合されていないんですよね。ばらばらに書かれているという状況になっていると。
こういう状況がございますので、これは是非ともこれ大臣にお願いしたいのは、このようなばらばらになっているプランを統合化するような仕組みを作っていただけないかというお願いでございますが、大臣、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/29
-
030・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 確かにおっしゃっている御趣旨はよく私も理解できます。それぞれの役所がそれぞれの、役所の中もまた都市局と住宅局があったりしましてね、それぞれが基本計画作れなんてそれぞれやってきて、ところが受けるところはみんな一つでございますので、その辺、今委員のおっしゃったそうした計画をそれぞれ自治体の方にどんどんどんどん作らせるのはいいんだけれども、受け手は一つですから、その辺のところはよく考えてやっていかないといけないと思います。
大切なことは、それぞれの計画が相互に整合性を図られていくことが非常に大事だと思いますし、またその辺の計画、いろいろ名称は違う計画でありますけれども、受け手の市町村の方でやはり柔軟に、何といいますか、対応できるような、事務が余り過大にならないようにやっぱりしていくことも非常に大事だというふうに思っているところでございます。
市町村の都市計画マスタープランにつきましては、これは基本構想に即して定めるとなっているんですね。中心市街地活性化基本計画は、市町村都市計画マスタープランとの調和が保たれたものでなきゃならないとなっておりまして、しっかりそうした相互に整合性が図られるように私どももしっかり見ていきたいと思いますし、また各市町村が計画作りをする際に、過度な事務の負担にならないように、また市町村の中でしっかり連携が取れるように注意深く見てまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/30
-
031・藤末健三
○藤末健三君 大臣に是非お願いしたいと思っていますのは、一つございますのは、各市町村とか自治体が作っているマスタープランの幾つかサンプルを見ますと、どうなっているかというと、もう千差万別なんですよ。こんな良くできているのかなという、絵なんか入って、写真が入って分かりやすいものを作っているところがあると思えば、もうこんなぺらぺら紙で、もう役所から言われたからしようがないから作りますという感じで、もう文字だけのところもある。そういう状況になっています。(発言する者あり)そうなんですね。専門的な人もいないと思います。
だから、是非ともお願いしたいのは、一つすごくいいひな形があったら、それを普及していただきたいと思うんですよ、国土交通省がメーンになって。こういうふうに書けば、例えばもう住民の方々に理解できる、しやすいとか、そういうものがあります、もう既に。
ですから、本当に、個性はなくなるかもしれませんけど、まずいいひな形を各自治体に示し、こういうものを作ってはどうですかという活動をちょっと是非やっていただきたいと思います。これは是非やらなきゃいけないと私は思っております。その上で、きちんと現場が変わってくればそれに合わせてまた法体系を変えていくというのが手続じゃないかと思います。
また、次の質問にちょっと移らさしていただきたいんですけれど、土地利用に関する広域調整というのを今回都道府県が行うことになってございます。ただ、先ほど、冒頭で申し上げましたように、平成十年、そして平成十二年の法改正において市町村が責任持ってやれるような枠組みはできたけれど、ほとんど進まなかったという状況になっています。この状況を考えた場合に、都道府県が本当にこれをやれる、やるという、広域調整をやるかどうかという担保が私は掛かっていないんではないかと思うんですけど、その点についてはどうお考えかお答えいただけますでしょうか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/31
-
032・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 今回の改正では、広域的に都市構造やインフラに影響を与える大規模集客施設につきましては、広い範囲で立地可能とされています土地利用の原則を、もう画期的だと思いますが、逆転して、原則規制を掛けると。立地を判断しようとした場合には、都市計画の手続を通じて地域が判断するということにいたしておるわけでございます。
そこで、大規模集客施設の立地には用途地域を変更するか、あるいは地区計画でもって決定するかという都市計画の手続を要することになりますが、この決定は市町村が行うことになりますが、その決定に当たりましては、御指摘のように広域的観点からの調整を図るための都道府県知事との協議、同意が必要となります。
今回の都市計画法の改正によりましては、当該手続を通じて、より効果的に広域調整が図られるようにするために、新たに都道府県知事が協議を行うに当たり、必要があると認めるときは、周辺の関係市町村から意見聴取などの協力を求めることができるという具合にいたしておるわけでございまして、更に一層調整が図りやすくしているわけでございますが。
これらがうまく働くかどうかという観点の御質問でございますが、国土交通省といたしましては、都道府県により適切に広域調整が図られるよう、説明会ももちろんございますし、いろんな場で指導助言を図っていきたいと考えてございます。これは、例えば運用のガイドラインも策定してそれを通知するというようなことも含めて、公共団体に対して、都道府県に対して指導徹底をしていきたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/32
-
033・藤末健三
○藤末健三君 是非、都道府県に指導というか、うまく知識、知恵を付けていただければと思います。
私は、一つ参考になると思うのは、佐藤委員が御出身の福島ではもう既に条例で広域調整をやるようなこともなされているんですよね。そういう進んだ事例を是非とも各都道府県にお伝えいただければと思います。そうしませんと、やはり都道府県、自治体の方は非常に悩んでおられますですよね、いろんな意味で。自分で一生懸命なさっているということでございますので、国が、先ほど申し上げましたように、市町村のまちづくりのマスタープランなどもいい例があれば御紹介いただき、そしてまた、その調整についてもきちんとできるようにやっていただければと思います。
私は、この平成十年、平成十二年でなぜこれ進まなかったかと申しますと、やはりほったらかしだったんじゃないかなと。御説明をお聞きしても、市町村がやらなきゃいけないことをやっていないんですよということをおっしゃるんですよ、割と、国交省の方が。じゃないでしょうと。制度をつくったら運用するところまできちんと面倒を見ていただかなければ、やっぱり制度は死んじゃうと思いますので、法律を作るだけじゃなく、それをきちんと運用するところまで是非見ていただければというふうに思います。
そして、最後の質問になりますが、今、全国でまちづくり条例というものがどんどんどんどんできております。いろんなレポートも出ておりまして、ここに七百の市町村のまちづくり条例のアンケート結果というのがございますが、それを見ますと、約三割の市町村がまちづくり条例みたいなものを作っていると。これ、済みません、自治体も入っております。市町村、自治体です。
ただ、一方で見ますと、三六%がそういうまちづくり条例を作ることは考えていませんと、完全に否定しているような状況でございますが、私が思いますのは、先ほどこのマスタープランの話でも申し上げましたように、やはりその町に住む方々が自分たちが住む町の計画、まちづくりの計画を作っていくというような枠組みを長い目では作らなきゃいけないかとは思っておりますが、是非とも都市計画法、今回規制を強化されましたけれど、最終的にはその町に住む方々が自分たちの住む町の計画を作っていくという方向に進めるべきだと思うんですけれども、その点につきまして大臣からお考えをお聞かせいただけないでしょうか。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/33
-
034・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) そのとおりだと思います。今回は原則と例外を転換いたしまして、都市計画区域内ではもう九割では大規模集客施設の立地はできなくなるわけですね。そういう意味で、原則と例外を転換いたしましたが、ただ、その立地が規制された地域では絶対駄目かというとそうではなくて、それぞれの市町村におきまして地区計画等を使って、若しくは用途地域の変更等を通じて、また手続をきちんと踏んだ上で立地をすることはまた可能なんですね。という形で今回規制強化をいたしましたが、規制をしたからといって絶対駄目じゃなくて、その地域地域で判断してできるような手続というのは残しているわけですね。
ここのところが非常に大事なところだと私は思っているんですが、各自治体に行きましたら、例えば、今までもそうしたらできたじゃないかと、特別用途地区や制限地区でそういう手法があったろうというんですが、各自治体の方で規制強化をする、原則規制が外れているにもかかわらず自治体に行ったら規制がなされるというのは、これがなかなか多分難しいんだと思うんです。だから、今回は原則と例外を転換いたしまして、むしろ大半は規制がなされています。規制がなされているところで規制の緩和をしようとする場合には、自治体の判断で手続を踏んだ上でできますよと、こういうふうに転換をさしていただいているわけでございます。
いずれにしましても、都市計画というのは、基本はやはり市町村が策定をしていくことでございまして、その市町村がやっぱりやりやすいように選択肢をきちんと提供するとともに、規制強化の方はむしろ法律の中できちんと定めていくというふうにした方が実効性が上がるのではないかと私どもは考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/34
-
035・藤末健三
○藤末健三君 私も国が規制を作り、そして自治体を外すという、完全に今まで自治体は規制を作れます、作りますよと、作ってくださいといって作れなかったことを転換したことは本当に非常にすばらしいことだと思います。
ただ、ひとつありますのは、やはり制度をつくった後に自治体の方々がどう使うかということはやっぱり見ていただきたいと思うんですよ。前の法律改正されて、十件、十二件ぐらいしか実績上がらなかったというようなことにならないようにしていただきたいと思いますし、またもう一つありますのは、やはり私は自治体というものがこの国をどう活用するかという一つの主役に僕はなると思います。
ですから、是非国土交通省の皆様におかれましては、本当に自治体などがどういう土地の利用をしようとしているのか、そして住民の方々が何を望まれているか、そして各自治体の取組の中でいいものがあればそれをやっぱり普及していただきたいんですよね。そこまで是非やっていただけないですか。それがだんだんだんだん進むことによって、地方自治体がきちんとしたまちづくり、そして国土の利用ということを始めると思いますので、どなたかもしこの考えについて御意見いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/35
-
036・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) まちづくりについては、今委員のおっしゃったように、いろんなところで取組がなされております。そうした成功例といいますか、そういうものを他の自治体が知っていくということは非常に私は重要なことだというふうに思っておりまして、是非その辺、各自治体のそうしたまちづくりの取組について相互に情報が共有できるように、何か工夫をしていかないといけないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/36
-
037・藤末健三
○藤末健三君 最後に二つだけ申し上げて終わらさしていただきたいと思います。
一つは、やはり土地の、国土の利用ということにつきましては、私はどこかの役所がきちんとした責任を持ってやるべきじゃないかと思います、農地も含めて。ここは国土交通省さんじゃないかと私は思っていますんで、そのことを是非考えてください。
そして、もう一つありますのは、これからどんどん人口が減り、やっぱり地域のコミュニティー、福祉、医療なども任せなきゃいけないような状況になる中、自治体の在り方はまた変わってくると思うんですよ。恐らく、この町、自分が住む町をどうするかということを住民の方々が考えていくような時代が絶対来ると思いますので、そういう時代を見据えた上での法制度の整備、そしてその法制度を利用していただくような取組を是非大臣のイニシアチブの下に進めていただきたいと思います。
以上をもって質問を終わらさしていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/37
-
038・前田武志
○前田武志君 民主党の前田武志でございます。
中心市街地の活性化についての議論でございますが、いよいよ最終場面になってまいりまして、今の藤末議員のお話なんかも聞きながら、そのやり取りを聞きながら、まあかなりのところ煮詰まってきたなという感じがいたします。ここにいます、ずっと議論してまいりました我々議員、それぞれ一人一人がこの議論を聞きながら、自分の地元であったり、選挙区のどっか問題がある市であったり、そういうことを頭に入れながら、具体的にイメージを置いて考え、議論をしてきたと思います。
私も思い出すと、一九九〇年前後だったと思います。私の地元の橿原市、一年前にも申し上げましたが、神武天皇が御即位をされた歴史発祥の地でございますが、ここに実はトイザらスが来たんですね。それは、そのころさかのぼること八〇年代半ばぐらいに、例の経済摩擦で随分とアメリカが日本に対して強力な圧力を掛け始め、まあまああの当時は日本の独り勝ちというようなことでございましたから、随分その規制緩和、もちろん始めはプラザ合意から始まって、いろんなものが出てまいりました。実は、今に至るも、毎年の定期協議なんかで押し込まれているわけでございますが。
その一番先端で、一番最初に地域レベル、国民レベルでぱっと変わったのは、この大店舗がどんと出てきたということだったと思います。しかも、外国の資本が出てきた。歴史発祥の地にトイザらスが来たんですね。オープニングの日にブッシュ大統領、おやじさんの方ですよ、シニア・ブッシュが、例の宮中晩さん会でブッシュ大統領が倒れられたことを皆さん御記憶にあると思いますが、あのときブッシュさんは関西から入ってきたんですね。特別機で入ってきて、何か軍のヘリコプターか何かで橿原市にどんと来られまして、オープニング、時の通産大臣もちゃんと出ていかれました。私は出席いたしませんでしたけどね、要請されましたが。何だ、急にこんなことをやってというわけで、もう地元の商店街、私の後援会の大幹部にそのど真ん中の有力なおもちゃ屋さんがいまして、本当に怒り心頭でございましたね。
まあそんなことを思い出しながら、ああ、随分と時代も変わって、あれから比べると、どんどんどんどん大きな量販店が進出していって、バイパスができるごとにその沿線に市域が拡大していって、何だかもう、今や風格あるそれぞれのふるさとの町なんというのはもう空洞化して、拡散して、これはどうしようもないねというところまで来ているというのが、ここにいる委員も、それから政府側も同じ認識ではないのかなと。だからこそ、いよいよ今までの方針と全くこのベクトルを変えて、やはり中心市街地に戻らにゃいかぬと。そういう、かつてあった、そういうその中心市街地を今度こそ再興して、そしてこれからの高齢化、あるいは人口が減っていく時代の拠点にしていかにゃいかぬという方向性を出したということについて私は評価をするんですね。ちなみに、このトイザらスは数年前に撤退をいたしました。
まあ、そんなことも含めまして、まず冒頭、いろんな施策を打ってまいりましたね。先ほど来、藤末議員のお話も聞きながら、ここにちょっと何かまとまった、中心市街地の主な施策が、支援策というのが、まとめたのがあるんですね。配ろうと思ったんですが、もう皆さん方よく御存じですから。もちろん、経産省、国土省、総務省、農水省、厚生労働省、文科省、まあ、あらゆるところが吸引力を商店街に高める施策だというようなことで、この魅力を向上させる施策、これだけでも十幾つかありますね。公益機能の導入をたやすくする、あるいは様々な機能、これの受皿つくりのための施策であったり、イベント、ソフトの支援も十分やっております。そういう吸引力を高める。あるいは、快適に過ごせるような環境をつくるための憩いの場づくりであったり、あるいは歩きやすい、あるいは一休みする、来やすくする、住む人を増やす、これももう随分やっております。
こういった施策、大体百近くありますね。しかし、うまくいかない。参議院の本会議で、この都市計画改正について、同僚議員の質疑の中に、平成十六年の総務省のあの行政評価、この結果が非常に厳しい評価であったという指摘がありました。しかし、こうやってベクトルを変えて、いよいよ本格的に、もう一度中心市街地の再生というものに国を挙げて、地域を挙げて、これはもうどちらかというとその地域そのものになってくるわけですが、取り組もうという姿勢を出したわけでございますから、今までにあるこういった施策も含めて、どちらかというと、こういったものを編成というか編集し直して、そのベクトルに合った統合的な手を地方自治体、そして地域の住民が中心になって、それをツールとして利用して立ち上げていく、そういうふうに向けていくのが政府の責任なんだろうと、こう思います。
そんな観点から、まずは、ほぼ議論はされておるものでございますから多少整理の意味を兼ねて、まちづくり、当然これは金が回らないことにはまちづくりできませんから、ファイナンスという観点から多少議論をさせていただきたいと思います。
まず、経産省さんにお伺いしますが、今日、中小企業庁さん来ていますかな。
問いたいのは、今申し上げたような中で、もう既にいろんな施策を一杯講じておりますよね。その施策の中で、もう一度編集し直してこういうふうにすりゃいいんだだとか、あるいは今回のこの法改正に応じて今後こういう策を打とうとしているんだというようなことを分かりやすく御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/38
-
039・古賀茂明
○政府参考人(古賀茂明君) お答え申し上げます。
今御指摘いただきましたとおり、平成十年度以降、かなりいろいろな支援策というものを実施させていただきました。簡単にまとめて申し上げますと、十年度から実績が出ております十六年度までの合計で申し上げますと、予算につきましては、経産省関係では、中心市街地活性化策及び商店街振興策ということで、実績額が約六百二十二億円ということになっております。それから、融資につきましては、日本政策投資銀行などの融資の合計額が約八千十五億円となっております。それから、出資につきましては、独立行政法人中小企業基盤整備機構等による出資の合計額が約五百六十六億円というふうになっております。
それで、今御指摘いただきましたとおり、様々な支援策が行われておりますけれども、これは必ずしも、それなりの効果を上げているところもありますが、うまくいっていないところも多いという御指摘は事実かと思います。
そして、これをじゃ今後どうしていくのかということでございますが、うまくいかなかった原因といいますのは様々なものがございます。一つは、マクロ経済環境が非常に悪かったというのはもちろんございまして、デフレで全体の売上げ、小売売上高が落ちていくということですから、これはただでさえ難しい状況にある。そして、そういう環境の中で、まちづくりというのが必ずしも商店街ということに主眼、重点が置かれまして、そのまちづくり全体の計画というものが地域ぐるみで商店街以外のいろいろなものも取り込んでいくというような視点が欠けていたということがございます。それから、いろいろな支援策、各省庁やっておりますけれども、必ずしも十分連携が取れなかったということ。
そして、やはり非常に大きいのは、様々な都市機能がやや無秩序に郊外に拡散していくと。これは、単に大型集客施設が郊外にできたということだけではなくて、住宅を始め、あるいは病院だとか大学だとか、あるいは市役所とか、そういったいろいろな機能がどんどん郊外へ出ていくと。これが、商業者から見ますと、一生懸命やっているところはたくさんあったんですけれども、やはりやや予想できない形で突然郊外に大型の集客施設ができる、あるいは突然市役所が外へ行ってしまう、病院が外へ行ってしまうというようなことで、努力をしても何か足下からどんどん砂が崩されていくような、そういう状況になっていってうまくいかなかったという面があるかと思います。
それで、今回、都市計画法を御審議いただいているわけですけれども、そちらの方で無秩序な郊外への拡散ということに歯止めが掛かる、そして市町村を始め住民の皆さんが一体となって将来のまちづくりを考えていただくという、これきっかけになりますので、今先生が御指摘になられましたとおり、その町の人たちがどう考えるかというのが一番大事なことでございますので、そういうことをよく考えていただく。そして、その上で基本計画を作り、今、中心市街地活性化法の方も改正をお願いをしておりますけれども、そこで基本計画が認定されるというようなことで町ぐるみで取り組んでいくということになったものについては、経済産業省としましても、従来、やや区々に分かれて小さな補助金などもあったわけですけれども、そういったものを廃止をしたり、そういうことでまとめまして、そういった基本計画にのっとって町ぐるみでやるというところに、今、選択と集中ということも含めまして重点的に支援をしていくと、それによって効率的、効果的な支援につなげていきたいということでございます。
そして、いいプロジェクトにお金が回っていくという意味では、正に今こちらで御審議いただいている都市計画法の方できっちりしたまちづくりの姿勢というのを自治体が示していく、あるいは町全体で示していただくということによって、そのそれぞれの町が取り組むプロジェクトの……(発言する者あり)はい、済みません。そういうもので分かりやすくなると民間の資金も非常に回りやすくなるということが起きるのではないかというふうに期待をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/39
-
040・前田武志
○前田武志君 随分といろんな施策もやってきたということでございますが、とにかく、過去のことは言いませんから、先に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今指摘した、議論したことは、企業者、商店主、そういった中心市街地の主役の方々に対する出資、融資の話でございますが、それに対して、まずはもちろん中心市街地、魅力ある、あるいは利便性の高いいろんな施設の集積というものが時代に即した機能を発揮するように集積をしていかなければなりません。公共部門については、これは国交省がいろんな施策、これまたやっていますね。そういう中で、補助金であったりまちづくり交付金であったり、そういうもので対応できる部門、それからもう少し民に近いような部門で支援をしているところ、これがあると思うんですね。
まずは、おさらいを兼ねて、この中心市街地の公共施設的なものに対する支援施策というものを簡潔に御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/40
-
041・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 中心市街地の公共施設に対する支援につきましては、これは当然、基本計画に定められております街路、公園、下水道等の必要な社会資本整備についてはこれまでも支援してまいっておりますし、また、まちづくり交付金ということで、非常に公共団体、市町村の創意工夫を生かすことのできる新しい交付金制度、こういうものの活用によりまして、中心市街地の活性化にこれまで努めてきたところでございます。
そこで、今回、新しく中心市街地活性化法に基づきまして、内閣全体と一丸となって中心市街地の活性化に取り組んでいくことにいたしてございますが、そこで認定されました基本計画、非常に効果が上がると、中心市街地の活性化に効果が上がるということで認定されました基本計画に定められております公共施設等につきましては、更に一段の支援をしていきたいと考えてございます。例えば、病院だとか文化施設等の都市機能を町中に立地する、そういうために役立つ事業といいますかビル等につきましては、暮らし・にぎわい再生事業というものを創設し、そこから支援をしていきたいと考えてございます。
また、まちづくり交付金につきましても、中心市街地活性化に取り組みます市町村の提案事業の枠を、これまでは一割でございましたが、基本計画に認定されたところにつきましては二割まで拡大することによりまして、中心市街地の再生のための施策の充実を更に図ることができるというようなことを考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/41
-
042・前田武志
○前田武志君 先ほどの個人事業者、そして今の施設関係、公共的なもの、そしてその間にいよいよまちづくりのパブリックな役割も背負った民間の会社であったり企業活動であったり、そういうものが入ってくると思います。まあTMOなんというのもそういうところに位置付けされるのかなと思ったりもするんですが。あるいは、一年前にここで議論した都市再生法による、何ですか、SPCなんというのが議題になりましたですね、そういったことも含めて、この中心市街地の活性化におけるTMOであったりSPCであったり、金を回して、プロジェクトを組成して、そしてファイナンスを、何というんですかね、コンソーシアムというのか、いろんな金融を集めてきて、まあ出資も融資もあるでしょう、そしてこのまちづくり、中心市街地活性化の中心的な役割を担う、そんなイメージでおるのですが、その辺のことについてどういうような仕分、あるいは具体的な支援策、支援策というよりも、具体的にどういう役割を背負わせてやっていこうとされているのか、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/42
-
043・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 公共としてやる部分、また、まちづくりにつきましては、民間の事業者がやられます優良な民間の都市開発事業、こういうものがどんどん進んでいくことが非常に地域の活性化に役立つものという具合に考えてございます。そういったときに必要となります資金の手当てをどうするかということも大きな課題であろうと思います。東京、大都市であれば集まりやすいけれども、地方都市になるとなかなか集まりにくいという問題等もございます。
その中で、国土交通省といたしましては、まちづくり交付金事業と連携して行われます優良な民間都市開発事業につきましては、平成十七年度にまち再生出資業務というものを創設いたしました。主に地方都市でプロジェクトを立ち上げる際に、最も集まりにくいと言われております自己資本、エクイティーの部分につきまして、民間都市開発推進機構を通じて出資による支援を行う制度を始めたところでございます。今回の中心市街地活性化法の認定を受けました地域につきましては、この免責要件を、これまで〇・五ヘクタール以上といたしてございましたが、〇・二ヘクタールまで緩和し、また既存の建築物のリニューアルでも新たに支援の対象とするなど、地域のニーズに即した施設整備を支援するということにいたしているわけでございます。
国交省といたしましては、各種の支援施策とともに、こうした民間の都市開発に関するファイナンスの仕組みの充実を図ることにより、中心市街地の再生を支援してまいりたいと考えております。
また、住宅の部分も、町中で多様な住宅供給事業をされる場合には、それに対する出資を街なか居住再生ファンドということで支援する仕組みも用意さしていただいておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/43
-
044・前田武志
○前田武志君 かなり手厚い施策も打ってあるように思うんですが、なかなか難しい。
そこで、政投銀行さんが来てくれていると思いますが、一年前のここの都市再生の議論でも政投銀行さんとも議論をさしていただいたわけですが。というのは、やはりこの都市再生というものについて、旧の開発銀行時代から政策投資銀行というのは相当のノウハウ持っている、人材もある、具体的にそういったものを今の刻々と変化する金融情勢の中で生かしてやってきているという、これは実績を評価しているわけでございますが。
しかし、片一方で、今、行革のまないたにのっているわけなんですね。このやっぱりノウハウ、金融ノウハウというのは、やっぱり地方の都市再生なんかのファイナンスにおいてはもう一番重要なところです。地方の金融機関には余りノウハウありません。あちこちの失敗例、成功例、自分で体験しているわけじゃないわけですからね。そうすると、そういうのを横断的に、しかも海外とのそういうノウハウも入れたこういった政投銀行のノウハウ、人材、これは非常に重要ではないかと私は思っているんですよ。
さて、民営化するというようなことのようですが、副総裁、どうですか、ちゃんとやっていけますか、今後。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/44
-
045・山口公生
○参考人(山口公生君) ありがとうございます。
今御議論しておられますまちづくりということは、現下の社会情勢から見ると、最も国の重要な施策だと思います。私どもも、公共的、公益的な仕事を役割と任じておりましたので、こういった動きにできるだけ今後とも対処してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
それで、具体的に、先生からの御指摘もありましたように、段階を追って申し上げますと、まず調査、分析をやるということもやっております。ある地域でまちづくりをしたいというお話があったとき、それぞれの町はいろいろ区々でございますので、どういった特色があるのか、五年後、十年後の人口構成等はどうなるかというようなことを分析した上で、どういう処方せんが一番いいのかということを御提示させていただいております。
その次の段階に行きますと、じゃ具体的に、地元の盛り上がりがあってこういうプロジェクトをやりたいんだがという御相談がありますと、今度はそのスキームづくりをやっておるわけでございます。ファイナンスをどういうふうにするのか、そのリスクに応じて出資の部分、それからローンの中でもいわゆるメザニンというリスクの高い部分、あるいはシニアというリスクの低い部分、どういうふうに切り分けるかというようなことも、スキームづくりでいろいろお手伝いをさせていただいております。もちろん、そのときには地方銀行あるいは地方の信用金庫、信用組合とも御相談させていただくことが多うございます。
そうした中で、最近、ちょっと御紹介させていただきたいと思いますのは、まちづくり全体としてはなかなか難しいけれども、空き室といいましょうか空きビル対策を何とかしてほしいというのがありまして、最近私どもが力を入れておりますのは家守事業と。家守というのは家を守ると書くんですが、実は江戸時代の概念でございまして、いわゆる大家さん、大家さんは所有権を持たずに町を、たな子をずっと面倒見ていたんですね。そうすると、空き室がありますと、どうしても、そこに何か人が入ってくれればいいと。地主さんや家主さんはなかなかそういう人脈持ってないから見付けられないけれども、そういった家守の事業をやる人がいればそういう人が埋めてくれるというふうなことなんかを今進めようとしております。
だから、それぞれの地域における特色に応じて最適な対応をしていく必要があるだろうというふうに思いまして、いろいろメニューを今そろえつつあるところでございます。
で、その次の段階に行きますと、今度は御指摘がありましたように融資でございますけれども、これはやはりまちづくりの融資は、特色は、長い期間の融資でなければいけないと。それは、一年や五年ぐらいですぐ引き揚げるような融資だとまちづくりはできませんので、やっぱり長い、できるだけ長い期間の融資にしてほしいということです。私どもは、低利で長期の融資をということでこれまでいろいろ役立たさせていただきましたけれども、ここのところが実は先生の御心配いただきましたように民営化という問題が政府の方針としてお決めになりました。民営化となりますと、長期の低利の融資のその前提となります調達の方が、果たしてそういう低利で長いものを資金が取れるだろうかというのがやはり私自身も心配になってまいります。
私どものやはりこういったノウハウというのは、あるいは経験、これはやはりほかにはないものでありますので、引き続き私どもの重要な役割であるということを強く念じておりますので、私どもとしましては、是非これを引き続きやらせていただきたい、またやるべきではないかと思っています。
そこで、今、参議院で御審議いただいております行革推進法案におきましても、「長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されることとなるよう、必要な措置を講ずる」というふうにお書きいただいております。具体的にはまた法案がその後出てくると思いますが。
したがって、例えばで言いますと、その資金調達のときに政府保証を付けていただくとかいろいろな御配慮をいただければ、引き続き私どもとしてはこういった事業に対してお役に立てていけるんではないかというふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/45
-
046・前田武志
○前田武志君 そこで、このまとめとして大臣にいろいろお聞きをしたいわけなんですが、今のお話のように、確かに政投銀行は政投銀行なりに市街地、まちづくりのオルガナイザーあるいはコーディネーター、しかもその融資、出資をという実力、パワーを持って今までやってきたわけですね。もちろん、まちづくりの一番の主役である国交省、政府側でいうと主役の国交省、インフラ整備からあるいは民都機構の融資、こういうものを持っているわけです。
実は、この国会における議論をずっとぱらぱらとめくって見ておりますと、もう既に、政府系金融機関が一つに統合されてしまうだとかそういうことの心配というのもこの委員会でも衆議院でも議論をされてきておるわけです。
そこで、最後に大臣、最後といいますか、このファイナンスの関係で大臣にお聞きしたいのは、政府系金融機関、これはもう金融論あるいは行革の議論からもちろんその方向というのはもう定まっておりますし、当然そうなるでありましょう。しかし、まちづくりという観点から見ると、もう今やもう人材、ファイナンス、そういったところがもう一番の問題でございます。
私も、実はこの質疑に立てということを先週末に言われたものですから、週末、地元に帰って、かつての商店街の若きリーダーたち、今や世話役になっている連中に来てもらいまして、五、六人だったですが、いろいろお話を聞きました。
まあまあ出てくる話というのは、もう本当に同情に値するというか、大変努力もし、やればやるほど、結局は言ってみれば期待外れ、裏切られというようなところがあるんです。それは、商店主の方々ですから、継続性を持って、次の時代にも是非おやじから引き継いできたこれをこの町の中で引き継いでいい町にしていきたいという気持ちはみんな持っているわけでございますが、現実は、それに、その時々打ってくる施策に乗ると見事に期待外れに終わって、そしてまた施策自体が違う、全然違う方向が出てくる。あるいは、市の担当者が替わるだけでもまた違ってくる。
そういうものの連続だというような中で何が一番足らないのかと、こう言って聞きました。あんたは、市街地活性化でまた新しいまちづくりが始まったときに、ちゃんと次の世代に引き継ぐように投資をして新しい店舗をつくってやっていくような気があるかと、こう聞いたところ、それは何かの格好で公的な資金を十分入れてくれて自分の持ち出しがもう本当に自分の範囲で収まる限りでなければ、息子の代に借金を背負わせるようなことはもうやりませんと、明快にどなたも言っておりましたね。今やその状況にあるというのは、大体平均して全国全部そうなんだろうと思うんですね。
それだけに大臣にお聞きしたいのは、片一方でこの政府の金融機関の統合というのもある中で、やはりノウハウを持った政府がバックにあるような何らかの金融措置、要するにこの回る措置ですよね。直接、やれ補助金を出せとか言うよりも、きっちりその金が回っていく、安心してというか、一生懸命頑張ればどこかできっちりちゃんと金は回っているんだというような、そういう装置が必要なんだろうと思うんですね。そういう意味では、先ほど言われた信用保証というようなこともあるでしょう。そしてまた、そうやってまちづくりが進んできた、それをうまく再投資に向けるような装置というのもあるでしょう。あるいは減税措置というようなこともあるかも分かりませんね。そんなことも含めまして、大臣の御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/46
-
047・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 非常に大事な問題点を指摘をいただいたと思っております。
今はこれまちづくりの話でございますが、私はやっぱり政府が果たす役割というのはこれからもあると思うんですね。そのまちづくりであれ中小企業の問題であれ、更には公共交通なんかもそうなんですけれども、民間の金融機関だけに任せておいて本当にきちんとできるのかというと、民間金融機関はリスクが大きいところにはなかなか融資できないのが現実であります。しかし、そういうまちづくりだとか中小企業金融だとか公共交通だとかそういうところについては、やはり私は政府がこれからも、民営化されるにしても、きちんと一定の役割を果たしていくことが非常に大事だと私も感じているところでございます。
特に、まちづくりという観点では、やっぱり先ほど都市局長も申し述べておりましたが、地方に行けば行くほどやっぱりリスクが高くなるんですね。そうすると、そういうところに最初の民間資金が民間金融機関の方でそう簡単に出してくれないわけでございまして、そういうところにやっぱり誘い水として誘因をする一つの装置としてそうした政府の役割、これまで政府系の金融機関が果たした役割というのは私はこれからもやはり重要であるというふうに考えておるところでございまして、民都機構によるまち再生の出資業務を創設したのもそうした趣旨でございますし、その拡充も今年度はさせていただくということで取組をさせていただいているところでございます。
民間資金がきちんと流れてくるように、そうした環境をつくり得るように、やはり私は公的な関与というのは必要であると思っておりまして、その在り方について今政府系金融機関の見直しがされているわけでございますが、それと並行しながらしっかり検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/47
-
048・前田武志
○前田武志君 それでは次に、この維持管理、要するに今のこの法改正というのは、やはり中心市街地に公共施設、インフラ等をもうむしろ集中して、そういう時代になってきたということでありますが、今までの都市開発といいますか、地域の事情というのはどんどんどんどん拡散していったという、そういう時代であります。それだけに、今や維持管理のコストというのが随分高く掛かる時代になってきたと思うんですね。そういったことに対する危機感というのも今回の法改正の背景にあるというふうに思います。
一番この公会計で欠落しているのは、もう全くバランスシートを考えませんから、減価償却なんというのはまあ眼中にないわけで、したがって、これだけ戦後のこの再生過程で公共投資もやってきただけに、今やこの維持管理のコストというのが膨大なものになってきたと、こう思うんです。
そこで、国交省の方に、なかなかどういうような状況になっているかというのをきちっとデータで示すというのは難しかろうと思いますが、マクロで結構でございますが、道路であったり、あるいは下水道であったり、そういった都市施設の今維持管理のコストというのがどの程度になっているのか、何か例を挙げて説明をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/48
-
049・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 御指摘のように、都市が拡大し、公共投資の社会資本整備の投資がこれまでかなり行われてきておりまして、それにかかわる維持管理という問題が大きな課題になっていることは御指摘のとおりでございます。
例えば、企業会計等でやっております下水道というものを見て例でお話ししたいと考えてございますが、現在下水道は全国の普及率が七割弱まで来てございます。平成十五年度でございますが、我が国の下水道事業全体の施設の維持管理に要した費用は、総額で八千六百六十億円という具合になってございます。これ、下水道事業というのは一般家庭などから排出される汚水を処理するという役割と、雨水の方を速やかに排除し浸水の被害を起こさないという、大きく言ってこの二つの役割があるわけでございますが、この一般家庭や事業所などから排出される汚水の処理に必要な維持管理費につきましては、基本的には使用料で賄っていこうという考えで使用料で賄っているところでございます。
なお、この汚水部分、これにつきましては人件費だとか運転管理費の維持管理費等、それから建設時に下水道施設を整備するために起こした地方債の元利償還費を合わせました広い意味での下水道管理費に占める使用料はどうなるかということでございますが、平成十五年度で約五七%というような状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/49
-
050・前田武志
○前田武志君 大ざっぱに言うと、私の理解では年間、例えば下水道を例に取りますと、一兆円ぐらいの建設費、そして維持管理費が、見方によりますが二兆何千億かで、そのうちの半分ぐらいが確かに利益者負担で取っていると。言ってみれば、建設費と維持管理費というのがセイムオーダーぐらいで何らかの公的な資源から出しているわけですね、公共事業費であったり、起債、地方債。しかし、それはまた償還をせないかぬというようなことで、大変な状況になってきているということです。この傾向で進めるということになると、もう地方自治体はどことも財政破綻を起こすという時代が来ているんですね。
これはこの二月の十七日の建設工業新聞に載っていたというんですが、道路、橋梁の維持管理費も大変な額で増えてきているというんですね。供用から五十年を経過する橋梁が、今は二〇〇六年度ですから、今から約二十年先の二五年度になると全体の半分近くになるということですから、要するに更新の問題もこれから大変なものになってくると思います。下水道はたしか四十年が更新期限だったんだろうと思うんですが、実際に地元でいろいろと聞いていますと、やっぱり下水道というのは腐食するものですから、三十年ぐらいでもうほぼ替えていかにゃいかぬというのも多いようですよ。
ということで、この維持管理、更新の時代ということになってきた。これは、今までの国交省においては、およそ考え方としては余り正式にはなかったと言っちゃいかぬのだけれど、発想からすると余り頭の中に占めてなかった部分なんですね。それだけに、地域経営を、実際にはこの都市事業というのは自治体がやっていくわけでございますから、地域経営においてこの都市インフラといいますかね、こういった機能をいかに維持していくかというのは非常に重要なことになってまいっております。
総務省来ていますか。総務省にお聞きしたいんですが、こうやって中心市街地活性化をしていく、総務省もいろんな施策を打っています。そのときの観点として、そこに集中的にいろいろ投資をやってきた場合、やはりそこで経済活動が活性化して経済収益がどんどん上がってくるということを期待する、と同時に固定資産税も含めて税も上がってくるという、そういう収支バランスというようなことも考慮に入れて経営的な地方自治の運営が必要かと思いますが、この面に関して総務省はどういうような考えを持ってどういうふうに各自治体を指導されているか、お聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/50
-
051・荒木慶司
○政府参考人(荒木慶司君) お答えを申し上げます。
地方公共団体がまちづくりのための投資を行います際には、維持管理費を含めまして費用対効果等の観点から検討を十分に行うということが極めて大切であると考えております。
ただいまお話にございましたように、そういった投資等を行いまして、まちづくりに伴いまして各地域において固定資産税等の増収ということも出てまいるわけですが、現実には個別の地域においてどれだけの税収が回復するか、これを計算するのはなかなか難しい面もあるわけでございますが、いずれにしましても、中心市街地活性化のために様々な財政支出を行うという際には、それによる多面的な効果、これは負担の面もございますが、それによって生まれる経済的なプラスの波及の効果、将来の税の増収というようなそういった効果を多面的に勘案いたしまして、こういったものを総合的に視野に入れて検討すると、正にこういった観点での地域経営がこれからますます大事になるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/51
-
052・前田武志
○前田武志君 ということで、大臣にこの面についてお聞きをいたしますが、まあ確かにこの法改正を基に都市整備の方向という、地方都市の整備の方向というベクトルが変わった。そこには、コンパクトシティーと国交省の方では言っておるようでございますが、そういう思想の背景がある。そして、維持管理、更新の時代、また更新なんかも拡散したものをまた元へ戻すというチャンスでもあるのかも分かりませんね、更新の時期というのは。
そんなことも含めて、日本の国の公共施設の全般に責任を持つ国交大臣として、この維持管理の時代、そしてコストを何とか上がらないようにしていく、しかもいいまちづくりをしていく、それを、大抵は地方公共団体の責任ということになるわけですけれど、指導をする立場として大臣はどういうふうにお考えか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/52
-
053・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 今後、今ある社会資本の維持管理費が増大してくるということについて、実を言いますと、今、公共事業、公共投資について今後どうしていくのかという議論がなされているわけでございますが、そういう中でも、これから適切に維持管理をしていかないと結果としてライフサイクルコストが増えてしまいますよと、これからこれまでつくられてきた社会資本の維持管理がコストとして非常に増えてくるような状況下になってきますと、それだけで新規投資というのは当然制約をされていくんですと、こんな話を政府部内でも今さしていただいているところでございます。
そういう意味で、今後の公共事業ということを考えたときに、この既存の維持管理費をどう考え、どう出し、どうその財源を確保していくのかということが非常に重要な点であるということはもう全く御指摘のとおりでございます。
また、まちづくりという観点から考えますと、これやはり都市が膨張してしまいますと、拡大してしまいますと、道路であれ下水道であれ、その新規の整備費は当然なんですが、それだけではなくて、その後ずっと維持管理コストが掛かるわけですね。そういう意味でも、やはりこれまでのような都市がどんどん拡大をしていくというふうなまちづくりの考え方は、これはもう本当に変えていかないといけないと。やはり都市機能が集積されたコンパクトシティーというのを目指していくべきというのは、財政面からも私はやはり要請されているところであるというふうに認識をしているところでございます。
この維持管理の問題につきましては、非常に重要な問題と認識をしておりまして、しっかりと国民の皆様方にもよく御理解をいただかないといけないというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/53
-
054・前田武志
○前田武志君 この面について一つだけ指摘をしておきたいんですが、ヨーロッパの町なんというのは、そういう維持管理の時代というのを既に体験してきているんですね。かつて私も若いころにそういう時代になっていたパリなんかを随分と勉強したことがあるんです。
そこで、国交省において、それ行けどんどんで、まあ予算はどんどん付いて建設していくというのが国交省の心意気みたいな時代があったわけですが、この維持管理の時代というのは、その地域地域に即した、その個性に合ったものに維持修繕であったり更新であったり、維持管理やっていけるんですよ。むしろ、国交省の持っている知恵を前向きに出して、これこそ高度の知恵を出して取り組むべき仕事であるというふうに発想を変えていく必要がありますよということだけを指摘しておきます。
それから、公拡法、公有地の取得の公拡法ですね、あれについて、これも改正が入っているわけでございますが、そういった意味ではやはりどんどんどんどん拡大していく時代には、公有地を確保するため、あるいは都市計画施設等の買取り請求があったときにというようなことで、各県に公社をつくって買取りをやってきたわけでございますが、時代も変わり、今随分と塩漬け土地が増えてきている。
そこでこの法改正ということになったと思いますが、国交省の方に、今回のこの公拡法の改正の趣旨と、そして都市再生との関係でどういうふうに考えておられるのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/54
-
055・竹歳誠
○政府参考人(竹歳誠君) 公有地の拡大の推進に関する法律の改正の背景でございますが、大きく二つございます。
今御指摘ございましたように、従来、公共事業の円滑な推進のために土地の先買いというのを進めてまいりました。しかしながら、地価が下落する、それから公共事業が縮減するという中で、地方において長期の保有土地という問題が顕在化しておりまして、これをきちっと整理しなくちゃいけないというのが一つでございます。
それから二つ目は、従来は都市の拡大ということでございましたので、例えば市街化調整区域の中の一定規模以上の土地についても先買いの制度がございましたけれども、今後はコンパクトシティー化ということでございますので、そういうような制度はもう必要ないんではないかというような二点が改正の背景でございます。
ということで、今回の改正でお願いしておりますのは、そういう長期的に保有されている土地、買取りから十年を経過したような土地を対象として、今後処分の見込みがないというものについてきちっとまちづくりに生かしていきたいと考えているわけでございます。
そこで、幾つか要件を設定しておりますが、一つは、都市再生整備計画とか、それから地域再生計画に位置付けられたもの、これは法律に書いてございます。さらに、政令で今後検討する予定でございますけれども、中心市街地の活性化に役立つ事業でございますとか民間の都市再生に役立つ事業、こういうものについても対象としていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/55
-
056・前田武志
○前田武志君 これで終わりますが、こうやって、まちづくりそのものの方向転換、これは戦後初めてでございますが、やはり、それぞれの町があって、そこで活動される人たち、その周辺に住宅地があり農地があり、そしてさらにその中心市街地の言わば商圏ヒンターランドがあるというようなイメージで考えていくと、やはり中心市街地というのは、その大きな地域に対してそこに住んでおられる方々、老いも若きも、あるいはもう女性も子供も、それぞれそこへ行くと何か買物、楽しみ、あるいは人と会う、またそういった意味では人生の舞台になるわけでございますね。
そういった都市のこの再生の大きな方向付けを今回はするわけでございますから、その時期の大臣としては、これは後藤新平が実は多分日本の都市計画というものを、伝統的な今までの町に対して、新しい西洋から入ってきた文明開化の時代の都市づくりの言わば方向付けをやった人ではないかなと私は思うんですね。そのぐらいの意気込みで取り組んでいただかないかぬわけでございますが、ひとつ最後に大臣の御所見を聞いて、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/56
-
057・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 後藤新平という大変なお話をちょうだいいたしましたが、これまでのまちづくりの考え方を大きく転換する今回の改正案でございます。
少し余談になるかもしれませんが、先般、私、今井町へ行かせていただきまして……(発言する者あり)ええ、陸の今井、海の堺というふうに言って、環濠都市なんですけれども。
やはり、これからのまちづくりに当たって、一つ大事な点は、歴史とか文化とか伝統とか、その地域の持っている長年の財産、そういうものに根付いたまちづくりをしていくということが、一つの方向性としては私は共通しているんではないかというふうに考えたところでございます。中心市街地というのはまさしくそういう地域だと思うんですね。
そういう地域をやはり活性化していくということは、その地域全体の私は活力を生むことにつながっていくのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/57
-
058・前田武志
○前田武志君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/58
-
059・山本香苗
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
もう既に大所高所から様々な御質問がございまして、我が会派からは西田理事の方から重ねて三回ほど質問していただきましたので、絞って質問させていただきたいと思っております。
今回の都市計画法の法改正の重要なポイントの一つといたしまして、広域調整の手続というものが明確に組み入れられたことがございます。先日、今回の法案審議に先立ちまして、中心市街地活性化に一生懸命取り組んでおられます町田市に行きましたところ、この点について大変感謝されておりまして、北側大臣にくれぐれもお礼を言ってくれと言われましたので、この場をおかりしてお伝えしておきます。
また、先日の参考人質疑におきましても、四人の参考人の方に来ていただきましたけれども、四人の参考人の方々皆様がこの広域調整の手続が制度化されたことを評価されておりました。
そこで、改めてお伺いしたいと思いますが、今回の法案で盛り込まれた広域調整の手続というのは、どのように機能することを想定されていらっしゃるのか。また、広域調整がなされる際には、都道府県知事において関係市町村に協力を求めるか否かを必要性に応じて決めることになるということになっておりますが、都道府県知事が必要であると認めるときというのは具体的にどのような場合を想定されていらっしゃるのか、お伺いをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/59
-
060・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 今回の改正では、広域調整という観点を一つ大事なポイントとして導入をさせていただいております。一部の地域、商業地域等の一部の地域を除きまして、今後は大規模集客施設の立地は都市計画の手続を要するということになるわけでございますが、その決定、市町村が都市計画を決定するに当たりましては、知事に協議して、その同意を得なきゃならないと、こういう規定がございます。そして知事は、その広域の周辺の市町村との観点で協議を行うというふうになっているところでございます。
都道府県知事は、同意に当たって必要と認めるときは周辺の関係市町村からの意見聴取などの協力を求めることができるというふうにさせていただいているところでございますが、この必要と認める場合とはという御質問でございますが、これは都道府県知事において、都市計画の内容に応じ、周辺市町村の都市構造やインフラ等への影響といった広域的調整の必要性を踏まえて判断されるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/60
-
061・山本香苗
○山本香苗君 実際どういうふうに使われるかということがこれから問われていくと思うんですが、参考人で来ていただきました東京大学の浅見先生は、今回この広域調整の手続というのは広域調整の一歩として非常に重要だというふうに述べられておりまして、同時に、何が広域調整の対象になるのかについては少し考える必要があるとされて、今回の改正案では規制対象が床面積一万平米を超える店舗である大規模集客施設となっているが、これは一つの決め事であって、実態に合わせて運用で考えていく必要があるであろうとおっしゃっておられました。
他の参考人の方々でもそういう御発言がございましたけれども、例えば一万平米を下回る場合でも、複数の敷地にまたがるショッピングセンター拠点と、恒常的にいつも大量に人が集まるような場所ができれば影響が大きいわけでございまして、こういう場合も、今大臣、制度として説明していただきましたが、法律事項ではないにせよ、地域の実情に応じて広域調整がなされることが望ましいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/61
-
062・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 今回の改正では一万平米以下については規制対象外にいたしてございます。これは、地域住民の日常生活に必要な中小企業の店舗まで含まれるというようなことでやってございません。ただ、一つの敷地の中に幾つかの建物が建ちまして、結果としまして一万平米を超えるというような場合等ございますが、それはもちろん対象になるわけでございます。
そこで、そういう意味で一万平米以下の施設につきましては原則都市計画法の規制の対象になりませんけれども、もしこれが必要であるというような市町村が判断された場合には、特別用途地区あるいは特定用途制限地域、これ自身はまだ生きているわけでございますので、これらを適切に指定される、都市計画に基づいて指定されるというようなことで、一万平方メートル以下の店舗等についても規制することも可能であろうという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/62
-
063・山本香苗
○山本香苗君 この広域調整につきまして、いろいろと今、各都道府県等々でも話合いがなされているみたいなんですけれども、そういう中で、広域調整といった場合に、今回は関係市町村に、言ってみたら協議をしていろいろ協力を得るということでございますが、単にこの市町村にとどまることではなくて、他府県との関係も課題となってくるのではないかというふうに言われております。
この県境における大型店の影響というのは大きくて、一つの県内だけでの調整ではなくて他府県を含めた調整も必要な場合があると思われるわけでございますが、これは都道府県知事一つで決めることはできないわけでございまして、協議が必要になるわけでございますが、こういう場合についても、どういう形で広域調整という形を図っていくのが望ましいと考えていらっしゃるのか、国交省の御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/63
-
064・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) いろんな行政は県が一つの単位となっておりますので、県間の境界部分での問題をどうするかというのは非常に難しい、悩ましい問題は当然含まれているという具合に考えてございます。大規模集客施設の立地が府県の境をまたいで他府県に影響を与える場合というものももちろんあるという具合に、当然あるという具合に考えます。
まずは、当該府県内の周辺市町村に影響を与える場合は、当然他府県に与える場合は当該県の中の市町村、周辺市町村への影響を与える場合ということになろうかと思いますので、この当該県の中の市町村への影響を踏まえて広域的に調整を行っていくことが必要になるわけでございまして、それによりまして、結果的に他府県への影響も考慮した広域調整になるのではないだろうかという具合に私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/64
-
065・山本香苗
○山本香苗君 なかなかお答えしにくいところだとは思うんですけれども、こういった広域調整がなされるに当たっては、各都道府県が広域調整をするに当たってどういう考えを持っているかということが、一つきちっと持っていただかなくてはうまくいかないところなんだと思います。
そういう中で、広域調整の手続が透明性を持つ、公正性を持つということが重要であるということで、福島県なんかは条例なんかを作っていらっしゃるそうでございますが、都道府県が広域調整を行うについて具体的にどういう形で行うかを定めたような、そういった条例だとかガイドラインというものをあらかじめ作っておくという作業が望ましいのではないかと思っております。その際に、言ってみたら、関係市町村はどこまでになるのかとか、そういうことも市町村の意見とも調整をしっかりとしていただいた上でそういうものを作っていただけるように、是非国交省としても指導をしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/65
-
066・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 御指摘のように、都道府県、どういった場合にどう調整をしていくかと、広域調整するかということはなかなか難しい部分があるという御指摘はそのとおりでございまして、都道府県が事前に広域調整の在り方についてガイドラインなんか等でその運営の方法を事前に定めておくという、それによりまして迅速かつ円滑な都市計画の手続が可能になり、望ましいんではないかという具合に考えております。
国といたしましても、今回の改正の実効性が上がりますように、運用のためのガイドラインの策定だとか説明会の開催等により、都道府県及び市町村に対しきめの細かい支援というものを行っていきたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/66
-
067・山本香苗
○山本香苗君 今回、この法案、いろんな質疑がなされましたけれども、やる気を持って一生懸命中心市街地の活性化に取り組んでいるところの努力が報われるような広域調整が行われるように、地方分権の時代ではありますけれども、国としても国全体のこの国土づくりという広域的な観点から、先ほども適切に、スピーディーに、またこのときをとらまえてしっかりと対応してもらいたいというお話ございましたけれども、正にそういうところが問われるところだと思いますし、柴田局長はそういうところが非常に優れていらっしゃる局長だと思いますので、是非とも力強くやっていただきたいなと思っております。
もう一つ、先日、西田理事から質問がありました駐車場法の改正についても何点かお伺いをさしていただきたいと思っております。
前回、質問がありましたけれども、今回、長年の懸案であった自動二輪の駐車施設の確保に関する法律上の位置付けが明確になったことがあるわけでございますが、そもそも自動二輪の駐車場というのは全国に一体どれぐらい今整備されているのか。また、これに対して自動二輪の保有台数というのはどれぐらいなのか。この二つの数値を合わせてみて初めて、国交省として現状をどう認識していらっしゃるのか、この点につきましてお伺いをさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/67
-
068・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 自動二輪車の保有台数でございますが、平成十七年の四月一日現在、四輪車が約七千五百万台に対しまして約四百六十万台となってございます。駐車場の数でございますが、駐車場法に基づく届出駐車場は約百三十七万台ございますが、自動二輪車は現行駐車場法の対象となっておりませんために、残念ながら統計はございません。なお、公的性格を有する都市計画駐車場につきましては全国約十二万台ございますが、そのうち四輪車兼用の部分も含めまして約一割の一万台がございます。
なかなか分かりにくいところがあるんですが、具体的に申し上げますと、自動二輪車の違法駐車が顕著な中心市街地において、例えば渋谷駅の周辺地区では自動二輪車が止められる駐車場の台数は約二百台ございますが、これはもうほぼ満車になってございますし、路上の違法駐車台数は約五百台に上ってございます。また、横浜駅周辺地区では、止められる駐車場は全くございませんで、違法の路上駐車が約五百台となってございます。
こういった点から考えますと、今後、駐車場法に基づく自動二輪車の駐車場の整備状況を急いでやっていく必要があるのではないか、整備を進めていく必要があるんではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/68
-
069・山本香苗
○山本香苗君 ということは、今対象になっていないから調査されてないということなんですけれども、今後はきちんと調査をしていただけるということでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/69
-
070・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) ただいま申し上げましたように、今後はこの駐車場の整備状況について継続的に調査を行ってまいりたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/70
-
071・山本香苗
○山本香苗君 絶対的に数が不足しているという認識はお持ちいただいているようでございますけれども、今東京の方のお話ございましたけれども、大臣の御地元であります大阪でも、この間ちょっと難波の方を歩いただけでも、もうめちゃくちゃ一杯、自転車もそうなんですけれども、バイクもたくさん放置されているわけですね。鉄のさくのところにかちゃっと、こう止めてあるわけなんです。歩行者の物すごい歩行の妨げにもなっておりますし、またまちづくりの観点からも景観という観点からも阻害要因になっているわけです。
しかし、ライダーの方の立場からすると路上駐車したくない。保険まで掛けて盗まれないようにしたいぐらいなんですから、路上駐車したくないけど駐車場がないと。遠くてもいいけど、安全なところに止めたいけれども駐車場がないと。多少お金が掛かっても、盗まれたり傷付けられたりするよりは安全なところに止めたいと思っても駐車場がないわけなんです。
ライダーの方々は非常に辛い立場で、またさらに来月、六月からは改正道交法が施行されて、バイクも駐車違反取締りが強化されて、容赦なく切符が切られてしまうような状況にあって、今局長がおっしゃられたように、早くこの駐車場を整備することが必要なんだと思います。
先日、西田理事への答弁で、北側大臣からも、財政的な支援や駐車場を置くことを義務付ける条例の制定まで言及されておりましたけれども、具体的に市町村が駐車場を整備する際にどのような財政的支援を行うのか、また今後どのような形で附置義務条例みたいなものを市町村に働き掛けていっていただけるのか。前回よりは踏み込んだ答弁を是非お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/71
-
072・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 駐車場整備の役割でございますが、これは第一義的にはまず民間セクターが駐車事業、業として一時預かりなどの駐車場を整備し、経営されております。それで、また大規模な商業施設などの駐車需要の発生の原因者が附置する駐車場、附置義務駐車場というものも整備いたしてございます。町中での不特定利用者の駐車場の需要、あるいは民間セクターでは対応できないものに対する駐車場、ここが公共セクターが整備する役割でございます。
市町村の部分についての支援でございますが、道路の一部となります駐車場につきましては、これは基幹的部分を街路事業の補助対象ということで助成をすることにいたしてございます。これ、料金との関係だとか、コストがどれだけ工事費が掛かるかということによって違いますが、全体事業費のおおむね三分の一から八分の一に相当する国費を充当いたしてございます。また、面的なまちづくりの一環として整備されるものにはまちづくり交付金などによりまして支援をいたします。
また、附置義務条例でございますが、これは従来から条例のひな形や基準の目安につきまして国土交通省が標準駐車場条例として策定いたしまして、技術的助言として通知いたしているところでございますが、今回の法改正に伴いまして、自動二輪車を含む形に標準条例を改正いたしまして、技術的助言として示していきたいという具合に考えてございます。
さらに、全国駐車場政策担当者会議等の機会を踏まえまして、法改正の趣旨を踏まえまして、条例の制定など、市町村に対して働き掛けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/72
-
073・山本香苗
○山本香苗君 市町村の方にはそういった形で支援をしていただけるということなんでございますけれども、市町村では財政的にも、スペース的にも非常に厳しい。例えば大阪市なんかはそう言っているわけですね。
民間事業者にも働き掛けていこうという考えを持っているみたいなんですが、民間事業者が参入しやすいような支援というものは考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/73
-
074・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 民間事業者が自動二輪車の駐車場を整備する場合の支援についてでございますが、これ、都市再生交通拠点整備事業といった事業、あるいはまちづくり交付金といったものなどの駐車場整備支援制度が四輪車と同様に活用できます。その場合には、公共団体を通じての間接補助という具合にいたしてございます。また、再開発事業などの面的整備と一体の場合には、それぞれの面整備の支援策におきまして駐車場整備も補助対象という具合になってございます。
今後とも、国土交通省といたしましては、民間の自動二輪駐車場の整備につきましても引き続き支援をしていきたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/74
-
075・山本香苗
○山本香苗君 今、様々な支援策を用意していただいているというふうにお伺いしたわけでございますけれども、やっぱりすぐに自動二輪用の駐車場ができるかといえばなかなか難しいのではないのかと思います。
そこで、現状を少しでも緩和するために幾つか、まとめて三点ほど御提案をさせていただきたいと思うわけなんですが、一つ目は、もう既に駐輪場ありますけれども、自転車用の駐輪場があって、ここは原付までオッケーなわけなんですね。そこにスペースが空いていれば、そこに自動二輪も置けるようにできないかということです。
例えば、難波のところで、難波ばっかり出しちゃいけない、難波がすべて悪いわけじゃないんですけれども、なんばパークスのところに、下に駐輪場があるんで、物すごくきれいなものが整備されているわけなんです。そこのところにはもう丁寧に五十㏄までという形で書いてあるんですけれども、下は空いているわけなんです。上に上がると、その横のところに自動二輪がたくさん放置されているような状況がありまして、聞いたら、一時間何円とかいうんじゃなくて、一日入れたらミニバイクで二百円とか、そういう状況なわけなんですね。空いているんだったらそこに置かしてもらったら、二百円で置けるんだったら置きたい、駐禁で持っていかれるよりは絶対そっちの方がいいと思うライダーの方も多いと思うわけなんですけれども、こういう既にできている駐輪場のところに空きスペースがあったら自動二輪も置けるように是非していただきたいなというのがございます。
二つ目は、今日わざわざ道路局長に来ていただいておりますけれども、旧公団が所有する高架下を利用したような駐車場というのが結構大阪市内にもたくさんあるわけなんです。こういったところに自動二輪も一緒に置けるようにしたらどうかと思うんです。四輪を置くところよりも低いところでも置けるようなところもありますし、デッドゾーンみたいなところもあります。そういうところに、既存のところをつぶすんじゃなくて空いているところ、そこを使っていただいて自動二輪も一緒に置けるようにしていただければ大変有り難いと思います。
三つ目なんですが、これはこれからの話になりますけれども、自動二輪用の駐車場ができる場合、自動二輪となってしまうと原付を排除したような形になってしまうわけなんですけれども、それを排除しないで一緒に置けるような形に是非していただきたいと思うんです。今回いろいろ調べてみましたら、東京よりも大阪の方が原付がめちゃくちゃ多いという状況なんですね。全国一、全国の中の一割がほとんど大阪で原付があるという状況でありますので、是非、放置が多い大阪市の状況を改善するためにも、原付も排除しない形で自動二輪用の駐車場というものも整備していただければなと。
三点まとめて申し上げましたけれども、是非よろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/75
-
076・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) この駐車場の形態につきましては、その地域の駐車需要の状況やスペースの有効活用の観点から、今御指摘のいろんな形のものが考えられると思います。
一つは、自動二輪車専用の駐車場というものも考えられるでしょうし、四輪車の駐車場と兼用するということも考えられますし、自転車の駐車場と兼用するというのも考えられますし、現に既にこれらのものが一緒にやられている場合がございます。それぞれまた区画を分けているものや一緒になってごちゃごちゃになっているもの、いろいろなものが現にございますし、考えられるだろうと思います。また、そういう意味で、自動二輪駐車場に原付自転車を置くということも可能であろうと考えております。
今回、新たに初めて自動二輪車が駐車場の対象になったわけでございまして、どういう形でどういうものを造っていくかと。できるだけ意味のあるような駐車場整備をしていきたいと考えてございますので、自動二輪車を含めた駐車場の新たな技術基準を定めていく必要が出てまいります。その際、このような様々な駐車場の形態を想定しながら検討を行ってまいりたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/76
-
077・谷口博昭
○政府参考人(谷口博昭君) お答えします。
私の方に高架下の利用という御質問いただきました。
自動二輪の駐車場につきましては、道路法施行令におきまして高架下に占用できる施設として認められており、地方公共団体や高速道路株式会社等が占用許可を得て設置することが可能とされておりますが、現時点までに高速道路の高架下に自動二輪専用の駐車場が占用され整備された事例は残念ながらございません。
一方、国が管理している国道というようなことで見ますと、その道路の高架下に整備された駐車場のうち、六か所の駐車場に二百二十六台分の自動二輪用の駐車スペースが整備されているということでございます。
委員御指摘のように、高架下は一つの有効な駐車スペースとして活用できる場合が多いのではないかと考えておる次第でございます。今後、御審議いただいております駐車場法の改正、また本年六月に改正道路法の施行がなされるということでございますので、地方公共団体、関係機関と連携を図りながら、高架下の既存の四輪駐車場の活用も含め、高架下を活用した自動二輪駐車場の整備についても進めていきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/77
-
078・山本香苗
○山本香苗君 是非、両局長、よろしくお願い申し上げたいと思います。
仙台市では早くから条例を作って自動二輪の整備をしてきた結果、あそこは学生さんが多いんですけれども、バイク使っている方が多いんですが、仙台市の方に聞きますと、余り放置バイクというものは町で見掛けないなということをおっしゃるんですね。当たり前のようにそれがなっている状況らしいんですけれども。実際、管理をするだとか規制するだとか、それに掛かる経費というものを考えれば、更に駐車場代が上がってくることもありまして、年間約一億円以上の予算が別のところに充てられるようなこともできてきたということが仙台市で既に事例としてあるそうでございますので、是非ともやっていただきたいなと。本法案の改正を機にこういった放置バイクのない町に、放置自転車の問題はまだありますけれども、是非していただきたいなと思っております。
早いけれども、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/78
-
079・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午後零時七分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/79
-
080・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として郡司彰君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/80
-
081・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 休憩前に引き続き、都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/81
-
082・小林美恵子
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
今日は、開発整備促進区そして計画提案にかかわり質問させていただきます。
改正案では、新たに出店規制した地域でも部分的に規制を外せるように地区計画に開発整備促進区を設け、さらに一定の開発事業者が都市計画の提案者になることが盛り込まれました。
そこで、質問なんですけれども、二〇〇二年の都市計画法改正でいきますと、都市計画提案制度が措置されて、そのときに都市計画の決定、変更の発意機能が地権者、NPOなどに開かれました。しかし、開発業者にはその対象にはならなかった。一体それはなぜなのかということをまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/82
-
083・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 平成十四年の都市計画法改正におきましては、当時のまちづくりへの関心の高まり、まちづくり協議会やまちづくりのNPOなどの地域住民が主体となってまちづくりへの取組が活発していたという状況の中で、それまでは行政のみが行っておりました都市計画の発意というものを民間に開放することによりまして地域住民等のまちづくりに対する能動的な発言を促進し、これを都市計画として積極的に受け止めるために土地所有者、NPO等による都市計画の提案制度を創設したものでございます。
しかし、その当時は、大規模集客施設については広い範囲で立地が可能でございまして、立地に当たりまして都市計画の手続を要するということがございませんでした。そういうことから、開発事業者の発意により都市計画を決定、変更するケースが多く見られるということが想定されなかったというようなこと等によりまして事業者には認めなかったということになっていると考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/83
-
084・小林美恵子
○小林美恵子君 つまり、当時はいわゆる十分に開発できるといいますか、そういうふうな仕組みになっていたということ、逆に言えばそういうことですよね。ですから、わざわざ開発事業者を提案者に入れる必要はなかったということに理解されるんだというふうに私は思うんですけれども、今回は開発事業者を提案者に加えました。
私、そういうふうに考えますと、なぜそのことを申し上げるかといいますと、前回と今回とそういうことに関しますと大変矛盾あるんじゃないかなというふうに感じるんです。その点は、局長さん、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/84
-
085・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 前回は原則立地が可能、都市計画区域の中でいえば約九割の地域で立地が可能、都市計画区域の外、立地が可能でございました。
しかし、今回の改正によりまして、立地可能でございました大規模集客施設につきましては、原則を逆転させまして、原則立地が不可能ということにしようとするものでございますが、全く立地ができなくなってしまうということについては、やはりそこについては、地域の状況等によりまして地域の判断を反映した適正な立地が確保できる仕組みというのもその逆の観点で措置することが必要であろうと、それは都市計画の手続でもって、立地に当たりましては都市計画の手続を経るということが必要だろうという具合にすることにいたします。このために、民間事業者のイニシアチブというものを認めていこうという具合に考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/85
-
086・小林美恵子
○小林美恵子君 つまり、立地が不可能になったところを立地ができるようにということで、それは開発事業者にも、いわゆる知見を生かすということで提案者に加わるということになりますと、開発事業者の意見が大きく反映されたいわゆる開発になるというふうに私はなるんじゃないかなというふうに思うんですけど、なぜそこにこだわるかということで一つの事例を御紹介申し上げたいと思います。
最近、ディベロッパーとか開発事業者、不動産業者、ゼネコン、大型店などによります地域開発プロジェクト、都市再開発計画が多数提案もされています。その実態は、大型店出店を核とする計画、乱開発を含む提案が多いんです。
例えば、福岡県大牟田市岬町なんですけれども、最近、大型店イオンと三井鉱山が計画提案する、交流機能を有した商業施設などの導入を核とする九十四・七万平米の地区計画が提案されています。九十四・七万平米です。九十四・七万平方メートルですね、地区計画が提案されていますけれども、この地区開発計画は今は都市計画手続ではどうなっているでしょうか。御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/86
-
087・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 御指摘の件につきましては、これは新聞報道でございますが、福岡県大牟田市の工業専用地域にございますテーマパークの跡地等に延べ床面積七万五千平米の大規模商業施設が出店を予定しているという具合に聞いてございます。
出店が予定されている地区につきましては、平成四年に再開発地区計画が定められまして、テーマパーク等として利用されておりましたが、平成十年に閉園されておりまして、その後、昨年十二月に、都市計画提案制度に基づきまして、地権者より地区計画の内容について大規模店舗の立地を認めることができるよう変更の提案がなされております。
大牟田市といたしましては、市の都市計画提案検討委員会におきまして本提案について検討した上で、大規模商業施設の立地が認められるよう地区計画を変更する都市計画の案を策定いたしました。そして、平成十八年三月三十日に公告を行った上で、当該案について縦覧を行い、住民等から提出された意見を踏まえまして、平成十八年四月二十八日に市の都市計画審議会においてそれが議決されたと伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/87
-
088・小林美恵子
○小林美恵子君 その件でございますけれども、大牟田市では、地元商店街の皆さんを始めとしまして、こういう大きな大型の商店の来ることはとてもまかりならないということで二万人の反対署名を集めておられます。このままではまちづくりの発展につながらないんだと、住民参加のまちづくりを訴えているわけですね。
私、ここで大臣にお伺いしたいと思いますけれども、やっぱりこうした地元、地域の住民の皆さんの声を尊重しないで住民参加の都市計画、まちづくりとは言えないと思いますけれども、大臣はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/88
-
089・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 今も都市局長の方から答弁いたしましたように、手続を経まして、具体的には、その都市計画の案について公告縦覧を行って、縦覧期間中に住民等から意見書が提出された場合には、その要旨を提出した上で第三者機関である都市計画審議会の議を経て定めるということでございまして、この手続に乗っかって、公明、公正、透明な手続を経て定められることが必要と考えているところでございます。
本件につきましては、これらの今申し上げました手続に従って、大牟田市の都市計画審議会において議決が行われたところだというふうに伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/89
-
090・小林美恵子
○小林美恵子君 でも、現に、そういう手続を行ったとおっしゃっておられますけれども、現に地元の商店街の皆さんを始めとして、これでは地元の商店街が大変になるということで二万人を超える署名が集まっているわけですよね。これは事実なわけでございます。そういう声を、先ほどのお話では意見をしっかりと聞いているような仕組みというふうな感じでございましたけれども、でも現に反対の声もある、それは事実だと思うんですね。
私は、新たな地区計画として開発整備促進区を設け、開発事業者等を都市計画の提案者に加えるということにつきましては、やっぱり、そういう地元でこれは困るという方々の意見を、そのことを尊重しないで、そのままで、大型店事業者や不動産会社などが大型店出店促進のためにこの制度というのは結局は活用されていく道になるんじゃないかというふうに思うんですけど、それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/90
-
091・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 都市計画は、国の法律でございますが、まちづくりのためのいろんな仕組みを国として定める、法律として定めるものでございまして、それを実際運用されるのはまちづくりを担当されております市町村であるわけでございます。いろんな仕組み、これらがその地域の住民の皆さん方の適切な判断の下で、一番適切なところで定めていかれ、本当に真に住みやすい快適なまちづくりが行われるものという具合に考えております。
あくまでもこれは住民の皆さんあるいはその地域の判断だろうと思います。適切に運営をされていくものと思っておりますし、また今回法律改正お願いいたしてございますけれども、これらも適切に地元の方で運営されて、運用されていくものであるという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/91
-
092・小林美恵子
○小林美恵子君 市町村、地域の判断が大事なんだということでございますけれども、その後ろには反対の方々の声もあるということは、やっぱりこういう法律を作る国としてもしっかりと受け止めなくちゃいけないと私は思うんです。
こういう大型店の事業者といいますのは、小売事業で収益はたとえ一%であったとしても、テナント料や関連事業収益でやっぱり大きな利益を上げている、そういうのが実態だと私は思います。大型店の経営戦略、出店戦略が初めに先にあって、それでマーケティングとか用地選定とか地区開発計画提案とか地元対策へと進むというのが大型店のやり方じゃないかと。やっぱり出店先にありということが私は言えると思うんですね。そういうことが法律上にも、促進区を設けて計画の提案者に開発事業者がなるということは、やっぱりせっかく立地規制をしているのにその抜け道をつくるということを言わざるを得ないと思います。
それで、先ほどから市町村の判断、そういうことを随分おっしゃっておられますので、その点にかかわって私は少しお聞きをしたいと思いますけれども、先日参考人からの意見聴取を行いました。そのときに参考人の方から、ドイツの建設法典、建設利用令では、実質的需給調整とも言える商店街の売上減少予測や品ぞろえ、床面積制限などが定められていました。国交省も随分ドイツについて研究されているというふうに思いますけれども、私は、日本の中でも、都市計画法の体系の中で、例えば大型店の立地と事業活動、道路交通と駐車場や環境対策や、多様な商店街、商業集積の在り方についても、商店街も大型店も住民も共存共栄できるルール、こういうルールというものをやはり位置付ける必要があると思いますけど、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/92
-
093・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 今回の都市計画法の改正案におきましては、原則として大規模集客施設の立地を規制いたしてございます。
御指摘のドイツの場合は、ショッピングセンター等の立地に際しまして、インフラ、交通等への影響を勘案するほか、都市圏における中心市街地の位置付けなどに照らしまして判断を行うという具合にされていると承知いたしてございます。
我が国の場合におきましても、大規模集客施設の立地に関しましては、都市計画区域のマスタープランの内容、都市圏における都市構造や広域的なインフラに与える影響等を考慮して適切な判断がなされるものという具合に考えております。これによりまして地域にとって必要な施設の適正立地が図れるものと考えておるわけでございます。
それから、店舗の、今おっしゃいましたように、需給調整的なことをやるべきではないかという御提案でございますが、これは我が国としては適当であるという具合に考えてございません。勘案することという、内容につきましては、例えば大規模集客施設の立地によりまして、中心市街地を含めた都市の集積のメリットが減少するし、公共交通ネットワークも含めた都市構造に影響を与えるおそれがあるといったようなことは、まちづくりという観点から判断材料の一つになろうかとは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/93
-
094・小林美恵子
○小林美恵子君 先ほど大店立地の方では一定のというお話があったかなと思うんですけれども、私は大店立地法は、いわゆる生活環境保持目的の法律であって、出店の届出や説明会、都道府県の意見、同勧告、そういうことがあるわけでございますけれども、まちづくり、都市計画を進めていく上で必要な出店そのものの許可要件や開発許可条件というのは対象外となっていると思います。だから、私は、まちづくり、都市計画で必要な出店そのものの許可要件や開発許可条件が都市計画法の中にやっぱり盛り込まれる必要があるというふうに再三強調しているわけでございます。
改めてこの点で大臣に幾つか御提案を申し上げて、大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
都市計画制度の中で位置付けられることは位置付けていくという点で、例えば大型店が出店する際は地域住民と地方自治体に対して、商店街などの商業環境、住民の生活環境などの地域環境に対する影響評価、それに関する情報提供を義務付けるであるとか、立地予定地の住民説明や自治体との協議など合意を得る仕組み、さらに、巨大なショッピングセンター建設など商圏が複数の市町村にまたがるものは都道府県に、さらに都道府県をまたがるものは国に、広域調整審議会を設置をして規制や調整するシステムをつくる、大型店が撤退する場合は、一定期間の予告と関係地方自治体に対する事前協議、代償措置を義務付ける、こういうことも検討していただいて、都市計画の範囲であっても、大型店や、それから地域住民や商店、商店街の皆さんがやっぱり共存できるということを位置付ける、保障するということが私はやっぱり今の日本の法律体系上からいくと必要になってくると思うんですけど、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/94
-
095・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 幾つか御質問いただきました。
まず、周辺生活環境の問題でございますが、騒音とか廃棄物とか、それにつきましては、今も大店立地法に基づきまして事業者が配慮するということになっております。今後とも、この制度に基づきまして適切に周辺生活環境が保持されることと考えております。
次に、地元住民との協議制度の問題でございますが、今回の都市計画法等の改正によりまして、大規模集客施設の立地に当たりましては都市計画の手続を経ると、その中で地域の判断を反映した適正な立地を図るというふうな仕組みになっているわけでございます。この手続の中で必要に応じて公聴会が開催されますし、また都市計画の案が公告縦覧されまして、住民はこれに対して意見書を提出することができるというふうな仕組みになっているところでございまして、こうした手続を通じて地元住民の意見が反映されることを期待をしております。
次に、広域調整の問題でございますが、都道府県が広域的な観点から都市計画の調整を行うということで、都道府県の県境におきましては、都道府県知事におきまして当該都道府県内の周辺市町村への影響を踏まえて広域的に調整を行うことになるわけでございますが、その結果、他府県への影響も考慮した広域調整が実現するものというふうに考えております。
それから、撤退時の問題でございますが、今回の中心市街地活性化法の改正におきまして、事業者の責務に関する規定というものを新設をさせていただいております。経済産業省におきまして、業界がこの規定を踏まえまして、自主的にその責務を、きちんと事前にそうした撤退についての考え方を示すということが大事だと思いますので、こうした規定を踏まえまして、自主的にそうした責務を果たすように促すものというふうに聞いているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/95
-
096・小林美恵子
○小林美恵子君 一つ一つについて丁寧に御答弁いただいて本当にありがとうございます。
でも、私は、この間、経済産業との連合審査も行ってまいりましたけれども、まちづくりというものを考える際におきましては、まちづくり三法、つまり、やっぱりこの間、町が荒廃してきた要因に、どおんとした大型店の出店があったわけです。それをやっぱり調整するという意味でいきますと、日本においても、いわゆる大型店の横暴な事業活動を規制する、そういう法律がやっぱり必要だということを改めて強調しまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/96
-
097・渕上貞雄
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
都市計画の決定権者は基本的には市町村でありますが、今回の改正によって、第二種居住地域、準居住地域、工業地域の各地域や非線引き都市計画域内の白地地域では、これまで制限がなかった大規模集客施設について制限されることになるものの、市町村の開発促進区を定める地区計画を定めることにより立地可能となります。
大規模集客施設が立地することで当該市町村にとって税収や雇用の増大が期待されるために、大規模集客施設の立地に積極的に誘致をしようとする市町村が出てくるというふうに考えられますが、その点、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/97
-
098・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 今回の法改正によりまして、大規模集客施設につきましては、原則これまでと逆転しまして立地ができなくなるということになるわけでございますが、その代わりの措置といたしまして、立地するとすればどういう立地の仕方をするかという新しいルールを都市計画の手続でやるということで定めたものでございます。その中の一つが地区計画制度、開発整備促進区を定める地区計画制度の創設でございます。
市町村におきましては、都市構造やインフラに与える影響をよく勘案した上で、この大規模集客施設の立地につきまして適切に判断されるものであるという具合に考えられますから、この開発整備促進区を定める地区計画を創設したからといって、それが直ちに大規模集客施設の積極的な誘致につながるという具合には考えておりません。
また、この開発整備促進区を定める地区計画につきましても、用途地域の指定変更と同様、住民参加や広域調整手続を要する都市計画手続を経ることが必要となりますので、大規模集客施設の立地に当たりまして、地域の適正な判断が必要にされておることは同様であるという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/98
-
099・渕上貞雄
○渕上貞雄君 大規模集客施設の立地は利便性の向上、雇用の創出、税収増加等が期待される反面、地域の無秩序な開発、施設周辺での交通渋滞、生活環境の悪化、既存の中心市街地の一層の衰退が懸念されます。消費者、地元住民、市町村、周辺市町村及び都道府県など、関係者に与える影響は大きいものがあります。そのために、関係者間の調整が難しいと思われますが、どのように対処をされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/99
-
100・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 関係者との利害調整でございますが、まず一つには、都市計画の手続におきまして、必要に応じまして公聴会が開催されます。また、都市計画の案は公告縦覧されまして、住民や利害関係者はこれに対し意見書を提出することができ、意見書が提出された場合には、その要旨を提出した上で第三者機関でございます都市計画審議会の議を経て都市計画決定等をすることとされております。
また、関係周辺市町村との利害調整でございますが、これは市町村が都市計画の決定変更をする際には、広域的観点から都道府県知事との協議、同意を要することになりますし、さらに、都道府県知事が必要があれば周辺市町村から意見も聴取することができるという具合にしてございます。
これらによりまして、利害関係について調整を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/100
-
101・渕上貞雄
○渕上貞雄君 提出法案では、準都市計画区域の指定権者を市町村から都道府県としています。都道府県は準都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ関係市町村の意見を聴かなければならないとされています。この指定により当該市町村にとって大きな影響を受けることが予想されます。このため、法律では都道府県は関係市町村から意見聴取をすることを規定をしています。していますが、意見聴取にとどまらないで、同意を得るなど、尊重する旨をやはり法律で規定する必要はないのでしょうか。その点お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/101
-
102・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 今回の改正におきまして、準都市計画区域の指定要件を、まずは土地利用の整序及び環境の保全が必要な区域について広域的観点から広く指定するものに改めることにいたしてございます。また、そのような趣旨から、指定権者を広域的行政主体である都道府県に改めるということにいたしてございます。
したがいまして、準都市計画区域の指定に当たりましては、あらかじめ関係市町村の意見を聴いた上で、あくまで広域的な観点から都道府県が最終的に判断すべき事柄であると考えておりまして、当該判断に際し関係市町村からの同意を求めることまでは必要ないものという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/102
-
103・渕上貞雄
○渕上貞雄君 準都市計画区域制度は、都市計画区域外での用途混在等による無秩序な開発を防止するため二〇〇〇年に創設をしましたが、現在、三市町村が活用しているにすぎません。これまでの指定状況は低いと思いますが、その理由はどこにあるとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/103
-
104・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 本制度が確かにこれまでは三都市にとどまってございまして、十分に制度が活用されているとは言えない状況にございます。この活用されていない理由といたしましては、一つは、この準都市計画区域は農用地区域だとか優良農地等について指定をしない運用をしてきたということが一つ。それから、大規模の集客施設につきましては広い地域で立地が可能でありまして、一市町村が準都市計画区域を指定してその立地を制限したとしても、隣接する市町村に立地するなど、広域的な観点からの適正立地を確保することが困難であったことによるものと考えてございます。
このため、今回の改正では、準都市計画区域につきまして、農地を含みまして、土地利用の整序が必要な区域等に広く指定できるように指定要件を見直しております。また、これによりまして、準都市計画区域の性格が広域的なものに変更されることから、指定権者につきましても広域的な観点から指定できるよう市町村から都道府県に変更いたしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/104
-
105・渕上貞雄
○渕上貞雄君 提出法案によれば、準都市計画区域の指定範囲が農地等へ拡大されることになりますが、それにより活用の実績が上がると考えているのでしょうか。
また、農地について準都市計画区域を指定する際に、農林水産省等の農地担当部局との調整を円滑に行う必要があると思いますが、どのようにして円滑な調整を行うおつもりなのでしょうか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/105
-
106・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) これまでの準都市計画は、農用地等につきまして原則として指定をしないと運用しておりました。そういう意味で、都市計画区域外の農地につきまして、農地転用されてしまいますと都市的な土地利用規制も農業的な土地利用規制も適用されないポテンヒットの状態になってしまうと。それが大規模集客施設の無秩序な立地を誘発していることになってございまして、そういう事例が散見されております。
今回、このように農地を含んで規制を掛けられる、あるいは広域的な観点から幅広く準都市計画区域を張ることができるということにいたしておりますんで、かなり活用はされるんではないかという具合に期待いたしてございます。
また、農林水産省との関係でございますが、これまでも農林水産省と改正内容につきまして、農地にかかわる部分でございますんで十分な協議を行った上で決定いたしておりますし、今後とも農林水産省とは十分協議を行った上で運用に当たっていきたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/106
-
107・渕上貞雄
○渕上貞雄君 今回新たに、まちづくり推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体が一定の土地の区域について、都道府県、市町村等に対し、都市計画の決定又は変更することを提案することができることになっております。具体的には、どのようなものを想定しているのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/107
-
108・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 提案が可能となる事業者、どういうような事業者かということでございますが、現在検討中でございますが、過去に一定規模以上の開発事業を行ったものといった、まちづくりの推進に関しまして経験と知識を有する団体を新たに都市計画の提案権者とする方向で検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/108
-
109・渕上貞雄
○渕上貞雄君 駐車場法についてお伺いをいたします。
モータリゼーションの進展により自動車依存の社会となっていますが、都市部においては駐車場が大変不足をしており、自動車保有者は郊外の駐車場の完備された大型店に流れてしまう状況にあります。中心市街地を活性化するためには、公共交通のネットワーク化とともに駐車場の整備についても行う必要があると考えますが、見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/109
-
110・柴田高博
○政府参考人(柴田高博君) 中心市街地の活性化のためには、自動車や公共交通機関等によります良好なアクセスが確保されまして、様々な都市機能をコンパクトに集積した快適で歩きやすいまちづくりを実現することが重要であると考えてございます。このため、中心市街地内の路上駐車を解消し、円滑な自動車交通や安全快適な歩行者交通を確保することが重要でございます。このため、適正な位置に使い勝手の良い駐車場の整備を促進することが必要であると考えております。
各種これまでも、中心市街地における地方公共団体、民間による駐車場の整備に対して各種支援を行ってきたり、附置義務制度などによります駐車場法による規制、誘導策などにより推進してきておるところでございますが、今後ともこのような各種施策によりまして、中心市街地活性化に資する駐車場の整備を推進してまいりたいという具合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/110
-
111・渕上貞雄
○渕上貞雄君 次に、新住宅市街地開発法関係についてお伺いをいたします。
ニュータウンが高度成長期の都市への急激な人口集中による住宅需要に対応するため市街地の周辺部に開発をされてきました。しかし今日、少子高齢化社会を迎えて、急激だった住宅需要も安定化をしてきておりますし、このような状況の中、ニュータウンの必要性が薄れてきているものと思われますが、今後のニュータウン政策の在り方について、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/111
-
112・阿部健
○政府参考人(阿部健君) 委員御指摘のとおり、近年、宅地需要は大幅に減少してきておりまして、人口減少社会に対応をした集約型の都市構造を実現するためには、新市街地の整備事業、これは極力抑制していくことが必要な状況になっております。
このようなことから、従来、平成十六年でございましたが、都市再生機構法の制定の際には、新規の事業を行わないことというふうにされております。このため、新規の事業につきましては、今後とも原則として抑制していくと。それから、継続事業につきましても、とにかくし掛かった事業でございますので、できる限り規模のコンパクト化を図るとともに事業の早期完了に努めるということといたしております。今般の新住宅市街地開発法の改正は、このような観点から必要な規定の改正を行うものでございます。
一方、今後のニュータウン政策の在り方でございますが、従来のような新しい大規模団地を新規に供給するという方向性から、今後は、既にできましたニュータウン、これをどのように再生していくかと、特に既存のニュータウンにおきましては、少子高齢化とか住宅施設の老朽化というような状況が顕著でございますので、こういったものに対応したニュータウンの再生というものが重要な課題だというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/112
-
113・渕上貞雄
○渕上貞雄君 新法の目的が、これまでの人口集中の著しい市街地周辺地域における大規模な住宅供給から、住宅需要に見合った適正規模での住宅供給との考え方の転換が行われております。附則の第六条により、予定区域及び施行区域については、改正後、新住法に適応する土地の区域とされることになります。
これまでのニュータウンについて必要性の見直しをすることなく自動的に事業継続させてもよかったのかどうか。見直しをした上で、必要性の低下又は喪失をしたものについては事業の見直しをし、また廃止をする必要があるのではないでしょうか。その点、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/113
-
114・阿部健
○政府参考人(阿部健君) ちょっと先ほど来申し上げましたが、平成十六年の独立行政法人都市再生機構法の制定時におきましては、都市再生機構は今後新規の事業を行わないということといたしました。また、県や公社につきましても、現在新規の事業の予定というものはございません。
またさらに、このような流れの中で、継続事業につきましても、それぞれの事業主体におきまして必要な見直しとか廃止、こういったことを行ってまいりました。例えば、再生機構につきましては、実施予定であった九地区、これにつきまして事業中止というようなことを行っております。
また、事業中のニュータウンの事業でございますが、例えば千葉ニュータウンにおきましては、大幅に施行地区が縮小されているというような状況もございます。当初二千九百ヘクタールであったものを千九百ヘクタールに縮小するというような、こういった大胆な見直しが行われているところでございます。そのほか、地方公共団体、公社、こういった事業実施中の事業につきましても、それぞれ大幅な縮小等の見直しが検討されております。
今回の法改正におきましても、今後は需要に応じた住宅地の供給を図るということにいたしておりまして、現在事業実施中の住宅開発事業につきましても、住宅需要を厳しく審査いたしまして、ぎりぎりコンパクトな整備に変更していくということにいたしております。そういった趣旨から、各事業主体におきまして、改めてその必要性が検証され、適切な事業の見直しが行われることになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/114
-
115・渕上貞雄
○渕上貞雄君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/115
-
116・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
本案の修正について小林美恵子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小林美恵子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/116
-
117・小林美恵子
○小林美恵子君 私は、日本共産党、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付をされております案文のとおりでございますので、これより、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
政府案では、近年、都市の無秩序な拡散が進み、中心市街地の空洞化のみならず、高齢者等が病院等の公共公益施設に歩いていくことができなくなることや、公共投資の非効率性、環境負荷の増大などの問題が生じていることから、都市機能を集約したコンパクトなまちづくりを進めるために、大規模集客施設や公共公益施設について、都市計画の手続を通じて、地域の判断を反映した適切な立地を確保するとして、三つの用途地域や白地地域を大規模集客施設は原則として建築できない地域とするなどの改正を提案しています。
今回の改正案によって、大型店等の立地を原則建築禁止とする地域を拡大する方向は評価はできます。しかし、準工業地域が原則として建築できない地域に加えられていないこと、建築してはならない店舗等の規模を一万平米超としていることは、これまで多くの大型店等が準工業地域に出店し、規模も一万平米以下である実情から見て不十分であります。また、新たな地区計画として開発整備促進区を設け、開発事業者等を都市計画の提案者に加えることは、大型店等の立地規制に対する抜け道となるおそれがあります。これでは地域の住民主体のまちづくりを進めることが徹底されません。
したがって、地域の判断を反映するという本法案の趣旨を更に徹底するため、以下の修正を提案します。
第一に、一定の大規模な店舗等の立地が新たに制限される用途地域に準工業地域を追加します。
第二に、立地が新たに制限される大規模な店舗等の規模要件について、床面積一万平米を超えるものを三千平米を超えるものに変更することとします。
第三に、一定の大規模な店舗等の立地が新たに制限される用途地域等において、用途を緩和する地区計画制度、開発整備促進区を削除するものとします。
第四に、一定の開発事業者が都市計画の決定等について提案することができるよう、都市計画提案者の範囲を拡大することを削除するものとします。
以上が修正案の提案理由及びその概要でございます。
委員各位の皆さんの御賛同をお願い申し上げまして、説明とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/117
-
118・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、小林君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/118
-
119・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 少数と認めます。よって、小林君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/119
-
120・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、大江君から発言を求められておりますので、これを許します。大江康弘君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/120
-
121・大江康弘
○大江康弘君 私は、ただいま可決されました都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
人口減少時代における都市計画は、社会経済情勢等の変化を展望しつつ、長期的な観点から策定される国土計画の下、持続可能な都市構造の構築という視点に立ち、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一、現行のまちづくり三法が有効に機能していない現状を踏まえ、今後は、中心市街地活性化の実効性を確保するため、中心市街地活性化法に基づく施策と本法に基づく施策が的確に実施されるよう、関係省庁間及び地方公共団体の関係部局間の緊密な連携が図られるようにすること。
二、地方公共団体による都市計画の策定や中心市街地活性化の取組に当たり、地域住民の積極的かつ主体的な参加を促すとともに、都市計画制度やまちづくりに関する実践的知識の普及、啓蒙、教育等に努めること。
また、地域の特性をいかした個性あるまちづくりの中核となる人材の育成、災害時の被害軽減等のため必要な措置を講じること。
三、郊外が市街地化している現状を踏まえ、今後、集約型都市構造を指向するに当たっても、郊外居住者の生活利便性が低下することのないよう配慮すること。
四、市町村による都市計画決定に当たって広域的観点からの調整のために定められている都道府県知事の協議及び同意に際して、計画策定市町村の主体的意思に適切に配慮すること。
五、都道府県による準都市計画区域の指定について、秩序ある土地利用を促すとともに、優良農地の保全に資する観点から農地関係部局等との積極的な連携・協力の下に、その活用が十分図られるよう努めること。
六、本法改正の趣旨にかんがみ、準工業地域における大規模集客施設の立地については、中心市街地活性化法による基本方針に基づき、特別用途地区等の活用により、その適正化が図られるよう努めること。
七、本法の施行日以降に、いわゆる既存不適格となる大規模集客施設については、住民の利便性を考慮しつつ、地域の判断で必要な場合には、用途変更等の手続が円滑に行われるよう十分配意すること。
八、本法の趣旨に基づき関連する事業の進捗状況の把握及び効果の測定等の事後評価を行うとともに、その結果について公表すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/121
-
122・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) ただいま大江君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/122
-
123・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、大江君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/123
-
124・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
大変にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/124
-
125・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/125
-
126・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/126
-
127・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 住生活基本法案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。北側国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/127
-
128・北側一雄
○国務大臣(北側一雄君) ただいま議題となりました住生活基本法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
これまで、我が国の住宅政策は、住宅建設計画法の下、公的資金による住宅の新規供給の支援を通じて、戦後の住宅不足の解消や居住水準の向上に一定の役割を果たしてまいりました。
しかしながら、近年の急速な社会経済情勢の変化に応じて、現在と将来における国民の豊かな住生活を実現するためには、住宅の量の確保を図るこれまでの政策から、住宅セーフティーネットの確保に配慮し、健全な住宅市場の環境整備と、居住環境を含む住宅ストックの質の向上を図る政策へと本格的な転換を図り、新たな住宅政策の基本となる制度を構築することが大きな課題となっております。
この法律案は、このような趣旨を踏まえ、住生活の安定の確保と向上の促進に関する施策について、その基本理念、国等の責務、基本的施策、住生活基本計画その他の基本となる事項を定め、住生活の安定の確保と向上の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進を図り、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものです。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、住生活の安定の確保と向上の促進に関する施策の推進について、その基本理念を定め、国、地方公共団体及び住宅関連事業者の責務を明らかにすることとしております。
第二に、国と地方公共団体が講ずべき、住生活の安定の確保と向上の促進に関する基本的施策を定めることとしております。
第三に、政府が定める全国計画と都道府県が定める都道府県計画から成る住生活基本計画を策定することとするとともに、この計画を実施するため、国、地方公共団体等が講ずべき措置について定めることとしております。
第四に、住宅建設計画法を廃止することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上がこの法律案を提案する理由でございます。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/128
-
129・羽田雄一郎
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時五十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414319X01920060523/129
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。