1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年三月二十七日(月曜日)
午後三時五十三分開会
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委員の異動
三月二十三日
辞任 補欠選任
松下 新平君 富岡由紀夫君
三月二十四日
辞任 補欠選任
富岡由紀夫君 白 眞勲君
三月二十七日
辞任 補欠選任
片山虎之助君 秋元 司君
山口那津男君 浜田 昌良君
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出席者は左のとおり。
委員長 池口 修次君
理 事
岩井 國臣君
田村耕太郎君
中川 雅治君
櫻井 充君
峰崎 直樹君
委 員
秋元 司君
泉 信也君
田浦 直君
田中 直紀君
鶴保 庸介君
野上浩太郎君
溝手 顕正君
若林 正俊君
尾立 源幸君
大久保 勉君
大塚 耕平君
白 眞勲君
平野 達男君
広田 一君
山本 孝史君
荒木 清寛君
浜田 昌良君
大門実紀史君
糸数 慶子君
国務大臣
財務大臣 谷垣 禎一君
副大臣
財務副大臣 赤羽 一嘉君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君
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本日の会議に付した案件
○平成十八年度における財政運営のための公債の
発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○所得税法等の一部を改正する等の法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/0
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001・池口修次
○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日までに、片山虎之助君、松下新平君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として秋元司君、白眞勲君及び浜田昌良君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/1
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002・池口修次
○委員長(池口修次君) 平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案及び国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
三案に対する質疑は既に終局しております。
この際、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案の修正について広田君から発言を求められておりますので、これを許します。広田一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/2
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003・広田一
○広田一君 私は、民主党・新緑風会を代表しまして、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対し、修正の動議を提出をいたします。その内容は、お手元に配付をされております案文のとおりでございます。
これより、その趣旨について御説明申し上げます。
社会保険庁については、全国各地の一等地に立派な事務所を構える社会保険事務局や、定義の不明瞭な福祉施設費による多額の支出、物品調達やそれから委託業務についての不透明な巨額随意契約など、これまで数々の無駄遣いが指摘をされてきたところであります。特に一昨年の年金国会では、これらの無駄遣いについて国民が広く認識するところとなり、怒りの声と改善を求める声が高まりました。私たちに課せられた責任は、この声を真摯に受け止めて、無駄遣いについての徹底的な検証と速やかな是正をすることであります。
また、国の財政が厳しいからといって、年金保険料の流用を行うことは、年金財政を不安定化させるだけではなく、国民の年金制度への信頼を損なうものであります。給付以外には保険料は使わない、これを原則にしなければ国民の将来の安心はあり得ません。
以下、修正案の概要を申し上げます。
第一に、国民年金事業、厚生年金保険事業及び国家公務員共済組合の事務費につき、その一部に国の負担以外の財源を充てる、つまり年金保険料により財源を充当するという規定を削除しております。
第二に、国の財政が危機的状況にあることにかんがみ、平成十八年度の歳出について、国民年金事業及び厚生年金保険事業の事務の執行に要する費用並びに国家公務員共済組合の事務に要する費用を含め、その全般について徹底した検証を行い、その結果に基づいて、歳出の改革と縮減のための措置を講ずることにより、特例公債の発行額の縮減を図るよう努めるものと附則において規定しております。
以上、修正案の概要を申し上げました。
これらは、国の無駄遣いを是正するための最低限の措置であります。
委員各位におかれましては、私たちの主張の真意を御理解いただき、何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/3
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004・池口修次
○委員長(池口修次君) ただいまの広田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。谷垣財務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/4
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005・谷垣禎一
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/5
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006・池口修次
○委員長(池口修次君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/6
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007・大久保勉
○大久保勉君 民主党・新緑風会を代表して、政府提出の平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する等の法律案及び国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案に反対し、民主党・新緑風会提出の平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対する修正案に賛成する立場で討論を行います。
まず、特例公債法案に反対する理由を申し上げます。
第一に、平成十八年度においては、見掛け上、国債発行額は三十兆円以下に抑えられております。しかしながら、これは歳出の抜本的改革という本来あるべき手段によるものではありません。隠れ借金ともいうべき電源開発促進対策特別会計からの繰入金や国民に負担を押し付けるたばこ増税等によって辛うじて実現したものにすぎません。
第二に、財政融資資金特別会計の金利変動準備金を十二兆円取り崩して国債残高の縮減に充てるとしております。しかし、金利変動リスクをほとんどゼロにすることが可能にもかかわらず、引き続き多額の金利変動準備金を積み続けることに対し、政府の説明は合理性を欠いています。
また、住宅金融公庫や都市再生機構へ合計一兆九千億円の債務免除を行います。この焦げ付きに対して、本来の目的から逸脱して金利変動準備金が充てられます。多額の損失を出しても貸手責任が問われない金利変動準備金制度の抜本的な改革が必要であります。
第三に、今回の法案において一千億円余もの年金保険料が社会保険庁の事務費に流用されようとしておりますが、年金保険料の流用は年金財政を不安定化させるだけではなく、国民の年金制度への不信を増大させるものであり、到底認められるものではありません。
これに対して民主党修正案は、時限措置として始められた年金保険料の流用をやめて、年金制度を本来の姿に戻し、事務費を全額国庫負担とするものです。あわせて、平成十八年の歳出について、無駄遣いの温床である年金事務費を含めて歳出全般について徹底した検証を行うことにより、特例公債の発行額の縮減を図るよう努めるものであります。
次に、所得税法等改正案に反対する理由を申し上げます。
第一に、定率減税の廃止であります。そもそも定率減税は平成十一年の負担軽減法において、経済状況が改善されるまで、そして税制の抜本改革を行うまでの間実施することとされたものであります。しかし、この二つの条件のうち、経済状況については、都市部では改善が見られるものの、地方への波及は遅れております。また、所得格差の拡大など新たな社会問題も生じております。さらに、税制改革においても、今回の三兆円の税源移譲に伴う所得税の見直しが抜本改革の名に値するものではないことは言うまでもありません。したがって、これらの前提条件を欠いた定率減税の廃止は負担軽減法に違反していることは明らかであり、格差社会の拡大を助長するものであります。
第二に、同族会社の役員給与の損金不算入は、関係者に対する十分な説明もないまま唐突に提案されたものであり、まじめに働く中小零細企業に過重で不合理な税負担を及ぼすものであります。
第三に、公示制度の廃止は、個人情報保護の観点からやむを得ない面がありますものの、個人情報保護とは何ら関係のない法人の公示制度の廃止は隠ぺいを助長するだけであります。近年の格差社会の拡大を踏まえて、今後の税制改革においてきめ細かな政策を立案していくためには、高額所得者の情報を職種別に公表するなど、公示制度に代わる新たなデータの充実と開示が必要であります。
最後に、国有林野事業特別会計法案に反対する理由を申し上げます。
本法案では、一兆円を超える多額の累積債務を抱えている国有林野特別会計に根本的なメスを入れることなく、国有林野事業勘定と治山勘定の統合という小手先の改革にとどまっております。財政の全体像を不明確にしている特別会計は抜本的な改革が不可欠であり、即刻廃止した上で必要な事業は一般会計で行うべきであります。
以上、三法案に反対する理由を申し述べました。
政府による場当たり的な増税やビジョンなき赤字のツケ回しによって国民の将来不安は限界まで達しております。私は、子や孫の世代に借金をツケ回しすることなく、そして格差社会を放置して経済社会の混乱を招くことのないように財政改革及び税制改革に真剣に取り組んでいくことが必要であると考えております。このことを強く訴えるとともに、修正案への御賛同をお願い申し上げまして、私の討論を終わります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/7
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008・大門実紀史
○大門実紀史君 三法案について、反対の立場で討論を行います。
理由を簡潔に述べます。
最初に、公債特例法案についてです。
反対の理由は、歳出歳入構造に抜本的なメスを入れず巨額な国債発行を継続しようとしていることです。さらに、年金事務費の保険料流用の特例措置が継続されています。流用はきっぱりやめ、国が直接負担する本来の姿に戻すべきです。この点で民主党提出の修正案に賛成をいたします。
次に、所得税法等改正案についてです。
反対する最大の理由は、大企業と中小企業、お金持ちと庶民の格差の是正が問題になっているにもかかわらず、その格差を固定し、拡大する改正だからです。
空前の利益を上げ、余剰資金をため込んでいる一部大企業には、法人税率引下げ措置を本則に恒久化した上、研究開発減税の括弧付き見直しや情報基盤強化税制等を創設して優遇措置を継続、また、お金持ち優遇の所得税最高税率の引下げも今回の所得税法の税率改正で恒久化されました。一方、庶民には、所得税、住民税の定率減税を全廃、小規模な中小企業にはオーナー役員給与の損金算入を制限するなど、大きな負担を強いています。
また、国有林野事業特別会計法改正案についても、補助治山事業を切り離すことで国民の安全にかかわる事業予算が縮小、削減される懸念があることから、反対です。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/8
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009・池口修次
○委員長(池口修次君) 他に意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより順次採決に入ります。
初めに、平成十八年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について採決を行います。
まず、広田君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/9
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010・池口修次
○委員長(池口修次君) 少数と認めます。よって、広田君提出の修正案は否決されました。
それでは次に、原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/10
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011・池口修次
○委員長(池口修次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、所得税法等の一部を改正する等の法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/11
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012・池口修次
○委員長(池口修次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、櫻井充君から発言を求められておりますので、これを許します。櫻井充君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/12
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013・櫻井充
○櫻井充君 私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各会派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
所得税法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 少子・高齢化やグローバル化が進展する中、中長期的な財政構造健全化と経済社会の活性化の必要性が一層増大していることにかんがみ、今後の経済・社会の動向にも留意しつつ、歳出の重点化・選別化に努めるとともに、税制に対する国民の理解と信頼、税負担の公平性を確保する観点から、所得・消費・資産など税体系全般にわたる課税の在り方についての抜本的見直しを行い、社会経済構造の変化に対応しつつ持続的な経済社会の活性化を実現するための税制の構築に努めること。
一 社会的に重要性を増している非営利活動を更に促進するという趣旨等にかんがみ、特定非営利活動法人に対する寄附金税制の在り方については、その実態等を十分踏まえ、引き続き検討すること。
一 租税特別措置については、その政策課題の緊急性、効果の有無、手段としての妥当性、利用の実態等を十分吟味し、今後とも徹底した整理合理化を推進すること。
一 公示制度の廃止に伴い、今後の税制改革に資するため、税務に関する統計情報の在り方について検討すること。
一 急速に進展する高度情報化社会において、経済取引の国際化・複雑化及び電子化等の拡大に見られる納税環境の変化、調査・徴収事務等の業務の一層の複雑・困難化による事務量の増大、納税者の納税意識の維持・向上の必要性にかんがみ、更には、徴税等真に必要な部門には適切に定員を配置するという政府の方針に配意し、今後とも国税職員の処遇の改善、機構・定員の充実・確保を行うとともに、職場環境の整備及び事務に関する機械化の充実に特段の努力を払うこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/13
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014・池口修次
○委員長(池口修次君) ただいま櫻井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/14
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015・池口修次
○委員長(池口修次君) 多数と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、谷垣財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。谷垣財務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/15
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016・谷垣禎一
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/16
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017・池口修次
○委員長(池口修次君) 次に、国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/17
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018・池口修次
○委員長(池口修次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/18
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019・池口修次
○委員長(池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414370X01020060327/19
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