1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年三月十六日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月十五日
辞任 補欠選任
平田 健二君 平野 達男君
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出席者は左のとおり。
委員長 世耕 弘成君
理 事
景山俊太郎君
森元 恒雄君
山本 順三君
高嶋 良充君
内藤 正光君
委 員
尾辻 秀久君
柏村 武昭君
椎名 一保君
二之湯 智君
山崎 力君
吉村剛太郎君
伊藤 基隆君
高橋 千秋君
那谷屋正義君
平野 達男君
藤本 祐司君
蓮 舫君
魚住裕一郎君
澤 雄二君
吉川 春子君
又市 征治君
長谷川憲正君
国務大臣
総務大臣 竹中 平蔵君
副大臣
総務副大臣 山崎 力君
大臣政務官
財務大臣政務官 野上浩太郎君
政府特別補佐人
人事院総裁 佐藤 壮郎君
事務局側
常任委員会専門
員 高山 達郎君
政府参考人
人事院事務総局
人材局長 鈴木 明裕君
総務大臣官房総
括審議官 荒木 慶司君
総務省行政管理
局長 藤井 昭夫君
総務省自治財政
局長 瀧野 欣彌君
総務省自治税務
局長 小室 裕一君
文部科学大臣官
房審議官 山中 伸一君
厚生労働省雇用
均等・児童家庭
局育成環境課長 東 泰秀君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/0
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001・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、平田健二君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/1
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002・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に人事院事務総局人材局長鈴木明裕君、総務大臣官房総括審議官荒木慶司君、総務省行政管理局長藤井昭夫君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、総務省自治税務局長小室裕一君、文部科学大臣官房審議官山中伸一君及び厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長東泰秀君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/2
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003・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/3
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004・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/4
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005・高橋千秋
○高橋千秋君 おはようございます。民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
今日は、地方税法、地方交付税法の質疑ということで、実は私、過去四年間、代表質問、この法案について四年間連続、代表質問をさせていただいたという経過がございまして、片山大臣や麻生大臣それぞれに質問をずっとさせていただいて、地方税法、地方交付税法、地財計画、そのことについて私、何度もやっていますが、田舎出身ということで、地方を大事にするために我々頑張らなきゃいけないということで、このことについてずっと質問に立たせていただいているんですけれども、今日も短い時間でありますけれども、基本的な話を質問させていただいて、そしてまた同僚議員あと二人、民主党の方、質問させていただきますけれども、いろいろな細かい部分もあるかも分かりませんが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
まず、定率減税の話等も質問通告させていただいておりますけれども、基本的に今の景気の状況ですね、もう御専門家ですので何度も、去年も郵政民営化法案の中で何度も話がありまして、それ以降も、私が見ても多少良くなってきているとは思うんですが、この景気の動向について、大臣、どういうふうに御認識をされているのか、冒頭伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/5
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006・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 高橋委員は三重の御出身で、私は和歌山で、本当お隣同士でございまして、そういう地域のこともしっかり認識しながら今日は御答弁をさせていただきたいと思います。
お尋ねの景気でございますが、実は昨日、月例経済報告が行われました。実は私、ちょっと所要で昨日の会議は出ておりませんのですけれども、景気は回復しているというのが政府の基本的な認識でございます。
これまでの経過もいろいろ振り返ってみまして、やはり企業部門が改善してきたと。これはいろんな形で見られていると思います。特に、企業部門の改善の代名詞として三重県の一部の地域等々がよく引用にもされるわけでございますけれども、重要なのは、その企業部門の好調さが雇用・所得環境の改善を通じて家計部門にも波及してきたという点が大きな点であろうかと思います。まだもちろん家計部門は企業部門より後れております。しかし、それが家計部門に及んでいるからこそ、実は消費も比較的しっかりした動きになってきたというのが現状であろうかと思います。
一方で、もちろん極めて注意を要する要因もあろうかと思います。原油の問題、あろうかと思いますし、また同じ国内でもやはり格差が見られるというのも事実であろうかと思います。格差の中で、その中でもようやくすべての地域で良い指標が見られるようになってきたというのが今の段階でございますので、我々としては、やはり今の景気を是非とも腰折れさせたくない、更にこれが家計に及び、力強く家計に及び、そして地域に及ぶ、そのような形に持っていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/6
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007・高橋千秋
○高橋千秋君 景気の状況については私も近いような認識も持っておりますし、随分雰囲気は変わってきているなとは思います。
ただ、昨日の新聞だったか、全国の収入の額が出ておりましたけれども、東京とそれから沖縄で比べると大体半分ですね、平均でいくと。三重県は幸いにして最近調子が良くて随分上がってきておりまして、昔から比べると随分高位になるようになってまいりましたし、企業進出も随分増えてきて、最近は工業団地の土地がないというような状況にまで一部では実はなってきております。ただ、好調だと言われる私の地元の三重県でも、和歌山でございますから三重県の形は御存じだと思いますが、北の方は大変調子がいいんですが、和歌山に近い南の方は大変調子が良くないということで、同じ収入に関しても北の方と一番南の方では大体百万円ぐらい差があるんですね、同じ県の中で。
先ほど申しました日本全体を見渡すと、東京が四百万ぐらいで沖縄が二百万ぐらいという倍ぐらいの差があると。その差が、小泉総理は格差が広がるのはそう、何というんですかね、悪いことでもないというような御表現もあったようでありますけれども、私はやっぱりこの日本が発展をしてきたのは、なるべくみんながともに生活を良くなるために頑張っていこうという、その先輩方の思いの中で経済発展がしてきた中で、ここにきて、よくずっと言われてきたアメリカ型社会というか、そういう格差の部分が随分広がってきているように思うんですけれども、そのことに対する認識は、竹中大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/7
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008・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、三重県の南部と北部のお話ありましたが、和歌山県も正に同じで、県内では南北問題というような言われ方をすることもございます。世耕委員長は大変よくその辺は御存じでございますけれども。
格差についてですけれども、私はかねてから、これは実は一九八〇年代の後半ぐらいから世界的に格差が広がるような、そういう圧力が働いているというふうに申し上げてまいりました。技術のフロンティアが広がって、そして国際化、グローバル化というフロンティアが広がっていく中で、フロンティアが広がると、どうしても、その最先端を行く人となかなかそのフロンティアに入っていけない人との差が広がるという圧力がどうしても出てまいります。これはもう日本のみならず、世界的な一種の悩みといいますか、解決しなければいけない問題であろうというふうに思うわけでございます。
じゃ、それに対してどのように立ち向かっていったらよいかということを我々考えていかなければいけないわけですけれども、私は、そのためにも、そういう圧力が働いているということを認識した上で、やはり三つのことをやっていかなければいけない。それ以外にもう方法はないのだと思います。
そのフロンティアを止めるということはやっぱりできないわけでありますから、そうすると、まず、すべての人が機会の平等を得て同じように挑戦の機会を得るという、機会の平等を持つということがやはり第一だと思います。第二番目が、今度はその格差がどうしても生じる圧力があるわけですから、いったん生じたとしても、それを固定させないために再挑戦する、そういう再挑戦の仕組みをつくっていくということなのではないかと思います。我々、規制緩和は規制緩和でやるけれども、必要なルールはちゃんとして健全な競争をしてもらう。そして、再挑戦を可能にするために、例えば特区もそうでありますし、一円起業もそうでありますけれども、そういう仕組みをつくっていく。そして、三番目としては、やはりセーフティーネットをしっかりと確保していくと。そのようなこと、三つのことをやらなければいけないと思います。
一番困るのは、もう格差がどうしようもないということで、希望を失ってしまって希望の格差が生まれることだということが専門家によっても指摘されておりますけれども、格差を固定させないように、再挑戦もできる、セーフティーネットはある、そして機会の平等がある、そういう形で世界的なこの格差への圧力に対して私たちは備えをしていかなければいけないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/8
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009・高橋千秋
○高橋千秋君 その圧力があることに対して、当然どう手を差し伸べるのかということが私は大事なことだろうと思うし、それから、どうもがいても競争社会の中で生き残れない人というのは当然出てまいります。これはいろんなところで言われてきておりますけれども、幾ら頑張ってもやっぱりどうしても助けられない人というのは出てくるわけで、それを助けていくのがやっぱり政治の世界だろうと思うし、国や行政の役割だろうと思うんですね。だから、そこを是非考えていただきたいなというふうに思うんですが。
というのも、今回のこの地方交付税法にしろ地方税法にしろ、地方からはかなりやっぱり不満が出ております。出ているところは、特にどうしても何ともならないというところからは、このままだともうそのまま野たれ死んでしまえというようなことかというようなことまで言うようなところもございます。
その意味で、是非、総務省は地方の味方だと思いますので、是非そのことを考えていただきたいなと思いますし、敵だと思いませんが、財務省の方から同じような認識を持っておられるかどうかを御確認をしたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/9
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010・野上浩太郎
○大臣政務官(野上浩太郎君) お答え申し上げます。
私も富山県出身でございまして、地方出身でございますが、今の竹中大臣と同じような認識、財務省持っておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/10
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011・高橋千秋
○高橋千秋君 その割にはやっぱり地方に厳しい圧力がやっぱり財務省からは掛かっているというふうに認識をしておりますので、是非竹中大臣、立場が変わりましたので、抵抗を是非していただいて、ここでは抵抗勢力に是非なっていただきたいと思いますが、その心意気をまず御確認だけさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/11
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012・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 高橋委員がおっしゃった、やっぱり同じだけ頑張ってもその結果が違ってくる場合があるというのは、これはもうそのとおりだと思います。特に、総務省として地域の行財政についていろいろ見させていただいていますと、やっぱり元々の資源の賦存状況が違うわけですね。同じ人が、例えば東京と和歌山で同じような企業化の努力をしても、東京にはいろんな人的なネットワークがある、そして高速道路も空港も近い、世界にすぐ行こうと思ったら海外にも行ける。それはまあ恐らく地方の、特に郡部と言われる方とはやっぱり違う、非常に大きな資源の賦存状況の差であると思います。そうしたことに対してはやはりちゃんと配意をしていかないと、これ、健全な国民生活ということにはなっていかないというふうに思います。そういう観点は、総務省の行政の中では大変踏まえるべき重要な点だというふうに考えておりまして、我々の懇談会、私の懇談会でもそのことについてはしっかりと議論をしていただいております。
私自身は、そういうことを申し上げると、諮問会議等々でしっかりと申し上げるということと、加えて、これからいろいろ御議論いただくと思いますけれども、交付税というのはやはり地方固有の財源であって、そして最終的に地方が歳出を行うための言わば国全体で見ると中間的な支出なわけですから、それを何か最終支出と勘違いして、それを減らせ、減らせというねらい撃ちのような議論は非常に困ると。財務省がそのように全員が言っているというふうには思いませんけれども、やはり諮問会議の中でもそういうふうにちょっと勘違いしているのではないかなと思われる議論が結構出ますので、私としては、諮問会議では最近、私、嫌われ者だと思いますけれども、随分といろいろ声を張り上げてそのような主張はさせていただいております。そして、その姿勢は是非貫きたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/12
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013・高橋千秋
○高橋千秋君 是非貫いていただきたいと思いますし、さっきの勘違いという部分ですね、そこに振っていただきましたので、その交付税の方を先にやりたいと思いますけれども。
某閣僚の方が、仕送り先が何か、牛どんだったか何とかを、うな重か、うな重を取るようなものだという話をされたそうなんですけれども、それこそ正に勘違いだと思うんですね。それは正に国の金を上げていますよという感覚でそういうことを言っていると思うんですよ。さっき大臣が言われたように、地方固有の財源だということであればそういう発想は出ないはずなんですね。だから、そこを是非勘違いしないように某大臣にも言っていただきたいと思うんですけれども。そういう認識がやっぱり内閣の中にもないんではないかなと私は少し心配をしておりますし、特に財務省の方からはそういう部分についてどんどん削れ、削れという圧力が随分掛かっているようでありますので、是非それに対しては認識をさせるように努力をしていただきたいと思いますが、財務省の方はそういう認識でよろしいでしょうか、地方交付税は地方固有の財源だということで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/13
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014・野上浩太郎
○大臣政務官(野上浩太郎君) 今お話がございましたとおり、地方交付税につきましては地方の固有の財源であると考えて差し支えないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/14
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015・高橋千秋
○高橋千秋君 もう少し深く言ってほしいなというのはありますが。
実は、元旦に三重県の場合は合併が、取りあえずこの法律の枠の中での合併は終了いたしました。それで六十九あった市町村が二十九に三重県の場合はなりました。それに伴う選挙が行われたりして、正月早々いろいろ大変だったんですけれども、その中で、大変残念なことに、二月の末に三重県の伊勢市の市長が亡くなられまして、これは自殺という大変残念なことだったんですが、十一月の末に当選をされたばかりでございました。つまり、合併に伴う、元々は伊勢の市長だったんですけれども、合併に伴って新市長になって三か月だったんですね。やはりかなり、まあいろんな要因はあったと思います、これは。自殺ということでありますので、本当の理由のところは分かりませんけれども、いろいろ周りから見ると、やはり財政状況厳しい中でいろんな圧力が掛かって、それを思ってそういう行動に出たという声もありますけれども。
実は、全国で三人その合併に伴うことで自殺されているんですよ、首長が。この数が多いか少ないかは何とも言えませんけれども、非常にその財政が厳しい中で、合併というのは皆さん御存じのように臨時的な救済策みたいなところがあって、金がないんで合併をしなきゃいけないということからずっと来ております。今千八百台ぐらいになったようでありますけれども、大変地方の財政状況が厳しいというのは、合併したからって急に良くなるわけではなくて、何とかしばらくもつというような状況をつくっているにすぎないんではないかなというふうに私は認識しているんですけれども。
ここ数年、三位一体改革と称して片山大臣、そして麻生大臣に引き継がれて、竹中大臣が総仕上げになるのかどうか分かりませんけれども、その三位一体改革が今進んでおりまして、この地方税法も地方交付税法もその中の一環でありますけれども、地方側から見ると、確かに税源移譲が進んだりということで、三兆円という税源移譲が数字だけは何とか達成するということなんですけれども、どうも数字ありきで中身がほとんど、地方側からいうと望んでいるものは余り来なくて、別にもらっても仕方ないよというような部分が来ているんではないかと、そういう不満が大変多いんですけれども、いわゆる地方の裁量がほとんど利かないようなものの税源移譲だけが進んでいるというふうに地方の声が非常に強いんですが、このことに対してはいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/15
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016・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、本当に地方の財政状況厳しいと、その中で合併をして新しい道を歩もうとして大変御尽力しておられる方が多数おられるというふうに私も認識をしております。合併だけで物事が解決するわけではもちろんありません。合併をひとつ、しかし重要な手段にして更に前に進んでいただきたいなという思いでおります。
高橋委員お尋ねの、裁量がやっぱり広がっていないことが今回の三位一体の改革の一つの問題点として残っているのではないかという御指摘でございますけれども、御承知のように、今回四兆円を上回る国庫補助負担金を改革した、そして約三兆円の国から地方への税源移譲を行ったと。それが一つの成果ではございますけれども、その改革案の、特に補助金改革案の中には補助率の引下げ等が含まれていると、これは地方の自由度は高まらないのではないかという御批判があることは私ももう十分に承知をしております。
ただ、その一方で、例えば公立保育所の運営費でございますとか、学校、社会福祉施設の施設整備費、これ等は一般財源化いたしました。施設費については、これは財務省から、これは国債が財源だからなかなかそれは要するに一般財源化できないという、地方の一般財源化はできないというお話があったんですが、今回初めてそれに突破口を開いた。これはやはり、地方自らの創意工夫と責任で政策を決められるという、そういう幅をこれは拡大するものであっただろうというふうに思っております。
同時に、税源移譲を行っておりますので、地方税収は、これはもう国の財政状況にかかわらず、この地方の自主財源として安定的に確保されていくということでございますので、これは今後いろんな形でこれを安定的に確保して活用するということが私は期待されるのであろうというふうに思っております。そのような意味では、その自主財源の強化、補助金改革による地方の自由度拡大と合わせて、全体として地方分権に資するというものにはなっているというふうに思います。
地方団体からも、そのような御評価をいただいているというふうに思っておりますので、百点満点とはなかなかいかなかったわけでございますけれども、全体として地方の自由度を拡大する方向には何とか進められたのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/16
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017・高橋千秋
○高橋千秋君 多分、大臣にはいい評価しか多分行っていないのかも分かりませんが、厳しい評価の方が私は多いように思いますので、是非その辺も考えていただきたいなと思うんですが。
一つ、やっぱり基本的な部分で先にやらなきゃいけないことは、竹中大臣も小泉総理もいつも言われている、民にできることは民に、地方にできることは地方にという部分なんですが、耐震偽造の問題がありましたけれども、民にできることは民にといいますが、民がやっていいことと、やっぱり民がやるべきことじゃなくて官がやるべきこと、それから地方がやれるけども、国がやっぱりやるべきことというところのその役割分担というのが、きっちりやっぱりもう一度見直さなきゃいけないんではないかなというふうに思うんですね。
我々も、その国と地方の役割分担というか、国がやるべき仕事、最低限やるべき仕事、それから地方がやるべき仕事をきっちりと今分析をしている最中なんですけれども、それをやっぱり政府としても、当然国の方は、自分たちの権限やそういう財源というのはなるべく手渡したくないという思いは働くのは当然だと思うんですけれども、やっぱり国のこれからの将来のことを考えれば、十年、二十年という近い将来のことも考えると、やっぱり今の段階で国がやるべきこと、地方がやるべきこと、それができるかどうかじゃなくて、やるべきという部分をやっぱりちゃんと分類をして、地方と国がその意識を共有できるようにすべきだと思うんですが、そういうお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/17
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018・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、高橋委員がおっしゃった点については、私はもう全面的にそのとおりであるというふうに思っております。
地方分権に向けた改革に終わりはないという信念の下に、我々は更に地方の自立と責任を確立するための取組を行っていきたいわけでございますけれども、そのためにはやはり、どうしてもこの今御指摘の原点に返らざるを得ないのだと思います。国と地方の役割分担、そして将来の国と地方のあるべき姿、そういう根本的なところについて、やはり共通認識を持つ必要があるのだと思っております。私としては、正にそうしたビジョンを描くために地方分権二十一世紀ビジョン懇談会を設置しまして、この地方の行政、財政制度について幅広い議論をお願いしたいというふうに考えているわけでございます。
もう一つ、それとやっぱり、共通の認識というふうにおっしゃいましたけれども、これは総務省だけでできる話ではございませんで、そういう点も踏まえて、私としましては、総務大臣とそして地方六団体との懇談の場というのがございますので、その場でもう、これは十一月だったでしょうか、私の方から地方六団体の方にお願いをいたしまして、私たちもそういう検討をするので地方でもそういう検討をしてください、そしてその議論について、議論をお互い深めましょうと、先般のこの懇談会では、ともにメンバーで少し議論をしてみようかと、ぼつぼつそういう段階に行こうかというところも意見交換をしております。
これは大変難しい問題ではありますけれども、やはり委員おっしゃったような、国と地方のそもそもの役割分担、国と地方のそもそもの在り方、そしてそれに対しては、総務省の我々の考え方、そして地方六団体の考え方、これを意見を、共通認識を持てるように意見交換をして議論を深める、そのようなプロセスにこれから、少し時間は掛かるかもしれませんが、入っていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/18
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019・高橋千秋
○高橋千秋君 三位一体改革論議の中で、三兆円という数字がまずあって、その中で論議になったのが、生活保護費というのがありました。
結局、地方側からは、それはもう国の責任でやってもらえばいいものだ、だけど三兆円を達成するためにはこれを何とかしたいという国側の思いがあって、まあすったもんだがあって、その経過はもうよく御存じのことだと思うんですけれども、やっぱり数字ありきじゃなくて中身だと思うんで、さっき大臣も言われたように、国がやるべきこと、地方がやるべきこと、その六団体との協議は当然だと思いますけれども、そういう部分の認識をやっぱり共有できるようにしていただきたいなと思うし、もう一つは、さっきから何度も言っておりますけれども、その財務省とのやっぱりやり取りの問題があって、そういう中に共有、意識の共有は是非財務省にも持っていただきたいと思うんですよね。
そこに大きな壁が私はあるような気がしているんですけれども、これは両方にお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/19
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020・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) それはもう御指摘のとおりで、閣内で、関係省庁でしっかりと共通の認識を持たなければいけないというふうに思っております。そういう場を、オープンに話し合う場として、その経済財政諮問会議というのがございますので、その場で今歳出歳入一体改革、これはこれとしてやはりまた結論を出さなければいけませんので、私としても、谷垣財務大臣と一生懸命議論を重ねているところでございます。
そのほかに、もちろん事務方で常にそういう議論を一生懸命やっているというふうに聞いておりますけれども、そこは閣内で、国と地方の役割について、まあ地方の改革というふうによく言われますけれども、地方財政の改革というのは実は国の財政の改革ともう表裏一体、コインの両面みたいになっているわけですので、そこはそういう認識の下に総合的な議論を是非してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/20
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021・野上浩太郎
○大臣政務官(野上浩太郎君) 今御議論のございました、国と地方の役割分担を明確化していくということは大変重要なことであるというふうに思っております。
そういう認識の下で、省庁間でしっかりと連携を取っていくということも大切なことであるというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/21
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022・高橋千秋
○高橋千秋君 もっとしゃべっていただいても結構なんですが。
地方税制の問題で、実は地元の県からも要望が来ているんですけれども、いつも大体この時期にこの審議をやるんですね。これは我々の問題だとも思うんですけれども、審議は大体三月のぎりぎりぐらいまでやって、それが県の方に下りていくわけですけれども、県側から見ると、定例会に間に合わないんで、いわゆるちゃんと議会にその条例改正をかけずにやっていかなきゃいけないという、まあこれは実務的な話になってくるんですけれども、もう少し早くやれないかと、早くやってほしいと。
昨年の場合も、地方交付税が予想以上にどっと減ったというようなことがあって随分地方から文句が出たんですけれども、ぎりぎりまで分からないと、それでは困るという声があるんですけれども、大臣どうお考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/22
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023・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、各地方団体におきましては、毎年地方税法の改正法の成立後、年度内にそれぞれの地方税条例を改正する必要があるわけでございます。改正法案の成立、交付の時期が三月末近くにどうしてもなってしまいますので、地方団体においてはやむを得ず専決処分によって条例を改正することが多いのが実情だというふうに聞いております。地方団体からは、この税条例の改正に係る議会での審議の時間が十分確保されるように、地方税法案の改正時期について要望が出されているというふうに承知をしております。
この地方税法の改正法案については、国会において当然慎重に御審議いただくことが必要なわけでございます。一方で、地方からのこうした要望が出ているという状況の中で、我々としましては今回のそうしたことも含めて、是非今回の改正法案についてできるだけ早期に成立するようにお願いをしたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/23
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024・高橋千秋
○高橋千秋君 冒頭の方の話ですけれども、その地方交付税法というものの認識なんですけれども、やっぱり誤った認識をされているんではないかということなんですが、そういう誤った認識というのは、いったんやっぱり国の中に入って、一般会計の中に入って交付税化していくということなんですが、これを地方から見ると、その誤った認識されないために交付税特会にもう直入すべきじゃないかという、そういう声があるんですけれども、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/24
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025・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のその交付税特別会計への直入れというか直接繰入れにつきましては、かねてからこれ、地制調の答申等におきましても御指摘をいただいているところでございます。
総務省、我々としては、これは地方固有の財源でありますこの地方交付税の性格を明確にするという見地からも、交付税特別会計への直入の実現を図ることが望ましいというふうに考えているわけでございますけれども、一方で、これについては交付税を一般会計からこれ除いてしまいますと、国の一般会計において主要税目の状況を一覧性のある姿で示せなくなるという意見もございます。今、野上さん隣でうなずいておられますけれども、そういう意見もあると。したがって、国庫当局との合意を見るには至っていないというのが現状でございます。
平成十三年六月の地方分権推進委員会の最終報告におきましても、しかしこれは検討を行うべきだというふうに指摘をされておりますので、我々としては今後も引き続いて検討してまいりたいと、その問題については検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/25
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026・高橋千秋
○高橋千秋君 私は交付税という名前自体が何かこう、上げているみたいな雰囲気があって、そもそもが余り納得していないんですけれども。まあ名前はともかく、やっぱりそういう意識を是非持っていかなければいけないんだろうなというふうに思うんですが。
この合併の問題だけではないんですが、昨年国勢調査が行われて、人口の調査が行われたわけでありますけれども、それに伴って交付税の算定等も決まっていくと思うんですが、三重県でも人口がそろそろ減り始めております。さっき申しましたように、北と南では随分違って、北の方は工場も増えて人口も増えているんですけれども、南の方はもうどんどんどんどん減っていって、人口がもうかなり少なくなってきている。おまけに、合併したくてもできない町村というのが幾つかあります。三重県で言うと鳥羽市というところがそうで、志摩市と伊勢市のちょうど間に挟まって、どっちからも財政のことを考えて要らないって言われているんですよね。要らないと言うと失礼ですが、どっちも合併してくれないんですよ。これは合併したくてもできない。そういうところが、これはもうかなり今も三重県でも幾つかあります。どんどん人口が減っていく、財政はどんどん厳しくなっていく、交付税もどんどん減っていくということになると、もう生き残る道がほとんどなくなってくるんですね。
当然、リストラ、リストラというか、いろんな部分で経費削減は一生懸命やっているんですけれども、それでも追っ付かない状況になってきているんですね。こういう中で交付税がどんどん減っていくということに対して、やっぱり何か救済策をどこかで考えていかなければならないと思うんです。
これは合併の論議をするときにも何度か出た話で、どうしても合併できないところの対策をどうするのかという、この交付税のことだけじゃないんですけれども、そういういわゆる生き残りのためにそういう地域の方々を見捨てるというわけにはいきませんから、何らかの対策をしていかなきゃいけないんですけれども、そのことについてどうお考えでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/26
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027・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 大幅な人口減の地域、とりわけ合併できない地域の小規模町村、そうした地域への対応というのは大変重要であるというふうに問題意識は持っております。
人口に関して申し上げますと、この交付税の算定に用いる人口というのは最近の国勢調査人口を用いることというふうに地方交付税法でされているわけでございまして、平成十八年度の算定からはこの平成十七年度の国勢調査人口を用いるということにしております。
市町村において人口減となるところが見込まれてくるわけでございますけれども、これは例えば消防費でありますとか社会福祉費等、これは人口によって算定する行政費目でございますけれども、これはやはり人口が最もその財政需要を反映する。基本的には人口が減少している団体におきましては、その財政需要それも減少していくということも事実なんだろうと思います。しかし、人口が急減している団体については、それに対応して歳出の削減を直ちに行うことができないというのも現状だと思います。これは、職員数とか施設費とか固定費的なものが当然あるわけですから、人口が減少してきたから、それに比例的に、プロポーショナリーに財政需要が減っていくということには、これはならないわけでございます。
そうした人口急減地域に対しては、この人口急減補正というのを適用しておりまして、この変化が緩和されるような措置を我々としてもとっております。この平成十八年度算定においても、これによりまして、合併に至ることのできなかった小規模の町村を含めまして人口の急減する市町村の財政運営に支障が生じないように対処をしたつもりでございます。
今後ともいろんなケースが考えられると思いますので、必要な地方財源を的確に確保するというこの交付税の趣旨を踏まえまして、地方の意見もよく聞きながら適正な算定を行いたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/27
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028・高橋千秋
○高橋千秋君 この地方交付税の税率の計算方法、国税五税の算定方法も含めて、やっぱり見直さなきゃいけないんじゃないかという声もあるんですけれども。
三重県の場合は企業が増えてかなり税収が伸びてきておりまして、その意味では、まあ他県に比べるとまだいい方かも分からないんですが、税収を伸ばすために一生懸命企業誘致したりいろんな努力をしているんですね。ところが一方で、交付税が減らされてくる中で、一生懸命税収アップを図っても、全体を考えると、その差額はマイナスになってしまうというところが多いというふうに聞いているんですけれども、これをどのように考えられるのかなというふうに思うんですが、一生懸命努力しても結局マイナスになってしまうようなところが多く出てきているように聞いているんですけれども、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/28
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029・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 税収、頑張っていろいろ努力をしても税収の増加よりも交付税の減少が上回ってしまう場合がある、それをどういうふうに考えるかというお尋ねなわけですけれども、これは、交付税は法令によって義務付けられた標準的な行政水準を確保するために必要な基準財政需要額が一方にあって、そして標準的な税収入の一定割合である基準財政収入額があって、それを差し引いたものになっている。したがって、この交付税の増減の要因というのは、需要の側、収入の側それぞれありますので、この両方についてしっかりと分析をしなきゃいけないわけでございます。
各都道府県において予算審議が行われている今の段階では、個別の算定というのは、これはまだできてないわけでありまして、地方税収と交付税額をどのように見積もっているかというのは、ちょっと私たちもまだ把握をしておりませんけれども、いずれにしても税収の増加よりも交付税の減少が上回る都道府県があるかどうか、あるいはその原因等については一般論でしかちょっとまだお答え申し上げられないわけでございますけれども、例えば平成十八年度の交付税算定におきましては税収がどうかということの動向がございますけれども、さらに三位一体の改革に伴うその財政力格差の拡大を交付金で調整するために所得譲与税を、これは基準財政収入額に一〇〇%算入しております。だから、その増減がどうなっているかということを考慮しなければいけないという要因もあろうかと思います。
そして、算定に用いる人口を平成十七年度国勢調査人口に置き換えることとしているわけですけれども、都道府県分の算定におきましては、簡素化の観点から、市町村分とは異なって、これは人口減に対する、先ほどちょっと御紹介した激減緩和の措置を都道府県については講じていない、市町村については講じているんだけれども都道府県については講じていないという、そういう事情もございますので、そういうことをちょっと総合的に、個別について詳細が固まった段階で分析する必要があると思っております。
いずれにしても、この算定に際しましては、必要な地方財源を的確に確保する、的確に保障するというこの交付税制度の趣旨を踏まえて我々としては対応してまいりたいし、また、地方団体の意見を十分に伺いながら対応してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/29
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030・高橋千秋
○高橋千秋君 この地方交付税の法定率の見直しというのが適切に行われてこなかったんではないかという声もあるんですけれども、これについていかがお考えでしょうか。これは質問通告しておりませんので、もし、御意見で結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/30
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031・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) まあいろんな御意見、要望を我々も地方等々からいただいております。これについて、当然のことながら、大幅な財源不足が見込まれる場合にはこの法定税率そのものを見直さなければいけないというふうに私たちも考えております。前回の補正の議論のとき、そのことも少し御議論いただいたというふうに記憶しておりますが。
同時に、今、国と地方全体が大変な財政赤字、国も地方も両方本質的な意味でのその税源が不足しているというような状況の中で、毎年毎年その必要に応じていろいろ状況に合わせた対応をしているというのが現状でございます。しかし、今後、広い意味での税源配分は、これは私はやはり見直していかなければいけないし、是非そうした議論は表に出して、この二十一世紀ビジョン懇談会の中でもしていただきたいというふうに思っております。
さっき委員が、国と地方の本来の役割は何かというふうにおっしゃった。それと同時に、それに必要な税源をどう確保するかという意味での税源配分の議論というのは、これはもう必然的に行われなければいけない議論であるというふうに思っておりますので、全体としてしっかりと議論を進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/31
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032・高橋千秋
○高橋千秋君 質問通告をしてなくて恐縮なんですけれども、それに関連してなんですが、そういう算定の基礎となる国税五税の部分ですね、ここの部分で、法人住民税と国の側の消費税の地方税部分を入替えしたらどうかという、そういう声もあるんですね。それとか、いわゆる財政調整積立金のような形で交付税調整基金みたいなのを作ったらどうかとか、そういう声もあります。
これはもう地方の方からいろいろ提言として総務省にも幾つか出ておりますけれども、これ質問通告しておりませんので御感想で結構ですけれども、具体的なこういう法定率の見直しに対して地方から幾つか提言が既に出てきております。これに対して総務省としてどうお考えなのか。これは大臣の感想でも結構ですけれども、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/32
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033・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に大きな問題でございますので、今の段階での、ちょっと個人的な思い程度しかお話しできませんですけれども、ちょっと局長が心配して今耳打ちをされましたですけれども、まず住民税、消費税、これはいろんな御議論があろうかと思います。ただ、これは地方については応益性の原則、地方税については応益性の原則で、国税については応能原則でということで、税体系全体の中でやっぱりしっかりとした議論をしなければいけないんだと思います。
なかなか税の話というのは、パーツだけの議論をすると、やっぱり体系の整合性、コンシステンシーというのは崩れてしまいますので、なかなか部分の議論は難しいのではないかなというふうに思っております。その意味でも、やはり先ほど委員がおっしゃったような、国と地方のそもそも論をやって、そしてそれの税源をどうするかという大きな枠組みの中での議論を私としてはさせていただきたいなと思っています。
交付税の調整基金のお話ございました。ちょっとそれ私どういうものか、イメージもよく、余り分かりませんのでコメントできませんですけれども、交付税が多分、やはり税源の偏在、先ほど言いましたような資源の賦存状況の偏在の中でそれなりの調整機能を果たさなきゃいけないという思いからそういう何か調整の仕組みを提言しておられるのだと思います。これは当然のことながら、そういう調整の仕組みというのは今後ともこれは極めて重要なわけでありまして、それの一形態としてどのようなものが考えられるのかということは幅広く検討しなければいけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/33
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034・高橋千秋
○高橋千秋君 今回の三位一体改革の中で税源移譲がそれぞれの県にされたわけでありますけれども、よく三重県の知事が、どこまで本当かよく分かりませんが、裏取りをしないんで。税源移譲によっても、結局自由に新たなことに使える額というのは数億にしかならないという話なんですね。
その地方交付税のそもそもの考え方というのが地方交付税法第三条第二項の趣旨で、国は、交付税の交付に当たっては、地方自治の本旨を尊重し、条件を付け、またその使途を制限してはならないというふうに定められておりまして、言わば、冒頭の話に戻りますけれども、そもそもが、国がその地方税を代わりに取って、それぞれの差が当然出てくる中でうまいこと配分、配分と言ったらまた元に戻ってしまいますが、うまく調整をしていくという機能がやっぱり一番大きなところだと思うんですけれども。その意味で、どうも義務的部分だけ財源保障すればいいんじゃないかというような、そういう考えが、これは財務省の中かも分かりませんが、あるのかなというふうに思うんですね。これは質問通告しておりませんので、そこにないと思いますが。
そういう意味で、やっぱり国の今回のいろいろな三位一体改革のそもそもの考えが、まず国の財政改革を先行しようとしてて、地方がどうもないがしろになっているんではないかという思いがやっぱり地方から物すごく強いんですよね。その意味で、さっきの法定率の見直しとかいろんな部分についてやっぱり早急に進めていただきたいと思うし、最初の方で言いました、国と地方の役割分担をきっちりと意識が共有できるようにしていくということが非常に大事なことになってくると思うんです。
これはもう、高齢化が急速に進んで、地方の変化というのは、都市で建物が建つような変化ではなくて、これ非常にもう深く先行した変化が、都市よりもむしろ地方の方が急速に進んでいるように私は思えてならないんですね。私の住んでいる地区でも、大変田舎ですけども、昔から考えると、風景はほとんど変わらない、だけどそこに住んでいる人たちの構成はもう大きく変わって、子供たちの声はもうどんどん聞こえなくなってきてます。小学校が統廃合されたりだとか、いろんな意味で、地方の荒廃というのは都会で見る見方よりも先行して、非常に早いスピードで変わってきているんですね。
その意味で、やはり地方に対する重点策というのをやっぱり考えていただかないと、日本全体がこれ大変なことになってしまうと思うんです。東京にいると、新幹線で来ると、もう汐留の辺りに来ると、ビルがもうあちこちで工事をしてて、何かすごいなというふうに思うんですが、地方へ行くとそんな世界とはもう懸け離れた世界で今荒廃が進んでいるんですよね。これを止めるには時間が掛かるかも分からないというお話が先ほどございましたけれども、まあ確かに時間は掛かるかも分からない、だけど積極的にその部分を努力をしていかないともう間に合わない段階に私は来ているように思うんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/34
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035・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 地方が本当に変わっているというのは私も実感をいたします。それと、東京との差、差異といいますかギャップというのも、私もまあそれも本当に実感いたします。帰省するたびに、自分がいたころの、住んでいたころの小学校等、まあ本当に大きく変わっていると。もうクラスの数も変わっていれば、もう全部変わっている。また、そうして東京に帰ってくるたびに、本当に品川辺りから、十八歳のとき初めて東京へ出てきて、ああ、東京はすごいなと思ったのとほとんど同じようなことを毎回、今でも実は私も思います。そういう現実をやはり直視してしっかりと政策をしていかなきゃいけないという思いは非常に私も強く持っております。
委員がおっしゃった、三位一体の改革はやっぱり国が中心になって考えているんじゃないかということに関しては、実は同じような趣旨のことを、先般、地方六団体の方に私も申し上げて、国が三位一体の改革をやろうとしていて、それに対して地方が意見を述べるというのではなくて、これは国も地方も一緒に変わるということだから、地方として国をどう変えたいかということも含めた総合的な提案を地方がすべきではないかということを申し上げました。そうしないと本当に、国が考えたことの一部の、まあ下請と言うとちょっと言葉が正確ではないかもしれませんけれども、パーツについてだけ意見を言えというようなことでは私はいけないと思うんです。
その意味では、地方中心になった改革案というのも是非地方六団体には御検討いただきたいし、我々もそうした視点に立って、まあ私たちは国の中で、もちろん国の中で働いているわけですが、そうした視点に立って改革を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/35
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036・高橋千秋
○高橋千秋君 もう時間が来ましたので最後にしますが、おっしゃるとおりで、地方からも当然提言をしなければいけないと。
これは地方の努力は当然しなければいけないと思うんですが、地方から見ると、幾ら提言しても全然聞く耳を持たなければこれは全く意味がないことで、やはり地方からはそういう努力をしなければいけませんが、国側がそれに対して真摯に胸を開いてそれに対応するシステムをやっぱりつくらないと、幾ら地方がわあわあ言っても全く変わらない。これは過去に何度もある話で、この三位一体改革の中でも随分対立があったというのはそういう部分だろうと思いますので、そのことに対してやっぱりきっちりと地方の意見を聞いて、それに対して対応していくんだという、そういう決意を是非持っていただきたいというふうに思います。
時間が来ましたのでバトンタッチをします。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/36
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037・那谷屋正義
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会の那谷屋正義です。
同僚の高橋委員に引き続きまして、議題とされました地方税法案、地方交付税法案並びに〇六年度地方財政計画にかかわる諸課題等について竹中大臣にお尋ねをいたします。
これらの課題の困難さから、私なりに学習を進めたものの、まだ門前の小僧経を読むという、そういう段階でありまして、それを卒業するに至っておりません。分かりやすい簡潔な答弁をいただければ有り難いところであります。
まず、交付税、地財計画からお尋ねをいたします。
ここ数年来の文学界における傑作の一つが、今年映画化もされました小川洋子さんが著した「博士の愛した数式」だと私は思っております。大臣も熱烈なファンだというふうに伺っておりますけれどもタイガース、これは我が同僚の高嶋委員も大臣に負けずにファンだというふうに聞いておりますけれども、そして完全数でもある背番号二十八の江夏豊に寄せる決して揺らぐことのない思いが横糸になりまして、記憶障害の数学者とその身の回りのお世話をする家政婦さんと親子との交流、親愛織りなす日々が節度ある文体で見事に活写されております。硬軟取り混ぜた読書家であられる竹中大臣でございますから既に愛読書の一つになっているかもしれません。落語で言えば、このまくら話をしつらえた上で本題に入りたいというふうに思います。
〇六年度地財計画は、その規模の抑制を図った結果、歳出規模は今年度より約六千億円減の八十三兆円強となり、地方交付税については、自治体への配分ベースで約一兆円減の十五・九兆円とされました。この結果、国、地方で折半対象となる財源不足額は一・四兆円に圧縮をされます。つまりは、この線で総務省と財務省が痛み分けする形で決着を見ることになったわけであります。
一方、地方税、交付税、そして臨時財政対策債などを合わせた一般財源総額は、対前年度比二百億円増の五十五・六兆円と微増を示しています。
全体的なでき上がりについての見解、答弁は既にもう何回も求められ、食傷ぎみと拝察するところでありますが、そこで、先ほど冒頭に申し上げました「博士の愛した数式」のテーマになぞらえて、この数字、額に込められた真理の美、価値をどのように国民に対して説明されるのか、無理難題のたぐいの質問かもしれませんが、竹中大臣らしく明快な答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/37
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038・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 過去五年間でいただいた質問の中で最も難しい質問かもしれません。
正直言いまして、制度そのものがなかなか複雑で、そしてその中に入ってくる変数が多いものですから、それを美しい数式のような形で示すことは、ちょっと私も考えてみたんですがなかなか難しゅうございまして、少し局長にも補っていただく必要があるかもしれませんが。
制度そのものは非常に複雑な中で、私たちは、だからこそそれを全部コンシステントにというか、なかなか説明できないものですから、やはり今回は、これだけは譲れないというライン、正にボトムラインを明確にしようということで予算を編成したつもりでございます。
まあボトムライン、幾つかありますけれども、やはり重要なのは、歳出そのものは、これは国も地方もしっかりと厳しく見直さなければいけない、これは多分重要な一つのボトムラインであろうと思います。そして、一方で、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源は確保しようということであったわけでございます。そうする中で地方財政の健全化を進めるというその方向性を目指したわけでございます。
それで、まあ、じゃ実際数字はどうなったんだという説明をするとまたくちゃくちゃとした説明にどうしてもなってしまうんでございますけれども、計画規模は五年連続、そして一般歳出は七年連続で減、歳出の見直し、そして歳出の抑制と地方税収の増が相まって財源不足が縮小して、結果として交付税が減少する、そのような結果になった。
一方で、安定的な財政運営に必要な地方税、交付税などの一般財源措置は結果的に確保することができた、そして地方債の依存度も下がるという形で財務体質が強化された、それが外から見た一つの姿であり、私たちが守りたかったボトムラインでもあります。
じゃ、その箱の中はどういうふうに数字が動いたかという話になると非常にこう細かくなってしまうんでございますけれども、その意味でちょっと美しく、委員の御希望どおりには全くお答えしていないというふうに思うんですが、そういう枠組みの中で解決策を見いだしたという点については御理解を賜りたいと思います。
数字について、少し局長からもし必要があれば答弁をしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/38
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039・那谷屋正義
○那谷屋正義君 また、追ってやりますので。済みません。
大臣のこの五年間の中で一番の難問だったということの中で、もちろん個々の数字のその美学なりなんなりというものは、今後、そういったことをきちっと肝に据えながら是非いろいろなことに取り組んでいただけることが大事ではないかというふうに思います。
政府は、一般財源総額について、安定的財政運営に必要な地方税、交付税、臨時財政対策債など、一般財源総額を微増とはいえ確保できたと評価をしている、前年度比が二百億円増ということで。しかし、交付税と臨時財政対策債を合わせた総額については〇四年度に三兆円近く削減されており、地方税の増収があるものの大幅削減後の水準が固定化されただけという見方も成り立つのではないかというふうに思います。特に指摘をしたいのが、地方財政対策ポイントという総務省ペーパーにも載せてあります三位一体の改革についての総務省のスタンスであります。
このペーパーでは、わざわざ三位一体の改革の成果として地方交付税改革マイナス五・一兆円と説明しています。しかし、このマイナス五・一兆円には、今指摘をしました〇四年度の三兆円近い削減が含まれているはずであります。これに対する地方団体の批判を受けて、その後は一般財源総額の確保に総務省としても全力を尽くしてきたのではなかったのでしょうか。それをわざわざ成果に含めるというのは地方団体の感情を逆なでするに等しいというふうに思います。あれほど地方団体の反発を受けた地方交付税の大幅削減も含めて成果とするのは、やはり地方交付税を削減すべきであるという大臣の本心が秘められたものという見方も根強いところであります。
大臣は、本当に地方交付税の削減額五・一兆円を三位一体の改革の成果として地方団体に対して堂々と胸を張れるのかどうか、これは今後の地方交付税に対する総務省のかかわり方の基本中の基本になる問題であります。大臣の正直なところの認識をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/39
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040・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常によい、重要なポイントなんだと私も思います、そこは。
三位一体の改革というのは、これはもう言うまでもなく地方の自由度を高めるということ、そして地方の自立、健全な自治、地方でできることは地方でということを率先していくということなわけでございますが、一方で、地方だけではもちろんないわけです、国、地方を通じた財政の健全化を図ると、これもやはり一つの目的なわけでございます。
そういう意味では、実は歳出全般について厳しく見直すということは、先ほど言いました、ボトムラインということで申し上げましたが、やはり改革の一つの重要な柱としてこれはやっぱりちょっと無視できないのではないのかなというふうに思うわけです。非常に大きな赤字を国も地方も抱えていて、このままやっぱり放置をしておくことはできないわけでございますので、それは大きなその改革の一つの目的で当初からあったというふうに思います。
むしろ私が申し上げたいのは、これは成果というのは、これは何の成果かというと、実は地方が頑張って歳出の削減に努めたと、国も地方も努力をしなきゃいけないんだけれども、そういう努力を地方が非常に大きく果たしたぞという意味での成果なんだと私は思います。
委員は今、地方に対して、この成果として胸が張れるのかというふうにおっしゃいましたけれども、私は、先般の諮問会議で、四年間で二十八兆の基礎的財政赤字が今十四兆になったと、そのうち約半分は税収増だけれども、約半分は歳出減だと、そしてよく分析してみると、その歳出減のかなり多くの部分が地方の努力によって実現されたんだと。これはむしろ地方が、私が地方に対して胸を張って言うというよりも、地方の皆さんがその財政論議の中で胸を張っていただけるそういう成果なんだというふうに思っております。もちろんこれに対して、この成果を踏まえて今後議論をしなければいけないわけです。地方はこれだけ歳出を削ったと、それに見合って国がちゃんと歳出を削っているのかと。
今後、じゃ国と地方は、歳出歳入一体改革の中で今後間違いなく国がどれだけ削って地方がどれだけ削ると、これ歳出ですけれども、最終支出ですけれども、そういう議論になってくるときに、やっぱりこれまでの実績というのは、地方の方が削ってきたんだということは私はちゃんと評価されるべきだと思いますし、そういう形で私は議論を是非進めていきたいというふうに思っております。
これ、歳出歳入一体改革の中で、先ほどから何度も申し上げておりますように、地方がもっと減らせという圧力は物すごい圧力として存在をしています。しかし、この四年間やっぱり地方は本当に頑張ってこれだけの成果を上げておられるということは、私は引き続き是非しっかりと主張をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/40
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041・那谷屋正義
○那谷屋正義君 地方の努力でということで今御答弁をいただいたというふうに思います。地方分権というふうなことの中でいうならば、やはりそこには主体となる地方そのものがやはり、その側から見た視点というのが非常に今後も重要視されるんじゃないかなと、されなければいけないというふうに思います。
次に、地財計画を構成する歳入歳出の見込額は、合理的かつ妥当な水準の行政サービスを行うための財源を保障するという地方交付税制度の目的から、地方財政すべての歳入歳出を計上するわけではなく、あくまでも標準的な水準の歳入歳出を計上するものとされています。しかし、現実の問題として、ここ数年間総務省はいろいろ理屈を付けて、今答弁されましたけれども、地方財政計画の歳出の見直しをしてその抑制を図ってきています。となると、一体、標準的な財政需要というのは何なのかということであります。
地方税収の増加があるとはいえ、三年間で五・一兆円も削減できるということは余りに融通無碍ではないかというふうに思うわけであります。このような形で削減できるのであれば、そもそも地方財政計画に計上されている歳出の正当性そのものを疑われても仕方がないというふうにも思われます。簡単に歳出規模が見直されて、それに合わせて地方交付税総額が兆円単位で変動するとなると、地方財政計画あるいはそれに基づく地方交付税の総額について地方団体の理解が得られないこととなっていくのではないでしょうか。
冒頭の数の真理、価値という観点からも、地方財政計画の適正な歳出規模とはそもそもどのようなものなのか、大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/41
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042・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) これも本質的な大きな質問でございまして、地方財政計画の適正な歳出規模いかんということでございますが、地方財政計画は地方団体のこの標準的な行政水準を確保すると、そして国家財政、国民経済等々との整合性を確保するという、そういう役割を果たすものであるというふうに認識をしています。
近年、日本の経済財政運営として極めて財政状況が厳しい下で、小さくて効率的な政府を目指すということを考えているわけでございます。そして、そのための構造改革を進めてきたところでございますけれども、その中で、国、地方を通じて歳出見直しをしなければいけないという明確な私はやはり方向があると思います。地方財政は現在でも八・七兆円財源不足を抱えています。そして、平成十八年度末の債務残高二百四兆円と見込まれている。極めて厳しい状況にあるわけでありまして、地方財政計画の歳出についても、厳しい抑制をすることによって財政の健全化を進めるということは、やはりこれは重要な課題であるというふうに思います。
地方財政計画は、国の予算制度でありますとか地方団体の財政運営の動向等も踏まえながら、こうした健全化に向けた要請を織り込みながら毎年度策定しているものでありまして、その歳出規模を一義的に決められるというものではこれはないわけでございます。その意味では、今後とも歳出見直し等に当たっては地方からの意見をよく聞かなければいけない、そして地方財政の健全化への取組については、これは国も地方も協力をして行っていかなければいけない、そういう地方財政計画の基本的な性格を御理解賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/42
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043・那谷屋正義
○那谷屋正義君 地方交付税法第一条の規定にある財政の均衡を図ることを財源調整機能といい、地方行政の計画的運営保障をすることを財源保障機能として整理することが、常識にかなった受け止め方だというふうに承知をしています。地方交付税にかかわる制度設計の目的はこの両機能を働かせることにあります。この本線は一条の規定ぶりからしても明らかであります。そしてこの具体化は、交付税法第六条の規定から、地方財政全体として標準的な行政水準の提供のために必要な財源が確保されることになります。これがマクロ面での財源保障機能であります。他方、義務教育や福祉、公共事業など、国と地方が言わば割り勘的に負担し合うこととされている経費の地方負担分については、交付税において財源保障を行うべきことが特別に法定化されています。これらの規定は、各団体で標準的に見込まれる必要経費についての財源を保障するものであり、ミクロ面での財源保障を指します。
総額配分としてのマクロ、そして個別団体配分にかかわるミクロという、これら両面の財源保障機能について、自治体ごとの懐具合への寄与度はという角度から光を当てて整理すれば、標準的に見込まれる経費については、各地方団体において見込まれる収入の多寡にかかわらず財源保障をするということになります。必要とされる経費が等しいと仮定するならば、収入の少ない自治体には多くの交付税が、収入の多い自治体には少ない交付税が交付されることになる。これによって、各自治体の地方税と交付税を加えた財源は地方税収に比べて格差が縮小されることになります。その手だてとしての財源調整機能であるというふうに考えます。
このように、簡単に言えば何らかの財源を配分することは財源の保障でもあり、それは必ず結果として財源の調整にもなっている。そもそもこの二つの機能は論理的に切り分けることなど不可能だというふうに考えるところでありますけれども、いかがでしょうか。
経済財政諮問会議担当大臣時代の竹中大臣の盟友であった数名の民間議員や財務省に典型的だが、財源保障機能と調整機能が混然一体となっている、あるいは機能分担があいまいなまま運用されているかのような批判がいかに的外れなものかということが分かるというふうに思います。総務大臣としての竹中大臣の現在の方針、姿勢は、かかる民間議員等とは明確に一線を画したものと理解してよいかどうか、見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/43
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044・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、諮問会議での議論を御紹介くださいましたけれども、これは一昨年度だったんでしょうか、確かに財源保障と財源調整の機能を分けるという議論が民間議員から出されました。そして、あれは片山大臣のときでしたか、それ以前、もう少し前かもしれませんですね、それに対して片山大臣からは、それはそんなふうには分けられないよという議論があったことを記憶をしております。私はその行司役というか、当時諮問会議の進行役を務めておりましたですけれども、それで、そういうことが一体できるのかどうかということを是非いろいろ議論をしてくれということを民間議員にも申し上げました。結果からいいますと、その後実は議論は進展していない。進展していないということは、やっぱりこれは現実問題としては明確に分けられないということを、私は民間議員もやはり現実問題としては御理解をされたのではないかというふうに思っております。
先般、自民党の片山幹事長がこの参議院の予算委員会で、これは分けられると思うかということの趣旨を話されて、私たしかそのとき、私は理念的には分からないではないけれども、やっぱり現実にはこれを峻別するのは無理であると思うというふうに答弁で申し上げた、そのような趣旨のことを申し上げたと思います。その意味では、今委員が、那谷屋委員がおっしゃったように、やっぱりこれは切り分けるということは現実に、現実の政策問題としてそれを議論することはこれはちょっと無理があるなというふうに私自身は考えておりますし、その後も民間議員もそのことは余り言わなくなっていますから、まあ議論としてはあくまで理念的な話としてはあるのかもしれないけれども、現実の政策論ではないという位置付けに諮問会議においても私はなりつつあるのではないかなというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/44
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045・那谷屋正義
○那谷屋正義君 その後のというお話があったわけですけれども、実は本日付けの神奈川新聞というのを読んでちょっと驚いているんですけれども、大臣の私的懇談会、いわゆる二十一世紀ビジョン懇談会において、昨日開かれているわけですけれども、有力メンバーの方が、民間議員が、御持論の交付税総額の削減を前提に財源保障機能の見直しや、交付税の配分ルールを人口と面積だけに簡素化することを提案したという記事が載っかっています。まあまあ私的懇談会ということではありますけれども、是非先ほども、最近、竹中大臣はいろいろなところで嫌われ者になっているなどというお話がありましたけれども、是非今の考え方を貫いていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、三位一体改革論議の中で、単独事業に関連して財務省がよく持ち出してきた、国がそこまでの水準を認めていないからという論理に説得力があるかどうかという問題が出てきます。例えば、財務省がよく例に出されます乳幼児医療が典型的な例ではないか。現行の医療制度上負担が求められる乳幼児医療を地方団体が無料化することについて、交付税で措置することはおかしいという論法であります。しかし、少子化対策は今正に焦眉の急になっている中で、子供の医療費の経済負担の問題は深刻な問題という現場の実態があるからこそ、全国のほとんどの地方団体で乳幼児医療助成が行われているんではないかというふうに思います。
国の全国一律のしゃくし定規な制度運営を補完する知恵が正に地方単独事業だというふうに考えます。厚生労働省の少子高齢化対策関係の施策には、そもそも地方単独事業で行われていたものを全国的な事業として位置付けたものも数多うございます。地方分権を推進し、地方の知恵を生かしていくためにも引き続き地方単独事業に対しての財源措置をしっかりと図るべきではないかというふうに考えますが、大臣の見解をお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/45
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046・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 地方が本当にこう知恵を生かすということは正に重要なことであって、それができるような仕組みを我々はつくっていかなきゃいけないということなんだと思います。その上で地方単独事業の財源措置の御質問でございますけれども、法令や補助金等による国の関与、義務付けをできる限り減少させて、そして地方団体が自主的、主体的に事業を実施する範囲を拡大していく、これはもう基本的な視点として我々も当然のことながら踏まえているわけでございます。
地方財政計画の歳入の大宗は自主財源である地方税と、そして地方の固有財源である地方交付税でありまして、歳出全般にわたる効率化に向けた見直しを図りながらも、この地方財政計画においては適切な規模の地方単独事業を計上して、そして地方団体が創意工夫を生かして政策を展開していくための財源を確保するというふうに我々しておりますし、これはもう今後とも必要であるということだと思います。これはもう改めてそういう独自の事業が必要であるというふうに認識しているということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/46
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047・那谷屋正義
○那谷屋正義君 是非よろしくお願いいたします。
一極集中の弊害が顕著な我が国の今後の在り方を展望するならば、農山漁村の生活条件を整備保障することを通じた国土の均衡ある発展は最重要な政策選択の一つになっています。また、自治体間に財政力格差がある以上、国民がどこに住んでいても標準的なサービスを受けられる権利を実質的に保障するために、地方交付税は不可欠な制度であります。問われているのは客観的な指標に基づいて自治体としてのナショナルスタンダード、つまりは標準的サービス水準を確保するためにという原点に返って、不断に交付税制度を見直す姿勢であります。
具体的な改革テーマの第一は、課題の変化や国民ニーズの変化及びサービスの分権的供給システムを維持するという要請に応じたナショナルスタンダードの向上をいかに図っていくかということだと思います。そのためにも測定単位、単位費用、補正係数の時宜にかなった見直しを積極的に進めることは不可欠の要件ではないでしょうか。言い換えると、財源保障の水準及び補正の根拠に代表される算定方法に関する説明責任の確立であります。交付税の算定方式の複雑さや、算定方式決定過程のブラックボックス化といった問題、課題が見過ごしにされて良いはずがありません。
〇四年十一月の経済財政諮問会議において麻生大臣は、交付税の算定方法の簡素・透明化という観点から交付税改革の方針を示されました。単位費用の算定方法や、各自治体ごとの補正係数の詳細が情報公開されて問題が生じるとは思えません。総務省は十分に公開していると主張をするわけでありますけれども、私の周囲の関係者の声を聞くと、やはり総務省が鉛筆をなめているのではないかという認識を持っている方が多いのが現状であります。交付税の算定が職人芸の世界に閉じ込められてきたことについて、それは思い過ごしと言うかもしれませんが、結果責任的な観点から総務省はきちんと反省すべきではないでしょうか。
総務省の改革方針の中でも、簡素・透明化以外にも単位費用の決定、交付税法案の決定などの算定プロセスに地方六団体を参画させること、効率的な運営を促進し、客観的な指標により経営努力にこたえられる算定を実施すること等々、新たな改革手法も明示しております。算定方法の改革について、これまでどのような取組を行い、今後どのように取り組んでいこうとしているのか。
ただし、この改革を進めるに当たって、留意すべき点がございます。それは、基準財政需要額を人口若しくは先ほど申し上げましたけれども面積と単位費用のみで算定すべきだというような単純化と、望まれる説明責任の履行とは似て非なるものだと、明確な問題意識を発揮すべきだということであります。算定方式において単純に人口、面積による配分を重視するだけでは義務教育の教職員数はもちろんのこと、地理的状況や人口構成など自治体の多様で特殊な状況が十分に反映されなくなる可能性は高まると考えるからでもあります。
あわせて、確たる答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/47
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048・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 交付税の算定方法についてのお尋ねでございます。
交付税の算定につきましては、平成十年に閣議決定されました地方分権推進計画なり累次の基本方針におきまして、地方団体の主体的、自主的な財政運営に資する方向で、国の関与の廃止、縮小に対応し、簡素・透明化に取り組むというふうにされておるわけでございます。
これに基づきまして、私ども算定方法の改革を図ってきたつもりでございまして、例えば補正係数につきまして単位費用化をすると、それによりましてきちんと法律で明定すると、そして国会で御審議をいただくというようなこと、あるいは都道府県分の補正係数について、おおむね半減を目指して見直しをしていって、それによって簡素化を図っていく、あるいは事業費補正につきましても算入率をおおむね半分にするなどの簡素化を図る、そのほか算定費目の統合、段階補正の縮小等いろいろな面で努力してきたつもりでございます。
もちろん、その間、地方団体の方から、先ほど御質問がございましたけれども、なお不透明な部分があるというような声があるというお話でございましたけれども、我々といたしましては、総務大臣と六団体の会合で交付税の中身の御説明をさせていただくとか、あるいはそれぞれブロック会議を持ちまして算定方法について申し上げるとか、あるいは交付税法の中で地方団体が交付税の算定について意見を申し出ることができるということになっておりますので、それを受け入れまして地方財政審議会できちんと議論するとか、いろいろな手だてを講じてきたつもりでございます。
なお不十分な点があるという御指摘かというふうにございますが、御指摘のように人口、面積のみで算定するという単純化というのもなかなか、我々としては的確な財源保障という面では難しい面があるというふうに考えておりますので、そういった中で、きめ細かな算定を求める地方団体の声とそれから簡素化を求める全体的な声と、そういったところをきちんとバランスを取りながら更に改革を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/48
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049・那谷屋正義
○那谷屋正義君 是非そうした部分についてこれからも御努力をいただけたらというふうに思います。それをお願いしたいと思います。
今回、政府内で決着を見た税源移譲については〇七年分の所得税及び〇七年度分の個人住民税から適用し、〇六年度においては暫定的措置として税源移譲額の全額三兆円強を所得譲与税で措置するとともに、基準財政収入額に全額を算入することで合意形成が図られたはずであります。ここまでの対応は、三兆円規模の税源移譲というかつて経験したことのない巨額の税源移譲によって個々の地方団体の財政力の格差が拡大しないようにしようという観点からは理解をするところであります。しかし、これはあくまでも個々の団体のミクロレベルの調整であり、整理される補助負担金と移譲される税額がほぼ三兆円で釣り合っているというマクロの前提によるものであります。
ところが、三兆円の所得税から個人住民税への税源移譲という中で、交付税の跳ね返り分、すなわち三兆円の三二%、約一兆円の交付税原資が減少することに対する問題については、総務省は余りに太平楽を決め込んでいたのではないでしょうか。〇四年度に所得税で税源移譲をする方向が決まるに際して、あり得べき事態に備えるという問題意識の希薄さを指摘せざるを得ません。
繰り返して申し上げますが、三兆円税源移譲の結果、要は所得税のへこみによって必然的に派生する法定税率分にかかわる一兆円減収問題は、正に総務省のわきの甘さを露呈するものになったというふうに指摘をしておきます。これをして、鳥取県の片山知事は、先般の衆議院予算委員会公聴会で、だまし討ちと憤ることになったわけであります。
これまでも総務省は、大丈夫、心配要らない旨の答弁を繰り返してきたわけでありますけれども、しかし実際の手当ては三年限定、あまつさえ逓減制という不十分極まりない加算措置にとどまっております。期待できる税収増も見込んだものであり、三位一体改革論議前の〇三年度の交付税水準を確保することに支障はないとの態度ならば、理屈の後付けにもほどがあります。三兆円の税源移譲に伴う交付税原資の減少にかかわる考え方、対処方針についてお聞きをしたいと思います。また、そのような措置、対応策で本当に地方団体に評価されると考えていらっしゃるのかどうか、併せて大臣の確たる答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/49
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050・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 所得税から住民税へ三兆円の税源移譲、これは税源移譲でありますから一つの結果なわけですけれども、その所得税の減少分の三二%、約九千六百億円が、その分地方交付税の減少として今度は逆に跳ね返ってくることになる。この点については実は地方財政対策の中で議論の一つになりまして、交付税の法定率分の減少の影響を緩和することが必要だということで、これはもう認識が一致をしたところでございます。
したがいまして、それへの対応として、本格的な税源移譲が実施されます平成十九年度から三年間、交付税総額に、全部で六千億円ですね、十九年度二千六百億円、平成二十年度に二千億円、平成二十一年度千四百億円を加算することということにしたわけでございます。今後の地方財政については、これは歳出歳入一体改革の整合性を図りながら中期地方財政ビジョンを策定することにこれはもうなっておりますので、そのことは骨太でももう決まっておりますので、できるだけ早期に健全な財政運営が可能となるように努めていきたいと思います。
仮に三年間の特例措置が終了した後も財源不足が生じる場合には、これは地方財政対策を通じて地方財政の運営に支障が生じないように適切にこれはもう対処してまいるわけでございます。
なお、この措置は景気回復によるその法定率分の増も一方ではあるわけでございますから、その中で国も多額の赤字国債を発行せざるを得ない厳しい財政状況にあるという中でのぎりぎりの判断を我々としてもしたわけでございます。
御指摘ありましたように、一部に御批判もあると思いますけれども、多くの地方団体はこのような事情を御理解していただけるんではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/50
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051・那谷屋正義
○那谷屋正義君 一兆円に対して三年間、それぞれ二千六百億円、二千億円、千四百億円でしょうか、そうした額ということの中で、やはりかなり地方財政にとっても大きな打撃であることは間違いないというふうに思いますし、ただ、今三年間の後も適切な対応をというふうなことがございましたので、是非その部分についてはよろしくお願いをしたいというふうに思います。
次に、義務教育費国庫負担金八千五百億円の税源移譲が続く限りにおいては格差問題が永続性を持つことになります。〇六年度における所得譲与税で配分した場合の影響、義務教育国庫負担金との過不足を来す都道府県は、文科省試算では三十九道府県がマイナス措置額となっています。三兆円の税源移譲に伴う義務教等についての見直しについては、その部分についてはきちんと一般財源、税、交付税を確保していくというのが我々のスタンスだと〇四年八月の瀧野局長答弁が明瞭であります。ただし、残念ながら、これまでのやり取りで浮き彫りになったように、地方交付税総額は削減不可避の趨勢にあります。果たしてその確信はどこから来るんだろうかという疑念も募るところであります。いずれにしても、格差が生じる限り、総務省はその穴埋めを行い続ける責務があるというふうに思います。
昨年三月に私が行った質疑でも、「義務教育の教職員配置については、標準法において学級編制や教職員定数の標準が定められており、地方団体には国庫負担金の有無にかかわらずこれを遵守する義務が課せられている」、「一般財源化が行われても地方団体において教育関係予算は適切に計上される」というしっかりした答弁をいただいているわけであります。交付税総額の縮減が声高に叫ばれる逆境にあるわけでありますが、改めてだれもが得心できる明快な答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/51
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052・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回の三位一体改革におきまして義務教育費国庫負担金の税源移譲が行われることになったわけでありますけれども、マクロベースで国庫負担金の削減分を一〇〇%地方税に移管するというふうに、削減分の一〇〇%ですね、移管するということにされたと。そして、団体ごとに生ずる国庫負担金の削減額と税源移譲額との差額については、地方交付税のこの財政調整の機能の強化によって確実にこれは我々としては調整することにしております。先ほど委員は、文科省の試算だと思いますけれども、マイナスになるところが三十九県あるというふうにおっしゃいましたですけれども、繰り返し言いますけれども、地方交付税によってしっかりと調整をしてまいります。
近年、この投資的経費の抑制等による歳出の見直しによりまして地方財政計画の歳出を抑制して、結果として地方交付税が抑制されるというその経緯はございますけれども、この間でも、是非御理解いただきたいのは、法令で教職員配置等の基準が示されている義務教育の教職員の給与費というのは適正に地財計画に計上をして地方交付税を含む必要な一般財源を確保してきたわけでございます。そして、今後もこれを続けていくと、このように対処していくということを御答弁申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/52
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053・那谷屋正義
○那谷屋正義君 教職員配置については、いわゆる標準法があるから大丈夫だというふうなこと、そしてそれについては財政措置を交付税等で措置をするというふうなことなわけでありますが、しかし、今回出されておりますいわゆる行革推進法の中で、総人件費の抑制の問題、そして標準法に基づくいわゆる教職員も例外ではないという、むしろ先行して削減しろというような、そうした総務省の指導があるやに聞こえて、漏れ伝わってくるわけであります。このことは今お話しいただいたことと完全に否定するような、そんな形になっているんではないかというふうに思います。
その部分で、そんなことはないんだぞというふうに、是非おしかりを私は受けたいなというふうに思うわけでありますが。この部分については通告にはございませんけれども、是非もう一度、この総務省答弁の確認という意味で、私のかかわるところとして是非納得のいく答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/53
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054・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の仕組みではこれはもう法令に定められたことはちゃんとやるということにこれはなっているわけですから、そういう仕組みを私たち今持って運用しているわけでありますので、そういう点はしっかりとその法令の枠組みにのっとってこれは当然やっていくことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/54
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055・那谷屋正義
○那谷屋正義君 いや、枠組みにのっとってやるわけなんですが、その標準法の数そのものも更に削減をしろという指導があるやに漏れ伝わってきているわけですけれども、そこのところについて、いやそんなことはないと、これまでのこの三位一体改革の中で、総務省は要するに標準法というものを重視して、それについては地方もしっかり守っていくんだという、そういうふうなことの中でお話をいただいたわけでありまして、その点について、私の漏れ伝わってきていることが、それは違うよ、というふうなことが是非言っていただけたらと思うわけでありますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/55
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056・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、委員に漏れ伝わっていることがどういう内容なのか、ちょっと私はすぐにはもちろん分からないわけでございますけれども、これは標準法そのものの何か枠組みを変えろというようなことを、これは総務省として別に申し上げる立場にもありませんし、そういうようなことがあるというのはちょっと私は聞いておりません。
ただ、これは何をおっしゃっているのかよく分かりませんけれども、当然、児童の数が減ってきたら、これは当然それへの対応というのはその今の法律の枠組みの中で必要になってくるわけでございますけれども、何か指導として法律の枠組みそのものを何かどうこうというのは、ちょっとそういうことを言っているというのはもちろん私は聞いておりませんし、そういうことはないというふうに私自身は承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/56
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057・那谷屋正義
○那谷屋正義君 時間が余りなくなってまいりましたので。是非、標準法を糧にこれまで一つの、義務教育というものの今日本にある公平公正なそういった教育というものを保障するという観点で総務省がこの間来たわけですから、是非それについてはこれからも貫いていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
次に、地方分権推進に当たっては、地方にどういう地方税を渡すかが引き続きの課題になってくるわけであります。地方消費税導入後における悲願の一つであった所得税から個人住民税への税源移譲が一〇%という税率で地方税収としてビルトインできたことは、地方消費税創設に匹敵する成果だというふうに考えます。この土台の上で国と地方が税金をどう分け取りするかという議論を引き続き進めていくことも大切だというふうに考えるところであります。
その一方で、地方団体が課税自主権を行使して自らの責任で財源を確保する取組は、地方自治に望まれる先見性を鋭く問う課題でもあるはずであります。行政サービスについての国による義務付けの度合いにもよりますけれども、地方の自主的判断によって北欧型の高福祉に見合う負担の在り方などの議論が成熟化することも期待できるのではないでしょうか。この選択を行おうとする自治体にとっては、課税自主権が持つ意味が飛躍的な重みを持つことになるというふうに考えます。
課税自主権は超過課税と法定外税創設という二つの手法に大別できます。ニーズに一番近いところできめ細やかなサービス提供を行うべく奮闘する市町村行政の在り方を展望しても、生成発展型の課税自主権がより幅広に認められる必要があります。
本地方税改正案では、地方団体が独自にブラケットの設定を行うことは認められておりませんが、所得の再配分機能の発揮は個人住民税においても要請されるのではないでしょうか。一律の上乗せ税率しか超過課税として認められないとの立場に固執するとすれば、地方分権の旗振り役である総務省として余りにも芸がないのではないでしょうか。これについて答弁をお願いしたいというふうに思います。
また、もう一つ、済みません、道州制の答申が地方制度調査会から提出されたところであります。私の持論としては、ビッグ・イズ・ベストではありませんけれども、しかし大き過ぎるという弊害は十分論議される必要があるというふうに思います。この問題については本委員会で改めてただす機会もあると思われるので、今日は深入りをしません。ただし、ブロック単位での行政圏等を視野に入れたとき、地方消費税とは別建てのアメリカなどの州において実施されている小売段階での売上税、すなわち小売売上税導入の機運が生まれてもおかしくないというふうに思います。
法定外税新設の協議に際して現行の不同意要件に沿うとすれば、地方団体が法定外税としての小売売上税創設を図ることができるのかどうか、明快な答弁をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/57
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058・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) 前段の方の税率の話から入らせていただきますが、御案内のとおり、今回の税源移譲に当たっては、所得税については再配分機能が適切に発揮されるよう、また住民税の方は、累進的な税率構造であったのが、もうちょっとフラットにして応益性とか偏在度の縮小の観点から言わば比例税率化したという問題でございます。その中で、個人住民税については一律に所得に比例した税負担に変更したわけでございます。このことによってこれまで以上に受益と負担の関係が明確になり、個人住民税の性格にふさわしい改革になったわけでございます。
こうした比例税率化の趣旨から、地方団体が超過課税を行う場合でも比例税率によることとし、国税と地方税の役割分担について法律において明確にしたものでございますので、御理解賜りたいと思います。
それから二点目は、大変大きなテーマで、道州制をにらみつつ、小売売上税アメリカ型という御指摘でございますが、御指摘がございました小売売上税多段階累積排除型の付加価値税である我が国の消費税、地方消費税とは異なって、小売段階のみで課税される仕組みであり、アメリカの州で実施されているということは承知いたしております。
それに対して日本の場合に、現在の形は多段階なわけですから、違ったものだから、委員のおっしゃる趣旨は、これを法定外税として導入するのはどうなんだということで、細かく申し上げませんが、御案内のとおり、現在の法律では総務大臣の同意を要することとされており、三つの要件がありまして、その要件に当たると認める場合を除いて同意しなければならないということで、これの当てはめの御議論かと思いますが、実際にこれはその時点で具体的などういった税制を構築するか、あるいはこれの当てはめる側でのほかの税制なり施策がどうなっているか、その辺については今の時点でなかなか一概に申し上げられませんので、具体のお話があった時点でしっかりと慎重に十分検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/58
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059・那谷屋正義
○那谷屋正義君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/59
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060・平野達男
○平野達男君 平野でございます。総務委員会で初めて質問に立たしていただきます。
今日は是非質問さしてくれということで同僚議員に無理やりお願いしましたところ、やってくれという快諾をいただきましたんで、残りの時間をちょっと使わせていただきまして、今日は地方財政計画と、それから、これから、地域間格差ということが非常に問題になっていますが、地方税収の格差が広がってくるんじゃないか、それをどうしたらいいんだということについての主にこの二点についていろいろちょっと議論をさせていただきたいと思います。
まず一点目の地方財政計画なんですが、これは先般の予算委員会でもちょっといろいろ資料を基にして議論させていただきました。今日、その予算委員会で使った資料をお持ちしましたんで、今日は総務委員会のメンバーですからもうほとんど皆様方は御承知のとおりかと思いますが、あえてちょっと、ざっといろいろ、この概要について、私なりの理解しているところをもう一度簡単に説明をさせていただきたいと思います。
資料の一番目が、地方財政計画と地方財政対策の概念図でして、これは毎年地方財政計画をつくりまして、これは先般国会でも報告がされました。御承知のように、標準的歳出と標準的歳入というのを、これ総務省と財務省で協議して決めるということになってます。標準的歳出については、社会保障費以下ずうっとこう、こういう項目がありまして、標準的歳入が、まあこういう項目があります。
この中の標準的歳入の中で、地方税は、これは見込みで決まっていきます。国庫補助金は、国の予算が決まれば同時並行で決まります。地方債は一定のルールがありますから、同時並行で決まっていきます。その他は、まあいろいろあるんでしょう。
それから、あと、標準的歳出の方は、国の予算と地方単独事業、あるいは補助事業のないようなものをこう一応積み上げてということになってますが、実際にはこれ積み上げではなくて、私に言わせれば国の予算と同じで、つかみ金でどんとこう置いとくという、まあそういう仕組みなんですね。そして、標準的歳出と標準的歳入の差が交付必要額として算出されてくると、まあこういう仕組みだろうと思います。
ここまでで大体誤りないでしょうか。一言だけでいいですから。及第点かだけでいいですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/60
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061・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/61
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062・平野達男
○平野達男君 ありがとうございます。
そこで、この交付必要額を更に分けますと、地方交付税、いわゆる法定五税分と、これでは足りないということで財源補てんというのをやります。これが地方財政対策になってるわけですね。
そこで、もう一枚めくっていただきますと、この交付必要額が、この今平成十二年から平成十八年のこの推移になってますが、この縦軸の長さが交付税必要額です。
先ほど言いましたように、国税五税分と足りない分をどうするかということで地方財政対策やるんですが、平成十二年までは国税五税分以外については特会の借入金をやってきたわけです。ところが、これも予算委員会でも言いましたけれども、特会の今借金がもう五十三兆になっていまして、これ以上もうどうしようもないという状況になって、平成十三年から特会の借入金を減らしましょうということで、代わりに一般会計特例加算というのを入れてきたわけですね。
そして、平成十五年に借入金を廃止します。その代わり、一般会計特例加算というのが五・五兆になっちゃったわけです。さあ、この結果どうなったかということなんですが、もう一枚めくってもらいます。
これは、国の一般会計の歳出ベースでありまして、特会ベースの出口ベースの話じゃありません。入口ベースの話です。つまり、国の要するに一般会計予算の中で、財務省が所管する一般会計から地方交付税総額でどれだけ出たかという推移です。十一年、十二年、十二年に借入金を廃止して一般加算を入れていくんですが、十五年になりましたら十七兆まで増えるんです。もちろんこの間に地方税収が減ったとか何かいろいろ議論はありますが、地方交付税等の推移から見ますと、一般会計の圧迫要因になってたんですね。
そして、もう一枚、資料二に戻りますと、平成十六年、十七年、十八年、三位一体改革期間です。一般特例加算をしゃにむにこう落としていくんです。で、総務省に言いますと、多分、多分ですよ、これは地方財政計画しっかり作って、必要額は確保しました、一方で地方税収入も増えてますという説明になるんでしょうが、私は、これは予算委員会でも言いましたけれども、ここにもう財務省の明確な国の意図があるのは、とにかく一般歳出を減らさなくちゃならないと。
ということで、資料三と資料二を見ていただきたいんですけれども、十七兆三千億を十四兆五千億、ここで一般歳出を三兆削ってるんです、約。国の一般会計をですね。これは、地方財政計画というのは、まあ結果的に見るとかなり可塑性があるために、総務省と財務省の、まあ総務省は地方の味方だとか言ってるんですが財務省の顔も見にゃいかぬということなんですが、ある一定の意思が働いたとしか私は見えないんです。
そこで、その地方財政計画のこの在り方なんですが、何でこんなことができるか。一ページ目に戻っていただきますけれども、要は簡単なことなんです。一つは、確かに地方税収が増えれば必要交付額は減ってくる。これは財務省の、総務省の説明です。もっと簡単なのは、標準的歳出を減らせばいいんです。つまり、逆に言えば、標準的歳出があって、標準的歳入があって、交付税、交付必要額だよというふうに言ってますが、財務省が交付必要額を何としても減らしたいとなったら、標準的歳出を減らせばいいんです。
こういうブラックボックスの訳の分からぬところが、訳の分からぬというのは言葉が悪いですけどね、そういう性格がこの地方財政計画にあるわけです。だから、積み上げだどうのこうのというので、必要額、必要計画を積み上げたとは言っているんですが、繰り返しになりますが、スタート地点を国の歳出というふうにやることもできる。今年は五税プラス一般加算はゼロにしますよと言って、だから地方財政計画はそういうふうに作ってくださいとやっているかもしれない。総務省は絶対口が裂けたってそうですとは認めませんよ、そりゃ。そうなったら総務省要らないという話になるから。
それから、ただ、もう一つ、平成十六年に三・九兆、これは一般加算三・九兆合わせると、これ折半で七・八兆。特例加算、特例臨時、臨特債でしたか、七・八兆円あったんです。財務大臣は七・八兆減らしたいと言ったんです。それを三位一体改革の期間にしっかりやっているんですよね。
だから、私なんか人が悪いものだから、三位一体というやつはごまかしで、三位一体、三位一体でやって、これじゃ総務省もたないから税源移譲だという免罪符があって、税源移譲やればいいでしょうみたいに取っちゃいますよ、私は。そんなに私は人は悪くありませんと言うかもしれませんけど、私は、長所、粘り強い、短所、しつこい、趣味、嫌がらせで通してきましたから、そういう取り方しかできない。
地方は、本当にこれ見ますと、何のこと、いや、地方も実はこんなことになっていることは分からないんです。だれもこういう、要するに、だって地方財政計画なんかどうなってるかなんて分かんないから。
ということで、何を言いたいかって、以下なんですけどね、私はこれからこういう状況の中で、資料二を見ていただきたいんですけれども、地方財政計画をこういう中で立てるから、地方にとってみれば地方税、地方交付税総額が幾らになるかというのは分かんないんですよ。予見可能性が全くないんです。
ある日突然財務省が、やっぱり一般歳出の、国の一般歳出は、三分の二の一般歳出は、社会保障費と国債費と地方交付税交付金で三分の二です。これ何回も、もう皆さん御承知のとおりですね。社会保障費はこれ削るったってなかなか削れない、国債費はこれも削れない、債務残高はどんどん増えてますから。ましてや、今回量的緩和解除したら、長期金利は今上がってきてますから、長期金利が一%上がったら、要するに国債の利払い費は一・三兆から一・六兆上がりますから、ぼんと上がっちゃうんです。
どこに、要するに、じゃ、歳出要因求めるかといったら、地方交付税交付金しかないというふうに取る人もいるわけですよ。だから、民間議員だとか何かのいろんな方々は、地方交付税、無駄な地方交付税もっと削っていいんじゃないかというのは、その背景にあるんだろうと思うんです。
与謝野大臣は、地方では、うな重を食ってるという人がいましたけれども、地方は、一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べている地方の自治体だってあるんですよ。それは、そのうな重を食っているのは大阪とか何かあるかもしれない、東京都にはあるかもしれません。
だから、そういう自治体があって、そういう、今、今日は与謝野大臣いませんからこれはまた予算委員会でやらしていただきますが、そういうまあ複眼的に見る必要があるということで、今ちょっとべらべらしゃべって何を聞きたいのかちょっとだんだん分からなくなりましたけれども、要はこの地方交付税総額の予見可能性をまずつくるというのと、地方は少なくともこの五年間はこういう考え方で地方交付税総額が確保されるんだという見通しが付けるような仕組みをつくっていただきたい。
そのためにはどうするか。一番いいのは、国税五税分をもう一回再検討して五年間固定してもらいたいんですよ。そうすると、地方財政計画なんか要らないですよ、もうこんなのは。その中で、予見可能性の中で、あとは配分というのは、これは交付税の配分基準というのは当然これはきっちりとした考え方で、まあいろんなこれ批判ありますから、これはもう透明性と簡素性と公平性ということで確保してもらうということが大事だと思うんですが、そういう考え方が一つあると思いますんで、これは是非、こういう裁量性の利くような仕組みは是非排除してもらいたい。これは、地方交付税というのは地方の要するに独自財源だと言っているわけですから。
そうすると、国税の中の一定収入を地方税、地方交付税として配分するという考え方は、これは私は絶対死守してもらわなくちゃなんないし、まあ東京都と岩手県と沖縄ではもう一人当たりの所得だって違うし税収だって、当然市町村、自治体の税収も違いますから、これを格差を是正する仕組みはこれは絶対確保しなくちゃなんないです。ただし、そこについて、裁量性をできるだけ、総額については、総額の確保については裁量性をできるだけまず排除して、地方について、地方は大体今のこの経済状況だと地方交付税はこれぐらい来るなというような見通しができるような仕組みにしていただきたいというのが一点目の主張であります。
以上、私の演説になりましたけれども、御所見を竹中大臣にちょっとお伺いしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/62
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063・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 先般も予算委員会で議論を少しさせていただきましたですけれども、私は今平野委員のお話を伺っていて、改めて大変同意できるところがございます。一部ちょっと考え過ぎではないかなというところもございます。
少しずつ是非あれさせていただきたいんですが、その地財計画というのが要するに基準財政需要という一つのブラックボックスの中で非常にあいまいに決められている。まあ一面から見ると柔軟に決められているという言い方もあるかもしれませんが、そこはブラックボックスみたいであいまいに決められているようなところがあって、そこで、まあその一つの問題点があるだろうと。
実は、正に諮問会議で民間議員がそういう議論を基に議論をしているんです。だから、諮問、あの会議での民間議員の議論というのは、この基準財政需要の中からできるだけ外へ出してしまえと。少しぐらい基準財政需要のもので関係するものが残るかもしれないけれども、そうじゃないものは外に出してしまって、その地財計画そのものの対象を限定して縮小しろという議論をしているんです。その意味では、実は平野委員が御批判された民間議員と同じことを主張している面もあるんです。それはそれで、実は恣意性を排除するとか、そのようなブラックボックス的な基準財政需要の積み上げではない形というところでは、これはこれで私も一つのお考えだというふうには思います。
しかし、本当にそれで地方の行政が十分に行われるかどうかというのはこれはしっかりと検証しなければならないと思います。十分な財源、税源、独自の税源があって、そしてその税が比較的偏在ない形でできるというようなことであるならば、正に委員おっしゃるように、これはもう全部政府が一つのそういうふうなものをつくらなくても地方でやっていただけるというのは私は一つの理想だと思いますから、そういう方向として、議論としては私は理解できるところがございます。
ただ、まあそのブラックボックスの、二番目としては、そのブラックボックスのような基準財政需要を活用して、三位一体改革というのは、当初から財務省的に国の歳出を削るような、そういう、まあちょっと言葉はあれですけれども、陰謀説のような、そういうことが仕組まれていたということに関しては、これはちょっと私はそのプロセスにかかわってきた当事者として少しお考え過ぎではないだろうかというふうに思います。
当然、財務省は財務省でそういう、できるだけ財務省はもう常に削りたいというふうに思いますけれども、そのプロセスというのはそういうふうなシンプルなものではなくて、まあいろんなやり取りの中でここまで進んできて、右に行ったり左に行ったり、行きつ戻りつしておりますので、そういう、何といいますか、一つの作為の下に行われたということでは私は決してないと思っております。
まあ一つのその間の動きとしては、御承知のように、平成十六年度には地方の方から、これ、予見可能性もないと、急激に大幅な交付税が削られるということに対して非常に強い抗議も出されまして、そのことに関しては、これは閣内でもう一度話し合って、十七年度、十八年度まで含めてしっかりと必要な一般財源を確保するということを骨太の方針、政府・与党合意にまで書き込んでそこはやっておりますので、一方的に何か陰謀のような形で、ちょっと陰謀という言葉が不的確かもしれませんが、一つの作為のようなもので行われてきたということではないと思っております。
一つ、もう一点ですね、最後に、五年ごとに見直せと、その間は別になくてもいいではないかと。まあ五年ごとに見直すということの意味は、恐らく必要な、要するに歳出を見ないで必要な歳入を手当てするという仕組みをおつくりになって、その中で地方が自由にやれということですから、それはそれで一つの御見識として私は理解できるわけです。しかし、五年に一度とおっしゃいました。それは三年に一度なのか八年に一度なのか知りませんけれども、そこはやっぱり何か必要な需要を想定して、それに必要な財源を充てるということでしょうから、そこはそこで、一年ごとにやるか、三年ごとにやるか、五年ごとにやるかというところなのだと私は思っております。
一つの応用問題として申し上げれば、今年のように豪雪で予期せぬ支出があった場合に、この中で自由にやれというふうに言われた場合に対応できるのかと。ヒューザーのような問題が出てきて、そして本当にその都道府県、市町村で何らかの対応をしなければいけなくなったときにそのような中で対応できるのかと。つまり、新しく国の政策として災害対策をやらなきゃいけないというようなことになった場合に、その意味では、今のこの基準財政需要額、財政需要額というのは、まあよく言えば柔軟に、そこがあいまいだと、恣意的だという、裁量的だという御批判かもしれませんが、現実にはそういう役割も果たしてきているという面を考えなければいけないと、この点もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/63
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064・平野達男
○平野達男君 後段の部分は、これはもう今の特交制度をそのまま残せばいいと思います。
で、私のあれは、そう、まあ竹中大臣の答弁と若干似て非なるものがあるのは、私の主張は、まず背景には、やっぱり国家財政の、国家財政というか、圧縮圧力が非常に地方交付税交付金に掛かってきていると。こういう中で、こういう地方財政計画という形でゆだねてしまいますと、どうしてもやっぱりいろんな政策を、判断がこの地方交付税総額の決定に与えていくんじゃないかという危惧がまず一つあります。
それから、あともう一つは、先ほど竹中大臣言われましたけれども、平成十六年に交付税総額削減されて地方は大変な思いしたというふうに言っています。そういうことが政策として結果としてそういうことに出るような形にしてほしくないわけです。それは五年なら五年という形の中で、五年なら、十年でもいいですよ、ある一定のタームで、やっぱり交付税の全体の国税に対する一定の割合、これを一回検討して、これで固定しようじゃないかと、それをやってくださいというような、それがやっぱり地方、それで、その枠の中で、あと配分はまたこれは交付税の配分でまた別途ありますけど、そういう予見可能性ということをしっかり与えるということにやっぱり最大の主眼を置きたいと思います。
あと、民間議員の方は、私は、確かにそれはいろんなことを言っていますが、地方交付税交付金はまだ過大じゃないかという意識の方がやっぱり濃厚だと思うんです。だから、そういう、そっちに偏らないで、是非地方の方の意見も全部しっかり聞いた上で、それからもう一回原点に立ちますけども、国税の中のどの部分が地方交付税交付金として必要か、妥当かということは、原点に立ち返ってもう一回真摯に議論するということもまず必要だと思います。
瀧野局長、御指名していませんでしたけど、もし御意見がございますれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/64
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065・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 交付税の率をきちんと決めて、地方団体の方が予見ができますように全体の地方財政の仕組みを持っていくと、こういうのは我々も理想型だというふうに考えております。
元々、地方交付税法ができます前に平衡交付金制度というのがございまして、なかなか、毎年毎年のその地方団体の必要な平衡交付金の額を毎年測りながら決めるということで、財政当局と我々の方で意見が一致しないという経緯がある中で交付税の率を決めてきたという、こういう経緯もございまして、我々としてはきちんと法定率で地方財政が回るようにしたいというふうに考えておりますけれども、現状はなかなか、国の財政の厳しい中で三年ごとの地方財政制度の仕組みというもので現在やってきておるわけでございます。
この現在のその折半ルールの地方財政制度、これについても見直しの時期も来るわけでございますけれども、我々としてはそういったあるべき地方財政制度に向けて更に努力していきたいというふうに考えてございますけれども、全体、国と地方、財政両輪という面もあるわけでございますので、どうしても限界があるというところはやむを得ない面もあるのかなというふうには考えておりますけれども、考え方としてはそういう方向でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/65
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066・平野達男
○平野達男君 まあこの件については、また機会あるごとにいろいろと聞いていきたいと思います。
次の点なんですが、景気の回復、全国レベルでは設備投資が増えてきたり、あるいは雇用者報酬も全国レベルで見ると若干上向きになってきたということで、平均値で見た場合には最悪の状況から比べればかなり良くなってきたというのはこれは事実だと思います。
その一方で、地域間格差は私の感覚ではやっぱり相当広がっていると。県民所得についても、これは内閣府が十四日発表した二〇〇三年度、十五年度の県民所得なんですけども、二十七都道府県でプラス、地域格差が広がるという、そういう経過になっています。これは十五年度ですから、十六年、十七年にすると私はもっと広がっているというふうに思います。
で、何が問題かといいますと、当然、地方税の税収間に大きな偏りが出てくるだろうと思います。それで、平成十六年度の地方公共団体普通会計決算の概要で見ますと、四都道府県と四都道府県以外では財政構造に大きな相違ということで、四都府県、これは東京都、神奈川、愛知県及び大阪です。これは歳出、実質収支、地方税、いずれもずっと伸びていますし、積立金残高が増えているんですね。ほかの地方公共団体は、地方積立金残高が一兆円、全部で一兆円ぐらい減っている。だから、岩手県も、私、岩手県なんですけれども、岩手県も秋田県も青森県も毎年の予算は積立金を崩しながら今やっています。しかも、総額は圧縮です。
ただし東京都は、平成十七年度、十八年度予算でしたかね、今資料がちょっとお手元にありませんが、東京都は歳出も今度は伸びています、税収もどんと伸びます。平成十七年度のその税収の伸び、これは予算委員会で言いましたけれども、東京都の、東京都のですよ、税収の伸びの差額、総額が岩手県と青森県と秋田県の年間の税収と同じなんです。これぐらい差があるんです。そして、その一方で地域間の景気の回復に地域間の格差が出てきますと、この地方税収の差にどんどん開きが出てくる可能性がある。
今回、三位一体改革で、話が変わりますけれども、私が非常に心配したのは、地方補助金を削減して税源移譲をやれば都市に財源が偏在するんじゃないかというふうに心配しましたけれども、私の予想以上に実はそんなに開かなかった。それはなぜかといいますと、削減した補助金が地方向けの補助金じゃなかったからです。義務教育費とか児童手当だとか、人口に比例するような補助金を削減して税源移譲をやったからまず格差が余り広がらなかったと。
それからあと、最終的には所得税と住民税との税源の割合を見直すときにフラット化ということで、これは総務省がいろいろ工夫してやったことだったと思いますが、それでも三百億ぐらいの、たしか東京都にプラスになるということなんで、これは法人事業税の見直しでやったというふうな説明を受けています。必ずしも、法人事業税と一対一の因果関係はないというふうに思いますが、一応結果的にそうなったと。だけど、もうこの法人事業税なんかをいじるというのもこれ限界があります。としますと、どんどんどんどんやっぱり格差は広がっていくんじゃないかと思います。この格差の広がりということについて、税源の格差の広がりということについて、総務大臣、まず認識をちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/66
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067・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済活動に地域間格差が見られると、前半でおっしゃった景気の格差が見られる、その点は御指摘のとおりでありますが、しかしそれでもすべての地域について良い方向は出てきている。しかし格差はあるし、設備投資等が引っ張るというような中ではやはりむしろ格差が広がっているというのはそのとおりの実態だと思います。
直接の御質問は、まあ税収、主として税収に関するものであるというふうに思いますけれども、この格差を議論するときに、課税客体の偏在という意味での格差と、そしてその課税客体の構成が違うことによって伸び率に変化ができるという変化の格差と、これは両方重要な問題としてあるのだと思います。課税客体の偏在を解消するためには、これはできるだけその偏在のないもの、例えば今回のような住民税のようなものが一つであろうし、そこで地方消費税が今後重要な役割になるということは私も強く認識をしております。そういった形で、税の構造全体をしっかり考えていく中で偏在をなくしていくという努力は我々は引き続きしなければいけないんだろうと思います。
もう一つは、しかし構成の問題があって、その構成が伸び率に影響を与えます。これはどうしても法人が多く存しているところで、特に景気回復期には伸び率が非常に高くなる。景気後退期にはその逆もまた真なわけでございますけれども、その法人所得に頼るかどうかによってその伸び率に大きな変化が出てくる、安定性に変化が出てくるという点もあろうかと思います。
これは、我々総務省だけで解決できる問題ではなくて、国税の問題、税体系全体の中で今後議論していかなければいけない問題でございますけれども、我々としては課税客体の偏在の少ない税目、まあ具体的には地方消費税でございますけれども、そういうものに着目して、そういうものも念頭に入れてかつ税源そのものをしっかりと確保する、税率配分の見直しも含めてしっかりと行っていくということが、総務省としてはやはり曲げてはならない一つの方向であろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/67
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068・平野達男
○平野達男君 これから人口減少社会に入るというふうに言われていますけれども、その人口の推移見ても、やっぱり大都市、東京を中心として人口の減少幅というのは、人口減少は、失礼しました、人口は減る方向じゃなくて微増の方向にいるわけです。地方は、人口はどんどん減っていきます。だから、住民税でやると言ったとしても、その住民税の税収だってそんなに期待できない。ましてや高齢化がどんどん進行していきます。高齢化は、ここ十年間か十五年間は地方の方が私はもっともっと非常にきついと思います。その後、今度は都会の方が私は高齢化の人口が、高齢化人口の割合が高まってくるというふうに考えていますが、少なくともここから十年か十五年間は地方には非常にきつい。そういう中で、その地方税の税収間の格差というのはどんどん広がっていく。だからこそ地方交付税あるんだよということなんですが、問題は、それは人口がたくさん多くて産業のあるところに税収があって住民税が入る、あるいは固定資産税がたくさん入る、当たり前だと。だから、それで地方自治やるのは当たり前だというのは、それは一つの考え方あるかもしれません。竹中大臣がそういうふうにおっしゃったという意味じゃなくて、そういう考え方あるのかもしれません。しかし、やっぱり総務省というか、国として、税源がこれだけ広がっていったら、やっぱりいわゆる不交付団体と言われるようなところの税収がどんどん伸びていくということについては、何らかの措置をするということはやっぱり考えてもいいんじゃないかなと思うんです。
そこで、私なんかが今勝手に思うのは、実は後進地域補助率差額という制度がございますね。これは何かといいますと、ある特定の直轄事業、県の、県営事業の国の補助事業に対して、財政力の弱い自治体に対して後で二分の一の補助金だったら財政力に応じてある一定の額を加算する制度ですね。その制度があるわけです。私は、東京都の出身の方がいたら大変申し訳ないんですけど、そんなに税収があるんだったら、国の基本補助率二分の一だったら、逆の要するに率を掛けまして十分の四・五にして、その〇・五を例えば交付税特会に入れろと言ったら、財務省は絶対うんと言わない、うんと言うとは思いませんが、それをその財政の、財政力の調整機能の財源にしてもいいんじゃないかと。
で、要するに、水平力格差の是正というのを今自治体間でやろうじゃないかという議論もあることも承知しています。しかし、東京都の代表と岩手県の代表が集まって、岩手県大変でございますから東京都の税収を岩手県に預けてくださいよと言ったって、こんなものできるわけないですよ。必ず第三者が立たにゃいかぬと思いますが、ただ第三者が立っても難しいと思う。
これは、財務大臣にもちょっと所見聞かにゃいかぬわけですが、その国の補助率については、基本補助率の二分の一という額は設定したとしても、これからもし格差が広がるようだったら後進地域補助率差額の逆の仕組みを入れてやってもいいんじゃないかなということで、財政力の豊かな出身、選挙区を持つ国会議員の皆さんから反発食らうかもしれませんが、そういうことをやって、その背景の中には格差是正というのはやっぱり必要なんだという哲学をしっかり確保して、確立してやるということが必要だと思うんですが、これについての竹中大臣の御見解を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/68
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069・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員のお話は、まあ具体的な御提言というよりはちょっと考え方の整理として今お出しになっているという理解で、私も少し、じゃ考え方についてのお話をさせていただきますけれども、国庫補助負担率を逆に引き下げてその財源を地方に配分する交付税の方に上乗せをして、それでしっかりと調整をしてはどうかという、まあ簡単に言うとそういうお考えですよね。
これはこれでもちろん一つの、要するに平衡化を行うための一つの考え方なわけですけれども、要は負担率というのは一体何なのかということなんだと思います。哲学的に言うと、これは国の政策をやるために何かあって、それを負担するということでありましょうから、そういうところに手を付けるということが哲学の、政策のそもそも論としてよいか悪いかという問題なんだと思います。何が何でも何か調整しなきゃいけないから、そういうことをもう最後の手段としてやろうというようなのであればともかく、なかなかそこまでいきなり議論を進むと、いろんなやはり考え方のそごが出てくるのではないかなという気はいたします。
それと、もう一つは、これ、やっぱり制度がもっと複雑になっていかないのかということだと思うんですね。本来、交付税という調整のための税があるところを、今度は、今度負担金で調整するという調整機能が別のところに行くということになれば、交付税の中に入れろということだろうから、そこはそこで一つのコンシステンシーを持っているということかもしれませんが、でも制度が複雑であるということは違いないと思うんですね。
私はもう、そもそも、まあせっかくの御提言であるので申し上げますけれども、そういう議論までされるということであるならば、これは我々も本当にそこを考えなきゃいけないんですが、これを地域間のその調整という概念だけで考える必要はないと思うんです。つまり、これは個人の所得の調整をもっと行ったらいいじゃないかというところに話が行ってもいいんだと思うんです。
つまり、今、東京都の人の所得があって、これはいろんな産業もあって高い。私の和歌山県の所得は低い。この所得を、これ所得税で調整すれば、もしできればですけど、ちょっとすごい仮定の議論で、調整すれば和歌山県の平均所得と東京都の平均所得一緒になりますよ。つまり、これはいろんな形での調整が必要だというのは私は分かります。それをすべて、つまり地方財政を通したものとして調整するのか、それとも元々の個人の所得のところで調整するのかという大問題が実はあるわけです。
だから、格差の問題というのは、確かに地域の問題があり、企業の問題があり、そして個人の問題があるわけですから、そういうところまで踏まえた議論をやっていかないといけない。私は、そういうことも結果としては必要であろうかと思います。
繰り返し言いますけれども、そういう極端な形での所得再配分が税によってもし行われれば、東京も和歌山も沖縄も平均所得一緒になりますよね。ちょっとこれ、議論のために言っているんですよ、頭の整理のために。だから、そういうことも視野に入っていくのではないかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/69
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070・平野達男
○平野達男君 私の言った、例えば補助金を補助率で調整するというのはあくまでも一手法です。根っこは、これから景気回復基調に多分私は入ってくるし、入らせなきゃいかぬと思うんですが、その間の中で大分格差が出てくると。その中の調整を、やっぱり何らかの仕組みをビルトインしていただきたいということなんです。
それはだれが主導権を持ってやるかといったら、国だったらやっぱり総務省でありますし、私は、もしそれが補助金という考え方でやるとすれば、当然財務省との調整なんかも必要ですし、当然自治体間との調整なんかも必要だと思うんですが、そういう開くということに、開いていくという認識の中で、もし共有するんであれば、それは是非何らかの形で自治体間の、何なら自治体間でそういう協議の場を設けるということでもいいですよ、何でもいいですよ、そういう仕組みを是非入れるということを検討していただきたいんです。
もう一度、総務大臣のお考えをちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/70
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071・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員はあくまで一つの例としてお出しになったということで、これは今二十一世紀地方分権ビジョン懇談会をやっていますので、その中で議論の出発点として、各地域で資源の賦存状況が違うと、この違うということを前提として、それで国と地方の在り方を議論していこうということが大前提になっておりますので、結果としての各地域の財政調整の仕組みを根本的に議論をいたしますので、今委員がおっしゃったようなことも含めて、何らかのやはり仕組みについて議論を深めていかなければいけないと私も思っております。それは是非議論を深めさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/71
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072・平野達男
○平野達男君 前向きの発言だったんで、そのとおりやっていただきたいと思いますが。
二十一世紀ビジョン懇談会ですか、まあ正直言って私余り、この間の予算委員会でも言いましたけれども、余り信用してない。高橋千秋さんと平野達男さんを入れてくれたら信用しますけどね。それは、この間は予算委員会で断られましたからあれですけど、もうちょっとあの懇談会はやっぱり地域を分かる人入れてもらいたいですね。まあ、いずれその私的諮問機関でやるということなんで、それは是非やっていただきたいと思いますが。
仮分数なんてこの間失礼なこと言ったかもしれませんが、頭だけで考えるような話じゃないですよね。とにかく私は、もし何だったら三重県の山奥でも岩手県の山奥でも私は案内しますから、まず見てくれという話ですよ、今どういう状況になっているか。そこからスタートですよね。受益と負担の関係がどうなんて概念整理なんかまずいいですから、まず。どうなっているかということをまず見てもらってから、やっぱり議論していただきたいということも併せてちょっと再度主張をしておきたいと思います。
それから、最後になりますけど、そのビジョン懇談会の話が出ましたんで関連して質問しますが、破綻法制を検討しているというんですが、これは今の再建団体制度のってどこが不備、足りないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/72
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073・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) いや、そもそもそれを検討しているわけです。今の制度、これはこれまで、自治省、総務省が苦労して、それで再建制度をつくってきて、それが実際運用されてきたわけでございます。その機能は私も評価していますし、懇談会のメンバーも評価していると思います。
しかし、あえて言えば、我々はとにかく地方の自由度を高めるというところから出発をしております。先ほどから少し議論出ましたけれども、昨日もこの懇談会であるメンバーから、法律で一定の枠を与えられた上で、条例がその中で、それを条例に委任するといいますか、条例で詳細を決めてもらえるようなそういう法律の作り方だってあるではないかと。これは正に地方の自由度を増すわけですし、それと、国が地方に求めているいろんな基準がありますけれども、それそのものも見直そうという議論をしています。だから、自由度を高めていただく。自由度を高めていただくという限りは、やはりその責任も明確化するということは当然コインの両面として議論をしておくべきであろうと。
具体的に、これは今、今の制度で何が問題かということで今検討しているわけですけれども、私の認識では、今の制度には実はストックの概念が入っていない。これはストックの概念がないと本当に再建するのはむしろ私は大変になるのではないかというふうに思うんですね。これは今、まあ企業と比べるとまた怒られるんですが、企業でも再生しているところというのはやっぱりストックのところをちゃんと整理したから再生しているわけで、そういう概念はやっぱり地方にもあると、これは地方のためだと思うんですね。
ここは一点、私はやっぱりクリア是非していただきたいなと思っているところでもございますので、破綻というと何か非常に物騒な言葉で、マスコミはそれを面白おかしく取り上げるんですが、もちろん清算型の破産なんて考えてはおりません。再建型です。その上でストックも中に入れていただいて、そうすることによって予防措置が更に働くようになると私は思います。そのストックの面と予防措置がよりちゃんとビルトインされるように、その二つの方向を是非目指していただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/73
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074・平野達男
○平野達男君 確かに、そのストックの概念というのは大事だと思います。そこは同意いたします。
ただ同時に、もう一つだけ言わしていただきますと、今自治体は、実は私の岩手県でも財政再建団体に指定されるかもしれないという自治体があるんです。実は、こういう自治体に、まあ全国にたくさんあるかどうかは知りませんが、何でそういうふうになったかといいますと、やっぱり一時期、私も、これ農林省にいてやった方だから余り大きなこと言えないんですけれども、補正予算組んだりして、予算付けて使え使えとやったんですよ。とにかく使えとやったんです、これ。いやいや、今ここだから言う話じゃないんです、ないんですけれども、そういう面あるんです。それで、自治体も、そのために、じゃ国の言うことだからって協力せないかぬといってやってきた面があるんです。それが今地方債というのを出したり、当時公共事業やると地方債の枠が広がりましたから、その地方債を発行して資金を調達して、その借入金に追われているんですよね。そういうときに破綻法制みたいな話が出てきたら、これは一体何なんだという話になっちゃうんですね、自治体の感覚からすると。
だから、そこはあの当時、一体国の財政、これまでの過去十年間、十五年間、財政運営どうやったかという、まずは総括をやった上で破綻法制だとか、それやるのはいいですよ。そういう過去の事情、経過もしっかり踏まえてやっぱり議論していただきたいと思います。
ただ、さっき言ったストックの概念というのは、それは確かに、そういう概念は確かに、まあ正直言ってどこまであるかというと私も話していて疑問のところがあります。こういうところはやっぱり啓蒙普及ということでどんどんやっていかなくちゃならないと思いますが、今私が言いましたように、過去のいろんな流れを言いますと、自治体というのは確かに安易に補助金をもらったというその反省点はあるかもしれません、あるんですよ、ある一方で。だけど、そうはいったって、あのとき使え使えと言ったのはどこのどいつだと、言葉は悪いですけど、という気持ちもあるんですよ。どこのどいつだというと、私もその中に入っていたということで、余り大きな声では言えない立場ではありますが、事実からするとそうだということもあるということであります。
次の質問に移りたいんですけれども、これは二十一分までですね、時間がありませんので、ここで終わりたいと思います。ということで、竹中大臣、最後にコメントをいただきまして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/74
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075・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員が使え使えと言っていたという話を聞いて、従来以上に親しみがわいてまいった気がいたします。
今おっしゃったことで、これまでの経緯をしっかりと踏まえた制度改革でなければいけないという点は正にそのとおりだと思います。これは今議論いただいている間でも、やはり過去の問題、その過去の債務とこれからの債務どうするかということも含めて、そこはやっぱりちゃんと峻別しようという議論がちゃんと出ております。過去の問題があるからということで、しかし、もちろん何も変えられないということになってしまうと改革は進みませんので、そういうことをもちろん委員おっしゃってないわけですけれども、そこはだから過去の問題を切り離す、どのように切り離せるかということとか、十分な移行期間を設けるとか、そこはやっぱり現実的な、現実を踏まえた解決策でなければいけないというふうに思っております。
そういう方向でしっかりと議論していただいているつもりでございますので、引き続きいろんな形からの御指摘、御議論を賜りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/75
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076・平野達男
○平野達男君 今日は時間を与えていただきまして、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/76
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077・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。
午後零時二十一分休憩
─────・─────
午後一時四十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/77
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078・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/78
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079・山本順三
○山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。質問の機会をいただきまして大変に光栄でございます。
今回の地方税法あるいは地方交付税法の一部を改正する法案でありますけれども、これは三位一体改革に連動したものでございまして、まずはその辺りから解きほぐしていきたいと、このように思っておる次第であります。
実は、私も地方議員という立場が長かったものでございまして、平成十六年ショックとでもいいましょうか、突如として地方交付税が大幅に削減をされた。その後の騒動というものはもう大変なことでございまして、その影響をいまだ引きずっているというのが地方の現状だろうと、こういうふうに思っております。
そんな中で、私もこの国会に出てまいりまして、一番やらなければならないこと、それは何といっても地方分権に向けてどのようにして地方の自立を図っていくか、そのための方策たるや何があるか、そんな気持ちを込めて東京に来たわけでありますけれども。
ちょうどその当時、一昨年の秋以降でありますけれども、三位一体の改革の議論というものが言わば佳境を第一弾迎えておった、こういうふうに思いまして、積極的にその議論に参加をさせていただきましたけれども、残念ながらそう簡単に地方分権はなし得ないぞ、こういうふうな、そういうことを再認識せざるを得なかった、そういう感想を私自身は持っています。
と申しますのも、やはり官僚の皆さんの強さとでもいいましょうか、それぞれの各省益を守る力とでもいうんでしょうか、補助金の削減等々につきましても、そうそう簡単に地方六団体の話に対応した改革がなされるような様相はないし、またこれはこんな言葉使っていいのかどうか、まあ族議員といいましょうか、しっかりと官僚と連携プレー取る、そんな中で地方分権を模索するのは、これはこれはもう並大抵の話ではないなということをつくづくと感じたような次第であります。
まあ、そういったことから始まって、今回国庫補助負担金が四兆七千億カットされた、そして税源移譲は三兆円強税源の移譲がされた、また地方交付税は五兆一千億削減をしたと、こういうふうな結果に相なったわけでございますけれども、午前、那谷屋さんがおっしゃっていましたけれども、地方交付税の削減というものが今回の三位一体改革の成果とは考えられないよ、あの部分は私も全く賛同するところでありまして、そういったことも踏まえた上ででありますけれども、基本方針二〇〇二において三位一体改革、スタートしたわけでございますけれども、その第一段階、この三位一体改革の成果、これをどのように評価をされておるのか、あるいはまた総括をしておられるのか、その基本的なことについて、重複するだろうと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/79
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080・山崎力
○副大臣(山崎力君) 委員御指摘のとおり、今回の三位一体の改革でございますが、三年間にわたる改革の結果、四兆円を上回る国庫補助負担金の改革と同時に三兆円の国から地方への税源移譲というものが行われたところでございまして、その結果、地方にとりましては公立保育園の運営費、学校あるいは社会福祉施設の施設整備費等の一般財源化ということが相なりまして、そういった意味で地方自らの創意工夫で、あるいはまた責任で政策を行うという幅が広がったということは事実だろうというふうに認識しております。
また、税源移譲による地方税収は、言うまでもなく国税と切り離された形でございますので、地方の自主財源として安定的に入ってくるということになりまして、そういうのが一つのインセンティブになれば、地方の経済成長あるいは地方の税源涵養努力というものによって、今後地方の増収が見込まれるという点もあろうかと思っております。
また、今回の税源移譲の実現によりまして、自主財源の強化あるいは補助金改革による地方の自由度の拡大ということを合わせまして、全体として地方分権の推進に資するものあったというふうに考えております。また、現場の地方六団体の方からもそのような評価をいただいていると、まあまずまずの成果があったんではないかというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/80
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081・山本順三
○山本順三君 隣で森元議員が甘いなというような話をしておるわけでございますけれども、実は私も、まあまずまずの成果とはいいながら、地方六団体を始めそれぞれの立場でこの程度の改革でいいんだろうかというような声がかなり出てきていることも事実だろうと思います。
ただ幸い、今回の改革において初めて国と地方の協議の場というのが持たれました。ですからそれは一歩前進だろうというふうに思いますけれども、その中で地方の改革案というのが提示をされました。いろんな分野で補助金カットの項目等々について提言があったわけでございますけれども、これ実は義務教育の八千五百億を除いた数字なんですけれども、総額で二兆三千七百八十四億円のうち実質三千八百九十八億円、一二・一%しか実現されなかったよと、こういうふうな地方からの指摘があることも御案内のとおりだろうと、こういうふうに思っております。
そこで、お伺いいたしますけれども、こういった地方の不満が残っている、地方の要望が十二分に反映されなかったその原因を今ほどどういうふうに総括されておるのかということと、もう一つは、先ほど申し上げましたけれども、まだまだ不十分だと、だからこれから新たな第二段階、第二期のいわゆる三位一体改革進めていかなければならない、そういうふうな声が地方からも沸き起こっておるわけでありますけれども、これどういう理念を持って、もしやるとするならば、進めていかれるのか、そういったことについての根本的な考え方をお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/81
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082・山崎力
○副大臣(山崎力君) 今、委員御指摘になりましたとおり、個々、個別具体的な話になってまいりますと、この三位一体の改革の結論が出る、今回の結論が出る過程において、いろいろな御意見があり、また財源の在り方というところでも対立といっていい、まあ適当かどうか分かりませんが、対立といっていいような部分があったということも事実でございますし、また今回の補助金の改革案につきまして、地方の側から我々の主張したというか考えたことと違ったものが出てきたと、我々の反映の度合いが低いというようなおしかりといいますか、御批判をいただいていることもまた事実であるというふうに認識しております。
その一方で、多少こちらの方の手前みそ的な言い方になるかもしれませんが、税源移譲に結び付く補助金改革の検討の中にありまして、地方から反対の強かった生活保護の国庫負担率の引下げということは行われなかったという点もございますし、地方からの要望が強かった施設費の補助金の税源移譲というものを対象にできたということを考えますと、やはり我々としては地方の意見を何とか反映させようという努力の結果も出てきたんではないかというふうに思っております。その結果が政府に、与党における協議あるいは地方との協議の結果、三兆円の税源移譲を実現するということで、ぎりぎりのボトムラインと申しますか、最低限度の仕事はしたという自負は持っておるところでございます。
また、今後のことでございますけれども、もちろん、我々として今回で済むというふうな、終わりというふうなことは毛頭考えておりませんで、これは政府・与党合意にもありますように、改革に終わりはないという認識は共通しているところだろうと思います。十八年度までの改革の成果を踏まえつつ、今後も地方の意見を聞いて、尊重する姿勢を聞きながら、更に地方分権の推進、あるいはその一方での地方の自立と責任の確立というために努力する必要があるというふうに思っております。
そのため、先般設置した地方分権の二十一世紀ビジョン懇談会におきまして、国と地方の役割分担の抜本的な見直しであるとか、あるいは自由度の拡大と、特に国と地方の関係の度合い、国の関与の、具体的に言えばどう縮小させていったらいいかと。それに伴いまして、地方の税財政制度の在り方、そういう広い立場、広い視野の下に、ちょっと長期的な部分を含めまして、国民に分かりやすい形で将来の地方分権あるいは地方自治体の在り方というものを、姿をちょっと広い視点で、まあビッグピクチャーと申しますか、そういったものを御検討いただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/82
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083・山本順三
○山本順三君 地方分権一括法というものが通って、国として正に地方分権に向かってみんなで走っていこうと、そういうふうな意思の疎通ができたというわけであります。そういった流れの中で、これからどういうふうにその分権を具体化していくかということで、第二期のまた三位一体改革が是非内容の濃いものになってもらいたいというふうに思いますけれども、あえて申し上げますならば、地方の視点に立った改革論というものを是非とも闘い合わせていただきたい。単なる机上の論理ではなくて、現場に即応したという声が午前中も出ておりましたけれども、そういった点、くれぐれもお願いをしておきたいと思います。
そこで、一点ちょっと答えにくい話かも分かりませんが、私もちょっと違和感がありますのであえて質問するわけでありますけれども、先ほど地方六団体というお話をしました。地方の案が出てまいりました。その地方六団体の意見の集約の方法なんですけれども、全国の知事会は四十七都道府県知事が集まって、まあ賛成だろうが反対だろうが激しく議論をする場があるわけでございますけれども、そうじゃないところがほとんどであります。例えば市長会にしても、大きい市からちっちゃな市から何百と集まって議論する場面は恐らくないだろうし、町村に至ってはもうとてもじゃないがそういうふうな状況にはない。そうなってくると、ある意味では、事務局を中心にいろんな具体的な案が集まってきて、それが地方六団体の意見に集約されていく、こういう流れなんだろうと思うんですね。
ただ、今回の三位一体改革、補助金を削減するという流れの中で私どもがつくづくと感じましたのは、六団体、それぞれの団体の長の皆さん方が、今回の方針はこうだというふうな、そういうことをおっしゃる一方で、じゃ、ちっちゃなちっちゃな村の村長さんや町長さんが来て、同じような意見集約をしてそして議論するかというとそうではない、逆に全く反対の議論がたくさん出てくるんですね。ですから、我々も陳情を受ける際に、その辺りの整合性というものを非常に、まあ難しいんだろうなとは思うんですけれども、気にしているところであります。
そこで、これ、総務省が指導するということにもならないんだろうと思うんですけれども、こういう意見集約は極めて困難である、こういったことに対してどのように考えていらっしゃるのか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/83
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084・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方六団体の総体的な意見というものと個別の団体の意見で温度差があるのではないかと、こういう御指摘かと思います。我々といたしましても、いろいろの団体にお会いする機会があるわけでございますけれども、いろんな御意見があるなということは我々も感じておるところでございます。
ただ、地方団体全体といたしましては、それぞれ六団体が内部で機関決定の方式を決めておるわけでございます。確かに、知事会とあるいは団体構成員の多い市長会、町村会でやり方なかなか違いますし、難しい面もあろうかと思いますけれども、そういった中で団体の意思決定の方式を決めておるわけでございますから、我々としてはそういった機関決定を経て取りまとめられたものをやはり地方の統一案というふうに考えていくべきものだろうというふうに考えておるわけであります。
もちろん、それぞれの団体で様々な意見があるということも十分踏まえながら、六団体の意見と、それを集約したものとして取り扱いまして、そういったものを尊重しながら改革に取り組んでいくというスタンスでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/84
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085・山本順三
○山本順三君 そういう返事以上のことはできないんだろうと思うんですけれども、現実に今ほど申し上げたような実態があるということを把握していただいて、そしていろいろな改革案作るときに、そんなものも十分しんしゃくしながらの対応を是非ともよろしくお願い申し上げたいと、これは要望をしておきたいと思います。
それでは、三位一体改革の中のそれぞれの分野について何点か抽出してお伺いさせていただきたいと思います。
まず、国庫補助負担金でありますけれども、このことにつきましては、特に中教審で激しい議論のやり取りがありましたけれども、義務教育の国庫補助負担金、この取扱い、もう大変もめにもめました。私自身もこの教育の関係については自分なりの考え方を持っているわけでございますが、それはそれとして、結果的に補助率二分の一のものを三分の一に削減した、たまたま八千五百億といういい数字が出てきた、こういうふうなことになったわけでございまして、一部には、これは数字合わせじゃないかというような、そんな批判すらあるような状態でございます。また、児童手当も、これ三分の二から三分の一に補助率をカットする、こういうふうなことで数字を積み上げていったというふうにも思えるわけでありますけれども、果たしてこのことで地方の自由度が高まって地方分権により近付いたのかどうかということになりますと、若干首をひねらざるを得ない分野もあるのかなというふうに私は個人的に思っています。
そこで、議論を進める前に、今日は文科省、厚労省からお越しいただいておりますけれども、それぞれ現場の声として、一体全体、今回のこの国庫補助負担金の補助率カット、これをどういうふうに受け止めていらっしゃるのか、それぞれにお伺いできればというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/85
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086・山中伸一
○政府参考人(山中伸一君) 先生御指摘ございました義務教育の国庫負担金制度でございますけれども、この制度は、地方公共団体、財政力の差にかかわらず、全国すべての地域で必要な優れた先生を確保するという意味におきまして、義務教育の機会均等、水準維持という意味で重要な制度だというふうに考えております。
今回の措置は、昨年十月の中央教育審議会答申を踏まえつつ、また三位一体改革を進めるという政府の全体の方針、この中にあって国の負担割合を改めるというものでございました。これによりまして現行の負担割合二分の一から三分の一に変更ということでございますけれども、あくまでも義務教育国庫負担制度という国と地方の相互の負担によって義務教育の教職員給与費の全額を保障する仕組みというものは維持されたものというふうに考えております。
今後、こういう義務教育国庫負担制度という安定した財源保障の中で、このほかにもいろいろな地方の特色ある教育への充実の取組というものを進めるための、促すための措置も講じているところでございまして、それと相まって、教育の構造改革という地方分権が進むということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/86
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087・東泰秀
○政府参考人(東泰秀君) 今回の三位一体改革によりまして、児童扶養手当におきます国と地方の負担割合につきましては、政府、与党において調整された結果、国四分の三、地方四分の一から、国三分の一、地方三分の二に変更することになりました。
児童手当につきましても、三位一体改革の御議論の過程の中で、児童扶養手当と趣旨、目的は異なるが、同じく子供に係る手当であるということで、地方団体より国、地方の負担割合の整合性について御指摘を受けました。両制度とも国と地方が協力し合って行うことが重要であるということから、児童扶養手当と同様に、国と地方の負担割合を国三分の一、地方三分の二に変更することになったものでございます。
今回の児童手当に係る見直しそのものは直接的には地方の裁量拡大につながるものではございませんが、地方団体とも十分な協議を行った上で結論を得たものでありまして、改革の趣旨は、その他の補助金、負担の見直しも含めた税源移譲と一体で行われます改革全体の中で実現されるものと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/87
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088・山本順三
○山本順三君 今の答弁の中に、補助率カットが直接的に地方分権につながるものではないと思うというような御趣旨のお話もありました。私も実は同じような気持ちを持っています。
こういったことに対して、今、文科省、厚労省からお話しいただきましたけれども、総務省としてどういう見解をお持ちか、御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/88
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089・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 義務教育国庫負担金制度、あるいは児童扶養手当制度等について分権の観点からどのような意義があるのかということで、それぞれ所管省からお話がありました。我々は、それぞれの制度につきまして見た場合に地方分権が大きく進展するかというと、それは当然限界があろうかという点は認識をしておるわけでございます。
ただ、今回は三位一体改革ということで、税源移譲、それから補助金の見直し、交付税改革という全体の地方財政制度の見直しというものでございます。それぞれ国庫補助負担金につきまして、いろいろな国、地方の役割分担という面からそれぞれの所管省についていろいろな議論があり、我々は我々で地方分権の進展という立場から議論をさせていただきましたが、ぎりぎりの判断として負担割合の見直しということに相なったわけでございます。
しかしながら、先ほど申し上げましたように、三位一体改革の中で三兆円の税源移譲ということによって地方の自主財源の確保ということはできたという面もあるわけでございまして、ほかの補助金改革の中でもいろいろな改革もしてはおるわけでございます。
したがいまして、我々といたしましては、今回の改革を全体としてとらえる中で、やはり地方分権という面から見れば大きな一歩をしるしていくことはできたんじゃないかなと、もちろん個別に見ればいろいろ今後の課題も残っていると、こういう立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/89
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090・山本順三
○山本順三君 そういった課題を次の段階の改革の中に、言わばその理念的なものを入れていっていただくようにお願いをしておきたいと思います。
時間の都合もありますので、何点か飛ばしながらいきたいと思いますので、御了承いただきます。
次は、税源移譲ということについて何点かお伺いをさしていただきたいと思います。
実は、私どもも、先ほど申し上げたとおり、地方の議員をしておりました。そういったときに、地方分権、分権と言うけれど、しっかりとした税源移譲をしてくれないと何も地方分権にならないじゃないか、こういう議論ばっかりをしておったことを思い出します。
ただ、いざ税源移譲というふうになってまいりますと、そのことによっていろいろな問題点が出てくる。例えばよく言われる税収の偏在と、こういうものがもう現に出てきておるわけでございまして、言わば富める者は更に富み、そしてまた貧しき者は更に貧しくとまでは言わないにしても、それに近いような状態が特に田舎の方では出てきているんではないだろうかと、こういうふうに思っています。
そうなってくると、正に中央と地方の大きな格差、あるいは地方間での格差がどんどん広がっていく、こういう結果にならざるを得ない。そして、それをじゃどう埋めるんだとなってくると、もうこれは地方交付税で埋めるしかない。地方交付税で何とかしてください、地方交付税の言わば、何というんでしょうか、存在感がますますこれ実は高まってくるような気がするんですね。地方分権を目指して税源移譲して、一生懸命頑張ってみて、気が付いたらまたぞろ地方交付税に頼らざるを得ない。金額の総額は別にいたしまして、精神論として果たしてこれが地方分権に進む姿なのだろうかどうなんだろうかと、こんなことを実は私どもは個人的に感じておるところであります。
そういたしますと、やはり我々は地方の議員といろいろ議論をするんですけれども、皆さん、ただ単に目の前の税源移譲、税源移譲と騒ぐだけではなくて、税源移譲になったらこういう問題起きるよと、だから将来余り地方交付税に頼らなくとも地方が自立できるような道筋、これをしっかりと、お国にだけ任すのではなくて、あなたたちも自分たちで国に対して提案できるような、そういう力を付けなさいよということを実は私は地元に帰りましたら元同僚の議員たちに話をしておるところでございまして、そういった流れができなければ本当の意味での地方分権というものは語れないんだろう、こういうふうに思っています。
非常にこれは雑駁な、漠然とした話なんですけれども、それに対してのコメントをいただければ有り難いというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/90
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091・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 税源移譲をした場合に地方団体間の財政力格差が拡大し、むしろ交付税に頼らざるを得なくなるのではないかという御指摘でございます。
結局、この問題は税源移譲する場合にどういう形の地方税体系を構築していくかということに尽きるのではないかというふうに我々は考えておりまして、そういう面では、今回、三位一体改革の中で個人住民税を比例税率化するというのは一つの考え方かなというふうに考えておるわけでございまして、今後ともやはり地方税の体系ができるだけ偏在の少ないものにしていくということがまずもって大事であるというふうに考えております。
しかし、そういった税制についての配慮をいたしましても、ある程度の偏在というものは不可避でございますので、地域間の財政力格差を調整して、一定水準の行政を確保するという意味での財政調整制度というのはその場合でも残らざるを得ないというふうに我々考えておるわけでございます。
どういうようなものがいいのか、国の方だけではなくて地方団体の方も考える、正に我々もそうだと思います。地方団体の方も、今回の三位一体改革を受けまして、今後どういうふうにしていくのかという観点から、新地方分権構想委員会というのを六団体の方で設置されたというふうにも聞いておるわけでございまして、我々も、そういったところからもいろいろな御提案を受けまして、お互いに議論を深めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/91
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092・山本順三
○山本順三君 是非、将来的に地方分権という方向に向けての抜本改正、これについてのいろいろな意見を闘い合わすような、そういう場面をたくさん持っていただきたいというふうに要望いたします。
今ほどお話のあったその税収の偏在の是正ということでありますけれども、今回提案されておりますけれども、所得税から個人住民税へ三兆円の税源移譲、これは地方分権に向けての大きな一歩だというふうに私どもも思っておりまして、このことについては大いに評価をするところであります。
ただ、その税収の偏在というものを、これ極力これから回避をしていくというふうなことになると、その税源移譲の対象税目、これについてももう少し頭をひねっていかなければならないのではないだろうかと。やはり、消費税というものがこのときに上がってくるだろうと。森元先生のこの間のお話にもございましたけれども、消費税というものを考えて、そして地方消費税の税率アップ等々もこれ視野に入れていく、このことが税収の偏在の解消に少しでもつながっていくんではないだろうか、このように思っております。
ただ、地方消費税を税率アップせよ、アップせよというのは、我々もこれからも言い続けたいとは思っていますけれども、さてさて自主財源ということになりますと当然徴収コストが掛かってくるわけでありまして、そうなってくると、どういう形を取るか分かりませんけれども、地方自身もやはりそのことに対しては自覚なりあるいは覚悟なり、こういったものがなければならない、こういうふうに思っておるところでございますけれども、いずれにしても、税収の偏在というものを是正する一つの案としてこれから地方消費税の税率アップ、ずっと皆さん言われておりますけれども、どういうふうに考えていくおつもりなのか、御所見をお聞かせいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/92
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093・山崎力
○副大臣(山崎力君) 今、瀧野局長からもございましたけれども、地方の税制を考えるときに、税収の偏在性というのは避けて通れない問題でございまして、それで、その中で御指摘の地方消費税というものは基幹税と言われるものの中で非常に地域間の税収の偏在性が少ないと、最も少ないんではないかと言われ、認識しているところでございますし、その一方で、税収が安定的であるという特徴もございますので、その地方消費税という重要性は今後とも極めて大きなものであるというふうに認識しております。そして、やはりこの問題というのは、どうしても税率アップという問題が、増税という問題も絡んできますけれども、これは今後大きな議論の中の話でございますが、やはりその一方で国と地方の役割分担、どうやっていくかと見直していく中で、当然その仕事に伴うお金、そこの裏付けとなる税源という部分の見直しというものの作業というのは視野に入れなければいけないということで検討を進めていきたいというふうに思っております。
そういった中で、大きな、今のところ、具体的な形で地方消費税の問題というものを議論するところまで行っておりませんけれども、当然その真剣な議論の中ではこの問題というものが十分議論されなければならないということの認識で取り組んでいきたいというふうに思っている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/93
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094・山本順三
○山本順三君 それからもう一点ですね、今回の地方税法の中で定率減税の廃止の提案がなされております。これ、平成十一年、小渕内閣のときに景気対策ということで恒久減税の一環として実施されたものでございますけれども、このことについて、実は与党の税制改正大綱の中に、なお、今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見通しを含め、その時々の経済状況に機動的、弾力的に対応すると、こういうふうな方針も併せて出されておるところでございまして、今回廃止をするということでございますけれども、たまたま日銀も量的緩和の解除をいたしました。恐らくや、景気がそうそう落ち込まないだろうという前提の下にこういうふうな決定をなされたんだろうと思いますけれども。
この定率減税ですね、今後景気の見込みをどう立てて、そしてこの定率減税の廃止が景気にどういう影響を与えるかと、その見込み等々についての見解をお述べいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/94
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095・山崎力
○副大臣(山崎力君) 景気動向を専門に見るというのはうちの役所の責務ではないということを前提にお話しさせていただきたいと思いますが、そういった中での動向でございますけれども、少なくても定率減税の導入時に比べて景気が大幅に改善されているということは事実だろうと思いますし、先行きにつきましても、企業部門の好調さ、あるいは雇用・所得環境の改善ということが家計部門に波及していると、そういったことで国内の民間需要に支えられて景気回復が続くというふうに見込んでもよいのではないかというふうに思っております。
そして、平成十八年度の、先ほどお話にもございましたが、政府経済見通しにおきましても、制度改正による負担や給付の増減を織り込んだ上で、平成十八年度においても消費及び設備投資は引き続き増加し、我が国の経済は民間需要を中心に緩やかな回復を続けるというふうに見込んでいるところでございますので、私どもとしても、こういったことを踏まえれば、定率減税の廃止による負担増というものにつきましては十分吸収できるものではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/95
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096・山本順三
○山本順三君 分かりました。
続いて、地方交付税、三番目の案件でありますけれども、地方交付税に関連して何点か質問さしていただきたいと思います。
よく聞くんですけれども、地方は無駄遣いをしておる、そして地方交付税がその温床になっている、こんなことを我々もよく耳にするわけであります。谷垣財務大臣も、昨年ですか、まだまだ地方交付税は削減しなければならないと、地方の無駄がたくさんある、七兆あるいは八兆円その余地があるんだと、こんな議論すら我々の耳に届いてきたというところでございます。
そこで、財務省として地方の無駄遣いと言われることについての見解というものをお聞きしたいわけでありますけれども、例えば、これは例えばのことを一つ二つ申し上げたいと思うんですけれども。
今年はもう豪雪被害であちらこちらで大変な状況になりました。私も同僚のふるさとでございます新潟県の十日町の方に豪雪の視察、そしてまた地元町村の皆さん方の言わば要望をお伺いするし、ただそれだけじゃいかぬなということで、何と雪下ろしも五人で行ってまいりましたが、初めて一時間ほど経験さしていただいて、もう汗びっしょりになったんですけれども、これは大変なことだと。この雪下ろしが本当に毎日やらなければならない、でないと家がつぶれちゃうと、こういう状況の中で雪国の皆さん方は大変なんだな、野上政務官も大変なんだなということを実はつくづくと体で感じてまいりました。
そこで、特に現地の皆さん方が腐心をされておりますのは、独居老人であるとか高齢者のお宅であるとか、あるいは障害を持つ皆さん方、そういったところに対して、もちろんほうっておくわけにいかない、もしも被害が出たら大変だというようなことでいろいろと、具体的には補助、単独事業として補助をしていく、そういうふうなことを私どもも聞いてまいりました。でも、これは恐らくや地方交付税で裏付けのされない出費になるんだろうと。裏付けにならない、されない出費ということは、それは言葉を換えたら無駄ということに相なるのかも分からないなというような、そんな気持ちを私は持っているんです。
それとか、ある町村長さんおっしゃっていましたけれども、よく財務省が使う例に結婚祝い金の話が出てまいります。でも、この結婚祝い金というのが、過疎のいわゆる若者がいないところで何年に一回このお金が出るんだろうかと。そのときに出るお金、あるいはまたその地方で久しぶりに、何年ぶりかに新婚カップルが誕生したと、頑張れよというような、そういう気持ちを込めた出費というものが果たして無駄という言葉で対応されていいんだろうかということを私はつくづくと思います。
先ほど現場を見てもらいたいというお話を申し上げましたけれども、そういうふうな流れの中で、財務省、よく分かるんですよ、もうこれからどんどんどんどん国の財政状況は極めて厳しい、それは地方とともに痛みは分かち合わなければならない、こういうふうな気持ちは分かりますけれども、今ほど申し上げたことも一つの事例でありますけれども、財務省としてどういうふうな御見解をお持ちか、野上政務官のお話を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/96
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097・野上浩太郎
○大臣政務官(野上浩太郎君) 山本先生が財務省は地方には無駄遣いが多いと主張していると御指摘をされる背景には、一昨年に当省が行いました地方単独の経常的経費に関する実態調査というものがあると思われますので、まずその点について御説明を申し上げたいというふうに思います。
財務省といたしましては、経済財政諮問会議等の場におきまして、地方の一般行政経費の単独事業につきまして、地方財政計画における具体的な内訳がないためにどのような事業が含まれているのか不明確であると問題提起を行ったところであります。他方で、近年の決算と計画を比較すれば、一般行政経費単独事業の計画額を決算額が大きく上回っているということから、一昨年に具体的使途について調査を行ったところであります。調査の結果を見る限りでは、地方財政計画に計上される標準的歳出として地方交付税により財源保障を行う対象として適当かどうか検討すべき事業が多数含まれているのではないかと疑問を表明したところであります。
しかしながら、財務省といたしましては、地方が自らの実情に応じて行う多様な単独事業の一つ一つにつきまして、これは一概に無駄か否かをコメントするつもりはございません。ただ、国が一律で財源保障する対象となるならば、具体的な内容について納税者である国民の理解を得るものであることが必要と考えているところであります。個々の自治体が、これは調査には表れないような標準的歳出水準を超えると考えられるような事業を実施する場合には、これはやはり住民と向き合って、サービス水準と負担の水準をよく議論して決めるべきでありまして、それを国が一律で財源保障するということは地方自治の本来の在り方とは違うのではないかと考えておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/97
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098・山本順三
○山本順三君 もうそれ以上の私の方も深追いはいたしませんけれども、是非地方の実態というものを見極めた上での議論というものを今後心掛けていただくように私の方から改めてまたお願いを申し上げたいと思います。
そこで、その地方の実態について若干申し述べたいと思うんですが、平成十六年以降、実質的に五兆円以上の交付税が削減されているということはこれは事実であります。ということは何を意味するかというと、地方の財政規模はかなり縮小してしまっておる、それが元に戻っていないと、これもまた現実だろうというふうに思います。おかげで、平成十七年、十八年度、これは一般財源の総額は確保してあげましょうということで対応できましたが、平成十九年度以降は大変に実は心配をしておるところであります。
そこで、これは多分どの県も同じだろうと思いますから、私の出身県の愛媛県を例に取って若干申し上げたいと思うんですけれども、例えば予算額でありますけれども、この五年をベースに見てみますと、平成十四年が六千八百七十六億の一般会計だったわけでございますが、それが本年度は六千百九十億、まあ本年度といってもまだ、今日が多分最終日だと思いますが、六百八十六億の減額をせざるを得ないという実態があります。また、歳入につきましても、平成十四年が二千三百三十七億円あったのが、今現在千九百十六億、四百二十一億円のマイナスになっている、これも事実であります。
愛媛県、この間は知事公舎を売りました。それはまあ精神的な一つの考え方ではありますけれども、もう立派な知事公舎は要らないと、県民が苦労するんだから我々も苦労しようという知事の意向ということでありますが、それに加えて、広告収入であるとかいろんなことを対応して歳入を上げるように努力をせざるを得ない、そういう状況であります。
歳出につきましても、シーリングによって大幅な歳出削減がずっと続いているんです。もう限界です。例えば、平成十五年から十六、十七、十八、累計で五百一億削減をしています。また、投資的経費、事業費ベースでありますけれども、同じく七百五十三億円。それから、事務事業の見直し、なかなかこれももう見直しにくいところでありますけれども、これも百三十九億円、こういうことを、言わば努力を一生懸命にしておるわけであります。
それで、今度、平成十八年から二十一年に向けまして財政構造改革元年だということで五か年計画を立てて何とかしていこうと、大規模事業、これも全部ストップしようじゃないかと、約三百十五億円、私の地元の大きな案件も飛んでしまいましたけれども、もうこれも致し方ない。そして、県単事業、県単独の補助金の見直しで十八年度だけでも二十億を捻出しよう、それから知事の給与は二〇%カット、特別職も一五%カット、そして一般職の給与も三・五ないし八%カット、これで七十一億捻出をする、そしてまた、定員も五か年で一〇%カット、まあ次から次へ、挙げれば枚挙にいとまがないという、こういう状態なんですね。
ということは、地方が正に無駄だ何だというような議論をもうする以前の状況に追い込まれているんではないだろうか。県がこれでありますから、田舎の町村、その辺りになりますと、もう立ち行かないような状態になっているということの認識をやはりお互いに共有をしなければならない、こういうふうに思っております。正に乾いたタオルを一生懸命絞って絞って絞り倒せ、こういうふうな今の状況なんだろうと、このように思っておるわけでございます。
そこでお伺いしたい点は、まずは現在の厳しい地方財政の中で、その地方の努力ですね、こういった努力の実態を総務省、どういうふうに把握されているのかということ、それから平成十九年度以降の地方交付税の増減見通し、これは総務省と財務省、できれば両省に御答弁いただきたいと思いますけれども、この二点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/98
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099・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま愛媛県の厳しい財政状況についてるるお聞きしたわけでございます。我々もいろんな地方団体の方から厳しい状況というのを聞いてございまして、誠に大変だなという思いを強くしているところでございます。
地方財政計画におきます地方一般歳出、この三年間で約四・一兆円の削減ということでございまして、各地方団体におきましては、定員削減あるいは給与のカット、投資的経費の削減、あるいは歳出全般にわたる見直しというようなことで行っていただいておるわけでございますが、一方、医療、福祉などどうしても増えていく経費もあるわけでございまして、財政運営が一段と厳しいものがあるというふうに認識しておるわけでございます。それでもなお、地方財政、十八年度で八・七兆円もの大幅な財源不足があるわけでございますし、また債務残高も十八年度末で二百四兆円に達するということでございますので、なお健全化の努力が必要であるというふうに考えておるわけでございます。今後、十八年度までは一応のめどがあるが、十九年度以降非常に心配だという声も我々も各方面からお聞きしておるわけでございます。
政府としては、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支を黒字化しようということで、国、地方歩調を合わせて歳出歳入一体改革を進めることとしたわけでございますが、そういった中で、我々といたしましては、この歳出歳入一体改革等の議論と整合を図りながら、中期地方財政ビジョンというものを作りまして、交付税等の先行きについて一定のめどを付けていただくようにしたいなというふうに考えておるわけでございまして、そういった中で、できるだけ計画的な財政運営に資するように我々も努力していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/99
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100・野上浩太郎
○大臣政務官(野上浩太郎君) 現行の地方交付税制度は、地方の歳入歳出の差額を補てんする形で総額が決定されることから、地方歳出の見直しに加えて、地方税収の動向も交付税の総額の決定に影響を与えるところでありますので、その増減の見通しにつきまして今具体的にコメントをするということは困難であるわけでございます。
ただ、我が国の財政は、御案内のとおり、国、地方を合わせた長期債務残高が平成十八年度末段階で七百七十五兆円に達する見込みであるなど、国、地方とも大変厳しい状況にあり、基礎的財政収支の黒字化に向けて、国、地方とも歳出の抑制に取り組んでいかなければなりません。
今後、地方においては、自らが債務の円滑な償還を図っていくとの立場に立って、まずは地方単独事業や地方公務員給与など、自らの歳出を厳しく見直していただくことが重要であると考えております。その上で、国から地方に巨額の財政移転がある等、現在の状況下において、国、地方がバランスの取れた財政健全化を進めていく観点からは、今後とも地方交付税の財源保障機能の見直しを進めるとともに、地方公共団体の安定的な財政運営に配慮しつつ、交付税の総額の抑制が進んでいくことが必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/100
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101・山本順三
○山本順三君 続いて、実は地方交付税に絡んでの地方共同税というような観点からの質問をしたかったんですが、竹中大臣がお帰りになりましたので、せめて一問ぐらいはさせていただきたいということで、最後の質問になりますけれども、ちょっと道州制について御所見をお伺いしたい、このように思います。
先般、ある県の知事と話をしておりました。明確に私は道州制は反対であるというような、そういうお話でございました。いろいろな理由がありましたけれども、少なくとも道州制で各都道府県が市町村合併のようにただ単に一緒になるというような観点ではいけないと、それは当然のことだろうと思うんです。そして、その道州制をしくということは、正に日本の国の形を今後どういうふうにしていくのか、そしてそのための自治制度を根本的にどう改革していくのか、その流れの中に道州制というものを位置付けなければならない。そのためには、その道州制に連動して、国の組織あるいは霞が関の在り方、そういったものもしっかりと議論する、すなわち国の仕事と地方の仕事の仕分もいま一度見直して、そういったものを踏まえた上で道州制を語るべきである、まだそこまで行っていない、だから私は反対だというようなことをおっしゃっていました。
私は、その意見とは相通ずる意見を持っているわけではございませんけれども、ただまあ、ある意味ではそういう議論なしに道州制がスタートしてしまうと、端的に申し上げたら、正により広域的な地方の出先機関ができてしまうんではないだろうかという心配も実はあるわけです。まだ今の都道府県ならば、都道府県の言わば良さといいましょうか、あるいは特徴といいましょうか、そういったものがもっともっと出てくるチャンスもあるんですけれども、道州制になったら一体どうなるんだろうか、こういう心配も若干私もしておるわけでございますけれども、今度どういう形でその道州制を進めていかれるのか、基本的なお考えをお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/101
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102・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、衆議院の本会議と重なりまして、大変御迷惑をお掛けして、山本委員には特に、皆さんにまた申し訳ございませんでした。
今のお尋ねでございますけれども、道州制の話というのは、私はもう委員おっしゃったことは誠に重要なことだと思います。これ、決して地方の制度をどうするかという問題ではないということでございます。これは、国と地方をどうするか、その意味では広い意味でのこの国の形をどうするかという問題でありますから、地方の問題として議論するとすれば、それは誤りであるというふうに思います。
もちろん、その点は地制調の報告ではちゃんとそういうことは明記をされておりまして、広域自治体改革をこの国の形の見直しに係るものとして位置付けて、国と地方双方の政府の在り方の再構築によって我が国の新しい政府像を確立する、そういう見地に立つならばその具体策として道州制の導入が適当であると、もうこれに私は言い尽くされているのだと思います。
例えば、愛媛の皆さんは日本国民であると同時に愛媛県民であり、また、まあ松山市民等々いろいろ、これ両方の立場でやはりしっかりと議論しなければ意味がないんだと思います。その意味では、この答申の中には、これをやはり国民的な議論にしなければいけないんだということも明記をされております。
地方の問題だというふうに受け止められている間はやっぱり国民的議論は深まってないということだと思います。総務省の私たちの仕事としては、まず幅広い観点から国民的な論議を喚起していくということが当面の私たちのこの問題に対する重要な仕事であろうというふうに思っております。それとの関連で、道州制特区をどうするかというような議論も、まあいろいろ賛否両論、いろいろ御議論をいただいているというふうに思いますが、これも一つの議論のきっかけであろうと思うんです。
是非とも、今申し上げたような視点で、つまり地制調の答申の本来の趣旨にのっとって国民的な議論を幅広くしていただけるように我々としては努力をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/102
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103・山本順三
○山本順三君 ありがとうございます。
最後に一言だけお願いしたいんですが、その特区の話で言わば北海道を一つ取り上げたというようなそんな話も聞こえてもまいりますけれども、まあ北海道は道でありますから、例えば四国州をどうするかとか、そういうふうなことも踏まえたモデル地区的な対応をこれからお考えいただければ有り難いし、我々もその対応策を練っていきたいと思いますので、その点お願いをしておきたいと思います。
以上、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/103
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104・森元恒雄
○森元恒雄君 先日、所信表明に対して質問をさしていただきましたんですが、今日はちょっと細かな点といいますか、具体的な点を三つばかりお聞きしたいと思います。
一つは、お手元に資料を配っていただいていますが、特に東京ですが、学者の先生方、あるいはシンクタンクの研究者、あるいはマスコミの関係者、あるいは経済界の方々から、都市部、とりわけ東京の財源を地方に配り過ぎてるんじゃないか、やっぱり東京の税収はもっと東京に使うべきじゃないかと、こういう声がよく聞かれるわけですけれども、このお配りした資料は、果たして東京に上がっている税収というのが本当に東京の実力を反映したものなんだろうかという意味でちょっと見ていただきたいなと思ってお配りしました。
法人税をまず見ますと、各県別の生産額では東京都は全国の一六・八七%のシェアですが、法人税は四一・五九%のシェアを占めております。あるいは所得税についても、人口では九・五四%、県内所得では一三・九一%ですが、所得税収は三三・四八%。消費税は一六・八%に対して三三・九四%。なぜこういうふうになるかと。
まあ、理屈は極めて簡単であります。全国的な事業展開をやっている法人の本社が東京にあれば、その法人税は、あるいは消費税、所得税は、全部本社で一括経理をして東京の税務署に納税されるからであります。加えて今や国際化時代でありまして、海外での投資事業活動によって得られた利益も、その大半は東京に本社のある企業によって東京に納税される。しかし、この東京に納められた税収の中にはかなりの部分が地方の皆さん方の働きによって、あるいは消費によって得られている部分があるわけでありまして、私はその辺をもっと学者の先生方あるいは経済界の方々もしっかりと頭に置いた上で議論をしてもらいたいなとかねがね思ってるんですが。
いま一つ、政府の方からも総務省からもそういう情報発信が足りないんじゃないかなという、まあ率直に言ってですね、気がしているものですから、大臣に是非いろんな機会を通じて御努力いただきたいなと。
で、あわせて申し上げると、それに対して地方税の方は分割基準であるとか、消費税については小売なりサービスの売上げで調整をしているというようなことでかなり実態に近い形になっておる、むしろ地方税の方が正確な実力に近いんじゃないか。ただ、これとても議論すれば、果たして本当にそれが実力かと言いたいところは一杯ありますが、まあそれはおいておくとして、まず国税についてそういう形になってるんだということをこれから御努力いただきたいと思いますが、もし何か御所見いただけるのであればお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/104
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105・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 森元委員御指摘のとおり、何か税収を上げる努力を各地方すべきだという議論が割と表面的にといいますか一般的に行われているわけでありますけれども、正に今御指摘くださったとおり、ここは、どの地域でどのぐらいの税収が上がっているかというのは正にそれは税制の仕組みによって根本的に決まっていくというところが私もやっぱり大きいのだと思います。
これは、地方法人課税の場合、これは偏在性の問題があると、で、地方消費税についてはこれは比較的偏在性が小さいというふうに一般には考えられているわけですけども、例えば自動車関係税等々については一人当たり自動車台数が多いところでむしろ多くなるというようなこともある、いろんな要因が混在していると思います。
そもそも、その所得がどこで発生しているかということを純粋に考えても、これ本当に難しいですね。これ、つまり地方の工場で作って東京で売っていると、それじゃどこで所得が発生しているのかと。これ正に御承知のトランスファープライスの問題でありますけども、そういう問題について確かに十分な議論が余りなされていないというのは、私もまあ改めてですけど、そのように思います。
そういうことについては、しっかり問題意識を持って私たちもよく勉強をして、必要な情報発信はしていくつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/105
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106・森元恒雄
○森元恒雄君 じゃ、次に別のことでお聞きしたいと思いますが、これも私は誤解に基づく意見だと思いますけれども、交付税は歳出と歳入の足りないところを補てんする仕組みだと、制度だと。したがって、地方団体は行政改革をし、経費をできるだけ効率化、合理化していこうという意欲が余り起こらない。あるいは、午前中もちょっとお話がありましたが、幾ら税収増の努力をしてもそれに見合う分、交付税が減るんで、余りこれまた意欲がわかないと。要するに行政改革、合理化に対するインセンティブをそいでおるんではないかというような批判がございますが、しかし交付税は、実際に幾ら支出したとか実際に幾ら税収が上がったかということではなくて、標準的な客観的な平均的な数値で各々の団体がどの程度の事務量があり財源が必要としているのかと。
で、財源についても、法定税を法定税率によって徴収したら幾ら入ってくるかということですから、法定外税あるいは超過課税をやれば全く一〇〇%自分の財源になるわけでありまして、そのインセンティブは私はビルドインされている、交付税制度そのものが行政改革に対するインセンティブが働く仕掛けになっている、極めて優れた制度だと思っておりますが。
残念なのは、ただ総務省自身がそういう世間の批判を受けて、やっぱりちょっとそういう声にも耳を傾けぬといかぬかなといって、行政改革をやればそれを需要額に反映させるような仕掛けを織り込みましたけれども、私はそれは邪道じゃないかと、そんな耳はきっぱりと、毅然と正論を吐いて断るというのが正しい姿ではないかと。
こういうことをやっていると、またいつか来た道でありまして、あの例の地域総合整備事業債に対する批判がいろいろ世間から言われたようなことになってしまいやしないかと危惧するものでありまして、大臣としてのお考えがあればおっしゃっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/106
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107・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) これはもう本当に森元委員、御専門家として大変深い点を御指摘くださっていると思います。
私も全くそのとおりだと思います。つまり、標準的な支出を決めているわけですから、それに対して何らかの努力をすれば結果的にそれは自分の方にリターンがあるわけですから、正にこれは一種のビルトインスタビライザーのような機能そのものがこの交付税の制度の中にはあると、そのとおりだと思います。
我々として悩ましいのは二つございまして、そのことは承知の上で、実はやはり今大幅な財源不足があって、結局その財源不足があるということでそれを最終的には補うというような形を、交付税はその役割も担っていると、そこの点をどう考えるかということだと思います。そして、ビルトインスタビライザーがそういう財源不足に対する補てんという意味もありますので、やはり世間一般から見て、そのビルトインスタビライザーがあるということは分かっている人でも、やっぱりそれが十分現実に機能していないのではないかという面での厳しい御批判があるということだと思います。
ビルトインスタビライザーを部分的に入れるということは邪道だといいますか、決して本来の正々堂々たる政策ではないという思いは実は私にもございます。しかし、その問題を喚起するという意味でもとにかく十七年度、十八年度やってみようということでこういうような仕組みづくりをさせていただいております。財源不足がなくなって正常化した段階では、委員がおっしゃったような形での、むしろビルトインスタビライザーを活用するということは正に地方の自治にゆだねるということですから、私はやはりこれが本来の在り方であろうというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/107
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108・森元恒雄
○森元恒雄君 最後に一点お願いだけしておきたいと思いますが、三位一体の改革、まあ第一ラウンドが終わって、来年度以降、第二ラウンドをどうするかと。正に懇談会あるいは地方六団体との意見交換通じて、大臣始め皆さん方の方もお考えいただいているわけですが、私は率直に言って、第一ラウンドの結果を見て、税源の移譲はもろ手を挙げて評価していいと思いますが、国庫補助負担金は、あれは三位一体の趣旨等勘案していかがであったんだろうかなと思います。あのような国庫補助負担金の改革であれば、これまた率直に申し上げてやらない方がまだよかったんじゃないかなというふうにさえ思うぐらいでありまして、ここはよほどやっぱり地方団体ともよく話合いをしていただいて、お互いに腹を決めて、腹をくくって取り組んでいただきたいというお願いをしたい。
それに併せて、各省庁、午前中の会議のときもお話がありましたが、三位一体で国庫補助負担金が一般財源化される、税や交付税に振り替えられると損をしますよ、あなたのところはマイナスになるだけですよ、そんな案に乗っていいんですかというようなことが各省庁からかなり喧伝をされた。あるいは地方団体の間でも、市町村長さんの中には、うちの団体はこれだけ損したと、減ったというような話をよく聞くわけですが、これは私は全く誤解だと思うんですね。ですから、その誤解に基づいた風評が、風説がそれこそ流れることがやっぱり三位一体にブレーキを掛ける大きな要素の一つになっていると思いますので、そこはしっかりと、そうでないということをまず足下の関係の地方団体に正しい認識を持ってもらうような努力を役所としてもしっかりとやってほしいと、このお願いをしたいと思います。
それからもう一点は、今の山本議員の質疑の中でもありましたが、三年前、二年前の歳出カット、交付税、臨財債の二・九兆円のカットは、私に言わせると三年分を一年でやったと。三年掛けて徐々に削減していくんならまだ地方団体は対応できたと思いますが、一気に一年で突然やらされたということが対応もうしかねるという状態になり、またその影響が今年に至ってもまだ残っているわけであります。国の方は、自分の予算編成のことはどうやったら収支じりが合うかということを自らやっているわけですからよく分かりますが、都道府県や市町村のことは人ごとでありましてよく分からないと、何とかなるだろうというような思いが非常に強いんじゃないのかなという点を非常に危惧しております。
一つだけ例を言うと、例えば政府管掌保険が赤字になって財務省、厚生労働省が予算組めなければすぐに制度改正に手を付けるけれども、国民健康保険は万年赤字でありまして、累積債務が幾らたまっていても手を付けないと、なかなか。腰を上げない。
そういうことを見ましても、地方団体は本当に悲鳴を上げているということをよく認識していただいて、来年度以降の地方財政対策をどうするか、しっかりと取り組んでいただきたいと、これをお願いして終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/108
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109・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
早速何点か質問をさせていただきたいと思います。
ちょっと前に二〇〇七年問題というようなことがよく言われたところでございますが、団塊の世代の人たちが現役を退かれるということで、民間も役所も大量の退職者が出るというようなことが言われております。いろんな問題点があるだろうと思います。仕事上のノウハウをどう後輩に承継をさしていくのか、あるいは財・サービスの提供のレベル維持をどう図っていくのか。これは公務員であれば住民サービスの維持をどう図っていくかということになるだろうというふうに思いますけども、そういう問題もある。
で、やはり一番切実な問題は、退職金が大変な額になるんじゃないのかということでございます。昨年からも報道にも出ておりますけども、二〇〇九年ごろですか、ピーク時は、一兆四千億ぐらい退職金が必要になってくるんではないのか、そんなふうに言われているわけでございますが、もちろん各地方自治体も将来見越して順次採用を図ってきたというふうに思われるわけでございますが、ただ、五十歳代が大変多いということもあって、この団塊の世代がリタイアするときに大変な財政状況になるなというふうに思っておりますけども、まず総務省として、この大量退職に伴う各自治体の対応状況をどのように把握されているのか、お知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/109
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110・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 退職手当の状況についてのお尋ねでございます。
今後どういうような状況になるかということについては、今後の勧奨退職の状況あるいは中途退職者の状況、そういった不確定要因があるものでございますのでなかなか正確にはとらえられないところがございますけれども、マクロ的には、地方公務員全体の年齢構成から考えますと、御指摘のように今後、定年退職者が急激に増加いたしまして、十年前後はその退職者の数が高い水準で推移すると、それも現在の三割から四割ぐらいの増になるんではないかなというような見込みを持ってございまして、それに伴いまして、地方団体の方もこれは大変だということで、退職手当債について要望を出してきているという状況であるということでございます。
そういうことを踏まえまして、今回、十八年度、一定の、地方財政計画の中に退職手当債の増額とそれから退職手当債の対応というものをお願いしているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/110
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111・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 どこかの新聞社がやっていた、なかなか対応がまだしっかり立てられていないような自治体もあるようでございますけども。
ところで、退職手当については今まで、今勧奨退職どのぐらい進むかというお話がございますけども、基本的には定年退職には退職手当債というのは対象になっていなかったということでございますが、まあそれはそうですよね、これ。一応計算すれば分かることですから準備すればいい話なんで、まあそんな必要もないよということではいるわけでございますが、今回はこの対象者を定年退職者にも拡充をすると。
そしてまた、これを許可に係らしめているわけでございますが、これは、やはり許可ということであれば何らかの基準を設けることと思いますけども、その基準はどのようなものになるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/111
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112・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 御指摘のように、今回は大量の定年退職ということでございますので、定年退職も当然含めて考えていこうということでございます。
その際の退手債につきましては、まあ建設地方債か赤字地方債かというふうな分類でいきますと赤字地方債ということになるものでございますので、今回法改正をお願いし、実際の個別団体への対応は許可に係らしめたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
許可の基準でございますけれども、一定の発行可能額というものを構えたいというふうに考えておりますけれども、これは現在、給料総額というものについて交付税で手当てをしているわけでございますけれども、その給料総額の中には標準的な退職手当割合というのを想定して組み込んでございます。それは、標準的な場合このぐらいの退職が見込めるだろうということで過去の数値から割り出しているわけでございますけれども、この標準的な退職手当割合を超えて支給する必要がある場合、その超える部分を今回の退職手当債の発行可能額というふうにしていきたいというふうに考えております。
ただ、その場合に、単純にそういうことをいたしますと、実際の給与制度等にいかに問題がありましてもその発行可能額まで発行できるということになりますので、やはり現在、定員とかあるいは総人件費について適正化ということが政府全体として取り組むことになってございますので、そういう面についての計画の策定を通じまして将来の人件費の見通しをきちんと立てていただくと、それによってこの赤字地方債の償還財源について一定の見通しを持っていただくと、こういうことを併せてやる中で退手債の許可をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/112
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113・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 将来の償還ということでございますけれども、その前に、退職手当債というのは、これ引受先はどういうことになるんでしょうか。これはすべて銀行等が引き受けるというふうな形になるんでしょうか。はっきり言って、要するに引き受けてもらえるところが確保できるのかという心配をしておるわけでございますが、政府系金融機関の整理もありますし、また地方団体の破綻とかいう言葉が飛び出してきますと、貸す方だってやっぱり破綻先に貸したくないよなというふうになると思うわけでありますが、その辺の手当てといいますか、どんなふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/113
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114・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 退職手当債の資金手当てということでございますけれども、特に退職手当債に限った資金手当てというふうに考えているわけではございませんで、現在におきましても退職手当、先ほど御指摘ございましたけれども、勧奨退職等に対応して退職手当債出ているわけでございますので、そういったことを前提としながら今回額が増えていくと、こういうことでございます。
その際には、先ほども申し上げましたけれども、人件費の見直しということの中で将来の償還財源について一定の見通しを持ちながらこの退職手当債の増額をしていくと、こういうこともございますので、我々といたしましては、その資金を提供する方においても特に支障がないといいますか、不安を持たれることはないというふうに基本的には思っていますし、我々といたしましてはそういう制度であるということをきちんと金融機関等にも広報してまいりたいというふうに考えてございまして、そういったことを統一的に考えますと、この退職手当債を含めた地方債の償還、地方債の引受けということについて特に支障が生ずるというふうには考えていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/114
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115・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 頭の整理をちょっとさせていただきたいんですけども、三位一体でこの義務教育費の国庫負担金のうちの退職手当分というのが改革の対象になったと思うんですけれども、前のときは税源移譲予定特例交付金というような形でやったなと。それから、今度それはやめにして所得剰余金というような、譲与税ですか、というふうになっていくというふうになると、要するに義務教育の職員の退職手当の部分は税源が移譲されるこの税収の中で対応するという形になるわけですよね、教育公務員については。で、そうじゃない人は、場合によっては退職手当債という形で工面をして退職金を払うというような理解でいいんですね。その辺ちょっと整理して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/115
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116・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 御指摘のように、この義務教育職員の退職手当につきましては若干複雑な状況になっているというふうに考えます。
基本的には、義務教育職員の退職手当につきましても法律上は退職手当債の対象になり得るものだろうというふうに思います。ただ、今御指摘がございましたように、従来は国庫負担金の部分がございましたので、その部分が今回の三位一体改革の中で一般財源化されると、こういう事情があるという意味ではほかの一般の職員と違う面があると、こういうことでございます。したがいまして、現在の交付税の計算におきましては、義務教育職員の部分につきまして、所要額を一般財源化されたものとして交付税の単位費用の中に組み込んでおりますので、基本的にはそれで対応されるという今の御指摘はそのとおりかというふうに思います。
ただ、必ずしも、マクロの設計ではそういうことでございますが、個別の団体におきましては、実際の退職手当の必要額とそういう交付税上の措置額というのがずれる可能性もあるわけでございます。したがいまして、今後、十八年度から、今お願いしております退職手当債の制度を動かしたいというふうに考えておりますけれども、義務教育職員につきましては更に地方公共団体の皆様方の意向も十分伺って、適切な対応ができるように更に検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/116
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117・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 次に、総人件費削減の関連でちょっとお聞きしたいんですが、昨日、夕刊見ていましたら、国家公務員の新規採用一律削減というようなことが出ておりました。五年間で五%純減させるために二〇〇七年度から四年連続で一律削減するよというような記事であったわけでございますが、ちょっと前、二か月ぐらい前に、この総人件費削減と併せて分限処分制度というものをしっかり活用していこうみたいな報道があったと思うわけでございますが、国家公務員法で言うと身分保障の規定がございますが、七十八条ですか、勤務実績が良くない場合とか心身の故障とか、そういう分限の問題がありますが、これ最後のところで、定員の改廃とか予算の減少により廃職又は過員を生じた場合というのが載っております。一般用語として、私、分限というと、例えば裁判官分限法とか、何か心身の故障とかあった場合にこの分限という言葉が思い浮かぶんですが、ちょっと異質なものが実は入っているなという気がするわけであります。
この分限というのをどういうふうに解釈すればいいのかということと、それからこの第四号ですか、この定員の改廃とか云々という。これは四十年以上適用がないということらしいんですけれども、使わない法律を何で置いているのかなということがあるもんですから、その部分含めてちょっと御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/117
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118・鈴木明裕
○政府参考人(鈴木明裕君) 分限という言葉でございますけれども、広辞苑で引いてみましたら、身分、地位などの範囲とか限界とか、あるいは身分の程度、身のほどというような、そういう意味が書いてございまして、一般的な言葉の意味としてはそういうことのようでございますけれども、実定法である国家公務員法の分限というセクションに規定されているものを見てみますと、降任とか休職、免職あるいは失職とか、そういうような事項が掲げられておりまして、これらに共通する要素から分限というものを定義、解釈をしてみますと、官職との関係における身分関係の変動であるというふうに理解することができるのではないかなというふうに思っております。
それから、七十八条の四号の点でございますけれども、申し上げましたように、国家公務員法の第七十八条の分限処分というのは、公務の適正かつ能率的な運営を図るために、一定の事由がある場合に免職、降任するなど、職員に不利益な処分を行うものでございまして、その事由として、御指摘ありましたように、一号から三号に規定しますように、公務への適格性を欠く場合など、職員の側に問題があることから分限処分の対象になる場合と、四号の廃職とか過員のように行政組織の側の事情から分限処分の対象になるという場合がございます。それぞれを対象とする趣旨で規定がされているというふうに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/118
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119・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 何か、報道によれば、総人件費削減のために運用指針を作成する方針を固めたみたいな報道がされておるわけでございますけれども、余り、この適用がばらばらだったりして明確な適用基準がないため、なかなか処分を決断できないとの声が上がっていたという書きぶりがあるわけですが。
本来、意に反して免職とか処分を行うことに、そういう処分を行うことによって公務の適正かつ能率的な運営を図ろうということであれば、ちょっと総人件費の削減の問題と絡めて出てくるのは何か変な感じがするわけでありますが、その辺はどういうふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/119
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120・佐藤壮郎
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 分限制度でございますけれども、これ御指摘がございましたように、公務の能率的な運営を図るということが最大の目的でございます。
したがいまして、今回の検討に当たりましては、この能率的な運営の保障という観点を重視してまいりたいと考えております。また同時に、職員保護との調和ということも重要であろうかと思いますので、それについても対応を十分考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/120
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121・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 当総務委員会の決議等でも十分配慮をしようということが何回か出されているようでございますが、よろしくお願いをしたいと思います。
それから次に、今後の地方分権について、大臣、総務相にお聞きしたいと思いますけれども、三位一体改革というのはずっとやってきたわけでございますが、今後この分権改革をどういうふうに進めていくかという、その方向性についてお聞きしたいんでございます。
片山先生のところの片山プランとか、麻生プランとか言われておりましたけれども、いろいろ何かビジョンの懇談会とか一杯おつくりになっておられるようでございますけれども、やはりそういうプランというものをお立てになって進めていくというふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/121
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122・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 方向性はどうかという大きなお尋ねでございますけれども、基本的には地方にできることは地方にと、これはもう揺るがない方向だと思います。そのためにも国の関与を縮小して、そして住民に身近な行政についてはできるだけ地方公共団体に事務権限等をゆだねていく、そして自由度と責任を明確にしていっていただく。方向としてはそういう一般的な説明になってしまうわけでございますが、これまでの三年間はそのための一つのやり方として三位一体改革をやろうということだったのだと思います。
具体的に、補助金の改革をやって、そしてその分、しかるべきスリム化をした上ではあるけれども、税源移譲を行って、そして税源移譲を行うに当たっては、これ偏在がいろいろ出ますので、地方交付税は地方交付税でしっかり対処をして、全体としてはスリム化していこう、そういう一つの土俵があったというふうに思っております。私は、今一般的に国の関与の縮小、そして自由と責任というふうに申し上げましたけれども、そういう方向を目指すに当たって新たにどのような土俵を作れるかということを是非明確にしていきたいというふうに思っているわけでございます。
今までと同じように補助金削減して税源移譲していくという、やっぱりそういうことだけでは不十分であろうというふうに思います。そういう、具体的には税源移譲はしてもらわないと私は困ると思いますし、そして交付税の改革を、今日いろいろもう幅広く議論していただいているような方向を踏まえて改革していかなければいけないわけですが、やはり具体的な、そこで理念、議論の段階から具体的な施策の段階にする上にはやっぱり新たな土俵を作らなければいけないという思いでおります。
そういうことを導くためには、一つの手法としては、今何やるかということを考えるに当たって、まず十年後の一つの姿を描いてみて、それにすぐには行けません。すぐには行けないけれども、当面の二年、三年何をやるべきかというような方向、正に私が言うところの土俵を、改革の土俵を作りたいと、そのように考えているところでございます。
そのために、二十一世紀のビジョン懇談会におきまして、方向としては地方の自由度を拡大して責任を明確化するということ、これが極めて重要なポイントでございますけれども、それについてのビジョンの検討を行っていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/122
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123・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 平成十二年に地方分権一括法ということで地方自治体の事務の方は自治事務と法定受託事務というふうに整理されたわけでございますが、それ実際に自治事務と言われても、いろいろ法令の基準が定められていますから余り裁量が、余地がないと、あるいはまた細かい基準が定められていない場合でも国が全体計画を作って、それに基づいて地方自治体が地域計画を作るというようなことで、何か国が定めた計画に基づいて事務を執行するという、そういう自治体の何か在り方みたいなのがずっと来ているんではないのかなと。
全く国の関与はもう要らないよという意味ではないんですけれども、今総務大臣おっしゃったように、この地方の自由度をどう拡大をしていくかということが本当に大事だと思っておるわけですが、その辺をどうやっていくかという部分について御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/123
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124・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 本当にこの問題、御指摘の問題は、具体的な政策論になると、必ずと言っていいほど、総論賛成各論反対になるわけです。
さっきの三位一体の改革の議論でも、地方でできることは地方でと言っているうちはだれも反対しないわけですけれども、それぞれの省庁について国の関与をもっと減らしてくれというふうに考えて補助金の改革をやろうとするわけですが、それぞれの省庁は自分の所掌している仕事については関与を続けたいんですね。これはもう残念だけれども、どうしても最後はそういう議論になってしまいます。それで大変苦労もしたわけでございますけれども、結果として依然として地方の自由度の確保はやっぱり十分とは言えない状況なんだと思います。大分進みましたけれども、それでも十分とは言えないという状況だと思います。
この点、やはり国は地方公共団体が地域の特性に応じて自治事務の処理ができるようにやはりこれはもう配慮をしっかりとしていかなければいけない。具体的にというと難しいんですが、実は昨年十二月に地制調から、事務事業の執行方法、執行体制に関する国の法令は、地方公共団体の自律性を高める内容とすべきである、特に自治事務については、国は制度の大枠を定めることにとどめて、地方公共団体が企画立案から管理執行に至るまでできる限り条例等により行うことができるようにすべきであるという答申をいただいております。これもう本当にいい答申だと思うんです。私としては、この方向で地方の自律性、自主性を高めていきたいと。
そのためにも、先ほど分権の会議では、今言ったような一部を条例に委任するような仕組みをつくれないかと。それは、自由の部分、そしてそれに併せて責任の明確化をすることができないだろうかと、そういうことについての御議論をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/124
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125・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それで、今、自治事務の中でも事実上、国が決定した内容を執行しているような場合があるわけでございますけれども、一方でまた、補助金も、本当に補助金の整理といいますかね、補助金もいろいろなところで出ているというふうに理解をしておりますけれども。事務の分類とこの補助金の支給と十分に関連されているのかなというふうに思うわけでありますけれども、この補助金改革を含めた地方行政改革等をやっぱり検討していかなきゃいけないなと思いますけれども、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/125
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126・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 確かに現行の制度というのは、その意味では非常にうまく現実に合わせてつくられているという面と、気が付いてみるとその区分がなかなかすっきりしないという面と両面持っていると思います。現行の制度では、法定受託事務であろうと自治事務であろうと、地方団体が事務を処理するために必要な経費はこの地方団体が支弁するというふうにされている。法令によって地方団体に事務の処理を義務付ける場合には、国はそのために要する経費の財源について必要な措置を講じなければいけないというふうに地方自治法で定められております。
この必要な経費が一体、一般財源によるのか国庫支出金によるのかの基準については、これは地方財政法が規定をしておりまして、地方団体の事務に要する経費は地方団体が負担するとしつつも、例外として、国、地方双方の利害に関係する事務や公共事業等については国庫負担金として国がその一部を負担しなければならないこととして、またその奨励的な国庫補助金も認められているというような仕組みになっている。
つまり、現行法では、地方財政法によって、国の費用負担についての一定の考え方が示されてはいますけれども、その事務の区分と費用負担の在り方とが直接連動するものにはなっていないわけで、これはもう正に今、魚住委員が御指摘したとおりの状況なんだと思います。
自治事務、そして法定受託事務といったこの事務の区分に応じて国と地方の費用負担を峻別して明確化するというのも、だから一方の考え方としては出てくるわけでございますけれども、そのためにも、結局同じところに立ち返っていくわけですけれども、国と地方の役割分担の抜本的な見直しが不可欠である、やっぱりそこに立ち返っていくのだというふうに考えております。そういう点を踏まえて議論を深めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/126
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127・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それはもう国と地方の関係ということで、先月の末に、先ほど来出ておりますけれども、地方制度調査会、道州制に関する答申というのがありました。
そこで、私、党の中で参議院選挙制度の改革の議論を担当させていただいているわけでありますが、県なのか、いや全国一律なのか、もっともっと地域ブロックに割ったようなことも考えられるんじゃないかというのが私言わせていただいているところでございますが、そういう関係で、非常にこの道州というのが非常に今まで注目をしてきました。ただ、それはあくまでも選挙制度から見た道州の発想であったわけでありますが、ただ、今回出てきたのは、もっと国の在り方を含めた根幹的なことなんだろうというふうに理解するわけでありますが。
ただ、大昔にもこの道州制の議論があったなというふうに理解をしておりますけれども、翻ってもう一度確認したいんですが、今なぜ道州制なのかといいますかね、ちょっとそこのところをお教えいただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/127
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128・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) いろいろ御議論がありましょうから、ちょっと私が申し上げることだけがすべてではないというふうに思いますが、今なぜということに関して申し上げれば、本当に地方でできることは地方でやっていただこうと、もうそれが非常に広くそういう考えが受け入れられているということだと思います。
そうしますと、最も身近な行政体である、自治体である市町村がしっかりとした基礎自治体として役割を果たしていただかなければいけない。そうすると、その重要な役割を果たす基礎自治体にはやはりある程度の財政基盤を持ってもらわなきゃいけない。財政基盤を持つということは、すべてではないにしても、やっぱり一定の人口規模、規模を持っていただいて、それでその規模の利益もある程度発揮してもらう。それがどの程度の人口が本当に必要な一定規模なのかということに関してはこれは意見は分かれるんだと思います。私の知っている限り、幾つかの研究によって、大体十万人と言う人もいれば、三十万人と言う人もいる。十万人の場合は千ぐらいの自治体、したがって三十万人ということであれば三百数十ぐらいの自治体、基礎自治体ということになります。
ただ、いずれにしても、今そういう方向に向かってだからこそ合併が進んできて、今千八百二十一までこようとしているわけでございます。これ、だからもう少し進めなきゃいけないという思いを私たち持っておりますが、いずれにしても、そうすると、そういう形で基礎自治体が出てきたら市町村がしっかりとした基盤を持つようになってくると。そうすると、県の存在は一体何なのかということにこれは必然的になってくると思います。
いつも分かりやすい例として、私の和歌山県の場合を考えるわけでありますが、人口が百万人ぐらいのところで本当に基礎自治体、三十万人の都市ができたら、三十万人都市が三つできたら今の和歌山県になってしまうと。そうすると、県というのはどういう役割を果たすんだろうかということになるんだと思うんですね。したがって、より広域の自治体、広域の自治体の役割というのがそこは必要になってくるということで道州制の議論が、いろんな考えがあるわけですけれども、ひとつやはり共通に考えようということに私はなってきているのだと思います。
しかし、そうすると当然、これは県が単に寄り集まって県の合併ということではないわけです。なぜならば、それだけ市町村がしっかりしてくれば、今の県が持っている権限をそのまま道州が引き継ぐのではなくて、県の権限はやっぱり市町村にやらなきゃいけない、渡さなきゃいけない。同じような意味で、今度は国の持っている権限を道州にしっかりと渡さなきゃいけないということになるわけですから、域内分権ということを伴っていないとこの議論というのは本当の議論では私はないということなんだと思います。
したがって、そういうことまで含めていくと、正にこの国の形をどうするかという議論なんだということを地制調は問題提起をしているわけでございまして、だからこそ、先ほどの話にまたなりますが、国民的な議論をここはやはり深めていかなければいけない、そういうことであろうかと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/128
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129・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 ただ、地域性といいますか、県民性なんという表現もあって、明治以来かなり県の意識というのが強いなと、当たり前と言えば当たり前ですけれども。また、参議院の場合ですと、選挙区の選出の先生方は、人口の多寡にかかわらずその地域を本当に代表して私はここに来ているんだという大変な自負の下で議員活動をされているわけでございますので、やはりそれはもう百数十年培ってきた、それはまあ一概に道州に持っていけるかという非常に難しい障壁があるなというふうに思っております。
今、総務大臣がおっしゃったようなくくりでやっていきますと、例えば北東北三県のような話以上にもっとでかい単位になってしまいますと一体感ができるのか、あるいはそこの州の首長をリコールするのには大変な作業が必要だとか、いろんなことが思われるわけでございますが、さっきも御答弁の中で指摘されておられましたけれども、まずは広域的な県の合併から始まるとか、そういう需要があるわけですから、そういうことから始めていった方がより早いんじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/129
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130・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) こういう議論をする場合にやはり一つ難しいものは、委員がおっしゃったような住民の意識の問題、それは地元の文化の問題にも通ずることがあるんだと思います。
考えてみると、廃藩置県のとき藩が県になって、実は同じような問題を私たちは百何十年か前に経験をしているんだと思います。
実は、県で一緒になる、道州にしなくて県に合併するだけでもこれは本当、大変なことだと思いますね。例えば、実は、今やはりこの百何十年の都道府県制度の中で、県ごとに設立されているものというのは非常に大きいわけです。これ、銀行が県ごとに地方銀行を持っております。県ごとに地方紙、新聞を持っております。そして、県ごとにテレビ局がございます。気が付いてみるとほとんど県ごとに大学がございます。そういうやはり単位を私たち持ってきたわけですから、これをやっぱり一気にというわけには多分なかなかいかない難しい問題があって、だからこそ相当の国民的な議論が私は必要なんだと思います。
一方で、行政単位とそのコミュニティー、文化単位、その生活単位としてのコミュニティーは、これはやっぱり工夫の仕方としては幾つかあるんだと思います。今、現実に総務省が行っている政策でも、市町村が合併しても、その中でのコミュニティーを守るような仕組みというのは用意をしているわけでありますので、そこは柔軟に考える工夫の余地もあろうかと思います。
ただ、いずれにしても、先ほど申し上げましたように新聞、テレビ、大学、銀行と、考えてみたら、最もいろんな意味で力を持っている主体が県ごとになっているということですから、これはこれでやはりこの問題と向き合うと、もう大変な問題がやっぱり目の前にあるということだと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/130
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131・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 まあ、道州というふうに具体的にどういうイメージで想像するか、しっかり議論をしなきゃいけませんけれども、さっきの自治事務みたいな今の在り方、やはり相当思い切った権限移譲しないと、だって同じような今の、ただ県じゃなくて州になっただけみたいな話になりかねないなというふうに思うとともに、やはり地域的なまとまりでやるでしょうから、その財政力も随分違うなと。そこの調整もしっかりやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思うわけでございますが、道州への権限移譲、道州間の財政調整、この辺についての総務大臣の御認識をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/131
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132・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御指摘いただいた問題も考えなければいけない非常に重要な問題の一つだと思います。今、国が、総務省が地方交付税という形で国税を基にしていろんな形での調整を行っている。それをどの程度今度は道州が担うべきなのか、本当にできるのかという問題だと思います。
例えば、私の、ちょっと個人のことであれですけれども、私の家内は徳島の出身で、四国でございますが、四国が道州になったとして、四国の中で本当にそういうことの調整が完結できるだろうかということになると、直観的にはこれはなかなか大変だというふうに思います。そういう意味では、道州間のまた財政調整のようなメカニズムを同時に考えなければいけないということになってくると思いますし、具体的な制度設計をちょっと考えると、まあ気の遠くなるようないろんな問題があろうかと思います。
ただ、今の段階で申し上げられるのは、やっぱり間違いなく地方でできることは地方でという方で私たちは進んでいる。そのために基礎自治体を更にしっかりさせ、もう三千数百あったのが千八百になっているわけですから、もうこれ相当進みましたですよ、この数年で。そして、これを更に合併を進めるという方向に私たちはもう進んでいるわけでありますので、これは本当に今のような都道府県単位でいいのか、やっぱり広域のその自治体なんか、行政単位が必要だというふうな、これはもう私はやっぱり必然的に出てくるわけで、それに備えた国民的なフェアな議論を始めましょうということではないかと思っております。
いろんなメリットもありますが、いろんな問題点もあります。そのことを是非総務省としては国民の皆さんに周知をして、御議論をいただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/132
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133・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 先ほど来から出ていますけれども、総務大臣の方では地方分権二十一世紀ビジョン懇談会というものを立ち上げられておられて、その第一項目めに、道州制を視野に入れた国と地方の役割分担の見直し云々という、この懇談会の要綱といいますか、今手元にあるわけですけれども、さっきの地方制度調査会が出ているこの答申よりも、まあもちろん更に踏み込んでそういう方向性にしっかり検討されるんだろうなというふうに思いますけれども、これ諸井さんは、少なくとも十年ぐらい掛かる仕事じゃないかというふうに述べているようでありますけれども、まあ国民的な先ほど議論が大事だという話でございますが、どのようにこの国民的議論を高めていくのか、あるいは推進法みたいなものも制定を考えているのか、あるいは先ほど来あった特区みたいな、思い切ってやってみて、そこで議論を高めていくというお考えなのか、ちょっとその辺の御認識をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/133
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134・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) まず前半でございますが、お願いしている懇談会では、そういう制度設計をするということは、これはもうとてもできないと思っております。むしろ、正にビジョンであります。そのビジョンを議論するときに、委員の中から出てきたのは、その道州制が比較的早く実現するというふうに考えるのか、相当時間を掛けないと実現できないというふうに考えるのか、そのどちらかによって、当然のことながら交付税の在り方の議論も大きく違ってきますね。そういう意味で、道州制の議論を視野に入れて議論したいというふうな、そういう趣旨での御発言であったというふうに思います。
制度設計に関しては、これはビジョン懇でやるような性格ではなくて、むしろ国民的な議論の進捗を踏まえて、地制調等々でかっちりとした議論を私はしていただかなければいけないと思います。それを進めるためにどうしたらいいか、推進法をつくるのかと。まあもう、正直言いまして、まだまだそこまで考えられるような状況ではないと思っています。
とにかく道州制という考え方が、ある種、ここ数か月のですね、非常にこう国民の一般の皆さんの目に、初めてと言っていいぐらいの速度、スケールで出るようになりまして、これは何なんだと、自分たちの生活がどう変わるんだという議論が始まったところだと思いますので、それに対してやはりしばらくは地道な、しかししっかりとした広報活動を行うことだと思っております。
当面できることとしましても、まあ我々の広報活動の一環ですけれども、せいぜい一回タウンミーティングをやってみるかというぐらいのことはちょっと私個人のベースでは考えておりますけれども、それ以降の法の整備とか、そんなところにはとても行ける段階ではないと。しかし、しっかりと議論をしていただける基盤を是非つくっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/134
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135・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
議論があちらこちら飛んでちょっと恐縮でございますが、もう時間がなくなってきましたので、一問だけちょっと聞かせてください。
いろいろ借入金の関係でお聞きしたいと思いましたけれども、破綻法制でございますけれども、先ほど先行質問者の中で予防機能という言葉を大臣使っておられました。これは、やはりこういう整備をすることによって、住民、議会あるいは行政自体が自分の財務状況を認識する、だから破綻の認定を受ける前に早期是正を図ることが期待されるというようなことなんだろうというふうに思いますが、ただ、自分の、自分のというか自治体の財務状況を正確に把握できる環境が整備されていることが前提なんだろうというふうに思います。
総務省の調査、昨年六月二十二日の発表でございますが、地方公共団体のバランスシートの作成状況というものを発表されました。普通会計とそれ以外の会計のバランスシートを連結したBSを作成しているのは都道府県でも六六%、市町村では一一・一%、また公社とかあるいは第三セクター等を含めたバランスシートを作成しているというのは、都道府県では四十七団体中八団体、一七%、市町村では二・三%、五十八団体であると。
銀行の財務状況というのは、よく昔議論になりまして、銀行の支店に行ったら、最近はもう、まあ大分前からですが、財務状況というのがこう店内に張ってますわね。まあ市役所へ行ったら張ってあるかどうかは分かりませんけれども、やはりそういう、何というんでしょうか、この財務情報が適切に把握され周知されないとやはり予防機能というものが発揮されないんではないかなと。
このような実態に対する総務大臣の御所見、また財務情報の整備方策についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/135
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136・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) バランスシートの整備の状況はちょっと後から局長の方から答えてもらいたいと思いますが、基本的には、私が予防と申し上げてますのは、まあ広い意味で言えば、やっぱり住民の皆さん、そして資金の貸付者を含む関係者の皆さんに関心を常に持っていただくということなんだと思っております。これ地方債を発行するときもしかり、貸手の方にもやっぱり常に貸す側の責任というのがあるわけですから、それもしっかりと見ていただく。また、借りる方は、資金を調達するに当たって、いや、この計画はこんなに住民のためになるし、こんなに財務の収支もしっかりしているんだということを説明していただく、そういうことのやり取りを通して、やはりお互いにしっかりとしたサービス提供と行政がなされていくということなんだと思うんです。その意味では、その関係者の方に情報を常に提示して、関係者が常にそれを見てチェックするというシステムこそが、私は最大の予防であろうかと思います。
その意味では、まずバランスシート、それ、しかも本当は一般会計のバランスシートというのはほとんど意味がないわけでありますから、できるだけいろんな公営企業とかそういうものも含めた、出資先も含めた広い意味での情報を正に把握できるような財務情報、バランスシートが必要であると考えております。
その方向で実は地方の行革指針の中でもそのようなことを求めるということを既に昨年行っておりまして、この三月にはようやく都道府県と政令指定都市についてそういうものが試作的に出てくるということになっておりますので、重要な、今その意味では一歩が踏み出されようとしている段階であると認識をしております。この方向を進めたい。
ちょっと詳細については局長の方から答弁をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/136
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137・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) バランスシート等の作成状況でございますが、御指摘のように、平成十五年度段階で、都道府県では六六%程度、あるいは市区町村では一一%程度、それから公社とか第三セクターを含めましたバランスシートにつきましても、都道府県で一七%程度、あるいは市町村では二・三%程度と、こういう数字、御指摘のとおりでございます。
我々といたしましては、やはり正確な財政状況を把握するためにバランスシートを作成していただきたいということでお願いをしてございまして、ただいま大臣からもお話がありましたけれども、十七年度末までには県、指定都市においては試案をすべて作っていただくという段階まで参りましたが、更に努力してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/137
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138・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 もう質問終わりますけれども、住民が一番関心あるんじゃないのかと。もう破綻するところだったらまあ引っ越した方がいいんじゃないかみたいにですね、そういうことも考えるわけですよね。そういう意味でもしっかり進めていただきたいというふうに思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/138
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139・吉川春子
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
大臣、地方交付税の機能についてお伺いいたします。
地方交付税は地方公共団体に法律上当然帰属するという意味において地方の固有の財源だと、これは宮澤元総理の参議院本会議での答弁です。その機能というのは、どの地域にも住む住民にも基本的、標準的にサービスを提供できるように財政力に格差がある地方公共団体に対する財源調整を行うということと、地方行政の計画的運営を進めるために財源保障のためのものだと、こういうふうに私は認識しておりますが、大臣の御認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/139
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140・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 既に何度か私自身も国会で御答弁させていただいているかと思いますが、地方交付税は本来的に地方に権利のある財源であって、そして、正に地方共有の固有財源であるという性格を有している。そして、それは地域間の経済力の格差等を反映して税源は偏在しているということも含めて、地方本来の税収入とすべきものを国が変わって徴収をして、財政力の弱い地方団体に対して地方交付税として再配分する、そして、結果的に国民にとって必要な財政需要を満たす、そういうことを確保するために必要な正に財源調整と財源保障の両方の機能があるというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/140
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141・吉川春子
○吉川春子君 政府は、この地方交付税改革として大幅な総額抑制の方針を打ち出しておられます。そのために、不交付団体の増加を掲げて、二〇一〇年の初頭には不交付団体、市町村の人口割合を三分の一にするというふうに言っています。
三分の一にするためには、財政力指数は幾つが分岐点になるでしょうか。その財政指数を超える団体数は幾つになるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/141
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142・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 人口割合三分の一を不交付団体とした場合の財政力指数、どのぐらい程度になるかということでございます。これにつきましては、三分の一程度、十七年度の交付税の算定結果を基の推計でございますけれども、おおむね財政力指数が〇・九を超える団体ということで二百四十団体前後かなというふうに推計をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/142
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143・吉川春子
○吉川春子君 私の試算と若干違うんですけれども、まあ近いのです。
資料を、配付いたしました資料一、二ページにわたってごらんいただきたいと思うんですけれども、人口割合三分の一の場合の不交付団体増加の見込みという数でいいますと、北海道から沖縄まで挙げてありますが、私の試算ですと二百三十七団体になるということです。そして、五、六年で不交付団体が、今総務省の数字もかなり大きな数字なんですけれども、全国で九十団体ぐらい増加して、私は埼玉県の出身ですけれども、現在の七団体から一挙にその三倍近い二十団体に拡大することになるわけですね。埼玉が一番数が多いかなという感じがするんですけれども、これは大変なことになると。具体的な市町村の顔を思い浮かべながら危機感を感ずるわけですけれども、この目標を達成する場合、今の総務省の数字でいいんですけれども、どの程度の税源移譲を見込んでいるんでしょうか。そして、歳出削減は幾らぐらいになると試算されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/143
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144・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 人口割合で三分の一程度を不交付団体とする場合、税源移譲額なり歳出削減額どのようになるかという御質問でございますけれども、全体に、今後の自然増収とかあるいは歳入歳出一体改革の動向なり、あるいはその移譲の税目とか、あるいは地方財政対策の在り方、そういったものによって変わってまいりますのでなかなか一概には言えない面もありますけれども、まあ機械的に十七年度の数値を基に推計いたしますと、市町村、県分両方合わせた額ということになりますけれども、三位一体改革で三兆円の税源移譲というようなことを行われましたけれども、そういったのとは別に、更に三兆円を超える税源移譲なりあるいは歳出削減というものが必要になってくるんではないかなというふうに見ているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/144
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145・吉川春子
○吉川春子君 三・三兆円程度、税源移譲と歳出削減も込みでの数字ですか。確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/145
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146・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) これは税源移譲と歳出削減というものを全体として見込んだ場合にそういう程度の数字になるのかなというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/146
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147・吉川春子
○吉川春子君 三兆円以上の税源移譲って大変な数になりまして、どういう財源で行うのかなということも思うんですけれども、そこまで議論する時間がありませんが、それができないとすると、今度歳出削減ということも一方では出てくるわけでありまして、いずれにしても大変な問題だと思うんですが、大臣、そういう数字を前提にお伺いしますけれども、今後もこうした目的のために税源移譲というものを進めていくということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/147
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148・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 諮問会議等々の議論で、やはり、今例えば、これはよく例として出るんですけれども、名古屋市も交付団体ですね。まあ、景気が回復する中で、また日本で最も元気のいいと言われるその名古屋市が交付団体というのは、本当に今のままでいいのかというのは、これは私はまあ素朴な疑問として出てくるんだと思うんですね。
そういうところは、名古屋市のようなところは、これは少し、何というか詰めた議論ではなくて、よくいろいろ議論に出る、直観的な議論だとしてお聞きいただいたらいいですけれども、名古屋市のようなところは、やはり自前でやっていけるのが普通なのではないのかと、そういうような形で、もちろんスリム化するところはスリム化をいたしますけれども、国と地方の税源配分を見直さなきゃおかしいのではないかと、私は、その議論は極めて説得力のある議論なんだと思うんです。
それが、今まで総務省としては、人口割合で三分の一ぐらいを今目指してやっているわけですけれども、先般、諮問会議の民間議員からは、それをもっと高い目標にすべきだというふうに御指摘が出て、それはそれで一つの考え方だと思いますが、その場合は、当然のことながら極めて多額の税源移譲を行ってもらわなければいけないと、そういうような発言をさせていただきました。
私は、やはり名古屋市のようなところが交付税を受けるというようなことはなくす、それがやっぱり自然な改革の方向だと思いますし、交付団体が少なければ少ないほど良いともまた私は思いませんけれども、バランスをやっぱり若干今はまだ欠いているというような認識は持っております。しかし、それは決して全部歳出削減でできるわけはないわけで、そこはやはり、しかるべき税源を移譲して、地方の固有の、正に税収を増やすような方向でやっていかなければいけない、私は当然のことであろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/148
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149・吉川春子
○吉川春子君 名古屋市が交付団体だという、極めてある意味では特殊な例をおっしゃいましたけれども、そういう名古屋市だけを例にして議論はできない。
九十団体近い団体が不交付団体になると、それは先ほども申しましたけれども、いろいろもっと、大変な自治体も全部含まれてくるということで、これは大問題だと思いますし、ましてや、今大臣がさきにお触れになりましたけれども、五〇%にすると、人口で九割の自治体を不交付団体にするなどということはもう大変な乱暴な議論でございまして、そういうことは、到底、やっぱり地方交付税の持つ機能を台なしにするわけだし、第一そこに住んでいる住民の皆さんにとっても大変大きなマイナスの負担が掛かっていくということを指摘しておきたいと思います。
それで、もう一つの方のテーマで、もう一つの方の法案で、今日は二つ一緒にやらなくてはなりませんので先へ進みますけれども、地方税法の改正問題をお伺いします。
最初に、定率減税廃止について伺いますけれども、定率減税廃止による影響額はどれぐらいでしょうか。そのうちサラリーマン世帯における影響額等の内訳はどうなっていますか。定率減税の何%を占めるのかという点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/149
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150・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) 今委員の方から、今回の十八年度税制改正での定率減税の廃止による増収額、それについてサラリーマンの分はどれくらいの割合かということでお尋ねをいただきました。
その中で、私ども、十八年度の分というのは具体的にこれからの話なので分かりませんが、それの推計の仕方として、まず十七年度の課税における定率減税の減収額、この状況を見ますと、給与所得者、給与所得の金額が最も多い者ということですが、この給与所得者に係るものの割合が約八八%となっております。そして、定率減税の廃止による今回の増収額、これは平年度ベースで約四千三百億円と見込んでおります。
したがいまして、この給与所得者に係る定率減税の減収額の割合というのも先ほどの率とほぼ同様というふうに見込みができるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/150
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151・吉川春子
○吉川春子君 サラリーマン、八八%に増税の影響が及ぶということは大変な問題だと思います。
そこで、大臣、お伺いいたしますけれども、この定率減税の廃止というのは、正にサラリーマン増税そのものではないのか。サラリーマン増税はやらないと公約されたわけですけれども、これは正に公約違反ではないかというふうに、私は、強く、もう怒りを持ってこの問題を質問するわけですが、一体サラリーマン以外には影響を受けない税というものがあるんでしょうか。あったらお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/151
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152・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと、質問の趣旨がサラリーマンのみに対して課するという税目はあるかということでございましたら、サラリーマン、すなわち給与所得者のみに対して課する税目というのは設けられていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/152
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153・吉川春子
○吉川春子君 そういうことですね。サラリーマン以外には影響を受けない税なんというものはないわけなんですね。
それで、大臣、もう一つお伺いしますけれども、昨年九月の総選挙で、サラリーマン増税を行うという政府税調の立場は取らないと、こういうふうに公約されたわけですけれども、このサラリーマン増税というのは、昨年六月提出の政府税調の個人所得課税に関する論点整理に示された増税案のことではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/153
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154・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年六月の政府税制調査会基礎問題小委員会の個人所得課税に関する論点整理だと思いますけれども、その論点整理におきましては、サラリーマン増税という用語は用いていないわけですが、定率減税の廃止については、サラリーマンに限らずすべての納税者を対象とするものであるから、これは、サラリーマン増税とは異なるものであるというふうに認識をしております。
政府税調のその小委員会での論点整理の解釈としては、私はそういうことではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/154
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155・吉川春子
○吉川春子君 解釈ではなくて事実をお伺いしていますが、平成十七年六月二十一日の税制調査会の個人所得課税に関する論点整理の中に、平成十八年度において定率減税を廃止するとともに、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行う必要があると、このように明確に記されていますよね。その点はどうですか。──いや、大臣に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/155
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156・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) 具体の事実関係の話なので。
論点整理ですね、今お持ちしましたけれども、こういう分厚い中に資料付いておりまして、幾つかの論点が具体的な論点としては書いてあります。その中の書き出しのところのところで、今お話があったような文言が税源移譲等と並んで書いてあるということで、全体の論点整理の中でそういった文言は入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/156
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157・吉川春子
○吉川春子君 正にその中に入っていて、定率減税を廃止するということが明確に書かれているわけですね。
それで、大臣、もう一度伺いますけれども、これは、ですから正に公約違反じゃないかということなんですよ。やっぱり説明の付かない公約で選挙を戦うというのは国民を愚弄するものだと私は強く思います。
しかも、この定率減税を導入した時点では恒久的減税だと説明されたわけですね。先ほども同僚委員からそういう指摘がありました。今になって景気対策のための臨時的措置だったと説明を覆して、そして導入時に比べて景気は良くなったということを理由に今回廃止するのだと説明されています。
そこで伺います。これから先が質問ですけれども、九九年のこの定率減税の導入時に比較して雇用者報酬総額及び大企業の経常利益はどうなっていますか、お示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/157
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158・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) 今のお尋ねは、雇用者報酬と大企業の経常利益、これについて定率減税を導入した一九九九年と現在を比較して数値を述べよと、こういう趣旨でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/158
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159・吉川春子
○吉川春子君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/159
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160・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) まず、雇用者報酬の関係でございますけれども、内閣府の経済社会総合研究所の方で取りまとめております国民経済計算、この雇用者報酬、名目で見ますと、一九九九年度、お話のありました平成十一年度において約二百七十兆円でございました。それに対して、平成十六年度、二〇〇四年度というのが実績の出ている一番新しいところでございますので、そこは約二百五十五兆円、その後、十七、十八と若干伸びているというのは見込まれておりますが。
それからもう一つの、大企業の経常利益でございますが、これは財務省の方で取りまとめております法人企業統計調査、この資本金十億円以上の企業、この経常利益について見させていただきますと、一九九九年度、平成十一年度において十五兆円でございます。それが、二〇〇四年度、平成十六年度においては二十六兆円と、こういった数値になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/160
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161・吉川春子
○吉川春子君 そこで、大臣、お伺いいたしますけれども、民間給与総額で比較すれば更に格差が生ずるわけなんですね。今の御答弁によりますと、雇用者報酬が十五兆円、マイナスで五・六%だと、企業の利益の方は十一兆円増えて七三%増加しております。今度は、民間給与総額でいいますと、九九年に約二百十八兆円だったものが、二〇〇四年には二百一兆円、大幅な減収になっています。低所得者が大幅に増大していることは、この間の国会論議の中でもいろいろ明らかになっています。
定率減税というのは、所得税額で二十五万円、個人住民税で四万円が限度とされて、中低所得者層の生活を守る、そういう性格の強いものでした。この中所得者の暮らしが豊かになった、家計が良くなったというその根拠があるんでしょうか。あればお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/161
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162・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 家計が良くなったという根拠があるかどうかということでございますが、現実に、企業部門の好調が雇用の環境等々を通して家計部門にも跳ね返って、そして、先ほどお話もありましたけれども、雇用者の所得も増え始めて、そして失業率は改善をしている、まだまだ厳しい状況ではありますけれども、そういう方向にしっかりと景気の足取りが良くなってきたと。だからこそ、個人消費も増えているわけでございます。
先般の月例経済報告でも、個人消費は緩やかに増加しているということでありますので、これを導入したときの本当に厳しい、スパイラル的に経済が悪化するという状況と比較しますと、これは大幅に違う環境になって、景気回復の効果が家計にも及ぶようになり始めたということだと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/162
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163・吉川春子
○吉川春子君 民間消費が若干増えたといっても、これはもう微々たるものなんですね。一方、賃金は下がり、非正規雇用が大幅に増えて、そして一般労働者と非正規雇用者の格差も増えていますし、医療費とか介護保険とか、これが全部値上がりになって大変な支出増であるわけです。だから、消費が若干増えた、そんなものはもう飛んでいってしまうようなそういう大変な事態にあります。
それで、大臣、もう一つお伺いしますけれども、一方、定率減税と同時に実施された法人税及び高額所得者の所得税の減税については今回そのままで見直しをしないということですね。
財務大臣からは、底の抜けるような景気の下支えのためとか高額所得者の勤労意欲を失わせないためだとか、その説明が予算委員会でありましたけれども、この金持ち減税は継続する必要性について、国民が本当に納得できるような根拠を示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/163
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164・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 一点、消費の増加は微々たるものだという御指摘がございましたけれども、これは決して微々たるものではございません。
消費、まあ消費の把握というのはなかなか難しいわけでございますけれども、正に今、内需、個人消費を中心とした内需、外需、バランスの取れた回復をしているわけでございまして、決して微々たるものではないということは是非申し上げておきたいと思います。
それと、税率の話、特に法人税率、個人所得課税の最高税率等々の話でございますが、やはり税制は様々な要素を考えて総合的に判断し設定されなければいけないものだと思います。特に、法人税の場合等々は、いろんな国際的な環境の変化というものもあります。極めて厳しいグローバルな競争への戦略、対応の中でどのような税率を設定するのが国民経済全体として好ましいかという観点が私は必要だと思います。
同時に、これは経済の供給側の議論でありますけれども、労働供給、具体的に、労働供給というと抽象的でありますが、正に勤労意欲をどのように高めていくかということも踏まえて総合的な税制を考えなければいけないわけでございますので、そういう中で、しっかりと税務当局において判断がなされてきているというふうに私は認識をしております。
税率の話というのは、これは、税の話というのはいろんなところに影響を確かに及ぼします。だからこそ、総合的に常に判断をしていかなければいけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/164
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165・吉川春子
○吉川春子君 私、もう一枚資料をお配りさせていただきました。「大企業の経常利益と純利益(当期利益)」という、資料二というふうになっておりますけれども。
この企業十社の利益を見ていただきたいと思います。法人の純利益の上位十社は、バブル最高期との比較で二・七倍の純利益を上げて、利益額が一兆一千七百十二億六千万円です。トップのトヨタは三年連続一兆円を超えて世界第一位。これを法人市民税の側から見ると、底が抜けるような景気の一九九〇年度は三百三十四億円で、一兆円を超える史上空前の利益を上げている〇四年度は二百十四億円、百二十億円も減額になっているわけですね。純利益を見れば、法人税減税やIT減税で更に大幅増になります。明らかに利益倍増の勢い。これを減税措置にすると、こんなことが許されるでしょうか。
サラリーマンの方は、さっきも言いましたけれども、十五兆円もの大幅減収、大増税にあえぐ市民は、医療費の支払が困難になり治療そのものを中断したり、介護施設の費用の負担ができずに追い出されたりしています。一円でも安い食材を求めて食費を削り、教育費や住宅ローンに追われて苦しんでいる。こういう庶民の気持ちについてはどうお考えでしょうか。ちょっと、時間がないので端的にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/165
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166・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、吉川委員は、最近の状況を取り上げて、一つしわ寄せが来ているんじゃないかという御趣旨の御発言をされたんだと思います。それはそれで一つのお立場として理解できる点もあるんですが、私はやはり、国全体の動きを考える場合はもう少し長期で物事を見る必要があるとかねがね思っております。
それは、バブル経済を経験して、バブル崩壊後、この十数年間、十五年間で一体何が起こってきたかということだと思います。バブルが崩壊すると、多くの国で国民は生活水準を下げます。これはタイでも韓国でもインドネシアでも生活水準を下げました。
私が申し上げたいのは、九〇年代の特に前半から半ばにかけて、この国では労働分配率がやはり著しく高まったということです。これに関してはいろんな御議論があることは承知をしておりますけれども、その労働分配率が高まった、資本分配率が下がって、それで日本の企業が非常に弱体化して、そして九〇年代末の大変厳しい状況になったということだと認識をしております。その労働分配率と資本分配率の調整をこの数年間してきて、私はようやくそれが終わりに近づいてきたと思っております。だからこそ、今年の春闘で賃上げに対して前向きに対応する企業がようやく出てきた。
そういう流れの中で考えますと、家計も大変苦しいというのも理解ができるわけですけれども、これはやはり、苦しいけれどもやらなければいけない調整の中に私たちはここ数年あったと、そのように理解すべきであろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/166
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167・吉川春子
○吉川春子君 長期の展望がどうのこうの、だから今は苦しいけれども、一番中低所得者の減税を廃止するということは到底納得できません。
それで、もう一つ、年収一千二百万以上、五千万円の高額所得者だけが減税になっているんですね、一律八千四百円。このようなやり方で余計国民の納得は得られるはずがないということを一つ指摘しておきます。是非答弁もしてほしいと思います、なぜやらなかったか。
もう一つ、時間の関係で続けて、委員長、質問してしまいますが、もう一枚資料を配っているんですね。これはちょっとまた別の質問なんですが、税源移譲見込額がマイナスとなる自治体の一覧という表をお配りしております。これは、税源移譲の見込額が文字どおりこれだけマイナスになってしまうんですね。こういう自治体が出てくると。
この自治体に対して、交付団体と不交付団体、それぞれどういう手だてを講ずるのか、それを最後に質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/167
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168・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 二問お答えさせていただきます。
今回の税源移譲に当たりましては、納税者の税負担が増加するようなケースを極力生じさせないように、個人住民税の減額措置と所得税の税率設定を行うこととしたところでございます。
その結果として、単身世帯においては基本的に税負担の変動が生じないようになっているわけでございますが、今委員御指摘のように、一部の世帯、例えば夫婦と子供二人の世帯の場合、給与収入が千二百万円以上の世帯に税負担の減が生じることとなっております。これは、住民税と所得税の人的控除の額に世帯類型に応じた差があることと、そして所得税のブラケット設定との関係で言わば技術的にやはり生じてしまうものでございます。仮に夫婦と子供二人世帯などに減税を生じさせないようにしようとすれば、逆に単身世帯に増税が生じることになるということになりますので、そうしたことに考えれば、私はやむを得ない事情があるというふうに認識をしております。
もう一点、税源移譲に当たりまして、個人住民税の比例税率化に伴いまして税収が減少する団体というのは、東京二十三区の団体など二十団体程度と見込まれます。これらの団体のうち、交付団体については、地方交付税でその影響額を調整するということとなります。また、不交付団体については、要請があれば、税収の減少の影響を緩和するために地方債の増発を認めることを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/168
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169・吉川春子
○吉川春子君 時間ですので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/169
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170・又市征治
○又市征治君 社民党の又市です。
初めに、個別の問題を一、二質問をいたしておきます。
まず、税源移譲に便乗した住民税のフラット化の結果、モデルのサラリーマン四人世帯では、低所得層は国税、地方税合わせて増減税同額になるのに対して、給与収入一千二百万円以上の世帯だけがこれ減税になる結果現れていますね。これ言わば逆累進、これはフラット化の弊害じゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/170
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171・小室裕一
○政府参考人(小室裕一君) 今の、税源移譲に伴うフラット化で技術的に若干の減税、高所得者のところで減税となる結果が出たことについてのお尋ねでございます。
委員御案内のとおり、今回の個人住民税の比例税率化ということでは、住民が受益に応じて広く平等に税を負担すると、地方税の応益原則によりふさわしい税制になると。また、今日も度々御議論がありますように、地域間の税源の偏在、この縮小にも資するものだという、望ましい方向だということで今回設計をさせていただいたわけでございます。
こうした方向、内容については、政府税制調査会でありますとかあるいは地方六団体の方からも改革案があったわけでございます。そうした中で、独身世帯それから夫婦子二人の中で調整をする中で最小限のものとしてそういうふうな形で高額のところに出てきたというのは、これはあくまで技術的な点でそういう点が出てきたと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/171
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172・又市征治
○又市征治君 長々と説明要らないんですよ。一千二百万円以上の人たちは減税になっているじゃないかと、ここは手直ししていく努力が必要だということを私申し上げているんでね。そんなごちゃごちゃと、どこやらの、税制調査会がどうなんて、そんなことは聞いてない。
もう一つ、これは大臣にお伺いしますが、地方債の利率の統一交渉、これ自治体やられていますね。お聞きすると、何か大臣はこの統一交渉自由化論者だそうですけれども、それはどうかはよく分かりませんが、自由化は、強い自治体にとってみますといいかもしれませんが、財政力が並以下の自治体では高い金利で契約させる結果になるんではないか。やはり小さな自治体のためには国などによる最小限の支援なり統一交渉というのは必要じゃないかと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/172
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173・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 統一条件交渉方式については、今回、地方債が協議制になるということに合わせて再検討してくれということを今、事務方にお願いをしております。
委員がおっしゃることは、これ、弱小自治体についてはそれなりの、やはり市場にだけ任せない何かの仕組みが必要じゃないかということは、これは理解できる面がございます。ただ、同時に、今市場で公募しているところというのはそもそもやはりそれなりの力を持ったところでございますから、市場で公募しているところについては、そこに何か役所が入って、まあちょっと言葉は不適切かもしれませんが、さもすれば談合ではないかと言われるような形での統一、これは価格ですから、価格を統一するというのは、これは私は公正取引委員会ともよく協議をして、しかるべき方法を考えてみてはどうかということを申し上げているわけでございます。
いずれにしても、これ協議制ですから、認可制じゃなくて協議制で今後やっていくわけでございます。しかも、これは市場で既に発行しているというまあ相当大きな自治体の問題でありますので、それについて協議制になるに当たって、やっぱり役所が取りまとめして交渉を統一するというようなことは私はやはりなじまない面があると考えております。
いずれにしても、これはそれぞれの事情等、やっぱり今度協議制に移行すると、これは大変大きな変化でありますので、それにふさわしい制度をやはりつくっていく必要はあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/173
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174・又市征治
○又市征治君 まあ慎重に、小さな自治体などで、小さな自治体でないと、こうおっしゃるけれども、現実はそれで救われてきたところもあるわけですから、利率が高くなるようなことにならないように、ここのところは目配り、気配りは是非してほしいと、こう思います。
それじゃ、交付税と臨財債の問題について聞いてまいりたいと思いますが。
第一段階の三位一体改革が終わったと言われていますけれども、結局、達成されたのは国の地方への事務的な移転支出の削減であって、そのため、自治体は歳入、歳出の両面において一方的な削減をのまされた、こう見られます。もちろん、税源移譲は、いろんな欠陥があるにしても、名目額にせよ三兆円以上というのは画期的なことだったとは私も思います。しかし、残念ながら、それよりもっと多額の地方財政全体の削減、例えば五兆五千億円に上る地方交付税の削減が大津波のごとく自治体に襲い掛かった。その結果、自治体にとって税源移譲のメリットはほとんど吹き飛んでしまったというのが、私のみならず、自治体側の多くの評価であります。
そこで、自治体から多くの批判を招いてきた交付税の言わば鬼っ子であるこの臨財債ルール、これは、二〇〇六年度で二期六年の最終年を迎えてそろそろ総括が必要になるんだろうと思います。まず、臨財債の関係で、地方一般財源とは何を指すのかという問題について伺ってまいります。
二月二十七日、衆議院で、我が党の重野委員がこの点をただしました。政府の言う地方一般財源の定義、範囲がどうもくるくる変わっている、こんなふうに思います。
まず、セオリーどおり税、交付税、譲与税の三つだけで計算をすると、皆さんのお手元に資料をお配りをいたしましたが、二〇〇〇年度以降、各六年間の地方一般財源は配付した資料の下段十一の欄のように推移をしたというふうに私どもでは資料を作りましたが、これは間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/174
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175・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) このような傾向であるというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/175
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176・又市征治
○又市征治君 どんどん減っているわけですね。
そこで、この補助金を廃止して地方税に置き換えれば地方一般財源は純増します。しかし、総務省は、この衆議院での論議の中で、どうもこれをこういうふうに言われるのは困る、こういうようなニュアンスを述べて、財務省に対する戦略上と、こういうふうに答弁をされているわけですね。それは財務省に付け込まれて交付税が削られるからそれを防ぐということなんでしょうけれども。
そこで大臣にお伺いしますが、そんなことを言うよりも、財務省と論争するんなら、税源移譲をした三兆円は、所得税が国から減少することに伴って、今日ここでも何回か出ましたけれども、交付税がその三二%、つまり九千六百億円減ってしまう、これを何とかしろ、このことこそがむしろ財務省に言うべきことなんではないか。
私なら、この分、所得税の交付税算入率を上げることでカバーせよ、こうやって財務省と談判をすることが必要だったんではないのか、こう思うんですが、大臣の所見をお聞かせいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/176
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177・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々は、この所得税から住民税への三兆円の税源移譲によりまして、所得税の減少分の三二%、九千六百億円の地方交付税が減少するということに早い時点から、当然のことながら着目をして財務省と一生懸命交渉を行ったわけです。地方財政対策の中での議論の重要な項目になったわけです。
交付税の法定率分の減少影響を緩和することが必要だということは相手もようやく承知をして、それでいろいろな措置を、今回の措置を行ったわけでございます。それへの対応として、これはもうよく委員御承知のように、本格的な税源移譲が実施される平成十九年度から三年間交付税総額に総額六千億円を加算するということで、これはもう私たち正にそういう交渉をしてそういう合意に達したわけでございます。
今後、更にそういう問題意識を持って財政当局とは当然交渉していくわけでございますけれども、歳出歳入一体改革と整合を図る、そして中期地方財政ビジョンの策定に取り組んで、できるだけ早く健全な財政運営が可能になるように努めていく。仮に、加算措置を講じた上でなお財源不足が生じる場合には、これは地財対策を通じて地方の財政運営に支障がないように、これは当然適切に対処してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/177
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178・又市征治
○又市征治君 ここのところは是非しっかりやっていただきたいというふうに思います。
そこで、臨財債は、以前から私たちも反対をしてまいりましたが、本来、国が交付税財源として保障すべき額が不足してきたからであって、ここまでギャップができた以上、交付税法第六条三の第二項の本則どおり、交付税算入率を引き上げて国税で賄うべきものであります。それを奇妙な折半ルールによって地方が半分しょわされた、この点は何度でも我々は強調しなきゃならぬと、こう思います。
ちなみに、二〇〇一年からの臨財債を累計しますと、お配りした資料の十の欄のとおり二十兆八千六百五十三億円になるわけです。他方で、奇妙なことに、同じ六年間に政府の出した地方交付税が、その直前、二〇〇〇年の交付税より幾ら減ったか、差額の累計は、今申し上げた資料十の上の段のところを見ていただくと分かるとおり、臨財債とほぼ同額の二十兆八千八十九億円になるわけです。つまり、二十兆八千億円が政府にとっての節約額で、自治体にとっては将来の交付税の先食いになっているということは、これは間違いない、こう言わざるを得ません。
二〇〇三年ごろからこれを、各自治体などもこぞって交付税を維持せよ、この委員会でもしょっちゅう言われました。こう要求してきたのに対して政府は、一般財源は前年度並みに確保する、こういう言い換えを続けてきたわけですね。これは取りも直さず、地方税収が不調ゆえ、本来は交付税増額が必要な時期にあっても委細構わずに交付税を国の都合で計画的に減らす、そしてその代わり財源の一部として臨財債を多く許可をする、臨財債も一般財源とみなす、こんなふうに読み替えて拡大解釈が行われるようになってきたんじゃありませんか。そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/178
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179・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 臨財債をどういうふうに見るべきかという御質問かというふうに思います。
臨時財政対策債、これはもう御案内のとおり、全体として一般財源総額が不足する中で国と地方の責任関係を明らかにしていこうという中で、従来は交付税特別会計の借入金であった制度を、国と地方それぞれ、国の方は特例加算、地方団体の方は臨時財政対策債という赤字地方債で対応し、責任関係を明確にしていこうと、こういう趣旨で発行してきたものでございまして、それが直ちに御指摘のように交付税の削減というようなことを目指したものではないということはまず申し上げなければいけないというふうに考えております。
また、交付税の削減と、たまたま臨時財政対策債の発行額が長い目で見ますと同じような額になっているということでございますけれども、今申し上げましたように、それぞれ違う方向から動いてきているものでございまして、まあたまたまこういうような結果になったのかなというふうに考えておるところでございます。
我々といたしましては、やはり臨時財政対策債に頼るという財政運営が問題であるということは認識しておるところでございますので、できるだけ早くこういった財源不足の状況から脱出して、きちんとした財政運営ができるように更に頑張ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/179
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180・又市征治
○又市征治君 現実に、交付税の出口ベースはお配りした資料の九の欄のとおりなんですが、二〇〇〇年度の二十一兆四千億円をピークにして二〇〇六年度の十五兆九千億円まで、正につるべ落としに五兆五千億円減ってきたわけですね。
このうち、二〇〇五年度と二〇〇六年度は地方税増収の反射的結果もありますが、それ以外の年は説明が付かないんですね。説明が付かない。正に交付税削減ありきであって、そういう立場から交付税そのものを計画的に削減をされてきたことはもう私は明らかだと思う。いや、そんなつもりはなかったとおっしゃっても数字が現実にそうやって示している、こういうふうに言わざるを得ません。
こう見てまいりますと、結局、国の立場からの三位一体改革と称するものの核心、隠されたねらいというのは、交付税の財源不足額、直接的にはその二分の一である国の負担分をゼロに持っていくということだったんではないのか。それをやるには、しかし地方税収は伸びてこないし、以前のように建設地方債を付けようとしても受ける事業もなくなってきたというわけで、地方の需要額、すなわちサービスの量そのものを削減するしか方法がなかった。そこで、市町村合併も職員定数の削減も事務事業の民間委託も、そのために進められてきたんではないのか、そういうふうに考えざるを得ない。少なくとも、需要額圧縮の効果があったことだけは確かじゃありませんか。その点についての見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/180
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181・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 交付税額について、二〇〇〇年度に入って以降、非常に多額に落ちているという御指摘でございますが、これは一つには、制度改正を行いまして、その前までは交付税特別会計に借入れをいたしまして地方財源不足額に対応してきたと。したがいまして、この平成十三年度の前までは、財源不足額が交付税総額に上乗せするような形で出てきているわけでございます。したがいまして、この借入金をしていた当時と、それを改めまして臨財債に変えてきたという時期では随分その面では、若干その比較が制度において変わってきているということは御認識いただきたいというふうに思います。
それから、いろいろな交付税抑制という中で、公務員の定数削減等歳出抑制の方向に行ったのではないかという御指摘でございますけれども、我々、交付税がそういうことだからということよりは、やはり国、地方を通じて行政改革をしなきゃいけないのではないか、そういう意味で地方においても一定の努力をお願いし、その中で全体の歳出を見直すと、その結果として交付税について抑制的な基調になってきているというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/181
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182・又市征治
○又市征治君 随分ときれい事をおっしゃるが、本当に地方の痛みなんというのは、逆に言うと、去年大変な、予算編成の段階で自治体はもう地獄に突き落とされたと。まるでもううそばっかりじゃないか、大変な批判があった。そういう点では、そんなきれい事で私は済むような状態ではない、予算が組めないという自治体がどんどんできたわけですから。その点は申し上げておきたい、こう思います。
そこで、次に大臣にお伺いしますが、これまでの経過について、私たちは、これは国会というところは厳しくチェックをするというのは仕事ですから、批判したいことはまだまだ山ほどあるわけですけれども。
ここで今後の扱いについて伺いたいんですが、地方交付税の不足分を国と地方で折半をして、国は現金で地方は臨財債で埋めるという、こういうスキームは、先ほど申し上げたように、来年度で一応六年の期限が来るわけですね。総括をする時期に来ているんじゃないかと、こう先ほども申し上げた。そこで、来年度でこれで終わる、終わりたいということなのか、いやまだ延長せざるを得ないというふうに考えておいでなのか、そこの点の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/182
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183・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員はもうよく御承知のとおりだと思いますが、地方財政対策におけます財源不足の補てんルールについてはこれまでも三年ごとにルールを見直してきたわけです。そして、十九年度というのはルール見直しの年に当たる、大変重要な年が十九年度になるということだと思っております。現行の補てんルールはもちろんその意味で平成十八年度で終了いたしますので、十九年度においてもこの地方交付税法第六条の三第二項に該当することとなるような場合には、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は交付税率の変更が必要になるということになるんだと思います。こうした点についてはっきりとしろということは、たしか補正予算のときも又市委員から御指摘をいただいていたと思います。
平成十九年度以降の補てんルールについてどうするかですけれども、これ正に今後、歳出歳入一体計画、そしてこれと整合性を取って私たちの方で作らなければいけない中期地方財政ビジョンの策定の中でそのことをしっかりと取り込んで議論をしていかなきゃいけないと思います。今後の地方財源不足の状況を見据えつつ適切にこれは判断をしていきたい。今年のまあ夏から秋にかけてでしょうか、そして来年の予算折衝でありますけれども、それは大変重要であると思います。予算折衝のときは私はおりませんでしょうけれども、それにつなげるようなしっかりとした歳出歳入一体改革の議論を私としては是非、自らの責任においてやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/183
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184・又市征治
○又市征治君 引き続き大臣にお伺いしますが、政府が原資を工面せず、取りあえず今地方債で代用しているのだから、臨財債を一般財源の構成要素に加えるのは私はやっぱりモラルハザードになりかねないと、こう思うんです。これは麻薬のようなもんでありまして、打てばそのときは気分が高揚するけれども、後には自治体共有の巨額の借金という後遺症だけが残ることになるわけで。
そこで大臣、この臨財債、どの辺に限界を設けるべきだというふうにお考えになっているのか、年度当たりの金額制限とか又は総量規制とか、そこら辺はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/184
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185・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 臨財債は、先ほども申し上げましたように、地方財源不足が続いている状況の中でその一定のルールの中で発行しておるものでございまして、そういう意味では地方財源不足の状況によって全体が変わってくるわけでございます。仮にこの臨財債に対して発行上限を設けましても、全体として収支ギャップを解消できなければ、結局別途借入金に頼らざるを得ないということになりまして、本質的な解決にならないわけでございまして、要は財源不足が早期に縮小、解消していくということが重要でございまして、そういった中で臨財債の抑制にも努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/185
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186・又市征治
○又市征治君 その際、どちらにしても六か年累計で二十兆八千六百億もなるわけですね。で、この臨財債、将来の交付税から天引きをされる。いわゆるタコの足食いみたいなもんでありまして、大量償還のころの交付税財政の姿、出と入りというのはどんなように想定をされているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/186
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187・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 臨財債が現在相当な規模になるわけでございますけれども、実際これが償還をされるということになりますと、その段階で財源不足が解消されていなければ、その部分について臨財債なり借入金なりをせざるを得ないということでございます。
したがいまして、全体としてその臨財債の償還がどういうことになるかということも、やはり全体としての財源不足額の状況がどういうふうになっているかということに依存するわけでございまして、臨財債だけを償還するということで全体が済むものではないだろう。したがいまして、その臨財債の出と入りということについて、特に我々何か目標を持っているわけじゃなくて、財源不足額の解消ということに努力していきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/187
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188・又市征治
○又市征治君 まあ二十兆八千六百億なんというのは小さいもんだなと、地方債全体二百兆円ぐらいの中のわずかなもんだなと、こういうことですな。
まあまあそれは冗談として、これは大臣にお伺いしますが、そもそもどうしてこういう事態になったかと。もう一遍元へ戻るわけですけれども、それはやっぱり交付税法第六条の三第二項という本則に立ち戻って、国が交付税五税目のこの交付税算入率をやっぱり引き上げなかったらこうなったわけですね。こんなことを続けていると、今日もずっと出ていますけれども、ますます格差が開いていく、地域格差が開いていく、こういうことになるわけで、この点について、この交付税率の算入率の問題について、大臣、何か考えございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/188
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189・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども少し申し上げましたですけれども、要は交付税率、法定税率をどうするかというかねてからの又市委員の問題意識でございますが、私はまあほとんど同じ問題意識を持っているわけですけれども、国と地方の税源配分をどう見直すかということ、これはもう避けて通れない議論として歳出歳入一体改革、交付税改革の中で私はやっぱりやっていかなければいけないと思います。
先ほども少し吉川議員のところで御議論がございましたけれども、交付税を見直せというふうに言うと、そのときにやはり不交付団体を少し増やさなきゃいけないという議論が出てくる。そのためにはやはり税源配分も見直していただかないとそういうことにはならないわけでありますので、私は、そういうトータルの議論の中で今委員がおっしゃった問題意識は、当然のことながらこれは議論をして取り組まなければいけない課題になってくるであろうというふうに思っております。
もう一点、委員がちょっと先ほど臨財債のことをおっしゃいましたので、一点だけ、今私たちが越えなければいけない一つの課題について是非委員の皆様にも御理解を賜りたいという意味で申し上げますが、国が五百兆強の借金を抱えている。そして地方が二百兆の借金を抱えている。これ国から見ると、国から見ると言いませんけれども、財務省は必ず国の方が大変だと言うわけですね。そういう言い方をするわけですね。
で、これ、じゃ本当に国と地方がどのぐらいのその債務に対して対抗力を持つべきなのかということの根本的な議論が実はほとんどなされておりません。これは国によって違うようでございます。国によっては、地方にはほとんど借金を持たせないという国も多い。OECDではそうだと思います。そういう意味では、国と地方、今三対一でありますけれども、OECD平均で取ると、まあどこの国を取るかによりますけれども、五対一とか七対一とか、そういう問題もありますので、実は議論、本当に国はどこまで借金、今の全体としての借金のうち、国と地方の適切、まあ適切という言葉ではないかもしれませんが、目指すべき配分がどのくらいなのかというような議論も実はこの歳出歳入一体改革の中でしていかなきゃいけない問題であります。
実はこれなかなか難しい問題で、委員の皆様方にも是非問題意識を持っていろいろ御議論いただきたいというふうに思いますが、そのストックの問題と、そして同時にフローの税源配分をどうするかという問題、これは一体として多分議論しなければいけないことになってくると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/189
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190・又市征治
○又市征治君 まあ五百兆、二百兆の話出ましたけれども、一体だれがつくったのかと。自然にできたわけじゃこれはないわけでありまして、やっぱりアメリカと公共事業は六百三十兆円もやりますとかそんなことを言って、一方で地方自治体に国の政策で地方に事業を押し付ける。不況になったら不況対策やりなさい、周りでどんどんやると。その中で、今朝ほど平野さんが言いましたけれども、だから一生懸命やりなさいと、こう言って押し付けてまでやったんですね。そんなことをみんな地方の責任みたいなことを言っているところに私は大変問題があると。これまでのやっぱり総括をきちっとしておかにゃいかぬということを踏まえて、これは論議を内部でもやっぱり是非やってほしいと、このことを申し上げにゃいかぬ。自治体にとってはたまらぬ話ですよ。一方的に押し付けておいて、それで今度は、財政危機に陥った、それで今度はやりたい事業もどんどんどんどん削れ削れと、こうなってくる、こういう問題があると思うんです。
もっともっと本当は論議したいんですが、時間が参りますから、最後に大臣にお伺いをいたしますが、おとといのこの委員会でも、大臣は閣内で他の閣僚と対立してでも地方住民あるいは自治体の利益を守る立場だと、そういったことで頑張っていると、こういうふうにおっしゃったんですが、交付税についても是非、弱体な市町村はやっぱり重点として、合併をするしないで差別することなく、削減分の大幅な回復に取り組んでいただきたい、こんなふうに思います。
政府は交付団体を二分の一ぐらいに減らすと、こう言いますけれども、それは地方の税源の拡充によって結果として自立できる団体や不交付団体が増えるんならいい。それならいいんですけれども、それがなければ新たな交付税減らしの目標に結果としてなってしまうと、こういうことになるんだろうと思うんです。
大臣は一方で、めり張りも大事だと、こうおっしゃっている。私も、担税力のある企業などを抱える自治体には税源拡充で自立を促して、他方で過疎地の自治体など、税源もなく基礎的収支が賄えないこういう自治体、しかしそこにやっぱり生活をする人々がいる、そういう点でこういうところにあっては交付税で地域の格差是正をする、そうした仕組みというものをしっかりつくっていく、こういうことならば私は、めり張りということはそういう意味だとすれば賛成であります。
しかし、それもあくまでも交付税の総額を必ず保障した上でやるべきことであって、自治体から猛烈な批判の的となったこの五兆五千億円もの交付税削減というのは再び行ってはならないことはもう明らかですけれども、この点について最後に大臣の所見を聞いて、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/190
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191・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) かねてから申し上げているように、交付税というのは国から見ると中間的な支出でありますから、それを減らすどうこうという目標を定めて議論することは、これは間違っております。国も地方も削れるところをしっかりと削らなければいけない、そうしないと後世代に負担が残るわけでありますから、そのための汗は流さなきゃいけないと思います。その結果として交付税が減るんであるならば、それは大いに結構であると。
一方で、地方が自立できるようにするためには、これは不交付団体が増えるということは私はこれはいいことだと思います。しかし、そうなるためには、やはりその地方税が税源として確保されていなければいけないわけで、それは当然の言わば認識として私としては改革に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/191
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192・長谷川憲正
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。
今日は、地方税法改正案、地方交付税法改正案に関しまして御質問をさせていただきますが、私が最終登板者であります。私が関心を持っておりましたようなことはおおむね委員の皆様がお触れになりましたので、重複するところも多いかもしれません。かつ、私、地方自治は全くの素人でございます。的外れのところもあるかもしれませんが、御容赦をいただきたいと思います。
私、朝来のこの委員会での各委員の先生方、そして大臣始め政府の皆さんとのやり取りをお聞きしておりまして強く持ちました印象は、今の大臣のお話じゃありませんけれども、これは地方は大変だということでございます。しかも、地方といっても平均じゃない、東京だけが、東京だけじゃないのかもしれませんが、もうとにかく東京とその周辺が調子が良くて、あとは非常に大きな格差の中であえいでいると。言ってみれば、水にぷかぷか浮いている氷山みたいなものでありまして、水面に出ている東京はぴかぴか光っておりますけれども、水の下にはもう巨大な部分が、地方の巨大な部分があえいでいると。一番底の方なんかどうするんですか、本当に。
私は、たまたま前職が大使、外国に駐在した大使でございまして、フィンランドという小さな国で駐在をしておったわけですけれども、その国のやり方なんか見ていますと、もう地域、地域、明けても暮れても地域なんですよね。物すごく地域が大事なんです。もちろん、国、国家としてそのEUの中でどうするかとか国防とかってやりますけれども、あとは何をやっているかというと、自分のそのあっちの地域、こっちの地域、どうやって活性化するかということを物すごく一生懸命やっております。それは、結局、国家というのは地方じゃないかと、地方が健全で夢があってこそ国家も健全で夢がある、同じものじゃないかということだと思うんですよね。
そういう意味で、今、又市委員の御質問に対して大臣お答えになりましたけれども、私、そういう決意を大いにこれからも表に出していろんなところで御活躍をいただきたいと思いますし、総務省の皆さんにも頑張っていただきたい。
私は、何か親に見放された子供が、子供というよりはむしろお年寄りかもしれませんが、地方なのかな、だんだん食べるものも少なくなってきて、ようやく何かあてがいぶちで、あれに使え、これに使えと言われていたものが、自由に使える金になると思ってもらってみたら、まあ額が少ない、トータルとしてやっぱり足りないと。そういう中で、とにかく総務省が苦労なすって地方交付税という形で薬代くれると、栄養剤買ってみたり痛いところにこう薬張ってみたりするんだけれども、やはりなかなか無理があるというのが状況なのかなと。
私は、大臣が言われるように、国も借金が大きい、地方も借金が大きいのですから、これを改善しなければならないのは当然だと思います。みんなが苦労しなきゃならないのも当然だと思いますが、苦労しているばかりじゃやはり元気が出ない、みんなが元気を出して前向きの取組をしてもらわないことにはいい結果が付いてこないというふうに基本的に思うわけでございます。そういう意味で、幾つかお尋ねをさせていただきたいんですけれども。
この地域間格差、何でこんなに大きな地域の格差が出てしまったんだろうか。私も最近地方をよく歩かしていただきますけれども、本当に火の消えたような、昔来たときには立派な町だったのに、何でこんなになっちゃったんだろうというところに幾つもぶつかります。見方によっては、やっぱり今の政府の経済政策、競争、競争と言ってやってこられているわけですけれども、人によっては競争至上主義という批判をする人もおります。その結果ではないのかという見方もあるわけであります。
今日の早い時間の御質問の中でも大臣お答えになりまして、それは機会の平等ですとか、再挑戦が認められることとか、そして最後はセーフティーネットだと、そういうことなんだというふうにおっしゃいましたけれども、セーフティーネットと一口に言いますけれども、まあサーカスでブランコからおっこちても助かるというような意味の安全網ということでしょうけれども、やはりその競争の部分が非常に強くて、そして、しかも地域のその場所を選ばない日本全体的な競争が行われる。そうすると、地方の弱いところに大きな企業なんかがやってきまして、地元の企業がもう太刀打ちできなくなる。そして、大企業ですから、自分で思っていたような利益が出なくなればぱっと撤収していなくなる。その後はもう火の消えたような商店街の跡地だけが残るみたいなことが起きているんじゃないかという気がするわけでございまして、これは総務大臣にお伺いするのが適切かどうか分かりませんけれども、私は経済政策という意味で大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/192
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193・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) まあ競争至上主義というお言葉も出たわけでありますけれども、私は朝も御答弁させていただきましたけれども、小泉内閣の経済政策というのは健全なルールの下で競争はしていただこうと、競争することがやはり消費者の利便を高めると、そういう思いはありますが、一方で、必要な規制とルール、そしてセーフティーネットはしっかりと強化していこうと、そのように私たちはやってきたつもりでございます。それをもっともっとやらなきゃいけないところがあるということも承知しております。したがって、競争至上主義という御指摘はまあさすがに当たらないだろうというふうに思っているわけです。
実は、今、長谷川委員が御指摘されたことで、一つ前から私非常に強く印象に残っていることがあるんですが、これはある財界の本当にトップの方の御指摘なんですが、こういうことを、趣旨のことを言われました。
先進工業国、つまり成熟した市民社会と発展途上国で非常に大きな違いがあると思っている。それは、成熟した社会、先進国というのは地方が豊かだと、発展途上国というのは実は都市は比較的豊かだけれども地方が非常に貧しく感じられる、この御指摘はなかなか私たちにはショッキングでございます。つまり、委員言われたように、日本は実はそういう都市と地方の構造から見るとどうも途上国型になっているのではないのかと。これまあ財界のトップの方がそういう趣旨のことを言われて、そこは私はやっぱり一つ鋭い御指摘だというふうに感じました。
どうして本当にそういうことになっているのかということに対して、やはりこれはもう社会全体の知恵を絞って問題を解決していかなければいけないと思います。
その意味では、例えばアメリカもそうですね、フィンランドなんか特にそうだと思いますし、ヨーロッパ、大陸だけじゃなくてイギリスもそうです。そういう意味では、多分アメリカのように競争しているところでもそういう社会ができるわけです。イギリスのように競争している社会でもそういうところができるわけでありますから、そこはやっぱり私たち、本当に根本的な仕組みを地道につくっていく努力が必要なんだろうと思っております。
総務大臣を拝命して改めてその問題意識を強く持って、これはやはり一つ今議論している中で、地方の資源の賦存状況違うわけですね。これは、東京にはやっぱり資源があります。人的な資源もあればお金もあるし、ネットワークもあると。和歌山にはありません。そういうことを踏まえて、和歌山、NTTはちゃんとしたネットワークをつくってくれているんですけれども、総じていろいろない。そういう問題を直視して、国と地方の在り方をどう考えていくのかという議論をしたい。
三位一体の改革というのは、その意味では一つの重要なキックオフであったと思っております。しかし、まだ問題があるということもここで御議論いただいたとおりだと思いますし、承知をしております。そういう問題に是非私なりに、時間も限られておりますが、正面から取り組みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/193
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194・長谷川憲正
○長谷川憲正君 和歌山の話が出ましたけれども、何といったって誇り高き紀州藩ですから、そうした立派な文化も伝統も残っておられるわけで、立派にまた花が咲くことを期待をしているわけでありますけれども。
そういう意味で、この地域間の格差を是正するということで地方交付税というのは極めて重要だと。これはもう私は、郵便の世界でよくユニバーサルサービスという言葉を使いますけれども、やっぱり地域で皆さん住んでいらっしゃる方が一定の行政サービスを受けられるという意味での最後の救い主、ユニバーサル基金みたいなものが交付税なのかなという気もするわけでございますが、大臣の所信を拝見しますと、この三位一体改革のところで、これはもうほかの方の御指摘もありましたけれども、補助金の削減と税源の移譲と、そして地方交付税の削減、三つ合わせて成果だというふうに書いてあるわけであります。これは正に三つ一緒でできたというところが成果だという御趣旨だと思いますが、読みようによっては、やっぱり地方の人が読むと五・一兆円の地方交付税減らしたことも成果なのかと。
本当に一生懸命応援をしているんだよという気持ちが伝わるように、やっぱりこういうところも書いていただきたいなと。これはもう減らさざるを得なかったけれども、一方で財源の移譲もやったんだと、今までできなかったようなこともやったんだということを言われるのは確かに結構だと思うんですけれども、細かなところに私は気を遣って、そうして地方の人に元気出せよ、元気出せよと、自分たちも応援しているんだぞという気持ちをお伝えになるべきではないのかと。
そういう意味で、この全体としての三位一体、今度の改革、いろんなアンケートなんかもありますけど、見てみると、どうも地方団体、必ずしも評価をしていない。残念なことだなと私は思うわけでありまして、この点についてもちょっと大臣の御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/194
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195・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 所信の書き方についての御注意といいますか、御意見もございましたが、私はむしろ、一部にですけれども、今回補助金を削減して税源移譲をしたけれども交付税は何も改革していないじゃないかと、交付税についてもっと抜本的に見直せという、そういう財政的な観点からの御批判があるというふうにも認識をしております。そういう批判に対しては、いや交付税においてスリム化できることはすごいスリム化して、そして効率的な形で地方の財政需要を支えるような努力をしたんだと、そのことはやはりしっかりと情報発信したいという思いがございます。それがそういう書き方になったというふうに、そこは御理解いただきたいと思います。
しっかりと応援しているというメッセージを送れということでございます。そこは、総務省の重要な役割だと思います。
ただ、先ほど成熟した市民社会と、ほかの国と比べて、日本はやっぱり途上国型になっているんじゃないかということを考えるときに一つ思いますのは、今まで一生懸命地方が、そして総務省も頑張って、そしてこの総務委員会の皆さんも頑張って、地方が更に貧しくなるのを食い止めるために、食い止めるために交付税を準備しようというような思いがあったんだと思うんです。ただ、そこはそこで、私は大変重要だと思いますが、地方が更に豊かになるような仕組みというのは、これは交付税だけではできません。より総合的な政策が必要なわけでございますが、そういうものがやっぱり欠如しているのではないか。何が欠如しているかと言われると難しいわけですが、もっともっと工夫をする余地があるのではないかという思いがございます。
その意味では、決して受け身で、交付税がこれ以上減らされるのを止めるという受け身の姿勢だけではこれはもう駄目なわけで、更に進んで地方をもっと豊かにする方策の根本策、その中で考えてみると、実は交付税ないしは財政的な仕組みというのはかなり重要な役割を果たせるはずだと思っております。そういう改革を是非実現したい。これはなかなか息の長い改革になるわけでございますが、その取っ掛かりを是非つくりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/195
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196・長谷川憲正
○長谷川憲正君 大臣おっしゃるとおりだと思います。私も、交付税の話というのはやっぱり地方自治全体のごく一部の話でありまして、これを議論しているからといって地方自治全体が健全になるとはそれはとても思えない。やはり景気を良くし、そしてみんなが前向きの取組ができるような仕組みをつくらにゃいかぬ、そう思います。
今日は、ここは適切な場ではまだないでしょうから、本格的な議論は別途またやりたいと思いますけど、やっぱり先ほど来御指摘のある国と地方の在り方といいますけれども、私は国の在り方が問題だと思うんですよね。途上国型だという指摘がありましたけれども、全くそのとおりだと思います。日本の仕組みというのは途上国そのものだと思うんですね。こんな一億二千七百万人もいるような大きな国が全くの中央集権で、すべて東京で決めていると思われるような弱い地方自治の姿というのが、やはり私は異常だと思うんです。
アメリカだって五十の国に分かれているわけですね。ヨーロッパの国々を見ても連邦国家が非常に多い、日本のような大きな国は一つもないけれども、ヨーロッパには。それでも、国の中が幾つもに分かれてそれぞれが権限を持っているから、それぞれの地域に中心となる町があって、しっかり栄えているということだと私は思うんであります。そういう意味で、道州制の議論というのを、県を広げていくというイメージで先ほど大臣お話がございましたけれども、私は国のサイズというのを、極端なことを言いますが、国のサイズということを考えてもいいんじゃないかという気さえするわけであります。
二年ほど前に、私、北海道道経連の皆さんにお呼びをいただいてお話をさしていただいたことがありますが、北海道の抜本的な活性化策として私が申し上げたことは、日本から独立したらどうかということでございました。自分たちの地域のことは自分たちで全部考えると。いや、それはとおっしゃいました。もう北海道だけではとてもやっていけないとおっしゃいましたけれども、北海道五百六十万人、私がおったフィンランドは五百二十万人であります。それであれですよ、EUの一員で、ちゃんと軍隊も持って、大統領がいて、競争力世界一だとかなんとかと言われている。やればできるわけでありまして、やっぱり国としての適切な範囲といいますか、やはり大き過ぎることに一つの問題点があろうかな。それと、極めて優秀な官僚の人たちがおりますから、なかなかでき上がった一つの家というのをがらっと崩すというのは難しい、そういうことなんだろうと思います。
話が横道にそれておりますけれども、細かなことで幾つか気に掛かっていることがありますので、御質問をさせていただきたいと思います。
退職手当債のことなんですけれども、先ほど御質問がありましたように、これから先、団塊の世代が退職をされまして、その退職手当が十分でないと。退職手当債も、今度は定年退職にも出せるようにしようということのようでありますが、これ正に将来の償還計画ですね。先ほど来お話がありますけど、もう一度お聞きをしたいんですけど、これ大丈夫なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/196
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197・瀧野欣彌
○政府参考人(瀧野欣彌君) 今回、退職手当について退職手当債で対応したいということでお願いをしておるわけでございますが、その財源についてどうかと、こういうことでございます。
その財源は当然、地方税なり地方交付税など一般財源で確保すると、これが基本であるわけでございますけれども、今回は急激に退職手当が増えていくという中で、今後十年間の特例措置としてこの退職手当債という特別の起債で対応したいということでございますが、その際、地方団体からは今後の定員なり総人件費の適正化について計画を出していただくということを考えてございまして、その中で償還財源については確保できる。その確保できる範囲内での許可を行っていくというふうに考えているところでございますので、我々としては、その償還財源について十分対応できるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/197
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198・長谷川憲正
○長谷川憲正君 丁寧に御答弁はいただいたんですけど、どうもイメージがわかないんですよね。
これから地方もどんどんどんどんお年寄りが増えたりして若い人もいなくなって、企業もなかなか地方には出てこなくて、どうやって返すのかなと。やっぱりその抜本的な対策がないと、これは今のようなことを続けていたのではこれはどうにもならないなと印象を強く持ちますので、また、そこはむしろ国会の中で議論しなきゃいけないことなのかもしれませんけれども、非常に心配でございます。
それから、別の件でございますけれども、今回、国庫補助金、負担金の改革ということで補助金を減らす。これは当然のことながら、中央政府の仕事がその分だけ減るわけでございますので、難しいのかもしれませんが、国の組織がある程度縮減をされるということになるのか、あるいは各省の定員が減ることになるのか、その辺をちょっとお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/198
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199・藤井昭夫
○政府参考人(藤井昭夫君) 私どもも、従来から三位一体改革に伴って、やはり国の事務事業が減るんだから、国の方の体制を見直しすべきではないかというような御指摘はいただいていたところでございますし、また私どもとしても、三位一体改革というのは国、地方を通じてやっぱり簡素で効率的な行政体制の中で進められるべきだという考え方に立っておるところでございます。それで、関係各省に対しての事務体制の見直し等を求めていたところでございます。
具体的には、私ども、毎年の査定時期に減量・効率化方針というものを立てて、この中には例えば三位一体改革の関連だけじゃなしに、民間委託の推進とかIT化とか、そういったことで必要な合理化措置を講じてくださいという基本的な考え方を示して、それぞれの関係各省から具体的にどういうことをしますというようなことを言っていただいて、それで見直しを進めるということをやっているんですが、その中にやっぱり三位一体改革に伴う事務事業の見直しとか組織体制の見直しというものを求めて推進してきたところでございます。具体的には、十七年度には二十七人の、二十七人です、の定員合理化、それから十八年度には、これからなんですけれど、少なくとも二十人以上の合理化をするというような具体的措置方針をいただいているところでございます。
ちょっと長くなるかもしれませんけど、関係各省のいろいろ御意見を承ってみますと、やっぱり各省の側からすれば、例えば補助金等を縮減するとか、あるいは補助率を低減するとか、あるいは補助金を交付金化するということがなされても事務量としてはそんなに大幅に減るものではないとか、あるいは担当者がいろいろなセクションの兼務の中で、多様な業務の兼務の中でなされていて、目に見えた合理化するというものは出せるものじゃないというような実情はあるようでございますが、ただ、私どもとしては、やっぱり三位一体改革というのは単に補助率どうのこうのとか補助金を下げるとか、そういうことだけじゃなしに、国の関与の在り方自体も問われているわけでございまして、それはそういう意味では、事務事業の在り方あるいは事務処理体制の見直し、そういったものもやっぱり併せて検討してくださいというようなことで、いろいろ議論して精査した結果が先ほど申し上げた数字になっているということでございます。
十九年度以降はどうかということなんですが、私どもとしては、やっぱりそういう三位一体改革に伴う事務事業の仕方とかあるいは体制の在り方、これはやっぱり引き続き各省に対して検討をしてもらう必要があると考えておりますので、引き続き推進させていただきたいと、このように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/199
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200・長谷川憲正
○長谷川憲正君 それなりの成果は上がっているというお話でございまして、心強く思います。それは一つ一つは小さくても、やっぱりこういう努力を積み重ねることで、地方の側もこれから仕事も減らしていかにゃならぬわけですから、元気出ますよね。どうぞ引き続き頑張ってやっていただきたいと思います。
最後の質問にしたいと思います。一つは、定率減税の廃止のことでございます。
先ほども吉川委員からもお話がありました。私、吉川先生とは思想、信条違いますが、ただ、やっぱりこれ、少なくもこの時期にやるべきことなのかなという気がしてなりません。景気も少し上昇に向かいつつあるというときに、これ本当に地方を歩いていて、住民税がどかんと増えてびっくりしたとかという話を最近よく聞くわけですよ。これ来年、さらに全廃になりますよね。それはいろんな意味で地方の元気をそぐのではないだろうかというふうに思うわけです。
そして加えて、税源移譲、住民税の方に行きますよね。それはトータルで見たら別に増やしているんじゃないよというのが皆さん方の御説明なんだろうと思いますけれども、住民税がばっと、納税通知書みたいなのを見た人はやっぱりびっくりするわけです。その辺はよほどやはり政府としても上手にPRをなさらないと、このショックみたいなものがいろんなところに出てくるんじゃないだろうかと。一つは、もう正に地方の元気を抑えてしまうということになるかもしれませんし、来年はいろんな選挙ありますよね。そういうところにも、私が心配するのは余計なお世話かもしれませんが、出てくると私は思うんですよ。
もし皆さん方がこれ自信があっておられるんであれば、しっかりとやっぱり御説明をなさって、そして分かりやすく、分かりやすくPRをなさるべきだと思うんですが、景気に与える影響等も含めて、大臣、最後に御答弁いただければ有り難いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/200
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201・竹中平蔵
○国務大臣(竹中平蔵君) 今日も本当に定率減税と景気の関係について、非常に幅広い御議論をいただいたと思っております。政府としての景気認識につきましては、何度か申し上げましたように、景気は回復していると。そして、民需そして内需、外需、バランスの取れた回復過程にあるというふうに認識をしております。
もう御承知のように、この政府経済見通しを作るに当たって、この制度改正による負担、給付の増減を、これ給付もありますので、増減が両方あります。それをしっかりと見込んだ上で政府経済見通しを作っているわけですけれども、そこにおいて、そうした効果を見込んでも景気の回復は続くであろうと。政府経済見通し、実質で十八年度一・九%の増加を見込んでいるというのが状況でございます。もちろん一方で、この点については機動的、弾力的な対応が必要だということもこれは十分認識されておりまして、与党の税制改正大綱でもそのことは、弾力的に対応する必要があるということは明示をされておるところでございます。
もう一つ、住民税ですね。トータルでは変わらないにしても、住民税が増えると身近なところでの納税が増えると、それは住民はびっくりするのではないかと。その点に対して、選挙もこれあり、しっかり周知しろという御指摘については、これはもう本当にそのとおりであろうかと思います。
我々としても、いろんな地方団体に対してよく説明すると、総務省として直接できるところとしてはですね。さらには、ホームページ等々で紹介する等々もう既にやっておりますけれども、これは総務省だけではなくて政府全体としてしっかりと広報に努めなければいけない問題でございますので、諮問会議等々でも問題の提起を引き続きしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/201
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202・長谷川憲正
○長谷川憲正君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/202
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203・世耕弘成
○委員長(世耕弘成君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414601X00520060316/203
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