1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年五月三十日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月二十五日
辞任 補欠選任
下田 敦子君 藤原 正司君
白 眞勲君 喜納 昌吉君
魚住裕一郎君 白浜 一良君
五月二十九日
辞任 補欠選任
喜納 昌吉君 今泉 昭君
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出席者は左のとおり。
委員長 工藤堅太郎君
理 事
西銘順志郎君
山内 俊夫君
芝 博一君
柳澤 光美君
委 員
秋元 司君
鴻池 祥肇君
佐藤 泰三君
鈴木 政二君
竹山 裕君
中曽根弘文君
山谷えり子君
今泉 昭君
黒岩 宇洋君
藤原 正司君
松井 孝治君
風間 昶君
白浜 一良君
近藤 正道君
木俣 佳丈君
衆議院議員
内閣委員長 佐藤 剛男君
国務大臣
国務大臣 猪口 邦子君
副大臣
内閣府副大臣 山口 泰明君
財務副大臣 赤羽 一嘉君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 山谷えり子君
事務局側
常任委員会専門
員 鴫谷 潤君
政府参考人
内閣府国民生活
局長 田口 義明君
警察庁生活安全
局長 竹花 豊君
総務大臣官房審
議官 岡崎 浩巳君
文部科学大臣官
房審議官 布村 幸彦君
文部科学省高等
教育局私学部長 金森 越哉君
国土交通省総合
政策局長 竹歳 誠君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○探偵業の業務の適正化に関する法律案(衆議院
提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/0
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001・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨二十九日、喜納昌吉君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/1
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002・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府国民生活局長田口義明君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/2
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003・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/3
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004・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 消費者契約法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/4
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005・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 民主党の黒岩宇洋でございます。
せんだっての質疑に引き続きまして、私、今日もトップバッターとして猪口大臣と四十五分間、消費者契約法について質疑をさせていただこうと思っております。よろしくお願いします。
先週は、私、参考人質疑でも質問に立たせていただきまして、四人の参考人から大変意義ある御意見の陳述をお聞きいたしました。その中で、経団連からおいでいただきました齋藤参考人との質疑の中で、日本のやっぱりきちんとした企業というのは今回の差止請求の対象となるような不当な勧誘とか不当な契約条項を用いることはないと、だから結果的には訴訟の被告になることはないという、こういう大変すばらしいお話をちょうだいいたしました。私、全くもって同感ですし、それが本来あるべき姿だと思っております。
今回の差止請求の対象を見ると、先ほど申し上げたこの契約法の四条とそれから八条から十条、これ見ますと、不実の告知とか断定的判断の提供とかありますが、これは事例を見ても、およそ一般の企業や事業者が行うような勧誘行為であるとか契約条項とは思えないんですね。ですから、参考人との質疑の中でも、やはりこれは残念ながら一部のかなり悪質な事業者がどうしてもいると、そういう人たちとの消費者との契約トラブルだということで、やはり一人一人の消費者というのは弱い立場にありますので、こういった消費者を救っていくという、そのためにこの団体訴権は大変意義があるという、こういったことで参考人の皆様とも議論が一致したところでございます。
さて、こういう観点からとらえますと、やはり差止請求を行う適格消費者団体というのは認定を余り厳し過ぎてはいかがなものかという、こういう視点から、私、十三条のこの認定要件について今日は質問をしようと思っております。若干細かくなるところは政府参考人からの答弁でも結構ですので、一つ一つ、これはかなり詳細なところですけれども、議論をしていきたいと思っております。
さて、この十三条で、適格消費者団体とはこれこれこういったような要件を満たさなければいけないという要件がたくさん出ております。そのまず一番目に、三項の二号というところがございます。適格消費者団体は、「現にその活動を相当期間にわたり」、そして「継続して適正に行っていると認められること。」と。これもさらっと読むとそんなものかと思うんですが、一個一個詰めようと思います。この「相当期間にわたり」という、この「相当期間」とは一体具体的にはどのような年限を指すのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/5
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006・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) この「相当期間」でございます。また、黒岩先生ありがとうございます。
この申請団体自身の活動実績が数年であることは原則としつつ、申請団体の専門性やあるいは構成団体の活動実績等を勘案して、適格団体にふさわしい活動の実績と評価し得る合理的な期間、これを一定の幅の中で個別具体的に認定することと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/6
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007・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 そうしますと、具体的に何年というわけではない。少なくとも複数年ですから二年以上ということになると思うんですが、合理的な期間を個別具体的にとおっしゃいました。ということは、ある適格消費者団体に対しては例えば三年とか五年とか大変長い期間であると、中には、適格消費者団体の中では一年半でもいいと、こういうことを内閣府が判断すると、そういうことでよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/7
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008・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) そのとおりでございます、黒岩先生。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/8
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009・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 そうしますと、この年限一つ取っても、今、適格消費者団体の認定を受けようとして準備している団体は、やはりいつから自分たちが認定を受けられるのかといった、こういったことが分からないままに準備を始めるということになりますよね。これは相当なる活動をしなければいけないと、それはある程度の年限ということですから。だから、私はこれはあえて指摘にとどめますけれども、この点を踏まえても、非常に、いざ適格消費者団体の認定を受ける側からすれば分かりづらくて、どのくらいの準備をすればいいのかという点で私は非常に不安になると思いますので、そこら辺もう少し明確にしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/9
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010・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/10
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011・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 いや、結構です、結構です。さらに、済みません、時間がないので。
これ、「適正に行っていると認められる」とあります。この「適正に行っている」、これもうっすらと聞くとまあそんなものかと思うんですが、具体的にはどんなことを想定し、そして不適正な事例とはどういうものを想定しているのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/11
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012・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 例えば、事業者に対して改善申入れを行う活動などをやっているといたします。それで、これは合理的な根拠を持って行うことを意味するものでありますが、例えば実績づくりのつじつま合わせといいますか、そのような活動を仮にやるような場合があったとすると、合理的な根拠もなく事業者への申入れを行う、そういうような場合は個別具体的にしっかりと調べまして、活動は実績として評価しない、そういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/12
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013・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 今一つの事例を出していただいたので安心したんですけれども、実績づくりに合理的な根拠もなく申入れを行うという、これはかなり特殊な事例なので、こういったことを行うところが私、適格消費者団体の認定に手を挙げるとは思わないので、そう考えますと、この要件ではね付けられるというようなことがそんなにないんじゃないかなと今、私は受け止めております。
ただ、その合理的な根拠というのも、これももうこれ以上詰めませんけれども、それもまだまだある意味抽象的な概念ですので、こういったことももう少しケース事例は内閣府の方で詰めていただきたい、これは要請としてお願いしておきます。
急ぎます。
そうしますと、次、この十三条三項の三号、ここにはまた、この適格消費者団体は、「差止請求関係業務を適正に遂行するための体制及び業務規程が適切に整備されていること。」と抽象的な文言並ぶんですね。
ここであえてお聞きしますが、この「適正に遂行するための体制」というのはどのような体制か、これは人的、空間的、財政的、能力的、すべてにおいて明確な基準をお聞かせください。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/13
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014・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) これは、差止請求関係業務に関しまして、理事会、検討部会、事務局、職員等の組織、またどのような組織が何をするのかといった役割分担、こういうことが適切に整備されているということが大前提でございます。また、空間としては、事務所を所有というか有していることが必要であると考えております。また、財政面につきましては、これは第十三号、第三項第六号に言います「差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。」、これが必要であると考えております。また、能力面におきましては、同項第五号に言います「差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。」、それによって審査をするという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/14
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015・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 そうですね、まだまだ抽象的な文言に終始しているような気はするんですけれども、さりとて話は進めていきますけれども。
まず、私、認定要件が厳し過ぎるんではないかという一つ問題点を指摘したんですが、もう一つは、やっぱり先ほどから繰り返している、なかなか不明確で分かりづらいという、これは非常に問題であると思っておるんです。
それで、これ一点、途中でお聞きしますけれども、この法改正で、非常にこの法律は「内閣府令で定める」というのが文言中本文に大変多く見られる、非常に私、珍しい法律だと思っているんですよ。具体的に、「内閣府令で定める」こと、この文言というのは何か所入っていますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/15
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016・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
この法案におきましては、内閣府令への委任事項が四十ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/16
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017・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 これ、法律事項の中でこれだけ内閣府令で定めることが多いのは、私も四年間内閣委員会でやっていますけれども初めてですかね。先ほどから議論を聞いていてお分かりいただけますように、本文自体もなかなか分かりづらいと、加えて最後には内閣府令で定めるとなるんで、さらに、じゃ、どういうものを満たせばいいのかという、こういうような疑問点がわいてくるわけです。
先ほど、適正に業務を行うには理事会が必要だという言葉がございました。この理事会については十三条三項の四号で幾つか規定されているんですけれども、その四号のロに、ここの文言でこうあります。「理事の数のうちに占める特定の事業者」、ただし、「(内閣府令で定める特別の関係のある者を含む。)の関係者」、この関係者についても「(内閣府令で定める者をいう。)の数の割合が三分の一を超えていること。」と、非常に分かりづらくなっているわけですね。
要は、特定の事業者の関係者の数がこれは三分の一を理事会で占めちゃいけませんよとあるんですが、まず、この「特定の事業者」の、括弧書きの「内閣府令で定める特別の関係のある者」、これは何を指しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/17
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018・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 「特別の関係」でございますが、法案の第十三条第三項第四号ロ(1)にいう「内閣府令で定める特別の関係」でございますが、これは、まず一つは、当該事業者との間に発行済株式総数の二分の一以上の株式数を保有する関係がございます。また、このほかに第二といたしまして、当該事業者との間に出資金額の二分の一以上を保有する関係等を想定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/18
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019・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 局長、条文に示してあるものは答えなくても結構なんで、手短に。
分かりました。条文以外のところで、二分の一の出資金額を出している、そういった事業者と関係がある者というんですけれども、私はこれあえてしつこくお聞きしたいのは、次の(2)です。ここも「理事の数のうちに占める同一の業種に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えていること。」とあるんですが、この「同一の業種」というのはどういったことを想定しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/19
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020・田口義明
○政府参考人(田口義明君) この規定におきます同一業界関係者でございますが、これは、例えば○○業界などといった形で日本標準産業分類を参考としながら事業区分を規定することを考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/20
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021・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 その場合、いわゆる生協ってありますけれども、生協に勤めている職員というのはこれ当然同一の業種に属すると考えてよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/21
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022・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 生協につきましては、その行っております事業内容は実に多種多様でございます。したがいまして、日本標準産業分類のどの業種に属するものか、これは一概には申し上げられないわけでございますが、先ほど述べましたような、この規定の趣旨及び内閣府令の規定にのっとりまして、同一の業種に属する事業を行う事業者、これに該当するか否かを判断するということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/22
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023・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 結局、生協の理事さんというのは幅広い方がなられていまして、そういう方たちが非常に消費者活動に対して物すごく知識を持っている方が多いんですよ、現実には。そうしますと、この適格消費者団体の理事にも生協関係者が入るということはかなり想定されると思うんですね。そうなりますと、この二分の一条項といってもかなり厳しくなる可能性が高いんですよ。今私が申し上げた、非常に消費者に対する知識のある生協の理事さんが入れないと、これ現実問題として非常に大きな問題になるんじゃないかと思うんですが、その点、内閣府としてはどうとらえているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/23
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024・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
生協につきましては、先ほど申し上げましたように、産業分類の大分類におきましては卸売・小売業、これに多くの生協が該当するわけでございますが、中分類になりますと、飲食料品小売業でありますとか、織物、衣服等の小売業でありますとか、こういった形で個別に細分化されてまいります。生協が丸々一つまとまって特定の業種に属するということではございませんで、こういう分類のどこに当てはまるかということを検討いたしまして判断をしていくということでございますから、それが二分の一あるいは三分の一という基準に、直ちに厳しい基準として当てはまってくるということではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/24
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025・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 分かりました。大分類から追いながら個別に判断するということで、生協で一くくりじゃないということで答弁いただきましたんで、ありがとうございます。
次の第五号に行きますが、この第五号でいわゆる検討部門、これを設置しなければいけないと、こういったものが設置しなければ認定要件を満たさないというこの条項なんですけれども、この検討を行う部門に対して、この条文では「適正に遂行することができる専門的な知識経験を有する」と。これは要するに、手を挙げた、申請をした者が専門的な知識経験を有することが認められることとあるんですが、この「知識経験を有する」、これもかなり幅広い表現なんでもうちょっと具体的に、どのくらいの経験があればこれに該当するのか、それについてお答えいただけますでしょうか。できれば、大臣に。手を挙げたから、大臣に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/25
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026・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) そうですね、これはまず、消費者団体の活動といっても様々な活動が実際にはございます。例えばバザーをやっているとか、例えば産地から直送をしてそういうネットワークをつくるとか、いろいろな活動があるかもしれません。
先生御指摘の本号で規定する「知識」というのは、そういうことというよりは、消費者団体訴訟制度に関する、あるいはそれに関連する活動、具体的には、例えば消費者被害の情報収集活動、例えば電話一一〇番活動などが挙げられると思います。それから、消費者被害の防止や救済活動、例えば事業者の不当行為に関する、先ほどもお答え申し上げました改善申入れ活動、そういう活動ですね。それから、消費者被害防止の救済活動の結果の情報提供、例えば事例集を公表するとか、こういう活動の知識経験であると考えております。
これらの活動に関する知識経験を有する者がそれを、その活動を行う部門ですね、例えば被害の情報収集部門、あるいは判決内容、こういう情報を提供する部門、このような部門が適切に配置される、そして、その団体が人的な体制に照らして差止請求業務を適正に行い得ると、そういう能力があると考えられる場合、このような専門的な知識経験を有する者と認めるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/26
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027・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 これも非常に、答弁が大体長くなると中身というのは非常にあいまいで分かりづらくなるんですけれども。
今のお話聞いても、経験というのはある程度測れると思うんですよ。要するに実績活動とかのそういった記録もあるでしょう。ただ、特にこの消費者契約法を改正した、こういった活動についての知識、知識についての該当するものが認められるという、この知識というのはどうやって現実に測るんですか。この団体が知識があるかないかというのは現実に内閣府としてはどうやって判断を下すことができるんですか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/27
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028・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答えを申し上げます。
例えば、代表的な業務でございます消費者被害の情報収集活動、これにつきましての知識経験ということでございますが、知識と経験を明確に区別して判断をするというよりも、総合的に判断をするということかと思いますが、例えばこの情報収集活動、被害の情報収集活動を行うには、一番有効な方策というのは、例えば電話一一〇番活動をすると。こういう電話一一〇番活動をするには、まずこういう電話一一〇番をいつどこでどういう形で行うか、こういうものを広報する必要がございます。それが消費者に広く伝わると同時に、電話でそういう相談が集まってくる、こういう業務を経験的に積み上げていくと。また、それを、この電話に関する知識あるいは広く広報して情報を集めるという、こういうノウハウを団体として蓄積をしていくという、そういう業務の専門的な知識経験を備えているかどうか、これを見させていただくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/28
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029・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 電話一一〇番等で情報収集をし、それについての告知をしていると、これが知識があると認定されると。
じゃ、更に行きます。この五号のまたイとロで、今言った検討部会を設けなさいと。検討部会を設けなさいと言って、その検討部会には、このイでは、消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として、また内閣府令で定める条件に適合する者を用意しなさいと。ロにおきましては、今度は法律に関する専門的知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者を入れなさいと。これ、わざわざイとロで二種類の専門委員の条件を付けて、なおかつ、この五号の本文立てで知識経験を有すると言っていながら、またこのイとロで併せて知識経験を有すると、しかもそれは内閣府令で定めると。これね、ちょっと複雑過ぎるし、ここまでこの検討部門なるものに過度な要件をかぶせる必要というのはどうしてあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/29
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030・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答えを申し上げます。
まず、検討部門というところでは差止請求の要否及び差止請求の内容、どういう問題について差止請求をすべきかどうか、するとしたらどういう内容をするかということを検討するのがこの検討部門でございます。この検討部門におきます知識経験というのは、その検討部門に加わっておられる専門家の方々の知識経験でございまして、端的には相談員さんのような方々の専門知識、これは現在どのような消費者被害が社会的に問題化しているかと、こういうことを把握する能力かと思います。
それから、ロのその弁護士さん等の専門知識というのは、消費者契約法等に照らしてどのような法的な問題を有するか、こういった点を分析評価をすると、そういう面での知識経験でございます。
それから、五号の柱書きに書いてございます専門的な知識経験というのは、こういう専門家の個人個人の専門能力ではございませんで、団体としての知識経験があるかどうか。それは先ほど申し上げましたような苦情相談情報、被害情報を収集する面でのノウハウ、あるいは差止請求を行った結果の情報提供といったような、こういうような業務も含めて、団体としてノウハウ、知識経験を持っているか、そういった面を見るのがこの五号柱書きの専門知識・経験ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/30
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031・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 いや、これ、委員の皆さんね、今の私と局長のやり取り聞いて、多分結構退屈だと思うんですよ、かなり抽象的なことのやり取りで。皆様にイメージしていただきたいのは、適格消費者団体の要件として検討部会だとか落とし込んでいく中で、こんなに膨大もの条件付けというのは何で要るんだろうと。何かもう要件付けを厳しくしたいという、何かそういった思惑、思惑って怒られちゃうのか、思いが込められ過ぎているのかなという、まあこれはちょっと問題の指摘にとどめておきます。
私も委員会質問のときというのはもう条文をきっちり読み込むんですけれども、これは本当に難儀しました、複雑で。事務方ともやり取りするとき、ここの述語に相当する主語は何ですかと、こういったことまで一々聞いて、そうすると返ってきた答えが間違っていたりとか、後で訂正が入ったりとか。こういう形で読み込んでいかなきゃいけないわけですから、これは、これから消費者団体が、適格消費者団体になろうとする人たちが実際受けようと思ったらこれ大変ですよ。で、この後また内閣府令が出るのを待つわけですからね。
この十三条の要件のところで最後お聞きしますけれども、六号のところで、これも何度か議論になっているんですけれども、この適格消費者団体の経理的基礎ですね、これは「適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。」とあるんですけれども、これも具体的にどのくらいの経理的基礎、財政的基盤があればいいのか、もう具体的にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/31
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032・田口義明
○政府参考人(田口義明君) この経理的基礎の規定の趣旨でございますが、これは訴訟の途中で資金繰りが付かなくなるなどの懸念がない程度に安定的、継続的に差止請求関係業務を行うに足りる財政基盤を有していることと、こういうことでございます。したがいまして、必ずしも一定額以上の基本財産を自ら保有する必要はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/32
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033・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 そこはちょっと矛盾すると思うんですよね。複数年、これ少なくとも三年間は認定団体の有効期間ありますから、その間訴訟を継続するとなると、これはあれですよ、少なくとも具体的な額が必要になってきますよね。かすみを食って訴訟できるわけじゃないわけですから。そうすれば、先ほどおっしゃった、少なくとも複数年にわたって訴訟を継続していくには最低限これだけの額は要るという数字は私は想定できると思うんですよ。そこら辺、あいまいにせずにもうちょっと踏み込んで答えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/33
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034・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 適格団体の活動でございますが、活動のための資金でございますが、具体的には会費収入、寄附金、賛助金収入、事業収入、こういったものによって賄っていくわけでございます。こういう収入によりまして適格団体がその活動期間において差止請求等を行っていくと。これが安定的、継続的に賄われるかどうかということでございますので、適格団体がその活動期間においてどの程度の差止請求の案件を取り上げるか、また訴訟等に持ち込む案件としてどの程度の案件を想定をするかと、これによるわけでございますので、基金的なお金っていいますか、ある程度のまとまったお金がまず当初からなければこの活動を始めることはできないという趣旨ではなくて、その活動期間における支出に見合う収入が安定的、継続的にバランスを取れて確保できるかどうか、これによって判断をするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/34
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035・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 ストックとしての資産は要らないというのは今理解しましたけれども、例えば、じゃ、年三件の差止め訴訟を予定していると、行いたいと。その適格消費者団体が年間予算規模が仮に二百万円だったとしましょう、要するに会費等の収入ですよ。これはいかがですか、今の六号の経理的基礎は有していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/35
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036・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
適格団体の差止め訴訟の件数というのは、これはあらかじめ定まっているものではございません。まず、基本的に事前請求というのがございますので、事前請求によって事業者に不当な活動について是正を図っていただくと。それを、事前請求を通じて是正を図る過程の活動というのがまず基本にございます。そういう中でどうしても解決できないものが最終的に訴訟に持ち込まれるということで、この訴訟の数をあらかじめ設定して、それに必要な資金ということで適格団体の財政規模といいますか、経理的基礎が定まるということでは必ずしもないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/36
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037・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 ちょっと聞き方がまずかったですかね。もうちょっと別の、具体的に、ではその年間予算二百万は変えないとしましょう。
冒頭、猪口大臣に、では適正に業務を行う人的、空間的、そして財政的なものは一体何かと言ったときに、例えば空間的にいえば事務所を設けるとございましたね。先ほど私があえてお聞きした検討部門なるもの、これはイとロに分かれて、消費者関係に対する専門家をそろえる、ロに関しては法律の専門家をそろえる、常勤かどうかはともかく、ここまで人的なものも要求しているわけですよ。
さあ、これをきっちりとそろえて適正なる業務を遂行できるために、年間二百万円の予算であるこの団体は適格消費者団体として認定を受けることはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/37
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038・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 年間予算が二百万円であった場合にどのような活動ができるかということを……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/38
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039・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 そんなこと聞いていないです。受けられるかどうか、もうイエスかノーかですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/39
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040・田口義明
○政府参考人(田口義明君) はい。そこは一概にできないということではないと思います。事務所を持つといっても、その賃借料が年間どの程度掛かるかと、どの程度の事務所を持つか。また、それから相談員さんを、あるいは弁護士さんに参画していただくというのも、これも場合によってはボランティアという形でこの活動に参画していただくということもございます。そういう活動の参画の仕方によって掛かる費用というのはかなりばらついてまいりますので、年間予算が幾ら幾らだから認められるとか認められないと、これは一概に言えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/40
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041・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 局長、あいまいにしてもらっては困ります。いいですか。具体的な数字言っているんですよ。少なくとも日本国に住んでいて、相場観というのがあるわけです。そして、今回、団体で手を挙げそうなところというのはほとんど首都圏ですよね。そうしますと、例えば事務所一つ設けても、月額で幾ら掛かりますか。礼金、敷金というのは東京や大阪だったら発生しますよね。最低でも十万とか掛かりますでしょう。ボランティアなんていう表現を使いましたけれども、今、弁護士さんたち相当苦労してボランティア精神でやっていますけれども、じゃ本当に無償で無給でできるか。そんなことは続きませんよ。少なくとも持続可能な団体ではあり得ませんよ。そうですよね。
先ほど、知識については電話一一〇番のその活動実績だ。そのほか、告知にすればともすればホームページも用意しなければいけない。ホームページ一つ作るのに幾ら掛かりますか。何十万単位でしょう。先ほど申し上げた家賃、仮に十万だとしても百二十万掛かりますよ。どうなんですか。それで二百万円でできるかどうかについてだけイエスかノーかで。これはもう国民生活を見ている局長ですよね。国民生活の実体験として二百万円でできるのかどうか、そんなことは分かりますよね。端的にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/41
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042・田口義明
○政府参考人(田口義明君) 仮に年間予算が二百万円であったときに、それが活動として成り立つかどうか。これは、黒岩先生御指摘のように、どこに事務所を置いて活動するかにも大きく影響されるかと思います。
現在、この適格団体を目指して首都圏あるいは関西圏で活動を始めている団体におきましては、例えば一千万円のオーダーの予算を想定して準備を進めているというようなことで、首都圏あるいは関西圏におきましてもそれなりの活動ができるような準備態勢を整えつつあるというふうに考えております。
その他の地域でこういう活動を準備している団体もございますが、その団体の方々にお話を伺いますと、まあ会費、それから事業収入等で確保し得る予算の範囲内でできるだけの活動をしていこうというようなお話をされる団体の方々もおられます。
そういう形で、発足当初におきましては収入に見合った活動ということで適格団体の活動を立ち上げていくと、これも一つの方法ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/42
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043・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 局長、話をそらさないでください。その一千万とか一千五百万の団体を言っているんじゃありません。その規模は三つぐらいしかないですよ、団体で。あとはみんな二百万以下ですよ。時には三十五万だとか四十万。そういったところで、局長は国民生活局長ですよね。私は、額が少ないからそこをはねてくれと言っているんじゃないんですよ。私の言っているのは、今まで縷々としてきた人的だとか経済的だとか様々なところでこれだけの要件を課したら、やはり生活感としてこれだけが掛かるだろうなって大体見えてきますよ。それだけ必要になってくるわけですよ。しかし、その経理的基礎がなければ認定できないという、こういった条項があるわけですから。だったらこれ、せっかくやる気があっても受けれないんじゃないかという指摘でやっているわけです。
だからもう、繰り返します、二百万以下で、さっきの一千万、一千五百万いいです、そういう団体あること知っていますから。二百万でできるんですか。これだけ十三条で過大にかぶせた要件を満たして認定を受け、なおかつそれを業務を遂行していくことができるんですか。じゃ、大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/43
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044・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 私、黒岩先生は非常に重要な御指摘をされていると感じているんですね。私の答えは、それは二百万でも適格団体として認定され得るケースというのはあり得ると思うんです。
それはどういう場合かと考えますと、まずボランティアで専門的な知識を活用できる。それは、私は二百万しかないと、それで、それでは不十分じゃないですかと言われて、いや、ボランティアの人もたくさんいますと言うだけでは駄目だと思いますね。既に専門的な知識をボランティアのような形、あるいはセミボランティアのような形で共感を取り付けながら参画してもらってきている、その実績があるかどうかだと思うんですね。そもそもの経理的な基礎が金額としては小さくても、消費者団体としての活動実績の中で多くの人の共感を得ながら、そして問題解決能力を示しながら実際にそのような専門的な知識を、それは弁護士や司法書士、あるいは法律をやっている学生さんも含めて調達できている、その実績も含めて考えるんだと思うんです。
ですから、同じ二百万の基礎しかない団体でも、口だけで、いや、これからボランティアを募ってみんなやってくれますよと言う場合と、既にそういう実績を持って多くの専門的な方の能力を活用してきているということを示せる団体とは、そこで判断が変わってくるんではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/44
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045・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 踏み込んだ担当大臣としてのお言葉、私も大変共感しております。認定をはねるというよりは、今までの実績を丁寧に見て、やはりでき得る活動の範囲で認定していこうという。
ただ、大臣、先ほどおっしゃった今までの消費者団体としての活動、それと、今後適格消費者団体として行っていく活動には私はかなりの違いが、開きがあると思うんですよ。その要件が今の十三条で議論してきたところなんですね。
私は、先ほどまで申してきましたけれども、なかなかお金がないから駄目ですよという、こういう姿勢は私は政府は決して取らないと思うんですよ。せっかくこの法改正をして一歩前に進めるという。
そこで、今日は財務省と総務省からおいでいただいておりますが、やはり税制的なそういったバックアップも必要になってくるのではないかと思っておるんです、こういう適格消費者団体に。これについて、まあ税制的なことも含めて、財政的な支援について財務省、総務省としてどういったことをお考えなのか、これについてお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/45
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046・赤羽一嘉
○副大臣(赤羽一嘉君) 適格消費者団体の適格要件に関しまして先ほどからやり取りされている中で、猪口大臣からの御答弁にもあったかと思いますが、この適格要件の中に、差止請求権を適切に行使するために十分な財政基盤等を備えているという要件がございまして、この要件をクリアできる当該団体へ更なる税財政上の優遇措置が必要とは財務省としては考えておりません。
なお、特定非営利活動法人や公益法人に対しては、既に収益事業から生ずる所得に対してのみ課税するといった税制上の優遇措置が講じられているといったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/46
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047・岡崎浩巳
○政府参考人(岡崎浩巳君) お答え申し上げます。
先ほど来御指摘のありましたように、適格消費者団体につきましては、その認定の要件としまして特定非営利活動法人又は公益法人となるということが条件になっております。これらの法人につきましては、既に税制面では地方税法で特例措置が講じられているところでございます。例えば、法人住民税の均等割につきまして原則最低税率とするとか収益事業課税にするとかいうようなことが、措置を行われております。
ただ、一般論として申し上げますと、特定非営利活動法人等のある特定の団体に対して地方団体が自分の判断で支援が必要だという場合には、現在でも補助金等の財政支援、あるいは条例による税の独自減免措置等の措置が行われている例が多いというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/47
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048・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 大臣、今の赤羽副大臣、そして岡崎審議官の御答弁聞いて御理解いただけたと思うんですけれども。
結局は、この条文立てで、この六号で、要は財政的な基礎的、経理的基礎を要すると、これがかぶせてあると。要するに、厳しい要件をかぶせてあるから、この要件をクリアした団体は財政的支援は今後要らないでしょうという、こういう論理になったわけですよ。こういうことです。
まあ、財務当局としても総務省としても、これはそうお答えになるでしょうね。でも、大臣、今のその前の我々のやり取りの中で、実際にはここでは、六号の中で経理的基礎を有すると言いながらも、なかなかそうは、そんなには潤沢なところはないと。だけれども、今までの経験の中から少しずつ、ボランティアの方も含めながら、できるところは認めようという、前向きなお答えいただいています。
でも、今申し上げたとおり、この条文を読む限りにおいての、やっぱりすごい財政的基盤を持っているとは思えないわけですよ。だから、そこは、私は少なくともこの担当大臣としてリーダーシップを発揮していただいて、さらに、私は今この場でちょっとお願いしたいんですけれども、財務省、総務省にむしろこの財政的な支援をやっぱり要請していただきたいんですよ、この場で。大臣、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/48
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049・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 黒岩先生、そもそもこの消費者適格団体の活動をどういうふうに日本社会というものは今後とらえていくのかということを考えますと、その根本にはその消費者としての意識啓発、そして能力の高さ、知識の高さ、これを触発していく、そして誘導していくということが重要だと思うんです。そのためには適格消費者団体は、私としては積極的にセミナーとかシンポジウムとか、そういう広報活動と教育活動をやってもらいたいと思うんです。
ですから、そういうことをやることによって、団体としても経理的な基盤を拡充することができるでありましょうし、国民、社会としてもそれから大きなベネフィットを受けることができるんです。そういうところを頑張ってもらいたいという気持ちがあります。
そして、要件につきまして、これだけ厳しくという御指摘をずっといただいているんですけれども、やはりもう一つの考え方の根本は消費者利益、消費者全体の利益のために働くんだと。それは被害を受けてない団体が消費者全体の利益に働くということですから、やはりそこにつきまして高い能力を期待するということがこういう細かい要件規定になっていると、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/49
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050・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 大臣、今大臣がおっしゃられた相手先は消費者であったり消費者団体なんですよ。広報活動をしてください、啓発活動をしていただきたいと、これはもう以前からの答弁でも聞いています。
今私が申し上げているのは、政府内部でやはりでき得るところは、これは内閣府に担当大臣を置くということは横断的なところでのリーダーシップを発揮するという、これは小泉内閣になってからもう徹底してやっていることなんですよ。そのために責任を持った猪口担当大臣が置かれているわけですから、そういう意味では今は政府内に向かって私は発していただきたいんです。再度、答弁を求めますよ。
先ほど岡崎審議官も条例という言葉があったんですけれども、この消費者生活条例の中で訴訟援助制度等というものがあるんですけれども、これも、ここではもう時間ないんで答弁求めませんけれども、物すごい要件が厳しいんですよ、物すごい要件が厳しい。要するに、被害請求額が少な過ぎて訴訟費用の方がたくさん掛かっちゃうとか、いろんな要件かぶせないと、この条例に基づく訴訟援助制度というのは活用できないんですよ。私はこういったものも拡充していく。だから、私も、財務省の方からお金をもらってどんどん、じゃ適格消費者団体に補助金を出せという時代じゃないと思っているんですよ。ただ、今ある制度の拡充とか、こういったところを担当大臣として要請するという、シグナルを発すること自体がやはり私は消費者の皆さんや消費者団体の皆さんにとっても力強いバックアップになるという、こうとらえていただけると思っているんですよ。
この点を踏まえて、大臣、再度答弁いただけますか。政府内、財務当局にも総務省にもやはり様々な要請をしていただきたいんですよ。これは消費者の願いなんですよ。大臣、この点についてお答えいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/50
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051・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) まあ、いろいろな支援の仕方はあると思いますが、私先ほど申し上げましたように、セミナーやシンポジウムを通じて広報活動で日本の消費者の意識全体をレベルアップするために働いてもらいたいという気持ちは強くあるんですね。そういうところから収益を上げるという方法もあるだろうとは思いますけれども、黒岩先生、これだけ積極的に御発言されましたので、支援の仕方としてはいろいろあるとは思いますけれども、私として検討して、政府内でまた働き掛けも含めて取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/51
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052・黒岩宇洋
○黒岩宇洋君 これでもう質問終わりますけれども、政府内で働き掛けるという、これもう強い今のお気持ちをお聞きしたんで、私も本当にうれしく思っております。
私、一つ最後にちょっと不安なところを申し上げたいんですけれども、やはりこの団体訴訟制度、これは確かに日本初ですから、これは注目浴びますよ。すばらしい制度だと思います。注目を浴びるがゆえに、施行されると、適格消費者団体の皆さんは認定を受けると、これ一生懸命訴訟を起こそうとしちゃうかもしれません、分かりませんよ。そうなったときに、いざ原告が敗訴しましたと。そうなったら、じゃ、事業者はどうするかというと、これ物すごく注目を浴びますから、大体訴訟を起こされただけでもその時点でかなりマイナスのイメージは付きまとうわけですよ。でも、いざ原告が負けたと、自分たちが勝ったとなれば、これは多分多額な損害賠償請求をするとか、やっぱりそういった対抗措置に出ざるを得ないですね。私が申し上げたいのは、こういう負の連鎖で事業者と消費者がまるで相対立するという、こういうふうなことになっていただきたくないんです。
冒頭申し上げました、これは一般の日本の企業というのは、もうコンプライアンスもしっかりしているし、ガバナンスもしっかりしている。だけれども、特定の一部の事業者を、ひどい悪徳なこういった人たちをこの団体訴訟制度によってある意味排除していくことによって事業者も信頼され、そして消費者も的確な消費行動ができるという、これが制度の趣旨ですから、私はこのことが貫徹できるように猪口担当大臣に本当にリーダーシップを発揮していただきたいことをお願い申し上げて、質問を終わります。
よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/52
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053・風間昶
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、大臣、これは通告していませんけれども、消費者の生活相談といいましょうか、苦情件数ってすごい伸びているんですよね。ざっとどのぐらいあるか御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/53
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054・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 内閣府として把握している限りでございますけれども、昨年百二十ぐらいということで、あっ、百二十万。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/54
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055・風間昶
○風間昶君 百二十万件、本当に百二十万件ってすごい多いんですよね、意外とね。
それで、二年前に消費者基本法ができたときに、この消費者政策に対してきちっと国が位置付けるということが必要であると。その中で、消費者教育、今、広報活動、教育活動とおっしゃっていましたけれども、消費者が自立していくための消費者教育に力を入れなければならないということが消費者基本法で、この今回の法案とは別個に消費者基本法で議論されたわけであります。
でも、相変わらず消費者契約に関するトラブルは、今大臣がお話しされましたように、百二十万件あると。やっぱりこれは悪質業者による反復行為といいましょうか、継続的な行為というか、そういうことの増加が主なこの増えていることだと思うんですけれども、それを考えますと、その消費者基本計画の中に消費者の自立のための消費者教育が必要だということで成立したわけでありますから、この消費者教育というのが本当に十分になされてきたのかということが要するに問われているわけであります。
そういう意味で、この間の消費者教育というのはどうだったのかということを今担当大臣として総括的にどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/55
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056・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 大変重要な御指摘で、私も消費者全体の意識のレベルアップを図ることによってより良い消費者生活が可能になると考えております。
特に最近は、高齢者、そして実に若者も中心に被害が広まっていると。一つは、学校や社会教育施設における消費者教育の推進が必要、これは消費者基本計画でもそのように重点化して推進体制を取ってきているところなのですが、被害が御指摘のように絶えないことを大変残念に思っております。また、より身近なところで幅広く浸透して消費者教育を実施するために消費者問題出前講座というものを実施しております。
私としては、やはり広報啓発活動を今後一層様々な市民活動も含めて強化していただき、消費者が自ら主体的な判断と、それがまた重要な市民生活としての知識であるという認識の下に消費者被害に遭わないよう努力していただくと、またそういう努力を引き出すだけの働き掛けを、推進計画に基づいて、基本計画に基づいて推進していきたいと考えております。また、関係省庁と連携を密にしながらやっていく必要があると思います。学校教育の中あるいは社会教育の中、また様々な年齢層の方々あるいは地域に浸透しながら消費者教育を徹底していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/56
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057・風間昶
○風間昶君 今おっしゃいました大臣の、平成十七年度から二十一年までの五年間での、この消費者基本計画の中に九つの重点項目を挙げられているうちの一つを今おっしゃっていただきました。消費者教育も入っていますけれども、緊要な消費者トラブルへの対応というのも入っているわけであります。
そういう意味では、振り込め詐欺のこの部分は減少傾向にあるような感じがしますけれども、今回議論する消費者契約被害についても、最終的には消費者教育をいかにしていくかということが極めて大事であります。事はもう論をまたない。せっかく新しい制度をつくっても、結局、啓発活動を行うことが極めて大事なことで、問題はその予算がどう付くかということなんだと思います。
一例お話しさせていただきますと、北海道で今年大変大雪になりまして、北海道だけじゃないですけれども、そのときに、特に高齢者の家庭をねらった悪徳雪下ろしの事例がありまして、契約の段階では大した見積りもしないで、雪下ろしして後法外な料金を請求するというやり方であって、北海道経済産業局も、これは大変だということで、雪下ろしも明確にクーリングオフの対象であるという指示を出したんですよね。判断をしたわけです。対応としては非常に良かったんだけれども、結局そのことを知っていた道内の高齢者の方々はどのぐらいいるのかなというと、ほとんど知らなかったわけですね、このことについて。そういう意味では、消費者教育に一番やっぱり欠けているのは周知徹底のための予算だと思うんです。
今年度どのぐらいそのことについて付けたのかということと、今回この法律が成立した後、来年度に向けてどのように持っていくのかということを伺いたいと思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/57
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058・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) 十八年度予算といたしまして、内閣府では、今申し上げました消費者問題出前講座の実施あるいは消費者教育体系化のための調査、消費者教育の教材などの作成を中心にしまして、一億五千八百万円の予算を計上しているところでございます。また、今申し上げましたとおり、消費者基本計画に定められました学校や社会教育施設における消費者教育の推進、これを推進していくところでございます。
同時に、今先生が御指摘になりましたことについて私が思いますことは、消費者の意識を高めていくと、そのために積極的に広報啓発、そして教育活動を行っていく、これも重要でありますけれども、何と申しますか、やはり非常に孤独な老人の方々がたくさんいらっしゃいます。そして、地域全体で助け合っていくというようなところが十分にない中で、特にそのような高齢者の方々が接近してくるこういう悪徳な活動に対して脆弱な状態になっているとするならば、より広い観点から高齢者の安全、安心を確保していくための考え方、そして地域全体でもっとお互いに支え合うような、本来日本が持っていた考え方ですね、これも含めて改善が必要ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/58
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059・風間昶
○風間昶君 来年度に向けてについては、国民局長、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/59
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060・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
今後の予算の御質問でございますが、消費者基本計画において定められております学校や社会教育施設における消費者教育の推進、これが重点事項になってございますので、この一層の充実を図るよう引き続き努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/60
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061・風間昶
○風間昶君 次に、具体的なことでありますけれども、悪質リフォーム業者による被害も多発しました。必要ない換気工事を何回も行うことで数百万単位の損害が発生していたこともありますし、また火災警報機の悪質販売も、これは昨日の共同通信でも出ておりましたけれども。
警察庁に伺いたいんですけれども、訪問販売リフォームの件で逮捕された人員と件数を教えてまずもらいたいと思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/61
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062・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 平成十七年中の住宅リフォーム工事に係る特定商取引等事犯の検挙状況でございますけれども、六十四の事件を検挙、摘発をいたしておりまして、百八十五人の検挙人員を数えております。これは前年の二十二事件三十七人と比較いたしまして大幅に増加しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/62
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063・風間昶
○風間昶君 この悪質な訪問販売リフォームだけじゃなくて、リフォームを含む建設業法における処分内容を国土交通省としては事例数と同時にどのように把握しているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/63
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064・竹歳誠
○政府参考人(竹歳誠君) 建設業法による処分としては大きく三類型ございます。
一つは、建設業の許可を取っている業者と取っていない業者がございますけれども、その許可の有無にかかわらず違反事実を是正するための指示処分、それから期間を定めて営業の全部又は一部を停止するような営業停止、こういうまず処分がございます。また、許可を取っている業者につきましては、最も重い処分として許可の取消処分というものが規定されております。
具体的な数字でございますけれども、建設業法に基づいて国土交通大臣が行った処分のうち、平成十六年及び十七年においては、悪質リフォームに関する法令違反や不正な行為を原因として処分した事例はございません。これは、一つには、既に実刑判決を受けたようなケースもあるわけでございますが、この会社が廃業届を出してしまって処分の対象がなくなってしまったのが一つございます。それからもう一つの類型として、今裁判が係争中でまだ判決が確定していないということで、建設業法に基づく処分は行政処分でございますので、判決が確定した後行うということで判決を待っているというものもございまして、そういうことから、十六年、十七年においてはございません。
ちなみに、全体の建設業関係の処分でございますけれども、平成十六年、指示処分が六十件、営業停止が百十件、それから取消しも一件ございます。平成十七年に、指示処分は三十八件、営業停止は五十八件、取消処分は一件と、こういう状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/64
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065・風間昶
○風間昶君 ありがとうございました。
いずれにしても、今伺った限りにおいては、数は増えているということでございますね。警察の方も検挙人数は去年、おととしに比べて三十七人が百八十五人というふうになっているわけであります。
したがって、難しいことかと思うけれども、悪質業者に対する再発防止策をどういうふうに具体的に練るかということが極めて大事ではないかというふうに思うんですけれども、警察庁、そして国土交通省にその対応策を聞きたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/65
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066・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 警察庁におきましては、このリフォーム詐欺事件が多発をしてまいりましたのを受けまして、昨年の七月に全国警察に対して対策の強化を指示しております。
これを受けまして、都道府県警察におきましては、この種事犯の相談に対しまして積極的に対応し、証拠が収集できれば鋭意取締りを推進することや、様々な機会にこの関係の事犯の広報をすることなどを通じまして、この種事犯の防止に努めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/66
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067・竹歳誠
○政府参考人(竹歳誠君) 国土交通省におきましては昨年、悪質リフォーム対策検討委員会というものを設けまして、建設業法に基づく指導監督等の在り方についてガイドラインを定めて、都道府県等と連携強化を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/67
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068・風間昶
○風間昶君 そういう対策をするというのは極めて大事なんですけれども、問題は、悪質業者に関する情報とか、それをきちっとどういう形で収集して、そして分析するかということも極めて大事であります。恐らく国民生活センターとか全国の消費者センターには、そういう苦情とか何かというのは極めて、悪質業者に関する情報というのはほとんど毎日のようにもたらされているんではないかというふうに思うんです。
ですから、そういう生情報をどこがどういう形で一元的に管理していくかということも極めて大事だと思いますけれども、これ内閣府がやるのかどうか分かりませんが、警察あるいは国土交通省も含めて所管官庁と連携を取るということが大事だと思うんですけれども、この点についてはどのように取り組まれていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/68
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069・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
全国の消費生活センターに寄せられます苦情相談、生情報でございますが、これは国民生活センターにすべて情報として集約されてまいります。この件数が、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、年間百二十万件程度に達しているということでございます。
この寄せられました苦情相談の特徴なり新しい手口とか、まあ悪質商法でございますとそういう新しい手口等につきまして分析をして、それをまた全国にフィードバックをする、全国の消費生活センターにお伝えをして、消費者への注意喚起に使っていただくと、こういうことを進めておりまして、特に緊急なものについては迅速に対応するということで努力をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/69
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070・風間昶
○風間昶君 それでは、次行きますけれども、実際に訴訟を提起するに当たりまして、あらかじめ書面による差止請求して、その書面が着いてから一週間経なければならないというふうに定められていますけれども、まあ確かに二日や三日でできる話じゃないと思いますけれども、被害発生、拡大の防止という将来に向けての制度でありますから、それは仕方ないとしても、一週間を三日に縮めるとか二日に縮めるというのは仕方ないとしても、既に多くの損害が発生している場合には、差止請求書面が到達、到着した段階で、一切の業務を停止して、そして売上げなどを持って逃げるということも予想されるわけですね。
ですから、被害者の救済という観点からすれば、その消費者の財産保全、あるいは個々の消費者に代わって代行請求ができるという手続も大事であります。たしか民主党さんの政権公約の中でも、このことについて、差止請求に加えて損害賠償請求権を導入するということを主張されていたように思いますが、今回この部分は改正法に盛り込まれていませんけれども、この点をどのように今後していくかということが極めて大事だと思うんですけれども、お考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/70
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071・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
迅速な対応が極めて大事であるということは、先生御指摘のとおりでございます。この法案におきましては、相手方の事業者等に対しまして不当な行為があれば自ら是正するための機会を与えて紛争の早期解決と取引適正化を図ると、こういう観点から、適格消費者団体に対して書面による事前請求を義務付けているところでございます。
この事前請求をしてから訴えの提起までに必要な期間でございますが、まず、事業者等が是正するために必要最小限の期間を付与する必要がございます一方、事業者等の是正を待つ間に消費者に被害が広がってしまうのを防ぐ必要も、これも同時にございます。本法案におきましては、両者の要請を勘案して一週間としているわけでございます。
また、この法案の第四十一条第一項ただし書におきましては、一週間の経過前であっても、事業者等が適格消費者団体による事前請求を拒んだときは、この場合には直ちに訴えを提起することができるということとしております。適格団体による事前請求にもかかわらず、事業者等の不当行為が拡大しているなどの事情が、これがあれば、事業者等による黙示の是正拒絶があったものと認定し得ると考えられ、直ちに訴えを提起することができるという仕組みになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/71
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072・風間昶
○風間昶君 時間ありませんけれども。後半について十分な答弁になってないですが、後でまたちょっとやり取りしたいと思いますけれども、後半の質問についてですね。
もう一点は、この制度をスタートしたときに、スムーズな出だしができるように認定作業について弾力的に対応すべきだと思うし、この制度スタートまでの連続性について一言、もう時間ありませんから、どういうふうに考えているのか聞いて、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/72
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073・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
この改正法の施行に向けまして、受皿を目指している団体というのは既に活動を始めております。この法案におきましては、活動実績、複数年を基本といたします活動実績が認定の一つの要件になってございますので、その連続性について配慮するということが極めて大事な点になろうかと思っております。
このような消費者団体の既に始まっております活動を適切に評価しながら、適格団体として認定することによりまして、改正法の施行の前後を通じて、消費者団体も消費者利益の擁護のための活動を実質的に連続させて行うことができるようになるというふうに考えておりますので、行政としてはこういった点につきましても、改正法の周知、広報とともに、施行後の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/73
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074・風間昶
○風間昶君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/74
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075・近藤正道
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
前回も申し上げましたけれども、この団体訴訟制度、大変画期的なことであるというふうに評価をしておりますけれども、しかし最大の問題点はいわゆる後訴遮断効の問題であると、こういうふうに思っています。
私は前回の議論、そして参考人の質疑を聞かさせていただいて、やはり後訴遮断効の生ずる領域をできるだけ小さくする、そして例外をできるだけ広く解すると、こういう方向で是非運用をしていただきたいと、こういうふうに思っています。
いずれにいたしましても、これは実験的な、とにかくスタートする制度でございますんで、理論的に必ずしも明確に整理ができなくとも、とにかく一歩一歩という意味で、今言った方向で是非運用をしていただきたいと、こういうふうに思っています。
その例外的な事由をできるだけ広くという意味で、私は前回、口頭弁論終結の後に生じた事由の中で新しい証拠が発見された場合どうするかという質問をいたしました。このことについては一定の御答弁をいただきましたが、もう一つ聞かせていただきたいという点がございます。
それは、衆議院の議論の中でも出てまいりましたけれども、業界の慣行が変化した場合どうするのかと。業界の慣行が変化した場合は後訴が可能というそういう答弁が衆議院の内閣委員会で行われたようでございますが、この業界の慣行が変化したというのは具体的にどういうことを言うのか、そしてそれはだれが判断するのか、どなたでも結構でございますので、御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/75
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076・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
お尋ねの業界の慣行変化でございますが、例えば、これはあくまでも想定のケースでございますが、建物の賃貸借契約の終了に伴う敷金の返還に関しまして、仮にいわゆる自然損耗分の原状回復費用まで賃借人の負担とする内容の契約条項が、その後の業界の慣行と社会通念の変化により、信義則に反して消費者の利益を害するものと評価されるに至ったような事情がある場合には、この第十二条第六項に該当するものと考えられます。この点につきましては、裁判所によって判断されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/76
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077・近藤正道
○近藤正道君 分かりました。
それでは、今度は、損害賠償請求に関してお聞きをしたいと思います。
今ほど風間委員が一番最後のところで質問をしたにもかかわらず答弁がなかったわけでありますんで、私が、じゃ代行して質問をしたいというふうに思いますが。
団体訴訟制度、今回は差止請求ということでございますが、海外では差止請求だけではなくて損害賠償についても適格当事者に、消費者団体に訴権を認めると、こういうところが結構ございます。そして、これは審議会でもいろいろ議論になりましたし、消費者団体の中からも損害賠償請求についても認めるべきだという議論があったにもかかわらず、今回これが入れられなかった。
これは先日の参考人質疑の中でも明らかなように、山口参考人がるる申しておったというふうに思いますけれども、その地方の例えば高齢者等が少額の被害を被る、裁判をすれば飴の代より笹の代が高くなってとてもやれないと、そして結局泣き寝入りすると、そういうケースはたくさんございます。そういうものに対して、事態に対して適格消費者団体が請求をする、こういう制度は本当に私は必要だというふうに思いますが、今回見送られた。
しかし、これでもう完全に終わりということではなくて、いろいろ今後のひとつ検討課題にしていくということは衆議院でも出てきているようでございますが、具体的にどういうふうに今後の検討を進められていくのか、副大臣から御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/77
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078・山口泰明
○副大臣(山口泰明君) お答えいたします。
この制度については、今お話がありました少額訴訟制度の拡大や簡易裁判所の機能の充実等の司法アクセスの改善との関係を踏まえる必要のほか、被害を受けた消費者個人が自ら有する損害賠償請求権との関係をどのように整理するか、本人の知らない間に団体が提訴して敗訴した場合の本人の不利益をどう考えるか等の解決すべき困難な問題もありまして、今回の法制化の対象とはしなかったところであります。
しかし、今回の消費者団体訴訟制度は、直接の被害者でない第三者である消費者団体が消費者全体のために差止請求をすることができるようにするといった点では我が国においても画期的な新しい制度でありまして、その見直しに当たっては、今後社会における定着の度合いや評価等を的確に把握する必要があると考えております。
この導入については、現時点においては具体的な検討スケジュールがあるわけではありませんけれども、今後、司法アクセスの改善手法の展開を踏まえつつ、その必要性等を検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/78
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079・近藤正道
○近藤正道君 具体的な検討ではないけれども、しかしやっていくということでございますんで、是非、これは消費者の要望も非常に強い制度でもありますし、海外ではそれなりに機能している制度でありますんで、検討いただきたいというふうに思っています。
〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
もう一つ、その損害賠償の請求の問題とかかわって、不当利得の、利益の吐き出しの問題があると思うんですよね。そういう形で、弱者を食い物にして少額の被害をため込んで、一定の不当利得を銀行やあるいは郵便局の口座にため込んでいるケースが結構ございます。これに対して、これを回収する制度、こういうものも私は今後の検討課題だというふうに思っております。
実は、これはこの参議院でもこの間議論になりましたけれども、振り込め詐欺だとかあるいは様々な経済事犯で振り込ませた、口座に金を振り込ませた、これが大手銀行だけでも、メガバンクだけでも四行で三十五億円ぐらいあるということが明らかになりましたし、いろんな調査によりますと、地方の銀行等入れれば、銀行だけで百億円ぐらいあるだろうと、こういうふうに言われています。さらに、最近は、銀行はちょっとまずいんで、郵便局の口座に振り込ませるというケースが非常にはやっておりまして、これも消費者問題に非常に詳しい弁護士の皆さんの話を総合いたしますと、これもやっぱり百億円ぐらいあるだろうと。
問題は、この百億とも二百億とも言われる犯罪口座、今これ分かりますと口座を凍結いたしますんで、もう加害者の方には戻らぬ、しかし被害者の方にどうやって金を吐き出させるかということは次の大きなステップでありまして、このことについても是非私は、損害賠償請求の問題と併せてこの不当利得の吐き出しの手法について御検討をやっぱりいただきたいと。これは金融庁と連携を取りながら内閣府の方で是非御検討いただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/79
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080・山口泰明
○副大臣(山口泰明君) 御指摘の問題につきましては、被害を受けた個々の消費者個人が自ら有する損害賠償請求権との関係をどのように整理するか、本人の知らない間に団体が提訴して敗訴した場合の本人の不利益をどう考えるか、また、少額多数被害者のための司法アクセスの手段を改善する展開を踏まえつつ、今後の必要性と、先ほど申し上げたのと同じなんですが、この不当利益剥奪目的とした団体訴訟制度については、参考になるものとしてはドイツに例がございまして、二〇〇四年七月に不正競争防止法が改正され、事業者が不正競争行為により得た利益を剥奪し、国庫へ返還するよう請求し得る権利を適格消費者団体や事業者団体に認める制度が導入されたものと承知をしておるところであります。
この制度については、ドイツの国内でも、団体による威嚇、制裁的な制度が適当か、また国庫への利益返還は請求権の濫用を防止する効果があるが、一方、団体のインセンティブがそがれるのではないか等、様々な評価、議論があるところでございます。判例の積み重ねもこれからと聞いており、それらの動向も踏まえつつ、先生のお考えもありますが、慎重に考えていきたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/80
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081・近藤正道
○近藤正道君 いいですか、副大臣、これは振り込め詐欺の問題にかかわって、さっき言いましたように、銀行の口座に多額の不当利得の金がため込まれておるわけですよね。これを吐き出させるというシステムをどうやってつくっていくのかという議論に関連して、与謝野大臣は、この間、積極的に考えてみたいと、こういうふうに答弁をされているんですよ。ですから、是非金融庁と連携を取りながら、慎重ではなくて前向きに、果敢にひとつやっていただきたいと、こう思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/81
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082・山口泰明
○副大臣(山口泰明君) それでは、金融庁とか関係当局と慎重に協議しながら、先生の御指摘には積極的にやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/82
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083・近藤正道
○近藤正道君 よろしくお願いします。
最後の質問になるというふうに思いますが、今回は、消費者契約法の不当勧誘だとかあるいは不当な条項、これの差止めということでございますが、これで実験的にとにかくスタートをすると。しかし、問題は、ここの領域だけにとどまっている必要はないわけでありまして、特定商取引法だとかあるいは独禁法だとかあるいは景品表示法、こういう関連の領域にもこの差止めの対象を今後拡大する方向で検討をいただきたいという例えばことなんですよ。
実は私、昨日、サラ金の多重債務の救済について別の委員会で質問をいたしましたけれども、例えば今サラ金業界は利息制限法と出資法の間のグレーゾーンでもって商売をしております。そこで、極めて限りなく出資法に近いところで、金利で商売をやっているにもかかわらず、宣伝、広告するときには、利息制限以下の利率から出資法に極めて近いところの金利まで、この範囲で商売をしています、つまり一二%から二八%ぐらいで商売をしていますということを堂々とやっているわけです。
しかし、九九%、二八%ぐらいで商売しているにもかかわらず、あたかもケースによっては利息制限以下で金利取っていますよと、こういう人を惑わすようなそういうことをやっている。これはもう明らかに景品表示法に違反するわけでございますが、こういうものに対して、例えば今の適格消費者団体が、それはおかしいよと、やめなさいと、こういうことが言えるにもかかわらず、今のような、今度の法案では、そこに手が届かない。あるいは、独禁法、やみカルテルの問題についても手が届かない、特定商取引法についても手が届かない、こういう問題がありまして、このことについても、消費者問題を一生懸命やっている弁護士の人たちは何とかここのところにも手が届くようにしてもらいたいと、こういう強い要望を持っているわけでございます。
このことについて、つまり対象領域の拡大についてどういうふうな所見をお持ちなのか聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/83
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084・田口義明
○政府参考人(田口義明君) お答え申し上げます。
このたびの法案におきましては、消費者契約法にこの消費者団体訴訟制度を導入するということでございますが、これはこの消費者契約法というのが、業種のいかんを問わずあらゆる消費者契約に適用される民事ルールを定めた基本的な法律であるという事情によるものでございます。この消費者契約法に消費者団体訴訟制度が導入されることによりまして、消費者に身近な立場にあります一定の消費者団体が、業種のいかんを問わず事業者の不当行為を適時適切に把握し、被害が広がる前に差止め訴訟をできるようにするということで、本法案の意義は極めて大きく画期的なことと考えております。
ただいま御質問ございました本法案の導入実績を他に広げてはどうかという御指摘でございますが、この法案は我が国で初めて団体訴訟制度を導入しようとするものでございまして、この制度の導入、運用の実績は他の法律における検討にとっても参考になるものと考えております。
なお、独占禁止法及び景品表示法につきましては、昨年閣議決定されました消費者基本計画におきまして、公正取引委員会は、団体訴権の導入について検討し、平成十九年までに一定の結論を得るというふうにされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/84
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085・近藤正道
○近藤正道君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/85
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086・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
消費者契約法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/86
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087・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、柳澤光美君から発言を求められておりますので、これを許します。柳澤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/87
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088・柳澤光美
○柳澤光美君 私は、ただいま可決されました消費者契約法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び各派に属しない議員木俣佳丈君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
消費者契約法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。
一、適格消費者団体に期待される役割の重要性にかんがみ、国及び地方公共団体は、適格消費者団体の活動資金が円滑に確保されるよう、環境整備を始めとした諸施策に努めること。また、独立行政法人国民生活センター、地方公共団体等が有する情報が適切かつ効果的に活用されるよう、情報面における十分な支援措置を講ずること。
二、適格消費者団体の認定に当たっては、認定の基準を明確にするなど、その透明性確保に遺漏なきを期するとともに、より多くの団体が適格消費者団体の認定を受けられるよう配慮すること。また、その認定、監督等を行うに際して、適格消費者団体の自主的活動を過度に制約することのないよう留意すること。
三、中小企業を始めとする事業者が予想外の応訴負担を不当に負わされることのないよう、また、いやしくも制度が濫用・悪用されることのないよう、内閣総理大臣は適格消費者団体の認定及び監督を適切に行うこと。
四、本法に基づく内閣府令、ガイドライン等の運用基準の策定に当たっては、国民生活審議会への報告及び同審議会からの意見聴取を適宜行うとともに、広く消費者の意見を聴き、その反映に努めること。
五、本法の運用に当たっては、本法の趣旨及び本委員会の審議において明らかにされた解釈基準等について、消費者、事業者、地方公共団体の消費者行政担当者等を始めとした関係者に対し周知徹底を図り、差止請求に係る制度の健全な普及に努めること。
六、確定判決等があった場合の同一事件の後訴の制限に関する規定については、例外的な事由を含め解釈基準等の周知に努めるとともに、本法施行後の差止請求訴訟等の状況を踏まえ、必要に応じ見直しを行うこと。
七、消費者契約法に規定する不当な行為のみならず、詐欺・強迫行為を伴う勧誘行為や、民法の公序良俗に違反する条項を含む消費者契約の意思表示、さらには不当な契約条項を含む消費者契約の意思表示を行うことを推薦・提案する、いわゆる推奨行為についても、消費者被害の発生の防止に万全を尽くすとともに、本法の施行状況を踏まえつつ、差止請求権の対象範囲の在り方についても引き続き検討すること。
八、消費者被害の救済の実効性を確保するため、適格消費者団体が損害賠償等を請求する制度について、司法アクセスの改善手法の展開や犯罪収益剥奪・不当利益返還の仕組みの検討を踏まえつつ、その必要性等を検討すること。また、特定商取引法、独占禁止法、景品表示法等の消費者関連諸法についても、消費者団体訴訟制度の導入について検討を進めること。
九、本法の施行状況等については、その点検評価に努め、消費者被害の発生・拡大防止のため、消費者対策に万全を期するとともに、地方公共団体に対しても所要の措置を採るよう要請すること。また、本法施行後五年を目途として、運用状況の総合的な評価を行い、時期を失することなく所要の見直しを行うこと。その場合において、法令、運用改正等の所要の措置を行う際には、国民生活審議会への報告及び同審議会からの意見聴取を適宜行うとともに、広く消費者の意見を聴き、その反映に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/88
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089・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) ただいま柳澤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/89
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090・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、柳澤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、猪口国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。猪口国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/90
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091・猪口邦子
○国務大臣(猪口邦子君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/91
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092・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/92
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093・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
どうぞ御退席いただいて結構であります。御苦労さまでした。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/93
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094・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 次に、探偵業の業務の適正化に関する法律案を議題といたします。
提出者衆議院内閣委員長佐藤剛男君から趣旨説明を聴取いたします。佐藤衆議院内閣委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/94
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095・佐藤剛男
○衆議院議員(佐藤剛男君) ただいま議題となりました探偵業の業務の適正化に関する法律案につきまして、その趣旨及び内容について御説明申し上げます。
まず、本法律案の趣旨について御説明申し上げます。
探偵業は、個人情報に密接にかかわる業務でありますが、現在、業としては、何らの法的規制もなされておりません。近年、業者の数が急激に増加しておりますが、それとともに、料金トラブル等契約に関する苦情、調査対象者の秘密を利用した恐喝事件、違法な手段による調査等も急増しております。
このような状況にかんがみ、探偵業について必要な規制を定め、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することとするため、本法律案を提案することとした次第であります。
次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、この法律において探偵業務とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいうこととしております。また、探偵業とは、探偵業務を行う営業をいうこととし、専ら、報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除いております。
第二に、探偵業を営もうとする者について、営業所ごとに、都道府県公安委員会に届出を行わなければならないこととするとともに、成年被後見人、暴力団員、営業停止命令に違反した者等一定の事由に該当する者について、探偵業を営むことを禁止しております。
第三に、探偵業務の実施の原則として、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならないことを明確にしております。このほか、探偵業務の実施の適正を確保するため、重要事項の説明等契約における義務、探偵業務の実施に関する規制、秘密の保持等について定めております。
第四に、都道府県公安委員会は、探偵業者に対し、報告の徴収、立入検査、指示、営業停止命令、営業廃止命令を行うことができることとしております。
その他、罰則、検討条項など、所要の規定を設けることとしております。
なお、この法律の施行日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、本法律案の趣旨及び内容であります。
本案は、去る五月十九日、衆議院内閣委員会提出の法律案とすることに決し、同月二十五日、衆議院本会議で可決したものであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/95
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096・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会をいたします。
午前十一時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01020060530/96
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