1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年六月八日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 工藤堅太郎君
理 事
西銘順志郎君
山内 俊夫君
芝 博一君
柳澤 光美君
委 員
秋元 司君
佐藤 泰三君
鈴木 政二君
竹山 裕君
中曽根弘文君
山谷えり子君
喜納 昌吉君
黒岩 宇洋君
藤原 正司君
松井 孝治君
風間 昶君
白浜 一良君
近藤 正道君
木俣 佳丈君
国務大臣
国務大臣
(内閣官房長官) 安倍 晋三君
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 沓掛 哲男君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 有村 治子君
事務局側
常任委員会専門
員 鴫谷 潤君
政府参考人
警察庁生活安全
局長 竹花 豊君
警察庁交通局長 矢代 隆義君
環境省自然環境
局長 南川 秀樹君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○遺失物法案(内閣提出、衆議院送付)
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
(自殺対策基本法案に関する件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/0
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001・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
遺失物法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁生活安全局長竹花豊君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/1
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002・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/2
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003・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 遺失物法案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/3
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004・秋元司
○秋元司君 おはようございます。自由民主党の秋元司でございます。
だんだん百六十四回国会も終盤に差し掛かりまして、恐らく内閣委員会、最後ですかね、そんな気がしてるかもしれませんが、質問に立たせていただきます。よくこの委員会でも私は、今年は非常に質問の機会をいただきましたんで光栄に思っているわけでありますが、今日は二十分ということなんで足早に質問の方をさせていただきたいと思います。
まず、今回、遺失物法案、この法案は大変理解をさせていただいているところでありますが、その前に、法案を作るより、まあ日本人そのものがもう少し自分の持ち物に対してしっかりと気を付けなくちゃいけないということを、この拾得物の保管している数から見ますと、もっともっと、物余り現象とはいえ、しっかり自分の物は自分で管理をする、そういった原点に立たなくちゃいけないんじゃないかな、そのことを冒頭指摘をさせていただきたいと思います。
そんな中で、拾得物を保管していただく負担の軽減と、そして早期に持ち主の元に返る、またなくした物を早期に発見をする、そういったことを今回の法律で、国民の利便性を向上するという意味の法案であると思いますので、一日も早い成立をと、そのように思っております。
そんな中で、今回いろいろとポイントはあるわけでありますけれども、一番のポイントというのは、何といっても早期に発見をされやすい、しやすいその環境をどうつくるかであろうかと思います。
よく私も過去ございましたけれども、遺失物と拾得者の、何といいますか、各これは警察の所轄ごとでやっているんでしょうから、場所が違った場合においてなかなか発見がしにくいという過去例もあったんですね。私も学生のころ、池袋でなくしたんだろうと思ったんですけど、しかし分からなかったことがあって、実際自分が行った交番は全然違う、たまたま時間があったからということで八王子の方の交番へ行ったことがあったんですけど、そうすると、なかなか分かりませんなんて話がありまして、それが今回インターネット等を利用する形でそれを公表してもらうことによって、なくした方がそのインターネットを見て、これが自分のだと発見しやすい。
そういった面ではインターネットの活用というのは大いに理解をさせていただくわけでありますけれども、せっかくインターネットを活用する形で、今インターネットを運用する形で早期発見、早期返還ということに踏み切っていただくわけでありますから、ただ私は公表するだけじゃなくて、実際に、何といいますか、自分の物があったとか、こういう物が自分はなくしたんだけれどもどうかとかいう照会等も今はやりのメールとかいうものを通じた形で情報交換をできるシステムまで踏み込んでいただくと非常に利便性ということについては役立つんじゃないかと思うんですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/4
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005・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) メール等で遺失物に関する問い合わせを警察署等に行えるようにしたらどうかというお尋ねでございますけれども、この問題については、現状におきましてはそういうやり方を取っておりません。
と申しますのも、そうしたメールによる照会ということになりますと、遺失者の本人確認が困難でございますことと、成り済まし等の可能性もございます。そういう点も危惧をいたしておりますとともに、業務の負担の問題等も勘案しまして、各警察署において電話による問い合わせには応じているという状況にございます。その点は、現状そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/5
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006・秋元司
○秋元司君 警察自体は当然二十四時間勤務体制でやっていただいているわけですよね。ただ、遺失物等の問い合わせについては、当然担当の係があるでしょうから二十四時間やっているわけじゃないと。それはもう大いに理解できるんです、なくした人間が一番悪いわけですから。ただ、せっかく今お話あったように電話での照会をやられるという話でありますから、そうなるとメールでも同じなんですよね、その身分の確認のレベルに達しますと。
ですからこそ、私が今申し上げたのは、せめて、何といいますか、メール等でこういう物がなくなったんだけれどもないかということに対しては、どこどこでこういう似たような物が保管されているけれども、よかったらどこどこに見に行ってくださいとか、そういったやり取りが、まあ、でもメールであれば多少便利になるのかなという意味での指摘でございますので、今すぐにというのはなかなか難しいでしょうから、将来的にそういったサービスもできるよということまで伸ばしていただければなと、これは要望をさせていただきたいと、そのように思っております。
次に、インターネットのネットワーク、警察としてのネットワークというのは、これは同じ組織でありましょうから比較的やりやすいと思うんですけれども、今回の、何といいますか、保管者の負担軽減ということの中で、施設占有者、いわゆる鉄道会社だとか又はホテルだとか比較的不特定多数のお客さんを相手にしている、またそしてそれなりの落とし物、なくし物が発生しやすいような場所の民間業者もこういった物を保管できるというのが今回の法律の、新法の流れだと思うんですけれども、そういった施設占有者の皆さんの情報もインターネットで公表されて閲覧することはできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/6
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007・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 特例施設占有者は、自ら保管することとした物件について、当該物件に関する事項を警察署長に届け出ることとされておりますので、警察本部長は、このような情報につきまして公表する手続に、自ら警察が保管している物と同様に公表するという手続を取ることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/7
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008・秋元司
○秋元司君 あとは時間の問題だと思いますんで、なくした人というのは気付けばすぐ当然やるんでしょうけど、それが、何といいますか、特定の施設の占有者のところにずっと置かれちゃって、それが、タイムリーに情報が来なければなかなかインターネットで、何といいますか、公表といってもタイムラグが生じますと、なくした人にとってはトラブルにもなってしまうということなんで、そのスムーズな、スピーディーな情報交換というのを是非心掛けていただきたい、そのようにお願いをさせていただきます。
次に、これも今回の法律のポイントとして、今まで保管義務というのが六か月であったと、それが今回は短縮して三か月にしていこうということでありますけれども、その三か月の保管義務ということがなされる中でも、比較的、何といいますか、大量に世の中にあるだとか、なかなかこれは保管できないとかいう等については、二週間で売却も含めた処分してもいいよというのが今回の新法であるんですが、この二週間で処分されるという物ですね、この物件、これはどういう物が対象となっていらっしゃるのか。
それと同時に、併せて聞きますけれども、この二週間という、基本的には三か月というのが原則になっていますから、二週間で処分した後、いわゆる二週間後又は三か月未満ということでしょうから、二週間後に、四週間ぶりでもいいんでしょうが、持ち主が現れた場合の返還ということに対する手続等についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/8
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009・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) まず、公告後二週間で売却できることとなる物件につきましては、今後政令で定めることとなりますけれども、一つは日常生活の用に供され、かつ広く販売されている物としては、傘、衣類及び自転車、それからそのほかに不相当な費用又は手数を要するものとしては、極めて大きいために保管が著しく困難なもの、危険物等の特別な取扱いが必要なもの及び動物がその対象となり得るものとして検討を進めているところでございます。
また、売却を行った後、拾得後三か月が経過しない期間に遺失者が現れた場合に遺失者に対してどのような措置をとるのかということについてでございますけれども、改正法では、物件の売却をしたときには売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなしまして、三か月の保管期間満了まで保管することといたしております。このため、売却後、保管期間内に遺失者が判明したときには、売却代金から売却に要した費用を控除した残額は遺失者に返還することといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/9
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010・秋元司
○秋元司君 となりますと、物からお金に換わるということでしょうから、それはそれで一定の理解をさせていただくわけでありますけれども。よく私も怒られるんですけどね、我々男性は傘は傘だという感覚なんですが、といいますと、普通のビニール傘も傘だし、ある意味では変なロゴマークが付いているブランド品も傘なんですけど、同じ傘の扱いでありますと、五百円の傘があったりまあ下手すると五、六万もする傘もあったりとか、そういうこともありますから、売却をする際にその商品価値というのもしっかり見定めた上でやっていただければトラブルが生じないかなと、そのように思いますから、これは現場のレベルの話でしょうけれども、心掛けていただきたいなと、そのように思います。
ちなみに、その拾得物、売却をされるということなんですけれども、そのちょっと経理上の扱いについてお伺いしたいんですが、警察が、何といいますか、売却する際には当然都道府県でしょうから、そのまま都道府県の金庫にお金が入る形になると思うんですけど、施設占有者、いわゆる民間が同じような行為をした場合においての扱いについて、ちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/10
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011・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 三か月の保管期間内に遺失者が判明しない場合には、拾得物の売却代金から売却に要した費用を控除した残額は拾得者に帰属することとなるわけでございますが、今御指摘の施設占有者の場合でございますけれども、この施設占有者が自ら拾得したあるいは届けられたという場合に、施設占有者が権利を行使をすると、拾得権利を行使しようとする場合には施設占有者にその残額は帰属をすることになります。施設占有者がその権利を放棄したときには都道府県に帰属することになるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/11
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012・秋元司
○秋元司君 いずれにしましても、この保管する費用というのは非常に算出が難しいんじゃないかなと私は思うんですよね。当然、民間にそれなりに委託をして、保管業者、専門業者があればそこでの保管する期間の金額というのは算定しやすいんでしょうけど、自分の施設内にそういった物を置くとなると、物が増えれば増えただけ分母が増えるわけですから、一つ当たりの単価というのをまたはじき出すのも難しいのかなと思いますし、その辺、今後具体的に詰められていくんでしょうから、混乱が生じない形で是非すっきりした形でお願いをさせていただきたい、そのように思います。
続きまして、動物等の取扱いについて質問をさせていただきたいと思うんですが、今回のこの新法では動物等々は法律の対象外となっていらっしゃるんですね。一点目はこの理由と、そしてそのように今回はしたということもあって、法律の改正でありますから、各、何といいますか、所轄、関係者等にこういったことを徹底をさせなければ私はいけないというふうに思いますけれども、そういった今後の指導体制について、この二点お伺いしたいと思います。委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/12
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013・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) お尋ねの件についてお答えいたします。
今回の法改正により、所有者の判明しない犬や猫を拾得した人は、動物愛護法の規定により、都道府県等にその引取りを求めた場合につきましては遺失物法が適用されないこととするその理由でございますけれども、警察署では動物の飼養や保管に関し専門的な知識を有する職員や専門の施設を有していないことから、専門的な職員及び施設を有する都道府県等において犬や猫を取り扱うこととした方が動物の愛護の観点から見て適切であるという考え方であります。
今回の改正により、所有者の判明しない犬や猫の取扱いが大きく変わることから、警察といたしましては、まず第一に、所有者の判明しない犬や猫の取扱要領を明確にし国民に周知すること、第二に、都道府県警察とそれから都道府県等の動物愛護担当部局との連絡体制を確立することに配慮すべきであるというふうに考えております。このため、警察庁に対し、早急に環境省と協議いたしまして、所有者の判明しない犬や猫の取扱いや都道府県警察と都道府県等の動物愛護担当部局との連携に関する基準を策定し、これに基づいて都道府県警察を指導するように督励してまいりたいと思っております。
法改正でこの点大変大きく変わってまいりますので、混乱が起きないように関係省庁としっかり連携を取ってやっていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/13
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014・秋元司
○秋元司君 こういったことで一番一般の国民の皆さんと接するのは大体交番とか派出所と、そういうところの皆さんが一番、派出所じゃない、交番ですね、交番の皆さんが一番普通の地域住民の方と接する機会が多いと思うんで、そういった方がこのことをよく知ってなければ本当にある意味混乱をすると思いますので、是非交番の警察官に至るまで徹底した指導体制をお願いしたい、そのように思います。
この動物の取扱いについては、動物愛護団体からいろいろと話があるやに聞いておりますが、何といいますか、遺失物の扱い、拾得物の扱い、物は三か月、しかし動物については三日とかいう話がありまして、命の尊さということを問われれば何とも答えようがないところあるんですけれども、その前に、本来ですと飼い主責任というものをしっかりと本当は追及をしていかなければならないところではあるんですが、そういったことからかんがみまして、環境省にお伺いしたいんですが、この所有者不明の動物の取扱基準について、今現在と、まあ将来も含めた形でいいんですけれども、どのような対処をされるか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/14
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015・南川秀樹
○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、動物愛護管理法を所管しております。その規定によりまして、都道府県等におきまして、所有者の判明しない犬、猫、さらに飼えなくなって持ち込まれた犬、猫といったものを主に動物愛護センターというところで引取りを行っております。約四十二万頭、毎年引き取られております。内訳は犬が十八万で猫が二十四万と、犬はどんどん減ってきておりますが、猫はほとんど減らないというのが現状でございます。
私ども、できるだけこれらの動物について生存の機会を与えたいというふうに考えております。今年の一月に犬、猫の引取り等についての措置を決めました。現状で申しますと、保管期間が三日あるいは四日というところが多いわけでございますけれども、そういった短期間ではなくて、犬、猫の所有者あるいは譲渡を希望する、里親になりたいといった人の便宜を図りたいということで、できるだけ生存の機会を与えるように努めるということで現在指導を行っているところでございます。また、実際に里親を探す便宜を図るべく、私ども、この四月から再飼養支援データベース・ネットワークシステムというものを作りまして、全国的にどういう動物がどこで保管されておるかということが分かるようにして、少しでも飼い主が新たに見付かるような努力をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/15
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016・秋元司
○秋元司君 今、年間四十二万頭ですか、すごい数ですよね。この中で、話によりますと、大体九割は残念ながら殺さざるを得ないというのが現状らしいので、そういったことからして一日でも早くより多くの動物が飼い主の下に行ってもらうというのが一番理想でありましょうけれども、実は今お話しいただいたこのインターネット等でネットワークを作って、飼い主になりたい方はどうぞという、そういった呼び掛けをしていただいているということでありますが、余り知らないんですよね、このこと。私も昨日その話を聞いてから、何人かの皆さんにたまたま宴席がありましたのでちょっと話をしたら、知らないと言う方が大半でしたので、せっかくそういったいいシステムを構築していただいているので、もっともっと普及に、何というか、うまい広報宣伝をもっともっと積極的にやっていただきたいなというふうに、これはもう御要望させていただきます。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/16
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017・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/17
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018・秋元司
○秋元司君 はい、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/18
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019・柳澤光美
○柳澤光美君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
秋元委員からもありましたけれども、質問の機会がもう余りなくなりそうな状況でございますので、遺失物法の前にちょっと若干お時間をいただいて、交通安全対策について何点かちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
私は、国の最大の責務というのは国民の命を守ることだというふうに考えております。ですから、自殺の問題、そして拉致の問題、そして交通事故の問題には強い関心をずっと持ってきておりまして、その中で自殺の問題が、今日、自殺対策基本法として五党合意で委員長提案をしていただくことになりました。本当に多くの皆さんの協力、また良識の府としての参議院のすばらしさ、党派を超えての対応、私自身本当に感動を覚えておりますし、大変うれしく思っております。委員の各位の皆さんにも是非御支援をよろしくお願いしたいと、私から言うのも変ですが、お願いをしておきたいというふうに思っております。
さて、交通事故死の問題ですが、自殺者が九八年から三万人超えました。昨年も三万二千五百五十二、全く減ってきておりません。八年連続であります。それに比べたら交通事故死の方は、平成十七年には六千八百七十一名。昭和三十一年以来四十九年ぶりに七千人を切りました。最悪だった昭和四十五年の四割近くまで減少をしています。私は、率直に評価をさせていただきたいというふうに思いますし、警察庁を始め関係者の皆さんの御努力に敬意を表したいというふうに思っております。
しかし一方で、交通事故の数ですとか、死者だけではなくて死傷者について言えば依然高い水準が続いておりまして、平成十七年の交通事故死傷者数は百十六万三千五百四人になっています。確かに、死亡事故を減らすということも大切ですが、負傷者も含めた交通事故そのものの発生件数を減らしていくという取組は更に強めなければいけないだろうというふうに考えております。
そこで、お伺いしたいんですが、今後、交通事故及び死傷者数を減少するために様々な分析をされ、施策が必要だと思いますが、昨今の交通事故の特徴的なものを簡単に説明いただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/19
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020・矢代隆義
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
最近の交通事故の状況でございますが、確かに交通事故全体につきましては相当数、数増えてまいったわけでございますが、このところ頭打ち状況でございます。多く増えておりましたのは追突など、ちょっとしたことでぶつかるような事故が多かったわけでございますが、その中で、交通死亡事故につきましては、順調に各方面の努力によりまして減少しております。
特に、今の状況で特徴として申し上げますと、これに反しまして高齢運転者に対します死亡事故件数が増加しておりまして、これは気になるところでございます。過去十年で約一割増えております。
それから、歩行者、自転車乗車中の死者でございますが、この中を見ますと過半数が高齢者の方が占めておりまして、歩行中ですと六五・二%、自転車乗車中ですと六〇%ですが、高齢者の方です、これも気になるところでございます。
また、我が国では、交通事故死者のうち歩行中の事故、それから自転車乗車中の死者の全体に占める割合ですが、これが諸外国に比べて高いわけでございまして、歩行中の死者、これは三〇・八%でございますし、自転車乗車中一三・九%ということで、合わせますと四割を超えておりますが、これらが特徴点でございまして、また対策の必要なところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/20
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021・柳澤光美
○柳澤光美君 これから少子高齢化、特に高齢化の中でお年寄りが増える。まちづくり三法、この前も質問に立たせてもらったんですが、本当に、みんなが歩いて楽しめるまちづくりをしようということで議論をされているんですが、最近、特に無謀自転車の事故が起きているということで対策を強めようというふうにされておりますが、私自身も、本当に、安全であった乗り物のはずの自転車が、今非常に性能も良くなっていますし、凶器というぐらい死亡事故まで引き起こしている。自転車と歩行者の事故が多い。特に、高齢者等のことを考えると対策が必要だろうなというふうに感じています。
昨年、二千五百七十六件も自転車と歩行者の事故が起きている。特に、ルール違反、運転マナーの悪化が最大の原因だと思います。歩道を猛スピードで本当に走っている自転車、しかも無灯火で走る、あるいは、音がしませんから後ろから急に来られると本当にびっくりしますし、ひどいのは携帯メールを打ちながら運転していると。皆さんも冷やっとされる経験はたくさんあると思います。
今、対策を取られているというふうに思いますが、特に安全教育、啓発活動など、具体的にどのような対策を取られているか、簡潔にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/21
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022・矢代隆義
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
確かに、九十万件を超える交通事故のうち二割近くを自転車絡みの事故ということでございまして、また、御指摘のように、一部の自転車利用者の交通ルール、マナーの違反に対する社会的批判も相当強いものがございます。
そこで、私ども、この悪質自転車対策でございますが、一つには、やはり教育ということで、小学校、中学生等を対象としました自転車教室を実施しておりまして、昨年中ですと、これは全国で二万三千回ほど実施しております。それからまた、街頭指導もこれは必要でございまして、街頭指導及び広報啓発活動も推進しておりまして、特に、今年五月中、自転車月間に合わせまして全国的なキャンペーン活動も実施したところでございます。また、秋の交通安全運動に向けても取組を考えております。
ただ、自転車利用者によります交通違反でございますが、これは、従前ですと指導、警告を中心にやってきているわけでございますが、この指導・警告活動を従来以上に強力に進めますとともに、特に悪質、危険な違反につきましては交通切符による積極的な検挙措置も講ずると、こういうことで進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/22
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023・柳澤光美
○柳澤光美君 私は、とてもいいことで、もっともっとその辺を厳しく、特に、安全と安心という問題に関しては強い規制をきちんと掛けていくべきですし、注意すべきことはきちんと注意していかなければいけないだろうというふうに思っています。
そこで、ちょっとお伺いしたいんですが、実は、私、気になっていますのは原動機付自転車、いわゆる原付バイクの件なんですが、非常に、五十㏄以下がそれに対応しているんですけれども、自動二輪よりは手軽な乗り物として、特に若者も多い、高齢者も多少増えているんでしょうけれども、若者に使われている。この原付バイクがかなり町中を乱暴な運転をしている。自転車に比べればはるかに、エンジン付きですから、かなり危険だと。
この原付バイクの事故についてのデータを見てみますと、自転車事故の急増の陰で見落としがちになっていますけれども、例えば十六歳から二十四歳の負傷者数というのは、平成十五年に四万二千四百十三人、平成十六年で四万六百九十八人、平成十七年、三万七千八百二十人、ちょっと減ってはいますが、四万人前後のところで高い水準になっておりますし、重傷者数というのも自動二輪よりも毎年上回った事故が起きている。
確かに、原付バイクも、当初は自転車に簡単なエンジンが付いただけというイメージだったと思うんですが、今はかなり車両性能も良くなってきていますし、飛躍的に向上してきている。自転車というよりもむしろ自動二輪に私は近いのではないかなというふうにも感じています。
しかし、現在、この原付免許の取得というのは、五十問の筆記試験と三時間の講習だけで簡単に免許が取得できるようになっています。つまり、自動二輪などに比べたら、教習所に行く必要もありませんし、教習も必要としていないと。
私は、この原付免許の取得、免許を交付するわけですから、本当に三時間で足りているのかどうか、その辺、率直に見解をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/23
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024・矢代隆義
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
確かに、原動機付自転車、これは簡便に運転できるものでございますので、特段の技能試験は必要とせず、学科試験だけで免許を与えておるわけでございます。そこで、その運転はすぐにできるんですが、実際に道路交通の場に出る前にやはり原動機付自転車の運転を経験させる必要があるということでこの講習という制度を設けておるわけでございまして、その内容が、原動機付自転車を使用して行う操作方法及び走行方法の実技関係、これが二時間と、それから安全運転に関する知識、どのようなことが危ないのかということについての講習でございまして、これが一時間ということで、三時間となっております。
それで、これの評価ですが、私ども、原付の講習の制度というものが、今申し上げましたように、運転はできるんだけれども、実際に交通の場に出る前に実際の経験をまずさせると、そういう目的に照らしますと、この三時間の講習ということでまずはいいんではないかと考えておりまして、ただ、その講習の内容につきましては、更に充実した運用が必要だと考えていまして、努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/24
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025・柳澤光美
○柳澤光美君 私は、時間がないんであれですが、原付免許の取得に際しては、運転技術が一定の要件を満たすかどうかという判定が私は必要だろうと。やはり自転車とは違うと。むしろ自動二輪、エンジンが付いている。自転車でさえ危なくなってきているわけですから、免許制度である以上、一定の要件を満たす、一定の要件を課すべきではないかと。また、原付免許の取得にも学科教習制度を入れるというようなこともひっくるめて、もう一度この原付バイクの安全対策というのを是非検討していただきたいというふうに思っておりますが、簡潔に御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/25
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026・矢代隆義
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
今申し上げましたように、原動機付自転車、自転車に乗れる人であればすぐに原付にも乗れると、こういうことで技能試験は行っていないわけでございまして、実際に、車体も小さくて排気量も小さいと、それから速度も低く制限されておるわけでありまして、このような簡便な乗り物も国民生活上やはり必要であろうということでこのような制度になっておるわけでございまして、したがって、原付免許につきまして技能試験を行うということになりますと、原付免許を受けようとする人の負担になるわけでございまして、これにつきましては慎重な判断が必要であろうかと考えております。
ただ、お話のように、自動車あるいは自動二輪だけでなくて、原付も含めまして各モードそれぞれに交通事故が実は起きているわけでございまして、したがいまして、それに対しましては、先ほど申し上げましたような講習も含めまして、あるいは一方では無謀な運転をする一部の若者おりますので、その取締りも含めましてその総体的な対策は引き続き必要であると、またやってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/26
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027・柳澤光美
○柳澤光美君 どちらにしても、特に高齢者が増えてくる、それから子供たちも本当に大事にしないと、一・二五しか生まれてこない、そういう意味では自転車どころか自動二輪に近い原付バイクのもう一度安全対策というのは原点から見直していただければなと、それも含めて沓掛委員長に最後、原付バイクも含めた交通安全対策というのは、七千切ったからいいということではなくて、更に対応をきちんとしていただきたいということをお願いして、決意を御答弁いただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/27
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028・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 今委員おっしゃられました、何としても交通安全をしっかりして犠牲者を少なくしていくということは、国の政策として最重要な課題だというふうに認識しております。
昭和四十五年が死者のピークだったと思います。一万六千幾らだったと思いますが、当時私も役人でございまして、これは大変だと、何としてもこの死者数を半減にしようということで、十か年で半減にしようといういわゆる三E作戦というのを実施してそれなりの成果は上げてきたし、現在もそういう成果を上げつつあると思います。
ただ、当初から私ども非常に気に掛かっていたのは、死者は確かに減るんですけれども、負傷者というのが減らないでかえって増えていくという、そういう状況にあり、百万人を超えるということは例えば十年間には一千万人ですから、だれか身近な人でそういう事故に遭うという人が必ず出てくるわけで、私も、私の上の上の兄が交通事故で死にましたけれども、そういうことであり、何としても事故をなくしていこうというのは非常に重要な課題だと思います。そういう点において、原付自転車という、自転車さえも事故があるんですから、原付バイク的なものに対する安全の確保というのも極めて大事なことだというふうに思います。
そういう中において、いわゆる技能試験を原付バイクに対して課すかどうかということですが、現在は技能試験に代わるものとしていわゆる実技講習を三時間行い、またあとは学科試験で免許を出しているんですが、それでいいかどうかということだというふうに思いますが、今の制度は、そういう中において、やはりこの実技講習というものの効率性あるいはその効果性を高め、また試験等においても、そういう学科試験等においても事故をなくすることにアクセントを置いたような形でこれからもやっていきたいというふうに思っています。
確かに先生おっしゃられるような実技、技能試験というのがあるんですけど、やっぱり今のバイクの利用者というのが自転車に、それに自分の足の代わりにある程度そういうエンジンが付いたものという、そういうことでもあるんで、そういう人たちの利便性というものも考えながら、また全体として交通安全も増していくという、そういう点でこれからもいろいろ検討してまいりたいというふうに思いますが、差し当たっては今のような形でまず安全を増しながら利用者の利便も増していくという、そういう形で進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/28
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029・柳澤光美
○柳澤光美君 言われていることは分かりますけれども、ただ、本当に人の命というのは何よりも私は大事だという意味では、特にそういう、自転車でさえ凶器になる、入口のところで、免許制にするんであればきちんと教育もしておくということが大事だというふうに思っておりますので、是非今後も、原付バイクの問題だけではなくて交通安全対策には一段の御努力をお願いしたいというふうに思います。
じゃ、いよいよ本題の遺失物に入らしていただきたいと思います。
沓掛委員長も視察に行かれたということですが、実は私も、五月の十五日に民主党の内閣部門会議のメンバーで、東京駅のお忘れ物取扱所と警視庁の遺失物センターを視察させていただきました。一緒に行った芝委員とも話したんですが、本当に、傘も含めて遺失物の膨大な量には圧倒されました。それから、もう一つは、同時にその現場で働く皆さんのきめ細かい配慮、またその努力というのには本当に頭が下がりました。
実は、警視庁の、東京駅の扱い所で、遺失物センターに送るという商品を全部整理をされてたんですが、そこに実は風船が刺さっていました。これも遺失物センターへ送るんですかという質問をしましたら、たとえ風船でも落とし物で届けられたのはおろそかにはできないと。私ども考えたら、もうそんなのしぼんでしまうしねえというふうに思ったんですけど。
ただ、そのことというのが、私はある意味では逆に感動を覚えまして、私ずっと主張してきているのは、人に対する思いやりだとか助け合い、それから血縁だとか地縁だとか職場の縁という、その人間関係を大切にするという日本の良さというのを今取り戻さないといろんな問題が解決してこないんではないかというのを持論にしていろんなところで主張をさせていただいてるんですが、そういう意味では、この明治三十二年にできた遺失物法とその運用の中に、日本の歴史と伝統と文化が受け継がれてるんじゃないかという感動も覚えました。
そこで、ちょっと単純なこんな質問どうかと思うんですが、法案全部目通させてもらって、明治三十二年というのはいわゆる片仮名文の文語体になっていまして、今回、それが初めて口語体に直されるというわけですけれども、文語体を口語体に変更するということは、文法上、意味や解釈が変わるとか、非常に読み方が難しいとかっていうことはなかったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/29
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030・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 今回の法改正で、新しい仕組みを設けましたりあるいは仕組みを変更したりいたしましたので、それに伴います法律上の文書の、新しく加わったり改正したりしたものはございますけれども、文語体から口語体に変更するということの理由のみで法律上の意味が変わったり、そうしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/30
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031・柳澤光美
○柳澤光美君 実は、今回、文語体から口語体に変わるというぐらい長い間置いてあった法案の変更ですし、昭和に入って変えたのも、その後からもう五十年ぶりの改正になります。特に、遺失物というのは非常に国民の皆さんに密接に関係する法律の改正ですから、これは衆議院でも議論になりましたけれども、是非確認答弁を沓掛国家委員長に求めたいんですが、この趣旨や内容というものを国民の皆さんにきちんと周知徹底していただきたいと。具体的なことも含めて、簡潔にお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/31
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032・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 委員御指摘のように、長い間の文語体の法律で非常になじみにくいものだったんですけれども、今回はそれも含めて改正するわけで、改正内容も大変多岐にわたっているというふうに思いますので、その周知徹底というのは極めて重要なことだというふうに思っております。
そこで、改正法の成立後は、ポスターあるいはリーフレット等を作成するなどして、国民やまた事業者に、法の内容の十分な理解、周知を図って、その円滑な施行に万全を期すように、これから警察当局を督励してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/32
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033・柳澤光美
○柳澤光美君 ありがとうございます。
もう一点確認をさしていただきたいと思います。
国民もそうなんですが、今回は遺失物を取り扱う関係者にも大きな影響を及ぼします。特に警察官も、あるいは警察の職員の皆さんはもちろんでございますが、施設占有者の方々については、この運用等についても、この後少し質問さしてもらいますが、法案というのは非常に骨格だけであって、あとは政省令等で運用は全部決めていくという法案になっていまして、その文案を読みながら質問したら切りがなくなるぐらいなんですが、その辺もきちんと明確にした上で、混乱がないように遺失物法の解釈や運用の基準をきちんと作成をして周知徹底させるということも再度確認をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/33
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034・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) これに携わる人たちもこの法の趣旨をしっかり理解していくことは何よりも大切なことだというふうに思っておりますので、改正法の施行に当たりましては、警察庁をして明確な解釈運用基準等を作成させるとともに、現場で遺失物業務に携わる警察職員に対して、各種取扱手続周知を徹底させ、各都道府県警察において法の適正な運用に遺漏がないようにしてまいります。
また、特例施設占有者による物件の保管等の適正を確保し、また施設占有者が混乱を生ずることがないようにするため、施設占有者に対して早期に解釈運用基準等を周知するよう警察を督励してまいりたいと思っております。
関係省庁ともしっかり連携を取りつつ、運用の的確さと円滑さを図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/34
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035・柳澤光美
○柳澤光美君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それから、冒頭にちょっと述べさしてもらったんですが、私は日本の良さというのをきちんと残すべきだというのが持論だというお話しましたが、今回、拾得物の届出数というのは平成十六年に一千七十万まで急激に増えてきた。それを早期かつ確実に返還をさせるという、合理的に整理をしようというのは大変分かりますし、私も反対ではありません。
しかし一方で、ここのところ行財政改革もそうなんですが、合理性ばっかり求めてしまうということが行き過ぎるのは、私はちょっと懸念を感じていまして、例えば、私ども小さいとき、あるいは日本では落とし物を拾ったら落とした人は本当に困っているからすぐ交番に届けなさいと。あるいは、一円玉を拾っても、これはすぐ交番に届けないと泥棒になっちゃうよと。私の娘も、実は幼稚園のときに十円拾って、母親と一緒に交番へ届けたら、証明書をもらって大喜びして、そうしたら小学校の低学年のときに、自分で百円を持っていってもらってきたという。で、今日ないかと言ったら、どこかへしまっちゃって、記念に取ってあったんですが、持ってこれなかったんですけれども。ということが、私は日本にとっては大変、この歴史というのは一方できちんと残しておかないと、何でも合理的に切っていってしまうというふうにならないようにしていただきたいなというふうに思っているんです。
そこで、ちょっと通告では三つに分けて言っていましたけれども、私はちょっとまとめて、政府代表といったら沓掛国家公安委員長に答えていただくようになると思うんですが、一つは、遺失物の行政研究会の報告書にもこうあります。遺失物は、国民一人一人の善意により遺失者に返還されるものであり、これは誇るべき文化であるという最後にまとめもされております。これを私は守るべきだと。
それからもう一つは、この原因にやはり大量生産、大量消費の弊害も出ているんだろうと。今話題になっていますように、もう一度、もったいない、これは環境問題もひっくるめてもったいないというようなことも、政府を挙げて、国を挙げてやらなければいけないだろうと。それには、家庭教育もそうなんですが、幼児教育のころから落とし物は交番に届ける、あるいは物を大切にするといったようなことをやっていくべきときにあるんではないかというふうに思いますが、その辺の考え方を簡潔にできましたら御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/35
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036・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 委員の言われたとおりだというふうに思います。
やっぱり、私は、今心の問題というのは我が国にとって極めて大切なことですが、それがやっぱり幼いときから自然の形で教えられていくというのは非常に大切だというふうに思います。物を落とした人、その人は非常に困っているわけですから、拾った人がそれをまた落とした人に返すことによって、返された人は大変感謝するし、またそうして拾ってあげた方は困っている人を助けることの大切さを小さいときから教えてもらう、そういう自然な形で私は日本人の心というのは培われてきたのが、今言われたように、余りにも合理化というような中でそういうことがだんだん減っていったこと、そういうことがやっぱりいろいろな今の日本人の心の悪い問題に大きく関係しているんだな。やはり心の問題というのは自然な形で、そして、人間生活を営んでいく上においてのお互いの気持ち、そういうものが通り合うようにしていくことが極めて大切なことだというふうに思い、そういうことがずっと続けられてきた。この落とし物という一つでそういうことも大きく教えられていく、そういうすばらしい文化であったというふうに思います。そういう点がなかなか、こういう近代化したり合理化した中で物を粗末にする、そういうことが今の現在の心の問題に非常に欠けているところではないかなというふうに思っております。
一方また、委員おっしゃられました大量生産、大量消費、そういうことがこの環境問題にもかかわりいろいろな問題は出ているんですが、また逆に、それによってみんな生活の利便とか快適さとかそういうものもまた得られてきておるわけでございますので、そういう点をどの程度、ある程度バランスを取らせていくかというのは政府としても極めて重要なことだし、今日は環境省も、来ておられないな。私も環境省の副大臣やってたんですが、三R作戦というようなのをいろいろやってきたので、その辺はやっぱりバランス、利便性、そういうものと、もう一つにおいてやっぱりそういう環境的な悪い面も出てくる。その辺をどうバランスを取らせながら進めていくかということであって、その辺のバランスというのが、これが政治の問題でもあり、また行政の指導の問題でもあるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/36
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037・柳澤光美
○柳澤光美君 ありがとうございます。
本当は安倍官房長官に来ていただいて、次期総理として国としてすべきだぐらいの質問をしたいというふうに思ってたんですが、沓掛委員長の方から力強い御答弁をいただきました。私は、アメリカンスタンダードも学ばなければいけないと思うんですが、ジャパニーズスタンダードというのもきちんと大事にしていかなければ本当にいけないというふうに思っております。
次に、さきに衆議院でも議論になりまして、やはり確認をしておきたいことが二点ございます。
一点は、先ほど秋元委員からもありましたけれども、いわゆる犬、猫の問題ですが、第四条三項で、犬又は猫については遺失物法を適用しないと。ですから、私のところにも、メールからいろいろ、愛護団体の皆さんから、電話から、すごい寄せられております。確かに今回遺失物法から外れますと、動物保護法に関する環境省の問題、あるいは狂犬病予防は所管は厚生労働省になります。このところが、一日プラスの二で三日で処分されてしまうという不安感を非常に大きく皆さんに与えているんだろうなというふうに思うんです。
どちらにしても、国家公安委員会、警察庁、環境省、厚生労働省、更には都道府県を、あるいは保健所をひっくるめた関係機関や関係団体とのこれは連携をきちんと取っていただきたいと。是非お願いしたいのは、安易に処分がされることのないよう、少なくとも現状より悪くなるということは絶対ないというふうに確約をしていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/37
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038・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 今委員、犬又は猫の取扱いについての御質問がございました。
今回の法改正におきましては、動物愛護法による引取りの対象となった犬及び猫については、都道府県等がこれを取り扱うこととするものでありますが、これは、警察署では動物の飼育や保管に関し専門的な知識を有する職員や専門の施設を有していないことから、専門的な職員を有する都道府県等において犬や猫を取り扱うこととした方が動物の愛護の観点から見て適切であるという理由によるものでありますが、御指摘のとおり、法改正後、犬や猫が安易に殺処分されるようなことはあってはならないというふうに考えております。
このために、法改正後におきましても、犬又は猫を拾得した者の善意が生かされるよう、また一刻も早く所有者が犬や猫を発見することによって動物の愛護が図られるよう、またさらに、そういう愛好者とか動物園とかそういうところで引き取ってもらえるものはそういうものを引き取ってもらえるようにしながら、環境省等の関係行政機関及び関係団体等と一層の連携を図り、今御指摘のあったように、法改正に伴って犬や猫の殺処分が早められるということは絶対あっていけないというふうに思っておりますので、そのような方向で督励してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/38
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039・柳澤光美
○柳澤光美君 是非よろしくお願いします。
どちらにしても、悪くなるどころか絶対良くなると。環境省の方もネットで画像の発信も始めるというふうに確認もさしていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、もう一つ大きな課題が、今回三十五条に、個人情報関連物件は所有権を取得できないという規定が入りました。二号から五号まで、いわゆる個人情報関連物件の定義が規定されていますが、この辺の物件も是非明確にしたいと、これはもう簡単な答弁で、確認答弁ですから。保管とか管理だとか廃棄などの取扱いについては、都道府県の警察はもちろんなんですが、特例施設占有者あるいは施設占有者にも適正な対応ができるようにきちんと万全な措置を講じていただきたいというふうに思っておりますので、再確認をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/39
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040・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 御指摘のように簡潔にお答えしたいと思います。
個人情報関連物件について拾得者が所有権を取得できないこととなるので、その取扱いが大きく変更されることから、法改正後は、個人情報関連物件の範囲のほか、その保管、廃棄物の取扱方法について明確な解釈運用基準を策定し、都道府県警察に徹底するほか、特例施設占有者を含めた施設占有者に対してもその内容を周知し、拾得物の適切な取扱いに万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/40
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041・柳澤光美
○柳澤光美君 よろしくお願いします。
もう一点、今回、非常に今回の改正で運用の部分では大きな関係が出てくると思うんですが、いわゆる特例施設占有者についてお伺いをしたいと。
東京駅のお忘れ物取扱所で、JR東日本の皆さんが大変な作業をしているのを見さしていただきました。また、警察庁の遺失物センターに行きますと、鉄道とか百貨店、スーパーの企業名が入ったいわゆる落とし物が分類を膨大な量をされています。恐らくこの辺が特例施設占有者の該当かなと。一方で、JRさんも民間になりまして、民間の企業というのが大変な作業を受けて対応しているんだということも肌身で感じました。
確かに、今回の法改正で運搬だとか保管期間などとか多少改善、多少というか、まあそれなりに大きな改善でもありますし改善はされるんですが、元々この遺失物の問題というのは民間の企業が、特にサービス業がお客様のためだということで、今回私は市場化テスト法案も質問立たしてもらいましたが、民間委託とか何かではないんですね。企業の皆さんが、自分たちの人件費で、スペースを使って、運送費まで全部自分たちの負担でやっているということだというふうに思うんですね。とすると、この遺失物法を中心に日本の遺失物の運用というのは、国民の日本の文化を大切にの気持ちと同時に、警察の皆さんの努力もありました。しかし、この施設占有者の民間企業の大変な協力があってこの運用がされてきたというふうに私は思っております。
そこで、まず今回の特例施設占有者というのはどういう位置付けになるのか。いわゆる要件を満たせば、これ政令等で決めるというふうに全部なっているんですが、満たせば任意になれるのか、あるいは施設占有者のうち特別の位置付けというか、僕は本当は表彰をするのか顕彰をするのか、本当に国としてもありがとうございますと言うぐらいのことをするぐらいの関係だというふうに率直に感じているんですが、その特例施設占有者を政令で定めるというふうになっていますが、その政令の内容はどのようになるのか。想定している特例施設占有者の具体例を簡単にちょっとお話しいただきたいのと、今大体どのくらいの数を見通されているのか、分かったら教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/41
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042・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 委員御指摘のように、特例施設占有者につきましては政令で定めることとなりますけれども、鉄道事業者、路線バス事業者等につきましては、拾得物の取扱件数が多く、またそれぞれの事業法におきまして、営業の許可を受けるに当たって犯罪を犯したことがないなどの欠格要件の審査を受けております。そういうことから、特に申請を要せずして特例施設占有者になるようにすることを予定いたしております。
〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
また、鉄道事業者や路線バス事業者以外でございましても、これらの事業者に準じて拾得物の取扱件数が多く、かつ拾得物を適切に保管することができると認められる事業者は、都道府県公安委員会に申請をしていただきまして特例施設占有者になることができることとすることを予定をいたしております。
その数がどれぐらいになるのかということについては、これは申請を待たなければなりませんので全体としての数を推計することは難しいわけでございますけれども、ただ、先ほど申し上げました鉄道事業者につきましては全国で約百七十社ございます。また、路線バスの事業者につきましては約五百十社がございますので、これらは最低特例施設占有者となるということが予定されると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/42
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043・柳澤光美
○柳澤光美君 そういう意味では、特例施設占有者の要件を定める前に、定めるその情報収集もひっくるめて、特例施設占有者に該当すると思われる企業とかあるいは業界団体の皆さんからきちんとした私はヒアリングをして要請等をもう一度細かく聞くと。こっちが、いわゆるお上が決めてということではなくて、これはもう本当にネットワークを組んでやっていく。この人たちの理解があることによって大きな成果が上がっていくわけですから、そんなこともきちんと段取りを踏むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/43
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044・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 今回の法改正に当たりましても、先ほどの研究会の委員のメンバーにも鉄道事業者、バス事業者、鉄道事業者等あるいは小売店舗事業者等も加わっていただいて御意見もお伺いいたしましたし、それ以外にも様々な事業者からの意見を聞いてきたところでございますが、委員御指摘のように、今後この要件を定めるに当たりましては、パブリックコメント等を行うことはもちろん、幅広く関係事業者や事業者団体の意見を聞いてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/44
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045・柳澤光美
○柳澤光美君 そういう意味では、是非その要件を定めるところから連携をしていただいて、決まった後も特例施設占有者との情報も含めた連携というのを是非大切にしていただきたいし、それはもちろん施設占有者全体に協力をしていただいているわけですから、そういう対応をお願いしたいなと。
実は、東京駅の落とし物取扱いのところで、いわゆる落とし物をパソコンで全部情報をインプットしているのを見させてもらいました。大変だというふうに逆に思ったんですが、お聞きしたら、なまじ書類に手書きするよりははるかに楽だということで、いつどこでどういうものがという基礎データが全部データ化されていまして、私が一月に長野から帰る新幹線で眼鏡、安物だけれども落としたんだけれどもと、じゃ調べてみますかと。ただ、視察で時間がなかったから調べてもらえなかったんですが、それをやると、本当にあったかどうかというのが分かるのと、今はどこにあるかと、その品物は、というところまで分かるということも教えていただきました。そういう意味では、拾得物をきちんとそのところでデータベース化をすると後は非常に確認が早い。
ところが、お伺いしたら、都道府県の警察も、いわゆる登録をするフォームがまだばらばらになっているということでした。ですから、全国ネットでやるのは新たに作るとしても、そこのところをできるだけ早く統一をしていくということが私は非常に大事だろうと。そうすれば、非常に物を捜すときにそれはもう即使えるネットワークができるというふうにとらえておりますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/45
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046・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘のように、今後、遺失物の届出があったものにつきまして公表していくということとされておりますので、それに必要なコンピューターシステムネットワークの構築は必須でございます。これをできる限り早く準備をいたしまして、法施行後、速やかにそのような措置がとれるように準備をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/46
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047・柳澤光美
○柳澤光美君 ですから、拾ったときからデータベース化が、いわゆるフォームが統一されていくと。実は今回、非常に、二十五条、二十六条もひっくるめて、特例施設占有者とか施設占有者に報告を求めたり提出を求めたり、あるいは処分のときにも全部確認をしなきゃいけない。この辺のやり取りというのは現場にとってはかなり大きな負担になるんですね。その辺のフォームがきちんとなっていればデータベースでやり取りができるというような研究もできるんではないかというふうに思っています。
そういう意味では、都道府県の警察だけではなくて、施設占有者、特に特例施設占有者のところのフォームと遺失物の情報というのは、これどのぐらいお金掛かって、それをまたみんなにやれと言ったら皆さん大変で、警察が金出してくれるといったらいいんですが、そうはいかない状況にあると思うんですが、そんな検討というのも是非していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/47
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048・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘の件に関しましては、本当に御指摘のとおりでございますけれども、警察の側におきましてもまた施設占有者の側におきましても、一部のところは既にフォームを作ってシステムが動いているという問題がございます。したがって、一つのフォームに統一をしてこれに従えということになりますと、かえって既存のもう動き出している施設占有者の方々にも多大な負担を掛けることにもなりかねないという、そういう問題はありますけれども、しかし、違ったフォームで処理がなされていたとしても、それをつなぐ何らかの工夫がまたあり得るのではないか。そういった点も含めまして、施設占有者の側の負担が余り大きくならないような、そういう形での対応に努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/48
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049・柳澤光美
○柳澤光美君 何でこんなことを言いますかというと、現場もいろいろ見させていただきました。実は、コストももちろん掛かる。皆さんからすると、遺失物処分できるとそれでお金が入ってペイするんじゃないかというふうに思われている方もいらっしゃると思うんですが、とんでもなくて、もう全部お金は出ていくだけなんですね。
例えば処分というのも、売れるどころか買ってくださるところいませんから、ほとんどお金を出して処分をすることになる。私はある意味では、傘なんかは全部やはり警察に集めて量をあれはためてから売った方が古物商の皆さんも対応しやすいし、それが特例施設占有者のところでばらばらになってしまったら買ってくれるところは本当にないんだろうなと、みんな捨てるしかなくなるという懸念さえ持っています。合理化することによって今度は逆な無駄も出てくるし、労力も掛かっていくということも是非知っておいていただきたいなと。
〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
それからもう一つは、手続だけの問題ではなくて、いわゆる拾得者と遺失者との対応というのも非常に施設占有者の方では苦労されているんですね。この辺は、例えば財布一つ拾ったとすれば、拾った方と三人対応して、お金が幾らでカードが幾らでという確認を全部細かく財布一つの中身をチェックをしなければいけないという問題もあります。
ですから、単純に特例施設占有者に処分と廃棄は任せるから楽になったでしょうというだけでは私は逆にないと思いますし、もっともっと連携をして、一部警察にむしろきちんと集めた方がいいということも今後あり得るだろうと。ですから、もちろん施設占有者が、特例施設占有者も全部自分でやる必要はなくて、必要であれば警察にということはありますが、実際運用を始めていく中でいろんな課題が出てくるだろうというふうに私は思っています。
ですから、またしつこく言いますが、本当にいろんな、特例施設占有者も施設占有者もそうなんですが、皆さんと連携して、これが日本の、善意の中で成り立っている日本の良さというものが醸成されるようなネットワーク作りをきちんとしていただきたいということを最後にお願いして、できましたら沓掛委員長に分かったという確認の答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/49
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050・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 制度を変えますと、いわゆる日の当たるというか、プラスの利益の部分と、どうしてもマイナスの部分というのも出てき、人間社会というのはそのプラスの部分を大きく生かしながらマイナスの部分を小さくして、そしてこういう社会をつくってきたわけですから、ただいま委員のおっしゃったそのマイナスの部分は今後はできるだけ少なくするように対応しながら、全体としてみんなが幸せになれる、そういう社会を是非つくっていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/50
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051・柳澤光美
○柳澤光美君 ありがとうございます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/51
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052・白浜一良
○白浜一良君 今回の遺失物法の改正案に関しまして、短時間でございますが、何点か確認をさせていただきたいと思います。
私もこれ聞いてびっくりしたんですけれども、警察の拾得物、平成十六年で千七十万点、物すごいもんですよね。非常に業務も多繁になりますし、今回、簡素化、効率化しようということで、その趣旨はいいと思うわけでございますが、今回の法改正でそういうコスト的な面、また業務の合理化という面でどのぐらいの軽減が図られるのか、概略、分かる範囲でおっしゃっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/52
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053・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 金額あるいは数値等で明確に示すことは事柄の性質上難しかろうと思いますけれども、少なくとも保管期間が六か月から三か月になるということで、スペース等も半分で足りるであろうというふうに推定をされますし、また傘や衣類等、比較的安価で取扱件数が多いものにつきまして、公告の日から二週間が経過しても遺失者が判明しないときには売却することができるという規定を設けました。これに伴いまして、また保管のスペース、手間というものも軽減をされるだろう。また、それは特例施設占有者についても、拾得物を警察署長に提出しないことができる旨を規定いたしましたので、運搬費用ですとかそうした点でもかなりの軽減につながるのではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/53
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054・白浜一良
○白浜一良君 合理化したら、それで倉庫もたくさんあるのを減らせるとか、今おっしゃったことはそれはそれで大事だと思うんですが、今度は物を失った遺失者の側からいくと不便さも出てくるわけでございましてね。例えば日常生活品程度のものは今回は二週間、それ終わったら売却できると、こうなったんですね。いろんなケースがあろうかと思いますけど、二週間たって売却したと、その後で、なくしましたと言うて来はったと、これはどういうふうにされるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/54
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055・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 確かに、傘ですとか衣類ですとかというものについては二週間の公告を経て売却することができるという規定といたしておりますので、大方この規定に従って売却をすることになりますので、その後、遺失者が現れた場合には、その売却代金を売却に要した費用を引いたものをお返しすることになるわけでございます。
そういう意味では、落とした物をおれは返してほしかったのにどうして売っちゃったんだという方も場合によってはおられるかもしれませんけれども、私どものこれまでのこうした日常品等の遺失物の取扱いを見てみますと、そういう方々については大半、もう早めに来られて遺失物を引き取られるという例が大半だろうと承知をいたしておりまして、そういう意味では、委員御指摘のような件は余りないのではないかというふうに私ども考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/55
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056・白浜一良
○白浜一良君 いや、ちょっと答えてくれなあかん。来られた場合はどうするんですか。
それと、これ、もう売却した後でしたら物がないわけで、来られた方の物かどうかということもこれ証明するもの何もないですよね、これ。そういう渉外上のトラブルもこれ起こる可能性もございますよ。この辺は、まあいろんなケースあるんですけれども、どのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/56
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057・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 売却した後に遺失者が来られました場合には、今申し上げましたけれども、売却した代金から売却に要した費用を差し引いたものを遺失者に返還をするという手続が行われることになります。なお、その際に、その遺失者が、既にもう売却済みのものが当該遺失者のものであるかどうかについては直接確認することはできないわけでございますので、残された書類上、それを確認をするように努めるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/57
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058・白浜一良
○白浜一良君 できるだけトラブルのないように丁寧に対応していただきたいと。
それから、今回は、確かに都道府県単位でそれぞれ県警本部ができているわけでございますが、県を越えた移動というのはもう日常的に皆やっているわけで、自分が住んでいる都道府県の中でだけ物をなくすということはないわけですね。そういう面で、いわゆる貴重品というのが全国レベルで捜せるというか、そういうシステム、インターネットを使ってつくられるということ、これ大変いいことだと思うわけでございますが、これは法施行後になるんでしょうけれども、何かそういう時期的な、施行されてから何か月後とか施行と同時にとか、何かそういうめどは決めていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/58
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059・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) お尋ねの件につきましては、本法の施行までの期間を少し幅広に取らしていただくように法案は提起しております、一年六月という間を。その理由の一つも、このインターネットの、何といいますか、確立、そのシステムの構築に準備の期間も必要であるということを念頭に置いたこともございます。そのようなことで、今から、法成立いたしましたら、もう一生懸命準備をいたしまして、法施行後できるだけ速やかに、法施行と同時というふうに言えるかどうかはちょっと自信がございませんけれども、できるだけ速やかにこの制度が運用を開始できるようにいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/59
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060・白浜一良
○白浜一良君 まあ時期的な問題あるでしょうけれども、できるだけ本法成立後直ちに準備していただいて、施行と同時にそういうシステムがもうできているというのがまあいいのはいいですよね。
それから、貴重品というのは内容的に、こういう全国ネットで掲示する貴重品というのはどういうものであるかというのは大体考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/60
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061・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) その具体的な内容につきましては国家公安委員会規則で定めることとなりますけれども、現在のところ、一万円以上の現金、額面金額が一万円以上の有価証券、価格が一万円以上と認められる物品のほか、運転免許証、携帯電話等の社会生活に不可欠な物件を貴重な物件として全国通報の対象とすることを予定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/61
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062・白浜一良
○白浜一良君 それから、これも先ほど出ていましたけれども、個人情報を内包した遺失物がございますね。これが要するに保管期間が経過した場合は破棄されるわけでございますけれども、このほかし方によってはその個人情報が悪用されたり変に流通したりする可能性も、まあ先ほどこういう問題は少し指摘ございましたけれども、この辺はやっぱり厳格に措置しないと非常に悪用される場合もございますよね。警察としては捨てたと言っても、それをどこに捨てたのかということがございます。それを拾いに行く人もいるかも分かりません。だから、そこのやっぱり規定がなければ、何かもう知らないところでそういう個人情報が悪用されていたというケースも、まあそれは最悪の場合でしょうけれども、ないとは限らないわけで、この点に関する厳格さが要ると思うんですが、どのようにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/62
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063・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘のように、個人情報の関連物件については、拾得者に所有権を移転させないこととするだけではなくて、保管期間終了後には警察署長や特例施設占有者において速やかに廃棄をすることとしたわけでございますので、その廃棄の趣旨が徹底されるように廃棄の方法をきちっと定めることが重要であると考えております。国家公安委員会規則で焼却や裁断、データの確実な消去等、個人情報が復元され得ない措置をとった上で廃棄することを具体的に定めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/63
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064・白浜一良
○白浜一良君 適切に対応をお願いしたいと思います。
それから、私は大阪に住んでいるんですけれども、大阪の、これも先ほど出ておりましたが、動物愛護団体からいろんな陳情を受けていまして、大きな問題は二つなんです。今まででしたら、警察というのは交番とか派出所含めてもうたくさんありますね。だから、迷子になっている犬とか猫を見付けても比較的身近に預けに行けたというんですね。警察で基本的には二週間ぐらいは面倒を見ていただくと。大体二週間あれば、もうデータ見ましたけれども、大半が引取りに来られるんですね、家の近くということもございますし。
ところが、今度は県の施設というか、保健所になるのかどうか知りませんけれども、当然地理的には物すごく遠いところになるんですね、取扱場所が。だから大変不便だし、なかなか大変だと。警察はやっぱり、日常生活の身近なところに派出所とか交番があって助かったという声が多い。大変そういう面では、そういう迷子になった犬とか猫、ペット類がかわいそうだと、こういうことがあるんで。基本的にはそういう保健所とかの施設になるんでしょう、引取り手は。だけれども、今回法改正で、警察では一切扱えなくなりましたと冷たく言われると、やっぱり余りに形式的過ぎるんで、場合によって、来られた場合は、警察が、交番でも派出所でも中継してあげると、こういう措置をしてほしいという声が一つあるんですが、これいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/64
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065・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘の点については、今後の運用上、私どもも十分心して掛からなければ、動物愛護の観点から心して対処しなければならない問題だと考えております。
例えば、土曜日、日曜日というのは、保健所は営業、営業といいますか開いておりませんので、その土曜日、日曜日に、これが迷い犬ですというふうに交番に持ってこられましたときに、交番の方では、それはあなたのところで預かって月曜日になったら保健所に持っていきなさいよというような形での運用は、これはしてはならないことだというふうに私ども考えておりまして、そういう場合にはいったんお預かりをして、少なくとも拾った方の善意が無にならないような形で措置をしたいと思いますし、そういう点も都道府県の皆さん方とも十分な連携を図り、できるだけ適切な対処がなされるように努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/65
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066・白浜一良
○白浜一良君 今局長がおっしゃったことは大変大事でございまして、全国の警察にそういう具体的な対応の仕方というか、丁寧な、やっぱり局長おっしゃったことで大事なのは、拾得者の真心にこたえてあげてほしいんですよね、今局長がおっしゃったように。そういうことも含めて全国の警察に徹底をしていただきたいと、このように思うわけでございます。
それからもう一つは、警察に預けたら二週間、最低限、それで大体なくした方が引取りに来られるというケースが多いんですが、これ保健所なんかに置かれたら、何かすぐ殺処分されるんじゃないかと、こういう物すごい心配されているんですよ。今までのルールやったら、大体飼っていらっしゃるペット類はもうほとんど引取り手が現れると。ところが、保健所に持っていったらもう自動的に短時間で殺処分されてしまうという、こういう心配をされているわけでございますが。
今日は環境省から来ていただいておりますので、何か六月一日から動物愛護法の措置要領も変更になったということでございますが、そういう心配を私たち直接そういう愛護団体から受けているわけでございますが、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/66
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067・南川秀樹
○政府参考人(南川秀樹君) 六月一日から新しい動物愛護法を施行されております。
現状でございますけれども、動物愛護センターあるいは保健所というところで持ち込まれた犬あるいは猫を預かっております。年間約四十二万頭でございますけれども、約半分のセンターが三日から四日ということでございますし、一割が五日から六日、あるいは一週間程度というのが一割五分程度ということでございます。もちろん、九日以上というところも一割以上ございます。
その辺り様々でございますけれども、私ども、今回の法改正の趣旨にかんがみまして、できるだけ新しい里親探しができる機会を増やしたいというふうに考えておりまして、それが可能なような措置を是非図っていきたいというふうに考えております。
したがって、その保護期間の問題もございますし、さらに、里親が探しやすくするような措置も含めて講じていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/67
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068・白浜一良
○白浜一良君 回りくどい言い方なんですが、適切な期間とするということになっているんですね。適切な期間はどういうことかということ、これから議論されるんでしょう。しかし、少なくとも今までは、警察が引き取っていたときは二週間程度というのがあった、それでもう大体捜していらっしゃる飼い主には戻っていったと、こういう事例があるわけで、少なくともそれを一つの基準に考えますというぐらいは言えないんでしょうかね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/68
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069・南川秀樹
○政府参考人(南川秀樹君) そもそも、持ち込まれる、何というんですか、種類が違うというのが前提にございます。
動物愛護センター等に持ち込まれるのは、所有者が判明しない犬、猫、あるいはもう飼えなくなってしまって何とかしてくださいといって持ち込まれるわけでございまして、基本的には、捜されていない犬や猫がほとんどということでございます。あるいは狂犬病の問題もあって捕まって、河川敷をうろついて捕まった犬等も多うございまして、かなりそもそもの性質が違うものがおります。したがって、同じ並びでということはなかなか実際に難しいのかなと、頭数も多うございますし。
ただ、いろいろ現場の声を聞いてみますと、ある程度、里親が見付かりそうなものというのはある程度最初から分かるというんですか、そういうこともございますので、その辺り、できるだけ現場の声を聞いた上で必要な保管期間が取れるようにしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/69
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070・白浜一良
○白浜一良君 おっしゃっているように、それは確かにいろんな動物を相手にされて、病気の、狂犬病の犬がおるかも分からぬし、いろんな雑多に取り扱われている、それは私よく分かります、だから一律にいかない、それはよく分かるんですけどね。
今回、これ法改正しましたら、今までだったら警察に捜しに行けばよかったんですが、警察からそちらに行くわけで、行きますよ、どっと。もううちのペットが、犬がいなくなってそちらにおりませんかと、だあっと来られますよ、今度は。今までとは全然状況が違うんですよ。
だから、大体見たら分かるでしょうが、局長もおっしゃっているように、大体。里親がいるような動物類って大体分かるじゃないですか。そういうものは丁寧に扱ってくださいねということを私は言っているわけですよ。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/70
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071・南川秀樹
○政府参考人(南川秀樹君) これも、データでなくて、いろんな現場の要するに声なんですけれども、やはり里親が見付かりそうな、明らかに所有者が見付かりそうなものとか、それから新しい里親が見付かりそうな犬というのはかなり現場では分かるようでございまして、そういう犬であれば、例えばもうケージの中に置くんじゃなくて、散歩もさせるとかいうこともやっておりますし、そこは是非徹底させたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/71
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072・白浜一良
○白浜一良君 適切な対応をしっかりお願い申し上げたいと思います。
最後に、国家公安委員長、今回の法改正、大変な、今まで警察が拾得物の業務に当たっていただいたわけでございますが、効率化、合理化されたと。これは大変いいことなんですが、結果的に、物をなくした方も拾われた方も今回の法改正で大変良くなったと、こう言えるような法改正につながらなきゃならないと思うわけでございますが、最後に、所管の大臣としてお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/72
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073・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 委員御指摘のように、今回の法改正によって、物を落とした人も、また拾った人もそれぞれ良かったなという対応ができるようにしていきたい。
そのためにも、やはりこれにかかわる人たちに対してこの法の趣旨を徹底させていく、そういうことが必要でありますので、警察といたしましても、これらに関連いたしまして、リーフレットとかいろいろな解説書等も作り、さらにはまた、現地においてそういう講習をするなどして、これに関係する、警察はもちろん、特定の施設占有者などなどについても、この法の趣旨を生かせるようにしっかりと指導、教育していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/73
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074・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/74
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075・白浜一良
○白浜一良君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/75
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076・近藤正道
○近藤正道君 社民党の近藤正道でございます。
今ほどの、拾った人にとっても落とした人にとってもいい制度にしたいと、制度の周知徹底を図りたいと、こういう委員長のお話でございました。是非そうしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、この法改正によりまして、所有権は三か月で失う、そして二週間で現物返還ができなくなる、これは所有権あるいは財産権の重大な変更だというふうに思っておりまして、このことをやっぱりしっかりとPRの中で大きな柱として徹底して国民の皆さんに知らせると、これはやっぱり大事なことだというふうに思っていますが、今ほどの話のその一つの側面でございますけれども、その所有権、現物返還の制度が大きく変わるというところのPRについてはどういうふうにされていくおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/76
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077・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 今回の法改正の中で、この保管期間を三か月に短縮する、遺失者の権利を現状の六か月から三か月にするという、もうこの点は重要な変更点でございます。
したがいまして、この点につきましての取扱いについては、国民に広く周知をすることはもう欠かせないものだと考えておりまして、いろいろな形で、もちろんこればかりを広報するわけではございませんけれども、重点事項の一つとして、二週間の売却の問題も含めまして、国民に広く知っていただけるように、これから成立しますれば施行まで相当の期間をいただくこととしておりますので、その間に様々な形で広報してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/77
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078・近藤正道
○近藤正道君 これも先ほど来出てきている問題でありますが、今回の法改正では個人情報関連物件については拾得者に所有権が帰属しないということになっているわけでございます。
〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
問題は、警察がこのような個人情報関連物件を取り扱う場合に、中身をどこまで見ることになるのか大変気になるわけでございます。どこまで知ることになるのか、またその際に知り得た個人情報はどのような取扱いをするのか。先ほど所有者が現れない場合の対応は聞きましたけれども、現れた場合も含めてどこまで踏み込むのか、知り得た情報に対してどういうスタンスを取るのか、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/78
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079・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 拾得物が届けられた場合には、まずその物件を遺失者に返還するために警察としても遺失者を特定する必要がありますから、これに必要な範囲内において物件の中身を確認することがございまして、それは一般的には氏名や住所の記載等がなされていないか確認するわけでございますけれども、それが個人情報関連物件に該当すると思われる場合には、やはりその物件が個人情報関連物件に該当するか否かを判断するために必要な範囲内において中身を確認をすることがございます。
具体的には、プライバシーに関する内容が記載等をされているか否かをやはり確認しなければ、この個人情報関連物件に該当するかどうかがはっきりしないわけでございます。そういうようなこの法律の施行上必要な範囲内で情報を警察としては得るわけでございまして、そのためにのみ知るのみで、またそのため以外には使わないというのが基本的な対応であるというふうに考えております。
また、個人情報関連物件そのものにつきましてはやはり厳重に保管をするということも重要なことだと考えておりまして、その点におきましても、かぎの付いたキャビネット等に厳重に保管することを含めまして、厳格な対応をしてまいることを予定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/79
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080・近藤正道
○近藤正道君 慎重な扱いをよろしくお願いをいたします。
今ほど、拾得物、警察が受け取ると。インターネット等を使って公表するという話も出てまいりました。この個人情報関連物件についてインターネットを使って広く公表する場合に、どの程度インターネットに載せるのか、ちょっと細かい話で恐縮でございますけれども、お聞かせをいただきたい。
〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
余り踏み込めばそれは個人情報にかかわりますし、さりとてそれに全く踏み込まなければ特定も難しくなると。この辺のほど合い難しいと思うんですが、どんなふうな対応を考えておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/80
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081・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘のような困難さがございますし、それに加えまして、余り開示し過ぎますと、今度はその遺失者に成り代わった者がまたこれを得ようとするという問題も考え合わせなければならない。が、しかし、ある程度また公表しませんとなりません。
具体的に、例えば住所、氏名というものを併せてこれを公表してしまいますと、これは個人情報が害されることになります。名前についてどうするのか。例えば、サトウという名前ですと、サトウという名前が書いてあるということであればさほど問題がないのかどうかと、かなり具体的な判断を要することになろうと思います。
しかし、そうした判断も、万が一にも個人情報が公開されるようなことがないように、プライバシーを害することがないように、やはり慎重にある程度警察庁の方から統一的な基準も示して対処していくことが必要であると考えておりまして、今後、御指摘の視点を十分踏まえた検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/81
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082・近藤正道
○近藤正道君 次に、特例施設占有者制度関係について質問いたしたいというふうに思っています。
近年、官から民へと、こういう流れがあるわけでございまして、その流れの中に言わば沿った対応でもあるのかなと、こういうふうに受け止めておりますが、業者への丸投げにならないよう措置することがやっぱり大事だというふうに思っております。今回の法改正では、特例施設占有者、先ほど、鉄道、バス事業者と、こういう話がございましたが、ここの施設内で拾得された物件は警察に差し出す必要はないと、この施設占有者が自ら保管、売却できるということになったわけでございます。
その必要性については私も十分理解するところでございますが、この特例施設占有者による物件の保管等が果たして適切に行われるかどうか、多少心配しないでもない。このことについてはどういうふうな措置を講ぜられるのか、その具体的なイメージを聞かせていただきたいということと、最後に、国家公安委員長、特例施設占有者制度が適正、適切に運用できるように警察をどのように督励されていくおつもりなのか、決意をお聞かせいただきたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/82
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083・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 特例施設占有者につきましては、この拾得物を適切に保管することができる事業者であることを予定をいたしておりまして、そのようにしてまいりたいと考えておりますし、また、その特例施設占有者がその拾得物の保管を適正に行うように担保する仕組みを設けております。それは、都道府県公安委員会がこの特例施設占有者に対して所要の監督を行うことができることといたしていることでございます。
具体的には、その保管する物件に関する報告等を求めることができることとするほか、特例施設占有者が遺失物法の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認められるときには、その利益を保護するために必要な限度において都道府県公安委員会が指示処分を行うことができることとする規定等を設けることにより対処いたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/83
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084・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 特例施設占有者は、単に拾得物がたくさん扱うというそういった意味だけではなくて、拾得物を適切に保管し、そして処理できる、そういう事業者であるということを予定いたしております。
そこで、それに加えまして、特例施設占有者に対しては、拾得物の保管等が適正に行われているかどうかを担保するためにも、都道府県公安委員会が特例施設占有者に対して所要の監督をすることとなっております。
具体的には、その保管する物件に関する報告等を求めることができるわけでございますが、特例施設占有者が遺失物法の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認められるときは、その利益を保護するために必要な限度において都道府県公安委員会が指示処分を行うことができることなどの規定も盛り込まれておりますので、そういうものを通じて適切な特例施設占有者が遺失物を拾得したものを取り扱っていけるように、またいくようにしっかりと指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/84
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085・近藤正道
○近藤正道君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/85
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086・木俣佳丈
○木俣佳丈君 最後の質問になりますけれども、無所属の木俣でございます。しばしの間、最後の質問をよろしくお願いしたいと思います。
やはり、今日の議論を伺っておりましても、同僚議員の皆さんが言われましたように、落とした物、忘れた物を拾ってまた届けるというのは非常に日本ならではと言ってもいいぐらいの文化というか、一つの町の力というか国の力になっていると私は強く思っておりますし、この研究会の報告書でもそのように言っているかなというふうに思って、大変大事な法案だなというふうに思うわけでございます。
これは一点は、やはり小事に忠なるは大事に忠なりという言葉があるように、やはりちょっとしたことを気に掛けることが、ある意味で、それを取ってしまわないことが大きな犯罪につながらないという犯罪抑止、ブロークンウインドーなんという言葉がありますけれども、破れ窓の原理ではございませんが、そういった犯罪抑止の観点からというのが一点。二点目は、やはり教育、文化、ソフトパワーという言葉は最近言いますけれど、やはりそういった意味で、そういう惻隠の情というのか、日本ならではの日本文化、広く普及させるということが非常に大事になるというふうに思っておる次第で、こういった意味で非常に大事な法案だなというふうに思うわけでございます。
実は、これ実際私が体験したことで、ひとつ委員長のリーダーシップ、そしてまた、今日、文科省の政務官もいらっしゃっていますので、改善をしていただきたいというのが具体的にございます。
これ実は、今、六月となりますと、愛知県の私住んでおる豊橋市に、夜店といいまして、この梅雨どきをみんな楽しく過ごそうというので金、土、日で夜露店がずっと何百店も出て、そこを楽しんで歩くという、こういう行事がございます。
そこへ私が去年行きましたときに、ちょうど警察本部のところに私おりまして、ちょっとごあいさつをしておったというようなところなんですが、小学校の上がるか上がらないかぐらいのお子さんがおじいさんと一緒に、財布だったと思いますけれど、携帯か財布かちょっと忘れましたが、それを持って警察の方に、これ落ちてましたということで届けに来たんですね。偉いなと思って私も見ておりましたら、そうしたらその警察官の方が、いや、ここでは受け取れないんだよと、警察本部で何人も警察官の方いらっしゃるんですね。それを見ておったもんですから、あれっと思って、もうちょっと見ておりましたら、いや、近くの交番又は警察署へ行ってくださいと。そこからだと大分離れるんですよね。で、そんなばかな話が、隣から私も割って入ってですね、いやいや、それは善意で届けてくれたんだからここで受け取ることはできないんですかと、そんなばかな話ないじゃないですかと、せっかくお祭りを楽しみに来ているんだからと、こういう話をしたところ、いや、そういう規定になっておるんですと、こういう話だったんですね。
その場は、その警察官の方もいろいろ機転を利かしていただきながら、実は預かり証のような形で本部とやり取りしてくれて、それでそれを預かって、だったと思うんですが、連れてきた子供もぽかんとして、いいことしたのか悪いことしたのかなというような話だったり、そのおじいさんにおいてはもう怒っちゃって、私もなだめたんですけれどというような、そんな感じになってしまったんです。これは非常に教育上も良くない。
ただ、やはり警察行政の中で、恐らくやたらに預かってはならないというような通達が出ていたというようなことを警察関係の方からも伺いましたんで、現場のせいじゃないと思うんですよね。ですから、やはりこれから夏にいくに従ってそういった夏祭りとかそういうところで一杯いろんな物が落ちていると。大事な携帯だとか財布が落ちているといったときに、届けに子供が元気良く行った場合には、やはり何らかの手段で受け取って、それで、いやあ君偉いねと一言やっぱり言ってやるというふうに変えてほしいんですけれど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/86
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087・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) 今、木俣委員の言われたこと、本当に私らも強く肝に銘じて対応しなければならないな、今この近代社会、特に官庁面においては、いいことをするよりも、失点しない、点数を失わない、そういうことに非常に頭が中心になってきている、そういうことの一つの現れであるというふうにも思います。
そういう点で、現在の状況と、それからこれからのどうしたらいいかについて一言述べたいんですけれども、今、祭礼や各種の催物における拾得物は、一般的には道路での催しであれば交番が、施設内での催しであれば施設占有者である主催者が取り扱っており、お尋ねの警備本部については雑踏事故の防止がその本来の任務であるので、人的体制に余裕がある場合に限って拾得物を取り扱っているのが現状でございます。
しかしながら、今御指摘のあったとおりでございますので、今のような交番が遠隔地にある場合などには拾得者の利便性を考え柔軟な対応が求められるところでもあり、特に御指摘のように子供が警備本部に拾得物を持ってきたにもかかわらずこれを受理しないとなると、子供の善意を無にすることにもなりかねないというふうに思います。
このような観点から、法改正後は、大規模な催物のある場合には必要な要員を置くなどして可能な限り警備本部でも拾得物を受理できるようにすることとし、人的体制などからそれが困難な場合でも、あらかじめ主催者との間で拾得者の利便に十分に配慮した拾得物の取扱方法などを定め、参加者に周知しておくことも是非必要であり、そういう方向でこれから警察を督励していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/87
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088・木俣佳丈
○木俣佳丈君 局長、これは取りあえず法律施行の前に運用である程度できるわけですよね。それでまた、それをこの夏に、お祭りの前に全国警察の皆さんのところにも知らせてあげていただきたいと思いますけれども。ちょっと局長、運用。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/88
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089・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) この法律が成立いたしますと、その関係のことについても都道府県警察に連絡をすることになります。その際に、委員御指摘のように遺失者あるいは拾得者の立場に十分対応した現場での措置についても指示をいたしたいというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/89
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090・木俣佳丈
○木俣佳丈君 いや、これが成立して施行される前でもある程度そういうことをしていただけると、そういうことでいいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/90
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091・竹花豊
○政府参考人(竹花豊君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/91
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092・木俣佳丈
○木俣佳丈君 あと、せっかく文科の政務官いらっしゃいますので、早寝早起き朝御飯、テレビでよくお出になって、私もすばらしいなと思って、うちの子供も小学校三年生、一年生おりまして、小学校で本当にみんなで言っているらしいんです。非常にいいなと思って、私も陰山先生なんかとも一緒にやっておりますので、思って非常に尊敬しておりますが、是非この指導要領にというかですね、やはりうそはつかないとか、そういうのないかもしれませんけれど、拾ったものは警察に届けようとかそういった指導、是非文科省、学校の中でもきちんとしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/92
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093・有村治子
○大臣政務官(有村治子君) 木俣先生の御指摘、本当に心から賛同しながら拝聴しておりました。
学習指導要領においては、例えば、良いことと悪いことの区別をして、良いことを進んで行う勇気を持とう、実践力を持とうということや、約束や社会の決まりを守り、公徳心を持つという規範意識の育成にかかわる記述をしております。
ただ、学習指導要領が学校が編成する教育課程の大綱的な基準を示すという性格を持つために、御指摘のような個々の具体的な記述、範例までは示しておりません。そのようなケース・バイ・ケースで子供たちが勇気ある言動をしてくれるような土壌を促すことは、これからも心のノート、本当に私も手に取りましたが、いいものでございますので、その実施を、更に皆さん手に取ってともに学んでいただけるような土壌は更に進めていきたいと思います。
御指摘、本当にありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/93
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094・木俣佳丈
○木俣佳丈君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/94
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095・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
遺失物法案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/95
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096・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、芝博一君から発言を求められておりますので、これを許します。芝君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/96
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097・芝博一
○芝博一君 私は、ただいま可決されました遺失物法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び各派に属しない議員木俣佳丈君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
遺失物法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。
一、本法の趣旨及び内容について広く国民への周知徹底を図ること。
また、遺失者や拾得者の利便性を確保するとともに、施設占有者による拾得物の適切な取扱いに資するよう、本法の明確な解釈運用基準を策定し、都道府県警察及び施設占有者に周知すること。
二、貴重な物件を含む拾得物の早期の返還に資するよう、本法に基づく拾得物に関する情報の公表や全国手配を円滑に行うための体制及びシステムの整備、充実を図るとともに、所要の情報の共有化を含め、特例施設占有者等との連携に努めること。
三、個人情報保護の重要性にかんがみ、携帯電話、クレジットカード等のいわゆる個人情報関連物件を始めとした拾得物の取扱いについては、都道府県警察、施設占有者、特例施設占有者において適正な対応がなされるよう、万全の措置を講ずること。
四、動物の愛護及び管理に関する法律の規定に基づく所有者が判明しない犬又はねこの取扱いを見直し、安易に殺処分されることのないよう、都道府県等に対し、犬又はねこの取扱いの具体的な方法、要件等について統一的な基準を示すなど、動物愛護の観点から必要な措置を講ずること。
五、拾得された動物の所有者が早期に判明するよう、動物の所有者を明確に示す個体識別措置の導入及び普及促進を図ること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/97
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098・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) ただいま芝君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/98
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099・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、芝君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、沓掛国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。沓掛国家公安委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/99
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100・沓掛哲男
○国務大臣(沓掛哲男君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の実施に努めてまいる所存であります。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/100
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101・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/101
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102・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
どうぞ、沓掛委員長、御退席をいただいて結構です。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/102
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103・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 次に、内閣の重要政策及び警察等に関する調査のうち、自殺対策基本法案に関する件を議題といたします。
本件につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、お手元に配付いたしておりますとおり草案がまとまりました。
まず、草案の趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
我が国の年間自殺者数は、平成十七年に三万二千五百五十二人となっており、八年連続で三万人を上回っております。また、人口十万人当たりの自殺死亡率は二十五・五人となっており、欧米の先進諸国と比較すると、我が国の自殺死亡率は突出して高い状況にあります。さらに、自殺未遂は既遂の十倍以上あると言われており、未遂者は三十万人以上いると推計されます。そして、自殺や自殺未遂は遺族や友人など周囲の人々にも深刻な心理的影響を与えております。
多くの自殺の背景には、過労や倒産、リストラ、社会的孤立やいじめといった社会的な要因があると言われております。我々は、世界保健機関が、自殺はその多くが防ぐことのできる社会的な問題であると明言していることを踏まえ、自殺を自殺する個人だけの問題に帰すことなく、自殺する個人を取り巻く社会にかかわる問題として取り組む必要があると考えます。
こうした観点から、平成十七年七月十九日には、本院厚生労働委員会において、自殺の予防その他総合的な対策を推進するため、自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議が全会一致でなされたところであります。
この決議を受けて、政府においても、関係する府省が連携してこの問題に取り組んでいるところでありますが、政府の取組も国を挙げて施策を展開するまでには至っておりません。
事態は依然として憂慮すべき状況にあります。そこで、こうした現状を打開するためには、立法府の責任において自殺対策に関する根拠法を用意することが必要となっております。すなわち、新たな立法によって、立法府と政府が一丸となって、より総合的かつ効果的な対策の推進を図ることが求められているのであります。
本案は、こうした認識の下、自殺問題が深刻な状況にあることにかんがみ、自殺対策の基本となる事項を定めること等により、自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図り、もって国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とするものであります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、自殺対策に関する基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体、事業主及び国民の責務を明らかにしております。
第二に、自殺対策の実施に当たっては、自殺者及び自殺未遂者並びにそれらの者の親族等の名誉及び生活の平穏に十分配慮しなければならないこととしております。
第三に、政府は、推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な自殺対策の大綱を定め、必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないこととしております。
第四に、政府は、毎年、国会に自殺対策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならないこととしております。
第五に、国及び地方公共団体は、基本的施策として、自殺の防止等に関する調査研究の推進、国民の理解の増進、人材の確保等に必要な施策を講じ、また、心の健康の保持に係る体制の整備、医療提供体制の整備、自殺発生回避のための体制の整備、自殺未遂者に対する支援、自殺者又は自殺未遂者の親族等に対する支援及び民間団体の活動に対する支援に必要な施策を講ずることとしております。
第六に、内閣府に、特別の機関として、自殺総合対策会議を置き、自殺対策の大綱案の作成、自殺対策について必要な関係行政機関相互の調整、自殺対策に関する重要事項についての審議及び自殺対策の実施の推進等の事務をつかさどることとしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
それでは、本草案を自殺対策基本法案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/103
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104・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/104
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105・工藤堅太郎
○委員長(工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116414889X01320060608/105
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