1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年五月三十日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月二十四日
辞任 補欠選任
加治屋義人君 三浦 一水君
五月二十五日
辞任 補欠選任
三浦 一水君 中川 義雄君
五月二十九日
辞任 補欠選任
神本美恵子君 蓮 舫君
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出席者は左のとおり。
委員長 中島 啓雄君
理 事
大仁田 厚君
北岡 秀二君
佐藤 泰介君
鈴木 寛君
委 員
有村 治子君
荻原 健司君
河合 常則君
小泉 顕雄君
後藤 博子君
中川 義雄君
山崎 正昭君
西岡 武夫君
林 久美子君
広中和歌子君
水岡 俊一君
蓮 舫君
浮島とも子君
山下 栄一君
井上 哲士君
国務大臣
文部科学大臣 小坂 憲次君
副大臣
文部科学副大臣 馳 浩君
厚生労働副大臣 中野 清君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 有村 治子君
厚生労働大臣政
務官 西川 京子君
事務局側
常任委員会専門
員 山口 俊史君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 中村 吉夫君
内閣府規制改革
・民間開放推進
室長 田中 孝文君
外務省領事局長 谷崎 泰明君
財務大臣官房審
議官 佐々木豊成君
文部科学省生涯
学習政策局長 田中壮一郎君
文部科学省初等
中等教育局長 銭谷 眞美君
文部科学省高等
教育局長 石川 明君
文部科学省スポ
ーツ・青少年局
長 素川 富司君
厚生労働大臣官
房審議官 白石 順一君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的
な提供の推進に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/0
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001・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、加治屋義人君及び神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として中川義雄君及び蓮舫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/1
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002・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官中村吉夫君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/2
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003・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/3
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004・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/4
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005・林久美子
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。
私、先日の代表質問にもこのいわゆる認定こども園法案について立たせていただきまして、小坂文部大臣始め関係する閣僚の皆様方に御所見を伺いました。しかし、正直申し上げましてなかなか胸にすとんと落ちないといいますか、まだまだちょっときちっとお伺いをしてまいりたいなと思うところが多分にございました。
本日は、安全の問題、あるいは一元化の問題等々につきまして大臣の御所見をお伺いをさせていただきたいと思っております。
私にも三歳の息子がおりますけれども、正に保育所にも通える年齢、幼稚園にも通える年齢、当然、認定こども園の対象年齢ともなるわけでございます。しかしながら、やはり親として、しっかりとその年齢にふさわしい教育、保育を受けさせたい、これは全国のすべての保護者に共通をする願いであると思います。本日は一人の母親として、そうした気持ちでお伺いをさせていただきたいと、このように思っております。
大臣も官僚の皆様方も、この法案を作られるに当たりまして様々な論理というのを立てていらっしゃると思います。しかしながら、忘れていただきたくないのは、この制度によって現実の問題として何が子供たちに、保護者に迫ってくるのかということなんだというふうに思います。ですから、そうしたお気持ちでお答えをいただきたいとお願いを申し上げます。
そして、冒頭、質問に入ります前に、子供の安全について大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
連日、本当に悲惨な、子供が標的となる事件が相次いでいます。私ども民主党は、既に学校安全対策基本法案という法律を参議院の方に提出をさせていただいておりますけれども、今正に子供の安全を守る法の整備というのが必要であると思っています。この点についていかがお考えかというのが一点と、そしてもう一つは、やはり国会として、国として、しっかりと子供を守っていくんだという決意を表すためにも、決議文、決議の採択というのを考えるべきではないかと思うんですが、この点について大臣の御所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/5
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006・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) おはようございます。
今、林委員の御指摘のように、最近テレビを見ても新聞を読んでも、なぜこんなことが起こってしまうんだろう、何とかできないんだろうかと思うような、あってはならないような児童に対する虐待あるいは事件が続発をいたしておりまして、本当に国民の皆さんも心を痛めていらっしゃると思いますし、私も見るたびに、読むたびに本当に憂うつな気持ちになり、何とかせねばならないという気持ちを持つわけでございます。その点では委員と同じような気持ちを共有しているつもりでございますけれども、学校や地域の安全ということを考えますと、まずもって、地域全体でこの防犯力を強め、そして子供たちの防犯意識、そしてその能力というものを高めていく、こういうことを不断の努力によって築いていくことが必要なんだろうと思います。
以前に比べて、これらの事件によりまして、地域の防犯力は少しずつ高まっているとは思いますけれども、その努力のさなかにまた事件が起こったりいたしまして、ある意味の無力感を感じそうになりますが、更に地域ぐるみの安全対策を進めるために、私どもとして呼び掛けもし、また御協力のお願いもしていかなければいけないと思っているところでございます。
そういった学校、地域、家庭合わせての実効性のある取組を行っていくために、では法律をどうするかということになりますが、私は、ただただ法律を次から次へと作ることよりも、現行にある法律をしっかりと認識をしていただくこと、そしてまた、意識の面でそういったものをより強固にしていくこと、これをまずやっていかなきゃいかぬと思っております。
今日、法令上は、学校教育法の第五条、また文部科学省設置法の第四条、あるいは学校保健法などの規定によりまして、個別の法律において学校安全に関する事務、責任体制、その他の事項が定められているわけでございまして、こういった法律をしっかりと運用する中で、新たな法律が必要かどうかにつきましてはこれは慎重に検討する必要があると思っております。
また、国会で決議をすべきだという御意見につきましては、私どもは行政府でございますので、立法府の方として、国会としてどのようにされるか、立法府の御意見でまとめていただければ有り難いと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/6
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007・林久美子
○林久美子君 ありがとうございました。
今大臣の御答弁の中に、学校の安全については法律を作ることよりもやはり意識の問題も大事であろうという御指摘ございましたけれども、それは余りにも現場感覚と離れているのではないかなと感じています。
私もいろいろな学校の安全対策を見て回りました。今実際何が起こっているかというと、自治体の財政力によってその地域の学校における安全の、安全性について非常にもう格差が付いています。お金のある自治体はお金も人も掛けて、それこそ一校当たり三百万とか掛けて警備員を配置をしたり、ハードの整備を行ったり、地域の方との連携をしていらっしゃるところでございます。しかしながら、一方で、門扉にインターホンすら付けることができない、そんな学校もたくさんあるわけなんですね。
なぜ法律が必要かというと、その意識啓発という面もあるかもしれませんけれども、むしろ、実際動くときにその裏付けとなる法律があることによってしっかりと体制が整備をされる、また、財政的な支援を行うこともできると。非常に大きな意味を持つと私は考えておりますので、慎重に検討していきたいという御答弁ございましたけれども、是非とも前向きに御検討をお願いをしたいと思います。
今、図らずとも学校保健法のお話も出ましたけれども、この保健法に定められている安全の問題については後ほど具体的に触れさせていただきたいというふうに思っております。
では、まず最初に、今月二十四日に行われました衆議院の教育基本法に関する特別委員会での大臣答弁について、いま一度御見解をお伺いをしたいと思います。
私たち民主党の示した対案では、縦割り行政を廃して、子ども家庭省を設置するまでの当面の間、内閣府に認定こども園担当部局を設置することとしております。
先日の委員会で、委員の町村委員はこのように御指摘をされました。ちょっと御紹介をさせていただきますが、ただ、三歳児、四歳児、五歳児、幼稚園に行く、これは文部科学省ですね。保育ということになるとこれは厚生労働省ということで、同じ三歳児、四歳児、五歳児であっても、これは行政と大人の都合でそれぞれ違った扱いになる。親の負担も違う、提供されるサービスも違う。これはやはりどう考えてもおかしいんではないかなと私は思っておりまして、これは私の年来の持論でございますが、その部分を両省から内閣府の方に移して子供庁というものをつくるべきではないかというのが、これは私のかねてよりの持論でございますと、このように町村委員は御指摘をされています。正に我々と非常にお考えが近いと、一緒だということでございますけれども、これに対して小坂大臣はこのように御答弁をされております。今御指摘のような縦割りの弊害を超えて、地域の保育又は幼児教育のそれぞれのニーズに適応したこども園というものを設置できるようにしているところでございますと、このように御答弁をされています。
この御答弁の中で、縦割りの弊害を超えてつくられるのがこども園であるという理解でよろしいのでしょうか。文部科学省と厚生労働省の縦割りの弊害を超えるというのは、具体的に今回の法案の中においてどの部分を指しておっしゃっているのか、御答弁をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/7
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008・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今般の認定こども園の制度設計に当たりましても、文部科学省と厚生労働省の関係の審議会が合同で検討を行ったり、また総合施設モデル事業におきましても、共通の実施要領の下で両省が連携して検討を進めてきたと、こういったこともその一つでございますけれども、法案におきましても、教育、保育を通じて施設の運営に関する基準を定めることとしております。また、自治体における関係部局の連携協力義務を規定しておりますし、これらはすべてその縦割りを超えた制度設計ということを目指しているわけでございます。
今後は、両省が協力して幼保連携推進室を設けて一体的な事務処理体制を整えるなどの措置も行うわけでございますし、両省で緊密な連携協力を図りつつ、就学前の子供の育ちを支えていく、このこと自体がすべてその縦割りを超える努力でございますので、このように思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/8
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009・林久美子
○林久美子君 合同で検討なさっていると、施設の基準ですね、そうしたものについても指針で定められていくということですね。
一緒に基準を作っていくということでございますが、これは多分、後ほどいろいろなほかの私たち民主党の委員の方からも御質問あると思いますけれども、ふたを開けてみると何ら決まっていないと、きちっと決まっているものは何一つないと言っても過言ではないのが現状であるというふうに思います。しかも、いろいろな要件を上げたり下げたり、壁を乗り越えやすいようにと言いながら、きちっと定まっていないというのが現状でございまして、弊害を超えているとは何ら言うことができないと。
しかも、衆議院でも多くの議論がなされましたけれども、非常に大事な部分となる財政的な支援の在り方につきましても、認可を取らない限り財政的な支援は受けられないということでございまして、これまでの文部科学省と厚生労働省の枠の中にそれぞれ収まっている。看板ということすら当たらないようなのが、看板の掛け替えにすらなっていないのが今回の認定こども園であるというふうにしか私には受け取ることができません。
大臣は、本当にこれで縦割りの弊害を乗り越えていると言えるのかどうか、様々な問題がありますけれども、この点について御所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/9
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010・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) おいおいいろいろ御質問いただく中で御説明をさせていただいて理解を得る努力はしていきたいと思っておりますが、今般の法律案では、幼稚園、保育所を通じまして就学前の子供に対する教育及び保育を一体的に提供する機能と、それから地域における子育て支援を行う機能の充実を図るものであることはたびたび申し上げているところでもございます。
いわゆる幼保の縦割りの弊害として指摘されている課題というものは、例えば保護者の就労の有無によりまして利用施設が限定される、働いていれば保育所、そして働くのを辞めれば幼稚園、また働くようになれば保育所と、これではいかぬということ。あるいは、少子化の進行によりまして、幼保別の制度の下では成長に必要な子供の集団が小規模化してしまうという弊害が各地で見られるようになってきたということでございまして、この認定こども園によりまして一定の子供集団を確保し、そういう中での教育体制の整備を図るということも合わさっているわけでございます。
また、認定こども園制度は、文部科学省と厚生労働省の両省が一体となって検討を行って提案に至ったものでありまして、両省の関係審議会、先ほど申し上げたような形で幅広く学識経験者や関係者の意見を賜ってまいりました。その上での制度設計でございます。
今後とも、子供の健やかな育ちということを第一に考えて連携の推進に当たり、また、その他の財政的な面においてのいろいろな問題点も積極的に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/10
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011・林久美子
○林久美子君 それでは、個別具体的にいかにこの認定こども園が文科省と厚労省の縦割りの真っただ中に置かれているかということを順次お伺いをしてまいりたいと思います。
よく保育所でも認可保育所とか認可外保育所とかいうふうに認可という言葉が使われます。そして、今回のこども園は認定こども園でございます。まず、認可と認定、それぞれの意味、違いも含めて御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/11
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012・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 認可と認定につきましてお尋ねがございました。
まず、幼稚園や保育所の認可でございますけれども、これはある施設に対しまして幼稚園や保育所としての法的な地位を付与する行為というふうに考えております。
一方、本法案における認定こども園の認定とは、既に認可をされました幼稚園や保育所につきまして、この法案に定める就学前の子供に対する教育及び保育を一体的に提供する機能と地域における子育て支援を行う機能、こういう機能を備えるものを公的に確認をする行為というふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/12
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013・林久美子
○林久美子君 その違いに沿って、今回、認定こども園と、認定という言葉を使って新たな施設がつくられるのだと思いますが、では法的な認定こども園の位置付けはどうなるのかと。先ほど、認可というものに関しては法的な地位を付与する行為という御説明がございましたけれども、幼稚園は今更申し上げるまでもなくて学教法に位置付けられた学校でございます。認可保育所は児童福祉法に位置付けられた児童福祉施設でございます。では、認定こども園は何なのかというのを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/13
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014・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からもお話がございましたように、幼稚園は、満三歳からの子供を対象に教育を行う学校でございます。一方、保育所は、保護者の勤労等の事情によりまして保育に欠ける子供に保育を行う児童福祉施設でございます。それぞれの法的な枠組みにつきましては、こうした目的や役割の違いから、幼稚園は学校教育法、保育所は児童福祉法においてそれぞれ定められているわけでございます。
今般の認定こども園の法案につきましては、幼稚園、保育所等の施設のうち、教育、保育等を一体的に提供する機能等を有する施設につきまして、その機能を公的に確認をして認定こども園として認定を行う新たな枠組みを提供しようというものでございます。
したがって、この法案は、認定こども園を従来の幼稚園や保育所等とは異なる新たな施設類型として法的に位置付けるものではなくて、認定を受ける幼稚園はこれはあくまで学校でございますし、認定を受ける保育所は児童福祉施設ということでございますけれども、そういう施設の中で先ほど来申し上げている一定の機能に着目して、その機能を公的に確認をするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/14
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015・林久美子
○林久美子君 それでは、ちょっと具体的にお伺いしたいんですが、幼稚園型こども園はどうなるのか、保育所型こども園はどうなるのか、簡潔で結構でございますのでお答えをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/15
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016・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園型認定こども園の法的な位置付けといたしましては、学校教育法に基づく幼稚園であるということになりますが、認定こども園としての機能を提供する根拠がこの認定こども園法にあるということでございます。
つまり、言葉を換えて言いますと、幼稚園型認定こども園の法的な位置付けは学校教育法に基づく幼稚園でございますが、認定こども園法案によりまして保育所的な機能が付与されているということになります。また、保育所型認定こども園の法的な位置付けは児童福祉法に基づく保育所でございますが、認定こども園としての機能を提供する根拠は認定こども園法によっているわけでございまして、この認定こども園法により幼稚園的な機能が付与されているということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/16
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017・林久美子
○林久美子君 はっきり言って分かりにくいという一言に尽きる御答弁でございますけど、要は、幼稚園型こども園は、幼稚園の認可を受けているので学教法に位置付けられた学校であるという理解でいいんだと思います。保育所型こども園は、児童福祉法に位置付けられた保育所の認可を受けている施設であるので児童福祉施設であるという認識でいいんだと思います。ですよね、局長。ということですよね、法的な位置付けですね。機能という部分では認定こども園ということですね。ただ、事あるごとに、位置付けという、本当にベースとなる部分は学校であり児童福祉施設であるということなんだと思います。非常に、今お話ありましたけど、結局縦割りだということでございます。
幼稚園型こども園、保育所型こども園ありますが、今回、連携型こども園というのもございます。学教法の第八十一条には、幼稚園には、園長、教頭及び教諭を置かなくてはならない、ただし、特別の事情があるときには教頭を置かないことができるとされています。要は、きちっと園長先生だけは置いてくださいよということだと思うんですね。
事前のレクチャーでは、園長は保育所の経営者と兼務をすることもできると伺いました、この幼保連携型認定こども園の場合ですね。例えば、子供さんをそこに入れようと思っている保護者の方が、園長先生あるいは経営者の方、同じ方ですが、おたくのこども園は幼稚園なんですか、保育所なんですか、学校なんですか、児童福祉施設なんですかと聞いた場合は、これはどういう施設になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/17
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018・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 認定こども園ということになろうかと思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/18
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019・林久美子
○林久美子君 分かりました。
では、もう一つややこしい問題がというか、非常に深刻な問題がございまして、無認可保育所と幼稚園機能の組合せ、これがいわゆる地方裁量型認定こども園であると思いますけれども、この認定こども園の法的な位置付け、また認定こども園ですとおっしゃるのかもしれないんですが、そうではなくて、先ほどの、幼稚園型こども園の元々は学校であると、保育所型こども園のベースは児童福祉施設であると、この概念で考えたときに、この地方裁量型こども園、これの法的な位置付けはどうなっているんでしょうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/19
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020・白石順一
○政府参考人(白石順一君) お答えいたします。
今御指摘ありましたように、地方裁量型でございますので、幼稚園、保育所、いずれの認可も有さないわけでございます。その上で、児童福祉法五十一条第一項にあります認可外保育施設というのが法的な位置付けでございまして、その上で、先ほど文部科学省の方から御答弁ありましたように、その果たす機能に着目して認定こども園というふうなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/20
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021・林久美子
○林久美子君 ということは、国が……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/21
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022・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 済みません、五十九条でございます。恐れ入ります。五十九条の第一項。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/22
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023・林久美子
○林久美子君 ということは、国が法的位置付けが定まっていないいわゆるものについて認定というものを付与するという、非常に極めて不自然な、しかも縦割りがそのまま残された形が正にこども園であるということが少しお分かりいただけたのではないかなと思います。つまり、認定こども園と一言で言いながらも、それの実態は幼稚園であり保育所であり認可外保育所でありと、もう一つ言えば、学校であり児童福祉施設でありどちらでもないものであるということになるわけです。
結局、同じ認定こども園と言いながらも、その母体が何であるのかによって、教育、保育にかかわるあらゆる面で、違いといいますか、格差が生じてくるのではないかと非常に心配をしております。その格差は、冒頭大臣に御所見を伺いましたけれども、安全というものについても出てきてしまうと考えています。
昨年の末には広島県、栃木県、また先日は秋田県でも下校途中の子供が犯罪に巻き込まれ命を絶たれると、本当に胸の締め付けられるような痛ましい事件が発生をいたしました。今や子供を持つ保護者の皆さんの一番の願いというのは、子供の安全、とにかく安心して学校に行って、安心して帰ってきて、地域の中ではぐくんでいけるような社会をつくっていきたい、これは子供をお持ちの皆さん共通する願いであるというふうに思います。
しかしながら、今回の法案の中には安全についての規定はございません。この安全についてどのように担保をするおつもりなのかと。これまでの質疑の中で、大臣も副大臣も局長も重ね重ね、四類型いずれのこども園であってもしっかりと質を担保していくということをおっしゃっています。当然この質という言葉の中には安全も含まれると思いますけれども、安全性についてどうやって守っていくのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/23
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024・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 認定こども園におきましては、いずれの施設類型であってもしっかり教育、保育の質を確保していくということを考えているわけでございます。その中には、子供の安全を確保すべきことは当然と考えております。この場合、認定こども園の長の管理の下で、施設職員が一体となって施設及び設備の点検や危険を防止する措置を講ずるなど、安全な環境の維持と向上に取り組んでいくことが重要であると考えております。
認定こども園の認定を受けるためには、この法案によりまして、教育、保育の一体的提供の機能及び子育て支援事業の実施機能といった施設が備えるべき機能を有することのほか、文部科学大臣と厚生労働大臣とが協議して定める施設の設備及び運営に関する指針を参酌をして都道府県の条例で定める認定の基準に適合することが必要とされているところでございます。このため、認定こども園における子供の安全の確保に関する事項につきましては、国の指針として規定をし、各都道府県の認定基準に盛り込むようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/24
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025・林久美子
○林久美子君 つまり、指針の中に書いていくという理解でよろしいですよね。
伺っているところによりますと、指針の管理運営等という項目の中に書いていきたいというふうに伺っておりますが、私は指針では正直言って弱いと思っています。命にかかわる問題です。指針に落とし込むだけでいいのかと。都道府県は指針を参酌をして基準を作って条例を作ると伺っておりますけれども、指針の中では不十分だということは御指摘をしておきたいと思っています。
先ほど大臣の御答弁の中で学校保健法について触れられた部分がございましたが、学校における安全について一定の根拠法となっているのは御存じのように学校保健法でございます。第二条の中で、学校においては、児童、生徒、学生又は幼児及び職員の健康診断、環境衛生検査、安全点検その他の保健又は安全に関する事項について計画を立てて、これを実施しなければならないと、学校保健安全計画の作成を各学校に求めています。また、第三条の二では、学校環境の安全という項目で、「学校においては、施設及び設備の点検を適切に行い、必要に応じて修繕する等危険を防止するための措置を講じ、安全な環境の維持を図らなければならない。」、このようにうたわれているわけでございます。
我々、これだけではまだまだ不十分だと思って学校安全対策基本法というのを提出をしているわけでございますが、この学校保健法の規定というのも非常に意味があることであるとは思っております。
先ほどの御答弁を伺っておりますと、この学校保健法の適用の対象となるのは幼稚園型こども園になるのだと思います。一方、保育所につきましては学校保健法のような法律というのはございません。ただ、あるのは児童福祉施設最低基準という厚生労働省の省令でございまして、第十二条に入所した者及び職員の健康診断という項目がありまして、「入所した者に対し、入所時の健康診断、少なくとも一年に二回の定期健康診断及び臨時の健康診断を、学校保健法に規定する健康診断に準じて行わなければならない。」というふうに規定をされています。この最低基準の適用範囲は保育所型こども園ということになるのだと思います。で、認可外保育所をベースとする地方裁量型こども園の安全性について、定められた基準は何かあるのかどうかというのを一点。
そして一方で、今御紹介しましたように、幼稚園型こども園については、安全については法律で、学校保健法という法律で規定されている一方で、保育所型こども園は省令にとどめられていると。余りにもこの安全というものについての重さが違うのではないかというふうに考えています。さらに、児童福祉施設に適用される先ほどの厚労省の省令においては、学校保健法に準じて健康診断を行うことと定めてはいるものの、学校に定められているような学校保健安全計画の作成であるとか危険防止を含めた措置、安全な環境の維持、こうしたものについては規定がございません。随分と内容も違っているのではないかなと思っています。
安全という問題は、もう大臣も既によくよく御理解をいただいていると思いますけれども、まず、本当に最優先に取り組まなくてはならない命の課題でございます。また、認定こども園という新たな制度をつくろうとしているにもかかわらず、文部科学省と厚生労働省の縦割りの中で、それぞれが所管する施設に関する安全の在り方が法的な重さ、内容ともに違っているという現状は変えなくちゃいけないと思っています。
認定こども園に通う子供たちは、その施設の母体が何であろうと、同一の安全法制が整備をされ、同等に安全が確保されるべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/25
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026・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 若干技術的な追加をさしていただこうと思っておりますが、おっしゃられますように、学校保健法におきまして幼稚園については学校保健安全計画作成等の義務が規定されております。
保育所によりましては、今御指摘もありましたが、児童福祉法第四十五条におきまして、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保する最低基準を定めるべしというふうなことが規定されておりまして、この法律の規定に基づく最低基準が省令にあるわけでございますが、その省令の中におきまして、例えば構造設備におきまして、五条におきまして、保健衛生及び危害防止に十分な考慮をという規定、あるいは六条におきまして、非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練に努めるという規定があるということをちょっと補足さしていただきます。
十二条については、御指摘のとおりでございますが、これも法律四十五条に基づく基準でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/26
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027・林久美子
○林久美子君 地方裁量型については。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/27
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028・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 地方裁量型につきまして、いわゆる認可外の保育施設につきましては、児童安全確保の観点から、局長通知で、認可外保育施設指導監査基準というもので指導を行っておるという実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/28
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029・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま林先生からもお話があり、また厚生労働省の方からも御答弁申し上げましたように、認定こども園の四つの類型でございますそれぞれの施設について、例えば幼稚園については学校保健法に安全に関する規定があり、保育所につきましては厚生労働省令等に安全に関する規定があるわけでございます。このように法的な根拠は異なるわけではございますが、子供の安全の重要性にかんがみまして、いずれの施設の場合にも施設設備の安全管理の重要性などについては盛り込まれているわけでございます。
そこで、認定こども園における子供の安全の確保に関する事項につきましては、国の指針においてこれを定め、各都道府県の認定基準に盛り込まれるようにしたいと考えておりまして、各施設類型を通じまして、いずれの施設類型であってもきちんと安全の確保が図れるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
文部科学省としては、子供の安全確保は極めて重要であると考えておりますし、認定こども園の安全確保も含めまして、地域全体で子供の安全確保に取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/29
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030・林久美子
○林久美子君 今御答弁いただきましたように、学校は学校保健法、保育所は省令、認可外保育施設は通知ということでございますけれども、この認定こども園そのものが母体が何かによって構築をされている制度ですよね。その中において安全がこんなにも格差が付いていいものだろうかと。それとも、法律と省令と通知と、重さは一緒だとお考えなのか、是非大臣の御答弁をお伺いしたいと思います、御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/30
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031・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) ただいまそれぞれの局長から、また審議官から御説明をさしていただきましたように、今回の認定こども園の各類型に対する安全の確保につきましては、法律それから省令あるいは局長通知により、対応は違いますけれども、それぞれ対応が指示をされているところでございまして、これをしっかりと守っていただくということがまずは大切でございまして、受ける側の認定こども園の側でしっかり守っていただけるように、両省の協力の下にしっかりと指導をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/31
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032・林久美子
○林久美子君 では、お伺いをしたいんですが、法律に違反することと省令に違反することと通知に違反することでは同じなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/32
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033・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) もちろん、法律及び法律に基づく省令、さらには通知等に基づく安全基準につきましては、いずれもこれを尊重して従っていただく必要があるわけでございます。
ただ、私ども、今回の認定こども園につきましては四つの類型を設けているわけでございますので、その四つの類型を通じまして、言わば安全につきましては、どの類型でも必要な安全に対する考え方というものを、文部科学省と厚生労働省で共同で作ります指針の中にこれをしっかり明示をしていきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/33
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034・林久美子
○林久美子君 それでは個別に伺います。
法律違反をした場合はどうなるのか、省令違反をした場合はどうなるのか、通知違反をした場合はどうなるのか、具体的に御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/34
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035・白石順一
○政府参考人(白石順一君) まず、児童福祉法の最低基準に違反した場合、当然それに伴います報告徴取、立入検査、その他がありますし、最後は認可の取消しということがあります。そのための基準に基づく省令でございます。
それから、認可外の保育所に関しましては、その指導監督というふうなことの権限は今の法律に基づくものよりは弱うございますけれども、児童の福祉のため必要があると認めるときは、その都道府県知事は児童福祉審議会、都道府県にございます、それの意見を聞きまして、その事業の停止、施設の閉鎖の命令をできるというふうな根拠にはなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/35
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036・林久美子
○林久美子君 法律違反について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/36
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037・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校保健法におきまして、学校保健安全計画、学校環境衛生あるいは学校の環境安全について規定が設けられているわけでございますが、これは学校保健法に基づいて各学校、幼稚園を含む各学校はこれに従って必要な措置を講じなければならないわけでございますけれども、いわゆる、法律に従う必要性はあるわけでございますけれども、特に罰則とかそういうことは保健法上はたしかなかったというふうに記憶をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/37
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038・林久美子
○林久美子君 委員の皆さんもこの御答弁を聞かれていて問題あるんじゃないかなとやはり思われたのではないかなと思います。
同じ認定こども園においても、その母体が何かによってこんなにも違うと。名前だけ同じ認定こども園というのを付けて、子供の命に格差を付けると。これはしっかりと整理をしてもらわなきゃいけないし、直していただかなきゃいけない、修正をしていただかなくてはならないと思っています。
もう一つ、ちょっと踏み込んでお話をさせていただきますけれども、確かに、子供に事件や事故、発生しないのが一番です。ただ、万が一ということもあると。そのときに、きちっとその責任の所在を明らかにして、十分な保障あるいは支援を、支えていくことをしていかなくてはならないと。これについても、今と全く同じことが言えます。
既に皆様御存じであろうかと思いますが、文科省が所管をしている独立行政法人に日本スポーツ振興センターというのがございまして、学校などで事故などが生じた場合の災害共済給付業務というのが行われております。この制度は、学校、保育所の管理下における児童生徒等の負傷、疾病、障害又は死亡に対して医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の給付を行うというもので、これの費用は国と設置者と保護者の三者が共同で財源が賄われているという制度でございます。
具体的には、各教科などの授業中、保育所における保育中も含む、部活動などの課外指導中、休憩時間中又は通学中の災害などをいうとされておりまして、実態としまして、平成十六年度の給付実績では、幼稚園で四万九千件余り、保育所では六万三千六百件余りとなっています。残念ながら、少なくともこれだけの数の事故等々が発生しているというのが悲しい現状でございます。
そして、この災害給付の対象となる学校はこのように定められております。義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園、児童福祉法第三十九条に規定する保育所、いわゆるこれ認可保育所でございますけれども、とされています。
恐らく、これまでの本日の議論を伺っておりますと、幼稚園型こども園、保育所型こども園は加入の対象となっているんだと思います。しかし、地方裁量型こども園の母体となる認可外保育所はこの中に含まれていません。ということは、当然この対象に地方裁量型こども園は入らないということになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/38
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039・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) これにつきましては、もしそのようなことになりますと問題が生じます。したがいまして、地方裁量型につきましては、事故時の補償が適切になされるように、任意保険の利用などにつきまして国の指針で定めることにいたしたいと思っております。国の指針で定めると同時に、各都道府県の認定基準に盛り込むようにいたしたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/39
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040・林久美子
○林久美子君 任意保険というのは何でしょうか。国が安全を保障するこの共済給付業務のように、国と設置者と保護者の三者で共同で賄われる保険なんでしょうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/40
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041・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) いろいろな形が考えられますけれども、一つは損害保険という形になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/41
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042・林久美子
○林久美子君 損害保険は国が一定保険料は出されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/42
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043・素川富司
○政府参考人(素川富司君) 現在スポーツ振興センターが行っている災害共済給付制度のほかに、例えば私立の幼稚園などでは、私立の幼稚園の団体が、保険会社と提携していると思いますけれども、民間の保険会社の機能を活用いたしまして保障制度というものをつくっていると、そういうところに加わっているということでございます。
現在、その幼稚園の場合は約八割ぐらいがこの災害共済給付制度に入っておりますけれども、そのほかの団体の、正確にパーセンテージ分かりませんけれども、かなりの部分でそういった民間の保険制度を活用した制度というものが使われている。そういうものが現在ある制度としてはお話しできるのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/43
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044・林久美子
○林久美子君 国が認定を与えるのがこども園ですよね。認定を与えるこども園に対して、そこに通う子供たちの命に対して国が何ら責任を果たさない、これはおかしいんじゃないでしょうか。
認定こども園、保育教育やります、働いていようといまいと子供たちに安定的な教育を提供します、子育て支援事業もやります、こうやっておっしゃってきているのがこども園ですよね。その認定こども園が、その母体が何であるかによって、特に認可外であれば、全く命について国、認定を与えているにもかかわらず、何ら保障もしない、責任も負わない。おかしいんじゃないでしょうか。
大臣、是非御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/44
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045・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 現状を考えていただきますとお分かりいただけるかと思いますが、幼稚園、保育所、そして認可外の保育所というものがございます。
この認可外の部分に対して各地方自治体はどのように対応しているかといいますと、例えば東京都の場合などは、この認可外の保育所に対して、こういった事故に対しての補償のためにいわゆる民間の任意保険に加入することを、義務付けるという形ではないんだと思いますが、指導をしているという形を取っております。
この同じ形をこの認定外の保育所について同じような考え方で対応させていただくというのが今の答弁のことでございまして、そういう意味で、この認定こども園という中で、各種の類型はありますけれども、その類型の中で提供されるものはそれぞれの機能ということに着目をしているわけでございますので、そういう意味で、民主党案の形がどのようになっているか私ども知りませんけれども、私どもの方の形はそのような形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/45
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046・林久美子
○林久美子君 では、認可外保育所は一体何%保険に加入をしているんでしょうか。
しかも、認可外保育所は都道府県でやってもらっています、市町村でという話になると、じゃ認定する意味がないじゃないですか。認定というのは、国が認定をするんでしょう。国が認定をされるんだったら、国が安全について、命について一定責任を負うのが当たり前なんですよ。だったら認定なんてしなきゃいい。
是非ちょっとその辺について、もっと明確な御答弁をお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/46
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047・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 認可外の保育、先ほどの五十九条の施設に関しまして、どれぐらい入っているかということを、全体を把握していることはございません。ただ、例えば横浜の子供室でございましょうか、横浜の認定制度、独自に持っておりますけれども、そこは一〇〇%入っておるというふうに聞いております。
この法律に関して申しますれば、先ほど文部科学省から御答弁がありましたように、地方裁量型の認定こども園についても、事故時の補償が適切となるように、民間の提供する損害賠償保険の利用について国の指針において適切に定めるというふうな方向を検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/47
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048・林久美子
○林久美子君 民間では駄目なんです。国が認定するんだから、国が責任を持つのが当たり前だということを重ねてお訴えをしているわけでございます。
もうちょっと、正直らちが明かないという感じがするんですけれども、それだったら、大臣、御意見、御答弁いただけますか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/48
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049・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) いや、この認定外のものは、これ地方裁量型で、地方が認定するんですよね。ですから、国は基準を定めるんでありまして、それを実際に認定するのは地方が裁量をして認定するわけでございますから、国はそういう任意保険に加入することを指針の中で明確に述べて、そしてそれを参酌する方の地方公共団体が定める基準に従ってやる場合ですが、その基準においても任意保険に加入していることを認定の条件にしてもらうようにするということを今申し上げたわけですよね。ですから、都道府県が参酌をして作る基準、その基準に盛り込むようにするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/49
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050・林久美子
○林久美子君 今の論理ですと、確かにこの制度で認定するのは都道府県ですよ。都道府県ですよ。すべてについてそうなんですよ。
そうしたら、国が保険料の一部を持っている幼稚園型こども園、保育所型こども園、連携型こども園について、では国が持つ必要ないじゃないですか。論理は成り立たないと。
それと、参酌をして条例の中でというお話ございましたが、では保険にきちっと入っていないところは一か所たりとも認定を許さないということでよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/50
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051・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 国が認定をするという基準を定めたものは地方裁量型以外の三類型でございまして、地方裁量型は地方が裁量を持って認定をするからでございます。
したがいまして、それに対しての基準というのは地方が定め、そして地方が責任を持つべきものでありますので、国がその保険料の一部を持つというような形にはならないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/51
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052・林久美子
○林久美子君 済みません、ちょっとよく分からないんですが、ということは、地方裁量型こども園は都道府県が国の指針を参酌をして作った条例に従わなくてもいいということになるんですか、安全について。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/52
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053・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ちょっと元に戻った話になって恐縮でございますが、この認定こども園の法律案は、就学前の教育について、多様な利用者のニーズに対しまして果たすべき機能に着目した認定制度を設けるものでございまして、先ほど来申し上げておりますように、認定を受けたことにより認定の対象になった幼稚園、保育所等の施設自体の法的地位に変更が生じるものではないわけでございます。
したがいまして、現在、日本スポーツ振興センターの災害共済給付業務の対象に幼稚園と保育所は、認可した保育所はなっているわけでございますが、いわゆる地方裁量型の認証保育園等は日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象になっていないわけでございまして、そのことは、この法案によりましても各施設の法的な地位に変更が生ずるものではないということから、今後とも、認可外保育施設については、災害共済給付の適用においては認可保育所と同等に扱うということは困難というふうにまず考えるわけでございます。
こうしたことから、災害共済給付の適用関係につきましては、幼稚園、保育所と認可外保育施設とでは異なるわけでございますけれども、認可外保育施設が対象となります地方裁量型の認定こども園につきましても、事故時の補償が適切になされるように、民間の提供する損害賠償保険の利用などについて国の指針として規定をし、各都道府県の認定基準に盛り込むようにするということを今考えているわけでございます。
国の指針は文部科学省と厚生労働省で共同して策定をするわけでございますが、各都道府県が認定こども園を認定する場合の認定基準は、各都道府県がこの国の指針を参酌して作るわけでございますので、各都道府県の認定基準において、この民間の提供する損害賠償保険について、地方裁量型認定こども園がこれを利用するように基準としてきちんと盛り込んでいただくように私ども指導をしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/53
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054・林久美子
○林久美子君 指導も求める、求めることも結構ですけれども、きちっと制度としてつくっていかなくちゃいけないんだということです。
要は、その三類型と地方裁量型で安全についてかなり格差が出るんじゃないかと。大臣もやっぱりお分かりいただけると思うんですよ。
もう是非、これ委員長にお願いをしたいんですけれども、とにかく今お聞きいただきましたように、地方裁量型の施設の任意保険ですね、認可外保育所、任意保険の実態をきちっと調査をしていただきたいと、要求をいただきたいというふうに思います。
で、本当に、よろしいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/54
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055・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 委員として調査というのはよく分かりませんが、理事会で、理事会で、理事会で協議する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/55
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056・林久美子
○林久美子君 実態が分からないと。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/56
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057・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) その取扱いを後日理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/57
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058・林久美子
○林久美子君 是非ともよろしくお願いいたします。
実態を把握しないでこの制度について語られてもやっぱり困るわけですね。結局、どこを見て制度設計をしているのかということなんだと思うんですよ。結局、省庁の中で、言ったら官の論理で、大臣、聞いてください、官の論理で制度をつくるんではなくて、そこにいるのは未来のある子供たちなんですよ。その子供たちのことを考えずして制度をつくっているからこういうことになるんだと私は思っています。
しかし、平成十七年度の税制改正では、九つの一定の基準をクリアすれば、認可外保育所についても認可保育所と同様にその利用料を非課税とすると、こういう改正も行われているわけですよ。子供の居場所についてきちっと質が守られれば、ちゃんと国としてもしていこうと、少しずつ前に進んでこられたんでしょう、これまで。
だったら、この地方裁量型こども園についてもちゃんとこの日本スポーツセンターの加入対象に入れるべきなんだと、認定こども園は全部入れるべきなんだと私は思っています。できないんだったら、その理由をちゃんと示していただきたい。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/58
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059・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象に地方裁量型の認定こども園が入るのかどうかということにつきましては、これまで災害共済給付の対象になっておりましたのが幼稚園と認可された保育所でございまして、地方裁量型の認定こども園は、認定を受けた場合でも、繰り返しになりますが、施設自体の法的な地位、つまり認可を受けていない保育園であるというその地位に変更が生ずるものではないわけでございますので、災害共済給付業務の対象にはならないということでございます。
その上で、実際の子供たちの安全の確保という観点から、地方裁量型の認定こども園につきましても事故時の補償が適切になされるように、民間の提供する損害賠償保険の利用などについて国の指針できっちりこれは規定をいたしまして、各都道府県の認定基準に盛り込むようにするということを考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/59
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060・林久美子
○林久美子君 要は、できない理由というのは、これまでの文科省の法律と厚労省の法律に縛られているからでしょう。そうしたら、認定こども園という新たな制度を崇高な理念の下につくられるんだから、入れたらいいではないですか。それだけではないですか。対象にしてくれたらいいではないですか。私は非常にシンプルな話であるというふうに思っています。
大臣がおっしゃった省庁の縦割りの弊害を乗り越える、その第一歩なんではないでしょうか。大臣御自身の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/60
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061・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 民主党さんの方の法案にアイデアがあればまた聞かせていただきたいと思いますが、私どもの考えは、現在の状況は、無認可保育所というのは保険に加入も義務付けられませんし、東京都の場合を先ほど例に申し上げましたが、これも指導でございます。しかし、今回、認定こども園とすることによって、今度は私どもの指針の中に入れることによって、それを参酌した地方の、都道府県の基準に盛り込まれるという点において、この無認可の保育所の保険加入が促進されるという効果は少なくともあるわけですよね。ですから、そういったことも御理解をいただいて、それはすべてのことをパーフェクトになるように考えれば、それはまた予算等財政的な問題も発生いたします。そういう中ですべてをバランスよく考えていくということもありますので。
そういう点からすれば、認可外の保育所というものについても、認定こども園にするということによって、この認定こども園になりたいためには保険加入が義務付けられるということになってまいりますので、地方の基準としてですよ、そういうものを作っていただくという形にすることによって、現状の無認可保育所よりは保険の手当てはより前進するという形になりますので、そういったことも参酌して御判断をいただければ有り難い。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/61
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062・林久美子
○林久美子君 だから、結局その義務付けも指針に入ってそれを参酌してということで、結局もう、では実態どうなるのかということなんですよ。それを、参酌なんだから、強制ではないわけですよね。
今もう既に、冒頭申し上げましたように、学校においても財政力とか首長の政策優先度によって随分と差が付いているわけですよ。新しく認定こども園をつくろうと言っているそのさなかで、要するにそれはもう格差を容認しているとしか私には思えないと。でも、それであれば、やはりこの認定こども園の法案の中に安全な環境の維持と向上についてやっぱりきちっと規定をするべきなんですよ。施設の設置者が施設設備の安全確保とか事故などへの補償を円滑に行うことができるように必要な経費を補助する規定を盛り込むべきだと私は思っています。この点についてはいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/62
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063・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 繰り返しになって恐縮でございますが、認定こども園は、就学前の子供に多様な教育の機会を提供する、そういう機能を持った施設につきましてこれを認定をするという制度でございます。できるだけ多様な施設がその認定の対象になるように四つの類型を設けまして、そして認定自体は都道府県が認定を行うという制度を構築をしているわけでございます。ただ、都道府県が認定を行うに際しましては、やはり認定こども園の教育の質の確保という観点から、国において言わば指針というものを定めまして、その指針を参酌して各都道府県で認定基準を作っていただいて、その認定基準に基づいて各県が認定をするということになっているわけでございます。
今、四つの施設、具体的には幼稚園、保育所、それから認可外の保育所、それから幼稚園、保育所一体的にもう現にあるもの、こうあるわけでございますけれども、特に幼稚園、保育所、認可外の保育所というものを考えた場合に、それぞれのいろいろな国のかかわり、基準というものは異なっているわけでございますけれども、認定こども園としての認定基準というものを考えたときに、できるだけ質を高めるという観点、それからもう一方で地方の裁量を生かすという観点、こういう観点から国の指針というものをそれぞれの事情を十分踏まえてこれから作っていくわけでございまして、その指針の中に、先ほど来お話のございます安全の問題、さらには子供たちの災害共済給付にかかわる保険の加入の問題といったようなこともきちんと指針の中に示しまして、認定こども園である限りそういう子供たちの安全や事故が起きたときの補償というものがしっかりやられるように私ども指針を作って、それを参酌して認定基準を作っていただくということを今考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/63
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064・林久美子
○林久美子君 参酌という言葉も非常に何度も何度もおっしゃっていただいて、もう十分に理解はしているつもりでございますけれども、参酌では不十分であるから、子供の命は参酌で守れるようなものなのかどうかと、本当にこれは私は一人の親として非常に不安に思います。
児童の権利に関する条約第三条第三項で、締約国は、児童の養護又は保護のための施設、役務の提供及び施設が、特に安全及び健康の分野に関し並びにこれらの職員の数及び適格性並びに適正な監督に関し権限のある当局の設定した基準に適合することを確保するというふうにもうたわれています。しっかりとした安全基準を作る、法律にも盛り込むということは、児童の権利条約の中でも、これを考えても当たり前のことであると私は思っています。
どうか、この安全の問題については、やはり日本全国どこにいても子供たちの命はひとしく守られなきゃいけないんだと思うんですね。親の経済力とか、住んでいる地域とか、あるいは首長の政策優先度とか、自治体の財政事情によって子供の命に格差が付いてはならない、とりわけ新しくスタートする認定こども園についてはそんなことがあってはならないんだということを強くお訴えを申し上げたいと思います。
もう時間がなくなってまいりましたので、次の質問、一つだけ、今日はいろいろ用意しておったんですが、最後まで行けませんけれども、お伺いをしたいと思います。
今回、もう既に皆さんもよく御存じのように、保育所型こども園は幼稚園機能については支援が受けられないと。幼稚園型こども園については保育所部分については支援を受けられないと、持ち出しになると。その結果、教育、保育の質が低下をしたり利用料が高くなるのではないかと。いろいろな心配があるわけです。
先日、こちらの委員会の方で、モデル事業に取り組まれた施設にも視察に行ってまいりました。要はあとはお金の問題だと、こんな御指摘もございました。モデル事業のときは全部国が財政的に面倒を見ているわけですよね。それでモデル事業の取りまとめをして、では実際運営するときに認可を取っていない部分については財政支援をしないとか、そういうことをするのだったら何のためのモデル事業だったのかなと、私は正直そのように思っております。
その中で、かなり保護者に対する支援の在り方にも差があると。これはちょっと代表質問でも触れさせていただいたんですが、幼稚園就園奨励費の問題でございます。これは主に私立の幼稚園に通う保護者の方を対象に支給をしていらっしゃるわけでございますが、私立の幼稚園型こども園に通う保護者には支給がされるけれども、同じ私立の保育所型こども園に通う子供の保護者の方には支給がされないというふうに伺っております。
まずお伺いをしたいんですが、一言で結構でございますので、この幼稚園就園奨励費という補助は法律補助なのか予算補助なのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/64
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065・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園就園奨励費は予算補助でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/65
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066・林久美子
○林久美子君 ということは、予算補助だということは、法律改正をしない、する必要がないということなんであると思います。
私たち民主党が出しました案では、認定こども園という枠の中で、新たに機能を付けた部分についてもきちっと支援をしていくし、保護者に対しても平等に支援を行っていきたいというふうに考えています。
例えば、Aさんの家はこども園に行っていますと。幼稚園型こども園です、私立の。Aさんには支援がありますと。AさんとBさんは友だちです。Bさんの子供もこども園に行っています。私立の保育所型こども園に行っています。お母さん同士が話をしたときに、えっ、私はそんな支援もらっていないよと、そんな話にもなるわけですね。普通の利用者の側から立って考えたときに発生する不公正はやっぱり正さなきゃいけないと。
我々民主党案では、幼稚園型こども園であろうと保育所型こども園であろうと幼保連携型であろうと、ちゃんと保護者の方に対する支援も行っていきたいというふうに考えているんですけれども、そもそもこれも、元をたどれば文科省さんと厚労省さんと縦割りの中にあるからこういうことになってしまうわけですね。
大臣が御答弁をされました、縦割りの弊害を乗り越えてとおっしゃるのであれば、この就園奨励費も、保育所型こども園に通う保護者の方、私立のね、あるいは幼保連携型の保育所部分に通う子供さんの保護者の方にもひとしく支給をしようと前向きに考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/66
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067・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 実は、その点はこの法律を提出する際に私も疑問を持った点でもあるんですよ。
すなわち、幼稚園型の認定こども園に通う保育園児には就園奨励金が出るんですね。それでいて保育所に通う幼稚園児にはこれが出ないというのはやはりバランスを欠くではないかと、こう私も思いまして、これについては検討を指示しておりまして、運営の中で改善する方策を検討せいというふうに今言っております。
ですから、今ここで直ちにできますと言うことは、予算措置、財政措置もございますので直ちに申し上げる段階ではございませんが、前向きに検討をさせていただきたいという考え方だけは表明させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/67
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068・林久美子
○林久美子君 どうもありがとうございます。本当に前向きな御答弁をいただきまして、大臣も、そうやっていわゆる国民の視点に立って不公平を正していこうと、そういうお気持ちでどうかこの問題、壁を越えていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)諸々の課題をクリアして検討させていただきたいと思いますけれども。
本当は、本日はこのほかにも内閣府の、せっかく内閣府の方にもお越しをいただいて大変申し訳ないんですけれども、内閣府の方の御所見もお伺いをしたいというふうにも思っておりましたし、財政調整機能なんかについてもいろいろとお話を伺いたいというふうに思っておったんですが、ちょっと残り時間がわずかになってまいりましたので、三分、(発言する者あり)そうですね、次回にそれは譲らせていただきたいというふうに思っているんですけれども。
最後に、本日の質疑を通しましてやはり一定見えてきたのは、どうもこの認定こども園法案というのは子供たちのため、保護者のための法案なんだろうか、どうなんだろうと、そういうことでないかなというふうに思います。子供たちにとって最善の利益は何かということではなくて、この規制緩和の流れの中で、あるいは少子化の中でどうやって文科省さんと厚労省さんが自分たちの権益を守っていけばいいのかと、それを考えて生み出した正に妥協の産物なんではないかなと私は思わざるを得ません。縦割りの弊害を乗り越えるということは、すなわち子供たちの教育、保育を守るということでございます。子供たちの未来をつくっていくということでございます。ですから、どうかここは大臣の強いリーダーシップで乗り切っていただきたいと。
今の認定こども園は、正直言って、中を開けると、保育所と幼稚園と認可外保育施設があって、正に寄せ木細工のような法案なわけですね。何かあったときに必ずその根拠法は何かということをみんな引っ張ってくるんですよ。それを理由にする。それが学教法であり、児童福祉法であり、それ以外のものであると。ここをやっぱり一つにしないと、本当に多様な保育ニーズにこたえる、あるいは子供たちの育ちを支える認定こども園にならないと、私はこのように思っております。
先ほど来、大臣が民主党の対案でというお話もございましたけれども、我々は、やはりこの認定こども園というのを、きちっとこども園というのも別につくらなきゃいけないんじゃないかと思っています。内閣府に、取りあえず子ども家庭省をつくるまでの間、担当部局を置いて、制度も財政的支援もすべて一本にしていくべきであると私たちは考えています。
その中で、実際ではどれぐらい費用が掛かるのかなということも計算をしてみました。これ、一応十月施行を目指していらっしゃるわけですよね。半年間ですね、初年度は。大臣始め、一千か所ぐらいというお話ございましたけれども、我々は幼稚園と保育所の一割が認定こども園になったときにどうかということで試算をしてみました。半年間に関しての試算ですけれども、三百八十一億円、これで、新たに機能を付けた部分についても、子育て支援事業についても、幼稚園就園奨励費的なものを全部支給をしたとしても三百八十一億円でできるわけです。
これ、高速道路一キロ造るのに幾ら掛かるか御存じですか。五十億円なんだそうです。つまり、高速道路七・六キロやめれば、それこそちょっと乱暴な議論かもしれませんが、きちっと半年間財政的にもしっかりと面倒を見ること、きちっと支えることができるわけです。
ということは、やはり小泉政権の間に教育費が削られ、現場の人の数が削られ、子供の保育や教育がないがしろにされてきたと。この中で、では一体何のために認定こども園をつくるのか。しっかりと今こそ子供たちの教育は私たちが守っていくんだと。この国の未来をつくるのは今の子供たちなわけですよ。もたもたしている間に子供は大きくなってしまう。だからこそ、今しっかりと大臣の御決意の下でこの認定こども園、縦割りの弊害を超えると、しっかりと財政的にも投資をしていくと、大臣の御決意をお伺いをいたしまして、私の質問とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/68
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069・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 本法案を皆さんによって通過をさせていただきましたならば、今お話しのように、厚生労働省、文部科学省がしっかりと連携をして、そして保育、幼児教育、それぞれの地域に合ったニーズをしっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。
よろしくお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/69
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070・林久美子
○林久美子君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/70
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071・広中和歌子
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
ただいま林議員から現役の母親としても真剣な御質問があったわけでございますけれども、私はどちらかというともう卒業して、もう大分年を取っております。そういう中でこの法案につきまして審議させていただくわけですが、私の時代というものは、保育所というのは、正に官庁用語なんでしょうけど、保育に欠ける子供たち、つまり母親が経済的理由で働かなくちゃならない、したがって、そうした子供たちを面倒を見るのが保育所であり、幼稚園というのは学校に上がる前の子供が図工やお遊戯やその他の遊びを通じて社会性を学ぶ場所であったと、そういうことであるわけでございます。しかし、時代が変わって、保育所は家庭も仕事もと願う男女共同参画時代の女性たちにとって必要欠くべからざるものでございます。しかし、新しい時代のニーズに体制が追い付いていない、そうした中で幼保一元化の法律が出されたと。
幼保一元化になるとどういうふうになるんだろうか。これまで幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄という縦割りの弊害を超えてこれを一元化して、保育所でも幼稚園教育が受けられ、幼稚園でも保育所のサービスが受けられる、そうなれば、ゼロ歳から小学校に上がるまでだれでも預けられ、これまでのように待機児童の数が減っていく、大変結構な法律とだれでも歓迎するはずでございます。この法律ができれば、これからは働くお母さんも、これから仕事を探すお母さんも、また将来のために資格を得るために勉強したいお母さんも子供を預けることができる、歓迎すべき法律だと思ったわけでございます。
しかし、よくよく検討してみますと、分からない。何がどのように変わるのか。変わった結果は親にも子にも、この認定保育園ができることで施設の数が増えるのか。子供たちは保育の良さと保育園の良さを両方とも享受できるようになるのか。そのための法律なのか。現在、保育園でも子供に幼稚園的教育を行っているというふうに聞いております。幼稚園でも時間外に子供を預かってくれる。一体何が変わるのか。幼稚園は保育所機能を持てば予算が増えるんでしょうか。保育所が幼稚園的機能を増やせば補助金が増えるのか。その補助金はどこから出るのか。補助金が増えず、経済的メリットもないのに認定こども園の数は増えるんでしょうか。仮に十分に認定こども園の数が増えれば、少子化に歯止めが掛かるんでしょうか。女性たちは、子供を産み育てる喜びと仕事を続ける生きがいの両立ができるんでしょうか。
こうした思いの中で今日は質問させていただくわけでございます。具体的に質問させていただきますが、非常に素朴な質問をさせていただきます。きっちり答えていただければと思います。
まず、そちらの、つまり行政の立場からいいまして認定こども園制度の趣旨は何か、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/71
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072・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 広中委員におかれましては、子育てを経験された立場からも、また今日的ないろいろな課題を踏まえて問題意識をお持ちの立場からも、今回の認定こども園制度というのはどういう意味合いがあるのかという御質問でございますが、まず第一に、全国を見渡しますと、地域によりましては、保育所はあるけれども幼稚園がない地域、こういうのもございます。また、幼稚園はあるけれども保育所のない地域も当然あるわけでございます。
また、保育に欠けるという言葉はちょっと分かりにくい面もありますが、すなわち家庭で保育の体制のないそういうお子さん、これを預かる保育所というものが厚生労働省の児童福祉法の下に設置をされておるわけでございますが、保育に欠けない、すなわち親御さんが面倒を見ていらっしゃるお子さんが保育所しかない地域に住んでいらっしゃった場合、保育所に通おうと思っても基本的には通ってはならないわけでございまして、認定を受けられないことになってしまいます。
したがいまして、現在では市町村が特別に認定をして、運用の中で認定をして、その本当の必要性があるかどうかを認定して保育所に通うような枠組みを作ったりもしておりますけれども、基本的には保育に欠けないお子さんは保育所ではなくて幼稚園へ行っていただくということになっておるわけでございます。
こういった制度上のいろいろな課題というものを踏まえますと、できれば、いろいろなところに幼稚園と保育所がそれぞれあって、保育に欠けるお子さんは保育所へ、保育に欠けないお子さんは幼稚園へとそれぞれ通っていただければいいんですが、少子化という流れの中で人数が十分にそろわないために幼稚園を設置したくても認可を得られない、あるいは保育所をつくりたくても認可を得られないということになります。
したがって、幼稚園のあるところに十人、保育に欠けるお子さんがいる、そういう場合には、ではその十人で保育所の認可をしましょうと、こういうことにするのが今回の連携型の、幼稚園と保育所の両方を認定をするという形の一つの類型になるわけでございまして、これによって幼稚園と保育所両方がそこにできることになるわけです。本来ならば、単独であれば十名では保育所を設置できませんけれども、幼稚園に併設することによって十名でも保育所の認可をするということになります。
また、保育所があるけれども幼稚園がないところで幼稚園児の皆さんが一定数いると、この場合、何人にするかということは若干検討を要する部分でありますが、私としては、幼稚園が十人いれば保育所を設置できるんであれば、逆の場合も十名で幼稚園を設置できるようにすべきだろうというふうには私も考えているところでございまして、今検討を指示しておりますが、基準を最終的に明確にさせていただきたいと思っております。
こういう中で、連携型、幼稚園型、保育所型というものが、またこの人数に満たない場合等、これが出てくるわけでございますし、また地域の地方自治体が認定する形の第四類型というものをつくって、全部で四つの類型をつくっていくことを考えているわけでございます。
これらによりまして、パートに出ていらっしゃるお母さんが保育に欠ける状況を補うために保育所にお子さんをお預けになる、しかしパートを辞めたら本当は幼稚園に変えなきゃいけない、しかし同じ園に通うことの方がお子さんのためにはいいということで、この認定こども園制度を採用していただくことによって、保育に欠ける状態にあろうと保育に欠けない状態であろうと、同じ園に通っていただくことができる、そういうメリットがこの認定こども園にはあるわけでございまして、ある意味で子供さんの立場からこの制度の運用というものを考えていると。
必ずしも、委員御指摘になりましたように、保育所あるいは幼稚園、それぞれの経営の立場からこういうものを考えているわけではないということも御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/72
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073・広中和歌子
○広中和歌子君 幼保連携型、幼稚園型、保育所型、これらはいずれも従来の幼稚園制度と保育制度を前提としているわけですけれども、教育と保育を一体としてとらえた新たなサービスを提供するということであるんならば、民主党案のように行政も一元化するべきではないんでしょうか。まず、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/73
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074・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 私どもは機能面に着目をして、そしてこのこども園制度というものを考えたわけでございまして、行政面から考えますと、幼稚園、保育所、そして幼児の保育環境、幼児教育環境を全体的に考えると、じゃ保育に欠けるのはなぜかといえば、これは労働環境というものも影響してくるわけで、働き方の改善によってもっと子供たちを面倒見られるような環境ってつくり出せるんじゃないかと、こういうこともありますから、労働行政というものもここにかかわってくるわけですね。
文部行政、それから福祉行政、労働行政、こういったものが絡み合ってまいりますので、そういう点からすると、一元化ということを考えた場合に、単に幼児教育だけじゃなくて、小学校、義務教育段階を経たその先までも教育というのは考えていくわけですから、そういう意味で、両省が一本化したような形で行うよりも、現行の制度の活用の中からそれぞれの地域のニーズに合った形、すなわち先ほど申し上げたように保育所しかないところ、幼稚園しかないところ、あるいはそこに何人ぐらいのお子さんがどういう振り分けでいるかと、こういったことも踏まえた上でニーズに合った形を選定していただくという方が、選択肢が、新たな選択肢を提供することになって、地域のお母さんたちの保育あるいは教育の、幼児教育のニーズを的確に把握できると、私どもはそう考えたわけでございまして、それを補うために両省がより連携をすることが必要と考えて連携推進室等をつくって両省の連絡を密にし、窓口等の一本化を図る中で、手続面でも配慮をしてこの制度を設計したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/74
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075・広中和歌子
○広中和歌子君 保育所型というのは、保育に欠けない満三歳以上の子供を保育できるようになるということですけれども、待機児童がたくさんいる中で果たしてそれは可能なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/75
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076・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 待機児童の状況のことに関係すると思いますが、これは同じ市町村の中でもかなり地域によって違いはありますが、地域における保育需要によりまして、保育に欠けないお子さんを受け入れる枠の設定が容易でないというふうな場合もおっしゃられますとおり確かに想定をされるわけでございます。
ただ、こうした場合でありましても、例えば小規模の幼稚園を増設して幼保連携型の認定こども園をつくったり、あるいは保育所の空きスペースがある場合にこれを活用するというふうなことも、それは確かに理屈の上では可能ではございますけれども、待機児童が大変いらっしゃる地域ということで当てはめて考えますれば、その自治体は、その地域の優先順位ということであれば、当然その認定に当たってもやはりまずは待機児童の解消が優先されるべきではないかというふうな判断もされるというふうに想像をしておるところでございます。
それから、理屈の上では可能でございますが、実態的には、そういう待機児童がたくさんいるところはまずはそちらに力を入れるという対応を当該自治体は取るであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/76
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077・広中和歌子
○広中和歌子君 待機児童というのは非常に数が多いと思います。特にゼロ歳児から二歳児までの待機児童が非常に多いというわけですということを伺っているわけですけれども、今度の新しい改正でそういうものは解消できるのかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/77
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078・白石順一
○政府参考人(白石順一君) おっしゃられますように、いろいろその具体的な数というのを私どもも考えてはみたんですけれども、まず前提となりますのは、認定こども園となる場合につきましては、まず認可基準で六十人が原則の保育所につきまして、幼稚園と一緒にやる、つまり連携型の場合は合計定員が六十人でも認可対象とする、すなわち保育所の定員が十名でも認可対象にするという措置。
それから、例えば幼保連携型施設につきましては、施設主体が学校法人であるとか社会福祉法人であるとかということによる今までの制限を取り払って、特例的な対象にするというふうなこと等々をやることによって今よりたくさんの受入れは行われるであろうというふうなことではございますけれども、実際にそれが地元地元の当てはめによってどの程度、定量的に幾つになるかということは、申し訳ございませんが、ちょっと数字的には何とも申し上げられない段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/78
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079・広中和歌子
○広中和歌子君 そもそも、定員ということでございますけれども、なぜ六十人、認可定員が六十名ですよね。それを今度は五十名に引き下げてもよろしいということなんですけれども、こうした保育所にしても幼稚園にしても、もうちょっとフレキシビリティーがあってもよろしいんではないでしょうか。実際に保育の質に関係するのかどうか、それを助成金などでいわゆるコントロールするというのはどのようなものかと、いかがなものかと思うわけですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/79
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080・白石順一
○政府参考人(白石順一君) ちょっと言葉足らずな点もございまして、付け加えさせていただきますが、保育所は従来五十人を、へき地とかそういうところは除きまして、原則としておるわけでございます。それは、経営の点もございますけれども、そのほかに、やっぱり子供の育ちというふうなことも考えての大きさということでございますけれども、さすれば今度、幼稚園と保育園が一緒になるならば、何もお子さんに色は付いていないわけでございますので、一緒にして何人ということであればよいのだから、足して十人でも幼稚園と一緒であるならばというふうなことでございます。
従来は六十というふうなことでございますけれども、足して六十であれば、片っ方で六十なり五十なりを求めるということじゃなくて、足した数で考えればいいではないかということで、保育所の定員が十人でも幼稚園が一緒であればいいではないかと、こういうふうなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/80
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081・広中和歌子
○広中和歌子君 今、待機児童の数はどのくらいありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/81
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082・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 昨年、平成十七年四月一日現在、いつも四月一日現在で把握しておりまして、まだ今年は集計中でございますけれども、その段階で二万三千三百三十八名でございます。──二万三千三百三十八名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/82
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083・広中和歌子
○広中和歌子君 待機児童をどう定義するかでございますけれども、遠くの保育所に通っていたり、やむなく無認可の保育所に行っている子供たちがいることを考えれば、実際はもっとたくさんいるんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/83
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084・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 待機児童の定義のお話でありますけれども、保育に欠ける児童ということについて、保育所における保育を希望した保護者が入所を市町村に申し込みます。申し込んだにもかかわらず保育所に入所していない児童のうちで、例えば保育ママのような事業であるとか、あるいは地方自治体の単独保育施策がございます、そういうもので保育されているお子さんであるとか、あるいは、もうこの保育所がどうしても気に入っているのでそこ以外は嫌だということで、ほかの保育所をあっせん、紹介されているんだけれども入所しないという者は除くというふうな計算をしております。
例えば、したがいまして、地方自治体の認証を受けない認可外の保育施設にやむなく通っており、早く認可保育所が空けばそちらに行きたいというふうなお子さんについては待機児童というふうに数えることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/84
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085・広中和歌子
○広中和歌子君 それから、保育に欠けるという言葉、厚生労働省の言葉なのかもしれませんけれども、余りいい言葉じゃないんじゃないんですか。ちょっと気になるんでございますけど、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/85
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086・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 確かに、法律の言葉でございまして、ちょっと硬いような表現もございますが、経緯的なことを申し上げれば、やはり例えば、どうしても農作業をするので両親とも子供をほったらかしにせざるを得ないというふうな状態、あるいは共働きでどうしても子供を見る人が周りにいないようなケース、そういうふうな児童福祉の観点から発生した法律でございますので、ちょっとこういうふうな昔からの言い方をそのまま使わしていただいておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/86
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087・広中和歌子
○広中和歌子君 冒頭に申しましたように、経済的にどうしても働かなければならないといういわゆるかわいそうなお母さんたちの子供、それを保育に欠ける子供というふうに定義したんじゃないかなと、その昔ですよ。もう時代も変わっておりますので、やはりこれは考え直さなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
それでは、認定こども園については保育料は設置者が決め、届け出ていいということですけれども、これは事実でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/87
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088・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 認定こども園の認定を受けました保育所についてのお尋ねと思いますが、そういう保育所につきましては、従来と異なりまして、市町村ではなく施設が決定するというふうなことは今お尋ねのとおりでございます。
ただ、法律上、決めるに当たりましては、保育サービスの提供に要した費用を勘案すること、あるいは保護者の家計に与える影響を考慮すること、また児童の年齢等に応じて定めることというふうな一定の縛りがございます。
また、現在の認可保育所の利用料につきましては、市町村が保育費用が家計に与える影響を考慮して児童の年齢に応じて定めるというふうにされておりまして、市町村の条例で定められていることを参考に申し添えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/88
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089・広中和歌子
○広中和歌子君 認可保育所は従来どおり自治体が保育料を決定するということですね。同じ認可保育所にこのような違いを認める、なぜ認めるのでしょうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/89
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090・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 認定こども園の認定を受けました保育所の利用料は、おっしゃられますとおり、施設が定めることになるわけでございます。
これは、利用料につきましては、やっぱり幼稚園の方がそのような形を取っていることとの兼ね合いを考えたことの結果でございますが、ただ、法律上、繰り返しになりますけれども、保育サービスの提供に要した費用が家計に与える影響等を考慮して定めるという点におきまして、現在の保育所と同様でございまして、そこら辺の利用料の均衡を図るということは当然行われるわけでございますが、その一方で、繰り返しになりますけれども、幼稚園の利用料の設定との、裁量との兼ね合いでこのように考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/90
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091・広中和歌子
○広中和歌子君 認可外保育はどのくらいありますのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/91
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092・白石順一
○政府参考人(白石順一君) ちょっと時点が少し不明確でございますけど、七千百七十六というふうなデータは今手持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/92
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093・広中和歌子
○広中和歌子君 そこに通う児童の数はどのくらいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/93
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094・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 同じ時点、ちょっと時点が不明確で申し訳ございませんが、十七万八千八百五十二名というふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/94
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095・広中和歌子
○広中和歌子君 そのうち自治体が認証しているのはどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/95
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096・白石順一
○政府参考人(白石順一君) ちょっと全部を把握しておらないのでございますけれども、東京都の認証の例でいいますと二百七十一か所、これは昨年の四月現在、それから横浜の保育所が百三十七か所、ちょっと全部ではございませんが、例示で言えばそのような数字を把握しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/96
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097・広中和歌子
○広中和歌子君 認証されるとどのくらいの補助金が出るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/97
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098・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 認可外でございますので、保育所の運営費は支給することはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/98
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099・広中和歌子
○広中和歌子君 ということは、あれですよね、非常に個人に負担が掛かるということですよね。よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/99
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100・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 地方単独で何らかの助成をしていない限りは、その費用は利用者の負担ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/100
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101・広中和歌子
○広中和歌子君 働く女性というんですか、いわゆる保育に欠ける立場とされる女性たちは認可保育園に預ける資格がございますよね。一方、しかし、働く女性が子供を産んだ場合、その七割の人が職を辞さなければならないと、そういうことを承知していらっしゃるでしょうか。先ほど大臣が、女性の働き方を変えること、女性だけではなくて社会全体の働き方を変えることが必要だというふうに触れられましたけれども、この七割の人が職を辞さなければならない、そして保育に欠ける立場というところから外される、そして家庭に居続けなければならないと、子供のために、という現状を御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/101
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102・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 厚生労働省が平成十三年に、いわゆるミレニアムベビーに関します縦断調査というのを継続してやっておりますが、その第一回、平成十三年の調査のデータによりますれば、今御指摘ありますように、出産の一年前にそのミレニアム調査の対象になった、つまりミレニアムベビーの対象になった方のお母さんの七三%が職を持っておりましたが、その方が出産後六月を経た段階ではおっしゃられますように六七・四%、およそ七割が無職になっておるという実態があることはその調査で承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/102
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103・広中和歌子
○広中和歌子君 いったん職場を辞めた女性の再就職先は非典型労働の職場が多いということを認識していらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/103
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104・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 男性と女性の間の比較をいたしますと、女性においてそういう非正規の労働に従事される方の比率が多いということは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/104
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105・広中和歌子
○広中和歌子君 ともかく、今、格差社会ということが非常に問題になっております。正規雇用、非正規雇用、これには男性も女性もあるわけでございますけれども、特に女性の場合は二重に差別されているということで、子供を産み育てる喜び、そうしたものを感じる、自分の手で育てたいと思うのはすばらしいことなんですけれども、その後の人生が、働き続けた人と続けない人との格差というのが非常に……(発言する者あり)機会費用と言うそうでございますけれども、それが非常に大きいということ。これは将来大きな、将来というか現在もそうですけれども、大きな社会問題になると、そのように思いますけれども、厚生労働省の立場からどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/105
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106・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 女性が安心して妊娠、出産をし、また子育てしながら働くことができるようにというふうなことで、再就職の支援ということは取り組む必要があるというふうに厚生労働省として認識しております。
その際に、今御審議ありますように、保育の確保ということも一つの課題でございまして、この点につきましては従来から、まず働いていないと保育に欠けないというふうなことではないと、つまり休職をしてもまた職場に復帰したいんだというふうなことでも保育所への入所申込みはできるようにというふうなことを私どもは従来からやっておりまして、この点についてはこれからも周知してまいりたいというふうに考えております。
それと同時に、まだ二万人を超えます待機児童が都市部を中心にいらっしゃいます。そういうことであれば、全国どこでも休職中の保育所利用を可能とするためにも、引き続き受入れ児童の増加、つまり待機児童のゼロ作戦というふうなことで、この三年で十五万人以上、十五万六千人の受入れ児童の増加ということを保育所を中心にしてまいったわけでございますけれども、それでもなお二万人を超える待機児童がいらっしゃるというふうなことがございますので、その点に留意すると、これからも頑張ってまいりたいというふうに考えております。
また、この法案に即して付言いたしますれば、先ほど大臣の方からもお話がありましたように、保護者が就労を中断していったん子育てに入ってその後再開したということになれば、じゃ幼稚園から保育所に行くのか、あるいは産休に入ったらば今は保育に欠けないから保育所から出ていってくださいというふうなことがあってはいけませんので、そういう一貫した教育、保育を受けるというメリットがこの認定こども園制度にはあるというふうに認識しておりますし、また待機児童ゼロ作戦という観点からいえば、先ほど具体的な効果の人数は、なかなかうまく数字を今のところ想定できないということは御答弁申し上げましたけれども、しかしながら、いろいろな施設基準の特例であるとか認可定員の特例をすることによりまして、特に幼保連携型の認定こども園を中心に保育サービスの拡充というふうなこともあろうかと思います。
このように、いろいろな手段を講じて、働きたい女性におきまして妊娠、出産がハンディとなることがなくなるような努力ということは、私ども、いろいろな雇用均等行政も含めまして、これからも続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/106
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107・広中和歌子
○広中和歌子君 非常に熱心に、また誠意を持って答えていただいたんだろうと思いますけれども、こうした不公平を是正するために今回の幼保一元化はどのように本当に役に立つんだろうかと。そのためには、認定保育園で預かる子供の数は増えるんだろうか、トータルで増えるんだろうかと、そこのところを確認したいと思うんですが、もう一度よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/107
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108・白石順一
○政府参考人(白石順一君) ちょっと繰り返しになりますけれども、就労を中断、再開することによって施設への入所の資格が変動することがないということが今回の認定こども園の一つのメリットであるというふうに考えておりますし、また、これも繰り返しになりますが、保育所の認可定員であるとか、あるいは施設設備基準の特例、あるいは補助の特例というふうなことを活用することによりまして待機児童の減少、つまり受入れ児童の拡大というふうなことに役に立つというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/108
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109・広中和歌子
○広中和歌子君 予算なんでございますけれども、要するに一元化されて、そして幼稚園が保育所の機能を持つとか保育所が幼稚園の機能を持つとかということ、そのこと自体を目指していらっしゃるんだろうと思いますけれども、肝心の予算でございますけれども、やはり先ほどの類型でありました、幼稚園型は文部科学省、そして保育園型は厚労省というふうに縦割りになっておりますけれども、その予算そのものが来年度、再来年度とどのように増えていくんでしょうか、それとも現状のままなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/109
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110・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、認定こども園に係る国の財政措置は、既存の幼稚園、保育所の予算を活用して対応することといたしております。
主な幼稚園の予算といたしましては、いわゆる私学助成というものがございます。それから、就園奨励費の補助というものがございます。今年の場合、十八年度については、私学助成については前年度比約三億円増の三百三十七億円の措置をいたしてございます。それから、保育所の予算といたしましては、運営費の負担金というのが大きいわけでございますが、これにつきましては、十八年度、対前年度百八十六億円増の二千九百八十二億円というふうに承知をいたしております。
認定こども園の実施に当たりましては、幼稚園、保育所の予算の枠内で執行されることになるわけでございまして、今後、認定こども園として、十九年度以降の予算におきまして、認定こども園の認定を受ける施設も含めまして、幼稚園、保育所、認定こども園のニーズの状況を踏まえた適切な予算の確保に努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/110
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111・広中和歌子
○広中和歌子君 それで、今一番足りないのはゼロ歳児から二歳児ということですけれども、これを預かる保育園あるいは幼稚園ですよね、幼稚園は三歳児からはどうぞどうぞということなんですけれども、ゼロ歳から二歳までの子供を預かる保育園を、あるいは幼稚園を、あるいは認定こども園を増やすために特別な、何というんでしょうか、計画をお持ちでいらっしゃるんでしょうか。特に都市部においてです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/111
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112・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 先ほど待機児童ゼロ作戦について御説明申し上げましたが、御指摘のように、特に都市部におきまして待機児童多うございます。その中で、特に一自治体当たり五十名を超えるような自治体を中心にして私どもは保育計画を策定していただきまして、そういうところにつきましては、特に重点的に保育所増築あるいは新築をしていただくというふうな形で保育所の定員を増やすように努力をしてまいっておるところでございます。これはこれからも続けたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/112
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113・広中和歌子
○広中和歌子君 これから、今申し上げることはこの法案を超えることかもしれませんけれども、私も日本でゼロ歳児から一歳児の子供が保育されている状況を見ました。とても一生懸命やっていらっしゃるし、そのこと自体全然問題ないわけでございますけれども、同時に、同時に、せっかく産んだ子供ですから、ゼロ歳から一歳ぐらいまでは自分の手で育てたいという母親、父親がいても決して不思議じゃないと思うんですよね。そのために厚生労働省が果たす役割というのは非常に大きいと思うんですね。
官庁であれば男性も女性も育児休暇を取ることができます。男性が取る場合には、私はある方の手記を読んだんですけれども、不可能ではないけれどもかなり勇気が要るということでございました。やはり長年の偏見というのがあると思います。しかし、制度上は、官僚の場合には、公務員の場合は取ることができる。しかし、一般の企業ではそれが難しいわけですよね。また、雇う立場としてもそう簡単に休まれては困るということもあるんじゃないかと思います。
そういうところで、育児休業を取ることに対する、従業員が育児休業を取ることに対する企業側の理解ですよね、それを増すためにどのような役割を厚生労働省としては今後取っていくおつもりなのか、もうちょっとPRが必要なんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/113
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114・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 確かに、育児・介護休業法と略している法律ございます、それによりますれば、労働者は申し出ることにより原則お子さんが一歳までに達するまでの間育児休業をすることができるというふうになっておりまして、その間の育児休業のいろいろな保障もあるわけでございますけれども、ちょっと記憶で答弁して申し訳ないんですけれども、男性の場合、一%はまだ取得していない状況にたしかあったかと思います。非常に男女の格差があるところでございます。
これにつきましては、啓発活動というのは今後ともしていかなければならないわけでございますけれども、そのほかに、次世代支援の育成というスキームの中で、それぞれの、特に大企業、三百人以上の企業でございますけれども、次世代育成の支援のための行動計画をそれぞれ作ってくださいと。その中には、そういう育児休業はどういうふうにするかとか、そのほかに子供の病気のときの休暇をどうするかとか、いろいろなことを記載して、その方向でやってくださいというふうなことにはなっております。なっておりますけれども、まだまだ実行面においていささか劣る面があることは御指摘のとおりでございますので、厚生労働省といたしましても、きちんとそういう育児休業、権利としての育児休業が、きちんと取るということの職場環境づくりということ、あるいはそれを支援するいろいろな仕組みというものを今後とも活用してまいりたいというふうに考えております。中小企業でございますけれども、今年度予算におきまして、育児休業を最初に取得した場合、それを支援する企業に対しまして百万円を限度とする助成をするというふうなことも今年度からスタートいたします。
そういういろいろな知恵と工夫を取りまして、今後とも育児休業の普及、あるいはお子さんをやっぱり小ちゃいころは一緒に育てたいというニーズにこたえてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/114
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115・広中和歌子
○広中和歌子君 答弁席にせっかくお二人の副大臣、政務官がいらっしゃるわけで、コメントをお伺いできたらと思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/115
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116・中野清
○副大臣(中野清君) 委員の御質問にお答えいたしますが、育児休業支援といたしまして、一つは、地域における子育ての相談とか、それからまた親子の集いの広場、そういうものが今は欠けておりまして、これについては今一生懸命やろうとしております。
それから、先ほど来大臣のお答えございましたけれども、先ほど委員も、一、二歳の待機児童が多いというのは、これはもう本当に率は、たくさん、多くございまして、それを解消するというために、人員の問題も、幼稚園においても十人いればそれを認めようというふうなことも考えておるわけでございますし、またその中で、例えば幼稚園、そういう小規模な幼稚園におきましては、調理室等も作らなきゃいけないというのが、これはもう常識でございますけれども、それを、例えばそういう小さいところについては、この辺についてのいわゆる外部からの搬入も認めるとか、そういう意味で今実験をといいましょうか、そういう意味でのことをできる限りしろということが今の、現在における対策で考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/116
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117・広中和歌子
○広中和歌子君 ありがとうございます。
ただ、女性の方に答弁していただきたいと思ったものですから、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/117
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118・西川京子
○大臣政務官(西川京子君) ありがとうございます。
広中委員の、実際は自分の子供はできれば一歳ぐらいまでは自分の手で育てたい、私は本来そうあるべきだろうと思っております。そのために育児休業制度というのを整備を一生懸命厚生労働省としても整えているところでございます。現実に公務員の方々あるいは大企業ではかなり進んでいるわけですが、その中で特に男性の方がまだまだ少ないという現実もあります。
そういう中で、確かに次世代育成支援法ができましたときに、大きな、百人以上の企業にはある程度の行動計画を作って、三百人以上のところにはそういう行動計画を作って育児休業をなるべく取りやすい環境整備に企業が努力せよという義務も課しました。そういう中で、今現実に景気が厳しい中で、厳しい状況が続きましたが、ややそういう方向が、いい方向に少しずつ改善している方向は事実だと思います。
その中で、厚生省としても、そういうふうに企業が、子育てしやすい環境を頑張っている企業を表彰すると、そういう制度も今設けまして、毎年そういうことも行っております。
そして、いわゆる専業主婦の人も一時的に預けられる、そしてその次にまた再就職を目指す女性にもという、そういう制度は今後、これから一生懸命、本当にそれが本来の私は姿だと思いますので、働き方をフレキシブルにしていく、そういう方向で厚生労働省も頑張りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/118
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119・広中和歌子
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
大変前向きな御答弁だと思いますけれども、女性が一時中断してもまた働き続けるためには、やはり育児期間中でも様々な形で社会とのコンタクトを取る必要があると。そういった状況があるにもかかわらず、保育に欠けないという理由で保育所からシャットアウトされるというのは、そしてまた、今の日本ではベビーシッターなどというのはなかなか得られない。そういう状況の中で本当に子育てを選ぶ、それは非常に大切な、すばらしい体験だと思いますけれども、そのために被らなければならないいわゆる機会費用というのが何億円にも達するといったような状況、これはやはり是正していかなければならないんではないかと、そのように思う次第でございます。
何かありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/119
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120・白石順一
○政府参考人(白石順一君) おっしゃるとおりでございまして、この認定こども園の中におきましても子育て支援機能というのを必須の機能にしたというのは、そういう点も踏まえたものと御理解いただければと思います。
ある調査によりますれば、子育てでの悩みというものは逆に専業主婦である御家庭のお母さんの方が多いというふうな事例もございますので、そういう施設に通って、施設というのは保育所、幼稚園に通っておられるお子様以外のお子様、特に親御さんも一緒にこういう子育て支援機能の方を是非活用していただければということもありまして、これを必須の機能というふうにさせていただいております。
それから、ちょっと、一つ申し訳ございません。私の答弁で三百人以上と申し上げましたが、ちょっと念のため確認します、三百一人以上でございました。そこは訂正させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/120
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121・広中和歌子
○広中和歌子君 ちょっと話題を変えます。
日本では一歳から四歳児の死亡率が非常に高いと。先進十四か国中最も高いという調査結果がございます。これは事実なんでしょうか。なぜ子供の死亡率が高いのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/121
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122・西川京子
○大臣政務官(西川京子君) 様々な、日本は、子供、要するに死亡率が非常に少ない、言わば先進国の中でも医療の分野で大変進んでいるという、自負しているのは事実なんですが、なぜか不思議に、確かに一歳から四歳までの間の死亡率が高いのは事実でございます。
要するに、この中で日本の医療制度が不備だからという御批判はちょっと当たらないように思うんですね、それはそれ以外の年齢のところは圧倒的に日本は他国より優れているわけですから。だから、この一歳から四歳までが非常に低いという原因が、いろいろな調査をしておりますが、正直申し上げると決定的な理由は分かりません。
それが、その中で、お医者様によると、ゼロ歳児の死亡率は、また今度圧倒的に日本は少ない、低いんですね。非常に大きな、ある程度医療費を掛けて、未熟児その他ゼロ歳児を徹底的に救うと。そういう結果として、その後の、一、二年遅れてその結果がここの一歳から四歳に出てくるのではないかという意見もあります。
そういう中で、大きなはっきりとした原因は正直申し上げて分からないのが現実です。今後、一生懸命探ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/122
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123・広中和歌子
○広中和歌子君 原因はいろいろあるのかもしれませんけれども、小児科医が不足しているということも原因ではないかと言われております。
米国との比較したデータがあるんですけれども、日米の人口の違いによる調整をした上での話でも小児科医は米国の半分しかいないと。ちなみに、産婦人科も米国の八割の水準であります。少子化が叫ばれる中、産婦人科や小児科医を増やす必要があるんではないかと、そういうふうに思いますけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/123
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124・西川京子
○大臣政務官(西川京子君) 実は、単純に人口比で比較した調査では確かに非常に半分ぐらいという数字が出ているんですが、実は十五歳未満人口比ですね、子供、十五歳以下の人間を対象にした人口比ですと、日本の場合、米国の要するにお医者様が一人で米国の場合一人の患者を診るのに対して、日本人は一・三人を診るぐらいの差であって、米国の人が例えば百人の患者に対して百人の小児科医が診る場合、日本人は二十二の小児科医が二十九人の患者を診る程度の差なんですね、十五歳以下の人口に比較すると。
ただし、今現実として小児科医の不足と産婦人科医の不足が非常な問題化していることは事実でございます。小児科医に関しては、毎年少しずつですが増えております。なぜこうなのかというと、やはり地域の偏在、きちんとうまく需要と供給が、バランスが合っていないというのが最大の課題でございまして、産婦人科医に関しては、やや、少し減っております。
そういう中で、今厚生労働省としても、この医療制度改革、今回の改革の最大のテーマがこの問題でございまして、周産期医療の充実と小児科医の体制、あるいは救急医療の体制ということですが、これはお医者様の、今回の研修医制度によってお医者様の意識の変化ということも大きな原因の一つであることは事実です。研修の二年間をいろんな科を研修することによって、できれば楽な方に行きたいという、ちょっと嘆かわしい風潮もあるのは事実ですが、現実にそういう中である程度集中化することによって充実していくという方向を取りあえずの方策として考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/124
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125・広中和歌子
○広中和歌子君 研修医の制度がどのようなインパクトを与えているのか、私は専門家じゃないから分かりませんけれども、やはりある程度、内科医であるとか婦人科医であるとか小児科医であるとか、なくてはならないお医者様が地方に余りいないという、そうした医師の偏在というのはこれはもう是正していかなくちゃならないと思うんですね。もちろん、強制的にできないのであれば、もうちょっとインセンティブをつくっていくことが必要なんではないかと思います。
今年の医師国家試験では、私立大学の、私立医大の合格者は二千九百十五人、国立大卒は四千八百七人といるわけですけれども、その私立大学、私立の医学部を卒業するのに掛かる費用というのは二千万円を超えます。それから、国立の場合でも三百五十万と、非常な費用が掛かると。
そういう中で、卒業したらできるだけ、楽という言葉をおっしゃいましたけれども、多分収入が多いということをおっしゃっているんじゃないかと思います。そういうようなことはもっと国の政策で変えられるんではないかと。特に、文部科学省も、大臣にお伺いいたしますけれども、大学、特に私立大学の医学部の学生に向けての奨学金、それを検討なさる必要があるんではないでしょうか。
そして、かつて女性の場合でしたけれども、教師になるために高等師範とか師範学校に行くと学費が免除になり、しかしその後働くことが義務付けられているという制度があったわけですけれども、医学部に関してももうちょっと寛大なというんでしょうか、そうした奨学金制度、しかし卒業後は必要な分野で働いてもらうという一筆を書いてもらうと。これは是非必要なんではないかと思います。
アメリカの場合も、そういった奨学金が州であったり、あるいは自治体であったり、あるいは私立というんでしょうか、財団などでの奨学金がございまして、そして人が行きたがらないインナーシティーというんでしょうか、非常にスラム街であるとか農村であるとか、そういうところに医師を派遣するというような工夫もしているわけでございますけれども、日本も平等社会から格差社会に、地域と都市の格差が広がっている中において、このような工夫もそろそろ始めていかないと遅過ぎるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/125
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126・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 広中委員が御指摘のように、今日の医師不足というのはもう本当に真剣な深刻な問題なんですね。たまたまお嫁に行った先のところに産婦人科医がいないためにお産すら安心してできないという状況は、これは直ちに解消をする努力が必要だと思いますが、一方では、以前に比べて、言ってみれば訴訟リスクというような言葉で表現される場合もありますが、医療事故が起こりやすいとかそういう科目を避けるとか、あるいは技術的に時間の掛かる、習熟が非常に必要な科目を避けるとか、いろいろな事情で小児科とか産婦人科を始めとした医師が不足しているという現状にあるわけで、私は、一つは、今委員のおっしゃったような奨学金制度の充実ということはこれからお答え申し上げたいと思いますが、同時に、研修制度の中で、今まではその地域の出身者を入学定員枠を設けて採るということをやっておりますけれども、そうではなくて、その地域に就職をするという、いわゆる医師としての、医師として働いていただく人を優先的に採る枠をやはり地方の大学でも作っていただくようなことを考えていただくといいかなと。例えば十年間、卒後研修を含めて十年間のうちの八年間はその地域で必ず働きますという誓約書を書いていただいて、それでその枠を提供するというような、何かそういうことも必要なのかと。自治医大等でも努力はしておるわけですが、なかなか離島等の、あるいはへき地の医療が改善しないという状況にあるので、いろんな方法をみんなで考えて、そうしてそういうところで働く方に対してみんなが感謝をしながら、そういった医師の環境を整えていくことが必要だと思います。
その一環として、今御指摘の奨学金制度でございますけれども、この医師不足の問題として、平成十五年十一月に厚生労働省と総務省と連携して地域医療に関する関係省庁連絡会議を設けて、また十六年の二月には取り組むべき課題としてこの問題を取り上げ、また十七年の八月には医師確保総合対策というようなことを三省庁が連携して取り組んでいるところですけれども、顕著な実績が出てきていない段階でございます。
地域医療を担う医師の確保につきましては、医師不足の問題を抱える地方公共団体において医学部の学生を対象とした独自の奨学金制度を設けている例も数多くあるわけでございますけれども、ほとんどの場合、卒後の一定期間、特定の地域での医療機関において医師の業務に従事することを条件に返還免除をするというような形でインセンティブを働かせているような状況でございます。
このような奨学金は、地域に貢献する医師の確保という観点からは有意義で有効なものと思っているわけですが、今後とも地方公共団体の積極的な取組を待つという形になるわけでございまして、私どもとしては、日本学生支援機構の奨学金事業について、特定の職業を対象とした返還免除を実施を以前はしておったわけでございますが、公平の観点から平成十六年度にこれを廃止しております。大学院進学のインセンティブや在学中の勉学の励みとするなどの観点から、大学院で特に優れた業績を上げたと認められる人に対して返還免除をするという制度に転換をされているわけですけれども、今日のような医師の不足をかんがみますと、こういった考え方はあながちただただ公平の観点から否定すべきでなくて、若干、この医師不足解消のためにはまた復活を含めて考えていかなきゃいけないんではないかと、このようにも考えるわけでございまして、ただ、しかしながら、この問題につきましては、厚生労働省、総務省とも連携しなければいけない問題でございますので、積極的にかつ慎重に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/126
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127・広中和歌子
○広中和歌子君 こういうところでも縦割りを排除して総合的な政策を是非やっていただきたいと思います。
ついでにもう一つ伺うわけですけれども、やはり人材を育てるということ、国の方針として非常に大切なことだろうと思います。もちろん本人の意欲がなければできないことですけれども、上に行けば行くほどそうした教育の機会というのは、意欲のある人そして能力のある人に重点的になされるということも国の方針として必要なんではないかと思います。
平成十七年六月に経済財政運営の構造改革に関する基本方針二〇〇五の中で、高等教育の質的向上を図るため、奨学金制度による意欲、能力ある個人に対する支援を一層推進するとなっているんでございますけれども、大学、大学院への奨学金はどのようになっているのか。
今子供を産まない一つの理由として、教育にお金が掛かるということです。大学まで親が子供を送るというのはもう大変なことなんですけれども、それは何とかできるけれども、そこから先のことになるととてもじゃないけれども親は面倒を見切れないと、優秀な方がやむなくそこで学業をやめて就職するということがかなりのケースであるんではないかと思います。就職することが悪いと言っているわけじゃございませんけれども、伸びる人は、そして意欲のある人はどんどん奨学金で勉強できるような状況を準備するということは国の責任だろうと思いますけれども、どのような現状か、まずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/127
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128・石川明
○政府参考人(石川明君) 人材養成の重要性の観点から、大学院レベルの奨学金についてのお尋ねだと理解をしておりますけれども、おっしゃるとおりに、特に大学院生など人材育成の観点から奨学金事業を充実していくということは大変大切なことだと私ども考えております。
現在、日本学生支援機構で行っております奨学金事業につきましては、大学院生に対しましては、平成十八年度予算におきましては貸与人員約八万八千人に対しまして事業費一千六十三億円を措置して事業をしているところでございまして、貸与要件を満たす希望者はほぼ全員を採用できているという状況でございます。
また、貸与月額の水準につきましては、無利子奨学金の場合は大学院の博士課程で十二万二千円、有利子奨学金の場合は学生の希望選択制ということになっておりまして、大学院の場合は五万円、八万円、十万円、十三万円というような状況でございます。
今後ともこれについては一層の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/128
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129・広中和歌子
○広中和歌子君 例えばスタイペンドみたいな、何というんでしょう、お返ししなくていいような奨学金というんでしょうか、そういうものは考えられないんでしょうか。借金を背負って卒業するというのもちょっと気の毒、大変なことでございますし、例えばヨーロッパやアメリカなどでは、大学院の学生は教授のアシスタントというんでしょうか、助手というような形で要するにお金をもらう、給料をもらう、そのような制度があるわけでございますけれども、そういった種類の、無利子ということだけじゃなくて、返さなくていいそうした奨学制度というのが必要なんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/129
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130・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 先ほども優秀な成績の場合には返済免除等の条件があるということを申し上げたわけですけれども、話が大分奨学金の話等になって認定こども園から少し離れているわけですけれども。
今、ヨーロッパ型とおっしゃいましたけれども、日本においても、日本学生支援機構の奨学金事業は、返還を通じて学生の自立心や自己責任などの教育的効果も期待できること、それから返還金を再度原資として活用することによって希望する学生を幅広く対象とすることが可能になること、また給与制で実施した場合、膨大な財源が必要となってしまう等々から、昭和十八年の制度創設以来貸与制度で事業を実施しているところであって、これを国費留学生並みの給与制にすることについては現状ではまだ困難であろうと考えておるわけでございますけれども。
私は、個人的な見解としては、やはり日本の学校制度の中で、もっと税制面からも多くの方々から寄附というものが得られやすい制度に変えていって、直接学校法人等が寄附を受けられるような、今でもかなりの部分は認められておりますけれども、自分の財産、全財産を寄附して自分の名前を冠した図書館や体育館を作ってもらうとか、そういったこともできるような税制というのは一考に値するだろうと思っております。
そういった枠の中から奨学金制度も新たなものをそれぞれつくっていただいて、民間の奨学金制度が一層充実するようなこともひとつ皆さんに御協力をお願いしておかなきゃいかぬなと、こうは思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/130
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131・広中和歌子
○広中和歌子君 片や、外国から日本に留学する留学生というのはかなりいい奨学金をもらうことができるということを何年か前に私は知りまして驚きました。研究留学生ですと月額十七万五千円、学部留学生でも月額十三万五千円。これですとアルバイトをしないで勉強に専心できると。すばらしいことだと思います。そうであれば、日本でもそういうすばらしい方に、優秀な方に同様の奨学金がなぜ与えられないのかと。いったん与えられたら何年間でもいいというんじゃなくて、毎年その成績をチェックしながら、優秀な方にはどんどんそうしたインセンティブを与えるということは絶対にこれからの人材育成に必要だと思うわけでございますけれども。
外国人を呼ぶこと、そして彼らにいい奨学金を与えること、これはすばらしいことだと思います。だけど、日本人をお忘れではないでしょうかということも同時に申し上げたいんです。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/131
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132・石川明
○政府参考人(石川明君) 奨学金の給付制等に係る問題点とか課題につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。
今委員の方からは、留学生、国費留学生並みにその給付制、そんな形の奨学金を国内の学生にも考えるべきではないかというお話かと思っておりますけれども、国費留学生の奨学金につきましては、主としてといいますか、留学生の生活面に着目をして設定をされているという考え方でございます。そういった意味では、生活の安心、そして安心して勉強に励むことができるという観点に着目をしておりますので、その金額もある程度高くなっておりまして、そういった点で学生の、日本の奨学金の場合に返還時の負担等も考えますと、この点、なかなかにわかにそれと同じようなわけにはいかない、慎重に考えるべきかなと、こんなふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/132
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133・広中和歌子
○広中和歌子君 難しいことはよく分かりますけれども、しかし、例えば理科系の学生にとりまして、アルバイトをしながら勉強しなくちゃならないといったような状況というのはやはり問題だろうと思います。日本の学生さんたちも、大学を出たら親から独立して暮らしていかなければならない、それは留学生とほとんど同じような状況だろうと思います。
そういう意味で、もうちょっと日本人の学生に、大学院の学生に対しても重点的にそうした奨学金、それも返さなくていいような奨学金、特別奨学金みたいな制度をつくることによって、何というんでしょうか、勉学する、研究する意欲を高めるということを是非お願いしたいと思うわけでございますが、最後に、先ほど大臣、丁寧にお答えいただいたわけですが、決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/133
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134・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 国費留学生は、日本を理解していただいて、そして祖国に帰って日本の理解者として活動していただく、また優秀なリサーチャー等が、その卵の人に日本に来ていただいて一緒に研究をしていただいて、日本の研究も促進できるような効果もねらって、これもまた充実をする必要があると考えているところですが、今委員が御指摘のように、日本の大学院生等についてもいろいろな支援を考えるべきだということでございます。
現在では、フェローシップやティーチングアシスタントあるいはリサーチャーアシスタントというような形で手当が支給される制度もあります。いずれにいたしましても、大学院生に対する経済的支援というものももっと充実すべきだという御提案もございますので、今後そういったものも含めながら、いずれにしても経済的な環境で自分のそれぞれの勉学意欲がありながら道が閉ざされるということのないように、優秀な科学者、優秀な研究者が育つように奨学金制度というのは常に充実を心掛けなきゃいけないと、この点については私も同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/134
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135・広中和歌子
○広中和歌子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/135
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136・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
午後零時二十五分休憩
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午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/136
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137・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/137
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138・蓮舫
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。
今日審議されている認定こども園について、午前中の審議を通じて感じたことは、政府・与党が御提案されていること、そして私ども民主党が考えている、こども園が必要だという、この考え方では全く一致していると思うんですが、実際に制度をつくるときに、その制度の在り方についてまだまだ大きな差があるという思いから、大臣を中心に答弁をお願いしたいと思います。
小泉内閣メールマガジンの少子化アンケートでは、五五%の方が希望すればだれでも預けられるような保育所を増やしてほしいと答えている。二人に一人。つまり、保育に欠ける欠けないではなくて、希望する方すべてに同じような福祉や教育を行っていただける施設をつくることが本当に切望されている。是非、大臣におかれましては、この審議の間において、こども園の施設の在り方、政府案では残念ながら一つのこども園ということではなくて四種類のこども園に分かれている、しかも母体によって補助金や交付金の在り方が違う、入った施設によってお子さんが受ける教育、保育の質にも残念ながら差が出てくるんではないかという、そういうまだまだ疑問がございますので、是非柔軟な答弁をいただきたいと、まずもってお願いを申し上げます。
認定こども園においては、所管する省庁が厚生労働省と文部科学省にまたがっております。大臣は、幼保連携推進室を設けて一体的な事務処理体制を取っていくと、このように答弁をされているんですけれども、私ども民主党が、将来的には子ども家庭省、その第一歩として内閣府にその一元化の窓口を設けたいというのは、事務処理を一体的に行うのはもちろんなんですけれども、交付金や補助金が母体によって分けられてしまうという事態も避けていきたいという思いから御提案をさせていただいているんですが、大臣はこの窓口と併せて交付金、補助金も一体化していくというお考えはお持ちなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/138
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139・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) まずもって、蓮舫委員におかれましては、こども園を設置するという考え方については全く一致しているとおっしゃっていただいたことは、私にとりまして本当に有り難いことでございまして、希望の持てる話だと思っております。
就学前の子供に関する教育、保育につきましては、小学校以上の教育行政、そしてまた地域の子育てなどの支援を行います福祉行政、それからお母さんを始め家庭全体での働き方などの見直しによる労働行政、これらを一体的に推進していく必要があると考えておりまして、したがって、幼稚園、保育所の行政のみを切り出して一つの省庁、子ども省のような形の一つの省庁に所管を一元化するという考え方もあるかもしれませんが、私どもはそういう形ではなくて、文部科学省と厚生労働省が密接に連携をしてこれらの関連する分野も含めてきめ細かく対応していくことがそれぞれの地域のニーズに対応しやすいことだと思っているわけでございまして、このために両省が協力して幼保連携推進室を設けるという話をしたところで、それは今委員からも御指摘をいただいたとおりでございます。
そこで、その窓口の一本化を図って一体的な事務処理体制を整えるなどの措置を行って、両省で緊密な連携協力を図りつつ、制度の適切円滑な施行に努めることが私どもとしては適当と考えておりまして、交付金や補助金は、これを一本化するということではなくて、今申し上げたように一体的な事務処理体制を整えるという形で対応させていただきたいと、このように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/139
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140・蓮舫
○蓮舫君 密接に連携をしてきめ細やかな対応をするというのは、それは当然なことだと思うんですが、施設によってやはり予算措置が違うと同じ対応ができないと思われるんですね。やはり、今回四種類に分けている、まあ地方裁量型は国からの補助がございませんが、三種類、種類が、分類が分けられているというのは、これは予算の問題だけだと思うんですよ、単純に。
そこで大臣にお伺いしたいんですが、来年度予算編成で、両省からすべてのこども園にすべからく同じような補助金、交付金が交付できる努力をされるんでしょうか。そうなった場合、当然今回の法案とそごが生じてきますので、また改正が必要になってくるんですが、すべてのこども園に同じ対応の補助金、交付金をするのであれば、私どもも積極的に、もう審議抜きでもすぐ賛成させていただきたいと考えておりますので、お伺いさせていただきたい。
大臣は、来年度予算、幼稚園型、保育所型、連携型、地方裁量型にかかわらず、こども園への予算措置がきっちりされるように努力をされるのか、それとも今回の法案のように四つのタイプに分けて予算措置を臨んでいくのか、どちらの姿勢で臨まれるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/140
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141・馳浩
○副大臣(馳浩君) 認定こども園という制度ができて予算要求をする場合には、より充実した予算が図られるように努力をすることは言うまでもありませんが、現状では機能別に、類型別に予算要求をすることになります。
具体的に申し上げますと、幼保連携型は幼稚園と保育所の双方の補助の組合せです。幼稚園型は従来どおり幼稚園の補助制度を活用します。保育所型は従来どおり保育所の補助制度を活用します。地方裁量型は、国の財政措置はなく、地方自治体の一般財源において対応することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/141
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142・蓮舫
○蓮舫君 是非ここで予算要求の幅を狭めないでいただきたいんですね。類型別に要求していくというのは、これ従来と何も変わらないわけであって、改革を掲げている政府・与党であれば、特に子供に対する改革ということであれば、それはすべての子供がやはり同じ保育、教育を一つの施設、四類型にかかわらず、どの施設に行っても受けられる、そんな予算の措置を講じていただく努力をしていただきたいと、まずもってこれはお願いをさせていただきます。
確認をさしていただきたいんですが、衆議院の審議で、両省は地方公共団体レベルにおいても窓口の一本化を図られるよう協力を促していくと言っているんですが、ちょっと細かい話になるんですけれども、例えば東京都では、保育所、公立幼稚園は都の認可なんです。ただ、九割を占める私立幼稚園の認可は市区町村なんですね。そうすると、ほとんどの私立幼稚園認可は市区町村が窓口なんですが、その私立幼稚園がこども園になりたいと申請するのは東京都なんですよ。そうすると、これやはり窓口が市区町村と都と、やはり事業者にとって負担が生じることが想定されるんですけれども、これは政府としては、事業者負担軽減のために今後窓口を一本化するというのは、都道府県の窓口を一本化する、市区町村の窓口をそれぞれ一本化するという意味なのか、それとも各自治体の事情を勘案して、都道府県と市区町村のその連携、その間の連携を取った窓口を一本化するという意味なのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/142
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143・馳浩
○副大臣(馳浩君) 一言で言えば、やっぱり連携を取って一本化をするということになります。
具体的に申し上げさしていただきます。
認定こども園制度を円滑に実施していくためには、利用者や施設の立場に立って窓口事務などの一本化を図ることが重要であると考えております。このため、法律案においても地方自治体の関係機関間の連携協力義務を規定しているところであります。これは法案の第十一条第二項のところでございます。これに基づいて、幼児期の教育、保育に関する保護者向けサービス窓口の一本化、認定こども園の認定申請及び幼稚園、保育所の認可申請の受付窓口の一本化、補助金申請窓口の一本化などの事務の一元的な対応が図られるように促してまいりたいと思います。
また、都道府県と市町村の関係については、基本的には都道府県においても市町村においても窓口を設けていただくようにしつつ、両者がしっかりと連携をして、認定こども園の認定など、都道府県が権限を有する事項については、市町村や特別区が相談に応じた場合にはしっかりと都道府県につないでいただけるように、また保育の実施にかかわる事項など、市町村や特別区が権限を有する事項については、都道府県が相談に応じた場合にはしっかりと市町村につないでいただけるように促すとともに、地域の実情に応じて認定事務を市町村や特別区を経由して行うなどの工夫も促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/143
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144・蓮舫
○蓮舫君 確認なんですが、都道府県と市区町村の窓口、それぞれ一本化しても、この間が連携が取れていなかったらそれぞれ不便なんですね。都道府県から市区町村に事務を委任することになって、委任費が発生しますので、新たな財政支出というのが出ますから、この財政支出があるんだったら子供に関する予算に回した方がより合理的だと私は考えておりますので、政省令事項で結構なんですけれども、市区町村経由で申請を可能にすればここの間の連携というのは取れると思うんですね。是非そのことは前向きに検討していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/144
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145・馳浩
○副大臣(馳浩君) 連携ということをすれば当然そういう事態が発生すると思いますので、検討をさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/145
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146・蓮舫
○蓮舫君 次に、どんなに窓口を一本化しても、やはり私は、補助金、交付金が縦割りのままだと、こども園になる施設はそれぞれ認可を受けていない教育部分、福祉部分を行うんですが、そこに掛かる代金を施設が持ち出すことになって施設側に相当な財政負担がのし掛かると考えられます。
中でも事務作業も、これも面倒になってまいりますが、例えば会計作業、幼稚園型こども園では学校法人会計基準、保育園型こども園は社会福祉法人会計基準で、共通経費は、これはそれぞれ分けるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/146
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147・馳浩
○副大臣(馳浩君) 多分、現場の事務処理をする職員の方々は大変そういう点での不安を抱えておられると思いますので、ここは明確に基準はお示しをして、理解をいただく作業は事前に進めておきたいと思います。
幼保連携型の認定こども園の会計処理は幼稚園と保育所とで経理を区分することになります。しかし、学校法人会計基準及び社会福祉法人会計基準では、共通する経費については、個々の品目ごとではなく、給食費、高熱水費などの支出科目ごとに人数案分するなどの取扱いを認めております。補助金の適正化などの観点から経理の区分は必要でありますが、こうした取扱いを周知することなど、認定こども園の設置者に重い負担が生じることのないように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/147
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148・蓮舫
○蓮舫君 例えば、水道代なんかなんですね。そうすると、その共通経費なんですけれども、恐らくおっしゃっているのは、幼稚園児が十人、保育園児が五十人だったら、六十で割って十人分を幼稚園側で、五十人分を保育所側で処理をしなければならないと。
ただ、そんなにきっちり分けられるのかと。細かい話なんですけれども、幼児というのは夏休みがありますよね。だけど、保育園に通う児童はないわけですよね。夏、保育園の子供たち、プール入るじゃないですか、あるいは、いる時間が四時間、八時間でトイレの掛かる水道代も違ったりして、こういうことまで具体的にリアルに想像してつくっているこだわりというか、こども園設置者に負担が生じることのないように努めるという配慮だとはちょっと思えないんですが、どんな配慮なんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/148
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149・馳浩
○副大臣(馳浩君) 基本的には、現行でも両方会計基準があってやっているわけでありますから、その辺はやっぱり、今、蓮舫委員御指摘いただいた、これはどうなるんですか、これはどうなるんですかということは多分生じ得ると思いますから、そういった声を事前にできる限り拾い集めて対応し、まさしく案分でできるようにすべきだと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/149
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150・蓮舫
○蓮舫君 事前に対応するといっても、これは十月一日から施行したいと考えているわけですよね。あともう日にちがないと思うんですけど、余りにも私は拙速な法案審議、拙速な法案提出だということを指摘さしていただきたいんですが。
次に、消費税の扱いについてお伺いいたします。
福祉、教育等の一定のサービスについては、社会政策的な配慮から極めて例外的に非課税になっています。ただ、幼稚園は、教育に掛かる、いわゆる授業料は非課税なんですが、送迎バスとか給食費は課税だと。だけれども、これ保育所は、福祉サービスとして送迎バス、給食費あるいは保育内容もすべて非課税だと。
これ財務省にお伺いをしたいんですけれども、財務省としては認定こども園において消費税の扱いはどうあるべきだとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/150
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151・佐々木豊成
○政府参考人(佐々木豊成君) ただいま委員の御指摘のように、現在の消費税法の取扱い上、幼稚園と保育園の様々なサービスに掛かる消費税につきましては取扱いを異にするところがございます。
今度、認定こども園ということになりました場合にどういう取扱いになるのかという御質問でございますけれども、認定こども園につきましては、法律上その認定を受けたといたしましても、幼稚園又は保育所としての認可の性格や位置付けは維持されるということとされております。したがいまして、消費税につきましても、基本的にそのような取扱いが維持されるということを踏まえまして、認定こども園の類型に応じまして引き続きそれぞれ教育又は福祉として非課税の対象ということになると考えております。
具体的に申し上げますと、幼稚園型、幼稚園がこども園としての認定を受けた場合でございますが、これは教育の対価として支払われるものについて非課税と。それから一方、保育所型、保育所等がこども園として認定を受けた場合ということでございますが、これは社会福祉事業として非課税という、この趣旨に沿った課税がなされると。それからまた、幼保連携型につきましては、幼稚園児に掛かるものは教育として、保育園児に掛かるものは社会福祉事業としてそれぞれ取扱いがなされるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/151
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152・蓮舫
○蓮舫君 つまり、幼稚園型こども園では教育に掛かるのは当然これは非課税で、それ以外は課税対象なんですけれども、保育所型こども園では教育は非課税だと、幼保連携型ではそれぞれ分けると。
文部科学大臣は衆議院の御答弁の中で、やはりこれ分かりづらいから、分かると思います、その表情を見ておりますと、多分同じ思いなんだと思います。分かりづらいと。水道代も光熱費もそれぞれ幼稚園型、保育園型で取っていくと、消費税もそれぞれ教育、教育以外、あるいは社会福祉なのかそうじゃないのかで分けて取っていくと。こういう細かないわゆる会計的なものにおいて非課税扱いを要望されておりますけれども、これ、引き続き要望されていくんでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/152
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153・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 先ほど副大臣の答弁申し上げた部分からもう一度申し上げますと、給食費、光熱費のようなものは案分するというふうに申し上げました。その中で、異なる経費区分で共通する経費、これは個々にやるとおっしゃるように大変なことになってくるんですね、事務手続が。ですので、給食費なら給食費として一括、どっち側にキャベツを使った、どっち側にキャベツ使っていないとかそういうことではなくて、一括。それから、光熱費もそういう形で案分して、水道を、夏、片っ方の方がたくさんプールを浴びたかもしれないけれども、それはもう案分してしまおうという便宜的な会計処理を案内をして、そのようにしていただくことである程度軽減化を図りたい。
また、現在既に学校法人であって幼稚園と保育所とを両方経営しているそういう法人もあるわけでございますので、そういう中でそれぞれの区分についての会計の仕組みというのは周知されておりますから、そういうところには新たに言わなくても、もう私どもはよく分かっておりますと、こういうことだと思いますから、そういう観点で合理的に処理していただくことをお願いをする。
さて、今御指摘の例えば給食費とかバス代について、保育の方は保育費の中にこれ入っていますから、ですからこれは課税対象にならない、非課税で扱われる、しかし幼稚園の場合には、授業料という形で、バス代と給食費には消費税は掛かる、これは誠に不合理ではないかという御指摘については、私も実はそのように思うんですよ。ですから、そういう意味で財務省当局に対しても、今お話ありましたけれども、引き続き私どもとしては理解を得られるような要請をしてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/153
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154・蓮舫
○蓮舫君 財務省にお伺いします。
今文科大臣が御答弁にありましたけれども、どのこども園においても、非課税なら非課税、全部課税するなら課税、まあこれはあってはならないんですけれども、全部非課税にするという御要望は受け入れられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/154
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155・佐々木豊成
○政府参考人(佐々木豊成君) 税制改正の要望がございましたら、それぞれの場におきまして御議論されることと思いますが、現状におきまして私どもの考え方を整理して申し上げますと、特にこういう政策的配慮を行います税制というものは、前提となります政策、それに基づく制度というのがございます。税制は、その制度を援用していろんな例外を設けたり非課税としたりすることによりまして明確な線引きをしているわけでございます。
そういう中で、現状を申し上げますと、給食費について申し上げますと、例でございますけれども、保育園の場合には保育に欠ける乳幼児を長時間預かるということで、食事の提供というものはその事業として当然前提とされていると。それから、児童福祉施設最低基準などにおきましても、調理室を設けるということが決められております。そういうことで、全体の福祉の、児童福祉の一環としてとらえられるものと考えております。
他方、教育につきましては、現行の消費税法を申し上げますと、授業料とか入学金だとか検定料だとか、そういう教育に掛かる対価としてのものが非課税になっております。給食につきましては別途、対比が非常に、いろんな意味で、授業料本体とそれでないものというものは区別されていると法制度上考えております。そういう中にありまして、消費税の非課税の対象を授業料及びその教育の対価として考えられるものに限られているという整理になっているわけでございます。
当然ながら、今後の御議論につきましては、そういうことを前提として議論をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/155
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156・蓮舫
○蓮舫君 法制度によって税制を決めるというお立場で御答弁をいただきましたけれども、つまり財務省が言うのは、新しく今回創設するこども園では、いわゆるすべてを非課税にするというのは無理だと、また新たな制度がなければ駄目なんだという意味だと思います。そう考えると、せっかく新しくつくるこども園で、小坂文科大臣も税制においては同じ対応をしていきたいと御要望申し上げているのに、これもう既に法改正をしないと、消費税法、いわゆるその税制上の同じ措置を講じるのは難しいというのは、せっかくつくるこども園において、つくる前の法案審議でこういう事態が生じるというのは大変残念なことと私は思っております。これから先は是非、小坂文部科学大臣のいわゆるネゴシエートの力に御期待をさせていただきたいと思います。
次に、兄弟姉妹の減額制度についてお伺いします。
幼稚園における兄弟姉妹の減額制度、現行はどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/156
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157・馳浩
○副大臣(馳浩君) 幼稚園においては、就園奨励費補助制度がございます。簡単に説明申し上げます。
保護者の所得に応じて保育料を減免するものでありますが、これまで兄弟姉妹の同時就園を条件に、第一子の保育料の保護者負担に対して第二子以降の保護者負担を優遇する措置を講じてきたところであります。また、平成十八年度から、同時就園の条件を満たしていない場合であっても、小学校一年生のお兄さん、お姉さんを有する園児については保護者負担の優遇措置を講じることとしたところであります。
文部科学省としては、今後とも本補助事業により幼児の幼稚園就園機会の保障に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/157
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158・蓮舫
○蓮舫君 厚労省にお伺いします。
保育所における兄弟姉妹への利用料の優遇措置はどうなっていますか。
済みません、財務省の方、結構です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/158
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159・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) じゃ、財務省結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/159
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160・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 保育所の保育料につきましては、今文部科学副大臣から御答弁ありました制度に類似の制度がございまして、同一世帯から二人以上のお子さんが同時に保育所を利用している場合、そのお二人目につきましては半分、二分の一、三人目以降は十分の一というふうな軽減措置を行っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/160
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161・蓮舫
○蓮舫君 ここにも縦割りの弊害というのが現れていると思います。
第一子、第二子が同時就園する場合、幼稚園型こども園だと第二子の利用料は第一子の三割削減の七割負担。でも、保育所型こども園だと第二子の保育料は第一子の半額なんですね、五割負担。更に言うと、上の子が小学校に上がりますと、お兄ちゃん、お姉ちゃんが小学校一年生になったとき、幼稚園型こども園では下のお子さんへの授業料への免除はあるんですけれども、保育園型こども園ではお兄ちゃん、お姉ちゃんが小学校に上がった場合には免除制度がないんですよ。十割負担になっていく。つまり、同じこども園でも母体によって兄弟に対する優遇措置にこれだけ差があるんですね。
特に、少子化対策という意味合いも含めて、御兄弟が欲しいと、もう一人子供が欲しいと思っている方にとっては、これ入ったこども園にとって、減額制度があるかないかって結構大きいと思うんですが、ここは当然、大臣、一本化といいますか、整理をしていく方向でお考えなのかどうなのか、小坂文部科学大臣の御意見をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/161
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162・馳浩
○副大臣(馳浩君) 考え方はまた小坂大臣からお示しいただきますけれども、この幼稚園型、幼稚園の就園奨励費補助についても、これは昨年私も議論に加わっておりましたが、一人目、二人目、三人目が同時に幼稚園にいるという、これ極めてまれなケースなんですね。三人目までその補助を受けているといったら、七百人ぐらいしかいないんですよ。それはおかしいじゃないかということで、三人目まではね、小学校一年生のお兄さん、お姉さんがいる場合にもというふうにした経緯がございます。つまり、委員御指摘のように、保育所の方でも我々幼稚園の方でも、その実情に応じてこういう減免制度というのを設けてきておりますから、今後にどうするのかという御指摘ですから、まさしくそれは一つの課題であるというふうに考えております。あとは大臣の方から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/162
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163・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今副大臣が申し上げたとおり、結論は同じなんですが、これは与党審査の中でも出てまいりました。私も、これは現状ではまだ明快な解決策になっておりませんけれども、これから運営をしていく上で必ず大きな問題になってくると思います。今話にありましたように、今後の検討課題として取り組ませていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/163
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164・蓮舫
○蓮舫君 馳副大臣の御答弁、明快で分かりやすいんですが、第三子まで同時就園しているケースというのは極めてまれだという発言、まれだったら制度は一本化しないでいいんですかというふうに私は思うんですね。これからもっとたくさん産みたいと思われている方たちに産んでいただけるような、そういう施設をつくろうという議論をさせていただいているときに、第三子同時就園あるいは第二子同時就園はまれだから、これは今後の検討課題なんですという答弁は私は納得できない。特に小坂大臣におかれましては、検討課題だという御認識をお持ちであれば、それは是非、いつまでに検討の答えを出していただけるのか。ガイドラインは残念ながら法案が通った後に作るということでございますから、ガイドラインには載るんでしょうね、もちろん。確認です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/164
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165・馳浩
○副大臣(馳浩君) その点も含めて検討させてください。
といいますのは、やはりなかなか三歳児、四歳児、五歳児が同時に一人目、二人目、三人目といるということはまれですが、最近やはり不妊治療などで双子、三つ子ということも想定されますし、幼稚園に行かせているときに二人目、三人目が同時に行ったときと、そういうことを想定した上での制度づくりということは必要になってくるというふうに考えておりますので、そういうことも含めて、ただ、ガイドラインにそれを載せるか載せないかということも含めて……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/165
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166・蓮舫
○蓮舫君 いつ載せるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/166
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167・馳浩
○副大臣(馳浩君) それは検討とさせていただきたいとお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/167
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168・蓮舫
○蓮舫君 私自身双子を育てているんで、この部分とてもよく分かるんです。特に最近不妊治療の影響で多胎児妊娠というのも当然多くなってきていますので、同時就園、兄弟という意識にはやっぱり多胎児という考え方も当然盛り込んでいかなければならないと思います。検討の検討の検討のための課題という答弁ではなくて、是非迅速な検討を、答えを出していただきたいと御要請申し上げます。
もう一つ言いますと、保育に欠ける児童の利用料滞納において、これ法律的には、法案的には施設から利用者の退所を命じることができるんですね。ただ、保育所型こども園の場合ですと、市区町村がこれ実施責任でほかの保育所に入所させる措置を講じることができるんですが、幼稚園型こども園に入った保育に欠けるお子さんの場合ですと、利用料を滞納して退所を命じられた場合に、だれも面倒を見てくれないという事態になるんですね。ここをやはり同じこども園でも対応が違うと思うんですが、ここはどう御対応されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/168
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169・馳浩
○副大臣(馳浩君) だれも面倒を見てくれないということはまずあり得ないんですね。当然、保育に欠ける子供については市町村に保育の実施義務があることから、こういう場合でも一般の保育所に入所させるなどの適切な措置を講じることが求められているわけでありますから、だれも面倒を見ないということはあり得ないんです。ただ、前段に委員がおっしゃいましたように、やはり設置者が利用料を決める、お金を、利用料を負担できなくなったら、設置者、施設設置者はお引き取り願いますと言うことはあり得ると思いますが、そういうことのないようにいわゆる低所得者に対する対応も含めて利用料の設定を求めるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/169
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170・蓮舫
○蓮舫君 つまり、子供を育てていらっしゃる方には実態感覚としてあると思うんですが、やはり預けたい施設というのは自宅の近くにあるところが望ましいんですよ。たまさか自宅の近くにあるところが幼稚園型こども園だった場合、保育に欠ける要件を満たしていても、そこへ入れることが一番自分の仕事にも都合が良くて、子供にとっても安心だと思えたところに入れて、でもお金が残念ながら、例えばなかなか工面ができなくて、利用料を一か月、二か月滞納してしまったら退所を命じられると。そうすると、市役所が措置を講じてくれて、ここに入りなさいと言われたのが電車に乗って四つも五つも離れていると。これは極めて非現実的なんですね。だから、幼稚園型だか保育園型だと対応が違うというのは、やはりここは改めてすべてのこども園で市区町村の対応も同じにすべきだし、入っている子供に対する対応も同じにすべきだし、制度も同じにしなければいけないという思いで御質問をさしていただいているんですが。
大臣、やはり私は、これは窓口をどんなに一本化しても、やはり制度、類型が四種類に分かれていることにすべてに端を発していると思うんです。もっと言えば、補助金、交付金がそれぞれ違う。で、新たに始めようとする、認可は取らないけれども、保育をやる、教育をやる、そこの部分が持ち出しになる。そうすると、最終的にそれが利用者に負担として返ってきてはいけないんだという思いで御指摘をるるさしていただいているんですけれども、やっぱりこれ、大臣、将来的に財政措置を同じにするのが、今こうして審議をしていて、議論をしていて争点となっているところをすべて氷解させることにつながると思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/170
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171・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 両省が連携して、現行制度の下で迅速に待機児童の解消、そしてまた、それぞれの地域の実情で、保育園しかないところ、あるいは幼稚園しかないところ、そういったところでも保育児童あるいは幼稚園児童がこども園に就園できるような環境を整えるという意味でやっておりますから、財政支援措置まで一元化したらということでございますけれども、財政措置を一元化しないでも、むしろ制度上いろいろ工夫をすることによって徐々にその問題点の解消につなげていく。まずはスタートをさしていただいて、そして迅速にスタートをすることによって現在の待機児童の解消にいち早く対応さしていただくとともに、そこに残された方については、このガイドラインの設定及びガイドラインの設定後の運営において迅速に対応できるように努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/171
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172・蓮舫
○蓮舫君 是非その努めていく方向性の中にもう一つ検討課題を入れていただきたいんですが、新たな子供さんを預かっていただける施設をつくるんであれば、これまで既存の施設でできなかった、親御さんのニーズはとても高いんだけれども、なかなか財政的な問題でできなかったサービスを積極に取り入れていく努力をしていただきたいとお願いを申し上げます。
病児・病後児保育なんです。やっぱり子供さんが病気のとき、仕事休まなきゃいけなくなる。仕事を休むと、仕事ってなくなるんです。なぜならば、やはり子供さん、風邪治るのに一週間とか二週間。でも、制度でいうと、看護休暇というのは五日までしか許されていないんですね。看護休暇五日っていうのは、子一人につきじゃないんです。労働者一人につきなんです。とすると、二人、三人のお子さんを持っている人は、一年間にそれぞれ切り分けて、一日、二日ぐらいしか休めない。一日、二日しか休めないような、そんな制度というのは、私はこれは改正が必要だと思っているんですけれども、大臣、この病児・病後児保育がサービスが進むような努力はされていかれるんでしょうか、こども園においては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/172
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173・馳浩
○副大臣(馳浩君) 病児・病後児保育については、その半数以上が病院、診療所で実施されていることを踏まえても、すべての認定こども園が実施することはこれは困難と考えられることから、必須の機能とはしておりません。しかしながら、認定こども園がニーズに応じて適切に病児・病後児保育を行うことができるように厚生労働省とも連携して対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/173
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174・蓮舫
○蓮舫君 できるんですか。つまり、本当にニーズが高いんですよ。
私、いろいろ政治家になる前に取材しているときに、母子家庭を取材したことあったんですが、もうこれ以上休めないと。休んだら首になるけど、小さい二歳児とゼロ歳児が熱出していた。でも、休めないから、ドアに窓に全部にかぎを掛けて、それでもう自分が帰ってくるまで動いちゃ駄目だって二歳のお兄ちゃんに言って仕事に出て、仕事に出たけれども、何かのきっかけでガスの火を付けちゃったらどうしようとか、二歳児、もう手動きますからね、あるいは大きな荷物をゼロ歳児の頭に落としたらどうしようと、不安で不安でしようがなくて仕事が手に付かない。でも、手に付かない状態でも、仕事に行っていることに意味があって、それを休んでしまったら首になって、首になったら生活できない。悪循環の中で、子供が病気のときに毎冬その恐怖で過ごしてきた。そういう実態を幾つも取材をしてきたんですけれども、やっぱり病児保育、病後児保育というのはとても望まれるものだと思うんです。
厚生労働省にお伺いします。病後児保育を行う交付金の支給対象となる要件はどういうものがあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/174
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175・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 事業の要件のお尋ねでございます。
例えば、施設で実施する場合には、例えば医療機関の専用スペースあるいは保育所などの児童福祉施設の専用スペースあるいはこの事業の専用施設であって、それぞれ市町村が適当と認めた場所という場所の要件がまずございます。
また、お子さん二人に対して職員一人の配置を基本としておりまして、病児・病後児保育を専門に担当する職員としては、資格としては、保健師、助産師、看護師及び准看護師のいずれか最低一名を配置していただきたいと。で、利用定員に応じて保育士を配置すると、こういうのが要件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/175
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176・蓮舫
○蓮舫君 相当施設に負担が掛かるんですよね、経済的な。隔離した部屋と調理室を作ること、児童二名に対し職員一名。で、一人は看護師などを配置しなければいけない。やはり相当な負担なんですが、厚労省さんでは子育て支援事業、ソフト交付金として交付金を給付しているんですから、大体、一施設、一施設に幾らぐらいの交付金を支給されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/176
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177・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 交付金という性格上、それぞれの……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/177
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178・蓮舫
○蓮舫君 自治体についてです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/178
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179・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 失礼しました。
金額でぱっと渡すんじゃなくて、全体のセットで渡しておるので、大体どれぐらいかというのはなかなか言い難いものでございますので、あえてちょっと探してみますと、これが交付金化される前の状態で補助金だった場合は、事業費ベースで一か所大体六百万円台だったと記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/179
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180・蓮舫
○蓮舫君 このソフト交付金は幼稚園でも要件を満たせば支給されるんですが、幼稚園にこれまで支給されたことってあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/180
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181・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 先ほど文科副大臣から御答弁ありましたが、大体、半分強が医療機関、それで、そのほか二割七分ぐらいが保育所、そのほかというところの分類が大体一八%弱ございますが、ちょっと、その中に恐らくあるのかなとは思いますけれども、具体にあるというふうに、その他の分類でございますので、ちょっと、しかとは答弁しかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/181
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182・蓮舫
○蓮舫君 事前にお伺いさしていただいたら、これまで幼稚園に支給したことはゼロだと私は伺っておりますけれども。つまり、幼稚園では病後児保育は積極的に働き掛けてやってこようという実績はないと理解をしているんですが、それはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/182
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183・白石順一
○政府参考人(白石順一君) ただいま確認をいたしまして、ないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/183
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184・蓮舫
○蓮舫君 幼稚園、文部科学省では病後児保育を積極的に、幼稚園でも今預かり保育をしているわけですから、経済支援で頑張りなさいと、お金は支給しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/184
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185・馳浩
○副大臣(馳浩君) 子育て支援事業ということでしておりますが、多分、厚労省と比べるとはるかに低いんだと思います。
ちょっと申し上げます。
平成十八年度における幼稚園の子育て支援事業に対する文部科学省の予算額は、私学助成の子育て支援活動の推進経費として五億四千万円を計上しておりまして、一施設当たりの公費負担額については上限百二十万円、そのうち国負担は二分の一ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/185
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186・蓮舫
○蓮舫君 文科省から先ほど答弁来たんですけれども、私学助成の中では病児・病後児保育に補助は出ないと言っているんですけれども、どちらが正しいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/186
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187・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) これは出ません。出ないんですけれども、これは幼稚園のいわゆる幼児教育というよりは、保育という考え方の中で病児、病後児の保育環境の充実という意味で、私どもも側面から厚生労働省に協力しながら努力をしていかなきゃいけない分野だと思っております。
現在では、幼稚園ではそういった形の補助金は出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/187
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188・蓮舫
○蓮舫君 文科大臣と副大臣の御答弁に違いがあるというのは、それだけ病後児保育に対して文部科学省が極めて消極的な対応をしてきたことの表れなのかなというふうに受け止めをさしていただくしかないんですが、今厚労省と文科省さんにお伺いをさしていただくと、厚労省では保育園に対して病後児保育の、足りないかもしれないけどインセンティブを課してきたと。でも、文科省さんは幼稚園の預かり保育において病後児保育をやってくださいというインセンティブは残念ながら課していない。厚労省は課してきたと言っていても、今保育所は二万二千五百七十か所ある中で、病後児保育をやっているのはわずか五百九十八か所です。最大六百万円支給されるといっても、これでは足りないということがいかに明らかになるか。
そうすると、これから幼稚園型こども園が病後児保育をやっていくといったときに、経済支援がない場合に、自分たちが持ち出し分で病後児保育をやっていきますよという働き掛けには私はなかなかならないんだと思うんですね。
需要のあるサービスにこたえていくのが公の考え方で、民間ではできないから公がそこを支えていくんだ、公が支えていくんだ、病後児保育においてはお母さんたち、お父さんたちの要望が高いから、なるべく新しくできるこども園においてはできるようにするんだという考えを取られていないのが残念なんですけれども、改めて大臣、これも課題かもしれませんけれども、御答弁いただけますでしょうか。せっかくつくる新制度です。新しいインセンティブを課すという、大臣がこれをつくったんだと後世に名を残すような制度をつくっていただきたいと思います。いかがでしょうか。小坂文部科学大臣にお伺いをいたします。委員長、小坂文部科学大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/188
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189・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) まず馳副大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/189
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190・馳浩
○副大臣(馳浩君) 先ほど私が申し上げたのは、幼稚園の子育て支援事業に関しての文部科学省としての予算ということですから、これは私の質問を受けたときの理解不足であるというふうに思います。
病児・病後児保育については、大臣の方からまた答弁をいただきたいと思います。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/190
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191・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 認定こども園に対する国の財政措置は、既存の幼稚園、保育所の予算を活用して対応することとして今回の制度設計をしております。
その際、幼稚園と保育所が一体的に設置される幼保連携型に関しては、幼稚園や保育所が円滑に移行し、地域のニーズに柔軟に対応ができますように、その幼稚園、保育所の設置者が、学校法人、社会福祉法人のいずれであっても、特例的に経常費及び施設整備費を助成する措置を講ずる、このようにしたわけでございまして、こういった考え方によって、その幼稚園及び保育所の予算については、認定こども園の認定を受ける施設も含め、これらのニーズ状況を踏まえた上での適切な予算確保を努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
なお、その病児保育につきましては、子ども・子育て応援プランに基づいて着実な推進を図ってきているわけでございますが、認定こども園もこうした取組の拠点の一つになることを期待をして、今後、予算折衝に当たってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/191
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192・蓮舫
○蓮舫君 日本語をちょっと正しく使っていただきたいんですが、着実に推進してきているといっても、保育所で二万二千五百七十か所ある中でわずか五百九十八か所ですよ、病後児保育を行っているのは。病児保育を行っているのはないんですよ。大臣、これ着実な進捗状況だと御理解をしているのは、それは正していただきたい。
そういう自分たちの自画自賛があったがために、十年少子化対策をしてきていると言うけれども、出生率が上がっていないのは政策が現実に合っていないからだという反省点を持っていただかなければ、なかなか少子化対策の支援、子供を育てている親御さんへの支援、子供さんの正常なはぐくみというのを支えてあげることは私はできないんだと思っております。
幼保連携型には保育所、幼稚園補助金がそれぞれ支給される特例を設けた、いいことだと思います。ただ、そこからこぼれたのは何か。幼稚園型には保育所からの補助が出ない。保育園型には幼稚園からの補助が出ない。地方裁量型には国からの補助が出ない。だから、こういう同じこども園でも、その財政措置の違いが私は整合性が果たして取れるのか、その結果、子供が受ける保育、教育において質の差が出るんじゃないか、この部分を非常に懸念をしております。
やはり、幼稚園なら保育所の新しい認可を取る、保育園なら幼稚園の新しい認可を取る。でも、それぞれの認可を取らなくても、認定されれば保育や教育が行えるというのが、私やっぱり分からないんです。
お手元に資料をお配りをさしていただきました。一枚目をごらんいただけますでしょうか。これ、中央教育審議会初等中等教育分科会幼児教育部会で使われた資料なんですが、私立幼稚園で幼児一人に掛かる必要経費、それが大体四十三万円です。上から二つ目の真ん中ですね、必要経費Aです。私立幼稚園では四十三万円掛かる、子供一人一年間。
じゃ、保育所。ちょっと年齢によって、ゼロ歳児と五歳児、補助が全然金額が違いますので、幼稚園と整合性を合わせて、三歳の保育所に入っている必要経費を見ていただきたいんですが、五十三万八千円です。同じ三歳でも幼稚園での一年間の必要経費は四十三万円、同じ三歳でも保育所での経費は五十三万八千円。保育所での方が経費が掛かるんですが、これ、保護者から同じ費用を徴収したとしても、これ公的負担が、支援がないわけですから、保育所型のこども園が教育する児童を預かる場合、公費負担がないので一人十八万八千円を施設が持ち出しで負担しないと教育って行えないんですね。幼稚園型のこども園でも、一人保育する児童に掛かる必要経費二十一万四千円を施設が負担しないと保育の子供たちを扱うことができないんです。
これも、幼稚園に通っている、保育園に通っていると同等の保護者負担を徴収したらこういうことになって、やはり親御さんの負担をそれだけ徴収するとなると利用料が上がりますから、そんな急激に利用料を上げることができないんで、保護者負担を施設が負担するとなると、やはり一人に掛かる必要経費、持ち出し分は更に高くなっていくんですよ。
そうすると、大臣、これ、例えば親御さんに負担を求めないで公費の補助がない場合、保育所型こども園では教育する児童、年間四十三万円を自己負担、幼稚園型こども園では保育するお子さんの必要経費一人分五十三万八千円を自己負担、持ち出しするんです。
これ、現実問題として、施設がそれだけ持ち出しをして経営が成り立つとお考えでしょうか。大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/192
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193・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 経営が成り立つかどうかということについては、これはそれぞれの園の事情ということにもなりますけれども、保育所型の認定こども園では、付加された幼稚園的機能の部分は基本的には保護者の負担となるわけでありますけれども、それでも利用したいという声にこたえていくことが必要だという観点からこのような制度設計をしたと、このように聞いて、聞いてというより、担当からの説明でございます。
そういう意味で、確かにおっしゃるとおり、保護者負担に差が出てくるわけでございますけれども、そのような形でも保護者の負担となるわけですけれども、例えばちなみに、総合施設モデル事業の際の、園の一つを、エイビイシイ保育園を御視察をいただいているわけですけれども、この園は保育所型でありまして、このまま認定を受けたとすれば、御指摘のように付加された機能の部分に対しての補助はないわけですけれども、園長さんとしては、保護者から、国もお金がないので大変だし、補助がなくても受益者負担でやってもいいという声もあると、こういうこともありまして、いろいろな事情はあると思いますけれども、今回のこども園の形で実施をさせていただきたいと、このように考えるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/193
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194・蓮舫
○蓮舫君 済みません、大臣、確認させてください。利用料負担に全部跳ね返させるということですか。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/194
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195・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) ちょっと御静粛に、御静粛に願います。ちょっと不規則発言は、御静粛に。
馳副大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/195
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196・蓮舫
○蓮舫君 いや、大臣の答弁を確認させていただきたいんです。
いいですか。もう一度、これ大切な部分なんで。
保育所型こども園が教育する児童を預かる場合、必要経費は一年間で四十三万円掛かるんです。それは持ち出しになる。幼稚園型こども園では、保育するお子さんの必要経費、一人、三歳児ですよ、五十三万八千円自己負担する。それをお伺いをして、経営が成り立つんですかという御質問をさせていただいたら、大臣は、それは利用者に負担をしていただくと答弁したんですよ。これは利用料に跳ね返って利用料が上がってもいいという御認識なんでしょうか、大臣。通告してます。
ちょっと時間止めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/196
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197・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) ちょっと速記止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/197
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198・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 速記起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/198
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199・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 先ほどのエイビイシイ保育園の際も、不規則発言もございましたけれども、これには前段もありまして、補助金は欲しいけれどもという前段もあったわけです。しかし、仮になくても、園長としては保護者の声もあるので、そういった受益者負担ででも、やってでも頑張りたいと、こういう話でございますが、その場合、例えば私立幼稚園の場合の四十三万とおっしゃいましたけれども、その場合、公費負担分の十八万八千円が出なくなりますので、この十八万八千円を自己負担でお願いをすると、こういうことになるんだと思うわけでございまして、そういうことに対してよろしいかどうかという判断だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/199
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200・蓮舫
○蓮舫君 いや、大臣、それ考え方として、今十八万八千円を施設が負担しなきゃいけない、保育所型こども園でね、教育をやる場合に。でも、それは利用者が幼稚園に通っていたときの利用料を払った上での前提なんですよ。
つまり、こども園になったときに、利用者はこれまでの保育所の値段プラス、このこども園になった教育部分の、幼稚園が元々やっていた幼稚園の教育部分が上乗せされた上でその十八万八千円の負担を更に強いられるということを御指摘させていただいて、大臣は、エイビイシイ保育園の前の御答弁で、利用料に跳ね返ることになると御答弁されていたんですけれども、それはよろしいんですか。つまり、お金を上げるということですよ、利用料金を。入れない人たち、払えない人たちは切り捨てるという意味なんでしょうか。もう一度御答弁ください。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/200
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201・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 速記止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/201
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202・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/202
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203・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今答弁ちょっと整理させていただきましたけれども、委員が御質問になりたいのは、幼稚園型に保育としていらっしゃっている方の負担。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/203
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204・蓮舫
○蓮舫君 両方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/204
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205・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 両方。
例えばさっき三歳児の例でおっしゃいましたけれども、保護者負担はこれは授業料としての三十二万四千円を──失礼しました。上の方からまず最初にいきますと、授業料としての二十四万二千円を保護者が負担をしていらっしゃるわけですね。必要経費が四十三万で、そして公費負担分が十八万八千円であると。こういう場合に、公費負担が出なくなりますので、十八万八千円を二十四万二千円に付加して、これ加算して負担をしていくことになるということでありますけれども、それはそれだけ上がってしまうわけですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/205
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206・蓮舫
○蓮舫君 ちょっと確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/206
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207・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) はい、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/207
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208・蓮舫
○蓮舫君 大臣いいですか。
私立幼稚園の支出表を見ていただきたいんですが、必要経費は、一年間子供に掛かるのが四十三万円だと。保育所型こども園が幼児機能を持って教育を行う場合に、一年間やはり四十三万円掛かるんですよ、教育を行う場合。ここまで御理解いただけますか。
そのときに保護者負担も、当然これ保育所型こども園の場合では、保育所、保護者負担も求めるわけですよ。この二十四万二千円を求めて、更にこの公費負担の十八万八千円も求めて、つまり合わせて四十三万円分を求めていくことになるんですよ。どっちを引いて足しての話じゃなくて、四十三万すべてが利用者負担になるんですか。公費負担、保護者負担、それぞれが、保育園型こども園を行うところはどこからもお金がもらえないから、利用料を上げるか人件費を下げるしかないんです、この部分を自分たちで持ち出しでやるには。
そういう意味でお伺いしているんですが、大臣は先ほど、利用料を上げることになると御答弁したことに対して確認をさせていただいているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/208
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209・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今おっしゃったとおりで、どっちから計算しても四十三万、四十三万なんですから、その四十三万掛かる分を利用者からいただくということになるわけですよね。
ですから、それだけの負担をするのが駄目であると、それだけの負担にこたえられないという経済的に困窮な方の場合には、保育園を市町村としてしっかりお世話をするということになるわけですから、この……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/209
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210・蓮舫
○蓮舫君 大臣、ちょっと整理していただけますか。
認定こども園はなぜつくるんですか。多くの子供を国がきっちり育て上げる施設が、幼稚園があって保育所があって、地域によってないところがあって、待機児童があって、ゼロ歳児からでも何歳児でも、保育に欠ける欠けないにかかわらず預けられる施設をつくりましょうと、その考え方は私どもは賛成をさせていただいているんですが、認定こども園の料金がこれまでの認可保育所あるいは私立、公立幼稚園よりもがくっと上がった場合に使いづらくなりますよ。その部分を、一人に掛かる経費で、一枚の表で考え方をお聞きしているのに、大臣は先ほど来、利用料に跳ね返ると御答弁しているんですよ。よろしいんでしょうか。──止めてください、止めてください、委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/210
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211・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 速記止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/211
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212・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/212
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213・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) どうも、何度説明していただいても、ちょっと私ども、政府委員の指定を禁じられておりますので、本当はそういう細かい話については政府委員の方から答弁をさせていただいて、政策的なことについて大臣の答弁をさせていただくのが私は有り難いと思うんですが、委員が拒否をされておりますので、私が十分把握をするまでのお時間をいただきたいと思いますが、今御質問をいただいたのは、事務方が聞いていても、事務方もはっきり委員の質問の趣旨が二つに分かれてしまうぐらいでございまして、要するに、保育所型の認定こども園において三歳児の、さっき例に取っておっしゃいましたが、保育所で掛かる保育費の必要経費が五十三万八千円、このときに、その保育所に保育に欠けない子供を預けた場合の経費が幾らかになるのかという点で、それは多分四十三万円相当だろうと、こうおっしゃったんですか。で、その四十三万円をするとしても、それには、保育所の保育児ではなくて幼稚園型の人のために、その人には四十三万円の経費を自己負担する形になってしまいますがそういうことなんですかと、こうお聞きになったんでしょうか。そうであれば、それは四十三万円を負担していただくということになってしまうということでございます。
すなわち、保育所型のところに幼稚園児として、本来保育に欠けない方が行くわけですから、幼稚園に掛かる費用と同じものを本人が負担していただくのはやむを得ないということです、保育児ではないんですから、幼稚園児ですから、形として、保育に欠けていないわけですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/213
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214・蓮舫
○蓮舫君 つまり、利用料が上がるんですね、新しく入ってきた子供は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/214
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215・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) それはですね、幼稚園の場合の十八万八千円の公費負担分が出ませんので、ですから普通の幼稚園に行くよりは高くなるということは事実です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/215
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216・蓮舫
○蓮舫君 つまり、幼稚園型、大臣、大臣、幼稚園型こども園でも保育園型こども園でも、幼保連携じゃない限りは公費負担が縦割り行政の弊害で来ませんから、そうすると利用料が上がると今明言されました。上がることは望ましいんでしょうか。担当省庁の長として、いかがでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/216
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217・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 答弁は。答弁は早急に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/217
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218・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 基本的に、私どもの制度設計の中で一番推進をしたい形というのは幼保連携型なんですね。そして、幼稚園に通うべき保育に欠けないお子さんが十名ぐらいおって、そしてそこに保育園しかないという場合に、今のそのままの形でいきますと、公費助成の出ない分だけこの負担が増えてしまうわけですよ。それはできるだけ避けたいということから、本来ならばそこに幼稚園を併設しようとすると五十名からの幼児がいないと幼稚園を併設できないわけです。しかし今回、これを更に緩和をして、当初の考え方では本当に三十名ぐらいが限度だろうという話もありましたけれども、私は十名で幼稚園の認定ができるようにするという形で、連携型を設置できるように規制の緩和をしてまいりたいという形でこれに対応をしていこうと思っております。
そういう意味で、その十名も満たないという地域においては、今おっしゃるような状況が出てまいります。しかし、そこにもう一つそれぞれの地域事情を考えますと、実際には、農村地域の場合には、保育に欠けるか欠けないかという認定はかなりの部分がそこの首長に負ってるわけですね。そこで、農業を従事という形の中で、その保育に欠ける状態か欠けない状態かの認定というのは、かなり、現状認識的にはいろいろな対応が可能であるということから、実際に蓮舫委員が御心配なさっていらっしゃるような状態は極力ミニマイズするように私ども努めてまいりたいと思っておりますし、現実的にそのような対応をさしていただきたいと。そのことによって、一日も早くこの認定こども園制度をスタートさしていただいて、待機児童解消の意味からも、それから地域の子育て支援という意味からも体制を整備さしていただきたい、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/218
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219・蓮舫
○蓮舫君 利用料が上がることによって認定こども園、保育所は納税額によって上限八万円で利用料が決まりますけれども、通っていた保育所がこども園になったときに、その負担しなければいけない教育部分を利用者に反映させると。そうなると、例えば最大の八万円を払っていた人が教育費を更に払わなきゃいけない。先ほどの大臣の御答弁ではそういう事態があり得るわけですから、例えば十万、十五万になったときに、払えなくってそこを出なきゃいけなくなる場合も出てきて、そうすると保育に欠ける欠けないにかかわらず、すべての希望するお子さんを預けるとうたっている、子供の利益優先にとうたっている新設される認定こども園は、お金を持っている人のためだけの施設になってしまうんですかという指摘をさしていただいているんですが、残念ながらそれはそうなんだというふうに思ってます。
それは、私たちは、やはりその部分は御検討いただきたいし、なかなかそれでは賛成するということを、子供の利益優先に考えると、保護者の経済負担を優先に考えると、なかなかそれは賛成することができないなと思います。
お出しになされた法案を見ますと、料金に関しての条文って、一言なんですよ。無認可の認証保育所がこども園になっても補助金はないと。で、利用料金を市町村長が変更命令が出せるとなっているんですけれども、これは保育料の額が不適切の場合に変更は出せるんですと。実際にサービスに掛かる額を利用料に反映させた場合は不適切じゃないんですね。
更に言うと、もう一つ差があるのは地方裁量型なんです。地方裁量型は市町村長の命令対象外ですから、地方裁量型の値段がどんなに高くなっても、だれもこれ変更命令出せないんですよ。そうすると、地方裁量型で物すごいお金を持っている人たちだけの施設ができてしまうということも同じこども園でもあるんです。
実際、東京の認証保育所と認可保育所の値段を比べると、大体五百万円の所得で、例えば東京の墨田区、大田区で同じ年齢、同じ納税者の保護者が同じ年齢の子供を預けた場合の保育料は月々大体二万円です。でも、同じ条件で東京都の認証保育所に預けると、ここ公的支援がないですから、国からの、そうすると倍の四万から六万掛かるんです。今これだけの額の差があるんですね。
このままこども園に行った場合に、当然教育の部分を付加してそれを利用料に跳ね返させる事態になりますから、二万円よりも高くなる。認証保育所、地方裁量型によっては変更命令も出されないわけですから、もっともっと高くなる事態も考えられるんですよ。つまり、同じこども園と言っていても、やはり財政措置が縦割りで、地方裁量型によっては国からの支援がないから、だからそれが自分たちの施設の持ち出し部分が利用料に全部跳ね返られてしまうと、親御さんの経済状態を本当に直撃するんですよ。子供が受けられる保育、教育の機会というものが親の収入格差によって分けられてしまうと。どうしてこれを同じこども園と言うことができるのか。同じこども園と言うときに、四種類にどうして分けて出してきたのか。だから、冒頭から大臣に私はお願いをしているのは、補助金、交付金を一緒にしてくださいと、利用料に跳ね返らないようにしてくださいと。
あるいは、子供の受ける教育、保育の質。施設にお金がないから、例えば木のおもちゃを使っていたものをプラスチックに変えてしまおうとか、あるいは教育、教科書が買えないから数年前の古い教科でもいいや、教本でもいいやとか、こういうことをやってしまう施設があると。もう一方では、潤沢なお金があると、利用料が高くてたくさん入ってくるから、そこは木を使う、あるいは本物のいろいろな、何というんですか、教材を使って、あるいは様々な新しい試みを使ってぜいたくな教育、保育を施すと。もうここだけで質の差も出てきてしまうんですね。
やっぱりこれ、今後の検討課題として大臣、副大臣においては考えていただきたい。両省の縦割りの弊害というのは窓口を一本化すればなくなるんじゃないんだということ、現場にそのしわ寄せが全部押し付けられるということ。現場でそのしわ寄せの負担を受けるのはだれか。子供なんですよ。保護者なんですよ。是非その部分御検討いただきたい。御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/219
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220・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 蓮舫委員のおっしゃることもよく分かります。
まず一つは、先ほど、十八万八千円ですけれども、先ほど林委員のときに答弁申し上げたんですけれども、就園奨励費、保育園型の認定こども園に通う幼稚園児といいますか、保育に欠けないお子さんの場合に就園奨励費を支給するような形を前向きに検討したいという答弁申し上げた。ですから、先ほどの十八万八千円のうちの私学助成分を除いた部分、就園奨励費が五、六万ということですから約六万円として十二万円、まあ十三万円ぐらいのところまで圧縮はできるんですね。更に圧縮する方法は何かないかまた考えにゃいかぬと思いますけれども、そういう努力をしていくことが一つ。
それから、今財政的に一元化すれば解決するというようなお話ですけれども、システムとしては確かに一律にすれば分かりやすくはなるんですが、財源措置等、それから既存の幼稚園それから保育所等の整理統合という形にもなる。新たな類型とすると、そこに競合が発生しますわね。それを今の保育所と幼稚園をそのままにして新たなこども園というものが、子ども省が直轄する何か新しい制度としてつくるような形ですと、ちょっとまた別の類型になってきて、そこに、そういう意味ではないんでしょうかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/220
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221・蓮舫
○蓮舫君 それは違う、それは違う、大臣。全然違います、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/221
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222・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) そうですか。全部やめてからということですね、そうするとね。すると、全部やめるというところでまたこの制度移行の問題等も発生しますが、その辺は考え方の問題でしょうけど、私どもも言ってみれば同じ方向かもしれません。徐々にそういった御指摘の課題を一つ一つ解決していく中で前進をしていくという形になりますと、だんだん方向性としてはある程度似てくるような形にもなるかと思うんでございますが、そういった努力をする形の中で対応させていただきたい。
現在、そういった地域認定型については地域の補助という形を考えてやっていただいているわけですから、その部分で地方自治体の措置というものもまた考えながら御指摘の部分の問題解決に努力をしたい、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/222
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223・蓮舫
○蓮舫君 ありがとうございました。
利用料金に関しては、ここの格差が出てしまうことは同じこども園にとってやはり望ましいことではないと思うんですね。お金が何ぼだ、お金があるところだけ幸せな保育、教育を受けられる、そんな施設をつくるのを容認されては絶対いけないと思いますし、今大臣が地方自治体に頑張ってもらいたいと。でも、なかなか地方自治体も今、例えば東京なんかは勝ち組と呼ばれておりますけれども、東京はそれでも毎年一千人の子供が増えているんですね、流入してきて。だから、そうすると、財政的に余裕があっても子供が増えるとやはり一人に掛けられるお金って広く薄くなってきますから、あるいはそうじゃなくて、財政的に余裕のない地方自治体との間の不公平感、不公正感というのも出てまいりますんで、その部分はやはり運転しながら考えるというのは本意ではないんですけれども、残念ながらそういうスケジュールですので、常に微調整をしていくような姿勢を持ちながらこども園の運営には努めていただきたいと、これもお願いを申し上げます。
次に、今日、朝、新聞等で報道されておりましたけれども、虐待についてです。
文科省の研究チームで明らかになったことに、小中学校から児童相談所や福祉事務所への通告は、被虐待児の通告は八割あるんですけれども、幼稚園からは約五割にとどまっていると。幼稚園が専門家に相談しないで独自に虐待程度や対応を判断したケースが多いと。更に言うと、改正児童虐待防止法では、虐待の確信がなくても疑いがある場合は通告する義務が課せられたわけです、学校、幼稚園、保育所においても。でも、そのことを知らなかった幼稚園教諭が公立、私立ともに三割ずついたと。
これはどういうことなんだろうかと。これから認定こども園になったときに、幼稚園型、保育に欠けない三歳児から預かるわけですから。虐待で言うと、十六年度一年間で亡くなった子供のうち四歳未満が約八割を占めるんですね。低年齢であればあるほど、あるいは家にこもっている、恐らく専業主婦の方であればあるほど、どうしても子供と二人っきりで苦しくて、やり場がなくて、そのストレスがつい子供に向かってしまう。あってはならない事態が実はあるのが残念ながら日本で、だから虐待を防止していこうという、馳副大臣も御尽力をされて、児童虐待防止法というのが改正されて施行されているんですが、教育現場、幼稚園現場で知らない人が三割いる。あるいは被虐待児の疑いがある、傷がある、あざがある、洋服が汚れている、物をがつがつ食べる、いろんなサインを出しているのに、怪しいんじゃないか、児相にも医療機関にも連絡をしていないのが五割ある。
これはどういうことなのか。こども園になったとき、これどうやって正していっていただけるのか。こども園にならないでも幼稚園ではどうやって対応していただくのか。前向きなお約束の答弁をいただきたいんですが、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/223
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224・馳浩
○副大臣(馳浩君) 虐待に対する社会的理解、認知が深まってきて、平成十年にも教育職員免許法施行規則、これが改正されて、幼稚園の教諭になろうという人も虐待について理解を深めカウンセリング機能を持ってちゃんと理解してくださいねというふうにも出しておりますし、二〇〇四年に改正したときも、やはり連携を取って、市町村の関係部局が連携を取って、とりわけ小学校や幼稚園、教育の現場にいる先生が発見しやすい立場にあるのだから、早期発見、早期対応、また保護者への指導、これは児童相談所とも連携しながら、最悪の事態が想定される場合には警察の援助も得ながら対応してくださいよというふうに法改正をして、また、我々は児童生徒課長を通じて全国の都道府県の教育長会議や研修会等を開いて周知してきているんです。
にもかかわらず、にもかかわらず、私も昨日、今日の報道に接して、正直がっかりいたしました。改めて来月もこの会議、全国都道府県教育長会議がございますので徹底したいと思いますし、現場の先生方が理解をしていただかないことには、見て見ぬふりをできないようにするために法改正をして、虐待と思われる児童を発見した者に通告、通報義務規定を課したわけですから、これはやっぱり入口のところですから、ここをしっかりと理解いただくように当然今後とも研修を充実していくように、これはお約束はしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/224
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225・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今、副大臣答弁申し上げたように、中で教育長会議と申し上げましたけれども、指導主事会議を来月開きますので、そこで徹底を図りたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/225
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226・蓮舫
○蓮舫君 虐待の場合には、本当に早期発見、早期対応というのが望まれますので、特に幼稚園におかれましては、これまでどうしても保護者との関係を考えると、この傷は虐待なんだろうか、でも保護者との関係が悪くなったらどうしよう、疑いだけで通告してしまうことによって保護者との関係が悪くなることが幼稚園の円滑な運営にとってやはり相当大きいことだというのは想像が付きます。でも、私はそれを超えてでも、被虐待児がいた場合には早期発見、早期対応をしていかないと命を守れないということになりますので、どうぞ幼児教諭の皆様方、あるいはこれ厚生労働省も保育士の皆様方におかれましては、本当に虐待されている子供をちゃんと見付けてちゃんとした対応を取っていくという認識をこども園においても御共有をいただきたいと、心からこれはお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/226
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227・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) それは蓮舫委員のおっしゃるとおりでして、幼稚園や保育所等においてそういった兆候が見られるときにそれを通告すると、何であなた通告したのといって関係が悪くなるんではないかと考える方もいらっしゃると思いますが、これは幼稚園教諭あるいは保育士さんにお願いをしたいんですが、逆にそのことが父兄との信頼関係を強めることになると。すなわち、ここまでちゃんと気を遣ってそういった兆候をしっかり見て、そして一つ一つちゃんと通告をしているんだということを逆に、一時的にはそのようなことでなぜうちの子供に対してそんなことをしたんですかと言われるかもしれませんけれども、結局は、そういうところまでやっているということにおいて幼稚園及び保育所の信頼が逆に高まるということをしっかり理解していただく中で、こういった通告が義務があって、その義務をちゃんとやることは双方のためになる、保護者とそれから幼稚園あるいは保育所、双方のためになるということをしっかり理解していただくように私どもも指導してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/227
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228・蓮舫
○蓮舫君 その際には是非、働いている方たちも頑張って働いているわけですから、新しくこども園になるときに、幼稚園教諭の方は保育の質も考えなければいけない、あるいは保育士の方の場合には教育というものも学んでいかなければいけない、現場を学ぶ。しかも夏休み、冬休み、春休みがそれぞれどうなっていくんだって、これからガイドラインで示されていくんでしょうけれども、働いている方たちに負荷が出るとやはり子供のサインというのを見逃す可能性が出てきますんで、どうぞ、研修に行かれているときの代替要員の制度ですとか働いている方たちの支援という部分も是非一体的に行っていただきたいと、これもお願いを申し上げ、最後に一問だけ確認をさせていただきたいんですが。
今後の流れなんですけれども、法案が通った場合、一か月のパブリックコメントを置かないといけないわけですから、法案が順調に通るかどうかはまだ分からないんですけれども、もし順調に通った場合に、大体一か月のパブコメを置くと七月の半ばぐらいでしょうか。それで、パブコメが終わって七月の半ば以降に国の指針、ガイドラインが出されると、それが自治体に浸透して、自治体が条例案を作って各自治体の議会を開いて条例を通すと。
だけれども、これ東京の場合ですと、都議会の秋の会期末って九月の末なんですね。九月の末にこども園の条例が通ると。でも、認定こども園というのは施設からの申請を受けて認定するわけですから、九月の末に条例が通って申請を受けて、東京の認証保育所って三百二十八か所あって、もう一万人以上預かっているんですが、この三百二十八か所の仮に百施設から申請があった場合、全部確認に行くわけですよ、大丈夫かって、チェック機能。それから初めて、申請を受けて確認をして認定を出すんですが、当然十月一日に間に合わないんです。そうすると、政府が予定している十月一日に施行していきたいというのは、これ現実的なんでしょうか。こども園って、私、十月一日に開園できないと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/228
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229・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) まずは、一日も早くこの法案を通していただくことが前提になるわけでございますけれども、その後に、今回の法案が通過しますと、その法案の内容について広報をいたします。広報をすることによって認定準備に入っていただきます。その認定準備をしっかりしていただくことによって、八月中に認定準備を進めていただくことで、できるだけ速やかにこの認定作業に入れるようにさせていただいて、東京都議会の例をお引きいただきましたけれども、それらの十月の秋の議会、それぞれ日にち違っておりますけれども、可能な限り十月一日までにこの都道府県において策定をしていただくことによって対応をさせていただきたい、このように思うわけでございまして、それぞれの自治体における事業者及び自治体の双方の準備を進めていただくように、広報を通じ、また私ども依頼をしてまいりたいと、このような形で対応させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/229
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230・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 蓮舫君、時間ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/230
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231・蓮舫
○蓮舫君 大臣、思うんですけれども、何もこんな拙速に、十月一日に合わせて、今日の午前中の審議だけでも相当な課題が出てきて、大臣や副大臣あるいは政府委員の方からその課題に対して明快なお答えが返ってきていないものが幾つもあると思うんですよ。ゆっくり審議して、それで何も十月一日に開園しないで春にすればいいのかなと、幼稚園も保育所もやはり四月から新入生を受け付けているわけですから、春に合わせて。
大臣におかれましては、是非、秋、新しい総裁が誕生して新しい内閣が組閣されるみたいですが、頑張ってもう一度文科大臣になっていただいて、そして次の予算編成で御努力をいただいて、それぞれ四種類、まあ三種類の予算措置の要求をするんではなくて、もっと厚い、すべてのこども園に対してのお金をきっちりと取ってきていただいて、そして予算措置をはっきりしてあげて四月に上げるというのが、私は施設にとっても、そこで預かる子供にとっても当面は最善の策だと考えております。そのことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/231
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232・水岡俊一
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。
午前から質疑が続いておりまして、委員各位、また大臣始め政府側の皆さんもお疲れだと思いますが、どうかひとつよろしくお願いを申し上げます。
私も今日はたくさん質問を用意をしてまいったんですが、就園奨励費補助ですね、この問題も是非ともお伺いをしたいと思っておりました。先ほどからずっとそういった関連の質問が続いておりますので、できるだけ重複を省くという意味からは、要望だけ一言申し上げたいというふうに思っております。
要するに、類型を問わずして認定こども園に入所をする子供、そして保護者、そういった方々に分かりやすく、そして格差のない平等な形で補助を行っていただいて、多くの子供たち、多くの保護者のためになるこども園になるような方向を是非求めていただきたいと、こういうふうに思っているところであります。そもそも論等かなり行ったり来たりをすると思いますが、その点もお許しをください。
本来、保育・幼児教育政策、子育て支援策については、少子化対策の観点だけでなく、このたび問題になっております親たちの就労の有無あるいは形態にかかわらず、すべての子供が同等の保育、幼児教育を受けることのできる機会の公的保障として追求をし、そして成長、発達、学習、教育権など、子供の権利の視点から政策を考えていかなければならないと、こういうふうに私、考えているところであります。
そういった中で、二〇〇四年度は四歳、五歳児の就園率は九六・五%と聞いております。実質的なもう義務化状態になっているように私は思います。それから、三歳児でも七二・六%と聞いております。そういう中にあってこの法案は、現在の幼稚園と保育所に今回新たに認定こども園を加えるという、管轄、管理運営、予算等、行財政レベルで残念ながら幼保二元行政という複雑な実態を残すことになっていると、そういうふうに私は考えています。
そこで、大臣にお伺いをしたいんでありますが、就学前の子供の教育、保育制度、そういったものを一元化ということで、大臣、趣旨説明等でもおっしゃいました。ひとつここで、将来像も含めて一元化をどのように進めていく、そういう考えがあるのか、そういったことについて大臣の思い切った御発言を、御見解をお聞きをしたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/232
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233・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 思い切った発言ということでございますけれども、同じような答弁を重ねて恐縮に存じますけれども、就学前の子供の教育、保育制度につきましては、家庭、地域、幼稚園、保育所などの施設が連携をいたしまして、そしてすべての子供の健やかな育ちを確保していくと、こういうことがまずもって一番重要なことだと思っております。また、幼児期の多様な教育、保育のニーズというのがあるわけでございまして、また地域的なニーズ、要望というものもございます。
そういったものに適切に対応していくには、制度を一元化するということよりも、地域の実情に応じた対応が可能なための、利用者のための新たな選択肢を提供するという形の中でこの認定こども園制度という対応をしたわけでございまして、こうしたこの基本的な考え方を御理解をいただきまして、教育、保育及び子育て支援を総合的に提供する機能を持つ施設を都道府県知事が認定こども園として認定する仕組みを御理解をいただき、何とぞ、御承認といいますか、法案を通していただきたいと、このように思うところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/233
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234・水岡俊一
○水岡俊一君 私は思い切った答弁をとお願いをしたのは、大臣、今日一日の答弁を見ても、両省のかかわり合いで非常に不合理な点が多いということを痛感をしておられると思うんですね。そういった中にあって、これから幼保を一元化をしていくという、そういう課題に向かって文科省としてのきちっとした考え方、将来的にどう考えているのか、そういったことを是非お述べをいただきたいと、こういうふうに私は思ったわけです。
そういった意味では、苦しいところかも分かりませんが、是非もう一回御答弁をいただきたいと思うんですが、その上で少し、一つだけ、後でまた詳しくはお伺いをするんですが、障害児の子供たちを受け入れるという観点もございますので、そのことについてちょっと触れていただいて、もう一度御答弁願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/234
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235・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今申し上げたことに加えて、障害児の受入れについてもというお話でございましたが、国公立の幼稚園におきましては、国公立幼稚園長の会の調査で、平成十七年度におきまして三千九百名の障害のある幼児の方々が在籍をしていると、このように調査が示しております。また、私立幼稚園におきましては、私学助成による補助の執行を通じまして把握しているところでは八千三百名、これは平成十八年度ということになりますが、の障害を有する幼児の方が在籍しているものと承知をしているところでございます。保育所におきましては、平成十六年度において一万四百二十八人の障害児を受け入れているという状況にあるわけでございます。
この認定こども園における、今回のこの認定こども園において障害児の受入れに関しましては、平成十六年十二月に中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会の児童部会の合同の検討会議が取りまとめた報告によりまして、「障害児への対応についても配慮することが適当である。」との提言をいただいております。
このようなことから、今後とも、こうした審議のまとめをいただいた御提言や、これまでの幼稚園、保育所における取組、成果なども踏まえながら、幼稚園、保育所や認定こども園における障害のある児童の受入れについて、これは更に適切な対応を期してまいりたい、このように考えるところでございます。
いずれにしても、認定こども園制度になって、なお一層地域の子育て支援という観点からも障害児に対しての適切な対応ができるように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/235
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236・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございました。
文科省そして厚労省で御担当をいただくということについて、これからやはり多くの皆さんが改善をしていかなきゃいけない、一本化をしていかなきゃいけないという点で共通な思いを持っていると思いますので、是非ともこれから勇気を持ってその点については対応を考えていただきたいと強く要望したいと思います。
それでは、教育、保育の定義についてちょっと話を進めてまいりたいというふうに思います。
五月二十三日、文教科学委員会の質疑において、本法律案における用語の使い方として、教育とは幼稚園機能を表し、保育とは保育所機能を表すとして、学校教育法上では幼稚園教育の独自性を表す用語として保育という用語を使っているということについて、山下委員の質問に対して質疑があったと、こういうふうに私も記憶をしておるんですが、その中で実は、現在衆議院で審議中の政府案の教育基本法がございますね。その教育基本法第十一条では、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。」と、こうされておりますが、大臣、ここで言う幼児期の教育とは一体どういうことを意味するんでしょうか、お願いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/236
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237・田中壮一郎
○政府参考人(田中壮一郎君) ここで幼児期の教育とは、小学校就学前の時期におきます幼児を対象といたしまして、幼児が生活するいろんな場において行われる教育を総称したものでございまして、具体的には、家庭におきます教育、また幼稚園等におきます教育、そして地域社会における様々な教育活動を含みます広がりを持った概念としてとらえておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/237
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238・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣にお願いをしておったんですが、残念であります。
幼児に対する教育という意味におきまして、幼稚園児そして保育児等に区別なく教育基本法の精神に基づいて行われるべきだと、こういうふうに考えますが、それでよろしいでしょうか、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/238
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239・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 御指名でありますから、それじゃ答弁しましょう。
御指摘のとおりに、幼児に対する教育につきましては、幼稚園教育はもとより、保育所における教育活動も含んでおると、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/239
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240・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございます。
それでは、話を教職員の配置基準の問題について移していきたいというふうに思います。
現在、公立、私立の幼稚園、保育園それぞれが特色を生かした教育実践をしておるところでございます。公立幼稚園は保育に欠ける子、欠けない子を問わず預かって、約半数が預かり保育を実施しております。公教育を担う教育機関として、職員は高い意識を持ち、日々、子供や保護者と接しているわけでございます。しかし、近年、問題なのは財政難、この財政難などで市町村の公立保育園、幼稚園の統廃合や民営化が行われているというのが実態であります。
今回この法案が成立した暁には認定こども園が新たにできるわけですが、従来の公立幼稚園、保育園、自治体によって設置、運営がなされる認定こども園の意義をどのようにこれからお考えになるのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
そして加えて、また幼稚園、保育所の教育、保育の質の向上を考えた場合に、子供にとっても、保護者、教職員にとっても、様々な年齢の職員、ベテランの先生がその職員の中にいていただくということが非常に望ましいというふうに考えているところであります。
文部科学省の二〇〇一年度学校教員統計調査報告書によりますと、私立の幼稚園の平均勤務年数は約八年、そして公立は約十八年と、大幅に勤務年数に違いが出ています。何が原因だというふうに文科省は考えておられるのか、加えてお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/240
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241・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、幼稚園の預かり保育でございますけれども、いわゆる幼稚園の預かり保育は幼稚園の教育時間の終了後に希望する者を対象に行う教育活動でございまして、現在、幼稚園の七割で実施をいたしております。保護者の要望や地域の実情に応じて行われている状況にございます。
それから、公立幼稚園、保育園、自治体により設置、運営をされる認定こども園の意義及びそこに働く教員の問題でございますけれども、まず認定こども園は、施設類型にかかわらず、教育、保育の一体的提供と地域の子育て支援が必須の機能として要求をされているわけでございます。今後、公立幼稚園、保育所や認定こども園として認定されたものが地域の実情に応じまして、特に認定こども園はこの二つの機能を備えて子供が健やかに育成される環境の整備に努めていただくということが肝要かと思っているところでございます。
また、公立、私立の先生の勤務年数の差についてでございますが、ただいまお話がございましたように、幼稚園教諭の平均勤務年数は、公立が十八年、私立が八年ぐらいでございます。これについては様々な要因が重なっていることと考えるわけでございますけれども、公立幼稚園は公務員、私立幼稚園は民間の教員であるといった、こういった雇用関係の違いも影響しているのかなと考えられるわけでございます。
各施設における職員構成につきましては、設置者の運営方針等により判断されるものではございますけれども、教育、保育の質の確保の観点も踏まえまして適切な職員配置が行われることを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/241
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242・水岡俊一
○水岡俊一君 様々な環境、状況によって私立、公立の職員の勤務年数が変わっているという、そういうお話でした。
ただ、教育の問題を語るときにいつもそうなんですが、子供には何らそんなことは関係ないわけですよね。教育を受ける子供にとっては何の選択権もないわけですから、そういった意味では、本当に望ましい教育を子供に与えるためにはいろんな制度を整備をしていくという、そういう責任が私はあると思うんですね。それを考えたときに、今、勤務年数が短いというのは、これは何かそこに長く勤務ができないという状況があるのかもしれない。そういったことを、こういう法を整備するときに中心によく考えていかなきゃいけないというふうに私は思うんですね。
実際に、先ほどは、子供、保護者側にとってみて支払う料金がどういうふうになるのか、それによって、預けたいけれども預けることができないというような状況も起きてくるということで、これは大変ですよという話がありましたけれども、こういう施設、幼稚園、保育園、こども園、こういった形の中で、政府のあるいは地方自治体のその施設に対する支援の度合いが違えば、職員もそれによって大きな影響を受けるわけでありますから、そういったことにも目を付けて、しっかりと制度の整備に向けて御努力をいただきたいと、こういうふうに思うところであります。
モデル事業評価委員会の最終まとめを読みますと、親の就労の有無、形態等で区別することなく、就学前の子供の適切な幼児教育、保育の機会を提供するとともに、すべての子育て家庭に対する支援を行う機能を備えるものと説明をしております。
そこで、先ほど大臣からも御答弁をいただきました障害児の問題であります。
四月十四日、衆議院の文部科学委員会で高井美穂議員が障害児児童の受入れについて質問しております。それによると、公立の幼稚園が私立の幼稚園の十倍の受入れをしていることがその答弁の中ではっきりしてきております。もっと詳しく言うと、私立の方が預かっている子供たちの数が十倍になっているのに、預かっている障害児の児童の数を見ると公立の方が十倍ある。つまり、単純に掛け算すると百倍ということになるわけですね。そういった状況があるわけです。
そこで、文部科学省では障害児の受入れ調査ということについては、この幼稚園、保育園、まあ保育園は厚生労働省でお願いをすべきだと思いますが、厚労も含めて、障害児の受入れ実態調査をやっておられるのかどうかということが一つ。
それから、今回の認定こども園はもちろん、それ以外の公立、私立の幼稚園、保育所でも障害児を受け入れていくということを進めていくべきだと私は考えますが、その点について、厚生労働省、そして文科省、どういったお考えを持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/242
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243・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 先に御答弁さしていただきますが、保育所の障害児の受入れでございますけれども、これは毎年調査をしておりますが、ちなみに平成十六年度の数字を申し上げますと、児童数一万四百二十八人の、箇所数が七千二百か所で障害児の受入れをさしていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/243
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244・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園における障害児の受入れの状況でございますが、まず国公立幼稚園につきましては、国公立幼稚園長会の調査がございまして、平成十七年度で約三千九百名の障害のある幼児が在籍をしているわけでございます。また、私立幼稚園につきましては、私学助成による補助の執行を通じて把握をしているところでございまして、平成十八年度で約八千三百名の障害を有する幼児が在籍をしているものと承知をいたしております。
なお、幼稚園、さらには認定こども園における障害児の受入れに関しましては、平成十六年十二月に中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議が取りまとめました審議のまとめにおきましても、障害児への対応について配慮することが適当であるという提言をいただいているところでございまして、こうした審議のまとめやこれまでの幼稚園、保育所における取組、成果なども踏まえながら、幼稚園、保育所や認定こども園における障害のある幼児の受入れにつきまして適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/244
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245・水岡俊一
○水岡俊一君 適切に対処していきたいというのは、積極的に受け入れていくということでよろしいんでしょうか、文科省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/245
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246・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) そのようにお受け取りいただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/246
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247・水岡俊一
○水岡俊一君 厚生労働省としてはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/247
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248・白石順一
○政府参考人(白石順一君) もとより同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/248
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249・水岡俊一
○水岡俊一君 そうすれば、気持ちはあるけれども何かが付いてこないということになってしまっては、それは空約束になりますから、制度的に職員をどのように配置をしていくのか、あるいはそのことについてどのような補助体制を組んでいくのか、そういったことを早急に検討していただきたいと、こういうふうに思っております。
これまでのこの当委員会でも、インクルーシブな教育をいかに進めていくか、学校教育法改正のときにすばらしい御答弁も文科省からいただいたところでありますので、そういった観点から、この幼稚園、保育園、認定こども園ができましたときには、そういった観点を是非とも忘れないでいただきたい、こういうふうに強く要望しておきたいというふうに思います。
そこで、外国人の子供の受入れという問題が出てまいります。
先日私も訪問をさせていただいた保育園におきましては、たくさんの外国籍の子供さんもいらっしゃいました。そういったことがこれからどんどんどんどん増えてくるんではないかというふうに思いますが、この件について両省からお考えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/249
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250・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園における外国人の子供の受入れでございますけれども、近年の国際化に伴いまして増加してきているとは思われるわけでございますが、ちょっと具体的な人数につきましては把握をしていない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/250
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251・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 保育に欠けるお子さんでございまして、国籍要件ございませんので、どこのお子さんでも入れます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/251
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252・水岡俊一
○水岡俊一君 実際に、小学校、中学校における外国人の子供さんの教育について、今の学校教育法の中では十分カバーできない部分もあるけれども、国際条約等のその趣旨も踏まえて適切に対処をしたいという大臣の御答弁もかつてありましたので、そういった意味では是非ともこの件についてもその環境整備について御努力をいただきたいと、こういうふうに思っております。
四月二十一日の文部科学委員会で、衆議院の方ですが、奥村展三議員、カウンセラーや事務職員や養護教員、栄養職員などの専門知識を持った人たちを各部署に就けるのが望ましいという御質問をされました。それに対して銭谷政府参考人が、認定こども園の職員に加えまして、カウンセラー、あるいはNPOの方、あるいは専門機関の方等々、認定こども園が行います子育て支援、地域の実情に応じた柔軟な対応が取れるということがやはり必要だろうと思っております。特に、指導に当たります幼稚園教諭あるいは保育士の方々、親に対しましていろいろなアドバイス、カウンセリングを行ってくれる専門家を幼稚園に派遣したりするといったような事業も今後必要になってくるのではないかと思っております。また、外国籍の子供を含みます多様な子供に対しましてきめ細やかな指導ができるようなことを考えていく必要があると、そういうふうにお答えをいただいております。
子供の健康、安全の確保、子供への直接指導の重要性から、今朝も林委員からのお話がありました。子供の安全確保という観点からも、教員はもちろんのこと、養護教諭、栄養職員、事務職員などの専門職員の配置を努力をしていくべきだというふうに考えています。
こども園で拡張した機能に学校教育法や児童福祉法で定められている人的配置、これについてどういうふうにお考えをいただいているのか、お答えをいただきたいと思います。そういった法律によってカバーをしている人的配置を、是非ともこの一元化の中でどのこども園にも十分な配置ができるような、そういった体制をお考えいただいているのか、また、それが地方自治体にどのような形で指導をしていただくのか、その点について、文科省、厚労省、どちらからもお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/252
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253・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 御指摘ありましたように、幼稚園につきましては、養護教諭、栄養教諭、その他必要な職員を置くことができるとなっておりますが、保育所におきましては、こういう保健、栄養というふうな業務につきまして保育士が一定の役割を担っているという形になっております。
今後、認定こども園の認定基準に関しまして国が指針を定めるわけでございますけれども、こうした養護教諭や栄養教諭などの配置を直接規定することは予定しておりません。おりませんけれども、認定こども園自体が保育に欠けるお子さんも欠けないお子さんも受け入れるという施設であることを踏まえますと、教育あるいは保育の内容としてこうした保健、栄養に関する適切な対応をしなければならないということでございますので、その趣旨に即した適切な対応を規定するということになろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/253
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254・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 認定こども園の教育を円滑に進めるためには、いわゆる幼稚園教諭、保育士などのほかに、カウンセラーあるいは養護教諭、栄養職員、事務職員、様々な職員の力が必要でございますし、また地域の方々、子育て支援の方々、こういった方々のお力もおかりをしながら認定こども園の教育、保育、さらには子育て支援といった事業を展開をしていくことが大事だと考えております。
こういった観点につきましては、総合施設のモデル事業評価委員会におきましても指摘をいただいているところでございまして、今後、認定こども園の運営に当たりまして私ども十分配意をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/254
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255・水岡俊一
○水岡俊一君 お考えはよく分かりました。
私、先ほど教育、保育という文言のことについて少しお伺いをして、幼児の教育ということについて分け隔てなくそれを施す必要があるんだと、それは教育基本法に掲げてあるそういう精神というのが必要であるというふうにお答えをいただいたところでありまして、そういった意味でいえば、子供にとって幼稚園に行くのか、保育園に行くのか、認定こども園に行くのか、いずれにしても適切な教育を受けるという権利を有しているというふうに考えるならば、あるところではそういった職員が十分に配置をされている、あるところではそれがほとんどないということになれば、子供にとってそれは不幸なことも起き得る可能性があって、非常に危惧をされるところでありますから、この認定こども園の法案をこれからもし成立をした後、そういったことについてもきちっとした考え方を是非とも持っていただいて、これからの対応を検討していただきたいというふうに思っております。
それで、今のことについては、文科省としては都道府県、市町村には何か連絡、通知、指導等がされるような御予定があるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/255
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256・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 今後、認定こども園の制度化、十月一日を予定をいたしているわけでございますが、それに向けまして文部科学省としては厚生労働省と協力をいたしまして、まず、認定基準において参酌していただく国の指針というものを作るわけでございます。その指針の中で認定こども園の職員等の配置につきましても所要の規定を設けて、それを地方公共団体の方に御連絡をするということを考えております。
また、この認定こども園につきまして、これまでいろいろ御議論のございました点を含めまして、その認定こども園の趣旨等についてのPR活動というものも併せて行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/256
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257・水岡俊一
○水岡俊一君 それは、通達とか指導とかそういうことではなくて、連絡ということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/257
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258・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 法律が通りますと、施行通知というのは当然考えるわけでございますし、また、通知のほかに様々な方法によりまして地方公共団体に認定こども園の趣旨等について御連絡をするということになろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/258
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259・水岡俊一
○水岡俊一君 それでは、そういった通知の中でこの人的配置についても十分な配慮をするようにというようなことを盛り込んでいただきたい、そういうふうに思うところであります。
ちょっと話を広げ過ぎました。いろんな職員のことに今話を持っていきましたが、ちょっと戻しまして、教諭の問題として、幼稚園では今一学級三十五人以下に教諭が一人、保育所では三歳児の場合二十人に保育士一人、四歳、五歳児では三十人に保育士一人。どうしますかね、認定こども園ではどのような基準を設定するのか、これ大きな問題だと思うんですね。で、短時間部分とか長時間部分で異なる配置ということでは合理的には思えませんし、そういった問題は、これ実際的には非常に重要な問題として目の前にはだかってくると思うんですね。やっぱり同年齢部分の職員配置は、これはやっぱり統一しなきゃいけないでしょう。
そういうふうに考える中で、新聞の報道を見ますと、幼稚園の学級規模の上限を三十五人から三十人に引き下げることを検討しているということはありましたけれども、子供への対応を考えれば、保育所並みの配置というふうにこの際きちっと考え方を述べるということが私は必要だと思いますが、この件について大臣はどういうふうにお考えでしょうか、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/259
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260・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生お話がございましたように、現在幼稚園における一学級当たりの幼児数につきましては、幼稚園設置基準におきまして三十五人以下を原則としているところでございます。これに対しまして保育所の場合は、年齢等に応じて職員の配置基準がかなりきめ細かく決められているということがございます。
今後、認定こども園におきます職員配置につきましては、こういった幼稚園と保育所の実情を踏まえまして、長時間保育の子供につきましては、ゼロ—二歳につきましては保育所と同様の配置、それから三歳から五歳につきましては、共通の時間は学級担任を学級単位で配置をし、長時間児につきましては個別対応が可能な体制ということで職員配置を考えていきたいというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/260
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261・水岡俊一
○水岡俊一君 小坂大臣ね、私、今質問をしたのは、要するに、幼稚園では三十五人に教諭が一人、それから保育所では三歳児の場合は二十人に一人、四歳、五歳では三十人に一人と、こういうふうに基準が違っていると、これから幼児の教育という観点においては、その差を余り考えないんだという観点からすれば、こういった基準をきちっと整備をしていくということが必要ではないですかというふうに大臣にお尋ねしました。
今、銭谷局長からの御答弁がありましたけれども、余りそれについての前向きなお話はなかったので非常に残念ですが、これは、基本的にこの問題をきちっと真っ正面からとらえると、これはやっぱりおかしいだろうと、やっぱり当然変えていくべきだろうというふうな大きな問題の一つなんで、そこのところ是非とも御検討をお願いをしたいと、こういうふうに思うところです。
時間がございませんので、次に幼稚園と保育所、そして小学校の連携ということについて少し質問をしたいというふうに思います。
小学校と就学前教育、保育の連携の下、発達に応じた連続性のある教育が行われるように教育計画の作成、幼稚園幼児指導要録や児童票に当たる子供の記録の作成を義務付けることも必要になってくると私は考えております。
大臣、小一プロブレムという言葉を御存じでしょうか。お聞きになったことはございますでしょうか。幼保小の連携というのは非常に大事になってくると、これ非常に重要な問題だというふうに思うんですね。小学校の不登校児童のうち四分の一、四人に一人は一年生から既に学校に来れなくなっているという実態があるんですよ。ということは、一年生のときの対応にやはり不十分なところがあったのではないかという危惧も抱かれる中で、改めて小学校一年生のときの子供たちをいかに大切にはぐくんでいくかということが非常に重要なポイントだと今言われているわけですね。
そういった中で、私も小学校一年生の子供たちと接したことありますが、大人の感覚からいくと、まるで宇宙人が来たように思うんですね。この子たちは一体どこから来たのか、どういう子たちなんだという意味からすると、その新しく受け入れた子供たちが一体どんな子であるかというのは、非常にこれは大切なポイントなんですね。その小学校一年生担任をされた方は、どっと目の前に来た子たちそれぞれに、かなりの能力をもってしても、子供たちの一人一人の状態をつかむというのはなかなか難しいんですね。そういった意味からすると、幼稚園からは、この子はこういった特徴があって、こんなに明るくて、こんないいところがありますよとか、なかなかシャイかもしれないけれども、要するに友達ができたら本当に仲良くできるいい子ですよとかいうようないろんな報告を、小学校の先生は有り難くそれを受け取るわけですね。
ここで私、今思うのは、幼保小の連携、つまり幼稚園と小学校の連携は今若干進み始めています。しかし、保育所、保育園と小学校の連携、認定こども園と小学校の連携、こういったことについては、まるで今まだ手付かず状態というか、考えていない状態だと思うんですね。そういった意味からすると、そういった連携をいかに取るか、連携を取るという中にそういった子供たちの記録を小学校に上げていくということも一つあるんですが、そういったことについて大臣としてはどういうふうにお考えであるか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/261
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262・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 小一プロブレムというのがあります。確かに、幼稚園、保育園で遊戯を中心としてきたり、それから最近の少子化の中で少人数で保育を行われる、あるいは幼児教育を行われる。しかし、それを解消するために、最近では小学校に隣接したところで幼稚園を設けたりあるいは保育園を開設して、あなたはこれからあっちの学校に将来行くんですよというふうに小学校を見ながら保育あるいは幼児教育をすると、そういうような形を取って、できるだけいわゆる小一プロブレムというのを発生させないような努力が講じられ、また今委員が御指摘のように、幼稚園あるいは保育所からこの子についてはこういうことなんですよということで地域の中の連携の中で情報を提供していく。これは個人情報保護とかいろんな関係もありますけれども、そういう枠内で、一定の枠内でそういう努力をされているということがあってその解消に努められているところでございますけれども。
委員も御指摘になりましたように、幼稚園において幼児の学籍及び指導に関する記録としての指導要録の作成、そして進学先小学校への送付が法律上義務付けられているわけですけれども、一方で保育所においては、幼稚園における指導要録と同様の書類の作成義務がないわけですけれども、多くの施設において、保育経過記録といったようないわゆる指導要録に相当するものを、幼稚園の、同じような内容のものを書類が作成をされております。ただし、これらの書類については、必ずしも小学校への送付を義務付けられておりませんので、必ずしも送付されているとは限りませんけれども。
御指摘のような総合施設モデル評価委員会の報告等においても、小学校の連携の観点から、この指導要録あるいはこれに相当する保育所の保育経過記録などもできるだけ提供するような円滑な接続を図る必要があると指摘をしております。このことから、認定こども園におけるこどもの記録については、小学校との積極的な情報の共有を図るべく相互の理解を図っていくように私どもとしても指導をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/262
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263・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございます。
厚労省の方はいかにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/263
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264・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 本年三月にまとめていただきました総合施設モデル事業評価委員会の最終まとめにおきましても、すべての幼児について指導要録の抄本、写しなど子供の育ちを支えるための資料の小学校への送付により連携が必要という御指摘をちょうだいしております。
認定こども園につきましては、小学校との積極的な情報の共有、相互理解ということが必要だというふうに考えておりまして、文部科学省ともよく相談をしまして、国の指針におきましてはそれがきちんと記述されるような方向で検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/264
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265・馳浩
○副大臣(馳浩君) 一昨年、発達障害者支援法の立法にかかわった者として改めて答弁させていただきたいんですけれども、あの法案では脳機能障害という規定をして、定義として広汎性発達障害、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害ということで、大体四分類に分けた上で、と同時に、連携を重視すると。これは幼稚園、保育所と小学校、また小学校と中学校、中学校と高校、高校と大学、また就労に当たっては、ジョブコーチの活用等を含めて就労先との連携ということを努力義務規定にいたしましたが、やはり小学校一年生の先生にとっては、いきなりどういう傾向のあるお子さんなのかということが分からないまま四月一日に受け止めて、大変苦慮される問題なんですよ。
今後、今大臣からも厚労省からも答弁ありましたように、きちんとした連携がなされて、こういう対応、望ましいという、そういうことを現場の先生が分かっておれば、去年から実施されましたけれども、発達障害者支援法に基づく現場における施策は始まりましたけれども、まだまだ十分ではないんですね。専門家も少ない。こういうふうな現状でありますが、この連携という作業が本当に今後とも深く密接にいくことができるように、まさしくこれも厚生労働省と連携をしながら、幼稚園から来たらこう、保育所から来たらこう、認定こども園から来たらこうという、何かどれがどれだか分からないような仕様ではなくて、できれば指導要録にたぐいするようなものが同じように上がってきて、小学校一年生を担当する教員がそれに応じて、自ら研さんを積み重ねたそういう発達障害児への対応ということができるようにする、これはすべてのお子さんに対してあり得べき対応であろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/265
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266・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございます。
不登校の話をしましたが、不登校だけじゃなくて、学級崩壊という深刻な問題も今の小学校の中にも非常に多くあります。そういったことを含めて、みんながいろんなことを考えながら、子供たちをはぐくむ、その手段、そして知恵を寄せ集めて教育に当たるべきだというふうに考えておりますので、ひとつ厚労省ともに積極的に取り組んでいただきたいと、こういうふうにお願いをしたいというふうに思います。
この認定こども園の法案については、就学前の子供たちの教育、保育をどのように進めていくかという問題でありますが、私は先日、前回の質問の際には、日本に暮らす外国人の子供たちの教育の問題について文科省にお尋ねをして積極的な御答弁をいただいたところでありますが、今日若干時間をいただいて、各委員のお許しをいただきながら、海外で学んでいる子供たち、海外に暮らす子供たちの教育問題について若干質問をさせていただきたいというふうに思います。
実は、ニューヨークの近郊にコネチカット州グリニッチというところがございます。大変風光明媚ですばらしいところでありますが、ここにニューヨーク日本人学校というのがございます。ニューヨーク日本人学校のグリニッチ校でございますが、非常に残念なことでありますが、二〇〇五年の二月の十六日、昨年の二月十六日にこの日本人学校で火災が起きました。海外の日本人学校で火災が起きる、非常に子供にとって危険だということが言えるわけですが、幸いにもこの日は、火事が起きたのは夜間であって無人であったということから子供の被害はございませんでした。教職員の人的な被害はございませんでした。しかし、木造モルタルの事務局長室が全焼すると、こういうような事件があったんですが、これは文部科学省として、日本人学校に学ぶ子供たちの安全という観点からどういうふうにお考え、お受け止めをされたのか、少しお伺いをしたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/266
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267・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 昨年二月の十六日でございますが、午後十時ごろに、ニューヨーク日本人学校の敷地内にあるニューヨーク日本人教育審議会事務局長室のある建物が半焼をしたわけでございます。この点につきましては、外務省及び同日本人学校の校長を通じて承知をいたしております。
文部科学省では、児童生徒等の安全面の観点から、同校の校長を通じまして火災状況や対応策などを聴取するとともに、外務省を通じまして情報収集に努めましたが、火災原因等については放火であるとの報告を受けており、いまだ捜査中とのことでございます。なお、火災の後、地元警察による二十四時間警備体制がしかれたことと承知をいたしております。
日本人学校等における安全確保につきましては、文部科学省としては、毎年実施をする日本人学校校長研究協議会や、安全対策に関する通知等で周知をしてきたところでございます。今後とも、児童生徒及び教職員の安全確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/267
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268・水岡俊一
○水岡俊一君 この件について、外務省としてはどういうふうに受け止めておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/268
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269・谷崎泰明
○政府参考人(谷崎泰明君) ただいま文科省の方から御答弁申し上げましたけれども、外務省としましても、昨年二月に発生した本件火災につきましては、この原因が警察、消防当局により放火と断定されたことについては非常に残念なことだというふうに思っております。放火につきましては、現在引き続き現地当局が捜査を続行しているというふうに承知しております。
他方、当然のことながら、本件は児童生徒の安全にかかわるということでございますので、外務省としましても、現地の総領事館を通じまして警察当局へ事実関係の調査を更に照会していきたいというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/269
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270・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございました。
今、外務省の方からもお答えをいただいたんですが、この火災は放火であるということが言われて、現地の新聞でも報道がされました。時間があればそういったことを詳しくお聞きをしたいんですが、時間もありませんので私が申し上げると、つまりは、この放火ということになぜ結び付いたかということですね。それは、物証的に放火だということのほかに、実際にこのニューヨーク日本人学校である問題が巻き起こっていて、それの事務処理上の問題でいろいろとトラブルが続いていた。その中の一つとして、事務局長室のすべての書類を燃やすことによって解決を図ろうとした人間がいるのではないかというようなことがありまして放火であるというふうに断定もされたところだというふうに私は聞いております。
その問題というのは何かというと、このニューヨーク日本人学校を売却をするということを日本人学校の理事会が決めて、それにPTA、保護者側が強行に反対をしているというトラブルが起きているわけですね。そういった中で、私はそのニューヨーク日本人学校に通う子供さんの保護者から連絡を受けまして、実際に、海外の日本人学校というのは国立ではありませんので、一応私立になっておりまして、理事会というのがどこにもあるんですね。このニューヨークの場合はニューヨーク教育審議会というのが実質的な理事会でありまして、この審議会と学校のPTAが激しく対立をしている、学校の内外でもうその問題は非常に明らかになっていて、子供たちもそして親たちも大変動揺しているという状態がこの一年余り続いているわけですね。
それで、今正に売却問題が終盤を迎えているといった状況なんですが、こういったことが、日本の国費を多額に投入をしている日本人学校でこういった問題が起きている。それは中身が、審議会とPTAが対立をしていると、こういったゆゆしき事態について、文科省、文科大臣としてはどういうふうにお考えを持っておられるのか、あるいはそれにどのように対応してきたのか、もしあればお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/270
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271・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ニューヨーク日本人学校の校舎売却問題につきましては、現在、在ニューヨーク総領事館が日本政府の窓口として、売却に反対をしている日本人学校の保護者と売却を進めているニューヨーク日本人教育審議会との間の解決に向けて御尽力いただいているところでございます。
ニューヨーク日本人学校の校舎につきましては、ユダヤ人学校に売却をした後、その一部を日本人学校として使用し、一部をユダヤ人学校と供用する計画であると承知をいたしております。児童生徒の教育指導を含め、学校の管理運営等を円滑に行っていけるよう、ユダヤ人学校側との意見交換を行う場として共同運営委員会が設置をされ、今後具体的な議論がなされると承知をいたしております。
文部科学省としては、ニューヨーク日本人学校の教育活動につきまして、ユダヤ人児童生徒との相互交流の実施を含め、今後一層の充実が図られることを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/271
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272・水岡俊一
○水岡俊一君 なぜこのような話をするかということで少し説明をしたいんですが、海外の日本人学校というのはほとんどの学校が校地、校舎を借りております。その借りるお金を日本の政府から援助していただいているというのが通例なんでありますね。ところが、このニューヨーク日本人学校グリニッジ校というのは、広大な土地そしてすばらしい校舎を取得をされたんですね、一九九二年に。当時、私が聞いたところによりますと、二千三百万ドルで購入をしたと、こういうお話であります。
そして、こういった購入に際して、日本の国はシドニー方式という方式でもって援助を続けている。つまりは、借料ではないけれども、払わなきゃいけないローンの肩代わりをしているといった状態があるわけですね。そのお金が、今二千三百万ドルの購入価格と申し上げましたが、やはり半端なお金じゃないですね。
今、文科省が、あるいは外務省が、海外の日本人学校の教職員の給与費、そして施設費を補助をしているわけでありますが、その全体の額からしても、ニューヨークのこの学校に掛かっているその援助額は、これは大きなパーセンテージを占めることでありまして、そのことについて少し外務省から、購入価格、そして現在の売却をしようとしている価格、そしてこの間の国費としてこのローンの肩代わりをした合計金額等、分かる範囲で結構ですから、少し答弁をいただきたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/272
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273・谷崎泰明
○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。
この校舎の購入に要した経費でございますけれども、購入経費が校舎附属設備を含めまして八百万ドル、それから、これは築九十年の建物ということでございましたので、約千五百万ドルをこの整備に使っております。したがいまして、全体としましては今御指摘がありましたように二千三百万ドルというふうに承知しております。
このうち、政府としての援助でございますけれども、このうちおおむね半分の約一千二百万ドルを負担することとしておりまして、これを平成四年度から毎年約六十万ドルを援助してきております。したがいまして、平成十七年度までの援助額の合計は約八百三十万ドルということになっております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/273
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274・水岡俊一
○水岡俊一君 今お答えをいただいて更に明らかですが、売却価格は幾らというふうに承知をされているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/274
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275・谷崎泰明
○政府参考人(谷崎泰明君) 売却価格は二千万ドルと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/275
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276・水岡俊一
○水岡俊一君 日本の政府としては、ローンの支払分をこれまでに八百三十万ドル援助をしてきたと。この学校は、当時は二千三百万ドルで経費が要ったが、今回二千万ドルというようなことで、実際には日本政府が約十億円ですか、八百三十万ドルということは、そうですね、約九億数千万円のお金をつぎ込んだ学校が今回売られてしまうということですね。ということは、このこれまでに掛けたお金というのは、これはすべてこのニューヨーク日本人学校の資産として考えられるものなんでしょうか。シドニー方式というもの、私も詳しくは分かりませんので、こういった売却が起こったときにはどうなるのか、今外務省で何かお持ちの材料がありましたらお答えいただきたいんですが、あればでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/276
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277・谷崎泰明
○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。
いわゆるシドニー方式で国が援助をして購入したものを売却したという例はこのニューヨークの日本人学校は初めてのケースでございますので、そういう意味におきまして比較する例というのは今のところございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/277
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278・水岡俊一
○水岡俊一君 私は、国費が多額に投入をされて、そのことが邦人、日本の子供たちあるいは日本人学校に学ぶ子供たちのために使われて、有効な使い道であれば私はいいと思うんですが、このたびそういう売却問題が生じてきて、多額のお金が動いて、そして、実はニューヨークというのは今非常にすごい土地バブルなんですね。ですから、二千三百万ドル、八百万ドルで買うて、一千五百万ドルお金を掛けて、二千三百万ドルで実際には今の学校を手に入れたことになりますが、それだけの物件を今回三百万ドルも安い値段で売却をする、そしてその取得にかかわっては日本から八百万ドルからのお金が投じられていたということで、一体これはどういうことなんだということで理事会とPTAがもめているという、そういう内容なんですね。
ですから、この中に、なぜそういう安く売らなきゃいけないんだというふうに保護者の方々が言っているわけですね。これは、報道によりますと、その陰に黒いうわさがあるんではないかというようなことで非常に問題視をされて、これはニューヨークの日本人会だけじゃなくて、ニューヨーク市民の間でも大きな話題になっている。日本でも実は週刊誌でも取り上げられて、四月に出たところでありますが、余り大きな問題にはなりませんでした。
そういったことで、私としては、この問題を外務省としては今後どういうふうに見ていかれるのか、どういう対応をされようとしているのか、ちょっと領事館の立場というのもあると思いますので、その辺りについて若干外務省のお答えをいただきたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/278
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279・谷崎泰明
○政府参考人(谷崎泰明君) 御指摘いただいた点は二点あるかと思います。一点は、特に児童のことを考えてどうするのかという、こういうことがあるかと思います。
ここにつきましては、そもそもこの学校を売却するというのは二年前の理事会、二〇〇四年三月の理事会において決められたというときでございますけれども、総領事館の方から外務省の考え方を体しまして申し上げたことは二点ございます。
一点は、各、校長を始め関係者の意見を反映できるようにすることということが一点でございます。それからもう一つは、保護者及び協力企業、関係団体に対して十分な説明責任を行うという、これを尽くすようにということで、その理事会の場で発言しております。
それに基づいて外務省としましては、この問題が、御指摘のような問題が出てきた後、必要な対応、調整ということについて、総領事館を通じまして関係当事者に対して働き掛けを行ってきたということでございますし、今後も行っていきたいというふうに考えております。
他方、この問題につきまして、御案内のとおりでございますが、ニューヨークの州当局に現在この許可についての審査が付託されておりまして、この州当局の方が言わば客観的な形での判断を、この売却契約の適正さについて現在審査をしているというところでございます。したがいまして、我々としましては、このニューヨーク州当局の客観的な形での判断というものを待っているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/279
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280・水岡俊一
○水岡俊一君 今、ニューヨーク州当局、特に最後まで残っておりますのはニューヨークの最高裁というふうに聞いております。ニューヨークの最高裁が事実上今待ったを掛けているという状態であるというふうに聞いておりますので、そういったことについては注視をしていただいて、今後の対応を是非とも、子供たちの立場に立った対応を是非とも外務省、文科省ともにお願いをしたいんですが。
そこで、文科省にお伺いをいたします。
この売却問題、今簡単にでしか報告をできませんでしたが、非常に多額のお金、それも国費が投入をされている中で起きたこの疑惑にまみれた売却問題について、PTA、保護者の側は非常にこのことに懸念を持って、そして論理的な証明、論理も突き付けながら反対ですと、こういうふうに述べていますけれども、今日、学校教育を学校側だけでやっちゃいけないと、保護者の意見だとか家庭、地域と一緒に連携をしていくということが必要であるという立場にある文科省としては、このニューヨーク日本人学校がこういった形で保護者側の意見を無視しているということについてどういう見解を持っておられるのか、文科省からお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/280
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281・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 文部科学省といたしましては、今回の校舎売却を含めましたこの問題につきまして、教育審議会側と保護者側で意見が対立をしているということを承知をしているわけでございますが、基本的には現地の関係者の円満な解決に期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/281
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282・水岡俊一
○水岡俊一君 いや、だから、保護者の側のそういった意見をどういうふうに取り入れていくのかということが学校運営上非常に重要ではないかということを私は申し上げたかったんですね。だから、そのことを文科省としてもきちっととらえていただきたいというふうに思うんですが、時間がございませんので、大臣にちょっとお願いしたいんです。
このことも含めてですが、現地の学校には現職の日本の学校で勤めた校長、教職員が多数派遣をされております。こういった方々は実際には教育的見地からこういうふうに考えるんだという意見を、様々な意見を持っておりますし、校長にあっては文書の形でもきちっと明確に意見を述べているんですね、これまでに。しかし、これはニューヨーク日本人学校においては重視をされていないというふうに私は聞いております。
今外務省からも、校長等の意見を十分聞くようにと領事館でも言っているというお答えがありましたけれども、大臣としてはどういうふうにお考えであるか、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/282
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283・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 外国の地における日本人教育のために日本語学校、補習校等、これにおいては、私の経験から判断いたしましても、現地の日系企業がお金を出し合ったり、いろんな形で支援を行ってきているところだと思います。また、ニューヨークの教育審議会も、そういった日系企業の支援等も踏まえながら今日までの運営がなされてきたと思うんですね。
そういう中で、やはり教育でございますから、学校長はその学校運営全般にわたってやはり責任を持っていくわけでございます。そういう意味からすれば、やはりそのニューヨークの日本人学校長は、ニューヨーク教育審議会との間において、日本人学校長としては教員等の意見を代表する立場でその意見を述べる、そういう、何といいますか、責任があり、またそういう立場で行動もしていらっしゃると思います。ですから、そういう意見はそれなりに尊重されるべきと思っております。
私、もう一度この問題、昨年のもう十二月に調印が済んでいるということを今報告の中で読みましたけれども、ニューヨーク当局の許可を待っている状況にあるということですが、今一体どのような状況にあって、そして今後どのような方向で進みそうになっているのかも含めて現状を把握いたしまして、そういう中で、外務省と協力をしながら、現地との連絡を密にして、今後の対応を適切なものになるように見守ってまいりたいと。見守るということはすなわち私なりに努力もするということも含めてでございますが、現地の方の状況をしっかりと把握したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/283
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284・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございます。
是非大臣にお願いしたいのは、私が調べましたところ、校長は審議会に出席をしておりますが、オブザーバーということで議決権がないそうです。ですから、今回の売却問題等様々な問題について、重要な案件について賛否を問うときは退席を命じられるそうです。こういったことが今のニューヨークの教育審議会の中で行われているということについて、是非とも調査をいただいて大臣の対処をお願いをしたいと、こういうふうに切にお願いをしたいというふうに思います。
最後に、実はニューヨークの総領事館の総領事はこの四月に交代をされました。だれが新しい総領事になったかというと、実は、このニューヨーク教育審議会の中で、売却側で、売却をすべきだという側で強く主張されたある人物が実は商社を辞めて急遽ニューヨークの総領事になられた、こういうことなんですよね。この問題についてはもう語りたいことたくさんあるんですが、それは、私自身はこの方にお会いをしました。非常に紳士な方であって、その人を個人的に私は責めるつもりは全くありませんが、しかし問題が起きていて、放火事件も起きていて、ニューヨークの最高裁判所も待ったを掛けて、そういった状況の中にあって、渦中の人を、まるでこの問題をばさっと切り捨てるかのような高級外務公務員を指名をしていく、任命をしていくということに私は疑問を感じますね。
全世界の日本人学校は、現地においてステータスが認められていないところがほとんどなんですね。ということは、何々大使館附属○○日本人学校、○○領事館附属○○日本人学校というような形になる可能性が強くて、そういう意味では、トップは大使とか公使とか総領事なんですよね。そういうことになる中で、これはやっぱりゆゆしき人事だというふうに、外務省だけの話じゃなくて、文科省としてもこれは重要な問題だというふうに思うわけです。
そういった意味では、是非委員長に、民主党はかねてより高級外務公務員の人事を国会の同意人事にすべきだという意見を主張しておりますので、また当委員会でも理事会で協議をしていただくように委員長にお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/284
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285・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/285
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286・水岡俊一
○水岡俊一君 ありがとうございます。
そういったことで、子供たち、あらゆる立場にいる子供たちの教育を私たちは見守り、チェックをし、そしてはぐくむことに力を注いでまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
以上で私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/286
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287・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
朝から濃密な議論が続いているわけですが、最後の質問者ですのでよろしくお願いをいたします。
この認定こども園の制度は、中央教育審議会の幼児教育部会と社会保障審議会の児童部会の合同会議で議論をされてきました。昨年十二月の審議のまとめでは、総合施設の在り方については、子供たちの視点に立ち、子供の最善の利益を第一に考えとあります。また、総合施設モデルの事業評価委員会の最終まとめでも、子供の最善の利益を第一にと、こういう言葉があります。
そこで、文部科学大臣と厚生労働副大臣にお聞きするわけですが、この子供の最善の利益を第一とする上で国の責任というものがこの法案の中でどのように位置付けられているのか、まずそれぞれお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/287
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288・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 今委員が御指摘になりましたように、総合施設モデル事業評価委員会の最終まとめにおいても、子供の視点に立ってということでございます。こうした提言を受けまして、今回の認定こども園では、現在は保護者の就労の有無で利用施設が幼稚園、保育所のいずれかに限定されているわけでございますけれども、就労形態が多様化する中で、保護者が就労を中断あるいは再開しても、子供が施設を替わることなく、一貫した教育、保育を受けることが可能となるという点において、子供を第一にという視点を貫いているわけでございます。また、保育に欠ける子供も欠けない子供も同時に受け入れることによりまして、子供の健やかな育ちにとって必要とされる大切な集団活動や異年齢の交流の機会が確保されるというメリットもございます。
これら子供の視点に立った制度設計をしていることから、子供の最善の利益を第一に考えるものであることは、この答申の、答申といいますか、最終まとめの方向に沿ったものと考えているわけでございまして、今後とも厚生労働省と緊密な連携を取って国としての責任をしっかり果たしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/288
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289・中野清
○副大臣(中野清君) 井上議員の御質問にお答えしたいと思いますが、ただいま文部科学大臣から御答弁がありましたけれども、児童福祉法では、福祉の基本理念として、児童は心身ともに健やかに育成されるべきであると、また二番目といたしましては、児童は生活を保障され愛護されるべきことが規定されておりまして、この理念に向かいまして児童の最善の利益を担保することが当然考えられるわけでありまして、この法案につきましては、ですから、委員も先ほどお話ございましたけど、子供の立場でこれを、制度設計を考えたつもりであります。
具体的には、今大臣からも御答弁がございましたけれども、認定こども園におきましても保護者の就労のいかんにかかわらず、これは御承知のとおり、例えば保育所におきましては保護者の就労というのが一つ条件になっておりますけど、それをそうじゃなしに、就労の状況にかかわらず、子供が、例えば就労した後また今度辞めたとかというようなことがございますけど、施設が替わることなく一貫した教育や保育が受けられること、また子供の育ちにとって大切な集団活動とか、いわゆる異年齢交流の機会ができるというようなことをもちまして、あらゆる子供の健やかな成長を支える観点からの制度と思っておりまして、子供の最善の利益を第一にして考えてまいりたいと思っていますし、また事実そのつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/289
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290・井上哲士
○井上哲士君 そういう立場での制度設計だという答弁がそれぞれありました。私は、しかし、今朝からのずっといろんな審議を聞いておりまして、果たしてこの法案がこの子供の最善の利益を第一に考えて、しっかり国の責任を果たすものになっているんだろうかということを改めて問われていると思うんですね。
そこでまず、その国の基準というものの位置付け、在り方についてお聞きするんですが、今、保育園は児童福祉施設最低基準、幼稚園は幼稚園設置基準がそれぞれ定められております。で、保育園の方ですけど、この基準というものはどういう経過と考えで定められてきたのか。そして、特にゼロ歳児につきましては、当初は子供一人に職員六人が一人から三人ということに変わったと思うんですが、こういう改正というものはどういう考えで行われたのか、御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/290
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291・白石順一
○政府参考人(白石順一君) お尋ねの保育所の最低基準でございます。とりわけゼロ歳児の配置基準が六対一から三対一に変わった経緯についてのお尋ねだったと思います。
こうした基準につきましては、児童の身体的、精神的あるいは社会的な発達のために必要な生活水準を確保するというふうなことで、午前中も御指摘ありました児童福祉法の最低基準のような形で、職員の配置基準ということで決まっておるわけでございますが、これは特に三対一、六対一の点につきましては、昭和四十一年度及び四十二年度に厚生科学研究を行いましたデータを基礎といたしまして、保育士の業務内容の実態、保育士と子供との必要な接触関係の検討というものを中央児童福祉審議会で御検討いただきまして、それは昭和四十三年度でございますが、それに基づいて定められたわけでございます。そういうことでございます。
その後、都心部を中心に低年齢児の待機児童の解消が大きな課題となったということもありまして、当初は予算事業であったものを実際の最低基準上の配置基準というふうに平成十年度に最低基準上の明示をしたと、こういう経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/291
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292・井上哲士
○井上哲士君 今ありましたように、この保育にかかわる基準というものは様々な研究にも基づいて、やはり子供たちにとって必要なものだということで決められ、そして改善もされてきたわけですね。そういう背景があります。
ところが、こういう基準を下回っていても許容されるのが今回の認定こども園ということになります。この認定こども園の場合は、文部科学大臣と厚生労働大臣が協議をして基準は決めるけども、最終的には都道府県がそれを参酌して条例で決めるというふうになっております。
しかし、小学校の定員にしても、それから今の保育や幼稚園の基準にしても、これは全部国がこの最低基準を決めてきたわけですね。日本のどこに住んでいようが、子供たちには必要最小限のこれは決めて、そこに格差が出ないようにするということが行われてきたと思うんです。なぜその認定こども園だけは、国が最低基準でやるんではなくて、都道府県にゆだねるという形を取るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/292
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293・馳浩
○副大臣(馳浩君) 認定こども園については、一定の質を確保した上で、地域の実情に応じた対応を可能とするため、その認定基準については、文部科学大臣と厚生労働大臣が質の確保の観点から指針を定め、各都道府県においてこの指針を参酌して認定基準を定めることとしたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/293
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294・井上哲士
○井上哲士君 今のは聞いたことの答弁になっていないと思うんですが。
要するに、保育園や幼稚園、それから小学校にしても、今だってこの国の最低基準に上乗せをして、いろんな地方で工夫が行われているわけですね。保育などは相当地方自治体の裁量で上乗せなどが行われてきているわけです。ですから、別に国がしっかり最低基準を決めるということでやったって地方のニーズにこたえることはできると思うんですね。にもかかわらず、なぜ保育所や幼稚園は国の基準でやっていて、この新しい認定こども園だけは地方の最終的には裁量ということにするのか、なぜ認定こども園だけなのかと、そこをお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/294
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295・馳浩
○副大臣(馳浩君) 基本的にはそのガイドラインをお示しをした上で条例に基づいて、その条例の審議の過程において、地方議会においてより良い運営がなされるようにということで、条例によって基準が定められて認定こども園の認定がなされていくと、こういうプロセスになるわけですけれども、基本的に全国の幼稚園、保育所の配置、また幼保連携型の施設の配置等を考えたら、市区町村、千差万別ですよね。私の地元の石川県というのは、本当に保育所はとても多い、幼稚園とても少ない。逆の地域もございます。そういった地域事情に応じて、そして施設長のやはり最終的には申請に応じて認可をしていくということになるものでありますから、これは最終的に国が認定基準のガイドラインを定めて、それに従った上で、地域の実情に応じて、条例に応じて定めていただく方がより機能的に、機動的に認定の基準を作っていただけるのではないかという考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/295
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296・井上哲士
○井上哲士君 仕組みについては、プロセスについてはお答えがあったんですが、私は、先ほど来言っていますように、今だって、保育所にしたって小学校にしたって、国がしっかり最低基準を決めて、その上で地方の様々な工夫が行われているわけですから、決して最低基準を決めることと地方のニーズにこたえることは対立しないと思いますし、むしろしっかり決めるべきだと思うんですね。
今、国のこの基準に満たないいわゆる認可外の保育所でも、子供たちに良い保育をということでいろんな努力をされているところが少なくありません。私もたくさん知っております。しかし、やはり国の認定基準があるということは、そういうところも含めて、保育の質を守り高めるというための大きな役割を果たしてきたと思うんですね。
私、この間、愛知県で保母さんや保育園の園長さんなど、保育関係者の皆さんとこの法案で懇談をする機会があったんですが、やはりこの保育の現在の基準、保育の質というのはまだまだ高めてほしいという要望はありますけれども、それこそお父さん、お母さん、関係者が営々とした運動を続けられて、そして自治体にもいろいろと運動をしてきて、その積み重ねで今のやはり保育の水準というのがつくられてきたと。そのときに、国の最低基準があるというのがそういう運動や要望のやっぱり土台になってきたということをこもごも語られたわけですね。
今回のこの認定こども園でも、国の補助については地方裁量型には出ないと。その理由として、これは局長も答えられておりますが、保育の質の確保のためだと、こういうふうに言われているわけですね。ですから、国の基準を定める、そのことがやはり今日の保育の質の確保になってきたし、今もそうだというのは先ほどの答弁にもあるとおりなんですね。
ところが、国としての最低基準は決めない。そして、これまでの国の最低基準を下回ったものであっても場合によっては認定こども園として認めると。こうなりますと、二重の意味で国の責任というものが後退をして、最低基準があいまいになり、あるいは保育の質の下がることにつながるんじゃないかと、こういう多くの懸念があるわけですけれども、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/296
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297・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 手続的な面につきましては、認定こども園については、いかなる類型であっても、認定こども園として必要な基本的機能はこの法案の規定に基づき確保をされ、その上で、職員配置や施設設備等の具体的な認定基準については都道府県が地域の実情を考慮して条例で定めることとしておりますけれども、国はこの認定基準に関する指針を示すことにしておりまして、これにより一定の質の確保が図られるものでございます。
また、都道府県が認定基準を定める際には条例によることとしていることから、都道府県議会の審議の過程で質の確保の観点から十分な検討がなされるものでございます。その意味で、認定こども園の教育、保育の質の確保ということについてはこういうシステムで十分確保できるというふうに考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/297
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298・井上哲士
○井上哲士君 義務教育の国庫負担のときにも随分議論をいたしましたけれども、例えば教材費が交付税化をされたことによって、実際には子供たちの教材に回るべきお金がほかに回っているというような事態も随分あったわけですね。これは問題だということも大臣も言われました。今の現状でも、基準を上回る職員配置など随分自治体で上乗せをしているところもあれば、ぎりぎりというところ、いろんな水準が全国にあるわけです。
ですから、もう一回大臣にお聞きしますけど、やっぱり子供の最善の利益を第一に考えるということになれば、やっぱり国がしっかり最低基準を定め、それをむしろ底上げをしていくということこそが求められるのであって、底を下げていって何か施設が参入をしやすくするということだけを考えるのではこれは逆行だと思うんですけれども、国の責任を果たすという立場でもう一度お考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/298
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299・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 繰り返しの答弁になるかもしれませんが、認定こども園につきましては、一定の質を確保した上で、それで、それぞれの地域の実情、すなわち保育所がどのような配置にある、幼稚園がどんな配置にある、また子供さん、就園適齢の子供さんがいらっしゃる、また保育に欠けるお子さんの数がどうだ、そういったそれぞれの地域の実情に応じた対応を可能とするために、その認定の基準については、文部科学大臣と厚生労働大臣が質の確保の観点から指針を定めるという責任を果たし、そして、都道府県においてはこの指針を参酌して認定基準を定めて実質的な対応を図っていただく、こういう形で責任の分担をしながら国としての責任を果たしていきたい、このように考えるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/299
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300・井上哲士
○井上哲士君 幾つか御答弁いただきましたけれども、やはり認定こども園だけが地方自治体が参酌をして決めるという制度にすることは、私はやはり国の制度の、責任の後退につながっていくということを感ぜざるを得ないんです。
それで、具体的に、じゃ、そこで決められる基準の運用の中身について幾つかお聞きをいたしますが、認定こども園では、長時間の保育を受ける子もいれば短時間の子もいます。それぞれの状況に合った職員配置が必要ですが、今日も答弁で、ゼロ歳児から二歳児までは保育所の基準、三歳児以上は幼稚園の基準と、こういうようなことのようですが、ゼロ歳児から二歳児は保育所の基準といいますけれども、現在でもいわゆる待機者対策ということで定員の緩和を実施をしているわけですが、この定員の緩和ということは認定こども園になっても同じことになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/300
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301・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 市町村におきます待機児童対策という観点から、最低基準を遵守するということを前提に定員を超えて児童を受け入れることは従来から保育所において認めてきたところでございます。
認定こども園の認定を受けた保育所に関しましても、保育所である以上、最低基準の遵守を前提に、待機児童対策の観点から定員を超えて児童を受け入れることは認めるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/301
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302・井上哲士
○井上哲士君 既にこの定員の緩和で随分窮屈な環境で保育を受けるという実態もあるわけで、認定こども園が保育所の基準だから大丈夫だとは言えないと思うんです。
その上で、三歳以上の問題ですけれども、三歳以上の職員配置について、ちょっと確認になりますけれども、その基本的考え方をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/302
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303・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 三歳以上の子供についての職員配置でございますけれども、総合施設モデル事業評価委員会の最終まとめを踏まえまして、まず学級を単位として、学級ごとに職員を配置しつつ、長時間利用児につきましては保育所と同様の職員を確保し個別対応が可能な体制とするということといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/303
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304・井上哲士
○井上哲士君 それでは、具体的に三歳児の場合を聞くんですが、三歳児で三十五人いる認定こども園の場合に、幼稚園では三十五人で一学級ということになると思いますが、そのうち十五人は短時間で、二十人はその後も保育を受けるという場合の人の配置というのはどうなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/304
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305・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、今先生おっしゃいましたのは短時間児が十五人、長時間児が二十人ということでございました。
まず、いわゆる午前中でございますけれども、これは十五人と二十人の子供が幼稚園と同様の職員配置基準で学級を編制して、それに対応する授業というか教育活動を行うわけでございますので、言わば午前中に一人職員が必要になるということでございます。
それから、長時間利用を行う子供に対しましては、きめ細かい対応ができるように保育所と同様の職員配置基準で算定した数の職員を確保するということでございますので、長時間児が二十人でございますので職員が一人必要になると。したがって、午後、最低一人の職員を確保する必要があるということになろうかと思います。
実際の先生方の勤務のローテーションとか、そういうことにつきましては、それぞれの設置者において判断をしていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/305
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306・井上哲士
○井上哲士君 そうしますと、午前中は三十五人で一人、午後からは保育で二十人で一人ということですが、それは別々の一人なのか、同じ一人になるのか、それはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/306
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307・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 正に職員の勤務時間の配分ということに、割り振りと、勤務時間の割り振りということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/307
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308・井上哲士
○井上哲士君 配置基準としてどうなるのかということをお聞きしているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/308
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309・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 最低一人職員が必要であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/309
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310・井上哲士
○井上哲士君 今お答えのとおりなんですね。
要するに、今まで午前中三十五人の子供を幼稚園でやっていたと。その上に、午後からは二十人の子を保育をするという仕事が付け加わっても、同じ一人の人が配置をやるということなんですね。こうなりますと、仕事としては私は倍ぐらいになるんじゃないかなという気がしています。今の幼稚園の実態でいいますと、午前中にそういう子供たちを見て、午後にいろんな実務のことやら話合いやらをしているというわけですけれども、その部分もこの人は全部やることになるわけですね。
そうしますと、労働環境としても大変厳しいものになりますし、勢い保育や教育の質の低下につながると思うんですけれども、大丈夫ですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/310
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311・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) もちろん、その教員の勤務時間というのが八時間勤務ということが原則でございますので、実際にただいまのような例で教員を具体的にどう配置するかということは、いろいろ人事のローテーションその他を考えて必要な配置をしていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/311
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312・井上哲士
○井上哲士君 ローテーションの問題じゃないと思うんですね。総仕事量が増えるわけです。そして、やはり保育や幼児に対する教育というのは、もうその大半はやはり人の問題ですから、それを仕事は増やしておきながら必要な人的配置をしないということであれば、これはやっぱり質の低下につながるという懸念を持たざるを得ないんです。
それで、もう少し聞きますけれども、例えば今幼稚園では既に預かり保育や三歳児未満児の受入れも進められておりますが、この預かり保育を実施している園は約七割と言われていますが、一日当たりでいうと、人数的には何人で、全体に占める割合はどうなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/312
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313・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園における預かり保育の受入れ幼児数は、平成十七年のある一定期間において調査をいたしました結果、一日当たりの受入れ幼児数は約十一万八千人という推計がなされたところでございます。
また、全幼児数に対する割合は、平成十七年五月現在の全国の幼稚園児数が約百七十三万八千人であるということを基に計算をいたしますと、一日当たりの預かり保育受入れ幼児数は全幼児数の六・七%と推測されるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/313
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314・井上哲士
○井上哲士君 ですから、園の数でいいますと七割ということが言われますが、人数でいいますとまだごく一部ということだと思うんですね。
しかし、こういうやっているところでも必ずしも条件整備が十分にされていないままに預かり保育とか三歳児の受入れなどが行われていて、幼稚園で働く皆さんなどへの一方的な勤務強化が押し付けられているとか、いろんなお話もお聞きをします。しかも、幼稚園型で行われる今度の保育というのは単なる預かり保育じゃないんだということを衆議院でも答弁をされております。
保育所でも今の定員の緩和の実態で窮屈な実態があるわけですから、今度幼稚園でこういう保育というものをこども園型でやる場合にやはり新たな人的配置がどうしても必要だと思うんですけれども、改めていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/314
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315・馳浩
○副大臣(馳浩君) 井上委員より個別の場面における対応も含めていろいろ質疑を私、やり取り聞いておりまして、恐らく幼稚園型にしても保育所型にしても幼保連携型にしても、いずれにしても制度を発足させた当初のやはり混乱とか戸惑いというものはあるんだろうなということを実感をいたしましたし、当然そういったことのないように事前に認定の基準のガイドラインを示し、認定基準を条例で作っていただくことになるというふうに考えております。
改めて新しい制度をつくるに当たっての人的配置基準を見直す必要があるのではないかという井上委員の御指摘は御指摘として承りますが、当面は現行の保育所型、幼稚園型といった配置基準でスタートをさせていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/315
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316・井上哲士
○井上哲士君 制度発足時の混乱などもということを言われましたけれども、子供にとってはその瞬間というのはもうそのときしかないわけですね。いろんな制度上の手当てとかをしている間に、子供たちは掛け替えのない日々をそこで過ごして卒業していかなくちゃならないということを考えますと、やはり今分かる、指摘もされている問題というのは、一つ一つ解決をしていくということが今必要だし、それが我々審議をしていく上での義務だと思うですね。
今新しい人的配置の話は話として承ったということでありましたが、先ほどもありましたけれども、文科省が幼児教育振興アクションプログラムを四月七日に出されておりますが、この中では、幼児の年齢や発達状況に対応したきめ細かな教育を推進するため、例えば一学級の幼児数を三十人以下にするなど、幼稚園設置基準の改正も視野に入れた適切な学級規模の在り方についても検討する、それから、保育所の職員配置の基準も参考にしつつ教員一人当たりの望ましい幼児数の在り方について検討すると、こういうことも言われておりますけれども、これに基づく検討というものはどういうふうに今後進められていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/316
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317・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほどから話が出ておりますが、現在、幼稚園における一学級当たりの幼児数につきましては、幼稚園設置基準におきまして三十五人以下を原則とするとされているところでございます。この基準につきましては、一人一人の発達や年齢に応じたきめの細かい教育を行う上での上限であることを踏まえつつ、これまでも地方公共団体や幼稚園において運用がなされてきたところでございます。現在、一学級当たりの園児数の平均は三歳から五歳児を通じて約二十五人でございます。一方、園児数の平均が三十人を超える学級というのが全体の約二割ございます。
こういった状況の中で、文部科学省といたしましては、幼児の発達状況や幼稚園を取り巻く環境の変化等を踏まえまして、現行基準の運用状況等も見極めつつ、今後、学級の在り方につきましては幅広く研究をしていきたいというふうに今思っている段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/317
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318・井上哲士
○井上哲士君 そうすると、このアクションプログラムというものの具体的取扱いというものは今後どういうふうに政府内で行われていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/318
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319・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) このアクションプログラムは、今後の幼稚園教育の振興に関する言わば政策プログラムというふうな形で今検討しているものでございますが、今年の夏から秋ぐらいにかけまして私どもの方で十分に検討して、いろいろな御意見を聞きながら、五年間の計画を実は作りたいなと思っているんでございますけれども、決めていきたいなということで、今正に検討中のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/319
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320・井上哲士
○井上哲士君 じゃ、ちょっと大臣にもお聞きしておきますが、ここで今読み上げたこの学級規模の在り方の検討とか人的配置の検討は大変重要だと思っているんですが、この方向で是非まとめていただきたいと思っておりますけれども、御決意をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/320
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321・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 努力をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/321
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322・井上哲士
○井上哲士君 三歳児で三十人学級というのも実は大変でありまして、今小学校の低学年等でも少人数学級を進められていることからいえば、更にこれにとどまらず前進をしていただきたいと要望をしておきます。
それで、この幼稚園型の場合、単なる預かり保育じゃないという上で、衆議院の答弁でいいますと、保育所に準じた実施体制と実施形態が求められるということで、四つ言われています。週六日の実施、それから八時間程度の実施、長期休業中の実施、そして最後に保護者に代わる家庭的な場の確保、こういうのが挙げられておりますが、この四つ目は具体的にはどういう中身を指しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/322
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323・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 具体的には、日々継続的に長時間の利用が見込まれるお子さんでございますので、もちろん家庭との連携を図りながらということではございますけれども、一人一人のお子さんの状況に応じました個別的な対応の配慮、それから、子供たちがくつろいだ雰囲気の中で健康、安全で情緒の安定した生活ができる場の確保、おおよそそういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/323
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324・井上哲士
○井上哲士君 具体的に施設面でいうとどういうことになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/324
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325・白石順一
○政府参考人(白石順一君) あるいは、単なる集団と教諭なり保育士という関係というのではなくて、ある程度その一人一人の個性に応じて、みんなに一斉に何かをしましょうということの時間もございますけれども、その一方で、あなたにはこれ、あなたにはこれ、例えば、長時間でございますので例えばもうお昼寝をしましょうとか、その子の体調に応じたようないろいろな配慮をする、大体そんなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/325
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326・井上哲士
○井上哲士君 単なる幼稚園の空き教室をそのままあてがうというようなことでは、これに当てはまらないんだろうと私は思うんですね。
保育所と幼稚園というのは定員規模も随分違います。モデル事業を実施した三十五園のうち十三園が二百人以上の定員なんですね。四百十人、三百三十六人というのもあります。しかし、保育所というのは、今もありましたように家庭に代わるような場所でもありますから、大体適正規模は六十人から百二十人ぐらいなのかなと思います。私も娘を連れて行っておりましたけれども、六十人のところでアットホームな雰囲気で、大きな幼稚園などへ行きますとすごいなという感じを持っておったんですが。
ただ、このモデル事業実施園のうち二百人以上が十三園あったように、比較的大きな幼稚園がこども園に手を挙げるんではないかという気もしておりまして、そうしますと、そういう家庭的な場、そしてそういう雰囲気といいましょうか、そういうものが確保されるんだろうかという心配もあるんですが、こういう生活施設としての保育所としてどの程度の規模がふさわしいのか、一定のガイドラインも持つべきではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/326
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327・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園は、園児数が五十一人から百人の幼稚園が全体の二四・三%と最も多く、次いで五十人までの幼稚園が二三・七%、百人以下で半分近くを占めているという状況でございます。一方、保育所の平均の定員規模は大体九十人程度ということになっているところでございまして、必ずしも幼稚園が大規模、保育所が小規模とは言えないものと認識をいたしております。
それから、認定こども園になりますのも、施設の規模にかかわらず、やはり教育、保育及び子育て支援という機能を有する施設を認定する仕組みでございますので、様々な特性を持った施設が認定こども園として地域の多様なニーズに適切に対応していただけることを期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/327
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328・井上哲士
○井上哲士君 平均人数を取ればそういうことなのかもしれませんが、先ほども御紹介しましたように、相当大規模な幼稚園があるし、そこにかなりモデル園として手を挙げているということを見ますと、私は相当大規模園で行われる例があるんではないかと思うんですね。だから、そういう点で、要するに保育園の機能を持ったこども園になる上で、一定の規模の適正なガイドラインというのも示すべきではないかと思うんですけれども、もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/328
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329・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 例えば、今回の認定こども園で幼保連携型などは、やはり六十人といったような規模が幼保連携型の場合考えられるわけでございますけれども、私どもといたしましては、認定こども園につきましては、その認定こども園に期待をされている教育、保育を一体的に提供する機能、それから子育て支援を行うといったようなことが機能として実施をできる、そういう施設につきまして認定こども園として認定をされていくということを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/329
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330・井上哲士
○井上哲士君 それでは次に、この認定こども園で直接契約という制度が導入されますが、それによりまして保育に欠ける子への保育というものがきちんと保障されるんだろうかと、こういう懸念があります。
それで、まず幼保連携型、保育所型についてお聞きするんですが、保育に欠ける子が申込みをして認定をされるというときの、この手続の流れについてまず御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/330
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331・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 保育所の認可を受けている形、例えば今の例で言いますと、幼保連携型、保育所型を例にして御説明いたしますと、施設に直接申込みをするということになります。それで、ただ保育に欠けるか欠けないかについては、その書類を施設の方がそこの市町村に配ってチェックをしてもらってその結果でやると、流れはこういうことでございます。
それで、その中で直接選考するということにはなりますけれども、例えば保育所でありますから、母子家庭等、あるいは児童虐待防止等の観点から特別の支援を要する家庭への配慮は必要ということと、それから、あらかじめ公表した公正な方法で選考するというふうなことも当然認定の際の条件付けになっておるわけでございます。
また、こうした流れでございますけれども、その上で、どうしても申込みが多い場合には選考に漏れるというふうな保育に欠けるお子さんが出てくることも生じ得ます。その場合には、その市町村に保育に欠けるお子さんをどこかに入所をさせるという義務があるわけでございますので、別の園について市町村の方がどこかあっせんをするということになります。
また、そういう選考漏れにつきまして、どうしてだというふうなことで問い合わせ、あるいは不服がある場合には、それは決めるのは施設でございますから、施設の方にどうしてだというふうな不服については申し出ることになりますし、これこれこういうふうな基準に基づいたらこうなったのですというふうな説明責任というのはその施設が生ずるというふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/331
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332・井上哲士
○井上哲士君 施設に直接申込みをし、施設は保育に欠ける子かどうかという照会を市町村にすると、市町村が確認をして施設に通知をすると、こういう流れだと思うんですが、先ほど言われました、その上で施設が選考する場合の公正な選考というのは具体的にどういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/332
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333・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 公正な選考と申しますのは、今申し上げましたいろいろな特別の支援を要する者にきちんと配慮をしているかというふうなことをまず前提とした上で、通常私どもが想定しておりますのは、各市町村で、保育に欠けるお子さんの中の優先度とかいろんなことを勘案して、ポイント制を取っているような市町村が多うございますけれども、大体そういう何らかの外にきちんとある程度数量化して示せるような内容のものをもって公正な選考になるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/333
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334・井上哲士
○井上哲士君 選考に漏れたり、それから、あってはならないと思うんですが、利用料が払えずに退所になった場合に市町村が保育を受けさせる義務があるということなんですが、それはどの時点で市町村のその保育に対する責任というのは発生するんですか。その選考がされなかったということを施設が市町村に届けた、その時点からということになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/334
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335・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 観念的には、その方から申請が、どこかの施設、あるいは認定こども園でない場合は市町村に、直接の市町村が多うございますけれども、施設を通じてそれをやる市町村もございますけれども、そういう申請があって保育に欠けるという認定をする際には、もう既にそこの時点からどこかにお入れしなければならないという責任が生ずるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/335
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336・井上哲士
○井上哲士君 分かりました。
そうしますと、じゃ今の保育所型と幼稚園型、地方裁量型の場合について比較をしたいんですが、まず確認しますけれども、幼稚園型のこども園の場合も長時間の保育を行うのは保育に欠ける子であるということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/336
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337・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/337
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338・井上哲士
○井上哲士君 これまで幼稚園は預かり保育というのをやってきたわけですけれども、この預かり保育の場合には保育に欠ける子というような法的なくくりがあったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/338
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339・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 預かり保育につきましては、親の希望によって幼稚園で午後預かっているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/339
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340・井上哲士
○井上哲士君 先ほども単なる預かり保育ではないんだという衆議院での局長の答弁を紹介しましたけれども、正に質的な変化があるわけですね。この法律によって、法案によって保育に欠ける子に対して行うんだという質的な変化があります。ですから、これまで預かり保育をやっていた幼稚園も認定こども園になったら保育に欠ける子に対する保育が求められるというのがこの法律の仕組みだと思うんです。
そうしたら、この幼稚園型、地方裁量型の場合はだれがこの保育に欠ける子という認定を行うんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/340
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341・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 例えば幼稚園型の認定こども園は、保育に欠ける子供に対する保育の実施が認定要件とされているわけでございます。ただ、幼稚園型が認定こども園の認定を受けて保育に欠ける子供を受け入れる場合に、それは必ずしも市町村の保育に欠ける子供である認定を受けた後に受け入れることとする必要はないわけでございます。
それは、例えば幼稚園型の認定こども園というのは、言わば保育に欠ける子供を受け入れる、何といいましょうか、義務といいましょうか、そういうものを負っている立場ではなく、保育に欠ける子について言わば長時間の保育を実施をするというだけでございますので、いわゆる認定を受けた保育に欠ける子を受け入れるという必要はないと。ちょっとややこしい言い方でございますけれども、要するに、保育に欠けた子を受け入れると、それは市町村が認定したとかそういうことではなくて、保育に欠ける子を受け入れるということでいいということでございます。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/341
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342・井上哲士
○井上哲士君 いや、ますます分からなくなったという声もありますけれども、本当にややこしいんですね、これね。
なぜ、同じ法律の中で、同じ法律で決められた認定こども園で、保育園の場合は、保育所型の場合は保育に欠ける子をしっかり市町村が認定する必要があって幼稚園はしなくてもいいのか、なぜそれを認定こども園という一つのくくりにするのか。今の説明でいきますと、別に認定こども園にせずに、今までどおり幼稚園として預かり保育をやっているのと何にも変わらないと思うんですね。
もう一回御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/342
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343・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) ちょっとややこしくて恐縮でございますけれども、保育所は、法律により市町村に課せられた保育に欠ける子供に対する保育の実施義務を果たすための施設でございます。
認定こども園の認定を受けました幼稚園は、いわゆる長時間保育、保育に欠ける子のための長時間保育は実施をするわけでございますけれども、それは市町村が保育に欠ける子供と認定しているかどうかということではなくて、自分は保育に欠ける子供であるということで長時間保育を希望してきた場合に、認定こども園たる幼稚園が自分のところは長時間保育をやりますよということで受け入れるというので、それでいいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/343
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344・井上哲士
○井上哲士君 なぜ私はこれを聞くのかといいますと、そうすると、本当に保育を必要としている子供たちが保障されるのかと、排除される可能性があるじゃないかということがあるからお聞きしているんですね。
じゃ、今の話でいいますと、幼稚園型とか地方裁量型の場合には、枠を超えて応募があった場合も公正な選考を行う義務というのはあるのかないのか、それ、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/344
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345・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 希望者がいわゆる保育に欠ける子供の枠を上回った場合、施設の設置者の責任において選考が行われることになりますけれども、その際、選考に当たって配慮が必要な家庭の子供が排除されることがないように必要な配慮を行う旨、国の指針等においてよく規定をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/345
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346・井上哲士
○井上哲士君 いや、この法案の中で、保育所の方については公正な選考というふうな義務付けがあるわけですね。ですから、法的に公正な選考を行う義務は幼稚園型のこども園にあるのかないのかということをお聞きしているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/346
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347・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) あくまでも受入れは設置者の判断によるということでございますが、当然に適切な選考が行われるというのは、これは当然の話だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/347
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348・井上哲士
○井上哲士君 この間、東京の認証保育園を視察に行った際に、希望者が超えた場合にどうやって選考されるんですかと言いますと、恣意的に選びますと、こういうふうに言われたんですね。もちろんそこの方は、例えば障害者などもむしろ積極的に受け入れて、健常児とちっちゃいころから一緒にすることが必要なんだと、こういうことも言われてはおりました。
ただ、しかし、そこには、先ほどありましたように、保育所型の場合には市町村などが決めて、やはり外見的にも分かるような優先度がきちっと加味されて選ばれることと比べますと、これは非常にあいまいなわけですね。
じゃ、再度聞きますけれども、例えば保育に欠ける子が幼稚園型のこども園に申し込んで、隣の欠けない子はオーケーだったのにうちのが駄目だったと、こういう場合の不服の申立てというのはどこが責任を持って受けるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/348
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349・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園型の場合はあくまでも認定こども園と保護者の関係ということになりますので、認定こども園たる幼稚園で判断をしたことに対する保護者側の申出ということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/349
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350・井上哲士
○井上哲士君 ですから、同じ保育というふうに法案の中では書いてありますけれども、そこにはやはり本当に保育に欠ける子、保育が必要な子に対して優先的にやるという考え方も含まれてきたと思うんですね、今までの保育というものには。しかし、それがない保育が行われるということになるわけで、非常に異質な考え方が同じ言葉で表現をされているなと思うんです。それは、やはりこれまで様々積み上げられてきた保育の質というものを掘り崩していくことになるんじゃないか、そして、結局もう保育の必要性よりも施設の思惑が優先されるんじゃないかという懸念を今の答弁を聞いていても思わざるを得ないわけです。
ですから、施設の側は直接契約でありますから、例えば保育料などを滞納しそうでない人を選ぶのかもしれません。障害などを持っている子はやっぱりちょっと遠慮してもらうということになるかもしれない。そして、この間の答弁でありますように、この幼稚園型のこども園ができることが、とりわけ保育園などが少ない地域では待機児解消などに力を発揮するんだろうと、こういうこともありましたけれども、そう思って保育に欠けるということで行ってみたけれども、実際にはそういう選考になっていないということが起きるんじゃないかと私は思うんですね。
それで、厚生労働省に聞きますけれども、こういうときに選考されないということが出てきますけれども、保育に欠けない子に対しての市町村の保育を行う責任というのは、こうしたときの場合はどの時点で発生するんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/350
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351・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 保育に欠ける子についてのお尋ねと思いましてお答えいたしますが、それは先ほど御答弁申し上げましたとおり、それは保育に欠けるか欠けないかということについて市町村が認定した時点で始まると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/351
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352・井上哲士
○井上哲士君 そうすると、幼稚園型の場合は別に幼稚園は市町村に照会しないわけですね。ですから、幼稚園型に申し込んで入れなかったということが起きても、その時点ではまだ市町村にはその責任が発生していないと、こういうことでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/352
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353・白石順一
○政府参考人(白石順一君) 実態として保育に欠けるということであるならば、そのような形で市町村の方に相談が保護者の方からあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/353
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354・井上哲士
○井上哲士君 ですから、相談があってやっとということになるわけですね。ですから、保育所型に申し込んだ場合は、申し込んで、照会があった場合に、その時点でもう市町村把握をするけれども、幼稚園型の場合はそうならない。場合によっては、いろいろ幼稚園型を探して、探して、探して行っている間は全くそういうものとして掌握をされないということに私はなると思うんですね。
それで、結局この保育に欠ける子、それから特に配慮が必要な子が排除をされないという何の歯止めもないと思うんですよ。合同検討会の審議のまとめで、共働きや一人親の家庭であって保育を必要とする場合など、配慮が必要な家庭が排除されないような何らかの仕組みを検討するとともに、障害児への対応を配慮することが適当であるというふうにしておりまして、銭谷局長は衆議院で、今回の法案ではこういう配慮をしていると、こういうふうに言われておりますけれども、しかし幼稚園型、地方裁量型についてはそういう配慮というのは法律の中には何もないと私は思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/354
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355・銭谷眞美
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど来お答えをしたかと存じますが、認定こども園におきましては、障害を持つ子供等に対するやはり配慮というものは必要なことでございまして、こういった障害を持つ子供の受入れ等に必要な配慮をするといったようなことにつきましては、認定こども園の制度化に当たって国の指針等の中でこれを記載をして、実際の認定こども園の運用に当たって適切な配慮がなされるように、私ども、周知をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/355
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356・井上哲士
○井上哲士君 配慮、配慮、配慮の連発なわけですが、言葉ではなくて、やはり法律の仕組みとしてちゃんとつくっておくっていうことが必要だと思いますし、保育所型には一応それがあるわけですが、幼稚園型にはないということが今明らかになったと思うんですね。
最後、大臣にお聞きしますけれども、やはりこの点、私は改善をして、保育所型であっても幼稚園型であっても、特に配慮が必要な子がきちっと受け入れられるというようなやっぱり法的な仕組みが必要だと思いますけども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/356
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357・小坂憲次
○国務大臣(小坂憲次君) 国の指針を策定する際にしっかりと規定をしておきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/357
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358・井上哲士
○井上哲士君 最初にも申し上げましたけれども、やはり法案全体が大変分かりにくい、そして様々な類型ができる中で、それが一つの認定こども園という名前ではあるけれども、保護者からいってみれば、いろんな権利や状況に違いがあるということになっております。子供の最善の利益よりも、どうもやはり行政や施設の側の利益を優先したような法案としか思いようがないというふうに思います。
まだまだ審議すべき点がたくさんあるということを申し上げまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/358
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359・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/359
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360・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/360
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361・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/361
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362・中島啓雄
○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415104X01420060530/362
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