1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十八年五月二十六日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第二十八号
平成十八年五月二十六日
午前十時開議
第一 簡素で効率的な政府を実現するための行
政改革の推進に関する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
第二 一般社団法人及び一般財団法人に関する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 公益社団法人及び公益財団法人の認定等
に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第四 一般社団法人及び一般財団法人に関する
法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認
定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整
備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
第五 競争の導入による公共サービスの改革に
関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/0
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001・扇千景
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
日程第一 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案
日程第二 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案
日程第三 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案
日程第四 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
日程第五 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上五案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。行政改革に関する特別委員長尾辻秀久君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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〔尾辻秀久君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/1
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002・尾辻秀久
○尾辻秀久君 ただいま議題となりました五法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案は、簡素で効率的な政府を実現することが喫緊の課題であることにかんがみ、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革について、その基本理念及び政策金融改革、独立行政法人の見直し、特別会計改革、総人件費改革、国の資産及び債務に関する改革等の重点分野並びに各重点分野における改革の基本方針その他の重要事項を定めるとともに、行政改革推進本部を設置することにより、これを総合的に推進しようとするものであります。
次に、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案は、剰余金の分配を目的としない社団及び財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、設立の登記をすることにより法人格を取得することができる一般社団法人及び一般財団法人の制度を創設し、その設立、組織、運営及び管理について定めようとするものであります。
次に、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案は、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施を促進して、活力ある社会を実現するため、社団法人及び財団法人の設立の許可及びこれらに対する監督を主務官庁の裁量により行うこととしていた公益法人に関する制度を改め、公益社団法人及び公益財団法人としての認定及びこれらに対する監督を独立した委員会等の関与の下で内閣総理大臣又は都道府県知事が行う制度を創設しようとするものであります。
次に、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴い、中間法人法を廃止し、民法その他の関係法律の規定の整備等をするとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
次に、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案は、国の行政機関等又は地方公共団体が自ら実施する公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねる観点から、これを見直し、民間事業者の創意と工夫が反映されることが期待される一体の業務を選定して官民競争入札又は民間競争入札に付することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革を実施するため、その基本理念、公共サービス改革基本方針の策定、官民競争入札及び民間競争入札の手続、落札した民間事業者が公共サービスを実施するために必要な措置、官民競争入札等監理委員会の設置その他必要な事項を定めようとするものであります。
なお、本法律案につきましては、衆議院において、基本理念に、競争の導入による公共サービスの改革は、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って行う旨の文言を加える修正が行われております。
委員会におきましては、五法律案を一括して議題とし、小泉内閣総理大臣を始め全閣僚に対する総括質疑、行財政改革の核心についての集中審議、関係大臣等に対する一般質疑を行ったほか、八名の参考人から意見を聴取し、また、鳥取県において地方公聴会及び視察を行いました。
委員会における主な質疑は、行革推進法案の目的、理念とこれによる歳出削減の効果、具体的内容が先送りされている行革推進法案を提出した理由、新政策金融機関及び民営化後の商工中金等の在り方、特別会計等に係る事業の仕分、公務員の純減目標値の根拠とその妥当性、公立学校の教職員削減が少人数教育に与える影響、公益法人への天下りと随意契約発注等との関係及び実効を伴った天下り規制の必要性、公益法人改革における認定・監督に係る制度設計及び税制優遇の在り方、市場化テストの導入に際しての公務員の雇用確保等、多岐にわたっており、連日熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
昨日、質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して広田委員より、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案に反対、自由民主党及び公明党を代表して公明党の風間理事より五法律案に賛成、日本共産党の大門委員より五法律案に反対、社会民主党・護憲連合の福島委員より五法律案に反対、国民新党・新党日本の会の荒井委員より、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案に反対、他の三法律案に賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。
次いで、順次採決の結果、五法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、行政改革推進法案に対して十一項目、公益法人制度改革三法案に対して七項目、公共サービス改革法案に対して七項目の附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/2
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003・扇千景
○議長(扇千景君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。小川敏夫君。
〔小川敏夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/3
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004・小川敏夫
○小川敏夫君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。
小泉内閣は、発足してからこの五年間で約百七十兆円も国の借金を増やしました。国、地方の長期債務残高は、平成十八年度末で七百七十五兆円、乳幼児を含めた国民一人当たりで六百万円を超える借金を我が国は背負うことになります。これは主要先進国中最悪の水準であり、我が国財政の危機が差し迫る中、財政再建は喫緊の課題であることはだれの目にも明らかであります。
そこで、政府・与党も歳出歳入一体改革と称して、財政再建案を六月中に取りまとめるとのことでありますが、歳出削減の有力候補として挙がっているのは、診療報酬の引下げ、医療保険の免責制導入、介護保険の自己負担二割化など、社会保障の切捨てであり、地方交付税の大幅カットによる地方の切捨てであるとのことであります。
個人間の経済格差の拡大、国と地方の格差拡大が指摘される中で、更に格差を助長するような施策を進めることは、国民の理解を得られるものとは到底思えません。痛みに耐えて頑張れと総理はまたおっしゃるのかもしれませんが、痛みを受けるのは国民ばかりで、政府が痛みを受けないというのは納得がいきません。政府は、だからこそこのたびの行政改革推進法案を提出したと主張するのかもしれません。しかし、これまで八兆円に及ぶ国民負担を求めておきながら今更行政改革をテーマにするというのでは、この五年間、政府は一体何をやってきたのだと国民だれもが思うところでありましょう。
そもそも、真の行政改革の推進を唱え、その実現を目指してきたのは我が民主党であり、我が会派であって、我が党こそが真の行政改革を実現し、推進できるものであります。その我が党が本法案に反対するのは、本法案が名称こそ立派でありますが、その内容において賛同するに値する評価を到底なし得ないからであります。
以下、その理由を具体的に述べます。
民主党などの調査により、中央省庁などの幹部OBを天下りとして受け入れた法人のうち、契約事業の受注や補助金などにより国から二〇〇四年度に一千万円以上の支払を受けた法人への支払総額は六兆円を超え、しかもその九割以上が随意契約であったという事実が判明いたしました。省庁が無競争の随意契約で法外な契約を結ぶ見返りとして、天下りを公益法人などに受け入れさせるという実態が明らかになったのであります。
政府調達の落札率が異常に高く、いまだに官製談合が常態化していることも明確となりました。水門工事をめぐる官製談合事件については、業界側が談合廃止の方針を決めたにもかかわらず、入札に便宜を図る見返りに多数のOBを業界に天下りさせる談合システムの維持を目的として、国土交通省の担当者が談合の継続を業界側に強く求めたとの報道もなされているところであります。入札参加者をあらかじめ決めておく指名競争入札が、官側も関与する形で談合の温床となってきた実態も浮かび上がってきたのであります。そのような指名競争入札を一般競争入札に変えるだけで国、地方で二兆円近くの経費が削減できるとの試算もなされているところであります。
このように行政改革の核心は、天下りの規制であり、随意契約や指名競争入札の適正化であるということはもはや疑いようのない事実であります。我が党は、この核心から真の改革を実現するため、既に天下り規制法、随意契約等透明化法、各案を本院に提出済みであります。
また、政府案には、あるべき政府像、政府の担うべき機能といった行政改革の基本理念が欠如しております。
現在政府が行っている事務事業を聖域なく見直し、不要な事業、民間にできることは廃止した上で、補完性の原則に基づいた事務事業の地方移譲を進めることで、国と地方の役割分担を明確化し、国、地方ともに新しい政府をつくることこそが真の行政改革ではないでしょうか。そのような理念が政府案には完全に欠如していると言わざるを得ません。
国家公務員の総数については、五年間で五%、約一万七千人以上の人員削減を掲げております。しかし、この総数には特定独立行政法人の職員も含まれており、その職員について名ばかりの非公務員化をすればそれもカウントされるという仕組みになっております。この数が約七千七百人と、実に目標の四割にも上るとの報道もなされているところであります。これでは国の人件費は見掛け上減るだけで、結局、独立行政法人への補助金に形を変えるだけというてんまつになりかねません。
本法案の審議を通じ、いかに政府・与党が真の行政改革に後ろ向きか、明らかになりました。もはや政権交代なくして真の改革はなし得ないのだということを最後に訴えて、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/4
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005・扇千景
○議長(扇千景君) 佐藤昭郎君。
〔佐藤昭郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/5
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006・佐藤昭郎
○佐藤昭郎君 私は、自由民主党及び公明党を代表して、行政改革関連五法案について、賛成の立場から討論を行います。
まず、五法案に対する与党としての基本姿勢についてであります。
この行政改革関連五法案は、閣法ではありますが、行政改革の特質、すなわち政府が政府自らの組織に切り込む、言わば自らを血を流して大手術しなければならないという困難性を克服するため、政治主導で、小泉総理の強力なリーダーシップの下、与党と政府が正に一体となって法案を完成させた経緯と自負があります。自民党においては、行政改革推進本部、政務調査会合同部会等が中心となり、徹底した論議を経て党内意見の集約を行い、政府と緊密な調整を行ってまいりました。
衆議院における六十四時間に続き、本院における昨日までの六十一時間に及ぶ質疑を経て、法案についての我々の認識は更に深まりました。
我々の基本姿勢は、本関連法案を小泉改革の総仕上げとして一日も早く可決成立させ、国民の皆様に行政改革の重要性と緊急性についてのメッセージを発し、公務員の諸君の理解と協力を得て、正に国民のための行政改革を断行、加速することにあります。
次に、法案の構成についてであります。
審議の過程で野党からなされた、本五法案がプログラム法である、各分野の詳細な制度設計がなされていない等の批判の一部は当たっている点もあると思います。しかし、我々は、我が国の経済社会システムの全体に影響が及ぶ膨大な行政大改革を実行していくためには、今回、政府と与党が取った戦略がベストであると考えております。
すなわち、まず推進法案で基本理念を設定するとともに、各分野については、財政再建の見地から緊急性の高いもの、また検討が整った分野から、すなわち政策金融改革、特別会計改革、総人件費改革及び国の資産・債務改革について、逐次法案化、具体化していく手法であります。また、公共サービス改革及び明治二十九年の民法制定以来百十年ぶりの抜本的改革である公益法人改革については、今回、所要の法案を提出するとともに、推進法案においてこれらの推進を規定しています。全分野の制度設計を待っていては改革の時期を失し、国民に対し行財政改革の緊急性について誤ったメッセージを伝えることになると考えております。
最後に、野党から審議の過程で、公務員のいわゆる天下り問題や随意契約問題について今国会で直ちに法改正を行って、厳しい措置を講ずべきとの提案もありました。我々は、政府に厳しい対応を求める基本的姿勢は野党の諸君と共有するものでありますが、まず現行の閣議決定や規定を厳格に遵守すること、そして情報公開の徹底を政府に強く要請しております。
特に、いわゆる天下り問題については、退職管理の適正化、官民人事交流、能力と実績に基づく人事管理、その他公務員制度全般に及ぶ検討と関連する重要な制度設計であることから、対症療法的な、拙速な対応は避けるべきであると考えております。
その意味で、推進法第六十三条に明記されているとおり、関連諸制度の本丸である公務員制度につき、これら諸課題に対応した改革の早期の具体化、法案化は、言わば我が国の二十一世紀の国の形を決める極めて重大な課題であります。公務員の諸君が、国民の支持の下、誇りと気概を持って職務を遂行できる制度構築を目指して、政府一体となっての取組を強く求めるとともに、与党においても喫緊の課題として取り組んでいく決意であることを申し上げ、私の賛成討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/6
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007・扇千景
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/7
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008・扇千景
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
まず、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/8
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009・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/9
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010・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十八
賛成 百二十六
反対 百二
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/10
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011・扇千景
○議長(扇千景君) 次に、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して採決いたします。
三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/11
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012・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/12
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013・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十七
賛成 二百十二
反対 十五
よって、三案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/13
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014・扇千景
○議長(扇千景君) 次に、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案の採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/14
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015・扇千景
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/15
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016・扇千景
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百二十九
賛成 二百九
反対 二十
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/16
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017・扇千景
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116415254X02820060526/17
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