1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十九年三月十三日(火曜日)
午後零時十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 家西 悟君
理 事
沓掛 哲男君
中川 雅治君
野上浩太郎君
大久保 勉君
峰崎 直樹君
委 員
泉 信也君
片山虎之助君
椎名 一保君
田中 直紀君
舛添 要一君
山下 英利君
池口 修次君
尾立 源幸君
大塚 耕平君
富岡由紀夫君
広田 一君
円 より子君
山口那津男君
大門実紀史君
国務大臣
財務大臣 尾身 幸次君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 山本 有二君
副大臣
内閣府副大臣 大村 秀章君
財務副大臣 富田 茂之君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 田村耕太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君
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本日の会議に付した案件
○財政及び金融等に関する調査
(財政政策等の基本施策に関する件)
(金融行政に関する件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/0
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001・家西悟
○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
財政政策等の基本施策について、尾身財務大臣から所信を聴取いたします。尾身財務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/1
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002・尾身幸次
○国務大臣(尾身幸次君) 今後の財政政策等につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べます。
我が国経済は、長期停滞のトンネルを抜け出し、民間需要に支えられた景気回復を続けており、政府としては、イノベーションによる成長力強化とオープンな姿勢で、引き続き、物価安定の下での民間需要中心の持続的な成長を図ってまいります。
目を外に転じますと、経済がグローバル化する中で、その活性化を図っていくためには、アジアを中心とする世界の成長と活力を取り込んでいくことが必要であり、アジアを含めた世界経済に貢献し、互いに発展していく関係を築いていくことが求められます。このため、G7、アジア諸国、国際機関等と協力を進めていくとともに、多角的自由貿易体制の強化及び経済連携協定の積極的な推進や平成十九年度関税改正における通関制度の改革、租税条約の改定等を行い、我が国の経済社会をオープンなものにしてまいります。
平成十九年度予算編成に当たっては、財政の健全化を更に進めるとの考え方の下、徹底した歳出の削減、見直しに取り組み、一般会計全体の予算規模を八十二兆九千八十八億円といたしました。
税収については、五十三兆四千六百七十億円と平成十八年度当初予算に比べ、七兆五千八百九十億円の増加を見込んでおります。その一方で、一般歳出について、徹底した歳出削減方針を貫き、四十六兆九千七百八十四億円にとどめております。これは、電源開発特別会計の仕組みの変更に伴う三千百七十九億円の歳出増加を除けば、平成十八年度当初予算に比べ、二千九百四十五億円の増加にとどまっております。
この結果、新規国債発行額は、平成十八年度当初予算に比べ、四兆五千四百十億円減の二十五兆四千三百二十億円となり、過去最大の減額を実現いたしました。これに加え、交付税特別会計における国負担分の借入金を一般会計に承継した上で、その償還を開始することにより、実質的に平成十八年度当初予算を上回る約六兆三千億円の財政健全化を図りました。
また、この交付税特別会計借入金の一般会計への承継や、電源開発特別会計における仕組みの変更は、透明性の向上や財政資金の効果的な活用にも資するものであり、質的な面に留意した改革となっております。
特別会計においては、行政改革推進法で定められた、特別会計の統廃合などを実施に移すため、本国会において、特別会計に関する法律案を提出しており、本委員会におきましても御審議をお願いいたします。
簡素で効率的な政府を実現する観点から、資産・債務改革に取り組む一環として、財政投融資については、対象事業の重点化、効率化等を図り、総額の抑制に努めた結果、平成十九年度財政投融資計画の規模は、対前年度の五・六%減の十四兆一千六百二十二億円となりました。一般庁舎、宿舎などの国有財産については、民間の知見を活用した有効活用を更に推進してまいります。
国債発行総額は百四十三兆八千三百八十億円と平成十八年度と比べ、二十一兆五千九百七十一億円減少し、過去最大の減額となりました。しかし、国債残高は依然として多額に上り、引き続き、国債管理政策を財政運営と一体として適切に運営していく必要があります。このため、国債発行に当たっては、安定消化とともに、中長期的な調達コストの抑制に努めることを基本とし、市場のニーズ、動向等を踏まえた発行に取り組んでまいります。
税制については、現下の経済財政状況等を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制を構築してまいります。
企業が国を選ぶ時代となる中で、税制も国際的なイコールフッティングを確保する必要があり、平成十九年度において、我が国経済の成長基盤を整備する観点から、減価償却制度について、償却可能限度額を廃止するなど、国際的に遜色のない制度とするよう見直しを行います。また、我が国中小企業の資本蓄積を促進するため、留保金課税制度の適用対象から中小企業を除外することや、税源移譲後も中低所得者の減税額を確保するための住宅ローン減税の特例を創設するなど、国民生活等に配慮した中小企業関係税制や住宅・土地税制等の改正を行います。
次に、我が国財政の現状と財政運営の基本的な考え方について申し述べます。
平成十九年度予算では、税収の増加を見込む一方で、歳出削減を徹底することにより財政健全化に向けて確実な一歩を踏み出しました。しかし、我が国財政の状況を見れば、国、地方を合わせた長期債務残高が主要先進国の中で最高の水準にある一方、所得の中で、租税及び医療保険等の保険料の支払の比率を表す我が国の国民負担率は、主要先進国の中で実質的に最低の水準であるなど、決して楽観視できるような状態ではありません。
こうした状況を踏まえれば、子供や孫の世代に負担を先送りしないためにも、財政健全化に向けた取組を着実に進めていかなければなりません。したがって、二〇一〇年代半ばに向け、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることを目指し、まずは、二〇一一年度までにプライマリーバランスを確実に黒字化することを目標に、歳出歳入一体改革に取り組んでまいります。
しかしながら、歳出歳入一体改革を進めるに当たり、非効率的な歳出を放置したまま負担増を求めることになれば、国民の理解を得ることは困難であり、国民負担の最小化を目標に、歳出削減を引き続き徹底していく必要があります。それとともに、今後とも増大する社会保障給付や少子化への対応等について、国民が広く公平に負担を分かち合う観点に留意しつつ、基礎年金の国庫負担割合の引上げのための財源を含め、安定的な財源を確保するため、抜本的、一体的な税制改革を推進いたします。
こうした考え方の下、さきに述べましたとおり、平成十九年度予算では徹底した歳出削減を行ったところでありますが、さらに、七月ごろに判明する平成十八年度決算の状況や医療制度改革を受けた社会保障給付の実績等を踏まえ、本年秋以降、税制改革の本格的、具体的な議論を行い、平成十九年度を目途に、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組んでまいります。
最後に、今国会に提出しております財務省の法律案について御説明いたします。
第一に、先ほど御説明いたしました特別会計に関する法律案でございます。
第二に、平成十九年度における公債の発行の特例措置及び年金事業等の事務費に係る負担の特例措置を定める平成十九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案でございます。
第三に、先ほど御説明いたしました平成十九年度税制改正における諸措置を盛り込んだ所得税法等の一部を改正する法律案でございます。
第四に、暫定税率の適用期限の延長のほか、国際競争力の強化、利便性向上のための通関制度の改革等を内容とする関税定率法等の一部を改正する法律案でございます。
第五に、行政改革推進法等に基づき、株式会社日本政策投資銀行を設立するとともに、その業務の内容等を定める株式会社日本政策投資銀行法案でございます。
今後、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
以上、財政政策等に関する私の所信の一端を申し述べました。今後とも、皆様のお力添えを得て政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。
家西委員長を始め委員各位におかれましては、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/2
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003・家西悟
○委員長(家西悟君) 次に、金融行政について、山本内閣府特命担当大臣から所信を聴取いたします。山本内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/3
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004・山本有二
○国務大臣(山本有二君) 金融担当大臣の山本でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
本日は、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきます。
我が国の金融システムをめぐる局面は、不良債権問題の正常化を達成し、活力ある金融システムの構築に向けた時代へと本格的に移行しつつあります。こうした中で、金融機関が自らの責任と判断で適切にリスクを取って金融仲介を行い、資源の適正配分機能を果たしていくことが重要となっております。また、幅広い金融サービスの利用者の安全、安心を確保することも、活力ある金融システムを実現する上で不可欠であります。
金融庁は、これまで地域密着型金融の機能強化を推進してまいりましたが、今後とも、金融仲介機能の更なる充実を図る観点から、不動産担保、個人保証に過度に依存しない融資や融資手法の多様化を促すことが重要であると考えております。また、事業者の資金調達環境を整備するため、電子的な手段による債権譲渡等を可能とする電子記録債権制度の導入を進めてまいります。
利用者の安全、安心の確保の観点からは、多重債務者対策を更に推進してまいります。深刻化した多重債務問題を解決するため、昨年の臨時国会で成立した改正貸金業法の円滑な施行を図るとともに、内閣に設置された多重債務者対策本部において、カウンセリング体制やセーフティーネットの充実、金融経済教育の強化、やみ金融の徹底した取締りを含む執行体制の強化に政府を挙げて取り組んでまいります。
続いて、金融・資本市場の構造改革と活性化について御説明いたします。
少子高齢化、グローバル化が進み、人口減少時代の到来を迎える中、一人当たりの所得の向上を目指すことが重要と考えております。これに伴い、我が国経済の基礎インフラである金融・資本市場の利用者利便を更に高めるとともに、金融サービス業を、経済の一層の発展を支える中核的な産業として位置付けていくことが求められております。
そのためには、貯蓄から投資へという流れをより一層確かなものとし、我が国金融・資本市場の国際金融センターとしての魅力を更に向上させていくことが重要であります。このような問題意識の下、先般、金融審議会に我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループを設置いたしました。我が国市場の国際競争力の強化に向けた方策を、本スタディグループでも御議論いただきながら検討してまいります。
活力ある金融・資本市場の形成や公正、透明な市場の確保に向け、制度インフラの整備も重要な課題であります。こうした観点から、監査法人のガバナンス等の強化、監査人の独立性・地位の強化、監査法人等に対する監督・責任の見直し等を内容とする公認会計士・監査法人制度の充実強化を進めるほか、金融商品取引法制の適切かつ円滑な施行に努めてまいります。
本国会には、ただいま申し上げました公認会計士・監査法人制度の充実強化を図るため、公認会計士法等の一部を改正する法律案の提出を予定しております。当委員会の家西委員長、理事及び委員の皆様におかれましては、何とぞよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/4
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005・家西悟
○委員長(家西悟君) 以上で所信の聴取は終わりました。
本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116614370X00320070313/5
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