1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十年二月六日(水曜日)
午前十時十五分開会
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委員の異動
二月五日
辞任 補欠選任
榛葉賀津也君 大島九州男君
泉 信也君 佐藤 正久君
世耕 弘成君 古川 俊治君
溝手 顕正君 塚田 一郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 高嶋 良充君
理 事
加藤 敏幸君
那谷屋正義君
末松 信介君
委 員
梅村 聡君
大島九州男君
加賀谷 健君
行田 邦子君
武内 則男君
外山 斎君
長谷川憲正君
吉川 沙織君
礒崎 陽輔君
岸 信夫君
佐藤 正久君
塚田 一郎君
二之湯 智君
古川 俊治君
吉村剛太郎君
魚住裕一郎君
山本 博司君
山下 芳生君
又市 征治君
国務大臣
総務大臣 増田 寛也君
事務局側
常任委員会専門
員 高山 達郎君
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本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
(自立的かつ安定的な財政運営を可能とする地
方財政制度の構築に関する決議の件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/0
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001・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、泉信也君、世耕弘成君、溝手顕正君及び榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君、古川俊治君、塚田一郎君及び大島九州男君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/1
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002・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、昨日、質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/2
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003・山下芳生
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
政府の税収の見込み違いに伴う地方交付税の減額に対して国の一般会計から補てんされるのは当然のことです。しかし、補てんにどのような財源が充てられるのかが問題です。
地方交付税法では、総務大臣の権限と責任について、毎年度分の交付税総額を見積もることや、内閣の地方財政計画の策定の義務などを規定し、すべての自治体が法令に義務付けられた事務事業その他地域住民の福祉を増進するための事業を全国的に一定の水準で実施できるよう、その財源保障を国の責任としています。こうした法の趣旨から、地方財政計画で年度当初に見込んだ交付税の総額を確保することは国の責任に属するものです。
法案では、国税五税の減収に伴う交付税二千九百九十二億円の減額について国の一般会計から補てんされることになっています。しかし、政府の答弁でも明らかなように、この二千九百九十二億円は、一昨年の地方財政対策で後年度に先送りされている交付税総額への加算額六千二百五十一億円との間で将来精算されることになっています。このやり方は、交付税の減額分が国の一般会計から補てんされたように見えますが、実態は将来の交付税の先食いであり、地方への負担転嫁というべきものです。また、交付税特別会計借入金の償還繰延べは、昨年作り直された計画が最初からつまずく事態になったものであり、政府の財政見通しの甘さが問われるものです。
以上のことを述べて、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/3
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004・武内則男
○武内則男君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、不本意ではありますが、賛成の立場から討論を行います。
近年、地域再生の必要性が声高に叫ばれておりますが、なぜそのような状況になっているのか、我々はよく考えなければなりません。
もちろん少子高齢化や経済のグローバル化もありますが、最も大きな要因は、いわゆる地財ショックに象徴されるように、三位一体改革で地方交付税の大幅削減にあります。これにより地方財政は急激に悪化し、とりわけ財政力の弱い小規模団体に深刻な影響を及ぼし、基本的な住民福祉サービスの維持すら困難になっております。
本法案は、国が平成十九年度の税収を過大に見積もっただけでなく、景気後退に対する問題意識すら持たず、九千億円に上る国税の歳入欠損を引き起こした政府の失策の産物であります。
民主党は、政府が一兆円近く国税の税収見込みを過大に見積もった結果、交付税の不足分を発生させた責任は極めて重大と考えます。また、地方税収に関しても、平成十九年度の地方財政計画策定時の税収見込みよりも七千億円減収する見通しとなりました。にもかかわらず、総理の施政演説等ではこの失策に対する反省や謝罪が全くありませんでした。予算委員会においても、予測はあくまで予測であって正確に見積もるのは極めて難しいなどと開き直り、反省や謝罪の様子が全くうかがえない政府に対して、大変な怒りを感じております。
民主党がこの法案に対して賛成する理由は一つです。今回、地方自治体は政府の失策に対して直接責任を負うべきではありません。この法案が不成立となると、地方交付税の還付などにより赤字に転落する自治体が出てくるなど、大きな混乱が発生する可能性があります。民主党としては、国税の減収に伴う地方交付税額の減額に対して、仕方がないとしてほうっておくわけにはいきません。
このような政府・与党の大失態の収拾に対して協力するのはいささか不本意ではありますが、地方財政の混乱を避けるため、衆議院で地方による減収補てん債の発行条件を弾力化する修正も加えられました。そのことも含め、平成十九年度補正予算の交付税法等の一部改正に関しては、賛成をいたします。
しかし、問題点を一つ指摘をしておきたいというふうに思います。交付税特別会計借入金の償還計画の先送りです。
政府は、平成十九年度の地方交付税法改正により、二十年間で交付税特別会計借入金残高三十四兆円を償還する計画を定めました。しかし、税収予測を誤った結果、初年度から三年間、償還を繰り延べることとしています。
こんな政府が続く限り、償還は永久に先送りされるのではないかという不安を感じます。去年約束した返済計画をわずか一年でほごにするとは、一般的な国民の感覚からしてもあり得ません。これについても、政府の無責任さにとことんあきれております。ここでも政府は、自らのいいかげんな税収見積りと経済運営について反省のかけらもございません。
政府・与党は、このような事態を引き起こしたことに関して、猛烈に反省をし、国民に謝罪すべきであり、また国民に対してきちんと分かるように説明をすることを求めて、私の賛成討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/4
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005・又市征治
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇〇七年度補正予算にかかわる地方交付税法等の一部を改正する法律案について、衆議院での修正案も含め、賛成の立場で討論を行います。
さて、なぜこの法案が必要になったかといえば、主に二〇〇七年度当初予算における政府の税収見積りが過大であった結果、九千百六十億円の税収不足となり、それを反映して、交付税原資も二千九百九十二億円の不足を招いたためです。今回に限れば、この不足額は国の一般会計からの加算で解消されるということです。
なお、法案では、別途、地方債について減収補てん債を当分の間、各年度において可能とする修正が行われました。減収補てん債の今の償還方法である交付税の先食いに我が党は反対ですが、この条項が一時的にでも自治体の年度末の財政運営の不安を緩和する点でやむなしと考えます。
さて、補正で交付税原資の過不足が生ずる原因は、財務省による国税の見積りが大きく外れるからです。税収の当初見積りと決算のずれが数か年度連続して過小だった例は二〇〇三年度から昨年度までの四年間であって、その過小額は十三兆五千億円、一か年平均して約三兆四千億円と、非常にずれが大きく生じています。逆に、税収の過大見積り、結果として税収不足が最も長く連続した例は一九九一年度からの五か年で、累計二十一兆六千億円、年平均四兆三千億円と、いずれも巨額でした。
景気変動は資本主義経済の常としても、財務省はこれを反省し、上昇又は下降に転じた後のせめて二年目以降は、内閣府のGDPを過信せず独自の予測手法を拡充強化するなどして、もっと早く修正すべきだったと言えます。
こうして財務省の見込みが毎年狂った結果、交付税は深刻な影響を受けています。
まず、前者の四年間の場合、交付税は入口ベースで、二〇〇四年度は一兆一千億円増、二〇〇五年度は一兆三千億円増、二〇〇六年度は実に二兆一千億円増となりました。政府は、これらを本来なら法の条文どおり年度内に増額交付すべきなのに、翌年度の交付税財源に充てるとして繰り越してきました。しかも、この前後に交付税本体は五兆一千億円も削られ、地方からは悲鳴が上がりました。
そもそも当初算定で需要額が不当に削られていたのですから、増収になったならば、当然再算定して年度内に交付すべきだったのです。また、年度末であっても、各自治体に配分すれば各自で積立てや地方債の償還などにも使えたのです。国の御都合主義、地方いじめとのそしりは免れません。
他方、自治体に打撃が大きかったのは、見積り過大で税収不足となった場合であって、政府はその穴埋めに交付税特会の借入れ、つまり自治体共通の借金を増やしました。先ほど指摘した一九九一年度からの五年間でいえば五兆円、過去十五年間全体で八兆円も借金が増えました。それに比べて国からの一般会計加算は、同じ五年間でわずか一千億円です。
このように自治体に一方的に交付税の削減を押し付ける傍らで、政府の過大見積りに伴う減収に対する責任の取り方は余りにも少なかった。今後も見積りミスが避けられないというなら、責任を自治体に転嫁しないよう、例えば半額は国が一般会計で負担すべきです。
最後に、交付税は、小泉政権の下で、国税が増えた年度ですら三位一体改革と称して五兆一千億円を意図的に減額されてきて、いまだに後遺症があるのですから、今度は計画的に復元すべきで、二〇〇八年度予算のわずか四千億円の復元ではまさに百年河清を待つがごとくです。国税五税からの繰入率を増やすことを含め、抜本改革が今こそ求められているということを改めて強調し、私の討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/5
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006・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/6
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007・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/7
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008・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/8
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009・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/9
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010・那谷屋正義
○那谷屋正義君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による自立的かつ安定的な財政運営を可能とする地方財政制度の構築に関する決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
自立的かつ安定的な財政運営を可能とする地方財政制度の構築に関する決議(案)
政府は、地方財政制度について、地方の自主性・自立性等をより一層高める観点から、制度の抜本的な改正と運用の改善に努めるとともに、平成十九年度補正予算に関連する地方交付税法等改正案は、地方交付税の原資である国税の減額補正に伴う各地方公共団体からの超過交付額の還付を回避するための措置であることも踏まえ、次の事項について早急な対応を講ずべきである。
一、今後、地方交付税の原資となる国税の税収見積もりについては、特に減額による混乱を回避するため、正確性に万全を期すよう、格段の努力を行うこと。
二、国税の補正に伴い年度途中に地方交付税総額の変更が生じた場合においても、地方公共団体が自立的かつ安定的に財政運営を行えるよう、地方財政計画及び地方交付税について、制度の趣旨を十分踏まえつつ、抜本的な見直しの検討を進めること。
三、交付税特別会計の借入金については、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保した上で、速やかな償還に努めること。
四、地方債制度及びその運用の在り方については、地方債の円滑な発行を確保するとともに、地方公共団体の自主的・主体的な財政運営に資する観点から、一層の見直しを行うこと。
五、地方分権改革においては、地方が自らの責任で効率的な自治体経営を行うことができるよう、事務の義務付け・枠付け、関与の縮小等国と地方の役割分担の徹底した見直し、権限と財源の適正な配分、国と地方を通じた税財政制度の改革を進めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/10
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011・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) ただいまの那谷屋君提出の決議案の採決を行います。
本決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/11
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012・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、増田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。増田総務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/12
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013・増田寛也
○国務大臣(増田寛也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/13
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014・高嶋良充
○委員長(高嶋良充君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116914601X00320080206/14
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