1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十年三月三十一日(月曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
大島九州男君 榛葉賀津也君
衛藤 晟一君 山谷えり子君
三月二十八日
辞任 補欠選任
榛葉賀津也君 大島九州男君
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出席者は左のとおり。
委員長 関口 昌一君
理 事
佐藤 泰介君
林 久美子君
坂本由紀子君
水落 敏栄君
委 員
植松恵美子君
大島九州男君
亀井 郁夫君
木俣 佳丈君
谷岡 郁子君
友近 聡朗君
西岡 武夫君
藤谷 光信君
水岡 俊一君
中曽根弘文君
西田 昌司君
山谷えり子君
義家 弘介君
浮島とも子君
浜四津敏子君
国務大臣
文部科学大臣 渡海紀三朗君
副大臣
文部科学副大臣 池坊 保子君
文部科学副大臣 松浪健四郎君
大臣政務官
財務大臣政務官 小泉 昭男君
事務局側
常任委員会専門
員 渡井 敏雄君
政府参考人
財務省主計局次
長 真砂 靖君
文部科学大臣官
房長 坂田 東一君
文部科学省生涯
学習政策局長 加茂川幸夫君
文部科学省初等
中等教育局長 金森 越哉君
文部科学省スポ
ーツ・青少年局
長 樋口 修資君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
の標準に関する法律の一部を改正する法律案(
内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/0
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001・関口昌一
○委員長(関口昌一君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十七日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/1
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002・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主計局次長真砂靖君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/2
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003・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/3
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004・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/4
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005・大島九州男
○大島九州男君 それでは、よろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございます。
まず一番最初に御質問をさせていただきますものは、まずこの二十年度、三年間で二万一千三百六十二人の大幅な定数改善を実施する概算要求を要望された文科省がそのような形で提案をされたということをお聞きしておりますが、実際その数字が現実には、今回、主幹教諭によるマネジメント機能の強化ということで千人、それから特別支援教育の充実ということで百七十一人、保育の充実二十四人という、計千百九十五人の定数改善の実施になったというふうにお伺いをしておりますけれども、この要望が七分の一、単純に言いますとそれぐらいの数になったということに対して文部科学省としてどのような御見解をお持ちかというのをお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/5
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006・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) お答えをいたします。
教育再生元年ということで、いろんな法律を一昨年の末から教育基本法、昨年は教育三法、国会で御審議をいただいた結果として新しい教育に向けて成立をさせていただいたわけでございまして、そういった背景を受けて、やっぱり学校現場で大変忙しいという現状があるわけでございますから、できるだけ子供と教員の皆さんが向き合っていただく、こういう時間を増やすことによって教育の質を上げていこうということで昨年の八月には今委員御指摘のような概算要求を出させていただいた、そういうわけでございますけれども。一方、財政健全化というものが一つの大きなテーマとして、国家的課題としてあるわけでございまして、行政改革や歳出歳入一体改革、こういうものを進めるということもまた同時にこの国家の大きな課題としてあったわけでございます。
そういう中で、この限られた財源の中で教員の子供と向き合える時間を増やすと、そのことによって教員の質の向上にも取り組むと、そのことによってじゃないですね、同時にですね、こういう中で昨年末の予算においては大変工夫をしたといいますか、苦労をしたところでございます。
御案内のように、行革法の第五十五条の三項に、平成十七年度と平成二十二年度を比較をして、公立学校の教職員その他の職員の総数について、児童生徒の減少に見合う自然減を上回る純減を行うということとされております。我々としては、その後に立法府の意思、要は国民の代表たる国会においてそういった法律、先ほど申し上げましたような基本法、教育三法が成立をしたということにかんがみて、是非それを実現したいということで頑張ったわけでございますが、結果は今御案内のような結果となりました。
今回の教職員定数の改善というのは、これまでの実績や今後の見通しを勘案し、行革法に規定する教職員定数の自然減を上回る教職員その他の職員総数の純減の範囲内で定数を増とするということにいたしまして、なお、七千人の退職教員等の外部人材の活用を見込んだ非常勤教諭、それから千八百か所の学校支援地域本部、こういったものを創設をいたしまして全体の事務量をいろんな意味で軽減をするということで、できる限り教員が生徒と向き合うと、児童生徒と向き合うという時間を確保すべく努力をするということで確定をさせていただき、その中で信頼される公教育を実現をするということに取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/6
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007・大島九州男
○大島九州男君 ありがとうございます。
文部科学大臣も、大変御苦労をされながら、いろいろな形で日本の教育の再生に取り組まれていらっしゃるなということは常日ごろ感じさせていただいておるんでございますけれども、率直に国民の視点で見た場合、例えばこれが民間企業でそれぞれ来年の事業予算を要求するということが仮にあった場合、その要求したものが七分の一しか認められないという結果が仮に起こったとしたら、それは企業の考え方としては、要求した数字が過大過ぎたのか、それが、その七分の一というその数字が非常にこれ疑問なんですね。例えば、よく一割カットだとか、そういう何%カットということはまあ分かるわけですけれども、これがもう半分にも満たない数字になっていると。
ここは文部科学省に聞くよりも財務省にお伺いをした方がいいと思うので、今日は財務省の皆さんにもまたお出ましをいただいておるんですが、先日ちょっとヒアリングで財務省の方にもお聞きをいたしますと、大変よく教育のことについてもお考えになられているお話を聞かせていただきまして、ああなるほど、ただ数字の考え方、予算の考え方から七分の一にしたんではないなというのはちょっと感じ取れたんですが、もうちょっとそこら辺、どういう議論で文部科学省が要求したその数字が七分の一になっているのかというのをちょっと分かりやすくお伝えをいただけると有り難いということで、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/7
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008・小泉昭男
○大臣政務官(小泉昭男君) 先ほど文科大臣が御答弁されたところ、その域を出ないわけでありますけれども、大島先生御指摘のとおり、要求段階では七千百二十一人ということでございましたけれども、これが千人に決定したという、このことについての御質問だと思いますが、御案内のとおり学校の方も、先ほど文科大臣のお話にございましたけれども、学校の児童数も減少傾向にあり、そしてまた学級数も減少傾向にあるということでございまして、そういう中から可能な限りの人員配置という、こういう観点から煮詰めた数字が一千人という、こういうことになろうかと、こういうふうに御理解いただければと思います。
その関係の中で、非常勤七千人、これは今まで経験のある方、そしてまた能力のある方、指導力のある方、こういう方々に再度御協力をいただいて、予算的にしっかりと配置の中で御協力をいただくという、こういう形になろうかという方向でございます。
それと、教職員の関係では、文科省からの方では行政改革推進法で定められた教職員の自然減を上回る、先ほども御答弁ございましたけれども、教職員そのほかの職員の総数の純減の範囲内でということでありまして、この数字は先生も御案内のとおりでありますけれども、トータルしますと約千人ぐらいになろうかと思います。この中で同法の範囲内と判断していると、このように伺っておりますので、御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/8
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009・大島九州男
○大島九州男君 本当に政務官にはお忙しい中においでをいただきまして大変有り難いんでございますが、今度真砂さんにちょっとお伺いをさせていただきたいと思うんですが。
数字でいいますと自然減が千三百人というふうに聞いておりまして、今回千百九十五人と、差し引きすると百五人のマイナスになるわけですが、子供の数が減りましたと、当然そういう形でいったら実質は増えてますという答弁をよくいただくんですけれども、これはそれだけでは測れないと思うんですね。
それはなぜかといいましたら、いろんな多様な生徒が増えていまして、例えば不登校であったりとか、そういったいろんな手の掛かるような子供たちが増えていて、昔は一学年五十人ぐらいを一人の先生が見ていたわけでありますけれども、今は少人数のところにもサポートする先生が必要な時代になっているということを考えた場合、本当に今言いますように実質増えているという判断でいいのかというのがまず一点ですよね。
これは、やはり文科省として、教育の現場にいらっしゃる先生方が一番そこの現状はよく分かっていると思うんです。そういう現場の声を財務省として聴く、そういった機会があったり、積極的にそういうヒアリングをしたりとかをしているのかというのが二点目ですよね。
最終的には、ないそでは振れないわけですから、その予算というものが決まって人員も当然決まっていくことは分かるんですね。当然その主幹教諭は千人、そして千百九十五人という数字はあって、そこに七千人というサポートをするような人員を配置をするというふうな考え方も、これは非常にまあ文科省としては有り難いことではあるとは思うんですけれども、じゃ、その主幹教諭が現場を離れて子供たちと触れる機会がなくなっていく部分をその七千人の人たちがサポートをしていくというようなその観点は、当然その予算を財務省は認めたわけですからね。そこでは、どういう効果があるというふうな形で七千人の予算を財務省としてはお認めになったのかということですね。そこをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/9
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010・真砂靖
○政府参考人(真砂靖君) 何点か御質問ございました。お答えさせていただきたいと思います。
一つは教員の数の話でございますが、先生御指摘のように生徒が減っていく中で、当然自然減というのは立てさせていただかざるを得ないという状況が一方あるわけでございまして、一方、先生おっしゃったような事情もございまして、今回文科省とよくお話をさせていただいて、言わば中間管理職とも言える主幹教諭について、大きなところに加配をするという結論に両省の間で至ったわけでございます。
それで、先生のお話にありましたように、量の問題もさることながら、やはり教諭の、教員の質をどう確保していくかということでございまして、例えば評価の問題等々の教育現場での工夫ということは是非やっていただかなきゃいかぬというふうに思っているところでございます。
それから、文科省との間でのヒアリングでございますが、我々確かに財務省、現場、教育現場は文科省の方から教えていただかざるを得ない部分もございます。あるいは、主計官、主査、現場を見せていただくということもございますけれども、年末の予算編成に向けて集中的に議論をさせていただいて、よく文科省からはいつも教育現場の話について聞かせていただいているところでございます。
それから、七千人の外部教諭の話でございますが、我々、文科省との間での議論で、これを創設する趣旨としてどういう議論をしたかといいますと、一つは、これは教員に限らず、今大量退職の時期を迎えております。したがって、これは中小企業でもそうでございますが、教員の持っている技能のノウハウの伝授といいますか、承継といいますか、そういったものをスムーズに行えるのではないかというような話が一つございます。
それから、在職中頑張っている教諭については、やはり校長から見ても、あるいは保護者から見ても、少し再任用という形で残っていただいて教育現場で頑張っていただいたらどうかというようなことも可能でございますし、それから、教員に限らず、外部の人材をここでもって登用して教育現場で活用するということもこの制度でできるというような、言わばそういった考え方の下でこの制度を創設するということを両省間で合意に至ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/10
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011・大島九州男
○大島九州男君 今回、ちょっと資料で、こちらの方の改正後の学校の組織運営のイメージ、中学校の例をこれは文科省が出されてあるやつなんですけれども、ちょうど緑色で指導教諭というのがありますが、ここ、細かいことなんですけど、このラインを見ていきますと、あれっと一瞬疑問に思ったんですね。
それは何でかといいますと、この副校長、教頭からこの指導教諭のところにラインは行っていて、そしてこの指導教諭の方から現場の方にラインがないんですよね。あれっと思いまして、本来、指導教諭はやはり学校の現場の先生、生徒、そういったものにラインが行かなければならないんではないかなという、これは非常に素朴な疑問なので、あえてこういうふうなライン、主幹教諭は当然下にこう行っていますけど、ただこのラインが抜けているのか、そこに深い意図があるのか、これはちょっと文科省の方にお聞きをしたいんですね。
それで、今回のここの図にあります副校長、教頭という役割、そして主幹教諭の役割、指導教諭の役割というのはそれぞれ、ここの法案の中にも若干書いてありますが、もう一度皆さんに分かりやすく簡潔に、こういう役割でこういうものがあるんだというものを教えていただくとこのイメージ図のとおりになっているのかどうなのかということがちょっと分かるんじゃないかと思うんで、その点を先にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/11
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012・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
副校長、主幹教諭、指導教諭の役割についてのお尋ねでございます。
学校をめぐる様々な課題に効果的に対応していくためには、学校の組織力を高めることが重要でございます。副校長は校長から任された校務を自らの権限で処理することを職務といたします。副校長の配置によりまして、校長が学校運営上高度な判断を要する校務に集中して取り組むことができるようになりますとともに、学校運営における機動的なマネジメント体制が確立されることを期待しているところでございます。
次に、主幹教諭でございますが、主幹教諭は校長や教頭と教諭等との間に設けるものでございまして、校長等を補佐する立場で、校長から任された校務の一部を取りまとめ整理し、他の教諭に対して指示をいたしますとともに、児童生徒の教育を担当することを職務といたします。この主幹教諭の配置によりまして、学校の実情に応じて、例えば組織的な生徒指導や個に応じたきめ細かな教科指導など、教育現場が抱える課題により的確にこたえることができるような体制となり、学校運営の改善が図られることを期待しているものでございます。
また、指導教諭でございますが、指導教諭は児童生徒等の教育を担当いたしますとともに、他の教諭等に対して教育指導に関する指導、助言を行うことを職務といたします。指導教諭の配置によりまして各学校の個々の教諭等の授業力が向上し、各学校において優れた教育実践が行われるようになることを期待しているものでございます。
なお、改正後の学校の組織運営のイメージの図の中で指導教諭からラインが下に引かれていないという御指摘がございました。
このラインの引き方についてはいろいろなラインの引き方があると思いますけれども、この図におきましては他の教諭に対して指示をすることができるところに線を、ラインを引いておりますことから、指導教諭につきましてはそういった指示ということではなくて他の教諭に指導、助言ということでございますから、ここのところにラインが引いていないということでございます。
また、仮に指導、助言についてラインを引くということになりますと、この指導教諭からそれぞれの教諭のところに全部ラインを引いていかないといけないという感じになるものですから大変ラインが複雑になってしまうということで、こういった形の方が分かりやすいんではないかということでこんな形になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/12
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013・大島九州男
○大島九州男君 ありがとうございます。
イメージとしては、この指導教諭の皆さんは主幹教諭その他の先生たちを通して多くの教諭を指導するという、そういうイメージだということですね。はい、よく分かりました。
そこで、文科省としては、子供たちにとにかく触れ合いの時間とか触れ合いの場を多く取りたいということで方針を出されているわけでありますが、ここでちょっと私が思ったのは、先ほど財務省からお話もありました外部人材の活用ということで非常勤講師が七千人と、この非常勤講師七千人の人たちの中で退職教員ということが出ました。再任用だという部分を明確におっしゃっていただいたので、私はそれは大変ありだなと思ったんですね。
この再任用で雇われる先生、なおかつ、ここには外部の人材を登用するというふうにありますよね。そうすると、その外部人材のイメージなんですけれども、免許を持った人をそこに配置をしていくということを基本にされているのか、あと、仮に免許を持っていない人でもこういった多様な生徒に対応するためにこういう人を校長の裁量でどんどん入れていくとか、いろんな考えられるイメージがあると思うんですが、文科省の考えるイメージというのは、若い臨時採用のそういった先生たちを入れるイメージなのか、再任用の人が多いイメージなのか、それはもう現場にまるっきり任せているから、もうその現場に任せて我々は関知していませんよというのか、そこら辺はどうなのかを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/13
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014・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
教員が子供と向き合う時間を拡充いたしますため、平成二十年度におきましては教職員定数の改善のほかに外部人材の活用を行うことといたしておりまして、退職教員や経験豊かな社会人等を学校に七千人配置することといたしております。
具体的にどういう方をこの外部人材としてお願いするかということにつきましては各都道府県教育委員会の判断によるところでございますが、私どもといたしましては、退職教員にお願いする方が効果がある場合もございましょうし、また逆に、経験豊かな社会人の方をお願いすることが効果がある場合もあろうかと存じます。免許を有していない方につきましては、非常勤講師として採用する場合、特別非常勤講師制度というものを活用して免許を有していない方を非常勤講師として採用することも可能でございます。それぞれの外部人材の活用の目的や効果などを考えまして、退職教員の方にするのか、社会人の方にするのか、あるいはもっと若い方にお願いをするのか、そういったところは各都道府県の教育委員会でそれぞれ御判断をいただけるものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/14
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015・大島九州男
○大島九州男君 ありがとうございます。
今回の主幹教諭を、当然予算も掛かるわけですから、都道府県としてはうちの方に加配してくださいよというふうな形で手を挙げていらっしゃるのが、この資料で出させていただいております平成十九年度の主幹教諭に係る加配及び外部人材活用事業の申請状況という、右端の方にありますが、この十二の県、都道府県が主幹教諭を入れて我々は取り組みたいというふうに手を挙げていらっしゃると。当然残りの県は、必要でないと思っているのか、予算がないのでちょっとそれは欲しいんだけど無理なんだなというふうに思われていらっしゃるのかなというのは我々に分かりませんが、隣の外部人材活用事業ということで、四十七都道府県は四十二手を挙げていらっしゃるわけですね。
当然、これを見ると、人は欲しいと。これはもう教育現場の現状としては間違いないことなんだろうなというふうに思うんですね。これは現場のことですので、私がもし仮にその県の担当者として主幹教諭をいただきたいと、そうするとそこに予算が入ってきますね。その予算、お金だけの面で考えると、一人分の予算で何か若い人か余りお金の掛からない人を二人雇いたいなとかいうふうに思うんじゃないかと。
特に、それは何でそういう根拠かというと、外部人材の活用という形で非常勤の人たち入れたいという人はたくさんこれだけニーズがあるわけですから、そうすると、各主幹教諭を加配してほしいとおっしゃっていらっしゃる都道府県の現場もそういうことが起こり得るんじゃないかなと。
そうすると、文科省としては、今回主幹教諭を入れて学校の組織をきっちりとしていこうという、そういう趣旨でこれを導入されるんでしょうけど、現場に行きますと何かそれが分身の術を使っちゃって、何か一人が二人になってしまうというようなことが起こり得るんではないかという、これはもう私の思いなんですが、そういうことが想定されると私は思うんですが、そういうことはシステム上あり得ないとか、そういうことは制度上やっちゃいけないことなんだというようなことがあればそう教えていただきたいし、いや、それは現場の運用の仕方でそういうこともあるんじゃないでしょうかと、どっちかをちょっとお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/15
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016・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
千人の定数措置でございますけれども、それをどのように活用していくかということにつきましては、各都道府県教育委員会の判断におきまして、非常勤として活用するということも可能であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/16
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017・大島九州男
○大島九州男君 この学校運営のイメージでいきますと、主幹教諭に今人を配置したいという文科省のイメージで、ここに言うなれば水をまくと、下の、ここの現場のところに水が足りていないものだから、ここにあげた水が全部下の方に行っちゃうわけですね。そういうイメージなんだ。ということは、どういうことかというと、この現場に水が足りてない。その水は何かというと、人が足りてないから結局ここの主幹教諭に人員を配置していこうというその文科省の思いが、現場の中では下の方にまかれていって、先ほど理念の中でおっしゃった学校の組織的な運営が結果的に何かできなくなるのかなという気がするわけなんですね。
だから、それであれば、やり方としてはいろいろあるかもしれないけれども、文科省の思いだけをきっちりと理想に近づけるとするならば、この主幹教諭から下に水が漏れないように、きっちりと制度上絶対主幹教諭は置かなきゃいけないというふうにしなければそれは達成できないんじゃないかと思うんです。だから、もしそういう形にして本当に学校のマネジメントというのをきっちりしていくのか。それからもう一つは、心の中で、いや、現場の声が足りないと、人が少ないと、だから現場に配置をするという形でこの法案を持っていくと、何かちょっとそれは問題がありそうだなと。だから、取りあえずこの主幹教諭という形でここに予算を付けましたけど、現場の皆さん、現場に人が足りないんですから分身の術を使ってどんどん下にまいてくださいよと言っているのか、心はこの二つのうちのどっちかなんですよ。
だから、そこら辺、文科省としては本音のところはどうなのかなというのがすごく疑問なので、答えられれば、ちょっとお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/17
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018・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
主幹教諭の設置そのものにつきましては、学校の規模や地域の実態が様々でございますことから、それらを踏まえて各教育委員会等で判断していくことが必要でございます。したがいまして、主幹教諭の設置そのものは任意としたところでございます。
今回の主幹教諭に係る加配措置は、学校の規模などを勘案しまして、効果的かつ効率的な学校運営を図るため、主幹教諭の機能が十分発揮されるよう特別な配慮を必要とする学校について担当授業時数の軽減のための加配措置を講じようとするものでございまして、具体的に、教員定数の範囲内で常勤講師を配置するか非常勤講師を配置するか、どのような教員配置を行うかにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、各都道府県教育委員会において、地域や学校の状況を踏まえ適切に判断いただけるものと考えているところでございますが、今回の主幹教諭に係る加配によりまして、例えば校長、教頭の職務の負担軽減が図られますとともに、学級担任など個々の教員にとりましても児童生徒の指導に直接かかわる時間も拡充されるものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/18
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019・大島九州男
○大島九州男君 お役所としてはそういう答弁になるんじゃ、もう仕方がないかなと思うんですが。
副大臣、副大臣はいつも文化、教育にすごく力を入れていらっしゃるんで、今のこの現状ですよね、現場は本当に人が足りないという声をつくづく聞かせていただく、そして、それぞれの子に多様な形で自分たちはかかわっていきたい、だから人が欲しいんだという部分において、今、財務省の方針や日本の国の方針、そういったものを踏まえた中で、この加配の人数というものは本当に妥当なのか、もっとこれは改善して増やしていった方がいいのか、そこのところの御見解はどんな感じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/19
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020・池坊保子
○副大臣(池坊保子君) 私は、十二年間、ずっと政治家の間、この教育、文化、芸術、スポーツ、科学技術の進展に尽力してまいりましたから、子供たちと向き合う時間がより多くなるためには、それは先生の数が多い方がいいわけでございます。
先ほど委員がおっしゃいましたように、昔は五十人だったじゃないかと言われます。でも、今の方がはるかに様々な問題を抱えたお子様方が多いです。そしてまた、アレルギー症状が出てきたりとか、あるいは体力にも欠陥を持った方、あるいはまたADHD、LD、自閉症、様々な問題を抱えていらっしゃる方が多くございます。ですから、一人一人と向き合わなければならないということにおいて、私は先生の数は多い方がいいと思っておりますので、いつもそれは財務省とのせめぎ合いの中で私は苦しい思いをいたしております。
ただ、私は、今回の主幹教諭のことに関しましては、委員に申し上げるまでもなく、学校教育法三十七条九項で、主幹教諭というのは何をするかといったら、校長及び教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の教育をつかさどる。
ですから、世の中のどんなことに関しましても、物事を改善、改良、改革していくためには私は二つのことが必要と思っております。一つは、制度だと思います。きちんとした制度をつくるということがやはり改革に結び付くと思います。そしてもう一つは、その制度を受けまして、それを十分に運用していく人材、人間力、あるいは運用力と言ってもいいかもしれません、その二つが必要なのではないかというふうに思うのです。
ですから、今回も、例えば主幹教諭は、なぜそれを付ければ子供と向き合う時間が増えるかといいますと、例えば子供との時間におきましては、生徒指導上の課題に主幹教諭が中心となって組織的、機動的に何かチームを編成して個々の教員の生徒指導にかかわることができるとか、あるいは会議とか、あるいは雑務に関しましては主幹教諭が中心となって職員会議の事前の調整をするだとか、いろんなそういうことをすることによって、すべてのことにおいて効率的、そして効果的に運用できるようなシステムづくりをすることができるのではないかというふうに私は考えておりますので、結果的に必要なことは主幹教諭をどのように使うかということですので、それは文部科学省もいろんないい例をこれからも提示してまいりたいと思っております。
そして、それだけでなくて、アンケート調査などの事務整理ももっと効率化できるようにと、あわせて、様々なことに関しても私どもは改革を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/20
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021・大島九州男
○大島九州男君 副大臣のその思いは私も本当につくづく感じるわけでありますが。
ここで、ちょっと学力状況調査の件と、この主幹教諭やいろんな七千人の外部人材の関係のところについて質問したいと思うんですけれども、私は常に、前回の質問でも、この学力調査を毎年多額のお金を掛けてやる意義は何なのかと、これが三年に一回とかいうことであれば分かるけれども、毎年悉皆調査でやる意義は何なのかというのを常に自問自答するんですが、ここで私がふと思ったのは、今、新聞の資料と先ほどの十九年度の全国学力・学習調査の都道府県の状況を、これを見たときに、皆さんもよく御存じの、秋田が非常に成績が良かったと。じゃ、この秋田県は主幹教諭や外部人材の活用事業を申請はしていないんですよね。だから、そうするとどういうことがあるのか。我々が考えると、例えば成績が芳しくなかった都道府県は、この状況を見て、そして自分たちの生徒の学力を向上させるために人を配置してしっかりと教育をしていこうというふうに考えるのかどうなのか。
ここら辺は大変いろんな状況があって、ここのところは精査をしていかなければならないんだろうというふうに思うんですが、実質その学力調査はどんなところに反映をしているのか。現場がこれを何に活用して、どういうところにやろうとしているのか、文科省、ちょっとそこのところをお聞かせいただきたいんですが、具体的にこういうことがあるんですよということがあれば、それをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/21
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022・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
各都道府県教育委員会におきましては、全国学力・学習状況調査の結果を分析、検証し、教育委員会や学校における教育や教育施策の改善に向けた取組の資料として活用をいたしているところでございます。その取組の中で、各都道府県教育委員会が教員の加配定数や、また、外部人材活用事業を活用して学習指導上、また生徒指導上の課題に対応を図っていくことになるわけでございますが、こうした事業を活用して具体的にどのように教職員配置を行うかにつきましては、各都道府県教育委員会が地域や学校の状況を踏まえ決定することになっているところでございます。
したがいまして、御指摘のございました全国学力・学習状況調査の都道府県ごとの平均正答率と、それから主幹教諭に係る加配や外部人材活用事業とが必ずしも厳密に一対一で対応しているということではございませんけれども、各都道府県教育委員会におきましては、全体の教職員の配置の中でこうした全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた各学校における教育指導の改善に向けた取組など、その実情に応じて教職員定数や退職教員などの外部人材活用事業を活用されていただけるものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/22
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023・大島九州男
○大島九州男君 この学力調査のちょっと一部を見て、こういうことに気が付いたんです。これは私なりの見方ですが、例えば、小学校の順位が七位だった東京都は、中学校だと三十位なんですね。京都が、小学校六位だったのが中学校だと二十六位とかいうふうになるわけですよ。普通、そのまま小学校からずっと中学校に上がっていくとそんなに大きく変わらないだろうなと。例えば、大阪なんかというのは、小学校が四十五位なら中学校も四十五位だったりするわけです。秋田は小学校一位なら中学校三位とか、福井は小学校二位なら中学校一位とか、普通こういう感じが一般的だろうなというふうに思うんですが、なぜこういうふうになるのかなということを考えた場合、例えば、東京都などは中学からみんな何か私立にぼおんといいのが行っちゃうのかなというふうな感じを見るわけですね。これは、もっともっと検証しなきゃいけないものはたくさんあると思うんですけれども、実質六十億近いお金を掛けてやるのは何かというと、そういうデータ分析だと思うんです。
だから、財務省がこの厳しい予算の中にこの学力調査にはこれだけの予算を付けますよと、片やこっちは千人でいいよという根拠は、そういう細かいデータを分析するところにお金を掛けるというなら私もある程度は理解できるんですが、財務省としてはそこら辺の見解はどうなんでしょうか。
この学力調査に対して十分な費用対効果が得られておって、財務省も大変教育に関していろいろ考えていらっしゃるというのも私も分かりましたので、じゃ、そういうことが反映されているようなデータが上がっているという見解をお持ちかどうかということをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/23
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024・真砂靖
○政府参考人(真砂靖君) お答えいたします。
先ほど、私、教育にとって一つの大きな柱は検証だという話をさせていただきましたですけれども、学力テスト、まさに各校の客観的な状況を調べてそれを検証するのに非常に重要な手段だというふうに私ども思っておりまして、それでもって予算計上しているところでございます。
したがいまして、先生御指摘のように、財政当局としても、厳しい財政事情の中で予算計上している以上は、何分その結果を効果的に分析していただいて活用していただきたいと、このように思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/24
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025・大島九州男
○大島九州男君 財務省と文科省のやっぱりこういう予算のやり取りの中で、財務省としては、そういう成果がどれだけ上がっているのかということは、文科省に要求されるのは当然だと思うんです。ただ、文科省は、教育ですから、そんなすぐあしたの今日のこういう成果が出ましたよということを言えないこともよく分かるんですね。
ただ、その教育の目指すところと、理念としてどういう方針かと。例えば、主幹教諭をしっかりと充実をさせて学校運営をきっちりやりたいんだという思いで今回導入されるこれについては、制度と、先ほど副大臣がおっしゃったその制度と仕組みでいうならば、ちゃんと主幹教諭をきっちり置くというふうな制度にやっておかないと、先ほど言う衣食足りて礼節を知るという、例えが悪いか分かりませんが、現場の水が足りなければ、まずやっぱり現場に水が行ってしまうんですね。その水が満ちたときに、そしたらその運営の方とかマネジメントにというふうになってしまうのは、これは自然のことだと思うんです。
だから、そういう意味では、やはり主幹教諭を置いてこういったマネジメントをしっかりできる学校運営にというなら、そこはしっかりとそこに担保をしていけるような予算措置でなければならないというふうに思うのが一点と、それとこの学力調査、これは文科省が唯一、去年より今年の方が成績が良かったですよ、財務省さん、だから予算を付けてくださいねというふうに言いやすい材料の一つかなと思うわけですよ。だから、毎年やる意味はそれしかないんですよ。
これ、正直言って、私は数年でいいんじゃないかと、これも悉皆じゃなくてサンプルでいいんじゃないかと。しかし、今のような検証の報告を受ける程度のこの全国学力調査なら、何かと言えば、いや、去年より今年の方が何か生徒上がりましたと、だから、例えば七千人付けていただいたからこれだけ上がったんです、だから来年はそれを倍にしてくださいねというような材料に使う程度の検証しかされていないというのが私の印象です。
だから、先ほど言いましたように、もっともっと分析をしていただいて、ちゃんとこれは小中学校の進度の状況によってこのような結果が出ているんだとか、それとか、地域間格差があってこうなんだと。
例えば秋田は、もう本当に子供と先生が密着して、その子たちがちょうど地域地域でそのまま小学校から中学校へ上がって、本当に和が取れている、きずなが結ばれている学習環境にあるから小中学校ともこういうふうないい成績なんだと。
ところが、福岡なんかというのは、まあ地方の都会ですよ、田舎の都会。田舎の都会というのはどうなっているかというと、非常に地域との連携が薄まっているわけですよね。都会化される中の非常に何か過渡期でもある。その福岡なんかというのは、小学校、中学校というようなところでいったときに、小学校三十八位、中学校四十位というんですよ。非常に何か学力が低い、私の県なんですけど、ああ、何か残念だなと思うんですが。
しかし、そういった地方の都会と本当に地方の田舎と都会の傾向はこうだとかいうのを全国でやるからある程度のイメージがつかめるとか、そしてそれを過去三年にわたって検証した結果、こういう地方の地域間格差を教育としてこういうふうに埋めていかなければならないので、これは意味あるものでしたねという話をしていただけるようになっていただきたいという思いがあるので言うんですが、そういうふうにしていただきたいんです。
だから、費用対効果というのは当然財務省も求めるわけですから、私が皆さんにお願いをしたいのは、この学力調査が毎年、去年よりも成績良かったから次は財務省、予算出してくださいねなんというようなことに使われるようなものにしてもらいたくないというのが一つ。
そして、財務省からは、やはりその教育の現場、そういったものの声をしっかりお聞きをいただいて、付けるものはしっかり付けると。だから、主幹教諭を付けるなら、主幹教諭にしっかりお金が行くような形で付けていただくようにして、現場は現場できっちりと、それが変に上下に水が流れないようにしていただきたいという思いがありますので、そこら辺をしていただきたいと思うんです。
それともう一つ、最後に、学校支援地域本部ということで学校運営を、地域に経営を任せていこうというふうにしていこうとするその心は、私は昔、市会議員のときに、学校選択制というのを地元の市が導入すると言った。その心は学校統合でしょうと言ったんですよ。結局、選択制にすることによってここは一気に絞りますから、ああ、もうこの学校は廃校してこうですねという流れの心があるんでしょうと言ったら、そのとおりになりました。
じゃ、この学校支援地域本部ということで、それをしっかり地域で経営していこうというその心は、将来、この小中学校の経営を、それこそ民営化とは言いませんけれども、そういう方向に持っていこうとするその第一歩でないかというふうに思っているわけであります。
これは私の私見ですから、ここで大臣、答弁はそこの件はいいですが、今までの議論を聞かれて、大臣が今後、この学力調査と、それからその人員配置に対する問題等を含めて総括をしていただいた御答弁をいただいて、終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/25
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026・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 様々な観点から御議論をいただきました。
最近、よくこの財政の議論をされるときに、いわゆる投入目標ではなくて成果目標という話が出てくるんですね。ただ、投入目標でなく成果目標と言われましても、なかなか成果目標というものが定量的に測れるものでないというのが教育であるという前提が一つあると思います。
私は長年科学技術をやってきましたが、基礎科学というのは、これもそうなんですね、やってみなきゃ分からないものというのはいっぱいありましてね。ですから、それは、今委員おっしゃいましたように、成果目標というよりも、しっかりとした姿勢を示す、その姿勢に応じてやっぱり制度設計をしていくと、その制度設計に対して投入をして、これは検証は必要でございますから、そういった検証をやりながらより良いものを目指していくと、これしかないというより、こうすべきなんだろうというふうに考えているところでございます。ここが意見の分かれるところでありまして、今も振興計画でバトルをやっておりますが、それはそれとして、やっぱりとした方向をしっかり持たなきゃいけないということは事実であろうと思います。
我々が今持っております一つの方向というのは、これは総理もおっしゃっていることでありますけれども、現場で教員の皆さんがやっぱりしっかりと子供を見られる時間というものを確保していくと、これが大事なんだろうと思います。そのためにいろんな方法がある。これは手段でございますから、どれが正しいかということを一概に今言い切ることは難しいわけでございますけれども、まず今やっていることは、いろんな余計なことをできるだけ排除をしていくということで、事務作業の合理化、これは今進めております。一番できることは、文部科学省が現場に余計な調査をやらさないこと、私はそう思っておりますから、既にこの結果は出しております。都道府県教育委員会にもこれをお願いをしておりまして、そういったことをしっかりとやっていくことであろうかと思います。
それから、委員おっしゃいました学校支援地域本部、これも同じようなことでございまして、これは教育基本法でもはっきり書かれておりますが、家庭と地域と学校、これは教育の非常にかなめでございまして、この連携が大事だということで、しっかりとこの地域本部が働くことによって今学校が抱えている様々な問題を解決することが、まあ全面的には無理でございますけれども、少しでもできればこれはまた学校の負担が減ると、これは教師がやっぱり子供と向き合う時間ができるということに資すると、そういった試みであるというふうに思っております。細かいことは言いませんが、そのためにはしっかりコーディネーターが働かなきゃいけないんだと、こういう認識でございまして、今年から千八百か所、これはちゃんとメニューを作ってやっていくということであろうと思います。
最後に、学校現場で組織をどう考えていくか。これはやっぱり総合力としての学校の、マネジメントという言葉は正しいのかどうかちょっと、少し抵抗のあるところでありますけれども、やはりできるだけ余計なことが起こらないような運営というのは大事であろうと思います。さっき副大臣がいろいろとお答えをしたところでありますけれども、やっぱりこの主幹教諭というのは、そういったことにおいて主な役割といいますか、大きな役割が期待されているわけでございます。ただ、地域の事情なり学校規模、こういったものにおいて大きな差があるわけでございますから、これは必置規定というよりも、今地域が決めていただくという形にしておるわけでございます。
最終的にその数をどうするかということになってまいりますと、これは冒頭申し上げましたように、私は前回の予算をやらしていただいて、額というよりも、今厳しい行革の一つの大きな国家的課題の中で、やっぱりこの地方公務員という職種また教員という職種、この間でもいろんな議論がある。しかし、やっぱり教育は大事だということで、これは総務省の御理解も得、地域の御理解も得て今回の定数増をやらしていただいた。額よりも私はその定数削減という、行革法の五十五条の三というこの取決めが非常に大きかったなというのが正直な実感でございます。
そういうことがあるわけでございますけれども、これも冒頭申し上げましたように、いろんなその後の状況の変化、国会での法律の審議、附帯決議等もあるわけでございますから、こういうことも含めて公教育の信頼の回復、これに向けて我々としては努力をしていきたい。
先ほど学力調査のお話がございました。いろんな見方があるわけでございますが、こういうものもしっかり分析をして、せっかくお金掛けてやるわけでありますから、その成果というものをしっかりと教育現場に反映させるように我々も努力をしていきたい。少し行ったり来たりしましたが、全体としてはそのように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/26
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027・佐藤泰介
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介でございます。
大臣、最後相当長く答弁されましたので私の時間が五分食い込んだそうでございますので、質問を通告させていただいておりますが、ちょっと順番を変えてやらないと時間内に終わらないかもしれませんので、通告の一、教育格差については、まあ時間があれば大臣とちょっと教育論を闘わせたいというふうに思っていますので、まず具体的な教員給与の問題から入りたいというふうに思っておりますが。
その前に、今、大島委員の資料のイメージ図でございますが、分かりやすく色が入っていますが、これ色ごとによって給料のめり張りがあるわけですよね、多分。校長と教諭が同じ白だからこれは同じだとは思いませんが、色の違いによって給与のめり張りがあるのかどうかということと、それからもう一つ、二枚目の資料で、主幹教諭に係る加配が十二都府県ですか、これ平均して十二で割りますと八十三名でございますが、これの千名の配置基準はどのようになっているのか、あるいは政令指定都市はやはり県から加配が決められてくるのか、どんな基準でこの十二都府県に対して千名が割り振られているのか、ちょっと今、大島議員の質問を聞いていて疑問に思いましたので、それをまず答えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/27
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028・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
改正後の学校の組織運営のイメージ図の配色でございますけれども、特に何か意図して色分けをしたというよりは、できるだけ見た目に分かりやすいようにということでこういう色遣いをさせていただいたところでございます。
次に、主幹教諭に係る加配措置でございますけれども、加配につきましては、法令の趣旨に基づきまして、各学校の状況を踏まえて都道府県の教育委員会が必要な加配定数の申請を文部科学省に行うわけでございます。これを踏まえ、私どもといたしましては、主幹教諭の職務の内容や学校の規模、教職員の配置状況などを勘案して、学校の効果的かつ効率的な運用を図るため、主幹教諭がその職責を十分に果たすことができるよう、当該学校の人的体制の整備を行うことが特に必要であると認められる場合に、文部科学省として、予算の範囲内で各都道府県に配分を行うこととしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/28
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029・佐藤泰介
○佐藤泰介君 政令指定都市。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/29
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030・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
政令指定都市の分も含めて各都道府県の方に配ることにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/30
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031・佐藤泰介
○佐藤泰介君 大体分かりましたけれども、ちょっと色別が分かりやすくしたというだけではないですね、これ。恐らく給与変わってきますもんね。分かりやすくしたというだけじゃないですよ、これ。じゃ、主幹教諭と教諭と同じですか。指導教諭と担任と同じですか。保健主事と担任と、これ一緒ですか。給与を変えたりいろんな差が出るでしょう、この色によって。分かりやすくしたというだけじゃないですよ、これ。そんなでたらめな答弁は要りませんね。
まあ、そんなことをやっていると時間がなくなるんで、ちょっと具体的な給与問題について伺います。
今年度の予算については、大臣も先ほど言われた千名の加配について私は大変評価をいたしております。それは、行革法が進む中で芽を出すということに私も非常に意味があったというふうに思っております。これが万が一削減されたりゼロになったとした場合には、恐らく次年度もそういう定数になってしまうと。ともかく今年は、概算要求とは違っても、ここで芽を出しておくということは非常にこれからの文科行政を進める上で大変な評価を私はしたいというふうに思っておりますけれども、あくまでこれは現制度の下での成果であって、本質的には私はもう国が予算の立て方を変えない限りこういうことが繰り返されてくるんではないかと思っております。
各府省の一律削減というシーリングのような予算をやっていては、これはもう絶対に教育予算は増えませんよ。教育予算全体で五・三兆円でしょう。違ったら指摘してください。道路財源一年で五・九兆円でしょう。従来のように富がどんどん増えるときは富の配分をやればいいんですよ。しかし、富が増えない今に至って行革を進めないかぬときに、同じように一律何%カットのシーリング、国立大学に至っては効率化係数、そういう予算の立て方をやっている限り私は教育予算を増やしていくということは非常に難しいし、大臣も、それからそこにお並びの局長さん始め副大臣始め大変御苦労されると思うんですよ。
これはここで結論が出る問題ではありませんけれども、やはり、もう富の配分とどこへ富を配分するかという選択を加える時代なんですよ。今までのように富だけ配分したり、富だけ一律カットにしたりしている時代はもう終わったんですよ。今は富の配分と富を配分する選択先を決めないかぬのですよ。何でも府省一律に上げ下げしておったのでは、これはちょっと財務省の方が見えたんでちょっと言いたかったですが、私、帰られちゃったので。したがって、教育予算があって、それを子供の数で割ったら増えておるじゃないかと、したがって下げればいいと、こういう論理が出てくるわけですよ。もう私は、富の配分と選択、この選択が大事なんですよ。したがって、だれでも教育は大事だ大事だ大事だ大事だと言いながら、全然増えてこないんですよ。
これは内閣で一遍考えてほしい問題だと私は思っていますけれども、これからの時代は、今までのような予算の組み方をやっておれば、財務省と文科省がやり合っておる間は大変厳しいですよ。しかし、現制度がそうですから、そんなところまでは変えられませんけれども、現制度の下でこの千名を芽出しされたということは私は高い評価をしておきたいというふうに思いますし、渡海大臣始め文科省の皆さん方の御努力に敬意を表したいというふうに思っております。しかし、本質的には私は予算の組み方を変えなければならぬだろうと、そういう時代、新しいこれが時代に入ったんだろうというふうに思います。
大臣の所感を伺いたいですが、ちょっと時間がないので、もう意見だけ言わしていただきました。
じゃ、人確法の問題にちょっと入らしていただきますが、今、人確法によって教員が優遇措置を受けているとするならば、それはどの程度、何%ぐらいの優遇で、金額ベースではどれぐらいなのかというのをちょっと教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/31
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032・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) 教員給与の人材確保法に基づく優遇分でございますけれども、トータルといたしましては、人材確保法の優遇分は、教員給与月額が一般行政職を上回る分といたしましては二・七六%、約四百三十億円というふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/32
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033・佐藤泰介
○佐藤泰介君 当初よりも、人確法が成立したときよりも更にパーセンテージは減ってきているんだろうと私は思っておりますが、導入当時はどれぐらいでしたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/33
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034・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) 人材確保法の制定当時の教員給与について見ますと、この人材確保法に基づきまして昭和四十九年から昭和五十四年にかけて三次にわたる改善が計画的になされ、予算措置ベースで申しますと約二五%の改善が実施されたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/34
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035・佐藤泰介
○佐藤泰介君 二五%の優遇措置が今は二・七六になったという理解でいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/35
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036・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
一般行政職と教員との給与の比較で申しますと、本給で教員が優遇されている分と、それから義務教育等教員特別手当という教員のみに支給されている手当がございます、これを合わせますと七・二六%になるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/36
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037・佐藤泰介
○佐藤泰介君 それを最初に私聞いたんですけどね。七・二六でしょう。金額にして幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/37
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038・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
教員の給与月額で比較をいたしますと、一般の行政職に比べ、一般行政職の給与月額が三十九万九千百二十八円に対して教員の給与月額が四十一万四百五十一円でございますから、その差が二万九千七百八十八円、七・二六%に相当するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/38
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039・佐藤泰介
○佐藤泰介君 そうでしょう。金額ベースにしたら二万円程度でしょう。それが更に今は二・七六、これを一般公務員と教員との金額ベースにしたら幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/39
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040・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
二・七六%を給与月額ベースにいたしますと、一万一千三百二十三円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/40
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041・佐藤泰介
○佐藤泰介君 ちょっと調べてないんで、細かい数字メモ取れませんでしたけれども、要するに人確法が導入されて優遇されたときが二万円、約二万円ぐらい良かったということですよね、今の数字でいえば。それが現在はもう一万円ぐらいになっておるんですよね、今の説明で。金森局長、そうですね。それぐらいですね。もう大幅に、人確法を入れたときの優遇措置なるものは半分になっているんですよね、既に。それを、今年度の予算について私は評価をすると言いましたけれども、私がマイナス部分、負の部分だと思うのがこの部分なんですよ。
いよいよ、この人材確保法の優遇措置がいかにも悪いように言われ始めているんですね。導入したときのことを思い出しますと、私は現場の教員でした、そのときは。物すごい有り難かったですね。意欲も出ましたね。これは頑張ろうと、これだけ教員の給与を上げてもらうなら、これは責任を果たさないかぬと。それが今はこれ半分になっておるんですよね、もう。それを更にゼロにしようとしているんですね、今。
私は聖職論者でもないですけれども、教員というものはいろんなことでたたかれながら、給与はどんどん減っていくと。今年度、そのうちの〇・八%、十九億が来年の一月から削減をされますね。ということは、この削減は、要するに先ほど金森局長が言われた義務教育等特別手当、これをまず縮減するんですね。この三・八%を三%程度に変更するんですよね。間違っておったら後で指摘してくださいね。
という理解をしておりますが、この今年度の予算確定に当たって、今後この義務教育等教員特別手当をこれからも、本年度は〇・八%、十九億だと思いますが、これを三・八を削る方向で動いていくのか、あるいはその部分は財務省としての、財務省との話合いの中でその部分は来年また新たな話合いになっているのか、もうそれは縮減をしていくということが決まっているのか、そこをちょっとお伺いしたいと思います。数字が間違っておったら指摘してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/41
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042・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
教員の給与につきましては、平成十八年七月に閣議決定された基本方針二〇〇六におきまして、国、地方を通じた歳出改革の一環として、めり張りを付けた教員給与体系の検討と併せて、人材確保法に基づく教員給与の優遇措置を縮減することとされたところでございます。
この閣議決定を踏まえまして、平成二十年度予算におきましては義務教育等教員特別手当十九億円の縮減を図ることとしたところでございますが、来年度以降の取扱いにつきましては平成二十年度以降の予算編成過程において検討していくことになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/42
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043・佐藤泰介
○佐藤泰介君 今は検討していくということで答弁は受けますが、来年のこの時期になったらやっぱり縮減の方向でこんだけ減りましたという答えになるんでしょうね、これ。ねえ、局長、そうでしょう、ほとんど。答弁要らぬですよ。今までの答弁はほとんどそうなってなされていくんですから。この時期は検討しますと、まだ決まってませんという答弁ですけれども、一年たつとこんだけ減りましたという答弁になるんですよ。
どういうふうに教員を位置付けるかということがやっぱり前提にないと、行革法が進む中でいよいよ教員の待遇面もどんどん悪くなっていくんですよ。そうすると意欲がなくなるんですよ。解決の先が見えぬわけですよ。課題ばっかり来るわけですよ。教員は元気がないわけですよ。ますますいろんな問題が起きるわけですよ。やっぱり、現場主義、現場が大事だということを考えるならば、いま一度、人確法を取り入れたそのときの初心に返っていただきたいと思うんですよ。
今、教員採用試験の倍率は平均どれぐらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/43
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044・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
教員採用試験の受験倍率でございますけれども、平成十九年度の採用につきまして、小学校、中学校合わせますと六・四倍となっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/44
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045・佐藤泰介
○佐藤泰介君 六・四倍といいますけれども、ちょっとそんなに本当にあるのかなというような疑問を持ちますが、今は都市部では四倍を切るか切らぬかの数字になっていると私は認識をしています、今年度の採用試験の受験者は。
一般的に、四倍を切ったら優秀な人材は集まらぬと言われています、どんな企業でも。優遇措置はなくなるわ、免許更新はやってそこでパアになっちゃうわという、こういう不安の中で教員を志そうとする者の意欲が本当にあるのかどうか。その上に、教員の責任だ、現場の責任だ、いろんな形で文科省から指示が来る、力量を向上せよと。
分かっていますよ、全部、現場は。それならそれなりの条件整備をしていかないかぬわけでしょう。それがやっぱり文部行政の中心に当たる者の仕事じゃないですか、と思います。
次に、教職調整額について、これもお伺いします。
去年は、二十年度は財務省とどういう決着をしたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/45
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046・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
教職調整額につきましては、昨年末の文部科学大臣、財務大臣、総務大臣、三大臣の合意の中で、文部科学大臣から、教職調整額の見直しについては、教員の勤務の在り方と時間外勤務の評価等の在り方について引き続き全体的な検討を行う旨の発言を行ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/46
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047・佐藤泰介
○佐藤泰介君 そうですね、三大臣の間で再度仕切り直しというふうに私も聞いております。
しかし、今年度末、文科省は、ちょっと私、その資料ないんで新聞資料でしか記憶にないんですが、この調整額を使ってめり張りを付けるように検討するというような記事が新聞に出ましたが、それについては、事実なのか事実無根なのか、お教えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/47
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048・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 昨年末の、今局長が答えましたように、この調整額、これについて実はいろんな議論がありました。
全体として、今委員がおっしゃいましたこの人確法等の問題についてももちろんいろんな議論があるわけでございますけれども、やっぱり優秀な人材を確保するという前提に立って我々は努力しなきゃいけない。そして同時に、やっぱり頑張っている人が評価されると、こういう制度もつくらなきゃいけないという中で、よく言われる二〇〇六、二〇〇七等の議論の中で、やっぱりめり張りも必要だという、こういう議論もあったわけでございます。
そのときに、じゃ、今の教員の皆さんの給与体系は一体どうなっているかという、こういう議論もあったわけでございますが、その中で、今特別手当のお話、委員からもいただいたわけでございますけれども、この調整手当についても議論はされました。されたことは事実でございます。
ただ、この調整額につきましては、教職という職業に対して付けてある手当でございますから、そのことについて、それを使っていわゆるめり張りを付けるというか、プラスマイナスをするということは適当でない、こういう法的な、法制的な判断もございまして昨年末はそのことには手を付けなかったというのが、これが事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/48
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049・佐藤泰介
○佐藤泰介君 それは、昨年は、大臣が言われたように、この部分は手を付けない、先送りにしたのか、これはもうそれで固定をしたのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/49
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050・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 私は、この調整額という、こういう形で今後先生方の給与というものに対して、先ほど委員も聖職とは言いませんがというお話をされました。そういった性格として給与を考えていくなら、これを付けるのは私は難しいだろうというふうに判断をしております。
ただ、一方で、昨年、これ四十年ぶりに実態調査もやったわけでございます。調査しただけでそのことを何ら給料に反映しないということであれば、これはこれでまた何のための調査だということになるわけでございますから、今の段階で私ははっきりと、これには手を付けませんと言うことは難しいと、お答えはできませんが、そういったことすべてを考えた上で二十一年度予算に向けて議論をさしていただかなきゃいけないというふうに思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/50
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051・佐藤泰介
○佐藤泰介君 これ以上聞いても同じ答えと同じ質問になるのでもうやめますが、その大臣の今の決意を私はしっかりと、まだ来年も私は議員やっておりますので、来年の予算でどうそれが反映されるのか、その決意を了として次の問題に移りたいと思いますが、当初できたときの教職調整額四%の根拠を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/51
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052・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
教職調整額は、教員の職務と勤務態様の特殊性から時間外勤務手当の支給はなじまないとの考えに立って本給の四%が支給されているものでございます。
この教職調整額の四%という支給率は、当時の文部省が昭和四十一年度に行いました教員の勤務状況調査の結果、年間の平均月残業時間が八時間程度となっておりまして、この八時間分の時間外勤務手当の額が給料の約四%に相当することを考慮したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/52
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053・佐藤泰介
○佐藤泰介君 当時の調査の数字を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/53
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054・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) 昭和四十一年に文部省が実施いたしました教員勤務状況調査の結果でございますが、超過勤務時間で申し上げますと、一週間平均で小学校が一時間二十分、中学校が二時間三十分、平均いたしますと一時間四十八分でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/54
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055・佐藤泰介
○佐藤泰介君 ですよね。何が言いたいか分かりますよね。調整額四%は、私の記憶によれば、月平均、四十年前に八時間程度の超勤に対して四%が設定されたわけですよね。現在の調査、昨年でしたか、文科省が調査をされた勤務実態調査は週平均三十四時間ですよね。八時間に対して四%です。三十四時間について何倍ですか、これ。四倍ですかね。この四%も危うくなっとるんですよね。
大臣の決意を信用したいとは思いますけれども、当時の国会審議の資料で申し上げると、勤務時間の内と外というような区別なしに勤務時間の内外を問わず再評価した結果、勤務時間をはみ出した分について総括的ないわゆる超勤の包括払いというような意味では筋が通らず、勤務時間の内外を通じてその職務の再評価をし、付け足しの手当ではなく、本俸そのものを引き上げる四%の調整額を支給すると、これが当時の人事院総裁の説明ですよ。四%に付いておるんじゃなくて、むしろそれは本俸の中だと、こう考えるべきだと、だから四%だけ取り出してどうのこうと議論する余地はないですよと、こう言っているんですよ、入れたときには。その四%だけ引き出して、当時八時間のこれは超勤手当ですよ。今や三十四時間。この手当についてはいかにも少な過ぎる。にもかかわらず、そこに差を付ける。頑張り具合によって差を付ける。そういうことが既に予想をされているんですよ。それを危惧しているんですよ、私は。これが来年度具体化した場合には、私は大変なやっぱり危機を迎えるだろうというふうに思います。
したがって、この調整額というのは実態調査を基にして四十年前に決められたものであるとするならば、今回は新しく実態調査をされたその数値に基づいてもう一度この調整額を見直すという議論が出てきて当然だと私は思っておりますけれども、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/55
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056・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 議論というのはやっぱり包括的に行われなきゃいけないんだろうと、そういうふうに思っております。
今委員がおっしゃった趣旨はよく私も理解しておるつもりでございます。そういったことも含めて、教員の給料というものがどうあるべきかということをやっぱりしっかりと議論をしていかないとこれはなかなか納得はいただけないというのは私も思っております。一つのことだけを議論すると、恐らくどこかがおかしくなるんだろうなというのが率直な実感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/56
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057・佐藤泰介
○佐藤泰介君 そうです。私もそうだと思います。
したがって、冒頭申し上げたように、予算の組み方を変えないとこういう矛盾がいろんなところで生じてくるわけです。不必要な部分を必要なところへ回す、そういう予算の策定作業にこれから変えていかないと、与えられた中で、文科省に、あっちやったりこっちやったりこっちやったりしておると矛盾は出てくるんですよ。したがって、冒頭申し上げたように、富の配分とその配分先の選択をやれるような予算査定にしないと駄目なんですよ。
結局、官僚の皆さんといって申し上げては恐縮ですけれども、官僚の皆さんは省益を守りながら、一律カットとか何%カット、それをどれだけに食い止めるかと。こういう政治ではもう駄目なんですよ。
冒頭申し上げたことも含めて、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/57
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058・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 冒頭、忘れておりました。時間を食い込みまして、先生、済みません。
富の配分ですね、これは高度経済社会でパイが増えているときと、今のように安定成長若しくは低成長といいますか、この時代と、少子高齢化で社会保障がどんどん増えていくわけでありますから、そういったことを考えたときに、基本的には私は先生がおっしゃるように、ただ単に同じようにシーリングを掛けてできるというふうには一般論としては思っておりません。我々もそういう自覚を持ってやらなきゃいけない。しかも、それは政治の役割だというふうに思っております。そういう議論がしっかりとこの立法府でなされなきゃ多分いけないんだろうなということであろうというふうに思っております。
じゃ、どうなんだと言われて、こうしますとは、私もただ内閣の一員でしかないわけでありますから、お答えができないわけでありますけれども、そういう意味での一般論としての配分の仕方というのを変えていかなきゃいけないというのは全く同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/58
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059・佐藤泰介
○佐藤泰介君 大臣の立場としてそこまでだと思いますけれども、私と意見が共有できたことは大変よかったと思っております。これは各党問わず、そういう予算編成に向けて与野党超えて努力をしていく課題であろうというふうに思っていますので、こういう問題が、予算策定の問題が渡海大臣と共有できたことについて私は大変喜んでおります。
この問題でもう三点ばかり簡単に聞きますので、答弁を簡潔にしていただかぬと樋口局長のところまで質問が行きませんので。
超勤の三十四時間、これは千人の定数増と七千人の非常勤講師の配置、あるいは先ほど大島議員も言われた地方本部、和田中学でやっている、そういうことによって超勤の三十四時間、先ほどは文科省はできるだけ調査を減らすということも言われました。多分多少は解消できるだろうというふうに思いますけれども、そんなに解消はされぬだろうと思いますが、局長はどれぐらい解消すると思います、予測で結構ですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/59
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060・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
教員勤務実態調査におきましては、勤務日において月平均三十四時間の残業が判明しているところでございます。私ども、事務の合理化でございますとか、教員定数の改善、外部人材の登用などを通じまして、残業時間を縮減することが必要であるということでいろいろと工夫をいたしているところでございます。
具体的に何時間というのはなかなか申し上げるのが難しいんでございますけれども、そういった様々な工夫を通じて残業時間が縮減し、教員が子供と向き合う時間が拡充できますように今後とも努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/60
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061・佐藤泰介
○佐藤泰介君 是非努力をしてください。文科省自身も努力をしてください。事細かな調査依頼を、我々も気を付けないかぬと思っています、議員もね。何でも文科省に資料を要求して、それがばっと各県へ行って学校へ行く原因をつくっている。一つ我々の、委員の中にもありますよ。これはやっぱり私自身も反省します。
したがって、文科省も反省をして、事細かな資料をやれというと現場まで行くわけでしょう、それが吸い上がってくるわけでしょう。だから我々も、資料要求するわけですけれども、できるだけ都道府県や市町村教委や学校に迷惑を掛けないように、反省をしながら、文科省にも期待をしたいというふうに思います。
しかし、もう教員賃金について言えば、めり張りはもう入っているんですよね、一般公務員と同じように査定昇給。これは私、教員のころにはありませんでした、査定昇給なんというのは。一年たてば一号俸上がりましたよ。査定昇給がもう入っています。ちょっと専門的なんで皆さん分からないかもしれませんが、大体、公務員というのは一年たてば一号俸上がるんです。これを二分の一号俸とか四分の三号俸しか上げぬということが査定昇給という意味です。したがって、もうそれが入ってるんですよ。それから、評価を踏まえた勤勉手当の支給も進んでいるんですよ。
したがって、先ほど主幹教諭その他も色によって給与は変わらないと言われましたけれども、当然あれ変わるんですよ、そんなのは。もう既に教員の給与についても相当現制度の中でめり張りが付けられつつあるわけですよ。その上に、この四%を使ったり人確法を使ったりしてめり張りを付けるということが本当に現場の教師の意気を盛り上げて、子供たちに喜んで元気良く接し得る教職員をつくることができるのかどうか、そこを私は考えていただきたいんですよ。
もう既に相当めり張りは入っておるんですよ。更に付けようとしているわけですよ。そこだけは何とか現場の教師を守ってやってくださいよ、文科省として。これは切に訴えたいというふうに思います。
あと五分になりましたので、樋口局長に伺います、担当だそうですので。
改正労働安全衛生法関係について伺いますけれども、文科省が通達を出されましたよね。労働安全衛生管理体制整備の際の留意点というような通知を出されました。教員は今大変な状況で、例えば病気休職の数は、平成十八年、私の調べたところによると七千六百五十五人、前年に比べて六百三十八人増加している。あるいは、そういう者は大変、何かうつ病みたいなものが多いということも聞いております。大変、病気になったり、病気休職した、する現場の教員の数が増えているという状況だと思います。
四月からこの改正労働安全衛生法が、私は、完全実施といいますか、五十人未満でも実施をされるということは、いわゆる小中学校も対象に入ってくると。五十人以上の場合は恐らく高校が多かったんだろうと思いますが、五十人未満になれば恐らく小中が対象になってくると。この直前の四月を迎えて整備状況は一体どうなっているのか。
もう時間がないので、私が調べたところによると、全国の公立学校分の整備済みは二二%という数字を私は、これ違っているかもしれませんが、その程度だと聞いています。
いよいよ五十人未満が四月から始まるわけですから、それに対してどのような現在の整備状況、さらにはどのような体制でこの実現を図っていくのか、そのことをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/61
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062・樋口修資
○政府参考人(樋口修資君) 御説明申し上げます。
今御指摘の労働安全衛生法では、常時五十人以上の労働者を使用する事業場では、一月百時間以上の超過勤務を行っておられる長時間労働者には医師による面接指導を実施することが求められておりまして、これが二十年の四月から五十人未満の事業場にも適用され、すべての事業場において長時間労働者に対する面接指導が行われることになっているわけであります。
私どもの調査によりますと、十九年の五月現在では、教職員五十人以上の学校では、約九割の学校では面接指導体制が整備をされておりますが、残念ながら、小中学校等を中心にします教職員五十人未満の学校ではいまだ四割の整備率ということになっておりまして、追跡調査を行いますと、面接指導体制について十分な理解が進んでいないということで、関係法令についての理解が不十分であることが明らかになっておるわけでございます。
本年四月からいよいよ面接指導体制が、これが本格実施になるわけでございますので、文部科学省といたしましても、事業者である教育委員会等に対しまして改めて通知を出させていただきましてこの制度の周知徹底を図るとともに、法施行後の実態を速やかに調査をいたしまして指導の徹底を期してまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/62
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063・佐藤泰介
○佐藤泰介君 じゃ、私のちょっと数字が間違っていたと、四割だということです。とはいいながら、あともう四月まで、あした四月か、あした四月ですから、四割ではこれはちょっと心もとない数字でございますので、一方では病気休職者、そういうのが増えているわけですから、是非万全な体制をできるだけ早くつくり上げていただきたいということを大臣に強く御要請申し上げて、ちょうど四十一分、時間を守りました。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/63
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064・西田昌司
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。よろしくお願いします。
まず、主幹教諭についてでありますけれども、昨年改正された学校教育法に基づきましてこの四月から主幹教諭が配置されるということですけれども、これは新しく学校の中の一つの役職、組織が改編されるということになると思うんですけれども、これによってどういうことが期待されるのか、まずこのことを一つお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/64
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065・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 先ほどからいろいろと議論もあるところでございますが、学校の総合力というか、マネジメント力を高めるという目的で主幹教諭を配置するということになっております。学校教育法上、この主幹教諭は、校長、まあ副校長という場合もあるんですが、及び教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の教育をつかさどるというふうになっております。
ちょっとイメージできることは、教頭と違いまして、教頭の場合は、自分である意味任されたことについては決裁権を持っているということであろうと思いますが、主幹教諭の場合は、校長から指示を受けてそのことを教員に伝達をするとか、また、逆に言いますと、いろんな会合をあらかじめまとめるためにいろんな意見を聞いておいて運営をスムーズにするといったような役割を果たす。また、いろんな相談に乗るといったようなことを通じて先生方の負担を減らして、これは教頭の負担を減らすということもあると思いますけれども、先生方が子供に向き合う時間、それを増やすということが今回のこの法改正の目的であるというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/65
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066・西田昌司
○西田昌司君 校長先生のリーダーシップといいましょうか、指導力を補完していただくということになろうかと思うんですけれども、実は私、学校教育の現場では、普通の組織と違いまして組織が余りにもフラットで、校長先生のリーダーシップが発揮されない、というよりも、現場の先生方がそれぞれ勝手なこと、自由に教育をどんどん向上させていくのはいいんですけれども、組織としてのそういう指導力が全くないというような現場が多かったんじゃないかなと思うんですね。
といいますのは、私自身、実際こういう経験をしているんですよ。私が中学校のときに、ここはいわゆる組合系の先生が非常に多かったんですね。ですから、学校の先生がこう言うんですね。私の学校では校長先生が一番偉いんじゃないと、組合の会長のこの先生が一番偉いんだということを生徒に直接言うようなとんでもない教師がいたわけです。こういうとんでもない教師がところが管理職になったりするんですよね。この先生が教頭先生になりました。
このときに、そういうことを自分が若いときからやっているものですから、今度、一般の教員に対する指導力がないわけですね。結果、どういうことになったかといいますと、この先生が教頭先生になって、この学校では、例えば卒業式の練習で日の丸を掲げ、そして国歌を斉唱するという練習をすると。これは当たり前のことですが、そこに、現場のどういった形の先生か知りませんが出てきまして、これは教育委員会からやれと言われているけれども、これは私は納得できないと、君たち大人だから、生徒のそれぞれの判断で歌うかどうかは判断したらよろしいという、まさにこれ、教育じゃなくて反教育ですよ。こういうことがされたりしてきたわけなんですね。
私は、こういうことも始め、学校の現場では組織が組織として成り立っていないんだと。ここをしっかり直していかなければならないんですけれども、この主幹教諭が配置されることによってこういったことがなくなるんでしょうか。大臣に是非そのことをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/66
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067・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 今、西田議員が御指摘をいただいたことは、要は本来おかしいわけでありまして、これは、主幹教諭が配置されることによってなくなるかなくならないかということを考えれば、より校長の指示が現場に適正に下りていくと、要は指示が行き渡るという意味においては改善はされると思います。ただ、本質的に先ほどの指摘と問題は少し違うんじゃないかなというのが率直な私の実感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/67
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068・西田昌司
○西田昌司君 これは、主幹教諭が配置されるとかどうかという以前の、そもそも教師の資質の問題も含めてあろうと思うんですけれども、このことについても後でまたやりますが。
そして、今回、主幹教諭が配置されるんですけれども、結局、定数の増えるのは千人ということですよね。千人で、実際には要望していたのが二万人以上でしたですね。これ、今取りあえず千人なんですけれども、今後どのように、実際、主幹教諭がそれだけ要るというんでしたらこれはもう増やしていかなければなりませんけれども、今回は千人ですが、これは取りあえず千人なのか、これからどういうふうにこの主幹教諭というのは配置されていくのか、そのことをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/68
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069・金森越哉
○政府参考人(金森越哉君) 主幹教諭に係る加配が今回千人ということでございます。二十年度予算におきましては定数増千人ということで盛り込まれたわけでございますけれども、来年度以降、この主幹教諭に係る加配についてどういうふうに取り扱っていくのか、二十一年度の予算編成過程の中で十分検討してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/69
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070・西田昌司
○西田昌司君 いずれにいたしましても、必要な教師は必要な加配が必要だと思うんですけれども、ただ私は、この教育の問題につきまして非常に残念と申しましょうか、違和感を感じますのは、いわゆる予算の多寡、また教員の数の増減、そういう数の話ですよね。それから、先ほどもありましたけれども、基礎学力の向上、PISAのテストでどれだけの点数取っているかと。全部数値なんですよ。数値の問題も確かにあろうかと思います。結果として分かりやすいのは数値でありますから、数値によってそれを判断するのは当然だと思うんですけれども、しかし、余りにもそれにこだわり過ぎているんじゃないだろうかと。
むしろ私は、教育はやっぱり本質は質だと思うんです。教育の質をどう上げるかといったときに論議しても、結局その質というのがいわゆる点数の話であったり教員の数の話であったり、そしてまた授業時間の話であったりしては、これ、質にはやっぱりならないんですね。
むしろ戦後の六十年振り返ってみて、明らかに戦後の教育の中には私は大きな間違いがあったと申しましょうか、足りないところがあったと思っているんです。その結果が、最近でもそうですけれども、いろんな異常な事件が起きていますよね。あの土浦の事件なんかは、何人も殺していますけれども、まず自分の妹を殺そうと思ったけれどもいなかったので、だれでもいいから殺しに行ったとか、こういった事件が非常に増えている。
まさに家庭というものが完全に崩壊しているんですけれども、その崩壊した一体原因は何なのかといいますと、やっぱり私は、戦後の教育というのは、日本人としての国民教育ですね、日本人としてのアイデンティティー、良識や伝統や文化、そういう言葉を使ってもいいのかもしれませんけれども、そういうことが、教えてこなかったというよりも、あえて教えることを拒んできたんじゃないのかと。それが結果として家庭崩壊を生んでいるわけですし、そして、企業の中におきましても様々なモラル崩壊を引き起こしているわけなんですよ。
まともな国民の方、みんなそういうことを感じているんですよ。我々のところに御相談される方なんていうのは、みんな本当に、今、先生、学校はどうなっているんですか、何を教えているんですか、なぜこういう当たり前の常識や良識を教えないんですかという言葉が非常に多いんですよ。
ところが、私自身も府議会の中で文教委員会、何年かいましたけれども、その中で議論しているのは、そういう国民の期待されているところじゃなくて、学力をどう向上しましょうかとか、授業時間がどうでしょうかとか、そういう数値の話ばかりで、それは専門家の方には、また学校の現場の教員の方々の待遇改善とか、そういう意味では意味があるかもしれません。私も学校の現場の教員の方々の待遇を悪くしろなんという気は全くありませんし、待遇改善すればいいんですよ。
しかし同時に、教育の問題というのはそういうことは枝葉であって、根幹は何かといえば国民教育じゃないですか。日本人としてのアイデンティティーをどう教えるかということじゃないんでしょうか。これが私は欠けていたと思うんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/70
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071・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 教育の質を上げていくということは大変重要な問題であると考えております。また、戦後教育において学力偏重といいますか、戦後の経済社会を支えていく人材をつくるという面が少し先行したために忘れられたものがあるんじゃないか、こういう意見が国民の間にたくさんあるということも承知はいたしておるつもりでございます。
一昨年末改定をされました教育基本法、その議論もやはりそういうところから出てきたのではないかと私は理解をいたしておりますが、しかし一方、子供たちの学力が低下しているじゃないかということに対する国民の懸念も大きいということは、これはまた避けられない事実であろうと思います。
私はどっちがどっちというよりも、これは質も量も、やっぱり質を担保するためにも量が必要だということがあるわけでございますから、そういった意味でバランスの取れた教育というものをつくっていくことが大事であって、どっちが大事かといって、質と量というのは元々相入れないものでありますから、ある意味ね、相入れるものもありますけれども一致しないものでありますから、その一方だけで物事を判断するのはなかなか難しいと思います。
しかし、よく言われるように、今先生がアイデンティティーという言葉を出されましたが、そういった言葉、そういったことが日本人に欠けているんじゃないかという、そういう指摘はよくあるわけでございますから、教育においてもそういうことを質の面で充実をしていくということは大事であろう、何をやるかは別ですよ、そういったことを一般的に充実をするということは大変重要なことであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/71
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072・西田昌司
○西田昌司君 このアイデンティティーの問題になりますと、では日本人のアイデンティティーとは一体何なのかと、それが非常にこれ多岐にわたってくるわけですね。一言でもちろん言えないわけなんです。それは当然のことだと思います。しかし、またもう一方で、日本人といいますのは、ある意味でいいますと島国でありますから、長い間この島国の中で独特の、独自の文化をはぐくんできましたから、そういうことをわざわざ議論しなくても、ある程度共通の常識や良識というのがはぐくむことができる環境にあることも事実なんです。しかしもう片方で、やはりこれはしっかり教育しなければ伝えられないこともあるんですよ。
私は、戦後の日本といいますのはその肝心の伝えなければならないところをあえて避けてきたと、特に歴史観なんかそうなんですよ。自分たちの文化というもの、これは全く、戦後の教育と戦前の教育、私は戦前の教育が全部いいなんということを言うんじゃないんですよ。しかし、少なくとも、同じ国である以上、この土台というもの、流れている底流というものがあるはずなんです。そこを完全に分断をしてしまって教育するとどうなるかと。今の日本のように、まさに歴史的な感覚を持つ子供たちが、それが大きくなって大人になるとなおさらひどいんですけれども、ひどい状態になってくると。自分たちの国がどういう歴史があってどういう使命があるのか、過去のあの戦争も含めてどういった経緯でなってきたのかと、それを含めて今、我々がどういう子供たちに教育をしなければならないのかという、この当たり前のことが教えられなくなってきているんですよ。
そのことを痛切に感じましたのは、実は私、この二月の頭にODAの調査団の派遣でアフリカに視察に行ってきたわけなんですが、ここで、カメルーン、エチオピア、南アフリカという国を視察をしてまいりました。教育の支援というのも日本は非常によくやっているんです。で、その教育現場の話も聞いてきました。そこで私はあれっと思ったんですね。
それは何かといいますと、このアフリカ諸国といいますのは、御存じのように、これはいわゆる大航海時代以降、西欧の植民地になってきてしまっているわけですよね。長い間、奴隷支配のような国がたくさんあったと。で、第二次大戦後独立した国がほとんどでありますけれども、そんな中で、カメルーン、エチオピア、まあエチオピアは非常に長い歴史を持っている国なんですけれども、この国でも結局は教えている言葉というのは自分たちの母国語じゃないんですよね。
だから、一つは、民族が非常に多岐にわたっている、言語が非常にたくさんにあるということが一つあります。それが今の国境とは別なんですね。国境は人為的につくられたものであります。かつての旧宗主国から独立したときにつくられた国境であります。でありますから、文化とか民族とかというのとは異質の存在なんですね。それで、教える手だてが、結局、共通語がないもんですから、じゃ旧宗主国の言葉でいきましょうと。で、英語で教える、フランス語で教える、こういう授業になってくるわけです。
そこで授業すると一体どういうことになるのかと。確かにフランス語がしゃべれます。英語がしゃべれます。まさに日本が今よく言う国際化ですよ。国際的には言葉は通じるんです。しかし、自分たちの国のアイデンティティーが育たないんですよ。で、アイデンティティーが育たなくて、国際的な言葉が通じることだけになるとどうなるかと。子供たちはそこで学力を一生懸命高めて、中には非常に高い学力を持った子供が出てくる。この子供が、本来、国に残って国を支えたり地域社会をしっかり守っていく、そういう本当の意味での国家の礎になってくれて初めて教育の意味があるんですけれども、残念ながら、アフリカではなかなかそう簡単にそうはいかないんです。
それはなぜかというと、英語がしゃべれる、フランス語がしゃべれますから、別に自分たちの国に残らなくてもいいんです。海外に出て、自分たちの能力をもっと発揮することもできるんです。もっと言えば、自分たち自身が自分たちの国に対するアイデンティティーと申しましょうか、帰属意識と申しましょうか、そういうものが非常に少ないんです。そうなってくると、せっかく育った人材が国のためにならないということなんですね。非常に、アフリカの教育の現場を見ていまして、これはこの国を本当に発展させていくためには大変なことになるなと。非常に奥深い問題、そしてまた西欧列強が行った罪深い行為ですね、これを非常に強く私は感じたんです。
しかし同時に、私は、この日本の国で今直面している問題がこのアフリカの問題と同じじゃないかと。つまり、学力を向上させましょうということで、どんどんこれから授業時間も増やすし、そして専門的知識を高めるためにも教育課程をもっと充実していきましょうと。これはいいことなんです。いいことなんですが、同時に、国家としてのアイデンティティー、国民教育、歴史観、こういうものが教えられていないとばらばらの民をつくるだけなんですよ。国民じゃないんです、これは。人民教育であって、国民教育じゃないんですよ。それが実は今の日本が一番陥っている問題じゃないんでしょうか。
国民が感じているのはこれなんですよ。英語ができる生徒がたくさんいる、こんなことが日本の国力に何もならないんです。そうじゃない。自分たちのこの国を支えようとする国民がいかにしてたくさんいるかということなんです。それはもちろん英語ができたらいいし、フランス語ももちろんできればいいでしょう。数学ができるのもいい。しかし、もっと肝心なことがあるんじゃないでしょうか。そこを議論するのが我々の責務だと思うんですよ。ところが、なかなかこうした問題は戦後の教育の中では半ばタブーになってきたんじゃないのか。
そんな中で、一昨年の教育基本法が改正されて、伝統や文化というこのアイデンティティーにかかわる部分がしっかり教えていかなければならないということになったのは、私、大きな大きな一歩だと思っております。しかし、その大きな一歩が現実に教育の現場の中で生かされる仕組みになっているのかと。また、今現在、これから新しく教育指導要領も改正されることになっていますけれども、そういったことがしっかりできるようになっているんでしょうか。そこを是非、大臣にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/72
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073・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) それぞれの国にはそれぞれの歴史があり、またそれぞれの現在置かれている状況というものがあると思います。私は、いつもこの話になったときに申し上げるのは、日本人が日本人を好きになるかどうかというのは、我々政治家がいい国づくりができるかどうかに懸かっていると思うんです。これは教育だけじゃないと思うんです。そこにやっぱりポイントがあるというふうにあえて申し上げたいというふうに思います。
それと、日本人はいろいろと、確かにぶつぶつという、そういう不満もたくさんあることは承知をいたしております。しかし、アンケートによると、大半の日本人が、でも結構この日本が好きで、そして、これは物によって違いますが、結構日本を誇りに感じているというアンケートも出ているんですね。それで、その前提に立って考えると、私は委員がおっしゃっているのは否定は一向にいたしません。いたしません。そのことを考えて教育基本法を改定をされたわけでありますし、また学習指導要領の改訂も、そういったことで中教審が御議論をいただき、今回の教育指導要領の改訂の一番大きなポイントは、私は大きく言えば二つあると。
一つは、やっぱり近年、学力低下傾向と言われているこの学力というものをしっかり回復しなきゃいけない。それは何も詰め込み式でやるということではなくて、確かに授業時間数は増やしておりますけれども、内容を授業時間数だけ増やしているわけじゃありませんから、その中で例えば、今日は御質問はいただけなかったんですが、言語力の問題をしっかりと各教科で補強していこうとかいうふうな、さっき先生、国語の話をされましたが、そういったお話もちゃんと入れておりますし、また国際競争力、これは勝ち抜いていかないと日本の社会は持続できないわけでありますから、ですからそのことを考えたときに、やっぱり理科とか数学というものは少し強化をしていかなきゃいけませんねということもしっかり入れさしていただいております。これが学力において特徴的なことでございます。
もう一点は、やはり議論が行われました道徳教育の問題、日本の伝統とか文化、そして自然や命を大事にするという新しく加わった教育の目標、理念ですね、このことを学習指導要領でどのように反映をするかということで、我々はそのことも踏まえて最終的に二十八日の日に告示を出さしていただいた。当然、今先生がお話しになったような観点もしっかりと受け止めて中教審でも議論をいただいておりますし、またそれに加えて我々自身も、修正すべき点はパブコメもいただいて、その上で二十八日に出さしていただいたというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/73
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074・西田昌司
○西田昌司君 否定はしないということなんですけど、否定はしないのはもちろんなんですけど、もっとより一層、私が申し上げたことは、まさにみんな、国民のある種のこれはもう常識と申しましょうか、思いなんですね。だから、そこが公教育の現場でなかなかまともに議論できないところが非常に残念なんです。(発言する者あり)
大臣、今おっしゃいましたように、教育の問題はこの教育だけでやるんじゃなくて政治そのものなんだとおっしゃったんですが、そのとおりなんですよ。というよりも、もっと言えば、教育もそうでありますけれども、政治そのものがいかにして次代の日本をつくっていくかと。で、その次代の日本をつくるというのは、まさに次代の子供をつくるということなんですよ。これが政治そのものなんです。ですから、まさにその政治の使命というのは、日本を日本たらしめて、何代にもわたって続けてある国にしていくと。そのために何が必要かと。そのために教育は必要だし、経済も必要だし、防衛も外交も全部必要なんですよ。一番必要なのは何かというその根本のところを相対化さしてしまうと、これは話がややこしくなるんです。
戦後の教育といいますのは、それまた非常に教育が相対化されてきているんですよ。国民教育ということが相対化されてきているというよりも、今大臣の御答弁は、私ちょっと不満なのは、相対化された御答弁されているんです、国民教育ということを。かつては国民教育自身がある種否定された、タブー視されてきた時代が随分長くありましたから、そういう意味でいいますと一歩二歩進んでおらぬのかもしれないけれども、私はそれではまだなお足らなくて、やはり本来の目標何なのかということをしっかり政治家が示しておかないと。だから私はここで、まあ野党の方から非難の声が上がっているみたいですけれども、そんなこと関係なしに、とにかく言っていかなければならないことは言わなきゃならないと。(発言する者あり)タブーを、タブーを乗り越えていかなければならないということを政治家が言わなければならないからあえて私は申し上げておりますし、これからも私が議員である限り申し上げ続けていきたいと思うんです。
では、その中で私が申し上げたいのは、アフリカへ行きましたときに私が感じたようなことは、私だけじゃなくて、その中で海外青年協力隊で派遣されている若い諸君、彼らも同じようなことを感じているわけですね。日本の中から海外に行って、日本とまさに教育レベルも違えば社会の環境も違う、その中で日本がいかに有り難い国かということも分かるし、そしてまた、今の日本に一体逆に何が必要なのかということも同じように感じているわけですね。そういう貴重な経験をしてきた彼ら若い力を、私は是非この教育の現場を始めとして日本の社会の中で還元していく、これ非常に大事なことだと思うんです。
こういった取組を、大臣、すべきだと思うんですけれども、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/74
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075・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 一点だけ付け加えさせてください。
後で議事録を調べていただいたらいいと思いますが、私は委員のおっしゃっていることを否定したわけでも何でもありません。要は、政治のやることの一つの仕事としてそういうことがあるだろうということを申し上げて、教育という観点に立って言えば、何も別に委員が言われたことについて、それはおかしいだろうとかそういうことは言っておりませんから、よく確認をいただければと思います。ここは委員の思いがそういうふうに多分取られたのかなというふうに理解をしておきたいと思います。
青年協力隊でございますが、私も当選当初は随分仲間と一緒にアフリカを歩きまして多くの青年協力隊と会いました。大変志を持って日本の青年が海外で活躍をしている。ただ、その中で、委員が今おっしゃいましたように、やっぱり日本人であると、そういうことをしっかりとしていないと海外へ行ってもやはりうまく仕事ができないなというのは私の実感として持たせていただきました。
その意味において、今、例えばこれは文教科学委員会でございますから、学校の先生にも海外青年協力隊に参加をしていただくというふうな制度がございまして、特に先生、免許制度による、この特別免許制度による教員免許を持たない社会人の教員、こういう方も登用いたしまして海外での経験を語っていただく、そういうことも現実にやっておりますし、委員がおっしゃいましたように、そういうことは大変必要なことであろうというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/75
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076・西田昌司
○西田昌司君 いや、先ほどのは、否定したと、大臣が、そう言ったんじゃないんです。それも大事だとおっしゃったんで、それも大事じゃなくて、それが大事だと言っていただきたいわけですね。相対化していただきたくないと、こういうことなんです、私の話は。
それで、次に行きますが、青年海外協力隊の利用で、いわゆるNHKの番組で「ようこそ先輩」というのがあって、自分の母校に自分の知見をまた子供たちに教えて、そういう交流を図っていくという非常にいい番組ありますけれども、ああいったことを含め、やはり自分のその学校の現場だけじゃなくて、地域社会や母校や、もっと広くせっかく経験してきたことを広げる、何かそういう仕組みをつくっていただけたらいいなということで申し上げておりますので、是非また御検討いただきたいと思うんです。
それで、最後に一つ質問させていただくんですが、去る三月二十七日の参議院のこの委員会で衛藤晟一議員の質問に対しまして、いわゆる占領中に発せられた靖国神社等への公立学校等の参拝を禁ずる旨の通達は失効していると、こういう旨を大臣が答弁されました。非常に私もすばらしい見識を示していただいたと評価するわけなんですが、その失効の根拠は一体どういうところによっているのかと、そこをお聞かせいただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/76
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077・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 元々は、連合国最高司令部の指令というものが出されているわけでございます。これは、大日本帝国政府と大本営は降伏文書を通じて昭和天皇及び大日本帝国政府が連合国最高司令官の要求に従うことを受け入れると、これに基づいて指令が出されているわけでございます。
ただ、その指令下においても、占領下においても、当然これ立法府は法律を作っておりますし、各省庁は、どういいますか、告示とか通知とかそういうものを出しておるわけでございますから、そのものは、例えば期限が来たとかいうものは別でございますけれども、いわゆるそういうものでない限り、ちゃんと日本の国の制度といいますか、通知として残っているわけでございます。
ただ、この指令の内容、主なものは、この問題になったのは昭和二十年の指令だと思いますけれども、何か四指令と言うそうでございますが、この指令に基づいてこの問題が実は当時占領下においてそういう扱いをされたということでございますから、日本がサンフランシスコ講和条約に調印しまして、これが発効したのが二十七年四月二十八日でございますから、これをもって失効していると、こういうふうに理解をしていただけたら結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/77
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078・西田昌司
○西田昌司君 ありがとうございます。
おっしゃったように、いわゆる占領中の主権のない時代にGHQの指令によってなされたものは失効すると、独立回復したことによって失効すると、これ当然のことだと思うんです。
同じように、大臣ちょっと今おっしゃいましたけれども、その間にたくさんの法律が作られているんですよね。法律は、一応、衆議院、参議院で議決をされて作られておりますけれども、そもそも私は、やはりその占領期間中というのは主権がなかった時代でありますから、その審議自体にもかなり私は疑義があると思っておるんです。
そういうことも含めて、戦後の、今まで規則を作ったからそれでそのままやっていますとかいうような形ではなくて、もう一度その時代をしっかり検証して、特に教育の現場というのはそういう問題がたくさんありますから、これから直していかなければならないと思います。そのことを申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/78
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079・浜四津敏子
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。
まず、大臣にお伺いいたします。
よく指摘されますように、現場の学校の先生は雑用で忙し過ぎて子供と向き合う時間がないと、これは教育再生の議論の中でも大きな問題になったことの一つでございます。
文部科学省の調査でもこのことが明らかになっておりますが、現場の先生からは、いろんな手紙なり、あるいは電話とかファクスとか、いろいろな声が届いておりますけれども、この調査で出た数字以上に現実には教師は非常に忙しいんだと、教師に対してしっかりしろと言う前にこの雑用を減らして本来の教師としての仕事をさせてほしいと、こういうのが共通した声でございます。その一例として、昨年の十一月に届いた手紙でございますが、これは現場の教師がどういうことでどれほど忙しいのかということを具体的に列挙してあります。
例えば、これ全部で二十七項目主なものとして並べてあるんですけれども、当然、授業の準備とかあるいはノートを見る、プリントに丸を付ける、テストの採点、作品・作文へのコメント記入、プリントを作成する、日々の教育記録、連絡帳の点検・返信、保護者の電話相談、来校相談への対応、生徒指導等の家庭訪問、あるいは教育相談、面接、学校のお便り、学級のお便りを作成する、校務分掌の役割、教室の掲示、校内の環境美化や掲示を実施する、それから朝から仕事が終わるまで子供たちと一緒に行動して一人一人の状況を見届けながら学習、生徒指導、清掃、給食指導をする、一対一の対応をしなくてはならない、特に最近はLDとかADHD等のいわゆる発達障害児が増えてきておりまして手が掛かる、学年、学校はもちろん、家庭や外部機関とも綿密な連携や連絡が必要となって時間を要する、また朝のあいさつの指導、下校時の途中まで送る安全確保と指導の実施、学期末の事務処理、通知表の作成、学年末の指導要領の作成、各種提出文書、県や市教委、学校内外に出す文書、もうちょっと読んでいるとそれだけで時間が終わってしまいそうですけれども、ほかにもたくさん書いてございます。
ちょっと省略をさせていただきますけれども、ともかく本当に忙しいんだなと、その具体的な列挙の項目を見て思います。この中にも教師の経験をされた同僚議員がいらっしゃいますので、もうそのことはよく分かっているよと言われるかもしれませんけれども、恐らく近年はますます仕事量が増えているんだろうと思います。
また、別の先生からもお手紙をいただきました。そこには次のようにあります。中学校で部活の担当に就くと、教師の忙しさが更に拍車が掛かる。平日は毎日六時半までクラブ活動、七時になってようやく職員室の机に向かって教材研究とか、あるいはほかの事務の仕事が始められる。土曜、日曜は練習かあるいは練習試合。夏休みもない。クラブ活動から解放されるのは試験期間中だけ、その間は試験の問題作り。試験が終われば部活がスタートして、採点、成績評価もある云々と。これもまた全部御紹介していると時間がなくなりますけれども、もう私どもの想像を絶する忙しさだなというふうに思いました。
こういう多忙を極める先生に追い打ちを掛けるのが子供たちの抱える様々な問題、課題への対応でございます。財務省は子供の数が減っていると、こういうふうに言いますけれども、数としては減っていますけれども、かつてはなかった問題、新しい課題を抱えております。例えば、虐待、いじめ、先ほどの発達障害、あるいは親の失業、病気、離婚などの家庭の問題、そういう対応、また親からの時に理不尽な要求あるいはクレーム、こういうものが教師に突き付けられております。
今回、副校長また主幹教諭が新たに設置されて、こうした現場の先生の負担が軽減されて子供たちと向き合う時間が増えるということが期待されているわけですけれども、この副校長、主幹教諭というのは具体的にどのような役割を果たして、本当に現場の先生、今一部だけ具体的にお話ししましたけれども、こうした雑用に負われている現場の先生の負担を本当に減らすことができるのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/79
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080・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 先生からいろんな例をお話をいただきました。学校現場、大変でございます。
その中で、我々は、まず自分たちがやれることをやろうということで、今余計な調査を出すなということで、まだ少ないと思っているのに、二十八あったやつを二十一に取りあえず文科省は減らすことにしましたし、いろんなことももっと簡単にしろということも今やっております。都道府県教育委員会にもこのことをお願いをしております。
今回の設置されるこの主幹教諭でございますが、副校長は、先ほど申し上げましたように、校長から直接校務の一部を、どういいますか、委託をされまして執行権を持ってそれをやると、自分で判断することもやるという。主幹教諭というのは、お手伝いをするわけでございますから、ある程度任されたことについて連絡をするとか、例えば会議を開くことが必要であればそれを、段取りといいますか準備をすると、それから教諭の、先生方の生徒指導上の課題等につきましてより相談に乗ってあげるとか、こういうことをすることによって直接現場にいらっしゃる先生方の負担を減らそうというものでございまして、このことによって先生方の負担を減らすことは私はできるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/80
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081・浜四津敏子
○浜四津敏子君 この主幹教諭ですけれども、管理職の側面と、それから現場の教師という側面の二つを併せ持つことになるんだろうと思います。現場の先生が抱える課題、問題点、苦労といったものを、これまでの管理職、校長先生とかあるいは教頭先生などの管理職が的確に把握してまた対応できる、あるいは理解すると、そういうための橋渡し役としての役割も期待されているのではないかというふうに思いますが、こうした学校現場に即した多様な役割を果たすことが期待されている主幹教諭、その役割を果たすためにどういう資質といいますか資格といいますか、あるいは条件が必要と考えておられるのか。また、任官の基準を明確にして、それを公開する必要もあると考えております。また、主任などとはどこが違うのかを池坊副大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/81
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082・池坊保子
○副大臣(池坊保子君) 今委員がおっしゃいましたように、主幹教諭というのは様々な役割をこなさなければなりません。会議等における事務的なこと、あるいはまた児童生徒に向き合いながら指導もしなければならない。ですから、仕事は人なりでございますから、どのような、すばらしいというか有能な主幹教諭を置くかによってその学校の運用が決まってくるのではないかというふうに思っております。
主幹教諭の資格においては、先ほども申し上げましたように、児童の指導をいたさなければなりませんので、教職員免許法第三条に基づいて、教諭等の免許状を有することが必要でございます。その選考に当たっては、この任命権者は教育委員会でございますから、教育委員会がそれぞれ選考の基準を定めており、能力や実績、教職経験年数、年齢などを総合的に考慮して、書類選考や面接等の方法によって選考することといたしております。
制度が新しく変わるわけでございますから、文部科学省でも、学校教育法の一部を改正する法律や政令等の施行通知の中においても主幹教諭の職務内容を具体的に示すとともに、主幹教諭の任用に当たっては、例えば適切な選考を実施し、それぞれの職にふさわしい者を任用すること、あるいは、選考の基準を要綱等で定め、公表することなどを通じて適正かつ公正な選考が行われるよう努めるようにというふうにもしております。
先ほども申し上げましたが、主幹教諭に求められる資質は、教育に関する理念や見識を有し、地域や学校の状況、課題を的確に把握しながら組織的、機動的に任された校務を処理することができる資質というのが必要ではないかと思っております。
それから、今まであった主任とこれから新しくつくる主幹教諭とはどう違うのかということでございます。
この主任というのは職務命令であり、服務監督権者の命課でございます。主幹教諭は職であり任命権者が任命いたします。職務命令なんですけれども、主幹教諭は担当する校務について、教諭等の上司に当たり、職務命令を発することができます。ところが、主任というのは教諭等の上司に当たらないために職務命令を発することはできません。ですから、主幹教諭の方が主任よりもはるかに自分に能力があったならば、その力を周囲の人に、何というんでしょうか、与えると言うといけませんけれども、影響力を持つことができるということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/82
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083・浜四津敏子
○浜四津敏子君 最後に大臣にお伺いいたします。
文部科学省は、学校の教師の負担を軽減して子供と向き合う時間を増やすための一つの施策として学校支援地域本部の整備を進めると、こういうことを打ち出されております。そのための予算として、来年度千八百か所に五十億円、これが計上されております。
この学校支援地域本部を立ち上げて、教師が授業とクラブ活動により集中できるよう取り組んでいる杉並区立和田中学校というのが関心を集めておりますけれども、私も過日、この中学校の授業を視察してまいりました。いわゆる「よのなか科」という授業を見てまいりました。私が参加したときには、その「よのなか科」の授業のテーマはホームレスでございました。初め、その授業が始まる冒頭に子供たちにホームレスをどう思うか、こういうふうに聞いたときには、子供たちはホームレスは汚いと、ホームレスになるのは怠けているからだというような意見がほとんどだったんです。
ところが、この授業に元ホームレスの人、それからホームレスを支援しているボランティアの人、あるいは地域の人、そういう人が参加して、それぞれ子供たちがグループに分かれてそういう人たちが自由に参加して意見を交換して、その後で子供たちに意見を聞くと、これは本人の意思でなく、やむを得ずホームレスになっている人たちもたくさんいるんだなと、また支援があれば、例えば農業とかそういうところに仕事をきちんと見付けることができて従事して、自立もできるんだと、これはホームレスが汚いとか悪いとか、あんなのはなくした方がいいというのではなくて、社会全体が取り組まなくてはいけないんだと、特に政治が取り組まなくてはいけないんではないですかと、私どもが逆に問われてしまいましたけれども。
ともかく、この和田中学の学校支援地域本部というのは、放課後の図書館の運営や学校の整備、あるいは部活のコーチ、土曜日学校、これを通称ドテラと、こう言っているようですけれども、その運営など、年間百名を超えるボランティアの方が参加して行われております。文科省の目指す社会総掛かりの教育の一つのモデルケースとも言えるのではないかというふうに思います。こういう地域支援本部が全国で立ち上がって軌道に乗っていけば、先生の負担が軽くなる、また学校は活性化する、子供たちの学力も向上する、また学校と地域とのつながりも深くなると。また、先ほど同僚議員から出ておりました青年海外協力隊の人たちの経験とか、あるいは団塊の世代がこれまで社会で培ってきた様々な体験、そういうことを子供たちに教えることもできる。
この和田中学の地域支援本部の活動には、PTAとかあるいは地域の人、また将来教職を目指す多くの学生ボランティアの方が参加しておられました。これは、地域によってはこういうボランティアの方のマンパワーを得ることが難しい地域もあるだろうというふうに思います。この地方の実情に沿った地域支援本部を成功させるために国や自治体が支援することは不可欠だと思っておりますけれども、これまでの学校支援地域本部の取組と役割について大臣はどのように評価しておられるのか、また、これを成功させるために今後どのような支援をされるのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/83
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084・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) 今委員が御指摘をいただきました和田中ですね、これは大変話題になりましたから我々もよく知っておるところでございます。各地域において、ほかの地域でもこういった取組ですね、もちろん和田中とは違うことをやっているわけですが、行われていると承知をいたしております。
私も横浜の青葉区にある支援本部という方々とちょっと話をしたことがあるんですが、基本的には、地域がこのような取組をすることによって学校にかかわっていくというのは、単に先生方の負担を減らすということだけではなくて、非常に重要であろうと思っております。改正教育基本法でも、これは何条ですか、十三条において新たにそういう規定も設けられております。よく言われる家庭と地域と学校と、こういうことであろうかと思いますが、地域の実情に応じていろんなボランティアの方々が参加をされたり、形は違うと思いますが、やっぱりこれを核としてやっていくためには、コーディネーター、和田中の場合は校長先生がやっておられるわけでありますけれども、そういう役割をされる方が大事でございまして、そういう方々に対して支援をしていこうということを今回、二十年度予算の中で、まあ予算は通ったわけでありますけれども、計上させていただいております。
そのことをもって何をするかというのは、これは一つの例でございますけれども、部活の例えば手伝いをしていただくとか、それから学習の支援活動、これは和田中の例なんかがそうですね、それからいろんな意味での環境の整備、登下校の安全とか、こういったことを考えておるわけでございますが、それぞれの学区において、地域において様々な取組がされるものと思っております。
この支援のスキームは、いずれにいたしましてもそれらをまとめていただくコーディネーターの方々、この方々に要する経費、こういったものを中心に五十億円を千八百か所ということで計上させていただいておるところでございます。大いに活躍をしていただいて、学校現場でいろんな意味で役に立っていただきたいと期待をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/84
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085・浜四津敏子
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/85
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086・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/86
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087・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、林久美子君から発言を求められておりますので、これを許します。林久美子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/87
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088・林久美子
○林久美子君 私は、ただいま可決されました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一、習熟度別指導や少人数教育の拡充、教員の事務負担軽減、改訂学習指導要領の円滑な実施等を図るため、教職員定数の改善に努めること。
二、平成二十年度予算で措置される、千百九十五人の定数改善措置・七千人の非常勤講師配置・学校支援地域本部事業について、「子どもと向き合う時間の確保」にどの程度効果があったか、その検証に努めること。
三、教職の専門性・重要性を踏まえ立法化された「人材確保法」の意義は、大量退職・大量採用時期を迎えた今日、ますます高まっていることから、法の趣旨を踏まえた教員給与の充実に努めること。あわせて、四十年前と比較して増大している超過勤務の実態を踏まえた、給与措置とそのための財源確保に努めること。
四、平成二十年四月の改正労働安全衛生法の完全実施に当たっては、管理者による過重労働の対策に万全を期すこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/88
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089・関口昌一
○委員長(関口昌一君) ただいま林久美子君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/89
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090・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 全会一致と認めます。よって、林久美子君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、渡海文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡海文部科学大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/90
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091・渡海紀三朗
○国務大臣(渡海紀三朗君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/91
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092・関口昌一
○委員長(関口昌一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/92
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093・関口昌一
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/116915104X00420080331/93
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