1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十一年六月二十五日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月二十三日
辞任 補欠選任
大久保潔重君 平山 幸司君
武内 則男君 広田 一君
佐藤 信秋君 西島 英利君
長谷川大紋君 橋本 聖子君
六月二十四日
辞任 補欠選任
西島 英利君 佐藤 信秋君
橋本 聖子君 長谷川大紋君
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出席者は左のとおり。
委員長 田村耕太郎君
理 事
長浜 博行君
室井 邦彦君
伊達 忠一君
山本 順三君
鰐淵 洋子君
委 員
植松恵美子君
川崎 稔君
北澤 俊美君
輿石 東君
田中 康夫君
田名部匡省君
羽田雄一郎君
平山 幸司君
広田 一君
米長 晴信君
加納 時男君
佐藤 信秋君
長谷川大紋君
吉田 博美君
脇 雅史君
西田 実仁君
渕上 貞雄君
大江 康弘君
国務大臣
国土交通大臣 金子 一義君
副大臣
国土交通副大臣 加納 時男君
事務局側
常任委員会専門
員 畠山 肇君
政府参考人
水産庁漁政部長 佐藤 憲雄君
国土交通大臣官
房長 増田 優一君
国土交通省海事
局長 伊藤 茂君
国土交通省港湾
局長 須野原 豊君
海上保安庁長官 岩崎 貞二君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/0
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001・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十三日、武内則男君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として広田一君及び平山幸司君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/1
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002・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に水産庁漁政部長佐藤憲雄君、国土交通大臣官房長増田優一君、国土交通省海事局長伊藤茂君、国土交通省港湾局長須野原豊君及び海上保安庁長官岩崎貞二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/2
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003・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/3
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004・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/4
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005・室井邦彦
○室井邦彦君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の室井でございます。
早速でありますけれども、港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律案の質問をさせていただきます。
この法案を審議するために、四月の十三日でありますが、横浜みなとみらい地区の横浜海上防災基地、そして五月の九日でありますけれども、東京湾海上交通センターを訪問をさせていただきました。現場の状況をくまなく視察をさせていただき、そのときに国交省の職員の方々、また海上保安庁の皆様方の御協力をいただきましたことを、改めて感謝とお礼を申し上げる次第であります。
現場では、職員の皆さん方が熱心に真剣に、それぞれの責任を果たすために、海の安全のために頑張っておられる姿をしっかりと見てまいりました。そしてまた、若い方々の礼儀正しさ、そういうものを拝見し、私も国会議員としてますます責任の重大さを感じ、感動をした次第であります。
彼らの姿を見ながら、この港則の一部の改正案の審議にすぐに、質問に入りたいわけでありますが、どうしても質問の前に、大臣も出席しておられます、見たくもない新聞を毎日、政治家でありますから新聞を見るわけでありますけれども、またまた国交省の官製談合というまた大きく新聞に載りました。そして、毎年毎年、一年に一回、このようなことが連続して繰り返されている。その都度、再発防止策ということで、幹部の方が記者会見をしてこのように頭を下げている記事が出るわけでありますが、このように視察をしたときに、青年たちが情熱を込めて海の安全のために頑張っている、上部ではまたこのようなことが毎年繰り返される、こういう体質の中で、本当に職員たちがこれからまじめに頑張っていこうという情熱がわき出てくるのかな、こんな不安も、思いも私はしておりまして、続きました公用車の官製談合の件、深く入り込みはしませんが、この件と、そしてさらに、路面下の空洞探査業務においてもでたらめなことが行われていたと。
この件につきましては、自民党の河野太郎議員、そして我が民主党の参議院の大久保勉先生、彼らがしっかりとした書類を集め、でたらめな偽装補修工事もしていたという、このような証拠といいますか、こういうものもしっかりと確認をしている中で、まさに政治家二人といいますか国民を煙に巻くような、要するに官僚主導政治がここでも行われているというような象徴的な出来事だというふうに私は個人的に感じているわけであります。
こういうところで、この財団法人道路保全センターの職員は約二百九名というふうに聞いておりますが、その中で、元建設省、国交省の天下りが五十七名がいると、この道路保全センターに。こういう実態が繰り返されているわけでありますが、大臣、このことについてどのような所見をお持ちなのか、是非お聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/5
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006・金子一義
○国務大臣(金子一義君) 公用車の入札談合の件について、本当にこういう不正行為があってはならないという状況であります。国土交通省発注の車両管理業務に関し公取から官製談合としての改善措置要求をいただきまして、極めて遺憾でありまして、厳粛に受け止め、国民におわびを申し上げたいと思います。
昨年七月に今の状況が発覚をいたしまして、国交省あるいは北海道開発局で直ちに調査に入りましたが、その後、公取で現地立入調査という状況が一年続いてまいりました。国交省の中の調査というのは公取に引き継がれた状況でありますが、公取が今度、現職も含めた、特に北海道開発局でありますけれども、現職も含めたという報告をいただきまして、目下、三週間ほど前に事務次官をトップとする調査検討チームをつくって、現在、既にその事実関係について調査を進めているところでありまして、事実解明をしてまいりたいと思いますし、再発防止策というものをきちっと提出させていただきたいと思っております。
本当に、水門談合に続いてこういう事態が起こったこと、深く反省をしております。特に、職員による不正行為が出てきた場合には厳正に対処していきたいと思っております。
それから、今の路面探査の件でありますが、これについて大久保委員からも御指摘をいただきました。
事実関係がどうであるのかということをきちっと国交省としても確認をしたい、どれが事実かということも確認をしたいということで、学識者も入っていただいた第三者委員会を立ち上げてもらいまして、これは金子副大臣をトップとして現地にも行ってもらいました。そうして、新聞報道にあるように、隠ぺいをしたんではないかと、あるいは間違った報告をしたのではないかという指摘がありましたものですから、これに対して第三者委員会で、御指摘をいただきました箇所についても、実際にもう一遍探査して、調査してもらおうということもやってもらいました。
場所は銀座であったようでありますけれども、報道にありますように、その前に埋め戻したんではないかといったような報道が出ておりますけれども、掘り返すときはどこの場所でもそうでありますけれども、必ず下に水道管等々、電柱等々が入っておりますので、掘り返す場合には必ず第三者が立ち会う。単独で隠ぺいするようなことは決してできません。第三者が立ち会います。
そういう状況でありますので、この箇所がそういう行為が行われていたのかどうかというものを、第三者委員会の委員の立会い、これマスコミも全部立ち会ったようでありますけれども、立ち会ってもらって、おかしいのではないか、あるいは埋め戻したのではないか、あるいは空洞があるのに空洞ではないという報告がなされているのではないかという箇所を客観的な業者に依頼をしてもう一遍再調査をしてもらいましたけれども。
大久保議員からの御質問に対しても、これを開けてみれば分かります、開けて、どういう状況だったのかという、隠ぺい工作が行われたのか、あるいは間違った報告が行われていたのかということは開けてみれば分かりますというふうにお答えを申し上げておりましたが、掘り返してみたらば、ほとんど問題がない箇所、つまり埋め戻す必要がない程度の箇所、これはレントゲンで言えば胸のレントゲンを撮るようなもので、レントゲン箇所で本当に、手術してみて開けてみたら、結核だったのか、あるいはもう既に治ってしまった後なのか、あるいは大したことがないのか、実際にそういうところは読み取りを、技術も必要なようでありますけれども、そういう箇所には該当しないということで実際の現場の報告が来ました。
七月の三日に、今の報告についてもう一遍第三者委員会を、七月の三日に第三者委員会をもう一遍開いて、そしてこの問題について客観、中立の委員の皆様方の検討会を開いていただくということでありますので、私も引き続きその報告を待ちたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/6
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007・室井邦彦
○室井邦彦君 くどく申しませんけれども、最後に、やはり、先ほども冒頭申し上げたと思いますが、完全に道路の安全が無視をされるということは、人の命を無視をしてまで天下りOBの人件費の捻出のためにしているというふうに思われても仕方がないな、このことを私は感じました。
もう一点の北海道の、七年度、八年度、九年度、連続してこのような談合が行われ、その都度再発防止策ということを講じておると。おりながらなぜ毎年このようなことが続けられるのか、どんな再発防止策なのか。通告はしておりませんが、要所だけ、ポイントだけお聞かせ願えれば有り難いなと。それから港則法の関連の質問に入りたいと思いますので、もう一度だけ、再発防止策を講じておきながら同じような官製談合が続いて毎年一回ずつ行われるというのは、どういう再発防止策なのかなというふうに疑問を感じてくるわけでありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/7
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008・金子一義
○国務大臣(金子一義君) 先ほど申し上げましたように、今事実関係の解明をしております。この事実関係の解明は三か月以内と事務方は言っておりますけれども、もっと早くやってくれと。ただ、対象がちょっと広がっているようでありますので三か月めどと言っておりますが、いずれにしても事実関係が、現役がどういうふうに関与していたのかというものをつかんでから最終的には報告を、私も公取に報告しなきゃいけませんから、国会にも報告をさせていただきます。
ただ、内容は、それと同時に、一般論としては、コンプライアンスあるいは発注方法の見直しというのを今徹底して、取りあえずコンプライアンスあるいは今申し上げた入札の在り方について一方で検討してもらっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/8
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009・室井邦彦
○室井邦彦君 そもそもそのような団体に受注させることが重大な責任であるというふうに私は感じております。しっかりと対応をしていただき、またこのようなことが新聞に載らないように、行われないように期待をしておりますので、よろしく対応していただきたい。
海上交通の安全についての質問でありますが、国交省はいろんな施策を実行してこられました。この法案については、早く実施していただいて海難事故が起こらないように私は期待をしている者の一人でありますが、このAIS、船舶自動識別装置の搭載、また我が国の七か所に設置されている陸上施設の海上センターについての運営についてでありますが、どうしてもこういう問題から入りますと、国交省関連、海上交通の関連する独立行政法人が本当にまともに運営されているのかな、いろんな機器を購入するときにまたこういう談合があるのかなと、ついついこのような疑いを掛けながら質問をしなくちゃいけないというもう情けない思いになるわけでありますが、この七か所の設置されている陸上施設ございますが、建設また運営、そういう観点からいろんな団体が優先的に受注したりずさんな経営をしているということは絶対ないと確信を持っておられますよね、大臣。ちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/9
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010・金子一義
○国務大臣(金子一義君) もちろん、自信を持っております。そういうことはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/10
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011・室井邦彦
○室井邦彦君 大臣のお言葉を信じながら、次の質問をしっかりとさせていただきたいと思いますが、ちなみに、二点、三点だけ独立行政法人、御承知でしょうけれども、海上技術安全研究所、また港湾空港技術研究所、海上災害防止センターなどがあるということを念のために、御承知でしょうけれども、申し上げておきます。
今度は、港則法等において整備をされてきたAISの導入によって、陸上の施設には航跡データや無線通信状況を記録するようになっている、このように視察のときにも説明を聞きました。このデータについて、取扱基準、例えば保管期限とか、そういう事案発生のときに、また事案が発生未遂というかニアミスというか、そういう場合の取扱いの要領、またそういうものがこの導入によって改めて定めようとされているのか。
また、この間、質問を取りに来られた方が、こういうデータは三日ほど保存をしているんですよということを聞きましたけれども、どういうふうにこのAISの導入によって取扱いを考えられているのか、またどのように決められているのかという部分の質問と、これらのデータは非常に正確なものでありますから、海難審判のときに客観的な証拠としての価値、能力があるのかどうか。これは海難裁判所の判断によるんでしょうが、国民の大切な税金によってこれだけ優秀なすばらしいシステムの設備をされたわけでありますから、海難審判の客観的証拠として採用されるようにしっかりとした基準を明確にして活用されるべきだなというふうに私は思うわけでありますが、是非所見を聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/11
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012・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 今先生御指摘のとおり、AISのデータというのはいろんなデータの一種の宝庫だと我々も思っております。ただ、残念ながら、私ども海上保安庁、こうしたデータをどうやって活用して、事故のいろいろな分析、今後の再発防止に役立てるかというのは、まだ試行錯誤で始めたばかりでございまして、先生御指摘の、データをどうやって保存するかとか、どうやって分析するかというのを、まだ具体的なきっちりしたマニュアルとか基準を作っているわけではございません。
しかし、こういうことは本当に重要なことなので、私どもの方でもやるとともに、昨年つくっていただきました運輸安全委員会、これは従来は鉄道と航空をやっておりましたけど、海も今度分野を広げてやるということになっておりまして、そちらの方でもこうした分析をやっていくという方向を示されておりますので、私どもも一緒に協力しながら、こうしたAISデータの活用を含めて、事故のより詳細な分析でありますとか、事故じゃなかったけれども、ヒヤリ・ハットしたケースとか、そうしたものも含めてちゃんと扱うようにしていきたいと思っております。
それから、こうしたデータを海難の審判のときにどう使うか、ちょっと私の方の担当ではございませんけれども、私ども捜査をやっておる関係で申し上げますと、こうしたデータも一つの証拠書類としては活用するようにしていっているところでございますし、今後ともそれを含めてきっちりしたものにしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/12
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013・室井邦彦
○室井邦彦君 ありがとうございます。
私の、重複少しするかも分かりませんが、要望でありますけれども、これだけのものが、そして今回の改正によって船舶側に聴取義務が付加されたということ、このようなことによって証拠採用としてされる確率が非常に高くなったと思いますし、それを、成果が上がっていくんじゃないのかなという私は思いがございますので、そういう方向でまた十分に研究され、宝の持ち腐れにならないように活用をしていただきたいと、このようにお願いを申し上げます。
続いての質問でありますが、少し私も説明不足で、私のこれから質問する内容をお伝えいたしますけれども、航空機とかそういうものによってはニアミスとかそういうことが起きる、そして海難事故に至らなかったとしても、そのような事案といいますか、こういうことがあったから事故につながらなかったとか、こういう本当に危機一髪といいますか、事故が起きて冷やっとしたとか、氷山が海に浮きますと、御承知のとおり、一角だけしか見えない、しかしそのほとんどが海面下に沈んでいるという、その全く見えない部分なんですよね。その部分が、このような装置を導入し、また過去においてそういう見えない部分で記録に残されている、こういうことがあったけれども、避けたから事故につながらなかったというような部分のデータというものが、私は、陸とか航空についてはある程度知識があるんですけれども、海のことに関してはほとんど、そういうニアミスとかそういうことのデータが保管されているとか、そういうことによって事故を未然に防いでいくんだというような、今回の港則の一部改正の中で、毎年毎年危険なケースが報告をされていると思うんですけれども、数字的にそういうものが記録されているなら少しお聞かせいただければ有り難いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/13
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014・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生今御指摘のニアミスとかインシデントについてきっちり基準を設けて統計的に取っているというわけではまだございません。
私どもでやっておりますのは、海上交通センターでふくそうする海域について、航路についてウオッチしておりますので、そのときに、これは危ないなと現場の管制をしている人間が思った事例、これを特異事例としてデータは集めております。平成十三年から十八年までのデータでございますけれども、危険を感じて注意喚起を行った事例が千九百六十四隻ございます。そのうち、残念ながら注意喚起を行いましたけれども衝突とか乗り上げ海難になったというのが全体の九%の百八十五隻でございました。私どもの注意喚起によって回避できたのが四百九十隻、全体の約二五%でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/14
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015・室井邦彦
○室井邦彦君 ありがとうございます。
次の質問に入りますが、海上交通安全というのはいろいろと国々によって特徴があるようでありますが、非常に古い歴史があるようでありまして、明治二十二年、一八八九年にワシントンで国際海事会議が開催されて全国的に採用をされたと、このようなことを聞いておりますが、それから時代が流れ、いろいろな科学技術の発展、そのようなことで随時設備をされ、また見直されてきたと思うわけであります。
AIS及び海上交通センター、地上施設は平成二十年度中にすべて完了されたというふうに聞いておりますが、だからといって安全に完全はないというふうに考えておりますが、足らざるもの、ソフトの部分といいますか、このAISの導入がすべて地上において完了した、これで完璧ではない、今後、考えられる、このような皆さん方の専門家の中でどう考えておられるのか、どのような将来のことを考えて対応しようとしておられるのかという質問が一つと、この東京湾交通安全センターを訪問した時間帯は非常に船舶の航行が少ない時間帯であったんですが、一番やはり多い、錯綜しているといいますか多いときは朝、そして夕方だというふうな、夕方に多いということを説明を受けたわけでありますが、最も船舶の航行数が多い朝と夕方はかなり錯綜しているということでありますけれども、より安全に安全を追求していくためのハードとソフトの部分があるわけでありますが、この施策についてどのようにお考えされているのか。この二点、ハードとソフトの部分でお答えをいただきたい、お教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/15
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016・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生も御指摘のとおり、AIS、海上交通の安全にかなりの効果を発揮すると思っておりますが、これはすべて万能というわけではございません。AISを付けておりますのは大型船でございますし、私どもがAISを見て監視できるのも沿岸からの一定の距離まででございますので、一つは、そうした沖合の海難には別にこれで対応できるわけじゃありませんという限界があります。それから、事故が多いのはこうしたAISを装置していない小型プレジャーボートでありますとか漁船、これが七割ぐらいでございますので、そういう対策にはこれは必ずしも役立つわけではございませんので、いろんな取組をしていかなきゃいけないなと思っております。
一つは、今申し上げました小型船、プレジャーボートの対策、こうしたものは、ライフジャケットの着用とかいろんな多方面でやっておりますけれども、これを本腰を入れていきたいと思っております。
それから、もちろんこのAISを使った、今回法律も提案させていただいている一つの施策でございますけれども、その中身をよりいいものにしていかなきゃいけないということで、これは、これからこうしたAISを使った管制をやる中で、具体的に進める中で更に進化をさせていきたいなと思っております。
それから、あと、先生御指摘いただきました東京湾の海上交通センター、御視察いただきまして大変ありがとうございました。この東京湾のセンターを含め、全国こうした施設がございますけれども、七か所ございますが、こうした我々の方の施設、あるいはそこで働く管制を携わる人間、これのレベルアップをしなきゃいけないなと、このように思っております。
少し長くなりますけれども、具体的なハードの面では、レーダー画面を見てやっているわけでございますけれども、レーダー画面で、例えばぶつかりそうになるとか乗り上げそうになると少しぴかぴかと光って警報を発するとか、そうした機械面でまた不十分な点がまだございますので、そういうことをやっていかなきゃいけない。
それから、人のレベルでございますけれども、やはりきっちりした研修をやっていくということが重要だろうと思っておりますので、そうしたことにも取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/16
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017・室井邦彦
○室井邦彦君 時代の流れ、多様化、技術の進歩によって今後の海難事故はますます高まっていくだろうと予想されているということを聞きましたもので、これだけの設備をしながらでもまだまだ海難事故の可能性が高まっていくということを聞いたときに非常に不安を感じておりましたもので、素人なりにそのような質問をさせていただいたわけであります。
次の質問は、この日本の置かれた位置、世界のレベルにおいてどのような日本の技術、またこのような対応がどのようなものなのか、対比することは、なかなか比べることはできないんでしょうけれども、そういう意味での質問を少しさせていただきたいと思っております。
また、このような法律の改正とかシステムをどんどん整備していく、これに当たりまして費用対効果、また経済効果、安全率の向上などの検証方法としてどのようなことを考えておられるのか。また、要するに国民の大事な税金を使いながら築いてきたものでありますから、まさに宝の持ち腐れにならないように活用していただくということはもちろんのことでありますけれども、国民が納得するような解説、説明ができるように体制を組んでいただいてほしいと。
これは、なぜこんなことを申し上げるかというと、やはりそういうことを幅広く公表することによって、先ほど冒頭に申し上げた不祥事とか、そういうことが少しでも少なくなる、なくなっていくんじゃないのかなという私の思いでこのような質問とこのような意見を述べさせていただいているわけでありますが、申し上げたように諸外国との比較、法律的なこと、機材また施設整備のこと、また我が国は進んでいるのか遅れているのか、平均的なのかどうか、その辺のことも少しお聞かせをいただければ有り難く思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/17
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018・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) こうした陸上に交通センター的なものをつくりましてふくそう海域を監視しているというのは日本だけではございませんで、例えばシンガポール、マラッカ・シンガポール海峡、それからアメリカ、カナダではセントローレンス川などでこうしたことをやっております。私どものやっている水準が世界には劣るとは思っておりませんけれども、世界をリードしていくというところまではまだいっていないというのが率直なところだと思っております。
各国とも、こうしたことは、ここ数年急速にAISが義務化されたことも含めて取り組んでおりまして、国際航路標識協会という機関がございますので、そういうところで、こうしたことをやっている各国といろいろ意見交換をしながらそれぞれのいいところを見習っていくということで、私どものレベルアップもしたいと思いますし、また私どもの経験も各国に生かしてもらえればと、このように思っているところであります。
それから、先生おっしゃいました費用対効果を含めて、こうしたことをやっていることの意義とか、そういうことをやっぱり、海はどうしてもなかなか見えないところがございますので、国民の皆さんに見えないところがあるので、私どもも積極的にPRをしたり、あるいはこういう仕事をやっていることについてのなかなか数値化が難しいところがあるので、いわゆるBバイC分析みたいに必ずしもなじむかどうかよく分からないところがありますけれども、やっていることの意義とか、それをどうやって改善した方がいいのかとか、そんなことを含めて周知なんかについてはよく努めてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/18
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019・室井邦彦
○室井邦彦君 もう一つは、やはり基本的なものでありますけれども、そこで働く人材についてのことでありますが、やっぱり優秀な人材の確保、また勤務環境の整備、また練度の向上など、そして整備、改善、常に目を向けていかなくちゃいけないことでありますが、東京湾海上交通センターを見せていただいて、やはりその職員の職場環境の整備というものも非常に、三交代ですか、やられているのは、そのようなことも聞いておりますし、かなり激務で集中力が必要だということも、私生活まで関与してはいけないでしょうけれども、その職員の家庭環境とかそういう気配りもやはり上に立つ者は十分にしていかなくちゃいけないと、このように思っておりますが、その点、いろいろと豊富な計画とか、そういうことについてどのようにお考えか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/19
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020・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 職員がどんなことに悩んでどんなことを要望しているかというのは、私どももできるだけ、私もこの海上交通センター訪れましたけれども、そのたびにいろいろ要望とか本当に何に困っているんだとか聞いておるところでありますけれども、できるだけやっぱり働きやすい環境を整えてあげるというのが私たち本省、本庁の使命であると思っておりますので、心掛けていきたいと思っております。
それから、先ほども少し申し上げましたけれども、やっぱり管制の人たちのレベルアップを図らなきゃいけないということでございます。航空の管制官と違ってこれを専門でずっと一生やっているわけではございませんので、いろいろな職場をある程度転々しながらやっておるところありますから、きっちりした訓練、養成をしなきゃいけないと思っております。
今までどちらかというとOJTで、現場で先輩から教わりながらというようなことを中心にやっておりましたけれども、それではなかなかやはりレベルが向上しませんので、門司分校という私どもの教育施設がございますので、そこでこれからは特に初任の人、一か月ぐらいそこの分校に配属いたしまして、こうした管制のシステムであるとか、それから言葉も英語でやらなきゃいけないところありますので、そうしたものを勉強させる、それから、その訓練用のシミュレーターみたいなものを導入するといったようなことを計画をしておりまして、そうしたレベルアップも図ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/20
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021・室井邦彦
○室井邦彦君 いろいろと細々お聞きを申し上げましたけれども、非常に大切な仕事でもございますし、是非真剣に、いろんな若い人たちは夢と希望を、もう嫌気の差さないように、まじめに頑張っている者が報われるんだというような職場環境をますますつくり上げていただきたいな、このように思います。
最後の質問に入りますが、これは私の地元、明石海峡で起きた事故のことの関連でもありますが、この海難事故、私の質問の部分もいろいろとございますが、一つにまとめてざっと説明をさせていただき、その中に質問も入れさせていただいて、まとめてお答えをいただければいいかと思いますが。
この海上保安庁の各地の施設、またそういうところで各自治体との連携というものがしっかりとなされているのか、そしてまた、海上交通の現状についてお互いそういう認識の共有というものをされているのかどうか、未然防止策の検討、広報、また危険状態の通報方策といいますか、また事故発生どきの対応、その後の事故処理の連携というもの、これらについての現状をお伺いをしたいということと。
いまだに、二〇〇八年の三月の五日、一年前の平成二十年の、一年前でありますけれども、まだ明石海峡の底、約八十メーターの底に、このゴールドリーダーという中南米のべリーズの船籍の船主は韓国だそうでありますが、この船が明石海峡の底にまだ沈んでおりまして、そしてそこにドラム缶約二百本ほどの油がまだその船の中にあるわけですよね。だから、瀬戸内海というと、やはり漁業、イカナゴの出産期とか、いろんな自然の海産物、そういうものがあの事故が起きて、風評というものは恐ろしいものでありまして、明石海峡の魚は油臭いというようなうわさがざっと流れてしまうと。それを取り戻すのには大変なまた現場の漁民の努力もあり、いろんな問題が生じているわけであります。
なぜ油の抜取りができないのか。八十メートル底でありますから人が潜れない。そして、機械というかそういう装置を、この装置はROLSという装置、抜取り装置で世界に一つか二つしかないということで、なかなか契約、予約、来てくれというのがすぐ来れない。また、瀬戸内海の季節の事情、またそういう事情もあって、やっと今年の十月か十一月にその抜取りが可能だと、こういう事実を知ったわけであります。
こういうことの対応、兵庫県から、そして近畿知事会ですか、二府八県ですか、こういう知事会からの要望書も、事故のときの対応の要望書も昨日か国の方に出たと思うんですが、また手元になければお目通しいただければ有り難いと思いますが。
そういうことで、何が申し上げたいかというと、この法案の参考資料にも、ここにも書いてあるように、日本の輸出入の物資の九九・七%が船舶に頼っていると、国内の輸送も約四〇%がこのような船舶の輸送で行われているということは、非常に経済的にも産業的にも重要な役割を果たしている。そういうところで、東京湾で同じこのような、仮に瀬戸内海と同じような衝突事故が起きた場合、海の深さは東京湾も航路でいうと水深七十—八十メーターでありますから、そこでタンカーとか貨物が衝突して東京湾に沈んだと、一年半もほったらかしにするのかどうなのか、どうして油の抜取りをするのかという。あってはならないことでありますよ、こんなこと想像しちゃいけないんだけれども、明石海峡ではまだ沈んだ船、油が抜けないというような状況なので、これが、東京湾でこんなことが起きたらどうなるのかなと、こんな不安があるんですよね。
さらに、これのデータでは十年間に二千六百隻ですか、こういう沈没事故、座礁事故がある。そして、ここには平成十八年、四百四十八隻が衝突とか乗り上げ、こういうところで事故を起こして、被害総額は約一千八百二十七億円だというふうに書かれているわけでありますが、東京湾でこのようなことが起きて、一年間も一年半も航路が止まるということは恐ろしいなと。このことに対して国がどのような対応をしようとしているのか、また、東京湾でこのようなことが起きた場合、このように敏速にこういうもので沈んだ場合はこういう対応をしていこうと思っているんだとか、そのような対応策を、時間がございませんのでこのようなまとめた質問と要望をしましたけれども、是非お答えをいただいて、また後ほど、時間がございませんので私の質問はこれで終わらせていただきますけれども、終了いたしますが、後日いろいろと個人的にまた御指導をいただきながらお尋ねもしたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/21
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022・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 一点目、お話ございました自治体との連携でございますけれども、これは、特にこうした防災とかという面では非常に重要だろうと思っております。
十年ほど前でございますけれども、ナホトカ号というのが日本海で油を大量に流出いたしましたけれども、非常に漂着油の処理なんかで自治体等にお世話になったというのがございます。今回の明石海峡でも、やっぱり兵庫県、地元地方公共団体に随分御尽力いただいたと思っております。
私どもも、この自治体との連携、大変重要だと思っておりますので、自治体の方でも地域の防災計画をお作りになっておられますけれども、その中にこうした油流出のときの対応もちゃんと書いてくださいと、こう申し上げたり、一緒に訓練をしたり、いろんな形で自治体と一緒にやっていくということ、この十年ばかり一生懸命やっておりますが、今後とも進めていきたいと、このように思っております。
それから、油の抜取りを含めて、こうした大規模な海難が起こったときに本当にどうしていくのかということでございますけれども、私ども、過去に東京湾でも二、三十年前大きな海難事故があったことも反省しながら、いろいろシミュレーションをして想定をして、それに基づいてちゃんと対応できるかというのをやっております。やっておりますが、やはり想定外のこと、あるいは本当に、それは想定でやっておりますから、十分かどうかというのは必ずしもないわけではございませんが、そうした、特に油の処理を含めて防災の体制が本当にちゃんとしているのかどうか、不足がないのか、今の油の抜取りの機材も含めて点検をしてまいりたいと思います。
そうしたものを、なかなか値段の張るものでありますから、そういうのを持つのがいいのか、あるいはだれかにちゃんとそうした情報を、どこにあるのかというのをちゃんと情報を取るのがいいのか、いろんな手法はあろうかと思いますけれども、そうしたものについて日常的にちゃんと点検をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/22
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023・室井邦彦
○室井邦彦君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/23
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024・植松恵美子
○植松恵美子君 民主党の植松恵美子でございます。
まず、質問に当たりまして、せんだって私も地元にございます香川県の宇多津町にある備讃瀬戸海上交通センターに視察に行ってまいりました。この視察の準備に当たって、国交省を始め海上保安庁の皆様方、また当日、備讃瀬戸海上交通センターで本当に非常に丁寧で詳しい説明をしていただきましたことに、まずは心より感謝を申し上げます。
また、私事ではございますけれども、実は私、移動式クレーン免許も持っているんですけれども、四級船舶免許も持っておりまして、実際に瀬戸内海親しんでおった一人でございますけれども、本当に免許を取っても運転をできるような状況ではありません。やはり瀬戸内海というのは、ふくそう海域と言われているだけ外国船舶、いわゆるタンカーとか貨物船も悠々と大きなものがおりますし、また定期的に瀬戸内海の島々を渡っていくフェリーだとか高速艇、あるいは、いわゆる漁業をやっていらっしゃる方がずっとアンカーを降ろして船を置いたままずっと停泊しているような状況で、なかなかこの運転というのは難しいなというのを実際私も身をもって感じた一人でございますので、今回の改正案によりまして本当に海難事故が減ることがあるようなことでございましたら、私も反対するものではございません。
それでは、この改正案について質問をさせていただきますけれども、今回の改正案で一定の船舶には海上保安庁が提供する情報の聴取義務を課すこととなっておりますけれども、現状においての船舶の情報聴取率はどのくらいであるかということを把握されているかどうか。また、注意喚起など、せっかく情報提供は行ったにもかかわらず海難に至った船舶があるかと思うんですけれども、その船舶数などについて教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/24
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025・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 情報提供の聴取率でございますが、定期的に調査をしておるわけではございませんが、平成十九年の四月から五月、千七百五十一隻を対象に私どもで呼びかけまして、応答してくれるかどうか調査をいたしました。
八五%の船舶から応答があったということで、これを見ると割合いい成績なんですけれども、二番目の御質問にございました、じゃ、注意喚起をしたのにも、あるいは情報提供を行ったにもかかわらず衝突、乗り上げに至った船がどれぐらいかということでございますけれども、衝突、乗り上げたうち、これが平成十三年から十八年のデータでございますけれども、約二百隻弱ございますが、そのうちの半分はこの注意喚起の無線に応答していないということでございますので、聞いているかという調査をすると結構聞いているというデータが出るんですが、では、実際に注意喚起をして聞いたのかというとまだ低いという、ちょっと矛盾した数字になっております。
本当にやっぱりちゃんと自分のこととして聞いてくれていないのかなという感じは持っておりますので、一〇〇%を目指して、今回、聴取も一定の船舶には義務付けをいたしますけれども、義務付けをするとともに、本当にちゃんと聞いてくれという確認なんかもやりながら、聴取一〇〇%を目指して頑張っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/25
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026・植松恵美子
○植松恵美子君 せっかく注意喚起をしているにもかかわらず海難事故に陥るということは、本当に防げたケースが、未然に防げたケースがたくさんあるんじゃないかということで、半分ぐらいはあったんじゃないかということで非常に残念なことだと思いますけれども、先ほど、無線応答をして注意喚起をして、船舶に無線応答がないということだと思うんですが、その理由ですね、どういうことが理由に挙げられると考えていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/26
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027・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 今までこのAISがなかったものですから、無線というのはその海域の船すべてに呼びかけていきます。今度のAISがあると、これはAIS付けている船だけでございますけれども、具体的に何丸だと、こういうことが言えるわけでございます。やっぱり人に呼びかけるときに、自分が呼ばれているのか、この周り、みんなに呼びかけられているのかで随分違うんだろうと思いますけれども、今度はそのAIS設置の船には、何丸をどうしろこうしろと言えるので、かなり効果があるのかなと思っております。
それから、無線を、先ほどのデータですと聴取していると言っていますけれども、まあ何となく聞き流しているという程度でやっているのかなというようなことも思っておりますし、それから、最近、やっぱり船、ブリッジにいる人が少なくなってきていることもありまして、少しほかのことの作業をやっていてなかなか聞き漏らしたというようなこともこれもあるんだろうと思います。
しかし、これじゃ困るものですから、ちゃんとやっぱり聞いてもらわなきゃいけないと思っておりますので、私ども、無線応答のない船に対して、二十四時間、三百六十五日、原則その辺りに巡視船も必ず一隻以上は配備させておりますので、応答がなかったらどうしているんだというのを、これは船に近づいていってマイクで呼びかけたり、そんなことをしてこの聴取に対するちゃんとしてもらうようないろんな、今回の法令上の手当てももちろん必要だろうと思いますけれども、それ以外の実行上のいろんな措置も頑張ってやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/27
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028・植松恵美子
○植松恵美子君 大型船になりますと、多分、長期間、長時間の航海になりまして、自動操縦装置をもう入れたまま、あるいはいろんな機械が発達していますので機械に頼って、結局は人の目とか耳というのは最後は大事になっているんですが、そこが抜かることもあるんじゃないかなと思いますので、是非ともそういった努力を重ねていっていただきたいかと思います。
また、今回の改正案の中では、航法の遵守や危険防止のために必要な措置を講ずべきことを勧告し、勧告に基づき講じた措置の報告を船舶から求めることができるものとするとありますけれども、事故事例の中には、避航義務のある船舶に対して海上交通センターからの勧告に従って避航していれば事故に至らなかったというケースがこれまでにあったということを伺っておりますけれども、勧告というのはあくまでも拘束力のないものでありますので、これに従わない船舶もあると伺っております。事故があってからでは取り返しが付かないことですので、場合によっては勧告よりももっと強い義務の履行を求める指示として伝えたらいかがかなと思うんですけれども、今回勧告にして指示にしなかったような理由があれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/28
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029・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) この法案を提案させていただくときに、ここの部分どういう言葉にしようかというのを我々も内部で勉強いたしました。
航空の管制は、これは指示という言葉を使っておりましてきっちりしております。海の場合は、先生も御覧いただいたとおり、海上交通センターの基本的にレーダーの画面を見ながら我々船に対して注意喚起をやっているわけでございますけれども、船の、海の上のレーダーというのはなかなか波とか小型の船が見分けにくいとか、大きな船の陰に隠れて小型船が映らないとか、そういういろいろレーダー画面で欠点がございます。すべての状況を私どもの海上交通センターの方からきっちり把握しているわけではございません。
例えば、本当は、レーダー画面から見ると左に行くのがいいのかなと思っていても、左に実は我々のレーダー画面では映っていない小型の漁船がいてそっちに移れないかもしれないということなので、余り強いことを我々がするのは不適切かなということで、ただ、今までの行政指導ベースではこれはまたいけないということで、悩んでいた末、この勧告という言葉にさせていただきました。
ただし、単に勧告するだけではなくて、勧告した後どうしたのかという報告を求めるというようなことも含めて、少し、単なるいわゆる勧告ではないようにしていくということで、工夫はさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/29
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030・植松恵美子
○植松恵美子君 そうですね。先ほどおっしゃられたように、レーダーに映りにくい結構大きな木が流れてきたりとか浮遊物が流れてきたりということもあったんで、確かにその言葉に従って動けないこともあるかなと思うんですけれども。
実際に私がこの備讃瀬戸海上交通センターに参って、センターで働いている方の現場の声を聞いてまいりました。そうすると、最近は、日本船舶もあるんですけれども、外国船が非常に増えてきていると。そうすると、これお国柄の違いもあるんじゃないかと思うんですが、日本の船長さんとかいわゆる船員さんは、そういった勧告あるいは注意喚起に非常に従順と言ったらあれですけれども、従ってくださる方が多い。ところが、外国の船舶だと、それは指示ですかとか勧告ですか、あるいは法的拘束力ありますかみたいなところをまず聞いてくる。
これ、恐らくお国柄の違いだと思うんですけれども、こういった外国船が従ってくれるようにするようにどういうふうに解決をしていけばいいかとか、あるいは、もし従わなかった場合はどのような対処を取ることを想定されていらっしゃるのか、ちょっともう一回、重なるようですけれども、教えていただきたいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/30
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031・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生おっしゃるとおり、外国の船舶というのは、いわゆる本当の意味での弱い緩やかな行政指導については、これはなかなか聞いてくれないというのはこの場面も含めていろいろあります。ですから、今回はこれは法律に基づく勧告だということで、まあ今までよりはワンステップアップしたのかなと思っておりますし、これは法律に基づく勧告を出しますというふうなことを、いろんなこれから周知活動をやっていきますけれども、そうしたことも必要があればきっちり伝えていきたいと思っております。
それから、勧告を出していたにもかかわらず実際に事故を起こしてしまったということになりますと、事故を起こすと一般的に私どもの捜査の手続も取りますし、それから海難審判という手続も始まります。そうした中で、勧告を出したのにそれに従わなくて不適切なことをやれば、それは通常の事故を起こしたときよりもやっぱりより重いものが出るんだろうと、こんなふうに思っております。
そういうこともあり得るんだということを含めて周知等をして、ちゃんとこの勧告に従いながら、よくきっちりした操船をしてもらいたいと、このように思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/31
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032・植松恵美子
○植松恵美子君 分かりました。じゃ、またそういったことも含めて、やっぱり状況が変わっていますので、いろいろと現場で対処等もしていただきたいかと思います。
実際、今回の改正案の対象となるのは、どちらかというと大型船舶かと思いますが、実際に海難事故とか、死者、行方不明者を出す事故を起こしているのは、いわゆる五百トン未満の船舶、特に漁船とかプレジャーボート。特に、プレジャーボートなんていうのは週末ぐらいにしか乗らないので、余り海のことをよく分かっていないような方がついついはしゃいで出ちゃうという可能性もあるかと思うんですけれども。
今回の法案改正によって、対象にはなっておりませんけれども、こういった小型の漁船とかプレジャーボートの船舶の事故への効果というものも考えられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/32
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033・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御案内のとおり、これはふくそう海域の主に大型船向けの対策でございますんで、これに基づいていわゆる漁船やプレジャーボートに対する事故防止への効果というのは非常に限定的であろうとは思っております。
このふくそう海域を通るような漁船、プレジャーボート、これはゼロではありませんので、それは一定ございますんで、そうしたものについてはこうしたふくそう海域の交通の流れというのがある程度きっちりルールができますし、スムーズになりますので、そういう意味でも効果はあると思っておりますが、ただ、これで小型漁船あるいはプレジャーボートの事故がぐんと減ると、こうしたものではないんだろうと思っておりますけれども、それは別途の対策を考えなきゃいけない、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/33
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034・植松恵美子
○植松恵美子君 特に小型船舶の海難に伴う死亡とか行方不明を防ぐためには、一番、自己防衛的に、ライフジャケットの着用なんかは本当に効果があるんじゃないかなと思うんですけれども、ライフジャケットの着用義務については、いわゆる特殊小型船舶、水上オートバイ等を運転するとき、あるいは航行中の小型船舶に乗船している十二歳未満の子供さん、また平成二十年の四月一日よりは航行中の小型漁船で一人で乗船している漁労に従事する者の場合の義務付けが行われましたけれども、こういった義務付けが行われて以来、ライフジャケット着用によってこういった死亡事故だとか行方不明者を防ぐような効果が現れているんでしょうか。実績があるかどうか、ちょっと教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/34
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035・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) まだ、残念ながら、実績と言われるほど目に見えた効果がデータとしては上がってきておりません。おりませんが、これは本当にやっぱり効果があると思っております。
私どもずっと海中転落をした人なんかのデータを取りまして、その人が助かったのか、お亡くなりになったのかというのをライフジャケットを着用しているしていない別に区分してデータを取りますと、やっぱりライフジャケットをしていた人の生存率というのは非常に高くて、ライフジャケットをしていなかった人の生存率はやっぱり相当低いと。たしか二、三倍ぐらい変わったと思いますけれども、それぐらいのデータがございます。
船の事故はそう数は多くないものですから、直ちに一年で数字がごんと変わるというわけでもございませんが、そうしたものを、ちゃんとデータをこれからもウオッチしながら、そして何よりもその着用率を上げていくことが重要なんで、それを頑張ってやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/35
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036・植松恵美子
○植松恵美子君 恐らく、船舶にライフジャケットを装備するということは義務付けられておりますのであるんでしょうけれども、動きが取れないとか、格好が余りよろしくないということで着用していらっしゃらない方も多いんじゃないかと思いますが、私の、これ海上保安庁さんからいただいたデータが手元にあるんですけれども、平成二十年に至っての着用率がまだ五〇%満たない状態、四一%となっておりますが、半数の方はまだ未着用である。そして、死亡率に関しましても、着用のときとは約もう倍半分、着用していたら亡くならなかったのにというような状況がちょっとこのデータからは見受けられますので、是非ともこのライフジャケットの着用率を上げていくというのが非常に効果的だなということを私も感じておりました。
それで、私自身も調べてみましたところ、実はライフジャケットの着用推進についてライフガードレディースの活動というものが、私も今回初めて知ることになったんですけれども、このライフガードレディースの活動について、せっかくですので、どういった方々によって行われているか、またどのような活動内容なのかというのを具体的に皆様にも御紹介していただきたいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/36
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037・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 平成十八年の九月でございますが、宮城県の雄勝町の漁協の女性職員が漁船の乗船者を対象にライフジャケットを着用しましょうという運動を始めました。漁船の乗組員の方は割合と、一般に言いますと、高齢の男性の方が多いものですから、それから自分がプロだという自信を持っておられるところがあって、なかなかこういうことをやっていただけないんですけれども、やっぱり女性から、家族から、周りから言われると、なるほどということでやっていただけるという、非常に効果があったと聞いております。今、そこから始まりまして、二十一年の五月十四日現在でございますけれども、二十府県まで活動が広がっております。
それから、私どもがそうした人にちゃんとライフジャケット着用推進員ですよという、お墨付きと言うと変ですけれども、こういうことを指名させていただいてより活発にやってもらうということで、これ、私ども海上保安庁だけじゃございませんが、海上保安庁とか県の漁業組合なんかがそういう委嘱をするような行為をやっておりますが、それが全体今六百七十三人やっております。本当に大変いい活動なんで、私ども海上保安庁の現場機関でもいろんなところにこういうことをやったら、いい事例だからやったらどうですかと働きかけをしたり、現にやっておられるライフガードレディースの方たちにはそれを支援するようなことをいろんな形で取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/37
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038・植松恵美子
○植松恵美子君 私が伺ったところでは、このライフガードレディースという方々というのは、実際に夫が海で亡くなった漁業関係者の奥様とか、あるいは息子さんを亡くしたお母さんだとかが自分のいろんな体験談も踏まえて、お願いだからライフジャケットを着用してくださいねという試みをしていると。そうすると、これまで二割であった着用率が一気に八割にまで短期間で上がったという、非常にこれ私、何か有効であるし、また非常に漁業に携わっている方にとっては心に響く活動だなと思っておりますので、是非ともこれ全国展開をして、どこもかしこも八〇%以上に、本当は一〇〇%着用していただきたいかと思うんです。
ただ、ちょっと気になることは、いわゆる完全にボランティアでやっていらっしゃることなので、お任せしますという状況でございますが、水産庁に問い合わせましたところ、こういったものに対しての予算がまだ全然使われてはいないようではございます。もちろん、ボランティアが主体ですので、費用は必要ないといえばそれまでですけれども、ただ、水産庁さんはそういう予算の面で使える枠が少しあるのではないかということが一つと。
あと、またこのホームページを調べていますと、海上保安庁としてはこういったいわゆるライフガードレディースの、漁業者自らの取組によっての死者、行方不明者の減少に結び付くことを期待し、協力、支援をしていきますよということをうたっていらっしゃるわけですね。もちろん、頑張ってねと言う支援もありますけれども、幾ばくかそういった経費も掛かるだろうし、何かステッカーを作ったりだとか、おそろいの何か帽子をかぶったりしていらっしゃる写真もあるんですね。そういった費用とかの面ではお考えになっていないのか、この点について教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/38
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039・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 私ども、なかなか予算面でというのは難しいところがあるんで、水産庁さんに是非お願いしたいなと、県の方にお願いしたいなと、こう思っているところでありますが、私ども、海難講習会とかそういうのをやっておりますので、そういうときにライフガードレディースの方にも一緒に来ていただいて、一緒になって、我々の海上保安官が怖い顔をしてやっているだけじゃなくて、やっぱりライフガードレディースに来ていただいて一緒に話をするとか、逆にそうしたライフガードレディースが活動されるときに私どもも出席して、少し専門的なことのアドバイスとか、数字なんかもお話しするとか資料を提供するとか、そんなことをやっております。
繰り返しになりますけれども、先生がおっしゃったとおり、これを四十七都道府県、いろんな港、漁港に広げるのが大事でございますので、こうした先進的な取組を、私ども全国組織でございますので、是非そうしたノウハウの提供なんかを一生懸命やっていきたいなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/39
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040・植松恵美子
○植松恵美子君 済みません、大臣、ちょっと通告はないんですけれども、今お金はちょっと無理なんだよとおっしゃっていらっしゃったんですけれども、これ二割が八割になったという、今までいろんな取組の中で一番有効な手だての一つだとは思うんですけれども、お金がないと今おっしゃっていますが、これ人命にかかわるような大事な要件でございまして、もし少しでもこの推進が広まるためにでしたら、お金だけでもないと思うんですけれども、いろんな支援とかをしていただければなと思うんですけれども、大臣としてはこういったボランティアを支える何かお考えがあるかどうかをちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/40
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041・金子一義
○国務大臣(金子一義君) この問題、植松議員の今のやり取りを伺って、初めて事実関係を伺わさせていただいているので、ちょっとその相場観というのか距離感というのか、必ずしもないものですから。
プレジャーボート等は短時間だからいいんですけれども、漁船の方々が長期間ずっとライフジャケットを着けているということというのが本当に耐えられるのかどうか。着けっ放しにしないと意味がないわけですよね。そういうようなのも含めて、ちょっと漁船の方のライフジャケットの着用というのが、それから私、まだ分からなかったのは、ライフジャケットを着けている方の生存率、高いというのは分かりましたけれども、どの程度高いのかというのも、ちょっと事実関係も今私、確たるものがないものですから。
ただ、植松先生、こういうお話、御指摘いただきましたので、ちょっとお預かりして考えさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/41
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042・植松恵美子
○植松恵美子君 私も調べて今回初めて分かったことですので、大臣のおっしゃるとおりかと思いますので、是非この機会にこういう活動をやっているんだということをお知りになっていただいて、是非有効であるならば今後ともいろいろ御支援いただけたらと思います。
それでは、AISのことについて話を移らせていただきますが、AISの搭載義務につきましては、今のところは五百トン未満の船舶には課せられておりませんが、この限定している理由を教えていただきたいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/42
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043・伊藤茂
○政府参考人(伊藤茂君) AISの搭載義務付けの範囲というお話でございますが、AISも含めまして、船舶の構造あるいはこうした設備というものは、基本的には国際条約で定められておりまして、世界共通の基準となっております。このAISにつきましても、海上人命安全条約、SOLAS条約というものがございますが、この中で定められておりまして、我が国もこの条約の締約国でございますので、この条約に基づいて搭載を義務付けていると。当然のことでございますけれども、私ども安全当局でございますから、安全当局の判断としても、搭載の範囲を私ども判断をして、その条約を基本とした上で義務付けをしているというものでございます。
御存じのとおり、我が国では、国内法でございます船舶安全法で国際航海をする船舶、旅客船はすべて、また、国際航海を行う総トン数三百トン以上の旅客船以外の船舶、貨物船と言ってよろしいかと思いますが、また、いわゆる内航船につきましては五百トン以上のすべての船舶に搭載を義務付けたというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/43
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044・植松恵美子
○植松恵美子君 法令上は五百トン以上というふうになっているんですけれども、非常に有効なものであるし安全には欠かせないということで、自主的に付けていらっしゃる船舶もあるかと思いますが、その船舶数の数を把握されているかということが一つと、もう一つは、一台当たり実はこれは百万円ぐらいする機械だと、非常に高額なものだと伺っておりますが、これがもっと安価になれば自主的に付けてくれる船もあるかと思いますが、そういった安価にするような取組があるかどうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/44
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045・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 私の方からは、搭載の状況について御説明させていただきます。
二十トン以上の日本船舶は大体八千三百隻ございますが、AIS搭載義務船は約千五百隻、一八%でございます。ただ、義務船以外でもこれを付けている船がありまして、それが約五百隻ぐらいございますので、今二千隻ぐらいがAISを搭載されているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/45
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046・伊藤茂
○政府参考人(伊藤茂君) より安価なAISの開発の状況についてでございます。
先ほど申し上げましたとおり、いわゆる国内の船は五百トン以上の船舶、義務付けておりますので、五百トン未満については海上保安庁長官がおっしゃったとおり任意になっておりまして、それもそれなりに普及は進んでおるわけでございます。
一つは、私ども、AISへの効果というものをパンフレットを作りまして、これを関係者にお配りをしながら普及をしております。あわせて、当然のことでございますけれども、いわゆる安いもの、安くなりますと当然そのスペックが変わりますので、今の国際航海に求められているようないわゆる情報の提供の量を限りまして、もう少しスペックダウンをしたものも国際的な標準がございまして、これの商品化というのが実はメーカーの中でも進められております。
まだ値段の方が、当然、これからのお話でございますが、ざくっと申しますと百万円以上のいわゆるAISが三分の一あるいは五分の一というプライスレンジになるようなお話も伺っておりますので、大分安くなれば、これが開発をされますとより一層普及が進むんではないかと思っておりまして、私どももAISを搭載した場合のいわゆる安全上の効果というのを更に周知を図って、あわせて、非義務船に対してもAISが普及できるように努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/46
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047・植松恵美子
○植松恵美子君 先ほどおっしゃったように、AISが普及すれば恐らく価格も下がっていきますでしょうし、また、AISを搭載することによって注意喚起のときに船名を限定して呼ぶこともできるといった、非常に効果的なものでありますし、また、海難事故というのは、先ほど室井先生もおっしゃったように、油が流出した後では遅いという、本当に環境問題からすべて人災からなってしまいますので、是非ともそういったものができるように、できた場合は広く広報をしていただきたいかと思います。
あと、ちょっと済みません、時間が十分ほど残っておりますので、前回、大臣にお話を申し上げて、あれから約一か月がたちまして、全国知事会と直轄事業負担金について二、三御質問させていただきたいかと思います。
せんだって、平成二十一年五月二十九日に、四国地方整備局より私どもの地元香川県に、二十年度の直轄事業負担金についての詳細の説明に行っていただいたかということなんですね。ところが、私も、香川県知事の記者会見を見ますと、国交省からいただいた説明については不十分であると知事は受け止めております。そして、納得がいかないものについては今後支払ができないという態度を取っているような状況でございますけれども、全国知事会としては、地方負担分の対象範囲等の基準案を作り、七月までに国と協議して決定したいと、知事側の方はそういうふうにおっしゃっているんです、考えているんですけれども、国としては、知事会からそういった案が出るのとは別に独自に何か準備をしているのかどうか。また、七月末までに最終決定をするというスケジュールで考えていらっしゃるのかどうか、教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/47
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048・金子一義
○国務大臣(金子一義君) 香川県知事、先般御上京されました。私もお目に掛かって、お話も伺いました。知事会として細目、請求のどこまで地方自治体が負担するかについてプロジェクトチームで七月までに作業をするということも伺いました。これ、国交関係の事業だけではなくて、林野あるいは農林公共といったのも全部共通の考え方で今行われておりますので、国交省だけでどうするということではないということが一つと、それからもう一つ、知事会側として、これから御質問があるんだろうと思いますけれども、全体の事業量との関係というのもやっぱり大きくかかわってくるテーマであると思っておりますので、我々単独でどうするということだけではない、政府全体としてというふうに考えていきたいと思っております。
ただ、私は、既に地方に負担をいただく対象になっている、そこの人件費の退職金それから年金といったようなものは、これは補助事業との対比でも、国家公務員の給与ですから、本来国が払うか堂々と計上されるべきものでありますからイカサマでも何でもないんで、しかるべき整理をしたらどうかということはもう申し上げておりまして、そのことについては国交省は、これは農林の方はいざ知らず、国交省は事務的に財務省とは既に協議をしてもらっているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/48
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049・植松恵美子
○植松恵美子君 大臣がおっしゃるように、直轄事業負担金だけの問題でなくて、今後、国と地方の仕事の分担、あるいは財源の分担といいますか配分といいますか、もう全体を考えてやっていかなければならないので、ここだけでどうこう言うわけにいかないということもよく分かりますが、しかしながら、今回の二十一年度の直轄事業負担金の支払う支払わないかというのは、もう恐らく七月、八月で一つの決着をある程度今年度分は付けなきゃいけないような状況で、リミットが迫ってきているかと思いますね。
その中で、先ほど言いましたいわゆる知事会のプロジェクトチーム会議の中で、私、ごもっともだなと思ったことがございまして、いわゆる情報開示内容を分析した結果として、国庫補助事業との整合性を図るべきだという考え方が根底にあるんですね。つまり、いわゆる国庫補助事業と直轄事業負担とは、いわゆる国庫事業負担は非常に、何というか、がんじがらめで要綱を細かく出していかなければ補助事業としてもらえないのに、直轄事業負担金として国から地方に請求するときは非常に大ざっぱで不透明な請求書が届く。つまり、これ二つが全く同じようないわゆる範囲と明細書を付ければ非常に合理的であり、整合性があり、また平等であると知事会はおっしゃっているわけなんですけれども。
このことについて、今まで国庫補助事業と直轄事業を区別して考える合理性が何かあったのでしょうか。それとも、いやこれは合理的でないと今でもそう思うんでしたら、今後これをきちっと公平かつ迅速に合理的な整合性を取っていくべき、これだって一か月あってもうすぐできることかと思いますので、新たに作らなくても、枠組みを。ですから、そういった考えをお持ちなのか、金子大臣より最後にお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/49
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050・金子一義
○国務大臣(金子一義君) これまで合理的な理由で直轄と補助との区分けはされていたんだと思います。
それで、補助事業についても、今知事会の皆様がおっしゃるのは、補助事業については上限設けちゃっている、四%という上限設けちゃっていると、直轄については天井、そういう上限ないと、だからアンバランスだという。この細目について申し上げればもっといっぱいありますけれども、大きく分けまして、こっちは上限があるのにこっちは野方図じゃないかという点が一つ集約されております。
ただ、これについては、この補助事業の上限については、かつて財務省が二年掛けまして、この負担の上限であるならば十分地方自治体は収まるという数値の積み上げをやってそういう設定をした経緯がありまして、今はそれが本当にじゃ適当なのか、適正なのかどうかという議論はまた多分出てくるんだろうと思います。
結論から申し上げまして、補助事業と直轄の部分が、特にこういう地方財政が厳しい状況でありますので、知事会のメンバーの方もこれを検討してほしいという御議論としては承っておりまして、それも含めて、先ほどちょっと申し上げましたけれども、全体の国と地方の役割あるいは地方財政の配分の問題も併せて検討対象として取り進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/50
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051・植松恵美子
○植松恵美子君 じゃ、是非とも今回の直轄事業負担金に関しまして七月、八月を目途に一度決着を付けなければならないかと思いますので、是非とも私は知事というよりは県民の皆さんがこれだったらという納得ができるような御回答をいただければということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/51
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052・山本順三
○山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。
今の直轄事業負担金のやり取りについつい私も連動して質問をしたくなりましたが、今日は港則法、海上交通安全法の改正ということでございますから、そちらに絞って質問させていただきたいと思います。
最初に質問された室井議員は明石大橋の架かる地元兵庫県の出身でありますし、また植松議員は瀬戸大橋の架かる香川県の出身、三番手に出てまいりました私は、これはしまなみ海道、来島海峡大橋の架かる愛媛県の出身と、瀬戸内海の私が第三弾ということで、その辺りに照準を当てて質問をさせていただきたいと思いますので御容赦のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
さて、この港則法というのは昭和二十三年に、そしてまた海上交通安全法は昭和四十七年に施行されたというふうに伺っておりまして、特に海上交通安全法、これは施行後全く改正がされずに今回初めて改正をされると、こういうことでありまして、その内容、大変充実したものになっておるんだろうと思いますけれども、まずはその改正に至るまでの経緯としては、当然瀬戸内もそうでありますが、各地、東京湾もそうでありますが、あちらこちらでやはり大きな海難事故が起こった、それに対してどういうふうに対処していくかというところからスタートしたんだろうと思いますが、まず、海難の発生状況、どういうふうになっているのか。特に、瀬戸内海での海難事故はどういうふうな状況なのか、まずはお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/52
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053・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 海難の発生状況でございますけれども、大体年間二千六百件ぐらいで推移をしております。残念ながら、増えてはいませんけれども、なかなか減っていかないというのが現状でございます。そのうち四割がいわゆる東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、関門海峡、ふくそう海域と言っておりますけれども、その四割がふくそう海域での事故でございます。その中でもやっぱり瀬戸内海、海域も広いことがありまして、そのふくそう海域の四割の大部分、全体でいきますと、全体の海難のうちの四割がふくそう海域でございますが、そのふくそう海域の海難のうちの七割ぐらいは瀬戸内海で起こっていると、こういう状況でございます。先生も御案内のとおり、地形、それから潮流が非常に激しいところでもありますし、ほかと違って割と衝突とか乗り上げとか、そうした海難が多いのが特徴でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/53
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054・山本順三
○山本順三君 実は、私の住んでいるところももう海のすぐ近くでありまして、そして来島海峡まで車で五分ぐらいで行けるんでありますけれども、夜あるいはまた春先の霧の多いときにはもう船舶の汽笛が鳴りっ放しというような状況のときがあります。
そういった意味では、今ほど海上保安庁長官がおっしゃるように、潮流、これが本当にすさまじいんですね。今、観光船で潮流体験なんていうのをやっておりますけれども、現実問題、大潮のときの潮流というのは海というよりもまさに川という、そういう状況が度々見られますし、それから多島美を誇る瀬戸内でありますけれども、島が多いものですから真っすぐ走れない、こういうふうな状況の中で航路を設定するのも大変苦労をしておるところであります。
実は、そういった状況がありますので、特に来島海峡は世界でもまれに見る独特の航法を取られておりまして、いわゆる潮流が変わるたびに航路が変わると、これ実は大変なことでありまして、それに合わせた形で海上交通センターと先ほどのAIS等々をベースにしてやり取りをしながらということになってくるんでしょうけれども、恐らくこのことは余り一般には知られてないんではないだろうかと。順中逆西なんというそういう呼び名もある、そういうところでありますけれども、この来島海峡の航法の内容、せっかくの機会でありますから、御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/54
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055・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘のとおり、順中逆西という本当に世界でもほとんど聞いたことがない航法をやっております。
航路は一般的には右側通航でございますけれども、この来島海峡は、先生今御指摘のとおり十ノット、時速で二十キロぐらいの潮流がひどいときには発生します。それから、ここの来島海峡、島がございますから、一定以上の船が通れる航路が非常に狭いところでございます。順中逆西といいますのは、中水道というところと西水道という二つの航路がありまして、流れによっては、順の流れのときは、順番の順と書きますけれども、普通の順の流れのときは中水道を通りますと。逆の流れのときは西水道を通りますという、逆西ということになります。
これは、どうしてこういうことをしているかといいますと、特にこの西水道の方が狭くて屈曲しておりますので、非常に航路の難所でございまして、そのときは潮流に乗って走りますとかじが非常に利きが悪くなりまして、曲がるたびにやっぱり潮流の反対側からこう曲がっていった方がまだかじが利くということでございますので、潮流によって、西水道を通る場合、かじの利くような走り方をしてくれということでやっております。
そのために潮の流れが変わりますので、ある時間帯は右側通航だったのが、ある時間帯からは左側通航に変わりますというのを、これをやります。これは慣れている船はいいんですけど、最近やはりもう国際化しておりますから韓国船とか中国船とかそういうのが来ますけれども、そんなに世界でそういうことをやっているところがないものですから、右側通航だろうと思って、今は逆の通航方法ですよというときに迷ってしまうとかというのもございます。
それから、切替えのタイミングがなかなか我々も難しくて、その切替えのタイミングをちゃんと計って、それから、切り替えるときにうまく流れを変えていかなきゃいけないということをやっておりますが、そこの私どもの現場の管制官もこれについては本当に苦労しながらやらさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/55
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056・山本順三
○山本順三君 そういうことでありますから、やはり海の難所、当然事故も多くなってくる。外国の船は水先案内人を置くというようなことにもなっておるんだろうと思いますけれども、なかなか一〇〇%そうなっているのかどうかというところも疑義もあるところであります。
そういった意味において、今回の法案でありますけれども、この来島海峡の安全性を向上させるという意味でどういうふうな措置が講じられておるのか、その点についての見解をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/56
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057・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 今御説明させていただきましたように、その順中逆西ということで、時間帯によって右側通航、左側通航が変わります。
これを今まで、今は右側通航、左側通航変わりますよということで移行の時期なんかを行政指導で指示をしておりまして、途中から右側から左側に行けと、こういうふうなことを指導しておりましたけれども、これはやはり法律上の権限に基づいてちゃんと指示できるようにしようということで、今回、制度の中に盛り込まさせていただいております。
それから、先ほど申し上げました西水道辺りは非常にやはり海の難所でございますので、これは追越しなんかやってもらうとやっぱり事故が増えるということでございますので、追越し禁止措置というのも、これも今回の法律の中でできるように制度化、盛り込まさせていただいております。
それからあわせて、追越し禁止をやる以上、余り遅い船が走ってもらうと海の交通の流れが逆に阻害されますので、潮流の向きに逆らって航行する場合の最低速度というのも設定できるようにやっていきたいと思っております。
さらには、これは来島海峡、今申し上げた来島海峡向けの制度でございますが、今回の法案ではいろんな私どもの情報提供の聴取義務とか勧告とかという制度がございますが、これも来島海峡ではやっぱりこういうことを出す機会が多いものですから、これは全航路共通の制度でございますが、この制度を来島海峡にも適用して、私どもの海上交通センターで見守っていて、危ないと思ったときの情報提供なんかをちゃんと聞いてもらう、あるいは勧告するといったことで安全性を向上させていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/57
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058・山本順三
○山本順三君 今の話の中で情報提供及び聴取義務ということ、先ほどお話にもありましたAISの関係での対応というものが更に格段に向上していくということで、その安全性の確保ということにとっては非常にプラス効果も出るんだろうと思うんですけれども、現実のところ、来島海峡を通過する際に、例えば外国船、基本的には英語でやり取りするということになっているんだろうと思うんですけれども、現実問題として、私も海の管制官たる海上交通センターの方ともいろいろお話ししましたけれども、なかなか英語での通信のできないそういう船が時としてあるんだということも聞いておりますし、そしてまた今ほどの、例えば国際航路に従事している船では三百トン以下の船、あるいはそうじゃないところでは五百トン以下の船はAISの義務付けはないということでありますから、そうなってくると一〇〇%のカバーができないという、それに対して具体的にどういうふうな対応をされておるのか、あるいはされようとしておるのか、その辺りのことをお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/58
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059・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 私も海上交通センターを回りますと、やはり英語で話していても、何かオーケー、オーケーとかラジャー、ラジャーとかは言ってくるんだけれども、本当に分かっているのかよく理解できないというのを管制官が悩みで随分言っておりました。だからといって、中国語でやるとか韓国語でやるというのも、これもなかなか、私どもの管制官も英語だけじゃなくて中国語も韓国語もやれと、これまたなかなかいけないものですから、やっぱり英語でちゃんとやってもらうのが基本だろうと思います。
それで、代理店なんかを通じて、あるいは我々がパンフレットをいろいろ作って、これはパンフレットなんかは別に英語じゃなくてもいいですから、中国語とか韓国語のパンフレットなんかを作って、例えば来島海峡であれば、ここはこういう航法にしなきゃいけませんよとか、それから英語でちゃんと呼びかけますからちゃんと聞いてくださいとか、いろいろ周知に努めてまいりたいと、このように思っております。
また、先生おっしゃったAISのない小型の船、こうしたものについても、この航法の、航行の特徴であるとか、それから、先ほども申しましたけれども、私ども巡視船をいつも配備させておりますので、少し海上交通センターとのコミュニケーションがうまく取れていないような場合は、巡視船がその船に近寄っていって、原始的な手段ではありますけれども、マイクで呼びかけたり、そうしたことをしてきっちりコミュニケーションを取るようには努力をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/59
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060・山本順三
○山本順三君 是非努力をしていただきたいと思うんでありますけれども、先ほどの話にあったプレジャーボートであったり、あるいは、ああいう潮の流れの速いところは釣り船が、それも三十隻、四十隻という、言わば集団を組んでいるわけじゃないんですけれども、その場所が釣果がいいというようなこともあって集中的に近くの遊漁船が出ていくということも多々あります。そういった意味では、管制官側からすれば本当あれ大変な仕事だろうと思っていまして、そういった意味で是非激励もしてあげてもらいたい。
そこで、今の話でありますけれども、私の家からまさに来島海峡の海上交通センターまで、これも車で五分ぐらいで行けるんでありますけれども、以前、羽田に行きまして、羽田でいわゆる管制官がすさまじい神経を使って航空機に対しての指示を出しているという、そういう現場を見せていただきました。大変だなというような気持ちでおりました。
飛行機と比べますと、船というのは割合速度もそう速くはないし、のんびりしているのかなというふうな予見を持って行ったわけでありますが、とんでもない話でありまして、本当に神経を集中させなければならないし、今ほど言った一日に航路が四回も変わるというような、そういう状況の中で、どこでどういうタイミングで変えていくのかというところから始まって、AIS付けている船、付けていない船も含めて、その対応というのは本当にこれ身をやつすような、そんな思いで、管制官の皆さん方がレーダーに食い入るように監視をしておるその姿を見て、本当に大変だなということをつくづくと感じました。
したがって、是非、来島海峡を含め他の航路でも一緒でありますけれども、その実効性、航法の指示等々の実効性を高めるために現場での対応能力をもっともっと高めていく必要がある。今ほども質問がありましたけれども、そのことに対して、例えば講習をしていくとか様々なことが考えられると思いますけれども、どのような対策を講じられているか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/60
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061・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) せっかく制度をつくっていただくので、それをちゃんと実行していくことは重要だろうと思っております。
一つは、私どもの方の海上交通センターの能力を高めることと、それから私どものやっている仕事を実際に現場のそこを通航している船がちゃんと知ってもらって、私どもの、今回でありますと勧告でありますとか航法の指示とかしますけれども、そうしたものをちゃんと守ってもらうということは二つ重要だろうと思っております。
私どもの方の交通センターの職員の能力の向上については、教育だけではなく、教育もやっていきたいと思いますけれども、先生今御指摘いただいた航空の管制なんかと違って、私も航空の管制も一時携わったことがあるんですが、やっぱり航空の管制は割合いい機械を持っているんですけれども、ここの機械は余りいい機械じゃないものですから、是非これをいいものにしていく努力をしていきたいと、このように思っております。
それから船の、実際そこを航行する船長、船員の人たちにやっぱり知ってもらわなきゃいけないんで、そういうことの周知は先ほど申しました外国船も含めてやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/61
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062・山本順三
○山本順三君 是非よろしくお願いします。
最後に、この法律案、まさに海上交通の安全を更に高めていく、向上させていく、そういうことで施行されるわけでありますけれども、この法案の着実な履行、それに向けて最後に大臣の決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/62
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063・金子一義
○国務大臣(金子一義君) 岩崎長官が答弁をさせていただきましたように、やはり外国船舶等への周知ということも大事なんだろうなと。せっかくいい法案をここで御議論をいただいておりますので、着実にそれが実施されるように全力を挙げていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/63
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064・山本順三
○山本順三君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/64
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065・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。
まず、海洋政策担当大臣でもあります金子大臣にお伺いしたいと思いますが、平成十九年に、海洋政策を一元化して総合的かつ計画的に推進するために海洋基本法が成立をされました。この条文には、海上輸送の確保と海上安全の確保、これが条文の方に明記をされているわけでございますが、海洋大国であります我が国にとりましては最重要課題の一つであると言っても過言ではないと思っております。
しかし、海難船舶隻数、また海上における死者、行方不明者数は、平成十年以降ほとんど減少していないというのがこれが現状であるかとも思います。この海難の発生といいますのは、人命また財産が失われるだけではなくて、経済活動や海洋環境、これにも大きな影響が出るということで、そういった観点からもこの海上交通の安全性の向上、これは大変に重要な課題であるかと思っております。
そういったことからも、是非、今回の法改正もそういったことでされるわけであろうと思いますけれども、海洋政策担当大臣といたしまして、今回の法改正につきまして、改めてこの意義と、また海上運送の確保、海上の安全の確保に取り組んでいかれる大臣としての御決意をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/65
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066・金子一義
○国務大臣(金子一義君) ありがとうございます。
今回、こういう海上における交通のルールを見直させていただきまして、海上交通の安全を図るのが今回の今御議論いただいております法案であります。
先ほどからお話させていただいておりますように、これを外国船舶にも周知をしてもらう等々のこれから努力は要るんだろうと思います。交通ルールの見直しだけでなくて、船舶の構造ですとかあるいは設備などのハードの安全性、それから今、鰐淵委員からお話ありました海難の原因分析という意味でのソフトの面、これは両面、御指摘のとおり要るんだろうと思います。
昨年に海難の原因究明機能を強化するために運輸安全委員会を設置させていただきましたけれども、同委員会も含めて、国土交通省全体として関係部局が連携しながら総合的に施策を進めていくことが大事であると思っております。
ちなみに、IMO、このAISというのは世界の言ってみれば共通の課題として取り組まれまして、昨年の七月ですか、取付け、一定の大きさの義務化というのは、世界各国共通の条約として義務化されてできたものですから、そういう意味では、先ほど来の周知といったようなもの、講習といったようなものというのを、何かデファクトスタンダードをIMOという国際機関を通じて周知を更にしてもらうというような努力も一方でこれからちょっと考えてもらう必要があるのではないか、あるいは考えもらっていいテーマではないかと私自身は思っておりまして、それも含めて、これから海の安全というものを更に確実にしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/66
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067・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
先ほどもお話ございましたが、現場で熱意を持って頑張っていらっしゃる方が数多くいる中で、是非とも大臣を先頭に、大臣のリーダーシップの下、海上の安全ということで更に取り組んでいただきたいと重ねて申し上げておきたいと思います。
今回の法改正を受けまして、この海上交通センターの権限が強化をされるということになりますので、今後ますます海上交通センターの役割が大変に大きくなってくるかと思います。
そこで、この海上交通センター、これも先ほどから御指摘ございますが、ハード面、ソフト面、両面にわたりまして更に充実強化をしていく、これが大変に重要になってくるかと思います。そこで、まず機器の面、機器などの高度化についてどのように取り組んでこられているのか、また現場で働いていらっしゃいます管制官、こういった方々の養成、研修、これが大変に重要になってくるかと思いますが、これについて、どのように取り組んでいかれるのか、改めてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/67
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068・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 海上交通センターの機器でございますけれども、今取り組んでいますのは、一つはレーダー画面で航路を外れていくとかあるいは浅瀬の方に向かっているとか、そういう船があれば、少しぴかぴか光って管制官が分かるようにしてあげると、こういうのを是非導入したいと思っておりまして、もう一部始めさせていただいております。
それから、これは本当はもっと早くやっておけばよかったと私も反省しているんですけど、レーダーがまだ映らないところはほんの一部なんですけど航路でもありまして、そこにちゃんとレーダーが、航路でもまだ見えないところがあって映らないところが一部あるので、それを何とかしなきゃいかぬのと、もう一つは、こういう電気設備ですから、停電のときに映らなくなっちゃったら困っちゃうんですね、機械が故障したときに映らなくなっちゃ困っちゃうと。こういうやつは二重化するというのが原則なんですけど、これがまだ十分できていなくて、できるだけ二重化をして、こっちの回路が駄目になってもちゃんとこっちの回路が通っているとか、こっちの機械が壊れてもこっちの機械でちゃんと仕事ができるとか、バックアップ体制をちゃんとつくらなきゃいけないと思っていまして、その予算に昨年度辺りから取り組んでいると、こういう状況でございます。是非、この法律が施行されるまでには一定の体制を整えたいと思います。
それから、人の話も、やっぱり研修が非常に大事なので、航空の管制官だと一年間ぐらいちゃんと訓練するんですけど、そこまでまだ我々十分じゃないんですが、専門の門司分校というところに一定期間行ってもらいまして、それから訓練用のこれもシミュレーターをちゃんと整備をしようと思っております。そうしたことをしながらきっちり研修をしたいと思います。
それから、あわせて、是非これを今やろうと思っているんですけど、管制官というのは実際の海で船がどう動いているかとかというのをよく知っていなきゃいけないので、ああいう交通センターだけにいるとレーダーのことしか分からないものですから、実際の船の運航がどうなっているとか、そういう現場に出るような、海上保安庁、巡視船なんかいっぱい持っていますので、そうした、こういう職場の人たちも海と交流して海の現場の知識も付けてもらうと、こんなことを含めて是非レベルアップを図っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/68
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069・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
また、今回の法改正の背景にはこのAISの普及があるわけでございますが、AISは船舶間の衝突防止に資するとともに、海上交通センターからの安全情報が得られるということで海難防止にとって大変有効的な機器になっているかと思いますが、このAISの搭載につきましては、搭載義務船舶に対して平成二十年七月に完了しているということでございます。
搭載が完了してまだそんなに時間はたっていないわけでございますが、これを搭載することによってどのような効果があったのか、そういったことを私もしっかりと検証して、また分析をしてこの海難防止に今後しっかりと対応していくべきであると思っておりますが、これにつきまして御見解、今後の対応をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/69
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070・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 先生御指摘いただいたAISの搭載も含めて、こういう新しい政策を打ったときに本当にどういう効果があったのかというような検証をしていくのは非常に重要だと思っております。残念ながら、海の分野は少しそういうことが遅れているなというのは私も率直に感じるところであります。
AISの搭載は二十年に完了したので直ちにデータが取れるわけではございませんけど、そうしたデータをこれから積み重ねていって効果というのを検証していって、役に立ったのか、更に改善すべきことはないのか、勉強させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/70
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071・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 ありがとうございます。
特に道路での交通事故等の検証は、いろんな角度から事故を起こさないためにということで進んでいると思いますけれども、今おっしゃったように、海での、海上での海難に対しての対応ということで本当に難しい面もたくさんあるかと思います、天候とか様々影響する点もあるかと思いますが、先ほど室井委員からも御指摘ございましたが、海難防止のために、そういった分析また検証というのは大変に重要になってくるかと思いますので、そういったことでも引き続き、こういった対策、検証、分析をしていくというところでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
海難防止を図るという点では、もう一つ重要な課題といたしまして、安全情報を的確に提供できるかどうかという、こういった対策が大変に重要になってくるかと思いますが、特に小型船舶に対して、これも先ほどからお話出ておりますが、特にAISを搭載していないような小型船舶、これに対しての安全情報の的確な伝達、これが大変に重要になってくるかと思いますので、これにつきましてどういった対応をされているのか、また今後更にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、今後の対応も含めましてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/71
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072・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) カーナビみたいなやつがちゃんとその小さな船にも付いて、その周りの海図をちゃんと提供して、それから周りの船のどこを走っているとかという情報も提供して、あるいは危なくなったら何かその警報も出してくれる、こんなものがあると大変いいかなと思っております。
なかなか海の分野はこの分野でも遅れておりまして、いまだに、一部電子海図というのを始めておりますけど、海図も基本的に紙の海図を使うというようなことになっておりますが、最近こうした分野での技術開発は進んでおりますので、そうした成果をうまく生かしてやっていけばこうしたことも可能かと思っております。
それから、携帯電話なんかももっと活用してやれないかというようなこともいろいろ考えておりまして、そうしたもの私どもだけじゃなかなかできないので、関係の各局、あるいは学識経験者の方、それからメーカーの方、そんな方と一緒になって研究会をやっておりますけれども、積極的に進めていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/72
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073・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
基本的にプロの方が操縦されているとは思いますけれども、やはりその時々の天候や状況によって大きく違ってくるかと思いますので、そういった意味でも安全情報を的確にすべての方にお伝えできるような体制ということで、新しい機器の開発も含めて更に取り組んでいただきたいと思います。
最後に港湾局の方にお伺いしたいと思いますが、海上の安全確保ということで港湾の施設の維持管理ということも大きくかかわってくるかと思います。これまでも道路、橋梁の維持管理ということで質問させていただいたんですが、港湾施設においても老朽化が進んでいるということで、こちらにおきましても維持管理、しっかりと体制を整えてやっていく必要があるかと思っております。具体的に岸壁の状況なんですけれども、建設後五十年以上経過した岸壁が、二〇〇六年現在では全体の五%なんですが、二〇二六年には約四二%ということで、港湾施設におきましても急速に老朽化が進みます。
そういった意味で、しっかりと港湾の機能を維持して安全を確保するという観点からも港湾施設の維持管理、しっかりと体制を整えていただきたいということと、人材育成にもしっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますが、この点につきまして、今後の取組、また御見解、併せてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/73
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074・須野原豊
○政府参考人(須野原豊君) 港湾の施設につきましては、先ほど委員から御指摘ありましたように、高度成長以降に整備してきました施設が更新時期を迎えます。そのための投資の増大が見込まれております。このため、必要な点検、補修を計画的に行いながら、全体のライフサイクルコストの縮減を図りつつ施設の機能を維持することが必要でございます。
こうしたことから、今までの事後保全的な維持管理から予防保全的な維持管理に重点を移して諸施策を展開しているところでございまして、具体的には、計画的な維持管理を専門的に担当いたします人材を配置するとともに、必要な知識や技術の向上のための研修の充実を図るなど人材の育成に取り組んでおります。まさに、港湾の施設、国だけじゃなく港湾管理者含めていろんな方が持っておりますので、港湾管理者等の維持管理計画の策定などを行う場合には必要な助言等を行っております。
その中で、一方、民間サイドでも、実は昨年度、二十年度に施設の管理者やコンサルタントを対象とした維持管理に関する民間の資格制度として海洋・港湾構造物維持管理士が創設されまして、維持管理に関します技術者の育成が進められております。
また、私たちとしましては、新たな技術開発の導入も併せて、今後とも、先進技術の導入に向けて官民によります技術開発体制を整えるなど、更なる効率的な、かつ戦略的な維持管理に取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/74
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075・鰐淵洋子
○鰐淵洋子君 以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/75
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076・渕上貞雄
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
今回、提出法案の前に幾つか海のことについてお尋ねいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
もう既に御存じのことだと思いますが、高速道路、架橋通行料のETCの割引が実施をされて、ひとときほどよりマスコミは騒がなくはなりましたものの、実施されたことによって海運やフェリーや旅客船の経営が未曾有の危機に瀕しているというのは御案内のとおりでございます。既に航路撤退を決めたところの業者や減便を行う業者などがおりまして、船員雇用問題だけでなく、島嶼に暮らす島民の生活の影響も計り知れないものが出てきているのが実情でございます。
そこで、ETC割引を実施したことによって生じているこれらの実態について国土交通省はどういうふうに把握されているのでございましょうか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/76
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077・伊藤茂
○政府参考人(伊藤茂君) お答え申し上げます。
先生から御指摘のいわゆるフェリー、旅客船、さらには内航海運等の業況でございます。昨年は急激な原油高騰がございまして、今はちょっと落ち着いておりますけれども、また昨年からの景気後退の影響、さらに、今年に入りまして高速道料金の値下げの影響、様々な影響を受けて業界が極めて厳しい経営環境に直面していると、こういうことでございます。
具体的な影響でございますが、今申し上げましたとおり、様々要因がある中で、さらに例えば季節的な要因、天候などもございますが、こういった要因を考慮する必要がありますが、ちょっと比較をいたしてみますと、本四架橋、架橋になるわけでございますけれども、高速道路と同様に値下げをしたところと競合しているような航路でございますと、バス、乗用車の輸送量が昨年同月比で五割程度低下するという例もございます。
また、航路によっては料金値下げの前後で余り輸送量に変化が見られない航路もあるということで、航路ごとにそれぞれ事情が違うというところもございまして、一概に高速道路の影響がピンポイントに全体として出ているかということについてなかなか申し上げるのは困難かと思います。ただ、影響が出ているという事実はございます。
そういった中で、私ども、フェリーの事業者さんとか、あるいは最近は自治体の首長さんからもいろんなお話を伺っております。引き続きまして、こうした状況の把握に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/77
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078・渕上貞雄
○渕上貞雄君 今のような実態でございますので、やはり国交省として、離島航路についての確保などについては今日まで様々御努力をいただいております。離島航路のみならず、すべての航路についても引き続きよろしくひとつ御指導いただきたいと思いますし、ETCを導入することによって生じている問題については国交省としても早急に対応していただきたいと、このように思っておりますので、御要望を申し上げておきたいと思います。
さて、提出法案についてでありますが、幾つかお尋ねをしたいと思うのでありますが、船舶自動識別装置、AISの整備が完了したことによって生ずる問題でございますが、そこで、AISについて、不特定多数のものの自動的に自船の運航等にかかわる情報を発信をし続けるわけでございますが、こういうセキュリティー上の問題や、積荷の行き先を明らかにすることでセキュリティー上の問題が指摘をされておりますが、これらの点についてはどのように対応されるのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/78
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079・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) ルールでは、AISを付けたらちゃんと作動させておけと、こういうふうになっておりますけれども、当該船舶が抑留され若しくは襲われるおそれがある場合などはこのAISを切ってもいいですと、こういうことになっております。日本近海では余りこういうことが起こるとは考えられませんが、話題になっております例えば海賊なんかで、ソマリア辺りでAISでその目的地なんかへ行くためにそうした襲われるような危険があった場合はこうしたものに該当するんだろうと思いますけれども、日本の沿岸ではやはりつけていただいていることが安全上も重要だろうと思っております。
具体的に、こうしたときは切りたいんだというような話がございましたら、個別にいろいろ御相談をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/79
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080・渕上貞雄
○渕上貞雄君 AIS機能が効果を発揮するためには基盤となるAISが適切に運用されていることが大前提になりますけれども、電源がオフになっていたり、AISに接続をされる外部の機器の誤作動や、AISの設置時の設定項目の入力のミスとか、公海上における必要な目的地などの航海関連情報などが適切に入力をされていない場合に誤ったAIS情報発信がされることになり、海上交通センター及び周辺船舶の混乱を招くことになりかねない。海上交通の安全を低下させるおそれがあるのではないかと思うんですが、これらの問題点についてどのように対応されるのか。また、ふくそう海域では他の船舶情報量が多く混乱するという指摘もありますが、この点はどのように考えられておるのか御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/80
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081・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) AISの情報でございますけれども、誤った情報だとしようがないので、それはちゃんと是正してもらう必要があるんだろうと思っております。
私ども、海上交通センターで見ておりますし、それから現場に巡視船も派遣しておりますので、常識的に見て、例えばその船の長さなんか入力しますけれども、実際に見てみて、余りにも違った数字であればおかしいんじゃないかとかそうしたことは言えると思いますし、私ども気が付いた限りではいろんな形で指導していきたいと思っております。
それから、特に目的地の情報の入力の方法が、例えば、日本とこう書いているところもあれば、横浜とか書いているところもあれば、何とか港の何とかバースと書いているところもあり、なかなか統一されていないところがありますので、そうしたものは、割合、目的地の情報もこの重要な、目的地があると、どこで曲がるかとかどっちに行くかというのがよく分かるものですから、これはちゃんとしたルールでもって決めていきたいと思っておりまして、今回、省令とか告示でそのガイドラインみたいなものを定めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/81
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082・渕上貞雄
○渕上貞雄君 ちょっと質問を残していますけれども、済みません。時間ですから、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/82
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083・大江康弘
○大江康弘君 長官、ちょっと時間がないので早速聞きますが、この瀬戸内海を今里海にしようという周辺の知事・市長会議があって、辛うじて和歌山県も入っているんですね。先ほどから瀬戸内海のふくそう海域、確かにこれは大変なんですが、何でもしかし大臣、入口、出口が大事なんで、そこの安全をどう考えていただいているのかなと、こう実は思うわけですけれども。
今回、私は地元に特化して申し上げますが、和歌山県の周辺の海域、とりわけ北西部の方はこの海交法の適用地域に入っているんですけれども、航路が設定されていない。またそれ以外は海交法が適用されていない地域となっておるわけでありますが、大臣、潮流が重なるところというのは魚がたくさん捕れるらしいんですね。ですから、やっぱりそこには非常に漁船もたくさん出てくるしという、ただでもやっぱり潮流が重なるところは危ない中で、たくさん瀬戸内海に入っていったり瀬戸内海から出てきたりという船舶が多いんですが、私はやっぱりそこのところの安全というのをどういうふうに考えていただいているのか。
まず、その和歌山県のこの紀伊水道を一つ念頭に置いた中でちょっと長官、お答えがあったら教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/83
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084・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 紀伊水道、友ヶ島水道、ここにつきまして、いわゆる海上交通安全法の適用の水域にはなっておりますけれども、具体的に明石でありますとか来島でありますとか備讃でありますとかといったような航路は設定をしておりません。
ただ、先生おっしゃるとおり、ここの水道やっぱり狭くて、それから数もやっぱりそれなりに多くて、何らかの形での安全指導をしなきゃいけないということで認識をしております。今、私どもこれは行政指導ベースでございますけれども、この水道の中央を二つに分けまして右側通航をするようにということを指導ベースではやっておりますが、先ほどもお話がございましたけれども、どうも指導ベースでやっていても、日本の船は割合よく聞いてくれるんですけど、外国の船はなかなか指導ベースだと聞いてくれないと、こんな話もございますので、制度化をしていきたいと思っております。
今般の改正で、この友ヶ島水道、紀伊水道を含めて航路の経路を指定することはできるというふうに盛り込まさせていただいております。今行政指導ベースでやっておりますこの右側航行を基に、ちゃんとした経路指定をして実効性を高めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/84
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085・大江康弘
○大江康弘君 それに関連して、紀伊半島の潮岬の沖、あそこはやはり太平洋とのかかわり、絡みがありますから、そんなにたくさん船がという、瀬戸内海ほどの航行の数はないんですが、非常にやっぱりあの海域というのは荒れたりいろいろな条件の中で海難事故が多いわけですね。御存じのように、あのエルトゥールル号が難破をしてという、そういう百年余り前にはそんなこともあったりですけれども、私はやはりその船の数が多いとか少ないということよりも、いかにそういう海難事故が、危険性があるかないかという、そのやっぱり観点で海交法の適用という地域にしていくということも大事な視点ではないかと思うんですが、もう一点、あの地域の安全についてどういう海上保安庁はお考えを持っているか、ちょっとお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/85
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086・岩崎貞二
○政府参考人(岩崎貞二君) 我々準ふくそう海域と呼んでおりますけれども、先生御指摘のとおり、潮岬の周辺でありますとか、それから伊豆半島下田の周辺でありますとか、非常に事故が多い海域でございます。こうしたものについての安全対策をどうしていくかというのは今後の検討課題の一つだと思っております。今やっております経路指定なんかができないかとか、そういうのは勉強しておりますが、まだ今回の制度に盛り込むほどは至っておりませんけれども、課題として勉強していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/86
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087・大江康弘
○大江康弘君 長官、よろしくお願いしておきます。
伊藤局長、ちょっと先ほど渕上先生もフェリーのことに触れられましたので、やはり今回の五千億円の土日のという、これはこれなりに評価をするんですが、やはりフェリー業界の皆さんから言わせれば、自分たちが何か瑕疵があって、自分たちが何か利用客の皆さんにいろいろと迷惑を掛けて乗ってくれないとかいうのは、これは分かるんだけれども、そうではなくて、やっぱりこういう形で我々の利用客が減っていくということはもう大変つらいということで、今回、いわゆる港湾使用料の減免措置というのが補正予算でも組まれていないんです。これは船主協会も含めて要望があったと思うんですが、ここはなぜこたえられなかったのか、ちょっと教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/87
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088・伊藤茂
○政府参考人(伊藤茂君) 港湾使用料の減免でございますけれども、実際に、港湾局じゃないものですから、私なりの理解で御説明をさせていただきますが、港湾管理者は自治体でございますので、今なぜ減免を、直接的に減免するような予算措置がとれなかったのかということについては、ちょっと詳細、私自身背景を存じ上げておりませんが、ただ、現実の問題としては、私ども自治体の首長さん等とお話をする中で出てまいっておりますのは、いわゆる地域活性化・経済危機対策臨時交付金を自治体が交付されますので、これを活用しながら、フェリー運賃の割引であるとかあるいは港湾使用料の減免などに活用していって具体的な効果を上げるというような動きがあると伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/88
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089・大江康弘
○大江康弘君 局長、まさにこれは港湾局長の話なんですが、実はなぜそれを局長に聞いたかというと、いわゆるこの補助金というか国の交付金、これはなかなかその自治体にとってみても、それじゃそこに使おうかとか、やっぱりその時点で温度差が出てきて、せっかくじゃその中で使いなさいよと言ったって、なかなかその重要度において使われない部分があるんで、やっぱりそこは私は海事局長の方からやはりひとつ応援をしてやってほしいなという意味もあってお聞きをしたわけであります。
それで、最後に、いわゆるモーダルシフトが言われて、いろいろな国交省には、鉄道だ、航空だ、もちろん船もあるんですが、やっぱり私はフェリーというのは、まさに今言われているCO2も含めて、環境に優しい乗り物ではないか、そういうことを思うんですけれども、やっぱりこれはどういうような位置付けをされておるのか、これからどうしようとしていくのかということを、ちょっと最後に局長、御意見があれば聞かせてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/89
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090・伊藤茂
○政府参考人(伊藤茂君) 先生御指摘のとおり、フェリー、内航海運というのは、環境的に言いますとCO2の排出原単位がトラックの四分の一でございますし、環境に優しい輸送モードでございます。それから、災害時あるいは緊急時、これ阪神・淡路大震災のときも実は海上輸送が大活躍したということでございまして、大変社会的なインフラとして大事なモードだというふうに考えております。
そういった中で、今般、非常に経営が苦しいという状況で、実は私ども補正で、省エネ運航合理化、輸送サービス向上に向けた支援ということで予算をちょうだいいたしましたし、また、オールモード、モード横断的でございますけれども、地域公共交通活性化・再生事業、これトータルで二十五億円でございますが、この一部を活用していただくとか、こういった動きをしてまいりましたら、実は自治体の首長さん方も、国が応援をし、また自治体も応援をするよということで、いわゆる合力をしながらフェリー支援をしていただけるような動きが出てまいりました。大変有り難いことだと実は思っております。
ですから、こういった意味で、フェリー事業者、港湾関係者あるいは地方自治体とこれからも連携をして維持、活性化に努めてまいりたいと思いますし、また、もう少し中長期的な議論として、私ども局の中でございますけれども、内航海運の活性化・グリーン化の懇談会というのを開いておりまして、ここで先生お話しの、これから中長期的に海運あるいはフェリー、旅客船をどういうふうに維持していくかということも検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/90
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091・大江康弘
○大江康弘君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/91
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092・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/92
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093・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/93
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094・田村耕太郎
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117114319X02020090625/94
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