1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十一年二月九日(月曜日)
午後一時一分開議
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○議事日程 第七号
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平成二十一年二月九日
午後一時 本会議
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第一 平成二十年度における財政運営のための
財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関
する法律案(趣旨説明)
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○本日の会議に付した案件
一、請暇の件
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/0
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001・江田五月
○議長(江田五月君) 御紹介いたします。
本院の招待により来日されました東ティモール民主共和国国民議会議長フェルナンド・ラサマ・デ・アラウジョ閣下の御一行がただいま傍聴席にお見えになっています。
ここに、諸君とともに心からなる歓迎の意を表します。
〔総員起立、拍手〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/1
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002・江田五月
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
川口順子君から海外渡航のため来る十二日から十日間の請暇の申出がございました。
これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/2
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003・江田五月
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
よって、許可することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/3
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004・江田五月
○議長(江田五月君) 日程第一 平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案(趣旨説明)
本案について提出者の趣旨説明を求めます。中川財務大臣。
〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/4
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005・中川昭一
○国務大臣(中川昭一君) ただいま議題となりました平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
平成二十年度の一般会計補正予算(第2号)においては、急激な内外の金融経済情勢の変化に対応し、国民生活と日本経済を守る緊急の備えを万全にする観点から策定されました生活対策及び生活防衛のための緊急対策に盛り込まれた施策を実施するための経費を計上しております。
これらの措置に必要な財源を確保するため、臨時の措置として、財政投融資特別会計の積立金を活用することとしております。
本法律案は、これを受けて、平成二十年度における財政投融資特別会計の財政融資資金勘定からの一般会計への繰入れに関する特例措置を定めるものであります。
以上、平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/5
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006・江田五月
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。大塚耕平君。
〔大塚耕平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/6
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007・大塚耕平
○大塚耕平君 民主党・新緑風会・国民新・日本の大塚耕平です。
ただいま議題となりました財投特別会計特例法案について、関係大臣に質問をさせていただきます。
麻生首相は、昨年十月三十日に景気対策を発表しましたが、それに伴う二次補正予算案を昨年中に提出せず、さらには二次補正予算成立直後に衆議院で来年度予算案の並行審議が始まりました。そのため、本法案の審議入りが本日に至ったことは誠に残念であることを冒頭申し上げます。
さて、本法案は、その第二次補正予算に含まれる定額給付金等の財源手当てを行うものですが、御承知のとおり、私たち会派は、定額給付金には反対の立場を取っております。もっとも、景気対策の必要性も十分認識していることから、定額給付金を除く部分については、小異を捨てて大同を重んじ、賛成の立場を表明しております。
両院の多数派が異なる国会の現状をかんがみれば、双方の多数派がそれぞれ譲り合うことが民意に従うということであり、定額給付金以外の部分は衆議院の多数派の考えを尊重し、定額給付金については参議院の多数派の意見を尊重するというのが成熟した議会の対応と考えます。
そこで、官房長官にお伺いいたします。
麻生内閣として定額給付金の実施を断念し、その財源を雇用等の他の対策に用いるおつもりはないでしょうか。驚くような前向きな御答弁を期待しております。
次に、現在は二次補正が必要な経済状況であり、かつ、その状況に対して定額給付金が効果的であるという認識が本法案の前提であるため、この点に関して質問いたします。
平成二十年度実質経済成長率の政府見通しはマイナス〇・八%であるのに対し、日銀はマイナス一・八%と予測しています。両者には大きな開きがありますが、政府が日銀に比べて楽観的な現状認識を抱いている根拠を伺います。
また、政府見通しでは平成二十一年度にゼロ%に好転するようですが、日銀は逆にマイナス二%に悪化することを想定しております。さらに、IMFの見通しでは、平成二十年のマイナス〇・三%から平成二十一年のマイナス二・六%に大きく悪化することになっています。このように、日銀やIMFの景気減速予測に対して、政府が逆に景気好転を予測している根拠は何でしょうか。
政府、日銀、IMFの認識がこれほど大きく異なることには違和感を感じます。与謝野大臣は、現在の政府見通しを適切と考えているのでしょうか。
適切と考えているのであれば、衆議院で審議中の平成二十一年度予算を前提に景気好転を予測しているのでありますから、平成二十一年度補正予算などは全く念頭にないものと理解してよろしいでしょうか。
あるいは、楽観的過ぎるという認識であれば、具体的に政府見通しを修正するのでしょうか。その際には、どのような追加対策を行うのでしょうか。平成二十一年度予算成立後に補正予算を編成する意思があるのでしょうか。お伺いいたします。
内閣府においては、例年どおり一月十九日に閣議決定された経済見通しの公表をもって、しかも、大いに甘い見通しを公表して、当面の仕事は一段落したかのような雰囲気が感じられます。しかし、麻生内閣が現下の情勢を百年に一度の未曾有の危機とするならば、内閣府も平時とは異なる姿勢で仕事に臨むべきです。
危機を乗り越えるまでの間、内閣府は毎月、経済見通しを更新すべきと考えます。経済財政モデルに最新の雇用、輸出、消費等のデータを入力すれば簡単に計算できるはずです。与謝野大臣には、今後は毎月最新見通しを公表するつもりがあるかどうかを伺います。
次に、定額給付金の位置付けと効果について伺います。
中川大臣は、財政演説において、生活対策及び生活防衛のための緊急対策として定額給付金を計上すると述べていますが、麻生首相も中川大臣も、予算委員会等の場で、再三景気対策であるとも発言しています。財政演説の説明と異なることから、改めて定額給付金の位置付けを伺います。
また、麻生首相は、持続的成長へのきっかけとして大きな意義を有するとも答弁しています。どのようなメカニズムで定額給付金が持続的成長へのきっかけになるのかを与謝野大臣に論理的に御説明いただきたいと思います。
定額給付金は、GDPを〇・二%押し上げるという説明が繰り返されています。この点に関し、中川大臣は、地域振興券の実績を前提に四割が消費に回るとして計算していると答弁しています。しかし、地域振興券の実績は三二%です。四割というのは過大見積りではないでしょうか。
衆議院において、内閣府は、定額給付金の経済効果を、四割が消費に回った場合は〇・一五%、三二%の場合は〇・一二%と答弁しています。過大な前提を使い、しかも〇・一五%という計算結果を〇・二%とするのは恣意的な説明ではないでしょうか。数字の是非とともに、国会に対してそういう姿勢で臨んでいることに警鐘を鳴らしておきます。
実績の三二%ではなく四割を使うことについて、内閣府は地域振興券との違いを強調し、定額給付金は消費性向の高い低所得者層にも支給するため、及び消費性向が高い高齢者が約七百万人増加しているためとしていますが、低所得者や高齢者に給付すると経済効果が上がるという考え方ならば、当該層に集中的に支給する方が適切ではないでしょうか。
もっとも、その一方で社会保障政策において高齢者や低所得者の負担を増やしているのは論理矛盾であり、右手と左手で違うことをやっていると言えます。
定額給付金の総額二兆円は、年収二百万円の人を百万人雇用でき、消費税に換算すれば年間一%分、二か月間であれば全廃できる金額です。他の使い方の方が景気には効果的ではないでしょうか、改めてお伺いいたします。
次に、国会で審議中にもかかわらず、定額給付金の準備が既に進んでいることについて伺います。
一月八日の民主党財政金融部門会議において、仮に本法案が成立しない場合、政府短期証券等で資金を調達し定額給付金を執行することが可能かどうかを財務省にただしたところ、できないと即答しましたが、一月二十九日、伊吹前財務大臣がそれとは異なる見解を表明されました。
そこで、念のため二月三日の財政金融委員会理事会において財務省に再度見解を求めたところ、次の三点が表明され、書面でも民主党に提出されました。正確に読み上げます。
第一に、政府短期証券は年度内の資金繰りの手段であり、同年度の歳入により償還する必要があるもの。資金繰りは、歳出予算の執行の判断の問題とは異なる。
第二に、政府としては、歳入欠陥を前提とした予算の執行はできない。
第三に、上述の前提の有無の判断は、財源法案の成立の確実性にかかわる問題であり、国会の意思に関する事柄であることから、具体的に言及することは差し控えたい。
いずれも財務省として重要な認識を開陳していますが、とりわけ第二点は明快です。改めて財務大臣に伺います。本法案が成立しない限り、定額給付金の執行はできないと理解してよろしいでしょうか。
ところで、一方では、定額給付金の事務費補助金は既に給付されたとも聞き及びます。
一月十六日に鳩山大臣は、財源法案の年度内成立が確実と見込まれる状況になれば事務費補助金は執行可能と発言。中川大臣も二月三日に、定額給付金支給準備のための事務的経費については対応可能と述べています。
そこで、総務大臣に伺います。
自治体はどのような準備状況にあるのか、また自治体に対して既に補助金が支給されたのか、自治体がこれまでに自主財源で対応した分について事後的に補助対象になるのかを伺います。
また、一月二十八日付けの補助金交付要綱の別紙ただし書には、定額給付に要する事務経費については、補助金の交付決定前に執行したものであっても、平成二十年十月三十日に決定された生活対策に係るものであれば補助金の対象として差し支えないという方針が明記されています。しかし、昨年十月三十日以降、第二次補正予算あるいは本法案が衆議院で成立する以前の諸準備は、法的根拠を欠く国庫債務負担行為であり、財政法第十五条違反と言えます。
そこで、現在は、鳩山大臣のいうところの財源法案の年度内成立が確実と見込まれる状況に該当するのかどうか、法的根拠のない国庫債務負担行為に対して補助金を交付するのかどうか、仮に交付した場合は財政法違反であるのかどうかについて、それぞれ政府の認識を伺います。
あわせて、これらの事実関係を確認するため、今後、補助金が交付された場合、いつの時点の諸準備に対応したものであるかの内訳の開示を求めます。
この問題のみならず、天下り問題においては法律を政令でゆがめ、基礎年金の国庫負担問題においては法律を閣議決定でゆがめ、道路特定財源一般財源化の閣議決定については歳入のことであって歳出のことではないと詭弁を弄すなど、最近の麻生内閣の遵法意識の低下には目に余るものがあります。この点に関する官房長官の見解を伺います。
ところで、第二次補正予算では定額給付金事務費として八百二十五億円が計上されています。費目別の内訳を申し上げれば、人件費二百三十三億円、発送費二百七十一億円、給付事務経費百八十六億円、事務機器経費十三億円、広報関係経費三十七億円、システム開発経費六十五億円、民生委員等協力手当十九億円などです。
なぜ人件費が新たに発生するのでしょうか。民間企業であれば、社員が所定の給与の範囲内で新たに発生した業務にも対応するのが普通です。広報関係経費とは何でしょうか。既存の広報誌の記事として掲載すれば済む話です。事務機器経費とは何でしょうか。この業務を行うために新たにコピー機でも購入するのでしょうか。会議開催経費とは何でしょうか。民生委員にはこういうときに協力してもらうためにふだんから手当を支給しているのではないでしょうか。この細目を計上した段階では定額給付金の詳細はまだ決まっていません。業務要件もシステム要件も明らかでない中で、どうやってシステム開発経費を計上したのでしょうか。
総務大臣には、八百二十五億円の積算根拠に関する資料提出を求めます。ちなみに、八百二十五億円は、毎月十万円の給付を一年間にわたって六万八千七百五十人に支給できる金額であることを申し添えます。
また、鳩山大臣は、定額給付金は法定受託事務ではなく自治事務であると明言しています。自治事務の経費を国が負担する根拠は何でしょうか。その他の自治事務についても、今後は国が経費を負担するのでしょうか。
今回の対応は、地方財政法第十六条、国は、その施策を行うため特別の必要があると認めるときに限り、地方公共団体に対して補助金を交付することができるという内容が根拠になっているそうです。同条のその施策とは地方が独自に行うものであり、国が企画立案したものではないと考えますが、見解を伺います。
その施策とは国の施策であるという答弁の場合には、その施策を施策そのものに限定せず、それに伴う事務費まで含む根拠は何でしょうか。また、法的根拠のない国庫債務負担行為に係る事務費まで面倒を見る根拠は何でしょうか。
報道によれば、市町村議会において定額給付金に反対する意見書を可決する動きがあるようですが、自治体及び議会の動向並びに定額給付金を執行しない自治体が出た場合の対処方針について伺います。
また、鳩山大臣は、所得制限は非現実的であり、やらないよう全市町村に要請すると発言していましたが、具体的に要請したかどうかを伺います。
あわせて、御列席の官房長官と各大臣が定額給付金をお受け取りになるかどうかを改めてお伺いいたします。
最後に、拙速かつ稚拙な検討で進められた郵政民営化のために、実質的には国民の資産であるかんぽの宿が二束三文で不公正にたたき売りされた事実が明らかになり、国民の政治不信を高めています。麻生首相は、その郵政民営化について、自分はそもそも反対だったと発言して波紋を呼んでいます。郵政民営化と同様に、拙速かつ稚拙な検討で導入された定額給付金についても、後になって本当は反対だったと言うのではないでしょうか。
そうならないように、反対が多数の民意を重んじ、この法案の審議過程で定額給付金を断念し、野党が提案している他の対策にその財源を用いることを再度強く求めます。
さもなければ、一刻も早く解散・総選挙を行い、民意の賛同を取り付けた上で定額給付金を実施するのが民主主義の正道であると申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/7
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008・中川昭一
○国務大臣(中川昭一君) 大塚議員の御質問にお答え申し上げます。
定額給付金の位置付けについてのお尋ねがありました。
定額給付金は、景気後退下での生活者の不安にきめ細かく対処するための家計への緊急支援であり、あわせて、家計に広く給付することにより消費を増やす経済効果もあり、生活対策における重要な施策の一つと考えております。このような定額給付金の目的は当初から何ら変わっておりません。
次に、定額給付金は低所得者や高齢者に集中的に支給すべきではないかというお尋ねでございます。
定額給付金は家計への緊急支援として実施するものであることから、迅速性が重要であると考えております。このため、すべての方に給付するシンプルな仕組みを原則としたものであります。
なお、その中で、住民基本台帳等の情報に基づいて容易に区分が可能な六十五歳以上の高齢者及び十八歳以下の若年者に対しては加算を行うこととしております。その結果、平均所得の比較的低い世帯に厚い給付となっているものと考えております。
定額給付金以外の政策の方が景気対策には効果的ではないかというお尋ねでございます。
定額給付金による消費の喚起は、景気押し上げの極めて大きな要素でもあり、持続的経済成長のきっかけとしても大変効果のあるものと認識をしております。もちろん、雇用、中小企業対策などの施策も重要であり、政府としては、生活対策及び生活防衛のための緊急対策に盛り込まれた施策等を着実に実施したいと考えております。
法案成立前の定額給付金の執行につきましてお尋ねがありました。
第二次補正予算に計上された生活対策に係る経費の執行につきましては原則として財源法案の成立が必要と考えており、定額給付金の支給についても、その財源が確保されていないことから当面は執行を見合わせることとしております。
ただし、定額給付金支給に係る地方自治体の事務経費など補正予算の年度内執行に不可欠な準備経費につきましては、補正予算の早期執行の必要性や財政法の趣旨等を総合的に勘案し、執行を開始することとしております。
いずれにしましても、まずは財源法案の一日も早い成立をお願いいたします。
第二次補正予算成立前の定額給付金の支給準備行為につきまして補助金を交付することがあるのか、また、それは財政法違反であるかどうかについてお尋ねがありました。
第二次補正予算成立前に地方自治体が準備行為を行った段階において国が補助金を交付すべき債務を負うものではなく、国が債務を負うのはあくまで予算成立後、補助金の交付決定を行うときであることから、御指摘のような財政法違反には当たりません。
また、国の補助金の交付対象は、予算が成立し補助金の交付決定がなされた後の事業が原則としておりますが、補助金を所管する省庁の判断により、必要があればそれ以前に事業を実施し、その事業に対して補助金を支出することについて法令上の問題はないものと考えております。
定額給付金につきましては、その効果を十分に上げるためには早期かつ確実に行うことが求められております。このため、補助金交付要綱において、給付に要する事務経費については事務費補助金の交付決定前に執行した経費であっても事務費補助金の対象として差し支えないという取扱いとされております。
定額給付金の受取についてのお尋ねがありました。
私個人の対応につきましては、関連法案が成立した段階で、地方公共団体の具体的な運用を踏まえて検討したいと考えております。
いずれにいたしましても、景気回復のため、必要な消費により内需拡大に寄与していきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣河村建夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/8
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009・河村建夫
○国務大臣(河村建夫君) 大塚議員の御質問にお答えいたします。
まず、定額給付金を他の対策に使うつもりはないかとのお尋ねがございました。
定額給付金は生活対策における重要な施策の一つと位置付けており、早急に実施する必要があると考えておるところでございます。
もちろん、雇用対策も重要であり、政府といたしましては、派遣労働者、年長フリーター等を正規雇用した企業に対する助成、雇用の維持に努める企業に対する雇用調整助成金の拡充、都道府県に過去最大の四千億円の基金を創設することによる地域の求職者の雇用機会の創出等により雇用の安定を図るなど、生活対策及び生活防衛のための緊急対策に盛り込まれた施策等を着実に実施してまいります。
次に、麻生内閣の遵法意識についてのお尋ねがございました。
定額給付金の事務費給付につきましては、ただいま財務大臣から答弁があったとおり、財政法違反ではございません。また、昨年末に施行されました退職管理政令につきましては、国家公務員法の規定にのっとって制定したものでございます。
基礎年金については、持続可能な年金制度の構築のために二分の一を国庫で負担するための法律案を先般国会に提出いたしております。道路特定財源につきましては、二十年五月の閣議決定で示された方針にのっとり、揮発油税の歳入を道路整備に使うという義務付けをやめ、すべて一般財源化するための法律案を先般国会に提出いたしております。
麻生内閣は法令に基づいて適切に政策課題に対応しており、遵法意識が低下したとの御批判は何ら根拠のないものであります。
定額給付金を受け取るのかというお尋ねがございました。
定額給付金は、国民から納めていただいた税金をこの経済情勢の厳しい時期に国民の皆さんへ還元する形で給付を行って家計を助け、併せて消費を振興し、内需の拡大を図るものであって、生活対策、生活防衛のための緊急対策の一環として講じるものであって、国民からも給付を待っているという声も多くいただいておるところでございます。
私が受け取るかどうか、これはあくまでも個々人の判断ではございますが、私といたしましては受け取って、国内景気に寄与すべく、内需拡大、消費の下支えのために有効に使わさせていただきたい、このように考えております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/9
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010・与謝野馨
○国務大臣(与謝野馨君) 政府経済見通し、追加経済対策及び補正予算についてのお尋ねがありました。
二十一年度政府経済見通しは、昨年十二月の閣議了解時点までに公表された経済指標等を踏まえて政府の経済財政運営の下で想定される経済の姿を描いており、これに向けて政府は政策を推進していくこととしております。
日本銀行、IMFの予測につきましては、このところの国内外の経済環境の急速な変化を踏まえて作成されたものと考えられます。
政府経済見通しにおきましては、累次の経済対策の実施や原油価格の低下等による交易条件の改善効果が見込まれるため、年度後半には民間需要の持ち直しなどにより低迷を脱していくことが期待されるとしております。ただし、世界の金融経済情勢の悪化によっては、景気の下降局面が更に厳しく、また長くなるリスクが存在することについても認識をいたしております。
こうした中、二十一年度予算や関連法案の成立による事業規模七十五兆円の経済対策の実施が我が国の景気の底割れを防ぐための最大の景気対策と考えております。現在は、平成二十一年度予算等を国会で御承認いただくことが最優先、最重要の課題であると考えております。
次に、経済の見通しの修正及び毎月の公表についてのお尋ねがありました。
足下の経済状況が急速に悪化していることにつきましては政府といたしましても認識しておりますが、経済見通しは、政府の経済財政運営の下で想定される経済の姿を描いたものであり、毎月の経済指標の公表等に合わせてその都度改定されるべきものではないと考えております。
次に、定額給付金と持続的な経済成長についてのお尋ねがありました。
定額給付金は、家計に直接広く給付することにより、生活者の不安にきめ細かく対処し、消費を増やす経済効果が期待されるものであります。事業規模七十五兆円の経済対策に盛り込まれた他の施策とともに、景気の底割れを防ぎ、持続的成長につながっていくものと考えております。
次に、定額給付金が追加的消費に回る割合と経済効果の説明についてのお尋ねがありました。
地域振興券を交付した当時に比べますと、現在は景気後退下で所得が伸びないといった厳しい経済環境にあることなどから、貯蓄に回るよりも消費される可能性が高いと考えられております。また、地域振興券には交付開始後六か月という使用期限がありましたが、定額給付金には使用期限がなく、追加的な消費に回る割合がより大きくなる可能性があります。したがいまして、定額給付金のうち、おおむね四割程度が追加的消費に回るとの想定は特段高いものではないと考えております。
なお、定額給付金の経済効果につきましては、実質GDP成長率を〇・一五ポイント程度押し上げる効果があると試算しておりますが、この値を四捨五入して〇・二%ポイント程度と説明してきたところであります。
最後に、定額給付金を受け取るかどうかについてのお尋ねがありました。
定額給付金を受け取るかどうかにつきましては、関連法案が成立した段階で考えたいと考えております。
以上です。(拍手)
〔国務大臣鳩山邦夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/10
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011・鳩山邦夫
○国務大臣(鳩山邦夫君) 準備状況でございますが、第二次補正予算の成立を受けて市町村では準備を行っておりますが、南さつま市、安芸高田市、長野市は既に補正予算の議決を得たようでございます。給付リストの作成のためのコンピューターシステムの改修、申請書の準備等に着手しているところもございます。
できるだけシンプルな形にしたわけでありますが、市町村の大きさ、規模によって準備の遅速は出てくると思いますが、いずれにいたしましても、年度内の給付開始を目指して、市町村において急ピッチで準備をしていただくようお願いをしているところでございます。
定額給付金事務費に係る補助金交付要綱を一月二十八日に地方自治体に通知し、同日施行したところですが、現時点では地方公共団体からまだ事務費の申請を受け付けてはおりません。したがって交付もいたしておりませんが、今日か明日ぐらいに事務費申請の一号が出るだろうと予測をいたしております。
事後的に補助対象になるかということですが、定額給付金事業の効果を上げるためには、早期かつ確実に行うことが求められます。
生活対策を決めたのが昨年の十月三十日でございまして、そこにこの定額給付金給付が入ったわけでございますので、それを受けてから市町村が準備をした事務費については補助対象とする旨を交付要綱に規定をいたしております。交付決定以前の経費を補助対象とするというような措置は、他の補助事業における例はかなりあるようでございます。
財源法案の年度内成立が確実と見込まれる状況に今あるかと、こういうことでございますが、第二次補正予算の成立前でありましたが、事務費補助金執行可能時期の目安について、私は財源法案の年度内成立が確実と見込まれたときと申し上げたわけですが、定額給付金の事務費など補正予算の年度内執行に不可欠な準備経費については、事務費は規模の点でも問題がありませんので執行させていただきます。また、関連法案につきましては、財源法案につきましては、与党の強い決意を承っておりますので、年度内成立は確実と私は考えております。
それから、事務費の内訳についてでございますが、定額給付金給付事務費補助金は交付要綱に基づいて出すわけでございますが、補助金、つまり事務費の補助金の交付申請をさせますが、その費用分類ごとの内訳の提出は求めますが、いつの時期に使うかということまでは求めません。したがって、各市区町村が年度内支給に向けて多くの作業に対応していく中で、全団体のあらゆる事務を時系列的に、時点別に切り分けてとらえて集計することは事実上困難でございますので、大塚議員も御理解いただきたいと存じます。
八百二十五億円の内訳でございますが、定額給付金の事務費は、事務の標準的な内容を想定し所要経費を計上しているところでございますが、事務費の内訳については第二次補正予算の審議のための資料として既に提出してありますが、再度提出しろというのであれば同じものを再提出いたします。
自治事務である定額給付金の経費を国が負担する根拠でありますが、御承知のように機関委任事務がなくなりまして、法定受託事務と自治事務しかありません。法定受託事務というのは、ごく例外的なものでございます。したがって、自治事務である市町村あるいは都道府県の事業に国が補助をしているケースは極めて多数あるわけでございまして、これは地方財政法第十六条の、その施策を行うため特別の必要があると認めるときとして国が市町村に対して交付する、これが今回の定額給付金の事業あるいは事務費の補助の根拠でございます。このような例は枚挙にいとまがないと先ほど申し上げたとおりでございます。
定額給付金事務以外の自治事務についても今後国が事務費を支給するかという御質問でございますが、これは地方財政法十六条は、必要があるときというので事業費も事務費も補助できるというふうになっておりますが、こういう自治事務に関する奨励的補助金の支給については、地方財政法九条の趣旨もありますので、事務費まで補助する必要があるかどうかということについては個別に判定をすることになっていくだろうと思います。
地方財政法第十六条のその施策とは何かというのは、これは、国は、その施策を行うため特別の必要があると認めるときと規定しておりまして、その施策というのは、国の施策遂行のための必要性に応じて交付するものでございます。国の施策として地方公共団体が一定の事務事業を行うことを促すために、特別の必要がある場合には国が補助金を交付することが認められていると考えております。
財政法違反かどうかは、先ほど中川財務大臣がお答えしたように、事務費への助成は財政法に反するものではありません。国の施策を実施する上で特別の必要があると思うので事務費を交付するわけで、断じて法律違反ではありません。
総務省の実施本部には、確かに八市町の議会から定額給付金の見直しや撤回を求める意見書が届けられております。他方、今月五日には、和歌山県町村会から定額給付金事業への大きな期待と関連法案の早期成立を求める要望書が三百三十七名の署名付きで提出をされました。また、この六日には、(発言する者あり)よろしいですか、この六日には、地方六団体から関連法案の早期成立を求める緊急申入れが出されたところでございまして、地方公共団体においては、定額給付金事業を含む生活対策、経済・雇用対策等の早期実施への期待がどんどん高まってきているところでございます。
次に、定額給付金を執行しない自治体が出てきたらどうかということでございますが、これは自治事務でございますから、特定の市町村が、うちは定額給付金は配らないと、こう決められれば、それはその市町村民は定額給付金は受け取れませんし、我々は強制することはできません。ただ、政府としては全自治体で実施していただきたいと考えておりまして、そのために市町村の負担が少ないシンプルな形を構築したわけでございます。
所得制限に関しては、私は、昨年十月三十日に生活対策発表の記者会見で麻生総理大臣が述べた、定額減税については給付金方式で全世帯について実施しますと、こうおっしゃられたわけですが、その形が一番いいと一貫して考えておりまして、国会でも私はそのような考えを答弁し続けております。
先月二十八日に制定した定額給付金給付事業費に係る補助金交付要綱の中で、所得を基準とする給付の差異については、これを設けないことを基本とするように地方公共団体に私の考えをお示ししたところでございます。
私が定額給付金を受け取るかというのは、もちろん受け取るわけでございまして、受け取って追加的な消費のために使うわけでございます。私の使い道は、前から申し上げておりますように、私の地元の中の比較的財政力指数の低いうきは市というところに行って高級豚カツかカモなべを食べると、私はそう言い続けているわけです。私が早く高級豚カツが食べられますように、皆様の御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/11
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012・江田五月
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X00720090209/12
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