1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十一年四月二十七日(月曜日)
午後一時三十一分開議
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○議事日程 第二十一号
平成二十一年四月二十七日
午後一時三十分開議
第一 国務大臣の演説に関する件
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○本日の会議に付した案件
一、請暇の件
一、日程第一
一、国民年金法等の一部を改正する法律等の一
部を改正する法律案(趣旨説明)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/0
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001・江田五月
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
浅尾慶一郎君から来る三十日から八日間、佐藤正久君から来る五月二日から九日間、牧野たかお君から来る五月二日から八日間、それぞれ海外渡航のため請暇の申出がございました。
いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/1
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002・江田五月
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
よって、いずれも許可することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/2
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003・江田五月
○議長(江田五月君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件
財務大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。与謝野財務大臣。
〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/3
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004・与謝野馨
○国務大臣(与謝野馨君) 今般、さきに決定されました経済危機対策を受けて、平成二十一年度補正予算を提出することとなりました。その審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明いたします。
まず、最近の経済金融情勢と経済危機対策について申し述べます。
昨年夏以降の経済金融情勢の悪化に対し、政府は、財政措置十二兆円を含む総額七十五兆円規模となる累次の経済対策を取りまとめました。現在、平成二十一年度予算を速やかに執行し、景気回復を最優先課題として取り組んでいるところであります。
しかしながら、平成二十一年度予算を取りまとめた昨年末以降も、我が国の景気は急速な悪化が続いております。世界的な景気後退を背景に輸出や生産が大幅に減少するとともに、雇用情勢も急速に悪化しつつあります。また、企業の資金繰りなど金融環境も厳しい状況にあり、我が国はまさに経済危機とも言える状況に置かれております。
他方、将来に目を転じますと、我が国は、少子高齢化への対応、低炭素社会の構築といった構造的な課題に直面しております。外需依存から内需主導による経済へと体質転換を進めつつ、こうした課題にも適切に対応する必要があります。
また、現下の厳しい経済金融情勢の中、財政政策が成長や雇用の下支えにとって重要であることは国際社会の共通の認識であり、四月二日の金融サミットにおいて、成長や雇用等を回復するため、必要な規模の継続した財政努力を行うこととされたところであります。
こうした経済金融情勢等を踏まえ、四月十日、政府は、経済危機対策を決定いたしました。
本対策においては、第一に、景気の底割れを回避するため、雇用調整助成金を拡充するなど緊急雇用対策の拡充強化を行うとともに、保証・貸付け枠の拡大など企業の資金繰り円滑化等について万全の措置を講じ、あわせて公共事業等の前倒し執行を行います。
第二に、中長期的な成長を図るため、三つの分野について、特に緊急に実施すべき施策を実行いたします。
まず、低炭素革命として太陽光発電や環境対応車、グリーン家電の普及促進に取り組みます。また、健康長寿・子育てとして、地域医療の再生や介護機能の強化等に重点的に取り組むとともに、安心こども基金の拡充等により子育て支援の強化等を行います。あわせて、底力発揮・二十一世紀型インフラ整備として、農地の有効利用等により食料自給力の向上に取り組むとともに、国土ミッシングリンクの結合や港湾、空港インフラ等の整備により、地域間の連携や競争力を強化いたします。
第三に、国民の皆様に安心と活力をもたらすため、防災、安全対策等に取り組みます。また、地方公共団体に対して、地域における公共投資を円滑に実施することができるよう地域活性化・公共投資臨時交付金を、地域の実情に応じたきめ細やかな事業を積極的に実施できるよう地域活性化・経済危機対策臨時交付金を、それぞれ交付いたします。
第四に、需要不足に対処する観点から、住宅取得のための時限的な贈与税の軽減など、税制上の措置を講じます。
本対策の取りまとめに当たっては、経済の下支えに必要な施策や将来の成長力を高める施策などを厳選いたしました。優先順位を明らかにして果断な実施を図ることで、民需の自律的回復を促すこととしております。
こうした取組を行う一方で、中期の財政責任を果たしていくことが必要です。このため、経済情勢の急激な変化や累次の経済対策として実施される措置等を踏まえつつ、財政規律の維持や持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた取組を着実に進めてまいります。
平成二十一年度補正予算の大要について御説明いたします。
まず、歳出面においては、経済危機対策関連として、雇用対策について一兆二千六百九十八億円、金融対策について二兆九千六百五十九億円、低炭素革命について一兆五千七百七十五億円、健康長寿・子育てについて二兆二百二十一億円、底力発揮・二十一世紀型インフラ整備について二兆五千七百七十五億円、地域活性化等について一千九百八十一億円、安全・安心確保等について一兆七千八十九億円、地方公共団体への配慮について二兆三千七百九十億円、合計十四兆六千九百八十七億円を計上しております。あわせて、国債整理基金特別会計への繰入れを計上する一方、経済緊急対応予備費の減額を行うこととしております。
他方、歳入面においては、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から三兆一千億円を受け入れるなどにより、三兆一千六十六億円のその他の収入の増加を見込むほか、七兆三千三百二十億円の建設公債の発行を行うこととしております。
以上によってなお不足する歳入については、やむを得ざる措置として三兆四千八百七十億円の特例公債の追加発行を行うこととしております。今回の措置により、平成二十一年度の公債発行額は四十四兆一千百三十億円となり、公債依存度は四三・〇%となります。
これらの結果、平成二十一年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対し歳入歳出とも十三兆九千二百五十六億円増加し、百二兆四千七百三十六億円となります。
以上の一般会計補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
また、財政投融資計画については、本対策を実施するため、この補正予算において七兆八千四百二十三億円を追加することとしております。
なお、経済危機対策に関連して、租税特別措置法の一部を改正する法律案外一件を提出しております。あわせて、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案外三件も提出されることと承知をしております。
以上、平成二十一年度補正予算の大要について御説明をいたしました。
関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
以上です。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/4
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005・江田五月
○議長(江田五月君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/5
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006・江田五月
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/6
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007・江田五月
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/7
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008・江田五月
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。舛添厚生労働大臣。
〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/8
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009・舛添要一
○国務大臣(舛添要一君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
平成十六年に成立した年金制度改正法においては、長期的な負担と給付の均衡を図り、制度を持続可能なものとするため、基礎年金の国庫負担割合を平成二十一年度までに二分の一に引き上げることとされております。
この法律案は、これを踏まえ、平成二十一年度からの基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げるための所要の措置を講ずるものであります。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、国庫は、平成二十一年度及び平成二十二年度については、現行の基礎年金の国庫負担割合に基づく負担額のほか、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用し、当該額と国庫負担割合二分の一に基づく負担額との差額を負担することとしております。
第二に、所得税法等の一部を改正する法律附則の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源の確保を図った上で、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げを恒久化することその他所要の措置を講ずることとしております。
このほか、関係する法律の改正について所要の措置を行うこととしております。
なお、本法律案は、その施行期日を平成二十一年四月一日と提案いたしておりましたが、衆議院において公布の日に修正されておりますので、御報告いたします。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/9
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010・江田五月
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中村哲治君。
〔中村哲治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/10
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011・中村哲治
○中村哲治君 民主党・新緑風会・国民新・日本の中村哲治です。
年金関連法案の質問に入る前に、一昨日明らかになった豚インフルエンザの問題について、本日二十七日東京新聞によると、麻生総理は、今はまだ人から人へというような段階に来ているわけではないと判断しているとの見解を示したと報じられています。麻生総理と舛添厚生労働大臣に、政府としての現状認識、特に、本日時点で潜伏期にある人が日本にいるかどうか等の認識と、差し迫ったフェーズ4への対応等の対策、国民の皆様へのメッセージを伺います。
さて、昨年、麻生総理は、中央公論三月号に年金についての論文をお書きになりました。以下、この麻生論文の内容と政府の方針やこれまでの答弁との比較を中心にして、年金関連法案について会派を代表して質問をいたします。
平成十六年の年金法改正の特徴は、一つ、百年安心、二つ、年金給付水準は所得代替率五〇%以上、三つ、基礎年金部分の国庫負担は平成二十一年度までに引上げの三つでした。しかし、今年二月に発表された財政検証は十六年改正を覆すものでした。
麻生総理は麻生論文で、政府がどんなに百年安心とうたっても、自戒を込めて言えば、もはや信用する人はだれもいないのだとお書きになっています。これに対して、舛添厚生労働大臣は、三月三十一日の衆議院本会議で、政府といたしましては百年安心とうたったことはありませんと答弁なさっております。委員会でも同じです。
麻生総理、政府は百年安心とうたってこなかったのでしょうか。麻生論文と舛添大臣の答弁のどちらが正しいのか、お答えください。
次に、麻生論文の、もはや信用する人はだれもいないのだという部分についてです。
政府が二月二十三日に発表をした財政検証の報告書では、国民年金の保険料納付率が八〇%の場合、所得代替率すなわち年金給付額が現役世代の手取り賃金の何%になるのかという数字は五〇・一%になるとされました。しかし、その報告書によれば、これらの諸前提は被保険者及び年金受給者等の直近の実績データ等を基礎にして設定しているとあります。直近の納付率といえば、今年一月末時点で六〇・九%です。だから、所得代替率を試算する前提条件は八〇%ではなく六〇%に設定しなくてはならないはずです。それにもかかわらず、厚生労働省は納付率が八〇%未満の数字を出してきませんでした。民主党が粘り強く資料請求をした結果、四月十四日、衆議院での質疑の最終盤になって、やっと数字を出してきました。何と、直近の納付率に近い六〇%で試算したとき、所得代替率は四八・九%、十六年改正で約束をした五〇%を割り込んでしまいます。
しかも、この将来予測について、四月十五日に山井和則衆議院議員が質問をしたところ、舛添大臣は、どの将来予測になるか、それは神のみぞ知るですよと答弁なさいました。このような政府の年金制度に対する姿勢は、まさに麻生論文で、もはや信用する人はだれもいないのだと書かれたとおりであります。麻生総理、あなた自身が信用をしていない制度をそのまま放置をして、税金の投入額を増やすことについてどのようにお考えなのでしょうか、お答えください。
続いて、そもそも国民年金の納付率が六〇%強にとどまっているのかという点について目を向けなければなりません。
四月十七日に舛添大臣は、国民がそれはきちんと払うべきものを払ってくれれば一〇〇%になるわけですと答弁され、また、国民にきちんとこの義務を果たしていただきたいと答弁されています。これに対して、長妻昭衆議院議員は、舛添大臣の答弁について、決定的に欠落しているのは国民の視点ですよと指摘し、未納率については、年金制度が信頼されていない比率なんですよと述べています。国民の皆様の目から見れば、どちらが正しいでしょうか。
ちなみに、麻生論文では、年金不信で国民年金保険料の納付率は六割程度にとどまっている、国民皆年金といううたい文句はもはや死語だと書かれ、また、将来の給付に対する不安が納付率を引き下げ、これを繕うために制度を無理やりつなぎ合わせてきたのが実態なのだと書かれております。まさにそのとおりです。
つまり、麻生論文では、長妻議員の主張が正しいと言っているに等しい。麻生総理、麻生論文にも明確に、抜本改革しか国民の信頼を取り戻すすべはないと書かれています。今回の法案のような無理やり制度をつなぎ合わせるやり方ではなく、今こそ抜本的な年金制度改革に着手すべきではないでしょうか。
この点、民主党は、抜本的な年金制度改革を提示しています。
民主党案では、国民年金を含むすべての公的年金を一元化し、どんな方も個人単位で一つの年金制度に加入していただきます。報酬比例部分を年金制度の基本とし、所得に比例した年金保険料を支払っていただき、生涯を通じてお支払いになった保険料の総額に応じて年金給付額は決まります。そして、その給付額では最低限の生活が賄えない人には全額税を財源とする最低保障年金で補います。
麻生総理、総理が麻生論文で書かれたことは、民主党案なら解決できるのです。具体的に説明をいたします。
麻生論文には、学生や失業者にも一律定額の保険料の負担を求めるのは酷であり、未納問題の解決は難しいと言わざるを得ない、保険料納付が二十五年に満たない場合には年金が全く支給されない仕組みも理解し難いと書かれています。そのとおりです。
民主党案では、学生や失業者などの所得がゼロの人は、所得に比例した年金保険料は当然ゼロになります。保険料納付期間についても、原則的に所得があれば所得に応じて所得税とともに年金保険料も負担するという制度設計になるので未納期間という概念がなくなります。
また、麻生論文には、無年金者は結局、生活保護の対象となる可能性が高く、最後は税金を投入する羽目になると書かれています。麻生論文では、基礎年金の制度自体はそのままに、全額税方式にするという御主張なので、その点は民主党案とは異なります。しかし、無年金対策のためにお年寄りの所得保障を全額税方式の年金で対応するという考え方は民主党案と同じです。
麻生総理、このように具体的な検討をしていけば、麻生論文の思いは民主党案で解決をいたします。これらの具体的な論点への評価も含めて、民主党案への麻生総理の評価を伺います。
さて、基礎年金の国庫負担の引上げについて、平成十六年改正法附則第十六条は、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行うことを前提条件として規定しています。
麻生総理と財務大臣に伺います。
本法案では、所要の安定した財源という財源はどのように確保されているのでしょうか。いわゆる埋蔵金を使って二年間の先延ばしをするということは、所要の安定した財源に当たらないのではないでしょうか。
続いて、年金記録問題について伺います。
麻生論文では、私は宙に浮いた年金問題で民主党が作った国家プロジェクトという考えに賛同するものである、もちろんもっと大きな意味であり、与野党の垣根を越えて国会全体で年金の取扱いを監視しようではないかと書かれています。
麻生総理も御存じのことだと思いますが、民主党では年金記録問題について、毎週火曜日八時から厚生労働部門・総務部門の合同会議を行っています。毎週毎週会議を重ね、二年前の年金記録問題発覚から数えて現在百七回目となりました。社会保険庁や厚生労働省がなかなかデータを出してこないので、一時間の予定の会議はいつも一時間半から二時間、長いときには三時間にもなります。このような社会保険庁や厚生労働省の実態では、政府・与党には麻生論文の与野党の垣根を越えて国会全体で年金の取扱いを監視しようという姿勢は見えないと言わざるを得ません。
麻生総理、社保庁や厚労省の情報公開について、政府として更に迅速に誠実に取り組むことをお約束していただけないでしょうか。
次に、年金記録問題での無年金者への対応です。
四月三日の長妻議員の質問で、消えた年金五千万件のうち、年金記録の回復によって無年金だった人が年金受給者になったケースが千四十八人分もあることが分かりました。現在、百十八万人いると言われている無年金者の実態を調査する三千件程度のサンプル調査について、舛添厚生労働大臣は当初やらないとおっしゃっておりました。しかし、その後、四月十五日には検討すると方針転換なさいました。
舛添大臣、それではいつまでに無年金者三千件のサンプル調査をするかどうかの結論をお出しになるのでしょうか。
最後に、年金代わりになる住宅政策について伺います。
政府の社会保障国民会議最終報告書でも、高齢期の所得保障は自らの勤労所得、財産所得、年金所得の適切な組合せが基本になるが、現実には公的年金が高齢期の所得保障の柱となっているとしています。
日本のお年寄りが貧しくなる原因の一つとして、ローンを払い終えた住宅が資産とならず、財産所得に変わらないことがあります。中古住宅市場を整備すれば、住み替え支援やリバースモーゲージ支援により、お年寄りの住宅は年金代わりに活用できるようになります。しかし、中古住宅市場の整備には、ハウスインスペクター、住宅検査人により中古住宅の品質を金融的にも評価できるようにすること、また、現在、宅地建物取引業者が物件を抱え込み、レインズ、不動産流通機構にきちんと登録をしていない現状を改善することなどが必要でございます。
麻生総理と与謝野大臣にお聞きします。
このような中古住宅市場が抱えている具体的な問題を解決して、住宅が年金代わりになる金融の仕組みをつくる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
本日、私は、麻生論文の前文にあった、与野党で現実的な議論を始めねばなるまい、まずは年金から打開策を探すのはどうだと書かれていたことに真摯にこたえるつもりで質問をさせていただきました。麻生論文を書かれた麻生総理であれば理解していただける内容であったと思います。それでもなお実行できないということであれば、それは麻生総理個人の問題ではなく自民党の抱えている構造的な問題が原因です。
スウェーデンで与野党協議の末、年金制度の抜本改革ができたのは政権交代がきっかけとなったからでございました。それならば、次期衆議院選挙で改めて国民の皆様に年金制度の在り方を問い、政権交代により私たち民主党が中心となって未来の年金制度をつくるという覚悟を示させていただきまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/11
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012・麻生太郎
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 中村議員の質問にお答えをいたします。
まず最初に、豚インフルエンザに関してのお尋ねがありました。
豚インフルエンザにつきましては、政府としても緊急の事態であると認識をいたしております。本日、政府は、在外邦人への情報の提供、検疫・入国審査の強化など対処方針を決定をいたしております。この方針に従い、国民の安全、安心を確保するため、全力を尽くしたいと考えております。
次に、政府として百年安心をうたってこなかったのかというお尋ねがありました。
私が総理就任前に執筆した論文は、平成十六年の制度改正の当時、世上においてそのように語られていたと記憶があったことから記述したものであります。政府として公式に百年安心をうたったことはありませんが、平成十六年の年金改正により、おおむね百年程度を見通して長期的な給付と負担の均衡が維持される仕組みとしたところであります。そうした持続可能な年金制度を確立するためにも、基礎年金の国庫負担の二分の一への引上げが不可欠であり、一刻も早い本法案の成立が必要だと考えております。
次に、年金制度に対して税金の投入額を増やすことをどう考えるかとのお尋ねがあっております。
平成十六年度の年金改正におきましては、今後、急速な少子高齢化が進行していく中で、長期的な給付と負担の均衡が維持される仕組みとしたところであります。先般公表されました財政検証では、現下の厳しい経済情勢におきましても、基礎年金国庫負担の二分の一への引上げを前提として、長期的な給付と負担の均衡の確保は確認されたものと考えております。基礎年金の国庫負担割合の引上げは、年金制度を将来にわたり持続可能なものとするために必要不可欠なものであり、政府・与党の国民に対しての約束として、これを確実に実行する必要があると考えております。
抜本的な年金制度改革に着手すべきではないかとのお尋ねがありました。
年金制度につきましては、平成十六年の改正により、長期的な給付と負担の均衡が確保される仕組みとしたところであり、今回の法案による基礎年金国庫負担割合の二分の一の実現は確実に実行する必要があろうと存じます。
一方、現行制度の運用について、未納、未加入の問題など様々な課題が指摘されている中で、年金制度の在り方につきましては各方面から様々な御提案がなされていることはよく承知をいたしております。国民生活に密接にかかわる公的年金制度をどう改革していくかにつきましては、党派を超え、胸襟を開いて国民的な議論を進めていくことが重要であろうと考えております。
民主党の年金制度改革案についてのお尋ねがありました。
民主党は、すべての年金の一元化や全額税方式を柱とする年金改革案を御提案されているものと承知をいたしております。これは、各方面から様々いただいております御提案の一つとして貴重なものとまず受け止めております。
民主党案につきましては、最低保障年金を始め制度全体として負担と給付の水準をどうするのか、新たに必要となる税財源をどう確保するのか、また、新制度へ切り替えるに当たり、これまで保険料を納めてきた方に対する経過措置をどうするのかなどの課題について具体的に明らかにされる必要があろうと考えております。
いずれにせよ、年金制度の在り方につきましては、国民生活にかかわる重大な問題であることから、党派を超えて国民的な議論が行われるべきものと考えております。
基礎年金国庫負担引上げの財源についてのお尋ねがありました。
本法案におきましては、持続可能な年金制度の構築のために、税制抜本改革による所要の安定財源を確保した上で二分の一を恒久化する、平成二十一年度及び二十二年度につきましては、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入れにより臨時の財源を手当てし、国庫で二分の一を負担することなどといたしております。
今後、消費税を含む税制抜本改革の実施により、年金制度を含みます社会保障の安定財源を確保したいものと考えております。
年金記録問題についての情報公開についてのお尋ねもあっておりました。
年金記録問題につきましては、これまで、現状や取組の進捗状況などについて関係閣僚会議などにおいて報告を行ってきたものと承知をいたしております。引き続き、国民の御理解を得られるよう、適切かつ迅速に情報公開を行うよう努めてまいりたいと考えております。
最後に、中古住宅市場、いわゆるリバースモーゲージについてのお尋ねがありました。
高齢者の住宅資産の金融面での活用も含め、安心して暮らせる環境を整備することは重要な課題と認識をいたしております。このため、中古住宅の適正な評価、また取引情報の的確な提供などにより、中古住宅市場の整備を図っていくほか、持家の賃貸活用の促進による住み替え支援などを進めてまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/12
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013・舛添要一
○国務大臣(舛添要一君) 中村議員から豚インフルエンザについてお尋ねがございました。
今回のメキシコとアメリカにおける豚インフルエンザの発生事例に関しまして、二十六日未明、WHOの緊急委員会の会合が開催されたところですが、それを受けて、WHOは、現在の状況を国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であると位置付けました。
厚生労働省といたしましては、こうした事態を受けまして、水際対策としてメキシコ便を中心に検疫体制の強化を図ってきたほか、各地方公共団体等に対して保健所等における相談窓口の設置について依頼するとともに、厚生労働省内にもコールセンターを設置することによって国民の皆様の不安の解消に努めてきたところでございます。
今後もこうした取組を続けていくほか、海外からの正確かつ迅速な情報収集に努め、万が一WHOにおいて人から人への効率的な感染が確認され、フェーズ4宣言がなされた場合には、新型インフルエンザ対策行動計画等に従い関係省庁と密接に連携しながら、更に国内へのウイルスの侵入を防ぐための水際対策を徹底いたします。
先ほど潜伏期についてお尋ねがございました。これは、WHO、CDCを含めてこのウイルスの特性について研究中でございまして、目下のところ不明でございます。
また、現在のところ、今般流行しつつあるウイルスについては、タミフル、リレンザが有効であるとの情報を入手しておりますので、国民の皆様にこうした薬を確実に届けるべく万全を期してまいりたいと考えております。
厚生労働省といたしましては、国民の皆様の生命、安全を守るべくこうした取組を全力で進めるとともに、引き続き、国民、地方自治体、医療関係者等に対し正確な情報提供を行い、落ち着いて感染防止策などの準備を進めるよう呼びかけてまいります。
続きまして、無年金者のサンプル調査についてお尋ねがございました。
無年金者である方に対しては、ねんきん特別便をお送りして御自分の記録を確認いただくなど、言わば全数調査の形で取り組むことが最も効率的で効果的であるというのが私の基本的な考え方でございます。しかしながら、御指摘のサンプル調査につきましては、無年金者の実態を明らかにするという観点から意味があるのではないかという指摘も理解できるところでございます。
いずれにしましても、この調査を実施することについて、御党よりできるだけ速やかに調査を行うよう御要請をいただいていることもありまして、まずどのような調査が意味があるのか、そして、実施する場合には効果的、効率的な調査の具体的な方法や内容をどうするのかなどについて目下検討を進めているところでございます。(拍手)
〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/13
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014・与謝野馨
○国務大臣(与謝野馨君) 中村議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、基礎年金の国庫負担の引上げの財源についてのお尋ねがありました。
今般の法案においては、平成二十一年度及び平成二十二年度において、財政投融資特別会計の一般会計への繰入れにより臨時の財源を確保し、基礎年金の二分の一を国庫で負担することとしております。その上で、今後、公的年金制度を持続可能なものとするため、二〇一一年度に向けて景気が回復するよう全力を尽くし、経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく税制抜本改革を実施することにより安定財源を確保してまいります。
次に、高齢者が保有する住宅の活用についてのお尋ねがありました。
我が国の家計部門は、実物資産、金融資産を合わせて約二千五百兆円の資産を保有しており、その有効活用は経済の活性化を図る上で重要な課題であると認識しております。議員御指摘のリバースモーゲージは、高齢者が住み慣れた住宅に住みながら安定した生活を送ることを可能とする点において、家計資産活用の有意義な仕組みの一つであると考えております。リバースモーゲージ普及のためには、中古住宅の適正な評価が行われるような流通市場の整備が重要であります。政府としては、中古住宅の流通が円滑に行われる市場の整備に向け、取引情報の的確な提供などの取組を行っているところであります。
こうした取組をも含め、今後とも家計が保有する資産の有効活用を図る取組を進めてまいりたいと考えております。
以上です。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/14
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015・江田五月
○議長(江田五月君) 西島英利君。
〔西島英利君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/15
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016・西島英利
○西島英利君 自由民主党の西島英利でございます。
私は、自由民主党、公明党を代表しまして、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に関しまして、総理並びに厚生労働大臣に質問をいたします。
まず、質問に先立ちまして、豚インフルエンザに関して一言申し上げます。
メキシコを始めアメリカなど各国に広がりを見せており、我が国においても入国者の水際対策や監視体制の強化、相談窓口の拡充などが進められているところであります。今後とも、政府におかれては、国民生活の安全確保の観点から、行政挙げて万全の態勢で臨み、各国とも協調して一刻も早く事態を収束されるよう強く要請をしておきます。
さて、社会保障の改革は、少子高齢化が進展する現在にあって、制度を将来にわたり堪え得るものにするために間断なく見直さなければならない重要な改革であります。医療、介護、年金と幅広い分野で総合的、抜本的な改革が進められなければなりません。
特に年金問題は、近年、社会保険庁問題、年金記録問題に代表されるように、国民の不信、不満が高まりを見せ、今もって完全には解消されていません。我々与党は、政府と一体となって国民の年金問題に関する安心を実現すべく、今後とも不断に努力を重ねてまいります。
さて、平成十六年に公的年金制度について全面的な改革の姿が描かれました。保険料負担に上限が設けられるとともに、負担と給付の均衡を図る抜本的な改正が実現したのであります。今回の法改正による基礎年金国庫負担の二分の一への引上げは、平成十六年の改革を受けた年金改革の一環であり、これが実現しなくては平成十六年に計画された公的年金改革の全体像が実現しないことになる重要なものであります。
そこで、まず、今回の法改正に至った経緯、そして年金改革の全体像における今回の法改正の意義や重要性について、総理から分かりやすく国民に御説明をお願いいたします。
基礎年金国庫負担の二分の一への引上げに関係して、その財源問題について伺います。
平成二十一年度、二十二年度は、財政投融資特別会計の積立金の活用などによって財源が捻出されることになっております。しかしながら、平成二十三年度以降は、今のところ具体的に財源手当てが担保されていません。法案の中には、税制改正法に基づく税制の抜本的な改革により所要の安定財源を確保した上で、二分の一を恒久化する旨の規定が明記されています。また、昨年末に社会保障安定財源の確保等を目的として閣議決定されたいわゆる中期プログラムにおいては、消費税を含む税制の抜本改革を平成二十三年度より実施できるよう必要な法制上の措置をあらかじめ講じることが盛り込まれています。
国民の年金問題に対する不安感は、長期にわたる制度設計の継続性への疑念とともに、どのようにいつの時点で税制を改正し財源を確保するのか明確になっていないことからも来ています。総理は、この国民の不安に対して、しっかりした財源手当ての道筋をどのように描かれているのか、御所見をお伺いいたします。
財源手当てと関連して、国民負担の問題をどう考えるのかについて伺います。
我が国の国民負担率は現在四〇%程度と、欧州の福祉国家の多くが六〇から七〇%であるのに比べ依然として低い水準にあります。総理や厚生労働大臣は国会答弁などで、中福祉中負担の国が望ましいと言われていますが、将来的な国民負担率の水準をどう判断されているのでしょうか。税か社会保障かという国民負担の在り方やその適正と判断される水準に関して、総理の御認識をお伺いいたします。
大きな社会問題になった年金記録問題に関して伺います。
今、行政官庁は、年金記録を回復することで年金受給者や現役世代の信頼を高めようと大変な作業を行っている最中であります。今後とも、行政を挙げて、最後の一人までを目標に、年金記録の回復に向けて血の出るような努力をしなくてはなりません。年金記録問題について、厚生労働大臣の御認識と解決に向けての取組姿勢を伺います。
社会保険庁に関しては、抜本的な組織改革が行われ、平成二十二年一月からは日本年金機構に移行し、全く新たな体制として生まれ変わります。日本年金機構は、これまでの厳しい反省に立って、年金受給者のみならず、国民一人一人に対してきめ細かく丁寧に対応できる組織にすることはもちろんのこと、国民監視の下で透明性のある組織運営にすべきであります。そうでないと国民は納得しません。
また、社会保険庁では、労働組合の役職員が勤務時間中に組合活動に専従するという、いわゆるやみ専従が横行する問題がありました。調査によると、彼らに対して約九億円の給料が国民の血税の中から支払われていた事実が分かりました。これまで明らかになった社会保険庁の問題は数え上げれば切りがなく、日本年金機構の発足で組織体質が一新されることを期待しています。日本年金機構の発足に向けて、厚生労働大臣の御認識とその運営の方針に関して国民が納得する御説明をお願いをいたします。
社会保障カードに関して伺います。
年金記録問題にも関係しますが、全国民が一つの統一された番号によってあらゆる社会保障サービスを受ける際の手続ができるようなシステムが構築されれば、そのメリットは大きなものが期待されます。IT化が進む中で、行政面での手続や作業処理も個人の社会保障番号によって迅速かつ正確に進めることができるようになります。
ただ一方で、セキュリティーの問題、プライバシーの侵害や情報の一元管理に対する不安などが指摘されるところであります。これに対しては、ICカードの導入や厳格な本人確認の仕組みが必要でしょうし、安全網をしっかりと構築し、罰則規定を十分厳しくすることで、個人情報の漏れやその悪意の利用を完全に防止しなければなりません。
厚生労働大臣には、社会保障カードの導入に際して、そのメリットとリスクとともに、実現に向けてクリアすべき課題などを明確に御説明ください。
最後になりますが、百年に一度と言われる経済状態の中で、国民は老若男女、サラリーマン、自営業を問わず、景気や企業の業績、自らの雇用などの先行きについてかつてないほど不安を抱いています。そうした状況だからこそ、社会保障、とりわけ年金制度がぶれたり、基盤が脆弱になったりすることはあってはなりません。
我々政府・与党は、国民生活の基盤をより盤石なものとする法改正を行うことをここに固くお約束し、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/16
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017・麻生太郎
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 西島議員の質問にお答えさせていただきます。
まず、豚インフルエンザに対する取組について申し上げさせていただきます。
本日、政府は、在外邦人への情報提供、検疫・入国審査の強化などの対処方針を決定したところです。この方針に従いまして、国民の安全、安心を確保いたすために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
続いて、国民年金法改正法案に関してお答えを申し上げます。
最初に、本法案の制定の経緯、意義や重要性についてのお尋ねがあっております。
基礎年金の国庫負担の引上げは、年金制度の長期的な給付と負担の均衡を図るものとして、平成六年の年金改正以来、長年にわたる課題となっていたものであります。
平成十六年の年金改正では、将来の保険料水準を固定すること、その保険料負担の範囲内で年金給付を賄うこととし、給付水準に人口構成などを反映させる仕組みを導入すること、基礎年金の国庫負担割合を二分の一へ引き上げることなどにより、将来にわたり持続可能な制度とすることにしたという経緯であります。
今回の改正は、平成十六年の改正で決まった年金財政の枠組みにおいて必要不可欠なものだと考えております。政府・与党の国民に対する約束として、これを確実に実行する必要があろうと考えております。
次に、基礎年金国庫負担引上げの財源についてのお尋ねがあっております。
本法案におきましては、持続可能な年金制度の構築のためには、税制抜本改革による所要の安定財源を確保した上で二分の一を恒久化する、平成二十一年度及び平成二十二年度につきましては、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入れにより臨時の財源を手当てし、国庫で二分の一を負担することなどといたしております。
今後、中期プログラムに基づきまして、消費税を含む税制抜本改革を実施することにより、年金制度を含む社会保障の安定財源を確保したいと考えております。
国民負担の在り方についてお尋ねがありました。
日本の社会保障は、高福祉高負担と称されております北欧諸国に比べまして給付や負担の水準は高くありません。他方、全国民をカバーをいたします医療制度を持たない米国などとは異なり、国民皆保険・皆年金、介護保険などを実現をいたしております。こうしたことから中福祉中負担と表現をいたしております。
しかしながら、社会保障の現状を見ますと、医師不足、介護人の不足など国民が不安を抱く課題というものに直面をしており、必ずしも中福祉の社会保障レベルとは言い難い状況もあるのではないかと考えております。また、現段階で特定の水準の国民負担率を想定しているわけではありませんが、中福祉に見合う税制抜本改革の実現によりまして、国民の皆様に中負担をお願いすることが必要だと考えております。
そのため、昨年末策定した中期プログラムでは、社会保障の安定財源につきましては消費税を主要な財源として確保する、また、安定財源の確保と並行して、社会保障の機能強化を図るとともに効率化を進めることなどにより、中長期的な課題を含め工程表としてお示しをしたところです。
こうした取組により、堅固で持続可能な中福祉中負担の社会保障制度を構築してまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣舛添要一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/17
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018・舛添要一
○国務大臣(舛添要一君) 西島議員から、まず年金記録問題の解決に向けた取組についてお尋ねがございました。
公的年金制度に対する信頼回復のためにも、年金記録問題の解決は重要な課題であります。そのため、まずは昨年、すべての受給者、加入者、約一億九百万人にねんきん特別便をお送りし、本年一月末時点で回答をいただいた方のうち約九割に当たります六千五百万人の記録確認作業が既に終了したところであります。
さらに、関係閣僚会議で示した具体的な対応方針では、年金記録問題への従事者数を全体で一万人を超える規模とすることや作業の効率化等により取組を集中的、計画的に実施することとしております。このような方針に沿って、引き続き年金記録問題の解決に向けた様々な取組を着実に進めてまいります。
次に、日本年金機構についてお尋ねがございました。
社会保険庁における様々な問題を一掃し、国民の年金制度に対する信頼を回復するため、社会保険庁を廃止し、平成二十二年一月に日本年金機構を設立することとしております。
日本年金機構におきましては、意欲と能力のある人材のみを採用し、能力と実績による人事管理、国民のニーズに応じた更なるサービスの向上、外部委託などによる事業の適正かつ効率的な実施を図っていくこととしております。日本年金機構が国民に信頼される組織となるよう、設立に向けた準備に全力で取り組んでまいります。
最後に、社会保障カードについてお尋ねがございました。
社会保障カードにつきましては、平成二十三年度中をめどに導入できるよう現在検討を行っているところであります。この社会保障カードによって、年金記録等の社会保障に関する御自分の情報を自宅などからいつでも入手できるようになるとともに、保険者、医療機関等における事務の効率化を図ることができるなどのメリットがあるものと考えております。他方、社会保障カードに関しましては、プライバシーの侵害につながりかねないといった懸念があることも承知しており、こうした不安が極力解消される仕組みを検討しております。また、医療機関等における円滑な導入や国民電子私書箱等ほかの関連する施策との連携などについても十分配慮して検討を進めてまいる所存でございます。
以上でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/18
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019・江田五月
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/117115254X02120090427/19
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