1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二十九年五月十六日(火曜日)
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議事日程 第十九号
平成二十九年五月十六日
午後一時開議
第一 農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
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○本日の会議に付した案件
日程第一 農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後一時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/0
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001・大島理森
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
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日程第一 農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/1
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002・大島理森
○議長(大島理森君) 日程第一、農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。農林水産委員長北村茂男君。
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農村地域工業等導入促進法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔北村茂男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/2
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003・北村茂男
○北村茂男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における農業、農村をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、農村地域において就業の場を確保するため、農村地域への導入を促進する産業の業種を全業種に拡大する等の措置を講ずるものであります。
本案は、去る五月九日本委員会に付託され、翌十日山本農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、十一日質疑を行いました。質疑終局後、討論を行い、採決をいたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/3
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004・大島理森
○議長(大島理森君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/4
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005・大島理森
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第二 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/5
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006・大島理森
○議長(大島理森君) 日程第二、通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。国土交通委員長西銘恒三郎君。
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通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔西銘恒三郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/6
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007・西銘恒三郎
○西銘恒三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、外国人観光客の急増等に対応した受け入れ環境の整備等を図るための措置を講じようとするものであります。
その主な内容は、
第一に、通訳案内士の資格について、業務独占を廃止し、名称独占のみとするとともに、地域通訳案内士の資格制度を創設すること、
第二に、いわゆるランドオペレーターについて登録制度を創設すること
などであります。
本案は、去る五月二日本委員会に付託され、十日石井国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、十二日質疑を行いました。
質疑終了後、本案に対し、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四会派共同提案により、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の有効期限が延長されたことに伴い必要となる技術的な修正を加えることとする修正案が提出され、趣旨説明を聴取しました。
次いで、討論を行い、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/7
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008・大島理森
○議長(大島理森君) 採決をいたします。御着席をいただきたいと思います。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/8
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009・大島理森
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
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日程第三 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/9
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010・大島理森
○議長(大島理森君) 日程第三、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
委員長の報告を求めます。外務委員長三ッ矢憲生君。
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原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔三ッ矢憲生君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/10
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011・三ッ矢憲生
○三ッ矢憲生君 ただいま議題となりました日・インド原子力協定につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本協定は、平成二十八年十一月十一日に東京において署名されたものであり、我が国とインドとの間で、原子力の平和的利用に関する協力のための法的枠組みについて定めるものであります。
その主な内容は、
本協定のもとでの協力は、平和的非爆発目的に限って行うこと、
国際原子力機関による保障措置の適用を受けること、
核物質等の防護措置を確保すること、
移転された核物質等は、一定の条件に従ってインドにおいて再処理できること
等であります。
本件は、去る四月十四日に本会議において趣旨の説明及び質疑が行われ、同日外務委員会に付託されました。
本委員会におきましては、二十一日に岸田外務大臣から提案理由の説明を聴取し、二十八日に参考人に対する質疑を行い、五月十日及び十二日に政府に対する質疑を行いました。同日、質疑を終局し、討論の後、採決いたしましたところ、本件は賛成多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/11
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012・大島理森
○議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。小熊慎司君。
〔小熊慎司君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/12
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013・小熊慎司
○小熊慎司君 民進党の小熊慎司です。
私は、民進党・無所属クラブを代表いたしまして、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定、いわゆる日印原子力協定に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
昨年開かれた五年に一度の核拡散防止条約、いわゆるNPT再検討会議では、NPT体制の弱体化に大きな警戒感が示されました。その最大の要因は、核兵器国が約束した核兵器削減計画が進んでいないこと、また、核兵器保有国が実際どのくらい核弾頭を保有しているかも不明であって、それに対し、非核兵器国から大きな不満が出たためです。
そうした中で、核兵器国を主要なメンバーとする原子力供給国グループ、NSGが、二〇〇八年九月、インドにNPT未加盟のまま核関連物質、技術の輸入を例外的に認めて、インドが査察対象とならない軍事用の核施設を合法的に持ち得たこと、さらには、民生用原発の核燃料の確保が保証されることで、結果的に、乏しい国内のウラン資源を軍事用に回すことが可能になったということは、幾ら強弁しても、NPT体制を強化するものであると言えるはずはありません。
しかるに、NPT条約上の非核兵器国である日本までもが、インドとの原子力協定を、国際的な核不拡散体制にインドを実質的に参加させることにつながっていくと述べて、NPT体制をまるで強化するかのように主張して、インドに原発やその関連技術、部材を輸出しようとしていることは、NPTの信頼性を傷つける以外の何物でもありません。
原子力協定とは、そもそも、原子炉などの輸出を解禁する一方、その関連技術や核物質を核兵器に転用しないことを確認する保障措置の受け入れを相手国に義務づける二国間協定を指す国際法上の用語です。
しかし、インドは、確かに、二〇〇八年九月のムケルジー外相声明、いわゆる九月五日声明で、核実験のモラトリアムの継続、軍民分離の実施、厳格な輸出管理措置を含む約束と行動をうたっているわけですが、残念ながら、協定本文に、二〇〇八年九月の外相声明に違反した場合に協力を停止するとの内容は盛り込まれていません。
さらに、委員会での質疑で、政府は核実験モラトリアムのみを強調し、核爆発を伴わない未臨界実験については、全てが把握できていないことが明らかとなりました。
また、インドにおける将来の核先制不使用政策の方針転換の問いには、答弁に窮する事態となり、最終的に岸田外務大臣が、政策転換があれば協力終了すると明言をされましたが、これは今後において重大な事柄となります。
インドの核先制不使用政策からの転換は、現実的な問題です。つまり、二〇一四年、インドでの下院総選挙で、モディ現政権のインド人民党は、党の選挙マニフェストにおいて、核政策見直しの中に核先制不使用政策の転換が含まれています。それは、核武装する隣国パキスタンは核先制不使用を宣言せず、現在は、パキスタンの核攻撃第一弾をインドが受け甚大な被害となり、核兵器で反撃する構図であるからです。これに対してインド人民党内、インド国内世論の反発は強いものがあり、核先制不使用政策転換が現実味を帯びています。
さらに、政府は協定第十四条一項に基づいて協力を即時停止すると言っていますが、既に稼働している場合に、輸出済み、かつ稼働原発からの汚染資機材や使用済み核燃料、再処理や濃縮により生成されたプルトニウムを、最終貯蔵施設を持たず、中間貯蔵施設もほぼいっぱいになりつつある日本に国費を使って持ち帰るなど、実際上、できる話ではありません。
インドの原子力損害賠償責任法では、万一の事故の際、発電事業者だけでなく、原子炉などの設備を納入した企業にも事故の責任を負わせる仕組みとなっています。そのために、アメリカとインドは、二〇一五年一月に事故の損害賠償はインド側がつくる保険制度で賠償することで合意をしています。
仮に、インドとの合意なく、日本が一方的に協力を停止した場合、事故の場合よりももっと、インド側が日本の責任を追及する可能性が高いものと考えます。いずれにせよ、そうしたリスクに見合った協定であるのか、極めて疑問と言わざるを得ません。
日本では、東電の原発事故によって国内の新規原発建設がとまり、さらに、東日本大震災以降停止した原発の再稼働も進まず、このままでは国内の原子力産業が衰退しかねないため、原子力技術や資材の輸出に新たな活路を求めようと、インドと原子力協定を結ぼうとしたものであります。
しかし、世界進出を図った東芝が破綻の危機にあるように、原発の輸出は、事故もさることながら、建設工事の遅延や資機材の調達のふぐあいといったことで莫大なリスクを負うことが明らかになってきました。
さらに、今回の東芝とアメリカ・ウェスチングハウスとの提携解消によって、これまでアメリカ・ウェスチングハウスが東芝との提携を前提として獲得した商談が今後破綻するようなことになれば、東芝がさらなる賠償責任を負わされる可能性もあるのではないかと考えます。
このように、原発輸出が単純にもうかると考えること自体、非現実的であり、その意味でも、インドとの原子力協定を認めるわけにはいきません。
我々民進党は、東京電力福島第一原発事故を教訓にして、あらゆる資源を投入して二〇三〇年代に原発ゼロを目指すと公約をしております。そのためには、省エネ技術を推し進めるとともに、再生可能エネルギーを最大限活用する必要があります。しかし、そのためには、我が国のエネルギー体系を、現在の大規模発電設備を中核に据えた集約型から、エネルギーの地産地消を基本とした地方分散型に大胆に変換する必要があります。
日本は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現のために、包括的核実験禁止条約の締結に尽力するなど、核軍縮を積極的に推進するとともに、技術的にほとんど重複する核の平和利用についても、脱原発をてことして、できる限り縮小していくことが日本の国際的使命であるというふうに思います。
この後、採決が行われますけれども、我々は原発としっかり向き合っていかなければなりません。
たびたび、総理におかれては民進党の支持率に御指導いただきます。これは私は真摯に受けとめたいと思います。しかし、福島県内では、安倍政権の支持率は、一〇ポイント以上不支持率が上回っています。これはやはり、原発に対する向き合い方、その姿勢がその不支持率にあらわれていると言えるのではないでしょうか。
原発を処理する際に、十万年という時間をかけて使用済み核燃料を保管しなければならない。実現をしていない高速増殖炉があったとしても、三百年です。三百年前はちょうど、この日本においては、江戸町奉行に大岡越前が就任をした年であります。大岡越前が、負の遺産を三百年も、責任を持って、政治の責任を全うするということが言えたでしょうか。我々は、歴史的な負の遺産ではなくて、次世代のために正しい遺産を残すことが政治家の使命であるというふうに言えます。
ぜひとも、この協定の賛否を問う前に、皆さん自身が自分自身に問いかけていただきたい。そして、これからの日本のために、世界のために、責任ある行動で表決をしていただきたい。我々は、責任ある政治家として、原発と真摯に向き合って、この原子力協定に反対をいたします。
最後に、会津武士道精神の一つである、ならぬことはならぬと申し上げて、反対討論を終わります。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/13
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014・大島理森
○議長(大島理森君) 笠井亮君。
〔笠井亮君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/14
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015・笠井亮
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、日・インド原子力協定の国会承認に反対の討論を行います。(拍手)
冒頭、重大な内容を持つ本協定の外務委員会における審議がいよいよこれからというとき、質疑を尽くさず終局し、採決されたことに強く抗議します。参考人質疑でも、賛否を超えて三名の方々全てから、国会でしっかり審議を、ぜひ慎重に審議、批准反対の方向で議論を、さらには、資料を公開して慎重な審議をとの表明がありました。こうした意見を無視して採決を強行したことは極めて重大であります。
インドは、核不拡散条約、NPTに加盟せず、包括的核実験禁止条約、CTBTに署名すらしておらず、一九七四年と九八年に核実験を行った核保有国であります。唯一の戦争被爆国日本が、このような国と初めて原子力協定を締結することは、インドの核兵器開発を追認し、核保有国としてのステータスを強めるものにほかなりません。
今、北朝鮮の核兵器開発をどうとめるかが大きな焦点になり、核兵器全面廃絶につながる禁止条約づくりが進む中、本協定が世界の流れに逆行するものであることは明らかです。
本協定では、日本が協力する原子力施設などが保障措置のもとに置かれることにより、日本の支援の結果生成されるプルトニウムなどの核物質が核兵器開発に利用されることはないとしております。しかし、インドが日本から新たに協力が得られる部分を民生用とし、その分、独自に生産する核物質が軍事利用に回れば、日本の協力が結果として軍事利用に資することになりかねません。
また、本協定には、日本がベトナムやヨルダンと結んだ原子力協定では明記された、核実験が行われた場合に協力を停止する旨の規定すら盛り込まれていません。政府は、第十四条により、理由のいかんにかかわらず協定を終了できるため問題はないとしていますが、インド側の反対により従来の日本側の対応を曲げたものであり、協定上、核実験への歯どめがないと言わざるを得ません。
広島、長崎市長は、本協定について、それぞれ談話で、核物質や原子力関連技術、資機材の核兵器開発への転用の懸念やNPT体制の空洞化への危惧とともに、核兵器を廃絶する上での障害となりかねない、被爆地として極めて遺憾と表明しています。政府は、被爆地の痛切な意見を重く受けとめるべきであります。
本協定は、安倍政権の成長戦略に基づき、インフラ輸出の柱としての原発輸出をさらに推進しようとするものであります。
東京電力福島第一原発事故から六年余り、いまだ事故は収束せず、原因究明さえできていません。多くの被災者の苦しみが続く中、国と東電が福島を切り捨てながら、危険な原発のインドへの輸出を推進する政府の姿勢は重大であり、断じて許されません。
原発事故による避難を自己責任だと言う大臣を任命した安倍首相は許せない、原発事故を起こした国が大企業の利益のために原発を輸出するなんて倫理的にも許されない、こうした国民の声を政府は真摯に受けとめ、今こそ原発輸出と再稼働を中止し、原発ゼロに転換すべきです。
本協定の廃案を強く求めて、私の反対討論とします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/15
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016・大島理森
○議長(大島理森君) 足立康史君。
〔足立康史君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/16
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017・足立康史
○足立康史君 日本維新の会の足立康史でございます。
私は、党を代表して、ただいま議題となりました日印原子力協定の国会承認について、反対の立場から討論いたします。(拍手)
私たち日本維新の会は、日印原子力協定に反対をいたしますが、他の野党とは異なる立場からの反対であることを初めに強調しておきたいと存じます。
他の野党の反対理由を伺うと、NPTにもCTBTにも加盟していないインドに原発を輸出することは核不拡散という高邁な理念に逆行するとの考えがあるようです。
しかしながら、そもそも、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威が新たな段階に突入する中、核不拡散や核廃絶を声高に叫ぶだけで国民の安全を確保していくことができるというのは、余りにナイーブであると言わざるを得ません。
米国本土が北朝鮮のICBMの射程に入る蓋然性が高まり、トランプ政権があらゆる選択肢がテーブルの上にあると態度を硬化させる中、日本にとって大事なことは、建前論に終始するのではなく、むしろ、北朝鮮が既に核兵器を保有しているという新しい現実に冷徹に向き合うことであるはずであります。
北朝鮮の核、ミサイルの脅威を取り除くためにも、NPT体制の再構築を含めて検討の俎上にのせ、冷徹に対処していくことが必要なのであります。
ところが、岸田大臣は、委員会質疑において、日印原子力協定を締結することがインドを核不拡散体制に取り込むことにつながるという趣旨の答弁に終始しました。これでは、既存のNPT体制を金科玉条のように前提にしているという点で、野党四党と何ら変わりがないと指摘せざるを得ません。
そもそも政府・与党は、我が党が国会に提出している原発再稼働責任法案についても一顧だにせず、原子力政策における国の責任のあり方等について検討し抜本的な見直しを行うという原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の規定さえ満足に実施できていないのであります。
東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえた原子力政策の抜本見直しも完遂できず、北朝鮮の核兵器保有をも許してしまった今の日本政府に、NPT体制のほころびであるインドとの原子力協定を締結する資格なしと断じて、反対討論とさせていただきます。
以上です。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/17
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018・大島理森
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/18
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019・大島理森
○議長(大島理森君) 採決いたします。
本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/19
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020・大島理森
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
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児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/20
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021・大島理森
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣塩崎恭久君。
〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/21
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022・塩崎恭久
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
児童虐待防止対策に関しましては、平成二十八年五月に成立をした児童福祉法等の一部を改正する法律において、子供の権利を初めて法律上明確に位置づけるなどの抜本的な見直しを行いましたが、この法律の附則第二条第二項において、要保護児童を適切に保護するための措置に係る手続における裁判所の関与のあり方について、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされました。
この規定を踏まえ、児童の保護についての司法関与の強化等を行い、虐待を受けている児童等の保護を図るため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、虐待を受けている児童等の保護者に対する指導への司法関与であります。
家庭裁判所は、里親委託、施設入所等の措置に関する承認の申し立てがあった場合は、都道府県等に対し、保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができることとするとともに、勧告を行った上で申し立てを却下する審判をする場合においても、家庭裁判所は、都道府県等に対し、当該指導措置をとるよう勧告することができることとしています。また、家庭裁判所がこれらの勧告を行ったときは、その旨を保護者に通知するものとしています。
第二に、一時保護に対する司法審査の導入であります。
二月を超えて引き続き一時保護を行うことが親権者等の意に反する場合は、都道府県知事等は、家庭裁判所の承認を得なければならないこととしています。
第三に、接近禁止命令を行うことができる場合の拡大であります。
都道府県知事等は、保護者の同意のもとで里親委託、施設入所等の措置がとられ、または一時保護が行われている場合にも、児童虐待を行った保護者が児童の身辺につきまとってはならないこと等を命ずることができることとしています。
この法律の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。
政府は、この法律の施行後三年を目途として、児童相談所の体制の整備の状況、家庭裁判所の関与のもとでの要保護児童を適切に保護するために児童相談所等がとる措置の実施状況等を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしています。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/22
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023・大島理森
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。阿部知子君。
〔阿部知子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/23
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024・阿部知子
○阿部知子君 民進党の阿部知子です。
ただいま議題となりました児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について、民進党を代表して質問いたします。(拍手)
冒頭、この間の国会運営には大きな瑕疵があることを指摘したいと思います。
民進党として、五月九日、政治家同士の真摯な討論を妨げる法務委員長の解任決議案を提出、数において否決はされましたが、今後とも、立法府のあり方について常に問題提起を続けてまいります。
さて、過日、千葉県松戸市において、登校途中に暴行殺害、遺棄されたベトナム国籍の少女、レェ・ティ・ニャット・リンさんと御家族に、改めて心よりお悔やみを申し上げます。そして、五月五日の容疑者の再逮捕を機に、一日も早く真実が解明されることを祈ります。
また、リンさんの祖国ベトナムに対しても、このいたいけな少女を守ることができなかった日本社会の非力について深くおわびを申し上げるとともに、事件の全貌解明、厳重な処罰と再発防止に全力を注ぐ決意をお伝えすべきと思いますが、岸田外務大臣はどのような行動をとられたでしょうか。
民進党は、こうした悲劇を一日も早く終わらせるために、法務省から提出された性犯罪に係る刑法の一部を改正する法律案の早期成立を強く求めております。
そもそも国会の提出順序でいえば、刑法改正案が共謀罪に先行しておりました。今回の改正案は、性暴力の被害の当事者の方々が苦しみの中から声を上げ、あるいはみずからがその事実を言い立てることすらできない幼い被害者、さらには暴行の果てに殺害されていった犠牲者など、無言の被害者に寄り添い、手弁当で支援に当たってこられた関係者の方々の長年の努力の結実です。
明治時代から百十年ぶりの改正へとつながった今回の刑法改正案は、立法背景も法案の構成要件もろくろく説明できない共謀罪法案とは全く質が異なるのです。繰り返しますが、早期に成立が必要なのは、共謀罪ではなくて刑法改正案です。
刑法改正案では監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪が新設されます。
平成二十七年度における児童相談所の児童虐待相談数十万三千二百八十六件のうち性的虐待は千五百二十一件、また、市町村における虐待相談九万三千四百五十八件のうち千七十七件で、おのおの全体数の一・五%から一・二%とされておりますが、それらは氷山の一角であり、まだまだ潜在する事案は山ほどあるはずです。
本改正案が成立すれば、本人や保護者からの申告や暴行脅迫要件を満たさなくても、保護者、監護者による性的虐待に対して刑事罰を問うことができます。
実の父親に性的虐待を受けた当事者として、現在、刑法改正を訴える山本潤さんが、書籍「十三歳、「私」をなくした私」を上梓し、その本の中では、家庭という閉ざされた世界で繰り返される性暴力は、私の認知をとてもゆがませてしまった、被害を受けることで自分は価値がない人間だとも思った、大事にしてもらえる人間だと思えなくなる、人間とかかわり合いながら生きていくための感覚が壊されるということと、性的虐待がどれほど人間の奥深くに影響を及ぼすかが描かれております。まさに魂の殺人とも言われるゆえんです。
今も、どこかで、声を出せずにいる幼い被害者、強姦の果てに殺されていく被害者がいます。それらを許さないためにも、一刻も早い刑法改正案の成立を重ねて求めます。
また、そうした性暴力被害者支援として、緊急の医療的ケアも含めたワンストップ支援センター設置を強力に推進するための法案も昨年の暮れに五野党で共同提案いたしております。あわせて、この法案につきましても御審議いただくことを強くお願いを申し上げます。
以下、本題である児童福祉法並びに児童虐待防止法の改正案について質問いたします。
先ほど申し述べましたように、平成二十七年度における児童相談所の児童虐待相談対応件数は十万三千二百八十六件と、児童虐待防止法成立以前の平成十一年度から約九倍弱まで増加しております。
平成二十六年度の厚生労働省が把握した虐待による子供の死亡事案は七十一例。一年間に七十一名もの子供が心中をも含む虐待によって命を落としています。
虐待から子供たちを守ること、子供を虐待する親をつくり出さないこと、これらは社会全体の課題です。一刻の猶予もない喫緊の課題です。
本改正案では、昨年の児童福祉法改正で検討規定になっていた要保護児童のより適切な保護措置のために、裁判所の関与が強化されることになります。すなわち、親の同意が得られず二カ月以上経過した一時保護を行う場合に、従来であれば各県に置かれた児童福祉審議会の意見を聞くという仕組みから、家庭裁判所の承認という司法関与に変更をされます。
子供の権利擁護を第一とする児童福祉審議会にかわって裁判所が関与するには、家庭裁判所が児童虐待に関する専門性を十分に持っていることが不可欠となります。例えば、身体的外傷といった目に見える証拠がない場合に、その加害性を認識、把握できるだけの専門性、さらに、不安や不信によって閉ざされがちな子供の心をキャッチできる技量も要求されます。
現在、家庭裁判所において、児童虐待についての専門的な知見を有する調査官はどの程度いるのでしょうか。また、その専門性を養成するためにどのような研修が行われているのでしょうか。さらに、子供の心に寄り添い支援するための専門職や、民間団体も含めた取り組みとの連携はどう考えておられるのか、金田法務大臣にお聞きいたします。
また、現在でも難しい保護者教育や親子の再統合は、家裁の判断が介入することによってさらに困難となることも十分考えられますが、厚生労働省としては、家庭支援の継続性はどう担保するのでしょうか。今回の改正が親子を引き離すお墨つきに終わっては、司法介入はかえってマイナスになります。厚生労働大臣にお尋ねをいたします。
報道によりますと、四月二十三日に、離婚した父親のもとに一人だけで行った初めての面会交流の日に、四歳の女の子を巻き添えに父親が心中を図るという非常に痛ましい事件が起きました。親の動機のいかんにかかわらず、子供の命を奪うこと、これ以上の虐待はありません。
今回の事件でも明らかなように、個々の親子の心のうちまで見抜くことには限界があり、面会交流を一律に義務化することは慎重であらねばならないと考えます。優先すべきは、親の気持ちではなく、子供の命であり、子供の心です。果たして、離婚時に面会交流を条件とした家裁の判断にこうした視点はあったのか、法務大臣に伺います。
また、面会交流の義務化は一律な義務化ではなく、まず、子供の状態への十分な支援と配慮が必要と考えますが、厚生労働大臣のお考えを伺います。
平成十六年十月の児童虐待防止法の改正により、配偶者間の暴力を子供に見せること、いわゆる面前DVが心理的虐待に含まれることが明確化されました。面前DVは、子供に直接暴力行為はありません。しかし、子供の目の前で片方の親がもう一方の親に暴力を振るう、その光景を見るだけで、子供にとっては心理的虐待に当たります。これが厚生労働省の見解です。
ところが、裁判所では、面会交流の審判で、面前DVがあったことは確認できても、未成年者らへの直接の暴力があったことは確認できない、申立人との直接の面会をすることが未成年者らの福祉を害するとまでは言えないとの判断がなされることがあり、厚生労働省と裁判所との判断にずれが散見されます。
いま一度、政府に確認いたします。
面前DVは、児童への心理的虐待に当たり、一時保護の対象となること、また、面会交流を認めない事由に当たり得るという、今までの厚生労働省の立場に相違はありませんでしょうか。厚生労働大臣に確認をいたします。また、法務省側にも同様な認識があるかどうか、法務大臣に答弁を求めます。
そもそも、現在、児童相談所職員一人当たりの担当件数は平均何件でしょうか。政府は、児童相談所強化プランを決定し、児童福祉司、児童心理司、保健師の増員を計画しております。しかし、まだまだ足りません。
昨年の児童福祉法改正、本法案、この後、児童相談所の業務のあり方、要保護児童の通告のあり方、児童福祉業務の従事者の資質向上の方策を検討することとなっており、児童福祉法の改正が続きます。
虐待児童数の増加に制度と体制が追いつかず、虐待以外の業務、障害児支援、発達支援、家族再統合支援や特別養子縁組等に取り組めないのが児童相談所の実情でもあります。
今回の司法関与の強化によって、書類作成等の児童相談所の負担が過重となる結果、かえって児童相談所のケースワークがおろそかになることがないようにしなければなりません。二カ月という期間に必ずしも十分な親子とのコミュニケーションが図られないケースは多々あり、その後の長期にわたる親子との信頼関係を築くためにも、現場の裁量にも十分配慮した運用が必要と考えます。
まずは、今も虐待に苦しむ子供たちを救い出すこと、そのために児童相談所などの既存の体制を強化し、子供の命を守るために、そして親子支援チームなどの家庭への支援もさらに充実させるために、政府には十分な予算と人員を配置することを求めてまいります。この点、財務大臣、厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。
最後に、児童虐待防止のために、社会全体の子供の育ちを見守る機能を強化する必要があります。育児を個々人の問題として扱う限り、核家族化した現代では、親が孤立し、育児の負担が重くのしかかります。育児には喜びもつらさもいっぱい詰まっています。保護者が子供を育て切ることができるような環境を整えることは社会の役割です。
ちなみに、人口四千人余りの神奈川県清川村では、児童虐待として児童相談所に寄せられる通報は一件もなく、むしろ、日常の保健師さんの巡回指導や近隣住民の支え合いが親子の孤立を未然に防ぎ、児童虐待を予防しているのではないかとも伺いました。
そうした観点から、社会のあらゆる場で、虐待の疑いがあれば、早期の通報、介入が当たり前となるよう、さきに民進党が提案した学校健診にかかわる歯科医師の役割が加えられた今回の改正を評価いたします。
かつて江戸から明治へと時代が変わるころ、日本を訪れた多くの外国人は、日本の各地で市井の人々の子供を大切に守る姿に出会い、また、日本の美しい自然に出会い、限りない称賛を与えたと言われております。
児童虐待は、個別の家庭の問題ではありません。社会全体の課題です。社会全体で子供を守る、そして育てる、保護者の負担と孤立を軽減し、親と子供が余裕を持って向き合い、暮らしていける社会を実現していくために、これからも民進党は全力を挙げて取り組んでまいります。
以上をもって、私の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/24
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025・塩崎恭久
○国務大臣(塩崎恭久君) 阿部知子議員にお答えを申し上げます。
裁判所の関与を導入した場合の家庭支援の継続性についてのお尋ねがございました。
昨年の児童福祉法の改正により、子供が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、保護者を支援することが重要であることについて、法律上明記をいたしました。
今回の改正法案によりまして、児童相談所が行う保護者に対する指導に家庭裁判所の関与を導入することで指導の実効性が高まり、また、一時保護の手続に家庭裁判所の審査を導入することで、手続の適正化がより一層確保されるとともに、一時保護の長期化の抑制にもつながるものと考えております。
今回の改正事項も踏まえ、運用に当たっては、保護者指導や親子再統合に向けた支援が継続的に行われるよう、引き続き努めてまいります。
面会交流における子供への配慮等についてのお尋ねがございました。
面会交流は、離婚をした父母の協力のもとで、子供の利益の観点から適切に行われるべきものであり、DVや児童虐待の有無、子供の発達状況などさまざまな状況に応じた十分な配慮が必要であると認識をしております。
こうした認識のもと、面会交流が適切に行われるよう、引き続き、関係省庁とも連携しながら必要な支援を行ってまいります。
面前DVについてのお尋ねがございました。
子供の面前で配偶者に対する暴力が行われるいわゆる面前DVにつきましては、子供に著しい心理的外傷を与えるものであれば、児童虐待の防止等に関する法律第二条第四号に定める心理的虐待に該当し、子供の安全を迅速に確保し適切な保護を図る必要がある場合などには、一時保護の対象となります。
また、面会交流については、民法第七百六十六条に基づき、父母の協議で、また協議が調わないときなどは家庭裁判所が定めることとされております。
面前DVがあった場合に面会交流を実施するかどうかについては、子供の発達状況などさまざまな状況を踏まえ、子供の最善の利益の観点から適切に判断されることが重要であると考えております。
児童相談所の体制強化についてのお尋ねがございました。
児童相談所において、保護者への指導等を担う児童福祉司は、一人当たり平均約四十件の児童虐待相談事案を担当していると承知をしております。
児童相談所については、昨年の児童福祉法の改正により、児童心理司等の専門職の配置を新たに法律上に位置づけるとともに、職員に対する専門的な研修の受講を義務づけました。
さらに、昨年四月に策定をした児童相談所強化プランに基づき、児童福祉司などの専門職を平成三十一年度までの四年間で千百二十人増員することを目指すこととしております。
今後も、引き続き、児童相談所の体制や専門性を着実かつ計画的に強化してまいります。(拍手)
〔国務大臣金田勝年君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/25
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026・金田勝年
○国務大臣(金田勝年君) 阿部知子議員にお答えを申し上げます。
まず、児童虐待についての専門的知見を有する家庭裁判所調査官の人数や、その専門性の養成のための研修、子供を支援するための専門職等との連携など、家庭裁判所の体制等についてお尋ねがありました。
全国の家庭裁判所には、心理学、社会学等の行動科学の専門的知見を有する家庭裁判所調査官が配置されており、その定員数は千五百九十六名と承知をいたしております。
家庭裁判所調査官については、任官するための研修や任官した後の研修におきまして、行動科学の最新の知識や、面接、心理テスト等の専門的技法を身につけるための研修が行われており、その中で、児童の虐待についても取り上げられているものと承知をいたしております。
御指摘の専門職等との間でも、必要に応じ、裁判所において連携が図られるものと承知をいたしております。
次に、面会交流に関する家庭裁判所の判断に、子供の命や子供の心を優先するという視点はあったのか、お尋ねがありました。
御指摘の事件の詳細は法務省としては把握をしておらず、個別の事件における家庭裁判所の判断に対して法務大臣としての見解を述べることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げますと、民法上、面会交流の取り決めを行う場合には、子の利益を最も優先して考慮しなければならないものとされており、家庭裁判所においても、一般にそのような視点から適切な判断がされているものと承知をいたしております。
最後に、いわゆる面前DVが面会交流を認めない事由に当たり得るという認識を持っているか、お尋ねがありました。
離婚をする際に面会交流の取り決めを行うことは、一般に子の利益の観点から重要であると考えておりますが、一方の配偶者が子供の面前で他方の配偶者に対して暴力を加えることがあった場合など、子に対する心理的虐待があった場合には、面会交流をすることが子の利益に反するおそれがありますので、そのような場合には、面会交流をすることの当否を含め、慎重な対応が必要になるものと考えております。(拍手)
〔国務大臣岸田文雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/26
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027・岸田文雄
○国務大臣(岸田文雄君) 千葉県でのベトナム女児殺害事件についてお尋ねがありました。
御指摘の事件につきましては、私も大変心を痛めております。
私からは、四月十四日、訪日したベトナムのズン計画投資大臣に対し、また五月八日の日越外相会談においてミン副首相兼外相に対し、本件に日本国民は心を痛めていること、容疑者が逮捕され、捜査が進んでおり、早期の全容解明を進めていること等を述べつつ、心からのお悔やみをお伝えしました。
また、ベトナムでは、梅田駐ベトナム大使が、本事件の発生後、四月三日にリンさんの御実家を訪問し、御遺族に対し弔意を示し、また、容疑者逮捕後の四月十四日にも御遺族に対して御報告を行っております。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/27
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028・麻生太郎
○国務大臣(麻生太郎君) 阿部議員から、児童相談所の体制強化について一問お尋ねがあっております。
児童虐待相談への対応件数は、近年増加を続けております。増加する児童虐待相談に的確に対応し、子供の安全確保を迅速に行うため、厚生労働省においては、昨年四月に児童相談所強化プランを策定し、児童福祉司等の専門職の配置の充実や資質の向上を図るなど、児童相談所の体制及び専門性を着実かつ計画的に強化していくこととしているものと承知をいたしております。
いずれにいたしましても、児童虐待への対応は重要と考えており、その支援のあり方につきましては、関係省庁からの予算の要求を踏まえ、各年度の予算編成過程で検討してまいりたいと考えております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/28
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029・大島理森
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
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030・大島理森
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
午後二時二分散会
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出席国務大臣
財務大臣 麻生 太郎君
法務大臣 金田 勝年君
外務大臣 岸田 文雄君
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
農林水産大臣 山本 有二君
国土交通大臣 石井 啓一君
出席副大臣
厚生労働副大臣 古屋 範子君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119305254X02520170516/30
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