1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和元年六月十一日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月六日
辞任 補欠選任
猪口 邦子君 豊田 俊郎君
宮本 周司君 山東 昭子君
六月七日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 石井 準一君
中西 哲君 野上浩太郎君
六月十日
辞任 補欠選任
野上浩太郎君 中西 哲君
西田 実仁君 熊野 正士君
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出席者は左のとおり。
委員長 石井 正弘君
理 事
藤川 政人君
和田 政宗君
相原久美子君
矢田わか子君
委 員
有村 治子君
石井 準一君
岡田 広君
山東 昭子君
豊田 俊郎君
中西 哲君
舞立 昇治君
三原じゅん子君
牧山ひろえ君
木戸口英司君
榛葉賀津也君
熊野 正士君
竹内 真二君
清水 貴之君
田村 智子君
衆議院議員
内閣委員長 牧原 秀樹君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(少子化
対策)) 宮腰 光寛君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 中村 裕之君
厚生労働大臣政
務官 上野 宏史君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣府政策統括
官兼子ども・子
育て本部統括官 小野田 壮君
文部科学大臣官
房審議官 丸山 洋司君
厚生労働大臣官
房審議官 本多 則惠君
厚生労働大臣官
房審議官 山本 麻里君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
(企業主導型保育事業及び子どもの貧困対策に
関する件)
○子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を
改正する法律案(衆議院提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/0
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001・石井正弘
○委員長(石井正弘君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、宮本周司君、猪口邦子さん、進藤金日子君及び西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として山東昭子さん、豊田俊郎君、石井準一君及び熊野正士君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/1
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002・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官兼子ども・子育て本部統括官小野田壮君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/2
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003・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/3
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004・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のうち、企業主導型保育事業及び子どもの貧困対策に関する件を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/4
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005・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえです。
六月四日の内閣委員会に引き続きまして、まずは子供の貧困対策について御質問したいと思います。
前回の質疑で、政策目的を本気で達成するためには、できるだけ具体的に、できれば数値を伴った改善目標をしっかりと設定するべきではというふうに私は質問しましたけれども、次のような御回答をいただきました。子供の貧困率につきましては、その算定基礎となる所得に、現金で支給されず現物で給付される支援策が全く反映されないなどの課題が指摘されたとのことです。
確かに、子供の貧困率のみについて改善目標を設ける場合には当てはまる指摘なのかもしれませんけれども、子供の貧困に関しては、そもそも現在でも二十五の指標が設けられています。貧困率のみの単独ではなく、この二十五の指標のうち設定可能な指標それぞれについて改善目標を設ければ、様々な角度からのアプローチが行われ、結果として子供の貧困対策が前進するのではないかなと思うんですね。例えば、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、いわゆる持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにおきましては、十七の目標と百六十九のターゲットが設定されているわけです。
このように、多くの指標につきましては改善目標を設定すれば先日の指摘のマイナス面はクリアされるのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/5
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006・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、まずもって、法律の法案審議の際には、子供の貧困率について、現金で支給されず現物で給付される支援策が反映されないなどの課題が指摘されたところであり、改善目標は設定しないということになっているところでございますと承知してございます。
また、今般、新大綱を策定するがために有識者会議を開催させていただいておりますけれども、その有識者会議におきましては、例えば相対的貧困率以外の指標につきましても、例えば大学等進学率と高卒後の就職率の関係など、個々にというよりも他の指標と併せて総合的に評価する必要がある、こうした趣旨の御意見も頂戴しているところでございまして、それぞれの指標に改善目標を定めることには慎重な判断を要すると考えてございます。
いずれにしましても、実態を適切に把握した上で施策を進めることが重要でございまして、検証、評価を行いながら、指標の改善充実に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/6
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007・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 やはり、予算獲得ですとか政策遂行の動機付けとなる目標をしっかりと設定してこそ、行政が強い目的意識を持って対策に取り組んでいただけるのではないかなと考えております。改善目標設定のマイナス面ではなく、プラス面に着目して、是非前向きに検討していただければと考えております。
前回、子供の貧困対策メニューの周知率、そして利用率についての御認識を問合せいたしました。御担当の皆さん、自治体の皆さんが知恵を絞って用意していただいた子供の貧困対策メニューがどの程度必要とされている方々に実際に利用されているのかということに関しての把握はどのように行われているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/7
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008・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 貧困の状況にある家庭や子供は、そもそも貧困であるという自覚がないことや、仮にあったとしても周囲の目を気にして表に出せないなど、その実態は見えにくく捉えづらいと言われております。こうした実態に対して、子供たちに支援を確実に届けるためには、自治体、企業、NPOなどが連携し、一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を行うことが必要です。
政府としては、二十五の指標を設定し、子供の貧困対策に関する大綱に基づき、教育の支援、生活の支援、保護者の就労支援、経済的支援の各種の施策を総合的に推進してきております。推進に当たりましては、より効果的な展開が行えるよう、毎年有識者会議において大綱に基づく各種施策の実施状況や効果を検証、評価いただいており、これにより子供の貧困対策の効果の把握に努めているところであります。
なお、本日、沖縄担当大臣として、沖縄子供の貧困緊急対策に関するアンケート調査の結果を公表させていただきました。それによりますと、例えば、子供からの回答においては、子供の居場所、今百四十四か所ぐらい沖縄県内にあるわけでありますが、そこで学習支援を行っております。そのことによって理解度が深まったかどうかについては約一〇ポイントぐらい上昇しておりますし、また、親御さんに対する質問の中で、その回答の中では、子育てに関する孤独感、これが減少したかどうかと、なくなってきたかどうかについては、貧困対策を行う前と比べて約一七%程度孤独感がなくなってきているという結果が出ております。
これらのアンケート調査の結果などを参考にして、実効性のある対策がどういうものであるかということも参考にしながら、これからの大綱に反映をさせていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/8
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009・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 実態の把握の重要性の認識は共通していると思います。二十五の指標は実態把握のツールとしてそれなりに機能していると思いますが、その結果である実態につながる政策の一つ一つがその結果を生み出すのにどれだけの機能を果たしたかということも、今後の対策に資するという意味でも把握に努めていただければと思います。
子供の貧困対策としての意味合いを持つ就学援助ですとか高校生向けの奨学給付金につきましても、利用率ないし捕捉率が低いのではないかなという心配があります。
就学援助は基本的に申請主義であることは御承知のとおりです。文部科学省の調査では、入学時に学校で就学援助制度の書類を配付している市町村、この割合は二十九年度で七五・四%、就学援助の書類を毎年度の進級時に学校で配付している、この市町村の割合は七七・九%となっているんですね。これらの書類は入学時と進級時には必ず配っていただけるようにするべきだと私は考えているんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/9
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010・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。
経済的に就学困難な児童生徒に対する就学援助については、児童生徒の保護者に対して十分な周知を行うことが重要であると考えているところであります。就学援助の具体的な実施方法につきましては主体的に行う各市町村が判断するものですが、文部科学省においては、就学援助の周知が進むように、市町村ごとの周知の実施状況を調査し公表をするほか、周知徹底を促す通知の発出や各種会議での呼びかけなどを行っており、入学時や毎年度の進級時に書類を配付する市町村の割合が増加するなど、周知のための取組について一定の改善が図られているところであります。
文部科学省としましては、今後とも、支援を必要とする児童生徒に就学援助がしっかりと行われるよう、引き続き、周知方法の改善を促すなど積極的な働きかけをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/10
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011・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 有識者会議のメンバーからも、支援の必要な人が対策自体を知らなかったり、あるいは手続をしなかったりする状況も多いという指摘が出ているんですね。この状況の改善は、私はいち早くしていただきたいなと思っております。
また、就学援助の入学準備金の入学前支給を実施している自治体は、二十九年度で、小学校四七・二%、それから中学校五六・八%ということです。
入学準備金は、その名前のとおり入学前に対象者の手元に届いてこそ大きな意味を持ちますし、また、子供たちに経済的なコンプレックスを持たせる可能性を減らすということができるし、そういう意味でつくったんだと思います。したがいまして、就学援助の入学準備金の入学前支給は全ての自治体での早期実施が望ましいと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/11
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012・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) 就学援助の小学校入学前支給は、平成三十年度新入学予定者から国庫補助の対象となるよう運用を改めたところでありまして、御指摘のように約半数の市町村で実施しているというところであります。
また、昨年の段階において、実施済みの市町村に加えまして、約二割強の市町村において平成三十年度から実施を予定又は検討と回答しているところであります。
入学前支給の実施については各市町村が判断するものでありますけれども、文部科学省としては、援助の必要な時期に就学援助が実施されるようにする観点から早期実施が望ましいと考えておりまして、市町村における早期支給の実例又はその工夫を紹介するなど、入学前支給が一層進むように促してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/12
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013・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 早期実施が望ましいではなくて、即実施してください。そうでないと、もっともっと先になっちゃいますから。これらにつきましては、期限を決めて、一〇〇%達成するという明確な目標を設定して、早期ではなく、もう即実施していただきたいと思います。
現行の子供の貧困対策大綱には、いわゆる貧困の連鎖によって子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならないとの基本方針が示されています。この貧困の連鎖の抑止に関し、私はイギリスの事例が参考になると考えております。
イギリスの子供の貧困対策として、貧困の連鎖を打ち切る二つの重点戦略が定められているそうなんですが、その一つは保護者の就労率の向上、もう一つは貧困層と非貧困層との学力ギャップの縮減、この二つです。
学力ギャップの縮減に関し、まず学校評価に正答率とともに学力ギャップを位置付けて、それから投資効果の高い教育方法を専門家がデータベース化して、そして政府系法人による最貧困地域の学校の直接支援を行う、こういったことなどを具体的な政策として実施しているわけですね。
保護者の就労率はともかく、学力ギャップの縮減につきましては子供の貧困に関する二十五の指標にも含まれていないんですね。具体的な目標としてしっかりとした位置付けがなされていないのではないかなと思うんですが、貧困の連鎖を抑止するためにも貧困層と非貧困層との学力ギャップの縮減という観点をより私は重視するべきと考えますが、当局の御認識を是非お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/13
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014・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
現在、新たな大綱の策定に向けまして有識者会議におきまして御議論いただいているところでございますが、その中で、委員御指摘のイギリスの子供の貧困対策を参考とした貧困層と非貧困層との学力ギャップの縮減の観点についても御紹介をいただいてございます。
学力格差の解消につきましては、小中学校の教育現場におきまして、少人数指導など個に応じた指導に取り組まれているものと伺ってございます。家庭の経済状況に左右されることなく質の高い教育を受けられることは大変重要でございまして、政府としましても、これまでも、貧困による教育格差の解消のための教員定数の加配措置、補習等のための外部人材の配置に対する支援のほか、生活困窮者自立支援法に基づきNPOなどの協力を得て行う学習支援、一人親家庭の子供の生活、学習を支援するためにNPOなどに委託して実施する居場所づくりの支援、経済的な理由や家庭の事情により家庭での学習が困難だったり学習習慣が身に付いていない中高生への学習支援を実施する地域未来塾などの取組を実施してまいりました。
今後、有識者会議での御指摘も踏まえ、新たな大綱の策定に向けまして、引き続き、同会議での御議論を注視しつつ、政府としてしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/14
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015・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 今、少人数制のお話をされていましたけれども、日本の学校はもう本当に大人数学級で、悪い評判があります。やっぱり小中学校もう全学年で少人数学級推進していただきたいですし、どこの地域であってもやっぱり少人数学級というものはこの貧困の問題についてももちろん必要ですし、全体的にやっぱり少人数学級というのはいろんな意味で必要なので、是非それは検討していただきたいと思います。
それから、塾に行ける経済力があるかということも含めて、親の年収が高い児童ほど、親の年収が高い御家庭の児童ほど高い学力を持っているという傾向が日本に限らずどこでもあるんですが、貧困層と非貧困層との学力ギャップの縮減ということに是非フォーカスを当てて、そして何らかの制度的な対応を私は取るべきではないかなと思います。
子供の貧困対策、そして子供たちのウエルビーイングのためには、貧困状況にある子供たちを救済するだけではなくて、その保護者、そして家族全体を含めた生育環境全般を改善することが必要だと思います。そして、それは私たちみんなが安心して暮らすことができる社会の実現につながりますし、また、しっかりとした取組を優先度高く続けていくことの重要性を強調申し上げたいと思います。
続きまして、企業主導型保育事業に関してですが、企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会、これが平成三十一年四月二十六日に開催され、内閣府子ども・子育て本部が実施した平成二十八年度、二十九年度助成決定分についての検証の結果が公表されました。その内容について御質問いたしたいと思います。
この検証で、助成決定後の状況について、取りやめ、取消し、事業譲渡、破産、民事再生などが行われた施設について、その理由や状況を確認されております。特に、この中で、助成決定後、事業者が申請を取り下げ、事業を取りやめたものは二百三十七法人であったと報告されております。これは、国の助成が決まった施設の実に一割に上るんですね。そのうち、取りやめた時期につきましては、運営開始前に取りやめたもの、これが二百二法人、取りやめに至った主な理由につきましては、申請者の都合によるもの、これが百七法人となっております。
この結果から、運営開始前に取りやめたものや申請者の都合によって取りやめたものが多くを占めていることが分かりますが、申請者の都合によるものというのは具体的にどのような事情によるものなのか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/15
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016・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
検証の結果、事業を取りやめたもの、委員御指摘のとおり二百三十七法人、二百五十二施設ございました。そのうち、取りやめに至った主な理由が申請者の都合によるものであるものが百七法人、百十施設でございます。児童育成協会が確認しましたところ、この申請者の都合によるものの内容でございますけれども、自動火災報知設備の工事の許可が下りなかったため、あるいは、近隣住民からの建設反対が起こり開設を断念したためなどが含まれているところでございます。
現在、取りやめの理由が申請者の都合とされたものにつきましては、その具体的な内容につきまして引き続き精査を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/16
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017・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 理由は様々なんですが、事前に予測できたであろう理由付けが多く、慎重な審査が行われていれば助成しないという結果を導き出せたケースも多いのではないかなという印象です。
また、助成決定後に事業を取りやめた施設のうち助成金の返還が必要なものは五十二法人で、そのうち五十施設については返還済みだったんですね。七施設については児童育成協会が助成金の返還を求めている旨報告されています。
取りやめをした施設は先ほども申しましたように二百三十七法人あったのに対して、助成金の返還が必要なものは五十二法人とされていますが、助成金返還が必要であるかどうかはどのような基準によって判断されているのでしょうか。また、全額返還なのか、それとも一部返還なのかといった判断基準も是非御説明いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/17
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018・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
助成金の返還につきましては、助成決定後に事業者が事業を取りやめたもの、あるいは助成決定の取消しが行われたもの、これらのうち既に助成金の支払が行われたものにつきましては返還を求めることとなります。
また、全額返還なのか一部返還なのかにつきましては、助成金によりまして整備した施設が企業主導型保育施設として使われなくなるような場合には、基本的には整備費を全額返還していただくことになりますが、状況に応じて適切に判断をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/18
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019・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 では、助成金が未返還の施設に対しては児童育成協会が返還を求めているとのことですが、確実に助成金を回収しなければならないと思うんですね。その実効性をどう確保していくのかということもお聞きできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/19
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020・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今般の二か年の検証におきましては、取りやめ及び取消しの事案で事業者から児童育成協会に助成金の返還がなされていないものについては、事業者に対し引き続き児童育成協会から助成金の返還を求めるとともに、法的手段も含め必要な措置を講ずることとしております。
これを踏まえ、助成金の返還を求めている七件のうち、これまで児童育成協会から事業者に数度にわたり返還請求を行ったにもかかわらず助成金の返還がない四件について、児童育成協会から事業者に対し返還請求訴訟を提起することとし、このうち一件については、既に六月七日付けで訴状を裁判所に発出いたしました。また、残りの三件についても、速やかに同様の措置をとることとしております。
こうした対応を取ることにより、助成金が確実に返還されるよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/20
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021・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 原資はやっぱり貴重な税金ですから、手段を尽くして是非一〇〇%の回収を実現していただければと思います。
ですが、手段を幾ら尽くしても回収が行えなかった場合、その損失はどのように処理されるのかということも疑問に思いますので、それも聞いてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/21
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022・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
先ほど大臣御答弁しましたとおり、まずは協会に指示を出し、指導をさせて、しっかりと訴訟も含めて返還を確実にさせるように内閣府として取り組んでいきたいと思いますし、最終的には補助金適化法に基づきまして内閣府としても適切な判断を下してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/22
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023・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 今の御答弁だと、余り明確な御答弁ではなかったので、是非具体的にお答えいただければと思います。また後ほど伺えればと思います。
企業主導型保育事業助成金を不正受給したとして、五月二十八日に逮捕者が出たとの報道がございます。報道によりますと、保育所開設に係る工事費を水増しして児童育成協会に申請して、そして、平成二十八年十二月と翌年の三月に適正な助成金額よりも約八千万円多い補助金約一億四千七百万円を不正に受け取った疑いがあるということです。当該事業者は民事再生手続中で、保育園は現在、別の事業者が運営しているということです。報道による数字が確かならば、適正な助成額の二倍近くが助成されていたことになります。約八千万円にも及ぶ高額な水増しになぜ気付かなかったのかなと思うんですが、もう本当にこれ、報道を見たときに疑問に思いました。
一般的に、整備費助成額を決定する際に、事業者からの申請に対して実施機関がどのような審査を行い、助成額を決定しているのか、是非御説明いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/23
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024・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) まず、今般の補助金適正化法違反による逮捕事案につきましては、これまで、内閣府、児童育成協会として、捜査当局に必要な協力を行いながら、慎重に審査を進めてまいりました。現在、捜査機関において捜査中でありまして、具体的な対応状況については、申し訳ありませんがお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
次に、児童育成協会が行う整備費の審査については、平成二十八年、二十九年度における審査では、設置基準を満たしているかどうか、財政面では予算書と直近二期の決算報告書などを確認をいたしておりました。また、平成三十年度におきましては、待機児童対策への貢献や多様な働き方への対応などを優先的に考慮する項目とすること、また、事業の継続可能性、保育の質の確保などの事業計画の妥当性などを総合的に審査することなどをあらかじめ公表し、児童育成協会に置かれた有識者から成る審査会で審査、選定をいたしました。
現在、審査の在り方については、三月の検討委員会報告に沿った方向で具体的な検討を進めさせていただいております。今後、助成金の不正な受給が起こることがないよう、しっかりと改善を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/24
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025・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 書面審査のみに……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/25
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026・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 時間となっておりますので、簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/26
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027・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 済みません。
時間ですので、質問を終わらせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/27
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028・矢田わか子
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。
今日、まず企業主導型保育事業の改善についてお伺いをしていきたいと思います。
この企業主導型保育所、制度のスタートから三年が経過しました。運営上の問題点も明らかになり、三月十八日には企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会から報告が出され、そして四月二十三日には会計検査院からも改善の処置要求が行われております。
これを踏まえて、今後、自治体との連携の強化、地域における保育需要の的確な把握、保育に関わる様々な基準の遵守、あるいは日常的な管理監督体制の改善がなされていくと思います。この内閣委員会でももう十分に論議をしてきましたので、それについては御期待を申し上げておきたいというふうに思います。
今日は、資料一にお示しをしましたとおり、この企業主導型ではなく、企業主導型が始まる前から行っている事業所内保育所の件について、現場からも多くの要望が来ていますので、課題を指摘し、御意見を申し上げたいと思います。
資料一を御覧ください。この事業所内保育所は、もう会社の企業が自分たちの責任において、早くから、法律が施行される前から自分たちの労働者を確保するということも含めて運用してきたものであります。これでいうと、この表でいくと、もう早くは平成十九年度から制度は開始されておりまして、いろんな運営への助成等も行われるようになってきたわけなんですが、実質的に今、電機産業の中でも多くのこの事業所内保育所持っている会社があります。今は公的な支援を受けているところも多いんですが、ただ、早くから始めたばかりに、この事業所内保育所というのは、年齢の制限なく、そして雇用する従業員の子供が半数以上であればいいという要件で、地域の方も預かりながら、期限付なわけです。したがって、助成受けれても、ある程度は受けれるんです、五年までは手厚く、そして十年まではその半額にということで受けれますが、もう打切りが必ず来るというようなものであります。
したがって、早くから始めたところほどもう既に打ち切られてしまって、一切助成がなく、企業が持ち出しで運営をしているというような状況であります。病院や企業独自で運用してきた託児所も、今やその病院や企業が持ち出し金を独自で負担をしながら、何とかかつかつでやっているという現状になっております。
例えば、一つ、企業内の保育所で富士通の例等を挙げたいんですけれども、この富士通の保育所なんかも二〇〇三年に設置をされておりまして、もう今、十三年間、補助を受けてきてやってきたんですが、三年前に助成金が打切りとなりまして、運営者の負担、保護者の負担が年々増加しているという現状にあります。企業の持ち出しは二千万とも三千万とも言われているということであります。
企業主導型、これからスタートするものの方は運営の助成は継続的にされていくという仕組みになっておりまして、更新さえすれば延々と基準満たしていれば助成が行われるわけであります。そうなると、先に始めた事業所内保育所からは、なぜ、私たちには助成が打ち切られるのにどういうことだという声が上がるわけです。
したがって、今の第一の要望は、企業主導型保育所に切替えができないのかということなんです。事業所の方を一旦閉じて、そして企業主導型に持っていくと。閉じるということは、一旦退出、退園してもらわなくちゃいけない、迷惑が掛かりますから、これ円滑に切り替えることを是非御要望したいという声が上がっているのと、もしそれができないのであれば、早くから始めた事業所内保育所にも更新の手続ということで同じように公平に助成をしてほしい、引き続きほしいという声であります。
しかも、財源が、事業所内保育所は労働保険の特別会計ですが、この企業主導型は事業主の拠出金ですよね。拠出しているにもかかわらず恩恵が受けれていない、この点も踏まえて是非何らかの対策が必要だというふうに思いますが、御見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/28
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029・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 企業主導型保育事業は、待機児童対策に貢献することを目的としておりますため、新たな受皿整備のみを対象としておりまして、既存の事業所内保育所を直接の助成対象とはしておりませんが、既存の施設であっても、定員を増員した場合の当該新規増員分や、元々自社の従業員のみが利用していた施設において他社の従業員の子供を新たに受け入れるなど空き定員を活用した受入れに係る定員分については対象としております。
企業主導型保育事業の創設前から存在する事業所内保育所等を直接の助成対象とすることは、待機児童対策に貢献するという本事業の目的等を勘案すれば慎重な検討が必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/29
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030・矢田わか子
○矢田わか子君 宮腰大臣、申し訳ないんですけれども、早くから手打って、企業努力でそういう確保をしてきた、そして地域にも開放してきた、そういう事業所内保育所が助成が打ち切られて大変な状況にあるということの現実は受け止めていただきたいと思います。
私は、二〇一八年、松山大臣にも同じ問題をこの内閣委員会で指摘をさせていただいております。三月二十九日の内閣委員会です。議事録また確認ください。検討しますという前向きな発言をいただいたというふうに思っておりまして、それから一年と二か月経過をして、どこまで検討が進んだのかということの確認とともに今日の質問をさせていただいております。
やはり、働く人を支援するために、保育と、子供の育児とそれから仕事の両立をということで早くからきちんと体制を整えてきたことに対する、やはり皆さんからすればそれは先駆けてやってもらったということでモデルケースになったというふうなことも含めて、やはり後押しする何か対策が私は要るというふうに思いますので、今日は御要望ということで、是非前向きな御検討をお願い申し上げておきたいというふうに思います。
続きまして、今般、この子供の貧困対策について対策推進法の改正案が採決されるわけですけれども、この関連について問題を質問をしていきたいというふうに思います。
子供の貧困、表面に現れにくいケースも多くあります。最も住民の生活の場に近い市町村がやはり責任を持ってその実態、実情を把握することが私は何よりも重要であるというふうに思います。貧困の子供を明らかにしていくには、地域の民生委員や児童委員、そうした方々の役割も必要ですが、一番大事なのは、子供は必ず行く場所、学校です。学校におけるそういう現状を把握するスクールソーシャルワーカーの役割が今大きくなってきているのではないかというふうに思います。
このスクールソーシャルワーカーですが、貧困のことだけではなくて、不登校やいじめ問題など、本当にいろんな様々な対応をしていただいておりまして、今大きな任務を負っている状態です。しかしながら、学校を巡回する中で、服装を見て、例えば、最近ちょっと着替えていないんじゃないかとか、体操服とか上履きの買換えが進んでいないとか、小さくなったままの制服を着ているとか、虫歯の治療が置き去りになっているとか、そういう子供の変化です、微妙な。お風呂入っていないんじゃないかとか、そういうのをやっぱり一番身近な立場でそういうスクールソーシャルワーカーが観察をして、子供の貧困をすくい出してもらうというか、気付いてあげるという体制が私は大事なんじゃないかと思っています。
資料二を御覧ください。これがスクールソーシャルワーカーの都道府県別の配置人数であります。この四年間で倍増する、千八人から二千四十一人にするというふうな目標を今立てておられるというふうに聞いておりますが、千八人から二千四十一人になっても、全く人数は私は足りていないと思います。小学校が二万校あります。中学校は一万校です。単純平均で一人が十五校を見るという、今そんな状況にあります。この表を見ると、中学校だけですので一人当たり学校数四校ということになっていますが、これ小学校を入れていませんので、実際には小学校にもスクールワーカーの配置が必要だと思っています。
今、七人に一人が貧困と言われます。一つのクラスに五人も六人も貧困かもしれない子供がいるわけです。その学校に、一つ一人置くことすら今目標になっていないということに対して、私は問題ではないかというふうに思っておりますが、御見解をお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/30
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031・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。
学校において、貧困も含め子供を取り巻く環境に福祉の専門家として支援を行うスクールソーシャルワーカーの配置の充実を図っていくことは、御指摘のとおり重要であると考えております。文部科学省としては、こうした認識の下、スクールソーシャルワーカーを全中学校に配置することを目標として、今年度予算において必要な経費を計上しているところです。全中学校ということは、一万校の中学校ということに、あっ、全中学校区に配置をするということですので、校区です、校区、失礼しました。一万校の校区にですね。ということで、必要な経費を計上していることです。
スクールソーシャルワーカーの配置形態としては、一人のスクールソーシャルワーカーが一つの学校を担当する単独校型もあれば、学校からの要請に基づいて派遣される派遣型であるとか、特定の学校を拠点にして複数の学校を併せて担当する拠点校型などがありまして、実際に一人のスクールソーシャルワーカーが複数の中学校区や複数の学校を兼務して担当する場合が多くあるのが実態であります。
また、資格要件としましては、原則、社会福祉士や精神保健福祉士等の福祉に関する専門的な資格を有する者から選考するように求めているところです。
文部科学省としましては、引き続き、全国で適正なスクールソーシャルワーカーが活躍できるよう、配置の推進に努めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/31
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032・矢田わか子
○矢田わか子君 今、子供の貧困、やっぱり見えづらくなっているわけですよ。ですから、学校の校区に一人ではなくて、学校に一人でも私は少ないと思っています。
是非前向きに、これ小学校じゃないです、中学校で今校区に一人、これが目標です。もう一度申し上げます。校区に一人ではなく、小学校も中学校もそれぞれの学校に一人ぐらい私は要るんじゃないかと。一万と二万、三万人です。公的な資格あればベストでしょう。でも、いきなりそろわないのであれば、いいじゃないですか、資格がなくても。身近にいて、きちっと子供たちを見極めて見てあげられるような、そういう大人の存在が私は要るんじゃないかと思いますので、是非前向きに御検討をお願い申し上げておきたいと思います。
続きまして、全ライフステージにおける支援ということに触れていきたいと思います。
子供の貧困、学習支援や経済的な支援だけではなくて、母親の妊娠期からスタートし、乳幼児期、義務教育期、そして高等教育期まで、保護者も含めた全ステージにおける一貫した途切れのない支援体制をより強化する必要があると思っています。
今日、資料三をお配りをしております。特に子供の貧困の大きな要因の一つ、子供の幼児期に親の離婚による貧困という問題があります。この問題を乗り切るには、十代の若年層の妊娠、出産や乳児期に対する手厚い支援が必要となってきます。
平成二十七年十二月、子どもの貧困対策会議がすべての子どもの安心と希望の実現プロジェクトを決定しました。この中で、平成三十一年度までに全ての市町村において乳児家庭全戸訪問事業を実施すること、平成三十一年度までには全ての市町村において養育支援訪問事業を実施することを目指すとされています。やはり、こうした貧困に対する行政のアウトリーチが重要であると考えます。
そこで、質問します。現在、子供の貧困対策大綱において二十五の指標が挙げられています。今回の法改正案では、新たな指標や施策を入れ込む条文が提案されていますが、例えばこの乳児の全戸訪問事業、これ沖縄なんかではもう既にされておりますけれども、こういったことや、養育支援訪問事業の一〇〇%実施を一つの目標基準にするとか、あるいは子供たちの居場所づくり、一人親家庭の住宅確保など、実質的な貧困化を防止するような具体的な指標がやはり必要ではないかと思います。
有識者会議の委員である末冨芳教授が、別紙資料三、この全ステージの具体策を提言されているわけですけれども、新たな指標についての見解を伺いたいということが一つ。あわせて、宮腰大臣には、一億総活躍という視点から、特に高等教育の機会均等の実現、シングルマザーの就業促進などについて見解があれば伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/32
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033・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 現在、新たな大綱の作成に向けて、指標も含めて御議論をいただいております子供の貧困対策に関する有識者会議におきましても、妊娠期や乳幼児期からの早期の支援に加え、義務教育終了後の若者支援も含めライフステージごとの支援を切れ目なくつなげることが重要であること、あるいは世帯の安定的な経済基盤を築き、維持できるよう、保護者の就労支援の充実強化が重要であること、個々の状況に応じたきめ細かな支援策が必要であることといった御指摘をいただいているところであります。引き続き、有識者会議での御議論を注視しつつ、新たな大綱の作成に向けた検討の中で、指標の改善充実についても必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
委員から御指摘のありました乳児家庭全戸訪問事業、これは生後四か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、いろんな支援を行うということでありますが、沖縄県におきましては四十一市町村のうち四十市町村が実施をしておりまして、訪問結果により支援が必要と判断された家庭については適宜関係者によるケース会議を行い、養育支援訪問事業を始めとした適切なサービスの提供につなげていくということになっておりまして、乳児期から義務教育終了後の若者支援も含めてやはりライフステージごとの支援を切れ目なくつなげていくことがこの問題に対しては大変重要ではないかというふうに私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/33
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034・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
保護者の就労支援を多角的に支援していくということは非常に重要な課題だと認識してございます。
現在、有識者会議におきまして新たな大綱づくりにつきまして御議論を頂戴しているところでございまして、現在、二十五の指標を定めさせていただいているところでございますが、新たな大綱におきまして、その指標、どうあるべきかということも今後有識者会議で御議論を賜ることになってございます。まさに、大綱に記載されるべき施策が実効あるためにはどのような指標が適切かにつきまして、幅広く有識者の先生方から御意見を頂戴しながら指標づくりを進めていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/34
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035・矢田わか子
○矢田わか子君 これまでの子供の貧困対策は、やっぱり学習支援が中心だったと思います。学習も大事です。でも、生活ですよね。今、食べることにすら事欠いている子供らがやっぱりおるわけです。そういう子たちにしっかりと生活支援をすることが大事なのであって、そこは結局、親が貧しい、親がいろんな意味でお金がないから食べるものすらないという状況をつくり出すわけですので、親の就労支援などは極めて私は重要だというふうに思います。
乳児についても、今虐待の問題もありますけれども、そういう全戸訪問することによって確実にその子たちと会えるわけです。そして、例えば健診なんかも私は入れたらいいことの一つと思っていますが、幼児期に必ず一歳、二歳と年に何回か健診に来なさいということで門戸開いていただいて、そして、その健診は平日ではなく是非土日も含めてお願いしたいんですが、それを言い訳にさせない、必ず来る、来なければ家に行ってでも子供と会って健診しますよということで踏み込めるようなことまですれば虐待対策にもつながっていくと思いますので、是非前向きな御検討をお願いしたいと思います。
ちょっと時間の関係で一つ飛ばしまして、生活支援の在り方についてお伺いしていきます。
貧困家庭に対する支援、生活保護や入学準備金など、就学の助成制度を始め様々な支援策が既に講じられています。金銭的な支援中心なわけですが、今後、やはり現物給付など直接的な生活支援の方が納税者からも支持を受けるのではないかと思います。
資料四を御覧ください。これは、入学・新生活応援給付金がどのように使われたのかをイラスト化したものであります。御覧になってください。入学、新生活応援ですよ。制服や靴、入学費用は分かります。けど、中には、やっぱり生活費とか食費とかあるんですよ。ネクタイ、お父さんのネクタイですか、作業着、こういったものに使われる、子供たちに真水が落ちていないケースもたくさんあるわけです。そういう真水を落としていくためにも、やはり現物支給、大事だと思います。
また、国立社会保障・人口問題研究所の調査では、資料五のように、過去一年にお金が足りなくて家族が必要とする食料が買えないことはありましたかという質問に対して、特に一人親世帯です、よくあった、時々あったが二〇%。五世帯に一世帯です。つまり、絶対的貧困とも言える、そんな状況にある方々がいることも考慮すべきだと思います。
今回の法の改正案では、第十一条に、生活の安定に資するための支援に関し必要な施策を講ずるものとすると提案されていますが、この条文を生かす上でも、やはり現物給付の拡充を求めたいと思います。
今年の十月から、ゼロ—二歳児の住民税非課税世帯の保育園料の無償化、保育料の無償化、始まりますけれども、やはり貧困家庭に対しては、そこだけ、ゼロ—二だけではなくて、三—五だけではなくて、やっぱり学童保育の軽減措置、子供の医療費の完全無償化、あるいは幼稚園補助、米など主な食料品の引換券の支給とか、そういう直接的な現物支給が私はやっぱり要るのではないかと思っています。
私も大阪でいろいろそういう御家庭を見てきまして、給食を持って帰る子まで見てきました。ですからこそ、是非、そういう現実を直視した、そういう対策をお願い申し上げたいと思いますが、御見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/35
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036・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 現在、子供の貧困対策に関する有識者会議におきまして、生活の支援なども含め新たな大綱の作成に向けた議論がなされておりまして、支援が届いていない又は届きにくい子供、家庭への支援が必要である、様々な支援の前提として貧困の状況にある子供や家庭の生活を支える支援が重要である、現金給付のみでなく現物給付のような施策と組み合わせて実施していくことが必要であるといった御示唆もいただいております。
こうした有識者会議での御議論も踏まえ、支援を必要としている子供や家庭に確実に支援が届けられ、本来の目的に沿って活用されるようにしていくことは極めて重要であると認識をいたしております。
私といたしましても、そうした視点も持って、新たな大綱の策定に向けて関係省庁としっかりと連携し、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/36
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037・矢田わか子
○矢田わか子君 マイナンバーなどもありますので、これからそういったものも活用しながら、カードでポイント付与でも結構です、それは必ず学用品だとか食料品しか買えないポイントにしていただいて、確実にやはり子供に真水が行き渡るような、そんな施策を是非具体的に考えていただきたいということであります。
それから、子供食堂も広がりを見せまして、今二千二百から二千三百まで全国に普及していると言われています。ところが、このNPOですね、百万未満の予算で運営しているところが五〇%、三十万未満、これ三〇%あるんです。そして、六〇%が資金不足だというふうに言われています。
自主的な活動で始まったわけですが、ここに賛同していただける大人もたくさんいらっしゃるわけですので、こうしたところに対する助成も併せてお願いを申し上げておきたいと思います。
もう一度、四つ目の質問に戻ります。基礎自治体の取組についてであります。
今回、法改正なされるわけですが、一つの大きなポイントして、市町村に対する支援というか、協力体制なり計画書を作ることが努力義務に終わったという点が指摘されております。なぜ義務にならなかったのかという御指摘であります。
自治体において計画策定、しっかりとやっぱりやっていただかなければ、先ほどのスクールソーシャルワーカーもそうですけど、自治体によって大きな差が開くわけです。したがって、これを均一化するためにもしっかりと国が方針を示しながら計画を立てるということを、まず計画を立てるということは課題があぶり出されるというプロセスでもありますので、きちっと課題をあぶり出していただき計画を立てるということを求めていくべきではないかというふうに思います。
大綱作りに沿って、国としても全国共通の、より実効性ある具体的な指標づくりにイニシアチブを発揮していただきたいと思いますが、政府としての対応の見解をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/37
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038・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 子供の貧困対策を推進していく上では、子供たちの一番身近なところで活動されている基礎自治体の役割は極めて重要であるというふうに考えております。
御指摘のとおり、現在新たな大綱の作成に向けた議論を行っている有識者会議におきましても、自治体間の取組の格差について御指摘をいただいているところであります。
政府としては、これまでも子どもの貧困対策の推進に関する法律や大綱に基づき、各地域において子供の貧困に関する実態を適切に把握し、効果的な取組を実施していただけるよう、地域子供の未来応援交付金による自治体の取組支援を行ってまいりました。今後も、各自治体における実態把握や計画策定などの際にもこの交付金の活用を促してまいりたいというふうに考えております。
また、国におきましても、子供の貧困対策に関する施策の実施状況、これを有識者会議において検証、評価しているところでありますが、各都道府県、市町村においても計画に基づいた取組が効果的に推進されているか検証、評価していくことは極めて重要であると考えておりまして、そうした検証、評価の意義についても周知に努めてまいりたいと考えております。
なお、今回の法改正に当たりまして、衆議院の委員会における附帯決議の中で、一番最後の項目に全国調査を実施すべしという項目がありまして、それに従いまして調査を進めてまいりたいと思っているわけでありますが、その調査の方法等につきましては、全国の先進的な事例などを参考にしつつ、調査を行うことによって基礎自治体である市町村がこの子供の貧困対策に真剣に取り組んでいただけるような、そういう視点から検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/38
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039・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 時間が来ておりますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/39
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040・矢田わか子
○矢田わか子君 ありがとうございます。
貧しさは子供の自尊心まで奪うと言われています。是非、政治の責任において貧困の連鎖断ち切るということでお願いを申し上げて、質問にさせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/40
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041・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
まず初めに、子供の貧困対策としてのバウチャー制度、教育バウチャー制度について質問をしたいと思います。
これは、大阪市が全国の自治体初の試みとして公的資金を投入して開始をしたものです。目的としては、家庭の経済的な理由で学校外の教育を受けられない子供に対し、塾や予備校、習い事などに利用可能なバウチャーを提供することで学校外における教育機会の均等化を図ろうというものです。
このバウチャー制度のメリットとしましては、子供たちが、若しくは保護者が自分たちで受けたいサービスというのを選ぶことができるということですね。塾を選ぶ子もいれば、家庭教師でもいいですし、文化的な習い事、教室、こういったものにも使えるということです。その一方、教育事業者側からしますと、バウチャーを受け取ったことで収入を得ることができますので、そういった経済効果が期待できたりとか、教育機関間のサービスにおける競争が発生すると教育の質がこうやって上がっていく、そういった効果があるということで比較的高い評価をこれまでも得ているという、実際に利用した方のアンケート調査では結果が出ているんですけれども、これについて、まず国としてはどのような評価をされますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/41
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042・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
委員御指摘の大阪市におけるバウチャーを活用した塾代助成事業のように、自治体においてバウチャーを活用した事業があることは承知してございます。バウチャー券の利用に当たりましては、委員も言及されましたとおり、貧困の状況にあるお子様たちが家庭の経済状況を気にせずに塾などを利用することができるようになるなどのメリットはあるものと承知してございます。
ただ一方で、例えば全国的に展開するような場合に、バウチャー発行や適正運営などの管理コストをどのようにしていくか、あるいは第三者への提供や換金等の場合によっての不正使用のおそれをいかに防いでいくか、そうした課題もあると考えてございます。
また、貧困の状況にある子供は、経済的な困難にとどまらず、生活や学習面での習慣が身に付かない、コミュニケーションの不足など様々な困難を抱えているため、子供たち一人一人に寄り添った支援となっているかも留意する必要があるのではないかというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/42
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043・清水貴之
○清水貴之君 ということは、国として一律に導入して全国的に展開するというのはちょっと制度としてなじまないというような見解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/43
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044・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
今この場で判断というよりも、こうした課題があることも踏まえまして、例えば自治体で行われている好事例等につきまして少し研究をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/44
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045・清水貴之
○清水貴之君 そういったことを、私もそれぞれやっぱりこういう自治体間の競争というのも必要だと思いますので、それ是非見ていただきたいと思うんですが、そういう積極的に活用しているそういった自治体をサポートする、こういった面についてはいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/45
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046・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
内閣府としまして、自治体の子供の貧困に対する対策支援としまして交付金を用意させていただいてございます。その中で、そうしたバウチャー制度に対する活用ができるかどうかにつきましても少し検討させていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/46
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047・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
続いて、企業主導型保育所の様々な問題点について質問をしていきたいと思います。
これまでも度々この委員会でも質問をさせていただいておりますので、改めての確認というところも出てくるかと思いますが、まず初めに空き状況ですね。全国での企業主導型保育所の利用状況、充足率、これについて、空き状況が四〇%にも達すると、これが余りに大きいのではないかと、元々のこの計画が余りに計画性がないんじゃないかと、こういった話が出てきておりますが、これについてはどのような見解でありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/47
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048・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
利用が低調という点でございますけれども、今般、会計検査院の指摘によりますと、利用定員、利用児童数を勘案し利用が低調であると思われる二百十三施設を抽出して検査を行った結果、平成三十年十月時点の定員充足率及び平成二十九年十月から平成三十年九月までにおける平均定員充足率がいずれも五〇%未満となっていた施設が六十七事業主体、七十二施設あったとのことでございます。
一方、内閣府が行った調査によりますと、平成二十九年度一年間を通じて開所していた五百一施設の定員充足率は全体で七二・八%となっておりまして、定員充足率が八〇%以上の施設が全体の四六・七%、定員充足率が五〇%未満の施設は全体の一七・八%となってございます。
いずれにしましても、利用が低調となっている事態につきましては、会計検査院の指摘や三月の検討委員会報告を踏まえまして、例えば、審査時に従業員枠については利用者の意向調査等のデータを求め、地域枠については自治体から地域の保育需要等の客観情報を求める、利用が低調な施設につきましては、巡回指導、企業と施設のマッチング支援など相談支援の充実を図る、各施設の定員充足状況等を定期的に公表していくなどの改善策を講じるため、必要な作業を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/48
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049・清水貴之
○清水貴之君 今話に出ました、今度は審査ですね、事前の審査の体制とかやり方、これも問題点様々指摘をされていると思います。
そもそも、書面審査若しくはネットの審査だけでこの審査が通ってしまうわけですね。助成金が出て開業ができてしまうと。そうすると、やっぱり現実とのミスマッチというのはこれは必然的に起きてくるわけですから、そういった審査体制、これの見直しというのも様々検討されていると思うんですが、これについて、今どのように進んでいるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/49
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050・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
審査の点に関しましても、二十八年度、二十九年度につきましては、協会が審査を行い、認可施設並みの基準を満たしているかどうか、財務面におきましては予算書及び直近二期の決算報告書などを確認した上で助成決定を行いました。また、三十年度の審査につきましては、協会に置かれる審査会において審査、選定し、助成決定を行いました。
しかしながら、これまでの審査の仕組みにつきまして、先ほど委員も御指摘のとおり、専ら書類審査が中心であったなど改善すべき点はあると考えてございます。検討委員会報告に沿いまして、審査会による審査体制や審査内容の充実を図るとともに、必要に応じて書面審査に加えてヒアリングや現地調査を行うなど審査の精度の向上を図る。まずは財務面など適格性を審査し、次に事業計画等を審査するといった点につきまして、現在具体的な検討を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/50
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051・清水貴之
○清水貴之君 そういった事前の審査は大変大切だと思うんですが、今のお話を、じゃ、現在の現状のこの体制でその審査ができるのかというと、果たしてどうなのかなとやっぱり思わなくもないわけですね。児童育成協会がこれやるのか、どこかにお願いしてやるのか分かりませんけれども、かなりのこれ手間暇がやはり掛かってくると思うんです。
これまででしたら、やはり比較的開業しやすい、開きやすいというのが一つのメリットで、多くの企業さんとかが入ってきた一つの理由だと思うんですが、やっぱり手間暇いろいろ掛かってくると、今度は二の足を踏むところも出てくるでしょうし、審査もこれ非常に難しくなってくると思うんですが、これが今の状態で果たしてできるのかというのはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/51
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052・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
審査につきましては、先ほど申し上げましたとおり、審査の充実を図っていくべく今検討しているところでございますが、そうしたものと併せまして、委員御指摘の実施機関における体制というのも非常に重要だと思っております。それを並行してどの程度の体制が必要かということも検討しながら、速やかに公募を実施していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/52
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053・清水貴之
○清水貴之君 ちょっと児童育成協会については後ほどまた改めてお聞きするとして、もう一点、施設整備費の改修費なんですが、これも審査が甘いとか上限額が緩いということで、改修費の水増し問題、相場よりも随分と高い改修費が請求されてというような話もこれ何か所か起きているということを聞いております。こういったところもあり、これも審査の話になってくるんだと思うんですけれども、もちろん財源限りあるわけですからしっかり見ていかないといけないと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/53
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054・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
企業主導型保育事業の施設整備費につきましては、定員区分に応じて上限額を設定しているところでございますが、一方で、創設と改修につきまして同じ上限額を設定してきたところでございます。
この施設整備費につきましては、検討委員会報告におきまして、新設の場合の助成額と既存の建築物の改修に係る助成額を明確に区分するなど、実勢に合わせるべきとされていることを踏まえまして、現在具体的な検討を進めているところでございます。
御指摘の趣旨も踏まえまして、しっかりと改善を図ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/54
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055・清水貴之
○清水貴之君 ちょっと実施機関の方に戻るんですが、これ実施機関、児童育成協会、我々も見学をさせていただいて、視察させていただきまして、複数年契約の必要性という話も現場で伺ってきまして、やはり単年度では難しいと。これについては、複数年度ということも含め検討すべきというような過去の大臣の答弁もいただいているというふうに認識をしているんですが、改めて、大臣、これについての見解をお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/55
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056・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 検討委員会報告におきましては、児童育成協会からのヒアリングも踏まえ、今後は、実施機関は、高い中立性、専門性のほか、継続的に担うことが求められるため、毎年度、国は外部評価等を行い、透明性の高い事業運営が行われるようにすべきであること、それを前提に、実施機関において複数年の事業実施が可能となるようすべきであることとされております。
この委員会におかれましても児童育成協会視察をしていただいたということでありますが、私自身も行ってまいりまして、児童育成協会の現場の状況を様々な形で把握をしてきた中で、安定的な事業運営のためには複数年の事業実施を可能とすべきであると考えております。
実施機関が複数年継続して業務を実施することを可能とすることによりまして、複数年を見通した体制整備や計画的な監査指導の実施、自治体との安定的な関係の構築などを図ることが可能となり、事業の効果的な実施に寄与するものであるというふうに考えております。
現在、複数年の事業実施の前提として行う外部評価の体制について整理をいたしておりまして、夏を目途に行う公募に向け、検討を速やかにしっかりやってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/56
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057・清水貴之
○清水貴之君 その夏をめどの公募について改めてお伺いをしたいんですけれども、となると、児童育成協会がまた体制を立て直して応募するということもあるでしょうし、ほかの機関がということも可能性としてはあると思うんですが、児童育成協会に代わる機関といいますと、果たしてどういった機関が想定されてどういう公募になるのかというのはちょっとイメージが湧かないんですけれども、何かそういう思っていること、何か考えていらっしゃることがありましたら教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/57
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058・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) 実施機関の公募でございますけれども、令和元年度以降の実施体制につきましては、国と実施機関が適切に役割分担をする体制を整備し、国は審査や審査基準を始め基本的なルールを策定し、実施機関は国の指導の下で効率的かつ効果的な審査、指導監督等を担当するとされてございまして、まさにその役割分担の下で、現在、公募に向けてどういう役割を担っていただくか、具体的な検討をしているところでございます。
委員御指摘の、どういった団体、法人等が応募の可能性があるかということにつきましては、少しちょっと予断を与えることにもなりかねませんので、そこはちょっとお答えは差し控えさせていただきますが、いずれにしても役割分担、それから実施機関が担うべき業務、それを明確にした上で、自ら判断して応募できるかどうかをしっかりと確認できるような公募に持っていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/58
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059・清水貴之
○清水貴之君 公募後のことをちょっとお伺いしたいんですけれども、まあ応募があって、どういう選定基準でもって誰がどう決めていくのか、そしていつ頃に新しい機関が決まってどういう方針で次の新しい体制がスタートしていくのか、それはどういった今の想定で進んでいくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/59
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060・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
公募の後、やはり募集には一定の期間が必要だと思ってございまして、その上で、まさにその公募に当たっての具体的な役割、業務遂行の要件を満たしているかどうかを確認をさせていただいた上で決定をさせていただきますが、その部分につきましては、内閣府というのではなくて、いわゆる第三者機関に客観的に評価をしていただくというようなことも検討してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/60
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061・清水貴之
○清水貴之君 スケジュールで言ったらどうなるんですか。まあ、その次が決まるまでは今の児童育成協会の体制で進めていくわけですね。やはり、視察行った我々は、本当にこの人数でこれだけ全国の機関をウオッチしていくというのが本当に可能なのかと。実際にこうやっていろいろと問題も起きてきているわけですが、そういった状態のままこれまで行われることになりますので、いつどういった形で次がスタートする、ここも大切なポイントかと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/61
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062・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
改善報告を受けまして、この夏には公募をするということで進めてございまして、可及的速やかに公募に持っていきたいと思ってございます。
それから、繰り返しになりますけれども、やはり公募の一定期間は、例えば一か月程度とかその程度は必要かと思っておりまして、その後、決定をさせていただいて、そこからその改めての実施期間に新たな業務を担っていただくというようなスケジュールを考えておりまして、今年度にまさに一定の新たな企業主導型保育事業の展開も我々としては予定をさせていただいているところでございますので、遅きに失することなく執行ができるようなスケジュール感を持ちながら対応させていただきたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/62
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063・清水貴之
○清水貴之君 今度はその保育所事業に参入しようという側、事業者側の話なんですけれども、そのガイドラインを見直していこうじゃないかという話が、これ報道などでも出ておりました。例えば五年以上の保育事業の実績をしっかりと求めていこうとか、保育事業者型においては保育士率を上げていこうとか、そういう話が出ていますが、このガイドラインの見直し作業というのはどのように進んでいて、どういった形になっていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/63
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064・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 三月の検討委員会報告におきましては、保育事業者設置型への新規参入について五年以上の事業実績のある者に限ることや、定員二十名以上の保育事業者設置型の施設については保育士割合を五〇%から七五%に引き上げることなどが打ち出され、これらを踏まえ、国は審査や指導監査、情報公開基準等の基本ルールを設定し、また必要な場合には直接指導監査を行う、実施機関は国の指示の下で実務を担当することが示されております。
こうした考え方に沿って、現在、国と実施機関との役割分担を明確にしつつ、実施機関に求められる役割とその要件を整理をしているところでありまして、このガイドラインに当たる部分についても、早急に速やかに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/64
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065・清水貴之
○清水貴之君 そのガイドライン、これから見直していくという話で、統括官、改めてお聞きしたいんですけど、そうなると、非常にバランスがこれも難しいなと思うんですが、先ほど申したとおり事業者側からすると参入しやすいと。今、待機児童も多い中で、その待機児童を減らす効果というのも非常に期待をされてのこういった制度が始まったと思うんですが、一方で、質の担保とか健全性とか、事業の健全性とかいう話が出てきたわけですね。これ、バランス取ろうとすると、要件厳しくしていくと今度は参入障壁が上がるわけですし、かといって厳しくしないとこうやっていろんな問題が、もう事業始めて何年かたっていろいろ出てきているわけですから、見直しもこれも必要だと思うんですね。
こういったバランスというのが非常に難しいと思うんですが、この取り方については、統括官、どのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/65
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066・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
先ほど大臣御答弁させていただきましたとおり、まさにそのバランスの取り方というんでしょうか、企業主導型保育事業の意義、趣旨とともに、これまでの検証結果、どういう事態になったかというようなことを御議論していただきながら、その三月の検討委員会で報告をまとめていただきました。まさにその中での改善策としまして、今大臣御答弁されましたとおり一定の質の確保のための改善を図るというのが打ち出されておりますので、私どもとしましては、まさにその検討委員会報告に沿ってしっかりと質の改善を図ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/66
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067・清水貴之
○清水貴之君 あとは、大臣の先ほど答弁の中にもありましたが、自治体との連携の話ですね、これも非常に重要だと思います。やはり、自治体がどこにどれだけの数のどういった施設があるかというのが把握ができていない状況というのは、やっぱりこれは果たしていかがなものかなというふうに思うわけですね。こういった自治体との連携であるとか、あと充足率の公開ですね。やっぱり情報公開、検査実施した結果とか充足率の公開、こういったことをちゃんと住民の方に知らせて、住民の方が安心して使える、そういった状況、環境整備というのも、これも大変重要なことではないかと思いますけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/67
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068・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
保育の質の確保、事業の継続性、安定性の確保とともに、事業の透明性を確保することは非常に重要だと我々も認識してございます。
そうした観点から、情報公開につきまして、例えば事業の運営規律の徹底に資するよう本事業の助成金収入を含む各施設の決算情報を公開していく、あるいは、利用者の安定的な確保や事業運営の健全性を確保するため各施設の定員充足状況等を公表する、取消し施設、休止施設の情報も一覧で公表する、あるいは、今後、審査過程の透明化等を図る観点から不採択となった事業者にその理由をしっかりと通知する、こうしたことを今検討しているところでございまして、事業の透明性の確保の観点からしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/68
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069・清水貴之
○清水貴之君 その前提となる立入調査の話もお聞かせいただきたいんですが、これ児童育成協会のホームページですが、企業主導型保育施設については、原則として年一回以上、児童育成協会が立入調査を実施することとしておりますと、平成二十九年度においては八百か所の企業主導型保育施設へ立入調査を実施しましたとあるんですが、この八百というのは今ある施設の数からしたら圧倒的に少ない数になっているわけですね。これは、年一回の原則というのは守られていないということになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/69
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070・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
委員御指摘の八百施設は二十九年度分の実施箇所でございまして、三十年度につきましてはまだ最終的な報告は受けてございません。
いずれにしましても、指導監査、立入調査というのは極めて重要だと我々承知してございまして、この監査につきましても、体制の強化あるいは自治体と実施機関の間の連携、こうしたことが報告されておるところでございますので、監査の充実につきましてもしっかりと検討をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/70
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071・清水貴之
○清水貴之君 これ、ですから二十九年度、八百か所しかなくても全部、全件これはやったということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/71
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072・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) 二十九年度に運営をしている施設という意味では、原則全てを対象に監査をさせて、立入調査をさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/72
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073・清水貴之
○清水貴之君 ということは、二十九年度、助成決定がこれ二千六百施設ぐらいあるわけですから、その中、開業しなかったのをもちろん引いたりしたら二千以上はあるわけです。これは、じゃ、平成三十年度以降はもう全件基本的にはやっているという、今調査中だという話ですけれども、ということですよね。やっていなきゃおかしいわけですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/73
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074・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
まだ報告上がってきてございませんけれども、その年度で運営している施設につきまして、原則年一回は立入調査を行うということで協会に対応させていただいているところでございますので、その原則の下で対応しているというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/74
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075・清水貴之
○清水貴之君 前、厚労省さんにも、認可外施設で、ちゃんと施設の調査はしっかりしてくださいと。原則がやっぱり守られていなかったわけですから、これも企業主導型でもこういった原則をしっかり作っているわけですから、こういったものを見ていっていただきたいと思います。
最後になりますが、今度は、保育所と住民とか、その保育所を利用したい企業とのマッチング作業、この辺りも、これだけ充足率が満たされていない、空きが大きいというのは、この辺りもうまくまだ機能していないんじゃないかなというふうに思います。待機児童がこれだけいる中で、でも空きもこれだけあるというのは、やっぱりそのミスマッチ、元々つくる段階でのミスマッチもあるでしょうし、運営始めてからのミスマッチも生じていると思うんですね。この辺りも埋めていくことによってもっと効率的、機能的に回っていくんじゃないかと思いますが、これについていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/75
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076・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
まさに利用が低調な要因を分析しまして、改善策としまして、一つはまさに審査をしっかりとやっていくということがあろうかと思いますし、また、開設後も、例えば各施設への巡回指導、共同設置型、共同利用型で定員に空きが生じた施設と保育ニーズのある企業とのマッチング支援、こうしたものをしっかりとやっていく、好事例も提供しながら事業者支援の充実を図っていくということは非常に重要だというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/76
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077・清水貴之
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/77
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078・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
冒頭、ちょっと今朝の毎日新聞の報道は看過できませんので、一言申し上げます。
国家戦略特区のワーキンググループの原英史座長代理と協力関係にあるコンサルタント会社、これ、特区ビジネスコンサルティングという会社だそうなんですけれども、この会社が特区の提案を検討していた学校法人から約二百万円のコンサルト料を受け取っていたと。しかも、この法人が費用負担をした会食に原氏自身が出ていたと。
この法人の副理事長は、コンサルタント料の支払を認め、特区ビズの方として原氏と会ったと、提案書の書き方を教わったというふうに取材で答えているということですので、これは是非、今国会、会期末が迫る中で国家戦略特区の法案の閣議決定が行われていて、審議ができるかどうか分からない状況ではあるんですけれども、これ、原氏をやはり委員会に招いての、参考人招致しての質疑が必要だと思いますので、是非御協議いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/78
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079・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 後刻理事会において協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/79
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080・田村智子
○田村智子君 では、質問に移ります。
私の質問の後に、子どもの貧困対策推進法の改正法案が議題となります。あしなが育英会や子どもの貧困ネットワークを始め、市民の皆さんが本当にロビー活動を繰り広げて、六年前、超党派の議員立法としてこの法律が成立をし、その後も毎年集会や議員連盟との対話が重ねられてまいりました。
立法当初は、貧困の連鎖を止めるために、大学進学を始め就学の機会を確保するということに重点が置かれていましたけれども、その後の運動や議論によって、今ある貧困への全般的な対策、保護者を含む家庭全体への支援が必要だという方向で改正案が練り上げられたことを心から歓迎しております。
そこで、今ある貧困への対策ということで、子供の健康格差の是正について質問いたします。
この子供の健康については、小学校から高校まで、毎年、学校健診によって病気の早期発見や健康状態のスクリーニングが行われています。要治療、要検査、経過観察など、一人一人にその結果も通知をし、また記録もされている、これは大変大切なことだと思うんですね。
問題は、この健診の結果が受診につながっているかどうかだと思うんです。文科省は、健診後の受診状況について調査を行っているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/80
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081・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。
学校における健康診断実施後の事後措置について、学校は治療等を勧告することとしておりますけれども、その後の医療機関への受診状況について調査は実施しておりません。これは、学校保健安全法に基づいての対応でございます。
ただし、文部科学省の補助事業により日本学校保健会が作成した学校における健康診断マニュアルにおいては、健康診断結果の通知と治療勧告書の例を示しておりまして、治療が完了した際に学校への報告書を提出するよう促しているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/81
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082・田村智子
○田村智子君 今日、資料をお配りしました。全国保険医団体連合会が、各地の保険医協会に呼びかけて学校健診の受診状況について調査を行ったんですね。これ学校に調査票を送付して回答のあった学校についてまとめたものですけれども、例えば、学校歯科健診で治療が必要とされた児童のうち、未受診率というのは、小学校で五〇・八%、治療を受けていないということですね、中学校六五・三%、高校八二%と。また、未治療の虫歯が十本以上あるなど口腔内が崩壊状態の子供がいるかということについても、小学校の四二・一%、中学校の三三・五%、高校の五〇%、特別支援学校の四二・二%でそういう児童生徒がいたというふうに回答がされているんです。これは、内科、眼科、耳鼻科の健診についても同じような傾向がうかがえます。
これ、大変心配な状態だというふうに思うんですけれども、見解を文科省にお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/82
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083・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。
御指摘の全国保険医団体連合会の調査は、実施をしていることは承知をしておりますけれども、調査の詳細な内容を把握していない状況です。学校における健康診断実施後の事後措置については、本人及び保護者に対して、治療のために必要な医療を受ける必要があることを健康相談や保健指導を通して周知をしておりまして、医療機関への受診を促しているところであります。
なお、健康診断後の事後措置の必要性につきましては会議等を通じて教育委員会に対して指導をしているところであり、今後も続けてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/83
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084・田村智子
○田村智子君 これ、せっかく制度としては、いわゆる全ての子供を小学校以降健診の対象にできているわけですよ。それが子供一人一人の健康の増進につながるようにしていくということが、私、求められていると思います。
そこで、まず未受診の状況、その理由や背景について文科省としても調査や研究を行って対策を立てるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/84
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085・中村裕之
○大臣政務官(中村裕之君) 学校としては、事後措置として、健康診断結果の通知を行った後、治療のために必要な医療を受ける必要があることを周知し受診を促すにとどまるものでありまして、その後の医療機関への受診状況については、法令上、調査をすることとされていないところでありまして、強制することもできないというところがあります。
ただし、文部科学省の補助事業による日本学校保健会が作成した学校における健康診断マニュアルにおいて、事後措置について、健康診断結果の通知と治療勧告書の例を示しておりまして、治療が完了した際に学校へ報告書を提出するように促しているところでありまして、その対応となっているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/85
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086・田村智子
○田村智子君 これ、何らかの調査は、例えば文科省の科研費を使ったような調査などでも私できるんじゃないかというふうに思うんですね。是非、検討を重ねて要望しておきたいと思うんです。
この保団連の調査なんですけれども、未受診の理由というのも養護教諭に尋ねています。共通して指摘されるのは、これ、三ページ目なんですけれども、保護者の関心の低さ、家庭環境、共働き、一人親などですね、仕事が忙しい、経済的理由、地理的困難、本人の歯科への忌避、歯科治療を嫌だというふうに逃げちゃう、こういうことなどが挙げられているんですけど、例えばこの保護者の関心の低さでは、乳歯は生え替わるから治療の必要はないと、自分も乳歯は抜けるのを待っていたという親御さんもいらっしゃるというんですよ。まさに貧困の連鎖とも言える実態が指摘をされています。また、低賃金の仕事で、半休取って子供を病院に連れていく、そういうゆとりが経済的にも時間的にもないという実態もお聞きしているんです。
こういう未受診という問題から、家庭を丸ごと捉えた貧困対策をどうしていくのかということは、様々に政策検討ができるはずだと思います。
また、すぐに国の責任でできる対策もあるんです。
例えば、子供の医療費助成制度、これ今自治体任せになっていて、就学前までとか小学校卒業までという自治体がまだ多くて、小中高と未受診率が上がる要因だというふうに私は思います。子供にも医療費三割の窓口負担を求めるのかということが問われてきていると思うんです。低所得世帯の小中学生は、就学援助としての医療費助成制度というのはありますが、これは罹患率の高いアトピー性皮膚炎、ぜんそく、心電図異常、アレルギー性鼻炎、花粉症などは対象になっていないんですね。保団連の調査の中では、この心電図異常が出ても経済的負担のために受診ができないと、だから学校が体育の時間に非常に配慮しながら、参加させていいのかどうかという配慮をしながらという事例もあるんだと、こういうのも寄せられているんですよ。これ、やはり国の制度として考えていくこと必要だと思うんですね。
そこで、まず厚労省にお聞きしたいんですが、今、国の制度として、災害や失業などにより一時的な所得減、これが起きたときには医療費の窓口負担の減免制度というのはあると思うんです。しかし、恒常的な低所得世帯に対する医療費窓口の減免制度というのはあるんでしょうか。確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/86
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087・山本麻里
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
子供の医療費につきましては、医療保険制度において未就学児の医療費の自己負担を三割から二割に軽減しております。また、未熟児や特定の慢性的な疾患を抱える子供の医療費については、更に自己負担の一部を公費で助成をしているところでございます。これに加えまして、また先生も御指摘のありましたように、自己負担の更なる軽減を図るために、自治体独自の助成制度が行われていると承知をしております。
また、家計に対する医療費の自己負担が過剰なものにならないように、高額療養費制度において所得に応じて月単位の窓口負担に上限を設けておりまして、その制度の中で、低所得者の方については低い自己負担額を設定するなどの配慮を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/87
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088・田村智子
○田村智子君 いろいろお答えになったんですけど、恒常的な低所得世帯というのを対象にした医療費減免制度は国の制度としてはないですよ。先ほどお話しされた高額療養費、これ非課税世帯でも月に三万五千四百円までは自己負担が求められてしまうわけですね。だから、通院治療なんかほとんどこれできないですよ、利用、活用できないんですよ。
国立社会保障・人口問題研究所、二〇一七年に生活と支え合いに関する調査というのを行っています。金銭的理由で医者にかかれない、これ全世帯の二・三%、歯医者にかかることができない、三%いるわけですよ。この割合は、一人親世帯など生活困難な世帯や低所得世帯ほど高い傾向にあることも分かっています。また、各地の子供の貧困に関する調査でも、経済的理由で受診できない子供がいると、こういう実態は指摘されています。
宮腰大臣、諸外国では、十八歳未満の子供の窓口負担に配慮をして、子供については経済格差を是正する制度を持っている国が多いというふうに私は聞いています。これ、日本も国として子供の健康格差の是正のために何らかの対策、これは検討必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/88
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089・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 子供の医療費につきましては、医療保険制度において未就学児の医療費負担が二割に軽減されておりまして、加えて自治体独自の助成制度が行われている中で、低所得を理由として子供の健康面で格差が生じているかどうかについては現時点では必ずしも明らかではありませんが、全ての子供が家庭の状況にかかわらず健やかに成長できるようにすることは極めて重要であります。
そのためには、必要な医療機関の受診を促すことはもとより、子供が心身共に健やかな生活が送れるよう、引き続き、学校や自治体、地域のNPOなどが連携して、一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を推進していくことが大事であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/89
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090・田村智子
○田村智子君 経済的理由での健康格差というのは、その口腔崩壊という調査を見てもこれは明らかなんですよ。是非踏み込んだ対策、本当求めたいんですね。
もう一点指摘したいのは、歯列・咬合異常で要治療と指摘されたけれども、保険適用ではないために治療ができないという問題なんです。
兵庫県保険医協会の調査では、内科、眼科、耳鼻科、これ資料の最後のページですね、歯科の受診率を見ると、歯科の受診率三三%、顕著に低いんです。中でも、歯列・咬合異常の受診率は二六%。これ、受診しても本当に歯列矯正までやっているかどうかということも私は疑問だと思うんですね。
あるお母さんがこの問題で議員要請や省庁要請に何度も足を運んでおられて、こうおっしゃっているんですね。治療が必要だと学校健診で何年間も言われ続けている、私も子供も治療を望んでいる、しかし費用の負担はとてもできないと。学校健診で治療が必要だと指摘されているのに、どうして保険治療ができないのかという訴えで、これ非常にもっともだと思うんですよ。
厚労省、どういう認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/90
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091・山本麻里
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
我が国の公的医療保険では疾病や負傷の治療等に対して保険給付を行うということを目的としておりまして、現在、歯科矯正治療については審美的な要素も大きいため、原則保険適用外となっております。
一方で、唇顎口蓋裂、これは例えば唇が割れた口唇裂や口蓋が裂けて口腔と鼻腔がつながっている口蓋裂が発生している、そういう先天性疾患でございますけれども、そのような先天性疾患に起因するかみ合わせ異常や顎変形症による歯列不正については保険適用となっているところでございます。
こういう保険適用となる疾患の範囲につきましては、診療報酬改定ごとに、関係学会との議論を踏まえまして、必要に応じて適用範囲の見直しを行ってきたところでございます。平成三十年度診療報酬改定においては、著しい歯列不正の原因となる前歯三本以上の永久歯萌出不全、これは元々生えてこないというものでございますけれども、この患者さんを歯科矯正の対象に追加したところでございます。
今後とも適切な歯科保健医療を提供できるように、関係者の意見をよく聞きながら適切に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/91
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092・田村智子
○田村智子君 口唇口蓋裂も一九七〇年代にお母さんたちが物すごい運動をやって保険適用になったという経緯もあるんですね。保険適用の拡大は必要性に応じてやっぱりやっていくべきだというふうに思いますよ。
学校保健調査見ると、歯列・咬合の異常で要診断とされる割合は、二〇一八年だと四、五%程度なんですけれども、これ、もうぜんそくやアトピー性皮膚炎よりも高い割合になっているんですね。イギリスなどでは、公費による小児の歯科矯正の対象は日本よりも相当広いです。歯列矯正は永久歯に生え替わる時期に行うことがその後の口腔機能の発達にとって大切ですし、歯列異常を治療することは将来の虫歯や疾病を予防することにもつながっていくと、こういう研究もあるわけですよね。明らかだと思うんですよ。何より、経済的な理由で治療をできるかできないかが端的に現れてしまう。
やはり、生涯にわたる健康の保持増進、また健康格差の是正という立場から、せめて子供の歯列・咬合異常について必要な治療が保険治療できるように検討すべきじゃないかと思うんですけれども、これお聞きしても同じだと思いますので、是非検討を重ねてお願いしておきたいというふうに思います。
次に、企業主導型保育事業についてお聞きします。
三月二十二日に、私、予算委員会の方で、企業主導型保育は定員充足率を見ても待機児童対策に有効ではないし、審査体制も監査体制も脆弱で、利益目的で不適切な事業者の参入を許してしまったと、立入り監査もパソナに丸投げしていると、こういった問題を大変厳しくもう既に指摘をいたしました。
内閣府は、検討委員会の報告を受けて、保育士配置基準の引上げ、自治体との連携の強化などの手直しを行おうとしていますけれども、保育士配置は認可の基準よりも相当低くていいよと、また自治体は関与しなくていいよと、こういう仕組みがそもそも企業主導型の特徴であって、これが多様な主体、つまりは株式会社の参入を進める仕掛けだったはずなんです。ということは、当初の制度設計に問題があったと、このことをお認めになるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/92
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093・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 企業主導型保育事業は、女性の活躍を推進していくため、保育の受皿を更に拡大する中、待機児童対策へ貢献すること、税財源ではなく事業主拠出金を財源として、夜間や休日勤務、短時間勤務など、それぞれの企業における従業員の多様な働き方に対応した柔軟な保育を企業の創意工夫により提供できるようにして、人材確保を進めようとする企業を支援することといったことを目的に平成二十八年度に創設されました。
今般の検討委員会報告では、こうした制度創設時の意義を再認識しつつ、制度創設から三年目を迎え、保育の質の確保、向上の重視、事業の継続性、安定性の確保、透明性の確保、自治体との適切な連携などについて様々な課題が指摘されていることを踏まえ、改善すべき対応策が打ち出されております。
本事業につきましては、実施体制について必要な見直しの上で再構築することが求められていると考えておりまして、検討委員会報告に沿って具体的な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/93
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094・田村智子
○田村智子君 例えば、その定員充足率なんというのは、自治体が関与しなかったらこれ充足率上がるわけがないんですよ。だから、制度の当初の設計がこれはもう本当に間違いだったということは、この検討会の報告書読めば、私、明らかだというふうに思うんですね。この上で見直しと言いますけれども、公費を認可並みに入れながら公的責任が不明確、この根本問題は手直しをしても解決しないわけですね。
次、ちょっと聞きたいのは保育料の問題です。
企業主導型保育は、原則として保育料設定は事業者の判断。通常保育に必要な経費の上乗せ、英語教育などメニューを加えることによるいわゆる横出し、これについても事業者の裁量で自由に保育料として徴収できるということが原則であって、保育料に関する規制というのも極めて緩いわけですね。一方、企業主導型保育も十月からは幼児教育無償化の対象とするとしているんですね。ですから、十一時間までの保育について保育料を徴収しないことが原則だというふうに打ち出されているんです。
では、これは通常保育に必要だからと、運営費で見込まれている人員配置以上に保育士や職員を雇った、それで費用が、つまり費用負担が増える、だから保育料を上乗せ徴収する、こういうことはできるのかどうか、確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/94
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095・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
企業主導型保育事業、標準的な利用料というのを示させていただいております。具体的には実施要綱及び助成要領に定める利用者負担相当額を標準的な利用料として定めているところでございまして、平成三十年度における利用者負担相当額は、ゼロ歳児、月額三万七千百円、一、二歳児、月額三万七千円、三歳児、月額三万一千百円、四歳以上、月額二万七千六百円となってございます。基本的にはこの標準的な利用料を対象として無償化を進めていくことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/95
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096・田村智子
○田村智子君 上乗せ徴収をすることはできるのかどうかと、幼児教育無償化の対象となっているところに。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/96
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097・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
例えば、企業主導型保育につきましても、認可保育所と同様に一日十一時間開所を基本としてございまして、そういう意味では、保育士の配置を上乗せして増す必要はないというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/97
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098・田村智子
○田村智子君 つまり、幼児教育無償化のこの考え方、その中での保育料徴収の考え方も認可保育所と同じにするということなんですよね。だから、本当に自治体の関与も認可保育所のように強めていくんだと。そして保育士の配置、これ認可よりまだ低いですけどね、でもそれも引上げが必要なんだというふうになっていくと、果たしてこの企業主導型と、公費を認可と同じように入れて、だけど企業主導型というふうにしていく意味がどこまであるんだろうかということ、大変疑問になってくるんです。
また、今の上乗せというのは、十一時間開所すると、保育士さんは八時間労働を基本としますから、どうしたって国はその分見ていないんですよ。八時間で働く人が十一時間をどう回していくのかということを見ない人員配置でお金出しているんですね。これが認可保育所でも矛盾になって、保育所が持ち出しで人件費を払うということになっているんです。企業主導型にもそれを求めていくことになるというわけですよね。これ、保育している子供の人数が認可保育所と比べても少ないところが多いでしょうから、非常に経営上これ大変な問題になってくると思うんです。保育士さんの給料が果たしてちゃんと払われるんだろうかということも非常に疑問になってくるわけですね。
企業主導型の場合は、その保育士さんの給料についてはもうちょっと不安があって、実際に一斉退職などの事案が相次いだことを見ても、企業が利益目的で参入した場合に保育士にちゃんと給料が支払われるのかという懸念が拭えないです。
検討会報告では、情報公開について、事業の透明性を確保するとともに、事業の運営規律の徹底に資するように各施設の決算情報を公開していくべきであると指摘をされています。これは、人件費割合が分かるような情報公開を求めることになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/98
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099・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、事業の透明性を確保する観点から、本事業の助成金収入を含む各施設の決算情報を公開していくべきという報告を受けてございます。現在、この報告を踏まえて検討しているところでございまして、施設ごとの情報をどこまで公開するかにつきましては引き続き検討をしてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/99
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100・田村智子
○田村智子君 まず出てこないと思うんですよね。
これ、東京都は認可保育所について、設置主体、社会福祉法人立なのか株式会社なのかなどですね、これごとに人件費割合示しています。そうすると、社会福祉法人は支出の約七割が人件費、平均で。ところが、株式会社は五割を切るんですね。
チェーン店のように福祉事業で事業所展開している場合には、保育所運営費を他の事業や新しい保育所をつくるために使うこともできるんですよ。認可保育所でも、保育士の処遇改善するためにも、これは市場化の見直しということが求められていると思います。ましてや企業主導型ですよ。ますます市場に保育を委ねていくと、こういうやり方は、私、根本的に改めていくべきだと。今ある企業主導型は認可保育所にしていく、あるいは本来の事業所内保育所にしていく、こういうことこそ求められるんだということを指摘いたしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/100
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101・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/101
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102・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 次に、子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
提出者衆議院内閣委員長牧原秀樹君から趣旨説明を聴取いたします。牧原衆議院内閣委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/102
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103・牧原秀樹
○衆議院議員(牧原秀樹君) ただいま議題となりました子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
子どもの貧困対策の推進に関する法律は、平成二十五年に超党派の議員立法として成立してから五年が経過し、これまで、特に教育支援に関しては、一定の成果を上げてきたところです。また、子供の貧困率などの指標についても改善傾向にあります。
その一方で、教育以外の分野の支援も更に進めること、地域によって子供の貧困対策の手厚さにばらつきがないようすることなどが求められています。
このため、子供の貧困対策に関する施策をより充実させ、子供の住む地域にかかわらず施策を及ぼすことにより、子供の貧困対策の一層の推進を図る必要があることから、本案を提出した次第であります。
次に、本案の内容について御説明申し上げます。
第一に、子供の将来だけでなく現在に向けた対策であること、貧困解消に向けて、児童権利条約の精神にのっとり推進することを目的に明記しております。
第二に、子供の最善の利益が優先考慮されること、各施策を包括的かつ早期に講ずること、貧困の背景に様々な社会的要因があることを基本理念に明記しております。
第三に、一人親世帯の貧困率及び生活保護世帯に属する子供の大学等進学率や、検証、評価等の施策の推進体制を大綱の記載事項として明記するとともに、大綱案の作成、変更の際に関係者の意見を反映する旨を規定しております。
第四に、市町村に対し、貧困対策計画を策定する努力義務を課すこととしております。
第五に、就労支援などの各施策について、その趣旨を明確化するなどの改正をしております。
なお、本改正法は、公布後三か月以内に政令で定める日から施行することとし、施行後五年を目途とした検討規定を設けております。
以上が、本案の趣旨及び内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/103
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104・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/104
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105・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、田村さんから発言を求められておりますので、これを許します。田村智子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/105
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106・田村智子
○田村智子君 私は、ただいま可決されました子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 本法が、子どもの「将来」のみならず「現在」の貧困状態の改善を目的に加え、生活の支援については子どもへの直接的な支援以外の支援も含むことを強調したこと、保護者への就労支援は就労後の所得の増大その他の職業生活の安定と向上に資するための支援を含むことを明確にしたことを十分に踏まえ、大綱の変更等を適切に行うこと。
二 大綱案の作成及び変更の際には、貧困の状況にある子ども及びその保護者、学識経験者、子どもの貧困対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされた趣旨を踏まえ、都道府県計画、市町村計画の策定に当たってもこれらの者の意見ができるだけ反映されるよう努めること。
三 貧困状態にある子どもがどこの地域に住んでいようと適切な取組の下での支援を受けられるよう、市町村計画が定められているか否かにかかわらず各市町村と十分な連携を行い、子どもの貧困対策に関する施策の充実を図ること。
四 本法による市町村計画の策定に係る規定は、市町村の個別の状況が十分勘案されるものであり、市町村計画の策定に関しては、市町村の意思が十分に尊重されなければならないこと。
五 市町村計画を策定する市町村に過重な負担が生じることのないよう、当該市町村に対し、必要な学術的又は財政的支援その他の援助を行うよう努めること。
六 子どもの貧困に関する調査が全国的に実施されるよう努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/106
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107・石井正弘
○委員長(石井正弘君) ただいま田村さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/107
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108・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 全会一致と認めます。よって、田村さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、宮腰内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮腰内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/108
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109・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、関係省庁と連携しながら努力してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/109
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110・石井正弘
○委員長(石井正弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/110
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111・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814889X02320190611/111
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