1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成三十一年四月二十五日(木曜日)
午後二時一分開会
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出席者は左のとおり。
内閣委員会
委員長 石井 正弘君
理 事
藤川 政人君
和田 政宗君
相原久美子君
委 員
有村 治子君
岡田 広君
山東 昭子君
豊田 俊郎君
野上浩太郎君
堀井 巌君
舞立 昇治君
三原じゅん子君
牧山ひろえ君
木戸口英司君
榛葉賀津也君
竹内 真二君
西田 実仁君
清水 貴之君
田村 智子君
文教科学委員会
委員長 上野 通子君
理 事
石井 浩郎君
江島 潔君
神本美恵子君
吉良よし子君
委 員
赤池 誠章君
今井絵理子君
小野田紀美君
こやり隆史君
佐藤 啓君
松川 るい君
水落 敏栄君
斎藤 嘉隆君
伊藤 孝恵君
大島九州男君
山本 太郎君
新妻 秀規君
浜田 昌良君
高木かおり君
松沢 成文君
厚生労働委員会
委員長 石田 昌宏君
理 事
自見はなこ君
島村 大君
そのだ修光君
川合 孝典君
山本 香苗君
委 員
青木 一彦君
石井みどり君
小川 克巳君
高階恵美子君
鶴保 庸介君
中川 雅治君
馬場 成志君
藤井 基之君
石橋 通宏君
川田 龍平君
宮沢 由佳君
足立 信也君
古賀 之士君
河野 義博君
宮崎 勝君
東 徹君
倉林 明子君
薬師寺みちよ君
国務大臣
文部科学大臣 柴山 昌彦君
厚生労働大臣 根本 匠君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(少子化
対策)) 宮腰 光寛君
副大臣
財務副大臣 鈴木 馨祐君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
常任委員会専門
員 戸田 浩史君
常任委員会専門
員 吉岡 成子君
政府参考人
内閣府子ども・
子育て本部統括
官 小野田 壮君
文部科学省初等
中等教育局長 永山 賀久君
厚生労働省医政
局長 吉田 学君
厚生労働省子ど
も家庭局長 浜谷 浩樹君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 橋本 泰宏君
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本日の会議に付した案件
○子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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〔内閣委員長石井正弘君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/0
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001・石井正弘
○委員長(石井正弘君) これより内閣委員会、文教科学委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/1
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002・小川克巳
○小川克巳君 自由民主党の小川克巳でございます。
子ども・子育て支援法改正案につきまして、幾つか質問をさせていただきます。
まず、三歳から五歳の就学前の幼児に対する教育及び保育については、従来、文科省が所管する幼稚園、厚労省が所管する保育園とでそれぞれ幼児教育と保育施設という、言わば設立目的が異なる大きく二つの施設に分かれています。今回の改正でこの両方が無償化されるのに伴い、改めて、幼児教育と保育施設を一元的に捉え、国として就学前教育を人材育成の観点からどう考えるべきか整理をする必要があるのではないかと思っています。
つきましては、柴山文科大臣から、人材育成の観点からの御所見をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/2
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003・柴山昌彦
○国務大臣(柴山昌彦君) お答えを申し上げます。
幼児期の教育は、子供の基本的な生活習慣を形成し、道徳性の芽生えを養い、学習意欲や態度の基礎となる好奇心を養い、創造性を豊かにするなど、生涯にわたる人格形成の基礎を担う上で重要な役割を担っており、幼児教育への投資は極めて重要であります。
平成十八年には教育基本法が改正され、幼児期の教育の重要性とともに、国はその振興に努める旨の規定が設けられているところでありまして、文部科学省といたしましても、今後とも幼児教育の振興に力を尽くしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/3
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004・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございました。
基礎部分をつくっていくのに非常に大事な時期であろうかと思っております。是非、建設的な御検討をよろしくお願いいたします。
続きまして、衆議院での審議においても保育及び教育の質に関する議論が行われました。私も、国にはその質を担保する責任があると考えていますが、親にしてみれば大切な子供を預けるわけですから、どのような環境で子供を預けるかということも当然のことながら大きな関心事であり、無償化の議論に併せてその質の担保の議論をすべきであると思っています。
例えば、第三者評価機関の国による一元化を行い、全施設への評価を受けることを義務付け、その結果を分かりやすく公表するなど、保育及び教育の質の担保の推進について政府がどのように考えているか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/4
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005・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 幼稚園、保育所等の教育・保育施設におきまして、質の高い教育、保育の提供を通じ、全ての子供が健やかに成長するように支援することが重要です。
具体的には、幼稚園教諭、保育士等に対する研修の充実等による資質の向上や、処遇改善を始めとする労働環境への配慮、教育・保育施設に対する適切な指導監督などを図ることが必要であると考えております。
また、質の高い幼児教育を提供するため、昨年四月から、健康な心と体、思考力の芽生えなど、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を新しい幼稚園教育要領や保育所保育指針において明確化したところであります。認可外保育施設におきましても、この保育所保育指針の内容に準じて保育を行うこととされております。
私自身、就任以降、保育施設を幾つか視察させていただきまして、使命感を持って子供たちと接する、向き合っていらっしゃる園長さんや保育士の方々と意見交換をする中で、子供たちの健やかな育ちのために、教育、保育の内容を充実させるとともに、現場で働く保育士の方々の業務負担を軽減することの重要性を感じてまいりました。
そのため、関係省庁と連携いたしまして、認可施設については、処遇改善を踏まえたキャリアアップの仕組みの構築や保育補助者の追加配置に対する支援の拡充や事務のICT化などによる保育士の業務負担軽減に取り組んでまいります。また、認可外保育施設につきましては、守るべき基準の内容について助言などを行う巡回支援指導員の配置の拡充や、指導監督の手法やルールの明確化などによる都道府県等による指導監督の徹底、認可施設に移行するための運営費等の支援の拡充といった取組を進めてまいります。
今後とも、全ての子供が健やかに成長できる環境の確保に向けて、幼児教育、保育の質の向上をしっかりと図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/5
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006・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
少し関連するんですけれども、同じ無償化されるなら余計に、多少の懸念の残る認可外の施設へ預けるより、やはりしっかりと基準を満たした認可保育園に預けたいというのが親の偽らざる心情であろうというふうに考えます。そこで、認可保育園に入れた、あるいは入れなかったということから不公平感が強まることが懸念されるのではないかというふうにも思っております。
今回、認可外保育所も無償化の対象となった経緯は、認可保育園に入れない人がいるための措置と理解しておりますが、あくまで、全ての望む人が認可保育園を利用できるよう、認可保育園の数を増やし、整備することが基本であると考えております。
改めて、この点につきまして、根本厚生労働大臣のお考えをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/6
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007・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 仕事と子育てを両立することができ、安心して子供を産み育てることができる社会としていく上で、待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでおります。
二〇一八年四月時点の待機児童は、前年より約六千人の減少となり、十年ぶりに二万人を下回りました。しかしながら、現在も保育所等に預けられない親御さんがまだまだいらっしゃる事実を真摯に受け止め、引き続き待機児童解消に向けた取組を推進させることが必要だと思っております。
待機児童の解消を図るとともに、女性の就業率八割に対応できるよう、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿確保に取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/7
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008・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございます。
今、いわゆる子育てプランの御説明をいただいたかと思っておりますけれども、その中でも、認可保育園を増やす、一〇〇%に、できれば一〇〇%にしてしまうというふうなことが多分基本だろうという趣旨でお尋ねをさせていただきました。この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/8
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009・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 基本的には、認可保育所を中心に整備を進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/9
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010・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
続きまして、今回、ゼロ歳から二歳については非課税世帯のみが対象となっているわけですが、女性活躍の推進あるいは一億総活躍社会というような観点からは、育児休暇の延長制度などの対応はあっても、むしろゼロ歳から二歳児に対する子育て支援も三歳児以降と同等に検討すべきではないのではないかというふうに考えておりますが、政府のお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/10
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011・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
今般の幼児教育、保育の無償化は、少子化対策に加え、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性に鑑み、実施するものでございます。
質の高い幼児教育の機会を保障することは保護者の所得にかかわらず重要であることから、三歳から五歳までの子供たちにつきましては、所得制限を設けることなく、制度的に質の担保された幼稚園、保育所、認定こども園などを無償化することといたしました。ゼロ歳から二歳までの子供たちにつきましては、待機児童の問題もあることから、その解消に最優先で取り組むこととし、住民税非課税世帯を対象として進めることといたしました。
更なる負担軽減策につきましては、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討することとしてございます。
なお、ゼロ歳から二歳までの子供につきましては、家庭で子育てをされる方々も多くいらっしゃり、このような方々への支援として、一時預かり事業や地域子育て支援拠点、子育て世代包括支援センターの整備などを進めてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/11
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012・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございました。
私は医療の畑の人間でございまして、医療の世界は、御承知のとおり、女性が非常に多くて、それから、個人的なことを申し上げれば、私の娘もまさに育児世代ということで、非常にこの辺りについては関心を持って、ふだん政治に興味、関心のない娘からもよく聞かれます。是非、いい形で制度化できればというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
続きまして、幼稚園の預かり保育、認可外保育施設の利用料の無償化については、保育の必要性を認められることが条件となっています。ある意味当たり前の条件と理解できますが、昨今はフリーランスやテレワークなど働き方が多様化しておりまして、現在、自治体ごとに定められている認可保育園利用のための保育の必要性に関する判断基準では、保育の必要性を認められにくい働き方をしている人たちがいることもまた事実であります。
このような働き方をしている人たちが不利益を被らないための措置についてどのように考えているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/12
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013・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
先生御指摘のフリーランスあるいはテレワークといった雇用関係によらない多様な働き方の方に関しましては、例えば育児休業明けの加点が付かないことなど、市区町村の利用調整におきまして適切に取り扱われていないとの指摘があることは承知をいたしております。このため、居宅内での勤務を行う自営業者、あるいは在宅勤務等の保護者の利用調整における取扱いにつきまして、平成二十九年十二月の事務連絡で留意事項をお示ししております。
具体的には、幾つかございまして、一つは、居宅内での労働と居宅外での労働で一律に点数に差を設けることは望ましくないといったこと、また、やむを得ず取引先の理解を得て職場に子供を連れていくケースなど、必要に迫られて子供を居宅外で保育している場合につきまして、一律に保育の優先順位が低いと捉えることは、これも不適切であること、また、就労状況の実態把握に当たりまして過度の負担となる提出書類を求めないよう努める、こういったことをお示ししております。
この事務連絡を踏まえた対応につきまして、自治体の取組状況を確認いたしました。その結果でございますけれども、約半数の自治体におきまして、居宅内での労働か居宅外での労働かという点のみでもって一律に点数付けに差異を設けない、あるいは自営業者や在宅勤務等を行っている保護者が過度の負担を負うことがないような書式になるよう努めているというような回答がございました。
ただ、一方で、自営業者の方が育児に伴って休業する場合には育児休業中の保護者と同様の点数付けを行うと回答した自治体が約三割、保育コンシェルジュの活用等によりまして就労実態をきめ細かく把握して点数付けに反映していると回答した自治体は約一割しかございませんでした。
こういった結果も踏まえながら、引き続き、フリーランスやテレワークの方々が公平な取扱いを受けられるよう、市町村に対しまして促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/13
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014・小川克巳
○小川克巳君 ありがとうございます。細やかな対策を是非継続していただきたいと思います。ありがとうございました。
ちょっと時間の関係で一つ飛ばさせていただきたいと思いますが、共同通信社が実施しました全国の私立幼稚園百園を対象とした昨年十月の調査によりますと、本年度、約四割の園が保育料を値上げするということでございまして、記事によれば、国の補助上限と同額を引き上げるとした不自然なケースや、値上げの根拠が不明確なものもあるとされています。当然、真に必要な値上げに迫られているケースの方が多いのだと信じますが、質の向上のために必要な値上げなのか、それとも便乗値上げなのか、利用者からは分かりづらいという声もあります。
政府からも引き続き事業者に対する周知徹底を図るとともに、関係団体や都道府県、市町村等とも連携し、実態の調査、把握等についても検討が必要であろうと考えますが、この点につきまして見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/14
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015・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
便乗値上げの件でございますが、無償化の対象施設の大部分を占めます子ども・子育て支援新制度の幼稚園や保育所等の保育料につきましては、公定価格を設定してございまして、便乗値上げ等の問題は発生いたしません。
他方、子ども・子育て支援新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設におきまして、今般の無償化を契機に質の向上を伴わない、理由のない保育料の値上げが行われることは、公費負担により事業者が利益を得ることにつながるものであり、適切でないと考えてございます。
そのための、文部科学省、厚生労働省と連携し、新制度未移行の幼稚園や認可外保育施設につきまして、関係団体への働きかけを行うこと、保育料の変更の理由を届けさせたり保護者に説明させることなどの取組を進めているところでございます。
政府といたしましては、引き続き事業者に対する周知徹底を図るとともに、関係団体や都道府県、市町村等とも連携し、実態の調査及び把握についても検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/15
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016・小川克巳
○小川克巳君 是非経過を追っていただきたいと思います。適切な措置をよろしくお願いいたします。
時間が参りましたので、ここで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/16
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017・神本美恵子
○神本美恵子君 立憲民主党の神本美恵子でございます。
本法案は、先ほど来の質疑の中でも、無償化に当たって、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性ということが答弁の中でもお話しされました。また、この提案の基になっている関係閣僚会議の合意の中でも、その方針として、質の高い幼児教育の機会の保障ということが言われております。
質の高い幼児教育、保育を確保するため、提供するためには、何といっても、もちろん教育内容の、幼稚園教育要領や保育指針などの内容の問題もそうですし、それから環境整備ということもあると思いますが、何よりも、その幼児教育、保育に携わる人たちの処遇というものが、処遇改善というのは、これは不可欠だということは恐らく皆さん合意できるところではないかと思います。
そういう観点から、処遇改善という方向に行っているのかどうかという今日問題意識で質問させていただきたいと思います。
今回の無償化の対象でもある認定こども園、幼保連携型の認定こども園、年々増えてきておりまして、これについて、保育教諭の給与体系がどうなっているのか、ちょっと現場からの実態を聞かせていただきますと、えっ、本当にそれが処遇改善になっていくのかというような問題意識を持ちましたので、今日は質問させていただきます。
そこで、宮腰大臣、公立の幼保連携型認定こども園の保育教諭の給与体系というのはどのようになっているのか、認識されているか、把握されているかについてまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/17
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018・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 公立の幼保連携型認定こども園に勤務する地方公務員である保育教諭の給与につきましては、地方公務員法第二十四条で、職務と責任に応じ、国及び他の地方公共団体の職員等の給与その他の事情を考慮して条例で定めることとされております。また、その給与の財源も一般財源化されているところであります。
このため、地方公務員である保育教諭の給与は、その職務内容や他の職員との均衡等の様々な実情を踏まえ自治体が定めるものでありまして、内閣府としてその個々の自治体の給与体系がどのようになっているかについては把握をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/18
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019・神本美恵子
○神本美恵子君 各自治体が条例で定めるというふうになっているということで把握はされていないということですけれども、同じ認定こども園であっても、自治体によっては教育職給与表が使われているところ、あるいは行政職給与表が使われているところ、あるいは保育職給与表というものを新たに作ってやっているところ、様々にあるやに私が聞いたところでもあるんですけれども、各自治体によってどのようになっているかは把握されていないということですが、一つ事例を、最近聞いたお話ですけれども、申し上げたいと思います。
これは、沖縄県の石垣市で、今年度から認定こども園にする、幼保連携型の認定こども園を発足するに当たって、昨年度末から提案があっているそうです。現在は、幼稚園教諭は教育職給料表、保育士は行政職給料表が適用されているけれども、これを、同じ職務で給料表が異なるのは公平性が損なわれるので、幼稚園教諭の給料表を教育職から行政職に切り替えるというような提案がされております。この幼保連携型認定こども園に配属されるいわゆる保育教諭になる方、また、現在幼稚園に勤めている幼稚園教諭の方も含めて、全教諭を行政職表に切り替えるというような提案があっております。
もちろん、いきなり教育職表から行政職にというと、現実的にこういう差があるとすれば、公平性保つためにということで、行政職表に変えるとこんなに下がる、処遇が下がるということはあり得ないので、少し行政職表の格付を上の方にして教育職に近づけるというような、あるいは教職調整額を四%支給するというようなことも提案の中にあるようですけれども。
こういうことで、将来的に、教育職表でこれまで給与を受けてきた幼稚園教諭の方々が、認定こども園になることによって、生涯賃金といいますか、将来、これまで想定していた賃上げにならないというようなことを懸念されているという声を聞いております。
これは石垣市だけではなくて、先ほど連絡入ったんですが、浦添市や沖縄市も同じような提案がされようとしているというようなことを聞いたんですけれども、幼児教育、保育の質を確保しながら、より教育の質を充実、向上させていくというようなことを考えれば、こういう不安定な状況で、また自治体によって違うという在り方でいいのかどうかということについて宮腰大臣にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/19
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020・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 先ほども申し上げましたけれども、公立の幼保連携型認定こども園における保育教諭の給与につきましては、職務内容や他の職員との均衡等の様々な実情を踏まえ自治体が定めるものでありまして、内閣府としてその個々の自治体の給与体系について把握をしておりませんが、自治体により、行政職俸給表の中に位置付けているところ、あるいは教育職俸給表の中に位置付けて給与を支給しているところなど実情は様々であると、そういうふうに認識はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/20
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021・神本美恵子
○神本美恵子君 だから、質の向上ということを考えれば、処遇改善ということを考えれば、様々のままでいいのかということをお伺いしているんです。もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/21
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022・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 地方公務員である保育教諭の給与につきましては、全国統一というよりも、地方公務員法第二十四条が定めるように、それぞれ自治体において適切に定められるものと認識しております。したがいまして、公立の幼保連携型認定こども園の保育教諭について全国統一の俸給表を定めるということについては考えておりません。
なお、私立の幼保連携型認定こども園の保育教諭の給与につきましては、国が定める公定価格において統一的なルールにより算定しているところでありますが、実際の職員に支払われる給与についてはそれぞれの施設が定めるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/22
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023・神本美恵子
○神本美恵子君 今、公定価格というお話がありましたけれども、もちろん全国自治体、規模も、それから人口構成、財政力、地域の実情、様々違いますから、統一的な基準を定めるということは、これはなかなか地方公務員法、自治法ですか、上も難しいと思うんですけれども、例えば公定価格における人件費ということで、幼稚園教諭や保育所保育士についてはあるんですよね。だから、そういうルールを保育教諭についても定めるべきではないかと。
一定の参酌基準といいますか、そういうものを定めないと、本当に自治体によって、行政職表に変わったがために、幼稚園教諭から、これまでよりも賃金が下がってしまうというような実態が出てきている自治体が、私が聞き取ったところですので、各県の中のどの自治体というのを、いろいろ違いがあると思うんですけれども、様々になっているんですね。これは本当に目指すところではないと思うんですよ。
無償化によって全ての幼児教育、保育、全ての子供の幼児教育、保育を充実したものに、人格形成の基礎ですから、充実したものにしていくのであれば、処遇改善の方向に向かわなきゃいけないのに、それが処遇が下がる方向に向いている自治体があるということについては、是非内閣府としても調査をしていただきたいし、悉皆じゃなくてもいいですから、ピックアップでもいいですし、実態を把握していただきたいということを、これはもう時間がありませんのでお願いをして。
最後に、柴山大臣に、これは決意を言っていただきたいんですが、幼稚園を所管している大臣として、こういう、幼稚園教諭が認定こども園に移行することによって処遇が下がっていくというような実態、声が届けられています。これはこのまんまで本当にいいのか。委員会でも、衆議院の委員会でも、柴山大臣は処遇改善大事だと、本当に質を確保するために、向上するには大事だとおっしゃっていますので、是非、そこは内閣府、宮腰大臣ともしっかり連携しながら、処遇が下がらないような方策を考えていただきたいと思いますが、質を上げるために処遇改善ということについての決意をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/23
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024・柴山昌彦
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほども宮腰大臣が答弁をされたように、公立の認定こども園、また幼稚園、保育所の職員の給与は、各自治体が地方公務員法第二十四条により条例で定めるという制度設計となっております。このように、地方公務員の給与の決定は地方自治に委ねられていると認識をしておりますけれども、今委員が御指摘のとおり、やはり質の確保のためには、個々の職員の給与がその職責に見合ったものとなるように各地方自治体においてしっかりと御判断をいただきたいというのがまず一点。
それと、総務省の所管ではありますけれども、地方交付税において、全ての地方自治体において地方公務員の標準的な人件費単価で財源が措置されているわけですから、また、住民が求める行政サービスに必要な人材確保を行う観点から、自治体も他の自治体との間において一定の均衡を図るための様々な努力をしていると、今委員御自身が様々な事例を御紹介いただきましたけれども、そのようには承知をしております。
文部科学省としては、そういった努力をしっかりと後押しをしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/24
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025・神本美恵子
○神本美恵子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/25
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026・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。神本委員に続きまして質問させていただきたいと思います。
今日は、連合審査の開催、厚生労働委員会に所属している立場でも敬意、感謝申し上げたいと思いますし、既に内閣委員会で充実した審議を行われていると理解をしておりますので、若干内容かぶるかもしれませんが、私の立場で確認すべきを何点か確認させていただきたいと思います。
今の神本委員とのやり取りを聞いていても、これじゃ処遇の改善できないなと、すごく心配になっています。宮腰大臣、是非、なぜ、これ今回の無償化の前に本来やるべきことを先にやらないのか。待機児童の解消、保育の質の向上、そして何より保育士さんたちの処遇の改善、これは本当、先やるべきじゃないですか、宮腰大臣。是非それ先にやりましょうよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/26
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027・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の幼児教育、保育の無償化は、少子化対策としての側面と、幼児教育、保育の質の確保といいますか、この重要性という観点から行うものであります。
特に、今おっしゃったこの待機児童の問題については、基本的に既にほとんどの子供が認可施設を利用できている三歳から五歳児を対象としている、ゼロ歳から二歳児については住民税非課税世帯に限定していることから、保育の潜在ニーズへの影響は限定的であると考えております。
さらに、待機児童対策として、現にだんだんこの待機児童は減ってきておりますけれども、これから女性の方々が、働く方々が増えてきているという実態から、やはり待機児童対策をしっかりやっていく必要もあると。
さらに、保育の質の確保についてはこれまでも段階的に行ってきておりまして、平成二十四年の子ども・子育ては、税と社会保障の一体改革の議論の中で、当時の民主党あるいは自民党、公明党、三党合意の上で、段階的に保育士さんの処遇の改善も実は進めてまいったところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/27
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028・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、こういう質問に対してずばっとここで答えられないことが問題だというふうに僕は強く思いますよ。
根本大臣、先ほどの質疑で、待機児童、二万人を下回ったみたいな発言されています。じゃ、潜在的待機児童の問題というのはどこまで厚労省、把握をされているんですか。
先般、横浜市が四月一日時点の待機児童数を発表されていますね。四十六人。ところが、潜在的待機児童、つまり隠れ待機児童、三千人以上という数字が発表されています。本来はこの数字をきちっと見て待機児童問題の解消を図るべきじゃないんですか、根本大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/28
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029・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 我々、待機児童の解消、待ったなしの課題で最優先で取り組んでおります。
具体的には、先ほど申し上げましたが、二〇二〇年度末までに待機児童を解消するため、子育て安心プランに基づいて、保育の受皿三十二万人分を整備することとしています。この保育の受皿三十二万人分というのは、二十五歳から四十四歳までの潜在……(発言する者あり)だから、潜在的な、潜在的なということがあるのでお答えしておりますが、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末までに他の先進国並みの八割まで上昇する、これを見込んで必要な……(発言する者あり)いや、必要な整備量を推計していますから、ですから、それは待機児童、待ったなしで取り組んでいます。
そして、潜在的な待機児童というのは、それぞれ市町村で、それぞれの状況の中で待機児童がある。ですから、市町村は計画的にそれを見込んで、計画的にそれを見込んで必要量を出して、そして今進めております。
そして、その必要量という意味では、女性の就業率が八割まで上昇するということを見越して推計して、三十二万人という受皿を今用意すべく、それぞれの市町村で整備を進めているということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/29
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030・石橋通宏
○石橋通宏君 結局、全く質問にお答えいただいていませんね。
横浜で四十六人という公表数値、でも潜在的待機児童三千人。百倍ですよ、大臣。これが全国的にそのとおりだったらどうするんですか。厚生労働省が根拠にしている数字、全く根拠がない。それだけ多くの皆さんが、本来は保育の必要がある、預けたい、でもそれが預けられない、希望するところに行けない。それに対してまず率先して、優先して取り組むのが政府の仕事じゃないんですか。それをしないままに、これ無償化優先する。もっと厳しくなるじゃないですか。そういう声が現場の皆さんから心配、懸念の声で上がっていることになぜ耳を傾けないんですか。そのことを言っているんですよ、大臣。
大臣、ちゃんと、三歳から五歳はもうほとんどが利用できている、これ、根拠ある数字なんですか。これ、ちょっと根拠を教えてください。じゃ、例えば今御家庭で、つまり保育に預けられていない、ゼロ歳から六歳まで何人子供さんおられて、そのうちの何人が保育に行っておられて、そのうちの何人が幼稚園で、何人が御家庭におられるのか、大臣、把握されているんでしょうね。じゃ、そのうちの何人がこの無償化によって保育園に預けて働きに出ようと思っておられるのか、大臣、計算しているなら、それ教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/30
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031・根本匠
○国務大臣(根本匠君) まず、三歳から五歳、これについては、基本的に既にほとんどの子供が認可施設を利用しているという事実があります。そして、三歳から五歳について、就学前児童数三百万人で、保育所等利用児童数が百五十四万人になっています。それから、ゼロ―二歳の住民税非課税世帯では、住民税非課税世帯というのは十四万人ですが、今、待機児童は一・八万人となっております。そして、三歳―五歳の待機児童数は二千人ということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/31
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032・石橋通宏
○石橋通宏君 委員の皆さん、皆さん首かしげていると思います。
だから、重ねて、もう時間なくなりましたけど、こういう質問に対して政府としてきちんとした答弁ができない。これ、多くの皆さんの懸念ですよ、心配されているんです。その声に対して国民にちゃんと回答できない、答えられない。それじゃ、結局皆さんの不安、懸念は払拭できません。にもかかわらず、こうやって突っ走ろうとされている。ますます現場混乱しますよ。
そのことを強く主張して、我々、こういういいかげんな対応は許すことはできないという思いで引き続きしっかり追及していきます。そのことを申し上げて、質問を終わりにします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/32
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033・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。連合審査会にて質問の機会をいただき、ありがとうございます。
我が家の次女も、おととし、保育園落ちました。そうやって言うと、だったら衆議院の議員会館の第二の地下にある認証保育園に入れたらいいじゃないかというふうに言われるんですけれども、あそこ、一枠空きが出ると大体百件の申込みがあるそうです。当然門前払いでしたし、一時預かりも一時間二千百円なんです。当然、その希望する時間に空きがあるとは限りませんし、毎日預かってもいただけないということで、大変途方に暮れました。
冒頭、根本大臣に伺います。
今、私たちは保育園に入りやすい月というのを、生まれ月を計算して、妊娠すると、つわりで吐きながら、若しくは臨月に大きいおなかを抱えながら保育園を見学して回っています。そして、あなただと百九点ねとかいって役所に点数を付けられて、膨大な申込書に一生懸命書き込んで、第十三希望ぐらいまで書き込んで提出するんです。そして、どうか保育園に入れますようにというふうに祈って、そして待つだけという保活、若しくは第二保活というのをしております。
我が子の学びやなのに選ぶ場所すら自分で決められない、そういったこの国の保育の現状について、今、大臣、どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/33
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034・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 保護者が出産、育児から職場復帰するに当たって、希望の保育所に入るために大変な苦労をされているという現状があると承知しております。女性活躍の促進という観点からも大きな課題と認識しています。これは保育の受皿が不足していることが大きな要因と考えており、保育の受皿整備と待機児童対策、これは安倍内閣の最重要課題の一つとして最優先で取り組んでおります。
引き続き、待機児童を解消するとともに、女性の就業率八割に対応できるよう、子育て安心プランに基づいて、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿確保に取り組んでまいります。
また、保育所の入所に当たっては、保護者の希望も伺いつつ、市町村が利用調整を行い、入所できる保育所を決める仕組みとなっております。保護者の希望には……(発言する者あり)はい。じゃ、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/34
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035・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 大臣、無償化によって事態の悪化というのはもう目に見えているわけです。
先ほど横浜市の例もありましたけれども、無償化で、大阪府の守口市では、二〇一七年四月からゼロ―五歳の保育料無償化を実施したところ、認定こども園の申込者数が前年比で四〇%増。そして、兵庫県明石市では、一六年から第二子以降の保育料無償化を実施したところ、翌年には待機児童が五三%増。新聞社の調査に対して、八割以上の自治体が今、無償化によって今後の保育ニーズは増えるというふうに回答しています。
そして、これまでの質疑の中でも、今大臣がおっしゃった二〇二〇年度末までに三十二万人の受皿整備、それでは足りないのではないかという指摘があります。これはもう無償化の方針が出る前のものであって、ただでさえ民間の試算は八十八・六万人と言っているのに、これは足りないんじゃないかという指摘。それから、政府の最優先課題がなぜ無償化なのか疑問だと、待機児童の解消や幼児教育、保育の質を高める方が重要ではないかという指摘。それから、安全性を確保してから無償化するのが筋だ、今こんなに強引にやるべきなのか、政策の妥当性に欠けるという指摘。それから、地方に相談もなく、制度設計もしっかりしないまま、消費増税を納得させるための人気取り政策とのそしりを免れない等の指摘がなされています。
確かに、安倍総理は子供たちの教育についての哲学というのを感じません。本法案が審議入りした三月十二日の衆議院本会議で安倍総理は、保護者の所得にかかわらず全ての子供にとって重要だと、三―五歳の無償化に所得制限を設けない意義を力説しておられましたけれども、最も保育料が高いゼロ―二歳には所得制限を設けておりますし、また、今、文科委員会では大学修学支援法が審議中でありますけれども、こちらにも所得制限をしっかり設けていらっしゃいます。これ、一体どっちなんでしょうか。
子供の学びや育ちに線引きはしないんだ、そんな思いで、強い思いでやっていらっしゃるんでしたら、少なくともこの無償化については法文にも書き込めばいいというふうに思うんですけれども、これは宮腰大臣ですかね、なぜ保育料不徴収化は法律でなく政令の改正でやるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/35
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036・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今般の幼児教育、保育の無償化は、子ども・子育て支援新制度の幼稚園、保育所のほか、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がいることから、こうした施設を保育の必要性のある子供が利用した場合も対象とすることにいたしております。
これを実現するため、今回の改正法案において、基本理念に子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えた上で、様々な対象サービスについて無償化を実現できるよう所要の規定の整備を行うものであります。
このうち、幼稚園、認可保育所、認定こども園については、現行の子ども・子育て支援法により、既に政令で定める額を限度として市町村が定める額を利用者に負担させることができる仕組みとなっておりまして、これまでの段階的無償化と同様に、政令で定める額を改正することにより無償化を実施することとしております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/36
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037・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 大臣御存じかと思いますけれども、政令というのは内閣が制定する行政立法ですから、その改廃というのは内閣の限りでできます。だから、内閣が替わったり、内閣の中で政策が変わったりすれば、制度は自在に改廃できてしまうと。だから、恒久的なものとする、そうしたいのであれば、法文上に字も書き込めばいいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/37
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038・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 先ほど委員も御指摘のとおり、ゼロ―二歳児については所得制限を設けた上で無償化をするということにしております。でありますので、全てを無償化するというわけではありません。
そういうことでありますので、今回の法改正は、一つは、これまでの子ども・子育て新制度について、既に政令で定められる額、定められている部分については政令で定める、あるいは、この認可外についても一定の期日を設ける。しかし、全て、ゼロ―二歳も含めて全て無償化をするというわけではないので、だからそういうことも含めて今政令で定めるということにしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/38
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039・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 大臣、では、ゼロ―二歳は将来に向かって無償化するおつもりってあるんですか。そして、その場合は法文上にしっかり書き込むという御答弁ですか、今のは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/39
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040・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) ゼロ歳から二歳児までの子供たちにつきましては、待機児童の問題もありますことから、その解消に最優先で取り組むことといたしまして、住民税非課税世帯を対象として進めるということにいたしております。
更なる支援につきましては、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討するということにいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/40
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041・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 全く答えてもらっておりませんが、時間がないので次行きます。
今年四月の待機児童数は前年と同水準であると報じられております。保育ニーズの増大に待機児童対策が追い付いていない状況は何ら変わっておりません。
二〇一七年六月に公表された待機児童解消のための子育て安心プランの中には、都市部における既存施設、郵便局、国有地等の活用を推進するとしています。現に、国交省では、都市公園の占用という規制緩和によって、公園内保育所を二年で二十四園開園させました。しかし、これ、強制力がないため自発的に取り組む自治体の数は僅かで、調査した千七百四十一自治体中、実績があるのは僅か七十五自治体でありました。
根本大臣に御提案を申し上げたいというふうに思います。自治体の推進力となるような情報提供、例えば保育所の設置が可能な国有地情報などを国が公表するとか、遊休公有地も対象に含めるなどしてはいかがでしょうか。
この遊休公有地というのは、例えば、お手元にあります資料一を御覧ください。こちらは自民党本部の目の前、まさに目の前の旧永田町小学校に関する資料です。一九〇八年開校、一九九三年に閉校して、現在は週に一回、午後二時間だけ一般に開放されています。土地所有者の千代田区に電話して聞いてみたんですけれども、ここをどうするかまだ決めていないそうです。閉校して既に二十六年たっていますが、まだ決まっていないそうです。
私、いつも子供たちの手を引いてあそこの旧永田町小学校の横を通るたびに、政府は待機児童問題は待ったなしの課題とか言っているくせに、毎日目にする目の前にある広大な土地を見ても何とかできないかとか思わないのかなと、そりゃ当事者じゃないもんなって、恨めしい気持ちに毎回なるんですけれども。
根本大臣もあの土地、毎日御覧になっていると思います。活用されてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/41
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042・根本匠
○国務大臣(根本匠君) その点に関して私がお答えすればいいんですか。
それは、公有地については、例えばですよ、自治体が所有する公有地の活用、これについては、保育の実施義務は市町村ですから、自治体が所有する公有地の管理については、活用方策を含めて各自治体で適切に対応していると認識しています。
ですから、自治体が所有する土地を保育の受皿整備に活用することについても、私は、自治体が、関係部局が連携して適切に対応していると認識しておりますし、これはやはり自治体の判断だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/42
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043・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 待ったなしの課題なんですよね。最優先課題なんですよね。必死さが足りないんじゃないでしょうか。
自治体と連携をして、ああいう公有地についても保育園が設置できるように、そういった情報提供も含めて、されたらいかがですかと提案しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/43
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044・根本匠
○国務大臣(根本匠君) まず、都市公園や国有地の活用等、様々な施策を活用して、要は、やれることは全てやるということで取り組んでおります。
そして、公園については、先ほど委員からもお話がありましたが、法律を改正して、そして、都市公園というのは元々保育所の設置は可能ではありませんでした、オープンスペースだから。しかし、そこは制度を変えて、公園管理部と福祉部局の間で情報共有を行う。
そして、国有地の活用については、自治体に対して、財務省において廃止宿舎跡地などの国有地情報を提供し、優先的売却や定期借地制度を用いた国有地の貸付けを行っていると承知をしております。
ですから、そういう仕組みは整備されていますから、そこはそれぞれの自治体で、こういうところに保育所を整備したいということであれば、この仕組みを積極的に活用していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/44
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045・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 しかしながら、随分他人事のように答弁されますが。
世田谷区では、旧花見堂小学校跡地を保育園と児童館と障害者施設等として活用しているそうです。是非、国からの積極的な自治体への働きかけもよろしくお願いいたします。
資料二の一、二を御覧ください。
これは、社会経済的不利や健康、発達の問題と保育園や幼稚園に通っていない理由が関連しているということが全国四万人調査によって分かったという資料であります。
現在、日本に暮らす三歳児の八・九%、四歳児の二・七%、五歳児の一・九%が未就園と推計されていますが、それはなぜかの研究調査は国は行ってきませんでした。また、理由のみならず、資料二の一、上段にありますアメリカの経済学者ヘックマンが検証したような、幼児教育の持つ意味、質の高い幼児教育の長期的な経済的効果について考察したこともありません。
ヘックマンによれば、家庭でのリソースが少ない低所得者層の子供にこそ質の高い幼児教育が重要であり、公的資金投入の費用対効果が高いそうです。つまり、子供に最善のものを保障する子どもの権利条約の視点からはもちろんのこと、収益率の観点からも、まずは教育の機会均等を保障し、幼児教育を受けることができない子供を減らすことが社会全体にメリットをもたらすのではないかという示唆であります。
宮腰大臣に伺います。
この未就園児対策についてどのように取り組んでおられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/45
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046・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 子ども・子育て支援は、貧困あるいは家族の状況、障害等の事情により社会的な支援の必要性が高い子供やその家族を含め、全ての子供や子育て家庭を対象として実施してきております。
具体的には、安倍政権において、平成二十六年度以降、低所得世帯や一人親世帯、多子世帯を中心として幼児教育無償化の段階的な実施に取り組んでまいりました。さらに、保育料以外の負担について、本年十月の無償化に際して、副食費の免除の対象を年収三百六十万円未満相当の世帯に拡大することとしております。
また、こういった経済的な負担の軽減のみならず、子育ての負担や不安を和らげるため、親子の交流や、子育てに関する不安、悩みなどを相談できる場としての地域子育て支援拠点や、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行う子育て世代包括支援センターの整備などを進めているところです。特に、障害児等の特別な支援が必要な子供や外国人の子育て家庭については、円滑に教育、保育を利用できるような配慮も行っております。
未就園児となっている要因の、総合的な要因の把握、調査の実施につきましては、保育所や幼稚園等に預けるのではなく、自宅での子育てを望む保護者の方がいること、あるいは調査を行う範囲や調査の方法をどうするかなどの課題がありますが、無償化の実施状況の把握を進めていく中で、どういったことができるか、関係省庁と連携しながら研究してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/46
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047・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 是非調査してください。誰がどこでどんな理由で困っているのか可視化していただき、そこに対策をしていただければというふうに思います。
柴山大臣にも伺います。
外国をルーツとする子供たちの学びの場、例えばアメリカンプリスクールだとか朝鮮学校は無償化対象外というふうになっております。認可外保育施設については基準も問わず活用する姿勢を示しながら、一方でこうした施設を排除するということが妥当なのか、また合理的と言えるのか、御所見、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/47
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048・柴山昌彦
○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の幼児教育の無償化は、法律により幼児教育の質が制度的に担保された施設であり、広く国民が利用している幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するとともに、保育の必要性のある子供については認可外保育施設等も無償化の対象とするものであります。
今御指摘の外国人学校につきましては、その設置形態などは施設によって様々であります。認可外保育施設としての届出がされたものについては、今委員が御指摘のとおり、保育の必要性のある子供は無償化の対象となりますが、それ以外の方々については対象とならないということにしております。
そして、外国人学校の中には各種学校もあるわけです。この各種学校については、幼児教育を含む個別の教育に関する基準もなく、多種多様な教育を行っており、法律により幼児教育の質が制度的に担保されているとは言えないこと、また、学校教育法に基づく教育施設については児童福祉法上認可外保育施設にも該当しないということから、今般の無償化の対象とならないということでありまして、決して国籍によって差別しているというものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/48
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049・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 認可外保育施設については五年の猶予を設けて取りあえずどんなものでも受け入れてしまう、無償化してしまうのに、こういった先進的な幼児教育をやっているところについて排除するということについて疑義があるというような意見を述べさせていただきました。
そしてまた、今、柴山大臣に引き続き質問させていただきますけれども、公立幼稚園、大丈夫なのかなというふうに非常に心配しております。
現在、公立の約半分が四歳児からの受入れであります。私立幼稚園は三歳から無料で入園できるのに、わざわざ四歳まで待って公立幼稚園に入園する、又は一回入ったのにわざわざ転園させて入れる保護者というのは少ないんじゃないかなというふうに思う中で、入園者の激減を見越して公立の全廃計画を打ち出す自治体も増えております。しかし、例えば障害があったり、認可幼稚園では受け入れられなかった子供たちを受け入れたり、病児とか療育とか統合保育とかインクルーシブ教育とか、いろいろなそういった推進してきた公立というのは大変な努力をして地域のニーズとか追い詰められたお母さんたちをずっと守ってきました。
こういう、設置者は確かにまたこれも市区町村になるんですけれども、政府も認定こども園化に伴う何かフォローをしたりですとか特別な財政措置を講じるなど、こういった公立の幼稚園に対して、保育園もそうですけれども、対策に乗り出すという準備はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/49
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050・柴山昌彦
○国務大臣(柴山昌彦君) 子ども・子育て支援法においては、市町村につき、子ども・子育て支援事業計画を策定して、当該計画に基づいて必要となる教育、保育の量を適切に見込んだ上でその提供体制を確保する義務が課せられているわけです。このため、まずは各市町村において、今御指摘があったように、例えば障害児など特別な支援が必要な子供も含めて、当該自治体における教育ニーズを適切に満たすことができるように、必要に応じて公立幼稚園を含めた教育や保育の提供体制を整えていただくことが私は重要だというふうに考えます。
文部科学省、じゃ、どうするんだということなんですが、我々といたしましても、幼稚園の定員増が場合によって必要となるところもあるというように思いますが、そういう場合、公立、私立共に施設整備費に対する補助を実施しているところでありますので、これらの支援を的確に行うことによって、各地域において教育ニーズが適切に満たされるように取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/50
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051・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 公立幼稚園、保育園も是非守っていただければと思います。
最後に、一番重要な保育の質の確保について伺います。
母親が恐らく保育の現場にたった一つだけ願うとすれば、恐らく全員が生きて帰してというか、元気に帰ってきてほしいというふうに答えると思います。
根本大臣にお伺いいたします。
都道府県が一六年度に立入調査をした認可外施設四千七百七十一か所のうち、四三%に当たる二千六十二か所が指導監督基準を満たしていませんでした。また、一三年から一七年に認可外施設で発生した死亡事故は、認可施設の三倍以上。千か所以上の認可外施設がある東京都が一七年度に立入調査したのはたった二百二十一か所、千分の二百十一か所です。国が求めている各施設年一回の検査は到底困難だという状況であります。
失業の危機にさらされる保護者の切実な思いというのも私ももちろん分かるんですけれども、子供の命が危うくなる、そういった環境が容認されるそういった保育政策というのはやっぱり違うんだというふうに思います。最低限の基準すら守れないところは排除しないといけないというふうに思います。
大臣、抜き打ち検査やっていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/51
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052・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 保育施設の保育内容や保育環境が適切に確保されるためには、各自治体が保育の現場に立ち入ることが重要だと思います。
今委員から話がありましたが、各都道府県等において、毎年一回以上立入調査を行う仕組みとしております。この定期的な立入調査以外にも、保育施設において重大事故が発生した又はする可能性が高いと判断した場合や、あるいは通報などにより児童の心身に重大な被害を生じるおそれが認められる事案を把握した場合、こういう場合には事前通告などなしの特別指導監査を行うことを求めております。
また、立入検査ではありませんが、保育施設が守るべき基準の内容について助言を行う巡回指導員、巡回指導員が、これは東京都では随分巡回指導員を活用していると聞いておりますが、事前通告なしに保育施設を訪問するケースもあると承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/52
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053・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 その特別監査というのはほとんど行われておりません。今、問題のある施設を把握する体制すら不十分だというような状況なんです。
そして、保育園の方たちも別に立入調査嫌だということはないと思います。みんな、もう何もやましいことなんてないんです。わざわざ膨大な調査に際して資料を整える必要もないですし、その施設の偉い人が立ち会う必要もなくて、ただただ、例えば午睡中に適切な見守りができているかとか、そういった配置基準が守られているかとか、そういう子供たちが安全に過ごせる環境かどうかというのだけ見せていただく、そういった抜き打ちのチェックというか確認、非常に必要だというふうに思います。
そして、こういうふうにチェックできればいいんですけれども、ベビーシッター、これは本当に、個室の中で子供とその大人だけという状況、これはなかなかチェックすることができないにもかかわらず、このベビーシッターには公的な免許制度はありません。都道府県への届出制であります。
シッターは無償化の対象になることは昨年五月に決めておられたのに、いまだ指導監督基準が決まっていないというのは、大臣、おかしいんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/53
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054・根本匠
○国務大臣(根本匠君) いわゆるベビーシッターというのは、児童福祉法上、認可外の居宅訪問型保育事業のことをいいますが、これは届出が義務付けられておって、毎年、運営状況の報告を都道府県知事等に行うこととまずされております。
今回の、ベビーシッターを含む認可外保育施設について今回無償化の対象にしたのは、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方がいることから、代替的な措置として今回の無償化の対象としたものであります。そして、無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上を図ることが重要であります。
ベビーシッターについては、今お尋ねがありましたが、保育従事者の資格や研修受講などについて新たな基準の創設が必要と考えており、基準の検討に併せて地方自治体による指導監督の方法についても今現在検討を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/54
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055・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 そうなんです。だから、昨年五月にもう無償化すると決めているのに、まだ検討というのがおかしいんじゃないですかというふうに御指摘申し上げております。
根本大臣に引き続きお伺いいたします。
二〇一八年六月に、野党六党派により、保育士の給料を月額五万円引き上げる法案を提出しています。保育士の待遇改善よりも無償化の優先順位が上だと判断したエビデンスは何か、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/55
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056・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今般の幼児教育、保育の無償化は、少子高齢化という国難に正面から取り組むため、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、社会保障制度を全世代型へと変えていくものです。
調査によれば、二十代や三十代の若い世代が理想の子供の数を持たない理由として、八割前後の方が子育てや教育にお金が掛かり過ぎることを挙げておりまして、最大の理由となっております。幼児教育、保育の無償化を始めとする教育費の負担軽減は重要な少子化対策の一つであると考えております。
また、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎や義務教育の基礎を培うものであり、三歳から五歳までの子供たちに質の高い幼児教育の機会を保障することは極めて重要であります。こうしたことから、幼児教育、保育の無償化を実施することとしたものであります。
また、保育士の処遇改善は大変重要な課題でありまして、幼児教育、保育の無償化とともに着実に取組を進めております。
具体的には、これまで、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、二〇一七年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇加算を実施しております。こうした処遇改善が反映された結果、保育士の賃金については、試算によると、平成二十五年からの五年間で、年収ベースで約四十八万円増加をしております。さらに、今年度からは、新しい経済政策パッケージに基づき、月額三千円相当の改善を行っております。
無償化とともに処遇改善、共に頑張ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/56
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057・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 それはエビデンスでも何でもないです。
お父さんやお母さんに聞いてみてください。お金がただなのと子供が安全なののどっちがいいかといったら、みんな子供が安全なのを、お金掛かっても安全な方がいいと言うに決まっています。
そして、先進諸国というのは、幼児教育の無償化を進めている、質の高い幼児教育の無償化を進めているのであって、保育の無償化を進めているのではありません。
そして、消費増税を決めた一二年の税と社会保障の一体改革では、保育士の処遇改善や職員配置を手厚くするなど、質の向上を約束されたはずです。それを置き去りのまま、聞こえのいい無償化だけを進めて受皿整備が追い付かなければ、保育の質を何としても守っていっていただかなければ必ず混乱を、必ず悲しい事故を引き起こすというふうに思います。三大臣には各省での対策をしっかりしていただくことをお願いいたしますし、この配置基準、OECDで最低レベルなんです。
例えば、赤ちゃんの一年って、本当に体重が倍になるんですよね。大臣の体重が倍になることはないと思いますけれども、赤ちゃんの体重はこの一年で倍になるんです。四か月の子供と十一か月の子供は、行動範囲も違えば何もかもが違います。その子たちをどういった、今OECDの中でも最低の配置基準で保育士さんたちが見ているか、保育士さんたちの現場のそういった苦しい声が聞こえているか、そういったことにも耳を傾けていただければというふうに思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/57
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058・新妻秀規
○新妻秀規君 まず、私からも未就園児の課題について取り上げたいと思います。
先ほど伊藤委員も取り上げられましたけれども、先月、北里大学が、約四万人を対象とした全国調査の分析から、三歳以降の未就園は、低所得、また多子、外国籍など社会経済的に不利な家庭や、発達、そして早産とか先天性疾患といった健康の問題を抱えたお子さんにこの未就園が多いという傾向が明らかになったというふうに発表をしております。
ここで、具体的な結果を紹介をしたいと思います。これから述べる結果は、全て平成二十二年生まれの三歳のお子さんについてのものです。
まず、低所得の課題ですけれども、世帯の所得を五つのグループに分けて、最も高い所得のグループの未就園を一としますと、最も低い所得のグループでは未就園が一・九二、約二倍に近いと。次に、お子さんが多い世帯につきまして、一人っ子を一とすると、三人の兄弟の場合は一・五九。そして、親の国籍、日本人の親の場合に比べて外国籍の親の場合一・三五。このような状況となっております。
次に、健康また発達の問題を抱えたお子さんについてなんですけれども、まず早産について、三十七週以降の出生週のお子さんを一・〇としますと、三十二週未満の早産のお子さんは一・八四。先天性疾患がないお子さんを一・〇とすると、ありのお子さんは一・四。そして、発達の遅れなしのお子さんを一・〇とすると、ありのお子さんは一・三七。このような結果となっております。
今般の幼児教育と保育の無償化におきましては、三歳から五歳までのお子さんについては、所得制限がなく、幼稚園そして保育施設、認定こども園に通う全ての子供たちが対象となります。しかし、三歳から五歳までの子供であっても、未就園児は対象とならないと。
幼児教育、保育を受ける機会が得られず取り残される子供を出さないよう、政府として実態把握も含めまして何らかの対応を講じるべきと考えますが、宮腰少子化担当大臣の御所見をお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/58
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059・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 子ども・子育て支援は、貧困、家族の状況、障害等の事情により社会的な支援の必要性が高い子供やその家族を含め、全ての子供や子育て家庭を対象として実施をいたしております。これまで、低所得世帯や一人親世帯、多子世帯を中心にして、幼児教育無償化の段階的な実施に取り組んでまいりましたし、また、本年十月からの無償化に際して、副食費の免除の対象を年収三百六十万円未満相当の世帯に拡大をすることとしております。
障害児等の特別な支援が必要な子供につきましては、円滑に教育、保育を利用できるよう、市町村があらかじめ地域における特別な支援が必要な子供の人数や施設における受入れの状況について可能な限り把握をいたしまして、必要な調整を行った上で教育、保育の提供体制を確保することとしております。
さらに、今年度から、外国人の子育て家庭が教育・保育施設等を円滑に利用できるよう、市町村が実施する利用者支援事業における多言語対応を促進をいたしまして、外国人の子育て家庭からの相談の受理や子育て支援に関する情報提供等の取組を推進しております。
御指摘の未就園児となっている要因の総合的な調査の実施につきましては、保育所や幼稚園に預けるのではなく、自宅での子育てを望む保護者の方がいることや、調査を行う範囲や調査の方法をどうするかなどの課題がありますけれども、無償化の実施状況の把握を進めていく中で、どういったことができるか、関係省庁と連携しながら研究してまいりたいと考えております。
こうした取組を含めて、今後とも、一人一人の子供が健やかに成長することができる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/59
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060・新妻秀規
○新妻秀規君 今大臣から御答弁いただきましたこの市町村の調査を是非とも後押しをするような取組をお願いしたいのと、また関係省庁との連携又は調整を是非とも加速化していただきたいというのをお願いをしたいと思います。
次に、就学前の障害児の発達支援について、給付を受けるために必要となる手続と無償化の対象外となる費用について確認をしておきたいと思います。
平成三十年の十二月二十八日に関係閣僚で合意をされました幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針におきまして、「就学前の障害児の発達支援についても、併せて無償化を進める。具体的には、満三歳になった後の最初の四月から小学校入学までの三年間を対象に、児童発達支援、医療型児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援及び保育所等訪問支援を行う事業並びに福祉型障害児入所施設及び医療型障害児入所施設の利用料を無償化する。 また、幼稚園、保育所又は認定こども園とこれらの発達支援の両方を利用する場合は、ともに無償化の対象とする。」と記載をされております。
さきの北里大学の調査でもこのお子さんの健康や発達の問題と未就園との関連が指摘されており、そういったお子さんを持つ家庭の負担軽減を図ることは大変意義深いというふうに考えております。
ここで、就学前の障害児の発達支援に対する給付を受けるために、保護者は新たに手続をする必要があるのでしょうか。また、就学前の障害児の発達支援において無償化の対象外となる費用にはどのようなものがあるのか、厚生労働省に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/60
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061・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) まず、手続の面でございますが、就学前の障害児の発達支援の無償化に当たりまして保護者に新たな手続が生じないように、そういう方向で現在検討を進めさせていただいているところでございます。
それから、対象外となる経費ということでございますけれども、今般の無償化の対象は障害児の発達支援の利用料としておりますので、現在保護者から実費として徴収しております食事の提供に要する費用ですとかあるいは日用品費等につきましては無償化の対象外と、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/61
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062・新妻秀規
○新妻秀規君 今、手続をする必要がないような調整を進めているということですけれども、是非ともその方向で調整を進めていただきまして、また、しっかりその方針が当事者に伝わるように対応をお願いをしたいと思います。
最後に、企業主導型保育事業について伺います。
企業主導型保育事業は、平成二十八年度に内閣府が開始いたしました企業向けの助成制度です。企業が従業員の働き方に応じた柔軟な保育サービスを提供するために設置する保育施設や、地域の企業が共同で設置、利用する保育施設に対し、施設の整備費及び運営費の助成を行うものです。
企業主導型保育施設を利用する保護者からは、子供と関われる時間が増えたとか、日曜日にも預けられるので安心して仕事ができるなどの好意的な声が聞かれる一方で、開設後、短期間で休止又は廃止となったり、また、利用児童数が利用定員を大幅に下回ったりする事態も報じられるようになりました。例えば、世田谷区の企業主導型保育施設では、保育士が一斉に退職をして休園したり、また職員数の不足によって経営が困難になったりするなどのトラブルが相次ぎました。
一昨日の四月二十三日ですけれども、会計検査院は、検査を行った結果に基づく企業主導型保育施設の整備における利用定員の設定等についてを発表いたしまして、内閣総理大臣に対し改善の処置を要求をしております。
会計検査院が抽出をした、開設から一年以上たつ保育施設のうち、百七十三施設について検査をしたところ、月平均の定員充足率が一年以上にわたって五〇%を下回った施設が七十二施設もあったとのことです。この七十二施設を整備した事業主体に確認をしたところ、利用定員の設定に当たり、従業員の聞き取りや従業員の意向等の保育需要に係る調査等を行わず、合理的な理由等がないまま一定の割合の従業員等が利用すると想定している状況が見受けられたとのことでした。
また、審査を行うこの児童育成協会、この審査においては、利用定員の妥当性について審査等を行わないまま助成の決定を行っていたということでした。本当、ずさんだと思います。このような状況では、定員の充足率が低調になるのも当然と言わざるを得ません。
また、会計検査院が抽出した二百十三施設について検査をしたところ、十七施設が計画よりも開設が遅延し、開設に至っていませんでした。整備途中で生じた設計の変更等により開設が遅延している事例もあったとのことです。計画に対して一年三、四か月開設が遅れて子供の受入れができていない施設もあるとのことで、子供を預けようとしていた保護者のことを考えると本当に憤りを覚えます。
ここで、児童育成協会の審査においては、形式的に確認は行っていたものの、整備する企業主導型保育施設の設計が設備基準等に適合しているかについては十分に審査等を行わないまま助成の決定を行っていたとのことです。これも全くもってずさんと言わざるを得ません。審査が適正に行われていれば、このような事態は防げていたのではないかというふうに考えます。
こうした相次ぐトラブルに、せっかく新設をしたこの企業主導型保育事業への国民のイメージは悪化してしまうんじゃないかと思うんですね。今、子供を預けようとしている保護者も、不安に思っている方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。このような事態が続けば、これから子供を預けようとする保護者は少なくなるに違いありません。
今般のこの会計検査院の改善の処置の要求、また、内閣府の子ども・子育て本部が三月十八日に発表しました企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会報告書、こうしたものを踏まえまして、企業主導型保育事業をめぐる課題を整理して、必要な改善を行っていただきたいと強く思います。
ここで、このような事案への所見と必要な改善に向けた決意を宮腰少子化担当大臣に伺い、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/62
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063・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 企業主導型保育事業に係る今般の会計検査院の改善処置要求につきましては、この会計検査院からの指摘を真摯に受け止めまして、今ほど御指摘いただきました検討委員会報告で示された今後の方向性に沿った見直しと併せて必要な対応策を講じ、改善を図ってまいりたいと考えております。
企業主導型保育事業は、御指摘のとおり、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業であるというふうに考えております。制度創設から三年目を迎えまして様々な課題について多くの指摘を受けておりまして、先般、検討委員会報告におきまして、待機児童対策へ貢献すべく量的拡充に重きを置く一方で、実施機関が行う事前の審査、開設後の指導監査等において、保育の質の視点が不足しているのではないか、その結果として、設置者の財務基盤が脆弱であったり、経営見通しが甘いままに開設された施設があり、入所児童の確保や保育士の確保が円滑に行われず、定員割れ、休止等につながったのではないか、自治体と実施機関、現在、児童育成協会でありますけれども、その間の各施設の運営状況の情報共有、指導監査の連携等が不足しているのではないか、事業規模が拡大する中で、実施機関による指導監査、各種相談の実施体制が十分に整っていないのではないかといった課題が示されております。
また、それらの課題に対する今後の方向性として、子供の安全第一の観点から、保育の質の確保、向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直すこと、子供にとって安全で安定的な保育が可能となるよう、事業の継続性、安定性を確保すること、国、実施機関と自治体との間で、情報を共有しつつ、審査、運営の円滑化や指導監査、相談などについての連携を進めることなどを基本的考え方として、審査や指導監査、相談支援、情報公開、自治体との連携などを充実強化するための改善方策が示されております。
この報告を踏まえ、内閣府としてできることから速やかにかつ着実に改善を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/63
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064・新妻秀規
○新妻秀規君 本当に万全の体制で改善に取り組んでいただくとともに、しっかりフォローアップをしていただきたいことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/64
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065・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会・希望の党の高木かおりでございます。今日は連合審査の折に質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、今回の法案では三歳から五歳が無償化とされておりますが、これ、実際は文言どおりではない場合もあるということなんですね。
実は、この認定こども園でのお話なんですけれども、この認定こども園というのは教育と保育を一体的に行うというところで、簡単に言えば幼稚園と保育園が一緒になったというような施設でございます。そこでは、子供を一号認定子供、二号認定子供、三号認定子供というふうに三つに分けているわけなんですけれども、この一号というのが幼稚園に該当する、それから二号、三号が保育園に該当するということなんですけれども、これをちょっと今御説明した上でなんですが、この満三歳児の取扱いについてなんですね。
質問通告の順番がちょっと変わっておりますけれど、まずこのテーマから御質問させていただきたいと思います。
これは、実は、子ども・子育て支援法第十九条におきまして、この満三歳に達したとき三号認定から二号認定となるものとされているわけなんですが、この二号認定子供である満三歳児と一号認定子供である満三歳児、これは同じ満三歳児であっても取扱いが違っているということなんですね。一号認定子供、すなわち幼稚園型のお子さんはこの三歳のお誕生日を迎えたらすぐに無償になるわけです。ところが、この二号認定子供、先ほど申し上げたその三号はゼロから二歳、この二号になるには三歳から五歳というふうに分けられているわけなんですけれども、この二号認定子供、保育園型のお子さんですね、三歳の誕生日を迎えても無償化にはならず、次の四月まで待たなければいけない、同じ三歳児なのに。
この違いがどうして生じるんでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/65
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066・小野田壮
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
今回の幼児教育、保育の無償化では、基本的な考え方といたしましては、小学校入学前の三年間分の保育料を無償化するという考え方に立ってございます。すなわち、満三歳になった後の最初の四月から小学校入学までを対象にしているところでございます。これは、クラス編制は年度を単位としてなされ、それに応じて職員配置基準や公定価格が定められていることを踏まえたものでございます。
ただ、一方で、幼稚園、認定こども園でいうと一号関係でございますけれども、幼稚園につきましては、四月に入園する子供が多いと承知しておりますが、学校教育法上、満三歳、三歳になった日から入園できることとされていること、また、満三歳児は翌年度の四月を待たず年少クラスに所属する場合も多いこと、さらに、これまでの段階的無償化におきましても満三歳以上の子供を対象として進めてきたことといった事情を踏まえまして満三歳から対象とすることにしてございます。
このような制度の詳細につきまして、引き続き丁寧に周知に努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/66
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067・高木かおり
○高木かおり君 先ほどの説明、幼児教育無償化の制度の具体化に向けた方針というところに記載されておりますけれども、これ、一般的に三歳から五歳が幼児教育の無償化というふうに周知をされておられるわけで、一般の方々、現場ですね、保育園や幼稚園のお母さん方は三歳から無償になるんじゃないのかというふうに思っているわけなんですね。現場ではどうしてなのかというふうに疑問が上がっているんです。今の御説明ですと、なかなか一般のお母さん方は御理解いただけないんじゃないかなというふうに思うんです。
共働き、あるいはどちらか一人の親で子供を預けて働かないといけない、そういった世帯の二号子供の方が三歳になってもすぐに無償化の対象とはならずに、家庭で子供を見ることのできる世帯の一号子供の方が三歳になった途端無償化の対象になるという。今年度は十月からということなのでその期間は短いですけれども、来年度からは、例えば、大臣、四月二日生まれのお子さん、一号ならすぐに無償化、で、二号だったら丸一年、次の年まで無償化の恩恵が受けられないというような状態になるんではないでしょうか。
これ不公平ではないですか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/67
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068・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今統括官の方から御答弁も申し上げましたけれども、今回の幼児教育、保育の無償化では、小学校入学前の三年間分の保育料を無償化することを基本的な考え方としております。満三歳になった後の最初の四月から小学校入学までを対象にしていると。これは、クラス編制は年度を単位としてなされまして、それに応じて職員配置基準や公定価格が定められていることを踏まえたものであります。
一方、幼稚園につきましては、四月に入園する子供が多いと承知しておりますが、学校教育法上、満三歳から入園できることとされている、三歳になった日から入園できることとされていること、満三歳児は翌年度の四月を待たず年少クラスに所属する場合も多い、これまでの段階的無償化においても満三歳以上の子供を対象として進めてきたことといった事情を踏まえまして満三歳から対象とすることにいたしました。
制度の詳細、なかなか難しい部分がありますけれども、引き続き丁寧な周知に努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/68
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069・高木かおり
○高木かおり君 私、こういう状況が不公平感を招いていないかということをお聞きをしているわけなんです。
この方針の方には、大臣がお答えになった小学校入学前の三年間分の利用料を無償化することを基本的な考え方としてということで、それは分かるんです。もし、それを最初からそういった説明の形で言っていればまだしもですよ、一般的には、三歳から五歳の幼児教育の無償化というふうに一般の方々は思っているんですね。それが現実には、それは少数かもしれません、今までのいろいろな事例等あるのかもしれないんですけれども、やはり実際には三歳になっても無償化を受けられないお子さんがいるというのが現実なんですね。
そういったことで、現場は混乱しているというお声を聞くわけなんですが、そういった保護者のお母さん方に、是非大臣の方から分かりやすく御答弁いただけたらと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/69
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070・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 認定こども園におきましては、一号認定子供は幼稚園に通う子供と同様に満三歳から無償化の対象となり、二号認定子供は保育所に通う子供と同様に満三歳になった後の最初の四月から対象となります。
認定こども園におきましては、一号認定子供は二号認定子供よりも先に無償化の対象となりますが、例えば二号認定子供は月二十五日、最大十一時間までの利用ができるものの、一号認定子供については、預かり保育の人員体制等の事情により、必ずしも希望者全員が希望どおりの利用ができるとは限らないなどの違いがあります。
このため、保護者にこうした一号認定子供と二号認定子供との違いについて十分御理解をしていただけるよう、引き続き丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/70
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071・高木かおり
○高木かおり君 なかなかそれ以上のお答えはいただけないのかなと思いますけれども、やはり一年間違うと無償化の金額というのもかなりの額になってくると思いますし、やっぱりこれ、分かりやすく、本来でしたら、考え方をやっぱり統一するべきではないのかなというふうに御指摘をして、このテーマは終わりにさせていただきたいと思います。
続きまして、先ほども伊藤委員の方からもありましたベビーシッターについてお聞きをしていきたいと思います。
これ、認可外保育施設にはいろいろな形態がありまして、このベビーシッターもその一つということで、今回、この無償化の対象にベビーシッターも含まれるということでございます。
二〇一六年の時点で、ちょっと古いですけれども、九百三か所あると言われておりまして、このベビーシッターは、都道府県に届けたら業務を始めることが割と簡単にできるということで、実際の利用状況を把握すること、これなかなか難しいことに加えまして、この一人のシッターさんが何人の子供を見てよいかという基準も曖昧ということなんですね。一応原則一対一ということなんですけれども、じゃ、例えば同じおうちで兄弟はどうなのかですとか、何人までいいのかとか、その辺の基準も曖昧だということでございます。
先ほど御答弁ありましたけれども、十月の無償化実施に間に合うようにと指導監督基準を作っているということで、御検討されていると根本大臣がおっしゃっておられたかと思います。
今検討中ということですので、どのような基準、そして、その辺り、大体今検討されている部分、具体的に少し説明していただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/71
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072・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
ベビーシッターの基準につきましては、審議会におきまして現在検討中ということでございます。
それで、内容でございますけれども、御指摘のとおり、原則一対一とか、その配置基準的なものは現在でも原則としてはございます。ありませんのはその保育従事者の資質の部分でございまして、基本的には、ベビーシッターにつきまして、保育従事者の資格とか、基礎資格あるいは研修の受講、そういったことを中心に新たな基準の創設について検討しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/72
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073・高木かおり
○高木かおり君 まだ検討中ということで、逆に検討中というのであれば、例えば先ほど御答弁の中にありました研修の受講ですとかそういったことも考えておられると、こういったことも義務化するですとか、契約書面の確認ですとか情報提供をしっかりしていく、こういった義務化、義務付けていくということもきちんとやっていくべきだと思うんですね。
二〇一四年には富士見市の方でベビーシッターの事件がありました。預かっていたお子さんが虐待され殺害されたというふうな事件もありました。そういった中で、やはりこの基準を設けないというのは、大変その質の確保という観点からもいかがなものかというふうに思うわけです。専門的な資格ですとか立入調査の実施、こういったこともなかなかそのベビーシッターという性格上厳しいのかもしれませんけれども、やはりこれは、もし今後基準を決められたのであれば、十月以降ですね、決めたのであれば、この基準を満たしていなければ無償化にならないのかどうか、その点だけまずお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/73
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074・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
ベビーシッターを含む認可外保育施設、これ全般についてでございますけれども、待機児童問題により認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方、これは基準を満たさない施設も含めてですけれども、こういった方々がいらっしゃることから、基準を満たさないものも含めまして、届出がありますれば無償化の対象とするということでございます。
しかしながら、この今回の無償化を契機といたしまして、ベビーシッターを含む認可外保育施設の質の確保、向上を図ることが重要であるというふうに考えております。したがいまして、ベビーシッターについて新たな基準を作る、あるいは認可外保育施設全般についてその基準を満たすようにいろんな支援、指導監督をしていく、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/74
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075・高木かおり
○高木かおり君 なかなかその基準をきちっと決めていくということが難しいというような御答弁なんだと思うんですけれども、やはりこの質の確保、やっぱり子供をベビーシッターさん預かる、これを仕事としているわけですから、事件や事故が起こってからでは遅いわけなんですね。
最後、時間がなくなりましたので大臣にもお答えいただきたいんですけれども、この基準がないと、守られていないというのは、もうそもそも基準がないということ自体がベビーシッターさんのもう性善説でいくしかないわけなんですよ。その良心に頼るしかないと。こういったこと、やはりもう大問題だと私は思っています。せめて、しっかり保険を掛けるですとか、救命救急講習会、こういったことも義務付けていくとか、いろいろな基準はやはり早急に考えていただかなければ、決めていただいて発表していただかなければいけないと思います。
その点について、最後、大臣、御決意お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/75
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076・根本匠
○国務大臣(根本匠君) そこは、委員のおっしゃられる趣旨はよく分かります。ですから、今回無償化の対象としてこのベビーシッターも、これは待機児童問題によって認可保育所に入りたくても入れずにやむを得ずということで、代替的な措置として対象にしました。
もちろん、その意味では、ベビーシッターについては今まで基準はありませんでした。今回、ベビーシッターも対象にしますから、その意味で、もう既に局長から答弁しましたが、保育従事者の資格や一定の研修受講、これは、このぐらいの研修を、こういう内容のものを受けてもらいますよと、こういう新たな基準の創設が必要だと考えて、今精力的に検討をしております。そして、あわせて、地方自治体においてどういう指導監督をするのか、これも、指導監督の方法についても検討することとしています。
これは、いずれにしても、ベビーシッターを含む認可外保育施設の質の向上、確保、向上の観点から、指導監督の実務を担う地方自治体の御意見も丁寧に伺いながらしっかりと進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/76
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077・高木かおり
○高木かおり君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/77
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078・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
政府の言う幼児教育、保育の無償化は、子ども・子育て支援法の教育・保育給付の支給対象となる認可施設への入所が前提となります。認可外の施設は月三・七万円上限の施設等利用給付なので、東京のある認証保育は三歳児で月約六万円ですから、まず無償にはならないわけです。認可保育所など認可施設の抜本的な増設が無償化の前提とも言えると、これは内閣委員会でも指摘してまいりました。
三月二十二日の予算委員会で、私は東京都の保育ニーズ調査を紹介いたしました。これは複数回答なんですけれども、保護者の半数以上が公立認可保育所を希望し、約四割は民間の認可保育所を希望していると。このこと示して厚労大臣の認識をただしたところ、根本大臣からは、「質の確保、向上を図りながら、待機児童の解消に向けて、認可保育所などを中心とした保育の受皿整備に全力を尽くしていきたい」と、こういう答弁がされました。
改めて、これが安倍政権の保育政策の立場であるかどうか、確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/78
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079・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 待機児童の解消は最優先で取り組んでおりますので、今、三十二万人分の受皿整備、確保、これ二〇二〇年度末が目標ですが、今精力的に取り組んでおります。そして、保育の受皿整備とその質の確保、向上、これを車の両輪として進めることが重要だと考えております。
先日も御答弁させていただきました。保育の受皿として認可保育所等を中心とした整備を進めつつ、あわせて、認可外保育施設が認可施設に移行するための運営費の補助等の支援などの取組を行っております。
引き続いて、質の確保、向上を図りながら、待機児童の解消に向けて保育の受皿整備に全力を尽くしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/79
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080・田村智子
○田村智子君 今御答弁あったとおり、この間、認可外保育施設に補助金を出して認可施設に移行させるという事業が拡充をされてきました。今年度の予算では、補助単価が認可施設と同水準にまで引き上げられました。しかし、いつまでに認可に移行させるのかという期限については緩和をされて、認可外のままでも公費補助を受けられるという仕組みにも今なってしまっているんですね。
それだけではありません。資料を御覧ください。
これは、昨年六月十四日、国家戦略特区諮問会議に厚労省が提出をした資料です。左側が、大阪府と大阪市が待機児童を理由に認可保育所の面積基準、人員配置基準など国の最低基準を緩和する特例をしてほしいという提案を行ったことが示されています。右側がその対応方針なんですね。特区のワーキンググループでの議論を経てまとめられたものです。地方裁量型認可化移行施設というのを新たにつくるんだとあるんですね。
その内容は、私が先ほど述べた、あるいは大臣が言われた認可化移行事業と同じなんですよ。違いは何か、ただ一点です。①のところです。認可保育園からの移行も可能ということなんですよ。これ、つまり、認可保育園が無認可になっていいということなんですね。この実施には国家戦略特区法の改定は必要なく、既に今月施行となっていて、自治体が特区区域計画に定めれば実施ができてしまいます。
認可外施設の保育の質を向上させて認可に移行させるはずの事業が、なぜ認可保育所を認可外施設に移行させてしまうと、こんなこと認めるんですか。厚労省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/80
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081・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、地方裁量型認可化移行施設につきましては、大阪府と大阪市からの提案を受けまして、国家戦略特区におきまして時限的に、待機児童が多い都道府県が独自の創意工夫の下でその解消に取り組めるように設けられたものでございます。御指摘のとおり、保育士等の六割以上の配置、あるいは施設の運営状況の公表を求めております。また、都道府県が認める研修を受けた者を一定以上配置されている場合に運営費補助の加算を行うこととしております。
この施設につきましては、御指摘のとおり、認可化移行運営費支援事業の一類型として設けられておりまして、認可施設からの移行も可能となっておりますけれども、認可外保育施設であり続けることを許容するものではありません。いずれ認可施設へ再移行していただくことが前提となっております。
具体的には、再度認可施設に移行することができるよう条件を付けております。一つは、都道府県が保育士確保に関しまして緊急の対応が必要な施設として適当と認めること、二つ目といたしましては、認可施設への移行計画を定めること、三つ目といたしまして、一年に一回以上都道府県が実地検査を実施することということでございます。
繰り返しになりますけれども、今回の仕組みは認可施設から認可外保育施設への移行を支援していく、こういうものではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/81
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082・田村智子
○田村智子君 これ、保育士不足への時限的な措置だということなんでしょうけど、じゃ、大阪府や大阪市が保育士の確保に本当に努力してきたのかと。
大阪市は、公立保育所の全廃を掲げて、公立保育所の退職者の欠員補充を非常勤のみにしてきた時期が何年間もあったんですね。その非常勤というのは三年任期で昇給なしですよ。公務員全体の賃金カットも行われ、それに加えて、保育士と幼稚園教諭を狙い撃ちにした賃下げも行われました。さすがに批判も強くて、この全廃という方針の見直しは行われたようなんですけれども、こんなことやられるから、当然、保育士の皆さんはほかの市の保育士のをもう一度受け直すということまで起きて、今も公立保育所で保育士の欠員状態が多くの施設で生じていて、待機児童がいるのに定数を減らしたままになっているんですよ。
保育士不足の対策というのは、今日もそうです、午前の内閣委員会でももうずっと、与野党とも政府とも、いかに賃金を上げるか、保育士の負担軽減をいかに図って誇りを持って働けるようにするかと、こういう議論ですよ。ところが、大阪では安上がりな保育を追求した結果、保育士が集まらなくなった。保育士不足を理由に人員配置基準、つまりは最低基準の引下げを特例的に認めろと要求する。厚労省がこんな身勝手な要求に対応する必要なんかないんですよ。
昨年十一月十六日のワーキンググループに大阪府が提出した資料を見ますと、この対応方針でも大阪は不満を表明している、でも実施する方向で検討しているというんですね。厚労省は今、待機児童対策として、公立も私立も定員の一二〇%での受入れを求めて、大阪府内でもこうした詰め込み保育が行われています。定員一二〇%の子供の数に対応する保育士の配置が難しい、だから無資格者で代替する地方裁量型認可化移行施設にしてしまう、つまり認可外になってもよい、こういうことなんでしょうかね。
これ、こんなこと許したら、詰め込み保育の上に人員配置基準まで引き下げる、これ、安全面でのリスクを更に高めることになると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/82
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083・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
地方裁量型認可化移行施設につきましては、先ほど申し上げましたとおり、保育士確保に関し緊急の対応が必要な施設に限りまして認可施設から移行することを認めているものでございます。
この緊急の対応が、施設の判断に際しましては、利用児童数が定員数を超過しているなどの場合には適切に定員数を見直すことを求めております。したがいまして、定員数を超過していることによりまして保育士が不足している場合には、認可施設からの移行は認められないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/83
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084・田村智子
○田村智子君 定員内でまずやるべきと、当然のことなんですけどね。
それじゃ、もう一点確認したいんです。現在、公立認可保育所には施設整備費も運営費も国からの直接補助はありません。では、公立保育所をこの地方裁量型認可化移行施設にした場合、国の認可化移行補助金の対象にはなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/84
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085・浜谷浩樹
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
対象になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/85
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086・田村智子
○田村智子君 公立認可保育所への国の直接助成は廃止なんです。ところが、公立無認可園にすれば、認可に移行するためだとして国の補助金が出るんですよ。さすがに、そんな恥ずかしいことをするのかがまず自治体に問われることになるわけですけれども、この制度がいかにひどいかを、私、表していると思いますよ。
これまでも、保育の質を危うくするような規制緩和は繰り返し行われてきました。例えば、朝晩の子供の少ない時間帯であれば、保育士さん二人配置すると、そのうち資格持っている人は一人でもいいよという規制緩和も既にやられていますよ。だから、認可保育所だけだった認可施設というのの施設基準を低くして、小規模保育であるとか家庭的保育などに広げるということもやられましたよ。それから、先ほどの、四月当初から定員を一二〇%まで、定員を超えて入れていいという規制緩和も様々にやられてきました。
だけれども、コアな保育の部分ですよ。コアな保育の部分で認可に必要な保育士配置基準に手を付けるということは、さすがにここまではやらなかったんです。ところが、今度はコアな部分で、認可保育所であったものに保育士配置を三分の二でよい。これ事実上、認可保育所での最低基準の掘り崩しということになるんですよ。ここまでやるのかということなんですよ。
根本大臣、冒頭、質の確保を図るんだと言われた。全然逆行じゃないですか、特例とはいえ。こんなの認められないと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/86
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087・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 先ほど申し上げましたが、保育の受皿整備とその質の確保、これは車の両輪として進めることが重要だと思います。このため、認可保育所等を中心とした整備を進めることが必要だと考えております。
その上で、先ほど事務方から答弁しましたが、今回の地方裁量型認可移行施設については、国家戦略特区に地域を限定した上で、時限的に、待機児童が多い都道府県がその解消に取り組めるよう設けたものであります。また、この仕組みは、認可外保育施設が認可施設に移行することを支援するものであって、認可施設からの移行も可能となっておりますが、認可外保育施設であり続けることを許容するものではなく、いずれ認可施設へ再移行していただくことが前提であります。
この再移行させるために設けられている仕組みとしては、都道府県が保育士確保に関し緊急の対応が必要な施設として適当と認めること、認可施設への移行計画を定めること、一年に一回以上、都道府県が実地検査を実施することという仕組みにしておりますので、要は、いずれ認可施設へ再移行していただくことを前提にした施設であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/87
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088・田村智子
○田村智子君 大阪府や大阪市が保育士の確保のためにどんな努力したと言えるのかですよね、私が紹介したのを見たって。いろんな自治体が今、上乗せして賃上げということまでやっているときにですよ。あるいは公私間格差是正で、公立保育所並みの民間の給与にしていこうという努力をかつてはやっていましたよ。そういうことをやらなきゃいけないときにですよ、賃下げやっておいて、公立でも人が足りない、保育士不足だ、だから最低基準見直せ、これで認可から無認可への移行まで認めてしまうと。
これ、無認可になったら利用調整の対象からも外れるんですよ、無認可だから。お母さんたち、自治体に保育所申し込むときに、その認可保育所だったものが消えちゃうわけですよ。待機児童の対策にもこれ逆行するような、深刻にするような問題なりますよね。
それに、これ、保育士が保育支援員に置き換えられる。当然私は保育士と同じような給料じゃないと思いますよ。安い給料になるでしょうね、有資格者じゃないですから。そうすると、保育の現場で働く方の処遇改善にもこれ逆行していっちゃうと、私にはそう思えてならないですよね。
これ、国家戦略特区は、諮問会議の議長は安倍総理ですから、これは是非とも安倍総理にもこの問題については聞かなければならないというふうに思っていますので、是非とも総理出席のこの審議も求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/88
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089・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/89
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090・田村智子
○田村智子君 最後に、宮腰大臣にもお聞きしたいんです。
安倍政権の保育の質の確保への姿勢というのが、この一件見ても私は本当に根本から問われていると思います。
先ほど来質疑があるとおり、保育士の配置基準、一歳児六人に一人だったものを五人に一人にしよう、三から五歳児では三十人に一人だったものを二十五人に一人に改善しようと約束したのに、その実施の時期さえも示さないわけですよ。
それで、企業主導型保育は、認可保育所と同じ補助を出しながら、保育士は国の基準では二分の一でいいと、こういうことまでやるんですよ。それで矛盾も噴き出して、企業主導型でいうと、検討委員会からは、量の整備に重点が置かれ過ぎたんだと、質の確保への意識が必ずしも十分でなかったと、ここまで指摘をされて、宮腰大臣はこの間、この指摘をそのまま国会答弁せざるを得ないような状態なんです。
ところが、国家戦略特区というのは、担当大臣違いますけれども、内閣府の仕組みでもありますよ、その国家戦略特区でこんなこと認めると、認可保育所の保育の質を引き下げようとすると。これはもう安倍政権の保育の質を置き去りにして量の確保に走るという姿勢示していると思いますが、最後に御答弁いただいて、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/90
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091・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/91
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092・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 子ども・子育て支援、子供の最善の利益が実現される社会を目指す、あるいは、子供の視点に立ち、子供の生存と発達が保障されるよう、良質かつ適切な内容と水準の支援とする。
これまでも、量的拡充とともに、質の向上に力を入れて取り組んできております。具体的には、消費税率が一〇%に引き上げられたときに実施することにしておりました〇・七兆円のメニューについては、消費税率が八%に据え置かれる中にあっても、三歳児の職員配置の改善など全ての事項を既に実施済みであります。更なる質の向上を実施するための〇・三兆円超のメニューについても、これまで、保育人材の処遇の二%の改善などを実施をしております。
企業主導型保育事業につきましても、検討委員会報告について……(発言する者あり)はい。これについても、この報告に基づいて、速やかにかつ着実に改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
今後とも、全ての子供が健やかに成長できる環境の確保に向けて、幼児教育、保育の質の向上をしっかりと図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/92
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093・田村智子
○田村智子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/93
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094・薬師寺みちよ
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。
子ども・子育て支援法、私は初めて質疑させていただきますので、まずは、その根底に流れております基本的な概念につきまして意見交換させていただきたいと思っております。
やはり、今回のこの法案の係る予算というものは、消費税の増税分を充てるということになっております。私は、この意味を考えましたときに、社会全体で子供を育てていく、今までは家庭、個というようなところから、さらに社会全体に、その担うための予算取りであり、かつ、子供を育てていくということをパラダイムシフトして考えていきませんか、これからは、虐待、様々な問題が起こってきたときにも、社会全体でそれを責任を負っていこうじゃないかというようなサインだと受け止めております。
しかし、残念ながら、今回の改正のこの基本理念の部分におきましても、やはり経済的負担の軽減について、適切に配慮されたものにはならないと。どうしてもその経済的問題というのが前面に押し出されているように思われてなりません。
ですから、是非、今日は三人の大臣おそろいでございますので、これからパラダイムシフトをしていくための一つのマイルストーンなのか、ここがゴールなのか、それにつきましても教えていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/94
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095・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今般の幼児教育、保育の無償化は、少子高齢化という国難に正面から取り組むため、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、社会保障制度を全世代型へと変えていくものであります。
本改正法案におきましては、基本理念に、子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えておりますが、子ども・子育て支援法の制定時より、基本理念として、子ども・子育て支援は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、社会のあらゆる分野における全ての構成員が各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われるものとしておりまして、この第二条の基本理念は今回、今後も変わらないというふうに考えております。
これまでの施策に加えまして、この無償化を実施することによりまして、日本を子供たちを産み育てやすい国へと大きく変えていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/95
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096・柴山昌彦
○国務大臣(柴山昌彦君) 今、宮腰大臣からお話をさせていただいた全世代型社会保障への転換ということですけれども、これは教育基本法に定める幼児期の教育の重要性及びその振興の考え方に私は通ずると考えております。
御指摘のとおり、希望する誰もが必要な幼児教育を受けられるよう社会全体で支えていくということが大切でありまして、内閣府、厚生労働省と連携しつつ、この幼児教育無償化の実現及び幼児期の教育の振興に全力を尽くしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/96
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097・根本匠
○国務大臣(根本匠君) 政府としては、子供を産み育てたいという全ての方の希望をかなえ、安心して子供を産み育てることができる社会を目指しています。
それで、二点申し上げたいと思いますが、一つは、保育所や放課後児童クラブなどの受皿整備に加えて、より身近な地域で子育てを支えるため、親子が気軽に集い、子育てに関する不安、悩みなどを相談できる場としての地域子育て支援拠点の整備など総合的子育て支援を進める、進めるとともに、若者がより良い社会の将来の展望を持てるように長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入、仕事と子育ての両立の実現といった働き方改革、私はこれを車の両輪として進めるべきだし、進めているということであります。
ただ、今後とも、少子化、高齢化は我が国にとっての最大の課題ですから、これを克服するために未来を担う子供たちや子育て世代に大胆に投資し、大事なのは子供から現役世代、お年寄りまで全世代、全ての世代が安心できる社会保障制度、これはこういう全世代型社会保障制度、これを構築しようということで今回打ち出しました。要は、社会全体で子育てを支援していくと。是非、社会全体で子育て世代を支援していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/97
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098・薬師寺みちよ
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
三大臣にお答えいただいたんですけど、やはりそれがつながって見えていかないというのがすごく残念でならないんですね。しっかり内閣府で考えてくださっていること、これは私も理解をいたしております。しかし、やっぱりなぜ消費税の増税分を充てなければならないのか。これはみんなでカバーしていくんだ、子供はみんなで育てていくんだ、かつ、根本大臣がおっしゃっていただきましたように、やっぱり働き方改革、そういうものも両輪となってこの問題というのを解決していこう、しっかりそれが見えるように、私は是非、今後広報にも努めていただきたいと思っております。
柴山大臣もおっしゃっていただきましたけれども、もちろんその質の担保をしながらというのはすごく重要な問題でもございますし、今後、私ども女性というものが子供を産み育てやすい環境というものをいかに構築していくか、特に少子化というのはもうまさに待ったなしの問題でございますので、是非連携をしながら考えを尽くしていただきたいと思っておりますので、是非お願いを申し上げます。
ですので、是非、その広報の部分につきましても、分かりやすい広報、やっぱり少子化担当大臣というだけではなく、様々なこの連携の中で広報をしていただきたいという願いを聞き届けていただきたいんですけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/98
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099・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の幼児教育、保育の無償化について、国民の皆さん方から大きな期待もあるというふうに考えておりますし、また、一方で保育の質への懸念の問題等々もあると思っております。
いろんな面について、特に子育て世代の方々に今回の無償化の意義、あるいはこの制度の内容について、もちろん法律が成立した、すればその後にということにはなるわけですけれども、しっかりと分かりやすい広報に努めていかなければいけないと思いますし、また、法律が成立をすれば市町村において条例の制定ということもお願いしなくちゃいかぬわけでありますので、そういう点についても、市町村なりにもやっぱりこの制度の内容についてしっかりと周知、これまでも意見交換等でやってきておりますけれども、しっかりと周知もし、それから子育て世代の方々にも分かりやすく説明をして周知を図っていくということが大事ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/99
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100・薬師寺みちよ
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
それに当たりまして、今回、この保護者の軽減負担というものを考えるのであれば、もちろんその軽減税率の対象に子供用品なども含まれるべきだと考えておりますけれども、副大臣、いかが、御意見いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/100
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101・鈴木馨祐
○副大臣(鈴木馨祐君) 今、薬師寺先生がおっしゃいましたように、保護者の経済的負担の軽減ということを考えるときには、当然、財政的な措置として、税でやるのか、あるいは予算でやるのか、両方の考え方があると思います。その中で、今回の軽減税率ということについて申し上げれば、やはり逆進性の問題であったりとか、あるいはどうやって合理的にその線を引くのか、そういった議論を詰めてこの状況になっておりまして、そういった意味では、今の現時点でその対象を広げるということは考えてはおりません。
その一方で、これ予算ということで、例えば、今回、今議論されている、この法案の中で議論されていますように、幼児教育の無償化、あるいは保育の無償化、さらには子育て世帯についてはプレミアム付き商品券の発行、販売をすると、そういったことを通じて支援をしてまいるというのが今の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/101
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102・薬師寺みちよ
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。私はまだまだバランスが悪いと思っておりますので、更に突き詰めていただきたいと思います。
では、最後に宮腰大臣にお願いします。
まだまだネガティブな表現がこの法案の中にございます。家庭において必要な保育を受けることが困難である、まさに保育に欠けるという表現に通ずるような表現だと私は考えておりますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/102
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103・宮腰光寛
○国務大臣(宮腰光寛君) 先ほど申し上げましたけれども、基本理念について申し上げました。家庭において必要な保育を受けることが困難であるという保育の必要性の事由につきまして、こういった保護者の子育てに係る第一義的な責任を踏まえた表現になっているというふうに思っております。
なお、二〇一五年四月の子ども・子育て支援新制度の施行時に保育に欠ける事由を保育の必要性の事由に見直した際には、勤労形態の多様化に対応するとともに、市町村における運用のばらつきを抑えるという観点から、例えば、フルタイムのほか、パートタイムなどの場合や同居の親族等が保育することができる場合も含め、より多くの方が保育所等の利用が可能となるような仕組みとさせていただいたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/103
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104・薬師寺みちよ
○薬師寺みちよ君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/104
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105・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/105
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106・石井正弘
○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後四時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/119814899X00120190425/106
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