1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和三年十二月二十日(月曜日)
午後四時十一分開議
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○議事日程 第四号
令和三年十二月二十日
午後四時十分開議
第一 国家公務員等の任命に関する件
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○本日の会議に付した案件
一、元議員矢田部理君逝去につき哀悼の件
一、日程第一
一、令和三年度一般会計補正予算(第1号)
一、令和三年度特別会計補正予算(特第1号)
一、令和三年度子育て世帯等臨時特別給付金に
係る差押禁止等に関する法律案(衆議院提出
)
一、地方交付税法及び特別会計に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
一、特定高度情報通信技術活用システムの開発
供給及び導入の促進に関する法律及び国立研
究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発
機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
一、情報監視審査会の調査及び審査の報告
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/0
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001・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員矢田部理さんは、去る十二月五日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
つきましては、この際、院議をもって矢田部理さんに対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/1
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002・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
弔詞を朗読します。
〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに建設委員長 逓信委員長等の重任にあたられました 元議員矢田部理君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/2
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003・山東昭子
○議長(山東昭子君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件
内閣から、地方財政審議会委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
これより採決をいたします。
まず、地方財政審議会委員に小西砂千夫さんを任命することについて採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/3
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004・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、同意することに決しました。
次に、地方財政審議会委員に西野範彦さんを任命することについて採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/4
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005・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、同意することに決しました。
次に、地方財政審議会委員に野坂雅一さん及び宗田友子さんを任命することについて採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/5
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006・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、同意することに決しました。
次に、地方財政審議会委員に星野菜穗子さんを任命することについて採決をいたします。
内閣申出のとおり同意することに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/6
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007・山東昭子
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
よって、全会一致をもって同意することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/7
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008・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
令和三年度一般会計補正予算(第1号)
令和三年度特別会計補正予算(特第1号)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/8
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009・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。予算委員長山本順三さん。
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〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
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〔山本順三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/9
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010・山本順三
○山本順三君 ただいま議題となりました令和三年度補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
補正予算二案は、去る十二月六日に国会に提出され、衆議院からの送付の後、十六日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日から本日まで、岸田内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
質疑は、財政健全化に関する政府の基本的認識、基金に対する財政措置の在り方、子育て世帯への臨時特別給付の実施方法、保育士、看護師等の賃金引上げのための予算措置、コロナ禍における医療提供体制整備及び教育予算確保等の重要性、生活困窮者支援の在り方、雇用調整助成金の意義と失業抑制効果、建設工事受注動態統計の書換えが経済財政政策に与えた影響、一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しの見通し、水際対策も含めた変異株への対応、マイナンバーカードの普及・活用策、拉致問題解決に向けた政府の取組、今後の日ロ外交に関する見通し、国家賠償請求訴訟において請求を認諾した経緯など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終局し、討論、採決の結果、令和三年度補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/10
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011・山東昭子
○議長(山東昭子君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。石垣のりこさん。
〔石垣のりこ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/11
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012・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲民主・社民を代表して、令和三年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
まず、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、治療中の方々、後遺症に苦しんでいらっしゃる方々にお見舞いを申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が世界各地で猛威を振るい始めてからおよそ二年、これまで国民の、この国で生活する人々の命と暮らしを守るためにそれぞれの分野で御尽力されている皆様に改めて敬意と感謝を申し上げます。
立憲民主党は、既に半年以上前の通常国会の会期中に、三十三兆円規模の補正予算の編成を提案しておりました。そして、唯一の立法機関として国会の役割を果たすべきであると、臨時国会の召集を何度も繰り返し求めてきましたが、拒否し続けてきたのは、ほかならぬ政府・与党、自公連立政権です。明らかな憲法違反であり、国会の軽視であります。デルタ株による第五波の被害を拡大させ、人々の命と暮らしをないがしろにした、あるまじき失策であると強く批判せねばなりません。
そして、予算審議をする以上、避けられないのが、今国会中に明るみに出た国土交通省による統計の問題です。
書換え、二重計上された建設工事受注動態統計は、GDPの算出根拠にも使われ、予算編成にも関わる国の基幹統計の一つです。書き換えられたのは公用文書であり、第二次安倍政権の時期に二重計上され、数値が水増しされた事実は看過できません。このことがGDPに影響を与えたとすれば、国会議論の前提が崩れる非常に深刻な事態です。
統計や公文書は、民主主義の根幹を支える国民の公共財です。政府は第三者委員会に調査を丸投げするようですが、第一に、国民の代表機関である国会の場でこそ説明責任を果たすべきです。
くしくも、国土交通省の統計問題が最初に報道された先週十五日、国有地の不当廉売をめぐり公文書の改ざんを余儀なくされ自死された近畿財務局の元職員、赤木俊夫さんをめぐる裁判が、急転直下で政府認諾の幕切れとなりました。しかし、なぜ国有地が不当に安く払い下げられ、公文書を偽造するに至ったのか、森友問題の真相は今をもって明らかにされていないのです。
岸田総理は、今や我が国は民主主義の危機にあると強い危機感を感じ、我が身を顧みず、誰よりも早く総裁選に立候補を表明したと志を述べられました。公文書の改ざん、統計の不正は、まさに民主主義の危機そのものです。
二〇一八年には毎月勤労統計調査の改ざんが判明し、各方面に深刻な影響を及ぼしました。その後行われた統計の点検でも、今回の国交省の統計書換え、二重計上問題は見逃されたことになります。真摯に反省をし、再発防止を誓うのであれば、徹底的に真相を究明するのが道理ではありませんか。
このように、予算審議のための前提に疑義が生じている状態で本補正予算の賛否を述べるのは本意ではありませんが、民主主義の危機を憂う岸田総理の下で、たとえ不都合な真実であっても適切な情報開示がなされることを信じて、以下、本予算に反対の理由を述べます。
まず第一に、必要な予算が計上されていないことが挙げられます。
優先すべきは、新型コロナウイルス感染症から、命と暮らし、そして事業を守ることであります。
本補正予算には、我々が必要と訴えてきた医療機関や介護施設などへの抜本的な経済的支援が盛り込まれていません。また、観光関連産業を始め文化芸術、地域公共交通といった、新型コロナウイルス感染症の蔓延で経済的打撃を受けた様々な業種への支援が全く足りていません。
さらに、ワクチンだけでは解決し得ない感染対策の要として、PCR検査拡充の予算が盛り込まれていないことも問題です。
岸田総理は、オミクロン株に対してG7の中でも最も厳しい水際対策をと胸を張っておられますが、空港検疫で使われているのはPCR検査より精度の劣る抗原定量検査です。
さらに、総理は、大量の検査を迅速に行わなければいけない空港検疫では抗原検査が最も適している旨の答弁をされていますが、命に関わる感染症対策で最も優先されるべきは、検査効率以上に、ウイルスの見逃しをより防ぐことのできる検査精度なのではありませんか。空港検疫は一刻も早くPCR検査に戻すべきです。
そして、米価の大幅な下落への対策です。直接的支援は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や一般財源を元に自治体ごとに支援がなされていますが、例えば、私の地元である宮城県では、十アール当たり四千円を中心にゼロから一万円と格差が生じています。本補正予算には、農業を国の基幹産業として支えるために緊急に必要な予算が不足していると言わざるを得ません。
このように、コロナ対策を最優先として必要な予算が盛り込まれていない一方で、不必要な経費が計上されていることが本予算に反対する第二の理由です。
子育て世帯への十万円給付に必要な事務経費は一千二百四十七億円に上ります。そのうち、およそ八割に当たる九百六十七億円の事務経費は、給付金の半分の五万円をクーポンにしたことによって生じる余分な経費です。紆余曲折の末、政府が全額現金給付も可能としたことは評価するとしても、実務を担う自治体では混乱が生じ、要らぬ事務負担も発生しています。
既にクーポンである必然性はないのですから、クーポン発行に必要な事務経費は現金給付に充てて、根拠が不明確な所得制限を設けることなく、より幅広い子育て世帯を対象にする方がよほど有意義な予算の使い方です。
さらに、政策目的や効果が明確ではないマイナポイント第二弾に一兆八千億円が計上されています。安易にポイントを上乗せする前に、マイナンバーカードが普及しない理由を根本から考える必要があるのではないでしょうか。
コロナ対策一つ取っても、接触アプリCOCOAの相次ぐ不具合、HER―SYS、G―MIS、NESIDと乱立する情報システムが招く現場の混乱、各省庁からの情報流出など、政府の推し進めるデジタル化への不信が拭えないことも原因の一つであり、ポイントアップでマイナンバーカードの普及拡大をしようというのは邪道ではないですか。
不要な経費といえば、辺野古基地の建設費用も同様です。予算の前提として必要な軟弱地盤の調査すらまともにできないのですから、八百億円の工事費など到底賛成できるはずがありません。
本予算に反対する第三の理由は、緊要性に疑義のある予算が盛り込まれている点です。
経済対策の策定と合わせ、ここぞとばかりに大型の基金も造成、拡充されます。基金は、憲法や財政法を根拠とした予算の単年度主義の例外に当たる上、監視が難しく、非効率的な支出につながりやすいことが指摘されています。
本予算では、基金の造成を想定した先端半導体の国内生産拠点の確保に六千億円、また、大学ファンドの積み増しにも六千億円が計上されています。
こうした経済安全保障の強化や科学技術立国の実現といった中長期的な課題に関する予算は、本来、当初予算に組み込むべきであり、財政法の趣旨に逸脱するとの批判は免れません。
また、防衛装備品の購入などに八千億円が計上され、当初予算と合わせて初めて六兆円を超えました。平成三十年度以降、防衛関係費は毎年補正予算で四千億円程度の積み増しが常態化しています。我々は、その都度、緊要性の要件に合致しているのか問いただしてきましたが、納得できる答弁がいまだ得られておりません。
昨年度は、三回にわたる大規模な補正予算の編成により、予算の繰越額が三十兆円を超えました。これは、必要性を十分に精査していない予算を過大に計上していた左証であります。
政府は、前年度の補正予算と当初予算を一体に編成するとの考えを示していますが、多額の繰越しが発生する状況で、果たして健全な財政運営ができていると言えるでしょうか。(発言する者あり)
以上、本補正予算に反対の理由を述べました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/12
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013・山東昭子
○議長(山東昭子君) こやり隆史さん。
〔こやり隆史君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/13
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014・こやり隆史
○こやり隆史君 自由民主党のこやり隆史です。
私は、自民、公明を代表し、令和三年度補正予算二案について、賛成の立場から討論を行います。
約二年にわたる新型コロナ感染症との闘いは、新たに感染力が強いと言われるオミクロン株が確認されるなど、今なお状況は刻々と変化をしています。国際的に見ても極めて難しく厳しいかじ取りが求められる中、政府はここまで、かつてない規模と内容の経済対策を講じ、本予算案に加え、累次の補正予算を編成するなど、感染抑制と経済、雇用、生活の維持に努めてきました。
その結果、諸外国と比較し、新規の感染者数は非常に低い水準で抑えられております。また、失業率もアベノミクス以来の低下傾向を大きく崩すことなく、直近で二・七%、昨年の企業倒産も低水準に抑えられてまいりました。
しかし、この状況は政策の下支えによるところが大きく、楽観は禁物です。危機管理の要諦は、最悪の事態に備える。岸田総理が常々述べられているとおり、感染再拡大や景気の下振れリスクに最大限の注意を払わなければなりません。
その上で、感染を収束へと確実に向かわせる。経済社会の回復を確かなものとしつつ、平穏な国民生活を取り戻す。さらに、コロナ後の未来社会を構築する歩みを進める。これらを実現するためには、さきに決定された緊急経済対策をスピード感を持って実施していくことが何より重要であり、その裏付けとなる補正予算案の早期成立が不可欠です。
以下、補正予算案に対する賛成の主な理由を申し述べます。
まず、新型コロナによる国民の不安を払拭するとともに、安心を取り戻し、命と健康を守り抜くため、新たな変異ウイルスや次の感染拡大に備えて、医療体制の整備や予防、検査から早期治療までの流れの抜本強化を通じた感染拡大防止のための経費が十分に計上されている点です。
緊急包括支援交付金等による病床と医療人材の確保や在宅療養者への対応の取組、希望する全ての方々へのワクチン追加接種体制の整備等を進めると同時に、遅れている国産ワクチン、治療薬等の研究開発や生産体制の整備等が強化されることとなります。
さらに、機動的な水際対策の推進や入国者の健康確認のための体制を確保しつつ、日常生活や経済社会における感染リスクを引き下げるワクチン・検査パッケージ等を活用した行動規制緩和のための取組への支援等が行われることとなります。
二つ目は、新型コロナで困っている方々の生活を支え、事業の継続と雇用を守り抜くための経済回復に向けた支援策が盛り込まれている点です。
雇用調整助成金の特例措置や緊急小口資金特例貸付けの申請期限の延長、地域や業種を限定しない形での事業規模に応じた事業復活支援金、住民税非課税世帯に対するプッシュ型の現金給付、厳しい状況にある学生の学びを継続させるための緊急給付金、そして、子供たちの未来を開く観点から、自治体や国会での声を踏まえて最大限柔軟な制度設計とした十八歳までの子供たちへの十万円相当の給付のための予算が計上されています。
また、現在の原油価格の高騰に対する激変緩和措置のための経費も計上をされています。
三つ目は、未来社会を切り開く新しい資本主義を起動させるための施策が盛り込まれている点でございます。
経済社会全体の豊かさを高め、その果実をしっかり分配することで、成長か分配かではなく、成長も分配も実現し、経済を自律的な成長軌道へと乗せていく成長戦略と分配戦略のための予算が計上されている点です。
成長戦略としては、十兆円規模の大学ファンド創設を始めとするイノベーション力の強化、蓄電池や先端半導体の国内生産基盤・拠点確保のための支援、そして、世界最先端のデジタル基盤を整備しつつ、これを活用した地方のデジタル実装を推進するためのデジタル田園都市国家構想推進交付金等が盛り込まれている点です。
また、分配戦略としては、安心と成長を呼ぶ人への投資を強化するために、賃上げの原資となる付加価値を創出する事業再構築や、生産性向上に取り組む中小・小規模企業への強力な助成支援、看護、介護、保育、幼児教育など、現場で働く方々の収入の引上げ、非正規雇用労働者等の労働移動支援等がこの補正予算案により進められていくこととなります。
加えて、近年、激甚化、頻発化する自然災害から国民の命と生活、財産を守るための防災・減災、国土強靱化の推進、厳しさを増す安全保障環境に対する防衛力強化が図られている点であります。
防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策分としての風水害や大規模地震等への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速、国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進経費が盛り込まれるとともに、複数年にわたって大規模な事業等を円滑に実施することができるよう、国庫債務負担行為も活用されることとなります。
また、我が国周辺の安全保障環境がこれまでにない速度で厳しさを増す中、国際情勢に迅速に対応し、国民の安全、安心や国家の安全保障をしっかりと守り抜くため、必要な防衛力強化を加速するための経費も確保されています。
以上、本補正予算案に対する主な賛成理由を申し上げました。
国民の命と健康、生活、雇用、事業を守り抜くために、一刻も早く本案を成立させ、本補正予算案による政策効果を全国津々浦々まで届けなければなりません。そのためにも、政府には、成立後、迅速な執行を求めます。
最後に、速やかな成立を議員各位にお願い申し上げまして、私の賛成の討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/14
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015・山東昭子
○議長(山東昭子君) 田村まみさん。
〔田村まみ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/15
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016・田村まみ
○田村まみ君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました令和三年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。(発言する者あり)
国民民主党・新緑風会、田村まみです。
その前に、その前に、補正予算の審議中に、国土交通省による建設工事受注動態統計の改ざんと言える事案が明らかになりました。本統計は、予算編成の基礎となるGDPにも影響を与えるものであります。
この改ざんが行われていた中、二〇一五年のGDPは改定され、大幅に増加しました。国際基準に対応するための基準改定に伴うものだけではなく、建設部門でも増加をしております。
当時の安倍総理が掲げたGDP六百兆円目標を達成するために改ざんしたのではないかとの疑念は拭えません。岸田総理は、第三者委員会を設置し、一か月以内に経緯や原因など、調査結果をまとめるよう、国交大臣に指示をしました。
しかし、十七日の予算委員会で、我が会派の足立信也議員へ岸田総理からの、実態との乖離が明らかになればと条件付の答弁でした。いつ、誰の指示で、目的は何なのか、経緯を明らかにするかは不明なままです。国の信頼の礎である統計が改ざんされ、予算編成の前提が崩れているのではないかという懸念は払拭されていないことを指摘しておきます。
その上で、これまでの新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済は大きな打撃を受けました。足下では、国や地域にばらつきはあるものの、多くの国はワクチン等の普及により、徐々に経済回復への道へ進んでおりますが、その中で、我が国の経済回復は相対的に遅れております。我が国において、実質賃金指数は一九九六年をピークに下落が続き、貯蓄ゼロ世帯も増加してきました。従来の経済政策では格差は広がり、今を生きることに精いっぱいな人たちを救うことはできません。
コロナ禍から立ち上がろうとする今こそ、衆議院における組替え動議で求めたように、経済政策を積極財政へと大胆に転換させていくことが必要であるという主張の下に、以下、補正予算に対する反対理由を申し述べます。
反対の第一の理由は、本補正予算の編成が法の趣旨にそぐわないという点であります。
岸田総理は、十六か月予算の考えで、補正予算と来年度予算を一体で編成し、万全の経済財政運営を行う考えを示しています。
補正予算の編成は、財政法第二十九条の規定により、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出を行う場合などに限り認められております。しかし、本補正予算には、防衛装備品の前払金の実施、国際分担金及び拠出金、基金への支出など、緊要性を満たすか等、疑念は委員会質疑においても晴れませんでした。
反対の第二の理由は、積極財政への転換には不十分な予算となっている点であります。
我が国経済を回復させるためには、大胆な財政出動により、需要が供給を上回る状態にすることで消費や投資を活性化し、労働需要が好転して健全に賃金が上昇する高圧経済を実現する必要があります。そのためには、コロナ禍の影響を受けた個人や事業主を救済するための大胆な政策が必要です。
本補正予算では、十八歳以下の子供に十万円相当の給付を行うため一兆二千億円が計上されておりますが、政策目的が曖昧な上、非効率な給付であることが明らかになりました。子育て支援だとすれば所得制限を設ける必要はありませんし、これではコロナ禍の影響を受けた個人を迅速に救済することはできません。真に迅速で家計第一の給付、必要な人へスピードを持って届けるには現金で国民全員に一律十万円給付とし、高所得者からは年度末の納税時に逆還付を行った上で、低所得者には更に十万円を上乗せして二十万円の給付を行うべきです。
さらに、コロナ禍の影響を受けた事業者を救済するために、事業復活支援金二・八兆円の予算が計上されていますが、個人、法人共に上限額が極めて低く、所定額での給付であるなど、現実に即した制度とは言えないのではないでしょうか。
我が会派が、立憲民主党、碧水会と提出した法案、業種や地域を問わず、事業規模及び売上げの減収幅に応じて家賃や光熱水費などの固定費を最大九割、上限月二億円まで支援するなど、十兆円規模で事業者支援を行うべきです。
政府は、過去最大の財政支出と誇示しているものの、大胆でめり張りのある財政出動について踏み込み不足と指摘せざるを得ません。
反対の第三の理由は、国民生活の支援に資する施策が乏しい予算になっている点であります。
我が国の低迷する経済を好転させるため、時限的に消費税を五%に引き上げるべきであり、国民民主党は先週法案の提出も行いました。また、(発言する者あり)五%に引き下げるべきであり、ありがとうございます、国民民主党は先週法案の提出をいたしました。
また、コロナ禍で冷え込む家計に追い打ちを掛け、大きな負担となっているガソリン価格の高騰への対策も不十分です。本補正予算では燃料油価格激変緩和対策として八百億円を計上していますが、実効性はもとより、消費者が実感を持てる対策とするためには、ガソリン価格が百六十円を三か月超えた場合には揮発油税等に関わる特例税率適用を停止するトリガー条項の凍結解除を行うべきです。
反対の第四の理由は、給料が上がる経済の実現に向けた施策への支出が不十分な予算となっている点であります。
我が国が、我が国経済の低迷の原因でもある賃金デフレから脱却するためには、大規模、長期、計画的な産業政策を行い、生産性を向上させ、給料が上がる経済を実現しなければなりません。しかし、今回の補正予算でも、成長戦略向けの支出の割合は二割程度にとどまり、その中身も各省の要求を寄せ集めた総花的な予算になっていると言わざるを得ません。
また、コロナ禍の影響がある中、十月に最低賃金が全国で引き上がったことへ対応に苦慮している中小企業支援の強化が不十分です。
確実な賃上げの実現で消費を底上げし、分厚い中間層を復活させる対策が必要です。
以上、補正予算に反対する主な理由を述べました。
国民民主党・新緑風会は、対決より解決の姿勢の下、閉塞感の漂う我が国を動かす政策を「動け、日本。」という気持ちを乗せて提案し続けるとともに、政府の経済財政運営、効果を厳しく監視してまいります。
このことを最後に申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/16
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017・山東昭子
○議長(山東昭子君) 石井苗子さん。
〔石井苗子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/17
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018・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
会派を代表して、令和三年度一般会計補正予算(第1号)の外一案について、反対の立場から討論いたします。
討論に入る前に、政府に一言申し上げたいことがあります。
新型コロナウイルスの闘いは三年目に入ろうとしています。ワクチン接種等の対策が奏効し、コロナ対策と社会経済活動の両立が新たな局面に入ろうとしたやさきに、オミクロン株が日本にも上陸しました。感染第六波が到来するという懸念は拭えません。ワクチンの三回目接種を円滑に進めること、水際対策の徹底、医療提供体制の強化を、早急に万全の体制を整え、抜かりなく取り組んでいただくよう、ここで改めて政府に強く求めておきます。
それでは、本補正予算に反対する理由を述べさせていただきます。
まず、追加歳出額が約三十六兆円という本補正予算案は、過去最大という規模ばかりが先行され、肝腎の中身の質が置き去りにされているように感じております。本来、補正予算は、財政法で、当初予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費に限って認められるものです。しかし、近年では、査定が甘くなりがちな補正を抜け穴として、予算を膨らませることが当たり前のようになっています。こうしたあしき前例主義は打破するべきではないでしょうか。
本補正予算案も例外ではありません。コロナ対策や経済対策の名の下で、効果が不透明な施策や緊急に手当てする必要が乏しい事業などが、まるで火事場泥棒的に盛り込まれています。しかも、相変わらずその財源として二十二兆円もの巨額な借金を国民の皆様に背負わせることで、大風呂敷を広げていると感じております。このような予算案の編成が本当に国民のためになるとは到底思えません。
内容の質が悪かった最たる例が、現金とクーポンをめぐって迷走した十八歳以下への十万円相当の給付です。今、本当に支援すべきはコロナ禍で経済的に困窮している方々です。今回の給付は、その政策の目的がはっきりしていません。マクロ経済対策なのか、困窮世帯への支援なのか、子育て支援なのか、今もって判然としていません。
今回の給付は、親の収入に九百六十万円という所得制限を設けていながら、全体の約九割の世帯が給付対象となっている。これは単なるばらまき政策のほかならないのではないでしょうか。
さらに悪いことには、当初の計画は十万円を現金とクーポンに半分ずつ分けたために、政府の事務コストが約九百七十億円掛かる上に、ワクチン接種等で忙殺されている地方の自治体に複雑な事務を背負わせ、大混乱を招くことになりました。最終的には自治体の声が尊重され、全額現金という給付が容認されるなど、政府の二転三転する対応に自治体の混乱はいまだに尾を引いております。
政策目的を脇に置いたまま度々変更を行う、言わば朝令暮改を繰り返す政策のどこに妥当性があるのかと考えるわけでございます。二兆円の巨額を投じる施策としては、制度設計が甘過ぎたと言わざるを得ません。政府・与党がさきの衆議院選挙の公約の実現を急ぐ余り、拙速に陥ったと言わざるを得ません。
そもそも、政府がコロナ禍で本当に困窮している人を把握していないことが問題です。把握するシステムも構築してこなかったことも問題だと考えます。
日本維新の会は、国民の所得と資産を把握する上で、取るべきところから取り、手を差し伸べるべき方々にしっかり手を差し伸べることができる、公正な給付と負担を確保するべきだと訴えてまいりました。改めて、マイナンバーと全預貯金口座のひも付けを義務付ける法整備を急ぐよう、政府に強く要請したいと思います。
今実施すべきことは十万円の給付ではなく、消費税減税です。日本維新の会は、今月の十日に、消費税率を二年目安で時限的に五%引き下げる消費税減税法案を衆議院に提出しました。これこそ本補正予算案に対する私たちの対案です。
消費税減税は、消費を喚起するとともに、国民の皆様にあまねく公平かつストレートに恩恵が行き渡ると我々は確信しております。岸田総理はかたくなに消費税減税はしないと表明されていますが、国民の皆様にとって何が一番利益になるのかということをもう一度再考していただくことを私たちは切に求めております。
次に挙げる反対理由ですが、補正予算案に含まれるガソリンの元売業者への補助金です。これは、自由経済の基本である価格の資源配分機能を阻害する要因となり得るんです。原油価格の上昇は石油の希少性が高まっているというシグナルであり、それに従って石油関連製品の消費が抑制することができるのが本来のメカニズムになっています。そこを補助金によって切断されると、効率的な資源配分に支障を来してしまいます。
補助金の対案として、我が党は、今国会に、揮発油税などの税率を一定の上限で時限的に引き下げる、いわゆるトリガー条項の凍結解除法案を国民民主党と共同で提出いたしました。ガソリンや軽油の価格高騰がコロナで冷え込む家計に追い打ちを掛ける中、国民の皆様の暮らしや、飲食そして観光といった産業を支えるために、ガソリンや軽油価格の直接下げるトリガー条項の適用は不可欠であると政府に改めて強く訴えたいと思います。
次に、岸田総理の新しい資本主義について申し上げます。
本補正予算案にある新しい資本主義を起動させるための成長戦略と分配政策の多くは、安倍、菅両政権でも掲げられていた長期的な課題の焼き増しにすぎないのではないでしょうか。成長戦略と位置付けられております施策の規模ですが、八兆円です。財政支出の僅か二割程度です。欧米では、成長戦略の道筋を描くために、環境対策など集中的に資金を投じています。日本は財政支出の規模も小さく、選択と集中のめり張りに欠け、戦略的にも乏しく、我が党としてはとても賛成できる内容ではないと申し上げておきます。
日本維新の会は、人への投資や規制改革を通じ産業の新陳代謝を起こし、労働者の移動を促す施策に重点を置くことで技術開発や生産性の向上につなげていかない限り、日本経済の地盤沈下は食い止めることができないと主張しております。今の政府の成長戦略にはその重要な視点がないことが残念でたまりません。
例えばですが、今回の賃金の値上げ政策にしても、成長を後回しにして分配に走るような政策であり、順序が逆で、本末転倒ではないかと思っております。痛みを伴う構造改革や資源分配の見直しを徹底して行い、経済成長に本腰を入れて取り組まなければ、コロナ後を見据えた成長戦争に入っている世界で日本は取り残されていくばかりにはならないでしょうか。
分配の原資は、成長と改革で生み出すしかありません。政府・与党の皆さんには、この点について肝に銘じてお考え直すように、ここで強く申し上げておきます。
最後になりますが、文書通信交通滞在費、いわゆる文通費の問題に触れさせてください。
この国会ですべきであった文通費の改革が、自民党と一部野党の談合によりもみ消されようとしております。国民の皆さんにはコロナ禍においてさんざん我慢と痛みを強いながら、自分たちの身を正すことには頬かぶりをする、このように見られてしまっては、国民の皆さんを愚弄していると批判されても仕方ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/18
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019・山東昭子
○議長(山東昭子君) 時間です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/19
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020・石井苗子
○石井苗子君(続) 立法府がこのような態度では、生産的な国づくりなどありません。年明けには、未使用の返納の義務化をセットにした文通費の改革を必ず、時間、あっ、実現させるべきだと強く訴えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/20
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021・山東昭子
○議長(山東昭子君) 石井さん、時間でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/21
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022・石井苗子
○石井苗子君(続) 日本維新の会は、消費減税の必要性を強く訴え、本補正予算に対する反対討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/22
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023・山東昭子
○議長(山東昭子君) 山添拓さん。
〔山添拓君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/23
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024・山添拓
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二一年度補正予算案に反対の討論を行います。
コロナ禍が暮らしとなりわいに広く深刻な影響を及ぼす中、オミクロン株の国内での感染確認が相次ぎ、第六波の懸念が現実となりかねない事態です。
ところが、本案は、緊急に求められる個人や事業者への給付金が不十分で、困っている人に届かない一方、大軍拡と特定の企業への支援には大盤振る舞いのゆがんだ内容です。
財政法上、補正予算による支出は、特に緊要となった経費に限られます。一年にわたり停止中のGoToトラベル事業に二千六百八十五億円も追加する緊急性はありません。台湾の半導体メーカーによる工場建設支援の四千億円、スパイ衛星の推進、デジタルインフラ整備事業など大企業支援が露骨です。マイナポイント事業への一・八兆円は、最大二万円分の支援に絡めて個人情報を差し出せというものであり、容認できません。
本案には七千七百三十八億円もの軍事費が計上され、本予算を合わせた総額は初めて六兆円を超えます。中でも四千二百八十七億円を占める兵器購入のローン払い、その前倒しには何らの緊急性もありません。自民党が軍事費GDP比二%以上への増額を主張する中、来年度予算と一体に、米軍兵器の爆買いと大軍拡で軍事費を膨張させるものです。
米軍辺野古新基地建設に、かつてない八百一億円を計上しています。沖縄県玉城知事が政府による設計変更申請を不承認とし、軟弱地盤で完成の見込みはありません。にもかかわらず、政府は、普天間の一日も早い返還につながるとかたくなに述べ、工事を強行しています。戦没者の遺骨が混ざる土砂を用いる計画の下、民意を何重にも踏みにじり、工事を加速することは断じて認められません。
不要不急で不当な項目は撤回し、命と暮らしを支える予算へ抜本的に改めるべきです。
医療体制の確立、強化が待ったなしです。コロナ患者の受入れのために確保された四万六千床の三分の一が国立、公立、公的病院であり、その役割の大きさは明らかです。地域医療構想の名の下に、四百三十もの病院を名指しし統廃合計画を進めるのは矛盾と言うほかありません。総理は統廃合ありきではないと言います。ならば、リストを撤回し、急性期病床二十万床の削減目標も撤回すべきではありませんか。
医療費を削り、医師を増やさず、ベッドも看護師もぎりぎりの状態では、予期せぬパンデミックに耐えられない。コロナ禍の教訓を踏まえるなら、医療提供体制には十分な余裕を確保するべきです。病床削減計画の撤回を重ねて求めるものです。
新宿や池袋で行われる食料支援の利用者が過去最多の水準で高止まりしています。私が現場に伺った際も、子連れの女性や若い世代の姿が目立ちました。非正規雇用など元々苦しい立場にあった人がコロナで困窮に陥り、今も仕事が戻らず、支援で何とか一食を確保するという状況が決して珍しくありません。だからこそ、暮らし応援の給付が切実に求められています。
総理は総裁選で、非正規、女性、子育て世帯、学生を始めコロナでお困りの方に給付金を届けると述べていました。しかし、本案には、現に困っている非正規、女性を直接対象とする給付はありません。
子育て世帯への十万円給付は国民と自治体の猛烈な批判を受け、現金一括給付など三つの選択肢を認めるに至りました。迅速な支援と言うなら、クーポンへの固執はいいかげんにやめるべきです。
コロナ関連の経営破綻が三か月連続で過去最多を更新し、今年の累計は昨年の二倍に迫ろうとしています。ところが、四百二十四万件の利用があった持続化給付金に対し、月次支援金は多くても月四十万件程度にとどまります。申請しても不備だといって何度も戻される不備ループや、制度そのものの周知不足などを背景に、現場に支援が届いていません。
本案の事業復活支援金の予算は持続化給付金の半分にすぎません。しかも、対象は今年十一月から来年三月までの減収分です。東京は、今年九月まで緊急事態宣言とまん延防止措置が延べ二百四十五日間にわたりました。最も打撃を受けた期間を対象から外しておきながら、復活支援とは名ばかりではありませんか。
事業復活支援金は予算を倍にし、家賃支援給付金を再支給すべきです。融資の返済、税や社会保険料の支払は、猶予にとどめず減免措置を講じるべきです。
総理は、新しい資本主義を掲げます。しかし、小泉改革以降の新自由主義的政策を転換すると言いながら、転換すべき政策が何であるかさえ答えませんでした。弱肉強食、自己責任押し付けを本気で変えるつもりなどないのではありませんか。
所得の高い人ほど負担が軽い金融所得課税の引上げを先送りし、所得の低い人ほど負担が重くなる消費税の引下げも拒む。これでは、不公正は温存され増幅するばかりです。
質疑を通じて、総理の言う賃上げが、現場の求めからいかに遠い水準であるかが浮き彫りになりました。
看護職員で当面月四千円、介護や保育で月九千円。期間も対象も限られ、賃上げとは呼べない代物だと厳しい批判が広がっています。しかも、賃上げ原資は国の配置基準分しか配分されず、パートやほかの職種で分け合えば、四千円や九千円さえも保障されないといいます。一桁違うという切実な声に正面から向き合うべきです。
格差と貧困を正すために、最低賃金の抜本的な引上げが必要です。ところが、総理は、全国で千円以上の早期実現に踏み出そうとせず、全国一律最賃は問題があると切り捨て、中小企業の社会保険料の負担軽減にも耳を貸しませんでした。全然新しくありません。
男女の賃金格差は生涯で一億円に上り、正規、非正規を問わず女性は男性より二割も少なくなっています。EUでは、一四%の男女間格差を解消するために賃金透明化の指令案を発表しました。日本でも、格差の把握と公表、是正のための計画策定と実行を求める実効性ある措置で賃金格差を解消するべきです。
敵基地攻撃能力とはどういうものか。総理は、一つの例としながらも、他国の領域でミサイル基地を攻撃し、制空権を確保し、地下施設も破壊し、その効果を把握して更に攻撃を行うという一連のオペレーションであることを認めました。全面戦争に発展し得る危険な構想です。防衛大臣は、そのための装備体系は一概には言えない、状況は刻々と変わると繰り返しました。歯止めなき軍拡競争へと突き進むつもりですか。
軍事対軍事で対抗すれば、事態はエスカレートするばかりです。国連憲章と国際法に基づく平和的手段による問題解決を貫くべきです。中国や北朝鮮を含む平和の地域協力の枠組みをアジア太平洋、インド洋で構築する、憲法九条を生かした外交にこそ知恵と力を注ぐべきです。
国交省の建設工事受注実績統計で、八年以上に及ぶデータの改ざんが明らかになりました。公文書や統計の改ざん、隠蔽、虚偽答弁。民主主義を根底から揺るがす事態を重ねる異常な体質が今も政権に染み付いているのではありませんか。
森友問題、決裁文書の改ざん強要で、赤木俊夫さんが自死に追い込まれた原因と経緯を明らかにしたい。妻の雅子さんの裁判を、政府は突如、請求認諾で強制終了させました。説明もせず再調査も拒む。夫は国にまた殺されたという雅子さんの怒りの声が総理には聞こえないのですか。
暮らしに冷たく、憲法を壊し民主主義を踏みにじり、腐敗にまみれた政権に黙って従うことはできません。事実と道理に基づき批判し、批判と一体に建設的に提案し……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/24
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025・山東昭子
○議長(山東昭子君) 山添さん、ゼロになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/25
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026・山添拓
○山添拓君(続) 希望を託せる政治へと転換する決意を述べ、反対討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/26
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027・山東昭子
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/27
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028・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/28
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029・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、両案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/29
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030・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
令和三年度子育て世帯等臨時特別給付金に係る差押禁止等に関する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/30
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031・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長徳茂雅之さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔徳茂雅之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/31
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032・徳茂雅之
○徳茂雅之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、令和三年度子育て世帯等臨時特別給付金の支給の趣旨に鑑み、その支給を受けることとなった者が自ら使用することができるようにするため、同給付金について、差押えを禁止する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、衆議院内閣委員長上野賢一郎君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/32
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033・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/33
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034・山東昭子
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/34
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035・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/35
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036・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。総務委員長平木大作さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔平木大作君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/36
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037・平木大作
○平木大作君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、地方財政の状況等に鑑み、令和三年度に限り臨時経済対策費及び臨時財政対策債償還基金費を設けるとともに、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金を減額する等の改正を行おうとするものであります。
委員会におきましては、地方交付税財源となる国税収入を正確に見積もる必要性、臨時財政対策債の廃止に向けた考え方、特別交付税の算定の在り方等について質疑が行われました。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して伊藤岳委員より反対する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/37
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038・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/38
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039・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/39
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040・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/40
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041・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長石橋通宏さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔石橋通宏君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/41
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042・石橋通宏
○石橋通宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、情報通信技術の進展及び我が国を取り巻く国際経済環境の変化等に伴い、特定高度情報通信技術活用システムに不可欠な特定半導体が我が国の技術の向上により国内で安定的に生産されることが我が国における産業基盤を整備する上で重要であることに鑑み、特定半導体生産施設整備等に係る計画認定制度の創設、認定特定半導体生産施設整備等事業者に対する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOによる助成等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、我が国の半導体戦略の過去の教訓を踏まえた今後の方向性、半導体の生産確保に対する財政支援の在り方、半導体関連人材の確保、育成の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕理事より反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/42
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043・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/43
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044・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/44
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045・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/45
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046・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長福岡資麿さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔福岡資麿君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/46
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047・福岡資麿
○福岡資麿君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、国会議員の歳費の月額について、令和四年七月三十一日までの間、二割削減する措置を講じようとするものであります。
委員会における質疑の内容は後刻会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会を代表して東徹理事より賛成の旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/47
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048・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/48
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049・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/49
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050・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、情報監視審査会会長から、情報監視審査会の調査及び審査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/50
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051・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。情報監視審査会会長水落敏栄さん。
─────────────
〔報告書は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔水落敏栄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/51
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052・水落敏栄
○水落敏栄君 情報監視審査会は、去る十二月十日、審査会規程第二十二条第一項に基づき、年次報告書を作成し、会長から議長に提出をいたしました。
本報告書は、令和二年九月から本年九月末までの本審査会の活動を報告対象としたものであり、以下、その概要等について御報告申し上げます。
本審査会の活動の柱は、行政における特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況についての調査と、委員会等からの特定秘密の提出要求に係る行政機関の長の判断の適否等の審査の二つでございます。
しかし、今回、委員会等からの審査の要請等はなく、行政における特定秘密の指定等の実施の状況についての調査を行ってまいりました。
以下、調査の経過及び結果について申し上げます。
まず、令和二年六月に提出された政府の年次報告の概要について、昨年十一月、特定秘密の保護に関する制度に関する事務を担当する河野国務大臣から説明を聴取いたしました。
十二月には、内閣官房から、政府の年次報告についての補足説明及び適性評価のみを実施した十五の行政機関における適性評価の実施の状況についての説明を聴取し、質疑を行うとともに、本審査会の年次報告書(令和元年十二月)における指摘事項に係る政府の対応について説明を聴取し、運用基準の一部変更について報告を聴取しました。
また、内閣府独立公文書管理監等がとった措置の概要について、同管理監から説明を聴取し、質疑を行いました。
次に、本年二月及び四月には、特定秘密を指定している十二の行政機関から、当該行政機関における特定秘密の指定や適性評価の実施の状況等について、それぞれ説明を聴取し、質疑を行いました。
また、特定秘密保護制度の運用状況及び情報監視審査会の活動について、参考人から意見を聴取し、質疑を行いました。
さらに、六月には、警察庁から、本審査会が要求した特定秘密の提示を受け、説明を聴取し、質疑を行いました。
最後に、河野国務大臣及び内閣府独立公文書管理監に対し、締めくくり的な質疑を行いました。
本審査会における調査を通じて、委員からは特定秘密保護制度の運用の改善に係る様々な指摘がありました。これらの指摘を踏まえ、本報告書では、本審査会から機微な情報に関する説明を求められた場合の真摯かつ適切な対応、本審査会から提示を求められた特定秘密に提示困難な情報が含まれる場合の積極的な対応、特定秘密文書の不適切な取扱事案が発生した場合の再発防止に向けた取組の推進、特定秘密の新規指定や有効期間延長があった場合の検証・監察における該当文書の妥当性の確認を主な指摘事項として政府に適切な対応を求めています。
以上、情報監視審査会の年次報告書の概要を御報告いたしました。今後も、行政における特定秘密保護制度の運用を常時監視するため、委員一同、尽力してまいりますので、議長、副議長始め、議員各位の御支援を賜りますようお願いを申し上げます。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/52
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053・山東昭子
○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120715254X00420211220/53
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