1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十七日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
比嘉奈津美君 松山 政司君
五月十一日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 二之湯 智君
五月十六日
辞任 補欠選任
那谷屋正義君 熊谷 裕人君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳永 エリ君
理 事
滝沢 求君
三木 亨君
青木 愛君
清水 貴之君
委 員
石井 準一君
猪口 邦子君
尾辻 秀久君
関口 昌一君
松山 政司君
熊谷 裕人君
芝 博一君
新妻 秀規君
宮崎 勝君
柳田 稔君
山下 芳生君
寺田 静君
橋本 聖子君
平山佐知子君
国務大臣
環境大臣 山口 壯君
副大臣
環境副大臣 大岡 敏孝君
大臣政務官
環境大臣政務官 中川 康洋君
事務局側
常任委員会専門
員 金子 和裕君
政府参考人
経済産業省大臣
官房首席エネル
ギー・地域政策
統括調整官 小澤 典明君
環境省大臣官房
地域脱炭素推進
総括官 上田 康治君
環境省地球環境
局長 小野 洋君
環境省水・大気
環境局長 松澤 裕君
環境省自然環境
局長 奥田 直久君
環境省環境再生
・資源循環局長 室石 泰弘君
環境省総合環境
政策統括官 和田 篤也君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/0
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001・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、比嘉奈津美さん、足立敏之さん及び那谷屋正義さんが委員を辞任され、その補欠として松山政司さん、二之湯智さん及び熊谷裕人さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/1
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002・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省大臣官房地域脱炭素推進総括官上田康治さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/2
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003・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/3
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004・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山口環境大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/4
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005・山口壯
○国務大臣(山口壯君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国は、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を昨年の法改正で法律上明記するとともに、昨年四月には、二〇三〇年度温室効果ガス四六%削減の実現を目指し、五〇%の高みに向けた挑戦を続けることを表明しました。
これらの目標を達成し、炭素中立社会へと移行するためには、三千八百兆円とも言われる世界のESG資金を呼び込み、また経済社会を抜本的に変革することが求められています。
この変革に向けて、脱炭素技術の更なるイノベーションを推進するとともに、再生可能エネルギーなどの地域資源を地域と共生しながら徹底活用するグリーン社会を実現すべく、二〇五〇年カーボンニュートラルを前倒しで達成する脱炭素先行地域を二〇三〇年までに全国で百か所以上創出することを目指しています。地方公共団体や事業者を国が強力に支援することによって地域の脱炭素化による町おこしを促し、これが新しい時代の成長を生み出すエンジンとなります。その実現に向け、二〇三〇年までが人類の正念場、勝負のときとの決意の下、大臣、副大臣、大臣政務官の全員で率先して各地域との対話を重ねています。
本法律案は、このような背景を踏まえ、脱炭素市場に民間資金を大胆に呼び込むための出資制度を創設するとともに、地方公共団体に対する財政上の措置を充実強化するため、これらの資金支援の法的基盤を整備し、炭素中立社会への本格的な移行を促進するものです。
次に、本法律案の内容の概要を二点御説明申し上げます。
第一に、民間資金を呼び込む出資制度を創設します。現在、世界の脱炭素市場はまさに拡大しているところですが、例えば、前例に乏しく投融資の判断が難しい、認知度が低く関係者の理解が得られにくい等の理由から資金調達が難しい脱炭素化に資する事業への民間資金の呼び込みが必要となっています。そこで、株式会社脱炭素化支援機構を設立し、脱炭素化に資する事業に対する資金供給その他の支援を強化することにより、民間投資の一層の誘発を図ります。
第二に、地域の脱炭素化に取り組む地方公共団体に国が財政上の措置その他の措置を講ずるよう努める旨を規定し、国の支援姿勢を明らかにします。具体的には、脱炭素先行地域づくり等に取り組む地方公共団体に対して包括的かつ継続的な支援を行う地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の創設など、脱炭素型の地域づくりに予算を重点配分したいと考えています。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/5
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006・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/6
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007・熊谷裕人
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。
本日は、今趣旨説明のありました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正案、質問させていただきます。本会議で我が会派の青木理事の方で基本的なところを質問していただきましたので、私はちょっと少し突っ込んだところもやり取りをさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、柱の一つであります地域の脱炭素化に関しての方、質問に入らせていただきたいと思いますが、地域人材の確保や支援措置というのは、今この脱炭素に関わる人材の取り合いにいろんなところでなっているかと思います。先ほど、ESG投資だったり、民間企業のこの脱炭素化の取組、そして各地方自治体、国もそうなんですが、各公共団体でのこの脱炭素化の取組に人材がかなり今不足をしている、そして取り合いになっているという状況だと私は認識をしております。
地域の環境事務所を設置をして自治体の相談体制を整えるというような本会議答弁ございましたが、しっかりとした地方自治体の脱炭素化への支援をしていかなければいけないと思いますが、その支援の強化策についての御見解をいま一度お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/7
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008・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
地域の脱炭素の計画作りや具体的な事業の推進を行うに当たっては、自治体や地域の企業等の人材確保、育成が重要であると認識しております。
このため、地方環境事務所においては、これまでも地域脱炭素事業に対し地方自治体からの相談に丁寧に対応してきたところでありますが、本年四月には地方環境事務所に地域脱炭素創生室を新設し、大幅な増員を行うことで支援の体制強化、これを図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/8
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009・熊谷裕人
○熊谷裕人君 相談体制を整えていただいたのは有り難いと思うんですが、もう少し踏み込んだ人材育成といったところが私は必要ではないかなというふうに思っておりますので、先ほどの質問も、是非強化を欠かせないと思っているので、その相談体制を整える以上に踏み込んだ支援を是非地方公共団体にお願いができればなというふうに思っております。
また、先ほど言ったように、地方公共団体だけではなくて、民間企業等の事業を行う人たちのところもやはり人材というものが不足をしているんだなというふうに思っていますので、地方自治体への支援を、併せて民間企業、そして企業価値を今高めていくために、私も財政金融委員会で質問させていただきましたけれど、公認会計士さん等その企業価値を高める人たちにもこの地球温暖化という視点を十分理解をしていただいて監査をするということが必要であると思いますし、また、融資を、企業さんに融資をするとかいう金融機関さんにもこの人材というところが欠かせないんだというふうに思っておりますが、地方自治体に併せてそういった民間企業、特に金融機関というところにも人材が供給不足、そこを供給をしていかなきゃいけないと思っているんですが、国の方で何かお考えがあればお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/9
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010・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
まず、地方事務所の踏み込んだ支援ということでございますけれども、そちらにつきましては、先ほど述べました体制の強化、こうした体制、強化された体制の下で様々な相談に応じていくわけですけれども、例えば、脱炭素先行地域を検討したいということであれば一から相談に乗りますし、まずその前に職員の能力を向上したいということであればソフト支援事業とか、様々なメニューを提示しながら自治体に当たっていきたいと思っております。
また、企業や金融機関などとの連携についてお尋ねがございました。こちらにつきましては、地方環境事務所を中核に、地域の企業、経済団体や金融機関との情報交換会などを実施してパートナーシップの強化に努めてきたところであります。
また、これに加えて、環境省では、地域での再エネ導入計画を立案するための実践的なセミナーを全国で開催し、先進地域の現地調査、意見交換を行うなど、地域脱炭素を担う中核人材の育成にも取り組んでいるところであり、今後ともこれらの支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/10
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011・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかりと人材の育成強化、よろしくお願いしたいと思います。
次に、脱炭素化先進地域について質問を幾つかさせていただきたいと思います。
まず、二〇二五年までに年二回の選考会を経て百か所程度選定をしたいというような御答弁ありましたし、大臣の方からは、それ以上選定もしてもいいんだという本会議答弁もございました。
現在の先行地域の選定方針と選定状況についてお知らせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/11
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012・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
脱炭素先行地域は、選定要件やその確認事項、評価事項等を盛り込んだガイドブック及び募集要項を昨年十二月に公表したところでございます。その選定要件とは、例えば脱炭素先行地域にふさわしい再エネの導入量があるかとか、地域の課題解決の貢献可能性等の観点から学識経験者で構成する評価委員会において評価し、選定することとしております。
第一回選定の募集は今年一月から二月にかけて実施し、全国百二の地方公共団体から七十九の提案をいただいたところでございます。これらについて、学識経験者で構成する脱炭素先行地域評価委員会において書面審査及びヒアリングを実施していただいた結果、今般、二十六提案を脱炭素先行地域としてふさわしい提案として評価いただき、四月二十六日に環境省において選定したところでございます。
今後、年二回程度募集し、評価委員会の評価を得て、百地域にとどまることなくできるだけ多くの地域を選定したいと考えており、応募を検討している地方自治体に対しては環境省としても丁寧な伴走支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/12
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013・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
今御答弁にありました二十六件の選定の中に私の出身地のさいたま市の提案も採用されておりまして、ありがとうございます。しっかり私も地元のさいたま市のこの先行事業について様々見ていきたいなと思いますし、何かアドバイス等できることがあれば積極的に御協力をしていきたいなというふうに思っております。
今の御答弁にもありましたように、百か所以上も選ぶこともということを念頭に置いておられるようでございますが、一応、二〇三〇年までにカーボンニュートラルを達成をし、あっ、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成するために、三〇年までにいろいろな事業を行ってそこに国が支援をしていくというような形のものになっていると思うんですが、年二回の選考といっても、今選定をされた二十六件以降、百件になるまで又は以上になるまでにタイムラグがやっぱり、一遍に選べませんから、年々少しずつ二回の選考で積み上げていくというところになると、今の一番最初に選ばれたところと二〇二五年に選ばれたところというと、予算的に、長さが違いますので、支援予算というのも何となく格差というか不公平というか、そういうところが出てくるんではないかなというふうに思っているので、まずそのスピードアップをできればしていただいて、できるだけその実績等も早く途中で評価をしてあげられればなというふうに思っておりますが。
その支援メニューの資金的なところというのは、各自治体さんの行う事業で各自治体さんの方が使いやすいやはり交付金というのが必要だなというふうに思っているんですが、その点については何か環境省の方で縛りがあったりするんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/13
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014・上田康治
○政府参考人(上田康治君) 一括交付金が使いやすいものになっているかどうかのお尋ねかと思います。
二〇五〇年カーボンニュートラル及び二〇三〇年温室効果ガス削減目標を達成するためには地域の脱炭素化が必要不可欠で考えており、このため、地域特性等を踏まえて、地方公共団体による主体的かつ計画的な脱炭素の取組を政府としても支援していくことが必要であると考えております。
地域脱炭素移行・再エネ推進交付金は、地域脱炭素ロードマップ及び地球温暖化対策計画に基づき、脱炭素事業に意欲的に取り組む地方公共団体を複数年度にわたり継続的かつ包括的に支援するものでございます。具体的には、地方公共団体による意欲的な脱炭素の取組を支援するため、複数年度にわたり柔軟な事業実施が可能である、また、多様な事業メニューを用意、設定し、創意工夫を踏まえた複数の取組が可能などといった柔軟な制度設計としているところでございます。
また、年度内の各事業の進捗状況に応じ、事業計画の範囲内で交付金の事業間調整等を可能としていることから、地方公共団体にとっても柔軟かつ効果的な執行が可能な制度となっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/14
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015・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
地方自治体の方からすると、やっぱり複数年度の事業ということになると、その先の予見性という、予算の予見性というのが一番心配になるところでございますので、しっかりと、計画が二〇三〇年まででしたら二〇三〇年までしっかりと国が後押しをしていただけるというような確証が欲しいというふうに思っていると思います。私も地方自治体議員出身なので、やはり予算の予見性というところはいつも、国からの補助金、今年はこれだけもらうけど来年はどうなんだろう、再来年はどうなんだろうといつも心配していなきゃいけませんので、その点、安心して地方自治体がこの脱炭素化に取り組める状況というものをつくっていただきたいなというふうに思いますし。
また、中間評価をして、そしてこの取組というのはもっと進めた方が、ほかの自治体にもやっていただいた方がいいよというようなメニューが多分出てくるんではないのかなというふうに思います。そういったときに、例えば、これまで以上のインセンティブを与えるような補助金の追加だったり、これは早期に横展開をした方がいいのでほかの自治体に展開をした方がいいというような判断があり得るのかどうかというところもちょっと御確認をさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/15
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016・山口壯
○国務大臣(山口壯君) この二〇五〇年までにカーボンニュートラル実現しようと思ったら、国、地方公共団体、企業あるいはいろんな民間団体、これ総動員でやらないとできないと思います。他方、何かカーボンニュートラルやらなきゃいけないからやるというよりも、もうそのことによって実は日本の社会が暮らしやすくなると。その意味で、脱炭素を制する者は次の時代を制するという言い方もありますし、人によっては、グリーンを制する者は世界を制するという言い方をする人さえいます。そういう中で、我々が地方にどういうふうなサポートできるか、これは相当実は力を入れて頑張っていきたいところです。
今回、二百億円の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金、スタートとして予算に、令和四年度予算に認めていただいて、今回の法改正の中で国の支援義務として書かせていただきました。そういう意味で、地方公共団体が意欲的な脱炭素の取組を複数年度にわたって計画的かつ柔軟に実施することを可能とするための総合的な交付金としてこの地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を創設し、二百億円を今年度予算に盛り込ませていただいたところです。
今般、脱炭素先行地域の選定数がこれから増加することなどを想定しており、環境省として、令和五年度以降の財政需要にもお応えできるよう、必要となる所要額の確保に全力で取り組んでいきます。そのためにも、今回いいプロジェクトを選定させてもらって、それが、今回、正直、二十六のプロジェクトというのは評価委員会で相当厳密に選定していただいて、私はいいプロジェクトだと思います。こういうプロジェクトを着実に実行することによって次年度以降につなげていかなければいけないなというふうに思っています。
国の努力義務を今回の法改正案の中で明らかになっているところで、そういう意味で、環境省、これから、この二百億円のみならず、あと法改正案の中では財政投融資を活用した脱炭素化支援機構の話もここはあります。そういうことでもって脱炭素ドミノというものを起こしていきたいなと、マッチでぽんと擦って、あと、ばあっと燃え盛るようにというところのイメージ、それがESGのお金にも通じていくようにというようなイメージで考えています。
全国対話をずっとやらせていただいて、今四十七都道府県のうち三十七まで来ているんですけど、あと十です、もう日にちも全部決まっています。その中で、やっぱり、今、熊谷議員おっしゃっていただいた人材のことについてもいろいろとリクエストがありますし、そういうことでもって補強しながらこのプロジェクトがしっかりいくように、そしてまた、先進事例としていろいろと見ていただいて、ああ、そういうこともあるんだなとか、ああ、そこから、じゃ、これをもうちょっとやろうかというインスピレーションも湧き立たせていただけると思いますので、今これから申し込もうとされている地域についても、いろんな意味で手厚く伴走支援させていただいて、何とか全国で脱炭素ドミノが起きるようにやらせていただきたい。その意味で、この予算についても、今回きちっとやらせてもらって次につなげられるように頑張りたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/16
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017・熊谷裕人
○熊谷裕人君 大臣、ありがとうございます。
今大臣おっしゃっていただいたように、本当にこんないい事業なんだなというのをほかの自治体さんも気付いていただいて、逆に、これは本当に環境省の方で、いい事業なのでほかの自治体にもやってもらった方がいいんじゃないかというような事業の横展開というものをしっかりと考えていただきたいなというところと、それから、自治体さんからすると、うちの事業は本当に国が認めていただいたすごいいい事業なんだと、もっと頑張ろうと、そういう頑張る気になるようなインセンティブ的な予算もちょっと考えていただければ有り難いなと。
二〇五〇年、何としてもカーボンニュートラル実現をしていかなければいけませんので、できるだけ前倒しの前倒しでいい事業を積み重ねていって早期のカーボンニュートラルを実現するというところにしっかりと環境省さん目配りをしていただいて、支援をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、地域間の連携強化についてちょっとお尋ねをいたします。
今の話にもちょっと関わるのかもしれませんが、先行の事業、地域については、たしか本会議の答弁でも、地域の連携みたいな先行事例、事業をお認めになっていると理解をしておりますが、どうしても、やはり先ほどの人材不足もありますけれど、小さい自治体というところになるとマンパワーがやっぱり限られていて、なかなかこの脱炭素化に取り組めないという自治体も多分多いと思います。
だけど、やっぱり自分の自治体もやりたいと。人がいない、予算もない、じゃ、どこかと組んでやりたいというときに、やはり再エネ導入のポテンシャルはあるけど余地がないような、例えば、私のところでいえば、さいたま市のようなところと県内の少し小さな自治体と組んでもらって、都市が連携をしてこの脱炭素化に取り組んでいくというようなこともこれからどんどんしていかないと取り残されるところが出てくると思います。
こういう事例に対して国としてどういう関与をしていくのか、もしお考えがあればお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/17
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018・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
地域脱炭素施策の推進に当たり、様々な特性を持つ地方公共団体が相互にその強みを持ち寄る地域間連携は、安定的な再エネ電力供給や地域経済活性化の観点からも有効なものと考えております。
今回選定した二十六の脱炭素先行地域においても、全国のモデルとして地域間連携に関する取組が含まれております。例えば横浜市と東北の十三市町村では、協定を締結し、再生可能エネルギーの供給と住民、企業との交流の活性化等に取り組んでいるところでございます。これらの取組をモデルに、このような事例を全国各地で地域間連携として進めていきたいと考えております。
このほかにも、例えば、都道府県と市が組んでいる場合とか、周辺の市町村が十以上連携して組んでいる場合、多数今回の選定された二十六の事例の中に入っておりますので、しっかりとそうした事例を発信、普及啓発していきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/18
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019・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
今、しっかりとそういうところも見て発信をしていきたいという御答弁をいただきました。是非そういった事例を、いいところはどんどん広報していただいて、全国でそういう、うちは単独でできないけれど連携をしたらできるというような事例を重ねていただいて、できるだけこの脱炭素化の取組、各自治体も本当に地域の皆さんから脱炭素化、温暖化問題というのはいろいろ言われていると思いますので、それぞれ頑張っていきたいと思いがありますでしょうから、お応えをいただければ有り難いなというふうに思っております。
私もゴールデンウイーク期間中にちょっと街頭で活動しまして、様々な政策のアンケートをさせていただいたところ、地球温暖化というメニューのところ、いろんな政策メニューがあって、シールを貼っていただいて、どこに関心がありますかというアンケートを街頭でさせていただいたんですが、地球温暖化というところにシールを貼っていただく方も結構いらっしゃいまして、一番どんな方たちが多かったかというと、お子さんを連れたお母さんが、地球温暖化やっぱり心配、この子たちのために心配なのよねと言ってシールを貼るパターンがすごく多かったんです。なので、今やはり温暖化というところに特に子育て世代の皆さんたちはかなり関心があるんだなというふうにそこで私も感じたところでございますので、しっかりとこの温暖化対策というのを自治体と連携をして国も進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
その中で一つ提案をさせていただきたいと思いますが、グリーンカーボンという視点で、私も、農水省さんのやっています森林環境譲与税をもう少しいろいろ活用した方がいいんじゃないかということで、先ほど言いましたその地域間連携、自治体間の連携みたいなことも埼玉県の中で地方自治体の議員さんや首長さんに呼びかけをさせていただいているところなんですが、そういったところも、他省庁の予算にもなりますけれど、しっかりと環境省として連携を取っていただければなというふうに思いますので、その点もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、国と地方の恒常的な協議の場についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。
令和二年の十二月に内閣官房に設置されました国・地方脱炭素実現会議におきましては、翌年の六月に地域脱炭素ロードマップが策定をされて、その後、この会議自体がなかなか活用されていないんではないのかなというふうに理解をしておりますが、やはりこれから国と地方自治体が一体となって脱炭素化を目指していくということになりますと、国と地方の協議を、恒常的に協議の場を持って意見交換をしていくべきだというふうに思っております。
大臣も全国回っていただいて地方自治体との意見交換をされているというふうに答弁の中で何度か言及をいただいておりますが、きちんとしたその国と地方自治体の協議の場というものの必要性を感じておりますので、その点についてお考えがありましたらお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/19
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020・山口壯
○国務大臣(山口壯君) この国と地方の協議の場という点では、いろんな意味で、例えば知事会とか市町村会とかあると思うんです。そこプラス、我々がちょっと今回考えているのは、もう実態的に突っ込んで微に入り細に入り話ができるような仕組みということで、先ほど、この地域脱炭素創生室を地方環境事務所それぞれに置かせていただいて、そして、自治体や民間からの出向者の方を含めて約七十人の職員をこれ配置していくと。そういうことによってこの地域とのコミュニケーションを強化させていただきたいと思っています。
そういう意味で、言ってみればその場だけの協議ということがないように、ないように、じっくり恒常的に地域とのコミュニケーション、その中には地方公共団体とのコミュニケーションも含まれています、それをこの地方環境事務所を通して抜本的に強化していきたいなというふうに思っています。
それから、もちろんこれまでもその効果的な場としていろいろ継続的にもやってきたと。昨年も全国知事会脱炭素・地球温暖化対策本部長である長野県知事の要望に合わせて意見交換を行わせていただいたとか、あるいは、もちろん私たちのその全国行脚もそうですけれども、そういう様々な場を活用しながら、国と地方がより一層実践的な意見交換を行うことで連携を強化して地域の脱炭素化の取組を加速してまいりたいと思います。
要するに、全部の地域が脱炭素化に取り組んでいただかないと、この二〇五〇年のカーボンニュートラルは達成できません。その意味では、私、取りあえず予算のこともあるから百以上という言い方はさせていただいていますけれども、千七百四十一ある全部の自治体と意思疎通して、そして、みんながこの脱炭素に取り組む中でこの日本の社会がこのグランドデザインみたいなことでしっかりと強くなっていく、幸せになっていく、豊かになっていくと、そういう取組をじっくりやらせていただきたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/20
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021・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
私も、何か会議体をということでは、それにこだわっているわけではありませんので、地方事務所を含めて、今大臣おっしゃっていただいたように、しっかりと国と地方自治体が連携を取れればそれで構いませんので、一生懸命やっていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、機構について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
今度の官民ファンドの機構でございますが、まずは、令和四年度、二百億円の財政投融資の投入というふうに言われておりますが、五年度以降のこの予算投入というところについてはどのように政府として見通しを今立てているのか。そして、株式会社でありますので、業績が上がれば当然配当ということが発生をいたしますけれど、業績が上がったときに国としてこの配当というものを受け取れるというふうに考えているのかどうかも併せてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/21
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022・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
まず、出資予算についてでございます。
脱炭素化支援機構は、二〇五〇年度のカーボンニュートラルの実現まで切れ目なく脱炭素投資を支援していくこととしております。令和五年度以降の国からの具体的な出資額については、新機構の活動の状況や市場動向を見極めつつ、事業者の資金支援のニーズに応じて今後検討してまいりたいと考えております。
また、配当についてのお尋ねがございました。
新機構が資金供給した事業から得られる配当や事業の株式の売却益などの利益の取扱いについては、新機構において再投資に回すほか、国を含む株主に配当して還元することも可能であると考えております。機構の円滑な事業運営の観点から、経営陣に対して、適切に対応するよう促していきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/22
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023・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
また、官民ファンドに対しては、本会議でも、様々なこれまでの官民ファンドに対する評価という質問がございました。
慎重に今後、株式会社の扱う官民ファンドでありますので慎重に取り扱っていかなければいけないなというふうに思っておりますが、まず、この株式会社、新機構が取り扱うファンドがESG投資をとにかく呼び込む大きなインパクトになるようにしていかなければいけませんけれど、逆に言うと、民間投資、今様々な環境問題に対する民間投資があると思うんですが、その投資の圧迫をしてはいけないというふうに思っておりまして、その点留意をしていかなければいけないというふうに私自身も考えておりますが、当然政府もそういうふうに考えていただいていると思うんですが、民間の投資ファンドの取組について、この新機構の今度行う官民ファンドとの関係性ですとか役割分担というところをどのように整理をするおつもりなのか、環境省にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/23
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024・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
民間企業との、民間企業の取組との関係性についてのお問合せだと思います。
この関係性につきましては、機構は民業補完を原則として、前例に乏しく投融資の判断が難しい、認知度が低く関係者の理解が得られにくい等の理由から、脱炭素化に貢献するものの資金調達が難しい事業への民間投資を呼び込むため設立するものでございまして、民業圧迫になるものではないと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/24
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025・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
リスクが大きいところ、なかなか投資の食指が動かないところに可能性を感じて投資をしていただくということになるんだなというふうに思っておりますが、そうすると、なかなかこれは本当に物になるのかどうかというふうに民間企業さん判断をして、企画の持込みというのがどうなるのかなと。
投資先を選んでいくのに、民間さんからの提案を待って投資先を決めていくのか、それとも、こういう今度ファンドつくりましたのでどうでしょうかという、株式会社ですから営業努力をされるということはあるのかどうか。待ちの姿勢なのか積極的なのかというところの姿勢的なところを、もしお考えがあればお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/25
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026・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
個別の案件形成については、民間企業からの事業企画提案の持込みによる場合、また機構が積極的に営業して案件を形成する場合、この両方のアプローチを想定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/26
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027・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
両方是非展開をしていかなきゃいけないと思うんですけれど、なかなか投資が本当に物になるのかどうかというところを、リスクが若干あるところに逆に後押しをしてあげるというファンドですから、私の個人的な思いからすると、待つのではなくて少し積極的に、こういうファンドがありますから使いませんかというところで相談を受けて、それで、評価委員会の評価をきちんと受けた上で投資をするという姿勢を、若干そちらに重きを置いていただいた方がいいのかなというふうに思います。
先ほどの、もしうまくいけば配当をちゃんと国が受けて次の投資に回すというような御答弁もいただきましたので、しっかりこの新機構がうまくいくように、そういったノウハウを持った人材もきちんと確保していただいた上でお願いをしたいと、営業活動というものもお願いをしたいなというふうに思っております。
もう一つ、他の官民ファンドも、かなり多分環境分野であると思います。そして、日本政策投資銀行のグリーン投資促進ファンドなんというのもありますので、ここの、その日本政策投資銀行との役割分担だったり、お互いに民間のその事業に融資で争っても、まあ規模だったりするところが違うのかなというふうにちょっと思っているんですが、そういう無駄な、何というんですか、競争みたいなのを排しながら、うまく混乱を回避して役割分担をしていかなきゃいけないなというふうに思っているんですが、このDBJとの役割分担について今お考えがあればお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/27
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028・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
脱炭素は幅広い分野と深く関わるものであり、日本政策投資銀行、DBJの特定投資業務とは、互いの特性や得意分野などを生かして役割分担しつつ相乗効果の高い支援ができるように、相互の案件形成、管理への参画や情報交換などの連携を行いたいと考えております。
脱炭素化支援機構の具体的な強みは、グリーンファイナンス推進機構が有する地域の中小規模のものを始めとした再エネ開発などの知見、経験を生かした支援ができる点や、二〇五〇年までの業務終了を努力目標としており超長期のリスクテークによる支援ができるといった点にあると考えているところでございます。
いずれにせよ、脱炭素実現のためのあらゆる政策の総動員は、環境省のみならず、政府全体、公的金融機関全体で進めるべきことであり、新機構とほかの機関が一丸となって脱炭素投資の促進に取り組んでいくことが有効であると考えており、そのような考え方の下、進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/28
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029・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかりと役割分担をして、ウイン・ウインの関係になるように進めていただければと思います。
次に、収益性の確保について、今御答弁のありましたグリーンファイナンス推進機構のファンドの関係も、全体で、本会議答弁でしたけれど、約十四億円の赤字があるというようなお話もございました。今回、財政投融資を活用するのでしっかりと収益性というものも確保していかなければいけないというふうに思っておりますが、機構全体のこの収支が確実に収益性を上げていくのには時間が掛かるものだと、ファンドの性質からして多分掛かるのではないのかなというふうに思っていますので、この時間が掛かるという前提で長期的なパスを考えていかなければいけないというふうに思っているんですが、その点について、収益性を考えた長期的なパスをどのように想定をしているか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/29
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030・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
再エネの開発案件は長期的に収益を回収するものが大半であることから、グリーンファイナンス推進機構の収益状況について、現在は累積損失が発生しているものの、出資案件のいずれでも毀損は生じておらず、また、今後、設備が稼働することで収益を回収する段階に入っていき黒字化するものと見込んでおります。
脱炭素化支援機構については、幅広い事業を対象することと併せて、投資実務等に専門的知見を有する者で構成される脱炭素化委員会が事業の収益性を十分に精査して最終決定することにより収益性を確保していきたいと考えております。
加えて、その判断、脱炭素化委員会の判断の前に、機構が運営するという段階において、事業を運営するに当たり、目利き力を生かした案件の形成であるとか、多様な案件をバランスよく支援するポートフォリオの形成、案件の性質に応じた継続的な運営支援や事業者との対話等により、確実な収益の確保に努めることになります。こうした取組を積み重ねていくことによって、最終的に収益性、これを確保していきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/30
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031・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
この収益性の確保のためにも、やはり人材の確保というところと、しっかりとした人材、人員体制を強化をしていかなければいけないというところが私も課題になると思いますので、次はその質問をさせていただきたいと思います。
収益性と、国の行う事業ですから、政策性の両方を両立をさせなければいけないのではないのかなというふうに、株式会社ですが、そういうふうに思っております。そうすると、その両方を、収益性と政策性を両立をさせるということになると、全体のポートフォリオがきちんと構築をされていなければいけないというふうに私は考えておりまして、そのファンドの運営に当たって、脱炭素分野での知見だったり、また、融資をするわけですから、金融機関の融資のファイナンスの実務だったりというところのスキルがこの機構の人材には求められるというふうに思っているんですが、人材体制をどのように拡充をしていくのか、そして専門人材の確保についてはどのようにして確保していくおつもりなのか、その辺についてお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/31
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032・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
機構における人材体制の構築等は、機構が行う支援の政策性と収益性を両立させるために極めて重要だと認識しており、適材適所の配置を行っていきたいと考えております。
このため、グリーンファイナンス推進機構においてこれまで出資等を行ってきた知見、経験の豊富な役職員の多くに引き続き新しい組織で御活躍いただくとともに、脱炭素分野の事業や投資、モニタリング等々の経験や、金融分野、経営企画や組織管理等に関する知見のある方を幅広く採用できるよう準備を進めていきたいと考えております。また、必要に応じて政府からも適切な人材を出向させることを考えております。
機構の報酬体系については、他の官民ファンドなども参考にしながら、経費の肥大化を抑制しつつ優秀な人材を確保できる、バランスが取れた体系となるよう今後検討してまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/32
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033・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
冒頭にも言いましたが、多分この環境分野というところは世界的な人材確保競争になっているというふうに私は思っておりますので、今御答弁いただきました報酬とか給与水準というのは、それなりの水準をやっぱり設定をしないと優秀な人材は集まらないと思っておりますので、ほかのファンドだったりいろんな機構と余り格差が出てもいけないんですが、そこのところについては、脱炭素化がしっかりと進むような人材確保に報酬や給与水準も含めて取り組んでいただければと思います。これはお願いをさせていただきたいと思います。
続いて、国以外も、この国の二百億円の財投以外にも出資者というものが募られるというふうに、これ衆議院の答弁だったのかな、大臣の方からございました。
民間の出資の見込み、数十億円という見込みがあるように御答弁されていたと思いますが、この、国以外に出資をしていただいた方がファンドの運営だったり機構の業務運営だったりというところに株主としていろいろと口を出してくることも考えられるんですが、その点については国以外の出資者の意向というものがどのように関係をしてくるのか、御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/33
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034・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
まず、脱炭素化支援機構による脱炭素事業への民間投資の呼び水効果を最大化するためには様々な事業者とオールジャパンで取り組むことが重要であり、脱炭素に意欲的な多くの民間企業等に出資いただける、これを期待しているところでございます。
こうした、出資いただくその民間企業の株主の御意向や考え方もこの新しい機構の経営に取り入れるということで、市場のニーズにかなった効果的な資金供給や効率の良い運営などに役立つものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/34
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035・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今、民間企業の方の投資では物言う株主なんという人たちも大変いらっしゃいますので、そういったところも含めてしっかり公共性のある意見には耳を傾けるというところを貫いていただきたいなというふうに思います。
次に、脱炭素化委員会について幾つかお尋ねをしたいと思います。
対象事業の、対象事業者の内容ですとか意思決定、投資の意思決定をするのに、株式会社の取締役会でなくてこの外部の方も入れた脱炭素化委員会を設置をして行う是非について御答弁をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/35
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036・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 脱炭素化支援機構においては、支援決定に当たって専門的見地から中立的に判断を行うため、取締役会ではなく、取締役のうち脱炭素事業や金融等の知見を有する一部の取締役で脱炭素化委員会を構成し、脱炭素化委員会において最終決定を行うこととしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/36
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037・熊谷裕人
○熊谷裕人君 取締役会が、株式会社なので取締役会がやればいいのかなというふうに私なんかは思うんですが、あえて外部の委員会をつくってより多くの専門家を入れようという意思がそこにあるんだろうなというふうに思っているんですが、責任の主体がどこに行くのかというところが曖昧になるんではないかなと私自身は思っております。
それに加えて、株主のモニタリングというものはあるんだと思うんですが、事業の評価委員会も外部の方を入れるという形とそれから株式会社ということを考えると、モニタリングの主体はどこになるのかなと。国会というのは関与するところがあるのかな。予算を投入をしていったりするので、予算委員会とか決算委員会というところで関与するところがあるんだと思うんですが。
また、この外部の方も入れた脱炭素化委員会については大臣の認可プロセスの中にも入ってくるものだと思っているので、最終的にこの事業がどうだったかというところがかなり先になって結論が出てくるんだと思うんですが、最終的な結論についてはこの脱炭素化委員会が取ることになるのか、それとも認可プロセスがあるので大臣がお取りになるのかというところの、この責任の所在がどうなるかというところについてもし御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/37
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038・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 責任についてはいろんな形のものがあり得ると思うんで一概に申し上げるというのはちょっと難しいかもしれませんけれども、この支援決定に関しては基本的に脱炭素化支援機構が法人として責任を負うこととなるというふうに思います。
それから、先ほど国会との関係についても御質問があったように思います。脱炭素化支援機構は公的資金を活用する機関である以上、その運営状況等については、求めに応じて適宜、環境省として国会に対して御説明させていただきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/38
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039・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。国会でも、しっかりと予算委員会や決算委員会でもし機会があればチェックしていきたいなというふうに思っております。
それから、地域との共生の支援について幾つかお尋ねをしたいと思います。
やはり、この脱炭素化の事業で、この事業の施設が起因として環境破壊ですとか地すべり災害といったような懸念がやはり地域住民の方から数多くこれから出てくる可能性はあると思います。
私の地元の小川町でメガソーラーの事業がありまして、大臣の方でこのメガソーラーについていろいろと御見解を出していただいて、いい方向に進んで住民の方たちも喜んでいるというところが一面あるんですが、この地域の住民の声をどのように反映をしていくのか、地域との共生といったところでその反映方法についてお考えがあればお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/39
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040・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 御指摘のとおり、再エネの導入に当たっては、この環境に適正に配慮するとともに、この地域における合意形成をしっかりと図っていくと、そういうことがまず基本にあります。
そのため、大規模な再エネ発電事業については、先般の埼玉県のメガソーラー事業に関するもののように、この法アセスの手続において、計画の抜本的な見直しを強く求める環境大臣意見を発出させていただいたところです。
この法対象とならない事業については、地方自治体の判断によって環境影響評価条例の対象とされている。また、法や条例の対象とならない小規模な事業についても、環境省は、太陽光発電の環境配慮ガイドラインを作成して、生活環境の保全のために取り組むべき事項を分かりやすく解説するなど、適正な環境配慮と地域とのコミュニケーション促しているところです。
また、本年四月からは、地球温暖化対策推進法に基づいて、市町村が地域住民や事業者などが参加する協議会の場で合意形成を図りながら再エネ事業に関する促進区域を定めること等により、地域の合意形成を円滑化しつつ、環境に適正に配慮し、地域に貢献する再エネ事業を促進するための仕組みが導入されたところです。
環境省としては、こういう取組の推進によって、地域と共生する再エネ事業を促進してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/40
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041・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
地域住民の声というところもしっかりと、地方環境事務所ありますので、そういったところで拾い上げていただければなと思っております。
さきの改正で地方公共団体実行計画という計画も地方公共団体立てることになったんですが、この計画についても、私ども立憲民主党の修正案では住民意見を反映させるべきではないかというふうに御提案をさせていただいておりますので、是非この点につきましても環境省の方でもう一度御検討いただければと思いますし、また、地域とのトラブルを防止するために、国交省や農水省そして経産省といったところの、再エネだったり開発だったりというところで関わる他省庁と統一基準みたいなものも作るべきではないかなというふうに思っておりますので、そういったところも他省庁と協力をして、是非統一基準作っていただければと思っております。
時間になりますので、まだまだ質問したいことはたくさんあったんですが、私の持ち時間五十五分までになっておりますのでこの辺で終わりにしたいと思いますが、大変、地球温暖化対策というのは我々人類が今後も安心、安全に過ごしていくために必要な事業でございますので、世界をリードできるような形で日本の国、環境省がトップに立っていただけますようにお願いをしたいと思いますので、引き続き、私もこの地球温暖化対策、関心を持ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/41
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042・柳田稔
○柳田稔君 今日は、日本のエネルギーについて質問したいと思います。
前から原油高というのは続いていますよね。日本でも、ああ、困ったなという状況下の中で、ロシアのイラク侵攻が起こりました。あっ、済みません、ロシアのウクライナ侵攻が起こりました。これも予想しなかった大変大きな出来事で、ヨーロッパも日本もエネルギーについて大変な危機が出てまいりました。御存じのとおりです。エネルギーの価格というのは高騰しています。このことは国民生活並びに企業活動に大きな負担となっております。
そこで、エネルギーの安定供給を大前提に、将来世代により良い地球環境を残すため、カーボンニュートラルの実現に取り組んでいかなければなりません。もうこれは共通の認識だと思います。エネルギーの低廉かつ安定的な確保とカーボンニュートラル実現の両立についてまず質問させていただきたいと思います。
そこで、海外の状況についてお答え願いたいんですけれども、イギリス、フランス、ドイツについてお答えしていただきたいと思うんですが、一つずつお答えください。
まず、イギリスはこの状況にどう対応しようとしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/42
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043・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
まず、イギリス、英国についてでございます。
英国は、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げてございます。二〇三〇年までに最大五千万キロワットの洋上風力の導入などを通じまして、電力の九五%を低炭素化するという目標を策定し、風力、原子力、太陽光、水素の導入を加速するとしてございます。
また、昨今のウクライナ情勢を踏まえまして、北海の石油・ガス事業開発、これを開始することを計画しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/43
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044・柳田稔
○柳田稔君 ニュースで見たんですけど、原発を十基ほど新設するということを聞いたんですが、それについてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/44
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045・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
英国は、二〇二二年四月のエネルギー安全保障戦略におきまして、電力需要に占める原子力発電の割合を現状の一五%から、二〇五〇年までに二五%へ拡大するとしています。この中で、二〇三〇年までに八基の原子力発電所の新設承認を掲げてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/45
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046・柳田稔
○柳田稔君 じゃ、フランス、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/46
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047・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
フランスにつきましては、二〇五〇年カーボンニュートラルを掲げてございます。二〇二八年に再生可能エネルギーを二〇一七年比の二倍となる約一億キロワットに増加する目標を策定してございます。
原子力発電につきましては、二〇二二年二月に複数基の建設に向けた検討を開始することを表明してございます。具体的には、二〇二二年の二月のマクロン大統領の演説におきまして、二〇五〇年までに六基の原子力発電所を建設し、さらに八基の建設に向けた検討を開始する方針を表明してございます。
それから、最近の、昨今のエネルギー価格の高騰を受けまして、事業者へのガス備蓄の要請、再エネ導入の拡大、原子力の最大限活用等を進めるとしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/47
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048・柳田稔
○柳田稔君 聞いた話ですけどね、今の原発というのは百万キロワット以上、大きなものを造っていますよね。これから小型の原子炉も開発しなきゃならないんじゃないかという話をフランスではされているというふうに聞いたんですけど、その辺の事情についてはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/48
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049・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
フランスにおきましては、同様に、マクロン大統領が、小型炉、SMRでございますが、小型炉やより良い廃棄物管理が可能な革新炉の開発に十億ユーロを投資する目標を表明してございます。
したがいまして、こうした小型炉の開発も進めていくという方針だというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/49
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050・柳田稔
○柳田稔君 イギリス、フランス、まあカーボンニュートラルという点もありますので、エネルギーについては再エネと原子力ということに重心を置いているように私には思えるんですけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/50
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051・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
イギリス、それからフランス、両国とも、再生可能エネルギーと併せて原子力の利用、これを進めるとしていますので、両方を両立させながら進めたいという、そういう考えというように認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/51
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052・柳田稔
○柳田稔君 そこで、ドイツなんですね。ドイツはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/52
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053・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
ドイツにつきましては、二〇二一年に、従来の気候中立目標、いわゆるカーボンニュートラルの目標、これを五年前倒しして、二〇四五年までにカーボンニュートラルを目指すということにしてございます。また、二〇三〇年には電力の八〇%を再生可能エネルギーで供給する目標を立ててございます。
さらに、昨今のウクライナ情勢やエネルギー価格の高騰を踏まえまして、LNG受入れ基地を新設するということを発表してございます。
原子力につきましては、国内で現存する、現在三基が残ってございますけれども、この原子力発電所を、二〇二二年中、今年中に閉鎖する予定でございます。ウクライナ情勢を踏まえてこうした原子炉の運転延長も議論されたところでございますけれども、二〇二二年の三月に運転延長は奨励しないという政府文書が発表されてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/53
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054・柳田稔
○柳田稔君 経済発展もあるし、いろんな発展もあるので、多分電力というのは大変必要ですよね。
そこで、ドイツはそれで賄えるのかなと。八〇%も再エネで対応したいという方向性はよく分かるんですけれども、再エネというのは日々の天候とかによって相当変わりますよね。太陽光もそう、風力もそう。そんな中で、これからもドイツはその方針でいくんだろうかというのが私の疑問なんですけど、経産省としてはどう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/54
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055・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、ドイツは二〇三〇年までに再生可能エネルギー八〇%という目標を立ててございます。これはもちろん相当高い目標というように私ども認識してございますけれども、ヨーロッパは全体として送電網でつながっているという、そういった面がございまして、そういった異なる国での電力の融通、そういったものもできるというように認識してございます。恐らくそういったものを総合的に判断をして、ドイツはそういった形で目指そうということだというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/55
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056・柳田稔
○柳田稔君 私もそう思います。フランスの隣の国ですものね。送電線はあるんですよ。ということは、ドイツも自国では原発は廃止するけど、フランスに頼ろうということになりますよね。元は原発ですよね。そういうことでどうにか乗り切ろうとしているんですけれども、日本は一体どうするんだろうと。
最近、貿易収支の額が出ました。ほとんどが石油、天然ガス、石炭、これで膨大な日本の富が流出していますよね。それなのに、日本政府の方から何の発信も聞こえないんですけど、日本政府としては一体この状況にどう対応しようとしているのか教えてください。どちらでもいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/56
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057・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 確かに、いわゆる貿易収支、経常収支、こういうバランスからいって、過去まず石油に頼っていたところからどういうふうに脱却しようかなというので、原発ということを始めたと思うんですね。ただ、福島ということが起こって、どういうふうに今度軌道を取っていくかというんで、再生可能エネルギーにぐっと比重が当たってきたと思うんです。
他方、今、まずそのエネルギーのことで、いわゆる自前のものにしないと、外から入ってくるものに対してお金を出していくということにすると、やっぱりGDPとかGNPの大部分がそっち、そのプラスの部分が取られるという、そういうことを防ぐためにまず原発ということにしたんだと思いますけれども、それが今は福島でもって再生可能エネルギー。そうしたら、再生可能エネルギーは天候次第でいろいろなことが起こる。
ただ、今の我々の環境省の立場としては、現下のウクライナ情勢、あるいは円安の進行、あるいは気候変動対策の緊急性を踏まえれば、自前の国産エネルギーである再生可能エネルギーを始めとする脱炭素電源の重要性は以前にも増して高まっていると。
それで、この再生可能エネルギーの最大限導入に向けて、まだ必ずしも整っていない蓄電池の仕組み、あるいは水素、こういうことのイノベーションを更に加速化させるように努力していかなきゃいけないなと。そうでないと、なかなか外に対してお金を払うという状況から抜けられないのかなと。
今御指摘いただいている原発について、それはもう経産省の所管です。我々的には、再生可能エネルギーを最大限導入していくと、主力電源として導入していくと。それから安全を、この原発については安全をもう最優先で、で、再生可能エネルギーを増やしていくことによってこの原発の比率もぐっと下がっていけばと。
ただ、去年の十月に、エネルギー基本計画では、原発は六から二〇なり二二に増やしていくと。この間も岸田総理から、この現下の情勢を踏まえて再生可能エネルギーそして原発についてということで言及がありました。
そういうことからいくと、再生可能エネルギーについては一八から三六なり三八に増やすと同時に、原発については六から二〇なり二二に増やしていくと、で、石炭は三二から一九に減らしていくと。こういう図柄の中で、どういうふうに再生可能エネルギーを安定的に電力が供給できる仕組みにできるかなというのが今の環境省に与えられているミッションの大きな一つだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/57
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058・柳田稔
○柳田稔君 去年の十月の話ね。今変わっているんですよ、時代は。ロシアのウクライナ侵攻というのは起きているんですよ。それで世界のエネルギー事情が一変しましたよね。それを受けて、フランス、イギリスというのは対応策を発表しましたよね。
そういう中にあって、やはり日本は去年の段階の話をまだされるんですか。それとも、今の状況にどう対応しようかという考えがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/58
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059・山口壯
○国務大臣(山口壯君) このウクライナの情勢というのは確かに乱気流ですけれども、実際の気候変動に関する例えば一・五度の合意も含めて、そこはもう微動だにしていません。
特にこの気候問題については、この十月に決めたいろんなことというのはきちっと通用します。だけど、それをもっともっと加速化していくというのが今の状況だと思います。方向は間違っていません。だけど、加速化していかなければいけません。
再生可能エネルギーについては、一八を三六なり三八にするというのは、我々の気持ちとしては、もっともっと加速化して、自前の国産エネルギーの自立的なシステムだからこそ、予算も申し訳ないけどもっともっと要求させていただいて、そして今回は二百億、それから財政投融資のことも二百億。正直言って、二百億と二百億。でも、去年の、令和三年度の補正予算も含めると、大体ZEBとかZEHも含めて一千億ぐらいの、この再生可能エネルギー関連あるいは省エネ関連でもういただいています。でもそれでは、それでも足りないなというのが正直なところです。
ですから、この一八なりを三六、三八に持っていくところ、それが我々の所管ですから、もうその部分について更に加速化させなければいけないなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/59
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060・柳田稔
○柳田稔君 去年の段階だったらそれで納得したんです。だけど、今それで納得しろと言われても、なかなか難しいなと。
なぜなら、日本はロシアからもう石炭を輸入しないんでしょう、その方向決めたんですよね、総理がそう発言していますものね。それと、原油、天然ガスについてはまだ方向性がはっきりしていないと思いますけれども、ヨーロッパの方は相当厳しく対応を決めていますよね。対応を決めたからこそ、さあどうしようかということで、フランス、イギリスは、原発の増設をしなきゃならない、再エネを進めていかなきゃならない、そうしなけりゃ自国のエネルギーが賄えないということで方向転換をしているわけですよ。それなのに、日本は去年と同じ状況しかないのかなと、本当にそれでいいのかなと私はこれから先心配になるんですけど、山口さん、そう思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/60
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061・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 原発のことをおっしゃっておられるわけですけれども、日本は、あの二〇一一年三月十一日でもって、この福島の第一原子力発電事故に対してどう向き合うかということを私はまだ問われていると思います。福島に行くたびにそこは痛感します。
今日の新聞で、葛尾村が、この帰還困難区域の中の特定復興再生拠点、その中の、六月十二日でもって避難指示解除と、やっとそこまで来ました。十一年たって、やっとそこまで来ました。まだまだここから続いていくわけですけれども、この帰還困難区域全てについて、そこの住民の方々の意向を踏まえながら、二〇二〇年代を通して何とか全員の帰還が果たせるようにというのが我々今やっていることです。
だから、その中で、去年の十月では、原子力を六から二〇なり二二に上げると、もうそこははっきりこの閣議決定もしているわけです。それをどういうふうに実現していくか。これは相当、国民の間の理解の醸成というのが私は必要だとまだ感じています。我々は、その中間貯蔵施設に集まっている除去土壌、これを最終的に三十年以内にどこに持っていくかと、これはもう全くもって難しい話です。でも、最終的には必ずできるように頑張るつもりです。
そういう中でもって原発をどう考えるかということを全国対話の中でもいろいろ議論させていただいています。そこは、このウクライナの情勢があったからということを踏まえながら、みんなの気持ちもだんだんだんだんいろんな意味で変化しつつあるというふうにも感じますけれども、そこはこれからも更にこの理解の醸成に努めていかなければいけないかなというふうに環境省としては思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/61
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062・柳田稔
○柳田稔君 エネルギーの安定供給というのは、これは経産省のメーンの仕事かなと私は思っています。環境省は、やはりカーボンニュートラルをどう進めるかというのがメーンに来るんじゃないかと。とすると、やはりカーボンニュートラル、この点からいうとですよ、やはり再エネと原子力かなと。もう化石燃料は燃やすなと、それぐらい言ってほしいなという気がせぬでもないんです。そういうふうな点から、私は、原子力というのは、原子力発電というのは大きなウエートを占めてしかるべきではないかと、そう思っているんですよ。
今日、事前通告とかしないでいたんですけれども、これから日本は、さあ果たしてどういう環境になるのかなと思っています。ささやかれていますとおり、台湾有事というのもあるかもしれないと言われていますよね。もしそういうことになったときに、石油、石炭、航路が絶たれるわけですよね、ほとんどが台湾のそば通って日本に輸入していますからね。もし何かが起きたら、これが絶たれるわけでしょう。そのときに、日本のエネルギー、実際どうなるんだろうと。石油もない、石炭もない、天然ガスもない、どうするんだと。じゃ、再エネかと。再エネだけで賄えるわけないですよね、日本のエネルギーを。
ただ、もう一回言いますよ、環境省はカーボンニュートラルですからね。と思うと、私は、更に原子力発電のウエートというのを高めるべきだろうと、カーボンニュートラルの点、国民生活、それを考えると。そういう観点から、山口大臣、政府内で大きな声で発言してもらえません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/62
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063・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 去年の十月のこのエネルギー基本計画をまず実行していくことによって、それを延長していけばカーボンニュートラルは実現できると、そういうことですから、原発については今の六、まあ実際には四みたいですけれども、それを二〇から二二に持っていくというところがまずあると思うんです。
他方、我々がこの二〇一一年からずっと直視していかなければいけない福島の中間土壌、中間、失礼、除去土壌も含めたいろんなこと、その辺についても含めて、やっぱり原子力発電に対しての国民の理解というものをもう少しきちっと醸成していかないといけないなというふうに思っています。
台湾の有事というのは、確かにもう最悪の事態を想定することも政治家の一つの仕事ですから、それはあるんですけれども、むしろもう外交官で処理できなければ後は軍人の仕事だと、でも絶対にそれが起こらないようにするというのがまず第一に私的にはあります。
今、中国を見ていれば、ロシアとあんなことやったらえらいことになると、中国は世界の経済の中に組み込まれてやっとあそこまで来ていますから、世界の経済から押し出されたら、もう全然中国の土台というのは全部崩れるわけですよね。今は確かに資本主義ですけど、共産主義がまとめる資本主義、赤い資本主義と言われていますよね。そういう中で、彼らとしては、この資本主義が成り立たないと共産主義も成り立たないと、共産主義というか共産党の地盤がなくなってしまうということで、注意深く見ていると思うんです。
我々はやっぱり、今回ロシアに対してやっぱり極めて明快なメッセージを出していると思いますし、この経済制裁がきちっとした効果を出すためには、今、柳田議員おっしゃっておられるような脱ロシア、日本については、石油が四%、ガスが九%、石炭が一一%、これをどういうふうに脱却していくかという点ではますます環境省の役割は大きいと思っていますから、その意味で、私は自分の所管のところはきっちりやりますし、それから、経産省については、六を二〇なり二二にしていく部分をきっちりやっていく、その際に欠かせないのが国民の理解の醸成だというふうに思っています。
そういう意味で、このエネルギーについては非常に大事な部分でありますから、おっしゃっていただいている原発についても、我々もいろいろともちろん考えています。そんな中で、SMRということもよく議論します。ただ、SMRというのはまだ出てきていないんですよね。今から十年ぐらい掛かってやっと出てくる。
だから、もうそういうことも全部踏まえて、経産省とよく連携を取りながら、電力の安定供給等を踏まえながら、更にこの再生可能エネルギーの最大限導入に全力を尽くしてまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/63
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064・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
まず初めに、地域脱炭素施策に関する意見交換会、先ほども熊谷さんの方から話が出ておりましたけれども、大臣始め副大臣、政務官で全国を回っていらっしゃるという話でした。残りがあと十の府県になるんですかね。やはり現場に赴いていって様々お話を聞かせていただくというのは本当にすばらしいことだなというふうに思います。
大臣、今のところいかがでしょうか。様々回られてきた中で、いろいろな要望事項とか課題など、またニーズなど、いろいろ出てきていると思います。そして、それにどう向かっていくかというところも、話聞くだけで終わっていては先が進みませんので、どう対応していくかということも大事だと思いますが、現状ではどのように考えていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/64
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065・山口壯
○国務大臣(山口壯君) COP26、昨年秋のグラスゴーでの合意を受けて、この気候変動対策というのは具体的アクションのステージに入ったというのがまず基本的な認識としてあります。その中で、国内で何をしていくか、それから対外的にどういうふうにしていくか、そういう発想でやっています。
国内の中で、じゃ、脱炭素ドミノを起こしたいと、そういう一つのツールが、一つのツールというよりも二つのツールが今回法改正でお願いさせていただいている、一つは地域脱炭素移行・再エネ推進交付金。これを既に令和四年度の予算でお願いさせていただいたわけですけれども、それを、やっぱり脱炭素を全国で達成するには、千七百四十一の地方自治体全て、それから、まあ国もそうですけれども、企業、それからいろんな民間団体含めてもう総動員でやらないとできないと思っているんですね。そういう観点から、もうこれ全国行脚だということで今やらせてもらっています。本当はもっともっと早く終わる予定だったんですけど、オミクロンの関係で少々遅れていますけど、でももうあと十に迫りました。これは必ずやっていきます。
その中で、結局、出てきている非常に大きな部分というのは人材なんですよね、キャパ、キャパシティー。だから、このキャパシティービルディングをどういうふうに国が手伝えるかなということが非常に大きな部分だと思います。あるいは、この予算についてのリクエストも当然あります。それから、地域によっては、例えば製鉄業を抱えているとかいうことになると、その独特のやっぱり課題もありますので、もうその対策も含めていろんな議論をさせていただいています。
それから、そういう中でいくと、中小企業です。中小企業の方々からも、どうやってCO2を測るんですかとか、どうやってこのカーボンニュートラルをやるんでしょうかと。それはもう当然の声ですから、そういうことも含めて我々がどういうふうに情報提供なりサポートできるか、それをやらなければいけないなと思っています。
その関係で、今回、今年の四月からお認めいただいた七つの地方環境事務所に地域脱炭素創生室、その中で七十名の増員を認めていただいたというのは非常に我々にとっては大きなことだと思っています。特に、気軽にやっぱり相談できる体制でないといかぬなというところで、この七十名の増員というのは物すごく大きな威力をこれから発揮していくと思います。
それから、全国の行脚をさせていただく中で、そういう声に対して、その人材のこと、それはやっぱりどういうふうなサポートができるかというところから始まりますので、そういう意味では、この声をしっかりと受け止めさせていただきたいなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/65
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066・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたとおり、もうどの自治体とかどの企業も、脱炭素もやるべきことだし、やらなければいけないことだと分かっているとは思うんですが、ただ、おっしゃるとおり、ではどうやってやったらいいとか人材がいないとか、そういったところで戸惑っている、そういった自治体や企業って今非常に多いと思うんですね。
ですから、そういったところのやっぱりサポートとかというのも本当に重要なことかなというふうに思っている中で、次いで、脱炭素先行地域、こういった地域をつくっていって、そこから大臣おっしゃっているドミノ式に全国に展開していくということを考えているというふうに理解をしています。
これ、現在は二十六か所、先日選定をされました。これに対して七十九件応募があったということですが、それだけ積極的に取り組んでいこうという自治体も多いということですね。今後は、最初、百が目標かなと思っていたんですが、百地域にとどまることなくできるだけ多くの地域を選定したいということを先日の本会議でも大臣の方から答弁をいただいておりますが、そうしますと、今後どのようにその百地域にとどまることなく広げていくかという話なんですが、やっぱりスピードアップも必要ではないかと思っております。
年に二回ほどこれから選定をしていくということなんですが、決して、これ、やり方の、その方法とかがあってなかなか時間が掛かるのかもしれませんけれども、とはいえ、どんどんどんどん、積極的に手挙げているところが多いわけですから、それほど時間に縛られることなく、どんどんどんどん先行してやっていってもいいのではないかと考えますが、これについてどのように環境省として考えていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/66
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067・上田康治
○政府参考人(上田康治君) 脱炭素先行地域のスピードアップについてお尋ねがございました。
今回、脱炭素先行地域として二十六件の提案を選定したところでございます。先ほど委員からも御指摘ございましたように、今後、年二回程度募集をし、評価委員会の評価を得て、百地域にとどまることなくできるだけ多くの地域を選定したいと考えており、応募を検討する地方自治体に対しては環境省としても早い段階から相談に応じるなど、丁寧な伴走支援を行ってまいりたいと思います。
また、今回の発表でも資料として配付させていただきましたが、二十六件、どのような案件が、中身はどういうものなのかというのを丁寧に資料として配付をしたところですけれども、そうした情報発信についても地方自治体にしっかり行うことで取組を促していきたい、こんなふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/67
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068・清水貴之
○清水貴之君 今のお話の中で更にお聞きをしたいんですが、丁寧な伴走支援という言葉がありました。大変重要なことだと思うんですが、これはどういったことを意味するのか。そして、地域地域でということだと思うんですが、大臣から先ほど七十名の人員増が非常に助かっているというお話でしたが、これ、七十名にこれ決して、いろいろ予算の関係とかいろいろあるとは思うんですが、もし必要ならばそこの拡充というのも必要になってくると思いますが、この辺りについてのお考えはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/68
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069・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
丁寧な伴走支援についてのお尋ねかと思います。
この伴走支援の中身でございますけれども、非常に早い段階から、そもそもどういうふうにやったらいいですかという、先行地域の前に脱炭素の取組どうしたらいいですかという早期の段階から相談に応じることとしております。そうしたもの、案件については、例えば、脱炭素先行地域の仕組み、それに取り組む前に、まずはその職員の能力向上ということでソフト支援、そうしたものを使っていただくというような、先行地域、交付金以外のメニューも提示しながら御相談に応じることとしております。
また、今回、体制を強化するということができたことに鑑みまして、例えばその時間の都合が付く限りにおいては、こちらの事務所に来ていただくだけでなく、相手の都道府県、市町村のその担当者のところに出向いて相談に応じる、こうした事例も出てくるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/69
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070・清水貴之
○清水貴之君 そして、今回、選ばれたその地域が二十六で、応募した地域が七十九件というふうに聞いておりますが、ということは、応募したうちの三分の二ほどはこれ実際に今回は選ばれなかったということになります。となりますと、一生懸命やろうとしているその意欲が失われないように、なぜ今回は選ばれなかったのかとか、次選ばれるためにどうしたらいいのかとか、最初から手を挙げてくれている自治体とか地域なわけですから、非常に積極的な思いを持っています。こういったこの気持ちを失わせていただかないようにここもサポートをしていって、で、こういったところが先行地域になっていくような広がりが必要だと思います。
この辺り、例えば、なぜ今回選ばれなかったのか、その理由であるとか、今後のフォローとか、こういったことについてはどのように対応しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/70
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071・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
今回選定されなかった地方公共団体に対しては、環境省より個別に評価委員会の評価コメントをお伝えしており、その中で選定されなかった理由及び改善を期待する事項等を記載し、今後の検討に活用いただくこととしております。
個別のその指摘事項を御紹介することはできませんが、例えば、今回の選定結果に対する評価委員会の総評という形で個別のものをまとめたものはございますが、その中では、先行地域の対象範囲で取り組む意義や必要性を明確にし一定の広がりや規模を確保することであるとか、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを達成するための取組を確実に実施する体制を提案の時点である程度明確にすることであるとか、単なる再エネ設備の導入にとどまることなく地域経済の循環や地域課題の解決、住民の暮らしの質の向上につながることを意識することなどが指摘されており、今後の地方公共団体での検討に御活用いただくことになるのかと思っております。
その上で、これら地方公共団体のフォローについては、地方環境事務所において伴走支援を行っていくほか、環境省の補助メニューにより、地方公共団体の計画作り、これを支援していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/71
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072・清水貴之
○清水貴之君 是非、これ地域でも選ばれていますので、この地域というのは、大体まあこれ、エネルギーを使用するのは大都市が中心、多くて、このエネルギーをつくり出すのは地方であったりするわけですね。この辺りの関係であるとか、地域ですから横のつながりとか、こういうのは自治体だけではできないことも多いかと思いますので、この辺りのフォローも必要ではないかというふうに思っております。
続いて、二番の質問で、経済成長につながる環境への投資というところで、これは大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、このような環境に対する投資であったり取組というのは、何ですかね、やらなければいけないこととか義務みたいにして考えてしまうと、なかなかやっぱりこれ負担が大きかったりしんどくなってくるものではないかなというふうに思っております。
ただ、世の中のこの流れからしても、みんなで頑張ってやっていかなければいけないことではあるんですが、ただ、これが、やることによって、例えば企業だったら、それが経済成長につながるとか企業の利益につながるとか、そういうふうにどんどんどんどんいい循環に回っていくようになると、様々なところからの投資も、今回、機構の設立もありますが、投資も呼び込みやすくなるでしょうし、みんなが積極的に関わりやすくなるんじゃないかなというふうに思っております。
やっぱり何となく今のイメージは、環境への投資というと、やっぱりまだ、今、投資段階なので何となく負担が大きなもので、なかなか実を結ぶまでまだまだ時間が掛かるなというところを私も感じていますし、そう思っている人たちとか企業も多いんじゃないかなというふうに感じておりますが、この辺り、経済成長という面から、大臣の考え、どのように思っていらっしゃるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/72
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073・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金というのは、町おこしと脱炭素を両立していただくと、そういうところがまず最初のポイントなんです。全国行脚の中でもそういうことを強調しているわけですけれども、その脱炭素先行地域というのは、そういう意味では割とハードルが高いんですね。この二〇三〇年までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出を実質ゼロにすると、二〇五〇年からある意味でその部分は前倒しすると。もう一つ、この二百億円の中に含まれているのがこの重点対策加速化事業ということで、そこら辺までの、町おこしまでにはシステムとしてなかなか打ち出すのが難しくても、この太陽光発電とかゼロカーボン・ドライブとかいう中の特定の部分、重点対策化事業という、そっちの方にも行っています。
結局、その全部の地域、千七百四十一全部の地域でもってその町おこしと脱炭素とやっていただくことによって初めて、脱炭素がもっとその経済成長的なものに結び付いていくというところは可能になると思っています。
だから、そういう意味でいくと、この脱炭素を成長の機会と捉える時代だというふうにももちろん思うんですけれども、全ての自治体に地域の脱炭素化に取り組んでいただくことによって脱炭素と町おこしを同時に実現していくというイメージを描いています。自治体や地域の企業や金融機関など地域の関係者が主役になって、地域の雇用や資本を利用して、再エネ等の地域資源を最大限活用して脱炭素事業を行うことで経済を循環させ、地方創生、町おこし、そして地域の成長につながる。
イメージ的には、例えばバイオマスをやるときに、その地域の例えば、何というんですか、その建設の関係の方とかそのお金がまずそこで、それで上がったものを、例えばシニアの方あるいは学生に定期券を、定期券というか交通費無料でやっていくと。それを聞いたほかのところからの人が増えたりと、そういうことが現実に外国の方でも事例としてあるんで、そういうものも参考にして我々考えています。
それから、やっぱり、例えば福島の方では、福島の後、相当町が、温泉町が寂れていったと。それを例えば地熱の仕組みをもう一回整えて、町おこしをやりながら脱炭素をやっていると、そういうこともあります。そういう先進事例をできるだけたくさん伝えて、更にインスピレーションを湧き立たせていただくことによって町おこしというところにつなげていきたいと思うんです。その向こうに経済成長という国全体の話がかんでくるんだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/73
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074・清水貴之
○清水貴之君 ありがとうございます。
続いて、株式会社脱炭素化支援機構についてお伺いをいたします。これも先ほど質問出ておりましたが、やはりどういった人材をこの機構で採用をして機構の中で仕事をしていただくかと、そしてどういった人材を育てていくかということ、非常に重要なことかなと思っております。官民ファンドですから、やはり限られた予算の中といいますか、外資系のファンドでしたら非常に高いやっぱり給料を取ったりとか成功報酬があったりすると聞いている中で、限られた中でやっていかなければいけない。でも、非常に重要な人材も、トップになる人材も本当大切だと思いますし、どうやってスタッフを集めていくかということも本当に重要なことだと思っております。
そして、中で育てていってそういった方々が地域地域で活躍をしていくというその仕組み、企業とコラボレーションしていくという、そういったやり方というのが大切になってきますと思うんですけれども、ただ、難しいことではないかなというふうにも思います。大臣、この辺りはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/74
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075・山口壯
○国務大臣(山口壯君) この地域脱炭素あるいは脱炭素ということで、ある意味で新しい国づくりをしようとしているんです。国づくりの基本は人づくりですから、そのことを成すためにはどうしても人材というものが。
この脱炭素化支援機構に、じゃ、雇えるときの給料ってどれぐらいかと。基本的には、まあ正直、金融業に関わっている方からしたらそんなに高くないかもしれません。だけど、ここに関わることによって、案件組成あるいは民間事業者との協調出資の経験等を通じて民間で活躍できる、そういう人材になれるんだというところでアピールして来ていただきたいなと思うんです。
その際、これまでの金融業、例えば担保がなければ貸さないとかそういうことではなくて、少し今までのものより突き抜けた感覚でやってもらいたいなという気持ちもありますし、他方、赤字を出ないようにというところもある。まあこの辺のバランスは難しいですけどね、その辺のことでもって人材を育てていきたいと思います。
この脱炭素を制する者が次の時代を制すると、そのための鍵になるのは人材の確保だということで、今、清水議員おっしゃっていただいたとおり、人材の育成にも資するように、そして彼らがESG投資を持ってこれるような、そういうイメージを描いて取り組みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/75
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076・清水貴之
○清水貴之君 これ必ず、こういうのができるときには、国が中心となってできる大きな事業に関われるから、そういったので、お金、金銭的な報酬だけではなくて、そういった意欲を持った人たちが集まってくるようにということおっしゃられたりするんですけど、デジタル庁とか見ていても、デジタル庁も同じようなことをつくるときに言われていたんですよね。スタッフは、やっぱり国の仕組みを一緒につくるような人材を、みんなでなってやっていく、そのやりがいみたいなものを求める方々に来てほしいみたいなことをおっしゃっていましたけど、今見ている限り、デジタル庁も何かいろいろと問題を抱えているようなことも耳に入ってきますので、なかなか、その理念と実態というのはなかなか難しいと思うんですよね。だから、この辺りも環境省の方で、皆さん方で、大臣も中心になって埋めていっていただけたらなというふうに思います。
時間なので、ちょっと一点だけ。少し飛ばして、次もまた質疑の機会あると思うんですが、一点だけお聞きしたいのが、民間資金の呼び水効果の部分だけ、質問だと三の三になるんですが、ちょっとお伺いしたくてですね。
今後、日本の二〇五〇年カーボンニュートラル実現のためには、年間で大体八兆円ぐらいはこういった投資が必要ではないかと言われている中で、今回、大体、令和四年度、資金供給二百億円で、呼び水効果大体四倍ぐらいなんですかね、ですから事業規模一千億円程度、これを目指しているといいますか、ぐらいになるのではないかということを想定しているという話、これはこの前の本会議の答弁でも大臣がおっしゃっていたんですが。
ただ、これ、必要な額からすると、今大体五兆円ぐらいなんですね。で、八兆円目標としているということは、あと三兆円ぐらい埋めなきゃいけない中で、この額というのはまだまだ十分ではないなと。二百億の投資に対して一千億でも、まだあと三兆ぐらい埋めていかなきゃいけないという中で、もっともっと広げていかなければいけない中で、この機構が更にその中心的な役割を担っていかなければいけないと思うんですけれども、この呼び水効果で十分なのか、投資の額で十分なのか、この辺りについての見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/76
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077・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 足りないと思います。
これは例えば、いろんな業界、鉄鋼業あるいは自動車業界、もう全部含めてカーボンニュートラルの中で、このイノベーションを通じて脱炭素を実現すると同時に、私的には、世界に冠たる鉄鋼業、あるいは自動車大国日本、これをどうしても堅持してもらいたい。
だから、そういう意味では一千億、足りません。経産省との連携ですけど、今経産省で言い出しているのが二〇三〇年までに百五十兆、これでも多分足りません。経団連が言っているのは二〇五〇年まで四百兆、これでも足りません。
じゃ、どういうふうにそれを賄っていくかということも含めてですけれども、今おっしゃっていただいた一千億円というのは、もう環境省で所管させていただいている目いっぱいの数字を言わせていただいたわけですね。最初の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の二百億、脱炭素化支援機構の二百億、正直これはマッチで火を擦っているようなものかもしれません。でも、それがなければぼっと燃え盛らないんですから、だからそこは、もうそれをやっぱりきちっとやると同時に、やっぱり我々的には四百兆でも多分足りないと。
例えば、コークスと燃やせばCO2、鉄鋼業でですね、それでH2と燃やせばH2O、じゃ、その高炉を全部変えなきゃいけないとなると大体五兆から六兆は掛かると言われている。官民一体となってやるといっても、それは内部にとどまっているものを出してもらうにしても、兆円レベルの話です。そしたら、どこどこで何兆、どこどこで何兆、全部合わせてどれだけだと。国がじゃ面倒見て、それでこの脱炭素の中で世界に冠たる日本の経済というものをしっかり実現していくためにはどれだけだと。一千億ではもちろん足りません。
それで、経産省とも連動しながら、そこは正直、何十年かの何百兆、でも二〇三〇年に百五十兆というのも、岸田総理、割と遠慮して言われているんじゃないのかなという気がしますので、私的にはもう少し必要ではないのかなと、それは経産省の部分も全部含めてですけれどもね。そういう中でのこの一千億円、あるいは二百億、二百億だというふうに捉えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/77
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078・清水貴之
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/78
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079・山下芳生
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
さきの大臣所信に対する質疑で、COP26が石炭火力発電を段階的に削減することにCOPとして初めて合意したということを紹介し、石炭火力の削減についての山口大臣の認識を聞いたんですが、その際には明確な御答弁がありませんでした。少し残念だったんですが、そこで、改めて、温暖化対策にとって石炭火力の削減がいかに重要か、大臣の認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/79
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080・山口壯
○国務大臣(山口壯君) この石炭については、去年の閣議決定の、秋の閣議決定の中で三二を一九なりに落とすということも言われているわけですけれども、この発電量当たりのCO2排出量に関して、石炭火力はLNG火力の例えば約二倍と。したがって、石炭火力発電から排出されるCO2を削減することは極めて重要です。
一方で、その二〇五〇年カーボンニュートラルへの道のりというものは各国いろいろあって、先ほど柳田議員とのお話の中でも、柳田議員、ドイツとフランス、ここにグリッドが通じているから万が一ドイツで足りなくなってもフランスから融通できる、こういうことが日本についてはないわけですよね。それから、資源についても非常に限られていると。そういう中で、この各国のエネルギー事情、あるいは脱炭素技術の開発の動向によってこの道のりは様々だと思います。
その意味で、このエネルギーを考える上では、脱炭素化エネルギーとそれからエネルギーの安全保障、併せて考えなければいけないんではないかなと思います。
二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けては、何よりも再生可能エネルギーの主力電源化をまず徹底すると、その中で、石炭火力についてはこの排出されるCO2を削減し更にその比率を引き下げる、そうすると早期に脱炭素化と、こういうふうなイメージでいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/80
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081・山下芳生
○山下芳生君 石炭火力が大量のCO2を排出しているので減らす必要があるということは共有されているんですけれども、しかしながら、本会議でもそうでしたけど、海に囲まれた資源のない日本においてはということが必ず付いてきて、できるだけ削減していくということに、これは官房長官もそういう答弁でした。
そこで、そういうできる限り引き下げるということでいいんだろうかということを今日は少し考えてみたいんですが、資料一に、昨年のCOP26、CMA3でのグラスゴー気候合意の重要な内容を示した資料を付けております。合意には、二度よりも影響がはるかに小さい一・五度に抑える努力を決意を持って追求と、一・五度目標が明記されました。
これには経過があります。
二〇一〇年にメキシコ・カンクンで行われたCOP16では、世界の平均気温の上昇を産業革命前から二度未満に抑えることを合意いたしました。これだと二十一世紀後半の半ばに実質ゼロにするということを意味するわけですが、さらに、二〇一五年のCOP21でパリ協定が採択をされまして、二度を十分下回り、一・五度にも努力することが目的とされました。この一・五度に言及された背景には、二度目標が達成されたとしてもその後も海面上昇の影響は明らかだということで、小島嶼国などの要請を取り入れて一・五度というものに言及されたわけです。
そして、昨年のCOP26ということになりますが、これは本会議でも紹介しましたけど、冒頭、COP26では、カリブ海の島国バルバドスのモトリー首相が、一・五度目標は生き延びるために必要だと、二度は死刑判決だということを表明されて、排出削減の切迫性を各国首脳に訴えたと。
もう御存じのとおり、このCOP26の直前に、UNEPが各国の削減目標を足し合わせても残念ながら二・七度の上昇になるということを報告し、これで危機感が更に共有されて各国が目標を引き上げたことで、一・八度までに抑えることができる可能性が示されるというところまで来たと。そうしてCOP26では一・五度に抑えるという決意を確認したわけです。それがグラスゴー気候合意であります。
そういう経過はもう御存じのとおりなんですが、大臣にその上で確認したいんですけど、日本政府も一・五度目標に合意したという認識でいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/81
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082・山口壯
○国務大臣(山口壯君) この一・五度に合意たどり着くというのは、それは結構大変でした。ただ、日本の貢献度が物すごく大きかったんです。
というのは、パリ協定六条、市場メカニズム、これについてずうっとまとまっていなかったと。それが日本が提案今回させてもらって、いろんな仕組みを提案させてもらう中で、あっ、やっと六条まとまりそうだなと、じゃ、一・五度についても何とかまとめようかというのがまずこの経緯でした。
そういう意味では、日本自身がこの一・五度目標について非常に大きな貢献してそこにたどり着いたというところもあるので、まず日本もそこは実行していかなきゃいけないと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/82
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083・山下芳生
○山下芳生君 貢献した、実行するという決意でした。
現在、地球の平均気温は、産業革命前、一・一度ということになっております。山口大臣も、私の本会議質問への答弁で、もう今それでも気候危機と言われるような状況だと。当然気温が上昇するほど被害は激甚になり、頻度は多くなるということでありますが、ですから、一・五度は日本でも世界でも真剣に追求されなければならない目標だと思います。
そこで、グラスゴー気候合意には、残余のカーボンバジェットの急速な減少に警戒と懸念というふうにありますが、ちょっとこれ通告ないんですけど、環境省、簡単なことですから、カーボンバジェットとは何ですかと、簡潔に御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/83
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084・小野洋
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
言わば人為的なCO2の排出量と、あと気候変動、温暖化、気温上昇というのはほぼ比例関係にあるというふうに言われておりまして、そうすると、一・五度に抑える、二度に抑えるためにはどのぐらいのCO2を排出できるかということが比較的、科学的に明らかになってくるということでございます。
ですから、カーボンバジェットというのは、残り、一・五度に抑えるために残りどのぐらいCO2を排出することが、することができると言ったらおかしいんですけど、に抑えなければいけないかといったことであるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/84
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085・山下芳生
○山下芳生君 ありがとうございました。
おっしゃられたように、カーボンバジェットというのは科学の重要な到達点であると思います。その前提は、IPCCの二〇一三年の報告書でも明らかにされた、今おっしゃられた世界の平均気温の上昇はCO2の累積排出量とほぼ比例関係にあるという事実であります。
資料二を御覧いただきたいんですが、そのことを示すグラフであります。
こういうグラフになっているんですけど、横軸はCO2累積排出量ですね。縦軸は世界の平均気温です。このようにきれいな比例関係にあるわけであります。こういうふうに平均気温の上昇とCO2累積排出量が比例関係にあるということは、先ほど御説明あったように、平均気温を何度までに抑えるかという温度目標が定まれば、おのずと今後排出できる残余のカーボンバジェットも定まってくるということであります。
COP26が合意した温度目標一・五度といたしますと、残余のカーボンバジェットは四千億トンになるとIPCCの報告書は公表しております。四千億トンというのはどのぐらいになるかといいますと、近年の世界の年間排出量は約三百五十億トンもありますので、このままだと十年余りで残余のカーボンバジェットが使い切られて一・五度に抑えることができなくなるという状況で、これからの十年の削減がいかに重要かがよく分かると思います。
大臣にもう一つ聞きたいんですが、グラスゴー気候合意がこの十年の取組が決定的に重要としたのは、こうしたカーボンバジェットを始めとする科学的な根拠があると私は考えますけど、大臣の御認識、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/85
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086・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 科学的根拠があると思います。その意味で、どういうふうに全体を合意に持っていくかということの一つの契機になったわけですけどね。そこは科学的根拠に基づいて我々も危機感を持っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/86
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087・山下芳生
○山下芳生君 科学的根拠があるということですが。
資料三は、気候ネットワーク代表の浅岡美恵さんの作成された資料なんですけど、そのカーボンバジェットの観点から日本の排出削減の責任がいかに大きいかを考える上で私は重要な資料だというふうに思って見ました。
世界の残余のカーボンバジェット四千億トンのうち、日本には幾ら残されているのかということを試算しているんですね。世界における日本の人口割合で換算すると、六十四億ないし六十五億トン程度となると。まあ一つの考え方だと思います。日本の年間CO2排出量は約十一億トンもあるわけですので、このままでは六年で日本の残余のカーボンバジェットを使い果たしてしまうという計算になるわけですね。日本にとっていかに切迫した課題かが分かるということだと思います。
加えて、これ現在の排出量ですけれども、先進国である日本はこれまでの累積排出量がやはり多いわけですね。したがって、気候正義という観点からすれば、より早く、より多く削減することが求められていると思いますが、大臣に伺いたいのは、COP26で合意した一・五度目標、そしてそれに見合う排出削減に対する私は日本の役割と責任はより大きいと、そのことを自覚することが大事だと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/87
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088・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 今カーボンバジェットにも触れていただいたんですけれども、このカーボンバジェット自身は世界全体の推定値で、そういう意味では、IPCCあるいは昨年開催されたCOP26においても、これを国別に割り当てるという、割り振るというような議論は行われていません。だけど、我々はその一・五度とそれから日本の言ってみればリーダーシップが大事だというところはもう十分に認識していますので、だから最初に岸田総理行かれたときにも大きなコミットメントさせてもらって、そのことによって全体がまとまったという経緯もあります。
ですから、今カーボンバジェットというところはいろんな議論ありますけれども、今例えばCO2ってもう国境ありませんからね、日本だけで減らしてもしようがない、全体でもって減るように、一番大きいところは中国で、その次アメリカで、ロシアも大きいんですよね、今ロシアめちゃくちゃなことやっていますけど。だから、そういう中でこの全体を減らしていくための日本の役割というのは非常に大きいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/88
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089・山下芳生
○山下芳生君 おっしゃるとおりだと思いますね。国境ないんですから、みんなで減らしていかなければならない。
しかし、それぞれの国には、これまでの排出量あるいは今出している排出量などから見て、やっぱり責任の大小あると思うんですね。そういう意味で責任は大きいと、役割は大きいということだと思いますが、それをひとつ分かりやすくする指標としては、こういうやり方は私意味があると思うんですね、日本のカーボンバジェットの残余はこのぐらいだと。つまり、日本が思い切って削減していかないと、世界全体のカーボンバジェットの残り十年間を早く食い潰すことに日本が残念ながら寄与してしまう関係にあるということだと思います。
そこで、石炭火力からの排出量がやはり日本の全体の十一億トンの中で二億六千万トン、年間ね、石炭火力だけで出ています。四分の一あるわけですが、限られたカーボンバジェットを少しでも長く有効に使うためには、先ほど、冒頭おっしゃった石炭火力が一番CO2を出しているわけですから、やはりここから脱却して再生可能エネルギーへの切替えに向かうことは急務だと思います。
逆に言うと、石炭火力発電を廃止しないで一・五度に見合う、そういうカーボンバジェットの使い方は不可能ではないかと私は考えるんですが、残念ながら、この間繰り返し指摘させていただいているように、石炭火力は延命されて、新規建設まで進んでいるという状況なんですが、これでカーボンバジェットを有効に使う、長もちさせるということにはならないんじゃないかと、石炭火力と相矛盾するんじゃないかと。
日本は島国とかというのは先ほどおっしゃられていたと思うんですが、しかし、本当に世界が一致団結して、国境ないんですから、日本の事情を言っている場合ではない。そういう点では、石炭火力を日本も早く削減の、廃止の期限を決めてそこに向かうべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/89
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090・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 二〇一一年の福島原発事故の後、日本は原発をとにかく止めて、それで石炭に取りあえず頼ってしのいできました。今そういうことも踏まえながらいろいろ考えなきゃいけないとは思うんですけれども、二〇三〇年度の排出削減目標の達成、あるいは二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、環境省としては、再生可能エネルギーの主力電源化の徹底と、その中で、石炭火力については排出されるCO2を削減しその比率を引き下げる、早期の脱炭素化と、そういうまず立場です。
石炭火力については電力の安定供給がこれはもう大前提だと、そこはもう現実としてそうだと思います。その意味で、二〇三〇年までに非効率石炭火力のフェードアウト、あるいはアンモニア二〇%混入、あっ、失礼、混焼の導入等を進めと、進める、二〇五〇年に向けてはアンモニアやCCUS等を活用することで脱炭素型の火力発電に置き換えていくと、そういう取組を促進していきます。
ただ、山下議員と私もそこは認識を共有しているところは、それはJERAで今アンモニア混焼の実験やっていると。でも、去年六月から進んでおらず、まだバーナーの実験にとどまっているんですね。で、二〇二四年までに実験やって、二〇二〇年代で実装して、二〇三〇年代の初めに全部二〇%やると。それで、二〇四〇年代で二〇から四〇、六〇、八〇、一〇〇と。ちょっと待ってください、いつですか、それはという気持ちはもちろんあります。だから、私的にはもうどんどんどんどん尻をたたかなきゃいかぬと思いますけれども、ただ、それが今実験として着実に進んでいることもこれまた事実ですから、そこは、私は、ペースを進めていくことによってこの石炭火力の脱炭素化というものを進めていくということだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/90
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091・山下芳生
○山下芳生君 アンモニア混焼は尻たたく必要ないですよ。展望ないですから。それはこの間言ったとおりです。
その上で、本会議で私、先ほど非効率石炭火力はもうやめていくんだとおっしゃったけど、本会議でも言いました、老朽石炭火力が延命された松島石炭火力の問題を取り上げました。
この環境アセスに対する環境大臣意見について、資料四に添付しておりますけれども、気候ネットワークから厳しい意見が出されております。アンダーライン引いているところですけど。
本件計画は具体的な排出量の検討もされていない。こうした下で、本意見は、CCUSの導入時期を明示させることや、アンモニア混焼による排出削減の具体的内容を明確にすることを求めることなく、単に検討を求めるにとどまったもので、同様の不確かな対策を通じて事業者が日本全国に立地する数多くの非効率石炭火力を延命させ、日本の脱炭素化を遅らせ気候危機を一層深刻化させることに環境省としてゴーサインを出したも同然であり、歴史的に禍根を残すものと言わざるを得ない。
極めて厳しい指摘ですが、私この意見にかなり共感を覚えるんですけれども、大臣、どう受け止めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/91
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092・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 昨年十二月に、電源開発株式会社のGENESIS松島計画配慮書に関し、環境影響評価法に基づく環境大臣意見を経済産業大臣に提出したところです。
本計画は、既設の石炭火力発電を高効率化し、段階的にゼロエミッション火力の実現を目指すものです。大臣意見では、国内外における石炭火力への厳しい状況を十分認識し、二〇三〇年度の中期目標及び二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた排出削減の道筋が描けない場合には事業実施の再検討を求めることなど、これまで同様厳しい指摘をさせていただいています。
今後、環境大臣意見を踏まえ、事業者において計画を具体化した段階、すなわち準備書手続において事業者の計画を改めて厳正に審査し、二酸化炭素排出削減への取組が不十分と判断される場合には更に厳しい意見を述べることもあり得ます。
なお、当該事業者はCO2フリーアンモニアの混焼に向けた技術開発やCCSの事業化調査にも取り組んでいます。今後の電力業界全体の脱炭素化に向けた対応や本事業について、環境省としてもしっかり注視していきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/92
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093・山下芳生
○山下芳生君 自治体や地域の方あるいは労働者の方の声というのがやはりあるということを、私、今回の計画の背景にですね、聞きました。だから、そう単純に老朽火力発電はもう全部やめるべきだというふうにもう機械的にやっちゃっていいのかということはよく考える必要があるなと私も思う面はあります。そういうことを考えるにつれ、公正な移行の計画をきちっと政府が確立して示すことが、やはりこういう問題を円滑に、脱石炭、脱化石燃料を進める上では必要なんではないかなと思います。
公正な移行というのは、脱炭素社会への移行において誰も取り残されないようにするための考えでして、地域の人々が発言権を持って、労働者は働きがいのある仕事と安定した収入を確保できるようにすること、こういうことがあって脱炭素社会にスムーズに移行できると、パリ協定でもそのことの重要性が指摘されております。そして、世界では既にそういう公正な移行計画を政府が持って、具体的に自治体や労働者を支援しています、一緒に協議してですね。
私は、もう時間参りましたので、日本は公正な移行というものが弱いと言われています。なぜ弱いのかというと、石炭火力発電所をいつまでに廃止するのかという期限も決まっていないからです。期限も決まってなければ公正な移行の動機がやはり起こらないと思いますね。だから、やはりきちっと石炭火力発電廃止計画を他の先進国はみんな決めているんですから、だから公正な移行が必要になるわけですから、それとセットで公正な移行計画をやってこそ、こういう松島のような問題がずるずるっと先延ばしにされるんじゃなくて、地域の皆さんも一緒に考えながら、どう移行するのかということが前向きに進んでいくんではないかと思いますが、最後に大臣の公正な移行についての御所見を伺って終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/93
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094・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) もう時間が来ておりますので、申し訳ありませんが、簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/94
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095・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 公正な移行にも意を用いつつ、この石炭については三二から一九に二三年に向けて減らしていくというところを実現すべく、経済産業省と連携しながら全力で取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/95
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096・山下芳生
○山下芳生君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/96
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097・寺田静
○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。
本日は、私は、法案の詳細ではなく大枠からの気候変動対策について議論をさせていただきたいというふうに思います。
NHKが今月行っております子供と若者の幸せを考える「君の声が聴きたい」というプロジェクトがありますけれども、これで三十以上の番組で横断的に子供や若者の声を聞いています。この中で環境問題に関して言及されることもしばしばで、幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
気候変動対策に関して対策をしないと影響を受けるのは私たちだというもの、飲食店でアルバイトをしているが食べ残しが多いのが気になるというもの、また、若い世代の大人がもっと環境問題に関心を持ってほしいというものもありました。
余談になりますけれども、先日、EUのとある政治財団の中に若手の女性政治家を育てる勉強会というものがあるんだそうで、そこに推薦をしたいという有り難いお声をいただきましたけれども、申し訳ありませんでしたと連絡がありまして、参加できる年齢の上限というのが三十五歳だったというふうに言われました。私は今四十七歳で、この永田町におりますと自分が若い方だというふうに思っておりましたけれども、世界の政治の世界では四十七歳は決して若くないという世界の政治の現状を思い知りました。
ただ、日本の環境政策を審議をする環境委員会のこの場を見渡しましても、やっぱり自分は若手なんだなという思いがありまして、若い世代の大人がもっと環境問題に関心を持ってくれという若い世代の声を代弁をしながら質問をさせていただきたいと思っております。
日頃生活をしておりますと、このカーボンフットプリントというものを考えることも多いんですけれども、せめて地元のもの、そして国内のものをというふうに思いますけれども、環境配慮、人道配慮、そうした取組がしっかり進んでいる企業のものを選ぼうと思うと、どうしても洋服や化粧品、食品などが多くが欧米のものが多いというジレンマが私の中にもあります。もちろん、国内の企業もこうしたところへ配慮をするものが出てきてはおりますけれども、その多くが、まだ企業のウエブサイトの直販でしか買えなかったり、あるいは取り扱っているお店がごく少数に限られている、また価格が高いなどの理由で、消費者にとってまだアクセスが良いとは言い難い現状があります。私は、若い世代はこうした矛盾を解決してほしいと意思決定の場にいる大人たちに迫っているというふうに考えております。
カーボンフットプリントのCO2の排出削減ということを考えますと、先日指摘をさせていただきました建築物省エネ法が改めて重要だったということが分かりまして、提出をされ、衆議院の方で審議は進んでいるということで、この場にいらっしゃる大臣始め皆様に、提出をされたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。今後、この法案が通った後には、建設申請窓口となる自治体が強い指導に踏み切れるように後押しをしていっていただきたいというふうに思っております。
ここから質問に入らせていただきますけれども、中央環境審議会の男女比について、前大臣の下で男女半数になったということが分かりました。政府目標は四割ですけれども、それを上回る男女半々ということで先進的なものだというふうに考えております。この方針は山口大臣の下でも維持されるものでしょうか。大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/97
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098・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 御案内のとおり、第五次男女共同参画基本計画では、国の審議会委員の女性の割合の目標値は二〇二五年までに四〇%以上六〇%以下というふうになっています。
中央環境審議会の委員については女性比率五〇%であり、現時点ではその目標値を達成しています。来年二月に改選を迎えることもあり、専門性を第一に考慮しつつ、できるだけ高い女性比率を維持すべく人選作業を進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/98
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099・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
大臣所信の中にも持続可能な社会経済の構築という言葉もありましたけれども、ジェンダー平等の実現は持続可能な社会をつくるための基幹目標となっておりまして、その他の目標の達成のための手段の一つであるということが幾度も指摘をされております。もし、この男女比半々だということを後退をさせるのであればそれ相応の説明責任が伴うというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/99
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100・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 私は、専門性が第一だと思います。男性だから、女性だからというよりも、本当は専門性が第一です。でも、人間、男性、女性、半々で成り立っているんですから、もうそういう意味では半々というのは非常に自然な形ですから、人為的に半々というよりも、専門性を第一に考慮しながらやっぱり女性ができるだけ出てきやすいように意を用いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/100
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101・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
家庭の中で家事、育児といった無償労働を引き受けている時間というものを男女別に見ますと、女性はまだ男性よりも五倍の時間をそれらに費やしています。家事という無償労働を引き受ける中で、買物をすればプラスチック包装があふれていることに気付いたり、食卓の食べ残しの片付けであるとか、ごみの分別やリサイクル、また減量など、日常生活の中でいや応なく環境のことを意識させられる機会が多いこと、また、女性がまだ子育ての多くを引き受けている現状から、子供たちの未来が安心、安全なものであってほしいという願いは、野菜などを有機のものを選んだり、結果としてそれは環境負荷も低いことを知ったりして環境問題の意識の高まりにつながっているものであるというふうに考えています。
まだ割合としては日本の男性たちは食卓に出された食事を食べるだけの方も多く、また家族サービスと称して休日に子供と接するだけでは気付かないこともあるというふうに私は思います。そのことに自覚的になっていただいて、その女性たちをきちんと部会などの意思決定の場に巻き込んでいただきたいというふうに私は思うんです。
資料一を御覧ください。
中央環境審議会の下に置かれております各部会の男女の比率、女性委員の比率についてお示しをさせていただきました。環境省から提出をいただきました資料に私が赤字と赤線を足させていただきました。
中央審議会の方は五割だということですけれども、この各部会を見ていきますと、まだまだ政府の目標の四割どころか、クリティカルマスと言われるもの、集団の中で数が少なくてもその存在を無視できなくなるグループになるための分岐点と言われる三割を下回るものが四つあります。
先ほど大臣のお話にもありましたけれども、専門性が一番だということでしたけれども、もちろん、この日本の社会の中で女性は理系が苦手だというようなこの社会の刷り込みによって、分野によっては女性の専門家を探すのが難しくなっているという現状はあることは私も理解しております。
ただ、横に現会長がいらっしゃるのでちょっと言いづらいところはありますが、森前会長、オリンピックのですね、前会長の御発言にもありました、ここにいる女性は場数を踏んでわきまえているというものがありましたけれども、女性はそもそもその場数を踏む機会というものを与えられていることが少ないということを心に留めていただきたいというふうに思うんです。
大臣のおっしゃる社会経済全体の持続可能性のためにも、男女比五割を中央審議会にとっては守っていただいて、またこの部会にとっても、部会の方も女性委員の比率を高めていただきたいと、せめてクリティカルマスの三割、政府目標の四割に引き上げるとお約束をいただけないでしょうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/101
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102・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 女性が活躍時代に入っているということはもう誰も、みんなは認識していると思います。あとはもう頑張っておられる女性がしっかり前に出てこられるように我々も専門性にしっかり目を行き届かせて選ばせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/102
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103・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。私も引き続きこのところは目を光らせていきたいというふうに思っております。
次に、働き方改革のところについて少しお伺いしたいんですが、前大臣の下で推進をされてきたこの環境、CO2の排出削減にも資すると思われるオンライン執務、大臣はどのように取り組まれていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/103
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104・山口壯
○国務大臣(山口壯君) オンラインのウエブ会議の活用というのは、職員のテレワーク等の働き方改革の観点から重要であるほか、海外、地方など、遠隔地とのより良いコミュニケーションを可能にするものだと思います。
このため、私の就任当初には、新しい政務と環境省幹部がウエブ会議等を積極的に活用するよう申合せをしました。実際に、国会答弁等のレクチャーなど私自身が入る打合せなどでも対面での参加とウエブ会議の併用を基本として、オンラインでの参加もできるようにしています。
他方、会って話をすることの重要性もあります。例えば、COP26の交渉というのはオンライン会議では絶対に合意は得られませんでした。ですから、そういう意味では、オンラインで参加できる環境を整えて、両方をうまく使っていくということだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/104
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105・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
私自身も今回の質問の通告もオンラインでさせていただきました。その際には自宅から参加をされている職員の方もお二方あって、新しい大臣の下でもリモート続いているんだなということで、安心をいたしました。以前には、リモートワークなのに国会議員の説明一件のために出勤をしなければならなくなることもあるというふうにも聞いておりました。感染症対策として一気に進んだものではありますけれども、環境負荷のこと、また働き方改革の観点からも意義は非常に大きいはずで、大臣としても引き続き旗を振って推進していただきたいというふうに思っております。
環境省がまた推進をされてきたワーケーションも、コロナが収束してきたからといってしぼむことのないようにしていただきたいというふうに私自身思っています。大臣も、御就任をされてインプットをすることがすごく多くて大変だとは思うんですけれども、たまには地方の方に足を向けていただいて、この大自然の中で気候変動対策、生物多様性などのことについて、考えるのではなくて感じる機会もあってもいいのではないかなと思いますし、時には知識よりも感覚の方が物事を判断していくときの大きな糧になるものではないかなというふうに考えております。
ワーケーション、いかがでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/105
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106・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 昨今のテレワークの定着、あるいは自然や環境への関心の高まりを受けて、環境省では、ワーケーションを推進し、国立公園で遊び、働くという新たなライフスタイルを積極的に提供していきたいと考えています。
私自身も、一月に阿寒摩周国立公園に視察した際に、環境省の補助金で整備したワーケーション施設を視察しました。今後機会を見付けて実践したいと思います。
正直、このワークの方が多くて、ケーションの方がなかなか取れないから、やってみたいのはやまやまですけど、本当の意味でワーケーションをやろうと思ったら、一週間ぐらい行かなきゃ意味ないですよね。一日やってみたからというのは、それちょっと正直つらいものがあるから、まあいつかやりたいとは思っています。
でも、このワーケーションというのは、一つのこれからの在り方だとは思うんですね。この間、妙高の国立公園の方に、開所式、ビジターセンターの開所式があったので連休に行かせてもらったんですけど、そこでもテレワークの仕組みが整えられようとしていると。
だから、そういう意味で、ワーケーションというのは本当に、体を温泉で休めながら、なおかつ仕事もやってということなんでしょうけど、やっぱり日本の我々の仕事の仕方というのは、例えば五十年前から比べたら相当進化していると思うんですよね。昔は役所で、私も外務省だったですけど、朝出るときに家族に何て言って出ていったかと、またあしたなって出ていくんですよ。だって、帰ってきたら朝の三時か四時ですから、次会うのは朝御飯のときで、またあしたなと出ていく。もうそれは少々、少しは少なくなっているとは思うんです。
昨日も国会答弁、これ準備させていただき、絶対に今日中のうちに終わるぞということで、何とか十二時前に終わったんですけど、だけど、そういうことも昔はなかなか難しくて、大体、国会答弁の準備終わるのは朝の四時から五時でした。だから、そういう意味から考えたらすごく変化してきてはいるとは思うんですけど、このワーケーションがもう少し定着するには少々時間が掛かるのかなという気はします。ただ、環境省の中でそういうふうな希望があれば、それはしっかり受け止めていかせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/106
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107・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
本当にハードなお仕事だとは思うんですけれども、大臣がこれまでの、大臣になられる前までの御経験で培われた感性を失わないような働き方をしていただきたいなというふうに思います。
次に、若者との意見交換について聞かせていただきます。
前大臣の下ではZ世代との対話の機会が多く設けられていたというふうに承知をしております。大臣自身がお若い方であったので、親近感もあって、求めも多かったものというふうに思いますけれども、大臣は御就任をされてから若者世代との対話、意見聴取を行われているものでしょうか。また、大臣は、気候変動対策を進める上でどのように若者の意見を取り入れていかれるおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/107
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108・山口壯
○国務大臣(山口壯君) カーボンニュートラルの実現に向けては、要するに、これからずうっと生きていくのは若者ですから、そういう意味では、若者を含めた幅広い世代の思いを受け止めることが欠かせないと思います。
地球温暖化対策計画においても、将来を担う若者の声をすくい上げ、政策への反映及び若者世代の当事者意識の向上と取組促進の好循環につなげていくこととしています。このため、具体的なアクションも進めており、中央環境審議会に設置した炭素中立型経済社会変革小委員会では、有識者として若者世代にも参画をいただいています。ここはあえて意識的に入っていただきました。
それから私自身も、COP26の場を含め若者と直接対話を行ってきたところです。COP26で話したとき、私正直言ってカメラ向いていること全然気が付いていなかったんです。後で何かNHKで放映されていて、ああそうか、そういうところだったんだと気が付きましたけど。あそこに七、八人おられたんですけど、スタッフの人からちょっと次の日程があるからというので大分袖引っ張られたんですけど、せっかく来ておられるんだから、お一人、みんな全部聞いていこうといって全員聞かせていただいて。それは趣旨は、主に、とにかく石炭火力発電所一刻も早く廃止してくださいということで、もう気持ちはしっかり受け止めさせてもらっているし、そういう意味では、その声は大事にしていきたいとは思うんですけど、そういうこともやらせてもらっています。
今後も、若者世代を含む幅広く意見を聞き、国民一人一人の理解促進とライフスタイル変革への取組を進めてまいりたいと。
私、こう思うんですけれどもね、人生百年時代ですから、私、中国で大使館勤務していたことあるんですけど、当時八十代のトウ小平が、六十代はひよっこだと、七十代は駆け出しだと、八十代で一人前だと。あれが四十年前ですから、今多分、六十代じゃなくて、七十代はひよっこだと、八十代は駆け出しだと、九十代が一人前だということ。でも、私はそういう面も大事だと思うんです。だから、若者とそれからいろんな幅広い世代、そこは全部大事だと思っています。
アメリカの下院に行きましたら、意見交換したら、八十代の現役の議員の方が堂々とびしっと発言される姿、これも非常に私は大事だなというふうに思いますので、そこは幅広く意見聞かせていただきたいなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/108
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109・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
私も幅広い世代の意見が生かされることが重要だとは思いますけれども、事この気候変動に関しては、下の世代により大きな影響を与えるものであると。大臣も、ずっと生きていくもの、生きていくのは若者だというふうにおっしゃっていましたけれども、その世代の声に真剣に向き合っていただきたいですし、その声を上げる若者に対して、声を上げることは無駄ではないという自己効力感を持ってもらうためにも、その意見を是非政策にしっかり反映させていっていただきたいというふうに思います。
その若者世代の声からの提案ですけれども、日本若者協議会主催の日本版気候若者会議二〇二二というものがありまして、この提案を私も拝見をさせていただきました。
一つは、環境負荷の上限の設定と国民消費レベルへの落とし込みをやってみてはどうかというものがありました。先ほど来議論されております一・五度目標、一・五度以内の目標の達成のために国民一人一人がどういう生活をする必要があるのかというところをもっと細かく出していってはどうなのかと、それを示してはどうなのかという提案がありましたけれども、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/109
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110・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 我が国のライフサイクル温室効果ガス排出量は、消費ベースで見ると約六割が衣食住を中心とした家計消費と、家計消費に起因しています。まず、そういう意味では、国民一人一人が脱炭素型のライフスタイルへと転換していくことが重要だと。
他方、国民一人一人のライフスタイルは、地域、家族構成あるいはライフステージによって非常に大きく異なることから、全国一律に目標モデルを設定するよりも、脱炭素行動の幅広い選択肢について普及することが重要だと思っています。
こうした考えの下で、環境省では、ゼロカーボンアクション30の呼びかけを広く行っています。そのゼロカーボン30ということでいろんな項目を挙げているんですけれども、それは、例えば食事を食べ残さないとかということを含めて、例えばゼロカーボン・ドライブとかあるいは太陽光パネルの設置と、いろんなことを挙げさせてもらって、例えばこういうのどうでしょうかということをしています。もちろんそれだけじゃ全然十分じゃないんですけれども、そういうようなことも示させていただいています。
脱炭素行動ごと、脱炭素行動の選択肢ごとに、快適性や健康面などの消費者メリット、あるいはCO2排出削減効果などをウエブサイト等を通じて分かりやすく発信するよう努めて、これがカーボンフットプリントとかそういう話です。
さらに、食とくらしのグリーンライフポイント推進事業、これ令和三年度補正で百一億円を通じて、消費者へのインセンティブ拡大等にも取り組みながら脱炭素型のライフスタイルへの転換を促進していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/110
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111・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
そろそろ時間が参りますのでここで終わらせていただきたいと思いますけれども、私もいろいろ環境省さんあるいは国立環境研究所の資料などを拝見させていただきました。ただ、これをすればどれぐらい削減されるというものはあっても、一週間のライフスタイルの中でこうこうこういうふうにしたら一人当たりの目標を達成できますよというようなモデルケースをやはりお示しをいただくことが、これはできる、これはできない、自分の中でどれぐらい、どういう生活をすればいいのかというモデルケースがあると、やっぱり自分がどこの部分は諦めることができて、ここはどうしても譲れないというところがあるのかというのが分かりやすくなるように思いますので、そのようなふうにも是非アイデアを絞っていっていただきたいと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/111
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112・平山佐知子
○平山佐知子君 無所属の平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
私は、カーボンニュートラルの実現にはやはり地方企業、まあ中小企業ですね、この脱炭素化への取組、これが不可欠だと思っているんです。
ですが、今年三月の一般社団法人静岡経済研究所の調査月報によりますと、静岡県内企業のおよそ八割がカーボンニュートラルへの取組の必要性を感じながら、実際に積極的な企業というのは二割未満にとどまっているという報道がありました。また、取り組む上での課題については、規制やルール、それから基準等が明確に定まっていないというのが五六%、新たな設備導入や技術開発などの対応コストがかさむ、資金不足が四割に上りました。一方、行政などに求める支援策については、補助金や助成金、制度融資等の充実が六割を超えています。
さらに、国際社会に目を向けますと、気候変動リスクに関する財務情報の開示を求める動きがこれ広がっています。今年三月三十一日には、国際会計基準策の策定を担うIFRS財団傘下の国際サステナビリティ基準審議会が、取引網まで含めた温室効果ガス排出量の開示などを求める基準案を公表しました。サプライチェーン、いわゆるスコープ3まで含めた情報開示ということになりますと、多くの中小企業も対応が求められることになってきます。
本法改正は、民間資金を呼び込む出資制度の創設と地方公共団体に対する財政上の措置を柱に据えていますけれども、こうした地方企業、この声ですとか国際的な潮流にどう応えられるのか、まずは伺わせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/112
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113・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 平山佐知子議員にお答えいたします。
まず、委員御指摘の国際的な潮流の部分についてでございますが、これ大臣から何度も御答弁申し上げておりますとおり、世界のESGマネー、これを脱炭素ドミノを起こすことによってしっかりと取り組んでいくということにつなげてまいりたいと考えております。
あわせて、先生御指摘の地方企業の声、中小企業についての部分でございます。今回の法案で私もここの部分が最も大事なところだと思っておりまして、地方の中小企業におけるこの地域のエネルギーや資源を活用した取組などをしっかりと後押しして、地域経済の発展に役立てるような運営をしてまいりたいと考えております。
その中でも特に鍵になるのが、地方銀行、地方の金融機関をどう私たちが巻き込めるかというところでございまして、先ほど質疑の中でおっしゃった、やる気はあるんだけれども具体的にどういう基準でやればいいのかとか、どういうモデルケースがあるのかというところがまだまだ不足していると思いますので、そこをしっかりとつくり上げられるように進めてまいりたいと考えております。
今回の法律を通していただくことによりまして、脱炭素と町おこしを同時に実現するモデルを全国各地でつくり出して、地域から脱炭素の流れを確かにつくり上げていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/113
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114・平山佐知子
○平山佐知子君 私も、地域企業に、地方にも寄り添いながら、政府そして環境省と一体になって連携をしながら進めていきたいなと私も思っているところでございます。
ただ、今もちょっとお話にありましたけれども、この地方企業がカーボンニュートラル、この取組になかなか踏み出せないという背景には、やはり金融機関などからESGに関する問合せとかアプローチがなかなかないということも挙げられています。
このカーボンニュートラルとか地域の脱炭素化、この実現には地域金融機関の役割、非常に大きくなると私も思っていますけれども、地域金融機関においてはこのESGの観点がまだ十分には理解されていないということも伺っています。官民ファンドの運営に係るガイドラインによる検証報告では、官民ファンドによる地域人材の育成、供給が重要とされて、地域金融機関などからの出向者の受入れ等の強化が有用という指摘もなされています。
先ほどからもありますように、この新たな官民ファンド、脱炭素化支援機構においては、地域金融機関における人材を始めとして、地域経済の活性化に貢献し得る人材の育成、供給に向けてどのような取組が実施される方針であるのか、伺わせてもらいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/114
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115・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
御指摘の人材育成については、官民ファンドの目的の一つとして、将来民間で活躍できる事業創造の核となる人材を育成すること、これが挙げられております。脱炭素支援機構においても、その支援する様々な事業に地域の金融機関や地域の事業会社が参画していただくことにより、例えば、地域の金融機関が機構との協調出資の経験等を通じて脱炭素事業への投融資の経験、知見を蓄積する、また、地域の事業会社も、投融資を受ける機会の拡大により経験、知見を蓄積する、こうしたプロセスを通じて機構の活動が地域における脱炭素化、ひいては地域経済の活性化に貢献できる人材の育成に寄与するものと期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/115
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116・平山佐知子
○平山佐知子君 人材、非常に重要なポイントだと思いますので、引き続きお願いいたします。
企業にとっては、やはりこの脱炭素、この経費、この取組が経費増大につながっているんじゃないか、つながってしまうんじゃないかというのが一番の懸念になっていると思いますので、むしろ企業の発展にこれはつながっていくんだよということの丁寧な説明、これも必要になってくるかなということも思っています。
政府は、先ほどからもありますけれども、二〇三〇年度までに、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロ実現を目指す地域、この脱炭素先行地域ですね、これを全国で百か所以上実現することを目指すとしていますけれども、一回目の応募件数が七十九件だったと。これ、どう受け止められていらっしゃるのかということ。それから、二回目以降の選定スケジュールについてどのような予定でいらっしゃるのかということ。また、大臣は、副大臣、政務官の皆様方とともに本当に丁寧に全国を回って意見交換されているというお話もあります。カーボンニュートラル実現という日本のこの国際公約、地方でもしっかりと共有されているのかどうか、地方からは逆にどのような意見とか要望、まあ懸念ですね、そういったことが示されて、それに対して大臣はどのように感じていらっしゃるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/116
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117・山口壯
○国務大臣(山口壯君) 脱炭素先行地域の第一回募集では、準備期間が非常に短かったんですけれども、七十九件いただいて、これは非常に、七十九件、有り難いなと思っています。そういう意味では、この七十九件を厳正に評価委員会の方で選んでいただいて、それが二十六件、約三分の一ですけれども、私的にはいいスタート切らしてもらったんじゃないのかなと。
二十六件についても、あるいはそれに選ばれなかった案件についても、環境省の方から丁寧に、どういうことだったか、こういうふうに改善していただければいいんじゃないのかなと、そういうことも含めてフォローをさせていただいています。なので、できれば、これからまた秋に予定しているんですけれども、そちらの方に向けて準備していただいて、再チャレンジしていただければなという気持ちもあります。
この脱炭素先行地域は、二〇五〇年待つことなく前倒しでカーボンニュートラルを目指す全国のモデルとなる地域で、そういう意味ではハードルは高いんです。その意欲的な提案を多くの地方公共団体からいただいたという意味で、もう地域脱炭素の機運の高まりを実は感じてはいます。
今後、年二回程度募集します。そして、評価委員会の評価を経て、百地域にとどまることなくできるだけ多くの地域を選定したいと考えています。応募を検討している地方公共団体に対しては、環境省として丁寧な伴走支援を行っていきます。次回は、今年の秋頃の選定を目指して、夏頃に募集を行う予定です。
また、今年一月からも、今おっしゃっていただいた全国行脚ということで四十七分の三十七までは来ているんですけれども、これまでに、それは実はカーボンニュートラルを全国で実現するためにはどうしても千七百四十一、もう全部の自治体にやってもらわにゃいかぬわけですよね。今、例えば、ゼロカーボンシティを宣言した地方公共団体の数というのは六百九十六なんです。ですから、どこまで、ゼロカーボンシティということをもっともっと理解を共有させてもらわなきゃいけないんですけれども、もうそれでも六百九十六。だから、まだまだそういう意味では努力しなきゃいけないとは思っています。
この実現のためには、全国津々浦々でカーボンニュートラルが必要だと。そのためには、更に理解を深めていただけるように、この地方環境事務所等を通じた緊密な連携というものが重要だと思っています。先ほど来ありましたけれども、この七地方環境事務所で約七十人、自治体あるいは企業等からも来ていただく中で増員させていただく、このことは非常に大きいことだと思っています。
その際には、地域脱炭素に必要な財政支援の充実、こういうリクエスト、あるいはその専門人材の不足に対応してくれという人材へのリクエスト、それから脱炭素の各種制度に関わる情報提供をしてくれというリクエスト、それから特に製鉄あるいは石油等の産業分野での脱炭素の課題、そういう取組に関するいろんな御意見、そういうものもいただきました。
カーボンニュートラル実現するためには、国、地方、民間企業と、あらゆる主体が本気になって取り組まなきゃ、もう何としてもこれやりたいところですけど、それが不可欠ですよね。その意味では、イノベーション含めて、今度は多額の投資も必要、先ほども少し議論させていただきましたけれども。産業競争力とカーボンニュートラルとの両立を図っていくためのグランドデザイン、これを今できるだけ早くお示しできるようにということで作業をしています。
一月十八日にクリーンエネルギー戦略に関する有識者懇談会、これで萩生田経産大臣とそれから私とで手分けをして、私の方は、地域の脱炭素あるいは国民のライフスタイルの変容、あるいはカーボンプライシングの方向性、こういうところを受け持って、二つ併せてやっぱり突き抜け感があるように持っていかせていただきたいなと。特に資金についても、もう少しそこは踏み込ませていただきたいなとは思っています。
そういうことで、現場の声をしっかり受け止めて、脱炭素ドミノの実現に取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/117
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118・平山佐知子
○平山佐知子君 あらゆる部分において、やっぱりもうみんなで一緒な方向を向きながらも、もう目標を定めるだけじゃなくてやっぱり動き出さなくてはいけないというところに来ていると思いますので、引き続き丁寧な伴走をまたお願いをしたいと思います。
やっぱり、カーボンニュートラル実現には、この安定性に欠ける再エネ、これをいかにして最大限取り入れていくかということが鍵だと思っています。その中で、特に太陽光発電は最も手に入りやすい再エネであってリードタイムが短いということもあって、二〇三〇年度ですね、この再エネ導入目標実現の主軸とされています。一方で、系統制約ですとかこのFIT制度による国民負担、この増大などの問題もあるために、今後は自家消費型の太陽光発電モデルへの移行が肝腎となってきます。ただ、これは初期投資の面などが心配されて、まだまだ一般的ではないのかなということも考えます。
そこで伺いたいのですが、この自家消費型の太陽光発電に対する認識と、産業用、つまり大型施設の屋根などを利用した太陽光発電、一般住宅の屋根やカーポートの上などを利用した太陽光発電、それぞれどのような支援措置があるのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/118
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119・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 先生御指摘のとおり、大型施設の屋根等の太陽光発電あるいはソーラーカーポートは、防災性の向上あるいは再エネの導入いずれにしても非常に有効だと考えております。
環境省では、現在、屋根を活用した自家消費型の太陽光発電や蓄電池の導入支援、それから駐車場へのソーラーカーポートの導入支援、それから戸建て住宅のZEH化の支援等をしているところでございます。あわせて、今回の法案にもあります地域脱炭素移行・再エネ推進交付金も、地方公共団体が上手に組んでいただければ、これらのこの取組全体を通じてこのソーラーカーポートや屋根置きの太陽光の支援をすることができます。
なお、現在国交省から国に提出しております建築物の省エネ法でも規制の見直し等で対応することとなっておりまして、しっかり各省同じ方向を向いて、両輪で進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/119
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120・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
自家消費型、この太陽光発電というのは、送配電系統に負担を掛けないことから大変有効な再エネだということを認識しています。一方で、初期投資ゼロの自家消費型太陽光発電導入モデル、PPAを活用したマイクログリッドの構築、これも大変重要になってくると考えています。
地産地消を目指したこのマイクログリッド構築に対する指導や支援、それから地産地消に向けた参入促進策、それから事業支援などを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/120
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121・小野洋
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
地域の脱炭素の実現に向けては、委員御指摘ございましたオンサイトPPAあるいはマイクログリッドで地域の再エネを地産地消する取組というのは非常に重要であると考えております。例えば、本年四月に脱炭素先行地域として静岡市が選定されておりますけれども、ここではオンサイトPPAやマイクログリッドを効果的に活用して、非常に先進的な形で対象エリアの脱炭素化を図るというものになっております。
環境省といたしましては、このような非常に優良な事例について広く周知するということ、さらには地域単位での計画作りの支援、先ほどもございました地域脱炭素移行・再エネ推進交付金による設備導入の支援を実施してまいります。さらには、昨年改正いただきました地球温暖化対策推進法で促進区域の制度というのを設けておりまして、こういった制度を活用した事業誘致の促進ということにも取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/121
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122・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
本当に、地元の自治体含めて民間企業しっかり一体となって進めている事例ということで、静岡市、私も地元でありますので、しっかりこれからも注視していきたいと思っております。
一方、一般住宅の太陽光発電については、FIT買取り価格が年々低減しているために自家消費電力を計量するモデルへと変更を迫られているものの、いわゆる電力メーターの設置など、計量法改正によるコスト低減があったとしても追加コストが発生することが考えられて、自家消費型の移行、スムーズにいくのかどうか懸念をされているというところです。
環境省は、二〇三〇年までが人類の正念場で勝負のときという決意で、再エネの導入、中でも太陽光発電の導入への取組を強化しているということです。また、二〇五〇年炭素中立社会への移行に向けた経済社会の変革に関する検討では、国民一人一人の理解促進、暮らしの変革などを担当されていらっしゃいます。
家庭用太陽光発電をFITモデルから自家消費型へとスムーズな移行に対する支援をお願いするということと、また、それと併せて一般住宅向けのPPAモデルを国民に広く周知すべきと考えますが、この点、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/122
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123・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 先生御指摘のように、個別住宅で太陽光発電の導入進めていかなければなりません。そのためには、オンサイトPPAと呼ばれる、需要家が初期投資ゼロで設備を設置できるこのビジネスモデルを普及させることが非常に重要だと考えております。
環境省では、このオンサイトPPAというものによって個別住宅向けの太陽光電池、蓄電池を導入する取組へも補助事業を展開をしております。また、昨年から始まりました再生可能エネルギーの導入を後押しする再エネスタートキャンペーンにおきましても、こうした戸建て住宅向けのオンサイトPPAについて周知を進めているところでございます。
とりわけ、先生の御地元の静岡県は太陽光のポテンシャルも非常に高いですし、需要サイドから見ても国際企業が非常に多い。国際的なビジネスをやっている企業は当然再エネ電力欲していますし、そこと取引している中小企業も非常に多いので、是非積極的に後押しをいただければ有り難いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/123
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124・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
しっかりと私も、そういう国際的な企業さん、それから地元の自治体の皆さん、ポテンシャルの高い地元ということで、しっかりと見ていきながら、また政府、環境省その他省庁の方々ともしっかり連携をして、私も前に進められるように努力を重ねていきたいと思います。
今日はありがとうございました。質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/124
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125・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩をいたします。
午後零時三十九分休憩
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午後一時四十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/125
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126・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/126
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127・滝沢求
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。
それでは、早速質疑に入ります。
我が国は、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、それと整合的で野心的な二〇三〇年度目標を掲げております。これらの目標達成は容易ではなく、目標達成のためには脱炭素化に必要な膨大な資金が足りないという課題も指摘されております。
例えば、国際エネルギー機関は、二〇五〇年までに世界の排出量をネットゼロにするためには、クリーンエネルギー関連の投資を二〇三〇年までに世界全体で年間約四兆ドルまで加速する必要があるとしております。
こうした中、我が国においても巨額の脱炭素投資が必要とされていますが、その中で、全国規模の大手企業もさることながら、地域の企業の資金調達がより難しくなっております。
本法律案により成立する脱炭素化支援機構による資金供給はこうした地域の企業にとっても心強い後押しになり得るものであり、脱炭素化支援機構は地方創生に貢献することができるものと考えております。
そこで伺いますが、環境省として脱炭素化支援機構と地方創生の関係についてどのように考えているんでしょうか。脱炭素化支援機構を地方創生に生かしていく戦略について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/127
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128・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 滝沢求先生にお答えをいたします。
環境省としましては、地域の課題解決と脱炭素を両立するという大きな方針を出しておりまして、この脱炭素化支援機構におきましては、地方環境事務所を始めとする国の地方支分部局ともしっかりと連携をしましてきめ細かい案件組成や運営を行うことによって、全国各地で行われる脱炭素化事業を通じて地方創生をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/128
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129・滝沢求
○滝沢求君 今答弁ございましたいわゆる地方の環境省の事務所、そして各省庁の支所、部局ときめ細やかに連携していくんだということでございます。是非とも期待しています。よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、脱炭素化支援機構の設立目標としては、前例に乏しく投融資の判断が難しいと思います。認知度が低く関係者の理解が得られにくい等の理由から資金調達が難しい脱炭素事業に対して資金供給を行い、民間投資の呼び水となることが挙げられております。
脱炭素化支援機構を成功させるためには、機構の投資先となる案件の形成が重要であると考えられますが、公的資金が投入されている以上、機構に丸投げすることなく、環境省も積極的に案件の発掘に努めるべきだと考えております。
環境省には、エネルギー対策特別会計の執行を通じた先進的な脱炭素事業に関する知見の蓄積に加えて、自然の、失礼しました、自然環境保全や環境影響評価制度も所管しており、さらに全国各地区には地方環境事務所もあるわけであります。
そこで伺いますが、案件形成や地域共生型の脱炭素事業を支援していくためにも、こうした環境省の強みを最大限発揮して、機構として一丸となって脱炭素投資に推進すべきと考えておりますが、環境省の意気込みを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/129
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130・中川康洋
○大臣政務官(中川康洋君) お答えをいたします。
環境省といたしましては、脱炭素化支援機構が成果を上げることができるよう、今回の本法案や官民ファンドの運営に係るガイドラインに基づき、監督官庁として適切に監督すると同時に、環境省自らもしっかりと汗をかいてまいりたい、このように決意をし、そして機構を支援していく、そういった思いでございます。
具体的には、環境省本省や、今般、体制並びに人員を強化をいたしました地方環境事務所が有するネットワーク、これを活用いたしまして案件の発掘に努めるとともに、地域と共生した脱炭素事業の推進のために技術的な助言、これも行ってまいりたいと考えております。
環境省といたしましては、こうした支援を通じて地域と共生する脱炭素事業を増やしていけるよう、機構と一丸となってしっかりと取り組んでまいりますので、引き続きの御支援のほどよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/130
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131・滝沢求
○滝沢求君 続きまして伺います。
脱炭素化支援機構の活動が成功するためには、やはり安定した財務基盤の確保が極めて重要となります。しっかりとターゲットを見据えて資金を供給し、ある程度の収益を確保していくことも大事でございます。また一方で、様々な運営経費の中で抑えられるものはしっかりと抑えていくこともこれまた重要であります。
そこで伺いますが、環境省、政府側も協力しながら、できるだけ運営経費を抑えるなどしっかりと財務基盤の確保に取り組み、機構の健全な経営を確保していくことが重要であると考えますが、そこで考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/131
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132・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 先生御指摘のとおり、脱炭素化支援機構の運営に当たっては、運営経費を適正化して健全な経営を確保していくことが最も重要だと考えております。ただ、経費はどうしても変わり得るので現時点で全てを見通すことはできないんですけれども、過大なものには、もう先生御指摘のとおり、過大なものにはならないように運営経費の抑制に努めつつ成果を上げられるように努めていきたいと考えております。
環境省としても、毎年の業務実績の評価あるいは機構に対する適切な監督や支援等で機構の健全な財務基盤の確保を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/132
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133・滝沢求
○滝沢求君 続いて伺います。
脱炭素化支援機構からの資金供給の規模について、令和四年度の財政投融資は最大で二百億円ということですが、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度の目標に向けて巨額の脱炭素投資が必要とされている中、私はちょっとこの二百億円という金額では到底足りないと考えております。
全国津々浦々で脱炭素を実現するためには膨大な脱炭素投資が必要とされており、やはりそれに見合うだけの投資規模を確保していくべきではないでしょうか。そこで、環境省のお考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/133
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134・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) もう先生御指摘のとおりでございまして、この点はもう滝沢先生と私ども、思いを共有しております。カーボンニュートラルに向けては巨額の資金が必要で、二百億円という金額では到底足りないものと考えております。
これから民間からどう大きな資金を引き出すかということが一番の課題でございまして、地方の中小企業、それから地域の金融機関を含めて、全国津々浦々にこの投資を行き渡らせて脱炭素ドミノを起こしていきたいと考えております。今回の法改正によりまして資金供給を強化することで、こうした民間の巨額のESG資金を脱炭素にちゃんと呼び込んでいくと、そのための今回は呼び水施策だというふうに御理解をいただき、御支援いただきたいと思います。
また、この二百億円という金額はあくまで今年度、令和四年度の国からの最大出資額でございまして、脱炭素化支援機構、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現まで、二〇五〇年までですね、切れ目なく脱炭素投資を支援していくという方針を立てております。
今年度、脱炭素化支援機構がいよいよスタートを切りまして、良いプロジェクトを発掘をして、そして次年度以降につなげていきたいと思います。次年度以降、具体的な出資額につきましては、先生の御指摘もいただき、また先生の御支援もいただき、更なる資金ニーズに対応できるよう検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/134
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135・滝沢求
○滝沢求君 今、大岡副大臣、非常に私、二百億では足りないということ、全く同じだと、共有しているというお話を伺いました。実は、午前中の質疑、清水議員の質問に対して大臣が、山口大臣は、同じようなことを共有していると、二百億じゃ足りないんだと、これから一千億でも足りないと思っているというような大臣はお話もされていました。
そこで、改めて伺いますが、環境省の決意のほどを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/135
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136・大岡敏孝
○副大臣(大岡敏孝君) 大臣と私どもも日々協議をしております。あくまで二百億は、大臣は着火剤だというふうに言っております。したがいまして、この先にある大きな資金をしっかりと引き出していかなければならないと考えております。
そのためには、今回の機構、官民ファンドでございますので、一つは民間からの出資を、私ども政務含めて全国飛び回って、しっかりと出資をお願いできる環境整備をしてまいりたいと考えております。
あわせて、一つ一つの案件形成をちゃんと行うことによって次の資金ニーズを掘り出せるように、あっ、こういうモデルでやれば脱炭素化と地域の課題解決が両立できるんだということを見せていくことによって新たな資金ニーズを掘り起こし、それに応えられる体制をつくっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/136
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137・滝沢求
○滝沢求君 今の答弁、しっかりと受け止めました、私も。新たなニーズをしっかりと引き出してくる、是非よろしく期待をしています。
それでは、次に移ります。
本法案の提案理由の説明の中で、二〇五〇年カーボンニュートラルを前倒しで実現する脱炭素先行地域を二〇三〇年までに全国で百か所以上創出することを目指しているとありました。
地域脱炭素は全国津々浦々に広げていく必要があり、先行地域づくりは、百か所にとどまらず、できるだけ多様なモデルをできるだけたくさんつくっていくべきだということは間違いありません。しかし、より重要なことは全国への波及であり、先行地域から先行地域以外の周辺エリアに取組が普及するように仕掛けていくことも必要ではないでしょうか。
そこで、環境省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/137
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138・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
今回選びました地域脱炭素先行地域、これをしっかりと普及させていくということにつきましては、まず、今年度、年度当初にその先行地域選定いたしましたが、当面、年二回の公募決定という形で矢継ぎ早に広げていきたいというふうに考えております。
また、そうした脱炭素先行地域、これをしっかりと、その中身を国も情報発信をして、その他の市町村に、あっ、これはやってみたいなというふうに思っていただき、そうした市町村に対し丁寧な伴走支援、こうしたものも取り組んでいきたいと思います。
また、今回の交付金でございますけれども、脱炭素先行地域の創設に対する支援とともに、重点加速事業という形で、それぞれ再エネとその他の取組をセットでやっていただける地域、二〇三〇ゼロというのはなかなかハードルの高い目標ではありますが、その手前として取り組んでみたい、そうした地方自治体にもメニューを取りそろえて、それを様々な形で支援をするということで展開を図っていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/138
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139・滝沢求
○滝沢求君 ありがとうございます。公募も二回これから行うということで、しっかりと伴走支援、よろしくお願いをいたします。
続きまして、地域では既に気候変動の影響が生活や産業に及び始めております。このため、地域脱炭素の取組も、CO2の削減や新しい需要をつくり経済を活性化するというだけではなく、気候変動の影響への適応力の向上も兼ねるものであると考えます。
環境省として、地域脱炭素の取組の中で適応も織り込んでいくという考えはあるでしょうか。そこを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/139
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140・中川康洋
○大臣政務官(中川康洋君) お答えをいたします。
温室効果ガスの排出を削減をする緩和とともに、気候変動の影響に適切に対応するための適応、これを車の両輪として推進すること、これが不可欠であり、地域脱炭素の取組の中で適応も織り込んでいくこと、これは大変に重要であるというふうにも思っておりますし、今議員の御指摘のとおりでございます。
今我々も全国行脚を進めておりますが、その全国行脚の中でも、まさしくこの適応に対する必要性、さらにはそういった対応、対策、こういったところの内容の御報告も、各地方から多くの本当に提案をいただいているところでございます。
例えば、その例の一つでございますが、自立分散型の再エネの導入は、地域の脱炭素化と同時に防災力の強化という、この適応策にもつながってまいります。このように、脱炭素のみでなく、防災、さらには適応、また地域経済、生活の質向上等の地域課題を同時に解決する視点を持って地域づくりの取組を進めることが重要でございまして、環境省といたしましても、こういった地域の取組、これをしっかりと応援をし、そしてこの適応策につきましてもしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/140
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141・滝沢求
○滝沢求君 ありがとうございます。今、答弁で、緩和と適応ということ、両輪で行くというお話を伺いました。しっかり進めてください。
また、続いて伺います。
脱炭素化支援機構を成功させるためには案件形成が重要であると申し上げましたが、脱炭素事業というのは、エネルギー関係はもちろんのこと、交通、運輸、農業、林業など様々な分野にまたがっているものであり、環境省のみならず、経済産業省、そして国土交通省、さらには農林水産省など、関係省庁が一致協力してオールジャパンで取り組むことが大変重要だと考えております。
この機構の活動が成功するためには、環境省としては各省庁とどのように協力、連携をしていくのか、また、そのことは今回の改正法案の条文上しっかりと根拠として位置付けられているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/141
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142・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
新しく創設する機構に関する関係省庁との連携についてのお尋ねでございます。
まず、条文上でございますが、今回の改正法により改正される新たな条、第三十六条の二十八におきまして、「環境大臣及び国の行政機関の長は、機構及び対象事業者に対し、これらの者の行う事業の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うよう努めなければならない。」、このような規定が新たに設けられたところでございます。こうした規定に基づきまして、環境大臣だけが助言を行うのではなく、関係行政機関の長、他省庁とも連携をしながらその助言をするということで、この法律を内閣の中で議論するときには調整をさせていただいたところでございます。
また、実際にその案件を発掘するという段階で、大臣、副大臣、政務官からこれまで答弁がありましたけれども、環境省の地方環境事務所が連携をしてその案件発掘、形成に支援をしていくということでございますが、現在その地域では、地方環境事務所が中心となりまして、関係省庁の地方支分部局とも連携しながら地域の脱炭素の取組を推進していく、こういう体制がございますので、そうした地域での案件形成、発掘においても関係省庁連携進めていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/142
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143・滝沢求
○滝沢求君 ありがとうございます。
もう一点伺おうと思ったんですが、もう時間も押してきましたので、先ほどの大岡副大臣、お話、本当にこれ是非とも、正念場ですから。午前中の大臣の私はあの答弁聞いていて、いや、かなり気合が入っていましたよ。数字まで出していましたからね、委員会で。ですから、やはりやっていきましょうよ。是非ともそれを期待して、また後押ししていきますから、是非頑張りましょう。よろしくお願いします。
これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/143
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144・宮崎勝
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず、脱炭素に取り組む地方公共団体への支援ということについて伺いたいと思います。
本法律案は、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標の実現に向けて、民間資金を呼び込む出資制度を創設するとともに、地方公共団体に対する財政上の措置を講ずるため、所要の規定を整備するものであります。
中でも、二〇五〇年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを表明をしたゼロカーボンシティが大きく拡大をしており、地域脱炭素ロードマップに基づく脱炭素先行地域の選定が始まるなど、地方公共団体における脱炭素の取組はいよいよ本格的な実行段階に入ってまいったというふうに認識をしております。
そこで、まず脱炭素に取り組む地方公共団体への支援について、財政、情報、人材の面から質問をさせていただきたいと思います。
まず、財政面の支援について伺います。
本法律案では、地域の脱炭素化に取り組む地方公共団体に国が財政上の措置その他の措置を講ずるよう努める旨を規定をしておりますが、その意義及び効果をまずお伺いするとともに、将来的に地方公共団体の脱炭素の取組が拡大、加速化した場合も現在と同様の財政支援を受けられるようにすべきだというふうに思っておりますけれども、これについての御見解をまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/144
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145・中川康洋
○大臣政務官(中川康洋君) ありがとうございます。
地方公共団体への財政支援の強化について御質問をいただきました。
地域の脱炭素化に当たりましては、この地方公共団体による長期にわたる主体的かつ計画的な脱炭素の取組、これが重要であるというふうに私どもも考えております。このため、地域特性等を踏まえ、地方公共団体等が複数年度にわたりまして計画的かつ柔軟に脱炭素の取組を意欲的に実施すること、これを可能とするために、総合的な交付金といたしまして、今回御案内のとおりでございますが、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を創設をいたしまして、令和四年度につきましては二百億円を盛り込んだところでございます。
また、今回の改正法案では、こうした地方公共団体の総合的かつ計画的な施策に対し国の財政上の措置等を講ずる努力義務を規定をし、国の支援体制を明らかにいたしました。これにつきましては議員御指摘のとおりでございます。
例えば交付金につきましては、今後、脱炭素先行地域の選定数が増加をしていくことが予想をされます。この脱炭素、各脱炭素先行地域づくり事業が本格化することなどが想定をされますけれども、環境省といたしましては、来年度以降の財政需要にもお応えできるよう、必要となる所要額の確保、これに全力で取り組み、脱炭素先行地域を始めとする地方公共団体等の計画的な脱炭素の取組、これをしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
今回、地方の協力なしにこの脱炭素は推進できない、こういった思いの中で我々としてはしっかりと取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/145
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146・宮崎勝
○宮崎勝君 中川政務官、ありがとうございます。滝沢理事も先ほど財政ということでしっかりするようにということで指摘がありましたが、私たちもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
続きまして、今御紹介がありましたこの意欲的な脱炭素の取組を行う地方公共団体を複数年度にわたって継続的、包括的に支援するスキームとして、今回、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金ということで、令和四年度で二百億円が計上されております。
この交付金ですけれども、脱炭素先行地域づくり事業と重点対策加速化事業が対象になっておりまして、このうち脱炭素先行地域づくり、先行地域については、この二十六地域が選定をされて、先日交付金の内示もあったというふうに聞いておりますが、もう一方の重点対策加速化事業の選定方法とか選定基準、これについてはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/146
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147・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
御指摘の重点対策加速化事業は、二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標の達成等に向けて、複数年度にわたり、屋根置き太陽光などの再エネ導入と併せて、徹底した省エネやゼロカーボン・ドライブなどを重点的に導入促進を図る対策を複合的に取り組む場合に対象とし、この交付金で支援を行うものでございます。
このため、重点対策加速化事業では、再生可能エネルギー発電設備を一定以上導入すること、原則複数の重点対策を組み合わせて実施すること、国の地球温暖化対策計画に即した地方公共団体実行計画が策定又は策定が予定されていることなどを要件として設定しているところでございます。
これらの要件を満たす地方公共団体からの複数年度の事業計画の提出に基づいて毎年度交付金を交付していきたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/147
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148・宮崎勝
○宮崎勝君 こちらの重点対策加速化事業ももう既に選定終わって、していると、現状しているということでよろしかったですか、たしかね。一応確認です、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/148
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149・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
現在作業中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/149
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150・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
この地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の二百億でございますけれども、今後やっぱり適正かつ効果的な執行を担保するということが大事になってくるかと思います。
そこで、国として執行状況をフォローアップする必要性があるかと思っておりますけれども、この辺についてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/150
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151・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
環境省としては、補助金等適正化法や交付金の交付要綱等に基づき、毎年度、事業の進捗状況を報告する実績報告書等を提出させ進捗管理を行うほか、交付金の執行状況等については、本年四月一日から体制強化した地方環境事務所が必要に応じて実地検査を行うなどにより適正な執行を担保していくことを考えております。
また、脱炭素先行地域については外部有識者による評価委員会においても個別にヒアリングを行うなどして、評価、分析、フォローアップを行う予定としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/151
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152・宮崎勝
○宮崎勝君 是非よろしくお願いいたします。
次に、情報面の支援ということでお伺いしたいと思います。
地方公共団体が脱炭素に向けたプロジェクトを実施するに当たりまして、例えば電力、ガスの小売全面自由化に伴いまして把握が困難になった地域内の電力とかガスの使用に関するデータというのがありますけれども、こうしたデータなど、地域が地域レベルでの温室効果ガス排出量の正確な把握に資する各種データの整備が十分ではないという課題があると思います。
地域の脱炭素化に向けて必要なデータの提供に関する環境省の取組についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/152
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153・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
御指摘のとおり、地方自治体における温室効果ガス排出量の把握のためのデータ整備は大変重要なものと認識をしております。
このため、環境省としては、地方自治体における現状把握や計画策定に役立てていただくため、全ての都道府県、市町村ごとのCO2排出量や再エネの導入量などを示した自治体排出量カルテを策定、公表し、周知を図っているところでございます。
加えて、お尋ねがありましたエネルギー関係のデータでございますが、地方自治体の温室効果ガス排出量のより正確な算定に資するよう、系統から供給された電力等のエネルギー消費量データの地方自治体への提供について、関係府省庁と連携しつつ、現在、検討、準備を進めているところでございます。
引き続き、地方自治体の脱炭素の取組に役立つ情報基盤の整備を進め、広く周知を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/153
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154・宮崎勝
○宮崎勝君 是非よろしくお願いいたします。
次に、午前中等の質疑でもいろいろと言及がございました人材面の支援ということでお伺いしたいと思います。
地域の脱炭素化を進めるに当たって、専門的知識を有する人材や取組の中核となる人材の確保が不可欠と考えております。こうした専門人材を確保するための国の支援措置、どんなものが行っていくのかということと、それから環境省として、現在、地域再エネのための地域中核人材育成事業というものを取り組まれているというふうに承知しておりますけれども、この成果と今後の取組についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/154
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155・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
お尋ねの地域再エネのための中核人材育成事業、こちらにつきましても、地域脱炭素を担う人材育成事業の柱の一つとして実施をしております。この事業につきましては昨年度から実施しておりますが、昨年度、三十四の地域、七百名を対象に、地域での再エネ導入計画を立案するための実践的なセミナーでありますとか、先進地域の現地調査、意見交換を実施してきたところでございます。今年度も準備をしておりますが、対象人数が増えるような工夫、そうしたものもしながら拡大、充実していきたいと思います。
また、このほかに、本年四月から地方環境事務所に地域脱炭素創生室も新設し、大幅な増員を行うことで、地域の自治体や企業に対して脱炭素のための計画作りや具体的な事業の推進への伴走支援を行う体制の強化を図っているところでございます。
このほか、内閣府等が進める企業の専門人材を地域に派遣する事業に連携をして取り組んでおりまして、内閣府の地方創生人材支援制度のグリーン専門人材では、今年度、十三市町村に十四名派遣しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/155
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156・宮崎勝
○宮崎勝君 是非着実な推進をお願いをしたいと思います。
次に、脱炭素先行地域についてお伺いしたいと思います。
第一回の脱炭素先行地域に選定された二十六件につきましては、脱炭素ドミノの起点となる地域であり、全国のモデルとなる意欲的な計画になっていると考えますけれども、まずどんな点が評価されたのか、お伺いしたいと思います。
また、今後行われる先行地域の選定におきましては、この第一回と同等程度の計画でもいいのかどうか、より高いレベルの計画であるとか、あるいは新たな観点の計画というものが求められるのかどうか、この辺をちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/156
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157・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
まず、第一回目の選定についてでございますが、様々な類型の地域から多様な提案をいただいたところであり、評価委員会においては、脱炭素先行地域にふさわしい再エネ導入量、地域課題の解決への貢献可能性、先進性、モデル性、実現可能性、これらが高く評価された地域が結果として選定をされたというふうに承知をしております。
また、次回の選定でございますけれども、今回の選定過程を踏まえまして、評価委員会の議論を経た上で、選定要件や評価事項等を必要に応じて見直すことが想定されますが、今後も地域脱炭素を加速し、脱炭素ドミノを起こしていけるように、選定を積み重ねていく中で、一回、二回、三回と積み重ねていく中で、結果として、全体として地域特性に応じた多様な地域ができるだけ多く選定できていく、こういうことが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/157
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158・宮崎勝
○宮崎勝君 なるだけ多様な地域ということで、本当に脱炭素の起点、ドミノの起点ということでありますので、いろいろなパターンが必要だというふうに考えているところであります。
その上で、もう一つ、脱炭素先行地域の選定に際して、地域課題の解決や住民の暮らしの質の向上ということが今要件になっております。
私も、環境省の政務官時代に福島県の土湯温泉における温泉熱を利用したバイナリー発電などを視察させていただいたことがございます。この土湯温泉では、売電収入によってこの地域の公共交通であるバス代を住民の方に支援をするとか、あるいは発電をした後の温泉の熱を利用したエビの養殖とかをやっておりまして、それを雇用の創出だとか観光の誘客につなげるという、そういう取組を行っておりまして、ああ、なるほどと、地域に貢献をするというか、その地域に裨益する再エネ事業とはこういうものなのかなということを感じた次第なんですけれども、この地域の利益につながる地域裨益型再エネ事業というのが再エネに対する地域の理解醸成を図る上で重要であるというふうに感じております。
今回、脱炭素先行地域に選定された二十六件の中から、特に地域裨益型の再エネ事業の好事例というものがございましたらちょっと御紹介をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/158
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159・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
御指摘のとおり、脱炭素先行地域の選定要件では、脱炭素先行地域にふさわしい再エネ導入量などに加え、地域の様々な課題解決に貢献する観点から、脱炭素の取組に伴う地域課題の解決や住民の暮らしの質の向上、これを要件として設定したところでございます。
今回選定された二十六地域の中では、例えば、家畜ふん尿処理の過程で発生するメタンガスを利用したバイオガス発電を行い廃棄物の削減と脱炭素化を同時に図る取組であるとか、著しい高齢化とインフラの老朽化に直面するかつてのニュータウンに次世代ZEHプラスを導入した新たな町づくりの事例であるとか、離島特有の災害時におけるエネルギー脆弱性を踏まえた防災型再エネシステムの積極的な導入の事例、こうした事例など、地域固有の事情や特色を踏まえた課題を設定し、その解決に向けた取組を脱炭素で行おうとする提案となっており、他地域へのモデルとなることが期待されているところでございます。
引き続き、脱炭素を実現し、地方創生、町づくりにも資する多様な脱炭素先行地域、これを選んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/159
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160・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
続いて、脱炭素先行地域の選定要件の中には、再エネポテンシャル等を踏まえた再エネ施設の最大限の導入ということが含まれておりますが、これを受けて、例えば、自然環境の保全に積極的な地方公共団体が、適応や防災にも資する森林の保全や拡大であるとか、あるいはブルーカーボンなどの吸収源対策を行う場合についても脱炭素先行地域として支援すべきではないかと考えますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/160
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161・上田康治
○政府参考人(上田康治君) お答えいたします。
御指摘の、森林や里山、都市公園、緑地等の地域の自然資源を適切に整備、保全することは、災害に強い地域づくりや林業の活性化、CO2吸収量の確保等に資する取組として有効と考えております。これらの取組は、選定要件の一つである地域特性に応じた温暖化対策の取組として、当該選定要件及びその評価事項による対象となっているところでございます。
なお、ブルーカーボンにつきましては、環境省としては、温室効果ガスの排出・吸収量目録、いわゆるインベントリーを所管する立場として、吸収量の我が国のインベントリーに計上が可能であるかどうか検討を進めているところであり、引き続き関係省庁と連携しながらブルーカーボンの活用の在り方について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/161
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162・宮崎勝
○宮崎勝君 ブルーカーボンは、公明党といたしましても、ブルーカーボンの利活用推進プロジェクトチームというのをつくっておりまして、いろいろなところで視察活動なども行っておりまして、これから大事な取組になってくると思っておりますので、是非インベントリーが固まりましたら、是非こうしたことも検討していただければというふうに思っているところであります。
次に、今後、先ほど来、脱炭素ドミノということで、現在、今回選定された脱炭素先行地域、これにとどまらず、全ての地方公共団体に脱炭素の取組を広げていくということが予定をされているところでございます。そういった意味で、この横展開が大変重要になってくると思いますけれども、脱炭素ドミノと言う以上、そのドミノをどう形作っていくのかという、これが大変重要だと思いますので、その具体的な方策について、この横展開の具体的な方策についてどのように考えているのか、中川政務官の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/162
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163・中川康洋
○大臣政務官(中川康洋君) ありがとうございます。
宮崎委員からは、横展開、さらにはドミノの重要性というところの御質問をいただきました。お答えをいたします。
今回は、脱炭素先行地域として、既に御案内のとおり、二十六件の提案を選定したところでございます。今後、年二回程度募集をし、評価委員会の評価を得て、百地域にとどまることなくできるだけ多くの地域を選定をしたいというふうに私どもは考えており、応募を検討している地方自治体、今多くの自治体が検討いただいている状況でございますが、環境省として、丁寧な伴走支援、さらには様々な御相談に応じてまいりたいというふうに考えております。
また、全国で脱炭素ドミノを起こしていくために、脱炭素先行地域の取組に加え、全国津々浦々で、例えば屋根置き太陽光やゼロカーボン・ドライブなどの重点対策の加速化、これを進めていき、計画作り支援や情報、技術支援なども含めて地方自治体の脱炭素の取組をしっかりと後押しをしてまいりたいとも考えております。
さらに、昨年十月でございますが、閣議決定をいたしました地球温暖化対策計画では、あらゆる分野において関係省庁が連携をして脱炭素を前提とした施策を総動員をしていくことというふうにしておりまして、関係省庁と連携をいたしまして、六府省の再エネ・省エネ設備導入支援、さらには計画策定等支援、さらには人的支援、また情報提供等支援など、地域脱炭素の取組に対する百三十二の支援ツール、枠組みを取りまとめて現在地方自治体に情報提供をしているところでございます。これは、百三十二項目、二百十七ページにわたる資料でございます。
これらの取組を通じまして、環境省といたしましては、まさしく地域脱炭素の取組が横展開していくように地方自治体の取組を力強く後押ししてまいりたいと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/163
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164・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
次に、これも午前中の質疑にありましたけれども、国と地方の協議ということについてお伺いしたいと思います。
今回の脱炭素先行地域の流れは、いわゆる令和二年に発足、設置されました、国・地方脱炭素実現会議というところが設置をされて、そして昨年の六月に地域脱炭素ロードマップということで策定をされて、それがつながってきているわけですけれども、今後は本格的な実行段階に移ってきたということでありまして、引き続き、やはり地方はいろいろ課題がございますので、国と地方が継続的に協議を行って一体的な取組を推進するということが極めて重要ではないかというふうに考えておりますが、環境省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/164
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165・中川康洋
○大臣政務官(中川康洋君) ありがとうございます。
国と地方のこの継続的な、また実践的な協議の必要性があるんじゃないか、こういった御質問でございますが、お答えをさせていただきたいと思います。
政府といたしましては、昨年決定をされました地球温暖化対策計画及び地域脱炭素ロードマップに基づき対策を実行に移す段階というふうに捉えており、今が勝負の十年というふうに捉えております。これにつきましては、岸田総理もこの十年が勝負の十年というふうに所信表明等でもおっしゃっていただきました。
対策の実行に当たりましても、国と地方が地域の脱炭素化に向けて効果的に連携、調整するために継続的に現在意見交換を行っております。例えばでございますが、昨年も全国知事会脱炭素・地球温暖化対策本部長であります長野県の知事の要望に合わせて意見交換を行いました。これは私が、昨年の十一月二十六日でございますが、オンラインで長野県の知事と意見交換をし、要望を賜ったところでございます。
また、本年一月から、私も含めて、大臣を先頭に副大臣、政務官自らが全国行脚を行い、地方自治体を始めとする関係者と直接意見交換を行っているところでございます。ちなみに、私自身、土曜日、十三日には佐賀市、また日曜日には長崎県の離島であります壱岐市、また昨日には岐阜県にお邪魔をいたしまして、直接様々なステークホルダーの皆さんと意見交換を行いました。
二〇五〇年カーボンニュートラル、また二〇三〇年温室効果ガス削減目標の達成に向けましては、様々な場を活用しながら、国と地方がより一層実践的な意見交換を行うことで連携を強化し、地域の脱炭素化の取組を加速してまいりたいと考えております。そういった意味におきましては、私ども環境省といたしましては、引き続き、山口大臣を先頭に現場での協議を進めてまいりたいと決意をいたしております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/165
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166・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
せっかく大臣お見えになっていただいたんで、最後、一言御決意を伺いたいと思いますが、よろしいですか。
いわゆる脱炭素化支援機構でございますけれども、これも非常に環境政策及び地方創生の観点から大変重要なものであるというふうに認識をしておりますけれども、今後新ファンドが二〇三〇年目標あるいは二〇五〇年カーボンニュートラルにどの程度貢献するかということを検証していく必要があるかというふうに思っておりまして、そういった意味で、KPIとよく言いますけれども、そうしたものを今後設定する必要があるというふうに考えておりますけれども、この脱炭素化支援機構を通じてこうした取組をしっかりと着実に進めていくという、そういう目標設定等についての考え方をちょっとお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/166
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167・山口壯
○国務大臣(山口壯君) どうも済みません。石綿の救済延長法案でちょっと欠席だったもので、済みませんでした。
この脱炭素化支援機構がやっぱりきっちり結果を出していくという、そういうために、是非ともいろんな指標も用いてやらなきゃいかぬと思っています。KPIの設定について、官民ファンドの運営に係るガイドラインでは、政策性と収益性を適切に評価、検証できる指標にする、ファンドの設置期間の到来前であっても、その運用状況を適切に評価、検証できる指標にするなどの点を踏まえたKPIの設定、公表を行うこととされています。
本ファンドのKPIは脱炭素化支援機構において適切に検討することとなりますけれども、環境省としては、本ガイドラインも踏まえ、収益性の指標として累積損益、政策目的の達成状況の指標として年間CO2排出削減量の累積合計値の二つを設定するよう促すことと想定しています。
現実に、今回、グリーンファイナンス推進機構と比較して、グリーンファイナンス推進機構の方はエネルギー特会ですから、その意味では限られていたんです。今回は財政投融資という枠組みを使わせていただきますから、例えば森林を造成するというところも組み合わせたいろんなプロジェクトが可能です。しかも、やっぱり広くやっていかないとポートフォリオ上は非常に良くないんで、そういう意味では、今回、専門的な知見も踏まえながら、こういう指標も活用しながら、きっちりとその結果が出るようにさせていただきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/167
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168・宮崎勝
○宮崎勝君 時間が来ましたので終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/168
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169・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/169
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170・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/170
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171・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/171
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172・徳永エリ
○委員長(徳永エリ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814006X00620220517/172
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