1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十七日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十二日
辞任 補欠選任
杉 久武君 伊藤 孝江君
芳賀 道也君 榛葉賀津也君
五月十三日
辞任 補欠選任
中西 哲君 鶴保 庸介君
三浦 靖君 青木 一彦君
熊谷 裕人君 白 眞勲君
五月十六日
辞任 補欠選任
白 眞勲君 勝部 賢志君
伊藤 孝江君 山本 博司君
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出席者は左のとおり。
委員長 斎藤 嘉隆君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
長浜 博行君
塩田 博昭君
浜口 誠君
委 員
青木 一彦君
朝日健太郎君
こやり隆史君
佐藤 信秋君
鶴保 庸介君
長峯 誠君
牧野たかお君
渡辺 猛之君
勝部 賢志君
野田 国義君
鉢呂 吉雄君
竹内 真二君
山本 博司君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
室井 邦彦君
武田 良介君
増子 輝彦君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
参考人
東京大学大学院
農学生命科学研
究科教授 蔵治光一郎君
神奈川県県土整
備局長 大島 伸生君
全日本建設交運
一般労働組合全
国ダンプ部会部
会長 高橋 立顕君
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本日の会議に付した案件
○宅地造成等規制法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/0
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001・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、杉久武君、芳賀道也君、熊谷裕人君、中西哲君及び三浦靖君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君、鶴保庸介君、青木一彦君、山本博司君及び勝部賢志君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/1
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002・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院農学生命科学研究科教授蔵治光一郎君、神奈川県県土整備局長大島伸生君及び全日本建設交運一般労働組合全国ダンプ部会部会長高橋立顕君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、蔵治参考人、大島参考人、高橋参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず蔵治参考人からお願いをいたします。蔵治参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/2
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003・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) そうしましたら、この度、参議院国土交通委員会で意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
私は、東京大学の大学院農学生命科学研究科で森林と水循環、あるいは森林と災害の研究をしております蔵治と申します。
宅地造成等規制法の一部を改正する法律案について意見を述べさせていただきます。お手元にホチキス留めの資料がございますので、これに沿って御説明いたします。
まず、この度の立法案が熱海の災害を契機としているということから、熱海の災害は森林の中に盛られた盛土を原因の一つとして起きたものでございますので、まずその森林の中の盛土というもののイメージを一旦持ってもらうために何枚か写真を用意させていただきました。
この写真にあるような場所というのは、日本の森林の至る所で見られるものであります。例えば、この写真にあるように、山の中の道を走っていると、こういうような景色が目に飛び込んでくるわけでございます。
次めくっていただきますと、もう少し近寄るとこのような形になっておりまして、面積的には小規模だとは思いますが、森林の中にあります。こちらの盛土は、後で述べます山地災害危険区域の中でございまして、かつ、この土砂が仮に移動して下流に流れると、そこには土砂災害特別警戒区域、また警戒区域も存在しているというような場所でございました。
一枚めくっていただきますと、この場所をグーグルの衛星画像で見ますとどんな形になるのかというのを示してございますが、右側に見えている少し太めの道がいわゆる基幹林道といいまして、舗装されていて大きなトラックが通れる道ですけれども、そこから枝線で一歩入った細い道のところにこのように設けられていると。これは、衛星画像で見ると、このような形で確認できるということでございます。
次に、その下の六、スライド六番の写真でございますが、こちらも盛土の例なんですけれども、こちらについては、一枚めくっていただくと、この盛土の先の方に川が見えまして、その先には町もちょっと見えていると思いますが、このような山の下に町があるようなところの上で行われておりまして、その次の下の写真になりますと、自動車が写っているものでありますが、この盛土は亀裂が既に入っているということが見て取れるかと思います。これは、雨水が集中して流れて削られていっている跡でありまして、このように、一旦盛られたものも自然現象によって徐々に崩れていくということがあるようであります。
めくっていただいて、次の写真ですと、こちらも右側に、少し曲がりくねっておりますが、太い道がありまして、この道は観光客が山の上に登っていくときに使う道なんですけれども、この道からは盛土は見えないところにあるんですが、少し枝道を入ったところに存在しているというような様子が分かるかと思います。
続いて、その十番の写真ですけれども、こちらは下に川と自動車が、道路がありますけれども、こちらはかなりきちんと管理された盛土という印象がある例であります。
めくっていただいて、次の十一ページは、これは、道がぐるっと回っていて谷筋になっているわけですけれども、その谷筋を埋め立てた形の盛土になりますが、こちらは排水設備がちゃんと造ってありまして、谷筋というのは本来水が流れているわけで、その上に盛ってしまっているんですけど、その水を流す排水処理をする設備が付けられております。
最後に、十二番の写真は、これは林業の現場でして、人工林の皆伐が行われていまして、植林した木を全部切ってそれを運び出しているわけですが、その作業の中で土をこのように盛るケースというのがあるということでございます。
それでは、十三枚目のスライドをめくっていただいて、十三枚目のスライドから私の意見を申し上げます。
この度の立法の目的は、住民の生命及び財産の保護ということが目的でありまして、そのためにはいろんな手段があると思いますけれども、この立法はその一つであろうと思います。
熱海の災害は、市街地や集落から離れていて見えないところですけれども、地形等の条件から人家等に危害を及ぼし得る斜面のエリアに盛土が存在して、それが崩落し、谷筋を流下し、下流の人家等に到達して住民の生命及び財産に被害が発生したわけでありますが、このようなエリアというのは、仮に盛土がなかったとしても土砂災害の危険が元々高いエリアであって、そこにもし盛土や捨て土があれば危険度は更に高まるということであります。また、近年、気候変動等で大雨の規模、頻度、増加しているということもあり、このような災害が更に懸念される状況です。
そのための手段の一つとしての法改正になっているわけなんですが、基本的には、これまで比較的緩い規制しかされてこなかった森林、農地等のエリアに宅造規制区域に準ずる特定盛土等規制区域というものを設定して全国一律の厳しい規制を掛けようとしているということですが、この特盛区域については、おおむね盛土がなくても土砂災害の危険が高いエリアになるだろうというふうに認識しておりまして、例えば、山地災害危険地区、それから砂防指定地等の区域、それから土砂災害の特別警戒区域及び特別警戒区域に土砂が到達するようなエリアということになりますけれども、もちろんこの中で重複するものはあるわけですが、何十万か所という箇所が既に特定されているということでございます。
めくっていただいて、まず論点の一として、こういう新しい制度を特に森林のエリアに拡大するということについての実効性ということですけれども、森林の面積というのは国土の三分の二でありまして、非常に広いところで、そういう場所がたくさんあるというところで、これまで既に保安林、林地開発許可、砂防指定地等という制度が運用されてきて規制掛けてきていますが、これはこのまま運用を続けながら並行して新しい制度をつくるということなんですけれども、自治体の立場からすると業務が純増になるということもあり、十分な箇所数を速やかに指定できるのかということが気になるところです。指定の数や面積が絞られてしまっては元も子もないんですけれども、そういうおそれとか、あるいは、そのキー・パフォーマンス・インディケーターについても、指定する自治体数だけではなくて、やはり箇所数がきちんとあるかということが大事になろうと思います。
それから、既に申し上げた既存の制度を活用するということも必要で、その中で特に、保安林と砂防指定地という制度は私権の制限が掛かる制度で、これは明治三十年に創設されてはいるんですが、現代の防災においても有効に活用すべき制度であると思っていまして、この特盛区域に指定されるであろうエリアというものはこういう制度も活用しながら考えていかなきゃいけない。特に、熱海の災害の教訓では、あそこは保安林や砂防指定地ではなかったと、それから、開発面積が一ヘクタール以下だったので林地開発許可対象外だったということがありますので、活用が必要だというふうに考えます。
続きまして論点二ですけれども、やはりその専門性ということが非常に気になっておりまして、例えば、森林法で既に林地開発許可制度というのが保安林ではない普通林については適用されるんですけれども、これは一ヘクタールを超える大きな面積のものだけですが、学識者等で構成される審議会の意見を聴くことになっています。
現在議論されている法律案では、科学的知見に基づいた技術的基準というものを作り、それに適合した安全対策が行われるかどうかを審査するということだと思いますけれども、ここには審議会等の意見を聴く仕組みはないわけなんですけれども、やはりその森林というのは非常に複雑でかつ多様なものでありまして、山地森林での土砂の移動現象というものはとても地域性、個別性が強いものであって、画一的な技術基準にどうしてもならざるを得ないもので個別の現場を一つずつ適切に判断できるかということが危惧されるところです。
もしそういう学識者の意見を聴かないんであれば、それこそ都道府県、政令市、中核市等に土砂災害を専門とする技術職の公務員を配置するということがどうしても必要ではないかと思うんですけれども、現状なかなかそうもなっていない中で運用ができるかということです。
その技術基準の例として、現在、宅造法の施行令の中でどういう技術基準が定められているのかを抜粋でお示ししているんですけど、恐らくこのような施行令が特盛区域、おおむね森林のエリアでも作られる、今後作られていくということなんではないかと思いますが、現在の宅造法の施行令でも、必要に応じてとか、その他の措置とか、例えば、著しく傾斜しているとか、支障なく流下させることができるという言葉があるんですけれども、まあこれ、どちらかというと曖昧な言葉でありまして、その裁量の余地みたいなのが残っているんですけれども、こういうものを誰かが判断しなきゃいけないということで、誰がその必要性だとか、著しいのかどうかとか、その他の措置が妥当かとか、その排水施設に流木、土砂が詰まる可能性等を判断できるのかということです。
今、その排水施設のことを申し上げましたけど、一枚めくっていただくと、その排水施設の例をお示ししているんですが、森林内における盛土あるいは捨て土というものは、沢筋を埋め立てて造るような場合というのがかなりありまして、そういう場合は、その沢、元々大雨のときに水が流れる沢になっていますので、その沢を流れている水を排水しないとその盛土が不安定になりますので、排水施設を造りまして、例えばこれはコンクリートの管を入れているわけなんですけれども、この写真はどういう状況かというと、結局この排水施設がうまく機能しないためにそこが詰まって、それをオーバーフローして水が流れてきたような場所であります。
オーバーフローしますと、当然そのオーバーフローした水が排水施設を無視して盛土を削り取って下流に流してしまうということになりますので、その排水施設というものが非常に重要なものになるんですけれども、そういうものを審査していかなきゃいけないということが現場では予想されるということであります。
最後に、論点三として、やはり原点として、この法律の目的は住民の生命及び財産の保護でありますから、それが果たして実現できるのかということが最も重要なことなんですけれども、やはりそれにはたくさんいろんなことをやらなきゃいけなくて、広大な山地森林の中に無数にある危険なエリアというのがあって、それを全て抽出し監視し続けるというのは、いろんな技術の進歩はありますけれども、やはり時間、手間、コストが掛かることにならざるを得ないかなということです。
それから、これは非常に残念なことであるんですけれども、その上流の土地に規制を掛けても、それをかいくぐろうとする方というのは必ず出てきてしまうということもあります。
ですので、そこには一定の限度があるということを踏まえた上で、住民の生命、財産を守るためにはやはり住民側の意識というのも高めていただく必要があって、その住民側が自分たちが盛土を上にされてしまうと危険な場所に住んでいるんだよということを知っていただくという、知っていただいた上で大雨、地震が起きたようなときに適切な行動を取っていただくということが命を救うためには必要だというふうに思います。
現在の法案では、工事主が当該土地に標識するということが雑則の中で、四十九条で書かれておりまして、これはとてもいいことだというふうに思うんですけれども、私が冒頭で示した写真でも標識は一切ないわけで、この盛土はどこの誰がということは分からなかったので、それはとてもいいことなんですが、一方で、それだけではなくて、特盛区域がもし指定されましたらすぐに、その下の住宅に住んでいらっしゃる方が見えるところにも、ここの山の上に特盛区域が指定されましたというのは標識した方がよいのではないのかなというふうに思います。
最後に、ハザードマップというものが住民の方々の意識の喚起に必要ですが、それ、現時点でも既に災害危険区域であるとか様々な情報が一つのハザードマップ上にまとめられつつあると思いますけれども、更にそこにも特盛区域を重ねていって、全てを一目で分かるようにしていただくということが有効ではないのかなというふうに考えているところです。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/3
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004・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
次に、大島参考人にお願いをいたします。大島参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/4
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005・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 神奈川県県土整備局長の大島でございます。
本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
私からは、神奈川県における盛土等の規制に関する取組について、地方公共団体の立場から意見を述べさせていただきます。
お手元の資料を御覧ください。
一ページを御覧ください。
こちらの写真は、昨年七月三日に静岡県熱海市で発生した土石流災害の崩壊地を撮影したものでございます。熱海市は神奈川県の県境に位置する都市でございまして、神奈川県内にも同じような地形がございますので、決して他人事ではないという、痛感した次第でございます。
二ページを御覧ください。全国知事会からの要望についてです。
神奈川県としては毎年国に対して法制化を要望してきたところでありますが、本県の黒岩知事は全国知事会の危機管理・防災特別委員会の委員長として、早急に国に対して緊急要望を行う必要があると判断いたしました。そのため、被災地の復旧を促進するための緊急要望を取りまとめまして、七月二十日になりますが、棚橋内閣府防災担当大臣に対して、八月四日には渡辺国土交通副大臣と堀内環境副大臣に対して、全国知事会を代表して要望を行いました。その後、八月の大雨の際にも知事は同様の緊急要望を取りまとめまして、九月七日には防災担当大臣に対して改めて直接要望を行いました。
三ページを御覧ください。
こちらは九月七日に棚橋内閣府防災担当大臣に対して要望した内容ですが、風水害対策等の強化に関する項目の一つとして、建設残土に関して法制化による全国統一の基準、規制を早急に設けることなどを要望させていただきました。このことは、盛土を規制する法律は複数あるものの、区域や規模によって対象とならない盛土が存在することや、建設発生土の処理について直接規制する法律がないことから、各自治体の条例により対応しているのが現状であるため、これらの要望を行ったものでございます。
四ページを御覧ください。国の検討会での意見発表についてです。
令和三年十月二十九日に、国が設置されました盛土による災害の防止に関する検討会の第二回会議におきまして関係団体へのヒアリングが行われまして、知事が自治体の立場から意見発表を行いました。ヒアリングの中では、全国知事会として、法制化により全国統一的な基準による盛土の規制を要望いたしました。また、この場で、神奈川県条例による規制の取組や、全国知事会のアンケート結果を基に盛土の規制に関する全国の状況や法制化に関する要望、意見について紹介をさせていただきました。
五ページを御覧ください。盛土の規制に関する都道府県の意向についてです。
先ほど御説明いたしました全国知事会のアンケート結果の中から、各都道府県の法制化の意向について御紹介いたします。
四十七都道府県に対して法制化の希望の有無について聞いたところ、四十六の都道府県が希望すると回答し、一団体がどちらとも言えないとの回答でありました。ただし、どちらとも言えないと回答した一団体も法制化による規制については賛同しており、当時は法律に規定される内容が明らかでなかったことからこのように回答したとのことでした。法制化が必要な理由は、広域的な規制が必要、条例の罰則に限界があり、全国統一の基準が必要、他法令の規制では限界ありなどとなっております。
このように、ほぼ全ての都道府県が盛土の規制に関する法律が必要と考えております。
スライド六ですが、ここからは本県の盛土規制に関する取組について御説明いたします。県条例の導入に至った背景についてです。
神奈川県では、バブル経済を背景に、昭和六十三年頃から建設発生土の不法投棄が多発いたしました。資料にお示しした写真はそれらの中でも特に規模の大きいものでございまして、平成七年頃にかけまして東京ドーム約三杯分に相当する四百万立方メートルを超える大規模な不法投棄が発生いたしました。
七ページを御覧ください。
当時は、土砂の処分に関する法的な規制がないため、不法投棄が行われている土地に対し農地法、森林法、河川法などの個別法令で対応いたしました。しかし、個別法令では森林や農地など適用される区域や盛土の規模などの条件が限定されており、また土砂の処分を規制する法体系ではないため、個別法令による対応に限界がありました。そのような背景から、庁内での検討を踏まえ、平成十一年十月になりますが、神奈川県土砂の適正処理に関する条例を施行いたしました。
八ページを御覧ください。県条例の概要についてです。
この条例の特徴としましては、対象区域は県内全域とし、許可、届出の対象は、二千平方メートル以上の区域において土砂の埋立てを行う場合は許可が必要となり、また、建設工事の現場から五百立方メートル以上の土砂を搬出する場合は届出が必要となります。違反に対する罰則も定めており、条例で規定できる上限の二年以下の懲役又は百万円以下の罰金としています。
九ページを御覧ください。県条例の施行、埋立て等の監視についてです。
県条例に係る許認可事務等については各地域の土木事務所が所管することとしておりますが、これに加えまして、埋立て等の監視を担当する部署を設置いたしました。この部署の体制ですが、人員は六名、うち四名が警察関係者となっており、神奈川県警察との連携も図っております。
業務内容は、県条例の施行に係る立入検査等や無許可埋立て等の監視パトロールとなっております。監視パトロールの実績ですが、令和四年四月の時点で監視パトロールの対象箇所数は四十一か所、その内訳は記載のとおりでございます。監視パトロールは、土日祝日を除きほぼ毎日実施しておりまして、年間の回数は、令和三年度実績で申し上げますと、延べ二百八十三回、箇所数にして延べ九百五十九か所となります。
十ページを御覧ください。
ここでは、神奈川県の地図に先ほどの監視パトロールの対象箇所数四十一か所についておおむねの位置を赤い丸で図示いたしました。監視パトロールを行う部署の、厚木南駐在事務所と申しますが、この事務所は神奈川県のほぼ中央に位置しておりまして、ここから毎日複数箇所の監視パトロールを行っております。
十一ページを御覧ください。県内市町の取組についてです。
神奈川県内では、三十三市町村のうち政令指定都市である相模原市一市を含む十九の市町が土砂条例を制定しておりまして、盛土等の規制を行っております。
十二ページを御覧ください。
多くの市町では、県条例の対象外となる五百平方メートル以上二千平方メートル未満の埋立てについて、市長や町長の許可を必要とするなどの規制を行っております。また、相模原市では、許可申請の前に、保証金を定期預金により金融機関へ預け入れした上で、市を質権者とする質権設定契約の締結を事業者等に求める独自の取組を行っております。
十三ページを御覧ください。県条例における主な課題についてです。
県条例の施行後に問題となった盛土の主な事例について御説明申し上げます。
一点目は、許可内容と異なる盛土が施工され是正指導を求めてきましたが、是正措置前に行為者が倒産した事例です。従前は土地所有者に是正を求めても対応されませんでしたが、平成二十四年七月に条例を改正いたしまして、土地所有者の義務とし、勧告や命令ができるようにいたしました。それでもなお、条例改正前の案件に対しては適用できないといった課題は残っておりました。
二点目は、無許可や許可内容と異なる行為等の違反行為に対して行為者が条例に基づく是正指導等に従わない事例です。これについては、条例の罰則には限界があり、違反行為に対する抑止力の効果が弱いために発生することと考えられます。
十四ページを御覧ください。盛土等対策の法制化についてです。
県条例の課題に対応する法案のポイントとしては、盛土の工事完了後も土地所有者等が常時安全な状態に維持する責務を有することが明確化され、また、原因行為者等に対しても是正措置等を命令可能、罰則を条例より高い水準に強化となっており、盛土規制法案の成立により、県条例の課題にも対応でき、有効な土砂対策が期待できるものと考えております。また、全国一律の基準、罰則による抑止力の強化など、要望を反映していただいた形で法律案を作成していただいたものと考えております。
十五ページを御覧ください。最後に、更なる安全対策の推進についてです。
本県では、法案の内容を踏まえ、更なる安全対策の推進に向けた当面の取組を進めてまいります。具体には三点ありまして、まず一点目は、農地、林地を含め関係法令、部局が多岐にわたるため、庁内及び関係市町村との連携体制を強化いたします。二点目は、規制区域の早期指定に向け、既存の地形データ等々の活用を含め、効率的な調査、調整の進め方について検討を行ってまいります。三点目は、建設関係団体等の関係業界団体を含め、災害の防止に向け普及啓発の推進を図ってまいります。
これらの取組を進めていく上で、国から地方公共団体への技術的、財政的支援が支えとなりますので、極めて重要であると考えております。
最後に、県民の安全、安心を確保するため、早期の盛土規制法の施行と国からの技術的、財政的支援をお願いいたしまして、私からの意見発表とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/5
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006・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
次に、高橋参考人にお願いをいたします。高橋参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/6
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007・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 本法案に対する意見を述べる機会を与えていただいたことに感謝いたします。
私は、全日本建設交運一般労働組合、略称建交労の全国ダンプ部会の高橋と申します。
私は、日常的に、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県を活動地域としている東海ダンプ支部の書記長として、静岡市の事務所で専従者としての仕事をしています。
昨年七月の静岡県熱海市の土石流災害については、令和元年から静岡県に残土条例制定の求めていた者として、じくじたる思いに駆られております。亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、二度とこのような災害が発生しないように、現場実態を知る労働組合として実効性のある法律や条例の整備を求めていきたいと考えているところです。
建交労全国ダンプ部会は、資料一から五にもありますように、昭和四十一年猿投ダンプ事故を契機に制定された土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、通称ダンプ規制法で規定されている、大型ダンプカーを自己所有し、元請業者や砕石業者の指揮命令に従って建設発生土や建設骨材を運搬している車持ち労働者を組織しています。
労働組合として、組合員の単価や労働条件を改善する闘争とともに、国交省も認知しておられる交通安全運動を熱心に取り組んでいるダンプ規制法十二条団体等として、過積載の撲滅を始めとする交通安全運動を推進しています。また、工事現場における違法行為を監視し是正させる運動にも取り組んでおり、今回の残土問題の解決のための要請行動を令和元年から国交省や都道府県へ行ってきました。
私たちは、危険な盛土をなくしたいと願う立場で、本法案では触れられていない民間ストックヤードのことについて危惧している点を申し上げます。
首都圏など都市部では、建設現場から発生する土量が多く、民間業者が運営するストックヤードに搬入されるケースが少なくありません。元請業者が施工中に管理するストックヤードと混同されがちですが、私が述べるのは元請業者とは別の民間業者が運営するストックヤードのことです。建設現場から都市部近郊に搬出した方が運搬費込みの処分代を抑えられるという建設業界のニーズによってつくられた業態です。
私たちが事前に国交省から伺った説明や、五月十一日の本会議や十二日の委員会などの御答弁を伺っていても、様々なストックヤード業者を一くくりにしているのではないかと奇異な感じを受けていましたが、十二日の委員会で国交省としてストックヤードの実態把握をするとの御答弁がありましたので、是非実態を早急に調べていただきたいと思います。
このストックヤードですが、これを運営する事業者は、自治体の土砂条例の許可を取得し、近隣の工事現場から搬入される土砂をストックしています。しかし、工事現場ごとに仕切られていません。ヤードのスペースは限られていますから、満杯になるのには時間は掛からず、ストックヤード業者は搬出を別の処分業者に依頼することになります。ストックヤード業者は、建設発生土の処分として建設会社から受け取る処分代と搬出する処分業者に支払う費用の差額で利益を得ることになりますので、どんどん土を入れてどんどん土を搬出します。そして、少しでも安く処分してくれる業者に依頼することになります。
ストックヤード業者と処分業者との間では、土質やダンプの荷台のサイズによって異なりますが、基本はダンプ一台当たりの運搬費と処分代込みの契約になっています。処分業者がその土をどこに処分するかをストックヤード業者が管理するのですが、実際は処分業者に丸投げというケースが少なくありません。処分業者はダンプ業者なのでダンプを保有していますけれども、足らない場合は他社に依頼するという重層下請になる場合もありますので、余計に分からなくなってしまいます。運搬距離は単価に反映されず、処分業者は利益確保のため、運搬コストの掛からない距離にある安い処分代の処分場を探します。この処分場はリスト化されておらず、同業者の口コミで紹介されたりします。その一部が危険な盛土になります。このような処分場は、適正に管理されている処分場に比べて処分代が安いのが一般的です。
処分代込みで建設発生土を運搬することもある組合員に聞き取りをした、資料七の、処分費、ダンプでいうといわゆる捨て賃、この相場の一覧を御覧ください。
ここには掲載されていませんが、神奈川県は大体一万七千円から二万円です。ありていに申せば、田舎や残土規制条例のない自治体では捨て賃が安い傾向にあります。具体的に言うと、埼玉県南部地域のストックヤードから栃木県北部の処分場まで運搬する場合、法定積載量の三倍以上の三十五トンの過積載をして、一台五万円程度が処分代込みの単価として支払われているようです。燃料代、高速代など経費を引くと、ほとんど利益は出ません。このため、帰りの空車をなくすために砕石などの運搬を行いながら、一日に十三時間くらいの稼働で仕事をしている実態もあるようです。資料八の公共工事への積算単価とでは比較にならない低い水準だと思っています。
熱海災害以降、自治体の審査が厳しくなり、新規の許可も出にくい状況が続いて、処分場不足が深刻な状況です。それに伴い処分代が上がっています。
ストックヤードから運ばれる処分場は自治体の条例の許可を取得していますが、取得していない処分場もあります。処分場の業者が今まで許可を取得していたとしても、別の新しい処分場の申請で許可されないケースが生まれているようです。
なぜかといえば、許可を申請する際、発生元証明を出します。これは、どこの工事現場からどのくらいの土を搬入するかを発生元の建設業者が証明する書類です。搬入されるべき土とは全く別のところから搬入されているというような実態があるため、解決策として、ある自治体では発生元として証明をした業者に電話で確認をするようになったため、その業者が証明書を発行しなくなり、処分場の業者は申請ができなくなってしまったという事例があります。これは、まずいことをしている証拠にほかならないと思っています。このような建設業者と関連しているストックヤード業者のヤードも、実は公共工事の指定処分先になっています。
本法案では今後は盛土を都道府県知事の許可制にするようですが、国交省のように専門職の職員数が圧倒的に少ない自治体の状況を考えると、職員の負担が増えるだけになりますし、国交省でも職員数が定員に達しない出張所も多数あり、品質確保法で規定されている国交省が自治体を支援、援助することが十分にできないと思っております。このため、法律どおりに本当に執行できるのか危惧しているところです。
やはり、建設発生土の発生元である各現場で発注者や元請業者が管理する必要性と同時に、自治体任せではなく国の関与を強めるためにも、国交省の職員の増員や再任用の処遇改善が必要なのではないかと考えています。
また、衆議院の委員会で、指定処分先の徹底やトレーサビリティーシステムの必要性について議論されていたと思います。しかし、問題はどこに指定するかであり、どこまでトレースするかです。そこの議論が抜けたままでは、法案が成立しても大きな抜け道を残すことになりかねません。
私たちは、この問題について国交省の見解を聞く機会がありました。職員の説明では、ストックヤードに搬入された土はそのストックヤード業者に所有権が移転するので管理責任もその業者に移転すると考えており、トレースは排出現場からストックヤードまでというものでした。
しかし、ストックヤード業者は建設業者から土を購入するのではなく処分を依頼される処分業者ですから、ストックヤードから最終処分場までトレースしなければ意味はないと思っています。もし仮にストックヤードまでのトレースで発注者や元請の責任が完了すれば、そこから先の土の行方はより巧妙に闇の中になると思っています。
五月十二日の委員会において、発注者と元請責任についての議論がありました。斉藤大臣は、民間工事では発注者が個人の場合もあり、専門家でもある元請業者が責任を持つこと、持つべきことが基本としながらも、過度な負担となる可能性があると御答弁されておられました。この過度な負担とは、建設発生土が混じってしまうということ、ストックヤードから最終処分まで長時間を要し、施工後も管理しなければならないという点を挙げられておられました。
しかし、ストックヤード業者に建設発生土を区分することを義務付けること、そして、先ほども述べましたけれども、ストックヤード業者はヤードが満杯になれば処分業者にすぐ搬出させているということからも、思っているような時間は掛からないと思います。十分に施工期間中に可能になると思っております。この期間に、最終処分業者から元請への受領証明を義務化するなど、そういうような仕組みをつくれば問題は解決するのではないかと思っています。
また、民間工事の発注者が個人の場合であっても、建設発生土の処分を含めた工事施工を元請業者に依頼するのですから、個人が家電や乗用車を廃棄する場合にリサイクル料を支払うことと同様に、元請業者に適正な処分費を支払うことで発注者個人としての責任は完了するはずですし、適正な処分費を受領した元請業者が最後まで責任を持つのは当然です。
これがNEXCOやJRなどの民間企業が発注する大規模かつ長期間の工事の場合、公共工事同様に、NEXCOやJRは自分で設計、入札を行いますから、発注者として最後までどういうふうに設計すればいいのかと考えて入札を行えばいいと思っております。この点は、内閣府の盛土による災害の防止に関する検討会の提言の二十五ページに、「公益性の高い事業を行っている会社等は率先して取り組むことが求められる。この旨をガイドライン等で明確化すべきである。」と指摘していることからも明らかだと思います。
例えば、静岡県での新東名高速道路や中部横断自動車道の建設工事において、各工区で発生した施工中に処分し切れない建設発生土を一時ストックし、道路開通後にその一時ストックした建設発生土を他工区へリサイクルを含む最終処分場に運搬するという工事を発注し、元請も施工している事例があります。この工事を別発注とするのか、道路建設工事に含めて発注するのかはありますけれども、あらかじめ決めておけば、元請若しくは発注者の方も施工を考えていきますので、それほど過度な負担になるとは思えません。
さらに、処分場については、民間任せにするのではなく、自治体が管理する処分場を各地に設置していただきたいと思います。
茨城県では県建設技術管理センターがストックヤードを運営管理していますし、京都府の整備公社が最終処分場を運営しています。これは、全国的にも検討してもらいたい事例だと思っています。
私たちの意見をまとめると、四点になります。
一、建設発生土の排出者である発注者、元請がその現場から発生した土について最後まで管理すること。二、適正な処分費用が最終処分場までの業者や末端で働くダンプ労働者にまで支払われるようにすること。三、国と自治体の責任で適正に管理されたストックヤードを処分する処分場を確保すること。四、委員会での御答弁にあるように、民間ストックヤードについて、自治体任せではなく、実態把握を国交省が行い、必要な措置を早急に講じること。
この四点が実現すれば、盛土問題は大きく改善されます。
最後に、五年以内に必要な場合は法整備を行うとの衆議院での修正案がありますが、五年と言わずに早期に法整備を行ってください。でなければ、資料九のように、違法改造車による不法残土処分が継続されてしまいます。今後も全国で熱海のような災害が生じてしまうのではないかと大変憂慮しているところです。行政や立法の不作為によるこれ以上の犠牲者が出ないように御審議いただきたいと思います。
以上で意見陳述を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/7
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008・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/8
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009・足立敏之
○足立敏之君 三名の参考人の皆様方には貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
私は、建設省、国土交通省で長らく勤務をしました土木の技術屋でございまして、身につまされる御発言もありました。こうした御意見を踏まえながら、よりしっかりと今回の盛土対策が的確に行われるように、これは国交省に是非ともしっかりお願いしたいというふうに思っております。
質問ということで、なかなかイメージがちゃんと私もできていなくて、雑駁な質問になるかと思いますが、お許しをいただきたいと思いますけれども、是非皆さんにお聞きしたいのは、今回のこの法律ができると、例えば熱海の土石流のようなことがどんなふうに抑制されていくのか、どのように期待されているのかというのをまずお三方からちょっとお聞きしたいと思います。大島部長からはもう大体聞いているような気もしますけれども、何か改めておっしゃりたいところがあれば、その点についてもお聞かせいただけたらというふうに思います。お三方から是非お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/9
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010・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) じゃ、挙手いただいて。
それでは、蔵治参考人、大島参考人、高橋参考人の順でお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/10
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011・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) この度の法律案は、大変短い期間で、災害を受けて、全国一律の形で、この長年懸案となってきた問題に対して国として取り組む姿勢を具体的に示したものだと思いますので、この法律が施行されるということで、これまで危険な状態で放置されていたような盛土というものが減少する、していくというような効果は一定程度はもちろん期待できるというふうに思いますし、そういう意味での意義は非常に高いんだろうというふうに思っているわけなんですけれども、一方で、やはり、実際に山地の森林のエリアというのは大変広うございますし、そこを、それを全て指定するということにも時間が掛かったりする、その間に雨が降ってきた、降ってくるケースというのもあろうかと思います。
ですので、これは一つの手段として有効だと思うんですけれども、さらに、それに加えて、先ほど私が申し上げたような、その既存の既に存在している法律による規制の運用であるとか、あるいはその危険な地域に居住していらっしゃる住民の方への一段の周知等を併せて行うということがやっぱりどうしても必要なのではないのかなということで、その組合せによって効果を発揮するというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/11
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012・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 繰り返しになる部分もあるかもしれませんが、全国一律の規制が法で担保されるということでございますので、これまで条例で各都道府県が規制をしていてばらつきがあった実態がございますので、そこが一律の規制で逃げ場がなくなるというような状況になると思いますので、そこは大きな前進だと思っています。それから、罰則が大幅に重くなりましたので、これが大きな抑止効果になると思っていますので、ここも大きな法案のポイントだと思っています。
神奈川県は、これまでもいろいろ、首都圏にあって結構処分場に困っていて、あるいは不法投棄がたくさんされた実態もございましたので、そういった意味で非常にこの法案に対する期待は大きなものがございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/12
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013・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 現場、建設発生土を運ぶダンプの現場の感覚からいきますと、今法案の中でかなり罰則が厳しくなったという点では、確かに両参考人のおっしゃるように、非常にそこは抑止力にはなると、そこは考えております。
ただ、先ほども述べましたように、もう、建設発生土が発生する現場、つまり、今までずっと長年、建設業界の中で建設発生土が現場では邪魔者なのです。これをどこかに早く移してほしいというのが一番の願いですから。最近は、建設リサイクル法で他工区に転用だとかということで、徐々にそこは改善されてきているとは思います、そこの点は。しかし、まだまだ本質的には、この土邪魔だよねと、なので、それをどこかに早く搬出してほしい、処分してほしいというのが、発注者でもあり、元請でもあり、そういう考え方を持っています。
だから、そこの点を縛るような、あなたたちがきちんと最後まで見なさいよというようなことをしない限り、まあいろいろな業者さんはいます、そういった業者さんが、じゃ、私がやりますよということで、不法投棄含めて不法処分というようなことが続いてしまうんではないかというような危惧をしている、その点を是非御審議いただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/13
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014・足立敏之
○足立敏之君 ありがとうございました。
蔵治さんの方から、ハザードマップのお話がありました、危険区域が分かるように示したらどうかというお話ありました。また、大島部長からも、規制区域の指定に当たって既存の地形データをうまく使ってというようなことをおっしゃられましたので、恐らく同じようなことになるのかなと思うんですけれども。
私もずっと河川関係の行政やっておりましたけれども、平野部の三次元の地形データというのは比較的あります、浸水区域のハザードマップを作るためにありますけれども、山間部、先ほどおっしゃられたような三次元の地形データというのはなかなか必ずしも十分取れていないところがあると思うんですね。そういったところに、うまく取れていれば、盛土のデータとかをかぶせればすごくハザードマップ的にも分かりやすくなるというふうには思いますけれども、その辺の取組を今後どういうふうに進めていけばいいのか、少しアドバイスを蔵治参考人と大島参考人から伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/14
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015・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) ハザードマップに関しては、これまでそれぞれの森林の部署と例えば防災の部署というような形で縦割りになって、それぞれの指定等が別々になっていたという時代がございましたけれども、最近そこは都道府県さんも大変努力されていて、一つのハザードマップを見るとそれがもう重ねて表示できるようになっているという県が増えてきているかと思います。で、その上に更にこの度の特盛区域というものが重なっていくような形になっていくので、それをやること自体はそんなに難しいことではないのかなと思っています。
一方で、その既存の制度の中で、例えば保安林であるとか砂防指定地等の規制がありまして、この規制は土地所有者の方の私権を制限するような制度になっていて、地番ごとに定められることになっているんですけれども、そのような地番ごとに細かく指定するような形のものが必ずしもその既存のハザードマップ上では表示されるようにはなっていないのかなというふうに思いまして、それは個人情報の関係とかもあるのかもしれませんけれども、やはり究極的には、保安林、砂防指定地等も含めて、自分の住んでいらっしゃる場所に被害を及ぼすような上流域等にどのような規制が掛かっているのかというのは、やはり全体像を国民に共有した上で、じゃ、仮に保安林指定なりが掛かっていない場合、そこを、じゃ、今後どうしていけばいいのかということをその地域の住民の人たちと行政が一緒になって考えていくということが必要ではないかというふうに思いますので、可能な限りその情報をまずは公表をし共有していくという取組を被災される可能性の方々と進めていくということが求められますので、その中にこの特盛区域の指定というのも含めていくということは重要かというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/15
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016・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 三次元データ等のお尋ねだと思いますが、実は、今回我々も中でよく調べましたら、私どもの県土整備部局はデータ持っていなかったんですが、他部局で山間部の三次元データをしっかり持っていまして、こういったものをこれからこの基礎調査、この新法の基礎調査にもうまく使えればいいなと思っています。逆に、山間部のデータだけしかない実態もあって、町中のデータがなくて、今回の法令で人命を守るというところが主眼でございますので、ですから、私ども県土整備部局の方で、むしろ人家に連檐しているようなエリアについては新たに三次元データ等を取っていかなきゃいけないかなと思っています。
また、データという観点からは、土砂災害警戒区域の指定がここで終わりましたので、その際に急傾斜ですとか地すべり等々については、沢筋のデータがしっかり取れていますので、そういったものが今回の基礎調査にうまく活用できればかなり労力が省けると思っていますので、これからいろいろガイドラインが出るということでございますが、極力そういう既存のデータが活用できるようなガイドラインになれば有り難いなと思っているところでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/16
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017・足立敏之
○足立敏之君 ありがとうございました。
私のこれまでの知識ですと、直轄の砂防エリアなんかだとすごく丁寧に三次元のデータで情報が取れていて、いろんなハザードのデータをかぶせるというのはできているというふうに思うんですけれども、いや、神奈川県さんすごく進んでいらっしゃって、いろんなデータがあるというのはお聞きして少し安心したんですけれども。
ただ、神奈川県さん大分進んでいるかもしれないけど、全国的に見ると、先ほどおっしゃられた三次元のデータまで、山地部まで押さえている自治体って少ないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、仮にそうであれば、例えば国交省とかがしっかり予算付けて、航空写真データはあるわけですから、そういったものをベースにして、三次元のベースマップみたいなものを各県で作っていったらどうかなというふうに思いますけれども、大島参考人、それから蔵治参考人の御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/17
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018・大島伸生
○参考人(大島伸生君) まさにおっしゃるとおりだと思いまして、既存の、我々ある意味進んでいる部分はあるかもしれませんが、これからこの新法にしっかり対応していくためには、逆に町中の部分の人家に連檐した部分のデータがありませんので、それをしっかりやっていかなきゃいけないと思いますが、やはりコストが掛かりますもので、ここにつきましては是非国交省さんの方で支援制度をつくっていただければ、そういったものを活用させていただいて速やかに整備していきたいなと思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/18
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019・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) 大変重要な御指摘かと思います。
それで、森林に限って言いますと、やはり森林の立場からは、現在の森林の状態がどうであるかということは木材生産の観点からも非常に重要なことなので、最近では航空機レーザー測量という形で、森林域に飛行機を飛ばしてそこの樹木の様子等をデータ化するということが全国では進んでいると理解しています。そのときに実は地形のデータも副産物としては同時に取れているということなんですが、残念ながらそれは森林の樹木としての、木材としての、資源としてのデータと見られてしまって、防災のためのデータというふうに見られていない可能性があるかと思います。
ですので、この機会に是非その森林部局の方も、そういう航空機で得た測量データ等を危険な地形あるいはその特盛区域のポテンシャルのあるエリアとしてそのデータを活用できるかどうかというような検討もされるのがよいのかなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/19
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020・足立敏之
○足立敏之君 ありがとうございました。
時間も迫ってまいりましたが、蔵治参考人、大島参考人、あっ、いや、高橋参考人か、国交省の人員不足のお話がありました。私も国交省におりましたので身につまされておりますけれども、やはり、特に技術職、砂防職の人間なんというのは非常に少なくて、どんどん人員削減で減らされてきたところがあります。今日のこうした御意見も踏まえて、しっかりと人員増に国交省に取り組んでいただくようにお願いしたいというふうに思います。
以上で、質問はこの辺にします。今日はどうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/20
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021・野田国義
○野田国義君 野田です。よろしくお願いいたします。
今日は、三人の参考人の皆様方、本当にありがとうございます。
それで、まず大島参考人に、この間からこの委員会で長浜理事の方から、百条委員会があるという日の質問でございましたので、熱海の百条委員会があるということで、翌日その結果が報道されておったところでございます。
それで、よく言われるのは、神奈川県が厳しい条例を作ったんでその熱海の方に結局捨てたんじゃないかと、盛土したんじゃないかと、そんなことを言われるわけでありますけれども、しかし、ちょっと余りにもこれ、だから全国の一律の今回法改正をということにつながっているわけでありますけれども。
ただ、その百条委員会の中身を報道を見てみますと、何か、前所有者は造成への関与を否定と、現所有者が存在を知らぬと主張とか、そういうことが言われたということでございますけれども、本当に何かひどいというか、証人尋問が行われたということでございますけれども、恐らく大島参考人も読まれていると思いますけれども、この結果。
それからもう一つは、十三日に発表されているんですかね、五月の。県、市の盛土対応が失敗というようなことで、第三者委員会ですか、いろいろと第三委員会の最終報告書が挙げられております。連携が不足したとか、責任認定がなっていないとかですね。そういうことが評価されているわけでありますけれども、このことについてどのような感想をお持ちなのかなとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/21
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022・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 熱海の百条委員会の件は新聞等々の情報で拝見しているだけなんですが、神奈川県が厳しい規制を置いたから結果的に周辺に流れてしまったというふうな報道もされておりますが、そういった実態は確かにあるのかどうか、ちょっとそこは分かりませんが、神奈川県もかつて、先ほど御説明申し上げましたが、昭和六十三年頃、非常にひどい不法投棄されまして、やはりそこを取り締まるときに何も根拠になる法令ございませんでしたので、どうしようかとしたときに、やっぱり県も、市町村頑張って条例作ってくれみたいな働きかけを一生懸命したときがありました。市町村がそのときに幾つか作ってくれたところもあったんですが、やはりあるところとないところ、条例がある市とない市で差ができますので、やっぱりそのとき神奈川県としても考えましたのは、やはり県として条例を持たないとこれまずいなということで、で、平成十一年頃に条例化に突き進んだという状況ございます。
そのとき、当時の資料をつぶさに確認はできておりませんが、やはり同じように、県としても県条例作らないと条例ないところに流れるという実態は多分確認できたと思いますので、県条例作るときに周辺の山梨県さん、静岡県さんにお声掛けはしたんだと思いますが、そんな中で神奈川県が少し先行したという形があったのかもしれませんが、そういう状況は少し考えた上で当時も対策は取ったんではないかと、済みません、推測でございますが、考えているところでございます。
それから、県、市の連携ですが、県、市の連携、静岡県の状況もちょっと分からない中で、神奈川県の状況だけ申し上げますと、やはり県条例が二千平方メートルを超えるものを対象にして、それに下回るものは市町村条例という切り分けしているんですが、やはり二千超えるかどうかという微妙なところが結構ございまして、本県の場合には、そこは県の職員と市町村の職員が一緒に現場確認して、簡単な測量までした上で、ああ、二千平米あるなとかないなとか、そこはしっかり協調した中で対策取っておりまして、決してそこは、お互い条例を持っている中で意思疎通しっかりしながら確認ができていると思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/22
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023・野田国義
○野田国義君 先進地として神奈川県が取り組んでいただいたということ、これ非常に評価をしなくてはいけないと思っているところでございます。
それで、どうしても今度、全国一律になると、いわゆる、熱海でああいう事故が起こったということでございますけれども、結局イタチごっこみたいな形でなって、それで結局捨場が制限されるような形になってくると、結局、一番の問題はそこなんですよね。先ほどは仮置場、中間施設の話されておりましたけれども、結局どこにその建設発生土を持っていくかということが一番問題なところなんですけれども、大島参考人としてはどういう形でそれを対応していった方がいいのかということはお考えでしょうか、行政マンとして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/23
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024・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 本県の事情を申し上げますと、公共工事等で発生する発生土につきましては一〇〇%指定処分ができておりまして、先ほど指定処分にも問題あるんだという御発言ございましたが、指定処分で行き先が全部確認できているというところがございます。
ただやはり、問題は、民間工事で出る土砂がどこに流れているかというところは一〇〇%は確認できておりませんで、そこがしっかりと持っていき場が確認できないところにやはり若干の問題は残っていると思いますので、そういったところをこれからしっかりとフォローできるようになれば、捨場という観点から申し上げればかなり問題は減ってくるのではないかと思っております。
以上です。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/24
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025・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 野田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/25
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026・野田国義
○野田国義君 済みません。
それでは、高橋参考人の方にお伺いします。
それで、なかなか今の現状の厳しい状況をいろいろと指摘をいただきました。ですから、建交労ですか、が取り組んでいただいておるように、その元請の責任とか適正単価の確保とか、また行政の方で処分場の設置をというようなことを言っていただいているわけでありますけれども。
それで、私、ちょっと関連の記事を読ませていただきまして、元請事業者に対し搬出時に搬出先から交付される土砂受領書の確認を新たに義務付けるべきではないかということを提案されているようでございますけれども、私、このことが一番必要なことかなと思うんですね。これがうやむやになっているから本当におかしいということ、特に今、民間関係がそうなっているんだと思いますけれども、このことについてもう少し詳しく話していただければと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/26
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027・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 受領書というのが、要は、元請さんが例えば中間ストックヤードに持っていってそこで終わりということであれば、土が混ざってしまって、いろんな現場からの土が混ざってしまってどこにまた再搬出していったか分からなくなってしまうと。ですのでそれを、この工事はこのヤード、この工事はこのヤードというふうに仕切りを作って、満杯になればそれをどんどん排出すればいいだけの話ですから。
それで、どこに持っていったのか、ヤードから、ストックヤードからどこに持っていったのか、ちゃんとここで処分していますよと、だから問題ありませんよというような一連の仕組みとして、要は、最終処分場の業者さんが、はい、私は確かに何万立米を受領しましたよというようなことをきちんと元請に報告をする、それでようやく完了するというようなことにすれば、それが結局、紙の媒体だったり、それはちょっと煩雑になるねということでトレーサビリティーでスマホを使ってみたりだとかというようなのをいろいろ国交省さんも研究されていますし、試験的に運用もされています。ですので、それを最終処分場のところまで全部やっていただければかなり改善されるんではないかというふうに考えているというところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/27
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028・野田国義
○野田国義君 ですから、私、産業廃棄物で非常に苦労したんですね。そうなると、やっぱり最終的にはマニフェストをちゃんと作っていくというか、そういうことが大切なんじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/28
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029・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 産業廃棄物収集運搬、産業廃棄物の処分の関係でいきますと、リサイクル、建設リサイクルの観点でも一番優秀なのはアスファルト合材だと思います。道路をめくって、それを材料にしてまた新しいアスファルト合材を作ると。それにも全部、産業廃棄物収集運搬の許可もダンプも持っていますしということで、そこは、どこから持ってきて加工して、また更にどこに持っていくのかというのははっきりしています。
ただ、そういったことを、その産業廃棄物収集運搬のようにするのかどうなのかというのは、一つ、その現場実態からすると、ダンプの人がまた全員その収集運搬の講習会を受けてだとかというふうになってくると非常に煩雑になってしまうと、費用も掛かってしまうということにもなりかねませんので、トレーサビリティーということで、スマホなり又はGPSの装置というのを元請がダンプに貸与するだとか、下請さんでもいいですけれども、そういう形で、どこに持っていっているのか、又は中間ストックヤードから、じゃ、最終処分場までもそういうようなシステムの中に組み込んでしまえば、そこは、どういうふうに持っていったのかというのははっきりするんじゃないかというふうには思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/29
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030・野田国義
○野田国義君 そうですよね。マニフェストとまではいかなくても、そういうことを明確にしていくということが大切なことじゃないのかなと私も思います。
それから、蔵治先生の方にお聞きしたいと思いますけれども、林業の専門家ということであられるわけでありますけれども、本当にそういったごみとか産廃とかこの建設土とか、山が荒れているところに捨てるケースが非常に多いんじゃないのかなと思うわけでありますけれども。
それで、今御承知のとおり、今日は木材関係が五六%も上がったと、恐らくロシア危機というかそういうことで。本当に家を建てるのにも、建設、これ大変だと、そういう今後になっていくかと思いますけれども、全体的なその山を守るという意味で今後どうしたらいいのか。
私も、土石流が、地元の福岡で北部九州豪雨で、結局、本当の山、盛土がなくてもああいう形で流されてしまう、そして本当に海まで、流倒木と申しますか、そういうのがたくさん出て大変なことになったわけでありますけれども。この辺りのところを、ちょっと山を守るという観点から一言いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/30
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031・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 時間が迫っておりますので、端的にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/31
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032・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) はい。
おっしゃるとおり、現在、木材の状況は変わってきておりまして、全国的に伐採、林業活動盛んになります。そうしますと、山にどうしても道が必要で林道はどんどん造るんですけど、実は林道というのがあると土砂にしろ廃棄物にしろ来てしまうという現実ありますので、やはり多くの人がそれに関心を持って、そういうことが起きないように目を掛けていくというか、頻繁にそこに人が出入りして変なことがないかどうかを見ていけばそれが抑止力になっていくのかなということなのかなというように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/32
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033・野田国義
○野田国義君 どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/33
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034・塩田博昭
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
本日は、お忙しい中、三人の参考人にお越しいただきまして、大変にありがとうございます。
盛土規制法案による新たな規制や強化される罰則について、実効性の確保など含めてどのように御評価されているのかを全体でお伺いをしたいなというふうに考えております。
まず、蔵治参考人にお伺いをしたいと、このように思います。
先ほどもお話しされておりましたけれども、森林は複雑かつ多様であるというようなことでございますけれども、森林における盛土や切土の行為、またあるいは、本法案によるこれらへの規制について、森林という特性上特に留意すべき点を御教示願いたいなというふうに思っております。
あわせて、もう一点、森林を残土処分場などに利用する場合、土砂災害との関連性についても併せて教えていただきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/34
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035・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) ありがとうございます。
質問二点いただいているんですけれども、一つは、やはり森林ならではの特性ということですが、森林はまず面積がとても広いということで、その広いところを少ない人数の人間で見ていかなきゃいけないという困難があると。それから、複雑かつ多様なものなのでなかなか画一的な科学的な基準というのを作りにくいと、ケース・バイ・ケースということが多いということがあると思います。
それから、森林が国民に対して与えてくれる便益とか価値というものは非常に多様でありまして、災害防止というのはそのうちの一つですけれども、それ以外にも木材生産だとか水資源の確保であるとか快適な環境の形成だとかありますので、そういうものを総合的に判断しないと森林の管理の判断が難しいということがあると思います。
ですので、そういう意味で非常に複雑であるということが森林の取扱いにとって一番重要な配慮事項になると思います。
もう一点は、森林を残土処分場に転用するというケースですけれども、現状でも一ヘクタールを超える普通林の森林の開発は林地開発許可制度ということで運用されているんですけれども、その林地開発許可制度の中ではやはり土砂災害の観点も十分審議会の意見を聴きながら決めているところでありまして、その中では、例えば、こういう形で森林が残土処分場になった場合で、かつそこに大雨が降った場合にどのような形でその土砂が動くかというようなことを、現場に実際にその審議会の委員が行って、現場で自分の目で見ながら点検をするというような形で運用されている例もございますので、そういう形で様々な技術基準を満たす対策が取られているということを踏まえて、かつ総合的なほかの森林の働きについても見ながら林地開発許可を出しているという実態がございますので、そういう形で残土処分場に転換される森林というものも現時点でも一定数は存在しているのかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/35
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036・塩田博昭
○塩田博昭君 ありがとうございます。
森林を残土処分場にする場合もやっぱりいろいろ難しい課題もあるなと今伺っていてもやはり思いましたので、今後はやはりこの法律案の中でしっかりそういうようなものに対して取組ができるように進めていけれるように我々も頑張っていきたいと、このように思います。
次に、大島参考人に何点かお伺いをしたいと思いますけれども、一点は、香川県における不適切な盛土等の状況についてや、これに対する県の独自条例による対応の限界とか、また対応に苦慮している点があれば具体的にまずちょっとお教えいただきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/36
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037・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 不適切な事例ということですけど、条例、やはり限界もありまして、先ほど御説明したとおりなんですけど、やはり罰則が緩いというところで少しやっぱり足下を見られるところがあるのかなと思っておりまして、いろいろ条例上も勧告したり、更に進んで命令することもできる条例にはしておりますが、命令の一歩手前に来ると我々に恭順するような姿勢を見せて、一旦指導に従うみたいな姿勢を取るんですが、なかなかそこで時間稼ぎされちゃっているのかなみたいなところもあって、一向にそのやると言ってもらったことが進まないみたいな事態がどうしてもありまして、対応に苦慮しているというところがございます。
ですから、県条例、やはり罰則の限界があるところが一番ウイークポイントかなと思っておりまして、全県を網羅して、エリア関係なく全県を網羅する条例にはしておりますが、やっぱり罰則の足下見られているところが一番大きなウイークポイントかなと思っております。
盛土総点検も終わって、直ちに危険だという箇所が一つもなかったところは一つ安心材料だったんですが、ただ、やはり手続がなされていないですとか、それから少し大雨のときには、この盛土体少し不安だなみたいな箇所、排水が不十分だなみたいな箇所もございましたので、そういった箇所は速やかに、もうこれから出水期迎えますが、速やかに対応していかなきゃいけないところが何か所かございまして、そういったところをしっかりとこれからやっていくというのがやるべきことかなと思っています。
その辺しっかりやっていくというところが、頑張らなきゃいけない反面、苦慮しているところでもあるという状況でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/37
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038・塩田博昭
○塩田博昭君 ありがとうございます。
引き続き大島参考人にお伺いしたいと思いますけれども、本法案による基礎調査、また規制区域の指定、盛土等の工事の許可等に当たって都道府県の担当部局の負担が増すと思われますけれども、法律成立後の執行体制についてですけれども、人員の確保等も含めて十分な体制を取ることはできると見通されておられるのか、率直な御意見をまずお伺いしたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/38
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039・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 今国会の法令が施行されますと、基礎調査が位置付けられます。基礎調査は、先ほどもちょっと申し上げましたが、これからガイドラインが示されてどういう調査するか明らかになってまいると思いますが、基礎調査がこれまで私どもが条例を運用している中ではやっていなかった事務になりますので、その部分が純粋に事務負担が増加すると思っております。
その部分を既存のデータ、先ほど申し上げました点群データですとか、それから土砂災害警戒区域を指定したときのデータ、これは現地に入って調べたりしていますのでかなり詳細なデータもございますので、そういったものがうまく活用できるようになればかなり負担が軽減できると思いますので、まずその基礎調査が一番純増だな、事務的には純増だなと思っていまして、その部分をいかに軽減できるか、その辺をこれから、政省令それからガイドライン等々を拝見しながら対応を考えていきたいと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/39
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040・塩田博昭
○塩田博昭君 今のは、十分対応できると、こういうことでよろしいんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/40
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041・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 基礎調査以外の事務については、条例を運用している中でそれほど負担増にはならないと思っておりますので、基礎調査の部分だけだと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/41
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042・塩田博昭
○塩田博昭君 ありがとうございます。
もう一点ちょっとお伺いしますけれども、これまでの衆議院における国会答弁によりますと、政府は、本法案の運用に関して、都道府県に対して丁寧なガイドライン等を示して国交省の地方整備局による技術的な支援等を講ずると、このようにしておりますけれども、これらのほかに本法案の運用に当たって政府に対して対応や検討を求める点があれば率直にお聞かせいただきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/42
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043・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 現在伺っておりますのは、御指摘のように、政省令が出て、そこでガイドラインが示されて、それでやるべきことが明らかになってくると思いますので、その中で、現在県が対応しているマンパワーでどこまで対応できるかまずはしっかり検討して、で、地方整備局からも御支援いただけるというお話もございますので、どの部分が不足して、どの部分をカバーすればしっかり事務が回るかというところは改めて政省令、ガイドラインを拝見した中で検討して、足らない部分があればそこは率直に地方整備局さんにお願いをして支援を求めていこうと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/43
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044・塩田博昭
○塩田博昭君 ありがとうございました。
次に、高橋参考人にお伺いしたいと思います。
国土交通省は、不適切な建設発生土の埋立事案の発生を防ぐために、全ての公共工事発注者に指定利用等の原則実施を要請をして、処分費の積算への計上を徹底するとともに、発注者への報告と建設現場への掲示を義務化する等の措置を講ずると、このようにしております。
こうした国交省による対応への評価と、不適切な建設発生土の埋立事案の発生を防ぐためにどのような取組が必要と考えるのか、御所見をお伺いしたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/44
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045・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 国交省の方々に、各出先の事務所の方々にお聞きしても、国交省はもちろんですけれども、県ですとか政令市ですとかいうその公共工事を発注する発注者に、建設リサイクルという観点で、やはりどこに持っていったらいいのか、ここの工区では必要なのか必要でないのかというような調整をするわけですけれども、それを盛んにやられているというのは承知しております。
だから、それはもっと徹底をしていただければというふうにも思いますし、あと問題なのは、やはり民間工事ですよね。ですから、そこにその民間工事で出た土も含めて調整をするというのはなかなか進んでいないような実態もあります。ですので、そこら辺をもう少し国交省、国として都道府県、自治体と連携をするというようなことは必要かなと思います。
あと、不法投棄の現場なんですけれども、これはなかなか見付かりにくいと思います。ただ、そういう不法投棄をするような現場には違法改造車のダンプが大体動きます。ですので、私も静岡なんですけれども、どこをどう走っているのかというのは大体つかんでいます。さらに、県警さんですね、静岡県警にもそういう証拠写真を含めて提出していますし、静岡県警もそこは熟知しています。
ですので、そういったところで、ここを通るダンプを追跡するだとかという手間は掛かります。手間は掛かりますが、そういったことをしない限りはちょっとなかなか、ああ、こんなところにというようなこともありますし、関東の千葉だとか埼玉は平地ですけれども、えっ、こんなところに不法投棄というのか、許可も得ないで盛土しているなんという実例もありますので、そこは非常に難しいですが、県警さん若しくは自治体なんかとの協力というような形が一番見付けやすいのではないかとは思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/45
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046・塩田博昭
○塩田博昭君 ありがとうございました。
今日の皆様三人からいただいた御意見、しっかり次の審議に生かさせていただきたいと思います。
本日は大変にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/46
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047・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
今日は、三人の参考人の皆様、本当ありがとうございました。大変今後の質疑に資する御意見をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。
それでは、順次御質問させていただきたいと思います。
まず最初に、蔵治参考人に二点ほどお伺いしたいと思います。
まず一点目が、参考人から資料十八、今日御説明いただきました。技術基準ですとか、今後の規制区域を行っていくに当たってのガイドライン、より明確かつ具体的にきめ細かく、本来であればこういった基準を示していくことは大変重要だというふうに考えております。
先回の議論だとか、今後の議論でもこの辺りは論点にはなろうかというふうに思っていますけれども、なぜ具体的な基準とかが置けないのか、参考人としてどのようなお考えがあるのか。やっぱり、もっと明確にこういったところをやっていくことが今後の区域指定をやるときなんかも非常に重要だというふうに思いますけれども、参考人の御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/47
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048・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) ありがとうございます。
やはり、日本の森林がほとんどが山地、傾斜地の地形のところに存在していまして、御存じのように、地形というのは決して一定の形ではなくて、一つ一つの現場が全て違う形をしているわけでございます。
そういうところで、例えば更に地質の面からいうと岩盤の種類とかもそれぞれ違っていたり、あるいはそこに降ってくる外力としての雨なんかも場所、地域地域によって降る雨の量とか強さとかは様々でございまして、そういう多様な自然を相手にしているというのが一つ大きな点で、なかなか平地で工事をするというのと同列に扱えない部分、複雑性というのがあるということですね。なので、どのような技術基準を定めてもそこに限界がどうしてもあるといいますか、やはりそのケース・バイ・ケースということが避けられないようになっているというのが一つと。
もう一つは、やはり森林に求められる部分というのが、必ずしも土砂による災害ということだけではなくてそれ以外のこともたくさんありますので、そういうものとのバランスを取らなきゃいけないとなると、やはりある程度の基準はできたとしても、その先については、やはりその現場を熟知している人間あるいは専門性の高い人間というのがやはり総合的に見なきゃいけないというところがどうしても残るという特徴があるんじゃないかと思います。
そういうこともあって、森林法では、現在、その林地開発許可制度でも審議会の意見という、聴くという仕組みを採用されているのかなと思いますので、科学が進歩して厳密性を高めるということが必ずしも適切でないような対象であるという限度、限界があると、そういうふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/48
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049・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
全国のこの一律の基準を設けたとしてもそこには限界があるということなのかなと今の御意見聞いて受け止めましたけれども、一方で、このばらつきが出ないようにやっぱり対応していくというのも、これ非常に重要な視点だというふうに思っていますので、引き続き、そうしたそれぞれの地域、都道府県ごとに対応がばらつかないような仕組みをどう担保していくのかというのは今後の質疑でも深めていきたいと思います。ありがとうございます。
二点目が、森林の境界確定、これがなかなか進んでいないという認識を持っていまして、この境界確定が行われないことで防災対策にどのような影響が出ているのか、もっと早急に森林の境界確定、日本全体でやっていく必要があるというふうに思っているんですけれども、それとの災害対策との関係について、参考人の御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/49
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050・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) ありがとうございます。
これも大変重要かつ深刻な問題でありまして、結局、森林には所有権があって土地の所有者がいらっしゃるわけですけど、その所有者が仮に特定されていたとしても、その所有者の方が自分の土地がどこが境界だか分からないという状況が至る所にまだあると、地籍調査等が進んではいるんですけれども、まだ全国網羅できていないということがありまして、やはり森林に何をするにしても土地所有者の了解というのは必ず必要なことでありますから、その盛土についても、その盛土、この法律の中で土地所有者の義務であるとか、あるいは罰則であるとかということになっても、じゃ、そもそもそこが誰が所有しているのかというようなところでその不確実要素が残っているということがありますと、それはやはり運用上非常に大きな支障を来すというか、その所有者を特定して境界測量してというところから始まることにもなるので、やはり国土を安心、安全に管理していくその基本中の基本としてのその土地の所有者の確定、境界の確定というのがある中で、それは防災上も非常に大きな問題になるケースというのは当然出てくるのかと思います。
ただ、それは非常に手間とコストも掛かることなので大きな課題となっているので、今日の私の意見表明では、それも大事なんだけれども、やはり被災される方々の方に注目して、適切な避難行動等をお願いするということもやらざるを得ないのかなという話をさせていただいたところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/50
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051・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございました。
では、続きまして、大島参考人にお伺いしたいと思います。
まず一点目が、先ほども少しありましたけれども、国は、熱海の土石流災害受けて全国で三万六千か所に既存の盛土について点検を行いまして、課題がある、対策が必要だという盛土が全国で千八十九あったというふうに報告を受けております。
神奈川県において、今回の調査において対応が必要とされた盛土がどの程度あったのかどうか、さらに、対策の優先順位付けをしっかりやっていく必要があると思うんですね、緊急度の高いものからそうでないものというふうに層別されると思いますので、そうした優先順位付けは神奈川県で実施をされているのかどうか、その辺の実態についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/51
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052・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 盛土総点検ですが、神奈川県内、全部で六千五百か所の点検いたしまして、目視等で盛土体の安定が損なわれていないかとか、そんな調査いたしましたが、その結果、五十か所において何らかの問題があるという状態でした。ただ、直ちに、放置するとすぐ安全性に問題があって崩落するおそれがあるみたいな、そういう危険な箇所はありませんでしたが、五十か所のうち、そこまででなくとも災害防止措置が不十分、要するに排水措置等が十分じゃなかったみたいな盛土が全部で三十か所ございました。
あとは手続が取られていない等々があったんですが、五十か所のうち一番優先順位高いなと思っておりますのは、この排水措置等が、災害防止措置が十分じゃなかった箇所、これはやっぱり長期的には放置したらまずい盛土だと思っていますので、ここが優先順位はまず真っ先の一番目だと思っています。
そこにつきましては、もう盛土総点検で盛土体全部洗い出ししましたので、危険な箇所を分かっていないという状況は許されないと思っていますので、今申しました災害防止措置が十分じゃないところ、これを真っ先の優先順位一番に置いて対応を進めているところでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/52
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053・浜口誠
○浜口誠君 御丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
続いて、今後、都道府県等が、区域指定ですね、宅地造成等工事規制区域ですとか特定盛土等規制区域を指定していくに当たって、やはり必要十分な区域をしっかり指定していくということが非常に重要だというふうに思っております。都道府県等においてこの区域指定を必要十分漏れなく指定していく、そのために今後重要となる視点が、都道府県側から見てこういった点がやっぱり重要だと思われる点がありましたら、是非御教示いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/53
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054・大島伸生
○参考人(大島伸生君) これから区域指定の事務を進めていくわけですが、おっしゃられたように、漏れがあってはいけませんので、人が替わっても同じ目線でもって点検していく必要があると思います。
私どもはもう条例で、これまでもパトロールも含めて危険な箇所というのはそれなりに察知をしておりまして、そういったところはこれから重点的にやっていくのかなと思いますが、やはり、ここは少し国にお願いになりますが、政省令それからガイドライン等々で、やはり見る人によって観点が変わってはいけませんので、区域指定に当たっての検討の観点をしっかり明示していただいて、それを見れば誰がやってもぶれがなく画一的にできるという状況が望ましいと思いますので、そういった点をお願いしたいと思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/54
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055・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
解釈等でばらつきが出ないように、しっかりその辺の、ガイドラインがガイドラインにしっかりなれるような内容になるように、我々としても国交省とは議論させていただきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
最後、もう一点。
今日いただいた資料の中で、パトロールというのをやっておられると。今後もこういった監視機能というのはすごく重要かなというふうに思っているんですけれども、今後、法改正が行われていろんな区域指定が広がることによってこういった監視機能の負荷というのは高まるのではないかなというふうに感じておるんですけれども、その点に関して、都道府県側としてどのような認識を持たれているのかという点について御意見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/55
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056・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 新しい法律をしっかり担保していく上でも、ただ申請者側の申請を待つのではなくて、我々もパトロールをしっかりして未然防止するというのは重要だと思っています。
早期の段階でやはり土砂の搬入を止めないと、一たび動き出すとなかなか止まらないという状況もございますので、まさにパトロールをしっかりして未然に防止していくという取組がある意味これまで以上に必要だと思っていますので、我々は幸い、先ほども御説明申し上げましたが、パトロール体制しっかり取っておりまして、県警の協力もいただいてそこは進めておりまして、非常に、やはり県警の協力をいただけるといざというときに職員も心の助けになるので、安心して現場に行けるという状況もございます。ですから、こういった体制は引き続きしっかりと堅持して、法施行後もしっかりとやっていきたいと思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/56
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057・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございました。
では、続きまして、高橋参考人にお伺いしたいと思います。
今日も資料七ページでいろんな地域ごとの状況について御説明いただいたんですけれども、この資料を見ると、やっぱり地域によって相当対応の額なんかも幅があるなと正直に受け止めました。
そもそも、こういった地域によっての差が出ている背景ですとか要因、その辺り、どのように分析をされているのか、御意見をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/57
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058・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 確かにばらばらなんですが、この表に、先ほども申し上げましたが、残土規制条例というのが千葉県から始まりましてかなり全国各地にできております。その中では、やはり許可制になっているだとか、罰則は確かに緩いものはあるんですけれども、やはりそれに踏まえた上で、何平米以上は駄目だだとかというようなことで、対策も、雨水管理だ何だもきちんと行わなければならないという状況が生まれています。ですので、お金が掛かるわけですね、処分場の中で。ですので、それに見合うような捨て賃、処分代をもらわないと赤字になってしまいますので、ですから、そういったことで、条例のあるようなところではやはりなかなか、もう安く処分場を運営することができないと。
ですので、一番端的なのは、私、静岡ですので、神奈川からどんどんどんどん、あっ、失礼、首都圏からですね、首都圏からどんどん運ばれますけれども、やはり静岡県として残土規制条例はなかったんです。令和元年に三重県でできました。その前には岐阜県でありました。愛知と静岡が残っていたんです。ただ、できていなかった。そこで、首都圏からですと、一番、静岡の御殿場、小山、富士、富士宮、あと伊豆半島、それはもう大体一時間ぐらいで来ちゃいますので、ですから、そこに、ここにありますように、七、八千円。そうすると、一万円違うとそれは安い処分場になります。ですので、どんどんどんどん運び込まれてしまったという経緯がありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/58
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059・浜口誠
○浜口誠君 率直な御意見ありがとうございました。
質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/59
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060・室井邦彦
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。
今日は参考人の方々には、お忙しい中ありがとうございました。
それでは、蔵治参考人から順次御質問をさせていただきたいと思いますが、蔵治参考人にはこの皆伐の件についてちょっとお尋ねをしたいと、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
近年、この公共の建築物の木造という木質化の促進や木質バイオマスのエネルギーの利用等による木材の需要の拡大等を背景に、木材自給率はすごいもので、約四二%と、このような数値が出て、向上しておるわけでありますが、そのような中、この数多くの木を一度に伐採するという方法が日本各地の山々に広がっておるという、恐ろしい現象だなという思いがしているわけで、あるわけでありますが、そして、この生産性を上げるために一定の範囲にある木を全てこの皆伐をするわけでありますけれども、この皆伐が広がった背景は、これまで切り取った後のその捨てていた材木、捨てていた質の低い木材も国が普及を進めるバイオマスの燃料として売れるというようになったものですから、余計にエスカレートというか需要が高まったということなんでしょうけれども。
ここでお聞きしたいことは、今回のこの法改正では、人家等が存在するエリアについて、この森林や農地を含め広く規制区域を指定することとしておるわけでありますが、この斜面災害等の防止対策を講ずることにしておるこの法案が、皆伐が土砂災害等の要因の一つになっているということは聞いておるわけでありますが、今回のこの盛土法の改正において、この山の斜面崩壊による災害対策のこの効果について先生はどのような所見をお持ちなのか、お聞かせいただけないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/60
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061・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) ありがとうございます。
私の資料の十二ページにある写真が、その皆伐が行われている場所の写真の例になっているわけなんですけれども、木材を生産するという立場からは、人工的に植林をして、杉とかヒノキといった同じ種類の木が育っていって、それをある時点で伐採して木材にしていくわけでございます。その伐採の方法には、皆伐という全ての木を一斉に切る方法と、間伐といって、抜き切りをして一部の木を切って運び出し、残りは残しておくという二通りの方法があるかと思います。
これまで皆伐ということは、もう高度経済成長期から日本中で行われてきていまして、その結果、土砂災害の状況がどのように変わるのかということも既に研究の蓄積がありまして、やはり皆伐直後はそこが崩れ、直後にすぐ崩れやすいということではないんだけれども、伐採した後に残るその切り株ですね、切り株が腐っていくということで土砂を支える機能が弱っていきますので、大体皆伐してから十年から二十年ぐらいたった後に実は一番崩れやすくなるという研究成果がまとめられているところだと思っています。
そういうことと今回の盛土の関係なわけですけれども、やはり盛土というのは、盛土がないところでも崩れれば災害になるところに更にプラスアルファで土の量を増やすということになりますので、やはりその皆伐した跡地みたいな場所に例えば盛土をするというようなケースのときは、そこは今現在仮に安全に見えても、その切り株が腐るというタイミングで危険が増すおそれがあるので、できるだけ、その皆伐した場所に更に盛土というセットでやるというのは、その下に人家等がある場合は避けた方が望ましいところになるのかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/61
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062・室井邦彦
○室井邦彦君 ちょっと、この皆伐した後の十年から二十年の間に崩れやすいと、先生のお考えでは、この十年から二十年の間に何か処方というか方法が、ただ放っておくというのか、先生の方のいろんなお考え、研究の中で、どういうふうに再利用というか、何かお考えがあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/62
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063・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) その十年から二十年という崩れやすい期間が発生する原因がここに残る切り株が腐っていくということにありますので、その切り株を腐っていくのを止めることはなかなか難しいんですけれども、やはりここにまた再度植林をするなり、あるいは自然に植物が再生していって森林に戻るなりという形で新しい根が張っていけばまたその根が土を支えていくわけなので、それをしないで放っておくと、そこに野生生物が入ってきて草も食べてしまうので、例えば野生生物が入らないようにその皆伐の跡地をちゃんと柵で囲うとか、あるいはそこにちゃんと植林をしてその植林木が育つような必要な管理をするということをすれば、もちろん十年から二十年の間崩れやすいということは変えられないんですけれども、その先に関しては、またその樹木が土砂を支える力が少し回復していくというふうになるかと思います。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/63
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064・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 室井君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/64
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065・室井邦彦
○室井邦彦君 ああ、委員長、ごめんなさい。
国か自治体がやはりそういう指導をして、行っていくということが重要であるということになりますよね。はい、ありがとうございます。
それでは、大島参考人にお尋ねをしたいと思います。
神奈川県のこの土砂の適正処理に関する条例でありますけれども、危険な土砂埋立行為が継続される場合、その周辺区域を土砂搬入危険区域として一時、いや、一定期間指定するというような条例でありますが、土砂のこの搬入を禁止する規定であると聞いておるわけでありますが、今回のこの盛土法の改正では土砂搬入禁止区域に指定する仕組みは法制化されていないということです。
ところで、問題のあるこの行為者を取り締まる断固たる措置をとるために、建設残土の搬入を一定期間禁止する土砂搬入禁止区域に指定する制度が効果的だなというふうに思うわけでありますが、この問題のある行為に断固たる措置をとるという観点から、神奈川県として、これ今回、盛土法の改正についてどのような御所見をお持ちなのか、お聞かせいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/65
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066・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 禁止区域のお尋ねでございますが、神奈川県の条例でも搬入を禁止する区域を指定するということができるようになっています。ただ、これやったことございませんで、禁止区域の指定したことないんです。
と申しますのは、やはり、先ほどもちょっと申し上げましたが、搬入業者を指導していく中で、やはり指導に従いますみたいな、こういう意向を示されると、そこを我々頼りに、じゃ、是正してくださいみたいな指導していくわけなんですが、なかなかそういうやり取りしていく中で完全に止めて禁止するというところまで至らないで、なかなかそこまでのカードは切れないという状況ございます。
今回の法令なんですが、改正法案の中では、例えば工事主に対して規制区域内における土地の使用の禁止等を命令することが可能という条文があると伺っておりますので、この条文を発動していただければ県条例と同等の効果が期待できるのではないかというふうに考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/66
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067・室井邦彦
○室井邦彦君 このような大きな土砂災害が起きておりますし、しっかりと神奈川県に対しましても、この問題のあるいわゆる行為者というのはなかなか一筋縄ではいかない、まあいろいろと物事を計算しながら行政と対応しておるような感もあります。その点は、やはりこれだけの被害、これだけの県民に迷惑を掛けましたことでありますから、しっかりとやっぱり県の皆さん方の窓口、もうしっかりとした対応というか、いろいろと社会経験を豊富に積んだ方がそういう窓口になるという、そういう、ある意味、こういう行為者の見る目を持つというか、そういう経験豊富な職員を窓口に、是非教育して、指導して、対応していただければ、多少なりともこういうことが少なくなるんじゃないのかなというふうな期待感も持っておりますので、よろしく御対応をお願いをしたいと思います。
最後に、どうも今日は高橋参考人、ありがとうございます。
高橋参考人には、いわゆるこの建設発生土が有効利用されることなく盛土となれば崩落等のリスクが生じるわけでありますが、我々は、日本維新の会は、その産業廃棄物と同様に建設発生土も厳重な扱いがなされるべきであると、このような一貫して考え方をしているわけでありますが、産廃で行っているようなマニフェスト制度を通じ、最初から最後まで責任を持つという仕組みの導入を一貫して主張をしておるわけでありますが、それについてちょっと御意見をお聞きしたいんですが。
この参議院における盛土法の審議においては、斉藤国交大臣は、マニフェスト導入について、資源有効利用促進法の計画制度を強化し、元請業者に搬出先が適当であることを事前に確認をさせること、実際にそこに搬出されたことを受領書等で確認させる仕組みを構築すると、このようなことをおっしゃって、答弁されておられるわけでありますけれども、これについて、その再利用の図れなかった残土の置場の確保や、危険な盛土の発生を抑止する適切な管理の在り方について、いろいろと現場で御苦労されている高橋参考人に是非お聞きしたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/67
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068・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) 今の御質問については、結局、法案の中、又は国交省の方々の御意見も含めると、結局元請さんが、元請がどこに持っていくのか搬出先を決めてそれを指定する。その搬出先が例えば最終処分場だったりほかの工区だったりというようなことであれば、そこは何も問題はないと思います。それはもっと広めるべきだと思っています。
しかし、一部、中間ストックヤードだとか、御説明したようなストックヤードに搬出ということだと、そこで終わってしまう。そこから先が、もう本当に、もう土が混ざってどうにも分かんなくなっちゃって、最終処分場もどこに持っていっているのかが分かんなくなってしまうと。そこが一番危険な盛土になる可能性が一番高いので、だから、そこを是非御調査いただいて対応をしていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/68
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069・室井邦彦
○室井邦彦君 ありがとうございます。
時間来ましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/69
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070・武田良介
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
今日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
まず、高橋参考人に伺いたいというふうに思います。
民間ストックヤードに焦点を当ててお話をいただいているわけですけれども、陳述の中に、ストックヤード業者と処分業者との間で契約が結ばれるんだと、で、ストックヤード業者が処分先を管理するというようなお話がありました。
この点、もう少し詳しく聞かせていただきたいと思うんですけど、処分業者というのはどういう業者なのか、ストック業者とは違うのか、処分業者とストック業者が一体であることがあるのかという点と、この管理する、処分先を管理するというのはどういう意味なのか、実態がどうなっているのか、この部分、もう少し聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/70
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071・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) ストックヤード業者と処分業者、まあ処分業者と御説明しましたが、ダンプ業者です。簡単に言ってしまうとダンプ業者です。ですから、都市部近郊に土地を持っていたり借りたりして、そこに土を運んでもらっている、そのストックヤードを運営しているのがストックヤード業者で、そこが満杯になるとどこかに運んでもらわなければなりませんので、それをダンプで運ぶ、で、それを請け負っているのが、処分業者がダンプ業者ということで、基本的に別です。
で、その契約の中身でいっても、そのストックヤードの業者が全部処分業者の方に、じゃ、頼みますよと、どこに持っていくのかも頼みますよという場合もありますし、当然、最終処分場がここなのでここまで運んでくださいというような契約の仕方も当然あります、そこのところ。
ですので、そこはちょっといろいろ、契約方法はいろいろありますけれども、不法残土を処分をするような場合は大概頼みますねということで契約がなされるという、そういうことが多いというふうに伺っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/71
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072・武田良介
○武田良介君 続けて、陳述の内容に関わってもう少し聞かせていただきたいと思うんですが、今も少しありましたけれども、そのストックヤード業者は、そのヤードが満杯になったらすぐ処分業者に搬出をさせる、そういう実態があるということでありました。
私も先日、この委員会で質疑をさせていただいたときには、国交省の方から、長期間ストックヤードに置かれるんだという説明があったわけなんです。だから過度な負担になるという話だったんですけれども、実際のところはどうなのか、なぜ早く搬出されるのかというところ、もう少し教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/72
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073・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) ストックヤードの広さというのは限られています。で、ストックヤード業者は、いろいろな形態のストックヤード業者というかストックヤードがあるんですけれども、問題にしているのは、あくまでも、建設発生土を建設会社から処分を依頼して、あんたのストックヤードのところに持っていくんで、要は、先ほど一覧表の中にもあるような、捨て賃ですね、捨て賃を払うから処分してくださいというふうに言われているストックヤード業者です。
で、そこでお金をもらって処分業者、つまりダンプに、じゃ、これだけで処分、持っていってくださいというふうにしてお金を払う、運賃代と処分代込みでダンプにお金を払う。そうすると、その差額で利潤を得ています、もうけていますので、そうすると、ずうっと置いておくと、土の移動がなければもうからないんです。たまる一方であれば何も意味がなくなってしまいますので、だから、どんどん、引き受けたら出す、引き受けたら出す。で、そこで、差額でどんどん利潤を追求するといいますか、まあ当たり前なんですけれども、もうけを確保するというのがストックヤード業者なので。
ですので、懸念されているようにそんなに時間は掛からないんじゃないかなというふうに考えているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/73
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074・武田良介
○武田良介君 業者の経済的な理由ですよね。それによってどんどん搬出させるということかというふうに思いました。
最後に、高橋参考人にもう一点伺いたいと思いますけれども、政府はその先日の質疑の中で、これから実態把握について、あっ、これは本会議ですね、実態把握について、本法案による厳格な出口規制と併せて中間処理場の管理運営の実態把握に努めるということを答弁しているわけなんですけれども、この民間ストックヤードの実態をつかむ上でどういう点がポイントになってくるのかというところについて所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/74
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075・高橋立顕
○参考人(高橋立顕君) ポイントと申しますと、なかなか国交省の局の方なのか出張所なのか、又は都道府県に依頼するのかというのをいろいろあるかと思いますが、どこにあるのかというのを恐らく自治体は大体承知している部分はあると思います、許可を得ていますので。ただ、ここが危ないよというのは、我々建交労も分かっています。
ですので、ポイントとしては、分かっているところにお聞きいただければいいのではないかと。建交労としては、そこに協力することはやぶさかではありませんし、ここですというふうにお知らせすることもできます。ここではちょっと差し控えますけれども、どこどこの県の何市だとかというのは控えます。ですが、協力することはいたしますというところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/75
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076・武田良介
○武田良介君 これまでの議論の中でも、関係するところでつかんでいるところもあるというお話が、大島参考人も含めてお話があったかというふうに思いますので、そういった実態を是非つかんでいくことを私も求めたいというふうに思っているところであります。
それでは、大島参考人に伺いたいというふうに思います。
神奈川県のこの条例を私も見させていただきました。この条例では、元請人又はそのストックヤードの設置者ですかね、にあらかじめ土砂の搬出に係る計画の作成、知事への届出を義務付けているというふうに承知をしております。重要なことだというふうに思っております。
ここに関わって、この元請人としている意味、また、その計画の作成と届出の義務付けを行ったその意図、どういったところにあるのかということについて教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/76
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077・大島伸生
○参考人(大島伸生君) 条例のその規定の趣旨ということだと思いますが、元請人としたところは、元請人が搬出からの一切の業務を取り仕切っていて全容を把握されているんだろうなという趣旨でそういう規定にしています。
それから、計画書の策定は、まさに、県条例はそのまさにマニフェストまでは取っていなくて、搬出先を明示してもらうところの届出だけやってもらっているんですが、その届出をしてもらう際にどういった計画に基づいてやっているのか、その計画性を問うという意味で計画書をまず出していただいて、その計画に基づいた計画性を持ってなされているのかというところを確認するという意味で計画書の作成を求めていると、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/77
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078・武田良介
○武田良介君 ありがとうございます。
この計画書を作成させたら、計画どおりに処分が進んでいくということを確認することが非常に大事になるんだろうというふうに思います。
先ほどのお話にもありましたけれども、この埋立ての監視を担当する部署を設置したということでありました。まさにこのことかなというふうに思うんですね。新たな部署六名でつくられて、立入検査、監視パトロール。こういった部署をつくってやってきたその成果というんでしょうか、また御苦労されているところ、あるいはこういう部署をつくる上で、つくること自身大変だった、そういったことなどあれば伺わせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/78
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079・大島伸生
○参考人(大島伸生君) つくるときに、やはり警察に御協力いただくというところで苦労して、やはりそこで警察から出向者を出していただいて、ある意味、県職員より多く出していただいて体制組んでいますので、全面的に神奈川県警にそこまで協力いただくというところに対しては、苦労したと同時に感謝申し上げる次第でございます。
やっぱり、パトロールを一元的に今その厚木というところにある事務所が担っていまして、やっぱり一元的にもう専門部隊でやっているというところに少し意味があるかなと思っていまして、早期発見ですとか、あるいは御指摘のような計画どおりに処分がされているかというところのケアですとか、そういったところはできていると思います。
ただやはり、県外に搬出といったときには、そこはなかなかフォローできないというところがあって、そこが条例の限界かなと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/79
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080・武田良介
○武田良介君 ありがとうございます。
大変参考になる取組、経験かなというふうに思っておりますので、また今後に生かしていければというふうに思っております。
それでは、最後に蔵治参考人に伺いたいというふうに思います。
先ほど来出ているように、森林は複雑かつ多様なものであると、日本の国土の中でも大変広大であるということでありました。だからこそ、技術基準で判断できるものなのかどうかという御指摘もありました。同時に、住民への周知ということでも指摘がありました。標識をですね、ここでやっていますというだけではなくて、その下流にいる住民にもという趣旨のお話がありました。
私も、本会議の際にもその点ちょっと気にはしておりまして、住民の意見を聴くとかそういったことが事前に必要ではないかということを聞かせていただいたんですけれども、政府の方からは、技術基準なので、科学的知見なので、知事が区域指定とかする際にも左右されるものではないんだと、住民の意見にですね、というような趣旨で答弁があったところでありまして、それでいいのかなというのが私の問題意識なわけなんですね。やはり、それぞれ地域性がある、特性がある、個別で見ていかなければいけないものがあるというふうに思っておりますので、まあそういった議論があったところなんですけれども、改めて蔵治参考人の御意見を伺いたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/80
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081・蔵治光一郎
○参考人(蔵治光一郎君) やはり森林については、生活空間から少し離れたところにあるということもあり、また、かつて私たちは森林にいろんな恵みを依存していましたけど、今となっては余り森林に関心を持たなくなっているということで、自分が生活している空間から少し離れた森林が自分の生活に危害を及ぼすような災害の発生源になるということについてなかなか想像していただけないという実態があるんだろうと思います。
そういう森林で不法投棄であるとかあるいは盛土であるとか様々なことが起こる可能性があるわけなんですけど、そういうことは災害が起きた際にその災害の規模を拡大してしまうので、できればそういうことを未然防止するためにも、住民の方々にやはり森林にふだんから関心を持っていただいて、森林に入っていく例えば道路等でそれこそ怪しげな車が走っていたとか、そういう情報みたいなものを、見て見ぬふりをするのではなくて、是非その情報を共有し、あるいは関連する行政の方にも報告しというような形でやっていくことが災害の未然防止につながるのかなというふうに私としては考えていまして、やはり全てを安全にする、全ての盛土が監視するというのは非常に難しいことなんですけれども、逆に、守るべき住民の生命、財産の在りかに影響を及ぼす場所をきちんと優先順位を高くして押さえていくということの方が、むしろこの法律の目的の達成には近道なのではないのかなというふうに考えたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/81
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082・武田良介
○武田良介君 今日は、三人の参考人の皆さん、それぞれの立場から今回の法案に対して大変深めていただける、深めていく上で役に立つお話いただけたかなというふうに思います。
感謝を申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/82
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083・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げたいと思います。
参考人の皆様には、長時間にわたりまして大変貴重な意見を頂戴をいたしました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01320220517/83
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