1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十九日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
勝部 賢志君 白 眞勲君
山本 博司君 伊藤 孝江君
五月十九日
辞任 補欠選任
白 眞勲君 宮口 治子君
伊藤 孝江君 高橋 光男君
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出席者は左のとおり。
委員長 斎藤 嘉隆君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
長浜 博行君
塩田 博昭君
浜口 誠君
委 員
青木 一彦君
朝日健太郎君
こやり隆史君
佐藤 信秋君
鶴保 庸介君
長峯 誠君
牧野たかお君
渡辺 猛之君
野田 国義君
白 眞勲君
鉢呂 吉雄君
宮口 治子君
伊藤 孝江君
高橋 光男君
竹内 真二君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
室井 邦彦君
武田 良介君
増子 輝彦君
衆議院議員
修正案提出者 小宮山泰子君
国務大臣
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
副大臣
国土交通副大臣 渡辺 猛之君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
公正取引委員会
事務総局経済取
引局取引部長 岩成 博夫君
林野庁森林整備
部長 小坂善太郎君
国土交通省総合
政策局長 和田 信貴君
国土交通省不動
産・建設経済局
長 長橋 和久君
国土交通省都市
局長 宇野 善昌君
国土交通省海事
局長 高橋 一郎君
海上保安庁長官 奥島 高弘君
環境省大臣官房
審議官 森光 敬子君
環境省環境再生
・資源循環局次
長 土居健太郎君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○宅地造成等規制法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/0
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001・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山本博司君及び勝部賢志君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君及び白眞勲君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/1
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002・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
宅地造成等規制法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省都市局長宇野善昌君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/2
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003・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/3
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004・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/4
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005・長峯誠
○長峯誠君 おはようございます。自由民主党の長峯誠です。
去る五月十七日に本委員会で参考人の方々の御意見をお伺いしました。大変貴重な御指摘をいただくことができ、有意義な機会でございました。そこで、そこでの議論から幾つか質疑をさせていただきます。
まず、大臣にお伺いいたします。
資料一を御覧ください。
蔵治参考人の御指摘で、現行法令でも、必要に応じてとか著しくとかその他の措置とか、行政裁量を広く認める表現になっています。このような曖昧な表現では、是正措置を行わない方向で解釈しがちになり、実効性が担保されないと思われます。
技術基準を厳格に判断できるようにすべきと考えますが、斉藤大臣のお考えをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/5
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006・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 技術的基準につきましては、今後、地盤工学等の有識者による検討会により検討することとなります。
また、現行の宅地造成等規制法についても、地盤や地下水等の条件に応じた防災施設の安定性の判断等が可能となるよう千ページを超える解説を作成しており、本法案についても同様に詳細なガイドラインを作成するなど、きめ細やかな技術的助言を実施してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/6
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007・長峯誠
○長峯誠君 千ページを超える冊子が来るということですので、かなりしっかりと自治体も対応できるかなというふうに思っております。
一問飛ばしまして、同じく蔵治参考人から、山の皆伐の後十年から二十年の間が切り株が腐食して最も不安定になるとのお話がございました。しかし、山地に盛土をする場合は必ず木を伐採してそこに盛土をするということになります。
そこで、安全性を確保するために技術的基準をどのように定めるのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/7
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008・小坂善太郎
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えさせていただきます。
議員御指摘のとおり、森林において盛土を行う場合には、支障となる樹木を伐採した上で盛土を行うこととなるため、森林が有していた土砂崩壊防止等の機能が損なわれることとなります。このようなことから、森林法に基づく林地開発許可制度におきましては、盛土を行う前に必要に応じて地盤の段切りや排水施設の設置等を行い、盛土の安全を確保する措置をとることを求めております。
本法案による盛土等に関する工事の技術的基準につきましても、このようなことを踏まえ、安全を確保する観点から十分なものとなるよう、今後、森林の有する特性を踏まえ、有識者の御意見も伺いつつ、国土交通省と連携してしっかりと検討してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/8
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009・長峯誠
○長峯誠君 山林の中の盛土は、多くは幹線道路から見えにくいところにございます。法四十九条で標識の掲示を義務付けていますが、住民への周知を図るために下流域の住宅地にも掲示をしてはとの御指摘がございました。
この点、御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/9
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010・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案においては、許可を受けた盛土について、工事主に工事現場における標識の掲示を義務付け、都道府県知事等により、その所在地等をホームページの掲載等により公表することとしております。盛土下部の住宅地への標識掲示について一律に義務付けなくとも、こうした措置により盛土下部の住民に周知が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/10
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011・長峯誠
○長峯誠君 自治体がハザードマップを作るんですよね。そこにこの規制区域とか特定盛土を表示するように指導してはどうかという御指摘もございました。
この点、御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/11
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012・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案における規制区域は、その区域に本来的に災害発生のリスクがあることを意味するものではなく、盛土等に伴う災害を防止するためのものであるため、ハザード、すなわち危険なエリアには該当しないと考えております。
また、特定盛土については、無許可などの危険な盛土が判明した場合、地方公共団体が速やかにその内容を公表し住民に周知等を図るべきと考えておりますが、その際の周知方法は各地方公共団体の判断によるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/12
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013・長峯誠
○長峯誠君 資料二を御覧ください。
大島参考人がおっしゃったように、神奈川県では盛土監視のために、県警の併任を含みます六人体制の担当部署を設置して、年間延べ二百八十三回のパトロールを行っているということであります。実効性を高めるためにかなり有効な取組と考えますが、自治体にこのような取組を支援する考えはないか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/13
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014・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 不法盛土のパトロールには廃棄物担当部局や警察等との連携が重要であるため、不法盛土等への対応をまとめたガイドラインにおいて緊密な連携体制の確保や効果的な実施方法を示すこと等により、自治体を支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/14
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015・長峯誠
○長峯誠君 同じく相模原市では、許可申請の際に、保証金を定期預金により金融機関に預け入れした上で市を質権者とする質権設定契約の締結を盛土事業者に求めています。適切な工事や管理を担保する方策として非常に有効な取組と考えますが、このような仕組みを利用する考えはないか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/15
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016・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
相模原市を始め一部の地方公共団体が条例で定めている保証金の預託制度は、各種法律による規制の適用を受けない盛土等を対象としており、適正な工事実施を法律によって担保できない盛土等を念頭に置いた制度と認識しております。
他方、今回の法案では、許可に際し工事主の資力、信用を審査し、許可の後も定期報告や検査により安全対策の実施を確認する等、工事の安全性を厳格に担保することとしており、保証金の預託制度を措置する必要はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/16
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017・長峯誠
○長峯誠君 資力要件があるということですね。
次に、大臣にお伺いをいたします。
高橋参考人から、熱海土石流災害の後、処分場やストックヤードが急激に不足し、処理料金も高騰しているというお話がございました。本法案が施行されますと、更に残土の行き場が逼迫することが考えられます。そうなると、官民の工事の進捗が遅れたり、違法行為が横行したりすることが危惧されます。
そこで、残土処分場の確保対策にどのように取り組むのか、また、自治体が取り組む公的な処理、処分場整備を支援してはどうかと考えますが、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/17
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018・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 建設発生土については、まずは同一現場内や工事間での利用を進めることが重要です。その上で、利用されない建設発生土についても、指定利用等を進め、指定された受入れ地に係る運搬費、処分費の適正な計上を徹底するとともに、引き続き、国土交通省等の公共事業において運搬費、処分費等を補助の対象としてまいります。
これらによって許可地等に適正な運搬費や処分費が支払われるようにすることを通じて、受入れ地の確保が進むよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/18
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019・長峯誠
○長峯誠君 この処分場の確保というのは非常に重要だと思いますので、しっかりと状況を見ながら対応していただきたいと思います。
本法案では、建設残土は元請業者が適切に処理する責任を負うことになります。しかし、ストックヤードにもう受渡しをしてしまえば、その後については責任は負いません。ストックヤード以降で不適切な行為がまかり通ってしまうのではないかとの御指摘がほかの委員からもございました。
国交省は中間処理業者についての実態調査を行うというふうに答弁をされましたが、中間処理業者は法律上、届出も許可も必要がありません。誰がどこで中間処理をしていくかすら把握するのは大変難しいと思われます。立入調査をする法的根拠もありませんよね。
では、実態調査は具体的にどのように行うのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/19
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020・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) お答え申し上げます。
中間処理業者の実態把握については、これまでは主に建設業者を通じて聞き取り等を行ってきたところですが、今後は、更なる実態把握をするために、まず、自治体がリストアップしているストックヤード事業者ですとか、あるいは土質の改良プラント事業者、また建設発生土に関わる事業者団体あるいはその加盟の事業者などに御協力をいただいて、土砂の搬出、搬入の管理やあるいは記録の状況、土砂の保管状況などの管理運営の実態などにつきましてアンケートやヒアリング等を行うことを今考えております。
また、ストックヤード事業者等とやり取りのある自治体の担当部署の方など、実態を把握されている方々からも広く意見を伺っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/20
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021・長峯誠
○長峯誠君 まあそれで何割ぐらいの業者を把握できるのか分かりませんが、中間処理業者はある程度把握できたとしてですよ、できたとして、どのように適正処理を求めていくんでしょうか。
産業廃棄物のようなマニフェストはダンプ業者などの負担が過重になると高橋参考人も指摘をされておりました。
では、マニフェストを使わずにどのように規制する方法が考えられるのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/21
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022・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) 具体的な方策につきましては、今後、先ほど申し上げました中間処理場の実態の把握を行った上で検討してまいりたいと考えておりますけれども、中間処理場に搬出された後の処理場における土砂の管理及び記録の状況からその後の再利用又は最終処分の状況を確認することが可能であることなど、元請業者が安心して搬出先として選定することができる情報を提供することを充実させるといったことも一つの有効な方策だと考えております。
また、それに加えまして、既に中間処理施設の登録あるいは公表などを行っている自治体がございますので、そうした自治体に対し、その制度の内容やその考え方、運用状況などについても聴取し、どういった方策が効果的か、あるいはその可否も含めて今後検討していくことが考えられると思っております。
いずれにしても、中間処理場の実態調査を行った上で必要な対策を講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/22
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023・長峯誠
○長峯誠君 まあ、性善説に立っているような感じなのでなかなか難しいような気がします。ここは、中間処理業者も届出制にしてきちんと把握できるように法整備をした方がいいんじゃないでしょうか。早急な御検討をお願いしたいと思います。
高橋参考人から、法外な低価格で処理を請け負う業者がおり、不正の温床になっているという御指摘がございました。
この点、独禁法のダンピングに抵触するのではと思われますが、公正取引委員会にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/23
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024・岩成博夫
○政府参考人(岩成博夫君) お答えいたします。
一般論として申し上げますと、正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、その他、不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるというような行為は、不当廉売ということで独占禁止法において禁止されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/24
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025・長峯誠
○長峯誠君 不正を行う業者には厳しく対応していただきたいと思います。
最後に、火山灰についてお伺いいたします。
私は、都城市長のときに新燃岳噴火に遭遇をいたしました。桜島が十年で噴く量の火山灰が僅か三日で降り注ぎました。現場の職員からの第一報は、道路でビーチバレーができるほどの降灰ですというものでした。自治体は、道路や家屋や事業所に降った大量の灰を除去しなければなりません。除去した灰を処分する場所を探すのに大変時間が掛かりました。毎日大量の苦情の電話が鳴りっ放しでございました。
そのときは民間の山林を買収して何とかしのぎましたが、本法案が施行されますと、技術的基準が厳格に適用されることになるのでしょうか。想定される富士山噴火などでそのような対応を取れば、大混乱に陥ることは間違いありません。
火山灰につきまして本法案との関係はどのように整理されているのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/25
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026・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
噴火災害などの災害時における土砂や火山灰の一時的な集積に係る本法案の取扱いについては、その緊急性や当該集積物の安全性確保の状況も踏まえ、法施行前までに検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/26
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027・長峯誠
○長峯誠君 法施行前ということだったので、まあ多分間に合うというふうには思っておりますが、とにかく建設残土なんかとはもう比べ物にならないぐらいの物すごい量でございますので、しっかりとした対応を取っていただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/27
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028・こやり隆史
○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。
今日は採決も予定されているということでございますので、何点かこの法案について確認をさせていただきたいと思います。
もとより、この法案の背景となったのは熱海市の土石流災害である。それに関しまして、前回の質疑の後、五月十三日だったと思いますけれども、熱海市あるいは静岡県の対応について行政対応検証委員会が最終報告を取りまとめていると承知をしています。その中身でございますけれども、適切な対応が取られていたならば被害の発生防止あるいは軽減が可能であったにもかかわらず、その対応は失敗であったというふうな形で総括をされていると承知をしております。
報告書としては大変厳しい内容であるかなというふうに思っておりますけれども、そもそも、この最終報告についての国交省の受け止めと、この報告の中身がしっかりこの法案の中身あるいは施行、執行体制に反映されているかどうかということを確認させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/28
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029・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 昨年七月に発生した熱海市の土石流災害に関しては、静岡県において昨年十二月、第三者により当時の県や市の対応について検証する委員会が設置され、今月十三日に出された最終報告において、その対応は失敗であったとされたと承知しております。
この最終報告においては、県、市とも最悪の事態を想定できていなかったことや初動対応が不適切であったこと、断固たる措置がとられていなかったこと、県と市、関係部局の連携が不十分であったことなどが指摘されるとともに、届出書、申請書の取扱いの厳格化や、処分基準の設定と専門家との連携、県と市の連携等について提言があったと承知しております。
こうした課題に対して、本法案においては、規制区域の指定や危険な盛土への対処に当たり、県が市町村に意見を聴いたり、市町村から県に意見を申し出るなど、県と市町村が連携する仕組みとしており、また、本法案の施行に当たって、適切な事務の実施や、県と市、本法案の担当部局と関係部局、警察等との連携が図られるよう基本方針に考え方を示すとともに、不法な盛土に厳格に対応するためのガイドラインを策定することとしております。
国土交通省としましては、二度と熱海市と同様の被害を繰り返さないよう、この報告の内容を参考にして、盛土等に伴う災害の防止に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/29
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030・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
この報告書のポイントの一つが県と市の連携不足であると、それがいろんな形で悪影響を及ぼしているということかなと思います。
盛土対策の一つの大きな課題というか柱が、リスク評価をどうしっかりやっていくかということかと思います。私の地元の滋賀も含めて、全国、今、緊急点検等によって様々なリスクの高い盛土の存在が明らかになっています。その数というのは本当に膨大であるし、先ほど長峯委員からもお話ありましたように、まだ見付かっていない盛土も恐らく潜在的にあると思います。こうしたものをしっかりどうやってリスク評価をしていくかということがまずスタートラインというか前提になってくるんだと思います。
それで、いろんな場面で県と市の連携というのがありますけれども、まずその最初のスタートラインとしてのこのリスク評価の部分でいかに見付けて、地域をよく知っている市あるいは町、村がそれを存在を見付けて、どの程度のリスクがあるかというのはやっぱり専門的知見が要ると思いますので、県あるいは国との連携というのが必要になってくると思いますけれども、法案における規制区域を指定するというときに、この都道府県と一番現場に近い市町村とどうした具体的な役割分担があって、その役割分担を基にどうやってしっかりとリスク評価ができる体制を担保しているのかどうかということについて確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/30
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031・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 本法案に基づく規制区域は、都道府県知事等が、地形、地質の状況等について基礎調査を実施し、盛土等に伴う災害に係る客観的なリスクを把握した上で指定することとしております。
この規制区域については、指定時に都道府県知事等が市町村長の意見を聴取することに加え、市町村長側から都道府県知事等に対して規制区域指定の必要性を申し出ることができることとしており、住民に最も近く、地域の実情を熟知している市町村長が規制区域の指定に関与する仕組みを設けております。
その上で、規制区域の指定後も、おおむね五年ごとに実施する基礎調査の結果のほか、市町村長からの区域指定の申出の仕組み等を活用して随時規制区域の見直しを行い、規制区域以外の土地についても必要に応じて規制区域に取り込むことが可能です。これらにより、都道府県知事等は、地域の実情を的確に踏まえつつ、盛土等に伴う災害から人命を守るために必要かつ十分な区域を指定することができるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/31
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032・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
仕組みは仕組みとして、多分、各自治体によっても温度差がかなりあると思います。そういう意味では、双方が積極的に何というか行動をしながら、それが調整をされてリスクが把握されていくということにならないと、なかなかしっかりとしたリスク評価って難しいと思いますので、是非国交省として御指導いただけるようにお願いをしたいと思います。
次に、先日の参考人質疑でもあったんですけれども、この法律、法案の成立の最も期待するところという意味ではやっぱり抑止力の効果があるということを、多分お三方の参考人の先生方の御意見であったというふうに思います。その法の構えとしては、抑止力は、条例等により抑止力の効果が高まることが予想されますけれども、現実の抑止力としてはやっぱりその実効性が問われてくるんだと思います。
そういう意味で、まず、この制度改正において、無許可を始め、不法盛土への実効性をどうやってしっかり担保していくかどうか、その体制について確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/32
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033・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案においては、無許可で盛土を行っている場合のほか、許可条件に違反する工事や技術的基準に適合していない工事などについて、工事の施行停止や災害防止措置を命令することができることとしております。
どのようなケースにおいてこれらの命令を発動すべきか等を含め、不法な盛土への対応方法については国において具体的なガイドラインを作成し地方公共団体に示すこととしており、必要な場合にはちゅうちょなく命令等の対応がなされるよう、地方公共団体を支援してまいりたいと考えております。
また、不法な盛土については、早期に発見、是正することが重要であることから、今回の法案において、工事現場における標識の掲示や許可を受けた土地の公表により住民等による通報を促す仕組みを設けるとともに、規制の運用に際しては、地方公共団体において定期的なパトロールの実施や警察、廃棄物担当部局等との連携など、効果的な取締りを行えるよう促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/33
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034・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
全体的なその抑止力の向上という意味では、恐らく意味があると思います。
あとは、その不法であるとかそういったときに二つのケースがあって、まさに意図しないで過失的に不法になった、結果として不法になったというときと、あとは、意図して、悪意を持ってこの法規制の網から逃れようとして不法盛土をしてしまうという二つのケースがあって、やっぱり後者を本当は、本当の意味で抑えていくというのが全体としての効果上げていくということになると思います。そういう意味で、そうした悪意を持って不法行為を、不法盛土をしていくということはあってはならないわけで、本来あってはならないわけですけれども、必ずそうした悪質な業者というのが出てくる可能性も否定できないということになると思います。
そういう意味で、意図的に、例えば、仮に間違って、あっ、間違ってじゃない、万一見付かってですね、その対応をしないといけないといった場合に、恐らく意図的に例えば法人を解散をしたりとかする形で責任を逃れようとするような法人というのも出てくるんではないかと思いますけれども、そうしたことは許さない構えをやっぱりしっかり示しておくことが重要と思いますけれども、そうした制度的な担保ということについて確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/34
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035・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
法人が違反行為に関与した場合における罰則について、その法人が解散などにより消滅している場合は、法人の代表者、役員、従業員などの自然人に対して懲役刑、罰金刑が科されることとなります。
今般の改正により自然人に対する罰則を抜本的に見直しており、例えば、無許可工事や安全基準違反については、現行の六か月以下の懲役、三十万円以下の罰金から、三年以下の懲役、一千万円以下の罰金にする、また、措置命令違反については、現行の一年以下の懲役、五十万円以下の罰金から、三年以下の懲役、一千万円以下の罰金にするなど、法定刑を大幅に引き上げることとしております。
これらを違反行為に対する抑止力としつつ、本法案による規制が実効性の高いものとなるよう、関係行政機関とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/35
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036・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
そういう意味で、この抑止力を効かせるためにも、さっきの県、市との連携、あるいは国との連携、やっぱりいろんな面で国と県と市が連携をし合いながら、悪質な不法行為についてしっかり対峙をしていくという姿勢をやっぱり示し続けることが大事であるというふうに思いますし、他方で、物すごい数の対象地域が、その区域の、ごめんなさい、区域の中に存在する、あるいは区域自体が物すごい数になってくるというふうに思います。
そういう意味で、さっき、国、県、市の連携というのが大事である、あるいは抑止力を高めるためにもそういう体制をしっかりつくっていくということが大事であるということが一つと、あともう一つの観点で、先日の参考人質疑でも、今回盛土規制法という形で盛土に着目した規制をしますけれども、そのほかにも、やっぱり森林の整備であるとか、様々なほかの既存の法令において類似の規制、重なる規制もなされていて、やはりこうした既存の法制度を最大限活用しながら、この新たな盛土規制法と相乗効果でしっかりとその実効性を高めていかないといけないということを指摘をされています。
言うはやすしで、行うに当たっては相当難しい課題であるというふうに思います。特に、いろんなもう廃棄物処理から森林保護であったり盛土保護であったり、もういろんな法体系が絡み合っている問題であって、これをうまく実務の場面でしっかりと実効性高めながら、連携しながらやっていくのは相当難しい課題であると思います。
そういう意味で、今回、新しい改正法を運用していくに当たって、これは多分、国交省、しっかりとリーダーシップを取っていっていただいて、こうしたいろんな制度を一つにまとめ上げていくという体制なりを構築していくことが極めて大事だというふうに思いますけれども、これ、大臣の方からその御決意をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/36
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037・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 盛土等に伴う災害の防止のためには、本法案に基づく規制に加えて、宅地や森林、農地等の土地利用目的に応じた規制、それから廃棄物処理における規制など、広範な行政分野における相互の連携が不可欠になると、このように思います。
このため、関係省庁と連携して通知を発出すること等により、地方公共団体において、本法案所管部局と既存の関係法令の所管部局等における情報共有や連絡会議の定期的な開催、人事交流のほか、危険な盛土等への連携した対応など、都道府県、市町村間も含めた連携体制の構築がなされるよう、国土交通省、先頭に立って促してまいりたいと思っております。
また、国においては、昨年度より、盛土等に伴う災害の防止に向けて、関係府省連絡会議を設置し取り組んできたところでありまして、こうした地方公共団体における取組を進めるため、引き続き、この関係府省連絡会議の枠組みを活用しつつ、関係省庁と連携してまいります。
二度と熱海市と同様の悲劇を繰り返さないよう、盛土等に伴う災害の防止に向けて、関係省庁また地方公共団体緊密に連携し、しっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/37
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038・こやり隆史
○こやり隆史君 是非リーダーシップ発揮していただいて、現場ベースで連携が取れるように率先して引っ張っていっていただきたいと思います。
これで終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/38
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039・白眞勲
○白眞勲君 立憲民主党の白眞勲でございます。
まず、知床遊覧船の問題について幾つかちょっと聞きたいなと思っておるんですけれども。
知床遊覧船KAZUⅠについて、経営者のいわゆるめちゃくちゃぶりというんでしょうかね、はもうあきれて物が言えないわけで、こうした悪質な事業者による無謀な経営を防ぐためには国の監督体制の整備が重要であると。きっとされてきたとは思うんですけれども、今回の事故の背景には、今回のこの法案でもある、熱海の土砂災害でも指摘されたような、いわゆる行政の組織的な対応の失敗もあるのではないんだろうかとも考えられなくはないんだと思うんですね。
そこで、ちょっと質問をさせていただきたいんですけれど、この救命設備の在り方についてまずお聞きしたいと思います。
今回沈没したKAZUⅠは、法定の救命設備としては、小型船救命浮器というんですかね、このいかだみたいなやつだと思うんです、あと救命胴衣を搭載していたというんですけれど、この知床の海は水温が二度から三度だったと、当時。そうすると、救命胴衣という意味がどこにあるんだろうかと。つまり、穏やかな海でも沈んでいっちゃったら、この救命胴衣で海に投げ出された場合に、ものの数十分ぐらいでもう意識がなくなっていくぐらいの冷たい水ですよね。こういう中に、救命胴衣とか救命浮器だけで本当にこれ大丈夫だ、当然それを分かっているわけですよね、この知床の海が冷たいのは、にもかかわらず、それでいいですよというのは、これちょっと問題があるんじゃないんだろうかと。
つまり、装着しても助かる見込みのない救命設備を置いておいても余り意味ないんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、これ、大臣、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/39
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040・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回事故を起こしたような小型旅客船は、船舶安全法に基づき、救命設備として、救命胴衣に加え、救命浮器又は救命いかだのいずれかを備え付ける必要があり、KAZUⅠには救命浮器が備え付けられておりました。
この救命浮器は、水中につかった状態で周囲のロープをつかんで救助を待つための設備ですが、海水温が低い場合にはごく短時間で体温が下がってしまうとの課題がございます。また、救命いかだは、水中につかることなく救助を待つことができる一方で、乗客は動揺する船体から動揺するいかだへ乗り移る際に荒れた海に落水する危険があるとの課題があると承知しております。
国土交通省といたしましては、二度とこのような悲惨な事故を起こさないよう、知床遊覧船事故対策検討委員会において、特に厳しい気象、海象下にある海域を航行する船舶に備えるべき救命設備の要件についても議論し、必要な措置を講じてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/40
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041・白眞勲
○白眞勲君 私もプールで、波の起こせるプールというの何回か行ったことありますけど、私のへそぐらいだったら、それでも結構ぐらぐらする。これ、足の付かないところで波の起きるプールにいると本当怖いぐらいな、大臣ももしかしたら入ったことあるかもしれませんけれどもね。
今回、だから私が聞いているのは、元々もう無理なその救命浮器であり救命胴衣を着けさせているという義務付けというのが予想できなかったのかと、国交省は。これじゃ駄目だよね、沈んだら無理だよねということが分からなかったのかと。我々でさえ、今言ったように、動揺する波の中で、まして今回お年寄りからお子さんまでいらっしゃるんだけど、幼児までいらっしゃる中で、どうやって乗客の安全を守るかという部分については国交省として何も考えていなかったのかな、この辺りを聞きたいんですけど、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/41
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042・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のように、厳しい気象、海象下において、このような大変痛ましい事故が起こってしまいました。先ほど大臣がお答えを申し上げましたように、このような厳しい気象、海象下にある海域を航行する船舶につきましては、現行の救命設備、先ほど大臣申し上げましたように、救命浮器あるいは救命胴衣につきましては先ほど申し上げたような課題がございます。
私、今、技術的にどんな解決方法があるのかということを大至急関係者と今検討しようとしてございます。まだまだ構想段階ではございますが、お許しをいただければ少し御紹介をさせていただきます。
乗り移りの際の落水の問題を解決するために、何とか、スライダーの付いた救命いかだというものができないだろうかと。あるいは、脱ぎ着や船舶への収納を容易にするための簡易型のイマーションスーツ、イマーションスーツはこれすごく大きなもので脱ぎ着に大変時間が掛かるものですから、ただ、着ていれば体温の低下というのをかなり抑えられますので、このようなものが技術的に開発できないか真剣に検討させていただき、例えば非常用位置指示無線標識装置、EPIRB、これらと組み合わせて何とか人命を守ることができないか技術的に検討しまして、知床遊覧船事故対策検討会において、特に厳しい気象、海象下にある海域を航行する船舶に備えるべき救命設備の要件についてしっかり議論し、何とか必要な措置を見出して講じてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/42
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043・白眞勲
○白眞勲君 私の質問は、これから考えてくれということではありません。今までこういったことというのは容易に想像できたにもかかわらず、言い方は悪いけど放置されていたわけですよ。これについてどういうふうな思いをされているんだということを私は聞きたいんですね。
当たり前です、これからこれじゃ駄目だよね、だから考えます。今いろいろ一生懸命出していただけるんだと思いますけれども、それをどう、何なんだというところ、その放置していたことについてどうなんですかということを聞いているんですよ。分からなかったということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/43
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044・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) 国土交通省といたしましては、このような厳しい気象、海象下でこのような小型船舶が航行する際にこのような痛ましい事故が起こるというようなことについて、現行ルールについて見直しをしなければならないと考えてございます。
今回の痛ましい事故、決して起こしてはならない事故が起こりましたことについて、真摯に重く受け止めてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/44
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045・白眞勲
○白眞勲君 船の専門家の皆様が普通に考えたら、あれ、これで大丈夫かなということが、国交省という大きな組織の中で誰も指摘されないまま放置され続けてきたことに問題があるんじゃないのかなと私は思っているんですけど、大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/45
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046・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回このような事故が起きて、今回いろいろな国土交通省として監査、特別監査、また検査等行いながらこういう事故が起きてしまったことに対して、これを大変重く真摯に受け止めております。
どういうところが足らなかったのかということを反省し、再発防止に全力を挙げていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/46
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047・白眞勲
○白眞勲君 結局、今までのことについては何もお答えになっていないんですね。
やっぱりここはきちっと、過去のことをどうこう言ってもしようがないといえばそうかもしれないけれども、もう少し早めにこういったことが起こり得るからということをやればこの事故だって防げたかもしれない。万万万が一のときを考えればということをもっと深刻に私たちは考えていかなければいけないのかなと思っております。
そういう中で、今海事局長さんから、様々な今アイデアを考えているということですけれども、要は、波が荒いときには行かないことというのがこれは一番だと思います。そういった部分もあるし、それから、万が一の場合には、波が穏やかでも船というのは沈む場合があるわけでしょうから、そういう場合に、じゃ、そのときにどうやって乗客の身を、安全を守るかということも本当に真剣に考えていただきたいなと思います。
今回が連休前だったということもあって、海上保安庁さんを始めとして多くの、国交省さんもそうですし、警察や自治体の皆さんが連休を返上して今回の捜索活動、救命活動に当たられたことに対しては、私も野党の代表としても敬意を表したいなというふうに思っております。特に皆さん家族をお持ちで、連休のもしかしたら予定も入っていたかもしれない中で、こういった事故が起きたということに対し一生懸命やってくださったことに対しては、まずは敬意を表したいなというふうに思います。
それで、日本小型船舶検査機構が三日前に中間検査していますよね。その中間検査で、衛星電話が故障していたことから、通信手段を衛星電話から携帯電話に変更するように申告したときに、船長らがつながると答えて、漁業関係者からも通じるという証言があったために検査を通過させていたという報道等があるんですけれども、この事実関係についてお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/47
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048・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答え申し上げます。
船舶安全法では船舶に無線設備の搭載が義務付けられておりまして、KAZUⅠのような小型船舶につきましては、委員御指摘のとおり、日本小型船舶検査機構が定期検査あるいは中間検査において確認することとされております。
委員御指摘の四月二十日のKAZUⅠの中間検査におきまして、機構においては事業者から、船舶安全法に基づく無線設備を衛星携帯電話から携帯、衛星携帯電話から携帯電話に変更したい旨申出がございました。陸上との間で常時通信できるとの申告を受けましたこと等から、機構におきまして、法令上求められております常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるという要件に適合していると判断し、変更を認めたと承知しております。
しかしながら、KAZUⅠの携帯電話では実際には通信できなかったと推測されることから、国土交通省といたしましては機構の検査方法が十分ではなかったと考えてございます。
そのため、五月九日に、機構に対し携帯電話に関する検査方法の改善を指導し、速やかに改善をしてございます。また、五月十日に小型旅客船の緊急安全対策を実施してございます。機構において、携帯電話を通信設備とする全事業者について航路全域が通話可能であるかを確認し、通話可能であることが確認できない場合には常時通信可能な通信設備へ速やかに全て変更するよう事業者に要請をするとともに、変更に応じない場合には国土交通省から直接変更を求めることとしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/48
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049・白眞勲
○白眞勲君 そうすると、業者さんから、申告で通じると言えばそれでよかったという、そういう体系になっているんですか、この今の小型船舶検査機構は、JCIさんですね。JCIさんは、そういう相手方からの申告で今までは了とするという形になっていたということなんですか、システム上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/49
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050・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
従来は、委員御指摘のように、正確に申し上げます、携帯電話会社の通信エリア図で航路全域が通信可能となっていることを条件に携帯電話の使用を認める一方で、通信エリア図から判断が難しい場合には、通信可能であることを事業者の申告により確認することとしておったと承知してございます。
しかしながら、先ほど申し上げましたように、KAZUⅠの航路の一部が通信エリア図で通信不可であったことから、同機構の検査員は、同機構の検査方法に従い、船長に通話可能という申告を受けて認めたということでございますが、これは、この運用はこのような事故を起こしたことに鑑み変えなければいけないということでございますので、冒頭申し上げましたように、五月九日、機構に対し従前の検査方法の改善を指導し、速やかに改めたというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/50
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051・白眞勲
○白眞勲君 いや、これやると盛土ができなくなっちゃうからこの辺でやめたいんですけれども、何かそういうお答えされるとますますやらなきゃいけなくなっちゃって、私も困るんですけれどもね。
要は、申告を、いや、私、私たち、みんな、ここの先生方もそうなんです、特に比例代表の先生方というのは、結構遠くまで行ったりすると自分の携帯電話が聞こえるかどうかというのは結構気にするときあるんですよ。我々でさえそうですよ。だから、こういう知床のこの奥の方の人も入らないような場所だったらどうなんだろうかというのは、普通は疑って掛かるのは当たり前なんで、だから、それを何か申告で通過したというのは、で、今言ったら、何かそのエリア図があるからそのエリア図で判断することになっていると。判断したのかどうか、この事実関係だけ教えてください。そのエリア図にあるのか、それが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/51
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052・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答え申し上げます。
機構の検査員は、この地域の通信エリア図という内容はもちろん把握をしてございました。通信エリア図から判断をすると、常時通信ができるということを自分で判断することが難しいので、できないので、事業者による申告で、つながるというようなことがあるのであればということで申告を受けましたけれども、この検査方法は検査方法として不十分であるという判断をいたしまして、改めさせてございます。
知床遊覧船事故対策検討委員会におきましても、機構による検査方法、あるいは国の機構に対する監督の在り方、あるいは無線設備の在り方、このようなことを国土交通省として徹底的に議論、検証、検討し、今後の在り方につきましても必要な措置を講じてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/52
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053・白眞勲
○白眞勲君 つまり、エリア図は確認して、そこは通じていたということだから、またその辺は、検査員はね、エリア図を確認して通じていたと、通じているような場所になっているということを確認したということですから、分かりました。
じゃ、その次に海上保安庁さん、もう時間がないので、海上保安庁さんにお聞きします。
これ、一一八が何か乗客の携帯電話から行われたという話もあるんですけれども、この辺のちょっと事実関係だけ教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/53
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054・奥島高弘
○政府参考人(奥島高弘君) お答えいたします。
四月二十三日、午後一時十八分頃でございますが、遊覧船KAZUⅠから携帯電話、携帯電話で一一八番通報がございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/54
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055・白眞勲
○白眞勲君 それは船長の携帯電話ですか、それともどなたかの携帯電話なのか、その辺の確認状況についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/55
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056・奥島高弘
○政府参考人(奥島高弘君) 大変恐縮でございますが、現在捜査中でございますので、捜査に関わることでございますので、お答えは差し控えたいと存じます。お許しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/56
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057・白眞勲
○白眞勲君 いや、誰から来たのかが捜査中というのは変ですよ、それは。ともかく、しっかりとこれ取り組んでいただきたいと思います。
最後に、国交大臣からこの件についてのお話をちょっと聞きたいと思います、どういう今後取組をしていくか。そして、やはりこれ、もうこれに限らず、今後、小型船舶、全体的にね、やっぱりあると思いますので、その辺についての国交大臣の御認識をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/57
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058・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、特別監査、これは国土交通省として行うべき特別監査、しっかり行い、どういうことが起きたのかしっかり明らかにして、再発防止策、全力挙げたいと思っております。
先ほど海保長官が、これは捜査、捜査というのは警察権ということになりまして、開示できない情報もいわゆる捜査段階のものではあるのかもしれませんけれども、少なくとも、我々、監査という国土交通省が責任持つべき分野につきましては、しっかり情報を開示し、徹底した再発防止策を作っていきたい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/58
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059・白眞勲
○白眞勲君 盛土に移ります。
国土交通大臣は、五月十二日の当委員会におきまして、応急対策が必要な盛土や災害危険性が高いと特定された盛土は速やかにその内容を公表すると御答弁されました。
盛土の総点検の結果、必要な災害防止措置は確認できなかった盛土などのうち、詳細調査を経ないと危険性が明確にならない盛土についても、これからいよいよ梅雨にかけて出水期を迎えるに当たって、やっぱり詳細調査前の段階でも所在地等の情報は住民にどんどん周知することも重要なんじゃないのかなというふうに思います。
昨年の熱海での盛土崩落のような事態は二度と繰り返しちゃならないと思いますし、最近はもう自然災害、非常に激甚化、頻発しているという中で、やっぱり災害リスクが高まっていることを踏まえれば、適切かつ十分に周知の上に住民に避難の心積もりをしていただく、早め早めというのが重要だと思うんですね。
この辺の国土交通大臣としての見解を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/59
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060・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 盛土の総点検につきましては、昨年八月に関係府省から都道府県に依頼し、本年三月十六日時点において全国で約三万六千か所の盛土が抽出され、それらのほぼ全ての盛土について目視等による点検が完了しました。このうち、必要な災害防止措置が確認できない、許可、届出等の手続が取られていないなど、点検項目のいずれかに該当する盛土が約千百か所ありました。
総点検と並行して、既に地方公共団体の中には必要に応じて周辺住民に盛土の状況を説明するなどの対策を取っているところもあると伺っております。
これにとどまらず、総点検を踏まえ、出水期を迎えるに当たり、明らかに災害危険性が高い盛土は出水期までに応急対策を完了すること、詳細調査が必要な盛土については速やかに着手し災害危険性の程度等を明らかにすること、迅速な避難等につながるよう、応急対策が必要な盛土や災害危険性が高いと特定された盛土は速やかにその内容を公表することについて、国土交通省、農林水産省と共同で、本年四月に都道府県に依頼しております。
国土交通省としましては、出水期を迎えるに当たって安全確保が図られるよう、関係省庁また地方自治体とも連携してしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/60
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061・白眞勲
○白眞勲君 廃棄物が混じっている土については、建設現場などで土と廃棄物をできるだけ分別した上で、分別された廃棄物は廃棄物処理法に基づき適切な処理を行う必要があり、この法律により既に厳格な規制がなされているというふうに承知していますが、一方で、令和元年に新しく判明した産業廃棄物の不法投棄のうち、投棄件数の、不法投棄の八割以上であり、投棄量の半分以上が建設系廃棄物となっており、不法投棄実行者の内訳を見ると、産業廃棄物収集運搬業許可業者による投棄量が最も多いとされているという中で、これ、環境省に伺いますけれども、このように建設系廃棄物の不法廃棄が横行している背景、要因をどのように分析しているのか。
あわせて、産業廃棄物のマニフェスト制度を含めて、不法投棄事案の未然防止に向けてどのような対応を講じるつもりでいるのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/61
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062・土居健太郎
○政府参考人(土居健太郎君) 環境省が実施しております実態調査によりますと、十トン以上の産業廃棄物の不法投棄件数、ピーク時の平成十年頃、一千件を超えておりましたが、直近では、令和二年度では百三十九件というふうに減少しておりまして、内訳で申し上げますと、今お話しいただきましたように、建設廃棄物、九十八件、全体の七割程度ということを占めております。
建設系の廃棄物につきましては、建設現場においてできるだけ分別をすればリサイクルが進むということでありますので、元請業者の責任の下、適切に処理を行うということが重要でございます。
廃棄物処理法では、それを担保するためにマニフェストを交付するということを義務付けておりまして、これによりまして排出から最終処分まで管理ができるという仕組みになっておりまして、さらに、これらのやり取りを電子的に行う電子マニフェストにつきましては、偽造がしにくく、不適正の処理の原因究明、これを迅速にできるということから、この電子マニフェストの普及を努めております。
この電子マニフェストにつきましては、令和三年度の普及率は七割を超えたというところではございますが、建設業におけます電子マニフェストの利用促進につきまして、国土交通省と連携をして更に力を入れていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/62
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063・白眞勲
○白眞勲君 そのとおり、電子マニフェスト、これは国交省さんと一緒になってしっかりと取り組んでいきたいなと思います。今、百件ちょっとまだ残って、まだあると。まあ、これ、百件、少ないといえば、千件から考えりゃ少ないかもしれないけど、百件自体は多いですから、是非取組をしっかりとしていただきたいと思いますが。
この盛土による災害の防止に関する検討会の提言では、建設現場における廃棄物混じりの土ですね、土の分別促進、適正処理の徹底を図るため、地方公共団体の関係部局と労働基準監督署が連携して実施している建設現場パトロール、これ、今、さっき長峯先生とか皆さんおやりになっていたところなんですけれども、この提言の内容を踏まえて、抜き打ちでの確認ですね、建設現場パトロールの効果的な実施等を図っていくべきだと思いますが、国交省、国交大臣としてどういうふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/63
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064・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 建築物の分別解体の徹底ということは非常に重要な課題でございます。
建設廃棄物の再資源化を促進するため、建設現場パトロールを実施してきているところです。実施に当たっては、国土交通省、環境省及び厚生労働省が連携して地方公共団体に要請し、建設リサイクル担当部局、環境部局及び労働基準監督署が合同で、抜き打ちを含むパトロールを昨年度は全国で約四千件実施しております。今後、このパトロールを強化し、建設現場における廃棄物の混じった土の分別や適正処理が行われていること、今後義務付けることとしている再生資源利用促進計画の現場掲示が適切になされていることなどの確認を予定しております。
また、国土交通省においても、資源有効利用促進法に基づく建設業者への立入検査等を実施し、再生資源利用促進計画の作成やその保存状況等について確認をしてまいりたいと、このように思っております。しっかり行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/64
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065・白眞勲
○白眞勲君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/65
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066・野田国義
○野田国義君 野田国義です。よろしくお願いいたします。
私も、知床遊覧船事故についてお聞きいたします、最初。
本当に今、白眞勲先生がおっしゃったように、二度とこういうことが起きてはいけないということで、今、国交省としても真剣に取り組んでいただいているものと思っているところでございますけれども、しっかりやっていただきたいと思います。
で、白眞勲先生の方から話があったのは、まず、携帯電話、いわゆる連絡網ですよね、このことが間違っていたと。結局、携帯電話だと圏外が出るのはもう分かり切ったこと、それが申請によって、いや、通ずるからということを認めていたということですよね。
それともう一つは、やはり本当に水温が二度、三度というところに放り出されたらもう本当に数秒で、何といいますか、意識がなくなるということでございますので、このことも本当に、例えば一緒に何隻かが出航するとかですね、いろいろな手だてがあるんじゃないのかなと、救助できますから、そうなりますと。そういうことを思いますし、そしてまた、なぜこんな悪天候が予想される中で出航したか、ここが一番だと思います。ここの何か決まりというのはあるんでしょうか、出航の決まり。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/66
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067・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答え申し上げます。
今回の事故、なぜこのようなことが起こってしまったのか。特に出航可否の判断が非常に大事だったと思ってございます。
海上運送法に基づきまして、事業者は安全管理規程を設けなきゃ、作らなければなりません。運航を中止すべき気象や海象の具体の条件が書いてございます。この会社の場合には、発航前において航行中に風速八メートル以上又は波の高さ、波高一メートル以上になるおそれがあると認められるときは発航を中止しなければならないと書いてございます。
当日、気象情報では、朝から夜にかけまして風速最大十五メートルというものが出てございました。事業者は、当然これを発航前に確認をしなければいけません。その意味では、今回絶対に出てはならない状況であったと考えてございます。
そこにつきましては、このような気象、海象を踏まえた運航可否の判断がなぜ適正に行われなかったのか、それを絶対に防ぐためには、運航管理の在り方を始め、安全管理規程の実効性をいかに確保していくのか、国の制度の問題も含めしっかりと検証し、必要な措置を講じてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/67
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068・野田国義
○野田国義君 やはり、ここの、出航を何でしたのかというところを改善を、安全基準などを改正していかなくちゃ、強化していかなくちゃいけないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、もう一つあれなのは、結局、いろいろ今明らかになってきたのは、社長不在のときも必ず事務所にいわゆる運航管理者補助者がいるということですよね。しかし、これもいなかったということでありますから、これもやはり特別監査ですか、その後これも守られていなかったということでございますので、このことはどうだったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/68
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069・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答え申し上げます。
有限会社知床遊覧船の先ほど申し上げました安全管理規程におきまして、運航管理者である桂田社長が船舶の就航中に職場を離れますときには、営業所の運航管理補助者と常時連絡できる体制になければなりません。
今般の事故時におきましては、運航管理補助者として船長の豊田氏が選任されていたものの、同豊田氏はKAZUⅠに乗船し、営業所には不在の中、運航管理者である桂田社長も営業所を離れていたと承知してございます。これは安全管理規程に照らして、大変同社の安全管理体制に問題があったと考えてございます。
国土交通省といたしましては、安全管理規程の実効性の確保、監査の在り方、これをしっかりと議論をし、必要な措置を更に講じてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/69
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070・野田国義
○野田国義君 恐らくこれは、事故が起きたときだけじゃなくて、一事が万事だと思うんですよね。そういうことがずっと続いていたんだと思います。ですから、その辺りのところの指導ができなかったということは非常に大きな責任もあるのではないかと思うところであります。
それで、私も、国交省の方から指導文書ですか、それから改善報告書をいただきました。それで、見てみますと、今いろいろ報道されておりますけれども、結局何ですかね、これ、いわゆる風速とか波ですか、全部同じような数字がここに書かれていますよね。全部、私が持っている資料だと、同じ数字がいいかげんに書かれていると言っても過言ではありません。
だから、これ指導をされた後にこういう状況が続いていたということでしょうから、ここではどんな指導されたんでしょうか、この資料を見られて、報告書を見て。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/70
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071・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) 委員御指摘の運航記録簿につきましてお答え申し上げます。
昨年七月に提出されました改善報告書におきまして、運航記録簿に同じ数値が毎日連続して記されるなど不自然な点がありながら、当時の北海道運輸局では、これを適切に認識をして事業者に更なる確認をすることができておりませんでした。そのように承知しております。
事業者への更なる確認や事後のフォローが十分にできていなかったと認識をしておりまして、今回のような事故が起こってしまったことを重く真摯に受け止め、しっかりと改善を図る必要があり、それを実施してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/71
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072・野田国義
○野田国義君 本当に、ここで強い指導をしておかなくちゃいけないことですよ、そうでしょう。
それで、白先生、そして私が今述べたようなことを、しっかりこれやっておかなくちゃいけなかった。本当に、こういった事故が起きても不思議じゃなかったと、逆に言えばですね、そういう状況での運航だったと言わざるを得ないということでございますので、強く本当に反省を求めたいと、そしてまた改善も求めたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、盛土の方に移りたいと思います。
小宮山議員、どうもありがとうございます。それで、まず、提出者として修正部分についてお伺いをさせていただきたいと思います。
二つ、まずお聞きしたいと思います。
修正を行うに至った経緯について、それから修正部分の趣旨についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/72
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073・小宮山泰子
○衆議院議員(小宮山泰子君) 質問ありがとうございます。
今般盛土規制法の法案を政府が提出したことについては、一定の評価をしております。しかし、衆議院国土交通委員会における質疑の中で、宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域以外の土地における盛土等の工事に関する規制の問題など、政府が今後速やかに取り組むべき課題も明らかにされました。
当初、与党以外、国民も含めまして野党間で修正協議を進め、まとめ、協議を始めたところ、日本維新の会は独自案を提出するということで途中で修正協議を離脱されました。そこで、立憲民主党・無所属、日本共産党、有志の会及びれいわ新選組の四会派による修正案を提出し、質疑を行いました。最終的には、四会派共同の修正案は内容が今回の修正案と重なるということできちんと撤回をした上で、今後の盛土規制法等がより効果的なものになるよう、検討条項について修正を行うことといたしました。
なお、本修正案は、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、日本共産党、有志の会及びれいわ新選組による六会派共同提出の修正案によるものであり、与党の賛同もいただき、衆議院国土交通委員会において全会一致で可決されたものであります。
修正部分の趣旨についてですが、本修正案は、衆議院、今後の課題として明らかになった宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域以外の土地における盛土等に関する工事、土砂の管理に係る規制の在り方を検討対象とするとともに、検討条項の期限を明確にするものであり、今後のより効果的な規制につながるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/73
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074・野田国義
○野田国義君 ありがとうございます。
それでは、次に質問させていただきます。
「この法律の施行後五年を目途として、」を「この法律の施行後五年以内に、」と修正されましたけれども、このことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/74
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075・小宮山泰子
○衆議院議員(小宮山泰子君) 昨今の自然災害の激甚化に伴い、法施行後の運用や実施された対応などを基に規制の見直しは必要だと考えます。
政府案においては、検討条項について施行後五年を超えて行われることも許容されるような条文となっていたため、期限を明確にする観点から、施行後五年以内と修正することといたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/75
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076・野田国義
○野田国義君 次に質問させていただきます。
検討に当たっての勘案事項について、宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域以外の土地における盛土等の状況その他この法律による改正後の規定の施行状況等を勘案することに修正した趣旨、意図というものをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/76
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077・小宮山泰子
○衆議院議員(小宮山泰子君) 衆議院国土交通委員会における質疑の中で、宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域以外の土地については、規制の対象外である白地となることから、この白地における盛土等の状況をしっかりと勘案する、このことが必要だということで修正を行いました。
御質問ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/77
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078・野田国義
○野田国義君 最後になりますけれども、この検討対象となる盛土等に関する工事、土砂の管理等に係る規制の在り方が想定しているものについてお伺いをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/78
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079・小宮山泰子
○衆議院議員(小宮山泰子君) 政府案の規制の対象外となる宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域以外の土地を含めた盛土等に関する工事や、工事の規制や、盛土のもととなる建設発生土の処理の適正化を図るための公共工事での指定処分制度や、トレーサビリティー制度の在り方などを想定をしております。
政府においては、盛土等の規制が真に実効性あるものとなるよう、効果的な規制の在り方を検討していただきたいと期待をして修正をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/79
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080・野田国義
○野田国義君 小宮山議員、どうもありがとうございました。よく分かりました。
それでは、質問の方を変えさせていただきたいと思いますが、この熱海のいわゆる県の報告書が、十、あれは何日でした、十三日ですかね、出たようでございますけれども、このことを、先ほどこやり委員の方からもこのことについて質問があったところでございます。しかし、もう本当にちょっとひどいもので、全てがこれ失敗と、結果的にはですね。見たということでいろいろ答弁もありましたのでよく分かりましたけれども。
それで、私は経験上思うのは、いわゆる産廃もそうでございますけれども、結局、許可権は県なんだと、そして、現場が一番近いものだから、当然苦情が来るのは、情報が来るのは市町村なんですね。このことが、本当に私、どこの市町村でも、あるいは都道府県でも行われているんではないかと思っているところです。この間から紹介いたしました福岡県の春日市の問題もそうだと、県が、市がすべきだということでお互いにそれを主張してきたということ、私もそういうことをたくさん経験をさせていただいた一人でございますけれども、このことが本当に非常におかしい。
ただ、じゃ、国がここまで入ってやれるかというと、なかなか難しい面もあろうと確かに思います。これは、だから県と市の問題なんですけれども、この辺りのところ、やはり何とかここのところをしておかないと、この盛土の問題も、ずっと恐らく全国の自治体でこんな問題が起こるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/80
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081・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まさに、国、県、市が一体的に取り組む必要があるというのが今回の法案の趣旨の一つでもございます。そのために、今回、いろいろな会議体を設けたり人事交流も行ったり、一体となって取り組む、そういう体制で取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/81
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082・野田国義
○野田国義君 ここのところが永遠の問題というか一番重要なところだと思いますので、何とか国の方でいい案を是非とも考えていただきたいと。そうでしょう、許可は県が持っているけど、しかし市町村に苦情はいろいろ来る、そして現場一番分かっているというようなことで、市がどんなに言っても県が知らないとか言ってくるわけですよ。でも、許可持っているのは県でしょうと言ってもね。まあ、そういうことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、もう一つのあれが百条委員会、長浜理事の方からこの間の委員会で質問あったところでございますが、本当、この結果も、報道される内容を見てみますと本当ひどいですよね。お互いにこれも、私は知らない、私も知らないみたいな話で、いわゆる前所有者も造成への関与否定、そして現所有者も存在知らぬと主張というようなことをその百条委員会で述べたということでございますので、ですから、現実的にはこういうことが起きているんですね、現実的には本当にひどいことがですね。
そうすると、ちょっと言いにくい部分もありますけれども、業者も大体あんまり良くない業者なんですよね、こういうことをやる人というのは。非常に、ですから、これも、例えば市の職員がそこに行ったとしても、なかなか言えるような状況でないというのを想像できるんですね。その雰囲気的な、まあ、ちょっと怖いお方というかですね。
そういうことで、ですから、このことも、全国でこんなことが起きていると思いますんで、十分この百条委員会のこれから進む中身も注目をしていただいて、改善につなげていただきたいと、このことを要望したいと思います。
それから、この間からの質問のちょっと続きになるわけでありますけれども、大規模造成地の安全対策を引き続き質問させていただきます。
盛土の総点検において、大規模盛土造成地のうち必要な災害防止措置が確認できなかった盛土は何か所か、また今後の取組についてお伺いしたいと思います。
それで、何度も言われているかと思いますが、盛土の総点検では約一万か所の盛土造成地が点検対象となっているようでございますが、大規模造成地のうち必要な災害防止措置が確認できなかった盛土は何か所確認されたのか。
それから、こうした大規模盛土造成地については特に優先的に対応を講ずべきであるが、具体的にどのように取り組んでいかれるのかということをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/82
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083・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず、最初の部分について私お答えし、後半の分については総政局長答弁させていただきます。
盛土の総点検において必要な災害防止措置が実施されていないことが判明した大規模盛土造成地、住宅の造成地として現時点で把握できている箇所は九か所ございます。この九か所については、まずは行為者等により是正措置を行うことが基本となりますが、全ての箇所について既に地方公共団体が是正措置を指示していると伺っております。
また、九か所のうち四か所は既に行為者等による対策に着手しているほか、三か所は盛土が安定している等の理由から喫緊の対策は不要であると自治体において判断されたと伺っております。残る二か所の対策については、明らかに災害の危険性が高い場合には出水期までに応急対策を行うなど、盛土の安全対策に万全を期すよう自治体に対して促しているところでございます。
国としては、地方公共団体が行う安全対策工事等に対して国費率二分の一又は三分の二による手厚い財政支援を行うこととし、併せて地方公共団体の負担分に対する地方財政措置を講ずることとしております。本予算制度の活用や災害防止措置の実施方法などについてきめ細かく助言を行いつつ、地方公共団体による早期の対策を促していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/83
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084・野田国義
○野田国義君 よろしくお願いしたいと思います。
最後のもう質問になろうかと思いますけれども、令和元年度大規模盛土造成地防災対策検討会報告を踏まえて、今後激甚化する水災害を踏まえた今後の対応方策の検討についてお伺いしたいと思います。
令和元年の大規模盛土造成地防災対策検討会の報告によれば、台風等による水災害に伴う盛土造成地における崩落等が発生していることから、激甚化する水災害を踏まえた今後の対応策の検討を進めていくことが望まれているところでございます。
本件に係る政府での検討状況をお伺いし、また、本法律案における技術的基準等についても地震災害や水災害を始めとする自然災害の頻発、激甚化の傾向を踏まえた内容とすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/84
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085・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 野田委員御指摘の検討会、大規模盛土造成地防災対策検討会では、今後の宅地防災対策として国が取り組むべき施策の方向性が示されました。また、そのほか、更なる課題として、激甚化する水災害を踏まえた今後の対応方法についても検討を進めていくことが望まれているとの報告をいただきました。
これを踏まえ、現在、大規模盛土造成地の崩落等を未然に防ぐため、降雨等により崩落等のおそれのある盛土の変状の進行等を定期的に点検するためのマニュアルの検討を進めているところでございます。
また、この法案における、今回御審議いただいている法案における盛土等に関する技術的基準については、今後、地盤工学等の有識者による検討会により技術的に検討することとなりますが、この中で御指摘の報告を踏まえた検討も行うこととしております。
具体的には、盛土等を行う場所の地形や地質、地下水等の状況に応じて、擁壁や排水施設の適切な設置、地盤の締め固めなど、盛土等の安全性を確保するための基準について、御指摘の激甚化する災害を踏まえた対策も含め、検討の上定めることとしておりまして、しっかりとこの盛土造成地の安全を図っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/85
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086・野田国義
○野田国義君 もう時間も来ましたので、終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/86
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087・塩田博昭
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
本格的な梅雨入りを前に、先週十二日から十四日には、もう西日本から関東地方の太平洋側で早くも局所的に記録的な豪雨が降りました。やはり近年の雨の降り方を考えますと確実に激しさを増しておりまして、従来の想定を超えた災害に備えてあらゆる手だてを早急に講じるべきであると思います。
昨年七月の静岡県熱海市で発生した土石流災害では、豪雨によって上流部の盛土の崩壊が被害の甚大化につながりまして、多くの命が奪われましたことを、改めまして心から哀悼の意を表するものでございます。
四月二十一日に、本委員会におきましても熱海市の崩落現場を視察をさせていただきましたが、この災害を二度と繰り返してはならないと強く決意を新たにした次第でございます。しかし、残念ながら、熱海市のような不適切な盛土の崩落による人的、物的被害は全国で確認をされており、昨年八月から国交大臣の指揮の下、関係省庁や各自治体が連携して実施された総点検の結果においても、約千百か所で問題のある盛土箇所などが確認をされております。
そこで、まずこの実施済みの総点検についてお伺いをしたいと、このように思います。
昨年八月から総点検に取り組み、約半年を経た令和四年三月末時点におきまして、対象箇所三万六千三百五十四か所のうち三万六千三百十か所、九九・九%の点検が完了したとのことでありますけれども、この点検方法は目視等によると国交大臣も答弁をされております。
この目視等によるの等とは、目視以外に具体的にどのような点検方法を指すのでしょうか。
また、目視等による点検で実施可能な点検項目とはどのような内容なのか、御見解伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/87
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088・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、全国で約三万六千か所の盛土が抽出され、それらのほぼ全ての盛土について目視等による点検が完了いたしました。総点検に当たりましては、現場における目視のほか、許可や届出資料の有無や内容等について点検を行ってございます。これが等の部分でございます。
現場での目視やこれらの資料を確認することによって、災害防止の必要な措置がとられているか、廃棄物が投棄されていないか、許可、届出等の必要な手続が行われているか、手続内容と現地の状況が一致しているかの四つの観点について点検を行ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/88
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089・塩田博昭
○塩田博昭君 盛土については、これまで全国の状況を網羅的に調査をした例はなく、実態が判然としていなかった中で、今回の総点検によって全国約千百か所で問題の盛土が浮かび上がったことは、本法律案の提出につながる基礎的なデータともなり、大いに評価をするものでございます。
一方で、私が重視したいのは、目視等による点検だけでも約千百か所見付かったということは、より詳細な点検、例えば、一部を掘り起こしてコンクリート塊等の廃棄物が混じっていないかとか、一見水路が設置されていても詰まっていないかなどの点検を実施したとすれば、もっと危険で不適切な盛土箇所が見付かる可能性が高いのではないかということであります。
この点について国交省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/89
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090・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 盛土の総点検は、静岡県熱海市で発生した災害を受けて、できることは何でもやるという姿勢で、そのすぐ後に国土交通省、農林水産省、環境省が連名で都道府県に依頼して実施したものであり、委員もおっしゃられましたように、盛土の状況を初めて全国的に点検したものとなります。
先ほど申し上げた四つの点検項目のいずれかに該当する盛土が全国で、この総点検の結果、約千百か所確認されております。この結果は、あくまでも目視等により判断したものです。目視等による点検のみでは災害危険性の有無や程度が必ずしも明確でないため、都道府県等におきまして必要に応じて詳細調査を実施し、これらを明確にしていくことが必要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/90
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091・塩田博昭
○塩田博昭君 本法律案においては、都道府県等は、定期的、おおむね五年ごとに規制区域の基礎調査を実施するとなっていますけれども、この基礎調査とは別に、法律の成立、施行を待たずとも、災害を未然に防ぐためにより詳細な総点検を実施できるのではないでしょうか。特に、今回の総点検で明らかになった約千百か所の問題箇所については、目視から一歩踏み込んだ調査、点検を行うとともに、一刻も早く速やかに必要な災害防止対策を講じるべきだと考えます。災害が起きてから想定外の盛土だったでは済まされないと思います。
国交大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/91
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092・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 総点検の結果、点検項目のいずれかに該当する約千百か所の盛土等については、都道府県等において必要に応じて応急対策を実施するほか、詳細調査等により崩落の危険性を確認し、盛土の撤去、擁壁設置等の抜本的な安全対策を早急に講ずる必要がございます。
このため、本年四月、出水期を迎えるに当たり、明らかに災害危険性が高い盛土では出水期までに応急対策を完了すること、それから、詳細調査が必要な盛土については速やかに着手し災害危険性の程度等を明らかにすること、それから、迅速な避難等につながるよう、応急対策が必要な盛土や災害危険性が高いと特定された盛土は速やかにその内容を公表することについて、国土交通省、農林水産省とが共同で都道府県に依頼をしております。
加えて、令和四年度予算においては、詳細調査や応急対策工事に加え、地方公共団体が実施する盛土の撤去や擁壁の設置等の抜本的な危険箇所対策を支援することとしております。
また、本法案の施行後は、基礎調査のほか、住民からの通報や定期的なパトロール等により不法な盛土を把握し、災害発生のおそれが大きい場合は都道府県知事等がちゅうちょなく適切に是正命令等が行えるよう、国としてもガイドラインの作成や助言を行うなどの支援をしていくこととしておりまして、しかるべき措置をしっかりとって、災害が起きてから想定外の盛土だったということにならないようにしっかり対応していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/92
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093・塩田博昭
○塩田博昭君 今大臣から御答弁いただいたように、やはりこの問題の盛土箇所にはやはり速やかな災害防止対策を進めていただけるようによろしくお願いをしたいと思います。
次に、建設発生土の適正な受入れについて質問をしたいと思います。
国交省の建設リサイクル推進計画二〇二〇によりますと、平成三十年度の建設発生土の総量のうち公共土木事業が約二億四千四百二十五万立方メートルと、全体の八割以上を占めています。公共事業においては、現場から搬出される建設発生土は搬出先を発注者が指定する指定処分となっており、国の発注工事ではほぼ全ての工事で指定処分されていますが、地方公共団体の発注工事では約一九%の建設発生土が指定処分されておりません。これは、地方の一九%の公共工事において、いまだに建設現場から発生し搬出される残土などが自由に処分されている、すなわち発注者が知らぬまま不適正な盛土として処分されている可能性があるということでしょうか。
国交省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/93
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094・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 地方公共団体が発注する工事につきましては、約一九%の建設発生土は搬出先が指定されていない、具体的には設計図書で建設発生土の受入れ場所が明示されていない形で発注されている状況でございます。
工事の実施に当たりましては、公共工事標準請負契約約款にもありますとおり、各種法令を遵守することとしており、発注者としては建設発生土の処理に際しても法令を遵守し、適切に対応していることを求めていると考えてございます。
このように、法令を遵守して建設発生土を取り扱うことが求められておりますが、工事の元請業者が実際に建設発生土をどこに搬出したかについて発注者として確認まではしておらず、公共工事の発注者として取組が十分ではない点があると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/94
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095・塩田博昭
○塩田博昭君 それでは、今の質問に関連して、地方公共団体の発注する公共工事で指定処分が一〇〇%になっていない要因はいかなる理由によるのでしょうか。そして、本法律案によってその要因が解消される方向性になるのか、国交省の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/95
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096・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 地方公共団体が発注する工事におきましては八一%が、そして特に政令市を除く市町村におきましては六九%、これが指定利用の数字でございます。このように、国と比較しますと十分に進んでいないという現状でございます。この現状は、市町村等におきましては建設発生土の工事間の利用先や搬出先に関する情報や知見が不足していること、市町村等における専門の技術者が不足しており、指定利用等を行う場合の設計図書等の作成に習熟していないことなどによるものと考えてございます。
今般提出しております法案におきましては、新たな法制度による許可地一覧の公表等によりまして、法令上の基準を遵守した建設発生土の受入れ地が明確になります。地方公共団体が指定利用等をこれによって行いやすくなるものと考えてございます。
また、新たな法制度と併せまして、官民有効利用マッチングシステムの普及など、工事間利用などのマッチングを促進いたします。地方公共団体の職員に対しては、指定利用等を行う場合の設計図書等の作成方法について助言や事例紹介などを行ってまいります。
これらと併せて、本年の四月一日に、地方公共団体に対し、総務省と連名で指定利用等を徹底するようお願いをしておりますが、引き続き徹底をお願いしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/96
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097・塩田博昭
○塩田博昭君 また、同じく平成三十年度の建設発生土の総量のうち、工事現場から場外に搬出される建設発生土は約一億三千二百六十三万立方メートルでございます。その場外に搬出される土のうち約四割が内陸の受入れ地に搬出されているということでありますが、これらが不適切に処分されないように、建設発生土のトレーサビリティーの確保について、発生元から最終処分地までに多数の業者を経由することもあり移動実態の把握は難しいかもしれませんが、ICT技術を活用したトレーサビリティーシステムの導入を図るべきではないのでしょうか。
また、トレーサビリティーシステムの導入が困難であっても、本法律案によって一定のトレーサビリティーの実効性が確保されるようになるのでしょうか。
国交大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/97
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098・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 建設発生土の不適正処理の防止のため、本法案における規制と併せて再生資源利用促進計画制度の強化を図ることとしております。その中で、元請業者が実際に搬出されたことを受領書等で確認するとともに、これらを記録、保存することで一定のトレーサビリティーを確保する仕組みを構築してまいりたいと思っております。
議員御指摘のICT技術を活用したトレーサビリティーシステムの導入については、再生資源利用促進計画制度の適切な実施の確保や事務の効率化等に有効な手法と認識しております。国土交通省におきましては、直轄工事において、トラックの運転手が現場の発着時にICカードをスマートフォンにタッチすることによって、搬出元、搬出先、運搬業者等を記録するシステムについて試行をしているところでございまして、引き続き実用化に向けて試行を重ねてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/98
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099・塩田博昭
○塩田博昭君 今大臣からおっしゃっていただいたとおり、やはりICT技術も使ってトレーサビリティーがしっかりできれば最後までの動きが全部見えてくるということでございますので、是非積極的な御検討をお願いしたいと、このように思います。
そして次に、公共工事においては、全ての発注者に発注段階で建設発生土の搬出を指定する指定利用の原則実施を要請するとのことでございますが、民間工事についても、現行制度の資源有効利用促進法により、元請業者に対して、残土処分場など搬出先を記載した再生資源利用促進計画書の作成、保存が義務付けられております。
本法律案によって、民間工事から発生する建設発生土の利用計画制度はどの点がどのように強化されてより搬出先が明確化されるようになるのでしょうか。
また、不法盛土の監視を強化するためには、許可地一覧の公表や、あっ、認可地一覧の公表やですね、あっ、ごめんなさい、許可地ですね、失礼しました、許可地一覧の公表や建設現場への看板などの掲示を義務化すべきであると思います。
さらに、掲示については、現場に行かないと分からないようでは監視力が半減しますので、地元の市町村や住民からもチェックできるようにインターネットで公表することも検討すべきであると考えます。
国交省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/99
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100・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) 再生資源利用促進計画制度の強化の内容でございますけれども、具体的には、計画作成対象工事をまず拡大した上で、元請業者に対し搬出先が適正であることの事前事後の確認を義務付けるとともに、その計画の内容については発注者への報告の義務付けを行うこととしております。また、あわせまして、立入検査等の対象事業者の拡大や建設現場パトロールの強化などを行うことによって実効性を確保することとしております。
また、今委員御指摘のありました、許可地等の公表につきましては、本法案により許可を受けた土地の所在地等については許可をした都道府県等が公表することとしており、また資源有効利用促進法に基づく計画につきましても周辺住民等の目に触れるよう現場掲示を義務付けることとしております。この許可地に関する情報や計画について、委員御指摘のありましたように、第三者が簡易に検索、確認できるようにインターネットによる公表ということにつきましても、これは検討をこれから行ってまいりたいと考えております。
国土交通省としては、本法案による盛土の安全性の確保と併せまして、建設発生土の搬出先の明確化、適正化にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/100
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101・塩田博昭
○塩田博昭君 今インターネットによる公表も検討するということでございますので、できるだけ早くこういうことも含めて分かりやすい形にしていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
そして、最後の質問になると思いますが、本法律案による基礎調査や規制区域の指定、盛土等の工事の許可等に当たり、都道府県等の担当部局においては、事務負担の増加だけではなく技術系の職員不足が指摘されていることもあって、国が示す基準などを自治体が使いこなせるようにするためには国によるサポートが必要になるのではないかと思います。
衆議院の国土交通委員会における国会答弁によると、政府は、本法律案の運用に関しまして、都道府県等に対し丁寧なガイドライン等を示し、国交省の地方整備局による技術的な支援等を講ずるとしておりますけれども、外部のコンサルティング会社の活用なども含めた具体的なサポート内容をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/101
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102・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案に基づく許可権者である都道府県等は、これまでも宅地造成等規制法や森林法等の開発許可を行っていることから、一定の専門知識を持つ職員を有するものと考えておりますが、本法案の施行により専門的な事務が増えるので、必要なノウハウの獲得や専門知識を持った職員の確保は重要な課題であると認識しております。
このため、国としては、地方公共団体を支援するため、基礎調査や区域指定、盛土の技術的審査、不法な盛土への対応等の参考になるガイドラインを示し、説明会の実施や地方整備局等に新たに配置する職員の派遣による個別的サポートを行うこととしております。
あわせて、地方公共団体が行う調査を財政支援することによりコンサルタント等の専門家の活用を支援するとともに、盛土の特性やリスク等に関する実務的な研修の実施などにより地方公共団体が的確に事務を行えるよう、きめ細かく支援してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/102
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103・塩田博昭
○塩田博昭君 今御答弁いただいたように、やはり地方公共団体へのサポート体制非常に大事だと思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/103
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104・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時四十二分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/104
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105・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、白眞勲君及び伊藤孝江君が委員を辞任され、その補欠として宮口治子君及び高橋光男君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/105
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106・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 休憩前に引き続き、宅地造成等規制法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/106
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107・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
午後からも、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
まず最初に、午前中も少し議論がありましたが、静岡県熱海市の土石流災害に関しての検証について、県の方で第三者委員会というのが行われておりまして、五月の十三日に行政対応検証委員会の最終の報告がまとめられました。この中では、事業者に対して届出ですとかあるいは申請の受付、この段階においてやはり審査ですとか指導が不十分だったという点ですとか、あと県と市の連携が不足していたといったような点もかなり厳しく指摘をされているというふうに受け止めております。
この最終報告書に対して、大臣としてのですね、どのような受け止めをされたのか、今後、それをどう生かしていくのか、こういった視点で御所見をまず伺いたいと思います。
あわせて、あわせてですけれども、今回の法改正によって、いわゆる事業者の方に対して行政からしっかりとした是正命令、こうした強い措置がとられるように変わっていくのかどうか、さらには、地方自治体間の緊密な連携、これがやっぱり重要になってくると思います、こういった盛土災害の防止という観点からはですね、こうした面での改善も今回の法改正で図られることになるのか、この点についての御見解を併せてお伺いしたいと思います。
以上二点、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/107
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108・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 検証委員会の最終報告においては、断固たる措置がとれていなかったこと、それから、県と市、関係部局の連携が不十分であったことなどが指摘され、行政の対応は失敗であったと厳しく指摘されたと承知しております。
国土交通省としても今回提起された課題は大変重要であると認識しておりまして、これらの課題に対しては、この本法案においては、規制区域の指定や危険な盛土への対処に当たり県と市町村が連携する仕組みとしております。また、法案の施行に当たって、適切な事務の実施や県と市の連携が図られるよう基本方針に考え方を示すとともに、不法な盛土に厳格に対応するためのガイドラインを策定することで対応していきたいと思っております。
この報告の内容を参考にして、二度と熱海市と同様の悲劇が繰り返さないよう、この法案の中身も、この報告書の指摘にしっかり応えられるような、そういう災害の防止に向けた内容にして、ガイドラインとしていきたいと思っております。
また、市と、県と市町村と国の連携、これらは人事交流、いろいろな会議体等々、いろいろな形で図っていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/108
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109・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
是非、検証委員会での報告ですので、しっかり国土交通省の中でも詳細に中身確認をしていただいて、次に生かせるものは必ず生かしていただくことが大変重要だというふうに思っておりますので、その点重ねて、大臣にもリーダーシップを発揮していただいてしっかりと取り組んでいただくことを求めておきたいというふうに思います。
続きまして、全国で約三万六千か所の盛土の総点検、実施していただきまして、課題がある、対策が必要だという盛土が千八十九か所あったというふうにこれまでの委員会の中でも確認をさせていただいております。では、具体的に、この千八十九か所の中で課題のある盛土がどういった都道府県に多くあるのか、この辺りの実態について確認をさせていただきたいと思います。
またあわせて、この緊急性とか危険度の高いこの千八十九か所の中で、そういった早急に対応しなきゃいけない盛土としてどの程度あって、そういった盛土にどのような対策をこれから地方自治体と国が連携しながら対策を講じていくのか、その点についても併せてお答えいただきたいと思いますし、国として、その対策をしなきゃいけない盛土に対して、地方自治体に対してどのような支援を行っていく予定なのか。
まさに梅雨の時期を迎えている中で、こうした盛土の対策、抜け目のないようにしっかりと行っていくことが大変重要だというふうに思っておりますので、これまでお伺いしている点についての御答弁をお願いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/109
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110・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 盛土の総点検につきましては、全国で三万六千か所の盛土が抽出され、それらのほぼ全ての盛土について目視等による点検が完了しております。このうち、必要な災害防止措置が確認できない、許可、届出などの手続が取られていないなど点検項目のいずれかに該当する盛土が全国で千百か所あり、特に千葉県、神奈川県などの首都圏、静岡県などの東海圏、大阪府などの近畿圏といった大都市の周辺圏を中心に比較的多くの箇所が報告されてございます。
この約千百か所において特に必要な災害防止措置が確認できなかった盛土などのうち、明らかに崩落の危険性が確認された場合には、都道府県等において応急対策を行う必要がございます。また、それ以外の場合につきましても、目視等による点検のみでは災害危険性の有無や程度は必ずしも明確ではございませんので、詳細調査等により崩落の危険性等を確認し、既存法令上の措置のほか、盛土の撤去などの抜本的な安全対策を講じていく必要がございます。今後、このようにして応急的あるいは抜本的な安全対策を行う箇所数が定まってまいります。
国土交通省としましては、農林水産省と共同しまして、都道府県に対し速やかな対応を要請するとともに、応急対策、詳細調査、抜本的な安全対策に必要な経費を地方公共団体に助成することとしております。
また、本年四月、出水期を迎えるに当たりまして、明らかに災害危険性が高い盛土は出水期までに応急対策を完了すること、詳細調査が必要な盛土については速やかに着手し災害危険性の程度等を明らかにすること、迅速な避難等につながるよう、応急対策が必要な盛土や災害危険性が高いと特定された盛土は速やかにその内容を公表することについて、都道府県に依頼してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/110
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111・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございました。
先日の参考人の質疑の中でも、神奈川県の参考人の方からは、神奈川県は六千五百か所点検をして、五十か所程度やっぱり課題があったと、その中で三十か所、優先的にやらないといけないということで考えておられるというお話ありました。
是非、先ほど千葉とか神奈川、静岡、大阪、こういったところが課題のある盛土が多かったという御答弁でしたけれども、地方自治体と連携取っていただいて、やはり優先順位付けというのもこれから大事になってくるというふうに思っておりますので、各県の対応については国土交通省からもしっかりと確認をしていただいて、必要なサポート等についてはお願いをしたいというふうに思っております。
続きまして、隙間のない規制に関連して幾つか、ちょっと細かな点も含めて、今日最後の質疑ということになりますので、確認をさせていただきたいというふうに思います。
まず一点目が、盛土による災害を防ぐという観点から、危険な盛土に基づいて、やっぱり災害リスクというのが可能性が高い、そういう蓋然性が高いような土地の区域ですとか、あるいは人家等に危害を及ぼし得る区域、こういった区域を宅地造成等工事規制区域あるいは特定盛土等規制区域、こういう形で都道府県が円滑に指定できるように、この規制区域の全体像ですとかあるいは具体的な規定について基本方針の中でやっぱり速やかに都道府県等に示していく、このことが大変重要だというふうに考えておりますが、この点に関して政府としての御見解を伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/111
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112・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 本法案では、盛土等に伴う災害から人命を守るため、盛土等に伴う崖崩れ等によって近隣の人家等に被害が生ずる蓋然性が高い市街地や集落のエリアを指定する宅地造成等工事規制区域と、市街地から、集落から離れた場所であっても、地形等の条件から盛土等が崩落した場合に土砂が流下して下方の人家等に危害を及ぼし得る斜面地のエリアを指定する特定盛土等規制区域を指定することとしております。
また、規制区域の指定に当たっては、都道府県等が地形、地質の状況等について基礎調査を行い、客観的なリスク把握に基づいて指定することとしております。
国としては、人命を守るという法の目的に照らして必要かつ十分なエリアが指定されるよう、規制区域の指定の考え方等について基本方針の中で示すとともに、区域指定の方法等について具体例を示しつつ解説したガイドラインを作成し、都道府県等に示してまいります。また、都道府県等が法施行後速やかに区域の指定などを行うことができるよう、基本方針やガイドライン等について、施行日を待たず案の段階でもできる限り速やかに都道府県等に示し、早期の基礎調査の実施や区域指定を支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/112
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113・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。是非、この点、大変重要ですし、都道府県等からもこうした方針がしっかりと具体的に示されることに対しては強い要望が寄せられておりますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
そうした中で、都道府県の皆さんから聞かれている内容で確認をしたいんですけれども、特定盛土等の規制区域において、客観的なリスク分析に基づいて都道府県知事等がやっぱりこの盛土は危険だと判断した場合において、その盛土がいわゆる宅地に近接していないといった盛土であっても、都道府県知事が判断した場合については規制の対象にしていくべきだというふうに考えておりますが、国交省としての、政府としての御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/113
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114・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 特定盛土等規制区域は、市街地や集落等から離れているものの、地形等の条件から盛土等が崩落した場合に土砂が流下して下方の人家等に危害を及ぼし得るエリアであり、御指摘のような盛土であっても人家等に危害を及ぼし得るものについてはこの区域に含まれ得るものと想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/114
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115・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。都道府県等が判断する場合に、今日の答弁というのも一つの参考になるというふうに思っております。
続きまして、これもこういったケースがあるので確認をしたいんですけれども、規制区域を都道府県等が指定する場合の対応なんですけれども、まず市街地、あるいは市街地になろうとする土地の区域、あるいは傾斜地、こういったもののいずれにも該当しない、いずれにも該当しない平たんで広範な農地等において、その中にある人家とかあるいは鉄道、こういった公共公益施設、ここを利用する方が安全を確保するために、安全を確保したいということなんですけれども、そのときに限定的な区域指定をすることによってその安全確保が阻害されてしまうということのないように、やっぱり必要十分な規制区域の指定というのを都道府県がやるべきだというふうに考えますが、こういったケースにおける規制区域の対応について、政府の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/115
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116・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案は、盛土等に伴う災害から人命を守るため、市街地や市街地となろうとする土地の区域以外にも、集落やこれらの区域に隣接、近接する土地の区域を宅地造成等工事規制区域に指定することができるほか、市街地や集落等から離れているものの、地形等の条件から人家等に危害を及ぼし得る区域を特定盛土等規制区域に指定することができることとしており、この両方の区域を合わせれば人家等に危害を及ぼし得る区域について必要かつ十分なエリアを規制区域として指定できるものと考えております。
区域指定に関しては具体的なガイドラインを示すこととしており、区域の指定が御指摘のような限定的なものではなく、人命を守るため必要かつ十分なものとなるよう、このガイドラインの中で丁寧に示してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/116
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117・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
かなり具体的な事例も出しながら確認をさせていただきましたけれども、いろんなケースあると思いますので、都道府県の対応というのが、現場を一番知っている皆さんが御判断されるというのがすごく大事な視点だというふうに思っています。
今後、この規制区域を指定するに当たっては、やはり都道府県の役割というのが大変重要になってくると思います。今後、都道府県の皆さんがいわゆるリスク分析等をやったり、あるいは市町村長の申出とか、あるいは、午前中も少し議論ありましたけれども、都道府県がやるパトロールによる政策的な判断など、この規制区域を決めるための意思決定の手順、こういったものも明確にしていく必要があるんではないかというふうに思っております。
また、都道府県知事等が裁量を持って適切にこの区域指定というのができるように、都道府県等関係者の意見もしっかりと聴いていただいて、先ほど来御説明がありますけれども、具体的かつきめ細かなガイドラインというのをしっかり作って、そして国から地方公共団体に対して必要な助言等も速やかに行っていく、このサイクルをしっかりやっていただくことが盛土による災害を防止する上ではすごく重要なプロセスになってくるというふうに思っておりますので、今申し上げたような観点で政府としての御見解を是非お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/117
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118・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 本法案に基づく規制区域の指定に際しましては、地形、地質の状況や土地の利用状況等について都道府県等が基礎調査を行い、客観的なリスクを把握するとともに、地域の実情に詳しい市町村長の意見を聴取することとしており、これらにより、都道府県知事等は人命を守るために必要かつ十分な区域を指定することが可能であると考えております。
その上で、規制区域の指定後もおおむね五年ごとに実施する基礎調査の結果のほか、市町村長からの区域指定の申出の仕組みであったり、定期的なパトロールや住民からの通報等に基づく情報等を活用して随時規制区域の見直しを行い、規制区域以外の土地についても必要に応じて規制区域に取り込むことが可能です。
国としても、こうした考え方を含め、基礎調査の実施や区域指定に関するガイドライン等を有識者や都道府県の意見も承りながら作成し、施行日を待たず、案の段階でもできるだけ速やかに都道府県等に示し、区域指定の手順を明確にしていきたいと考えております。
加えて、地方整備局等に新たに配置する職員の派遣による個別サポートなどを通じ、都道府県等による的確な区域指定が行われるよう、きめ細かく支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/118
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119・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
午前中の長峯先生からの御指摘も、参考人の方の意見で、非常に表現が曖昧になって、先ほど、午前中は千ページぐらいのガイドラインも示すというお話が答弁でありましたけれども、やはり使えるものになっていなきゃ、枚数が多けりゃいいというもんじゃありませんのでね、枚数が千二百枚だろうが使えなきゃ何の意味もないので、しっかりと現場の方がそれを見て判断がやりやすいなとか、分かりやすく、全国一律の基準で判断できるなと、そう思っていただけるようなものにしていかなければ、二千枚あっても一万枚あっても何の意味もなさないというふうに思っておりますので、その点はしっかり作り込んでいただきたい、いろんな方の意見をしっかり聞いて作り込んでいただくことを重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。
あわせて、この規制区域というのがどこまでが規制区域なのかというのをやっぱりしっかり周知広報していかないと、規制区域としての効果が十分に発揮できないのではないかというふうに思っております。そこの規制区域の周知徹底、より多くの地域住民の皆さん始め、分かりやすく知らせていくというのがすごく重要になってくると思いますが、そうした視点でどのように周知広報、徹底を行っていくのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/119
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120・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) 本法案の規制の効果を発揮するためには、関係する事業者や土地所有者等に規制区域を周知することが重要と認識しております。このため、本法案では、都道府県知事等が規制区域を指定するときは公示することとしております。
また、国としても、都道府県等による規制区域の周知徹底が図られるよう、基本方針等において、自治体のホームページ等を活用した積極的な広報を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/120
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121・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
ホームページでの広報もこれ大事だと思いますけれども、よくあるパターンですけど、見に行かないと分からないというような、そういう面も多分にあると思いますので、アウトリーチではないですけれども、何らかの形でまた検証もしていただいて、本当にその周知が行き渡っているのかどうか、今御答弁いただいたやり方を否定はしませんけれども、その辺りの検証も継続的にやっていただいて、しっかり周知がされる工夫を不断の見直しも含めてやっていただきたいなというふうに思います。
あわせて、次は、盛土の安全性という観点から幾つかお伺いしたいと思います。
まず一点目は、この盛土に使われる土砂の環境基準について確認したいと思います。
これまで、盛土に使われた土砂が環境基準を満たしていない、リスクのあるような土砂が使われたケースというのが実態としてどの程度あったのか、環境省として把握をされているのであれば、まずはその現状について御報告いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/121
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122・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) 環境省では、個々の盛土の土壌環境基準への適合性について集計を行っているわけではございませんけれども、土壌汚染対策事例等の調査を行っております。
その中で、地方自治体が把握しております建設発生土等における土壌汚染に関しましては、平成の二十二年から令和元年度までの十年間で、三十七の自治体から百十八の事例の報告を受けておるところでございます。これらの事例に対しましては、土壌汚染対策法や条例等に基づきまして対応していることを把握をしておるところでございます。
また、土壌汚染対策法では、一定規模以上の土地の形質の変更の届出を受けて、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事が認めた場合などに関しましては調査や対策等を義務付けておりまして、同法に基づきまして実施されました土壌汚染の調査の件数は、自主調査による場合も含めますと、令和元年度一年間で千二百五十七件でございまして、そのうち六百十三件で基準不適合というふうに確認がされておるところでございます。
これらの土壌汚染が確認されました土地は、土壌汚染対策法に基づきまして要措置区域として指定しまして、土壌汚染の処理施設以外に土壌を搬出することを原則として禁止をしております。盛土の現場にみだりに汚染土壌が持ち込まれることを未然に防止するような措置を講じているというところでございます。
また、こうした規制があってもなお、先ほどのように土壌処分、残土処分場や盛土の現場に汚染土壌が持ち込まれた場合に対しましては、都道府県知事が、土壌汚染により健康被害が生じるおそれがあると認める場合、必要に応じて立入検査を行うなど、調査命令を発する等して実態の把握、改善を求めるということが可能となっておるところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/122
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123・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
この盛土に使われる土砂のやっぱり環境基準、これを適切に把握をして対応していくということは、盛土が造られる周辺の地域の環境を守るということ、さらには周辺の住民の皆さんの健康を守っていくためにも大変重要な視点だというふうに思っております。
環境省として、この盛土に使われる土砂の環境基準への対応ということについて、今後どのようなことを考えておられるのか、現状で課題意識等は余り持っておられないのか、この辺りについての御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/123
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124・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) 先ほど申し上げましたとおり、土壌汚染対策法では、盛土の現場にみだりに汚染土壌が持ち込まれることを未然に防止する等の規制を設けております。それでもなお残土処分場や盛土の現場に汚染土壌が持ち込まれた場合に対しましては、都道府県知事は、土壌汚染により健康被害が生じるおそれがあると認める場合、必要に応じて立入検査を行うとともに、調査命令を発する等して実態の把握、改善を求めることが可能となっております。
やはり、これに関しましては、現場の連携等が必要であるというふうに考えておりまして、その今回の法案に係る地方自治体の担当部局と土壌汚染対策担当部局が密に連携をいたしまして適切な対応がなされるよう、環境省としましても国土交通省と連携して対応していきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/124
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125・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
やはり、連携が、横連携大変重要だということは、この土壌の環境基準を守っていく上でも大変重要だという御指摘だと思いますので、その点も踏まえて、関係部署、しっかり連携取って対応していただくことをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/125
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126・室井邦彦
○室井邦彦君 維新の室井でございます。よろしくお願いをいたします。
私の方も、各先生方と随分重複をしているところも幾つかありますが、その点を御理解いただきまして御答弁のほどお願いをしたいと思っております。
まず、問題のあるこの行為者に対する自治体の権限の強化と敏速な対応、対策、これが大きな問題となっている、このように私は感じております。
先ほど来先生方から報告があるように、静岡県第三者委員会、五月十三日、行政対策、行政対応の失敗だとして、県、市の責任を認定する最終報告を公表したということであります。県と市はそれぞれ盛土が被害を拡大させた原因とする見方をしておりますが、第三者委員会は、適切な、造成を止めて防災対策を施す機会が何度もあった、このような見解を示しておるわけであります。委員長の青島弁護士は、県と市は行政姿勢を見直し、連携を強化すべきだ、このようなことを訴えておられます。
そこで、この問題のある行為者に対する強制力のある命令等で積極的に関与できるよう自治体の権限の見直しを図るとともに、長期化することなく速やかにこの問題解決につながるよう、都道府県、市町村との組織的な体制の構築が必要である、このように感じておりますし、先生方の答弁もこのようなことを指摘をされております。
そこで、今回のこの法改正を通じどのように取組を進めていくのか、しっかりとお答えをしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/126
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127・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案により、無許可による盛土や災害防止措置が不十分な盛土など問題のある盛土行為があった場合には、都道府県知事等は、工事中の工事主や工事施行者等に対しては工事の施行停止や擁壁の設置等の是正措置を命令することができ、既に工事が終わっている場合には、土地所有者や工事主等に対して土地の使用の禁止、制限や擁壁の設置等の是正措置を命令することができることとなります。
また、本法案においては、問題のある盛土への対処に当たり、市町村から都道府県に意見を申し出るなど、県と市町村が連携する仕組みとしております。加えて、不法盛土等への対応をまとめたガイドラインにおいて、日頃からの部局間の情報共有の強化のほか、連絡会議の定期的開催や人事交流など、都道府県、市町村間も含めた連携強化の取組についても示すことにより、地方公共団体の体制整備を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/127
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128・室井邦彦
○室井邦彦君 くどいようでありますけれども、くれぐれも、この行政の姿勢、そして県と市の連携、これは非常に大切でありますので、しっかりとした行政指導を小まめにしていただきたい、このようにお願いをしておきます。
続いて、盛土等が行われた土地に対する土地所有者等の安全確保の責務についてお伺いをしたいと思います。
昨年七月に発生したこの土石流災害を調べている熱海市議会が、百条委員会で、五月十二日、起点とされる盛土があった土地の前と現在の所有者の証人喚問があったと、こういうことでありますが、前所有者は、この盛土の申請はしたが造成の行為者ではない、土地を貸していただいただけと述べ、造成への関与を否定をしておられます。そして、崩落の危険性についても、あの土地は元々安定している、土地売却後の十年間安定していたことが証明している、このようにおっしゃっておられます。そこで、しかし、二〇〇九年から一〇年に盛土をしたという業者は前所有者に土砂の搬入を指示されたと述べましたが、そして、現所有者は、盛土があったという認識はなかった、盛土の存在を知らないと主張し、安全管理の必要性があるとかないとか記憶がない、このようないいかげんな対応をしておるわけでありました。そこで、この熱海市の百条委員会では、誰が盛土を造成したのか責任の所在が分からないということでした。
今回の法改正により、この責任の所在を明確化させるため、どう見直しを図っておられるのかが一点。
続いての質問は、この土地所有者等は常時安全な状態に維持する責務を負うことになるが、安全な状態であると、土地所有者等の確保の在り方についてどのようにお考えされておるのか、指導されるのか。
この二点、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/128
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129・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
本法案においては、盛土等に伴う災害が生じないよう、規制区域内の土地所有者等に対し、土地を常時安全な状態に維持する責務を課しております。この責務を果たすため、土地所有者等は、盛土の擁壁にひび割れや漏水など崩壊の予兆がないか点検すること、排水施設が目詰まりを起こさないよう定期的に清掃すること等を日常管理として行うとともに、盛土の安全性に問題がある場合には擁壁の補修や追加的な安全対策工事を行うことなどが求められます。
その上で、災害発生のおそれがある危険な盛土等に対しては、本法案による無許可行為や安全基準違反等があった場合には、土地所有者等のほか、工事主や工事施行者に対し、工事の施行停止や災害防止措置を命ずることができることとしております。
また、既存の盛土については、区域指定の前から存在するものも含め、災害防止のため必要な場合には、土地所有者等だけでなく、危険な盛土を行った者や過去の土地所有者など安全性に問題を生じさせた原因行為者に対しても災害防止措置を命ずることができることとしております。
このように、関係者の責任の所在を明確にした上で、災害防止のため必要な場合は機動的に是正措置を命ずるとともに、無許可行為や命令違反等に対して厳格な罰則を適用することにより、盛土等に伴う災害を未然に防止してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/129
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130・室井邦彦
○室井邦彦君 この前、大臣の答弁において、おおむね五年ごとに基礎調査を行いたいと、このような答弁があったようでありますが、この五年ごとの基礎調査で盛土の安全性は確保されるかどうか、いろいろと不安な、心配な思いでありますけれども、しっかりと大臣の方で指導監督を行っていただきたい、このようにお願いをしておきます。
時間がないので、次は、行政の危機管理の対応における意思決定の在り方、これについて質問をさせていただきたいと思いますが、今回の、これは大臣にお願いしたいんですけれども、法改正、責任の所在を明確化させ、この危険な盛土を規制する法制度と理解をしておるわけでありますが、熱海市の土石流災害について、先ほど来出ておりますが、第三者委員会は行政対応の失敗と結論付け、静岡県と熱海の責任を認定いたしました。
最終報告の公表を受け、国民の生命や財産に危険を及ぼすおそれのある事案に対する行政の意思決定の在り方が課題だと感じておりますが、国土交通行政を監督する責任者として、今回の事案を含め、行政の手続の在り方について、是非大臣の御所見をお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/130
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131・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私もこの報告書読ませていただきまして、失敗の本質の所在として、最悪の事態の想定の失敗、それから初動全力の失敗、断固たる措置をとらなかった行政姿勢の失敗、それから組織的な対応の失敗、このように大変厳しい評価がございまして、この報告書、我々、行政に責任を持つ者として、大変厳しい姿勢で読ませていただきました。
これは、断固、断固として、これらを参考にして、今回の法案を成立させた後、行政は、国民に危険を及ぼすおそれのある事案に対しては、行政はちゅうちょなく厳正に是正命令等の措置を実施することが非常に重要だと、このように認識をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/131
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132・室井邦彦
○室井邦彦君 大臣、その穏やかな仏様のようなお顔じゃなくて、叱責するときにはかなりすごい人なんだなと思えるような、ひとつしっかりと全員を引っ張っていっていただくように期待をしておきます。
それでは、最後の質問をさせていただきます。
これは、先ほど塩田先生も行政のこの盛土の件でいろいろと質問されていましたけれども、違う観点から、少し割愛させていただきながら、時間も来ておりますので、お願いをしたいと思いますが、この盛土に関して、建設発生土の約九割が公共事業だというような、伴うものであるという総務省からの調査のデータが出ているようであります。
そこで、このやはり発注者とされる自治体が、行き先の不透明な土地の発生をまず減少させることができます。そして、適切な処理の、抑制につなげることが極めて重要と考えますが、そのための、搬出先の自治体が受入れ地の情報を把握し、受入れ地となる自治体がその情報を共有を図る、これが非常に大切な連係プレーというか、先ほどもいろいろと出ておりましたけれども、そういうことが不可欠である、このように思っております。
この点をどのようにこれから取り組んでいかれるのか、どなたか答弁、是非お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/132
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133・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 建設発生土は、まずは同一現場内で利用するなど、事業の計画、設計段階からの工夫により可能な限り発生抑制に努めるとともに、工事間での利用を図ることが重要だと思っています。
その上で、利用されない建設発生土につきましても、公共工事の発注者が発注段階で受入れ地を指定することが重要と考えます。このためには、委員今おっしゃられましたとおり、発注者が受入れ地に関する情報を把握することが重要だと考えております。
新たな法制度による許可地一覧の公表等によりまして、法令上の基準を遵守した建設発生土の受入れ地が明確になりますので、これによって発注者が受入れ地に関する情報を的確に把握できるように取り組んでまいります。
またあわせて、新たな法制度による許可地への搬出に対して適正な運搬費や処分費が支払われるようにすることを通じて、受入れ地の確保が進むよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/133
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134・室井邦彦
○室井邦彦君 終わります。
IT関係もしっかりと、その点、利用してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/134
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135・武田良介
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
盛土規制法は、衆議院での修正を経て参議院に送られてまいりました。参議院の本会議、そして委員会質疑、参考人質疑、深められてきたというふうに思いますし、盛土の問題の背景、構造、大分明らかになってきたのではないかというふうに思っております。
仮置場が抜け穴にならないかと、長峯委員からも先日質問がありました。そのとおりだと思っておりまして、問題はやはり民間工事だろうと。仮置場、私は民間中間処理場というふうに言わせていただきたいと思いますけれども、先日の高橋参考人が述べられたように、焦点を当てるべきは、首都圏など都市部の建設現場から出る建設発生土、それが運び込まれる都市部近郊の民間中間処理場なんだろうというふうに思いますし、元請業者が施工中に管理するそのいわゆるストックヤードみたいなものとは違って、元請業者とは別の民間業者が運営する民間中間処理場、ここに焦点を当てる必要があるんだろうというふうに思っております。
実態把握についてということであります。
大臣、本会議において、中間処理場に搬入された建設発生土の適正な処理を担保することは重要であると認識しており、本法案による厳格な出口規制と併せて、中間処理場の管理運営の更なる実態把握に努め、必要な対策を講じていくという答弁でありました。つまり、本法案を施行することで分かってくる実態もあって、併せて実態調査も行っていくということだというふうに思います。
まず確認をさせていただきたいと思いますが、今回の法案で分かってくる実態、法案のどの規定によって何が明らかになってくるということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/135
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136・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
五月十一日の参議院本会議において、大臣から、本法案による厳格な出口規制と併せて、中間処理場の管理運営の更なる実態把握に努める旨答弁したところです。ここでの厳格な出口規制とは、本法案による特定の条項を指すものではなく、本法案全体として建設発生土等の言わば出口としての盛土について、全国一律の安全基準により包括的に規制する法制度であることを指しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/136
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137・武田良介
○武田良介君 例えば、許可が必要になります、区域によってあれですけれども、許可が必要になります中間検査、完了検査があります。こういったことから実態把握していくということではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/137
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138・宇野善昌
○政府参考人(宇野善昌君) いわゆる中間処理場も、この法律で言う土石の堆積に該当します。そういう意味では、この規制区域の中であれば本法案に基づく許可を取っていただく。それによって定期報告する義務が発生しますが、そこについては安全という観点から報告をしていただくと、そういう情報は把握することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/138
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139・武田良介
○武田良介君 では、法案でつかみ切れない実態の部分ですね、答弁で、併せて中間処理場の管理運営の更なる実態把握ということがありましたが、これはどのように調査をし、何を明らかにするつもりなのか、ここは大臣に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/139
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140・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 中間処理業者の実態把握については、これまでは主に建設業者を通じて聞き取り等を行ってきたところですが、今後は更なる実態把握のため、自治体がリストアップしているストックヤード事業者や土質改良プラント事業者、それから建設発生土に関わる事業者団体やその加盟事業者等に対しても、土砂の搬出、搬入の管理や記録の状況、土砂の保管状況等の管理運営の実態等についてアンケートやヒアリングを行うことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/140
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141・武田良介
○武田良介君 アンケートやヒアリング、現場に行くことも大事だと思うんですね。先日の参考人質疑で、高橋参考人が、実態をつかむ上で協力させていただくということでありました。一緒に現場見に行っていただけたらと思いますが、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/141
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142・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) チャンスを捉えて見に行ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/142
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143・武田良介
○武田良介君 是非、実態把握が不十分だったというふうにならないように、大臣自ら実態をよくつかんでいただきたいというふうに思っております。
実態への対応ということですけれども、この間の質疑振り返りますと、ガイドラインの策定という話がたくさん出てまいります。幾つもあったんですけれども、そのうち、元請業者から下請業者等に適正処理を確保するための費用を支払うようにガイドラインを改定する、あるいは大規模建設工事を発注している民間発注者は公共工事と同様に指定利用等を行うなどの旨をガイドラインで明確化する、こういう答弁がありました。
この二つの答弁ですけれども、このガイドラインというのはいつ頃、どんな内容で出すことになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/143
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144・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) 今二つのガイドラインの御指摘がありました。
それで、前半の方の元下間の支払のところは、従来からこの盛土の費用にかかわらず、元下間の支払をきちっとやれということは法令遵守のガイドラインというのを作っておりまして、それの中に改めてこの盛土、土の残土の処分の費用とかもきちっと支払ができるようにということを位置付けていきたいと思ってございます。それはなるべく速やかにまた改定したいと思っております。
それと、後段、二点目御指摘ございましたところは、建設副産物適正処理推進要綱という、リサイクル、この建設発生土の処理に関わるガイドラインでございまして、具体的な記述はこれから、検討中でございますけれども、委員の御指摘のあったように、民間の発注者についてもですね、適正処理について関心持って必要な費用を適切に負担するようなことが求められているということと、あと、契約締結後においても適切な費用負担、あるいは予期せぬ費用増が生じた場合には追加負担について受注者と適切に協議することと、特に民間の発注者の中でも継続的に大規模な建設工事を発注している民間発注者については、公共工事の発注者と同様に、工事の発注段階で建設発生土の搬出先を指定する取組を実施すべきであることといった点についてガイドラインにおいて明確化してまいりたいと思いますし、その改定の時期については、今のこの国会の御審議を踏まえて可能な限り早期に改定してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/144
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145・武田良介
○武田良介君 適正単価、あるいはその大規模工事を行う事業者の責任、これ非常に重要だというふうに思っておりますので、そのガイドラインもこれからも注視していきたいというふうに思っております。
建設発生土のトレーサビリティーを求めました。その質問に対して大臣の答弁の中で、元請業者に搬出先が適正であることを事前に確認させること、実際にそこに搬出されたことを受領証等で確認させる仕組みの構築ということがありました。この受領証についてもガイドラインを設けることになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/145
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146・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) ガイドラインの中で明記していきたいと思ってございますし、資源有効利用計画の制度の中できちっと受領証を添付するということを明確に位置付けていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/146
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147・武田良介
○武田良介君 今出ている省令などだけではなくて、新たにガイドラインを作るということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/147
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148・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) 省令の中に添付書類として明確に位置付けていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/148
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149・武田良介
○武田良介君 資源有効利用促進法の話ですよね。そうすると、これはあくまでこの建設工事において再生資源を使ってくださいということでありますから、この枠組みの中で受領証を付けても全ての建設発生土について受領証で確認できるわけではないんじゃないかというふうに思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/149
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150・長橋和久
○政府参考人(長橋和久君) 委員御指摘があったように、再利用するという点と併せて処分するときの処分先について計画上明記することになってございますが、それを今回、受領証を付けて、確かにそこに持っていったという証拠を付けて計画書に添付しようとしております。
ただ、一方で、先ほども御指摘ありましたように、中間処理場に搬出されるような場合については、その時点でその先の処分先が明確になっていないようなこともあるものですから、中間処理場に搬出する場合であってもその先の再利用や最終処分が適正になされることが大事だと、重要だと認識しておりますので、先ほど大臣からも実態調査の話ございましたけれども、民間の中間処理場も含めて実態を把握して、その処分場の土砂の管理とか記録の状況とかを踏まえて、その再利用、処理場に持っていった後の再利用また最終処分の状況が確認することが可能であるかどうかといった点もよく分析しまして、元請業者が安心して搬出場を選定することができる、一つ情報を提供するようなことも考えて、これから実態調査を踏まえてよく検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/150
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151・武田良介
○武田良介君 実態調査踏まえてということなんですけど、中間処理場からそれは再生利用されるんだったらいいですよ。そうじゃないものがたくさんあるから熱海のことになっている、全国で問題になっているわけでありまして、ここに受領証だけ付けても全て明らかにならないということを私は指摘をしたいというふうに思いますし、そもそも受領証という書類だけで本当に実態を把握できるのかということも私、疑問に思っております。
例えば、今日も話題出ていましたけれども、知床遊覧船の問題、先日も私が求めました運航管理者の変更届ですけれども、あれも書類を確認して、実際に、実際に船の経験があるのか、そうした技能がある方なのか確認をしているわけではない、書類で確認しているだけなわけですね。だから、実際に適切かどうか確認しなければいけないんだと思うんです。
建設発生土についても受領証を確認するだけでいいのか。まして、先日、高橋参考人からは、その条例を持っている自治体では、発生元証明のある業者に電話掛けて確認するようにしたら、その業者が発生元証明出さなくなっちゃったという事例があるんだということを指摘をされておりました。
大臣に伺いたいと思うんです。これ、受領証で確認するというだけでは実態が把握できないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/151
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152・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、議論が、長橋局長からさせていただきましたように、いろいろな課題がございます。その課題をしっかり検討しながら、どうすればトレーサビリティーの精度を向上させていけるか考えたいと思います。
先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、いろいろな今試行をしております。例えば、スマホの、搬出するとき、また搬入したときにそれぞれカードをスマホにかざすことによって記録していく、そういうことによってトレーサビリティーを向上させていくというような試行も今しているところでございまして、これらを通してこのトレーサビリティー性の向上に努めていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/152
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153・武田良介
○武田良介君 書類だけでは実態つかめないんじゃないかというふうに伺わせていただいたんですが、そのことについては御答弁いただけませんでしたが、もちろん、再生利用するとか資源の有効活用と、きれいに回っているうちはそれでいいと思うんですよ。そこから漏れるものがあるから今問題になっているのであって、どうやってそこをつかんでいくのかということの課題は引き続きまだあるんだということを重ねて指摘をさせていただかなければなりません。
発生者に最終処分まで責任を持たせるということについて私も先日質問させていただき、土が中間処理場で混ざってしまうこと、あるいは長期間にわたって管理しなければいけなくなる、だから過度な負担になるという答弁がありましたが、先日の参考人質疑で、いや、その中間処理場の中で土を区分して堆積することを業者に義務付ければ混ざることなく管理はできるんだという、こういう指摘もありました。
改めて大臣に伺いたいと思いますけど、混ざらないように管理させるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/153
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154・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今の御質問の御趣旨は、発生者に最終的に最終処分までの責任を持たせるべきではないかと、そういう趣旨の質問かと承りました。
建設工事の発注者は個人の施主も含めて様々であることから、建設発生土については、専門的知識を持ち、建設工事の施行全体に責任を持つ元請業者に対して搬出先の適正確保を図るための責任を負わせることが適切と考えております。
このため、元請業者による搬出先の適正化等を図るため、本法案による規制と併せて資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度を強化していることとしており、元請業者に対して搬出先が適正であることの事前確認や受領書等による搬出先の事後確認等を義務付けることを検討しております。
一方、発注者も、建設工事の注文者として自らの工事から生じる建設発生土の適正処理に関心を持ち、適正な費用負担を行う必要があります。さらに、発注者が行政である公共工事については指定利用等を原則実施していくとともに、民間工事についても、継続的に大規模な建設工事を発注している民間発注者は公共工事と同様に指定利用等を行うなど、より積極的な役割を果たすことが求められると考えており、この旨をガイドライン等で明確化し、様々な機会を捉えて周知することとしております。
これらの取組、それから今、先ほど申し上げましたいろいろな試行をしております。それらの実用化等を図りながら建設発生土の適正処理の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/154
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155・武田良介
○武田良介君 もう一つの理由に挙げられていた長期間の管理という話ですけれども、これについても高橋参考人から現場の実態指摘されました。処分費用を受け取って建設発生土を受け取っていると、中間処理業者はですね。それより安いいわゆる捨て賃で処分業者に処分を依頼するということから、どんどん受け入れどんどん出さなかったら利益にならないから、長期間にならないんだというお話もありました。私、これ、現場を踏まえた非常に説得力のある話だというふうに思います。長期間にならないのであれば過度な負担でもないということでありますから、発生者の責任、もちろん元請の責任、明確にする必要があるというふうに思います。
区域指定だとか建設発生土の管理の実態を踏まえて更に検討していく必要性を指摘して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/155
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156・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
宅地造成等規制法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/156
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157・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
この際、野田君から発言を求められておりますので、これを許します。野田国義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/157
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158・野田国義
○野田国義君 私は、ただいま可決されました宅地造成等規制法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員増子輝彦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読させていただきます。
宅地造成等規制法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一 宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域の指定を円滑に進められるよう、基本方針、政省令等の案を可能な限り早期に都道府県等に示すとともに、基本方針等においては、規制区域の全体像及び具体的な内容を示すこと。また、具体的な盛土計画がある地域を含め基礎調査の予備的な調査を施行日前に実施するよう促すとともに、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく基礎調査の結果の活用を検討し、基礎調査の早期完了を目指すこと。さらに、これらに必要な財政的支援を検討するとともに、専門的知識を有する職員が不足する地方公共団体への技術的支援のため、地方整備局等に配置する担当職員の増員等、支援に係る体制の整備に努めること。
二 盛土等に伴う災害のリスクがある区域については、想定外の災害が発生しないよう、都道府県知事等の判断で幅広く柔軟できめ細かく規制区域が指定できるようにするとともに、関係行政機関の連携により、的確に規制区域の指定がなされるようにすること。また、都道府県等の基礎調査による客観的なリスク分析、市町村長の申出や都道府県知事等のパトロールによる政策的判断等、区域指定の意思決定手順を明確にするとともに、規制区域の指定に係る業務を適切に行えるよう、きめ細かなガイドラインの策定や地方公共団体に対する必要な助言等の支援に努めること。さらに、「市街地」、「市街地となろうとする土地の区域」や「斜面地」のいずれにも該当しない平坦で広範な農地等の中に位置する人家や鉄道等の公共公益施設の利用者等に対する安全確保が、限定的な区域指定によって阻害されることのないよう、都道府県知事等による必要かつ十分な規制区域の指定がなされるようにすること。
三 本法に基づく都道府県知事等による勧告、改善命令及び行政代執行が適時適切に実施されるよう、既存不適格である特定盛土等を含め、ガイドライン等により、具体的かつ明確な基準等を丁寧に示すこと。また、本法により、地方公共団体は、規制区域の指定や行政代執行等、難しい判断が求められることから、負担の軽減を図るため、必要に応じ有識者等から意見を聴くよう促すこと。さらに、行政代執行に係る必要な財政的支援を検討すること。
四 工事許可の技術的基準の策定に当たっては、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等で見られた滑動崩落の防止を担保できる厳格な基準とすること。また、宅地造成のための盛土等、建設残土の一時保管のための盛土等、開発のための森林の形質の変更等の現場実態やリスクに見合った具体的な基準とすること。加えて、工事許可の申請時に必要となる説明会等での住民等からの要望等を踏まえ、周辺環境や運び込まれる建設残土の環境基準への適否に十分に配慮した工事が行われるよう取り組むこと。
五 市町村が有する地形、地質、盛土等に関する情報の共有等、都道府県と市町村との連携を促すこと。また、都道府県知事等が地域住民、関係市町村長等から盛土等に関する情報の提供を得られやすい体制の整備を推進し、不適切な盛土等の早期発見につなげること。さらに、警察による違法な盛土等の取締りの実効性を高めるため、体制の整備、関係機関との連携等を強化すること。
六 所有者不明土地においても不適切な盛土等が発生しないよう、関係行政機関が連携し適切な措置を講ずること。
七 建設残土の搬入及び搬出の実態を定期的に把握するとともに、建設発生土の工事間利用に係るマッチングを推進すること。また、公共工事や民間工事を問わず、可能な限り指定利用等を促すこと。さらに、必要な残土処分場の適正な確保のための方策について、行政による施設確保を含め検討すること。加えて、建設工事の施工に当たり、建設発生土が可能な限り抑制されるよう、設計・工法の改善や場内利用の促進を図ること。
八 本法の施行状況、関係法令の運用状況等を踏まえ、本法の規制区域外における規制の在り方並びに大規模工事から発生した土砂等の管理を適正に行うためのトレーサビリティ制度及び自然災害、大規模工事等により発生した土砂等の置場の確保に向けた具体的な方策について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を検討すること。
九 不適切な盛土等による災害を防止するため、本法と砂防法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の関係法令を所管する関係府省庁間の連携や調整を密に行うこと。また、主務大臣である国土交通大臣と農林水産大臣の権限と責任を明確にすること。
十 中間処理場に搬入された建設発生土の適正な処理を担保することの重要性に鑑み、本法による厳格な出口規制と併せて、中間処理場の管理運営の更なる実態把握に努め、必要な対策を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/158
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159・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいま野田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/159
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160・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、野田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、斉藤国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/160
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161・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/161
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162・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/162
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163・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01420220519/163
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