1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月二十四日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月二十日
辞任 補欠選任
宮口 治子君 白 眞勲君
高橋 光男君 伊藤 孝江君
五月二十三日
辞任 補欠選任
佐藤 信秋君 宮崎 雅夫君
白 眞勲君 横沢 高徳君
五月二十四日
辞任 補欠選任
宮崎 雅夫君 北村 経夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 斎藤 嘉隆君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
長浜 博行君
塩田 博昭君
浜口 誠君
委 員
青木 一彦君
朝日健太郎君
北村 経夫君
こやり隆史君
鶴保 庸介君
長峯 誠君
牧野たかお君
宮崎 雅夫君
渡辺 猛之君
野田 国義君
鉢呂 吉雄君
横沢 高徳君
伊藤 孝江君
竹内 真二君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
室井 邦彦君
武田 良介君
木村 英子君
増子 輝彦君
国務大臣
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
副大臣
文部科学副大臣 池田 佳隆君
農林水産副大臣 中村 裕之君
国土交通副大臣 渡辺 猛之君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
特定複合観光施
設区域整備推進
本部事務局次長 木村 典央君
内閣府経済社会
総合研究所総括
政策研究官 酒巻 哲朗君
総務省大臣官房
審議官 明渡 将君
外務省大臣官房
審議官 徳田 修一君
文部科学省大臣
官房審議官 出倉 功一君
文部科学省大臣
官房文教施設企
画・防災部技術
参事官 笠原 隆君
農林水産省大臣
官房審議官 松尾 浩則君
農林水産省農村
振興局整備部長 川合 規史君
国土交通省大臣
官房長 瓦林 康人君
国土交通省大臣
官房政策立案総
括審議官 高田 陽介君
国土交通省大臣
官房公共交通・
物流政策審議官 寺田 吉道君
国土交通省大臣
官房危機管理・
運輸安全政策審
議官 島田 勘資君
国土交通省大臣
官房技術審議官 廣瀬 昌由君
国土交通省総合
政策局長 和田 信貴君
国土交通省都市
局長 宇野 善昌君
国土交通省水管
理・国土保全局
長 井上 智夫君
国土交通省住宅
局長 淡野 博久君
国土交通省鉄道
局長 上原 淳君
国土交通省自動
車局長 秡川 直也君
国土交通省海事
局長 高橋 一郎君
国土交通省港湾
局長 浅輪 宇充君
国土交通省航空
局長 久保田雅晴君
国土交通省政策
統括官 松本 貴久君
観光庁長官 和田 浩一君
海上保安庁長官 奥島 高弘君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
(知床遊覧船事故への対応及び再発防止策に関
する件)
(建設工事受注動態統計調査の不適切処理に関
する件)
(港湾労働者の雇用対策に関する件)
(矢作川の明治用水頭首工における漏水に関す
る件)
(学校のバリアフリー化に関する件)
(新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う貸
切バス事業者への支援策に関する件)
○航空法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/0
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001・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、高橋光男君、宮口治子君及び佐藤信秋君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江君、横沢高徳君、宮崎雅夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/1
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002・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長木村典央君外二十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/2
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003・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/3
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004・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/4
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005・長浜博行
○長浜博行君 おはようございます。長浜博行です。
一般質疑のたびに立たせていただいておりますけれども、それぞれの状況が刻々と変わる中においての質疑ということで、大体質問する内容は同じ状況にあります。
今年の通常国会は、総理の施政方針演説、それから国交大臣の所信、これはもう統計問題のおわびからスタートしたという状況です。残り三週間という国会日程の中において、まだ本委員会は法案二本を残しているということでございます。
様々な事象、これから個別に御質問しますが、決められたことを守らないと、それはその守らない人が悪いのか、あるいはその守らない状況を放置しておくと言ったらいいんでしょうか、不適切な対応、これが行政への不信を呼んでいるのではないかなというふうに思います。不信で済めばいいんですが、国民の命や財産に危害を及ぼすと、そういう事態にもなっていることは御認識をいただいているというふうに思います。
常に真摯な対応をされている国交大臣でありますから、これは私が言ったんではないんですが、責任追及を回避したいといった意識があったと考えられるという、統計問題の報告書ですが、こういった事なかれ主義とか、こういう体質を改善していくことが今とても大事な点ではないかなというふうに思っております。
国交省の専門家会議が二種類の報告書を提出をされました。五月十三日です。ですから今日の質疑になっているんですが、基幹統計の建設工事受注動態統計調査の不正な処理です。これはもう書換えと二重計上のみでなく、これは調査票の回収率の問題も出てきているんではないかなというふうに認識をしております。
過大な計上、まあ何千万ぐらい過大だったのかな、何億ぐらい過大だったのかなと思っていたら、二〇年度で三・六兆円過大という状況であります。パー・イヤー兆の単位ということで、一三年からスタートしていますんで、一三年から一九年度は更に大きくて、ひょっとしたらパー・イヤー五兆円になるのかもしれないという、こういう大変金額面では大きな状況になっておりますが、こういったことを、規模の問題ですね、大臣としてはどうお考えになっているのか。
それと、一月に、まだ実態がよく分からない状況の中で国交省は処分というものを発表されましたけれども、今この状況になって、五月ですね、対象を拡大するとか更なる処分をするお考えはあるのかどうか。
そして、ここが一番大事なことですが、統計法というのは、当たり前のことでありますけれども、日本国憲法七十三条ですね、要するに、法律を誠実に執行すると、あるいは国家公務員法、公文書管理法、情報公開法等、いわゆる国交省における法令遵守義務に関して大臣としてどのようにお考えになっているのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/5
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006・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 五月十三日に、統計の専門家等から構成される遡及改定検討会議におきまして、建設工事受注動態統計調査の遡及改定に関する報告書を取りまとめていただきました。
報告書におきましては、受注統計や建設総合統計の遡及改定に向けた精度の高い推計手法に加えて、受注統計に関して令和二年度分の調査票情報を基にした二重計上等の影響度の試算についてもお示しをいただいたところでございます。
今般の不適切な処理により統計の数値に影響が生じていたことは極めて遺憾で、申し訳なく思っております。今般の報告書の内容を重く受け止め、今年の秋頃までに最終的な遡及改定の数値をお示しできるよう作業を急いでまいります。
また、同じ日、受注統計の不適切処理に関する追加調査の結果についての報告書も公表いたしました。追加調査報告書では、一月の検証委員会報告書において追加調査が必要とされた事項に加え、公文書管理の状況についても調査をいたしました。
国家公務員が関係法令を遵守し業務を遂行しなくてはならないことは言うまでもなく、報告書にあるとおり不適切な処理があったことについては極めて遺憾で、申し訳なく思っております。職員に対する処分につきましては、この追加調査報告書の内容を踏まえ、人事担当部局において必要な事実確認等を行い、適切に検討を進めてまいります。
今後、同様の事態が生じないよう、有効かつ具体的な再発防止策を取りまとめるなど、引き続き、私自ら先頭に立って、国土交通行政、そして公的統計の信頼回復に向け組織一丸となって取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/6
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007・長浜博行
○長浜博行君 総務省にも来ていただいておりますけれども、一月に総務省は基幹統計の集計プロセスを各省庁に点検させると発表されましたが、その後の状況はどうなっているのか。あるいは、この国交省の統計問題から統計の責任者であるところの総務省はどのような教訓を得たのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/7
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008・明渡将
○政府参考人(明渡将君) お答えいたします。
基幹統計の集計プロセスの点検につきましては、現在、統計委員会に設置した特別検討チームにおいて御議論いただいております。同チームにおいては、今般の事案の発生原因まで遡る精査を行うとともに、毎月勤労統計事案以降の取組の精査等について御議論いただいておりました。
今回行う点検につきましては、これらを踏まえて、その時点における問題を把握するというよりも、将来的な誤り事案の発生につながるリスクを把握するとともに、点検を踏まえた再発防止策を実効性を高めるものとすべく議論を行っていただいております。
また、今後、先般国土交通省が公表いたしました特別監察報告書等についても精査し、点検項目に反映することとしております。このようなことから、点検の開始までにはいましばらく時間を要するものと考えております。
また、今般の事案からの教訓につきましては、同チームにおける議論からは、誤りは、3H、すなわち、変更、初めて、久しぶりといったときに起こりやすく、これらへの適切な対応が必要であること、また、誤りを認識した時点における的確な対応が必要であることなどが挙げられるものと考えております。
いずれにいたしましても、総務省としては、このような同チームの議論をしっかりお支えするとともに、検討結果を真摯に受け止め、取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/8
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009・長浜博行
○長浜博行君 冬に発表してもう夏ですから、迅速な対応をお願いをしたいと思っております。
内閣府にも来ていただいております。
GDPへの影響について伺います。
先ほどの専門家会議の座長が、個人の意見として、影響は軽微という発言をされております。GDPを所管する内閣府としてこの発言をどう認識をしておられるのか、あるいはGDP再計算の方針及び具体的手順について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/9
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010・酒巻哲朗
○政府参考人(酒巻哲朗君) お答えいたします。
遡及改定検討会議の報告書が五月十三日に公表された際、同会議の座長が個人の見解といたしましてGDPへの影響は軽微との趣旨を述べられたということは報道等で承知をしておりますが、これにつきまして、内閣府といたしましては、詳細を把握しているものではございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
その上で、遡及改定検討会議報告書におきましては、受注動態統計の二重計上等の影響を取り除く遡及改定の推計手法とともに、二重計上等の影響度に関する暫定的な試算が示されております。その中で、GDPの推計に用いられます建設総合統計に与えた影響につきましては軽微と考えられると、そういう評価であったということを承知をしております。
一方、報告書では、今回の暫定的な試算結果につきまして、建設総合統計への影響を大まかに示すものである一方で、現時点で明らかになっている情報を用いた仮定に基づくものであると、それから、年度ごとの影響の試算を行っているものではないということから、GDPの算定など時系列データとして利用することは不適切なものであるとされております。そのため、今回の暫定試算をもってGDPの再計算等を行うことは困難でございます。
今後でございますが、国土交通省におきまして、報告書で示されました推計手法に基づきまして、受注動態統計及び建設総合統計につきまして適正かつ速やかに遡及改定を行っていくものと承知をしております。その結果が得られれば、GDPの再計算、遡及改定ということを行うこととしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/10
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011・長浜博行
○長浜博行君 よろしくお願いします。
盛土の法案が、いわゆる盛土の法案が成立をしました。よかったねということになるのかどうか。そのきっかけはもちろん昨年七月の熱海で起きた土石流災害で、二十七人が亡くなられ一名が依然として行方不明と、こういう状態でございます。これも五月十三日に、県と市の対応を検証する県の第三者委員会の最終報告書が提出をされています。行政の対応は失敗という極めて分かりやすい結論であったと思います。県と市の連携不足。
ただ、これが、関係者が納得しているかどうかというのはまだ分かりません。熱海市議会の調査特別委員会、いわゆる百条委員会の証人喚問も行われております。新旧土地所有者それぞれが責任を回避されているようでもあります。
静岡地裁の沼津支部で、被災住民や犠牲者遺族八十四人が、現旧所有者らに約五十八億円の損害賠償訴訟も起きております。静岡県警は、当時と現在の土地所有者を業務上過失致死容疑等で捜査をしているというふうに漏れ伺っております。
ここで、県と市という問題が出てきましたけれども、前回も御質問申し上げましたが、中部整備局を含む国の責任はないのかということが私にはちょっと分からない部分があります。出先を含む国交省への事前の相談、依頼等はなかったのかどうか、公文書として残っているのかどうか、お答えをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/11
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012・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回崩壊した逢初川源頭部の盛土については、災害が発生する前には、中部地方整備局を含め、国土交通省への相談、依頼等はなかったと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/12
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013・長浜博行
○長浜博行君 この県が発表した最終報告書はどなたかお読みになられたか、何か感想があればお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/13
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014・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 読ませていただきました。
この最終報告書におきまして、先ほど委員からありましたように、その対応は失敗であったとされ、その内容として、断固たる措置がとられていなかった、とれていなかったことや、県と市、関係部局の連携が不十分であったことなどが指摘されております。
大変重要な問題提起と受け止めておりまして、今回、盛土規制法の運用に当たりましては、県と市、そして国、その連携、そしてまた、横の連携という意味では国交省、農水省、環境省等との連携、これをしっかり進めていかなくてはならないと決意しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/14
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015・長浜博行
○長浜博行君 まさにおっしゃられたとおり、行政の失敗というのはまさに内閣に、これは県と市の問題の報告書ではありますけれども、大変重い言葉だと思いますし、私ども参議院は行政監視を重視している院でもありますので、行政の失敗とぱっと言われると、本当にどきっとする表現ではないかなというふうに思っております。
この問題、盛土の問題は典型的に、縦の関係ですね、国、都道府県、市町村、それから横、今回の登場人物は国交省、農水、あるいは林野庁、環境省かもしれません、こういった縦と横の関係をどう整理していくのかという意味で、主管大臣として包括法という手法を使われて、このいわゆる盛土法案を成立をさせている状況ですね。
過去、このいわゆる土砂災害というのは幾つも経験したわけでありますが、こういった今回の盛土法の視点に基づいて過去の事例の検証を行うと、こういったことは予定にあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/15
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016・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この盛土の崩落について、それを全て悉皆的に調査する統計が存在しないため、これまで発生したもの全てを把握しているわけではございませんが、過去の話ですけれども、今般成立した盛土規制法の検討に当たっては、既存の宅地造成等規制法の対象外である宅地の盛土以外についても五十件弱の事案の情報を収集した上で、これらの事案も参考にして法案を作らせていただきました。
この法律の実効性を確保するためには、行政分野横断的な横の連携と、先ほど委員御指摘のありました国、都道府県、市町村間の縦の連携が重要であると考えております。この関係府省連絡会議の枠組み等を通じて、横の連携をしっかり強化してまいりたいと思います。
今後、これらの過去のものにつきまして、これを全て崩落事案を調査する、これまで、先ほど申し上げました五十件弱やってまいりましたけれども、これを全て把握できるかどうか、これなかなか難しい問題もありますけれども、ちょっと検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/16
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017・長浜博行
○長浜博行君 本当に、過去を生かしていくということも大事ではないかなというふうに思っております。
こういった包括法案はもう各方面から要求をされていたのに、提出が遅くなったという認識はおありになりますか。いわゆる行政の不作為の認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/17
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018・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 盛土の崩落防止策につきましては、平成二十七年以降、国交省、農水省、環境省を共同メンバーとする関係省庁連絡会議において検討を進めてまいりました。その中で、砂防法や森林法など既存の法令等による指導や改善命令等の措置が必ずしも十分に行われていない面があることから、まずは各省庁や地方公共団体で既存法令の運用の徹底を図っていくことが重要とされました。これを踏まえ、平成二十九年には地方公共団体の実務担当者向けのガイドラインを作成し、既存の法令や条例の下で崩落を防止するための取組について地方公共団体に周知し、取組を進めてまいりました。
このような中、昨年、熱海で大規模な土石流災害が発生したことを踏まえ、宅地や森林など土地の利用区分にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制する盛土規制法を今般提出し、成立させていただいたところでございます。
国土交通省としては、二度と熱海市と同様の悲劇を繰り返さないよう、盛土の安全性の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと決意しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/18
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019・長浜博行
○長浜博行君 今日も北の海で捜索活動を続けておられる方々がいらっしゃいます。心から敬意を表すとともに、一刻も早く行方不明の皆様が見付かってくださることを祈るばかりでございます。この瞬間にも作業が行われているのではないかなと思います。
人気の観光地と言われている、私はお邪魔したことはないんですが、この海難事故で、いわゆる沈没を想定しての訓練、救助訓練等々は行われていなかったのでしょうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/19
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020・奥島高弘
○政府参考人(奥島高弘君) お答えいたします。
海上保安庁では、平素から自治体、漁業関係者や警察、自衛隊などの関係機関などと様々な事案への対処能力の向上、相互の連携強化を目的とした訓練を行っております。
知床遊覧船KAZUⅠの海難事故が発生いたしました北海道東部海域を管轄する関係部署におきましては、警察や消防、自治体等と連携した旅客船事故対応訓練を実施しているほか、漁業者で構成されます水難救済会救難所において海難救助訓練などを実施しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/20
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021・長浜博行
○長浜博行君 四月二十三日ですが、救助要請の一一八番通報があったのが十三時十三分、それから海保のヘリが最初に到着したんでしょうか、これは十六時三十分と、それから各管区海上保安部長が自衛隊に災害派遣は、これは都道府県知事と同じようにできるというふうに伺っておりますが、要請したのが十七時二十五分という、一刻を争う状態の中において、救助訓練もされていたということであるならば、果たしてこれだけの時間的ラグが生ずるのかという素朴な疑問があります。
私は、二つの面で対応しなければいけないと、国交省は、思っております。二つというのは最低ですね、それ以上じゃなくて、あっ、以上あるかもしれませんが、いわゆるその事故が、もちろん事故が発生したというのは運輸安全委員会や何かが調査をしていくことだと思いますけれども、その事故に直結したかどうかは別として、海上運送法とか船舶安全法という法規が存在をしているわけでありますから、この事故につながったかつながらなかったかは別として、この法規を守るという行政監視機能がきっちり働いたのかどうか。そしてもう一つは、この事故発生後の初動対応に問題はなかったのかどうかという、私自身はこの二つの検証がとても大事ではないかなというふうに思います。
先ほども申し上げましたように、警察も調べるとか、あるいは運輸安全委員会が調べるとか、そういう事項もあるとは思いますが、国土交通省とか海保としては、今申し上げた事故発生前の行政の対応の検証、そして事故発生後の救助に至るところの初動対応に問題はなかったのかを検証すると、こういったことについてどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/21
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022・奥島高弘
○政府参考人(奥島高弘君) 初動対応の部分についてお答えを申し上げたいと思います。
海上保安庁では、四月二十三日午後一時十三分頃、遊覧船KAZUⅠの海難情報を受け、直ちに巡視船艇、航空機に対して発動指示を行うとともに、関係機関や漁業関係者などに対し情報提供等を実施しております。
初動対応につきましては、ヘリコプターからのつり上げ救助等を行う要員を同乗させる必要があったことに加え、悪天候が重なり、巡視船艇、航空機等の現場海域への到着に三時間を要するという結果となりました。
このように、巡視船艇、航空機が現場に到着するまでに時間を要することとなりましたが、その間に、警察を始め、漁協や観光船協会への情報提供及び関連情報の収集、陸上部からの現場への進出、当庁勢力の追加調整、関係機関も含めた区域調整など、現場海域において連続した捜索活動を行うために必要な救助計画の策定などを実施してきたところでございます。
しかしながら、今回のような一刻を争う事案におきましては、海上保安庁のみならず、関係機関が総力を挙げて人命救助に取り組むことが必要でございます。海上保安庁では、初動対応を早め迅速な人命救助が行えるよう、自衛隊や警察などへの協力要請や連携協力について関係省庁とともに点検を行い、改善をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/22
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023・長浜博行
○長浜博行君 もちろん今後のことも大事ですが、今申し上げたように、どうしてこうなったのかということの検証を、客観性と情報公開、そして透明性を確保して、大臣、検証していただければというふうに思っております。
素朴な疑問なんですが、サルベージ船、民間サルベージ船と海上保安庁は契約をされたようでありますが、海上保安庁とかあるいは自衛隊には、この飽和潜水を含めて、あるいは百二十メートルの海底に潜る、こういった能力はないと判断してよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/23
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024・奥島高弘
○政府参考人(奥島高弘君) お答えをいたします。
一般論として、潜水士による沈没船の船内捜索につきましては、沈んでいる場所の水深、海底地形の状況、船体の状況、気象、海象などの状況を勘案し、実施の可否を判断することとなります。
遊覧船KAZUⅠが沈没した場所は水深約百二十メートルであり、当庁潜水士にあっては水深四十メートルまで、特殊救難隊であっても水深六十メートルまでしか潜水を行うことができません。なお、当庁から自衛隊に対し水中捜索について協力を求めましたところ、現場の海象状況による自衛隊隊員の安全確保等の観点を踏まえ、掃海艇「いずしま」及び掃海艦「ひらど」による無人探査機ROVでの水中捜索を行うということとなったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/24
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025・長浜博行
○長浜博行君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/25
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026・野田国義
○野田国義君 野田国義です。よろしくお願いいたします。
いよいよこの知床遊覧船の事故、KAZUⅠ本体が近日中に引き揚げられるというようなことのようでございます。本当に現場で御努力をいただいておる皆さんに心から敬意と感謝を表したいと思うところでございます。二度とこういった事故が起こらないようにということで、今も長浜理事の方からるる話もあったところでございますけれども、私も同感で、強く思っているところでございます。
やはり、このずさんな運航によって命が奪われたと言っても過言ではなかったのではないか。前回の委員会でも指摘させていただきましたけれども、本当、過去三度の、事故が起こった、そして国交省として監査に入ったと。ですから、その監査体制にまた問題があったのではないかと、そういうことが言われているわけでございまして、なぜこの強風注意報が発令されている中で出航したのか、あるいはこの連絡網でございますけれども、アマチュア無線の使用が常態化していてアンテナが破損していた、当日は結果的には携帯電話圏外だったというようなことでございますし、また、社長が責任者になっておったわけでありますけれども、約百キロ離れた北見市に出かけていたというようなことが判明されているわけでございますので、しっかりとこのことを反省し、そして今後の対策を講じていただきたいと、そのように思うところでございます。大臣、よろしくお願いしたいと思います。
そこで、これは十七日でございますでしょうか、いわゆる全国の観光船の、国交省は、全国の観光船の運航事業者に緊急の安全点検を行っていて、十七日は北海道運輸局が事故を起こした船と同じ斜里町のウトロ地区で観光船を運航している四つの事業者を対象に点検を実施をしたということが報道されておりましたけれども、このこと、どういう結果であったかということをまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/26
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027・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
委員御指摘の五月十七日の緊急安全点検でございます。
北海道運輸局におきましては、五月十七日、斜里町におきまして、小型観光船を運航する三社、大型観光船を運航する一社の合計四社に対しまして緊急安全点検を行いました。その結果、大型観光船を運航する一社につきましては不備が確認されなかったものの、小型観光船を運航する三社につきまして、運航中の船舶からの定点連絡記録の記載漏れなどの不備が確認されましたため、直ちに北海道運輸局よりそれらを是正するよう指導いたしました。
加えて、国土交通省といたしましては、このほかに是正すべき不備がないか徹底的に確認するために、当該三社に対しまして今後速やかに北海道運輸局による監査を重ねて実施する予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/27
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028・野田国義
○野田国義君 こういった観光船ですね、この知床でもそういった他社に不備があったということでございますので、本当に、大変、何といいますか、国民もこういった船に乗って自然と触れ合うこと、楽しみにしている方々多いと思うんですけれども、しかし、危険が隣り合わせということでございますので、これやっぱり全国的な調査をもう一度しっかりとやっていただきたいと、今回の事故のようにもう即命に関わるというようなことでもございますので、このことを国交省にはお願いをしたいと思うところでございます。よろしくお願いいたします。
それでは、海の問題。今度、私、先日から、荷役労働者と申しますか、海事事業の方々とちょっと意見交換する機会を持たせていただきまして、いろいろと話を伺ったところでございます。御案内のとおり、この海事事業もコロナ禍の中で本当にいろいろな環境が変化をし、また大変なことにもなっているということでございますので、その辺りのところをお聞きしたいと思います。
偶然でございましたけれども、NHKの二月三日ですか、コンテナ不足や物流混乱、解消の見通し依然立たず、海運大手の三社の報道について見せていただいたんですけれども、この報道内容によりますと、コンテナ不足による運賃の高騰で三社はそろって今年度の業績予想を上方に修正し、そして、いずれも最終的な利益が最高、過去最高となる見通しとのことでございましたけれども、一方で、国内の海運大手三社は、世界的なコンテナ不足や物流の混乱が解消する見通しは依然として立っていないと、さらに、物流コストの高騰によって物価上昇などの影響が長期化するおそれがあるとも報じられたところでございます。
この点における今後の見通しについて国交省の見解をお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/28
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029・寺田吉道
○政府参考人(寺田吉道君) 国際海上輸送についてお尋ねをいただきました。
二〇二〇年後半以降、北米西岸、西海岸側でございますが、港湾の混雑に端を発した世界的な需給逼迫等によりまして、コンテナ運賃の高騰や運航スケジュールの乱れが生じてございます。これまで、国土交通省では、関係省庁と連携いたしまして、荷主団体などとの間で現状や見通しに関する情報共有を行うとともに、米国側に対して改善に向けた働きかけなどを行っているところでございます。
見通しについてでございますけれども、この北米西岸の港湾混雑につきましては、滞船数、入港、港に入るのを待つ船、滞っている船の数でございますけれども、この滞船数の減少など一部改善の兆しは見られますけれども、運賃の高騰あるいは運航スケジュールの乱れが継続をしておりまして、改善、正常化にはなお相当の時間を要するものと認識をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/29
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030・野田国義
○野田国義君 ありがとうございました。
それから、これもどこの業界もそうでございますけれども、この港湾労働者におきましても、不足しているということで、実態調査が国交省によって行われたようでございます。昨年の五月に国土交通省が公表した二〇二〇年度港湾労働者不足に対する実態調査では、港湾労働者不足、四割以上の事業所で港湾運送に影響、そして港湾労働者が不足する実態が明らかであると報告をされているところでございます。
そもそもこの調査はコロナ前に行われていないのか、また、直近の二〇二一年度はこのような調査を行ったのか、加えて、結果に対する国土交通省の対応策はどのようなものであるかをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/30
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031・浅輪宇充
○政府参考人(浅輪宇充君) お答えいたします。
近年、港湾運送事業において労働者不足の深刻化が指摘されていることを受けまして、国土交通省として、その実態を把握するため、二〇二〇年十二月から二〇二一年一月にかけて全国の港湾運送事業者を対象に初めての港湾労働者不足に関する実態調査を実施いたしました。その結果から、アンケートに回答した港湾運送事業者の半数程度において、今後労働力が不足し荷役に影響するという見通しが立てられていることが判明したところです。二〇二一年においてはこの調査は実施しておりません。
この調査結果を踏まえまして、国土交通省としては、今後講ずるべき施策を盛り込みました港湾労働者不足対策アクションプラン、これを早期に策定、公表すべく、事業者団体や港湾労働者の皆様と意見交換を進めているところです。アクションプランの策定後におきましては、このプランに従いまして関係者と連携して所要の施策をしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/31
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032・野田国義
○野田国義君 しっかりとやっていただくように要望したいと思います。
それから、港湾労働者の雇用と就労に対する代替案についてでございますが、カーボンニュートラルは、社会的な動向を受け、エネルギー政策の転換で国策として進められているところでありますが、それに代わる港の港湾事業の存続までにも影響を及ぼすと関係者は言っておられました。
所管する国土交通省におかれましては、該当する地域の港湾労働者の雇用と就労に対する代替案を具体的にどのような内容で策定をしているのかお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/32
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033・浅輪宇充
○政府参考人(浅輪宇充君) お答えいたします。
二〇二〇年十月、政府は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、CO2排出量の多い港湾及びその周辺地域におけるカーボンニュートラルに関連した施策につきましては、国土交通省としても重要であると認識しております。
一方、国土交通省としては、港湾運送事業を所管する立場から、港湾労働者の皆様のお話をお伺いしつつ、雇用と就労への影響の発生を防止する、また最小化すると、こういった観点での取組を進めることも重要であると考えております。関係省庁や港湾管理者等との情報共有等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/33
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034・野田国義
○野田国義君 引き続きまして、大臣へでございますが、国際バルク戦略港湾政策に伴う影響と対応についてお伺いしたいと思います。
国際バルク戦略港湾政策に伴い、この近隣地方港では港湾事業者の事業継続と港湾労働者の雇用、職域が既に脅かされているとお聞きいたします。二〇一一年三月三十一日、参議院の国土交通委員会で港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案を審議した際の附帯決議で、港湾の機能強化と、港湾労働者にしわ寄せが及ばないよう配慮する旨、決議をされているところでございます。
そこで、決議にのっとって、港湾事業と雇用保障や雇用創出の対策面での協議の場を設けていただきたいと思うところでございますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/34
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035・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この戦略港湾に指定されなかった港から、私も、来る船が小さくなって労働の質が変わったと、取り扱う貨物量そのものは変わっていないのかもしれませんけど、来る船が違う、小さくなって労働の質が変わったという声は私も直接お話を伺っているところでございます。
国土交通省としては、国際バルク戦略港湾に指定された港湾以外の港湾の振興も重要と考えており、引き続き、それぞれの港湾管理者等と連携して取り組んでまいります。
港湾労働者の雇用保障、雇用創出等の雇用対策については、それぞれの港湾が所在する地域における取組が必要になってまいりますので、各都道府県や厚生労働省と連携して取り組んでまいります。また、港湾労働者の皆様との間においても、港湾局担当課との間で定期的に懇話会を開催しており、引き続き、このような場を通じて現場で働く皆様方の御意見を伺ってまいりたいと考えております。
先ほど局長が答弁いたしましたように、現在策定中の港湾労働者不足対策アクションプランにおいて、許可基準を弾力化することにより、港湾労働需給の急激な変動に対応するための制度を検討しているところでございまして、引き続き、これしっかり検討を深めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/35
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036・野田国義
○野田国義君 しっかり、本当に現場主義で、現場の労働者の声を聞いて対策を講じていただきたいとお願いしたいと思います。
それから、安全、安心の諸施策についてお伺いいたします。
近年頻発する自然災害の影響で、港湾地区でも甚大な被害を受けていると承知いたしております。それゆえに、被災時の港湾事業者及び港湾労働者のための持続可能な救済措置制度を確立しておく必要があると考えますが、国土交通省のお考え。
そしてもう一点、コロナ禍でも国民生活維持のため港湾労働者の皆さんをエッセンシャルワーカーとして位置付けるならば、ブースター接種の優先や自己負担にならないPCR検査の体制整備が必要であると考えますが、この点について、国土交通省、どうお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/36
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037・浅輪宇充
○政府参考人(浅輪宇充君) 近年頻発する大規模な自然災害の影響で、港湾施設の被災とともに、多くの事業者の方々が被害を受けております。災害発生時においては、港湾及びその背後地の人命防護、資産被害の最小化はもちろんのこと、基幹的海上交通ネットワークを維持していくことも大変に重要な課題です。
このような状況を踏まえまして、令和二年十二月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえ、地震、津波、高潮対策などの施策を着実に進めてまいりますが、この施策は、港湾で働く皆様の安全、安心にも資するものです。港湾や海岸の整備といったハード面での取組とともに、港湾BCPの策定、訓練による実効性の向上など、ソフト面でも港運事業者を始めとする関係者と連携して取り組んでまいります。
また、港湾で働く皆様は、まさにエッセンシャルワーカーとして、感染リスクと隣り合わせの中、国民生活や社会経済活動の基盤となる物流を支えていただいております。この場を借りて感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種につきましては、死者、重症者の低減を目的に医療従事者、高齢者等から接種していくことが政府全体の方針として新型コロナウイルス感染症対策分科会で取りまとめられたところであります。新型コロナウイルスの検査につきましては、発熱やせきなど症状のある方、感染症、感染者の濃厚接触者であれば保健所や医療機関において自己負担なしで検査を受けることは可能でございます。
国土交通省としましては、引き続き、港湾関係者の皆様の声に耳を傾けさせていただき、安心して職務に専念できるよう関係省庁とも連携して取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/37
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038・野田国義
○野田国義君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
それで、ちょっと話題を変えまして、タクシー事業の方についてお聞きしたいと思いますけれども、これ、歴代大臣に毎回お聞きしておったかと思いますけれども、いわゆるライドシェア問題ですね、このことについて、斉藤大臣、違法行為であるということで大臣もお考えなのかどうか、このことをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/38
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039・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 自家用車を用いたいわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としています。国土交通省としては、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があるため、認めるわけにはいかないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/39
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040・野田国義
○野田国義君 ありがとうございました。的確に言っていただきましたので。
それでは、次に移らさせていただきますが、貨物軽自動車運送事業の許可を得ずに、届出をせずに配達事業の有無などについて、自家用自動車による無許可での運送の有無などについて、いわゆる宅配事業ですね、ウーバーイーツの事業で貨物軽自動車運送事業の許可を得ずに配達事業を行っている現状はあるのか、お伺いいたします。また、あわせて、罰則はいかなるものか、お伺いいたします。
さらに、多くはバイク車両や自転車での配達が見受けられるものの、自家用自動車で運送した場合、一見して外見ではウーバーイーツの配達とは分かりません。そこで、自家用自動車での配達の実態について、国土交通省において認識をしている現状をお聞きしたいと思います。
これから一連に関して取締りの強化が必要と考えますが、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/40
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041・秡川直也
○政府参考人(秡川直也君) 今、フードデリの御質問いただきましたけれども、まず、軽自動車によってフードデリバリーを行う場合というのは貨物自動車運送事業の届出が必要なんですけど、届出をしない場合、これ違反になります。これは、百万円以下の罰金ということになっております。全ての事例をなかなか把握はできないんですけれども、例えば、令和二年にフードデリで四百㏄のバイクを使ってやったというような事例があるんです。これ、百二十五㏄を超えますと軽ということになりますので、届出していないと違反ということになります。
それから、白トラということでいきますと、これも同様に、トラック事業法の違反ということで検挙の対象になります。このような白トラ行為で検挙された件数というのは警察から報告をいただくんですけれども、令和二年ですと四十件、令和三年二十三件ということなんですけれども、そのうちフードデリがどれだったかという数字はちょっと分かっていないということでございます。
一方、このような事象が生じないように、あとフードデリいろいろ苦情もありますので、業界団体と有識者、あと関係省庁で構成します環境整備委員会というのを実施しておりまして、ここで、その配達員の登録とか、どんな車に乗っているのかとか、ちゃんと届出していますかというような情報を把握しようということで、国交省もここに参加して意見を述べてきております。
引き続き、これ関係省庁ということですと、厚労省とか警察、あとフードなので農水省ということなんですけれども、国交省と関係省庁連携しながら引き続きしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/41
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042・野田国義
○野田国義君 非常に必要ですよね、本当、こういったサービス。しかしながら、片方では事故が多発しているということでございますので、しっかりこの辺りのところの取締りと申しますか、ルール作りもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それから、最後になるかと思いますけれども、自家用有償旅客運送についてということでございます。
現在、どのくらいの自治体がこの制度で委託しているのか、で、このコロナ禍の影響がどのように出てきているのかということで、現状を国交省にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/42
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043・秡川直也
○政府参考人(秡川直也君) 自家用有償旅客なんですけれども、令和三年三月末の時点で、これタイプが二つあるんですけれども、交通空白地帯のタイプでは市町村で四百七十七の市町村でおやりになっている。あと、福祉輸送の関係では百三の自治体でやっていただいています。
それで、一年前の令和二年三月末と比較しますと、この交通空白地帯タイプのは九つ増えています。逆に、福祉輸送の関係は五つ減っております。その原因がちょっとコロナの関係なのか、あるいは過疎化とか高齢化の進行なのかというところは、ちょっとまだ分析できていないというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/43
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044・野田国義
○野田国義君 時間も来たようでございますので、終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/44
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045・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。今日はよろしくお願いしたいと思います。
まず最初に、今日、農水省さん来ていただいておりますので、愛知県矢作川の農業用水ですとか工業用水を取得する堰の施設があるんですけれども、これ明治用水頭首工というところなんですが、ここで大きな漏水が発生をいたしております。この漏水によりまして、先週末の段階で農業用水は止まりました。また、工業用水についても必要な供給量の三割程度しか供給ができないと、こういう大きな影響が出ております。
この明治用水頭首工における漏水の発生のこれまでの経緯と、そして漏水の原因、要因をどう捉えているのか、今後の対策について、農水省としての現時点の方針をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/45
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046・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
今回の明治用水頭首工の漏水につきましては、まず、今月十五日に頭首工の下流で濁った水の湧出が確認をされました。その確認されたところでございますけれども、当日には、まず河川管理者である国土交通省の方へ連絡をいたしますとともに、翌十六日には頭首工上流の吸い込みの口の位置を特定をいたしまして、砕石を投入する緊急対策に着手をいたしました。
しかしながら、十七日には頭首工の上流の水位が急激に低下をいたしまして、通常の取水が困難になりましたことから、同日、東海農政局の方に緊急対策本部を設置いたしまして、緊急的に取水するための、行っていくためのポンプの設置を開始いたしました。そして、同日夜から段階的に取水を再開したところでございます。
その後、十九日には工業用水の給水を段階的に再開をし、現在、農業用水の早期の通水再開に向けまして、取水口におけるポンプの増設を進めるとともに、農地へ給水する末端パイプライン網への注水作業を進めているところでございます。そして、五月中を目途に最低限必要な水量を供給できるよう、対応を急いでおります。
また、原因及び今後の対策の部分でございますけれども、先週十九日に研究機関の専門家が現地調査を行っておりまして、今後こういった専門家の御意見も踏まえながら原因の特定、また緊急的な取水対策、恒久的な対策を行ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/46
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047・浜口誠
○浜口誠君 工業用水の供給量はどれぐらいに今週戻す予定なんですかね。先週の段階だと三割程度というのが状況だったと思いますけれども、いろいろポンプとか増設して取水をされているという御説明でしたけれども、どのぐらい供給量戻していけれると見込んでいるのか、あわせて、農業用水の再開というのはどのタイミングで再開できるのか、その二点について確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/47
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048・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
現在、先ほど申し上げましたように、頭首工位置から緊急的なポンプの取水を順次行っております。そうしまして、これで幹線水路、それから末端水路の方に水を充水してございますので、今後、こういった水を充水しながら早急に水をまた農地の方にお届けしていくと。
また、工業用水との関係におきましては、利水者間での調整も踏まえて対応が行われていくというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/48
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049・浜口誠
○浜口誠君 どれぐらい戻るかという、具体的な工業用水の供給量に対しての供給割合、必要量ですね、に対してどれぐらい戻せるのかというような見通しは持っておられないですか。あと、農業用水についてはいつから再開できるかというめどは立っていないと、そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/49
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050・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答え申し上げます。
工業用水の部分につきましては、農業用水の部分と併せまして、利水者間での調整、どの程度その需要がこの後あるかということと踏まえての調整になっていくというふうに存じております。
また、農業用水につきましては、早期に試験通水等を含めて水の供給を行っていけるように鋭意現在対策を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/50
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051・浜口誠
○浜口誠君 工業用水、農業用水共に大きな影響出ておりますので、早期に、今農業の方も田植の時期で一番水を必要とされているタイミングになりますので、早期のこれ対策、省挙げて、あるいは国土交通省始め関連省庁とも連携を取って、地元では物すごいこれ注目をされておりますし、影響が大きいという今状況ですので、工業用水、農業用水共に早期の必要な量の確保をしていただくことを求めておきたいと思います。
今回の漏水の原因ですけれども、これまでその頭首工でやっていた耐震補強工事との関係というのは全くないという御判断なのか、まだその点も含めて今後の調査で確認をしていくということなのか、その辺りの農水省としての受け止め、あるいは国交省として何かその辺で御見解があればお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/51
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052・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
現在、今回の漏水の原因については、現在ではまだ、現時点では特定をできておりません。不明でございます。引き続き調査検討を行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/52
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053・浜口誠
○浜口誠君 地元では、ずっとやってきた耐震補強工事との関連があるんではないかというような声も地元からは上がっておりますので、その点も含めて原因の調査しっかりやっていただきたいというふうに思います。
また、あわせて、先ほど十五日からこの漏水の状況が始まったという御報告、御答弁ございましたが、先週末、地元の皆さんと意見交換するときに、もっと現場で国として対応を迅速に判断していれば、例えば土のうを早期に漏水している部分に対応するとか、重機を使って応急処置をとるだとか、そういった迅速な対応がもっと現場判断で国が動いていればここまでの大きな影響にはならなかったんではないのかといった声が地元の皆さんからはございました。
したがって、こういった地元の指摘に対して国の初動という面で課題はなかったのかどうか、この点についての御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/53
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054・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
先ほどもお答えした部分と重なりますけれども、十五日に水の湧出が確認された後、河川管理者の国土交通省へも連絡をいたしますとともに、翌十六日にはその水の吸い込みの位置を特定をいたしまして、即座に砕石を投入するなどの緊急対策に着手をし、その後の緊急対応、また取水再開に向けた対応を行ってきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/54
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055・浜口誠
○浜口誠君 いや、それが有効な対策だったのかどうかというのは、結果的には農業用水も止まり、工業用水も必要とされる量の三割程度しか供給が先週の段階ではできていなかったということですから、その砕石投入したというのは、やられたのかもしれませんけれども、有効な対策ではなかったと言わざるを得ないと思います。もっとやれることがあったんではないかと、現場の判断でという声が、地元の一番身近で見ていた皆さんから意見がありますので、その辺も含めて初動として本当によかったのかどうか、この辺りもしっかりと検証していただきたいと、このように思っております。
あわせて、全国に同じような取水をする堰、同様の施設があるんではないかというふうに思っていますが、同様のことがこれ起こらないように点検を全国でやっていく必要があると思いますが、そうした動きに対して今どのように点検等をやっておられるのか、全国のほかの施設への対応状況について確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/55
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056・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
今回の明治用水頭首工での今回の漏水を受けまして、農林水産省が国営によりまして設置をいたしました全国の同様の頭首工、これにつきまして緊急的な点検を行っているところでございます。
全国で対象となりますのは三百九十か所ございますけれども、このうち、まず第一弾としまして、今回の頭首工と同様に、上水道、また工業用水、それから農業用水を使っているような頭首工、また、農業用水につきましても非常に受益面積の多いところ、こういった頭首工についてまず点検、確認を行いまして、これにつきましては、上流部での水位の低下ですとか取水が困難な状態になっているということはないということをまず確認しております。
また、今申し上げた部分以外の国営造成施設の頭首工についても現在並行して点検を行っているところでございまして、これにつきましても早急に状況を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/56
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057・浜口誠
○浜口誠君 分かりました。
並行して全国にある同様の頭首工の確認、同じような問題がやっぱり未然に起こらないようにしていくということも大変重要だというふうに思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
そして、繰り返しになりますが、今まさにこの時点でも農業用水はまだ再開されておりません。地元の皆さんからは農業への影響に対する大変心配の声もいただいておりますし、また工業用水についてもまだまだ本来の必要量までには達していないというのが現実ですので、早期にこの対応を取っていただいて、必要な水をそれぞれの皆さんのところに供給できる体制を国挙げて、これは国土交通省を始め関係省庁で連携をしっかり取って対応していただくことを強く求めておきたいというふうに思いますので、大臣、何かありましたら少しお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/57
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058・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私も、古本副知事から直接私のところにかなり早い段階から国交省を挙げて対応してほしいという要望があったところでございまして、本省水・国土局、それから中部地整局長に対して、全力を挙げて農水省と連携して対応するように指示をしたところでございます。
これからもよくしっかり連携をして、まさに河川のことでございますので我々も多くの経験と知識がございます、それらを農水省と連携しながらしっかり対応していきたいと、全力を挙げて対応していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/58
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059・浜口誠
○浜口誠君 大臣から大変心強い、これから対応していくという御答弁いただきましたので、しっかりとやっていただくことを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
では、農水省さん、御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/59
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060・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 川合整備部長、御退室いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/60
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061・浜口誠
○浜口誠君 では、続きまして、知床遊覧船の事故に関連して御質問させていただきたいと思います。
先ほど、野田委員の方からも緊急安全点検に関しての質問がございました。四月二十五日ですかね、これ以降、全国の旅客船事業者の方に対して緊急安全点検というのが行われております。約一か月経過をしたということですが、これまでのこの緊急安全点検で、どのような今進捗、点検しなきゃいけない事業者さんがどれぐらいあって、そのうちのどの程度点検が終わったのかどうか。その中で、先ほども小型船の三事業者の方には課題があったという御答弁ございましたけれども、全国の点検の結果状況、途中段階だとは思いますけれども、現時点でどのような状況だったのか、大臣の方から御報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/61
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062・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 四月二十五日より、全国の旅客船事業者約九百社及びその船舶を対象に、海上運送法の規定に基づく安全管理規程の遵守状況等について確認を行っているところでございます。これまで四百社余りに点検を実施しているところ、安全管理規程に基づく運航記録簿の記載や安全教育訓練の記録などに係る不備が確認されましたが、これらについては直ちに是正の指導を行っており、是正状況の事後確認も進めているところです。
残る事業者につきましても緊急安全点検の実施を急ぎ、全国の旅客船の安全確保を図ってまいりたいと決意しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/62
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063・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
全国、対象九百社のうち四百社は現時点で終わったということですので、残りもやっぱりスピード感持って対応していただいて、同じような痛ましい事故が起こらないように体制を整えていくというのは大変重要だというふうに思っておりますので、引き続き、緊急安全点検しっかりとやっていただきたいと思います。
あわせて、五月の十一日に知床遊覧船事故対策検討委員会という委員会が一回目行われました。先週も二回目実施をされたというふうに承知はしておりますが、この事故対策検討委員会でしっかりとした今後の対応策というのは議論をして、必要な制度改正等もやっていく必要があるというふうに思っておりますが、この検討委員会の中で、どのような論点を議論していく予定にしているのか。そしてまた、スピード感持って見直すべきところは見直していくべきだというふうに考えておりますが、どのタイミングで取りまとめを行っていく計画にされているのか。この辺りについて、斉藤大臣としてのお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/63
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064・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 論点でございますが、ちょっと項目を申し上げますと、事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化、安全管理規程の実効性の確保、監査・行政処分の在り方、それから船員の技量向上、それから船舶検査の実効性の向上、設備要件の強化、利用者への安全情報の提供など。また、委員の方からもいろいろな問題提起がありますので、追加されてくるかと思います。
取りまとめにつきましては、七月に中間取りまとめ、年内に最終取りまとめを行う予定ですが、この検討委員会で一定の方向性を得た安全対策につきましては、中間取りまとめを待つことなく、順次速やかに具体化に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/64
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065・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
しっかり、非常に大事な委員会になるというふうに思っておりますので、今大臣から御指摘あった論点、また委員の皆さんからもいろいろな課題認識があって、しっかり議論しなきゃいけないテーマも出てくると思いますので、引き続き、この検討委員会の中で取りまとめしていただきたいと思います。
そのときに大事なことは、委員会のメンバーの皆さん、有識者の方が多いと思いますけれども、より、実際に船舶を運航している皆さんとか海のことをよく知る皆さんのやっぱり意見というのを、現場に近いところの皆さんの意見もしっかり反映をさせていく、制度改正につなげていくというところが大変重要だと思います。
検討会の委員のメンバーの中にもそうした皆さんは一定程度いらっしゃるというふうには思っておりますが、幅広く海のことをよく知る皆さんの意見を聞いておくことも非常に重要な視点だというふうに思っておりますので、具体的にどのような形で海のことをよく知る現場に近い皆さんの意見を取りまとめていくのか、その進め方について、是非国交省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/65
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066・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
船舶の運航に関わり、海をよく知る関係者から御意見を伺うことは大変重要であると考えてございます。そのため、検討委員会には北海道や本州で実際に旅客船事業を営んでいる方二名にも加わっていただきまして、現場実務あるいは地域特性などを踏まえた御意見を頂戴してございます。さらに、委員会における検討に資するよう、全国の旅客船事業者へのヒアリングなども併せて行ってございます。
これらの視点を生かして、御意見を丁寧に、かつスピード感を持って伺いながら、対策の検討、実行に移してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/66
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067・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、国交省のこれまでの委員会等の答弁の中で、いわゆる船長の出航可否判断、これが非常に重要です。今回も、当日の気象、海象を踏まえると、船を出したということがやっぱり根本的な誤りだったというふうに思いますが、今後船長に対して出航可否判断を的確に対応できるように教育の強化を図るといった御答弁をいただいておりますが、具体的にどのような教育を行っていくのか、この中身についてお示しをしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/67
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068・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
御指摘のとおり、出航の可否判断、第一義的には船長が行い、また運航管理者が中止すべきであると判断した場合には指示するなど、船長と運航管理者の双方で船舶運航の安全を確保することが重要であると考えております。
今般の事故では、決して出てはいけない状況で出航いたしました。委員御指摘のように、船長が出航してしまったことは極めて重大な問題でありまして、今後このようなことが二度と起こりませんように、船長による出航の適正な可否判断の徹底が重要であると考えております。
特に、出航可否の判断に当たりましては、航行する海域特有の変化する気象、海象に関する具体的知識などを的確に有しておりますことが重要でありますことから、教育の強化を図る必要があると大臣から申し上げたところでございます。
航行する海域特有の気象、海象に関する具体の知識などの習得について教育を進めてまいりたいと考えてございます。詳細な範囲、内容、方法等につきまして、知床遊覧船事故対策検討委員会における議論も踏まえしっかり検討を進め、具体化を図ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/68
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069・浜口誠
○浜口誠君 是非しっかり教育というか、適切な出航可否判断がそれぞれの現場で船長ができるようなしっかりとした体制づくりを引き続き取り組んでいただきたいと思います。
あわせまして、今回の事故の場合でいうと、運航管理者、知床遊覧船の場合、社長が運航管理者になっていましたけれども、現実、その社長は実務経験なかったと、運航管理のですね。さらに、運航管理者を選任する届出の資料、書類に虚偽があったと、こういった点も指摘をされております。
これまで、こうした運航管理者の選任に当たる届出書類、どのように、その記載内容が正しいのかどうか、あるいは必要な運航管理者としての要件を満たしているのかどうか、しっかり確認できていたのかと。これ、行政の大きな責任が問われると思います。その点のこれまでの運用状況、そしてそれができていないのであれば今後どのようにチェック体制を強化していくのか、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/69
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070・高橋一郎
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
御指摘の桂田氏が運航管理者の資格要件に適合していたか否かにつきまして、北海道運輸局は有限会社知床遊覧船から提出された届出書類により確認しておりましたが、届出書類の裏付けの確認など事業者への更なる確認が十分にできていなかったと認識してございます。この点を真摯に重く受け止めてございます。この点につきましては、四月二十四日より実施しておりました私どもの特別監査におきまして、桂田氏は運航管理の実務経験がほとんどなかった、また会社は虚偽の届出を行ったということを確認いたしました。
今後、地方運輸局におきまして、提出された書面の確認にとどまらず、第三者への聞き取りや申請内容の裏付け事実の確認を行うことなどにより、届出時において資格要件をしっかりと確認してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/70
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071・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
最後、外務省に聞きます。
国後島で発見された御遺体、いろいろ報道が変わっていますけれども、ロシア側と身元確認を含めてどのようなやり取りをされているのかという点。あわせて、この北方四島領域、海域における調査を、行方不明者の方、調査どのような形でやっていくのか、今後ロシア側とどのような調整をしながら対応していくのか、この考え方について最後お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/71
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072・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。
知床遊覧船事故に関しましては、ロシア側に対し、二国間協定等に基づき、本件事故の概要等を伝え、関連情報の提供を依頼しておりまして、ロシア側からは、関連情報に接すれば提供するとともに、捜査に関し必要な協力を実施する旨の回答を得ているところでございます。
このような中、五月十日でございますけれども、ロシア当局から海上保安庁に対して、国後島の西岸において女性の御遺体が発見されたとの情報提供がございました。現時点で知床遊覧船事故との関係性は確認されてございませんけれども、現在、外交ルートを通じてロシア側に更なる情報を照会しているところでございまして、事実関係の確認を鋭意進めてまいります。
また、五月十九日でございますけれども、ロシア側から外交ルートを通じて、新たに国後島の西岸で御遺体が発見されたという連絡がございました。これまでに、当該御遺体は男性であること、知床遊覧船事故の行方不明の男性名義の運転免許証等が見付かっていることといった情報提供がございました。引き続き、外交ルートを通じて、当該御遺体と運転免許証の名義人との関連も含め、事実関係の確認に努めてまいります。
また、委員からお尋ねのございました北方領土周辺海域についてでございますけれども、国後島周辺海域を含む知床半島北東側における捜査につきましては、二国間協定等に基づきロシア側と連絡調整を実施してきましたところ、五月五日から国後島周辺海域での捜査が実施されていると承知しております。
引き続き、外務省といたしまして、ロシア側と必要な連絡調整を継続して、行方不明者の捜索に全力を尽くしてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/72
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073・浜口誠
○浜口誠君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/73
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074・室井邦彦
○室井邦彦君 維新の会の室井でございます。
早速質問に入らせていただきます。
公的統計、この不正問題、これ私も、もう一度しっかりと大臣のお覚悟聞いて、確認を最後にしておきたい、こういう思いで質問させていただきますが、随分重複をしておりますけれども、お答えをしていただきたいと思います。
我が国のEBPMは、政策評価の強化や統計改革の背景から議論が始まって、経済・財政一体改革においてエビデンスに基づく政策立案を推進するとの方針の下、財政、行政改革を進めております。また、予算編成について、行政事業レビューの徹底とEBPMの推進によって予算の質の向上と効果の検証に取組が進めていると理解をしております。
一方、公的統計は、これは行政利用だけでなく、御承知のとおり、釈迦に説法でありますけれども、社会全体で利用される情報基盤であります。その意味において、統計データが不正に書き換えられてきたというこの問題は、非常に大きいというか底が計り知れない影響が出るわけであります。
ここで、斉藤大臣は、先ほども答えられておられました、長浜先生の御質問でも、十三日の有識者らによる検討会議の報告書を受け、公的統計の信頼を取り戻すべく、組織風土改革、そして公的信頼の向上に向け努力をしていくというように述べられておられます。
行政当局も、国民も、行政は絶対に間違えてはいけないという行政の無謬性のこだわりや、既存の政策評価や行政事業レビューにおいても、行政内部に負担が大きく、評価疲れがあるというようなことも耳にしておるわけであります。
こうした問題を認識され、再発防止に向けた組織風土の改革に取り組むべきと考えますが、再度、大臣のお覚悟と御所見を聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/74
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075・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど室井委員から、行政の無謬性という言葉も使っていろいろな御指摘いただきました。
仕事をしていて誤りを認めたときにはそれを率直に言うという風通しの良さ、これは行政に限らずいろいろな組織の中で大変大きな、私もずっと組織の中で育ってきた、会社の中で育ってきた人間として、大変重要な観点ですし、自由に自分の意見を言うことができるそういう組織風土をつくっていくということが今回の最も本質的な課題だと思っております。
そういう視点におきまして、組織風土改革に向けた若手職員や現場担当職員等によるグループディスカッションの定期開催や、若手職員や現場担当職員等の意見に基づく現場の風土、環境の改善、それらを今、再発防止検証タスクフォースにおいて具体化に向けて検討を進めているところでございます。私自身も、統計を始め、本省や地方で日々地道に業務に取り組む職員に使命感ややりがいを再認識してもらうための機会として、これらの職員との懇談を行ってまいりたいと考えております。
今後、それぞれの項目についてしっかりと議論を重ね、統計委員会と歩調を合わせつつ、有識者の意見を十分に伺いながら、再発防止策の具体化に向けた検討を進め、タスクフォースで取りまとめてまいります。
しっかりここは、国民の信頼を回復するために、これらの省を挙げての改革の取組で組織風土を変えていきたいと、努力を一生懸命していきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/75
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076・室井邦彦
○室井邦彦君 もうくどく申しません。ひとつよろしく御指導お願いを申し上げます。
それでは、この公共事業の事業評価に対する不断の見直しについてお聞きをしておきたいと思います。
公共事業については、平成十年より事業評価を開始して、効率的かつ公明性の高い事業を目標にしていると理解をしておりますが、現状の個別の事業評価においては、希有な大規模自然災害に対しての定量的な事業評価は、道路事業では明確でないし、河川事業においては行われていない等も聞いておりますが、現行のこの手法には限界があることから、それを十分に踏まえた上で常に評価方法の改善を図っていくという姿勢が不可欠と思っておりますが、この点、政策局長の御所見をお聞きをしておきたいと思います。和田総合政策局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/76
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077・廣瀬昌由
○政府参考人(廣瀬昌由君) お答えいたします。
国土交通省所管の公共事業については、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、維持管理に係る事業、災害復旧に係る事業等を除く全ての事業を対象に、委員御指摘のとおり、平成十年度から新規採択時評価及び再評価を、平成十五年度から完了後の事後評価を実施しております。
公共事業の評価は、貨幣換算、貨幣価値換算した便益だけではなく、環境への影響や災害時における人や物資の輸送の確保など貨幣換算が困難な効果、その他、事業実施環境や地方との調整状況等、様々な視点を踏まえて総合的に実施しております。
委員より大規模災害も考慮した事業評価について御指摘がありましたが、これまで、防災面の評価について、道路事業では便益として算出されない災害時の孤立や迂回を防ぐ効果を平時と災害時の移動時間の変化により評価をしています。治水事業では施設整備の目標を超える規模の災害、例えば千年に一度発生する規模等の水害の経済的な被害の軽減を便益に算定することとはしていませんけれども、被害者数の軽減等、便益として算定していない効果等も評価することに努めているところです。
一方、現行の評価手法では費用便益分析に全ての効果を十分に反映できていないことも課題として認識しており、引き続き事業評価の改善の、ついて検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/77
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078・室井邦彦
○室井邦彦君 よろしくお願いいたしますが、今、あなた、千年に一度という表現されましたけれども、今はそういう区切りがなくて、千年が百年に一度というような、その気候現象によっていつどこで何が起きるか分からないから、何を基準に千年に一度という表現されたのか私ちょっと理解のできぬところあるんですけれども、その点、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
続いて、最後の質問になります。
このロシアのウクライナ侵攻に伴う、非常に私も心配をしているわけでありますけど、航空網のこの影響について、今後どうなっていくのか、どのように航空局としても先を読み取ろうとしておられるのか、そして現状はどういうふうになっているのか、この点をちょっと限られた時間でお答えをしていただきたいんですが。
この、御承知のとおり、ロシア、ウクライナへの侵攻を受けて、欧州では、対ロシア制裁の一環としてロシア航空機に対して領空を閉鎖する動きが相次いでいると。冷戦時代は、西側諸国の航空機の旧ソ連領空での飛行が厳しく制限されていたと。欧米では、アジアを結ぶ路線はアメリカ・アラスカ州のアンカレッジ国際空港が給油地点として利用されてきたと聞いております。この冷戦終結後に多くの空港、航空大手がロシア上空を飛行するその空港、路線を開設できるようになり、東南アジア―欧州を結ぶルートは大幅に距離が短縮されたということであります。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、我が国のこの航空網の影響は、冒頭申し上げたように、どうなっていくのか、今後また長期戦に入るとかいうようなこともよく聞いておりますけれども、その辺をどのように今考えておられるのか、難しい質問かも分からないですけれども、今の、現の状況で結構ですからお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/78
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079・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えを申し上げます。
本邦航空会社の欧州便につきましては、委員御指摘のように、ロシア上空を通過せずに、現在、中央アジア上空を通る南回りルート及びアラスカ上空を通る北回りルートで運航しておるところでございまして、この結果としまして、運航距離が長くなることなどによりまして追加的に時間や燃料費などの運航経費が掛かると聞いてございます。
これから先の見通しについてなかなか申し上げることは難しゅうございますけれども、現状の国際情勢なども見ながら、航空会社において判断されるものであろうというふうに思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/79
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080・室井邦彦
○室井邦彦君 終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/80
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081・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として北村経夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/81
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082・武田良介
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
愛知県の矢作川で、農業用水、工業用水それから上水道などの用水を取水している明治用水頭首工におきまして大規模な漏水が発生した問題について伺いたいというふうに思います。
五月十五日に現地で漏水が確認をされたと。そして、農業用水、工業用水、この取水量が大幅に減少しているということであります。
まず、現在、農水省が農業用水確保のために取られている手だて、そして、今後の供給再開に向けた準備作業、試験通水というお話もございます。これについて御説明をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/82
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083・川合規史
○政府参考人(川合規史君) お答えを申し上げます。
明治用水頭首工の漏水を受けまして、現在、まず、十五日に漏水が確認をされましたけれども、直ちに河川管理者である国土交通省へ連絡するとともに、翌十六日には頭首工上流の吸い込みの位置を特定いたしまして、砕石の投入など緊急対策に着手をいたしました。しかしながら、十七日に上流の水位が低下をいたしまして取水が困難になりましたことから、同日、東海農政局の方に緊急対策本部を設置いたしますとともに、緊急的に取水を行うためのポンプの設置を開始いたしました。そして、同日夜から段階的に取水を再開いたしております。
現在、農業用水の早期の通水の再開に向けまして、取水口におけるポンプの増設を鋭意進めております。農地へ給水する末端パイプライン網への注水作業も進めているところでございまして、この作業を早急に進め、五月中を目途に最低限必要な水量を供給できるよう対応を急いでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/83
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084・武田良介
○武田良介君 五月中に達成しようとしているというのも最低限欲しいと言われているものに対してでありますから、実際にはまだまだ用水を必要としている状況があるんだろうというふうに思います。
今資料を配付させていただきましたけれども、実は、矢作川では既に昨年末から年始にかけて漏水が確認をされていたということであります。資料の二の二を見ていただきますと、経過についての表が出ております。
二〇二二年一月の七日、左岸の魚道張りコンクリートとエプロン擁壁のジョイント部分で幅三センチ、長さ五十センチの吸い込み口が発見をされたと。そこで、一月十一日、水中パテという作業で、水中でも固まる素材で穴を塞いだということですけれども、下流湧水量に変化がなかったと。そこで、農水省東海農政局から国交省中部地方整備局に対して、二月二十一日に河川法二十四条及び二十六条に基づいて湧水対策計画の届出書が出されています。これが資料の二の一、二、三と三つ付いておりますけれども、資料の二でございます。
国交省に伺いたいというふうに思います。
この届出書が出されて、実際の工事は三月に行われたというふうにお聞きをしましたけれども、届出によって行われた三月の工事、これどういう内容なのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/84
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085・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 明治用水頭首工については、平成二十七年八月から令和七年度までの予定で、設置者である農林水産省東海農政局によって大規模地震に対する耐震化対策工事が進められています。
頭首工の下流部左岸側で湧水の発生が確認されたため、東海農政局より国土交通省中部地方整備局豊橋河川事務所に対して令和四年二月に湧水対策計画の届出があり、令和四年三月より工事が実施されています。
その工事の内容は、東海農政局より届出があった工事計画書によると、頭首工の下部に存在すると推定される水の通り道を閉塞するため、水の通り道に薬液を注入して充填するものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/85
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086・武田良介
○武田良介君 この計画に基づいてその充填を行ったということなんですけれども、その結果や効果について、農水省の方は、現在現場対応を優先しているということを言われまして、まだ明らかにされておりませんけれども、今後の対応にも関わりますので、引き続き明らかにすべき問題であろうというふうに思っております。
そして、資料の一を付けさせていただきました。
これ、農水省が、今回の五月ですね、大規模漏水が起こった現場の説明をと求めたものに対して提出いただいた資料であります。
赤い字で書いてあるのは一月に確認された事象や対応ということになっております。そして、濃い青で書かれておりますのが、今回、五月十六日とありますけれども、確認された流入箇所、湧出箇所であります。これ、一見して分かりますけれども、ほとんど同じ場所で起こっているということだと思うんです。ですから、一月の水中パテという対応、それから三月に行ったと言われる充填作業においても、水の流れを止めることは十分にできずに水みちが拡大をして今回の大規模な漏水に発展してしまったんじゃないかというふうに思っております。
この点について国交省に見解を伺いたいと思いますけれども、現地で技術的な助言を行うというふうに言われております。専門家も派遣をされている。私はそういうふうに思うんですけれども、大規模な漏水に一月、三月の事象から発展してしまったのではないかというふうに思いますけれども、見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/86
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087・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 現在、取水障害を解消するため、施設の設置者である農林水産省東海農政局により応急対策が進められているものと、進められているとともに、本格的な復旧の内容や方策が検討されているものと承知しています。また、今後、漏水の原因の究明や再発防止策の検討がなされるものと承知しています。
国土交通省としても、早期に取水障害が解消されるよう、農林水産省が行う現地調査に国土技術政策総合研究所等の専門家を派遣するとともに、復旧に関する具体的な工法への技術的な助言を行うなどの支援をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/87
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088・武田良介
○武田良介君 支援をしておりますと、分析中ですと、検証中ですということなんだけれども、私は、この水みちがあったとか湧水があったことに対して、一月に行われた対応、三月の対応、それがどの程度効果があったかということを検証していくというのは今後の重要な課題の一つになるというふうに思っておりますので、重ねて指摘をしておきたいというふうに思います。
農業への被害が心配をされます。私も声を伺ってまいりましたけれども、例えば、中日新聞も、連日農業に対する影響を懸念する声を伝えております。
五月の二十二日付け見ましたら、乾燥した田んぼの写真とともに、ともかく用水の水が来ないと始まらぬと、収穫期まで安定して水が来ないと意味がないと、こういう声を伝えているわけであります。一度水が切れた田んぼは通常より多くの水が必要だと。しかし、田んぼがあるのは明治用水の最下流部の方であって、その水なかなか下りてこないだろうと、苗は五月いっぱいでもう駄目になるんじゃないかと、こういう声も紹介されているわけであります。
今日は副大臣にも来ていただきました。
頭首工は農水省のものであります。先ほどの一月、三月の対策工事、これやってきたのも農水省ということであります。農家の皆さんの被害を補償するということは、私、政府、そして農水省挙げて、もう臨時の、特別の手だてを取って行うべきではないかというふうに思うんです。農家の皆さんは規模の大小だとかいろいろあります。米はもちろんですけれども、柿だとか梨だとか、そういったものもあります。そういう別を問わずしっかりと補償していくと、そういうメッセージを農家の皆さんに発していただきたいというふうに思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/88
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089・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
農業用水の供給停止が続くことによりまして農作物の収穫量や収入の減少につながらないように、まずは復旧に向けて全力で対応していきます。
その上で、農業共済におきましては、水不足による干害、干上がる害、干害も共済事故の一つとして、収穫量の減少があった場合に共済金を支払う対象としております。また、収入保険においては収入が減少した場合に保険金を支払う対象としておりますので、こうした対応をしていくということで農家の皆さんに安心してもらえればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/89
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090・武田良介
○武田良介君 共済だとか収入保険、それはもちろん存じております。ただ、それだけではなくて、特別の手だてがないと農家の皆さん見通しが付かないと、やっぱりそういうことが必要なのではないかということを私は指摘をさせていただきたいと思うんです。副大臣、もう一言、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/90
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091・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) まだこれ復旧途上でありますし、影響もまだ明確になっていない状況でありますので、今後その推移を見ながら判断してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/91
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092・武田良介
○武田良介君 被害の額が幾らになるというだけの話ではなくて、やはり今回の事象というのはこれまでにこんな大規模なものは例がないというふうにもお聞きをしております。初めての対応になってくる。で、災害なのかといえば、自然災害というのともまたちょっと毛色も違ってくる。やっぱり政府が、農水省が臨時に特別の手だてを取っていくと、農家の皆さん救済すると、これをきっかけに、今様々な物価高騰なども含めて大変農家の皆さん苦境にあるわけですから、これによって離農するようなことがないように対応いただきたいということは重ねて求めておきたいというふうに思います。
ちょっと時間の関係が来ておりますので次のテーマに行かせていただきたいというふうに思います。
テーマ変わりまして、金沢市が運営をしてきた発電事業の民間譲渡の法的問題であります。
この金沢市が百年間にわたって運営してきた五つの発電所を、今年四月の一日、ガス事業とともに金沢エナジー株式会社に譲渡をいたしました。この譲渡については、黒字経営で来ていたのになぜ市民の宝を民間に譲渡するのかと、市民の疑問と怒りの声とともに、法的には問題がないのかという声があります。
発電所を設置している河川は石川県が河川管理者になっておりまして、金沢市は県に対して河川法第二十四条に基づいて占用許可を取っていました。ところが、そこには河川法第二十六条に基づく許可を得ないで設置されている工作物が十三あるということが分かったわけです。そこで県は、市に対して、工作物の図面や写真の提出を求めて、河川管理上の安全性を確認したとして存置を認めたということに現場でなっております。
これ、市民の皆さんの疑問は、河川法第二十六条に基づく許可を得ないで設置された工作物が、その後、県が安全性を確認をした、そして存置を認めた、これによって違法状態は解消されたのかということであります。現在、これらの工作物の河川法第二十六条違反の状態は解消されたと見ることができるのか、できるというのであればその法的根拠も併せて示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/92
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093・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 河川法第二十六条の許可を得ず工作分の設置を行うことは法に反する行為であり、不適切であると考えております。このような行為を把握した場合は、河川管理者は、その工作物が公益性を有しているかどうか、さらに、河川管理上支障があるかどうかを適切に判断した上で、必要に応じ河川法第七十五条により除却を求めたり、河川法第七十七条により是正を指示するなどの対応を行っております。ただし、公益性を有し、河川管理上支障のないものについては、厳重に注意を行った上で存置を認めているところです。
なお、河川法第二十六条は、工作物の設置をこれから行おうとする場合の手続を定めたものであり、現状について違反しているかどうかを判断するものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/93
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094・武田良介
○武田良介君 ちょっと今の答弁、本当にちょっとどう捉えたらいいのか。
もう一回聞きます。
二十六条違反、確かに言われたように、事前に工作物を設置する、そのことに対する許可ですよね。それを得ないでやられていた。だから、その違反という事実は、私、解消されていないんじゃないかと、これが市民の皆さんの疑問だと思うんです。
二十六条違反の状態は解消されたと見ることができるのか、この一点だけでお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/94
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095・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 先ほども申しましたように、二十六条は新たに設置するときにそれが適切かどうかを判断するという条文です。
先ほど言われたように、二十六条の許可を得ずやってきましたので、何か問題があれば七十五条によって監督処分をしますけれども、今の現時点では、河川管理者が確認して公益上も支障がない、あるいは河川管理上も支障がないということで存置を認めているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/95
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096・武田良介
○武田良介君 存置を認めているじゃなくて、解消されたのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/96
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097・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 二十六条を、解消するとかそういう問題で二十六条は決められているものではありませんので、我々、河川法上は今の問題が支障があるかどうかという判断で、支障があれば監督処分をするということです。支障がないということで捉えております。二十六条は、その解消するか、状態が解消するかどうかを判断するものではありませんので。ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/97
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098・武田良介
○武田良介君 河川法上、問題ないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/98
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099・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) ええ、河川法上、問題はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/99
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100・武田良介
○武田良介君 驚きました。ちょっと引き続き議論をしなければならないというふうに思っておりますので、時間が来ましたので今日は終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/100
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101・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
本日は、学校のバリアフリーについて質問いたします。
文科省は、障害の有無にかかわらず、誰もが同じ学校で共に学ぶことのできるインクルーシブ教育を推進しています。また、国交省では、バリアフリー法に基づき、令和三年に公立小中学校もバリアフリー化が義務付けられました。しかし、車椅子用トイレが設置されているのは全校のうち六五・二%に対し、エレベーターが設置されているのは二七・一%と少なく、障害のある児童生徒にとって、バリアを感じずにほかの生徒と同じように安心して学ぶ学校生活を送れる状況には至っていません。
教育は、障害の有無にかかわらず子供たちにとって大切な権利ですが、学齢期の子供同士のコミュニケーションは最も重要であり、共に学べる環境の保障は、大人になって社会に出たときに障害者と健常者が一緒に生きていくための礎となります。ですから、学校生活において障害児と健常児が一緒に行動できるように、学校のバリアフリーを整え、共に学べる環境をつくることは急務だと考えます。
先日、私のところに、普通学校に通う脳性麻痺の中学生と保護者の方から、長年学校に要望しても一向にエレベーターを付けてもらえず困っているという相談がありました。その方は学校内の移動においてキャタピラ式の階段昇降機を利用しており、保護者はいつ事故が起こるかと常に不安を抱きながら学校に送り出しているそうです。そこで、私は、実際にその学校を視察し、キャタピラ式の階段昇降機を試乗してきました。
資料一を御覧ください。
私の利用している大型の電動車椅子では、前輪が昇降機の警告ラインからはみ出してしまい、きちんと乗ることができませんでした。また、電動車椅子の重量は二百キロ以上あり、昇降機の重量と合わせると三百キロ以上になり、これでは規定の重量をオーバーするため危険と判断し、あらかじめ用意していた手動の車椅子に乗って試乗しました。
次に、資料二を御覧ください。
この昇降機は階段を一段ずつ上がるたびに衝撃があり、段差が十段あれば十回の衝撃が首や背中に走り、私の体にはとても負担が掛かりました。毎日乗るとしたら、むち打ちになったり障害が重くなってしまいます。かなり傾斜もあったので、落ちてしまわないかと不安でした。
特に不安だったのは、昇降機と車椅子を合わせて二百キロ以上の車体をたった一人で後ろから操縦しているので、もしキャタピラが階段の段差を踏み外した場合、操縦者は昇降機ごと一緒に落ちていくか自分を守るために手を離してしまうしかなく、大きな事故になりかねないという危険を感じました。また、資料三を御覧のとおり、介護者が体を支えないと昇降機に乗れない障害者の場合、事故が起きたときに介護者も巻き込まれてしまう可能性があります。
このように、今回試乗したキャタピラ式の昇降機は、様々な障害や多様な車椅子の形状に対応しておらず、バリアフリーになっているとは言えません。
エレベーターや車椅子用の設置型階段昇降機については、国民の生命、健康の保護を目的とする建築基準法の定めた基準を満たさない限り設置することはできないのに対し、キャタピラ式の昇降機など可搬型階段昇降機についてはそのような国の定めた基準がなく、安全性が保証されているとは言えません。
資料四の消費者庁の資料によると、可搬型階段昇降機の事故は、学校現場ではありませんが、二〇〇九年以降に十五件あり、そのうちの四件が死亡事故でした。
また、資料五を御覧ください。可搬型階段昇降機はバリアフリー法施行令が定める基準を満たさないとされており、バリアフリーとは認められていません。
文科省としては、資料六のとおり、令和七年度までに要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校にエレベーターを付けることを目標としているはずです。しかし、今回視察した学校では、実際に障害を持つ生徒が通っているにもかかわらず、エレベーターを設置してもらえず、バリアフリーではない可搬型階段昇降機が長年にわたり使用されている現状です。
安全を最優先しなければならない学校において継続的に使われている可搬型階段昇降機の利用実態について、文科省は早急に調査していただきたいと思っております。また、昇降機を操縦する人と乗っている障害者の人が認識する危険性の違いを知ってもらうために、文科省の方には、現場を視察し、実際に可搬型階段昇降機を試乗していただきたいと思いますが、文科副大臣のお考えをお聞かせください。
〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/101
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102・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 木村委員にお答えをさせていただきたいと思います。
学校における教育活動が安全な環境において実施されるためには、学校の安全対策は極めて重要なことと考えております。
文部科学省では、学校施設におけるバリアフリー化の状況調査を実施しているところでありまして、今年度実施予定の次回調査の際には、エレベーター未設置の場合の対応事例として、階段昇降車等の使用も含めて状況を把握することを検討してまいりたいと考えております。また、階段昇降車等の視察、そして試乗につきましても検討してまいりたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/102
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103・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。是非、昇降機を試乗していただいて、体感した上で改善に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
文科省がインクルーシブ教育を推進していく上で、障害児と健常児が交流する機会を保障することが最も重要だと考えられます。しかし、今回視察した学校のように、キャタピラ式の昇降機を利用する場合は、ほかの生徒と一緒に移動する機会が限られるため、普通学級においても学校生活の中で障害児は健常児と分けられることを余儀なくされてしまいます。これでは、自分とは違う他者とのコミュニケーションの機会が奪われてしまい、障害者と健常者が共に生きていく力を育むことはできません。
子供のときから障害児と健常児が一緒に学び、多様性を認め合える関係づくりは社会に出たときに共に生きるための大きな助けになります。ですから、障害児にとって、学校生活の様々な場面で健常児と一緒に学び、遊び、支え合う関係を妨げないためにも、エレベーターの設置は早急に進めなければならない重要な課題であると考えます。
文科省として、バリアフリーに該当しない昇降機の利用を続けている学校に対し、早急にエレベーターを設置するように指導と助言をしていただきたいと思っております。今後、インクルーシブ教育をより一層推進していくためにも、学校のバリアフリーに向けて、文科副大臣のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/103
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104・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 木村委員にお答えをさせていただきたいと思います。
学校施設は、障害のある児童生徒等が支障なく安心して学校生活を送ることができるようにするとともに、災害時には避難所としての役割も果たすことから、バリアフリー化を進めることは大変重要なことであると考えているところでございます。
そのため、文部科学省といたしましては、国のバリアフリー化の整備目標として、今年度中に、学校設置者に対し、要配慮児童生徒等が在籍する学校にエレベーター整備を求めていること、そして、これには階段昇降車等の使用は含まれないことを改めて周知するとともに、エレベーターの設置など学校施設のバリアフリー化の積極的な取組を重ねて要請して、学校設置者をきめ細かく支援してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/104
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105・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。学校設置者へのヒアリングや学校の視察など、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そして、学校のバリアフリー化に向けては文科省が管轄ではありますが、バリアフリー法を所管する国交省においても、交通や建物、学校、避難所などのバリアフリー化を進め、誰もが生きやすい共生社会を実現する責任があると考えます。
可搬型階段昇降機は建築物に附属したものではないということでバリアフリー法や建築基準法の対象になっていないため、これまで制度の谷間に落ちて、国交省からも文科省からも問題が見過ごされています。これでは責任の所在が不明なまま対応が遅れてしまい、事故を防ぐことはできません。学校に通う子供の安全と命を最優先に考えるのであれば、国交省もこの問題に目を向けて、文科省とともに学校のエレベーターの設置を早急に進め、障害児も健常児も安心して学べる環境を実現していただきたいと思っていますが、国交大臣のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/105
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106・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 現場を視察しての御質問に対して、心から敬意を表します。
障害者を含む全ての方が利用しやすい環境を整備する観点から、バリアフリー法では一定規模以上の建築物を建築する際にはバリアフリー基準への適合を義務付けており、特に上下階をまたぐ移動が必要な場合には基準を満たすエレベーター等の設置を求めています。
このうち、学校のバリアフリー化については、児童生徒が子供のときからバリアフリーとは何かを学ぶことにより、バリアフリーが当たり前であると思える環境を構築する観点から大変重要な課題です。
また、災害時の高齢者、障害者等の方々の円滑な利用の確保等も図る必要があることから、二〇二〇年のバリアフリー法改正では義務付け対象用途に公立の小中学校を追加したところでございます。さらに、二〇二一年には、文部科学省にも参画いただき、学校のバリアフリー化の参考として活用できる建築設計標準、ガイドラインの改定を行い、設計者への周知を通じて既存建築物等のバリアフリー化の促進を図っております。
今後とも、建築設計標準の普及と併せて、エレベーター等の設置を求める基準の考え方の周知に努めるとともに、文部科学省とも連携しながら、学校の適切なバリアフリー化の促進に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/106
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107・木村英子
○木村英子君 エレベーターの設置など、学校のバリアフリー化については今後も注視していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/107
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108・増子輝彦
○増子輝彦君 無所属の増子輝彦でございます。質問させていただきたいと思います。
新型コロナ発生以来、約二年半、大変日本は、社会的にも経済的にも生活環境は厳しい状況に強いられていること、これがいつまで続くのかなと大変憂慮しながら日々の生活を送っているわけであります。
それぞれの事業者の中にあっても、経営基盤が極めて脆弱な中小企業もたくさんありますし、特に観光産業を中心とした、いろいろな交通手段を持っている事業者にとっては大変死活問題だという現状が、この二年半の間、しょっちゅう私どもにも声が寄せられているわけであります。
今日は、その中でも、観光産業に関わる中小企業の皆さんが今どんな状況なのか、そして、インバウンドはもちろんのこと、国内旅行者も極めて減少して大きな打撃になっている中で、貸切りバス事業者についての現状を御説明しながら、大臣にいろんな対策を是非講じていただければ有り難いという思いの中で今日は質問させていただきたいと思います。
まず、貸切りバス業界団体の皆さんからもしょっちゅういろんな御要望なり政策要求もいただいておりますが、今日は、福島県のある貸切りバス事業者が私にいろんな資料を提供してくれましたので、これを少し説明させていただきながら、最後にいろいろ質問させていただきたいと思います。
まず、この業者は、普通の年間売上げが十五億円、十五億円ほどあるそうであります。そして、バスが約八十台、このうちリースが三十二台、自社が四十八台を所有しているバス事業者であります。従業員が常時八十五名の、これは常用雇用者をきちっと確保しているという状況であります。売上げも、令和元年は九億円に減りまして、令和二年度は四億と減った。三年度は少し回復したかなという状況の中でも、やはりまだ六億円という状況ですから、十五億の半分以下という売上げ減少。収益はもちろん毎年赤字続きということで、それも半端じゃない赤字が続いていると。令和元年は一億円、令和二年は一億五千万、そして令和三年度は八千万と、大変な、実は経営基盤がもう弱くなり、死活問題だという現状がこの数字を見てもあるわけであります。
こういう状況の中で、なぜこんな状況かとなると、交通手段がなかなか動かないということになると、今まで運行していたものがほとんどが中止になってしまうと。例えば、教育事業旅行、まあ修学旅行中心ですが、あるいは、スポーツ関連大会の参加のいわゆる貸切りバスの減少、ほとんどないという状況が続いてきたということ、あるいは、慰安旅行や趣味団体、公演、イベント、様々なものが運行が中止になってしまったという状況の中での、日々彼らは、さあどうしようかという、悩みながら今会社を維持しているわけであります。
この会社は、少しほかの事業者と違うのは、スクールバスの実は運行をしている、あるいは病院のシャトルバスをやっている、あるいは企業の社員のシャトルバスも送迎もやっている、あるいは冠婚葬祭用も、極めて小さくなりましたけれども、家族葬中心ですが、この家族葬の中でもいわゆるいろいろな送迎もやっているということで、まだほかのところよりは少しはいいのかなという現状ですが、大変厳しい状況であります。
こういう売上げ減少の中にあってどんな対策を今まで講じてきたかというと、やはりそれは、足下の資金を確保するために政府の融資を受けるということについては、大変ここはしっかりとやっていただいたということで、足下の資金は当面は何とか維持しているという状況ですが、これに対しても返済が間もなく始まっていくということになると、大変な状況だということ。
車両台数、先ほど申し上げましたけれども、リースが三十二台。今度、リースの実は支払等の問題が今大きな実は課題になっていると。ジャンプ、ジャンプという形の中で猶予していただきましたが、もうこれも待ったなしの状況が続いているということ。
あるいは、雇用調整金も、一部対応は該当していますが、間接費用の負担が大きく、人件費の現在二割程度しか補填がない。これ、基準が下がってくるわけでありますから、こういう状況だということ。
そして、コロナ借入れの様々な先ほど申し上げた猶予期間が間もなく迫ってきますから、大変な状況であると。金融機関は条件変更扱いに近い対応でありますから、極めて今のところは冷たい対応が続いているということで、本当に苦慮しているわけであります。保証協会も、一〇〇%付けないと追加融資は出ないというような現状がここに続いているわけであります。
こういう状況の中で、補助金はどんな状況かというと、国交省も大変手厚い補助をしてくれているようでありまして、令和二年度のリース料補填、年間一台四十万円という補助を付けてくれているということによっては大変助かっているという、それこそ大臣によろしく言っておいてくれというぐらいの話でありますが、こういうもの。あるいは、持続化給付金が二百万、そして事業復活支援金が二百五十万、月次支援金が月十万、家賃支援等が二百三十万。
この企業は、先ほど申し上げたように、十六億近くの売上げあった中で、厳しい状況の中でも合計二千三百四十三万の補助金等をいただいた中で何とかやりくりしているというような状況が続いているわけであります。
しかし、これもこのコロナがいつまで続くのかということになると、先行きが全く見えないと。今後どうしていったらいいんだろうと。雇用も確保していかなければいけない、やはり雇用者の家族もいますから、その人たちの生活も守らなければいけない。そんな現状の中で、これからどういうことをやっていかなければいけないのか。それは、やはりこの業種の中で、貸切りバス事業者としてもう少し頑張っていこうという意欲を持ちながらも、もう少し様々な対策も講じてもらわなければいけないという私どもへの要望が、各団体も含めながらも、この貸切りバスに、今日は事業者に絞っていますが、少し皆さんの御要望をお伝えしながら、私もそう思うことも含めて申し上げたいと思っています。
改善にこれから向かっていくためには何が必要かとなると、やはり、今までのインバウンドがなくなる、そして国内旅行者も極めて極端に減ってしまってこの収益も確保できない。しかし、少しずつ良くなってきていることも事実だということであれば、今、都道府県が県民割という制度を使ってやっていることについては、それはそれとして効果がありますが、こういう貸切りバス事業者は団体旅行をどういう形で誘発するかということが極めて重要だということになってまいりますから、この団体旅行をどのような形の中で国交省として今後誘発するための対策を講じていただけるのか。
ここは私も常々業界の皆さんと話しておりますが、非常に要望の強いところでありますから、この団体旅行促進を進める対策としてどのような手だてがあるかというと、やっぱり一つにはバス代の補助というものも一つ考えられるんではないかということ。それは、利用者の補填とバス運行に対する補填と、これをミックスしたような形の中での対策を講じていただくことが、極めて大きな今後のバス事業者の経営基盤を守りながら雇用を確保するためには重要だということが一つはあるかと思いますが、こういう対策が講じられるのか。あるいは、融資の問題も、これは様々な、先ほど申し上げましたが、これらに対する対策も、もう少し返済金の期間延長等もしていただけることが可能なのかどうかという要望もあります。
あわせて、リース物件の期間延長、これも先ほど申し上げましたが、極めて今切迫している状況ですから、これらの問題についてもどのようなお考えをお持ちになっているのだろうか。そのことも大臣にお答えをいただければ有り難いと思っております。
そして、ウクライナ侵攻によるこの戦争状態によっての燃料費の高騰という問題も、また大きな今経営を圧迫しているという状況になっておりますから、これもいろいろ対策で補助金を出していただいていますが、これらに対する燃料費の補助について今後どういうふうに考えていかれるのかという問題、そして、場合によっては法人税の一部免除ということも含めて必要ではないかという要望。
様々な対策に対する要望がありますが、国交省として、大臣、どのような、こういう日本の中小企業の中で雇用を守り、そしてバス事業者として日本の国内の様々な観光資源に資するための、方々に対する対策を今後どのようにやっていかれるのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/108
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109・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 団体バス、貸切りバス、そしてそれを支えている団体旅行についてのいろいろな御質問、現状のお話、またそれを打開するためのいろいろな増子委員のお考え伺いました。
基本的に、この貸切りバスというのは国民生活、経済活動を支える不可欠なものでありまして、貸切りバス事業者の事業の継続と雇用の確保が非常に重要だと認識しております。その上で、もう細かくは申し上げませんが、例えば雇用調整助成金など、いわゆる業種横断的な施策につきましては、これ、しっかり我々も、国土交通省としても側面支援で、それを受けられるようにいろいろな側面支援をさせてきていただいたところでございます。それにプラスして、バス事業者に対し累次の補正予算等において感染症対策や観光事業者と連携した実証運行などに対する支援、行っております。先ほど委員からお話があったとおりでございます。
そして、現在検討している新たなGoToトラベル事業につきまして、昨年十一月に公表した基本的な方針において、交通付き旅行商品の割引上限額を上乗せすることとしているほか、これは今都道府県割でもやっておりますが、都道府県による事業実施時に団体旅行の専用給付枠を設定するということを盛り込んでおりまして、新たなGoTo事業におきましてはこの団体旅行も貸切りバス対策をしっかり行っていきたいと、このように思っております。
それから、燃料対策もございました。この燃料につきましても、今事業を、軽油が対象になっておりますのでその軽油対策を行っておりますが、それをまず実行させていただき、その上で、また何らかのものが必要になってくれば検討させていただきたいと、このように思います。
こうした取組を通じて、引き続き貸切りバス事業者の事業の継続と雇用の確保に取り組んでまいりたいと決意しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/109
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110・増子輝彦
○増子輝彦君 大臣、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。
あわせて、交通手段というと、やはりJR各社の現状も大変厳しい現状があります。最近、JR各社で赤字ローカル線の見直しを検討する動きが広がってきているのかなと。それぞれJR各社が赤字ローカル線についての収支の公開を始め、いろんな動きがしつつあります。
御案内のとおり、一九八七年の国鉄分割・民営化から三十五年、社会情勢や交通事情も大きく変化してまいりました。他との交通機関の競争も激しいということ。しかし、JRは、赤字路線を抱えるといいながらも、やはり経営基盤が強いところ、弱いところがありましたけれども、現時点ではもうコロナによってそれぞれが厳しい今経営を強いられているわけであります。当然、経営基盤の中から赤字ローカル線をどうするかということは、公共交通としての大事な国鉄の、それぞれのJR各社の足というものも考えていったときに、これは何らかの形をしていかなければいけない。
ここのことについては今日は時間がありませんので余り深くは申し上げられませんが、是非、JR各社の現状を踏まえながら、地域交通として、自治体とそして地域住民の皆さんとのしっかりとした連携を図りながら、どのような形の中で今後この赤字路線問題を政府としては対処していくのか。もう三十五年ですから、もう一度見直す時期がやってきたのかなと、そういう赤字路線に対する考え方、あの分割・民営化まで特定地方路線の問題を選定して実施をしてきていましたから。
しかし、あの時代からもっと今経営環境がコロナを中心にして変わってきたということ、是非このことについては今後とも政府としても真剣に考えながら、どういう方向でいくかということの今日は触りだけでも結構でありますけれども、是非、基本的な方針、考え方を大臣からお聞きしたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/110
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111・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/111
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112・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 危機的状況にあるローカル線につきましては、鉄道事業者と沿線自治体が一体となって、より利便性と持続可能性が高い地域モビリティーを再構築していくことが必要と考えております。
そのために今有識者会議を立ち上げて検討しておりまして、この夏には一定の方向性を出したいと、このように思っております。鉄道事業者、沿線自治体のみならず、国も主体的に関わって、この地域の公共交通をどう支えていくかということについて一定の方向性を出したいとは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/112
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113・増子輝彦
○増子輝彦君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/113
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114・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 本日の調査は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/114
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115・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 委員長、申し訳ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/115
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116・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 斉藤大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/116
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117・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 申し訳ありません。先ほどの増子委員への答弁で修正をさせていただきたいと思います。
先ほど、団体旅行枠を県民割でもやっていると、こう答弁申し上げましたが、県民割では団体旅行枠はございません。新たなGoToトラベル事業の中でこの団体枠をしっかり行っていきたいという趣旨でございますので、修正をさせていただきたいと思います。申し訳ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/117
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118・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/118
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119・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 航空法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。斉藤国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/119
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120・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ただいま議題となりました航空法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
近年の脱炭素化へ向けた世界的な潮流を受け、航空分野における脱炭素化の動きが国際的に加速しております。我が国航空分野においても、国際民間航空機関により設定された二酸化炭素排出削減に関する目標や、昨年の地球温暖化対策計画の改定により設定された目標等に対応するとともに、その国際競争力を維持強化するため、脱炭素化の推進は喫緊の課題となっております。このため、航空会社や空港管理者を始めとする幅広い関係者が連携しつつ、航空分野全体で脱炭素化を推進していく仕組みや体制を整備する必要があります。
また、新型コロナウイルス感染症の流行により、航空業界においては、これまで過去に例を見ない規模で航空需要の減少が続いてきたところ、本年に入っても、厳しい状況が続いております。こうした状況下においても、航空ネットワークを維持、確保していくため、引き続き、国と航空会社が連携して航空運送事業の基盤強化を図っていく必要があります。
このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、航空分野全体における脱炭素化を総合的かつ計画的に推進していくため、国土交通大臣が、政府が実施すべき施策、航空会社及び空港関係者が講ずべき措置等について定めた航空脱炭素化推進基本方針を策定することとしております。
第二に、本邦航空会社が、低燃費機材の導入、バイオジェット燃料など持続可能な航空燃料の導入等の取組を記載した航空運送事業脱炭素化推進計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けられることとし、認定を受けた航空会社は、空港管理者が組織する協議会に対し、計画の円滑かつ確実な実施のために必要な協議を行うことを求めることができる等の特別の措置を講じることとしております。
第三に、空港管理者が、空港で使用する電力を供給するための太陽光発電設備の整備、空港施設の改良等の取組について記載した空港脱炭素化推進計画を作成し、国土交通大臣が認定等をした計画に記載された事業を行う者に対し、行政財産の貸付け等に関する特別の措置を講じることとしております。あわせて、空港管理者は、計画の作成及びその実施に関し必要な事項について協議を行うため、航空会社及び空港関係者から成る空港脱炭素化推進協議会を組織することができることとしております。
第四に、国土交通大臣による航空運送事業基盤強化方針及び航空会社による航空運送事業基盤強化計画について、令和三年度において、航空会社への支援措置を講じることを踏まえた特例措置を講じているところ、令和四年度においても、引き続き特例措置を講じることとしております。
そのほか、これらに関連いたしました所要の規定の整備を行うこととしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/120
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121・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01520220524/121
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