1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年六月二日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月二十四日
辞任 補欠選任
横沢 高徳君 白 眞勲君
五月二十五日
辞任 補欠選任
北村 経夫君 佐藤 信秋君
六月一日
辞任 補欠選任
白 眞勲君 水岡 俊一君
伊藤 孝江君 佐々木さやか君
室井 邦彦君 梅村みずほ君
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出席者は左のとおり。
委員長 斎藤 嘉隆君
理 事
足立 敏之君
大野 泰正君
長浜 博行君
塩田 博昭君
浜口 誠君
委 員
青木 一彦君
朝日健太郎君
こやり隆史君
佐藤 信秋君
鶴保 庸介君
長峯 誠君
牧野たかお君
渡辺 猛之君
野田 国義君
鉢呂 吉雄君
水岡 俊一君
佐々木さやか君
竹内 真二君
榛葉賀津也君
浜野 喜史君
梅村みずほ君
武田 良介君
木村 英子君
増子 輝彦君
国務大臣
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
副大臣
国土交通副大臣 渡辺 猛之君
大臣政務官
環境大臣政務官 穂坂 泰君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
文部科学省大臣
官房学習基盤審
議官 茂里 毅君
スポーツ庁審議
官 星野 芳隆君
経済産業省産業
技術環境局長 奈須野 太君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官 南 亮君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 定光 裕樹君
国土交通省総合
政策局長 和田 信貴君
国土交通省国土
政策局長 青柳 一郎君
国土交通省水管
理・国土保全局
長 井上 智夫君
国土交通省鉄道
局長 上原 淳君
国土交通省港湾
局長 浅輪 宇充君
国土交通省航空
局長 久保田雅晴君
観光庁長官 和田 浩一君
環境省環境再生
・資源循環局次
長 土居健太郎君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○航空法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/0
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001・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、横沢高徳君、北村経夫君、伊藤孝江君及び室井邦彦君が委員を辞任され、その補欠として佐藤信秋君、佐々木さやか君、水岡俊一君及び梅村みずほ君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/1
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002・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
航空法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省航空局長久保田雅晴君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/2
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003・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/3
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004・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 航空法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/4
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005・朝日健太郎
○朝日健太郎君 おはようございます。自由民主党の朝日健太郎でございます。
本日の航空法等の一部を改正する法律案、早速質問をさせていただきます。
この改正法案は、航空分野における脱炭素化、そしてこの新型コロナウイルス感染症によりまして大変ダメージを受けております航空会社支援、この二つの柱が重要、の中身になっております。
それで、まず、国土交通省として、全体のこの脱炭素化に向けた取組について伺っていきたいと思います。
この脱炭素化の重要性というのは、やはりこの気候変動に由来するものだと思っております。昨今の集中豪雨、また森林火災、また大雪など、世界各地で異常気象が続いております。そうした中で、この脱炭素化を進めることは、中長期的に大変重要な課題だというふうに思っています。
また一方で、この気候変動対応というのは、日本経済においても力強く日本経済を押し上げる成長の原動力になることも考えられます。そのため、我が国では、二〇五〇年にカーボンニュートラルの宣言をいたしましたし、二〇三〇年には温室効果ガスの排出量を二〇一三年度から四六%削減するという大変高い目標を掲げております。
一方で、我が国全体の温室効果ガスの排出量のいろいろなその排出量を見ていくと、非常に、国交省関連が総排出量の約五割を占めるというデータもありまして、国交省の取組というのがより重要かというふうに思っています。私も政務官時代には、国交省が示された国土交通グリーンチャレンジ、様々な課題、横断的に取り組まれるという方針を示されております。
まずは、国土交通省全体で現在脱炭素化に向けてどのような取組を行っているのかを確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/5
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006・和田信貴
○政府参考人(和田信貴君) 国土交通省におきましては、二〇二〇年十月に二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すとの政府方針が示されたことを受けまして、有識者会議を設置し、所管分野の脱炭素化に向けた推進方策の検討を進めてまいりました。この中で、当時、朝日先生には政務官として御尽力をいただきまして、また、グリーン社会実現推進本部、これを新たに設置いたしまして、その中で、住宅を含む省エネ基準の適合義務付けやSAFの導入促進等の含む国土交通グリーンチャレンジを取りまとめ、政府の地球温暖化対策計画等に反映してまいりました。その後、地球温暖化対策計画が閣議決定された後は、これを踏まえまして、このグリーンチャレンジを国土交通省環境行動計画に取り込んで改定し、その実行を今図っているところであります。
具体的には、運輸分野におきましては、現在御審議いただいています航空法、空港法等の改正や、本年四月に設置した官民協議会等によるSAFの導入促進、あるいは水素、アンモニアなどを燃料とするゼロエミッション船の世界に先駆けた商業運航に向けた技術開発や国内生産基盤の強化、事業用のトラック、バスなどにおける次世代自動車の導入支援などに取り組んでおります。
また、住宅・建築物の分野におきましては、建築物省エネ法等の改正法案を今国会に提出し、新築住宅を含む省エネ基準適合の全面義務化を図るとともに、ZEH、ZEBの普及を支援してまいります。また、この改正法案におきましては、CO2吸収源対策に資する木材利用を促進するための規制の合理化も盛り込んでいるところであり、中高層建築物等における木材利用もしっかりと支援してまいります。
空港以外のインフラ分野でも、カーボンニュートラルポートの形成など、積極的に取り組んでまいります。
以上、総合的に幅広い施策について、関係省庁や産業界とも連携しながら取り組んでいきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/6
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007・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
国土交通グリーンチャレンジを基本に、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、航空分野の脱炭素化に向けた取組について伺います。
航空分野の脱炭素化の取組として、国際航空、そして国内航空に関する目標、それと空港に関する目標もあると伺っております。まず初めに、確認のために、これらの目標について具体的な数字とともに御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/7
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008・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
まず、国際航空でございますが、国連の専門機関であるICAOにおきまして、グローバルな削減目標としまして、二〇二〇年以降、CO2総排出量を増加させないことなどが採択をされているところでございます。
続きまして、国内航空につきましては、昨年改定されました地球温暖化対策計画におきまして、二〇三〇年度までの排出原単位、これ単位輸送量当たりのCO2排出量でございますが、それを一六%改善するという目標を設定しているところでございます。
また、空港分野におきましては、二〇三〇年度までに、省エネ、再エネ導入によりまして、各空港において二〇一三年度比で温室効果ガス排出量四六%以上の削減を達成することを目指すとともに、再エネ等導入ポテンシャルを最大限活用することによりまして、我が国の空港全体においてカーボンニュートラルを目指すということとしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/8
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009・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
非常に、我が国のカーボンニュートラル全体の中でもしっかりと高い、非常に野心的な目標だと思っております。
まず、空港について質問をさせていただきます。
今御言及ありましたとおり、二〇三〇年度まで四六%削減をしていくという意味では大変ハードルも高いかというふうに思っております。加えてまた、先ほど御言及あったとおり、空港施設のLED化など様々な施策を織り交ぜながら進めていくことになるかと思います。
それで、国土交通省として、空港脱炭素化の目標達成に向けて具体的にどのような取組をやろうとされているのか、またその取組がどのようなCO2削減効果を見込んでいるのかを確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/9
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010・渡辺猛之
○副大臣(渡辺猛之君) 先生御指摘のとおり、国内空港からのCO2排出量、二〇一三年度時点で年間約九十三万トン、これを四六%削減するためには、その時点から年間約四十三万トン削減する必要がございます。このような中、国土交通省におきましては、CO2削減のための具体的な施策として、空港施設、空港車両の省エネ化及び空港における再エネ導入を進めることとしております。
一定の仮定の下で試算した結果、まず省エネ化については、空港施設における空調の効率化や照明のLED化、空港車両のEV、FCV化等により年間約十七万トンのCO2を削減する、また、再エネ導入については、昨年度公募により選定した重点調査空港のうち十空港で年間約二十七万トン相当のCO2を削減するなどの検討を行っております。さらに、航空機のCO2削減のため、GPUの利用促進や地上走行距離短縮のための誘導路整備等にも積極的に取り組み、航空分野で一体となった脱炭素化を進めてまいります。
国土交通省としては、今後もCO2削減目標の実現可能性を高めることができるよう、本法案で創設する制度を積極的に活用しつつ取組を進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/10
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011・朝日健太郎
○朝日健太郎君 渡辺副大臣、ありがとうございました。
空港も複合施設ですので、今御説明いただいた様々な取組に加えて、また新たな技術の導入であるとか、可能性は大変高いと思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。
次に、国際航空、国内航空に関する目標についてお伺いをいたします。
これらの目標に向けては、取り沙汰されているSAF、これSAFの導入というものが大きな鍵になるかと思っております。このSAFというのは廃食油やサトウキビを原料とする持続可能な航空燃料のことであります。化石由来のジェット燃料と比較をすると六〇%から八〇%のCO2削減効果があると言われており、大変期待をされております。フィンランドでは既に商用化もされているというふうに伺いました。
しかしながら、世界のSAFの供給量は僅かまだ六・三万キロリットルという中で、現在のジェット燃料と比較すると、まだ全体の〇・〇三%にとどまっているというような状況であります。また、国産のSAFに限っては、まだまだ、いまだ研究開発の段階だというふうに伺いました。
このような状況の中でSAFを今後どのように活用していくのか、その点についてお伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/11
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012・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
経済産業省といたしましても、国際競争力のあるSAFの安定的な供給体制を確立することは急務であるというふうに考えてございます。
このため、二〇一七年度より当初予算事業におきまして、廃食油や木質チップなどからSAFを製造する技術の開発、実証に取り組む複数の事業者を継続的に支援しているところです。
加えて、グリーンイノベーション基金を活用し、サトウキビ等由来から取れますエタノールを原料に、数十万キロリットル以上の大規模なSAFを生産することができるアルコール・ツー・ジェットと言われています技術を確立するとともに、これを使って二〇三〇年までの航空機へのSAFの搭載を目指し、かつ、製造コストを一リットル当たり百円台、これは現状の二分の一ないし四分の一程度を目指していくということになります、を目指していくこととしてございます。
こうした支援を通じまして、SAFの十分な供給体制の早期構築に取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/12
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013・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
国産SAFの研究開発をしっかりと進めていただいて、新たな産業創出にもつなげていただきたいと思います。また、大量の量産体制が構築されれば、もちろん先ほど御言及いただいたようにコストの抑制にも資すると思いますので、その先にようやくこのSAFを使った航空業界の脱炭素化も大きく進展をするというふうに思っております。
ただ、その一方で、この研究開発と並行して、このSAFの実用化、また安定供給の確保に向けたサプライチェーンの構築、これも早い段階から進めるべきだと考えておりますけれども、現在の取組について確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/13
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014・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えをいたします。
SAFの導入促進のためには、国産SAFの供給体制をしっかりと確立させるとともに、輸入も含めたSAFのサプライチェーン構築についても進めていく必要があると認識をしております。
サプライチェーンの構築につきましては、国土交通省におきまして、本年度の予算におきましてSAF関連として約一億円を計上し、輸入SAFを航空局の所有する飛行検査機に給油する実証事業等を盛り込んでおるところでございます。
また、今年四月には、SAF導入の加速化を図るため、資源エネルギー庁と共同で航空会社、石油会社等が参加する官民協議会を立ち上げたところでございまして、今後より専門的な議論を進めるため、この協議会の下にサプライチェーン構築をテーマとするワーキンググループを設置をすることとしてございます。
引き続き、安全性等に配慮したSAF利用のためのサプライチェーンを適切に構築するべく、空港、給油事業者等を含む関係者と密接に連携をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/14
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015・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
国産SAFの実用化に向けてしっかりと進めていただいて、大変期待をする分野だというふうに思っております。
今、二〇三〇年頃が国産SAFの商用化というふうに確認をさせていただきましたけれども、それまでは輸入のSAFというのもある程度しっかりと対応していかなければなりません。
そう考えていくと、この輸入SAFのやはり基点となるのがやっぱり港湾施設だというふうに考えられるわけですけれども、港湾においても、私も何度も質問させていただいておりますけれども、カーボンニュートラルポート、この全体像の中で、例えば水素であるとか、今後期待されるSAFであるとか、こういったオペレーションというものもしっかりと今のうちから備えておく必要があると思います。
加えて、港といえば、ほぼ空港に隣接しているところが多いわけですから、全体で考えたときに、非常にこの脱炭素化に向けた期待がされているわけですけれども、現在の国土交通省の見解について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/15
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016・浅輪宇充
○政府参考人(浅輪宇充君) お答えいたします。
国土交通省では、港湾、臨海部において、水素、アンモニア等の受入れ環境の整備や港湾地域の脱炭素化を図るカーボンニュートラルポートの形成に取り組んでおります。今後、各港湾において港湾管理者が官民連携の協議会を開催し、カーボンニュートラルポート形成計画を策定していくこととしております。
港湾は、輸入拠点であるとともに、SAFの原料となる廃食油や廃棄物、木質バイオマス等の輸送拠点であり、また、SAF製造に関心を持つ企業の事業所が既に立地していることから、SAFの供給拠点になり得ると考えております。加えて、先生今御指摘のとおり、我が国は海に面した空港が多く、港湾と空港との近接性を生かして、SAFや空港オペレーションで利用される水素等を効率的に供給できる可能性もあると考えられます。
このため、国土交通省としては、カーボンニュートラルポート形成計画の策定に当たっては、航空関係の事業者のニーズをお聞きするとともに、必要に応じて協議会に参加いただくなど、港湾分野と航空分野の連携可能性について港湾管理者とともに積極的に検討してまいります。
今後とも、航空分野の脱炭素化への貢献も念頭に置きつつ、引き続きカーボンニュートラルポートの形成に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/16
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017・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
官民としっかり連携をしながら取り組んでいただきたいなと思いますし、やはり、港湾はやはりクリーンエネルギーであるとか低炭素エネルギーの本当の基点となる施設だと思っておりますので、カーボンニュートラルポート、全体像をしっかりと示していただいて進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、今回の法改正のもう一つの柱である航空会社支援について質問をいたします。
新型コロナウイルスの長期化、また原油価格の高騰等により、航空会社は大変厳しい状況に置かれております。もう御案内のとおりかと思います。我が国の基幹インフラである航空を維持していくために、航空会社に対しましてどのような今現在支援を講じていくのか、またこれから講じていくのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/17
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018・渡辺猛之
○副大臣(渡辺猛之君) 航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、ポストコロナの我が国の成長戦略の実現に不可欠な空のインフラであります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による甚大な影響が長期化、また原油価格の高騰などにより、航空会社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあると認識をしております。
国としても、これまで様々な形で踏み込んだ支援を行い、令和四年度におきましても、七百億円規模で空港使用料の減免等を行うなど、航空機燃料に係るコストの削減に資する支援を含め、しっかりと支援をしていくこととしていたところです。これに加えまして、政府全体としては、先般、原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめるなど、航空機燃料についても激変緩和事業の対象といたしました。また、雇用調整助成金においては、五月三十一日に、九月末までの特例措置の延長が決定されております。
これらの支援により、航空業界では新型コロナウイルス感染症の影響や長期化の様相を呈している原油価格の高騰などの国際情勢を踏まえた取組がなされることとなりますが、国土交通省としては、引き続き、航空会社を取り巻く経営環境等を注視し、適時適切にしっかりと航空業界を支援していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/18
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019・朝日健太郎
○朝日健太郎君 副大臣、ありがとうございました。国交省がしっかりと旗振り役となって、各省庁と連携をして支援を続けていただきたいと思います。
航空会社支援の一つの鍵となるのが人流の回復だと思います。御案内のとおり、六月一日より水際対策も一日当たりが一万人から二万人と緩和をされました。こうした中で、訪日観光客の受入れというものをこれからしっかりと進めていかなければならないと考えております。
六月十日より添乗員付きのパッケージツアーの受入れが開始するようですけれども、訪日観光の本格的な再開に向けて、現在の取組を確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/19
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020・和田浩一
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
訪日観光につきましては、コロナ前の二〇一九年は旅行者数が三千万人を超え、旅行消費額は四・八兆円に上るなど、我が国の経済活動や地域の活性化にとって極めて重要な分野です。
政府といたしましては、感染拡大の防止と社会経済活動のバランスを取りながら、段階的な水際措置の緩和を進めています。昨日六月一日からは、入国者総数を一日一万人めどから二万人めどに拡大するとともに、コロナウイルスの流入リスクが低い国については入国時検査を行わないことといたしました。
また、訪日観光の再開に当たっては、受入れ地域の皆様の理解や安心感の醸成が重要でございます。そのため、観光庁では、現在実施中の訪日観光実証事業を踏まえたガイドラインを策定することといたしております。このガイドラインを六月七日に公表いたしまして、まずは、御指摘のとおり、コロナウイルスの流入リスクが低い国からの外国人観光客につきまして、旅行代理店等を受入れ責任者とする添乗員付きのパッケージツアーに限り、六月十日より受入れを開始する予定です。
国土交通省といたしましては、感染拡大の防止と社会経済活動のバランスを取りながら、地域活性化にとって大きな意義のある外国人観光客の受入れ再開にしっかりと取り組むとともに、日本への入国が可能となった国、地域に対して効果的なプロモーションに取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/20
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021・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
先日の報道でも、訪れたい国ランキングで日本が一位を取ったというのは、これ大変我々にとってもうれしいニュースだったと思いますので、しっかりと準備をお願いをしたいと思います。
国内の人流の回復に目向けると、やはりこれまでも県民割支援事業とかが行われていて、私の選挙区の東京都が除外をされるという、大変ばらつきがまだあるのは、これは致し方ないかなというふうに思っております。
このGoToトラベル事業の再開というのは、多くの方々が期待をされていると思います。全国の旅行を対象とするGoToトラベル事業の再開に向けた検討状況について、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/21
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022・和田浩一
○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。
GoToトラベル事業の再開につきましては、旅行者と地域の双方の安全、安心をしっかりと確保することが必要であり、感染状況がその時点で落ち着いていることが大前提となります。
現在の感染状況につきましては、昨日六月一日の厚生労働省の専門家会議におきまして、新規感染者数が減少傾向にあり、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、一部の地域では八十歳以上で増加傾向が見られるなど、今後の感染状況について引き続き注視が必要と評価をされております。
GoToトラベル事業は、全国的な移動を対象とし、全国一律に観光需要の底上げを図るものです。引き続き、全国における今後の感染状況等を見極めつつ、関係省庁や専門家の御意見を伺って注意深く検討し、適切な時期が来たならば迅速に実施できるよう必要な準備を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/22
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023・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。しっかりと進めていただきたいと思います。
この人流の回復に少し観点を変えていきたいと思います。
コロナの影響、二年半以上にわたって我が国に大変大きな影響を与えているわけですけれども、子供たちに目を移すと、やはりこの修学旅行、こうした貴重な機会というものが大きく失われたというふうに認識をしています。徐々にこの修学旅行、回復しつつあるというふうに確認をされておりますけれども、この辺りもしっかりと手当てをしていかなければならないと思います。
そうした中で、子供たちのこういった体験学習、こうした修学旅行、こうしたものに対する現在の取組、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/23
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024・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
修学旅行は、特別活動の中の学校行事に位置付けられるものでございまして、子供たちにとってかけがえのない貴重な思い出となる大変有意義な教育活動であると考えてございます。そのため、文科省といたしましては、今般のコロナ禍におきましても、適切な感染防止対策を十分に講じた上で、その実施について特段の配慮をお願いしたい旨、こういったことを自治体や学校関係者に対して周知を図ってまいりました。
具体的には、修学旅行の教育的意義や児童生徒の心情等を考慮し、その実施について特段の配慮をお願いしたいこと、特に前年度実施できなかった学校におきましては改めて実施に向けた検討をお願いしたいこと、さらに、当面の措置として一旦取りやめる場合におきましても、中止ではなく延期扱いとしたり、旅行日程の変更など工夫を講じていただきたいことなどなど、要請をしてきたところでございます。
今後とも、文科省といたしまして、様々な機会を捉えまして、修学旅行の意義、そしてその実施に向けた検討について要請をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/24
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025・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
夏に向けてしっかりと周知をしていただいて、安心、安全なそうした学びの環境の整備をお願いしたいと思います。
一点意見なんですけれども、もう失われた時間は取り戻せませんので、これからまた様々な体験学習がある中で、しっかりと、更に失った分だけ何かインセンティブを乗って、これから再開される旅行はちょっと華やかだぞみたいな、何かそういったものがあると皆さん結構期待されるんじゃないかなと思いますので、もし可能であればよろしくお願いしたいと思います。
それで、もう一点、私の取り扱うスポーツについても確認をさせていただきたいと思います。
夏に向けていろんな全国大会等、再開が期待をされております。一方で、これまで観光需要喚起の中で、スポーツツーリズム、こういったものも非常にコロナ前は活況に、いい調子で上がってきたかと思うんですけれども、こうしたスポーツを通じた人の移動、人流の回復、この辺りについての取組、スポーツ庁に確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/25
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026・星野芳隆
○政府参考人(星野芳隆君) お答え申し上げます。
スポーツ庁では、これまでも、スポーツによる地域活性化の起爆剤として、地域のスポーツイベントなどと観光等を掛け合わせたスポーツツーリズムを推進し、地域における交流人口の拡大を図ってきたところでございます。他方、コロナ禍におきましては、訪日外国人旅行者数の減少等の影響もあり、スポーツ分野においてもスポーツツーリズム関連消費額の大幅な落ち込み等の影響が生じているところでございます。
こうした中、スポーツ庁といたしましては、三月に策定いたしました第三期スポーツ基本計画において、スポーツによる地方創生、まちづくりを重点施策の一つとして位置付け、特にスポーツツーリズムにつきましては、コンテンツ開発や担い手の質の向上を推進することとしております。
アフターコロナに向けて地域スポーツ資源を生かした新たな観光コンテンツの創出を積極的に推進することにより、地方公共団体と連携して、スポーツによる地域活性化の取組を進めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/26
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027・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
スポーツイベント、大会の再開と、やはり、せっかく国交省ですので、スポーツインフラの整備というのも是非ともお願いをしたいと思います。
最後の質問に移ります。
昨年度改正をいたしました航空法に関係する質問になります。
昨年改正を行った背景の一つに、離職率の高い保安検査人材の確保、育成という課題がありました。この課題については、今年三月に策定をした危害行為防止基本方針において、政府が、検査員の処遇、そして労働環境の改善、人手不足の解消、検査能力、効率性の向上等の実現に向けて主導的に検討を進める、必要な対策を講じるということが定められるというふうに聞きました。
しかしながら、ただでさえこの保安検査員は離職率が高い状況にありましたので、コロナ禍の甚大化、長期化によってこの傾向に拍車が掛かり、既に適正な保安業務の遂行に支障が生じてしまうような事態が生じていないか大変懸念をしております。
また、現在は大丈夫だったとしても、これから航空需要が回復をしてきたときに、きっと様々な空港では本当に人の動きが活発になって混雑も予想されるわけですけれども、保安検査員の確保に関する現状と、この課題に対しまして政府として具体的にどのような取組を進められているのか、御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/27
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028・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
保安検査員につきましては、拘束時間が長く、難しいクレーム対応を求められるという厳しい労働環境を背景としまして、委員御指摘のように人員不足が課題となっており、対応が求められていたところでございます。
このため、昨年の航空法改正におきまして、保安検査の受検義務化や検査員の指示権限の明確化等を行い、今年三月には危害行為防止基本方針を策定、公表したところでございます。この基本方針におきましては、検査員の労働環境の改善などの人材確保のための取組につきまして国が主導的に検討を進める、そういったことを明記したところでございます。
また、これまでも、航空保安に関わる様々な関係者が集まって、現場の抱える課題の解決に向けた取組の検討をるる進めておるところでありまして、例えば昨年の七月には、検査会社からの要望もありました検査員の負担軽減に資する保安検査員の配置基準の見直し等を実施したところでございます。
さらに、現下のコロナ禍におきましては、その人員の確保、維持に努めるべく、雇用調整助成金の情報を検査会社に積極的に周知し、有効活用を促すなどの対応を実施しているところでございます。
引き続き、この三月に施行されました改正航空法につきまして周知広報に努めるとともに、基本方針に基づいて、先進機器の導入推進などの保安検査員の人材確保に資する取組につきまして、関係者による検討の場も活用しながらしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/28
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029・朝日健太郎
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
保安検査員の皆さんには、安全管理という大変重要な任務と、一方では、これから観光需要が高まってきたときに混雑の緩和というのを、こういったものも期待されるわけですので、引き続き対応をよろしくお願いしたいと思います。
以上、私の質問を終わらせていただきます。皆さん、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/29
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030・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 おはようございます。立憲民主党の鉢呂吉雄です。
今国会、国土交通委員会、六度目の質問でございます。今日は長浜筆頭の御配慮で五十分という長時間の質問でございますので、よろしく、大臣の方で前向きの御答弁、お願いいたしたいと思います。
日々変わってきておりますけれども、知床海難事故問題について、法案の審議に入る前に質問させていただきます。三度目の質問になりますか。
まず、乗客の、あるいは乗組員の方と思われる遺体が二体、国後島に今も置かれておると、こういう状況でございます。事務方からは、海上保安庁からはその中身については聞いておりますので、今日も大臣にしか質問しませんので。なぜこれほど遅れているのか。五月六日にロシア側が女性一体発見したと、もう一か月、二体目は十九日でありますので、これも相当日々、日にちがたっております。
関係者、家族の皆さんには、本当にもう一日も早くこの引取りをしたいという形だと思いますが、なぜこれほど遅れておるのか、大臣のお考えお聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/30
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031・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国後島西岸において発見された身元不明の二人の御遺体については、現在も外交ルートを通じて事故の行方不明者との関連を調べているものと承知しております。
身元の確認方法について具体的に申し上げますと、ロシア側からは外交ルートを通じて身元の特定に必要な材料を日本側から提供してほしいという要請があり、外交ルートを通じて可能な限り速やかにロシア側へ提供できるよう、御家族に御協力を求めながら進めているところでございます。
御遺体の引渡しについては、御遺体の身元が事故の行方不明者であることが判明次第、早期の引渡しを受けるべく、既に外交ルートを通じて調整が進められていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/31
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032・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 外交ルートということでございます。今日の報道でも、遺体の引渡しを日本側が求めたと。何か最近求めたような形でありますけれども、やはり五月六日からこれだけ時間たっております。
私は、一回目の質問のとき、大臣に対して、ロシア、実効支配していないロシア海域ということで、今のこのウクライナ問題も含めて微妙な、複雑な問題もあるので、大臣がきちんとリーダーシップを取ってほしいと。これは表向きどうするということでもなく、きちんとやっぱり、あのときはまだ一体も確認されておりませんでしたが、当然、波の流れからいって、海の流れからいって、国後島、中間線、ライン近くで見付かっておりましたから、そういう捜索も含めてという形でありました。
私は、事務方からも聞いておりますけれども、やっぱり大臣がその先頭に立って、一刻も早く引渡し、引取りをお願いしたいと。再度御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/32
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033・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 二点お答えしたいと思います。
まず第一点目。四月二十六日に鉢呂委員から、大臣としてリーダーシップを取って、いわゆる日本の領海ではございますが、今ロシアが実効支配している地域に向けて捜索を拡大すべきではないかという御指摘をいただきました。もうまさにそのとおりでございます。このことについては、これ海上保安庁を通じて強くロシア側に申し出、現在、ロシアが実効支配している地域に捜索領域を拡大して、ロシア側との調整が済んで、調整を、拡大して捜索しているところでございます。
二点目の遺体の早期引渡しでございますが、これは今、窓口を一本化して、外務省、外交ルートを通じてやっております。私も林外務大臣にこの点については強く要請をしております。確認、身元が確認され次第、できるだけ早く身元引渡しが行われるよう、私もこれから全力を挙げていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/33
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034・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 二回目の私の五月十日の質問の際に、斎藤委員長や理事会の御配慮をいただきまして、いわゆる運航規程等の提出がされました。その前から私は、去年の特別監査あるいは現地の調査、改善計画、それから抜き打ち、十月の検査、こういった中で、やっぱり国交省の責任は大きいと、あのような二十六名のこの事故に至る、そういう中で、昨年あれほどの監査をしておりながらと、こういうお話をさせていただきました。
この間、様々なこの特別監査の状況は出てきております。例えば、運航管理者、安全運航管理者、社長がその管理者になっておるようですが、その実務経験なり、あるいは何かその協議会の会長をやった、やっておるというような、この資格要件満たさない形で運航管理者になっておると。あるいはまた、改善報告書のひな形が国交省側から出されてそのままなっておるとか、日々のその運航の日報、これも毎日同じような数字を羅列しているとか、あるいは、安全教育を定期的に行うと、その計画書が提出され、十月に抜き打ち検査をやっておったにもかかわらず、担当者が不在だということでそのままになっておる。
やっぱりこの、四つほど挙げましたけれども、その後、委員会でもこういう論議はされておりましたが、やっぱり国交省の責任は大きいのではないか。私は、大臣にも御答弁求めたときに、こういった検査をやりながら、結果としてあのような事故は起きたのでというような表現の御答弁ありましたけれども、改めて今日、こういった特別監査、検査を踏まえて、国交省の重い責任があると、こういうふうに御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/34
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035・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国土交通省におきまして、過去二度の事故の後に特別監査やその後の抜き打ち確認を行ったにもかかわらず、事業者の安全意識の欠如やその実情をしっかりと把握できなかったことについて、真摯に重く受け止めております。
国土交通大臣として、二度とこのような事故を起こすことがないよう、総理の指示により立ち上げた知床遊覧船事故対策検討委員会において監査の在り方も含めしっかり議論を行い、小型旅客船の総合的な安全対策について、国土交通大臣として私自身が主導し、責任を持って実施してまいりたいと、このように決意しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/35
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036・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 これは、今の御答弁は、五月十日、大臣はこのように答弁されました。昨年、特別監査、そして抜き打ち検査までやりながら、結果として事故を起こしてしまったと、真摯に、どこに不備があったのかも真摯に我々受け止めていかなければならないと、そして、二度、監査、抜き打ち検査でもなお見抜けなかったということは重く受け止めていると。前回と同じ表現の御答弁でございます。
やっぱりここは、この間の一連の経過からいっても、国交省としてやっぱり責任はあったと、あのような監査、検査やっておきながら、二十六名の方の重大な事故、こういったものがあったわけですから、やっぱり、今の御答弁ではやっぱり国民に伝わらない、御家族にも伝わらない、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/36
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037・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 五月二十七日の衆議院予算委員会におきましては、総理から、特別監査等を通じて事業者の安全意識の欠如等を把握できなかったことは、これは国土交通省として責任を十分果たすことができていなかった、こうしたことであると認識をいたしますとの答弁がございました。
国土交通省において、過去二度の事故の後に特別監査やその後の抜き打ち確認を行ったにもかかわらず、事業者の安全意識の欠如やその実情をしっかりと把握できず、結果として責任を十分果たすことができていなかったことを真摯に受け止めております。
また、総理からは、そうした責任を感じるからこそ、二度とこうした事故を起こしてはならない、そうした強い思いで事態を改善していくよう指示を出したともございました。
国土交通大臣として、二度とこのような事故を起こすことがないよう、対策検討委員会において監査の在り方も含めしっかり議論を行い、小型旅客船の総合的な安全対策について、国土交通大臣として私自身が主導し、責任を持って実施してまいりたいと決意をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/37
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038・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 それは、五月二十七日の衆議院の予算委員会で大串委員の再三の求め、総理は、岸田総理はそのような御発言をした。岸田内閣の国土交通大臣として、今その言葉をお話しされましたから、まさにそのことをしっかり、総理がお話ししたことを国土交通大臣として受け止めておると、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/38
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039・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 岸田総理のその言葉を受け止めて、先ほど申し上げましたように、しっかりと再発防止に向けて全力を挙げていく決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/39
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040・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 岸田総理の肝は、特別監査等を通じて事業者の安全意識の欠如等を把握できなかったこと、これは国交省として責任を十分に果たすことができなかったと、こういうふうに認識をいたしますと、こういうふうに答弁しておりますから、やはり岸田内閣として、国交省として責任を十分果たすことができなかったと、このように受け止めて、次の質問に移らさせていただきます。
今、現在進行形で、昨日、KAZUⅠ船体が陸上に引き揚げられていて、御家族の皆さんが見に訪問したとか、あるいは重点三日間の捜索活動を終えて、縮小しながらも捜索を継続しておると、こういう状況で、船体に穴が、それがどこでできたのかというようなことは捜査当局にまたなければならないと思います。
いずれにしても、私は、次に進めるとすれば、この五年間、国交省としてこのような安全に関わる事故がどのぐらい起きたか、調べてみました。陸運といいますか、陸運関係で平成二十九年の十月から二、四、六件。これは南海電鉄脱線事故、あるいは東海道・山陽新幹線の車両の台車亀裂事故、今日もモノレールで何か亀裂が入ったという新聞報道も見ましたけれども、あるいはシーサイドラインの横浜の逆走事故とか、こういうものが、京急線の踏切事故とか、様々出ておるわけであります。これは道路関係も入れておりますが、六件、調布の東京外環、環状道路の陥没事故とか。
また、海運関係でも六件。これは、関西空港の連絡橋へのタンカーの、これは大風といいますか台風の影響だったと思いますが、衝突事故、あるいは山口県の大島大橋の貨物船の衝突事故、商船三井クルーズ船の船長の飲酒事故。これは航空関係もパイロットの飲酒はかなり頻発した時期も三年ほど前にありました。
いずれにしても、特に今回のその海の関係は、他の、例えば陸上の鉄道であれば、ああいう護送船団方式の指導で終わるというようなことを超えて国交省のチェック機能は果たされておる。しかし、海運関係ではずうっと、そういった護送船団方式の指導をしてそれを守れば、ですから、この事業停止をして廃業に至るというようなことは一件もありませんでした。
そういう中で、是非国交大臣に、これは、公共交通は一たび事故を起こせば大変な甚大なこの大きな影響が出てくるわけですから、是非、日々その安全のチェック体制というものも更新していかなければなりません。同時に、やっぱりチェック体制が本当にそれでいいのかどうか、これを見直しをしながら先回りで、今どうしても大臣がいつも謝っておるような、一たび事故が起きて、どこに原因があったかと、こういうような形で検討委員会と、これをやっぱり先回りをして、是非この事故が皆無になるようにその体制を変えてほしい。
航空関係も鉄道関係もやっぱり日々新たな形になっていますから、今の検査でいいのかどうかということも含めてやっていただきたいと思うんですが、大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/40
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041・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今の鉢呂委員の御指摘は、それぞれの交通分野といいましょうか、モードでそれぞれの安全対策をやっているんだけれども、総合的にきちっと考えるべきではないかという御趣旨かと承りました。
軽井沢スキーバス事故があったときに安全体制見直して、いわゆる不適切な事業者を排除するという形でこれまで進めてきておりますが、例えばその目で今回の海運事故を見たときに、海運分野でやっぱり見直すべきではないかというふうに私自身感じておりまして、今検討委員会でしっかり議論しておりますけれども、国土交通省ではこれまでも、鉄道、自動車、海事、航空の各輸送モードの事業者に対して、それぞれの事業の特性に応じ、監査による直接的な安全指導や安全規制の強化、安全に関するガイドラインの策定、業界団体による自主的な安全性向上施策の推進等、様々な安全対策を実施してきたところでございます。
また、今般の知床遊覧船事故を踏まえ、バス及びタクシーにおける安全確保の更なる徹底を求めるなどモード横断的な取組も実施しているところであり、今後も引き続き、公共交通に共通する安全上の課題を共有するなど、総合的な観点から安全対策を実施してまいりたいと思います。
鉢呂委員の御提言も踏まえて、この全体的に安全対策を見てみる、例えば、今回の海難事故ですけれども、これが例えば陸上交通に当てはめたらどうなるんだろうかというような観点も含めて、総合的に見直していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/41
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042・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 まさに斉藤大臣言われたお言葉のとおりだと思います。これをきちんと実行できるかどうか、国交省を挙げて、この幹部職員はきちんと自覚を取ってそれをやるかどうかに懸かっておると、こういうふうに思いますので、そこは大臣のリーダーシップ、指示をきちんとやってほしいなと、こういうふうに思うところであります。
そこで、航空法の改正案の方に移ります。
大臣、フリーグスカム、これスウェーデン語ですけれども、飛び恥と言うんですけれども、御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/42
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043・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 済みません、知りませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/43
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044・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 大臣は鉄道をこよなく愛すると。この前、大臣室を訪れたら、三江線の廃止、まあその話すれば、僕は三十分ぐらい、斉藤大臣がどういった生い立ちで、どうしてあれしたかと。私は行ったことありませんが、大臣の出生した村、そしてそこの小学校を卒業されて、製鉄、鉄が江戸時代から取る、鉄夫の鉄はそこから来ているのかなと、斉藤鉄夫、そのぐらいな形で思っております。
これまでのその航空分科会ですとか、あるいは衆議院の審議でも一切このことが出てきておりませんが、いわゆる飛び恥、うちの長浜筆頭はよく知っておりました。御指導いただいて、二〇一八年の、あのスウェーデンの少女が、COP25でしたかね、これに行くのに、アメリカ大陸から飛行機を使わずに船とか鉄道でスペインにたどり着いて、そして発言をしておると。若者を中心に鉄道で旅しようと。これは二〇一八年だったんですけども、その後、このコロナで消えたのかと思いきや、ヨーロッパではこの飛行機の路線から夜行列車ですとか鉄道に替えていくという流れが根強く残って、今日、私も少し勉強させて、私もこの言葉は知りませんでした、そういう流れになっております。
若干説明いたします。
ヨーロッパでは二〇一八年以降、急速に全土にこの流れが広がっております。スウェーデン国鉄は、二〇一九年の利用者は、八%鉄道の方は増えて、飛行機の国内線の利用者は五%減という形で、その当時のスウェーデンの環境大臣、イザベラ・ロビン環境大臣は、国民が気候に配慮した生活を容易にできるようにすることが政府の優先事項、気候というのは排出の関係を言うんだと思いますが、こういう形で、ストックホルムとベルリン間、あるいはストックホルムとパリの間、夜行列車を増やす、そういう発言を大臣がしております。
フランスでも航空に係る税金を課税強化すると。オランダの航空会社も、短距離は鉄道にシフトする、高速鉄道ですか、そういった流れ。あるいはドイツでも、長距離鉄道利用の付加価値税、まあ消費税に類するものだと思いますが、一九%を七%に引き下げると。実質、運賃の一〇%引下げになるらしいんですけども、そういった形を、まあヨーロッパ大陸でありますから日本とは違いますが、この流れは、大臣、どういうふうに評価されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/44
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045・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、鉢呂委員から御紹介いただいた欧州の鉄道へのシフトという動きは、新聞報道等で私もよく存じ上げております。これは、地球気候変動問題に対しての一つの取組、このように捉えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/45
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046・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 そのとおりでいいです。事務方の答弁書がないというのは非常に本音が聞けて私はうれしいです。
最近も、フランスは二時間半の範囲内で列車が移動可能なところは航空機の運航を禁止する法律、これがこの四月から施行されると。まあ実際はその二時間半で路線が廃止になるようなところはそう数はないんだそうですけれども、そういった法律が出されてきております。私は、やっぱり参考に、一つ参考にして考えてもいいのではないかと。
私は、大臣が環境大臣十三年前にやっておる中の答弁も、まあ子細ではないですけど、今は便利ですから、斉藤大臣の部分引っ張れば全部答弁書。僕が一番うれしかったのは、与党の一人として、二年前か三年前、石炭火力発電所、これはやっぱり撤廃すべきだと、これを本会議で行い、山口代表もそれを同じ本会議の時期にやって、それが流れになったのかどうか、と私はそう思っていますけれども、菅内閣でこのCO2問題、大きく踏み出したと。こういう形で、斉藤さんが衆議院の本会議でやったことを鮮明に議事録からも確認させていただいています。
ちょっと視点を変えますけれども、この最近のニュースで、イギリスの、順番ちょっと変わるんですが、オックスフォード大学の研究チームが日本の、一九年ですから三年前の十月の東日本の台風十九号、千曲川が決壊した、百数名が亡くなったあの豪雨災害の損害額、百億ドル、ですから今の単位でいえば一兆二千九百億円の、見積もられ、そのうちの四割、四十億は要するに人為的な、人為的というか、気候変動が影響した、これは一九五一年とこの二〇一九年を比較をして、当時五一年はそういった気候変動の問題はなかったと仮定してこの推計をするんですが、四割が、四十億ドルがこの気候変動によるものだと。
今もこの、何ですか、線状移動何とか帯とか、(発言する者あり)降水帯ですね、長雨の原因とか、私は、温室効果ガスのこの影響というのはやっぱり日本にもかなり毎年出てきておると、この実感はまだ日本国民全ては、それと排気、CO2を削減するということとの関連を捉えているところにはまだ至っていないのかなと、こんな感じを見るんですけれども、このイギリスの大学の研究成果等含めて、大臣、どんな感想でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/46
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047・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私も報道で、オックスフォードとインペリアル・カレッジ・ロンドンの共同研究という形だったかと思いますが、日本の台風十九号を題材にして、題材というか、対象にして計算をされて、被害額の四〇%が地球温暖化によるものであると、こういう研究成果が出されたというのを承知しております。
日本でも、国土交通省、気象庁も、例えば、ちょっと正確には忘れましたけれども、令和元年東日本台風に伴う大雨については、気象庁気象研究所の研究でも、一九八〇年以降の地球温暖化によって総降水量が約一一%増加したと見積もられると、こういう研究成果も出てきております。
もう科学ははっきりとこの地球温暖化、気候変動ということをもう高い確度で証明しているわけでございまして、これに対応して、我々、いわゆるそれを抑える緩和策、またある程度の気候変動はやむを得ないということを承知した上での対応策、この二つに全力を挙げていかなければならないと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/47
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048・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 強靱化計画とかいうことで、国土の、公共事業の中で、例えば豪雨災害、水没する地域のシミュレーションももう出てきていますよね。この大都市でももう三メートルも四メートルも水が乗る可能性が強いと、これ国交省で出してくれています。そして、それに対する強靱化、これもいろいろな角度で努力されております。
しかし、いずれにしても、それは、対策は対策として、大臣の言うとおりです。私はもっとこう、その気候温暖化で、これを下げていく、今このままいけば一・五度上がるどころか三度も四度も上がるというふうに、斉藤大臣、環境大臣当時も言っておるぐらいですから、やっぱり気候変動問題はこれは大変な大きな課題だと、このやっぱり認識を我々は日々すべきでないかと。
大臣は広島県選出の衆議院議員です。どういう交通手段で日々地元に帰っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/48
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049・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 飛行機を使う場合と新幹線を使う場合両方ございますが、最近は、前は新幹線の方が多かったんですが、最近はちょっと飛行機の方が多くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/49
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050・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 私も空港で会ったことがありますから、よく分かりますが。
実は、大臣も知っているとおり、広島と東京間は四時間、八百キロということで、これが新幹線を利用するか飛行機を利用するかの分岐点、こういうふうに言われておるところでありまして、先ほど言ったような中で、地球温暖化を真剣に考える中で、ヨーロッパもそういうものを動機付けにしながら、やっぱり地球を守っていかなきゃならないぞと、こういう精神。
実は、私の北海道の函館なんかがちょうどその分岐点に、自分で分からなかったんですけれども、国交省から聞いて、数少ない分岐点、東京―函館間は四時間という形。まあ、北海道、僕は北海道全域ですから、参議院ですから、稚内空港から紋別空港から女満別空港から釧路空港、もう羽田に一回帰ってから行った方がはっきり言って近いぐらい、体力も。これが、札幌、僕は小樽に住んでいるんですが、小樽から列車で行けば四時間、五時間ざらに掛かります。車で移動することも多いんですが、四時間、五時間。
北海道はもう、大臣ところはちょうど今、北海道鉄道、JRの問題が過ぎましたから、赤羽大臣には大変お世話になりました。みんな廃止、廃線、残念ながら。今日は道路関係の方が、町長さん方が来て、鉢呂、日高線廃止しやがったなとは言わんかったけれども、去年ここに臨時に出させてもらって十五分の時間で、日高線を廃止するのなら、あそこは襟裳岬まで高速道路が、高規格道路がほとんどまだ半分も至っていない、これを何とか一挙にやってほしい、こういうふうに言ったら、赤羽大臣は前向きの答弁されました。引き継いだ斉藤大臣に伝わっているかどうか分かりませんが、これはそういうふうに去年言ったから、今日の委員会で発言するからと言っておいたので、是非、もうえりもの近くに住んでいる人は、札幌に来るといったらもう一日、二日、昔は特急まであったんですよ。それがもう、廃止になるどころか、バスだって、バスの会社に聞けば、鉢呂さん、いつまでもつか分からんぞと。いつまでもつかというのは、運転手さんがもう長距離運転嫌がって、来ては辞めていく、こういう状況です。
だから、この住民の足、市民の足というものを、もう一回やっぱり、斉藤大臣、検討する段階に来ておると。なかなか三江線そのまま復活することはできないかも分からぬけれども、やっぱり、高速化は必要ですが、飛行機では行けないような、途中で、広島で降りないでその先に行ってみようかという機運が、まあヨーロッパの大臣はそういうふうにも言って、鉄道の復活を言っておるんですが、やっぱり総合的なものが必要ではないか。
さっき言ったけれども、審議会では、交通政策審議会というのは、大どころのやつがあるんです。この十年間一回も開かれていないというふうに事務方は言っています。全部その枝の分科会。航空分科会でこういった論議がされていないんですよ。僕も、議事録見るというのは大変だけれども、この鉄道はある面では、排出量考えたら飛行機はなかなか、三〇年に排出量一〇%、そのSAFを変えていくなんて言っているけれども、もうあと八年、七年です。なかなか実現できない。
そうすると、違う公共交通というものを利用しようかなと、こういった、やっぱり国としての示し方というのはあってしかるべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/50
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051・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今の鉢呂委員の御指摘は、例えばこの二酸化炭素排出抑制を考える際に、それぞれ航空分野とか鉄道分野とか道路とか、そういうふうに個別具体的にまあ検討は当然必要なんですが、総合的な視点から考えていくべきではないか、こういう御趣旨かと思います。こういう交通政策の推進に当たって、個別のモードごとの縦割りに陥ることのないよう、交通体系の全体を横断的に俯瞰しながら対応していくことが必要だと私も考えます。
交通政策審議会においては、モード横断的な検討を行う計画部会というのがございます。この計画部会は、いろいろな部会の中でも最もたくさん会議を開いて議論している部会の一つですけれども、そういうところでしっかり議論をすべきだと思います。その上で、例えば航空について、脱炭素化を進めなくてはいけないと位置付けて、今回の法案はまさにそういう位置付けになりますけれども、そういう全体を見る視点、常にここを持っておくということが非常に大切なことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/51
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052・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 衆議院の議論見ますと、法の、この航空法の改正の百三十一条、これには、この脱炭素に関わる基本方針、これを定めることになっており、この中にどんなものを定めるんだと、久保田航空局長、従来皆さんが説明されておるようなことしか入っておりません。私は当然、今言った他の分野のモーダルというか、そういったものの連携と、利用についての、こういったものが入ってもいいのではないかと思いますが、大臣、事務方見れば大したこと言わないと思いますので、率直にどう思いますか。それを指示できるのは大臣しか私はいないと思いますよ。
事務方は全部この、何だ、SAFの導入促進や運航方式の改善とか新技術の導入と、こういったものを方針に入れるんだと御答弁されておりますが、その更に上に立って、そういった様々な交通機関の調整といいますか、時代は進展していくわけですから、時間も変わりますから。その中に、一分でも速く、一円でも安くという日本人のその形だけではない、この地球温暖化の問題を取り入れた、その方針があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/52
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053・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、全体を見ていくということは非常に、総合的な視点を持つということは非常に大切だと思います。二酸化炭素排出量の約半分は国土交通省関連の住宅、交通、運輸というところで出ているという話も先ほど朝日委員からございました。そういうことを俯瞰的に考えて政策を打ち出していくということも非常に大切だと、このように思います。
その上で、各分野ごとにCO2排出削減を行っていく、そのために努力をしていくということも非常に重要だと思いまして、今回はそういうところに位置付けられる法案であると、このように認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/53
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054・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 その基本方針のところに入れ込むか入れ込まないか、まあ逃げましたけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/54
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055・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 基本方針の中にいわゆるモーダルシフト全体の調整ということをまだ入れ込むという段階にまで来ていないと、このように考えております。そういう意味では、今回の基本計画には各分野のそれぞれの削減目標、その達成方法をしっかり書いていくということだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/55
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056・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 まあ今すぐ結論出せと言っても、大臣もそんな、責任ある立場ですから。ただ、そういう考えも、環境大臣の経験者として、だって、目的に、航空法の目的に、ちゃんと脱炭素の中身もきちっと書いてある。これは、言葉で書いただけならこれは誰でもできるんだけれども、真にその二酸化炭素を減らしていくという視点に立って何が必要か、こういう視点で基本方針も作り出していただきたいと、こう切にお願い申し上げます。
何も七十代は昔の話ばっかりするんではありません。審議会の、分科会の、審議会ずっと見ますと、次世代航空モビリティーの活用時代到来ということで、一番はっきりしているのは空飛ぶ車。空飛ぶ車、あのトヨタは、私の北海道の鹿部というところに、もう私が、三十年前から飛行場を持っていまして、当時からやっぱり空飛ぶということを視野に置いて、今も現存している。だから、空飛ぶ車、ドローン、有人機、これ審議会ではかなり論議して、レベル4とかなんとか。
これは、その時代になるとかなり交通手段も変わっていく。特に飛ぶ恥でなくて飛ぶ車、空飛ぶ車、これについて、大臣、何か、将来にわたっての何かいい考えあればお伝えしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/56
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057・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 空飛ぶ車やドローンなどの新たな航空モビリティーの技術開発や利活用に関する取組が進んでおり、今後ますますの普及が見込まれております。
ドローンについては、有人地帯における目視外飛行、いわゆるレベル4飛行を実現するため、昨年航空法改正し、機体の認証制度や操縦者の技能証明制度などを導入したところでございます。本年十二月の施行に向けて詳細な制度設計を行っております。
空飛ぶ車については、二〇二五年の大阪・関西万博での実現に向けて、空の移動革命に向けた官民協議会において官民一体となった取組を進めており、機体や運航の安全基準、操縦者の技能証明に関する基準など、必要な環境整備を進めているところでございます。
国土交通省としては、このような取組を通じて、空飛ぶ車やドローンなどの次世代モビリティーの安全確保と円滑な利用、利活用の促進のため、引き続き必要な環境整備に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/57
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058・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 よろしくお願い申し上げたいと思います。
時間があと十分になりましたので、若干進めまして、北海道の七空港が合体してコンセッション空港、いわゆる公共的な、ハードの部分は国がそのまま持って貸すという方式で、発足をした途端にコロナ。まあ、会社発足したのが二〇二〇年の二月か三月、もうコロナが出たとき。ですから、国際便はほとんど。これも質問しようと思ったら私の先回りをしていただいて、千歳空港、那覇空港、国際便を通すということにしていただいて、有り難い話でありますが。
空港会社、民間空港会社、これはもう本当に四苦八苦の状態です。三十年でハードを国から借りると、三十年払い。何とか二年間、そして今年は、今年の払い分を五年間で分割で払うということでありますけれども、大変厳しい状況。もう国際便がこれ新しくしてもゼロですから。
この中で、何とかやっぱり大臣、事務段階は、いやいや、これで会社がやっていけるというふうに言っているんですが、私は会社の社長にも会ってきましたけれども、そんな形ではありません。何とかその貸付期間を、五年以内は貸せるというふうに、協定上というか、契約上はなっております。その五年を上限とするということは、それ以上のことは言いませんが、そういった配慮。
例えば今年の冬はもう、新千歳空港は、普通は雪降らないところがほかの地区よりも重い雪が降って除雪作業。そうかといえば、あの空港内で使う電気については雪を利用して省エネと、再エネでなくて省エネでやっていこう、これはまあ国の支援もあるようですが、そういう形の取組もしようとしている。その、ですから、七空港、北海道全部点在していますから、それぞれの計画を持っていたのがみんな中止して、だけれども、この大変な時期に、例えば新千歳空港を千歳市民が利用していただくような様々な取組も、地方自治体、当該する地方自治体がやっております。
何とかこれを、これは七つも一緒になってやるというところはないんです。新千歳空港とか仙台空港、福岡空港だけならこれは何とでもなる可能性もあるんですけれども、なかなか大変な地方空港一体でやっていますから、何とか御支援をお願いしたいというのが一点でありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/58
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059・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 北海道エアポート、HAPでございます。委員御指摘のとおり、空港運営を開始してから間もなくコロナ禍に見舞われました北海道エアポート株式会社、コロナ禍の長期化、甚大化により大変厳しい経営環境に置かれている中、大雪への対応や空港ビルのテナントへの賃貸料減免の支援等の対応も行っていらっしゃるというふうに承知しております。
この厳しい経営環境を踏まえ、国土交通省としては、同社から経営の実情についてお話をお聞きした上で、同社に対し、一つは運営権対価の追加支払を求めることなく空港運営事業期間を二年間延長すること、それから二つ目に年二十六億円の運営権対価分割金の支払を猶予すること、三つ目に空港施設の整備に対する無利子貸付けを実施することなど、相当踏み込んだ支援を行ってきているところでございます。
これらの措置により、同社は事業運営に必要な資金は確保する見込みであるとの事業計画を公表しているものと承知しておりますが、引き続き同社から実情をよく伺いながら、適切に対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/59
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060・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 ありがとうございます。適切に御配慮願いたい。
ちょっと順番を変えて、最後の方、一つやります。
東京都心の上空、これが新たに飛行ルートになって、羽田空港に至る、国際線が多いというふうに聞いていますけれども、野党の皆さん、東京都を中心に国会議員の皆さん大変心配して、議員連盟のようなものをつくってやっております。
先般、羽田新ルートで氷塊、氷の塊が落ちたのではないかと、テニスコート上に。これは三時から七時までの間、三個か四個、テニスコート、やっていた方四人いて、周囲からそこに投げ込むような土地の配置になっていない、高いビルは一つあるんだけれども窓が開かない、そういう中で、飛行機の機材から落ちた氷ではないかと。何回か事務段階とも協議をしておるようであります。
当時は、同時刻で国際便のアトランタ発のデルタ航空エアバスA350が九百六十メートル上空、非常に近い、三時、その同時刻ですけれども、あったと。これは、一つは、やっぱりそこの調査をしっかりやってほしいと、これを大臣にお願いをするところであります。
それからもう一つは、落下物はこれまでもあった、まあ実績というか、ものがありまして、落下物対策総合パッケージというものが二〇一八年の三月に取りまとめをして、落下物の対策の強化は非常に、聞いている範囲では、非常に神経使って機材を、飛行機を一つ一つ見て、弱いところはどういうところだ、それを取り替えるとか、それを全部で共有化して、国際便もありますから、そういう形でやっておると。発見されてなくても、その機材が落下してなくなったやつ、こういったものがどこが弱いのか、こういう形もやっておるようです。
ただ、問題は、やっぱり僕も、三時から何回もこの羽田上空、都心上空を通って着陸していますけれども、やっぱりこれだけの人口のあるところに、幾ら効率化優先とはいいながら、あの大きな飛行機、一たび何かあったときに本当に大変な事態になるなと、こう思いますが、やっぱりこれをゼロにするったって、これはなかなかゼロにならないものだと私は思うので、これをどういうふうに考えるのか。どこだって人家等はないことはない、新千歳空港だってやっぱり人家のあるところは通るんですけれども、これだけの超過密な東京都心の上空を通ること、これは再検討すべきでないかと思いますが、最後に大臣の御答弁お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/60
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061・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず初めに、氷塊の落下についてでございますが、三月十三日、渋谷区内のテニスコートで氷塊が発見されました。航空機から落下したのではないかとの問合せが渋谷区役所から航空局に寄せられました。
〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
本件については、関係する航空会社から、氷塊が発見されたと思われる時間の前後に新飛行経路を飛行した航空機のいずれについても、着陸後の機体点検時に氷塊の付着や水漏れ等の不具合や異常は確認されなかったとの報告を受けております。そのため、発見された氷塊が航空機に由来する可能性は低く、航空機に由来するものであるとは断定できないことから、上空を飛行した航空機の脚下げの位置を調査する必要はないものと考えております。
しかしながら、先ほど委員からも御指摘のありました落下物防止対策総合パッケージ、これは国際的に見ても日本のみが行っている、着陸した飛行機を綿密に見て、落下物、こんな小さな落下物もないかというのをやっているのはある意味で日本だけでございますけれども、この落下物防止対策総合パッケージ、不断の見直しと強化を図って、落下物ゼロを目指して取り組んでいきたいと思っております。
それから、新飛行ルートについての私の考え方ということでございますが、これは、これまでの経過、経緯があって、首都圏全体で合意して、東京都も含めて合意していただいて、例えば騒音の被害等をある意味ではこれまで千葉県が担っていたんですが、首都圏全体でこれを担おうという首都圏全体の合意があったものと私は認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/61
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062・鉢呂吉雄
○鉢呂吉雄君 以上、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/62
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063・竹内真二
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。本日、質問の機会をいただきましたことに心より感謝を申し上げます。早速質問に入らせていただきます。
初めに、水際対策について質問をさせていただきます。
我が国の水際対策は、三月以降、段階的な緩和が進められてきております。昨日六月一日からは、新規入国者数の上限が一日当たり一万人から二万人に引き上げられるとともに、感染リスクが低い国、地域から入国する場合は、入国時審査やあるいは自宅などでの待機を免除する措置もとられているところでございます。また、水際対策緩和の動きとして、それと並行してですね、先月二十四日からは外国人観光客の受入れ再開に向けた実証事業も開始をされております。さらに、来週十日からは、上限二万人の枠内において外国人観光客の本格的な受入れを二年ぶりに再開するという方針も示されているところでございます。
先月二十四日には、世界経済フォーラムが公表した旅行・観光開発ランキング、ここでは我が国の交通インフラや文化資源というものが高く評価をされまして、日本が初めて首位に選ばれたということであります。円安の状況下とも併せて、観光業界にとって非常に回復の追い風となることが今期待をされております。
こうした観光業界や航空業界、ひいては日本経済の回復のためにも、感染拡大防止には当然十分留意をしつつ、可能な限り入国制限の緩和を進めていくことが望ましいと考えますけれども、今後の水際対策の見通しにつきまして、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/63
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064・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えをいたします。
水際対策につきましては、G7並みに円滑な入国を可能とする方針の下に、流入リスクに応じた検疫体制を取りながら、委員御指摘のように、入国者総数を一日一万人目途から二万人目途に拡大しつつ、スムーズな入国を確保するという措置を昨日六月一日から実施をしているところでございます。
今後の水際対策の在り方につきましては、段階的に平時同様の受入れを目指していくということをしておりまして、入国者総数の管理を含めまして、検疫体制や防疫措置の実施状況等を勘案して、新型コロナの内外の感染状況や主要国の水際対策の状況等を踏まえながら、政府全体として適切判断をしていくというふうに承知をしておるところでございます。
国土交通省といたしましても、引き続き関係省庁と連携するとともに、検疫の実施に必要な空港内のスペースとかいろいろと確保してございますので、空港会社、そして航空会社と連携して対応してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/64
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065・竹内真二
○竹内真二君 ありがとうございます。
〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
やはりこの水際対策というものは、感染抑制のためには当然必要なものであり、重要なものであるわけですけれども、感染状況、今御答弁にもありましたけれども、しっかり、慎重な必要はあると思うんですけれども、柔軟にこの修正していくということも我が国の経済にとって非常に重要なことでありますので、民間の試算ではこの六月からの入国緩和による経済効果というのは年八兆円以上ということも言われておりますので、非常にその意味でも大切なところだと思います。
この先、どの程度の入国緩和がなされて、インバウンドの需要がどの程度拡大をしていくのかといった見通し、さらにはそれがどの程度持続的なものなのかということをいち早く示していくということは、事業者の皆様も含めて大変重要な情報等になりますので、迅速かつ万全の対応を引き続きよろしくお願いいたします。
次の質問に移りますけれども、国内旅行につきましては都道府県が実施する県民割への国の支援というものは実施をされておりますけれども、GoToトラベル事業自体は一年半もの間、一時停止をした状態がいまだに続いております。当然ですけれども、観光関連団体などからはこのGoToトラベル再開を要望する強い強い声が寄せられております。
そこでお聞きしますけれども、外国人観光客の受入れ再開と併せてこのGoToトラベルの再開も具体的に検討をすべきではないかと考えますけれども、この点についても国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/65
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066・和田浩一
○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。
GoToトラベル事業の再開につきましては、旅行者と地域の双方の安全、安心をしっかりと確保する必要があり、感染状況がその時点で落ち着いていることが大前提となります。
現在の感染状況につきましては、昨日六月一日の厚生労働省の専門家会議におきまして、新規感染者数が減少傾向にあり、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、一部の地域では八十歳以上で増加傾向が見られるなど、今後の感染状況について引き続き注視が必要と評価をされております。
GoToトラベル事業は、全国的な移動を対象とし、全国一律に観光需要の底上げを図るものです。引き続き、全国における今後の感染状況等を見極めつつ、関係省庁や専門家の意見を伺って注意深く検討し、適切な時期が来たならば迅速に実施できるよう必要な準備を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/66
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067・竹内真二
○竹内真二君 ありがとうございます。
答弁にありましたように、最後の部分で、適切な時期が来ましたら迅速に実施ができるように必要な準備を是非とも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次の質問ですけれども、この今お伺いいたしました水際対策の緩和、そしてGoToトラベルの再開というのは、当然ですけれども、航空会社の大きな後押しになるものですけれども、本法律案におきましても、新型コロナによる影響の長期化を踏まえて、航空会社の支援を柱の一つとしております。
原油価格の高騰や雇用維持などへの対策を含めて、かつてない危機的な状況にある航空会社の支援について、この点についても国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/67
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068・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症による甚大な影響が長期化する中で、原油価格の高騰などによりまして、航空会社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあると認識をしております。
国といたしましても、これまでも様々な形で踏み込んだ支援を行い、今年度におきましては七百億円規模で空港使用料や航空機燃料税の減免を行うこととしております。さらに、加えまして、四月、原油の緊急対策を取りまとめた中に、この激変緩和事業の対象として航空機燃料を新たに追加すると、そういう措置も講じたところでございます。加えまして、雇用調整助成金につきましては、一昨日五月三十一日に、九月末まで特例措置の延長というものが決定されておるところでございます。
これらの支援によりまして、航空業界では新型コロナウイルス感染症の影響や長期化の様相を呈している原油価格の高騰などの国際情勢を踏まえた取組がなされることとなりますが、国土交通省といたしましては、引き続き、航空会社を取り巻く経営環境等を注視し、適時適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/68
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069・竹内真二
○竹内真二君 ありがとうございます。
ジェット燃料の追加であるとか雇用調整助成金の延長、非常にこれ大事な対応だと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。そして、この異例ともいうべき支援がずっと続いているわけですけれども、やはり需要の蒸発とも言われる前例のない危機ということでございますので、引き続き万全の対応を国土交通省にはよろしくお願いしたいと思います。
次に、本法律案のもう一つの柱であります、いわゆる空の脱炭素とも言われる航空分野の脱炭素化についてお聞きします。
法案自体は、改正内容としては、二〇五〇年のカーボンニュートラルの目標を踏まえて、航空会社と空港が相互に連携をしながら航空分野全体で脱炭素化を推進する、そういう仕組みづくりを行っていくものであると承知をしております。
航空分野全体としては、この脱炭素化では、特に持続可能な航空燃料であるSAFを今後いかに導入促進していくかが問われております。現状では、このSAFの供給というものがほとんどないという中で、この供給自体は、世界的に見ても二〇二〇年のSAFの導入量というのは六・三万キロリットルで、ジェット燃料の一%未満とも承知をしておりますけれども、そうした状況の中で、日本において安定的かつ低コストで供給できる環境というものをどうつくっていくかが重要となっております。
開発や製造、この製造には原料の調達ということも含まれておりますけれども、その製造から、さらには流通や利用までの各段階での新たな取組というものが求められております。しかも、これがビジネスとしてやはりきちんと成り立っていかなければならないと。そこで、政府は、まず二〇三〇年までに国内航空会社の燃料使用量のうち一〇%をSAFに置き換える目標を掲げております。この目標の達成のためには、石油元売などの供給側と航空会社の需要側、そして政府が連携して導入を促進していかなければならないと思います。
そこで、この四月に立ち上げましたSAFの導入促進に向けた官民協議会では今後どのような協議を行っていくのか、体制や日程等を含めて御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/69
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070・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
航空の脱炭素化に当たりましては、CO2削減効果の大きい持続可能な航空燃料、委員御指摘のSAFの活用は極めて重要な課題でございます。
SAF導入促進に当たりまして、供給側の元売事業者等と利用側の航空会社との連携が重要なことから、委員御指摘のように、本年四月に、供給側、需要側、そして政府一体の枠組みとして、資源エネルギー庁と共同で航空会社や石油会社等が参加する官民協議会を立ち上げたところでございます。
四月の官民協議会の第一回会合におきましては、今後、より専門的な議論を進めるために、この協議会の下に、製造、供給やサプライチェーン構築をテーマとしたワーキンググループをそれぞれ設置することが了承されたところでございます。今後、両ワーキンググループを開催し、事業者からSAFに係る課題をしっかりとお伺いし、官民協議会において意見集約を図りつつ、政府としても必要な政策検討につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
いずれにしましても、国土交通省としましては、SAFの導入促進に向けて、官民協議会等の場でしっかりと議論を進め、必要な取組が着実に実施されるよう、関係省庁とともに全力で取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/70
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071・竹内真二
○竹内真二君 御説明ありがとうございました。
答弁にもありましたように、是非この官民協議会というのを最大限活用していただいて、サプライチェーンを含めたSAFの導入促進策というものをできるだけ早く、まあ拙速は困るわけですけれども、具体化していっていただきたいと思います。
あと、少し外れますけれども、空港についても実は炭素化ということが非常に重要なわけでありまして、先ほど朝日委員の質問に対して渡辺副大臣の方からも答えていただきましたけれども、やはりこれ、年間四十三万トンの削減が必要とされておりまして、国土交通省としては、様々な省エネというところで年間十七万トンですか、これCO2の削減ですけれどもね、それから空港等の今度これは再エネの方ですね、その方で二十七万トン、そうした形で削減をしていくということも言っておりますので、この空港の炭素化、脱炭素化ということについてもしっかり取り組んでいっていただきたいと思います。
続いて、SAFの供給面の方から質問させていただきます。
SAFの原料というのはもう本当にたくさんありまして、廃食油、サトウキビ、木質バイオマス、さらには都市ごみ、廃棄プラスチック、排ガスなど多種多様に上りますけれども、それぞれの原料ごとに開発、製造の取組も様々であります。
また、価格面、あるいは量産できるかどうかなど、長所、短所もあるかと思いますけれども、今後の見通しを含めて、できれば、これなかなか国民の皆さんに分かりにくいものですから、少し分かりやすく、こうしたSAFの開発、製造の今後の見通しであるとか政府による国産SAFの研究開発支援等について、平易に御説明いただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/71
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072・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
SAFは水素と炭素の化合物であるいわゆる炭化水素でございまして、炭素を含む様々な原料から製造することができます。
足下では、委員御指摘ありましたとおり、廃食油、これ飲食店ですとかファストフード店などから廃棄されたものですけれども、これを原料にSAFを製造するHEFAと、これは水素化処理エステル・脂肪酸という化合物の名前なんですが、このHEFA技術が既に実用化されているところでございます。
今後に関しましては、二〇三〇年頃を目指しまして、サトウキビ、古紙などを原料としてエタノールからSAFを製造するアルコール・ツー・ジェットと言われる技術、あるいは木くずなどのバイオマスやプラスチックなどの廃棄物からSAFを製造するガス化FT合成技術などが確立されていく見込みでございます。
以上は、これ、バイオ系の有機物から燃料を作るというお話でございましたけれども、さらには、そのバイオ系ですとやはり原料の制約がどうしても出てきますので、将来的にはいわゆる大量に排出されています二酸化炭素、これを分離回収して、これと水素を合成して製造する合成燃料、いわゆるEフューエルとも言われますが、これを二〇三〇年代には導入拡大とコスト低減を進めてSAFとして活用するということを想定しているところでございます。
経済産業省といたしましては、こうした様々なSAFの製造技術について、既に当初予算の事業で、七十億円の内数でございますが、技術開発に取り組む複数の事業者を支援しているところでございます。加えまして、グリーンイノベーション基金を活用しまして、先ほど申し上げましたアルコール・ツー・ジェットと言われるSAFを大規模に製造する技術のためには約三百億円、それから、先ほどの二酸化炭素を活用します合成燃料のSAFに向けた技術開発に関しましては約五百七十六億円を確保しておりまして、競争力あるSAFの製造技術開発を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/72
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073・竹内真二
○竹内真二君 分かりやすい説明、ありがとうございました。
もう一点、SAFの製造に関連してお聞きしますけれども、やはり国産化へ向けては安定的な原料調達というものが大きな課題となっております。
運輸総合研究所の試算では、国内にある使用済食用油や家庭ごみなどを全て生産に利用できれば、国内での航空機燃料のほぼ全てをSAFに置き換えることは可能と、まあ可能ではあるわけですね、可能と言っております。しかし、既に本格的に生産を始めている海外の企業などが廃食油を高値で買い取るケースが増加しておりまして、原料価格の高騰も見込まれるとも指摘をされております。
飲食店やコンビニなどから出る廃食油というのは、関係団体の資料によりますと、二〇二一年度に国内で発生した廃食油の海外向け燃料利用というのは約十二万トンと、前年度から約三万トン増えておりまして、消費量全体に占める割合というのも前年度の二四%から三二%へと八ポイントも拡大したといいます。もちろん、理由としては、脱炭素化が加速する欧州等でバイオ燃料としての需要が急速に高まって輸出が伸びているためと承知をしております。
そこで、このSAFの原料として貴重な廃食油などのバイオ資源が海外に流出することなく国内で最大限利用される仕組みづくりというものが急がれると考えますけれども、国土交通省の見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/73
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074・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
先ほど申し述べましたSAFに係る官民協議会には、原料確保の重要性を踏まえまして、農林水産省及び環境省にも参加をいただいているところでございます。
SAFの原料には様々なものがございますが、現状は廃食油由来のSAFの開発、製造が先行しているという状況でございまして、今後の量産化に向けてはこの廃食油の確保、重要な課題であると認識をしてございます。
先般の官民協議会第一回の会合では、製造事業者から国内資源循環の強化という論点提起もいただいておるところでございまして、今後、廃食油を含むSAFの原料確保につきましてしっかりと議論を進めて、関係省庁とともに取組を前進していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/74
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075・竹内真二
○竹内真二君 こうした取組は経済安全保障の観点からも大変重要でありますので、是非とも積極的な取組をお願いいたします。
次に、SAFといってもなかなか多くの国民の方は知らないという、認識の問題についてお聞きします。
今後、SAFの重要性というものを国民の皆様に広く知ってもらって、SAFの国産化をオールジャパンで実現していく必要性があると考えますけれども、こうしたSAFに関する国民理解の促進について、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/75
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076・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、SAFの国産化も含めた利用拡大に当たりましては、航空利用者はもとより、広く国民の皆様がSAFの必要性、重要性について理解を深めていただくことが重要であると認識をしてございます。
今年三月には、民間におきまして、国産SAFの商用化及び普及拡大に取り組む航空会社や石油会社等から構成される有志の団体であるアクト・フォー・スカイというものが設立をされまして、SAFの認知度向上のための啓発活動等を進めていくと聞いておるところでございます。
国土交通省としましても、こうした動きとも連携を図りつつ、官民協議会の場などでSAFに関する周知啓発の在り方について関係者間で議論を進め、今後、国民的な課題として共有できるよう、シンポジウム等の開催も含めて検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/76
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077・竹内真二
○竹内真二君 是非とも、この官民協議会でも議論の柱の一つとするぐらいの位置付けで是非議論をお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、斉藤国土交通大臣にお伺いいたします。
SAFの国産化など航空業界の脱炭素化の取組というのは、日本のエネルギー業界の変革にもつながる可能性があります。航空分野の脱炭素化について、国交大臣の意気込み、決意というものをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/77
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078・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 自動車については電動化等いろいろ技術開発がされておりますが、これから航空、それから海における脱炭素化というのが日本の将来を制するというふうに、とも、非常に重要な分野であると思います。
SAFにつきましては、廃食油が原料になるということで、天ぷらやまたフライポテトを食べた後のその油が飛行機の燃料になるというのは国民にとっても大変夢のある話でもございますし、先ほどございました国民運動的な形で大きな動きにしていかなくてはならないと、このように思っております。
国土交通省においては、昨年度、航空分野におけるCO2削減に関する有識者検討会を設置し、SAFの導入促進、それから機材、装備品等への新技術導入、空港の再エネ拠点化等の取組を盛り込んだ空港、航空脱炭素化推進の工程表を策定したところでございます。特に、SAFについては、最近は、我が国石油会社等において具体的な事業展開が見られており、民間事業者の関心も確実に高まりつつございます。
国土交通省としては、SAFの導入促進を始め、各取組において順次官民で連携を行うための枠組み整備を進めているところであり、引き続き航空の脱炭素化に積極的に取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/78
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079・竹内真二
○竹内真二君 大臣、よろしくお願いを申し上げます。
時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/79
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080・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時四十六分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/80
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081・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、航空法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/81
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082・浜野喜史
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。
新型コロナウイルスの影響を踏まえた公共交通への支援についてお伺いをしたいと思います。
航空産業に対しましては、航空運送事業基盤強化方針というものが打ち出されまして、事業者と国との役割分担を明確にしながら、しっかりと国が支援する形となっております。その方針では、財務的な支援にとどまらず、人材の確保にも言及するなど、産業を支えようという国の意思を感じるところであり、理解ができます。
一方、航空産業とともに公共交通の柱とも言えますJR産業も経営危機に陥り、二〇二二年三月期決算ではほとんどのJR会社が二期連続の赤字となっております。この間、鉄道事業につきましても一定の国の支援がなされてきたものとは認識をいたしますが、過去から鉄道については独立採算を旨としてきた経緯もあることからか、事業者責任が基本のようにも見えます。
航空産業への対応に比してバランスを欠いているとも思えますが、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/82
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083・上原淳
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
JR各社の発表によりますと、二〇二〇年度決算におきましては各社とも過去最大の赤字を計上し、合計で一兆円を超える純損失となりましたが、二〇二一年度におきましては各社とも大幅に業績が改善され、うちJR九州は黒字化を果たしているという状況にございます。
こうした状況の下で、国としてもJR各社に対しまして、日本政策投資銀行の危機対応融資等の資金繰り支援や雇用調整助成金による支援を行ってきており、これに加えまして、JR二島貨物会社に対しましては、昨年三月に可決、成立いたしました改正債務等処理法等に基づき、助成金や出資などの手厚い支援を行っているところでございます。
国土交通省といたしましては、引き続き、国鉄改革の経緯も踏まえつつ、新型コロナウイルス感染拡大の状況や各社の経営状況を注視しながら、需要の回復策を含め、必要な対策を適時適切に講じてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/83
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084・浜野喜史
○浜野喜史君 説明いただきましたけれども、鉄道事業に対しても、産業、企業に対する横断的な支援は当然なされてきているということでありますけれども、航空のように、鉄道に限ってというようなその支援はなされていないということだと思いますので、そのことは申し上げておきたいと思います。
さらに、関連してお伺いいたしますけれども、航空運送事業基盤強化方針におきましては、基盤強化の意義、目標として次のとおり記されております。
航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、ポストコロナの成長戦略の実現にも不可欠な空のインフラである。このため、今後も必要な安全かつ安定的な輸送を確保できるよう、航空運送事業の基盤強化のために政府及び航空会社がそれぞれ講ずべき施策、措置を明確にし、実行することにより、今後の需要回復に速やかに対応するとともに、ポストコロナに向けた需要増加に対応するために必要な供給体制を確保していく必要がある。日々の安全運航を支える航空業界の人材の雇用の維持は極めて重要であり、政府としても、その雇用維持のための支援を行うことが不可欠であると、このように記されているわけであります。
この方針の航空を鉄道に、空を陸という表現に置き換えましても全く違和感なく成り立つ方針であると私は理解をいたします。鉄道事業基盤強化方針といったようなものが検討されてしかるべきではないかと私は考えるんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/84
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085・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 御指摘のとおり、鉄道は、我が国の経済産業活動や国民の日常生活を支える大量輸送機関として、公共性の高い重要な役割を担っております。必要なネットワークやサービスを維持し、事業を支える人材の雇用を維持していくことが必要と考えております。
他方、航空との比較で申し上げますと、航空事業は、今回入国制限によりほとんど消失した国際線旅客収入が営業収入の約五割を占めており、この点、国内旅客輸送を中心とする鉄道事業とは事情が大きく異なっているものと考えております。
ただし、鉄道事業においても、ローカル線の一部で沿線人口の減少等により利用者が大幅に減少している中、コロナ禍の影響が追い打ちを掛け、地域公共交通としての利便性や持続可能性が危機的な状況にございます。このため、国土交通省では、本年二月、有識者検討会を立ち上げ、国の関与や支援の在り方も含めて今後の対策について議論を進めているところであり、夏頃の取りまとめを目指してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/85
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086・浜野喜史
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、航空分野への支援ですね、これは是非充実をしていただきたいという思いは私も全く同じであります。その航空分野と同様に、国民生活にとって重要な鉄道分野につきましても、大臣から御説明ありましたように、地域公共交通の在り方も含めて、国としての関与、支援を引き続き検討をされるよう求めておきたいと思います。
次の質問に移らせていただきたいと思います。
航空分野全体での脱炭素化の推進に関連してお伺いをいたします。
まず、政府全体の方針についてお伺いいたしますけれども、五月十三日にクリーンエネルギー戦略中間整理というものがまとめられました。これまでに出されましたグリーン成長戦略との関係も含めて、概要を御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/86
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087・南亮
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けましては、これまでも、エネルギー基本計画、さらにはグリーン成長戦略、こういったものを策定しまして、今後の進むべき方向性を示してまいりました。
クリーンエネルギー戦略では、需要サイドのエネルギー転換の道筋や、水素、アンモニアのような成長が期待される分野における道筋などについて、これまでの計画より更に検討を進め、先月、中間整理を取りまとめたところでございます。その中では具体的に、成長が期待される産業ごとの具体的な道筋、需要サイドのエネルギー転換、クリーンエネルギー中心の経済社会、産業構造の転換、地域、暮らしの脱炭素化に向けた政策対応、加えまして、エネルギー安全保障の確保とそれを前提とした脱炭素化に向けた対応、こういったものについて整理をしているところでございます。
引き続き、こういった政策の更なる具体化に向けまして、本年夏に設置されるGX実行会議におきまして議論を更に深めてまいりたいと、そういった予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/87
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088・浜野喜史
○浜野喜史君 今御説明をいただきましたクリーンエネルギー戦略についてお伺いをしたいと思います。
戦略の内容を見て、私なりに感ずるところを申し上げたいと思います。
まず一つ目には、カーボンニュートラルは全産業や広く国民生活に関わる壮大かつ困難な課題であり、国民にこの事実を認識してもらうということが重要であるということです。二つ目には、多額の国民負担が想定されますので、それを明示するということが重要であるということであります。三つ目には、エネルギー安定供給や全産業の機能を確保しつつ移行していくということが重要であるということであります。
それぞれについて御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/88
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089・南亮
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
二〇五〇年カーボンニュートラル目指しまして、脱炭素への取組を新たな成長につなげていく、こうしたためには、日本全体をクリーンエネルギーを中心とした経済社会、産業構造に転換していく必要があると、そのように考えております。この転換には、電力などのエネルギー供給側のみならず、製造業を中心とした産業界、住宅、交通などの需要側を含め様々な分野での新たな投資が求められると、こういったところは先生の御指摘のとおりでございます。
今後十年間におきまして官民協調で百五十兆円規模の投資が必要と見込んでいるところでございまして、クリーンエネルギー戦略の中間整理におきましては、この投資を引き出すための政策対応の骨格としまして、まず第一に予算措置、第二に規制・制度的措置、第三に金融パッケージ、第四にGXリーグの段階的発展、第五にグローバル戦略と、五つの柱をお示ししたところでございまして、更なる具体化に向けて引き続き集中的に議論を深めてまいりたいと思っております。
脱炭素化を進める上では、まさに委員御指摘のとおりではございますが、エネルギーの安定供給確保は大前提だと考えておりまして、再生可能エネルギー、原子力など、エネルギー安全保障及び脱炭素効果の高い電源の最大限の活用など、エネルギー安定供給確保には万全を期してまいりたいと思っております。
また、これも委員の御指摘のとおりでございますが、二〇五〇年カーボンニュートラルは簡単なことではなく、日本全体、総力を挙げての取組が重要であると考えております。特に今回の転換は、産業革命以来の化石燃料中心の経済社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させていくものでありまして、社会全体を巻き込んだ取組が重要であると、そのように認識しております。
そのため、カーボンニュートラルと安定的で安価なエネルギー供給を同時に実現するための課題や取組につきまして、資源エネルギー庁のホームページなどでエネルギーに関する情報を分かりやすく伝えるスペシャルコンテンツ、こういったものをしっかり発信しておりまして、そういったものも含めまして様々な媒体や機会を通じて国民の皆様に丁寧にこういった内容を説明を尽くし、幅広い理解を得ていきたいと、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/89
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090・浜野喜史
○浜野喜史君 私が申し上げたことを基本的に肯定されたというふうに理解をするんですけれども。
関連して、お答えいただける範囲でお願いしますけれども、私は、二つ目に、多額の国民負担が想定されるということであり、そのことを明示すべきではないかということも申し上げたんですけれども、投資が必要だということをおっしゃいました。私も、投資が当然必要で、それをすべきだというふうに思うんですけれども、投資ということは、裏返しで見れば最終的には国民負担にもつながってくるというふうに私は理解するものでありまして、要は投資は一方でいえば国民の負担なんだと、そういう形でも明示されているんだというふうに理解をさせていただいていいのかなというふうに思うんですけれども、お答えいただける範囲で御見解をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/90
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091・南亮
○政府参考人(南亮君) これ、先生おっしゃるとおりでございまして、投資をするというところは、もちろんこれは国民の負担という面もございますが、他方、それによって、脱炭素、まさにエネルギーの安定供給、そういった部分についての便益もあるということでございますが、そういったことも考えまして、こういった官民の投資が引き出されていくような適切な対応をしてまいりたいと、そのように思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/91
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092・浜野喜史
○浜野喜史君 さらに、カーボンニュートラルの進め方について留意すべきだというふうに私が考えていることを申し上げたいと思います。
私は、世界的にカーボンニュートラルへの機運は高まっておりますものの、世界全体が統一的に、一直線にカーボンニュートラルに向かっていくということは現実的に考え難いと認識をいたしております。発展途上国や化石燃料資源大国の存在や、各国の実情や思惑に差異があることなどからであります。
こうした中で、エネルギーコストなどの競争条件の違いを踏まえずに我が国だけが脱炭素化の取組を加速化するといったことは何としても避けなければならないと考えておりますけれども、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/92
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093・奈須野太
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
世界では、パリ協定の一・五度努力目標に向けて、G7などの先進国だけでなく、発展途上国や化石燃料資源国を含む百四十か国以上の国が二〇五〇年カーボンニュートラルの旗を掲げています。二〇七〇年カーボンニュートラルという国を含めますと、世界全体のCO2排出量の九割をカバーするというところまで至っています。
このように、カーボンニュートラルの実現というのは、独り日本だけでなくて、途上国も含めた世界全体で取り組むべき課題です。G20国に含まれる大排出国や、今後排出が大幅に増加することが見込まれるアジア諸国を始め、世界全体を巻き込んでいくということが重要だろうと思っています。このためには、委員御指摘のエネルギーコストを始め、各国の事情に応じた多様な道筋があるんだということを認識して、幅広いエネルギー源や技術を活用した多様かつ現実的なアプローチを追求すべきと考えています。
引き続き、パリ協定の目標の実現に向けて、各国と連携しつつ、したたかに取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/93
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094・浜野喜史
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、是非したたかに取組を進めていただければと、このように考えております。
次に、カーボンニュートラルと経済成長についてお伺いいたします。
政府はカーボンニュートラルを経済成長につなげるということであります。カーボンニュートラルが成長を生み出すためには、我が国がカーボンニュートラルに資する先進的な技術を開発し、それが国内外で採用、活用されることが必要であるというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
更に言えば、カーボンニュートラル自体は新たな付加価値を生み出すものではなく、私が今申し上げたこと以外に成長を生み出す経路は考え難いと思われますけれども、併せて見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/94
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095・奈須野太
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
カーボンニュートラルの実現に向けて各国がしのぎを削る中で、気候変動への対応を経済成長の制約やコストとする時代は終わって、新たな付加価値、競争力の源泉とむしろ捉えるべき時代になっていると思います。脱炭素に向けた大競争時代において、委員御指摘のとおり、脱炭素という投資分野で技術や国際市場を獲得していくことが今後の我が国の成長戦略として不可欠であります。
日本としても、グリーンイノベーション基金などを活用して革新的技術による代替手段の確立と社会実装を加速させて、世界の炭素中立化に貢献していくことで、これを成長分野とするということに取り組んでおります。例えば水素分野では、国内外への展開を視野に、水素製造のコスト低減の研究開発のみならず、水素サプライチェーンの拡大に向けた海上輸送技術の開発を国土交通省とも連携しながら取り組んでいます。
こうした将来技術の研究開発を進めるとともに、先ほど御指摘のあったクリーンエネルギー戦略の中間整理でお示しした内外の投資を引き出すための政策対応の骨格の具体化に向けた検討を進め、更なる成長につなげてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/95
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096・浜野喜史
○浜野喜史君 それに関連して、またお答えいただける範囲でお願いしたいと思うんですけれども、このカーボンニュートラル、脱炭素化ということをその経済成長の制約として考える時代は終わったということ、そういうことを私は否定するものではありません。しかし、そういうその精神論だけでこのことを論じるのもいかがなものかなというのが私の立場でありまして、本当にどう成長に結び付けていくことになるのかということを少し詰めて考えないことには、私は日本としての方針を誤るんではないかというふうに考えております。
そこで、先ほど問いかけたことと同じことをもう一度問いますけれども、カーボンニュートラルということを実現するために資する先進的な技術が例えば日本で開発されて、それが国際的に採用されるということになれば、これ日本の付加価値の向上ということに結び付くんですけれども、例えば鉄鋼分野においても石炭還元と呼ばれる方法を水素還元に変えなければならないと、こういうことになっていますけれども、それが仮に実現したところで、生み出される鉄の付加価値は変わらないわけですね。ということは、カーボンニュートラルの取組というのは、それに役立つ先進的な技術が開発されて、それが売れるかどうかということ以外に私はちょっと考え難いというふうに思うんですけど、その辺りをどのように考えておられるのか、更にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/96
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097・奈須野太
○政府参考人(奈須野太君) 御指摘のとおり、研究開発で実現した技術がしっかり社会実装をされていくということは非常に重要でございます。
その観点から、私どもは、今回のグリーンイノベーション基金で行っていることなんですけれども、単に水素還元であるとかあるいは新たな燃料であるとかの研究開発だけでなくて、具体的にどのような市場でこれを売り込んでいくのかというようなことを仮定して、そのビジネスモデルを念頭に置きながら、例えば標準化であるとかあるいは新たな社会制度、規制であるとか、そういったものを同時に進めていきたいと思っています。
こうすることで、かつて日本でよくあったような、いい技術はできたけれども、競争でまあどうなんでしょうみたいな、そういうことは二度と起こさないようにしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/97
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098・浜野喜史
○浜野喜史君 ありがとうございます。
最後に、大臣にお伺いしたいと思います。
私も、政府が方針として打ち出しておられるように、カーボンニュートラルをもう是非日本の経済成長につなげていかなければならないという立場でございます。その上で、国土交通省として、航空分野も含めて所管分野におきましてカーボンニュートラルをどう成長につなげていこうというふうに考えておられるのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/98
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099・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) カーボンニュートラルについては、その対応が経済成長の制約となるという考え方ではなく、成長の機会と捉え、新しい時代の成長を生み出していくエンジンとしていくことが重要と考えます。そういう考え方からすると、今の御議論も大変興味深い御議論ですけれども、もうまさにそのカーボンニュートラルの新しい技術を日本が生み出して、そのことによって経済成長していくということが最も大切だと思います。
例えば、太陽光パネル等については、当初、日本、技術が先行しておりましたが、今はほとんどその占有率が低くなってきたというようなことについては大変残念に思いますが、まさに新しい技術、そしてそれを社会に実装していく、その分野についても日本がリードしていくということが大切だと思います。
それで、国土交通所管分野においてということでございますが、例えば航空機に係る新技術の導入、軽量化、これは、今新しい飛行機の材料は非常に日本が進んでいると、軽い材料、強度、靱性があって、すばらしい材料が進んでいる、これもカーボンニュートラルに結び付きます。国産化を含めたSAFの導入促進、これらの取組は、まさに日本が開発した技術でカーボンニュートラルを進めていく、それが世界に取り入れられていく、こういうことでカーボンニュートラルの推進と経済の成長と両立させていくことになるんだろうと、このように思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/99
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100・浜野喜史
○浜野喜史君 是非具体的に、先ほども経済産業省の方から御説明ありましたように、どの分野でその成長を生み出していくのかということを具体的に描きながら進めていただきたいと思います。真に成長を生み出せる進め方をされることを求めて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/100
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101・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。
今日は、室井邦彦議員より大切な、貴重な質疑時間を譲り受けまして、航空法改正案について質問させていただきます。
航空分野における脱炭素の推進並びに新型コロナの影響を踏まえた航空会社への支援のための法整備ということで、大変重要なことだと思っております。
航空業界は、これまでにも九・一一ですとかリーマン・ショックを始めといたしまして様々な苦難を乗り越え、世界の空と日本の空をつなげてくださってきました。二〇一九年比で、旅客需要についてなんですけれども、国際民間航空機関、ICAOの発表では今年も約三割減というふうに予想されていまして、六割減、五割減というふうに推移してきました二〇二〇年、二〇二一年に続き、復調が進んでいるにしても、依然として厳しい状況が続いております。
そこで、大臣に最初の質問なんですけれども、傷んだ航空業界の再興というふうに言いますと、言葉では一、二秒なんですけれども、生易しいことではないと思っております。この航空業界の再興へ懸ける大臣の姿勢についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/101
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102・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 航空ネットワークはまさに公共交通として国民生活や社会経済活動を支える空のインフラであり、コロナ禍においても、例えばワクチンを含む医薬品、医療機器を始めとした国民生活を支える重要な貨物輸送や、地震など災害時における鉄道等の代替交通手段としての臨時便運航といったエッセンシャルな機能を果たしております。
このように極めて重要な機能を果たしている航空会社に対して、これまで、危機対応融資等の活用による資金繰り支援や雇用調整助成金などの支援を行うとともに、空港使用料の減免等を行うなど、相当踏み込んだ支援を行ってきております。これに加えて、政府としては、先般取りまとめた原油価格・物価高騰等総合緊急対策において、航空機燃料についても激変緩和事業の対象としたところです。
これらの支援により、航空業界では新型コロナウイルス感染症の影響や長期化の様相を呈している原油価格の高騰などの国際情勢を踏まえた取組がなされることとなりますが、国土交通省としては、引き続き、航空会社を取り巻く経営環境等を注視し、適時適切に対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/102
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103・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。
コロナによって傷ついたこの航空業界、サポートしていくためには多角的なところからの支えが必要だと思っているんですけれども、この新型コロナの影響というのは、私も飛行機に乗らせていただいてスタッフの方にお話をさせていただくと、大分戻ってこられたんです、お客様がと言いながらも、笑顔で接してくださるんですけれども、まだまだという現場の苦労というのもにじみ出ているのを感じます。
けれども、悪いことばかりではなかったというふうに思っております。私は地元が大阪ですので、関空を抱えております。関空の方では、グランドスタッフとして働いていた方が出向という形で近隣のアウトレットで働いているというような記事も目にしました。そうすると、最初はやはり、空の仕事がしたくて毎日頑張っていらした女性なんですけれども、なぜ私はここで働いているのかとか、何のために働いているのかというような戸惑いも感じられたそうなんですけれども、やはり、仕事を進めていくうちに、こういった形で出向させていただいたからこそ経験できたことであるとか出会えた方々であるとか、そういった得るものの多さに気付いていただいて、他社の中を見ることができたことも良かったというふうにおっしゃっています。そして、そうして得た経験をまた空の仕事に還元していきたいというふうにおっしゃっているんですね。
なので、出向社員のこのメンタルの管理に力を注いで、出向先がマッチしているのか、社員の気持ちはどうなっているのかと丁寧にケアをされてきた、そういった民間の企業の方々の御努力にも敬意を表したいと思いますし、本法案で示されております空港使用税あるいは空港機燃料税の減免等は大変重要だというふうに思っておりますので、是非ともお支えいただきたい。そして、空の仕事を再びやりたいという方、また、新しく空の世界で活躍したいという若者が存分に活躍していただけるようにお支えいただきたいというふうに思っております。
さて、航空業界、空のモビリティーといえば、二〇二五年にやってまいります大阪・関西万博でございます。先ほど鉢呂委員からもお話がありました空飛ぶ車、何と国交省さんの中では空クルと呼ばれているんでしょうか、大変かわいらしいネーミングだなと思ってうれしくなったんですけれども。タクシーに乗るときに、私たち、タクるという言葉を使うことがあるわけなんですね、駅までタクるって。それが、近い未来には空クるという言葉も出てくるのかなと思うとぐっと身近に感じますし、地元大阪では、ママ友の間で、どうやら空飛ぶ車は初乗り六百八十円らしいでとか、万博会場まで二万円くらいらしいでというような話が出ますと、ぐっと現実味を帯びてまいります。
けれども、そんなわくわくする話がある一方で、安全性はどうなのか、運用をどうしていくのかといったことも地元大阪からは聞こえてくるわけでございます。ですので、大臣に是非ともお聞かせいただきたいんですが、質問要旨、済みません、最後の方になります、五番目、御覧いただきたいと思っているんですけれども、空飛ぶ車、現在、海外の企業とも連携しまして、国内企業各社さん、大手からスタートアップまで様々な事業者さんが新しい可能性を求めて頑張ってくださっています。テスト飛行なども行われているわけなんですけれども、何せ大阪、地元から要望いただいているのは、離着陸の場所ですね、離着陸場も含めた制度整備、法整備でございます。
言わずもがな、乗り物ですので、楽しい、可能性があるというわくわくの一方で、危険性も併せ持っております。機体の安全性や飛行エリア、離着陸場等の基準を明確にすることが不可欠と考えます。実際の具体的なルール作りについての進捗、今後のスケジュールも気になるところでございます。法整備、制度整備について国交省さんがどのように考えていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/103
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104・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えを申し上げます。
あの空飛ぶ車、いわゆる空クルでございますが、私ども、これは航空機というふうに整理されておるところでございます。運輸の要諦は安全の確保ということで、この既存の有人機と同様に、航空法に基づく機体の安全性、操縦者の技能、そして離着陸場に関する規制等の運航ルールというのが適用されるわけでございます。
国土交通省といたしましては、経済産業省とともに、この空クルの実現に向けまして、空の移動革命に向けた官民協議会、そんなものを組織しておりまして、官民一体となった取組を進めているところでございます。具体的には、この協議会の下に設置されたワーキンググループにおきまして、機体や運航の安全基準、操縦者の技能証明に関する基準などの制度について議論を進めているところであります。そして、あの空クルの本格的な社会実装に当たりましては、委員御指摘のように、離着陸場に係る制度整備等が一層重要になってくると考えておりまして、本年度よりこの協議会の下に離着陸場ワーキンググループを新設をして、官民一体となった検討を進めていくということにしてございます。
国土交通省といたしましては、このような取組を通じまして、二〇二五年の大阪・関西万博での運航を始め、空クルの実現に向けて引き続き官民で連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/104
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105・梅村みずほ
○梅村みずほ君 官民協議会が進んでいて、実証実験も進んでいますので、その現場の声を踏まえながらの法整備というのを、大分論点整理もできていることかと思います。離着陸場のワーキンググループも始めといたしまして、海外ともやり取りがあると、この辺の制度整備はどうなっているのかというような話は必ず出ると思いますので、忙しく、そして論点がたくさんあるのは分かっているんですけれども、少しずつ早めに早めにということでお願いできればと思います。
併せてお願いしたいのが、許認可の申請手続の簡素化なんですね。現場も何としてでもこの二〇二五年の万博を成功させたい、特に目玉となっている空飛ぶ車についてはたくさんの方に楽しんでいただいて、その先の社会実証、実装につなげていきたいという思いがありますので、現場大忙しなんですね。なので、許認可手続を簡素化していただけると本当に助かるんですが、その辺りはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/105
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106・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
委員御指摘のように、空クルにつきましては各メーカーが機体開発を進めておるところでございますが、これを確立するためには試験飛行というものを本格的にやっていく必要があると考えておるところでございます。
で、私どもとしましては、この空飛ぶ車の試験飛行の許可基準を明確化しまして、今年の三月にガイドラインとして公表したところでございます。試験飛行に当たりましては航空法に基づく複数の許可を取得することが必要となりますが、ガイドラインにおきましては、申請先の一元化でありますとか、試験飛行の形態に応じた申請書類の簡素化などを行っておるところでございます。
国土交通省としましては、このような取組を通じまして、引き続きメーカーによる機体開発や運航者による実証飛行を支援して、空クルの実現に取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/106
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107・梅村みずほ
○梅村みずほ君 適切なプロセスは経ながら、おっしゃっていただきました申請先の一元化、書類の簡素化、引き続きよろしくお願いいたします。
質疑時間があっという間でですね、用意した質問が消化できず申し訳ないんですが、なのに、ちょっとここで質問通告していない質問を大臣にさせていただきたいと思います。
空飛ぶ車、私すごく乗りたいなと思うんですけど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/107
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108・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私も乗りたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/108
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109・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
やはり、所管大臣としての責任もありますし、そして個人的にもきっとお乗りになりたいに違いないと思っているんですけれども、そこで、国交省としても、全力でこの二〇二五年の万博に向けて空クルの開発、そしてこの先の日本のために全力でバックアップしていきますよというような積極的なお言葉を大臣からいただきたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/109
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110・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 二〇二五年の大阪・関西万博に向けて、国土交通省も、今ありますそういう輸送体系、空飛ぶ車を始めとするいろいろな輸送体系を始め、いろいろな形、省エネビルとか、いろいろな形でこれに我々も貢献をしていきたいと思って、全力で成功に向けて頑張っていく決意です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/110
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111・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
法案についてほとんど聞いていないじゃないかと言われると、ちょっと室井議員にお叱りを受けてはいけませんので、一件、最後に質問する時間がありそうですので、お伺いしたいと思います。
質問要旨、戻っていただきまして、SAFのことについてお伺いしたいと思っております。
パソコンをこの国土交通委員会でも皆さんにたくさん使っていただきたいと思うんですけれども、時々スクロールしていると見失うということがありますので、紙の良さもあるなと思うところなんですけれども。
このSAFというのは、国内の自給率、大変気になっております。私は専門が農林水産委員会ですので、食料自給率ということに今大変シビアな議論が行われているわけなんですけれども、この食用の廃油ですね、これを輸出している現状もあるというふうにも聞いております。国内で自給していく、国内で調達していくというのがこの先大変重要でありますし、それはこの航空法のみならず、食料もそうですし、様々な分野において言えることだと思います。
その自給についてお伺いしたいと思います。こちらは参考人からで結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/111
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112・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
国際競争力のあるSAFを国内で製造できる体制の確立、これは急務であると考えてございます。このため、様々な予算あるいはグリーンイノベーション基金を活用しまして、そのコスト面でも、それから量の面でも安定的に航空事業者に使っていただけるようなSAFの製造技術の開発を現在進めているところでございます。
加えまして、今委員御指摘のとおり、サプライチェーンをいかに構築していくかということも課題でございまして、燃料供給事業者、航空事業者との間で業界を超えた連携を進めるための国交省とで共同で設立しました官民協議会におきまして、今様々な事業者からの意見を伺っているところでございます。
具体的には、例えばSAFの原料となる廃食油の一部が海外に輸出されていると、これを踏まえて原料確保のためのサプライチェーンを構築する必要があるという指摘もいただいていますし、さらには、国内で量産体制に持っていくためには大規模な設備投資が必要であるというような御指摘もいただいているところです。
今後、協議会の下にワーキンググループを設置しまして、こうした具体的な課題の解決に向けて、また政府としてどのような支援があり得るのかということについて、国交省、経産省のみならず農林省、環境省にも御参加いただいていますので、しっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/112
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113・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
エネルギーの自給も大切だと思います。ですので、今日はちょっと大臣にお伺いできなかったんですけれども、この航空法の改正案では空港の周りに太陽光パネルも設置できますよとなっていますけれども、環境大臣も経験されているのでお伝えしたいのが、私、航空機で空飛んでいると、廃業になったゴルフ場にパネルが並んでいる、ちょっとどきどきするんですね、木を植えた方がいいんじゃないかとか、保水力を保って山の、この何でしょう、防災に資する山というのをちゃんとつくっていかなきゃいけないんじゃないかなと思っています。ですので、そういった観点からも、防災からも、是非ともこの太陽光パネル、私は地熱推しなので、様々なエネルギーがありますので、その辺りもちょっと片隅に入れながら政策進めていただければと思います。
本日はありがとうございました。質疑終了します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/113
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114・武田良介
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
法案に入ります前に、五月二十四日の当委員会で、金沢市の発電事業民間譲渡の問題についてただしました。井上局長は、金沢市が河川法第二十六条の許可を得ずに設置した工作物について、法違反の状態は解消されたのかという私の質問にはお答えにならず、二十六条は状態を解消するかどうかを判断するものではないと、論点をそらされる答弁をされました。
改めて伺いたいと思います。
二十六条による事前許可なしに工作物が設置されたという事実は違法であって、現在も違法に設置された工作物があることに変わりはないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/114
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115・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 金沢市が河川法第二十六条の許可を得ずに工作物の設置を行ったことは法に反する行為であり、不適切であると考えております。
しかしながら、河川管理者である石川県は、当該工作物を把握した後に、金沢市に対して図面や写真などの資料の提出を求め、河川管理上の支障がないことを確認し、存置を認めたと聞いております。当該工作物については、河川法第七十五条の除却等を命じる必要がなく、治水、適正な利用、環境保全を図るという河川法の目的に照らして問題ない状態であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/115
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116・武田良介
○武田良介君 違法であるということは確認をいたしました。
石川県が存置を認めたという措置について伺いたいというふうに思います。
資料一をお配りしましたけれども、元々この措置は、二〇〇六年の十月に中国電力俣野川発電所の土用ダムの測定値改ざん問題を契機として、国交省が十電力会社に対して、違反のおそれのある事実を含め、すべからく精査する自己点検を求めたと。そこで明らかになった不適切事案への対応として行ったものということであります。
河川法第二十六条第一項の許可を得ずに工作物の改築を行った者については、重大な違反があったものは河川法第七十五条に基づく命令を発すると、それ以外のものについては河川法第七十八条、あっ、私さっき七十五条と言いましたよね、七十五条、それ以外のものについては河川法第七十八条第一項に基づき、今後の適正な管理に必要な報告の徴収を行うというふうにされまして、具体的には、現況の図面、写真等の提出を求め、引き続き精査を進めつつ、施設の安全性に問題ないものについては厳重注意とするというふうにされたということであります。
ところが、石川県は、これ重大な事案ではないというふうに判断をし、これ、資料の二にありますように、河川法第七十八条に基づく報告の徴収は行っていないというふうにしております。行政指導で安全性を確認したということでありました。
なぜ行政指導による安全性の確認のみで違法な工作物を存置しているのか、それが許されるという法的根拠は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/116
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117・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 本件は、金沢市が河川法第二十六条の許可を受けて設置した発電施設に追加的に河川の監視カメラや転落防止柵等を河川法第二十六条の許可を受けずに設置したものです。河川管理者である石川県は、このような実態を把握したため、水利使用許可を受けている金沢市にその状況の報告を求め、除却等の命令や是正の指示を行う必要があるか否か、河川管理上の支障の有無を確認しましたが、問題ないと判断したと聞いております。
状況の報告を求めるに当たっては、河川法第七十八条に基づく方法のほか、行政指導による方法もあり、事案の内容によって河川管理者が適切に判断するものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/117
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118・武田良介
○武田良介君 状況については、行政指導もあり得るという御答弁でありましたけれども、資料にあるように、国は七十八条に基づいてやるとしたわけですけれども、石川県はそうではないというふうに言っているわけで、対応が違うわけですね。河川法の七十八条に基づいて行っていないというふうに言っているわけであります。
前回の質疑を御覧になった金沢市民の方から、法令の根拠なく存置を認めることができるとなれば、河川管理者の恣意的判断が河川法に優越することになってしまうとか、あるいは、事前許可を得なくとも、先に工作物を造って後で認めてもらえばよいということになってしまうと、こういう声が寄せられました。
法的根拠もなく、事後的に安全性を確認したらいいということを言い出したら、二十六条は何のためにあるのかということになってしまう。河川法上問題ないという認識を改める必要があるというふうに思います。
法案について質問させていただきたいと思います。
本法案では、大臣が航空脱炭素化推進基本方針、これを定めることになっております。この内容として、目標に関する事項を定めることになっているわけですけれども、国内航空についてどんな目標設定が必要と考えておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/118
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119・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国内航空では、大本に、今回の我々の計画の基礎になります、大本になります地球温暖化対策計画、これは政府全体のものですけれども、この地球温暖化対策計画において、二〇三〇年度までの排出原単位、単位輸送量当たりのCO2排出量を一六%改善する目標を設定しております。
この今回の法案に基づく航空の脱炭素化の推進に当たっては、この地球温暖化対策計画との調和が必要であることから、航空脱炭素化推進基本方針においてはこの目標を盛り込むことを想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/119
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120・武田良介
○武田良介君 大臣にちょっと重ねて確認させていただきたいんですが、法案資料の説明を見ますと、国内航空について削減目標というのがあるんですね。二〇一三年度比一六%削減というのがあるんです、法案の説明資料。こういう数字の目標というのは掲げるお考えはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/120
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121・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えを申し上げます。
先ほど大臣答弁をいたしましたように、この地球温暖化対策計画との調和が必要でございますので、そのような一六%改善するという目標を設定していきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/121
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122・武田良介
○武田良介君 数字で書き込むということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/122
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123・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) 具体的に書き込んでいきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/123
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124・武田良介
○武田良介君 法案の説明資料にある、今答弁もありました二〇一三年比一六%削減という、これ全体は、先ほども温対計画という話がありました、四六%減という話とですね、これ一六%減と、これを比べると一六%が低いわけですけれども、これはどういう検討をされてこの目標なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/124
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125・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) 地球温暖化対策計画を政府の部内で検討したときに、航空分野、特に国内航空についてどれだけのものができますかということを問われたわけでございます。私どもとしましては、今申しました二〇三〇年度までに二〇一三年比で排出原単位を一六%改善する、そういう目標を調整して打ち出したと、それが温暖化対策計画の中に盛り込まれた、そういう理解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/125
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126・武田良介
○武田良介君 まあ航空分野なかなか厳しいということなんですよね、要は削減することが。
航空需要は増えていく、CO2の排出量は増えていく、これからも。インバウンドを取り込むとかいろいろありますよね。だから、全体そういうふうに考えている中でどれだけ削減するのか、それが厳しいということを検討されたということだと思うんです。そういうことでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/126
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127・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) 航空輸送の将来需要も踏まえまして、輸送量を拡大していくこと、そんなことも検討しながらこの数字を打ち出したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/127
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128・武田良介
○武田良介君 輸送量の拡大を検討してということでありました。
国交省が示しているこの削減目標、今一六%というふうに言いましたけれども、単位輸送量当たりの削減ということになっているんですね。一方、資料をずっと見ていきますと、国内航空では年間で一千五十四万トン排出しているという数字が出てくる。さらに、排出量はこれから更に増えていくということ、今の答弁でも見込んでいるということ。そうであれば、総量を削減していくことが必要なんじゃないだろうか、総量規制が必要になるのではないかというふうに考えますけれども、大臣、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/128
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129・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 我が国の業界団体である定期航空協会においては、既に二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すという目標を掲げております。このように、既に業界団体や一部の航空会社、空港において自主的な脱炭素化の取組を進める動きが活発化しております。
今般の法案については、こうした取組の更なる推進を目的とするものであり、航空運送事業者のCO2排出量に規制を設けることを目的とするものではありません。今後は、本日御審議いただいているこの法改正により導入する仕組みを活用して、航空会社の主体的かつ計画的な取組を促進しながら地球温暖化対策計画に掲げる目標達成を目指す、こういう方向でやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/129
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130・武田良介
○武田良介君 航空会社の自主的な取組、やっぱりここに任せられてしまうということが、私最大の問題だというふうに思うんですね。求められる対策というのは日々変わるわけです。最新のIPCCの報告書でもどんどん変わっていく。そのときに、目標の設定の仕方、あるいは目標の高い低いというのもありますけれども、それについて政府が責任持って考え方を打ち出していくということはやっぱり大事だというふうに思うんですね。そのことをしっかり指摘をさせていただきたい。気候危機打開の仕事は政治の責任なんだということを重ねて指摘をさせていただきたいというふうに思います。
航空分野でCO2削減していくために、新技術、それから管制ですね、そしてSAF、三つの分野の取組が大事だということで言われています。すぐにできる対応として管制というのは非常に重要だということなわけですけれども、四回重ねられた検討会の中で、運航方式の改善によるCO2の削減についても議論がされてきました、管制の部分ですね。
管制の高度化による運航方式の改善の工程表出されましたけれども、これ見ると、今後の取組において一〇%程度の削減を目指すというふうにされておりますけれども、これどういう目標なのか。一〇%削減というのは何年比で、何年までに一〇%削減ということがこれ書かれていないものですから、ちょっと御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/130
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131・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) 運航方式の改善の取組につきましてはいろんなフェーズがございますが、航空路、出発、到着、そして空港の場内といったそれぞれの面において更なる運航効率の改善策を推進していく、そういうふうに考えておるところであります。その長期目標としましてCO2一〇%の削減というものを、これは基準年が、これは地球温暖化計画、そういったそれぞれの計画に基づくものを考えてございますが、長期目標としまして一〇%の削減を目標としたいと思っておるところであります。
ちなみに、現在、ICAOにおきまして国際的な長期の議論がなされておるところでございます。この中においても、運航方式の改善によってどれだけ改善するのかということの議論がなされておるところでありまして、ケースいろいろとありますけれども、四%マイナスから一一%マイナス、そういった中の試算値が示されているというふうに承知をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/131
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132・武田良介
○武田良介君 最後に一問聞かせていただきたいと思います。
第四回のこの検討会の議事要旨読ませていただきました。こういう指摘がありました。交通容量が順調に増えていくという想定がされているように見えるが、コスト増大により運賃が上がり、利用者が減っていくというストーリーもどこかで考えておいていただきたい。利用者、交通容量がどの程度になるかというのは見通しが難しくなっていて、一方的に増えていくという想定は必ずしも正しくないのではないか。こういう記載があります。
これはどういう御意見、指摘だったのか、この指摘に対する認識を最後に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/132
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133・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) 委員御指摘の点につきましては、第四回の検討委員会、これは昨年の十二月十日に開催されたものでございます。その中におきまして、委員の中からそういう御意見があったということであります。
この委員会における、検討会における御指摘につきましては、今後も各種経済社会情勢の変化によりまして航空に係る利用者が常に増加していくとは限らないのじゃないか、そういう観点からの御発言と受け止めておるところでございます。
ただ一方、私どもとしましては、需要予測等に基づいて将来予測を出した上で検討しておるところでありまして、この航空利用者が着実に増加する場合にも十分この脱炭素の取組を進めていく必要があると考えておりますので、各分野においてしっかりとした取組を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/133
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134・武田良介
○武田良介君 運賃が上がって利用者が減っていくというのは、具体的に、この中で。一方で、どの程度になるのか見通しが難しくなっていてと言っているんですね、なっていて。だから、運賃上がる以外にも、利用者が必ずしも増えるわけではないという要素が既にあるという意味をここでおっしゃっていると思うんです。新型コロナのこともあると思います。先ほどグレタさんの話もありました。別のモードを選ぶということもあるでしょう。そういうことも踏まえたら見通しが難しいんだということを言っている。
私、この指摘は非常に大事だと思うんですね。全体需要伸びていくということ考えているとおっしゃっていたけれども、やはりここの問題というのはしっかりこれから見ていかなければいけないということを思っております。
ちょっと時間が来ましたので、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/134
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135・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
本日は、航空法改正案における航空業界の脱炭素化に向けて、持続可能な航空燃料のSAFの導入、普及を促進するために、国内における廃食用油のリサイクルについて質問いたします。
まず、資料一を御覧ください。
現在、温暖化の影響で、気温の上昇に加え、海面水位の上昇、大雨や台風などの気候変動、農作物の不作など、私たちの生活や命に影響を及ぼしており、資料二が示すとおり、熱中症で亡くなられた方は、九〇年代は年間二百人程度だったのに対し、二〇一〇年代には平均千人にも達しています。
このような状況を受けて、世界的には、温室効果ガスを出さないために様々な取組がなされているところです。日本においては、脱炭素社会の実現に向けて、政府が二〇五〇年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言していますが、日本はエネルギー発電の約八割を化石燃料に頼っており、CO2の排出量は世界で五番目に多く、欧州などと比べて脱炭素化が遅れています。
資料三を御覧ください。
このような現状において、環境省は、持続可能な社会づくりを目指して、二〇一八年に第四次循環型社会形成推進基本計画を策定し、脱炭素化の取組の一つとして、回収された廃食用油等のバイオディーゼル燃料の生産を推進することを目標に掲げています。バイオ燃料の生産を進めることでCO2の排出量を削減することが期待されていますが、そのためには、今後、原料の一つである廃食用油を回収し、リサイクルできる仕組みづくりが最も重要だと考えます。
資料四を御覧ください。
令和三年度版の廃食用油のリサイクルの流れ図によると、飲食店などの事業用の廃食用油は年間四十万トンとなっていますが、そのうちの九〇%以上が回収されて、家畜の飼料や石けんなどにリサイクルされています。一方で、家庭内から出される廃食用油は年間十万トンとなっており、そのうちの約一〇%程度しか回収されておらず、残りの九〇%は、凝固剤で固めて可燃ごみとして出されるか、下水道に生活排水として流されてしまっています。
下水道に流された廃油は、資料五のように固まって、下水管の詰まりや悪臭の原因になっています。また、環境省によると、東京都内で河川や海に流される汚濁の七〇%以上が生活排水に起因していると言われており、特に下水に流された廃食用油は最も深刻な水質汚染を引き起こすとも言われております。ですから、家庭内の廃食用油の回収、再利用は、環境保全のためにも早急に取り組まなければならない課題だと考えます。
このような家庭内の廃食用油を再利用するための回収がどのように行われているのか調べてみたところ、民間事業者などでは、独自に廃食用油を回収したり、又は行政から委託されて回収からバイオディーゼル燃料の精製までを行っているというところがありました。また、障害者の就労支援施設などでは、廃食用油の回収から燃料の精製までを行っているところもあります。
各市区町村においては廃食用油のリサイクルについて様々な試みがされていますが、特に京都市では、地域のボランティアの人たちが回収した廃食用油を市の燃料化施設で一日五千リットルのバイオディーゼル燃料を精製しており、市バスなどの燃料として活用するなど、先駆的な取組がなされているところです。
このように、民間事業所や地域のボランティアの人たちが様々な方法で廃食用油のリサイクルに貢献されています。
その一方で、自治体がほかの資源ごみと一緒に廃食用油を定期的に回収する取組を行っているところもあります。例えば、廃食用油の回収率が八割を超える神奈川県の藤沢市では、一般廃棄物処理基本計画において資源品目の中に廃食用油を明記しており、資料六のように、瓶、缶、ペットボトルなどと同様に、週一回ごみ集積所に廃食用油を出してもらって回収されています。
廃食用油の回収率を上げるためには、民間事業所や地域のボランティアの取組だけに任せるのではなく、各市区町村が定める一般廃棄物処理基本計画の中で廃食用油の分別を位置付けるなど、行政が率先して取り組む必要があると考えます。しかし、廃食用油を回収している自治体は全自治体の約三分の一しかなく、これでは廃油由来のバイオ燃料の生産は進みませんし、脱炭素化社会に近づくことは難しいと考えます。
ですから、環境省は、脱炭素化社会に向けて、各市区町村における廃食用油の回収から燃料の精製までのプロセスを早急に構築するために、各自治体の取組を調査し、民間事業者や障害福祉団体、有識者を含めた検討会を立ち上げ、ガイドラインを作成していただきたいと思っていますが、環境省のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/135
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136・穂坂泰
○大臣政務官(穂坂泰君) 御質問ありがとうございます。
いただいた御質問のとおり、廃食用油を含め、生ごみなどの廃棄物系バイオマスの利活用を推進することは、気候変動対策に資することから、重要な取組だと考えております。
一般廃棄物の廃食用油について分別回収している自治体数は、御指摘のとおり、令和二年度の実績で五百四十九団体、全体の約三割となっています。回収された廃食用油からバイオディーゼル燃料化された量は、令和二年度で、実績で四千三百八十トンとなっております。
今後、廃食用油や地域の廃棄物系バイオマスについて、それらの利活用に関する市町村等の取組や課題を今年度早急に調査して、関係者との意見交換や持続可能な航空燃料の導入促進に向けた官民協議会での議論を踏まえ、横展開できる優良事例等を基にしてガイドラインとして取りまとめるなど、それらの利活用方策について検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/136
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137・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。
早急にガイドラインを作っていただくようにお願いいたします。
次に、今回の航空法の改正案では、航空業界の脱炭素化に向けて、CO2の排出量を大幅に削減できる持続可能な航空燃料、SAFの導入促進が盛り込まれています。特に、廃食用油を再利用して作るSAFは最も実用化が期待されている航空燃料の一つです。
資料七を御覧ください。
日本では、全日空がフィンランドのネステ社から廃油由来のSAFを輸入して定期便を運航しており、おととしは五千五百トンの供給を受けています。
また、資料八を御覧ください。
伊藤忠商事も、今年ネステ社と独占販売契約を結び、今年春から国内外の航空会社に供給を始め、最大一万トン規模のSAFを輸入し商用展開すると発表しています。
しかし、日本では、先ほどもお話ししたとおり、回収されていない家庭内の廃食用油が年間九十万トンもあります、九万トンもあります、失礼しました。ですから、SAFの輸入だけに頼らずに、国内の廃食用油を回収して有効活用することが急務だと思います。
そこで質問いたしますが、国交省が中心になって行っている持続可能な航空燃料の導入促進に向けた官民協議会において、家庭内の廃食用油もSAFの重要な燃料の一つとして取り入れることを協議していただき、今後、国交省として、航空業界のSAFの導入、普及の促進に向けて、環境省を始め各関係省庁と連携しながら廃食由来のSAFの活用を促進していただきたいと思っておりますが、国交省のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/137
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138・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 四月にお話がございましたように、SAFの導入の加速化を図るため官民協議会を立ち上げたところでございます。供給側、需要側及び政府一体の枠組みとして。そして、この協議会には、原料確保の重要性を踏まえて農林水産省や環境省も参加していただいております。
このSAFの原料には様々なものがありますが、廃食油由来のSAFの開発、製造が先行している現状もあり、今後の量産化に向けては、家庭から排出されるものの回収を含め、廃食油の確保は非常に重要な課題と認識しております。
家庭で使った、フライを揚げた後の油や天ぷらを揚げた後の廃食油が飛行機の燃料になるというのは、子供から見ても大変夢のある話だと思います。そういう意味では、国民運動として、そういう料理を作った後、廃食油は飛行機燃料にしようというような国民運動、こういう国民運動にしていくのは環境省さん大変得意なところがありますので、そういう環境省ともよく連携を取りながら、この官民協議会の場において廃食油を含むSAFの原料確保についてしっかりと議論を進め、関係省庁とともに取り組み、前進をさせてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/138
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139・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。
廃食用油をごみにしないで利活用し、脱炭素化を進めるためにも、早急に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/139
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140・増子輝彦
○増子輝彦君 無所属の増子輝彦です。
大臣、もう少しですから、よろしくお願いしたいと思います。
今回の航空法等の一部を改正する法律案、まさにカーボンニュートラルの目標を設定して、二〇五〇年には何としても実現したいと、そういう意欲的な、野心的なものが出たということは私も大変うれしく思っています。そういう中で、航空分野における脱炭素化の推進というのは極めて重要だと思っておりますので、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、ちょっと細かいところに入っていきますけれども、航空脱炭素化推進基本方針を定めようとするときに、環境大臣、経済産業大臣その他の関係行政機関の長に協議しなければならないとしております。その他の関係行政機関の長、どういう方を想定しているのか、お答えをいただきたいと思いますし、その目的はなぜなのかということを是非お答えいただきたいと思います。政府委員で結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/140
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141・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えをいたします。
航空脱炭素化推進基本方針につきましては、政府が実施すべき施策を記載することとしており、各府省の施策と整合したものとするためには、所掌事務と記載事項が関係し得る関係行政機関の長に協議しなければならないとしておるところでございます。
いかなる者が関係行政機関の長に当たるかは、具体的な記載事項に応じて決まってくると考えておりますが、環境大臣、経産大臣のほか、例えば共用空港に関する事項の観点からは防衛大臣などが想定されると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/141
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142・増子輝彦
○増子輝彦君 今の局長の答弁の中にあるとおり、共用航空ということは、自衛隊が民間空港を使用するあるいは在日米軍の飛行場も一部これを使用するという中でこの防衛大臣が入ってくると思います。
お答えは結構なんですが、そうすると、いわゆるこの共用空港以外の在日米軍の飛行場はほかにもたくさんありますね。そうすると、航空分野全体ということになると、このいわゆる在日米軍の飛行場等については、空港については、どのような形で今後やっていくかということは極めてデリケートな部分もありますので、これ全体的に見れば、ここのところにも何らかの形で私は関与していかないと、このカーボンニュートラル実現、ましてや、これは実現するのは極めて高いハードルがあると思いますが、是非この部分についても、これから先の問題として是非在日米軍のいわゆる空港関係についても頭のど真ん中に入れていただいて、今後とも協議をするということも含めて検討していっていただきたいということを要望していただきたいと思っています。
この問題やると、ちょっと本当にデリケートなこともありますので、これ以上は踏み込みませんので、よろしくお願いをしたいと思います。
次に、地域を構成する一部分である空港の脱炭素化については、地域全体の脱炭素化との方向性にそごを生じない必要が当然あるわけでありますから、空港脱炭素化推進計画は地球温暖化対策に関する法律に想定されている地方公共団体実行計画に適合したものでなければならないということになっているわけです。
しからば、地方公共団体と具体的にどのような形の中でこの協議、調整を行って脱炭素社会に向かっていくのか、見解を伺いたいと思います。局長で結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/142
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143・久保田雅晴
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えをいたします。
地域の一員である空港のこの脱炭素化につきましては、地域全体の脱炭素化と同じ方向を進めていく必要があると考えていることから、委員御指摘のように、そのマスタープランであります地方公共団体実行計画との適合規定を設けておるところでございます。
本法案におきましては、空港脱炭素化推進計画を作成しようとする空港管理者は、空港脱炭素化推進協議会を組織し、関係地方公共団体をその構成員とすることができることとしておるところでございます。こういった規定に基づきまして、関係地方公共団体に協議会の構成員として参画していただくことなどによりまして具体的な協議、調整を行っていく、そういったことを想定しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/143
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144・増子輝彦
○増子輝彦君 ありがとうございます。
当然そういう形になれば、次の質問ですが、国土交通大臣以外が設置管理者となっている空港、まさにそれぞれの地方公共団体の中にあるわけですから、このいわゆる国交大臣以外の当該空港管理者は、空港脱炭素化推進計画を作成し、国土交通大臣の認定を申請することができるとしているわけであります。
国内の全ての空港を想定しているのか、これは任意なのか義務化なのか、また、航空分野における脱炭素化の推進の必要性から見れば、私は個人的には、将来的にも全空港が当然その対象になるんではないかというふうに思っているわけですが、様々な事情があるかもしれませんが、この問題について国交大臣として全ての国内の空港を想定しているのかどうか、これについての御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/144
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145・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 結論から申し上げますと、全ての空港を計画作成の対象としております。
国内外における脱炭素化への関心の高まりを受け、既に一部の空港においては自主的な脱炭素化の取組を進める動きが活発化しております。このような動きがある中で、本法案は、国管理空港や会社管理空港、地方管理空港、共用空港など、全ての空港を計画作成の対象としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/145
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146・増子輝彦
○増子輝彦君 ありがとうございます。
ただ、時間軸としては、やはり空港によってはそう簡単にできるようなところもないような気がしております。例えば離島の空港とか、あるいは規模の小さいところとか、それぞれの自治体の中でどのような形でこれらについて対応していくかということは、ある意味では国交省の指導が極めて大事だと思っていますので、関係大臣とも協議をしながら是非このことについてもしっかりと進めて、まさに航空分野における脱炭素化の推進の大きな柱ですから、このことについてはしっかり対応していただきたいというふうにこれも御要望させていただきたいと思っています。
次に、先ほど来各委員からもたくさんの質問が出ておりますが、持続可能な国産のSAFの開発及び製造等の導入は、航空の、この脱炭素化の推進には極めて重要であります。同時に、目標値を実現することはこれまた極めて難しいというのが現状であることは、先ほど来のこのやり取りの中でも明らかになっているわけであります。
しかしながら、日本はもとより、国際的にもこれをしっかりと努力をして実現するということが極めて大事だと思っています。
今から十二、三年前でしたか、ユーグレナの出雲社長がちょうど起業して、これを是非将来的には航空燃料にもしたいと、健康的なものにも使いたいということで、まさに今のスタートアップ事業のはしり、まあその当時はベンチャー企業と言われましたが、出雲社長が学生でありながらしっかりとこのことに問題意識を持っていたということ、これらの、ユーグレナの出雲社長始め様々な種類のこのSAFがあるわけですから、これらをどういう形で実現していくかということは、高いハードルがあっても、あるいは様々な困難なことがあっても、これをしっかりと、これから国内産も含めて、世界的にもこの実現をしていかなければならないことは言うまでもありません。
特に、本邦エアラインによる燃料使用量の一〇%をSAFに置き換えるという目標があるわけでありますけれども、これらの目標について具体的にどのような形の中で進めていくのか、先ほど来大臣の答弁も幾つかありましたが、改めてそのことについてお聞きをしながら、決意のほどを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/146
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147・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 二〇三〇年時点、本邦航空会社による燃料使用量の一〇%をSAFに置き換えると、この非常にチャレンジングな目標を掲げております。この目標達成のためには、国産SAFの供給体制をしっかりと確保することが重要です。このため、現在、国産SAF開発に対してはグリーンイノベーション基金等を活用し、研究開発、社会実装を進めております。
その上で、今後更にSAFの導入を加速させるため、資源エネルギー庁と共同で四月に官民協議会を立ち上げ、技術的、経済的な課題やその解決策を協議しているところです。この協議会には、航空会社や石油会社、さらには原料確保の重要性を踏まえ、関係省庁として農林水産省と環境省に参加をいただいております。
先ほども質問ありましたように、ある意味で国民運動的なものにしていかなくてはならない、そういう側面もあると思います。
国土交通省としては、現在策定に向けた検討が進められているクリーンエネルギー戦略の動きとも連携を図りつつ、官民協議会等の場でしっかりと議論を進め、関係省庁とともに全力で取り組んでいく所存です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/147
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148・増子輝彦
○増子輝彦君 ありがとうございます。
先ほど来話が出ているとおり、斉藤大臣は環境大臣も経験されておりますから、しっかりと横連携を図りながらこれらの実現のために頑張っていただきたいと思っています。
さて、この法案のもう一つの目的は、新型コロナ感染症の影響を踏まえた航空会社への支援ということもあるわけであります。御案内のとおり、本当に新型コロナによりインバウンドはほぼゼロに近い形の中でここ二年ほど進んでいるわけでありますし、なかなかこの航空会社始め、前回も質問させていただきましたけれども、国内の旅行業者も大変厳しい環境にあるということはもう御案内のとおりであります。
そういう中で、六月一日、昨日から入国者の上限が緩和され二万人となったこと、大変良かったと思っていますが、しかし、まだ予断は許しません。と同時に、十日から観光客受入れを再開をするという方向性が出されて、旅行会社向けのガイドラインを岸田総理は七日に公表するというふうに表明をしているわけであります。
これらの措置に先立ち、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、五月二十七日から訪日実証ツアー、試験的団体旅行が行われました。しかし、残念ながら、大分県を訪れていたタイ人一人が新型コロナに感染をしてしまったということにより、このいわゆる実証ツアーが中止になったということ、誠に残念なことでありました。
このことが今後どのように十日からの受入れに影響が出てくるのか。あるいは、ガイドラインにどのような形の中に反映されてくるのか。これから、そのガイドラインもほぼ決まっていると思いますが、十分コロナ感染のこの体制に万全を期して、インバウンドを少しでも多く呼び込むことによって、航空会社の最大はやっぱりお客さんを乗せること、人を乗せることですから、こういう体制を取っていかなければいけないんだろうというふうに思っています。
これまで資金のいわゆる手当てや様々な対応もしていただきましたけれども、最終的にはやっぱり人を運ばなければ、人、お客様に乗っていただかなければ、これは鉄道もそうですし、飛行機も全くそのとおりでありますから、これらの対応について、七日に発表されるガイドラインのことを含めて、今後、先行きを含めてどのような形の中で、今回の大分のこの実証が中止になったということを検証しながらしっかりと対応していくことが必要だと思っていますので、それらに対する具体的な内容と、この検証をどのような形でして反映させるのかということをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/148
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149・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 観光庁では、外国人観光客の受入れ対応に関して、現在実施中の訪日観光実証事業を踏まえたガイドラインを策定することとしております。
先月三十日、この実証事業の参加者一名が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたところです。この事例での対処も含め、例えば外国語対応可能な医療機関等に関する情報の事前把握、それから感染者が発生した場合の添乗員や旅行代理店等が取るべき初動等について、ガイドラインにどのように反映するか検討を進めております。
今回の大分の件も確かに残念なことではございましたが、これを参考にしてこのガイドラインを作成する材料にしたいと思っております。その上で、六月七日にガイドラインを公表し、まずは旅行代理店等を受入れ責任者とする添乗員付きのパッケージツアーについて六月十日より受入れを開始する予定です。
国土交通省としては、感染拡大の防止と社会経済活動のバランスを取りながら、地域活性化にとって大きな意義のある外国人観光客の受入れ再開にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/149
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150・増子輝彦
○増子輝彦君 ありがとうございました。
大臣、しっかり対応してください。
ありがとうございます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/150
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151・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
航空法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/151
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152・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、長浜君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/152
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153・長浜博行
○長浜博行君 私は、ただいま可決されました航空法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会及びれいわ新選組の各派並びに各派に属しない議員増子輝彦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
航空法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一 航空の脱炭素化の推進には、バイオジェット燃料を含む持続可能な航空燃料であるSAFの供給の拡大が不可欠であることから、国産SAFの開発及び製造等の導入の促進に関する事項について航空脱炭素化推進基本方針に盛り込むこと。また、国産SAFの安定した供給を目指し、開発、製造及び流通を行う事業に対する、国による財政面を含めた支援について早急に検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずること。なお、国産SAFの開発及び製造が軌道に乗るまでの当面の間は、輸入SAFの安定的な調達、価格低減を図るための環境整備を図ること。
二 空港脱炭素化推進計画が早期に策定されるよう、国が管理する空港については速やかに計画策定を進めるとともに、それ以外の空港についても、計画策定の進捗状況を把握した上で、必要な指導・助言等に努めること。
三 航空会社及び空港会社等に対する支援については、新型コロナウイルス感染症による甚大な影響が長期化しており、航空会社の財務の健全化には時間を要することに加え、原油価格の高騰等による影響も踏まえ、安全かつ安定的な航空ネットワークが維持されるよう、中期的な視点で着実に実施すること。
四 航空需要の活性化を図るため、国内はもとより、水際対策の更なる緩和や外国人観光客の本格的な受入れなど、必要な措置を講ずること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/153
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154・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいま長浜君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/154
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155・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 全会一致と認めます。よって、長浜君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、斉藤国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/155
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156・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 航空法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/156
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157・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/157
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158・斎藤嘉隆
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814319X01620220602/158
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