1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十一日(水曜日)
午後一時五十八分開会
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委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
大野 泰正君 比嘉奈津美君
自見はなこ君 本田 顕子君
藤木 眞也君 清水 真人君
五月十一日
辞任 補欠選任
森屋 宏君 こやり隆史君
塩村あやか君 宮口 治子君
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出席者は左のとおり。
委員長 佐々木さやか君
理 事
足立 敏之君
そのだ修光君
野田 国義君
塩田 博昭君
委 員
こやり隆史君
酒井 庸行君
清水 真人君
滝沢 求君
野村 哲郎君
比嘉奈津美君
本田 顕子君
森屋 宏君
小沼 巧君
熊谷 裕人君
塩村あやか君
宮口 治子君
竹谷とし子君
小林 正夫君
室井 邦彦君
武田 良介君
嘉田由紀子君
衆議院議員
災害対策特別委
員長 小里 泰弘君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(防災)
) 二之湯 智君
副大臣
文部科学副大臣 池田 佳隆君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 加藤 鮎子君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
内閣府政策統括
官 榊 真一君
消防庁審議官 齋藤 秀生君
消防庁国民保護
・防災部長 荻澤 滋君
経済産業省大臣
官房審議官 福永 哲郎君
経済産業省大臣
官房審議官 苗村 公嗣君
国土交通省大臣
官房審議官 塩見 英之君
国土交通省水管
理・国土保全局
長 井上 智夫君
国土交通省道路
局長 村山 一弥君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
(災害時の学校飼育動物への対応に関する件)
(防災の啓発活動に関する件)
(二酸化炭素消火設備による事故防止対策に関
する件)
(大規模災害に対応した体制に関する件)
(信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに関す
る件)
(球磨川水系河川整備計画の策定に関する件)
○日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震
防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改
正する法律案(衆議院提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/0
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001・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、自見はなこさん、大野泰正さん及び藤木眞也さんが委員を辞任され、その補欠として本田顕子さん、比嘉奈津美さん及び清水真人さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/1
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002・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官榊真一さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/2
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003・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/3
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004・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/4
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005・塩村あやか
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。今日は、大臣、副大臣、よろしくお願いを申し上げます。
今日は、学校飼育動物について質問したいというふうに思っております。
災害のとき、例えば東日本大震災とか、例えば那珂川が氾濫したこともありましたと、で、西日本の豪雨災害、その後は台風とか、様々なことが発生してまいります。私、毎年この災害対策特別委員会で学校動物の件、取り上げさせていただいているんですが、とにかく私の知る限りだけでもかなりの学校飼育動物たちが犠牲になっているということが分かっております。
文科省は、学校指導要領で、学校で動物を飼うように指示しています。これは飼いなさいということなんですね。災害時に多くの動物が犠牲になったことから、対応を何とかしてくれということでお願いをしていた結果、二〇一九年十一月十八日の全国教育委員会で、学校の先生が輪番で見ます又は学校の近くの生徒が輪番で見るという要請をしてくださったそうです。
これはこれで有り難いなと思ったんですが、果たしてこれは実効的なのかどうか、また、二次災害を生んだりしないのか、この辺りは検討されてこの要請をしたのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/5
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006・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 塩村議員にお答えをさせていただきたいと思います。
現在、各学校において動物を飼育するに当たりましては、生命の尊さが実感できるような適切な環境で飼育するとともに、日頃から災害時等の対応について、教職員、獣医師、PTA、地域ボランティア等を含めて、関係者との連携の在り方やその対応について十分に検討しておくことが必要であると考えているところでございます。
そのような観点から、令和元年十一月に開催いたしました教育委員会向けの会議、文部科学省主催の会議においては、動物の飼育に当たり、管理や繁殖、環境等について配慮する必要があって、その際は専門的知識を持つ地域の専門家や獣医師等と連携する必要があること、そしてまた、休日の世話等も組織的に行い、児童や教師、保護者、地域の専門家等による連携した取組が重要であることなどについて、各都道府県、政令市教育委員会の担当者に対して周知をしております。
さらに、その上で、動物愛護管理法に基づく環境省の家庭動物等の飼養及び保管に関する基準において、管理者は、地震、火災等の非常災害に際しても、動物の飼養及び保管が適切に行われるよう配慮することとされていることについても徹底をしてきているところでございます。
こうした事項については、その後も同様の会議等を通じて重ねて周知を図ってきたところでございますが、今後とも、好事例の共有に努めるなど、災害時の対応を含め、各学校において適切な動物飼育が行われるよう周知に努めてまいろうと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/6
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007・塩村あやか
○塩村あやか君 御答弁ありがとうございます。
私の聞いたことにはストレートにお答えいただいていないなというふうに思っています。二次災害を生んだりしたらまずいのではないかというふうに私は思っておりますし、長期のときには学校の先生に面倒見てくださいということで、学校の先生の負担にもやっぱりなってくるんだろうなというふうに思っています。
いずれにしましても、突発的に発生をする災害が起こったときには、学校の先生であれ地域の方であれ獣医師の方であれ、対応するのは難しいというふうに思っておりますし、日本では災害がどんどんと増えておりますので、この辺りの対応はしっかりと考えていただきたいというふうに思っています。
そもそも、昨今は、動物は一生の責任が持てないなら飼わない、医療費が捻出できないなら絶対に飼育しない、かわいがるだけは動物虐待、すみかの温度や静かな環境、適切な給餌をそろえて初めて動物を飼育する資格が生まれるということは、動物愛護と福祉においては常識のものとなっております。
文科省の資料によれば、管理や繁殖、施設や環境についての配慮という資料あるんですが、休日や長期休暇の世話は、児童や教師、保護者や地域の専門家などによる連携をして、あっ、地域と専門家などでできるようにして、連携して取り組めと。望ましい動物飼育の在り方は本当にこれでいいのかという疑問があります。そして、保護者や地域住民に説明ができるようにするとか、地域住民とかボランティアと連携を密にして、土曜、日曜、祝日、長期休業、災害時などについて必要な協力を求めるということが書かれているんですね。
これ、全てにおいて、災害時も含めて、人任せをお勧めしているというふうに、命に関してです、思えてなりません。地域での協力を学ぶという機会にはなるかもしれませんが、動物を飼育をすることは子供が正しく学ぶということにはならないのではないかというふうに思っています。こうしたことを、やっぱり命を扱うという点で考えると、やらないでいただきたいというふうに思うんですね。
資料の一を御覧ください。
広島県獣医師会が二〇一三年に取ったデータです。これ、去年も使わせていただきました。災害発生時に対応している学校はたったの七・八%、八一%はしていないと回答しています。しかも、その資料に書いてあるとおり、対応していたとしてもです、多くが職員対応とのことで、多忙な教師の負担になっているということは明らかです。
国は、災害発生時の学校飼育動物の対応の状況調査、過去の学校飼育動物の犠牲の調査、これ行っているのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/7
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008・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 塩村議員にお答えをしたいと思います。
学校での動物飼育につきましては、飼育活動を行う意義を踏まえまして、各学校の実態等に応じて行われているところでございます。
災害時における学校飼育動物の対応状況や犠牲となった動物の数などについて文部科学省としては調査は行っておりませんが、災害時の対応といたしまして、飼育小屋に風よけや雨よけを設置したり、飼育担当の教師が安全な場所に保護したり、又は学校の近隣住民によるボランティアに預かってもらったり、そしてまた希望する児童の家庭で保護したり、そういった事例を伺っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/8
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009・塩村あやか
○塩村あやか君 つまり、学校では先生に飼育をちゃんとしろとお願いをして、地域住民とかボランティアの方にも助けてくださいというような状況になっているにもかかわらず、被害に遭った動物の数とかも調査をしていないということです。
命の大切さを学ぶのであれば、こうしたことはしっかりと調査をして、どのように対応していくのか、これが非常に重要であるというふうに思っています。
今日は二之湯大臣にも来ていただいております。今のお話を聞いてみて大臣にお伺いしたいんですが、やっぱり災害と、そして子供たちが命を守ると、あっ、学ぶと、そしてペットとか動物の命を守るという観点からいけば、少なくともこれまで一回も調査をしたことがないということが適切なのかどうか。調査は私、した方がいいんじゃないかなというふうに思うんですが、大臣のお考えをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/9
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010・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 学校で飼育されている動物につきましては、国の基準において、管理者は、地震、火災等の非常災害時に際しても、動物の飼養及び保管が適切に行われるよう配慮することとされていることを踏まえ、学校の管理者において適切に把握されるべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/10
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011・塩村あやか
○塩村あやか君 適切に何を把握するべきだと考えているのか、ちょっと改めて教えていただいてもよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/11
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012・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 適切に飼育管理されているかということをきちんと把握しておくべきだということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/12
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013・塩村あやか
○塩村あやか君 ありがとうございます。
そこは私も同じなんですよね。だからこそ、やっぱり、災害が起こったときに命がどのような状況において失われていったのか、それを防ぐ観点でもやっぱり把握をしていかなきゃいけないというところは共通認識でいいのか、大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/13
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014・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 委員御指摘のとおりだと、私もそのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/14
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015・塩村あやか
○塩村あやか君 ありがとうございます。今の御答弁、本当に多くの方がほっとしたというふうに思います。
大臣の御答弁踏まえまして、是非、文科省と協力をして、今後、命を守るために調査をどのようにやっていくのかとか、その辺りもしっかり連携をして取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に移りたいというふうに思っております。
令和二年に発表された科研費で行われた学校飼育動物の調査なんですが、長期休暇中の学校飼育のお世話は、二〇〇四年では児童の当番制が一位でしたが、二〇一七年から一八年の調査では教職員の当番制、これが一位になっています。学校で動物を飼うことの強要は、そもそも教師への負担を増やすことになっているのではないでしょうか。
資料の三、御覧ください。
二〇一九年から、教職員の働き方改革として、夏休み中などの閉庁日を設定している教育委員会は九九%もあるんですね。そこに書いてあるように、そんな中でも職員がお世話に出勤をするということになっているんです。これ、先生たちは大変だと思います。
今後、私、調査していただきたいというふうに今申し上げたんですが、そうした調査の結果が出るまでは、学校飼育動物の強制飼養、もう絶対に飼えということに今なっていますから、これは中止すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/15
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016・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 塩村議員にお答えをしたいと思います。
動物飼育に伴う教職員の負担把握のための調査は、文部科学省としては行ってはおりません。どのような動物を飼育するかについては各学校の判断に委ねられております。
学校における働き方改革が求められる昨今、既に文科省発行の教師用手引等で、地域との協力を得るなどして教職員の負担軽減に取り組むよう周知しているところでございます。また、飼育する際には、教職員の負担が大きくならないよう配慮して、適切に管理できる動物を選択することも重要であると考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/16
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017・塩村あやか
○塩村あやか君 何かちょっと聞いていて、ちょっと不安にいろいろとまたなってまいりました。
資料の四の真ん中、御覧ください。
教職員の業務の過多は深刻でございます。学校飼育動物によるこれ以上の負担は現実的ではないというふうに思っています。
私の手元にこれ資料があるんですが、山梨総合研究所というところが学校現場における動物飼育についてのアンケート調査を取っている自由記述の中に、学校の先生からの回答なんですが、何でも小学校教育の中に組み込めばいい、そういう考えが小学校教育を多忙化にして、教育の内容をどんどんと増やしていると、やればそれなりの成果、効果は出るということは分かるが、なかなかどれもこれもというわけには、現実的には無理、動物を飼育したい家庭は飼育している現状で、小学校でも飼育をするということの意味は本当にあるのかと思います、誠に個人的な意見ですが、今の状況では、どこの学校を見ても、動物を愛するというよりも動物を虐待しているかのような印象です、学校では動物は飼わない方がよいと考えていますと、このように動物を気に掛けている先生からの書き込みがございます。私、これ真っ当な意見だと思うんですね。
一番多いのはウサギが飼われておりますが、ウサギは寒さ、暑さに弱い、これはもう有名な話です。そして、大きな音にも弱いです。これ、学校はやっぱり大きな音出ますよね、運動会も含めていろいろ。暑い、寒いということもあろうと思います。そして、捕食されてしまう動物なので、慣れた相手じゃないと、食べられるという恐怖を覚えて、もうどんどんとストレスを抱えてしまうということで、本当に飼いやすいと言われているウサギでもこのような状況なんです。
同じく資料四の一番下なんですが、これは情報公開請求で明らかになったことですが、ある自治体では、過去五年間で三百匹ものウサギが公立幼稚園や小学校から引き取られ、処理されていました。
資料五の記事はそれを証拠付けるものだと思いますが、子ウサギが生まれたのに放置されて死んでしまったと、子供が大変にショックを受けている、増えては死んで、また増えてという相談に、NPO法人が、飼育担当の先生に負担が集中して、予算が限られ病院に連れていけないという学校側の事情もあると、これは同情を示しているんですね。
文科省では、学校の治療費や先生たちの負担をどのように考えて今後対応していくのか、特に予算の部分、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/17
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018・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 今、塩村議員から予算についてのお話がありましたので、お答えさせていただきたいと思います。
学校で動物を飼育する際には、疾病時に掛かる治療費を含めて検討した上で、各学校が適切に飼育することができる動物を選択することが重要であると考えております。どのような動物を飼育するかは各学校の判断に委ねられておりまして、文部科学省といたしましては、治療費を負担することは当然ながら考えてはおりません。自治体の工夫として、地域の獣医師会や動物病院と連携体制を整えた上で、治療費についても自治体が負担している事例も伺っているところでございます。
文部科学省といたしましては、引き続き、会議等の機会を通じまして好事例の共有に努めるなど、各学校において適切に動物飼育が行われるよう周知に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/18
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019・塩村あやか
○塩村あやか君 恐らく非常に難しいなというふうに今思いました。その方針だと適切に飼えないところがやっぱり出てくるわけですよね。予算を確保できないとかですよ、もうそこだけでつまずいているんだけれども、文科省は飼えと言っているわけです。それのような状況で飼っていますから、やっぱり動物が疾病時とか、そういったときにお金がないとか、誰かの負担になってしまうとか、予算を確保している自治体もあると言いましたが、そういう自治体ばっかりではないですよね。
とどのつまり、適切に、適正に飼養しなくてはいけないと今おっしゃいましたと。ということはですよ、やっぱり災害時も含めて適切な対応が取れない又はその予算が確保できないという学校は動物を飼うということは文科省から強制されるということはない、この認識でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/19
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020・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 今の塩村議員の御質問にストレートにお答えになるかどうか分かりませんけれども、文部科学省としてのこの飼育、動物飼育に対する見解を若干述べさせていただきたいと思います。
学習指導要領では、小学校一、二年生の生活科においてのみ動物を飼う活動を行うこととしております。その活動を通して、児童が生き物への親しみを持って、大切にできるようにすることを目指しているところであります。その上で、どのような動物を飼育するかについては各学校の判断に委ねられておりまして、飼育する際には、教職員や保護者、児童の負担が大きくならないようにするなど、適切に管理できる動物を選択することが重要であると考えているところでございます。
また、児童を取り巻く環境の変化により、日常生活の中で動物と触れ合う機会は乏しくなってきております。昨今、架空の生物を育てるシミュレーションゲームが流行するといった状況もありますが、それはバーチャルな疑似的体験で、容易にリセットできてしまいます。デジタル化が進展する昨今の時代であるからこそ実体験からの学びも大変重要でありまして、生き物に親しみを持って、生命の尊さを実感するために、学校において直接、継続的に動物飼育を行うことには大きな意義があると考えているところでございます。
文部科学省といたしましては、引き続き、学校において適切な動物飼育が行われるよう、会議等の機会を通じまして周知に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/20
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021・塩村あやか
○塩村あやか君 それだから飼えないわけですよね、適切に。適切に飼えるようにするというのであれば、しっかり予算を付けてあげなきゃいけないわけです。それができないのであれば、無理して飼えば命が失われてしまうことにもなりますし、虐待環境を認めてしまうということになるんです。この認識を強く文科省には持っていただきたいというふうに思いますし、今日は災害対策特別委員会ですから、災害時にどれだけの動物たちがこれまで犠牲になってきたのか、それ隠してもきていますよね、これまで。子供たちに知られたらまずいとか、そういう判断を自治体がしているわけです。
そうしたことにならないように、時間が来たので終わりますが、命を大切にするということを文科省はしっかり教えていただきたいですし、無理をして飼って殺すというようなこと、虐待をするというようなことにならないように改めて考え直していただきたいと申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/21
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022・熊谷裕人
○熊谷裕人君 立憲・社民の熊谷裕人でございます。
本日は、三問、大きく分けて御質問させていただきたいと思います。
まず最初に、防災に関する啓発についてのお伺いです。
私はいつも、防災の基本はまずけがをしない、命を守るというところに重点を置いて防災を考えなければいけないんではないのかなというふうに思っておりまして、まず家庭の中で、家庭にいるときに地震が起きたらどうやってけがをしないようにするのか、命を落とさないようにするのかということを日常の生活の中で常に考えていかなければいけないんではないのかなというふうに思っておりまして、以前のこの委員会でも家具の転倒防止というようなことで幾つか御質問をさせていただいておりますが、自宅、持家の自宅の中での家具の転倒防止に自治体などはどのような取組をしているのかというのと、以前、賃貸物件がなかなか家具の転倒防止用に壁に穴を空けられないと、原状復帰という項目があってなかなかできないので、そこを何とかしてほしいという御質問をさせていただいたんですが、その家具の転倒防止等については、御自宅だったり賃貸物件だったりというところで、どのような取組が進展をされているのか、状況についてお教えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/22
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023・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
阪神・淡路大震災では、多くの方が倒れてきた家具の下敷きになってお亡くなりになったり、けがをされたりしました。大地震が発生したときには家具は必ず倒れるものと、そう考えて対策を講じておく必要がございます。
このため、内閣府では、家具の固定や配置の仕方についてパンフレットによる周知等を行っておりますほか、毎年九月一日前後の防災週間の際に、総理大臣から自治体等に対して家具の転倒防止対策を呼びかけております。
また、昨年三月の予算委員会において、委員から、賃貸住宅における家具の転倒防止対策について御指摘をいただきました。委員の御指摘を踏まえ、昨年三月、賃貸住宅における家具の転倒防止措置について、壁に穴を空けなくても実施することが可能な家具の転倒防止措置の例や、自治体の公営住宅等において家具の転倒防止措置に係る原状回復義務の免除を行っている事例を御紹介するとともに、自治体においても周知していただきますよう、国土交通省とも連携し、事務連絡を発出したところでございます。
内閣府といたしましては、引き続き、自治体などと連携し、防災意識の醸成に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/23
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024・熊谷裕人
○熊谷裕人君 是非、家具が倒れないようにするのには壁に穴を空けなくてもいいという事例を広報していただいたのは有り難いんですが、やはりそれができないところもありますので、是非、壁に穴を空けるというような取組ができるように、これからも是非研究していただければと思います。
委員長、資料の提示をお許しいただければ。私、埼玉県のイツモ防災という活動のインストラクターをやっておりまして、これ埼玉県の防災マニュアルブックなんですが、ここも命を守るということを掲げておりまして、家具の固定ということをまず最初にお知らせをしているんですね。家具の固定と伝言電話サービス、それから三日以上の水、食料の備蓄ということが命を守る三つの大きな取組なんですということを、マニュアルブックを作って、本当はもっと小さいんですけれど、今日皆さんにお配りできればよかったんですが、用意ができなかったので掲げるだけなんですが、こういったことで、イツモ防災ということで、日常の生活、災害時が特別ではなくて、いつもふだんどおりの中で生活している中で、いつも、もしもがいつもということになるように常に取り組むことが大切ですという活動を、イツモ防災というところのインストラクターやりながら、私もいろんな方に広報をさせていただいておりました。今はちょっと活動はしておりませんが、以前はそういう活動をずっとさせていただきました。
御自宅での備え、そして今度新しいものも作らせていただいて、通勤通学時に地震が起きたらどうするんだというようなことも新しいこのハンドブックを作って啓発を始めているんですけれど、通勤通学、外出時はどのように命を守る行動を取るべきか、けがをしないようにするべきかという広報は政府としてはどのような取組をしているか、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/24
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025・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
緊急地震速報を見聞きした場合や地震の揺れを感じた場合に取るべき行動は、そのときにその人がいる場所によってそれぞれ違ってきます。災害による被害を軽減するためには、国民一人一人がその時々の状況に応じた適切な行動を取っていただくことが重要です。
このため、内閣府では、生活パターンの中の幾つかの場面を想定し、いざというときに適切な行動を取っていただくことができるよう、パンフレットを作成し、周知に努めております。具体的には、人の大勢いる場所、あるいはエレベーターの中、屋外、自動車の運転中や、電車の、バスの車内にいるとき、こういった状況によって異なる身の安全の守り方について周知を図っているところでございます。
また、様々な場面で直面する災害を具体的にイメージしていただくために、被災者や災害経験者にお集まりいただき、もし災害の一日前に戻ることができたらあなたは何をしますかということをテーマに、被災直後の行動、体験を通じて、うまくいったと思うこと、失敗したと思うこと、もう一度災害が発生したならば次はどのように行動したいのか、そのために日頃から何を準備しておけばよかったのかといった本音のお話を聞かせていただき、事例として取りまとめた一日前プロジェクトエピソード集を作成しております。収集した事例の中には移動中や外出時に災害に遭った経験も含まれており、身につまされるエピソードとして、教訓を分かりやすい形で取りまとめております。
こうしたパンフレットやエピソード集などを活用しながら、引き続き国民一人一人の防災意識の醸成に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/25
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026・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。その辺もしっかりと広報していただければ有り難いなというふうに思います。
また、通勤通学を終えて、例えばこの委員会室にいるときに地震が起きたらどうするんだと、オフィスにいるときにどうするんだと、議員会館にいるときにどういう行動を取ったらいいんだ、どういう備えをしたらいいんだというところも同じように広報をしていただければなというふうに思います。
というのは、どの委員の皆さんの部屋にもコピー機があると思います。あのコピー機、相当な揺れが来ますと、何というんですかね、弾丸のように飛ぶというかですね、動くというところじゃなくて、もう飛んでいくというような状況になります。そうすると、まずけがをする可能性が高いし、挟まれて動けなくなる可能性もありますし、この委員会室でいえばこの絵が落ちてくるかもしれませんし、というようなことがあります。より実践的というか、その場に即した対応を是非できるような備えを日頃から広報していただければなというふうに思っております。
この参議院においても、災害対策というか、地震が起きたときにどうするのかというのは、この特別委員会でも、国会の場にいたときに我々はどうするんだというのも一度しっかりとやらなければいけないのかなというふうに思っておりますので、また提起をしてまいりたいと思います。
それでは、次の問題に、公共施設の耐震化について、耐震改修促進法がありました。
阪神・淡路大震災を経て制定をされた法律なんですが、私も参議院に来る前に地方議員をやっておりました。公共施設の耐震化、一生懸命その当時やっていまして、法律で年限が決められておりましたので、その年限に合わせないと法律違反になるんだというようなことで、予算繰りを相当苦心をして耐震化を進めてまいりましたが、この耐震化について、和歌山で地震があったときに、御坊市役所が地震で機能しなくなったなんていうニュースがちょっとありまして、まだ対応していない自治体があるんだなと思って消防庁さんの資料を調べさせていただきましたら、まだ若干、十八万五千四百七十二棟の公共施設の、災害拠点となり得る公共施設のうち、まだ耐震がなされていない、そして未確認だという建物が九千百三十三棟、四・九%ぐらい存在するというようなことが書いてありました。
随分前に制定をされた法律で、この年限までにしなければいけないということも随分前に期限が来ていたんではないのかなというふうに思っております。自治体の庁舎とか災害対策本部庁舎、そして避難所、そして災害拠点、防災拠点となる公共施設の耐震化の最新の進捗状況と対応はどのようになっているのか、お答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/26
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027・荻澤滋
○政府参考人(荻澤滋君) お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、自治体の庁舎、また避難所等については、災害発生直後から災害対策、被災者支援の拠点となる場所でございますので、その耐震化、極めて重要であるというふうに認識しております。また、災害対策本部の設置を予定しているような庁舎については、未耐震の場合には耐震化済みの代替庁舎を指定するように各地方公共団体に求めているところでございます。
直近の調査、これは令和二年十月時点のものでございますけれども、千七百四十一市区町村のうち、災害対策本部を設置する庁舎の耐震率、これは八三・九%でございます。また、耐震化済みの代替庁舎を指定している場合を含めると九八・六%ということになります。
御指摘いただきました御坊市役所につきましては、ちょうど新しい庁舎を建設中ということもございまして、地震発生後に未耐震の現行庁舎の安全点検、一時退避をしたところでございますけれども、隣接する施設に災害対策本部を設置し、災害対応を行ったものというふうに伺っております。
また、指定緊急避難場所又は指定避難所に指定されている学校、公民館などの耐震率は九六・四%という状況でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/27
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028・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
私もその資料を見させていただいておりまして、災害対策本部庁舎及び代替庁舎のいずれも耐震性がないと言われているものが二十五団体、一・四%あるという報告書になっておりますが、これらの対策のために国としてどのような支援と指導をしていくのか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/28
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029・荻澤滋
○政府参考人(荻澤滋君) 総務省消防庁では、従前から、防災拠点となる公共施設等の耐震化を緊急防災・減災事業債の対象とする地方財政措置を講じてきてまいりました。また、昨年八月には制度を拡充いたしまして、耐震工事にとどまらず、未耐震の庁舎を建て替える場合においても、災害対策本部を設置する箇所、また応援職員を受け入れるような場所、この部分については同事業債の充当を可能にしたところでございます。
引き続き、こうした支援制度について周知をしながら、各省庁とも連携をしながら、地方団体において早急な取組が進められるよう働きかけてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/29
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030・熊谷裕人
○熊谷裕人君 日本は本当に地震の多い国でありますし、地震以外にも、何というんですかね、ほかの災害も大変多くなってまいりました。その対策のために、こういったところが一日も早く耐震化を、対策が行われるように国としても支援をいただければというふうに思っております。その辺、どうぞよろしくお願いをいたします。
今日は国交省の方からも来ていただいておりますが、国交省としてはこの耐震改修についてどのような支援をしていく御方針なのか、お聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/30
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031・加藤鮎子
○大臣政務官(加藤鮎子君) 先ほど委員から言及のございました耐震改修促進法につきまして、これまで段階的に法改正を行い、令和七年までに耐震性が不十分なものをおおむね解消することを目標として、地方自治体と連携しつつ、建築物の耐震化を進めているところでございます。
中でも、不特定多数の、公共施設など不特定多数の者等が利用する旧耐震基準の大規模建築物等に対して耐震診断と結果の公表を義務付けたりはしているところでございますが、こういった規制を強く求めているところに対しまして、耐震を強化することに当たって財務的に予算を振り向ける等の支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/31
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032・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
建物の耐震というところは本当に国交省の所管でございますので、今政務官がおっしゃったように、不特定多数の方がたくさん来るような建物についての耐震診断と耐震対策というところは本当にきちんとやっていただきたいなというふうに思いますし、ここのところ関東でも地震がすごく多くなっておりまして、直下型地震というところも懸念をされておりますので、早急な取組をお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
最後の質問は、電気自動車を災害があったときに活用した方がいいのではないかということをずっと私これまでも取組をさせていただいておりまして、実は愛知県の豊田市でSAKURAプロジェクトというプロジェクトがありまして、これは愛知県なのでトヨタ自動車さんがメーンになって、豊田市と一緒になって、ある車種を、電源が切れたときにその車のバッテリーを使って電源にするというプロジェクトをずっと取組をされております。
その取組が今ほかのメーカーさんにも広まって、今EVの自動車とかハイブリッドの自動車でバッテリーの大きい自動車はそういう防災、災害対策に取り組もうなんという話が広まってきておりますが、具体的な取組の状況、政府の方で今把握をしているような事例があって、良い事例も多分たくさんあると思いますので、そういった事例があればここでお示しをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/32
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033・福永哲郎
○政府参考人(福永哲郎君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、災害時における電動車の活用は非常に重要でございまして、停電が発生した際に、避難所での携帯充電あるいは灯火の確保、乳幼児、高齢者等がいる個人宅や老人ホームでの給電といった必要な電源確保に電動車が貢献した実績が既に発生しております。既に生じております。
経済産業省では、こうしたベストプラクティスを横展開できるように、国土交通省と連携しまして、災害時における電動車の活用促進マニュアルを従前より展開しております。最近ですと、今年の三月には、医療機器対応の注意事項などを改訂、一部改訂を行って、改めて全都道府県に配付しております。
また、経済産業省では、令和三年度補正予算及び令和四年度当初予算で電動車等の購入支援を行っておりまして、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車について、外部給電機能を有する車両は補助額を六十五万円から八十五万円に引き上げるなどして普及を後押ししています。
こうした中で、民間の取組としては、自動車メーカーと地方自治体の間で災害時の相互協力を定めた協定というのが増え続けておりまして、現在、全国で三百件超締結されていると確認しております。
こうした官民の取組を通じて、災害時における電動車の活用推進と周知に努めていく、これが政府としての方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/33
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034・熊谷裕人
○熊谷裕人君 非常にいい取組だと思いますので、これからも進めていただきたいと思います。
時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/34
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035・小林正夫
○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。
今日は、二酸化炭素ガスを使用した消火設備での事故災害並びに罹災証明書の迅速な発行等について質問をいたします。
まず、資料一を見ていただきたいんですけれども、これは二〇二一年四月二十日に経済産業省が発出をした二酸化炭素等消火設備による事故防止について、括弧注意喚起という文書でございます。
この中には、令和三年四月十五日、東京都新宿区のマンション地下一階駐車場で、内装業者が天井ボードの貼り替え作業を行っていたところ、何らかの原因で二酸化炭素消火設備が作動、作業員四名が死亡し、一名が意識不明の重体。そして、令和二年十二月二十二日の日に、愛知県名古屋市のホテルの機械式立体駐車場で、メンテナンス作業中、二酸化炭素消火設備から二酸化炭素が放出、一名が死亡、十名が重軽傷。さらに、令和三年一月二十三日、東京都港区の地下一階駐車場内のボンベ室で、二酸化炭素消火設備の点検作業、これは動作点検と書かれています、その行っている途中で二酸化炭素が放出して、ビルメンテナンスの作業員二名が死亡と、こういうことがこの中に記載がされております。
CO2ガスを用いた消火設備は、消火剤による汚れだとか損傷が少なく、復旧を早期にすることが必要な設備に設置されているものと私は承知しておりますけれども、今述べたように、令和二年の十二月から令和三年の四月までの四か月で誤動作や何らかの原因によりメンテナンス作業員の方など七人が死亡する事故が発生をしております。
消防庁だとかあるいは経済産業省、厚生労働省、高圧ガス保安協会などが繰り返し危険性を十分に認識してほしいと注意喚起をしていますけれども、事故災害がなくならない実態がある、このように私受け止めております。
そこで、消防庁にお聞きをいたしますけれども、全国にこのような二酸化炭素ガスを使用した消火設備は主にどのような場所にどれぐらい設置されているのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/35
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036・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
二酸化炭素消火設備につきましては、令和三年四月三十日現在、全国で一万四千八百八十五件設置されております。また、二酸化炭素消火設備が設置されている場所として最も多いのは駐車場で、全体の六三%に当たる九千四百三十七件、次に多いのが機械室、電気室等で、全体の二一%に当たる三千百二十四件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/36
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037・小林正夫
○小林正夫君 経産省にお聞きをいたします。
過去十年間の二酸化炭素ガスの誤動作事故の件数と死亡者数について、把握されていればお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/37
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038・苗村公嗣
○政府参考人(苗村公嗣君) お答え申し上げます。
高圧ガス保安法では、高圧ガスや高圧ガス容器を取り扱う事業者に対しまして、噴出、漏えいが生じた事故の届出を義務付けているところでございます。
過去十年間に届出のございました高圧ガス保安法に関係する二酸化炭素消火設備の事故は五件となっております。そして、そのうち死亡事故は三件、先ほど委員の方から御紹介いただきました注意喚起に記載しておる三件でございまして、お亡くなりになられた方の合計は七名となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/38
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039・小林正夫
○小林正夫君 続いて、消防庁にお聞きをいたします。
一般的には、二酸化炭素ガス消火設備が動作すると退避放送が流れて、遅延時間、おおむね二十秒ぐらいだと私思っておりますけれども、経過後にCO2が放出をする。CO2が放出されると、僅か数十秒で酸素濃度が低下して人体に危険な状態になると私承知しておりますけれども、こういう認識は消防庁と同じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/39
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040・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
二酸化炭素消火設備につきましては、消防法令で定める技術基準によりまして、消火設備が作動すると自動的に警報が流れ、作動から二十秒以上の時間を置いて二酸化炭素が放出をされ、放出開始後、駐車場や電気室の場合は六十秒以内に消火に必要な量の二酸化炭素が放出されることとされております。放出された二酸化炭素が充満した空間内に人がいた場合は、意識の喪失に至るなど、人体に危険な状態になると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/40
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041・小林正夫
○小林正夫君 今、二十秒とか六十秒だとか、こういう時間のお話がありましたけれども、これはどういうことに基づいてそういう時間設定がされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/41
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042・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/42
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043・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/43
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044・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
二酸化炭素につきましては、一定の濃度になりますと人体に影響が出てくるものでございまして、一般的には、気中濃度が三〇%以上で、ほとんど八から十二呼吸で意識を喪失するということとされております。
この消火に用いる濃度と申しますのがおおむね三五%でございまして、こうしたことからほとんど即時に意識喪失に至るものでございますが、その六十秒以内といいますのは、法令で定める技術基準で、その放出開始後六十秒以内に必要な量の二酸化炭素が放出されなければならない、こういうことになってございまして、その結果、六十秒後、以内に放出された結果、その濃度に達しますので、そうした意識喪失といった事態に陥るといったことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/44
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045・小林正夫
○小林正夫君 それで、消防庁はどのような注意喚起をしているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/45
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046・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
今般、二酸化炭素消火設備に係る死亡事故が委員御紹介のように相次いで発生したことを受けまして、総務省消防庁におきましては、その都度、各都道府県及び消防本部、事業者団体等に対し安全対策の周知徹底を要請をしてきたところでございます。
具体的には、類似の事故発生を防止するための当面の対応として、二酸化炭素消火設備が設置された付近で工事等が行われる場合は、誤作動や誤放出を防止するため、消防設備士などの資格者が立ち会って監督を行う体制を確保すること、また、工事等の開始に際しては、その都度、二酸化炭素を放出するための配管を閉止する弁である閉止弁を閉止するよう徹底することなどについて注意喚起を行っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/46
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047・小林正夫
○小林正夫君 後段お話があった閉止弁の設置、私非常にこれ大事だと思うんですけれども、これは設置をしなさいという義務化にはなっていないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/47
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048・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
二酸化炭素消火設備に係る現在の技術基準におきましては、二酸化炭素を放出するための配管を閉止する弁である閉止弁の設置については義務化をされておりません。
このことについて、二酸化炭素消火設備に係る死亡事故の再発防止策の検討のため昨年度開催しました有識者検討会におきまして過去の事故事例等の分析を行ったところ、二酸化炭素が放出される空間である防護区画内に閉止弁を閉止しない状態で人が立ち入ることが事故の要因であると考えられることから、防護区画内に人が立ち入る場合は必ず閉止弁を閉止すること、また二酸化炭素消火設備には既存の設備も含め閉止弁を設置することなどを内容とする検討結果が令和四年三月に取りまとめられたところであります。
総務省消防庁におきましては、本検討結果を踏まえ、二酸化炭素消火設備に係る技術基準を定める政省令を改正をし、閉止弁の設置を義務化するなど、事故の再発防止に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/48
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049・小林正夫
○小林正夫君 私も議員になる前に現場で作業をやっていたんですけれども、いろんなことが現場で起こります。今後起きないように注意をしましょうと言っても、なかなか注意だけしただけではこういうような事故が減らないということを私経験をしてまいりました。したがって、今、後段に回答があったように、この閉止弁を義務付ける、物理的にCO2が排出されないというような、私、設備形成にしていかないと、こういう事故が減らないんじゃないかと思います。
そういう検討がされているというのは大いに結構だと思うんですけれども、いつ頃までにこの安全対策が終わるというふうに見込んでいるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/49
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050・齋藤秀生
○政府参考人(齋藤秀生君) お答えを申し上げます。
政省令につきましては、パブリックコメントを経て本年の夏頃を目途に改正を行いたいと考えており、公布後には一定の周知期間及び閉止弁の設置に係る既存の設備への適用についての経過措置期間が必要ではないかと考えておりますが、具体的な周知期間や経過措置期間については、近年の消防用設備に係る政省令を改正した際の期間も参考とし、今回の改正内容についての建物関係者の準備に要する期間等を総合的に勘案しながら検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/50
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051・小林正夫
○小林正夫君 是非早急に、こういうような物理的にそういう防護策ができるということをしていくことが何よりも必要だと思いますので、検討を急いでいただいて、全てのこのCO2消火設備のところにそういう対策が施されるように私の方から強くお願いをしておきたいと思います。
それでは次に、罹災証明書の迅速な発行について質問をいたします。
これ、私も災害対策特別委員会で何回も災害現場に行ってまいりました。そのときに、被害に遭われた方からは、罹災証明書の発行を早くしてほしいよと、こういう訴えが非常に多かった、こういう状況でございます。この罹災証明書がないと今後の補償の問題とかそういうことが進みませんので、この罹災証明書というのは大変重要なものだと、このように私も認識をしております。
そこで、二〇二〇年二月三日の内閣府のホームページ、これ資料二ですけれども、ここに迅速化に向けた内容が記載をされております。
これは、罹災証明書の交付の迅速化によって被災者の生活再建を後押しし、このポイントのところ、という記載があるんですけれども、このポイントのところに、住家の被害認定調査において航空機写真等の活用を可能にすることにより、罹災証明書の迅速な交付ができるようになり、被災者の生活再建を後押しするとともに、被災市町村の業務負担を軽減と書かれております。迅速化は航空写真等の活用が柱になっていると、このように私受け止めました。また、この中には、平成二十八年の熊本地震における教訓から、次の備えとして提案をして、内閣府の災害に係る住家の被害認定基準運用指針の改定を行ったと、このようなこともこの資料の中に書かれております。そして、平成三十年の北海道胆振東部地震では迅速な被災者支援の実現と、このように書かれております。
そこで、私、ドローンだとか航空写真の活用によって被害認定ができれば、二次災害のリスクから立入りが制限され調査員が実地調査できない場所も速やかに罹災証明書が発行できるんではないか、このように思います。
そして、過日、四月二十三日の一部のマスコミで、災害時の支援金受給などに必要な罹災証明書の発行手続迅速のため、内閣府は、自治体と損害保険会社の連携を推進をする、災害時には証明書を発行する自治体と保険金を払う損保がそれぞれ被害家屋を調査しており、これらの一本化を進める、今年度に一部の自治体の先行事例を調査し普及を図る、このように報道がされておりました。
そこで確認なんですけれども、内閣府にお尋ねします。自治体と損害保険会社の連携について検討している事実はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/51
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052・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
罹災証明書は被災者支援の判断材料として活用されておりますことから早期の発行が重要であり、その前提となる被害認定調査についても迅速に行う必要があると考えております。このため、今年度、内閣府におきましては、被害認定調査における民間企業等の協力事例などについて調査を行うこととしております。
具体的には、被災家屋に係る物件の情報や浸水の深さなど、損害保険会社などの民間企業が災害時に収集する情報について自治体の被害認定調査における活用の可能性の検討を行い、その成果について自治体等に情報提供をすることを考えております。
なお、自治体によります被害認定調査と損害保険会社による調査を一本化することにつきましては、それぞれの調査の内容の違いなどの課題もあり、慎重な検討が必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/52
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053・小林正夫
○小林正夫君 災害は待ったなしです。今おっしゃったように、民間の損保会社と連携することによってこの罹災証明書の発行が迅速化できると、こういう方向での検討だと思うんですが、いつ頃を目指してこれが実施できるようにしたいと考えているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/53
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054・榊真一
○政府参考人(榊真一君) 今年度はまずしっかりと民間企業との協力の在り方等について調査を行いたいと考えておりまして、年度末までにこの調査を行うこととしております。その結果を踏まえ、全国説明会などの場を通じて必要な情報提供を行っていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/54
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055・小林正夫
○小林正夫君 先ほどの答弁で、民間会社と連携することに対して課題はあるんだと、このようなお話でしたけれども、今の段階で具体的にこういう課題があるんだということがあればちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/55
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056・榊真一
○政府参考人(榊真一君) 今年度は損害保険会社等民間企業が保有する写真データ等の被害認定調査への活用可能性等について調査を行うこととしており、この中で民間企業等と連携する上での課題については検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/56
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057・小林正夫
○小林正夫君 大臣にお聞きします。
この罹災証明書の迅速化というのは私大変必要だと思うんですけれども、この迅速化に取り組む大臣としての決意をお聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/57
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058・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 罹災証明書は被災者支援の判断材料として活用されていることから、早期の発行が極めて重要であります。そのため、これまでも、内閣府やUR都市機構の職員による現地での調査支援や、他の自治体から応援職員を派遣、河川の氾濫などの場合に浸水深により住宅の損害割合を算出する簡易手法を可能とするなど、迅速化の取組を進めてきたところでございます。
また、先ほど政府参考人からもお答えしているとおり、内閣府では、被害認定調査において、自治体と民間企業、いわゆる損害保険会社等々がどのように連携しているか、本年度の予算で調べることとしており、その成果も罹災証明書の発行の迅速化に生かしたいと考えております。
今後とも、自治体や民間企業等とも連携しながら、罹災証明書が迅速に発行されるよう取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/58
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059・小林正夫
○小林正夫君 質問としては、東京外環環状道路における陥没事故についてもお聞きをしたかったんですが、持ち時間がなくなりましたので、今日は取りやめにします。また機会があればこの質問をさせてもらいたいと思います。
以上で終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/59
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060・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、森屋宏さんが委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/60
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061・室井邦彦
○室井邦彦君 維新の会の室井です。よろしくお願いいたします。
早速質問に入りますけれども、私は、この国難的災害に対応する体制づくりをしっかりと行っていかなくちゃいけない、想像を絶するような気象現象が、また地震とか津波とか同時に重なることは当然あり得ることであると、こういうことの場合、古い教訓がございますので、それを例に出しながら、対応策をいかに考えておられるか、お聞きをしていきたいと思います。
まず、この内閣府の中央防災会議、日本海溝地震の死者数十九万九千人、被害総額三十一兆円、そして、千島海溝地震の死者数約十万人、被害総額は十七兆円と想定されている。他方、南海トラフ地震では死者数約三十二万人、被害総額は二百二十兆円、首都直下地震では死者数は二万三千人、被害総額は九十五兆円となる試算を計算されております。
一度に、一度というわけにいけない場合、自然の摂理でありますから、いつ起きるか、待ったなし、小林先生がおっしゃるように、そういう教訓の中で、これらの被害総額想定は発災から数日後までの被害、すなわち津波や延焼火災までを対象としたものであります。長期的にはもっと被害額が大きくなるということは予想されます。
そこで、土木学会は、二〇一八年、二十年間の長期的な経済損失を南海トラフ地震で一千五百四十一兆円、首都直下地震で八百五十五兆円と試算をされております。
国家の存続が危ぶまれる国難的災害の規模に当たって、国難的災害に対応する強力な権限や調整力を有する体制づくりが求められると思います。しっかりと今現在内閣府は頑張っておられますが、到底これでは力不足じゃないかと感じておりますが、ここで大臣に御質問したいんですが、この国難的災害に対応する体制づくり、どのように大臣は御所見を持っておられるのか、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/61
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062・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 委員御指摘の南海トラフ地震、さらにはまた首都直下地震、さらにまた日本海溝・千島海溝地震は、いつ発生するか、誠に予断を許さない状況になって、大変懸念されるところでございます。
このような大規模災害が発生したときには、内閣総理大臣の指揮の下、内閣府防災を始めとする関係省庁が適切な役割分担の下で一体となって、迅速な復旧と早期の復興に取り組むこととしております。
委員御指摘のような、防災庁のような新たな組織を直ちに設置する必要性は低いと考えておりますけれども、関係機関が連携して大規模災害に備え、具体的な計画を策定、共有するといったことも含め、防災体制の充実強化は極めて重要な課題であると認識しております。
関係省庁や地方自治体の連携の在り方についても不断の見直しを進め、万全の防災体制の確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/62
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063・室井邦彦
○室井邦彦君 私も阪神・淡路大震災の被災者でありますので、本当に驚きました。本当にいつあるか分からない。その辺をしっかりと内閣府の方で体制を整えていただかないと心配が重なるというか、是非、積極的に取り組んでいただいておるのは分かっておりますけれども、それ以上によろしく御指導をお願い申し上げたいと思います。
続いて、同じこの過去の例を取り上げますが、先生方御承知のとおり、我が国のこの災害の歴史の中で、四年間に大災害が連続して続いた複合災害から学ぶ教訓があります。
これは、江戸時代の安政年間。一八五四年十二月二十三日、安政東海地震、マグニチュード八・四が発生、そしてその一日後、二十四日に南海地震、マグニチュード八・四が連動して発生した。そして、約三万人の犠牲者がありました。翌一八五五年十一月に安政江戸地震、マグニチュード六・九が発生、一万人の犠牲者がありました。翌一八五六年九月、大型台風が東京湾に来襲し、高潮を中心とした暴風雨に遭い、約十万人の犠牲者がありました。そして、一八五八年八月、江戸でコレラが大流行、江戸だけで三万人から十万人の犠牲者があったという記録があります。
江戸時代の安政年間には、四年間に五回も大災害が連続して起こったという事実であります。甚大な被害をもたらした災害史であります。我が国は、こうした災害史に学び、大災害に連続して襲われる時間的広がりを持つ複合災害を想定しておく必要があると思っております。
同じような内容になるかも分かりませんが、政府ではどのようなこの教訓を生かして検討が行われているのか、お聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/63
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064・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
実際に南海トラフ地震クラスの大規模災害が発生した場合には、総理を本部長とし、全閣僚を本部員とする緊急災害対策本部を設置し、地方自治体とも連携し、国の総力を挙げて対応に当たることとなります。
御指摘のように、連続して災害が発生し、それらの影響が複合化することにより、被害が深刻化することも考えられます。そのような場合には、緊急災害対策本部が司令塔となって、追加の部隊派遣はもとより、必要に応じて、先発災害に対応中の部隊の再編成あるいは移動中の部隊の投入先の変更など、臨機応変、迅速な対応を行うこととなります。
引き続き、過去の大規模災害の教訓も踏まえながら、また、訓練等を重ねながら絶えず改善を図り、複合災害に対する備えを強化してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/64
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065・室井邦彦
○室井邦彦君 くどいようでありますけれども、こういう大きな災害が一週間後に起こる可能性もあるわけでありますけれども、そういう内閣府は対応ができるのか、移動とかいう言葉を使われたけど、移動もできない状態になるという、そういうことも想定していただかないと、この一億二千万、三千万人の国民の命を守っていくためには、もう来週、来週という言い方おかしいな、十日後にか五日後に起きる可能性もあるわけでありますから、常に緊張感を持ってそういう対応をしていただかないといけない、このような思いがございますので。
そして、一つ、私の提案じゃありませんけれども、この提案となるかも分からぬですが、この当時、連続してこれだけのものが続いて日本が存続して今日の発展があると。これは、昔はそれぞれ大名が藩、藩で日本の人口が分散されていたので、そういう高層ビルもなかったもので、日本の国が存続したと。
これ、東京一極集中で、有能な頭脳とか有能な企業が皆東京に集中していると。そこで直下地震が起きると、このようなことが続くと本当に、日本の存続というか、もうあり得ないだろうなと、こんな考え方もしております。
そういう意味では、ある意味、五十年、百年後というか、道州制を取り入れながら日本の国を分散していけるような、そういう計画も考えていかないと、東京、大阪、大都市に一極集中、こういうことでは、日本の国がこういうこと起きると本当に滅亡してしまうという恐ろしいことを私も想像しておるんですけれども、その点、よろしくお願いをしたいと思います。
くどいようだけれども、一週間後、こういう災害が起きる可能性あるかも分からぬので、よろしく緊張感を持って御指導していただくようにお願いをしておきます。
そこで、次の質問でありますけれども、この災害廃棄物がこれも大きな問題でありまして、いろいろと災害大国らしいデータとか数値が出ております。首都直下地震、南海トラフ地震の瓦れき発生量は、環境省が二〇一四年二月末に出している推計によると、首都直下地震では最大約一億一千万トン、東京の年間廃棄物の量の十六・五倍、関東大震災の、既存の施設だけで焼却処理をする場合、約四年間掛かる。南海トラフ地震では最大で約三億四千九百万トン、東日本大震災約三千トンの十一倍以上の排出がすると。全国既存の施設で可燃物を焼却処分をするには八年掛かると、このような数値が出ておるわけでありますが、首都直下地震、南海トラフ地震の瓦れきの発生量をどう処理するかという議論とともに、災害廃棄物を発生させないための取組がより重要になると考えますが、各地域の災害危険度を評価し、危険度の高い地域に住む人々を危険度の低い地域に誘導することが重要であるというふうに考えます。
例えば、引っ越しや住宅の建て替えのようなタイミングに災害危険度の低い地域に移動していただくとか、人口減少によって空くスペースに移動してもらうとか、こつこつとそういう努力をしていくことによって国民の命を、また、安全なところで生活をしていただくという、こういう基本的なことが必要ではないかというふうに思うわけでありますけれども、内閣府ではこういうことに対して検討が進められているのか、これからされるのか、お聞かせをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/65
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066・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
内閣府が平成二十五年に行いました試算では、地震による揺れや火災、その後の津波によって、首都直下地震では最大約六十一万棟の建物が、また南海トラフ地震では最大約二百三十八万六千棟の建物が全壊すると考えられております。これにより、首都直下地震では最大約九千八百万トン、南海トラフ地震では最大約三億一千万トンの災害廃棄物が発生すると想定をしております。
こうした状況を踏まえ、国におきましては、それぞれの地震の防災対策を推進するための基本計画を策定し、それぞれの地震において全壊する建物の数を十年間で半分にするといった目標を定めて、建物の耐震化率の向上や感震ブレーカーの普及による出火防止対策、初期消火の強化、危険な密集市街地の解消などの取組を進めております。
また、津波に対する対策も重要でありますため、海岸堤防等の整備を進めるとともに、委員御指摘のあったような災害危険度の高い地域にお住まいの方には少しでも安全な地域に移転いただくなど、被害を軽減するための対策に取り組んでいるところであります。
このような取組は災害廃棄物の発生の抑制にもつながると考えており、引き続き、関係省庁と連携し、防災対策の推進に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/66
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067・室井邦彦
○室井邦彦君 この日本の、日本列島に二千から二千五百の活断層が走っていると、その一部がずれただけで阪神・淡路大震災というあのような大きな被害を受けたと、いつまた二千から二千五百ある活断層がずれるかも分からないと、こういうことと、今現在、日本の活火山、百十一がいつ爆発しても、噴火してもおかしくない状態であるということも踏まえながら、ひとつしっかりと計画どおりに進めていかれるようにお願いをしておきたいと思います。
〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
最後の質問になります。
最後は、この東京湾の関係の、東京湾の臨海工業地帯の対応について、防災対策についてお伺いしますが、既に御承知のとおり、東京電力の電力構成は火力に約八〇%依存をしております。その供給量は、東京湾沿岸の火力に約六割が集中しておるという現状であります。
そこで、その東京湾に集中する火力発電所の施設が首都直下地震の発生に伴い被害を受け、東京湾沿岸の火力からの電気供給が滞るということになると、東京圏内でブラックアウトが発生する可能性につながるということでありますが、電力の安定性、安定的な確保のため、この東京圏内以外に電源を分散させる必要性が強く指摘をされておるところでありますけれども、その点についてどのような考え方をされておられるか、また、製油所と直結する火力発電所を含む石油コンビナートの安全確保のため、東京湾臨海部の工業地帯の地震、津波及び高波、高潮等の防災対策にどう取り組んでおられるのか、お答えをしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/67
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068・榊真一
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
我が国の製油所、発電所の多くは臨海部の石油コンビナートに立地をしており、これらが使用する資源やエネルギーのほぼ全てが港湾を経由して輸入されております。このため、港湾を含む臨海部の強靱化の取組を進めることは喫緊の課題であり、東京湾臨海部の防災対策に取り組んでいるところであります。
具体的には、港湾や製油所において、地震・津波対策としての岸壁や護岸、タンクの耐震化、高潮対策としての施設のかさ上げや製油所の排水設備の増強などの取組を進めてきております。また、大規模地震等によるコンビナート火災に対応できるよう、事業所に対し大容量泡放射システムを配備いたしますとともに、近隣の消防本部には石油コンビナート火災等に対応する精鋭部隊であるエネルギー・産業基盤災害即応部隊を配備しております。
また、電力につきましては、首都中枢機関への長期的な電力供給に支障が生じないよう、発電・送電システム等の耐震性の向上等を図りますとともに、東京湾臨海部の発電所が被災した場合には、東日本大震災以降に増強した地域間連系線も活用した最大限の電力の融通、電源車等の資機材や人員の広域的な融通に関する調整等により、災害対応に必要な電力を確保することとしております。
引き続き、関係省庁連携して、東京湾臨海部を始めとした臨海部の防災対策に取り組んでまいります。
〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/68
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069・室井邦彦
○室井邦彦君 ありがとうございます。時間が参りましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/69
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070・武田良介
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
まず、日本海溝・千島海溝地震特措法に関わって、一問伺いたいと思います。
静岡市清水区に独立行政法人地域医療機能推進機構が運営をします桜ケ丘病院が、わざわざ津波浸水想定区域内に移転するという計画があります。私は、本年の四月二十五日の決算委員会において、わざわざ津波浸水想定区域内に病院を移転することが適切なのかと後藤茂之厚生労働大臣に質問したのに対し、後藤大臣は、医療機関というのは地域住民の健康、生命を守る重要なインフラであり、災害ハザードエリアへの移転かどうかにかかわらず、説明を受けるだけではなく、地域住民に対してやっぱり合意が得られるよう丁寧に状況を説明した上で、地域としての合意は必要になるだろうというふうに思いますと答弁をされました。
二之湯防災担当大臣も同じ認識ということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/70
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071・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 医療機関の移転先につきましては、防災上のリスクを考慮することに加えて、患者のアクセス、必要な土地の確保、他の医療機関との位置関係、地域の地理的状況などを踏まえつつ総合的に検討をする必要があると思っております。
本年四月二十五日の参議院決算委員会において、武田委員からの質問に対して厚生労働大臣が、地域住民に対して合意が得られるよう丁寧に状況を説明した上で、地域としての合意は必要になるだろうというふうに思いますとの答弁をしたことは私も承知しております。
私といたしましては、医療機関は地域住民の健康、命を守る重要な施設であることから、その移転を行う場合には、患者や地域住民に対して理解が得られるよう丁寧に説明を尽くしていただくことが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/71
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072・武田良介
○武田良介君 患者のアクセスも含めて総合的に検討が必要だと。
今、合意が必要というふうにおっしゃいませんでしたけれども、実際に津波が押し寄せた場合、瓦れきが病院の周りに散乱することもあります。自主防災組織の皆さんがこの病院に患者さんを搬送するということも静岡市では計画をされています。そういうことを考えた場合に、住民の皆さんが不安だというふうにおっしゃっているわけなんですね。そのことをしっかりと踏まえていただかなければいけませんし、私は、合意が必要であるというのは当然だと、後藤大臣がおっしゃっていることは当然だというふうに思っております。
台風十九号災害から二年半、約二年半が経過をいたしました。まだ災害は終わっておりません。
先日、地元であります長野市各地で被災者の方のお話を改めてお聞きをいたしました。その声を基に今日は質問させていただきたいというふうに思います。
まず、信濃川水系の緊急治水対策プロジェクトによって進められている遊水地計画についてであります。長野市塩崎に計画されている遊水地について、国交省千曲川河川事務所が地元説明会を行っております。しかし、補償などどうなるのかということはよく伝わっていないというふうに思っております。
まず、塩崎の遊水地は何年までに完成予定でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/72
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073・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) お答えいたします。
緊急治水対策プロジェクト、これ全体で、この遊水地も含めてやっているところでございますけれども、これにつきましては、今実質やっているところでございますが、令和九年度までを完了目標として進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/73
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074・武田良介
○武田良介君 これもはっきりしないんですよね。令和六年までに中間目標として整備するというのがたしか説明にあったと思います。全体は九年まで。じゃ、この治水、遊水地は何か所もありますから、どこがいつできるのか、そういったことも含めて、地域住民の方、よく分からないんだというふうに思うんです。
塩崎の遊水地ですけれども、これは長野市がアンケートを行ったと、そして用地買収方式によって整備する方針であるというふうにされております。そこで、遊水地の予定地となったところで農業をされている方から私お話を伺いました。この方は、この土地で三十年以上、土づくりから努力をされてきた、自ら堆肥も作っている、施設園芸もされておられる方であります。しかし、このビニールハウスなど、資産価値は減価償却されて、買収額は幾らにもならないんだろうというようなお話をされております。
用地買収によって支払われる買収額はどのように計算をされるのか。この方が考えているように、例えば農業用のビニールハウス、こういうのは減価償却されて計算されるものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/74
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075・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 国で整備する遊水地の用地取得は、国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準の規定に基づいて買収額を算定することとなります。この補償基準には、土地代金、建物の移転料、附帯工作物の移転料、農業補償などが項目として定められています。
土地の補償については、近隣の土地の取引価格を基準として、土地の形状や道路へのアクセス状況などを考慮した上で価格を算定し、補償することとなります。
また、建物や御指摘のビニールハウスなどの農地に設置している施設は、これらの経過年数を考慮した上で移転に掛かる費用を算定し、補償することになります。
また、農業補償については、代替地の取得が難しく営農の継続ができない場合には、廃止、休止等の状況に応じて所得相当額などを補償することとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/75
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076・武田良介
○武田良介君 経過年数、考慮するということなんですよね。
同じく、用地買収に関わって、この方、代替農地があればそこで農業を続けたいという希望を持たれているわけですが、国交省、国の方で代替農地を補償するということはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/76
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077・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 遊水地の整備に当たって、用地を買収させていただく土地の所有者の方々から実際に営農継続を求める声が上がっております。
国土交通省では、地元自治体と連携して、営農の継続を希望される方々が引き続き営農ができるよう、一つは、例えば遊水地内での営農を継続されるのかどうか、その場合には補償はどうするのか、あるいは、遊水地の近隣地区で、耕作地で営農を行うか、その場合の代替農地が確保できるかどうかなど、どのような対応が可能か検討しているところです。
いずれにしても、地域の要望を踏まえて、丁寧に対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/77
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078・武田良介
○武田良介君 遊水地内で農業継続を望むのか、あるいは近隣で望むのか、それらを長野市なんかとよく相談しながら、調整しながらという答弁なんだと思います。
今の答弁のような話を、地権者の方は、説明聞いたことないと、地権者というか私が聞いた農家の方ですね、おっしゃっておりました。
地域住民の方にまとまった説明されていないのかなというふうに思うんですけれども、丁寧にというお話だったけれども、これ、どう知らせていくのか。その農家の方だとか、その地権者の方々、一人一人に個別に説明していくことになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/78
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079・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) ここの塩崎地区に限らず、遊水地では、このアンケートを大体基本として、全体としてどれくらい、どんな御希望があるのかというようなことを、市あるいは地元の方々が中心となって近隣の方々の意向を把握するということがありますし、それから個別にも聞いていくという、そういうような手順になっていきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/79
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080・武田良介
○武田良介君 アンケートなんかをやった後に、あとは個別にやっていくということなんですね。
そうすると、まとまって全体の説明会を開くだとか、これは一般論ではなくて、塩崎の住民の皆さんだとか、例えばこういう皆さんが求めれば、まとまって、補償の考え方はどうなっているのかとか、そういうことについてまとまってほかの住民の皆さんも一緒に話を聞くような場を設けるということはできるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/80
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081・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) これまでにも地元の説明会を開いてきておりますし、これからもそういうようなことの御要望があればやっていくべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/81
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082・武田良介
○武田良介君 ここ大事だと思うんですね。
一人一人ばらばらにされると、周りの方がどういうふうに補償されたとかよく分からないまま、あっちが良かった、こっちが良かったという話にまたなっていくんですね。本当に現場に行って考えた、感じたのは、そういう説明が届いていないということであります。
先ほど、代替農地の話もしました。聞かせていただきました。買収金額が低くなった。あとはその、国が補償するわけじゃないですからね、農地を。金額もらっているから、それによって代替農地を自分で確保するということになるわけです。本当に農地確保できるのかどうかという不安が私生まれてくるというふうに思うんです。
農家の方、私聞いたこの方、お金の問題ではないというふうにおっしゃっているんです。生きがいだと、農業は。この地域、よく御存じで、地下水に鉄分が多いんだという話をされました。ただ、その鉄分も、近隣だといっても地下水の水位が全然違うから、掘り方によっても変わってくる、結構難しいものなんだという話をされておりました。いろんな条件があるわけなんですね。
通告しておりませんけれども、大臣、ここまでお話お聞きになって、遊水地になるところで農業が続けられるかと、こういう不安あるわけだけれども、大臣、一言見解を伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/82
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083・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 農業を生涯の仕事としている人は、やっぱしその土地で農業を続けたいと、こういう強い気持ちを持っておりますから、遊水地ができることによって農地が買収された場合に、農民の方の気持ちに寄り添って国として取り組んでもらいたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/83
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084・武田良介
○武田良介君 一つ確認をさせていただきたいと思います。
千曲川河川事務所が作成した塩崎の遊水地の説明会資料では、用地買収方式、遊水地の全域を用地買収で、あっ、これ括弧書きですね、今の部分、で事業を進めさせていただきたいとの記載があるんですけれども、実際の面積だとか区画、その予定地に含まれていても一部農地は現状のまま農地として使い続けられるような、そういう変更はあるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/84
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085・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 塩崎遊水地を含む遊水地の整備に当たっては、買収可能な面積や営農を継続したいという耕作者の要望を踏まえた農地の面積も考慮して詳細な構造を今後検討していく予定であり、現在地域に示している内容を変更することはあり得ます。
一方で、地域の安全を確保するためには必要な治水機能を流域全体で確保する必要があることから、多くの地権者に事業の必要性を理解していただけるよう丁寧に説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/85
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086・武田良介
○武田良介君 あり得ると。治水の大事さということは、それは私も理解はします。本当に皆さんと理解を共通していくことは非常に大事だというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
次に、長野市の長沼、つまり千曲川の堤防決壊した地域の方ですね、ここで計画されている河川防災ステーションについて伺いたいと思います。
これは、堤防の一部だけをスーパー堤防のように膨らませて、その上に被災箇所の復旧工事の資材だとか、あるいは災害対策の車両だとか、そういったものを置くと。平常時のときには市町村が設置する水防団の拠点になるだとか、そういった施設も一緒に置くと。こういうふうに活用していくものであるわけですけれども、地域住民の方の要望は、決壊したその堤防、この堤防の一部を膨らませた盛土ののり面も堤防と同じようにコンクリートブロックなんかで覆う、いわゆる被覆型の補強を行ってほしいということなんです。
これ、地元説明会でも地域の方が河川事務所に求めているということなんですけれども、河川事務所の回答は、確かに堤防は、堤防そのものは被覆型でやっていますということなんだけれども、ここは堤防ではないからできないという説明をされるんだということでありました。じゃ、これ堤防じゃなかったら何なのかと。河川管理施設には変わりないんだけれども、これは側帯なんだということを私お聞きをしました。
そこで伺いたいんだけれども、側帯をコンクリートブロックなどで覆う、そういう被覆型の補強を行うことはできないのか。逆に言うと、阻むような何か法令はあるのか。この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/86
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087・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 長沼地区で計画されている河川防災ステーションは、町側に堤防を拡幅する形で盛土を行うものです。その上面に水防センターを整備するとともに、コンクリートブロックや土砂等の堤防復旧のための資材を備蓄します。河川防災ステーションは、堤防が決壊した際に復旧の拠点となることから、のり面を含め、その安全性を十分確保する必要があります。
委員御指摘のコンクリートブロックでその防災ステーションののり面を強化する対策については、この河川防災ステーション付近から越水した場合に越流水の状況がどうなるのか、そういうことを検討した上で、必要な箇所についてはのり面の保護についての対策を実施するし、仮にその越流水が来ないというようなことであればそこについての対策はしない、そういうような考え方で進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/87
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088・武田良介
○武田良介君 だから、まあ技術的にというんでしょうか、越流水がどうなるかという検討をしながら、コンクリートブロックで補強することも否定されない答弁だったというふうに思います。
阻む法令あるのかということを聞いたけれども、それはないということでよろしいですかね、つまり。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/88
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089・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) はい。特にそういうふうに、側帯だったらできないとか、そういうものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/89
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090・武田良介
○武田良介君 地域住民の皆さんは、やっぱり被災者ですから非常に不安なんです、目の前で堤防決壊しましたから。それが、特に強化されていなくて、言ったら盛土があるわけですよね。実際、越流して、そこがまたえぐられたら大量の土砂がまた我が町に来るという恐怖感持っておられるわけなんです。
だから、私お話伺ったときには、河川事務所は、いや、できないんだ、できないんだという話をひたすらされる。何でできないのか、本省に問い合わせたのかと言ったら、問い合わせてないと。そういうお問合せいただいておりませんと昨日本省も言っておりましたから、それで、できない、できないという話だけが現場で進んでいる状況があるということは私この場で指摘をさせていただきたいというふうに思うし、今の答弁も私、是非地元の皆さんにもお知らせさせていただきたいというふうに思っております。
いずれにしても、やっぱり被災者の方が主人公じゃなきゃいけないと思うんです。どういう河川整備するのか、強化策を取るのかということいろいろあるにしても、被災者の方が主人公だと、このことを絶対に忘れないで取り組む必要があるということを私は強調したいというふうに思っております。
信濃川水系の河川整備計画、この変更原案というものが示されております。あっ、済みません、今日資料とか配っていないんですが。
ここでも被災者の方の疑問をお聞きをいたしました。信濃川上流部を千曲川というふうにいいますけれども、長野県内の部分ですね、いいますけれども、千曲川は、いわゆる本川の部分と犀川という大きく分けて二つの水系から成っておるわけですけれども、目標流量について河川整備計画が変更になると。その原案を見ると、本川については目標流量増えているんですけれども、犀川の方については増えていない。これでいいんだろうかという疑問の声があるわけなんです。
何で犀川の方は目標流量増えないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/90
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091・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 令和元年東日本台風では、千曲川の立ケ花地点で河川整備計画の目標を上回る、目標流量を上回る洪水が発生し、本川沿いを中心に、堤防の決壊等により大きな被害が発生しました。そのため、今回の変更では、本川について目標流量を見直し、令和元年東日本台風と同規模の洪水に対し、災害の発生の防止又は軽減を図ることとしています。
御質問がありました千曲川支川、犀川の目標流量については、当該流域に令和元年よりも大きな降雨が発生した平成十八年の洪水を基に設定しています。令和元年洪水の実績流量はこの流量を下回ったものの、この犀川の安全度の向上ということは早急に図るべきと考えており、平成十八年の洪水を安全に流せれるような目標流量に基づき、しっかりと河川整備を進めていくこととしております。
なお、気候変動による水災害の激甚化、頻発化も踏まえ、目標を上回るような洪水への備えも重要と考えております。現在、気候変動の影響を反映した河川整備基本方針の見直しについて、信濃川水系も含め全国の水系で進めており、本支川のバランスや河川整備の進捗状況、さらには流域治水の取組等を踏まえた上で、犀川を含む流域全体での安全度向上について検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/91
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092・武田良介
○武田良介君 時間がないので、最後に一問、決壊部の堤防高について。
なぜ長野市長沼の穂保で堤防が決壊したのか。検討結果を私も改めて見ましたけれども、堤防が上下流、前後区間に比べて相対的に低くなっていると。だから、そこから越流水深、深くなって、全体としても流速が速くなる。つまり、その剪断力も強くなるということが働いていた。一つ、こういう指摘があるわけであります。
実際に、今整備計画の話もありましたけれども、堤防高上げるということになるわけですけれども、相対的に低いということは変わっていない。ですから、被災者の方たちは、やっぱり今の気候変動じゃないですけれども、そうはいっても、越水することはある。そうすれば、またここが剪断力が強くなるのではないか、切れるのではないか。その一メートルも二メートルも全体上げてくれと言っているわけではありません。前後に比べて数十センチだと思いますけれども、低くなっている部分、これをそろえて堤防を整備するということはできないのかという声でありました。
重ねてですけれども、やっぱり被災者の方であります。目の前で切れた、また切れたら、そういう不安を住民が持ったらここにみんな住めないという思いを持っているわけであります。この堤防高の問題、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/92
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093・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 堤防の高さは、様々な降雨波形を基に算出される計画高水流量や背後地の土地利用等に基づき設定された計画高水位を考慮して計画堤防高を定め、この高さに堤体の将来の沈下量相当分を加えたものです。
令和元年東日本台風で決壊した千曲川穂保地先の堤防は、被災前は、それまでの堤体の沈下により一部の区間で周囲の堤防より相対的に低い箇所があったものの、計画堤防高は確保されていました。
当該地区の堤防復旧に当たっては、先ほど申し上げたとおり、計画堤防高に今後の沈下量相当分などを加えて施工しました。このため、復旧後の堤防高は被災前よりも高くなっております。また、整備区間の上下流の堤防が河川勾配に沿って滑らかに、左右岸の堤防高が同等となるように整備を実施しています。
今後、移動計測車両などの新技術も活用し、当該地区の堤防沈下状況等について継続的な観測を行うとともに、計画堤防高以上になるように管理することを基本としつつ、上下流、左右岸の高さを維持できるよう努めるなど、適切に維持管理を実施してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/93
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094・武田良介
○武田良介君 時間ですので終わりにしたいと思いますが、やっぱり国交省の皆さん、河川整備これまで一生懸命やられているとは思うんだけれども、実際、決壊してしまった被災者の方に、その技術的な話だとか、あるいは行政の手続的な話とか、こういうことが前面に出ると被災者の皆さん本当理解できないと思うんです。やっぱり、被災者の皆さんが主人公ということを、改めて重要だということを指摘をさせていただいて、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/94
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095・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもお時間を割り当てていただきまして、感謝申し上げます。
私の方も、河川政策、また災害対策についてお話、質問させていただきます。
日本はそもそも地震列島であると室井議員も言っていられました。また、今、武田議員も二〇一九年の災害についてですが。私、ずっとここ四、五十年、地域社会における水との関わりを研究してまいりまして、元々日本は急峻な土地で、それで、水田農耕というのがもう律令時代からのなりわいでしたので、水の恵みと災い、共に地域社会が責任を持って対応していくと、これはもう本当に律令の時代からそれぞれの地域社会でやってきております。
私どもは、滋賀県の知事時代に流域治水という、つまり、日本の河川政策、明治以降、どちらかというと、堤防を高くして連続堤防にして、川の中に水を閉じ込める。そうすると都市部の開発面積が増えるので、一旦は歓迎されました。川をどんどんどんどん狭くして、深くして、コンクリートにして、都市開発には都合は良かったんですけれども、結果的に都市化が進む中で洪水が増えるというようなことで、井上局長さんも始め皆様御苦労をいただいたと思います。ここには足立大先輩もおられます。そういう中で、明治以降の川の中に水を閉じ込めるというのは限界があるんじゃないかと、そのときに流域治水という発想が出てくるわけです。
つまり、川の中だけではなくて、まずは山で水を守り、治山、そして土地利用、危ないところには家を造らない、造るんだったら建物をかさ上げするというような形で、ためて、流して、とどめて、そして最後は命を失わない、備えるというのが流域治水でございます。幸い国の方も、滋賀県では二〇一四年に全国で初めて条例化したんですが、国の方も昨年、流域治水の法案を作っていただきました。
そういう背景の中で、流域治水の一つのポイントとしては、今日皆さんに資料をお出ししていますけれども、河川整備計画策定に向けてのスケジュールというものがございます。これは、公共事業に環境保全や住民参加を取り入れるという大変画期的な法案が平成九年に日本でできます。その法案を実現化する一つの手だてがこの河川整備計画でございます。
この河川法十六条には環境保全とそれから住民参加というところが入ったんですが、まず最初に、今、流域治水協議会を全国一級河川、百九水系で進めていただいているんですけれども、市町村長以外に住民代表が参加している協議会の数あるいは住民参画の事例など、国土交通省さん、お示しいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/95
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096・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) まず、委員御指摘の流域治水協議会、これは、昨年の流域治水関連法で基づいている協議会、法定協議会ではなくて、とにかく私ども流域治水を早く進めたいということで、任意の流域治水協議会ということを昨年、一昨年からつくっておりまして、百九の一級水系でも進めてきているところでございます。
その中で、その中にはいろいろ減災協議会とか水防法に基づく協議会とかでの議論とかも全部含めてやってきておるところでございます。令和二年の七月の豪雨で甚大な被害が生じた八代市の中でもこの減災協議会というのを開いて、地域の方々に参加していただいて、市、村の区長、住民代表、消防団員など参加いただきながら、校区単位のコミュニティータイムラインを取組を推進するなど、地域住民が主体的に参加する防災・減災を推進している、そういう取組を進めております。
また、遊水地の整備などを進めていく場合でも、先ほど武田議員の方からもありましたけれども、この地域の方々同士がお話ができるような、地域の住民が意見を交わすような、できるようなワークショップを開催したり、そういうようなものを流域治水協議会の中で共有していく、そういうような多様ないろんな方法を取り組んでいるところでございます。
具体の取組としては、島根県の江の川の下流域においては、堤防等の整備による浸水対策を行うのか、安全な地区、地域への移転をするのか、これ地域住民が意見交換を行っています。
それから、高知県の仁淀川流域においては、避難体制の強化に向けて地域の緊急避難場所について自主防災組織が意見交換を行っており、これらの取組について、その取組の結果について流域治水協議会において共有を図っております。
このように、住民参加の方法は地域ごとに様々なやり方があることから、地域の実情に応じて工夫しながら取組の拡大を行っております。
なお、議員お尋ねの流域治水協議会に限って申しますと、住民が参加している流域治水協議会は五つでございまして、具体には、町内会長、自治会長や防災士会、河川環境団体に参加いただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/96
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097・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 お詳しくありがとうございます。
住民組織というのは本当に地域地域にそれぞれ歴史的経緯もあり、また、そのときの組織のリーダーシップとか、いろいろありますので、それはより対話性を深めていただけたらと思います。
この後は球磨川の河川整備計画についてお伺いをしたいんですが、二年前の七月四日、球磨川では五十名もの方が溺死をしてしまいました。七月四日です。本当に、私もずうっと二十年以上球磨川に関わってきまして、昭和二十年に六名、あっ、昭和四十年に六名亡くなったということがあったんですけど、今回は五十名と、大変な溺死者が出てしまったんですね。
そういう背景の中で、整備計画がこの四月に原案が示されたんですが、国の方と県の方と全体で三百ページ近くあるんですけど、それを全て見させていただいたんですが、いわゆる費用便益計算、BバイCというのが入っていないんですが、これはどの段階で行う予定なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/97
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098・加藤鮎子
○大臣政務官(加藤鮎子君) 球磨川水系におきましては、今後おおむね三十年間の河道掘削、遊水地、流水型ダムなどの具体的な河川整備等の内容をお示しする河川整備計画の原案について、関係住民の皆様からちょうど御意見をお聞きしたところでございます。
今後は、いただいた御意見を踏まえまして河川整備の内容を検討した上で、河川整備計画の案に基づくBバイC、これを算定し公表をする予定でございます。BバイCは、そこで公表する予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/98
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099・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 そうすると、今日示した資料の中で、BバイCは、今原案を作り住民意見を聴取している段階ですが、この原案、公表してからBバイCということで、理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/99
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100・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 嘉田委員の方から配付されている資料のこの原案というようなことを公表して、今住民の意見をいただいているところです。いただいている内容、これまた実際の整備計画に反映すべく、内容を変更したり付け加えたりする必要があります。
その上で、全体としてBバイCがどれくらいになっているのかということを、この整備計画の案の公表の時点でBバイCとともに発表したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/100
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101・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
この整備計画原案に対して、関係住民意見聴取が五月六日締切りでした。私も一住民として二つ意見を出させていただいた、それが今日の資料の中にあります。一つは、川辺川ダム建設で流域住民の命を守れるのか、二点目は、流水型という川辺川ダムで環境は守れるのかという意見でございます。
この意見をどう国が対応を取っていただけるのか、県が対応を取っていただけるのか、これからの議論だと思いますが、特に私どもが気にしておりますのは、この整備計画原案の中に、過去の治水の経過、鉄橋がどれだけ壊れたとか道路がどれだけ壊れたということがあるんですけど、溺死者の情報が全くないんですね。
先ほど来いろいろ出ていますけれども、やはり死者というのは一番の被害者だと思います。その溺死者の情報が全く整備計画の中にないんですが、国土交通省さんとしては、被災者の状況調査、国として行う必要性はどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/101
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102・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 先生を含め御意見いただいておりますし、住民の団体の方とかからも同様なことをいただいておりますが、この溺死者のことについてどう考えるか。
私ども、この令和二年の七月豪雨で亡くなられた方の、どういう原因なのか、私どもも非常に関心があるところですし、嘉田委員の出された報告書というのを読ませていただいているところでございます。実際、私ども、ダムがなかった令和二年のときどうだったのか、それから、もしダムを造ったとしたらどれくらいこの浸水というのは防げるのかどうかということ、それを調査してきているところでございます。
それで見ていると、委員の御指摘のとおり、支川からあふれて、山田川とかからあふれてですね、その七月四日の午前六時台に氾濫が発生して、その後、球磨川からの氾濫が加わったということが再現の確認あるいは画像からも確認できているところでございます。
これらの氾濫要因について、山田川と球磨川本川の合流点付近の水位を分析したところ、本川、球磨川本川の水位上昇に伴うバックウオーター、この本川が高いことで支川からの水が流れ切れないということが分かってまいりました。この水面勾配がほとんどない状態で、球磨川の水位と同じような高さになっているということです。ダムを一方で整備すると、この本川の水位を低下させることで、このバックウオーターによる山田川からの支川の氾濫を防止又は減少させることができるというふうに考えられます。
例えば、この四月に公表した河川整備計画の原案の中にも、この整備計画を実施した場合の効果を試算して、球磨川本川の水位が低下することによって、令和二年七月豪雨と同様の洪水が発生した場合には、山田川からの氾濫は発生しないという結果を得ているところでございます。
溺死時間についても、先生の方からの御指摘が報告書の中にございました。午前七時から八時頃から溺死が始まっているんではないか、浸水が始まっているんではないかというふうなことの御指摘もありましたけれども、ダムをもし整備したとしたならば、ダムの効果は午前五時頃から発揮されて、午前八時頃には山田川からの堤防よりも一メートルから二メーター低い水位まで低下するという結果となりました。
このようなことも踏まえて、この山田川の堤防、あるいは掘削ということも考えていきますし、流域全体の治水安全度の向上を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/102
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103・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
今の山田川のデータについては、今日はシミュレーション結果もありませんので、是非見せていただいて、そして、住民の方が去年の五月三十一日に国土交通省に溺死者調査をしてほしいという申入れもしておりますので、その辺り、住民の方が現場で二百人ほどの聞き取りをしておりますので、その住民の方自身が目の前で見ていた、その方たちが納得できるような説明を今のところでしていただけますか。あわせて、はい、これはこれで結構です。
あわせて、山田川と万江川、万江川というのはかなりもう、ちょうど人吉市の最上流ですけれども、あそこから江戸時代の相良藩が農業用水を引いて、それが御溝川というので、人吉市内をずっとくまなく水路があります。その御溝川でも何人も亡くなっております。その万江川から御溝川についても、川辺川ができたら水位低下できるということを説明することは可能なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/103
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104・井上智夫
○政府参考人(井上智夫君) 先ほど申しました山田川のその支川の水位の変化につきましては、昨年の十一月のときの検証の中でも公表はしておりますが、先生御指摘のとおり、まだそれが住民の方々に十分伝わっていないというようなことかもしれませんので、そういうことについては積極的に情報を提示して、御理解いただけるようにしていきたいと思いますし、また、今おっしゃいました万江川といった支川、そこから分派している御溝川のことについても、これはまた別な形での農業用水路からあふれた内水の停滞ということがあります。これについては、しっかり内水の氾濫解析も行いながら、課題や改善点、考えていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/104
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105・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
そういう機会をまた是非住民の方とつくっていただけたらと思います。
特に、万江川も山田川も、それからその下の球磨村も山崩れが大変ひどいんです。そのところも見ていただいているとは思うんですけれども、河川整備計画に、山のことは数行しか書いていない。しかも、流域治水、言うまでもなく、山の水源の一滴から治めるというのが流域治水の原点でございますので、この辺りも是非、近い段階で住民の皆さんとそういう場をつくっていただけたらと思います。時間もございませんので、是非次の対話の時間をつくっていただきたいと。
それで、この河川整備計画、五月三日に熊本日日新聞が、公聴会で聞いた意見書も全部日日新聞の一面でまとめております。そういうところを見ていただくと、まだまだ納得できないと、説明が足らないという意見が圧倒的に多いです。
しかも、川辺川ダムというのは、川辺川、球磨川は掘り込み河川ですから、本流の影響が町に入るというよりも、どちらかというと、山から支川の影響、これは地元の人がよくよくもう昔から知っておりますので、その辺をできるだけ、まさに流域治水のモデルになるような球磨川ですから、そういう場をつくっていただけたらと思います。
もうお時間迫っておりますので、最後に防災におけるソフト対策の必要性について、実はその五十名の溺死者を調べましたら、四点問題が出てきました。避難の判断。それから住宅事情、平家で亡くなっている方がとっても多いです。それから、足腰が移動できるかどうかということ。二階家であっても、二階に逃げられなくて亡くなった方も五名おられました、五十名のうち。それから、隣近所との社会関係。避難を呼びかけてもらえるか。この四点は、まさにソフト対策なんですね。
防災大臣、命を守るためのソフト対策の必要性、重要性についてお話しいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/105
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106・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 委員御指摘のように、防災はハードだけでは十分ではございません。ソフト対策が非常に重要であると、このように私も思っております。私は、防災教育を通じて住民の意識を高めていくことが極めて重要であると認識をいたしております。
昨年の十一月に、私は岩手県の釜石市を訪問いたしまして、そこで、東日本大震災の当時、小学校の校長先生をしている方からお話を伺いました。その小学校では日頃からいわゆる防災教育というものを熱心にされておりまして、あの当時、地震が来て、すぐさま日頃の防災教育の成果を発揮して皆さんが高いところに逃れて全員が助かったというお話を伺いまして、大変感銘を受けたわけでございます。
そういうことで、防災教育を通じて防災意識を醸成して、そして、そういう災害が起きたときに、自らの命は自ら守る、そしてまた、隣近所の人もお互いに助け合って災害から逃れるということも非常に重要だと、私自身も防災担当大臣としてあちこちでお話をしているわけでございます。
委員御指摘のソフト対策は非常に重要だと改めて思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/106
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107・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
釜石は、鵜住居小学校を中心に釜石の奇跡と言われておりましたけど、あれは奇跡でも何でもなくて、備えていたと、群馬大学の片田先生が過去十年間びっちりと入って、その辺り結果が出たんだろうと思います。
もうお時間ですので、防災大臣、また国土交通省の皆さん、ありがとうございました。
以上で終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/107
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108・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/108
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109・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、塩村あやかさんが委員を辞任され、その補欠として宮口治子さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/109
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110・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提出者衆議院災害対策特別委員長小里泰弘さんから趣旨説明を聴取いたします。小里衆議院災害対策特別委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/110
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111・小里泰弘
○衆議院議員(小里泰弘君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、同地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的として、平成十六年に議員立法により制定されたものであります。同法に基づき、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域が指定されるとともに、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画が作成され、同計画等により防災対策が進められてきました。
しかしながら、平成二十三年の東北地方太平洋沖地震では、従来の想定をはるかに超える地震及びこれに伴う津波により、東北地方を中心に甚大な被害が発生しました。
この教訓を踏まえ、政府の中央防災会議において、最新の科学的知見に基づく最大クラスの地震、津波を想定した対策の検討が進められました。日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震についても、令和三年十二月に被害想定が公表され、本年三月には、これに基づいて、特に冬季には積雪寒冷地域特有の被害が想定されることも考慮に入れた防災対策がまとめられました。
本法律案は、こうした状況に鑑み、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策について、先に対策が進められてきた南海トラフ地震に係るものと同程度に強化するため、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域の指定、津波避難対策緊急事業計画の作成及びこれに基づく事業に係る財政上の特別の措置等について定めようとするものであります。
次に、本法律案の内容について御説明いたします。
第一に、目的規定について、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震による災害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるおそれがあることに鑑み」との文言を追加することとしております。
第二に、内閣総理大臣は、地震防災対策推進地域を指定するに当たっては、科学的に想定し得る最大規模の地震を想定して行うものとすることとしております。
第三に、関係指定行政機関の長等、関係地方公共団体の長及び関係指定公共機関等は、共同で、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が発生した場合における災害応急対策及び地震防災対策を相互に連携協力して推進するために必要な協議を行うための協議会を組織することができることとしております。
第四に、内閣総理大臣は、地震防災対策推進地域のうち、津波避難対策を特別に強化すべき地域を津波避難対策特別強化地域として指定するものとし、この指定があったときは、関係市町村長は、都道県知事の意見を聴き、内閣総理大臣の同意を得て、津波避難対策緊急事業計画を作成することができることとしております。
第五に、津波避難対策緊急事業に要する経費に対する国の負担又は補助の割合の特例等の規定を設けることとしております。
第六に、津波避難対策緊急事業計画に基づく集団移転促進事業に係る特例措置の規定を設けることとしております。
第七に、国及び地方公共団体は、津波避難対策特別強化地域において、津波避難対策上緊急に整備すべき施設等の整備等を行うに当たっては、交通、通信その他積雪寒冷地域における津波避難対策上必要な機能が確保されるよう特に配慮しなければならないこととしております。
第八に、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、本法律案の提案の趣旨であります。
何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/111
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112・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/112
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113・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、野田さんから発言を求められておりますので、これを許します。野田国義さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/113
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114・野田国義
○野田国義君 私は、ただいま可決されました日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会、日本共産党及び碧水会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域の多くは東日本大震災で津波による甚大な被害を受けた地域となることが見込まれることから、東日本大震災からの復興を一日も早く実現すること。
二 本法の特例に基づく集団移転促進事業に対する地方公共団体の取組が促進されるよう、近年実施された集団移転促進事業に係る事例の分析及び整理を行うとともに、必要な情報、ノウハウ及び助言の提供並びに人的支援等を積極的に行うこと。また、同事業の実施に当たっては、防災性の向上に加えて、地域コミュニティの維持及び活性化が十分に確保されるよう、ガイドラインの作成その他の方法により、当該事業に係る地方公共団体に対して必要な情報提供を行うこと。
三 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域を含め、北海道・東北地方は、我が国の食料基地となっていることから、農山漁村地域における防災・減災対策を積極的に推進するとともに、甚大な被害を受けた場合であっても、国民生活が混乱しないよう、食料の確保についてあらゆる手段を講ずること。また、同地方における災害時のエネルギー供給を確保する観点から、電力施設、石油・ガス備蓄施設等における民間事業者の防災対策に対する支援を充実・強化すること。
四 地震・津波災害と原子力発電所の事故等の複合災害への対応についても十分な配慮を行うこと。
五 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域における地震津波避難対策の推進に当たっては、最近の地震被害による教訓も踏まえ、鉄道など公共交通機関の耐震対策を一層進めるとともに、スマートフォンの普及などデジタル化の進展等を踏まえた対策の見直しを行うこと。また、積雪寒冷地域である特性に鑑み、低体温症への対処について防災訓練や防災教育等において周知徹底を図ること。
六 実効ある災害廃棄物処理計画を作成し、速やかに生活環境や公衆衛生の確保が講じられるようにすること。また、感染症の感染拡大時における感染防止策についても十分な配慮を行うこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/114
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115・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいま野田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/115
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116・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 全会一致と認めます。よって、野田さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、二之湯防災担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二之湯防災担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/116
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117・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) ただいまの決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/117
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118・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/118
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119・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814339X00620220511/119
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