1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月二十九日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月二十四日
辞任 補欠選任
自見はなこ君 羽生田 俊君
竹内 功君 藤川 政人君
古賀 之士君 石垣のりこ君
杉 久武君 河野 義博君
三月二十五日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 末松 信介君
羽生田 俊君 自見はなこ君
石垣のりこ君 古賀 之士君
河野 義博君 杉 久武君
三月二十八日
辞任 補欠選任
山下 雄平君 竹内 功君
難波 奨二君 森本 真治君
三月二十九日
辞任 補欠選任
末松 信介君 三木 亨君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 俊郎君
理 事
西田 昌司君
藤末 健三君
森屋 宏君
牧山ひろえ君
山本 博司君
委 員
大家 敏志君
櫻井 充君
自見はなこ君
竹内 功君
藤川 政人君
三木 亨君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
勝部 賢志君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
森本 真治君
杉 久武君
大塚 耕平君
浅田 均君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
財務副大臣 大家 敏志君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 宗清 皇一君
事務局側
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
金融庁企画市場
局長 古澤 知之君
財務省主税局長 住澤 整君
財務省国際局長 三村 淳君
国税庁次長 重藤 哲郎君
資源エネルギー
庁電力・ガス事
業部長 松山 泰浩君
原子力規制委員
会原子力規制庁
次長 片山 啓君
原子力規制委員
会原子力規制庁
原子力規制部長 市村 知也君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/0
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001・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、足立敏之君、山下雄平君及び難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として藤川政人君、末松信介君及び森本真治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/1
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002・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省国際局長三村淳君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/2
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003・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/3
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004・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/4
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005・勝部賢志
○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
今日は国際開発協会、IDA法の質問をさせていただきますけれども、その前に二点ほど鈴木財務大臣に確認をさせていただきたいことがありますので、お願いいたします。
岸田総理は昨日の決算委員会でも、経済対策に対する予算を今日の閣議あるいは閣議懇談会でしょうか、そこで指示をするというふうに言っておられましたけれども、どのような指示が出されたのか、概略で結構ですのでお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/5
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006・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今朝の閣議の後の閣僚懇談会で総理から指示がございました。
手元にペーパーがございませんので細かくは言えませんが、概要を申し上げますと、コロナ禍の下でウクライナの侵略のことも重なって、そして物価高等が進む、それが日本国経済あるいは国民生活に大きな影響を与える状況にあるので、そうしたことに対応するためのいわゆる経済対策、そうしたものをこれからつくるようにという、そういうような発言であったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/6
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007・勝部賢志
○勝部賢志君 その中で、総理からは、財源についてですとか規模については何か指示がありましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/7
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008・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まずは、来年度のコロナ予備費、また通常の予備費、それぞれ五兆円と五千億円計上されているわけでありますが、まずはそれを当面使うといいますか、そういうようなことでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/8
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009・勝部賢志
○勝部賢志君 今日の閣僚懇談会で時期などもある程度示されたのかなというふうに思うんですが、これからそれについては検討されるということなんですけれども。
私、昨日、岸田総理が発言をされるその一連の発言の中に、コロナ対策予備費を使って、活用してと、今大臣もそうおっしゃいましたけど、それはコロナに関わる対策に専ら使うことが規定されているので、その予備費、仮に五兆円、来年度あるにしても、あっ、来年度ですね、あるにしても、それをその物価高騰の経済対策に使うというのは、これは目的外使用というか流用になるのではないかと思いますけれども、そのことに対する見解をお伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/9
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010・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) いわゆるコロナ予備費でございますが、これは、新型コロナに係る感染拡大防止策に要する経費その他の新型コロナ感染症に係る緊急を要する経費の不足について、臨機応変にかつ時機を逸することなく対応するために計上されているものであります。
こうした考え方の下、各省庁から今申し上げた趣旨に該当しコロナ予備費を使用したいという要求があれば、その要求に、要求の個別具体の内容に基づいて使用の可否を判断することになると、そのように考えております。
今回、総理から指示のございましたいわゆる経済対策は、コロナ禍の下、それにウクライナのこの情勢も重なっていろいろな影響があるということに対するものでございます。いずれにしても、先ほど申し上げましたとおり、コロナ予備費の性格はコロナに関わるものということでございますので、個別具体に、様々な各省庁から要求が出た場合には、それを個別具体に判断をして、使えるか使えないか、可否を決めていきたいと思います。
ちなみに、例を挙げますと、昨年末、十八歳以下のお子さんを持つ世帯に対する給付、十万円の給付を行ったところでありますが、それにつきましては、年度内に早くお届けをするという意味で、中学生の部分については児童手当の仕組みを活用するということで、これは十一月に令和三年度のコロナ予備費を活用をしたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/10
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011・勝部賢志
○勝部賢志君 やっぱり予備費というのは、そういう意味では予算委員会等を経ずに政府の判断で活用できると、迅速にという一方で、使われ方が極めて不透明になりかねないと、そういうことで、私たちもそのことについては何度も指摘をしてきました。とりわけ、ここは財政委員会ですので、その件についてはやっぱり厳格に対応すべきだと思います。
国民の皆さんから見て、何かその使われ方が不透明だとか、我々国会議員も、とりわけこの委員会はそういうことを厳格にやるべしという委員会でありますので、そこは財務大臣、是非そういう財政法、それから、先ほど大臣からもありましたけれども、予算総則の中にはしっかり明記されていますので、それに触れることのない対応をお願いしたいというふうに思いますし、だとすると、予備費というのは、一般の予備費は五千億程度なんですね。
ですから、その経済対策、今回のウクライナの問題を含めた、例えば我が国のロシアにこれまで協力をしてきたいろいろな企業が撤退せざるを得ないとか、様々活動ができなくなる、そういうことに対する対応も必要だと、これは総理もおっしゃっていますが、これはコロナではありませんので、そういう意味での対応をするとすると、本当に五千億で足りるのかと。なので、我々は、やはりそれは、予算審議の最中は、来年度予算でしっかり措置すべきだと、こういうふうに言ってきましたし、予算も成立しましたので、今後はやっぱり補正予算しっかり組んでやるべきだということを改めて申し上げさせていただきます。
それで、もう一点、これもウクライナの関係なんですけれども、最恵国待遇の撤回には法改正が必要だと。それからもう一つ、デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するためにも法案改正が必要だと。これはとりわけ財政金融委員会に関わる、外為法の改正も関わると、こうおっしゃっていましたので、これについて、現段階で財務大臣としてどのような法改正が必要なのか、そしてあわせて、この残りの国会も極めてタイトな日程でありますけど、どのようなスケジュールで取り組まれようとしているのか、その点についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/11
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012・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 勝部先生御指摘のとおり、このロシアに対する制裁の一環として、最恵国待遇を取り消すということと、それからデジタル資産を用いたロシアの制裁回避への対応をしっかりやるということでございまして、関税、外為法関係においてこれを行っていくことになると思ってございます。
そして、国会の日程等のお話ございましたが、法案提出のタイミングにつきましては、関係者ともよく調整しながら進めなければならないと思いますが、私どもといたしましては、速やかに準備を進めた上で今通常国会に提出をしてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
そして、その法案の中身につきましては、今具体的に検討を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/12
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013・勝部賢志
○勝部賢志君 現段階ではその程度のことしかお答えできないかなというふうに思うんですが、心構えとしては、外為法の改正となれば第一義的にこの委員会が所掌するということになろうかというふうに思いますので、できるだけ速やかな対応を、これもやっぱり制裁に穴を空かせないという意味での対応だと思いますので、できるだけ速やかな対応を求めておきたいというふうに思います。
それでは、法案の中身に入りたいというふうに思います。
IDA法は、基本的に我々は協力すべきという観点でおりますし、ある意味非常に重要な機関だというふうに思っています。その国際開発協会がコロナのこともあって資金不足に至っているということで、一年前倒しでその資金を補充、充填するということなんだというふうに思いますが。
そこでまず、対象となる国はその国の相対的貧困度によって決まるということで、私も不勉強のところがあってちょっとこの中身少し勉強させていただいたんですけれども、一人当たりのGNI、国民総所得が毎年新たに定められる上限を超えてはならないということが条件になっていると。今年はその上限額が一千二百五ドルと定められているというふうに承知をしていて、七十四か国がその対象だということなんですけれども。
ちょっと調べましたところ、一位がスイス、このスイスが八万五千七百十八ドル、それから日本は、このスイスに比べると半分ぐらいで、四万一千五百十三ドルということです。これに、今レートが今日で百二十五円ぐらいに上がって、上がるというんですか、円安になっておりますけれど、それを掛けると大体年間の総所得分かるんですけれども。これに比べて、最貧国は千二百五ドルということなので、比べると相当、日本に比べて三%、それ以下ということなので、相当厳しい状況にあるんだなということを改めて実は感じたところなんですけれども。
そういった国々が今回コロナによってどのような影響を受けられているのか、コロナの状態そのものが余り報道もされないものですから、まあ不勉強な私が悪いといえばそれまでなんですけれど、ちょっとこの場で、どのような状態だったのか、そしてIDAがどのような支援をされてきたのか、その辺の点についてお答えをいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/13
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014・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
今先生から低所得国の状況ということで、恐らく、よく話題になりますワクチンの接種状況、これを申し上げるのが一番端的に状況を御理解いただけるかと思いますので、御紹介申し上げますと、WHOがまさに今月発表した最近のデータでございますけれども、いわゆる高所得国は既に人口の七割超、これ三月二十五日時点のWHOの数字でございますけれども、七二・六%、人口の七割超が既に高所得国ではワクチンの接種を完了してございます。一方、低所得国でございますけれども、ワクチンの接種を完了したのがまだこの二十五日時点で一一・四%、一割強ということで、もう高所得国とは大きな差があるような状況でございます。
まさにこういう状況でございますので、先生からもお話ございましたけれども、世界銀行グループ、IDAも含めまして、このコロナへの対応、途上国におけるコロナへの対応ということ、るる対応してきてございます。
二〇二〇年四月から昨年の六月までというところでの数字が既にまとまってございますけれども、今申し上げましたワクチンの普及でございますとか、あるいは、当然、コロナの影響を受けた労働者の方へのセーフティーネットの提供とか、あるいはコロナで学校が閉鎖された場合のこの学習機会の確保ですとか、こういった社会的なセクターでの支援といったことも含めまして、この二〇二〇年四月から二一年六月までで、世銀グループ全体で一千五百七十億ドルの支援を既に承認をしてございます。
その中で、今般審議をお願いしておりますIDAでは、既に五百三十三億ドルの支援、これを承認をしているという状況でございます。三年間で八百二十億ドルということでやっておりましたのが、既に五百三十三億ドル、コロナだけでもやっていると、こういう状況の中で、先生からもお話ございましたIDAの増資の前倒しというようなことで今般対応すると、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/14
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015・勝部賢志
○勝部賢志君 丁寧な御説明ありがとうございました。
状況は非常に厳しいものがあって、まだワクチンが一一%ということですから、これできるだけ早く、資金的にも必要なんでしょうけれども、そのワクチンそのものを提供するというか、そこに供給していくということも必要なので、これはIDA法に直接関わらない部分かもしれませんけれども、そういったことも含めて、しっかり我々、我が国としても、そのことについて力を尽くしていくということが大事だということを感じました。
この際でありますので、少し細かい話なんですけれども、国際金融機関全般についてと、それからIDA法、IDAの中身について少しお聞かせいただきたいと思いますが、資料いただきましたので、この青い冊子、それからホームページなどをちょっと見させていただきました。
承認額分類におけるセクターとテーマの違いというのがあって、それがちょっと正直よく分からなかったんですが、その点について簡単に御説明いただきたいのと、もう一つは、IDAの日本語のホームページに成果測定システムというのが出てきていて、そこをクリックすると英文がだっと出て、結局読み解けないということで、そこも大変お恥ずかしい話なんですが、それがどのような、何というんですか、システムになっていて、評価を検証するという意味でどういう役割を果たしているのかも含めてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/15
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016・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
先生からお話ございましたように、世界銀行におきまして、この支援承認額をセクターという概念、それからテーマという概念、この二種類の概念に応じまして支援額の分類というものをやってございます。
まず、このセクターの方でございますけれども、これは、その世界銀行グループの支援案件によってもたらされる、どんな財ですとかサービスがもたらされるのかということの種類の基にしまして、例えばその支援案件を、農林漁業でございますとか、エネルギーでございますとか、運輸でございますとか、こういったいずれかの産業区分に分類をしておると、これがセクターという概念でございます。
一方、テーマの方でございますけれども、典型的な持続可能な開発目標、SDGsのような様々な開発目標ございます。この世銀グループがやっております支援がこの開発目標に向けてどういうふうに機能しているのか、この支援の状況を目標別に把握をすると、これがテーマでございまして、例えばでございますけれども、この支援案件を、人間開発、ジェンダーという目標でございますとか、環境、天然資源管理というような目標でございますとか、こういった目的別に分類をしておるのがテーマの方でございまして、こちらは当然、一つの支援案件が複数の目標、目的に資するというようなケースもございます。そういう場合には一つの案件であってもこの複数のテーマにも分類をしていると、こういった形で分類しているのがテーマという概念でございます。
それから、もう一点お尋ねのございました成果測定システムでございますけれども、当然IDAの私どもも含めまして各国がドナー国のお金を使って支援をするということでございますから、いわゆるPDCAのサイクル、これをしっかりと回して、きっちりとこのIDAが目的どおりに目標に向けて進捗しているか、支援が進捗し、また成果が達成できているかということを測定することがこれ極めて重要でございます。この成果測定システムはまさにそういうものでございまして、それぞれの増資の交渉のたびに定量的な指標、様々な指標を設けまして、この指標の進捗、数字の進捗を見ることでIDAの支援の成果というものがちゃんと上がっているかどうかを確認する、そういうPDCAあるいはそのIDAとしての説明責任のためのツールというものがこの成果測定システムというものでございます。
今般のIDA二十次増資の場合も、実は全部で九十五個、そういう定量的な指標、様々ございますが設定しておりまして、どういう指標を設定するかというのも、増資交渉の過程の中で日本も含めましてドナー国で議論もしてございますし、この指標を設けるだけで意味ございませんので、その指標の数字につきましてもIDA三年間の中途で行います中間評価、二十次増資の場合には来年の秋頃予定されてございますが、そこでもこの九十五の指標の進捗状況をみんなでチェックをして、こういう形でPDCAサイクルを回す仕組みになっておると、これが成果の測定システムでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/16
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017・勝部賢志
○勝部賢志君 その検証というのは極めて重要だと思います。
そして、先ほど、先に聞いたセクター、テーマの話なんですけど、今回は特に、日常あるというか、これまであったそういうテーマやセクターではなくて、コロナというのはやっぱり特別だと思うんですね。その特別な対応で今まで進めてきた何年次計画みたいなものを進めてきたやつが恐らくストップしているんだろうと思うんですね。だから、その辺の状況は、やはりコロナを優先させるというのは政策的な判断としては私は間違ってはいないと思いますけれども、正常になったというか、コロナが収まってきた段階ではやはり何年か遡って、やっぱりその国が目指していたテーマやセクターに沿ってもう一度、その検証も踏まえて対応していくべきだというふうに思いましたので、このような質問をさせていただきました。
ちょっと時間が経過しましたので、次の質問一つ飛ばして、我が国の出資状況というのは、一覧表を見ると、先進国というか経済的な力量に応じた額としてはそれなりの金額を拠出しているというふうに受け止めました。その代わり、人の、何というんでしょう、派遣というんでしょうか、そこはある意味少し少なめなのかなというふうに感じたんですけれども。
二〇二一年のデータでは、世界銀行グループに二百十九名、アジア開発銀行に百四十二名、国際通貨基金には六十四名ということで、これは銀行、プロパーで行かれている方がいたり、あるいは財務省とか日銀とか他の省庁からも派遣をされている方がいるのではないかなというふうに思うんですけど、その辺のちょっと内訳を教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/17
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018・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
今先生から、プロパーあるいは財務省、日銀、他省庁の方々、こういった内訳ということでございますけれども、申し訳ございません、なかなかこの財務省、日銀、他省庁、民間といいましても、一義的に各機関またがっての定義というものがございませんものですから、財務省としての正式にお尋ねへの内訳につきまして集計したものはないんでございますけれども、ただ、今お示しをいただきました世界銀行グループ、アジア開発銀行、国際通貨基金、この三つの機関につきまして私どもが把握しております範囲で、お尋ねのこの官庁、各省庁でございますとか日銀でございますとかJICAといった公的機関から出向されている方の割合、大体どれぐらいかということで申し上げますと、私の把握しているところで、これも結構機関によってばらつきがございますけれども、比較的小さいところではこういった公的機関からの出向者の方は日本人の中で一割に満たないというようなところもございまして、多いところですと二割を超えるようなところもあるということで、おおむねこの三つについて申し上げますと、今申し上げた一割弱から二割強ぐらいの範囲と、これが公的セクターからのいわゆる出向ということで私どもが把握をしている方々の割合でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/18
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019・勝部賢志
○勝部賢志君 お金は出すけれども口は出さないというやり方が一番いいのかもしれませんが、やはり私は、世界の中での日本の役割というのはこれはある意味求められていますし、その日本の影響力というか、それも、それはそれで確保すべきだというふうに思うんですね。
ですから、出資比率と職員の数の問題というのはよく指摘をされるというふうに思うんですけれども、私は、今言ったように、日本は少し謙虚に過ぎるのではないかなというふうに実は思っています。その理由と、財務省における、あっ、財務省でいいのかな、財務省ですね、財務省におけるその問題意識あるいは取組、そのようなものをちょっとお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/19
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020・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生御指摘のとおりに、世界銀行グループにおけます日本人職員の割合は世銀における日本の出資比率に比べると小さいものになっております。その要因といたしましては、国際機関で働くに当たって必要な英語を始めとする語学力、経済学や開発等の修士号、博士号、世銀の採用において重視される開発現場での複数年の経験などを全て兼ね備えた人材を発掘することが課題となっていることが挙げられると思います。
政府としましては、世銀、世界銀行グループ等の国際機関における日本人職員を増やすことは国際社会における日本のプレゼンスを高めていくために重要なことである、かねてから考えておりまして、かねてより世銀と連携をして、世銀幹部の来日を含むリクルートミッションの実施、世銀幹部と日本人職員を招いた日本人向けキャリアセミナーの実施、総裁を始めとする世銀幹部に対する働きかけなどに取り組んでまいりました。このような取組によりまして、日本人職員の数は五年前の百七十三人から二五%以上増加しております。
今後とも、日本人職員の更なる増加に向けまして、必要な取組を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/20
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021・勝部賢志
○勝部賢志君 日本人初の世界銀行副総裁であった服部正也さんという方がいらっしゃって、その方がルワンダに行かれたんですね。ルワンダ中央銀行の総裁になられて、その日記がありました。この機会にちょっと、こういう本なんですけど、全部をまだ読んでないんですが、ちょっと中身読むと、その職責に打ち込むお姿が、当地の方々から大変深い、深く、愛情を持って服部さんも接したし、地域の人たちからも愛されたと。その人柄が愛された理由なんだとは思いますし、またもう一つは、本人がやっぱりその職責を全うしようという思いが物すごく情熱にあふれているということがこの本の中の最初の方に出てくるんですね。私は、そういうことこそ我が国にとって非常に大きな国益になるのではないかというふうに思っています。
今、世界の実情が、冒頭お話ししたように、ウクライナの問題など非常に緊張感があって、混沌としていて混乱している状況ですけれども、やはり日常のこういう取組が日本に対する信頼や評価につながったり、あるいは世界の平和にもつながっていくのではないかと私は感じています。
そんな意味で、先ほど大臣が言われましたように、そういう役割しっかり果たせる人材育成を含めて取組が必要だというお話もございましたので、私はそんな意味で、このIDA法に、今回、IDAに増資をするという件には賛成をしたいと思いますし、引き続きしっかりお取組をいただきたいということをお願いをして、大臣から御決意などがあればそれを最後に聞いて、時間になりましたので質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/21
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022・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 勝部先生から、日本人初の世銀副総裁であった服部さんのお話を伺ったところでございますが、途上国への赴任につきましては、日本や先進国では得られない勤務経験ができる貴重な機会であると思っております。途上国に赴任する日本人職員がいることは、我が国の国益にも資するものと考えます。実際に、現在も意欲のある財務省職員がアフリカを含む途上国各国で活躍をしているところでございます。
財務省としては、このような意欲のある職員が途上国も含め世界で活躍できますように、外国語での業務能力や業務の専門性を高める機会を提供するなど、引き続き職員のキャリアパスを構築するための取組をしっかりと前に進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/22
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023・勝部賢志
○勝部賢志君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/23
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024・大塚耕平
○大塚耕平君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
IDAについて私も確認をさせていただきますが、今回、第二十次増資、直近でいただいた資料ですと、アメリカはまだ増資に未対応ということになっておりましたが、現状を聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/24
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025・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
一昨年、IDAの十九次増資の法案審議いただきましたときの附帯決議も踏まえまして、財務省として、G7各国の予算措置、対応状況について情報収集を行いまして、先般三月の二十四日に当委員会に、その時点での情報、御提出の資料という形で御提出申し上げたところでございます。
その際、先生御指摘のとおり米国について未対応ということで出してございましたが、その直近でまさに動きがございまして、アメリカで現地時間の昨日二十八日でございますけれども、二〇二三年度の予算教書というものが議会に提出されてございます。その中で、このIDAの二十次増資に資金拠出を行うという旨の記述が含まれているというふうに承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/25
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026・大塚耕平
○大塚耕平君 IDAと並んでIFCについても毎回報告いただいていますけれども、アメリカはIFCは第十九次増資に関しては結局不参加となったんですが、これはどういう理由で不参加になったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/26
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027・三村淳
○政府参考人(三村淳君) 恐れ入ります。
先生御指摘のとおり、このIFCの前回の増資、アメリカは不参加ということでございます。これ、それぞれの外国側の個別の国際金融機関についてなぜ出資をしたのか、しなかったのか、その辺りのちょっと理由や背景につきまして日本政府としてなかなかお答えすることは難しいところでございますけれども、ただ、アメリカは、まさにこのIFCの前回の増資のもう既に合意に至る前の増資交渉の過程から、今回は自分たちはこの出資は行わないんだという旨の判断を示していたというふうに理解をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/27
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028・大塚耕平
○大塚耕平君 他国のことだから分からないというお話なんですが、やっぱりアメリカ側の西側や自由主義陣営のリーダーであり続けるためにはこういうことに対しても自らの責任を果たしていかないと、今回のウクライナ危機のようなことになったときにやっぱり求心力失うと思うんですね。
日本はそういうことをちゃんと言っていくべきだと思うし、大臣、実はワクチンの関係でCOVAXというのがよく出てくるんですが、COVAXに日本ももうすごい拠出をしていて、そこから途上国にワクチンを配布するということで、この二年間、そういう話題ばっかりだったんですが、去年、ほかの委員会で、COVAXは、実は生産、ワクチンの開発、生産のためにCOVAXに集まった資金を製薬メーカーに拠出して、それで開発するというファシリティーも持っていて、日本はそれ使っていますかという話をしましたら、その段階でそもそも外務大臣は御存じなかったと。しかし、今からでも遅くないから、日本は出すだけ出して、日本の製薬メーカーは開発に関して何か拠出をもらっているわけでもないのは、これはやっぱりちゃんと対処するべきだということを申し上げて、一年たって、先週、他の委員会で確認したら、相変わらず何もやっていないんですね。つまり、出すだけ出して、そして欧米諸国はもちろん出していますけど、そのワクチンを開発しているのは欧米諸国なので、COVAXから開発資金の支援を受けているんですよ。
だから、私が申し上げたいのは、このIDAとかIFC、言わばブレトンウッズ体制の下で構築された西側のいろんな金融のファシリティーに、やっぱり三十年前ぐらいまでは日本は、何といいますか、西側諸国のいいタニマチとしてどんどんお金を出していればよかったんですけれども、もうちょっとそういう余裕はない状態になってきていますので、やっぱり他国はどうしているのか、そして日本はそのファシリティーの中で使えるものはちゃんと使っているのか、こういうことをチェックしていく必要があると思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/28
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029・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生御指摘の点は大変重要な点であると、そういうふうに思います。
二年前の第十九次の増資に係る法案を御審議いただいた際も、附帯決議を頂戴をいたしまして、国際機関への資金拠出を行うに当たっては、加盟国の資金拠出の動向等に関する情報収集、これに努めて、国会に適時適切に提供するということになっておりました。まさに、拠出をするだけでなくて、他国はどういうような動向で、ちゃんと拠出をしているのかどうか、そしてそれが有意義に使われているのかどうか、そういう情報収集、それについては今後しっかりとやっていかなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/29
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030・大塚耕平
○大塚耕平君 蛇足になるかもしれませんが、イギリスがそもそもEUに参加することに元々余り積極的ではなくて、結局離脱をしましたけれども、サッチャーさんの時代に随分やっぱりそういう議論があって、イギリスは何を主張していたかといったら、EUに拠出するのはいいけれども、その当時のEUのファシリティーは農業補助金が中心だったので、イギリスは出すだけ出して農業補助金は余りもらえないので、参加している意味がないといってサッチャーさんが随分暴れたんですよ。
で、良くも悪くも、やっぱり国家として一定の財政負担を負うということは、これは国民に最終的には負荷が掛かるのですから、やっぱり繰り返し申し上げますが、タニマチ気分で国際社会を泳げるようなもうそういう状況ではないということを是非御理解いただいて、適切に御対応いただきたいというふうに思います。
そういう観点でもう一つお伺いしますが、IDAとかIFCに日本はこうやって出資しているわけですけれども、IDAやIFCから中国やロシアに対する増資や出資、拠出や出資が何か行われているかどうか、事実関係だけ教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/30
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031・三村淳
○政府参考人(三村淳君) IDA、IFCから中国、ロシアへの支援の状況ということでお答え申し上げます。
まず、IDAでございますけれども、ロシアはこれまでIDAの支援対象国になったことはございません。それから、中国は過去にはIDAの支援対象国でございましたけれども、既に第十二次増資の際に支援対象国から卒業しておりまして、これ、二〇〇〇年からが十二次増資ですので、二〇〇〇年以降、中国につきましてIDAからの支援の承認案件というものはないと、こういう状況でございます。
それから、IFCの方でございますけれども、こちら、足下、二〇二一世銀年度、これ昨年の六月までの一年間ということでございますが、こちらは中国向けの投融資承認額が九億ドルございます。一方、ロシア向け、こちらは直近の世銀年度もございませんし、またロシアにつきましては、いわゆるあのクリミアの事案ございました二〇一四年以降、ロシア向けのIFCの案件はないという、新規の案件はないというふうに承知をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/31
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032・大塚耕平
○大塚耕平君 そもそも二〇〇〇年に、二〇〇一年だったかもしれませんが、中国がWTOに加盟したのも、当時これを認めたのはそのちょっと前のクリントン政権のときだったと思いますけれども、要は、中国を西側の経済圏に取り込むことによって民主主義化させるとか価値観を共有させるという大きなアメリカの戦略があって、中国を参加させて、ところが、二十年たってみたらこういう状況ですし、冷戦崩壊後のロシアに対しても同じ対応で長い間来たわけですね。
しかし、事ここに至って状況は大きく変わり、そしてちょっと前から中国はAIIBをつくったり上海経済協力機構をつくったり、つまり西側のブレトンウッズ体制と対抗するその体制をもう構築しているわけですから、やはり、今日ちょっと三回目で、余りくどく言うと嫌われますが、もうタニマチ気分の国際金融、そのファシリティーへの参加やあるいはルーティーンのような惰性で何年かに一回対応するということはこれ改めて、やっぱり中国、ロシア側の状況が今どうなっていて、そして西側のファシリティーはそこに対してどういう対応をしていて、その中で西側のファシリティーを音頭を取っているアメリカは自らの責務をちゃんと果たしているのか、そういうことをチェックし、もし果たしていなかったような場合には、かつてのサッチャーさんのように言うべきことは言うと、行動すべきことは行動するというふうにやっていかないと我が国はなめられるばっかりということになると思いますので、そういうことを大臣には是非御理解いただいて適切に御対応いただきたいと思います。
あと三分ぐらいあるのでちょっと別の話題なんですが、昨日、日銀が指し値オペを三日連続でやると宣言をして、今日も十時十分からということでやっていると思います。昨日は、結局〇・二五%で、買ってくれと言われたら幾らでも国債買いますよといってやったけれども、午前中は売手が現れず、午後にさっき報告受けたら六百四十五億円と。今日も幾らオファーがあるか分かりませんけれども。
つまり、金利は上昇させないという日銀の決意は分かるんですけれども、インフレに伴って世界はそういう状況じゃない中で、そういうことなら円を売りましょうといってとうとう百二十五円台に昨日ヨーロッパ市場では入りました。
先般、大臣は、為替のことについてお伺いしたところ、大臣がコメントすべきではないということで的確に御発言いただいたんですが、今進んでいるのは明らかに悪い円安ですから、まあ時と場合によっては大臣が御発言になるということが大変大きな意味を持ち、それ政策的な効果もありますが、今日もひょっとすると百二十五円から今度は百三十円に向かって円安が進む、そういうトレンドに乗っていく可能性がありますが、為替についての大臣のお考えをお伺いして、最後にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/32
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033・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 繰り返しと、もしかして前回の答弁と同じになってしまいますが、私の不用意な発言が何か市場に影響を与えてはいけませんので、これはコメント直接はいたしませんけれども、為替の安定というのはこれは重要であると思います。特にもう急激な変動というのはこれは望ましくないと、こういうふうに思っております。
したがいまして、特に最近の円安の進行を含めまして、為替市場の動向でありますとか日本経済への影響というもの、それも緊張感を持って今後ともしっかりと注視をしていかなければいけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/33
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034・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間ですので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/34
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035・大塚耕平
○大塚耕平君 沈着冷静な鈴木大臣におかれて不用意な発言はないと思いますので、そうではなくて、用意周到な発言を時と場合によってはしていただく必要があると思いますので、お願いして終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/35
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036・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
質問の通告をしておりますけれども、また、今の大塚委員の質問に対しまして国際局長から御答弁があったんですけど、私、OECDという国際機関に勤めておった者から、やっぱりちょっと、どっちかというと大塚先生に対する答弁の補足をさせていただきたいと思うんですけれども。
今回もアメリカが増資に応じてなかったという御質問に対して、予算教書に書かれてあったというふうな御答弁だったんですけれども、やっぱりアメリカとかイギリスとかは、こういう国際機関に対する分担金を払うとか、それから増資とか出資とか、そういうことに関してやっぱり口出してくるんですよね。だから、さっき勝部先生がおっしゃっていたことと私は若干見解が違うんですけれど、例えばOECDなんかでも事務総長の選挙とかいうのがあって、アメリカが推している人がなれないというような状況だったら分担金出さないとか、そういうまあえぐいことをやってきますので、何も、大塚先生おっしゃっていたように、国際機関ってあんたらタニマチで金だけ出してくれていたらええんやというふうな向こうの受け止めだったんですけれども、それをやっぱり変えていくために口も出していく必要はあると思います。
今回のこのIDAの増資に関しましては、私どもはODAをもっと増やしていくべきだという立場ですので、賛成させていただくんですけれども、何点か今日通告させていただいていて、確認させていただきたいことがありますので、順次質問させていただきます。
開発援助ということに関して言いますと、今回出てきておりますこの世銀それからIDAのようなグループと、それから我が国はJICAという組織がありまして、開発援助に対してそれぞれ役割は果たしているわけですけれども、それぞれの、例えばIDA、世銀グループとそれからJICAグループとどういうふうに役割分担しているのか、すみ分けているのかということからお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/36
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037・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) おはようございます。
浅田先生からIDAとJICAの関係についてのお尋ねをいただきました。
まず、それぞれの特徴でありますけれども、JICAを通じた二国間支援、これは顔が見えやすいという利点があります。一方、国際機関と比較しては金銭的に、金銭的資源には限界があるという点も事実であります。これに対してIDAは、他国の資金も生かした支援をすることが可能であるという特徴があります。
日本は世銀の中でプレゼンスを発揮するとともに、日本が重視する開発課題を世銀の優先分野に反映することができたとすれば、二国間支援に加えて一層効率的、効果的に日本が重視する課題への取組を進めることができます。
ですから、こういう考え方の下で日本が増資交渉を通じてリーダーシップを発揮した結果、この二十次増資の重点政策の中に我々の開発課題が反映をされております。それは、国際保健、防災、質の高いインフラ、債務問題などであります。
また、世銀グループとJICAでありますけれども、これは毎年年次協議を開いて議論し、そして情報交換を現場でもやり、協調融資をするなどを行って、この相乗効果を図るためにこういうことを行っておりますので、今後ともこういう取組を続けてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/37
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038・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
それで、ODAって昔一番多かったときは一兆円を超えていて、もうそれが五千億円ぐらいになってしまって、積極的平和外交と言うなら、こういうところにこそもっとお金を投じるべきだと私どもは考えております。
で、そのODAの部分が、DACを通じてODA出していると、その部分が減ってしまったけれども、例えばこの国際開発協会、IDAなんかを通じて増資協力をしているということは、減った分それである意味相殺できるというような考え方もあるんで、ただ、我が国、日本が積極的平和外交をやっていると、アフリカへまず行って、まず案内されるのが、これJICAの無償協力によってこんなのできましたとか案内して紹介してもらえるというのは、僕らにとって物すごく誇らしいことですし、日本もこれだけのことをやっているんだなという実感を持って、何というか、政府のやっている援助がこういうふうに現地の方々に歓迎されて喜ばれているんだ、それなりの世界貢献をやっているんだということで、本当にその実感を持って国というものを感じるときなんですね。だから、そういうところにもっともっとお金を投じていくべきだというふうに考えております。
それで、そのお金の種類についてちょっと確認しておきたいんですけれど、無償資金協力、これ贈与ですよね、とそれから譲許的資金、これの違いは何なのか。それから、非譲許的資金と借款、長期低利融資ですよね、これのまあおぼろげながら文字面を追っていくと大体意味は分かるんですけれども、明確に教えていただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/38
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039・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
まず、途上国に対する支援に譲許的資金によりますものと非譲許的資金によるもの、この二つに分けられるということでございます。
その上で、譲許的資金とは何かということでございますが、先ほど委員からも言及ございましたOECDの方で国際的なルールといいますか計算式を定めてございまして、この計算式に従いまして、我々が供与しますその金利ですとか償還期間ですとか、こういった供与条件が通常民間から資金調達を行う場合に比べてその支援を受ける側にとってどれぐらい有利かと。一定以上有利であれば、これグラントエレメントという技術的には申しますけれども、このグラントエレメントが一定以上譲許性が高ければ世界的に譲許的資金ということで評価される、定義されるということでございます。
その上で、無償資金協力ないし贈与、それから長期低利融資という言及いただきました。
無償資金協力、これ贈与でございますので、当然これは譲許的資金に当たるということでございます。
その上で、融資、借款の方でございますが、これは先ほど申し上げましたように、金利でございますとか償還期間、こういった条件に照らしまして、一定以上譲許性が高ければ譲許的資金に定義をされる、そこに至らなければ非譲許的資金に定義されると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/39
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040・浅田均
○浅田均君 流れからいくと、一番最後に通告しているMDRIですね、マルチラテラル・デット・リリーフ・イニシアチブというのがあって、債務救済を行うというふうになっているんですけれども、その贈与とその譲許的資金とか非譲許的資金と借款とか、その一番お金の面で困っているところに対して何とかしてあげたいという思いでお金出すわけですから、貸したのがまた重荷になって、やがてはその贈与というか、に変えなあかんのやったら、最初からもう贈与にしておけばいいと思うんですけれども、こういうところに関してはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/40
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041・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) IDAでは、IDAは、支援対象国の所得水準や債務持続可能性を踏まえまして、贈与又は超長期かつ低利の融資を提供しております。IDAの限られた資金を有効に活用しつつ途上国の需要に対応するとともに、支援対象国にオーナーシップを持たせ、モラルハザードを防ぐ観点からも、所得が一定水準以上の国又は債務が持続可能である国に対しましては、引き続き贈与ではなく超長期、低利の融資による支援を行うことが適当であると、そのように考えます。
融資による支援を行っていく上では、借入国の債務持続可能性の分析の強化、借入国の債務の透明性、持続可能性、債務管理能力の向上、債権国の協力などが重要でありまして、今回のIDA第二十次増資におきましても、日本の主張もありまして、引き続きこうした取組を行うこととなっております。
なお、IDAを始めとする国際金融機関の債権は他の債権よりも返済の優先順位が高いため、MDRIのようにIDAの債権が債務免除の対象になること、これは極めて例外的であると、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/41
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042・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
それでは、最後、これさっき、これもまた大塚先生の方から問題提起あったんですけれども、先般、アメリカの薬屋さんと話をしていて、コロナのワクチンに関して何が問題であるかということを聞いたら、やっぱりこれ、ラストワンマイルが問題であると。あるところまでは行くけれども、実際の助けを求めている、ワクチン接種を求めている方々のところにまで、ラストワンマイル、ここがなかなか行かないということを聞かせていただいて、いみじくもこの今回の増資分が新型コロナウイルス感染症対応、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を含む保健システムの強化に使用されると書いてあるんですけれども、他方、先ほどの大塚委員の御発言どおり、COVAXファシリティーというのがあって、これ日本が全然使ってないと。
大臣に聞いたら御存じなかったというようなお話だったんですけれども、こういうCOVAXファシリティーというのがあって、それを使ってないというのも問題だと思いますし、こっちの増資分でまたそっちの方に行くというのはまあ二重行政ではないかという思いもするんですけれども、この役割分担ですね、どういうふうにされているのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/42
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043・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/43
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044・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
COVAXの方でございますけれども、これは、新型コロナワクチンをCOVAXの側で共同購入しまして、それを途上国に対して無償あるいは非常に安い価格で提供する、こういう、コロナに伴い、二〇年六月にできました枠組みでございます。ただ、これあくまで途上国にワクチンを届けるまででございまして、そこから先のラストワンマイルのようなことはCOVAX自体は行っていないということでございます。
他方、世銀グループの方は、これは世銀が直接ワクチンを買うというよりは、むしろ世銀、途上国がワクチンを調達するためのお金、それから契約締結の支援、こういったこととともに、まさにこのラストワンマイル的なところも含めまして、包括的にこれは世銀グループとして、あるいは場合によってはほかの国際機関や二国間の援助機関などとも連携しながら、こういったラストワンマイルまで含めた支援を行っている。IDA二十次増資においても、引き続きそういったことも含めてやっていく状態になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/44
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045・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/45
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046・浅田均
○浅田均君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/46
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047・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
IDAについては既にもう議論ありましたので、国際的な課題として、今日は国際課税について質問をいたします。
昨年、多国籍大企業の税逃れの対策に関しては、BEPS含めて様々な前進がありました。BEPSに関しては日本の財務省も大変努力されてまいりましたので、私も激励しながら何度もこの問題取り上げてきたところでございます。
BEPSのプロジェクトでは、この税逃れ、多国籍企業の税逃れについて重要なルールが幾つか提起されておりますが、改めて、資料をお配りいたしましたが、移転価格税制に係る文書化制度の整備、これ平成二十八年度改正で、ここでも議論をしたんですけれど、この今後の対応についてちょっと今日は聞きたいと思います。
まず、お配りいたしました資料ですね、移転価格税制に係るこの文書化制度の整備、改めてこのときの改正の意味を説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/47
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048・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
移転価格税制の適切な執行のためには、自国の企業が国外関連者との取引についてどのような取引を行っているかという情報だけではなくて、その多国籍企業グループがグローバルに行っている取引の全体像を把握する必要があるという背景がございます。
こうした観点から、平成二十七年十月に公表されたBEPSプロジェクトの最終報告書におきまして、多国籍企業グループの事業活動の透明性を高めることを目的として、多国籍企業の各種の情報を共通の様式により税務当局に報告することなどに関するルールを整備することが勧告されたところでございます。
この勧告を実施するため、我が国におきましては、平成二十八年度の税制改正におきまして、多国籍企業グループに対して、事業を行う国ごとの収入、所得、納税額等、各国別の活動状況に関する情報をいわゆるその国別報告事項として、またグループの事業概況などのグループ活動の全体像に関する情報をいわゆるマスターファイルとして、それぞれ日本の税務当局に提出すること、これに加えまして、親会社、子会社それぞれにおきまして、関連者間取引における独立企業間価格を算定するための様々な情報をローカルファイルとして作成し保存するといったことを義務付ける制度を整備したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/48
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049・大門実紀史
○大門実紀史君 ありがとうございます。
そもそも移転価格とは何かといいますと、多国籍企業が海外の関連企業との取引通じて利益を税率の低い国に移転すると、するんですね。そのときに、税逃れでやるわけですけれども、通常の価格を操作するわけなんですが、関連企業との取引の間で価格操作ということを通じて、低い税率の国に利益を移して税逃れすると。それをさせないということで、その通常の独立した企業と企業との間のときの価格にですね、価格で行われたとみなして課税、所得を計算して課税すると、移転価格ということを許さないと、そういう価格操作は許さないというのが移転価格税制ですね。
課税逃れ防ぐためのそういう基礎的な資料として必要になるのが、若干御説明いただきましたが、この資料の下の真ん中のところにあります国別報告書ですね。カントリー・バイ・カントリー・リポートというんですかね、国別報告書、CbCRでございます。これは今若干御説明あったとおり、連結の総収入金額が一千億円超える多国籍グループに対して、国ごとの収入、税引き前の利益と納税額、こういうものを親会社に報告させると、親会社が税務当局に報告させるという仕組みのものでございまして、課税逃れを許さない基礎的な資料になっていくわけですね。
ちょうどこの六年前ですね、この改正のときにこの問題を私取り上げさせていただいて、当時、EUはこの国別報告書で集めた情報を一般に開示するという議論が行われておりましたので、日本でもそういう情報公開の努力すべきではないかという提案をしたことがございます。
資料の、それからもう六年たって状況が随分変わってきておりまして、資料の二枚目に、もう企業自ら情報開示するようになってきたということで、日経新聞の今年一月二十一日付けでございますけれど、花王とかセブン&アイ・ホールディングスとか二十社が、日本の企業が自らどの国で法人税を幾ら納めているか開示するようになってきたという資料でございます。
記事の中に書いてあるのは、要するにどうしてそうなってきたかというと、多くの企業はESG、つまり環境、社会、企業統治の一環として、自分たちがどこの国で幾ら納税したかを開示するようになってきていると。で、そういうことが海外のESG評価機関から透明性が高いということで評価を受けると、企業価値が上がると。そういう意味で、自ら進んでこういう納税額を公表するようになってきている、国別にですね。当然、背景にあるのは、この間ずっと課税逃れを多国籍企業がやってきたということに対する批判があって、で、ESGでもちゃんと、自ら税逃れはやめましょうという流れになって、こういう流れになってきているということであります。
まず、今の企業の自主的なこういう方向、姿勢の変化について財務省のお考えを聞きたいと思いますが、いずれにせよ、ESGの流れに沿った透明性を高めた方が企業価値が上がるというふうな、いい方向だと思いますが、この点、財務省としてどう評価されているか、お聞きしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/49
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050・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 大門先生、おはようございます。
先生御指摘のとおり、一部の日本企業において自主的に法人税額を開示する動きがあること、また、EUにおいて、EU域内で活動する多国籍企業に対して、EU加盟国別の売上高、納税額等の企業情報の公表の義務付けに関するEU指令が採択されたこと、これは承知をいたしております。
このEU指令については、多国籍企業の納税情報を市民の目に触れさせることにより、企業活動の透明性、これに加えて、社会的責任の更なる向上や、実践を通じて企業による社会貢献を促すなどの観点から導入されたと承知をいたしております。
一方、日本を含め、OECDのBEPSプロジェクトにおきましては、多国籍企業のグループ企業情報について、親会社が所在する国の当局が、日本であれば国税でありますけれども、一括して収集し、関係国間で交換するための国別報告書制度を守秘義務を遵守しつつ実施時期を合わせて導入することが合意をされております。我が国において、平成三十年より関係国間で交換を行っております。
まずは、このBEPSプロジェクトで合意された取組を各国が足並みをそろえて進め、その上で、必要に応じて税の透明性を高める方策を各国が協調して議論していくべきと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/50
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051・大門実紀史
○大門実紀史君 立派な御答弁、ありがとうございます。そこまで聞いていないんですけど。
次の質問ですけど、この記事の中に、下から三段目にちょっと書いてあるんですけど、日本では企業が法人税の納税額などを公表する義務は今のところないと。ただ、かつては国税当局が企業の申告所得額を公示する、いわゆる企業版長者番付の制度があったが、〇六年に廃止されたとなっております。もし答えられるのなら、国税庁、なぜこのとき廃止したのか、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/51
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052・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
御指摘の法人税の公示制度でございますが、これは元々第三者の監視によりまして牽制的な効果を発揮させることによって適正な申告を確保するということを目的といたしまして、所得金額が四千万円を超える法人の名称と納税地、そして所得金額などを税務署の掲示板に掲示するということで公示することになっていたわけでございます。
これにつきまして、公示された情報を契機として第三者による通報が税務当局に寄せられるといった効果は実は実際上はまれであったということでありますとか、公示された情報によって取引先との関係でいろいろな支障を来すおそれがあるといったような指摘がなされていたことなどを踏まえまして、平成十八年度税制改正において、所得税などのこの個人の方の公示制度と併せて廃止をされたというのが経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/52
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053・大門実紀史
○大門実紀史君 三枚目の資料ですね、これは花王の資料なんですけど、もう自ら国別、細かくここまで公表されております。国別の本当に細かい、全部出しているという感じですね。ここまで企業は、自らこういうことを公表した方が企業価値が上がって透明性が上がってというふうになってきております。
ちょっと記事に戻っていただきますと、実はそういう企業の努力だけではなくて、EUなどでは、このオーストラリアやEUですね、納税情報の開示を法制化する動きが出てきております。
EUは昨年合意に至って、二〇二四年頃から開示を始めようという流れになっておりますけれども、これは財務大臣に大きな流れ、方向なのでお聞きしたいんですけれども、日本の財務省としても、こういう企業も自ら開示しようという流れになっておりますし、国としても、政府としても、財務省としても、こういう開示の法制化といいますか、そういうことを検討する時期に来ているんではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/53
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054・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど大家大臣からも御答弁がございましたけれども、一部の国や国内企業におきまして、多国籍企業の活動実態の透明性の確保や社会的責任の向上等の観点から、御指摘のようなこの自ら開示をするという取組が行う動きもあると考えております。
政府といたしましては、国別報告書制度は、課税当局が守秘義務を守るという前提で実施をされていること、そして、花王やセブン&アイ・ホールディングスのように開示することが自らの企業価値を高めるという考えの企業もございますが、また、個別企業の納税情報を公表することは、企業イメージの影響など、競争上の不利益を生じさせるおそれがあるのではないかというような、そういうような考えの方もおられるなどを踏まえる必要があると、こういうふうに思います。
まずは、BEPSプロジェクトに基づく企業情報の収集を引き続き進めまして、国際的な動向、国内企業の取組状況、そういったものを注視してまいりたいと思います。
また、必要に応じまして税の透明性を高める方策を各国が協調して議論していくべきであると、そのように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/54
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055・大門実紀史
○大門実紀史君 私も一遍に全企業の全納税額をとまでは思っておりませんが。
資料の四枚目に、OECDは既に、日本も入っていますけど、国とか州とか各国いろいろあるんですが、課税当局の数だと思いますが、百九十八のいろんな国の地域の課税当局に納税している、納税していると。八百六十六というのは、これは日本に親会社のある多国籍企業の数でございます。一社当たり、納税額じゃないんですが、税の発生額ですけど、一億九千百万ドルというような、もう既にこう出ていますよね。
こういうのを考えますと、日本でも例えば一定規模以上ぐらいは集計して公表できるんじゃないかと思うんですけど、例えば租税特別措置の透明化法というのがありますよね。これ、民主党政権のときに作られたものですけど、その中で、一定、研究開発減税等々、上位十社とか規模別とかでもう既に納税額とか、個別の名前は入っていませんが、大変重要な資料として出されております。そういう形での集計とか一定のものは今でも、一定、ほかの税では出しているわけですから可能ではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/55
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056・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答え申し上げます。
まず、一般論といたしまして、国税当局では、その申告された税務データを基に個社が特定できない形で各種統計を作成し、公表するといったことは行っているところでございます。
一方、委員からも御指摘ございましたように、多国籍企業が提出いたします国別報告書につきましては、その本店所在地ごとに各国が集計した合計額をOECDが公表しております。
この統計を見ますと、今委員から御提示のあった資料は、これは日本に所在する本店を有する多国籍企業全体の集計した、アグリゲートしたものですが、さらに、OECDの資料では、その我が国に本店を置きます売上高一千億円以上の多国籍企業につきまして、その国ごとの、百九十八のジュリスディクションということでしたが、その国ごとの売上高や従業員数、納税額等を集計した、合算した、個社ではありませんが、日本全体ですが、集計したデータは見ることが可能、そういう形で公表されております。
したがいまして、こうしたOECDの統計とは別に、我が国がその国別報告書のデータを集計して公表するということにつきましては、個社が特定できない形であるということを前提に、統計的にどのようなニーズがあるのか、あるいは諸外国はどのようにしているのか、あるいは統計を作成するに当たってどのような技術的な問題があるのかなども踏まえながら慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/56
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057・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/57
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058・大門実紀史
○大門実紀史君 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/58
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059・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として三木亨君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/59
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060・浜田聡
○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
今回は、国際開発協会、IDAに関連する法律の改正案の審議ということで、質問時間の前半はこちらに関する質問をさせていただきます。
今回の法案名にもあります国際開発協会、IDAについて簡単に説明を私の方でさせていただきますと、このIDAは、世界銀行の関連団体で、主に低所得国向けに超長期で低利融資若しくは助成金などを提供している機関です。同様の機関として国際復興開発銀行、IBRDというものがありますが、そちらは中所得国を対象として長期融資を提供しております。
戦後の日本政府も、新幹線網や高速道路網の整備のためにIBRDの融資を受けたことがあります。それらの社会インフラ整備が進むことによって、日本経済は高度経済成長を遂げました。目覚ましい経済発展を遂げた日本は、巨額の借入国から世界有数の資金供与国となっております。IBRDに対して今回のIDAは、第二世界銀行と言われ、最貧国を始めとした発展途上国の社会資本への長期融資を行っております。
今回のIDAに関する改正案は、IDAの増資に対して政府が約四千二百六億円の追加出資を行うことを規定する法案でございます。過去、日本が世界銀行などから受けた融資により日本が大きく発展したことを考えれば、同じような支援を日本が低所得国に行うということは当然でございまして、その重要性は当然私も理解しております。
とはいうものの、国民の皆様から集めた税金で行うことであるがゆえに、今回の出資に関して国民の皆様から御理解をいただく必要があると考えております。
そこで、財務省国際局にお聞きします。今回のようなIDAなどへの途上国への出資をする理由、出資によって将来得られるものなどについて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/60
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061・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
今般のIDA増資、日本国として出資をする意義ということかと存じますけれども、まずは、何といっても今、足下、コロナに世界中見舞われてございます。やはり、途上国を含めまして世界全体でコロナを封じ込めませんと、当然変異株の連鎖といったことは防げませんし、あるいはサプライチェーンの影響、そういったものも防げませんので、これ世界経済全体の回復、そして日本経済の回復、経済社会活動や人流の復帰、そういうことのためにも、まずは途上国も含めてコロナにしっかりと対応しないといけないという状況かと思います。
また、それ以外の様々重要な、日本としても重要な開発政策課題ございます。これをやります際に、まさにIDAのようなこの国際開発金融機関の、おいてしっかりと日本がプレゼンスを発揮をしまして、日本が重視するこの開発課題をしっかりとこのIDAのような開発金融機関の優先分野として反映をさせる、そういうことができますれば、まさしく日本のお金だけではなくて、こういった国際開発機関のネットワークですとかリソース、ノウハウ、ひいてはそこに集まってくるほかの国の資金も使いながら効率的、効果的に我々の追求するべき開発政策課題もできるということかと存じております。
そういう観点で今回の増資交渉にも臨みまして、今回、国際保健ですとか防災ですとか質の高いインフラ、債務問題といった日本の重視する開発課題もかなり反映されてございますので、こういった形でIDAを支援していくこと、日本国にとっても大変重要ということで私どもとしては認識をしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/61
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062・浜田聡
○浜田聡君 詳細な御説明ありがとうございます。
今回の増資の計画とその枠組みづくりなどを日本が担ったと承知をしております。国際社会の中で日本の存在感を今後もより一層高めていけるよう、国際局のますますの御活躍を期待しております。
引き続き、法案と関連して質問させていただきますと、今回のIDAの増資というのは第二十次の増資でございます。過去の増資において主要国の負担比率をちょっとここで注目してみたいと思います。
例えば、前回、第十九次の増資時、主要国の負担比率見てみますと、筆頭は英国で一二%、続いて日本が一〇%、アメリカが九・三一、ドイツが五・六二、フランス五・〇六、中国が三・七二%、カナダが三・四五%など続いていきます。名目GDPを参考にした比率からすると、アメリカが少し物足りないような気がして、逆にイギリスはGDP比でいうと圧倒的に大きな負担をしております。ただ、今回の出資割合として、今回、第二十次だと、出資割合としてアメリカが大幅に増やしてイギリスは減らしたと承知をしております。
ここで、ある国の出資比率について注目しておきたいことがありまして、それは中国になります。中国は、日本の約三倍のGDPを誇りながら、出資比率としては日本の約三分の一であることについて、物足りないように感じます。
そこで、国際局にお聞きします。中国の出資比率が小さいことについて、御見解をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/62
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063・三村淳
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
まず初めに、このIDAのそれぞれの拠出、どういう形で決まるのかということでございますけれども、IDAの場合には特に経済規模等々に基づいてあらかじめ割り当てられる比率というものがあるわけではございませんで、各国が任意にそういう意味では出資額を決定できる、そういう機関でございます。したがって、実態としては各国がそれぞれその全体の増資規模の中で、それぞれ自分の国の過去の出資の実績等も勘案しながら貢献額を決めるというのが一般的であろうと思います。
その上で、ちょっとお尋ねの中国の出資比率がなぜ相対的に少ないのかといったこと、これ、他国のことでございますので、ちょっと日本政府としてお答えする立場にはございませんけれども、日本としては、先ほど申し上げたような観点で、IDA非常に重要だという観点で、今回もアメリカに次ぐ第二位というようなことで出資をさせていただきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/63
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064・浜田聡
○浜田聡君 答えられる範囲はちょっと限界があるということは承知をしております。
私の把握した、いるところでは、中国はIDAとは別に独自に低所得国向けに融資を行っていると承知をしております。これは、中国に都合の良い発展途上国を選別して単独で融資を選択しているということが想像されます。中国の低所得国への融資残高をちょっと調べてみたところ、中国が一国での融資残高というのが結構ずば抜けているということでございます。IMF、世界銀行、国連などとちょっと離れて、ある意味覇権主義的な外交政策取っている側面は否めないところでございまして、今後もこういった中国の他国支援の方針というのは注目していきたいとは思っております。
次に、IDAから関連して、国際関係について二点ほど大臣にお聞きしたいと思います。
まずは、日韓通貨スワップ協定についてお聞きしたいと思います。
先日、韓国大統領選挙が行われて尹錫悦氏が当選しました。報道によると、尹氏は、まずバイデン大統領に会って、そして次に岸田総理に会いたいと言ったとのことで、対日関係を改善したい意図がうかがえます。
今、韓国ウォンは対ドルでウォン安が進んでいる中で、このアメリカ、FRBは更なる利上げを確実視されております。また、エネルギーとか穀物など各種商品が高騰化しておりまして、そういった中で更にウォン安が進んで、今後、韓国とアメリカの間で通貨スワップの可能性はあると考えております。これは韓国、アメリカの間のことですが、韓国とすれば、日本にも今後通貨の関係でいろいろと求めてくる可能性はそれなりにあるのではないかと考えております。
そこで、大臣にお聞きします。このような状況の中で、日韓の通貨スワップ協定について大臣はどう考えておられますか、御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/64
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065・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、事実関係からお話をさせていただきますが、日韓通貨スワップにつきましては、二〇一五年二月に日韓両国が延長は必要ないとの見解を共有したため、予定どおり終了をいたしました。その後、二〇一六年八月に韓国側の要請によりまして通貨スワップ締結に向けた協議を開始しましたが、二〇一七年一月に協議を中断しており、それ以来、状況は変わってございません。
今後のことは、先方から要請がないうちから予断を持って何か申し上げることは控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/65
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066・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
今後の状況でいろいろあるとは思いますが、私としては、やはり国民感情などをしっかりと考えた上で、もし仮に検討する際には、国民感情などしっかりと考えた上で慎重に御検討いただければと思います。麻生前大臣に関してはこの点についてはかなり強い姿勢で臨まれておりまして、私はその姿勢を全面的に支持していることはお伝えさせていただきます。
次に、ロシアに対する姿勢について大臣にお伺いしたいと思います。
現在のウクライナ情勢において、日本はウクライナを支持し、ロシアを非難していることはこの国会でもほぼ共通の認識だと思われます。そして、日本は今後、今後もG7各国と足並みを合わせてロシアに対して強い経済制裁を取っていくところでございます。今後のロシア国内の状況悪化が見込まれる中で、数多くの日本企業がロシアから撤退をしている状況だと思います。
昨今、脱炭素という言葉があります。二〇二〇年十月に、政府は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すことを宣言しました。この脱炭素という言葉は政府の目標にもなっているわけでございますが、この脱炭素の炭素の部分をロシアへ換えて、脱ロシアという言葉も昨今見かけるようになりつつあると思います。
これまで外交面で様々嫌な仕打ちを日本にしてきたロシアでございます。最近ですと、ロシア、戦略核の使用もにおわせるようなことで日本を核攻撃の対象にするようなこともにおわせている、そんなロシアでございます。今後、日本としてはロシアを経済制裁するところでもありまして、今後、日本政府としては、ロシアとできるだけ関わらないようにするという方針転換が必要なのではないかと私は考えております。
そこで、大臣にお聞きします。今後、日本政府は、先ほどの言葉で言えば、脱ロシアという方針、これを掲げるべきではないかと考えるわけですが、この脱ロシアという方針について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/66
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067・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回のロシアによるウクライナへの侵略、これは力による一方的な現状変更の試みでありまして、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。
国際秩序の根幹を守り抜くためにも、断固として行動して、ロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示していく必要があると思います。このため経済制裁をいたしているところでございますが、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をして、その実効性の確保に努めていく方針でございます。
ロシアのこの暴挙を前にして、今までのように何事もなかったかのように付き合う、振る舞うことはもはやできないんだと思います。ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業につきましては、当面見合わせることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/67
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068・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
これまでのような外交はできないという御答弁いただきました。私もそのとおりだと思います。ロシアという国、私は基本的にはもう全く信用に値しない国であると考えておりますので、先ほどお伝えした脱ロシアという方針、御検討いただければと思います。
次に、国会同意人事についてお伺いしたいと思います。
これから扱います国会同意人事については、先般の参議院本会議で既に採決がなされたものでございます。前回の委員会で私の時間切れで質問できなかったわけですが、今後の国内において重要な課題と関連することでもありますので、あえて確認のために質問していきたいと思います。
今回お聞きしたい国会同意人事は、原子力規制委員会の人事でございます。先般、電力需給が逼迫し、国民が節電を余儀なくされました。その数日前の東北の地震で火力発電所が稼働を停止した上に、急に気温が低くなり、さらに、まん延防止等重点措置、いわゆるまん防が解除された日でもあります。科学技術の発達した、進歩した時代において国民が停電を恐れて節電をする必要があるというのは、先進国としては、先進国とは言い難いと思います。
電力が足りない大きな理由の一つが、安全性の確認された原子力発電所の再稼働ができていないことですね。多くの方が御指摘されております。そういった中、昨今、原子力発電所の再稼働を求める声が上がっていることは想像されるところでございます。この原発再稼働についてこの原子力規制委員会がどう判断するかについては非常に重要であると考え、その人事について、新たに選出された方の原発再稼働に対する考えは当然重要であると考えます。
そこで、政府参考人の方にお聞きします。今回の国会同意人事の原子力規制委員会の人選については、委員から委員長へとスライドされた、スライド予定の山中伸介さん、そして新たな委員予定の杉山智之さん両氏がおられます。このお二方のそれぞれ原発再稼働に対する姿勢、考え方についてお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/68
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069・片山啓
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を踏まえ、原子力の規制を担う行政機関と利用を担う行政機関を分離するという観点から設置された組織でございます。このため、原子力発電所の再稼働の是非といった事柄については、原子力の利用の問題であり、お答えする立場にないというのが原子力規制委員会の一貫した姿勢となっております。
なお、三月四日の参議院議院運営委員会におきまして山中委員長候補の所信聴取が行われましたが、その中で原子力発電所の再稼働について御質問がありまして、お答えする立場にないとの回答をされていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/69
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070・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。お答えする立場にないとのことですが、恐らく影響力はそれなりにあるのではないかと思います。
今回の原子力規制委員会の同意人事を見ていますと、衆参本会議の採決結果を見ていますと、これまでどちらかというと原発再稼働に否定的な考えを示している政党の方々が反対されていることなど考えると、新たな人事ではある程度柔軟な考え方が期待できるのではないかと思いました。
これまでの委員長でありました更田豊志さんの各種会見での発言内容を見ていますと、ちょっと言い方は悪いかもしれないんですけれど、いろいろな理由を付けて何としてでも原発再稼働をしたくないような考え方をされているように思いましたが、新たな人事には期待したいと思います。
ここで、そもそもの原子力規制委員会についてお伺いしたいと思います。
この委員会は、東日本大震災の原発事故を契機に、原発の安全性を審議するところとして、先ほども御答弁いただきましたように、設置されたと承知しております。ただ、ちょっと言い方は悪いですけど、私から見ると、この委員会、日本において原子力発電所の再稼働阻止が目的化しているように思えるわけです。
そこで、引き続き政府参考人の方にお聞きします。この原子力規制委員会、安全面の審査などいろいろな理由から設置されていると理解しておりますが、原発再稼働阻止が目的化しているようであれば、この規制委員会そのものを見直す時期ではないかと考えるわけですが、この見直しについて政府の見解を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/70
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071・片山啓
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓とIAEAの国際基準などを踏まえ策定した新しい規制基準に基づきまして、科学的、技術的見地から原子力発電所の基準適合性について厳格に審査を行っているところでございます。これまでに十一の事業者から二十七基の原子炉に関わる申請がなされておりまして、このうち十七基に対して設置変更許可を行っているところでございます。
原子力規制委員会といたしましては、原子力施設の継続的な安全性向上に向けて、最新の科学的、技術的知見、国際基準の動向、規制経験などを踏まえ、初心を忘れず、原子力規制の継続的な改善に取り組むことが重要であると考えておりまして、規制委員会制度そのものを見直すことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/71
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072・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/72
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073・浜田聡
○浜田聡君 次回も引き続き原子力発電所について質問の方はさせていただきたいと思います。
終わります。御清聴ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/73
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074・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 他に御質問もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/74
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075・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、牧山君から発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/75
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076・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 国際開発協会を含む国際機関への資金拠出を行うに当たっては、欧米や新興国等の国際情勢の変化及び我が国の厳しい財政状況を踏まえ、加盟国の資金拠出の動向等に関する情報収集に努め、国会に適時適切に提供すること。
二 国際機関の活動や我が国の貢献について国民の理解を得るために、日本語表記を含めた広報活動や情報公開のより一層の充実に努めること。
三 国際機関に対する資金拠出が、援助需要に機動的に対応し、我が国の国際貢献として効果的かつ戦略的なものとなるよう、主要出資国としてふさわしいリーダーシップを発揮することにより、国際社会における我が国の評価を高めるよう努めるとともに、資金の使途や事業の成果について十分な検証と必要な見直しを行うこと。
四 国際機関への出資割合に見合った我が国の国際貢献機会を確保する観点から、世界銀行グループを含む国際機関において日本人職員の登用機会を広げる活動をより進め、有能な人材が円滑に採用されるよう、主要出資国にふさわしい枢要なポスト獲得に更に尽力すること。
五 開発途上国の抱える債務問題が深刻化する中、国際開発協会など世界銀行グループにおいても債務国における借入先や借入額等の債務データを的確に把握することが重要であることから、債権国間で当該債務データの共有を促進していくとともに、債務国が適切な債務管理を行い、返済能力に応じた借入れが実施されて債務の持続可能性が確保できるよう、各加盟国に対し積極的に働きかけていくこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/76
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077・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいま牧山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/77
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078・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 全会一致と認めます。よって、牧山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、鈴木財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木財務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/78
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079・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/79
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080・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/80
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081・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/81
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082・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/82
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083・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
保険業を取り巻く経済社会情勢の変化を踏まえ、保険契約者等の保護を的確に行うため、生命保険契約者保護機構がセーフティーネットとしての機能を万全に果たすことは引き続き重要であります。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
生命保険会社が破綻した場合に生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関しては、本年三月末までの特例措置として政府の補助が可能とされているところでありますが、この措置の期限を令和九年三月末まで五年間延長することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/83
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084・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X00820220329/84
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