1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和四年五月二十四日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
佐藤 啓君 岡田 直樹君
宮島 喜文君 阿達 雅志君
和田 政宗君 大家 敏志君
岸 真紀子君 古賀 之士君
熊谷 裕人君 蓮 舫君
森 ゆうこ君 勝部 賢志君
五月十一日
辞任 補欠選任
阿達 雅志君 宮島 喜文君
滝波 宏文君 末松 信介君
蓮 舫君 熊谷 裕人君
杉 久武君 伊藤 孝江君
五月十二日
辞任 補欠選任
宮島 喜文君 吉川ゆうみ君
熊谷 裕人君 白 眞勲君
伊藤 孝江君 杉 久武君
五月十三日
辞任 補欠選任
吉川ゆうみ君 宮島 喜文君
白 眞勲君 熊谷 裕人君
五月十六日
辞任 補欠選任
勝部 賢志君 白 眞勲君
熊谷 裕人君 那谷屋正義君
杉 久武君 秋野 公造君
山本 博司君 伊藤 孝江君
五月十七日
辞任 補欠選任
那谷屋正義君 熊谷 裕人君
白 眞勲君 勝部 賢志君
伊藤 孝江君 山本 博司君
五月十八日
辞任 補欠選任
藤川 政人君 武見 敬三君
藤末 健三君 衛藤 晟一君
宮島 喜文君 中曽根弘文君
熊谷 裕人君 杉尾 秀哉君
秋野 公造君 杉 久武君
山本 博司君 石川 博崇君
浅田 均君 片山虎之助君
五月十九日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 藤末 健三君
武見 敬三君 藤川 政人君
中曽根弘文君 宮島 喜文君
杉尾 秀哉君 熊谷 裕人君
石川 博崇君 山本 博司君
杉 久武君 山口那津男君
片山虎之助君 浅田 均君
五月二十日
辞任 補欠選任
山口那津男君 杉 久武君
五月二十三日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 三浦 靖君
自見はなこ君 竹内 功君
五月二十四日
辞任 補欠選任
三浦 靖君 堂故 茂君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 豊田 俊郎君
理 事
西田 昌司君
藤末 健三君
森屋 宏君
牧山ひろえ君
山本 博司君
委 員
大家 敏志君
櫻井 充君
竹内 功君
堂故 茂君
藤川 政人君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
勝部 賢志君
熊谷 裕人君
古賀 之士君
難波 奨二君
杉 久武君
大塚 耕平君
浅田 均君
小池 晃君
大門実紀史君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
財務副大臣 大家 敏志君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 宗清 皇一君
文部科学大臣政
務官 高橋はるみ君
厚生労働大臣政
務官 深澤 陽一君
事務局側
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
金融庁総合政策
局政策立案総括
審議官 井藤 英樹君
金融庁企画市場
局長 古澤 知之君
金融庁監督局長 栗田 照久君
財務省主税局長 住澤 整君
財務省理財局長 角田 隆君
財務省国際局長 三村 淳君
国税庁次長 重藤 哲郎君
文部科学省大臣
官房審議官 坂本 修一君
厚生労働省大臣
官房審議官 屋敷 次郎君
厚生労働省雇用
環境・均等局雇
用環境総合整備
室長 岸本 武史君
経済産業省産業
技術環境局長 奈須野 太君
資源エネルギー
庁資源・燃料部
長 定光 裕樹君
参考人
日本銀行企画局
長 中村 康治君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
(金融機能の再生のための緊急措置に関する法
律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
る件)
(印紙税に関する件)
(スルガ銀行におけるシェアハウス関連融資に
関する件)
(非財務情報の開示に関する件)
(災害等に備えるための企業会計上の枠組みに
関する件)
(地域金融機関への支援に関する件)
(大学ファンドに関する件)
○安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図る
ための資金決済に関する法律等の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/0
-
001・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告申し上げます。
本日までに、岸真紀子君、佐藤啓君、和田政宗君、森ゆうこ君、滝波宏文君及び自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として古賀之士君、大家敏志君、末松信介君、勝部賢志君、竹内功君及び堂故茂君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/1
-
002・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/2
-
003・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認めます。
それでは、理事に藤末健三君及び山本博司君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/3
-
004・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局政策立案総括審議官井藤英樹君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/4
-
005・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/5
-
006・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行企画局長中村康治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/6
-
007・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/7
-
008・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/8
-
009・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。
令和三年六月十八日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。
報告対象期間は、令和二年十月一日以降令和三年三月三十一日までとなっております。
御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和三年三月三十一日現在、各勘定合計で一兆九千二百三十億円となっております。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。
金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/9
-
010・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/10
-
011・櫻井充
○櫻井充君 おはようございます。櫻井充です。
今日は印紙税について質問させていただきたいと思います。
前回、大塚委員が印紙税について質問して、その後にいろいろ印紙税の、大塚さん、ちょっと聞いてほしいんだけど、大塚さん。大塚さんを受けて質問今日するんだから、印紙税を、今その話をしているんだから、(発言する者あり)そう。いや、それで、大塚さんに話をしたら、それなら与党の立場で印紙税について質問しろと、まあ、そういうふうに御下命を受けたので、今日は印紙税について質問させていただきたいと、そう思います。
印紙税というのは明治六年に制定された税制でして、何で印紙税が導入されたのかというと、その当時は地租でして、農民の人たちに重くって商工業者に軽いという理由で、オランダにあった文書課税を持ってきて印紙税という税ができ上がりました。これが明治六年です。
まず最初に、バックグラウンドとして、本当に今商工業者の方が農業者よりも税負担が軽いのかどうかというところが一番問題だと思うんですが、この点に関してはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/11
-
012・重藤哲郎
○政府参考人(重藤哲郎君) お答えいたします。
税負担の状況ということでございますが、国税庁、毎年、事務年報というのを公表してございます。
その中で、令和二年分の申告所得税の課税状況を見ますと、申告納税額がある方で主たる所得が事業所得の方のうち農業所得の金額が大きい方というのが約十五万人で、その方の申告納税額は約四百七億円でございます。一方、商工業者を含む営業等所得、農業所得以外の方が大きい方は約百六十五万人で、申告納税額は五千八百七十九億円となっており、後者の方が申告納税額の金額は大きくなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/12
-
013・櫻井充
○櫻井充君 というふうにですね、明治六年当時とはもう全く違うわけです。
そうすると、こういう文書課税を掛ける意味合いというか、そこは、今度は、不公平感でいうと商工業者の方に重くなってしまうんではないのかと思うんです。そうすると、この印紙税が存在する意義というのは一体どこにあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/13
-
014・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
櫻井委員から、従前よりこの印紙税の問題についてお尋ねいただいておりますが、御指摘のとおり、この印紙税の導入は明治六年に遡るわけでございまして、当時、税収の基盤が土地課税、年貢ですとか地租に偏っていたという状況の下、商工業とのバランスということももちろん念頭に置いて導入されたということではございます。
他方で、明治初期のその税収の構造を見てまいりますと、この印紙税のウエートというのは、実は税収全体で見ると一%前後にすぎませんで、現在においてはこの一般会計税収のこれ〇・四%ですけれども、さほど大きなこのウエートの変化ということはなくて、当時から補完的な役割を果たしていたと。明治初期におけるその商工業に対する課税という意味では、酒税の方がかなりウエートは高かったというのが事実でございます。
この印紙税、現在における役割でございますが、確かに税収面見ますと、バブル期でございます昭和六十三年ぐらいをピークに税収も低下してきているということではございますが、他方で、所得税や法人税、消費税などの基幹税目を補完する税としての役割、その重要性はいまだに変わっていないのではないかということですとか、税収におきまして、令和四年度予算におきましては約二千八百億円の税収を見込んでおりますが、厳しい財政状況の下では貴重な財源となっているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/14
-
015・櫻井充
○櫻井充君 いや、前回も大塚さんが指摘していたように、要するに貴重な財源だからという以外、ほかにこの印紙税を継続する意味があるのかという質問をされたときに、大臣も相当答弁に困られておりました。
今も二千八百億あって、大事だからという話ですが、しかし、税というのは、公平、中立、簡素でなければならないという話になっています。
例えばですが、今は振り込みを、五万円以上の振り込みをすると、その振り込み手数料に印紙税がオンされます。それから、飲食店で飲食した際に、五万円以上の会食をした場合にだけ印紙税が貼られるんですが、ですがね、例えば、五万円の会食をしたとしても五人で割り勘にして一人一万円ずつだと飲食店は印紙税を払わなくていいわけですよ、一人一万円ずつの領収書だと。ところが、五万円を誰か一人太っ腹の人がいて払いますといったら、五万円の領収書になった瞬間にこれ印紙税が発生するわけです。
これってどこが中立なんでしょうか。つまり、経済活動からしてみれば全く同じことであって、飲食店からしてみれば五万円の収入があるにもかかわらず、片側は印紙税を払わなければいけないと、片側は印紙税を払わなくていいと。これ、おかしくないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/15
-
016・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
二点御指摘、御質問があったと思いますが、まず、その五万円以上の銀行間で振り込みをした場合に印紙税が発生するという点でございます。
これについては、文書を作成することによってこの取引事実が明確化され、法律関係が安定化するということに着目して課税している文書課税という性格が印紙税にはございます。こういった性格上、その金融機関が、いらっしゃったお客さんから振り込みに必要な現金、具体的には振り込み手数料と振り込みに要するお金でございますが、これを現金で受け取られた場合には、その確認のための受取書を交付されますので、領収書と同じように五万円以上のものであれば印紙を貼っていただくということになっているわけでございます。
他方で、完全に振替で振り込みをすると、私が例えば取引をしている銀行に行きまして私の口座から振替で振り込んでくださいという場合には、銀行が私から現金を受け取るというところはないので、この受取に係る印紙税は発生しないという形になってございます。
また、もう一つ、飲食をする場合に、グループで飲食をしてそれぞれの人が別々にお店に払う場合と一人の人がまとめて払う場合で税負担が異なるのはおかしいのではないかという御指摘でございます。
ここについては、印紙税、先ほど申し上げましたように、その文書を作成することによってこの取引事実が明確化し、法律関係が安定化するといった点ですとか、その文書の背後にある経済的利益、こういったものに課税原因を求めて課税をしている文書課税ということでございますので、お店が一人一人、一人のこのお客さん、今日同じ宴会のメンバーだったとしても一人一人の方から別々に支払を受けたということであれば、それぞれごとにこの取引が行われて、それに伴って文書が作成されているということでございますので、それぞれごとにこの判定をして印紙税を貼ることになると、で、五万円以下であれば非課税ということでございます。これが、一人がまとめて払うということになれば、経済取引としては一つだというふうにこの文書課税としては受け止めるということになりますので、こういった形になっているわけでございます。
これが、その店の収入に応じて課税すべきではないかというのが御議論のポイントだったかと思いますが、そういった形になってまいりますと、実はその売上げに応じて飲食店側に課税するという性格の税ということになってまいりまして、消費税始めとするこの消費課税との関係が問題になってくると、そこもまた問題関心の中心かと思いますが、他方でこれ、消費税ですとか所得税のような税についても、やっぱり中立性ですとか簡素性という面では完全にその中立、簡素という格好にはならないというのがやっぱり個別の税目のそれぞれの特性上どうしても出てこざるを得ないということだと思いますので、税体系の中でこの消費税、所得税のような税を、軽度な税負担を幅広く課すことによって補完する印紙税のような税の役割というのはいまだに存在しているのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/16
-
017・櫻井充
○櫻井充君 いや、広く浅く税負担していただくことについては賛成ですよ。それは問題ないです。だけど、三原則に当てはまらないような税を課すことはいかがなものですかということを申し上げているんです。
今、五万円以上という話になりましたが、何年か前に五万円になったのであって、その前は三万円だったんですよ。だから、その根拠がないわけです。何で三万円以上だったものが五万円に引き上がったんですか、じゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/17
-
018・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 五万円に引き上げましたのは平成二十五年度の税制改正の際でございますけれども、これは、社会保障・税の一体改革の中におきまして消費税率を八%を一〇%に引き上げるということを決めていただきました際に、その中で様々な検討項目がその改正法の中に盛り込まれておりました。その中で、印紙税についても検討項目として挙げられておりまして改正に至ったものでございますが、考え方としては、免税点をその三万円に設定しました時代と平成二十五年度改正当時の間のこの物価水準の変動などを勘案して、三万円を五万円に引き上げたという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/18
-
019・櫻井充
○櫻井充君 なるほど、ほかのものと横並びにしたという点ではまあそうなのかもしれませんね。
それで、例えば今度、経済活動というお話がありましたが、経済活動という話がありましたが、例えば、子供が独り暮らしをしていて、大学生で、そこに振り込んだ場合には、五万円以上振り込んだときにはやはり印紙税掛かるんですよ。これ、経済活動というのはそこに伴っていないと思うんですね。ところが、一方でですね、一方で、子供の通帳に五万円を、五万円以上、十万円なら十万円積んであげたら、これは印紙税掛からないんですよ。子供の手に渡っているのは、同じ十万円仮に渡したとしても、通帳に積んであげた場合には、親元に通帳があって、通帳に十万円積んだ場合には、これは印紙税掛からないんですね。それで、今度は十万円振り込んだ場合には、これは印紙税が掛かるんですよ。
子供にまず所得移転しただけで、そこでは経済活動は発生していないわけであって、それを証明するために印紙税を払わなければいけないというその考え方そのものが私はおかしいんじゃないかと思いますが、まず一つずつ、この家庭内の所得移転に対してなぜ税金が掛かるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/19
-
020・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
銀行取引の場合について、先ほども若干御説明を申し上げましたが、繰り返しで恐縮ですけれども、お子さんの口座に親御さんがお金を振り込もうとする場合に、親御さんの口座から振替の形でその振り込みをしていただくという格好で銀行取引をした場合には、これは印紙税の負担は発生しないということは先ほど申し上げたとおりでございます。
負担が発生するのはどういう場合かと申し上げますと、振り込み手数料と振り込むお金そのものを現金で銀行に持ち込まれて、銀行が確かにそれを受け取りましたという事実を証するための受取書を交付されるという場合にその受取書に対して印紙を貼るということになっているわけでございまして、これは、そういった受取書という文書の作成によりまして法律関係の安定化が図られるという文書課税としての印紙税の性格上そうなっているということでございまして、あらゆる振り込みの場合に印紙税負担が生ずるということではございません。
また、親子間の取引だからという点については、これはちょっと余計な話かもしれませんが、家庭内における所得や資産の移転につきましても、贈与税はもちろん、登録免許税のような場合についても、そこは第三者との取引と同様に課税が行われるということもまた事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/20
-
021・櫻井充
○櫻井充君 いや、済みません、それは、後半の方はちょっと、動産と不動産と、そこは全然違うんじゃないんですか。
要するに、資産として持っているものを移すというだけの話であって、家庭内の所得移転ですよ、家庭内の所得移転。ある家庭内の所得移転については課税されないで、ある方法だと所得移転で課税されるということ自体がおかしくないですか。
それから、先ほどから経済活動だという話になっていて、そこに経済活動があるんですか。つまり、銀行を介してお金を送金しているかもしれないけど、そこに経済活動はまだ発生していませんからね。
そういう点でいうと、こういうことに関して課税すること自体、いや、大体、こういうことで課税されているということを知っている国民の人はほとんどいませんよ、はっきり申し上げて。知らないうちに取られているんですよ。だから、こういうことを知っていたら、恐らく銀行で振り込みするのは僕はやめると思います。我が家はどうしているかというと、通帳にちゃんと積んでいますからね、印紙税払わないようにするために。そういうものですよ。ですから、改めて申し上げておきたいのは、経済活動がそこの場では発生していないんです。
それから、確定させるためというのであれば、別にそれはいずれ通帳に記載されることになりますから。であったとすると、そこでちゃんと証明されるので、別に印紙を、文書をそこに、印紙税をそこで払う必要性は私はないと思うんですが。つまり、もう一つ、銀行がこういうことで印紙税を支払わなければいけないということになってくると銀行の負担が増えていくので、結果的には銀行の負担というのはどうなるかというと、銀行と、銀行に金を預けている人たちからいずれは負担をしてもらわなきゃいけなくなってくるわけであって、こういうことに関して課税するということ自体、僕はおかしいと思いますけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/21
-
022・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
私の御説明がちょっと不十分で、誤解を生ずるといけませんので、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、申し上げますけれども、お子さんの口座に振り込んだ場合に、必ずその印紙税負担が生ずるということではございません。振り込みに際しまして、例えばその親御さんの口座からお子さんの口座に振替で振り込みをするというケースが相当程度多いのではないかというふうに推察をいたしますけれども、そういったケースでは印紙税は掛かっておりませんので、その点は誤解のないようにお願いをしたいと思います。
印紙税が掛かるケースと申しましたのは、先ほど申し上げましたように、親御さんが銀行に現金を十万円、二十万円と持ち込まれて、それと振り込み手数料を一緒に払われるというようなケースで、銀行がそれに対して受取書を交付する場合でございますので、これは領収書に対して飲食店等で印紙を貼っていただくのと同じ理由によるものなわけでございまして、振り込みに際して振替でそれが行われている限りにおいては印紙税負担は発生をしないということでございます。
また、経済活動という言葉が若干不適切だということかもしれませんが、正確に言うと、それはやっぱり何らかの経済的な取引があるということでございまして、親子間の資産の移転であっても、それは取引であることには変わりがないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/22
-
023・櫻井充
○櫻井充君 まあ、何というんですか、帰省してきたときにお金渡して、それでやれば全然税掛からないんですけどね。
もう一つ、じゃ、銀行でもこういうことをうたっているところがありますが、それは何かというと、ネットで取引したら印紙税が発生しませんからうちの銀行を使ってくださいと、もうそれはコマーシャルしているわけですよ。つまり、何らかの、土地取引でも何でもいいんですけど、取引をする際に銀行が仲介したときに、ここに文書が発生しなければ印紙税が発生しませんと、うちはネット取引をしているので印紙税が発生しなくてお得ですよと、そういうことをうたって商売している方々も、方というか、いらっしゃるわけです。
だから、今だともうネット取引をしてしまっていて、文書を発生しないようにして、そうすると印紙税を払わなくてよくしていると。ですから、こういうことについても不公平じゃないかと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/23
-
024・住澤整
○政府参考人(住澤整君) まず、先ほどの私の答弁の中で、飲食の領収書の場合、五万円以下が非課税というふうに申し上げたようですけれども、五万円未満が正しいことでございますので、訂正をさせていただきます。申し訳ございません。
今の御質問でございますが、確かに、電子的な取引あるいは電磁的な記録の作成の場合には印紙税は課税をされないというのは事実でございます。ただ、電子的な手法が広まってきつつあるということは事実ではございますが、なお他方で、この紙による取引、契約書の作成ですとか預金通帳の作成ということが依然として、法的安定性の観点等々から、あるいは慣習上の観点から行われているということもまた事実でございます。
電磁的記録に対しても、このバランス上、印紙税のようなものを課税することでバランスを取るという御指摘も時々いただくわけでございますが、これについては、そういったことが技術的にそもそも可能かどうかという課題がございますので、幅広い観点からの検討が必要だということと、一方で、そのバランス上、これを失しているので廃止すべきという御指摘については、従来から申し上げているとおりではございますが、印紙税の補完税としての役割であるとか貴重な財源であるということから、そこは困難なのではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/24
-
025・櫻井充
○櫻井充君 いや、別に、電子の取引もあるし、それは紙の取引もあって、だからというのはいいんですけど、私が申し上げているのはそういうことじゃないですよ。
電子の取引だと納税しなくてよくて、文書だったらば納税しなきゃいけないということ自体、もうバランス欠いていませんかと。そして、明治六年にできた税制ですから、これは。もう今、令和四年まで来て、百年以上たって、この制度そのもの自体が現在に合っていないんじゃないかと私は思っているから、ずっと、ほぼ国会議員になってからずっとこの問題やり続けているわけですよ。おかげさまで五千億が三千億近くまで減りましたが、本来、消費税上げるときに僕はこれ廃止するべきだったんじゃないのかなと。
いろんな方々にお伺いしていると、いや、これは税務署にとってみれば有り難いものなのかもしれませんが、税務調査に入った際に、最後は何かお土産持って帰っていただかなきゃいけないときに、必ず出てくるのが印紙税なんですよ。印紙税でこれが足りないからねといって税務職員が満足して帰るという、まあそんなようなものでして、整理するにも、これ企業側からするとすごく面倒くさいものなんです。
ですから、こういったこと自体を考えてくると、税の公平、中立、簡素とか、それから関係者の、まあ何というんですかね、雑務というか、そういう点から考えてくると、そろそろ一回廃止して、何でもいいので、もう一回別な税を考えられた方が私はいいんじゃないかなと、そう思っているんですけど、済みません、大臣、この点についてはいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/25
-
026・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 櫻井先生の御質問をずっと聞いておりまして、印紙税について、公平、中立、簡素の三原則に係る課題、あるいは、時代とともにネット取引等も広がっているときにどうかというその時代の問題、様々論点があるなということを思いながらお伺いをしていたところでございます。
ただ、財務省の立場、現在の立場で申し上げますと、印紙税は、各種の経済取引に伴い作成される広範な文書に対して、その背後にある経済的利益に負担能力、すなわち担税力を見出して軽度の負担を求めるものでありまして、日本の税体系においては、所得税、法人税、消費税といった基幹税目を補完する重要な役割を果たしていると、そういうふうに考えております。
税収も年々少なくなっているということでございますが、令和四年度においての印紙税の税収は約二千八百億円と、こういうふうに見込んでおりまして、これはこれで厳しい財政事情、財政状況の中では貴重な財源であると、そういうふうに思うわけでございまして、こうしたこの財源になっているということ、あるいは、先ほど来スギサワ局長が御答弁しておりましたけれども、印紙税の、この税体系というようなこと、こういうことも踏まえて、今後検討を慎重にする必要があるのではないかと、そういうふうに感じました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/26
-
027・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
一応、検討と大臣から言っていただきましたので今日はこれで終わりたいと思いますが、改めて、やはり税の三原則である公平、中立、簡素から見てみるとかなり離れているんじゃないのかなと、そう思っていて、それから、繰り返しになりますが、明治六年にできた制度がずうっと続いてきていて、時代背景も変わってきている。それは先ほどの農業者、商工業者に限ったことではなくて、取引場もネットになってきていて、それから印鑑をやめましょうとか、そういう話になってきている中でこういうことが、文書に課税するという考え方をずっと継続するというのは私はいかがなものかと思っていて、大臣から検討しますと、そういう言葉を頂戴いたしましたので、是非検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/27
-
028・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主党・社民の牧山ひろえです。
本日は、現在の経済トピックスに関する確認、スルガ銀行不正融資事件、そしてESG投資について質疑させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
じもとホールディングスは、五月十三日、傘下に持つきらやか銀への公的資金注入を金融庁に申請する検討を始めると公式表明されました。六月二十三日の株主総会での申請決定を目指すとされています。二〇二〇年の金融機能強化法改正で新設され、公的資金注入の条件を緩和したコロナ特例、この制度を活用する全国初の事例となります。これにつきまして、鈴木財務大臣、十七日の記者会見で、申請を受ければしっかり審査したいと述べられております。
これにつきまして、金融庁はどのような方針で審査される方針なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/28
-
029・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御指摘がございましたとおりに、先般、十三日、きらやか銀行におきましては、コロナの影響を受けた企業に対し更なる資金繰り支援やポストコロナに向けた設備資金等の融資に加え、抜本的な事業再生支援に積極的に取り組んでいくためには資本増強が必要であると、そのように判断し、国による資本参加の申請に向けた検討を開始するという旨を公表したところでございまして、そのことは承知をいたしております。
それで、国に資本参加を申請する金融機関は、地域経済の活性化に資する方策等を記載した経営強化計画を提出することとされております。金融庁といたしましては、資本参加の申請がなされた場合には、制度の趣旨を踏まえ、金融機関がコロナの影響を受けた中小企業等をしっかりと支えるものとなるように、この経営強化計画の内容、これを適切に審査してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/29
-
030・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 同行は、リーマン・ショック後の〇九年に二百億円、一二年に経営責任などを問われない震災特例で、この二百億円の切替えを含む合計で三百億円の公的資金の注入を受けているんですね。今回、きらやか銀行が公的資金注入を申請すれば、三回目になるわけです。
では、回収の可能性、それから、相次いで公的資金の注入が必要になった理由として、コロナ禍が主因ではなく有価証券運用を始めとするきらやか銀行の経営の質にあるのではないかという指摘、それから、公的資金投入以外きらやか銀行の金融機能を強化する方法はないのか、こういったことなどの点もしっかり審査するということ、これでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/30
-
031・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回の申請検討はコロナ特例によるものということでありますが、コロナ特例は、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた中小企業を支えるために自己資本の充実が必要となった金融機関に対しまして国の資本参加を通じて金融仲介機能の強化を図る、そういう枠組みでございます。
きらやか銀行におきましては、そうした制度の趣旨を踏まえて、更なる資金繰り支援やポストコロナに向けた設備資金等の融資に加えまして、抜本的な事業再生支援に積極的に取り組んでいくために、他の資本調達手段ではなく、国の資本参加による資本増強が必要と判断したものと承知をしております。このため、御指摘のような有価証券の含み損の拡大が申請を検討する理由ではないと受け止めているところであります。
今後、きらやか銀行よりコロナ特例に基づく資本参加の申請がなされた場合には、金融庁といたしましては、新たな資本参加を行うことで地域経済の再生、活性化への更なる貢献が見込まれるか、資本参加を活用して金融機関としても収益力の強化、経営改善を図り、既存の資本参加分も含めて公的資金の返済原資の確保が見込まれるかなどについて、有識者で構成されます金融機能強化審査会の御意見、これも聴取した上で、先ほど申し上げました経営強化計画の内容、これを適切に審査していきたいと、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/31
-
032・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 コロナ特例なんですけれども、これは、おおむね十五年以内という返済期限もなければ、申請時に経営体制の見直しも求めない、こういったその条件はかなり緩くなっているんですね。地域経済を守るために金融機関の強化はもちろん必要なんですけれども、それは経営努力の足りない金融機関を甘やかしたり安易な税金投入を用意することで、道義はないことにやはり留意すべきだと思うんです。
さて、経済産業省は、三月十八日、燃油価格高騰対策で石油元売会社に支給する補助金額を十九日から一リットル当たり三十六円十銭に増額すると発表しました。原油高による価格上昇分を満額補助する上限三十五円を初めて突破し、超過した値上がり分は二分の一相当に補助が減額されるということになります。現在は、補助金の効果もありまして、僅かながらもレギュラーガソリンの値下がりが続いていますけれども、補助金が満額補助の上限に達したことで、更に原油高が続けば値上がりに転じる可能性があるんですね。
燃油価格高騰対策の補助金はそれまでの上限二十五円から四月下旬に大幅拡充されたばかりです。せっかくの拡充が早くも限界に達してしまったわけですけれども、今後、仕入れ値の高騰が続く場合でも補助金一辺倒の同じ構造での対応策を続ける、この御方針でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/32
-
033・定光裕樹
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
激変緩和事業につきましては、御指摘のとおり、直近の支給額は三十五円を超えて三十六・一円となってございます。これは、今回の総合緊急対策において更なる原油価格高騰にも対応するため、三十五円からの超過分についても二分の一を支援する制度を設け、備えを万全にしたところでございまして、この制度を着実に実施していきたいと考えております。
先週のレギュラーガソリンの全国平均価格は百七十・四円となり、今般の激変緩和事業がなければ原油価格の上昇により二百二・七円になっていたと予想されたため、効果としては三十二・三円分の価格抑制効果が確認されてございます。このため、価格の急激な上昇を抑制するという本事業の目的は一定程度達成されていると考えてございます。
引き続き、原油価格の動向を注視しながら、国民生活や経済活動への影響を最小化すべく、四月末の緊急対策に沿って今年度上半期中はこの事業の実施に着実に取り組んでいきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/33
-
034・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 この動きの激しい状況下にあって九月末まで現状の構造を維持するというのは、経済の変化に対応し切れないおそれがあるのではないかと心配しております。
では、従来から岸田文雄首相は原油高への対策についてこう言っております、あらゆる選択肢を排除しない。このような状況に至ってもガソリン税を引き下げるトリガー条項の凍結解除の具体的な検討を行わないのはどのような理由からなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/34
-
035・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) お尋ねのトリガー条項についてでありますけれども、三党の検討チームで検討をされたところでありますが、そこにおきましては、補助金と異なり、揮発油税、地方揮発油税、軽油取引税が掛かっていない重油、灯油についてはトリガー条項解除においては対応することができない、また、発動、終了時に大幅な価格変動が生じて、発動前の買い控え、終了前の駆け込み、それに伴う配送の乱れや品不足といった流通や販売の現場に与える影響が大きい、ガソリンスタンドと元売の顧客対応を含めた事務負担が大きいなどの課題が存在し、現時点で発動に際して解決するための具体的な方策について結論を見出すには至っていないため、引き続き検討をするとされたと、そのように今承知をしているところでございます。
先ほど経産省からも答弁があったわけでありますが、原油価格の高騰に対しましては、四月二十六日に決定いたしました総合緊急対策に基づきまして、激変緩和事業の拡充や、農業、漁業、そして輸送業等に対する業種別対策などを講じているところでありまして、こうした対策を着実に実施することで国民生活や企業活動への影響を最小限に抑えてまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/35
-
036・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 鈴木大臣の今おっしゃられたトリガー条項のいろんなやりたくない理由、本当に何か一生懸命考えてやらない方向に理由を付けたというふうにしか思えないんですね。それこそが国民の方に目が向いていないというか、最後に国民生活のためにというふうにおっしゃっていましたけれども、やりたくない理由を言うんじゃなくて、やれる方の理由ということの観点からお考えになった方がよろしいかと思います。
三月十六日の当委員会で私が主張しましたように、トリガー条項適用による価格引下げを土台に補助金で折々の価格変化に対応する、これこそがあらゆる選択肢のベストウエーではないかなと思っております。是非御検討のほど、よろしくお願いいたします。今おっしゃられたような、やりたくない理由を並べ立てて貴重な日時を、時間を費やすというのはもうこれ以上やめていただきたいなと思いますし、ちょっと考え方を変えていただきたいなと思います。
さて、スルガ銀行の不正融資事件について質問させていただきたいと思います。
これまでにシェアハウス一軒平均一億三千万円の融資を受けて、その債務問題に苦しんでいた中堅サラリーマンが、スルガ銀行との調停が今年四月十八日に成立したことによって借金地獄から救われました。被害弁護団によりますと、九百四十六名の千二百十三棟のシェアハウスについて、千四百八十五億円の債務が一括してシェアハウスを売却して弁済に充てられました。約半分の不足分は、スルガ銀行が被害者に高値づかみさせたという不正行為の責任を認めて、残債権と相殺処理しました。
この解決につきまして金融庁はどう関わられたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/36
-
037・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) スルガ銀行のシェアハウス問題の解決に金融庁はどのように関わったかという御質問でございましたが、金融庁では、スルガ銀行に対しまして、シェアハウス向け融資等に関し不正行為が確認されたことなどを理由に、二〇一八年十月に業務改善命令を発出をしたところでございます。その業務改善命令の中で同行に対して、経営責任の明確化、法令等遵守、顧客保護及び顧客本位の業務運営態勢の確立、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立などの着実な実行及び定期的な進捗状況の報告、これを求めているところでございます。
また、業務改善命令を行った後も、金融庁は同行に対して個々の債務者への適切な対応を行うよう繰り返し求めてきたところでございます。
こうした取組もあり、同行においては、シェアハウス向け融資の債務者について、これまで三回にわたり民事調停が成立するなど、問題に、解決に向けた対応が順次進められているものと、そのように承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/37
-
038・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 解決の在り方として良いお手本を示されたと思うんですけれども、被害者の皆さんですとか被害者の弁護団によりますと、シェアハウス以上に深刻で悪質な問題が残っているんだと聞いております。スルガ銀行の融資によって中古のアパートやマンションを一棟二億から三億で買わされたサラリーマンの問題が未解決のままだということです。四百三十八人、約七百六十棟、合計で債務が千九十億円、一人平均二億五千万円ものスルガ銀行に対する債務を抱えた人、平均年齢が四十七歳だと聞いておりますが、こういったサラリーマンたちの苦しみが、いまだに存在しているということです。
この人たちも、聞けば聞くほど悪質な勧誘がなされたケースもあり、スルガ銀行の不正融資による被害者と思うんですけれども、金融庁はシェアハウスと同様の指導をされているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/38
-
039・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げました業務改善命令、この命令は、シェアハウス向け融資に限定したものではなくて、御指摘のいわゆるアパマン向け融資も対象としたものでございます。
金融庁として、アパマン向け融資の債務者についても、多くの債務者にとって可能な限り早期に問題が解決されるよう、スルガ銀行に対し、債務者弁護団との協議に真摯に応じることを経営陣に直接求めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/39
-
040・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 二〇一八年十月の金融庁による行政処分では、シェアハウスとアパート、マンションを区分して何とかしろという指示でなく、併せて被害者救済の指示をしておられます。金融庁の指導もあってか、アパート、マンションを購入させられた被害者につきましても、スルガ銀行は、購入者あるいは銀行の債務者に対して、返済支援を考えるから申出をしなさいとか、不動産ADR申込みをしなさいとか、調停申立てを促したりとか、そういったことをされております。
ところが、現在、被害弁護団に助けを求めている被害者のデータを見ますと、ほとんど十分な救済を受けていないんですね。返済支援の申出をしたという三百十三件中、元本を僅かでもカットされたのはたった八件だけ。金利を四・五%から四%など、少しでも利率を下げられた人も三十二件です。一割程度にすぎないんですね。不動産ADRに申立てした二百三十一件中、元本カットは一件だけなんです。金利を下げたのもそのうち三件だけ。調停の申立てをした三十件でも、全件取下げが不調で終わっているんです、という事実があります。
このような、スルガ銀行が、アパート、マンションについて債務弁済に苦しんでいる人たちの救済が、何件についてどんな解決をしたのか、その実態を金融庁はちゃんとつかんでいるんでしょうか。実効性のある被害者の救済のためにも、救済の状況についてのデータを公開するべき、ないし、させるべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/40
-
041・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 金融庁におきまして、業務改善命令に基づき、先生御指摘のアパマン向け融資の債務者に対する対応状況についてスルガ銀行から定期的に報告を受けており、債務者対応の進捗状況について把握はしているところでございます。また、スルガ銀行においては、アパマン向け融資も含む投資用不動産向け融資全件について、昨年十一月に返済状況や問題解決策の合意状況等についてのデータを公表しているところでございまして、そのことも承知をしているところでございます。
債務者への対応状況に関して、同行が引き続き適時に透明性ある開示を行っていくこと、このことは実効性ある被害者の救済の観点から重要と考えております。どのような内容をどの範囲で開示するかについては銀行の自主的な経営判断に基づき実施していくべきものと考えておりますが、金融庁としては、こうした開示の状況も含めて、同行の対応状況、それを注視をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/41
-
042・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 金融庁は、救済の進行状況に関する詳しい情報をスルガ銀行に提出させています。業務改善命令を受けている状況下において、解決に向けた進捗の情報はやはり国民が確認できるように公開するべきだと思うんですね。是非お願いします。
そもそも、もっと実のある救済、解決をするように、金融庁はスルガ銀行を強く指導するべきではないでしょうか。通告しておりませんが、関連ですので、大臣、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/42
-
043・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 金融庁といたしましては、先ほど来申し上げていますとおり、業務改善命令を発出して、そして改善点を指摘するとともに、その進捗状況についても適宜定期的に聴取をしているということでございますので、そうしたことを通じまして、業務改善命令がしっかりと達成できるように、その過程におきまして様々な方々の救済措置というものも進んでいくんだと、そういうふうに思いますので、まずは業務改善命令の徹底に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/43
-
044・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 是非、それでは、同時に国民が確認できるように公開するようにお願いいたします。まずはとは言わず、公開の方も並行してお願いいたします。
具体的な事例についての評価を是非お願いします。スルガ銀行のアパマン融資の問題は、第一に、レントロールを実績より上乗せさせたり、サブリース契約があるからテナントからの家賃収入は一部屋八万円で二十部屋、つまり月百六十万円の収入は確実ですよというふうに言ったりして高値づかみをさせていること。これを、スルガ銀行の融資担当者も、ちょっと調べればうそだと分かるのに、調べもせずに、スルガ銀行が融資を決めた安全確実な物件だとして売っている件が多いということです。
こんな案件は、スルガの責任は、この案件を見るとスルガの責任は明らかだと思うんですね。金融庁は、こんな案件を早期救済するよう、当然御指導されているんですよね、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/44
-
045・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) アパマン向け融資に関しましても、シェアハウス向け融資と同様に、先生から御指摘のありましたようないわゆるレントロールの改ざん等が行われていた事案があること、そのことについては承知をしているところでございます。
金融庁といたしまして、スルガ銀行が業務改善命令に沿って、それぞれの債務者に対して丁寧かつ適切に対応を進めること、これが重要と考えておりますが、それぞれの債務者との間におけるスルガ銀行側の責任の有無や程度につきましては、個別具体の事案によって一律でなく様々でありまして、各事案に応じて検討される必要があるんだと、そういうふうに考えます。
いずれにいたしましても、多くの債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られますよう、金融庁として引き続きスルガ銀行に対して適切な対応、これをしっかりと求めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/45
-
046・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 スルガ銀行アパマン融資の問題点の第二に、驚くべきことに、預金が少ないサラリーマンの通帳を預かった不動産業者が二千万円、中には六千万円預金があるように改ざんしていました。借主が知らないうちに、それがスルガ銀行内の審査資料になっている件が百件中九十五件以上あるという問題です。
つまり、スルガ銀行は、自己資金ゼロでも頭金なしでも購入代金金額を融資しますと宣伝して借入れを勧誘しているようなものだったと思うんですね。銀行内部の審査ではねられないよう通帳改ざんして融資を強行しているわけです。これは、本来融資対象にならない、自己資金がない、あるいは貯金金額が僅かのサラリーマンの方を借金地獄に追い込んだ大問題だと思うんですね。
スルガ銀行は頭金なし、フルローンですと、業界では広く知られて宣伝していたというのです。このからくりにより購入に踏み切ったサラリーマンも何とかしてあげるべきだと思いますが、どう思われますでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/46
-
047・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 牧山先生御指摘のとおり、スルガ銀行のアパマン向け融資において、債務者の預金通帳の改ざんが行われていた事案があること、そのことも承知をしているところでございます。
先ほど申し上げたとおり、それぞれの債務者との間における銀行側の責任の有無や程度につきましては、個別具体の事案によって様々でありまして、各事案に応じて検討される必要があると、そのように考えておりますが、多くの債務者にとって可能な限り早期に問題解決が図られるよう、金融庁として引き続きスルガ銀行に対しまして適切な対応をしっかりと求めてまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/47
-
048・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 答弁を求めた二つの事例に共通するスルガ銀行の不正融資問題の本質は、融資書類の偽装による高値づかみとずさんな融資審査が組み合わさり、ほぼ一〇〇%で融資実行される仕組みが不動産業者とスルガ銀行の間で構築されていたということです。
この問題の本質はシェアハウスとアパマン融資で共通していると考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。通告しておりませんが、関連ですので、大臣、御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/48
-
049・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり、不適切なこの貸付け等が行われたということ、これはもう既に明らかになっているところであります。
金融庁といたしましても、それを踏まえ、業務改善命令を発出をしているところでございますが、こうしたことはやはり改めてもらわなければならない、金融庁として、業務改善命令の内容が徹底できますように、これからもしっかりとこの働きかけをしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/49
-
050・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 救済がなされたシェアハウスといまだに被害者が苦しみ続けるアパマンについて、問題の本質は変わらないと思うんですね。金融庁は、シェアハウス同様の抜本解決をスルガ銀行に強く指導するべきだと思います。
そもそも、金融庁はこの問題に関し、先ほどの御答弁でも示されましたように、銀行の経営判断、当事者間での協議によって、民と民の関係などの御説明をよくされておりますが、先ほど詳細に御説明した手口の、不正の手口は、このように銀行の自主性を過度に尊重すべき局面ではないことを示しています。
そのような問題意識から、金融庁も業務改善命令を出したのではないでしょうか。金融庁は、四年前にスルガ銀行に出された業務改善命令に基づき、なるべく早く、早期の解決を求めて呼びかけておられます。この指導に反し、仮に銀行側が早期解決への熱意を示さない場合、金融庁としてはスルガ銀行に対してどのような対応がなされ得るのでしょうか。言い換えますと、金融庁が問題解決に向けて打てる二つ目の策というか、二の矢、三の矢としてはどういうものが想定されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/50
-
051・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生から、銀行側が早期解決への熱意を示さない場合という仮定の前提を置いての御質問でありましたけれども。
先日行われたスルガ銀行の決算発表会見がございました。そこでは社長自ら、スピード感を持って問題解決に当たるという方向性について債務者と全くベクトルは一緒である旨を述べておりました。そのことは承知をしているところでございます。
金融庁といたしましては、スルガ銀行の社長の発言に沿い、スピード感を持って問題が解決されるよう、引き続きスルガ銀行の対応をしっかりと注視をするとともに、債務者弁護団との協議に真摯に応じるなどの適切な対応を銀行側に求めてまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/51
-
052・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 社長さんの決意もいいんですけれども、具体的な二つ目の矢、三つ目の矢というのをあらかじめ用意しておいて、国民が納得するようにしていただきたいなと思うんです。是非よろしくお願いいたします。
さて、近年、気候変動などの社会の持続可能性を脅かす課題に対応して、ESG投資やサステナブルファイナンスの推進に向けた取組が加速しています。前回も御説明しましたように、投融資の意思決定プロセスに環境、社会、ガバナンス、ESGですね、の視点を取り入れるのがESG投資の考え方です。前回に引き続きまして、ESG投資の考え方について質問させていただきます。
GPIFがクラスター弾を過去に製造していた海外企業三社に計百二十三億円、ウクライナに侵攻したロシアの企業の株式と債券にも計二千二百億円を投資しているとの指摘が衆議院の厚生労働委員会でなされました。
GPIFは、二〇一五年に国連責任投資原則、PRIに署名し、二〇一七年にESG投資を開始しています。言わば日本でのESG投資のパイオニア的な存在なんですよね。ですが、国による企業支配や政治介入を防ぐため、GPIFには自ら投資銘柄を選ぶことができない制約が課されており、民間の運用機関に委託する形を取っています。そのため、GPIFが特定の銘柄を投資対象から除外する指示を出せない仕組みである旨の答弁が厚生労働大臣から出されました。
年金資金は国民の財産であることは当然のことです。年金資金のオーナーである国民は、自分たちの資金が市民を非人道的に害するクラスター爆弾を過去とはいえ製造していた企業に流れるのを望むと思いますか。厚労省、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/52
-
053・深澤陽一
○大臣政務官(深澤陽一君) お答えいたします。
御指摘のように、年金積立金は国民が納めた保険料の一部でありまして、かつ将来の年金給付の貴重な財源であることを踏まえ、GPIFの年金積立金は、法令に基づいて、もう御説明いただきましたけれども、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から行うことにより、将来にわたって年金事業の運営の安定に資することを目的として行うとともに、巨額な資金が金融市場や企業経営に直接の影響を与えないよう、株式投資については投資判断の全部を運用受託機関に一任するという原則に沿って運用させていただいております。このため、被保険者の利益のために長期的な収益を確保すること以外に何らかの価値判断に基づいて投資を行うことはできず、特定の企業を投資対象としたり、逆に投資対象から外すことを政府やGPIFが指示することができない仕組みとなっております。
今後とも、GPIFの年金積立金の運用につきましては、専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的に運用が行われることが重要だと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/53
-
054・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 済みません、私の質問はとてもシンプルで、こういった非人道的に市民を害するクラスター爆弾を過去とはいえ製造していた企業に流れるのを望むと思いますかと聞いただけです。済みません、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/54
-
055・深澤陽一
○大臣政務官(深澤陽一君) GPIFの投資先企業につきましては、様々な御意見があると思いますが、制度を所管する厚労省の立場といたしましては、先ほど申し上げたとおり、年金積立金が将来の年金給付の貴重な財源であることを踏まえ、専ら被保険者の利益のために長期的な収益を確保する観点から運用がされることが重要だと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/55
-
056・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 つまり、望むというふうにおっしゃっているんですか。そういうふうに聞こえたんですが、二度も同じ答弁されたので、すごく強調して。こういう非人道的なことをしてきた企業に対してGPIFが投資するということを国民は望むというふうに聞こえるんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/56
-
057・深澤陽一
○大臣政務官(深澤陽一君) ただいまは、GPIFの基本的な運用につきまして御説明をさせていただきましたので、特定の企業を投資対象としたり、逆に投資対象から外すことというのは行っていないということでありまして、被保険者の利益のために運用が行われることが重要だという厚労省としての立場を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/57
-
058・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 非常に残念なお答えです。結局、望むかどうかというのはお答えにならなかったので、それが答えだったんだなと思いました。
時間ですので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/58
-
059・杉久武
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
通告に従いまして順次質問をしてまいりたいと思います。
まず、五月の十日の本委員会での質疑の際に積み残した質問が幾つかございますので、ちょっとこの場で引き続き質問をさせていただきたいと思います。
コロナ前の二〇一九年、私は、日豪若手政治家交流プログラムの招聘によってオーストラリアを訪問する機会を得ました。そのプログラムの中で、オーストラリアの職場男女共同参画庁、WGEAを視察をいたしました。このWGEAは二〇一二年に制定された職場男女均等法に基づいて設置されたものでございまして、WGEAでは、百名以上の従業員を有する全ての企業に対しジェンダー平等に関する年次報告書の提出を義務付け、その内容を分析、公表しておりますが、その結果、男女の賃金格差を少なくすることに成功しておりまして、我が国でも是非こうした事例を大いに参考にすべきではないかと視察の際に感じた次第でございます。
また、先週末の報道を見ますと、政府は、企業に対し男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めたとございました。具体的には、上場、非上場を問わず三百一人以上を常時雇用する企業を対象とし、早ければ年内の施行を目指すと、このような報道がなされたわけでございます。
そこで、まず厚生労働省に質問いたしますが、我が国でもこのオーストラリアのWGEAの事例を参考に取組を進めるべきと考えますが、現在様々報道されている事実も含めまして、どのように進めていくのか、お答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/59
-
060・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
御指摘のオーストラリアにおきましては、二〇一二年、職場における男女共同参画に関する法律におきまして、百人以上の従業員を雇用する事業主は男女間賃金格差を含むジェンダー平等指標に関する年次報告書を作成し、職場男女共同参画庁に提出することが義務付けられているものと承知をしております。
諸外国を見ますと、御指摘のオーストラリアもそうですし、また、二百五十人超の組織に男女間賃金格差に関する指標の公表を義務付けるイギリス、男女の賃金の公平性に関する報告書の作成、公表を五百人以上規模の企業に義務付けるドイツなど、様々な例があるものと承知をしております。
厚生労働省といたしましては、こうした諸外国の取組や、我が国において依然として男女間賃金格差が大きい状況も踏まえまして、先日の新しい資本主義実現会議におきます総理の御指示を受けまして、女性活躍推進法に基づいて、常用労働者数が三百人を超える事業主に対し男女間賃金格差の公表を義務付けることといたしまして、この男女間賃金格差の更なる縮小を図ってまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/60
-
061・杉久武
○杉久武君 是非、この各企業におけます女性活躍の状況を見える化していただきたいというふうに思いますので、この件につきましては引き続き注視をし、機会があれば質問もさせていただきたいと思います。
続いて、非財務情報の開示について伺いたいと思います。
今国会冒頭の岸田総理の施政方針演説で総理は、「人的投資が企業の持続的な価値創造の基盤であるという点について、株主と共通の理解をつくっていくため、今年中に非財務情報の開示ルールを策定します。」と、このように表明をされました。
そして、昨日ですかね、開催されました金融審議会では、上場企業に提出を義務付けている有価証券報告書、この中において男女間の賃金格差や男性の育児休業取得率などの開示を義務付けることを盛り込んだ報告書案が取りまとめられたという報道もございます。
やはり、この非財務情報の開示というのはこれからますます重要度が増してくると思いますが、そこで、金融庁に確認をしたいと思いますが、この非財務情報の開示においてどのような情報を開示させるのか、今申し上げました男女間の賃金格差等を含めて今どういった開示項目が検討されているのか、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/61
-
062・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
金融庁の金融審議会では、御指摘の人的資本、それから男女間の賃金格差も含めました多様性、それから気候変動関連などのサステナビリティー開示、あるいは取締役会などの活動状況、それから重要な契約といった開示の在り方について議論を行ってございます。その中で、法定開示でございます有価証券報告書にサステナビリティーに関する記載欄、これを設けまして、サステナビリティーに関する企業の取組などについて、全ての企業において、まずガバナンスとリスク管理、これを御記載いただくと。それから、その各企業における重要性におきまして、戦略、それから指標と目標といった項目を開示する方向性が示されているところでございます。
さらに、人的資本ですとか、それから多様性の確保に関しましては、企業価値を判断する上で重要性が特に増しているという御指摘をいただいていることを踏まえまして、中長期的な企業価値向上における人材育成方針などの情報、それから御指摘ございました男女間賃金格差などの多様性確保に係る指標などについて開示項目とする方向性も示されているところでございます。
御指摘のとおり、昨日、金融審議会におきまして取りまとめに向けた議論が行われ、委員からおおむね賛同の御意見をいただいたところでございます。我が国のサステナビリティー開示につきましては、企業の負担にも配意しながら、実効性のある開示の枠組みとなるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
御指摘のございました男女間賃金格差などの多様性確保に係る指標につきましては、例えば企業負担の観点から、先ほど厚労省さんの御答弁もございましたが、他の法律の定義と、それから枠組みといったものに従ったものとするといったことについて留意し、検討を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/62
-
063・杉久武
○杉久武君 やはり、この非財務情報、今いろいろ検討していただいて、おおむね方向性が見えてきたと思いますので、しっかりと、今御答弁にもありました実効性のあるやっぱり開示をしていただくように私も取り組んでいきたい、しっかりと国会の中でも議論をしていきたいというふうに思います。
そして、今お話がございましたこの非財務情報でございますけれども、やはり、その出された情報が信頼できるものなのかどうかということもまた大事になってまいります。そして、その必要に応じて信頼性の確保、すなわち第三者による保証というものが求められてくる部分も出てくるというふうに思います。
そこで、金融庁に確認をいたしますけれども、今おっしゃっていただきました様々な非財務情報に対して、監査人、いわゆる監査法人や公認会計士になりますけれども、どのように関与をしていくべきなのか、監査人による保証の必要性と監査人の適切な、まあ当然会計以外の非財務の知識も必要になってまいりますので、そういったスキルの習得について、金融庁として現在どのようにお考えがあるのか、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/63
-
064・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答えを申し上げます。
御指摘の非財務情報、非常に幅の広い情報をカバーしているものでございますけれども、非財務情報に関する監査人の役割につきましては、まず二〇二〇年の十一月に監査基準が改訂されまして、一般的な枠組みといたしまして、非財務情報などの記載内容を通読し、その記載内容と財務諸表や監査の過程で得た知識との間に相違がないかといった点について検討することが求められるといったことが監査基準の改訂により明確化されたところでございます。
その上で、非財務情報の中のサステナビリティー情報の部分でございますけれども、それに関する議論の中で、情報の信頼性確保などの観点から、開示されるサステナビリティー情報を第三者が検証、保証することが有益であるということで、財務情報の保証を従来なりわいとしてこられました公認会計士の方にそうした役割を期待する声というものが上がっているものと承知してございます。
足下、まず保証の前に、保証の前提となります開示基準をどうするかといったところの策定が進められている段階でございますけれども、中期的には国際的な開示基準の開発、それを踏まえた保証基準の開発の状況も見極めながら、サステナビリティー情報の保証の在り方、それに関する公認会計士の方々の役割についても議論する必要があると考えてございます。
その際、大切なのは、先生の御指摘ございました能力をどうやって確保するかという点と考えてございます。気候変動などの環境情報、それから人的資本に関する情報などの評価に当たっては会計や監査とは異なる専門性が必要になると考えられることから、求められる能力の内容、能力開発の機会の確保といった点についても議論をする必要があるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/64
-
065・杉久武
○杉久武君 非常に大事な部分だと思いますので、引き続きこの点についても継続して触れていきたいと思います。
次に、補正予算について少し触れたいと思います。
岸田内閣では、先月、石油元売会社への補助金や低所得の子育て世帯に対する給付金などを盛り込みました、物価高騰を踏まえた総合緊急対策を決定いたしまして、その実行のため、まずは今年度の予備費から支出することとの対処の、との方針でございましたが、先週十七日には我が党が一貫して強く主張してまいりました補正予算が新たに閣議決定をされまして、いよいよ明日から国会での審議が始まろうとしているところでございます。
私も、四月の本委員会におきまして、補正予算の編成について鈴木大臣に強く申し上げましたが、ウクライナ情勢の展開次第によっては、我が国が経済危機に陥るおそれがあるだけでなく、既に押し寄せている物価高や急激な円安の動向、またコロナ対策の継続や間もなく梅雨入りとなります中での災害対策への万全な対応など、国民の皆様が抱く先行き不安を払拭し安心感を広げることはおよそ政治の責任でございます。総合緊急対策をまとめた上で、さらに不測の事態に先手を打つための補正予算によって十分な財源を確保することの意義は極めて大きく、国民生活を守るという政治の姿勢を示す観点からも補正予算の策定につきましては高く評価をさせていただきたいと思います。
そこで、鈴木大臣に質問いたしますが、今回策定されました補正予算案の意義についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/65
-
066・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 現在、日本経済は、新型コロナの影響が依然として続いている中、ウクライナ情勢等によりまして原油や穀物の国際価格が高い水準で推移していることを受け、コロナ禍からの経済社会活動の回復の足取り、これが大きく阻害されかねない状況であります。
こうした状況を踏まえまして、四月二十六日に総合緊急対策が取りまとめられ、その中では、先生からも今御指摘ございましたが、新たな財源措置を伴うものについてはまず一般予備費、コロナ予備費を活用して迅速に対応し、その上で、今後の災害、新型コロナの再拡大や原油価格、物価の高騰等による予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保するため、予備費の計上及び六月以降の燃油価格の激変緩和事業を内容とする補正予算、これを今国会に提出し、成立を図ることとされました。
この補正予算は、繰り返しになりますが、今後の予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保し、国民生活を守り抜くための万全の備えを固めていく上で重要な意義があるものと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/66
-
067・杉久武
○杉久武君 先週十六日に開催された政府・与党連絡会議の席上、今般の補正予算案について岸田総理は、今の国会で成立を図り、国民生活を守り抜くため万全の備えを固めたいとの決意を示されましたが、経済危機対策と連動した新たな補正予算の策定はまさしく政治の責任を全うするものですので、補正予算の中身についての議論は予算委員会に譲りたいと思いますけれども、私も予算委員の理事として論戦をしっかり見届けてまいりたいというふうに思います。
次に、先週十九日から二十日にかけてG7財務相・中央銀行総裁会議がドイツで開催をされ、鈴木大臣におかれましては先月二十日のワシントンでの会議に続く参加ということで大変お疲れさまであったというふうに思いますけれども、この会議では、ウクライナへの侵略を続けるロシアへの制裁についてG7各国の連携強化を確認するとともに、ロシアの侵略に伴う石油や天然ガスを始め様々な資源価格の高騰あるいは食料供給の停滞といった世界経済への影響や対策について議論になったと伺っております。
その上で、やはり現下の我が国を取り巻く大きな課題としては、やはり外国為替市場における急激な円安、二十年ぶりとも言える円安水準をどう考えどのように対処をするのか、この点についてG7各国とどのようなやり取りがあったのかも大きく注目されたのではないかと思います。
そこで、鈴木大臣に質問いたしますが、我が国の急激な円安の進行に対し、G7財務相・中央銀行総裁会議においてどのような見解を表明され、G7各国とどのようなコンセンサスが得られたのか、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/67
-
068・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 五月十九日と二十日の二日間にわたりまして、ドイツ議長の下、G7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催され、私も出席をいたしました。
お尋ねの為替については、私から、最近の為替相場の急速な動きについて説明した上で、こうした中、G7として為替政策に関する合意事項を再確認することが重要であること、日本として、この合意に沿って、G7でも緊密な意思疎通を図りつつ、為替の問題に適切に対応していく考えであること、おおむねこの二点を申し上げたところでございます。
こうした議論を基に取りまとめられました共同声明では、過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与え得るといった点を含めて、これまでの合意事項を再確認する旨が明記をされました。G7各国ともこの考え方が共有されたと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/68
-
069・杉久武
○杉久武君 今大臣御答弁いただきましたとおり、G7で緊密な意思疎通を図り、適切に対応していくということでございましたが、大臣のお立場から為替相場自体に対して云々することが難しいことは承知の上で、先月、大臣が御発言になった悪い円安という言葉でございますけれども、多分、大臣が意図された以上に、言葉が想像以上に独り歩きしているように感じるところもございます。
大臣が、今の御答弁にもありましたけれども、大臣がおっしゃりたかったことは、当たり前ですが、為替相場はマーケットで決まるものであります。他方、我が国に限らず、どの国であれ為替相場の安定は最重要課題でございますので、たとえ円安であれ円高であれ、為替レートが急激に変化するという動きそのものが我が国のみならず各国共に良くない影響を与える、このような趣旨を念頭にされた上でおっしゃられたのではないかと推察をいたしますけれども、昨今の報道を見ても、先行き不安を生じさせる原因が全て悪い円安にあるかのような風潮になっていることも、少なからず違和感を持っているところでございます。こうした空気が今後の消費マインドに余計な影響を与えはしないかと危惧しておりますので、この円安について少し整理をしておく必要があるんではないかと思っております。
今日は日銀に来ていただいておりますので、ちょっと日銀の見解を伺いたいと思いますが、日銀が五月の十二日に公表しました金融政策決定会合における主な意見を拝見いたしますと、交易条件の悪化や家計の購買力低下の主因は契約通貨建ての輸入価格の上昇であり、これは円安による価格上昇とは異なることをしっかり説明する必要があるとありまして、私が今申し上げました現下の我が国の経済情勢と円安との関係について端的かつ明瞭な指摘がなされているのではないかと思います。
そこで、日本銀行に質問いたしますが、我が国における現下の燃油価格高騰や物価上昇等の経済変化と円安との関連について、日銀としてどのように認識をされているか確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/69
-
070・中村康治
○参考人(中村康治君) 御指摘の点でございます。お答えいたします。
原油や天然ガス、石炭といったドル建てで取引されている国際商品市況は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた供給不安の高まりなどを背景に、このところ大幅に上昇しております。
最近の為替円安が円建てで見た資源輸入価格をドル建て価格以上に押し上げていることは事実でございます。ただし、最近の輸入物価上昇の内訳を見ますと、円安の影響よりもドル建てで見ました国際商品市況の上昇の影響の方が大きくなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/70
-
071・杉久武
○杉久武君 続けてまた日銀に伺いたいと思いますけれども、為替相場の急激な変化は即座に我が国経済へと直結してまいりますので、今般の円安の動向については引き続き緊張感を持って注視していただきたいというふうに思います。
その上で、もう一つ日銀に確認をいたしますが、先ほど取り上げました金融政策決定会合における主な意見では、物価について、例えば、エネルギー等を除いたインフレの基調はいまだ極めて低い水準にとどまっていると、そして、物価上昇率が二%に達する蓋然性は高まっているが、それは輸入価格の上昇に伴う一時的なものであり、需給ギャップや予想インフレ率の動向を踏まえると、物価安定目標、物価安定の目標の安定的な達成は難しいと、言い換えれば、これは、だから、燃料価格を除けば二%以上の恒常的な物価上昇は今後もありそうにないという、そういった認識なのではないかというふうに思います。
しかし、私自身、いろいろ現場歩いておりますと、その肌感覚からいたしますと、日銀のこの意見とは異なり、私も党の国民生活総点検・緊急対策本部で生活者、事業者などから実情を聞いてまいりましたが、多くの方々の御意見を伺っていくと、今の我が国では賃金上昇なきインフレに突入しつつあって、先行き不安、先行きが全く不安でしかない、これが偽らざる国民感情ではないかなというように思っております。
無論、日銀の皆様の意見を否定するわけではないんですけれども、インフレそのものについては、日銀が非常に冷静かつ客観的に判断していると思います。しかし、私自身は、社会人になったのは平成十年、一九九八年でございます。就職氷河期の真っただ中でございましたので、右肩上がりの経済成長は体験をしておりませんし、利率八%といった高金利の時代、インフレ、ましてや賃金上昇などは経験をしておりません。
私に限らず、少なくともこの三十年近くをデフレで過ごしてきた我が国にとっては、そもそもインフレの何たるかを体感したことのないわけでありますから、言わば物価上昇に対する耐性というものが私たちにはないという感覚、ないという感覚そのものが、日銀の皆様、日銀の皆さんとのちょっと立ち位置の違いになって現れているんではないかなというふうに感じております。
その上で、金融政策決定会合における主な意見では、日銀もこうした庶民の肌感覚を意識されているようでございまして、例えば、家計のインフレ実感が消費者物価上昇率以上に高まっている可能性があると、賃金上昇のペースがインフレ実感に追い付かない下では、インフレに対する否定的な見方が家計に広がるおそれがあることから、物価動向や金融政策に関して、従来以上に丁寧な情報発信に努めていく必要があると、このような意見も述べられているところでございます。
そこで、日銀に質問いたしますが、家計のインフレ実感が消費者物価以上に高まっている可能性があるということは、これを放置すれば、消費マインドは更に冷え込み、我が国経済は賃金なき物価上昇という最悪の事態を生じさせかねないおそれがあると考えておりますので、日銀には従来以上に物価動向や日銀の金融政策について丁寧な情報発信をしていただきたいと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/71
-
072・中村康治
○参考人(中村康治君) お答えいたします。
一般に、家計の体感物価は購入頻度が高い品目の価格変化に左右されやすいことが知られております。実際、最近では、ガソリンや食品など購入頻度の高い品目の価格が上昇していることもありまして、物価の上昇を感じている家計の数は増えておりまして、このことは日本銀行が実施しております生活意識アンケートでも確認されております。
こうした体感物価の動向は、家計の予想物価上昇率や消費者マインドにも影響を与える重要な要素でありまして、日本銀行もこうした指標を丹念に点検をしております。
なお、日本銀行は、物価安定の目標について、購入頻度の低い品目も含め、家計が消費する財・サービスを包括的にカバーする消費者物価の総合で二%と定義いたしまして、その持続的、安定的な実現を目指しております。そのためには、単に物価だけが上昇すればよいわけではございませんで、家計の実質所得が増加する中で物価も上昇するという好循環が形成されることが重要であると考えております。
日本銀行といたしましては、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことで、感染症からの回復途上にある我が国の経済をしっかりとサポートいたしまして、労働需給の引き締まりとそれに伴う賃金の上昇を促していく方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/72
-
073・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参っておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/73
-
074・杉久武
○杉久武君 時間が終わりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/74
-
075・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
今日は、少し提案というか、問題意識を一つお伝えをさせていただきたいんですが、私は選挙区は愛知県で、まあ藤川先生と一緒なわけでありますが、私の世代がもう高校生、大学生ぐらいの頃から、愛知県含む東海地方では、やがて東海地震がやってくるといって随分当時地元では話題になっていたんですが、その後、この東海地方は幸いなことに甚大な地震に見舞われることなく、一方、阪神・淡路とか新潟中越とか、それから三・一一とか、他の地域で地震が相次いでいる中で、途中から南海トラフ三連動地震ということが懸念をされ始め、これは、その中には東海地震が含まれているわけでありますけれども、これだけ他の地域で大きな地震が起きて、東海地方だけ空白地域になっておりますと、やはり、やがて確率的に東海地方は大きな地震に見舞われるのではないかという危機感というか潜在的緊張感は地域住民や地域の企業の皆さんに大変広がっているということをまずお伝えをしたいと思います。
そういう中で、一たび被災したときに地域の経済をいち早く復旧させるためにはどうしたらいいかということを熱心に御検討しておられる方々がいらっしゃいまして、中心は尾張や三河の企業をいろいろ御指導いただいているベテランの税理士の先生方などが御検討になっておられます。
私も何度かお話を聞かせていただいたんですが、そのアイデアの中に、その早期復旧のためのアイデアのために、一たび発災して被害を受けたときの復旧復興資金をあらかじめプールしておくという、こういう枠組みを企業財務や税制の中に設けてはどうかということを御提案しておられて、これは、個人のアイデアというよりも、結構多くの企業の皆さんにその認識が共有されつつある、そういう活動をしておられます。
例えばそれを防災勘定というふうに名前を付けたとすると、やがてやってくる地震に備えて防災勘定に毎年一定の資金を計上する。その防災勘定に計上するに当たっては、税制優遇等でこれを促進する。ただし、実際に、例えば政府が、これは防災勘定を取り崩して使うべき、そういう事態になったという何らかの基準があってこそ初めてそれを使えるということではないかなと個人的にはそう想像しているんですが、そういう防災勘定を設けるというのは、東海地方はもう日本の経済の要ですから、そのサプライチェーンをできるだけ早く復旧させる、そのときの復旧資金を、もちろん政府も支援しますけれども、各企業が早い段階から持っておくということはそれなりに意味があるなというふうに認識していますので、今日こうして聞かせていただいております。
それと、そういう御提案を地元の企業や税理士の先生たちからいただく中で、昨今はインフレになってまいりました。日銀の超金融緩和を前提とすると、まあ不幸にして今私が申し上げているような事態が現実化したときには、その後はちょっと制御し難いインフレも同時に起きるということもあり得るだろうなと思っています。
そうなると、例えばそういう防災勘定が仮につくられたときに、企業が例えば十億円防災勘定に計上していた、しかし、その後、発災に伴うインフレなどを考えると、復旧資金が十億円では到底足りないというときに、例えばインフレ掛け率というものを政府が認定して、十億円の防災勘定に対して、復旧のための資材も価格が高騰しているので、例えば一・五倍まではその防災勘定を掛け率を掛けて拡大させて使っていいと。もちろんそれは、最終的には誰かがそのインフレ分の差額は補填しなくてはいけませんので、政府が当然それは災害対策資金として出すという、こういう枠組みになると思いますが、これは、それぞれの企業は取引先金融機関が地元にありますので、その取引先金融機関が取りあえず工面をして、その差額分は金融機関に政府が支給するという、いろんなやり方が考えられるんですが、この防災勘定という考え方とか、今申し上げましたような、そういう事態におけるインフレに備えたインフレ掛け率的、まあアイデアでありますけれども、こういうことについて金融庁の所感をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/75
-
076・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。
御提案につきましては、例えば毎年積立てを行うことができるような資金の余裕のある企業が準備金に近いような形で、あるいは準備金の一つかもしれませんけれども、勘定を設けて積立てを行っていくということですけれども、むしろ、災害時にはより充実した支援が必要となるのはそうした積立ての余裕のないような企業であるというようなことも考えられますので、資金に余裕のある企業だけが制度の対象となって恩恵に服するといったようなことから、公平性の観点からこうしたやり方がより望ましいのかどうか慎重な議論が必要となるというふうに感じてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/76
-
077・大塚耕平
○大塚耕平君 もちろん、慎重な議論や頭の体操が必要なんですが、もちろん、仮に防災勘定を持っている企業も防災勘定だけで復旧できるとは到底思えないような災害が起きた場合に、防災勘定をその復旧資金の一部として使うということになれば、当然、勘定を持っている企業にも政府は支援するし、その勘定を積み立てられないような企業に対しても支援をする、その対応においては多分公平に行われると思うんですが、つまり、サプライチェーンや経済の早期復旧のために政府だけが潤沢な支援をして一気に復旧できればいいんですけれども、いやいや、企業の自助努力もないと、それは政府だけでは対応できないというような事態を、東海地方、特に尾張、愛知、尾張や三河は非常に重要な企業が多くありますので、そういう企業の皆さんが心配をしてこういうことを真剣に今議論をしているということなんであります。
したがって、慎重な議論が必要なのは、それはもう当然のことでありますが、今日は冒頭に櫻井議員が印紙税の質問をしていただきました。百何十年も続いている税制であったり、印鑑はなくすと言ったけどなかなかなくならないとか、つまり、もう時代は大きく変わっている中で、何か時代の変化や先々予想される危機に対してちゃんと国の法律や制度や仕組みが変わっているなという、その変わっている感がないんですよね、日本は。だから、その印紙税にしても印鑑にしてもそうなんですが、片や災害国家であることはもう我々は十分認識していて、とりわけ、さっき申し上げたように、東海地方の企業や経済界の皆さんの、今申し上げたようなことに対する危機感は強まっていますので、ああ、それに備えてこういう制度ができたんだという、そういう動いている感というのが非常に今の日本にとっては大事ではないかなと思って、こういう質問をさせていただいております。
このことを熱心にやっておられる税理士の先生はもう相当御高齢で、脇田康裕先生といって、藤川先生も御存じかもしれませんけれども、是非一度、財務大臣に、真剣に心配をしているので、こういうことを提案をしているので、財務大臣の御意見を聞いてほしいということでありましたので、以上の御説明と金融庁の現時点での認識を踏まえて、財務大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/77
-
078・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 内閣、あっ、失礼しました、南海トラフ地震に備えて様々な対応を検討していくこと、これは政府としても重要な課題であります。
私自身、東日本大震災で我が家も倒壊をしてしまいましたが、東海地域等にお住まいの方が、災害発生後の復興に思いをはせまして、政策の在り方についていろいろと考えておられる、検討されておられるということに敬意を表したいと、そのように思います。
その上で、政府参考人からも申し上げましたが、一つの論点として、やはり公平性の問題があるんだと、こういうふうに思います。
具体的に申し上げますと、平常時においては資金に余裕のある企業だけが積み立てることができ、税制優遇対象となり得ることに公平性の観点からの問題はないか。また、災害発生後においても、より充実した支援が必要となり得る、資金に余裕がない企業は事前に積立てができていないため、インフレによる目減り分について政府補助の恩恵を受けられないのではないかといった論点はあるんだと、こういうふうに思います。
いずれにいたしましても、本日のこの御提案等、様々御意見もあると思いますが、政府といたしましては、南海トラフ地震への対応については、有識者の方々の御意見などにもしっかり耳を傾けながら、関係省庁が連携して様々な角度からしっかりとした備えをしていくこと、このことが重要であると考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/78
-
079・大塚耕平
○大塚耕平君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/79
-
080・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
本日のテーマはFRC報告ということでございますが、FRC報告と深く関係する日銀のYCCですね、イールドカーブコントロールについて、これは日銀の政策なんですけれども、これに関して財務大臣と議論させていただきたいと思っております。
FRC報告というのは、言わば破綻金融機関の処理に関わるものでございますので、出口の処理に関する報告でございます。これに対して、イールドカーブコントロールというのは、入口に関わる政策です。大臣は熟知されていることと思いますけれども、この日銀がイールドカーブコントロール、長短金利操作付き量的・質的金融緩和でありますけれども、この導入を決めたのが二〇一六年の九月であります。
具体的にどうしたかというと、短期金利は日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス金利を運用と、バランスシートの負債の、この日銀当座のところに一部マイナス金利を適用ということでございます。それから、長期金利は十年物国債金利が零%程度で推移するように長期国債の買入れを行うということでございます。
日銀がこのイールドカーブコントロールというのを取り入れた目的、これは、フラット化したイールドカーブのスティープ化を進めることにあると理解されております。金利が一番下に張り付いているときに極端な新たな金融緩和を行うと、イールドカーブのフラット化といいますか、フラット化が進みます。
長期金利、短期金利で金利の差が余りないと、その債券を買うインセンティブがほとんど働かないと。だから、現金で持っておく、預金にしておく、国債は買わない。だから、余計その、また長期金利も利息が下がって、短期金利と利息がほとんど変わらないと。
これ後で質問しますけれども、地銀なんか、金利が下がって、これイールドカーブが立っているから、安いものを持っていて高いときに売って、その差額で収益になるわけです。こういうことをやって、長期国債の利回りが下がると、国内の銀行や生保、損保、それから政府にも関わりますけれども、年金資金運用に悪影響を及ぼすということになっております。
しかし、日銀としては安定的な物価上昇二%というのを達成するまではこれを続けるということでございますので、こういう日銀の金融政策に対して、御自身担当しておられる地銀とか、あるいは先ほど厚労省の年金の基金の件でも質問がありましたけれども、その資産を運用しているというところに関してはすごくマイナスの影響が大きいと。
だから、日銀は物価の安定目標二%達成のためにイールドカーブコントロールを続けるということでございますが、これに対するその反動として様々な悪影響があると。いい面も悪い面もあるということでございますけれども、日銀に対する財務大臣はどういうふうな評価をされているのかということを知りたくて、こういう質問をさせていただいています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/80
-
081・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 日銀のイールドカーブコントロールについての評価はどうかという御質問だと思いますが、金融政策の具体的な手法につきましては日本銀行に委ねられるべきでありまして、こうした直接的なイールドカーブコントロールについての評価というのは私としてはできないわけでございますが、日本銀行によるこのイールドカーブコントロール、これは二%の物価安定目標実現に向けた金融緩和の一環として行われているものであるということでございます。
日銀におきましては、政府と、岸田内閣におきましても再確認をしたわけでありますが、共同声明の考え方に沿いまして、引き続き、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ持続可能な物価安定目標の実現に向けて努力されること、これを期待をしたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/81
-
082・浅田均
○浅田均君 安定的な物価目標二%実現のためにイールドカーブコントロールを続けるということを、日銀は日銀の独立性があるんだから財務大臣としてはこれはコメントされない、それはそれでいいと思うんですけれども、このイールドカーブコントロール、長短金利がもうほとんど変わらなくなってしまうと、地銀なんか、あるいは資産を運用しているところは非常に困るわけですよね。
だから、財務大臣としてもその地銀とか見ておられるわけであって、そういうその副作用の面、副作用の面でどういうふうな感想をお持ちなのかというのをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/82
-
083・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 地域金融機関のことの影響についてお話がございましたが、地域金融機関の経営環境、これ確かに厳しいと認識しておりますが、この経営は、御指摘の低金利環境の継続ということのほかにも、地域の人口減少でありますとか、国内外の経済・金融市場の動向など様々な要因を受けていることから、イールドカーブコントロールを含む、によるこの金融政策のみを取り上げてその影響の程度を論じることは、これはなかなか難しいのではないかと考えております。
現時点におきまして、日本の金融機関は充実した資本基盤を備えており、金融システムは総体として安定しておりますが、地域金融機関自身が将来を見据えて経営改革を進め、経営基盤を強化し、地域経済や地域の事業者をしっかりと支援をしていただく、こういうことが重要であると、こういうふうに考えているところでございます。
また、年金の運用等についてもお話ございましたが、そこは所管外でございますので、答弁は控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/83
-
084・浅田均
○浅田均君 イールドカーブコントロールという、日銀が物価の安定的な二%上昇目標を実現するためにはこれを続けると、黒田総裁は何回も繰り返しおっしゃっております。
それのいい面もあるんですけれど、要するに、まだコアコアでいくと物価上昇が〇・八%ぐらいであると。だから、オイルとか生鮮食料品を含むと二・一%上がっているとかいう報道もあるんですけれども、まだその安定的な二%成長にまでは至っていないと。だから、それまでは続けるんだということで、海外とは全く逆のトレンドを日本銀行は歩んでいるということでございまして、それに対する副作用を非常に私は心配しております。だから、こういう質問をさせていただいているんです。
それで、今もう地銀の、地銀に対する影響について次質問しようと思ったんですけど、その一部、大臣もう御答弁いただいておりますのですが、もう一回、僕らは党の主張として、中央集権国家でなくて地方分権の国をつくっていきたいという思いを強く持っております。
デジタル田園都市構想とかもあるんですけれども、あれは私たちから見ると、どちらかというと中央から見た地方分権ということで、地方からの自発的な地方分権ということではないと思いますので、思想的にはかなり違うなという思いを持っておりますけれども、いずれにしても、地方が元気にならないことにはこの日本は元気になっていかないと。その地方の元気の中心が地方銀行だと私は思っております。
地域、様々な地方に様々な優良企業があって、技術があって、ノウハウがあって、人がいて、そういうところを元気にしていくためには、地方銀行というのは倒れてもらっては困るわけですね。だから、この地方銀行、今、金利がそもそも低いと、それから人口も減っていくと。だから、地方銀行がどうして生き延びていくか。倒れてしまって処理しているというのが今回のFRC報告なんですけれども、倒れる前にもっと元気になっていく、そのためには、財務大臣として、赤字が続いているということが報道されています、地方銀行押しなべて、こういう地方銀行を再生の軌道に乗せていくというためにどういうふうな施策を財務大臣として考えておられるのか、御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/84
-
085・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほども少し答弁させていただきましたが、地域金融機関を取り巻く状況というのはなかなか厳しいものがあるんだと思います。そういう厳しい状況の中において、地域金融機関自身が将来を見据えて経営改革を進め、経営基盤を強化して地域経済や地域の事業者をしっかり支援していただくこと、これは重要でありまして、先生御指摘のように、私も地域金融機関の役割は大きいんだと、そういうふうに思っております。
こうした金融機関の取組、自らの取組を後押しをしたいと金融庁でも考えておりまして、昨年実施されました改正銀行法により、金融機関がデジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に貢献できますように、業務範囲規制や出資規制を緩和するとともに、地域銀行等による合併、経営統合を含む経営基盤の強化の取組を支援するための資金交付制度を創設など、様々な環境整備を行ってきているところでございます。
金融庁として、地域金融機関が必要に応じこれらの施策を活用しながら経営基盤の強化に取り組むように、常に地域金融機関との対話、こういうものを重視していきたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/85
-
086・浅田均
○浅田均君 時間が来たので終わりますけれども、今日はイールドカーブコントロールというのを申し上げましたけれども、それが、今の日銀の政策が地方銀行にすごく悪い影響を与えているので、そういう質問をさせていただいたということをもう一度御理解いただきたいと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/86
-
087・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
先日、本会議で成立いたしました大学ファンド法案についての関連について質問いたします。
この法案は、教育、大学政策、振興政策としても、また財源論としても大変筋の悪い法案ということで我が党反対をいたしましたが、様々問題ありますけれど、法案が通ったとはいえ、財投資金が投入されます。国民負担のリスク伴う事業でありますので、本来は本当は連合審査ぐらいやるべきだった法案ではないかと思うんですけれども、財政金融委員会として今後ずっとやっぱりウオッチングしていかなきゃいけない問題だと思いますので、今日はその一回目ということで質問したいと思います。
まず、文科省来てもらっていると思いますが、大学ファンドとは何か、その資金運用のポイントについて、簡潔で結構ですが、説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/87
-
088・坂本修一
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。
諸外国のトップレベル研究大学では、外部資金の獲得や大学独自基金の造成、運用などにより財源を多様化し、大学自らが高い裁量を持って研究基盤や若手研究者への投資を充実しています。このような大学の資金力の差が我が国の研究力の相対的な低下の一因と考えております。これを各大学の力のみで直ちに解消することは困難であることから、今般、大学ファンドを創設し、政府出資金に加え、財政融資資金という国の資金を時限的な措置として活用しつつ、その運用益により大学の研究基盤への長期的、安定的な支援を行うこととしたものです。
その上で、この大学ファンドは、支出目標を三%プラス長期物価上昇率である四%程度という運用目標の達成に向け、市場の一時的な変動に過度にとらわれず、投資規律を遵守しつつ、グローバルな長期分散投資により運用することとしております。
また、大学ファンドの運用を担う科学技術振興機構、JSTに対しては、短期的な運用益の変動をきちんと把握し、市場環境の変化や資産配分の見直しの要否等を確認するなど、適切なリスク管理の実施を求めているところです。
加えて、今後、更に自己資本を厚くして、償還期には過去の大きな市場変動にも耐えられる水準の安定的な財務基盤の形成を目指すことで、財政融資資金を確実に償還することとしております。
こうした取組を通じて、大学ファンドの運用が適切に実施できるよう、文部科学省としてもしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/88
-
089・大門実紀史
○大門実紀史君 ありがとうございます。
そんなにうまくいかないだろうということで、指摘がされてきているわけですね。
まず、財投債、国債ですから、これを原資にリスクの高い市場で運用して、運用益で五つか六つの大学選んで支援するんですかね。極端な言い方しますと、借金してギャンブルをやるようなものですよね。リスクの高いところに、自分のお金じゃなくて借りたお金でやるようなものですよね。その借金が、しかも財投だということであります。民間の人がやるのはもう自由なんですけどね。
財投とは何かということで、これはもう何度も言われていますけど、財投のそもそもの教科書ってあるじゃないですか、あの行天さんが書いた「財政投融資」という。これはもう何度も、皆さんよく御存じですけど、そもそもこういうものに財投は融資をすべきじゃないということは、今までの原則だったと思うんですよね。
それで、資料の三枚目に、財務省も相当の異論を展開されていたわけであります。大変厳しい見方をされてきたわけですね。もう書いてあるとおり、もう、これはあれですかね、財政審の財投分科会ですけど、大体こういうものに今まで融資したことないんだと、もう異例の貸付けだと、異例の貸付けだと。もう、こんなものはもう財務省としては今後ちゃんと関与していくべきだということがあって、もう最初からこれ反対意見と同じじゃないかと思うんですけどね。
その上で、右側に償還確実性の確保についてということで、幾つかの、まあ何といいますかね、問題提起以上にかなり厳しいことを、やるならばということですね、こんなのやるものでないというのが財政審では議論があったと思うんですけど、やるならばということで厳しい指摘を幾つかしているわけですね。
それで、簡潔に、この償還確実性の確保について、書いてあるとおりかも分かりませんが、要するに財務省は何をここで求めているのか、簡潔に説明をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/89
-
090・角田隆
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
今お配りいただきました資料三ページのところにございます大学ファンドについての議論の整理でございますが、議員御紹介のとおりのような状況でございました。そして、その分科会として、この大学ファンドの仕組みやリスク管理の考え方につきましては結構幅のある意見が出ておりました。それらにつきまして統一的な意見を示すのは難しいということで、論点メモという形で整理させていただいているところでございますが、お尋ねの償還確実性の話についてはほぼ意見が一致していたと思います。五つありますけど、主要な点だけ御紹介させていただきます。
最初のポツが基本的なお話でございまして、財政融資という借入金を元手にリスクの高い資産運用を行うと、その運用益で支援をするというこの枠組み自体について、実は想定どおり機能するのかどうかということについての懸念というのがまずベースにありまして、仮にも毀損ということ、元本の毀損ということになりますと、財政融資は借金でございますので、私どもにとりましても、そうやって国の、国民負担となることを踏まえまして、償還確実性が確保されなければいけないだろうということをまず押さえさせていただいたところでございます。
やや具体的な話になりますけど、真ん中のポツにありますように、将来、もしポートフォリオとして株式比率六五%という、そういう基本的なポートフォリオを想定されているんだとすれば、現状の自己資本、これは十兆円のうち一・一兆円が政府出資金でございますので、この部分が、一一%が自己資本ということでございますけれども、その現状の自己資本では不十分なので、これから運用して収益が上がっていくかもしれませんけど、下方リスクに備えて相応の自己資本を更に積み増していってもらわなければいけないですよねということを言わせていただいております。
最後のポツのところでございますけど、経済対策においてとありますのは、これ、昨年十一月の経済対策の話でございますが、その中で、政府の会議体を通じて国の資金が政策目的に沿って適切に使われているか確認し、大学への支援額の決定等を行うとされております。この会議体につきまして、財務省も資金の出し手なのだから、この会議体にちゃんと参画して、今後の事業に参画、関与していくべきだと、こういう問題提起がされたところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/90
-
091・大門実紀史
○大門実紀史君 私、この財投分科会の議事録を読みましたけれど、ほとんど反対じゃないかと、これはというような議論で推移したと思うんですけど、これ、鈴木大臣の前の麻生さんのときが関わっているんで局長に聞きますけど、これ率直に言って、財務省としては反対だったのを甘利さんの意見があって、これ、もうやる上でのこんな提案になっているんですかね。元々反対だったのに甘利さんが覆したということじゃないんですか、率直に言って。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/91
-
092・角田隆
○政府参考人(角田隆君) 法案を提出させていただきまして、また、その成立を見た段階でございますので、それに沿って対応させていただくのが行政府の役割だと思いますけど、その過程ではいろいろな議論があるのは健全なことではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/92
-
093・大門実紀史
○大門実紀史君 じゃ、文科省に具体的に聞いていきたいと思うんですが、時間がないのでちょっと具体的に聞きますね。
運用目標が三%プラス物価分で四・三八%ですよね。これに信託会社などに支払う手数料を入れると、どれぐらいの運用益上がらなければならないかというふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/93
-
094・坂本修一
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。
今御質問がありましたとおり、運用、支出目標三%に加えて物価上昇率足し合わせたもの、それに手数料が掛かることはございます。物価上昇率が一・三九ですので、今四・三九に、そこに更に手数料などが加わると。これについては、現在、順次運用受託機関とJSTが詰めているところでございます。ちょっと詳細は今のところ承知しておりません。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/94
-
095・大門実紀史
○大門実紀史君 これ、大体、聞きますと、合わせると五%から六%の運用益が必要、手数料入れるとですね。今、GPIF、年金積立金の方ですけど、これ、市場運用を開始してからのパフォーマンスが三・七%なんですよね。五%、六%というのをどうやって達成する見込みなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/95
-
096・坂本修一
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。
大学ファンドの運用目標は、他の国内運用機関と同等の四%程度を設定しております。ここには手数料等も考慮したということでございます。その上で、レファレンスポートフォリオで定められた許容リスクの範囲内で適切に運用が行われるものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/96
-
097・大門実紀史
○大門実紀史君 それは適切にはやってもらうんですけどね、高いリスク取らないと達成できないような、そういう始まり、スタートで、しかも、そういうことを宿命付けられているようなファンドなんですよね。
資料の一枚目、あっ、ごめんなさい、二枚目ですかね、要するに、資産構成ですね、資産構成が、二枚目でしたね、ごめんなさいね、二枚目にありますけれど、資産構成、グローバル株式とグローバル債券で六五対三五とあるんですけれども、これはレファレンスポートフォリオという意味でございまして、普通のポートフォリオできちっとこの六五対三五という意味よりも、まあリスク全体が許容量の範囲だったら仮に株が七〇になっても構わないと、債券が三〇でも構わないし、逆でも構わないというようなことでありますので、株に七〇という場合もあると、そういう数字で、そういうふうに見ておく必要があると思います。
それで、まあそれはあるんですが、仮に株が六五、債券三五の世界を考えますと、これは先ほどの財投分科会、説明あったところの三段目にありますが、株式に六五%ですね、要するに株式に六五%というポートフォリオに対すると、現状の自己資本では不十分で、要するに自己資本形成を急ぐべきだと書いてありますね。
今、聞きますと、自己資本比率が一一・一%です。これが株を六五持つような、に耐えられる自己資本というと、一七・八%になるんではないかというふうに思っております。そうすると、何といいますか、その六五を目指すためには自己資本を増強しなきゃいけない、自己資本を増強するためには高いリスクを取っていかないと達成できないというふうな、何かそういうこと、そういう仕組み、そういうことが基本的な動きに、動きというか動機になってどんどんどんどんいくような仕組みになっていて、そもそも何か無理がいっぱいあるんではないかと、こういうふうに思うんですね。
だから、どんどんリスクを取らなければ更なるリスク投資、目標の三千億達成できないというふうな、そもそも何かそういうことがもう最初から普通に考えてもおかしいと思うんですけど、文科省、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/97
-
098・坂本修一
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、運用目標達成のためには相応の自己資本比率が必要となると考えております。そのため、JSTにおいては、運用立ち上げ期は債券の割合を多くして運用を始め、運用の過程で自己資本を厚くしつつ、段階的にリスク資産を増やしてリスクテークを行い、収益率を徐々に高めていくものと承知をしております。
先ほど御説明いたしましたとおり、大学ファンドの運用目標は他の国内運用機関と同等の四%程度を設定しております。この運用目標は、総合科学技術・イノベーション会議の下に置かれたワーキンググループの金融や資産運用等の専門家による審議結果を踏まえて設定されたものでございます。
このワーキンググループの議論では、海外のトップレベル大学では、大学独自の基金の運用目標として一〇%程度を掲げているところが多いことから、海外機関と同様のグローバル運用を想定している大学ファンドにおいては、国内外の成長を取り込むことで四%程度という運用目標の達成は十分可能であると考え方が示されております。
その下で、許容リスク、一七%程度と想定されておりますが、許容リスクの範囲内でこの三%プラス長期物価上昇率で四%程度と運用目標が設定されているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/98
-
099・大門実紀史
○大門実紀史君 この資料の一番上には、ハーバードとかイエール大学とかスタンフォードありますよね。こういう大学のまねをしようというわけですよね。それは大変大けがするんじゃないかと思います。
といいますのは、こういう大学はもちろん寄附金ですから民間の資金ですよね、国のお金ではありません、まずですね。そこは大違いですが。で、ほとんど、オルタナティブといって、ここには説明なかったですね、オルタナティブ投資といって、通常の株とか債券よりも、非上場株式とかベンチャーキャピタルとか不動産とかヘッジファンドとかコモディティーとかですね、そういうところを中心に、そういうところのオルタナティブ投資が多いんですよ、こういう大学、海外のですね。
つまり、それは何かというと、株の売買でトレーダーで腕のいい人がもうけるとかという世界じゃなくって、やっぱり情報が非公開の部分がありますんで、そういうことの専門の、何というかね、運用の人に頼んで、巨額の投資するからその分情報も来るというような、ちょっと特別な世界でやっているんですよね。
先ほどおっしゃったその日本の専門家に聞いたとか、そんな話じゃないんですよ。通常の専門家、取引やっている専門家のプロの意見聞いてじゃなくて、違う世界なんですね、このアメリカのファンド、大学のファンドとはですね。そのような形だけまねしようとするから、危ないんじゃないですかと申し上げているわけなんですね。
この話の大本にあります内閣府の担当審議官だった合田哲雄さんが今年の四月号のIDEの「時の課題」におっしゃっていますけど、大学ファンドの運用で二〇二四年度には五百億運用益上げて支援したいと、二〇二八年度にはもう目標の三千億運用益支援したいと。つまり、あと六年後に三千億の運用益を出すということを担当審議官がおっしゃっているんですけれども、ちょっとほとんど金融の素人じゃないかと思うんですけど、本当に六年後に三千億の運用益出すには、どれだけのリスクを取ってハイリターンを得なければ、具体的にですね、ハイリターンを得なければならないかということになると思うんですね。
それで、さすがにいろいろ調べておられるんでしょうけれども、そのJST理事の喜田さんという方がおられまして、私が申し上げたアメリカの大学のファンドの場合はオルタナティブ投資をやっているので、日本もそれを、そちらにシフトしていきたいと。特に、プライベートエクイティー、未公開株ですね、これを大変強調されております。
このプライベートエクイティーというのは、同じ大学ファンド資金運用ワーキンググループの高田創さんが書いておられますけど、資産構成の中で一番リスクが高いのはプライベートエクイティーということなんですね。つまり、相当のリスクを取っていこうというようなことになっているんではないかと思うんですね。
その辺の認識は、文科省、あんまりないんですかね、あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/99
-
100・坂本修一
○政府参考人(坂本修一君) お答えいたします。
御指摘のリスク管理の点も非常に重要でございます。運用の専門性も重要でございます。
科学技術振興機構、JSTの体制については、今委員から御指摘ありましたとおり、昨年六月に運用業務担当理事として喜田理事が着任をしております。また、昨年十月には、この方は金融機関の運用の専門家でございますが、さらに、資金運用の業務の適正な運営を図るために、昨年十月に、法律に基づきまして運用・監視委員会が設置されまして、元日銀副総裁の中曽委員長を含む金融や資産運用等の専門家五名を文部科学大臣が任命し、令和三年度末から大学の運用を開始しております。
さらに、JSTにおいては、投資部門、リスク管理部門によって業務運営上の牽制関係を確立し、監査部門がこれを監査する三線防御を機能させるなどの体制整備が進められています。なお、JSTは、その一環として、高度かつ多様な運用やリスク管理が行える専門人材の獲得にも取り組んでおります。
このようなJSTの体制整備を着実に文科省としても支援をし、大学のファンドの運用が適切に実施されるよう取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/100
-
101・大門実紀史
○大門実紀史君 そういうことをやりながら高いリスクを取ろうということをやられていて、それが大本の話になるんですけれど、これ相当の高いリスクを取って、リターンが得られりゃまだいいですよ、リターンがね。さっき言ったみたいに五・七、五・五パー、六パーの運用益というのは、しかも素人ですよ、日本はね、アメリカはもういろんな蓄積あるわけですよ、アメリカの大学は。しかも、原資が国民の、国民負担にもつながる財投、国債だということなんですね。
それで、先ほど財務省の分科会からの注文がありましたけれど、財務省も今後参画していくとありますけれど、その二つ目に、コベナンツ条項を盛り込むべきだとございますよね、償還確実性を担保するためにと。
これは、コベナンツ条項というのは、いろいろ幅がありますけれど、もう絶対損をしないように、元本割れしないような、何かあったらもう契約を解除するということを含めてまでの強いものもあれば、いろいろあるんですが、今のところ何か報告だけ求めるような形になっていて、報告した後どうするのかとか、具体的に決まっていないわけであります。
今日はもう最後に財務大臣にお聞きしたいと思うんですけれど、これ、原資は財投で国債で、穴が空けば国民負担が生じると。ちょっとほかの話とは違うんで、ほかの民間のお金がどうこうしていることを言っているわけじゃないんですね。国民の税金を、国民のお金を借りて、高いリスクのあるところに運用しようと。これ初めてですね、こんなことは。そういうことであります。
ですから、この財投分科会の提言にもありますけれど、財務省が、私たちはこんなものはもうやめるべきだと、やめた方がいいと、もうろくなもんじゃないからね、やめた方がいいと思いますけど、仮にやるとしたら、財務省はやっぱり相当、財務省が会議体に参画ということも提案されていますが、事業にもきちっと関与していくべきじゃないかと。やっぱり、貸し手といいますか出し手といいますか、国民の負担にならないような責任あるわけですから。その点、大臣、やっぱり財務省がきちっと関与していくべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/101
-
102・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大門先生御指摘のとおりに、財政融資資金の償還確実性を確保しまして国民負担を生じさせないこと、これはもう極めて重要なことであると、そういうふうに考えております。
大学ファンドの運用に対する財務省の関与でありますが、まず、国立研究開発法人科学技術振興機構法に基づきまして、本年一月に文部科学大臣が財務大臣に協議の上でJSTの市場運用に係る基本指針を定めており、この指針に沿ってJSTにより適切な運用が行われるものと承知をしております。
この指針では、財政融資資金の償還確実性の担保の観点から、償還期には過去の大きな市場変動にも耐え得る水準の安定的な財政、財務基盤の形成を目指すとされております。
こうした観点から、毎年度、大学へ支援する額につきましては、大学ファンドの財務状況もよく勘案しつつ、政府の会議体を通じて適切に決定されることが必要であるとまた考えております。
また、財務省は、運用を行うJST及び所管省庁である文部科学省から適宜、損失発生時も含めて運用状況等の報告を受けることとされております。
財務省としても、大学ファンドの財務の健全性が確保されているかなどについてしっかりと確認し、そして関与してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/102
-
103・大門実紀史
○大門実紀史君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/103
-
104・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/104
-
105・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/105
-
106・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
金融のデジタル化等に対応し、安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図ることが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、いわゆるステーブルコインへの対応として、電子決済手段の取引等を業として行う者について、登録制を導入し、利用者保護などの措置を求めることといたします。
第二に、銀行等におけるマネーロンダリング対策等の更なる実効性向上に向けて、複数の銀行等の委託を受けて、為替取引のモニタリング等を業として行う者について、許可制を導入し、業務を適正かつ確実に遂行できる体制の整備などの措置を求めることといたします。
第三に、高額な価値の電子的移転が可能である前払式支払手段への対応として、その発行者について、業務実施計画の届出を求めるとともに、犯罪収益移転防止法における特定事業者と位置付け、取引時の本人確認等を求めることといたします。
その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/106
-
107・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01420220524/107
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。