1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年六月二日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
浅田 均君 片山虎之助君
五月二十日
辞任 補欠選任
古川 俊治君 山本 順三君
五月二十三日
辞任 補欠選任
三浦 靖君 岡田 直樹君
五月二十四日
辞任 補欠選任
柘植 芳文君 衛藤 晟一君
若松 謙維君 竹谷とし子君
五月二十五日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 柘植 芳文君
岡田 直樹君 三浦 靖君
竹谷とし子君 若松 謙維君
六月一日
辞任 補欠選任
片山虎之助君 清水 貴之君
六月二日
辞任 補欠選任
清水 貴之君 梅村みずほ君
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出席者は左のとおり。
委員長 平木 大作君
理 事
滝波 宏文君
柘植 芳文君
木戸口英司君
若松 謙維君
柳ヶ瀬裕文君
委 員
石井 浩郎君
江島 潔君
片山さつき君
中西 祐介君
堀井 巌君
舞立 昇治君
松下 新平君
三浦 靖君
山本 順三君
小沢 雅仁君
岸 真紀子君
吉川 沙織君
吉田 忠智君
西田 実仁君
小林 正夫君
芳賀 道也君
梅村みずほ君
清水 貴之君
伊藤 岳君
国務大臣
総務大臣 金子 恭之君
副大臣
総務副大臣 中西 祐介君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤 研資君
政府参考人
総務省大臣官房
長 原 邦彰君
総務省自治行政
局選挙部長 森 源二君
総務省自治税務
局長 稲岡 伸哉君
総務省国際戦略
局長 田原 康生君
総務省情報流通
行政局長 吉田 博史君
総務省総合通信
基盤局長 二宮 清治君
総務省電気通信
紛争処理委員会
事務局長 鈴木 信也君
財務省大臣官房
審議官 江島 一彦君
国土交通省大臣
官房技術審議官 河野 順君
参考人
日本放送協会会
長 前田 晃伸君
日本放送協会副
会長 正籬 聡君
日本放送協会専
務理事 林 理恵君
日本放送協会専
務理事 伊藤 浩君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/0
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001・平木大作
○委員長(平木大作君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、浅田均君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として清水貴之君及び山本順三君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/1
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002・平木大作
○委員長(平木大作君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/2
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003・平木大作
○委員長(平木大作君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に柘植芳文君及び若松謙維君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/3
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004・平木大作
○委員長(平木大作君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房長原邦彰君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/4
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005・平木大作
○委員長(平木大作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/5
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006・平木大作
○委員長(平木大作君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長前田晃伸君外三名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/6
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007・平木大作
○委員長(平木大作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/7
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008・平木大作
○委員長(平木大作君) 電波法及び放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。金子総務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/8
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009・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) おはようございます。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
電波の公平かつ能率的な利用を促進するため、電波監理審議会の機能強化、携帯電話などの特定基地局の開設指針の制定に関する制度の整備、電波利用料制度の見直しなどを行うほか、近年の放送を取り巻く環境の変化などを踏まえ、基幹放送の業務に係る認定申請書などの記載事項に外国人などが占める議決権の割合などを追加し、その変更を届出義務の対象に追加するなど情報通信分野の外資規制の見直しを行うとともに、日本放送協会の受信料の適正かつ公平な負担を図るための還元目的積立金の制度を整備するなどの措置を講ずる必要があります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、電波監理審議会の機能強化として、電波の有効利用の評価は、これまで総務大臣が電波の利用状況調査の結果に基づき行ってきたところ、技術の進展などに対応したより適切な評価を行うため、広い経験と知識を有する委員から構成される電波監理審議会が行うこととしております。
第二に、携帯電話などの特定基地局の開設指針の制定に関する制度の整備として、既に開設されている電気通信業務用基地局が現に使用している周波数について、その周波数を使用する特定基地局の開設指針の制定をすべきことを希望する者は、その旨を総務大臣に申し出ることができる制度を創設するとともに、その開設指針は、総務大臣が、申出に係る開設指針の制定が必要である旨を決定したとき、電波の有効利用の評価の結果が一定の基準を満たしていないと認めるときなどに制定することとしております。また、携帯電話などの特定基地局の開設指針の記載事項として、電波の公平な利用の確保に関する事項を追加するとともに、当該特定基地局に係る認定開設者は、認定計画に記載した特定基地局の無線設備の設置場所以外の場所においても、当該特定基地局の開設に努めなければならないこととしております。
第三に、令和四年度から令和六年度までの電波利用共益費用などの見込みを勘案した電波利用料の料額の改定を行うとともに、電波利用料の使途として、研究開発のための補助金の交付を追加することとしております。
第四に、情報通信分野の外資規制を見直すこととし、基幹放送の業務に係る認定申請書、基幹放送局の免許申請書の添付書類などの記載事項として、外国人などが占める議決権の割合などを追加するとともに、当該事項の変更を届出義務の対象に追加するほか、外資規制に違反した場合にその事情を考慮して認定基幹放送事業者の認定などの取消しを一定期間猶予できる措置について、所要の制度の見直しを行うこととしております。
第五に、日本放送協会の受信料の適正かつ公平な負担を図るための制度の整備として、日本放送協会は、毎事業年度の損益計算において生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額の一定額を還元目的積立金として積み立てるとともに、積み立てた額は、受信料の額の引下げの原資に充てなければならないこととするほか、専ら日本放送協会の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者を子会社として保有することを目的とする関連事業持ち株会社への日本放送協会の出資に関する制度及び受信契約の締結義務の履行を遅滞した者から日本放送協会が徴収することができる割増金の額に関する制度を整備することとしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、一部の規定を除き、情報通信分野の外資規制の見直しに関する規定、還元目的積立金に関する規定などは、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/9
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010・平木大作
○委員長(平木大作君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/10
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011・松下新平
○松下新平君 自由民主党の松下新平です。おはようございます。よろしくお願いいたします。
この電波法及び放送法の一部を改正する法律案ですけれども、衆議院の審議を経て、昨日、六月一日、電波の日に参議院の本会議場で趣旨説明をいただいて、そして代表質問があったわけでございます。委員会の場は更に理解を深める場でもありますので、その趣旨で、政府参考人の方を中心になりますけれども、御答弁をお願いしたいというふうに思います。
まず、電波監理審議会の機能強化について御質問いたします。
社会全体のデジタル変革が進む中、今後、電波の利用ニーズが一層拡大することが予想されております。総務省では、昨年八月のデジタル変革時代の電波政策懇談会報告書において、5G、ビヨンド5Gなどの携帯電話に加え、衛星通信、IoT、無線LAN、自動運転等の次世代モビリティーなどの分野を中心に、今後ニーズが拡大することが指摘されております。
こうした電波の利用ニーズの一層の拡大に備えて、この限りある電波の公平かつ能率的な利用を促進していくことが重要と考えます。現在、電波監理審議会委員五名のうち、電波に係る技術的知見を持った委員はたった一名だとの指摘が昨日の本会議でもありましたが、より一層専門的な知見が必要と考えます。
体制強化に向けてどのように取り組んでいかれるのか、いま一度明確なお答えをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/11
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012・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
社会全体のデジタル化の進展により、電波利用ニーズが拡大する中、一層の電波の有効利用が必要になっております。電波の有効利用の評価については、これまで総務大臣が電波の利用状況調査の結果に基づき行っておりますが、本法案におきまして、広い知識と経験を有する第三者機関である電波監理審議会が主体的に電波の有効利用の程度の評価を行い、提言できる仕組みを導入することとしております。このため、本審議会の下に専門の部会や特別委員を置くことができるよう、所要の政令を整備し、体制の強化を図ることとしております。
特別委員は、無線、ネットワークなどの技術や法律などに知見を有する学識経験者から五名程度を人選し、多角的に審議いただくこととしております。また、具体的な人選につきましては、本法案をお認めいただきました場合には、国会での議論などを踏まえ、検討をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/12
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013・松下新平
○松下新平君 専門的な知見を有した特別委員を新たに選任するということです。専門的な知見と全体を見回す総務省のバランスに期待をしたいと思います。
続きまして、ビヨンド5G推進に向けた国際協力について御質問いたします。
近年、ビヨンド5Gなど新興・重要技術について国際連携の取組が進んでおり、例えば、昨年四月に日米首脳により合意した日米競争力・強靱化パートナーシップにおいては、5G及びビヨンド5Gを含む安全なネットワーク及び先端的なICTの研究開発、実証、普及に日米両国が投資することによって、デジタル分野における競争力を強化する旨示されております。
また、先月に合意されました日米豪印首脳会合、クアッド共同声明におきましても、5Gの協力が大きな目玉となっているほか、当局間で5Gサプライヤー多様化及びオープンRANに関する新たな協力覚書に署名するなど、国際協力の枠組みがつくられているところでございます。
このような状況におきまして、ビヨンド5Gの研究開発につきましては、国際競争が激化する中で国際的に連携して強力に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/13
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014・田原康生
○政府参考人(田原康生君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、日米競争力・強靱性パートナーシップや日米豪印首脳会合では、5Gやビヨンド5Gにおける国際連携に言及されているところでございます。
ビヨンド5Gの実現に向けた研究開発が激化する中で、我が国が勝ち残っていくためには、光電融合技術ですとか仮想化ネットワーク技術など、我が国が強みを持つ技術分野について、研究開発の初期段階から欧米などの戦略的パートナーとの国際連携や標準化に向けた国際協調を推進していくことが不可欠と考えております。
このため、例えば、産学官が参画するビヨンド5G推進コンソーシアムにおいては、欧米の同様な組織と研究開発などに係る協力覚書を締結するなどして、国際協調に向けた取組を既に開始しているところでございます。
また、総務省におきましても、現在実施しているビヨンド5G研究開発促進事業において国際共同研究型プログラムを設定し、欧米との共同研究を昨年度から一部開始しているところでございます。
ビヨンド5Gにおける我が国の国際競争力をしっかりと確保できるよう、こうした戦略的パートナーとの国際連携も着実に図りながら、中核となる技術の研究開発を強力に推進してまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/14
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015・松下新平
○松下新平君 国際競争とそして国際連携、背反することではありますけれども、このバランスをよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、デジタル田園都市構想実現基本方針案について御質問いたします。
ちょうど昨日ですね、岸田政権が掲げるデジタル田園都市国家構想を実現するための基本方針案がまとめられたと報道されました。その内容について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/15
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016・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、昨日、デジタル田園都市国家構想実現会議におきまして、デジタル田園都市国家構想基本方針が取りまとめられたものと承知をしております。
この方針は、新しい資本主義の重要な柱の一つとして、地方から全国へのボトムアップの成長を推進するため、デジタルの力を活用した地方の社会課題の解決を図るものと理解をしております。
その具体的方策といたしまして、デジタル田園都市国家構想を支えるハード、ソフトのデジタル基盤整備、またデジタル人材の育成、確保、誰一人取り残さないための取組を進めることとされております。このうち、デジタル基盤整備に関しましては、光ファイバーの世帯カバー率を二〇二七年度までに九九・九%とすること、また5Gの人口カバー率を二〇二三年度末に九五%とし、二〇二五年度末に九七%とすることといった目標が掲げられているところでございます。
こうした目標の達成に向けては、総務省では、三月末にデジタル田園都市国家インフラ整備計画を作成したところでございます。この計画では、インフラ整備の目標達成のための具体的方策といたしまして、地域協議会を立ち上げ、地域のニーズに合ったインフラ整備を促進すること、ユニバーサルサービス交付金制度を創設し、不採算地域の光ファイバー等の維持管理を支援することなどを掲げております。また、ただいま御審議いただいております改正法案による基地局開設の責務の創設も本計画に位置付けているところでございます。さらに、データセンター、海底ケーブルの整備やビヨンド5Gの研究開発、社会実装も進めることとしておるところでございます。
総務省としては、本整備計画に掲げたインフラの整備を加速し、構想の実現に向けてしっかり貢献をしてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/16
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017・松下新平
○松下新平君 5Gなどのデジタル基盤の整備が重要であります。特に5Gにつきましては、現状、都心では使えるところが増えてきていることを実感いたしますけれども、委員の皆様もそれぞれの地元で、地方にはまだまだ使える場所が限られている状況があると思います。地方でも5Gの恩恵を実感できるよう、早期の基地局整備が必要と考えます。過疎地や離島などの条件不利地域での5G整備に含め、政府の取組を期待するわけでございます。条件不利地域だから切り捨てるのではなくて、誰一人取り残さない、その考えを、構想をしっかり共有したいと思います。
それでは、続きまして、昨日、六月一日、電波の日の表彰式があったそうなんですけれども、そのことについてちょっと紹介したいと思います。
これは、昭和二十五年に制定された電波法及び放送法が施行された日を、電波の利用が広く国民に開放された記念の日として定められているものということで紹介されました。昨日の記念式典では、一般社団法人日本病院副会長の大道先生が総務大臣表彰を受賞されました。大道先生は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引きや、その改定や周知啓発に御尽力されたとのことでございます。まさに現下の課題解決の糸口として大いに評価されます。
今後、医療機関において5Gなど電波の利用が一層進んでいくものと思われますが、混信等のトラブルが発生しないよう、電波が安心、安全に利用される環境を構築することは大変重要な課題です。
総務省としてどのように取り組んでいかれるか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/17
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018・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
近年、医療機関では、電波を利用する機会が増大する一方で、電波による医療機器への影響や通信障害といったトラブルへの対応が生じております。特に、新型コロナウイルス感染症の発生後、接触しない、対面しないといったニーズを背景に、無線を活用したオンライン診療、オンライン面会の利用が急増をしております。加えまして、患者の心拍数や酸素飽和度などをナースステーションに送る医用テレメーターによる遠隔モニタリングのニーズが増加するなど、医療機関における安心、安全な電波利用の重要性が一層高まっております。
総務省では、今般、総務大臣表彰を受けられた大道先生を始めとする病院関係者や厚生労働省と連携をし、医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引きを策定し、周知啓発に努めております。また、全国十一か所の総合通信局を拠点に、医療関係者や通信事業者などから構成される地域協議会を立ち上げ、各種説明会の開催や電波利用のトラブル対策に関する好事例などの情報収集、周知活動を行っております。
総務省としては、今後、医療機関において5Gなど電波の活用が一層進んでいく中で、医療機関における安心、安全な電波利用環境の構築に向けて必要な対応を引き続き進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/18
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019・松下新平
○松下新平君 よろしくお願いいたします。
それでは、最後に外資規制について質問いたします。
昨年、外資規制違反が生じましたが、外資規制違反は何が原因で生じたものか、これまでも総務委員会でも議論があったところですけれども、改めて総務省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/19
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020・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
放送法における外資比率は、議決権の総数に占める外国人等の議決権の比率により計算することとなっておりますが、まず、東北新社の外資規制違反につきましては、外資比率が、今申し上げた議決権の比率ではなく、株式の保有割合に基づく数値によって計算されていたことから誤りが生じたものでございます。
また、フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反については、これは議決権で計算はしていたんですが、控除すべき相互保有株式につきまして控除が行われなかった、そのためオーバーしてしまったということで誤りが生じたものでございます。
両社の違反については、それぞれの違反に至った経緯や原因は異なりますが、いずれも放送事業者などそれ自身によるケアレスミスや知識の不足ということがあったほか、私ども総務省の方でも審査時のチェックが十分でなかったということがあったと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/20
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021・松下新平
○松下新平君 放送事業者においては、放送法の外資規制の趣旨を十分理解していると考えていますし、いろいろなネットワークを張り巡らせて株主に関する情報を集め、外資規制に違反しないよう気を付けておられ、外国からの影響を受けようと思って違反したわけではないと考えております。メディアとしての役割や責任を担っている放送事業者は当然自覚しているものと信じます。
今回の外資規制違反に際して、その本質は、単に外資規制の従来の仕組みでは、事業者によるケアレスミス、総務省による見落としのいずれもが生じやすかったという話であれば、総務省もそこについては猛省し、しっかりやっていただきたいと考えます。
その反省を踏まえて、総務省としても検討会を立ち上げて有識者から意見を聞き、必要な政令、政省令も整備した上で今回の法改正を提出してきたと思われますが、総務省から、今後外資規制違反を絶対起こさないという強い決意を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/21
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022・中西祐介
○副大臣(中西祐介君) 松下新平先生にお答えをいたします。
昨年、放送事業者などにおいて外資規制違反が生じたことを受け止めまして、総務省としても事業者の違反を見過ごしたこの事実を重く受け止めるところでございます。今後どうすれば外資規制の実効性を確保できるかについて、有識者の方からも御意見を頂戴しながら検討を進めてきたところでございます。
まず、第一段階として、検討結果を踏まえて昨年十二月に政省令改正を行いまして、株主名簿や有価証券報告書、あるいは戸籍抄本などの客観性を有する証拠書類と照らし合わせることなどによりまして、放送事業者などの申請や届出内容が正しいということを総務省としても客観的に把握できるようにいたしたところであります。
次いでまた、昨年四月からは外資規制審査官を新たに設置をいたしまして、既存の外資規制の適合性検査を、審査を、直接担当する部署での審査に加えて、外資規制審査官が複層的にチェックを行うということにいたしました。審査がこうして統一的に漏れなく行われるよう、審査体制を強化してまいりたいと考えております。
さらに、本法案で整備しようとする変更届出や定期報告などの仕組みにより、外資規制の遵守状況について的確な把握が可能となるところであります。特に、外資比率が増加をして規制の基準まで近づいた場合には最新の状況を精緻に確認することができるように、また、より細かい比率の変動まで届出を求めて事業者を重点的にチェックをするといったことも加えて外資規制のチェック機能を強化していくなど、めり張りの効いた審査を行いたいと考えております。
本法案をお認めをいただきますならば、これらの枠組みを適切に運営をいたしまして、外資規制の実効性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
なお、先ほど私から、先ほど三月と申し上げたんですが、本年四月ということで訂正させていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、しっかりと監査体制を持っていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/22
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023・松下新平
○松下新平君 ありがとうございました。しっかりよろしくお願いします。
残りの時間でちょっと金子総務大臣にエールを送りたいんですけれども、総務行政は、もう本当に、消防団のボランティアの活動から、千七百二十四ですかね、市区町村の様々な課題、そしてまた、この情報通信、宇宙開発とか、世界最新、最先端のこのプラットフォーム、もうこの総務行政は守備範囲が広いわけですけれども、金子大臣は、就任以来、決しておごらず、丁寧に謙虚にこの総務行政を推進されているというところに高く評価をしております。ちょうど私、地元宮崎ですけれども、熊本の県境のあさぎり町の一万数千名の人口の御出身ということで、地方の課題も十分理解されていらっしゃいます。地方の期待も大きいので、さらにその姿勢で貫いていただきたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/23
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024・平木大作
○委員長(平木大作君) 最後、答弁を求めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/24
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025・松下新平
○松下新平君 いえ、結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/25
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026・木戸口英司
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。
広範多岐にわたる法案に私も多数の質問項目を通告いたしておりますので、簡潔に、かつ丁寧な答弁を求めたいと思います。
今般の電波法、放送法改正案については、令和三年常会において提出されながら審議未了、廃案となった放送法改正案の内容が盛り込まれて提出され、今審議が始まったところです。こうした背景には、昨年、放送行政に携わる多くの職員が関係した総務省接待問題などの不祥事が相次いで発覚し、当時の武田総務大臣が記者会見において、この法案を取り巻く事情に鑑みれば現実的に今国会での成立は難しくなってきているとの認識を示し、総務省による不祥事の影響によるところが大きかったわけです。
改めて、昨年、放送法改正案が成立しなかった原因について総務省はどのように認識しているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/26
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027・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
国会での法案の取扱いは国会でお決めいただくことであり、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、昨年の通常国会の会期中に発覚した放送事業者等の外資規制違反事案があり、外資規制の見直しの御議論があったことなどが影響したものと受け止めてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/27
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028・木戸口英司
○木戸口英司君 では、接待問題は関係ないということですか。
昨年の、じゃ、改めて、総務省の接待問題について、改めて事案の概要、説明してください。その後の対応についてもお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/28
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029・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
御指摘の事案は、昨年、複数の幹部職員が利害関係者等から供応接待を受けていたことなどが明らかになったものでございます。数次にわたる調査の結果、三十七名の職員についての国家公務員倫理規程違反を確認し、懲戒処分等を行ったところであります。
総務省では、このような事態を二度と起こさないよう、省独自の再発防止策として、職員の意識付けの徹底、また利害関係者がどういう者が対象かという一覧の作成、また利害関係者との飲食について原則全て事前事後の届出といった独自ルールを設けたところでございます。
また、事業者との会食が行政に与えた影響等についても、第三者の有識者で構成する情報通信行政検証委員会で御議論いただいた結果、会食等により行政がゆがめられたのではないかとの疑念について、そのような事実は確認されませんでしたが、重要な政策決定については適切に記録を残し透明化を図るといった五つの指針を御提示いただきましたので、その信頼回復策を総務省が実行できるようしっかりと、例えば公文書管理の徹底、あるいは人事評価による目標の部局内共有など、具体的に取組を進めてございます。
今後も、こうした取組についてしっかりと運用し、コンプライアンスの確保と国民の信頼回復にしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/29
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030・木戸口英司
○木戸口英司君 現場の情報をしっかりと得ることは役所にとって非常に重要なことですけれども、それと接待は全くつながりませんので、しっかりとコンプライアンスを確立するように再度しっかりと徹底をしてください。
では、NHK会長にいらしていただいていますので、法案の審議が一年遅れたことに対するNHKの経営等に対する影響あったかなかったか、あったとすればどういうことがあるのか、答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/30
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031・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
中間持ち株会社の設立が遅れるなどの影響がございましたが、受信料の値下げを予定しておりますが、この値下げにつきましては二〇二三年度に行う方針に変わりはなく、実施に向けて様々な改革を進めているところでございます。値下げの具体的な内容は今年の秋にはお示ししたいと思っております。
また、中間持ち株会社につきましても、設立に向けた準備を先行して進めており、法改正が実現すれば今年のうちに業務を開始したいと考えております。
改革を更に進めていくために法改正をよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/31
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032・木戸口英司
○木戸口英司君 では、これ大臣にも是非答弁を求めたいと思いますが、この一年遅れた影響について、そして接待問題、今官房長から答弁がありましたが、大臣としてどのように捉えているか。
あと、その放送法という審議なはずですけれども、電波法とこうして一つ束ねられたということ、このことも私は一つ問題だと思うんですけれども、なぜこうして電波法、放送法ということで一緒に提案されたのか、その辺りも大臣から是非説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/32
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033・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 先ほど来、木戸口委員には、今回遅れた理由等々についての御指摘をいただきました。官房長から御答弁しましたとおり、しっかりと今回の事案については信頼回復に努めさせていただきたいと思います。
また、一年遅れたことに対しては、大変我々としても心配をしているところではございますが、しっかりとこの法律を作って、そしてこの委員会の場に提出をさせていただいたということで、この放送法、電波法のしっかりと中身を審議していただく中で、これからの放送、そして電波法の行政について対応をさせていただきたいと思います。
また、放送法と電波法というのは結構密接な関係がございますので、今回は併せて提出をさせていただいたところでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/33
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034・木戸口英司
○木戸口英司君 総務委員会は今回法案が少し余裕があったんじゃないかと思います。衆議院の方ではもう早々と送ってきたという状況ですので、十分にそれぞれ審議できたんじゃないかと思います。その点は強く指摘をしたいと思います。
それでは、外資規制の見直しについてお伺いをいたします。
現行法では、地上基幹放送事業者が間接出資規制に不適合となった場合に、不適合となった状況等を勘案して、必要があると認めるときは認定等を取り消さないことができる旨が規定されています。改正案では、この取消し猶予規定の適用対象について、地上基幹放送事業者に加え衛星基幹放送事業者や認定放送持ち株会社が加わるとともに、間接出資規制だけでなく、直接出資規制に不適合となった場合も加わることとされており、対象範囲が大幅に拡大されているということです。
現行法において取消し猶予規定は行使した例がありますでしょうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/34
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035・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 現行法におきます取消し猶予規定につきましては、これまで当該規定を適用して地上基幹放送事業者の免許等を取り消さないこととした例はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/35
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036・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、大臣にお伺いいたしますけれども、改正案では取消し猶予の対象が拡大されており、かえって放送事業者の外資規制遵守のインセンティブが低下するんではないかという懸念も言われておりますけれども、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/36
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037・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
本法案につきましては、放送事業者等が外資規制に違反した場合にその認定又は免許を取り消さなければならないという原則が変わるものではなく、また、取消しが猶予されたとしても、期間内に違反を是正する必要がございます。
また、本法案は、外国人等が保有する議決権の割合に関する変更の届出や定期的な報告を求めるなどにより外資規制の遵守状況の的確な把握を実現しようとするものであるほか、本年四月には外資規制審査官を設置をし、審査体制を強化しております。
これらの枠組みを適切に運用することにより、外資規制の実効性をしっかり確保してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/37
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038・木戸口英司
○木戸口英司君 総務省は、改正案において取消し猶予規定を拡大した趣旨について、放送事業者などが十分に注意していても違反が生じてしまう事態が例外的に想定し得るためとしています。
具体的にはどのような事例、事態を想定しているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/38
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039・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
放送事業者などが十分に注意しても違反が生じてしまう事態とは、例えば日本国籍を有していた株主が国籍を変更した場合に、その国籍を変更したことについて放送事業者などへの通知を怠った場合が考えられます。
また、上場会社につきましては、名義書換拒否制度というものが整備されておりまして、これを使うことができますが、非上場会社におきましては、同制度の適用対象となってございませんので、議決権比率のコントロールが困難となる場合などが考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/39
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040・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、執行猶予の期間はどのように決めるんでしょうか、また、おおよそどの程度の期間を想定しているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/40
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041・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 取消しを猶予する期間につきましては、外資規制違反の是正に必要な期間が違反した事業者の態様や違反の状況によって様々であることから、個別具体の事例に照らして判断されるべきものと考えております。その際には当該事業者から意見を聞く仕組みを設けており、これらを含めて具体の状況を把握することになります。
また、例えばの例ですけれども、上場会社が株主名簿を更新するのにおおむね数か月要するという事情もございます。
このような、ほかの仕組みにおける、あるいは実態における期間なども参考にしつつ、個別具体の事例に照らして是正に必要な期間というのがどの程度であるかということを判断することになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/41
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042・木戸口英司
○木戸口英司君 何か総務省に随分、決めるその権限というか、また何か強まるような感じがいたしますけれども。
それでは、執行猶予の期間を超えても外資規制違反の状態が解消されない場合は直ちに取消しとなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/42
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043・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 取消し猶予の期間が過ぎても違反状態が解消されていない場合におきましては、取消しの手続に進むことになります。行政手続法による聴聞などの手続を行った上で取消処分を行うということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/43
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044・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、この昨年認定を取り消された東北新社メディアサービス、認定当初に外資比率が二〇%を超えており、認定要件を満たしていなかったことが取消しの理由とされています。
改正案では、認定当初に外資規制違反があったことが後に判明した場合は取消し猶予となる可能性は、これはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/44
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045・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
東北新社メディアサービスの事案につきましては、衛星基幹放送事業者としての、承継前の会社ではございますが、認定時におきまして外資規制に抵触しており、本来なら認定そのものが受けられなかったという重大な瑕疵があったことを踏まえ、職権による認定の取消しを行ったものでございます。
したがいまして、このような事例について本法案で定める取消し猶予の仕組みを適用することは想定しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/45
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046・木戸口英司
○木戸口英司君 何か総務省に判断基準がかなり委ねられているような感じがするんですが。
それでは、大臣にお伺いいたしますけれども、昨年発覚したフジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反は、同社が総務省へ報告した時点で外資規制違反の状態は解消されていると、総務省は同社に対し口頭で厳重注意を行ったという事案です。このように、外資規制違反があった場合については、それが既に解消されている場合も含めて必要な再発防止を事業者等に対して求めることが重要と考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/46
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047・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) まさに木戸口委員御指摘のとおり、外資規制違反が発生した場合に、事業者に対して再発防止を求めることは重要であると認識をしております。適切に対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/47
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048・木戸口英司
○木戸口英司君 ここが重要ですので、しっかりとやっていただきますようにお願いいたします。
その上で、そうですね、改正案では船舶又は航空機に開設する無線局の外資規制を廃止することとしています。他方、地球観測衛星等の人工衛星に関する無線局については、これに外資規制を課すことは、資金調達を行う際の障害となるだけでなく、海外の優れた技術の導入を妨げるのではないかとの指摘がありますけれども、改正案において人工衛星に関する無線局の外資規制を撤廃しなかった理由についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/48
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049・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
人工衛星に関する無線局の外資規制につきましては、情報通信分野における外資規制の在り方に関する検討会におけるヒアリングにおきまして、委員御指摘のとおり、ベンチャー企業などが外国から資金調達をする際の障害になるとの意見があった一方で、検討会の構成員から、電波法の立法趣旨に照らして、外資規制を撤廃して差し支えないか継続して検討していくことや、人工衛星の活用が重要視されており、安全保障の観点を考慮することが必要であるとの御指摘をいただいたところでございます。
このような議論を踏まえまして、総務省としては、人工衛星に関する無線局の外資規制について、周波数の占有性の観点や、技術保護、情報保護の観点、産業政策の観点なども含めて丁寧に考慮して慎重に検討することが適当と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/49
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050・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、コミュニティー放送についてもお伺いいたします。
コミュニティー放送の特性は、地域の話題や災害時などにおける地域のきめ細やかな情報提供にあることから社会的影響力は限定的であること、また、コミュニティー放送の営業損益は一社平均約マイナス六十九万円となっており、大半の事業者が利益を出すのは難しい状況であると言われております。
間接出資規制にとどまらず、直接出資規制まで撤廃し、コミュニティー放送事業の経営基盤強化の選択肢を拡大することが必要という指摘もありますけれども、この点について御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/50
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051・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
コミュニティー放送は地上基幹放送に該当いたします。現行では、県域などを放送対象地域とするテレビジョン放送や超短波放送と同様の外資規制が課されています。
今回の法案でこの間接規制部分につきまして廃止することを盛り込まさせていただいておりますけれども、そもそもコミュニティー放送は地上基幹放送として有限希少な周波数を利用していること、あるいは一定の社会的影響力を有しているということから、外資規制そのもの、直接出資規制につきましては引き続き維持することが適当と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/51
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052・木戸口英司
○木戸口英司君 様々、経営実態、地域にとっては重要な機関でありますので、この点はよく調査をしながら今後の対応を検討していただきたいと思います。
それでは、NHK会長にお伺いをいたします。
昨日も本会議で文芸春秋の記事について質問があったところですけれども、私からも少し触れさせていただきたいと思います。
五月十日発売の文芸春秋六月号、NHK職員有志一同による記事、「前田会長よ、NHKを壊すな」というタイトル。この記事の冒頭では、NHKはかつてない危機に瀕しているとした上で、その原因に、前田会長による余りに強権的でずさんな改革が次々と断行されていると指摘をされております。
前田会長は五月の記者会見において、この記事についてはほとんどが事実無根で極めて遺憾であるとしていますが、前田会長のNHK改革のやり方についてこうした不満が出ていること自体の否定ということなんでしょうか。改めて会長の受け止めをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/52
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053・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
五月十二日の定例記者会見でも申し上げましたが、この文芸春秋の六月号の記事に関しては事実無根でございまして、私は個別のテーマについて全部お答えしたんですが、それについての答えは最後に僅か数行書いただけで、記事は一方的に書いたものでございます。誠に遺憾であります。
また、職員有志一同と称する実名のない匿名記事で、本当に職員による提言なのかを調べようもございませんで、これ以上はコメントのしようがございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/53
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054・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、前田会長、記者会見、今触れられましたけれども、こうした記事が掲載されたことを踏まえ、改めて会長から職員に説明する機会を設けるかという質問に対して、全く考えていない、改革の都度、丁寧に全職員との直接対話を重ねてきたので、そのような必要はないと回答をしています。
NHKの職員数、約一万人ということでありますけれども、こうして直接対話という形をどのように取ってきているのか、それが十分であるのかということ、会長の認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/54
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055・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
私は、着任以来、重要な改革方針が定まった機会を捉えて、役員や部局長だけでなく、全ての職員を対象にしたオンライン会議を繰り返して開催して、改革の必要性やその意義を直接説明してまいりました。
従来のNHKの改革は通達を出すという、一方的に通達を出してこうするということでございますが、私は都度説明をするという方式でやってきました。人事制度改革、放送総局改革、営業改革、地域改革など、たくさんの改革をやっておりますが、個別のテーマごとに全国の職員をつないで行った直接対話はこれまで合わせて約二十回、参加者は延べ一万人を超えております。
こうした会議では、私が直接職員の方と自由に質疑応答をする形でやらせていただきましたので、相当の方に直接お話をする機会をいただきました。現在、あらゆる分野で抜本的な改革を進めているために、職員の中には、これまでのNHKの方がよかったと考え、改革に不満を持っている方がいるかもしれないと思います。
私は、未来のNHKのためにスリムで強靱なNHKにしたいということで改革を進めておりますので、こういうことを御理解いただくように努めてまいりました。NHKが将来にわたって視聴者・国民に必要とされる存在であり続けられなければ存在価値はございませんので、職員に対して引き続き改革の必要性やその意義を丁寧に呼びかけてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/55
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056・木戸口英司
○木戸口英司君 改革を進めていることは、この間のNHK予算の審議、その事前の説明でいろいろお聞きをいたしました。その評価はやはり視聴者がするものだと思います。その視聴者の評価が、また、その改革に対していい評価になるのかどうかが今これから問われてくることだと思いますので、その視聴者に伝わる、今回こういう記事が出て、事実無根ということですけれども、いずれ視聴者が判断してくることだと思いますので、会長にはそのことを踏まえてこれから業務に当たっていただきたいと思います。
それでは、割増金制度導入に対してお伺いをいたします。
現行のNHK放送受信規約では、NHKとの契約後に受信料を支払わなかった者等に対する割増金が設定されているところで、改正案では、受信設備を設置したにもかかわらず、正当な理由なく受信契約の締結に応じない者に対しても割増金を請求することができるとされています。
現行制度において割増金を請求した例はあるんでしょうか。NHKにお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/56
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057・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
受信料の支払に不正があった場合等の割増金につきましては、受信規約第十二条に規定しておりますが、これまで運用した実績はございません。
法改正後の割増金の具体的な運用方法については今後検討を進めることになりますが、視聴者の皆様への丁寧な説明に基づいて適切に運用してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/57
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058・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、総務大臣に伺いますが、現行制度において割増金制度が活用されていないという中で新たに改正案における割増金制度を導入する、その意味は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/58
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059・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
現行の放送法においてはNHKが徴収する割増金の明確な規定がないため、この制度を法律に規定することでその位置付けが一層明確になるものと考えております。これにより、NHKの放送を受信できる受信設備を設置した方とNHKとの契約が促され、受信料の公平な負担が実現されることを期待しております。
なお、本法案お認めいただいた場合においても、引き続きNHKが国民・視聴者の皆様に丁寧な説明を行い、十分な理解をいただいた上で受信契約を結んでいただくことが重要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/59
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060・木戸口英司
○木戸口英司君 そもそもNHKは割増金制度を要望していたわけではなくて、元々は受信設備の設置届出義務と未契約者氏名等の照会、居住者情報ですね、の導入を要望していたと伺っています。しかし、総務省の有識者会議において、導入は適当ではないとされ、代わりの案として今回の割増金制度の導入が提案されたということです。
NHKの要望の背景には、そもそも誰が受信契約の対象か、受信機を設置しているかが把握できないことがあり、割増金制度の導入はこの問題の解決にはならないと考えますが、総務省、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/60
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061・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えをいたします。
受信設備の設置届出義務や未契約者氏名等の照会ということでございますが、今御指摘がありましたとおり、総務省の有識者会議においても、受信料の公平負担を実現するための方法として議論が行われました。
その中では、例えば受信設備の設置届出義務については、ヒアリングに際して一層のテレビ離れを加速化するおそれがあるとの意見があったり、あるいはその未契約者氏名等の照会につきましては、大規模な個人情報の取得となることに加え、取得した個人情報の第三者提供は適切ではなく、NHKが訪問活動を委託する多数の法人等との関係について適切な整理が必要であるといった問題点が指摘されたところでございます。これらの検討を通じ、このような仕組みに代えて割増金制度を法律で定めることについて有識者会議において検討された結果、有力な選択肢であるとの提言をいただきました。
本法案で定める割増金制度は、委員御指摘のあった受信設備の設置届出義務や未契約者氏名等の照会と同様の効果を有するものではございませんけれども、悪質なケースに対応する仕組みを整えた上でNHKにおいて受信料制度について国民・視聴者にこれまで以上に丁寧な説明を行っていただくことによって、国民・視聴者の御理解を得て受信料の公平な負担の実現が図られることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/61
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062・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、NHKにお伺いいたしますけれども、改正案における割増金制度を導入したとしても、そもそもテレビを設置した者を把握すること自体が難しいと。これはNHKもそう言っているわけですから、実効性のある制度となるのか。いかがでしょうか。現在、テレビを設置した者のうち約二割が受信料を支払っていないということですけれども、割増金制度の導入によりこの割合がどの程度改善されると想定しているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/62
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063・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
割増金制度の導入による効果を現時点で具体的にお示しすることは難しいんですけれども、未契約者からの自主的な受信契約の申出が促進されるなど、受信料の公平負担に向けた一定の効果は期待できると考えております。一方で、総務省の有識者会議においては、割増金の運用について慎重な対応をすべきだとも指摘されております。
NHKとしては、そうした制度を振りかざすことなく、NHKの価値や存在を理解していただき、納得して契約していただくことを基本に丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/63
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064・木戸口英司
○木戸口英司君 この割増金を課す対象ですけれども、テレビ視聴を主目的としない機器ですね、スマホやカーナビのワンセグなどがありますけれども、その所有を理由として割増金を課すことは一般的な社会通念から乖離し、国民・視聴者の理解を得られないという指摘がなされております。
こういった指摘も踏まえて、改正案における割増金制度の対象についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/64
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065・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 割増金、受信料につきましては、テレビジョン放送を受信できる設備を設置した者が契約を、NHKと契約をしなければならないという仕組みになってございます。それに基づきまして、この受信契約の中で割増金の仕組みが設けられているところでございます。
ただ、割増金の適用対象となりますのは、不正な手段により受信料の支払を免れた場合又は正当な理由なく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合ということで、法案において限定して定めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/65
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066・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、割増金の額についてお伺いいたしますけれども、現行制度では、NHK放送受信規約において、受信料の支払について不正があったとき等の割増金は受信料の二倍と設定されています。新たに創設される割増金制度における割増金の額は総務省令において上限が定められるとしていますけれども、どの程度に設定される予定でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/66
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067・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) NHKが徴収することができる割増金の上限について総務省令を定めることと、仕組みとしておりますけれども、この総務省令を定めるに当たっては、パブリックコメントを通じて国民の皆様の御意見を伺うなどしながら丁寧に検討してまいりたいと存じます。
ただ、その際には、例えば鉄道などほかの公共料金において導入されている割増金の例が複数ございますので、そういったものを参考とさせていただきながら検討してまいることになると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/67
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068・木戸口英司
○木戸口英司君 早期に示していただくようにお願いをいたします。
それでは、NHKにお伺いいたしますけれども、民間放送事業者との連携の在り方についてですけれども、民間放送事業者が行う字幕・解説放送、難視聴地域の解消に関する取組について協力するよう努力義務が課せられておりますけれども、現在のNHKと民間放送事業者における連携の取組状況と、改正案施行後、実際にどのような連携を図っていく考えか、具体的にお示しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/68
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069・伊藤浩
○参考人(伊藤浩君) お答えを申し上げます。
民放各社との間では、4K、8K放送の普及に向けた共同番組によるキャンペーンや、東日本大震災から十年目の節目にテレビの共同プロジェクトやラジオの共同キャンペーンに取り組むなど、様々な形で連携を深めているところでございます。
このうち、放送ネットワークの維持につきましては、これまでも放送所設備の共同建設などを進めておりまして、山間部などに設置いたしましたミニサテ局と呼ばれる小型の中継局では、八五%を既にNHKと民放が共同で設置、運用しているところでございます。
今後の放送ネットワークの維持につきましてですが、現在、総務省の検討会で、二元体制の下、どのように持続可能な仕組みをつくっていくか議論が行われているところでございます。その議論の推移を見守るとともに、NHKとしても、今後どのように民放各社との連携を更に深めていくことができるのか、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/69
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070・木戸口英司
○木戸口英司君 この連携の在り方、地方の民間放送局は非常に経営が厳しくなってきておりますので、期待されるところも大きいですし、また、当然民間放送の自主自律ということもしっかりと配慮しながらということだと思います。その意味で、国民への積極的な説明ということ、そのことも求めていきたいと思います。ここは指摘にとどめさせていただきます。
そこで、NHKの共聴施設について、老朽化に伴う光化を進めるなどの取組を行っているところです。今後は施設の維持に課題が出ることが予想されております。こうした課題にどのように対応していくのか、これは、総務省の考え、NHKの考え、NHKからお伺いいたしますけれども、では総務省にもお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/70
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071・伊藤浩
○参考人(伊藤浩君) 今御質問頂戴しましたNHK共同受信施設については、老朽化した設備の光ファイバー化による更新工事を順次進めているところでございます。
一方で、NHK共聴の維持に向けましては、人口減少が急速に進む地域におきまして、施設の経費を負担している地元の組合の維持が困難な状況になっているところがあるというようなところもございます。
総務省の検討会では、そうした状況も踏まえながら、小規模中継局や共聴施設について様々な代替可能性についての議論が行われているところでございます。地域の皆様にNHKの放送を将来にわたってお届けし続けるためには、最新の技術も活用しながら、経済合理性を追求した持続可能な放送ネットワークを構築することが重要だと考えております。総務省の検討会での議論を踏まえながらしっかりと対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/71
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072・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えをいたします。
今NHKからも答弁がありましたとおり、いわゆるNHKの共聴施設、これはNHKにおきまして、放送法にあまねく受信義務というのが定められております。このため、難視聴地域の解消に向けた施設という位置付けかと考えております。他方、今お話ありましたとおり、放送を取り巻く環境は急速に変化する中、効率化、ネットワークの、ネットワークインフラの効率化ということが課題となってきております。これはNHK、いわゆるNHK共聴施設も含めたインフラということでございます。
こうした状況を踏まえ、総務省の有識者検討会では、小規模中継局やただいまお話のあります共聴施設によりまして視聴している世帯におきましてブロードバンドなどを活用できないかといった視点も含め、ネットワークインフラの柔軟な整備、運用の在り方について御議論いただいております。検討会の御議論も踏まえつつ、放送事業者の柔軟な対応が可能となる方策の検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/72
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073・木戸口英司
○木戸口英司君 この共聴施設の更新ということ、非常に重要な、地方からも非常に大きな声が上がってきております。この取組についてはしっかりと総務省取り組んでいただいて、地方に寄り添っていただきますようにお願いをいたします。
それでは、携帯電話等の周波数の再割当て制度の創設について、もう時間もなくなってきましたので、まず総務大臣に、現行制度においても再割当てを行うための開設指針を策定することは規定上排除されていないと思いますけれども、今回再割当て制度を創設した理由についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/73
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074・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 現行制度では、携帯電話などの割当て済みの周波数について、どのような場合に再割当てが可能なのか、明確な規定はございません。
そのため、本法案では、電波の有効利用が不十分であると認められる場合などにおいて再割当てできることを明確化するため、御指摘のような再割当て制度を創設するものでございます。また、既存の免許人に対する意見聴取などの手続や円滑に周波数を移行するための措置についても併せて整備することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/74
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075・木戸口英司
○木戸口英司君 それでは、ちょっと質問を一つ飛ばして、総務大臣にもう一つお伺いをいたしますけれども、この携帯電話利用者への影響についてお伺いをいたします。
改正案により携帯電話周波数の再割当てが行われた場合、再割当てに伴う携帯電話利用者への影響が懸念されるところです。昨日の本会議でも質問がありましたけれども、改めて、これについてそういった懸念はないのか、あるいはどのように対処していくのか、政府の考えを総務大臣にお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/75
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076・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
本法案では、周波数の再割当てによって利用者に影響ができる限り及ばないよう、既存の免許人に対して事前に十分な意見聴取を行うとともに、周波数を移行する期間を適切に設定するなどの措置を講ずることとしております。なお、一般的に、携帯電話事業者は複数の周波数帯を保有し、携帯電話の端末はそれらの周波数帯に対応しているため、こうした措置を講じることにより、一つの周波数帯を返上しても直ちに利用者に大きな影響が及ぶことはないと想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/76
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077・木戸口英司
○木戸口英司君 もう時間になりましたので、これは指摘にとどめさせていただきますけれども、周波数の再編については利用者への影響がないように迅速に行う必要があると考えます。あっせん、仲裁ということも制度の中にあるわけですけれども、この期間についても利用者に影響が出ないように進めていただきますことを指摘し、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/77
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078・小沢雅仁
○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁でございます。質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。
今日は、まず、法案の質疑に入る前に、知床遊覧船事故について国土交通省と総務省にお伺いをしたいというふうに思います。
四月二十三日に知床沖で発生をしたこの知床遊覧船事故で、本当に悲惨な事故だというふうに思います、十四名の方がお亡くなりになり、いまだ十二名の方が行方不明になっております。お亡くなりになられた皆様に、また御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、今なお、海上保安庁を始め関係の機関の皆様が行方不明者の皆様の捜索に当たっておりますし、漁業関係の皆様も大変な御協力と御尽力をいただきました。改めて心から感謝と御礼を申し上げたいというふうに思います。
私も、プライベートで十五年ほど前にこの遊覧船、今回事故に遭った船ではなくて、もっと一番大きい遊覧船に乗って三時間コース、知床岬の先端まで行ってまいりました。事故が起きたこのカシュニの滝のところ辺りは本当に断崖絶壁になっておりまして、とても、船が沖にというか、着けてそこに避難するというような状況の場所では多分なかったんだろうというふうに思っております。本当に残念な事故だというふうに思っております。
今回その重大な結果を招いた責任は当然この知床遊覧船の事業者であるというのは、これは当然でありますけれど、この責任の一端は私は国にもあるというふうに思っております。監査や検査で何度も違反の実態を把握する機会があったわけでありますけれど、この事故が起こる前に是正につなげられなかったということは、本当に極めて残念だというふうに思います。
四月二十四日の、二十三日ですね、二十三日の当日、この事業者の桂田社長は、風速八メートル以上は航行を中止するという運航基準があったにもかかわらず、そしてこの日は風速十五メートル以上の風が出てくるという天気予報が示されていたにもかかわらず、海が荒れたら引き返すという、船長とそういう条件を付けて出航を決めたということで、これまた本当に強い私は憤りを感じているところであります。
また、運航管理者の立場にこの社長はあったわけでありますけれど、事故当日、事務所にいなかったと、そして義務付けられている定点連絡も行われなかったと。本当にずさんなことが起きて、ことがあったということです。
また、事務所のアンテナが、無線アンテナが破損をしていた、そして船に設置をされていた緊急時の衛星電話も故障をしていた、そして事故の直前に変更した通信手段として携帯電話ですね、これも航路の大半で通信エリア外になっていたということで、本当に安全対策が著しく欠如をしていた中で、この日なぜ出航してしまったのか、本当に疑問を抱かざるを得ません。
そして、北海道運輸局が四月二十四日から実施した特別監査において、桂田社長は運航管理等の実務の経験がほとんどなかったということが明らかになりました。そして、有限会社知床遊覧船は、社長が運航管理者の資格要件に該当しないにもかかわらず、該当する旨の虚偽の届出を行ったことが確認をされております、本当に信じられないことだというふうに思っておりますが。
その特別監査が去年の六月の末に行われて、去年の七月二十日に行政指導が出されて、七月三十日に改善報告書が出されていたわけでありますけれど、この改善報告書をきちんと確認をして本当に改善されているかを確認していれば、間違いなく事故は、今回の事故は防げたというふうに思っております。
また、昨年十月に国交省が抜き打ち検査に入っているわけでありますけれど、この改善報告書がしっかり実行されているか確認をされたわけでありますが、事務所内の書類を管理している者が不在であったため確認できずで、これで終わってしまったんですね。
その後、改めて安全管理規程に係る安全教育計画記録、こういったものを確認していたらまた事故は未然に防げたのではないのかなと思いますが、残念ながら、先般の衆議院の方では斉藤国土交通大臣から、確認をしておりませんという答弁がされたわけであります。安全管理規程に係る安全教育、この安全管理規程に基づく安全教育がなされていれば、基準がそこで決まっておりますので、絶対船はこの日は出航しなかったはずだというふうに思います。
いずれにしても、去年の特別監査のときにチェックする機会があったにもかかわらずチェックし漏れていた、抜き打ち調査時にもチェックできなかったと、その後も調査をしなかった。これは本当に国土交通省が見逃してしまったという責任は私は極めて重いと思いますし、事業者に多くの責任があるわけでありますけど、今回のこの事故は本当に人災であったと指摘をせざるを得ないというふうに思います。
そこで、この問題についてでありますけれど、総務省北海道総合通信局は、このKAZUⅠの運航会社、知床遊覧船が業務用利用を禁じられていたアマチュア無線を使っていた疑いがあるとして、五月十一日から十二日にかけて同社や同業他社に対して聞き取り調査を行ったとされております。
そこで、まず御質問ですが、電波法のどの条文について違反の疑いがあったのか伺うとともに、聞き取り調査の結果の概要について、まず総務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/78
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079・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) 御指摘の北海道総合通信局が行った聞き取り調査は、電波法の規定に基づいて調査をしたものではございませんで、任意で行った調査でございます。
当日の調査では、代表権がない社員からの聞き取りは実施することができましたけれども、無線局の具体的な運用状況については確認するには至っていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/79
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080・小沢雅仁
○小沢雅仁君 電波法の疑いの調査ではなく、任意の調査であったと。そして、この日は多分社長にお会いすることができなかったというふうに思いますが、また後ほど改めて伺いたいと思います。
アマチュア無線と船舶局、海岸局などの業務用の無線局とは運用コストなどの面でどのような違いがあるのか、総務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/80
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081・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
アマチュア無線と船舶の業務無線は、どちらも自営通信でございます。通信料金等は不要であり、その意味で運用コストは変わらないと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/81
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082・小沢雅仁
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
次に、国土交通省にお伺いをしたいというふうに思います。
運航会社は、事故の直前となる四月二十日に、KAZUⅠの通信設備を船舶衛星電話から携帯電話に変更したとされております。そもそも、携帯電話は、電波法上、陸上移動局に分類されますが、海上での使用を想定したものなのでしょうか。この点についてお伺いしたいということと、また、日本小型船舶検査機構、JCIでは、航路の一部が通信エリアでカバーされていない携帯電話を通信設備として認めていたとされております。なぜ認めたのか、国土交通省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/82
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083・河野順
○政府参考人(河野順君) お答えいたします。
小型旅客船については、船舶安全法において陸上との間で常時通信できる無線設備の搭載を義務付けております。この無線設備としましては、業務用無線や船舶衛星電話のほか、陸上との間で常時通信できることを条件に、携帯電話についても認められております。これは、携帯電話が陸上のみならず日本の沿岸の大部分でも使用可能であることを踏まえて認められているものと承知しております。
一方、JCIによりますと、遊覧船KAZUⅠの中間検査において、事業者から船舶安全法に基づく無線設備を船舶衛星電話から携帯電話に変更したい旨の申出があり、事業者からの申告書で常時通信可能であることを確認するとの機構の内規に従って検査を行い、認めたものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/83
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084・小沢雅仁
○小沢雅仁君 今、その申告があって認めたということですが、ただ、実際には、そのほとんど通信エリア外の携帯電話であったという事実が発覚したわけですよね。
それを踏まえて、今後、これは通告しておりませんけれど、今後どのような事後策というか対応策を行うのか、答えられる範囲で結構ですので、答えていただければ有り難いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/84
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085・河野順
○政府参考人(河野順君) お答えします。
委員御指摘のとおり、KAZUⅠの携帯電話では実際には通信できなかったと推測されます。したがいまして、機構の内規で定められていた検査方法、これは十分でなかったというふうに考えております。そのため、国土交通省は、五月九日に機構に対しまして携帯電話に関する検査の方法の改善を指導し、速やかに改善されたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/85
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086・小沢雅仁
○小沢雅仁君 既に対応していただいているということで、その対応は新しい対応だというふうに思いますけれど。
その上で、まず、総務省がこの五月十一、十二日に行った聞き取り調査について、電波法に基づく立入調査ではなかったと、任意の調査であったと先ほどお話がありましたが、なぜこのような方法を取った、調査を行ったのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/86
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087・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
北海道総合通信局として電波法令に違反する事実を確認をしておりませんので、まずは任意の調査を行い、状況を把握することを目的として今回の調査を行ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/87
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088・小沢雅仁
○小沢雅仁君 分かりました。
それで、報道では、この五月十一、十二日の調査以降、引き続き調査を行うというふうにされておりますが、現時点でのその調査の進捗状況について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/88
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089・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
五月十一日から十二日にかけて北海道総合通信局が斜里町を訪問した際には桂田社長から聞き取り調査を行うことができなかったため、後日、社長に対し無線局の運用状況について聞き取り調査を行ったところでございます。具体的な状況につきましては、調査中につき、お答えを差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/89
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090・小沢雅仁
○小沢雅仁君 そのときは桂田社長にお会いできず聞き取りができなかったということで、その後、社長から聞き取りをされたということだというお答えでした。
そして、今後、その聞き取りをした上で、知床遊覧船、この有限会社知床遊覧船が電波法の違反が確認された場合、同社に、この会社に対してどのような処分が科せられるのか、現時点の考え方をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/90
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091・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
現在、本事案調査中でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/91
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092・小沢雅仁
○小沢雅仁君 しっかりと調査をしていただいて、もし電波法違反ということになるのであれば、しっかりとした処分を科していただくようにお願いをしたいと思います。
今回の事案を踏まえて、国土交通省は、四月二十五日より全国の旅客船運航事業者を対象に緊急安全点検を開始をしています。アマチュア無線の目的外利用はほかに生じていないのでしょうか。総務省としても、全国の船舶に加え、例えば無線を常時扱っている業種ですね、こういったところにも点検調査を行うべきと考えますが、総務省の見解を伺いたいと思います。また、今回の事案を踏まえたアマチュア無線の目的外利用に対する再発防止策の検討についても行うべきと考えますが、併せて総務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/92
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093・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
総務省では、安心、安全な電波環境を確保するため、電波監視システムを用いまして電波の監視や調査を行っております。このような取組の中で、アマチュア無線につきましても、通信の内容を確認し、目的外利用がされていないかを調査をしているところでございます。
また、再発防止についてでございますが、アマチュア無線の利用に係る周知啓発活動を行うとともに、無線局が電波法令に適合していることを監査するなどの電波監視を行っているところでございます。
今回の事案を踏まえ、引き続き適切な電波利用環境の維持に向けた取組を強化してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/93
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094・小沢雅仁
○小沢雅仁君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
金子総務大臣、質問通告特にしておりませんけれど、今回のこの事故を踏まえて、総務省として、やはりこの無線関係含めた監査、検査というんですか、こういったものを本当にやっぱり徹底していかなければならないと思っておりますが、もし、大臣、所感がございましたら一言お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/94
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095・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 今回の事故では多くの皆さん方がお亡くなりになり、いまだまだ救助ができていない方々もおられます。まずは、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の方にお悔やみを申し上げたいと思います。
今局長からも御説明がありましたように、やはりこの無線というものの重要性というのは非常に大きい、どこにいても交信ができるような体制を取っていかなければいけないわけでありますが、国土交通省とも連携をしながら、二度とこういうことがないように、また現行の制度を悪用することがないようにしっかりと対応させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/95
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096・小沢雅仁
○小沢雅仁君 大臣、ありがとうございます。是非しっかりと取組を進めていただきたいと思いますし、二度とこのような事故を本当に起こしてはいけないと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
国土交通省に対する質問は以上ですので、国土交通省の皆さん、退席していただいて結構ですので、委員長、お取り計らいをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/96
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097・平木大作
○委員長(平木大作君) それでは、河野技術審議官は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/97
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098・小沢雅仁
○小沢雅仁君 それでは次に、外資規制の見直しについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
昨日の本会議で、隣におりますが、岸真紀子議員が質問に立ちましたが、はらはらどきどきしながら聞いていたのは私だけではないというふうに思います。
そこで、外資規制について、昨日、岸議員が質問した上で金子大臣から御答弁をいただいたわけですが、答弁を聞いていて、どうしても私も納得というか腑にすとんと落ちない部分が何点かありますので改めてお聞きをしたいと思いますので、是非、簡潔、的確、丁寧に御答弁をいただきたいというふうに思います。
まず、東北新社メディアサービスは、最終的には外資規制違反ではありませんでしたが、継承元であった東北新社が二〇一七年に認定を受けた時点で外資規制違反であったということを理由に、総務省は職権により認定を取り消しております。
この東北メディアサービスへの認定は、総務省が職権で取り消したことを理由に、放送法第九十三条の規定に適用されないとされました。本来は、認定が取消しされた事業者は、いわゆるペナルティーですね、二年間の認定資格がないと。で、この事案は、すぐにでも申請することができるということになりました。当時、去年ですね、こういった職権の取消しや二年のペナルティーがない、そしてまたすぐに申請ができると伺ったときに、正直驚きました。こんなことがあり得るのかということですね。
そもそもこの職権での取消しとは何に基づいたものなのか、昨日、答弁をお伺いしていると、行政法の通説に基づきという話がありましたけれど、この辺を含めてもうちょっと分かりやすく丁寧に大臣から御答弁をいただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/98
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099・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 昨日の本会議で岸委員の御質問に答えたわけでありますが、舌足らずで分かりにくかったという御指摘、しっかり反省をしながら、丁寧に分かりやすく説明をさせていただきたいと思います。
今、小沢委員御指摘のとおり、東北新社から東北新社メディアサービスが承継を受けたわけでございますが、本件は、そもそも承継元である東北新社の当初の認定時において外資規制に抵触しており、本来であれば認定そのものを受けることができなかったにもかかわらず、不適格な者、東北新社の認定をしたものであり、行政手続に重大な瑕疵があったものであります。
このように、認定などの行政手続に重大な瑕疵があった場合に、法律の明文の規定がなくても職権による取消しが可能であるとするのが行政法の通説でございます。この考え方に基づき、行政手続法に基づく聴聞を経て、東北新社メディアサービスに対する認定を職権により取消しすることとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/99
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100・小沢雅仁
○小沢雅仁君 話をお伺いしていると、結局、その放送法による処分ということができないということなので、行政上極めて大きな瑕疵があったということで、その職権という形で処分を行ったということだろうと思うんですが、これ吉田局長にちょっとお伺いしたいんですが、この処分ですね、この処分は、何というんでしょうか、この東北新社に対して総務省としては最大限の行政処分であったかというふうに受け止めてよいのかどうなのか、ちょっと通告しておりませんが、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/100
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101・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 最大限であるかどうかというのなんですが、そもそもの認定を受けることができない者を認定してしまっていると、ですからそれを取り消すということでございますので、もちろんその間に事業を行った実態というのは残るわけでございますけれども、行政との手続関係としては、もうそもそもの認定自体が取り消されると、認定がなかったものとする。ただ、もちろんその間のいろんな実態、その間に起こった法律効果はもちろん否定するものではございません。ただ、認定そのものがなかったということで、職権により取り消したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/101
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102・小沢雅仁
○小沢雅仁君 分かりました。というか、なかなかちょっと理解し難いところもありますけれど、そういったその本来認定されなかったという事業者が結局すぐに申請することができるということは、これは本当に腑に落ちないなと言いつつも、まあ法律上の立て付け上、そういうことがやむを得ないということであれば仕方がないのかなというふうに思いますけれど、この件についてはまた今後の対応を見ていきたいというふうに思います。
次に、フジ・メディア・ホールディングスの事案についてもお聞きをしたいというふうに思いますが、二〇一二年九月期から二〇一四年三月期までフジ・メディア・ホールディングスの外資比率は二〇%以上と、放送法の外資規制に抵触する状態であったと。
当時、二〇一四年ですよね、報告を受けた当時、このフジ・メディア・ホールディングスから外資規制違反であったという報告を受けた当時、既に違反状態が解消されていたということで、今後二度とこういうことを起こさせないよう厳重注意したことをもって、フジ・メディア・ホールディングスは行政処分等のおとがめはありませんでした。
さらに、一九八一年の内閣法制局見解では、この外資規制違反の状態がその時点で存在しなければ、放送法上、認定の取消しを行うことができないと判断をしておりますが、この二〇一四年のときに内閣法制局には相談をしなかったということが事実として明らかであるわけでありますけれど、なぜ相談をしなかったのか、で、相談をせずにこういう判断を行った総務省の見解というものを改めて大臣にお伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/102
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103・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 小沢委員から御指摘いただきました一九八一年の内閣法制局の見解は、同年に郵政省から電波法の放送局の免許に係る外資規制に関し内閣法制局に相談したところ、同法においては、免許の取消処分を行おうとする時点で取消し事由、取消し理由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば取消処分を行うことができないというものでございます。
フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反は、総務省が同社から報告を受けた二〇一四年十二月時点では解消されておりました。二〇一四年当時、当時の担当者はフジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反について内閣法制局へ相談しなかったと聞いておりますが、この電波法の整理は、放送法の認定放送持ち株会社についても同様に考えられるため、認定の取消処分を行う時点で取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであればフジ・メディア・ホールディングスについて認定の取消処分を行うことができないと判断したものと聞いております。
このような判断については、総務省としても、今でも妥当であり、フジ・メディア・ホールディングスについて認定取消しはできないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/103
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104・小沢雅仁
○小沢雅仁君 これまでの、それぞれ、去年の、去年そういう質問に対する答弁と全く同じ答弁であったというふうに思いますけれど、心配なのは、そのときは違反だったと、違反だったけれど発覚したときにはもう違反ではなくなっていたというようなことが今後悪用されるのではないかということですよね。意図的にそういったことをする事業者が出た場合はどうするのかということで、昨日も岸議員がその後の質問で、この今回の外資規制違反時の是正措置の整備という点で、悪用する事業者が本当に出現しないかどうかという懸念を質問をさせていただきました。
改めて、この是正措置を悪用されないための対策を具体的に、もう一度考え方をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/104
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105・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 昨日の答弁も分かりにくかったというお話でございましたので、改めて御説明を申し上げたいと思います。
外資規制違反を見過ごさない枠組みを整備するため、本法案において、外国人等が保有する議決権の割合に関する変更の届出や定期的な報告を求めるなどにより放送事業者の外資規制の遵守状況を適時的確に把握できるようにするとともに、外資規制審査官を本年四月に新たに設置するなど、外資規制のチェック体制を強化することとしております。
また、本法案では、外資規制違反があった場合、一定の期間を定めて違反の解消を求めるいわゆる是正措置を導入することとしております。その適用に当たっては、先ほど申し上げたチェック機能の強化により把握した状況や事業者からの意見の聴取などにより違反が生じた状況を詳細に把握をし、適切な判断をしてまいります。
仮に是正措置を悪用しようとする者がいた場合であっても、これらの枠組みを機能させることにより適切に対応することができるようになるため、制度の悪用を未然に防げるものと考えております。その上で、御指摘のように、故意に是正措置を悪用した場合には厳正に対処してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/105
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106・小沢雅仁
○小沢雅仁君 ありがとうございました。
いずれにしても、冒頭、我が党の木戸口委員の方からも、去年の接待問題始め、この法律、この通常国会に出し直しをせざるを得なかったということや、そして、先ほどお話があったとおり、三十七人もの処分があったということで、確かに接待を受けたということによる事実があるわけで、それはきちんと処分をされたということは、それはそれとして、ただ、やっぱり優秀、有能な職員がそういう処分をされたり、又は職場を去ったということも事実でありまして、情報流通行政を含めて総務省の皆さんしっかりと立て直しを今されていると思うんですけれど、しっかりと立て直しをしていただいて前に進めていただけたら有り難いなというふうに思いますが、その点について、大臣、所感がありましたら一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/106
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107・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 先ほど木戸口委員からもそのことに触れていただきました。今回、不祥事についてはあってはならないことであり、大変深く国民におわびを申し上げなければいけません。
その後、昨年十月に、情報通信行政検証委員会の最終報告書で信頼回復に向けた方策の提言をおまとめいただきました。総務省では、先ほどお話があったように、この提言を受けまして再発防止の取組についてしっかりと取り組みまして、国民の信頼回復に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/107
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108・小沢雅仁
○小沢雅仁君 是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは次に、電波監理審議会の機能強化についてお伺いをしたいと思います。
衆議院の法案審議では、総務省は、電波監理審議会の下に専門の部会や特別委員会を置くための体制整備を行うと答弁されておりますが、ここで言う専門の部会とは、改正案によって電波監理審議会が新たに行うこととなる電波の有効利用評価の専門の部会ということでよろしいのでしょうか。また、特別委員は、全員がこの部会に入り、電波の有効利用評価についてのみ審議を行うということでよろしいのか、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/108
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109・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、本法案では、電波監理審議会において電波の有効利用の程度の評価を行うこととし、このための専門の部会や特別委員を置くことができるよう体制の強化を図ることとしておるものでございます。
このため、特別委員の方には、専門の部会に所属をいただくとともに、有効利用評価を行っていただくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/109
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110・小沢雅仁
○小沢雅仁君 改正案では、電波監理審議会の組織及び委員等については政令に委任されておりますが、今後、政令の改正により、有効利用評価専門の部会のみならず、その他の部会や特別委員を置くことも想定されているのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/110
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111・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
本法案では、電波監理審議会において電波の有効利用の程度の評価を行うこととし、このための専門の部会、特別委員を置くことができるよう体制の強化を図ることとしております。このため、政令におきまして、特別委員を置くことができる旨と専門の部会を置くことができる旨を規定する予定でございます。また、特別委員におきましては、現時点において、有効利用評価以外を行わせることは想定をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/111
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112・小沢雅仁
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
改正案によって、法律に基づいて任命された五名の委員以外の者である特別委員が電波監理審議会のメンバーとして実質的にその権能を行使することになるのであれば、かつて独立行政委員会の電波監理委員会が廃止された際、その独立性を少しでも引き継ごうとして組織された電波監理審議会の役割が失われることにならないでしょうか。総務省の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/112
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113・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
中央省庁等改革時の審議会等の整理におきまして、特別委員は原則として議決権は有しないこととされております。また、特別委員は電波監理審議会の委員とともに電波の有効利用評価を行う際に専門的な見地から意見を述べることはあり得ますけれども、特別委員が本審議会で有効利用評価の決定を行うものではございません。
したがいまして、電波監理審議会の機能が失われるものとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/113
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114・小沢雅仁
○小沢雅仁君 確認できました。
改正案では電波監理審議会の独立性が失われてしまうおそれがあると懸念をしております。電波・放送行政は許認可による影響が強力であることから、政府からの独立性を確保するため、独立委員会にすべきではないでしょうか。総務省の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/114
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115・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
先ほどお答えをいたしましたとおり、専門の部会や特別委員の設置により、電波監理審議会の独立性が損なわれることはないと考えております。
情報通信分野は、技術革新や国際競争が激しい中で特に国家戦略的な対応が求められる行政分野であることから、規制と振興を両輪として取り進めるべき分野と考えております。例えば5Gの普及促進やビヨンド5Gの推進など、重要な課題について諸外国に後れを取ることなく迅速に対応していくためには、先導的技術の研究開発やインフラ整備の促進といった振興面と、電波利用に関する技術基準などの策定といった規制面の両面で総合的に進めることが不可欠であり、電波監理審議会の機能強化も図りつつ、総務省の下で一体的、機動的に取り組んでいくことが必要と認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/115
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116・小沢雅仁
○小沢雅仁君 いずれにしても、電波監理審議会の今後の状況について注視をしてまいりたいというふうに思います。
質問を少し、もう残り時間が少ないですので少し飛ばして、電気通信紛争処理委員会のあっせん、仲裁に関わることについて質問したいというふうに思いますが、周波数の再編については、利用者への影響に鑑み、迅速に行う必要がありますけれど、このあっせん、仲裁にはどの程度の期間が掛かると想定されているのか、総務省に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/116
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117・鈴木信也
○政府参考人(鈴木信也君) この電波法及び放送法の一部を改正する法律案では、新たに周波数の再割当てを受けた事業者が既存免許人の移行費用を負担する終了促進措置の活用を可能とする終了促進の協議が調わない場合には、電気通信処理紛争委員会にあっせん又は仲裁の申請ができることとされてございます。
今お尋ねいただきました終了促進措置に係るあっせん又は仲裁に要する期間につきましては紛争事案次第でございまして、一概に申し上げることは難しい面はございますが、これまでのあっせん事案では、申請からあっせん成立までにおおむね三か月程度を要しているものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/117
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118・小沢雅仁
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
仲裁については当事者の双方の申請が必要ですが、例えば片方からの申請しかない場合、どのような対応をされるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/118
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119・鈴木信也
○政府参考人(鈴木信也君) お答え申し上げます。
電気通信紛争処理委員会における仲裁につきましては、当事者による仲裁合意を前提に進められることから、当事者双方による仲裁の申請が必要となります。
当事者の一方のみから仲裁の申請がなされた場合には、当委員会は、他方、もう一方の当事者に対しまして当該申請があった旨の通知を行い、相当の期間を付して、仲裁に同意するかどうかを書面で回答すべきことを求めることとなるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/119
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120・小沢雅仁
○小沢雅仁君 最後の質問になると思いますが、電波利用料の使途に研究開発のための補助金の交付で、既にそれぞれ補正予算などによって六百億円が計上されておりますけれど、昨年の国会答弁で、当面五年間、ビヨンド5Gの研究開発に必要になる一千億円超の予算の確保を目指すとしておりますが、この方針は維持をされているのか、そして今後どのような形で確保していくのか、最後に総務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/120
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121・田原康生
○政府参考人(田原康生君) お答え申し上げます。
総務省におきましては、これまで総額一千億超を目標といたしまして国費を集中的に投入し、ビヨンド5Gの研究開発促進事業を強力に推進してまいりました。具体的には、昨年度までに、令和二年度三次補正予算でNICTに設置した基金三百億円、令和三年度補正予算で二百億円、一般財源の計五百億円を計上してきたところでございます。
これに加えまして、本年度、令和四年度の当初予算では、この電波利用料百億円を計上いたしまして、無線、ネットワークの高度化などビヨンド5Gにおける電波の有効利用に資する研究開発を推進していくこととしているところでございます。
今後も、ビヨンド5G実現に向けて、一般財源に加え、電波利用料を適切に活用させていただきながら、激化する国際競争に勝ち残るための技術を早期に確立すべく研究開発を加速化、加速してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/121
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122・小沢雅仁
○小沢雅仁君 しっかり取り組んでいただきたいことをお願い申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/122
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123・若松謙維
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
初めに、電波監理審議会の機能強化についてお尋ねをいたしますが、何人かの先生方が質問されておりますので、ダブらないように深掘りしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
この改正案でございますが、従来総務大臣が行ってきた有効利用状況調査の評価につきまして、今後は電波監理審議会が行うということで評価の主体が替わることになりますが、いわゆる有効利用評価の方法、何が変わるのか、分かりやすく答えていただきたいと思います。
さらに、この改正案ですけれども、電波監理審議会はあらかじめ有効利用評価の方法についての方針を定めるというふうにしておりますが、どのような内容が定められるのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/123
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124・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 若松委員にお答え申し上げます。
本法案では、電波の有効利用の程度の評価を電波監理審議会が行うこととしており、そのため、本審議会の下に無線、ネットワークなどの技術や法律に知見を有する学識経験者で構成される専門の部会を設置をし、多角的に審議いただくこととしております。
また、評価の方針につきましては、無線局の数や無線通信の通信量などについて周波数帯ごとに評価することなどが考えられますが、その具体的な内容については、本審議会が事前に自ら定め、公表することとなっております。
総務省としては、このような新たな枠組みにより、技術の進展に応じたより適切な評価を行うことが可能となり、更なる電波の有効利用が進むものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/124
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125・若松謙維
○若松謙維君 今大臣の答弁は、いわゆる専門性、さらには多角的というのがキーワードですので、かつ技術の進捗が非常に速いということで、先を行くようにいい人材をそろえていただいて、かつ有効評価もやっぱり透明性が大事ですので、しっかりと事前公表をして進めていただきたいと思います。
次に、携帯電話の周波数の再割当て制度の創設についてお尋ねをいたします。
この改正案では、携帯電話の特定基地局の認定開設者ですか、は認定計画に記載した設置場所以外の場所にも特定基地局の開設に努めなければならないというふうになっております。この努力義務を追加した趣旨は何なのか、また、事業者の負担が増加する恐れがありますので、総務省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/125
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126・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
特定基地局の認定開設者は、認定期間中は有限希少な電波を排他的に利用することができ、認定開設者に割り当てられた周波数の他者利用が排除されております。そのため、認定開設者が事業採算性等の観点から認定計画に記載した設置場所以外の場所に特定基地局を開設しない場合には、当該場所において電波が死蔵されることとなるため、電波の有効利用を図るために認定開設者に対して特定基地局の開設の責務を課すこととするものでございます。
また、5Gの整備は岸田内閣の最重要課題であるデジタル田園都市国家構想を実現するためにも重要であることから、総務省といたしましても、各携帯電話事業者が自ら認定計画に記載した場所に限らず、広く5G整備を進めることを期待しております。
なお、特定基地局の開設の責務は努力義務規定でありますので、事業者に対して過剰な負担を強いることにはならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/126
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127・若松謙維
○若松謙維君 要は、有限の電波という資源を認定された者はしっかりと最大活用する、無駄に使っちゃいけないと。かつ、もし無駄であるということがあれば、総務省としてはこの努力義務という形で事業者に対して恐らく適切な対応をするんでしょうけれども、そこら辺、何か非常に大人の対応が求められると思うんですけど、そこら辺の話合いって大丈夫ですか。決意というか、聞かせてください。非常にこれ大人の、本当に難しいところなんでしょうけど、強制的でもいけないし、かつ自由度も持たせなくちゃいけないというところ、あえて自信のほどを聞きたいと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/127
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128・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
今回、特定基地局の開設の責務について努力義務規定を置かせていただいております。携帯電話事業者の基地局開設につきましては、従来よりデジタル田園都市国家構想の推進に非常に重要であるという観点からも様々整備をお願いをして、要請をしてきたところでございます。それに加えまして、今般、こういった努力義務規定を設けることがお認めいただけますれば、更に一層そういった要請を強化をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/128
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129・若松謙維
○若松謙維君 もうちょっとはっきり言ってください、ちょっと声が届きにくいんで。お願いします。
次の質問ですけど、電波の割当てはモバイル市場の競争環境に大きく影響があるわけでありまして、この有効希少な電波の有効利用を促進するためには、有限ですね、希少な電波の有効利用、この促進には、電波法第一条であります電波の効率的な利用に加えて、電波の公平な利用を確保することが重要になります。携帯電話の周波数の利用ニーズが急速に増大する昨今、今後総務省として電波の公平な利用をどのように確保していくのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/129
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130・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
電波の公平な利用とは、電波の利用の機会自体がより多くの者に与えられることや、電波の利用を希望する者に割当て可能な周波数の幅が可能な限り均衡の取れた状態で割り当てられ、より多くの者が電波を利用できる状態となること、また、電波の割当てを受けた者が電波を利用する際に自らの業務への利用だけではなく他者の業務への利用を可能とすることなどを考えており、こうした電波の公平な利用を確保することが重要でございます。
このため、本法案では、携帯電話等の周波数に関して、開設計画の認定を受けた事業者が事実上周波数を継続的に利用しているという周波数の固定化に対応するため、開設指針に基づいて再割当てする仕組みを導入するほか、開設指針の記載事項として、例えば申請可能な周波数の幅に上限を設けるいわゆる周波数キャップ制度の導入に係る事項、電波の割当てを受けた者による他者業務への電波の利用の確保に係る事項、具体的に申し上げますと、接続や卸役務提供の促進に関する事項などでございます、こういった事項を追加することとしております。これによりまして、今後の携帯電話等の周波数の割当てにおいても電波の公平な利用を確保してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/130
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131・若松謙維
○若松謙維君 要は、今後の携帯電話の周波数の割当ては、その割当て方針というものを提示して、そして透明性を確保しながら進めると、そういう理解でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/131
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132・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) 委員御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/132
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133・若松謙維
○若松謙維君 次に、電波利用料制度の見直しについてお尋ねをいたします。
この改正案でありますが、電波利用料の使途に、ビヨンド5Gの実現に向けた研究開発のための補助金の交付、百億ですね、を追加するということになっておりますが、条文上では、この現行の電波資源拡大のための研究開発の項目に研究開発のための補助金の交付という文言が追加されまして、そうすると、この補助金の範囲ですか、はビヨンド5Gに限られないというふうに読めるんですけれども。
例えば、防災の観点から、国民の安心、安全を支える電波の有効活用技術等への補助金の交付を行う場合、公明党といたしましてもマイハザードマップということで、私たち携帯持っていますが、他の市町村に行って災害があるとどこに避難していいか分からない、そこにまでも届くという、大変多くの方々に対してきめ細やかな、そんな国民がニーズ、求めるところも新たに追加された使途の範囲に含まれるのかどうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/133
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134・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
今回のビヨンド5Gの研究開発を含め、電波利用料により実施する研究開発につきましては、電波法の規定に基づきまして、周波数を効率的に利用する技術、周波数の共同利用を促進する技術、また高い周波数への移行を促進する技術としておおむね五年以内に開発すべき技術に関する無線設備の技術基準の策定に向けて実施をするものでございます。
今般、その実施手法として、総務大臣が研究開発を直接実施することに加えて、産学官への委託などにより研究開発を支援する外部機関に補助金を交付することを追加するものでございます。したがいまして、研究開発の対象となる技術の類型は冒頭申し上げましたとおり変わっておりませんので、防災の観点から、国民の安心、安全を支える電波の有効利用技術がこれに該当する場合におきましては使途の範囲に含まれると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/134
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135・若松謙維
○若松謙維君 分かりました。是非この百億、有効活用を改めてお願いをしまして、次に、公共安全LTEですか、これについてもお尋ねをいたしますが、例えば、災害現場で警察、消防、自衛隊も入るんでしょうか、などのこの公共安全機関が共同で利用する無線システム、こういうふうに理解しております。
総務省が今年から、これ情報通信白書にありますけれども、運用本格化を目指しているということでありますが、現在の進捗状況を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/135
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136・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
公共安全LTEは、既存の携帯電話網を活用し、災害発生時などに関係機関相互の動画を含む通信や情報共有を確保することで、円滑な災害対応に役立てることができる共同利用型の無線システムとすることを目指しております。
本取組につきましては、関係府省等と連携をし、令和元年度より機能要件等について調査を始め、令和二年度においては基本的な通信機能などについての実証を実施をしたところでございます。令和三年度以降は、安全性、信頼性向上及びセキュリティーの強化に取り組んでいるところでございまして、本年度は、その上で関係府省庁等と連携をし、実証を本格化して、公共安全LTEの早期実現に向けて取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/136
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137・若松謙維
○若松謙維君 もうこれから出水期に入るわけでありまして、いよいよその努力された技術が適用されると、そういう理解でよろしいわけですね。首振るだけでいいですよ、はい、そういうことですので、はい、議事録に載りました。
次に、NHKの受信料の適正かつ公平な負担を図る制度整備についてお尋ねをいたします。
改正案では、受信料値下げのための還元目的積立金制度の創設が盛り込まれております。これ、今年の三月のNHK予算のときにもこの委員会で審議されましたが、このNHKの決算におきましてプラスの事業収支差金が生じたときは、財政安定のために留保する一定額を除いて還元目的積立金として積み立てなければならないというものであります。現行制度では、NHKが財政安定のために留保する額には上限は設けられておりません。そして、財政安定のための繰越金として令和四年度末見込みで千九百八十億円に上る金額が積み立てられております。
NHKは、これまで、財政安定のための繰越金について、欧州連合では公共放送の財源として支出の一〇%程度をガイドラインと定めるというと、この場合には百九十八億円になりますけれども、日本の場合はこれに地震等の災害リスクが高いことを追加要素として勘案し設定することが必要と説明をされてきたわけであります。
で、質問、お尋ねしますが、まず、現在もこの考え方が維持されているかについてNHKに確認をいたします。いわゆる千九百八十億円という額についてどのように考えるのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/137
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138・伊藤浩
○参考人(伊藤浩君) お答えいたします。
この財政安定のための繰越金は、大規模な災害、事故、物価の高騰など経済状況の急激な変化による事業収支の悪化に対応するほか、設備投資の財源として、減価償却資金など、当年度の自己資金で賄えない場合などに充てるためのものとして位置付けられているところでございます。
今回のロシアによるウクライナへの軍事侵攻等、経済的な影響の広がり、更なる国際的な緊張の高まりなどを見ておりますと、自然災害のみならず、今後いかなる事態が発生しても安定して放送サービスを続けていくためには、万一に備えて一定の繰越金を持っていることは重要だと改めて認識しているところでございます。その水準でございますが、NHKといたしましては、地震等の災害リスクが欧州に比べて高い事情があると勘案いたしますと、事業支出の一〇%以上の繰越金が必要であるという考え方に変わりはございません。
一方で、千九百八十億円という金額でございます。では、この財政安定のための繰越金は、受信料の増収や経費の削減など、これまでの経営努力によって生み出した内部資金の累計ではございますが、現在その規模は視聴者の皆様への還元を行うべきレベルに達しているのではないかというふうに考えているところでございます。このため、放送法改正案に盛り込まれている還元目的の積立金に一部を組み替えまして、受信料値下げの還元資金とすることを検討しているところでございます。二〇二三年度に実施する値下げの具体的な内容につきましては、今年の秋にお示ししたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/138
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139・若松謙維
○若松謙維君 先ほど、千九百八十億円の一〇%じゃなくて、支出額六、七千億円の一〇%ということですね、訂正をいたします。
それでは、大臣にお尋ねするんですが、この還元目的積立金制度、これが有効に機能して剰余金が視聴者に還元されるためには、まさにNHKの不必要な支出がないように、そして積立金となるべき収支差金が減少するような事態を防ぐ必要があると考えますので、今まで以上に国会や政府によるNHKの予算、決算のチェックが重要となりますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/139
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140・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 若松委員御指摘の点は大変重要なことだと認識をしております。
例えば、総務省の有識者会議の取りまとめにおいても、NHKにおいては、予算消化を目的とする不要な支出が生じないよう、これまで以上にチェック体制を確保することが必要といった提言をいただいているところでございます。
総務省としては、NHKに対して予算や決算のチェック体制の確保を求めていくとともに、NHKの収支予算に付す総務大臣の意見や、予算や決算に関する国会での御審議などを通じて十分なチェックが行われることにより、還元目的積立金の制度が有効に機能するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/140
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141・若松謙維
○若松謙維君 是非、先ほども政府委員の方がお答えになられましたけど、いわゆる安定財源の規模、秋に出られるということでありますので楽しみにしております。
また委員会で審議することを楽しみにしながら、質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/141
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142・平木大作
○委員長(平木大作君) 松下君の質疑に関し、総務省吉田情報流通行政局長から発言を求められておりますので、これを許します。吉田局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/142
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143・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 私の松下新平委員に対する答弁に誤りがありました。
外資規制違反事案につきまして、東北新社の外資規制違反については、議決権の比率ではなく、株式の保有割合に基づく数値によって計算されていたことから誤りが生じたものでありますと答弁したところ、正しくは、複数の株主がいる場合の合計数ではなく一の株主について見るものと担当者が誤解していたことから誤りが生じたものでありますということでございます。
おわびして訂正いたします。大変申し訳ございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/143
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144・平木大作
○委員長(平木大作君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時七分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/144
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145・平木大作
○委員長(平木大作君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、電波法及び放送法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/145
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146・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。会派を代表して質問をさせていただきます。
今回の電波法、放送法改正案では、NHKは難視聴解消などのため民放各局に協力するよう努力義務が規定されています。共同利用や協力は大いに進めなければならないと思いますが、昨日の参議院本会議では立憲民主党の岸真紀子議員もこの努力義務について取り上げていました。確かに、努力義務、協力を行うことによってNHKの受信料が使われるということはある種問題があるかもしれません。
NHKの、この努力義務ではなくて、私は、義務とした上で、民間放送各局へのNHKの協力費用については総務省が電波利用料などの財源から公的に支えることにしたならいいのではないかと思いますが、大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/146
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147・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
私の地元も、山間地域、離島等もあり、難視聴地域も随分ございます。そのことも踏まえながらお答えをさせていただきたいと思いますが、我が国の放送は、NHKと民放の二元体制の下で、それぞれの長所を発揮することでその効用の最大化を図ってまいりました。御指摘のように、NHKによる民放への協力を義務とすることは、このようなNHKと民放の二元体制を損ないかねないものと考えております。したがって、字幕放送の実施や難視聴の解消など、本法案におけるNHKの民放への協力については努力義務としているものでございます。
また、民放への協力に要するNHKの費用を国の予算で措置することについては、国民・視聴者からの受信料によってその経営が支えられているNHKの公共放送としての位置付けやその自律性を損なうおそれがあり、極めて慎重な検討を要するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/147
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148・芳賀道也
○芳賀道也君 今、地方局の経営が厳しいということは昨日の本会議でも指摘させていただきましたけれども、やはり、これから4K、8Kとか、こういったことが進まないと日本の産業力が弱まってしまうという側面もあります。しかし、もう特に地方局にはそうした4K、8Kの投資を行うような余力は全くないという状況の中で、ある程度やっぱり公的な資金、難視聴地域であるとか、それから放送設備、あるいは難視聴地域のケーブルネット回線による難視聴解消、そういったこと、公的資金をやはり投入して支えなければいけない状況にあるのではないかと思うのですが、この点についても、大臣、御感想だけでも結構ですので、お願いできませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/148
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149・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 先ほどもお話ししましたけれども、民放への協力に要するNHKの費用を国の予算で措置することについては、国民・視聴者からの受信料によってその経営が支えられているNHKの公共放送としての位置付けやその自律性を損なうおそれがあり、極めて慎重な検討を要するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/149
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150・芳賀道也
○芳賀道也君 地方ではまだ民間放送が二波しか見ることができないという県すらあります。こういった状況の中で、どこに住んでいても同じ情報が受けられるということも含めて、是非、必要ならば、NHKであれ民放であれ、公的な資金で支えて、その地域間、住んでいるところの格差がなくなることを要望させていただきます。
次に、昨日の参議院本会議でも質問をさせていただきましたが、今後の地上波テレビ放送や民間ローカル局の未来像については有識者検討会での検討結果待ちという御答弁でした。地上波テレビ放送、特に東京や中京、関西以外のローカル局は、十年後、十五年後、二十年後、存続しているのか。総務省として地上波テレビ放送全体とローカル局の近未来像も早急に示さなければいけないのではないかと考えますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/150
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151・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 芳賀委員におかれましては、山形のローカル局で人気のキャスターでありアナウンサーであられたと聞いております。
昨日の本会議で答弁したとおり、インターネット動画の普及などによる若者のテレビ離れなど、ローカル局を始めとした地上テレビ放送を取り巻く経営環境は厳しくなってきていると認識をしております。このため、私が総務大臣に就任後直ちに取りかかった問題の一つであり、就任後約一か月で有識者検討会を立ち上げ、検討を開始したものでございます。
委員の問題意識は私も十分に理解しておりますし、取りまとめ案を皆様に可能な限り早くお示しできるよう、引き続きスピード感を持って検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/151
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152・芳賀道也
○芳賀道也君 本当に待ったなしの状況にある。かつては二元体制、NHKと民放、二元体制だということもありましたけれども、今や、かつてはある種ライバルであった民放とNHKが、地上波がなくなってしまうというこういう状況にあっては、協力して地上波を残していくパートナーだと。このためにも、民放連なども、そのNHKの受信料の、ある程度高い、そういう負担増がテレビを持たない世代をますます増やしていると、そういう側面もあるので、ファイブアクセスを認めるとか、そういう契約方法の見直し、それから受信料の見直しなども早急に進めていかないと、何年か後に実際に受信料が下がったというときに、地上波にとっては手遅れであるということにならないように早急に進めていただきたいと思います。
次に、公正な報道について伺います。
報道によれば、かつて、二〇一四年の解散前日の十一月二十日付けで、自民党は当時の萩生田光一筆頭副幹事長及び福井照報道局長の連名でNHKと東京のキー局各局に「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」という文書を渡していました。
この文書では、出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者の選定、テーマ選び、街頭インタビューや資料映像の使い方など、かなり細かい点まで指摘が及んでいます。さらには、過去において、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実と認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあったところですと、メディア関係者が国会で証人喚問された椿事件を想像させる記述まで踏み込んでいました。
この一九九三年のいわゆる椿事件では、テレビ朝日の放送免許の更新時期であったこともあり、衆議院政治改革に関する特別委員会での証人喚問を拒否することができず、テレビ朝日の当時の椿報道局長が参考人招致されて謝罪に至り、当時のテレビ朝日社長も謝罪に追い込まれました。テレビ朝日の免許更新については、発言について事実関係が明らかになった時点で改めて必要な措置をとるという条件付の再免許しか受けられませんでした。政治的公平を欠いた放送をしたと非難される事態になれば、国会での証人喚問や謝罪だけでなく、免許更新のために総務省から様々な圧力を受けて非常な苦難を受けることがテレビ局経営者の胸に刻まれたことは疑いがありません。
この椿事件を念頭に置いて自民党が二〇一四年に出した文書をキー局各局から見れば、この文書は、自民党が不公正、偏向、政治的偏向として評価した報道に対して政治権力で圧力を加える旨の文書だと受け取られてもやむを得ないものなのではないでしょうか。
放送法を所管する金子大臣に伺いたいのですが、放送法の規定に基づかずに放送の自由、自律、表現の自由に影響力を与えることは放送の趣旨から見て違法であり、したがって、二〇一四年十月に自民党からテレビ局に出されたお願い文書は事実上の圧力の行使であって断じて許されず、二度と繰り返してはならないと考えますが、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/152
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153・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 御指摘の自民党から発出された文書につきましては、政党がされたことについて政府として良しあしをコメントするべき類いのものではないため、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
選挙期間中か否かにかかわらず、放送事業者は自主自律により放送番組の編集を行っていただくことが基本と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/153
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154・芳賀道也
○芳賀道也君 二〇一四年十一月に自民党からテレビ局キー局各社に届けられたこの文書、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」ではこうしたことがあったということですね。出演者の発言回数及び時間等について公平を期していただきたい、テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中などがないよう、公平中立、公正を期していただきたいと、形式的な公平、量的な公平を求めています。
このとおりにすると、各候補の発言をストップウオッチで計って公平にするとか、どの候補にも同じ質問をするなど、放送局は形式的な公平を図ることに終始し、また、放送局が不公正な放送で選挙結果が左右されたと政権与党から批判されるおそれのある余り、その選挙の争点について論評するのを避けるという踏み込みのない選挙報道が蔓延してしまいます。これでは選挙報道として本来行われるべき報道がされず、選挙の争点に関する情報が有権者に提供されなくなってしまいます。
各候補に優れた政策や功績があればこれを評価し、問題があれば批判するのは選挙報道でも当然のことではないでしょうか。さらに、形式的な公平、量的公平に沿った報道をするということは、放送局に保障された報道の自由、編集の自由を放送局が自らゆがめ、放棄することに等しい。
選挙報道においては、形式的公平性、量的な公平性ではなく、正確な情報をゆがめることなく編集して放送すること、多様な見方を提示すること、政党や候補者の主張をファクトチェックして政策の問題点を指摘すること、選挙の重要な争点を明確にすること、これらを通じて質的な公平、実質的公平を図るべきだと考えますが、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/154
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155・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
先ほど大臣から答弁申し上げたとおり、御指摘の自民党から発出された文書については、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げれば、放送法第四条において放送番組の編集に当たって遵守すべき基準を定めており、これに基づき放送事業者の自主自律により放送番組の編集を行っていただくことが何よりも重要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/155
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156・芳賀道也
○芳賀道也君 これはいわゆる出演者の時間をチェックするとかそういうことではなくて、質的な公平、実質的な公平でいいのだというふうに受け止めてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/156
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157・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 今申し上げたとおり、放送法第四条におきまして遵守すべき基準というものにつきましては、これに基づきまして放送事業者がその自主自律により放送番組の編集を行っていただくことが重要であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/157
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158・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、単なる時間で、同じ時間だから公平だということではなくて、質的な公平、実質的公平を保障していただきたいと思います。
次に、金子大臣に朗読をお願いしたいのですけれども、配付資料一ページ上にある、一九七七年、昭和五十二年四月二十七日、衆議院の逓信委員会での当時の郵政省の鴨光一郎放送部長の答弁の読み上げを是非大臣にお願いしたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/158
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159・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 代わりに読み上げさせていただきます。
第八十回国会衆議院逓信委員会第十三号、昭和五十二年四月二十七日、鴨説明員。これは先ほど局長からも御答弁申し上げました中に触れておりますように、放送法の三条がございまして、先生よく御承知のとおりでございますが、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」ということでございまして、番組に関しましてその違反を郵政省が判断する権限がないということは先ほどから申し上げているとおりでございますが、その違反という事実そのものは、放送事業者がこの放送法三条の趣旨によりまして自主的に判断すべきものというふうに考えているわけでございます。
以上、読み上げさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/159
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160・芳賀道也
○芳賀道也君 大臣に読んでいただけなかったのは残念ですが、局長、御朗読ありがとうございます。
これにもあるように、自主的に判断すべきものというふうに考えていると。番組の中身に関して、郵政省も現在の総務省もその違反を判断する権限がないということがこの答弁でもよく分かります。
昨日の本会議で、総務大臣から、放送法第四条第一項は法的規範だという趣旨の答弁がありましたが、その答弁では法的規範の違反を放送法を所管する総務省が判断できることとなりまして、郵政省が放送番組に干渉、規律できることとなる。これでは今読み上げをいただいた郵政省の答弁と矛盾しますが、大臣、この矛盾を分かりやすくちょっと説明していただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/160
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161・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 放送法第四条に規定している番組基準につきましては、法規範性を有していると考えております。ただ、総務省におきましては、強制力を持って調査する権限が法律上付与されていません。
いずれにいたしましても、放送番組編集の自由を尊重するということは必要でございますので、まずは放送事業者がその自主自律により放送番組準則によった放送をまずは行っていただくことが重要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/161
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162・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、明らかにある時期から変わっているんですね。
安倍元総理の祖父、岸信介首相、田中角栄郵政大臣の時代、一九五九年、昭和三十四年に放送法改正案が成立しました。この改正案では、確かに番組放送準則に新たに善良な風俗を害しないことが追加されましたが、この改正案の基となる法案の趣旨説明の際、田中角栄元郵政大臣の発言を資料一ページ下段に掲載しております。是非これを御覧ください。
これによれば、放送の言論機関たる特性を十分に考慮し、毫も表現の自由を侵すものでないよう配慮いたしております。中略。これらの準則を、いかにして表現の自由を侵すことなく実効あらしめるようにするかが最もむずかした、これ原文のままですが、問題でありまして、種々工夫いたしました結果、後で申し上げます放送事業者の放送の準則及び番組審議機関を設けて、放送事業者の自律によって番組の適正を図る措置を講ずることにいたしました。中略。これらの法で明定した放送番組の編集及び放送についての準則の実効を確保する方法といたしましては、方針にもはっきり出ておりますとおり、放送が言論機関たる特性に鑑み、行政権による規制を避けて、次のごとき自律的な方法を採用いたしております。すなわち、放送事業者に自主的な放送番組審議機関の設置を義務付け、放送事業者はこの番組審議機関に諮問して、その番組編集の基準を作成し、及び、これを公表する義務を負わせ、その事業者は、その番組基準に従って放送番組の編集及び放送をしなければならないものとして、その遵守を公衆の批判に任せるものであります。また、その番組審議機関には、放送された番組の批判機関たる任務をも持たせ、かれこれ相合して番組の適正を図ろうとするものであります。このように、田中角栄元郵政大臣、説明をしております。
この説明は、昭和三十四年に成立する前の昭和三十三年三月の改正案についての説明ですが、田中角栄郵政大臣のこの説明箇所については、一九五九年に成立した改正案でも何ら変更がありません。
田中角栄元郵政大臣の説明を考えれば、昨日の参議院本会議で質問したように、今年三月九日に自民党の情報通信戦略調査会が開かれ、BPOや各局の番組審議機関が機能しているか民放連やNHKから聞き取りがあり、その会議終了後に、この調査会トップの佐藤勉調査会長が、BPO委員の人選に国会が関われないか提起したいと記者に発言したことは重大な問題があると考えます。
BPOや番組審議機関は、放送の自由と自律、表現の自由を守るための重要な組織で、その人選に自民党一党優位が続く国会が影響力を加えれば、放送の自由と自律が損なわれる危険性があります。先ほど引用した田中角栄元総理大臣の発言も踏まえると、BPO委員の人選に事実上自民党一党優位が続く国会が関与するのは不適切だと考えますが、田中角栄元郵政大臣の発言も踏まえて、この佐藤勉調査会長のBPO発言について、金子大臣の御見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/162
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163・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 委員御指摘のとおり、放送法におきましては、この放送事業者の自主自律な取組により、自ら番組基準を定めることを行うことにより、放送番組の適正を図っていくという仕組みになっております。この放送番組の編集に当たっては、まずはその放送事業者がその自主自律を基本としてやっていただくという点については何ら変わることはございません。
ただ、今御指摘のありました自民党における議論につきましては、政府としてはコメントは差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/163
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164・芳賀道也
○芳賀道也君 では、自民党における審議でなくとも大臣に是非お答えいただきたいんですけれども、こうしたBPOであるとか番組審議委員に、委員会の委員の選定に全く別の機関が関与する、国が関与することにつながる、そのことについてはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/164
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165・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 放送番組は放送事業者が自らの責任において編集するものであり、放送法は、放送事業者が自主的、自律的に遵守するものであるという基本的な考え方については変わりがないと認識をしております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/165
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166・芳賀道也
○芳賀道也君 先ほど読み上げていただいた鴨放送部長の答弁、そして田中角栄郵政大臣の趣旨説明によれば、番組審議機関への政治権力の介入は放送法の自由と自律を侵すものであって、放送法の趣旨に反する。金子総務大臣が放送を所管し放送行政を管理するというなら、鴨元放送部長や田中角栄元郵政大臣の説明に沿って、BPOの介入のいかなる動きにも明確にノーの判断をすべきではないかと申し上げて、次の質問に参ります。
昨日の本会議でも、金子総務大臣に、かつて、高市早苗元総務大臣の停波発言について質問しました。
当時の高市大臣の停波発言は、二〇一六年二月、停波処分のされる要件について、法律の規範に違反した放送が行われたことが明らかであることに加えまして、その放送が公益を害し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといった極めて限定的な状況のみ行うという答弁でした。
そこで、総務大臣にお尋ねしたいんですが、電波法第四十六条第一項による停波のこの条件は、電波法や放送法の一体どこに記載があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/166
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167・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 電波法第七十六条第一項では、「免許人等がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、三月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。」と規定されております。
当時の総務大臣の答弁は、この条文の運用に関する従来からの考え方について答えたものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/167
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168・芳賀道也
○芳賀道也君 条文に書かれているかいないかという説明が抜けていたようなんですが、これ条文に書かれているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/168
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169・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
ただいま申し上げた電波法第七十六条第一項の条文の運用についての考え方について答えたものと認識しております。これ自体、その考え方自体が条文に書かれているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/169
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170・芳賀道也
○芳賀道也君 運用というのはどこに定められているのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/170
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171・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 法律の条文というのがある場合に、それをどのように運用するかということを公にすることはあることかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/171
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172・芳賀道也
○芳賀道也君 確認ですが、法律には一切、条文には書かれていないんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/172
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173・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 法律の条文にありますのは、先ほど申し上げたとおり、電波法第七十六条第一項の規定が、放送法等に違反したときにとることができる処分についての規定があるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/173
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174・芳賀道也
○芳賀道也君 総務省による放送局の停波が放送法第四条第一項の違反を理由として行われることは断じて許容し難いと思います。そのような総務省の放送法の運用には全く賛成できません。
その前提の上で指摘したいのですが、当時の高市大臣が法律にないことを堂々と答弁したこと自体も問題ですが、総務省は法律に書いていない要件を理由として停波処分を行う考えなのか。将来に向けて阻止することが必要、同一の事業者が同一の事態を繰り返す、再発防止のための措置が十分でない、自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認めるというのは、法律に基づかない総務省の勝手な判断です。総務省の法律に基づかない判断で放送局の停波という死刑宣告のような処分が行えるのですから、これは全くおかしいのではないでしょうか。
この高市元総務大臣の停波処分発言は、法に基づく行政とは言い難く、法の支配の観点から見ても許し難いと考えますが、再度総務大臣の御見解をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/174
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175・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 電波法第七十六条第一項では、繰り返しになりますが、免許人等が放送法等に違反したときにとることができる措置について定めております。その条文の運用についての考え方について当時の総務大臣の答弁は答弁しているものでございまして、その中では、極めて慎重な配慮の下運用すべきという考え方も述べているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/175
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176・芳賀道也
○芳賀道也君 だとすると、将来に向けて阻止することが必要、同一の事業者が同じ事態を繰り返す、再発防止のための措置が十分でない、自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認める、これがどこかに、ルールに具体的に決められているということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/176
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177・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) この当時の総務大臣の答弁は、従来からの、この条文の運用に関する従来からの考え方について改めて答弁したものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/177
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178・芳賀道也
○芳賀道也君 すると、これまで紹介してきた鴨放送部長の答弁であるとか、総理大臣にもなる田中角栄元郵政大臣、このときの答弁と明らかに変わってきていると思うんですが、これ変わったんですか。いつから変わったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/178
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179・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 放送法が放送事業者の自主自律を基本としていることや、放送番組は放送事業者が自らの責任において編集し、自主的、自律的に放送法を遵守していくという基本的な考え方については変わっていないものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/179
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180・芳賀道也
○芳賀道也君 行政権は行使しないというような答弁から、行使することがあり得るんだということに変わっていますが、ここはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/180
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181・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 放送法第四条に規範性があるということは従来から一貫して申し上げていることかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/181
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182・芳賀道也
○芳賀道也君 放送の自由は、民主主義にとって報道の自由は大事です。国益に反する放送が堂々と行われること、これがある種、逆の意味で言えば、良識ある国民は、それこそが我が国が世界に誇るべきことで、かの国、例えばロシアなどとは全く違う、そのことの誇れる証明になるということですし、報道の自由を守るために引き続き不断の努力をしていただくことを求めて、次の質問に行きます。
今、自動車税と軽自動車税の環境性能割の質問をさせていただきたいと思います。
元々自動車税環境性能割の条件を満たしていた自動車に福祉車両用のリフトを後で付けると、本来ならいわゆる型式から外れてしまうはずですが、元々の自動車メーカーで最初から福祉車両仕様として販売するバージョンの型式があって、後付けしたリフトの重さがメーカー製福祉車両のリフトより軽ければ、メーカー製造の福祉車両と同じ型式とみなして自動車税環境性能割の減免が受けられると国交省からは聞きました。いわゆる型式がなくても、救済措置で型式があるとみなせるということですが、一方、元々環境性能割の適用となるガソリン車にLPガスも使えるような装置を付け足す、キットを付け足すと、LPガス使用時には燃料費も抑えられ、排気ガスもよりクリーンになります。
福祉車両の例と同様に、LPガス兼用の自動車になったこの自動車も、元々環境性能を満たしていて、LPガス関連の装置を後付けしても環境性能を満たしている場合には、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減という目的を、目標を実現するため、元々の自動車と同じ型式を当てはめて、自動車税、軽自動車税の環境性能割の減免を適用して、このような地球環境に優しい取組を応援すべきだと考えますが、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/182
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183・稲岡伸哉
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。
LPガス自動車に係る環境性能割につきましては、国土交通大臣が行う排出ガス低減性能の評価において、平成三十年基準、排出ガス五〇%低減レベル達成の認定を受けたものであること、かつ、国土交通大臣が行う燃費性能、燃費評価において令和十二年度燃費基準達成レベルが一定以上であることなどの要件を満たした場合に優遇された税率が適用されることとなります。
これは、課税の公平性の観点から、自動車の環境性能について公の制度において一定の評価がなされていることが必要であり、また課税実務上も環境性能割の税率の適用区分を外形的に確認できる必要があることを踏まえたものでございます。
御指摘の事例のように、燃料の種類の変更を行った自動車につきましては、燃費性能等の評価の対象外となり、公の制度における一定の評価がなされていること等が判断できないことから、環境性能割について優遇された税率を適用することはできないものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/183
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184・芳賀道也
○芳賀道也君 先ほど挙げた福祉車両の例のように、同じ型式とみなして言わば救済するというようなことは不可能なんでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/184
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185・稲岡伸哉
○政府参考人(稲岡伸哉君) 先ほど申し上げましたとおり、その排出ガス性能あるいはその燃費性能において評価をされていないという状況でございますので、優遇された税率を適用することはできないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/185
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186・芳賀道也
○芳賀道也君 より排ガスなどもクリーンになることはその排ガスの検査などでも証明されていますので、是非これも検討していただきたいということをお願いいたします。
次に、今の同じ問題ですけれども、これに関連して財務省の方に伺いたいのですが、租税特別措置法第九十条の十二第一項では、新車として工場から世に出る自動車のうち一定の環境性能を満たす自動車については、自動車重量税の減免を受けられるように規定されています。新車でない自動車についても、改造して環境性能をクリアできるようになれば温暖化ガスなどの少ない地球環境に良い車となるため、二度目以降の車検でも一定の環境性能を満たせば自動車重量税を減免できるように租税特別措置法を改正すべきだと考えますが、御見解を伺えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/186
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187・江島一彦
○政府参考人(江島一彦君) お答えいたします。
自動車重量税に係るいわゆるエコカー減税におきましては、当該自動車に係る燃費値が国土交通大臣が行う燃費評価におきまして令和十二年度燃費基準に照らして一定以上であることなどの要件を満たした場合には優遇された税率が適用されることとなります。これは、課税の公平性の観点から、当該自動車の燃費性能について公の制度において一定の評価がなされていることが必要であり、また課税実務上もエコカー減税の税率の適用区分を外形的に確認できる必要があることを踏まえたものでございます。
御指摘の事例のような燃料の種類の変更を行った自動車につきましては、燃費性能等の評価の対象外となり、公の制度における一定の評価がなされていること等が判断できないことから、優遇された税率を適用することはできないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/187
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188・芳賀道也
○芳賀道也君 ガソリンもLPガスも両方が使えるようになる、しかも排ガスはクリーンになることが証明されている。是非この辺も検討していただくことをお願いいたします。
次に、特に若い世代では、テレビ、ラジオの視聴者の割合が低くなっています。国政選挙のためにNHKと民放、ラジオで候補者の政見放送や経歴放送を行ってもらっていますが、これを放送局や選挙管理委員会でネットにアップして、選挙期間中いつでも誰でも繰り返し見られるように法改正を行って、せっかく制作、放映した政見放送、経歴放送をより多くの方にいつでも見たり聞いたりできるようにすべきだと考えますが、総務大臣の御見解を伺えますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/188
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189・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
政見放送や経歴放送を放送事業者や選挙管理委員会のホームページに掲載することについては、全ての候補者等の平等、公正な取扱いをどのように確保するかや、政見放送等の放送回数の制限を設けている現行法との関係をどのように考えるかといった論点がございます。また、選挙運動に関する事柄であることから、各党各会派において御議論いただくべきものと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/189
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190・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、政治への無関心、特に若い人がそうですが、そういうことが言われる中で、より多くの方に様々な候補者の意見にアクセスしてもらうということが大事でしょうから、そうした改善についても引き続き努力をしていただくことをお願い申し上げます。
それでは、残る質問はありましたが、質問できなくなりまして申し訳ありませんでした。これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/190
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191・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
本会議でも質問させていただきましたけれども、電波オークションについて何点かお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
この電波オークションの導入はもう必須であるということで、私もこの総務委員会で三年間お訴えをさせていただきました。
そこで、まず最初に、総務省が今回、周波数の割当て制度ということで経済的価値を反映した新たな制度を導入したということでありますけれども、この新制度について概要をお示しいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/191
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192・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
令和元年の電波法改正におきまして、周波数の経済的価値を踏まえた審査を行う特定基地局開設料制度を導入をいたしました。当該制度は、周波数割当てに際し、従来の比較審査項目に申請者が申し出る周波数の経済的価値を踏まえた評価額を追加をいたしまして総合的に審査できる制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/192
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193・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 端的なお答えありがとうございます。
そうですね、この新たな周波数の割当て制度にはこの電波利用の経済的価値を盛り込んでいるということでこれは確かだと思いますけれども、枠組み自体は従来の比較審査方式を踏襲したものでありますし、この経済的価値の項目の配点ですね、全体の四分の一程度にとどまるということで、総務省が審査を行うと、この部分については全く変わっていないということで、本質は変化していないというふうに思います。
今のその硬直したこの周波数割当ての仕組みを抜本的に変えるために電波オークションの導入が必要だというふうに考えているわけですけれども、この導入につきましては、総務省が新たな携帯電話用周波数の割当方式に関する検討会が夏頃に取りまとめを出すとのことでありますけれども、ちょっと切り口を変えて質問したいんですけれども、この検討会でどこまでの結論を出す予定となっているのか、この想定したイメージがあればちょっと教えていただきたいんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/193
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194・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
委員から御指摘のございました総務省で開催をしております有識者会議におきまして、オークション方式も含めて、我が国の望ましい新たな割当て方式の在り方について検討を行っているところでございます。
本年三月でございますけれども、検討会一次取りまとめにおきまして、今後割り当てられる周波数帯域の特性を考慮して、それぞれの周波数帯域ごとにオークションとの整合性も含め、適切な割当方式について検討を深めていくことが必要であるというふうに御指摘をいただいているところでございます。
これを受けまして、現在、二次取りまとめに向けた検討を行っておりまして、事業者からのヒアリングを通じて携帯電話事業者などの意見を踏まえつつ、本年夏頃にそれを踏まえた取りまとめを行ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/194
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195・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ということは、それ、今おっしゃった答弁から聞くと、各帯域によってそのオークションがなじむのかなじまないのかということを検討していくというお話がありましたけれども、これは各帯域ごとに、これはオークションを採用した方が望ましい、望ましくないといった結論がここで示されるということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/195
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196・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
今も御答弁申し上げましたけれども、一次取りまとめの御指摘の記述、すなわち周波数帯域の特性を考慮して、それぞれの周波数帯域ごとにオークションとの整合性も含めて適切な割当て方式、これを考えていくということでございますので、この二次取りまとめの結論につきまして現時点で予断を持ってお話を申し上げることは困難かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/196
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197・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ちょっと通告と若干違う質問になっているので大変恐縮なんですけれども、この検討会ではどこまでの結論を出すのかということを知りたいわけですけれども、これ、大臣、この検討会で電波オークションを導入するんだというような結論になる可能性があるということと私は認識をしているわけですけれども、その認識は共有されているのかどうか、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/197
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198・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 今局長からお話ししましたように、この検討会でどういう結論が出るかということについて私が今申し上げるべきではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/198
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199・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 そうですね、結論がどうなるのかというのは分からないんですけれども、そこで、そこの検討会で、これは電波オークションを導入することが望ましいという結論が出る可能性があるということは認識をされているということでよろしいですかね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/199
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200・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) もちろんそういう結果もあり得るのかなとは思っておりますが、今の時点ではそれ以上は申し述べません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/200
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201・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
そうですね、これ検討会で、結局この電波オークションについてはもうずっとこの導入の必要性について、これは我が会派だけではなくて、もう政府の方でもずっと言われてきたというところだというふうに思います。この一定の結論がここで出るんだというふうに認識しておりますので、一つの明らかな結論をやっぱり出していただきたいというふうに思います。
またこのまま、あやふやなまま次から次へと遅らせていくということになれば、本会議で申し上げたとおり、OECDの各国の中で我が国だけがこれ導入していないという状況であります。それは、各国はこの電波オークションがやっぱり有用であるということでこれ導入しているということだというふうに認識しておりますので、是非これは御検討いただきたいと思いますけれども。
その前提としてお伺いしていきたいんですけれども、じゃ、これ電波オークションが導入されないとなったときには、現行の比較審査方式を継続していくということになるわけですけれども、これからソサエティー五・〇の時代に入っていくためには、この貴重な電波を事業者に最適に振り分けなければいけないと。だけれども、今使い勝手のいい、特にプラチナバンド帯と言われているこの回り込みがしやすい周波数帯に関しては、もう利用者がなかなか新規参入できないというような状況になっているんではないかというふうに思います。
新規参入できないということは、やっぱり新しいテクノロジーが使えないとか、いろんなイノベーションの弊害が出るとか、そういったことになってくると思うんですけれども、この前提として、今特に需要が高いプラチナバンド帯についてこの流動性がなくなっていると、新規参入がなかなか厳しい状況にあるという認識は共有されているのかどうか、この点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/201
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202・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
携帯電話などの周波数につきましては、通信量の増大により逼迫傾向にありますところ、既に開設をされております基地局が使用している周波数も含めて、有限希少な電波をより一層有効利用する必要性が高まっております。
一方で、御指摘のとおり、携帯電話などの特定基地局開設計画の認定制度では、認定を受けた事業者が認定の有効期間終了後も再免許を繰り返し受け、事実上、周波数を継続的に利用しているというような状況は御指摘のとおりでございます。
そうした場合におきましては、例えば周波数の有効利用が不十分であっても継続的に周波数が利用されてしまうことや、既存免許人以外の事業者が割当て済みの周波数獲得に手を挙げることができないといった課題があると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/202
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203・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
ですから、新規参入なかなかしづらい状況にあって、非常に需要の高いプラチナバンド帯は特にそうなんだという認識はおありだということはよく分かりました。
これ例えば、携帯電話事業を始めた楽天モバイルは、七百メガヘルツから九百メガヘルツのプラチナバンド帯を割り当ててもらうということを希望していましたけれども、結局認められなかったということで、より周波数の高い一・七ギガヘルツ帯を使っているという現状があります。
電波は、周波数が高いほど回り込みにくいと、建物内にも浸透しにくいという特徴がありますので、非常に苦労している、苦戦しているという状況があるというふうに思います。ですから、これ楽天のとき、電波割当てのときに電波オークションをやっていれば、楽天モバイルがもうプラチナバンド帯を落札したという可能性もあったのかなというふうに思いますし、これ菅元総理がよくおっしゃっていましたけれども、やっぱり公平な環境、競争環境を実現することができたのではないかなというふうに思います。明らかにこれ新規参入が阻害されているということで、私たちはこれ問題だなというふうに考えているところであります。
であるとするならば、その電波オークションの様々な弊害というのはもうこれまでも議論してきましたし、それに対してOECD各国がいろんな方式でそれをクリアしているんだという話もさせていただきましたけれども、この電波オークションを導入することによってこの帯域の割当てに流動性が生まれるということは共通認識であると、ちょっと基本的なことで申し訳ないんですけれども、これはよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/203
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204・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
電波オークションの導入につきましては、電波の割当てを具体的にどういうふうに行うのかという観点からの方式の選定ということだと思っております。
他方、先ほど御質問の中で触れられておりましたけれども、例えばプラチナバンド、必ずしもプラチナバンドに限ったことではありませんけれども、周波数の固定化という状況がございます。そういった固定化されている周波数帯域につきましてこれを流動化するという意味におきましては、今般、本法案で周波数の固定化による課題に対応するというために、電波の有効利用を促進する観点から、電波の利用が不十分であると認められる場合などにおきまして周波数の再割当てを可能とする仕組みを導入すると、そういった対応を考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/204
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205・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 そうですね、分かりました。再割当てをする仕組みをしっかりやっていくんだということは分かりますけれども、でも、それ使っていない帯域に関してですよね。使っていないところに関してはちゃんと使えるようにしようということだと思いますけれども、基本的にはこのプラチナバンド帯も含めて、かなり占有されているということですので、これをちゃんと新しく、新しい血がどんどん入っていくようにしていくということが必要なんだろうというふうに思います。
これは、携帯電話事業者だけではなくて、またプラチナバンド帯だけに限るものではなくて、それ以外の部分に関してもこの電波オークションを導入していくということは必要だというふうに考えているところであります。
今、検討会では、これ本会議でも質問させていただいたんですけれども、携帯電話事業者の周波数帯に関しての電波オークションの検討をしているということでありますけれども、それ以外の部分に関してもこれは是非検討いただきたいというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/205
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206・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 御指摘の周波数帯については、現時点では携帯電話以外の大きな新たな利用ニーズは顕在化していないと認識をしております。総務省としては、引き続き今後の電波利用の状況を注視してまいります。
その上で、本法案においては、電波の一層の有効利用を推進するため、第三者機関である電波監理審議会が主体的に電波の利用状況を評価、提言できる仕組みを導入することとしております。
こうした枠組みによりまして、新たな電波利用ニーズが顕在化した場合は、本審議会の評価結果などを踏まえて、周波数のスムーズな移行、再編を推進してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/206
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207・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
電波オークションの質問はここまでが通告しているものなんですけど、いつもどおりの質問といつもどおりの答弁という感じで、余り何か進展がないなということで非常に残念に思っているんですけど。
これ大臣、この電波オークションについて、初めて、これ、電波オークションという制度があるんだと聞かれたのっていつ頃ですか。かつ、それに対してどういう印象をお持ちになったのかということを聞きたいんですけど、大臣の個人的な話ですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/207
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208・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 大臣に就任する前から電波オークションという言葉があることは知っておりました。また、大臣になって、電波オークションというのはどんどん値段がつり上がっていって、そうなってくると大変な状況になってしまうなということを感じました。これはもう率直な当初の思いでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/208
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209・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 よく分かります。ですから、オークションというとやっぱり日本なかなかなじみがなくて、どんどんつり上がっていって、本当にお金持っているところしか入れないみたいな、そういうイメージがあると思うんですけど、でも、それが世界各国でもう導入されていて、その高騰対策がなされているんだということは、大臣になる前に御認識されましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/209
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210・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) おっしゃるとおりです。
それで、大臣になって分かったことは、電波オークションといってもいろんな、オークションという名前でありますけれども、総合的に判断するやり方とかもう価格だけで競争するやり方とか、いろんなやり方があるということも学びました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/210
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211・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 そこは大臣としていろんなことを研究されて、検討されてきて、いろんな情報を入れられてきたと思うんですけれども、今の大臣の中での、これ感想で構わないんですけれども、このメリットとデメリットと、どちらの方が大きいというふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/211
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212・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 実は、私もそのことはよく分かりません。どっちがメリットがあってデメリットが多いのか分かりませんが、だからこそ、この検討会の中で専門家の皆さん方にヨーロッパとか世界各国の状況を見ながら、それを判断していただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/212
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213・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。もう大臣は本当に率直に、素直に答弁をしていただき、ありがとうございます。
これ、ちょっとこれまたあれなんですが、中西副大臣もいらっしゃるので、ちょっと是非お伺いしたいなというふうに思うんですけれども、この電波オークションについて、今、メリット、デメリット、中西副大臣、非常に造詣が深いというということで聞いていますけれども、現時点でのその感想、御感想があればお伺いしたいと、あくまで感想で結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/213
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214・中西祐介
○副大臣(中西祐介君) 通告をいただいておりませんが、私の所管の範囲で申し上げるならば、去年の十月から検討会、毎回私も出席をさせていただいております。全て出席をしていれば、議事録も含めて拝見をしておりますけれども、民間の事業者の方々含めて、いろんな意見があることはこれ事実であります。
キャリアの中でも様々、双方向からの意見があることも事実なんですが、このオークション方式というものは、メリットが、先ほど大臣おっしゃったように、いい側面も当然あればデメリットも危惧をされているところがありまして、例えば海外のその事例を拝見しましたら、過度な高騰によって、例えばドイツの3Gオークションなんかは落札総額が五兆円を超えているとか、イギリスも似たような落札三・八兆円とか、非常に高騰している事例もあります。同時に、その周波数の集中ということも、例えばアメリカの4Gのオークションなんか見ましたら、全体の七割が集中をしてしまっていると。
ですから、その辺のバランスというものをしっかり見ながら、同時に、新しい血という表現されましたけれども、意欲のある事業者がそうしたチャンスを得られるような環境にするということで、オークションにするか今のままでするかという二択ではなくて、オークションの中でもいろんな形式があるということも、今世界の状況、ヒアリングしていますので、日本の形に合ったいい方式を導入できるように今しっかり検討会で議論を詰めていただいていると、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/214
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215・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 本当に丁寧な御答弁ありがとうございます。
電波オークションに対して前向きということでよろしいんですかね。電波オークションに対して前向きな感想を持っていらっしゃるということで、中西副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/215
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216・中西祐介
○副大臣(中西祐介君) オークションがありきということではなくて、日本にとっていい、適切な競争環境と提供環境が導入されるということが目的であろうというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/216
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217・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。もう本当に、済みません、通告もせずに、率直な御意見を聞けて有り難いなというふうに思っております。
これはやっぱり政治の大きな決断だろうというふうに思います。この導入に関して、様々な方からまたいろんな抵抗もあるだろうというふうに思いますし、また、導入することによって様々な弊害も生まれてくるということもあるというふうに思いますけれども、やっぱり誰かがこれを旗振りをして、決断をして、これをやるんだという強い意思を持ってやらない限り、やっぱりなかなかこの電波オークションできないなというふうに思っております。
だから、そういった意味では、金子大臣も中西副大臣も、よくこの価値が、電波オークションの価値をよく御理解していただいているというふうに思いますので、賢明な御判断を賜りましてこれ前に進めていただきたいということ、これを申し上げておきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
続いて、NHKについて、前田会長にもお越しいただいておりますけれども、お伺いしてまいりたいというふうに思います。
これ、イギリスとフランスで受信料制度を廃止するという話が、報道が立て続けに出てまいりましたけれども、この受信料制度の廃止という報道について、前田会長、それから総務大臣のそれぞれの感想を聞きたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/217
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218・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
放送と通信の融合が進む中で、各国の公共放送の財源の在り方につきまして様々な議論が行われているものと受け止めております。
BBCでは、限られた受信許可料を有効に活用するために、放送の波を削減し、インターネット発信を大幅に強化していく方針が示されました。そうした状況の中で、どのような受信料、受信許可料の在り方がふさわしいのか、議論が行われていると認識しております。また、フランスでも、マクロン大統領がこれまでの公共放送の負担金を廃止し、別の財源を確保することを公約に掲げております。
公共放送の財源の在り方につきましては、それぞれの国が歴史的経緯に応じて独自に決めるものと承知しております。イギリス、フランスの議論の今後の推移につきましても関心を持って見ております。
いずれにいたしましても、私は、放送と通信の融合時代にふさわしい我が国の受信料制度の在り方につきましては、視聴者・国民の皆様の御理解を得ることが大前提だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/218
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219・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 御紹介いただきましたイギリス、フランス、いずれについても、それぞれの国における課題を踏まえ、政府が公共放送の財源の在り方について検討を始めているということは承知をしております。
いずれにしましても、公共放送の財源の在り方については、公共放送の果たす役割やその具体的なサービスの内容など、それぞれの国の実情を踏まえて定めているものと承知をしております。フランス自体も、負担をなくすということで決定をしたといっても、じゃ、それを何で賄うのと、税金だよねということで、いろんな苦悩をされていると聞いておりますので、先ほど申し上げましたように、公共放送の財源の在り方をしっかりと検討するということが必要だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/219
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220・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
これ、公共放送の在り方というのも各国で問われているんですね。それはやっぱりテレビの在り方、メディアの在り方、放送と通信の融合という話をさっき会長されましたけれども、この大きな波が来ていまして、それに適応した公共放送の在り方というのを再構築していくということが各国で行われているのかなというふうに思います。
その中で、やっぱり日本の動きはまだまだ遅いというふうに言わざるを得ないというふうに思います。これまでも様々な指摘をさせていただきました。
今回、この法律案でも受信料の値下げといったことが問われているわけですけれども、その受信料値下げの原資を確保するために還元目的積立金制度を導入するということであります。このこと自体は私は評価をしたいというふうに思いますけれども、これ、積立ては事業収支差金がプラスでなければ行われないということから、今の状態でこれどこまで実効性が担保できるのかということに対して非常に心配をしているわけですけれども、この積立てが確実に行われるという状態にするためにどのような工夫をしていくのか、NHKにお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/220
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221・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
放送法の改正案では、還元目的積立金には、事業を効率的に運営して生じた黒字のうちで、財政安定のための繰越金の上限を超えた部分が言わば自動的に繰り入れられる仕組みとなっております。これは私どもがお願いした改正案であります。その積立金が一定額を超えたところで受信料を値下げするなどで還元を実施することになると承知しております。
現在の仕組みでは受信料を還元するというルールが元々ございませんので、どういうときにどういう状況になったら下げるのかというのも全く分かりませんし、その財源がどこにあるかということも明示されておりません。今回は、こういうことをある程度分かるようにということで、こういう改正案をお願いを申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/221
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222・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 でも、これ、会長の改革の一環ということの中で財源もしっかり明示されたということですので、これは評価したいというふうに思うんです。ただ、それが実効性をしっかりと持ってできるのかといったところを懸念しておるということです。
そういった意味では、次の質問なんですけれども、これ、どれくらいの金額になるのかというのは今さっぱり分からないんですね。ですから、これ会長となかなか分かり合えないところでもありますけれども、これ、やっぱりしっかりと目標を持って、目標数値をある程度公表して皆様にお伝えをすることが必要なんではないかというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/222
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223・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
先生も御案内のとおり、NHKの収支は、基本的には年度経営計画単位で収支相償が原則となっております。
それで、還元目的積立金は、決算におきまして事業収支差金の金額が生じたときに、総務省令で上限を規定される財政安定のための繰越金を超えた部分が積み立てられる仕組みとなっております。積立金の目標を立てるなどして、あらかじめ規模を想定して積み立てる性格ではございません。これは、先ほど申し上げましたように収支相償が原則でありますので、積立金を前提にして収支相償ってちょっと、結構難しい論理矛盾が起こりますので、そういう立て付けになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/223
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224・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 いや、ですから、今会長がおっしゃったように、収支相償ですよね。だとすると、積立金出ないんじゃないのというふうに普通思うわけです、積み立てられないんじゃないかというふうに思うわけですよ。だって、その分だけ使っちゃうわけでしょう。収入があって、その分だけ使っていくわけじゃないですか、収支相償だから。ということは、放漫経営もできますよ。別に積立てをせずに、その分がここの経費で必要だから使おうじゃないかって使えば、それ収支相償になりますから。そうですよね。ということなのではないかということを僕はお伺いしたいわけで、その中で積立てをするというふうに会長はおっしゃった。
じゃ、その積立てをどうやってやるのか。それは、ある程度のやっぱり目標を持たなければその収支相償と言われている中で積立てをすることは極めて難しいんではないかというふうに思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/224
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225・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 委員とここはちょっと意見が違うんですけれども、NHKの収入は受信料収入がほとんどでありまして、支出は予算の中で執行しております。ですから、普通に考えますと、収入が増えたときか支出が減ったときにしか剰余金は生じないわけですね。
ここは、私は、普通の民間の会社ですと、収益を上げて、それを配当に回すというのが企業の原則でありますが、NHKは配当する義務もありません。それから、税金も払っていないわけですから、ここは企業経営と同じように考えますと、収支相償の中で、その中で工夫をしてプラスにするという努力がある意味では民間でいう配当原資になるわけですね。それをあらかじめ織り込んでやるというのは非常に難しいということです。それは御理解いただけると思うんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/225
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226・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 そこはなかなかちょっと理解できないところなんですね。
だから、それは、これまでのNHKの経営が子会社の随意契約含め、やっぱり放漫経営だったということは言わざるを得ないというふうに思います。
また、債券の購入、これは本会議でも指摘させていただきましたけれども、毎年五百億円の債券を購入しているといったこともあります。であれば、この積立てよりもこれは債券の購入しておこうじゃないかというふうに当然なるのではないかというふうに思うんですね。その中で、どうやって積立てをするのかという中で、私は、一定程度これぐらいは目指すんだよということを会長が言った方がより会社が動いていくんじゃないかなというふうに思うわけですけど、ちょっと首を振っていらっしゃいますけれども、何かあればどうぞ、どうぞ、是非答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/226
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227・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
ちょっと私と意見が違うんですけれども、要するに、剰余金、余資を運用するというのは全然また別の話でございまして、運用は運用であります。これはもう収支と関係なしに、ある意味では中の、中でどうするというだけですから、バランス全体でどうこうなるわけではございません。だから、収支のところでもちょっと別の話ですので、それ一緒にしちゃいますとちょっと議論が混乱をすると私は思います。
それから、NHKの場合、収入に関して言うと、普通の企業ですと売上げですから企業努力すれば幾らでも増えるところはあるんですけれども、受信料以外の収入は基本的にはほとんどないわけですから、そこは受信料を一生懸命集めるという努力を、一応予算ではこれくらいと決めていますけれども、それ以上に一生懸命頑張ればプラスになるという、もうこれくらいしか余地はないわけですね。
ただ、予算の執行に関しては、ここは要するに、同じ予算の中でも要するに効率化すれば予算が浮くところもあります。その努力は今まで過去も私してきたと思いますけれども、今回スリム化する過程において徹底的に見直しましたので、そこは従来と同じような形で予算が余ったら使うというような、そういうような運用は全くしておりませんので、そこは御信頼いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/227
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228・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。いつもどおりちょっとかみ合わないんですけど、本当に丁寧に御答弁ありがとうございます。
ですので、結果をこれしっかり出していただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。これ、法案が通ります、通ったとして、この積立金ができるということ。この制度はできたけれども、結局受信料下がらなかったということは勘弁していただきたいということで、しっかりとこれ結果を出して還元をしていただきたいということ、これが要望ですので、是非お願い申し上げたいというふうに思います。
割増金制度についてもお伺いしたいんですけれども、この受信料の未収金が二百十一億円、二〇二一年度の中間決算時で二百十一億円という、非常に金額が高いですよね。その中で、回収不能見込額として百三十八億円が計上されているということであります。
この割増金制度なんですけれども、これをどうやってこの債権を回収していくのかということなんですけれども、一方で、会長は訪問による営業はしないということを明言されていらっしゃいます。この回収の方法についてはどのようにお考えでいらっしゃるのか、また訪問による回収ということではないんだということも明言していただければと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/228
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229・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
受信契約の締結におきましては、まず、NHKの価値や存在を理解していただいて、納得して契約していただくことが重要だと考えております。
まず、コンテンツは非常に重要だと思っております。命と暮らしを守る報道の強化、教育、教養コンテンツの充実、地域情報の発信、大型ドラマ等を含めた多様な番組の提供など、NHKならではの放送サービスにしっかり取り組んで、NHKの価値を実感していただく努力を積み重ねていく、これは非常に重要だと思っております。
その上で、インターネットや日本郵便の特別あて所配達郵便などを通じて視聴者の皆様との接点を広げ、公共放送の役割や受信料制度の意義を御理解いただく活動を強化しているところでございます。
加えまして、ケーブルテレビなどとの連携の強化やNHKの契約手続サイトの利便性の向上、既に契約をいただいている視聴者の方々とのつながりを深める視聴者リレーション活動の強化も進めております。
割増金の制度が導入されましても、納得して契約していただくことが基本だという考え方に変わりはなく、こうした取組によって事業運営に必要な受信料収入を確保していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/229
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230・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 だから、訪問による回収をすることはないということでよろしいんですよね。もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/230
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231・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
今御説明しましたような活動を積み重ねて、訪問によらない営業で少しでも納得していただいて契約を結んでいただく、その活動を強化していくことが重要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/231
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232・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。明確な御答弁だったと思います。ありがとうございます。
前田会長に、そうですね、NHKのお話で、やっぱり改革は大変ですね。文春の記事、先ほど僕読みました。読みましたけど、いろんなこと書いてあるなというふうに思いましたけど、これは私は改革が進んでいる一つの証拠ではないかというふうに勝手に受け止めさせていただいております。だから、応援しています。
私も、おとといぐらいですかね、文春オンラインの方に文春砲を撃たれまして、非常に何か、音喜多さんという人がいるんですけど、音喜多と柳ヶ瀬は仲が悪いみたいな、どうでもいいようなことが、あっ、こんな文春書くんだというようなことが文春砲に載っていて、それはあながち間違いではないので、それは多分正しい記事なのかなというふうには思っているんですけど。
多分、これは改革が進んでいて、いろんな人がいろんなことを言いたいということの一つのあかしなんだろうというふうに思います。ですので、会長には、まあ私の立場からすると、やっぱり改革が足りていないということ、これはずっと言い続けなければいけないというふうに思っていますのでこれからも言ってまいりますけれども、何とかこういったことに負けずにやり抜いていただきたいと、もう最後の御奉公ということでやっていらっしゃると思いますので、これを何とかやり抜いていただきたいというふうに思います。
あれですよね、大学時代には大分から東京までバイクで行ったこともあるということで、そのときに比べたらこの改革はもうたやすいんではないかなというふうに思いますので、是非やり遂げていただきたいというふうに思いますが、会長、改革にはいろんな課題があるというふうに思います。是非、これからも力強く改革を進めていくんだということで、一言いただければと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/232
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233・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 私はやっぱり未来のためにNHKを改革しようと思っておりまして、過去、これまでNHKが大きくなってくる過程で、いろいろ過去の栄光はたくさんあると思いますが、それを否定するものではございません。それから、そういう意味で、改革がどうしてもある層の方には痛みを伴うところはありますけれども、やはり未来のために改革をして持続可能にしておきませんと、日本全体で世帯数も減りますし、明らかにちっちゃくなっていくときに、今までのままのこの膨張スタイルで、私は長続きしないと思っています。そういう意味で、未来のために若い人が元気が出せる職場にしたいという、それがキーになっております。
過去を否定していないということでございますので、過去の方からいろいろ御注文あるんですけれども、否定しているわけではございません。御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/233
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234・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。是非この改革を断行していただきたいとお願い申し上げたいというふうに思います。
最後の項目として、4Gと5Gの転用の問題についてお伺いしたいと思います。
総務省が公表したデジタル田園都市国家インフラ整備計画では、二〇三〇年度末までに5Gの全国都道府県整備率九九%ということ、非常に意欲的な計画がまとめられているわけですけれども、この計画中に示されている5Gの整備率ですね、これは4Gの電波を5Gに転用したものを含む数字なのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/234
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235・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
本年三月二十九日に策定、公表いたしましたデジタル田園都市国家インフラ整備計画におきます5Gの人口カバー率の目標値につきましては、4Gで使用していた周波数を用いる5Gを含んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/235
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236・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 そうですね、ですから、これは4G電波の5Gへの転用は、エリアを急速に拡大すると、こういうことには貢献するんですけれども、本来の5Gの周波数を用いた通信と比較して、発揮できる性能が限定されるということになるというふうに思います。具体的には、低遅延や多数同時接続ということは変わらないというふうに思いますけれども、速度面では、5Gといいながら4Gとほとんど変わらないということになるのかなと思います。
5G転用を含むのであれば、今後はこの5G転用と5Gの周波数によるものということを区別してこれ表記するべきなんではないかというふうに思います。それぞれの目標をしっかりと示すべきではないかというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/236
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237・二宮清治
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。
5Gは超高速、超低遅延、多数同時接続の三つの特徴がございます。4Gで使用していた周波数帯を用いる5Gにつきましても、御指摘のとおり、5Gの特徴である超低遅延、多数同時接続を発揮することができる、まあ5Gでございますので、これを含めた目標を策定しているところでございます。
なお、諸外国におきましても、4Gで使用していた周波数帯を活用して5G整備が進められていると承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/237
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238・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
ですから、そうですね、これ、だから5G本来の周波数を用いることが基本で、5G転用は過渡期に用いるだけだということ、これをしっかりと明確にしていただきたいというふうに思いますけれども、中西副大臣の見解を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/238
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239・中西祐介
○副大臣(中西祐介君) 今局長の方から御答弁がありましたけれども、この特性が違うということを念頭に置いておかなきゃいけないんだというふうに思っています。
この4Gで使用していた周波数帯を用いる5Gというのは、今申し上げたように、超低遅延ということと多数同時接続のこの特性も発揮をするんですが、この4G帯を使うとなると、障害物を回り込んでちょっと遠くまで展開ができるとか、そういうこの特性自体がありますので、幅広いエリアをカバーできるという特性もありますので、この両方の特性をうまく使いながらしっかりと展開をしていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/239
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240・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。
まあこれ、5Gといっても、しっかり、実質的にこの高速大容量で同時接続といったものが、しっかりとその特性が生かせるような目標設定をしていただきたいということ、これを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/240
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241・伊藤岳
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
まず、放送法改正案について、法案は、受信料引下げのために還元目的積立金制度を創設します。経営計画の期間で蓄積された繰越金のうち、総務省令で定めるところの計算額を還元目的積立金として積み立て、次期経営計画の期間においてその積立金を事業収入に組み入れて受信料を引き下げるものです。
総務省令でNHKが財政安定の観点から留保できる剰余金の基準を定めるに当たり、可能な限り客観的なものとしてまいりたいと大臣は本会議で答弁されました。大臣、この可能な限り客観的なものとは具体的にどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/241
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242・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 伊藤委員にお答え申し上げます。
本法案につきましては、還元目的積立金の積立ての計算方法を総務省令で定める際、NHKの財政の安定のために留保することができる額の上限を具体的に定めることを考えております。
例えば、総務省の有識者検討会においても、公共放送の剰余金が年間収入の一定の割合を超える場合に積立てを行う諸外国の事例が紹介されておりますが、こうした事例を参考に具体的な検討を行ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/242
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243・伊藤岳
○伊藤岳君 可能な限り客観的なものといっても、つまり行政がNHKの収支差額について区別し、扱いを決めるということですよね。
総務省令による計算額を定める際に、パブリックコメントを行うなど、国民の皆様の御意見も丁寧に伺いながら検討とも大臣答弁されました。このパブリックコメントで一体何を聞くんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/243
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244・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
パブリックコメントでは、NHKが財政安定の観点から留保できる額の上限を含め、還元目的積立金として積み立てる額の計算方法を定める総務省令の案を作成、公表いたしまして、国民の皆様に御意見をお伺いすることを考えております。その上で、パブリックコメントに寄せられた国民の皆様からの御意見を丁寧に検討をし、総務省としての回答を公表した上で、必要な総務省令を定めてまいる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/244
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245・伊藤岳
○伊藤岳君 しかし、大臣、このNHKの財政安定とか計算額というのを国民がどこまで判断できますかと私は思います。国民の意見を伺うと言いますけれども、本来は、NHK自身がそもそも意見をよく聞いて、視聴者・国民がNHKに何を求めているかの判断に基づいてNHKが自主的に決めるものではないですか。
合理的な理由がある場合、剰余金を必ずしも受信料の引下げに充てる必要はなく、NHKに一定の裁量を認める柔軟な仕組みとしていると大臣答弁されました。この合理的な理由とはどのようなものを指すんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/245
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246・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 還元目的積立金の制度は、剰余金のうちNHKが財政の安定の観点とか必要な資金を留保した上で受信料の引下げの原資に充てるものでございます。
他方で、本制度においては、総務大臣の認可を受けて還元目的積立金を還元以外の目的のために取り崩すことや、合理的な理由を国会に提出することを前提に、積立金による還元を行わない収支予算を作成することが可能であるなど、NHKにとって状況の変化に柔軟に対応することが可能な仕組みとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/246
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247・伊藤岳
○伊藤岳君 全然具体的に聞こえてこないんですよ。合理的な理由といっても、つまり限定的だということはよく分かりました。
大臣、一定の裁量をNHKに認めると答弁されました。つまり、一定の裁量を除くNHKの裁量はないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/247
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248・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) 還元目的積立金の仕組みは、今大臣からも答弁申し上げましたとおり、大枠として、NHKが剰余金が生じた場合に一定額を留保して、まずそれでNHKの財政の安定が図られます。その余り、その以上のものについて受信料の引下げに充てるわけですけれども、でも、それについては、まずほかのことに使う必要があれば、それは取り崩すことを認可を受けてやることができます。それは、NHKにおいて何かやりたいと思えば、それ当然きちんとした使途があるということ前提ですけれども、また認可を受けてやることができます。それを基にして収支予算を作成する。つまり、受信料額を含む収支予算を作成する際にも、これを、積立金があるからその分を全部値下げに使いますということをしない場合であっても、それはNHKが収支予算作成の際に合理的な理由を説明すればそれが、そういうこともできるようになっています。
それは、もちろん大枠としては全て裁量があるわけではございませんが、そういう意味で一定の裁量と申し上げておりますが、柔軟な仕組みになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/248
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249・伊藤岳
○伊藤岳君 つまり、局長今丁寧に説明していただきましたけれども、NHKには一定の裁量しかなくなるということです。
大臣、そういうことですよね、今局長の話は。大臣の見解はどうですか。一定の裁量しかなくなるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/249
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250・吉田博史
○政府参考人(吉田博史君) この大枠、還元目的積立金という大枠自体は、その中での当然裁量でございます。当然、何かそれを別の用途に使う場合には、きちんとNHKとして説明責任が果たせるようなものでなければ当然ならないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/250
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251・伊藤岳
○伊藤岳君 大臣、答弁立たれませんけれども、つまり、局長の話幾ら聞いても、一定の裁量をNHKに認める、つまりそれ以外のことはNHKの裁量はないということ以外何物でもないと思いますよ。
前田会長に聞きます。
今お聞きのとおりですよ。総務省が、一定の裁量を除くNHKの裁量はないという話です。受信料を含めてNHK予算というのはNHKが自主的に判断をしてきました、これまで。NHKの裁量が制限されることになるんですよ。会長として、それでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/251
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252・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
今回の放送法改正によりまして、NHKが予算の策定において裁量を制限されることはないと考えております。
NHKの収支につきましては、経営計画単位での収支相償が原則でございまして、経営努力などによる黒字の合計が一定の水準に達した場合には視聴者に還元することが私は基本だと認識しております。
これまではどのような場合に値下げを行うかにつきましてルールが全くなくて、今回の法改正によりまして視聴者の皆様に還元するための仕組みが明確になると考えております。今回の制度は、NHKが自主的に経営努力を行い、その成果を視聴者に還元する方法として総務省に要望したものでございまして、規律ある経営を行うための仕組みとして活用していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/252
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253・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) 伊藤委員、先ほど私御説明申し上げましたが、総務大臣の認可は受けておりますが、還元目的積立金を還元以外の目的のために取り崩すこと、あるいは、合理的な理由を国会に提出することを前提に、積立金による還元を行わない収支予算を作成することが可能である等、NHKにとっては状況の変化に柔軟に対応することが可能な仕組みとなっております。
合理的な理由については、例えば積み立てられた還元目的積立金の額を受信料の引下げの原資に充てたとしても、その額が一契約当たり数円にしかならず、還元の効果が著しく低いものとなる場合が考えられますが、具体的にはNHKにおいて収支予算を作成する際に検討されることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/253
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254・伊藤岳
○伊藤岳君 大臣、私、そういう話は総務省で決めてほしくないという話だと思いますよ、私、NHKからすれば。まあ会長はどうも違う考えみたいだけれども。
じゃ、会長、もう一度聞きますけれども、これまでNHKの受信料というのは、また、受信料を含めたNHKの予算というのはNHKが自主的に判断してきたでしょう。これからは違うようになるでしょう。それは認めますよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/254
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255・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) そのようなことにはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/255
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256・伊藤岳
○伊藤岳君 何でならないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/256
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257・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 予算はあくまでNHKが作るのでありまして、総務省が作るものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/257
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258・伊藤岳
○伊藤岳君 NHKが作るといったって、総務省の裁量が入ってくるじゃないですか。そこは私、指摘しておきたいと思います、何遍聞いても同じ答えしか返ってこないんでしょうから。総務省が総務省令で計算額を決める、それに従った予算しか作れなくなるということですよ。会長、しっかりしてほしいと思います、ここは。
もう一つ、じゃ、聞きます。
還元目的積立金を事業収入に組み入れて受信料を引き下げるということになりますが、受信料が引き下がれば受信料収入が減るわけですよね、減った、引き下がった額の受信料収入しか入ってこないから。そうなると、事業規模を縮小せざるを得なくなるのではないですか。質の高いコンテンツの提供など、公共放送が果たすべき役割に影響が出るのではないですか。会長、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/258
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259・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) それと御指摘の点はちょっと全然関係ないと思っております。クオリティーを下げるか下げないかということと還元するというのは別の問題でありますので、それとその御指摘の部分が連関しているとは思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/259
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260・伊藤岳
○伊藤岳君 受信料が引き下がって受信料収入が少なくなったら、事業縮小しなきゃいけないというふうになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/260
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261・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 受信料の水準が下がるということは、もちろんベースの収入が減るわけですから、それに合わせて経営をすればいいと私は考えております。ですから、それは、どんどん受信料収入が増えて膨張し続ければいいということではないと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/261
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262・伊藤岳
○伊藤岳君 今、会長が言われたとおりですよ。それに合わせて経営すればいいとなっちゃうんですよ。
今、国民のNHKへの信頼はどうでしょうか。NHK自身が実施した放送に関する調査、これ二〇一九年の調査を私拝見しました。正確、公平公正な情報で貢献することを示す公共的価値は、実現しているが一六・九、期待しているが四八・一。実現しているという数値が極めて低いんです。
公共放送の要ともいうべき正確、公平公正がこのような低い数値であるというのは、ジャーナリズムとしての機能不全が起こっているということの以外何物でもないと思います。当委員会でも繰り返し指摘してきたかんぽ不正販売問題を報じた「クローズアップ現代」の二回目の放送番組を取りやめたことは、国民のNHKに対する信頼を更に失墜させたと私は思います。
その上、経営効率化。質の高いコンテンツが提供できなくなれば、公共放送NHKとして果たすべき役割に重大な影響を及ぼす決定的な事態に陥ることになるのではないかと私は思います。
ところで、前田会長、経営計画の中に新しいNHKを盛り込んで、スリムで強靱な経営体質を位置付けられました。事業規模の一部に当たる七百億円の削減が会長によって宣言されました。
文芸春秋六月号に「紅白打ち切りも 前田会長よ、NHKを壊すな」と題する職員有志一同の寄稿記事が掲載されています。この中で、コストカットの影響を受けているのが災害報道ですと告発があります。公共放送の要ともいうべき災害報道がコストカット、事実なのかと私不安に駆られました。記事では、全国各地に配備していた十二機のヘリコプターを、維持費が高過ぎるとヘリコプターの経費を問題視して、既に松山放送局で打切りを決めていますとあります。
NHK、全国各地に配備されているヘリコプターは現在何機配備されているのか、減らされているとすればなぜ減らされたのか、関連して、ヘリコプターの関連経費というのは削減されているんですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/262
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263・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
御質問の内容、月刊誌に掲載された記事と思いますが、既に会長会見でも申し上げましたが、かなりの部分が事実無根でございます。
松山放送局には、災害報道用のヘリコプターは当初から配置しておりません。そういうことで、事実ではございません。
私は、命と暮らしを守る報道の強化を一度も軽視したことはございません。災害日本で要するにどうすれば迅速に報道できるかということで、このヘリコプターにつきましても、予算を見ながら、どういう形が一番合理的かというのを詳細に検討いたしました。
自分のところだけでできるのと、あと、例えばいろんな公共機関がヘリを持っています。連携できないか、民間と連携できないか、そういうのを含めて検討しております。NHK自体でも、ヘリの航続距離がそれぞれ違います、機種によって違いますし、どこの拠点でいつ災害が起こるか分からないわけですから、一番いい状態で離陸できて、どこまで行けるかというのを全部シミュレーションした上で、今最適の配備になるように見直しをしました。
これは、非常に、ヘリ、常時飛ばせるということは非常にコストも掛かります。ちょっと具体的に今数字持っていませんけれども、コストは掛かりますが、それを少なくするのが目的ではありません。そういうことで見直しをいたしました。それが事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/263
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264・伊藤岳
○伊藤岳君 ヘリが減っているのかどうかというのは明確に答えられませんでしたけれども、見直すということですから、私、災害報道、非常に危なくなると思います。私、会長、文芸春秋に書いていることが全部正しいと思って私いませんよ、私も。不安になったから聞いているんです。だから、別にいきり立たないで、丁寧に答えていただきたいと思います。
災害報道というのは、公共放送の重要な使命であると思います。災害報道に係る経費の削減などについて、見直しなどについては、私、NHK予算審議の際に担当者からも説明されませんでしたよ。また、そういう見直し、今会長言ったような見直しの項目になっているということも聞きませんでした。
そこで、提案なんですけれども、災害報道に関わる予算について、その内訳とか考え方などについて、NHK収支予算の国会審議に当たって、特に分かるように我々委員にも国民にも示すべきではないかと思います。経費区分など工夫も必要となるかもしれませんが、検討課題としていくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/264
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265・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 分離会計にするのってちょっと非常に手間が掛かって複雑になりますので、国会審議の過程で分かるような説明をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/265
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266・伊藤岳
○伊藤岳君 是非検討を進めていただきたいと思います。
さらに、記事では、職員採用における放送、記者やディレクター、技術、管理の職種別採用の廃止で一括採用となったことの現場への影響を示して、番組制作は高い専門性と高度なスキルが求められ、私たち職員は専門知識を生かし、お金と時間を掛けて、テーマを深く掘り下げて番組制作をしてきた、それこそが民放にはまねできないNHKの存在価値だという自負がありましたとの声が紹介されています。
会長、この声、どのように受け止めていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/266
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267・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 雑誌の御指摘の部分、職員有志一同ということで実名のない匿名記事でございますので、ここはちょっと何ともお答えのしようがございません。
ただ、御指摘のこの番組制作に関してこういうお話がありますが、ここの部分については、私はその部分はそうだと思います。別に全く否定はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/267
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268・伊藤岳
○伊藤岳君 職員一同ということで事実かどうか分からないという話がありましたけれども、NHKの理事会の議事録見ておりましたら、二〇二一年十一月の理事会において、林理事が、スリムで強靱なNHKの会長特命プロジェクトに対して職員の不安や当惑の声がかねてからありますと、かねてからありますと報告をされています。
ですから、会長、当然職員の中に不安や当惑の声があることは知っているわけですよね。雑誌の職員一同が事実かどうかは別として、職員の中に声があることは承知しているはずだと思います。だったら、私は、職員の不安や当惑の声をむしろ率先して会長が聞くことが大事だと思います。そうしないと、理事会の報告事項は軽いものとなってしまうんじゃないでしょうか。
職種別の採用の廃止、一括採用、これは本当にNHKが良質なコンテンツを作成していくというNHKの使命に関わる大問題だと思いますが、今後どのように対応していくおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/268
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269・前田晃伸
○参考人(前田晃伸君) 御指摘の理事会での議論は私ももちろん承知しておりまして、これは、当時、人事担当の役員が当然改革をやっている過程で職員の方の御意見も幅広く聞いておりましたので、私も十分承知の上で理事会で議論をしたわけでございます。私は、そのときに、議事録にも書いてありますとおり、もちろん職員の声を理解した上で、ただ、NHKの改革は今やらないと、十年たってから改革をしたんでは間に合わないと思いました、このタイミングでやらないと二度とタイミングが来ないと思っておりますと私は答えました。
いろんな分野で抜本的な改革をやる過程でもちろん不満があるのは当然分かりますが、その不満を持たれる方々に対しては、私は、先ほどもお答えしましたが、年間で約二十回、延べ人数にして一万人の職員の方々、それから組合の方々とも直接対話をずっとしました。今までNHKの経営でそのようなことをやったことは一度もないと思います。十分私は意見聞いたと思います。
私は、そこら辺を理解した上で改革をする必要があると思います。この改革を乗り切らないと、世帯数が減ってきて日本全体がシュリンクする中でNHKだけ生き残るという、そういうことではないと私は思っております。そういう経営努力が必要だと私は確信しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/269
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270・伊藤岳
○伊藤岳君 会長、職員の声聞いてきたともう自負をされているのであれば、特に私は思うのは、NHKというのは、民間企業のように経済合理性を求めるだけでなくて、社会の公器として国民の知る権利に応えなきゃならないと思うんですよ。そのためには、災害報道とか国会中継とか、最近国会中継も少なくなりましたけれども、採算度外視で取り組むべき仕事があると思いますよ。ですから、改革、改革と言うんだけれども、やっぱり公共放送としての役割、これは是非しっかりと多くの声を受け止めて実施していただきたいと思います。
次に、法案は、受信料を締結しない者に対する割増金制度を創設する、鉄道の不正乗車、きせるに相当する二倍程度の割増しが想定されています。
NHKにお聞きします。
本会議で、昨日、大臣が、割増金制度をもって一方的に支払を求めるのではなく、引き続き丁寧な説明に努めていただく必要があるという点について変わるものではないと答弁されました。NHKも同じ見解でいいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/270
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271・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
割増金の具体的な運用方法につきましては、会計や法律の専門家で構成しています、会長の諮問機関でもあるNHK受信料制度等検討委員会の知見も得ながら今後検討を進めてまいります。
割増金の運用に当たりましては、総務省の有識者会議におきましても慎重な対応をすべきと指摘されているところでありまして、NHKとしては、視聴者の皆様への丁寧な説明に基づいて適切に運用してまいりたいと考えております。
受信契約の締結におきましては、NHKの価値ですとか存在を理解していただいて納得して契約していただくことを基本としていまして、割増金が導入されたとしても、この方針に変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/271
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272・伊藤岳
○伊藤岳君 割増金制度はどのような場合の適用を想定しているんでしょうか。あくまで例外的に適用する考え方でよいのか。昨日の本会議の答弁の中では、病気等、正当な理由のない場合などを挙げられていましたけれども、例えば受信料を支払いたくないという方には割増し制度、これ適用するんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/272
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273・正籬聡
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
今、先ほどもお話ししましたとおり、受信契約の締結におきましても、NHKの価値とかコンテンツの価値とか存在を理解していただいて、納得して契約していただくことを基本としております。
割増金が導入されたとしても、この方針に変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/273
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274・伊藤岳
○伊藤岳君 つまり、支払いたくないと言っている方にも理解を求めていくと、一方的にはしないということの答弁だと受け取りました。
こういう方々に対する対応こそ、私、NHKが問われていると思うんですよ。受信料制度は視聴者・国民の理解と納得によって支えられるものでありますし、視聴者・国民に対して公共放送の意義、受信料制度の意義を丁寧に説明し、理解と納得を得られるようにすることが重要だと思います。
私、当委員会でNHKの受信契約、受信料の収納に当たる地域スタッフの方々の声を紹介しましたけれども、その中で、地域スタッフの方は、私たちは、国民の中にNHKへの不信がある中で、公共放送の意義、受信料制度の意義などを語って受信契約をつないできた、私たちの存在がなければ間違いなく受信契約も収納率も下がると言われていました。
既に、NHKは地域スタッフを廃止するとしていますが、受信料納入業務の外部委託ではなくて、NHK自身がこうした専門スタッフを内製化して育てるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/274
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275・正籬聡
○参考人(正籬聡君) 今御指摘のとおり、NHKの契約を結ぶということに当たりましては、NHKのコンテンツの価値、それを、存在価値を認めていただく、そういったことを消費者リレーション、先ほどの審議でもお伝えしましたけれども、コンテンツを使ったり、そのコンテンツの価値、命と暮らしを守るための様々な、防災教室とかそういうこともやっていますけれども、そういった視聴者リレーションも通して理解を深めていく、そして納得してお支払いしていただく、そのことを繰り返していくことが重要かというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/275
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276・伊藤岳
○伊藤岳君 是非そういう対応を強めていただきたいと思います。
最後に、電波法改正案について。
法案は、電波監理審議会が電波の利用状況調査の評価を行うために技術開発の知見を有する委員によって構成された部会を設置するなど、機能が強化をされます。
私は、本会議で、電波監理審議会委員と企業のつながりについて大臣に質問しました。大臣は、電波監理審議会委員は、電波法において、放送事業者、認定放送持ち株会社、電気通信事業者、無線設備機器製造者、販売業者などや、その役員は、本審議会委員となることができないとされている、設置する部会の人選についても、こうした法の規定を踏まえてと答弁されましたが、実は私が聞きたかったのはそこではないんです。
大臣にお聞きします。電波監理審議会委員に大学の識者などを選考したとしても、産官学協同のコンソーシアムに加わっていれば、ほとんどの場合、その学者さんと企業のつながりがあるということになります。こうした場合も電波監理審議会委員になり得るんでしょうか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/276
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277・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
本審議会の委員は、先ほど御紹介いただきましたように、電波法におきまして、放送事業者、認定放送持ち株会社、電気通信事業者、無線設備の機器の製造業者、販売業者などや、その役員は、本審議会の委員となることができないこととされております。産学官協同のコンソーシアムに参加する学識経験者や研究者については、これのみをもって電波法上の欠格事由に該当するものではございません。
いずれにしましても、今後の委員の人選については、本法案をお認めいただいた場合には、中立性、公平性に懸念を抱かれないよう適切に行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/277
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278・伊藤岳
○伊藤岳君 つまり、排除をされないと、現時点では、ということですから、今後の検討が私求められていると思います。
大臣は昨日の答弁で、電波監理審議会の機能を強化し、主体的に電波の利用状況を評価、提言できる仕組みを導入するなど、更なる透明性、客観性を確保するとも答弁されました。
この更なる透明性、客観性の確保とは具体的にどんなことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/278
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279・平木大作
○委員長(平木大作君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/279
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280・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
本法案では、電波の有効利用の程度の評価を第三者機関である電波監理審議会が新たに行うこととしており、さらに、評価のプロセスの透明性を確保するため、本審議会において事前に評価基準を含めた方針を定め、公表することとしております。
こうした枠組みにより、電波の有効利用の評価について、更なる透明性、客観性が確保されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/280
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281・伊藤岳
○伊藤岳君 時間ですので、終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/281
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282・平木大作
○委員長(平木大作君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、清水貴之君が委員を辞任され、その補欠として梅村みずほさんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/282
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283・平木大作
○委員長(平木大作君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/283
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284・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました電波法及び放送法の一部を改正する法律案に関し、反対の立場から討論を行います。
反対の第一の理由は、電波の割当てに関して何らの改革姿勢も見られないことです。
来るべき新たな社会、ソサエティー五・〇において、電波はますます重要で希少となります。その割当てを最適化する必要があることは疑いようがありません。しかしながら、政府は、これまでと同様の比較審査方式を踏襲し、省内に規制と振興が共存した状態で民間の電波使用を管理しようとしています。
古来、政府が経済を管理しようとしてうまくいった試しがありません。需要と供給の原則が電波に及ばないままでは、ソサエティー五・〇はおろか、再び大きな経済成長を果たすこともおぼつかなくなります。速やかに電波オークション制度を導入し、二次取引を認めるなど、事業者の新規参入と退出がしやすい環境整備をすべきであります。
反対の第二の理由は、NHK改革に実質が伴っていないことであります。
NHKは、今後、受信料引下げの原資となる還元目的積立金を積み立てることとなりますが、積立てがされるのは決算がプラスになった場合のみとなっています。保有する莫大な資産はそのままに、僅かの黒字、若しくはあえて赤字にすることで積立てを十分に行えないことも可能となっています。
また、受信料を支払っている者と未払の者の間の不公平を是正することも急務ですが、これまで受信料未払に対する割増金の請求が行われた例はなく、訪問による営業が廃止される中でどこまで割増金を徴収できるかが不透明であり、債権回収に対する戦略がありません。
日本維新の会は、衆議院にいわゆるNHKの一部分割民営化法案を提出していますが、放送業界全体を考えてNHK自身が公共放送としての立ち位置を自省し、スリム化すべきであります。
放送と通信の大融合時代に合わせた電波放送制度への移行を促進し、我が国の持てる技術力を最大限に活用してその後のソサエティー五・〇社会を世界に先駆けて実現することこそが、我が国の低迷する経済を強力に牽引する成長戦略の大きなチャンスとなります。そのためにも、総務省が既存権益を守る従来の発想ではなく、新規事業者の参入を促し、事業者間の技術力、事業力の競争を促進させていくことにより、もって国民生活に資することを強く求めて、私の反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/284
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285・伊藤岳
○伊藤岳君 私は、日本共産党を代表して、電波法及び放送法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
まず、放送法についてです。
第一に、還元目的積立金制度の創設です。
経営計画の期間中に生じた繰越金のうち、総務省令に基づき計算した金額を除いて受信料引下げの原資とするものです。NHKの予算編成に行政、政権の介入を招きかねず、NHKの自主・自律性を脅かすものであり、反対です。また、受信料値下げのための予算編成が迫られれば、質の高いコンテンツ作成への影響は避けられません。
第二に、受信契約の締結に応じない者を対象にした割増金制度の導入です。
受信料の支払率の向上は、視聴者に対して公共放送の意義を丁寧に説明し、理解と合意を得られる努力を貫いて取り組んでいくべきです。割増金制度の創設は、公共放送としての在り方に重大な支障を与えるものとなります。
第三に、新たに中間持ち株会社を設立して、NHKの子会社、関連会社などの業務の効率化、コストカットを進めることです。業務の効率化、コストカットありきで支配するやり方は、行うべきではありません。
続いて、電波法についてです。
新たに外部の執行機関に対して電波利用料を使った補助金を交付し、それによって企業の技術開発の支援を行う仕組みを創設するものです。
電波利用料は、電波利用の免許を受けた者から徴収する共益費としての性格を有し、国民が広く電波を利用しやすくするための施策に使われるべきです。この補助金によって支援を受けるのはビヨンド5Gの技術開発を行う企業であり、国際競争力の強化を視野に入れたものです。電波利用料の性格を超えたもので、こうした使途の拡大には反対です。
なお、電波監理審議会の機能を強化し、進展が著しい技術開発の知見を有する委員で構成される新たな部会を設置するとしていますが、電波の再割当てに当たり企業とのつながりが排除されなければ、公平中立な判断に懸念が生じることになります。
最後に、放送法改正案、電波法改正案は、いずれも重大な内容を持つ全く性格の異なる法案であり、それぞれの改正案として本来国会に提出し、十分な審議を保障すべきであることを述べて、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/285
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286・平木大作
○委員長(平木大作君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/286
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287・平木大作
○委員長(平木大作君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、木戸口君から発言を求められておりますので、これを許します。木戸口英司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/287
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288・木戸口英司
○木戸口英司君 私は、ただいま可決されました電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び日本放送協会は、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
一、政府は、総務大臣に代わり新たに電波の有効利用評価を行うこととなる電波監理審議会については、同審議会委員に技術的知見を有する委員を多く任命するなど、実効性ある機能強化を図ること。
二、政府は、携帯電話等の周波数の再割当てに際しては、電波の公平かつ能率的な利用を確保するとともに、現在周波数の割当てを受けている事業者の移動通信システムの利用者に係る不利益も十分に考慮すること。
三、政府は、今後の電波利用料の見直しに際しては、電波の利用状況等の環境の変化に応じ、負担の公平等に留意して、予算規模及び料額を決定すること。なお、当該決定に当たっては、議論の透明性を確保すること。また、電波利用料の使途については、制度の趣旨に鑑み、電波利用料負担者の理解を十分得られるよう、更なる適正化を図ること。
四、政府は、電波利用料の料額の改定については、免許人等が負担の水準を予見できるよう、三年ごとに検討することを原則とし、安易な電波利用料額の引上げは慎むこと。検討結果に基づいて所要の措置を講ずる場合においても、料額が急激に増加することのないよう留意すること。
五、政府は、電波利用料の歳入と歳出の累積差額については、電波利用料の共益費用としての性格や特定財源としての位置付けを踏まえ、必要性や緊急性の高い電波利用料共益事務への積極的な活用を図ること。
六、政府は、情報通信分野の外資規制については、経済安全保障の観点からも重要であることに鑑み、外資規制の実効性が担保されるよう、審査手続及び審査体制を整備すること。
七、政府は、無線局の免許、放送事業者の認定等の業務の遂行に際しては、いやしくも行政がゆがめられたとの疑いを持たれないよう、公平・公正を旨とすること。
八、政府は、協会の事業収支差金のうち財政安定のために留保する金額の上限設定に際して、協会の財政安定と視聴者への還元を慎重に考慮し、明確かつ適正な水準を設定すること。
また、協会は、受信契約の締結に応じない者を対象とする割増金制度について、まず受信契約についての理解を得るため最大限努力し、真にやむを得ない場合にのみ割増金の徴収を行うこと。
九、協会は、中間持株会社の設置と並行して子会社の再編を進める際には、関係する職員の雇用等に留意すること。
十、政府は、電波・放送行政の公正性及び中立性を確保するため、電波・放送行政の運営について不断の見直しを行うこと。
十一、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/288
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289・平木大作
○委員長(平木大作君) ただいま木戸口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/289
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290・平木大作
○委員長(平木大作君) 多数と認めます。よって、木戸口君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、金子総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子総務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/290
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291・金子恭之
○国務大臣(金子恭之君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/291
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292・平木大作
○委員長(平木大作君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/292
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293・平木大作
○委員長(平木大作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814601X01020220602/293
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