1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年四月五日(火曜日)
午前十時二分開会
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委員の異動
四月一日
辞任 補欠選任
下野 六太君 浜田 昌良君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
磯崎 仁彦君
古賀友一郎君
高野光二郎君
山田 太郎君
山谷えり子君
石川 大我君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
市田 忠義君
田村 智子君
国務大臣
国務大臣 末松 信介君
国務大臣 松野 博一君
国務大臣 二之湯 智君
副大臣
内閣府副大臣 大野敬太郎君
財務副大臣 大家 敏志君
政府特別補佐人
人事院総裁 川本 裕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房内閣参
事官 渋谷闘志彦君
内閣官房内閣人
事局人事政策統
括官 堀江 宏之君
人事院事務総局
総括審議官 池本 武広君
人事院事務総局
職員福祉局長 柴崎 澄哉君
人事院事務総局
人材局長 西 浩明君
人事院事務総局
給与局長 佐々木雅之君
内閣府科学技術
・イノベーショ
ン推進事務局統
括官 米田 健三君
デジタル庁審議
官 菅原 希君
総務省大臣官房
政策立案総括審
議官 阪本 克彦君
総務省大臣官房
審議官 阿部 知明君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児
休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働
者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を
改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、下野六太君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/1
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002・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/2
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003・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に浜田昌良君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/3
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004・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官渋谷闘志彦君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/4
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005・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/5
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006・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/6
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007・有村治子
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子です。
質問の機会を賜りましたこと、また、二之湯大臣、川本人事院総裁始め、答弁の御準備をいただきました政府の皆様に感謝を申し上げます。二十分間という限られた時間でできるだけ多くの往来をしたいと思いますので、御答弁は簡潔に本質をお伝えいただけますれば大変有り難く存じます。御協力を仰ぎます。
現在の公務員人事制度が、国家国民に仕える矜持を持ち、高い能力と倫理観を持つ優秀な人材をしっかりと魅了できているのかどうかという問題意識の下、毎年恒例の給与水準などを審議する視点にとどまらない構造的な問題を今日は論じたいと思います。
そこで、早速、内閣人事局にお伺いします。
近年、国家公務員を志願する人が減っています。また、現在の国家公務員においても、特に二十代、三十代の若い層で自己都合で退職する人が増加をしています。なぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/7
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008・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) お答えします。
御指摘のとおり、近年、国家公務員の志望者数の減少あるいは若手職員の早期離職傾向が見られておりまして、我々としても危機感を持っております。
離職の原因には様々なものがありますので一概には申し上げられませんが、令和元年度に私ども、職員アンケート、四万五千人を対象とした職員アンケートを行っております。そこで出ております若手職員の離職意向を持つ理由としては、もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたい、あるいは長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい、そういった理由が挙げられているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/8
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009・有村治子
○有村治子君 さてさて、働き方改革だけでその兆候を変更できるのかどうか。
内閣人事局に改めて伺います。
倫理観や責任感を持ち、本当に能力が高い人たちがかつてのようには国家公務員を志さず、また公務員になった若い職員、人材が大量に退職をするような事態が続けば、私たち国家国民にどのような影響が出てくるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/9
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010・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 我が国の社会経済情勢あるいは行政を取り巻く環境が刻々と変化する中で、政府には複雑高度化する行政課題を的確に処理するという重要な役割があるというふうに認識しております。
仮に、現在のような志望者数の減少傾向あるいは自己都合退職者数の増加傾向が継続し、人材の質の確保が困難になった場合には、公務組織全体の能力が低下し、政府が担うべき役割を果たすことが困難になるという危機感を持っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/10
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011・有村治子
○有村治子君 政府当局としても危機感をお持ちだと思いますけれども、私たち国民にとっても、しっかりとした国家公務員制度が機能していただくことは大変重要な関心事項でございます。
そこで、科学技術担当の大野副大臣に伺いたいと存じます。
資料の三を御覧になってください。
この二十年間で、先進国各国は博士号取得者を増やしており、中国も猛追をしており、絶対数においては米国と中国が圧倒的な博士人材の数を誇っています。その一方で、日本だけ博士号取得者を減らしているような状況でございます。
なぜか。日本社会においては、博士号取得者が不当に低い評価を受けているという社会に問題があるのか、それとも低い評価しか受けられない博士号しか輩出できない日本の大学側に問題があるのか、はたまた社会と大学その両方に問題があるのでしょうか。冷静な分析をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/11
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012・大野敬太郎
○副大臣(大野敬太郎君) ありがとうございます。
今委員御指摘をいただきました博士号取得者の減少というのは極めて残念な結果でありまして、これ、しっかりと政府としてもこの問題に正面に向き合っていかないといけない、そのような認識をしてございます。
その上で、今委員御指摘いただいた、なぜかという話でありますけれども、これは様々な理由が考えられるんだと思いますけれども、研究機関あるいはその大学あるいは社会、このど真ん中のところで分析をいたしますと、やはり大学の中で学生がいるときに、その経済的な負担に耐えられない、あるいは基本的に卒業した後にこのアカデミアで若手の安定的なポストがやっぱりかなり少ないと。あるいは、広く一般に、もっと社会へ出たときに、企業、あるいは公務員であってもそうだと思いますけれども、いわゆるキャリアパスというのが限られている。これは、主に三点を指摘をよくされます。
御指摘いただきましたように、大学に問題があるのか、あるいは社会に問題があるのかということでありますけれども、両方にあるんだと我々は認識をしておりまして、例えば、非常に低い評価しかいただけないという話もよく聞きます。しかしながら、一方で、社会が大学側に求める人材というのを確実に伝え切れているのか、もし伝え切れているのであれば、大学はそれなりにそのキャリアパスを育成するような教育を提供するということになるんだと思いますので、それは様々な方法でこの博士号取得者というのを増やしていかなくちゃいけない、そういうように思っております。
例えば、今、博士号取得者、大学発ベンチャーの企業では従業員の二〇%を占めていると言われておりますけれども、一般企業であれば四%、実は欧米ではもっと多いということになっておりますので、まあこれ以上差し控えますけれども、いずれにせよ、様々な取組を今後していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/12
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013・有村治子
○有村治子君 大野副大臣、ありがとうございます。今御指摘されたように、両方に問題があるということをおっしゃっていただきました。
日本の科学技術力も国家公務員のキャリアとしての魅力度も、残念ながらかつてほどの勢いはありません。
そこで、引き続きお伺いをしますけれども、今、大野副大臣が御指摘されたような凋落傾向というのは、今までにも心ある研究者、官僚からも大野副大臣のように的確な指摘がなされてきました。なのに、なぜいまだこれらの凋落傾向に歯止めが掛かっていないのでしょうか。私たちは、本来どのような構造的な問題に向き合わねばならないとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/13
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014・米田健三
○政府参考人(米田健三君) お答え申し上げます。
我が国の研究水準の状況につきましては、相対的な地位の低下というのが危機感を持っているところでございます。その背景としては、例えば、研究者の研究時間の減少、また若手研究者が腰を据えて研究できる環境が十分でないこと、そしてそのキャリアパスが先ほども申し上げたように限られていることなどがあると考えてございます。
このうち、若手研究者支援や多様なキャリアパスの確立につきましては、博士課程学生の経済的支援の抜本的な拡充などに取り組んでいるところでございますが、優秀で志ある若者が希望を持って博士課程に進学するために、産官学の様々な分野で活躍できるような環境の整備に今後更に力を入れていかなければいけないと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/14
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015・有村治子
○有村治子君 相対的な地位の低下に危機感を持っておられる政府としても、今回の十兆円ファンドなど、博士課程の生活をしっかりと支えていくという岸田政権での覚悟を明確にされたことは高く評価したいというふうに思っております。
ただ、在職中のPhD在籍者の支援だけで本当に十分なのかどうかという観点では、今御指摘のような危機感や価値観が、皆が尊重する人事制度に織り込まなければ、単なる理念主義とかあるいは提言で終わってしまうのではないかということを懸念をしております。
私は、当然日本の未来を強く信じている者ですが、同時にこの二つの凋落にただならぬ危機感を持っています。この半年間、私なりに探求をする中で、実は日本は博士号取得者への敬意に乏しい国なのではないかとの問題意識を持って、三つの側面の懸念を持ち始めています。
資料の四を御覧ください。
私が持っている懸念ということの一つ目は、大学教授など教育研究職、アカデミアを除いて、日本では博士という最高学位を持ち産業界や行政で活躍している実像がそもそも少ない、ロールモデルが見えにくい社会であります。そもそも博士号取得者に対する社会の関心が薄く、本来向けられるはずの社会的敬意や処遇がほかの先進国と比して乏しいのではないかという懸念です。
二つ目の懸念としては、日本には最高学位であるはずの博士号取得者に対する明確かつ揺るぎない国家的ビジョン、国家戦略が見当たらないのではないかという懸念です。
先ほど米田統括官がおっしゃっていただいた十兆円ファンドは本当に有り難いと思っていますが、じゃ、その方々をどのように文字どおり国や社会を引っ張る頼もしいリーダーとして評価して、三つ目の懸念でございますが、その専門的知見に基づく貢献を社会の発展や公益にいかにつなげるかという戦略的価値観が、人事制度、とりわけ国家公務員の人事制度にリンクしていないのではないかという懸念を持っております。
以下、具体的に質問をしたいと思います。
人事院に伺います。国家公務員において博士号取得者というのはどのくらい存在しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/15
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016・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
令和三年の国家公務員給与等実態調査によりますと、一般職給与法適用職員において最終学歴が博士課程修了の者は千五百七十一人であり、全職員二十五万三千人のうち〇・六%となっております。職種の状況を見ますと、研究職や医師で博士課程修了者の割合が比較的高く、一般の行政職では低い状況となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/16
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017・有村治子
○有村治子君 今お答えになったように、研究職とか医師ということで博士号は持っているけれども、一般の行政官としては博士号は少ないという御指摘がありました。二十五万三千人の国家公務員の中での〇・六%、千五百七十一人とお答えいただきました。
ちなみに、その内訳として、どの省庁に博士が何人ずつぐらいいらっしゃるのか、省庁別に博士号取得者の在籍人数を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/17
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018・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 内閣人事局と内閣府及び文部科学省で令和二年に実施した調査では、内閣府及び各省の全てにおいて博士号取得者が在籍していると回答があったところでございます。令和元年におきましては、多いところでは四十名程度、少ないところでは数名を採用したと聞いております。
なお、この調査は、本府省や研究所等のみを対象としているほか、各省庁の人事課が把握している限りで回答をいただいているものでありますので、現時点ではこれ以上の数値を申し上げることは控えさせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/18
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019・有村治子
○有村治子君 事前の勉強会で、各省庁にそれぞれ博士が何人在籍しておられるのか正確な情報をいただきたいと依頼を掛けても、明確な回答はできませんということでございました。今の御答弁もそのようなことでございました。任意のアンケートでしかこの博士号在籍者を把握しておられないと。公表を前提としたアンケートではないので、結果は私たち国民に報告できないということでございます。それが的確なのかどうか。
人は測られる物差しによってその能力を伸ばす、ピープル・ビカム・ホワット・ユー・メジャーと言われますが、博士号を持っているかどうかは人事政策上評価するべき物差しの指標になっていない現状が浮かび上がってまいります。
もちろん、修士、博士という属性ではなくて、職責に見合った能力を発揮できるかどうかを評価していますという、そちら側の、人事当局の建前、大義名分はあるものの、実際にはほとんどの国家公務員職員が便宜上Aランクに評定をされる年功序列の価値観が強固に粘着をしている人事制度であることは、毎年の国会審議においても何度も指摘されたことです。
だからこそ、国家公務員担当大臣の二之湯大臣にお伺いします。
今おっしゃったように、博士号がどの省庁に何人いるかというのは機微に触れる個人情報を含んでいません。博士号取得者の省庁別内訳すら公表できない、こういうことでは各省庁の幹部にさえ問題意識が共有をされません。論理的に仕事を進めて説得力あるコミュニケーションが取れる博士人材を積極登用できる日本社会そのものになっていくためにも、今後は意識して博士の採用、在籍状況を把握していただきたい。
各省庁と調整を進めて今後の博士号取得者の実態は公表すべきだと考えますが、大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/19
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020・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 先ほど堀江統括官が申し上げましたように、現在把握している情報は、結果を公表しないことを前提にするなど、一定の制約の下で調査して、厳密なものでないため、公表は差し控えていると思います。
しかしながら、各省庁における博士号取得者の実態を把握すべきという有村委員の御指摘は大変重要と考えておりますので、今後の調査方法や適切な範囲での公表の在り方について各省庁と検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/20
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021・有村治子
○有村治子君 大臣、前向きな御発言をいただいてありがとうございます。文字どおり前向きな御検討をいただいて、結果を出していただけるように心から願っております。
そこで、川本人事院総裁に伺いたいと思います。
各国が最先端科学技術への大幅なてこ入れをしている、そして付加価値の高い産業政策を重視するためにも博士号の取得者を各国が着実に増加させている中で、唯一日本だけが博士号取得者が減っています。公務員人事制度においても博士を戦略的に大事にできなかった社会の代償を突き付けられており、それに対応する日本の変革力、変われる力、アップデート力が問われていると私は確信をしています。
そこで、人事院総裁、今日の質疑をどのような思いでお聞きくださったでしょうか。人事院総裁、川本総裁は、東大卒業後、イギリスのオックスフォード大学院を修了され、日米欧の金融業、また世界有数の米国コンサルティング会社で実績を積まれ、日本の大学で学生を導く教授職、現在は人事院のトップのポジションという大変貴重なキャリアコンビネーションの持ち主でいらっしゃいます。国際派、研究家、実務家、また次世代を育む教育者ならではの忌憚のない御意見を人事院総裁としてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/21
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022・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 委員御指摘のように、グローバルな職場では修士号や博士号の取得者が多数存在し、専門性を生かして活躍していると実感してきました。
日本においても、行政の複雑高度化が進む中で、公務の職場において博士号取得者のような専門性の高い職員を適切に評価し、採用し、活用していくということは重要というふうに認識しております。官民を問わず、組織は人で成り立っていますけれども、人間性にあふれる優秀な人材を確保、育成し、公務を魅力的な職場にしていく人事行政あるいは人事運用の役割、意義はかつてないほど高まっていると感じています。
昨年の所信表明の場でも申し上げましたとおり、私が国家公務員の置かれている課題として認識しているものは、行政組織の経営管理力の向上、時代環境に適応する能力の確保、そして国際性と開放性の三つでございます。これらの課題を認識した上で、官民の垣根を越えて時代環境に適応できる能力を有する人材の誘致や働きやすい勤務環境の整備など、公務員人事管理全般に関する取組を鋭意推進しているところでございます。推進に当たりましては、内閣人事局や各府省と連携協力して、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/22
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023・有村治子
○有村治子君 人事院のトップのお言葉は重いと思います。官民協力をして垣根を越えてというふうにありました。まさにアカデミア、学術界と産業界と行政の垣根を越えて日本が変わっていかなければならないときに来ていると思います。
最後になろうかと思いますが、二之湯国家公務員制度担当大臣にお伺いします。
世界の潮流を見定めて今のような議論を聞きますと、従来の国家公務員制度では足らざる世界と伍していくためのブレーンを採用して、その専門的知見を公益のためにしっかりと発揮をしていただく戦略的人事制度を構築するためには、一体何が必要だとお考えになるでしょうか。今までこの必要性は何度も唱えられてきました。けれども、なぜそれが実現できていないのかを私たちは直視しなければならないと思います。
この成功するためには、日本政府において一体誰がこのような戦略的人事制度の策定、構築に責任を負っていただけるのか、何が必要なのか、御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/23
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024・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 政府として総合的に人材戦略を確立し、内閣の重要政策に対応した戦略的人材配置を実現するための組織として内閣人事局が設置されているわけでございます。適切な人事制度の実施に向けて、責任を持って内閣人事局が取り組んでいると承知しているところでございます。
なお、御指摘のあった、博士号取得者などの優秀な人材を社会全体としてどのように確保し活用していくかということは我が国の全体の国家戦略としても極めて重要であると、私もそのように認識をしておるわけでございます。
委員からは非常に鋭い御指摘をいただいたところでございまして、人事院及び関係省庁と連携しながら検討をしてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/24
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025・有村治子
○有村治子君 当然ながら、私は博士号取得者のためにこの質問をしているわけではなくて、日本の凋落を止めて、再びまた日本が科学技術立国として、また国家国民に備える、そういう行政をするために質問を続けております。
残余の質問は、あさっての内閣委員会の一般質問で続けさせていただきたいと思います。
以上で、私、有村の質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/25
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026・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾でございます。
議題となっています給与法改正案について質問いたします。
まず、新型コロナ対応で改めて行政サービスの重要性が再認識されました。公務員の皆さんが日々献身的に業務を遂行されていることは言うまでもありません。
そうした中で、昨年夏の人事院勧告、期末手当の引下げを求めたにもかかわらず、給与法改正案が昨年秋の特別国会と臨時国会に提出されず、年度をまたぐ形で今年六月の支給分から調整されることになった、これは皆さんも御承知のとおりでございます。
そこで、国家公務員の労働基本権制約の代償措置とされる人事院勧告と給与法定主義の関係を中心にただしてまいります。
まず、事実関係から伺います。
三月九日の衆議院内閣委員会の質疑で二之湯大臣が、今回の人事院勧告の取扱いについて、百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の中で経済対策が決定され、これが着実に実行されることで、国家公務員のボーナスの引下げによる消費の低下など経済のマイナスの影響、懸念が払拭されることになったため、人事院勧告を実施する法案を提出したと、このように答弁されておられます。
つまり、経済への悪影響が懸念されるため、昨年十二月支給分は引き下げなかったということのようですけれども、どのような基準やどのような指標でこういう判断になったのか、また、基準がないのであれば政府による恣意的な対応ということになりますけれども、大臣の認識、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/26
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027・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 昨年八月に人事院の勧告が提出されたわけでございまして、その取扱いにつきましては、今委員がおっしゃいましたように、私も委員会で答弁いたしました。百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の下で、国家公務員のボーナスの引下げがコロナから回復途上にある我が国経済にマイナスの影響を与えるんではないかと、こういうことでこの問題に対応してきたわけでございます。
その後、十一月九日に経済対策が決定され、これらが実施、着実に実施されることで国家公務員のボーナス引下げによる消費の低下など経済へのマイナスの影響の懸念が払拭されるということを踏まえて、十一月二十四日に、今回の人事院勧告を実施し、令和三年度の引下げ相当額を今年の六月のボーナスで減額するという政府方針を決定し、今通常国会に法案を提出をさせていただいたわけでございます。
令和三年度の引下げ相当額を令和四年六月に減額することによりまして令和三年度の人事院勧告を実施することに変わりはないことでございますから、私としては、人事院勧告を尊重するという政府の基本方針に沿ったものだと考えており、異例の状況下での対応となったことを御理解をいただきたいなと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/27
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028・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 私はどのような基準や指標でこういう判断になったのか聞いたんですけれども、お答えがありませんでした。ということは、政府による恣意的な対応というふうになりますけれども、このことはまた後で伺います。
今御説明ありましたとおり、人事院勧告八月十日、そして、この勧告を受けて給与改定の取扱いを閣議決定したのが十一月二十四日、この間三か月以上経過しているわけです。人事院勧告の取扱いについての決定が遅れたことに対して、職員、国家公務員の皆さんがどういう心境であったのか、とりわけ、その公務員の士気高揚という観点から担当大臣はどういうふうに考えておられるのか、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/28
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029・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 今回の人事院勧告の取扱いにつきましては、コロナ禍という非常に異例な状況でございますので、平成三年の引下げ相当額を今年の六月に減額することといたしましたけども、三年度の人事院勧告を実施することに変わりはなく、職員に勧告以上の不利益を課すものではないと考えております。
今回、ボーナスについて民間の情勢を踏まえての減額となりますが、国家公務員の給与については、人事院勧告制度を尊重し、上がるときも下がることも民間との比較で決定するということは、国民の理解を得つつ、国家公務員の適正な処遇を確保していく上で妥当なものではないかと考えております。日々職務に精励されている国家公務員の皆さんにもこうした考え方についての御理解をいただけるように努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/29
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030・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今妥当なものだと考えているというふうにおっしゃいましたけど、妥当かどうかということについてはまた後ほど更に突っ込んで伺いたいと思います。
今大臣は、百年に一度の危機という、今回のコロナ禍、表現されました。ちょうどあのリーマン・ショックのときもやはり同じような百年に一度の危機という話だったと思うんですけど、そこでちょっと内閣人事局に伺いたいんですが、リーマン・ショック直後の平成二十一年、二〇〇九年のときの勧告の取扱いと給与改定、どのように行われたか、説明してもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/30
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031・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 平成二十一年におきましては、人事院の勧告、給与勧告が二回行われております。五月の一日に同年六月の、二十一年六月の期末勤勉手当の一部を暫定的に凍結することなどを内容とする定例外の勧告がなされました。これを受けまして、政府におきまして給与関係閣僚会議を開催し、人事院勧告どおりの取扱い方針をする方針を決定した上で、同月十五日に給与法改正案を閣議決定、国会提出し、五月の二十九日に成立に至っているところでございます。
その後、夏に改めて人事院から勧告がございまして、十二月のボーナスについても引下げをする法案を別途提出、成立いただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/31
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032・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明いただきましたように、二回に分けて行っているんですよね。一回目については五月の一日、人事院が暫定的な引下げ勧告を行って、五月の四日に閣議決定をして、二十九日に給与法が改正された、一時金の引下げをまず優先したということだと思うんですが、今回の実施を引き延ばしたのと全く逆の対応だった、判断だったということです。
こうした恣意的な取扱いが政府にどこまで裁量があるのか、これはまた後ほど伺いますけれども、ちょっと角度を変えて質問したいんですが、人事院の職種別民間給与実態調査において、月例給が例年四月支給分、一月分、ごめんなさい、一時金は前年の八月から当年の七月支給分ということになっている。このことにつきまして、一時金が半年遅れとなっている理由、それから調査対象期間がそうしていることについての合理性及びその課題についてどういうふうに認識しているのか、人事院の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/32
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033・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
労働基本権制約の代償措置である人事院勧告におきまして、情勢適応の原則に基づき、民間準拠により公務員給与を決定するに当たっては、民間の賃金改定の状況を速やかに公務員給与に反映させることが適当と考えております。
民間におきましては、主として三月のいわゆる春闘期に賃金改定に関する労使交渉が行われていることから、月例給につきましては、春闘後の民間賃金を速やかに調査し、官民比較を行った結果を取りまとめ、勧告を行っております。
特別給につきましても、このような考え方を基本としつつ、前年八月から当年七月までの過去一年間における支給実績について調査することとしております。特別給につきましては、不定期に支給される給与でありまして、一年間を単位として民間の支給状況を把握することとせざるを得ないことから、現行のように直近一年間の支給状況に基づきまして勧告を行っているところでございます。
特別給につきましては、その時々の情勢を受けて変動しやすい面があると承知しておりますが、そうした状況を含め、直近一年間の支給状況を毎年把握することによって民間の状況が公務員給与に適切に反映されることになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/33
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034・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 民間給与の適時適正な反映という観点から今の制度がどうかという問題がありますけれども、もう一つ、給与法定主義についても伺いたいんですが、国家公務員法六十三条に規定されておりますけれども、国家公務員の給与における原則の一つとしてこれ位置付けられているということは皆さんも御承知のとおりだというふうに思います。一般職の国家公務員、最終的な給与の決定に、法律における措置、つまり国会の議決が必要とされています。
そこで、まず内閣人事局に伺いますけれども、国家公務員における給与法定主義、職員の給与にどのような役割を果たしていると考えればよろしいんでしょうか。答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/34
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035・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 民間企業の労働者の場合は、私的自治の原則によりまして、その賃金は各企業で労使交渉により自主的に決定することとされ、法律といたしましては、労働者の保護のために賃金の支払に関する最小限の基準を労働基準法等で定めるにとどまっております。
これに対しまして公務員の場合は、御指摘ありましたとおり、国家公務員法におきまして、俸給表、手当等の具体的事項についても法律で規定するという給与法定主義を取っているところでございます。
その意味合いでございますけれども、公務員の給与につきましては、一つには、民間と異なって労働基本権が制約されているため、労働協約によって給与を定めることができず、一方で、使用者の方が一方的に定めるというわけにもいかないということ、もう一つは、財政上、これにつきましては国民の負担によって給与が支払われているという性格から国会でお決めいただくということ、こういったことから、これらの事項を法律で規定するという仕組みにしているところでございます。
こうした措置は、国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るためのものでございまして、最高裁判所の判例におきましても、人事院勧告制度と並び、法定主義が国家公務員の労働基本権制約代償措置の一つとして位置付けられているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/35
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036・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今御説明いただいたのは全農林最高裁判決、昭和四十八年ですけれども、この中で示されている考え方、つまり、使用者の一方的な、給与法定を否定、給与決定を否定し、職員給与の安定を図るとともに職員の適切な利益を図る、これを目的としているということなんですけれども、この給与法定主義に基づけば、職員が不安なく職務に従事するためには、人事院勧告を受けた後、政府がこれを尊重し、速やかに給与法改正に関する措置をとることが求められているというふうに思いますけれども、大臣の認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/36
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037・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 政府といたしましては、人事院の勧告制度尊重の立場でございます。
人事院勧告は、国家公務員の適正な処遇と国民の理解を得る観点から妥当な手法として我が国に定着した仕組みであることから、その取扱いにつきましては、国政全般の観点から検討を行いまして、できるだけ速やかに結論を得て早期に実施していくことが基本であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/37
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038・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 尊重するということ、それから国政全般を考えてということだったんですけれども、それが適正か否かということが今回問われていると思うんですが、去年八月の人事院勧告、民間給与の較差が小さいことから、月例給での改正は行わない一方で期末手当の支給月額を下げると、こういう結論でございました。
一般職の職員の給与に関する法律第十九条の四によりますと、これは期末手当に、そして同法の第十九条七では勤勉手当に、それぞれ基準日が設けられています。この基準日が設けられている理由について説明してもらえますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/38
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039・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 期末手当及び勤勉手当の支給に当たりましては、受給対象者、それから当該対象者の在職期間等、それから手当の算定基礎額、俸給月額等でございます、などを明確な基準で確定することが必要でございます。
そうしたことから、基準日を設けることによりまして、多数の職員に対してこれらの手当の支給事務を公正、迅速かつ統一的、画一的に行うことが可能となるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/39
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040・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 説明いただきましたように、支給事務を公正、迅速、統一的、画一的に行うためにもこの基準日が設けられているということなんですが、特に支給額を調整減額する場合、当然、基準日前に必要な法的措置を講じなければいけないのではないか。また、過去、今回と同様に一時金の支給額を引き下げる人事院勧告の取扱いで十二月期の基準日までに法的措置ができなかった例というのはあるのか、最近の例で示してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/40
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041・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘のとおり、ボーナス支給額については基準日に確定する仕組みとなっております。このため、例えば十二月のボーナスそのものの額を引き下げるためには、基準日である十二月一日より前に給与法改正法案の成立、公布が必要となることになります。
過去、十二月のボーナスの引下げを内容とする人事院勧告につきましては、全て十二月のボーナスの基準日前日までに措置がなされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/41
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042・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明がありましたように、少なくとも、平成十年以降を見ても過去九回あるんですけれども、基準日までにこれ法的措置をとっていない例というのはないんですね。一番ぎりぎりで平成二十一年に十一月三十日というのがあるんですが、これが最も遅いということになります。
今回は総選挙ということがございました、十月の三十一日でした。こうした、十月から十一月に選挙、総選挙が行われたケースで、十二月、一時金の基準日前に法改正を行う必要があった例があったのか、そのときに実際どういう対応をしたのか、説明してもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/42
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043・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) お答えします。
御指摘の例は平成十五年にございます。平成十五年は、百五十七回臨時国会が九月二十六日から十月十日まで開催され、その後、十一月九日に衆議院議員総選挙が行われたと承知しております。
同年は、八月の八日に人事院から期末手当の引下げを含む勧告がなされました。これを受けまして、政府によって検討を行い、九月十六日に方針を決定した上で、九月の二十六日に給与改正法案を閣議決定、国会提出し、十月十日に成立いただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/43
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044・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今説明がありましたように、一回あったんですね。平成十五年なんですけれども、小泉内閣のときだったと思うんですが、平成十五年十月十日に解散しているんですね。実は、この同じ十月十日、解散した日に、給与法改正法案が可決、成立しているんです。つまり、ぎりぎりに解散日に提出をして成立させていると、こういうことを実際にやっているんですよね。
そこで、二之湯大臣に伺いますけれども、今回は、この秋に二回国会がありました、臨時国会、特別国会。給与法改正案出そうと思えば出せたと思います。成立させようと思ったら成立させられたと思います。にもかかわらず、いずれも法的措置をしなかった。これはどういう理由なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/44
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045・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 先ほども申しましたように、昨年の八月十日の人事院勧告提出後、政府においては、給与関係閣僚会議を開催して、何遍も申しますように、百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の国家公務員のボーナス引下げは、コロナから回復途上にある我が国経済にマイナスの影響を与えることも念頭にいろいろと検討を重ねてきたところでございます。
その後、十一月十九日に新たな経済対策が閣議決定され、これらが着実に実施されることで国家公務員のボーナス引下げが我が国経済にもたらすマイナスの影響は緩和されることが期待されるということから、十一月二十四日に、今回の人事院勧告の実施に当たっては、令和三年度の引下げ相当額を今年の六月のボーナスで調整する方針を決定したものでございます。これにつきましては、人事院との相談も経まして、今国会に法案を提出させていただいたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/45
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046・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 何回も同じ説明繰り返されておられますけれども、そういう恣意的な対応が本当に許されるのか。また、仮に経済状況を考慮したとしても、例えば今年の夏、六月、今経済状況どうなっていますか。コロナの影響だけではない、今回はウクライナの問題も含めてある。これから物価が上昇するんでしょう。また経済の冷え込みがもっと心配されるんじゃないんですか。そうしたら六月実施できないじゃないですか、そういう判断だったら。そういうことになりませんか。
つまり、今年の夏の方が更に、六月期の方が更に経済状況が悪化する可能性があるのに、どういう合理的な判断で先延ばしをしたのかということを聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/46
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047・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 大臣からもお答えいたしましたとおり、昨年の人事院勧告提出後、コロナ禍の下で、ボーナス引下げがコロナから回復途上にある我が国経済にマイナスの影響を与えるということをも念頭に対応を検討してまいりました。その後、経済対策が閣議決定され、これが着実に実施されることでボーナス引下げがもたらすマイナスの影響が緩和されるということで、今回の法案を提出させていただいているところでございます。
現状、経済対策をしっかり行っていく、それから物価高騰対策にも対応もしていくというのをしっかりしていくというのが政府の方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/47
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048・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 経済対策を打っているから、だからその期はやらずに六月にする、こういうふうな、その時々の政府の都合でこういう解釈、こういう運用をしていいのかということを私は問題にしようとしているんですけれども。
ここまでは政治の事情について聞きましたけれども、人事院の方にもちょっと聞いてみたいと思います。
昨年の人事院勧告の一時金の支給月数の削減に対して、令和三年分の調整減額の勧告内容とその理由を説明してください、人事院。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/48
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049・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
公務の特別給の年間支給月数は、従来から民間賞与の年間支給割合と〇・〇五月単位で均衡するように改定してきております。
昨年の調査の結果、民間の年間支給割合は四・三二月分であったことから、これとの均衡を図るため、公務の特別給を現行の四・四五月分から四・三〇月分とすることとし、具体的には期末手当を〇・一五月分引き下げる勧告を行いました。
このうち令和三年度分につきましては、六月期の期末手当は既に支給済みであり、既に支給された給与について遡って引き下げることは適当ではないため、十二月期の期末手当を〇・一五月分引き下げることとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/49
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050・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今御説明いただきましたように、勧告は令和三年十二月期の調整減額を勧告している。しかし、本法案は令和四年六月期の調整減額ということになります。人勧どおりではないということはもちろん説明するまでもありませんけれども。
衆議院の任期切れと先ほど申し上げました解散・総選挙の時期が近いということは、人事院の方でも容易に想像できたと思います。衆議院の任期満了、十月二十一日と分かっておりました。必ず、まあ今回は実際には十月三十一日の選挙になったわけで少し空白できましたけれども、少なくともこの前後までには必ず衆議院選挙が行われる、これは人事院の皆さんもよく分かっていたと思います。こうした状況にもかかわらず、こういうスケジュールというのは考慮しなかったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/50
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051・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
国家公務員法第二十八条において、国家公務員の給与について、国会により社会一般の情勢に適応するよう随時変更することができるとされており、人事院はその変更に関して勧告することを怠ってはならず、国会及び内閣に対し、毎年少なくとも一回、俸給表が適当であるかについて報告しなければならない旨規定されています。
人事院としては、国会の状況について判断できる立場にはなく、民間の賃金改定状況をできる限り早期に公務員給与に反映させるため、例年と同様に八月に勧告を行うことといたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/51
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052・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 実際問題、もう少し早めることってできなかったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/52
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053・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、給与の調査につきましては、その四月の月例給の支給状況、それからあとボーナスの支給状況を調査するということをしておりまして、どんなに頑張りましても今のようなスケジュールになってしまうというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/53
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054・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 それちょっとおいておきましょう。
そして、今回のように、十二月の一時金、基準日までですね、一日になりますけれども、立法措置を図る機会を逃しかねない場合、こういうケースに備えて給与法定主義の範囲の中において例外的な取扱いを行えるような措置、これは実際に検討したということはなかったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/54
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055・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 先ほどお答えしましたとおり、給与法定主義には意義があると、先ほど申し上げたような理由で給与法定主義ということになっております。
そういうことでございますので、政府といたしましては、今後とも、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って、速やかに結論を得て法案を提出していただきたいという、法案を提出させていただきたいという立場でございまして、法定主義によらない例外的措置ということは検討しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/55
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056・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 例えば、人事院規則で減額を措置することを認めて、事後的に直近の国会で承認を得る、こういうやり方というのは考えられないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/56
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057・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 給与法定主義には、先ほど申し上げましたとおり、基本権制約の代償措置という側面、それから、国民の負担、国民の税金で支払われる給与も国会で決めていただくという側面、この二つの重要な意義がございますので、事前に支払ってしまった後で承認をいただくという考え方は取っておらないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/57
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058・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 二之湯大臣にも同じ質問をしますけれども、大臣も、給与法定主義については厳格であるべきだと、こうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/58
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059・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 国家公務員の給与につきましては、今申されていたように、給与法定主義の考え方の下に、国家公務員法やあるいは一般職の職員の給与に関する法律、いわゆる給与法において基本的な枠組みが定められているわけでございます。これは、労働権が制約されている国家公務員について適正かつ安定的な処遇を確保する必要があることや、国家公務員の給与が国民の負担であるものであることから、その水準等については国会において議論し、法律で定める必要があると、こういうことによるわけでございますから、私もこれは現在の制度を堅持すべきだと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/59
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060・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 現在の制度を堅持すべきであると二之湯大臣も考えておられるということを確認させていただきましたけれども、調整など一時金を含めた給与についての運用、これ何よりも全ての職員に関して公平、平等でなければいけないというふうに思うんですね。
そこで、本法案の措置というのは本当に公平、平等なその原則に則したものになっていたかどうか、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/60
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061・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 今回は、昨年十二月分の引下げ相当分を六月のボーナスで調整する、すなわち、ボーナス間で全体として水準を民間に合わせていくという目的でございます。こういった性格上、令和三年十二月のボーナスを受給し、かつ令和四年六月のボーナスも受給する、そうした方々について調整をするということにしております。逆に申し上げますと、十二月のボーナスをもらった後に退職された方からは調整はしないということでございます。
このような仕組みは、既に支給したボーナスを遡って不利益に変更するということはできませんので、六月のボーナスの額を調整するという考え方を取らせていただいております。このような調整につきましてはやむを得ない措置だと思っておりますし、人事院からも、このようなやり方で差し支えない旨回答をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/61
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062・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 退職された方についても、これはやむを得なかったんだと。まあ年度をまたぐわけですから、三月いっぱいで退職される方は、そのまま返還ということがなければ、それ、そのまま残っている公務員の方よりもより多くボーナスをもらうというか、減額されないということになるわけですけれども、こういうことが分かっていたわけですから、例えば今回のような場合、年度内に調整減額をするという立場に立てば、三月までの月例給を、例えば一月、二月で少しずつ月割りで調整するとか、そういうやり方というのは実際にできなかったのかどうか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/62
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063・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもとしては、ボーナスに関する勧告でございますので、官民のボーナス水準の差を速やかに均衡させるということで、十二月の減額相当分については速やかにと、最速のタイミングである六月のボーナスで調整させていただくという考え方を取りました。
御指摘の月例給については、月々の生活給としての要素が強いということでございますので、ボーナスの水準を均衡させるために月例給を下げるということは適当ではないというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/63
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064・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 月例給は生活にも直結するし、適当ではないと、こういう判断なんですけれども、ただ、今回、実際に調整減額が年度を超えたことで、定年退職などにより本年六月の一時金の支給対象にならない職員が、余り言葉は良くないかもしれませんけれども、事実上得した形になったわけですよね。
こういう取扱いについて、これ通告していないんですけれども、人事院来ていただいていますので、人事院も了承したということなんですが、ちょっとその了承した理由、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/64
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065・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) 今回の調整につきましては、人事院の勧告を実施するとした上で、令和三年度の調整につきまして六月のボーナスで調整をするということと理解しております。このような観点から、人事院としては差し支えないということを申し上げたところでございます。その場合、退職者につきましてはどうしても外れてしまうということも、これもやむを得ないものというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/65
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066・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 人事院もやむを得ないと、こういう理由なんですけど、本当にそれでいいのかどうなのか。
先ほどちょっと答弁もされましたけれども、確認したいんですが、こうした職員に対して退職手当で減額すると、こういうことは実際問題としてできなかったんですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/66
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067・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘の退職手当、これにつきましては給与とは別の性格のものでございます。
長期勤続報償という性格が基本でございまして、性格が異なることに鑑みますと、ボーナスの均衡を行うために退職手当で調整するということは性格上も適切ではございませんし、先ほど申し上げたように不利益に物事を変更するということはできませんので、そういった観点からも、ボーナスの調整は直近のボーナスでやらせていただくということが適当であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/67
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068・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 まあ勤続報償という形で、しかも不利益変更ができないという理由で退職手当での調整減額はできないと、こういうことですけれども。
そこで二之湯大臣に伺いたいんですが、大臣は三月九日の衆議院内閣委員会の質疑でこういうふうに答弁されておられます。国民民主の浅野委員の質問に対して、こういうふうに答弁されているんですね。
人事院勧告を直ちに実施することによって非常に消費が落ち込むんじゃないか、これは先ほど御説明されたとおりです。こういう懸念もされたわけでございまして、政府の経済対策の推移を見ながら、この人事院勧告をいつ実施するかということを考えたわけでございまして、実質、何ら変わらないわけでございます、これは先般御答弁のとおり。この後なんですけど、ただ、十二月に減額されなくて、既に退職された方は結局引かれなかったという中で、現職の人はちゃんと〇・一五分、まあ〇・一五月分ですね、引かれるということでございますけれども、全体で約三億円ほどの、そういう退職された方の、辞めた方は助かったわけでございます、助かったと、こういう表現しているんですが、こういう答弁というのはこれ不適当なんじゃないですか。
つまり、待ってください。つまり、現職の方は助からなかった、減額される、退職した人はこれはもらい得だと。まあ、もらい得というか、引かれなかった分、得したと。大臣がこういう発言していいんですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/68
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069・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 先月の衆議院の内閣委員会におきまして、浅野委員に対しまして私が、助かったとの発言あったことを委員は御指摘されていると思います。私も、助かったという言葉はちょっと不適当だなと、このように思っているわけで、先ほどから、そのボーナスを減額されなくて、翌年の三月に退職された方は本来引かれるべき〇・一五分は返還しなくても済むことになったということで、非常に分かりやすい表現するためについ口から出てしまったわけでございまして、それは不適当だといえば訂正をさせていただきたいと思います。
それで、正確に申し上げれば、令和三年十二月のボーナスを支給された後、定年退職した職員については令和三年十二月期のボーナスにおける引下げ分の減額がなされないということであるわけでございまして、定年退職により減額されない者について具体的な総額の算定は困難でございますけれども、過去の定年退職者数を基に試算すれば約三億円、そういう程度になると、このような趣旨で申し上げたわけでございます。
既に支給したボーナスを遡って不利益に変更することはできないため、こうした取扱いはやむを得ないものと考えており、異例な状況下での対応として御理解をいただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/69
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070・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 その助かったという発言は不適当だった、不適切だったと大臣もお認めになっているわけですが、これやっぱり現職の方に対しては極めて失礼な、そういう発言ですよね。
先ほども確認させていただきましたけれども、公務員の公平、平等の原則を守るためにこういう制度がつくられ、基準日も設けられ、原則その前に給与法を国会で決定するというのが、これが当然あるべき姿であって、今回は、やはり遅らせた、六月期に持ち越した、この判断が全てこういうことになっていると思うんですね。
つまり、給与法定主義の原則を踏まえれば、本法案のような年度を越えた六月期の期末手当で調整減額することは、今回は異例だというふうにおっしゃいましたけれども、少なくとも前例にしてはならないと思うんですね。これについての大臣の認識、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/70
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071・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 委員御指摘のとおり、人事院勧告が出された場合は速やかに法案を提出し、そしてそれに対処するということは基本であるということについては全く変わりません。
したがいまして、人事院勧告制度を尊重するという基本的な立場の下、今後その取扱いについてはできるだけ速やかに実施すべきだと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/71
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072・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ちょっと最後のところ聞こえなかったんですけど、例外に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/72
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073・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) いや、こういうのはまあ例外中の例外でございますけれども、本来あるべき人事院勧告制度の早期実施というものは堅持していかなけりゃならないんじゃないかと、このように思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/73
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074・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 人事院勧告の早期実施は原則、これは変えてはならない、今回はあくまで例外中の例外、まあそれも認めるかどうかという問題ありますけれども、今回は先ほど来質疑をさせていただいておりますように、経済対策を実施すれば人勧を踏まえた対応は不要なんだと言わんような、そういうふうな恣意的対応というのはやはりやってはならないと思うんですね。
今回はいろんな、コロナで先行きが分からないということですけれども、先ほども申し上げましたけれども、コロナの問題もそうですけれども、その後の経済情勢というのは、目下のこの物価上昇、それからその経済状況を考えれば、この六月期だってどうなっているか分からないわけなので、その意味では、本来の給与法定主義、それから平等、公平の原則、これを崩してはならないし、基本的にというか、こういう要するに恣意的な運用をしてはならないということをしっかりとここで確認させていただきたいというふうに思います。
残りの時間なんですけれども、超過勤務のことについてちょっと伺いたいんですが、公務員の。
令和二年十二月、内閣人事局が公表しました霞が関の国家公務員を対象とした在庁時間調査、二十代総合職職員の約三〇%が過労死ラインの目安とされる月八十時間を超えていると、こういう実態が明らかになりました。こうした実態について、令和三年一月、当時の河野国家公務員制度担当大臣が国家公務員の超過勤務手当を全額支払う考えを表明しましたが、その後行った民間調査によりますと、約三割の職員が全額支払の指示が出てもなお残業代が正しく支払われていないと、こういうふうに回答したというふうに聞いております。
そこで、内閣人事局に伺います。令和四年度予算における本省の時間外手当予算の総額、それから対前年度比、これを説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/74
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075・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 令和四年度予算におきましては、全府省の本省分の時間外手当の予算として、令和三年度当初予算比で七十七億円増、二三・六%増の四百三億円が計上され、各府省の勤務実態に鑑みて必要十分な金額が措置されたものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/75
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076・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今答弁いただきましたように、実際に当初予算のケースで四百三億円、対前年度比七十七億円、プラス二三・六%。これ、四分の一ぐらい上がっているわけで、過去五年度分と比較をしても異例の伸び率だということなんですけれども、ちなみに概算要求段階で幾らだったか、これ説明できますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/76
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077・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 概算要求段階では三百八十六億円であったと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/77
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078・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 つまり、概算要求で三百八十六億円、実際に査定終えて予算を付けたら四百三億円だった。査定額を実際の予算が上回ったと。
これ異例のケースだと思うんですけれども、こうした概算要求を上回る異例の増額査定となった理由、これ財務省の方で説明できますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/78
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079・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 令和四年度の時間外手当予算につきましては、令和三年度における人事管理方針において、働き方改革を進めながら必要な予算の確保に努めることとされています。
一部増査定となっている省庁がありますが、これは、この方針を踏まえ、概算要求後に在庁時間等のデータを提出していただき、各省庁と調整した上で、必要と見込まれる額を計上したものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/79
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080・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これ、朝日新聞なんですが、二月二十二日付けだったかな、記事にこういうくだりがあるんですけれども、予算編成では財務省が厳しく査定していた要求額を減らすことが一般的。これはもう今申し上げたとおり、皆さんもよく御承知のとおり。この残業代を集計した十三の役所のうち八つで要求額を上回る予算が認められていた。今、一部の役所でというふうにおっしゃいましたけれども、十三の役所のうち八つで、八つの役所で要求額を上回る予算が認められていた。財務省からは残業代を一〇〇%支払える金額にしろと言われた、ある官庁の担当者の発言としてこういう記事が掲載されておりますけれども、これは事実なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/80
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081・大家敏志
○副大臣(大家敏志君) 先生御指摘の件でございますけれども、これ、何かを指示したというものではありませんで、先ほど申し上げたように、政府の方針に沿った対応ということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/81
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082・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これ、内閣人事局にも同じことを伺いますけれども、どういう認識ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/82
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083・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 先ほど副大臣から御答弁あったとおりだと思います。
一部増査定になっている省庁があると承知しておりますが、これは、政府におけます人事管理運営方針を踏まえていただきまして、在庁、実際の在庁時間等のデータを提出して、財務省においてそれを受け取った上で、各省とも調整した上で、必要と見込まれる額を計上されたものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/83
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084・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 では、内閣人事局として、現在の中央官庁のいわゆるサービス残業、この言葉自体非常に良くないと思うんですけれども、あえて、世間一般によくサービス残業と言われておりますのであえて使いますが、どういう実態だと認識されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/84
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085・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) お答えいたします。
超過勤務手当あるいは超過勤務につきましては、原則といたしまして、日々、上司が明確な命令を出し、実際にどのような勤務をどれだけの時間やったかというのを事後的にも確認するということにおいて、命令を発出し、事後確認をするということによって超過勤務時間が確定する仕組みになっております。
ただ、従来、ともすればこれがしっかりと行われていなかったということで、例えば、上司からは明確な命令は出ていなかったけれども部下からすると当然働かなきゃいけないと思って働いていたと、そういうことで、認識のそごといいますか、あるいは記録もしっかり取られていないというようなこともあり、そういったことが、いわゆる主観的な意味においては働いていたのに出ないということが起こっていたのではないかと思います。
こういったことをこれから過去に遡って確認することはなかなか困難でございますけれども、今後の方針といたしまして、昨年度の人事管理運営方針等におきまして、勤務時間の見える化、客観把握をする、あるいはシステム化をすることによりまして勤務時間をしっかりと記録していくと、それをまた上司が部下とコミュニケーションを取って、その中の時間、どのような仕事を何時間していたのかということもしっかり確認していくと、そういったことを通じましてしっかりと超過勤務手当を適正に支給していくという取組をしているところでございます。
そういった中で、そういった仕組みをしっかり行った上で、先ほど申し上げましたような、予算措置いただいたような超勤手当の予算をしっかりと執行していけば、適切な残業手当の支給というものが可能であるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/85
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086・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 問題は在庁時間と超過勤務時間というのがイコールではないということで、私は民間の会社にずっとおりましたので、私がいた会社は、最初は手書きの勤務表というのがありまして、青ペン、赤ペンがありまして、これ、法定勤務時間は赤ペンで、赤い鉛筆で書いて、超過の部分を青で書いて、それを上司が管理していたということがあったんですが、これは会社によっていろんなやり方あると思います、タイムカードのところもあるし。後にコンピューターのシステムになって、コンピューターのシステムに自己申告という形でそれを打ち込んで上司がチェックをすると。勝手に書き換えるというようなことはもちろんあってはならないわけですけれども。
今、新しいそのシステム上の対応という話もされましたが、本当にそれでも、きっちりとこのいわゆるサービス残業、根絶できるのかどうかということなんですが、二之湯大臣にも伺いたいんですけれども、河野大臣当時に国家公務員の超過勤務手当を全額支払う、こういうふうに指示が出たにもかかわらず、その後の民間調査によると、約三割の職員が全額支払の指示が出てもなお残業代が正しく支払われていないと、やっぱりこういうふうに回答しているんですけれども。
先ほど来議論させていただいておりますが、大臣御自身は、中央官庁における、中央省庁におけるサービス残業の実態と是正策についてどういうふうに考えておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/86
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087・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 先ほどの堀江統括官の答弁と若干重複する部分はございますけれども、これまでは日々の明確な超過勤務命令と勤務時間管理が必ずしも一致していなかったということもございます。過去のいわゆるサービス残業については、厳密な確認は困難でありその有無は分かりませんが、しかしながら、昨年からは、在庁時間の客観的な把握や勤務時間管理のシステム化による勤務時間の見える化、上司による部下の勤務状況の把握、業務分担の見直しなど、管理職による日々の適切なマネジメントの徹底に取り組むとともに、国家公務員の時間外手当の予算については、長時間労働対策をしながら、なお不足する場合は必要な予算要求を行うこととしてまいりました。その結果、令和四年度予算においては各府省の勤務実態に鑑みて必要十分な金額が措置されたものと考えております。
一方で、予算があるからといってどんどん残業させてもいいということではございません。若者がやりがいを持って時代に応じた真に必要な業務に当たれるよう、今後とも、ルーチンワークの廃止なども含めて、業務の見直しを始めとした働き方改革をしっかりと進めてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/87
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088・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 人事院総裁にも来ていただいておりますので、先ほどの質疑の中にもありました、総裁は長く民間の会社に勤めていらっしゃって、外資系の会社にもいらっしゃったので、外資系の会社と日本の企業とのその勤務形態というのもまた違うというふうに思いますけれども、この問題について総裁はどういう認識をされておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/88
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089・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
長時間労働を是正するためには、適正な勤務時間管理を含め、幹部職員等が組織マネジメントに真摯に取り組むことが重要と考えております。このため、昨年の勧告後には私も各府省の事務次官を訪問いたしまして、超過勤務の縮減に向けた取組について直接要請を行いました。
少し具体的なこれまでの人事院の取組御紹介いたしますと、令和元年度から導入している超過勤務の上限に関する制度の運用が適切に行われるよう、本院の勤務時間制度の担当課長が各府省の人事担当課長等に対するヒアリングを行うとともに必要な指導を行っています。
加えて、本年三月には職員福祉局長通知を改正いたしまして、各府省における勤務時間の客観的把握を開始している部局においては、これに基づき適正に超過勤務時間を管理することを求めたところです。
さらに、本年四月から勤務時間制度の担当課に長時間労働の是正に向けた指導を徹底するための勤務時間調査・指導室を新たに設置したところであり、同室において各府省の個別官署における運用状況を調査し、超過勤務の縮減、超過勤務手当の適正支給などについて必要な指導を実施することとしております。
また、長時間労働を是正するためには業務量に応じた要員の確保が必要です。このため、昨年の報告において、各府省において必要な業務の合理化を図った上で業務量に応じた要員を確保される必要があることについて改めて指摘をしております。
あわせて、国会対応業務につきましても、行政部内でも最大限の取組を行ってまいりますが、国会等の一層の御理解と御協力のお願いを昨年の人事院勧告時の報告においてさせていただいたところで、人事院といたしましては、このような取組を通じて、引き続き長時間労働の是正に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/89
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090・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 時間が参りましたので、最後一言だけ。
この実はサービス残業って、これは民間企業でも本当に悪習だというふうに私は思うんですけれども、これは本当にその長時間勤務の是正ということと併せて、官が率先垂範してこの悪習を改める必要性、これについて一言、大臣、最後にお答えください。それで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/90
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091・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 答弁は簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/91
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092・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 確かに、官が改めて長時間労働の是正に取り組むと、そして民間もそれに倣って、日本の働く人が健康を害さないような、そんな職場環境に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/92
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093・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/93
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094・高瀬弘美
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。よろしくお願いいたします。
まず、改正案の中身について、これまでの前半の質疑の中で出た部分もございますが、確認の意味も含めてお伺いさせていただきたいと思います。
昨年八月の一般職の職員の給与に関する人事院勧告が提出をされまして、政府として検討をした結果、勧告どおりに期末手当について引き下げることが決定をいたしました。それを受けて今回の法改正となるわけですが、今回の給与法改正案において、令和三年度の期末手当の支給月額の引下げに相当する額は令和四年六月の、これから参ります六月の期末手当から減額することで調整されるとなっております。
最初に、このボーナスの引下げ改定が勧告の次年度に行われた経緯について確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/94
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095・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 昨年の人事院勧告は八月十日に提出されました。その後、政府におきまして給与関係閣僚会議を開催いたしまして、百年に一度の危機とも言われるコロナ禍の下で、国家公務員のボーナス引下げがコロナから回復途上にある我が国経済にマイナスの影響を与えることも念頭に対応を検討してまいりました。
その後、十一月の十九日に新たな経済対策が閣議決定され、これらが着実に実施されることで国家公務員のボーナス引下げが我が国経済にもたらすマイナスの影響は緩和されることが期待されるということから、十一月の二十四日に、今回の人事院勧告の実施に当たっては、令和三年度の引下げ相当額につきましては直近のボーナスであります四年六月のボーナスで調整する方針を決定し、今国会に法案を提出させていただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/95
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096・高瀬弘美
○高瀬弘美君 人事院の勧告に基づくボーナスの引下げ改定が勧告の次年度に行われたのは今回が初めてと伺っております。
今後このような年度をまたいで給与の調整を行うようなことは想定をされていない、こういう理解でよろしかったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/96
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097・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 今回の対応につきましては、異例の時期の方針決定、法案提出となりました。これは百年に一度の危機とも言われる異例の状況の下での対応であったことを御理解いただきたいと思います。
今後につきましては、従来どおり人事院勧告を尊重するとの基本姿勢の下、できる限り速やかに方針を決定し、法案を提出させていただくと、そういった政府の考え方を維持し、対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/97
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098・高瀬弘美
○高瀬弘美君 異例のことであったということを確認をさせていただきました。
続きまして、育休法の改正案についてお伺いをいたします。
本改正におきまして、原則一回しか取得をできなかった育児休業を二回に分けて取得をすることができるようになりますが、これにより期待される効果は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/98
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099・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 現状、令和二年度の育児休業取得率、男性職員が二九・〇%、防衛省を除き一般職に限りますと男性職員の取得率五一・四%でございます。一方、女性職員はほぼ一〇〇%でございます。
政府といたしましては、男性職員の育児休業につきまして三〇%という目標掲げておりますので、これを達成し、更にそれを上回るような成果を上げたいというふうに考えております。
こうした中、今回の法改正につきましては、育児休業の取得回数の制限を緩和することによって夫婦交替で育児休業を取得するなど、より柔軟な取得が可能になる、容易になるというふうに考えております。
具体的な数値でお示しすることは難しいと考えておりますけれども、政府目標の達成に限らず、特に男性職員の育児休業について、取得率の増加や総取得期間の長期化、あるいはこれらによる家族の負担軽減や女性の活躍促進、そういった効果を期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/99
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100・高瀬弘美
○高瀬弘美君 政府目標三〇%を目指してということでありましたが、この三〇%自体、私はちょっとまだ低いなと思っておりまして、もっと高い目標を掲げてしっかりと推進をしていただきたいなというふうに思っております。
今回の改正案の中で関係している部分でございますけれども、行政執行法人の非常勤職員について介護休業の取得要件が緩和をされることになりますが、なぜ行政執行法人の職員は国家公務員の身分を有しておきながら勤務時間法の規定が適用されていないかについて、まずお伺いをしたいと思います。
また、介護休業取得要件の緩和により介護休業が取りやすくなると、これが期待されるわけでありますが、そもそも働き出して一年未満である非常勤職員の方が介護休業を取らせてくださいと、これを申し出ることそれ自体も大変言い出しにくいというか、難しいのではないかと考えますが、この点についての御認識、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/100
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101・阪本克彦
○政府参考人(阪本克彦君) お答えします。
行政執行法人の職員の勤務条件は、法律で画一的に定めるのではなく、労使自治に委ね、労使間の団体交渉を通じて決定することとされております。このことは、法人の特性や業績等を踏まえ、勤務条件を柔軟に決定する助けともなるものと考えております。
いずれにせよ、常勤、非常勤の別を問わず、必要とする方々が実際に介護休業を取得できることが重要です。介護休業の取得要件を緩和し、より多くの非常勤職員による取得を可能とする今般の法改正について、総務省としてもその趣旨の周知徹底を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/101
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102・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
育児休業、休暇につきましては、この四月から、中小企業も含めて、男女を問わずに子供が生まれる対象社員に対して制度を個別に説明をし、また取得の意向を確認することが企業の義務となりました。育児休業については、取得率を上げるためにここまで踏み込んだわけでございます。
介護休業もまた育児とは違う大変な面がたくさんあるわけでございまして、時には大変長い期間、介護をしていかないといけないような事情もございます。当事者の方は大変な思いをされている方もたくさんいらっしゃいますので、公務員も含めて取りやすい環境を是非整えていただきたいと思います。
今回の育休法の改正によりまして、これで官と民が同じ制度となっていくわけでございますけれども、行政が率先して行うことで民間に拡充していくというものもたくさんございます。
その一つとしまして、不妊治療のための休暇というのがございます。官が率先をして行って空気をつくっていくというのは大事なことで、そういう意味におきまして、令和四年一月から出生サポート休暇というのが新設をされておりまして、私この効果を大変期待しているところでございますが、この出生サポート休暇の概要を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/102
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103・柴崎澄哉
○政府参考人(柴崎澄哉君) 今御質問をいただきました出生サポート休暇でございますけれども、これは国家公務員の不妊治療と仕事の両立を支援する観点から、非常勤職員を含め、職員の不妊治療のための休暇として新設したものでございます。昨年十二月に人事院規則等を公布し、本年の一月から施行しております。
この休暇の通称が出生サポート休暇でございます。この休暇は既存の年次休暇等とは別のものとして新たに設けたものでございます。不妊治療のために通院する場合などに使用することができるものでございまして、休暇の日数は原則として年に五日の範囲内としまして、頻繁な通院が必要とされる場合には更に五日加算した範囲内としてございます。この休暇は一日又は一時間を単位として使用することができ、有給としているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/103
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104・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
通常の有休に上乗せする形で年間五日、また更に必要な場合は五日追加で十日となると、このような休暇でございます。ちょうどこの四月から不妊治療の保険適用が始まりました。この保険適用によりまして経済的な面で恩恵を受ける方多くいらっしゃると思いますけれども、不妊治療というのは皆様も御存じのとおり、されている方にお話を伺いますと、人気の病院では大変長い待ち時間がありましたりですとか、また、急に病院の方から呼び出されることもありますし、また、その不妊治療に向けて体調を整える必要性等もございますので、こうした休暇によって不妊治療を受けやすい環境をしっかりとつくっていくというのは大変大事なことであると思います。これが是非民間にも波及をしていくといいなと、そのためにはまずこの官の方でしっかりとこの制度を使っていただくということ、大事だと思いますので、その点についても重ねてお願いを申し上げたいと思います。
少し話が変わりますけれども、今国会のスタートであります一月の代表質問におきまして、我が党の山口代表がこのように本会議の中で述べられました。真の女性活躍には社会における意識変革が必要であり、そのためには企業や組織の男性リーダーが率先して意識改革の先頭に立ち、男性も家庭や地域への参画が当たり前の社会に取り組む必要がありますと、こういう内容でございました。私も、この男性リーダーの意識改革こそが必要であるという御指摘に同感であります。
そうした男性リーダーの意識改革に効果が期待できるものとしまして、国家公務員においてマネジメント評価の充実というのが昨年の十月からスタートをしております。つまり、育休ですとか介護休暇など、個々人の事情を管理職がちゃんと理解をして休みが取れる環境を管理職がつくっているかどうか、そして、そのためには、その職員の方が休暇を取るためにはお互いにカバーし合う体制が重要でありますけれども、そういうマネジメントを管理職が行っているか、こういうことが評価の対象となっているというものでございます。
このマネジメント評価の充実という人事評価を取り入れた経緯と、これを今後どのように活用していくかについてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/104
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105・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 近年、国家公務員試験の志望者が減少傾向にありまして、また、自己都合退職者も増加傾向にあるということにつきまして危機感を持っているところでございます。
先ほども申し上げましたけれども、この要因につきまして一概には申し上げられないんですが、若手職員の中では、より成長できる仕事をしたい、あるいは長時間労働で仕事と生活の両立が困難であると、そういった意見が多く挙げられているところでございます。このため、若手職員が効率的、効果的にその能力をいかんなく発揮できる働き方改革が重要であると考えております。
こうした働き方改革実現のためには、コスト意識を重視した業務運営や業務の改善、改革、あるいは適切かつ柔軟な業務分担、あるいは部下のキャリア形成や人材育成に関する支援、こういったことが不可欠でございまして、まさにこれは管理職がこうしたマネジメントをしっかりやっていただくということが重要であると考えております。
そこで、私ども内閣人事局におきましては、管理職に対するマネジメント研修の実施により管理職のマネジメント能力の向上に取り組んでおりますけれども、人事評価においても、御指摘ありましたとおり、昨年十月から、管理職の評価はマネジメント能力を重視して行うこととしたところでございます。
具体的には、業績評価におきましては、マネジメント上の課題に関する具体的な目標を設定することを義務化いたしております。そして、その達成状況を評価いたします。また、能力評価につきましては、マネジメント能力に関する評価項目を重要マネジメント項目として評価し、重要マネジメント項目の評価結果が悪ければ全体として良い評価結果は付けられないという仕組みにしたところでございます。
こういったことを通じましてマネジメントを徹底し、部下が働きやすい、能力を発揮しやすい環境を整備してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/105
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106・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変重要な一つの試みではないかと思います。
また、このほかにも、部下が上司である管理職を評価する多面観察という人事評価も多くの省庁によって実施がされております。この多面観察を取り入れた経緯と、今後この制度をどのように展開していくのか、この点もお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/106
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107・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 多面観察と申しますのは、部下が上司のマネジメントなどについて観察した結果、感じた結果につきまして匿名化して本人にフィードバックするということで、上司の気付きを促し、その行動の改善やマネジメント能力の向上に資するために行っているものでございます。こうした取組は民間企業でも活用されておりますし、また、平成二十八年、二十九年度に、各府省の若手職員から成ります霞が関働き方改革推進チームからの実施の提言もございました。
こうしたことを踏まえまして、令和元年度から政府全体として取り組むことといたしまして、本府省におきましては、少なくとも課室長級職員を対象として実施しているところでございます。さらに、府省によりましては、課長補佐級職員あるいは地方機関に実施対象を拡大するなど、それぞれ工夫しながら取り組んでいただいているところでございます。
働き方改革の推進、人材育成といった観点から管理職が的確なマネジメントを行うことは極めて重要でございますので、こうした取組を通じましてマネジメントの向上に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/107
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108・高瀬弘美
○高瀬弘美君 この今御説明いただいた多面観察、これはあくまでも気付き、上司である管理職の方が部下からのフィードバックを得ることによって自分のマネジメントがどうなのかという気付きであって、直接のお給料とか報酬には影響しないと、そのような制度だというふうに伺っておりますけれども、この多面観察につきましては、今御説明がありましたとおり、民間企業におきましても三百六十度評価ということで、上が下を評価するだけではなくて、下が上を評価し、また同じ横同士でもピア評価ということでやって、いろんな角度から評価をしていこうということで広がりを見せております。外資系企業でも取り入れられておりまして、これがうまく機能すれば、広く人材を評価することによって客観的で公正な評価が可能となっていくものでございます。
ただし、一方で、この三百六十度評価、多面観察については注意すべき点が幾つかございまして、例えばですけれども、人事評価に慣れていない社員といいますか事務官同士が管理職を評価する場合には客観的な評価の方法というのが分からない場合がありますので、この方法をしっかり研修を通じて伝える必要がございますし、また、部下が管理職を評価するんですけれども、管理職からも部下は評価されますので、なかなか自分への評価を考慮する余り本音の部分を言えなかったりですとか、関係を悪化したくないと、そういうところもあって本音の部分が出てこないというところもございますので、これ先ほど答弁の中にもございましたけれども、匿名にするという点も非常に大事でございます。
また、あってはならないことですけれども、部下による上司の評価の中に誹謗中傷ですとか単なる悪口、こういうものが含まれているようなこともあるというふうに伺っておりますので、そういう悪い評価をもらった際の報復人事等にもならないように、評価内容をそのまま開示をしないなど、いろんな配慮が必要なものでもございます。
ですが、そういう配慮は必要なんですけれども、一方で、こうした取組というのは、管理職の男性の意識改革を促し、いろんなハラスメント、パワハラであるとかマタハラであるとか、そういうハラスメントの防止にも効果があり得ると考えておりますので、霞が関においても是非引き続き様々な検討を続けていただきたいと思います。
人事院総裁にお伺いをいたしたいと思います。
今、民間で行われている多面評価についてお話をさせていただきましたけれども、これ是非霞が関においても進めていただきたいと考えております。人事院総裁は、民間での御経歴もあられますので、もしかするとこの三百六十度評価、既に民間でどういうふうに実行されていらっしゃるかよく御存じであるかもしれませんけれども、御自身の御経験も踏まえてのお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/108
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109・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 多面観察は、管理職員のマネジメント能力を評価するツールの一つとして非常に有用なものと考えております。民間企業においては長きにわたり見られる取組でありまして、公務においても有用なものと考えます。
一方で、委員御指摘のように、多面観察においても、人事評価における評価者と同様、対象者を観察する側の評価スキルが求められます。多面観察を組織パフォーマンス向上のための一層有効なツールとして活用するためには、その前提として、観察する側である部下職員等の評価スキルを幹部職員とともに磨くための工夫も必要ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/109
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110・高瀬弘美
○高瀬弘美君 総裁、ありがとうございます。
様々乗り越えていかないといけない点ございますけれども、大事な試みだと思いますので、引き続き取組を進めていただきたいと思います。
国家公務員の受験者の減少が止まらない状況にあります。今年度の国家公務員総合職試験は、受験者が増加する効果があるとしまして昨日まで受付がされていたと承知をしております。いつもの受付期間よりも一週間延ばしての受付が行われていたというふうに承知をしておりますけれども、今年度の受験者の人数は後ほど出てくるのではないかと思いますが、先月、三月時点で、人事院の認識としてはこの国家公務員受験者の減少というのは危機的状況であるという報道を目にいたしました。
内閣人事局が行いましたアンケート調査によりますと、この新規の受験者が減っているという問題のみならず、現在働いている公務員も、三十歳未満の男性公務員の実に一四・七%、七人に一人が数年以内に辞めたいと、女性についても九・七%が数年以内に辞めたいという意向を持っている、あるいは既に辞める準備中であるという調査結果が出てまいりました。
その理由は男性と女性で若干違うんですけれども、男性の方、七人に一人が辞めたいと思っている男性の理由を見ますと、もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたいというのがトップの理由でございまして、次に、収入が少ないのが理由、そして三番目に、長時間労働で仕事と家庭の両立が難しいとなっております。
こういう事態を踏まえまして、二〇二一年、昨年にできた未来の公務を考える若手チームというのがございまして、これまでこの若手チームでの行ってきたことの中間報告を三月十一日に二之湯国家公務員制度担当大臣に御報告がされたと承知をしております。
この中間報告を受けての大臣の御感想、また、新規受験者数を増やしながら現役が辞めないようにするためにどういう改革を行う御予定かについてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/110
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111・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 近年、国家公務員の受験の申込数が非常に減ってきていると、こういうこともございますし、また、自己都合退職者も増加傾向にあるわけでございます。その原因は何かと申しますと、一概には申し上げられませんけれども、今委員が申されましたように、非常に長時間労働が続くということ、あるいは仕事のやりがいが感じられないことなどがあるわけでございます。そのため、若手職員の意欲と能力を最大限に発揮できる職場づくりを、つくることが非常に重要になってきているわけでございます。
このため、政府においては、国家公務員の働き方改革の指針に基づきまして、管理職一人一人による意義が乏しくなったルーチンワークの廃止や効率化、あるいは部下の成長を促すための日々の業務を通じた助言、指導の徹底などを通じて、若手職員が意欲と能力を遺憾なく発揮できる環境の整備を進めてまいりたいと思っております。
また、現在、内閣人事局と人事院の若手職員が未来の公務や働き方改革について率直で自由な議論を行っており、先日、今申されましたように経過報告を受けました。彼らには自由に御議論いただきまして、霞が関の慣習にとらわれない大胆な提言となることを期待をいたしております。
彼らの提言も受け止め、引き続き、国家公務員が全体の奉仕者として誇りを持って、そしてまた志高く伸び伸びと働けるような改革を進めてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/111
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112・高瀬弘美
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。大胆な提案が出てくることを私も期待をしております。
公務員の志願者が減少する中におきまして、今、若手が辞めたい理由の中に収入というお話もございましたけれども、特に高度専門職と言われる皆様の給与水準は民間との間に開きがあります。民間から第一線の人材を確保するためには方策が必要となりますし、今現在公務員として働いていらっしゃる高度専門職の方々をしっかりと公務員として働き続けていただくためにもこういう方策が必要となりますけれども、ここについては人事院としてどうお考えでいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/112
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113・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
高度の専門的な知識、経験等を有する人材を採用するための枠組みといたしまして、任期付職員法によりまして、職員を任期を定めて採用した上で特別な俸給表を適用することが可能となっております。この特別な俸給表におきましては、比較的若手の専門スタッフに対応する水準から特に高度の専門スタッフに対応する水準まで用意されており、採用される者の専門的な知識、経験や業務の内容等を踏まえまして各府省において柔軟に運用することができるようになっております。
また、極めて高度の専門性を有する民間人材を採用する場合には、人事院の承認を得て、一般職職員の中では最高額であります事務次官の俸給月額を上限といたしまして、特例的な俸給月額に決定することも可能としておりまして、この場合、年収ですと二千三百万円程度ということが支給できます。
人事院といたしましては、特定任期付職員制度も活用しながら、有為な人材に対し適切な処遇が確保されるよう、引き続き努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/113
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114・高瀬弘美
○高瀬弘美君 今、特定任期付きの職員給与という特別な給与体系があるというお話がございました。
人事院総裁にお伺いいたします。
民間、人事院総裁、民間での御経験も長いわけでございますが、民間の優秀なトップクラスの人材を国家公務員として働いていただくために、今御説明のあった任期付きの特別な給与体系の職員だけで十分と、この制度があれば十分というふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/114
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115・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 多様で有為の人材を公務に誘致するためには、今申し上げましたような中途採用者等の給与について検討を進めていく必要があると考えております。そのため、各府省から具体的なニーズを聴取して、その結果を踏まえ、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
さらに、多様な有為の人材を公務に誘致していくに当たっては、働く環境の整備も重要だと思いますし、あと、私が思いますのは、国家公務員には我が国の行政を担い、国民生活を支えるという民間とは異なるやりがいがあるということも積極的に周知していくことが重要ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/115
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116・高瀬弘美
○高瀬弘美君 総裁、ありがとうございます。
今、給与だけではなくて、働く環境とかやりがいの面をしっかりと広報していくことが大事だというお話ございました。
この働く環境についてなんですけれども、なかなか国家公務員のお給料というのは急激に上げるということは難しい中で、先ほど来お話をさせていただいていますとおり、管理職を変革することによって仕事内容を魅力的にするですとか、あとはやっぱりライフ・ワーク・バランス、これをしっかりと整えていく必要があると思います。
その中でも、今回のコロナの中で、テレワークという新しい働き方の選択肢が出てまいりまして、これ私は是非定着をしてほしいと思っておりますけれども、喉元過ぎればみたいなことになって、落ち着いたときには元のように普通に出勤して普通に対面で仕事することが主流となっていくのではないかということを危惧をしております。
特に民間企業においてはこのテレワークがもうしっかりと定着をしていく中で、人事院総裁としてはこのことについていかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/116
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117・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) テレワークの推進は、業務プロセスの変革やデジタルトランスフォーメーションの推進を通じた行動変容、非常時における業務継続の観点から重要です。また、テレワークを活用した柔軟な働き方は、育児、介護等のために時間制約がある職員等の能力発揮やワーク・ライフ・バランスの確保につながります。したがって、私といたしましても、テレワークが今後も働き方の選択肢として定着することが望ましいと考えております。
ただし、テレワークを進めるためには、民間に比べまして決して進んではいないIT環境が整えられていく必要があるというふうに考えておりまして、政府全体の取組である国家公務員テレワーク・ロードマップにおいて示されているように、必要な規模のテレワークが実施できるような制度、環境の整備を進めていただきたいと思っております。
人事院においては、テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方について検討を行うため、本年一月から有識者による研究会を開催して検討を進めておりますので、問題意識を持って取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/117
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118・高瀬弘美
○高瀬弘美君 総裁、ありがとうございます。
テレワーク、望ましいというふうに総裁もお感じになられていると、ただ、乗り越えなければいけない部分もあるので、そこはしっかりと取組を進めていただきたいと思います。
衆議院の内閣委員会の質疑の中で、人事院が実施したアンケートのお話もありました。毎年、新規で採用された職員を対象に、どんな取組を進めると公務の魅力が向上して優秀な人材の確保につながると思いますかという問いがあったんですけれども、これに対しまして、圧倒的にやっぱり多かったのは、職場全体の超過勤務や深夜勤務の削減を図ってほしいと、そして二番目がフレックスタイムやテレワークの活用による働き方改革の推進、こういう取組をやっぱり進めて優秀な人材を獲得していくしかないのではないかなと思います。
最後の質問になりますが、二之湯国家公務員制度担当大臣にお伺いいたします。
今日の質疑の中で、多面的観察の実施、霞が関で行われているものについてのお話ですとか、また若手職員を辞めさせないために管理職の意識改革が必要であるというお話、またテレワークを、テレワークであったりフレックスタイムを若手職員が求めていることなどを指摘をさせていただきました。
様々な課題点があると思いますけれども、これを踏まえまして、公務員制度全体を良いものとしていくための大臣の取組と御決意、お伺いさせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/118
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119・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 本日、委員から様々な御指摘をいただきました。いずれも重要なものであり、私としても優秀な人材に公務に引き続き精励していただきたいと、このように思うわけでございます。そのためにも、ワーク・ライフ・バランスを確保するとともに、やりがい、それから自己成長を感じられる職場環境に努めなきゃならぬと、このように思っております。
御指摘も踏まえ、引き続き、国家公務員の働き改革やマネジメント改革に真剣に取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/119
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120・高瀬弘美
○高瀬弘美君 大臣、大変力強い御答弁ありがとうございます。
本当に若手の公務員の方々が希望を持って続けることができるように、引き続きのリーダーシップを御期待申し上げて、私の質疑とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/120
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121・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
今日は、今回のこの法改正の特に育休法、それから育児・介護休業法の改正案、これ当然職場で働いている皆さんにとっては取りやすくする方向の法改正というふうに受け止めておりますけれども、じゃ、現在実態としてどうなのか、それを更に取りやすくしていくためには何か職場の課題は一体何があるのか、こういった観点で質問を準備をいたしましたので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
最初の質問ですけれども、まず、ちょっと皆さんのお手元に資料をお配りをしました。
先ほど来ほかの委員の先生方からも質問のやり取りの中で出てきていましたけれども、実際に今の足下の男性職員の育児休業取得率ということで、グラフを見ていただければと思いますが、実態として、国家公務員でいくと全体としては、二重線の水色のものですね、二九・〇%が今足下の状態、それから、地方公務員の全体としては、黒線の黒丸のものですけれども、一三・二%ということで、見ていただけますと右肩上がりで徐々に徐々に良くなってきているということはお分かりいただけるかというふうに思います。
ですので、このグラフをベースに御質問をしたいんですけれども、まず一つ目、この公務員男性職員の育児休業取得率が向上してきた、この理由についてはどのように捉えられているのかということと併せまして、このグラフから見ても分かるとおり、国家公務員と地方公務員ではその取得率に差がございます。この差があることについてどのように捉えられているか、この点につきまして、人事院総裁、それから総務省の方にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/121
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122・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 時系列でちょっとお話ししたいと思いますけれども、人事院は、男性職員の育児と仕事の両立を支援するために、平成二十二年に育児休業等を取得することができる職員の範囲を拡充いたしました。また、制度を周知するため、職員向けの両立支援ハンドブックを作成し、各府省へ配布するなどしてきました。これらにより、男性職員が育児休業を取得しやすい環境整備を進めてきたところです。
こうした状況を踏まえて、政府においても、令和元年十二月に女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会において国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針が決定されています。これに基づきまして、各府省等において、令和二年度から、子供が生まれた全ての男性職員が一か月以上をめどに育児に伴う休業、休暇を取得する、できることを目指して各種の取組を進めています。
このような取組が進められた結果、一般職国家公務員の男性職員の育児休業率、取得率が上昇したものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/122
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123・阿部知明
○政府参考人(阿部知明君) 地方公務員についてお答えいたします。
地方公務員の男性の育児休業の取得率でございます。御指摘ございましたように、令和二年度におきましても一三・二%ということで、国家公務員に比べ低水準だというふうに認識をしてございます。
地方公務員の男性職員の育児休業につきましては、第五次男女共同参画基本計画におきまして取得率三〇%という成果目標が掲げられておりますので、これに向けて一層取組を加速しなければならないと認識してございます。
このため、総務省としましては、昨年十二月二十四日に各地方公共団体に対しまして通知を発出してございます。国家公務員の取組を参考に取組を、一層取得するよう助言してございます。
具体的には、各団体におきまして、組織として男性職員の育児休業等の取得促進に係る数値目標を設定し、全ての職員に対し当該目標を周知する。それから、地方団体の長を始め、幹部職員が休暇、休業の取得方針、目標の明確化を行うことでありますとか、管理職員が対象職員の意向に基づきまして取得計画を作成すること等について検討するよう助言を行ってございます。また、令和二年度に取得率が大きく上昇した地方団体の取組事例でございますとか取得促進の機運の醸成を図るためのポスターを提供し、各地方団体に活用いただくよう周知を行ってございます。
総務省としては、引き続き、各地方団体における取組状況を把握しまして、取得率の向上に向けて必要な助言を行ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/123
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124・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
今、総裁の方からもお話をいただきましたとおり、年々、年々といいますか、明確に方針を決めて少しずつ少しずつ改善を図ってきた、それがまさに数字として出てきているんだというふうに思いますし、やはり、令和二年度政府方針としまして、この人事評価への反映というものもございました。こうしたものがやはり職場の意識付け向上にも十分生きてきているというふうにも思いますし、特にマネジメント層の意識改革にもつながってきているのではないかな、私もそのように、このグラフあるいは資料を見て感じたところでございます。
では、今御説明をいただきましたけれども、この徐々に上がってきている数字ですけれども、これを更に高めていこうとしたときにどうすべきかということで、この育児休業取得の更なる向上を目指す際の課題は何だと考えておられるのか。この点についてお答えを、これは人事院総裁の方にお答えをいただきたいと思うんですけれども。
それともう一つ、これ二之湯大臣の方にちょっとお伺いしたいんですけれども、この法改正そのものは私は取得しやすくなる方向のものだと受け止めていますし、そうなることを期待をしているんですけれども、いざこれ、じゃ、取得をしましょうといったときに、まだ雰囲気が良くないんだとか、あるいは、いや、仕事忙しくて取っている暇ないんだよとか、あるいは、自分の仕事はもう自分にしかできなくて、ほかに代わる人がいないんだとか、いろんな理由があると思います。それ以外にも、やはり同僚に負担を掛けさせることがもうすごく後ろめたくて、職場自体も忙しいからなかなか難しいというようなことがやっぱりあると思います。こういう状態というのは、やっぱり取得しやすい環境とは言い難いというふうに私は思います。
であれば、従来から言われています国家公務員の過酷な働き方については、これまでも指摘されていますけれども、例えば人のローテーション、さらには人材の補充、もっと言えば採用数を思い切って増やす、こうした考え方も考え方の一つとしてあってもいいのではないかと思いますが、こうした考え方について、大臣の御所見、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/124
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125・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 育児は男女が協力して行うものだと思いますけれども、我が国においては、育児の負担は依然として女性に偏っている実態があります。男性職員の育児休業取得率は着実に増加してきていますが、男性職員と比べて低い水準にありますし、また休業期間も短い状況にあります。育児休業取得の更なる向上を目指すに当たっては、制度をより柔軟に利用できるものとする必要、あるいは職員が一層制度を利用しやすい職場環境を整備していくことが重要であると考えています。
こうした課題に対応するため、昨年八月、人事院は、育児休業の取得回数制限を緩和する育児休業法改正について意見の申出を行いました。これに基づく今回の法改正により、カップルが交替して取得するなど柔軟な育児休業の取得が可能となり、男性職員の育児休業の取得の促進が期待されます。
また、育児休業制度を含む両立支援制度の適切な運用を図り、職員が働きやすい勤務環境を整備するために、本年三月、人事院は、妊娠・出産・育児・介護と仕事の両立支援制度の活用に関する指針を改訂いたしました。新しい指針では、各府省の人事担当部局や管理者の役割として、両立支援制度の概要等の周知、研修の実施、代替措置や要員の確保などを掲げています。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/125
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126・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 人事院川本総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/126
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127・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 恐れ入ります。
私、男性職員と比べて低いというふうに、いずれにしましても、男性の方が非常に低いということを申し上げたかったので、訂正させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/127
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128・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 男性職員が育児休業を取得しない理由については、職員へのアンケート調査においても、仕事が非常に忙しい、あるいはなかなか職場でそういう休暇を取りにくい、そんな雰囲気があると、こういう業務上の懸念が挙げられております。
こうしたことを踏まえて、政府は、男性職員の育児休業などの取得について、上司が部下に取得を働きかけるとともに、業務分担やスケジュールの見直しなどを行って部下の取得計画を上司自らが作成するなどすること、そして対象職員の休業、休暇中に業務の円滑な遂行に貢献した同僚職員について適切な人事評価を行うことなどによって、育児休業などを取得しやすい雰囲気、環境の整備に努めておるところでございます。加えて、ふだんから長時間労働の是正や職員間の業務の平準化を進めることが非常に重要だと認識しております。
管理職による日々の適切なマネジメントが行えるよう各府省に強く要請しており、その上で各府省から現場の実情や政策課題を丁寧に伺いながら必要な定員についても措置をしてまいり、そして男性の育児休業をもっともっと増やしていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/128
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129・礒崎哲史
○礒崎哲史君 是非、そうした業務負荷の見直し等、やはりこれ、なかなか実態見えづらいんですね。ですので、こうした点については本当に、こうしたデータも含めてチェックをいただいて御対応をいただきたいというふうに思いますけれども。
今の質問とまた少し関連をしてくるんですが、冒頭の質問でも、人事院総裁の方からこれまでの経緯等、お話もありました。今後の課題についてのお話もありましたけれども、やっぱりこの取得率向上を目指していく上では、年度の目標値をしっかりと立てるということも重要ですし、あとはその結果をしっかりフォローしていくということも大変重要だと思います。さらには、それを、こうだったねというふうに内々で確認するだけではなくて外に見えるようにしていく、そうすることが、結果的にはマネジメント層であったり、あるいは職場全体であったり、そうしたそれぞれの人の休暇取得の意識付け、こうしたものの向上につながっていくのではないかなというふうに思います。
もう積極的に外に結果を見せていくと。結果が悪いから、恥ずかしいから見せないのではなくて、これが実態なんだからこれ変えていこうという、そういう意識付けをもっともっと積極的にやった方がいいというふうに思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/129
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130・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 議員御指摘のとおり、育児休業の取得状況について目標を設定し、その結果を公表することは、育児休業を取得しやすい勤務環境を整備するために有効な取組であると認識しております。
国家公務員の育児休業の取得向上に向けた見える化の取組として、令和二年十二月に閣議決定された第五次男女共同参画基本計画において、国家公務員の男性の育児休業取得率を二〇二五年までに三〇%とする成果目標が掲げられていると承知しております。各府省においては、これらを踏まえた男性職員の育児休業取得率の目標数値を定めた取組計画を策定し、取組状況を毎年度一回公表していると承知しています。
また、これまで人事院において毎年度、各府省における育児休業取得率等を調査して公表してきたところですが、今般、人事院規則を改正し、各府省等に対し毎年度育児休業の取得状況を人事院に報告すること及び人事院において取りまとめて概要を公表することについて改めて規定し、本年四月一日から施行いたしました。
これらの取組が引き続き進められていくべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/130
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131・阿部知明
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
先ほどお答えしましたとおり、総務省では、昨年十二月に発出した通知におきまして、国家公務員の取組を参考に、男性による育児休業取得促進につきまして助言を行ってございます。特に、長などの幹部職員による目標の明確化でありますとか管理職員による取得計画の作成は取得促進に資する重要な取組であると考えられますことから、この点について一層の推進に向けて積極的な検討をお願いしているところであり、引き続きこういった見える化の取組を働きかけてまいります。
また、各団体の取得率につきましては、総務省におきまして実施してございます地方公共団体の勤務条件等に関する調査の結果として公表しているところでございまして、こういった全体の見える化も進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/131
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132・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
今、総務省の方が答弁いただきました、最後に御答弁いただきました結果まとめていますという、そのまとめたものを皆さんのお手元に資料二、三ということでお配りをしまして、都道府県のそれぞれの取得率と、あとはその都道府県の中の市町村の取得率ということで実際にもうまとめられているものがありまして、このようになっておりました。是非、皆さん、御地元の、自分の御地元のところが今どれぐらいの状況にあって、職員さんがどんな状況にあるのかというのも是非参考にいただければと思います。
参考ということで、黄色いマーキングしたものは取得率の高いポイントにマーキングをしました。また、取得率の低いところについては赤線で引かせていただいたことになっておりまして、差としてはかなりあるということは皆さんにもお分かりをいただけるというふうにも思いますし、あともう一つ特徴は、やっぱりその首長の部局、それから警察部門、消防部門、教育委員会というその部門ごとでもかなり違いがあります。
これぱっと見ていただければ分かるとおり、特に警察の部門ですとか、あとは教育部門、あとは特に消防部門、警察部門、これが取れているところと取れていないところがかなり違いが出てきているのかなと思いまして、これが結果的にはその都道府県あるいは市町村の取得率にも大きく影響してきているような傾向があろうかというふうに思います。これは当然、警察や消防のところの働き方というものもあろうかと思いますので、一概に取りやすいとか取りにくいとか、勤務の状況がとか雰囲気がとかということではなくて、やっぱり働き方と直結した、そういった点もここには特徴として表れてきているんだというふうに思います。ざっと見ても、そういう傾向がこの資料だけでも分かるんです。
これ以外にも、お付けしておりませんが、取得率は上がっているんですけど、五日間取れているか取れていないか、実はこんなデータも総務省はまとめていただいているんです。だから、数字上は取れているんだけど、日数が実はすごく短いんだと、こういうデータも総務省さんはまとめていただいていて、すごくいいデータをまとめていただいていると思うんです。
ですので、こういうものをしっかりと活用いただいて、これ二之湯大臣にも、御担当になるかあれですけど、是非活用していただいて、総務大臣とも御相談をいただいて、現場の皆さんがどういう状況にあるのかというのをこういうデータを使って是非分析していただいて、更なる向上のためにどんな課題が現場にあるのか、そうしたところも分析を是非いただいて対応をいただければ幸いだと思いますので、この点は要望ということでさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。
それでは、次の質問に入ってまいりたいと思いますけれども、この働き方含めての関係性になってくるんですが、先ほど来、今の職場の実態ということで、数年以内に退職を考えている、こういった結果もあるというようなお話も先ほど来議論としてはありましたけれども、もう一つ、今、人事院さんの方で取られたアンケート結果がありまして、これもお手元にお配りをしました。
資料の四番になりますけれども、これは、就職活動を終えた学生さんを対象とした意識調査というものを人事院が今回新たに取られています。ですので、まずお伺いしたいのは、この意識調査を実際に行ったその理由、目的についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/132
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133・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 人事院は、これまで公務員志望者や各府省新規採用者に対するアンケートによって国家公務員の志望理由等を把握してまいりましたが、国家公務員を志望しなかった方に対してはアプローチできておりませんでした。近年続く国家公務員志望者の減少を止めるためには、国家公務員を志望しなかった方がなぜ志望しなかったのか、その理由を把握して、こうした方々にも国家公務員を志望していただくような施策を実施していく必要があります。
このような問題意識に基づき、人事院としては初めて、国家公務員を志望しなかった方も含む就職活動を終えた学生に対し、国家公務員を選ばなかった理由等に関する意識調査を行ったものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/133
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134・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
もう一つお伺いしたいと思います。
この調査を実際に行った結果として明らかになったこと、課題、あるいはさらに今後の具体的な対策の方向性、こうした点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/134
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135・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 今回行った調査を通じ、学生が国家公務員を就職先として選ばなかった理由を客観的に把握することができ、今後の対策、講じるべき課題について認識することができたと考えております。
国家公務員を選ばなかった理由として多くの学生が挙げていたのが、採用試験の準備や採用試験の実施時期に関する点、業務内容や長時間労働等の勤務環境に対する不安感でした。
人事院としては、この調査を通じて明らかとなった学生の問題意識を踏まえ、勤務環境の改善などに引き続き取り組みます。また、採用試験についても、学生がより受験しやすくなる方策について早急に議論を進め、より多くの方に受験していただけるよう取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/135
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136・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今総裁の方から御説明をいただいた理由の中で、採用のその時期というのがありました。資料の五を見ていただきますと、それがその関連するデータになるんですが、これ棒グラフは何を言っているかというと、内々定をもらった時期なんです、学生さんが。それでいきますと、その棒グラフを累積したものが折れ線の方になりますので、実際に公務員の試験をやっている三月、四月のタイミングではもう六割を超える方が内々定をもらっている。ですので、それ以降に国家公務員の試験の結果が出て、自分の就職が決まるかどうかという時期の前に決まっているので、やはりもう既に国家公務員になることについてはもう時期的になというので諦めている方もやっぱりそこには少なからずいらっしゃるというのがここのデータから出てきているということであります。
ですので、先ほど来、この点について懸念をされている先生方の意見が、質問のやり取りもありましたけれども、試験の日程含めて、あるいは職場の働き方、そうした点も含めて様々な観点でいろいろと見直しをしていただきたいということだというふうに思っておりますので、その点も含めて御対応いただければというふうに思います。
私の質問は以上とさせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/136
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137・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時七分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/137
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138・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/138
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139・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
法案に関連をして、この国家公務員をめぐるいろんな問題についてお聞きをしていきたいと存じます。
改めて言うまでもありませんが、この国家公務員制度、我が国の行政の円滑な運営を確保するための重要な基盤でありますが、先ほどからもいろいろ議論がありますように、この国家公務員の世界はといいますか、めぐる問題は非常に山積をしております。この若手職員の離職の問題、あるいは志願者の減少の問題、長時間労働の問題などなど大変危機的な状況にあると言っても過言ではありませんが、まさにそういう意味では、霞が関の危機にあるという認識、崩壊の危機にあるという認識を持たねばならぬのだろうと思っております。
これまでこの霞が関というかこの国家公務員制度というのは、新卒、生え抜きで年功序列といった極めて硬直的な人事制度やその運用がなされてきたわけですが、今こそやっぱりこれを変えていくということが非常に大事になってきたと思います。そして、たとえ若くても、中途採用でも、また性別も関係なくて、能力・実績主義に基づく人事評価を実施をして、適材適所の人事配置を行えるような環境をつくっていくということが大変重要になってきていると思っております。
そんな中で、今般、伊藤人事官も新たに就かれることによって人事院のトップスリーのうちお二人が、先ほどからもお話が出ておりますが、外資系出身の方になったということでありまして、川本総裁はマッキンゼーでしたでしょうか、あるいは伊藤さんは日本マイクロソフトというふうにお聞きをしておりますが、そういう意味でいろんな改革が進んでいくことを期待をするところであります。
特に、民間と海外の視点、これを取り入れるとともに、この能力・実績主義に基づいた評価制度、既に始まっている部分もありますけれども、更に推進を図ることが必要だと考えておりますが、どのようにこの改革を進めていくおつもりか、人事院総裁にお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/139
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140・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 人事管理については、国によっても公務と民間によってもその内容は異なるものと考えますが、国家公務員が能力を十全に発揮し、意欲を持って全力で勤務できる公務職場の実現のためには、国際性や開放性の観点から、常に世界の動向に目を向け、取り入れていくべきものについては取り入れていく柔軟性と積極性が大事だというふうに考えています。
人事評価については、職員の能力、実績を的確に把握した上で厳正な評価を行い、職員の年齢や採用年次にとらわれることなく、その結果を昇任や昇給、ボーナスに適切に反映することが重要です。
政府において、能力・実績主義の更なる徹底などの観点から、令和三年九月に人事評価制度の見直しが行われたところであり、新たな制度の下で幹部職員も含め能力、実績に基づく人事評価が十分に機能するよう、政府と連携してその定着を促していくことが重要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/140
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141・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。
今おっしゃった、御答弁された方向で改革を大胆に進めていただきたいと思いますし、これが、人事院トップスリーのうち二人が民間の御出身ということのこの今こそ、この変えていくラストチャンスだという思いでしっかりやっていただきたいと思います。
この公務員制度改革等々を実際にやっていく上では、今もお話がありましたように、政府と連携をしていくということが極めて重要であります。足並みをそろえてというか、意思疎通を図りながら一体となって進めていくということが大事だと思っておりますが、そこで、担当大臣と人事院総裁にそれぞれどのように行って取り組んでいくのか、お聞きをしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/141
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142・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 霞が関が直面しております人材の確保、育成といった課題は、政府の立場、そして第三者機関であります人事院の立場という違いはあるものの、立場を超えた共通の課題であると認識をいたしております。両者で力を合わせて早急に取り組んでいくことが重要であり、常日頃から連携に努めておるところでございます。こうした日々の連携に加えて、昨年の九月からは、私、国家公務員制度担当大臣と人事院との、総裁との間で内閣人事局・人事院連絡会議を設置して議論を進めているところでございます。
また、現在、内閣人事局と人事院の若手職員が未来の公務や働き方について率直で自由な議論を行っておりまして、その結果を今後私と人事院総裁の元に届けていただくことになっております。彼らの提言も受け止めまして、受け止めて更なる改革を進めてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/142
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143・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 霞が関改革を進め、国家公務員をめぐる諸問題を解決していくため、政府全体の人材戦略を担当する政府や、実際に職員の人事管理を行う各府省と連携協力して必要な取組を進めているところです。内閣人事局との間で昨年九月から、公務員制度担当大臣と私との間で連絡会議を設けて定期的に意見交換を行ったことは今大臣から御紹介があったとおりでございます。
今後も、国家公務員が能力を十全に発揮し、意欲を持って全力で勤務できる環境の整備に向けて、内閣人事局や各府省と連携協力し、スピード感を持って様々な人事管理に関する取組を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/143
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144・柴田巧
○柴田巧君 今も御答弁ありましたように、是非連携を密にして、スピード感を持ってというのは非常に大事な点かなと思っておりますので、進めていっていただきたいと思います。
個々の問題にちょっと入っていきたいと思いますが、先ほどからも取り上げられておりましたが、この若手職員の退職者数が近年増加をしております。内閣人事局によれば、自己都合を理由とした二十代の国家公務員総合職の退職者数は、平成二十五年度は二十五人だったんですかね。で、令和元年度は八十七人、六年前の四倍になったという記事や報道はよく目にするのですが、最新のというか、令和二年度では今どういう数字になっているのか、これをちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/144
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145・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
一般職の職員の任用状況に関する調査の最新でございます令和二年度調査によりますと、行政職俸給表(一)の二十九歳以下職員の辞職者数は六百七十一人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/145
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146・柴田巧
○柴田巧君 済みません、ちょっと、もう一回お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/146
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147・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答えいたします。
私どもで行っております任用状況に関する調査の令和二年度の数字でございますけれども、行政職俸給表(一)、これは一般の行政官でございますが、二十九歳以下の職員の辞職者数が六百七十一人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/147
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148・柴田巧
○柴田巧君 確認ですが、そうすると、令和元年度で八十七人になったこの国家公務員総合職の退職者数の数ですが、その数字で間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/148
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149・西浩明
○政府参考人(西浩明君) 私どもで申し上げましたのは、総合職、一般職の試験の区別のない行政職(一)の人数でございまして、同じ数字で令和元年度の数字を申し上げますと七百十二人という数字になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/149
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150・柴田巧
○柴田巧君 済みません、令和二年度の数字を教えてくださいということを申し上げているのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/150
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151・西浩明
○政府参考人(西浩明君) 令和二年度の数字は六百七十一人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/151
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152・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘ありました八十七、正確には八十六なのでございますけれども、その数字は私どもの数字でございますので、その関係で二年度の数字を申し上げさせていただきます。
この数字は、二十代の総合職の行政職(一)の俸給表の退職者と、自己都合退職者でございまして、元年度八十六でございましたのが二年度は四十七ということで若干減っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/152
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153・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございます。四十七まで減ってきたということですよね。ありがとうございます。
これが最新の数字だということになりますが、しかし、それぐらいの数字がまだ、の方々が、この二十代で自己都合で総合職でお辞めになるということであります。
一般職も含めると先ほどの数字ということになっていくんだろうと思いますけれども、こういう状況で、この若手職員の退職者が増えているということの対策として、人事院は来年から、各省の課長級を対象に、組織運営や人材育成などの研修を始めることになっていると承知をしております。
しかし、先ほどからもいろいろ質疑の中で出ておりましたが、令和元年度の職員アンケートの調査結果によると、この辞職の意向のある三十歳未満の職員、男性の職員で一四・七%、七人に一人がそういう意向があるということですが、その理由を聞くと、もっと自己成長ができる魅力的な仕事に就きたいとか、あるいは長時間労働で仕事と家庭の両立が難しいなどの辞職意向が示されているわけです。
すると、この今やろうとしている研修が、人材育成や組織運営というのと退職理由等とマッチしない部分があるんじゃないかと懸念をするわけですが、そこで、今やろうとしている研修の意義と、及び期待される効果というのはどういうふうに考えているのか、人事院にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/153
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154・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
職員が能力を発揮し、意欲を持って働くことのできる環境を実現するためには、幹部職員や管理職員が組織マネジメントに真摯に取り組むことが重要であり、人事院においても、マネジメント関連の研修に、研修の強化に取り組んでいくこととしております。
近年、人材や働き方が多様化してきていることや、仕事と家庭生活の両立を図る重要性が増してきていることなどにより、公務における各職場の課長級の職員は多くの新たなマネジメントに関する課題に直面しております。今回、新たに始めることとしております課長級研修は、これらの状況を踏まえまして、組織統率力や人材育成力といった課長としてのマネジメント力を向上させることを目的として実施することとしております。
このような研修を通じまして、若手職員の成長や仕事と家庭生活の両立などについてもより配慮したマネジメントが行われるようになり、職場の魅力が向上すれば、若手職員の定着にも資するのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/154
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155・柴田巧
○柴田巧君 是非、この退職理由などを、あるいはその背景などをよく精査をしていただいて、意味のあるというか、その抑止になる、抑制できる、そういう措置が後々できるような、そういう調査をしていただきたいと思います。
そのためにも、恐らく今やろうとしている研修を実施した後には、その研修参加者などにアンケートなどを取られるものだと推察をしていますが、実際に研修に参加した課長級の職員のみならず、この研修を受けた課長級職員の下で働く職員にも、先ほどのいろんなお話もありましたが、そういった人たちにも、職員にもアンケートを実施することというのは意味があるんではないかと思っていまして、そういうことで研修の効果が本当に把握できるのではないかというふうに考えますが、是非そういった工夫も講じていただきたいと思いますが、どのように考えていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/155
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156・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
各研修におきましては、研修効果を高めるため、研修員アンケートを活用し、PDCAサイクルを回していくこととしております。
今回、新たに始める課長級研修につきましては、研修内容自体が構想段階でございますので、研修実施後のアンケート等の方法について具体的な検討には至っておりませんが、人事院といたしましても、研修の効果把握は重要と考えておりますので、その手法についても適切なものとなるよう検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/156
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157・柴田巧
○柴田巧君 是非、今申し上げたようなことなどもしっかり取り入れていただければと思っております。
さて、この後は、官民の交流の促進など、あるいは民間人材の活用などについてお聞きをしていきたいと思いますが、先ほども申し上げましたが、この国家公務員制度を変えていくためにも、この官民のいわゆる垣根を越えてこの時代環境に対応できる能力を持つ人材を誘致をしていくというのは非常に重要なことになってきたと思っております。
そういう意味でも、この様々な分野の民間人材を確保していくことが公務の世界で大変これからは大事なことだと思っておりますが、それが組織全体の活性化にもつながると、あるいは複雑多様化してきているこの行政の課題にしっかりと応えていけると、また、信頼される国家公務員制度をつくっていけるものと確信をしますが、そういう意味で、この民間人材の活用というのは非常に重要なテーマだと思っていますが、担当大臣の御認識と今後の取組の方針についてお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/157
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158・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 複雑多様化する行政ニーズに迅速、的確に対応するためには、多様な能力を、あるいはまた経験を持つ人材を確保することが必要であり、民間人材の活用はそのための重要な方策であると考えております。
今般、政府全体の人事管理の統一的指針である令和四年度の人事管理運営方針におきまして、その時々の行政課題に応じた即戦力を確保する観点から、内閣人事局は、人事院と連携して、民間人材の採用の円滑化のための手続、処遇等について検討すると定めたところでございます。これに従ってしっかりと取り組んでまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/158
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159・柴田巧
○柴田巧君 是非、民間人材を上手に活用していくというのが、いろんなこの課題に対処していく上でも、あるいは組織全体の活性化をしていく、それが先ほど来からの問題の解決にも資するものだと思いますので、大いに進めていっていただきたいと思いますけれども。
今大臣もお触れになりましたが、この人事管理運営方針、三月の三十日に新たなものが示されておりまして、その中では、いわゆる幹部職員、管理職の公募制のことについても触れているところであります。これまでもこの公募制についてはなされてきたところですが、これまでの検証を踏まえ、公募を更に推進をしていこうということが打ち出されていまして、その人事管理運営方針の中には次のように書いてあります。当面、令和四年度以降の三年間で約二百ポスト、三割増になりますが、の公募を目指して取り組むことにするという方針が打ち出されております。
そこで、お尋ねをしますが、これまでの公募の取組の成果に関する検証、それから検証から見える、見付かった課題、課題に対する政府の今後の取組についてどう対応していこうとしているのか、これは内閣人事局にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/159
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160・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 私どもの方では、民間人材の公募に関しまして、更なる応募、活躍を促すために、民間から実際に採用された方々などへのヒアリングを行ったところでございます。そこで現れました課題を御紹介いたしますと、一つには、例えば募集要項を見ても求められる役割が明確でない、またどれぐらいの給与が受け取れるかもよく分からなかったというような話、あるいは、二つ目として、採用当初、独特の霞が関用語とかあるいは意思決定プロセスとかそういったものが分からなくて戸惑ったというようなお話、三つ目には、やはりほかの民間から採用された職員と意見交換するような場が欲しいというような御意見をいただいたところでございます。
そういったことを踏まえまして、先ほど御指摘いただきました令和四年度の人事管理運営方針におきましては、更なる公募推進のための環境整備といたしまして、一つには、募集時点で処遇をより具体的に示す方法を人事院と検討するなど、募集要項の記載内容の充実を図るというのが一つ目、二つ目には、民間から採用された人材が気軽に相談できるメンター役の職員を各府省に配置するということ、三つ目には、民間人材が府省等横断で交流できる機会を内閣人事局の方で設けるということなどを定めたところでございます。
こうした環境整備を通じまして、民間人材の登用を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/160
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161・柴田巧
○柴田巧君 是非進めていっていただきたいと思います。やっぱり民間の手法やあるいは最先端の専門知識、知見などを行政に取り込むという積極的な意味合いもあると思っていますので、大いに推進をしていただければと思います。
そんな中で、この国家公務員においても、近年は中途採用者や任期付採用者数が増加の傾向にあると言われています。平成二十六年に四千六百九十人だったものが、令和二年度、二年かな、二年には六千七百三十人になっていると言われていますし、民間企業での経験や高い専門能力を有する人材、例えば弁護士だったり公認会計士であったり大学の教授など、そういった人たちが公募で、一定の期間採用し、特定の業務に従事させるこの任期付採用のニーズはこれからも着実に増えていくのではないかというふうに予想をします。
こういったことも国家公務員の専門性の向上や官民交流による双方の組織の活性化と人材の育成につながるものと確信をしますので、一層の取組の強化をお願いしたいと思いますが、川本総裁の下で既にこの中途採用及び任期付採用に関して周知の強化も図られております。また、これまで人事院が事前チェックを行っていた任期付職員の採用については、各府省限りで採用できるという範囲を広げてきているところでもありますが、更なる取組が必要ではないかと思います。
そこで、中途採用及び任期付採用について、人事院が現在把握している課題、問題点はどういうところにあるのか、それを解決するために今までやってきた取組以外に必要な取組というのがあればどういうものがあるか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/161
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162・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 有為な人材を国家公務員に確保していくためには、公務部内における人材や育成だけではなく、公務と民間との間の人材の流動性を高め、民間の知見を積極的に公務に取り入れていくことが重要です。
平成十二年に、十二年十一月に施行された任期付職員制度は、御指摘のようにその在籍者が年々増加傾向にあり、令和二年度末で千七百五十三人となっています。このように、同制度は公務に有用な専門的な知識、経験などを有する者の円滑な採用に役割を果たしてきておりますが、その機動性には課題があると考えております。
このため、昨年十一月から、任期付職員の採用において公正性を確保するために行っている人事院の承認について、機動性を高める措置を実施しました。具体的には、人事院による個別の審査手続を不要とする場合の公正性確保などの要件を明示することにより、各府省限りで採用できる範囲を拡大しました。
今後においても、各府省の要望等を精査し、人事院による個別の審査手続を不要とする範囲について、公正性を確保しつつ更なる拡大を行い、任期付採用の機動性の向上を図ってまいります。
こうしたことに加えまして、様々な中途採用の制度が活用されるためには、各府省の制度の内容を理解していただく必要があります。そのため、制度の内容を各府省に示し、理解を促すとともに、積極的な周知、広報も行ってまいります。
さらに、人事院において行っている中途採用者向けの研修の充実にも努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/162
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163・柴田巧
○柴田巧君 今御答弁あったように、これしっかり進めていっていただいて、この民間からの、先ほど私申し上げましたけれども、そういったものがどんどんどんどん取り入れられて、いろんな組織の活性化や問題の解決につなげていっていただきたいと思います。
ちょっと、九番と十番と順番ちょっと入れ替えて質問をします。
先月の二十五日に公表された令和三年官民人事交流に関する年次報告によりますと、令和三年中に、交流採用職員、これ民間企業から国の機関への交流ということですが、交流者ということですが、これは八百三十四人、交流派遣職員、これは国の機関から民間企業への交流者ということですが、百五人となっていまして、交流採用者数は増加をしていますが、その一方で、この派遣、交流派遣職員数というのは減少傾向になっています。平成二十四年と比べるともう半分ぐらいになっているということですし、派遣の方は、逆に二倍半ほど増えていますが、こういう今状況にあります。
そこでお聞きをしますが、近年、交流派遣職員数が減少しているのはどういうことなのか、また、この国の機関から民間企業への職員の派遣も交流採用と同様に拡充をしていくということが必要ではないかと思いますが、現状どう認識しているのか、併せてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/163
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164・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答えいたします。
交流派遣職員の数が近年減少している原因につきましては、一概に申し上げることはできませんが、近年、行政需要が増大し、複雑高度化する中で、国家公務員の人員構成上、交流派遣等の多様な経験を積ませることが望ましい三十歳代から四十歳代前半の人数が少なく、各府省において交流派遣を行う余裕がなくなっている可能性というものがあると考えております。
このような状況にはありますが、交流派遣は、民間企業の効率的、機動的な業務遂行の手法を学んだり、民間企業の実情に関する知識を深めることで、行政の課題に柔軟かつ的確に対応するための知識や能力を有する人材の育成に有益であることから、各府省において積極的に交流派遣の実施を検討いただきたいと考えております。
人事院といたしましても、各府省への働きかけを行うとともに、官民人事交流制度をより多くの民間企業に知っていただけるように周知に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/164
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165・柴田巧
○柴田巧君 交流派遣職員の増加も是非これから進めていただきたいと思います。
この交流採用職員、先ほども申し上げましたように増えてきているということですが、これは一つには、どうも各府省の業務の増加に伴い、即戦力となる人材を交流採用で確保したということが挙げられるのではないかと思われます。
この人事交流制度の目的というのは人員不足の解消を図るということが主目的ではないのではないかと思っていまして、組織活性化や人材育成が主目的だと思いますが、だとすると、拡充するのは大変大事なことだと思いますけれども、単純にこの職員数、交流採用、交流派遣の職員数を増やすだけでは不十分だというところもあるのではないか。単に業務の増加に対応するために民間から人材を集めるという姿勢では、これは民間の皆さんに大変失礼なことになると思います。
そこで、交流採用職員数の増加の原因に、この業務の増加に伴って、今申し上げた即戦力となる人材を交流採用で確保したいということであるならば、これは適正に本当に運用されているかということになるのではないかと思いますが、人事院の見解をお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/165
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166・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答えいたします。
交流採用につきましては、民間企業における実務の経験を通じて効率的かつ機動的な業務遂行の手法を体得している者を各府省において職務に従事させることにより、行政運営の活性化を図ることを目的としております。
交流採用職員の増加の背景といたしましては、委員御指摘のように行政需要が増大し、複雑化していることもあると考えられますが、交流採用職員が即戦力として効率的な業務遂行と行政サービスの向上に資するのであれば、各府省において行政運営の活性化が図られているものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/166
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167・柴田巧
○柴田巧君 しっかり所期の目的が達成されるような形で進めていただきたいと思います。
それで、時間がなくなってまいりましたので、一問飛ばして、人事院総裁に、いわゆるリボルビングドアのことについてお尋ねをしたいと思います。
昨今、官僚と民間人がお互いに職場を自由に行き来する、この、回転ドアと呼ばれたりもしますが、リボルビングドアといったものはこの日本でも広まってきたという感があります。これが広まっていくことは、定着するあるいは拡大していくということは、この霞が関を変えていく一つの大きなきっかけにもなるというふうに思います。実力より年次優先であったり、横並びでやりがいに欠ける、そんなような日本の組織の典型的な象徴と言ってもいいかもしれません。こういう霞が関に新しい風を吹かせていくことにもなるのではないかと思いますし、この官民双方の組織、仕事の方法を体得した人が増えていくことが、あるいは恒常的にそういう双方向で人材が循環していくというのは大変行政の組織にとっても意味のあることだと思っております。
そこで、こういった一旦国家公務員を退職して民間で働いた後に再び官で働く人がこの民間での知見や経験を生かせる仕組みづくり、これがこれから非常に大事なことではないかと思っていますが、どのように取り組んでいくか、人事院総裁にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/167
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168・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
委員御指摘のように、公務の経験を持った者が民間に入り、再びまた公務に戻ってくるという、いわゆるそういった形での交流というのは重要であるという御指摘はいただいておりまして、我々もそのような問題意識を持ってございます。
現在、内閣人事局を中心に、公務員の経験を持った方を再び公務に入れるための仕組みについて検討されている、これから検討されるというふうに承知をしておりますので、私どももそういった検討に可能な限り協力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/168
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169・柴田巧
○柴田巧君 時間が来ましたので終わりますが、今のいわゆるリボルビングドアもこの日本の官の世界を変えていく一つの大きな原動力になるものと思っています。どうぞ川本人事院総裁の下でこういったことがどんどん進んでいきますことを御期待を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/169
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170・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
岸田総理は、昨年十一月に発表した経済対策の柱として成長と分配の好循環を掲げ、賃上げを推進すると表明されました。さらに、今年二月、物価高への対策としても賃上げを強調されました。大企業に恩恵の厚い賃上げ減税など、その政策には賛同しかねますが、少なくとも、OECD各国との比較でも異様なまでに賃金が上がっていないのが日本だという共通の認識があってのことだと思います。それだけに賃上げが急がれます。生活全般にわたる物価急騰という事態に、生活防衛のためには本格的な賃上げへと日本社会全体を動かしていくことが急務となっています。
ところが、その下で、公務員の給与は据置き、期末手当はマイナス改定をするというんですね。二之湯大臣は、衆議院での審議で、期末手当の〇・一五月分が全体として数千億円の規模になる、これが消費に回らないということが非常に厳しい経済の下で大きな影響を与えるのではないかという認識も示されました。そのとおりだと思います。
今回のこの法案、岸田政権の経済政策にも逆行するのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/170
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171・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 今回の措置は、人事院勧告を踏まえて、民間との比較で国家公務員の給与を決定するものでございまして、これは国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るために妥当なものだと思うわけでございます。
政府として民間の賃金水準の引上げにもしっかりと取り組んでいるところでございまして、民間の賃金水準が上がれば、改善されれば、それを受けてまた今後国家公務員の給与水準の改善も期待できることから、岸田政権の経済政策に逆行するとの御指摘は当たらないのではないかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/171
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172・田村智子
○田村智子君 日本国家公務員労働組合連合会が昨年九月から十一月に実施したアンケートでは、四九・五%が生活が苦しいと回答しています。本格的な賃上げをしてこなかった影響は、物価高騰の前から既に現れています。
今年六月期に支給される手当が〇・一五月分の引下げとなるだけではなくて、昨年十二月に支給した分の減額調整も行うというわけですよね。午前中にもありました。通常、人事院勧告を受けた給与法の改定は、遅くとも年内に行われてきました。今回のように、年度をもまたいで給与法を改定するというのは初めてのことだという答弁も午前中にありました。
なぜイレギュラーな時期の給与法の改定なのか。岸田内閣は、ボーナスのマイナス改定が経済に影響を与えないように経済対策をしてからだと、だから年を越えたんだという説明をしてこられましたけど、しかし、経済状況は昨年秋から更に深刻な事態を迎えているんじゃないでしょうか。ロシアのウクライナ侵略による物価高騰は、まだこれから始まるんですよ。アベノミクスの異次元の金融緩和策によって、円安はこのままでは出口も見えずに、長期にわたるインフレが強く懸念をされます。こうした非常事態とも言える下で昨年八月の人事院勧告にただ従うと、これでは私は政策がなさ過ぎると思います。
生活実態にも目を向けていない、物価急騰にも対応していない、それが今回の給与法の改定ではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/172
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173・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 繰り返しになりますけれども、今回の措置は人事院勧告を踏まえた民間との比較で国家公務員の給与を決定するものでございまして、民間の給与、これは給与が上がる場合であっても下がる場合であっても、国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るというために妥当なものと考えているところでございます。
政府といたしましても、民間の賃金水準の引上げや物価高騰対策などにもしっかりと取り組んでいるところでございまして、その実現に向けた各施策を講じることにより民間の賃金水準が改善されれば、それを受けて今後また国家公務員の給与水準の改善も期待できると考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/173
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174・田村智子
○田村智子君 人事院勧告は、日本の雇用者人口の約一三%、七百七十万人の労働者に影響を与えると言われています。国と自治体の公務員だけでなく、公定価格で給与水準が示される保育士などの処遇にも直接影響を及ぼします。大臣の認識以上に経済へのマイナス効果がもたらされてしまうということを私は強く危惧しますし、果たしてこれで賃上げが本当に進んでいくのかなということの危惧も示さなければなりません。
繰り返しになりますけれども、今最もやらなければならない政策が賃上げです。その点で看過できないのが、地域によって最低賃金に達しない俸給表がそのままになっているということです。高卒の初任給が地域別最低賃金を下回る地域、これ国公労連のデータによれば三百六十一の市町村に及びます。
二〇一九年十一月、衆議院内閣委員会で我が党の塩川議員がこの問題を取り上げて、当時の人事院総裁は、最低賃金法の趣旨は国家公務員においても重要であると考えておりますと答弁しております。
人事院総裁にお聞きします。なぜ二〇二一年の俸給改定でこの問題を放置したのでしょうか。むしろ、最賃割れの地域は二〇一九年よりも広がってしまっているのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/174
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175・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
枠組みとして、国家公務員は最低賃金法の適用を受けないこととされております。そのような中、国家公務員の給与は民間の水準と均衡を図りつつ、全国一律の俸給表とこれを補完する諸手当から成る給与体系が法定されており、適正な水準を確保するようにしています。
こうした枠組みの下で、近年、民間企業の初任給の上昇などを踏まえまして、初任給を含む若年層に重点を置いた改定を行って対応してきております。令和三年においては、月例給について、民間給与との較差が極めて小さく、俸給表等の適切な改定が困難であることから改定を行わないことといたしましたが、今後とも民間企業の状況等を見つつ、適切に対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/175
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176・田村智子
○田村智子君 民間準拠と言いますが、最賃割れの給料なんというのは民間ではあり得ないですよね。やっちゃいけないことなんですよね。そういう地域が広がっているというのは、これ重大事態だということを重ねて指摘したい。これ、在り方見直さなければ駄目だと思いますよ。
それから、今年三月で定年退職した職員については、午前中の質疑で、昨年十二月に支給したボーナスからマイナス分、この返金は求めないというふうに答弁がありました。しかし、再任用によって四月以降勤務を継続する場合、公務員の身分は消滅して新規採用者として扱われ、給与も手当も大きな減額になるのに、昨年十二月分の手当減額調整、これをやるということになってしまうんですね。
既に支給済みの手当を後から減額調整するということ自体、これ民間企業だったら大問題だと思いますよ。まして、定年退職後に退職前の公務員の身分に付随する不利益措置を引き継ぐというのは、これ余りに不合理だと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/176
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177・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 期末手当の支給額は、現行制度上、ボーナス支給の基準日より前の最大六か月間の在職期間を考慮して算出することとしております。したがいまして、この六か月以内に退職して再採用された場合、現在におきましても、退職前と再採用後の在職期間を通算するなど、身分の継続性を問わずに在職期間を評価してボーナスを支給しているところでございます。
今回の期末手当の減額調整に際しましては、このように、三月に定年退職し、その後再任用職員となるなど、在職期間が通算される場合には減額対象としたものでございます。なお、この措置につきましては、人事院の見解も踏まえたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/177
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178・田村智子
○田村智子君 これね、不合理としか言いようがないわけですよ。それでもいいんだと言い張るわけですね。
先ほど紹介した国公労連のアンケートで、再任用者の約七五%が生活が苦しいと回答しているんですよ。長きにわたる定員削減方針の影響で国家公務員の年齢構成にはゆがみが生じていて、経験のある職員層が急激に減少する時期を迎えています。再任用職員は業務上も今や不可欠の存在となっている。けれど、とてもこの処遇が下がるので、本当に生活苦しいというのはよく分かりますよ。そこで、その退職前の不利益を、退職後、再任用にまた引き継がせるというのは本当にやっちゃいけないことだと思いますよね。むしろ再任用職員の抜本的な処遇の改善、ここを検討すべきだということも指摘をしておきたいと思います。
もう一点、では、非常勤の職員については今回の手当の改定はどのように影響するのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/178
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179・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 今回の給与法改正案に伴う非常勤職員の給与の取扱いにつきましては、法律成立後に内閣人事局が各府省に対して考え方をお示しできるよう、人事院とも相談しつつ現在検討中でございます。
検討の方向性といたしましては、基礎額や支給月数などで常勤職員と同等の取扱いをしている場合は今回の減額調整の対象としていく方針です。他方、これら以外の非常勤職員については、減額調整の対象とするのではなく、各府省において現場の実態に合わせた対応としていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/179
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180・田村智子
○田村智子君 つまりは、長く働いていて、その仕事も常勤の方と同じような仕事をやっている方は減額をしてしまうと。
非常勤の方々の処遇というのは各省庁に任されていて、昨年七月に人事院が非常勤職員の給与指針改正して、雇用期間や仕事の内容を参考にしつつ常勤職員の支給月数を基礎とするよう努めるというふうにしていますけれども、そもそも給料も手当も極めて安いと、低い処遇だというふうに指摘せざるを得ないんですよ。それで頑張って働いている方を、非常勤の方まで減額するのかということですね。私、あり得ないと思いますね。
非常勤職員の処遇については、私も毎年のように質問してきました。二〇一六年十一月には、期間業務職員へのボーナス支給をしていない省庁があるということも指摘をしました。その後、その省庁も手当が払われるようになったというふうに聞くんですけれども、勤務時間の調整などで月給分の方を減らしてボーナスでプラス・マイナス・ゼロとするので、年収としてボーナス分が増えたという扱いになっていないということも聞くわけですよ。だから、手当が支給されても、それで年収が、じゃ、増えるようになったかと言えば、そうなっていない職員がいるということなんですよね。それでも減額するのかということも、本当に私は不合理だと思いますね。
こういう官製ワーキングプアという言葉が表すような状況を改善するために、非常勤職員に対する給与やボーナス、ここの予算を増やしてもっと処遇を改善するということが求められていると思うんですけれども、大臣、もう一度、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/180
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181・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 非常勤職員は、常勤職員とは職務内容や勤務時間などに差があるために、ボーナスの支給月数においても、この差異を踏まえつつ常勤職員とのバランスを考慮することが重要だと思っております。
これに関して、昨年七月に人事院指針が改正され、職務、勤務実態、形態などが常勤職員と類似する非常勤職員のボーナスは、常勤職員のボーナスの支給月数を基礎として、勤務時間、勤務実績などを考慮の上支給することとされたところでございます。この人事院指針の改正を踏まえた取組状況については、必要に応じて人事院においてフォローアップがなされるものと認識をいたしております。
内閣人事局においても、各府省の非常勤職員の適切な処遇が確保されるよう、人事院と必要な連携をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/181
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182・田村智子
○田村智子君 これ、内閣人事局の資料を見ますと、厚労省は今、非常勤の職員四万九千三百四十九人と、これ常勤職員よりも一万七千人以上多いんですよ。もちろんコロナの影響などで特別な臨時的な雇用というのがやられているかとは思います。それでも、非常勤職員なしには業務は成り立たない。法務省も、非常勤五万七千七百二十九人、これも常勤職員よりも多いんですよ。ほかにも、文科省、人事院、復興庁なども非常勤職員の方が多いというのが内閣人事局の示した資料から分かるわけですよ。こういう方々の処遇がどうなっているか、私は、是非調査なども行って、本当にどういう処遇で働いていらっしゃるのかということを見ていただきたいというふうに思いますね。
育休法についても質問をしたいと思いますので、次に進みます。
国家公務員の男性職員における育児休業の取得率は、昨年の人事院の調査で初めて半数を超えて五一・四%となったと。ここには防衛省や裁判所の職員が含まれていないという説明も受けています。防衛省なども含めた内閣府の調査では二九%ということなんですけれども、政府の男性育休取得の目標が三〇%なんです。そうすると、国家公務員はほぼ目標達成ということになるんでしょうか。現状の評価と今後の取組について簡潔に御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/182
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183・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘のとおり、政府全体の男性育休取得目標は、令和七年度におきまして三〇%でございます。現状、二九%でございますので、もう少しで達成というところでございます。
ただ、もちろん三〇%を達成すればいいというわけではございませんので、更に仕事と生活の両立支援を進める、あるいは業務の見直しを進める、マネジメントを向上させるによりまして、一層男性職員も育休を取りやすい環境整備を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/183
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184・田村智子
○田村智子君 明らかにこの一年で男性の育休取得率が大きく上昇したということは私も注目したいし、評価できる取組だというふうに思います。対象となる職員全てについて育休取得の意向を確認し、あらかじめ計画を作る、男性職員の育休取得率を管理職の人事評価の要素とするなど、本気で位置付ければ短期間で育休取得率を向上できるんだということを言わば実証しているというふうにも思います。
内閣人事局の職員へのアンケート調査の結果、これは令和元年度、二〇一九年度ですね、これ見て私、大変興味深いなと思ったのは、男性の育休取得について、これまでに取得したかという問いに、五割近くが利用しておらず、利用したいとも思わなかったと回答しています。三十歳未満でも四一・五%。ところが、今後取得したいかとの問いには、利用したくないは一七・三%、三十歳未満は九・五%にとどまるわけですね。利用したいという意欲が男性職員の中に広がっているということも、私は良い変化が生まれていると思います。しかし、利用したいができないと思うが二八・五%。その理由として、収入を減らしたくないが最も多く、次いで、残業が多い、業務が繁忙だと思われると。
給料が上がらない国になってしまったことの影響がここにも現れていて、まあ最初の質問に戻ってしまうんですけど、やはり給与や手当はマイナス改定ではなくて、本気の賃上げをやらなければ育休取得率の向上にもつながらないということも指摘しておきたいんですが、この残業や業務が忙しい、それで育休を諦める、取得できても期間が短い、ここはやっぱり解決が求められますよね。
この間、中央官庁で働く国家公務員の在庁時間調査についてはこの委員会で何度も審議になってきました。二〇二〇年十月、十一月、勤務時間外の在庁時間調査では、二十代総合職の約三割が過労死ラインの目安となる月八十時間を超えて、そのうち約半数が月百時間を超えていた。
こうした超過勤務の実態は解決に向かっているのかどうか。深刻な長時間労働、過密労働がそのままでは全ての対象者に育休取得の権利を保障するに至らないというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/184
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185・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘のとおり、二〇二〇年十月、十一月の在庁時間調査では、特に二十代かつⅠ種総合職の職員について、四十五時間、月四十五時間以上の在庁時間が三分の二以上、三分の二、それから八十時間超が三割、百時間超が二割弱という状況、長時間勤務が若手の総合職に偏っているという現状が明らかになりました。
御指摘のとおり、これを是正することは非常に重要でございますので、既存業務の廃止、効率化、デジタル技術の徹底活用、また、管理職のマネジメントの向上、それからテレワーク、フレックスタイムなどの柔軟に働ける環境整備、こういったことを進めまして、長時間労働対策をし、また、男性職員が育休を取りやすい環境整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/185
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186・田村智子
○田村智子君 この在庁時間の調査というのは、今後も私たちに示されるものは出されてくるんでしょうか。これ是非検証していかなきゃいけないと思うんですけど、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/186
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187・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) この在庁時間の調査は二〇二〇年の十月、十一月に行いました。実は、午前中の議論でも少し申し上げましたけれども、現在、私どもの勤務時間管理といいますのがシステム化が進んでおりません。したがいまして、このときの在庁時間調査というのは、毎日、五万人の職員に毎日エクセルに記入していただくという方式を取りました。非常に、正直言いまして手間の掛かる方式を取っております。その後、こういった状況、これで分かった状況を踏まえまして、超勤手当の対策も取りましたし、さらには、やはりこのような勤務時間管理ではいけませんので、勤務時間の客観把握あるいはシステム化を進めることとしております。
ということでございますので、従来のような在庁時間の調査というのを今後また行うということは予定していないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/187
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188・田村智子
○田村智子君 それでは検証できないんですよね。こういう深刻な事態が改善に向かっているのかどうか、これ是非検討していただきたいと思います。
そもそも、やっぱり定員そのものを増やさなければ、これほどの長時間勤務を解消することできないわけです。その中で育休をということで今一生懸命進めていくと、職場の人間関係にも影響を与えかねないですよね。業務の忙しさから同僚の妊娠を素直に喜べない、いつからあの人産休に入るのかな、あるいはいつまで育休取るのかなと、業務への影響を考えてしまうんだ、そういう声も現場からは聞こえてくるわけです。
一方で、だから男性の育休なんて無理としないで、対象者全員に意向を確認し、計画を策定するというのはとても大切なことだと思います。妊娠が分かってすぐに申し出ることができれば、子供の出生までには半年以上の時間があるわけですから、育休期間中の体制を整える準備時間、これが得られるということになります。これ是非民間にも広げていくべき取組だと思うんですね。
では、その準備期間に代替職員をどうするか、こういうことも検討できると思うんですけれども、その代替職員の確保のための施策というのは講じられているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/188
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189・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 制度上、育児休業期間中の職員の場合には代替職員の採用ができることとなっております。ただ、職場の状況は様々でございますので、上司においてしっかりと仕事の状況を踏まえまして、代替職員の採用で対応するのか、あるいは業務分担の見直しで対応するのか、さらには、例えば業務のスケジュール自体を見直す、様々な方法があると思います。職場の状況に合わせて管理職がしっかりと対応できるように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/189
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190・田村智子
○田村智子君 是非、育休取得にやっぱり理解が広がるようにするには、人の手当て以外にないんですよね。定員そのものを増やすか、代替職員どうするか、こういうところを是非踏み込んでいただきたいと思います。
非常勤職員の育休取得の保障はどうなっているんでしょうか。期間業務職員の場合は、原則一年雇用で契約更新二度まで、三年が経過するとその職は公募に掛けられることになります。三年目に差しかかるような職員の育休、これどのように保障されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/190
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191・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) 今回の改正案におきましては、任期中で公募を迎え再度再任用された場合、育児休業の取得回数の数え方について不利益とならない措置を講じております。
具体的には、育児休業の取得回数を数える際に、任期が満了することによって育児休業を終了し、再度採用された上で引き続き育児休業を取得する場合には、前の任期が満了するまでの育児休業を取得回数のカウントから除外するという規定を設けているところでございます。
これは、実質的には一回の取得にもかかわらず、途中で公募、任用が入ることによって二回と、二回のカウントとなってしまう不合理な結果を防ぐための措置でございます。これは、御指摘の三年目の任期で公募を迎えて再度任用された場合にも適用されるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/191
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192・田村智子
○田村智子君 制度上は保障するようにしますがということなんですけど、これが果たして本当にどこまで適用されていくかなんですね。
期間業務職員の三年で公募に掛けるというこの細切れの雇用については何度も質問してきました。二〇二一年七月時点で、非常勤職員約十六万人、常勤、非常勤合わせた職員数の三七・二%に上っています。先ほど非常勤の方が多い省庁があるんだというふうに指摘もしましたけれども、その非常勤の四七・八%が女性です。一年契約で、三年たったら、同じ仕事を希望しても自分の職場、求人募集されて、就職活動しなければ働き続けることができないと、もう一度雇ってもらえるという保障も分からないと。そうすると、妊娠、出産を理由とした雇い止めは許されないけれども、三年目で公募に掛けられるときに重なったら、果たしてもう一度雇ってもらえるのかということになると思うんですよ。まして男性が、女性の場合は、それは出産をするときにそれを妨げちゃいけないというのはありますけれども、男性は育休がこういう条件で取れますかということになってくると思います。
これ、内閣人事局は、昨年八月に、男性国家公務員の育休取得についてフォローアップ、公表しています。今後の取組として、職員アンケートなど通じて課題などを把握するとしていますが、これ非常勤の育休取得についても、私、調査をすべきではないかというふうに思うんですね。フォローアップ調査、今後もやるべきだし、非常勤についての調査も行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/192
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193・堀江宏之
○政府参考人(堀江宏之君) まず、男性職員の関係でございますが、内閣人事局では、令和三年十二月に、国家公務員の働き方改革に関する職員アンケートを実施しております。この中で、男性職員に育児休業を取ってもらうための課題を把握し、さらに育児休業を取りやすい環境整備を進めたいと考えております。結果について、アンケート調査の結果について現在取りまとめ中でございまして、夏前には公表したいというふうに思っております。
なお、非常勤職員の育児休業の取得状況については、これまでも人事院さんの方で調査し公表されておりますので、まずは人事院において調査内容を検討していただければと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/193
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194・田村智子
○田村智子君 是非、職員アンケートというのはとても大切だと思うんですね。その職場の人間関係含めてどうなっているかということはしっかり見ていくことが必要だと思いますので、非常勤職員も含めて職員アンケートという形での調査も是非とも行っていただきたいと思います。
最後、大臣にお聞きしたいんですけれども、今日質問したとおり、公務の職場というのはあたかも身分が安定していて給料も安定しているというふうに多くの国民が思っていると思います。しかし、その職場では、時給で働いて、これからゴールデンウイークにもなるわけですけれども、そうすれば収入が大きく減って、十年以上働いていても三年ごとに求職活動しなければならない、こういう非常勤の職員が大勢います。また、民間企業ならば雇用期間通算五年を超えれば非常勤は無期雇用に転換されるのに、公務職場にはそれさえありません。そして、常勤職員の中に最低賃金に届かない給料が許されてしまって、長時間労働も客観的な労働時間の把握がやっと始まったところだと。
こうした問題が労働法の適用除外だからという理由で放置され続けてきているんですよ。これ、異常だと思います。この点について大臣の認識を最後お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/194
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195・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 今委員御指摘になりましたように、常勤職員と非常勤職員の処遇の差が非常に乖離が大きいということをお聞きをいたしたわけでございます。同じ職場で働く人に余りにもこの処遇の差があってはいけないと思うわけでございます。
内閣人事局におきましても、各府省の非常勤職員の適切な処遇が確保されますよう、人事院とも必要な連携をして処遇改善に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/195
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196・田村智子
○田村智子君 先ほど、国家公務員を目指す人が減っているんじゃないかという議論もありましたけれども、やっぱり長時間労働で大変そうということが大きな理由だと思います。また、その国家公務の仕事がどこを向いて誰のための仕事なのか。コロナ対応での布マスクなど、政権の意向で業務がゆがめられてしまったということも大きな影響を与えてきたんじゃないかと思います。
公務とは何か、やりがいのある職場としての労働条件はどういうものか。是非、今後こういう根本的な問題も本委員会で議論していきたいと思います。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/196
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197・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより三案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/197
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198・田村智子
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員一般職給与法案に対し、反対の討論を行います。
本案は、新型コロナウイルス感染症、物価高騰、ウクライナ情勢等、急速に経済状況が悪化する下で、国家公務員の期末手当を引き下げるものです。
人事院は、民間準拠だけを理由に期末手当を引き下げる勧告を行いました。二年を超える新型コロナ感染症の蔓延によって、国家公務員は危機対応の業務を担ってきました。そのことも一切考慮せず、また国家公務員の生活給の保障もせず、一方的に年収減を行うことは、国家公務員の労働基本権制約に対する代償措置としての役割を果たしておりません。
また、減額調整の特例について、今年度末で定年退職する職員で、引き続き四月から再任用される職員の手当からも行おうとしています。定年退職によって公務員の身分は消滅しているにもかかわらず、在職時の公務員の身分に付随する不利益措置を退職後まで引き継ぐやり方は認められません。
国家公務員の給与や手当の引下げは、約七百七十万人の労働者に影響を与え、さらに民間事業者にも波及して国民の消費を冷え込ませます。物価急騰から国民生活を守るためにも、日本経済の成長のためにも、今本格的な賃上げへと社会全体を動かさなければならないときに、マイナス改定を行うなどあり得ません。
特別職給与法案については、公務員の給与体系が内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官といった幹部職に厚いことから、今回の特別職の給与引下げは賛成とします。
なお、特別職のうち秘書官の特別給を一般職に準じて引き下げることには反対です。
また、国家公務員の育児休業法案については、国家公務員の育児休業を必要な時期に柔軟に取得しやすくし、非常勤職員についても休業を取得できる範囲を拡大するもので、賛成であることを述べ、討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/198
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199・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/199
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200・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/200
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201・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/201
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202・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/202
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203・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
二之湯国務大臣は御退席いただいて結構です。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/203
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204・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) この際、末松国務大臣及び松野国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。末松国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/204
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205・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 失礼いたします。
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣として、一言御挨拶を申し上げます。
東京大会については、コロナ禍による様々な制約の中での大会となりましたが、関係者の方々の御尽力や国民の皆様の御理解、御協力により、無事に大会を終えることができました。
大会期間中の感染防止対策については、防疫上の措置の徹底が図られ、結果として、クラスターとされた事例はなく、海外から入国した大会関係者等から市中に感染が広がったという事例も報告されておりません。復興オリンピック・パラリンピックについては、被災地と連携した取組を進め、被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信し、海外の方にも被災地の復興しつつある姿や魅力を実感していただくことができたものと考えております。また、パラリンピックの開催を契機としたユニバーサルデザインの町づくりや心のバリアフリーなど取組を通じて、我が国が共生社会に向けた大きな一歩を踏み出すきっかけとなったものと考えております。さらに、大会参加国・地域と自治体が交流を行うホストタウンについては、自治体は五百三十三、相手国・地域は百八十五となり、オンラインによる交流も含め、感染症対策を講じた上で来日した選手等と交流が行われました。
引き続き、大会を契機として創出されたレガシーについて、一過性のものとならないよう、大会組織委員会や東京都、関係大臣と緊密に連携し、担当大臣として継続的に国内外に発信できるよう努めてまいります。
徳茂委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/205
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206・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 松野国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/206
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207・松野博一
○国務大臣(松野博一君) ワクチン接種推進担当大臣として、一言御挨拶を申し上げます。
新型コロナワクチンの三回目接種については、昨年十二月中旬以降、オミクロン株の感染状況や最新のエビデンスを踏まえながら、臨機応変に対応し、接種間隔の前倒しを進めてまいりました。
自治体との緊密な連携の下、政府一丸となって、ワクチンの供給、接種体制の強化、接種券の前倒し送付に努め、二月中旬には一日百万回の接種を実現し、現在は、高齢者人口に対する接種率は八割を超え、全人口比は四割を超えるとともに、アメリカを上回っています。
これまでの自治体や医療従事者の皆様の御尽力に感謝申し上げます。
今月中には、接種の対象となる約一億人の方が接種できる量を上回るワクチンを自治体に配送します。一般の方への接種も本格化してきたところであり、引き続き、三回目接種をできるだけ早期に接種いただけるよう、追加接種の必要性や、交互接種の有効性、安全性などについて、積極的な情報発信等に取り組んでまいります。
また、五歳から十一歳までの子供への接種についても二月から始まりました。対象となる子供全員が二回接種可能な量を上回るワクチンの配分量と配送スケジュールは既にお示しをしております。子供や保護者が安心して接種を受けられるよう、引き続き、科学的知見に基づいた正確で分かりやすい情報発信等に取り組んでまいります。
ワクチン接種を円滑に実施できるよう、自治体や関係省庁とも連携して取り組んでまいります。
徳茂委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/207
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208・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 以上で発言は終わりました。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00720220405/208
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