1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年四月七日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月六日
辞任 補欠選任
杉尾 秀哉君 岸 真紀子君
市田 忠義君 山添 拓君
四月七日
辞任 補欠選任
有村 治子君 中川 雅治君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
磯崎 仁彦君
古賀友一郎君
高野光二郎君
中川 雅治君
山田 太郎君
山谷えり子君
石川 大我君
岸 真紀子君
塩村あやか君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
田村 智子君
山添 拓君
国務大臣
国務大臣
(内閣官房長官) 松野 博一君
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 二之湯 智君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(経済財
政政策)) 山際大志郎君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(規制改
革)) 牧島かれん君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(科学技
術政策)) 小林 鷹之君
国務大臣 若宮 健嗣君
内閣官房副長官
内閣官房副長官 木原 誠二君
内閣官房副長官 磯崎 仁彦君
副大臣
デジタル副大臣 小林 史明君
内閣府副大臣 大野敬太郎君
内閣府副大臣 赤池 誠章君
総務副大臣 田畑 裕明君
法務副大臣 津島 淳君
外務副大臣 鈴木 貴子君
厚生労働副大臣 古賀 篤君
厚生労働副大臣 佐藤 英道君
国土交通副大臣 中山 展宏君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 鰐淵 洋子君
政府特別補佐人
人事院総裁 川本 裕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房内閣参
事官 川上恭一郎君
内閣官房内閣人
事局人事政策統
括官 堀江 宏之君
人事院事務総局
総括審議官 池本 武広君
人事院事務総局
給与局長 佐々木雅之君
内閣府大臣官房
審議官 吉住 啓作君
内閣府政策統括
官 笹川 武君
内閣府規制改革
推進室次長 辻 貴博君
内閣府男女共同
参画局長 林 伴子君
内閣府科学技術
・イノベーショ
ン推進事務局統
括官 米田 健三君
警察庁刑事局長 大賀 眞一君
デジタル庁統括
官 村上 敬亮君
総務省大臣官房
審議官 阿部 知明君
総務省統計局統
計調査部長 岩佐 哲也君
法務省大臣官房
政策立案総括審
議官 吉川 崇君
法務省大臣官房
審議官 保坂 和人君
法務省大臣官房
審議官 花村 博文君
出入国在留管理
庁在留管理支援
部長 君塚 宏君
外務省大臣官房
審議官 有馬 裕君
外務省大臣官房
審議官 安東 義雄君
文部科学省大臣
官房審議官 出倉 功一君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
文化庁審議官 中原 裕彦君
厚生労働省大臣
官房危機管理・
医務技術総括審
議官 浅沼 一成君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省大臣
官房審議官 宮崎 敦文君
厚生労働省大臣
官房審議官 川又 竹男君
厚生労働省大臣
官房審議官 本多 則惠君
厚生労働省大臣
官房審議官 堀内 斉君
厚生労働省大臣
官房審議官 榎本健太郎君
厚生労働省雇用
環境・均等局雇
用環境総合整備
室長 岸本 武史君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 田原 克志君
国土交通省大臣
官房技術審議官 廣瀬 昌由君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
(博士号取得者の積極的な登用のための国家公
務員制度の在り方に関する件)
(自律的労使関係制度導入についての検討に関
する件)
(新型コロナウイルス感染症に係る水際対策に
関する件)
(ワーク・ライフ・バランス等推進企業を公共
調達において加点評価する制度による効果に関
する件)
(規制の一括見直しを通じた行政手続コストの
削減についての取組に関する件)
(LGBTをめぐる政府の取組とその推進体制
に関する件)
(不妊治療に係る政府の支援に関する件)
(新型コロナウイルス感染症の感染再拡大を踏
まえた総合的な対応方針を策定する必要性に関
する件)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、市田忠義君及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君及び岸真紀子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/1
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002・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官川上恭一郎君外三十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/2
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003・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/3
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004・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/4
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005・有村治子
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子でございます。
質問の機会を賜りましたこと、また、大臣、総裁始め、準備に当たっていただきました政府の皆様にも感謝を申し上げます。二十五分という限られた時間でこの往来をできるだけ多くいたしたいと存じますので、御答弁はテンポよく、本質を簡潔にお答えいただけますれば大変幸いに存じます。御協力を仰ぎます。
現在の国家公務員制度が、高い倫理観や責任感、専門性や国際性を持った人材を魅了し、養成できているかどうか、また、日本の科学技術力の凋落を食い止めて、博士号取得者に社会的敬意が向けられる、そんな日本になっていくためには何が必要かという問題意識の下で、一昨日に続き質問をさせていただきます。
まず、科学技術のエキスパートとして大野副大臣に質問をさせていただきたいと思います。大野副大臣は、修士号を持ち、かつ博士号を修められた、国会議員の中でも貴重な存在でいらっしゃいます。
大学院と一くくりに言っても、大学を卒業後二年の間研究を進めてきた修士号取得者と、五年間あるいはそれ以上研究を進めてきた博士号取得者、論文博士もありますが、専門的経験値に大きな差があるというふうに考えます。では、社会実務において修士と博士ではどのような能力の違いが出るのか、政府の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/5
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006・大野敬太郎
○副大臣(大野敬太郎君) ありがとうございます。
大学院におきましては、複数の領域にわたる高度な専門知識に加えて、様々な社会を先導するような汎用な能力が必要になるとされておりますが、このうち、修士課程につきましては、高度専門職業人や高度で知的な素養のある人材の養成が主、主たる目的であるとされておりますけれども、一方で、博士課程につきましては、様々な科学的手法を用いて仮説と検証を繰り返して、科学的結論や発見を見出し、構想力のある考え方を示すことができる人材の養成が期待されているということでありまして、まさに予見不可能な社会で未知の状況に置かれたときに、自分で問題を設定して、そして自分なりの答えをしっかりと創出して社会に変革を創出できるような、そういった役割が期待されているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/6
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007・有村治子
○有村治子君 大野副大臣、ありがとうございます。
まさに今おっしゃっていただいたように、博士号を持っている方というのは、その学術的なトレーニングを通して仮説、検証を自ら説得力ある形で言語化して他者に説得できるような、そういう能力を積んでこられる方々だと私も思っています。
今日の配付資料でも安西先生が資料一でおっしゃっていますが、博士課程の本質は、これまで誰も考えなかった、あるいは見付けられなかった新しい考え方を提唱するイノベーションの経験を積むことにあり、博士号はその証明書であるというふうにおっしゃっていらっしゃるのを、副大臣の御答弁を聞いて改めて自らに言い聞かせます。
では、さて、今副大臣が御答弁されたような博士の付加価値というのは、国家公務員制度における処遇として人事制度にしっかりと反映できているのでしょうか。
人事院にお伺いします。頑張って真理を探求する学術的な訓練を積んだ修士や博士なのに、その結果として、公務員として入省する年齢は大卒に比べて二年あるいは五年ビハインド、遅れての出発となります。しかし、国家公務員の定年は大卒と同じ一律の六十歳でございます。これは果たして公正なことなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/7
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008・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
博士号取得者につきましては、採用までに専門的な経験に従事しており、こうした経験を有する博士号取得者について、定年までの長期的なキャリアパスをどのように考えていくかは重要な課題であると考えております。
この点については、まず、各府省において、それぞれの担当行政分野において博士号取得者にその能力、経験をどう発揮していただくのか、職域の整理やキャリアパスについて検討していただく必要があります。あわせまして、公務全体として、個々人の能力、実績に応じた人事管理を一層進めることも必要です。こうした人事運用によりまして、博士号取得者がその専門性にふさわしいポストに登用され、処遇がなされていくことが望まれます。
現行の人事制度におきましても、高い能力、実績を有する者の登用については柔軟な対応が可能となっておりますが、それらを機能させるためには、各府省に制度の内容を十分理解し実際に運用していただく必要がございます。そのため、研修等を通じまして制度内容を改めて理解していただく場を設けるなど、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/8
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009・有村治子
○有村治子君 真摯な御答弁ありがとうございます。
今、各省において考えていただくということをおっしゃっていただいて、その自主性はとても大事なことですが、ともすると各省に丸投げになっていないかどうかということはこれからも見させていただきたいというふうに思います。
大学卒業後五年の研究を積んだ博士は、今申し上げたようにその分勤務年数が五年短くなるわけですが、では、生涯賃金ということを考えた場合、大学卒で入る場合と博士で五年ビハインドで入省した場合とでは、生涯賃金はどちらが上回るのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/9
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010・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたとおり、現時点では各府省で博士号取得者のキャリアパスを設定している例は少数でございまして、博士号取得者の採用後の給与につきまして一概にお示しすることは困難な状況となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/10
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011・有村治子
○有村治子君 そのとおりですね。
すなわち、生涯賃金としては学卒で入るのと博士を持って入るのとどちらが上回るのかという具体的なシミュレーションを組んでおられないという現状でございます。すなわち、博士号を取得することが、残念ながら、生涯を豊かにし、社会的に尊敬される人事上のインセンティブにはなっていないということを皆様確認されると思います。
このような状況では、我が国においては、将来、大学で研究したい、教授になりたいということを志す学者や研究者を除いては、不必要な苦行、艱難をも耐えられる言わば物好きな努力家とか異端者しか博士号を目指さないということでは困ってしまいます。結果としては、日本社会において、聡明な公務員は大卒で入省し、キャリアの王道、主流派を占め、トップまで上り詰められる年数をちゃんと稼いで働いた方が得策だという生涯計算となるのは必然ではないでしょうか。
資料一を御覧ください。
私の問題意識に本当に我が意を得たりという論考で、安西祐一郎先生、これ慶應大学の、慶應義塾の塾長までされた方ですが、私は物好きな努力家、異端者にしてはいけないという思いですが、この安西先生御自身も、博士課程について、赤字を読みます。オタク的イメージを変えよということで、読み上げます、赤字の部分ですね。「世界では企業や行政、報道のリーダーに博士号取得者が多いのに日本ではほとんど見ない。博士課程は狭い意味でのオタク的研究者指向の人間が行くところ、という社会通念が固着している。」と、こびりついているということをアカデミアのトップを上り詰めた方もおっしゃっています。そして、このようなオタク的イメージというのは、日本特有のイメージでございます。このオタク的イメージをやっぱり警告しておられる、それを乗り越えていく日本になれるかどうかが問われているのだと思います。
そこで、直球で国家公務員担当大臣にお伺いしますが、資源に乏しい日本においては人材こそ命だと言ってはきたものの、皮肉なことに、実は国家公務員制度こそが大卒を中心にして社会を動かす前提となっており、それは、戦後に本当に護送船団方式の大量生産という中では実際に機能してきたけれども、その反動として、結果的に、現在は博士を評価しない世間の仕組みを日本社会にこびりつかせる元凶にまでなっているのではないでしょうか。御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/11
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012・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 私も今、安西先生の文章を読ませていただきました。共鳴するところも大変多うございます。
ただ、現行の国家公務員制度では、この博士課程修了者には、初任給においては学部修了者あるいは修士課程修了者に比べて高い金額を決定することが可能でございますけれども、その後の人事運用につきましては、学歴、資格ではなくて、仕事を通じて発揮されたその能力、実績に基づいて処遇をしているのが現実でございます。
一方で、御指摘のあった博士号取得者などの優秀な人材をどのように確保し活用していくかということは、公務における人材戦略としても極めて重要なことであると認識をしております。
このため、各府省における博士号取得者の実態を更に把握し、公表することも含めて、どのような取組が可能か、人事院及び関係省庁と連携しながら検討を進めてまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/12
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013・有村治子
○有村治子君 大臣が文字どおり前向きな御答弁をいただいたこと、大変有り難く存じます。
属人的な、この人が大学卒なのか、院卒なのか、博士なのか、修士なのか、学卒なのかということは入口では見るけれども、その後は属人的なものではなく能力で見ると、建前でおっしゃっていただきます。そのとおりだと思いますが、実際にはほとんどの国家公務員がAランクに査定されて、便宜上、その形式的なことは毎年毎年の給与法でも答弁が出ているということを申し上げていますので、大臣の後半の御答弁を、私たちもしっかりと自らのこととして、人事当局が動いていただくことを切に願います。
木原官房副長官、今日はありがとうございます。
副長官は、政治家になる前、誰もが認める優秀な国家公務員でいらっしゃいましたと伺っております。財務省エースと目されていた木原財務官僚がイギリスの財務省に赴任されたときの御経験を率直にお話しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/13
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014・木原誠二
○内閣官房副長官(木原誠二君) 私事を委員会で答弁するのは大変申し訳ないと思いますが、御質問ですのでお答えしたいと思います。
一九九九年から二〇〇一年まで二年間、英国大蔵省に初代の出向をさせていただきました。もう既にその時点で七年目の国家公務員でありましたので、大分自信を持ってイギリスに行かせていただきましたが、結果的にはほとんど仕事ができなかったということを申し上げていいというふうに思います。
最初に与えられました仕事は、マネーロンダリング、地下経済の規模をまず測って、生のデータから、どれぐらいイギリスに地下経済があり、それからマネーロンダリングがどれぐらい行われていて、それに対する政策をつくれと、こういう仕事を与えられました。しかし、率直に申し上げて、生のデータに当たるということは日本の財務省ではほとんどありませんでしたし、そこを統計を処理するということもほとんどありませんでしたし、そこから自分で仮説をつくって政策をつくるということもありませんでした。端的に申し上げますと、今は違うと信じますが、当時の役所は、前例を見る、それから世界と比較する、その二つで政策をつくっていた、イギリスは全く違ったと、こういう経験でありました。
なぜそれができているのかというと、私が行ったイギリスの課は七人の課でありましたが、うち四人が博士課程を持っているPhDの保有者でありました。そして、保有者のうち、金融工学のPhDと犯罪のPhDを持った方、専門家がまさにそこにおられました。あわせて、やはりエビデンスベース、エピソードベースでないエビデンスベースの政策をつくるというカルチャーも非常に徹底していたと、このように思います。そうした違いをまざまざと感じたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/14
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015・有村治子
○有村治子君 含蓄のあるエピソードを誠に有り難いと思います。以前、木原副長官とこの話を科学技術の勉強会で伺って、私の問題意識を惹起していただいた、その一つの起点でございました。
イギリスの財務省に新進気鋭の日本のエースとして交換赴任で一期生としていらした方が、語学の問題ではなく専門性の問題で歯が立たないということを痛感して帰っておられた。まさか財務省に金融工学のPhD、統計のPhD、博士、あるいは犯罪の博士がそこにいるというのは、やっぱり新鮮な情報でございます。
副長官御発言のとおり、日本から欧米や国際機関あるいは外国の政府に赴任された際、周囲の同僚の多くが修士か博士号を持っているという環境に放り込まれる事例というのは少なくありません。副長官の場合は、七人の同僚の中の四人が博士を持っていたという状況であられました。
そこで、科学技術担当大臣に伺います。
現在少子化であり、今後なお一層、副長官がおっしゃったように、限られた人員、限られた予算でEBPM、証拠、論拠に基づく効果的な政策を打っていかなきゃいけない、そしてそれは真に国民に寄り添う政策であらねばならない。そんな我が国の現状にあって、博士号という最高学位までの訓練を積んだ人材の知恵を生かす活力に乏しい人事制度や慣行のままでは果たして日本は世界に伍していけるのかどうかということで、ほかの先進国が、資料三の右側御覧になってください、博士人材をどんどん増やしていく、特に米国と中国が博士の絶対数を近年倍増させている中、資料四、この十年間を比較しても、日本だけが博士を減らしています。
博士号取得者に対する社会的関心が少なく、最高学位を取得してもその功績が人事の処遇とリンクしていない、むしろ報われないという我が国の現状のままで、果たして日本は今後も科学技術立国たり得るのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/15
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016・小林鷹之
○国務大臣(小林鷹之君) まさに不確実性に富む時代を迎えていく中で、自ら課題を設定して自ら答えを出していく、そういう能力を持った人材というのが極めて重要だと思っています。したがって、博士号取得者がアカデミアの世界だけではなくて産業界、また行政機関、社会全体で活躍するその環境をつくっていくことが重要だと思っています。
政府としてもその大きな明確な政策の方向性は持っておりまして、その中で、例えば博士後期課程の方への経済的な支援を充実させていくこと、また社会の多様なニーズに応えていく大学院教育を構築していくこと、また企業との連携によって長期の有給のインターンシップ制度を充実させていくこと、こうしたことを今関係府省と連携しながらやっているところでございます。
これまで委員がちょっと公務員制度等の話をされてきたので、少し申し上げますと、委員御指摘のように、その公務員への積極的な活用という点につきましては、例えば第六期の科学技術・イノベーション基本計画がございまして、ここに、今後の国家公務員における博士号取得者の待遇改善について検討を進め、早期に結論を得るということとされていますので、内閣人事局また人事院含め、関係省庁としっかりと連携して早期にその答えを出していきたいと思っています。
また、私自身国家公務員でございまして、自らの経験に照らしてもう一点だけ申し上げますと、やはり今公務員の中には国内外の留学制度というものがあって、大体一、二年行って修士号を取ってそこで完結するというのが大半だと思います。ただ、実際には、能力と意欲があって、PhD取りたいという方もいます。私はそうした後輩が本当に苦労する姿ということを見てきていますので、やはり行政としてそうしたところをバックアップしていく取組というのは私は必要だと思いますし、また社会全体として見たときも、先ほど申し上げた政策を駆使することによって、今世界のそのトップ、米中のそうした状況からは今劣後しているというふうには認識していますけれども、可能な限りそこを後押しできるように邁進してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/16
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017・有村治子
○有村治子君 小林大臣から実に的確なコメントをいただきました。まさに人事当局がイノベーティブでなければならないけれども、人事当局だけではできないことでございます。
資料二の左を御覧になってくださいませ。
民間の企業においても、博士号取得者の割合というのは他国に比べて低いのが現状です。これ文部科学省のデータなんですけれども、私もびっくりしました。十七か国中、民間企業の研究者に占める博士号取得者の割合が、トップはオーストリアの一六・三%、日本は四・四%で一番低いと、十七か国の中ではですね、衝撃的だったんですが、これで世界と伍していかなければならないということを考えると、やはり、研究職も恐らく大学卒あるいは修士で回しておられるというのが日本の前提になっているのかもしれませんが、やはり博士号をしっかりと応援できて、その知恵をみんなの利益のために、国益や利益、公益のために使っていただくという仕組みを回していけるかどうかが問われているのだと自らに言い聞かせます。
では、外務省にお伺いします。
国連など国際機関でマネジャー、管理職として働くためには、どの程度の学力が事実上求められているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/17
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018・有馬裕
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
国連関係機関の専門職員につきましては、ほとんどの場合、修士号以上の学歴が求められております。
そのため、我が国としては、そういった実情も踏まえて、国際機関への若手人材派遣制度であるジュニア・プロフェッショナル・オフィサー制度においても修士号以上を有することを応募条件として定めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/18
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019・有村治子
○有村治子君 国連、十五の専門機関がありますけれども、その人たち、トップを目指して、トップになっている人たちの学歴を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/19
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020・有馬裕
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
十五ある国連専門機関の現在の事務局トップの最高学歴でございますけれども、八つの機関では修士号を有する人材、五つの機関におきましては博士号を有する人材が、また二つの機関では学士号を有する人材がトップを務めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/20
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021・有村治子
○有村治子君 国連ではほとんどが修士であるということを最初におっしゃっていただいて、国連の十五の専門機関のトップは、修士号、最終学歴、修士号が八つ、博士が五つ、そして大学卒、学士が二つということでございました。
十五の専門機関の最高責任者として大卒の人が就任しているのは二つの組織のみ。そのうちの一つは、日本人が率いているUPU、万国郵便連合であります。
誤解が生じないようにこの点明確にいたしますが、私は、UPU、万国郵便連合のトップを担っておられる目時政彦さんを茶化しているわけでは全くありません。むしろ優秀な方だというふうに伺っております。日本の期待を背負った方だと伺っております。けれども同時に、国連トップクラスの人事を狙うなら修士号、博士号を持っていることがごくごくスタンダードになってきている現状を日本政府も直視して、これに備える人材育成をする必要があります。
国連の専門機関は、国際秩序や技術標準を決めていく中枢にあります。出身国で長年その分野の行政、国際経験を積んだ業界のプロばかりが世界の中でインナーを成し、事実上その限られたインナーが発言力、影響力を行使して相場観をつくり上げ、多数派工作を進めながら将来的な標準技術、国際秩序を決めていきます。その有力者の多くが博士号や修士号、学術的訓練を積んで猛者の集まるカオスの中で頭角を現していきます。日本は、この厳しい国際環境に対応できる公務員を育てているでしょうか。
そこで、人事院総裁にお伺いします。
日本の科学技術の凋落を食い止めるためにも、また日本の国際秩序の中での存在感を高めていくためにも、博士号取得者が日本の未来を牽引するような活躍ができる仕組みをつくり上げていくために、人事院総裁は例えばどのような方策を具体的に提案していただけるでしょうか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/21
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022・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 霞が関の人事管理、とりわけ総合職の人事管理は、ジェネラリスト重視の傾向がございました。博士号取得者のような専門性の高い人材について積極的に評価してこなかったのは事実だと思います。
しかしながら、行政の複雑高度化が進む中で、公務の職場においても博士号取得者の持つ専門性を適切に評価して採用して活躍してもらうことは重要なことだと思っております。そのためには、各府省において適切なキャリアパスを確立する必要がございます。その中では専門性をどう評価するのかという能力も求められます。
人事院としては、内閣人事局及び関係省庁と連携しながら、博士号を有する職員などについて、その専門性を尊重するような土壌づくりを進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/22
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023・有村治子
○有村治子君 総裁、ありがとうございます。
最後の質問になろうかと思います。
木原官房副長官、日本が引き続き世界を牽引する先進国の一角にいられるかどうかの大事な岐路に立っています。公務員が劣化して割を食らうのは私たち国民であります。だからこそ、優秀な人材を魅了して、その能力を公益のために生かす国家公務員制度構築に向けてどう動かれるのか、岸田内閣の見解を官房副長官としてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/23
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024・木原誠二
○内閣官房副長官(木原誠二君) まず、アカデミアであれ産業界であれ行政であれ、社会全体として専門性の高い博士号取得者をしっかり活用していくと、その雰囲気をつくるということは非常に大切だというふうに思います。そして、人事院総裁からもありましたけれども、行政はとりわけ高度化、多様化しているときでありますから、その要請がなお一層高いというふうに認識をいたします。
その上で、具体的に何かということに問われれば、先ほど小林大臣が明確におっしゃったように、やはりキャリアパスしっかり明示をすると、そしてあわせて、待遇改善ということを、関係各省庁でも議論をいたしますが、今後政府として全体感を持ってしっかり検討していくことが重要ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/24
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025・有村治子
○有村治子君 議会人になって苦しいこと、つらいこともいっぱいありますが、最も有り難い喜びの一つは、本当にすばらしい人格を持った、能力を持った国家公務員の皆さんと公益のために一緒に働けること、これは本当にうれしい喜びの一つでございます。その能力を伸ばしていただいて、日本の未来のために科学技術力を再び力を付けていただけることを念じ、また自らの責任も自らに言い聞かせて、私、有村治子の質問を終わります。
誠にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/25
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026・江崎孝
○江崎孝君 前回に引き続いて、二之湯大臣と公務員制度改革についての議論をさせていただきます。
今日は官房長官にも来ていただきました。大きな考え方で結構ですから、御質問させていただきます。
まず、先ほど、前回給与法が可決、成立いたしました。質疑の中にもありましたとおり、去年の八月に人事院勧告が出されて、年度をまたぐということはかつてなかったことでございまして、日本の公務員制度というのは国家公務員制度が中心になってできていますので、二百八十万人と言われる地方公務員も国家公務員の給与が決まらないと決まらないという、こういう立て付けになっていまして、あるいはその人事の在り方も、逐一人事院規則というものが小さな町にも影響している。これは、ある面では公務員の質を担保する、あるいは悪く言えば自主的な様々な運営ができなくなっている、賃金の問題も含めてですね。いろんな側面があるというふうに思いますけれども、そういう意味で、国家公務員制度というのは、国家公務員だけでなくて、地方公務員も入れた三百三十万人ぐらいの日本の公務員に対する影響力があると。
特に、人事院という強大な組織は、国の決定に関わる国家公務員だけではなくて、全ての公務員に対する、地方公務員も入れてですね、その人事行政含めて極めて大きな影響力を持っているという、こういう組織は恐らく世界中でないんじゃないかなと私は思っています。
そこで、前回から、これ与野党の皆さんも議論させていただいているんですけれども、若年者の退職の増、国家公務員のですね、それと総合職の志願者が減っているということもありまして、その問題点について前回議論させていただいたんですが、昨年の四月の十九日にですね、十九日に、記者会見です、官房長官の記者会見。当時、官房長官、加藤官房長官が、総合職試験の申込者数が減少した要因の一つとして長時間勤務を挙げて、中途退職者の増加の理由としても働き方改革が急務、長時間労働を是正する取組を強化すると強調したわけですけれども、若年退職者の急激な増加、総合職志願者の減少の要因、そして対策に関する認識について、松野官房長官、この加藤官房長官の認識と同じでしょうか、その辺の思いを聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/26
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027・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 江崎先生にお答えをさせていただきます。
国家公務員試験の申込者数は、減少傾向については、私も、昨年四月十九日の加藤前官房長官の記者会見における発言と同様、その要因は一概には申し上げられないものの、長時間労働の是正ややりがい向上などの働き方改革は急務だと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/27
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028・江崎孝
○江崎孝君 ありがとうございます。
それで、人事院が平成三十一年の四月一日に人事院規則一五―一四ということで、超過勤務の上限等に関する措置を出しました。また、超過勤務についても、国家公務員のサービス残業をなくすということで、超過勤務を全部出しますよということも含めて政府は対応されていると思いますが、資料一見ていただきたいと思うんですけれども、これ、人事院の資料を基に私が作ったんですが、平成二十五年からその人事院の規則が出されて以降、あるいは超過勤務を全部払いますよと言って以降も、実は余り変わっていない。もっと言えば、本来だったらばサービス残業をなくすということでありましたので、仮にサービス残業が多かった、ありますか、資料一でございます。
黄色いところが人事院規則出されて以降の話なんですけれども、ほとんど変わっていない。本来だったら、サービス残業を出すということであれば、本当は増えてもしかるべきなんですけれども、ほとんど影響がないということでございまして、これ二之湯大臣に、担当大臣にお伺いするんですけれども、この人事院規則の超過勤務の上限等に関する措置についてですが、効果があったというふうに、この資料を見られてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/28
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029・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 二〇一九年四月から人事院規則により超過勤務の上限などに関する新たな措置が導入されたところでございます。各府省では、これに基づいて、例えば自分の部署のみでは管理できない他律的な業務が多いか否かといったことを考慮して、部署ごとに超過勤務の上限を設定したところでございます。
人事院では、各府省におけるこの制度の運用状況を把握するほか、今後は各府省でそれぞれ設定していただいた超過勤務の上限の考え方を統一する方向で各府省に対する指導、助言を行っているものと承知しており、引き続き人事院においてこの制度の効果の把握や検証をしっかり行ってもらいたいと思っておりますけれども、今委員御指摘のとおり、なかなか残業、超過勤務が減らないというのが現実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/29
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030・江崎孝
○江崎孝君 そのとおりなんですね。なかなか、人事院頑張っていらっしゃいますけれども、効果が出ないということなんです。
それで、資料二を見ていただきたいんですけれども、なぜ出ないのかというところなんですが、これ、人事院規則一五―一四というのが一番左側です。ここに、他律的業務の比重が高い部署の職員は、まあ元々最初の(一)の①、②も結構多いんですよ、残業の、超過勤務命令の上限時間というのは三百六十時間、一か月四十五時間ですから。ただ、それの例外規定として、他律的業務の比重が高い部署の職員、一年七百二十時間、一か月百時間、まあとんでもない数字なんですけれども、これ、他律的業務の比重が高い部署の職員というのをあえて人事院、ここに書いているわけですね。その下には上限時間の特例というのも設けています、大規模な災害への云々ということで。
私が問題にしているのは真ん中です。
さて、その運用通知、局長通知がどうなっているかですが、先ほど二之湯大臣がおっしゃったとおり、各府省、部署、つまり(二)の部署の各省各庁における決定はということで、つまり他律的業務の比重が高い部署の職員の決定は各省庁に任せているわけですよ。ここに大きな問題がありまして、先ほどの超過勤務の実態を見ていただければ、余り各府省が人事院の指導、助言に従っていない。私が聞いたところの省庁は、丸ごと他律的部署と指定しているという省もあります、どことは言いませんけれども。
官房長官、この私の、この流れを見て、今の質問の中身を見て、どうでしょう、何かコメントをいただけませんか。質問通告というのは、今の流れの中で、官房長官で答えられる範囲で結構でございますので、何かお答えいただきたいと存じますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/30
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031・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
超過勤務の上限に関する制度につきましては、人事院において、特例業務の範囲や他律部署の指定の考え方について統一が図られるよう、各府省に対する指導、助言を行っていくと承知をしていますので、人事院においてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/31
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032・江崎孝
○江崎孝君 そこが問題なんですよね。だから、今言っているとおりですね。
資料三をこれ官房長官に見ていただきたい、大臣、見ていただきたいんですけれども、これ令和三年の公務員人事管理に関する報告という、人事院出しているんですが、下線を引いているところ見てください。人事院認めています。本院としては、各府省における超過勤務の上限に関する制度の運用状況を引き続き把握した上で、特例業務の範囲や他律部署の指定の考え方について統一が図られるよう、各府省に対する指導、助言を行っていくという、つまり同じことを繰り返しているわけですね。そして、もう人事院が言われているんですけれども、他律的業務とか特例業務の範囲なり考え方は各府省によってまちまちですよと言っているわけですよ。つまり、指導、助言がほとんど効いていない。各府省が独自に決めている。ここに私は大きな問題があると思います。
これは、僕が何回も言ってきましたとおり、人事行政全般を人事院にずうっと預けてきたこの七十数年の長い歴史、もっと言えば、各府省が、この前もお話ししたとおり、国務大臣単独輔弼制という戦前の大きなシステムの中に縦割り行政がはびこっていますから、人事院の言うことというのは、そう聞かなくてもいいとは言いません、やはりどこか対岸の火事っぽく思っているという思いがするんですけれども。
さあ、そこで、大臣、人事院が各府省に対する指導、助言でなくて統一的な基準を本当は示すべきなんです。だけれども、令和三年の報告では、自ら指導、統一的基準が、図ることは放棄されています。システムとしてできません。だったら、民間法制度と同様に労使の合意に委ねるべきだと思います。ここが僕がこの前から話している公務員制度改革の基本的なところなんです。これほど大きな人事行政を第三者機関に任せているという国はありません。そして、超過勤務さえも、人事院に委ねても、人事院がそのハンドリングができないという極めて異例な状況が今のこの国家公務員の各府省庁の現状なんですよ。
大臣、どうですか。民間法制度同様の労使の合意に委ねるべきという考え方は、私のこの考え方に対して率直に答えていただけませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/32
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033・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 江崎委員の日頃の持論は私もよく存じ上げておりますけれども、現在の法制度の下では、日本のこの公務員のそういう働き方改革とか賃金の決定は人事院に委ねられているわけでございます。
そういう中で、超過勤務の上限に関する制度については、人事院において、特例業務の範囲や他律部署の指定の考え方について統一が図られるよう、各府省に対する指導、助言を行っていると承知しておりますので、人事院においてしっかりと取り組んでいただきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/33
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034・江崎孝
○江崎孝君 今は法制度上そういう立て付けになっていますので。
そこで、前回大臣に質問させていただいたんですけど、国家公務員制度改革基本法というのがありますね。そこでいろんな措置がもう既に具体化してきていました。お分かりだと思います。
残されている課題は何だったのか、もう一回お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/34
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035・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 先月十六日のこの委員会でも私が江崎議員にお答えさせていただきましたように、国家公務員制度改革基本法に基づきまして、幹部人事の一元管理の導入、そして内閣人事局の設置、官民の人材交流の推進などの取組を進めた結果、残されたのは自律的労使関係制度でございます。こういう基本法に定められた改革事項については、かなり前進したというか、措置されたと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/35
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036・江崎孝
○江崎孝君 二度お答えいただき、ありがとうございます。そうなんです、もう国家公務員制度改革基本法で残されているのは自律的労使関係だけなんですね。
この議論は、自公政権のときにもずっと、もう堀江さんよく御存じだと思いますけれども、渡辺喜美担当大臣だったと思うんですね、その当時は。ずっと議論してきて、ほぼ大きな流れはつくられてきて、さあということで、政権交代もしたし、ああいう状況になったんですけれども、私は、これは与野党を超えてやっぱりやらなければならない、これILOの勧告もありましたから。
そして、自民党さん、与党の方は、野党側はその自律的労使関係、労働基本権の復活という入口かもしれませんでしたけれども、やっぱり今の公務員制度というのは、どうだろう、この社会の状況の中で、戦後七十年間、確かにいいときもあったかもしれませんけれども、やっぱり今のこの厳しい省庁の皆さんたちの状況を考えたときに、あるいは地方公務員も含めて考えたときに、やっぱり変えなきゃいけないよねという思いが僕はどこかにあったと思うんですね。それが自律的労使関係というところに着地点を設けたんですけれども、残念ながらこれは実現していません。
この資料五、一番最後見ていただきたいと思うんですけれども、これが与野党でほぼ合意をしていた自律的労使関係制度の措置です。
左側に当局というところがあって、点々で囲みがあって、公務員庁ってありますね。これは今で言う内閣人事局です。つまり、この内閣人事局を、まあ名前は別にしても、公務員庁でもいいんですけれども、ここに、人事院が持っている行政、人事行政含めて全部集約をして、そしてそこに、各府省も議論をしながら、政府全体で統一的に定める俸給月額、手当の額、一週間当たりの勤務時間等について団体交渉を実施して決めていこうじゃないかと。
右側には、今国家公務員はほとんどの政治的行為も許されませんし、団体、スト権はもちろん、協約締結権もない。それに協約締結権ぐらいまでは付与して、労働組合の認証制度を使いながら、公務員庁が当局になって、使用者責任がしっかり明確になります。そして、働く者の代表が交渉して、労働協約という民間法にあるような、そういうたがをはめましょう。ただ、給与法、法定主義というのは残りますけど。
官房長、最後の質問になりますけど、この自律的労使関係制度って御存じでしたか。そして、もし仮に御存じなかった場合、もし、今御存じになられたかも分かりませんけれども、レクがあったかもしれませんけれども、率直に今どうお考えになりますか。ちょっとお聞かせいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/36
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037・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 江崎先生にお答えをさせていただきます。
国家公務員制度改革基本法に規定される自律的労使関係制度とは、職員団体と当局が労使交渉をして、公務員の給与その他の勤務条件を自律的に決定できる仕組みであると認識をしています。
自律的労使関係制度については、多岐にわたる課題や議論があることから、引き続き慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/37
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038・江崎孝
○江崎孝君 是非慎重に検討していただいて、今こそやっぱり踏み込むときじゃないのかなということを改めて強調させていただきます。
官房長官、これで私の質疑は終わりますので、委員長、御退席させてもらって結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/38
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039・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 松野長官は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/39
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040・江崎孝
○江崎孝君 もう二之湯大臣は御存じだと思いますけれども、何回も話をしてきましたけれども、国務大臣単独輔弼責任制というのが戦前の話でした。戦後は、行政事務の各省庁による分担管理として残されました。
戦後、人事院は、職階制を導入するというGHQの名の下に、日本の公務員制度に職階制を入れるんだという命題で、最初はですよ、入ってきた。でも、それはできなかった。いまだに職階制できていません。先ほどの有村大臣の質問とも少しかぶってきますけれども、本当にそうなんですよ。
そこで、何でそれかと言われると、何回も言いますとおり、やはり日本の国家公務員が政治的中立性を極端に言われるし、労働基本権が剥奪される、それを担保する措置として人事院があるわけですね。そこに全部乗っかっちゃっているわけですよ。
大臣、是非、この前回の最後の質問になりますけれども、この資料の四枚目見ていただけますか、前回も見ていただきましたけど。これ、有村担当時の大臣もいらっしゃるんで、非常に申し訳ないんですけれども、ずうっと交渉していますけどね、二〇一五年から二〇二一年まで全然変わっていないんですよ。ちょっと変わったっていうのは、何か、河野大臣のときに、皆様と誠実にの誠実が入ったぐらいで、これは全く誠実じゃないんですよね。
何回も言うように、国家公務員制度改革基本法で唯一残されている自律的労使関係、そこはやっぱり政府としてそれなりにしっかりと議論して対応していくべきものだと思いますが、大臣、二之湯大臣のときに、もう宿舎も隣のようなもんですから、是非一歩踏み込んで回答していただきますようにお願いできませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/40
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041・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 江崎先生が長年にわたって働く者の立場に立って、自律的労使関係制度の構築を導入すべきだと、こういうことを主張されることに大変敬意を表する次第でございます。
日本の場合は人事院制度ということでございまして、先生おっしゃっているその自律的労使関係制度も人事院制度もそれぞれ一長一短があるかと存じますけれども、先生おっしゃっている自律的労使関係制度の導入にはいろんな課題があるわけでございます。そういうことも踏まえて、これからも考えていかなければならないと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/41
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042・江崎孝
○江崎孝君 与党の皆さんにもしっかり議論していただきたいなと、そのことをお伝え申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/42
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043・高瀬弘美
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。本日もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
私、本日、オミクロン株の特性についての知見がある程度集まる中におきまして、大変厳しい水際措置をとり続けていることについて質問させていただこうと思っていたんですが、昨日、新しい水際対策に係る措置が公表となりました。事前にお願いをさせていただいておりますとおりに、御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/43
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044・磯崎仁彦
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) お答えをいたします。
昨日の国家安全保障会議の緊急会合におきまして、新たに決定をしたところでございます。これまでといいますか、外国人の入国制限につきましては、入管法上の上陸拒否を行うかどうかという点、それと査証の発給の制限、この二つの仕組みによって入国制限を行ってきたということでございます。
この上陸拒否につきましては、外務省が発出をしております感染症の危険情報、このレベル1、2、3ってございますけれども、このレベル3に該当する国につきましては上陸拒否対象地域ということに該当しておりまして、過去十四日以内にこの上陸拒否対象地域に滞在歴がある外国人につきましては、特段の事由がない限り、入管法上の規定に基づいて上陸拒否の対象としてきたところでございます。
この特段の事由につきましては、現行におきましては、観光以外の例えばビジネスであるとか留学生であるとか、こういった方については特段の事由があることで査証を発給して、この上陸拒否対象地域であっても上陸を認めるという、こういうことにいたしております。感染症危険情報2のところについては、この上陸拒否を行わないということの運用を今しているところでございます。
今回の決定につきましては、四月一日から、この感染症の危険情報、これが、このレベルが百六の国におきましてレベル3からレベル2に引き下げられたということに伴いまして、この百六の国につきまして上陸拒否の対象地域から除外をされる、こういう手続を行ったということでございます。したがいまして、これらの新たの百六地域につきましては基本的には上陸ができると。ただ、査証の観点で、観光目的については査証を発給しないということはこれからも行っていくということでございますので、上陸拒否対象地域に該当するかしないかというこの違いはこの百六か国で今後出てくるわけでございますけれども、実際上、観光目的以外については上陸できる、観光目的については上陸できないという、この今まで行ってきた対応については変わらないということでございます。
更に申し上げれば、水際措置につきましては、観光目的以外のこの外国人の新規入国を認めるという点、それと検査や待機などの検疫措置は講じていくということ、さらに入国者の総数も上限を認めていく、こういう三つの観点でこれからも、入管措置といいますか、こういったものを行っていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/44
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045・高瀬弘美
○高瀬弘美君 大変詳細に御説明いただき、ありがとうございました。
今回の措置によりまして、ビジネス、留学目的に絞って、まあ観光は引き続き入れないと、そういうことなんだと理解をしております。各国、観光も再開が始まっておりますので、その辺も含めて引き続き御検討いただきたいと思います。
官房副長官、ちょっと一問飛ばさせていただきます。
今回、上限の引上げということで、一日の入国者数一万人にもなりました。また、さっき、今御説明いただいたとおり、入国できなかった国の留学生等も入ってこれるようになりましたけれども、このコロナが二年以上になりまして、最も影響を受けているものの一つに日本語学校がございます。この二年間、生徒が来れないという状態が続いておりまして、この入国ができない間も、それぞれの日本語学校におきましてはオンラインでの授業をされるなど、様々工夫をされております。私の地元福岡県にあります日本語学校も、このコロナの間何度か訪問させていただきましたけれども、先生方、本当に苦しい状況の中で一生懸命工夫しながら頑張っていただいている、耐えていただいているという状況でございます。
文化庁にお伺いしたいと思います。
コロナ禍においてこうした厳しい状況にある日本語学校に対して、これまでどのような支援策されてきましたでしょうか。簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/45
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046・中原裕彦
○政府参考人(中原裕彦君) 長期にわたる入国制限の中で、日本語教育機関の経営が大変厳しくなっているものと認識をしてございます。これを踏まえまして、経営の直接支援としては、コロナで影響を受けた事業の継続、回復を支援する事業復活支援金などの各種支援策を関係省庁と連携して日本語教育機関に周知しているところでございます。
また、直接の経営支援ではございませんが、入国前の外国人留学生のオンラインによる日本語学習を支援いたしますオンライン日本語教育実証事業を令和三年度補正予算で計上しておりまして、近日中に委託事業者より本事業への参加を希望する日本語教育機関に対し説明会や公募を開始する予定でございます。
いずれにいたしましても、日本語教育機関は我が国の留学生政策を支える重要な存在でございます。文部科学省といたしましては、関係者の声も伺いながら、留学生の円滑な入国に全力で取り組んでまいりつつ、こうした様々な支援策を効果的に活用し、日本語教育機関の支援に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/46
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047・高瀬弘美
○高瀬弘美君 国の政策で水際対策取って入れない学生がいるということの影響がこの日本語学校に出ているわけでございますので、その影響の部分についてはきちんと手当てをしていただきたいと、引き続き支援していただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
各国がオミクロン株の特性を踏まえて経済活動を大きく再開をする中で、日本からも、日本にも入国が増えてきておりますけれども、日本からもビジネス目的で海外へ渡航される方増えてきております。そうした中で、今、海外に出張に行かれて日本に帰国する際には七十二時間以内に受けた検査での陰性証明が必要となるわけでございますけれども、コロナにかかった方の中で、もう症状もなくて、罹患されてからも時間がたっているにもかかわらず、PCR検査を受けると陽性が出続けると、こういうために帰国ができないと。つまり、陰性証明を取ることができないので、海外出張に行ったはいいんだけれども、現地においてPCRでずっと陽性が出るので帰ってこれないという事案が発生をしております。
そうした事案についての厚労省の認識、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/47
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048・浅沼一成
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
現在、空港検疫におきましては、全ての入国者に対しまして出国前七十二時間以内の検査証明書の提出を求めており、新型コロナウイルスに感染したことがある方も、日本への入国、帰国に当たりましては、出国前に検査を受け、陰性証明書を取得する必要がございます。これは、現在のところ、一度感染した方でも再感染の可能性があるなど、十分な科学的知見が得られていないことから、水際措置におきまして、感染したことがある方であっても例外なく出国前の陰性証明の提出を求めているものでございます。
一方で、新型コロナウイルスに感染した方が、回復後も一定期間検査結果が陽性となり続けることがあることについては承知しているところですので、委員御指摘の日本人が海外において検査結果が陽性となり続けるために帰国できない事案につきましては、邦人保護の観点から対策を講じる必要があると認識しており、主要国の水際対策や専門家の御意見なども踏まえ、どのような対応が可能か、前向きに検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/48
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049・高瀬弘美
○高瀬弘美君 審議官、ありがとうございます。前向きに御検討いただけるということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。
厚生労働省のホームページの中に、この帰国に際しての陰性証明を取る、その提出についてというのがあるんですけれども、そのホームページ上でも、オミクロン株の流行に伴い、出国前七十二時間以内の検査結果が陰性であっても、入国時の検疫検査で陽性となるケースが増加をしていますという、こういう注意書きが一番最初のところに出ております。つまり、陰性証明取っていても、いざ日本に帰ってきて入ろうとすると陽性になっている方が一定数いらっしゃると。なので、その陰性証明にどこまでこだわる必要があるのかなというのは、ちょっと私、甚だ疑問だなと思っております。
今審議官おっしゃってくださったように、それによって帰れない人が実際出てきているという状況ございますので、ここについては是非とも早い対応をお願いを申し上げたいと思います。
今申し上げたような事案、海外でどれくらい発生しているのか、また、その際に各国にある日本大使館、在外公館がどのような支援を行っているかについて、外務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/49
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050・安東義雄
○政府参考人(安東義雄君) お答え申し上げます。
外務省として、海外における委員が御指摘のような事案、発生していることについて認識しております。
先ほど厚生労働省から答弁があったとおり、我が国における現状の水際措置においては、新型コロナに感染したことがある方であっても、日本への入国、帰国に当たっては出国前の陰性証明の提出が例外なく求められているところでございます。
これに対して、在外公館では、そのような事情、こういうことに遭われた在留邦人の方に対して、現在の状況について丁寧に説明し理解を求めるとともに、必要であれば当該国における滞在期間の延長手続に係る支援、また、必要であれば日本からの送金方法に係る情報提供を行うなど、個々の状況に応じて支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/50
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051・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
今お話ありましたとおり、その陽性が出続ける一部の方は、PCR検査も何回も受けないといけないですし、また、帰ってこれないので現地での滞在費もどんどん掛かっていくわけでございます。そういうことを考えますと、陽性出続けるので仕方ないですねということでは済まない問題だと思いますので、ここについては本当に検討をお願いをしたいというふうに思います。
昨年十二月にオミクロン株が感染拡大を世界中でしておりましたとき、日本におきましては、入国制限ですとか、入国できたとしても長い隔離期間など、大変厳しい措置が実施をされました。各国も、当初こそ厳しい制限をしましたものの、オミクロン株の特性分かるにつれてかなり機動的に対策をどんどん変えていきまして、この隔離期間等もどんどん短くなっていったと。
日本は他国に比べていろんな意味でちょっと慎重過ぎるのではないかという御意見もありましたけれども、これについての評価をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/51
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052・磯崎仁彦
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) お答えをいたします。
政府としましては、昨年十一月末のオミクロン株発生当初から、国民の皆様の命を守るということを重視をいたしまして、慎重の上にも慎重を期すという考え方の下で厳しい水際対策を取ってまいりました。その結果、国内への新たな変異株の流入、これを遅らせたというふうに考えておりまして、その間に、医療体制の整備であるとかワクチン接種の推進など国内の対応体制、これを整備する時間を確保できたのではないかというふうに思っておりまして、一定の成果があったものというふうに認識をいたしております。
その後、内外で感染状況等が変化をし、おっしゃるとおり、主要国の中で水際対策の緩和を進める国がある中で、オミクロン株の科学的知見、これも徐々に蓄積をされてきたことを踏まえまして、我が国としても三月一日から水際対策を段階的に緩和をしていくということにしたわけでございます。
感染状況など各国取り巻く状況は同じではありませんので、我が国として判断が遅かったというふうには考えていないところでございます。
政府としては、引き続き、内外の感染状況等、あるいは我が国の渡航ニーズ等を踏まえながら、その時々に応じた適切な水際対策講じてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/52
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053・高瀬弘美
○高瀬弘美君 官房副長官、ありがとうございます。
最後、質問ではなくてお願いとさせていただきますけれども、申し上げましたとおり、各国かなりそれぞれ経済を再開に向けて柔軟な対応を取っております。日本だけがいまだにすごく国を閉鎖しているような印象も一部でございますし、しっかり、もちろん感染状況見ながらではあるんですけれども、ただ、やっぱりビジネス目的であったり留学目的であったり、そういうところはしっかり再開していくというのは大事なことだと思います。
先ほど申し上げた海外に出張行って陽性が出続けた方も日本の大企業で勤務されている方なんですけれども、やっぱり世界各国の企業はもうビジネス目的の出張も大きく再開していると、どんどん人が行き交っていると。この状況長く続きますと、日本だけが経済面で後れを取っていくことになりますので、しっかりこの点、政府の対策を考える協議の場で、官房副長官にも御認識いただいて、前向きな検討をお願いしたいと思います。
では、次の話題にさせていただきまして、四月は年度の初めということで、入学、入園、進学の季節でございます。この時期になりますと、SNS上では子育て世帯の悲鳴が飛び交っております。保育園や学校現場における手書きの書類の多さでございます。保育園や学校までの通学路の把握のために手書きで地図を書かされたりですとか、また予防接種の情報を母子手帳を見ながら一個ずつ書き写すという作業が発生をしております。私も三人子供がおりまして、下が双子なんですけれども、書類が二倍になるんですが、毎年同じ書類を手書きで書いて提出をさせていただいております。
これ、河野規制改革担当大臣のときにこの問題取り上げていただきまして取組が開始されたと認識しているんですけれども、牧島大臣としての御認識をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/53
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054・牧島かれん
○国務大臣(牧島かれん君) 委員御指摘のとおり、様々な場面でまだ手書きをしなければならないという実態があるということ、重く受け止めなければならないというふうに思っております。
書面で又は押印でといったものの見直しを進める中で、令和二年規制改革実施計画の中、この手書きでしなければならないといったようなデジタル化されていない未実施のもの約一万九千の手続について、令和七年末までに約九八%はしっかりとオンライン化する方針だということは決定をさせていただいております。これ、法令に基づくものだけではなくて、今委員が御指摘になられたような慣例に倣って行われているようなものについてもしっかりと見ていかなければならないという認識を持っております。
文部科学省においても必要な見直し進めていただいているというふうに理解しております。学校の現場における書面について、具体的には、地方自治体に対して国における見直し方針の説明をしていただいたり、具体的なデジタル化の事例の紹介を行っていただいたりもしています。さらに、学校と保護者間でのやり取り、これを書面ではなくてデジタル化するといったようなことも通知を発出いただいたり、アンケート作成にも活用できる教師用端末の整備を行っていただいたりということは進んでおります。
また、昨年閣議決定いたしておりますデジタル社会の実現に向けた重点計画、こちらでも校務と家庭とのコミュニケーションのデジタル化という項目、しっかりと盛り込ませていただいております。
文部科学省には一層この活動を進めていただくように期待をしつつ、私どもとしても連携を進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/54
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055・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
今文部科学省の取組も含めて御説明いただきましたが、保育園だと厚労省の管轄になったりとか、あと様々な場面で、やっぱりこの春の季節というのは、書類提出、手書きでというのが非常に多くなってございますので、規制改革の一環として引き続き大臣の方でも目を配っていただければと思います。
今日は鰐淵政務官にもお越しをいただいております。
小中学校における書類も相変わらず手書きのものが大変多くございます。これ、毎年毎年大変だということで、通知も文科省の方でも出していただいているという認識はあるんですけれども、なかなか現場では進んでおりません。
国からの通知はあるんですけれども、いまだに学校関係の書類はやっぱり判こも求められますし、デジタル化されないという中で、文科省としての御認識と取組をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/55
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056・鰐淵洋子
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
学校と保護者などとの間の情報共有を目的に保護者などに提出を求める書類や連絡手段のデジタル化を進めることは、迅速な情報共有を実現するとともに、学校と保護者など双方の負担軽減にも大きく寄与するものと認識をしております。
文部科学省としましては、教師用端末など学校のICT環境の整備を進める中で、令和二年十月には各教育委員会等に対しまして通知を発出いたしました。先ほど大臣の方からも詳細に御説明していただいておりますけれども、例えば、具体的に事例を紹介しておりまして、学校と保護者などとの間における連絡手段のデジタル化に向けた取組を進めるように依頼をしております。
また、令和三年度に実施をした調査がございまして、こうした連絡手段のデジタル化につきましては、都道府県、政令市では約八割以上、市区町村では約六割で実施されており、相当程度取組が進んでいるものの、引き続きしっかりと取組を促進する必要があると認識をしております。
この調査結果も踏まえまして、本年一月には、学校と保護者などとの間や教職員間における情報共有、さらに連絡調整に係る手段を可能な限り書面によらずデジタル化にするなど、ICTを活用した校務効率化について積極的に取り組み、保護者や教職員の負担軽減を図るべきことなどにつきまして、各教育委員会に対しまして通知を改めて発出をしております。
引き続き、政府全体におけるデジタル化の取組とも連携をしながら、更なる事例の展開を図りつつ、専門家の知見も踏まえまして、各教育委員会や学校における促進を促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/56
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057・高瀬弘美
○高瀬弘美君 政務官、ありがとうございます。
これ、結構地味、地味な話といいますか、手書き書類をやめてほしいということであるんですけれども、なかなか現場まで下りていくと、国としての方針はしっかりあるんですけれども、県、そして市町村、そしてその下にある保育園とか学校というふうに下りていく段階で、なかなかこの国の意図がまだまだ伝わり切れていないところがあると思いますので、しっかり言い続けていただく、これやっぱり子育て世帯にとってはもう大きな負担になっておりますので、この点、重ねてお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/57
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058・浜田昌良
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
私からは、残りの時間を使いまして、男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスにつきまして質問させていただきたいと思います。
まず、今年の四月一日から、女性活躍推進法の行動計画の策定、届出の義務が常用雇用者三百人以下の事業主も対象となりました。この男女共同、女性活躍という問題は、女性だけの問題ではなくて、一番重要なのは男性の意識改革とも言われていますし、社会全体がその制度、十分できているのか、これが問われていると思っています。
そういう意味で、義務化されたわけですが、現時点での策定、届出状況、また、これらの状況が東京と地方と全国でどういうふうになっているのか、これにつきまして御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/58
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059・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
この四月から一般事業主行動計画の策定、届出が女性活躍推進法に基づきまして新たに義務化されました常用労働者百一人以上三百人以下の企業における策定、届出状況でございますが、令和三年十二月末の時点におきまして、東京都におきましては六百七十三社、それから地方、東京、大阪、愛知県を除く地方におきましては五千七百五十七社、それから全国におきましては七千二百十一社というようになっております。
これまで、施行までの間、労働局におきまして、対象企業に対して、行動計画策定から届出、公表まで段階的に解説するオンラインセミナーの実施ですとか、電話、文書送付による働きかけ支援などを行ってまいりました。現在、令和四年三月末時点での一般事業主行動計画の策定、届出状況を確認しているところでございますが、策定、届出の義務を履行していない企業がありました場合には、速やかに義務を履行していただくよう指導を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/59
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060・浜田昌良
○浜田昌良君 今御答弁ありましたが、十二月時点ということでございますけれども、全国で七千二百十一社という答弁です。
実はこれ、対象が、今までは三百人超だったので一万七千社が、今回、百一人以上となって四万八千社で、三万社増えたんですね。三万社増えたんですが、まだ七千二百十一社という状況でございまして、ちょっと非常に遅れているのかなという感じがするんですね。その背景には、やはりこの届出をして、またメリットはどれぐらいあるんだろうかというところが十分に感じられていないのかなという気がするわけですね。
それで、実はこの女性活躍の関係ではマーク制度がありまして、えるぼしって御存じですかね。えるってレディーのLでもありますし、レーバー、労働のLでもあるんですが、これの取得企業が現在どの程度になっているんでしょうか。その取得数、また全体の一般事業主行動計画届出義務者に対する比率、その中で中小企業の比率や、今ありました東京、大阪、愛知以外の地方の比率はどうなっているのか、厚労省からお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/60
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061・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
これも令和三年十二月末時点でございますが、えるぼし認定を受けている企業数は一千六百二十四社でございます。また、この時点で一般事業主行動計画の策定、届出が義務となっておりました常用雇用労働者三百一人以上の企業のうち、えるぼし認定を受けている企業の割合は六%でございます。また、同じく令和三年十二月末時点で、えるぼし認定企業のうち中小企業が占めます割合は約三七%、それから東京、大阪、愛知県を除きます地方企業の割合は約三九%となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/61
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062・浜田昌良
○浜田昌良君 今、特に中小企業とその地方企業の比率を聞いたのは、結構現場では、地方の企業なんですが、やっぱり人手不足で、こういうワーク・ライフ・バランスのマーク制度を活用して、いい人を採用したいという声は結構あるんですが、なかなかそれが十分に行き渡っていないのかなと、全体の六%というところですね。
その関連でちょっとお聞きしたいのが、えるぼしマーク以外にユースエールマークというのがあるんですね、これ若者育成の関係で。また、くるみんという、厚労省が子育ての支援の関係でやっているんですが、分かりにくいという声もあるんですね、いろいろあって。で、これをうまく活用していく必要もあると思うんですが、このえるぼしとの関連で、このユースエール、くるみんのマークについて、取得企業の現時点での状況、また、その一般事業主行動計画の事業者数に対する比率、また、中小企業比率、地方企業の比率はどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/62
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063・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
まず、ユースエール認定でございますが、これは元々中小企業を対象とする認定制度でございます。この認定を受けている中小企業数は九百五社、このうち東京、大阪、愛知以外の地方の企業が全体に占める割合は約八六%でございます。
また、くるみん認定でございますが、くるみん認定を受けております企業数は三千七百五十五社でございまして、認定企業のうち中小企業が占めます割合は約四一%、それから東京、大阪、愛知以外の地方企業の合計は約五六%となってございます。また、くるみんに関しまして、次世代育成支援法に基づきます一般事業主行動計画の届出が義務となっております常用雇用労働者百一人以上の企業のうち、認定企業数の割合は、約六・六%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/63
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064・浜田昌良
○浜田昌良君 今ちょっと細かく聞いたのはなぜかといいますと、この三つのマークを別々に運用するんじゃなくて、うまく連動させた方がいいんじゃないのかなと。
実は、ユースエールマークというのは割と申請すればすぐに取れるんですよね。あと、くるみんとか、えるぼしというのは、二年以上の計画を作って計画を実行しないと取れないということですから、まずユースエールを取りながら、そして徐々に次に段階アップしていくと。特に、今御答弁ございましたように、地方企業の比率というのが非常に、例えばユースエールは八六%ですし、そもそもユースエールは全社が中小企業なんですね。くるみんの方も地方企業の比率が高くて、割とこの地方企業比率がすごくて、いわゆる現場のニーズの、地方で若い人をうまく雇用したいというニーズに少しは応えているんですね。
よって、厚労副大臣にお聞きしたいと思いますが、この三つのマーク制度を別々に推進するんじゃなくて、うまく連動させていくということをやることがワーク・ライフ・バランスの推進上有意義と考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/64
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065・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 浜田委員に、えるぼし、ユースエール、そしてくるみん制度を御紹介いただきまして、本当にありがとうございます。
特に、それぞれの制度、力を入れておりますが、例えばくるみん、えるぼし等につきましては、プラチナ制度におきまして、我が省としてしっかりと取り組んでいるところでございます。この三つの制度につきましては、働き方改革の推進ですとか企業の人材確保、定着に資する点で共通しておりまして、当然、まず各認定マークの取得を促進していく、それぞれの制度について御理解いただき、対応いただくことが大事だと思いますし、まさに浜田議員御指摘いただいたように、制度間の連携ということも大変重要であるというふうに考えております。
このため、厚生労働省としましては、都道府県の労働局におきまして、個別の認定制度について申請があった場合に、そのほかの認定制度についても周知、案内を行う、また三つの認定制度を一つのリーフレットにまとめて御案内してしっかりと御理解いただくと、こういったことも行っておりまして、引き続き、制度間の連携を図りながら、各認定マークの取得を促進してまいりたいと考えているところでございます。
よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/65
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066・浜田昌良
○浜田昌良君 ありがとうございます。是非、ワーク・ライフ・バランスの推進という意味では三つのマークとても重要でございますので、連携をしていただきたいと思います。
そのマークを取ったときのメリットなんですが、幾つか言われているんですが、一つは低利融資制度と言われているんですが、これ余り使われていないようですね。調べてみましたら、えるぼしで元年度三件、二年度ゼロ、くるみんは若干多くて六十八件で、元年度、二年度が十一件、ユースエールは八件で、二年度は二件ということで、やはり一番大きいのはこの公共調達の加点制度、これが大分広がってきていまして、これを期待する企業が結構多いです。
そこで、男女共同参画担当大臣にお聞きしたいと思いますが、ワーク・ライフ・バランス等推進企業、この三つのマーク制度の公共調達加点制度、国及び独法についてでございますが、この拡大の状況と効果をどのように評価されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/66
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067・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 浜田委員にお答えをいたします。
委員御指摘のワーク・ライフ・バランス、職業生活、家庭生活、均衡をしっかり取るということで、女性活躍推進法等に基づきまして、国及び独立行政法人等が価格以外の要素を評価する調達において、仕事と子育ての両立を推進するくるみん認定企業や女性活躍を推進するえるぼし認定企業等を加点評価する取組を平成二十八年度から実施をしているところでございます。
国の機関においては、平成三十年度から令和二年度までの三か年度で加点評価を実施した調達は、件数、金額共に増加しているものの、令和二年度の実施割合は金額ベースで四割にとどまっている状況でございます。一方で、独立行政法人等においては、平成三十年度から令和二年度までの三か年度で加点評価を実施した調達は、件数、金額共に増加をしておりまして、令和二年度の実施割合は八割を上回っております。
また、この度、令和二年度の取組について、国の機関における個々の調達に関わる加点状況を初めて調査をしたところ、実際に適用された加点割合は、物品役務等に関する調達では平均四・三%、公共工事等に関する調達では平均二・一%ということになっておりまして、いずれも低い水準にとどまっております。
このような実施状況を踏まえまして、本年三月に本取組に関する実施要項を改正いたしまして、国の各機関における加点評価の取組の更なる見える化、それから企業の認定取得を促進する観点から加点評価の配点の引上げ等を行い、本年四月一日から施行をしているところでございます。その上、内閣府から各機関に対して、本取組の全面的な実施や加点割合の引上げ等、取組の更なる推進を要請したところでございます。
引き続き、予算の適正な執行に留意しつつ、本取組の効果的な実施が図られるよう、働きかけをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/67
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068・浜田昌良
○浜田昌良君 ありがとうございます。
今御答弁ございましたように、この加点制度を導入している独法の方は八割あるんですが、国の機関の方がまだ四割だということで、あわせて、その加点の点、パーセントですね、それが物品の方は四・三%なんですけど、公共事業の方が二・一とまだ低いという、これを上げていきたいと御答弁ございました。
そこで、公共事業の関係では国交省関係が多いわけでございますので、国土交通副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、実はこの今年度四月からは賃上げに関してのこの加点制度がいよいよ始まりました。それについては、全公共事業のですね、に対象とする、四割じゃなくて十割にしたわけですね。そういうことから、この男女共同参画の関係のこの加点制度は、今までは一般土木のA級だけ対象になっていまして金額ベースの四・七%しか対象になっていないんです。これについては更に拡大していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/68
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069・中山展宏
○副大臣(中山展宏君) ありがとうございます。
ワーク・ライフ・バランス等の実現のため、国交省においても、直轄工事等の発注時にえるぼし、くるみん等の関連認定制度を活用した評価の枠組みを導入しております。具体的には、全国の地方整備局等が発注するWTO対象案件となる一般土木工事、これは予定価格六・九億円以上の工事の、そのうちの段階的選抜方式を採用するものについては、全て今、一次選抜を実施する段階で認定企業を加点評価の対象としております。
加えて、担い手確保の観点から若手や女性の技術者の活用を促すために、入札段階でこれらの技術者の配置について総合評価で加点を行っているところであります。
引き続き、先生の御指摘のとおり、ワーク・ライフ・バランス推進企業を加点する取組の目的並びに公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成、確保等の観点から、現在適用対象としている大規模な工事以外への適用範囲の拡大、さらに、これまで一部への導入にとどまっていた建設コンサルタント業務への本格適用について、先生の御指摘を踏まえて、充実に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/69
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070・浜田昌良
○浜田昌良君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/70
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071・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
本日は、前回、三月三十一日に行いました委員会質疑の中、一般質疑の中で、行政改革、規制改革について質問をさせていただきましたが、今日も同じように行政改革、規制改革について質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
前回、デジタル原則にのっとった行政改革、規制改革の一体改革ということでやり取りをさせていただきました。皆様のお手元にはそのときに使いました資料をもう一度配付をさせていただきましたけれども、資料一の左側にはデジタル原則というものが記載されておりまして、その真ん中にあります箱ですね、箱の部分が実際に一括見直しを行う対象のものということで記載がされておりまして、その中身について前回やり取りをさせていただいたんですが、まずは、そのやり取りの中で御答弁いただいた内容について改めての確認をさせていただきたいと思います。
こんな答弁ございました。実際の運用みたいな話も声があれば見ていきたい、書き物になっていないからやらないということではなく、声がある限りはしつこく追求をさせていただきたいと、こういった御答弁がございました。
で、ちょっと疑問に思ったんで、ふと疑問が湧いたんですが、書き物になっていないものについてどうやって見直しをしていくんだろうなということと、じゃ、それを見直したものを定着させていくためには取組としてどのようなことをやっていくのか、この点が疑問として浮かびましたので、まずこの点について確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/71
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072・村上敬亮
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
御指摘いただいたとおり、答弁したとおり、もちろん我々全体のキャパシティーの問題はありますけれども、声がある限りは明文規定になっていないものも追求していきたいと思ってございます。
一番代表的な例は、例えば規制のいろんな運用の中で、本省の判断と各地方支分部局の判断が違うとか、地方支分部局でも、どの地方支分部局に行くかによって似たようなケースなのに判断が違うといった、そういった声があることを経済界等の要望から私ども把握してございます。
こういったものについては、やはりできるだけ判断は客観的にそろえた方がいいというようなところは各省と話をしてデジタル臨調の中の取組に反映していきたいというふうに思っておりますし、今のようなケースであれば、例えば、そういった声がある運用の部分については、改めて各省に、各地方支分部局に書いた通知や基準のような形で、改めてそこは妙な裁量性に差が出ないように協力をお願いするといったようなところで、規制の運用自体の客観化を進めるといったようなことが一案として考えられると思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/72
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073・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
ちょっともう一つ今の点で確認ですけれども、ということは、客観性をしっかりと高めて皆さんが画一的に様々な取組ができるように、そういう意味では、そのとき、今は形になってないものだけれども、そういった見直しをしていく過程で新たにルール化をするというものも場合によっては発生してくるという、こういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/73
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074・村上敬亮
○政府参考人(村上敬亮君) そのようなケースも考えられると。ただ、最終的には、やはり内閣法上もそれぞれの所管大臣の判断と権限ということでございますので、私がどこまで答えられるかという問題はあろうかと思いますが、そういったケースもあり得るということをデジタル臨調の議論では想定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/74
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075・礒崎哲史
○礒崎哲史君 分かりました。
次に、今のとも少し関連をしてくるんですけれども、これは、経産省さんの方で実際にいろんな規制改革をこれまでも取り組んでこられているんですが、実際に経産省さんが取り組んだ規制改革のそういうスキームを利用された事業者の方に対してアンケートを実は取っています。そのアンケートの結果が皆さんのお手元に資料二ということでお配りしたもので、業者の方に委託をして、野村総研さんの方に委託をしてこういうアンケートを取って、その中で私の方で抜粋してまとめたものがこの資料になるんですが、左側に書いてあるのが三つの規制改革のスキームになります。
それぞれの中、いろいろな結果が書いてあるんですが、例えば一番上のグレーゾーン解消制度でいくと、制度を理解しておらず申請に至らない潜在事業者がいることが分かったとか、二つ目は、制度認知のきっかけは中央省庁による紹介制度が三分の一を占めて、制度の認知度には拡大の余地があった、三つ目は、相談から回答までに要した時間としては半年から一年未満が六〇%、つまり半年以内の回答というのが余りないということなんですね。
実は、この三つが、下のサンドボックス制度も同じようなことが書いてあります。一番下の制度も同じようなことが書いてあります。その下に赤字で書きました、この認知度の低さ、あるいは理解の不足、そして三つ目、手続、プロセスの複雑さという、規制改革そのもののメニューというよりも、運用の改善のニーズが大いにあるというのが実はこのヒアリングからの結果から見えてきていることになります。
そうしますと、これ、今デジタル原則にのっとったもので様々進めてはいただいておりますけれども、そもそも制度が変わっても運用という観点で実はいろいろな課題がそこにあって、まさに今の一つ目の答弁でもやり取りさせていただきましたけれども、書き物になっていない点について実はいろいろな課題が潜在化しているということだというふうに私は理解をしているんですね。
そうしますと、これ、デジタル化以前に改善に取り組む課題というものがいっぱいあるんではないかというのが私の疑問点なんですけれども、この課題についての認識、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/75
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076・小林史明
○副大臣(小林史明君) お答えをいたします。
委員御指摘のように、経産省のアンケートで、この事業者が規制改革、行政に求めるための各種制度に運用面での課題があるというふうに指摘されていることは承知をしております。
規制の見直し進めるに当たっては、御指摘いただいたように、事前に運用面の課題や要望を丁寧に聞き取った上で、法令等の文面だけではなくて、見直し後の運用フローも念頭に置きながら検討することが重要だというふうに考えております。岸田内閣では、牧島大臣の下、まさにデジタルだけではなくて、規制改革、行政改革、これを一体的に持っているというのもその意味があるというふうに考えております。
ですので、デジタル臨時行政調査会においても、経済団体などから要望を広く聞き取りながら一括的な見直しに向けた検討を進めているところですが、こうした現場の実態に即した要望を踏まえながら、国民や企業にとって真に意味のある規制改革につなげてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/76
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077・礒崎哲史
○礒崎哲史君 是非よろしくお願いをいたします。
今副大臣からもありましたとおり、牧島大臣、デジタルも見ていますし、規制改革、行政改革も見ておられるということですから、全てを一括して見ていただけているということですので、この辺、しっかりと認識を持った形での取組をお願いしたいというふうに思います。
続いての質問ですけれども、今般、この一括の見直しということを実施をされておりますけれども、この見直しを行っている最中も様々な政府の施策が行われていて、その施策が行われていれば、きっと様々な新たな施策というものの中には新たなルールというものも作られていくんだと思います。そうしますと、これからつくられる新たな施策に関しては最初からこのデジタル原則が適用されているのかどうか、この点についても確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/77
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078・村上敬亮
○政府参考人(村上敬亮君) デジタル原則は、デジタル社会の実現に向けた構造改革のために示されたものという位置付けでやってございますので、既存の制度のみならず、新しい制度についても適合を求められるというふうに考えてございます。
したがって、各府省の企画立案に際してもデジタル原則の適合性について考慮されていくというものだと思っていますが、新規法令等のデジタル原則への適合性の確認のためのプロセス、体制をどうするかということは、済みません、今まさに検討中でございまして、今は取りあえず先行で取り上げているものの類型化、取組の整理、そちらに今掛かりきりになりつつ、併せてこちらのプロセスについても検討を進めている最中でございますので、改めて進んだ段階でまた御報告をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/78
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079・礒崎哲史
○礒崎哲史君 前回のやり取りでも、今検討をまさに進めていると、そのグルーピングを今検討しているというお話でありましたので、できた暁にはしっかりとそれが全ての施策を検討する段階から盛り込まれると、こういう理解でよろしいですか。ちょっとそこの点だけもう一度確認でお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/79
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080・村上敬亮
○政府参考人(村上敬亮君) まだ新しい法令にどうするかというのは、極端なことを言うと、将来を見ると、今度は機械的に検索できるようにできるだけ早くならないかとか、いろんな可能性があるものですから、今の類型化と全く同じやり方をするかどうかはまだ分からないという状態ではございますけれども、逆に言えば、そういう今回やってみた結果を踏まえてどうすべきか、どうするのが一番合理的かというところは重々踏まえて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/80
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081・礒崎哲史
○礒崎哲史君 余りにも改革を画一化すると改革にならなくなりますので、その点は随時見直しが図られるということは当然のことかというふうに思いますので、しっかりと、ただやっぱり、先ほどのその前の問いとかもそうですけれども、意識をしっかり持っていかないとこれはなかなか変わっていきませんので、常に変えていくという意識を持つという意味でもしっかりと適用をしていただきたいと思いますので、お願いしたいというふうに思います。
それともう一つ、今確認をしてきましたけれども、このデジタル原則に照らし合わせて改革を実施をしてきたとしましても、例えばそれによって逆に規制の数そのものが増えてしまったとか、また、こういう形になると恐らく行政の手続コストというのは減らないんだと思います。またさらに、規制の数は見かけ上は減ったんですけれども、実は手続そのものは煩雑になってしまった。さっきの二つ目の問いで、その経産省のアンケートにもありましたけど、実は、その運用の部分で面倒くさいことになったということであれば、これ、やっぱり手続のコストというのは減らないというふうに思います。逆に、一個目の質問のやり取りでいけば、今まで書き物になっていなかったんだけれども、書き物にすることによって、逆にルールを増やすことによって、画一した取組ができることによってコスト的には削減されると、負担軽減になったと、こういうこともあると思うんです。
そうすると、ルールそのものの数ですとか、規制そのものの数だけではなくて、そうではなくて、そもそも行政手続コストが増えないような仕掛けということを考えていくことが重要なのではないかなというふうに思っているんですけれども、この点について、大臣、お考えいただきたいんですが、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/81
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082・牧島かれん
○国務大臣(牧島かれん君) 委員御指摘のとおりだというふうに受け止めております。行政手続のコスト、全体的なコストを下げていくために何をしなければならないのかという観点で私どもとしては検討を進めております。例えば、規制する側も規制される側も国民の皆さんも、三方よしでなければならないというような基本的な考え方を持っています。
昨年末、デジタル原則出させていただきましたが、ここで目視とか常駐といった人の介在をどのようになくしていくのか、その途中で対面だったり書面だったりというものが挟まってしまうとデジタル完結にならない。そこに行政コストが生まれてしまうということになりますので、デジタル完結、自動化していくというところ、この二つの原則を考えていきたいと思っております。さらに、民間の力を最大限活用するということも重要でありますので、官民連携の原則、さらには官民の無駄なコストをなくすためには共通基盤利用原則といったような原則も出させていただいております。
こうしたデジタル原則をしっかりと遂行することによって行政コストを下げていくという方向で進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/82
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083・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今、行政コストということで大臣にも御答弁をいただきましたけれども、この行政コストに関して、デジタル臨調の中でも御議論がどうもされていたようなので、ちょっとお手元には、皆さんには資料三ということでお配りをさせていただきました。
これ、実際に昨年の年末になります第二回のデジタル臨調の中で使われた資料の中からの抜粋ということですが、今大臣のお話の中にもありましたが、その三方よしの制度改革による経済効果ということでまとめられた資料があります。左上の四角の中に、実際に、オンライン化による行政手続コストの削減効果ということで、二〇%削減することによって経済効果が一・三兆円と推計されると、こういった指標もこの会議の中でも示されていました。また、右側の箱にも、AI導入による経済効果は二〇二五年までに十一兆円ということで、相当大きな金額がここにも記載をされています。
やはり、いろいろな手続は当然、必要な手続は当然あるとは思うんですが、手続そのものに付加価値が何か新たに生まれるかというと、やはりそういうわけではなくて、経済活動として付加価値を生み出すということは、いろんなことを考えたり、新たなものを実験してみたり、あるいはさらには物を作ったり、あるいはサービスを提供したりという実働の部分がやっぱり多くの時間を割いて動かさなければ経済効果にはつながりませんし、付加価値にはつながらないということでは、やはりこの行政の手続コストというのをいかに減らしていくかということが大変重要だというふうに思っています。
ここを実際に、ですから、私、ここでこうやって削減をしていく、それが金額にするとこれぐらいに相当するんだということを具体的な数字としてこう示されているというのは、私は大変いい取組だというふうに私なりには受け止めているんですけれども、ちょっと気になったのが、実際にこれ、この削減をすることによって経済効果が一・三兆円という、こういう具体的な数字を出せたというちょっとその具体的な取組の内容、どうやってこのコストを算出をしたのか。
あるいは、もう一枚、お手元に四ということでお配りをしたんですが、そこには、実際に手続、様々な改革を行ったことによってこれぐらいコストが削減できました、コストといいますか、ここは削減結果ということで、一番右に削減率ということが書かれているものがあるんですけどね、これも規制改革推進会議の中で実際に出されている資料です。そうしますと、最後には時間にして二五・五%の削減率となったということで、大変大きな私は成果がここで出てきたんだというふうに思いましたので、この具体的な数字を算出したその方法についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/83
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084・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) お答えいたします。
議員御指摘になりました取組でございますが、これ事業者目線で規制改革、行政手続の簡素化、IT化を一体的に推進していくという観点で事業者に対してアンケート調査等を行いまして、負担が大きいという回答があった今資料四でお示しいただいたような重点分野、こちらを設定いたしまして、そこについて二〇一七年から三年間で行政手続コスト二〇%削減しようという目標で取組を進めたものでございまして、御質問のあったその具体的な算出方法でございますが、これについては、その行政手続コストを事業者の作業時間というふうに定義いたしまして、こういう重点分野としましたもののその主要な手続、これについて、その手続を所管しております各省庁にヒアリング、事業者さんを選んでヒアリングとかアンケート調査をやっていただきまして、その各企業の内部でどれぐらいの作業時間が以前掛かっていて、見直しの結果どれぐらいの作業時間になったのかというところを把握いたしまして公表をしたということでございます。
この資料の四のところにありますとおり、目標については各分野とも二〇%超の削減率で目標を達成したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/84
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085・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ちょっとこれも確認ですけれども、最初のどれぐらい掛かっているかという現状把握もアンケート調査をし、実際に削減できた部分についてもアンケート調査を実施したということでよろしいのかどうかということと、あわせて、これアンケート実際に取ったというのは、同じ企業にもう一度、結果としてどうなりましたかというのを確認したと、こういうことでいいのかどうか、少し細かい話ですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/85
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086・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/86
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087・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) お答えいたします。
元々掛かっていた時間についても、見直し後の時間についても、どちらもヒアリング、アンケート調査を行っていただいての結果でございまして、比較する観点で一応極力同じところにということで各省さんにはお願いをしておったところでございますが、ちょっと、いろんな事情で必ずしも全部がそういうふうにできているかどうかというところはちょっと把握できておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/87
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088・礒崎哲史
○礒崎哲史君 まずは、しっかりと、両方ともアンケートを取った上ということですので、現場の声をベースに推計されたということですから、その点についてはしっかりした数字なのかなというふうには思います。
あとは、例えば業種が全然違っていたりとか企業が全然違ったりしていますと、ちょっとアンケートの数字そのものの信頼度が危うくなりますので、是非こういった点はしっかりとそろえるような形で実施いただけるといいのかなというふうには思うんですけれども。
その意味でいくと、済みません、もう一つ確認なんですけれども、今様々な一括見直しの手続をこれからしっかり取り組まれていくわけですけれども、恐らく経団連始めとした経営者団体とも連携していくと思うんです。その際に、今言ったようなこういうアンケートというのは、これと同様のアンケートというものは今後も取る予定というのはありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/88
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089・辻貴博
○政府参考人(辻貴博君) お答えいたします。
実際、その規制制度の見直しにつきましては、ちゃんと現場の実態に即してやっていくことが重要だと思っておりまして、そういう意味で、事業者さんの声はいろんな形で私ども聞いているわけでございますが、先ほど来御説明している取組でありましたようなコスト把握、作業時間とかそういうことについては、そのときの反省ということではないですが、実際、このコストを把握するためにその事業者さんにその詳細な調査を行う必要があるわけでございまして、そのこと自体が事業者さんに御負担をお掛けするという面もあるものでございますから、それをまた同じようなことをこれからもやっていくかどうかというところについてはちょっと慎重に考えないといけないのかなというふうには思っておりまして、ただ一方で、規制の見直しに当たって事業者の負担軽減とか利便性向上を図っていくということはもう基本中の基本だと思っておりますので、全体としてそういうその事業者さんのコストが下がるような形で進めていきたいと、そういうふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/89
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090・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今、今後の計画ということでお話伺いました。その中の御答弁で、こういったコスト把握をするためのアンケートを事業者さんの方にお願いすることが逆にまた負担感になってしまうという、そこも分からないでもありません。分からないでもないんですが、じゃ、それをやらなかったならばこういう現実って分からないわけですよね。実際にどれぐらい事業者に負担があるのかどうか、それによってどれだけの時間、労力がそこに費やされているのか。結果として、政府として力を入れて取り組んだ結果としてどれだけ効果が上がったのかというのは、やっぱりこういうことをやらないと、そこは数字も見えてきませんし、数字が見えてこなければ取組そのものがやったことが意味があったのかどうかすら判断ができないと思うんです。
ですので、こういうことは、やはり最終的な目標をしっかりと定めて、必要なところはしっかりとやっていただくということが大変重要だというふうに思います。それこそ、常にアンケートだけでやるのではなくて、傾向としてこういう手続にはこれぐらいの時間が掛かるということがデータとして積み上がってきたならば、それをデータベースにして計算できるような、そういうものをロジックとして組み立てるというのも一つの私はアイデアなんではないかなというふうに思います。大変なのは分かりますけれどもね、そういうこともしっかりと考えていただきたいと思うんですが。
そこで、大臣にお伺いをしたいんですけれども、今般のこの一括見直しの目的、これはもう最初にお伺いをしたときに、デジタル化が最終目的ではなくて、デジタル化を行うことによって労働力減少の中でも力強い成長をしていくんだと、生産性を高めて最終的には働いている皆さんの所得を向上させていく、ここにつなげていくんだということが最終目標だとすると、やっぱりこれまでずっと確認をさせていただいてきましたこの行政手続のコスト、これは、やはり付加価値を生み出すための時間をもっと生み出すためには、この手続コストそのものを下げる、そういう絶対値を抑えるということが大変重要だと思いますし、そのためには、具体的な数値目標、金額としてこうする、あるいは現状よりも何%削減するという具体的な数値目標を私はやはり設定すべきだというふうに思うんですけれども、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/90
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091・牧島かれん
○国務大臣(牧島かれん君) 今委員お示しいただいたとおり、最終目標は同じところにございます。そして、付加価値をいかに生み出していくのか、そのためにコストをどうやって下げていくのかという努力を私どもとしては引き続き行ってまいります。今回の一括の見直し、現在約五千の規制の見直しについて類型とフェーズの整理をしている最中でして、各府省と調整を進めている段階にあります。
見直しの効果を把握するためには、その進捗を踏まえる必要があるという現時点での私どもの認識はございます。さらに、見直しが一定程度進捗したとしても、目視とか常駐とか定期点検といったような行政関係だけではなく様々な種類の規制も含まれているので、見直しによる行政手続コスト一律に算出するということは現時点では難しいという面もあろうかと思いますので、数値目標を今設定することは困難だと考えておりますが、ただ、御指摘いただいたとおり、どのように分かりやすくこの効果を把握することができるのか、示していくことができるのかという点については、今後もしっかりと検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/91
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092・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
こうした取組進めていくことは、現場の負担軽減になります。これは、手続をする事業者側だけではなくて、手続を、その後処理をしなきゃいけない行政側の負担軽減にもなります。是非、具体的な数字目標を大臣の下で作っていただいて、力強く推進をいただけますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/92
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093・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 午後零時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時四十九分休憩
─────・─────
午後零時四十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/93
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094・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、有村治子君が委員を辞任され、その補欠として中川雅治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/94
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095・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/95
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096・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日は一般質疑ということで、日本政府のLGBT施策についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
私、今日マスクがレインボーになっておりまして、LGBTの象徴は多様性ということで、六色のレインボーがこのLGBTの象徴ということで、マスクもレインボーに合わせまして質疑をさせていただければというふうに思っております。
近年、当事者団体の働きかけもありまして、各省庁でLGBTの人たちに関する施策が実施をされております。
私は、二〇〇〇年から当事者として当事者支援のための活動をしてまいりました。NPO法人の代表理事ですとか書籍の発行ですとか、時には、あのNHKの「ハートをつなごう」という番組がありまして、そういったNHKの番組にも出させていただくという機会にも恵まれました。気が付けば二十年以上この問題に取り組ませていただいております。
取組を始めました二〇〇〇年当時ですけれども、LGBT施策について、例えば自治体の人権セクションに行きまして、当時まだLGBTという言葉もなかった時代ですから、性同一性障害や同性愛についての取組というのは自治体ではやっているんですかというふうに聞きますと、こう職員の方が眉間にしわを寄せまして、役所ではそういったことはやらないですからというように対応されたという、そんなことを印象的に覚えております。
その時代からしますと時代は良くなっているとは思いますが、ただ、政府がなかなか世の中のスピードに付いていけていない、世界のLGBTをめぐる人権保障の流れに追い付いていないというのが私の率直な実感です。
昨年三月の予算委員会で、福山哲郎議員から、LGBTの所管省庁はどこか、担当大臣はいるのかというような質問がありました際、官房長官からは明確なお答えを残念ながらいただけませんでして、福山委員からは誰か大臣を指名するべきだというような趣旨の御発言がありました。しばらくして、菅内閣のときですけれども、担当が坂本一億総活躍大臣の担当ということになったと。その後、岸田内閣になり、共生社会担当大臣がこれを引き継いでいらっしゃると認識をいたしております。
確認ですけれども、所管官庁は内閣官房、そして担当大臣は若宮大臣がこのLGBT担当いただいているということでまずはよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/96
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097・若宮健嗣
○国務大臣(若宮健嗣君) 今委員がお話になりましたように、共生社会担当大臣として、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会の実現に向けました施策を担当いたしてございます。この中には、性的指向、性自認の多様性も含まれてございます。
LGBTの方々につきましては、就業や学校教育など社会生活の様々な場面におきまして課題が生じているものと認識をいたしているところでもございます。それぞれの分野を所管する各府省庁において施策が展開されるものと承知いたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/97
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098・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
これまでにどのような取組をされてきたでしょうか。担当大臣として、役所の人員ですね、担当の方、どのぐらいの体制でこれ行っているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/98
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099・若宮健嗣
○国務大臣(若宮健嗣君) 多様性が尊重され、お互いの人権や尊厳を大切にして生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現のために、その取組が必要であるというふうに考えているところでございます。
政府といたしましては、この性的指向や性自認について、職場や学校等を始めといたしまして、社会での理解増進に向けた啓発活動の充実、あるいは適切な相談対応や人権救済等を行っていく必要があると考えております。関係する各府省庁において取組が進められるものと承知をいたしているところでもございます。
また、私の下での体制につきましては、LGBTに関係する業務に特化した担当が存在しているわけではございませんけれども、主に内閣官房の二名の参事官級職員、そしてまた、その下で複数名の補佐級の職員が兼務をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/99
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100・石川大我
○石川大我君 是非、担当大臣が明確になったということで、調査研究など、是非独自の施策も行っていただきたいというふうに思います。
そしてまた、各省庁を束ねる役割、お互い連絡、相談体制が緊密にできるような、こういった体制が求められると思います。これに対する答弁は後ほどいただくといたしまして、各省庁の代表的な施策を見ていきたいというふうに思っています。これ大分広がっているというところを是非実感をしていただきたいというふうに思います。
幾つか例を挙げますと、内閣官房では、孤独・孤立対策の重点計画において、施策の対象者としてLGBTQの方が考えられると、そういったような記載もいただいております。是非、実態把握やヒアリングなど、当事者の声を聞きながら進めていただきたいというふうに思っております。
内閣府については少し質問をさせていただきたいと思います。
平成二十二年の第三次男女共同参画基本計画の中で、男女を問わず、性的指向を理由として困難な状況に置かれている場合や性同一性障害などを有する人々に対し人権尊重の観点から配慮が必要であるとの施策の基本的方向でこれを述べまして、具体的施策として、困難な状況に置かれている場合などについて、可能なものについては実態の把握に努め、人権教育、啓発や人権侵害の被害者の救済を進めるというふうにあります。これは初めてこの男女共同参画基本計画に、まさにこの平成二十二年にこういった記述が初めて登場するわけですけれども、このような同様の趣旨は、第四次、第五次と踏襲されているというふうに思います。
この文書の中にあります、具体的に、可能なものについては実態の把握に努めるとありますが、これまで内閣府としてどのような実態把握をしていらっしゃるでしょうか、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/100
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101・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 石川委員にお答えを申し上げます。
委員御指摘の男女共同参画基本計画に規定する施策については、毎年、施策を所管する各省庁からその取組状況の報告を受け、男女共同参画白書において当該年度に講じた施策として取りまとめて国会に報告をしているところでございます。
また、白書における報告に加えて、男女共同参画会議の下に設置されております計画実行・監視専門調査会において、各省庁から施策の取組状況を聴取して、更なる取組を促すなど、男女共同参画基本計画の着実な実行と改善を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/101
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102・石川大我
○石川大我君 今、各省庁というお話があるんですけれども、是非、これ策定されましてから十年以上もたつということで、是非、内閣府でも独自の取組を是非していただきたいなというふうに思っております。
民間では、例えばLGBTの人たちの人数の調査ですとか困難の内容だったりとか、あと、まあ残念なことですけれども自殺念慮率とか、そういったデータが多くあるわけですが、政府としての統計、実態把握というのもとても大事だというふうに思います。
内閣府も率先してそうした実態把握、調査を是非していただきたいというふうに思うんですが、こういったところの検討もお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/102
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103・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 石川委員にお答えを申し上げます。
委員御指摘のように、男女共同参画基本計画自体が大変幅広い、それから先ほど御指摘いただいたように、多くの省庁にわたるということでありますので、その辺の実態把握が具体的にどのような形で、どうしたら的確な形でできるのかということに対して、引き続き、全体を束ねる内閣府、知恵の場としての内閣府として引き続き検討させていただきたいと存じます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/103
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104・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。検討といういいお言葉をいただいたというふうに思っております。
ここで、赤池副大臣には御退席をいただいて結構です。委員長、お取り計らいをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/104
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105・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 赤池副大臣は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/105
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106・石川大我
○石川大我君 次に、総務省についてお伺いをいたします。
国勢調査についてです。委員の皆様にはお手元に資料を配付をさせていただきました。二〇〇九年の国勢調査のときのことをちょっとお話をさせてください。
同性カップルが同居をしているという、そういう場面でございます。一つの家に同性カップルが住んでおります。その場合、この調査票を見ていただきたいんですが、三のところですね、三のところに一の部分にお名前を書くところがあります。ここのところに、例えばAさん、男性のAさんですね、そして二のところにも男性のBさん、このカップルのAさん、Bさん、男性が名前を書いたとします。そして、四の世帯主との続き柄というのがあるんですが、この世帯主との続き柄の部分で、例えばAさんが世帯主又は代表者というのを選びます。Bさんは世帯主の配偶者ということで選んだとしますね。これは、多くの男女の御結婚されているカップルでしたらそういう選択をされるでしょうし、事実婚でもそういった選択をしてもいいというようなこともあるようです。
そうすると、これ二〇〇九年のとき、残念ながらエラーになってしまうと。世帯主、配偶者としては登録をされないということで、当時国会でも少し議論になりました。その後、エラーになるというのはこれはひどいということで、二〇一四年の、五年後の国勢調査のときから他の親族にしていただくということになったというふうに聞きました。
二〇一九年、前回の国勢調査でも同様の扱いをされたということでよろしいでしょうか。確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/106
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107・田畑裕明
○副大臣(田畑裕明君) 済みません、お答えを申し上げます。
我が国では、現在、同性婚や同性カップルに関する国の法制度が導入されてございません。ですから、国勢調査におきまして、これらに該当する選択肢は前回の二〇二〇年も設けていないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/107
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108・石川大我
○石川大我君 他の親族ということで扱っているんだろうというふうに思いますけれども、国勢調査の大切な点としては、必要性と同時に正確性というものが挙げられるんだと、正確でなければならない、これは当たり前のことだというふうに思います。総務省の皆さんとのレクの中で教えていただきました。
もちろん、この他の親族としていただけるというのは、これ一つ有り難いとは思うんですが、残念ながら、法律上、今の日本の法律上では同性カップルは親族ではありません。法律上の親族というのは、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族のことを言うわけです。
あともう一点確認したいんですが、先ほどの男性カップルのAさんとBさんですね、六の部分、皆さん見ていただくと、配偶者の有無というところがありまして、この配偶者の有無のところに、配偶者、ある意味このお二人が、Aさん、Bさん、されますと、これ、そのまま登録されるというふうに思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/108
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109・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
国勢調査におきまして、回答において世帯主と世帯主の配偶者、いずれも同性の記入であった場合には、世帯の男女の数ですとか調査票の状況を見て所要の確認を行っております。
具体的には、性別の誤りと考える場合には性別を訂正をいたしまして、性別の記入に誤りのない場合には世帯主の続き柄の方を訂正をしているということでございまして、こういった処理を行いまして、回答誤りと分類されないもの、御案内のようなものにつきましては、状況につきましては、他の親族に含めて集計しているといったような状況になっていると、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/109
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110・石川大我
○石川大我君 一つ前の質問にお答えいただいたんだと思います。
例えば、明らかに、例えばヤマダタロウさんとヤマダハナコさんが名前を書いていて両方とも男、男になっていたら、ハナコさんは女なんじゃないかなと、そういったようなことは調整をするというか調べ直すというようなお話で、他の親族にしていただくという話で、二つ目の質問としては、このお二人、同性カップルのお二人が、配偶者の有無、六番の配偶者の有無のところで配偶者ありにすると、これはそのまま配偶者ありは登録されますよねというお話で、これ事前に確認をしておりまして、そのまま登録されるというお話だと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/110
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111・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手を願います。挙手をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/111
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112・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) 済みません、お答えいたします。
済みません、ちょっと質問の趣旨が。(発言する者あり)
そちらについては修正はしておらないというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/112
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113・石川大我
○石川大我君 そうです。
つまり、Aさん、Bさんの男性カップルは、今の現状ですとこういうことになるわけですね。遠い親戚同士で、その他の、他の親族になるわけですから、遠い親戚同士で、女性とは結婚しているけれど、その女性とは同居していない人が一緒に住んでいるという、そういう状況になるというふうに思います。
田畑総務副大臣、これ正確というふうに言えるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/113
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114・田畑裕明
○副大臣(田畑裕明君) ありがとうございます。
先ほどもお答えを申し上げましたけど、国の法制度が導入されてございませんので、現行、このような形で進めさせていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/114
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115・石川大我
○石川大我君 これ、到底正確とは言えないと思うんですね。本当は同居している同性カップルなのにもかかわらず、遠い親戚で、異性愛で、異性と結婚していて、妻と同居していない男二人が同居しているという、非常にこれ複雑な、そういった統計になってしまうと。
今全国では二百八、これ今、みんなのパートナーシップ制度というホームページ見させていただいたんですが、四月一日からこのパートナーシップ制度、全国に広がっているものが大分、四月一日ということで、年度初めということで増えたのもありまして、全国で二百八の自治体で同性パートナーシップ制度ができまして、人口ベースですと五一・八%の人たちが住んでいる地域にこのパートナーシップ制度があると。今年の九月には東京都、都として導入が予定をされていまして、そうなりますと、日本の人口の六〇%以上をカバーすることになりそうです。渋谷区と世田谷区で初めてパートナーシップ制度ができたのが二〇一五年の十一月ですから、それから大分状況も大きく変わっているというふうに思います。
同性カップルも、認知が大きくなる中、しっかり、国勢調査でエラーとか、実態に即さないような形ではなく、しっかりと把握をすることが大切だというふうに思います。当事者の皆さん、自分に正直に国勢調査に協力をすると正しく反映をされない、これは、当事者の皆さんは憤慨とともにとても悲しんでいるというふうに思います。それより何より、正確な統計にならないということだというふうに思います。
是非、総務大臣とも相談をしていただき、問題を共有していただき、次回の調査からは改善をしていただきたいというふうに思います。そうした問題提起をしかるべき会議でしていただきたいと思いますが、田畑副大臣、いかがでしょうか。是非相談をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/115
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116・田畑裕明
○副大臣(田畑裕明君) 次回は令和七年度が国勢調査ということになりますが、本年度より試験調査を実施をし、調査方法ですとか調査内容等について検討していくところでございます。
今御指摘もございましたが、国勢調査の調査内容におけます同性婚や同性カップルの扱いにつきまして、国民のコンセンサス、また法制度などの動向を注視しつつ、公的統計としての正確性、有用性など様々な観点を考慮し、慎重に検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/116
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117・石川大我
○石川大我君 次、令和七年ということで、まだまだ先ということで、恐らくこの世の中の状況、パートナーシップ制度の普及の状況も変わっていくと思います。検討というお言葉もいただきましたので、是非前向きに検討いただきたいというふうに思います。
ここで田畑副大臣は御退席をいただいて結構です。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/117
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118・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 田畑総務副大臣、御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/118
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119・石川大我
○石川大我君 次に、法務省についてお伺いしたいと思います。
法務省の皆さんにおかれましては、人権強調項目へ性的指向や性自認という言葉をいち早く入れていただくなど、人権啓発には熱心に取り扱っていただけていることを心から敬意を表するところでございます。
ここでは、外国で同性婚したカップルのビザについてお伺いをしたいと思います。
まず、外国で有効に同性同士の婚姻が成立している、外国人同士の場合ですね、外国で同性婚ができる、そして外国人同士のカップルの場合、一方に日本へのビザがある場合、例えばお仕事なんかで日本に来る必要性があってビザが片方のパートナーに下りていると。で、もう片方の方にはこの特定活動のビザが下りるようになったというふうに承知をいたしておりますが、受け付ける国の数と、これまでどのぐらいの実績がまずありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/119
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120・君塚宏
○政府参考人(君塚宏君) 今委員から実績についてお尋ねがありましたので、それについてお答えいたします。
昨年三月までの数字でございますけれども、平成二十六年からこの集計をしてございますけれども、九十三名の方々につきまして、同性婚を理由とした相手の方につきまして、在留資格、特定活動の在留資格を付与しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/120
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121・石川大我
○石川大我君 二十八か国ということで、平成二十五年の一件を皮切りにこれまで九十三件ということで、コロナの前ですね、令和元年には、二〇一九年だと思いますが、二十六件ということで最多を記録しているというような状況です。
これは本当に大変有り難いというふうに思っているところなんですが、その二十八か国の中で、婚姻の当事者が外国人同士ではなくて一方が日本人である場合、これがちょっと問題なんですね。日本人は当然日本国籍がありますから、あれば日本に入国をスムーズにすることができる。しかし、その同性婚のお相手の外国人の方にビザが下りないと。男女のカップルであれば、例えば配偶者ビザとかそういったものが出たり、様々、家族の滞在ということでのビザが出るということだと思います。
この点、なぜでしょう、津島法務副大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/121
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122・津島淳
○副大臣(津島淳君) 石川大我委員から、在留資格上の扱いの差異ということで御質問よろしかったでしょうか。(発言する者あり)はい。
お答え申し上げます。
まず、入管法上の配偶者の考え方でございますが、入管法上の配偶者としての地位を前提とする在留資格が認められるためには、それぞれの国籍国において法的に夫婦関係にあり、かつ我が国においても法律上の配偶者として扱われるような者であることが必要でございます。
同性婚の当事者がいずれも外国人であって、それぞれの本国で有効に同性婚が成立している場合、在留資格を有する外国人の同性パートナーについて、本国におけるのと同様に安定的に生活できるようにという配慮から特定活動の在留資格による入国及び在留を認めているところであります。
一方、当事者の一方が日本人の場合、我が国においては法律上同性婚が認められていないため、同性パートナーは入管法上の配偶者に含まれず、仮にパートナーの本国において同性婚が認められていたとしても、我が国において公的な手続を何ら取ることなく関係を解消できるということになるわけでございます。そのため、身分関係の明確性、確実性の点などに課題があることから、そのパートナーには在留資格を認めていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/122
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123・石川大我
○石川大我君 今、副大臣から課題があるというお話がありました。これは、逆を言えば、この課題をクリアできれば実現ができるんだというふうに前向きに捉えているところです。
この課題の具体的内容は、津島副大臣、何でしょうか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/123
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124・津島淳
○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。
課題というところでは、身分関係の明確性、確実性や、委員が、御指摘にもあったと思うんですが、婚姻継続の把握、確認方法等に課題があると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/124
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125・石川大我
○石川大我君 婚姻関係の把握、継続しているという把握というお話がありました。婚姻関係の継続を把握することが困難だというお話です。
日本で婚姻関係が解消されてもそれを確認する方法がないということだというふうに思うんですが、同性婚の制度があれば、日本でも婚姻の手続をすればそれで確認ができるということだと思うんですが、ちょっと立ち止まって考えてみますと、外国人同士のカップルの場合、最初は恐らく一年更新の特定活動というのが出るんだと思うんですが、そうすると、一年ごとにその関係が続いているのかというのを確認する必要があるということだと思うんですが、外国人同士の方の場合はこの一年ごとの確認というのはどのようにされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/125
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126・君塚宏
○政府参考人(君塚宏君) 実務的な話でございますので、お答え申し上げます。
日本人同士あるいは日本人と外国人の場合は、この戸籍の方で確認できるわけでございますけれども、外国人については、それぞれの国におきましてその公証手段が違うわけでございますけれども、基本的に御本人にその身分関係が継続しているかどうかを立証していただくような形でお願いをしているわけでございます。
したがいまして、国によってはそれが困難という場合もあるわけでございますけれども、その場合につきましては、私ども、御本人に直接お話を聞くとか、場合によっては大使館にお話を伺う等々の調査を経まして、身分関係が継続している、それから、加えて、当然のことでございますけれども、同居、世帯を共にしているかということについての調査を行った上で、在留資格該当性としての調査を行って判断をしているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/126
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127・石川大我
○石川大我君 今幾つかキーワードが出てきたというふうに思います。
外国人同士の場合は、日本国での婚姻届は当然出しませんので、つまり一年ごとの確認というのは、本国で出された婚姻届ですとか婚姻の証明、婚姻の継続を証明する証明書、これは相手が日本人でもこれ同じものが出てくるわけですよね。むしろ、それに加えて、日本人が片方にいる場合は、戸籍謄本とか戸籍抄本でこの方が独身であるということ、まあ独身証明書というのもあります。そして、少なくとも異性と結婚していないということがここで分かるわけです。あと、住民票もありますので、住民票でこの二人が同居しているということも確認ができるということで、むしろこれ、当事者の片方が日本人である同性カップルの方がこれ確認ができやすいんじゃないかなというふうに思っております。
ちょっと少し調べてみますと、この二十八か国の中には、婚姻が継続していることの証明書を日本の大使館や領事館、それから本国にインターネットで取得をするということもできるようです。年に一度ということでありますので、お二人、ちょっと御足労ですがそろっていただいて、入管に出向いて確認をするという方法も日本人が相手方で、一方の相手方であるときにはできるというふうに思います。住民票、これ日付も入っておりますしね。
そういったことで、法務省、入管が認識している課題をこれ克服する、そういったことができると思うんですが、津島法務副大臣の御意見いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/127
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128・津島淳
○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。
同性パートナーの在留資格の在り方については、先ほど述べましたような課題への対応も含めまして様々な御意見というものをまず十分に踏まえながら、しっかりと前向きに検討してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/128
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129・石川大我
○石川大我君 今、前向きに検討するという非常にいい答弁をいただいたというふうに思っていますが、これ確認ですけれども、御答弁をいただいたということで、法務大臣、法務省とも共通の認識があると、前向きに検討、これするんだということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/129
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130・津島淳
○副大臣(津島淳君) 繰り返しの部分もあるかと思います。
過去のいろんな委員会の質疑でもいろんな御答弁を我が省からさせていただいておるところでございますが、今日の委員の御指摘も始め様々御意見というもの、まずございますので、それをしっかり十分に承ることなど、しっかりと前向きに検討していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/130
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131・石川大我
○石川大我君 この問題、自民党の議員の皆さん、そして公明党の議員の皆さん、与党からも同じような要望が上がっていると思いますので、是非、これ与野党問わず希望しておりますので、是非進めていただきたいというふうに思います。
これ、国際的な問題だというふうにも思っています。鈴木外務副大臣にお越しをいただきまして、ありがとうございます。
つまり、これ、相手国では同性婚の婚姻関係が認められるということで、日本人がある意味様々お世話になるわけですよね、相手国で。配偶者としての地位ですとか、健康保険だったりとか、税法上の優遇ですとか、ある意味、介護なんということもお世話になることがあると思います。しかし、片方の方が日本に来ようと、そういうふうに思うと、まあ何もありませんと、観光ビザで入ってください、語学学校に行くことにして留学ビザで入ってくださいとか、様々それはやっぱり相手国に対しても失礼なんじゃないかなというふうに思っております。
今日は資料を付けさせていただきまして、最後のページですけれども、ここの赤線で囲った部分です。メキシコ在住の方が、日本ではなかなかしんどいということで、現地でパートナーを得ましてお子さんを育てている事例なんかも紹介をさせていただきました。この方、御両親が御病気になられて、日本でお二人で一緒に暮らしたいという晩年の思いもあったんですが、御両親のですね、それがかなわなかったというようなお話もあります。
この点、LGBTフレンドリーなお立場でいらっしゃるというふうに、私、鈴木副大臣を思っておりまして、是非その辺りの思いも含めてお聞かせいただければと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/131
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132・鈴木貴子
○副大臣(鈴木貴子君) 同性婚といった、というか、始めですね、様々な家族形態を有する国の方々が日本で暮らしやすく、そしてまた、日本の国民若しくは地域社会でも受け入れやすい、受け入れて、入っていきやすい環境というものをしっかりとつくっていく、非常に重要なことだと思っております。
また、同性婚を含め多様性というものが尊重されること、全ての人々がお互いの人権また尊厳、こういったもの大切に、生き生きとした自らが望む人生というものを享受できる、いわゆる共生社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
先ほども、法務副大臣からも前向きに検討していくという御答弁ありました。外務省としても、関係各省として、外務省とまた法務省、また関係各省としっかりとまた連携をさせて、取り組ませていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/132
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133・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
力強いお言葉もいただきました。制度の運用開始を是非早くしていただきたいというふうに思います。
ここで両副大臣には御退席をいただいて結構です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/133
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134・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 鈴木副大臣、津島副大臣、御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/134
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135・石川大我
○石川大我君 このほかにも様々施策というのがあります。ちょっと時間の関係で全てを御紹介できませんが、例えば外務省さんは、パスポートの性別をですね、メール、フィーメールというM、FでもないXの表記について、国際社会の実態把握にも努めていただいていたりとか、文科省さんは、様々、性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施についてというようなパンフレットを出していただいたりとか、施策も様々していただいています。
やっぱり教育の現場というのはとても大事でして、先日、和歌山でLGBTのパレードがありまして、そこでお会いした関西の産婦人科医さんとか助産師さんなど医療従事者の方々のグループで学校にLGBTに対する正確な情報を提供しに行っていると、そこに行くと必ず当事者のお子さんたちが後でこそっと来て、実は私、当事者なんですというようなお話で、非常に心の支えになっているというお話です。
厚労省さんも、労働施策総合推進法において、パワーハラスメントの一つとして、SOGIハラ、アウティングというものを法的に位置付けていたりとか、国交省さんも誰でも使いやすいトイレといったところで考えております。
ここで是非、若宮大臣にお伺いをしたいんですが、このようにLGBT施策、様々多岐にわたっております。各省庁が様々工夫して取り組んでいるわけですね。そういった意味では、各省庁で研修、啓発なんかもしておりますし、ちょっと重なり合うような、そういったものもあるようです。一元的に例えば周知をするとか、調査を一体的に行うとか、行政の効率化という意味でも大変重要だというふうに思っています。こうした施策を把握して、調整、あるいは良いものは横展開をしていく、そういう省庁の会議体というものが必要だと思いますが、若宮共生社会担当大臣の御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/135
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136・若宮健嗣
○国務大臣(若宮健嗣君) LGBTの方々につきましては、社会生活の様々な場面において多岐にわたる課題が生じているものと、今日委員が御指摘にもなられたようなものというふうに認識をいたしているところでもございます。こうした課題には、一つの省庁において全てを網羅的に対応するということは非常に困難であろうかと思っております。関係各府省が密接に連携をしながら取り組んでいくことが重要だろうというふうに思っております。
委員御指摘の会議体、これは、議員立法である理解増進法案におきまして、関係行政機関で構成される連絡会議についても検討されているものというふうに承知をいたしているところでございます。その動きをしっかりと注視してまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/136
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137・石川大我
○石川大我君 会議体が必要だというお話なんですけれども、大臣としてはこれが重要だと、必要だというふうな御認識はあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/137
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138・若宮健嗣
○国務大臣(若宮健嗣君) 議員立法でお作りいただくような形で御準備を進めていることでございますので、行政側の立場といたしましてはまずその動きをまだ見守ってまいりたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/138
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139・石川大我
○石川大我君 今、議員立法を注視ということで、残念ながら昨年LGBT法案ができなかったということで、これは私たちにボールは投げられているのかなというふうにも思います。ここにお集まりの委員の皆さんのお力もいただきまして、しっかりとこの議員立法を仕上げていくという責任が私たち議員にあるんじゃないかなということは是非御指摘をさせていただきたいというふうに思います。
まとめさせていただきますが、LGBTの問題は国際的な問題だというふうにも思っております。昨年、二〇二一年のG7の首脳宣言の中では、あらゆる形態の人種差別やLGBTQI+、最近、LGBTにいろいろと付いてまいりまして、QとかIとか+とかということで、多様な形を認めていこうということになって様々な呼び名がありますが、このLGBTQI+の人々に対する暴力及び差別に対処することと宣言しています。
また、セクシュアル・リプロダクティブヘルス・ライツが、性的指向、性自認に関する支援を、支援の果たす役割の重要性を認識するともされています。リプロに関連して言えば、WHOなど国際機関から、トランスジェンダーの当事者の方が戸籍上の性別を変更するには性別適合手術が必要ということに対して問題視していることも指摘したいと思います。
是非、関係大臣、副大臣、政務官、そして行政の皆さん、首脳宣言を履行するためにも、暴力や差別への対応、そしてリプロダクティブヘルス・アンド・ライツとSOGIの対応、取組や調査は必要であり、それを推進する体制も政府に必要だというふうに思います。
是非、こうした会議体の設置なども含めて、LGBT施策を前へ進めていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/139
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140・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
まず初めに、不妊治療に関する諸問題について伺っていきたいと思います。
今年の四月一日から、この不妊治療が保険適用されることになりました。今回の保険適用として、二二年度の予算に百七十四億円が計上されました。
不妊治療には大きく分けて二つの方法があります。今日、資料を付けさせていただいておりますので、御参考に見ながらお聞きいただければと思いますが、この人工授精などの一般不妊治療と、一回当たり約平均五十万円近く掛かる体外受精と呼ばれる高度な生殖補助医療の二つに分かれていると。それ以外にもいろいろありますけれども、この体外受精などを含めた基本的な治療、これ全て今回保険適用されることになりました。
日本の今の若年層の雇用や賃金、取り巻くこの厳しい環境下の中では、出産を希望する方々の経済的な負担の軽減又は少子化対策という、こういった観点からも大変期待されるということでございます。
こういった背景といたしましては、厚労省の調査では、昨年の出生数、八十四万二千八百九十七人ということで、六年連続過去最少を更新したと。また、我が国では、先ほど申し上げた生殖補助医療で生まれる子供たち、年々増えておりまして、日本産婦人科学会によりますと、二〇一九年の生殖補助医療の治療で約六万人の、まあこれ過去最多でありますけれども、出生数全体の約七%を占めるようになってきたと。これは、十六人に一人、体外受精で生まれているということを示すわけであります。
日本におけるこの生殖補助医療について、これは中国に次いで世界で二番目に多いと、こういった状況を踏まえながら質問に入らせていただきたいというふうに思います。
以前の助成金の頃と、年齢や回数制限、こういったことの基準等はあるものの、この保険診療をすることで不妊治療への門戸というのは大きく広がったというふうに認識をしております。ただ一方で、国が認めた先進医療の部分は自費とすることで混合診療が認められますけれども、先進医療として認められた治療以外の先進医療の場合には、これ全額自費となってしまうんですね。
受診者の希望に合った不妊治療を行うためには、国が認めた以外の先進医療についても、もちろんこういったことは安全性も考慮しながらですが、混合診療として積極的に認めていくべきかどうか、これについてまず一点お伺いをしたいと思います。
続けて伺いたいんですけれども、また仮にこの混合診療、なかなか認められないという場合におきましては、既に今これ申請等も上がっていると思うんですけれども、自費になる部分に助成金を充てると、こういったお考えがないのかどうかについてお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/140
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141・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) 不妊治療につきましては、これまで自由診療で実施され、具体的な診療内容が様々でありましたけれども、今般の保険適用に当たりましては、関係学会が作成した診療ガイドラインにおきまして治療ごとに有効性や安全性が示された内容を踏まえまして、中医協で議論が行われ、本年四月から保険適用が実施されているところであります。
また、現時点でエビデンスが不十分とされた治療についても、専門家による先進医療会議で有効性や安全性のエビデンスを集積し、将来的な保険適用の可能性を評価されたものにつきましては、先進医療として保険診療と併用することが可能になっております。既にこうした保険診療と保険外の治療を組み合わせる枠組みがあり、令和四年四月以降も随時新たな医療技術を先進医療に追加することは可能になっております。このため、将来的な保険適用の可能性があると見込まれる医療技術につきましては、助成を行うのではなく、先進医療として実施し、将来的な保険適用を目指すことが適当であると考えております。
子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、希望する方が安心して不妊治療を受けられるよう、引き続きしっかりと支援をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/141
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142・高木かおり
○高木かおり君 本当に前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。
いろいろと省庁とやり取りさせていただいているときも、本当に、不妊治療に対する保険適用を始め、今御答弁いただいたように、追加で先進医療という部分、まだ今は認められてはいないけれども、いろいろ大学病院等から申請が上がっているというふうにもお伺いをしております。そういった先進治療に対してもしっかりと支援をしていくという、保険適用の中に入れ込んでいくという御答弁でした。
ただ、なかなか、これを早くしていただかないと、やはりこの不妊治療、次からのまた質問をさせていただくんですが、やはり年齢が上がればなかなか不妊治療がうまくいかないという問題も出てきます。これ、待ったなしなんですね。そういった意味で、認定されるまでの期間、やはり治療の技術の選択の幅が狭くならないように、こういった部分にしっかりと支援をしていただきたい。助成金等も考えていただければというように御要望をしておきたいと思います。
次に、生殖補助医療の肝であるのが、これ卵子、精子、そして受精卵や胚を扱う部分であると思います。その点を扱うのが胚培養士、これ片仮名で言うとエンブリオロジストということでございます。私も初めてこれを知ったんですけれども、胚培養士に求められるものというのは極めて高度なものでありまして、今これ人材も少なくて、大変過酷な労働環境であるということもお聞きをしております。
その中で、生殖補助医療の現場の人材として、この胚培養士の存在というのは大変大きいというふうに認識をしております。高度な技術を用いて、胚の培養を対象とした診療報酬、この点についてはどうなっているんでしょうか。また、この胚培養士、学会認定の資格がこれ今二つあるわけなんですけれども、この胚培養士、いずれはやはり国家資格化等を目指して、責任と信用がある、こういったところをしっかり高めていくべきではないかというふうに考えますが、この点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/142
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143・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 胚培養士についてお尋ね等をいただきました。
今般、不妊治療の保険適用に当たりまして、体外受精又は顕微授精により作成しました受精卵及び胚の培養等の管理に係る評価ということで、受精卵・胚培養管理料というものを新設いたしております。これは、不妊症の患者さん、またそのパートナーの方から採取した卵子や精子を用いて作成されました受精卵から胚移植術を実施するために必要な初期胚や胚盤胞を作成することを目的といたしまして、治療計画に従って受精卵や胚の培養を行って必要な医学管理を行った場合に算定するものとなってございまして、管理を行った受精卵及び胚の数に応じた評価としているところでございます。
不妊治療におきまして、御指摘いただいたように、その胚培養に従事する方というのは生殖補助医療にやはり精通している必要があるというふうに認識してございます。現状ではまだその資格要件等は定まったものはございませんけれども、不妊治療の質の向上のために、必要に応じて、関係学会ともよく議論を重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/143
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144・高木かおり
○高木かおり君 是非、その胚培養士さんに対して、やはりこの社会的な地位の向上ですとか職業というものの確立、やはりこの不妊治療がどんどん増えていって、新しい職業といいますか、そういったところもあって、しっかりとこの点を例えば国家資格化をしていくような形で責任と信用を高めていっていただけるように、そこがやはりこの生殖補助医療の私は肝であるのではないかというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。
続いて、三つ目の質問に移らせていただきたいと思います。
不妊治療と仕事の両立ということについてなんですが、以前からこの点は課題に上がっているかと思います。やはり、不妊治療を受けるに当たって、これはもう女性だけでなく男性も、やはり身体的、そして精神的に大変負担が大きいというふうに思います。さらに、この治療と仕事の両立をしていくということは様々な点から困難が伴っていく、そこを頑張って頑張って乗り越えて不妊治療に対して取り組んでおられるということでございます。
そこで、不妊治療には、女性に加えて男性に対する治療、これに対しての保険適用はされているのかどうかについて教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/144
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145・佐藤英道
○副大臣(佐藤英道君) 不妊につきましては、その原因が男性にある場合もありますことから、男性に対する検査や治療についても重要であると考えております。これまでも、男性の不妊の原因となる疾患の検査やその治療のうち、有効性や安全性が明らかなものについては、保険適用とされてきたところであります。
その上で、今回、いわゆる男性不妊に対する治療の一つである精巣内精子採取術や当該手術の適用を判定するための検査について新たに保険適用としたところであります。
こうした検査と治療につきましては、患者及びそのパートナーの状態に応じて、医師の医学的な判断に基づいて実施されるものと考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/145
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146・高木かおり
○高木かおり君 男性の不妊治療に対しても保険適用が利くということで御紹介いただきました。ありがとうございました。
やはり、近年はやはり晩婚化も進んでいて、その背景に、この不妊治療を受ける夫婦というのが約五・五組に一組いるというふうに言われています。
厚労省の調査、少し古いんですけれど、二〇一七年に実施した調査によりますと、不妊治療経験者のうち一六%が仕事を辞めてしまっている、離職をしているということなんですね。このうち、女性だけで考えれば二三%で、女性の方が当然多いということなんですが、やはりこれ、職場で不妊治療をしていることを、特に女性なのか、まあ男性もそうかもしれませんが、やはり知られたくないという方非常に多くて、また、この精神的な不安、それから、結構この通院回数が多いんですね。その点で体調面の負担、様々な理由があって、結局は離職をしてしまうということが言われております。
不妊治療にこれ専念するためにどうしても離職をしてしまった、休職をしてしまったという方々がいらっしゃる、そこに対する支援についてお聞きしたいんですけれども、仮に、どうしてもその精神的な負担等で辞めてしまった方々、その方々に対しての社会復帰をするためのサポート、例えばリカレント教育、もう一度社会に復帰するための学び直し等、そういったことが必要だと考えますけど、この点について御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/146
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147・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 高木委員にお答えをいたします。
人生百年時代を迎えまして、人生や家族、仕事の姿が大きく変化をしてきてまいりました。そうした中で、特に女性については、長い人生を通じた経済的困窮に陥らないよう、経済的に自立をする力を高めていく必要があります。このため、女性が一旦社会に出た後も、必要なときに再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことは、女性の職業能力の向上、ひいては所得の向上、非常に重要な点であると認識しております。
第五次男女共同参画基本計画においては、再就職に向けた支援として、仕事から一定期間離れた者を配慮した多様な再就職等の支援を推進することや、社会人等のリカレント教育を推進し、学び直し等の充実を図ることを盛り込み、関係省庁において取組を進めているところであります。
内閣府におきましては、男女共同参画会議の下に設置されている計画実行・監視専門調査会においてこれまで四回にわたりまして女性の経済的自立を議題として取り上げ、その中で、厚生労働省からは求職者支援制度による再就職などに向けた支援、文部科学省からはリカレント教育など社会人の学び直しについて取組状況を聴取し、各省庁が実施する関連施策の進捗状況を確認した上で更なる取組を促しているところであります。
引き続き、関係省庁と連携して、女性を始め多くの方々が様々な困難な中でもしっかり働き、そして家庭生活充実するよう、引き続きその施策の推進に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/147
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148・高木かおり
○高木かおり君 今、女性に特化したそのリカレント教育ということを御質問したんですけれども、やはり今申し上げたように、男性も一六%の離職率だということで、男性女性合わせて、やはりこういった、どうしても離職をしてしまったという、そこに対しての支援というのはやはりしっかりとやっていただきたいというふうに思っています。
そういった中で、やはり、そもそも論をちょっとさせていただきたいんですけれども、先ほどもLGBTの話の中でリプロダクティブヘルス・ライツという話が出てきました。これ、やはり、生涯にわたって、例えば女性であれば女性の生涯にわたるこの健康の問題、ここをしっかり確保していくということ。その妊娠、出産、中絶、不妊、更年期障害、いろいろそういった人生の中での医療と健康という視点において、自分の人生において妊娠、出産をまずするのか、産むのか産まないのか、何人産むのとか、そういったことも自分で決められる権利、これは大変重要だというふうに思っています。そのためにも、男性も女性もやはり自分自身の体をしっかりと知っておくということが必要なんだと思います。
例えば、この卵子、生まれたときからもう老化が始まっているということで、胎児のときが一番多く、たくさん数も多くて、六百万から七百万個あると。生まれて、もう出てくる頃にはもう二百万個に減ってしまっていて、どんどん減り続けて、思春期で三十万個から五十万個。そして、三十二歳から三十五歳で急激に減少して、三十七歳頃には二万個になると。閉経時に大体一千個だというふうにお聞きをしました。千個あるからいいじゃないかということではなく、この千個も残念ながら老化をしてしまっているということで、何が言いたいかというと、やはり、できるだけその適齢期に、妊娠適齢期、出産適齢期に産むということを選択できる社会であってほしいということなんですね。
これは女性だけでなくて男性の精子の年齢も同じように老化をしていってしまうということなので、できるだけ、年齢が高くなればなるほど妊娠率が低下してしまうと、これが現実だということで、その不妊治療に対しても早めに受診、そして早めに次のステップを考えるですとか、そういったことが必要なのかもしれません。
先ほどの質疑の中でも申し上げましたけれども、不妊治療に対してやっぱり安心して取り組める環境、職場であったり家庭であったり、そういった環境、これが大変重要だと思います。ただ、それを確保するためには、早めに自分のライフプランの中で、妊娠とか出産、こういったライフイベント、選択する意義というものをやはり若い世代にしっかりと教育現場等で啓発していくこと、これが重要なんだというふうに思っておりますけれども、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/148
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149・鰐淵洋子
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
今委員からもお話がございました、委員の問題意識も含めまして、この性に関する指導につきましては、学習指導要領に基づきまして、児童生徒が性に対しまして、関しまして正しく理解をして、適切に行動が取れるよう、体育科、保健体育科、特別活動を始めとしまして、学校教育活動全体を通じまして指導することとしております。
例えば、高等学校の保健体育科におきましては、妊娠や出産に伴う健康課題の指導に関連しまして、健康課題と年齢との関わりにつきまして扱われております。また、文部科学省が児童生徒の健康問題に関して作成している高校向けの教材の中では、不妊の原因は男女共に考えられること、また、医学的に男女共に加齢により妊娠しにくくなることなどにつきましても記載をしております。
文部科学省におきましては、今後も、学習指導要領の着実な実施や学校における教材の活用の推進などを通じまして、指導の充実に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/149
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150・高木かおり
○高木かおり君 ありがとうございます。
学校現場でも、高校の教科書の中でそういった記載があって教えていただいているということなんだと思いますけれども、やはりなかなかそれだけでは、しっかりと、まさか自分が産めないというような、その直面しないと分からないというような現実もある中で、そういったことは地道な啓発ということが、また教育現場での啓発ということも必要なんだと思いますので、是非引き続きやっていただきたいというふうに思います。
付け加えて言うならば、やはりキャリア教育、人生百年時代と政府で言われておりますけれども、自分の人生の中でどういったライフイベントがあって、どこでどういうふうにやっていくのかということを、まずそこから考える教育といいますか、そういったことも必要なんではないかなと。今のこのキャリア教育というのは小学校からずっとやっていただいておりますけれども、その要所要所でこういったこともしっかりと取り入れながら教育現場で啓発を是非ともしていっていただきたいというふうにお願いをしまして、この質問を終わりたいと思います。
続きまして、性犯罪の根絶のための諸施策について伺っていきたいと思います。
今、児童虐待、それから性犯罪など、被害を受けた子供たちが事情聴取を受ける際の精神的な負担を減らそうということで、検察や児童相談所などの関係機関が一括して聞き取りを行う代表者聴取制度というのがございます。この実施件数、それから公判で採用された件数について、この証拠の件数について、まずはお答えいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/150
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151・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) 委員御指摘のとおり、児童が被害者又は参考人である事件について関係機関の代表者が聴取をするという代表者聴取の取組をやっておるわけですが、その実施件数について申し上げますと、開始した平成二十七年十月から令和二年度まで年度ごとに申し上げますと、平成二十七年度は三十九件、二十八年度は三百六件、二十九年度は七百六十七件、平成三十年度は千五百二十九件、令和元年度は二千七十六年、令和二年度は二千百二十四件でございまして、合計すると六千八百四十一件であります。
次に、その証拠、公判でその録音・録画記録媒体が証拠として採用された件数でございますが、こちら年度ごとの統計はないわけですが、平成三十年四月一日から令和三年三月三十一日までに判決が言い渡された刑事裁判におきまして、実質証拠、いわゆる実質証拠として採用された件数が二十七件、補助証拠として採用された件数が八件でございまして、合計すると三十五件ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/151
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152・高木かおり
○高木かおり君 ありがとうございます。
その全体の実施件数、例えば令和二年度であれば二千百二十四件ということ、その中で公判に採用された件数、それが、実質の録音・録画記録媒体、これについては二十七件、プラス八件が足されて三十五件ということでありました。
これは、ちょっと教えていただきたいなと思うんですけれど、かなり少ない、証拠として採用されたというのはかなり少ないように思うんですけれども、これが、この代表者聴取制度、これ大変すばらしい制度だと私は思っています。その上で、これ有効に活用ができているのか。昨年からは、これ知的障害を持つお子さんが性犯罪に巻き込まれた場合にも範囲を拡大して制度を採用されているわけですけれども、この一括で聴取した後どのように具体的に活用されているのかという、この点についても伺えればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/152
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153・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) お尋ねは、実施件数に比べて証拠として採用されている件数が随分少ないではないかということでございますが、証拠の採否となりますと、これは個別の事件におきます裁判所や検察官の判断でございますから、なかなか一概には申し上げられないのですが、一般的に言いますと、代表者聴取というのを実施した事件でありましても、その事件が送致されない場合というのもございます。例えば犯人が検挙されないという理由で送致されない場合もございますし、あるいは送致されてきても検察官が不起訴にすると、起訴しないという場合もあります。
その上で、起訴した場合におきましても、その記録媒体自体を証拠とするのではなくて、例えば供述調書ですとか、あるいは記録媒体の記録された内容を報告書に、文字に起こした上で報告書として使うという場合もありますので、代表者聴取をたくさんやった結果、それで裁判で使われる件数というのは、結果としてそれ自体として使われることは少ないわけですが、検察におきましては代表者聴取というのは委員御指摘のとおり非常に有用なものだと考えておりますので、引き続き適切に運用されていくというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/153
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154・高木かおり
○高木かおり君 中身について御紹介いただきました。たくさんその代表者聴取でいろいろと、これ年齢幅も本当に二歳児ぐらいから十代のお子さんたち、年齢もすごく幅広くて、そういった子供たち全般に、必ずしも記録媒体で、それが証拠として採用されたということだけが有効に活用されているということではなく、いろいろ紙媒体であったりその記録を、その聴取している様子というのをしっかりと記録をして、それが結果的に不起訴になるという場合もあるというふうにお伺いをしました。
これ、仕組みとして更に強化をしていくというために、これ例えば法制化ということは考えられておられるのか、この点についても伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/154
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155・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) 代表者聴取を行うこと自体は、現行の刑事訴訟法の任意の取調べとして行うことができるわけでございますが、裁判でその供述を証拠として用いるためには、これいわゆる伝聞証拠といいまして、その伝聞例外という刑事訴訟法の要件を満たすことが必要になってまいります。
その上で、性犯罪に対処するための刑事法の整備につきましては、法務大臣から法制審議会に諮問がなされておりまして、現在、法制審議会の部会の方で審議を進められておりますが、その中にお尋ねの代表者聴取に関する諮問事項もございまして、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設についても議論が行われているところでございます。
法務省といたしましては、その法制審議会における充実した議論が行われるように、引き続き適切に対処してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/155
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156・高木かおり
○高木かおり君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
時間がなくなってまいりましたので、次、通告している問い八をお願いしたいんですけれども、GPSについてです。
実は、令和二年六月の強化方針の中で、仮釈放中の性犯罪者等にGPS機器の装置を義務付けることを検討というような記載がありました。他方で、令和三年六月十四日発表の科学研究費助成事業、いわゆる科研費ですけれども、三百三十万円を投じた二〇一七年から二〇二〇年までの研究報告によると、GPSを装着している対象者の抱えている貧困、孤立、教育レベル、こういった問題が解決しなければ性犯罪の再犯を、このGPSによって再犯を防止することができないと、そして性犯罪者対策として導入することは反対であるというふうな結論を出されている研究報告もございます。
政府は科研費での研究結果とは異なるこのGPSの装着の検討を進めることについて、まずお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/156
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157・吉川崇
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、令和二年六月に関係府省会議で決定されました性犯罪・性暴力対策の強化の方針におきましては、性犯罪者に対する再犯防止施策の更なる充実方策の一つとして、仮釈放中の性犯罪者等にGPS機器の装着を義務付けることなどについて、諸外国の法制度、運用や技術的な知見等を把握し、その結果も踏まえて所要の検討を行うこととされております。そこで、法務省では、この強化方針に沿いまして、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン及び韓国の法制度や運用等について調査を進めております。
その上で、今後、新型コロナウイルス感染症の状況等にも留意しつつ現地調査も実施する予定でございます。現地調査を終えた後はこれまでの調査の結果を取りまとめたいと考えておりまして、その上で、我が国においてどのような制度が導入可能なのかということについて検討を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/157
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158・高木かおり
○高木かおり君 ありがとうございます。
この性犯罪についてはもう本当に魂の殺人だというふうに私は思っていて、このGPSの装着というのも早急に進めていただきたいというふうに個人的に思っておりましたが、こういった科研費での報告等もございます。
是非この諸外国での、既にやっておられる諸外国の事例なども調査研究をしっかり進めていっていただきたいというふうに思うとともに、この科研費の中では、性犯罪には余り効果が認められないけれども、DVやストーカーにはかなり有意なデータを示す領域があるというようなことも書かれておりまして、これについても、ここに書かれていることが全てということではございませんので、こういったことも是非念頭に置きながら調査研究を進めていっていただきたいというふうに思います。
これに関連して、諸外国ではこのGPSの装着ということプラス性犯罪者の住所情報の公開、こういったことも導入されているということもありますけれど、我が国の導入の検討状況についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/158
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159・吉川崇
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、一部の外国におきましては、性犯罪者の氏名や住所等の情報を登録させた上で一般に公開する制度が導入されている例もございます。もっとも、このような制度につきましては、出所者や家族のプライバシーに対する不当な制約とならないか、出所者の社会復帰のための努力を阻害するおそれがあるのではないかといった様々な課題があると認識しておりまして、それらを踏まえて慎重な検討が求められると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/159
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160・高木かおり
○高木かおり君 まあ慎重な検討ということで、それもやはり、その点に関してもいずれ結論が必要ということで、しっかり検討は進めていっていただきたいと思います。
ちょっと時間がございませんので最後の質問になろうかと思いますが、通告の問い十二になります。
性犯罪を受けた後、実際に、その後、病院との連携を考えたとき、やはりもう大変大きな心の傷、体の傷を負うわけです。精神科専門医による治療も必要であると考えますけれども、この医師の確保、それから性被害者の家族への支援、また医療費の負担軽減、こういった支援も検討されていると思いますけれども、政府にこの点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/160
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161・田原克志
○政府参考人(田原克志君) 精神科の医師の関係でございます。
厚生労働省では、犯罪被害者等が抱えるトラウマに対しまして適切な治療等を行うことができる医師等を養成するために、PTSD対策専門研修を実施をしております。その中で、平成三十年度からは、特に犯罪・性犯罪被害者への適切な対応を行うために必要な専門的知識と対応について習得できるように、犯罪・性犯罪被害者コースを設けております。こうした研修を通じて専門医師の養成を進めておりまして、引き続き関係府省と連携しながら取組を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/161
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162・高木かおり
○高木かおり君 私が先ほど御質問した医療費の負担軽減という点なんですけれども、実は以前に、内閣府の方に御質問を以前にもさせていただきました。住んでいる都道府県でないところで被害に遭った場合、以前は支援のあるなしに地域差があるという御答弁だったかと思うんですけれども、この点について今現状どのようになっていますか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/162
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163・林伴子
○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター、全国に五十二か所ございますが、ここでは被害者の医療費を負担しております。医療費支援については、性犯罪・性暴力被害者のための交付金により都道府県に対し三分の一の補助を国からしております。
また、地域差のお話ございましたが、被害者が居住する都道府県外での被害等につきましては、内閣府では令和二年十二月に通知を発出をいたしまして、急性期の医療的支援を必要とする被害者がワンストップ支援センターを通じて医療機関を受診した場合には、被害者の居住地及び被害の発生地にかかわらず、そのワンストップ支援センターを所管する都道府県において医療費支援の対象とするようにしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/163
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164・高木かおり
○高木かおり君 地域差で支援を受けられなかった被害者の方々がいらっしゃった、その点について改善をしていただけたということは本当にありがとうございます。
まだまだこのワンストップ支援センターについて今日もお伺いいろいろしたかったんですけれども、時間の関係で今日はこの辺りで質問の方、終わらせていただきますけれども、また引き続きこの問題に関しては御議論をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/164
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165・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
新型コロナの第六波は感染再拡大の兆候が現れています。全国知事会は、まん延防止等重点措置の解除のときに、重点措置を再適用する基準を示すこと、また、重点措置の適用に至らない場合であっても、政府として早期に現場で取るべき対策に関する新たな方針を示すことを求めていました。
現在の感染再拡大の状況に対して、これまでの経験や教訓を踏まえまとまった方針を示すことが必要になっていると思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/165
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166・山際大志郎
○国務大臣(山際大志郎君) 現在どういう状況になっているかということは、これも委員も御案内のとおりだと思います。ここのところ少しずつその新規感染者数が増えつつあるということであったり、あるいは、その中を見ますと、十代、二十代の若い方が非常に多いというような話、さらには、今のところ、今のところではございますけれども、医療提供体制に対しての負荷はそれほど上がっていないということ、この辺りが今の現状でございますけれども、私たちといたしましては、このまん延防止等重点措置を考える上においては当然それなりの、今も用いている様々な要素というものがございますが、それらを総合的に判断をしなくてはいけないというふうに思ってございます。
その総合的に判断をするということの中には、どうしてもまん延防止等重点措置というのは、蔓延がそれ以上広がらない、まさに蔓延しないようにすると、新規感染が拡大しないようにするためにどこかでこの防波堤をつくるということでございますから、となると、都道府県単位あるいは市町村単位でそれを考えていくということになります。
その都道府県単位で考えるときに、やはり各地域によって様々置かれている状況が違いますから、それぞれの地域に合わせた形で物事を考えていかなくてはいけないので、一律の基準というものをお示しするのは難しい、そういう思いでこれまでも対応してまいりました。そして、この基本的な考え方は今の段階で第七波に向けても変える必要はないと、こういうふうに思っておりまして、柔軟に総合的に判断をするという形でやらせていただきたい、このような形で進んでいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/166
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167・田村智子
○田村智子君 オミクロン株の感染拡大に対しては、政府としてまとまった対策を示すべきだということが、全国知事会も求めた、私も何度も予算委員会やこの委員会でも求めてまいりました。だけど、それが必要ないという認識だというのはちょっと私はいかがなものかなと、自治体任せでいいのかなというふうにも思ってしまうんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/167
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168・山際大志郎
○国務大臣(山際大志郎君) 総合的な対策が必要でないということを言っているのではなくて、まん延防止等重点措置を適用するにはどうすればいいかということを判断する基準、それについては、様々なものを、様々な条件というものを総合的に判断していかなくてはいけないと、その考え方は変えずにやりたいということでございまして、先生御案内のように、このオミクロン株が猛威を振るっている間にも、私たちは、その現場で起きていること等々を、専門家の先生方からの御意見を賜りながら、柔軟に基本的対処方針を変えるということで対応してきたわけでございます。
そういう意味では、昨年の十一月にお示しをした全体像に沿って総合的な対策ということを今までもやってきたし、それを改善もしてきたわけですから、それを第七波に向けても使っていくということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/168
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169・田村智子
○田村智子君 私は、その示した総合的な方針というのがとても十分ではなかったから、第六波の死者数は昨日までに一万人を超えるという、本当に過去最多ですよ、大変な広がりとその死者数になってしまったというふうに思うんですよね。ワクチン接種の遅れも非常に深刻な事態をもたらしたわけですから、これ真摯な反省も求められていると思います。
そして、何より、亡くなった方のほとんどが高齢者である。そうすると、今後の対策として、高齢者の命をどう守るのかが大きな柱にならなければならないと思います。
ワクチンは高齢者の八割以上が接種済みということですけれども、オミクロン、またBA.2の特性を考えると、ワクチンだけで感染の抑制はできない。やはり高齢者施設のクラスター感染をどう防ぐのか、そして介護が必要な高齢者が感染した場合にどう対応するのか、ここが全く不十分だったと思うんですよ。どう考えているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/169
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170・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) ただいま高齢者施設に対しての御指摘をいただきました。
高齢者施設におけるサービスの提供に当たりましては、感染予防、そして感染拡大防止の徹底を行いつつ、利用者に対して必要なサービスを安定的、継続的に提供することが大事だと考えております。
このため、平時から、感染症対応力の底上げを図るために、感染予防対策のポイントをまとめた手引、動画、e―ラーニング等の作成、あるいは、感染症の専門家が実際に施設等を訪問し、実地での研修の実施等の取組を行っているところであります。
また、施設に入所している高齢者が新型コロナに感染した場合には一般的に重症化する方が多く、またクラスター化する可能性が多いと、高いと考えておりまして、このため、重症化するおそれのある高齢者施設の入所者については、基本的には入院での対応を行うことが適切と考えております。これまでも、高齢者施設に入所する方も含め必要な方が必要な医療を受けられるように、入院医療について、全国で昨年夏のピーク時の一・三倍の受入れ病床を確保し、さらに、入院患者の受入れに万全を期すため、自治体と共同しまして、東京、大阪、追加で約千床の臨時の医療施設を確保するなど取り組んでいるところでございます。
さらに、高齢者施設で感染された方がその施設内で療養を継続される場合、これらの方々に対して必要な医療施設等が提供されることが重要だと考えておりまして、高齢者施設等における医療支援の強化が更に進むように、施設からの連絡、要請により二十四時間以内に感染制御・業務継続支援チームを派遣できる体制、また全ての施設で医師や看護師による往診、派遣ができる医療機関の事前確保について、都道府県に対し四月四日に改めて事務連絡を発出しまして、目標を明確にして依頼をしているところでございます。
引き続き、高齢者施設において感染された方に対しても必要な医療が提供されるように、体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/170
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171・田村智子
○田村智子君 私も、医療機関でコロナの後方支援病院担当してきた方にお話をお聞きしました。
これまで入院患者の、このオミクロン株の下で、入院患者のほとんどが介護を必要とする患者さんで、食事、トイレの介助を含め全面的に介護が必要だと。コロナ病床三床運用するには、六床の受入れを止めなければスタッフを確保できない。また、入院中に介護度が上がってしまい、退院の際に自宅では無理だから介護施設を探してほしいと要望されて退院ができない。入所施設もこの状態では戻ることできないと言って、またこれも退院ができない。こういう方がほとんどだということなんですね。この病院では、退院が困難になっているということも要因となって、三月中はコロナ急性期病院から転院依頼の患者さんは常時約三十人待ち、四月になっても十人待ちの状況が続いているといいます。
これまで、政府、重症者病床の確保ということを強調されてきた。だけど、それは医療提供体制強化のごく一部の対策でしかないと。やっぱり介護が必要な患者への対応をどうするのか。
病院への看護師、介護士や、それから退院できない方どうするかということで、医療ケースワーカーもっと派遣してほしいと希望する声も聞かれていますけれども、どのように検討されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/171
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172・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) ただいま田村議員の御指摘、大変重要な観点だと我々も共有をしているところでございます。
オミクロン株、御存じのように、特徴として、重症化率は低いけれども拡大することが顕著であり、また高齢者は若年者より重症化する可能性が高いと、そして、コロナ症状自体は軽症でも基礎疾患が増悪する可能性があるということで、今般の感染拡大に関しましては、高齢感染者の受入れを想定したコロナ病床の更なる確保だったり、あるいは回転率向上に向けた対応強化が課題となっていたところでございます。
こうした課題を踏まえまして、先ほど申し上げました、四月四日に通知を発出したということであります。各都道府県に事務連絡を発出しまして、臨時の医療施設を始めとする既存の確保病床について、要介護の高齢者に対応した介護職員、またリハビリ専門職員等の人員の配置ですとか環境整備を行うことによって、高齢感染者の受入れのキャパシティーを高めるように働きかけること等について都道府県に依頼をしたところであります。
引き続き、高齢者を含めたコロナ患者に必要なケアが行われるように、各自治体と連携しながら医療提供体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/172
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173・田村智子
○田村智子君 第六波では、介護施設で治療を行わざるを得ない事例が多発しました。二月にクラスター感染となり、ほぼ一か月を掛けて収束をさせたある介護施設では、コロナ対応での掛かり増し経費、これは三百八十万円だったと、一方、減収は一千四百万円だったというふうにも聞いています。介護施設への財政支援を本気でやらなければ、コロナ危機で介護崩壊しかねないと。これは要望しておきます。是非御検討ください。
医療機関、高齢者施設等でのクラスター感染を防御するため、職員などへの定期検査、これ私、週二回は必要だということで求めてまいりました。厚労省は、まん延防止等重点措置の間は週一回が望ましいということも示して、自治体に定期検査の計画の提出を求めていました。しかし、措置が解除されたことをもって、この計画提出も解除をしてしまいました。私は、厚労省がこの計画を集約したものを見て、死者数の多い大阪府が二週に一回しか、検査の計画だと、愛知県では公費負担は月二回までになっているということも指摘してまいりました。大阪府では昨日、抗原検査キットではありますが、三日に一回の検査を高齢者施設の従業員等に実施すると発表しました。やはり厚労省のこういう集約は、行政監視の上でも私は重要だと思います。
措置がとられているかどうかではなくて、現在の感染状況から高齢者施設、医療機関等での定期検査の重要性を改めて喚起をし、週二回、少なくとも週一回、この実施を要請し、改めて計画の集約をすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/173
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174・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 少し経緯も含めて答弁させていただきたいと思います。
高齢者施設につきましては、まん延防止等重点措置区域に限らず、まず従事者、入所者に発熱等の症状がある場合には必ず検査を実施する、陽性が判明した場合にはその施設の全員に対して検査を実施すること、そして、感染者が多数発生している地域等には、感染者が一人も発生していない施設であっても従事者、入所者の全員、原則一斉検査を実施することをこれまでも都道府県等に対して要請してきたところでございます。
そして、今御指摘、触れていただきましたように、まん延防止等重点措置区域においてはこうした取組と併せて検査を定期的に行う集中的実施計画の策定を要請し、まん延防止等重点措置区域が解除されても地域の感染状況に応じて実施するように、先月三月十七日に都道府県等に対して依頼をしたところでございます。
そして、高齢者施設等に対する集中的実施計画に基づく検査の頻度でありますが、PCR検査又は抗原定量検査で行う場合にはできる限り週に一回程度実施すること、PCR検査等による実施が困難な場合には抗原定性検査キットをより頻回に実施することも有効であるということもお示ししているところであります。また、まん延防止等重点措置区域以外の地域において、地域の感染状況を踏まえて自主的に集中的実施計画を策定した場合には国に提出いただくようにお願いをしているところでございます。
高齢者施設に対する必要な検査が確実に行われるよう、引き続き都道府県等と連携して取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/174
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175・田村智子
○田村智子君 蔓延してからの集中的実施では遅いし、今、県によっては過去最高の、過去最多の感染状況になっている県が幾つも出てきていますよね。集中的って、期間限定じゃ駄目だと思いますよ。収束するまでこの感染状況においてはやはりやってほしいというふうにやらなければ駄目だと思うんですよね。そこを求めているんです。
また、濃厚接触者となった医療従事者が、これ勤務を継続するために毎日陰性を確認すると、そういう検査をやると。この費用が医療機関持ちになっているという実態がいまだに東京の病院からも寄せられるんです。
大阪府、昨日のホームページでもう一度確認したんですけれども、医療従事者に対する濃厚接触者検査は、一事業所五十テスト分だけ抗原定性検査キットを無料配付すると。一事業者一回だけですって、まだそうなっているんですよね。これでは、医療機関は、これ背に腹は代えられないので、濃厚接触になって休んじゃったら医療がもたなくなるから、もう自分たちで費用を持って濃厚接触者の検査やらざるを得なくなっているんですよ。
やはり、公費負担の検査にできると示すだけでなくて、定期検査も濃厚接触者への検査も、これは医療機関や高齢者施設に費用負担を強いる事例が次々と湧いて出てくるわけですから、これやり方変えなければいけないと思います。
これは、前のときからずっと求めているのが民間検査機関と契約して定期のPCR検査などを行えるようにすると、そしてその費用を直接国に請求できるようにすると。私は、もうこういう仕組みつくるべきだと、本当にかなり前から提案をやり続けているんです。いまだにそういう検討はされていないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/175
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176・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 今、田村委員から御指摘いただきました検査のことですが、先ほど申し上げました高齢者施設等での集中的な実施計画に基づく検査について申し上げると、都道府県等に対して実施の要請をし、そして行政検査の対象として全額公費で実施することが可能であるとしているところであります。
また、その実施に当たっては、都道府県等やその受検高齢者施設の負担ができる限り少なくなるように、民間の検査機関への委託等を含め効率的な方法での実施を検討するようお願いしておりまして、地域の実情に応じて実施いただいているものと考えているところであります。
政府としましては、引き続き、必要な方々に対する検査が確実に行われるよう、また状況も見ながら都道府県等とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/176
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177・田村智子
○田村智子君 これは、全国知事会からも繰り返し、この費用は国負担にしてくれって求められているんですから。確かに、もう民間の検査機関と契約しているところ増えてきているでしょう。そうしたら、もうその請求を国にできるという仕組みを是非つくっていただきたい。もう重ねてです、何度目になるか分かりませんが、要望しておきます。
次に、三月八日にも取り上げたんですけど、ワクチン副反応の被害者の救済についてです。
内閣委員会で質問をしてから私の事務所に、息子さんが接種から三日後の朝に突然死をしていたという方から新たに連絡がありました。副反応ではないのかという思いが拭えないと言われるわけですね。因果関係が明確に否定されない限り救済の措置がとられるということを改めて求めたいです。
八日の質問で厚労省からは、国としましては手引や厚労省のホームページで詳細に申請のことをお示しさせていただいていますと、被害救済の申請ですね、という答弁があったんです。それで、私、自治体のその手引なるものを確認しましたが、これはワクチン接種事務全般の手引書で、第六章、百三十九ページからが救済なんですよ。しかも、制度の説明なんです。被害者や遺族の方にどう対応するのかということも含め、申請権が保障されて広く救済できるような対応のマニュアル、窓口での対応のマニュアル、こういうものが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/177
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178・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 今、田村委員が御指摘いただきました新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引書というのがございまして、そこには、今御指摘いただいたように、予防接種健康被害救済制度に関して、給付の種類、そして給付手続の流れ、請求に必要な書類等の市町村が事務を行うに当たって参照すべき事項もお示ししているところであります。
その上で、いろんな地域の個別の対応があると思っております。ですから、こうした手引書の作成に加えまして、市町村が申請や進達の手続等について個別の照会があった場合には丁寧に回答させていただきたいと思っておりまして、市町村において円滑に手続が進むように、引き続きしっかりと支援をしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/178
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179・田村智子
○田村智子君 その支援として対応のマニュアルが必要ではないかという問題提起です。
答弁いただいた厚労省のホームページというのも確認をいたしました。それが資料の一枚目と二枚目です。予防接種健康被害救済制度についてのホームページの資料を抜粋したんですけど、ここに必要書類の一覧があります。死亡事案についての必要書類として診療録等とあり、注があるんですね。その注の説明を読みますと、二枚目です、予防接種により死亡したことを証明することができる医師の作成した診療録(サマリー、検査結果報告、写真等を含む)とあるんですが、これは適切な説明ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/179
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180・大坪寛子
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
予防接種健康被害救済制度においては、今先生から御指摘ありましたように、死亡一時金の支給に当たりましては、予防接種により死亡したことを証明することができる医師の作成した診療録も請求の際必要というふうに御案内をしております。
ただ、この書類の内容といいますものは、予防接種の事実と死亡の因果関係、こういったものを証明するといったものまで求めているものではございませんで、予防接種の死亡の事実の確認などを行うための書類というふうに自治体に対しては御案内をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/180
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181・田村智子
○田村智子君 これね、予防接種により死亡したということが因果関係の証明まで求めていないというふうに読めないですよ、予防接種により死亡したことを証明と書いてあるんですから。
そもそも、予防接種との因果関係は国が審査をするんです。しかも、因果関係が明白に否定される事案以外は原則として救済の対象のはずなんです。接種後のアナフィラキシーなど証明が可能な診療録があれば、それを提出するのは当然ですけれども、因果関係が分かるような書類と、これがなければ申請できないかのように国民にも自治体にも私は誤った認識を与えてしまうと思うんですけれども、いかがですか、これ。早急な改善が必要だと思うんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/181
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182・大坪寛子
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
今般のコロナのこの被害救済制度につきましては、通常、昭和の五十二年から施行されております一般の予防接種の被害救済制度、この枠組みの中でコロナについても対応をさせていただいているところでございまして、この枠組みにつきましては、自治体におかれて十分御理解をされてこれまで運用をされてきているものではございます。
したがいまして、国民の皆様からいろいろ自治体に対して御相談、御照会があった場合には適切に対応いただいているものと承知をしておりますが、また引き続き自治体のお声を聞きながら検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/182
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183・田村智子
○田村智子君 三月八日にも言いましたけれど、コロナのワクチンは過去に例がない規模とスピードでやっているんです。しかも、三月八日にも取り上げた、それから私のところにも連絡のあった方は突然死なんですね。その場合には、接種後に医療機関にはかかっていないのでこの診療録というのは提出が困難です。
やはり遺族のお気持ちも尊重しながら、後からワクチンとの関係があったのではないかという思いがこれ解決されないままずるずる行くということのないような、やはり疑い事例で、疑いでの死亡事案について御遺体の解剖による原因究明を位置付けるとか、あるいは、こういう診療録がなければ申請できないかのような書きぶりは変えるとか、こういう対応がやはり必要だと思うんですけれども、政務官、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/183
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184・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 副大臣でございます。
必要な書類ですとか考え方については、今、大坪審議官から御答弁させていただいたとおりでございます。
ただ、先生おっしゃるように、このコロナ禍で、この制度について大変関心も高く、かついろんな方がこの制度を御検討されているところもあるんだというふうに思います。
どういうふうにより理解していただいて適切に対応できるのかというのは、先生の御指摘、あるいは自治体の声を聞いてしっかり検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/184
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185・田村智子
○田村智子君 済みません、八日に政務官に来ていただいたので、副大臣、大変失礼いたしました。ありがとうございます。
是非、是非検討していただきたいのと、ホームページ、やっぱりね、これ変えた方がいいですよ、因果関係の証明求めているかのような書類に読めますから。これ、是非検討していただきたいと思います。
コロナ対応の最後に、事業者支援について山際大臣にお聞きします。
感染が再拡大になれば、措置をとらなくても、集客などは元に戻ること困難になっていくことが懸念されます。そこに原油高、原材料費高騰、価格転嫁ができないというダブルパンチ、トリプルパンチという打撃になっていると思うんですね。この事業者支援についてどうするのか。給付金制度の充実と継続、また、これまでに受けた融資の代位弁済などの要望が全国知事会からも上がっています。
四月末までに経済対策まとめるということですけれども、是非盛り込んでいただきたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/185
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186・山際大志郎
○国務大臣(山際大志郎君) 主に中小企業の皆様方に対して、コロナ禍で傷ついた経済、さらには、それに追い打ちを掛けるようにこのウクライナの問題に端を発したエネルギー高騰、そして、それに基づく、それに関連すると言った方がいいかもしれませんが、様々な材料費等々の原料費の価格高騰、こういうことが起きているというのは私たちも強く認識してございます。
それがあって、総理から、先般、この緊急対策を行うように指示がある中で、その中の一つの柱として、中小企業に対しての様々な支援策というものをしっかり考えるようにという話がありました。この特にエネルギー価格が高騰していることに受けて、価格を転嫁できないという中小企業が多いということから、価格転嫁を円滑にしていくための手だてというものがどういうものかと、今でもやっておりますが、それの資金繰り等々についてまずはしっかり考えなきゃいけないという、そういう御指示いただいております。
今もう既に様々な工夫は行われておりますけれど、それで十分ではないという声も聞いておりますので、それを今議論しているところでございますが、四月取りまとめに向けてしっかり議論したものを結果として出していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/186
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187・田村智子
○田村智子君 是非お願いします。
コロナについては以上ですので、山際大臣と関係の答弁者の方、御退席いただいて構いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/187
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188・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 山際大臣、関係の政府参考人は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/188
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189・田村智子
○田村智子君 次に、子供の貧困対策として、生活保護世帯、生活困窮世帯の大学進学についてお聞きします。
政府の子供の貧困対策大綱では、検証、評価の指標として生活保護世帯の大学進学率を挙げています。直近の数字、二〇二〇年三月末、全国の平均三七・三%、これ保護世帯です。全世帯の大学等進学率、これ現役生だけなんですけど、七三・四%。
このような大きな格差というのは是正されるべきだと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/189
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190・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 田村委員にお答えをいたします。
委員御指摘のとおり、子どもの貧困対策の推進に関する法律、また大綱においても、子供の現在、将来、その生まれ育った環境によって左右されることがないように、全ての子供が心身共に健やかに育成されること、及びその教育の機会均等が保障され、子供一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため、子供の貧困解消に向けて、生活保護受給世帯の大学、短大、専門学校、高等教育機関の進学率を改善するということは重要であるというふうに考えております。
そこで、文部科学省には、委員も御指摘のとおり、高等教育機関の修学支援新制度、厚生労働省には生活保護受給世帯に対する大学等の進学時の一時金の給付など支援が行われているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/190
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191・田村智子
○田村智子君 支援があっても、なおこの格差ということですのでね。
それで、今回、都道府県ごとの進学率を見てみたいんです。資料の三ページ目からです。ケースワーカーや研究者で構成される生活保護情報グループが厚生労働省に情報開示請求をして、都道府県別の数字をこうして公表していただきました。保護世帯の進学率、非常にばらつきがあるんですね、都道府県で。一番低いのが長野県で一一・一%、一番高いのが大阪府の四五%で、その格差は四倍を超えます。長野県では、全世帯進学率と比較すると、保護世帯の進学率の六・五倍になるんですよ。大阪は一・七四倍と。
保護世帯の大学等進学率が全国平均を下回るのは三十六道府県に及ぶので、これ特定の県だけの問題ではありません。全国的に見て大きな地域格差があると言わざるを得ません。この地域格差の要因をどのように分析されているでしょうか、簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/191
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192・本多則惠
○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
大学等進学率の都道府県別の地域差について、令和二年の調査によりますと、生活保護世帯では最も高い県と最も低い県の間の差が約三三・九ポイント、全世帯では約二一・六ポイントの差がございます。この原因につきましては、それぞれの地域の実情に応じた状況があるものと考えておりますが、自治体の大学進学等に向けた取組の差異、地域における進学に向けた教育環境、地域における大学等の数などの差異、こういった要因が影響しているのではないかと考えております。
厚生労働省といたしましては、大学等進学率の低い県などからヒアリングを行いまして、今後原因の把握に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/192
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193・田村智子
○田村智子君 私も、数字だけですので、ただ、問題意識としては、例えば日本の大学は八割が私立です。給付制奨学金や授業料支援を受けても、私立大学に進学すれば学費の一部負担は生じてしまいます。しかも、その大学は都市部に集中している。そうすると、地方の方は、住居費や食費や、新生活を始めるときには敷金、礼金、これで住居を確保しなくちゃいけない、それから生活用品など、多額の費用が掛かることを覚悟して進学をすることになるでしょう。
生活保護世帯では、高校生のうちにアルバイトなどで進学費用を貯金するという場合も多いと思います。高校生のアルバイト収入、これ収入認定をしない範囲というのを広げてきてはいるんですけれども、しかし、最低賃金の地域格差は大きい。それはそのまま高校生の収入の格差にもなっていってしまう。こういう地域格差を埋める支援策の検討、これも必要ではないかと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/193
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194・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 先ほど来先生に御指摘いただいておりますように、生活保護世帯の大学等の進学率、平成二十五年に比べると、当時の三二・九から三七・三に上がってきている。しかしながら、全世帯の進学率七三・四、全国平均に比べると地域差があるということだと認識しております。ですから、まず進学率全体の底上げを図っていく必要がある。そして、地域差をどう埋めるのかということが問題意識として持っております。
厚生労働省としましては、生活保護世帯の子供の大学等への進学を支援するため、平成三十年度から、進学準備給付金の支給、あるいは世帯分離をして大学等へ通う場合に住宅扶助を減額しない措置などを講じているところであります。その上で、また進学率の低い県のヒアリング結果ですとかあるいは状況の分析をしまして、様々な施策の取組状況、その効果等を踏まえながら、今後とも、生活保護世帯あるいは苦しいながら大学を目指す子供たちの進学率が上がっていくようにしっかり取り組んでいきたいと、全体の底上げを図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/194
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195・田村智子
○田村智子君 厚労省としてヒアリングを、都道府県、特に低いところの県に行うと、これ大切だと思うんですけど、ただ、これは今回、生活保護情報グループによる努力があって、こうやって地域格差という問題が議論できるようになったんですよ、オープンに。こういう実態、要因など分析することで、克服すべき新たな課題というのは明らかになってくると思います。
そうすると、厚生労働省だけで持っているんじゃなくて、全国の数字だけで示すんじゃなくて、こういう都道府県ごとの数字を明らかにしていくということも大切だと思うんですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/195
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196・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) これまで、生活保護世帯の子供の大学等の進学率については全国の数値で公表してきたところであります。今、田村議員御指摘の都道府県別の数値につきましても、これまで調査に御協力いただいている都道府県の了解もいただいた上で、公表する方向で進めてまいりたいと考えるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/196
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197・田村智子
○田村智子君 これは内閣府にもお聞きします。
子供の貧困対策大綱で様々な指標を掲げているんですけれども、これも全国ベースの数字なんですよね、基本は。これやっぱり自治体ごとの数字も示していくということは、各都道府県の議論を進めていく上でもとても大切なことになっていくと思います。地域間の格差が認められる場合、それは許容し得るものなのか、なぜ格差が生じるのか、そうした分析によってより効果的な解決の方向性というのも検討できるんじゃないかというふうに思うんです。
可能な限り都道府県単位などで公表するようにしてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/197
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198・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 田村委員にお答えをいたします。
委員御指摘のとおり、生まれた地域によって子供の将来が閉ざされることがないよう、全国の地域でその実情に応じた子供の貧困対策が実施されることが重要であり、その推進に資するデータを把握することは重要であります。
子供の貧困対策に関する大綱に掲げる指標には関係省庁から既に地域別の数値が公表されているものもありますが、今後、どこまで公表可能か、各省と検討してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/198
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199・田村智子
○田村智子君 是非よろしくお願いします。
最後に、関連してなんですが、生活保護のケースワークについてなんです。
生活保護のケースワークの外部委託についての調査研究事業が昨年度終了しました。報告書の提出はこれからということですけれども、このケースワーカーの訪問頻度やケースワークの仕方に関わってどのような結論得たのか、簡潔にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/199
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200・本多則惠
○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
令和元年度の地方分権提案において、ケースワーカーの業務負担の軽減が重要な課題であるという観点から、自治体からケースワークの一部外部委託が要望されました。それを受けて、昨年度、御指摘の調査研究事業を実施いたしました。
その研究におきましては、ケースワーカーの物理的な負担の軽減よりも、ケースワークに必要となる専門的な知識を外部から取り入れ、ケースワーカーが自信を持って安心して業務に当たり、質の高いケースワークにつながることを目指すべき等の基本的な考え方が示され、その下で、例えば自立支援プログラムの活用等によって自立の助長を目指した助言、支援の外部委託を充実させていくこと、また、訪問につきましては、被保護者の定常的な状態を知る立場にある専門機関との情報連携を効果的に行うことによって、支援の質を維持しつつ業務負担の軽減を図ることができるものと考えられることなどが指摘をされております。
今後、報告を踏まえつつ、必要な措置を講じてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/200
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201・田村智子
○田村智子君 これは、中野区で大問題になった、NPOのスタッフが高齢者に対してケースワークやると、それで、認められているはずのアパートの更新料の支給を問題視して、権限もないのに返還請求書をケースワーカーと一緒に出して、大問題になったんですよ。
同じようなことができるというような報告書は断じてまとめるべきではないということを申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/201
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202・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/202
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203・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。二之湯国家公安委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/203
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204・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
この法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢等に鑑み、特定自動運行に係る許可制度を創設するとともに、特定小型原動機付自転車及び遠隔操作型小型車の交通方法等に関する規定並びに特定免許情報の個人番号カードへの記録に関する規定の整備等を行うことをその内容としております。
以下、項目ごとにその概要を御説明いたします。
第一は、特定自動運行に係る許可制度の創設に関する規定の整備であります。
その一は、運転者がいない状態で一定の基準を満たす自動運行装置を使用して自動車を運行することを特定自動運行と定義するものであります。
その二は、特定自動運行を行おうとする者は、特定自動運行計画等を記載した申請書を特定自動運行を行おうとする場所を管轄する公安委員会に提出して、許可を受けなければならないこととし、公安委員会は、特定自動運行計画が一定の基準に適合するかどうかを審査して、許可をしなければならないことなどとするものであります。
その三は、特定自動運行は、許可を受けた特定自動運行計画及び許可の条件に従わなければならないことなどとするものであります。
その四は、公安委員会による指示並びに特定自動運行の許可の取消し及びその効力の停止の規定を設けることなどとするものであります。
第二は、特定小型原動機付自転車及び遠隔操作型小型車の交通方法等に関する規定の整備であります。
その一は、原動機付自転車のうち、車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものであり、かつ、その運転に関し高い技能を要しないものである車として一定の基準に該当するものを特定小型原動機付自転車と定義し、その交通方法等に関する規定を整備するものであります。
その二は、人又は物の運送の用に供するための原動機を用いる小型の車であって遠隔操作により通行させることができるもののうち、車体の大きさ及び構造が歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして一定の基準に該当するものであり、かつ、一定の基準に適合する非常停止装置を備えているものを遠隔操作型小型車と定義し、その交通方法等に関する規定を整備するとともに、遠隔操作型小型車の使用者は、当該遠隔操作型小型車を遠隔操作により通行させようとする場所を管轄する公安委員会に届出をしなければならないことなどとするものであります。
第三は、特定免許情報の個人番号カードへの記録に関する規定の整備であります。
その一は、運転免許を現に受けている者のうち、当該運転免許について運転免許証のみを有するもの等は、いつでも、その者の個人番号カードの区分部分に特定免許情報を記録することを申請することができることとし、特定免許情報が記録された個人番号カード、すなわち免許情報記録個人番号カードは、運転免許証の携帯及び提示義務に係る規定の適用については、運転免許証とすることなどとするものであります。
その二は、運転免許が取り消された場合等一定の場合における免許情報記録個人番号カードについての手続等を整備するものであります。
その三は、免許情報記録の有効期間の更新に係る規定等を整備するものであります。
その四は、運転免許証又は国際運転免許証若しくは外国運転免許証の保管に関する規定を廃止することなどとするものであります。
その五は、申請による運転免許の取消しを受けた者及び運転免許が失効した者は、その者の住所地を管轄する公安委員会に対し、運転に関する経歴についての情報をその者の個人番号カードの区分部分に記録することを申請することができることとするものであります。
第四は、その他の規定の整備であります。
その一は、通行させている者を歩行者とする車に関する規定を整備するものであります。
その二は、乗合自動車の停留所等における駅停車の禁止規制から除外する対象の拡大に関する規定を整備するものであります。
その三は、自転車に乗車する者に対する乗車用ヘルメットの着用に係る努力義務を設けるものであります。
その四は、安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則を引き上げることとするなど、安全運転管理者に関する規定を整備するものであります。
なお、この法律の施行日は、駐停車の禁止規制から除外する対象の拡大に関する規定及び安全運転管理者に関する規定の整備については公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日、特定小型原動機付自転車の交通方法等に関する規定の整備については公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日、特定免許情報の個人番号カードへの記録に関する規定の整備については公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日、その他の部分については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/204
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205・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。(発言する者あり)
二之湯国家公安委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/205
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206・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 済みません。申し訳ないです。
私、その二は、乗合自動車の停留所等における駅停車と申しましたけれども、駐停車でございます。
申し訳ございません。済みません。申し訳ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/206
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207・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。(発言する者あり)
二之湯国家公安委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/207
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208・二之湯智
○国務大臣(二之湯智君) 申し訳ございません。
あと、運転免許証の携帯及び提示義務に係る規定の適用については、運転免許証とみなすということ、みなすことなどとするものでありますと、こういうことでございます。
済みません、おわびして訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/208
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209・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X00820220407/209
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