1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年四月二十一日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
小沼 巧君 塩村あやか君
福島みずほ君 杉尾 秀哉君
四月二十日
辞任 補欠選任
宮島 喜文君 有村 治子君
塩村あやか君 熊谷 裕人君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
磯崎 仁彦君
古賀友一郎君
高野光二郎君
山田 太郎君
山谷えり子君
石川 大我君
熊谷 裕人君
杉尾 秀哉君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
市田 忠義君
田村 智子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
参考人
公立大学法人熊
本県立大学理事
長 白石 隆君
一般社団法人日
本経済団体連合
会常務理事 原 一郎君
名古屋経済大学
名誉教授 坂本 雅子君
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本日の会議に付した案件
○経済施策を一体的に講ずることによる安全保障
の確保の推進に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、小沼巧君、福島みずほ君及び宮島喜文君が委員を辞任され、その補欠として杉尾秀哉君、有村治子君及び熊谷裕人君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/1
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002・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、公立大学法人熊本県立大学理事長白石隆君、一般社団法人日本経済団体連合会常務理事原一郎君及び名古屋経済大学名誉教授坂本雅子君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、白石参考人、原参考人、坂本参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず白石参考人からお願いいたします。白石参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/2
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003・白石隆
○参考人(白石隆君) 今日は、お招きいただきまして、ありがとうございます。
大きく三点申し上げたいと思います。一つは、経済安全保障というのはどういうことかと。それから二つ目に、なぜ経済安全保障というのは重要なのか。それから三つ目に、私、衆議院、参議院での議事録を全て拝見いたしましたけれども、非常に実質的な議論が行われておりまして、先生方に本当に敬意を表しますが、同時に、私として、もっと強調をされてしかるべきではないかという点について申し上げたいと思います。
まず最初に、経済安全保障ということはどういうことなのかということでございますが、ごく簡単に申しますと、経済安全保障の目的というのは、経済的手段によって国家と国民の安全を守るということと、国民経済に極めて重要な機微情報・技術、ここで一つ言葉落ちておりますけれども、産業を守るということ。それから三つ目に、いわゆる自由主義的な国際秩序、これが第二次大戦以降の日本の安全と繁栄、それから自由を保障してきたわけですけれども、この自由主義的な国際秩序を守るために信頼できる国々と連携する。この三つが私は経済安全保障の目的だというふうに考えております。
英語では特に定訳はございませんが、経済的な手段によって国策を達成すること、時に、ですから経済国策という訳が最近使われておりますが、そういう意味でエコノミック・ステートクラフトという言葉が使われますけれども、これよりは随分範囲の狭い言葉として経済安全保障という概念が使われているというふうに考えております。
当然のことながら、経済安全保障に関わる政策というのはいろいろございます。ですから、現在、先生方が議論されて、審議されておられる経済安全保障推進法案というのはそういう政策手段の一つであって、私の理解では、日本の経済安全保障を確保するための政策の手段、これ私は道具箱というふうに言っておりますけれども、この道具箱を充実させるためのものだと。それ以外にも、エネルギー外交だとか食料外交、あるいはエネルギー安全保障、食料安全保障、あるいは外為法にあります安全保障貿易管理、さらには安全保障上の政策的なインプリケーションを持った国際開発協力プロジェクト、こういうものも実は全て経済安全保障に関わる政策ですが、その中で今まで余り注目されていなかったところを今回は経済安全保障推進法案という形で道具をもう一つ充実させていくというのが今回の狙いであろうと私は理解しております。
それでは、なぜそういう意味での経済安全保障への関心が高まっているかと。これはもう先生方よく御存じだと思いますけれども、やはりこの十五年ぐらいでしょうか、経済制裁ということが多用されるようになってきて、それがちょうどグローバル主義が力を失っていくのと軌を一にしているということだろうと思います。
例えば、これは日本が経験し、オーストラリアが現在も、二〇二〇年以来経験していることですけれども、中国あるいは中華人民共和国は、ウイン・ウインの経済協力といいながら、この経済協力はいつでも経済制裁になり得るというのがこれ現状でございますし、アメリカも、もうこれは随分長い間、エコノミック・ステートクラフトということで経済制裁を使っております。
ですから、こういうことを全部合わせまして、現在、特にアメリカの政治学、国際政治学のあるいは政治経済学の分野では、これまではエコノミック・ステートクラフトという概念を使っておりましたけれども、概念として、私はこれは日本発だと考えておりますけれども、エコノミックセキュリティーという概念も使われるようになってきておりまして、その場合、特に明確に定義について合意があるとは思いませんけれども、一般的に申しますと、経済、科学技術における安全保障上の外部性をコントロールすること、ちょっと難しい言い方になりますけれども、経済、科学技術の安全保障上の意味合いが非常に大きいものについて、それをコントロールすることをもってエコノミックセキュリティーと言っているというふうに私は理解しております。
それでは、なぜ経済安全保障が重要なのか。第二点目のポイントでございますけれども、ごく一般的に申しますと、安全保障というのは、平和と安全、人権と民主主義、自由と公正、生命と健康、こういうこと全てに関わりますけれども、ネットワーク中心の世界が生まれることで戦争と平和の境界が非常に二十一世紀になって曖昧になっているというのがやはり一番大きな理由ではないかと思います。
これがいつから始まったのかというのは、これはなかなか言い難いことでございますけれども、例えば、新しい戦争ということが生まれたのは、これは一九九一年の湾岸戦争でございまして、このときに初めてネットワーク中心の戦争ということが言われ、それで二十一世紀に入りますと日本でもソサエティー五・〇のようなことが言われるようになり、現在では全てのものがネットワークにつながっているというのは、これはもうごく当たり前のことになっている、これが一つ大きい理由だと思います。
もう一つは、先端技術あるいは先端新興技術が二十一世紀の安全と繁栄の鍵だということが世界的に広く理解されるようになったということだろうと思います。
実際、アメリカも欧州諸国も日本も中国も、あるいはオーストラリアもインドも、先端新興技術について非常に大きな投資をやっておりますけれども、その分野がどこかということを見ますと、ほぼ全て一致しております。ですから、その上、その意味では、世界のあらゆるところで投資の能力のある国はあるいは企業は、こういう先端新興技術のところに投資していると。理由は、当たり前のことながら、これからの安全と繁栄、そして、ビジネスの場合にはその成功の鍵はこれにあるからだということだろうと思います。
二十世紀と比べますと、幾つか非常に大きな変化がございます。
一つは、基礎研究から技術開発までの時間が非常に短くなっていると。場合によったら、科学技術的な知見がそのまま技術になるという時代に来ております。
二つ目に、先端新興科学技術におきましては、いわゆるデュアルユースという概念がもう既に妥当でなくなっていると。つまり、あらゆるものが事実上デュアルユースに、両用になっておりまして、しかも、誰かが、あるいはある企業が、科学技術を開発しているのとは全然関係ないところでその技術を見て、何かそれの、例えば元々は民用の技術を開発していても、それをほかの人たちが見てそれを軍用に使うなんということはごく当たり前のことになっております。
という意味で、実はエンドユースとエンドユーザーというのが分からなくなってきていると。技術の分野で考えても、なかなかこれがどう使われるか分からないというか、何にでも使われると。しかも、技術のレベルを考えても、どのレベルでコントロールすればいいのかも分からなくなってきている。そうすると何をするかというと、エンドユース、ユーザーのところで、ひょっとするとこれは危険なところで使われるかもしれないという企業あるいは団体をコントロールするということが一つの考え方としてあります。それが、例えばアメリカ政府が現在多用しておりますエンティティーリストでございます。
三つ目に、これは日本だとかアメリカだとか欧州の場合で、中国は違いますけれども、科学技術開発のイニシアティブが国の研究所から大学と企業に大きく移ったということでございます。例えばアメリカの例ですと、国防産業が使う技術開発の額とGAFAが使う額だと一桁違います。GAFAの方が大きい額を使っております。
四番目に、これは、いわゆるグローバル化の中で研究者も学生もお金もサプライチェーンも全部国境を越えて広がりましたけれども、これを国によっては自国の軍事、産業、技術力の強化に使う国が出てきたと。そういう国が自由主義的な国際秩序に挑戦しているということもございます。また、その中で、非国家主体、テロリストグループのようなものがやはり登場して、本当に新興技術を自分たちのための目的に使うということも起こっていると。
それから最後に、こういう先端新興技術の、あるいは産業の頭脳には基盤がございます。その基盤というのは例えば半導体でございまして、半導体がなければその新興科学技術というのはそもそも動かないということになっております。
こういう中で、政策的には、当然のことながら、これ二枚目に移ります、先端新興技術産業の基盤を守るということが非常に重要になります。私は、今回の法案でサプライチェーンを守るといったときに常に半導体、電池が出てくるというのは、そういう意味で非常に適切なことであろうというふうに考えております。
それから二点目に、現に存在するネットワーク中心のインフラを守るという、これも当然のことでございまして、恐らく戦争においても、仮に何かあのウクライナのような状況がアジアで起こった場合にも、まず最初に起こるのはインフラのどっかが動かなくなるということだろうと思いますので、これを守っておくというのが極めて重要だろうと考えております。
それから三番目に、当然のことながら、先端新興技術が重要になりますと、あるいは二十一世紀の安全と繁栄の鍵になりますと、それに投資をする必要がございます。これが言わば産業政策と科学技術政策を結合した二十一世紀の新しい産業政策だろうというふうに私は考えております。
それから四つ目に、当然のことながら、そうやって投資してつくった、あるいは得た知見、あるいはその技術というのは守らなければいけない。これが、私は基本的にこの経済安全保障推進法案の組立ての基礎にある考え方ではないかと理解しております。
最後に、それじゃ、これを、経済安全保障政策をこれから考えていくわけで、重要なのは何かと。四点だけ、もう大分時間来ましたので急いで申し上げますと、一つ目は、やはり道具箱というのはこれで全部そろったというわけではございませんので、これから先また必要になればどんどんつくっていただきたいというのがこれ第一点です。
それから二点目に、先ほども、これ繰り返しになりますけれども、先端新興技術というのはエンドユース、エンドユーザーの分からない技術でございまして、重要なことは、使う側、これは多くの場合起業家ですけれども、使う側の想像力の問題なんだと。こんなものはできないかなというふうに考えてつくったら、それが勝ちなんですね。ですから、その意味で、科学技術政策では時々シーズとニーズのマッチングという言い方しますけど、でも実はニーズがまだ分かっていないんだと。分かっていないようなものをどうやって言わば種をまき、育てていくかというのが重要なんだということでございます。
それから三番目に、鍵になるのは、これは、自由主義、国際秩序というのを守る上で鍵になるのは信頼という言葉だということでございまして、サプライチェーンの再編におきましても、信頼の上に新しいサプライチェーンをつくると。ほかの国からの投資だとか技術導入する場合にも、信頼できる国、信頼できる企業から導入する。共同研究も、信頼できる国の研究チームと一緒にやるということが重要だろうと思います。
それから最後に、特にこの議事録を拝見しておりますと、経済安全保障における、知る、守る、育てるということでシンクタンクの役割ということがよく触れられておりますけれども、私自身は、シンクタンクについては二つ違うタイプのものが要るんではないだろうかと考えております。
知るは、当然のことでございまして、先端新興技術に関わる技術者あるいは研究チームがどういう機関あるいはどういう企業にいて、どんな研究をどこの誰と一緒にやっているかと。それのデータベースを作って、ネットワークがどういうふうにできているかということを見付けるのは間違いなく重要ですが、それを守るためには、こういう技術あるいは経済の安全保障上のインプリケーションをきちっと理解するシンクタンクが要ります。
同時に、育てる、つまり人材を育成し、科学技術を振興する、そこで日本がこれから伸ばせるだろうところを見付けて投資するという、そういうシンクタンクも要ると考えております。
これが、今日、私が申し上げたいことでございます。
少し時間を超過しましたけれども、どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/3
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004・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
次に、原参考人にお願いいたします。(発言する者あり)挙手をお願いします。
原参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/4
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005・原一郎
○参考人(原一郎君) 今日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
お手元に、二月九日付けの経団連のロゴマークが入った私どもの意見が配られているかと思いますが、これは二月の一日に公表されました政府の方の有識者会議の提言を受けてまとめたものでございます。経団連の提言、したがいまして、法案の閣議決定前に公表したものでございますので、この提言内で法案への言及はございませんけれども、適宜口頭で補足しながら説明をいたします。
一枚めくっていただきまして、目次が出てまいりますが、この目次のローマ数字のⅠの部分、今次法制化に関する意見というところを中心に御説明申し上げます。この中身は、今回の法案に盛り込まれました四分野、これについてそれぞれ意見を申し述べておりますので、これを目で追いながらお聞き取りをいただければというふうに思います。
まず一ページ目でございますけれども、最初のパラグラフにございますように、法案の必要性に関することが書かれております。経団連の認識といたしましても、経済と安全保障、これを切り離して考えることはもはや不可能になっていると考えております。
第二パラグラフでございますが、政府は既存の法律に基づいてできることは既に着手されているわけでございますけれども、我々の認識といたしましては、急ぎ法制上の手当てが必要な事項を盛り込んだのが今回の法案であって、それが今次国会に提出されたということであります。その方針を経団連としても支持いたします。
次のパラグラフは、有識者会議の提言について書いてございます。全体として、経済活動の自由あるいは国際ルールとの整合性に配慮した内容になっていると考えております。この提言を踏まえまして法案が閣議決定されましたわけですから、したがいまして、法案につきましても全体として経済界の重視している点に配慮した内容になっていると考えております。
法案全体を通じて、政令以下の下位法令あるいは政府としての基本方針、四分野それぞれの基本指針で決定される部分がありますので、それぞれについては経済界の意見を申し述べる機会をいただきたいというお願いをしております。
ここまでが全体を通じた基本的な認識でございます。
以下、四分野ごとに基本的な考え方と留意すべき点を申し上げたいと思います。
二ページを御覧いただければと思います。特定重要物資の安定的な供給の確保、すなわちサプライチェーンの強靱化でございます。
サプライチェーンは、企業が経済合理性の観点から構築しているものであります。その強靱化も、一義的には企業自ら主体的に取り組むべきものと考えます。したがいまして、安全保障の観点から強靱化に取り組むに当たりましても、規制的な手法ではなく、企業の主体的な取組を後押しするような形を基本とすべきと考えます。企業がまずサプライチェーンを自己点検し、その結果、ある対応を取ろうとしているのを政府にインセンティブで後押しいただきたい、そういう考え方でございます。
この考え方に立てば、政府による支援の対象となる物資は、国民の生命を脅かすおそれが大きく、また国民生活及び経済活動に多大な影響を及ぼす重要物資全てを対象とするのではなく、重要物資のうち、生産拠点が特定の国、地域に集中している、あるいは調達先が特定の企業に限定されている、あるいはそもそも生産量が限られているために供給途絶リスクが高い物資に限定する必要があると考えます。法案ではそうした物資は政令で指定することになっておりますが、その際も十分に絞り込むことが求められます。法案ではこの点十分配慮されていると考えておりまして、すなわち、まず先ほどの考え方で重要物資を整理した上で、その中で特定重要物資ということで供給途絶リスクも勘案しながら決めていくということになっています。
そのような形で決定された特定重要物資につきましては、調達先、生産拠点の多元化を基本とすべきと考えます。ただし、多元化だけでは回避できないリスクがあると思いますので、その場合には国内生産基盤を整備、強化する、あるいは供給の途絶が一刻も許されないような場合は、国が備蓄するといった幾つかの選択肢の中で考えていくべきだと考えます。この点、法案を拝見しますと、まず国内生産ありきということではなく、多様な選択肢が考えられていると評価しております。
最後に、このサプライチェーンを強靱化するに当たって政府が調査を行うということになっておりますが、先ほど申し上げた重要物資あるいは特定重要物資を絞り込むに当たり、政府による調査を行うことになっております。法案でいえば、報告徴収ということになります。法案においては、政府の調査権限についてきちっと規定されています。法的な権限が曖昧な形で調査をされても企業としては対応に困りますので、そこは我々の意見どおりになっているかと思います。
事業者の応答につきましては、我々としては、義務付けということではなく、調査対象をできる限り絞り込むことによりまして、調査される側が調査の目的、意義を十分認識できることが、形が望ましいと申し上げてまいりました。法案では努力義務という形になっております。実際の調査の範囲が現時点では決まっておりませんので、できるだけ我々の意見に沿った形で調査が行われるよう、今後も注視をしていきたいと考えております。
企業のサプライチェーンは、非常に広く複雑化しているのが現状でございます。また、秘密保持契約が結ばれている場合などでは、情報を出したくても出せないといった現状がございます。そういった点も勘案していただければ幸いでございます。
次、四ページを御覧ください。特定社会基盤役務の安定的な提供の確保、すなわち基幹インフラの安全性、信頼性の確保です。
率直に申し上げまして、四分野の中で一番規制が強い制度だと思っております。規制色が強い制度だと思っております。これは、サイバー攻撃等々のリスクを事前に排除するということで事前規制が導入されておりますが、我々からするとやむを得ないと考えております。
今回規制を入れることによりまして、一定期間の後に知見が積まれてくると思いますので、その暁には、水際で管理することがあってもよいのではないかと考えております。先ほどの白石先生のワードをお借りすれば、信頼できる相手あるいは信頼できる設備というのはどういうものかというものが分かってきますとこういったことが可能になるのではないかと思っておりまして、これは今後の課題になると思います。要は、できるだけ、規制する側、規制される側のコストを最小限にするという趣旨であります。
制度の対象につきましては、基幹インフラの事業、事業者、重要設備が今後指定されることになっております。法案成立の暁にはということでございます。
事業については、法案で十四分野の外縁が示されております。どの事業者、設備が対象になるかはそれぞれの業所管省庁が省令などで定めることになっております。この内容がどうなるかは今後も注視していきたいと思っております。
特に重要設備、すなわち、どの設備を規制の対象にするかは非常に重要な問題でございまして、所管省庁と事業者の対話が非常に重要であると思っております。下位法令の規定ぶりを注視していきたいと思っておりますし、できるだけ必要最小限の規制ということで、政府として統一した対応を行っていただきたいと考えております。
サプライチェーンあるいは再委託先の情報も事前に届け出る、計画書の中に盛り込むことになっております。繰り返しになりますが、どこまで情報として出せばよいのか、出せる情報の限度の問題もございます。事業者の負担にも配慮した形で運用がなされていることを今後も注視していきたいと考えております。
次に、ページでいきますと五ページになりますが、特定重要技術の開発支援の点でございます。
実際にどう運用されるかをこれも見ていきたいと考えております。そのときに肝になりますのは、産学官のエコシステムをうまく形成できるか、この点にあると考えております。
支援対象となります先端的な重要技術については、限られた財政資源を有効活用する観点から、十分に絞り込む、分野を選び集中投資することが重要だと思っておりますし、社会実装に重きを置いた形で取り組む必要があると考えます。
プロジェクトごとに設置されます官民の協議会では、政府から安全保障上の具体的なニーズに係る情報が産学との間で共有されることが期待されます。ただし、その際の守秘義務が課される範囲が余り広過ぎますと、産業界としては参加しにくくなるのではないかと考えます。
また、シンクタンクにつきましては、既存の政府機関や企業等が何らかの形で関与するなどして、我が国としての知見を集約することを期待しております。
最後に、特許出願の非公開についてでございます。これは、ページになりますと七ページになります。
我が国では、特許は年間三十万件程度出願されていると聞いております。企業はこの制度を前提にビジネスを行ってまいりました。今回、この制度に変更が加わることになります。制度の必要性につきましては、機微な発明の流出防止の観点から十分理解できると考えております。非公開によって、安全保障上の観点から特許出願を諦めざるを得なかった発明者が過去にいたとすれば、今回、新しい制度により、特許法上の権利を得る道を開くことにもなるかと考えております。
非公開の対象となる発明、あるいは八ページにございますような外国出願の制限の対象につきましては、できるだけ絞り込んでいただきたいと考えております。特にデュアルユースにつきましては、言葉どおりに軍事利用ではない民生利用ができる技術でございますので、それが幅広く非公開化の対象となりますと、産業活動に制約が及びます。また、外国出願も制限されますので、この範囲をできるだけ絞っていただきたいと考えております。法案も基本的にはそういう考え方に基づきまして成り立っているものと考えております。
審査のプロセスも迅速に行っていただきたいと考えております。特許につきましては、迅速化の努力が今まで行われてきました。そういった努力が無駄にならないように迅速なプロセスを維持していただきたいと考えます。一次審査は三か月以内とされておりますので、この点は評価をしております。また、外国出願ができない期間は十か月とされていますが、できるだけ迅速に早めていただきたいと考えております。
非公開となった対象の実施につきましては、許可制になることはやむを得ないと考えますが、安全保障上問題がない限り、最大限活用できるような形でお認めいただきたいと考えております。
補償につきましては、通常生ずべき損失が適正に補償されるよう、これも具体的な制度設計を注視していきたいと考えます。
以上が法案に関する我々の基本的な考え方、あるいは今後留意すべき点でございます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/5
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006・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
次に、坂本参考人にお願いいたします。坂本参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/6
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007・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) 坂本です。よろしくお願いいたします。
ちょっと報告が長いものですから、大急ぎで読みます。ただ、ⅡとⅢは少しはしょりながら読ませていただきます。目次に書いてありますように、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳといった順で御報告したいと思います。
Ⅰ、経済安保は、軍事的な安全保障政策と一体。
(1)、本法律案は四つの柱、すなわち、①重要物資の安定的な供給の確保に関する制度、サプライチェーンの強靱化、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度、基幹インフラの安全性、信頼性の確保、③先端的な重要技術の開発支援に関する制度、先端的な技術分野の官民協力、④特許出願の非公開に関する制度、特許の非公開から成る。
(2)、本法案は、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律というその正式名称のとおり、単なる経済成長戦略や国内の技術、生産の発展政策ではない。経済の安全保障政策である。軍事的な安全保障政策と同じく、外から日本を襲う危機、外敵から日本経済を防衛しつつ発展を展望しようというもので、軍事的な安保政策と一体不可分のものである。
(3)、今回の経済安保法案は、軍事面での日本の安全保障政策が新たな段階に入ったこと、その根本には、日本の重要な同盟国米国が軍事面と経済面で新しい戦略、中国との対抗を軸に据えた世界戦略を展開しつつあることと一体で浮上したものである。
本日は詳しくは申し上げませんが、米国は二〇一〇年代後半から中国を主敵に据える国防文書を次々出しています。特に二〇一八年のトランプ政権では、中国との戦争すら前提として、そのときの作戦文書まで、機密ですけれども、出しております。米国の世界戦略と一体で浮上したと。
それを宣言したのが菅・バイデン大統領の日米首脳共同声明、二〇二一年四月十六日であり、日米はここで軍事面での新たな安保政策と一体となった経済安保の必要性と日米の連携を公式に宣言した。
共同声明の経済安保に関わる部分としては、第五世代無線ネットワーク、5Gの安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性につき一致したとする箇所がまず挙げられる。
この部分は今回の法案で、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度、基幹インフラの安全性、信頼性の確保、これは二ページに入ります、の項目につながる。信頼に足る事業者に依拠するとの真の意味は、米国が国防権限法、二〇一九年、の八百八十九条で、米国の情報インフラからファーウェイなど中国の通信関連事業者五社を指名、名指しで排除したことを指しており、日本もそれに同調することを表明したものである。
次の星印。日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成、保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携するとの箇所。
今回の法案では、①重要物資の安定的な供給の確保に関する制度、サプライチェーンの強靱化の項目につながる。米国は二〇二一年六月に米技術革新・競争法を成立させ、重要物資の脱中国を前面に出したサプライチェーンの強靱化策を開始したが、日本もこれに歩調を合わせ連携することを表明したものである。この合意と連動して、日本政府は台湾企業、TSMCの半導体工場の熊本誘致の検討も開始した。
情報技術面でも日米連携を宣言し、より緊密な防衛協力の基礎的な要素である両国間のサイバーセキュリティー及び情報保全強化並びに両国の技術的優位を守ることの重要性も強調した。
今回の法案では、③先端的な重要技術の開発支援に関する制度と、④特許出願の非公開に関する制度の双方につながる。米国は、中国への機微技術の流出を防ぐための法律を制定する一方で、二〇二一年六月、米技術革新・競争法で重要技術開発への官民一体となった援助を行うこととした。③、④は、米国のこうした法律と歩調を合わせ、日米が重要とする分野、特に情報技術の研究開発を援助、推進する。情報技術はこれからの経済発展の趨勢を決めるものだが、新しい技術やサイバー戦にとっても枢要である。
しかも、実はその多くの分野で中国は技術面で先行、凌駕しており、これは図三、図四、図五と書いてありますが、最後の、八ページに、例えば三です。
日米中の特許出願件数順位ということで、その下にあるようなこういう先端十分野についてどこの国の一位が何個あるかということを日経新聞が出したものですが、二〇一七年では中国がここの十分野中九分野で一位です。遡って二〇〇三年は実は日本が十分野中六分野で一位を占めていたんですが、二〇一三年以降はゼロになり、米国は二〇〇四年に六分野で一位だったのが、二〇一七年には一分野のみとなっています。
その次の四図の量子暗号、量子通信。まあ量子コンピューターというのもありますけど、軍事的には量子暗号、量子通信の方が重要なんですが、そこでも中国の物すごい急速なスピードがお分かりと思います。それで、その次の五図でも、AIでやっぱり中国が物すごい勢いで日米を追い上げていると。
御承知のように、中国はもう既に日本のGDPの三倍に、十年ちょっと、十数年でなったわけですね。そういう量的な拡大のみならず、技術的にも異例の速度で成長していると。やっぱり米国は、自らの経済的、軍事的覇権のためにやっぱりここで中国をたたくという方針に出たわけであります。
元のレジュメに戻りまして、三図、四図、五図参照の後ですが、米国は徹底した中国企業排除、分離と同時に、新技術開発に乗り出した。軍事面でも、これからの戦争は言わば情報技術戦となり、衛星網からの情報によって宇宙でも地上でも、衛星コンステレーション、地上でも自走するミサイル合戦というような新しい技術による未来戦争となる。どんな戦争になるか、そこで勝利できるかは今後の技術開発に懸かっているのだ。
共同声明は、軍事的な安全保障政策でも新段階に入ったこと、すなわち日米が共同で中国に反対することも表明した。米国は、日米安全保障条約第五条が尖閣に適用されることを再確認し、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日本の防衛を宣言したと。また、東シナ海、南シナ海での中国による既存の国際秩序と合致しない行動を日米共同で反対するとともに、台湾問題にも踏み込んだということです。日米首脳の共同文書に台湾が記されるのは一九六九年以来で、五十二年ぶり、三ページに、ぶりです。
米国は、中国が台湾に軍事侵攻する台湾有事を想定し、それに向けた日米の共同軍事訓練まで開始する。有事の際には、米軍は、第一列島線、これはまた表の一図を参考していただければいいんですが、に沿う日本の沖縄、南西諸島、日本の南西諸島が、沖縄、小笠原、いや、小笠原じゃない、沖縄、奄美、宮古、そうした南西諸島、二百の南西諸島がこの第一列島線に連なっているんですが、その日本も、第一列島線に沿う日本の沖縄等の南西諸島に地上移動式ミサイルを無数に配備し、中国に向けて撃ち込むと。これは、先ほどちょっと申しましたトランプ政権時代のインド太平洋における米国の戦略を詳しく論じた米国の戦略的枠組みという文書で論じられているんですが、もう米中戦争、台湾をめぐる米中戦争の勃発を想定し、そこから、日本の南西諸島からミサイルを中国に撃ち込むと。それぞれ五百から七百人以上のミサイル部隊をこの日本の自衛隊もそこに配備しているということです。
台湾有事の際には、日本の国土の島々から日米が共同して対中国ミサイル戦を展開する。日米だけでなく、英、米、仏、独の艦隊、軍隊も台湾有事を想定した共同軍事演習に参加するようになっており、日本近海や南西諸島で頻繁に行われるようになった。この図、二図は十、十一月だけに限っています。その前後については、いっぱいやっているんですけど、ここに私の論文があります。そこを御参考ください。
(5)、経済安保の根底にはこのような米国の世界戦略の大転換がある。それは、軍事、経済、情報戦を一体化して、中国との対峙と脱中国を図るものである。ただし、日本の法案では、米国のように中国への技術流出を防止するとか中国由来の物資を排除するといった文言がないため、極めて分かりにくいものになっている。
Ⅱ、先行する米国の経済安保、数年前から本格始動。これはちょっと飛ばしながら行きます。
二〇一八年八月にトランプ政権で経済安保の本格始動しまして、国防権限法八百八十九条、外国投資リスク審査近代化法、輸出管理改革法の三法が成立と。米国はこれらの法律によって、米国経済から中国企業と中国由来の重要物資、そして中国資本による対米投資と対中国重要物資の輸出を排除する法整備、規制を本格化。
①から③の法律は国防権限法で成立しまして、国防権限法では、政府の、まず最初に政府と取引することを禁じたわけです。中国五社、ファーウェイとかZTE、ハイクビジョンというようなその五社を指定しまして、一九年八月に第一弾の規制を開始し、政府調達においてこれら五社の利用を禁止すると。政府調達ではもう納入させないということです。そして、翌八月に第二弾の規制。五社とその関連企業の製品を使う企業が米政府と取引することも、それを使う企業がアメリカ政府とも取引してはならないということです。米政府と取引ある企業は三十九万社に上るとされ、それら全てが中国の五社の排除に乗り出さねばならないと。中国製機器を使うと企業や国家の機密が抜き取られるというのが、まあ本当、うそ、別にして、彼らが言っている理由です。
②外国投資リスク審査近代化法は、外国企業による対米投資を厳しく審査すると。たとえ支配権は握れない少額投資であっても、重要技術、個人データにアクセスできる投資やインフラに関わる投資も、軍事施設に近い不動産も、次、四ページ行きます、取得も審査の対象になる。これも中国企業の対米投資を主なターゲットとすると。
③輸出管理改革法は、輸出管理の対象を新興技術、基盤技術までに拡大する。その対象として、米商務省は、AI、バイオテクノロジー、測位技術、マイクロプロセッサー、先進コンピューティング、データ技術、量子コンピューティングというふうな先進技術ですね、それを例示します。この分野は②の投資規制にも対象にされるということです。従来のようにテロ支援国家への武器や軍事転用の可能性のあるものということでなく、幅広い先端技術の分野の製品を対象にしたということです。
(2)、二〇二一年六月、バイデン政権下で④米技術革新・競争法が上院を通過。補助金による先端技術の開発、育成を支援。同時に、中国からの重要物資の輸入をやめ、国内生産増を図ると。総額日本円で二十七兆円も充てて開発や生産増に当たるということです。
(3)、米国政府は、日本の企業、政府に対して上記の法律に同調することを、もうやった途端に公式、非公式に要求してきています。
例えば、国防権限法第二弾の開始の数日前の八月六日にクラック国務次官はテレビ会議で、日本企業六社、NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天、富士通を呼び出して、中国五社の製品の利用を排除しろというふうに命令します。同時に、日本政府に対して、ファーウェイやZTEを使わないというコミットメントを出すように説得してほしいと言うんですね。ちょうどそのクラックが電話で呼び出したその前日にポンペオ国務長官が、クリーンネットワーク、つまりネットワークから中国企業を排除する、これを全米に呼びかけたばかりだった。で、翌日には日本企業に働きかけた。
例二、米技術革新・競争法が上院を通過した六月八日、バイデン大統領はサプライチェーン見直し等に関する報告書を公表。そこでは、脱中国のために、国内生産強化だけでなく他国と協力すること、特に半導体では日本や韓国と最近の成功を生かすと明記していると。最近の成功とは、韓国に対しては、米国内でサムスン電子の新工場新設を表明させたこと、日本に対しては、菅・バイデン首脳会談で半導体を含む製品供給網の強化で合意し、日本はTSMCの工場の熊本誘致も開始したこと、これを指しています。これはもうアメリカの議会で得々と成果だというふうに言っているわけです。だから、それはもうアメリカの戦略がもちろん元々そうだと。
例三、米国の中国企業排除策は、施行直後から日本企業でも部分的に適用されたと。国防権限法も日本企業八百社が対象になると。それから、NTTデータは、そのためにもう、米政府と取引がある子会社があるため世界中で他社製品に変更したと。
Ⅲです。あと何分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/7
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008・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 坂本参考人に申し上げます。
そろそろ発言の方、おまとめいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/8
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009・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) はい。
それで、Ⅲは、日本の経済安全保障推進法は米国の上記の法律に呼応、連動したものということで、それぞれ①、②、③、どのように連動しているかを書いております。
六ページに入りまして、Ⅳのあるべき日本の経済安保政策とはと。
日本企業にとっては、中国排除を根本的に据えた、しかもそれを明言していない経済安保は分かりにくいだけではなく、過大な負担を強いるものだろう。日本の経済と企業にとっては、中国の持つ重みは米国の経済、企業とは大きく異なっている。脱中国や中国排除は、将来の日本経済と企業に大きな負担、足かせとなる危険性がある。
経済界の危惧。経団連の十倉雅和会長は本年一月の会見で、経済安保の必要性は理解しつつも、中国との経済関係は維持したい、世界は中国はなしにはやっていけないと述べ、片野坂副会長は二月に同法に対する意見を提出し、企業が内外を問わず自由に活動できる環境が重要だと訴え、二〇二〇年十月に既に中西宏明前会長が、米国と中国の間で、さあどっちにすると踏み絵を踏まされても困ると記者会見で語っています。
(2)、日本経済にとって中国に重み。例えば、輸出にしても最大の輸出先は中国。輸出総額の四分の一を占める。米国のように輸出における中国の比重が一〇%を割る国とは事情が違う。対中輸出では機械類が大きな比重を占めていると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/9
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010・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 坂本参考人に申し上げます。
時間が経過しておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/10
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011・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) はい、分かりました。
それでは、(3)、七ページ、六ページの最後。日本の進路は、米国と中国双方との対等の経済関係を維持しつつ、軍事面でも台湾有事のような他国の問題に日本が米国と一体で軍事介入し対中ミサイル攻撃を行うようなことをするのではなく、自主性と中立、平和を守ることを前提にするべきである。
経済安保も、あくまでも日本経済の空洞化を克服し、重要品の国内生産を取り戻しつつ、かつてのように日本独自で官民一体となった先進技術開発に乗り出すことを中心に据えたものにすべきである。
世界ではこれから大きな激動と分断が始まることが予想されるが、どこか一国を排除して対立したり過度に追随することを避けることこそ日本が今何としても堅持するべき道と考える。
以上です。遅くなりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/11
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012・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/12
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013・古賀友一郎
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎と申します。三名の参考人の方々、貴重なお話ありがとうございました。
各参考人の方々のお考えは事前に資料もいただいて拝読いたしましたので、それを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
今回のこの経済安保法案というのは特定の国を想定したものではないというのがこれは政府の立場なんですけれども、白石参考人も、それから坂本参考人も、基本的に中国を想定したというところは共通していらっしゃるかのように私も受け止めました。米中対立の中で我が国はその最前線に位置しているというのも恐らくこれは共通認識ではないかと、こういうふうに思うわけであります。
ただ、そこから先の我が国の対応となりますといろいろと分かれてくるということだろうと思いますが、まず白石参考人にお伺いしたいんですけれども、これ坂本参考人の資料の中にありましたけれども、この中国と我が国がどういうふうに向き合っていくかということについて、我が国の輸出入共に最大の貿易相手国が中国であるということはもうこれは事実であるということを踏まえた上で、どういうふうに中国との関係をつくっていくか、対応していくか、そういう観点から白石参考人はどういうふうにお考えであるか。できれば、当面のこの短期的な対応、あるいはそれから先の中長期的な、将来的な対応に分けて御教示いただければ幸いですけれども、そのお考えをまずはお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/13
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014・白石隆
○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。
まず最初に、少し念のために申し上げておきますと、米中対立が激化したのは、決してアメリカ政府がトランプ政権下で対中政策を変更したんでは私はないと考えております。トウ小平の時代から中国は常に韜光養晦というふうに言っておりますけれども、これは要するに能力を隠してできる限り何もしないということから、特に二〇〇八年の国際金融危機以降、だんだんと自己主張を強めてきたと。それに対する言わば最終的な政策転換が二〇一八年のアメリカの新しい安全保障戦略であったと。ですから、そこのところであたかもアメリカの方に米中対立激化の責任があるというのは私は誤りだと考えております。
その上で、日本政府の対応ですが、私は、長期的には、安全保障については一切妥協することなく、私は自助と共助というふうに言っておりますけれども、自助を充実する、つまり、日本の防衛力、さらにはその基盤にございます技術、産業力等を強化すると同時に、日米同盟をもっと強固なものにしていくというのがこれが安全保障で、同時に、経済におきましては相互に利益のあるところでは中国ともお付き合いしていくという、これが基本的な私は考え方だろうと思います。
ただ、現在のように、非常に中国、特に習近平政権が、今年後半、恐らく十一月だと思いますけれども、の党大会を目指して非常に国粋主義的になっているときには、それは経済的な面でも特に経済制裁のようなもののリスクは私は高まっていると考えておりますんで、そういうことがあったときには、日本としてはもっとしっかりと断固としてそれに対応するというのが基本だろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/14
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015・古賀友一郎
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
あわせて、坂本参考人にもお伺いしたいんですけれども、坂本参考人は、今の我が国と中国の経済関係を踏まえて、中国を排除すれば我が国の経済が破壊的ダメージを受けるんだと、こういうことで米国寄りのスタンスを改めるべきと、こういうふうな主張だと思うんですけれども、中国が世界経済の覇権を目指して取り組んでいる、このことに対して坂本参考人はどういうふうに評価をしておられるのか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/15
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016・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/16
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017・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) 中国が世界経済の覇権を目指しているかどうかは分かりませんけれども、例えば、一帯一路という中国が各国にインフラ援助をして中国の友好関係を強めつつ経済圏を拡大していくというようなことでは、今はもう参加国は百三十九か国ぐらいになっていると思います。だから、一帯一路を排除する日米の方が、排除する勢力の方がむしろ少数派になっているということですね。それを中国の覇権であり、と言うべきかどうか、それは分かりません。そうしたらアメリカもやっぱり覇権なのかという。それは、もし中国が覇権を目指し、アメリカも覇権目指したとする、だから米中はいずれ対立するんだろうとは思います。
ただ、そこに日本が無批判に無条件に乗っかっていいんだろうか。日米同盟があるから、中国ともアメリカが対立したら日本も対立するという短絡的な、それを私は追随ではないかと思うんですけれども、もっと、今こそ、こういう激動の時代こそ、日本は自主的に外交、そして安保、そして経済政策をやっていかないと物すごく大変なことになる。それこそ、中国が突然日本にミサイル撃ち込むことはないでしょうけれども、南西諸島、日本の領土から中国にミサイル撃ち込んだら、中国は当然日本に雨あられとミサイルを撃ち込みます。だから、ある意味、日本がウクライナ化する危険性だってあるわけですね。台湾問題という他国のことで何で日本がウクライナに、アジア太平洋のウクライナにならなきゃいけないのかと。
だから、日本、今こそ私は、経済面でも安全保障面でも、今までの追随も、アメリカに従っていれば全て安泰だと、どっちに付かなきゃいけないんだったら、米国か中国かどっちかに付かなきゃいけないんだったら、米国の方がそりゃ安全でしょうというだけのあれで思考を放棄してしまう、そういう政策はやっぱり物すごい危険、今後の世界情勢の中で物すごい危険性をはらんでいると私は思います。
だから、中国がいいとか悪いとかそれは別にして、中国とも日本なりの政策、経済政策で対応する、米国とももちろん協力できるところはやりますけれども、一定のラインを引かなきゃいけないところはやっぱりきちんとラインを引くということが大事だと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/17
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018・古賀友一郎
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
では、続いて、原参考人にお伺いをいたします。
経済安保の推進には、当然のことながら、我が国の民間企業の協力が不可欠というわけでありますけれども、おとといも我が党の青山議員がこの中国資本による中小企業の買収問題を取り上げておられましたし、それ以外にも、例えば外国による技術者の引き抜きの問題であるとか、あるいはこの日本企業が持つ技術を軍事転用、悪用されると、こういった問題などなど、非常に幅広い難しい場面に各企業は直面するということがあろうかと思いますが、そういったときでもしっかりと適切な企業行動を取ってもらう必要があるというわけでありまして、この問題というのは、経済合理性とこの企業倫理といいますか、法律への対応といいますか、大変シビアな場面になると思うんです。
ともすれば、そういうことで総論賛成各論反対にもなりがちな部分をはらんでいると思うんですけれども、経済界のお立場から、民間企業がきちんとそういった行動を取ってもらうためには国はどういう施策を講じなければいけないのか、その点についてお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/18
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019・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
今の御質問に関しましては、多分個々に、事例ごとに議論していかないといけないんだろうと思っておりますけれども、それ、その時間もございませんし、また私にそこまでの知見ございませんので、総論的にお答えするとしますと、多分、今先生御指摘のとおり、非常に各論において厳しい状況に置かれる、既に置かれておりますし、それに適切に対応するべく各企業も努力しておりますし、そのための情報提供などに経団連として努めているところでございますけれども、多分一個一個の事例においてきちっと折り合いを付けていくことが、どれが正しくてどれが正しくないか、あるいはどれをやるべきでやるべきでないかという折り合いを付けていくことが非常に重要だと思っておりまして、それの積み重ねが日本全体の経済安全保障にもつながっていくんだろうと思います。
それに当たっては、政府に期待することは、できれば、何をやってよくて何をやってはいけないのかという、いわゆるレッドラインですね、これをできるだけ明確に示していただくことが、企業がコンプライアンスを高め、結果的に経済安全保障に貢献することにもなろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/19
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020・古賀友一郎
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
デッドラインですね、大変難しい問題だと思います。
それに関連して、もう一回白石参考人にお伺いしたいんですけれども、白石参考人が御指摘された、この先端新興技術についてはこのエンドユースとエンドユーザーが分からないと、私もこれ大変シビアな問題だと思うんです。今、原参考人がおっしゃった、このデッドラインを見極めていくという上でもこの問題って非常に私は難しい問題だと思うんですが、この経済安保と経済的自由、これをどうバランスを取っていくか、このエンドユース、エンドユーザーの問題に絡めて我が国がどういうふうにその整理をして対応していくべきなのか、白石参考人のお考えをお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/20
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021・白石隆
○参考人(白石隆君) これは非常に難しい問題だというふうに考えますが、基本的に、安全と自由というのは、これはトレードオフの関係にございますんで、どちらかを最初から優先するというのは適当な選択の仕方ではないというふうに考えております。
ちょっと、ウクライナではなくて、まずコロナについての各国の対応を考えてみますと、実は、日本というのは自由で安全で豊かな社会というのを私はずっと戦後追求してきたと考えておりますが、このバランスをどう取るかということの試行錯誤が、これまでの二年半、二年以上にわたる日本政府の政策だったろうというふうに考えております。ですから、まず最初は安全を非常に強調しましたけれども、次第次第にやはり豊かさが大事だということを考え、今では自由というものの価値をもう一度私は認識しているんではないかと。
だけれども、これは、例えばアメリカでは違います。アメリカでは、安全というのはこれは自己責任だという考え方が少なくともアメリカの国民の半分近くの人たちには共有されておりまして、自由と豊かさが強調されて、安全については国民の間でかなり大きな対立があると。中国の場合には、自由はほとんど私は重視されていないと。むしろ安全、しかも支配エリートの安全、次いで豊かさで、自由は無視される、これが中国の言わば現在の国柄だろうというふうに考えております。
ですから、私は、やはりこの安全と自由のバランスを考える場合には、我々がこういう三つの基本的な価値の間の言わばバランスをどう取るのか、どう取ると国民的に一番納得されるのか、これをやはり考える、私はそれは政治の責任だというふうに考えております。
なお、最後にウクライナについてでございますが、いろいろありますけれども、私はやはり、半導体だとかセンサーをロシアに輸出しないというのは、これは極めて適切な政策だと考えております。そもそも、私がこれは仄聞するところですと、ロシアの武器というのは、日本、ましてやアメリカから見ますと一世代遅れているというふうによく言われますけれども、それはやはり半導体だとかセンサーのところの違いだろうというのが私の理解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/21
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022・古賀友一郎
○古賀友一郎君 時間が来たので終わります。
参考人の方々、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/22
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023・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。どうぞ本日はよろしくお願いをいたします。
大変な貴重なお話を三名の参考人の皆様にお聞かせいただきまして、心より感謝を申し上げます。
本法案、経済安全保障推進法案に関しましては、本委員会にて、ちょうど一週間前の四月十四日に小林担当大臣に質問する機会を私いただきました。五十分の質疑だったんですけれども、とにかく分かりづらいということで、様々具体的な話も交えながらお話をさせていただいたんですが、今日はまたさらに、三名の参考人の皆様にお話をいただければというふうに思っております。
まず、白石参考人にお伺いしたいんですが、いただきましたレジュメの最初の部分ですね、経済安全保障の目的ということで、経済的手段によって国家と国民の安全を守る、そして国民経済に極めて重要な機微情報・技術、そして産業を守るというようなお話がありました。
こういった目的を達成するためには、先ほどから信頼というお話が出ておりますけれども、やっぱり信頼に足りる日本国政府というものが必要なんじゃないかなというふうに考えております。
つまり、今回の法案で、多くの企業秘密を含む情報を政府が把握することになります。様々な計画を立てて、それを政府として、お互いやり取りをしながら、こうした方がいいんじゃないか、ああした方がいいんじゃないかというようなこともあるわけでして、そのためにはやはり日本政府がそもそも信頼されなければならないんじゃないかというふうに思うわけですが、その信頼をどう得ていくか、あるいは担保していくかということについてのお話をひとつ聞かせていただきたいのと、そんなことを考えておりましたら、三枚目のところで信頼を鍵とする国際連携の重要性というようなお話も出てきまして、そのとおりだというふうにも思うわけですけれども、この信頼という言葉は非常に難しいと思うんですね。
つまり、私はこの人を信頼するといっても、ほかの人はその人を信頼していなかったりすることもあるわけで、その信頼というものを、何を根拠に信頼ということを判断していくのか、そういった基準についてもお聞かせいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/23
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024・白石隆
○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。
なかなか難しい質問だったと思いますが、まず最初に、企業活動あるいは研究における自由を大原則にして、その中で日本の国と国民の安全を守るために安全保障上の非常に意味合いの大きいものについて政府として把握しておくというのは、これは政府として当然やるべきことではないかというふうに私は考えております。
ただ、それを直接どこか日本の、私は日本にはイギリス、ましてやアメリカのような情報機関はないと残念ながら思っておりますけれども、そういうものをつくれば済むという話ではなくて、いろんなところに実は日本の例えば研究あるいは企業活動についての情報というのはもう既にございます。そういうものをうまく使いながら、安全保障上の意味合いの非常に大きいもの、あるいは将来の日本の安全と繁栄にとって非常に重要な研究開発あるいは企業についての情報を集めておくというのは、これは十分できるんではないかと。だから、一元的ですけれども、同時に日本の非常に分散的なシステムというのを前提にしてこういう政府としての情報の把握を図ることというのは、私はできると考えております。
二つ目に、信頼の基盤というのは何かと。
私は、国際秩序の基本にはやはり幾つかの非常に重要な価値があると思います。私は、自由というのは非常に重要な価値だと考えておりまして、これがなければ、私は、いかに民主主義だといっても、そんな民主主義というのは全く意味がないというふうに考えております。また、先ほど申しましたように、安全というのも非常に重要な価値ですが、それは、我々の場合には、日本の場合には国と国民の安全ということでございます。それから、最後に豊かさ、これも我々は第二次大戦以降ずっと享受してきたわけですけれども、これも、世界的に見て豊かさの価値というのは共有されておりますけれども、それをどういう政治経済システムの下で実現するのかということについては、特に自由と安全というのをどう考えるかによって相当違いはあるというふうに考えております。
ちょっと、これ非常に抽象的な話なんで、お答えになっているかどうか分かりませんが、改めて申しますと、信頼の基盤には幾つか非常に重要な価値があるということは間違いないんではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/24
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025・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
私個人の話をしますと、人権問題に関するNPO出身だったりするものですから、そういう意味では、この自由、安全、豊かさというところにやはりしっかり普遍的な人権が守られているのかと、制度がですね、そういったことの視点もあるんじゃないかなと思うんですが、その辺りいかがでしょうか。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/25
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026・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/26
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027・白石隆
○参考人(白石隆君) ごめんなさい。
人権というのは、ある意味では、こういう自由とかあるいは安全だとか豊かさが奪われたときに発生することが人権侵害というのは多いわけでございまして、私は、人権というのは、国連憲章にもありますし、日本国民が共有しておりますように、そもそも人としての権利だというふうに考えておりますけれども、これは、やはりある幾つかの共通の価値の上に立てられた国際秩序があって初めてこれに取り組み始めることができると。決して今実現されているとは申しませんけれども、そういう国際秩序の存在がなければ、そもそも人権については語ることすらできないんではないだろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/27
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028・石川大我
○石川大我君 ありがとうございました。
続きまして、原参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
新聞記事を基に少しお話をしたいというふうに思っているんですが、今年の二月十七日の毎日新聞が、「経済安保「対策」は天下り?」という新聞記事です。「大手企業に経産幹部OB続々」というような記事が出まして、経済産業省の幹部OBが三菱電機、富士通、デンソー、NEC、パナソニックといった大企業に天下りをしていた実態があったということで、この件、四月六日の衆議院の内閣委員会の方でも質問がされているんですが、その際、小林大臣は、政省令の策定に当たっては、パブリックコメントの実施など、客観性、公平性の担保に配慮しており、癒着につながるような判断が行われることはないと考えるというような答弁をしていたりとか、政省令の策定に当たって客観性、公平性の担保に配慮するのは当然です。政省令の策定に当たって客観性とか公平性の担保に配慮するというふうにおっしゃっているわけですが、もうこれは当然だというふうに思います。
そして一方、実際にこうした事案が発生しておりまして、先ほど御紹介しました五つの大手企業なんですけれども、本法案を担当する担当部署、まあ準備室のようなセクションができていて、経産省のOBがトップを務められているというような実態もあるようなんですね。
それで、大臣、続けて衆議院の委員会では、それぞれの企業でやられていることなので、私の方からコメントすることは控えたいというようなお話も出ているんですけれども、やっぱり、実際にやっぱりこういった状況が生まれていて、それは分かりづらさというところからもあるんだと思うんですけれども、こうした省庁の官僚、省庁の人間や官僚のノウハウとか人脈が求められている状況の中で、原参考人にお伺いしたいんですが、企業としてこういった動きの中でやっぱり経済的な負担だったりとか不安といったものがあると思うんですが、その辺り、どのようにお考えになっているのかというところと、実際にこうした動きがかなり、まあこの五社だけじゃなくて広がっているのかという実態も含めて、もしお分かりになっていることがあればお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/28
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029・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/29
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030・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
OBの天下り云々という問題につきましては、私、直接お答えする立場にないと思うんですけれども、それぞれの企業の判断において採用されているものというふうに考えております。
また、経団連、今挙げられた企業、全て経団連の会員企業でございますけれども、逆に言いますと、そのほかの会員企業もたくさんおりまして、全部で千五百社ぐらいございますので、全てがそういう形で対応されているわけではないということだと思います。それが一点目でございます。
二点目、いろんな不安があるのではないか、あるいは負担が掛かるのではないかという懸念を持っているのではないかということだと思いますけれども、この点、実際にあると思います。したがいまして、経団連の方でいろんなこの関係の説明会、あるいはいろんなシンクタンクのお話とか、外国の方の、外国の動向とか、そういった会合を催しますと非常に参加率が高いという現状がございます。
その不安をいかに解消していくかということでございますけれども、まず一つは、情報を十分共有していく必要があると思います。これはもちろん、経団連が持っている情報ももちろんですが、重要なのは、政府がお持ちの情報をいかに差し支えない範囲で早めに共有していただくかということだと思いますし、先ほどの古賀先生の御質問に対する私の回答にもございましたけれども、レッドライン、何をやってはいけないのかというのを明確にしていただくことが対応の方向を明らかにし、企業の不安、懸念を払拭していくことにもなろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/30
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031・石川大我
○石川大我君 ありがとうございました。
そうしましたら、坂本参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
本法案は、これ一ページ目のレジュメのところで、軍事的な安保政策と一体不可分のものであるというようなお話をいただきました。
私の下にお話をいただく市民の皆さんの中でもこの法案に関して多くの不安を持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけですけれども、国としてこの軍需産業を強化するんだといったような不安をお持ちになっていらっしゃいます。
デュアルユースというお話もありましたけれども、研究した、みんなで集まって研究をする、その研究して出た結果はどうぞ御自由に使ってくださいと、それが民生なのか軍事なのか、それはその人たちが判断することですといったような形で、そういう不安もあるわけですけれども、そういった不安に応える、あるいはこういうふうにすればそこの部分歯止めが掛かるんじゃないかといったような御意見、もしあればお聞かせいただければと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/31
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032・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) 今軍事、軍需産業に利用されるのではないかという御意見でしたけれども、軍需というと余りにも我々は古い固定的な軍需を考えがちですね。だけど、今の、ロシアの「モスクワ」が数発のミサイルで沈没したように、むしろ昔の戦艦だの戦車だの大砲だのというのと軍事は違っているということです。
米国は、二〇一五年に第三次オフセット戦略を開始します。第一次、第二次は社会主義国、原発とかまあそういうものだったんですが、それ以来の第三次ですね。それは、その軍事技術ということがもはやかつての軍産複合体が飛行機造った、戦車造ったと、そういう時代ではなくなっている。例えばレールガン、電磁波を物すごく強くしてそれで攻撃するとか、それから、ミサイルのあれも、艦船から撃ち込むのではなく、もう陸上を、アメリカが今南西諸島に配備しようとしているのも陸上を自走するミサイルですね。遠隔操作で一か所の基地からやっていたら、その基地攻撃されたら終わりですから、自走しながら行くということで、どんな技術がその攻撃兵器に使われるのかもう分からなくなっている。次の新しい技術開発が戦争の勝利者になるということですね。
だからアメリカは中国を物すごく恐れて、中国の技術や5Gやいろんなそういう先端技術を遮断しようとしているのは、次に開発する技術が、それこそ原爆や、それからコンピューターの、軍事技術がコンピューター時代を到来させたように、新しい軍事技術を目指しているわけですね。ですから、開発しようと、日本政府がこれからやろうとしていることもある意味では何もかもが軍事技術とくくられるおそれがあるということです。
はっきり戦車の開発のこれがこうだということが軍事技術と指定されていたらいいわけですけれども、例えば、量子技術にしたって、暗号通信だとか、それから衛星コンステレーションから物すごいあれを、情報を出して、それをキャッチして、それを即時に分析してというような戦争になりますと、はっきり言って何が軍事技術か分からないということですね。
だから、私は、今回の法案の三と四で一番危惧するのは、やっぱりこれは機微技術だ、軍事に関わるということが無制限に拡大されていく、そして、企業が、今までならば技術開発したらそれは企業が商品化してもうけてそして日本を豊かにさせるということにつながっていたんですけど、今度の技術開発というのはどうも訳が分からない。しかも、どこでチェックされて、どこで、はい、これは機微技術ですとされるかこれは分からないと。非常に怖いですね。全部そこに引っかかって、しかも日本企業の成長にもつながらないというおそれがあると私は思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/32
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033・石川大我
○石川大我君 時間が来たようですので、終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/33
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034・高瀬弘美
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
本日は、三名の参考人の先生方、お忙しい中を大変にありがとうございます。経済安保に関する大切な御意見をいただきましたので、今後の法案審議の参考にもさせていただきたいと思っております。
まず最初に、三名の先生方に順番にお伺いをしたいと思うんですけれども、共通した質問なんですが、今回のいわゆる経済安全保障推進法については、コロナ禍での様々な物資供給の停滞が起こった事例ですとか、また現下のウクライナ情勢等もありまして、総論としては、こういう経済安保をやっていくというのが大事だと、必要だということに対して反対される方は少ないのではないかなと考えます。
今回の法案によりまして、それぞれ三名の参考人の方々が最も期待される効果、この法案が成立することによってこういうことが日本にとってプラスになっていくのではないかという部分と、それとともに、もし懸念をお持ちの部分があるのであればその点も併せて御指摘をいただければと思いますので、白石参考人、そして原参考人、そして坂本参考人の順でお答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/34
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035・白石隆
○参考人(白石隆君) プラスにつきましては、恐らく最も重要なことは、法律的に国として先端新興技術というものが鍵だということが認識され、それにどう取り組むかと、その開発にどう取り組むかということが法律的に明示されたということが私は一番重要なことだろうと思います。
懸念というのは、法律の外のことになりますが、例えば第三の技術開発のところで、今のところファンドの話はございますけれども、正直申しまして、日本にそれだけの体力があるかどうかはちょっと正直言って私自身懸念は持っておりますけれども、一桁どころか二桁ぐらい違う投資額になる可能性があると。それだと、幾らいい法律を作っていただいても、実際、現実にやってみたらお金が足りなかったと、あるいは若い人が育たなかったということがある、それを私は一番懸念しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/35
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036・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
まず、期待の方でございますが、私の最初の陳述の冒頭で、経済と安全保障、これは昔と違って完全に一体で考えなければいけないという時代になってきたという認識は経済界も持っているわけでございますが、今回の法律ができることでその認識が一層高まっていって、企業行動においても安全保障という要素をより一層重視しながら経済活動を展開するという方向につながっていくのではないかなというふうに思っております。
それから、懸念でございますが、これは、細かくは冒頭の陳述の方で申し上げた様々な留意点、これになるわけでございますけれども、やはりキーワードは、いろんな面で絞り込みを行うことが重要だと思っておりまして、ただいま白石先生からも御指摘のあった財政的な体力の問題といいましょうか、財政的な資源限られているわけでございますので、どこまで戦略的に絞り込んで対応できるか。それから、規制につきましても、絞り込まないと経済の方の自由を毀損して経済の繁栄の方にマイナスの影響が及ぶということになろうかと思いますので、いずれにしても、いろんな面で戦略的に絞り込むことが重要だと思っていまして、仮にそれができないといろんな弊害が出てくるんではないかなというふうに思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/36
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037・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) コロナになったときマスクが日本中から消えたということで、我々は経済安保と言われると、そんなふうに自国が生産が空っぽになってしまったら、いざとなったらこんな困るんだよということがあって、経済安保という言葉を聞くと普通の人はみんなあのマスクを思い出すと思うんですね。私は、そういう意味で生産の国内回帰ということは大変重要だと思います。
半導体でも、一九九〇年ぐらいのときは世界中の五〇%以上の半導体を日本が作っていた。それは今もう一〇%にも行かないぐらいですね。しかも、日本企業で半導体作るのは十社以上あったわけですけど、もうほとんど今はなくなっているというふうに、物づくりを一定部分、全部つくれというんでないですが、一定部分ですね、その重要物資を国内で生産する、そして国が、何があっても経済を成り立たせ、国民を守るための安保を確保すると、経済安保を確保するというような意味での経済安保なら私は賛成します。
しかし、今回のように、米国のあれによって中国の製品がどうじゃ、中国との競争じゃというような安保政策は賛成はしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/37
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038・高瀬弘美
○高瀬弘美君 先生方、ありがとうございます。それぞれの見解を聞かせていただき、感謝申し上げます。
白石参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
参考人が中央公論に寄稿をされました「米中対立時代、日本の生存戦略」という文章も読ませていただきました。その中で、日本の安全と繁栄の鍵はという部分で、科学技術、特に基礎科学、新興技術分野における競争力維持が大事という記述がございました。とともに、参考人の記述にございましたのが、日本には米中と科学技術の全分野で競争するだけの資源はもうないという形で言い切りがされておられました。
今日のお話の中でも、先端新興科学技術のところで、この分野というのはもう各国でほぼ一致をされていると。ただ、その米中が圧倒的に、圧倒をしていく中で、日本として本当に何を選択してどう集中していくのか、これが鍵になっていくと思います。
今回のこの経済安保の法案にしましても、やはりこの科学技術の部分につきましては、ある意味焼け石に水ではないかというような厳しい御意見もあります。そういう中で、参考人が考えられるこの先端新興科学技術の分野について日本がこれからいかにこの選択と集中をしていくのか、この点についての御示唆をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/38
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039・白石隆
○参考人(白石隆君) これは非常に難しい問題です。
日本は、私、中央公論のエッセーでも書きましたとおり、もう中国、アメリカ、欧州の場合にはEU全体として見た場合のような、その基礎科学あるいは先端新興技術への資源投入はできない。やっぱり、先ほども申しましたけれども、一桁か、場合によっては、分野によってですけれども、二桁小さい投資しかできないと。それじゃ、その中でどうやって選択、選択と集中をしなきゃいけない、で、そこに投資しなきゃ、これもうまさにおっしゃるとおりでございます。
それで問題は、それを、それじゃ、誰か知っている人がいるのかというと、多分そういう神様みたいな人はおりませんので、それで先ほどシンクタンクには二つ違うタイプのシンクタンクが必要ではないでしょうかと申し上げました。
つまり、一つのシンクタンクは、現に今その世界中で登場しつつある基礎科学だとか新興技術を見て、その中で安全保障上の意味合いの大きいものは何かということをアイデンティファイする、こういうシンクタンク。もう一つは、その基礎科学、新興技術あるいは先端新興技術の中で、どの部分は日本がまだ強くて、実際に、研究者のネットワークを実際に見ておりますと、大体三十代くらいで五十代ぐらいに大先生になる人のプールはある程度分かりますので、そういう人をともかく見付けて、専門家に聞いて、どのチームは良さそうか、どのチームは世界的にやっぱりこれから競争力を持ちそうかということを専門に調べるようなシンクタンク。この二つ。
両方ともかつての中央研究所のようなシンクタンクではなくて、むしろネットワーク型の、それこそ日本にあります、で、場合によったら信頼できる国だとか研究機関、外国の研究機関とも連携しながらそういうものを調べる二つのタイプのシンクタンクが要るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/39
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040・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変深い洞察を御示唆いただいたと思います。
今のお話伺いながら、日本のスポーツの分野とかももう本当にこの強い分野の強いところを育てていくというようなことを今やっておりますけれども、それも科学技術の分野でもまさに同じように、その三十代の本当に今後伸びるであろう人たちをしっかり見付けて、そこをチームとして育てていく、そういうところが大事なんだなと今のお話を伺いながら改めて感じました。
経済安保の話の中で、白石参考人に引き続きお伺いいたしますけれども、今日、人材育成のお話も触れていただきました。白石参考人、熊本県立大学の理事長でいらっしゃいますけれども、今回、熊本に台湾の半導体工場が来るということで、私も福岡の選出でございまして、隣の県でございますので、同じ九州として大変うれしく思っているところでございますけれども、地元にこうした経済安保上非常に重要な産業がやってくると。この影響というのが、地元、そして県内にどのような影響を及ぼしていくというふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
つまり、単に工場ができるというだけではなくて、大学の理事長というお立場から私が勝手に推測をさせていただきますと、やっぱりその人材育成とその地元にある産業、特にこの先端技術でございますので、ここをどう結び付けていくかということは、今後の経済安保を考えていく上でも、また地方創生という意味合いからでも大事なことではないかなと思うんですけれども、この点、何かお考えございましたらお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/40
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041・白石隆
○参考人(白石隆君) 三点申し上げたいと思います。
一つ、私は半導体の工場をこれまで何度か見せていただいたことございますけれども、半導体の工場には、いわゆる工員さんというのはほとんどおりません。いるのは皆さんエンジニアです。それで、多くの、少なくとも三分の一ぐらいは修士以上の卒業のエンジニアで、そうじゃない人でも、当然大学あるいは高専を出て、それでその後、工場の中でオン・ザ・ジョブ・トレーニングで相当訓練を受けたエンジニアでございます。
ですから、その意味で、単に研究開発ではなくて、工場の運営にも頭脳労働者、エンジニアがいる、高度の訓練を、教育を受けたエンジニアがいるんだということ、これ第一点でございます。
第二点目は、それじゃ、TSMCが熊本に来るということで、どのくらいのエンジニアが必要かと。今言われておりますのは、千五百人ぐらいが即座に要るだろうと、そのうちTSMCとソニーで大体五百人ぐらいは提供できる、ということは、あと千人はそのほかの企業から集めなきゃいけないと、非常に高給で集めていると。私はこれはいいことだと思っています。少しでも高い給料をもらえる人たちがそうやって出てくるということはプラスだろうと、こう考えておりますが、同時に、これから先のことを考えますと、やはりエンジニアをもっと養成する、そういう意味での人材育成というのはもう待ったなしだろうと考えております。九州にあります全ての高等専門学校が新しく半導体関係のエンジニアの養成に取りかかるということは、これは非常にその意味で歓迎すべきことだと思いますけれども、やはりもっと大学においてもこれをやるべきだろうと考えております。
では、第三番目に、TSMCというのは、これはファブ、ファブですから、実は装置だとか素材というのはほかの企業が持ってまいります。熊本に来ますと、これは日本の例えば装置メーカーだとか素材メーカーにとっては非常にチャンスでございまして、最先端の半導体メーカーがどういうものを必要とするか、それを協力しながら研究し、開発し、提供するという、これが私は日本の半導体産業をもう一度再興することにつながるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/41
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042・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
お話伺いながら、本当に経済安保というのが日本の強みを今度つくっていく意味でももういろんな広がりを見せるんだなと、ちょっと胸が膨らむ思いでございます。
今日は、三名の参考人の先生方、大変にありがとうございました。質問終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/42
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043・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史と申します。
今日は、三名の参考人の皆さん、どうもありがとうございます。
私からも早速質問させていただきたいと思いますけれども、まず、白石参考人と坂本参考人にお伺いをしたいと思います。
この経済安保の審議始まったときに私も担当大臣にもお伺いをしたんですけれども、これまでの世界の経済の流れ、グローバリズムということでグローバル化がどんどん進んできた。それが、ただ、ここ数年といいますか十数年といいますか、グローバルというよりもナショナリズムのような、あるいはブロック経済のような、そうした動きがどちらかというと強まってきているというふうにも感じています。
先ほど白石参考人のお話の中で、中国の考え方で、ウイン・ウインの経済協力はいつでも経済制裁になるというお話もありました。大変刺激的な言葉だなとも思いましたけれども、今後日本がこの自国の経済をしっかりと強固なものにしていく、そうした環境を整えていく上で、将来的にこの経済の方向性はいま一度グローバリズムというものに戻っていくのか、更にブロック経済、もしかするとナショナリズムがもっともっと強くなっていくのか。この点、どういう方向に今後の経済を見ていくべきなのかということと併せて、そこに一体、この経済を、日本の経済をしっかりと守っていく上で、どのような点に気を付けていかなければいけないのか、リスクとして何をしっかりと認識しておかなければいけないのか、この点についてお二人の参考人にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/43
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044・白石隆
○参考人(白石隆君) 非常に重要な問題でございますが、私はグローバリズムの時代というのはもう終わったというふうに考えております。二〇〇八年の国際金融危機から今回のロシアのウクライナ侵略、大体この十三、四年でしょうか、で終わったというふうに考えていいんではないかと。
それじゃ、ブロック化しているかと。私はブロック化じゃないと思います、むしろ二極化していく可能性はあると。ただし、かつて冷戦の時代には自由世界というものがございまして、こういうものがもう一度、少なくともアメリカを中心としてつくろうという動きはこれからもっと強くなっていくと思いますし、それは、日本の安全と繁栄、あるいは日本人の、日本国民の自由と安全と豊かさにとっては非常に重要な選択だろうというふうに考えておりますが。
一方、もう一つの極たらんとしている中国が自らの勢力圏を国外にどこまでつくれるかというのは、私は相当疑問を持っております。
それはなぜかと申しますと、今大体、世界の経済を名目で見ますと、G7が大体四五%、それで新興国、途上国というのがやっぱり四五%ぐらいで、残りがそれ以外の先進国で、ですから、先進国全部合わせますと大体五五%ぐらいです。これはだんだんだんだん途上国、新興国の方が大きくなりますけれども、それでも、途上国、新興国においてはナショナリズムはもっと強い。ですから、決して中国が言うから中国をリーダーにしてまとまるということにはならないだろうと。むしろ、インドだとか、あるいはトルコだとか、あるいはインドネシアだとか、こういう国はそれぞれできる限り自分の国の自律性を高める方向で動いていくんではないかと。
ですから、その意味で、日本としては、そういう国ときちっとできる限りお付き合いしながら、ということは共通の利益、特に価値が共通のところでできる限り協力しながら、このいわゆる自由世界、こういうものが私はもう一遍戻ってくると思いますけれども、あるいはこういうものができつつあると思っておりますけれども、それを日本としてもサポートし、強化していくというのが基本的な日本の戦略ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/44
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045・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) グローバル化という名目で何が起きたかというと、結局、先進国の巨大資本がどんどん他国に直接投資をしていったということですね。そして、よその国で物をつくったり、生産、販売したり、それから金融投資をしたりすることによって一部の巨大企業は米国中心に物すごく大きくなったわけですね。
しかし、国家単位で見てみますと、グローバル化の結果、一番得したといいますか成長したのはまさに中国ですね。グローバル化がなかったら中国はこんなに急成長しなかったわけです。世界中の投資受け入れてここまで大きくなったと。その今のグローバル化の結果に一番焦って腹を立てているのが米国だと思うんですね。
トランプ政権のときは海外進出ということを国内回帰させる動きをやって、いろんな自動車産業を、例えばメキシコで工場計画していたら、それをストップさせたり米国に国内工場を建てたり、よその国も、よその国の企業にも米国で生産しろと言ったりすることで国内回帰させ始めたわけですね。
つまり、その米国流のグローバル化の修正、国内回帰がもう一つ。そして、今回の経済安保とかのような、ほかの国も、日本なんかも巻き込んで、技術面でも、中国は生産だけじゃなく技術まで進歩させちゃったと。
要するに、もう前から言われていたんですけれども、生産をよその国に移しちゃったら技術も発展しないんだと。日本、やっぱり日本の自動車産業なんかの、かなり長いこと国内でやっていた、それが技術発展につながったわけですけど、生産を流出させると技術も流出してしまうというのは、それは鉄則ですね。
今、アメリカは、グローバル化の米国本位の修正に入ったわけですね。それに日本も追従させようとしているわけですけど、それでいいんだろうかと、日本なりに日本のグローバル化の修正というのが必要じゃないかと。
さっきちょっと言いました、生産をやっぱり国内に、もう大事な本当の部分はちゃんと国内に確保するということですね。海外生産、例えば三割ぐらいは国内に入れて残しなさいと、技術開発の研究所や企業と一体となった研究も国内にやりなさいと。今みんな日本の自動車産業、もう中国で車でも共同開発したりしているわけですよね。だから、やっぱり、そのグローバル化の修正をやっぱり必要だと。
グローバル化は、企業はもうけさせるけど、その国は豊かにしなかったわけです。そのグローバル化の修正は今必要だけれども、それはやっぱりそれぞれの国が自国の利益でちゃんと考えてグローバル化の修正をしなければいけないと。アメリカにまたグローバル化だと言われた、はいはいと言ってみんなどんどんどんどん日本企業は出ていった。今度はグローバル化の修正だと言われて、はいはいと言ってまた同じようなことしてはいけない。
日本なりの発展策、新しい資本主義ですね、それが必ずしも岸田さんの言う内容ではないんですけれども、やっぱり日本は今新しい資本主義を模索しなければいけない、日本なりの。それを、やっぱり英知を、日本人の官僚の方、学者、経営者、英知を結集して新しい資本主義を今つくっていかなきゃいけないと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/45
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046・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
これまでとは違う新たなやはり秩序がきっと生まれてくるというふうに思います。我々もしっかりと皆さんからの御意見また賜りながら考えていきたいというふうに思いますけれども。
その実際に具体的な活動ということで、今回、政府からは四本柱のこの経済安全保障が提出されておりますけれども、我が党、国民民主党としては、総合的な経済安全保障ということでもう少し広義な意味合いで経済安全保障を捉えまして、食料ですとか医療、エネルギーに加えて、さらには人権デューデリジェンスの部分であったり、セキュリティークリアランスの部分であったり、こうしたことも含めた総合的な経済安全保障という、こうした法案を独自にも提出をさせていただいております。
その観点で、この人権デューデリジェンスの現状ですね、これのリスクの大きさについてどのように今捉えられているのか、この点について、白石参考人と原参考人のお二方にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/46
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047・白石隆
○参考人(白石隆君) これも非常に重要な問題でございまして、私は、これについては国としてやはり何らかの方針を作った方が、政策をというか、法律を作った方がいいのではないだろうかというのが私の考えでございます。
これは、具体的になかなかどの国の例を挙げるというわけにも、なかなか難しいところありますけれども、世界を見ますと、明らかにこれはひどいというふうな人権侵害の事例というのはございます。
そういうところで仮に日本の例えば企業が活動している、サプライチェーンの一部に組み込まれていれば、それは企業のレピュテーションリスクにも非常に大きな影響を与えますが、同時に、じゃ、そういう人権侵害を理由にその企業がそのサプライチェーンの再編成を試みるとその国からどんな報復を受けるかもしれない。
それを考えますと、いや、やはり日本政府がもうこういうふうに決めているので私どもはできませんと、あるいは、研究者が、いや、日本政府がこう決めているので我々はできませんというふうにした方が、はるかに日本の企業だとか研究者の自由度を保障できるのではないかというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/47
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048・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
私どもも、今人権そのものについての政府の対応について白石先生からございましたが、その点についてはほぼ同意見でございますが、先ほど私が陳述で使いました経団連の二月九日の提言、今回は法案の外でございますので御説明申し上げませんでしたが、その九ページ御覧いただきますと、関連して、並行して検討・推進すべき施策としまして人権問題への対応、これを掲げているところでございます。
そこをお読みいただきますと、今、先生からございましたように、いろんな報復措置を受ける懸念、あるいはサプライチェーンにそうした企業が、人権侵害をやっている、あるいは強制労働に加担している、そういった企業が含まれていないことを証明できなかったことをもって輸入制限の対象となるといったような枠組みが既に諸外国で用意されつつありますので、これは一企業だけで対応することは既に困難になっているというふうに思っておりまして、もちろん企業としてデューデリをきちっとやっていく、これは経団連も推奨しておりまして、ガイドブックなどを作って今呼びかけをしているところでございますが、それだけでは問題の解決につながらないというふうに思っておりまして、そういった報復措置あるいは輸入制限、こういったものが行われつつある国際情勢の下で、政府としてどのように対応していただけるのか、そういった、法律を作るかどうかは別といたしまして、方針を明示していただく必要があるのではないかなと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/48
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049・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
それと、あともう一つ、これ、先ほど白石参考人の御説明の中で出てきたもので、基礎研究から技術開発まで瞬時に進展をしていくというお話がありました。これは、様々な技術開発の進歩ということも言えるのかもしれませんが、その一方で、日本のこの点に関しては、いまだに死の谷というような言葉もあって、社会実装していくまでにはなかなか高いハードルがそこにはあって乗り越えられないということがもうずっと言われ続けているんですが、いまだにこの言葉が消えません。
この死の谷を克服しないと、今ここで先生が言われた瞬時に進展をしていく世界に対して追随できなくなるのではないかという危機感も持つわけですけれども、先生から見て、この死の谷を乗り越えていく、谷をなくすためにはどのような点を改善していけばいいとお考えでしょうか。御意見いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/49
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050・白石隆
○参考人(白石隆君) 正直申しまして、答えが分かればずっと楽ではないかと思いますが。
日本の場合、例えば、どうしてもアメリカだとか中国を見てしまいますけれども、補助金だけではなくて、やはり投資、それも非常にリスクが高いところでの投資というのが非常に重要ではないかというふうに思います。
昔、創薬について千三つという言葉がありましたけれども、やっぱりそのくらいのリスクを取るようなファンドを、私は国でつくるべきだとは申しませんが、国もリスクを取りながらそういうファンドをつくるというのはあり得るんではないだろうかとずっと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/50
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051・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/51
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052・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
今日はお忙しい中、御出席をいただき、そして大変貴重でかつ有益なお話を頂戴しましたこと、私からも感謝を申し上げたいと思います。
まず最初に、お三方に法案そのものについて御感想というか、御認識をお聞きをしたいと思っているのですけれども、私どもも、今、日本を取り巻く環境が、国際環境が大きく変わった中で、この経済安全保障法制、これ第一歩にすぎませんが進んでいくことは評価をしているところですが、今このまさに法案を審議をしていて、今回提出された法案の一つの問題点はこの経済安全保障とは結局何かという定義がこの法案には明確ではないということだと思っております。
ある意味、日本にとっては新しい概念とも言えるかもしれませんが、これが、じゃ、従来の安全保障とどのように融合させていくのか、この精緻な議論がなかなか行うのは困難な、今衆議院、参議院でやってきておりますが、非常に困難を感じております。あと、やっぱり具体的な範囲なりというものを示さなければ、規制や保護する物資や技術や産業等の範囲が不明確になってしまいます。本法案で示す四つの施策がどこまでこれ包含しているのか、今後何を拡充していくのか、どの範囲まで広げて対応すべきかというのが、これなかなか議論ができないというのが現状かなと思っております。
また、先ほどからもありますけれども、この経済安全保障には国民の自由な経済活動を規制する側面もあることを踏まえれば、その範囲をやっぱり国民にあらかじめ明確に示しておかなければ経済活動は萎縮をしますでしょうし、ひいては我が国の経済成長に悪影響を及ぼしかねないと思っているわけで、これから年末にかけていわゆる防衛三文書の改定などもありますが、その中にやはり議論を通じてこの経済安全保障の定義を明らかにしていくということが必要だと私自身は考えていますが、いずれにしても、この法案に今申し上げたように経済安全保障とは何かという定義がないことの問題点、これをどういうふうに認識をされているか、お三方にお聞きをまずしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/52
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053・白石隆
○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。
私は、この経済安全保障推進法案というのは大いに歓迎しております。
二つ目に、定義の問題ですが、これは、先ほど私申し上げましたとおり、学術的にもまだ確立した定義はございません。ですから、そういう中で法律的にこれを定義するのはそもそも難しいだろうと思いますが、同時に、私は、政策としては、また、法律はポリシーのツールでございますけれども、その政策としては目的がはっきりしていればそれでいいんではないだろうかというふうに考えております。
三つ目に、私は、これも先ほど申し上げたことでございますが、この経済安全保障法というのが仮に国会で認められまして、承認されまして法律になりますと、この日本の経済安全保障、さらには安全保障全体にとって新しい政策的なツールが一つ増えるということだと理解しております。ということは、別の言い方をしますと、仮にこれから先まだ足らないということになったときにはまた作っていただければいいということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/53
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054・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
経団連として、この経済安全保障についての定義、いかにあるべきかという議論をした経緯はございません。
もう既に先生方からの御質問にもありますように、企業はいろんなリスクに既にさらされておりまして、日々それへの対応に悩んでいるわけでございますので、いかにそれに対して答えを出していただくか、あるいは政府としての方針を出していただくか、これが重要だというふうに思っておりますので、それが第一点でございます。
それから第二点は、先ほどの御質問に対する私の答弁の方で若干触れましたけれども、定義はもちろん皆さんで議論していただいて、皆が納得して、しかもその複雑な国際情勢、それから日々変化する国際情勢に対応可能なそういったうまい定義ができるのであればそれは大いに歓迎いたしますけれども、なかなか難しいことかなというふうに思います。
他方で、先ほど途中で申し上げましたが、やはり一個一個のその事案、経済を取るのか安全保障を取るのか、あるいは、今日も出ましたが、米国を取るのか中国を取るのか、全て四つとも私どもからすると重要でございますので、全て重要な中でどこでバランスを取るのかということになるわけでございますが、このバランスという言葉は便利なようで、皆さん一人一人によってバランスどこに置くかというのは違ってくるわけでございますので、やはり一つ一つの事案において折り合いを付けていく、ここはやり過ぎではないか、ここはもう少しやってもいいんではないかとかですね、そういった議論をしていくことの積み重ねが経済安全保障につながっていくのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/54
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055・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) もっとはっきり、何が、どういうことが必要だから何をどうするべきかということをもっとはっきりさすべきだと思います。
何もかもそんたく、日本流のそんたく、そんたくで、審査する省庁の顔色をうかがったり、これでよかったのかなとか、世界のいろんなあれを、情報をかき集めて企業が苦労するのではなく、もし政府が何かしたいなら、これはこうする、こういう目的があるからこうするんだ、これとこれとこれは駄目だ、これとこれはよろしいと、なぜそれは、その理由は何かということをちゃんと全部出して、そしてきちんと国民的に審議して、その結果、みんな納得して、見える形でやるべき法律だと、非常に大事な法律だと。これがいい、これがいいということではなく、こういう問題をきちっと審議するべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/55
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056・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。
次に、白石参考人、原参考人にお尋ねをしたいと思いますが、今日のお話の中にも、この経済安全保障における、知る、守る、育てるということがございました。
また、原参考人から提出いただいたこの資料の中にも経済インテリジェンスの機能の強化というのがございますが、やはりかつての半導体政策の失敗を見ていても、我が国のインテリジェンスというのは他国の比較の対象にならないほどこれ非常に脆弱だと、抜本的にこの機会に見直していくべきだと考えるわけですけれども。
確かに、百三十人、今度はこの関係の職員を増員するといったことなども措置はとられていますけれども、ただ人を増やすというだけではやっぱり意味がないのではないかと思っていまして、やはりその専門性をきちんと高めていくということも大事でしょうし、そういう人材を育成していく。
また、国として、いろいろとこれを機に、警察にも経済安全室だとか、外務省でも防衛省等々ほかのところでもそれぞれに力を入れられるのはいいんですが、この何といいますか、政府横断的な形でこの経済インテリジェンスを高めていくやっぱり体制を構築していくと、人材育成も含めてですね、そういったことが求められるんではないかと思いますけれども、お二人に、白石参考人、原参考人にその点についての御認識をお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/56
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057・白石隆
○参考人(白石隆君) 非常に重要な問題だろうと思います。
私はかつて、アメリカにございますDARPAのプロジェクトマネジャーというのがどういうキャリアを積んでいくかということを調べたことございますけれども、大学と企業と国の機関、これDARPAだけじゃなくてほかの機関ですけど、非常にうまく回っております。その中で地位も上がり、恐らくその収入も上がっていく。つまり、アメリカの社会に非常になじんだキャリア形成が、キャリアパスがちゃんとできている。
じゃ、日本の場合にどうかという、そこが今非常に我々は社会としても国としても苦しんでいるところなのではないだろうかと思います。
今まで、私は、例えば研究者というキャリア考えますと、もうほとんどの日本の若い人はまだ研究者というと大学の先生を考えますが、私は、研究者というのは、大学の先生もあれば、もちろん企業の研究者もございますし、それから先ほど先生が言われたようなインテリジェンスアナリストのような人もございます。
そういういろんなキャリアがあるんだと。そういうキャリアというのは、それに、その仕事に見合ったきちっと所得が与えられるんだと、生活の心配ないんだということをやはり日本なりのキャリアとしてつくらないとなかなか難しいところはある。それが今我々の直面しているチャレンジの一つじゃないか、課題の一つじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/57
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058・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
先生から御指摘のありましたように、私どもの提言でもこの点に触れているわけでございます。経済安全保障に係るこの情報を収集することはもちろん、それを分析し、政府部内で共有すること、その上で政府一体となって課題に対処していく、これが重要かというふうに思っております。
今次法案に関して、即して申し上げても、最初のサプライチェーンの問題につきましても、何がチョークポイントなのかということにつきましては、もちろん調査で、企業に対する調査で分かる点も多いかと思いますけれども、それに加えて、政府が集めてきた情報を分析して何が一番供給途絶するリスクが高いのかというまさに絞り込みを行うときにこの機能が非常に重要だと思っております。
また、基幹インフラにつきましても、先ほど場合によっては将来水際で止めることもあってもいいんではないかと申し上げましたが、それにつきましても、まさに、誰が信頼できるのか、何が信頼できる設備なのかと。まあ逆に言えば、何が信頼できない国であって、何が信頼できない設備なのかと、そういうものを区別するに当たっても、そうした機能が重要になってこようと思います。そういうものがありませんと、あれも心配だ、これも心配だ、全部規制の網に掛ける、あるいは全部情報を出せということになりがちなものですから、これは企業にとっても非常に重要な機能だろうと思っております。
加えまして、有志国との間で様々な情報共有とか、その情報を活用していくということが行われていると思うんですけれども、それを一段と強化していただくこと、さらには、先ほど来何遍か申し上げておりますが、経済界、企業に対しても可能な範囲でタイムリーにそうした情報を、まあ加工を施した上でということかもしれませんけれども、共有をしていただくことが非常に大事かなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/58
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059・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。
次に、白石参考人にお尋ねをしたいと思いますけれども、白石参考人は熊本県立大学の理事長でもあり、先ほどもお話出ていましたが、熊本にはまたこれ今半導体の工場が誘致をされようとしていますけれども、いわゆるこの経済安全保障に関わるいろいろなインフラ等が地方自治体に実際はあるわけですね。基幹インフラである上下水道や港湾、医療、鉄道など多く保有をしているわけです。また、大企業の研究所やその半導体の工場などもそうかもしれません。重要な先端技術を有しているものもあるし、大企業を支える非常に技術を持った中小企業もあるし、地域によっては外国企業の誘致にも熱心なところもあるということです。
そういう意味では、その地方自治体というのは極めて経済安全保障上重要なわけですけれども、したがって、国においても、この法案が成立後ということになるんでしょうが、やっぱり地方自治体との連絡調整あるいは支援というものを真剣に考えることが必要になってくると思います。
今も国と地方の協議の場もありますし、またこれに特化したそういう国と地方の協議の場というのも必要なのかもしれませんが、いずれにしても、地方の現場には実際そういう重要なところがあるわけですから、国と地方の連携の仕方、在り方、この点についてはどういうふうにお考えになっているか、お聞かせをいただければと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/59
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060・白石隆
○参考人(白石隆君) ありがとうございます。
恐らく、今いろんな実験が、実は県、あるいは場合によっては基礎自治体と大学、企業の間で行われているんではないだろうかというふうに見ております。熊本県の場合には、私は、熊本県立大学というのは、県あるいは基礎自治体のシンクタンク機能も果たすべきだし、ある程度は果たし始めたというふうに思っております。
それから、当然のことですけれども、やはり広いしっかりした土台をつくる教育というのはあらゆるものの基礎でございますので、やはりその意味では、地方、地方というか県あるいは基礎自治体の人たちの、職員さんやなんかの能力向上ということも、そういう大学の、言わば大学がもっと広くしっかりした教育をすることでこの能力向上の基礎も広がっていくと。だから、その意味で私は実は熊本県立大学の理事長を引き受けて非常に勉強になったと思いますので、ともかく、大学はまだやれることはいろいろあるというのがもう一つの点でございます。
それからもう一つ、最後に、特に県の人たち、あるいはもっと下ですね、基礎自治体、市の人、幹部と話しておりますと、この人たちは政府、中央政府が何を、どういう政策をやろうとしているかということはよく知っております。ただ、それに従ってできるかどうかということになりますと、ここのところはやっぱり随分その基礎自治体あるいは県によって違いはあるなというのが私の正直な感想でございまして、ここのところをつないでいく、特に成功例をうまく政府の方で見ながら、うまくいっていないところもそういう形で改善していく、そういうことというのはまだいろいろできることはあるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/60
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061・柴田巧
○柴田巧君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/61
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062・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
本日は本当にありがとうございました。
今回の法案は、アメリカの経済安全保障戦略と軌を一にして、明らかに中国を念頭に置いているものなんですね。それはもう、法案審議のときの与野党の質問の中にもう既にそのことは表れています。
ただ、法案はもとより、政府答弁でもこういう具体のことが答弁がされていないんですね。そのために、何がリスクで、何から何を守ることが求められているのかということが非常に漠然としたままの審議にならざるを得ない状況に今なっています。
今日も参考人の皆さんからの御意見を聞いて、資料も見て、この法案の狙いとか、なるほどこうなっているのかということが分かるって、本来、私は政府が、中国の問題にしたって、今、科学技術の発展がこういう状況で、何が危惧されているのかということは答弁があってしかるべきではないかというふうにも思うわけです。
法案自体が政省令に委ねている部分が多いということも原因なんですけれども、これですと、企業活動ややはり自由な研究活動に対しての支障とか萎縮ということが、やはりとても心配されるわけです。
それで、お聞きしたいのは、白石参考人と坂本参考人にお聞きしたいんですけれども、なぜその予見可能性を高めるためにも規制に関する問題意識とか狙いとかが明確に語られないのかと、政府の側から。なぜこういう曖昧な漠としたものとしての法案となり、漠とした答弁となっているのか、そのことについてどうお考えなのか、それぞれにお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/62
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063・白石隆
○参考人(白石隆君) まず、先生の質問にお答えする前に、米国と軌を一にしているということがございました。私は、それはそのとおりだろうと思います。それはなぜかと申しますと、日本国家の安全と日本国民の自由、安全、豊かさを守るためには、これが外交安全保障、経済政策として最善だと。一〇〇%オーケーだとは言いませんけれども、ほかの選択肢に、あるいは戦略に比べるとはるかにいいというふうに私は考えております。
実際、戦後の、第二次大戦以降の秩序という、いわゆる自由世界というのは太平洋と大西洋の二つの大きな同盟に支えられておりまして、中国とロシアはそれを壊そうとしていると。ですから、それに対抗するというのは我が国にとって当然なことではないでしょうかというのは、これは私の基本的な考え方でございます。
じゃ、その上で予見可能性をどのくらい上げようかと。これ、私先ほど申しましたように、現在、今、日本も世界中も力を入れておりますのは先端新興技術でございます。これは、どう、最終的にどう使われるのか、誰が使うのか分かりません。分からないところで予見可能性を高めるからはっきりさせよというのは、これは無理な話じゃないかというのが私の基本的な考え方でございます。
もちろん、その中でだんだんといろんな、この法律を実際に施行していく中でいろんな問題が出てくれば、それはそのときにまた変えればいいんであって、私自身は歩きながら考えたんでいいんではないだろうかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/63
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064・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) なぜこの法案が漠然として曖昧で分かりにくいのかという問題ですけれども、余りリアルに出し過ぎると、経済界ややっぱりいろんな国民生活、国民の中から疑問が出てくるし、それに賛成、もろ手挙げて賛成しようという人は意外に少ないんではないかと思います。
メディアは中国のいろんなことを言って、中国の民主主義や中国の物づくりやいろんなことを厳しい批判で見るし、これからこんなことを軍事的にするんだろうと言っていますが、意外に、国民、広い感情の中に、中国のことなら何でも駄目だ、中国は怖い国だ、中国は技術を盗む国だということはそれほど浸透していないし、ましてや、経済人で中国と実際にビジネスをしている方たちに、だからこの企業、中国のこの企業と取引しちゃいけないよとか、この企業と共同技術開発しちゃいけないよという命令をされると、余計、非常に違和感があるのではないかと思います。つまり、国民の実態とか企業の実態と今のところ合ってない。
アメリカは、同じようにそんなことでも、意外に政府の権力が強いので命令できるわけですね、使うなというふうにね。それは日本ではできないんですよね。ここの企業の製品使うなとか、インフラの導入する際にはどんなにそっちが安くたって使うなと。じゃ、理由は何ですか、機密情報が盗まれるからだということになるわけですよね。
それは、私はレノボのパソコン使っていますけれども、それじゃ、そういう製品全部排除するのかということになると、それは国民感情として、企業感情として受け入れられない。だから、何か最初は曖昧に曖昧に曖昧にして、ずうっとずるずるずるといっていつの間にか手を縛られているというふうな方向に持っていきたいんじゃないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/64
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065・田村智子
○田村智子君 ありがとうございます。
確かに、説明の中にもありましたけど、アメリカは、リストも作って、この企業、この製品というのは排除というのを政府調達などでもやっていると。それで、日本も既に政府調達ということについては、国家安全保障局が情報を上げてもらってチェックをして、これについては懸念があるという情報を伝えているんだということは衆議院でも議論がされています。そして、その件数は急増しているということも衆議院の審議の中で明らかになっているんですね。
先日、それで、どういうふうに伝えているのかということを国家安全保障局、内閣府に来てもらって説明を受けたんですけれども、懸念があるということしか伝えていないと。その懸念の中身が何かということについて省庁に詳しく伝えるというようなこともしているのかどうか、よく分からない状況だったんですね。
そこで、原参考人にお聞きしたいんですけれども、デッドラインを示してほしいとか政府が持つ情報の提供ということを求められました。当然だと思います。そうでなければ不安や懸念があるんだということも先ほどお答えになっておりまして、私たちやっぱりその不安や懸念というのが具体にどういうものであるかということをしっかり踏まえて審議をしていかなければならないと思うんですね。余り個別具体の事例というのはお答えはやりにくいかもしれませんけれども、どのような不安や懸念があるのかということについて御説明いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/65
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066・原一郎
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
具体例を挙げるのはなかなか難しいと思いますけれども、一つはやはり、経済と安全保障が今までは別だと考えられていたのが、経済界におきましても非常に全然別物と考えられなくなってきたというところの一つの要因は、やはり技術の進歩だと思うんですね。
とりわけ、白石先生のお話にもございましたけれども、スピンオフの時代からスピンオンの時代に入ってきておりまして、民生用として民間が開発した技術が軍事用にも転用され得るという世界になってまいりますと、企業が意図せざる形で、それがまさにエンドユースで軍事に使われる可能性が高まってきているわけで、じゃ、何を、どういう技術がそれに当たるのかというところは、デュアルユースの技術は全てだと言われてしまうと、これはもう商売、ビジネス成り立たないわけでございまして、まさに安全保障上重要な技術、まさに機微技術ですね、これが何なのかということを示していただくことは非常に重要だということは、先ほど私がレッドラインと言ったことの一つでございます。
この点は、私の理解でいけば、アメリカも非常に苦労しているというふうに考えております。今、新興技術ですとかファウンデーショナル技術、基盤技術といったものを輸出管理の対象にするんだということになっておりますけれども、リストとしてこれがそうでございますというものはいまだに明確な形では出てきておらずに、各国と調整したものが徐々にそういったリストに入ってきているということから見ても、日本でも難しいことだと思いますけれども、アメリカでもそう簡単なことではないなというふうに認識しております。
したがって、個別の事例で個々にできるだけレッドラインをはっきりさせていただくことが企業の不安感、対応の方向性などを決めるに当たって非常に有益だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/66
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067・田村智子
○田村智子君 だからこその政府が持つ情報の提供ということを求められたんだというふうに思うんですけどね。私、それは大企業等はちょっと機微な情報に接近するようなところまでの情報提供のやり取りってあり得るかもしれないんですけれども、中小企業が非常にこれは心配だなというふうに思うところなんですね。
次の質問なんですけど、これは坂本参考人になんですけれども、非常に詳細にアメリカがどういう戦略を持ってきたのかということとの兼ね合いで具体にお話をいただいて、とても理解を進めるのに重要だったというふうに思います。
そうすると、やはりその米国の経済安全保障戦略と軌を一にしていくというふうになって、かつ、今度の法案というのはその途中経過の四項目と。そうすると、今後、更にどのような政策が取られるようになるのかということも議論が必要になってくると思うんです。
アメリカの動向が重要というふうになりますと、アメリカが重視している政策でまだ日本で具体化が進んでいないというようなものが、どのようなものがあるのかということについて御説明をいただきたいと思います。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/67
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068・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手の上、答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/68
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069・坂本雅子
○参考人(坂本雅子君) やっぱり輸出ですね。アメリカの場合は、中国のこの企業、この個人に、これ、こういうもの輸出しちゃいけない、もう、という輸出禁止が非常に広がって、エンティティーリストにも一年間で二百何十ぐらい増えたとかいうことですけれども、それは、日本で多分それは導入できないんじゃないかなという気がしますし、そんなこと、私にはまだその辺は分かりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/69
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070・田村智子
○田村智子君 じゃ、同じ質問、白石参考人、いかがでしょうか。アメリカがやっていて、日本でも今後必要となってくるであろうと思われるものはありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/70
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071・白石隆
○参考人(白石隆君) 私は、確かに、アメリカ政府の経済安全保障政策と日本の経済安全保障政策、ついでに言いますと、欧州の経済安全保障政策というのはほぼ軌を一にしているというふうに見ておりますが、それはあくまで日本の場合には日本政府が決めることでございまして、別にアメリカ政府が決めたから日本政府は追随しているというふうには考えておりません。実際にアメリカ政府がやっていて日本政府がやっていないことは幾らでもございます。
その辺りは、これから先のやはり国際情勢を見ながら日本政府として決めていくべきことであって、今直ちに、こういうことはやるべき、日本政府としては政策のアジェンダに出てくるだろうというのはなかなか、特に科学技術それから産業政策の分野では難しいというのが私の正直なところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/71
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072・田村智子
○田村智子君 時間が参りましたので、ここで終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/72
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073・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)
速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/73
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074・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 速記を起こしてください。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/74
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075・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案について、経済産業委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/75
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076・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/76
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077・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/77
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078・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/78
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079・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01220220421/79
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