1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月二十四日(火曜日)
午前十時三分開会
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委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
打越さく良君 杉尾 秀哉君
五月二十三日
辞任 補欠選任
磯崎 仁彦君 自見はなこ君
塩村あやか君 宮沢 由佳君
杉尾 秀哉君 宮口 治子君
五月二十四日
辞任 補欠選任
自見はなこ君 宮本 周司君
宮沢 由佳君 塩村あやか君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
古賀友一郎君
自見はなこ君
高野光二郎君
宮本 周司君
山田 太郎君
山谷えり子君
石川 大我君
塩村あやか君
宮口 治子君
宮沢 由佳君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
市田 忠義君
田村 智子君
衆議院議員
発議者 加藤 勝信君
発議者 木原 稔君
発議者 鈴木 隼人君
発議者 塩崎 彰久君
発議者 勝目 康君
発議者 中野 洋昌君
国務大臣
国務大臣 野田 聖子君
副大臣
法務副大臣 津島 淳君
文部科学副大臣 池田 佳隆君
厚生労働副大臣 古賀 篤君
大臣政務官
デジタル大臣政
務官 山田 太郎君
内閣府大臣政務
官 宮路 拓馬君
内閣府大臣政務
官 宗清 皇一君
厚生労働大臣政
務官 深澤 陽一君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室長 谷内 繁君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 相川 哲也君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 蝦名 喜之君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 長田 浩志君
内閣府大臣官房
審議官 五味 裕一君
内閣府政策統括
官 笹川 武君
内閣府子ども・
子育て本部統括
官 藤原 朋子君
総務省大臣官房
審議官 平池 栄一君
外務省大臣官房
参事官 北村 俊博君
文部科学省大臣
官房審議官 出倉 功一君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
文部科学省大臣
官房審議官 里見 朋香君
厚生労働省大臣
官房政策立案総
括審議官 田中佐智子君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省大臣
官房審議官 宮崎 敦文君
厚生労働省大臣
官房審議官 山本 史君
厚生労働省大臣
官房審議官 川又 竹男君
厚生労働省大臣
官房審議官 本多 則惠君
厚生労働省大臣
官房審議官 堀内 斉君
厚生労働省大臣
官房審議官 榎本健太郎君
厚生労働省大臣
官房審議官 横幕 章人君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○こども家庭庁設置法案(内閣提出、衆議院送付
)
○こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整
備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○こども基本法案(衆議院提出)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、打越さく良君、塩村あやか君及び磯崎仁彦君が委員を辞任され、その補欠として宮口治子君、宮沢由佳君及び自見はなこ君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/1
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002・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
こども家庭庁設置法案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室長谷内繁君外二十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/2
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003・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/3
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004・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) こども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/4
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005・自見はなこ
○自見はなこ君 おはようございます。自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。
本日、質問させていただく機会をいただきまして、関係各位の皆様に心から感謝申し上げます。また、八十分という長い質疑時間となっておりますので、最後までお付き合いくださいますようによろしくお願いいたします。
さて、本日から、参議院本会議での質疑を経て、こども家庭庁設置法案及びこども基本法等が内閣委員会で審議に入ることとなりました。この間でありますけれども、多くの関係者の皆様で本法案を岸田政権の重要法案として位置付けていただき、また与野党を超えた議論を運んでいただいたということにも心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
さて、いわゆるこのこども家庭庁の話ですが、非常に長い歴史があるとも思ってございます。多くの、与野党にかかわらず、国会議員のみならずですね、国民の皆様が、子供関連予算を増やしてほしい、子供施策を充実してほしい、子供は国の宝だ、こういったことをずっと思ってきてくださったからこそ、今日のこういった日があるんだというふうにも思ってございます。
さて、今回のこのこども家庭庁の話自体の発端は、昨年のちょうど二月の二日になりますけれども、自民党の若手有志の勉強会から始まっております。今日、政務官として御参加いただいておりますけれども、参議院議員の山田太郎先生と私、自見はなことで、共同事務局として、チルドレンファーストの子どもの行政あり方勉強会というものを開始いたしました。共同事務局には、木原誠二先生と、そして牧原秀樹先生に座っていただいたということであります。たまたま太郎とはなこでございますので、太郎とはなこの勉強会というふうに通称呼んでおりましたが、この勉強会は、あえて若手だけで始めておりましたが、最終的には九十名を超える、自民党の期数を問わない先生方に多く参画いただいた勉強会として今でも成長し、また三十回以上を超える勉強会の回数を今でも重ねております。
元々、御案内のとおり、私、小児科の勤務医でありましたけれども、ちょうど六年前に初当選させていただいたときに、当時の日本医師会長からの宿題は、横倉義武先生からの宿題は、小児保健法という三十年以上にわたって、小児科の先生方、産婦人科の先生方が、あるいは助産師の方々が、子供に対しての議員立法を作ってほしい、子供は医療だけでは幸せにならないので、医療、療育、教育、福祉というものを一元的に結ぶ、そういう理念法を作ってほしいという御要望を頂戴しておりました。それを、ちょうど目黒区の結愛ちゃんの虐待死の事案というものがあって、それこそ与野党を超えて、対立法案はあるけれども、子供たちのために議会として何かしっかりとした示しをしようという機運が高まったということがありまして、二〇一八年に超党派の議論を深めた結果、これは成育基本法というものが制定をいたしました。
その一年後でありますけれども、今度はそれを行うための具体的なプラットフォームが非常に重要だということで、産後ケア法案というものを二〇一八年の一年後の二〇一九年に成立をさせることになります。これも超党派の成育基本法の推進議員連盟中心になって行いましたけれども、実はその法案説明のときに山田太郎先生に大変な御尽力を賜りまして、その際、今まで山田先生が児童養護に熱心に取り組んできたということを知りまして、一緒に活動するようになりました。
この産後ケア法案も非常に重要な法案でありまして、日齢ゼロで日本では虐待死の死亡事案が一番多いとされております。どうしてかというと、やはりそのお母さんたちは、ほとんどの場合、若年妊娠であったり非常に家庭に困難を抱えていたり、通常であればかかるはずの妊婦健診にかかれなかったり、いろんな福祉のサービスなどにもつながれなかった結果、自分で産んだ赤ちゃんをその場でどうしていいのかも分からなくなって殺してしまうということでありまして、加害者の九割がお母さんです。
また、日本では産後のうつが非常に多い国として知られています。日本の妊婦さんの亡くなる原因というのは、一位が自殺であります。これは諸外国の、特にアジアの中でも実は突出して高い数字になっておりまして、この妊娠期のうつ、産後うつを何とか減らすということ、また子育ての負担感も減らすということがこの産後ケア法案の通した意義、また産後ケア施設が通った意義だというふうに、今千七百四十の自治体に対して設置の努力義務が課されておりますので、こういった領域、大きく皆様とともに前進をさせることができたのではないかなというふうに思っております。
そして、このいわゆるチルドレンファーストの子どもの行政のあり方勉強会、太郎とはなこの勉強会でありますが、これは工夫をさせていただいておりました。私と、そして山田先生とで始める前に、自民党の関係の先生方八十人の方々に事前に思いを伺いました。中には、新しい省庁つくるなんて百年掛かっても無理だよと言われる先生もおられたんですが、その会話の直後に、いや、でも実は僕もつくりたいんだよねという思いというか夢を語り始めていただきまして、いろんな現実的な今までの過去の経緯からなかなか難しいんだということは先輩たちから教えていただいたんですが、ただ、皆さんの気持ちがとてもある話だなということも分かることができて、そして、議論を開始する土壌を与えていただいたんだと思っております。
勉強会は自民党の話でありますが、若手が、これは四期生以下、衆議院は、参議院は当時二期生以下ということを中心に呼びかけておりまして、あえて大臣経験者ですとかは中央には据えなかったということであります。そうしますと、最終的にはやはり組織論、政局論に引っ張られるような議論はしたくなかったということがありまして、私たちは、あくまで子供目線の政策をきちんと語りたいという有志の勉強会として今も存続しているわけであります。
また、デジタル民主主義という言葉も大事にしております。ホームページを作っておりまして、全ての資料は実は公表しております。ホームページで公表しています。また、登録していただいた方には事前に御案内を送ってズームで参加することもできますし、また見逃した方にはズーム録画で配信をしています。このデジタル民主主義という言葉自体は山田太郎先生から教えていただきましたが、これを実践をしたということであります。
また、講師陣も第一線の方々、当事者及び、また、私たちのこだわりは、国には、永田町、霞が関には子供の現場がないということでありました。子供の現場はあくまで市区町村という基礎自治体が一番身近なサービスを行っておりますので、市区町村や都道府県などの地方議会の先生との打合せや知事会などとの打合せも重ねてまいりました。こういったプラットフォームづくりというのも同時に行ったわけであります。
また、第一回目の勉強会に来てくださいましたのは明石の泉市長でした。とても熱い思いのある市長でありまして、台風のような本当に大きな渦が巻いたわけでありますけれども、思いをぶつけていただきまして、ここで大きな熱伝導が起こったというふうにも思っております。今、法務副大臣しておられます津島先生もこのとき一議員として参加していただきまして、大変建設的な御議論を多くの皆様としていただいて本当に良かったなと思いました。本気になれば市長でここまでできるんだということも分かりましたが、しかし、同様に、ここまで熱心な市長でも制度の壁に悩んでいるんだなということも分かったわけであります。
また、我々の勉強会は四万八千件のインターネットで意見を集めたということも一つの特徴でありました。それが二十代から九十代の女性が九割という答えたアンケートでありまして、一番皆さんが悩んでいたのは何かといいますと、教育であります。この教育は何が一番悩んでいたかといいますと、二人目、三人目産みたいんだけれども、日本では教育費が高過ぎてこの二人目、三人目を産むことができない。何とか安心して二人目、三人目を産めるようにしてほしいという教育に対する項目が、実は六千件を超える六千六百三十件という一番大きい御意見が賜ったということであります。また同時に、この教育のところは、是非とも公教育の質の向上をしてほしいということでありました。また、先生方を支援してほしいというお声もたくさんいただいたわけであります。
このアンケートが大きく大きく物事を動かしていったんだと思いますが、各政党からの代表質問ありましたが、どの政党も私は同じ指摘をしていたと思います。とにかく子供関連予算が足りないんだと、これを倍増してほしいというのが私たちの要望でありますが、そこについてはおおむね共通であったのではないかと思います。
我々の勉強会で出した要望は、強い権限、専任大臣、予算倍増でありますが、菅政権、菅総理にこれをまず受け止めていただきました。菅総理は若い世代への思いが本当にお熱い先生、政治家で、かつ、縦割り打破というのが政治姿勢でありましたので、この二つがマッチする形で菅総理・総裁が大きく決断をしていただいたんだと思います。昨年の四月の一日に要望を持っていった直後に、自民党の中には「こども・若者」未来輝く創造本部を当時の二階幹事長の下に設置をいたしまして、その中に実現会議、当時は野田聖子座長、今は加藤勝信座長でありますが、を設置していただきまして、具体的な議論を進めてまいりました。
昨年六月に閣議決定された政府の骨太方針の中には、本当に有り難いことに一ページ半にわたって政策が書き込まれ、早急な着手が望ましいということが書き込まれたわけであります。官邸の中には作業部会が昨年の七月七日に設置されたわけであります。
その後にでありますが、自民党の総裁選という大きな政治的な試練がございましたけれども、四人の総裁候補者をお招きして公開討論会を経て、そして結果として岸田文雄先生が総理、野田聖子先生がこども政策担当大臣となられたということで、政権が交代しても引き継がれたということで本当に有り難かったと思っております。
また、その公開討論会のときには、全国知事会の会長である平井知事、それから三日月知事にも御参加をいただいております。新しい平井知事、新会長ですが、の下でモットーがございまして、それは、今の日本の知事会は非常にロビー活動が強くする必要があると、米国の知事会のような強いロビー活動を行う知事会というものを新しく目指そうということで、就任直後に国民運動本部を立ち上げておられます。
それで、私も初め驚きましたが、自民党の総裁選のそれぞれの候補に要望活動を行っておりますし、衆議院の選挙のときにも各政党に要望活動を行っておられます。三日月知事には知事会に対してアンケートを行っていただきまして、そこでは設置に対する反対がゼロだったということも御紹介いただき、また知事会の要望として、少子化対策の要望の一丁目一番地にこども庁設置というものを掲げていただいたということであります。
現在、自民党の中の本部は茂木幹事長、そして実現会議は加藤座長、木原稔事務総長、橋本岳事務局長の下で審議が尽くされておりまして、今回の運びになったということであります。
また、今回でありますが、名称について一言、国会でも発言をさせていただきたいと思っております。
実は、我々の勉強会は初め、チルドレンファーストの行政のあり方勉強会、副題がありまして、子ども家庭庁の設置、創設を目指してということでありました。子ども家庭庁の設置ということで我々進めておりましたけれども、実はこの勉強会の中で当事者を呼ぶというところで、風間さんという女性の方にお話を聞きました。彼女は虐待の経験者御本人であります。今は二人のお子さんを育てながら保護司ということをされていますが、非常に言葉に力のある方、女性でありました。
風間さんのお話からは、本当に普通では考えられないことではありますが、十年前の今日ですね、自分は自殺未遂をして心肺停止になりましたと、その十年後の今日にこういった会に呼ばれることにも大きな意味があると感じていますというところから始まりまして、様々な御苦労を御家庭でされたということが分かるわけでありました。
その中で、自分たち、いわゆる虐待サバイバーは家庭というところから逃げなければ生き残ることができなかったんだということから、仲間が、被虐待児の、虐待児が虐待者となってサバイバーと呼んでおられますが、仲間がいて、できたらこの子ども家庭庁の中から家庭という文言を取り除いてもらえないかという御提案をいただきました。
私たちの自民党の有志の勉強会は、私自身も家庭が非常に重要だ、これ誰も疑う人はいないんだと思います。赤ちゃん生まれまして、一人では歩けませんし、お母さんやあるいは養育者のおっぱいなりミルクを飲んで育ちますから、いきなり独り立ちはできませんので、やはり家庭という単位の中で、まずは幼少期、まあ乳児期から始まって幼少期育っていく、あるいは家庭的養育というところで育っていく、これも誰もが疑わないんでありますが、そのとき自民党の中の一人の先生が手を挙げられまして、何をおっしゃるのかなと思いましたら、当事者が嫌がるのであれば家庭という言葉は外しませんかとおっしゃいました。そのときに、ただ、子どものコも、そのとき我々漢字で話しておりましたが、子どものコも平仮名にしていただければ子供も読めますよね、ですから、子供に読めるようにこども庁にしてはいかがですかというところで実は大きな拍手が起こりました。
私も、子供大臣というのがいたらいいな、保育園で子供大臣遊びがはやると我が国の子供たちは政治に対しての関心も高くなるのかなとかですね、あるいは、家庭がちょっとつらい子でも、自分の家庭はつらいんだけど、国が、子供大臣あるいは読めるこども庁というものがあれば、誰かが自分のことをちゃんと見てくれているんじゃないかという強いメッセージが届きますので、こども庁という言葉は非常に好きになりまして、この言葉を使っておりました。
その後、自民党の中の様々な議論を経て、そして家庭という言葉が入りましたが、先ほど申し上げたとおり、家庭という言葉は非常に重要です。ですから、これが正式名称として審議されているということ、私は一つのこれ喜ばしいことだと当然思いますが、同時に、このこども庁という言葉も愛されていたということも感じたわけであります。これは個人的な希望でありますけれども、仮にこども家庭庁ができたときには、こども家庭庁の略称はこ家庁ではなくこども庁でお願いできたらいいなとは個人的には思っているということだけちょっと申し上げたいと思います。
さて、そういったいろんな思いが、いろんな方々のいろんな思いが受けて本当にここまで来たということでありまして、とにかく感謝、感謝でございますし、何とかこれを形にしっかりとして、また審議をしっかりと深めた上でよりいいものに仕上げていくということがこれからの国会に与えられた大きな宿題であるのかなというふうに思っております。
さて、そういったところでございますけれども、一問目、加藤先生に、提案者、こども基本法の提案者にお伺いしたいと思います。
今、皆様のお手元にもこども基本法案の概要が資料の一としてお示しをされています。その中で、お伺いしたいことでありますが、全体の概要も書いてございます。日本国憲法及び児童の権利条約の精神にのっとって、子供一人一人がひとしく健やかに自立した個人として成長することができて、そして将来にわたって生活、これが幸福なものになる、これが送ることができる社会の実現を目指すということ、また、定義にも、これは非常に重要でありますが、実は、この度、余り例がなかったと思うんですが、子供施策の二のところに出産という言葉も書いてあります。
出産が非常に、実は医療というところに今閉じこもっておりますが、助産師さんたちのケア、これも重要であります。我々の勉強会でも、LMCと言いますが、ニュージーランドのお産の制度を勉強しました。世界で一番お産が幸せだと言われている国であります。かかりつけ助産師制度というものがありまして、妊娠期から生後ある一定まで、たしか五週だったと思いますが、一人の助産師さんがずっと継続でケアをしてくれます。
日本の場合は、周産期医療が、これ厚労省医政局で医療という枠なんですが、このケアになりますと、母子保健課といってそこでケアをするんですが、ここに実は分断があるんですね。また、お産の、周産期医療の安全性という意味から、これケアが実は余り入っていない。助産師さんが本来助産師になるのが、看護課程を終えて更に研さんを積んで助産師になるんですが、いざ助産師さんが病棟で働こうと思いますと、これはなかなかお産とか子供たちだけに特化できないんですね。これは診療報酬に原因があるんですけれども。大体夜中に、混合病棟と言いますけれども、化学療法をしている病棟とかのケモ、化学療法の点滴の換えとかをしながらお産を見たりとか、混合病棟なんです。ですから、助産師さんが本来の役割を専念してできるような、ケアに特化するということも非常に重要であります。
日本の場合は、小児科医でありますが、お母さんたちはお子さんが病気になってそして外来に来るときに、必ずお母さんが謝ることが多いんです。私のせいで風邪を引かせてしまったとか、自分を、とにかくお母さんは自分を責めがちです。
やはり出産の経験というものがポジティブな幸福の経験であるということ、非常に重要です。私が小児科を選んだのは、出産、オペ室で、帝王切開ですね、オペ室で唯一おめでとうございますと言える科なんですね。ほかは皆さん、がんですとか脳出血ですとか心筋梗塞、様々な重症の病気だから基本的にオペ室にいるんですが、いわゆる帝王切開は、赤ちゃん生まれるとおめでとうございますと言えます。また、がらがらがらっと赤ちゃんをクベースというものに入れて運ぶんですけど、みんな、通りがかる患者さんも含めて、ああ、赤ちゃんだ、おめでとうと言ってくれるわけでありまして、こういう喜びにあふれるというのが本来の出産なんですが、どうもお母さんから見ると、ここは継続ケアの欠如というところが問題になりますので、出産体験が、安定した環境の中でケアが充実しているということが、その後の子育ての自己肯定感、お母さんの、つながりますので、ここに出産が入ったということも非常に重要であります。
また、基本的施策、そして義務、白書、大綱、そして基本的施策と、また、ちょっと済みません、義務と、その後に子供施策の推進とありますが、この中で、いろんな質問は衆議院でも出尽くしたのではないかと思いますが、改めてお伺いしたいことがございます。それは、基本的施策の第十一条であります。
ここについてでありますが、ここが、基本的施策の一番目に、左側の緑のところ、書かれておりますが、「国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」というふうに書いてございます。
これについての認識なんですが、これは国及び地方公共団体の義務という認識でよいのかというところを確認させていただけたらと思いますし、また、改めてこども基本法についての意義とそのほかの関係法案との関係を教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/5
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006・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 今、自見先生から、この至るプロセス、特に太郎とはなこの勉強会、また、自見先生また山田太郎先生始め関係者の皆さん方が本当に熱心に御議論いただいたこと、改めて敬意を表したいと思います。残念ながら、私は対象外に置かれておりましたので勉強会には入らせていただけませんでしたが、同じ思いをしておりましたし、当時、官房長官をさせていただき、そうした御提言もいただき、また今こうして御審議をいただくことにつながっているというふうに思っております。
その上で、子供施策、少子化社会対策基本法等、あるいは子ども・若者育成支援推進法、こうした様々な法律に基づいているもの、あるいは予算措置に基づくもの、様々なものが既にあり、これまでも逐次その充実を政府において図ってきたところであります。
ただ、実際それぞれの施策がどういう効果があったのか、またその推進に当たって政府全体として統一が取れていたのか、あるいは、各地方公共団体、さらにはこうした子供に関する様々な活動をされている皆さんと連携が取れていたのか、こういった点についてはいろいろと反省すべき点もあるというふうに認識をしておりますし、また、実際、この間少子化の歯止めが掛かっているわけではありませんし、また、児童虐待、不登校、いじめ、子供の自殺、まさに子供をめぐる様々な問題、コロナ禍、更に深刻化していると、こういう状況であります。
そうしたことをしっかりと踏まえて、やはり子供のことを第一に考えて、子供に関する施策に横串を通し、そして総合的に推進していく必要がある、そういった観点から今回基本法の制定が喫緊の課題であるとして提案をさせていただきました。また、児童の権利に関する条約の批准後、いろんな基本法が国会へ出てきている中で、子供に関する基本法という、こうした求めもあったというふうに認識をしております。
この法案では、少子化社会対策基本法、子ども・若者育成支援推進法など子供に関する政策横断的な言わば法律、また児童福祉法、子ども・子育て支援法など子供の日常生活に関連する個別の法律、こうした様々な法律をも踏まえ、子供政策全体を貫く基本理念、これを定めさせていただきました。
この本法案の立案に当たっては、子供施策全体に当てはまる共通項というものは一体何なんだろうかと、こうした議論、検討の中で、例えば自見先生が成立に大変御尽力された成育基本法の中の重要な観点である子供の一連の成長の過程に対する切れ目のない支援、こういった観点も取り入れさせていただいたところであります。こうした子供に関する基本法の制定により、様々な子供に関する政策がこうした共通理念の下でこれまで以上に一体となって強力に推進されることを期待をしているところであります。
また、本法案十一条の、国及び地方公共団体の義務なのかという御質問がありました。
条文を読まれたように、「必要な措置を講ずるものとする。」と、こう規定をしておりますから、これはおっしゃるとおりでございます。子供の視点に立った政策が具体的に展開されていくためにも子供の意見をしっかりと反映することが必要であり、そのために必要な措置を国や地方公共団体がそれぞれの立場で講じなければならないというふうにしたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/6
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007・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。
本当に、改めて加藤先生には、この間、元々官房長官というお立場で政府の中におられましたが、自民党に戻ってこられましてからは座長というお立場もあってお取りまとめいただきましたこと、改めて感謝、御礼を申し上げたいと思います。
また、このこども基本法でありますけれども、本当に、この義務を課したということ、地方公共団体に対しましても、この子供の意見を聞く、これはすごく大きなことだと思いますので、是非これから実行されるときにそれを、仮にこれが成立いたしますれば、受け止めていただく地方公共団体、また中央官庁も含めて、皆様でどういった方法でこれをしっかりと受け止められるのかということを考えていっていただきたいとも思いますし、また、このこども基本法でありますが、衆議院において議論をしていただきまして、立憲と国民と維新の皆様にも御賛同いただいたということでありまして、本当に有り難いというふうに思います。
加藤先生は、これで御退席お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/7
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008・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 発議者におかれましては、御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/8
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009・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございました。
さて、関連でありますけれども、政府の方にお伺いいたしたいと思います。
この子供の視点に立って政策を進めるというものは、先ほど来から議論に出ておりますように、国だけではなく各自治体においても子供から意見を聞くことが改めてやはり重要だということだと思っておりますが、この国及び自治体における子供からの意見聴取、果たして一体どのように進めるべきなのか、政府のお考えや取組があれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/9
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010・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
国におきましては、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、今後の子供政策の基本理念として、子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるように取り組むことを掲げますとともに、こども家庭庁設置法案の任務規定におきまして、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすることを明記をしたところでございます。
また、子供政策の具体的な実施を担うのは地方公共団体でございますので、国のみならず、地方公共団体において、子供の意見を聴取し、子供政策に反映をしていただくことは極めて重要だというふうに認識をしてございます。
また、先ほど委員からも御紹介がございましたように、当委員会で御審議をされていますこども基本法案におきましても、国、地方公共団体が、子供施策の策定、実施、評価に当たって、子供等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすると規定されていることも承知しているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、国におきましては、こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度におきまして、子供の意見の政策への反映に関する調査研究を行うこととしてございます。
その結果を踏まえまして、子供や若者から意見を聞く仕組みや場づくりについてしっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、また、地方公共団体におきましては、既に先進的な取組を行っているところもあると承知をしておりますので、今申し上げました調査研究を通じて収集した好事例を横展開をすることを始めといたしまして、調査研究の成果をしっかりと地方自治体とも共有し、地方自治体における取組を支援、促進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/10
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011・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。本当にお取組に感謝を申し上げます。
是非、子供本人からアンケートですとかヒアリングですとかいろんな形でお話を聞いてくださる機会も設けていただくと思うんですが、その際に、子供が励まされるといいますか、エンカレッジされることが非常に重要だと思います。
役所あるあるですけれども、いわゆる意見聴取しましたといって、こういうメソッドでこういう人たちの対象者でこの程度、この時間話を聞きました、以上、というアリバイづくりのための子供の意見聴取ではなくて、子供がみんな生き生きと、僕もこの意見言いたい、あの意見言いたい、言ったら聞いてもらったという好循環のコミュニケーションが子供と自治体の中で生まれるような子供の意見聴取の在り方を是非心掛けていただきたいと思いますし、また同時に、本当に小さいお子さんになりますと、物がまだ言えません。言語というものがまだ発達しておりません。ですので、小児科医もそうですし、助産師もそう、あるいは母子保健に関わる保健師の方もそうですし、NPOの方々もおられます。是非、子供の日頃近くで接している人たちから必ず意見を併せて聞いていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、文科省にお尋ねをいたします。
お手持ちの資料の四の一を御覧ください。こちらでありますけれども、チルドレンファーストの子どもの行政のあり方勉強会で、我々がお願いをして伊達市にお話を聞いたものの資料が一枚、二枚というふうにあります。取組の経過というものと組織体制であります。
先進的な自治体はいろんな取組をしておりまして、既にいわゆる教育部局と福祉部局の融合というものが始まっているということが分かる取組の経過です。元々、伊達市は、まち・ひと・しごと、そして右側の子ども・子育てということで別建てでありましたが、それを時間掛けて市長のリーダーシップの下で融合させてきた歴史、かつ、令和三年四月からは教育委員会のところにこども部ネウボラ推進課というものがあるということであります。
資料の四の二を御覧ください。
伊達市版ネウボラでありますが、ここに先ほど申し上げた組織図が描いております。教育委員会の部局の中にいわゆる母子保健の相当する部分が移管をされているということでありますが、もちろん市長部局との連携というのはあるというわけであります。これ、一つの例であろうかと思っております。
今回のこども家庭庁の話の非常に大きなテーマは、やはり、どの類型にお子さんが通っていてもいなくても、あるいは、全ての子供に教育と医療と療育と福祉、特にこの教育と福祉を融合した形で質の高いものを両方に提供するということが一つの大きなテーマであると思っています。そういう意味で申し上げればでありますけれども、文科省も大変今まで重要な取組をしていただいております。
ちょっと資料遡って恐縮ですが、資料の三の一と三の二がございます。そして三の三までございますが、これ、文科省が行っている様々な、特に幼稚園、保育園、認定こども園、どの類型に行っているということにかかわらず、幼児教育の質の向上と小学校の教育との円滑な接続を求めるということで各種取組をしていただいています。これ、非常に重要な取組でありまして、まさに今回のこども家庭庁の事業に資する、本当に接続していただけるものだと思っています。
資料の三の一のところに○○県(市)幼児教育センターというものが書いています。これもたしか予算規模は二億円程度だったと思いますし、また、今回のここの資料の三の一にあります幼児教育推進体制を活用した地域の幼児教育の質の向上の強化事業でありますが、これ二・七億円なんですね。私の中では、二百億円の間違いじゃないかといつも言うんですが、これもう少し、やはり私たちの国としても、もう二段階、三段階ギアを上げて、この子供たちの教育の部分、しっかりと後押ししていきたいというふうに考えていますが、そのお気持ちをお伺いいたしたいということと、また同時に、今回の法案審査の中で、幼稚園の教育要領と保育所保育指針の改定を行う際には文科省と共同でということが書いています。改めて、その連携における決意をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/11
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012・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 自見はなこ委員にお答えをさせていただきたいと思います。
幼児期の教育というものは、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものでありまして、そうした幼児期の教育の成果を小学校につなげていく、それは大変重要なことであると考えております。
このため、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設の類型を問わず、地域において幼児教育の質の向上に取り組む体制を整備する、そういった観点から、文部科学省といたしましては、自見委員御指摘の幼児教育推進体制を活用した地域の幼児教育の質向上強化事業、こういったものを実施しておりまして、現在、半数以上の都道府県において幼児教育センターなどを設置していただくなど、取組の展開が見られているところでございます。
加えて、本年度からは、幼保小の接続期の教育の質的向上に向けまして、全ての子供の多様性に配慮した上で、学びや生活の基盤を育む幼保小の架け橋プログラム、こういったものにおきまして、モデル地域における実践と全国的な取組を並行して推進しておりまして、幼児教育推進体制との連携によって、より一層の取組の充実が期待されているところでございます。
また、政府提出法案におきましては、幼稚園と保育所の教育、保育内容の基準の整合性を制度的に担保する、そういったこととしております。具体的な進め方はこども家庭庁とよくよく相談してまいるところでございますが、例えば、三歳から五歳児の幼児教育の内容について更なる整合性を図るといったことや、幼稚園における子育ての支援機能について一層の充実を図ることなど、学びと育ちに係る互いの専門性をしっかりと生かしながら密接に連携してまいりたいと考えているところでございます。
また、施設類型や地域、家庭の環境を問わず、全ての子供に対して格差のない質の高い学びを保障し、小学校教育との円滑な接続につなげられるよう、引き続き、必要となる予算の拡充も視野に入れながら取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/12
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013・自見はなこ
○自見はなこ君 最後にすごく力がこもったのを感じました。拡充という言葉聞こえてまいりましたけれども、池田副大臣におかれましては、実は、副大臣になられる前に、チルドレンファーストの行政のあり方勉強会を山田太郎先生と私がしているということで、いつも御参加いただいておりましたし、また、今回はDBSの議論もありますけれども、教職員の方々に先に議員立法で小児の性犯罪に対しての取組していただいておりますが、これは本当に池田先生と衆議院議員の山田先生が汗をかきながら、特に池田先生が副大臣になられる前ですが、これをやるために俺は政治家になったんやという言葉を忘れることができませんで、そういう強い思いの副大臣がいるということ、本当に心強く思っておりますので、是非政府の中から予算要求を是非是非していただいて、こども家庭庁ができましたら、もう本当にこれは、二・七億とか二・一億じゃなくて、二百億ぐらいの規模で是非展開していただけるように心から、心から、心からお願いを申し上げます。
御退席いただいて大丈夫でございます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/13
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014・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 池田副大臣は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/14
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015・自見はなこ
○自見はなこ君 それでは、次の質問に当たります。法務省にお伺いしたいと思います。
CDRについてお伺いをします。
お手元の資料が、CDRについては資料の五の一と五の二というものが、ちょっと字が多いものがございますが、これを開いていただきながらお話を聞いていただければと思います。
これは、資料を提出しておりますのは、子供の死因究明に関します意見ということでありますが、つい先日、自民党の政調の中にございます厚生労働部会の中にあります死因究明推進に関するプロジェクトチームで提出をしていただいたものでありまして、文科省の研究事業をしていただいておられる、これ法律の学者ですね、法学者の先生方が中心になっています。医学者は、医者はこの中で沼口先生だけでありまして、いずれも刑事訴訟法の専門家ですとか法律の専門家の先生方の御意見であります。これも文科省の取組に感謝をしたいと思います。
その上で、大きな大きな問題点ということで御指摘をいただいておりますのが、資料の五の二に書いております。CDRということは成育基本法の中に書き込みをさせていただきまして、その後、また議員立法で成立をいたしまして、皆様にも審議をしていただきましたが、死因究明の基本対策推進法、ここの中でも議論をしていただきまして、現在、厚労省の中で、母子保健課の方で予防のための子どもの死因検証体制整備モデル事業というものをこれ全国でやっていただいておりまして、令和二年度は七自治体、令和三年は九自治体でモデル事業を現在行って、いろんな課題を抽出していただいております。
また同時に、整備事業ということで拡充をしていただいておりまして、CDRのプラットフォームの事業をつくったり、あるいは死亡事故に関する広告ですね、これ広告と啓発事業についても予算を取っていただいたということで、本当に感謝をいたします。
元々、私は、これ、吉川優子さんという遺族のお母さんですね、吉川慎之介君のお母さんでありますが、五歳で水辺の事故で、特に私立幼稚園の事故でお子さんを失ったお母さんからお話を聞いたところが、課題が始まっています。
自分の息子がお泊まり保育に行って、突然電話が掛かってきて、慌てずに来てくださいといって、その後もう対面するのが亡くなった子供なんですよね。そのときにいろんなことが分からなかったので、どういう状況で子供が死んだのかと、これは警察が持っている情報がありまして、ここについての情報を求めようと思ったんですが、ここは刑事訴訟法の四十七条というものがありまして、これは当然ながら非常に重要な法律、これ自体は文言でありまして、基本的に警察が持っている情報というものは、その後の様々な裁判などで使われる可能性があるので公にしてはならないというのが大原則であります。
ですから、警察の方にどういう状況でうちの子が死んだんですかと聞いたんですけれど、残念ながら、すごく親切な方で、すごく協力的だったんですが、そこの部分はなかなか御協力得られなかったと。そして、保護者の皆様で、これは本当にどうかなと思いますけど、ここまでさせるのかなと思いますが、再度現場検証を一緒に行っているんですね、子供たちや保護者の方々と、こういうこと。
また、そしてお母さんは、何で、子供がどういう状況で死んだんだということで県庁に行きますと、県庁ではないと言われて、文科省だと。文科省かなと思って文科省に行くと、文科省ではないと。これはライフジャケットを着ていなかったので、水辺の事故はこれ消費者庁だと言われて、たらい回しにされると。これがそのお母さんの経験されたことであります。
今はゼロ歳から六歳までのこういった事故については、内閣府の方で随分と取組が個別事例に対応して進んではおりますが、今でもまだ水辺の事故が絶えませんし、また、これから夏にもなります。ライフジャケットをしっかりと着けるということが非常に重要でありまして、日本子ども安全学会が推奨しておりますかわいい絵本も、「かっぱのふうちゃん」というかわいい絵本も森重さんという熱心に活動してくださる方が作っておりますので、こういう啓発事業もしつつ、ただ、我々は一方で、政治あるいは国政を預かる立場として、あるいは皆様は政府全体を預かる行政の立場として、このCDR、総理・総裁、総裁というよりは総理が自分でやりますということを明言を今年の一月の施政方針演説でもしていただきましたので、是非ともやっていただきたいというふうに思っておりますが、やはり壁がありまして、さっき申し上げた刑事訴訟法の四十七条であります。
資料の五の二に書いています。これはごもっともであります。気持ちが強くて情報を開示してくれと言ったって、どういう根拠でどういう手続でそれをすればいいのか分からなければ、情報を渡したいと気持ちで思っても警察は提供することができない、それはごもっともです。
ですので、この提言につきましては、そこの手続を、ルールを徹底し、そこについての調査の義務なども含めて、現場での裁量というものが極力ない形でやっていただけないか、これは法制化をしてくれないかということが大きく大きく書いてくださっております。
これは、私は、DBSが、こども家庭庁が仮に設置をされますれば是非とも法制化していただきたいと願っておりますが、その次に、これ関わる省庁がほとんど似ているんですね。当然ながら子供の現場様々ありますが、そこと同時に法務省とそして警察庁ということであります。
そこで、法務副大臣の津島先生にお伺いしたいと思うんですが、このCDR進めていくに当たりまして、法務省がまず腹決めをしていただいて、この刑事訴訟法四十七条をしっかり整理しますという決意表明がなければ、ここから先、実は進まないんです。ですから、今日の質問は、どのように今後議論を進めていくのかということについてお考えをお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/15
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016・津島淳
○副大臣(津島淳君) チャイルド・デス・レビュー、CDRについて非常に熱心に御活動されている自見はなこ先生から御質問をいただいて、まず大変感謝申し上げます。
この重要性について、そして今の御質問で、このCDRについて非常に具体的かつ建設的な問題提起をまずしていただいたと、そのように今感じております。
その上でお答えを申し上げていきますが、このCDRについては、あらゆる子供の死を検証し、再発防止策を検討するものとして必要性が指摘されておりまして、死因究明等推進基本法の附則等においても、その仕組み等について国として検討を加えることとされているものと、そのことを承知しております。
法務省としても、子供の死を検証し、再発防止策を講じていくことの重要性、十分認識してございます。
他方、委員の御指摘にもありました刑事訴訟法の四十七条本文は、訴訟関係書類の公判開廷前における非公開の原則を定めております。同条のただし書には「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しているものの、刑事手続により得られた情報の外部への提供については、関係者の名誉、プライバシーや今後の捜査、公判への影響等についても十分考慮する必要があって慎重な検討を要するところという、そういった整理をしております。
これは、私の思いとして申し上げるならば、未来を支える子供の命を守るということは、これは本当に重要なことだと思っているんです。私自身、救えた命はあったはずだという思いを強く持ってございます。
今後、チャイルド・デス・レビューの枠組みに関する検討の状況を踏まえて、先ほど申し上げた各種の検討課題がうまく整理されていくように、厚生労働省等の関係省庁とも十分連携し、そして協力しながら、法務省としてもしっかりと必要な対応をしてまいりたいと、そのように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/16
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017・自見はなこ
○自見はなこ君 大変心強い、必要なことはやりますという御答弁ありがとうございます。
是非、これは刑事訴訟法という非常に重要な法律そのものの根幹にも触る話でございますので、我々の気持ちだけでは進めませんので、是非とも専門家の先生方、法律の専門家の先生方などしっかり入っていただいた上で、関係の皆様が納得する形でまず法務省として整理をしていただきたい、そうしないと実は進まないというところがございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
またあわせて、調査法という解剖がございますので、この解剖、今日は質問いたしませんが、その調査法研究、この調査法の解剖がしっかり進まなければ、いかに多くの子供たち、あるいは、これは高齢者もそうでありますが、日本で亡くなっても、日本の死因究明制度そのものが底上げがされないといけないという別の課題もありますが、まずは法務省には刑事訴訟法四十七条との整理をしっかりとしていただけたら有り難いと思います。
ありがとうございました。では御退席ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/17
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018・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 津島副大臣は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/18
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019・自見はなこ
○自見はなこ君 次に、デジタル庁にお伺いをいたします。山田政務官、よろしくお願いいたします。二問お願いしたいと思いますが、一問ずつ別々にということで考えております。
一問目でありますけれども、今回のこども基本法の中の議論においても、またあるいは一般の国民からの皆様の意見の中でも、子供のデータについての取扱いというのをどうされるんだというような不安の声もありました。一方で、我々が行ったお母さんたちの意見、四万八千件の中で、とにかく何度も同じ書類を書かせないでほしいと、もう毎回、一つの事案で一回市役所に行くのに課が違うと三回ぐらい同じことを書くと、何とかワンスオンリーにできないかという声もいただくんですね。この二つのことをベストマッチしつつ、かつ個人情報に配慮するということ、非常に重要であります。
ここは様々な関係団体があります。教育、保育、福祉、医療というこういった分野でもありますし、さっき申し上げたような貧困と虐待というふうなことも関わりますので、本当に様々なステークホルダーが関わってまいりますが、これは是非ともデジタル庁として明確なガイドラインというものを国が示すべきではないかなというふうに思っておりますのと、また現在実証事業を行うということで聞いております。この公募の状態や、今後どのようにこの実証事業を進めていくのかについてお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/19
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020・山田太郎
○大臣政務官(山田太郎君) 自見はなこ先生にお答えしたいと思います。
まず、私も、こども家庭庁、こども基本法、ここまで来たというのは大変感慨深げであります。本来であればそちらの質問席で政府に対しての質疑をしたいぐらいの思いでありましたけれども、立場がデジタル政務官ということなので、その枠を超えない形でもってしっかり答弁させていただきたいというふうに思っております。その他の思いはもう全部自見はなこ先生に今日は託して、しっかり政府をただしていただければと思っております。
さて、子供のデータ連携ですけれども、本当に子供たちは虐待あるいはいじめに遭った場合に声が上げられない。ただ、その端緒を何とかしてつかまなければいけないのだということで立ち上がったプロジェクト、政府の中でも子供の情報連携ということで、副大臣クラスを中心に今進めさせていただきます。ただ、そのときに、自見先生の方から指摘がありましたように、やはり個人情報保護法との壁、どういった情報をお互いの役所等含めて交換できるのか、大変大きな議論になっております。
特に、NPO、NGOが参加しようと思った場合に、その辺りのガイドラインがしっかりしていないとなかなか情報を交換できない。子供の自殺に関しても、虐待に関しても、子供食堂の問題に関しても、非常に民間の方々は一生懸命やっていただいているんですが、要対協の状況なんかを見てみると、極めて連携率は低いという課題があります。まさにこの個人情報保護法における子供の命と、あるいは個々の情報の個人の連携、どういうふうにバランスを取っていくのか、大変難しい問題だというふうに思っております。そんな中、これに関してはしっかりガイドラインを作っていこうということで、その辺りの計画もしっかり今政府の方でさせていただいております。
特に、来年の四月から個人情報保護法に関しての地方自治体におけるいわゆる施策というのが新たな新法によって起こりますので、その前に、年内を目途に、しっかりとしたその個人情報保護の観点と、それから子供たちの命を守るというところの連携を図るということの議論、そしてガイドラインのきちっとした明示もさせていただきたいということで進めております。
さらに、自見先生の方からも質問がありましたその実証事業ということでありますが、これも四月に七団体を採択させていただいております。六月からの実証事業の開始に向けまして、しっかりと、データの管理とか、何が必要なのか、そういった項目の議論もやらせていただいております。
デジタル庁といたしましても、しっかりとした必要な助言も行いつつ、採択団体とともに実証事業を成功させて、それを全国横展開をして、一人でも子供たちの意見、命、そういったものを守っていければというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/20
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021・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。
是非、このデータ連携、なかなか難しい課題があると思いますし、また、アウトプットをどこに明確に持っていくのかという設定は是非見失わないようにお願いしたいと思います。
今七つの実証事業ということでありますが、医療の世界に例えて恐縮ですが、医療の場合は、地域ごとの医療ネットワークをつくってくださいと厚労省が随分前に申し上げたところ、二百六十もあってそれぞれがベンダーがばらばらで、今もう補助金がなくて運用できないというようなことにもなっていますが、そういうことではないんだろうなと思うので、あくまでやっぱり明確なガイドラインを作るということにまず御努力いただきたいと思いますし、また、関係者、当然ながらの守秘義務というものが非常に重要になってくると思いますので、関係をする方々のカテゴリーの分け方、守秘義務の掛け方、安心してお母さんたち、そして子供たちも相談できるということが大事ですから、あなたの秘密は守られていますということを必ずお話の中でも言うということが重要だと思いますので、是非その利用者に届くような説明の在り方も含めてガイドラインを作っていただきたいと思います。
さて、資料の六の一でありますが、から六の二、六の三まではデジタル庁の皆様からいただいた資料になります。ワンストップの子育てサービス、これはぴったりサービスという名前ということで聞いておりますが、ここがいよいよいろいろと動き始めているということで、六の一と、そして六の二、そして六の三であります。
マイナポータルで取得できる事項、自分の情報様々書いているということで大きく利便性が向上するということも期待されておりますが、このプッシュ型というのは非常に重要だということを山田政務官、まだもちろん政務官になる前からこのプッシュ型、自分でリーチアウトしなくても物が手元に来る、ここに対するこだわりが大変大きくあると思うんですが、是非、このプッシュ型の情報提供についてどういうお考えで進めていこうとされているのか、お知らせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/21
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022・山田太郎
○大臣政務官(山田太郎君) 今、自見先生の方からもこの資料を提示していただいた子育てワンストップサービス等を含めて、大変、子供たち、そしてそれを育てる親御さんたち、実は困難を抱えている方々にとっても大切な論点だというふうに思っております。
例えば、シングルペアレンツの方々が、子育てをしながら仕事も持ちながらいろんな申請をするというのは非常に困難です。もっと言ってしまうと、まさかそういういわゆる形になると思っていなかった、そして国と自治体の支援を受けたいという場合に、どこに何が書いてあるか分からない、毎回役所にいろんな書類を整えて呼び出されると、もう困ってしまっているという声はこれまでもたくさん届いていたところ、国にも届いていたところであります。
そういった意味で、何とかこういったもの、ネットでもって、あるいはポータルでもってサポートできないかということで、子育てワンストップサービスということで、マイナポータルを中心に今デジタル庁あるいは各関係府省庁と連携しながら一生懸命進めて、何とかこういった困難を抱えている方々も含めて子育ての方々に利便性向上ということを目指している部分であります。
実は、千七百四十一ある市区町村のうち、一つでも仕組みとして取り組んでいただいているのは千市町村まで来ましたが、ただ、まだ児童手当、保育、一人親支援、母子保健というふうに分類した場合に、それぞれのカテゴリーにおいてまだこのワンストップが実現できているというところはまだまだ少ないのが現状であります。一端を言いますと、児童手当だと九百七十六団体、保育だと五百八十九団体、一人親支援だとたった三百六十団体、それで母子保健五百九十九団体ということで、まだまだ一般的にはなっていない。これを何とか、我々デジタル庁も一緒になって、各関係府省庁と連携しつつ、今、自見先生が御指摘いただいたようなことで一つでもお役に立てるように、そして困難を抱えている人たちにどうやって利便性を高めるかということについてはしっかり対応していきたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/22
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023・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。
これ、今、デジタル庁とこども家庭庁というのは非常に親和性が高いということで一緒にやっていただいていると思うんですが、ここすっごく難しいことにこれからなってくるんだろうと思います。
プッシュ型で何かをやるということであると、例えば、よく今総務省から勧告が来ていますけれど、厚労省の方に、産後ケアなども基礎自治体でサービスやるのはいいんだけど、広域連携ができていないので何とか改善するようにという勧告を総務省が今厚労省にしていると思いますが、例えばですけど、港区で赤ちゃんを産んだんだけれども文京区の産後ケア施設を伝えたいと、こういうことはよくあることでして、それは都会でもそうですが、もっと地方の方に行って、例えば富山とかですね、そういう地域でも横で、山梨もそうです。いろんな横で連携しているところがあるし、していないところもあるんですね。
ですから、このプッシュ型で物が届くためには、縦割り、横割り、年代割りの打破といって今まで進めてきた改革のうちの横割りの壁が物すごくはだかる話を、ある意味行政的に整理しないとプッシュ型の通知はできないはずですので、ここは腰を据えて、仕組みをつくると同時に腰を据えて、こども家庭庁の方で行政の手続のところから介入していってやらないと、多分仕組みをつくるだけでは解決しないんであろうと思いますので、むしろこれをつくることでこの課題がありますよというところを、逆にデジタル庁から子供部局の方に言っていただくということが今後のプロセスとして最も大事になろうかと思いますので、是非ここは横割りの打破と密接だというところから全力で応援をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、山田政務官、どうぞ御退席ください。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/23
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024・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 山田政務官は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/24
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025・自見はなこ
○自見はなこ君 それでは、古賀篤副大臣、大変お待たせをいたしました。厚生労働省に三問、まず副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
まずは、これは資料でいいますと、七の一から続く資料をちょっと御覧いただきたいと思います。
これは、先ほど冒頭申し上げました明石の泉市長が第一回目の勉強会に持ってきてくれた資料なんですね。分かりやすいです。こども家庭庁の必要性、地方から見た子供行政の課題ということで、縦割り、横割りということで書いていただいて、次のページ、おめくりいただきますと、横の課題ということで、未就学児のこれ居場所、小学校の放課後の居場所、この後最後に聞こうと思いますが居場所という課題、また虐待の防止というところで省庁が分断されていますよねということが書かれています。
その次に七の三、資料の七の三でありますが、そういったところの現状を解決するために是非つくってくださいという御要望は非常に有り難く受け止めておりまして、その次の次をおめくりいただきますと、具体的に縦の課題、資料の七の五、とあります。ここのところの一の子育て世帯の経済的負担の軽減のところで、熱心に取り組んでいる市長さんだからこそでありますが、子供医療費の無料化に対する国の減額措置(嫌がらせ)というふうに書いております。これは、地方自治体に対する子育て罰だなんておっしゃっておられましたけれども、ここについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
この子供についての医療ということでありますと、多くの自治体が今未就学児についてまで取り組んだということもありまして、国民健康保険制度では、市町村が自己負担を独自に減免することで増加していく医療費の分ということは当該市町村で全額負担すべきという理由で減額調整というのを行うことというふうにされていますが、少子化の観点から、平成三十年度からでありますが、小学校に入るまでの子供の部分については対象外とされ例外が認められた、これは本当大きな大きな一歩だったと思いますが、この明石の市長にもありますように、熱心にやっていればいるほど、それ以降も、例えば中学生までとか高校生までということで、無料ということでうたっているんですが、そうするとやはりペナルティーが掛かってしまうのではないかということで、これを、減額措置を是非とも廃止してほしいという声がございます。
私は、このこども家庭庁が発足するタイミングで是非ここは見直しを行っていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/25
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026・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) ただいまこの国民健康保険の減額調整措置について御質問いただきました。
この減額調整措置につきましては、市町村における医療費助成によって窓口負担が減額される場合、国保財政に与える影響や限られた財源の公平な配分等の観点から、増加した医療費分の公費負担を減額調整しているところであります。
今御紹介いただきましたように、子供の医療費助成については、平成三十年度より未就学児までを減額調整措置の対象外としておりますが、その観点、ポイントとしましては、この医療保険制度の窓口負担が未就学児までは二割となっている、そして未就学児までは全ての市町村において何らかの助成が実施されている実態等を踏まえたものでございます。今委員が御指摘あったように、これを更に中学校卒業等に拡大すると。
自治体の方でいろんな取組をしていただいていることは承知しておりますけれども、今申し上げたように、それから以降のお子様が三割負担になる、あるいは市町村で、全ての市町村で行われているのかどうかと、こういったことを実態調査、本年度していきたいと思っておりますし、各自治体における医療費助成の現在の実施状況を把握した上でまず第一歩だと、それが第一歩だというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/26
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027・自見はなこ
○自見はなこ君 これは有り難い答弁だと思います。実態調査を国がするということは、基本的にやるぞという気持ちが見えていると私は今感じましたので、目と目で感じたところでありますので、是非これはお願いしたいと思います。
また同時に、これはやはり子育て基点、子供基点で子供政策を考えるというような市長さんたちの会がございまして、片岡市長、総社の片岡市長が会長を務めておられますが、ここからも強い要望が来ております。とにかく子育てに熱心な市長さん、首長さんたちの言うことは耳を傾けていただきたいと思いますし、これが、法律が成立をした場合に、来年の四月一日から新しくこども家庭庁がオープンということになると思うんですが、そのとき是非、一段高い立場からと野田大臣が何度もおっしゃっていただいているように、一段高い立場からこれを厚生労働省に是非ともお願いしますということを、引き続き強く働きかけを関係各位にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次の質問でありますが、資料の九であります。病児保育に就いて働く保育士さんなどの処遇改善のことについてお話をさせていただきます。資料の九の一と九の二であります。
岸田政権の下で、本当に有り難いことに、保育士、そして幼稚園教諭等に対する三%程度、月額九千円の処遇改善ということで、これ目玉の一つであったと思いますし、多くの関係者が本当に喜んでいます。また同時に、子供の保育三団体含めまして、九月までの間ですので、その後の財源の確保も当然しっかりやっていただけますよねということも御要望でいただいておりますので、ここは繰り返し要望として申し上げたいと思います。これは本当に大きなことでありますが、その次を見ていただきたいんであります。
この資料の九の二です。この対象職員なんですね。これ、ちょっと残念だなというふうに思っております。全ての保育士ではないということなんです。例えば、今現場から要望が来ておりますのは、残念ながら延長保育や預かり保育で働いている、これいわゆる通常の教育、保育以外のみに従事している職員は対象とならないということや、あるいは病児保育で働く保育士さんは対象外なんです。これは、病児保育を所管している、今厚生労働省でありますが、それは、病児保育は医療側の整理で出来高払だから等々の理屈は分かるんですが、さすがにこれはないんじゃないかなと思って、今まで深澤政務官に対しましても、全国病児保育協議会の大川先生始めとした関係者、何度か陳情に行っています。
ここの対象に、是非ここに書いてある延長保育や預かり保育等の通常の教育、保育以外のみに従事している職員と同時に、病児保育で働く保育士さんも処遇改善の対象としていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/27
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028・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 今、自見委員の御指摘というのは、同じ保育士さんであっても働く場所によって処遇改善が図られていないという、こういうことだというふうに思っております。
御指摘のとおり、現状につきまして、保育所の保育士さんは累次の処遇改善をして、今回三%更に上がっていると。一方で、病児保育事業の処遇改善は今回対象外となっているのが現状でございます。これは、病児保育への財政支援が、必要経費の積み上げにより公定価格が設定される保育所とは異なり、事業の実施経費の一部を補助する性格のものであることなどが理由となっていることであります。
ここでちょっと病児保育について少し説明させていただきたいと思いますが、ふだん保育所を利用している子供が病気のときに子育て家庭の支えとなる重要な事業だと考えておりまして、利用者数の変動が大きいこと等から収入が安定しないと。その安定的な運営を確保することが課題と考えておりまして、令和三年度予算におきましても、利用児童数によらない基本単価の引上げだったり、あるいは利用児童数に応じて加算を細分化することによって安定的な事業実施が可能となるように改善を図ったところであります。
病児保育施設で働く保育士さんが処遇改善の対象外となっているのは先ほど申し上げたように事実でありますが、一方で、その安定的な事業の運営を図るために補助単価の改善も行ってきたところであります。
現在の事業の運営状況について改めて調査、把握をした上で、引き続き、関係者の御意見も伺いながら、安定的な事業実施とともに、質の高いサービスの提供に必要な支援について検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/28
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029・自見はなこ
○自見はなこ君 ここは是非とも諦めずに、粘り強く私も頑張っていきたいところだと思います。
なかなか納得のいく答弁は得られない状況が続いておりますけれども、やはり子供目線で考えていただきたい。制度のための制度ということは、もうこれ、厚労省の仕組みとしては、いろんな理屈があるのはよく分かるんですが、同時に、これは今回の議題ではありませんが、介護報酬のプラス、処遇改善についても、医療機関で働いている介護職員がこれ対象外なんですね。ですから、どんどん医療機関で働く介護士さんの、介護の職員の方たちが介護施設に行って離職するという事態も招いています。
制度の立て付けという理屈はたくさん分かるんですが、それは現場でどういう人の流動性をもたらしているのかということも含めて、よく今後も考えていっていただけたら有り難いと思います。
次の質問に移ります。産科医療補償制度についてであります。
もうこの件は今まで幾度、今までに私は財政金融委員会でも質問させていただきましたし、ほかの政党も含めて幾度もこの課題はここ最近国会でも質問が相次いでいると思いますので、問題意識については御理解を賜っていると、厚労省には御理解賜っていると思います。
資料の十一、十二、そして資料の十三であります。
この制度は、産科医療補償制度でありますけれども、とにかく産科医療を守るためという立て付けから始まっているというところがまず認識をしなければいけないことであります。それは、紛争の早期解決を図るということと、事故分析をして産科医療の質の向上を図る。これ、まあ大野事件などがありまして、産婦人科の医療の現場から産婦人科医がこのままではいなくなってしまうと。また、脳性麻痺というお子さんたちは原因がなかなか分からないということからこういう制度が当時立ち上げられたわけでありまして、平成二十一年から今までいろんな運用を補償対象においてもしていただいております。
その中で、当初、分かりやすく言うと、狭い範囲から始めて、そしてエビデンスが積み重なったということでその補償対象を広げてきたということが今までの経緯でありますが、特に今年に入ってからのこの補償を変えたときに、今までであれば補償の対象にならなかった子たちが実は対象ですよという事態が生まれたというのが、分かりやすく言うと、今回の問題であります。
資料の十一にはそのスキームも書いておりますが、保険者がこれは妊産婦に対しまして出産一時金を払うときにこの分娩費のところに掛金を上乗せして払ってくれているということであります。
その次のページを御覧いただきたいんですが、これは新聞の記事、西日本新聞の記事であります。
この間、厚生労働大臣の質疑も変わってきております。全く取り扱えませんと、制度として変わり、制度は制度ですからというところから、検討しますという御答弁までいただいております。
また、私は二十六日の参議院の財政金融委員会のときにお伺いしたんでありますが、これは運営組織というものがありまして、それが日本医療評価機構に入っております。これ、契約者なんですが、これがいろんな中身を決めるんですが、実際に運用してくださっているのは民間の保険会社なんですね。
ここに対する積立金というものが、次のをめくっていただきますと、資料十三でありますが、二〇二〇年の十二月四日の時点でありますが、六百三十五億円プールがあるということであります。また、金融庁に質問いたしましたところ、このプールされている基金をどのように使うのかということは、これは特段ルールが、国が作っているということではなく、国というのは金融庁が何かを言っているというわけではなくて、これは、民間保険会社の規則監督上、特段、金融庁の立場から問題はないんだということでありまして、金融庁としてはこれは問題がないということであります。
そこで、厚労省でありますけれども、この件でありますが、私は当時、医政局として地域医療の特に産科医療を守るのだという立て付けから始まったということは承知をしています。それを理解してくれた保険局が、保険者との間の折衝の中でこういった特異な仕組みをつくってくださったということも承知をしています。立て付けが産科医療を守るのだとなっているんですが、私はやっぱり立て付け自体を見直す時期にも来ているんだろうと思うんですね。これは、脳性麻痺の子供たちをどのように本当に守っていくのかというところの観点が実はちょっと欠如しています。
ですから、ここは運営組織でいま一度、私は、これ五百人の方が対象から漏れているんですけれども、それが十二月三十一日に生まれた子と一月一日に生まれた子で対象が変わっちゃっているんですよね。ですから、これって何なのって当然思うと思うんですよ、五百人もいますから。ですから、是非、いま一度この救済については、私は、この保険者の御理解いただくのはごもっともなんですが、考える時期に入っていると思います。
前回も御答弁いただいたときに思ったんですけれども、基本的にはすごく大事な点が欠落しているんです、厚労省の答弁に。それは何かといいますと、その保険料を払っている被保険者に脳性麻痺の家族がいるということです。そこの感覚がないまま、保険者の持っているお金は保険者のものですよ、もうそれ以上は保険者との間で我々は交渉できませんからという答弁なんですけど、そうじゃないでしょうと、脳性麻痺の家族も被保険者でしょうという観点がないんですね、御答弁の中に。
是非とも、脳性麻痺のお母さんたちが今いろんなデモといいますか、署名活動をされていまして、私はそれは本当に申し訳ないことだと思っています。脳性麻痺のお子さんたちを抱えているお母さんたちが一番にしたいのは子供の養育です、療育です。そこをさせない現状というのは速やかに私は改善すべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/29
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030・古賀篤
○副大臣(古賀篤君) 自見委員からこの産科医療補償制度について以前より御質問いただいているわけでありますので、制度の説明はもう不要だと思っておりますが、まず、大変問題意識を強く持っておられることに、受け止めさせていただきたいと思っております。そして、今冒頭御紹介いただいたように、やはりこの制度自身が安心して産科医療を受ける環境整備、そして地域医療を守るという趣旨だということも十分御理解いただいての御質問だというふうに理解しております。
この制度について少し丁寧に御説明したいと思いますが、先ほど保険制度で保険者という御指摘もありましたが、医療保険者が実質的に掛金を全て負担する制度の中で実施されているところでありまして、その中で補償対象基準について、各々の時点での医学的知見や医療水準を踏まえて審議会で決定してきたという歴史がございます。その際に、掛金とともに決定しているところでありまして、こういった保険制度の中で医療保険者の協議により定められた掛金の中には、今まさに御質問あった、事後に遡及して補償するということは想定されていないというわけでございます。
その上で、六百三十五億円という剰余金の御指摘もありました。剰余金の使途につきまして、社会保障審議会医療保険部会においても複数回にわたって議論をしまして、この剰余金の使途をどうするのか、そして、結果として、安定的な制度運営の観点から、この医療保険者の合意の下で将来の保険料に充当するというふうに決定されたわけであります。ですので、剰余金はあるものの、使途の変更をして活用するということは容易ではないということは是非御理解いただきたいと思います。
何より、何回も御質問いただいておりますが、脳性麻痺で苦労して子育てをされているお母様、お父様方、そして、そういった中で、いろんなこの制度の見直しの中で対象外になったという思い、これはしっかり受け止めさせていただく中で、制度の仕組みについて御理解いただくように説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/30
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031・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。
引き続きこれは議論を続けていくべき案件だと思っております。時代が大きく変わっているので、過去の審議会で決めたからそれで終わりですということではもうないんだと思いますから、それは政治家として受け止めていただければ有り難いなと思います。
古賀先生、副大臣におかれましては御退席いただいて大丈夫です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/31
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032・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 古賀副大臣は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/32
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033・自見はなこ
○自見はなこ君 続きましてでありますが、装具について御質問させていただきたいと思います。
障害のある方でありますが、医療的ケア児のお子さんもそうでありますが、義肢装具士の方々が作られる装具というものを使っておられますが、実はこれの支払の仕組みなんですね。これ、経験ある方は分かると思うんですが、この装具を作ると、今、体にちゃんとフィットして、今というか昔からですが、作ってくださっていますので高額なんです。
これを窓口で全額払うということが求められている中で、やっぱり一人親、そして経済的に厳しい御家庭ではこれが難しいということで、是非ともここは、利用していただく患者様の御家族の負担がないような支払の仕組み、すなわち受領委任の支払を導入すべきだというふうに考えております。これは義肢装具士の協会の方々の悲願でもありますが、同時に、障害を抱えるお母さん方のすごく大きな負担感になっています。三十万、四十万という額をまず払わなきゃいけないんです、窓口で。
ですから、是非ここは御検討いただきたいと思いますし、プロセスとしてはしっかり踏んでいただいていると思いますが、ここに対して御見解を厚労省からお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/33
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034・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答えを申し上げます。
今御質問いただきました治療用装具の療養費の受領委任の関係でございますけれども、この療養費の受領委任払いにつきましては、健康保険法において償還払いが原則となっております中で、一つは架空請求や水増し請求といった受領委任払いによる弊害の生じる危険性が乏しい、それから導入の必要性や相当性があるといった場合の特例的な措置であるというふうに考えているところでございます。
このため、その治療用装具療養費に対する受領委任制度の導入という御提案をいただいておりますけれども、これにつきましては、療養費の請求をいただく方が患者本人でなく事業者になるということで、架空請求や水増し請求が行われないかどうか、それからまた、治療用装具療養費の代理受領に応じている保険者、これ、ちょっと前に調べた状況では二%ほどしかないという状況でございますけれども、導入する必要性、相当性があるかどうかといったような点について、保険者も含めた関係者の御理解が必要であるというふうに考えておりまして、まずは治療用装具療養費の支給基準や手続等のルール作りを進めるということが重要であると考えているところでございます。
このような中、私ども厚生労働省におきましては、治療用装具療養費検討専門委員会におきまして、義肢装具士や保険者等の方々に委員として御参加をいただいて、治療用装具療養費の在り方について検討しているところでございます。
これまでの取組として、平成二十八年九月からは、治療用装具療養費の支給対象とすることが適当である既製品の装具をリスト化し、公表、周知しているところでございます。本年三月、二十七品目を追加して、合計四十七品目としたところでございます。そして、療養費を支給する際の基準価格も併せて設定させていただいております。
また、平成三十年二月には、治療用装具療養費の支給申請手続を明確化しまして、医師による証明書の発行、事業者による領収書の発行、そして療養費申請書への装具の写真の添付などを求めるといったことをいたしております。
今後、今申し上げました治療用装具療養費検討専門委員会におきまして、関係事項全般にわたる留意事項通知について検討するなどして、引き続き、治療用装具療養費が適切に支給されるためのルール作りに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/34
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035・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。適切なプロセスを踏んで、是非ルールの明確化をしていただいた上で、実現に向けて頑張っていただきたいと思います。
それで、宮路政務官には来ていただいたんですが、大変申し訳ないです。私の時間の運びのことで、誠に申し訳ございません。野田大臣に最後一言御決意をいただいて終わることになるかと思いますので、関係の皆様もお許しいただきたいと思います。
医薬品の開発で、子供の小児がん、特に多いんですけれども、医薬品の開発は、子供の医薬品の開発を同時に行うことを義務化している欧米と比べて日本は大変遅れておりますので、そこの問題意識も受け止めいただければと思います。
野田大臣にお伺いします。
最後でございますが、宮路先生にも、政務官にお伺いしたかったのは、とにかくこの児童手当、特別児童扶養手当など障害児の方々への手当も所得制限があります。そういった観点から、こどもまんなかを本当に実現しようと思いますと、やはりちゃんとした財源確保が必要でございます。今回のこども家庭庁の設置法案の中で、幾度もこの財源問題は出てきていると思います。この財源問題について改めてどういう御覚悟、御決意で臨むのか。そして、地方自治体からの人事戦略ですね、本当に有機的にこの省庁をなしていくにはどうするのか。
特に、時間の関係がございますので、財源確保の御決意だけ最後端的にいただいて、終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/35
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036・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今日は自見委員から様々、子供についての御見識を賜りました。これだけの問題があるということはこれだけのポテンシャルがあるということで、前向きに捉えていきたいと思います。
当然、財源については、必要なことでありますから、総理がいつもおっしゃる人への投資というのがございます。やはり、今まで人へ投資をしづらかった国にあって、子供はやはり投資すべき最優先課題の日本の仲間たちという意識を持って、しっかり取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/36
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037・自見はなこ
○自見はなこ君 ありがとうございます。
所得にかかわらず、これは制限というものありますが、是非撤廃する方向を目指して中長期的に取り組んでいただければと思います。
こどもまんなか社会の実現に向けまして、私も尽力し、成功をお誓い申し上げて質疑を終わります。
長時間ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/37
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038・宮沢由佳
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、政府案について質問するとともに、子供政策に関連する事項についても伺ってまいります。
こども家庭庁の創設について、まず確認させてください。
政府として、こども家庭庁の創設に至った経緯を御説明ください。なぜこども家庭庁が必要なのか、併せてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/38
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039・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
子供や若者に関する施策については、これまで様々取り組んできました。一定の成果はありましたが、やはり少子化、人口減少に歯止めが掛からない現状です。こうした中、児童虐待、不登校、子供の自殺等、子供を取り巻く状況は深刻になっており、さらに、コロナ禍が子供や若者、家庭に負の影響を与えているということは様々なデータによっても考えられておられます。
具体的な数字を申し上げると、児童相談所での児童虐待相談対応件数は過去最多の約二十万件でありました。学校におけるいじめの重大事態件数は五百十四件、小中学校の不登校者は過去最多の約二十万人、二十歳未満の自殺者数は平成以降で最多の七百七十七人など、状況は大変深刻であります。
こうした子供たちをめぐる様々な課題にしっかりと対応するためにも、常に子供の視点に立ち、そしてその子供の最善の利益を第一に考える子供に関する取組、政策を我が国社会の真ん中に据える、そのこどもまんなか社会を実現するための新たな司令塔としてこども家庭庁を創設して、子供を誰一人取り残すことなくその健やかな成長を支援すべく子供政策を強力に推進してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/39
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040・宮沢由佳
○宮沢由佳君 こども家庭庁の創設により子供に関する施策がどのように変わるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/40
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041・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭庁は、これまで各府省において別々に担われていました子供の貧困対策や子ども・子育て支援、少子化対策、児童虐待対策など、これら子供施策に関する総合調整権限を一元化します。子供や子育て当事者、現場の視点に立った強い司令塔機能を発揮することとしているところです。
また、未就園児も含む就学前の全ての子供の育ちや子供の居場所づくりに関する施策、子供の権利利益の擁護等を担う観点からの子供のいじめ防止対策、これらについても自ら事務を実施します。
関係省庁と連携しながら政府全体における取組を主導することとしており、これまで省庁間、制度間のはざまに陥っていた課題や新規の政策課題も含めて、子供や子育て当事者に対する支援を一元的に担ってまいります。
こども家庭庁を創設し、子供の最善の利益を第一に考える専一の組織、専任の大臣の下で組織や制度の縦割りの弊害を排し、政府全体として子供政策を更に強力に推進し、こどもまんなか社会の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/41
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042・宮沢由佳
○宮沢由佳君 野田担当大臣がおっしゃったこと、まさに必要なことで、今までしっかり全力で進めてきていただいてきたと思います。
そこで、このこども家庭庁で新たに取り組むこと、これは何なんでしょうか。なぜ今までこの新たに取り組むことについて取り組んでこなかったのか。このこと、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/42
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043・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 繰り返しになりますけれども、こども家庭庁においては、これまで各府省において別々に担われていた子ども・子育て支援、少子化対策、児童虐待などの子供政策に関する総合調整権限を一元化します。子供や子育て当事者、現場の視点に立った強い司令塔機能を発揮することとしています。
また、司令塔機能の発揮だけではなくて、自らも事務を実施することによって、例えば未就園児も含む就学前の全ての子供の育ちに関する施策、子供の居場所づくりに関する施策、性犯罪歴等の証明を求める仕組み、いわゆる日本版DBSの検討など、これまで省庁の間のはざまに陥りがちな課題、新規の政策課題、こういうものを、子供に係る重要政策を一元的に担うことになるわけです。
これまでも、子供に関する政策については、ややもすると大人の視点、制度や事業を運営する者の視点中心で行われた面は否めないように思っています。また、多くの省庁が関係していて、いわゆる縦割りの弊害の中でなかなか進まなかったものや取組が不十分であったものなどがあった点も否めないように思います。
今後は、子供政策の司令塔であるこども家庭庁が主導して、子供の視点、子育て当事者の視点に立った政策へ転換していきます。また、こども家庭庁の下、これ何度も申し上げますけれども、そのはざまに、たらい回しとかそういうことをしっかりと改善して、そういうことがなくなるように取り組んでいくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/43
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044・宮沢由佳
○宮沢由佳君 野田担当大臣からは、一元化、そして司令塔、主導、そういった言葉が何度も出てきております。
では、お聞きします。こども家庭庁法案は、厚生労働省や内閣府の業務を多く引き継ぐ一方、幼稚園は文部科学省から移管されない、長年議論されてきた幼稚園と保育園の縦割り解消の幼保一元化、これは実現されません。
そこで、まず幼保一元化の意義について伺います。大臣は、幼保一元化、どのようなメリット、またデメリットがあるとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/44
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045・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
幼稚園、保育所、認定こども園の所管省庁を一元化することで子供政策を一元することができるのではないか、そして行政コストの重複をなくすことができるのではないかといった御指摘もせんだっていただいたことを承知しています。
他方で、教育など文部科学省が担う学びに係る行政から幼稚園の所管のみを切り出すことは、就学前教育と小学校以降の教育の間に新たな縦割りを生むことになると考えられます。教育など学びに係る行政と児童福祉など育ちに係る行政とは相互に近接する側面はありますが、それぞれの目的を追求する中で、それぞれの専門性を高めつつ、相互にしっかり調整して密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上につながると考えています。
子供目線で一番大切なことは、幼稚園、保育園、認定こども園、そういった施設類型を問わず、しっかりとした教育と保育がなされることであります。どの施設に通っても共通の教育、保育をこども庁が受けられるようにするために、こども家庭庁は文部科学省と密接に連携をして取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/45
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046・宮沢由佳
○宮沢由佳君 野田大臣は、幼保一元化、例えば今できなくともいずれは必要とお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/46
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047・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 昨年末に閣議決定した基本方針、ここにおいては、こども家庭庁と文部科学省において、幼稚園、保育所、認定こども園の教育、保育の内容の基準の整合性を制度的に担保するということとされています。
これを踏まえて、御審議いただいているこども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、ここで、学校教育法及び児童福祉法に、両省庁が相互に協議を行い、幼稚園における教育内容、保育所における保育内容を定めることとする規定を新たに設けています。これによって、園の形を問わず、共通の教育、保育を制度上担保して幼保の質の一元化が図られると考えています。
こうした取組によって、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設類型にかかわらず共通の教育、保育を受けることが可能になるよう取組を進めています。
また、組織及び体制の在り方、これについては、法律の施行後五年を目途として、小学校就学前の子供に対する質の高い教育、保育の提供を含めた施策の実施の状況をしっかり勘案して検討を行うということにしてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/47
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048・宮沢由佳
○宮沢由佳君 今回の政府案において、文科省とこども家庭庁が相互に協議を行い、今御説明もありましたが、幼稚園の教育内容と保育所の保育内容を定めるとしておりますけれども、それなら協議を行わずに一元化すればいいと私は考えます。
なぜ今回の法案で幼保一元化ができないのか、できない理由をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/48
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049・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
また繰り返しの部分がありますが、子供目線で一番大切なこと、それは、形式的な所管の統一等ではない、教育、保育の質の一元化を図っていくことであり、これらのニーズをしっかり応えていくことは重要であると考えています。また、教育など文部科学省が担う学びに係る行政と児童福祉など育ちに係る行政とは、それぞれ近接した側面があるけれども、それぞれの目的を追求する中での専門性を高めつつ、相互にしっかり調整をして密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上になると考えているからです。
このため、幼稚園は引き続き文部科学省の所管となりますが、政府案では、学校教育法及び児童福祉法に、両省庁が相互に協議を行います。幼稚園における教育内容、保育所における保育内容を定めること、この規定を新たに設けて、何度も繰り返しになりますけれども、どの園であっても、問わず、共通の教育、保育を子供たちに制度上担保して幼保の質の一元化が図られる、そういうふうに考えています。
就学前の全ての子供の健やかな成長が保障されるよう、政府としては一丸となって取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/49
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050・宮沢由佳
○宮沢由佳君 どうも分かりません。その今のお話聞いていると、こども家庭庁を設置する理由が見えなくなってきます。そこまでどうしても幼稚園を文科省の所管に残そうと努力されるのか、その辺りが全然説明になっていないと思います。
幼稚園を文科省の所管に残す理由を端的にお聞きしているんですけれども、幼稚園の教育内容をこども家庭庁とともに協議していくからいいんだということであれば、そもそもこども家庭庁をつくらないで今までどおりでしっかりと協議を進めていくということになってしまうのではないかと思いますけれども、もう一度御説明をお聞かせください。なぜこの一元化が行われないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/50
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051・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 形の上の一元化ということではなくて、やはり教育と保育というそれぞれが専門的に、まあこれはもう委員にはもう御承知のこと、これ現場御存じなので、それぞれ違うもので、でも子供を育てていくときに両方不可欠なものでございます。
それがそれぞれの専門性の下に学びと育ちという形で進められてきたけれども、今般、こども家庭庁を創設することによって総合調整の権限を持つことにより、それぞれがしっかり乗り入れて、そして共通の質を高めていくということは、決して子供にとっては、それぞれが、役所が一元化する以上の効果が見込まれるということをこども家庭庁は目指しているということで、こども家庭庁は、幼保一元化をすることでこども家庭庁ではなく、そもそも妊娠、結婚辺りから少子化対策ということで取り組んでいますし、困難を抱える子供たちの支えになるという、そういう任務もございますし、基本的には、未就園児に関しては、そもそも行けていない子供たちへのやっぱりリーチ又はその保育園の中でしっかり学べることができる環境整備と幼稚園の中でしっかりと育つ教育、保育をしっかりと取り入れることが各省庁の縦割りの中でできなかったことを総合調整権限ということで取り組むんだということで、おっしゃっていることはよく分かるんですけど、役所を合体したから、そういうものを合体したから良くなるということでもない。基本的には、子供たちにとって一日も早く質の向上ということが今回のこども家庭庁の趣旨であるということを御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/51
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052・宮沢由佳
○宮沢由佳君 よく分かりません。
私たち立憲民主党は、子ども省を創立することを提言しています。教育は、子供を真ん中にするのであれば、幼児教育も始め、生涯教育も含め、地域教育も社会教育も、そして高等教育までも含めてしっかりと子供たちを守っていく、そういった、やはり何度もおっしゃる、大臣がまさにおっしゃる縦割りを改善するためのこども家庭庁であるがゆえに、私たちが、私、保育士でありますので、私が保育士になったときから幼保一元化、長年の縦割りを改善するためのこの幼保一元化、もう何十年も叫ばれている。恐らく、この縦割り解消の象徴なんですね、この幼保一元化というのは。これをやらないというのが納得いかないというところを私もお話をさせていただきました。
例えば、幼稚園と保育所で政策が違うために混乱を生じている事例は後を絶ちません。その一例として、発達障害児への支援政策が違っています。入園当初は発達障害が見分けられなかった。ところが、例えば秋頃になってこの子は発達障害ではないかということが分かった。保育所であると、その発達障害が発覚した月から、また翌月からの対象になって保育士の増員が見込まれますが、これが幼稚園であると、遡って入園の四月から対象になるということです。こういった現場の混乱は、両省庁で協議で混乱は収まるのでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/52
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053・蝦名喜之
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
現在、委員御指摘のように、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省が所管をしてございますけれども、これまで、例えば数年前の子ども・子育ての支援新制度の創設等を機会といたしまして、三府省で様々な課題については連携をし、しかるべく意見交換等をしながら施策に整合性を持って取り組んできているというふうに承知をしてございます。
今御指摘のお話以外にも、例えば今般の新型コロナ対策のための様々な補助事業が幼稚園と保育所に対するもので少し違っているのではないかといった辺りについては、そうした不合理な差が生じないよう密接に連携して対応するなど、これまでも、それぞれの所管ではございますけれども、できる限りこうしたところについて平仄が合うような形で調整をしてきているところでございます。それとともに、制度としては幼稚園と保育所の両方の機能を持つ認定こども園制度を設けて、保護者の多様なニーズに応えるといったようなこともこの間進んできております。
今後、こども家庭庁が設置をされますれば、こどもまんなかという考え方に立ちまして、こうした特に就学前の子供については、その育ちにこども家庭庁がしっかりと責任を持ち、できる限りそうした不合理な不整合といったようなものが生じないよう、しかるべく調整を行っていければと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/53
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054・宮沢由佳
○宮沢由佳君 子供には保護者がいます。保護者にとって、やはり幼稚園は文科省、保育園は厚労省、こども園は内閣府といった今までのこの縦割りを何とか一つにしてもらいたい、そういった中でこのこども家庭庁は、位置付けるのであれば、これは一歩前進かとは思いますけれども、保護者、例えば障害のある子供が入園先を探します、こういったときに、保育園に行ったらいいのか幼稚園に行ったらいいのか、また認定こども園なのか、そういったところで、保護者にはこの違いも分かりませんね。こういったところでたらい回しになるという現状もあります。
じゃ、例えば、野田大臣がおっしゃるように、しっかりと連携を取る中でこども家庭庁ができたら、障害のある子供又は育てにくい子供がたらい回しになる事例というのは解決できるのでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/54
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055・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭庁においては、こどもまんなか社会の実現を目指し、子供や子育て当事者の視点に立った政策立案を行っていくこととしております。障害のある子供やその保護者の視点に立ち、地域社会への参加、包容、インクルージョンを推進することが重要だと考えています。
御指摘については、これまでも関係府省において、保育所における障害児保育のための加配職員についての地方交付税措置、小規模保育所等において障害児を受け入れた場合の公定価格上の加算措置、そして幼稚園における特別支援教育実施のための財政支援、医療的ケア児受入れに関する支援など、障害のある子供の園への受入れの推進や必要な支援には取り組んできたところであります。
こども家庭庁は、認定こども園等での受入れ、質の高い障害児通所支援の提供等を自ら所管します。引き続き支援策を実施していくことに加えて、文部科学省や厚生労働省との関係省庁と緊密に連絡を図りながら、子供政策の司令塔として政府全体の関係施策の充実を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/55
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056・宮沢由佳
○宮沢由佳君 こども家庭庁ができて、子供たちがたらい回しにならないで入園できるというようなお答えではなかったかと思います。
関連して、次に、重度障害児を受け入れている放課後デイサービスについて伺います。
重心型、重度心身障害児の重心型と基本型の職員割合にとても大きな差があります。厚労省、現状をどのように把握しているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/56
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057・堀内斉
○政府参考人(堀内斉君) お答えいたします。
御質問がございました重心型、主に重症心身障害児を受け入れる事業所の人員配置基準でございますが、この場合、保育士又は児童指導員、児童発達支援管理責任者に加えまして、嘱託医、看護職員、機能訓練担当職員を各一人以上配置することにしてございます。
一方、基本型、一般事業所でございますが、の場合には、保育士又は児童指導員につきましては児童十人に対し二人以上、児童発達支援管理責任者をそれぞれ配置するほか、実施する支援の内容によって必要な人員の配置を求めておりまして、機能訓練を行う場合には機能訓練担当職員、医療的ケアを行う場合には看護職員を配置することにしてございます。
こうした人員配置基準を受けました実際の配置状況でございますが、私ども昨年末調査しまして、昨年の九月時点の実績でございますが、まず、重症心身障害児を受け入れる事業所では平均で七・三名、一方、一般事業所では平均で五・六名という配置状況になってございます。
主として重症心身障害児を通わせる事業所の場合は、重度の知的障害と肢体不自由を重複している子供が通所しておりますので、また医療的ケアも必要とする子供も多いということから、手厚い発達支援や介助を必要とするために、相対的に手厚い人員配置となっていると思います。
また一方で、一般事業所につきましても、ケアニーズの高い子供や専門的支援を必要とする子供のために保育士等や機能訓練担当職員等の専門職を加配する場合には、個別サポート加算や専門的支援加算等の加算によりまして、子供のニーズに応じた配置への支援を報酬上行っているところでございます。
こうした仕組みも活用いただき、それぞれの事業所に必要な人員体制を確保いただきたいと考えておりますが、今後も、現場の実情の把握に努めるとともに、関係者の声も聞きながら、必要な人員配置の在り方について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/57
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058・宮沢由佳
○宮沢由佳君 障害を持つお子さんを受け入れる放課後デイサービスが大変増加をしていると聞いております。そういった中で、学校との連携について、文部科学省、現状を把握しているでしょうか。連携についてもお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/58
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059・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
教育と福祉が連携して切れ目ない支援を行うためには、学校と放課後等デイサービスなどの関係機関などが一層連携を深め、本人や保護者の意向を踏まえつつ、児童生徒等の支援に関する必要な情報の共有などを関係機関等と図ることが重要だと考えております。
文部科学省といたしましては、平成二十九年十二月に文部科学副大臣と厚生労働副大臣の下に家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトを設置をいたしまして、平成三十年三月にこのプロジェクトの報告が取りまとめられているところでございます。その中では、学校と放課後等デイサービスとの連携を進めることや、また、その連携に当たりましては、学校で作成いたします障害のある児童生徒に関する個別の教育支援計画について、関係機関と連携して作成するように必要な規定を省令に置くべきであるというふうなことがされまして、平成三十年八月に学校教育法施行規則の改正を行いまして、更なる関係機関との連携の構築がなされる仕組みも設けたところでございます。
また、令和三年六月には障害のある子供の教育支援の手引を改訂をいたしまして、学校や教育委員会関係者が日常的に放課後等デイサービスの事業者等との連携を図ることが有用であるということについて明記をいたしまして、改めて通知をしているところでございます。
学校と放課後等デイサービスの連携の実態につきましては、毎年度文部科学省と厚生労働省で合同開催しております全国合同会議におきましても、積極的な取組を行っている自治体からの事例の報告を受けるなど、各地域の実情に応じて学校と放課後等デイサービスとの必要な連携が図られているものと承知をしているところでございます。
引き続き、厚生労働省とも連携いたしまして、学校と放課後等デイサービスの連携を含め、教育と福祉の連携が図られるよう努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/59
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060・宮沢由佳
○宮沢由佳君 重度心身障害児に対する職員の配置、それから基本型と言われる軽いと見られる障害児の配置が、これが随分違う。その中で職員は、明らかに重度心身障害児であるほど重篤な状況であるので、保護者にあなたのお子さんは重度心身障害児であることを認めてほしいというふうに要求しても、この重度心身障害児という言葉を自分の子供に当てはめたくないということで認めない、絶対にこれは認めたくないということが起こっておりまして、明らかに重度の心身障害児であっても、保護者が認めないために基本型に移行してしまう。
つまり、職員がしっかり配置されないということで、放課後デイサービスに受け入れてもらえない事例が後を絶たないということで、保護者からこの名前を、重度心身障害児という言葉を変えてもらいたいという要望があるということを厚労省、知っているでしょうか。また、検討があれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/60
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061・堀内斉
○政府参考人(堀内斉君) お答えいたします。
障害をお持ちのお子様を持つ保護者の方が、子供の成長、発達の過程で様々な葛藤に直面するものであるということは認識しておりまして、こうした保護者をしっかりとサポートすることも障害児通所支援の大切な役割であると考えております。
児童発達支援ガイドラインにおきまして、丁寧な家族支援を行うことが必要であり、特に、保護者が子供の発達を心配する気持ちを出発点とし、日々子供を育てている保護者の思いを尊重し、保護者に寄り添いながら支援を行っていくことが重要である旨はお示ししているところでございます。
また、放課後等デイサービスガイドラインにおきましても、保護者の困惑や将来の不安を受け止め専門的な助言を行うことや、父母の会の活動支援等により同じような悩みに直面している保護者同士が交流して理解を深めていけるよう支援すること、そうしたことが重要である旨もお示ししているところでございます。
ただいま議員から御紹介いただきましたような名称を変更してほしい旨の声、直接伺ってはおりませんが、今後、保護者の方々の声を丁寧に聞きながら、保護者が安心して子育てを行うことができるよう施策を検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/61
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062・宮沢由佳
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
是非、保護者の声を聞いていただきたいと思います。まさに、こういった放課後デイサービスの問題も、福祉そして教育、様々な問題が絡んでいますので、私は一緒にしていただきたい、一つにしていただきたいという思いが非常に強くあります。
今回の政府案で現在の子供を取り巻く課題を本当に解決できるのか、更に疑問に思ってしまいます。子供の虐待、貧困、いじめ、不登校などは複雑に絡み合っています。個々の事例によっても違います。一人一人様々な要因がある子供の課題について、政府はどのように対応するのでしょうか。主な要因ごとに対応するのか、複数の要因を踏まえて複合的に対応するのか、対応の方法について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/62
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063・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
昨年末に閣議決定した基本方針において、今後の子供政策の基本理念として、子供や家庭が抱える様々な複合する課題に対し、制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目のない包括的な支援を掲げています。子供の抱える困難は、子供自身の要因、家庭の要因、生育環境の要因など様々な要因が複合的に重なり合っています。複数の要因を踏まえて、重層的な視点からアプローチすることが必要であります。
このため、こども家庭庁においては、関係機関、団体が連携して、困難を抱える子供や若者、家庭に対して、アウトリーチ型、伴走型の支援を届けるための地域の支援ネットワークづくりを進めます。また、子供や保護者等の相談に応じて情報提供や助言を行う拠点である子ども・若者総合相談センターの設置促進と機能強化を図ります。
さらに、子供や子育て当事者の視点に立った情報発信やSNS等を活用したプッシュ型の情報提供に取り組んでいきます。加えて、地方自治体における子供データ連携を進め、支援が必要な子供を発見し、しっかりプッシュ型の支援を推進します。
こども家庭庁の下で、地域における関係機関やNPO等の民間団体等の連携、そしてそれぞれの子供や家庭の状況に合わせて必要な支援が届けられるようアウトリーチ型支援をしっかり充実させてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/63
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064・宮沢由佳
○宮沢由佳君 そのためには調査が必要だと思います。この複雑な要因をどのように調査して、どのように要因を明らかにしていくのでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/64
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065・相川哲也
○政府参考人(相川哲也君) お答えいたします。
ただいま大臣から答弁いたしましたとおり、子供の抱える困難は、発達障害などの子供自身の要因、保護者の精神疾患などの家庭の要因、生活困窮などの生育環境の要因など様々な要因が複合的に重なり合って、いじめ、不登校、引きこもり、非行といった様々な形態で表出するものであります。
課題が深刻化、複合化しておりまして、単一分野の専門性のみでは解決できないとの認識の下、地域において教育、福祉、保健、医療、雇用などに関係する機関や団体が密接にネットワークを形成し、協働しながら子供や家庭が抱える困難の要因を分析し、重層的にアプローチをしていくことが重要であります。
こども家庭庁が所管することとなります子ども・若者育成支援推進法では、学校や教育委員会、児童相談所などの児童福祉機関、地域のNPOなどの関係機関、団体において、子供や若者、家庭への支援を行うことや、必要な支援が早期かつ円滑に行われるよう子供や若者の状況を把握すること、また、地方公共団体において、関係機関、団体から成る子ども・若者支援地域協議会を置くことなどについて努力義務が課せられているところであります。
子ども・若者支援地域協議会などの地域の支援ネットワークにおいて個別にケース会議を実施するなどして、それぞれの子供や家庭の状況に合わせて必要な支援が届けられるようアウトリーチ型支援を充実してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/65
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066・宮沢由佳
○宮沢由佳君 是非調査は行っていただきたいと思います。
実は、この困難事例、どこから上がってくるか。もちろん病院や保育園やそして学校から上がってくることもありますけれども、最近の事例としては、子供食堂やフードパントリー、そして地域活動によって上がってくることが特にコロナ禍では大変多いという状況になります。
例えば、フードパントリーというのは食料を支援するわけですけれども、今までフードバンクが行ってきた、段ボールに入れて、どこから届いたかが分からないように個別に宅配していた時代では、ときには、返信用のはがきで助かりました、ありがとうございますという短いメッセージはあったんですけれども、直接利用者にお会いすることが少なかったんですね。
ところが、このコロナ禍において子供食堂もできない中で、フードパントリー事業が全国で大変増えました。食料を直接取りに来ていただいて、そこで渡す。そういったときに、利用者さんとフェース・ツー・フェースで会うことができた。そこで、お母様方、また外国人の方、学生から、こんなに困っている、こんなに大変な状況だということがフードパントリーに寄せられるようになった。
そして、その中で、特に子供に関しては、実はDVを受けている又は貧困で大変な状況にある、また子供が障害があるということで、まさにフードパントリーで活動しているNPOなどの皆様が窓口になってしっかりと、今までそういった方々の中では、わざわざ市役所、市町村役場へ行って窮状を訴えるということさえも気付かない方々、大変困窮している方々が、食料を受け取るというきっかけで、自らの大変な状態を言葉にしてそういった支援の方々にお伝えすることができるようになった。これ大変大きな事例でございまして、こういった活動を行政としても政府としてもしっかり後押ししなければならない状況の中で、まだまだ手弁当で皆様がやっているのを、ただただ近所の子供食堂に行ってください、近くのNPOにお尋ねくださいという状況ではいけないと思います。しっかりとこういった地域活動を支えていく、また支援していく、そして予算を立てていくということも大変重要であると思います。
野田大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/66
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067・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
NPOを始めとする様々な民間団体でございますけれども、今議員が御指摘になりましたように、支援が必要な子供の存在を知るために非常に活動されておりますし、さらに、地域における子供や若者、子育て家庭に対する支援の重要な担い手であるというふうに認識しております。その取組を支援するとともに、ネットワークを強化していくことが重要だというふうに考えているところでございます。
このため、例えば、これまでも市区町村のファミリー・サポート・センター事業に対して内閣府から補助を行っており、運営をNPO等へ委託する場合にも活用いただいております。また、議員御指摘の子供食堂やフードパントリーに対しては、例えば、内閣府におきまして、子供食堂等の居場所づくりを行う自治体に対する地域子供の未来応援交付金によりまして、子供食堂を始めとする支援団体と関係行政機関等との地域ネットワークの形成支援を行うとともに、個人や企業などの寄附を原資とした子供の未来応援基金などを通じまして、支援団体を直接支援し、運営基盤の強化に取り組むなど、その活動を後押ししているところでございます。
こども家庭庁が創設された暁には、今後ともこれらの取組を通じまして、子供の健やかな成長や子育て家庭を支援するNPO等の民間団体を当然後押ししてまいりますとともに、積極的なNPO等との、民間団体との対話、連携、協働を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/67
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068・宮沢由佳
○宮沢由佳君 しっかりと支援をいただきたいと思います。
質問二つ飛ばしまして、保育士の処遇改善について伺いたいと思います。
保育士の処遇改善については、その必要性が言われてかなり時間もたっておりますけれども、なかなかまだまだ十分とは言えないと思います。大臣は、なぜこの処遇改善しっかりと進まないのか、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/68
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069・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 保育士は人間形成に極めて重要な時期に子供の保育を行う専門職であられ、重要な役割を担っている一方で、保育園の現場では人手不足の状態が続いているということはもう承知をしています。その要因としては、給与が他の職種に比べて低い状況にあることのほか、業務上の負担が大きいことなどが考えられ、保育士の人材確保に向けて処遇改善などに取り組む必要があると考えています。
このため、内閣府においては、これまで累次の処遇改善に取り組むとともに、厚生労働省においては、保育士の業務負担の軽減や働きやすい環境整備を図るため、保育業務のICT化や保育補助者雇い上げ事業などに取り組んでいるものと承知しています。
引き続き、厚生労働省と連携して取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/69
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070・宮沢由佳
○宮沢由佳君 保育士の課題には、都市と地方の課題の違いがあります。都市部では保育園が足りない、地方では入園する子供が少ない、真逆と言える課題があります。
また、都市部と地方で処遇格差も生じています。十万円以上の差があると言われています。職員配置の割合の見直しや公定価格の見直しなどの課題もあります。厚労省はこの課題を把握しているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/70
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071・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 保育の課題でございます。
令和三年四月の待機児童数を見ますと、調査開始以来、三年連続で過去最少となります五千六百三十四人となりました。八割以上の市区町村において待機児童は解消しております。都市部の一部では引き続き待機児童の問題に対応する必要がある一方、地方部を中心に定員割れが生じている保育所等もあるものと承知をしています。
こうした状況の中で、今後は、人口減少地域も含めた各地域において小学校就学前の児童に良質な保育を提供し続けるために、保育所を地域社会のために欠かせない社会インフラとして維持していくことが重要と認識をしております。
こうした問題意識から、昨年、厚労省におきましても有識者の検討会を開催いたしました。昨年末に取りまとめが行われておりますけれども、具体的には、人口減少地域における保育所の在り方、多様なニーズを抱えた保護者、子供への支援、保育所、保育士による地域の子育て支援、保育士の確保、資質の向上等という四つの柱に沿って今後取り組むべき事項が示されました。今後果たすべき役割、機能に応じた公定価格あるいは職員配置などについても課題として言及をされているところでございます。
こうした提言も踏まえて、関係省庁と連携して、必要な財源確保と併せて検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/71
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072・宮沢由佳
○宮沢由佳君 野田大臣、山梨県、本当に困っているんです。実は、東京に近いという距離感もありまして、山梨県の処遇が、東京の方が十万円以上高いということで、山梨県でせっかく保育士資格を取った若い女性たちが東京で就職しています。そこで、山梨県、大変な保育士不足になっております。保育士の卵の子たちに聞きますと、やはりそこで生活も懸かっているから保育士の給与だけでは生活ができない、しっかりとした給与がもらいたい、だから東京に出ていくんだということで、これは大変な問題になっております。県内のある市では、保育士を確保できなくて、ゼロ歳児保育が今年できないという現状がありました。
これ、全く逆行している。保育士の処遇を都市や地方で分け隔てなく、しっかりとした公定価格を上げて、どこにいても保育士がきちんと尊厳を持って仕事ができる、そういった環境を整えなければ、こういった地方の保育士不足はますます拍車が掛かっていくと思います。こういった事例がないようにどうすればいいか、もうまさに今考えているところですけれども、野田大臣の感想を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/72
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073・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
ただいま御指摘いただきました地域の差の部分については、恐らく公定価格におきまして地域区分というふうなことを設けているということの御指摘に含まれるかと想定をしております。
子ども・子育て支援新制度の公定価格では、民間給与について地域差があることを反映するために地域区分を設けているというところでございます。具体的には、統一的、客観的なルールであることの必要性ですとか、介護保険等、他の社会保障分野制度との整合性などを踏まえまして、地域ごとの民間給与水準を反映させている国家公務員、地方公務員の地域区分に準拠して設定をしてございます。
こうした地域区分の基本的な考え方につきましては、令和元年十二月の子ども・子育て会議の取りまとめにおいても維持すべきとされたところではございますけれども、その上で、令和二年十二月、私ども、子ども・子育て会議におきまして、周辺地域との地域区分の差が大きい場合について課題として指摘をされているということを踏まえまして、介護保険その他の社会保障分野との整合性を踏まえつつ、必要となる財源の確保と併せて検討すべきであると、また、その際、保育士の確保に向けた支援についても議論すべきであるといった一定の整理がなされているところでございます。
こうした子ども・子育て会議の議論も踏まえまして、子供、子育てに関わる有識者や関係者に御議論いただきながら、引き続き取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/73
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074・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今、当然問題意識を持って会議等々で検討されているということで、しっかりと子供たちにとって大切な地域環境を守れるよう取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/74
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075・宮沢由佳
○宮沢由佳君 地方の保育士不足、本当に大変な状況で、実はこういった間を縫って、まあ悪徳業者かどうかは分かりませんけれども、保育士を紹介する業者が大変な暴利、高いお金で保育士を派遣しているという事実もあるようですので、これは消費者庁の方に私も質問したことがございますけれども、一年契約をしたら二か月分、三か月分を前払で業者に支払わなければいけない、その後で途中で保育士が辞めてもそのお金を返さなくてもいいというような個別の事例があるようですから、今このままだと地方から保育士がいなくなって地方で子供を見られなくなる、保育士が減れば子供を預かることができなくなる、そして更に都市に集中していくという状況は絶対に避けなければいけないというふうに思います。
次の質問に行きます。
子ども家庭福祉ソーシャルワーカーについて伺います。
どのような資格なんでしょうか。この資格をつくった趣旨も併せてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/75
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076・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 今般提案させていただいております児童福祉法改正法案におきまして創設する子供家庭福祉分野の資格につきましては、実務経験を有する社会福祉士、精神保健福祉士、その他保育士、相談援助等の実務経験者が、国の定める基準にのっとった認定機関による子供家庭福祉分野に関する指定研修、ソーシャルワークの研修、試験を受講すること等により取得できる認定資格として提言されております。審議会からも提言が行われております。
この認定資格は、児童福祉司の任用要件を満たすものとして児童福祉法上位置付けるとともに、児童相談所に限らず、市町村、児童福祉施設といった子供家庭福祉の現場において相談援助業務を行う方々に広く取得をいただきたいと考えております。
この制度創設の趣旨といたしましては、児童相談所等の虐待相談対応件数が年々増加し、子供の命が奪われる重篤な事例が後を絶たないなど、児童虐待の問題が深刻さを増している中、児童相談所等の子供家庭福祉の現場にソーシャルワークの専門性を十分に身に付けた人材を早期に輩出することを目的として創設するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/76
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077・宮沢由佳
○宮沢由佳君 これがどうもよく分からないんですよね。ソーシャルワーカーも大変貧困ワーカーと言われるような状況でいる、保育士も大変処遇が悪い、そして児童保健福祉士もなかなか活用が十分に生かされていない。そういった中でなぜ新しい資格をつくらなければいけないのか、ここがよく分からないです。何が足りないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/77
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078・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 御指摘のとおり、既に様々な子供家庭福祉の現場においては、社会福祉士、精神保健福祉士等のソーシャルワーカー、あるいは保育士などの専門職の方に既に御活躍はいただいていることは、そのとおりでございます。
今般、改正案におきまして導入する認定資格は、現場の専門性を更に高めるということで、審議会、これは社会的養育専門委員会の先生方に御議論いただき、その報告書を踏まえて、子供家庭分野に更に特化した知識、経験を身に付ける新たな資格を設けるということが提言され、それを踏まえて提案をさせていただいたものでございます。
具体的な研修の内容につきましては、今後施行までに検討いたしますけれども、複合的かつ複雑な事案について、子供や親、関係者に対するソーシャルワーク等について改めて理解を深めるようなものを検討しております。
現在御活躍のソーシャルワーカーの方、あるいは保育士等の方々にも意義あるものにしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/78
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079・宮沢由佳
○宮沢由佳君 どうもこれもやっている感を出したいだけなのではないかと思うのは私だけかもしれませんけれども、ソーシャルワーカーや保育士が十分活用されていない。そして、しっかりと、せっかく資格を取ったのに、なかなか処遇が悪くて、資格を持っているのに実は違う仕事に就いている、こういう方が非常に多い中で新たな資格をつくる。この、民間資格ではありますけれども、こういった資格を生んで、貧困ワーカーがどんどん増えていく、そして実際に資格を持っていても仕事はできていない、こういった状況を生み出すことになるのではないかと危惧しています。
大臣の所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/79
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080・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 新たに創設する資格の処遇ということかと思います。
処遇、適切な処遇を確保していくということは非常に重要だと考えております。例えば、今、この創設されます資格については、児童相談所におきまして児童福祉司のスーパーバイザーになるために必要な実務経験年数を短縮することによって責任ある役職に早期に就くことができることにするなど、工夫を考えておりますけれども、今後とも、児童相談所あるいは市町村、児童福祉施設への配置が進み、実効性が上がるような工夫というものを検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/80
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081・宮沢由佳
○宮沢由佳君 保育士として一言申し上げます。
保育士の仲間たちがこう言っているんですね。私たちの本当に価値を社会が分かってくれていないんじゃないのか。私たちはしっかり子供の命を支えているつもりであっても、この保育士の価値がなかなか上がらない、認めてもらえない、尊厳を認めてもらえない。処遇は上がらないし、そして、こういった児童虐待や貧困の対応として新しい資格が次々と生まれていって、その方々に任せていく。もっともっと保育士の活用を考えていただきたいと思います。
次の質問に行きます。こども家庭センターの設置について伺います。
保育士、保健師などの専門職の人材確保が困難なことによって子ども家庭総合支援拠点が設置できていない自治体が存在しています。新たにこども家庭センターを設置するには、子育て世代包括支援センターの機能を拡充する自治体が多いと考えられます。いずれの機能を持つことにより業務負担の増加が予想されます。また、支援計画、サポートプランの作成も新たな業務負担となります。
既に子育て支援に必要な人材が不足している状況の中で新たな業務負担させることについて、大臣の御意見はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/81
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082・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) これも児童福祉法の改正案の中身でございますので、厚労省の方からお答えさせていただきます。
今審議いただいています児童福祉法の改正案におきまして、こども家庭センターの設置、サポートプランの作成など、市町村には様々な対応をお願いすることになりますが、子育て世代の抱える悩みや負担を軽減し児童虐待の未然防止につながるものとして見直しの趣旨を十分御理解いただき、設置を進めていきたいというふうに考えております。
既に九割以上の市町村におきまして、子育て世代包括支援センターあるいは子ども総合支援拠点というベースになる相談拠点はございます。こうした中で、こども家庭センターの設置に当たって、特に小規模な自治体においては専門職の確保などの体制構築に課題があるというふうに考えておりまして、この点については、市町村において相談支援、指導等に関わったOBも含めた経験者の活用、市町村向けの研修の充実、先ほどの子供家庭福祉の認定資格の取得促進などによりまして、市町村において適切な人材が確保できるよう支援してまいりたいと思います。
また、市町村の負担の軽減という点につきましても、サポートプランを自治体が作成する際の様式を国において提示することや、地域の適切な関係機関において必要な委託を進めるなど、人材確保のための財政支援あるいは柔軟な人員配置などによりまして、市町村に過度の負担にならないような施行に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/82
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083・宮沢由佳
○宮沢由佳君 質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/83
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084・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十八分休憩
─────・─────
午後一時十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/84
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085・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、宮沢由佳君及び自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として塩村あやか君及び宮本周司君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/85
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086・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 休憩前に引き続き、こども家庭庁設置法案外二案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/86
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087・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。午後もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、こども家庭庁の設置法案に関連して質問をさせていただきます。五十分ということでちょっと長丁場ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
野田大臣はおととい、御自身のブログで、「国会は終盤、参議院での法案審議中。与野党問わず、こどもたちへの熱い思いを受け止める毎日です。」というふうに書かれておりました。私も同じ気持ちで本日は質問させていただきたいというふうに思っております。是非、野田大臣にも子供たちへの熱い思いを答弁をしていただきたいというふうに思っております。
それでは、まず厚労省からこども家庭庁に移管される児童相談所に関してお伺いをしたいというふうに思います。
昨年、ある自治体で、里親委託を実親が解除したことにより児童相談所が里親と子供の両者を引き離すというような事案が発生をいたしました。この事案は、生後二か月から五歳まで育てた里親さんで、そのお子さん御本人には、環境変化に付いていけないというか苦手だということ、環境の変化に適応することが苦手だというような発達特性をお持ちだということでございまして、真実告知、あなたは里親としてうちの元に来たんだよというような真実告知がしていない状態だったそうなんですね。つまり、二か月で里親さんのところに来て五歳まで育てられて、真実の告知はされていないという状態の中で引き離されてしまったと。
このように里親委託を児童相談所が一方的に解除することは必ずしも珍しいことではなく、よくあることだとも言われるそうなんですが、今回の事案に限定したことではなく、広く一般論として、養育を続けて良好な関係を築いてきた里親と子供を公が引き離す、それも一方的に引き離すことができるこの現在の制度に対して大変苦しい思いをされている当事者の方や里親支援を行っている皆さんから当事務所としてもヒアリングを重ねてまいりました。本当に胸が張り裂けそうな思いだということで、毎日泣いているというようなお話もいただきました。全国で起こっている里親委託の一方的解除は、子供の利益や心身の発達に配慮されているとは言えないんだというようなこともおっしゃる方もいらっしゃいます。
ただ一方で、これは新聞報道にもありますけれども、実の親ですね、実の親の方も、ずっと会えずに不安だったと、そして児童相談所に対して手紙を書いていたんだけれども、その手紙が里親さんに届くことがなくて、里親さんも不信感を募らせてしまったという、これはどちらがいい悪いということではなくて、非常に悲劇が起こってしまったんじゃないかなというふうに思っております。
こうした悲劇は是非改善をしていただきたいというふうに思うんですが、厚労省からこども家庭庁に児童相談所の業務が移管された後、どのような改善が図られるんでしょうかということをまずお伺いしたいと思います。子供の最善の利益を優先して考慮するとされるこども家庭庁において、里親委託を見直す場合、全ての関係者からまた改めて丁寧にヒアリングを行ってほしいということを要望したいと思いますし、子供にとって何が一番良いことなのか、野田大臣の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/87
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088・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
まず、今の案件のように一方的に解除、児童相談所が一方的に解除することについていかがというのと、こども家庭庁によってどういう形になっていくかという二点いただいたと思いますが、まず一般論として、里親制度は特定の大人との愛着関係による家庭的な養育環境の下で子供を養育するものであり、委託の変更、解除は里親だけでなく子供に大きな影響を与えることから、子供や里親等の意向も踏まえながら検討され、子供の最善の利益に適合する形で図られることが重要であると考えています。
里親委託は児童福祉法にのっとって基本的には親権者等の同意の下で行われるものであり、親権者等の同意が撤回された場合には、ケースによって異なりますが、基本的には児童相談所において一時保護を行い、アセスメントを経て家庭復帰又は児童養護施設等の施設への入所等の措置、こういった新たな援助方針を検討することとなると承知しています。
里親委託の解除に関して児童相談所において適切な判断が行われるよう、委託中の援助方針の決定に当たっては、児童相談所運営指針において、子供の意向、親権者等の意見及び親権者等の家庭養育環境、里親を含めた具体的援助を行う者や社会資源等の条件を考慮、アセスメントですね、し、その子供の最善の利益に適合する援助を選択するとともに、その理由を明確にしておくようお示しするとともに、里親委託を解除する、その際等の家庭復帰の適否を判断するためのチェックシートをお示ししていると承知しています。各児童相談所においては、運営指針やこのチェックシートも活用いただきながら、里親委託解除に関して子供の最善の利益の観点から適切に判断いただきたいと考えているところです。
あわせて、虐待などの事情により親元で暮らすことができない子供たちに対して、温かい家庭的な養育環境を提供していくことが必要であります。こうした子供のケアニーズに応じた家庭的な養育環境を提供するためには、十分な数の里親を確保することと併せて、里親家庭を支援して、子供にとって温かく適切な養育環境、これを整えることが重要であります。
現在は、各都道府県において都道府県社会的養育推進計画、これを策定して、里親等委託の推進を始めとした家庭養育優先原則を徹底するための取組を行っており、厚生労働省においては、里親委託に意欲のある自治体への補助金、この補助率のかさ上げ等を行い、都道府県の取組を推進しているものと承知しています。
また、里親のリクルートや里親への研修と併せて、里親家庭に対してより一貫した伴走型の支援を実施して、里親と児童の間のミスマッチや里親家庭が課題を抱えて孤立してしまうような状況を防止するために、今般の児童福祉法の改正案において里親支援センターを児童福祉施設に位置付けるとともに、センターにおいて実施する里親支援事業、これに要する費用を義務的経費化することとしているものと存じております。
これらの取組を通じて、里親を孤立することなく必要な支援を必要なときに受けられる環境、これを整備することで里親家庭に育つ子供にとって最善となる支援体制が構築できるよう、こども家庭庁においてもしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/88
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089・石川大我
○石川大我君 大臣にはるる御説明をいただきました。
この問題、新聞の中で大学の先生がおっしゃっているのは、里親と実の親と児相と協働、協力の協に働くで協働ですけれども、そういったことが必要だという御指摘もされているところなんですが、この実親、里親、これどちらの家庭が優先されるべきということは、これはないと思うんですが、今の運用だとどうしても実親の方が、もちろん親権者の同意というのは非常に大きいものがあるというふうに思うんですが、どうしても実親が優先されてしまっていて、里親が、例えば児童相談所にちょっとにらまれてしまったら子供をすぐ取り上げられてしまうというような、そういったことにちょっとびくびくしながら里親を続けているなんていう実態もお聞かせいただいたわけですけれども、これは実親、里親、ここはもちろん同じ条件下ということですけれども、どちらも平等だということでお考えとしてはよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/89
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090・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 実親、里親についてですが、こども家庭庁においては、子供を中心に子供の成長を支える子供にとっての居場所を広い意味での家庭と考えています。この家庭には、実親、里親、どちらも含まれると考えています。実親が養育する場合はもちろんのこと、里親が養育する場合であっても、家庭と同様の養育環境としていずれを選択したとしても、子供の健全な育成に資するようしっかりと支援が受けられるよう環境整備をしていくことが必要であります。
このため、里親が養育する場合は、里親手当を始め養育に必要な手当等を支給するとともに、里親養育包括支援、フォスタリング事業を通して里親への支援体制の確保等を行っているものとも承知しています。また、実親が養育する場合も、ショートステイや家事援助など福祉サービス等を通じて家庭の状況に応じて様々な支援を行っているところです。
実親、里親のいずれの元で養育されたとしても、子供が適切な養育環境で育つことができるよう、こども家庭庁においても引き続き取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/90
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091・石川大我
○石川大我君 是非里親の皆さんの声がしっかり反映できるようにしていただきたいなというふうに思っていることと、あと、今子供の利益、気持ちこそ最優先ということだというふうに思うわけですけれども、これも聞いたお話なんですけれども、子供に意見を強要するかのような事案というのがあるわけですね。
つまり、子供、お子さんを里親の元から引き取るといいますか、児童相談所が一旦預かるといったときに、子供としては里親の元にいたいんだということを言って、泣き叫ぶというか、嫌だというふうに言うわけですけれども、児童相談所のスタッフが玄関に座り込んで、子供が、分かった、行くというふうに言うまで玄関にずっと座り込んでいるようなことで、子供としては、児童相談所の大人がいる、里親の元にいたいと言うんだけれども里親もちょっと困った顔をしていると。そんな中で、その子供が、分かった、行くということを言うまで児童相談所の職員が座り込んで、半ば脅迫的にその言葉を、子供の一言を待つというような、それで子供が言ったから引き取ったんだということを言うのかもしれないんですが、児童相談所は。
そういうことはちょっとあってはならないんじゃないかと思っていまして、それは何より子供のトラウマということにもなるでしょうし、そういったことにならないように、いろいろ事例があると思いますので、そういったところは是非里親の皆さんの声も聞いていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/91
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092・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
今般、厚生労働省から提出をされております児童福祉法改正案の中におきましては、まずは、その施設入所であったりとか里親委託の措置、あるいはまた解除をされる場合におきます都道府県知事、児童相談所による意見聴取の義務化ということが盛り込まれております。また、児童相談所とは別に意見表明等支援事業という形で、いわゆる子供アドボケートというような言われ方をされておりますけれども、そういった子供の声を代弁をしたりとか、あるいは意見表明を支援する事業というものを創設をすることとしております。
これらの運用の中でしっかりときめ細かく、かつ適切な対応がなされるように、今後、これらをこども家庭庁において引き継ぐことになりますので、しっかりとそのガイドラインなども含めまして検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/92
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093・石川大我
○石川大我君 今御答弁いただきましたけれども、やっぱりこういった事案はあってはならないなというふうに思っております。
大臣の感想というか、今そういった、今度新しい機関も設置されるということで、そういったことを活用していただきたいというふうにも思っておりますけれども、是非、そこら辺、意気込みをお聞かせいただければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/93
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094・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今参考人が答弁いたしました。私もそのとおりでありまして、更に子供の立場に立ってしっかりといい家庭環境をお届けできるよう取り組むことを約束したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/94
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095・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
大人の都合で動いてはいけないなというふうに思っております。やはり、そこも子供中心で是非やっていただきたいというふうに思っております。
そして、広報についてちょっとお伺いしたいんですが、十月に毎年キャンペーンをされているそうなんですが、SNSなども通じてですね。うちの事務所のスタッフにも確認したんですが、私も含めてこのキャンペーンというのをちょっと見たことがなくて、もう少し是非頑張っていただきたいなというふうにも思っております。
里親になりたい、制度を知りたいというふうに思ってもらえるような仕組みづくりだというふうに思うんですが、諸外国を見ますと、オーストラリアがこの里親率というのが九一・五%、アメリカ七六・七%、イタリア六二・一%という中で、日本は六・〇%ということで極端に少ないということで、これ七五%を目標に掲げているそうなんですけれども、更なる里親率を上げる、里親委託率を上げるために、今までの取組、そして今後の検討を是非お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/95
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096・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えをいたします。
ただいま議員御指摘のとおり、毎年十月は里親月間と位置付けて、集中的な広報、これまでも行っているところでございますが、やはりその里親のなり手を増やしていくということがまずはスタートラインでございますので、里親制度について知っていただき、かつ関心を持っていただくということは、まずはスタートラインだというふうに思っております。
令和三年度におきましては、多くの国民の方が利用するSNSアプリなども活用しまして、年齢、性別で里親に関心が高い層にターゲットを絞った特設サイトに誘導することでございますとか、ネットニュースを活用して年齢などターゲットを絞った広告を運用、配信するなどの広報を行っているところでございます。
また、やはり興味を持ってもらうだけではなくて、やっぱり里親になることについての様々な心理的ハードルを下げるということも非常に重要だと思います。例えば、里親がお子さんを養育をしていただく場合には里親手当でございますとか委託費が払われるわけでございまして、そういったちゃんと経済的な支援があるということでございますとか、あとは、なかなか長期は自信がないけれども短期なら受けられるという、そういうケースもございます。実際、里親制度は、短期里親、それから長期の委託を受ける里親、様々ございますので、そういった短期のニーズもあるということでございますとか、さらに、先ほど言いました里親養育包括支援事業というような形で今力を入れてございますけれども、そういった支援の事業による養育委託後のサポートもあると、そういったようなことなども含めて丁寧な広報と、さらに個別的な相談事業みたいなことも含めて、しっかりと対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/96
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097・石川大我
○石川大我君 答弁ありがとうございます。
恐らく、私考えますに、里親の皆さん非常に不安がっているという意味では、先ほどもお話ししましたけれども、例えば児童相談所の対応とかやり方に対してこうした方がいいんじゃないかということを意見をすると委託解除をされてしまう可能性があってなかなか言えないんだと、児相ににらまれてしまうと子供を委託してもらえないというようなこともおっしゃっておりまして、そういった意味で、適切なコミュニケーションと、批判だったり、あと意見だったり、そういったことを児童相談所もしっかりと受け止めるという意味では、あと里親の方々の一定程度の地位の確保というものがまず必要なんじゃないかなということと。
あと、やっぱり対象者が少ないという意味では、もちろん広報もそうなんですけれども、例えばLGBT、僕の取り組んでいる課題としてはLGBTということで、この後も質問させていただきますが、同性カップルでも既にこれ里親になっている方というのは非常に海外でたくさんいらっしゃいますし、日本でも二〇一七年の四月に大阪で初めて同性カップルを里親として認めようというような動きが広がりまして、その後、全国の児相の、六十九自治体あるそうなんですが、ここにもわっと広がりまして、その中で残念ながら東京だけ一番最後になってしまったそうなんですが、ただ、東京も二〇一八年の十月に認めるということで、全ての児童相談所で同性カップルも里親として認める。ただこれ、一定程度の制限といいますか条件があるわけですけれども。
そういった中で、子供にとって必要なのは、やっぱり温かい、子供を受け入れて、そしてその中で育っていくというような状況だというふうに思いますので、海外の事例なんかでも、それは男女のカップルに限ったことではなくて、男性同士、女性同士のカップルの中でも健やかに育っていくんだというようなことで同性カップルが里親になるという事例も増えているという中で、こういった幅の広がりと、あと里親の地位の確保。
そしてあと、児童相談所の方々もこれ大変でして、私、豊島区の区議会議員時代に児童相談所に視察に行ったんですが、皆さんもう時間外労働、そして自己犠牲の下、成り立っているというような状況で、そういったところへのやっぱりサポート、人員の確保というものが必要だというふうに思いますが、御意見いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/97
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098・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 里親委託の変更や解除は、里親だけでなくて子供に大きな影響を与えることから、子供や里親等の意向も踏まえながら検討されるべきものです。ですから、そのため、不調等により委託解除等を防ぐ観点からも、児童相談所は関係機関と連携しながら里親に対して定期的な訪問等により相談支援を行うこととされているわけです。
御指摘のような懸念、心配から里親が児童相談所への相談等をちゅうちょするようなことがないよう最大限の配慮が必要であります。里親がより良い相談支援を受けやすい環境の整備を図る必要があることから、この度の児童福祉法の改正案においては、児童相談所とは別に里親支援に特化した児童福祉施設である里親支援センターを創設することとしているということを承知しています。こども家庭庁においても、里親に対して、より伴走型の支援を実施できる体制の構築に努めています。
振り返りまして、自分も子供が授からないということを知ったときに、いろんな子供とのアクセスがあったんですけれども、やっぱり里親というのがまだまだ当時はしっかり伝わっていなくて、私の情報の中にも入ってこず、養子縁組という形が割と次の手段みたいになっていたので、そういう意味では、今の反省を踏まえて、しっかりと多くの方に里親と子供のつながりについて周知徹底できるよう努力してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/98
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099・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
里親支援センターできるということですので、里親の人たちが物を申せて、風通しのいい環境を是非つくっていただきたいというふうに思っております。
続いて、社会的養育の措置解除後ですね、少し大人になってきた場面だと思いますけれども、何らかの理由で社会にうまく適応できなかった若者が困窮してしまう、行政のサポートなど困窮者を支援する施策はあるんだけれども、そこにたどり着けないといった若者もいるというふうに聞いております。居場所を失い、そのまま路上生活者として生活を送るというようなケースもあるそうです。
厚労省では、彼らが社会に出るところ、つまり具体的には就労というところでどのような企業に就職をしたのかというところは把握しているそうなんですが、これ継続的に、仕事が継続されているか、うまくいっているかといったところは調査をしていないそうなので、そこら辺は是非調査をしていただきたいというふうに思っております。
こうした調査をすることによって支援ができてくると思いますので、その後のサポートづくりという意味では、サポート体制づくりという意味でも非常に重要だというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/99
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100・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えをいたします。
児童養護施設を退所した方々、様々な困難を抱えられる。例えば、住居一つ借りるにしても、保証人の問題に突き当たるとか、これまでも様々なことが指摘をされてございます。そういった意味で、御指摘いただきましたとおり、退所後の状況、困り事をしっかりと把握をして、退所者の方の自立支援に資する施策を検討するということは非常に重要なことだというふうに考えてございます。
厚生労働省におきましては、令和二年度に児童養護施設の退所者等を対象とした支援ニーズを把握する調査研究を実施をしたということで聞いてございますし、また、令和三年度補正予算を活用して退所者の実態把握を進めることと承知をしております。
また、やはり社会的養護経験者は同じような悩みを抱えているという意味では、いわゆるピア的な関わりというのは重要だということで、そういった経験者の交流事業などについての補助事業なども創設をしているところでございます。
そういったところももろもろ含めまして、しっかりと、何が求められている支援かといったことをしっかり把握をして、それをこども家庭庁において引き継いで対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/100
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101・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
今回、この里親の問題、ヒアリングにも協力していただきました里親さんからメッセージをいただいております。このようにおっしゃっています。
実親は、里親委託を許可すると知らないうちに子供を取られてしまうかもしれないと思い、一方、里親は、どれだけ愛情を込めて大切に養育しても、機械的にこういう契約でしたと子供と切り離され心を病んでしまう、実親と里親も両方が子供を大切にしているということをきちんと子供に伝え、両方が子の成長を助け合う、そういう社会的養育にしなければならないと思いますというようなメッセージをいただきました。
本当の意味で、子供を中心としまして、子供の気持ちに寄り添いながら最善の選択ができる環境づくりを是非これからもしていっていただきたいというふうに思います。
続きまして、LGBTの問題について取り上げたいというふうに思います。
まず、法案名の言葉の定義についてお伺いをしたいと思います。
法案には、平仮名の三文字で「こども」という文字が使われております。念のためのこれ確認ですけれども、こども家庭庁設置法案について、趣旨説明でも、「こども」を誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しをしていくとか、常に「こども」の視点に立った政策を推進というふうに述べられております。
法案の言うこの平仮名三文字の「こども」にLGBTの子供も当然含まれると思いますが、大臣の答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/101
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102・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
昨年末の閣議決定した基本方針において、今後の子供政策の基本理念として、誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援を掲げています。こども家庭庁では、こうした基本理念に沿って、子供については、設置法三条で「心身の発達の過程にある者」と広く捉えることとしています。
御質問のLGBT当事者の子供について、当然、本設置法案の「こども」に含まれていると考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/102
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103・石川大我
○石川大我君 明快な御答弁、ありがとうございます。
こども家庭庁設置法案の今度は「家庭」でございますけれども、この「家庭」の意味についてお伺いをしたいと思います。
例えば、LGBTQの立場で考えますと、同性間の婚姻がまだ日本では認められていない、そういった状況の中で、このこと自体はとても問題だとは思いますが、戸籍上、同性であるお二人の方が婚姻関係結ばないまま子育てをしているケースがあります。
そういった同性パートナーが子育てをしている場合、同性カップルとその子供を含めて家庭という認識でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/103
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104・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、基本方針において、子供政策の基本理念、今後の基本理念として、誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援、この下、こども家庭庁ではこうした家族への支援等を行っていくことになります。
「家庭」については設置法上の定義を置いていませんが、血縁関係や法律上の親子関係のみにとらわれず、子供を中心に子供の成長を支える子供にとっての居場所を広い意味で「家庭」と捉え、考え、血縁関係の有無にかかわらず、しっかり支援をしてまいりたいと考えています。
御質問の、現に子育てしている同性カップルの家族についても支援の対象として広く含まれるものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/104
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105・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
最近は自治体にパートナーシップ制度が非常に広く広がっておりまして、その中で足立区は比較的最近このパートナーシップ制度をつくったんですが、足立区はファミリーシップ制度というものもありまして、これはまさに、LGBTのカップルだけでなく、その間にいる子供も含めて登録をして、そしてこのファミリーとして保護していこうと、一定の保護をしていこうという考え方ですので、そういった意味では、今回のこども家庭庁の家庭というところに同性カップルやLGBTが関わるカップル、その子供も含まれる答弁というのは非常に重要だというふうに思っています。
また、本当の意味で子供中心ということであれば、両親の婚姻が認められないことで、つまり同性カップルがですね、様々な困難と直面する子供もいます。
例えば、Aさん、Bさん、女性同士でカップルでいらっしゃって、Aさんの実の子供、お子さんですね、例えばバイセクシュアルだったりして、男性と結婚して男性との間にお子さんが生まれて、御離婚をされて、Aさんが女性のBさんとお住まいになるようになって、そこにお子さんがいらっしゃる場合なんかですと、そのパートナーのBさん、女性のBさんは親権を持っていませんので、様々な手続のときにそのAさんが出てこないと駄目だと。子供としては、Aさんもお母さん、Bさんもお母さんということなんだけれども、実の血のつながっているお母さんはAさんだけですから、Bさんが母親として接しようとしても様々な場面で不都合が生じるということでして、そういった意味では、私たち野党が提出を今しようとしております、再提出をしようとしています婚姻平等法についても議論を進めていかなければならないというふうに思いますが、野田大臣、是非同性婚についてもこれは必要だというふうに言っていただきたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/105
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106・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 政府としては、常に子供の最善の利益を第一に考える、子供に関する取組、政策が我が国社会の真ん中に据えられる、こどもまんなか社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいということを申し上げたいと思います。
性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見を含め、あらゆる差別や偏見は決してあってはならないという認識で、差別やいじめを含め、子供や家庭が抱える様々な複合する課題に対して、こども家庭庁の下でしっかりと支援していくことが重要と考えております。
いずれにせよ、子供中心に子供の成長を支える子供にとっての居場所としての家庭を支援するとともに、今お話がありますように、LGBTに関する悩みを含め、それによって虐待、貧困、不登校など、子供や家庭が抱える様々な複合的な課題に対して、こども家庭庁としてしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
他方、婚姻をめぐる制度については、日本の家族の在り方の根幹に関わる問題で、現在も様々な議論があると承知しています。しっかり議論の状況を注視していきたいと考えているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/106
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107・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
野田大臣、同性婚を求める当事者団体のアンケートに、同性婚に関してどちらかといえば賛成ということで答えていただいておりまして、なかなか大臣としての立場ということでは難しいのかもしれませんが。
以前、予算委員会で小泉環境大臣に同じような質問をさせていただいたところ、私としては賛成だと、一般論としては賛成だというようなお言葉もいただきまして、そういった意味では、当事者の皆さんもそういったお言葉があると非常に勇気付けられると思うのですが、そういった当事者や同性カップルで子育てをしている人、もちろんしていない人もいらっしゃいますが、そういった方々に向けての何かメッセージありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/107
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108・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 通告がないので大臣としてのコメントとしては差し控えますけれども、やはり今議論しているのは、これまでと違って、子供を真ん中に置いた社会をつくるということで、子供にとってやはり居心地のいい場所かどうかということで、私たち大人が今ある人をやっぱり全て認めていくことは大切なことだと思っています。結果によって、大人の環境による子供への差別がなくなるということは明らかだと私は信じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/108
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109・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
子供中心というところから考えても、私としては、これ同性婚というのが認められることによって子供の利益も増進していくというふうに考えております。
人権擁護の担当についてお話をしたいというふうに思います。
こども家庭庁の所掌事務として、こども家庭庁設置法案第四条第十八号に、前二号の掲げるもののほか、子供の権利利益の擁護に関することとあるんですけれども、「(他省の所掌に属するものを除く。)」という括弧書きが入っておりまして、このうち、他省の所掌に属するものには人権擁護に関する事務が該当し、法務省だと思いますが、従前どおり法務省が所掌するというふうに伺っております。この点について伺いたいと思います。
具体例を出してお伺いしたいんですけれども、こども家庭庁にLGBTに関する人権侵害事案が寄せられた場合、人権擁護を所掌する法務省と連携して対応するということが必要になってくるかと思いますが、具体的にどのように法務省と連携し対応を進めるのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/109
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110・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
まず、こども家庭庁でございますけれども、常に子供の最善の利益を第一に考えまして、子供の視点に立って子供を誰一人取り残すことなくその健やかな成長を社会全体で後押しすることとしており、子供の声にしっかりと耳を傾けてまいります。その上で、こども家庭庁ではなく関係省庁が所管する政策についても、こどもまんなか社会の実現を目指して、縦割りの弊害が生じないようしっかり連携してまいりたいと考えております。
議員お尋ねのLGBTQの人権問題や学校での問題についてこども家庭庁に意見が寄せられた場合ということでございますけれども、個別事案の対応については一義的には自治体において行われるものと考えておりますけれども、まず、こども家庭庁に意見が寄せられた場合には、その所管する省庁と当然情報を共有した上で、その省庁から関係する自治体なり教育委員会とまた情報が共有された上で必要な対処がなされていくというふうに捉えているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/110
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111・石川大我
○石川大我君 そうしますと、性的指向、性自認に関する人権侵害が学校内で起こった場合というのは、文科省、法務省、こども家庭庁が連携するということだというふうに思うんですけれども、この場合、人権侵害を受けた子供の目線に立ったときに、問合せが変わるだけでは駄目だというふうに思うんです。
例えば、学校について人権侵害的なことがあり、こども家庭庁に救いを求めてアクセスしたのに、それは文科省ですよということで、そこから都道府県の教育委員会に話が行って、基礎自治体の教育委員会に話が行って、結局うやむやむやというふうになってしまうというようなことがあるんじゃないかなというふうに心配をしています。
また、性的指向や性自認の問題というのは、アウティング、つまり、その人がそうである、LGBTQの当事者であるということをばらしてしまうというリスクがあります。
特に学校なんかですと、この先生に、信頼して、この先生だったら言えるというふうに思って相談したものが、それが、学校って、学校の横のつながりで先生同士がその情報を共有して、それをまた校長先生に共有して、学校みんなでこう対応しようと。それ自体はとてもいいことだと思うんですが、LGBTの問題に関しては、この先生には言えるけれども、この先生にはかつて何か差別的なことを言われたことがあるからこの先生には知ってほしくないとか、そういったことが往々にして起こるわけでして、そうすると、連携をするということが、まさにその個人情報がどんどんどんどんいろんな人に知られてしまうということにもなるんじゃないかなというふうに思っています。
そういった意味では、そういったところがたらい回しにならないような、秘密も含めて守れるような、そういった制度にしていただきたいんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/111
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112・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
今議員御指摘になりましたように、LGBTQの方に関する悩みの相談なり問題対処につきましては、その性格に鑑みまして、やはりそういった方々の人権なり意見を尊重してどうやって対処していくかということは非常に大事なことであるというふうに考えております。
先ほど申し上げましたように、情報を共有した上で、どこまで共有し、またその対処をどうするかということにつきましても、当然、共有した上で、またその方の人権も配慮し、またその方の考え、意見についても配慮しながら対処を進めていかなきゃいけない、そういった連携も今後とも進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/112
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113・石川大我
○石川大我君 是非、体制整備のときにはそういったプライバシーの問題も含めて整備をしていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
続きまして、子供コミッショナーについてお伺いしたいと思います。
私、豊島区の区議会議員をしておったというふうにお話をしたんですが、豊島区、東京の豊島区では、子どもの権利に関する条例というのがありまして、平成十八年三月二十九日に制定されたんですが、ちょっと読みますと、「子どものみなさん」ということで始まるわけです。「子どものみなさん あなたの人生の主人公は、あなたです あなたのことは、あなたが選んで決めることができます 失敗しても、やり直せます」、途中省略しまして、「あなたがあなたらしく生きていけるように、いっしょに考えていきましょう あなたという人は、世界でただ一人しかいません 大切な、大切な存在なのです この宣言をもとに、豊島区は子どもの権利に関する条例を制定します。」というようなふうに、平仮名を使いまして、非常に子供でも読めるような条文になっています。
子供に合わせたメッセージが発信されているということだと思うんですけれども、子供に寄り添うことに特化するという意味では、子供コミッショナーを設置する国がもう六十か国以上あるということで、是非この子供コミッショナー、つくっていただきたいというふうにお願いをするとともに、具体例をお示ししたいと思うんですが。
ゲイであることを公表している方に伺ったんですが、彼は今三十代ですけれども、小学生の頃にしぐさや話し方などを理由におかまというふうに差別を受けまして、中学生のときには同級生数人にトイレに呼び出され前髪を切られるというような被害にも遭っている。それを見かねて彼を職員室に呼び出した担任の先生は、彼に、おまえがぶりっ子をしているからだ、なよなよしているから狙われる、男らしくしたらどうだというふうに言われたということなんですね。
こうした事案が発生したときに、現在の自治体に設けられた子供人権擁護について担当している部署では、相談に乗ることはできるんだけれども、そこに、学校の中に入っていって交渉したり調整をすると、そういったことができないというふうに言われることが多いようです。
例えば、子供本人としては、一人でなかなか先生に、先生、あなたはそれは違うよというようなことを言うというのは非常に大変だと思いますので、そういったときに味方になってくれる大人が付いてきてほしいという場合があると思うんです。
そういったときに、ある程度権限の持った子供コミッショナーというものがあれば、子供に向き合い、そして寄り添い、仲裁に立つことができると思うのですが、野田大臣の御見解をお聞かせください。子供の側に立ち、差別や偏見、無理解といった様々な事案に対応できる子供コミッショナーが必要だというふうに思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/113
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114・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えする前に、今の豊島区の、いい言葉ですね。私も小さな頃にそういうことをしっかり大人から聞かせていただいていれば、もっとまたいろんな違う可能性は自分にあったのかなと。だから、これからの子供たちには今の豊島区の条例の最初の文章のようなものを当たり前のように聞かせていけるようにしていければと今思いました。
コミッショナーについて、いわゆるコミッショナーについては、これまでももうたくさん、質疑において観点、御審議をいただいています。
私どもの方で、こども家庭審議会、ここで子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向けた基本的な政策に関する重要事項等を調査審議する場所、そして、当該重要事項に関し、内閣総理大臣、関係各大臣に、又は長官に意見を述べる、主体的に述べるといった権限も持っています。また、内閣総理大臣等の諮問に応じるだけでなくて、諮問はなくとも自ら調査審議を行う権限を持つということになっています。これらの権限に基づいて、子供の権利利益の擁護に関して政策の評価や提言についての議論を行い、内閣総理大臣や関係各大臣などに対して意見を述べることを想定しています。
こども家庭庁においては、国会での審議をしっかりと受け止めて、子供の視点に立って、こども家庭審議会などで子供や子育て当事者や有識者等の意見をしっかり聞くことにより、公平性、透明性を確保しつつ、子供の権利利益の擁護を図り、その最善の利益を実現できるように施策の充実に取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/114
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115・石川大我
○石川大我君 審議会のお話もありましたけれども、是非子供たちもしっかり参加できるような審議会にしていただいて、子供たちが自由に意見を述べながら、大人たちと対等に話をして、自分たちのことはまさに自分たちで決めるというようなことをしっかりできていければいいんじゃないかなというふうに思っております。
LGBTの子供の居場所についてお伺いしたいと思います。
こども家庭庁の所掌事務として、こども家庭庁設置法案第四条第五号には、子供のある家庭における子育ての支援体制の整備並びに地域における子供の適切な遊び及び生活の場の確保に関することというふうにあります。
子供の居場所づくりに関する指針を閣議決定することになるのであれば、是非ともこのLGBTQの子供の居場所、これが本当なかなかないものですから、安全に過ごせる場所というのを是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/115
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116・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
昨年末に閣議決定しました基本方針において、今後の子供政策の基本理念として、全ての子供が安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、幸せな状態で成長できるようにすることが重要であることを掲げているところです。
こども家庭庁においては、子供の居場所づくりに関する指針を策定します。政府全体の取組を強力に推進するとともに、自らもNPO等と連携して様々な居場所づくりを進めていくことにしています。こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度において、指針の策定に資するよう、子供の居場所についての実態把握や論点の整理に関する調査研究を行うこととしています。
調査研究の結果も踏まえ、様々な状況にある、LGBTQの子供ももちろんです、への支援も含め、多様な居場所づくり、支援の在り方について具体的な検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/116
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117・石川大我
○石川大我君 具体的な検討ということで、是非よろしくお願いをいたします。
LGBTの子供の居場所づくりに取り組む団体への支援を、ごめんなさい、LGBTの子供の居場所づくりに取り組む団体というのも少しずつ増えてきております。
私事ですけれども、私、二〇〇二年から二〇一一年までLGBTのユース支援をしていまして、NPO法人の代表理事などもさせていただいているところなんですが、当時は、LGBTの支援で行政の支援とか民間の子ども・子育ての基金みたいなところから支援を受けるということは一切できませんでした。
例えば、イベントに教育委員会の後援をお願いしようとしても、親にないしょで来る可能性のあるイベントに後援は付けられないというふうに言われて断られたこともありまして、つまり、LGBTの子供たちというのは親になかなか自分が当事者であることも言えないですし、学校の先生たちにも言えない、言えたとしても保健の先生に辛うじて言えることがあるというような程度で非常に孤立している中で、こういった私たちがNPOとして取り組んでいるイベントを見付けて、当事者に会えると、自分と同じように悩んでいる人と話ができるということで来るわけですけれども、それ、やっぱり親に行ってくるねといって言えるようなものではなかなかないわけですよね、カミングアウトして受け入れられているという状況がない限り。そういった意味で、教育委員会の対応としては非常になかなか不満なことがあったわけですけれども。
ただ、こういった偏見も少しずつなくなってきているわけですけれども、依然として多くのLGBTの当事者支援団体、ユースの当事者支援団体というのは手弁当でやっている状況でして、そういう状況からも、今回、こども家庭庁がつくり、予算も非常に増えるということですから、こういったところにも光が当たっていくというふうに考えてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/117
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118・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 先ほどの答弁のとおりで、全ての子供が安全で安心して過ごせる居場所を持つことができること、幸せな状態で、幸せな状態な成長ができるようにすることが重要ということであります。
ですから、当然含まれていくわけですけれど、先ほど申し上げたように、調査研究の結果をしっかり踏まえて、様々な状況にある、LGBTQもそうですし、虐待、いじめ、引きこもり、不登校、様々障害のある子供たちの支援を、多様な居場所づくりの支援の在り方について具体的な検討を進めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/118
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119・石川大我
○石川大我君 続きまして、ピアサポートが非常に重要だというお話をしたいというふうに思います。
マイノリティー支援では、ピアサポートがとても大切だというふうに思います。学校や行政ではできない支援だと思うんですね。
私、以前、NPOの代表理事をしていたというふうにお話をしたんですが、団体名がピアフレンズと言いまして、ピアというのはピアサポートのピアということで、仲間同士が支援をするという意味では、学校や行政ではなくて、同じ当事者で、しかも年齢が近い者同士が支援をするという枠組みが大切だというふうに思った次第です。その中で、孤立する当事者も自分以外の当事者に出会い、安心して心を開いていく、居場所を見付けていくということだと思います。これはNPOにしかできないことで、これを後方支援というか、側面で支えていくのが行政だと思います。
行政の支援がない中で、自分たちの団体の場合は参加費をいただいて、それをプールして会場費やスタッフの交通費に充てていたわけでしたけれども、全て全部持ち出してやるとやっぱりなかなか長続きしなくて倒れてしまうというような状況があります。できれば、大学生のスタッフが私の団体にはたくさんいたんですが、お店でバイトをするぐらいの時給をもらって、社会的に意義のある、自分の興味のあるNPOでこうしたことの支援ができればいいんじゃないかなというふうにも思っております。
先ほど大臣ありましたけれども、LGBTに限らず、障害ですとか不登校ですとか外国人ですとか困難を抱えている子供たちに寄り添えるのは同じような経験をした若者、そして、こうした子供と年齢の近い若者に積極的に活躍をしていただきたいと思うのですが、大臣の御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/119
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120・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) ピアサポート、例えば私は不妊治療の方のピアサポートにずっと力を入れてきました。やはり、そこを当事者として経験しなければ分からないことというのは多々現場にあるわけで、そういう意味では、LGBTQ、様々困難を、他に困難を抱えている子供たちにとっても、お兄さん、お姉さんとともに語り合えるということは非常に大切なことだと思っています。
私も、この担当をいただきまして、まあ女性政策とかもあるんですけど、やはりその最前線で人々を支えているのはまさにそういう経験をされたNPOの方たちであることは理解しています。先ほどの調査研究の中にもしっかりそういうところは踏まえて、より良い形で子供たちを支えられるよう取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/120
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121・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
ユースセンターについて最後にお話をしたいんですが、学校と家庭以外のいわゆるサードプレースとして子供食堂など地域の居場所づくりが注目されていますが、ヨーロッパでは長らく青少年施設としてユースセンターがありまして、子供が安心して過ごせる場所というふうにして存在をしております。LGBTにとっても安全な場所としてのユースセンターですね。
日本でも札幌や京都でユースセンターの実践がありますが、全国的な取組とはなっていないということで、このようなユースセンターの取組について調査をし、居場所づくりの一環として取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/121
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122・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 取り組む調査研究の中でその居場所づくりというのも当然入っておりまして、今おっしゃったように、その各地方自治体で好事例、まあいろんな先行事例もありますので、しっかり取り上げて調査研究の結果を出していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/122
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123・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。是非、先進事例を参考にしながら、より良い取組をしていただきたいというふうに思います。
LGBTQの子供たち、学校などの家の外でも理解をされず、家の中でも保護者の方になかなか理解をされなければ、家庭の中でも孤立をしてしまうという子供がいるというふうに言われています。
マイノリティーですと、例えば部落差別の問題なんかですと、家族も部落差別の当事者ということで家族で共同して差別に闘えるというのがありますが、LGBTの場合、自分が生まれているという現実において恐らく親は異性愛者で、僕の場合も親が恐らく異性愛者であろうと、バイセクシュアルという可能性はなきにしもあらずですけれども、そう考えますと、子供だけが当事者として孤立をしてしまうといったような状況もあります。
そういった意味では、まだまだ差別や偏見が色濃く残っている中で孤立してしまう子供、多様な子供に一人一人寄り添う制度設計をお願いして、質問を終わりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/123
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124・高瀬弘美
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
前回に引き続きまして、法案の中身の話と、また現場でいただいた声を基に種々提案もさせていただきたいと思います。野田大臣、そして関係省庁の皆様、本日もどうぞよろしくお願いをいたします。
まず、子ども権利条約の理念にのっとりました子供の権利が今回の法案の中に含まれていることは前回の委員会で確認をさせていただきました。子供たちが自分たちの持つ権利について知るとともに、大人にも理解を促していく必要がございます。私たちは、この委員会の議論の中で子供の権利について何度も確認する機会がございましたので、四つあるんだということ等、詳しく知っておりますが、一般の方にどこまで理解をしていただけるかというのはまた別な話でございます。
民間の調査結果にはなりますが、本日、資料一としてお配りをさせていただきました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんが先月四月に調査をしていただきまして、学校の先生四百六十八名を対象に子供の権利を知っていますかという質問をしましたところ、全く知らない、あるいは名前だけ知っていると回答した教職員が三割、そして子供の権利の内容までよく知っているという方は二割、残りの半分の方は内容について少し知っているということで、教職員の方々であっても三割の方が何も知らないという結果でございます。
法案成立後、速やかにまずは教員に対して啓発を行う必要性あると思いますが、文部科学省、どのように進めますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/124
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125・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
委員からも御指摘があったように、この児童の権利に関する条約は、児童の人権の尊重及び確保の観点から必要となる詳細かつ具体的な事項を定めたものでありまして、同条約にのっとってこの児童の権利について教師の理解を深めること、これは極めて重要であるというふうに考えてございます。
これまでも、教職課程を有する大学では、例えば教育の基礎的理解に関する科目や生徒指導に関する科目など、この教職課程の様々な科目におきまして児童の権利に関する内容は取り扱ってきているというふうに承知をしてございます。
また、文部科学省や教育委員会におきましては、児童の権利に関する条約の趣旨も踏まえまして、人権教育の理解を始めとする教師への研修機会の充実、これを進めてきたところでございます。具体的には、教育委員会が実施しております初任者研修や中堅教諭等資質向上研修において人権教育に関する研修、これを実施し、独立行政法人の教職員支援機構におきましても、教育活動全体を通じて人権尊重のその精神に立った学校づくりを進めていくための人権教育推進研修の実施やオンデマンド型の研修講座、こういうものの提供なども行ってございます。
今後とも、これらの研修機会の活用などによりまして、児童の権利に関する条約の内容も含めまして、児童の権利に関する理解が定着するよう、なお一層教師の資質向上、これに努めてまいる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/125
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126・高瀬弘美
○高瀬弘美君 様々機会を持っていただいているということでございますが、法案成立後は、是非一層しっかり教職員の方々に理解をいただけるように取組を進めていただきたいと思います。
大臣にお伺いいたします。
教員ですら、今現在はこのような状況でございます。まして、一般の大人の方にまで、これまで日本では余り認識をされてこなかったこの子供の権利について正しく理解してもらうにはかなり工夫が必要となるかなと思いますが、この啓発についてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/126
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127・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
児童の権利に関する条約については、これまで、例えば外務省において、同省のウエブサイトに児童の権利条約に関するコーナーを設けて同条約のリーフレットの電子データ等を掲載するとともに、文科省においては、児童生徒の発達段階などに応じて、同条約を含む人権教育の取組が各学校で行われるよう支援するなど、同条約の子供の権利が適切に認知されるよう努めてきたものと承知しております。
我が国としては、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組、政策が我が国社会の真ん中に据えられるこどもまんなか社会の実現に向けて、児童の権利条約の趣旨を踏まえ、子供政策を主体的に進めてまいりたいと考えています。その際、委員も御指摘のとおり、子供のみならず、大人も条約の趣旨を理解することは重要です。教員の方の割合を聞いて少しびっくりいたしました。
今後、こども家庭庁においては、児童の権利条約について、あらゆる年代においてその趣旨や内容等が適切に認知されるよう、外務省や文部科学省などと連携して、効果的な広報、啓発等の在り方をしっかり検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/127
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128・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
衆議院での本法案の議論を見ておりますと、子供に関するデータにつきまして、子供個人のデータを行政機関の中で連携していくこと、これについてはいろんな角度で議論があったように見ております。ただ、国として子供に関するデータをどのように集約するかについては余り論点となっていなかったのではないかなと思っております。
例えば、SDGsにつきましては、今、各国が目標を掲げて達成具合を自分たちで公表するということになっております。
今日、資料二として、SDGsの資料を配らせていただきました。
こちらはジャパンSDGsアクションプラットフォームの中にありますSDGsインディケーターということで、いろんなターゲットがあるんですけれども、その中の十六、子供に関するデータなんですけれども、日本のデータと、日本が提出しているデータと国連等で求められているデータが一致していないため、他国と比較できない状況に今なっております。
例えば、資料二の二枚目を御覧いただきたいと思うんですが、グローバル指標、十六、二の一というところで、過去一か月に保護者等から身体的な暴力又は心理的な攻撃を受けた一歳から十七歳の子供の割合というのがございますけれども、日本の定義がその下にございまして、過去一年間の児童相談所における児童虐待相談の対応件数となっているんですね。国連が求めているのは、一歳から十七歳の子供で一か月以内に保護者等から身体的な暴力とか攻撃を受けましたかというその割合なんですけれども、日本で出しているデータは児童虐待相談の対応件数ですので、若干中身が異なると。
これ、恐らくユニセフさんとかが中心となって各国で集めているデータで、基本的にはやっぱり子供本人に聞かないとこの数字というのは分からない、そういうデータなんだと思います。
また、三枚目、もう一枚おめくりいただきますと、十六の二の三、十八歳までに性暴力を受けた十八から二十九歳の若年女性及び男性の割合、日本は、ここは、現在、提供できるデータはありませんというふうになっておりまして、他国と比較できない状態になっております。これも、基本的には恐らく自己申告の世界になると思いますので、このデータが今ないということで。
こういうふうに各国同士を比較しようとしたときに、今、日本が出しているデータでは比較できない状態になっておりますけれども、このことによって何か不都合というのはありますでしょうか。外務省、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/128
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129・北村俊博
○政府参考人(北村俊博君) お答え申し上げます。
SDGs、持続可能な開発目標の進捗状況につきましては、国連のグローバル指標、SDGsインディケーターを踏まえることとされております。しかし、そのフォローアップにつきましては、各国が自主的に国主導で行うこととされているところです。我が国では、既存の公的統計を最大限活用する形で進捗評価を行っているところでございます。
ただいま委員御指摘の子供に関するデータ、これにつきましては、現時点で国際的に何らかの不利益が生じているというふうには承知はしておりませんが、一般論として申し上げますと、SDGs達成に向けては国際社会が一致して取り組む必要があり、そうした観点から、他国と比較可能なデータを用いることが望ましいものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/129
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130・高瀬弘美
○高瀬弘美君 これまでは各省で子供に関するデータは収集、保管されておりましたので、今外務省からお答えありましたとおり、現在ある既存のデータの中で対応してきたわけでございますが、今後は、こども家庭庁におきまして、データについては収集そして公開をしていくということになるんだと思います。
その際、是非このSDGsインディケーターでも他国と比較可能となるように努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/130
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131・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 昨年十二月に閣議決定した基本方針では、各種統計における子供や家庭に関するデータや、子供や若者を対象とした意識調査、子供の貧困対策や少子化対策に関する調査研究などを更に充実させるとともに、子供の置かれている状況や課題を的確に分析し、現状把握にとどまらず、政策効果を明らかにした上で、エビデンスに基づく政策立案、実践を行うなどとしています。
今後、こども家庭庁においては、子供に関する様々なデータや統計を活用して、エビデンスに基づく政策立案を行ってまいりたいと考えています。関係省庁と連携して必要なデータを収集してまいりたいと考えています。収集したデータの在り方については、データの有用性に加え、様々、コスト、人的コスト、費用コストなど考慮する必要がありますが、政策立案に効果的なデータを収集してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/131
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132・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
次に、子供ホスピスについてお伺いをいたします。
前回、子供ホスピスに関する検討をこども家庭庁で進めることが法案の中に明記されていることについては確認をさせていただきました。
今日はその子供ホスピスの具体的な中身について少し議論させていただきたいのですが、まず前提としまして、日本では年間何人くらいの子供さんが病気で亡くなっていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/132
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133・田中佐智子
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
人口動態統計の確定数によりますと、令和二年一年間に病気で亡くなった十八歳以下の者、死亡数、二千五百十七人となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/133
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134・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
資料三として死因順位別に見た割合を載せさせていただきました。御覧ください。
今、厚労省の方から、二千五百十七人、年間、子供さんが病気で亡くなっているというお話ございましたけれども、その中で、悪性新生物、いわゆるがんが死因要因のどれくらいの位置を占めているかと申しますと、五歳から九歳を見たときの死因の一位がこのがんになっております。五歳から九歳で亡くなった方の二五・二%ががんによって亡くなっていると。そして、一歳から四歳及び十歳から十四歳におきましても、死因の第二位ががんとなっております。十八歳未満として見ましたときにも、一番上に総数として挙げさせていただいておりますけれども、これはちょっとほかの年代も入っておりますが、いずれにしても、がんが一位となっているというような状況でございます。
この高度ながんの治療が必要となった場合には、小児がん拠点病院に多くの方が行くことになります。資料四を御覧いただければと思います。
今、この小児がん拠点病院、全国に十五か所ございます。私の地元には九州大学病院が拠点病院としてございますけれども、例えばですが、鹿児島とか沖縄で子供さんががんになって高度な治療が必要となった場合は、一番近いがん拠点病院であります九州大学病院、福岡のこの病院に入院することになります。
それに伴って保護者への負担が様々あるわけですが、まず、多くの場合、長期の入院が必要となりますので、付添いである保護者の方も一緒に家を離れて病院で寝泊まりをする生活が始まります。家にはもう一人の保護者の方と、兄弟がいればその兄弟も残すことになりますので、二重生活になる。片方は病院で生活をし、もう片方は元の家にいるという、この生活によって経済的な負担と兄弟また御家族への精神的な負担があります。
また、病院内の生活に目を向けますと、今日、保護者の方から御提供いただきました大切な写真を共有させていただいております。資料五を御覧いただければと思います。
子供さんが未就学のうち小学生になるまでは、下の写真にございますように、これちょっと見にくいんですが、手前がお子さんで奥が保護者の方になっているんですけれども、この簡易ベッドで、ごめんなさい、この同じベッドの中で添い寝をすることになります。ですので、基本的に保護者の方は子供さんの横で、この小さなベッドで一緒に寝るということになります。
小学生以上は、上の写真になりますけれども、簡易ベッドを有料で借りることができます。これ、写真の左側に、今この簡易ベッド、折り畳んだ状態で、立てた状態で、上に黄色のお布団が乗っているという状態でございますけれども、このような簡易ベッドを有料で借りて、このベッド代だけでも月一万円ほど負担が掛かるんですけれども、こういうベッドで寝泊まりをすることになる。
基本、付添いは離れることができませんので、お風呂もシャワーを短時間で浴びることしかできませんし、子供さんは病院食が提供されますが、親御さんは病院内にあるコンビニで三食済ませることになる。こういう生活が長く続いていくわけでございます。今はコロナ禍でもありますので付添いの方も一人と決まっておりまして、原則交代は禁止。こうした病気と闘う本人だけでなく家族も含めて、この病室だけではなくて、家庭的な温かい場所で医療を受けながらほっとすることができる場というのが強く求められております。
どうしても、ホスピスという言葉を聞きますと、大人のホスピスを想像しますので、最期のときを穏やかに過ごすための緩和ケアを行う施設ですとか死を待つ場所というイメージが付いてしまうんですけれども、子供ホスピスにつきましては、世界で初めてできたのがイギリスのヘレンハウスというものになりますが、イギリス、アメリカ、ドイツなどの先行事例を見ましても、大人のホスピスとはその特色が大きく異なりまして、家と病院の真ん中の役割、つまり、命の限りのある子供のためだけの施設ではなくて子供の生きるを支える場所であり、そこには日々成長していく子供のための遊びや学びの機能もありますし、また、病児を持つ御家族が、先ほど保護者の状況について少しお話しさせていただきましたけれども、回復するためのレスパイト機能も併せ持つと、そのようなものが子供ホスピスでございます。子供ホスピスで元気になって、また治療に前向きに取り組むことができるような、生きる力を持つための場所が子供ホスピスというものでございます。
ちょっと前置き長くなりましたけれども、厚労省にお伺いいたします。
今、日本には公的な子供ホスピスありませんけれども、厚労省が把握している民間の子供ホスピスの現状、また公的な子供ホスピスがない理由や課題について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/134
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135・宮崎敦文
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
いわゆる子供ホスピスについてでございますが、先ほど委員より御紹介ございましたように、この子供ホスピスについて明確な定義はございませんけれども、がんや難病を抱えて医療的なケアが必要となるお子さん、あるいはその御家族の方に対しまして、現在では民間団体によりまして医療だけではなく学びの場や遊びの場を提供するなどの幅広い支援が行われているというふうに承知をしております。
一方、国における公的なといいますか、国における取組といたしましては、こうしたその小児がんのお子さん、あるいは御家族の方への対応といたしまして、小児がん拠点病院において、例えば学習の支援や付き添う家族の宿泊施設の整備、こうしたものへの取組を行っておりますほか、厚生労働科学研究におきましては、委員先ほど御紹介ありましたように、在宅と病院の間ということでございますけど、病院については今のような取組、また在宅に関しては小児がん患者の在宅療養に関する実態や課題の把握等と、そういったものも行っているところでございます。このほか、長期の療養が必要な疾病を抱える児童に対する支援としての相互交流支援事業ですとか、介護者の支援事業、家族の身体的な、精神的な不安、負担の軽減、レスパイトという意味での介護者の支援事業なども行っているところでございます。
こうした取組、現在行っているわけですけれども、更にどのような取組ができるのかという点については、内閣官房のこども家庭庁設置法案準備等室も含めまして、関係省庁とよく連携しながら、現在の取組、あるいは現在行っている取組で得られる実態や課題なども踏まえて、更に検討、連携して進めていく必要があると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/135
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136・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
今、宿泊施設の整備等もがん拠点病院の近くで行っていただいていると話ございましたけれども、実際、九大病院の近くにも家族のためのアパートあるんですが、大変規模が小さくなっておりまして常に満室、使いたくても使えないという状態でございます。
また、今、在宅というお話もございました。がん拠点病院の近くに住んでいる方は家と、また整った在宅介護でできるんですが、先ほど申し上げましたとおり、九州であれば、例えば鹿児島や沖縄から福岡にいらっしゃるわけでございます。そうすると、なかなか在宅で、またそして、状況に合わせて病院に戻るというこの往復が大変大きな負担になる。だからこそ、がん拠点病院の近くにこういう施設をつくってほしいというのが当事者の方々の思いでございます。
その当事者の方々、一生懸命取組進めておられまして、今民間では国内に、私の個人的に知っている限りですけれども、六か所ぐらいこういった施設ができてきておりますが、皆さん苦労されておりますのは、やっぱり運営費の部分、そして、医療の制度ですとかあるいは福祉の制度が使えませんので、ここをどうクリアしていくかという制度的な面、こういう問題があるわけでございます。
大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、民間で皆さん今一生懸命取り組んでいただいているわけでございますけれども、どうか、こども家庭庁を設置された暁には、この子供ホスピスにこれまで取り組まれてこられた方々、当事者の声を聞いていただきたいと思いますし、今現在も、がんと闘いながらホスピスを待ち望んでいる子供さんが現実にいらっしゃいます。どうか検討は時間を掛けずに加速をしていただきたいと思いますが、大臣の御決意をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/136
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137・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) がんや難病を抱え、医療的ケアが必要な子供やその家族に対しては、療養面のみならず学びや遊び、触れ合い、家族の休息等含めて総合的な支援が必要だということは理解しています。そのため、今厚労省からもお話があったんですが、小児がん患者に対する在宅医療の実態や課題等の把握に関して検討は進められているということは承知していました。
こども家庭庁が設置された暁には、子供の福祉の増進等について自ら所管をし、また、勧告権等を背景とした総合調整権限を有する子供政策の司令塔という立場から、医療政策を所管する厚生労働省、教育政策を所管する文部科学省としっかりと連携しながら検討を進めます。
その際には、こども家庭庁の設置を待たずに、今日もお話を聞きましたが、まずは関係省庁間で課題や取組状況を共有して検討する場を設けるなど、検討を加速化させてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/137
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138・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今、二人に一人ががんになると言われる時代でございます。子供ががんになることも大変つらいことでありますが、親ががんになった場合もその影響は子供さんに大きく及んでまいります。
福岡に、そうしたがんになった親御さん、特に母親ですね、今現状では家事の大半を担っていることは母親が多いため、この母親を支える、がんのママをささえ隊ネットワークというNPOさんがございます。
例えば、母親ががんになり抗がん剤治療が始まると、家にいても家事や育児はできなくなります。先日も本委員会で述べましたけれども、こういう場合でも、育児サービスについては利用できるものいろいろあります。ただ、家事ができなくなったことについては、がんで治療中の方というのは障害者ではありませんので、介護サービスも受けることができない、基本的には何にも受けることができないという状況でございます。このため、先ほどのNPOさんは、ボランティアでそうしたがんと闘病中の御家庭に入って家事のサービスを提供されております。
こども家庭庁におきましてヤングケアラーの議論をしていただきますので、この親御さんががんの子供さん、そして親が家事ができない、その負担が子供さんに行くという場合には、きっとヤングケアラーの切り口から家事サービスについては議論いただけるものと信じておりますけれども、この家事支援の必要性について、改めて認識を確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/138
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139・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) お答えします。
今の御指摘のとおり、ヤングケアラーへの支援にも共通することがあると思いますけれども、現在審議中の児童福祉法の改正法案におきまして、要支援・要保護児童等の支援を要する児童のいる家庭に訪問をして家事などの支援を行う子育て世帯訪問支援事業の創設を新たに盛り込んでいるところでございます。
がん患者の抱える課題等に特化して支援を行うものというわけではありませんけれども、親御さんが疾病を抱えている、あるいは障害者等の事由によりまして家庭養育環境に問題が生じている子育て家庭に対して、本事業を活用することによって支援を提供していくことが可能になるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/139
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140・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
是非政務官にも確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/140
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141・宮路拓馬
○大臣政務官(宮路拓馬君) まず、やはり審議を拝聴しておりまして、子供に関する問題というのは、子供ががんになったとき、あるいは親ががんになったとき、あるいは子供がLGBTQなど性同一性障害等を抱えているとき、様々な問題があるんだなと。そして、そうした子供に関するあらゆる問題がこうした場で審議されるということは大変重要であるなと改めて感じております。その上で、御指摘のような、親が疾病を抱えている等により家庭養育環境に問題が生じている子育て世帯に対して家事支援などの生活支援を行い、子供にとって適切な養育環境を保障することは極めて重要であると考えております。
先ほど厚労省からもありましたとおり、現在審議中の児童福祉法等改正法においては子育て世帯訪問支援事業が盛り込まれており、こども家庭庁においても、こうした事業を通じて、親ががん患者である家庭も含めた様々な困難を抱える家庭への支援を適切に提供してまいります。
先ほど来、鹿児島のことも取り上げていただきました。実際、私の地元にもそうした家庭があるんだろうと思います。子供を誰一人取り残さず、必要な支援が抜け落ちることのないよう、御指摘いただいたような課題についても、こども家庭庁が厚生労働省等の関係省庁としっかり緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/141
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142・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
済みません、ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきまして、九、十、十一を後ほどとさせていただき、十二番の妊娠期からの支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。
仕事が今都会に、都心部に偏在をしておりまして、若者が都心部に集まり、その結果、そこで結婚をし、夫婦だけの世帯が増えているという中で、妊娠をしたときに里帰り出産、多くの場合、母親の実家になりますけれども、母親の実家で出産することを選ぶ方が増えております。まず、国が把握をしている里帰り出産の数についてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/142
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143・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 里帰り出産に関する国の統計等はございませんけれども、一つのデータとして、平成二十九年の子ども・子育て支援推進調査研究事業における調査によりますと、五〇・一%の妊婦が出産に当たって里帰りをしたと回答しております。なお、この里帰りの中には、同一市町村内の里帰りとするものも含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/143
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144・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
実に半分ぐらいの方が里帰りをされていると。この里帰り出産の増加とともに課題となっておりますのが、妊婦健診費用の立替払でございます。妊婦健診は自治体からの費用の助成を受けることができまして、十四回分の妊婦健診検査の費用が、全額ではない場合もありますけれども、自己負担額が千円とかあるいは五千円以内ぐらいで済むようになっている、そういう助成の制度でございます。この十四回の健診全部で考えますと、恐らく七万円分くらいは自己負担が減っているのではないかと思います。ただ、この妊婦健診費用の助成は、居住地以外の病院で受けると基本的には立替払となっております。
厚労省にお伺いいたします。居住地以外での妊婦健診受診の際の支払を立替払ではなくて直接払いにできない、この理由は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/144
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145・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 市町村が実施する妊婦の健康診査につきましては、一般的には市町村が医療機関と委託契約を結ぶことにより健診に係る費用を市町村から医療機関に直接支払うことが一般的でございます。
市町村では、妊婦の負担軽減のため、なるべく広域の医療機関と委託契約をする等の工夫を実施しているところでございますけれども、全ての医療機関と契約できるものではないために、居住する市町村の委託先以外の医療機関を受診した場合には、妊婦の方が医療機関に一旦支払った上で、その費用を市町村が後から払い戻す償還払い対応とならざるを得ないものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/145
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146・高瀬弘美
○高瀬弘美君 これ、市町村が出しているお金ではあるんですけれども、元は国から下りているお金なんですね。この立替払がやっぱり大きな経済的な負担となっていると。この立替払の問題に加えまして、例えば東京で働いている女性が里帰り出産で福岡ですとかあるいは北海道等で出産をする際に、その出産予定の産院から、分娩予約をしたときに、一度検査のためにお越しくださいと言われることが多くございます。ですので、もうおなかに赤ちゃんがいて身重にもかかわらず、飛行機に乗って、その出産予定の産院で検査を受けるためだけに一度帰るというようなことが現実起こっております。
これ、例えば病院同士がマイナンバーカードを使ってデータ連携をしてくれれば、妊婦さんがわざわざ飛行機に乗って帰らずとも、向こうの産院の先生もデータが見たいわけですから、そこの連携ができれば帰る必要なくなると思いますし、先ほどの立替払の件も、国から医療機関にこの妊婦健診のお金が下りるというような制度になれば、この立替払の負担もなくなっていくのではないかなというふうに思います。
このように妊娠に関する部分もまだまだ母体の安全と負担軽減のためにできることがあると思いますが、大臣の御所見いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/146
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147・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 安心して妊娠、出産することができるよう各自治体の取組を支援する、そして、妊婦の方々の様々な負担を軽減していくことは重要だと考えています。
今御指摘がありましたが、居住地以外での立替払については、例えば管内市町村の希望を踏まえ、近隣の県医師会等と調整して、里帰り出産でも立替払が生じないよう集合契約を行う都道府県のケースや、里帰り出産する方から里帰り先の医療機関の情報受付、当該医療機関に連絡して契約を行っている市町村のケースなど、各自治体によって様々な工夫をしていただいております。
厚生労働省においては、こうした好事例、地方の好事例、地方自治体に周知を行うことにより各自治体の取組を支援しているということを承知しておりますので、こども家庭庁においても、こうした取組を引き続き、妊婦の方々の負担の軽減するように、しっかり努めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/147
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148・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
今日御指摘させていただいたような問題、これ、現実、里帰り出産した方々から私のところにも声いただいておりまして、本当にこういうところが一つ一つクリアできていくともっと産みやすくなっていくのかなと感じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、多胎児世帯、双子、三つ子世帯への支援について伺います。
フランスの報道になりますけれども、今、世界で双子の出生数が過去最多となっております。要因は、不妊治療の進展と、また高齢出産がその要因ではないかというふうに言われております。
日本でも、双子や三つ子の出産数は全体の一%、妊婦百人に一人がこの多胎出産をしているということでございます。私も有り難いことにこの百人のうちの一人でございまして、双子を授かったわけでございますが、自分が当事者になりまして初めて知りましたけれども、多胎児世帯あるいは多胎妊娠特有のリスクというものがございまして、これについて支援されている方々様々いらっしゃるんですけれども、なかなかその実態がまだ知られていないなというふうに感じております。
例えばですけれども、低出生体重児ですね、後の障害につながったりですとか、その後の人生への影響が大きいと言われる小さく生まれる赤ちゃんの割合ですけれども、単胎妊娠の場合、子供さん一人だけおなかに入っている場合は八・一七%でございます。これに対して、多胎児は低出生体重児が七一・六%、実に七割の双子ちゃんや三つ子ちゃんが小さく生まれてまいります。
また、複数の赤ちゃんがおなかにおりますため、母体への負担も単胎に比べて大きくなっておりまして、合併症が起こりやすく、母親の産後の健康面にも大きく影響いたします。
また、双子の場合は二人分の重さが母体に掛かりますので早産になる可能性が高く、ですから先ほどの低体重につながっていくんですけれども、本来四十週で生まれてくる赤ちゃんが三十七週未満に生まれてくる割合、これは赤ちゃんが一人の場合は四・七%なんですが、双子、三つ子になりますと五〇・八%。双子、三つ子の赤ちゃんの半分近くが早く生まれてくるわけであります。
この早産を防ぐために管理入院というものをしますけれども、二十四時間の点滴と絶対安静が数週間から長い方では三か月とか半年続くことになります。これによりまして出産前に体力が既に落ちた状態になり、さらには生まれてくる子供さんが低出生体重だったりと、またNICUに長く入ることもあり、赤ちゃん二人あるいは三人の育児が昼夜を問わず始まりますので、生まれてすぐに大変厳しい状況に置かれます。
こうしたことから、厚労省としてもこれまで多胎児世帯への支援いただいておりますけれども、その中身を御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/148
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149・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 多胎の世帯につきましては、同時に二人以上の妊娠、出産や育児をすることにより日常の生活や外出に困難が伴うため、そのニーズに応じた支援が重要であると考えております。
そのため、令和二年度より、多胎児の育児を経験した家族との交流会の開催や多胎児の育児経験者による相談支援、多胎ピアサポート事業、それから、多胎児を育児する家庭に育児等サポーターを派遣をいたしまして、外出の補助、日常の育児に関する介助等の支援を行う多胎妊産婦等サポーター事業を新たに創設をしたところでございます。
また、令和三年度からは、多胎妊婦の経済的負担の軽減を図るため、通常十四回程度とされております妊産婦の、妊婦の健康診査につきまして、追加で受診する健康診査に関する費用の補助なども拡充をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/149
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150・高瀬弘美
○高瀬弘美君 今御説明いただきました多胎妊婦及び世帯への支援事業を総務省の行政評価局が評価をしております。その概要を簡単にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/150
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151・平池栄一
○政府参考人(平池栄一君) お尋ねの多胎妊産婦支援に関しましては、本年一月に公表した子育て支援に関する行政評価・監視の中で、市町村の現場実態を把握しました。厚生労働省が令和二年度に創設した多胎児の育児経験者家族との交流会などを行う多胎ピアサポート事業及び外出時の補助や育児に関する介助を行う多胎妊産婦等サポーター等事業につきましては、調査した十二都道府県の五十三市町村のうち一市町村で多胎ピアサポート事業を実施中という状況でございました。
市町村からは、市町村単位では多胎妊産婦の数自体が少なく、交流の場をつくるなどの対応も難しいことから、例えば、都道府県が保健所管轄単位で複数の市町村をまとめて支援策を講じるなど、広域連携での支援の仕組みづくりが必要といった意見が見られました。
このため、多胎ピアサポート事業などを多胎妊産婦の支援の一つの軸として推進しようとする際には、多胎児の育児経験者や多胎妊産婦が少ない状況を踏まえ、広域的な事業実施スキームを含め、事業活用イメージを具体的に示すなど、市町村の現場実態を踏まえた支援を行う必要があることを厚生労働省に課題として示したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/151
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152・高瀬弘美
○高瀬弘美君 この報告書を私の方でも読ませていただきましたけれども、今後も実施しますかという問いに対しても、多くの市町村がもうやらないと。つまり、対象者が少な過ぎて、またそのピアサポートを行える人も少なくて、なかなか現場ではうまくいっていないというのが今回の報告でございます。
どうしても多胎妊婦というのは、先ほど申し上げましたとおり一%、人数が大変少ないものですから、なかなかその望んでいらっしゃるものが国に届きませんし、もちろん厚労省でも当事者の声を聞いてつくっていただいた事業だとは思うんですけれども、現場でやってみるとちょっとうまくいかないというようなことが発生をしていると思います。
NPO法人のフローレンスさんが、千五百九十一世帯を対象に、多胎世帯にアンケートを取ってくださいました。資料六を御覧ください。
これは、多胎児世帯にどのようなサポートがあれば気持ちが安らぐかという問いでございますけれども、六八%の方が家事、育児の人手が足りないんだと。赤ちゃん二人おりますので、とにかく手が足りないというのが一番。そして、金銭的援助。先ほども厚労省の御説明の中にもありましたけれども、やっぱり経済的な負担というのがある。そして、子供を預ける場所がない等、様々問題があるわけでございます。
この資料六、二枚目おめくりいただきますと、行政に求めることとして、まず一つ目は、保育の必要性認定に多胎であることを入れてほしい。多胎加算ですね。これ、兄弟児加算をやっている市町村というのはあるんですけれども、なかなかこの多胎加算というところまではまだ行っていない。やっぱり双子あるいは三つ子でばらばらの保育園に行くというのは、もうこれはすごく大変なことでして、できればやっぱり一か所に入れるように、こういう自治体での加算をやっていただきたい。
そして、もう一枚おめくりいただきますと、行政に求めることとして、一時預かりサービスを使いやすくしてほしい、ベビーシッターを利用させてほしいということ。
そして、最後のページになりますが、バス乗車ルールの改善、タクシー利用の補助ということで、双子用のベビーカー御覧になられたことあるかと思いますけれども、横に長いベビーカーになっておりまして、これがそもそもバスに載らないという問題がありました。これについては、都議会の方で、私たち公明党の都議会議員も知事等に要望していただきまして、今、都営バスについては、双子ベビーカー、折り畳まずに乗れるようになりました。ただ、全国的に見ますと、乗れないバスがほとんどだと思います。バスに乗れないならせめてタクシーに乗りたいと思うんですけれども、タクシーもやっぱりお金が掛かりますので、そう移動の手段としては使えない、こういうところを補助してほしいという声だと思います。
厚労省の先ほどの事業も当事者の声を基にしていただいたと思いますけれども、この実態調査、民間のものではございますが、これを見ますと、当事者の優先順位と必ずしも合っていないのではないかなと。こうした点を踏まえますと、多胎児世帯の支援をニーズに合ったものにしていくためにはやっぱり当事者の声を聞いていただきたいと思いますし、また、ここで挙げられているような支援というのは、双子、三つ子のみならず、年子ですとか多子世帯、何人も兄弟がいらっしゃる世帯にも共通しているものがほとんどでございます。
どうか当事者の声を聞いて進めていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/152
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153・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 多胎世帯については、同時に二人以上の妊娠、出産や育児をすることにより、日常の生活や外出に困難が伴うため、そのニーズに応じた支援が重要であると考えます。
厚生労働省において、令和二年度から多胎世帯を支援する事業を創設し、毎年度様々な改善を重ねてきたものと承知していますが、先ほど総務省の参考人から答弁があったように、市町村の現場実情を踏まえた支援の必要性が生じているものと認識いたしました。
今後、これらの指摘も十分踏まえつつ、事業の改善を重ね、多胎世帯の置かれた状況やニーズを的確に把握して、アウトリーチ型の支援など必要な支援がしっかりと届けられるよう、こども家庭庁においてもしっかり取り組んでまいります。
私も一人でも大変、子育てが大変な中、高瀬委員は双子のお子さんプラスもう一人、三人、心からもう本当に敬意を表するところでございます。
今、不妊治療の保険適用が始まりました。今お話があったように、不妊治療の患者さんが増えれば当然多胎を迎える方も増えると思いますので、しっかり、今の現状に即したお話を調査研究等に入れながら、快適な、親子にとって快適な日々が送れるよう努めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/153
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154・高瀬弘美
○高瀬弘美君 大臣、大変心のこもった御答弁ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、養護施設についてお伺いをしたいと思います。
本会議の質問の中でも確認をさせていただきましたが、こども家庭庁は家庭への支援をしっかりと行っていくわけでございますけれども、児童養護施設で育つ子供さんたちにとっては養護施設が家庭の役割を果たすわけでございます。この大切な役割を持つ養護施設への処遇改善や配置基準の改善について、現状をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/154
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155・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 児童養護施設に従事をいたします職員への処遇改善でございますが、平成二十七年度予算において民間の児童養護施設職員等の給与について平均三%の改善を実施するとともに、平成二十九年度予算におきましては、民間の児童養護施設の業務の困難さを勘案し、人材の確保と育成を図るため、全ての職員を対象に給与の二%相当の処遇改善を行い、令和元年度予算においては更に一%の改善を行ったところでございます。
また、昨年十一月に閣議決定されましたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策を踏まえまして、令和三年度補正予算においては、収入の三%相当、月額九千円程度の引き上げるための措置を本年二月から実施をし、今年度も引き続き同様の措置を講ずることとしております。
また、職員配置につきましては、五・五対一の基準を超えて最大四対一まで職員配置を可能とするとともに、心理療法担当職員等の専門職員の配置支援など、児童養護施設等に入所する児童が適切な養育を受けることができるよう、職員配置の改善に努めているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/155
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156・高瀬弘美
○高瀬弘美君 私も福岡の養護施設を、もう四年前になりますか、一度視察をさせていただきまして、そこで職員のリーダーの方とお話をさせていただきました。やっぱり職員の数が足りなくて大変疲弊をしているというお話でございました。また、児童養護施設に入ってくるお子さん方、児童虐待で御家庭にいられなくなった方等も多くございますので、様々精神的な面でのケアも必要となり、やっぱり手厚いケアが必要となる方が多いということで、そういうところも国としてしっかりとやってほしいという御意見ございました。
今、国としては、里親の元、家庭的環境へと促す流れでございますけれども、一方でこの養護施設が置いていかれることがあってはいけないと思います。
養護施設、また本委員会でも先ほどお話ありました里親への支援を、こども家庭庁の下でも推進することを確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/156
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157・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
昨年十二月に閣議決定した基本方針、ここにおいては、こども家庭庁において社会的養護を必要とする全ての子供が適切に保護され、心身共に健やかに養育されるよう、家庭養育優先原則に基づき、里親やファミリーホームへの関係機関の支援の充実等による社会的養護の受皿の確保、充実、社会的養護の下にある子供の権利保障や支援の質の向上を図ることとしています。
国としても、自治体に対して令和六年度末までに三歳未満の児童の里親等委託率を七五%以上とする目標を示しており、各地域において里親のリクルートや研修、子供と里親とのマッチング、里親委託後の養育支援などの取組の強化を促していると承知しています。
児童養護施設等についても、施設の地域分散化、小規模化を進め、家庭的な養育環境の整備を進めるとともに、施設の専門性を生かして施設の心理療法担当職員が地域の里親の支援を行う、地域の家庭のレスパイト機能を担う、親子の支援を行うといった形で多機能化、高機能化を進め、家庭支援や里親支援の中心となるように支援していくことが必要だと考えています。
こども家庭庁においては、里親家庭や養護、失礼、児童養護施設など社会的養護の下にある子供についても、誰一人取り残されないようしっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/157
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158・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
九番の質問に戻らさせていただきます。
医療的ケアが必要な子供たち、いわゆる医ケア児の災害時の対応についてお伺いしたいと思います。
医療的ケアが必要な子供たち、それぞれ状況に合わせた避難方法、避難先の確保が必要となります。私の地元でも常に人工呼吸器を使用されているお子さんがいらっしゃいまして、災害のときには、自宅にいるのは怖いので避難所に行きたい、ところが避難所には停電のためのバックアップ電源が必ずしもないので、行くことはちょっと怖いし、またお子さんといってももう十代後半で、お母さん一人では、そちらはシングルマザーの御家庭なんですけれども、お母さん一人では移動することも難しく、介助が必要となって、家族だけの避難は困難という御相談をいただいたことがあります。
こういう方々の声を受けて、法改正によって市町村の努力義務となりました医ケア児も含む個別避難計画の策定状況、まずお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/158
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159・五味裕一
○政府参考人(五味裕一君) お尋ねのございました医療的ケア児を含む個別避難計画の策定状況でございますが、本年一月一日現在、策定に着手している市町村は千百六十七団体、全体の六七%、未着手の市町村は五百七十四団体、全体の三三%となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/159
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160・高瀬弘美
○高瀬弘美君 という御答弁でございますが、これ中身を見ますと、着手、ちょっとでも着手していたらこの着手しているの方に入るんですね。ですので、現実は、じゃ、どれくらい個別避難計画が進んでいるかというと、当事者の方々からするとまだまだ進んでいないという状況にございます。
大臣に最後お伺いをいたします。
この医療的ケア児、今回はこども家庭庁ですので医療的ケア児に絞りますけれども、この個別避難計画、これは内閣府防災が責任持ってやっていくべき事項ではございますが、これを作っていくためには、避難先を決める総務省であったり、福祉施設、あるいはその補助要員を出す厚労部門であったり、また保護者の方の御意向であったり、様々な関係者が連携をして作っていく必要がございます。
こども家庭庁の下でこの連携を強化することについても、大臣のお立場で是非注視をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/160
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161・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 医療的ケア児について御質問いただき、ありがとうございます。
人工呼吸器、お話ありました。重いですし、かつては酸素ボンベだったんですけど、今は酸素も何か電源入れてこの大きな機械だし、とにかく移動で大きな荷物を携えていかなきゃならないという子供たちばかりであります。
個別避難計画の作成に当たっては、本人の心身の状況に応じた避難支援が必要になることから、地域防災の担い手だけではなく、避難所等を担う自治体や本人の生活実態を把握している保護者、福祉専門職、医療関係者などが情報共有をしつつ、連携して取り組むことが重要であります。こうしたことから、各市町村においては、庁内において防災部局と福祉、医療などの部局が連携するとともに、庁外の福祉、医療の関係団体と連携を図りながら取り組んでいただく必要があると考えています。内閣府において、防災担当、優良事例の共有などにより、個別避難計画作りを支援しているところであります。
こども家庭庁としても、防災担当と連携して、各市町村の取組が進むよう、命を守ることでありますから、しっかり取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/161
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162・高瀬弘美
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
今日るるいろんな話題を触れさせていただきました。どれも当事者の方々の思いが詰まったものでございますので、よろしくお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/162
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163・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
先週からこの委員会で始まりましたこども家庭庁設置法ですけれども、衆議院の審議の以降も、ちょっと私のところにも幾つか、こういうところが心配なんです、こういうの大丈夫なんでしょうかという問合せをいただいているような状況でございますので、今日はそうしたいただいた、非常にこの件に関心を持たれている方々からいただいた意見中心に今日は質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
まず、今日はこども基本法、衆法の方でこちらの方に送付をされてきておりますこども基本法の中身について何点か御質問をさせていただきたいと、発議者の方に質問したいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
まず、この今回のこども基本法の条文の意味するところになるんですけれども、第三条第三項、この項目にこういった文言が書いてございます。全ての子供について、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会点々々が確保されることというふうに、このような文章がございます。一方で、子どもの権利条約ですね、この子どもの権利条約の意見表明に関する第十二条のところには、こうした形での記載がされています。締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼす全ての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保すると、このようにあります。
そうしますと、ちょっと細かくここの部分を比較をしてみますと、このこども基本法においては、自己に直接関係する全ての事項という表現なんですが、子どもの権利条約でいきますと、そこの部分は、その児童に影響を及ぼす全ての事項ということで、ちょっとこの表現に、表現の仕方に違いがあります。とすると、この表現を比較をしてみますと、ちょっと受け止めとしては、こういう受け止めをどうしてもしてしまうんですが、子供の意見表明あるいは参加の範囲が、直接関係するという表現にしたがゆえに狭まってしまっているのではないかなというようにも受け止められてしまうんですけれども、この点について発議者の方にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/163
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164・鈴木隼人
○衆議院議員(鈴木隼人君) 御質問ありがとうございます。
確かに、文字面だけ見ますと、児童に影響を及ぼす全ての事項ということで、確かに広そうなように思いますけれども、これ、条約の制定プロセスにおいて、この条文については、例えば結婚ですとか職業選択、医療、教育、こういった事項が想定をされていたところであります。
また、平成四年に衆議院でこの部分の解釈についてのやり取りがありまして、政府からの答弁としても、児童に直接影響を及ぼすことということ、この条約に書かれていることの意味合いです、そのように答弁をしておりまして、そんなことでございますので、今回の基本法の自己に直接関係する全ての事項というのが狭まっているとは認識していないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/164
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165・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ちょっと確認なんですけれども、狭まっているとは認識されていない。今、法律を作って、法律じゃないですね、子どもの権利条約ですね、権利条約をまとめていく過程においても、今そういった議論があったと、考え方についてお話をいただきました。
ただ、今、今回、この審議の中で、こども家庭庁含めてこどもまんなか社会という議論をしている中では、広く子供の意見をしっかりと聞いていくということ、そうした議論を積み重ねているというふうに認識をしていますし、皆さんもそれを、それが成立することを期待をしているということを、背景を考えますと、やはり直接関係する事項ということで、そこについてはある程度具体的なものとして狭まっているのではないかなというふうにも受け止められます。
この表現として、直接関係するというふうに言われたということは、違う言い方をすると、何か間接的な影響がある、間接的に関係しているものについては子供の意見表明の機会というのが確保されなくなってしまうんではないかなと、実はこういう心配につながっているんですね。この点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/165
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166・鈴木隼人
○衆議院議員(鈴木隼人君) ありがとうございます。
こども基本法第三条第三号におきまして、全ての子供について、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会活動に参画する機会が確保されることということを規定しているのに加えまして、同条の第四号におきまして、全ての子供について、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されることとあえて書き分けております。
これは、自己に直接関係する事項に限らずに子供の意見が尊重されるということを表すものであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/166
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167・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ちょっと確認です。
今の第三条の第三項と四項、それぞれの意味するところということで確認ですが、第四項のところでは、全ての子供について、様々な意見、広くその子たちの意見をしっかりと聞くと。聞くということで子供たちがそこで意見を、自分の意見を発することができる、表明することができる、その考え方、それを尊重するという考え方を四項でしっかりとまずカバーをしておいて、その上で、第三項は、少しその中で、具体的にこれについてはその表明の機会が確保されなければならないということで、更に、何というんだろうな、そこは義務というんでしょうか、義務的に課しているという、そういう二段構えになっているんだという、こういう理解でいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/167
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168・鈴木隼人
○衆議院議員(鈴木隼人君) おおむね委員の理解と共通していると思います。三号においては、自己に直接関係をすることということについてのその意見表明、四号については、自己に直接関係していなくても意見表明、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/168
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169・礒崎哲史
○礒崎哲史君 そうしますと、ちょっともう一回確認させてください。
三号と四号はそれぞれ範囲はやはり今違うということで改めて確認をさせていただいて理解をしました。そうすると、第三項において、しなければならないことといいますか、子供が権利として有していることと、第四項の部分で子供たちが権利として有していること、そこの違いというのは何になるのか、ちょっとそこの部分だけ、もう一度だけ確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/169
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170・木原稔
○衆議院議員(木原稔君) どうもありがとうございます。委員のおっしゃることは、御質問の趣旨はよく分かりました。
正しい表現になるかどうかは分かりませんが、もちろん子供の意見表明、非常に大事だという前提で、しかし、子供の、ある意味何でもかんでも子供の意見、わがまままで全部聞いてそれを受け止めろということではなくて、つまり四号は、その子供の年齢とか発達の程度に応じて、それぞれの、子供の年齢、発達の状況それぞれに応じて意見を尊重するという、そういう基本理念を求めているのがこの四号ということになると、そういう御理解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/170
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171・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
まあ年齢及び発達の程度に応じてという言葉そのものは三項にも四項にもありますけど、今御説明いただいたとおり、四項は、意見が尊重されて、その最善の利益が優先されて考慮されることという表現に対して、三項の部分は、機会が確保されることということですから、その機会の確保の仕方、程度、そこの義務的な部分について、ここについては違いがあるというふうに今やり取りをさせていただいている中で私としては理解をしたんですけれども。済みません、しつこくて申し訳ないですが、こういった理解で大丈夫でしょうか。
結局、これ子供の権利というものが、意見表明をする権利が本当に大丈夫だよね、確保されているんだよね、この子供理念法でというちょっと心配の声から来ているので、ちょっとしつこいようですけれども、ここだけ、もう一回だけ確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/171
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172・木原稔
○衆議院議員(木原稔君) 今、礒崎委員とやり取りをしている中で、そのお考えというのはもう我々の考えと一致しているというふうに私どもも理解をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/172
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173・礒崎哲史
○礒崎哲史君 確認をさせていただきました。
そういう意味で見ますと、一つ安心材料にはなるんですけれども、素朴なあと疑問として、そうしますと、元々、その子どもの権利条約の中であった、影響を及ぼす全ての事項という、こうした表現にすれば、そういった誤解であったり心配というものもなかったのではないかなというふうにも思うんですけれども、こういった表現というのは、なぜ今回のようなこの直接的な、直接関係するといった、こういった表現になって、法案作成の過程でこの表現になったのか、その点については何かございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/173
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174・鈴木隼人
○衆議院議員(鈴木隼人君) お答えいたします。
我が国の国内法の制定に当たって条約上の概念について規定をする場合に、条約の内容を過不足なく表現する文言として何がふさわしいか、我が国の現行法体系との整合性を確保しつつ検討した結果として条約の訳文とは異なる文言を用いた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/174
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175・礒崎哲史
○礒崎哲史君 なかなか法律の作成の表現ということで、私も法律の専門家ではないものですから、どういう表現をしていくことが適切で、ほかの法文との関係ということでいくと、自分自身、そこはなかなか難しい世界ではありますけれども、今お話を伺ったところで、ほかとの法文との関係性ということもお話をいただきました。
いずれにしても、先ほど確認をさせていただきました、子供の自分の思いを伝えていくという、こうした権利についてはしっかり守られている理念になっているということだというふうに理解はさせていただきたいというふうに思います。
それを一つ前提の上に、子供たちが自分の意見を発していくという、そこについての確保はされるとは思うんですけれども、そもそも自分たちの意見を発するためには子供たち自身がしっかりといろいろなことを理解をやはりしないといけないんだというふうに思います。
ですので、この第三条三項の意見を表明する機会あるいは社会活動に参画する機会、これを確保していく上で、その前段階ですね、子供たちが広く自分の身の回りのこと、こうしたことに触れて、そしてそれを理解をして、さらに、それに対して自分なりの意見が形成できるような、そういう環境を整えていく、そうした支援というのが大変重要だというふうに思っています。
その意味で、この子供の意見形成のための発達段階に応じた理解が進むような、例えば広報媒体であったり、あるいは伝え方の工夫であったり、あるいは大人からの働きかけであったり、こうした支援の拡充というのが必要と思うんですけれども、この点について発議者の方でお考えあれば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/175
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176・鈴木隼人
○衆議院議員(鈴木隼人君) 御指摘に感謝申し上げます。
これ、鶏か卵かのような話に若干なってしまうところもありますけれども、学んだ上で、学んで理解して社会参画なのか、社会参画自体が学びになっていくのかというところはあると思いますけれども、これ、やはり社会参画を通して学ぶという部分もかなり大きいと思います。
そういう意味では、鶏も卵も重要ということだと思うんですが、法施行後の実際の運用において、御指摘のような工夫も含めて検討した上で、効果的な施策展開が図られること、提案者としても期待をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/176
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177・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
鶏が先か卵が先か、確かにそうですね、社会参画をすることで新たな学びというのもあると思いますし、でも、やっぱりそこは、きっかけはなかなか、子供が自ら個々にというよりも、やはり大人からの様々なサポートというものがそこにはしっかりとあった上でというふうになるのかなというふうに思います。
今ちょっと発議者の方とやり取りをしていて、大臣、この今質問をやり取りさせていただいた内容、大臣には答弁求めてなかったんですが、これ、こども家庭庁として発足した暁には、やはり今言った、子供が自らの考えをまた構築、考えをまとめていくということに対するサポート、発言の機会を得るその前の段階のですね、子供たちの意見をまとめていくためのサポートというのは、今発議者とはやり取りさせていただきましたけれども、こども家庭庁としても、こうした考え方、しっかりと持って進めていただくことも必要かなと思うんですけど、大臣の御所見いただければ、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/177
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178・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 通告いただいていないんですが、まさに子供の意見表明、子供がしっかりと自分の意思を語れることができる居場所をつくる、その社会をつくるということがこどもまんなか社会でありまして、今発議者の方とのやり取りを聞いていて十分理解しておりますし、それを進めていくということが我々の仕事だと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/178
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179・礒崎哲史
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございます。是非こうした点も踏まえた上で、こうした取組、施策、進めていければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
こども基本法についての質問、以上となりますので、発議者の皆様におかれましては御退席いただいて結構です。委員長の取り計らいをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/179
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180・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 発議者におかれましては御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/180
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181・礒崎哲史
○礒崎哲史君 それでは、こども家庭庁設置法に関しての質問に入らせていただきたいと思います。前回も条文に関わること含めていろいろ質問させていただきましたが、今回も、まず冒頭、条文に関しての質問をさせていただければと思います。
今回の条文、読んでいきますと、こういった表現が度々出てまいります。「こども及びこどものある家庭」云々ということで、こうした表現が度々出てまいります。
で、ふと疑問に思ったんですけれども、この子供への支援と子供のある家庭への支援、子供への支援と子供のある家庭への支援の違いというのは一体どういうものがあるのかなというふうに思いました。この点について、まず確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/181
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182・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭庁は、子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長する社会の実現、これに向けて、子供の健やかな成長に対する支援、子供のある家庭における子育てに対する支援、子供の権利利益の擁護に関する事務を行うことを任務としています。いずれも子供の健やかな成長を目的として行うものであります。
子育て家庭をしっかり支えることが子供の健やかな成長につながるものであり、その両者というのは重なり得るものだと考えています。例えば、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安、悩みを相談できる、そういう場を提供する地域子育て支援拠点事業は、子供のある家庭に対する支援であると同時に、子育ての不安を軽減することなどを通じて子供の健やかな成長に対する支援につながるものだからです。
なお、あえて申し上げれば、例えば家庭で養育することが困難又は不適当な子供に対する里親や児童養護施設における養育支援は、子供の健やかな成長に対する支援の取組として位置付けられるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/182
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183・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今大臣がまさに後段のところで言われた里親ですとかあるいは施設ですね、そうしたところで、そうした環境で育っている子供たちも、ここの子供のある家庭という、この支援のところに含まれていくのかどうか、あえて子供と子供のある家庭と、そこへの支援をというふうに書かれますと、何かそういった環境にない子供たち、そうした環境でないところで育っている子供たちに対して少し冷たい印象がというふうに思ったんですが、今まさに大臣が後段のところで言われた、そうした制度でも守られているということをはっきりと御答弁をいただきましたので、その点については一つは安心できるのかなということで理解をさせていただきたいと思います。
あと、これも実は、今の表現と関連して、ちょっと不安の声をいただきました。子供のこの養育環境について、それこそ今の子供、家庭の、失礼しました、子供のある家庭と、こういった表現も含めて、この養育環境について、ある特定の状況を推奨したり、こうあるべきだと、子供の育成とはこうあるべきだ、こういう環境であるべきだというような状況が推奨されたり、あるいは結婚や出産という、これから子供を持っていく、そうしたステージにおけるそれぞれの人生あるいは生活、そうしたものに対して行政が特定の考え方を推奨したりするような、こうしたことにつながっていくんじゃないかと、こういう懸念の声も実は数件いただいております。
この点の考え方について、改めて確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/183
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184・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 結婚や出産に関して、こども家庭庁が所管する少子化社会対策基本法においても、結婚や出産は個人の決定に基づくものと規定されています。
また、こども家庭庁設置法案において、「結婚、出産又は育児に希望を持つことができる社会環境の整備等少子化の克服に向けた基本的な政策」と規定しています。
子供の養育環境や結婚、出産について、行政が特定の考えを推奨することは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/184
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185・礒崎哲史
○礒崎哲史君 そこの考え方については是非今後も全く変わらないということで、これはお願いというよりも、これ絶対です。絶対そのようにしていただきたいと思います。
続いて、これちょっともう条文から離れます。こども家庭庁の体制についてということでお伺いをしたいと思います。
この点についても、これまで幾つか質問の方されておりますけれども、現状二百名という体制で動かれているというような議論も既にございました。改めて、このこども家庭庁の体制、今後どのようにしていくのか、人員規模、それからどういった分野から人を集めて参画をしてもらうのか、この点の現状のお考えについて確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/185
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186・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) こども家庭庁の体制についての御質問にお答えいたします。
こども家庭庁の創設に当たりましては、司令塔機能及び政策立案機能を強化するとともに、就学前の全ての子供の育ちや子供の居場所づくりに関する施策など、これまで省庁間、制度間のはざまに陥った課題や新規の政策課題へ対応することとしております。
その体制でございますけれども、まず人員規模でございます。法律、事務の移管を行う内閣府や厚生労働省の内部部局の従前の定員約二百人を大幅に上回る三百人以上の専任職員による体制を目指したいと考えております。
また、どのような分野からという御質問でございますけれども、これにつきましては、様々な分野で今子供施策に従事されている方がいらっしゃると思いますので、そういった方々を参画していただきたいというふうに考えておりまして、そういったことによりまして、機能を十分に発揮するために必要な体制をしっかりと確保してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/186
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187・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今三百名以上ということで答弁ありました。三百名というのは、これは、この法律が通ったときに、実際こども家庭庁ができる来年の春、そのタイミングで三百名以上という、こういう理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/187
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188・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、法律、事務の移管を行う内閣府や厚生労働省の内部部局の従前の定員約二百人を大幅に上回るということでございますので、内閣府、厚生労働省の内部部局が移管される時期がまさに議員がおっしゃる四月一日でございますので、そういった意味で、法律が通りますれば、来年の四月一日に三百人以上という体制を目指したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/188
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189・礒崎哲史
○礒崎哲史君 まずはそこまで、ですから百人、今の一・五倍ですよね、一・五倍のところまで人員は増やしていきたいというお話でした。
法律整う前からその先の話をするのも何だなとは思いますけれども、ただ、この間も大臣とやり取りさせていただいて、とにかく日本の様々な施策の中で子供が関係するものは全部私たちが関与していくんだと、直接だろうが間接だろうがというお話がありましたので、そうしますと、相当な取組をしていかなければいけないんだというところからすると、いや、三百もすごいなとは思いますが、三百でも足りるのかなというのも正直思うところがあります。
現状の考え方で、三百以上が来年の春のタイミングという考え方があって、その先を見たときに、更にやっぱり増員が必要というような、そういう認識が今の時点であるのかどうか、その点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/189
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190・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたしたいと思います。
こども家庭庁の体制、まず、発足して以降、先の話を議員御質問されましたけれども、子供施策についての課題というのは、この委員会でも議論されておりますように様々な課題ございまして、それについて、こども家庭庁が発足いたしますれば、こども家庭庁としてきっちりと対応していきたいというふうに考えておりますけれども、そういったやはり様々な課題にきちっと対応できるための体制というのは必ず必要になってくると思いますので、そういったやっぱり状況に応じながら、どういった体制が必要なのかということは、発足して、常に日々、常に年々、考えていかなきゃいけない課題だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/190
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191・礒崎哲史
○礒崎哲史君 来年以降のことで鬼が笑うような質問だったかもしれませんが、是非、でも重要なことだと思います。
一番大きいのは、恐らく教育ですね。やはり文科省との関係をどうしていくのか、教育をどういうふうにしていくのか、ここの関係をどうするかで随分とまた体制については変わってくるんだというふうに思いますので、それはまたその先の話というふうになるかもしれませんが、今の内閣府、それから厚労省、こうしたところがメーンで人については集まってもらっているというお話でした。
これ、ほかの委員の先生からも質問ありましたけれども、やはり実際に子供に対する施策を行っているのは、自治体が実際行っているということからすると、自治体の方たち、自治体で実際に活動をされている方たちというのを積極的に登用していく、まさに子供支援の現場を知っている方たちですね。ですから、もちろん地方の自治体で働かれている方もそうですし、NPOを始めとしたそうした団体からもそうだと思います。そうした団体から、外部の団体も含めて、そうしたところからの登用というのは、これはお考えの中にはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/191
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192・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
子供政策の具体の実施については、今お話がございました地方自治体やNPOなどの民間団体など、現場中心に担われております。こども家庭庁においては、地方自治体との連携の強化や、NPOなどの民間団体との積極的な対話、連携、協働や地方自治体との連携の強化を進めることとしています。まさに御指摘のとおりで、民間や地方自治体の人材を積極的に登用することについては重要であると考えています。
子供福祉の専門職を含め、多様な民間人材の登用を積極的に行うこと、それによって民間団体等の活動実績を通じて把握されたニーズとかノウハウを政策立案にしっかりつなげていきたいと考えています。また、地方自治体との連携強化のためにも、地方自治体との人事交流、これを推進して、地域の実情に踏まえつつ、国と自治体の視点を共有しながら、政策を推進できるようにしてまいります。
今後、こども家庭庁の発足に向け、自治体への働きかけや民間人材の採用に向けた取組をしっかり行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/192
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193・礒崎哲史
○礒崎哲史君 是非、子供とじかに接している皆さんを登用することで、子供の意見、これを取り入れることにもつながると思いますので、是非そうしたことを進めていただきたいと思います。
そんなことを言いながら、でも、実際、じゃ、現場の人数って足りているのかというと、実際に今支援されている方たちも潤沢に人がいるというわけではないということからすると、実際、そこから、じゃ、人引っこ抜かれちゃったら現場が回らなくなるかもしれないなんという本末転倒なことが起きてもいけません。やはりこの点についても、人材をどうやって育成していくのか、採用していくのか、ここはやはり課題になってくるんだろうな、まあ、ほかの分野でも人材不足というのは言われていますけど、ここの分野でも人材不足あろうかというふうに思います。この点についても、またしっかりと議論もしていきたいと思いますし、是非取り組んでいただきたいというふうにも思います。
最後の質問になろうかと思います。
今、現場の体制ということでお話を伺いましたが、何といっても、現場でどのように子供の意見を聞いていくのかということが大変肝になるというふうに考えます、というか、これが肝です。子供の意見をどのようにして聞いていくのか、また、聞いた意見をどのようにして関係者と共有を図っていくのか、その方法についてどのように今考えられているか、その点について確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/193
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194・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
政府提出法案では、こども家庭庁の任務として、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重して、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすることを規定しています。また、昨年末に閣議決定した基本方針において、今後の子供政策の基本理念として、子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるように取り組むことを掲げています。
このため、こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度においては子供の意見の政策への反映に関する調査研究を行うこととしています。これ、こども家庭庁においては、これまで内閣府で行ってきた十代から二十代の子供や若者から、ウエブアンケートや対面等での意見交換、それを通じて政策についての意見を聞く事業を一層充実させます。また、今年度に行うこととしている調査研究の結果を踏まえて、子供や若者にとって身近なSNSを活用した意見聴取など、子供や若者から直接意見を聞く仕組みや場づくりについても取り組んでまいります。
子供政策への子供の意見の反映方法等について、調査研究の中で検討してまいりますが、例えば、こども家庭庁の職員が聴取した子供の意見を庁内における検討やこども家庭審議会の資料として提供する、こども家庭審議会において子供や若者からヒアリングを行う、これらを踏まえ、政策の具体化を検討するといったことが考えられています。
聴取した様々な子供の意見を実際に政策に反映するかどうか、これについては、子供の年齢や発達段階、実現可能性、そんなことを考慮しつつ、子供の最善の利益を実現する観点から、こども家庭庁において、そしてこども家庭審議会等における議論などを踏まえて判断することになると考えていますが、聴取した意見が政策に反映されたかどうかについては子供にフィードバックすることが重要だと考えています。
子供の声に耳を傾けることは、子供を大切にする第一歩であることなどを申し上げてまいりました。こうした基本姿勢の下、こども家庭庁において、調査研究の結果も踏まえて、子供や若者から意見を聞く様々な手法、これ組み合わせて、多様な声を聞くように努め、子供政策にしっかり反映させる仕組みを検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/194
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195・礒崎哲史
○礒崎哲史君 次回、この点についてもう少し質問させていただきたいと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/195
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196・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
この法案については初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
早速お聞きをしていきたいと存じますが、最初は、今のところ、この法案が通れば来年の四月一日にこども家庭庁発足するということですが、そこまでに行うべきことといいますか、用意、準備しておくべきことなどについてまずお聞きをしたいと思います。
先ほどから何回も出ていますが、昨年の十二月に閣議決定されたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針、ここにおいては、この子供政策に関連する大綱を一体的に作成し、推進するということにしていますが、どのような形でこの大綱を一体的に作成、推進をしていくのか。地方自治体などが実際にこの施策を進めていく上で大変重要なものになるわけですが、一体的にどのように作成、推進をするのか。
また、この基本方針においては、子供政策に関する新たな大綱の策定に向けた検討に着手するなど、このこども家庭庁の創設を待たずにできることから速やかに着実に取り組むということが記載をされています。この委員会でも既に答弁でもありましたように、子供の意見をどのように聞くのかについての調査研究以外に設置前に取り組む事項があるのか、あるとすればどういったものなのか、併せて大臣にお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/196
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197・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
これまで、子供政策に関連する大綱として、少子化社会対策大綱、子供・若者育成支援推進大綱、子供の貧困対策に関する大綱がそれぞれ別々に作成、推進され、関連する閣僚会議も別々に運営されてきました。今後は、こども家庭庁の下で、政府の子供政策を一元的に推進するために、これら三つの大綱を一体的に作成、推進してまいります。
新たな大綱は、昨年十一月に総理に提言されたこども政策の推進に係る有識者会議報告書、これを踏まえることにしておりまして、こども家庭庁創設後、関連する閣僚会議を一体的に運営して作成するということを考えています。
なお、現在国会で御審議されているこども基本法案では、これらの大綱や閣僚会議を統合、一本化する規定が置かれていると承知しています。国会での御審議をしっかり受け止めて、新たな大綱の作成に向けた検討を進めてまいります。
次に、こども家庭庁の創設待たずに取り組むこととしては、まず、厚生労働省から提出し、現在国会で御審議をいただいています児童福祉法の改正案も踏まえた子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化、デジタル庁を中心に関連府省で連携して行う子供データ連携の在り方についての検討、内閣府において今年度新たに立ち上げる子供や若者の行動意識に関する統計調査の実施のほかに、内閣官房においては、委員の今御指摘がございました子供の意見の政策への反映に関する調査研究に加えて、子供の居場所づくりに対する調査研究、就学前の子供の育ちに係る指針の策定に向けた検討、そして日本版DBSの創設に向けた検討などに取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/197
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198・柴田巧
○柴田巧君 創設を待たずにできるところから、また必要なところから是非進めていただきたいと思います。
次に、地方自治体職員及び民間人の活用ということで、今も質問ございましたが、お聞きをしていきたいと思いますけど、基本方針では、こども家庭庁の組織体制として、政策立案機能の強化のため、地方自治体職員や民間人材の積極登用を行うと記載をされています。
また、衆議院の審議においては、我が党の三木議員からこの家庭庁の人員の規模について質問された際に、野田大臣は次のように答弁されております。民間の方々や地方自治体の職員を政策スタッフとして採用することを含めて、内閣府部局で、先ほどありましたが、定員三百人を上回る体制、これを目指していきたいということでございますが。
そこでお聞きをしたいと思いますけれども、このこども家庭庁で採用する地方自治体の職員について、どのような人材を念頭に置いているのか、これまでの経歴等をどのように考慮するのか、また、その地方自治体の職員には学校の教員も含まれるということになるのか、併せて大臣にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/198
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199・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 昨年末に閣議決定したこども政策の新たな推進体制に関する基本方針、ここで地方自治体との連携強化を掲げて、そして、政策立案機能の強化等を図るため、子供政策の実務を担う地方自治体との人事交流を推進することとしています。
求める人材としましては、地方自治体において一定の実務経験を積み重ね、政策の企画立案や予算編成及び執行等に携わっていただける事務職とともに、子供家庭に関する相談援助業務などを経験されたソーシャルワーカーや、今御指摘の学校の教員も含めた一定の専門的知識や技術的スキルを身に付けている専門職などを想定しております。
具体的な登用についてはまだ、地方自治体とよく調整の上、進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/199
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200・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございます。
今は地方自治体からこども家庭庁に来ていただくという人たちのことでしたが、こども家庭庁が地方自治体の職員を採用するのみならず、このこども家庭庁の職員が地方自治体へ出向して現場を経験するということも私は重要なことだと思いますが、そこで、このこども家庭庁の職員の出向についてどういうふうに検討しているのか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/200
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201・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
先ほど大臣から御答弁ありましたけれども、子供政策の具体の実施に当たりましては、地方自治体やNPOなど民間団体などを中心に行われておりまして、こども家庭庁におきましては民間や地方自治体との連携の強化などを進めることとしております。
御指摘のとおり、こども家庭庁の職員が地方自治体へ出向して現場を経験することも非常に重要であるというふうに考えております。この点、昨年末に閣議決定いたしました基本方針におきましても、地方自治体との人事交流を推進すると明記しているところでございます。地方自治体からこども家庭庁への出向を受け入れるとともに、こども家庭庁から地方自治体への出向、職員の出向についても進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/201
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202・柴田巧
○柴田巧君 やはり地方の現場に行って、この政策立案機能を強化するということがあるわけですから、地方の実情、実態をやっぱりしっかり見聞をしていろいろな現場を体験するというのは重要だと思いますので、そういった人事交流も是非しっかりやっていただきたいと思います。
次に、先ほどちょっと答弁もあって重なる部分もあるんですが、この採用する民間人材についてその採用方法をどのように考えているのか。また、というか、中途採用や人事交流が行われるものと想像しますが、こども家庭庁からNPO等に働きかけを行うことも想定をしているのか、併せてお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/202
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203・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、子供政策の具体の実施については、地方自治体やNPOなどの民間団体など、現場を中心に担われているところでございます。このため、こども家庭庁におきましては、民間人材の登用を積極的に行うことによりまして、民間団体などの活動実績を通じて把握されましたニーズやノウハウを政策立案につなげていきたいというふうに考えております。
今後、こども家庭庁の発足に向けまして、民間人材の採用を進めるに当たりましては、子供や若者、子育て家庭に対して地域で支援を行っているNPOを始めとする様々な民間団体にお声掛けをして、できるだけ現場感覚を持った人材確保に努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/203
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204・柴田巧
○柴田巧君 是非そんな方向でよろしくお願いをしたいと思いますが。
次に、基本方針では、子供の最善の利益を実現する観点から、この子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に子供の政策に反映できるように取り組むと記載をされているわけで、先ほども触れましたけれども、現在その子供の意見をどのように聞くのかについての調査研究を進めていると承知をしています。
このこども家庭庁に民間人材を採用するのであれば、子供の意見聴取の業務を担うためにスクールカウンセラーなどを採用するという考えはあるのか、政府参考人にお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/204
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205・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えをいたします。
ただいま委員御指摘のとおり、子供の意見を反映した子供政策を推進するに当たりまして、こども家庭庁の創設を待たずに、本年度、子供の意見の政策の反映に関する調査研究を行うこととしてございます。その際、御指摘のスクールカウンセラーなども含めまして、子供や若者の声を受け止めたり引き出したりする役割を担う方々との連携というのは大変重要であるというふうに考えております。
例えば、子供が意見を言いやすい環境をつくり、子供の声を引き出すファシリテーター的な役割でございますとか、子供と近い目線で子供が意見を表明しやすいよう支援を行いますサポーターのような、そんな役割などの在り方についてもこの調査研究の中で検討してまいりたいというふうに思っております。
いずれにしましても、こうした基本姿勢の下、調査研究の結果を踏まえ、どのような形でこの意見聴取の手法なり仕組みを整えていくのかということを、調査研究を踏まえた、結果を踏まえた上で対応を考えてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/205
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206・柴田巧
○柴田巧君 先ほどからもありますように、子供たちの本音であったり、上手に聞き出すすべ、能力のある人をやっぱり採用していくということも大事だと思いますので、改めて申し上げておきたいと思います。
さて、その優秀な地方自治体の職員の人であれ民間の人であれ、このこども家庭庁で働いて子供のために力を貸していただけるというか、頑張ってもらうのは大事なことなんですけど、昨今、この霞が関がブラック霞が関とやゆされたりするように、国家公務員の働き方改革が非常に求められていると思います。
こんな状況で、果たして、意欲のある、そして是非是非働いてみたいと、こども家庭庁で、そんな人が自治体の職員や民間人材の中で出てくるのかどうか大変ちょっと懸念をするわけですが、そういう意味で、この環境整備の必要性、働き方改革というか、そういう人たちがしっかりこのこども家庭庁に入ってくれて、採用されて働いてもらえるような、その環境整備の必要性があると思いますが、大臣の御見解をお聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/206
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207・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今後、こども家庭庁の発足に向けて、今やり取りがございましたように、地方自治体との人事交流や民間人材の採用に向けた取組を行ってまいりたいと考えているところです。
まさに御指摘のとおり、その際、地方自治体職員や民間の方々がやりがいを感じてその能力を発揮していただけるような職場環境の整備はとても重要であると考えています。特に、時間制約等の有無にかかわらず、あらゆる職員が活躍できる職場環境の整備は急務であると考えており、テレワークの普及、定着など働き方改革や業務改革を進めるとともに、コミュニケーションの活性化など風通しの良い職場環境をつくっていくなど、こども家庭庁で働きたいと思っているような職場環境の整備にしっかりと取り組んでまいります。
やはり、子供政策をつくる職場ですから、自分たちの子供に対してもしっかりと愛情を十分に注げる余裕のある働き方ができるように、何ができるかを考えていかなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/207
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208・柴田巧
○柴田巧君 今大臣もおっしゃったように、やっぱり、自らが子育てをして、その喜びを、また、すばらしさというか楽しさを実感できるような、そんな職場に是非していただきたいと思いますし、まだ加わらない方で、あるいは将来そういうこども家庭庁で是非力を発揮してみたいと、そんな人が出てくるような職場環境に是非是非努めていただきたいと思います。
さて、次に、このこども家庭庁の発足によって内閣府や厚生労働省の関係部署が移管をされて、四月、来年の四月一日に発足するということになります。
どこまで決まっているかはあれですが、そうすると、このこども家庭庁の所在地というのはどこになる予定なのか、政府内でそれ実際に検討が進められているのか。
最近できた役所でいうと、デジタル庁が去年の九月一日ですかね、発足しましたが、あそこは、御存じのとおり昔の赤プリの跡の東京ガーデンテラス紀尾井町という高層ビルの中の、しかも月額七千万、年間ですると八億まあ九千万近くなるそうですが、と報道でありましたが、それぐらいのところ、経費が掛かるということになりますが、このような新たな負担が生じることのないように、極力やっぱり留意をすべきではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/208
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209・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 現在、こども家庭庁の所在地については、霞が関における庁舎スペースの逼迫、これを踏まえて、民間施設の入居を中心に検討しているところです。
民間施設の選定に当たっては、職員を収容するための床面積や国会等の近さなど、必要な機能を有する建物を合理的な費用で借り受けることができるよう引き続きしっかり検討してまいりますが、その際、当然、今委員御指摘の費用面での検討も重ねて行ってまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/209
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210・柴田巧
○柴田巧君 デジタル庁、あのビルの中にたしかZホールディングスとかヤフーなんかも入居していたということが関係したのかどうかは分かりませんが、今大臣もおっしゃったように、極力、まあここら辺で経費が掛からないところはもちろんないとは思いますけれども、極力そういったところに配慮していただいて、そんなに多くの払う余裕があるなら子供たちに使ってあげられればいいのになというのが正直なところですので、是非また御留意をしていただければと思います。
続いて、このこども家庭庁に関係部局が移管されることに伴って内閣府及び厚生労働省の定員はその分削減されるということになるのか、もしそうだとするとどの程度削減されるということになるのか、大臣に、もし分かれば教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/210
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211・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭庁の創設に当たっては、司令塔機能及び政策立案機能を強化するとともに、就学前の全ての子供の育ちや子供の居場所づくりに関する施策など、これまで省庁間、制度間のはざまに陥った課題や新規の政策課題へ対応することとしております。
このため、事務の移管を行う内閣府や厚生労働省の内部部局の従前の定員約二百名を大幅に上回る三百人以上の専任職員による体制を目指し、先ほど参考人からお話がありましたが、機能を十分に発揮するために必要な体制をしっかり確保していきたいと考えています。
来年度の各府省の定員については、今後、予算編成過程で議論されていく、そういう話でございまして、現時点で全体としてどの程度削減されることなどをお答えすることは正直困難であります。
いずれにしても、こども家庭庁の設置に当たっては、合わせて定員二百名規模となる内閣府子ども・子育て本部及び厚生労働省子ども家庭局を廃止するとともに、こども家庭庁が機能を十分に発揮するために必要な体制、これをしっかり確保してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/211
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212・柴田巧
○柴田巧君 じゃ、次に移りたいと思いますが、何回も言いますが、来年の四月一日に、この法案が通ればできるということになりますけれども、この四月一日というのは、言うまでもありませんが、新年度の最初の日ということになるわけで、保育所であれ幼稚園であれ認定こども園等々であれ、大変そういったところとちょうど重なってしまうということですね。
だとすると、とにかく、三月三十一日までは内閣府及び厚労省が所管をして、四月一日からはこども家庭庁が所管するということになるわけで、この新しい役所が四月一日にできるということによって現場に混乱が生じるということはないのかということを心配をしますが、そうしたことのないようにこの問合せ窓口の整備等をこども家庭庁が事前に行う必要があると考えますが、その点、どういうふうに検討しているのか、お聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/212
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213・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
こども家庭庁でございますけれども、令和五年四月一日の創設を目指しておりまして、その時期は、保育所や認定こども園の運営との関係も含め、様々な施設や制度の新年度と重なる時期でもございます。その四月、令和五年四月一日に保育所や認定こども園の所管は内閣府や厚生労働省からこども家庭庁へ移ることとなります、法律が通りますればこども家庭庁へ移ることとなりますけれども、子供政策の具体的な実施を中心的に担っておりますのは、繰り返し申し上げておりますとおり、地方自治体でございまして、万が一にも現場に混乱が生じることのないようしっかりと対応してまいりたいと考えております。
これまで、地方自治体を含めた現場の方々に対しましては、地方三団体の会議等、各自治体の子供政策を担当する部署への事務連絡などを通じて、こども家庭庁創設の趣旨、補助金や事務の取扱い等について周知してまいりましたけれども、その際には必ず問合せ窓口を明記しているところでございます。今後、様々な地方自治体に対して周知文を出すということになると思いますけれども、その際には必ず問合せ窓口も明記して出したいというふうに考えておりますけれども、また、議員今御指摘になりました、自治体等からのいわゆる全般的な問合せ窓口の整備だというふうに御提案いただいたと思いますけれども、今後とも、現場での活動に支障や混乱が生じぬよう、関係者の皆様の御意見等も伺いながら検討してまいりたいというふうに思っております。
いずれにしましても、十分な期間を確保しつつ、しっかりとした周知等を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/213
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214・柴田巧
○柴田巧君 デジタル庁は九月一日でした。消費者庁も九月一日でしたね。で、四月一日というのは世の中一番忙しいときで、子供たちも入学したり卒業したり、新年度がスタートするときなんですが、新しい役所ができたのはいいけれども、なかなかしっかり業務ができなかったということにならないように、しっかりと、今からまだ日は、法案が通ればの話ですが、ありますので、準備をして混乱が生じないようにやっていただきたいと思います。
今の部分とちょっと重なるところありますが、このこども家庭庁、所掌する事務が大変幅広いということもあり、そして、今申し上げてきたように、年度末から年度初めにかけて各省、関係のところが事務が移管するということになるわけですが、かなりの負担がやっぱり生じてくるのではないかと。そういう関係各省からの円滑な引継ぎが求められますが、どのように行っていくのか、これは大臣に全体の話をお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/214
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215・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 委員御指摘のとおりで、こども家庭庁においては、内閣府の子ども・子育て本部等や厚生労働省の子ども家庭局など複数の府省庁から幅広い事務の移管を行うこととなるため、事務の移管には十分な準備が必要であると考えています。
このため、今後、こども家庭庁の設置をお認めいただくことになれば、事務の円滑な引継ぎに向けて関係省庁による連携体制を構築し、その上で速やかに具体的な検討を行います。できるものから計画的に準備を進めることで引継ぎに伴う各府省庁の職員の負担の平準化等を図りつつ、来年のこども家庭庁の開設に万全を期してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/215
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216・柴田巧
○柴田巧君 計画的に是非進めていただいて、万全を期していただきたいと思います。
続いて、今度、ヤングケアラーのことについてお聞きをしますが、ちょっと質問の流れで順番を変えさせていただいて、最初に政府参考人の方からお聞きをしたいと思います。
先般、小学生及び大学生を対象にしたヤングケアラーの調査の結果が発表されました。私は、この委員会で昨年の五月に、昨年は、その前は高校生かな、を中心にした調査があって、これは小学生、大学生まで含めた調査をやるべきだと、この詳細な実態調査をやっていくことで効果的な対策を取れるんじゃないかと申し上げましたが、それを受け入れていただいたのかどうかは分かりませんが、小学校、大学生まで含めた幅広い調査が行われました。それによると、六年生で世話している家族がいるとの回答が六・五%、大学三年生では、世話している家族が現在いるとの回答が六・二、過去にいたとの回答が四・〇だったということです。
そこで、まずお聞きをしますが、政府としては今回のこの調査結果をどのように分析をしているのか、また、令和二年度の実施の中高生を対象とした、中高生ですね、対象とした調査と今回の小学生及び大学生を対象とした調査を通じて明らかになった課題は何なのか、まず政府参考人にお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/216
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217・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) お答えします。
まず、令和三年度に実施をいたしました小学生、大学生調査の結果でございますけれども、今先生御紹介いただいたとおり、この実態調査におきまして、世話をしている家族がいると回答した方が小学校六年生で六・五%、大学三年生で六・二%でございました。世話をしている家族がいると回答した方に対しまして、世話をしているためにやりたいけれどできないことが何かということを聞いたところ、睡眠が十分に取れないが小学校六年生で六・七%、大学三年生で一二・九%、宿題や勉強をする時間が取れないが小学校六年生で七・八%、大学三年生で八・五%であるなど、家族の世話のために生活に影響が見られる子供の存在が明らかになったところでございます。
次に、これまで実施しました小中高大学生調査で明らかとなった課題でございますけれども、令和二年度、三年度の調査は、子供本人を対象とした全国調査としては初めてのものでありまして、家族を世話する子供の実態が明らかになったこと、また、調査結果の報道を契機にヤングケアラーへの社会的関心が高まり、支援の輪が広がったことなどから、意義のある調査であったものと考えております。
一方、これらの調査は、全国から一部の学校を抽出した上で限られた子供のみ対象としていること、サンプル数が少なく、地域差を比較するには有意な結果が得られていないなどの課題があるものと考えております。
この点について、厚労省としては、地域ごとの実態把握に資する自治体単位での実態調査を支援することが必要であると考えておりまして、令和四年度、今年度予算におきまして、自治体の実態調査に要する経費を計上しており、各自治体においてヤングケアラーに関する調査が推進され、実態を踏まえた支援が行われるよう取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/217
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218・柴田巧
○柴田巧君 このヤングケアラーの支援については、医療や福祉や介護、教育など、幅広い分野での連携が重要なものになります。
こども家庭庁は、このような子供に関する各省庁横断的な課題について司令塔的な役割を担うということですが、このヤングケアラーの支援においてはどのような役割を果たすことができると考えているのか。
また、今回の調査結果、小学校六年生が行っているケアの対象は兄弟が多数を占めて、これは七一%ということでした。これではっきりしているように、幼い兄弟の見守りや家事を行っているケースが多いということが明確になったわけですが、やはりこの背景には、保護者の病気や障害、あるいは一人親などの様々な状況があると想像されます。
こうした困難を抱える状況にある家庭に対して必要な子育て支援の施策がしっかり届いていないということがこういう数字になって表れているのかなと思うわけですが、そこで、こういうような困難を抱える子育て家庭に対する支援を確実に届けていくために、こども家庭庁としてはどのように取り組むことを考えているのか、併せて大臣にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/218
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219・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
ヤングケアラーについては、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるとされており、子供の心身の健やかな育ちのためには関係省庁が緊密に連携し、福祉、介護、医療、教育等の様々な側面から支援することが必要です。また、ヤングケアラーについては、家庭内のデリケートな問題であること、本人や家族に自覚がないといった理由、親孝行とかそういう意識から、支援が必要であっても表面化しにくいという構造となっていて、社会全体の認知度を更に深めていくことが必要であります。
昨年、厚生労働副大臣と文部科学副大臣を共同議長とするプロジェクトチーム、ここの取りまとめに沿って、これまで多機関連携支援マニュアルを取りまとめて自治体に周知をいたしましたほか、令和四年度には関係機関と支援団体等のパイプ役となるコーディネーターの配置、そして小中学校のスクールソーシャルワーカー等の配置に関する予算を盛り込むなど、関係機関の連携の強化、支援の充実を図っているということを承知しています。
こども家庭庁の設置後においては、困難を抱える子供を支援するという観点から、こども家庭庁が司令塔となり、自らも子供の福祉の増進のための施策にしっかりと取り組みながら、関係省庁と緊密に連携して分野横断的な取組を引き続き推進するとともに、プッシュ型の情報発信やアウトリーチ型の支援など、必要な支援を確実に届けるための支援方策をしっかり検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/219
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220・柴田巧
○柴田巧君 司令塔的な役割を果たして、その連携のために実効性のある取組がしっかりなされることを求めておきたいと思います。
先ほどの、今般の調査対象とされた大学生というのは三年生なんですね。これ、どう考えても二十代以上、まあ二十か二十一か、人によってはあれかもしれませんが、ヤングケアラーには明確な定義はないというものの、一般的には十八歳までのケアラーをヤングケアラーと言うことが多いようですが、一方で、このこども家庭庁の設置法案の「こども」は、何回も出ておりますように、「心身の発達の過程にある者」と定義をされているわけですから、確認ですが、この十八歳以上のケアラーについてはこども家庭庁が行うヤングケアラーの支援対象となるということでいいのか。
また、今回の調査対象は大学三年生ということでしたが、その在学中の方に限ったものでありましたけれども、この三年生と同世代の二十代の方のケアラーの中には、ケアの状況や経済的な事情からやむを得ず大学進学を断念したり、又は中退して就職して働きながら今家族のケアを行っている人もいると想像されます。
そこで、このヤングケアラーの支援を進める上で、こうした方々についても、つまりは大学生ではないことを理由に支援からこぼれ落ちることのないようにすべきではないかと思いますが、大臣の御見解を併せてお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/220
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221・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 支援の対象となる子供とは基本的に十八歳までの者を念頭に置いているものの、必要な支援が十八歳や二十歳といった特定の年齢で途切れることなく行われ、思春期から青年期、成人期への移行期にある若者が必要な支援を受けることができ、若者が円滑な社会生活を送ることができるようになるまでを社会全体で支え伴走していく、こういうことにしてあります。
十八歳以上のいわゆる若者ケアラーについても、こうした考え方の下で、年齢や大学在学の有無にかかわらず支援が必要な家庭に対してしっかり支援を行っていくとともに、就労支援や生活困窮者支援など、成人に対する各般の施策を所管する厚生労働省と緊密に連絡、連携を図りながらしっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/221
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222・柴田巧
○柴田巧君 先ほど触れたような方々が抜ける、あるいはこぼれ落ちることのないようにしっかりやっていただきたいと思います。
それから、このヤングケアラーは、今、先ほど大臣もおっしゃったように、本人が気付いていない場合はこれ誰にも相談することができないといったことから、なかなか表面化しにくいという問題があります。したがって、このヤングケアラーの発見、把握、支援につないでいくためには、この住民に一番近い自治体の現場での取組が必要不可欠ということになると思いますが、確かに積極的に取り組んでいる、あるいは精力的にやっているところもあれば、またこれからというところもあるのではないか、まあそっちの方が多いのではないかと思いますが、これさっき触れられた予算かなと思いますが、今年度の予算ではこのヤングケアラー支援体制強化事業というのが創設をされましたけれども、自治体の負担部分もあるため、その予算確保が難しい自治体もあるのではないかと懸念をされます。
そこで、この地域によって十分な支援が受けられる子供、受けられない子供が出てしまうことのないように、地域によって差が生じるということのないように取り組んでいく必要があるんではないかと思いますが、大臣のお考え、お聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/222
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223・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、委員がこうやって国会の場でヤングケアラーについて問題提起をしていただいたり様々なその実態をお話しいただいたりすることで、やはりこれまではヤングケアラーという言葉自体が世の中に浸透していなかったと思います。国民が気付き、そして身近な子供たちを注視する中で、そういう子供たちを見付けてくれたら様々なその支える手を差し伸べていくということで、是非今後とも力強く御支援を、ヤングケアラーに対してのその啓発をしていただければというふうに願っているところです。
地方自治体の支援としても、先ほど申し上げましたが、多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアル、これを作成しました。そして、支援体制構築のモデル事業を実施し、支援者団体によるピアサポート等の悩み相談を行う地方自治体の事業を支援、そういうことをしており、厚生労働省において地方自治体に対して施策の積極的な実施について働きかけるなど周知促進等をしているものと承知しています。
こども家庭庁設置法においても、関係省庁や地方自治体と連携をいたしまして、地方自治体の取組状況をしっかり把握し、取組を促していくなど、必要な支援が抜け落ちることがないように、各地域での取組をしっかり支援してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/223
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224・柴田巧
○柴田巧君 その地域間で差が生じないように、是非これもお願いをしておきたいと思います。
次の質問に移ります。
次は、幼保施設の避難確保計画や避難訓練などについてお聞きをします。
改めて言うまでもありませんが、近年、気候変動に伴って水害や土砂災害が頻発して、被害も大きなものになっています。こうした中で、この保育所や幼稚園等においても子供たちの命を守るための対策が急務ということでありますが、平成二十九年に改正された水防法などによって、洪水等の危険がある浸水想定区域等に立地する保育所や幼稚園等には避難確保計画の作成や避難訓練の実施が求められることになりました。
しかし、この法改正は行われたものの、実際にはこの法改正の趣旨が保育所や幼稚園等に理解を十分されているのか、また、計画の作成や効果的な避難訓練の実施につながっていないのではないかというところが見受けられます。
先月十八日の読売新聞でも、その中の記事で、この読売新聞が全国の主要都市百九自治体に対して行った調査によれば、約四割の保育所や幼稚園などが浸水想定区域内に立地をしており、そのうち二割弱が法律で義務付けられている避難確保計画を作成していないという実態が明らかになりました。
乳幼児や介護施設で二割弱も避難確保計画が未作成というのは、大変これはゆゆしきことだと言わざるを得ません。公立か私立かといった設置主体の違いや、この保育所、認可外保育施設、認定こども園、幼稚園といった施設の形態の違いにかかわらず、子供たちの命を守るために避難確保計画の策定は不可欠だと考えますが。
ところが、公立の幼稚園や幼保連携型認定こども園等については、文科省がこの浸水想定区域に立地する学校数やその対策状況を網羅的に調査をして、昨年の六月に公表しています。しかし、その調査では、私立幼稚園や認可外保育施設等は調査外、調査対象外となっているんですね。
そこでお聞きをしますが、この私立幼稚園や認可外保育施設等の避難確保計画の作成状況をいかに、では把握をしているのか、文科省にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/224
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225・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
委員からもお話ありましたように、この浸水想定区域に立地しております市町村地域防災計画で要配慮者利用施設に位置付けられている学校等施設については、避難確保計画の作成と、これに基づく避難訓練の実施が水防法で義務付けられております。
この昨年六月に公表いたしました令和二年十月一日現在での避難計画の作成状況につきましては、早急に調査を進めるということもございまして公立の学校等を対象に実施をしたところでありまして、その結果では、公立の幼稚園では対象八百七十四園のうち八九・八%、それから幼保連携型の認定こども園では百九十二園のうち八九・六%が避難確保計画を作成していると、こういう状況でございました。
なお、そのときにお聞きしたところ、計画を作成していなかった公立の学校等においては、全て昨年度中に計画を作成すると、こういう予定だというふうに聞いてございます。
それから、お尋ねの私立幼稚園の作成状況につきましては、この後の令和三年五月の水防法の改正なども踏まえまして、また、何よりも子供たちの生命、安全に関わる事柄でございますので、その状況を把握できるよう、方法等について国土交通省と連携しながら取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/225
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226・柴田巧
○柴田巧君 済みません、認可外保育施設については、これは厚労省にお聞きをします。済みませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/226
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227・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 認可外保育施設についてお答えいたします。
具体的にいかなる施設を市町村が地域防災計画に定めるかは、予想される浸水や施設の構造、利用状況等の地域の実情を踏まえて各市町村長において個別具体的に判断されると認識しておりますけれども、厚労省としては、現在のところ、認可外保育施設の水防法に基づく避難確保計画の策定状況については把握をしていないところです。
今後、水防法を所管する国交省とも連携してどのような対応ができるか、検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/227
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228・柴田巧
○柴田巧君 厚労省の方では把握をしていないということでありましたが、ちょっと順番を、質問ちょっと順番変えます。
昨年の水防法等の改正では、避難訓練等の実効性を高めるために、その結果を市町村長に報告することが義務化をされたほか、市町村が必要な助言、勧告ができる制度が創設をされました。この法改正によって私立幼稚園の避難確保計画等の情報が市町村に共有されやすくなったという改善は見られたのか、実際に。文科省に確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/228
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229・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
昨年五月のこの水防法の一部改正によりまして委員御指摘のような改善が見られたかどうかと、こういうような効果については把握をしておりませんが、市町村地域防災計画においてこの要配慮者利用施設に位置付けられた私立幼稚園等に対して市町村長が必要な助言又は勧告をすることができると、こういう制度が創設されたことで、提出した幼稚園等は計画の実施等に当たり適切な助言を受けられる、こういうことになったというふうに認識をしてございます。
私たち文部科学省といたしましては、この私立幼稚園を含む該当する全ての学校等においてこの避難確保計画の作成と市町村への共有が推進されるよう、これらの点なども国土交通省と連携しながら周知をしてまいりたいと、こんなふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/229
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230・柴田巧
○柴田巧君 今のところ十二分に把握されていなかった、されていないという現実があるようでありますが、次の質問にちょっと関連をしていくので聞きますけれども、こういう具合に、あっ、ごめんなさい、ちょっとこれ、こっちからやりますね。
二十九年の水防法では避難訓練の実施も義務化をされました。これについてもさきの読売新聞の、別の記事でありましたが、調査では、公立の保育所、幼稚園については九四%以上、自治体がこの避難訓練の実施状況を把握をしていたが、私立幼稚園については五七%が把握をしていなかったということでした。
恐らくは、この私立幼稚園の割合が低い背景には所轄庁の違いがあるというのは考えられるわけです。公立の保育所や幼稚園の場合、原則として市町村が設置管理をしているため、市町村の防災部局と子育て関係の部局、教育委員会の間で情報を共有しやすいわけですけれども、私立幼稚園はこの所管庁は基本的には都道府県知事ということになりますから、市町村ではないと。したがって、この組織が異なるため情報の共有がされにくく、結果として私立幼稚園の避難訓練の実施状況が市町村等がこれ十分に把握できていないのではないかと思います。
そこで、避難訓練の実施や避難確保計画の作成に関し、私立幼稚園の情報を市町村が十分に把握できていない現状についてどのような課題があると認識をしているのか、また、こういうことになるのも知事部局と市町村との間で私立幼稚園が縦割り行政のはざまに落ちてしまっているからではないかと思いますが、であると、この子供に関わる話ですから、命に関わる話ですから、しっかりといろんな改善をしていく必要があるのではないかと。
この避難確保計画が未作成、避難訓練が未実施の私立幼稚園に対してはやっぱり積極的な働きかけが必要ではないかと思いますが、文科省に併せてお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/230
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231・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
昨年のこの水防法の改正によりまして、法的に作成義務のある避難確保計画を作成し市町村に提出すると、こういうことによりまして各市町村の防災部局から適切な助言等を受けられるということとなりまして、子供たちの安全、安心にもつながるものと、このように認識をしてございます。
これは、こんなことがありまして、文部科学省では、この水防法の内容や取組の状況なども踏まえて、昨年六月に国土交通省と連名で、私立幼稚園を含む全ての学校等施設へ令和三年度中にこの避難確保計画の作成と避難訓練を実施するよう改めて周知をしたところでございます。また、各学校等における負担にも配慮し、この避難確保計画の作成を促進するため、既存の危機管理マニュアルを避難確保計画として活用できるよう、そのポイントを記載した学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン、これも作成をいたしまして、昨年六月に周知をしているところでございます。
避難確保計画の作成やこの避難訓練の実施がなされていない私立幼稚園に対しましては、法律に基づき避難確保計画の市町村への提出等が適切になされるよう、国土交通省と連携を図りながら引き続き取組を促してまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/231
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232・柴田巧
○柴田巧君 大臣、済みません、ちょっと通告してはいないんですけど、今のをお聞きになってお感じになっている部分もあるんではないかと思いますが、本当に、特に私立幼稚園なんかは、何というか、縦割り行政のこのはざまに落ちてしまっているようなところあるんですね。
この質問をするに当たって、実はなかなかぎりぎりまで答弁者が決まりませんでした。水防法の関係だから国交省じゃないかと言われたり、市町村が関連するので総務省じゃないかと言われたり、最終的には文科省が答えることになったんですが、この縦割り行政の打破をしていこうということをこの法案審議の中でも話をしているんですけど、防災面でもですね、子供の命に関わるこういう分野でも縦割り行政が非常に顕著なところがあって、関係のところのこの情報共有が十分なされていないというところがあると思います。
したがって、こども家庭庁でも今の問題、子供たちのこの幼保施設の避難確保計画や避難訓練の在り方などについてやっぱり強い関心を持ってもらわなきゃいけないと、注意を払ってもらわなきゃいけないと思いますし、今いろんな改善をする、連携を強めるというお話もありましたが、しっかり連携を本当にするのか。やはり改善が見られないということになれば、これはそれこそ勧告に値するような私はレベルの話ではないかと思いますが、大臣に急に申し訳ないんですが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/232
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233・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 通告をいただいていないので十分に答弁できないわけですが、御指摘は本当に、まさにこども家庭庁の存在理由になると思います。
子供の居場所は、今、例えば幼稚園か保育園か認定こども園かということになっているわけですけど、事防災に至っては、今御指摘のように国土交通省の所管している水防法ですか、そこが関わってくると。そういう、これまでやはり子供の命とかそういうところを主語で考えてきたことがなかった結果なんだと思います。
しっかりと国土交通省と、その園に通う子供たちの命をどう守れるかということについては、こども家庭庁できる前にあっても、大事なことですから、検討していきたいと思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/233
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234・柴田巧
○柴田巧君 子供たちの命に関わることですから、是非また、すぐやれることがあればまたお願いもしたいと思いますし、しっかり注意を払っていただきたいと思います。
では、次の質問に移りますが、次は外国籍の子供たちの教育、日本語の指導の問題ですけど。
日本に在留する外人の数は、直近のコロナで、影響で減少しているものの、長期的には増加傾向にあります。それに伴って日本に滞在する外国籍の子供の数も増えているということですが、そのような子供たちが将来にわたって日本に居住し社会の一員として活躍できるよう、日本語教育を含む教育機会の確保、保障を行うことが必要です。
令和元年度に文科省が行った初めての調査だと、約二万人もの外国籍の子供が就学をしていない可能性があるというふうに指摘を受けました。二回目となる三年度の調査では、教育委員会が把握している外国籍の子供の数と住民基本台帳上の数の差が大きく減少したということですが、就学していない可能性のある外国籍の子供の数は一万人にまで半減はしたと。そのうち、教育委員会が就学状況の確認を試みたものの就学状況が把握できていない子供たちの数は約八千人、不就学であることが確認された子供の数は約六百人と、どちらの調査も横ばいのままだったということになります。
文科省は、令和二年七月に、外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握に関する指針を策定をして、各教育委員会に対して、首長部局や外国人支援のNPO等と連携して、全ての外国籍の子供について一体的に就学状況を管理、把握すること、外国籍の子供が就学の機会を逸することがないよう就学案内を徹底するよう通知をしましたが、今般のこの調査結果を踏まえて、就学状況が把握できていない子供の数について文科省としてはどのように捉えて、今後どのような方法で減らしていくのか、また、不就学であることが確認された子供の数については、不就学の理由についても調査を行い、その理由に応じたきめ細かい対応が必要ではないかと考えますが、文科省にお尋ねをして、これを最後の質問にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/234
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235・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
委員からもお話がありましたように、今般の調査結果によりますと、義務教育諸学校に就学している外国人は一万五千人以上増加している反面、不就学の可能性があると考えられる外国人の数は、前回調査では約二万人だったわけですけれども半減をし、約一万人であるということが判明いたしました。
これは、委員のお話にもありましたが、各自治体が学齢簿を編製する際に外国人の子供の就学状況も一体的に管理、把握するよう求める通知を私たちの方から令和二年度に発出したことで改善が進んだものとも考えており、今回の調査結果からも、関係自治体における就学状況の把握や就学促進の取組に一定の進捗、これが見られているというふうに考えてございます。
その一方で、政府として、外国人材の受入れ、共生を進める中で、いまだ多くの外国人の子供が不就学の状況にある、こういう可能性があるということは課題として認識をしているところでございます。
この不就学の可能性のある子供については、これまでも、予算事業も活用しつつ、自治体における就学状況調査の実施や多言語による就学ガイダンス、学校での指導体制の整備などの支援を努めていたところでございます。
今後、自治体の協力も得ながら、この不就学の理由も含め一層の実態把握、これに努めるとともに、それを踏まえた適切な対応策を更に講じていきたいと、こんなふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/235
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236・柴田巧
○柴田巧君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/236
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237・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
子どもの権利条約は、生命、生存及び発達に対する権利、子供の最善の利益、子供の意見の尊重、差別の禁止という四つの一般原則を掲げています。こども家庭庁設置法第三条、任務は、基本的にこの四原則を盛り込んでいます。本会議で、こども家庭庁の所掌事務に限らず、教育行政を含めて子供に関する施策全般にこの四原則が貫かれるべきではないかというふうに質問したんですけれども、ここにも明確な答弁がなかったので、改めて確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/237
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238・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
こども家庭庁設置法第三条の任務規定でございますけれども、議員が今御指摘になりましたとおり、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とする旨規定するなど、児童の権利に関する条約の趣旨を踏まえたものとなっております。この規定自体はこども家庭庁の任務を規定したものでございますけれども、この規定の趣旨は、こども家庭庁が有する総合調整権限を通じまして、各府省が取り組む子供政策にも及ぶものと考えております。
また、昨年末に取りまとめました基本方針におきましては、今後の子供政策の基本理念といたしまして、子供の視点、子育て当事者の視点に立った政策立案、全ての子供の健やかな成長、ウエルビーイングの向上、誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援などを掲げておりますけれども、これらの基本理念は、こども家庭庁が行う子供政策のみならず、政府の子供政策全体を通じた方針といたしまして閣議決定をしたものであるというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/238
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239・田村智子
○田村智子君 こども基本法の提案者にも確認いたします。
衆議院では、こども基本法と教育基本法は別の法体系というような議論もあったんですが、この基本法第三条の基本理念で掲げられた四原則は、教育行政も含めて政府の子供に関する施策で貫かれるべき原則と考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/239
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240・塩崎彰久
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
本法案に言います「こども施策」、これは「こどもに関する施策及びこれと一体的に講ずべき施策」、これを言うものと定義されております。この定義上、教育施策も含めた幅広い施策が「こども施策」に含まれるということになります。そして、本法案の三条におきましては、こうした「こども施策」の基本理念として、先ほど委員も指摘のありました児童の権利に関する条約、これに相当する内容が定められております。
したがいまして、児童の権利に関する条約の四原則につきましては、この本法案の「こども施策」に関する基本理念、こうしたものを通じて、当然に教育行政につきましても一体的に講ずべき施策全般に及ぶということになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/240
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241・田村智子
○田村智子君 大臣にも確認をいたします。
そうすると、こども家庭庁の法案三条一項の観点で各府省の事務を点検するし、そこから外れた事態があった場合には大臣の勧告権も背景に強力な総合調整を行うということになると思いますが、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/241
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242・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
こども家庭庁は、今、田村委員御指摘の設置法第三条の任務を達成するために、第四条第二項において、子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向けた基本的な政策に関する事項などの企画立案、総合調整に関する事務をつかさどることを規定しています。
また、こども家庭庁の事務を担当する内閣府特命担当大臣を必ず置くこととしており、政府部内の総合調整に当たっては、まず、担当大臣の勧告権等を背景に、こども家庭庁職員が関係省庁と意見交換を行ったり働きかけなどを行います。そして、政府部内の統一を図るために必要があると認めたときには、内閣府設置法第十二条第一項に基づき、関係行政機関の長に対し必要な資料の提出や説明を求めることができます。さらに、特に必要があると認めるときには、同法第十二条第二項に基づき、関係行政機関の長に対し勧告を行うことになります。
この勧告権を行使する際には、まず何よりも子供や若者から直接意見を聞く、様々な取組を行い、子供や若者の意見を十分に踏まえ、子供の視点に立って実態の把握や情報収集を行います。さらには、有識者などからヒアリングを行うことも考えられます。
こども家庭庁において、常に子供の視点に立って、各省庁より一段高い立場から子供政策を主導するとともに、必要がある場合には、今申し上げたように適切に勧告権を行使していく考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/242
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243・田村智子
○田村智子君 今お聞きしてきたようなことは、具体にどういうことが進むのかということなんですけど、例えば、子どもの権利条約の四原則から保育施策を点検すれば、待機児童対策として、定員超過の詰め込み保育の転換、これ求められると思います。親の就労保障とともに、保育環境が家庭的で子供が安心できるものであること、子供の成長、発達の権利が保障される保育環境であることが同時に問われていかなければならないということになると思うんですね。また、開所時間の長時間化が進んでいるんですけれども、そのことが子供に与える影響は検討されて、長時間労働の更なる規制や家族的責任を本気で保障するような労働法制の規制強化へと向かわなければならないと。
これは、私は、子どもの権利条約の全面実施ということ、これすごく日本の社会も政治も変えていく力を持っているというふうに私は権利条約批准運動の頃から考えていました。
子供ど真ん中と言ってこども基本法を制定するということは、これまでの様々な施策を子供の権利の四原則に照らして検証、検討し、政策立案の在り方も変えていくということだと考えますが、それが立法の趣旨なのかどうか、提案者にお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/243
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244・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) お答え申し上げます。
御指摘の児童の権利に関する条約のいわゆる四原則でございますけれども、先ほど塩崎委員からも御答弁させていただきましたとおり、この本法案三条におきまして、「こども施策」の基本理念として定められているところでございます。
この法案の四条、五条におきまして、国及び地方公共団体は、この基本理念にのっとって「こども施策」を策定し、実施する責務を有していると、このように規定をされているところであります。
したがいまして、政策を策定をして実施をしていく、この各段階におきまして、「こども施策」が基本理念にのっとっているかどうか、このことがこれまで以上に考慮されるようになってくるんだろうと、そしてその実現というものが図られていくと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/244
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245・田村智子
○田村智子君 今のような施策が本当に進んでいくのかどうか、これはやっぱり政府が子どもの権利条約を批准して政府報告書をまとめる、このときに本来自己点検されるべきですし、それから、その政府報告書に対する国連子どもの権利委員会からの最終所見や勧告、これが本当にそういう政策立案になっているのかということを点検していく過程でとても大切になってくるわけですよね。
そうすると、国連子どもの権利委員会は、日本政府に対する第四回、第五回審査の最終所見で、生命と生存の権利について、社会の競争的な性格により子供時代と発達が害されることなく子供が子供時代を享受することができるようにすることを日本政府に求めた。私、このことを総理に本会議でお聞きしたんですけれども、総理は、子供が子供時代を享受する権利が法的に保障される権利かどうかは明文規定がないから答弁困難という答弁だったんですね。見解さえ示されなかったというのはとても残念だったんです。
それでは、聞き方を変えます。
社会の競争的な性格により子供時代と発達が害されることなく子供が子供時代を享受すること、これを大臣は必要だと考えますか。また、日本の子供たちが子供時代を享受することができなくなっているという認識があるのかどうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/245
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246・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
児童の権利委員会から二〇一九年の政府報告審査の総括所見において、児童が幼少期及び発達を社会の競争的性質によって害されることなく享受できるよう確保するための措置をとることなどの勧告があったことは承知しています。
政府としては、昨年十二月に閣議決定した基本方針では、全ての子供が、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、自己肯定感や自己有用感を高め、幸せな状態、ウエルビーイングで成長し、社会で活躍していく、社会で活躍していけるようにすることが重要であるとしています。
私としても、全ての子供の健やかな成長、ウエルビーイングの向上に向け全力で取り組んでいきたいと考えています。
いずれにしても、我が国としては、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組、政策は我が国社会の真ん中に据えられる、こどもまんなか社会の実現に向けて、児童の権利条約の趣旨を踏まえ、子供政策を主体的に進めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/246
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247・田村智子
○田村智子君 今の答弁も政策の方向性であって、日本の子供の置かれた現状についての認識を示されないわけなんですよ。
やっぱりこれは、子供時代を享受するというのは、市民の皆さんが政府報告書に対するカウンターレポートとして子供期の喪失ということを何度も指摘してきたんですよ。これを踏まえた権利委員会からの勧告だというように私は認識をしています。
日本学術会議も二〇一三年に我が国の子どもの成育環境の改善にむけてという提言をしていますが、その中で、塾や習い事等による生活時間の分断化が進んでいる、このことを指摘して、ゆったりとした時間を確保する、これが大切だということを提言しているんですよ、休むこと、ゆったりとすること。
先週の質疑で、国際的に見ても十代の自殺率が異常に高いと、子供たちの置かれた環境がストレスフルになっているからではないのかというふうに質問したんですけれども、もう一貫して、そういう現状に対する認識が示されないんですね。これ、もう繰り返しても同じだと思いますので、要望しておきます。
子供時代が享受できなくなっている、やはりこの勧告に真剣に向き合うことがまず求められている。それはいかなる現状を指しているのか、何を変えることが求められているのか、そうでなければ何のために基本法を作るのか、何のためにこども家庭庁を設置するのかということになってしまう、このことは指摘しておきたいというふうに思います。
新たに設置されるこども家庭審議会についてお聞きします。
その事務として、子供の権利利益の擁護に関する重要事項の調査審議が掲げられていますが、総理大臣、こども家庭庁長官の諮問に応じて行われるというふうにされていて、審議会の職権による調査審議の開始、これは法文上規定がありません。
各委員が問題を認識したとしても、審議会のメンバーですね、調査審議はできないということなのか、それとも、こども家庭庁や総理からは一般的な諮問があらかじめあって、それで問題点は審議会の判断で点検してもらうということなのか、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/247
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248・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
こども家庭審議会でございますけれども、いわゆる国家行政組織法第八条に相当する機関といたしまして、内閣府設置法第五十四条に基づき設置されます。設置され、法律に定められた重要事項に関しまして、内閣総理大臣、関係大臣又はこども家庭庁長官の諮問に応じて、又は自ら調査審議し意見を述べるとともに、児童福祉法等によりその権限に属された事項を処理することとされております。
そのため、内閣総理大臣等の諮問がない場合であっても、こども家庭審議会は、各委員が問題を認識している場合など、自発的に法律に定められた重要事項に関して調査審議を行うことができます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/248
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249・田村智子
○田村智子君 では、諮問が行われた場合ですけれども、それは諮問があった場合もその範囲に限定されるのでなくて、それに関連する事項の調査審議も行うことができるということでよいのか、確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/249
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250・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
今議員がおっしゃいましたように、こども家庭庁の調査審議は諮問の範囲に限定されるのかというお尋ねでございますけれども、当然、その諮問された事項に関して調査審議するのは当然でありますけれども、当然、審議会に属される委員の方々の問題意識に応じまして、必要と思われたことにつきましては、そのこども家庭審議会におきまして調査審議を行うことができるというふうに解しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/250
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251・田村智子
○田村智子君 そういう独自の調査というのは本当に大切だと思うんですね。特に、権利擁護に関するものは、権利利益侵害の個別の事例、権利侵害が隠されている事例、これをしっかり把握して、同じような事態が再び起こることのないように対策を取っていくことが求められていくわけですね。
そうすると、法案では、審議会には、資料の提出を求める権利、こういう定めがないんですね。だけれども、審議会の要請に応じてこども家庭庁が資料提出の要求権などを行使して審議会に協力をしていくということは当然に求められるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/251
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252・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭審議会は、そもそも必要に応じて法律に定められた重要事項に関して自ら調査審議し、意見を述べることができ、これらの行為を行うために必要な資料の収集などについても当然行うことができるものと考えております。
なお、設置法案では、第五条に、長官は、こども家庭庁の所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、説明その他必要な協力を求めることができると規定をしてあります。御指摘の、こども家庭審議会から要請があったときには、必要に応じて長官がこの権限を行使してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/252
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253・田村智子
○田村智子君 次に、子供の権利の実現のためには、子供のための政策を統一的に実施するだけでなく、その政策が子供の権利を侵すものになっていないか、政府から独立した立場で検証や勧告をする子供の権利擁護機関、いわゆる子供コミッショナーがやはり必要だと私も考えます。国連子どもの権利委員会からは、この子供の権利擁護機関の設置ということが何度も勧告をされています。
こども家庭庁を設置する一方で、ここに踏み込まなかったのはなぜなのか、大臣に是非御答弁いただきたいんですけど、あわせて、国連からの指摘、これをどう受け止めるのか、そしてこの子供コミッショナーの必要性についての見解というのも併せて御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/253
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254・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
児童の権利委員会から、二〇一九年の政府報告審査の総括所見において、児童による申立てを児童に配慮した方法で受理、調査及び対応することが可能な、児童の権利を監視するための具体的メカニズムを含む人権監視のための独立したメカニズムを迅速に設置することとの勧告があったことは承知をしているところです。
いわゆるコミッショナーについては、これまでの質疑において様々な観点で皆様方から御審議いただいているところでございますが、こども家庭審議会は、子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向けた基本的な政策に関する重要事項等を調査審議し、当該重要事項に関し、内閣総理大臣、関係各大臣又は長官に意見を述べるといった権限を持っています。また、内閣総理大臣等の諮問に応じるのみならず、諮問がなくとも自ら調査審議を行う権限を持ちます。
これらの権限に基づいて、子供の権利利益の擁護に関し政策の評価や提言についての議論を行い、内閣総理大臣や関係各大臣などに対して意見を述べることを想定しております。
こども家庭庁においては、国会での審議をしっかり受け止め、子供の視点に立って、こども家庭審議会などで子供や子育て当事者や有識者等の意見を聞くことによって、公平性や透明性を確保しつつ、子供の権利利益の擁護を図り、その最善の利益を実現できるよう、施策の充実に取り組んでまいります。
以上で私の答弁となりますが、御理解ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/254
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255・田村智子
○田村智子君 これは、本当に子どもの権利条約を実施していく上での肝となる部分だと言われてきているんですよね。私も、権利条約の国連子どもの権利委員会の方が国会などに来たときにいろいろ意見交換をしたことがあるんですけれども、海外では、子供向けにその子供コミッショナーを知らせて、何か様々な問題とかぶつかったようなことがあったらいつでもここに電話をしてくださいねというのを子供に分かりやすく紹介するような発行物も作ったりしていて、これはすごいなということを感じましたね。本当に、子供の側の味方ですよということが、子供に分かりやすく伝える努力をして、これを機能させていこうという努力があるわけですよね。
そういうことに熱心だったからこそ、公明党の提案者にもお聞きしたいんですけど、公明党さんもそのことにすごく熱心だったというふうに理解しています。先週来ていただいたのに、済みません、ここまでたどり着かなかったものですから。
基本法の制定とともに、公明党も、子供の権利擁護機関、子供コミッショナーということを提案をされていた。この子供の権利擁護機関については自民党、公明党の間でも議論があったということも報道をされています。そうしますと、基本法に検討規定も盛り込まれなかったと、これとても残念なんですけど、それはどうしてなのかということを御答弁いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/255
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256・中野洋昌
○衆議院議員(中野洋昌君) お答え申し上げます。
委員から御指摘いただきましたとおり、公明党の考えということで述べさせていただきますけれども、我が党といたしましては、やはり子供の声を代弁をして調査あるいは勧告などを行う、そういった組織であるとかそういった機能、こういうものは重要であるというふうなことを考えております。
他方で、今回こども家庭庁が設置をされましたら、先ほど来政府の方からも答弁ありましたとおり、こども家庭審議会が設置をされるということで、子供関連の政策の重要事項の調査の審議、あるいは関係各大臣、総理等に対する意見具申などを行っていくということでございます。まずは国会の行政監視機能の下、こども家庭審議会の運用状況、これについては注視をしていくべきではないかというふうに考えております。
その上で、やはり我が党といたしましても、こうした運用状況も含めまして、こども家庭庁、こうした全体の行政府の施策の実施状況というのは当然見ていくことになります。そして、基本理念にのっとった子供政策の一層の推進のために何が必要な方策なのかということは、当然今後も検討されていくことになろうというふうに思っておりますので、その中で必要な方策の実施というのはしっかりと訴えてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/256
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257・田村智子
○田村智子君 例えば、子供の意見の尊重という基本原則が盛り込まれて、いろんな地方議会なんかでも子供議会とかというのをやっているんですよ。それで、子供が意見表明するでしょう、そうすると、中には、役所の担当者がそれに、まるでもう私たちが質問したときに答弁するように、なぜあなたの言っていることが実現できないかをとうとうと説明するという、こんな場面も私も見てきたんですよ。子供の意見を聞いてはいるけれども、聞き流していると。
子供の立場でその意見に対してどう対応するのかということをやっぱり大人が努力するという機関はやっぱり必要だし、これが権利侵害ということに関われば、より必要になってくるわけですよね。子供施策の推進に関わる有識者会議のヒアリングで必要性は何人もの方々からも出されたし、先日は日本弁護士会からも要請、要望書が郵送されてきました。
政府の政策によって、結果的に子供の権利侵害が起こるということは過去にもあったわけです。実際、子供に対しても隔離を行ったらい予防法、優生保護法による断種政策、これも子供をも対象とされたわけですよ。そうすると、職権で若しくは個別の子供からの訴えによってやはり政府から独立して事実関係を調査し、是正を求める機能、これは必要だと、必要だと、今回盛り込まれなかったけれども必要だということは、基本法の提案者の皆さんとは思いを共有するのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/257
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258・塩崎彰久
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
今委員から御提案のありました政府から独立して事実関係を調査し、是正を求める機能、まあ一般論ではございますが、新たな機能を具体化する際には、その担い手や権限、こういったものについて十分な議論が必要であるというふうに考えます。
今回の子供の権利擁護のための機能という観点からは、今まさに子供の権利利益の擁護に関する事務を行うということで、こども家庭庁、これが設置されまして、そしてまた、こども家庭審議会が設置されることになって、政府から提案されております。まずはこれらの実際に組織がどのように機能するか、これを見極めた上で基本理念にのっとった子供施策の一層の推進のために必要な方策について検討すべきであるというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/258
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259・田村智子
○田村智子君 必要なんですよ。そこの思いは共有したいですよ、本当に。
だって、ここね、この私の質問の範囲だって、子供の自殺ということに対する政府の見解、認識さえ示されないんですよ。やっぱり政府から独立して、じゃ、なぜこんなに自殺率が高いのか、子供の立場で、子供擁護の立場で、政府から独立して、政府にとって都合の悪いことであっても言えるような、政策に切り込めるような、そういう機関がなければ本当の権利擁護にはなっていかないということは重ねて指摘をしておきたいと思います。
続いて、子供施策の予算についてお聞きします。
総理は、十八日の本会議で、予算についての質問に、取組を進める中で将来的に予算の倍増を目指してまいりますというふうに答弁をされました。野田大臣も同じ立場でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/259
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260・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 総理は、子供政策に関する予算について、十八日の本会議も含めて、従来から、今後はこども家庭庁の下で子供の視点に立って必要な子供政策が何かをしっかりと議論する、その際、期限、規模ありきではなく体系的な取りまとめを行う、社会全体での費用負担の在り方の検討と併せて子供政策の充実にしっかりと取り組む、そうした取組を進める中で将来的に予算の倍増を目指していきたいという御発言をされております。
私としても、この方針にのっとり、子供政策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。将来的に倍増を目指していきたいと総理もおっしゃっているところであり、私としても、この大きな方向性の下、総理とともにしっかり取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/260
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261・田村智子
○田村智子君 そうすると、まずは政策検討、そして財源の検討と、これでは検討している間に実際には子供関係予算はどんどん減少していきます。昨年、児童手当法の審議で大分審議されました。特例給付が廃止されることによる減額だけでなく、そもそも子供の人数が減少しているので給付費、国庫負担とも減少を続けていると。コロナ危機によって少子化は更に急速に加速してしまったので、昨年の時点で、児童手当だけでも年間三百億円程度と思われていた減少幅は更に拡大することになるでしょう。
子供施策の充実、将来的には予算倍増を目指すというのであれば、まず子供に関わる予算を減らさない、自然減による予算減少分は子供施策の充実に充てるということを表明しなければ、増額どころか減額が進むと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/261
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262・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今後の子供政策に関する予算については、こども家庭庁の下で、子供視点に立って必要な子供政策が何かをしっかりと議論した上で体系的に取りまとめ、社会全体での費用負担の在り方と併せて子供政策の充実にしっかりと取り組むことが重要です。
子供政策を強力に進めるために必要な安定財源の確保については、昨年十二月に閣議決定した基本方針において、政府を挙げて国民各層の理解を得ながら社会全体での費用負担の在り方を含め幅広く検討を進め、確保に努めていくこととしております。この方針に従い、安定財源の確保策についての具体的な検討について、政府を挙げて進めてまいります。
田村委員御指摘のとおり、少子化でございまして、元々は少子化を想定していないお金のありようだったと思いますが、こういう急激な少子化、これまさにこども家庭庁の中で取り組むべき大きな国策であるわけですけど、そういうところも踏まえてしっかり検討していかねばと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/262
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263・田村智子
○田村智子君 まずは減らさないというのは、これは、まだ何回か委員会ありますから、明言しましょうよ。だって、減らしちゃったら、どうして倍増できるんですかという話ですからね。自然減に伴って減らしませんと。しかも、その財源確保がされなければ施策が進まないというのも非常に危ういんですよね。
だって、約束された施策がいまだ実施されていないという現状ありますよね。消費税の一〇%への増税の際に、子供関係施策の質と量の充実だとして一兆円プランというのが示された。一歳児、三歳児、四、五歳児の保育所職員配置基準の改善、これ約束として示された。ところが、このうち行われたのは三歳児だけですよ。一歳児の職員配置、六人の子供に対して一人を五人に対して一人、ここに改善する。それから、四、五歳児の職員配置、三十人に一人を二十五人に一人、こう改善すると。この約束はいまだに棚上げされたままなんですね。
これ、児童手当の自然減の分、これ数年分を充てれば実施できるんですよ。だから、児童手当の分だけでも、自然減に伴って、人数の減少に伴うものを減らさない、減らさずに子供施策に回す、こういうことをやればできるんですよ。残念ながら、この児童数の減少というのは増加に転じるのに一定の年限掛かってしまうわけですからね、保育所職員配置の改善措置に充てることに問題ないと思いますよ。
これ、もう約束を果たすと、そう言うべきだと思うんですけど、いかがですか、一兆円プランの約束を果たすと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/263
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264・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 教育、保育の質の向上のためには、保育士等の職員配置の改善を図っていくことは重要な課題と考えています。
職員の配置改善については、平成二十七年度から三歳児に対する職員の配置改善に取り組んでいる一方で、今御指摘のいわゆる〇・三兆円超の事項である一歳児や四歳、五歳児の配置改善については未実施となっています。〇・三兆円超の事項については各年度の予算編成において財源の確保に努めることとされており、未実施となっている一歳児や四歳、五歳児の職員配置の改善についても、引き続き毎年度の予算編成過程において財源の確保に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/264
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265・田村智子
○田村智子君 消費税増税の理由にしておいてですよ、増税はしておいてやらないということですからね。ちょっと、本当にこれでは、子供施策を消費税増税の理由にしたと、それだけだというふうにそしられても仕方がないような事態だと思うんですよね。
先日、全国保育団体連絡会、都内で記者会見を行いまして、こども家庭庁を設置するのであれば、これまで不十分かつ問題のあった子供に関わる政策、施策の課題を洗い出し、その在り方を抜本的に転換すべきですというふうに求めています。その中で、七十年以上改定されていない四、五歳児の保育士配置基準などの改定と。七十年以上質の向上がないんですよ。あり得ないですね。
問題は、だから、消費税増税しておきながらその財源は事実上使っていないということになるんですよね。じゃ、どこから今度はその財源持ってくるのかなんです。
五月二十一日、全世代型社会保障構築会議が中間整理を公表しました。その冒頭で、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっているこれまでの社会保障の構造を見直し、」としています。高齢者の給付を抑制して、それを子供の政策に充てるということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/265
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266・宗清皇一
○大臣政務官(宗清皇一君) 済みません、御答弁申し上げます。
先生今御指摘の全世代型社会保障構築会議におきましては、子供から子育て世代、お年寄りまで、全ての世代で安心できる全世代型社会保障の構築に向けまして議論を今進めているところでございます。
先日取りまとめられました議論の中間整理では、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっているこれまでの社会保障の構造を見直し、」「能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら、それぞれの人生のステージに応じて必要な保障をバランスよく確保することが重要」という提言もいただいているところでございます。
政府といたしましては、中間整理の内容を踏まえまして、男女が希望どおり働ける社会づくりや勤労者皆保険の実現による支え手の増加に向けて取組を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/266
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267・田村智子
○田村智子君 だって、負担は現役世代が中心って、就労所得があるんだから当たり前のことなのに、これを攻撃する。何というんでしょうね、高齢者にばかりみたいな議論になっちゃうんですよ。
実は、この中間まとめの給付は高齢者中心というこの考え方について、全世代型社会保障構築会議では注意を喚起するような発言があったんです。三月九日、第二回の会議、権丈善一慶応大学教授の発言、紹介します。
全世代型社会保障という言葉を使い始めた人たちは、日本の高齢者は他国と比べて恵まれ過ぎている、それに対して若い人たちはという意識を持っていた人たちが多くいました。この言葉は世代が年齢に読み替えられて、世代間対立をあおるという多少の危うさがありました。二〇一三年の社会保障制度改革国民会議の報告書には、全世代型の社会保障への転換は、世代間の財源の取り合いをするのではなく、それぞれに必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要があるものであるという言葉が書き込まれることになります。メディアレベルになってくるとほとんど世代間対立の言葉になっていますので、このことは言い続けなければいけないと思いますと、おおむねこういう発言が権丈委員からあったわけですね。財務省を始め政府には、この発言をよく踏まえてほしいと思います。
二〇二〇年厚生労働白書から資料を配付いたしました。社会保障給付の国際比較をしているものです。高齢化率と、これ二枚目ですね、率と社会保障支出の関係についてこの白書の中でも説明をしていますけれども、どのような説明になっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/267
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268・横幕章人
○政府参考人(横幕章人君) お答えをいたします。
令和二年版の厚生労働白書におきまして、高齢化率と社会保障の給付規模につきまして、欧米五つの国との比較を行っております。その中では、引用いたしますと、社会保障の給付規模の推移を高齢化率の推移とともに見ると、いずれの国も高齢化の進行とともに給付規模は拡大する傾向にある、我が国は最も高齢化が進んでいるが、社会支出の対GDP比は我が国よりも高齢化率が低いフランス、スウェーデン、ドイツの方が我が国を上回っていると、こう記載されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/268
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269・田村智子
○田村智子君 二ページ目の折れ線グラフですね、高齢化率を横軸にして、GDPに占める社会保障支出の割合を縦軸にしたグラフで、主要ごとにその推移を示しているんです。各国とも高齢化率の上昇に伴って社会支出は上昇傾向にありますが、同じ高齢化率で比べた場合、日本の社会保障支出が相当に低いことが分かります。
次のページの資料を見ますと、医療、介護、年金の対GDP比の年次推移なんです。高齢化に伴って高齢者への支出額は増えているけれども、高齢者への給付で比べても主要国より日本は低水準であることが分かります。
この三ページ目の資料は、厚生労働省の次官だった鈴木俊彦氏が保険局長のときに講演で使った資料なんです。この講演の中で鈴木氏は、日本は医療や介護などにお金を出し過ぎなのだろうか、実はそうではない、日本は高齢者にお金を掛け過ぎていたのではなく、子供に金を掛けなさ過ぎたということではないかと述べておられるんです。
高齢化率などを考慮に入れて国際比較してみると、高齢者向け給付は手厚いどころか国際的にはむしろ低い。そして、子供、若者世代向けの支出は更に異常に低い。高齢者に手厚いのではなくて、まさに子供にお金を掛けなさ過ぎたということだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/269
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270・横幕章人
○政府参考人(横幕章人君) お答えをいたします。
先ほど申し上げましたとおり、社会保障の給付規模、いずれの国でも高齢化の進行とともに拡大する傾向にあり、その中で、社会支出の対GDP比、我が国よりも高齢化率が低いフランス、スウェーデン、ドイツの方が我が国を上回っているという状況にございます。
また、子供、若年世代という御指摘ございました。社会支出のうち家族関係支出の対GDP比を見ますと、欧米諸国と比べると我が国低い水準となっております。この背景には国民負担率の違いなどもあるのではないかと考えているところです。
なお、我が国の家族関係支出の対GDP比、これは、これまでの子育て支援の拡充によりまして着実に増加をしてきております。例えば二〇一五年度には一・四一%でございました。二〇一九年度には一・七三%と増加をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/270
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271・田村智子
○田村智子君 資料の二ページ目のところの棒グラフも見てほしいんですけれども、別に日本の高齢者に対する社会保障の給付って本当は高いなんてなかなか言えないですよ。だけど、異様に少ないのが比較的若い世代への支出って厚労省がまとめている部分ですよね。これが余りに低いというのはもう一目瞭然なんですよね、住宅に対する手当であるとかね。そういう現役世代に対して本当に支援が足りないと。
こういう認識を前提として、基本法の提案者にもお聞きをしたいと思うんです。
こども基本法第十六条には、「こども施策」の一層の充実、その実施に必要な財政上の措置その他の措置を講ずる、その努力義務を政府に課しています。法律上こういう努力義務を課したということは私は大切だと思いますが、努力義務だからといって棚上げされないように監視をしなければならないし、その点での与党の責任はとても重いものがあるというように思います。
高齢者向け給付を削って若者に回すということをするのは、国際的な比較でも結局、GDP比での社会保障給付は低水準なままになってしまう。しかも、高齢者の大多数は低収入で、結局、その高齢者の子供さん、つまり子育て世帯、ここにしわ寄せが来る。親への仕送り、あるいはケアの負担の増加、これが介護離職とかあるいはヤングケアラー、こういう問題につながっていくわけですね。高齢者との分断をすると、そして高齢者を言わば苦しめれば、その苦しみは現役世代にそのまま跳ね返ってくる、これ多くの方の実感だと思います。それ、提案者の皆さんにはそういう認識があるのか。
そして、基本法十六条の措置というのは、高齢者世代の給付を削って財源を確保するのではなく、子供、若者向けの給付を抜本的に増加させるということの実現であるべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/271
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272・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) お答え申し上げます。
提出者といたしましては、この「こども施策」については、こども大綱において実施すべき施策をしっかり定めて、そしてそれに必要な予算を確保、充実していくと、これが基本的な立て付けであるということでございます。
委員御指摘の法案九条四項、こども大綱を定めるに当たっては、その「こども施策」の具体的な目標達成期間を定めるとともに、この委員御指摘の十六条ですね、済みません、こども大綱の定めるところにより、「こども施策」の幅広い展開その他の「こども施策」の一層の充実を図るとともに、その実施に必要な財政上の措置その他の措置を講ずると、こういうふうにしているわけであります。
「こども施策」を強力に進めるために安定財源を確保して、そして予算を充実させていく、その必要性につきましては、これは委員におきましても私どもにおきましても、まさに与野党で一致をしているんだと、このように考えているところであります。その安定財源につきましては、国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方含めて幅広く検討を進め、その確保に努めていくと、このようにされているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/272
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273・田村智子
○田村智子君 これ大切ですので大臣にもお聞きしたいんですね。高齢者の方を削って子供に回さなければ財源は生まれてこないのかと。私たちは、日本共産党は、史上最高益を上げている大企業はただただ内部留保を膨らませていますから、その利益に対して公正な課税をすべきだ、あるいは所得一億円の壁と岸田総理も言われた富裕層のところへの課税強化というのも求められているだろうと、こういうような財源というのは何度も何度も提案してきているわけですよね。だけど、そういう提案についてまともな検討が行われているとはとても思えないわけです。
高齢者を削ってそして子供に回す、少なくともこれは違うよねと私は思うんですけれども、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/273
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274・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 将来世代の不安を取り除くためにも、社会保障の持続可能性を確保していくことは重要であります。
こうした観点から、骨太の方針においても、社会保障関係費については、その実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収める方針であるというのは認識しているところです。一方、子供政策については、これまでも、安定財源を確保しつつ、保育の受皿整備、幼児教育、保育の無償化など各種の支援を充実させてまいりました。
高齢者の予算を削って子供世代に回すのではなく、子供向けの支出の充実を図るべき、そういう御提案であります。
子供政策についての予算については、昨年閣議決定した基本方針でも、政府を挙げて、国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め幅広く検討を進め、確保に努めていくこととしているところです。この基本方針に従い、期限とか規模ありきではなくて、こども家庭庁の下で、子供の視点に立って必要な子供政策が何かをしっかりと議論した上で、また、もう御議論を随分いただいておりますので、そういうところで体系的に取りまとめて、社会全体での費用負担の在り方など安定財源の確保の検討と併せて、子供政策の充実にしっかりと取り組むことが重要だと考えているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/274
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275・田村智子
○田村智子君 これ、ますます、一体いつになったら子供の施策の予算が倍増するのかなというのが本当に見えなくなるような議論だなと、ちょっと指摘をせざるを得ないんですね。
残る時間が本当に少なくなってしまって、今日、生活保護を受けながらの大学進学についてお聞きをしたかったんですけど、少しだけ聞きます。
今回、子供について、十八歳以下にこれまで子供の支援というのが限定されていたものを、基本法、設置法共に子供の定義を変更して、十八歳を超える若者に対しての支援強化を行っていくこととしたのはとても大切なことだというふうに思うんですね。それは、高校卒業後の支援策がほとんどないというのが現実だからです。
この四月、横須賀市が、十八歳から十九歳の大学生や専門学生のうち、横須賀市の児童相談所が関与して自立援助ホームに入所し、市が認めた生活困窮者に対して生活保護基準相当額を最長十八か月支給する制度、これを始めました。これは一人の大学生に対応するためにつくられた制度です。
この学生さんは、両親の虐待から逃げ出して、児童相談所を経てシェルターに避難をした。トラウマなども強くて体調が安定せず、アルバイトもできない、生活保護を受けられなければ大学をやめなくてはならないという状況にあった。横須賀市は、国と協議をした上で、病気療養の休学中に限り生活保護の受給を認めた。だけど、生活保護受給のままの復学は認められなかった。退学をするか、そのまま休学するか、どっちかでなければ生活保護の受給はできませんよということになってしまった。で、横須賀市は独自に制度をつくったんですよ、だから。
厚労省、この案件よく御存じだというふうに思います。私、やっぱり、これでは高等教育受ける権利が保障されるということは不十分だと思う。やっぱり、大学に通いながら生活保護受給を認めるように、この検討はもう始めるべきだと思いますけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/275
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276・深澤陽一
○大臣政務官(深澤陽一君) お答えいたします。
生活保護を受給しながら大学等に就学することについては、一般世帯で、高等学校卒業後に大学等に進学せずに就職する方や、奨学金、アルバイトなどで自ら学費や生活費を賄いながら大学等に通う方等とのバランスを考慮する必要があるため、慎重な検討を要するものと考えております。また、生活保護制度が保障する最低生活を下回る場合には誰もがひとしく保護を受ける権利が与えられることから、御指摘のような虐待を受けて避難した場合など特定のケースに限って保護を適用することについても対応は困難と考えております。
一方、生活保護世帯の子供の大学等への進学を支援するため、平成三十年度から、進学準備給付金の創設や、自宅から大学等に進学する場合の世帯員の減少に伴う住宅扶助費の減額の取りやめなどの取組は行っております。
また、文科省では、令和二年四月から開始された修学支援新制度において、生活保護世帯を含む低所得世帯の子供たちを対象として、授業料及び入学金の減免や給付型奨学金による生活費の支給といった支援が実施されていると承知しております。
このように、生活保護制度のみならず、ほかの施策と相まって、生活保護世帯の子供の大学等への進学支援等を充実させることが重要と考えており、今後とも文科省と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/276
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277・田村智子
○田村智子君 ちょっと今日もう時間が来てしまって、文科省さん、ごめんなさい、質問届かなくなってしまったんですけれども、次回につなげたいというふうに思います。
この横須賀市の学生さんの事例はNHKのニュースの中でも取り上げられましてね、どういう角度で取り上げられたかというと、生活保護を受けるためには退学しなければならないと、これでいいのかという問題意識からの取り上げ方だったんですよ。やっとこういうことが議論できる状況に日本もなってきたということを、私は非常に感動的にそのニュースを聞いたんですけれども、とても大切な問題ですので、次回引き続き質問したいと思います。
今日はこれで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/277
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278・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
政府側及び発議者は御退席いただいて結構です。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/278
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279・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
こども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案について、厚生労働委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/279
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280・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/280
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281・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/281
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282・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
三案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/282
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283・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X01820220524/283
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