1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年六月十日(金曜日)
午後一時開会
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委員の異動
六月七日
辞任 補欠選任
那谷屋正義君 杉尾 秀哉君
六月九日
辞任 補欠選任
杉尾 秀哉君 熊谷 裕人君
六月十日
辞任 補欠選任
山谷えり子君 丸川 珠代君
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出席者は左のとおり。
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
磯崎 仁彦君
古賀友一郎君
高野光二郎君
丸川 珠代君
山田 太郎君
山谷えり子君
石川 大我君
熊谷 裕人君
塩村あやか君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
市田 忠義君
田村 智子君
衆議院議員
発議者 加藤 勝信君
発議者 木原 稔君
発議者 塩崎 彰久君
発議者 勝目 康君
国務大臣
国務大臣 野田 聖子君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 鰐淵 洋子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室長 谷内 繁君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 相川 哲也君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 蝦名 喜之君
内閣府政策統括
官 笹川 武君
内閣府子ども・
子育て本部統括
官 藤原 朋子君
デジタル庁審議
官 内山 博之君
総務省大臣官房
審議官 池田 達雄君
総務省自治行政
局公務員部長 山越 伸子君
文部科学省大臣
官房審議官 出倉 功一君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
文部科学省大臣
官房審議官 里見 朋香君
スポーツ庁審議
官 星野 芳隆君
厚生労働省大臣
官房審議官 川又 竹男君
厚生労働省大臣
官房審議官 本多 則惠君
厚生労働省子ど
も家庭局児童虐
待防止等総合対
策室長 岸本 武史君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○こども家庭庁設置法案(内閣提出、衆議院送付
)
○こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整
備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○こども基本法案(衆議院提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として熊谷裕人君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/1
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002・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
こども家庭庁設置法案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室長谷内繁君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/2
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003・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/3
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004・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) こども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/4
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005・江崎孝
○江崎孝君 大臣、皆さんには長くお待たせいたしました。もっと本当は長くしたかったんですけどね、今日になってしまいまして、まあ、そんな話はどうでもいいんですけれども。
まず、ちょっと順番変えまして、基本法の方からお伺いさせていただきます。
一条で、「児童の権利に関する条約の精神にのっとり、」というのがあります。これ、国連子ども権利委員会との関係なんですけれども、この権利条約の精神にのっとりということは、国連の子ども権利委員会から様々な総括所見が出ていたり、あるいは条約締結国に対して条約の規定や実施の在り方に関する解釈基準ということで一般的所見というのも出ているはずだし、採択もされています。この基本法で言う「児童の権利に関する条約の精神にのっとり、」ということは、当然これらの総括所見や一般所見も、一般的意見もですね、一般的意見も当然尊重すべきものだという考え方でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/5
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006・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 本法案第一条の「児童の権利に関する条約の精神にのっとり、」との文言、これ、同条約全体の趣旨、目的といった大きな規範に本法案が従うものである、まさに「のっとり、」というのはそういう意味で使わせていただいています。
御指摘の児童の権利委員会、これは、児童の権利に関する条約第四十三条第一項に基づき、同条約において負う義務の履行の達成に関する締約国による進捗の状況を審査するために設置をされるものでありますが、この権利委員会による締約国に対する、今、総括所見、一般所見とおっしゃいました、いわゆる提案あるいは勧告は、法的拘束力こそないものの、これらは条約の効果的な実施を促進するために行われているものであります。実際、これまでに政府においては十分に検討してきたもの、またそれを踏まえて対応してきたものもあります。
したがって、今回の法案においても、提出者としては、引き続き政府においてそのような対応がなされるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/6
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007・江崎孝
○江崎孝君 そのような対応というのは、尊重すべきものということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/7
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008・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 言葉の使い方かもしれませんが、政府においてはこれまで、参考にする、参考にして検討するという言葉を使ってこられたというふうに認識をしておりますが、実際、これまで、そうした意見を踏まえて、過去においては例えば児童福祉法の改正など実施をしているわけでありますから、そうした姿勢で今後とも取り組まれるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/8
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009・江崎孝
○江崎孝君 いや、政府の考え方はいいんですけれども、法案提出者としての考え方はどうですか。政府はそうなのかもしれませんけれども、法案は、基本は作られたわけですから、当然、「のっとり、」ということは、そういう考え方も含めて入れ込んでいるという、そういう考え方をまず聞いているんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/9
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010・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) ですから、「のっとり、」という言葉自体は、法令的に言えば、先ほど申し上げたように、しかも「精神にのっとり、」と書いてありますから、趣旨、目的といった大きな規範に従っていくという、そういう趣旨で盛り込まれているわけであります。そして、実際、これまでも今申し上げたような政府の対応をしてきたと。したがって、今後ともそうした対応で当たっていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/10
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011・江崎孝
○江崎孝君 くどいようですけど、済みません。
何を言いたいかというのはもう加藤先生もお分かりだろうと思いますけれども、要するに、総括所見だったり一般的意見というのも非常に重要な部分が含まれております。例えば、その第三者委員会の設置、独立機関の設置等々も再三にわたって指摘をされているわけですけれども、まず最初の質問で、「児童の権利に関する条約の精神にのっとり、」ということについては、先ほど言った子どもの権利委員会からの我が国に対する総括所見や一般的意見もこれ十分尊重していくんだ、そういう姿勢で基本法を作られたということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/11
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012・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) ちょっと同じやり取りと、先生おっしゃっているのは、その尊重という意味、先生が使っている尊重という意味が、これ多分いろいろな意味があるんだと思います。それに関して、法案上は先ほど申し上げたような書き方をしているし、その趣旨はさっき御説明したとおりであります。
そして、実際、これまでにおいても政府においてそれを踏まえた対応がなされてきていると。したがって、そうした対応で引き続きやっていただきたい、これが我々が入れ込んでいる内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/12
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013・江崎孝
○江崎孝君 では質問しますけれども、今回、その第三者機関、独立の機関が設置をされませんでした、基本法にも明記されませんでした。これは、先ほど言ったとおり、子ども権利委員会からの総括所見や一般的意見も含めて尊重という立場であるならば、当然議論はされてきたんではないかなと思うんですけれども、法案の審議の中で。
これちょっと、法案のやり取りですから、多分、当然答えていただけるものだろうと思って質問しているんですけれども、その第三者機関の設置、独立機関の設置を今回法案には明記されなかったことについて、まあいろんなやり取りがあったと思うんですけれども、一応議論はされたということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/13
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014・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 議論、二回あったと思います。提出するまでの議論と、衆議院またあるいは参議院でここに至る審議の過程でと。後者においてはそういう御質問もいただいていたのはそのとおりであります。また、これを提案するまでに当たっての議論においても、もちろん、そうしたコミッショナー、あるいはこういったものに、子供の今の現況に対してどういう対応を取るべきか、こういう議論はございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/14
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015・江崎孝
○江崎孝君 議論があったということです。
それで、基本法の附則第二条に、実態を把握し及び公正かつ適切に評価する仕組みの整備を今後検討する、五年間するという、ありますけれども、今の議論、そして基本法第一条で、「児童の権利に関する条約の精神にのっとり、」、先ほど加藤先生がおっしゃった総括所見、一般所見も、尊重という言葉がどうかは別にしても、私としては、やはりそれは子どもの権利に関する条約の精神にのっとりというその意味合いで非常に重要視されているんじゃないかなと。そんな流れで議論をされてきていますので、ここで言う附則第二条、実態を把握し及び公正かつ適切に評価する仕組みの整備の検討という中では、当然のところ、私が読み込むには、あるいはほかの皆さんたちも含めて、第三者の独立機関の設置も今後検討した上で、必要とあるならば法整備も含めてやるものではないのか、射程に入っているんじゃないかというふうに読み込まさせていただきたいんですけれども、その考えはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/15
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016・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 先ほど申し上げたこの法案提出に至るプロセスの中で、そのコミッショナーということ、議論もございました。それについて、一体それがどういうものを日本の中で指していくことになるのか、あるいは既存の組織の中でどうあるのか、様々な議論があり、必ずしも現時点ではこのコミッショナーに関して熟しているわけではない、こういったこと。そしてさらに、今回こども家庭庁が政府から提出をされ、このこども家庭庁が具体的に仕事をし始めていく、また、その下でこども家庭審議会というものも新たにつくられていく、そういったことをしっかり見極めていくと、こういうことでございます。
実際、検討規定の中においても、ポイントは、この法律の施行の状況及び子供施策の実施状況を勘案し、子供政策が基本理念にのっとって実施されているかどうかと、これが基本でありまして、その観点に立って基本理念にのっとった子供施策の一層の推進のために必要な方策について検討するということで、具体的にこれ、今おっしゃる子供コミッショナーとか、あるいはほかのことも踏まえて、具体的な選択肢あるいは具体的なやり方、そういったものを前提としているものではなく、まさに文字どおり、この基本理念にのっとった子供施策の一層の推進のために必要な方策、これをしっかり、しかもこれは国でありますから、政府だけではなくて国会においても議論をしていくと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/16
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017・江崎孝
○江崎孝君 私、前提としてという意味じゃなくて、先ほどからのやり取りのとおり、子どもの権利条約の精神、そして総括所見なり一般的意見、そして、コミッショナーなのかどうかは別にしても、その第三者機関の問題も含めて議論があったということでありますので、その検討の中に当然そういう議論、こども家庭庁が設置された後に様々なことがあるでしょうから、法案の提出者として、やっぱりそういう将来のこども家庭庁設置後の状況を見ながら、この第三者の独立機関の設置も、これは世界的な懸案ですし、この法案の中でも、実は、立憲民主党、衆議院が反対した一つの中にこれ入っているわけなんですね、一つの要件に、なぜつくれなかったのかという。
非常に重要なところなので、あえてその検討課題の中に、この問題も含めて将来的に議論をして必要とあらば設置をしていくという思いも含めて、法案の中にこの検討、附則第二条を書いたということではないんですかということを僕は聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/17
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018・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) ちょっと同じことの繰り返しになって申し訳ないんですけれども、別に、この今おっしゃる、コミッショナーとか何か具体的なことを念頭に置いているわけではなくて、まさに今回、こうしたこども家庭庁等も行われていく、あるいは基本理念等でそこを明らかにさせていただいた。そうした中で、実際どうこれから子供に係る施策が進んでいくのか、これを虚心坦懐にしっかり検証した上で必要な措置があればそれを検討していく、そして検討の結果によって必要となればそれを対応していく、こういうことを書かせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/18
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019・江崎孝
○江崎孝君 ありがとうございます。なかなか言いにくい部分があるということで、済みません、申し訳ございません。
是非、法案提出者として、今後御党の中での議論も見守っていただきたいと思いますし、今後の議論として、是非、必要なときがありましたら、今のようなお気持ちを含めて是非助言なりしていただきたいなということを期待をさせていただいて、五年間の検討の中で、是非とも、懸案であるこの第三者の独立機関の設置について是非前向きな議論をお願いをしたいと、これお願いをしておきます。よろしくどうぞお願いします。
さて、同じ基本法なんですけれども、第五条で地方公共団体の責務とされるという部分がございますね。区域内における子供の状況に応じた施策をし、及び実施する責務というのを地方公共団体にこの基本法では課しているわけですけれども、この責務とは、具体的に例示ができる、こんなものだというのがあれば挙げていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/19
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020・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 第五条そのものは、基本理念にのっとった子供施策の策定、実施を行う責務を地方公共団体が有することを一般的に、ある意味で概念的に定めているというものであります。
例えば、挙げれば幼児教育、保育といったものが挙げられるのではないかと。ここにおいて、それぞれの状況に応じてということで、例えば、待機児童がまだある地域においては、まず待機児童解消ということに取り組むんだろうと思いますし、他方では、私の選挙区もそうですが、もう子供が減ってきて定員大きく割れ始めてきている、そういう中で地域の保育に係るサービスをどう維持していくか、場合によっては合併をしていくとか、いろんな施策も必要になってまいります。
そのように、それぞれの地域の状況に応じた施策をしっかりと進めていただきたいということを含めて、ここにその期待を含めて盛り込ませていただいたと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/20
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021・江崎孝
○江崎孝君 やっぱり責務というふうに書かれているということは、これを読んだ地方公共団体の様々な職員も、首長さんも含めてやはり強い責任感を持つわけであります。そして、これまで以上に子供施策に対する力の入れようも当然これ出てきてもらわなきゃいけないわけであります。それがなかったらこの基本法を作った意味もないわけでありますので、実施主体はやっぱり地方公共団体が中心になっていく、これはもう皆さんがお分かりになっていることだと思います。
ただ、残念なのは、第十六条で、これ、こういう書き方しかできないんでしょうけれども、政府の財源保障が努力義務になっているんですね。これは財務省の問題もあるからこういう書き方しか書けなかったのかもしれないと思いますが、私はこれ、法案提出者として、努力義務となっていると、やっぱりこれまでの状況からして、これは後で野田大臣にも質問するんですけれども、子供施策が広がっていかなかったのは、やっぱり財源保障、財源が一番大きな問題なんですね。みんな分かっているんですけれども、努力義務としか書けないというのであれば、やはりもう少しこの委員会での質疑の中で、やっぱり国として明確に責任を持って財源保障すべきなんだと。
もちろん、法案の提出者ですから、政府じゃございませんので、そんなこと言えませんけれども、当然、その与党の中の議論の中で、この第十六条というのは努力義務とはしているんだけど、これは努力義務の内容については、必要な財源は国の責任でしっかり確保するんだと、そういう意味合いであるということも含めて何か答弁できませんでしょうか。それとも、何かそれに担保できるような答えはいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/21
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022・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 御指摘のように、子供施策を進めるに当たっても、財政上の措置をしっかり講じていかなければこれは進めることができないということで、これまでも消費税財源を使って子供施策の充実も図ってきた経緯はありますし、一方で、例の三千億についてはいまだ財源が必ずしも確保できていないので、一部は実行していますが、大半が残っているという施策もあるというのは御指摘のとおりであります。
その上で、今回の法律体系で、今御指摘いただいた十六条で実施に必要な財政上の措置その他の措置を講ずる努力義務というものを書いておりますが、その前提として、政府はこども大綱が定めるところによりという文言を入れさせていただいております。
その上で、このこども大綱に関する第九条第四項の規定で、こども大綱に定める子供施策について、原則として具体的な目標及びその達成の期間を定めるということで、子供施策、御承知のように単年度でできるものではありません。一定期間の中でしっかり対応していく。しかも、この大綱は閣議決定という大変重たいものでありますし、当然、それをするに当たっては、財源的な見通しを持ちながら当然進めていくものになっていくというふうに考えておりますので、地方公共団体ともよく連携をしていただきたいと思います。
また、ちなみに、現行の子供の貧困対策に対する大綱においても、その文章の中に、引き続き市町村等に対する必要な財政支援を講じていくという文言も書かれている部分もございます。これらは、こども大綱においては、そうした子供の貧困に対する大綱も含めて改めて大綱全体を作っていくわけでありますから、そういったときには、これまでの大綱におけるそうした記載内容、これも含めてしっかり議論していただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/22
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023・江崎孝
○江崎孝君 ありがとうございます。
やっぱり財務省の関係もあって努力義務ということにしかならないんでしょうけれども、今大綱の問題も加藤先生おっしゃっていただきました。やはり、いろいろ書き込んだ上での努力義務ということですから、政府としては極めて強い責任を持って財源保障をすべきだという思いを聞き取らせていただきましたので、有り難いと思います。
委員長、これで基本法についての質問を終わりますので、退席していただいてもらって結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/23
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024・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 発議者は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/24
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025・江崎孝
○江崎孝君 続いて、質問のちょっと順番変えますけれども、簡単なところから行かせていただきます。
補助金申請の一元化なんですけれども、私の手元に、これ令和四年度の厚生労働省の事業として、認定こども園等の財政支援、保育所等整備交付金がございます。それと、同じように認定こども園施設整備交付金というのが文部科学省からも出ていまして、中身はほぼ同じなんですね、施設整備の交付金の中身なんですけれども、令和四年度の交付金の説明資料だと思うんですけれども。
これ、認定こども園ですね、幼保連携、幼稚園型問わず、それぞれ、認定こども園の幼保連携型の教育機能は文部科学省に、保育機能は、これはまだ内閣府になりますけれども、こども家庭庁ができたらこども家庭庁ということになるんでしょうけれども、これ閣議決定で一本化するということがなされているというふうに私は聞き及んでおりますが、いま一つ、全国的にそのような効率化が、今後やるんだと、強い決意で政府がやるんだということが余り発信されていないような気がいたしますので、確認しますが、こういう補助金申請については、今後、幼稚園の部分に関しても、認定こども園はですよ、純粋幼稚園は文部科学省かもしれませんけれども、認定こども園という枠組みの中の幼稚園型の認定保育園であっても、これはこども家庭庁に補助金申請は一つになるんだと、こども家庭庁ができれば。今もやっているのかな、できればということかもしれませんが、それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/25
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026・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 江崎委員にお答えいたします。
認定こども園に関しては、園を対象とする施設整備事業について、教育機能部分は文部科学省事業、保育機能部分は厚生労働省事業の対象とされるなど、ふくそうの問題、今御指摘のとおり、が指摘されていたところです。
このため、昨年十二月に閣議決定されたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針においては、このような認定こども園を対象とする施設整備事業について、原則としてこども家庭庁へ移管し、一本化するとされたところです。
こども家庭庁創設に向けて、基本方針を踏まえ、関係省庁と連携しながら、施設整備事業の一本化など、認定こども園に関する事務のふくそう問題の改善にしっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/26
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027・江崎孝
○江崎孝君 これ、政府参考人の方でもいいんですけれども、例えばここに、閣議決定の資料の中に、これちょっと通告していませんけど、専門家だから分かると思うんですが、その他各種補助金等について調査、整理を行い、対応方針を決定するとなっているわけですよね、これね。
これも当然こども家庭庁に一本化をしていく、いわゆるその幼稚園の部分はもう文科省で結構ですと、とにかく認定こども園に関する様々な補助金申請についてはもうこども家庭庁に今後一本化するんだと、その強い思いがある閣議決定ということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/27
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028・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) 大臣がお答えの中で申し上げました基本方針の中で、園を対象とする施設整備事業、災害復旧事業については、原則こども家庭庁へ移管し、一本化をするということを明記をしております。
また、その他の各種補助金につきましては、調査、整理を行い、対応方針を決定するというところまで記載をさせていただいておりまして、実は、例えば一号、いわゆる一号、二号、三号のお子さんの親御さんの働き方ですとか、あるいは施設類型によりましていろんな沿革があって、少しずつ対象が違っていたりというふうな補助金が幾つかございますので、そういったところを施設整備事業については一本化をする方向で、もう既に両省、文科省や厚労省、私どもで話合いは始めてはおりますけれども、その他様々各種の補助金もございますので、そういったところを一旦全体を整理をした上で対応方針を決定していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/28
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029・江崎孝
○江崎孝君 済みません、技術的なことで申し訳ないんですけれども、例えばこの施設整備事業、補助金、これこども家庭庁に一括して申請をしたら、その申請書が、教育機能部分と、幼稚園ですね、それと保育機能部分、保育園ですね、これ申請書類って別々なんですか。文部科学省に渡す分とこども家庭庁に渡す分をただ一括してこども家庭庁が申請書を受理するだけであって、書類は自治体は別々に作らなきゃいけないんですか。これ、答えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/29
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030・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) 現時点で基本方針の中で決定をしているのは、施設整備費事業、それから災害復旧事業についてこども家庭庁に移管をし、一括して所管をするというふうな一本化をするという方針が決まっておりますので、今後、来年度の予算要求に向けて、具体的に細かいその手続についてどういうふうに一本化することができるかということも含めて、よく予算編成の要求の中で関係省庁と連携をしながら詳細を詰めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/30
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031・江崎孝
○江崎孝君 縦割りを弊害するということでいろいろあったんだけれども、認定こども園という形で、幼稚園、文科省の部分が就学前教育でまだ一つになれなかった。ただ、大臣、これ、こどもまんなかにやるということですから、まあこれは親の、親というか仕事の都合だけの話なんですけれども、これ大変自治体困るわけですよ。たまたま今まで厚生労働省に三つあったのが二つになるだけの話って、自治体はそういうふうに思っているわけですね。
じゃなくて、やはり幼稚園については、もう純粋幼稚園については文科省でどうぞと、認定こども園については全部こども家庭庁が補助金申請も含めて書類も一本化でいいよと、そういう議論を是非していただきたいんですけれども、こども家庭庁の設置のときには是非そういう状況になっていることをつくるという強い決意を言っていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/31
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032・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、まずは昨年十二月に閣議決定された基本方針、これをしっかり踏まえていくこと。
もう長らくの、今御指摘の縦割りと言われてきて久しいんですけれども、まずは認定こども園がかつてできたことでそういう融合が生まれてきて、今回またその次なる挑戦ということで施設整備を始めとして煩雑になっていたものを一本化していくということで、今まではこども家庭庁がございませんでしたので、そういう責任の主体もない中ですので、今後やっぱりそこに窓口があるということで一生懸命取り組めれる環境整備を皆さんにおつくりいただいているんだろうなと感謝しつつ、しっかり取り組むことをお約束できるんではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/32
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033・江崎孝
○江崎孝君 是非、ちらちら政府参考人見ないで、大臣の言葉でちゃんと、何か圧力掛けているんじゃないでしょう、その政府参考人の方が。大臣、是非、まあそれがせっかくできたわけですから、少なくともそういう事務手続は一本化しましょうよ、もう意味ないわけだから。是非そこは強い決意を、お願いを言いたい。何のためにできたのかと、これは本当に思いますので、よろしくどうぞお願い申し上げます。
さて、これだけでもう二十五分ぐらいたってしまいましたが、じゃ、先ほど話したとおり、済みません、いろいろ飛ばして申し訳ないですけれども、財政のことを、ちょっとこれだけは絶対聞いておきたいなと思っているので大臣に聞かせていただきますと、安定財源の確保についてなんですけれども、やはり、まあ三千億円の話はちょっと、質問用意していたんですけれども、ちょっと飛ばすというか、一緒に踏み込む、ごちゃごちゃになるかもしれませんけれども、先ほどから言っているとおり、加藤先生は、地方自治体の財源も非常に重要なので、責務、あるいは責務に対する努力義務としての財源保障については、先ほどるるお話あったとおり、極めて強い決意でこの基本法には書いているんだということだったと思います。
当然、これ自治体はそうなんですけれども、以前大臣と立ち話をしたときに、この子供施策がこれほど遅れたのは、一つに財源、財源保障ができなかったこと、できなかったというか、ずっとやってこなかったということと、やっぱり家庭に子供、子育ての責任が比重を多くしてきたこれまでの与党の政策もあったんじゃないかなと。それで、財源保障、確保できなかったらもう何もできないわけですね。
今回は、基本方針に、国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め、幅広く検討を進め、確保に努めていくと、ちょっと踏み込んでいただいています。総理も、倍増だ、そして代表質問の中でもこのこと、社会全体での費用負担の在り方を含めと書いてあります。
つまり、これは財源保障をきちっと確保するという強い決意の下で社会負担の在り方を含めと書いてあるんですけれども、これ具体的に言うと、国民負担を新たに求めると、それぐらいの決意でいるということでもよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/33
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034・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) ちょっと財源のことなので、丁寧に私の方から答弁させていただきたいと思うんですが。
そもそも、子供政策の具体的な実施を中心的にやっているのは地方自治体でございます。地方自治体の取組状況を把握して、そして取組を促進するための必要な支援等を行うこととともに、現場のニーズに踏まえた先進的な取組を横展開していくことが重要ということが大前提と考えています。
子供政策については、先般閣議決定しました骨太の方針二〇二二、ここにおいても、子供の視点に立って、必要な政策を体系的に取りまとめた上で、その充実を図り、強力に進めていくこととしていますが、このうち地方自治体が実施主体となるものについては、地方自治体の財政運営に支障が生じないよう適切に検討してまいりたいと考えているところです。
子供政策を強力に進めるために必要な安定財源の確保については、昨年十二月に閣議決定した基本方針で、政府を挙げて、国民各層の理解を得ながら、社会全体の費用負担の在り方を含め、幅広く検討を進め、確保に努めていくということにしております。私としては、具体的なその財源ありきでもなく、まず、今御議論いただいている中で、子供の視点に立って、こどもまんなか社会のためには真に必要な政策が何であるか、そしてどうあるべきなのかという議論をしていくことがまず重要と考えています。
子供政策に関する今後の予算については、こども家庭庁の下で、期限とか規模ありきではなく、今申し上げたように、繰り返しになりますけれども、子供視点に立って、委員の方々からいろいろ御提案いただいているような様々な政策を体系的に取りまとめ、まず、そこがまず一番大事であろうと。その後に、やはりその大切さを国民各界各層に御理解いただけるように、社会全体での費用負担の在り方の検討、どうあるべきか、とても大切なことだというやっぱり認識をきちっとしていただくことが、これまでは子供政策の費用というのはなかなか中心的に議論がなされてこなく、様々な各省のその子供政策の取組の一環としてきたんですけど、今はこども家庭庁をつくることでぎゅうっと集約されることになりますので、それについてしっかり国民にも御理解いただく努力が必要であろうと。そこから予算なり次の費用というのが見えてくるというか、しっかり取りにいき、取らせていただけるんだろうと理解しているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/34
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035・江崎孝
○江崎孝君 大臣も、社会全体での費用の負担の在り方ということを再三にわたって言われていますよね。これ、社会全体での費用の負担の在り方ってそんなにないんですよ。例えば、子供保険だったり、あるいは拠出金するのか、早い話が、増税だったら消費税、あるいはその目的税で所得税なのか、そこに上乗せするのか、あるいは保険だったら今子供保険で年金保険料を医療保険に上乗せするのか、あるいは介護保険の、四十歳以上は取っていますけれども、四十歳までは取っていませんから、そこから保険でいただくとか、つまりもう負担はそういうものしか多分ないんですよね。
だから、社会的負担のありようということは、つまりそれぐらいの新しく国民に負担もしていただくということも視野に入れた社会全体での費用負担ということですね。そこをはっきりしておかないと、これ非常に政治としては難しい部分かもしれませんが、ここがなかったら進まないんですよ。だから、もう国民に負担を強いてでもある程度のやっぱり子供の財源を保障するんだ、つくるんだという強い意思だと僕は読み込んでいるんですけれども、それでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/35
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036・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) そもそも負担という言葉が国民に負荷を掛けるようなイメージがあるので、私は、むしろ子供が必要としている、それぞれの議員の方たちからいただいた取組、例えばヤングケアラーもございましたし、虐待の問題もございましたし、不登校の問題、様々その積み重ねていく中で、やはり子供を幸せにする、こどもまんなかの社会のための費用というのはやはり将来の投資なんだと。何かマイナスのものではなくて、先々の自分たちの安心、安全につながるものなんだというぐらいのやっぱり考え方を国民各界各層にしっかりと持っていただきまして、だから、子供のために取られるとかそういう発想でやっぱり始めることは望ましくないなと、そういうことを申し上げております。
ですから、その先にどういう負担、負担というか、出し方ですね、それが議論されてくる。どれぐらいのものが、体系的にどれぐらいのものがどのくらい必要であって、それが結果として子供のそのウエルビーイングをこれだけ上げると。
今いろいろな困難を抱えている子供たちが解消されるとか、そういうことをしっかりとお見せした上で、納得した上で、投資というか、喜んで御負担いただけるような環境整備というのを、まずこども家庭庁というのは、いろいろ御意見いただきましたから、衆議院、参議院の方で。今までなかったものもたくさんございます。そういうのを踏まえて取り組んでいく過程であるとお伝えしながら、当然納得いく上で財源をつくらせていただければと取り組んでいるところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/36
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037・江崎孝
○江崎孝君 なかなか、今これでというのはないと思います。ただ、難しいと思うんです。
例えば保険だったら、例えば医療保険だったら、将来お医者さんにかかるだろう、そういう不安というか、そういうのを担保しておくために保険が掛かるわけで、じゃ、子供が育っていくというのがそういうものかといったら、そうでもないわけですね。保険になじむかというのももちろんあると思うんですよ。ただ、そんなにないわけですね、国民に負担を強いるということであるならば。
これは早めにやらなきゃいけないし、来年度からこども家庭庁できるわけでしたっけ、ですよね。そうすると、もう来年までには財源保障しなきゃいけないじゃないですか。いつから議論始めて、いつからそういう財源の問題を、今言っているようなことを国民に知らしめるような状況でいらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/37
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038・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) いつからと、まあ既にこども家庭庁を創設する以前から、こども基本法なり、やっぱりこどもまんなか社会ということの議論が始まったときから、それを担保する財源については各党いろいろとお話をしていただいてきた過程にあると思います。
私たちも、当然、全世代型とか、そういう中で子供に対する財源の措置については今議論していて、このような参議院での御議論を踏まえて、どのように国民に納得いくような形で財源を確保するかについては早々に結論を出していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/38
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039・江崎孝
○江崎孝君 本当は参議院選挙の前にこんなことを議論しなきゃいけないんでしょうけど、ちょっと先送りされたのが僕は非常に残念だなと思うんですけれども。
その前に、三千億円の問題があります。これはこども家庭庁と関係ありませんので、前の、その前の部分の先送りですから、三千億円は別にちゃんとつくってもらわないと、もうそれでやるメニューっていっぱいあって、それが止まっているわけですから、是非それもお願いします。
総務省もお見えになっていると思うんですけれども、今の議論を聞いていて、来年度の地方財政計画、特に地方に責務があると求めているわけですから、これ補助金云々関係なく、当然のこと、来年度の地方財政計画においてはこの部分については財政計画できちっと保障するという、もう絶対仕事増えるわけですから、今の話でいくと。それはよろしいですね。それは担保できますよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/39
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040・池田達雄
○政府参考人(池田達雄君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、子ども・子育て支援の多くは住民に身近な地方団体を通じて実施されており、地方が大きな役割を果たしてきていると認識しております。
したがいまして、子供政策の充実に当たりましては、総務省といたしましても、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、関係省庁とも連携しながらしっかりと対応してまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/40
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041・江崎孝
○江崎孝君 しっかりを二度ぐらい言ってほしかったですけど、しっかりと対応するということでよろしいですかね。
大臣、今の話のとおり、やっぱり自治体がこれ本当にやっていくんだったら、自治体の職員あるいはその組織も当然強化していかなきゃならないわけですから、それは政府として、まずは当然のところ、自治体の組織なり人員の増、これも念頭に置いてこども家庭庁法案の設置法を出しているという思いで私は受け取るんですけれども、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/41
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042・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
子供政策の具体的な実施を中心的に担っているのは、先ほども申し上げたように地方自治体であります。地方自治体の取組状況を把握し、取組を促進するための必要な支援等を行うとともに、現場のニーズに踏まえた先進的な取組を横展開としていくことが重要である、これは繰り返しになりますが、考えています。
今後、地方自治体との連携強化のために定期的な協議の場をきめ細かく設ける、人事交流を推進することにより、地方との連携強化はしっかり図っていきたいと考えています。
地方自治体の組織や人員等の体制強化について、お話しのとおり、こどもまんなかの考え方に基づいて組織や実施体制を整えていただくことは重要であると考えていますが、他方で、各自治体においては具体的に子供政策の推進のためにどのような体制を構築するか等については、各自治体の判断になるものと考えています。現在も、大変先進的に取り組んでいる地方自治体の視察をさせていただいております。
今後、その体制整備の参考になるように、各自治体における関係部局の連携体制の事例を把握する、そういう予定でありまして、各自治体へ情報共有するなど、必要な支援に取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/42
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043・江崎孝
○江崎孝君 本委員会で、せんだって参考人で明石市の泉市長、あの意見表明が何かネット上ですごく評判になっているようで、あそこはやっぱり人もお金も倍増しているという。そういう方向性をしっかりと国で明示をするということ、そしてそこに自治体が参画をしていくという、是非そういう状況をつくっていただきたい。
じゃ、そこで、もう余り質問できないんですけれども、保育士さんの、幼稚園の方もそうなんですけれども、保育士さんに限定してしまうと、御承知のとおり、大臣御存じかどうか分かりませんけど、各保育所に対する、算定するわけですね、お金を出すときの。そのときに、これ福祉職給料表というのを使っているんですよ。福祉職給料表というのは、大体三十歳ぐらいで昇格がほぼなくなるんですね。昇級はするんですよ、ただ昇格がないんですよ。ですから、元々算定をする基礎の給料表が低い給料表になっている。これって、再三に保育士さんの給料が低い、あるいは保育士の皆さんのキャリアが大体十年とか十数年ぐらいで止まっているという状況と、これ非常に整合性が出てくる、重なり合う部分が多いんですね。
だから、こういう福祉職給料表を使っている算定の在り方も含めて見直していかないと、そして、キャリアをちゃんと積んでいって、そのキャリアが報酬としてきちっと保障されるような体系に変えていかないと、これ、加算金だけやったっていつまでも変わらないわけですよ、三%で云々しても。元々の根本的なもの、抜本的に変える必要があると思うんですけれども、お答えできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/43
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044・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
公立保育所の運営費は、もう委員御承知のとおりだと思いますが、既に一般財源化をされているわけですが、私立の保育所の運営費は、今御紹介いただきましたように、公定価格によって国が定め、これによって計算された金額が市町村から各施設に支払われる仕組みとなっているわけでございます。
この公定価格でございますが、人件費、事業費、管理費、それぞれ標準的な経費を積み上げる、いわゆる積み上げ方式で算定をしているわけでございますが、そのうちの人件費につきましては、国家公務員の俸給表の一定の職種や級号俸を特定をして算出をすると。特に、保育士については、福祉職の一定の号俸を参照しているというふうな形で計算をしているということは事実でございます。
ただし、私立保育所で働く方々の実際の賃金については、この算出に使われている俸給表が適用されているわけではなく、賃金については各施設において労使の間で決められているというような仕組みになっているわけでございます。
いずれにしても、いずれにしても、いずれにしても、内閣府においては、経験年数や技能に応じまして賃金が引き上がっていくこと、そして保育などの現場で長く働き続けられる、そういった環境を整備することは極めて重要だと私どもも重々認識をしております。処遇改善加算を設けて、その賃金改善に加算額が充てられるということを確認する仕組みなどを通じて、処遇改善が各施設において適切に実施をされるよう促してきたところでございまして、引き続き処遇改善しっかり行われるように尽力してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/44
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045・江崎孝
○江崎孝君 それは確かにそれぞれの各保育園の、私立保育園のそれは努力だと思いますよ。ただ、算定するものが三十歳超えたら昇格しないという給料表を算定基礎にしていたら、それはインセンティブもらえぬでしょう、保育園の経営者は、いつまでたっても。十年ぐらい、十八歳でもし雇用されたら、十二年で昇格しないということですから、ちょうど三十歳ぐらいでキャリアをそこでストップさせるという、そういうインセンティブが付くの当たり前じゃないですか。
これ、変えなきゃいけないでしょう、福祉職給料表を算定基礎にするのを。どうなんですか、そこ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/45
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046・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) この公定価格につきましては、御承知のとおり、五年後見直し、前回、五年後見直しということで見直しを一旦行いました。そのときには、子ども・子育て会議におきまして、様々有識者の方から御議論いただきましたけれども、現行の積み上げ方式を前提として維持をするということで御理解をいただきつつ、様々、処遇改善ですとか栄養加算ですとか、いろいろな工夫をしながら、何とか保育の適切な運営に資する予算の確保ということで努力をしてきております。
ただ、全体として、やっぱり保育士の不足ですとか処遇の改善が課題となっているということは我々も重々承知をしておりますので、今後、保育の処遇改善については、先般閣議決定をいたしました骨太方針でも、公定価格の費用の見える化を行った上で、職種ごとに仕事の内容に比して適切な水準まで賃金が引き上がるよう、必要な人材が確保されることを目指して取り組むということにされていることもありますので、全体の議論の中でしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/46
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047・江崎孝
○江崎孝君 なかなか、そこまでしか言えないのかもしれません。もう時間がなくなったので、これ以上詰められ、詰めるという表現悪いんですけど、言えませんけれども。
これ、やっぱりネックですよ、そこ。だから、キャリアを積んでいこうという、そういう方向性を国として発信していただきたい。そのためにも、福祉職給料表というようなことに対する見直ししてほしい。これ、大臣、よろしくお願いします。
最後に、これ最後に聞きたかったんです。
大臣、やはりこの間、この子供施策についてはいろいろ揺れてきました。有村先生が、一・五七ショック、一・五八か、一・五七ショックですね、ひのえうまと一緒だったと。はるかに今、下がっていますから、それ以上。やっぱりこれも、それ以降も、やはり子供は家庭が第一だ、あるいはね。
例えば、元々ですよ、ごめんなさいね、自民党の一九七九年の古い、古いのを申し訳ないんですけれども、一九七九年の自民党の家庭基盤の充実に関する対策要綱を見ると、国家社会の中核的組織として家庭を位置付ける、老親の扶養と子供の保育としつけは第一義的には家庭の責務、援護するのは母子家庭、寝たきり老人を持つ家庭に限られる、女性が家庭長、家庭の長として家族経営に差配、家族経営を采配すること。まあ、分かります、一九七九年の頃です。だから、このままではないと思いますけれども、そういう流れの中で一・五七ショックが起きて、もう終わります。
最後に、一九九六年の通常国会なんですけれども、当時の橋本龍太郎首相は、自分の厚生大臣当時を振り返って、世代間同居を中心とした我が国の社会保障、福祉行政というものはできないものかと随分考えた、だが、世代間同居を言うことがいたずらに家庭の奥様方やお嬢さん、特にお嫁さんの肩にその介護の責任を負わせるのではないかという誤解も当時生じた、家族の機能を社会的にバックアップしていく必要があり、エンゼルプランの一層の推進に向け努力していきたいと。
つまり、それまでの家族に対する、女性に対する様々な押し付けの問題があったのでなかなか進んでこなかったんだと。だから、これからはということでやったんだけれども、エンゼルプランでもそうだし、今度の、そこまで言わないんですが、こども家庭庁に家庭が入ったということも、いろんな意味で臆測を呼んでいるわけですよ。
是非、大臣、最後に一言で結構です。もう家庭ではなくて子供が真ん中にある、そして、家庭の責任はもう昔のようにそういう状況には戻らない、そういう一言をおっしゃっていただいて、私の問いを終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/47
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048・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 答弁簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/48
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049・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 家庭ということで、多分、家庭を担っているのは家族で、家族というのがやっぱり、恐らく以前は生物学的に産んだ人が一番の責任者ということですけれども、もはや地域社会の中で核家族化が進む中で、より多くのそうでない人たちの手を借りながら、様々な大人の知恵やアイデアで一人の子供をしっかり育てていくという時代を迎えて、国そのものが、やっぱり家庭としてどんな子供のウエルビーイングも担っていこうというのがこども家庭庁の家庭の思いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/49
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050・江崎孝
○江崎孝君 終わります。ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/50
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051・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として丸川珠代君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/51
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052・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。よろしくお願いをいたします。
大臣への質問は、次回は総理が入った質問ということなので、直接こうして大臣と議論というのは今回が最後になるのかなと思います。毎回毎回質問をさせていただいておりますが、今回も最後までしつこく大臣に質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
この審議始まってからずうっと、このこどもまんなか社会という言葉、このキーワードがずうっと登場し続けてきました。このこどもまんなか社会をつくるために、各省庁、関係省庁しっかりと協力をしていくと、さらには関係者もしっかりと巻き込んでいくということで議論は進めてこられたわけですが、本当に社会として、子供を中心に置いていこう、子供を大事にしていこうという、こういう考え方をしていこうとしたときに、省庁と、あとは幼稚園ですとか保育園ですとかそうした、あとはNPOの法人ですとか、そういう人たちだけで話を進めると、またそこから広がりがやっぱりなくなるんだと思います。やはり、広く社会でそういう認知をしていこうというときに、一番実は大きな部分というのは、私は、事業主、事業者の方たちかなというふうにも思っています。
その方たちへの協力が非常に大切だと思っていまして、今、このビジネスと人権に関する行動計画というものが既に作られていまして、この中に子供の権利の保護、促進の項目というものがあります。この中に、今後、子供の権利とビジネス原則という、こうしたものの取組を周知していくんだということが書いてあるんですけれども、こうした取組、書いてあるのは、でも、あくまでも子どもの、その中身に書いてあるのはあくまでも子どもの権利条約の中身についての周知、こうしたものを盛り込んでいこうということなんですね。
で、せっかくそういうものが既に、ビジネスの中に組み込んでいこうという話が、計画の中に盛り込んでいこうという話があるのであれば、いっそもうその中に、今回のこのこどもまんなか社会実現するための、それこそ今回のこども基本法の精神の部分であったり、こども家庭庁をつくる上でのその精神の部分、こうしたものをしっかりと事業者の計画の中に落とし込んでいってもらう、そういう協力をしてもらうということまでもう一歩進めてはどうかなというふうに思いましたので、是非、経産省を始め関係省庁と連携して、こうした事業主への取組への働きかけをしていただきたいということと併せて、そうした取組が実際にどのようになっているかという調査も白書等で実際にしてみるということも含めて御提案を申し上げたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/52
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053・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) ありがとうございます。お答えいたします。
我が国としては、常に子供の最善の利益を第一に考えて、子供に関する取組、政策が我が国社会の真ん中に据えられるこどもまんなか社会の実現に向けて子供政策を主体的に進めたいと考えています。今御指摘のとおり、その際、企業の皆さんにも御理解いただき、御協力いただくことは大変重要であります。
こども基本法案については、議員立法で提出されていて、現在審議中でありますが、「国は、この法律及び児童の権利に関する条約の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるものとする。」との規定が置かれているということを承知しています。
児童の権利に関する条約については、これまで、例えば外務省において、同省のウエブサイトに児童の権利条約に関するコーナーを設けて同条約のリーフレットの電子データ等を掲載するなど、同条約の子供の権利が適切に認知されるよう努めてきたものだとお聞きしています。
こども家庭庁においては、児童の権利条約等の趣旨、内容の周知を通じて、子供の権利保障の重要性について企業を含めたあらゆる方に適切に理解いただきますよう、関係省庁と連携して効果的な広報、啓発等のやり方を検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/53
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054・礒崎哲史
○礒崎哲史君 実は、この質問作って、通告をして、問取りをしたんです。そしたら、誰が答弁するかというので実はもめまして。何でかというと、今、大臣、外務省のホームページにパンフレットが記載されているということでお話ありました。確かに載っているんです。私も見ました。実は、外務省が出している中身のこの子供の権利の擁護というのは、児童労働の撤廃ですとかあるいは人身取引の対策なんですね。ですから、まさに子供の人権の本当にひどい状況になっているところに対して、それは世界的な取組としてやっていこうということです。どちらかというと、もう経済安全保障にも関わるような、そういう中身になっているんです。
ただ、私は、そうではなくて、こどもまんなか社会なので、そういう状況だけではなくて、ほかももっと広い範囲で事業者が取り組んでいけるというふうにしますと、じゃ、それは外務省が答えるのか。で、経産省にお願いしましたら、経産省以外にも事業者っていっぱいいるので、経産省だと全部網羅できませんという話になって、そうすると、じゃ、国交省も入りますねとかって、いろんなところに話が及んでしまいまして、結果的に代表して大臣にお答えをいただこうというような形になりました。
ということなので、これ、ほっとくといろんな隙間から落ちちゃう可能性があるんです。誰がやる、誰がやるということになりかねないので、是非、本当にここは大臣からしっかりとリーダーシップ取って取り組んでいただきたいなということで、改めてお願いを申し上げます。
それでは、次の質問に入りたいと思います。
お手元に資料もお配りをしたんですけれども、所得制限に関することです。
現在、子供に関する様々な公的給付において、所得制限が設けられています。お手元にお配りした資料は、子育て・教育支援に関係する様々な支援策でどのような所得制限が設けられているかということで一覧にしたもの、これ以外にも、奨学金ですとか、それ以外にも実は所得制限が設けられているものがございます。
やはりこれは、まあ見ていただければ、親が頑張って働いて自分の給料が上がっていって、そしたらいつの間にか子育てに関する国からの支援がなくなっている、あとは自分で育てなさいというふうに国から言われたというふうにもこれ親としては受け止められてしまうということです。本当に、こどもまんなか社会で、そして今回のこども家庭庁つくる大きな目的の一つには少子化対策もあるということ、これも大臣もおっしゃっていました。
そうすると、こういった所得制限を設ける、それこそ、これから子供を育てようとしている人たちのそのモチベーションを下げるようなこうしたものであったり、あるいは子供からしても、こういう制限が引かれているということが実際に自分たち自身が感じる瞬間というのがやっぱりどうしても出てきてしまいます。やはりこういうものは撤廃をしていくべきだというふうに思います。
今日のお昼休みのタイミングで、我が党からはこの所得制限撤廃に関する法律というものを議員立法として作成をしまして提出もさせていただきました。改めて、この所得制限の撤廃すべきだというふうに考えておりますけれども、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/54
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055・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 児童手当は、児童手当法に基づいて、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として支給するものであります。
児童手当を始めとする各制度において所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれの判断で判断されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/55
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056・礒崎哲史
○礒崎哲史君 大体そういう答弁になるんですけどね、大臣。
先ほど江崎委員の質疑の中でお名前が出ていましたあの明石市長ですね、泉市長からお話があったのは、あまねく子供たちへの支援というのは、国からの支援はそういう所得制限とかを設けないでほしいんだと、広く出してほしいんだと。実際に、市ですとか町ですとか村ですとか、そういう実際に現場で即している人たちは、どういう人たちにどういう支援が必要か、目の前で分かりますから。彼らは、ある程度その所得制限を設けたものであったり限定したもの、それこそ一番適切なベストなものを提供していく、サービスをしていく。だから、その大本の国から出すものについては制限掛けないでほしいんだと。今は国が制限掛けちゃうから、仕方なく穴埋めのために地方がお金出さなきゃいけなくなっている。もう逆転現象が起きているというのが現場の叫びだというふうに、大臣、思います。
ですので、ここは、改めてこの所得制限撤廃ということ、こども家庭庁できて、こどもまんなか社会つくっていくというのであれば、私はその理念に合わないと思います、所得制限があるということは。是非ここの点についても改めてお考えをいただきたいというふうに思いますけれども、もう一言いただいてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/56
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057・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 御承知のとおり、政府では、これまでも幼児教育、保育の無償化など、子育て世帯全体の支援を充実させてきているところです。例えば、幼児教育、保育の無償化や、最近始まりました不妊治療の保険適用などについては、所得に関係なく支援が必要な方に対してその必要な支援を重点的に提供することとしています。
一方、児童手当は、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として給付するものであります。全ての子育て世帯を支援の対象にするか、所得制限等により支援の対象を限定するかという点については、やはり個々の制度の目的とか支援方法などに応じて判断されるべきものと考えているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/57
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058・礒崎哲史
○礒崎哲史君 もうこれは、元々の財源の部分、財源論とも深く関わってくることだと思いますので、これ以上はなかなか難しいと思いますので、ここまでにしたいと思いますけれども。
OECDが出しているレポートでは、合計特殊出生率と家族関係支出対GDP比、この二つには相関関係があると、こういうデータも出されています。今の日本の対GDP比の支出ではこれ以上合計特殊出生率を上げることは難しいと、そのデータからいえばそういうふうにも考えられます。是非ともこの点についても引き続きお考えをいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、次の問いに行きたいと思います。
様々な環境に置かれた子供たちへの対応が必要になるということで、例えば貧困あるいは虐待又はいじめ、こうした様々な子供たちの問題解決を図っていく上で、こうした境遇にある子供たちとのやはり接点、行政サービスとの接点、あるいはNPO法人ですとか、様々な接点をたくさんつくっていくことが大事だというふうに思っています。
この審議が始まる前段で、理事会メンバーで視察をした、NPO法人キッズドアの視察をした際にお話を伺ったんですけれども、ここの施設を利用している子供のうち、金銭的な理由でここを使っている子供たちというのは大体半分ぐらいだというふうに言っていました。残りの半分の子供たちは、金銭だけではなくて、プラスアルファの複合的な問題があってここの施設を使っているんですということでした。
それこそ、さっきお話をしたような、例えば虐待の話もあると思います。あるいはいじめの話もあると思います。なかなか家にいづらいというのもあるかもしれません。またあるいは、外国ルーツの御家族なんかでいくと、子供だけじゃなくて親も困っていて、結果的にはその施設を使うことで親に対する支援にもつながっていたという、こういうお話をその視察の際にはいただきました。
ですから、様々なやっぱりタッチポイントというんですかね、その接点を設けるということが大変充実だというふうに考えていますけれども、この点についてのお考えを、御所見をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/58
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059・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 昨年末に閣議決定しました基本方針、ここにおいて、今後の子供政策の基本理念として、全ての子供が安全、安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、幸せな状態で成長できるようにすることが重要であると掲げています。
恐らく、今の視察先での様々な子供たちの状況というのは、その全ての子供ということで包み込めるのであろうかと理解しているんですが、こうした理念の下で、個々の状況に応じ必要な支援を受けることができる居場所が必要であるとともに、全ての子供に広く開かれた誰もが利用しやすい居場所など、全ての子供が居場所を持てるような多様な居場所が必要であると考えています。また、こうした多様な居場所では、子供と関わる大人が、虐待、貧困などの困難を抱える子供や家庭に気が付くことができる場であると認識しています。また、先ほどの外国籍の御家族も、子供の居場所だけれども、子供を介して、その子供と一緒に大人も支えられるような居場所。
こども家庭庁においては、こうした観点を踏まえ、子供の居場所づくりに関する指針を策定し、多様な居場所づくりを進めてまいります。また、様々な居場所の中で発見された支援が必要な子供や家庭を地域の支援ネットワークにつないで、必要な支援を届けるための取組、これを強化してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/59
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060・礒崎哲史
○礒崎哲史君 是非お願いしたいと思います。
そこのキッズドアをお伺いしたときも、居場所型学習会という、こういう取組もやっていたということで、そこは、学習会という名前は付いているんですけれども、もう何でもありだということで、その経験といいますかね、体験というので、横綱にも実は何か来てもらって、直接お話をしたりですとか、そうした経験もしたなんという話はしていました。そういう場がやはりすごく大事だということだと思いますので、今大臣、その点触れていただきましたので、しっかりと取組進めていただきたいというふうに思います。
その観点で、そのタッチポイントの一つとして、先月のこの委員会の質疑でも出ていたんですが、フードパントリーというのがありました。それ以外にも、私、従来からフードバンクの方とお付き合いがあっていろいろお話をお伺いするんですが、このフードバンクですとかフードパントリーなどの活動、これ、行政から受ける直接の金銭面というのと、要は、そういう家族ですとか子供に対する支援という形では、金銭ではなくて、食べ物あるいは食事というもの、こういったもので支援をするということなので、支援を受ける側のいろいろな精神的なハードルを下げる効果があるんだということを実際にフードバンクの方にお伺いしました。
つまり、生活保護、これ捕捉率が低いということは従来から言われていますけれども、この捕捉率が低い理由として、やっぱり申請がしづらかったり、あるいは申請をしたことによって、自分の親戚ですとかそういう人に、本当に養ってもらえる人が周りにいないのかという、やっぱりそういう、調査というと聞き方が嫌なんですけれども、でもどうしても入ってしまうということで、結果的に我慢して生活保護を使わないでどんどんどんどんつらい状況になっている。ただ、そういう人たちも、フードバンクだと食べ物が余っているんで使ってくださいになるわけですよ。何の気兼ねもなく、食料を大事にするという観点で気兼ねなくそれが使えるようになるということで、そういう意味で精神的なハードルを下げることができるということで、実は、こういうところも、ただ単に食べ物ということではなくて、そうした方たちに対しての門戸をすごく広げてタッチポイントを増やすということにつながっているということをお伺いをいたしました。
以前は、なかなかこのフードバンク等には支援の輪が広がって、政府からの支援というのはなかなか、行政からの支援ってなかったんですけど、今は徐々に支援が始めていただいているような状況にはなっています。
特にこのコロナ禍でも、これ協力してくれる企業さんなんかも増えてきていますので、かなりこれ、今、すごく有益な活動に今つながっているということになるんですが、ただ、この支援がまたいつか切られちゃうんじゃないかと、なくなっちゃうんじゃないかというふうにちょっと不安を抱えておられる方たちもいらっしゃいますので、やはりこうした福祉事業をしっかりと行政としても支えていっていただく、さらにはこれを増やしていく、こういうことに是非力を貸していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/60
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061・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) フードバンク団体やフードパントリー団体は、食事や生活必需品の提供を行う中で、相談支援や利用者とのコミュニケーションを通じて貧困や虐待を始め困難な状況にある子供や家庭を発見した場合は行政などの適切な支援につなぐなど、それぞれの地域においてきめの細かい支援を届ける重要な存在であると考えています。
最初の頃、車座をしていただいたときに、子供食堂の車座においてそういうヒアリングをいただいて、子供の貧困対策など、支援担当者や現場職員からお声を伺いました。そこで、フードバンク団体を始め、子供に寄り添って温かく見守り支援の手を差し伸べている、そういう民間団体の皆さんの取組、支援が必要な子育て世帯との接点を増やすという意味でもとても重要であると再認識させていただきました。
このことを踏まえて、内閣府において、子供の貧困対策を行う自治体を支援する地域子供の未来応援交付金、これを大幅に拡充しました。補助率十分の十の事業を創設したところです。子供食堂やフードバンクを始めとする居場所づくりを行う民間団体の取組支援を強化してきたところです。
昨年末の閣議決定した基本方針では、こども家庭庁の下で、困難な状況にある子供を支援する取組含め、全ての子供の居場所づくりについて指針を定め、強力に推進することとしておりますので、今年度、庁創設に先駆けて、皆さんの調査研究を行って、具体的な支援の在り方、これについて検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/61
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062・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。是非その点よろしくお願いをいたします。
最後の質問にさせていただきます。
今いろいろ申し上げましたけれども、そうした関係者の方たち、やはり人材育成、いろいろと支援をしてくれる方たち、様々な人たちの人員体制の強化、やはりこれをしていく必要があると考えております。
こうした体制の強化と人材育成に向けた取組について、最後、これは厚労省の多分参考人の方が来られていると思いますので、この点お伺いをして、終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/62
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063・川又竹男
○政府参考人(川又竹男君) 保育士と児童福祉司、児童心理司ということでお答えしたいと思います。
まず保育士についてでございますが、有効求人倍率が依然として全職種の平均を上回るなど、大変人材確保に困難を抱えております。このために、養成校に通う学生への修学資金の貸付けなどの資格取得の促進、保育所等のICT化の推進など保育士の業務負担の軽減を通じた就業継続のための環境づくり、あるいは、保育士・保育所支援センターによるマッチングの支援などの再就職の支援、保育所の現場と職業の魅力向上などに取り組んでおります。また、人材育成といたしまして、保育士等のキャリアアップ研修、あるいは所長、職員を対象とした研修などで専門性の向上も図っております。
また、都道府県などの児童相談所の児童福祉司、児童心理司ということも非常に重要でございます。今年度までに児童福祉司約五千二百六十人、児童心理司約二千百五十人の体制をすることを目標とする児童虐待防止対策体制総合強化プランの目標について一年前倒しを行いまして、これを令和三年度で既におおむね達成をしたところでございます。その上で、今年度は、新プランの当初目標から更に児童福祉司五百五人、児童心理司百九十八人を増員することを目標としております。またあわせて、人材育成について、様々な研修への補助、あるいは今回の児童福祉法の改正におきまして子供家庭福祉の認定資格導入などを行っておりまして、引き続き専門性の向上に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/63
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064・礒崎哲史
○礒崎哲史君 引き続き取り組んでいただければと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/64
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065・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをします。
まず最初に、いわゆる小一プロブレムからお聞きを今日はしていきたいと思っています。
御存じのように、小学校の一年生が学校でじっと座って授業を聞けないとか、あるいは学級のルールや先生の指示に従って集団行動を取れないなど、学校生活になじめずに問題行動を起こすこの小一プロブレム、その存在はもうかねてから指摘をされてきたところです。
幼児教育は、子供の生活リズムを基本として遊びや体験を通した活動が中心ということになりますが、小学校教育は、学習を基本として教科ごとの学びが中心というふうになります。したがって、その方針や環境の違いがある中で子供たちも戸惑う、慣れないことも多くてそういうことが起きるということなんだろうと思いますが、そういう意味でも、しっかりサポートや援助がないままそういう方針や環境が違うところに行って、小学校で、入学して変化に対応できないこの小一プロブレム、大変重要な問題だと思いますし、それへの対応策はしっかり取っていかなければならないと思います。
文科省では、二〇一一年の義務標準法の改正で、それまで小一から中三の全てが四十人学級であったところ、この小一プロブレム等の特殊事情も踏まえて、小学校一年生のみ学級編制の標準を一学級三十五人と引き下げるということも行いました。
そこで、まず最初にお聞きをしますが、今のところ、文科省としてはこの小一プロブレムの現状をどのように把握をしているか、また、今申し上げた学級標準の引下げが小一プロブレムに対してどのような効果があったと分析をしているのか、まずお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/65
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066・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
小学校と多様な幼児教育施設の間では、委員御指摘のいわゆる小一プロブレムとして、子供が小学校の入学直後から学習や生活になじめないといった課題が指摘されていることは承知をしているところでございます。
こうした課題を克服するためには、学校種や施設類型の違いを超えて連携、協働し、幼児期における遊びを通した総合的な学びから、各教科等の学習内容を系統的に学ぶ小学校の学習への円滑な接続を図り、子供の発達や学びの連続性を確保することが大切であると考えております。
このため、カリキュラム面において、文部科学省では、幼稚園等と小学校との接続期の連携の手掛かりといたしまして、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というものをお示しをするとともに、小学校入学当初に、幼児期の豊かな学びと育ちを踏まえて児童が主体的に自己を発揮できるようにする場面を意図的につくるスタートカリキュラムというものの充実を図ってきたところでございます。こうした取組を踏まえ、更なる質的向上を図るために、本年度より、幼保小の架け橋プログラムの実施をするということとしているところでございます。
また、質の高い教育を子供に提供するためには、きめ細かな指導をできることができる体制も重要でございます。小学校一年生の三十五人学級につきましては、全国連合小学校長会のアンケート調査などにおきまして、子供たち一人一人に目が行き届くきめ細かな指導や思考を深める授業づくりが一層可能となること、また、教員と児童との関係が緊密化するとともに、家庭との緊密な連携が可能となるといった結果が示されるなど、子供たち一人一人の課題に対応したきめ細かな指導を通じて、子供の発達や学びの連続性の確保等につながっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/66
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067・柴田巧
○柴田巧君 いろんな取組をしてこられたのでありますけれども、残念ながら、この小一プロブレムの発生は変わらず課題と今もなっているわけです。
今も一部答弁の中にもありましたけれども、就学後に小学校における対応だけで問題の解消は難しいということから、就学前の幼児教育の段階から小一プロブレム防止に向けて取組を行うことは極めて重要です。
したがって、この幼保小の連携の取組として、幼稚園や保育所などから小学校への指導要録の送付であったり、幼稚園教育要領と保育所保育指針などの整合性の確保、小学校との連携の手掛かりとして、今もお話ありましたが、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の策定等を行ってきているわけですが、先ほどと繰り返しになりますが、解消はなかなか至っていないということです。
そういう中で、幼児期から小学校への移行をスムーズにするための幼保小の架け橋プログラムを実施するということですが、これは結局これまでの取組との違いはどういうところにあるのか、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/67
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068・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
今お話ございましたように、これまでも幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の整合性の確保ですとか、今般の改訂におきまして、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿の明示など、幼保小の連携の推進を行ってまいりましたけれども、これまでの幼保小の連携におきましては幾つかの課題も指摘されております。一つには、幼稚園、保育所、認定こども園の七割から九割が小学校との連携に課題があると感じているというふうに答えておりますし、また、半数以上の園は行事の交流などにとどまっておりまして、資質能力をつなぐカリキュラムの編成、実施までは至っていないというふうなこと、さらには、五歳児のカリキュラムと小学校一年生のカリキュラムがばらばらに策定をされて理念が共通していないといったような課題が指摘されているところでございます。
こうした課題を克服するために、先ほど申し上げました本年度から行います幼保小の架け橋プログラムでは、五歳児のカリキュラムと小学校一年生のカリキュラムを一体的に捉えまして、地域の幼児教育と小学校教育の関係者が連携して、カリキュラム、教育方法の充実、改善に当たるということにしているところでございます。
文部科学省としましては、このプログラムについて全国的な取組の充実ということと、モデル地域における実践を通じまして幼保小の接続期の教育の質的向上に向けて更に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/68
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069・柴田巧
○柴田巧君 この小一プロブレムについては、先ほど申し上げたように十数年前から指摘をされてきたところであって、もっともっと早い、また効果的な取組が必要だったんではないかなと思っていますが、今、これまでの事業も踏まえて新たなこの架け橋プロジェクトを展開するということであります。
しかし、この三月ですかね、文科省が公開した幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引きを見てみますと、幼児教育施設と小学校の連携強化のために、この各地の幼稚園、保育所、認定こども園、小学校、教育委員会、子育て担当部局、保護者や地域の関係者などで構成する協議会を設けると。そこでこの五歳児から小一の教育課程や指導計画を検討するということになっていますが、小学校の先生については、大変多忙化であり教員不足も言われている中で、本当にこの協議会への参加やカリキュラム開発が実現でき得るものなのかという懸念を持ちます。また、この幼児教育施設には、小学校への接続を見通した教育課程の編成、実施を行う施設もある一方で、子供を預かるだけで精いっぱいという施設も現実あるわけです。
そこで、この施設の規模や幼児教育に対する意識の違いも様々異なるという状況下で、想定する教育プログラムを各施設が本当に実践できるのか、実施を担保する仕組みはあるのか、文科省にお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/69
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070・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
小学校の教師が御指摘の接続期のカリキュラムの開発に当たるということ、これ多忙でなかなか難しいのではないかという御指摘でございますけれども、まさにこのカリキュラムの開発に参画をするということは、これは教師が教師として行うべき本来果たすべき重要な業務であろうというふうに考えております。
したがいまして、私どもとしましては、小学校の教師がこうした業務にしっかり取り組めるよう教師の負担軽減を図るために、令和元年に法改正を行いまして教師の勤務時間の上限などを定める指針を策定いたしますとともに、教員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実、教師用端末の整備や校務の情報化の更なる検討など、様々な施策を総合的に講じておりまして、こうしたことを通じて、本来果たすべき役割に集中できるようにしていきたいというふうに考えております。
また、全国の各地域におきまして幼児教育と小学校教育の円滑な接続が進められますように、先ほど御紹介がございました全国の各地域で参考となるような手引を作成いたしまして周知をしておりますほか、幼児教育センターの設置ですとか幼児教育アドバイザーの配置といったことで、幼稚園等や小学校で幼保小の連携、接続を行っていこうとする場合の具体的な助言を行うような体制の整備に係る事業も行っているところでございます。
加えて、本年度から実施をしております幼保小の架け橋プログラムの事業につきましては、モデル地域の取組につきまして広く全国に共有をしていきたいと。そのことによりまして、各地域、各自治体、幼稚園等や小学校がこうしたモデル地域の取組も参考としながらそれぞれの地域ならではのものに取り組めるよう、また、教職員の負担軽減も図りながら取組が展開されるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
こうした取組を一体的に行うことで、幼稚園等や小学校の教職員の働き方にも配慮しながら、子供の発達や学びの連続性を確保する幼児教育と小学校教育の接続の強化に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/70
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071・柴田巧
○柴田巧君 この問題、お聞きをしてきたところですが、子供たちのこの幼稚園、保育所等から小学校に入って、その後スムーズに小学校生活に慣れていく、これがその後の育ちや学びに大変大きな影響を与えるものだと思います。
私どもは、そもそも幼保一元化の立場に立ちますし、この法案の審議に当たっても対案を示させていただきましたが、この内閣府あるいは厚労省の子ども家庭関係部局と文科省の教育部門もやっぱり一つにしていくべきだという考え方に立ったわけでありますけれども、そうすることによって、この例えば小一プロブレムもより一体的に、また効果的な対策が繰り出していけたんではないかと、そういうふうに今も信じているんですが、いずれにしても、残念ながらそうならないわけで、このこども家庭庁が法案が成立すれば来年の四月一日から発足をするわけですが、こども家庭庁としても、この小一のプロブレムについては強い関心をやっぱり持って、そして真剣に取り組むべき課題として位置付けてやっていく必要があるんではないかと思いますが、野田大臣の御見解をお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/71
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072・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものであり、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設類型を問わず、学びや生活の基盤となる力を子供たちに育み、小学校への円滑な接続につなげていくことが重要です。
これまで、小学校との接続の連携の手掛かりとして、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を幼稚園教育要領において明文化するとともに、保育所保育指針においても同様の内容を定める運用を行い、幼保小の連携を推進してきたところです。
今後は、こうした内容を含め、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設類型を問わず、共通の教育、保育を受けることが可能となるよう、三施設の教育、保育内容の基準の整合性を制度的に担保してまいります。
これらに加えて、文部科学省において幼保小の架け橋プログラムの開発、実践が進められて、先ほどありましたが、保育所や認定こども園を所管するこども家庭庁としても、文部科学省としっかり連携し、施設類型を問わず、小学校への円滑な接続が可能となるよう取り組んでまいります。
もう一つ、私から付け加えるとするならば、幼稚園にも認定こども園にも保育園にも、保育所にも行ってない子供たちもいるということですね。ここには書かれていなかったので、併せて私の方から付け加えさせていただいて、こうした取組を通じて、幼児期の全ての子供の健やかな成長を保障してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/72
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073・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。
今、大臣、最後におっしゃいましたように、全ての子供たちの健やかな成長のためにも、この問題、こども家庭庁としてもしっかり取り組んでいただきたいことを改めて申し上げておきます。
次に、児童相談所の問題についてお聞きをします。この法案審議の前の一般質疑で一部取り上げて、ちょっと時間がなくて積み残しになっているところでもありますが、今日はお聞きをしていきたいと思います。
御存じのとおり、児相における、これは全国のですが、児童虐待相談対応件数は右肩上がりでずっと上がり続けておりまして、令和二年度には二十万件を超えたということであります。
政府においては、この児相の体制を強化するために、児童虐待防止対策体制総合強化プラン、新プランと呼ばれていますが、これによってこの児童福祉司等の増員を図っているということですけれども、今申し上げたように、児童虐待相談対応件数そのものが増え続けていますので、そういうことからすれば恐らく業務負担は余り変わっていないのではないかと思うのですが。
そこで教えていただきたいのですけれども、新プランによるこの児童福祉司の増員によって児童福祉司一人当たりが抱える相談対応件数というのはどのように変化をしたのか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/73
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074・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
平成三十年十二月に策定いたしました御指摘の児童虐待防止対策体制総合強化プラン、いわゆる新プランでございますが、これにつきましては、令和元年度から令和四年度までの四年間で児童福祉司を約二千人増員をいたしまして、約三千二百四十人の体制から約五千二百六十人とすることを目標としておりまして、現在、この目標を一年前倒しで達成をいたしまして、令和四年度も更に約五百人増員をして約五千七百六十五人とすることを目標としているところでございます。
児童福祉司一人当たりの虐待相談対応件数でございますが、新プランのスタートの前年度であります平成三十年度におきましては一人当たり約四十七件、これに対しまして令和二年度は一人当たり約四十五件となっておりまして、児童福祉司一人当たりの虐待相談対応件数は若干減少しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/74
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075・柴田巧
○柴田巧君 ほとんど減っていないと言った方がいいのかもしれませんが、まあそういう状況だということです。
そこで、その児童福祉司の多忙感というのはなかなか解消していかないわけで、そういう中で、この前も取り上げましたが、児相でAI化が進みつつあるということでありまして、これによって、緊急性の判断に資するこのAIツールを含め、デジタル技術の導入は適切な保護の判断や業務の効率化などに役立つということが期待をされます。
そうやっていろんな業務の効率化というか、時間が、余裕ができれば、保護者やあるいは子供たちにも向き合う時間がつくれるということになるのですが、その一方で、デジタル技術を導入することによって、こうした技術に頼り切って職員の経験の蓄積がおろそかになるようなことはやっぱり避けていくべきだと思います。
厚労省や自治体が導入を進めるAIツールなどを活用したとしても、児童の例えば保護に関する最終的な責任は判断を下した児相にあることは何ら変わらないわけですので、この先進的なデジタル技術を活用した取組に当たっては、それを過信することなく、上手にうまく使いこなせるように、児童福祉司等の専門性の向上も併せて図っていく必要があると思いますが、どのように取り組んでいくか、お聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/75
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076・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
AIツールなどの先進的なデジタル技術の活用を促進していくことは児童相談所の業務効率化等から重要と考えておりまして、厚生労働省においてもその開発を進めているところでございますが、一方で、御指摘のとおり、こうしたものは職員が行う一時保護の判断のサポート、こういったものを目的とするものでございまして、児童相談所における児童福祉司の専門性の向上についてもやはり併せて取り組んでいくべきものだと考えております。
具体的には、厚生労働省といたしましては、各自治体が行う児童福祉司に関する様々な研修に関する経費の補助を行うことや、児童福祉司のスーパーバイザーについて、本年度から任用前の研修受講を義務付けるといった取組によりまして児童福祉司等の専門性向上を図っているところでございます。また、一昨日成立をいたしました児童福祉法の改正案、改正におきまして、子供家庭福祉の認定資格というものを新たに導入することとしておりまして、児童福祉司の方々にも積極的に取得をしていただいてスキルアップを図ることによりまして、児童相談所における専門性の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/76
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077・柴田巧
○柴田巧君 AIは上手に活用しながら、例えば子供はなかなか自分の本当の思いを語れないということもあるでしょうし、親が虚偽の説明をしているということなどなどもあると思います。そういう意味では、その児童福祉司の観察力というか判断力というか、非常にそれはたとえAIが進んでも大事な部分だと思いますので、その専門性の向上のための研修をしっかりとやっていただきたいと思います。
次に、その他の子供家庭分野へのデジタル技術の導入ということで大臣にお聞きをしたいと思いますが、児相だけではなくて市町村においても虐待案件をもちろん扱いますし、また、虐待に至らずとも子育てに困難を抱えている家庭を支援する必要があるのは言うまでもありません。
AIツールを始めとした先進的なデジタル技術は、児童虐待における緊急性の判断にとどまらず、子供家庭分野に幅広く導入されることで的確な判断を効率的にかつ効果的に行うことができるようになることも期待をされます。
そこでお伺いしますが、地方自治体における子供家庭分野への先進技術の導入について、こども家庭庁としてもこういったものをやっぱりサポートしていく必要があるのではないかと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃるか、大臣にお聞きをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/77
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078・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
御指摘のとおりで、子供家庭分野においてもデジタル技術を活用した取組を進めていくことは重要であると考えています。
こども家庭庁においては、例えば、地方自治体において、関係部局に分散管理されていることが多い子供に関する教育、福祉等のデータを連携させて、支援の必要な子供を発見し、プッシュ型の支援、アウトリーチ型の支援につなげていく取組を進めていくこととしています。また、AIなどを活用した地方自治体の先進的な取組についても横展開を図っていきたいと思います。
例えば、私の身近な例でいうと、医療的ケア児って、病院から退院したときに、親は二十四時間面倒見なくちゃいけないんで、なかなか福祉の問合せができない中、病院で、退院する際に病院からその地元の福祉施設とかそういうところにこういう形の医療的ケア児が退院しますという通知があって、プッシュ型でこういう取組が受けられますみたいなことは、なかなか外に出ることができない親にとっては大変大切なことだし、子育てにとって大事なことだと思います。
デジタル庁などとしっかり連携して取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/78
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079・柴田巧
○柴田巧君 自らの御体験も踏まえて御答弁いただきまして、ありがとうございます。しっかりこの子供家庭分野へのデジタル技術の導入にもまた積極的に関わっていただきたいと思います。
済みません、ちょっと時間がなくなってきましたので、質問をちょっと飛ばして、修学支援制度の方に移りたいと思います。問い十二ということなんですが、十二の前段と後段ちょっと分けて質問をさせていただきたいと思います。
中間層の方にとってももちろん教育費の負担は大きいわけですが、特にこのいわゆる低所得者層の家庭における教育費というのは非常に負担が重いということになります。高校では、例えばこの高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金などもありますが、また、大学などではこの修学支援新制度が近年設けられたということになっていますが。
文科省によれば、この修学支援新制度の利用によって住民税非課税世帯の大学等の進学率が導入前と比べると一〇ポイントほど上昇していると、その割合が五割に達したとされていますけれども、一方で、この対象人数が、二〇二〇年度には約五十一万人を見込んでいて予算が計上されていましたけれども、実際は二十七万しかいない、また、二一年度には三十二万にとどまったということでありまして、非課税世帯の全ての高校生が大学の進学を考えているわけではないかもしれませんけれども、この修学支援新制度を利用すれば経済的な負担を余りなくて大学に進学できた、できるわけですけれども、その制度を知らないがゆえに進学を諦めてしまっているという状況があるのではないかと心配をするところです。
そういう意味でも、まずはこの制度の周知、広報にもっと積極的に取り組んでいくべきじゃないかと思いますが、文科省にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/79
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080・里見朋香
○政府参考人(里見朋香君) お答えいたします。
給付型奨学金と授業料等減免を行います高等教育の修学支援新制度の導入によりまして、先ほど委員から御紹介ございましたように、住民税非課税世帯の進学率は、制度導入前の平成三十年度が約四〇%であったものが、制度開始初年度である令和二年度には推計ですが約五一%、令和三年度には約五四%と、年々着実に増加をしてきております。その中におきましても、いまだ受給対象であるにもかかわらず制度を利用されていない学生がいるという状況がございます。
この点に関しまして、日本学生支援機構のアンケート調査によりますと、学生が新制度に申し込まない主な理由といたしまして、手続が面倒や制度を理解できていない等の回答を得ておりまして、いまだ周知に課題があるという認識でございます。そのため、文部科学省といたしましては、支援を必要とする学生等に情報が行き渡るように、政府広報のほか、SNSなど若い世代の利用頻度が高い媒体を活用した広報に努めております。
また、御指摘の、特に進学率の低い地域も含めた生活保護世帯への周知も大変重要であると考えておりまして、厚生労働省の福祉部局と連携をいたしまして、各種会議での説明、通知によりまして、新制度の利用に向けた周知に取り組んでいるところでございます。
引き続き、こうした取組を通じまして、誰もが学びを諦めることがないよう、文科省として全力を尽くしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/80
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081・柴田巧
○柴田巧君 次の質問の答えも言っていただいたのであえて聞きませんが、今おっしゃったように、質問しようと思っていましたこの進学、生活保護世帯の高校生の大学への進学というのは地域格差があるんですね。これは、周りに大学がない、あるいは学修支援をしてくれるNPOが地方にないということとも相まっているようですけれども、今おっしゃったように、そういう生活保護世帯のその地域格差、進学率の地域格差もしっかりと是正できるように周知に努めていただきたいと思います。
じゃ、次の質問に移りますが、この新制度の問題は、入学金、授業料納入時期の猶予がすべきところがあると思います。
御存じのように、この住民非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生等に対して、大学の授業料、入学金の減免、この給付型奨学金の支給を実施するということになっていますが、大学に入学する前の年の四月に、この日本学生支援機構、JASSOから申込みを行って、秋頃にはJASSOから高校などに通じて予約採用の採用候補者決定通知があります。で、入学時にその決定通知を進学先の大学等に提示をして、JASSOへの進学届をするということになるわけですが、併せてその授業料等の減免の申請も大学に行うということになります。ただし、この給付型奨学金は四月又は五月から毎月振り込まれてくるということになりますので、結局は時間差が生じるということになります。
学生ローンなども、国のローンなどもありますけれども、それは結局また返さなければいけないお金ということになりますから、いわゆる低所得の皆さんにとっては、大変厳しいがゆえにこの新制度を利用しているわけですけれども、残念ながら、こうしたローンも借りないとなかなか払えないという現実があります。
そこで、こうしたローンなどを借りなくて済むように、この予約採用の採用候補者決定通知がなされた対象者には授業料や入学金の納付時期の猶予などを、文科省として今までも取り組んでいるとは承知をしていますが、きちっと大学等に認めてもらえるように強く働きかけるべきではないかと思いますが、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/81
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082・里見朋香
○政府参考人(里見朋香君) お答えいたします。
文部科学省では、今年、まあ毎年行っておりますけれども、今年も三月に、大学等に対しまして、入学料等初年度納付金や授業料等の納付が困難な学生に対して、各大学等において納付時期の猶予や減免など弾力的な取扱いや配慮をしていただくように要請する通知を行いました。その通知の中で、特に高等教育の修学支援新制度の予約採用者で期日までに入学料の納付が困難な者については、可能な限り入学料の納付期限の猶予などの配慮をするようにお願いをしているところでございます。
現在、全ての国立大学では入学料の納付猶予を実施しているという状況ではございますけれども、文部科学省といたしましては、引き続き、大学等に対して、納付時期の猶予など弾力的な取扱いや配慮を求めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/82
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083・柴田巧
○柴田巧君 是非お願いをしたいと思います。
もう時間がなくなってきましたので、大臣、済みません、通告していないんですけど。
今もこの修学支援制度などを取り上げましたが、良かれと思っていろんな仕組みはできてきます、子供たちのために。手厚い、だんだんそういう仕組みになっているのは事実なんですが、私たちは、幼稚園、保育所の段階から大学までのこの全ての過程の無償化をやれということの立場に立ちますが、それはまあ現実ありませんから、取りあえずはこういう施策をしっかりやっていくべきだと思っています。
実際、制度はつくったものの使い勝手が良くない、あるいは制度の仕組みが通知、しっかり周知されていないといったことなどが幾つもあると思います。したがって、こども家庭庁においては、これまでの子供施策の取組、本当に効果がたらしめているのか、あるいはもうこれは直すべきではないのか、一回総ざらいをする必要性があるのではないかと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃるか。済みません、大臣に質問するのはこれで最後になると思うので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/83
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084・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 非常に様々なお話をしていただき、ありがとうございました。
やはりこどもまんなかということで、子供のための施策が、それがどうだったかというのを子供から直接聞く機会がなかったのが今日に至っていると思います。
今後、こども家庭庁の下で様々な子供を支えるための施策、サーチライトのように見ながら、そして総合調整、ジョイントするものはジョイントさせたり、そういう精査をする中で、やっぱり子供、使っている子供がどう思っているかというのをしっかり受け止められる役所として諸先生方のお力を借りて誕生させていきたいと、そして実効性ある、将来の日本を担う人たちのために役立つ行政組織として誕生させていただきたいと願っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/84
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085・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/85
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086・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
五月二十四日の礒崎議員の質疑で、子供の意見表明に関わって、基本法第三条三号と四号についての議論、これは条文の解釈として重要な点ですので、改めて確認したいと思います。
それぞれの意味するところ、その違いについて、提案者からの説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/86
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087・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) 田村委員の御質問にお答えをいたします。
こども基本法第三条三号は、児童の権利に関する条約第十二条第一項におきまして、その児童に影響を及ぼす全ての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保すると、こうありますのを受けて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会、この確保について定めたものでございます。
これに対しまして、法案の第三条第四号でありますが、自己に直接関係する事項以外の事項でありましても、子供の意見はその年齢及び発達の程度に応じて尊重され、その最善の利益が優先して考慮されるということを定めたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/87
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088・田村智子
○田村智子君 三号は、子供が自分に直接関わることは意見の表明の機会を確保する必要があると。四号は、自分に直接関わることにとどまらず、子供の意見は尊重され、子供の最善の利益が優先して考慮されるということになります。意見が尊重されるということですから、何らかの意見の表明がなければ尊重はできませんよね。
それでは、国や地方公共団体が実施する子供施策について子供は意見表明をすることができるというふうに解釈いたしますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/88
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089・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) まさに、その三号の基本理念、子供施策の基本理念として、この意見を表明する機会を確保するということを規定しているわけでありますので、この基本理念にのっとって子供施策というのは行われるというのがこの法案の意味するところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/89
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090・田村智子
○田村智子君 では次、通告の三問目と五問目を併せてお聞きいたします。
意見表明に対しては、子供の成長や発達段階を考慮に入れた応答が必要となります。まずは意見を受け止める。発達段階によっては、泣きわめくというように行動で意見を示すこともあるでしょう。これをわがままとは決め付けずに、まずは受け止めると。そして、意見あるいは行動の理由を踏まえる。全てを受け入れることができない場合には、その発達段階にふさわしく、子供が理解できるような応答が必要になると。
基本法が求めているのはそのようなことではないかというふうに理解いたしますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/90
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091・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) まず、子供さんというのは、年齢あるいはその発達段階、例えば自閉症の子供で言葉の発達が遅いような場合であっても、様々な手段を通じてその意思の表明というのはしているわけであります。そして、この基本法案の基本理念、四号では、文字どおり、全ての子供と、こう規定をしているわけであります。条約ですとかあるいは児童福祉法、これと同一の趣旨を規定するということを意図いたしまして、年齢、発達の程度に応じて子供の意思表示を尊重すると、そしてその最善の利益を優先して考慮をする、このことを子供施策の基本理念として規定しているものでございます。
そしてまた、その意見が表明があったときにどう対応するかということでありますけれども、御指摘のように応答するということも一つの形であろうと思いますけれども、これは意見の尊重がどういう形で行われるのか、あるいはその内容がどうなのか、性質、場所がどうなのかというところに応じてそれは様々なんだろうと思います。それぞれに応じた適切な形で尊重していくということが求められるんだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/91
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092・田村智子
○田村智子君 参考人質疑で、名古屋大学名誉教授中嶋哲彦参考人から、子供の意見表明権を認めるということであれば、自治体や学校がつくった場面で意見を言うことでは済まないはずだという指摘がありました。期待されていない場所で歓迎されない意見を言う権利、大人が子供からそんなことを言われたくないということを子供が言えるようにしなければ、子供の本当の幸福は出てこないという指摘で、これはとても大切な指摘だったというふうに思います。
子供に意見を言うことをためらわせるような権威主義であるとか管理主義、予定調和の押し付け、意見を言っても仕方がないという雰囲気、これらを除去すること、そして、どんな意見も言えるし、まずは受け止めてもらえるという子供の安心を醸成することなくして、意見の尊重とはならないと考えます。子供の意見は取りあえず聞けばいいんだとか、その意見に蓋をするとか、こういう状況をなくしていくということが三条四項が求める意見の尊重の趣旨というふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/92
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093・勝目康
○衆議院議員(勝目康君) 今ほど申しましたとおり、意見の尊重の在り方、これ自体は様々なんだろうと思うんですが、この三条四号の条文全体を読んでいただきますと、まさにその意見の尊重とともに最善の利益が優先して考慮されると、こういうところまで規定をされているわけでございます。
そしてまた、更に申せば、この意見の尊重を基本理念として掲げているだけではなくて、この基本施策として、十一条におきまして、国、地方公共団体の子供施策の立案、実施、評価における子供の意見の反映のために必要な措置を講ずると、こういう規定もあるわけでございます。こうした措置により、子供の意見を聞くだけで終わらないようにという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/93
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094・田村智子
○田村智子君 この基本法第四条、国の責務、第五条、地方公共団体の責務では、意見表明権を踏まえるよう求められるのは子供施策に限定する条文となっています。しかし一方で、子供施策を定義する第二条は、子供への直接の施策に限定しているとは言い難いですね、子育てということが入ってくると、そして子育ての環境に関わることも対象になるというふうに読めます。そうすると、例えば道路の安全であるとか、公園の整備であるとか、都市計画というのも子供の生活環境に関わってまいります。
例えばなんですけれども、我が党の東京都議団が痴漢被害についてのアンケートを実施しましたが、高校生から通学電車での深刻な被害実態が寄せられています。一方で、この東京都、今、国家戦略特区によって更なる超高層ビル建設が次々と行われる予定なんですね。これは、体が密着するような電車の混雑を一層深刻にするのではないかと私は危惧をしております。
それから、司法や立法、これは子供施策を実施するわけではなくて、基本理念に沿った行動を条文上は規定されていません。しかし、こどもまんなか社会を目指す、それが基本法だというのであれば、子供に影響を与える全ての行政、司法、立法について、子どもの権利条約の四原則を掲げる基本法の基本理念、これを踏まえた対応が必要になってくると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/94
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095・塩崎彰久
○衆議院議員(塩崎彰久君) ただいま委員から御質問がありました点でございますが、こども基本法におきまして、子供施策、これは子供に関する施策及びこれと一体的に講ずべき施策という形で非常に広く定義をされております。そういった意味で申し上げますと、今委員もお話しになりましたように、この施策の基本理念というのは、これは行政ということに限られるというよりは、立法、そしてまた司法の分野に関する施策、こういったものにも当てはまってくるものというふうに考えております。
また、子供施策に厳密に含まれないものが出てくるのではないかという御懸念もお話しいただきましたけれども、今申し上げましたように、非常に広範な定義をしております観点から申し上げれば、やはり子供に関する施策、子供に影響する施策、こういったものであれば、やはりその本法案の趣旨、精神、こういったものを踏まえて立案されていくことを期待するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/95
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096・田村智子
○田村智子君 これらの答弁を踏まえて、大臣にお聞きいたします。
こども家庭庁の設置によって新たに置かれる特命大臣は総合調整行うこととされています。そうすると、道路行政、私が今言った国家戦略特区によって満員電車は一層ひどくなって高校生の痴漢被害が起きるんじゃないかということも危惧されるわけですね。
定義上、子供施策ではないこういう行政についても、子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現のためには総合調整を行うことができるし、子供の意見が尊重され、最善の利益を考慮した行政運営が行われるべきだというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/96
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097・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
こども家庭庁設置法案、ここで第三条において、こども家庭庁の任務として、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすることなどを規定し、その任務を達成するため、第四条第二項において、子供が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向けた基本的な政策に関する事項などの企画立案、総合調整を行うことと規定しています。こども家庭庁は、これらの規定に基づき、政府部内の総合調整の観点から、必要に応じ、関係省庁の様々な政策に関与することができます。
今の痴漢の話も、決して大人だけの話ではなくて、通学電車の中での小学生の被害も当然あるわけですし、道路行政においても、通学路で交通事故も、幼い大切な命が犠牲になってまいりました。ということを考えれば、道路行政も、子供が利用する公共の場所でありますから、そういった意味で、常に子供の視点に立ち、子供の最善の利益を第一に考え、こどもまんなか社会の実現に向けて強い司令塔機能を発揮してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/97
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098・田村智子
○田村智子君 それでは、文部科学省がどうなるかです。
文部科学省は、四月二十七日、衆議院内閣委員会で、児童の権利に関する条約の第十二条第一項に関しましては、校則の制定、カリキュラムの編成などにつきましては児童個人に関する事項とは言えないので、十二条一項で言う意見を表明する権利の対象となる事項ではないというふうに解していると答弁をしました。
文科省の答弁は、子どもの権利条約を余りに狭く、曲解とも言えるような解釈であって、私は到底受け入れられないんですけれども、ここでは条約の解釈を論ずるのは脇に置きます。あくまで今私がやり取りをいたしましたこども基本法案に即してお聞きをいたします。
校則や教育カリキュラムは子供を直接対象としたものです。自己に直接関わる事項ということは明らかです。こうした子供を対象とした施策から更に範囲を広げて子供の意見を尊重するというのが基本法の趣旨だというのは、今答弁聞いてお分かりだと思います。
これまでの質疑では、このこども基本法が対象とする子供政策には教育が含まれているということも明言をされています。ということは、文部科学省、都道府県・市町村教育委員会、学校においても基本法の理念を踏まえることが求められるのは明らかです。
文科省に確認いたします。
こども基本法にのっとれば、校則や教育カリキュラムは子供の意見表明の機会が確保される対象であり、表明された意見が尊重され、最善の利益が優先されることになると考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/98
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099・鰐淵洋子
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
校則やカリキュラムの性質について御質問いただいております。
まず、これまでも御答弁させていただいておりますが、校則につきましては、最終的には学校運営に責任を有する校長が定めるものでございます。しかし、その制定や見直しの過程で児童生徒自身が関与することは、自ら校則を守ろうとする意識の醸成につながり、身近な課題を自分で解決する経験となるなど、教育的な意義があると考えております。このため、これまで文部科学省では、校則の見直しに関与する教育的意義や見直しに取り組む先導的な事例につきまして周知徹底を努めてまいりました。
また、学校における教育課程につきましては、国が学校教育法体系の下で定める学習指導要領に基づきまして、校長の責任におきまして編成されるものでございます。その上で、各学校における教育課程の編成、実施に当たっては、児童生徒の発達の段階や特性に応じ、例えば児童生徒が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けたり、また、高等学校等におきまして生徒の選択を生かした教育課程編成の工夫を行ったりすることなどによりまして、児童生徒の意見を考慮していくことも考えられております。
文部科学省としましては、今後とも、各学校におきまして、教育的な観点から、子供たちの意見も適切に受け止めながら学校運営が行われるように取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/99
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100・田村智子
○田村智子君 まあ半歩ぐらい前進かなと思うんですけれども、今のは、教育的意義は語られました。教育的観点と言われました。それから、子供が関与することには意義があると言われました。しかし、それは意見を表明する機会を確保するということとは異なります。
この間、ツーブロック禁止などの校則をめぐって校則見直しを求める社会的な運動が起きて、我が党も子供の人権に関わる問題として国会や地方議会で取り上げてきて、校則の見直しが現実に進んでいます。
文科省も、昨年六月八日、事務連絡を出しています。しかし、その中身は、校則内容の見直しは最終的には教育に責任を負う校長の権限ですが、見直しについて、児童生徒が話し合う機会を設けたり、PTAにアンケートをしたりするなど、児童生徒や保護者が何らかの形で参加する例もあると言うにとどまっているんですね。
こども基本法にのっとれば、学校教育に関わって子供が自由に意見を言える仕組みが求められてくるのではないかというふうに考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/100
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101・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
校則は、学校教育法体系に基づきまして、学校教育法の下で学校運営に責任を有しております校長が最終的にこれを策定するということは変わりはないと思いますけれども、他方で、その校則の中身というものは、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲でなければならないということでございますし、また、社会の常識、時代の変化などを踏まえて絶えず積極的に見直す必要があるというふうに思います。
したがいまして、各学校におきましては、その見直しを積極的に行うとともに、その際、校則の意義などについて子供たち自身でもしっかり考えてもらう、あるいは保護者なども巻き込みながら考えていくということが大切だというふうに考えております。
先ほどお話ございました昨年六月の事例などでも、子供たちが生徒会活動などを通じて積極的にそういった取組を行っているというふうな事例も紹介をしているところでございまして、引き続きこうした事例の提供などを通じまして校則の運営が行われるように取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/101
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102・田村智子
○田村智子君 事例というか、意見を表明する権利をどうするかということが問われているんですよ。子供に直接関わることですから。
それで、実は、その校則の問題等、あるいは問題行動を起こした子供に対するその指導等について、文部科学省は生徒指導提要というものを示しています。これは、生徒指導に関する学校教職員向けの基本書として文科省が示しているもので、平成二十二年に策定をされたものが今使われていて、改訂が協力者会議で議論されているんですね。
私も改訂案をホームページに示されていたので読んでみたんですけれども、その中で児童の権利条約の四原則がまとめて書かれているということは評価をしたいというふうに思うんですけど、しかし、具体の指導の中でいかに意見表明の機会をつくっていくのか、その意見を尊重するとはどういうことか、最善の利益とはどういうことかと、こういう考察は見受けられないんですよ。もっと言いますと、児童生徒に対する懲戒処分についてさえ、対象となる子供の意見表明については何ら記述はなく、保護者からの意見については記述があると。これは、こども基本法が制定されたら、私は変えていかなきゃいけないというふうに考えるんですよね。
文科省の立場、変えていかれるべきだというふうに思いますけど、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/102
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103・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) 御指摘の生徒指導提要につきましては、現在、専門家会議におきましてその試案が検討されている状況でございます。これ、最終的な結論を得ますれば、それを踏まえまして、各学校あるいは教育委員会等に周知を図ってまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/103
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104・田村智子
○田村智子君 だから、その協議が、こども基本法が作られるということを踏まえたものでなければ私はおかしいと思いますよ。これ、すぐ施行されるんだから、成立したら。それを踏まえて、子供の意見の表明というのをどうやって生徒指導、学校の中で保障していくのか、その機会をつくっていくのかと、これを踏まえたものとして私は作られていくべきではないかなというふうにも思いますね。それにはやはり、そういう議論に参加している方々がやっぱりこの法案審議の中身をどう理解されるのか、もっと言うと、子どもの権利条約をどう理解して議論を深めていくのか。文部科学省もそうです、学校も教育委員会もそうだと思います。そういうことが求められてくるというように思うんですね。
そうすると、教職員が子供の意見を受け止め、発達段階を踏まえて応答する力量、それからその時間、これ求められてくるでしょう。子供たちは、権利の行使とはどういうことかというのを学校の中で実践的に学び、大人は、子供の意見の尊重、最善の利益の優先とはどういうことかをやはり実践的に理解することが求められていくと思います。
提案者にお聞きします。
基本法十五条、国は、こども基本法と子どもの権利条約の趣旨、内容を周知し、その理解を得るように努めるというふうにしています。それは、知識として広めるにとどまらず、意見を言ってもいいんだよ、その意見は尊重されるんだよということが学校教育でも子供に周知する、それはもちろんのこと、実践的にも子供も大人も理解し、その実践力を付けていくということではないかと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/104
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105・木原稔
○衆議院議員(木原稔君) 田村委員からは、今、このこども基本法の精神とか理念とか、あるいは子供政策の内容、どうやって周知させ、また広報していくかと、そんな御質問をいただいたところですが、おっしゃるように、本基本法十五条においては、「国は、この法律及び児童の権利に関する条約の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるものとする。」と定めておりまして、その趣旨は、このこども基本法と児童の権利に関する条約の内容や考え方を子供を始め広く国民に周知させることにあるわけであります。
広報活動等の具体的な方法あるいは対応などはこれから様々な運用に委ねられるというふうには思いますが、子供に対する周知の場として学校が含まれ得るということについては、私ども提案者としてもそれ想定をしているところであります。また、この点については、先ほど委員おっしゃったように、生徒指導提要改訂が議論されているところですが、これは衆議院の審議においても議論されて、政府からも答弁があったところですが、教職員が児童の権利に関する条約の理解を深めるために、その改訂試案に同条約の四つの原則が盛り込まれたこと、これは評価をしていただいているということでありますが、また、校則の制定、見直しに児童生徒の意見を尊重する取組について、これを肯定的に捉えているといったことが示されたというふうに衆議院では議論をされたと承知しております。
私ども提案者としても、このような取組などを含めて、政府においても、子供にも、また教職員などの大人にも、本法案とこの児童の権利条約の趣旨及び内容について理解を深めていただくための取組が進められることを期待をして、この法案を提出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/105
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106・田村智子
○田村智子君 私、やっぱりこれ、縦割りの問題とかというのは、それは不合理なところは合理的に事務が行われるように解決していけばいいというふうに思うんですけれども、やっぱり子供ど真ん中で基本法作ってということであるならば、この子供の権利ということについて、子供も大人も実践的にいかに理解を深めていくのか、そして教育行政も、そのものはこども家庭庁の中に入らなかったとしても、やっぱりこのこども基本法という基本理念にのっとってどうしていくのかということが、やはり文科省の中でこそよく議論されて見直しがされていかなければならないということは求めておきたいと思います。今後、また議論していきたいと思います。
最後に、学校における部活動についてもお聞きしたいと思います。
ヒューマン・ライツ・ウオッチが、日本の運動部活動について調査を行い、二〇二〇年、報告書を出しました。五十人以上へのインタビュー、オンラインアンケート、スポーツ団体へのデータ提供依頼、通報相談窓口への問合せなどに基づいた調査です。
この報告書の中では、日本の子供がスポーツの場でいまだに暴力、暴言等の被害を受けていることが明らかになった、また、この問題に対する対処と予防の遅れの原因となっている制度上の不十分な点も明らかになったというふうにしています。
例えば、ちょっと報告書、長い引用なんですけれども、スポーツ庁からも、日本スポーツ協会及び日本オリンピック委員会等の統括組織からも、明確かつ包括的な子供の保護に関するプロトコル、基準及び手続が示されない中で、各スポーツ団体は、スポーツをする子供への暴力の防止、通報、調査、処分を行う体制づくりを任されている。このような分断され不明確な権限構造により、スポーツをする子供の保護の制度は一貫性に欠ける不十分なものとなっているという指摘があるんですね。
ヒューマン・ライツ・ウオッチがいろいろ調査をすると、窓口を設置しているところもあれば設置していないところもあると。実際に暴力、暴言が認定された場合の処分の基準についても、全競技間での統一もなされていないと。加害者である指導者の多くが、子供が自死に至ったとしても、今なお指導を続けているということも指摘をされているんですよ。
文科省は、この報告書の指摘や改善提案をどのように受け止めておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/106
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107・星野芳隆
○政府参考人(星野芳隆君) まず、文部科学省といたしましても、スポーツにおける暴力は許されるものではなく、断固として根絶していく必要があると考えております。
このため、文部科学省では、運動部活動での指導のガイドライン、スポーツ団体ガバナンスコードなどに基づいた様々な取組を進めております。
ヒューマン・ライツ・ウオッチの報告書の発表以降も、各スポーツ団体等の暴力、ハラスメントに関する相談窓口を一覧化し、スポーツ庁のホームページで周知するとともに、本年三月に策定いたしました第三期スポーツ基本計画において、スポーツを実施する者の安全、安心の確保を今後五年間に総合的かつ計画的に取り組む施策の柱の一つに位置付けております。
一方で、いまだスポーツ指導の場面における体罰が発生していることも事実であり、根絶に向けては腰を据えた継続的な取組が必要と考えております。関係団体と連携し、引き続き、スポーツ界一丸となってスポーツにおける暴力根絶に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/107
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108・田村智子
○田村智子君 この報告書では、暴力、暴言事件の全件調査を求めています。また、事件を起こした指導者の相応の処分なども求めています。
性犯罪の加害者を再び教員にしないために、日本版DBSの整備が具体的な検討課題となっています。その前段階として、性犯罪に関わって処分を受けて免許取消しとなった場合の再取得について規制を強化する改正も行われました。
一方で、部活動については、指導者の暴力、性犯罪の責任が問われていないという実態があります。暴力行為を行った指導者への相応の処分、部活動からは排除されるような仕組み、これは必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/108
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109・星野芳隆
○政府参考人(星野芳隆君) 部活動におきましても、指導の一環などと称して指導者が体罰等の暴力行為を行うことは決して許されることではございません。
このため、文部科学省といたしましては、平成二十五年に、先ほど申し上げました運動部活動での指導のガイドラインを策定し、体罰等の許されない指導の具体例を明示いたしました。
また、平成三十年に策定いたしました運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの中でも、改めて体罰、ハラスメントの根絶の徹底について明示するとともに、毎年度、教育委員会等に対する通知や教育委員会の担当者が集まる会議において、体罰だけではなくあらゆる暴力行為の根絶に向けた取組を要請し、その徹底を求めております。さらに、平成二十五年の文部科学省の通知では、体罰を行ったと判断された教員等については、体罰が学校教育法に違反するものであることから、厳正な対応を行うことを求めております。
例えば、令和二年度におきましては、体罰のうち、中学、高校等の部活動関係で懲戒処分等となった件数は九十三件となっております。ただし、処分等を受けた者が引き続き部活動に従事するか否かにつきましては、各学校の設置者等において適切に判断すべきものと考えております。
なお、高体連、中体連におきましては、体罰により懲戒処分を受けた指導者は、一定期間、主催大会への参加を禁ずるなどの規定を設けていると承知しております。
引き続き、文部科学省といたしまして、部活動における体罰等の暴力行為を根絶するための取組を徹底してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/109
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110・田村智子
○田村智子君 この部活動の指導者の場合、民間の方を迎えている場合もあるんですよね。そうすると、なかなか処分というふうにならなかったり、あるいは勝利至上主義から指導者の言動に意見ができない、問題があっても蓋をする、こういう事例は社会問題にもなって、もう氷山の一角だと思いますね。多々あるんだろうというふうに思います。
今、教員の負担が余りに重くて、民間の指導者あるいは部活動の地域活動への移行という議論がされています。これは必要なことだと思うんですけど、同時に、その中でやっぱり指導死と言われるようなことまで起きているんですよ、現に。こういう子供の健康、命に関わる、あるいは人権侵害について、部活動やスポーツにおいても相談窓口の整備など、暴力行為、子供に対する暴力行為、こういうものが根絶されるよう、子供の権利擁護のための取組が必要になってくると思いますが、最後、大臣に一言いただいてと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/110
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111・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
今回、こども家庭庁は、子供政策を我が国社会の真ん中に据えたこどもまんなか社会、この実現に向けて、子供政策の司令塔機能を一本化して、各省庁より一段高い立場から子供政策について一元的に総合調整を行うとともに、子供の権利利益の擁護等に関する事務を自らの事務として実施することとしています。
子供に対する暴力は絶対あってはならないことであり、委員御指摘の部活動などスポーツ活動における取組については、これまで文部科学省から答弁がありましたが、スポーツにおける暴力等に関する相談窓口に関しては、各スポーツ団体や文部科学省等に相談窓口が設けられているものと承知しています。
こども家庭庁においては、子供政策の司令塔として、文部科学省と連携して政府全体の取組を推進していくとともに、特に子供を性暴力から守るため、性犯罪歴等についての証明を求める日本版DBSの導入に向けた検討等に取り組むこととしています。全ての子供が安全、安心、健やかに成長することができる社会の実現、これに向けてしっかり取り組んでいきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/111
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112・田村智子
○田村智子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/112
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113・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後三時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814889X02120220610/113
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