1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年六月二日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
内閣委員会
委員長 徳茂 雅之君
理 事
太田 房江君
上月 良祐君
江崎 孝君
浜田 昌良君
礒崎 哲史君
委 員
赤池 誠章君
有村 治子君
磯崎 仁彦君
北村 経夫君
古賀友一郎君
高野光二郎君
山田 太郎君
塩村あやか君
宮口 治子君
横沢 高徳君
高瀬 弘美君
柴田 巧君
高木かおり君
市田 忠義君
田村 智子君
厚生労働委員会
委員長 山田 宏君
理 事
石田 昌宏君
小川 克巳君
川田 龍平君
山本 香苗君
田村 まみ君
委 員
衛藤 晟一君
島村 大君
そのだ修光君
羽生田 俊君
比嘉奈津美君
藤井 基之君
古川 俊治君
本田 顕子君
三原じゅん子君
石垣のりこ君
打越さく良君
福島みずほ君
森屋 隆君
秋野 公造君
竹谷とし子君
足立 信也君
石井 苗子君
梅村 聡君
倉林 明子君
衆議院議員
発議者 加藤 勝信君
発議者 木原 稔君
国務大臣
厚生労働大臣 後藤 茂之君
国務大臣 野田 聖子君
副大臣
文部科学副大臣 池田 佳隆君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室長 谷内 繁君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 相川 哲也君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 蝦名 喜之君
内閣官房こども
家庭庁設置法案
等準備室審議官 長田 浩志君
内閣府政策統括
官 笹川 武君
内閣府男女共同
参画局長 林 伴子君
内閣府沖縄振興
局長 水野 敦君
内閣府子ども・
子育て本部統括
官 藤原 朋子君
デジタル庁審議
官 内山 博之君
法務省大臣官房
審議官 堂薗幹一郎君
外務省大臣官房
参事官 股野 元貞君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
厚生労働省子ど
も家庭局長 橋本 泰宏君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 田原 克志君
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本日の会議に付した案件
○こども家庭庁設置法案(内閣提出、衆議院送付
)
○こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整
備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○こども基本法案(衆議院提出)
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〔内閣委員長徳茂雅之君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/0
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001・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) これより内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
こども家庭庁設置法案、こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及びこども基本法案、以上三案を一括して議題といたします。
三案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/1
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002・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 おはようございます。自民党の比嘉奈津美でございます。
本日は、全ての子供が個人として尊厳が守られ、心身共に健やかに育つためにという思いで質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、全国で一番子供の割合が多い私の地元沖縄の話からさせていただきたいと思います。
二〇二〇年の調査では、出生率、全国が一・三四%、沖縄一・八六と、沖縄の出生率は全国一でございます。しかし、子供の貧困ということが非常に課題としてありまして、平成二十八年から、子供の貧困対策支援員の配置や支援が必要な子供を把握するシステムの拡充、若年妊婦への対応を行ってまいりました。そして、国がこれから進めようとしている子供の居場所づくりであったり妊産婦の居場所づくりといったことについても、七年前から前向きに取組を進めたところでございます。
こうした先駆けて沖縄県は取組を行っていますが、現状、政府としては、この関わり、どういうふうに関わっているのか、また、これまでの取組、実績などをどのように評価しているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/2
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003・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答えいたします。
沖縄におきましては、一人当たりの県民所得が全国最下位であり、また母子世帯の出現率などの指標を見ても全国ワーストのものが多いなど、全国と比較して子供の貧困が深刻な状況にございますことから、内閣府として、沖縄子供の貧困緊急対策事業を平成二十八年度から実施しているところでございます。
具体的には、先ほど委員御指摘もありましたけれども、子供を福祉等の支援につなげるための調整等を行う子供の貧困対策支援員の各市町村への配置や、食事の提供や学習支援などを受けながら子供が安心して過ごせる子供の居場所の運営の支援等を行ってきており、平成二十八年度と実施数が確定しております令和二年度と比較すると、子供の貧困対策支援員は百五人から百十八人に、また、子供の居場所は百二十二か所から百五十五か所にそれぞれ増加しているところでございます。
特に子供の居場所における利用者数の延べ人数につきましては、平成二十八年度は約十七万人だったわけですけれども、令和二年度には約三十万人に増加しているというところでございまして、沖縄県及び県内市町村の子供の貧困対策の重要性に対する理解が進み、支援が広がってきたものと認識してございます。
内閣府といたしましては、こうした状況も踏まえるとともに、今国会において成立した沖縄振興特別措置法改正法において創設された子供の貧困対策の推進に係る国等の努力義務規定も踏まえた上で、沖縄県における子供の貧困対策に係る支援の更なる充実に努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/3
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004・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 今内閣府から答弁がありましたように、支援員が支援を必要とする子供に関しての調整を行い、生活指導、学習支援をする子供の居場所を提供しています。そして、学習支援などでは、かつてこの子供の居場所にいた子供が大学生になって、それからまたバイトでこの子供たちに教えに来るというような非常にいいサイクルでこの子供、居場所が活用されているということを私は何度も見てまいりました。
そして、お母様方も、やっぱり若年のお母さん多くて、勉強をしなくてはいけないという子供の姿を見て、自分もそう感じて、手に職を付けるということで一生懸命勉強してライセンスを取られているお母さん方もいました。
沖縄の取組については、現場の熱意に加え、沖縄振興特別措置法などの国の支援もあったからこそ前に進んできたものと考えますが、先ほどもございましたが、沖縄では、これまでに具体的に子供や親が支援を受けた方が七千六百人も子供の居場所に出たり入ったりして、支援員も百二十人近く、それから子供の居場所も百五十五か所ということでございましたが、こうした国と現場、地方自治体の関係については、これから子育て政策を進めていく上に参考になるのではないでしょうか。
この観点から、国が今設置を求めようとしていますこども家庭センターについてお伺いしたいと思います。
このセンターは、地域の子育て家庭を包括的に支援していくために重要な位置付けになると考えていますが、地方分権の視点もあり、あくまでも設置は努力義務となっています。こうした中にあっても、全国で設置が進むように国と地方公共団体が一丸となって取り組んでいくべきだと考えます。
例えば、市町村の担当部門に対して、今回の設置の趣旨の説明であったり人員の確保のための必要な財政支援を行っていくなどが考えられますが、厚生労働省としてはどのように対応をしていくか、お考えをちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/4
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005・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) これまで各市区町村におきまして、児童福祉の観点から子ども家庭総合支援拠点、それから母子保健という観点から子育て世代包括支援センター、こういったものの整備を進めてきたところでございますけれども、児童虐待防止ですとか家庭支援ということの充実のために、児童福祉と母子保健が一体的かつ適切に情報を共有するということが大変重要でございます。このため、今般の児童福祉法改正案におきましては、この拠点とセンター両方の機能を維持した上で見直しを行いまして、一体的に相談支援を行う機関としてこども家庭センターというものを創設することといたしております。
委員から御指摘いただきましたように、このこども家庭センターの設置については努力義務という形にしているわけでございますけれども、児童虐待の未然防止や家庭支援の強化のためには児童福祉と母子保健の一体的な対応が重要だということは、これはどの自治体についても言えることでございますので、今般の児童福祉法改正案が成立した暁には、こども家庭センターの全国的な設置に向けまして、都道府県や市町村向けの説明会の開催などによりまして、その意義や必要な人材の考え方などを丁寧に説明、周知し、設置に向けた市区町村の取組を促してまいりたいというふうに思います。
また、こども家庭センターにおける人材の確保ということが大変重要でございますので、これまで市町村において相談支援や指導などに関わってきたOBも含めた経験者の活用ですとか、あるいは市町村職員向けの研修を充実させていくですとか、あるいは今回の改正案において導入することといたしております子供家庭福祉の認定資格の積極的な取得の促進など、財政支援も含めた必要な支援についてこれからしっかりと検討させていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/5
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006・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 児童福祉と母子保健の一つになった対応ということが今読み取れましたが、国と地方公共団体の連携に力を入れていっていただきたいと思います。
次に、同様に児童福祉法案の中に盛り込まれている地域子育て相談機関についてお伺いしたいと思います。
子育て世代が身近な場所で相談する場所があるということは非常に重要だと思います。子育て中の母親にとって、精神的に疲れたときには、話を聞いてくれる存在があるだけでその負担感は非常に軽減されていくものだと思いますが、今回はその点にも非常に光を当てていただいて、保育所や認定こども園が身近な相談役としてその機能を果たしていくということが盛り込まれております。
この身近な相談役である地域子育て相談機関について、私としては新しい取組として非常に期待しているわけですが、国としてはその整備に向けてどのような形で取り組むか、お考えをちょっと教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/6
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007・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) 今般の児童福祉法改正案の中で創設を目指しております地域子育て相談機関と申しますものは、相談の敷居が低くて物理的にも住民から見て近距離にある相談機関ということでありまして、その整備を進めることによりまして、子育て家庭と社会との接点を増やし、そして子供の状況把握の機会を増やす、こういうことができるものというふうに考えております。
特に、子育て家庭の中には、行政機関であるこども家庭センターには直接相談しにくいというふうに抵抗感を感じる御家庭もあり得るというふうに思いますので、地域子育て相談機関がこども家庭センターを補完し、ある意味その目となり耳となるというふうな役割というものも期待されるところというふうに思っております。
具体的には、相談機関ごとに子育て家庭からの登録を受けた上で、各家庭への相談支援を通じた状況の把握ですとか、あるいは必要に応じたこども家庭センターなどの関係機関への情報共有などを行うこととしております。
地域によって子育て支援の資源というものの状況が様々でございますし、どこに地域子育て相談機関を担ってもらうのか、新たな人員が必要かどうか、そういった事情も様々異なるというふうに思いますので、今後、各地域の状況も踏まえた上で、普及に向けて必要な支援の在り方ということをしっかり検討させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/7
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008・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 今お話のあったように、整備について進めることは非常に重要だと思いますが、その一方で、保育園などをまだ使っていないような子育て世代にとってはこういう相談先があるということが気付きにくいのではないかなと現実的には思います。せっかく国と地方公共団体が協力して整備に努めていくということであれば、相談先があるということをしっかり周知していくことが重要だと思います。
そしてまた、我々歯科医師は子供の口腔内の検診などを行います。そのときに、一番、虐待ですね、これ一度厚労委員会でもお話ししましたが、歯というものは体の中で一番堅いです。だけど、自然治癒能力がないんですよ。ちっちゃな、打ったり切った傷は自然に治るということもありますが、歯というのは崩れていく一方で、我々歯科医師が手を掛けて直してあげないと、ちゃんと、壊れたままが分かるんですね。
だから、我々は虐待というのをあらゆる意味で口腔内から判断はしているわけですが、このような検診でチェックをして、子供たちと保護者といろいろ接する機会を上手に活用していくというのが大切なことだと私は思っております。
例えば、虐待する親というのは、これも前にも厚労委員会でお話ありましたが、自分が虐待されていた経験が多いんですよ。それをもって、また子供にも同じことを、負の連鎖が繰り返されていると。そういうお母様の皆様の心のケアというのがまた非常に重要になってくると思うので、お話をする機会というものをつくっていくということが大事なことだと思っております。そして、家庭を訪問するということも私は重要なことだと思います。
実際に、これから相談機関の効果的な周知方法としてどのようなものを考えているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/8
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009・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) 今御指摘いただきましたように、何よりもまず、子育て家庭に対しまして、身近な相談機関である地域子育て相談機関の存在を認知をしていただくということが大変重要であるというふうに考えております。
今般の改正法案におきましては、市町村が住民に対して地域子育て相談機関の名称や所在地その他必要な情報を提供するということを努力義務とする規定を設けているところでございます。
この規定に基づきまして、例えばでございますが、母子健康手帳の交付時であるとか、あるいは出生届の提出時であるとか、あるいは今御指摘ございましたような乳児家庭の全戸訪問、いわゆるこんにちは赤ちゃん訪問といった機会を活用するですとか、あるいは乳幼児健診の機会を活用するですとか、そういった様々なあらゆる子育て世帯との接点というものを捉まえまして情報提供を行っていただくということを想定しております。
市町村に対して、この規定の趣旨を周知徹底してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/9
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010・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 この法案に関して、大臣お二方の意気込みを一言ずついただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/10
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011・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 沖縄県では先駆けて様々な子供の貧困のために手を尽くしていただいていることに心から感謝申し上げます。
今、国の方で希望出生率というふうに定めているのが一・八でございまして、それをクリアしていただいている。所得が低くても、やはりその支援の手がしっかりと親と子に届けば子供たちは育てられていくんだということを教えていただいております。
引き続き、こういう新しい制度、こどもまんなか社会というのをますます分かりやすくするために精いっぱいの努力を続けてまいります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/11
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012・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 子供というのは、これからの私たちの社会を支えていく、そして本当に伸び伸びと育ってほしい、そういう対象だと思います。
こども家庭庁が設置されるわけでありますけれども、所管の業務、そして総合調整機能も含めて、厚生労働省を始め各省が一丸となってこうした施策、取り組んでいく必要があると、そのように思っております。しっかりと取り組ませていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/12
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013・比嘉奈津美
○比嘉奈津美君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/13
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014・打越さく良
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
こども家庭庁が、こどもまんなか、子供の目線で子供とともに政策を進めていくためには、当事者である子供の意見を尊重することが何としても必要です。
さて、こども基本法案三条には「全てのこども」とあります。とすると、性別、障害のあるなし、国籍などにかかわらずということでよろしいでしょうか。子供たちを誰一人取り残さないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/14
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015・加藤勝信
○衆議院議員(加藤勝信君) 御指摘のとおり、この条文における「全てのこども」、この意味は、子供の年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、文字どおり、「全てのこども」、こういう意味で盛り込ませていただきました。
子供に関して申し上げれば、例えば年齢による壁、あるいは課題ごとによる壁、さらには役所の壁、こういった壁もあります。そうした壁をしっかり乗り越えて、御指摘のように誰一人取り残さない、こういう形で子供政策を総合的に推進していく、そういう思いを盛り込ませていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/15
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016・打越さく良
○打越さく良君 大変力強い御答弁をありがとうございました。
では、早速ですけれども、発議者の方たちにはこれで結構ですので、御退席いただいて結構です。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/16
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017・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 発議者は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/17
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018・打越さく良
○打越さく良君 セーブ・ザ・チルドレンは、効果的で意味のある質の高い子供参加が必要であるとし、子供参加とは、自分自身に関わりのある全ての事柄において意見を表明し、かつ尊重されることが必要であると、一度きりのイベントでは駄目で、また単に聞くだけでは駄目で、十分に考慮して政策に反映する、その結果を子供たちにフィードバックすることが必要だと唱えていらっしゃいます。本当にもっともなことだと思います。表明するだけではなくて尊重されることが大切ということです。
とすると、例えば、御承知のとおり、朝鮮学校を高校授業料の無償化の除外にしないでほしいという声がお子さんたちから上がっていますし、あるいは、家族で難民認定を申請したんだけれども、子供だけが何とか在留特別許可が出ても、親たちは退去強制されるという場合があるんですね。親子分離につながる扱いは子どもの権利条約からしてもどうなのかと、やめてほしいというお声もあります。仮放免中の子供が在留資格もないまま日本で成長して、高校を卒業するんだけれども、就職も難しいと、希望が抱けないという状況だとも伺っています。
そうした政府の政策に困っていると、変えてほしいという子供たちからも意見を聞いていただけるのでしょうか。政府の政策には文句を言わないようなお子さんだけから意見を聞くといったスクリーニングをしないでいただきたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/18
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019・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
政府提出法案では、こども家庭庁の任務といたしまして、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすると規定してございます。
また、昨年末に閣議決定をしました基本方針を受けまして、今後の子供政策の基本理念として、子供の意見が年齢、発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるよう取り組むことを掲げているところでございます。
こども家庭庁におきましては、これまで内閣府で行ってきました十代から二十代の子供や若者からウエブアンケートや対面などでの意見交換を通じて政策についての意見を聞く事業を一層充実をさせます。また、子供や若者にとって身近なSNSを活用した意見聴取など、子供や若者から直接意見を聞く仕組みづくりや場づくりについても取り組みます。
その際、昨年末に閣議決定をしました基本方針に明記をした、誰一人取り残さず、抜け落ちることがない支援という基本理念にのっとりまして、脆弱な立場に置かれたお子さんや外国人の子供などを含めまして、様々な立場の子供から意見を聴取を行い、多様な声を聞くように努めてまいりたいと考えてございます。
今後の具体的な取組につきましては、こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度におきまして、子供の意見の政策への反映に関する調査研究を行うこととしてございますので、その成果も踏まえながら、子供や若者から意見を聞く様々な手法を組み合わせ、また多様な声を聞くよう努めながら子供政策の反映させる仕組みを検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/19
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020・打越さく良
○打越さく良君 高校授業料の無償化から除外しないでほしいと、家族で一緒にいたいとか就労したい、在留資格を持ちたいという切実な子供たちの意見が表明された場合に、それをこども家庭庁が受け止めたときに、例えば文科省とか法務省に勧告していただけるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/20
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021・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。
こども家庭庁においては、子供や若者から意見を聞く様々な手法を組み合わせ、多様な声を聞くよう努めながら子供政策に反映させる仕組みを検討してまいりますが、聴取した様々な子供の意見を実際に政策に反映するかどうかについては、子供の年齢や発達段階、実現可能性などもしっかり考慮しつつ、子供の最善の利益を実現する観点から、こども家庭庁において、こども家庭審議会等における議論なども踏まえ判断することになると考えています。また、ですね、以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/21
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022・打越さく良
○打越さく良君 ちょっと、やはりちょっと曖昧であやふやだったかなと思うんですけれども。
こうした御答弁を踏まえたら、やはり独立した権利擁護・監視機関を設置する必要があるのではないかと思われます。既存の救済機関では、個別の訴えに対する個別の救済にとどまりました。
コミッショナーは、独立した子供の権利の擁護・監視機関であって、子供の権利を擁護するための調査や勧告も可能です。だからこそ、日本弁護士連合会のほか、連合あるいは日本子ども虐待防止学会、日本財団提言書、様々なNGOなどもコミッショナーの設置を求めています。それで、もう独立した機関であることが肝要だと、いずれもが指摘しています。
子どもの権利委員会の第四回、第五回総括所見でも、そうした児童による申立てを児童に配慮した方法で受理等することが可能な子供の権利を監視するための具体的メカニズムを迅速に設置することとあります。厚生労働省の子どもの権利擁護に関するワーキングチームの提言でもオンブズパーソンのことも言及していました。
こうした指摘、提言を踏まえて先に進めるということは考えていただけないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/22
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023・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
今先生から御指摘をいただいた様々な提言等につきましては、政府としても内容は承知をしているところでございます。
このいわゆるコミッショナーを含めましたこども基本法案につきましては、与野党におきまして検討の動きもございましたことから、政府としては、その動きを注視しつつ、子供の権利利益の擁護を任務とするこども家庭庁を創設することとしたところでございます。
これまでの質疑の中でも様々な観点で御審議をいただいているところでございますので、政府としましては、こども家庭庁において、この国会での御議論もしっかり受け止めながら、子供の視点に立って、こども家庭審議会などでしっかりと子供や子育て当事者などの意見を聞くことによりまして、しっかりと子供の権利利益の擁護を図り、その最善の利益を実現できるような施策の充実に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/23
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024・打越さく良
○打越さく良君 子供の人権機関、オンブズパーソン的な子供の人権機関が世界でどれぐらい設置されているか、状況を把握していらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/24
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025・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) 政府として何か正式に調査をしたものはございませんけれども、こども政策の推進に係る有識者会議の下で行いました関係者ヒアリングの中で、諸外国におけるコミッショナーの状況についてもお伺いをしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/25
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026・打越さく良
○打越さく良君 何か国かは御存じないんですか。その中にないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/26
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027・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) 失礼いたします。
日本ユニセフ協会から御提供いただいた資料に基づきますと、世界の七十か国以上ということで資料を頂戴してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/27
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028・打越さく良
○打越さく良君 ヨーロッパでは四十七か国中三十四か国ということだったと思います。
こども基本法案の附則では五年以内に必要な措置を検討ということがあるんですが、いささか曖昧ではないかということで、こうした子供の権利救済のための根拠法になっていないのではないかと思われます。
報道では、自民党内で、子供は家庭で育てる、第三者が家庭教育に過度に関与するという反対意見があってコミッショナーは断念されたということですが、そうした党内のブラックボックスでの議論に遠慮なさるよりも、子供たちの声、支援の現場の声や国際スタンダードにのっとってコミッショナーを設けるという決断をしていただきたいんですが、野田大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/28
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029・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 様々なコミッショナーに対しては各党の御意見があったと承知していますが、政府としては、その国会での審議をしっかりと受け止めて、繰り返しになりますけれども、子供の権利利益の擁護をしっかり図り、その最善の利益を実現できるよう取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/29
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030・打越さく良
○打越さく良君 なかなか、もう一歩、もう二歩という御答弁いただきたかったんですけれども、では先に、めげずに進めますけれども。
障害のあるお子さんたちの発達の機会の保障が経済的理由によって制約されることがございます。困難な状況にある子供の支援をつかさどるこども家庭庁は、そのような状態を解消するために是非努力していただきたいと。
幼稚園や保育所とは別に、児童発達支援事業所などに通って専門的な療育を受ける、そのためにはお子さんたちの送迎で親が付き添う必要がある。ただ、経済的理由によって就労を優先せざるを得ない場合は療育を断念せざるを得ないということもあるそうです。
親の就労も子供の療育も、どちらも保障する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/30
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031・田原克志
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
今、親の就労と子供の療育のことについてお尋ねがございましたけれども、子供の障害の有無にかかわらず親の就労を支える社会としていく観点からは、親の就労によりまして発達支援の支援時間が長くならざるを得ないというような場合でありましても、障害児が適切に発達支援を受けられるようにすることは重要な課題だというふうに考えております。
このため、障害児に対する発達支援を提供する福祉サービスとして児童発達支援や放課後等デイサービスがございますけれども、親の就労に対応するために支援時間が長くなる場合も適切に評価されるように、次期報酬改定に向けて検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/31
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032・打越さく良
○打越さく良君 是非よろしくお願いします。もう現状はなかなか、親、特に母親が就労か療育かを、その選択に迫られる状況にあると聞いています。母親の就労を保障することは子供の貧困の防止にもつながります。
障害のあるお子さんのお母さんたちは、学童保育にも通わせたいと。しかし、学童保育において障害のある子供を受け入れる準備は十分に整備されているとは言えないのではないでしょうか。
障害児及び医療的ケア児を育てる会が今年四月に公表したアンケート結果によれば、障害児ゆえに学童の預かり時間が短いという回答もあるようです。受入先の少なさや受入れ時間制限などにも直面しているようです。このような状況を把握しておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/32
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033・橋本泰宏
○政府参考人(橋本泰宏君) 放課後児童クラブにおきます障害のある子供の受入れにつきましては、年々着実に増加してきておりまして、令和三年の五月時点では、約六割のクラブにおきまして約五万人の子供たちの受入れがなされているところでございます。一方で、障害のある子供の受入れを行っていないクラブがあるということや、あるいは開所時間についての要望があるということも承知いたしております。
厚生労働省といたしましては、これまでも、開所時間が短いという問題に対応するために、例えば、長時間開所した場合は運営費の加算を行うというふうなことを行ったり、あるいは長時間開所する放課後児童クラブについては職員の処遇改善を行ったり、そういったことを行ってきたところでございます。また、放課後児童クラブにおける障害のある子供の受入れを推進するために、受入れに必要となる専門的知識等を有する放課後児童支援員等を配置するために必要な経費の補助を行う、これを拡充するといったことを行ってきたところでございます。
今後とも、障害のある子供のいる家庭のニーズに対応できるよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/33
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034・打越さく良
○打越さく良君 今おっしゃっていただいたとおり、厚生労働省としても何とかサポートをと政策を打ち出してくださっているんですけれども、現場のお母さんたちからはなかなか難しいと、困難にいまだに直面していらっしゃるそうです。
そして、訓練を強調して就労保障という役割を放課後等デイサービスに認めようとしていない事業所もあるというんですが、把握していらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/34
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035・田原克志
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
放課後等デイサービスにおきます時間の延長や送迎のことのお尋ねかと思いますが、あるいは支給日数や……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/35
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036・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 挙手して発言してください。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/36
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037・田原克志
○政府参考人(田原克志君) 訓練につきまして、放課後等デイサービスにおきましては、様々な発達支援を行っておりますけれども、時間につきましては、三時間以内の支援を行ったり、あるいは三時間以上、あるいは五時間以上といったような支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/37
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038・打越さく良
○打越さく良君 済みません、ちょっと分かりにくかったかもしれないんですけど、訓練を強調して就労保障という役割を放課後等デイサービスに認めていない事業所もあるということは把握しておられるかどうかです。把握しておられなければそれで結構ですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/38
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039・田原克志
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
この放課後等デイサービスにおきまして、就労との関係でそのサービスが行われないのではないかというようなお話がございますけれども、それにつきましては、ある程度の時間を支援できるようにしておりますし、そのサービスの実態に対しまして就労する家庭のニーズに合っていないというような声があるということは承知しておりまして、親の就労に対応するため支援時間が長くなる場合も適切に評価されるように、次期報酬改定に向けて検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/39
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040・打越さく良
○打越さく良君 厚生労働省としてはそういうお考えで進めてくださっているんですけれども、なかなか現場にまで届いていなくて、現場では、就労のためじゃないんだ、お母さんたちが就労するためじゃないんだからというような実態があるようですので、是非把握していただきたいと思います。
それで、ですから、障害のあるお子さんのケアは基本的に親がするものだ、特に母親がするものだということで、ケアを家族に依存すると、し過ぎると、親の困難だけではなくて子供が抱えている困難も解消できないんじゃないかと、その成長、発達を保障することにならないんではないかと思いますが、その点、野田大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/40
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041・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) こども家庭庁においては、こどもまんなか社会の実現を目指します。そして、子供や子育て当事者の視点に立った政策立案を行っていくこととしており、特に障害のある子供やその保護者の視点に立って、地域社会への参加、包容、インクルージョンですね、を推進することが重要だと考えています。
具体的には、障害児通所サービスを利用している子供が保育所等へ移行するための支援の強化や、保育所等での障害のある子供の受入れの推進などを進めつつ、医療的ケア児や発達障害など、その障害特性に応じた支援の充実を図ることなどにより、障害のある子供も取り残されることがないよう支援を更に充実していきたいと考えています。こうした取組を進めていくことが、ひいては家族、特に実態として障害児のケア、主に担っている母親、今委員が御指摘されましたけれども、負担軽減にも資するものと考えています。
また、こども家庭庁では、こうした支援策を引き続き実施していくことに加え、文部科学省や厚生労働省等の関係省庁と緊密に連携を図り、子供政策の司令塔として政府全体の関係施策の充実、しっかり図ってまいります。
障害児に対する質問をしていただきまして、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/41
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042・打越さく良
○打越さく良君 いや、ありがとうございますとおっしゃっていただいて、励みになります、私も。ありがとうございます。
こども家庭庁の権限などについて深掘りさせていただきたかったんですが、ちょっと時間がなくて、私の希望を申し上げますと、やっぱりこどもまんなか社会ということで強い司令塔機能を発揮するためには、今のところは実効性非常に疑わしいんじゃないかということで、総務省における行政評価局のような権限ですね、総務省設置法四条や六条にあるような各行政機関の業務の実施の評価及び監視を行うことができるようにしたり、必要があると認めるときは関係行政機関の長に対し勧告を行うこと、実地調査権限などを持たせるべきではなかったかと、今からでも検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/42
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043・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
本日は、こども家庭庁設置法案、こども基本法案の質疑ということで、子供施策に関して質問したいと思います。
私も、思い起こすと十八のときに、薬害エイズのまだ実名を公表する前に、子供の施策を、子どもの権利条約、ちょうどその年批准されて、シンポジウムで子供の立場で発言をさせてもらう機会があって、本当にあのときが、子どもの権利条約、日本で本当にこの批准ということになった年だったんだなということを今思い起こしております。
子供を取り巻く状況というのは、本当に今もこの子供の権利をしっかり尊重することが本当に法律において大事なことだと思いますが、この子供の問題としては、今、離婚後の子供の養育の問題があります。この養育費の確保に向けた取組は、これまで、法務省と厚生労働省の連携をして、このタスクフォースの開催、また各種の事業、支援事業を進めていただいていると承知していますが、こども家庭庁発足後もこれまでの取組が継続されるという理解でよろしいでしょうか。
昨年十二月に閣議決定されたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針においては養育費の確保に関する記載はありませんでしたが、こども家庭庁設置後の、創設後の養育費の確保に向けた取組の方向性、現状は、法務省、そしてこども家庭庁の大臣にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/43
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044・堂薗幹一郎
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。
検討の現状について、法務省の方からお答えいたします。
法務省といたしましても、養育費の履行確保は子供の利益の観点から早急に取り組むべき重要な課題であるものと認識しているところでございます。
法務省では、平成二十三年の民法改正によって父母の離婚の際に協議で定めるべき事項として養育費の分担が明示されたことを踏まえまして、平成二十四年から離婚届出書に養育費の分担に関する取決めの有無をチェックする欄を設けるとともに、平成二十八年からは、養育費等に関する合意書のひな形及び記入例などを記載したパンフレットを作成し、全国の市区町村において離婚届出書と同時にこれを配布するなどの周知活動に取り組んでいるところでございます。
また、令和元年の民事執行法改正では、養育費の請求権について、債務名義を有する者が債務者の給与に関する情報を取得する新たな手続が設けられており、これも養育費の履行確保に資するものと考えております。
さらに、現在、法制審議会家族法制部会では、養育費の履行確保のための方策を含め、父母の離婚後の子の養育の在り方等について調査審議が進められているところでございまして、本年夏頃に中間試案を取りまとめることを目指しているところでございます。
引き続き、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務当局を担う立場から必要な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/44
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045・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) 先ほど法務省からも御答弁ありましたとおり、養育費の履行確保につきましては、政府としての重要課題だというふうに認識をしております。
こども家庭庁におきましては、今厚生労働省が所管をしております一人親家庭の支援施策を引き継ぐこととしてございますので、現行の厚生労働省の取組をしっかりと引き継ぎつつ、かつ家族法制を所管されます法務省とも緊密に連携をして、養育費の履行確保に向けた取組についてしっかりと対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/45
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046・川田龍平
○川田龍平君 是非、この養育費の問題がやっぱり貧困につながるところのやっぱり非常に大きな、母子家庭や父子家庭も含めて一人親家庭の重要なものになっていると思います。
私も、母親が離婚しているんですけれども、本当に、その養育費を自分が毎月一回父親のところに取りに行っていたんですけど、本当にちゃんとこの養育費をもらえるかどうかということがやっぱり非常に大きいと思いますので、やっぱりそこはしっかりと今後の、今年の夏以降ということですので、是非しっかり取組を進めていただきたいと思います。
この養育費の確保の推進と同時に、共同親権の制度の導入に向けた検討も進めるべきと考えます。
我が国では、子供が未成年の場合に離婚したときは父母どちらかの単独親権となり、共同親権とする選択肢は認められていません。単独親権は、子育ての意思決定はしやすいものの、親権を失った親が養育に関わりにくく、子との交流が絶たれるケースも少なくないとの指摘もされており、近年、離婚後の共同親権の法制化を求める声が高まっています。共同親権については、メリット、デメリット双方あるため画一的な制度設計とするわけにはいかないものの、子どもの権利条約の四原則の一つで、こども基本法案の基本理念にも明記された子供の最善の利益を第一に考えることからすれば、選択肢の一つとして認められるべきではないかと考えます。
共同親権の導入に向けた検討は法務省を中心に行われているものと承知していますが、こども家庭庁として今後どのように検討して関与していくのか、また法務省と、また野田大臣からの見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/46
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047・堂薗幹一郎
○政府参考人(堂薗幹一郎君) それでは、まず法務省の方から取組の現状について御説明いたします。
父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、御指摘のとおり、子供の生活の安定や心身の成長に直結する問題であり、子供の利益の観点から重要な課題であると認識しております。
父母の離婚後の親権制度につきましては、御指摘いただきましたとおり、離婚後も父母の双方が子供の養育の責任を負うべきであるとして、共同親権制度を導入すべきであるとの意見がある一方で、共同親権制度を導入することに対しては、父母の離婚後に子供の養育に関する様々な事項の決定を適時に行うことが困難となるといった慎重な意見もあるなど、様々な意見があると承知しているところでございます。
法制審議会におきましては、こういった意見を踏まえまして、父母の離婚後の子の養育の在り方などについて様々な角度から調査審議が進められているところでございまして、先ほど申し上げましたとおり、今年の夏頃に中間試案を取りまとめることを目指して調査審議が進められているところでございます。
引き続き、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務当局を担う立場から必要な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/47
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048・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今法務省から答弁がございましたいわゆる共同親権制度については、現在、法務省の法制審議会において様々な観点から議論が行われていると承知しています。
引き続き法務省において検討が進められるものと考えていますが、こども家庭庁としては、その状況を注視するとともに、必要に応じて関与してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/48
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049・川田龍平
○川田龍平君 是非、子供のことにも関わるものですので、本当に是非しっかりと、もっと関わりを深めてほしいと思っています。
私もずっとこの共同親権については、DV被害者の方たちの声を聞いてなかなか進むべきではないのではないかと思いつつも、ただ、実際に連れ去りに遭った親の話も聞くと、やっぱり子供にとっても、本当に考えると、やっぱりここは本当にもう一度改めてしっかり考えるべきではないかと思っております。
子供の最善の利益の観点からすれば、既存の子供施策において行政の都合を優先した制度設計になっているものも、子供の視点で検証し直して見直す必要があると考えます。
こども政策の新たな推進体制に関する基本方針においては、子供や家庭が抱える様々な複合する課題に対し、制度や組織による縦割りの壁、そして年齢の壁を克服した切れ目ない包括的な支援を行うことが記載されていますが、なぜかこの基本方針の前提となった有識者会議の報告書に記載されていたこの年度の壁という記載が抜け落ちています。
有識者会議報告書では、これまでの課題として、予算が単年度主義であったり、関係省庁、自治体の職員が異動することにより知見がうまく引き継がれないといった年度の壁があったと記載されていますが、基本方針においてこの記載が抜け落ちている理由は何でしょうか。年度の壁を克服する必要がないと判断したということでしょうか。
また、年度が四月から始まるために、一月一日から四月一日に生まれた子供のいわゆる早生まれの問題が生じています。発育の観点からメリット、デメリットが働いていることもありますが、行政側の都合による不公平も生じています。
具体的には、児童手当の総額、支給総額が生まれ月によって変わる問題で、児童手当は支給対象が中学校卒業まで、すなわち十五歳の誕生日後の最初の三月三十一日までの児童を養育している方が対象とされています。生まれた月が遅くなるにつれて支給開始月が遅れ、その分総支給額が減ってしまいます。
政府として、支給総額に差が生じる制度設計の不公平性についてどのように認識しているのか。子供の視点からすれば、このような不公平は解消すべきと考えますが、野田大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/49
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050・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 川田委員御指摘の年度の壁の克服については、こども政策の推進に係る有識者会議の提言の中で、困難を抱える子供の課題解決には中長期的な取組が重要であり、年度が替わることによって支援が途切れることのないようにするとの観点から指摘をいただいたものと承知しています。
一方、国の予算の会計年度や学校の始業、終業など、法令において年度をまとまりとしているものもあることなどから、昨年末の基本方針において、政府の方針としては年度の壁の克服を掲げてはおりませんが、必要な支援が切れ目なく行われることは重要であると考えています。
現在、経済財政諮問会議において単年度予算の弊害の是正について議論されていると承知しています。そうした議論の方向性を踏まえながら、有識者会議において提言された、年度が替わることによって支援が途切れることのないような工夫、これについても検討してまいります。
他方、児童手当については、児童が生まれた次の月から中学校修了までの児童を対象として継続的に支給しています。制度創設からこれまで対象年齢は累次改正してきているのですが、基本的には学年単位としておりまして、御理解いただきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/50
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051・川田龍平
○川田龍平君 やはり今、この児童手当の額も一万円から、立憲民主党提出しているこの法案でもやっぱり一万五千円にしていこうということで、月額一万五千円になってくると、四月生まれの子供と三月生まれの子供では一年近く、この毎月の支給額変わってくるんですね。それが、一生涯のうちでこの総額として考えると、結局として一年分近い差が生じてきてしまっていると。私も一月生まれですけれども、早生まれの人ってそれだけいろんな、体育の面でも不利があったりとかする中で、やっぱりこの支給額の総額が変わってくるというのは、非常にこの額が大きくなってくればなるほど変わってくると。
これ昭和四十七年からずっと、この児童手当の決め方というのはずっと三月三十一日ということで年度になっているわけですが、ここ是非、こども家庭庁がこういった年度の壁についてもしっかり取り組んでいただくということで、ここでこども家庭庁ができることを区切りに、是非ここで見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/51
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052・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
大臣から申し上げましたとおり、児童手当は、児童が生まれた次の月から中学校修了までの児童を対象として継続的に支給されているものでございます。
委員御指摘のとおり、年度の初めに生まれたお子さんと早生まれのお子さんとで最終的な支給総額に差異が生じるということがあり得るということは事実でございます。ただ一方、中学卒業時まで給付が継続的に支給をされるというふうなことで、ある意味、その家庭における生活の安定と児童の健全育成に資するというふうな面もあろうかとは思います。
いずれにしましても、これまでも基本的には学年単位というふうにしてきておりまして、御理解いただきたいとは考えておりますけれども、児童手当、そもそも前回の制度改正の附則について、そもそも全体的な所得制限の在り方ですとかについて検討規定ということもございますので、全体としての検討についてはしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/52
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053・川田龍平
○川田龍平君 是非見直していただきたいです。
本当、一万五千円が毎月ですから、これ一年違うとやっぱりかなり違ってくると思うんですね、総額として。だから、高校生の就学までということにもなりますと、本当にその高校生でいる間はということになるわけですけれども、でも総額として見たときにはやっぱり不公平が非常に大きくなると思います。
これ、今日の新聞でも、生活保護世帯の高校生が進学にやっぱり差が出てくるとか、それも結局、その十八歳というところで、三月三十一日というところで切るということが果たして、本当に進学の率に非常に変わってきていると。新潟が四九・二%、神奈川が四八%のところ、富山では一六・七%、三重では一七・八%、福島一九・四%と、約三倍近いこの開きが出ているというようなこともやっぱりしっかり取り組まなきゃいけないところだと思いますので、是非そこもやっぱりしっかりと取り組んでいただきたいと思います。いかがですか。大丈夫ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/53
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054・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今国会で、衆議院、参議院、この法案をめぐる議論の中で、様々な、子供、当事者、子育て当事者のこれまで聞こえてこなかった声をお届けいただいているところでございます。
こども家庭庁創設の暁には、やはり今日御議論いただいたことをしっかり踏まえて、子供の、子供中心と、こどもまんなかということで様々な検討を加えていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/54
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055・川田龍平
○川田龍平君 次に、子供に関するデータ連携について伺います。
現在、子供に関する各種データを連携させてプッシュ型の支援に結び付ける、つなげるための検討がデジタル庁や内閣府等関係省庁の副大臣のプロジェクトチームにおいて進められていると承知しています。
必要な支援を迅速に届けるための仕組みとしてのこのプッシュ型支援そのものは否定されるものではありませんが、大前提として、個人情報保護、第三者提供を行う場合の本人同意が徹底される必要があります。子供に関するデータ連携を始め子供施策のデジタル化推進においても、重要なポイントは国民の政府に対する信頼であると考えます。
台湾のオードリー・タン・デジタル担当政務委員は、政府と国民の間に相互の信頼こそが社会のデジタル化を推進していくときの不可欠な前提条件であると述べられています。
特に、マイナンバーと個人情報のひも付けは国民の不安感がとても強いとされていますが、現在検討されている子供に関するデータ連携について、マイナンバーは活用される予定なのかどうか、あわせて、子供施策のデジタル化推進に当たり、国民の信頼を得るためにどのように取り組んでいくのか、今後の方向性を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/55
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056・内山博之
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
子供に関する情報データ連携につきましては、先ほど先生から御指摘ありましたデジタル庁ほかの副大臣プロジェクトチームで検討し、あわせて、デジタル庁におきまして関係府省と連携をしながら七つの自治体において実証事業を今行ってございます。この実証事業に取り組まれています七つの自治体の中には、個々人を識別するIDとしてマイナンバーを使用している団体はないというふうに考えてございます。
また、信頼の確保、不安の払拭という点でございますけれども、やはりこの実証に参加していただいている七つの自治体が安全にその実証事業に取り組み、さらに当該自治体の住民の皆様が安心できるようにすることが必要だというふうに考えてございます。
そうした意味で、連携するデータ項目、連携する目的は何か、あるいはデータの連携に関する責任を負う部署はどこかといったことにつきまして、個人情報の保護に配慮する観点から必要なことがございますので、そうしたことにつきまして、実証に参加するこの七つの自治体とともに、七つの自治体に共通するような標準的なルールができないか、今後早急に整理をしてまいりたいと考えてございます。こうしたことによりまして、不安の払拭を図ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/56
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057・川田龍平
○川田龍平君 来年からこの個人情報保護条例が全部一律に廃止されて、来年からはこの同意が要らなくなってしまうようなところもありますし、本当にそういったいろんな意味での不安があります。
それから、学習状況とデジタル、どう結び付くのか、それも自治体任せというところですけれども、そういったことが将来の就職にどう影響していくのかとか、そういったことまで含めて、やっぱり将来のことを考えると子供たちも不安だと思いますので、是非そこの信頼をしっかり取り戻していただきたいと思います。
デジタル政策における国民の信頼を得るためには、積極的な情報資料の公開、また、透明性の確保はもとより、政府からの国民の信頼に対する一方通行の情報提供ではなくて、双方向で議論できるような相互的なコミュニケーションが重要と考えます。
政府が提出した法案についてオンラインで討論できるような制度が、台湾にはvTaiwanというプラットフォームがあり、また、人々が生活の中に問題を解決するための新しいアイデアを提案できるJoinというプラットフォームを開設して、政府と国民が双方向で議論できる環境が構築されています。
これ、日本でも、このこども家庭庁においては、子供や若者にとって身近なSNSを活用した意見聴取など、子供や若者から直接意見を聞く仕組みや場づくりについて検討していく方針とされていますが、子供の視点に立った子供政策の司令塔としてこども家庭庁を創設する趣旨からすれば、台湾の事例なども参考として、子供や若者と相互的コミュニケーションを行うことのできるプラットフォームの創設も検討されてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/57
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058・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
こども家庭庁におきましては、昨年末に閣議決定した基本方針にのっとりまして、子供の意見が年齢、発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるよう取り組むこととしているところでございます。
これまでも当委員会でも何度かお答えをいたしましたが、その具体的な取組の在り方につきましては、こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度におきまして、子供の意見の政策への反映に関する調査研究を行うこととしております。その際には、この調査研究自体の過程の中でも、子供や若者の意見をしっかり聞き、反映していく考えでございます。
その上で、この調査研究の結果を踏まえて具体的な在り方を検討することになりますが、一方的に意見を聞くということだけではなく、先生御指摘いただいたような双方向のコミュニケーションというのは大変重要な視点だと思いますので、どのような手法が考えられるかということにつきまして丁寧に考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/58
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059・川田龍平
○川田龍平君 不登校や多様な学びの確保といった自殺対策にもつながるような施策をこれから是非議論したいと思ったんですが、時間ですので終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/59
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060・竹谷とし子
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
こども家庭庁設置法案の提案理由に、子供を誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押ししていくため、強い司令塔機能を有するこども家庭庁を設置するということがうたわれております。その観点から質問させていただきます。
自治体が子供医療費の助成を独自に行っております。子供が必要な医療を受けて、健やかに成長することに役立っています。自治体による格差、所得の格差、こうしたものがあるので、それをなくしていってほしいと保護者の方々からお声があります。
また、国は未就学児以降の子供医療費助成を行う自治体に対して、国民健康保険の国庫負担金を減額するいわゆるペナルティー措置を行っており、自治体では二重の財政負担となっております。子供が医療を受ける権利を守るため、このペナルティーの措置を早急に廃止するように、司令塔であるこども家庭庁として厚生労働省に働きかけていただきたいと思います。また、今後、子供医療費助成の格差がなくなるように国の制度とすることを含め、こども家庭庁として検討していっていただきたいと思います。
野田大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/60
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061・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
国保の減額調整措置は、市町村における医療費助成によって窓口負担が減額される場合、国保財政に与える影響や限られた財源の公平な配分等の観点から、増加した医療費分の公費負担を減額調整しているものと承知しています。
減額調整措置の在り方については、平成三十年度から医療保険制度の窓口負担が未就学児までは二割とされていること等を踏まえ、未就学児までを対象とする医療費助成は減額調整を行わないこととしたと承知しています。
また、子供の医療費助成については、既に医療保険制度において未就学児は医療費の自己負担を三割から二割に軽減しています。そうした中で、自己負担を更に軽減するために自治体が独自に行っている助成制度を国の制度として行うことについては、財源の問題がございまして慎重な検討が必要と考えています。
子供の医療については、厚生労働省が引き続き所管することとしていますが、こども家庭庁としても必要な連携をしっかり図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/61
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062・竹谷とし子
○竹谷とし子君 この自治体への減額調整措置、ペナルティー、これは子供の健やかな成長を社会全体で後押しをするという本法案の趣旨と逆行しているのではないかと私は思います。本法案成立後、早急にやめるように、子供の権利を守るといった観点から、子供政策の司令塔であるこども家庭庁がリーダーシップを取って是非とも働きかけていっていただきたいと思っております。
続きまして、こども基本法の基本理念には、全ての子供について、適切に養育されること、その生活を保障される権利がひとしく保障されることを子供施策の基本理念の一つとして掲げております。
衣食住は生活の基本であります。食を支える事業として、厚生労働省は、令和三年度補正予算で、困窮する一人親家庭を始めとした要支援世帯の子供等を対象とした子供食堂、子供宅食、フードパントリー等を実施する事業者を対象として、広域的に運営支援、物資支援等を行う民間団体を公募し、その取組に要する経費を助成することにより支援を行っています。
子供食堂や子供宅食は、困窮する子供や子供がいる家庭の重要なセーフティーネットとなっています。団体から、この事業を来年度以降継続を希望する強い声をいただいております。是非とも、来年度以降も継続して当初予算化し、安定した事業としていっていただきたいと思います。
厚労大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/62
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063・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 子供食堂や子供宅食等については、生活に困窮する子育て世帯への支援、虐待予防のための見守り強化対策など様々な視点で効果があるものと考えておりまして、これまでも、今御指摘のありましたように、厚労省としても支援を行ってきました。
こうした中で、自治体を経由しない中間支援法人を通じた支援の取組について、令和三年度補正予算でひとり親家庭等の子ども食事等支援事業をスタートさせまして、第一弾として、令和三年度末までに六つの中間支援法人経由で概算で五万五千世帯への支援を短期間で行ったところでございます。
こうした取組については、四月に閣議決定した緊急経済対策においても、支援メニューを従来からの食事支援のみならず生活必需品等にも拡充させまして、今年度も引き続き実施しております。
来年度における本事業の扱いにつきましては、昨年度、本年度の取組状況も踏まえながら、予算編成過程においてしっかりと検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/63
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064・竹谷とし子
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
四月に閣議決定した緊急経済対策において、今大臣から、生活必需品等にも拡充したということを言っていただきました。これも本当に現場からは喜ばれておりまして、例えば靴下を買ってもらえなかったとか、下着とか、そういうお声もいただいております。来年度に向けて是非よろしくお願いいたします。こちらからもしっかりと後押しをしていきたいと思っております。
続きまして、子供を痴漢被害から守るための方策について伺いたいと思います。
高校生や大学生から本気の痴漢被害対策を求める声が上がっています。被害者の中でも特に子供は、被害に遭ってもなかなか声を上げられず、人知れず悩んでいる場合も多いと思います。
公明党として、日本若者協議会から要望を受けました。その際、五月二十五日には関係府省も参加をしていただきまして会議を行い、直接声を聞いていただきました。
子供、若者を痴漢犯罪から守るために、府省横断で、関係する府省が複数ございます、パッケージとして是非対策を講じていっていただきたいと思います。その際、高校生や大学生の声をしっかりと聞いて対策の中に反映させていっていただきたいと思います。
男女共同参画局長に質問させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/64
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065・林伴子
○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。
痴漢は犯罪であります。決して許されるものではありません。また、外国の政府の日本への渡航アドバイスの中にも痴漢のリスクが指摘されるなど、我が国の痴漢をめぐる現状は国際的にも恥ずべき問題であります。
このため、痴漢被害ゼロを目指し、令和四年度中に痴漢撲滅パッケージを策定し、政府として、政府を挙げて痴漢対策に取り組むことを検討しているところでございます。
被害に遭いやすい高校生、大学生の声をしっかり聞いた上で、関係省庁と連携して、痴漢を含め、性犯罪、性暴力のない社会の実現に向け取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/65
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066・竹谷とし子
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
今、外国政府の日本への渡航アドバイスにも痴漢リスクが指摘されるという、本当に我が国の恥ずべき問題であるという認識が示されました。私も全く同感でございます。このような状況を放置してはいけないというふうに強く思っております。
今、痴漢撲滅パッケージというようなものを策定し、政府を挙げて痴漢対策に取り組むことを検討していただいているという御答弁がありました。是非ともしっかり進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、子供が集団保育を受ける権利について伺いたいと思います。
今回審議をしておりますこども基本法では、その理念の一つとして、全ての子供について、健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉に係る権利がひとしく保障されるとしています。
その観点から、保育について、保護者の就労の有無とか、また長短にかかわらず、子供たちの健やかな成長、発達のために、親子の関係だけでは得られない集団保育といった視点からも、望めば全ての家庭で週に数日、あるいは一日に数時間程度、集団保育を享受できる社会としていくべきであると考えます。
野田大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/66
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067・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
乳幼児期の保育は、子供の健全な心身の発達を図りつつ、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであります。子供が人との関わりの中で人に対する愛情や信頼感を育てる重要なものと考えています。このため、幼稚園、保育所、認定こども園に通う子供はもとより、いずれの施設にも通っていない未就園児も含めて、小学校就学前の全ての子供の成長を支えることが重要と認識しています。
また、委員御指摘のように、未就園児に週数日程度集団保育を提供することについては、保護者の子育ての負担軽減に資するだけではなくて、ふだんは他の家庭の子供と交わる機会の少ない子供たちが、他者とともに過ごし、遊ぶ機会を持つことによって人間関係や自我の芽生えが育まれるといった観点からも重要だという指摘がございます。
このため、厚生労働省においては、人口減少地域などで定員に余裕のある保育所が未就園の子供を週一回から二回程度預かるモデル事業の実施について検討を進めているものとお聞きしています。
こども家庭庁においては、こうした取組を引き継ぐとともに、未就園児の実態把握を進め、市町村と連携し、子育てへの支援サービスや幼稚園、保育所などへの就園につながるプッシュ型の支援などを進めていくこととしております。
これらを通じて、小学校就学前の全ての子供の健やかな成長が保障されるようしっかり取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/67
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068・竹谷とし子
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
今、大臣の御答弁の中に、人間関係や自我の芽生えが生まれるといった観点から、他者とともに過ごし、遊ぶ機会を持つことが重要との指摘があるということを言っていただけました。
厚生労働省として、これまで集団保育が子供の発育に与える影響というものを調査したことがありますかとレクで伺ったところ、今までやっていなかったですと、そういうことだったんですね。そういう指摘があるということも踏まえて、今後、こども家庭庁という子供の健やかな成長、発達のために施策を総動員していくという、そういう組織ができるわけですので、子供、これまでの就労支援という、親の就労支援といった観点ではなくて、子供の発達、成長といった視点から、この集団保育の意義というものについてもまた深く御検討いただきたいというふうに思っております。
少し早いですが、終わらせていただきます。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/68
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069・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
まず初めに、この審議の準備の過程で、衆議院、参議院の内閣委員会の議事録拝見しておりまして、本当に素朴な疑問が湧いてきました。
議事録上に平仮名の三文字のこどもと表記されてこども家庭庁というふうに記載をされていますけれども、そして、閣議決定をされたこども家庭庁の創設の資料、これも三文字の平仮名でこどもで、私がふだん所属をしている厚生労働委員会等での厚生労働省の資料や児童養護施設の運営指針などは、子が漢字で、どもが平仮名の子どもの表記が使われていますが、さっき申し上げました衆参の議事録はもうほぼ漢字の、子供の子と供という形で表記をされています。
まず、内閣府にこの三つの表記、どのように使い分けられているのか、現状の認識をお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/69
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070・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
まず、先生からの御指摘のありました議事録でございますけれども、議事録上は、あくまでも衆議院や参議院の事務局において作成しておりますので、どういった形で、様々な表記があることは承知しておりますけれども、その使い分けの理由というのは、その衆議院、参議院の事務局における理由は、我々としては承知しておりません。
ただ、先生が御指摘になりました法令上の様々な使い分けでございますけれども、まず、我々が提出しておりますこども家庭庁設置法案でございますけれども、これは平仮名のこどもで、第三条第一項におきまして心身の発達の過程にある者というふうに定義しております。ここでいう平仮名のこどもでございますけれども、基本的に十八歳までの者を念頭に置いておりますけれども、それぞれの子供の状況に応じて必要な支援が十八歳や二十歳といった特定の年齢で途切れることなく行われるように、先ほど述べたような定義を置いているわけでございます。
また、法令上の定義につきましては、ほかの法律では様々な定義を置いておりまして、例えば漢字の子供でございます、公職選挙法における漢字の子供でございます。ここにおきましては、幼児、児童、生徒その他の年齢満十八歳未満の者というふうに定義されております。
また、漢字仮名交じりの子どもでございますけれども、これにつきましては、例えば子ども・子育て支援法におきまして、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者と定義されている一方で、別の法律、例えば子どもの貧困対策の推進に関する法律では、漢字仮名交じりでありますけれども、子どもについて特段の定義がなされていないものもございます。
そういった意味では、法令上の定義や対象年齢につきましては各法令によって様々でありますけれども、今回のこども家庭庁設置法案におきましては、先ほど述べたような理由で平仮名の表記をさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/70
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071・田村まみ
○田村まみ君 今いただいたとおり、様々な意味合いがある中で、後世に残っていく議事録が、皆さんお話しされている方もどの意図で使っているかということが、正直その議事化のところの意味合いでいくと、私は、全て漢字の子供って書かれているんだなという、法令に直接関わらないところは全部漢字の子供というふうに表現がされています。私が今連呼しているのは、多分漢字の子供と書かれています。
やっぱりそういう法律を作ることもそうですけれども、今度設置をされる予定のこども家庭庁の設置でのこの平仮名三文字に込めたこどもというのは、私は大変重要だと思います。これからの日本、未来をつないでいくための子供たちのために様々なことを考えていこうというふうに設置された法律の中で、これから政府として様々な施策をする中でこの表現されるときにも、全てやはり私は統一されるという考え方もひとつ必要かと思いますし、意図を伝えるためにもこれについてどのような表現をしていくかということも必要じゃないかというふうに考えているんですけれども、野田大臣、今後どのようにお考えになられるでしょうか。現時点での見解でも結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/71
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072・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
設置法案における平仮名のこどもの定義については、これまでも国会での審議を始め様々なところで御説明させていただいているところで、今し方も参考人から説明がありましたが、こども家庭庁法案では、平仮名のこどもを心身の発達の過程にある者と定義しています。これは基本的に十八歳までの者を念頭に置いておりますが、それぞれ子供の状況に応じて必要な支援が十八歳とか二十歳といった特定の年齢で途切れることなくしっかりと行われるようにということで定義をいたしました。
繰り返しになりますけれども、国会審議及び各会議体での議事録については、各事務局で各々の目的等に応じ個々に作成されるものと承知しています。私としては、平仮名でこどもと規定した趣旨なども踏まえていただき、各事務局等で御対応いただければ有り難いと考えています。
いずれにしても、重要なのは、子供目線で、誰一人取り残さず、抜け落ちることもなく、子供をしっかりと支援していくことだと考えております。この基本理念の下、子供政策、しっかり取り組んでまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/72
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073・田村まみ
○田村まみ君 重要なのは子供たちに対する支援だというふうに答弁いただきました。
最近の内閣の審議されている中で、ちょっと通告なしでも野田大臣が多少お答えされているのをお見受けしたので、ちょっと私、昨日テレビ番組、夜十一時からのテレビ番組でたまたま見てしまったので、通告してないのでもし難しかったら答弁結構なんですけれども、実は、NHKの「ヒューマニエンス」という番組で思春期ということを取り上げられていました。思春期は、脳科学の中では、MRIの画像診断では三十歳程度まで思春期だというふうに捉えられるというような報道がされていました。
先ほど来、子供が心身の発達の過程にある者であればというところでいくと、社会通念上、この思春期というのは心身ともに発達するという期間というふうに捉えられるというふうに私は認識しています。また、日本産婦人科医会では、年齢においての体の変化を思春期の定義としても書いているわけなんですね。
なので、今後のこの政策の中でも、じゃ、思春期は子供かというような質問が出たときに、それを何歳までって捉えるのかって大変難しい課題があるというふうに私は思っています。こういう、年齢の定めはない、まあおおむね十八歳とはいえというふうな形でやっている中で、今後の施策でこういう課題が出てきたときにどうやって対応していくかというところ、現時点で何か御見解あれば、もう本当に答弁、済みません、通告していませんけれども、お願いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/73
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074・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 通告ないので、思春期ということに対して困難を持ったかどうかというのが大事、大切なところだと思います。誰一人取り残さない、思春期において困難を抱えた子供、まあ原則は十八歳ですけど、それを超える青年、青年期と言われる人たちも当然私たちが支援できることはしっかりしていくという趣旨に捉えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/74
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075・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
この先も子供施策を進めるに当たって、組織の壁や年齢の壁を突破して進めていくということなんですけれども、是非、財源優先ではなくて、現実に起きている課題と学齢や年度や年齢、医学的にというような、いろんな角度から多くの子供の成長に資する施策を是非進めていただきたいというふうな思いで今回ちょっとあえて聞かせていただきました。ありがとうございます。
さて、私自身、実は子供を持ちたいと思っていたんですけれども、実は授かることなく、不妊治療も何度か繰り返したんですが難しいまま、今夫と二人で暮らしています。なので、自分が子育てはしていないんですけれども、持ちたいって思いでいけば、本当に今生まれようとしている子供だったり生きている子供たちにしっかりと支援していただきたいなというふうに思っています。
昨日、予算委員会で伊藤孝恵議員が質問をしました。参議院の予算委員会です。乳児院と児童養護施設、この統合についてお尋ねをしました。実は、伊藤孝恵議員の質疑を見て、六十九歳の主婦の方が、御自身のお名前は明かさずに、本当に何とかしてほしいという悲痛な言葉で語られていたお手紙、私も読ませていただきました。
乳児院の子供たちが二歳ぐらいで児童養護施設に移される、これをどうにかやめてほしいと、一度生みの親から離れた、そこからもう一度また、そこまで、二歳程度まで育ててもらった人たち、大人から引き剥がされる、この経験、本当に苦しいものだというふうに書かれていたお手紙を紹介して、岸田総理からは、二つの施設を一緒にすることについては、現実、今厚生労働大臣から説明したとおりでありますが、少なくとも議論を進めるということはあってもいいのではないか、議論を行うということはあってもいいのではないか、このように思いながら聞いておりましたと。あってはいいのではないかということを二回繰り返して、私たちは前向きな答弁いただいたというふうに受け止めました。
現状、所掌が後藤厚生労働大臣ということですので、まずはこの総理の答弁を踏まえて、今後、乳児院と児童養護施設入所児童のこの施設の統合について議論を始める、これ、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/75
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076・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 予算委員会でも御答弁したとおりで、乳児院と児童養護施設は入所する子供への必要な支援の内容などが異なると。それぞれの特性に応じた基準等を定める必要があることから児童福祉法上に別の施設類型とした上で、相互に適切な連携を図りつつ、それぞれが必要な役割を果たすことが重要だというふうに御説明をさせていただきました。相互に適切な連携が必要ということは、環境変化などにより必要以上に影響を受けることについてはもう可能な限り避けると。ですから、今委員から御指摘のあったような点については、我々としても重要な点だというふうに思っています。
ですから、現在でも、例えば同じ敷地内にある児童養護施設に移行するように優先させてみたり、施行の前後で職員の円滑な引継ぎが図られるようにとか、そういうことについては非常に配慮をしているわけでございます。
それで、お尋ねの総理が議論を行うことはあってもいいのではないかと答弁された趣旨、度々聞かれたような感じもありましたけれども、乳児院と児童養護施設を一緒にすること自体を目的とした議論を進めるべきということまでおっしゃったということではなくて、子供政策を社会の真ん中に捉えて議論をしていく観点から、何事も先入観なく議論をすべきという趣旨のことをおっしゃったものだろうというふうに思っておりまして、いずれにしても、厚生労働省としては、各地域の状況に応じた社会的養護の体制整備を図る中で、乳児院や児童養護施設といった施設のみならず、里親や特別養子縁組制度といった家庭養護等の仕組みも含めて、子供の利益を第一に考える観点で様々な課題と対応等について議論を進めていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/76
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077・田村まみ
○田村まみ君 今日、本当に私、これ聞くかどうか迷ったんです。今の答弁だとちょっと難しいなと。でも、私、伊藤孝恵議員に是非野田大臣に聞いてきてほしいと託されているんです。もう伊藤孝恵議員がこの後の通常国会の中で質疑するちょっとタイミングがなさそうだということで、是非、田村まみ、聞いてこいと言われましたので、野田大臣、是非、今後の中でということでの、今の、今の現状の状況というのはもう重々私たちも承知している中で、子供に資する施策という中でも、もう一歩踏み込んだ形でのお考え聞きたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/77
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078・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 今厚労大臣がお話ございましたが、乳児院というのは原則乳児を入所させる施設で、乳児の特性に合致した手厚い支援体制を整備することとしております。乳児院と児童養護施設は入所する子供への必要な支援の内容などが当然異なりますから、幼児以降を入所させる児童養護施設とは別の施設類型としているところで、相互に適切な連携を図りつつ、それぞれが必要な役割を果たすことが重要と考えます。
ただ、原則と申し上げたのは、実際には乳児の定義というのは一歳未満ということになりますが、いろいろな人員の問題で実際には一歳を超える児童も入所しているところはございます。そういうことも踏まえた上で、一方、措置された子供が環境変化などにより必要以上に影響を受けることについては、可能な限り避けることが望ましいと考えております。
乳児院に入所した子供が成長に合わせて児童養護施設に移る場合には、例えば同じ敷地内にある児童養護施設に移行する、移行の前後で職員の円滑な引継ぎが図られるように配慮するといった支援に支障が出ない、そういう配慮を行うことは極めて重要であると考えています。
今現在、厚生労働省においては、家庭的養育の推進という観点から里親委託を推進しているところであり、こうした里親への委託を推進するという視点も含めて、各地域の状況に応じた社会的養護の体制整備を図る中で、乳児院、児童養護施設、里親等について、子供の利益を最優先にした選択がなされるよう取り組んでいると承知しています。
こども家庭庁においては、子供の最善の利益を第一に考え、必要な支援が行われるように取り組んでまいります。
私の地元で、これちょっと話がずれるかもしれませんが、医療的ケアを必要とする子供さんが乳児院に来ました。ところが、その状況が近くの養護施設では受け入れられないということで、しばらく医療的ケア児は乳児院で年を重ねてきたという、その現実的な対応もあります。そこは、そういう事例もあることを踏まえて、子供にとって何が最善かということをしっかり捉えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/78
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079・田村まみ
○田村まみ君 家庭的養育、里親支援については、三歳未満の子たちの委託率を七五%へという目標も掲げていますけれども、やはりその支援につながらない子たちはやっぱりそこで暮らしていかなければいけないというときに、何度も心が引き裂かれるような思いはしてほしくないということで、是非その子供の視点に立った支援ということをやっていただきたいということ、現場は今その努力は十分しているというふうに思っていますので、その現場が乗り越えられない外形的な課題という視点で、是非今後検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。
ちょっと時間がなくなってきましたので、内閣府への質問で、医療的ケア児に関する所掌について、今回、法律案ではこども家庭庁に事務が移管されるというふうに整理されているというところの質問をさせていただきたいと思います。ちょうど今、野田大臣にも触れていただきました。
医療的ケア児はそうやって明確になっていました一方で、小児の難治性の疾患を始めとする難病重症疾患、慢性疾患の小児が入所、入院する高度先進医療を行っている小児のための総合病院等では、常に医療行為が実施されますので、こうした病院に長期入院している児童に対する施策については、引き続き厚労省の所管となるのでしょうか、それともこども家庭庁に移管されるのか、この整理についてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/79
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080・長田浩志
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
小児慢性特定疾病などにより長期入院をしている子供への医療施策につきましては、難病対策全体や医療政策全体の中で関連する施策、制度と一体的に企画立案、実施していくことが適切と判断をいたしまして、引き続き厚生労働省の所管と整理をしているところでございます。
一方で、こども家庭庁においても子供の保健の向上を自ら担うことを踏まえまして、今般、児童福祉法に基づきまして厚生労働大臣が定める小児慢性特定疾病医療支援等に係る基本的な方針や、医療法に基づき厚生労働大臣が定める医療計画の基本方針など、子供の医療に関する各法律の基本方針などの策定におきまして、新たに法律上、事前協議規定を設けるとともに、必要に応じて総合調整権限を活用することなどにより関与することとしているところでございます。
こども家庭庁におきまして、厚生労働省との密接な連携を図ることによりまして、子供の生命、健康が守られる環境の整備を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/80
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081・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
あわせて、学習支援、ここは文科省とも関わりがあると思いますので、本当に誰一人取り残されない、病院で頑張っている子供たちへの支援も是非お願いします。
最後に、民生委員について、一番最後の質問させていただきます。もう野田大臣に直接質問させていただきます。
御存じのとおり、民生委員と児童委員、以前からなり手不足が課題になっています。現実には自治会長の、役員の方たちが委員を担っているケースもありますが、今回、厚生労働省とこども家庭庁と所管が分かれる。任命は厚生労働省だけれども現場がどうなっていくのかという不安がありますけれども、この民生委員と児童委員のなり手不足の課題について、やはり児童委員がしっかりと配置されることが子供支援につながるというふうに思っていますので、これをどうやって厚生労働省と連携していくか、そこについてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/81
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082・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 民生委員、児童委員のなり手の確保については、民生委員制度を所管する厚生労働省と児童委員制度を所管するこども家庭庁がしっかり連携していくことが必要と考えます。
民生委員、児童委員のなり手の確保に向けては、厚生労働省において、地域の実情に応じた自治体等の創意工夫による民生委員活動の負担軽減に資する取組について、全国会議の場等を通じた周知等の取組を行っているとお聞きしています。
こども家庭庁においては、民生委員、児童委員の制度について周知を行うなど、厚生労働省と連携して対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/82
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083・田村まみ
○田村まみ君 時間ですので、残り、また厚労委員会でも聞きたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/83
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084・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
今日は連合審査ということなので、私からは、子供の人権とそれから性犯罪について集中的に質問させていただきます。
縦割り行政の弊害に対する方策について、最初にお伺いいたします。
文科省の所管の幼稚園や学校教育、こども家庭庁に移管されませんでした。これまでと変わらず文部科学省に残るということになります。
新しくこども家庭庁ができても、学校教育に関する限りは政策が大部分これまでどおり踏襲されるという形にならないかと私は危惧しているわけでございますが、日本維新の会は、本会議の代表質問で、縦割り行政の弊害が最も露骨に現れたのが、残念ながら、幼稚園は文部省、文科省ですね、保育園と認定こども園はこども家庭庁へと二元化されたということではないかと、こう指摘したんですけれども、総理からは、幼保一元化しない方がいい、政府全体の施策の充実とそれから質の向上につながると考えますという御答弁をいただきました。
一元化しないことのメリットというのは、責任の所在が明確になるということがあると思いますけれども、そうであっても、縦割りの弊害というのは起こらないようにどうにかしていかなきゃならないと私は考えるんですが、縦割りになりますと国民の要望が柔軟に対応できないという、つまり、歯がゆい思いがする、問題解決になかなかつながらないという、こういう国民の皆様の目線から見ると縦割りには弊害があると思われるわけですが、大臣にお伺いいたします。
こども政策担当大臣、子供政策に縦割りの弊害が起こらないようにするにはどのようにしたいとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/84
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085・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
こども家庭庁は、子供の健やかな成長、家庭における子育て支援、子供の権利利益の擁護に関する施策を集約して自ら実施するとともに、これまで各省庁に分散していた司令塔機能を一本化します。関係省庁に対して、医療、保健、教育、福祉、矯正、更生保護など、幅広い分野にわたって、子供の視点に立って、総合調整の観点から関与することになります。
常に子供の視点に立って子供の最善の利益を第一に考えるこども家庭庁の下で、政府部内の連携が一層強力なものとなり、縦割りによる弊害を解消、是正して子供政策を体系的に進めていくことができると考えています。
子供に関する施策は、文部科学省、厚生労働省の所管に関わるものだけではなくて、例えば人権擁護の関係では法務省、少年非行の関係では警察庁、通学路の安全確保の関係では国土交通省など、様々な省庁が関わっており、子供に関する施策の所管や組織全てを一元化することは合理的ではないのです。教育など学びに係る行政については、児童福祉など育ちに係る行政と相互に近接する側面があるものの、それぞれの目的を追求する中で、専門性を高めつつ、相互にしっかり調整し、密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上となるとも考えているところです。
今後は、こども家庭庁が主導して政府全体の中で強い司令塔機能を発揮することで、縦割り行政の中で進まなかった課題、こういうものを政府一丸となって進めていきたいと考えているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/85
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086・石井苗子
○石井苗子君 人権の一元化というのは、それぞれの責任の所管というのがばらばらであって、縦割りの方が責任の所在というのはよく分かるけれども、やはり司令塔のようなものをつくって、国民の目線からいけば、早くストレートに直すにはどうしたらいいかという。
特に、今子供の人権という言葉が出たので次の質問に移らせていただきますが、日本ほど子供の人権、それから女性の人権も、親の人権としてですけれども、制度、仕組みとして保障されていない国はないと感じております。日本国民である以上、基本的人権というのは享有するわけでございますけれども、未成年、十八歳未満は、選挙権、そのほかの人権というものは今のところ制約されています。これはどうしてかというと、判断力が未熟であり、大人が保護する必要性があるからと言われておりますが。
大臣にお聞きしますけど、子供の人権を制約できる基準は何だと思われますか。例えば、私は、学校に行かない自由というのは尊重されているのかどうなのかという疑問があるんですけれども、子供の人権を制約できる基準とは何だとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/86
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087・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
昨年末に閣議決定した基本方針、ここでは、今後の子供政策の基本理念として、子供は保護者や社会の支えを受けながら自立した個人として自己を確立していく主体であることを認識して、子供の最善の利益を実現する観点から、社会が保護すべきところは保護しつつ、子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に反映されるよう取り組むとしているところです。
この基本理念で示されているとおり、子供は権利の主体であると同時に保護される客体であり、一般論として、子供の最善の利益を実現する観点からの一定の合理的な制約は許容されるものと認識していますが、個々の制約の是非、内容や程度については、子供の意見をしっかりと聞きつつ、それぞれの子供の最善の利益の実現のためには何が必要であるかという観点から検討がなされることが大切だと思います。
学校に行かない自由、これは我が家でも日々のバトルでございます。息子が学校に行かないと言ったときに、行きなさいと親の私は言います。その行かない理由が何かというのをやっぱり知ることだと思います。例えば、いじめに遭っているとするのであれば、子供を守るためにやっぱりそこの究明をしなきゃいけないし、ただ、思い付きで行かないと言っているんであれば、行けば楽しいということを本人はまだ自覚していないんだから、それを促していくのも親、保護者の責任かな、そんなふうに受け止めています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/87
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088・石井苗子
○石井苗子君 その関連で次の質問に移らせていただきたいと思います。
さあ、子供が学校に行きたくない、何があるかということでございます。教職員による児童生徒へのハラスメントについてお伺いします。
内閣府にお伺いします。
千葉県で行われました教育委員会の調査です。県内の公立小中高、特別支援の学校、こちらに調査、一千百十三校の調査がありました。二〇二一年度です。セクシュアルハラスメント。対象の児童、四十四万人です。四十四万人の中の、答えた生徒ですね、がセクハラと感じるという言動があったと答えているのが三百八十一人。小学校五十六人、中学校百三十六人、高校百七十四人、特別支援学校十五人。ほとんどが不必要に触られたという回答でございました。
性的な話、冗談、容姿、こういったことについて具体的に言われる。どんな話が出てくるのか。おまえは男なのに、気持ちが悪い、女みたいだということを言ってみたり、歴史の授業で、これは女性が悪いんだという、必ずしもそう私が耳にしたわけじゃございませんが、女性蔑視の発言がある社会科の先生がいたりと。
これを聞いていますと、これ世代のギャップもあるんじゃないかなと私なんかは年代的にそう思うんでありますけれども、むき出しのその冗談だというような形で性的な話をするということなんですが、四十四万人のうち三百八十一人がそういうことがあると学校に行きたくないと、こういうふうになるわけです。
こども家庭庁が設置される内閣府、教職員によるハラスメントの実態についてどのように把握しているか。学校教育に関することですが、先ほど大臣も縦割りの弊害をなくすとおっしゃっておりましたので、把握しているところをお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/88
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089・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
今議員の御指摘、御質問は、現時点においてということだと思いますけれども、お尋ねの、教職員にハラスメント、それに関する数字、対策等につきましては文科省を中心に取り組まれているものと承知しておりまして、内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室としましては、現時点におきましてそのハラスメントに関する具体的数字等については把握をしておりません。
ただし、こども家庭庁が、この今回提出した法案が成立した暁には、こども家庭庁は、これまで各府省におきまして別々に担われてまいりました子ども・子育て、少子化支援、児童虐待などの子供政策に関する総合調整権限を一元化し、子供や子育て当事者、現場に立った強い司令塔機能を発揮することとしております。
そういった創設された暁には、子供政策の司令塔として子供政策を推進していく観点から、文科省等と情報共有を含めまして必要な連携を行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/89
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090・石井苗子
○石井苗子君 子供中心に、子供から、子供の視点。子供の背の高さ、百センチですよね。小さい子の背の高さというのは大体一メートルです。この点からいきますと、性犯罪、子供を対象とした許すべからずと言いたくなるような性犯罪が多く発生しています。
小児を対象とした性犯罪の、ごめんなさい、再犯率ですね、再犯率についてお伺いします。
これ、白書があります。内閣府の方、白書がありますよ。内閣府は把握していらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/90
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091・谷内繁
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
今議員御指摘の、お尋ねの犯罪等につきましては、警察等を中心にその対応がなされているものと承知しております。その検挙数や再犯率などにつきましては、議員、白書にあるはずだというふうに御指摘になっておりますけれども、内閣官房こども家庭庁設置法案等準備室といたしましては、具体的な数字等については現時点では把握はしておりません。
ただし、今後、こども家庭庁が創設された際には、子供政策の司令塔として子供政策を推進していく観点から、警察庁などと情報共有を含めまして必要な連携を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/91
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092・石井苗子
○石井苗子君 小児性犯罪というのは再犯率高いんです。実は、私は病院に勤めておりまして、これを治療してくれという、精神科や心療内科に対する、医師やカウンセラーに要求が高かったんです、再犯率が高いので治療してくれと。しかし、これは治療ができるものではなくて、治療といえば、なるべくそういう環境の機会を与えないことなんです。そこに行ったらそういう気持ちに駆られるという環境を与えないで、その人の人生を考えていってあげるというカウンセリングしかできません。
さて、日本版DBSの検討について次にお伺いいたしたいと思います。
これは、ディスクロージャー・アンド・バリアリング・サービスと言いまして、よくアルツハイマーの方の治療だったりと間違えられるんですけど、DBS、この日本版DBSは、たしか菅総理がこども家庭庁の、そのときはこども庁でしたね、の柱にしたいと、政策の柱にしたいとおっしゃったの記憶に残っているんですが。
この日本版DBS、日本維新の会は本会議の代表質問で日本版DBSについてお尋ねをいたしました。DBSは、教育・保育施設、子供が活動するところで働く人に性犯罪歴等についての証明を求める仕組みです。是非実現していただきたいと。これまで日本でDBS導入が進まなかった理由について、総理はこのようにお答えしています。文部省、厚労省、法務省、その他多くの省庁が関係し、いわゆる縦割りの行政の中でDBSの導入はなかなか進みませんでした。
はっきり認められていますが、これはイギリスの政府の部局であって、犯罪記録をチェックしてリクエストに対して処理をするという機関でございます。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国でも、もう政府の部門として確立されております。
今後、日本版DBSについて検討を進めるとおっしゃっていらっしゃいますが、縦割りの各省の権益を打破してどのように検討を進めるおつもりでしょうか。是非ともこれを実現したいと思っていらっしゃいますでしょうか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/92
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093・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
日本版DBSがなかなか進まなかったというのは、私自身がもう痛感しておりまして、これ議員提案で児童買春、児童ポルノの禁止の法律があるんですが、先ほどの小児性愛の犯罪者もそうですが、結果として法律ができて犯人がきちっと逮捕され処分される。これについてはこども家庭庁が創設した暁には共管することになっているので、当然主体として取り組むことが可能になりますし、この議員連盟の中でやはり日本版DBSを進めようといったときに、今委員御指摘のように、各省庁がまとまらなかったという苦い経験をしたところで、菅前総理、そして岸田総理のリーダーシップの下で具体的に検討が進められるというのは非常に喜ばしいことで、きちっとやらなきゃいけないと思っています。
昨年、実際には昨年十二月に閣議決定しましたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針、ここにおいて、教育・保育施設等や子供が活動する場において働く際に性犯罪歴等についての証明を求める仕組み、今委員が御紹介いただきました日本版DBSの導入に向けた検討を進めることとしています。
日本版DBSについては、いわゆる縦割り行政の中でなかなか進まなかったものと認識しています。今後は、子供政策の司令塔であるこども家庭庁が主導して、できるだけ速やかに導入できるよう必要な検討をしっかりと行っていきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/93
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094・石井苗子
○石井苗子君 これ、是非お願いしたいんです。
建設業で働きたいけれども、どうしても事故が多いんだという人がカウンセリングに来ますと、よく聞いていると高所恐怖症、皆さんもなじみのある言葉だと思いますが、それでも、それでも建物の仕事をしたいんだと。これは、これは何とかできるんです。でも、子供の目線に立って、子供は抵抗できないところに、これ、毎日そこに行けば子供がいるというところの職場にどうして同じ人を送るんだろうかと、私なんかはそう思うんですけれども、さっき言った機会を与えないという意味においての治療しかできないという観点からなんですが。
先ほど縦割りと言ったその法務省、法務省なんですけれども、過去に性犯罪を犯しても、刑期を終え、一般市民として生活をするとなった人は、原則とし、国民としての自由を制約されることはない、こういうことなんですね。だから、DBSというような制度を導入しますと、例えば学校の教師になりたいとして、性犯罪歴のないことの証明ができなければいけないとなりますと、自分の望む職業に就くことができないという、こういう制約を課すことになってしまう。
日本版DBSの検討をするに当たりまして、職業選択の自由と子供を犯罪から守るという調整について、どのように検討されていますでしょうか。ある程度の制約はできるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/94
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095・蝦名喜之
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
日本版DBSにつきましては、委員御指摘のとおり、職業選択の自由を制約するものとなり得ますけれども、その制約が行き過ぎて職業選択の自由を不当に侵害するものとならないよう、具体的な制度構築を今後していく必要がございます。
日本版DBSにつきましては、子供の安全、安心の確保のための重要な施策と考えております。御指摘の職業選択の自由等、論点多々あろうかと思いますけれども、導入に向けました必要な検討をしっかりと進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/95
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096・石井苗子
○石井苗子君 必要な検討をしっかりと進めてまいります、必要な検討とはどんな検討でしょうか、必要とは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/96
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097・蝦名喜之
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
日本版DBSにつきましては、昨年十二月の閣議決定、先ほど大臣からも御紹介ございましたが、教育・保育施設等や子供が活動する場等において働く際の性犯罪歴等についての証明を求める仕組み、日本版DBSの導入に向けた検討を進めるとなってございますが、例えば、どういう職種がこうした子供が活動する場等において働く際にこうした取組が必要な職種であるのかといったようなこと、あるいは、先ほどお話しいただきました職業選択の自由等、抵触する場合に、それをどのような形で調整を図るのかといったようなこと、様々論点があります。また、これは犯罪歴の証明ということでありますが、その事務執行体制をどうするのかといったようなこと、これ今までなかった仕組みでございますので様々検討すべき事項がございます。
そうしたそれぞれの項目について、現時点ではこうしたことを念頭に置いてございますけれども、それぞれについてしっかりと検討を進めていく必要があるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/97
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098・石井苗子
○石井苗子君 こども家庭庁というのは、子供を中心に、子供の人権を子供の目線で守っていくということなので、これは先進国でも例のあることでございまして、世界がまだ一度もやったことがないことではございませんと私がさっき申し上げましたように、建設業で建物を見たら衝動に駆られるという人はなかなか少のうございます。しかし、これは、性犯罪というのは衝動ですので、その衝動に駆られる機会を与えないような環境で仕事を選ぶということでその人も救っていくことができるんではないかという。私は次の質問につなげたいと思います。虐待です。
虐待のリスクがある家庭の把握について質問いたします。これも衝動あるいはアンガーコントロールという問題です。
へその緒が付いたまま捨てられていた赤ちゃんの報道がありました。こういった、私たちは、悲惨な事件が起きるたびに、虐待、児童虐待の可能性のある家庭を事前に把握して適切な予防のための対策を講じることが必要だと痛感しております。これをもう少し科学的に、その虐待をする人をどう予防していくかという観点から、こども家庭庁に専門部門を設けてもらいたいと思っているわけです。
虐待のある、リスクのあるといいましょうか、そうした家庭について、児童相談所、どのように把握をしておりますか、現時点をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/98
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099・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 児童虐待防止法におきましては、第六条でございますけれども、虐待を受けたと思われる子供を発見した者は、何人も速やかに市町村や児童相談所に通告しなければならないこととされておりまして、市町村や児童相談所は、虐待リスクのある家庭を含め、通告による情報を得ているわけでございます。
また、地域の住民から身近な相談窓口である市町村におきましては、子ども家庭総合支援拠点など子育てに関する相談窓口における相談の実施や、乳児家庭全戸訪問事業、こんにちは赤ちゃんの事業の実施などを通じて支援が必要な家庭の早期把握や適切な支援を実施しております。
また、児童相談所においては、日々の相談対応のほか、虐待を受けたと思われる子供を見付けたときや子育てに悩んだときにためらわずに児童相談所に電話で通告、相談ができるいわゆるいちはやくの活用や、要対協の枠組みを活用した情報提供によりまして、虐待リスクのある家庭等を把握しているところでございます。
虐待リスクのある家庭を可能な限り把握して、必要な支援、介入につなげていくことが重要であると考えておりまして、引き続きしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/99
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100・石井苗子
○石井苗子君 そうなんですよ。児童相談所の人はもうぱんぱんです。私はもう少し先進的なアプローチが必要なんじゃないかと思うんですね。情報を集めて把握しています、把握しています、把握しているうちにもう本当に両手に抱え切れないほど把握になってしまうわけです。虐待リスクのある家庭へのアプローチというのをこれからどうしていくかだと思います。
これは、虐待をするんだと、さっきアンガーコントロールと言いましたけれども、これも治療で治してくれ、治療で治してくれと言われるんですが、ほかのアンガーコントロールは治すことができます。どうしてもいらいらしてしまうんだというときに、いらいらするのをリンゴだとすると、リンゴからバナナを想像するように、ちょっと頭の中を想像する訓練するんですね、ここでその説明は省きますけれども。とにかく、その虐待というこの特別な行動、これも、衝動がすごくあります、それから家庭の事情というのがあります。把握しているだけでは駄目だと思うんですね。
虐待リスクのある家庭を認識した場合、どうするかです。通常、その家庭が自力で解決することを望むと、これはほとんど難しいというか無理だと思います。私は、行政なり外部から支援が、もっと先進的なものが出てこなければいけない、そのためのこども家庭庁なんではないかと思うんですね。
民間の事業者を指定して虐待予防サービスをさせる虐待予防制度、これをつくったらどうかというふうに提言したいんですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/100
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101・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘ありがとうございます。
まさに、虐待によって子供が亡くなるというのはあってはならないことで、私たち大人が決して起こしてはならないことです。
でも、今御指摘のように、家庭の、ワンオペと言われている、専ら母親に過度な負担が掛かったり、例えば産後うつで、やはりホルモンの不調で正常な判断ができなかったりとか様々な理由があるわけで、こども家庭庁は、そもそも今のような生まれてきた子供に対する政策ではなくて、周産期、つまり妊娠中から、そのおなかの中にいる胎児のときの子供のときから寄り添うということがこども家庭庁の大きな特徴の一つであります。
それを通じて、常にプッシュ型で支援ができるような体制を民間の方たち又は市町村と連携をして取り組んでいく、そういう所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/101
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102・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
新しくできるこども家庭庁に児童相談所も移管されることになります。こども家庭庁にはこれまで以上に危機感を持った対応が期待されることになると思います。
私は、生まれてくる子供がこの日本で安心して暮らしていけるように、また女性も一人で子供を育てていけるように教育の無償化を訴えているわけでございますが、我が党は、も含めて、新しくできるこども家庭庁には、子供を持っている、あらゆる、虐待だとか、暴力だとか、そういったものも、直接アプローチできる、解決策に救いが求めることができるという新しい制度、予防制度を是非つくってもらいたい。そこに、例えば公認心理師だとかというような新しくできた資格の人間を……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/102
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103・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/103
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104・石井苗子
○石井苗子君 働かせていただきたいと思います。
時間になりました。質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/104
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105・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。よろしくお願いいたします。
物価高騰がもう本当に天井知らずのような状況になっていまして、学校給食にもこれ広がっております。食用油、これが十八リッター当たりで三千二百五十円だったのが一・六倍で五千二百四十円だと。タマネギは、キロ百四十円が四百九十円と約三倍です。小麦、キロ二百五十円が二百九十円。さらに、これ四月から輸入小麦の製粉会社への売渡価格が一七・八パー、一七%の引上げということになっていますので、これもうどんどん、値上げの夏、値上げの秋というような報道も出ている状況です。
学校給食法では食材費は保護者負担というふうになっているために、保護者の負担増がこれ想定されるわけですね。現在、給食費の保護者負担額というのは、月額平均、直近幾らになっているのか。そして、四月以降、今年四月以降ですね、保護者負担増を決めたという声があちこちから届いております。これ、自治体の実態、どんなふうに把握しているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/105
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106・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
まず、保護者負担額の月額平均でございますけれども、私ども直近で調査しておりますのは、平成三十年度の学校給食実施状況等調査でございます。ここでの平均月額は、小学校で四千三百四十三円、中学校で平均四千九百四十一円となっております。
また、お尋ねの四月以降の保護者負担増を決めた自治体数につきましては、現時点において文部科学省として網羅的に把握をしておりませんけれども、例えば自治体において学校給食費を値上げをする場合に、その値上げ分を全額公費で負担することとしているようなケースもあれば、あるいは半額公費負担で半額保護者負担とするケース、あるいは全額保護者負担をお願いするといったようなケースなど、幾つかのケースがあるというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/106
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107・倉林明子
○倉林明子君 値上げに追い込まれている自治体も出ているということなんですよね。
これ、子供たちに人気のメニューランキング調査というのがいろいろあるんですけれども、それ一つ見てみると、一位が揚げパンで、二位がカレー、三位ソフト麺、四位が空揚げ、これ調査によって空揚げぐっと上がるところもあるんですけれども、五位は冷凍ミカンだというわけですね。
これ、物価高の影響で現場どういうことになっているかというと、揚げ物の回数を減らすと、こういうこと起こっているんですね。空揚げが一個になったということもあるし、人気のデザートが中止やとか、果物を六分の一やったのを八分の一に減らしているとか、こんな状況で、物すごく工夫しているわけですね。これ、深刻だなと私思いましたのは、栄養基準を満たせない月もあったと、こんな自治体さえ生まれているわけです。
そこで、取材に応じた栄養教諭というのはこんなふうに言っているんですね。家庭でだしの違いを感じる食事を食べたり、ひな祭り、端午の節句などの行事に合わせた伝統的な食事を食べたりしていない子供たちもいるので、給食でそういった経験をさせてあげたいと思っていると。給食は栄養を取るだけのものではなく、学校の食材の一つであるということも知っていただきたい、是非家に帰ってきた子供たちに今日の給食どうだったと聞いてみてほしいと、こういうふうに語っているんですね。
私、物価高騰、これが、食育ですね、食育の危機を招いていると、こういう状況にあるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、認識いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/107
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108・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
まず、学校給食は文部科学省の所管となりますが、今お話のある物価高騰、これに伴い学校給食費についても値上げが懸念される点、これに対応するために、四月二十六日に取りまとめられました原油価格・物価高騰等総合緊急対策を受けて、文部科学省が自治体における地方創生臨時交付金の活用を促す取組を行っている点がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/108
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109・倉林明子
○倉林明子君 そうなんですね。その話もしたいと思うんですけれど、この今の状況でいいますとね、この栄養士さん、栄養教諭さんが言わはったように、今日の給食どうやったと聞いてあげたら、いや、空揚げ一個やった言うて、残念な感想が返ってくるんじゃないかというわけです。
御紹介あったように、原油価格・物価高騰等総合緊急対策ということで臨時交付金使えるよというふうにしていただきました。じゃ、これ活用するというふうにした自治体というのはどれだけあるのか、つかんでいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/109
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110・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
先ほど野田大臣からお話ございましたように、昨今の物価高騰に対しまして、文部科学省では、地方創生臨時交付金の拡充により創設をされます、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分を活用して、各自治体において学校給食等の保護者負担の軽減に向けた取組を進めていただくよう通知を発出して要請しているところでございます。
お尋ねの各自治体の状況を網羅的に現時点で把握をしておりませんけれども、私どもに様々な相談なども来ておりますので、多くの自治体において学校給食費の負担軽減を目的として地方創生臨時交付金の活用が検討されている状況にはあるというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/110
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111・倉林明子
○倉林明子君 そういうことで、八千億円ですかね、臨時交付金の活用と。その中で地方自治体が選べるメニューの一つとして位置付けていただいたと。四月末の通知ですから、六月議会に向けて今一生懸命、自治体検討されているところだろうというふうに思うんです。
しかし、これ、給食費の負担軽減に使い道が限定されているわけじゃないんですね、全体の交付金がね。そういうことになると、自治体が活用しないよという判断をすれば、値上げに直結しかねないと危惧しているわけです。
全ての子供に食育を保障するという国の責任が私問われていると思うんですよ。
保護者負担の軽減にとどまらず、物価高騰による給食の質は後退させないということ、本当に必要だと思っているんですね。この食材費の高騰分ということでいうと、私、国がやっぱり直接これに使いましょうという財政支援に踏み出すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/111
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112・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) これまた所管外になりますが、学校給食費への支援については、学校の設置者と保護者との協力により学校給食が円滑に実施されることが期待されると、学校給食法の立法趣旨に基づきまして、各自治体においては地域の実情に応じて御検討いただくことがふさわしいと考えます。
その上で、委員御指摘の昨今の物価高騰に伴い、学校給食費についても、繰り返しになりますけれども、値上げが懸念される、そういうことから、先ほど申し上げた原油価格・物価高騰等総合緊急対策を受けて、文部科学省では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充、これは私の担当でございまして、創設されるコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分、これをしっかり活用し、各自治体において学校給食等の保護者負担の軽減に向けた取組を進めていただくよう通知を発出しました。
このように、文科省において適切に対応されているものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/112
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113・倉林明子
○倉林明子君 学校給食は、本当に、改めてその値打ちが浮き彫りになったなというのは、やっぱりコロナ禍でもあったと思うんです。
コロナ禍で学校の一斉休業ということがありました。このとき、子供の体重が減ったということが話題になったんですね。学校給食で栄養取っていたんですよ。さらに、保護者の収入減少ということも起こりました。食料が買えない、こういうシングルマザーの声というのが届いたし、増えているんですよ。
食材支援とかやっているNPOや支援団体等の声を聞きますと、コロナが収束しつつあるというものの、そういう支援の数が増えているという実態があるんですよ。直近ほど増えているというわけです。給食は子供たちのこれ命綱になっていると言ってもいいような状況が浮き彫りになったと思っているんです。
そこで、確認したい。日本の子供の貧困率というのは一三・五%になっております。七人に一人は貧困状態という数になります。再分配がされております。この再分配によって子供の貧困率というのはどれだけ改善しているのか、つかんでいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/113
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114・笹川武
○政府参考人(笹川武君) お答え申し上げます。
子供の貧困率ということでございます。
まず最初に、相対的貧困率、これは先生も御存じと思いますけれども、可処分所得のみで判断しておりますので、医療、保育、あるいは給食といった現物給付の充実などによる効果というのは十分反映されない性格のものでございます。
その上で申し上げれば、最新の子供の貧困率、これは今先生からお話ございましたとおり、令和二年に公表された国民生活基礎調査によって算出されて、一三・五%ということでございます。
これが再配分でどれだけ下がったかということでございます。
恐縮でございますけど、この点につきましては、本統計、この統計を所管している厚生労働省に確認いたしましたけれども、再配分前の子供の貧困率、これは算出、公表していないのでお答えできないということでございます。
よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/114
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115・倉林明子
○倉林明子君 厚労省はデータ持っていないんですけれども、厚労省に委託受けた研究事業では実は計算して公表されているものありまして、これが東京都立大学の阿部彩先生によるもので、日本の相対的貧困率の動態、二〇一九年国民生活基礎調査を用いてということで既に公表されております。
これ見ますと、子供の再分配による改善度というのは物すごく低いんですよ。特にゼロから四歳までの女性のところを見ると、何と貧困率悪化しているんですよ、再分配後。子供への再分配というのが足りないと、これははっきり言えるんじゃないかと思うんです。
そこで、現状では給食費は生活保護世帯及び就学援助によって免除されているというものもあります。そこで、直近の免除の児童数は何人になっているのか。これ、資料も付けました。要保護及び準要保護児童生徒数の推移ということで、平成七年以降の数字が出ております。これ、直近のところを見ると、ずっと減少傾向にあるわけですね。ぐっと増えてきたのが今減少傾向にある。これ、何でなのかと。要因をどういうふうに分析しているか、御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/115
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116・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
お尋ねの就学援助の対象の児童生徒数でございますけれども、直近の私どもの調査によりますと、令和三年度に実施をいたしました令和二年度の要保護及び準要保護児童生徒数は百三十二万四千七百三十九人、これに被災児童の就学援助の対象者を含めますと百三十三万三千七百三十二人ということでございます。
前年と比較をして減少してきておるわけでございますけれども、幾つかの自治体にその状況を確認をいたしましたところ、そもそも全体として児童生徒数が減少しているということですとか、経済状況の変化というふうな回答が多かったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/116
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117・倉林明子
○倉林明子君 いや、率で見ても実は下がっているんですよ。
これ、平成十七年のところで何があったかというと、準要保護者に対する国庫補助が廃止された、一般財源化になっちゃったんですね。ここで、少なくない地方自治体で準要保護者の認定基準が厳格化されました。援助支給額の減額も行われました。これ、地方自治体で決めるということになっているものなので。
平成二十四年、平成三十年、これ何があったかというと、生活保護基準の引下げが行われたんですね。これによって基準が、ベースが下がっちゃったんですよ。それで対象外という児童も生まれたわけです。
そこで、文科の副大臣に来ていただいておりますので確認したいと思うんですが、お聞きしたいと思うんですけれども、これ給食費の保護者負担の自治体間格差というのが今歴然としてあります。これ解消するためにも、就学援助に対する国庫負担、これ二分の一補助していた、これ元に戻すということ必要じゃないかと。さらに、要保護基準を国の基準として、生活保護基準に対してばらばらなんですよ、今、地方自治体が。これ、一・五倍というところまで拡大すべきではないかと。速やかな検討を求めたい。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/117
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118・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 倉林議員にお答えをしたいと思います。
今議論されておりました就学援助制度は、学校教育法第十九条の規定に基づきまして、義務教育段階において経済的理由によって就学が困難な児童生徒の保護者に対して市町村が必要な援助を行うといったものでございます。準要保護者への就学援助は、要保護者に準じて支援が必要と市町村が認める者への支援でありまして、国から地方への税財源移譲がなされたいわゆる三位一体の改革によりまして、平成十七年度からは地方単独事業として整理され、地域の実情に応じて実施されているところでございます。
文部科学省といたしましては、家庭の経済状況にかかわらず誰もが安心して教育を受けることができるように、関係省庁と連携しつつ、要保護者への国庫補助の充実、各市町村における就学援助の実施状況を毎年調査、公表することによりまして、支援の充実を促し、教育費負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/118
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119・倉林明子
○倉林明子君 地域の実情で今どうなっているかといったら、ばらばらになっていて、地域間格差が出ているんですよ。そういうところの問題点を指摘させていただいたということはしっかり受け止めていただきたいと思います。
そもそも、憲法二十六条、これ、「義務教育は、これを無償とする。」という規定があるわけですよ。国の責任で学校給食費の無償化、この法を今決めるというところですから、こういう課題にも正面から向き合って検討すべきだと思います。いかがでしょうか。これ、野田大臣にお願いしたかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/119
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120・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 学校給食費の無償化、これについては五月二十五日の本会議で岸田総理から答弁がありました。そこでは、各自治体において地域の実情に応じて御検討いただくことを指し、そういうふうにおっしゃって、そのとおりだと考えます。
その上で、文部科学省において、安全、安心な学校給食が安定的に実施されるよう引き続き適切に対応することが重要と考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/120
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121・倉林明子
○倉林明子君 これ、憲法を定めた、定めた当時、一九五一年三月十九日の国会で議論になっているんですね、教育費の無償化問題が。時の政府は、義務教育の無償をできるだけ早く広範囲に実現したいと、こう答弁しているんですよね。その対象についても言及ありまして、学用品、学校給食費、できれば交通費と、これ政府答弁です、と答えているんですよ。
あれから七十一年でございます。速やかな検討を約束したんだけれども、いまだできていないと。これは本当に重大、責任問われる問題だと思っているんです。本法案の制定を機にこういう憲法の規定に沿った大きな一歩踏み出す、そういう決断を求めたいと思います。
最後、もう一言どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/121
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122・野田聖子
○国務大臣(野田聖子君) 一国会議員としても、この義務教育、小学校、中学校に思うところあります。先ほども議論になりましたが、医療的ケア児は、医療的ケア児ゆえその義務教育を受けられない子供たちもまだまだこの国に存在しています。
そういうことも含めて、しっかりと、こどもまんなかの社会をどうつくっていくか検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/122
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123・倉林明子
○倉林明子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/123
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124・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/124
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125・徳茂雅之
○委員長(徳茂雅之君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後零時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814894X00120220602/125
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