1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年四月十九日(火曜日)
午後一時開会
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委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
本田 顕子君 進藤金日子君
四月十八日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 岡田 直樹君
小沼 巧君 塩村あやか君
四月十九日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 進藤金日子君
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出席者は左のとおり。
委員長 長谷川 岳君
理 事
酒井 庸行君
藤木 眞也君
山田 俊男君
田名部匡代君
紙 智子君
委 員
小野田紀美君
佐藤 啓君
進藤金日子君
野上浩太郎君
野村 哲郎君
宮崎 雅夫君
郡司 彰君
塩村あやか君
横沢 高徳君
熊野 正士君
下野 六太君
谷合 正明君
舟山 康江君
梅村みずほ君
須藤 元気君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
参考人
株式会社ファー
マン代表取締役 井上 能孝君
立教大学経済学
部経済政策学科
准教授
全国有機農業推
進協議会理事 大山 利男君
農業生産法人有
限会社当麻グリ
ーンライフ 瀬川 守君
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本日の会議に付した案件
○環境と調和のとれた食料システムの確立のため
の環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/0
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001・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、本田顕子君及び小沼巧君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君及び塩村あやか君が選任されました。
また、本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/1
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002・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案及び植物防疫法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、株式会社ファーマン代表取締役井上能孝君、立教大学経済学部経済政策学科准教授・全国有機農業推進協議会理事大山利男君及び農業生産法人有限会社当麻グリーンライフ瀬川守君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、井上参考人、大山参考人、瀬川参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず井上参考人からお願いいたします。井上参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/2
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003・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 山梨県北杜市より参りました、株式会社ファーマン代表の井上能孝と申します。
農林水産委員会参考人としてのお声掛けをいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料の一ページ目を御覧ください。
初めに、自己紹介をさせていただきます。私は、埼玉県の一般家庭で生まれ育ちました。高校生時代に出会った有機農家との生き方と行動力に衝撃を受け、以来、興味と憧れを持ちました。高校卒業後、有機農業に取り組むべく有機農家の下で研修を受け、二〇〇〇年に現北杜市へ新規就農者として参入をいたしました。当初は資金もつながりも社会経験もなく、生活や食を自分の手でつくり上げる農業という道に入ったことで満足感を得ていました。しかし、農業経営は独り善がりの思いだけでは成り立たない、自然や消費者との向き合いの連続だと感じました。
実際の生活はというと厳しく、ようやく農家としての先行きが見えてきたのは就農してから六年後のことでした。この六年間、土木業、建築業、飲食業、そういったアルバイトをして何とか生計を立てておりました。先行きがうっすら明るく見えた要因は、家族、友人、先輩農家、取引先様、お客様、自然環境のおかげさまだと実感しています。
現在、二〇一七年にファーマンという会社を立ち上げ、農業を憧れの職業にをスローガンに活動しております。弊社のファーマンという社名には、ウルトラマンやスーパーマンなど、農業界におけるヒーローでありたいという思いが込められています。
弊社は、中山間地域に属し、生産性という観点では厳しくありますが、一見この弱点と思われる部分を強みに変えて農業を営んでおります。具体的には、農業掛けるXに見られる領域の拡張です。例えば、農業掛ける観光、農業掛ける福祉、農業掛ける教育、農業掛ける加工品などです。
生きる上では食は欠かせず、食は農がつくり、その農を実践するのが農家であります。農家を百姓と言うように、多くの技術や知見を持つ農家は可能性にあふれているとも感じています。また、私たちが営む農業は一万年以上前に起源を持つと言われ、その多様性や包括性は計り知れないと感じています。好きなことや熱中できることで人生を全うしたいと感じた私は、うってつけの職業だと感謝をしています。
次ページをお願いします。
みどりの食料システム戦略についてです。
結論からですが、数値目標やその手法について賛否が問われていますが、この法案の推進に対しておおむね賛成です。
持続性が世界の新しいルールとなるのであれば、農業者、有機農業者としては追い風にしたいと考えています。追い風への可能性を感じる一因としては、この法案は、農の根幹を見詰め、かつ業種を超えなければ成り立たないと考えるからです。
農業は、生産活動以外にも、環境保全や景観維持、防災などの多面的機能、食育や体験を基にした教育的要素、固有の食文化やセラピー効果などでの健康増進効果を含むと考えています。生産活動における食の安全保障はもちろんのこと、その多面的で包括的な懐の広さは多くの産業の懸け橋にもなり得ると感じています。また、豊かな自然環境や先人の礎を次世代へ受け継ぐのは私たち大人の責務であり、食文化などによって分かりやすく継承できるのは農林水産業だからこそできることだと考えています。
同じページの①番から⑥番を御覧ください。周辺の有機農業者からの意見です。
①番、世界的潮流の中ではとありますが、冒頭に申し上げたとおりです。グローバルスタンダードになるのであれば、むしろ率先して日本独自の強みを打ち出せればと考えています。
②番、有機・自然農法だけでなく農業界全体をとありますが、このみどり戦略によって、慣行、低農薬、有機も関係なく、農業者という枠組みで手を結びたいという意味合いです。農法に違いはあれど、自然と向き合うことは共通しています。
③番、社会情勢、自然環境によってとありますが、昨今の気候変動や環境変化は人新世によるものなのか、また網の目のようにつながった経済活動はどのような影響を及ぼすのかなど、現場に立つ私たちでも不確定で分からないことが多くあるということです。この戦略を実践すれば絶対に思わしい成果が上げられるということは確約できないということです。
④番、商売としての有機農業が広まりとあります。数値目標の達成を目指す余り、有機・自然農法の意義や感情的な側面が矮小化するのではないかとの意見です。
⑤、前向きな意味合いで捉えています。消費者へみどり戦略が知れ渡ることで、生産者への理解が深まり、好循環が生まれるのではという考え方です。
⑥番、PR力のある農家とありますが、有機農業は生き方としての選択でもありますし、人との関わりや交渉が苦手な生産者もおります。そんな職人気質な仲間の生産者を置き去りにはしたくないという考え方です。
次ページを御覧ください。二〇五〇年までに目指す姿についてです。
数値はあくまで目標であり、社会全体で行動を起こすことが重要と考えています。目標に向けての進捗共有などの見える化も大切だと感じています。目標は高いと感じていますが、実現は不可能でないと考えています。
CO2のゼロミッション化については、農林水産業で排出量を低減することに反対はありません。排出の低減を念頭に、吸収源としての可能性を模索し実現することが他の数値目標へ良い影響を与えると考えています。吸収源の可能性の模索として、山梨県では四パーミルイニシアチブという農法に見られる炭素貯留の実践を行っております。ほか、一般廃棄物や産業廃棄物の堆肥化による有効活用は有機農業界では古くからある手法です。
化学農薬使用量の五〇%低減と化学肥料の三〇%低減についてです。
健康被害との因果関係は各所で発表されていますが、その因果関係を分かりやすく伝えることが重要と考えます。農薬や化学肥料は人体や環境、経済にどんな影響を及ぼし、減らすことによりどんな効果が期待できるのかを示すことが低減につながると感じています。また、高温多湿な日本の気候では、今すぐの農薬や化学肥料の完全なる不使用は、大規模栽培地と果樹栽培地では難しいと感じています。
次に、有機農業の取組面積割合を二五%へ拡大することについてです。
拡大に向けては、米穀での取組は外せないと考えます。新規参入の有機農業者は野菜栽培へ取り組むことが多くありますが、それのみでの達成は難しいと考えています。さきに申し上げた米穀での取組を普及させるのであれば、特区の設立や地域、産地背景によった認証の一部見直しを図ることも有効な手段だと考えています。また、法規制や生産者の技術向上だけでなく、消費者への普及活動が何より重要だと感じています。
次ページを御覧ください。産地からの声です。
大規模平野部産地と小規模中山間産地で戦略は変わると考えています。中山間地で有機農業を取り組む僕ら生産者からの意見と思って聞いていただければと思います。
前提として、大規模平野部、中小規模の山間地で戦略は変わりますが、この違いにより、機械や人材の導入はもちろん、販売やPRの仕方も変わります。三つほど具体的なアイデアを申し上げます。
一つ目は、ベテラン有機農家と新規参入の有機農家が混在するエリアゾーニングです。小中規模の圃場整備区画において、五〇%ずつの割合でベテラン農家と新米農家を混在させ、栽培技術だけでなく、営業方法や販路の確保、農機具や資材の取得に関する情報共有、そして地域との結び付きを交流の中で学びます。区画化された場所で栽培を行うことにより、有機JAS認証の取得もしやすくなると考えています。
また、圃場整備された農地は投資を行った農地であり、保全と有用性を持続させることは重要だと考えます。耕作放棄地の増加を防ぐことはもちろんですが、優良農地を何としても守らなければならないと考えています。この共有を中心としたゾーニングは、みどり戦略の目標に向けてと担い手不足の改善に向けてと、両方でアプローチできる手法ではと考えています。
二つ目は、教育現場での農業の普及についてです。
私の営農する北杜市では、学校給食の有機農産物の取扱いを増やす動きがあり、一定の実績を出しております。理由は、市内には有機農業者が多いことと、行政と農業者と栄養士での関係性構築に多くの時間を費やしたからです。しかし、全国的にその取組を強いることは、同じような環境にない産地を苦しめることになるのではとも考えています。まずは、作る楽しさや食べる喜び、それらを体感できる食育教育を普及し、その中で循環や持続性のある農業についての学びを提供することが大切だと考えます。農家が中心となる食育教育の実施は、農家自身の営業活動でもあります。
三つ目は、消費から始まる流通拡大と社会全体での取組とすることです。
生産者への直接的な所得戸別補償は、短期的には効果が見込めるかもしれません。しかし、中長期的な視点と農業者の成長、そういった意味合いでは効果が薄いと考えます。一方、消費に対しての補助であれば、有機農産物を求める声が強まり、農業者自身の技術や経営の向上へとつながります。
また、消費者はイコール総人口であり、認知を広める絶好のチャンスだと考えています。具体的な手法としては、消費者が有機農産物を購入した際にポイントの付与をするであったり、税制優遇を行うであったりです。SNSを活用して産地情報を共有することや、産地に訪れた場合にも同じような特典があると若い世代をも巻き込めると考えています。
次ページを御覧ください。
終わりにとあります。持続可能な食料システムの確立を目指すのであれば、消費流通の拡大と段階に合わせたルール作りが必要と考えます。
消費の拡大については、前のページでも申し上げたとおりです。私たちは、食べてくださる皆様がいなければ農業を営むことができません。作りたいものだけをお届けすることは難しく、求められるものを作ることは取組をしやすいと感じています。商品だけでなく、生産者にフォーカスをすることで興味、関心を深めることができるとも考えています。食べて知っていただくことが、農業者だけでなく、持続性や多様性を考えるきっかけとなり、社会全体での流れをつくると考えています。
ルール作りに関してですが、この効果や影響は非常に大きいと感じています。有機農業には生き方などの概念的な要素も含まれており、生産者によって様々な価値観が存在します。全ての生産者で今すぐの合意を取ることは難しいかもしれません。段階や地域、品目や品種、複合性や包括性によってルールを定めることにより、目標に向けて前向きに取り組むことができると考えています。
最後となりますが、私自身は農業という産業に未知の可能性を感じています。また、有機農業という熱中できるすばらしい産業との出会いに感謝をしています。次世代へ豊かな自然と文化の継承を行うため、みどりの食料システム戦略を多くの方々と考え、そして行動します。
発言は以上となります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/3
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004・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
次に、大山参考人、お願いいたします。大山参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/4
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005・大山利男
○参考人(大山利男君) 立教大学の大山です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今日は、肩書としてもう一つ、全国有機農業推進協議会の理事という肩書もいただいているんですけれども、この団体は、ちょうど有機農業推進基本法が制定されたときに有機農業に取り組んでおられた方々が中心となって組織して全国的に普及、展開したいという、そういう思いで活動が始まった団体でございます。ですから、今回のこのいわゆるみどり法案ですけれども、これについても非常に前向きに捉えて活動を進めているところです。
それで、私の自己紹介を少しさせていただきたいんですけれども、私、大学院を卒業してから農政調査委員会という農業団体に研究員として就職をいたしました。そのときに、国内調査中心で、有機農業だけではなく、ほかのいろんな調査テーマを担当しておりましたけれども、九〇年代の終わりですね、平成の時期の割と始まりの頃ですけれども、有機農業の、有機農業をテーマにした調査事業、研究事業はなかったんですけれども、ちょうどいろんないきさつ、経緯がございまして、その事業を担当することになります。ちょうどこの時期は、有機農産物の表示ガイドライン、多分今日お集まりの先生方は皆さん御存じかと思いますけれども、要するに有機ないしは減農薬といったその表示がまだ何のルールもなかったときに、このルールを作っていく、ガイドラインを作っていくというちょうどそういう時期だったんですけれども、その時期から農水省の検討委員会で、私は委員ではありませんけれども、末席で資料を準備する、情報を提供するということでお手伝いをさせていただいていたという、そういう経緯がございます。
ですから、ちょうど有機JASの有機基準、それから有機の畜産の基準なども相当勉強させていただいたということがございます。そのこともあって、元々国内調査部というところにおりましたけれども、海外調査も随分することになりまして、その縁があって、どこか略歴に書いてあったかと思うんですけれども、スイスのFiBLという有機農業の研究所の方にもしばらく滞在させていただく機会がありました。このときに、多くの知己に恵まれてということなんですけれども、文字情報以外の彼らのいろんな温度感とかですね、そういったことにも随分触れることができて、今日までずっと長くお付き合いいただけているので、今回のみどり戦略については、ある程度、そのEUのファーム・ツー・フォーク戦略も全く影響がないわけではないと思いますけれども、こういった国際的な潮流の中で、研究者、それから様々なステークホルダーの人たちの温度感なんかについてもある程度は感じ取ることができていたかなというふうに思います。
したがって、そういったことも含めて今日は意見を述べさせていただきたいと思います。当然ですけれども、研究者という位置付けでいくと、大局的、少々僣越ではありますけれども、大局的な観点から少し意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
それで、まず、みどりの食料システム戦略ですね。今回の法案の意義というのは、もう私が述べるまでもなく、様々な方がもう御発言もされていますし、農林水産省の資料にも書かれているとおりだと思います。国際的な、例えばSDGsであるとか、様々な国際的な潮流の中で今回のこの農業部門についても大きくかじを切っているというのがあると思います。したがって、日本の中でも、当然農業だけではなく他産業においても、全てではありませんけれども、SDGsに向けた取組というのが様々な企業で始まっていると思います。そういう意味では農業も例外ではないんだと思います。
そのような中で、総論としては多分多くの方、賛同されていると思うんですけれども、多少批判的な意見も聞かれるような気がします。多くの場合は、例えばこの数値目標の実現可能性を問うような意見とかあると思うんです。それ以外にも、日本の国内の農業を取り巻く生産状況、自然状況と、そういったことからもなかなか難しいのではないかという意見もあるんですけれども、私個人としては、総論はもちろん賛成ですけれども、各論についても相当やれるはずだろうというふうに見ております。そのときに、かなり発想の転換も必要ではないかというふうに感じております。
これは、例えばヨーロッパの有機農業に関わっている、ないしは農業者の例えば農場に行ったときの受ける印象と日本で生産者のところで受ける印象の違いとして、幾つかその経営であったり技術とかの発想の違いを感じることが多いんです。なかなかちょっと私、論文とか文章で書けていないので口頭で御説明したいと思うんですが、一つ大事なのは、経営は、技術は相当多様であるというのが一つもう絶対的にあると思うんです。これは、ヨーロッパの中でももちろん地中海諸国からアルプスの北、北欧まで全然違いますので、その中でEUとして同一のというんですかね、一つの政策体系をつくると、これ大変、容易なことではないと思うんですけれども、でも、これをつくっていくという方針を示した、これはすごいことだと思うんです。日本も、北は北海道から南は沖縄まで非常に気候条件違うわけですけれども、じゃ、日本で本当になぜやれないんだということに当然なるんだと思います。したがって、もう少し議論を詰めていけばいろんなところで突破できるような気がしております。
それで、今日お配りしている資料の中で図の入っているものがあると思うんですが、こういうものですね。何を説明したかったかといいますと、今回の、まあ一般的にもそうですけれども、有機農業に対して多少消極的、否定的な見方をするときに、有機農業の生産性の低さということがよく指摘されると思います。このことについては、例えばヨーロッパでも同じようなことはあるんですけれども、よく見ていくと、ちょっと違う、誤解も生じているような気がしています。
この図はあくまでも多様な経営がある中での模式図として示しているので絶対このとおりだとは言いませんが、一つの考え方として見ていただきたいんですが、左側が慣行生産の単収です。右側の薄い黄色の方が有機生産の単収になります。それで、一般的に生産性というのは投入と産出のこの関数ですよね。
したがって、一般的な方が受け止めるのは、例えばこの土地面積当たりで生産量が有機は減ってしまうのではないか、これをもって生産性が落ちるというふうに言っていると思うんです。この図でいくと、産出量がその生産量に当たりますので、例えば慣行生産の単収と有機生産の単収を比べると、有機の方が低いので土地生産性低いわけです。
ところが、ヨーロッパの有機農業、まあアメリカでもそうでしたけれども、一部の農家は非常に投入量が低いんですね。そうしますと、産出量の低下よりも投入量の低下をもっと大きくするような、まあ言ってみれば低コスト生産を徹底しているケースがしばしばあります。そうすると、土地生産性は下がるんだけれども、実は一般的なほかの生産性、つまり労働生産性であったり資本生産性ですね、要するに経済性という観点でいくとそんなに不利になっていないという現実が結構有機農家回るとあります。したがって、生産性が下がる、まあ確かに土地生産性下がるんですけれども、それ以外の指標についてもう一度点検をしてみる必要があるだろうというふうに思います。
ですから、今回、これから経営と技術も見直しが進むと思うんですけれども、こういった、ある意味非常にシンプルなものなんですけれども、発想を少し変えると実は有機はかなり経済性もあるということになるんではないかと思います。ですから、例えばアメリカの比較的規模の大きな有機農業経営なんかですと、むしろ有機農業の方に有利なんだという言い方をする経営者もおります。なので、まさにこの生産性ということを見ていく必要があるんではないかと思います。
そうしますと、今回、このみどり法案ではというか、この今回のこの一つの政策の方向性でいきますと、環境負荷の軽減ということが言われています。環境負荷の軽減というのは、まさに土地に対する投入量を減らしていくということになりますよね。ですから、有機農業はある意味で土地生産性を下げていく農業になる。しかし、ほかの指標を上げていくような、経済性を持たせるような農業の技術、それから経営をつくっていくということになると思うんです。当然ですけれども、環境に寄り添った農業、農業技術ということになりますので、いわゆる植物工場であったり家畜工場のような、そういう技術を追求するということではないだろうと思います。
それから、この技術や経営の多様性ということを言いましたけれども、これは非常に地域性ということになるかなというふうに思います。したがって、例えばアグロエコロジーといった言葉がありますけれども、こういった発想で農業を少しつくり直していくということも技術の方向性、経営の方向性としては出てくるのではないかなと思います。
それから、次の準備した資料は、もう時間がありませんので簡単に言いますが、環境保全型農業推進農家の経営の概要ということで数字を並べている表があります。ポイントは何かといいますと、見ていくと、今言いましたように、土地の生産性は、環境保全型農業は、慣行農業、慣行農法に比べて土地生産性は低いんですね。単収が低いんです。それ以外の数字を見るとそんなに悪くないということなんです。したがって、有機農業は経済的に有利ではないかということになるかと思います。
何が問題かというと、多分この一番下の十アール当たり労働時間ですよね。ここは長いんですよね。つまり、労働多投型の農業経営になっているわけです。もしかすると、農業者は、これは慣行の農業者もそうですけれども、直感的に、感覚的に有機農業が大変だというふうに見えるのは、経済的な意味よりもこの労働の大変さというところにもしかするとあるかもしれません。
したがって、ここを突破できるような技術、労働生産性を上げていく、若しくは省力化していくような、当然、土地生産性、単収を下げますので、それ以上に省力化もするということになるんだと思いますが、そういったことが、これ三十年前の数字なので非常に古過ぎるんですけれども、アップデートされていないので仕方がないんですが、こういった、随分古いんですけれども、以前の数字とかを見てもそういったことが言えるかと思います。
それから、次、話、もう一つなんですけど、今回、この有機JAS、有機農産物の確かな数字ということでいうと、やっぱりJASの格付数量、格付面積で見ていくしかないんですが、改めて数字を経年、推移を見てみると、あと割合を見てみると、圧倒的に野菜生産が中心になっています。日本の有機農業は、野菜生産、特に葉物野菜を中心としてこれまで展開してきたということがはっきりと分かります。これは、もう個々の生産者は個々のいろいろやっているわけですけれども、全体として見るとそうなっているということになります。
私、ちょっと意外に思ったんですけれども、水田、稲作ですね、お米の有機の割合が、実は面積も少ないんですけれども割合も少ないんですね。そうしますと、日本の、今回の有機農業、まあ有機農業だけではないですけれども、やっぱり水田、稲作をどうつくり直していくかというのは、多分今回のこの法案の中でも大きなポイントになってくるのではないかなというふうに思います。これはもう有機農業だけではなくて、ほかの全体の慣行農業も含めてですけれども、そういったことが言えるかというふうに思います。
それからあと、もう時間もありませんので最後にしたいと思うんですが、所属している全有協ですね、全国有機農業推進協議会は、生産者、消費者、それから様々なステークホルダーの人たちで構成されています。やはりその共通の問題意識としては、やっぱり生産と消費が均衡ある発展をしていくことが大事だというふうに思っています。そうしますと、やっぱり流通の部分というんでしょうか、途中のフードシステムの部分が大きな鍵を握っているというふうに思います。
ですから、単純に生鮮の野菜であれば、これは生産者と消費者が直接的に提携という形でこれまで展開してきたわけですけれども、それ以外の部分、例えば加工用の根菜類であったり、それから今回ちょっと存在感が薄いですけれども畜産の世界ですね、畜産物、乳製品に至っては、これはやはりその途中のメーカー、流通業者含めて、全体としてのシステムが必要だということになるかと思います。
したがって、今回の法案を成功させていくという意味では、まさに買ってくれる、食べてくれる人まで含めてつくり直していく、そういうものになるのではないかというふうに思います。
ちょっと時間が来ましたので、これで一旦終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/5
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006・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
次に、瀬川参考人、お願いいたします。瀬川参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/6
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007・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 皆さん、こんにちは。北海道当麻町、当麻グリーンライフの代表をやっております瀬川と申します。どうぞよろしくお願いをいたします。
みどりの食料システム戦略ということで、総論では非常に大賛成でございまして、もっと早く立ち上げていただければもっともっと変わっていたのかなというふうに思っておりますが。
私が今日お話ししたいのは、日本の有機農業の歴史的な問題という部分と、これからやはり農薬を減らしていかなきゃいけない理由だとか、そういった部分が、この度、厚い本を送っていただいた中にはどこにも書いていなかったということなんでございますけれども。歴史的には、私の資料を見ていただければ、まあ一枚目は、身元確認の資料は皆さんに渡っておりますので自己紹介等々はさほどしなくていいかなと思いますが、こんな会社でやっております。
今、いきなり農薬の話しましたけれども、今日お話ししたいのは、この日本の有機農業の歩み、それから今の現状、それからみどりの政策のこれからについてということで、意見を八つほど挙げさせていただいております。そんな観点から、下手な年表を若干作ってみたので、それと照らし合わしながらちょっとお話を聞いていただければと思います。
公害ということで、我々の、有機農業者、今までのバイブルの中では、足尾銅山の公害が問題になって、我々、田中正造というのは、天皇直訴されて、一生を村民のため、県のため、農民のためにということで、一生をささげた人が我々のモデルに若干なっていると思いますけれども、その後、やはり近代化ということで、緑の革命、まあ今のみどりとは全く真逆な緑の言い方なんですが、化学肥料と農薬がどんどんどんどん使われるようになって、やはり戦後日本も世界一、単位当たりですね、今もそうかもしれませんけれども、どんどんどんどん投入されているというのが現状だと思います。
したがって、自然環境の汚染、それから破壊、人への健康被害、そういったことを、何とかまともな農業に変えていこうというのが日本の有機農業の歩みだったと思います。
一九七一年、ですからちょうど昨年で五十年前になりますけれども、徳島県の一楽照雄氏がこの日本有機農業研究会というのを立ち上げたわけなんですが、この日本有機農業という、有機と農業が用語としてつながったのは、実はこの日本有機農業研究会が結成された名前を冠にしたところから始まっているというのが世の中の、まあ我々としては、認識としては持っているわけです。
したがって、有機農業の歩み方というものについては、まともな有機農業、五十年前から今の農業を何とか善き方にしていこうという考えで苦難の道を歩んできたわけなんですが、我々の諸先輩も一生懸命、学者、それからお医者さん、生産者が一体となって全国で展開を今でもしているわけですが、有機農業を、やはり善きことをしている割には世間から評価されないというのがついこの間までの現状だったわけなんですけれども、現状、高度成長とともに、やはりそれを手間の掛かることにするとなかなか、先ほどの先生が言われましたけれども、異端児扱いということで非常につらい面を持った時期もありました。
しかし、そういうことを言うことではなく、これから、やはり現状は、現状でもやはり農薬と化学肥料の投入量というのが圧倒的に世界的に多いということを直視しなければならぬと思うんですね。それも、今盛んに言われているように、ラウンドアップという、私も四代目の農家なんですけれども、有機をやる前は、二十代前後のときは使った経験があります。そういったことをやはり直視をして、あるいはネオニコチノイドについては、子供たちに、あるいは赤ちゃんの尿からもう既に検出されるというようなことになってしまっているわけなんですね。
ですから、これは、このみどりの法案もどんどんどんどん右肩上がりで伸びていくのは結構だと思いますし、そうならなければいかぬと思いますけれども、できることなら皆さんのお力で、この農薬の基準が、一七年、二〇一七年に日本だけが緩和されたということをいま一度御検討いただいて、我々の孫やひ孫、それからこれから親になろうとする人たちの健康を守っていかなきゃいけないというふうに私の年齢になるとつくづく思っておるところです。
どうかその辺を、みどりの法案そのものもどんどん進めていただくのは当たり前のことですけれども、そういったことを今直近で、喫緊課題としてこの規制を作っていただきたいというふうにお願いいたします。
そういうことで、現状、やっぱり圧倒的に輸入が多くて、国産は輸出しろという構図が根本的に変えていかなければ、まあ意見一の方になりますけれども、国産というか、農家がいなくなるんじゃないかなというふうに心配しております。
意見二は、有機農業では、化学肥料と農薬の資材を有機資材に変えたというだけでは、この持続性というか、そういった多様性といったところで成り立たない状況になっていくんじゃないかなというふうに危惧しております。
それから、意見三としては、もう今百万経営体だったと思いますけれども、それだけ減ってしまった、さらに、この米価が下がったいろいろなことで、タイミング的に今年からまた農家が全国でどんどんどんどん減少していくだろうというふうに思います。したがって、このみどりの政策も誰がやるんだというようなことで少し危惧をしているところです。
それから、意見四ですが、直接支払ということで、欧米、欧州並みの単価になっているというふうにどこかの会議で答弁されておりましたけれども、これはスケールの問題であって、百ヘクタールと十ヘクタールあるいは一ヘクタール、小さな規模での同額であれば、全く日本の農家というのは、それだけのボリュームというか、有機の環境保全型の直接支払としてもまだまだ足りない状況ではないかというふうに思います。
それから、意見五です。特区をつくろうという方向ですけれども、有機農業そのものは、やはり画一的な栽培や画一的な考え方で進めていくとなかなか大変なことになっていくんじゃないかなというふうに思います。したがって、それぞれの地域で合意形成ができればいいんですが、ここにも書いてありますけれども、やはり地方分権が一括法になったということで、やはりそれぞれの町村の首長あるいは単協の農協の組合長辺りの考え方がセンスがないとなかなか進んでいかないんじゃないかなというふうに思います。
意見六として、農薬の使用量は減ってきているというグラフもあるんですけれども、私の解釈では、以前は千倍、あるいは粉だとか、そういう農薬を、重量では確かに多かったわけですが、今、三十倍だとか濃縮された農薬が使われている。したがって、重量計算でいけば、グラフに表すと少なくなっていっているのではないかというふうに思います。
意見七。実は、北海道は種子条例というのができまして、この登録品種についても自家採種ができるようになりましたけれども、今のところですね、これからどうなるか分からないという影響があると思いますが、遺伝子の操作、編集というのは日本は安全だというふうになっているようですけれども、実は私のところはシシリアンルージュというトマトを十三年ほど作っておりまして、見た目は編集したものと全く変わりはないわけですね。
これを、若しくは、有機でも有機でなくても、同じハウスに、違いの確認ができないということを政府は言っているわけなので、これは誰でも高く売れる方を作るわけですが、交雑の問題だとか、見た目が全く分からないということの、表示義務がないということに非常に恐ろしさを感じております。農家側としては、お金になる方をどうしても作るというふうに思います。
それから、一番問題なのは、この意見八です。JAS法と、それから二〇〇六年の有機農業推進法、これがなぜ有機が増えなかったのかということの検証ができていないんではないかなというふうに思っております。
もう時間がなくなりましたけれども、提案として、高い有機農産物、普通の農産物、だけれども、高い有機農産物を買っても得をしたぞという消費者に思っていただけるような方法論として、ポイント制というのを私は三十代後半から考えておりまして、これは各省庁が、有機あるいは国産、いろいろなジャンル分けをして、あるいは春と秋の連休に農村に皆、手伝いに行くと、で、農村との交流ができる。あるいは、健康、医療費等々が巨額にどんどんどんどん上がっていくわけですから、そういった農村との交流が非常に幸福度につながって医療費も下がっていくんじゃないかと、そんな甘い話をしているわけなんですけれども、どうかそういった前向きな新しい発想を皆さん是非とも考えていただければ日本は少し変わるんじゃないかなというふうに思っております。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/7
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008・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/8
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009・小野田紀美
○小野田紀美君 参考人の先生方、ありがとうございました。
ちょっと早速順番にいろいろ聞いていきたいと思うんですけれども、まず井上参考人に幾つか、まず一問ずつ伺いたくて、資料三の、いただいた資料の中の三の④の商売としての有機農業が広まり、包括的な要素や価値は陳腐化するのではないかというところに関してちょっと御意見伺いたくて、これも私もある農産品を作っていらっしゃるところに、有機を拡大して何とか手取りを増やすというか、ちゃんと、いいものをいい値段でちゃんと売るということに関してどう思われますかという話をしたときに、輸出のことも絡めていたんですけど、逆に海外、EUの方とかはもう有機が当たり前で、有機にしたからといって付加価値のお金が付けられないというような状況があると。そうなって、もし今これをやった後にもう有機が当たり前だよというふうに日本でなったときに、きちんとその有機が当たり前の価格帯を、上げて当たり前にしていけたらいいんですけど、結局またそれも価値がみんな当たり前になって下がってしまって、結局ばからしくてやっていられないみたいなふうになるのは嫌だなと思って、この辺どのように考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/9
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010・井上能孝
○参考人(井上能孝君) おっしゃるとおりだと思っています。
ただ、このマーケットの拡大によってマーケットがシュリンクするということは往々にして起き得ることだとは思っているんですけれども、この商売、まず、そもそもこの商売の有機農業というものがどういうものかというと、お金を稼ぐための有機農業という意味合いでして、僕らは、先ほど僕の話の中でも申し上げましたとおり、生き方として有機農業を選ぶ、選択されるという方が多くあるんですね。これが、拡大をさせようという動きとともに、じゃ商売としてのビジネスチャンスがあるから有機農業に参入しようというような、ある程度の規模感の農家若しくは農業以外の企業の参入ということが考えられるかと思っています。そうすると、生き方としての選択をしていた小さな有機農家というのは簡単に崩れてしまうといいますか、その大きなマーケットの中で太刀打ちができないのではないかという心配の声が上がったというようなことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/10
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011・小野田紀美
○小野田紀美君 なるほど。じゃ、やっぱりその拡大の仕方が非常に難しいというか、そういったこつこつ取り組んできた人たちを守りつつ拡大していくためにはここを気を付けてというようなところがあれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/11
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012・井上能孝
○参考人(井上能孝君) そこがはっきりと申し上げられればいいんですけれども、前提として、意見として出てきたことであって、じゃ、ここに対して対策をどうつくるかというところは具体的にはまだ上がっていないんですね。
ただ、発言の中で申し上げましたとおり、サプライチェーンの川下の方とうまく結び付けることがこの課題解決につながると思っています。具体的には、商品を見てもらうのではなくて生産者を見てもらうということですね。商品ではなく生産者にフォーカスをすることでファンになっていただくということが一つ解決策としてあるのかなと感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/12
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013・小野田紀美
○小野田紀美君 ありがとうございます。
そうなってくると、この⑥のPR力がある人以外生き残りが難しくなるのではみたいなことも、多分いろんな、それぞれの、農業の携わっている方たちのそれぞれの視点の心配事があると思うので、トータルで皆さんの御不安を防げるようにしていけたらいいなと思いつつ、これを有機を拡大していこうとしたときに、今までそうじゃない農業をされていた方が有機に乗り換えない理由とか、どういう考えで、いや、有機はいいわと、うちはもう今までどおりでいいわと思うのか。それは、先ほど大山参考人の方でもあった労働時間を心配してなのか、どの辺を心配して周りの方たちって、何かリアクションがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/13
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014・井上能孝
○参考人(井上能孝君) これは僕の周りの、周辺の農家だけのことなので、全体には当てはまらないと思うんですけれども、慣行農家はおおむね世襲制といいまして、受け継がれるような形で経営を継承していく形が多くあるように感じています。その中で、おじいちゃんやお父さんがやっていたその農法であったりとかスタイルというものを、なかなかこの自分の代で変えるということが難しいような感覚を持っています。
片や、この有機農業というものは新規参入の方が非常に多いかいわいですので、大変なんですけれども、一人親方としてスタートするので、言い換えれば自分の好きなように経営の戦略が組み立てられるというような側面があると思います。
じゃ、この慣行農家の方々が有機に興味を持つかというところなんですけれども、感覚として、僕は、三〇%から四〇%ぐらいは乗り換えてもいいと考えている方がいらっしゃるのかなということを感じています。これは、全量を有機に変えるということではなくて、慣行農法若しくは低農薬農法の中で、この経営面積割合として二割だったら取り組んでもいい、三割だったら取り組んでいいという方が三割から四割程度いらっしゃるかなという感覚を持っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/14
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015・小野田紀美
○小野田紀美君 世襲だといろいろ変えるのが難しいというのは、いろんな業界でそうなんだなと。私も農家の娘なので、いろいろ田舎の変えることへの圧とかもよく分かっているので、難しいだろうなと思いつつ、なるほどと今拝聴させていただきました。
まずはその二割とかからやってもらって、三、四割の方に二割ずつとかでもやってもらって、いいなと思ったら、その生き方というか、そういう農業のやり方を徐々に徐々に広げていただくというような地道なやつも必要なのかなというふうに思いました。
農家の方の食育の話も先ほどしてくださったんですけれども、この給食を有機にというところ、親御さんの中では喜ばれる方たちもいらっしゃるとは思うんですけれども、大変だったとおっしゃった。そこは、何というんでしょう、保護者さんへの理解を求めるのが大変だったのか、若しくは、やはり有機じゃない食材を今まで卸していたところがあって、その人たちを市場から追いやるということへのハレーションとか、例えばその地域だと農薬売っている人たちからの何かハレーションがあったとか、そういう、闘っていたのは、難しかったのは、どこが一番難しかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/15
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016・井上能孝
○参考人(井上能孝君) そうですね、一番苦労したポイントは、栄養士さんと農家を結び付けるというところですかね、ここが一番苦労されたと思います。
苦労されたという言い方に関しましては、実はこれ、北杜市役所の担当官が僕と同い年なんですけれども、その彼が農家の元に足しげく通い、そして、栄養士さんにはどういったものであれば納品ができるのかということを調整をして、この間に入って調整に動いている彼の姿を見て、ここが一番大変だったところではないかなと感じました。
片や、僕は生産者として出荷をさせていただいているんですけれども、ここで、大変といいますか、通常の商流とは違うなと感じているところが、納品時間帯が限られているであったりとか、あとは大きさをそろえて納品するということであったりとか、土物は、きちっとこの土物を落としておかなければならないであったりとか、この辺りは一般的な出荷とはちょっと違うところかなというところですね。ただ、苦労としては捉えてはいません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/16
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017・小野田紀美
○小野田紀美君 もっと、その価格的なところとか、栄養士さんの、この中でやりなさいと言われたお金の中で合わないのかなと思ったら、土落としとか時間とか、いろんなそういう複合的な問題があるというのが分かりました。ありがとうございます。
ちょっと、時間が。
大山先生にお伺いしたいんですけれども、フードシステム、流通が鍵になっているというところで、井上参考人も、求められるものを作ること、消費拡大のための、まず消費拡大あって、そして作り手も頑張っていくんだというお話をしてくださっていたんですが、この事前にいただいた資料を見ると、欧州だと一般小売店でかなり取扱いが多いというところがあると思うんですが、ここを、食品市場の成長のために、日本でも一般の、最近ちょっと有機みたいなスペースもできてきたかと思うんですけど、野菜の方では、これをどうやったら拡大していけるのか。それは消費者のマインドも、欲しい人が増えなきゃ駄目だというのも分かるんですが、例えば、私も、大学から東京に出てきて、有機になじんで、で、岡山に帰ったときに、どこにあるという、探すのが本当に大変だったというのがあって、ここを広げていくための何かいいアイデアがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/17
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018・大山利男
○参考人(大山利男君) 御質問ありがとうございます。
非常に悩ましい問題だと思うんですね。ただ、ヨーロッパでは流通もやっぱり幾つかありますね。つまり、やっぱりマルシェであったりとか、いろんな形のローカルな、まあ流通というんでしょうかね、そういう関係性の中の販売がありますよね。
それから、先ほど申し上げましたように、例えば加工農産物というんですかね、加工原材料になる農産物であったり、畜産、乳製品になりますと、やっぱり中間にある業者がかなり積極的に動くんですよね。そういうふうに考えると、一般的にただ農産物とか簡単に言ってしまうんですけれども、かなり物によって、産業構造が違うというんでしょうかね、そういうところがあるかと思うんです。ですから、それぞれにちょっとフォーカスをしていかないと、なかなか立ち上げるのが難しいかなという気がします。
更に言うと、その束ねるところが誰かといったときに、やっぱり卸、卸機能の部分がかなりその鍵を握っているような気がいたします。ですから、例えば公共調達で給食に使うということが非常に期待されているんですけれども、デンマークやスウェーデンとか割とよく紹介されますけれども、本当にスポット的に一部の農産物、有機農産物を使うのか、それとももう恒常的にある程度を使うのかという、レベルと物によって多分組立て方が変わってくると思うんです。
したがって、ある程度恒常的にやるということになると、卸業者がある程度の品ぞろえと安定的に物を調達して供給できるという、そういう意味では、物量的にある程度の物量を確保できるような、そういう、マーケットの大きさというんでしょうか、ですから日本ではまだまだ、そういう意味ではちょっとその供給の方が小さいですから、ちょっとヨーロッパのようにいくには、どこでブレークスルーするのかというのが非常に難しいんですけれども、ある一定の経済性のレベルを超えたところで、つまり、規模の経済と言うと何となく反感を呼ぶんですけれども、それでもやっぱりある程度の経済性を、少なくともイーブンな値の経済性を持ったそういうシステムがパイロット的にでもつくれるとよいのではないかというふうには感じています。
ちなみに、立教大学の学食では山形県の高畠町のお米を使っているんですけれども、お米は割となじみやすいかなというふうに見ていて思います。やっぱり大学の学食って一年の半分近く、特にこの二年間ほとんど休業状態だったので大変なんですけど、仮に通常のときでも、春休みとか受験の季節とか、結構間空くことがありますけれども、お米であればかなり導入することは可能かなというふうに思います。
いずれにしても、品目によって相当違いがあるかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/18
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019・小野田紀美
○小野田紀美君 ちょっと最後になるかもしれないんですけれども、その中間業者のところの今加工の感じのところも私も気になっていて、一時期オーガニックのものを食べたら痩せるというダイエットがあり、本当に痩せたんですけど、今まででびっくりするぐらい。それをやっていたときに、裏を、結構加工品、見たときに、日本のもので裏まで見て全部有機というのはなくて、元の原料は有機かもしれないけど、そこに使っている調味料とか何かほかのものが加工品で、有機じゃないって戻さなきゃいけなくなったりする。
この加工品のところに、今、卸が鍵となっていろいろなその調整をというふうにおっしゃったんですけど、この加工品も含めて、せっかく有機の農産品を作った後にうまくそれを、そのいいもののまま現場に届けるのも、卸がやっぱりリーダーシップ取っていくべきなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/19
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020・大山利男
○参考人(大山利男君) そうだと思います。
やはり、今回も加工部分ちょっとはしょっていますけれども、やはり原材料が輸入されているものがオーガニックといえども少なくないわけですよね。これは、やはりその国内での供給が、これは価格が折り合わないのか何が折り合わないのかというのはそれぞれに事情があると思うんですけれども、ただ、加工食品業者からすると、国産の原材料は欲しいわけですよね。当然ですけど欲しいわけですけれども、なかなかまとまった数量が調達できないという、これはもう多くのところで聞くことなんです。
したがって、ある程度の物量ベースまで引き上げるというのが、どの線かというのは非常に難しいんですけれども、やっぱりそこに何とかたどり着くとテークオフするのではないかというふうには感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/20
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021・小野田紀美
○小野田紀美君 ありがとうございます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/21
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022・横沢高徳
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。
三名の参考人の皆様、本日は多忙の中貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。
早速お伺いをしたいと思います。
まず、井上参考人にお伺いをいたします。有機農業は土づくりやその土地土地に合った栽培方法が求められると思いますが、国がこれから全国で有機農業を進めるに当たって、特に生産現場でこれからクリアしていかなければいけない課題、いろいろあると思うんですが、その中でもし重要なことがあったら教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/22
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023・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 地域によった課題というところなんですけれども、平野部大産地の課題というところに少し疎くて、中山間地を主に話をさせていただきます。
中山間地では、もう読んで字のごとく、生産性という意味合いにおいては非常に不利なんですね。仮にですけれども、大規模平野部の産地において三十アール以上の面積が一枚の畑だとしたら、中山間地の畑の大きさというのはその三分の一程度ぐらいまで減少をしてしまいます。こうなるとどういうことが起きるのかというと、大型の農機具が使えないであったりとか、あとは段々畑が増えることによってのり面の管理が増えるであったりとか、そうですね、この二つが特にこの中山間地における生産性への課題というふうに感じています。
かつ、この大規模平野部は往々にして都市部と結構近郊にあることが多くて、特に、関東でいいますと埼玉、栃木、千葉、茨城であったりとか、この辺りは都市部マーケットとも割合近いというような特性を持っていまして、ここで大きな農協さんであったりとか仲卸さんが入ってきて安定的な供給というところにつながると思うんですけれども、そもそも生産性が低い畑で少しのものを作ったとしても、マーケットで扱っていただけないということも発生してしまうんですね。なので、この中山間地の有機農家が取る販売の戦略といたしましては、ECで販売をしたりとか、あとは直売所で販売をするであったりとか、マルシェで販売をするというような手法を取らざるを得ないというようなことが発生しています。
この辺りがこれからの中山間地の課題なのかなというふうに感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/23
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024・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
私の地元岩手県も中山間地が多いですし、東北は特に中山間地が多いので、非常に参考になります。
それで、今、中山間地の話ありましたが、井上参考人は、誰でも受け入れ、輝ける農業でありたいということを掲げていらっしゃいまして、農業と福祉の連携にも取り組んでいらっしゃいます。先日、田名部委員の地元の青森でも、若い生産者で、中山間地で農業と福祉に携われている方のお話も伺いました。
これから、農福連携も進めておりますが、特に中山間地、有機農業で、この農業と福祉の連携で良かった点とか、ここはちょっと難しいなという点、そして、例えば国のこのようなバックアップがもう少しあったらいいいなという点があったらお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/24
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025・井上能孝
○参考人(井上能孝君) ありがとうございます。
農福連携に取り組ませていただいて、楽しさや喜びしか感じていません。
で、苦労に関してはですが、十年ほど前からこの受入れを開始しました。当初一名の方を定期的に来ていただいていて、その方は三年をかけて、取組初年度から三年目までは週のうち半日、一日で半日だけというような勤務体制で、それを三年間続けました。一か月に一回必ず施設長とその利用者と僕とで三者で面談を取りまして、それを三年間続けまして、そこから、今彼がどうなったかというと、週に三回でフルタイムで働いてくださるようになりました。
要は、課題というか苦労した点といえば、時間が掛かるということです。時間をしっかり掛けさえすれば、どんな方、どんな方というのはちょっと広過ぎるかもしれませんが、多くの方にその方の特性を持って農作業に取り組んでいただくことができるのではというふうに思っています。
通常のパート、アルバイトさんのように、こちらが求めることを短期的に、そしてハードルを高く上げるのではなく、その方がどういう特性を持っているのかということを分析するのが大切なことで、そして、分析と同時に対話をするということが非常に大切なことだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/25
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026・横沢高徳
○横沢高徳君 非常に参考になる御意見、ありがとうございます。
続いて、大山参考人にお伺いをいたします。
私も以前、パラアルペンスキーに取り組んでいまして、よく海外遠征で北米やヨーロッパに行って、合宿中はよくスーパーで買物して料理をしていました。スーパーに行くと、必ず、必ずと言っていいほど、野菜売場にはオーガニックとそうでない商品、そして、卵、牛乳のところに行くと有機とそうでない商品、ドライフルーツ買いに行くと有機とそうでない商品というふうに選択できるようになって、私も、いつも買物に行ってどっちにしようかなと悩みながら、やはりアスリートですので、勝つためには食は大事なので、ちょっと高いけど有機にしようかなといって、有機を選んで買って料理して食べていました、今は専らコンビニ生活が多くなりましたが。
そこで、海外では有機食品が生産、流通、販売、消費という流れがもうでき上がっていると思います。それで、大山参考人は、やはり有機農業と食品市場拡大は車の両輪というふうに述べていらっしゃいます。我が国が取り組むべき点、先ほどもいろいろお話ありましたが、これから特にその食品市場の拡大に対して大事な部分、国としてここは大事だよという部分をちょっとお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/26
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027・大山利男
○参考人(大山利男君) 御質問ありがとうございます。
どこから話しましょう。有機食品市場の拡大ともちろん農業生産がその車の両輪、均衡ある発展ということを言っていますけれども、これはやっぱり長くいろんなところ、農業者ですね、有機農業者に行くと、もちろん既に消費者を持っている方はいいんですけど、これから始める人たちだと、やっぱり最初のハードルとしてその消費者をどうやって見付けるか、組織するかというところがやっぱりあるようですよね。これはもういろんなところで聞きますよね。あと、慣行農家も、有機作ってもどうやって売るのと言って、やっぱり売り方のところを言われる方は何かずっといらっしゃいますよね。
そう考えると、やっぱり食べてもらって初めて経営として成り立つわけですから、自給用の、自家用の野菜だったら別ですけれども、多少なりともその農産物で収入を得るということは販売をするということですから、そこのところが、ある程度の数量がやっぱり必要になると思うんですよね。
もちろん、農家によってというか、生産者によって、農外所得と農業所得と、いろんな組合せの中で生活をされていると思うんですけれども、やっぱりある程度農業、有機農業に重きを置いていきたいということであれば、そこから得られる報酬もそれなりでなきゃいけないと思いますし、そうであれば、やっぱり安定した売り先がある方が望ましいと思うんです。
そうしますと、安定した売り先というのは、まさにその卸の部分というんでしょうか、そこの部分がある程度の役割を果たすことになるんではないか。現状では例えば〇・五%のシェアしか今ないと言われている中で、例えば一%ないしは五%、一〇%というふうにしていくためには、やっぱり販売のパイを大きくしていくということがこれはもう多分絶対的に必要ではないかなというふうに思います。
これは、多分隣の瀬川参考人もそうだと思いますけれども、いろんな有機農業者、やっぱり聞いていますと、すごくロマンを語りますよね。ロマンを聞いていて、あっ、そうなんだというふうに一〇〇%受け止めていいかというとそんなことはなくて、やっぱり何十年も、何年も何十年も続けていらっしゃる生産者って必ず経営ちゃんとしていますよね。技術もしっかりしていますよね。やっぱり、経営とか販売のところもある程度ちゃんとしっかりされているからこそ続いていると思うんですよね。
ですから、すごく有機農業というとロマンを語られるわけですけれども、やっぱりちゃんと締めるところ締めていらっしゃるので、そこも含めて考えていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
それから、もう一つの質問は……(発言する者あり)よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/27
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028・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
そして次、瀬川参考人にお伺いをいたします。
当麻グリーンライフさんの有機トマトジュース、実は私、須藤元気委員からいただきまして、飲んでみました。今まで飲んだことのないぐらい、うまっというぐらい本当においしいトマトジュースでした。
トマトに関連して、先ほどゲノム編集の影響についてお話がありましたが、表示義務の問題だったり、これからゲノム編集と有機農業の関係というのは非常に重要になってくると思いますが、その辺、もう少しちょっと課題点、問題点というのをお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/28
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029・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 質問ありがとうございます。トマトジュースも飲んでいただいて、ありがとうございました。
突然変異と同格なので安全だというのが今のところの考え方だというふうに伺っていますし、その種によって加工されたもの、農産物の表示する義務はないということは問題、大きな問題、選択肢がないということにつながるんではないかなと思います。
それと、月日がたつとともに、組換えよりも編集の方が罪悪が大きいんではないかと、専門家でないから分かりませんけれども、いろいろな発表がどんどんどんどん今され出してきております。
その程度でしかお答えできませんが、よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/29
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030・横沢高徳
○横沢高徳君 本法律案の改正には植物防疫法の一部を改正するというのも入っていまして、有機農業をやられてこられて、やはりその防除、非常にいろいろ、北海道、本州でもいろいろ違うとは思うんですけど、防除でやはり一番苦労されたことというのはどのようなことなのでしょうか、瀬川参考人に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/30
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031・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 先ほど、その収穫量とか収入の部分がお話しされていましたけれども、やはり当初は害虫に、キャベツは穴だらけになったというようなこともありますけれども、コツを覚えてしまえばどんどん、余計な肥料も要らなくなりますし、まあ有機肥料ですけれども、あるいは栄養価、あるいは食味といった部分では慣行を超える優位性というのはどんどんどんどん年数とともに発揮してくるというのは実体験として、生産者として常に思っております。
それから、収穫量についても、飲んでいただいたトマトジュースもですね、明らかに当麻町の慣行を超えて、総収量ですけれども、増えているというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/31
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032・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
最後に一点、井上参考人にお聞きしますが、有機JAS認証の取得、これから増えていくと思うんですけど、認証取得とあとは手続や費用面でこれから現場目線の課題がありましたら、簡単に教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/32
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033・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 有機JAS認証を新規参入者が取得する場合の課題というところなんですけれども、もう書類の整備だと思います。有機JAS認証を取得する場合に、自分がどんな栽培計画を立案して、そもそもどういう規定を作るのかというところから始まり、日々の管理記録というところが必要になるんですけれども、ここを、農業経営年数が三年以内の方がいきなりそれを始めるというのはなかなか大変なことなのかなというふうに感じています。
じゃ、どういった方であれば簡単にクリアができるのかというと、事務職を経験している方であったりとか、会社員勤めで農業に新規参入されてある程度パソコンが触れる方であったりとか、こういった方はそこまで壁は高くないのかなというふうに感じているんですけれども、僕の中ではこの書類の整備というところ。
あとは、認証費用であったり更新費用というところは、僕は現在の価格というところは妥当な価格なのかなというふうに感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/33
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034・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/34
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035・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/35
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036・熊野正士
○熊野正士君 今日は、三人の参考人の皆さん方、大変にありがとうございました。
私の方からは、まず井上参考人にお伺いしたいと思います。
先ほど、横沢委員の方からも中山間地域における有機農業について課題の面を御指摘いただきましたけれども、さっきお話の中で、将来性といいますか、メリット、中山間地域におけるこの有機栽培、有機農業のメリットということについて、もう少し教えていただいてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/36
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037・井上能孝
○参考人(井上能孝君) ありがとうございます。
中山間地は、先ほど申し上げましたとおり、栽培面積が小さく管理に手間が掛かる分、小回りが利く、そして地域内において栽培リレーができる、あっ、産地リレーですね、収穫のためのリレーができる、そういったところが中山間地の僕は強みになり得るのではというふうに感じています。
具体的に申し上げますと、北杜市でいえば、標高が六百メートルから千二百メートルのところまでがあり、ここは百メータースパンで、植えるものが一緒であっても、栽培時期をずらすことによって長期間で出荷ができるであったりとか、片や、標高差があって面積が小さいということは、箱庭的な要素で栽培品目を、多様な品目を植付けをして、植え替えていくことも可能だというふうに感じています。
なので、生産量は多くないんですけれども、いわゆる有機農業者にある多品目栽培というところが実現可能で、こういった、消費者目線で見たときに、一軒の農家が、そこだけで完結するマルシェのような雰囲気というものを有機農産物を購入される方は結構気に入っていただいているんですけれども、このプロモーションというところの意味合いで、中山間地は平野部にはない強みを持っているのかなというふうに感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/37
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038・熊野正士
○熊野正士君 ありがとうございます。
あと、本日の資料の四ページ目のところに、真ん中のポツで、化学農薬使用量五〇%低減、化学肥料使用量三〇%低減とずっと書いてあって、春夏の高温多湿な気候を考えると大規模栽培や果樹などの不使用には課題というふうに書いていただいているんですが、ちょっとここをもう少し詳しく教えていただいてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/38
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039・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 僕、山梨県から来ておりまして、山梨県は桃とブドウが非常に有名なところでして、桃とスモモに関しては恐らく全国一位のシェアを誇るんですけれども、友人の生産者も多くあるんですね。この果樹に取り組む友人の生産者と話をしていて感じることは、農薬や化学肥料を使って栽培をしている果樹を、いきなりこの農薬や化学肥料をばたっと切ってしまうとどういうことが起きるかというと、収量に物すごい影響が起きるということをよく聞くんですね。
なので、僕は、その農薬や化学肥料を段階的に減らしていく、若しくは全体の圃場の中で割合を、取り組む割合を減らしていくということは推奨したいというふうに考えているんですけれども、既にもう経営をしていて、そして食べていかなければならないという、そういう背景も考慮した上で制度設計するべきなのかなというふうに感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/39
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040・熊野正士
○熊野正士君 あと、この同じ四ページ目のところの三つ目のポツで、有機農業の割合二五%に拡大と、野菜のみでは難しいのではと、拡大に向けては米穀での取組は外せないと。その次に、有機JASの認証制度の一部見直しを図る必要があるのではというふうに書いていただいているんですが、ここのところ、ちょっと御意見教えていただいてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/40
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041・井上能孝
○参考人(井上能孝君) お米の栽培で有機JAS認証を取得するということが北杜市においては結構難しくなっています。入れる水と出ていく水、お米を栽培するなら水を張りますけれども、このそもそも入ってくる水というものを、自分の田んぼがある上の田んぼも同一に有機JASと同等の管理を求めなければいけないであったりとか、そういったことが、お米で有機JASを実践する農家の中ではここがボトルネックになってしまっているのかなということを感じることが多くあります。
なので、地域特性であったりとか品目であったりとか、こういったものによってこの有機JAS認証の一部見直し、まあ見直しをせずとも仮認証みたいなものの期間を長くするであったりとか、最終的にはきちっとした栽培管理を目指すんですけれども、その過渡期という、過渡期の期間においてはもう少し猶予期間を設けるであったりとか、あとは、認証を発行するその認証団体というものがそれぞれの地域においてもある場所もありますので、そういったところで地域の現状を一度しっかりと本体の方に上げるというようなことがあってもいいのかなというふうに感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/41
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042・熊野正士
○熊野正士君 ありがとうございます。
次に、大山参考人にお伺いしたいと思います。
今、井上参考人の方から水田における有機JAS認定のお話を伺いました。今、参考人、先ほどの陳述の中で、水田大事だと、水田の有機やというふうなお話がございました。今の井上参考人の話も踏まえまして、その辺の、これからどうやってこの日本における水田の有機を広げていくのかというところでの御所見をお伺いしてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/42
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043・大山利男
○参考人(大山利男君) そうですね、水田は非常に僕は重要だと思います。これはやっぱり日本農業の一つの大きな特徴だと思いますので。
ただ、課題は、やはり今お話がありました水問題ですよね。水は上流から流れてきて下流、よその圃場から、水田から水が入ってきて、よその水田に水が行くということです。そういう意味では、今回の法案の中でも農地の団地化ということの推進を言っていますけれども、まさにこれがすごく大事になってくるかなと思います。これは水田の団地化もですし、あと、ないしはその水系ですかね、水系の中で協定ができていけばすごく一気に進む、地域的に一気に進むことがあり得るんではないかと思います。
ちょっと違いますけれども、例えばヨーロッパの有機の比率が高いところで、以前ですと、畜産、特に放牧の多い地域、例えばアルプスの地域とか北欧ですけれども、共有地ですよね。放牧の共有地は、一軒がちょっと反対しても、みんなで有機転換するというんだったらまあしようがないかということで、そうすると一気に有機の転換が進みますよね。ですから、水田ないしは水路の水系で協定が作れると、物すごく有機転換が進む可能性高いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/43
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044・熊野正士
○熊野正士君 ありがとうございます。
あと、続けて大山参考人にお伺いしたいんですが、今日いただいた資料の一番最初のところで御説明いただきました有機農業における生産性とはということで、慣行生産の単収とそれから有機生産の単収ということで比べていただいて御説明いただいたんですが、ちょっと基本的なことを教えていただきたいんですが、この土地の生産性は低下するかもしれないけれども、生産性は上昇するんだと、有機の方がですね。この投入量というのがちょっと意味がよく、投入量、ちょっと意味があれなので、ちょっとここを教えていただいていいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/44
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045・大山利男
○参考人(大山利男君) ここで言う投入量は、例えば技術的、物的な意味でいうと、例えば農薬や化学肥料の投入量ということになりますし、労働の投入量ということももちろんあると思うんです。それからあと、金額ベースでいう様々な生産資材、購入する資材ですけれども、購入資材ということもあります。ですから、ここで言う投入量とかいうのは非常にざっくりとした表現にはなっているんですけれども、いろんな側面を意味しています。
ですから、この有機生産に転換するというときに、まさに農薬、化学肥料を減らすということは、これ自体、低投入、投入量を減らすということになるわけですね。当然、産出量も減りますよねということにもなるんですけれども、その投入量に対して産出量、逆に言いますと、産出量が減るんだけれども、投入量をもっと減らせれば全体としての生産性は高くなるという、こういう理解です。
これを何で説明したかといいますと、海外の有機農家で比較的何か無理なくやれている農家というんですかね、非常に余裕があるんですよね。それはやっぱり低投入、それこそ労働力も、ちょっと日本の農家の人からすると、ちょっと、何というんですかね、道徳的にどうかということになるのかもしれませんが、非常にゆったりとした労働でやっている有機農家、やっぱり時々見かけるんですよね。彼らは間違いなく労働投入量が少ない、つまり労働時間が少ないということですので、労働生産性高いんですよね。ということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/45
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046・熊野正士
○熊野正士君 そうすると、次のページで、十アール当たりの労働時間はやっぱり有機の方が時間掛かっているとなると、何かそこがちょっと、何かどう理解していいのかが分からない、ちょっとその辺を教えていただいていいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/46
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047・大山利男
○参考人(大山利男君) そうですね、ですから、今、日本のこの、例えばちょっと古いデータですけれども、これを見る限りでは、日本の、ここでは有機と言わないで環境保全型農業と言っていますけれども、この人たちはやっぱり労働時間が長くなっているということがデータとして出ていて、ほかの数字を見ると、実は慣行農法よりも経営として環境保全型農業に転換した方が有利な数字なんですよね。だけど、みんな転換しないということは何か問題があるわけですけれども、この数字からいくと、多分この労働時間、この働き過ぎの有機農家を多分見ているから、皆さんなかなか有機に転換しないということになるのかなという、そういう推測になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/47
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048・熊野正士
○熊野正士君 ということは、先生、この平成十年のデータでは、いわゆる十アール当たりの労働時間は、いわゆる環境保全型、有機を中心とする環境保全型の農業の方が時間は長くなっているんだけれども、でも実はそうではなくて、むしろ有機とかの方が実は労働時間も負担も減るという理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/48
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049・大山利男
○参考人(大山利男君) ですから、現状として、もしかしたら引き続き労働時間が長いかもしれませんし、今回のように様々な技術的イノベーションということを検討されるんであれば、ここを何か突破できるということの、そこに着目をした技術、私は技術者ではないからなかなかこれ以上は言えませんけれども、そういったところに着目した技術開発の方向性というのはあるのではないか。
そうすると、ヨーロッパとかアメリカで時々、しばしば見られるような低投入の農業経営が実は経済的にも合理的であるということが証明できれば、これはもしかすると、今回、〇・五%ではなくて、九九・五%の慣行農家が実は鍵を握っているとも言えると思うんですよね。彼らが本当にシフトしていく、転換していくということであれば、多分、こういう数字を見れば、ちゃんと検討に値する農業であるという、こういうふうな受け止め方をされるんではないかというふうに思う。
ちょっと、余り、この数字の説明は余り私は、本当はここにはふさわしくないと思っていたんですけど、やっぱり慣行農家が転換するというところも大きな部分だと思いますので、ちょっとあえて経営ということを説明させていただきました。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/49
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050・熊野正士
○熊野正士君 済みません。
最後に、瀬川参考人に伺いたいと思います。
先ほど、二〇〇六年に有機農業推進法が作られたんだけれども、その検証と、それから総括、ここが、もうちょっとやった方がいいんじゃないのというお話でしたが、瀬川参考人の方から、ちょっと時間ないんですけれども、ちょっとそこの検証、総括というところで御意見を伺えれたらと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/50
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051・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間の関係もございますので、簡潔に御答弁をよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/51
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052・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 質問ありがとうございます。
まさに、このみどりの政策、中心になる部分はほぼ同じだというふうに私は理解をしております。したがって、なぜ有機が増えなかったかというこの諸問題があります。これはタブー視されている部分と、皆さん御存じの方もおられると思うんですが、やはり系統、農協系統の縛りがあったり、まあ農協が先頭になってやってくれているところもあります。そういうところとか、やはりこの農村での理解度が意外と低いということだと思います。
時間がないので。朝までやれますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/52
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053・熊野正士
○熊野正士君 ありがとうございます。
では、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/53
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054・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。今日はありがとうございました。
今日の御意見、本当に全てみどりの食料システム戦略、今回、法案は法案として、今後このシステム戦略をどのように現実のものとしていくのか。多分、これから法案の後に控えている具体策を展開するに当たって本当に参考になる御意見ばかりだったなと思っておりますし、私も、まさに日本においてアジア・モンスーンということが随分強調されていますけれども、水田農業抜きにして有機農業の拡大というのはやっぱりあり得ないと思いますので、ここをどうしていくのか、そういったところもしっかり政府に検討を促していきたいなということを感じました。
それぞれに、ちょっとまとめて何問かずつ質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、井上参考人にお聞きしたいんですけれども、ある意味、農外からの参入ということで、多分苦労もあったし、だからこそいろんなことがチャレンジできたということもあったのかなと思います。
そんな中で、六年間はなかなかこの農業だけでは食べていけなくて苦労されたということですけれども、そこが何とか農業部門で、この分野で何とか独り立ちできた背景というのは、例えば技術が確立していったのか、それとも販路についてある程度めどが立ったのか、その辺の背景について教えていただきたいと思います。多分それがまた今後の課題なのかなと思いますので、お願いします。それが一点です。
その際に、やはり有機農業、やり方によっては確かに資材投入量なんかが減るのでコストが安くなる部分もあるかもしれませんけれども、トータルとすれば、やっぱり日本においては多分、労働多投入になりますので、やはり非常に、特に中山間においては、なかなかやっぱりコスト面では通常よりも掛かっていくのかなという気がするんです。
その際に、やっぱり一定の価格、やっぱり掛かる費用プラス利潤をどう乗せていくかというところの価格をきちっと確保して、それで売らなければならない。その価格決定権について今どのような形になっているのか、それが二点目です。
三点目については、今十町歩程度、そのうち七町歩、有機認証ということですけれども、私これ、瀬川参考人のお話にもありましたけど、やっぱり比較的小規模の家族農業でというのが私、有機に向いているんじゃないのかなと思うんですけれども、その辺り、今自分の体験の中でどのようにお考えなのか、その三点かな、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/54
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055・井上能孝
○参考人(井上能孝君) ありがとうございます。
一点目のところからなんですけれども、地域の仲間、地域の農業者に任意組織に入れていただいたということが大きかったと思います。
僕は社会経験がなかったもので、ここの任意組織に入れていただいたことにより、名刺交換のときに頂戴いたしますと言って受け取ることをそこで覚えました。また、お世話になりますという言葉も覚えました。なので、社会経験の先輩であり、かつ農家の先輩方が組織構成する団体に入れていただいたことによって、農業をロマンではなく、そろばんとしても見なければいけないということを学べたことが大きかったと思います。
二点目の価格の決定権のところについてなんですけれども、これは、自分たちがどうしてもこの価格で販売をしたいというものに関しては交渉をするようにしています。それ以外は、弊社の場合においては、おおむねその有機農産物の販売価格というものが何となく定められているんですけれども、そこから六掛けないしは七掛けというような商流に乗せるための割合を算出し、その中でどういった品目をどのような形で出せば収支が、上がりが出るのかというところを試算した上で取り組むようにしています。
なので、端的に申し上げますと、価格の決定というところに関しては、おおむねマーケットに任せておいて、かつ、そこからどうしても高値で売りたい、希望価格がある場合には、とがったポイントをつくって、そして自分たちの言い値で買っていただくということに努めています。
最後、その有機農業者の経営規模のところについてなんですけれども、家族経営の場合には、おおよそ二ヘクタールから三ヘクタールぐらいが主流かと思います。瀬川参考人は僕からするとレジェンドみたいな方で、二百ヘクタールとかこういう物すごい規模感の中で栽培をされていますけれども、弊社もこの市内の中においては、十ヘクタールという面積は小さくはない面積です。
僕は、この農業経営として、農業法人を農業経営として成り立たせたい、その手法としては有機を手法とするということを目標としていますので、更に面積拡大を行いたいというふうに考えていますが、北杜市のスタイルに合わせるのであれば、二ヘクタールから三ヘクタールぐらいの家族経営型の農家で、かつ売上金額が八百万から一千二百万ぐらい、手取り金額として四〇%ぐらいが残るような、こういう家族経営スタイルの有機農家が増やせることが底上げにつながるのかなというふうに感じています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/55
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056・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
続きまして、瀬川参考人にお聞きしたいと思います。
今のお話にもありましたけど、レジェンドというか、かなり早い段階から有機農業にも取り組まれているということで、実は山形県も、先ほどお名前が出た高畠町ではかなり、特に米を中心とした有機農業、星寛治さんなんかを中心で進めてきまして、当初はやはり異端児的な扱いだったのが、ようやく有機がかなり定着してきたのかなというふうに思っています。
そういう中で、有機農業の強みと弱点についてお聞きしたいんですけれども、例えば今、気候変動の問題の中でかなり豊凶の差があったりとか、農作物のいろんな生産に影響がありますけれども、例えばこの有機農業の方がそういった気候変動に強いのかどうなのか、そして有機農業の弱点が何なのか、これ一点お聞きしたいと思います。
二点目は、私から見て当麻町は比較的自治体も農業に対する理解があったり、自治体ぐるみでいろんな新しい作目の選定、導入等もやっているのかなと私は見えているんですけれども、この自治体の役割、今後、例えばこういった有機、これは本当に人のためにも環境のためにも持続可能性のためにももう避けては通れない方向だと思うんですけれども、そういう中でやっぱり自治体の役割、自治体の影響というのはどういうところにあるのかなというのが二点目です。
三点目は、法人化されていますのでかなり大規模ですけれども、やはり、そうですね、慣行農業に比べてきめ細かい対応が必要だと考えたときに、やっぱりその適正規模、御提言の中にもありますけれども、やっぱり、そうですね、その適正な規模、余り、大きいのがいいのか家族農業が適しているのか、その辺りについてのお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/56
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057・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 質問ありがとうございます。
強みと弱みですけれども、強みというところは余りないのかなとは思いますけれども、実は昨年、旭川の気象台の観測では四十度が一週間ほど続いたということで、その中で慣行と有機というふうに若干見て思ったんですが、そういった部分では強みがあると。気候変動の中で総合的に作物の成長としては優位性があるんではないかなというふうに体験しております。
それから、弱点は手間が掛かることでございます。その辺も、価格反映と国家的な必要性というか、そういった部分の税金の使い方がされれば十分やっていけるんではないかなというふうに思っております。
あと、自治体の問題ですけれども、やはり、先ほども私の十五分の中で首長のセンスと、組合長のセンスと言いましたけれども、まさに農村側がそういったことでこの近代版の産消提携版をどんどんやっていくということのようなセンスがあれば、日本中が第二のふるさとが皆さんできるというような観点で日本の農業を支えていくというふうなことで、まあセンスの問題ということで、自治体のやれることかなというふうに思います。
三点目の規模ですけれども、当初は二百ヘクタールほどの水田が多かったんですが、身元の参考の資料の中にもあったとおり、五年ぐらいで集団で逃亡され、逃亡というか辞められちゃいまして、農家だけで進めたんですが、規模については、単一品目でない限り、いろんなこの有機の多種多様な作物を作っていくということが、仮に水田が駄目であっても畑がいい、畑が駄目であっても野菜がいいというような、あるいはまた加工品があるという、この循環できるような経営というのがいいんではないかなというふうに思っています。
まあ私のところの経営体を申し上げたんですけれども、何とか二十四年間続けておりますので、これから、もうそろそろ、次の世代へというスローガンを掲げておりますので、もうそろそろ私が引退しなきゃいけないんですが、そういったことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/57
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058・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
続いて、大山参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど、瀬川参考人の資料の中に、現在の状況の最後の丸のところに、慣行も環境保全型も経営が成り立たないというような記述がございます。多分、これは日本のみならず土地利用型農業のもう世界、特に先進国共通の課題だと思うんです。
そういう中で、多分、研究の対象であるEUも、慣行農業についても環境への貢献とか公共財提供という中で直接支払を手厚くして、さらに、それに加えて、有機農業に対してもやはりその政策誘導の中で進めていると、まあ直接支払をかなり充実していると思うんですけれども、その点、私も、ファーム・ツー・フォークと今回のみどり戦略と比べてみると、やっぱりみどり戦略、そこの支援が余りにも薄いなと、そんな印象なんですけれども、その辺りどのように捉えていらっしゃるのかが一点と、もう一つは、特にスイス、スイスにつきましては、もう直接支払の割合がEU諸国に比べて格段に高いというところですけれども、これが国民の中で受け入れられている背景、ここについて教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/58
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059・大山利男
○参考人(大山利男君) ありがとうございます。
まず、慣行農法も環境保全型農業も非常に成り立たない、直接支払で支援されているからではないかということですけれども、その部分は大変大きいかと思います。これはまあそれぞれの国の財政全体の問題でもありますよね。農林水産関係への予算がどれぐらいの比重を占めているかということに関わりますので、例えば日本の中で農林水産省がどのくらいの財政的なシェアを持っているかということに非常に関わることかと思います。
ただし、例えばその環境とかほかの部分に焦点を当てるとすれば、ほかの省庁も協力していただけるということはあるんだと思うんです。その辺は、今お話があったスイスのような比較的規模の小さな政府であれば、規模が小さいって、サイズとして小さいという意味ですけれども、そういう国であれば比較的、そういったところの意思決定というんですかね、これが容易であったんだろうというふうに思います。
その一方で、スイスの話でいいますと、直接民主主義の国で、国民投票ももうしょっちゅうやっているような国ですので、そういう意味では非常に政治参加意識が高い国だと思います。よその国に比べて断然そうだと思います。その中で、直接支払についても、しかるべき支払であるというふうな国民合意ができ上がっているということだと思います。
あともう一つは、食料の安全保障に対する意識が非常に強いと思います。これはほかの国よりも断然強くて、これはもうそれを言ってしまったらもうそれ以上何の説明もしようがありませんけれども、そういう観点で、食料の備蓄、それから生産していなくても生産資源を保全しておく、例えば装置をちゃんと維持しておくとかですね。あと、何でしたっけ、畑作、畑地も、仮に休耕してもすぐに使えるような状態にあるとか、そういった土地利用という観点でも合意が取れているというのが非常に強みになっているかと思います。
ですから、日本でももう少し地域的な土地利用に関する合意形成というのがあってよいのかもしれないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/59
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060・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/60
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061・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
本当に、ある意味、省庁横断的に、先ほど井上参考人からももう業種を超えて健康増進効果とか観光とかという話ありましたけれども、やっぱりそういったところを組み合わせて、もっとこの戦略についていろんな予算を組み合わせながら前に進めることも必要かなということ、改めて感じました。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/61
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062・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。よろしくお願いいたします。
〔委員長退席、理事酒井庸行君着席〕
本日は、井上参考人、大山参考人、瀬川参考人、本当に貴重なお話をありがとうございました。お三方それぞれの人生の中心に農業あるいは農政を据えて生活あるいは人生を送っていらっしゃる、その知見から発される一言一言が本当に貴重だなとお伺いをしておりました。
私は、今二人の子供を育てております。小学生二人で、五年生と二年生がおります。随分昔のことになってしまいましたけれども、一番食に対して敏感になったのはいつかというと、妊娠期、そして出産後、離乳食を与えるときですね。今はもうはっきり言って、この農水委員になって食の大切さというのをもう一回リマインドしているんですけれども、子育ての慌ただしさ、忙しさ、そして経済性を考えると、途中からどうでもいいわいというような気持ちになってきまして、特売のお野菜なんかを買い込んで冷凍しておくというような生活になってくるんですけれども。
やはり自分が子供を授かったときには、母乳から農薬が出るらしいよというようなお話を聞いたりだとか、やはり子供に与える離乳食は無農薬じゃなくてはというような話が出たりだとか、あとは、今も、子供が育ってからも、食に敏感なママたちからは、農薬が付いているお野菜は子供に食べさせたくないから、貝由来の農薬除去パウダーを使って野菜を洗ってから食べさせているというような方もいらっしゃいまして、そのパウダー自体もボトル一本当たり千円以上したりとかして、それだったら有機野菜買った方がいいんじゃないのというような話なんかもママうちでしたりと。
やはり、母親というのは、子供のためであれば何でもしてあげたい、特に体の中に入れるものというのはこだわりたいというような心理が働くものです。さはさりながら、日常の経済性を考えてどうしても安いものに手を伸ばしてしまう。そういった母親たち、まあ母親に限らず父親もですが、子育て世帯を中心にいかに有機というものがいいのかというのを伝えていく必要もあろうかと思うんですけれども、やはり農林水産委員会で農水省に確認をしましても、例えばグリホサート、例えばネオニコチノイド、問題ないんですかと言っても、農水省が定めた基準にのっとって食していただく分には問題はありません、健康被害はありませんと胸を張っておっしゃるわけなんですね。そこにやはり、インターネットの時代ですので、様々な情報が入ると懐疑的にならざるを得ない生産者の気持ちというものがあります。
ですので、今回は、そうですね、ラウンドアップという言葉も出ましたので、瀬川参考人、大山参考人、井上参考人のそれぞれのお立場から、この農薬、除草剤、殺虫剤に関する安全性について、プロフェッショナルな知見から、思っていらっしゃることをもう一言ずついただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/62
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063・酒井庸行
○理事(酒井庸行君) じゃ、瀬川参考人からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/63
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064・瀬川守
○参考人(瀬川守君) ありがとうございます。
ラウンドアップの問題視された、世界を変えたというのが、私の年表の中にモンサント裁判というのがありますが、ここでやっとこの被害者が裁判に勝ったと、勝ったというか、賠償金命令を出すことになったわけですね。それ以来ずっとこの訴訟に関しては、裁判についてはことごとく勝っているという、被害者の方がですね。したがって、国連の組織の中でがんの専門分野があるらしくて、そこでA2という上から二番目のがんの危険性があるという位置付けをされているというのが現状です。
〔理事酒井庸行君退席、委員長着席〕
しかし、この日本では、私も先ほど使ったことがあると言いましたけれども、現状は、見ていると、マスクもせず、農家がですよ、そのままもうまいちゃっているというのが現状。まあ、さすがにこれぐらい騒がれましたから大分注意をされるようになったけれども、やっぱりがんで亡くなる、最終的にはがんで亡くなるという確率は日本の方が多いんじゃないかということが言われているようになりました。
その程度のあれでよろしいでしょうか。専門家でないので、申し訳ないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/64
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065・大山利男
○参考人(大山利男君) 私も専門家ではないので、安全性をやっぱり評価するのはできないと思うんですけれども、この薬剤以外にも様々な技術がありますけれども、やっぱりいろんな技術の安全性に関して、なかなか決定打が出ないものはやはり予防原則ということで対応していくということになるかと思います。
それからもう一つは、やはり生産者にしても消費者にしても、選択する、表示によって選択をするわけですから、その選択の権利が確保されるということが大切だと思います。特に、慣行製品、慣行生産で使うならまだしも、有機で認められるということはやっぱりあり得ないと思いますし、逆に言いますと、有機を選べば回避できるという、そういう選択もできるだろうというふうに思います。
いずれにしても、生産者、消費者の選択する権利が保障されるような、そういう制度は必要かなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/65
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066・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 僕も、結論、安全性については分かりません。
そうですね、その科学的根拠であったりとか、今、大山参考人がお話しされたとおりで、その根拠というのをどれぐらいの年数で積み上げて、そして因果関係が断定できていないというところが、まあそこなんではないかなというふうに感じています。
選択できるできないというお話がありましたけれども、やはり僕もそこが重要なのかなというふうに思っていまして、かつ、経過的にこれからも観察をし、この安全性というところがどこまで行ったらはっきりと決定打として言えるのかというところまでみんなでウオッチするということが大切なことなのではないかなと感じています。
ちなみに、僕、その有機野菜、妊娠した、それから授乳期であったりとか、この辺りで有機野菜をお求めになるお母さん方は非常に多くて、で、その後になると、手軽で使いやすいものに変わっていくというのをたくさん見ているんですけれども、僕は日頃から有機野菜は半分ぐらいしか食べていないんですね。半分ぐらいは普通のスーパーで売っている普通の慣行野菜を食べています。
何が言いたいかというと、今、現状のこの農業界において農薬や化学肥料を絶対悪とし排除するのであれば、僕らは餓死するというふうに感じているんですね。なので、先ほどの安全性の話にもつながるんですけれども、経過的な観察であったりとか、どれだけ多くの方々を巻き込むのかというところが重要で、今すぐの結論であったりとか対策ということを打つのは非常に危険だなというふうに感じています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/66
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067・梅村みずほ
○梅村みずほ君 参考人の皆様、ありがとうございました。
母親というのは子供のことになると盲目になることがありまして、例えば食べ物に関しても、本当にもう有機だけしか食べさせたくない、お菓子も手作りじゃないとあげたくないというような方も中にはいらっしゃって、それは医療もそうで、薬を塗りたくないと。そうなると、ステロイド剤を使わずに、お肌ががぴがぴになっていたとしても、ただれていたとしても、一切、お水だけで治すんだというような方もいらっしゃったりと、そういった、子供を思うがゆえに、何でしょうね、一方向に極端に走ってしまうということもあろうかと思います。それはやはり知識を得ていただくことというのがとても大切なのと、皆さんがおっしゃるように選択肢を持つということが大変重要なのだというふうに思っております。
いずれにしましても、子育て世帯が食に対しての関心を高めていくというのは、その考えが子に伝わり孫に伝わっているという点で大変重要だと思っておりまして、そうすると、やはり給食というものにも日本はもっとこだわっていってほしいというふうに思うところです。例えば、フランスのエガリム法ができまして一気に有機の給食が広がったと。二〇二一年からはソウル市が小中も含めて全て有機の給食にするというようなことも進められています。
先ほど、井上参考人からは、北杜市は様々汗をかいてくださった方もいらっしゃって実現したということなんですけれども、それがどこの自治体でも可能かというと難しいというようなことをおっしゃっていましたけれども、全くそのとおりだなと思っていました。けれども、そういった有機給食というのを、時には数値目標を定め、自治体が積極的にバックアップをし、進めていく必要があるかと思っております。
こういった給食に関して数値目標を設けるということに対してのお考えをお伺いしてみたいのですが、こちらは井上参考人にお伺いしてもよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/67
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068・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 数値目標の設定というところは非常にいい御意見だと感じています。
北杜市についての話になってしまうんですけれども、僕らは、地産地消率としまして、この地産地消率の中に有機が何割ぐらい充当されるかということを検証してきたんですけれども、感覚値として、北杜市は有機生産者が、僕の知る限りですけれども、百軒ぐらいあるんですね。その中で、学校給食に食材を供給している有機生産者はおおよそ二十戸ぐらいの生産者です。この二十戸ぐらいの生産者で北杜市の中の学校給食のうちどれぐらいの割合が出荷できているかというと、恐らく五%から八%ぐらいかなというところですね。これは他市町村に比べては結構頑張っていてこの数値なのかなというふうに考えているんですけれども、数値目標を定めるのであれば、現行の〇・五%を十倍にして、五%ぐらい学校給食の中で有機農産物を扱うというような数値目標が現実的なのかなというふうに感じています。
また、これは重量ベースなのか金額ベースなのかカロリーベースなのかというところでも変わってきますし、まさにこういったところを、この物差しを各自治体でしっかりと議論をして、自分たちの現状において、どのぐらいの数値目標や、果たして低農薬も入れるのかであったりとか、そういうことを考えていくことが大切なところではないかなと感じています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/68
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069・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
最後に一問、時間がなくなってきたのでぽんぽんぽんと三方にそれぞれ御意見を伺いたいんですが、私、理想としては、個人の農業をやってみたいと、農業で自分を試してみたいという方がどんどん増えたらいいというふうに思っているんですが、日本のこの労働人口が減っていく中で、私どもの党としては、法人の農地取得というのも進めていかなければ、三七%という食料自給率で、海外から、今も、不良と、不況で、不作で輸入小麦なんかも大変高騰しているんですけれども、それも国防としては必要ではないかと思っている立場です。
法人の農地取得のメリット、デメリットを簡単に思い付くところを一言ずついただければと思います。では、瀬川参考人からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/69
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070・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 恐縮ですが、時間の関係もございますので、答弁は簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/70
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071・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 信念のある法人であれば、土地は持っていけませんので、ありだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/71
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072・大山利男
○参考人(大山利男君) 不在地主化しないように、やはり地域の人たちの管理下で土地利用、管理ができるような形での参入というのが望ましいかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/72
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073・井上能孝
○参考人(井上能孝君) メリットは資本力です。デメリットは地域との合意形成を取ることの難しさです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/73
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074・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/74
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075・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
今日は、三人の参考人の皆さんの、本当に示唆に富んで、これからの役に立つ発言をいただきまして、本当にありがとうございます。
まず、三人の方に共通の質問をいたします。
今現在、ロシアのウクライナ侵略で、世界的に見ても食料危機ということが非常に現実味を帯びてきていると思うんです。
みどりシステム法案の目的に、持続的に発展することができる社会の構築に寄与するというように書かれています。食料をやっぱり国内で供給していくということがますます大事になっているということを痛感するんですけれども、食料自給率の向上をやはり農政の軸に据えていくということが必要だと日頃から思っていまして、そこで、やっぱりみどり法案でもこの食料自給率をきちっと触れるべきではないのかなと。まあ触れていないというのもありまして、触れるべきじゃないのかなというように思っているんですけれども、これについて、井上参考人から順番に御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/75
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076・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 食料自給率についてです。
私が感じていることは、もっとお米を食べようということです。野菜の自給率は八割近く、お米の自給率は一〇〇パー。肉と油、小麦類を食生活の中から少しずつ日本古来のものにできるのであれば、この自給率というのは僕は簡単に上がるのではないかなというふうに感じています。
緊急時に国内のものを買いあさり、平時には海外産の安いものを買うというのは、僕ら生産者からすると非常にさみしい話です。この平時と緊急時の使い分けというところは大切なところなんですが、じゃ、その根幹を支えているのは農林水産漁業者であり、食料自給率についても、数字の見え方であったりとか見せ方によって変わってしまうことがあるということを消費していただく皆さんにも知っていただきたいというふうに思っています。
僕は、野菜や米においては八割以上の自給率を誇るこの豊かな日本がすばらしいと思っていますし、ここに、まさに皆さんに食料自給率が低いということをあおるのではなく、じゃ、どうしたら食料自給率が高く、そして日本を誇ることができるのかということを消費する方々と一緒に考えていきたいというふうに考えています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/76
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077・大山利男
○参考人(大山利男君) 重要な御質問、ありがとうございます。
私も、今回の食料危機、かなり顕在化するという気がしていますけれども、問題は、食料そのものと、あと生産材の輸入も多かったということが顕在化しているかと思うんですよね。そういった意味では、かなり、生産資材、購入資材に依存する農業からの脱却、要するに、農業生産そのものもですけれども、体質改善も必要なんだと思います。
先ほど申し上げましたけれども、やっぱり土地に依存した農業こそが多分一番強い農業で、その土地に依存するときに、例えば、先ほど粗放的なイメージの話をしましたけれども、比較的広い農地が確保できるのは多分低投入で、そういうやっぱり生産システムだと思うんです。で、有事のときに例えばそれを高投入とかいろんな形でチェンジしていくことができるような、そういう余力を持った、余裕を持った形にしていく。それは、やっぱり比較的低コストで土地を管理するのがある意味で農業だったりする部分もあると思うんです。ですから、そういう意味でのやっぱりなるべく広い農地を確保できるような政策が大切かなというふうに思います。
あと一つ加えると、先ほどスイスの御質問がありましたけれども、スイスのその食料安全保障の鍵は、やっぱり人ですよね。多くの国民が、まあ兵役もあるんですけれども、農作業も結構やっているんですよね。この経験はいざというときに、プロのようにはできないかもしれませんけれども、やっぱり人的なストックが有事の際には大切かなと思います。
そういう意味では、例えば農業体験、体験といったら何か本当に軽く見る人もいますけれども、でも、そういったこともある程度の積み重ねができていると、いざというときの貴重な人的な資源として有効ではないかというふうに思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/77
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078・瀬川守
○参考人(瀬川守君) ありがとうございます。
自給率、率だけ考えれば、輸入飼料をやめればかなり上がるというふうに思うんですけれども、何が言いたいかとすると、規模のスケールメリットを追求しても日本の農業は成り立たないというのが私の考え方だと思うんですよね。それにしてはちょっと有機で大きな面積でと言いますけれども、社員だとか家族を含めると全くそんな大きなやり方をしているわけではなく、紙一重で、毎年潰れるかどうかというふうに恐怖感をあおりながら、あおられながら経営しているんですが。
五十年前、五十というのがキーであって、五十年前の日本の農業がどうだったかというと、やっぱり動物が一、二頭いたり、鶏がいたり、あるいは羊がいたりというような中で、私のおばも結婚式、あるいは祖父の葬式は地域で、あるいは自宅でというふうな景色が浮かび上がってくるんですが、そういうふうに、悪い方向へバックしていくという思いではなく、それが幸福感のある国に再建できるというふうに、まあ古き良き方向へ進めることがいいんではないかなというふうに思います。
だから、経営も、家族経営が、世界中の食料を担っているのは七割ぐらいが家族経営で成り立っているというのが現状なわけで、日本も、先ほど法人がオーケーと言いましたけれども、現状、空いた土地が荒れていくよりは意のある法人が支えていくというのも一つだと思うんですが、まあそんなことで、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/78
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079・紙智子
○紙智子君 ありがとうございました。
次に、食料・農業・農村基本法というのが、これ私、やっぱり基本だと思っているんですけど、その第四条のところに、農業の自然循環機能が維持増進させることにより、その持続的な展開が図られなきゃいけないというふうになっているんですよね。言わば、これを具体化している形でいえば、二〇〇六年に有機農業推進法ができたんだというふうに思っているんですけれども、しかし、現実には、さっきもちょっと話ありましたけど、十分に広がっているとは言えないと。有機JASでその認定の換算ということが言われて、私もこの間農水省に聞いて、米が、そうはいっても増えているんだろうと思ったら逆に減っていたりしてちょっとびっくりしたんですけれども、ちょっとそういう、現実にはなかなか進んでいないということなんですけど。
そこでなんですけど、瀬川参考人にお聞きしたいのは、私、当麻町の有機のトマト農家のところに勉強しに行っていろいろお話聞いたときに、化学肥料を一切使わないと、有機でもってやって、初めは全然取れなかったと、もう惨たんたるものだったんだけど、ところが、イチゴの、あっ、トマトだ、トマトのからだとかをすき込んでずっとやっていたら次第次第に地力が付いてきたという話があって、大体五年ぐらいしたらおいしいトマトが取れるようになって、それでこの地力という言葉に物すごく関心が行ったんですね、地力という話ですね。
それで、参考人のこの資料の中に瀬川参考人の記事も載っていまして、そこに、連作しても連作障害を起こさない土づくりということで書いてありましたけれども、この土つくりということをもう少し話してほしいのと、これに国が支援できるとしたらどういう形があるのかなということをお話をお聞きしたいんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/79
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080・瀬川守
○参考人(瀬川守君) ありがとうございます。
有機JASと推進法というのが六年の差があって、取締法が日本の場合、先にできてしまった、そして理念法が六年後にできたという、このねじれ現象が先ほどの増えない一つの理屈なのかもしれません。
それと、地力の問題ですけれども、これこそ有機農業のだいご味といいますか、やはり多様性のある生き物と共生できる形になるということがこの有機農業のだいご味だというふうに、これは、したがって、三年、物が取れないからやめちゃうというようなことでは長続きしていかないし、それを突破してこそ有機農業が継続できるんじゃないかなと思います。
連作については、やはりトマト辺りも、普及センター辺りの話を聞くと、枝一本残してはいかぬというのがセオリーだったんですが、最近、全量をすき込んでいくぞということで、地力が間違いなく上がっていくし病気も出てこないというふうになっているのが当麻町のトマト農家にあります。
そういったことで、有機のだいご味というのは、そういった共生、低投入、循環というこの三つのキーワードがうまく回っていくことが大切じゃないかなというふうに思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/80
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081・紙智子
○紙智子君 もし国がそれを支援するとしたらどんな形かって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/81
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082・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 農研機構の研究員もかなり進んできて、有機の方へかなり傾注していただいて、その辺のこの現状、何というかな、連作しても大丈夫だというようなことも検討課題に挙げて発表されております。そういったことをどんどんどんどん研究機関がフォローしていただければ、更に良くなるんではないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/82
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083・紙智子
○紙智子君 ありがとうございます。
それじゃ、井上参考人にお聞きしたいんですけれども、この有機農業の担い手を、御本人が、違う、農外からやってきたということなんだけれども、担い手を増やすためにどのような政策的な支援が必要だと思うかというのをお聞かせいただきたいんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/83
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084・井上能孝
○参考人(井上能孝君) まずは、この担い手の確保というところで、担い手をどう定義するのかというところですね。専業農家若しくは兼業農家、どちらでもオーケーなのかというところなんですけれども、私が考えているのは、専業も兼業もどちらも可としたいと考えています。
じゃ、この専業、兼業の方にどういうふうに参入していただくかというところなんですけれども、私たち有機農業者の中では大体この目標とするロールモデルというものがありまして、そこに師弟関係を結んで研修生として研修を付けていただき、そして就農という流れがセオリーというふうになっています。例えば、僕が瀬川参考人に憧れて農業を始め、そして当麻さんのところで働かせていただき、三年後に独立就農をするというのがセオリーとなっているんですけれども、研修を、研修や修行をせずとも、このロールモデルを魅力的につくり上げていくというところが大切だと感じています。
例えば、有機農業者の選手名鑑みたいなものを作って、作っている農産物よりも、その人の個性であったりとかパーソナルな部分に焦点を当てて面白おかしく紹介をしていく。就農歴が何年で、できれば売上金額が幾らでどれぐらいの収入が得られているかというところもオープンにできるような、そんな、本当、選手名鑑のようなものがあり、そこを面白おかしく見ていただいて、気軽にこういう人になりたいというようなロールモデルをつくれること、ロールモデルをつくることが担い手の確保につながるのではないかなと感じています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/84
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085・紙智子
○紙智子君 ありがとうございました。
時間ですね、済みません。本当はもう一つあるんですけど、これで終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/85
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086・須藤元気
○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。本日は貴重なお話、ありがとうございました。
私は、農林水産委員会に所属して以来、これまで結構な頻度で有機農業の質問をしてまいりました。そこで、有機農業の大切さ、重要性を理解するようになり、このみどり戦略を必ず形にしていきたいと考えております。
そこで、まずは瀬川参考人にお尋ねいたします。
実は、私、昨年の夏に瀬川参考人の農場に視察させてもらいました、たまたま。そこで、先ほど横沢議員もおっしゃっていましたが、そのときに飲んだトマトジュースがとてもおいしくて、東京に戻ってからも定期的に購入させてもらっております。
そこで、お聞きしたいんですが、どうやったらあんなおいしいトマトジュース作れるんでしょうか。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/86
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087・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 難しい質問でございますが、化学肥料を一切使っていないのが三十年近くなりますし、それから、先ほど、残渣を、トマトの全てをすき込んでしまうということで地力が上がってきているのと、実際に、窒素分として、先ほど化学肥料の代替有機ではいかぬぞということをちょっと述べさせていただきましたけれども、その辺にやはり、地力と三要素というのが、どうも有機の場合は違うぞというのが体験しております。
したがって、えぐみのない野菜は化学肥料を使うとできないというようなところが大きなところではないかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/87
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088・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
先ほど、ネオニコチノイド系農薬のお話しされていましたが、日本は二〇一七年にグリホサートの残留基準値を世界の流れに逆行するような形で規制緩和されて、私はなぜそうしたのか理解できません。瀬川参考人から、視察した際にも、この土壌づくりが大事だと教えていただきました。
そこでお聞きしますが、地上の生物多様性と土壌の微生物多様性には相関関係があるとのことですが、この点についてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/88
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089・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 微生物と土壌の関係、これは土の中と、それから昆虫も含めて地上の生き物、これがバランスが取れているかどうか。したがって、今日ちょっと質問のどこか外しまして、環直の交付金の支払で、植わっているところ以外は排除するということになっちゃっているんですね、実は。これは、今も言いましたけれども、やはり作物の植わっている周りが多種多様な生物が生きている、あるいは植生が、雑草も含めて花を咲かす植物がたくさんいる、これが昆虫が集まる要素になりますから、この益虫がやはり作物に付いた害虫と共生していくという形でバランスを取っていくと。完璧にはならないかもしれませんけれども、農薬を掛けるほどまでにはならないというふうに私は思っております。
もう一つ、土壌ですが、極みはやはり不耕起栽培だというふうに思っております。
これは、上から有機物を載せていく、そうすると、効果は、年数が掛かるわけなんですが、その効果が出始めると一切耕起をしなくてもいいと。まあ土質や環境にもよりますけれども、起こしてしまうと単年度に爆発的には有効になってきますけれども、次、また投入を、有機物を投入しなきゃいけないというようなデータも公的な大学から論文として発表されておりますが、どちらにしても、有機栽培についてはバランスを取っていくというのがすばらしいことになっていくんじゃないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/89
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090・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
続きまして、大山参考人にお伺いします。
大山参考人は、有機農業と有機畜産の関連性についても御研究され、さらには有機農業とアニマルウエルフェアの関連性についてもお詳しいかと存じます。私自身としては、日本もあの鶏のバタリーケージと豚の妊娠ストールを、あれ見ているだけでちょっとかわいそうになってしまって、禁止にしていくべきだと考えております。
そこで、我が国において、有機農業、有機畜産、アニマルウエルフェアを一体的に取り組んでいくため、EU等の先進国から何を学び、何を生かせばよいか、御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/90
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091・大山利男
○参考人(大山利男君) 御質問ありがとうございます。
今回、そうですね、畜産分野の議論がちょっと存在感薄い感じがしますけれども、やはり、農業生産、耕種部門と畜産はやはりセットで考えるべきだと思いますので、もっと積極的にこの畜産を位置付けて、で、畜産はこの場合は飼料生産ですよね。餌と、それから、排せつ物の方もやっぱり土地に還元していく、農地に還元していくというのが、これは有機農業に限らず慣行生産でも実際にあるわけですけれども、そのバランスを取っていくということがとても重要になっていると思います。
ただ、畜産の方がより一層、何というんでしょう、集約的な、周密的な飼養管理、畜舎の中に多頭数、高密度で飼うのが一般化していますよね。これは確かに見た目にもかわいそうだけれども、非常に健康でいられない、非常にストレスフルな飼養環境の中で家畜がいるということで、やはり改善していく必要があるかと思います。
特に、今、家畜伝染病が非常に蔓延していて、これはもう本当に大問題で、国際的にも大問題だと思いますけれども、それ以前で見ていると、やはり、非常にたくましい家畜というんですかね、やはりそういう家畜にしていく必要があるだろうと。これは、いきなり例えば放牧をしても、ひ弱な家畜がいきなり放牧で外に出されると、やっぱり病気になっちゃうわけですよね。ですから、あとそれから、例えば、高い生産性を追求したような品種改良がされていますから、やはり、例えば餌を切り替えるとやっぱり体を壊してしまうとか、そういった、もう全体がやはり非常にハイインプット、ハイアウトプットの状態にありますので、もうちょっと低めて、健康な家畜を飼っていくような水準にしていく必要があるかと思います。
今日、生産性のお話ししましたけれども、これは畜産の方がよりはっきりとしているかと思います。非常にインプット、アウトプット分かりやすいですので、もうそのとおりかと思います。
あれですね、今、このアニマルウエルフェアに関して一言だけ付け加えると、日本でもかなり今関心を持たれている国民増えていると思うんですよね。余り、今、国内の畜産の生産環境が十分に伝わっていないということが幸いしているのかもしれませんけれども、やはり今のような状態が、須藤先生がおっしゃるように、もうちょっとそのかわいそうだというのが本当に国民にどんどん知れ渡ると、やはり国内の畜産どういうことなんだってもう物すごい逆風が吹く可能性があると思うんですけれども、そうなる前にどんどん転換をしていくということは必要かと思います。
付け足しですけれども、EUに畜産物を輸出している国、途上国もそうですけれども、基本的にもうヨーロッパスタンダードで家畜を飼っていますよね。だから、ヨーロッパに輸出をしていない日本は今までどおりですけれども、世界中多くの国はもうヨーロッパに輸出しているので、ヨーロッパスタンダードの家畜の飼い方に転換しているので、ちょっとそういった意味では、日本、畜産業界の人、もっと頑張っていただきたいなと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/91
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092・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
続きまして、井上参考人にお尋ねします。
井上参考人は僕と同世代で、昔は金髪のスケーターだったということですが、私も金髪でスケボーをやっていた時期があるので、勝手に親近感を、湧いております。
二十一歳のときに農業の世界に飛び込んだとお聞きしていますが、井上参考人のように、最近は若者がこの有機農業に取り組んでみたいというふうに考えている方、増えてきているような気がします、僕の周りでもいるんですが。
そこでお聞きしますが、この若者の新規就農者を増やしていくためのアイデアであったり、逆に課題点などがあったら教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/92
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093・井上能孝
○参考人(井上能孝君) ありがとうございます。
若者をどう定義するかというところにもよるんですけれども、四十までは若者に入りますでしょうか。(発言する者あり)はい。では、お答えさせていただきます。
四十歳までを若者とするのであれば、就農人口として一番パーセントとして多いのは、三十代から、三十歳から四十歳までの世代の方が多いように感じます。背景としては、子育て世代ですね。先ほどの先生からも御質問ありましたけれども、子育てをする上で、自然環境の良いところであったりとか、食べるものを安心な安全なものを子供に食べさせたいであったりとか、教育を伸び伸びしたところで受けさせたいであったりとか、こういった背景があります。なので、新規就農者の就農割合としては、三十から四十ぐらいの子育て世代が多いというふうに感じています。
アプローチするのであればまさにこの世代かなということを感じていますし、では、アプローチの仕方としては、食べるというところから、生産現場に行くということが一番の安心、安全だよというところが伝えられるといいのかなと思っています。自分でこだわりのある農産物を作って自分で消費をするのであれば、それが僕は一番安全、安心につながると考えているんですけれども、まさにそれを消費というところからそこまで、サプライチェーンの今度は上流の方まで上っていって、自分がプレーヤーとなりたいというような思いがある人をつかまえてくる、若しくはそういった提案を投げかけるということが大切だと感じています。
片や、二十代で最近多いのが、Z世代と呼ばれる方々が、ソーシャルアントレプレナー、社会課題を解決し、そこで起業したいという思いがある方が非常に多いなということを感じています。特に、国立大学生の方々なんですけれども、例えばフードロスを減らすために農場で捨てられてしまう野菜から新しいメニューを作り上げたいであったりとか、子供食堂であったりとか、フードバンクに食品を送りたいんだけれどもそれを有機野菜で扱いたいであったりとか、こういった話をいただくことが結構多くあります。なので、この社会課題の解決というところとこの農業というところを結び付けることも更に若い二十代の若年層を農業かいわいに引き込むいいきっかけになるのではないかなと感じています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/93
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094・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
ほかにも幾つか質問あったんですが、既にほかの議員の方が言っていただいたので、最後に、このみどり戦略に対して、何か一言ずつ、伝えたいことや言い足りないことがありましたらよろしくお願いします。一人三十秒ぐらいでしょうか。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/94
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095・瀬川守
○参考人(瀬川守君) 非常に期待をしております。今お話あったように、若い世代がこの波に乗って国際的にも通用する有機農業を広げていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/95
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096・大山利男
○参考人(大山利男君) 私も、この法案、この方向性をとても支持しています。
法案はやはり政府が作るわけですけれども、やっぱり最後魂を入れるのは、やっぱり現場の人たちが頑張ろうっていうことだと思います。なので、そこを応援していくというのが一番かなと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/96
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097・井上能孝
○参考人(井上能孝君) 私もこのみどり法案が前進していくことに大きな期待を寄せています。
最近では、グレタ・トゥンベリさんがそのZ世代の方々が注目している人材としていますけれども、僕ら世代でいうとセバン・スズキさんですね。セバン・スズキさんの言葉の中で、何を言ったかではなく何を行動として落とし込めたかというフレーズがあるんですけれども、このフレーズが僕は大好きです。
まずは、実現したいと思う自分自身が行動をして進めていく、多くの方々と手を取り合って進めていきたいというふうに考えています。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/97
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098・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/98
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099・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01020220419/99
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