1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十二日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
森 ゆうこ君 小沼 巧君
四月二十八日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 中川 雅治君
小沼 巧君 塩村あやか君
五月二日
辞任 補欠選任
中川 雅治君 進藤金日子君
塩村あやか君 小沼 巧君
五月九日
辞任 補欠選任
小野田紀美君 こやり隆史君
佐藤 啓君 岡田 直樹君
下野 六太君 伊藤 孝江君
五月十日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 佐藤 啓君
こやり隆史君 小野田紀美君
伊藤 孝江君 下野 六太君
五月十二日
辞任 補欠選任
小野田紀美君 山下 雄平君
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出席者は左のとおり。
委員長 長谷川 岳君
理 事
酒井 庸行君
藤木 眞也君
山田 俊男君
田名部匡代君
紙 智子君
委 員
小野田紀美君
佐藤 啓君
進藤金日子君
野上浩太郎君
野村 哲郎君
宮崎 雅夫君
山下 雄平君
小沼 巧君
郡司 彰君
横沢 高徳君
熊野 正士君
下野 六太君
谷合 正明君
舟山 康江君
梅村みずほ君
須藤 元気君
国務大臣
農林水産大臣 金子原二郎君
副大臣
内閣府副大臣 赤池 誠章君
農林水産副大臣 中村 裕之君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官 下野 六太君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
政府参考人
内閣府地方創生
推進事務局審議
官 三浦 聡君
農林水産省大臣
官房技術総括審
議官 青山 豊久君
農林水産省大臣
官房統計部長 菅家 秀人君
農林水産省農産
局長 平形 雄策君
農林水産省経営
局長 光吉 一君
農林水産省農村
振興局長 牧元 幸司君
経済産業省大臣
官房首席エネル
ギー・地域政策
統括調整官 小澤 典明君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交
流の促進に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/0
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001・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、森ゆうこ君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/1
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002・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る十七日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/2
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003・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認めます。
なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/3
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004・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/4
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005・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官三浦聡君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/5
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006・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/6
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007・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/7
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008・佐藤啓
○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。
関連する二つの法案があります。時間も大変限られていますので、簡潔に質問の方していきたいというふうに思います。
まず、基盤強化法、法案の方でありますけれども、ポイントとしては、人・農地プランを法定化するということが一つのポイントなわけでありますが、これを法定化したことの意味合いですね、この意義と、またこの効果について、端的にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/8
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009・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) お答えいたします。
今後、高齢化、人口減少が本格化いたしまして、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中、農地が利用されやすくなるよう農地の集約化等に向けた取組を加速化することは待ったなしの課題であります。
このため、農業経営基盤強化促進法の改正案によりまして人・農地プランを法定化しまして、地域の話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確にしまして、それを実現すべき地域内外からの農地の受け手を幅広く確保しつつ、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めていくことといたしております。
他方、コロナ禍の中で、新たな生活スタイルを求めまして都市と農村を人々が行き合う田園回帰が一層加速化しておりまして、この機を捉えて、食料の供給基地であり多面的機能を有する農山漁村地域を持続可能なものとしていくためには、まず、低下した集落機能を補完いたしまして、農用地保全、地域資源の活用等の取組を支援すること、地域資源の活用により事業を生み出し、農山漁村発イノベーションを推進しまして、所得向上と雇用機会の創出を図ることが極めて重要であると考えます。
このため、農山漁村活性化法に改正いたしまして、農用地保全に取り組む際、必要な農用地等の権利関係の一括整理を行いまして、また、農山漁村発イノベーションのための施設を整備する際の農地転用等に係る手続の迅速化等を措置することといたしております。
このような両法案による措置を一体的に推進することによりまして、地域の農地の利用、保全を計画的に進め、農地の適切な利用を確保してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/9
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010・佐藤啓
○佐藤啓君 御丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
その全体像を描いていかないといけないわけですが、この目標地図の素案は農業委員会が作るということになっているわけでありますけれども、農業委員会も、負担軽減を図るという観点で、デジタル化を進めていく必要があります。今回の法案でもデジタル化を進めていくということで内容盛り込まれているわけでありますが、どういった内容で、実際どういった形で負担軽減がなされるのか、御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/10
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011・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
農業委員会による目標地図の素案作成につきましては、農業委員会の事務負担の軽減を図ることが必要でありまして、佐藤委員御指摘のとおり、デジタル化を進め、各農業委員や推進委員が使いやすいシステムとするとともに、きめ細かなサポートを行っていくことが必要と考えています。
具体的には、推進委員等がタブレットを円滑に活用できるように、収集すべき情報の項目を分かりやすい形で国において統一的に定めますとともに、容易に入力ができるようタブレットの入力画面を可能な限り簡素化をしてまいります。加えて、タブレットの使用方法につきましては、農業委員会に対する研修や巡回による操作指導を都道府県農業会議が行うこととしております。
こうした取組を進めることによって、農業委員会の負担軽減をデジタル化とともに進めてまいる所存です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/11
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012・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
デジタル化を進めていくことは非常に大事でありますけれども、実際にそれが現場で利用できる環境にあるということが非常に大事だというふうに思いますので、副大臣から御答弁いただきましたけれども、そのやはりサポートをしっかりやっていただきたいということをお願いしたいと思います。また、デジタル人材の確保ということも含めてしっかりお願いをしたいというふうに思います。
今回、まさに一番の目玉というところが、やはり土地改良事業との連携などによって、地域計画、この目標地図の作成、実行に対するこのインセンティブですね、このメリット措置、これが非常に重要であるというふうに思いますけれども、このインセンティブについて詳細に御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/12
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013・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
基盤法等の改正法案におきましては、地域の話合いによりまして目指すべき将来の農地利用の姿を目標地図として明確化して、それを実現すべく、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めていくこととしております。
農地の集約化等を進めた場合のメリットとして、作業がしやすくなって生産コストや手間を減らすことができるなどがあることを丁寧に現場に御説明をして、現場における目標地図の作成、これに基づく集約化等の取組の促進に役立つようにしたいと考えております。
また、これらの取組を後押しするため、目標地図の作成に向けまして、地域での徹底した話合いを支援するほか、農地バンクと連携した農家負担ゼロの基盤整備につきまして、区画整理などに加え、新たに農業水利施設等の整備を行えるようにする、地域でまとまった農地を農地バンクに貸し付けた際に地域集積協力金を交付するなどの支援策を講じてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/13
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014・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
今御答弁いただいたこのインセンティブでありますけれども、かなり幅広く活用しやすいようにしていただいているというふうに思います。そのメリットが十分に現場で伝わるように、しっかりと説明を尽くしていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。
全国的にはもちろん、全国をこれ平均で見れば、この農業の成長産業化ということにはもちろん農地の集積、集約化を進めていくということが大変重要なわけでありますけれども、私の地元の奈良県なんかは、これ非常に、耕地面積がそもそも狭いといった、そういった環境にありますし、また、奈良県の県土の約八割は森林ということもありまして、かなり中山間地が非常に多いという、そういった環境でもあります。一方で、奈良県では、耕地面積が狭いにもかかわらず、少量ではありますけれども高品質な様々な農産物を作っていると、そういった環境にあります。
そういった中で、もちろん、この農地の集約化、集積というのをこういった法律を基に全国的に一律に進めていくことは、これ非常に大事でありますし、その決意を大臣にお答えいただきたいというふうに思うんですけれども、一方で、私が申しましたような、そういった、必ずしも大規模化、集約化が難しい、そういった地域も含めて、どういった形で今回の法案の中で全国的にこういった集約化、集積化というものを進めていくのか、大臣にお答えをいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/14
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015・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 今後、高齢化、人口減少が本格化いたしまして地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中、農業の成長産業化に向けまして農地の集約化等の取組を加速化することは待ったなしの課題というふうに思っております。
このため、今回御審議いただいている法案に基づいて、各地域の農業者や関係機関等の方々と一緒になって、国もしっかりと支援しながら、農地の集約化等を進めることによりまして、地域の農地が今後とも適切に利用されていくように努めていく考えです。
特に、中山地域における農地は、平地と比べて傾斜地や狭隘な農地が多いものですから、我が国全土の約四割を占めております。国土保全等の多面的機能の発揮の観点からも重要な役割を担っております。
このため、中山間地域におきましては、今回の法案と併せまして、農地バンクと連携した農家負担ゼロの基盤整備や畦畔除去や暗渠排水等のきめ細やかな条件整備を行い、中山間地域において要件を緩和している農地バンクの地域集積協力金等の支援策を講ずることによりまして、農地の集約化等を進めてまいりたいと思います。
法律を作って終わりではなく、各地域で取組が実践されていくことが重要でありまして、現場の声をよく耳を傾けまして、寄り添いながら、関係者と一体となって課題の解決や施策の推進に努めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/15
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016・佐藤啓
○佐藤啓君 大臣、ありがとうございました。
もちろん、地域で話合いをして、どうやって農地を集積していくのかというのを議論していくわけでありますけれども、大臣から御答弁ありましたように、中山間地域、全体で約四割というお話がありました。これ、相当な割合で存在するわけでありますので、なかなか地域で皆さんで話し合ってくださいよというだけでは前へ進まないということであると思いますので、やはり農水省の積極的な関わりの中で、非常に難しい環境の中でもこの集積、集約化がどうやったら可能になるのかということを、これは是非知恵を出していっていただきたいなというふうに思います。それが、私の地元の奈良県も含めて、全国で四割ある中山間地域の農業を守っていくということにもなるわけでありますので、ここは農水省の力の出しどころ、踏ん張りどころだと思いますので、是非ともよろしくお願いをしたいというふうに思います。
それでは、活性化法の方に少し行かせていただきたいと思いますけれども、活性化法の中で、一つの選択肢として林地化というのがあるわけでありますが、簡単にこれ林地といいましても、これも私の地元の奈良県の話をしますと、約県土の八割が森林、かつ森林を保全管理するということがいかに難しいかということ、地元の実情を言えば、なかなか山の管理が手入れが十分にいかずに、それが災害に結び付いたりということで、これ非常に難しい環境にあるんですけれども、林地化というのは、単に植林とかだけではなくて、間伐とか枝打ちとか、これいろんな長期的な作業が発生するわけでありますけれども、こういったこの継続的な管理が最低条件となりますけれども、そういったことがこれ可能な仕組みになっているのかどうか、御答弁お願いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/16
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017・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
この農用地保全事業によりまして農地を林地化するに当たりましては、この優良農地の確保に支障が生じないことはもちろんでございますけれども、林地化した後にこの当該土地が地域森林計画に編入をされまして、植栽のみならず、間伐等の適切な森林の整備が継続的かつ確実に行われるということが重要であると考えているところでございます。
このため、この活性化計画の作成、実施に当たりましては、市町村又は都道府県の農業部局と林業部局が綿密な連携を図りまして、地域森林計画への編入を行いますとともに、林地化の取組を実施する農林漁業団体等に対しまして、市町村等を通じて、森林組合など森林の整備や管理を行う団体を紹介いたしますなど、林地化の取組が円滑に実施されるよう適切な運用に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/17
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018・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございました。
そこを、もちろん農水省の中に林野庁もあるわけでありますので、しっかりと連携の方をしていただきたいというふうに思います。
それでは、林地化を仮にした場合に、これ、林業の振興という観点で取り組んでいかなければいけないというふうに思います。林業の振興には、これ、植林に対する支援ということだけではなくて、木材を活用していくための支援も必要だというふうに思いますけれども、この活性化法におきまして、例えば木材加工施設等の、この木材の利活用の取組の支援については可能なのかどうか、お答えをいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/18
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019・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
委員から御指摘いただきましたとおり、この植林に対する支援と併せまして、地域の林業の振興を図るために、木材加工施設等の設置といいますか、木材を利活用するための取組に対する支援も大変重要だというふうに考えているところでございます。
このため、令和四年度より、最適土地利用対策におきまして、この営農が困難な農地への植林につきましても支援の対象といたしましたほか、農山漁村振興交付金を活用することによりまして、木材加工施設等の整備、あるいはその高性能林業機械の導入等の木材の利活用のための取組についても支援をすることが可能となっているところでございます。
こうした予算措置につきましても、法改正と一体的に周知することによりまして、地域の林業の振興を図りますとともに、地域の活性化というものに努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/19
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020・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございました。
最後に、まさに要望ということになりますけれども、やはり今回の基盤法とそれから活性化法、これは一体として地域のまさに全体像を地元の皆さん中心に考えていただきながらということなんですけれども、私自身もこれすごく壮大な作業だなというか、なかなか並大抵の努力で簡単に実現できることではないのかなというふうに、これ素人感覚でも思います。これ相当な、やはり地域の方々のもちろん努力、熱意も大事ですけれども、これ相当サポートをやはり農水省の方でしていただく、また専門の方々からいろんな支援をしていただくということなくして、なかなかこの全体像を地域の方だけで描いていくというのは、これ相当難しいんじゃないかなというふうに思います。
農地をどういうふうにまとめていくのかというだけでなくて、農地としてなかなか使いにくいところを更に何に使うのかとかですね、これは相当な難しい作業だなというふうに思っておりますので、積極的な関わりを農水省に、また林野庁にも求めて、私の質問とさせていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/20
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021・酒井庸行
○酒井庸行君 おはようございます。
また質問させていただきますけれども、これまでの法案を含めて皆さんから御意見をたくさんいただいて、お話を聞いていて、いただいて、政府側は、ああ、これはいろんな意見があるなというふうにお感じになっているんだろうと思います。
今日から経営基盤法の、強化法の実質の審議に入るんですけれども、私が今感じているのは、前回も質問しましたけれども、いろいろと不安があったりします。今、佐藤啓先生からもお話をいただいて、農水省はもっともっと頑張って支援をしていただかなきゃいけないよというお話だったと思います。それ、そのとおりだというふうに思います。
この経営基盤法について、当初、市町村会から反対がありましたよね。で、それについてもういろんな御意見があって、これはいけないということで、農水省としてはその後、ここにもありますけれども、全国の都道府県、市町村を対象として、それから農業委員会あるいはJA、土地改良等に、開催をされたというふうに報告を受けました。
その報告を受けたんですけれども、その後も農水省は、開催をしてからどういうまた説明会等をされたかをちょっとお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/21
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022・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
今回の人・農地関連施策の見直しに関しましては、本年一月、二月に、全都道府県と全ての農地バンク、市町村及び農業委員会の約千七百団体と意見交換を行いました。また、本年三月にも全ての都道府県、市町村、農業委員会、JA、土地改良区などの約二千二百団体に対して、加えまして、全農地バンク、全ての都道府県の農業会議、都道府県の中央会及び農業委員会の約四百五十団体に対し、複数回に分けまして改正法案の内容について説明を行ってきたところでございます。
関係者の皆さんとの意見交換では、具体的な事務の進め方に対する御質問ですとか、書類の簡素化あるいは事務処理の迅速化などの御要望をいただいているところでございまして、今後、こうした御意見も踏まえながら対応を行ってまいりたいと考えております。
今回の改正法案の具体化に当たりましては、現場で実行していただく必要があります。このため、現場の関係者の皆様方により丁寧かつ分かりやすく御説明するとともに、いただいた御意見を踏まえながら具体的な運用の検討を進めて、現場の方とキャッチボールをしながら、円滑に地域計画を定めて取り組んでいただきますよう、引き続き細やかに対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/22
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023・酒井庸行
○酒井庸行君 今も千七百か所という御答弁をいただきました。
その後、皆さんから報告を受けて、リモートでやりましたよという報告を受けてから、私、市町村あるいはJAの近くの周りのところにいろいろ聞きました。すると、まだまだたくさんの意見が出てきました。それで、例えば県にも聞いて、これは政府から、その皆さんたちから聞いた意見を集約しているのかというふうに聞いたら、集約していませんと言ったんですよ。おい、ちょっと待てよと。だから、だったら、県も市町村も、言ったのは、あなたたちそれぞれ県や市町村から、県に対して、そういうことがなくても、こういう意見があるなんというものをどんどん出せというふうに言いました。
いまだにそういうことがあるということは、今局長も、光吉局長からお話を、きめ細かくやっていきたいということがありましたけれども、このいわゆる農水委員会の中でもいろんな意見があります。この法案だけじゃないですよ。もう少し丁寧にきめ細かくやらないと、本当の意見聴取というのは、皆さんの意見というのが伝わっていかないんじゃないかという私は危惧があるんですよ。やはり、前も最初に伺ったとき、農業って何だといったときにも話もしましたし、この間も、大切なのかは何かといったときに、人だと僕は言ったつもりです。そのことを考えたら、もっともっときめ細かく局長が言うようにやっていただきたいというふうに思います。
この法案は非常に大切な法案だからこそ、この委員会でもしっかりと皆さんが審議されてやっているんだというふうに思いますので、是非ともそのことを肝に銘じてまずやっていただきたいということをお願いをしておきます。
次の質問に行きます。
もう一つは、いわゆる下限の、農地の下限の問題も含めてということになるんですけれども、一つ、これもいろんな担当から聞いたときに、酒井さん、これどうなるんだろうと言ったのは、農地の所有者が農地バンクに預けるということは、効率よく集約してということは理解をしますと。しかしながら、簡単にできるものではないだろうというふうに考えていますと同時に、農地を農地バンクへ預けた後に所有権の移転や転用をしたいと考えた場合、例えば農地法の五条が想定されているような、農地を宅地にして子供の家を建てたいということがあります。
その農地バンク、この間も決算委員会でちょっと聞いたんですけど、よく分からなかったのでもう一回お話をしたいと思うんですけど、農地バンクに預けた以上、権利関係が整理されて、その後の所有権の移転や転用は、契約の点からも、また営農している人たちの保護の観点からも難しいということは理解をするんです。
だけれども、権利関係が不安定だということになってきたということにも関連してくるんだと思いますけれども、現実には、農地の所有者はこれから高齢者になって、だんだん将来的なビジョンが見通せないという方がおったりすると、契約に縛られちゃって、契約に縛られちゃってですね、抵抗感が出てきて、つまり農地所有者から農地バンクへの提供が難しくなるんじゃないかということも考えられるというふうに思います。
例えば、これを合意したとします、移転をですね、所有者の、農地バンクに。その後、いや、息子が家を建てたいといったときに、この五条の基準に照らしたときに、転用が可能になるかということです。計画どおりに農地を集約できないということも考えられちゃいますよね、このことを考えると。
その点、契約をした後に転用ができるということになるのかということも質問として受けたものですから、ちょっとその点に対してお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/23
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024・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
先般、決算委員会でも先生から御指摘をいただきました。その際も御答弁申し上げましたけれども、地図、基本的に、農地バンクを通じて貸される場合には、貸されて営農されている場合に、例えばその所有者の御事情で変更があるということについて、それで、すなわち所有者の方が返してほしいということで営農が不安定になるということはこれは問題でございますので、農地法でそういった営農の権利といいますか、その権利につきましては保護されると、一方的にそれを解除するということはできないところでございます。
ただ、当事者間で、先般も申し上げたように、当事者間で調整をして、ほかのところで例えば営農されている方のいい農地が見付かるからということで関係者の合意が得られて、そこで、じゃ別の集約化の形で頑張っていこうという形になれば、その農地について転用をどういうふうにしていくかという基準がございます、転用の御指摘でございますので、転用の基準に照らして判断をしていくと。
その場合に、元々の地域計画との関係が出てくると思います。地域計画につきましては、一定の市町村の中で区域ごとに、その区域におけます将来の農業の在り方ですとか、あるいは農地利用の姿を具体的に明確化するものでございますけれども、まず基本的なこの地域計画は一定の区域ごとに作りますけど、その上に市町村が基本構想というものを作ることになっております。現在もなっております。これにつきましては、おおむね五年ごとに十年後を見越して作ることになっておりまして、この基本構想にこの地域計画、区域ごとに作る地域計画は即するものでなければいけないというふうにしていますので、基本構想と同様に、おおむね五年ごとに十年後を見越してどうするかということの見直しの検討をしていただくということが適当と考えています。
これが基本としてございまして、そのほか、改正後の基盤強化法の第十九条の五項におきまして、同意市町村は、情勢の推移により必要が生じたときは、地域計画を変更するものとするというふうにしております。
このため、例えば、将来の農業の在り方について地域でいろいろまた考え直したとか、有機農業をやるとか、あるいは先ほどの土地利用の考え方について地域で議論した上で修正を加える、変更を加えるといったときには、市町村が情勢の推移に応じて地域計画を変更ができるということにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/24
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025・酒井庸行
○酒井庸行君 丁寧にありがとうございました。
レクを受けたときもお聞きをして、理解をしたつもりであります。
今局長が言われるように、丁寧に説明をしてくださいました。最初に僕が言ったように、各地域でこういう質問が出てきても、分かってないわけですよ。やっぱりこういうことをきちんと説明できるような体制をつくってやっていかなきゃいけないと思います。だから、決まったものだからそのまま行くんではないということですよね。だから、地域的にもいろんなところで柔軟に対応ができるんだということだというふうに思いますので、しっかりとやっていただくようにお願いをして、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/25
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026・田名部匡代
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。今日もよろしくお願いいたします。
法案の質問に入る前に三点お聞きをさせていただきたいんですけど、ちょっと地元の話で恐縮ですが、青森県でもイノシシの被害が急に増えているんです。それで、作物の被害だけではなくて、まさに養豚業にも影響が及ぶ可能性もあるということで、非常に皆さん警戒をされておられます。
以前も委員会で鳥獣被害対策についてお聞きをしました。ただ、今回発生、被害があったのは深浦町というところなんですけれど、猿とかの被害は十年ぐらい掛けて捕獲や追跡の技術というのは確立はされてきたんだけれども、イノシシのその対策については全くノウハウがないということで、コロナ禍ということもあって、他の自治体の捕獲技術の視察なんというのもなかなかできないというようなコメントが地元紙に載っておりました。
それで、是非、今日は具体的にというよりは、環境省とも連携していると思いますので、持っている情報などはしっかりと自治体とも共有をしていただいて、必要な技術また必要な支援どういうものがあるのか聞き取りをしていただいた中で、被害が拡大しないようにしっかり対応していただきたいということを要望したいのですけれど、一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/26
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027・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、イノシシの生息域は東北地方でも北上しておりまして、青森県のイノシシによる農作物被害額が令和元年度に初めて報告をされ、継続をしているところであります。
環境省は、都道府県と連携をしてイノシシの個体数推定や生息分布調査を実施しておりまして、これらのデータ等は自治体において、自治体に提供され、自治体で活用されていると承知をしているところであります。
また、農林水産省におきましても、イノシシ等の被害を未然に防止するため、地域の生息状況を踏まえて、捕獲強化すべきエリアを早期に設定をしまして、生息域の拡大を防ぐよう速やかに侵入防止柵を設置する取組を支援するとともに、捕獲のノウハウ等を含む被害防止対策の優良事例を情報提供をする等の対策を推進しているところであります。
今後とも、環境省や都道府県等との連携を密にしまして、野生鳥獣の生息状況等の把握と効率的、効果的な捕獲対策の推進に取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/27
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028・田名部匡代
○田名部匡代君 イノシシ移動するわけですから、県境を越えて他の自治体とも連携をして対策を取っていただかなきゃいけないというふうに思いますので、それも含めてよろしくお願いいたします。
担当局長、御退席いただいても大丈夫ですけど、委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/28
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029・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 退席していただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/29
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030・田名部匡代
○田名部匡代君 もう一点、私も民間の農地の所有について一言お聞きをしたいと思います。
前回、四月十四日のこの委員会で、農地ですね、宅地と農地には共通するところがあるという御発言をお聞きをしました。ちょっとこのことについて、大臣、御見解伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/30
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031・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) お答えいたします。
株式会社等の企業は、あっ、ごめんなさい、失礼しました。
農地は、他の農地などと違いまして、他の宅地などと違いまして、法律上特別な位置付けがなされています。すなわち、農地法第一条では、国内の農業生産の基盤として、国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源と明確化されています。これを踏まえまして、農地一般について農地以外のものに転用することが規制され、農地の売買や賃貸に許可が必要とされており、農地の改良や区画拡大などに国民の貴重な税金を投入してきているところであります。
したがって、資産目的で取得したり他の用途に使ったりすることはそもそも制限される必要があり、宅地と同様に論じることは適当ではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/31
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032・田名部匡代
○田名部匡代君 度々この委員会、シリーズで企業の農地所有の、取得のことが取り上げられています。ここで長くやるつもりはないんですけれど、やっぱり一番心配しているのは、海外の、外資の企業が参入して農地などを所有するということだというふうに思っているんです。特に最近、山林などでもそういうことが聞こえてきますし、まさに国の安全保障上の観点からも、やっぱりここはしっかりしておかなきゃいけないというふうに思うんですね。
養父は養父で、私は、非常に厳しい環境の中で養父市は努力をされてああいう特区を利用されたと思っています。それを全否定するつもりはありません。ただ、全国展開ということはやっぱり話が違うというふうに思っているんですね。
それで、これ、いろいろと、規制改革推進会議なのか、ああ、国家戦略特区ですね、いろいろ言われているようですけれども、養父もほとんどはリースですから。調査に入った方のお話を聞きますと、一部所有したんですけれども、それは、ここから自分たちは逃げないぞというあかし、つまりその覚悟を示すために一部は所有したけれども、あとはほとんど貸し借りという状況なんですよね。
そういうことも、しっかりこれから実態踏まえて、余り外圧にいろいろ振り回されることなく、時代に合わせて変えるべきものもあるかもしれないけれども、守るべきはしっかり守るということを農林水産省の責任としてやっていただきたいということだけ申し上げて、もう一点、ちょっと法案と関係ないことを取り上げますけど。
緊急経済対策、この間、総理が発表されて、いや、私、すっかりだまされたというか勘違いをしたわけなんですけれど、輸入の小麦の価格について、総理は、ウクライナ情勢で国際価格は一割以上足下で上昇していますが、九月までの間、政府の販売価格を急騰する前の水準に据え置きますという御発言されたんです。私、この委員会でも小麦の価格の引下げについて取り上げさせていただきました、我が党で提案しているので。これ、総理が受けて、そして取り組んでくれることを決めてもらったんだというふうにちょっとぬか喜びしたんですよね。
でも、四月末のこれ内閣委員会です、ほかの委員会で総理の御答弁聞いたら全く違ったんですけど、ちょっとこのことについて、どういうことなのか説明していただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/32
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033・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 記者会見における総理の御発言は、輸入小麦の政府売渡価格は、年二回、四月と十月に改定する仕組みのため、本年三月に設定した令和四年四月期の政府売渡価格であるトン当たり七万二千五百三十円が本年九月まで固定されることを述べたものであり、これを引き下げるという趣旨のものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/33
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034・田名部匡代
○田名部匡代君 これ、わざわざ開いたこの緊急経済対策の記者会見で話、されているんですよ。いや、ウクライナの情勢で価格は一割以上まさに上がっていますよね。それを、急騰の前に据え置くと言ったんですから。
政務官、突然で申し訳ないですけど、この発言聞いたら、普通、ああ、一七・三%上がる前に据え置くんだなと思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/34
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035・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 答弁求めますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/35
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036・田名部匡代
○田名部匡代君 求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/36
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037・下野六太
○大臣政務官(下野六太君) 非常に難しい答弁であると思いますけれども、急騰する前とは、令和四年四月期の政府売渡価格の算定対象となった令和三年九月第二週から令和四年三月第一週と承知しております。
この期間の買い付け価格も高い水準ではありますけれども、その後の三月第二週以降はウクライナ情勢の影響等から更に高い水準で推移していることを踏まえ、この期間を急騰する前と表現されたものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/37
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038・田名部匡代
○田名部匡代君 あのですね、ある意味、別に、特別対策を打ったわけではないですよね。これ決めた後にですよ、次の改定が十月なわけですから、据え置くでも何でもない。次の改定まで、一七・三%上がったにもかかわらず、別に何もしない。別に総理の決断でも何でもないですよ。制度そのままじゃないですか、十月まで。
何か、これですね、いや、大臣、東京新聞にも載っていましたけど、食材高騰で学校給食もピンチ、都内五区で値上げ、揚げ物やパン減らすなどで苦労されていると。食品新聞でも、これパンの値段ですけれど、上がっているわけですよ。
総理も一割以上上がっているということは認識をされているんですよ、何か。だけれども、何にも対策を打たないのに、あたかも何か自分で決断をしたかのような発表をした。農水省が言わせたんですか、これ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/38
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039・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 事実的なことなので。
このウクライナ情勢で国際価格が一割上昇というのは、国内のパンの価格が一割上昇というのではなくて、我々のその算定というのは三月まででございまして、ウクライナ情勢があって、シカゴの相場等はそれからもう既に一割だとか一・二割ぐらい上昇しております。そのことを指してこの一割というふうに申されておりまして、農林水産省がどうのこうのというよりも、政府は一体でございますので、この制度について国民の方に分かりやすく説明をされたというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/39
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040・田名部匡代
○田名部匡代君 三月九日、これ農水省輸入小麦政府売渡価格の改定について、この時点で、輸入小麦の直近六か月、いろいろとどういう理由で上がっているのかということを書いてあるんですね。この中にも、ロシアの輸出規制、ウクライナ情勢等の供給の懸念も小麦の国際価格の上昇につながったことなどから、前期に比べ上昇しました。この時点でもう上昇している、その影響があることは分かっているわけですよ。
これ、油のトリガーの話と同じで、以前も言ったのでもう詳しく申し上げませんけど、この先、国民生活に影響が出てくるのではないかということが予見できるにもかかわらず、何にも手を打っていないのに、あたかも自分で何か思い切った決断でもしたかのような発表して、私はすっかりこれは思い切った決断してくださったんだと思って、自分のフェイスブックでも宣伝しましたよ、総理が決断したと。これは今日すぐに撤回をしたいと思いますけれど。
是非、大臣、国民生活にどのような影響があるか、子供たちの学校給食にまで影響が及ぶようなことになっているわけですから、必要な対策をスピード感を持って決断をしていただきたい。そのことを申し上げて、法案の質問に入らせていただきたいと思います。
それでは、行きます。
市町村は、人・農地プラン策定に当たって、基盤法第十九条で、政令で定めるところにより地域計画を定めるとされています。これ、どのようなことを政令で定めるのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/40
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041・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
改正法案におきましては、基盤法第十九条第一項におきまして、同意市町村は地域計画を定めるものとすると規定をしており、各地域でしっかり定めていただく必要があるとして、その際、政令で定めるところにより定めるものとするとしております。
この政令につきましては、市町村がこの前に行います協議の結果、これを踏まえまして、地域計画を定めるに当たっての運用に関することを規定することを見込んでおります。具体的な内容につきましては、今後、本法案の施行までに現場の声をよくお聞きしながらしっかり詰めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/41
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042・田名部匡代
○田名部匡代君 是非、現場の声しっかり聞いていただくことは大事だと思います。先ほども、全国市長会のいろいろと研究、意見についても御発言が与党からもありました。不安を感じていらっしゃると思いますので、できるだけやっぱり地域の声は受け止めた上で対応していただきたいと思うんですけど。
二月二十五日の日本農業新聞に、計画策定にそぐわない判断をする例として、話合いが十分に進んでいない場合や、都市部のため十分な話合いが行われないといった例を想定するという記載があったんですけれど、この話合いが十分に進んだか否かのような漠然としたことを規定する、だとしたら、ちょっと問題なのではないかと思うんですね。
それぞれ地域がきちんと納得できる明確な線引きをして判断をしていただきたいと思うんですけど、これについてはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/42
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043・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 地域計画につきましては、委員御指摘のとおり、しっかり地域で話合いを行っていただいて、その成果に基づいて、結果に基づいてしっかりした計画を策定していただきたいと考えております。
地域計画につきましては、例えば画一的、一律的に、例えばでございますけれど、法律の施行日に策定しなければならないなどとしているものではございません。施行日までの周知期間と施行日からの二年間、これを合わせまして三年程度の策定期間を設けているところでございます。この間に、市町村が関係者によります協議の場を設けて十分話合いを行っていただいて、農業の将来の在り方などについて一定の方向が出たと市町村がそれぞれ判断した上で、先ほど、今申し上げた策定期間、三年の策定期間のうちに地域計画を策定していただくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/43
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044・田名部匡代
○田名部匡代君 分かりました。
続いて、令和七年までに農業を担う者ごとに利用する農用地等を定め、これを地図に表示する、まさにこれ目標地図、ことを内容とする地域計画が本当にできるのかなというのはちょっと懸念があるんですけれど。
そこでまず、基盤法改正で農業を担う者という言葉が新たに置かれているんですが、これは対象はどういう人なのか。あわせて、基盤法第十九条三項、農業を担う者ごとに利用する農用地等を定めというのは、具体的には何を意味しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/44
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045・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 農業を担う者につきましては、今後、高齢化、人口減少が本格化する中で、地域の農業を担う人材を幅広く確保、育成していくことが重要であることから、今回の改正法案におきまして、例えば都道府県の基本方針の中に、農業を担う者の確保、育成に関する事項を定めるなどと規定をしております。
地域計画におきます目標地図につきまして、目指すべき将来の農地利用の姿として農業を担う者ごとに利用する農用地等を定めるというふうにもしております。この中には、いわゆる効安経営、効安経営を目指して取り組む認定農業者など、効安、効率的かつ安定的な農業経営とそれを目指して取り組む認定農業者や、認定新規就農者と言われるいわゆる担い手の方々とそれ以外の地域で農業経営を行っている多様な農業経営の方々、これらを合わせました、すなわち地域で農業をしっかり営んでおられる経営体全体でございます。それと、あと、雇用されて農業に従事される方もいらっしゃいます。そのほか、新規就農として新たに農業を始めようとされている方、あるいは、農業を自分で経営されるだけではなくて、農作業の受託サービス、まあ農協なども含めまして、農作業受託などを行うそういうサービスを提供するそういう者など、すなわち農産物の生産活動などに直接関わっている者、人々が幅広く該当するものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/45
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046・田名部匡代
○田名部匡代君 ちょっと確認ですけれども、担い手では、高齢農家さんですとか、今、半農半Xなんという兼業農家さんですとか、十年後もその人たちが現状維持的に利用するということでもよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/46
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047・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 目標地図において十年後の農地利用の姿を描いて、その十年後において、今後高齢化ですとかリタイアされる方とかいらっしゃいますので、そういう状況を踏まえて、十年後を見越して、将来十年後にはどこの農地でどういうふうに誰が利用していくか、それでその農地の利用状態を調整をこの十年間でしていって、集約化などをしていって、できるだけみんなが使いやすい形にしていって、それで全体として農地が使われるようにして、そして農地の集積とかも進むようにしていくという内容でございます。
したがいまして、十年後に農地利用の姿の中で位置付けられる方については、特定の方、その経営規模がどうしたとか、あるいは法人か、あるいは個人かといったことではなくて、十年後に農地利用の姿を描いた上で、そこでしっかりやっていくという方であれば位置付けられるという整理でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/47
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048・田名部匡代
○田名部匡代君 これ、例えば地域計画策定することが困難な地域というのも当然あると思うんですけど、そのような地域に対して国はどんな支援されていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/48
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049・光吉一
○政府参考人(光吉一君) まず、地域計画につきましては、先ほど申し上げましたとおり、周知期間と合わせまして三年程度の策定期間というのを設けておりまして、この間に十分な話合いを行っていただければというふうに思っております。
国としましても、この地域の話合いを円滑に進めるための専門人材のサポートを行ったり、協議の進め方などをマニュアルなどにお示ししたりして、取組、計画が円滑に策定できるように後押しをしていきたいと考えています。
また、その地域計画や協議の場の区域につきましては市町村がその判断でできるものでございますので、市町村において、地域の実情を踏まえまして話合いや計画が円滑に策定できるような区域を設定していただければと思っています。
そして、地域で受け手がなかなか見付からないケースということが想定をされますけれども、この場合には、農地バンクのコーディネーターが、地域の方だけではなくて地域外の受け手の候補者の掘り起こしなども行うということも考えられます。そして、あるいは受け手がそれでも見付からない場合には、当面、例えば多面的な機能支払交付金ですとか中山間地域等直接支払交付金の活動組織ですとか、JAなどのサービス事業体などによります農作業受託、経営を行うということではなくて農作業を委託する場合に、それを受託して作業を行う主体ということを活用するといったことも考えられます。
また、目標地図の作成時に直ちに受け手が見付からないなど最終的な合意が得られない農地というのももちろん想定されるところでございます。これにつきましては、目標地図の作成後も随時調整しながら、その調整結果を目標地図に反映できることとするなど、地域の実情にも十分配慮してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/49
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050・田名部匡代
○田名部匡代君 なかなか見付からない場合は地域外からもということなんですけど、なかなか地域内で見付からないものがその地域外からという方がもっと難しいのかなと思うんですが。
さっき申し上げたように、確かに十年後、何というか、どういう、きちんとした担い手の方がその農地を有効活用、きちんと活用してくれることが望ましいわけですけれども、常に農地を農地として維持していくということがとても大事でありますので、何というか、先ほど申し上げたような高齢農家であるとか兼業農家、十年後もその人たちが現状維持的にきちんと利用してくれるんであれば、そういうことも含めて農地を有効活用していくことで、まあ否定されたわけではないのかもしれませんけれども、もう少しちょっと姿が見えてこない、なかなか、本当にこれから思うような計画どおりに進んでいくのかなというのはちょっと懸念が残ります。
しっかりと国としても計画段階から、地域の話合い大事だとしても、しっかりサポートしてあげていただきたいというふうに、絵に描いた餅にならないようにしていただきたいと思いますし、先ほども与党からもちょっとありましたけど、農地バンク、業務量が増大することで、今後、どういう体制で臨んでいくのかということなんですよね。
農地の権利移動の実務を担うことになるというふうに思うんですけれども、例えば、ちょっとここはこういう課題がありますよということだけ申し上げますけど、例えば小作料の収受の全てをバンクが行う。現在、じゃ、利用集積計画に基づいた小作料を払っている経営者の数や受け取っている農業者の数はどのぐらいあって、また、現在、バンクの取扱いの小作料で年間何件くらい焦げ付きがあるのか、焦げ付いた回収はどのようになされているのか。これら利用集積計画の分までバンクが行うということになると、本当に現場も、まさにこういうことを含めて不安を感じていらっしゃるというふうに思うんですよね。バンクによっては、農地の貸借の双方の当事者から手数料を徴収している、こういう問題は、じゃ、どうなのかという声も現場からはありました。
こうした現場の不安や戸惑いにしっかり応えていただきたいと思うんですけれど、農水省は抜本的な事務の簡素化をうたっていますが、これら数々の現場の不安や課題がある中で、どのように簡素化して、これを具体的にどう取り組んでいこうというおつもりなのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/50
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051・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
農地の権利移動手法につきましては、市町村が作成する農用地利用集積計画、そして一方で、農地バンクが作成する農用地利用配分計画という公的主体の計画が全体の八割を占めておりますが、これらを、基盤強化、基盤法等の改正法案によりまして、これらを農用地利用集積等促進計画に統合することにしているところでありまして、そのことによって農地バンクの事務負担が増えるんではないかということで、軽減を図ることが重要であるというふうに考えています。
この農用地利用集積等促進計画の作成に当たりましては、従来求めていた添付書類を大幅に簡素化することとしております。加えて、都道府県知事の認可権限を都道府県条例の改正によりまして市町村長に移譲することが可能であることから、これらを周知徹底すること等によりまして手続の迅速化を促していくこととしておりまして、手間や時間が増大することにならないように対応していきたいと考えております。
また、農地バンクについても、現地コーディネーターを増員しますとともに、市町村やJA等の協力を得て行っている農地バンクも多いことから、関係機関の連携強化を推進していく考えです。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/51
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052・田名部匡代
○田名部匡代君 今、現地コーディネーターの話もありましたけど、じゃ、ちょっと現地コーディネーターのバンク、農地バンクの職員等がどのような活動、機能を発揮するのか、逆に、もっと具体的に御説明いただけますでしょうか。どういう、その際、市町村や農業委員会等関係機関団体も含めてですが、どのような取組を農水省として期待しているのか、どのような取組をしたら、今いろんな事務手続の簡素化とおっしゃったけれども、それだけではないと思うんですよね。どういう活動を期待してこれをうまく動かしていこうというふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/52
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053・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 今副大臣から御答弁のあった事務手続の簡素化などにつきましては重要なポイントですが、それ以外にも現場で様々な御意見や不安があるということを先ほど先生から御指摘いただきました。
今回の法案に基づいて農地バンクによる集約化等を計画を統合する中で、集約化等を進めていくということに当たって現場の方がどのように不安、あるいは知りたいと思う、運用についてですね、思っておられるかをよくお聞きをして、きめ細やかにそれにお答えするようにしたいと思います。
それで、コーディネーターの話でございますけれども、現地コーディネーターは、今回、これまでも取り組んでおりまして、予算を増やしていただいてその増員を図っているところですが、例えば、農地バンクというのは基本的に各県に一つでございます。それで、それは県庁所在地によくあるわけでございますが、県庁所在地で事務を行うというよりは、むしろ各市町村なり各地域において現場の方々と調整をするということが重要になってくると思います。
今回は、農業委員会がもちろん地図を作った上で農地バンクへの貸付けなどを働きかける役回りというのが中心にあるわけでございますけど、当事者となる農地バンクも自らどかっとどこかに座って待っているんではなくて、現場の所有者の方あるいは受け手の方に働きかけを行うということが基本になります。それで、その際には、土地改良事業などとのリンクも非常に大事になってくるわけでございますので、土地改良区の方々とかあるいは都道府県とかとの調整の役回りも出てくると思います。
さらに、先ほど受け手の話で先生から御指摘ございました管内の、市町村の管内の、地域内の農業者、受け手の候補については、農業委員会が意向調査を行う中で、自分が規模を拡大したいだとか、そういったお話を聴取することができると思いますが、農業委員会は基本的には御自分の担当管内のお仕事になりますので、まさにこの農地バンクのコーディネーターが、その地域外で出入り作があったり、あるいは県をまたがって法人が営農したいという場合もございますので、そういう情報を仕入れた上で、その人たちに営業を掛けるといいますか、うちに来ませんかということの働きかけをするといった役回りも期待されます。
これも、そういった情報が取ることができるようにデータベース化というのを進めていきたいと思います。農業委員会が現地の方々の所有者とか農業者の方に、受け手を、今後の御意向などを聞いて、どうしたいかということをタブレットで、先ほど来御議論ありましたけれども、入力をすると、個々の農業者の方々なり所有者の方々がどういった御希望があるかというのを全国共通してデータベース化をして、他県に出ていきたい、あるいは隣の市町村にでも行ってみたいという方々がみんなで共有できるような、そういった姿をつくった上で、先ほど申し上げたコーディネーターというのが、先ほどの言い方で言いますと営業を掛けるといいますか、働きかけを行うといったことも期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/53
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054・田名部匡代
○田名部匡代君 ありがとうございました。
それぞれ役割分担をしつつ、でも一体的にみんなで力を合わせてしっかりと農地の集積、集約、そして活用ということにつなげていっていただきたい、そして担い手をしっかり育てていっていただきたい、こういう姿になっていくことを法案には期待をしたいと思います。
それで、活性化法なんですけど、農用地区内の農地を含めて施設整備の迅速化を図ることによって優良農地の確保に支障を来すことはないのでしょうか。お答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/54
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055・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
農地におきまして活性化施設を整備する場合に、この優良農地の確保、またこの農地の集約化等に支障を来さないようにするためには、地域におきます適切な土地利用に係る調整が行われることが重要と考えております。このため、その活性化計画の作成時には、農地転用許可等に係る要件に適合していることを確認すること等によりまして、優良農地の確保に必要な手続はしっかり行う仕組みとすることとしております。
このように、今回の改正によります施設整備の手続の迅速化に係る措置につきましては、地域における適切な土地利用調整の下で、優良農地の確保、また農地の集約化等に支障がない範囲内で行うものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/55
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056・田名部匡代
○田名部匡代君 これ、局長、国家戦略特区でも大分いろいろ言われています。言われてないです。
国家戦略特区ワーキングの議事録を読ませていただいたんですね。直接法案にということではないんですけど、農家レストラン併用型の簡易宿泊施設、随分、国家戦略特区は農泊施設に相当こだわっているんですね。で、議事録を見ますと、大分農水省頑張っていただいたというか、当然のことを主張していただいて、ゾーニングの大切さとは、まあ考え方ですね、を主張しているんですね。この農水省の提案に、最初は委員の皆さんも別に反対はしないとか、いいところもあるとか言っていたのに、最後になったら何か意見がかみ合わずに、お互いに大変残念です、大変残念ですと言い合って、全く何も理解していただけなかったということで残念ですと八田座長が言っているんですね。
大事なことは、国家戦略特区さんに理解をしてもらうことではないですので。ただ、やっぱり、こういう、何というかな、ゾーニングの必要性を守っていろいろとこの制度もつくっていただいているので、事前に御説明いただいたときも、簡素化をされて、迅速化されても別段、特段問題はないだろうなというふうに私も受け止めておりますけれども、何かこういうことがずっとしつこく国家戦略特区で言われ続けておりまして、大臣、もういいかげん国家戦略特区とか規制改革推進会議とか、もう必要ないと思いませんか。やめた方がいいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/56
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057・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 答弁を求めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/57
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058・田名部匡代
○田名部匡代君 はい、答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/58
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059・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) これは政府の機関として考えた上でやっているわけでございますので、まあいろいろな立場の方もあると思います。
我々は必要性をちゃんと説明をして、ちゃんと残すように努力をしていかなきゃいかぬと思っています。設置をやめるか残すかは、これはもう全体的な問題でございますので、私の権限外でございますので、申し訳ございませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/59
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060・田名部匡代
○田名部匡代君 今までは、そういうところから提案されてきたものを、残念ながら与党の皆さんもするすると受けて法案として出してきたりしていましたけれども、今回、議事録を読んで、しっかりと主張していることをちょっとうれしく思いました。
是非これからも、守るべきは守る、やるべきことをやるということを、現場をよく御存じの農林水産省だからこそ、そして農林水産業の未来を真剣に考えている農林水産省だからこそやっぱりやれることがあると思うので、しっかりそれは貫いていただきたいというふうに思います。
それで、耕作放棄地が増加する中、景観や環境保全、鳥獣被害防止等に役立つような土地の活用の仕方は大変重要だと思っています。何となく、もう何か、活性化とこの保全ということがうまくかみ合うのかなという不安はあるんですけれども、こうした事業をどのように支援していくのか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/60
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061・下野六太
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
高齢化、人口減少に伴い、荒廃農地が増加している現状に鑑み、今回の改正におきましては、新たに農用地保全事業を活性化計画に位置付けることとし、当該事業の円滑な実施を支援する観点から、事業に必要な農用地等の権利関係の一括整理を行う仕組みの拡充、日本型直接支払の支援も受けつつ事業の推進が図られるよう、多面法の事業計画の認定の申請に際し、簡略化された手続によることができる特例等の措置を講ずることとしております。
このほか、農山漁村振興交付金により、活性化施設の整備や農用地の保全のための取組を支援することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/61
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062・田名部匡代
○田名部匡代君 先ほどちょっと申し上げましたけど、やっぱり農村振興というのと活性化、またこの保全をするということが、本当にうまくそれぞれが生かし合うことができればいいんですけれども、必ずしもそれがイコールではないという中で、是非その現場の話合いを大切にしていただきながら、どういう活用をするのか、どうやってその農地を生かして地域を元気にしていくのかというのは、是非農水省もそれは積極的に関与をしてアドバイスしながら地域元気にしていっていただきたい。
まさに、農業が駄目になれば、いつも申し上げているけれども、農村ごと消え去っていくのではないか。そのためにも、やっぱりその地域に定住をして、そしてそこが活性化できるような取組をしていっていただきたいというふうに思っていますので、是非それはよろしくお願いします。
もう時間なくなったので一言、この後もどなたか取り上げるかもしれませんけど、地域ごとの話合いは大事です。だけれども、これまで農水省がやってきた自給率の目標であるとか、食料安全保障の観点からの自給力であるとか、こういったことを国の責任として、どれだけの農地を維持して、そしてそれを構築していくのかということはやっぱり国が責任持ってやるべきことだと思いますので、地域の話合いは話合いとして、食料安全保障ということにもしっかり責任を持って取り組んでいただきたいと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/62
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063・横沢高徳
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
青森県の田名部委員に引き続き、岩手県の横沢、質問いたします。
まず、法案に先立ちまして、先日質問した肥料についてちょっと一問質問をさせていただきます。
〔委員長退席、理事藤木眞也君着席〕
先日この委員会でも取り上げました、通称一発肥料に使われているプラスチックがマイクロプラスチックとなり、川や湖、海に流れ込んで環境に影響を与えて、またそれが、魚が食べまして、その魚を私たちが食べて健康被害にもつながりかねないという問題でございます。
今まさに水田では作付けが行われておりまして、プラスチックコーティングされている肥料が今現在もまかれております。前回はイノベーションで環境負荷に優しい肥料の開発や切替えを提言させていただきましたが、今現在、この時間でもまかれているプラスチック肥料へのまず現状できる対策を取る必要があると考えます。
先日の委員会でも答弁がありましたが、プラスチックコーティング肥料の対策と周知は現在どのようになされているのか、御説明をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/63
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064・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
プラスチック被覆肥料は、省力化等に役立つ有効な技術ではありますけれども、プラスチックであることを知らずに、被膜殻の海洋流出による環境への負荷を認識しないまま使用されている農業者はかなり多いと思います。このため、農林水産省だけではなく、地方自治体ですとかJA、肥料メーカー等も一体となって今周知をしております。
具体的には、農林水産省としては、プラスチックの被覆肥料の海洋汚染への影響、使用の際の留意点、代替となる施肥技術等をパンフレットに取りまとめておりまして、これを周知しております。
さらに、本年一月なんですけれども、全農等の肥料関係団体がプラスチックの被膜殻の海洋流出防止に向けた取組方針を公表したことを受けまして、農林水産省は、都道府県に通知を発出いたしまして、普及組織等の関係機関に被膜殻の流出防止の対策の徹底を求めるとともに、ホームページに流出防止対策の動画等を掲載して周知をしているところでございます。
委員おっしゃるとおり、今ちょうど田植のタイミング本格化するところでございますので、各地でもかなり取組は進んできておりまして、例えば、独自のチラシを作成して農家全戸に配布する県が現れたり、あるいは、被膜殻の海洋流出防止の抑制に資する浅水の代かきですとか、ネットの設置の講習会を開催するJAがあったり、あるいは全農県本部の中にはタマネギのネットを利用した流出防止策の県内の各農協への配布、そんなこともやっておりますので、横展開をこれ図っていきたいというふうに思っております。
委員おっしゃったとおりの技術対策についても、これもしっかりやっていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/64
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065・横沢高徳
○横沢高徳君 いろいろ対策はなされているということなんですが、まだまだ、地元を回ると、いや、それ知らなかったなという人がたくさんいらっしゃいますので、是非この周知と、まあ、例えば買うときとかいろんな機会に皆さんこの情報を知れるような対策を加速させていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
それでは、法案について質問をしていきます。
まず、水田活用交付金との関係についてまずはお伺いしたいと思います。
水田活用直接支払交付金の見直しが発表されまして、現場では農地のブロックローテーション、そして五年に一度の水張りと、稲の作付けを行ったりしなければならないということで、現在も戸惑いを感じている中で、人・農地プランによる農地の集積、集約、この両方をバランスよく進めていけるのかというちょっと不安の声も実は聞こえてきております。
水田活用直接支払交付金の見直しルールと農地の集約、集積の調整、現場での両立についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/65
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066・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 主食用米の需要が毎年十万トン程度減少する中、主食用米から麦や大豆、野菜など、需要のある作物への転換を図ることが重要でありまして、こうした作付け転換の取組を水田活用の直接支払交付金により支援しているところであります。
今回、この水田活用の直接支払金について、水稲の作付けが困難な農地は交付の対象外との現行ルールを再徹底した上で、今後五年間に水稲の作付けが行われない農地を交付対象としない方針としています。このため、水田機能を維持している水田が令和四年度から本交付金の対象外となるわけではなく、委員からの御指摘のあった農地の集積、集約に直ちに影響を与えることはありません。
〔理事藤木眞也君退席、委員長着席〕
今後五年の間に各地域において水田利用や産地形成をどのように図っていくのかを検討していただく中で、担い手への農地の集積、集約を含め、明らかになった現場の課題につきましてしっかりと把握しまして検証していく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/66
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067・横沢高徳
○横沢高徳君 直ちに影響はないということですが、現場では、今回の水田活用交付金の見直しと今回の集積、集約、いろいろ影響がある中で、市町村の職員もなかなか現場の人たちに説明できないと、この厳しい状況をどう集積、集約で今回の法案を進めていくのか、なかなか現場の皆さんとの調整がうまくいかないと、そこをやはり農水省としても何とか考えてほしいという声が出ております。その点については是非現場の声を酌んでいただいて、やはり現場の人たちが進めやすい環境づくりを是非農水省の方でも進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
次の質問ですが、農地面積、食料自給率との整合性についてお伺いします。
今般の人・農地などの関連施策の見直しにより、担い手の集積、集約化や農地の保全管理が推進されることは、農地面積の減少に歯止めが掛かる方向に働くものと考えます。逆に、受け手のない農地については、計画的に林地化などが進むと、農地面積の減少につながっていくおそれもあります。また、みどり戦略においても、有機栽培面積の拡大が目指されている中で、農地面積を確保したとしても、慣行農業と有機農業との収穫量の差を考えると、食料自給率四五%の目標に向けた食料生産量を満たせない可能性も出てくると考えられます。
国として確保すべき農地面積等について今回の改正ではどのように見通しているのか、また、人・農地などの関連施策の見直しや、食料自給率との整合性についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/67
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068・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 農地は農業生産の基盤でありまして、食料自給率向上の観点から適切に確保していく必要があると考えております。
現行の食料・農業・農村基本計画における令和十二年の農地面積の見通しにつきましては、荒廃農地の発生防止や解消に関わる施策効果を織り込みまして、四百十四万ヘクタールと見通しているところであります。
今度の、この度の農村漁村活性化法案の改正によりまして新たに位置付ける農用地保全事業については、荒廃化による農地の減少を食い止めるとともに、林地化は、山際などの条件の悪い農地について、農地として維持することが極めて困難である等の場合に限り計画的に行うことといたしております。
また、みどりの食料システム戦略におきましては、推進する有機農業については、病害虫対策や施肥管理が難しく、単収が減少することが課題となっている一方で、近年、水稲などでは有機農業でも慣行栽培と遜色のない収量を得ている事例もあります。このような安定生産技術を多くの品目で確立しまして、横展開を進めることで生産力を向上していくことといたしております。
こうしたことから、農地面積見通しや食料自給率目標に大きな影響が及ぶものでないと考えており、今後とも食料自給率の向上に向け、必要な農地が確保されるよう施策を推進してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/68
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069・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
それでは、ちょっと順番を変えまして、地域計画、目標地図の実現に向けた所有者等の努力義務についてお伺いをします。
先ほど酒井委員からもお話がありました地域計画、目標地図は、地域内の農業者であればその目標地図に沿って利用関係の設定をすることと期待をされますが、例えば、先ほどお話があったように、農地の相続人が離れて暮らしていて目標地図の理解が十分でない場合も、まあこれは多く出てくると想定されます。
まずは、目標地図と異なるものに、当該農地の所有権移転や利用権設定、転用しようとする場合ですね、農業委員会は該当権利移転や転用を許可しないことが可能になるのかどうか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/69
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070・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
今回、基盤法等の改正法案におきましては、目標地図において農業を担う者ごとに利用する農地を明確化して、それを実現すべく農地バンクを活用して農地の集約化等を進めていくこととしています。
この場合、目標地図の実現に向けて強権的な手法、こうじゃなきゃ駄目なんだとか無理やり設定するんだとか、そういう形でこれを進めていくというものではございません。農業委員会や農地バンクが農地の所有者や相続人に対して目標地図に従った農地バンクの貸付け等を働きかけたり、あるいは農家負担ゼロの基盤整備ですとか集積のための協力金、こういったものを活用して目標地図の実現を図っていくという仕組みになっております。したがって、今申し上げたように強権的に何かをするということではございませんので、地域計画の区域内において個別の農地の権利設定あるいは転用につきまして農地法の許可申請、これをしちゃいけないということではございません。
ただ、その場合に、現行の要件の中でも農地の権利設定の許可申請につきましては、周辺の地域における農地の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがないことということが現行法でも定められております。また、農地の転用の許可申請につきましては、例えばその農地が集団的に存在する場合である場合には原則として許可できないこととされております。
こういったそれぞれの許可要件を勘案して個別に判断されていくということになるものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/70
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071・横沢高徳
○横沢高徳君 今回の法改正で、今までもやはり集積とか、営農組合に一回田んぼを貸してしまえば、やはりなかなか勝手に、また自分たちで営農を再開できなくなるとか、そういう不安も中にはやはり出てきておりますし、あと、地元ではやはり今空き家問題が多くありまして、農地付きの空き家、これを何とかしたいという人たちがいて、若い世代が来たいんだけれども、その農地付きの田んぼを買ったときに、今回の法改正で、実際は、自由に農業をやろうと思って田んぼを所有者が買ったんだけれども、やはり今回の法改正によってなかなか思うように農地を使えなくなるという懸念の声が出ております。
その点については、何かこう、制度上の問題はないんですけれども、やはり、何ですか、勝手にできなくなるという見えない圧力というんですか、そういうのがないようにやはり取り組んでいただきたいと思いますが、農水省、答弁いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/71
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072・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
これ、地域計画で目標地図を作ってそれに向けて地域でみんなでこういう姿にやっていこうというときに、そこで、強権的ではなくて、働きかけをいろいろしたりインセンティブをお示ししたり活用していただいて、それを実現していこうということで取り進んでいくということがまず大事だと思います。
したがいまして、それで実際に貸付けなどが行われて営農を行っているときに、何らかの、例えば、先ほど申し上げましたけど、所有者の側でこういったことができるようになるからといって、営農を、それに、目標地図に向けて貸付けが行われて頑張っているのにそれを一方的に貸し剥がすみたいなことはあってはいけないというので、それは保護しないといけないと思います。
一方で、様々な理由で、地域の状況を踏まえて、いろいろな変更が必要になる場合は当然ございます。その場合には、協議の場を設けて、そもそも地域計画を策定しているように、地域で将来の在り方をどうするかということを御議論したりする中で計画の変更というのは可能になってまいりますので、それにより対応するということがあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/72
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073・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
やはり、今地方では、特に今高齢になりまして、土地の所有者もかなり高齢で、次の相続が出てくるのがここ五年、十年って多くなってくると思いますので、その辺、柔軟に対応していけるように是非お願いを申し上げたいと思います。
今ありました地域計画の件で、市町村とかの、あと現場の負担についてちょっとお伺いしますが、市町村の農林水産関係の職員数は、平成十六年から令和元年まで十五年間で約二七%、三割減少しております。慢性的なマンパワー不足です。
農業行政の電子化を進めるために必要とされるタブレット端末を配付するということですが、やっぱり現場からは、高齢化でなかなかタブレットを簡素化して使うといっても思うように使いこなせる人がいないんじゃないかという声が多く出ております。
あと、やはりこれからますますその調整、皆さんが集まって話合いをする場が求められると思うんですが、そのようなところで、先ほども答弁ありましたが、技術習得のための研修だったりマニュアルを作るとの答弁もありましたが、逆にそのようなことが市町村や現場の業務量を増やしてしまうのではないか、負担を多くさせてしまうのではないかという懸念が出ておりますが、このようなところに対しての支援はどのように考えているのでしょうか。御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/73
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074・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 経営基盤強化法の改正法案におきましては、市町村が地域計画を策定する、あるいは目標地図の素案は農業委員会が作るということになっております。そのときに、その地域の話合いですとか計画の策定ですとか目標地図の素案の作成が現場の事務負担が掛からないように、現場の事務体制について委員御指摘のような状況があると思います。そういうふうにやっていく必要があると思います。
そのときに、具体的には、例えば市町村につきましては、先ほども申し上げましたが、話合いを円滑に進めるための専門人材のサポートですとか、あるいは、農政に精通した意欲ある市町村や農協などのOBを活用するといった支援を行ったり、農業委員会につきましては、タブレットの話につきましては、できるだけ使いやすい形にしたり、県の農業会議が指導を行ったりできるような形を取ったり、あるいは、農業委員会について農地利用最適化交付金により最適化活動を支援していくといったことにしております。
それで、先ほど申し上げましたように、協議の進め方ですとか計画の策定方法をマニュアルでお示ししたり、サポートの窓口を農政局に置くなり、こういったことで現場の取組を後押ししていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/74
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075・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。
では、あと一問、質問します。
本法律案では、手続のワンストップ化の措置として、市町村、都道府県の同意を得て認定した場合、農地法の農地転用許可があった場合とみなすこととしております。手続は簡素化されるということですが、農地転用許可の基準については変更されないという点でよろしいのか、ここだけ確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/75
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076・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
今回のこの農地転用許可手続のワンストップ化の場合につきましては、この農業経営改善計画の記載事項につきまして、通常の転用許可申請に準じた内容となりますように、農業用施設の種類等を加えることとしておるところでございます。
この市町村が農業経営改善計画を認定しようとする場合の都道府県の同意基準につきましては、農地転用許可をすることができない場合に該当しないことと規定しておりまして、通常の転用の場合と同様の基準が適用されるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/76
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077・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/77
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078・横沢高徳
○横沢高徳君 ありがとうございます。時間ですので終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/78
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079・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
物価高騰につきましては私も大変憂慮しておりまして、先ほど田名部先生の方からも、輸入小麦、政府の売渡価格の話がありましたけれども、やはり十月期をどう迎えていくのかというのは大きな課題だというふうに思っております。
また、学校給食の問題も大変重要な御指摘であると思っておりまして、農水省は食育を担っているわけでありますので、こうした点についてもきめ細やかに対応していただきたいと思います。
今般、地方創生臨時交付金を増額しております。その中で各自治体がこの学校給食対応ができるような措置になっているわけでありますので、直接の所管じゃないにしても、農水省がしっかりとこの学校給食の課題についてもリーダーシップを取っていただきたいというふうに思っております。
それで、我が国を取り巻く食料安全保障の環境を踏まえても、今回審議します経営基盤強化法、また農村漁村活性化法、これは極めて重要な法案なんだなというふうに、更にこの意義が増しているんだというふうに思います。
先週、私は瀬戸内海の離島を訪れました。地域の住民の方と懇談する機会がございました。懇談すると、空き家対策ですとか、また耕作放棄地が増えている話ですとか、ミカン樹園地あるわけですけれども後継者がいないという話、大体もうどこへ行ってもそういった声が出てきます。これは離島の話ですけれども、中山間地域に行けば同様なこの課題があって、集落があと何年もつのかどうか、そういうような話題を必ず我々は直面するわけでございます。
そうした中で、いかにこの農地を活用、管理していくのか、また定住、交流人口を拡大していくのかということにおいて農水省の役割というのは極めて大きいというふうに思っております。今般の人・農地などの関連施策の見直しの背景と狙いについて、改めてまずその基本的なところから伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/79
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080・下野六太
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
今後、高齢化、人口減少が本格化し、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中、農地が利用されやすくなるよう農地の集約化等に向けた取組を加速化することは今や待ったなしの課題であります。
このため、基盤法等の改正法案により人・農地プランを法定化し、地域の話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化し、それを実現すべく、地域内外から農地の受け手を幅広く確保しつつ、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めていくこととしております。これにより、生産の効率化やスマート農業の展開等を通じた農業の成長産業化をしっかりと図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/80
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081・谷合正明
○谷合正明君 経営基盤強化法改正案と農山漁村活性化改正法案との関係について伺いたいと思います。
地域計画の策定に向けまして、市町村が設置する協議の場におきまして地域の農業の将来の在り方を協議する中で、農業上の利用が行われる地域と保全・林地化を進める区域とに整理し、農業上の利用が行われる区域については、経営基盤強化法改正案に基づいて地域計画の対象とすると、保全等・林地化を進める区域については、活性化法の改正案に基づいて農村漁村活性化計画の対象とすることを想定していると承知しております。
この地域内の農地を二つの区域に整理する上でどのような観点、また順序、判断基準で協議を進めていくべきなのかということが問われてくると思いますが、国として一定のガイドラインを示しておくべきだというふうに考えますが、政府の方針を尋ねたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/81
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082・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 改正法案の基盤法に基づきます協議の場と活性化法案に基づきます協議会は、いずれも地域の計画的な土地利用の在り方について関係者が協議を行うため設けられるものでございます。
このため、農業の将来の在り方などについて話し合っていただく協議の場につきまして、活性化法に基づく例えば協議会を兼ねるものとして一体的に開催をしていただくことで、地域の農地の活用方法についての合意形成がより円滑に図られるものと考えています。
国といたしましては、地域での話合いを円滑に進めるための専門人材によるサポートを行うほか、御指摘のように、協議の進め方ですとか、地域計画の策定方法や活性化絡みの話などですとか、どういうふうに行っていくのか、ガイドラインにしてお示しをするとともに、地方農政局にサポート窓口を設置するなど、あるいは優良事例の紹介を行うなどして、協議や取組が現場で一体的に推進していただけるようにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/82
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083・谷合正明
○谷合正明君 ガイドラインを示していただくということでございます。
それでは、具体的に伺っていきたいと思います。経産省にも今日は政府参考人来ていただいていますが、太陽光パネルの設置の話になってまいります。
昨年、政府は、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を受けて、中期目標を作って四六%削減だと、五〇%の高みを目指すと。それを実現するためのエネルギー基本計画、二〇三〇年の姿というものを昨年の秋に策定をいたしました。再生可能エネルギーを最優先、主力電源化していくということになって、その中でも太陽光、ここが一番増やしていくということが期待される、期待されるというか、増やしていかないとこの目標が達成できないということになります。原発再稼働を進めていくにしても、まだその目安となる二〇から二二%に全く行き渡っていないわけでありますから、再稼働を進めるにしても、太陽光のこの発電の規模を相当増やしていかなければいけないということであります。
一番知りたいのは、二〇三〇年の時点で一体どのくらいの面積分がこの太陽光で必要なのかということであります。ただ、なかなか、これは面積として示していないということは承知はしていますが、なかなかそこはちょっと分かりづらいので、どの程度この太陽光は増やしていかなきゃならないのかという、分かりやすく説明していただきたいと思います。そこがなかなかしっかり伝わり切れないと、例えばこの二〇三〇年に向けて太陽光パネルを、優良農地を転用してまでやらなきゃいけないだとか、あるいは山林を切り開いてまでやらないと間に合わないんだという誤解につながっているんじゃないかと私は思っております。
ですから、二〇三〇年のエネルギー基本計画上、優良農地だとか山林をわざわざ切り開いてまで太陽光をする必要はないんだという理解でよろしいのか、この点について確認させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/83
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084・小澤典明
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
委員御指摘のように、二〇三〇年エネルギーミックスにおきまして、電源構成のうち再生可能エネルギーについては、三六から三八%という野心的な目標を掲げてございます。再生可能エネルギーについては、最大限の導入に取り組んでまいります。
この中で、特に太陽光発電の導入拡大は重要でございます。二〇二〇年度電源構成に占める割合は七・九%でございますけれども、これを一四から一六%、ほぼ倍増という見通しを立ててございます。委員御指摘のように、これ、なかなか面積では、例えば、太陽光パネルの設置の状況、その場所、あるいはその性能等によりますので、直ちに面積を申し上げることは困難でございますけれども、目標としては一四から一六%とほぼ倍増ということで、相当の規模導入をしていかないといけないというふうに考えてございます。
そのための対策として、地域と共生した適地の確保あるいは国民負担の低減等を進めながら様々な対策を強化していくことが必要になります。例えばでございますけれども、温暖化対策法に基づくポジティブゾーニングの実施、あるいは公共施設、空港等における再エネ導入の促進、住宅等の屋根への太陽光の導入の促進、こういったことを関係省庁が一体となって対策を強化することが重要でございます。
特に、その中で農地につきましては、優良農地の確保を大前提にするという方針でございます。この方針の下で、農林水産省におきまして、例えば、再生困難な荒廃農地への導入、あるいは営農型太陽光発電の普及の拡大に取り組んでいただきまして、地域共生型の再エネ導入を推進することで目標の実現に向けて協力して取り組んでいくということになると考えてございます。エネルギー基本計画におきましても優良農地の確保を大前提とするということを明記してございますので、その方針の下で取り組んでいくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/84
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085・谷合正明
○谷合正明君 分かりました。
そうしますと、今般の法改正に基づいて、農村漁村活性化計画、この対象に、太陽光パネル設置について、これは想定しているのかしていないのかについてお答えいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/85
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086・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
この活性化計画に位置付けられます事業につきましては、現在定められております農林漁業の振興のための生産基盤及び施設の整備に関する事業等のほか、今回の改正によって新たに位置付ける農用地の保全等に関する事業が対象になるところでございますが、単に売電を目的とした太陽光パネルを設置するようなケースにつきましては、活性化計画の対象としては想定していないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/86
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087・谷合正明
○谷合正明君 単に売電を目的としないということは、何か例外もあるということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/87
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088・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) 例えば、加工施設の上に太陽光パネルを設置をするとか、そのような場合に対象になることは考えられるところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、太陽光パネルを優良農地に張ってしまうとか、そのようなことはもう対象に考えていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/88
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089・谷合正明
○谷合正明君 一方、耕作困難な農地につきましてどうしていくのかと。荒廃農地をどう活用していくのかということにおいては活性化計画の対象とならないんだけども、荒廃農地をどう活用していくのかの中にこの再生可能エネルギー、太陽光の導入ということはあり得るんだと思うんですが、この辺りはどう整理されているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/89
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090・下野六太
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
国民への食料の安定供給のため、国内の農業生産の基盤である優良農地を確保していくことは重要であると考えております。一方、荒廃農地につきましては、その解消が急務であり、再生利用及び発生防止の取組を進め、こうした取組によってもなお農業的な利用が見込まれないものも相当存在するところであります。また、二〇五〇年カーボンニュートラル社会の実現も重要な課題と認識しておりまして、農林水産省としましても、こうした農業的な利用が見込まれない荒廃農地を活用することにより、再生可能エネルギーの導入を促進していく方針であります。
このため、令和三年三月に開催されました再エネタスクフォースにおきまして報告した農林水産省の方針に沿って、既に森林の様相を呈している等の再生利用が困難な荒廃農地の非農地判断を進めることや、荒廃農地を活用した営農型太陽光発電の促進に向けた運用の見直し、農山漁村再生可能エネルギー法も活用し、営農が見込まれない荒廃農地を再生可能エネルギー設備に活用するための方策について、告示改正など必要な見直しを行ったところであります。
農林水産省としましても、今後とも、経済産業省等の関係省庁とも連携しながら、地域の活性化に資する形で、荒廃農地を活用した太陽光発電など農山漁村における再生可能エネルギーの導入を進めてまいるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/90
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091・谷合正明
○谷合正明君 我が国はエネルギーも食料も海外に輸入を一定程度依存をしているという国でありまして、それぞれエネルギーも食料も自給率を上げていくという課題がありますので、エネルギー安全保障、また食料安全保障両方を、全体像を見ながら、農水省また経産省含めた政府全体としてこうした取組進んでいっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、今後、確保、育成すべき農業者像について伺いたいと思います。
人・農地プランにおけます中心経営体には、認定農業者、認定新規就農者、集落営農組織、市町村の基本構想に示す目標所得水準を達成している農業者などが位置付けられています。人・農地など関連施策の見直しは、多様な経営体も積極的に位置付けることとしています。
多様な経営体について、これ担い手なのか、担い手との関係性も含めて、今回の法改正によりどのように位置付けられることになるのか、説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/91
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092・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
地域の農業が持続的に発展していくためには、継続的な発展が期待をされます効率的かつ安定的な農業経営、そしてこれを目指して取り組んでいく認定農業者などを担い手として育成、確保していき、これらの者への利用集積を進めていくことは重要と考えています。
一方で、今後、高齢化、人口減少が本格化して、地域の農地が適切に使われなくなることが懸念される中で、農地が使われるように地域の農業を担う人材を幅広く確保、育成することが喫緊の課題と考えております。
このため、今回の基盤法等の改正法案におきましては、地域における、地域計画におけます目標地図につきまして、目指すべき将来の農地利用の姿として、農業を担う人ごとに利用する農用地等を定めることとしています。この目標地図の中で、経営規模の大小にかかわらず、また家族か、家族経営か法人経営かの別を問わず、将来にわたり地域の農地を適切に維持、活用する方々が位置付けられるようにすることとしております。
このように、担い手のみならず、多様な経営体により地域での農地の効率的、総合的な利用が図られるよう進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/92
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093・谷合正明
○谷合正明君 ごめんなさい、結局担い手ではないという理解をすればいいんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/93
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094・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 現在の基本計画でも担い手ということについて、記述といたしましては、効率的かつ安定的な農業経営、そしてそれを目指す認定農業者あるいは新規認定農業者などを位置付けています。それで、多様な経営体についても、その他の多様な経営体として基本計画に位置付けていますが、地域の維持などにおいてこれらの方が重要な位置付けをしているというふうにしておりまして、担い手と多様な経営体とを分類しているところでございます。
それで、それを合わせた両者につきまして、農業経営体としては、今回、地図の中で十年後の姿としてどの農地をどういうふうに使っていくのかというのを位置付けて、それに目指して農地の利用調整をしていこうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/94
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095・谷合正明
○谷合正明君 済みません、ちょっと、私も余り理解がちょっと十分できていないんですけれども、いずれにしても、ちょっと質問、前に進めますが、この育成すべき農業者、多様な経営体も含めて、育成すべき農業者とこの新規就農支援策との関係性について伺ってみたいと思います。
農業次世代人材投資事業が新規就農予算に入っていると思うんですけれども、この予算措置と、今、これまで議論している、今後育成すべき農業者像との整合性や、国と自治体との考え方の連携というのは取れているのかという点について伺ってみたいと思います。
というのも、以前ですね、数年前に、ある自治体で新規就農で有機農業をしたいという方がいらっしゃって相談を受けて、その自治体のいわゆる農業次世代人材投資事業、それに手を挙げたいんだけれども、その自治体は何か、そこ、有機農業は対象外にするかのような現場の話があって、いや、それはちょっと、そこまで国がルールを作っているわけじゃないですよねということで一旦整理したんですけれども、今回の農業次世代人材投資事業についても、規模拡大をする方向けにかなり厚めな措置をとったわけですけれども、一方で、多様な経営体もいろいろいらっしゃるわけであって、こうした、今後育成すべき農業者像とこの国の持っている新規就農の支援策がこれしっかりマッチしているのかどうか、この点について伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/95
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096・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
新規就農者の育成、確保に向けた対策については、今回、令和四年度予算におきまして、対策を見直しをして、就農前後の資金の交付等について引き続き国費で支援するとともに、委員今御指摘いただきましたけれども、経営発展のための機械、施設等の導入を国と地方が連携して支援をするなどの見直しを行ったところでございます。
こういった対策の予算につきましては、毎年度必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えておりますが、この予算につきましては、地域の状況に応じて担い手の育成、確保を図る観点から、都道府県が、地域が求める新規就農者などについてサポート計画、これを策定していただいて、これに基づいて支援すべき新規就農者を国に申請していただくという仕組みにしております。
このサポート計画の策定に当たりましては、国の方で承認をさせていただくという仕組みを取っておりますので、国の今後担い手を育成、確保していく方向と整合が図られるよう調整してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/96
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097・谷合正明
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。
次に、人・農地プランの実質化の現状と問題意識について伺いたいと思います。
経営基盤強化法改正案におきましては、人・農地プランを法定化し、市町村が地域の農業の将来の在り方を明確化した地域計画を策定することとされています。人・農地プランについては、機構法五年後見直しにおいてその実質化を行うこととされていますが、人・農地プランの実質化の現状はどうなっているのか、また、その現状に対する農林水産省の問題意識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/97
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098・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
人・農地プランは、平成二十四年に開始をされ、令和元年からその実質化を進めることとしております。令和三年三月末現在で、耕地面積の約九割で実質化の取組が進められているところでございます。
一方、これまでの人・農地プランにつきましては、将来の農地利用の姿とその実現方策を具体的に示すというところまで至っていないものでございます。このため、今後、地域の農地が適切に使われなくなることが懸念される中で、人・農地プランの取組の中で農地の目標地図を新たに策定することとして、その実現に必要な農地の集約化等の措置を法律に基づいて講ずることができるよう、今回、人・農地プランを法定化することとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/98
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099・谷合正明
○谷合正明君 続きまして、農地の集積目標に向けた取組について伺いたいと思います。
政府は令和五年度末までに全農地の八割を担い手に集積するという目標を掲げていますが、担い手への集積率は令和二年度末で全国平均が五八%となっております。八割目標を達成するためには、集積の取組の更なる加速化が必要であります。
五八%の全国平均ですけれども、やはり、五八%に集中しているわけじゃなくて、各自治体、都道府県で相当ばらつきがございます。近畿や四国、中国というのは二割から三割台でありますから、相当加速化しないと達成できない目標であろうと思います。
私自身は、その八割を全国共通の目標として掲げるのがいいのか、もう少し目標を地域農政局単位で変えていくのがいいのか、これは議論の余地があるんだと思っていますが、ただ、今、令和五年度末までの八割目標を掲げているところであり、何か、途中でぐらぐらするのもおかしいというのもよく分かります。ただ、いずれにしても、その八割目標に向けては相当加速化しなきゃいけないわけでありまして、この本法律案はどのようにそれが寄与していくのかということについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/99
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100・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
農地の集積につきましては、委員御指摘のように全農地の八割を担い手に集積するという目標を掲げておりますが、令和二年度の集積率は五八%となっており、目標に向けては更なる取組の加速化が必要な状況でございます。この場合、農地が分散している状況を改善して農地を引き受けやすくしていくことが重要というふうに考えております。地域において、具体的な農地の集約化などに向けた取組を推進していくことが必要でございます。
このため、今回の改正法案におきましては、目標の実現に向けて人・農地プランを法定化して地域の話合いにより将来の農地利用の姿を明確化いたしまして、受け手を幅広く確保して農地バンクを活用した集約化等を進めていくこととしており、これにより農地の集約化等を進めることで農地の集積率の向上にも寄与するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/100
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101・谷合正明
○谷合正明君 局長、それでお伺いしたいんですけど、担い手の集積率なんですよね。先ほど、ちょっといろいろ、多様な経営体とかいう話をしましたけれども、多様な経営体に集積をされた場合、これは集積率にカウントされていくんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/101
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102・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 集積につきましては、担い手への利用集積でございますので、効率的かつ安定的な農業経営、そしてそれに向けて取り組んでいく認定農業者等への集積が対象の、いわゆる分子になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/102
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103・谷合正明
○谷合正明君 分かりました。担い手の定義の中でしっかり読み込んでいくということだと思います。
それで、ちょっと残された時間で集約化のメリットについて伺いたいと思います。
令和元年の機構法五年後の見直しの際、政府は集積から集約化の段階に移っていくべきと考えており、プランの中に農地の集約化の将来方針を記載することを必須化するとの方向性を出しているところであります。
今般、人・農地などの関連施策の見直しにおいては、農地の集約化に重点を置いて、地域が目指すべき将来の具体的な農地利用の姿、目標地図を明確化するとされているところであります。
改めて、農地の集約化を進めることのメリットについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/103
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104・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
委員から今お話がございましたように、地域におきまして地域計画を定めて、それに向けて農地の集約化等を進めていくこととしています。農地の集約化を進めることによりまして作業がしやすくなって、生産コストや手間を減らすことができるということがございます。
したがいまして、生産性が上がるということもございますが、それだけではなくて、リタイアして農地を誰かに借りてほしいという方の農地というのが今後増えてくることができますが、それの集約化することで次の世代の方々が農地を引き受けやすくなるというメリットがございます。
それと、あと、集約化して、分散錯圃されていることが、農地がまとまることでスマート農業に取り組みやすくなったり、あるいは有機農業に取り組みやすくなったり、新規就農者やほかの地域の方々がそこを引き受けようという意欲が高まったり、遊休農地の発生防止を図れるなどの効果が期待されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/104
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105・谷合正明
○谷合正明君 通告している質問はまだあるんですけれども、また次の機会に回したいというふうに思っております。
以上、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/105
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106・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/106
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107・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/107
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108・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
法案審議に、法案の質疑に入ります前に、私からも今般の物価高騰、特に小麦の国際価格、政府売渡価格の高騰への対応について政府にお聞きしたいと思います。
円安も手伝いまして、今小麦の国際価格が非常に高騰しております。若干今少し小康状態になっていますけれども、一番高いところでトン当たり五百ドルを超えているということで、現在の為替に換算するとトン当たり六万五千円、キロ当たり六十五円ぐらいだと、それより今高いのかなと思うんですけれども、そうなると、国産の小麦の今流通価格とほとんど変わらないか、むしろ国産の方が安くなっているぐらいかなという感じですね。政府売渡価格が約七万、七万二千五百三十円、キロ当たりにすると七十三円ぐらいだということですので、これ非常に現場にとっては、今、パン屋さん、それからラーメン屋さん、麺を扱うところはもう値上げしていますけれども、本当にこれ見方を変えれば、改めて国産に置き換えていく、そんなチャンスではないのかなと思っています。
先ほど申しましたとおり、今国内の、おおむね流通されている国内産の小麦の価格はその輸入相場、国際価格よりも安いぐらいになっていますので、本当にこれを機に小麦の消費拡大、国産小麦の消費拡大に結び付けていかなければいけないと思っておりますので、まず一つこの対応をしっかりお願いしたいと思っております。
もう一つ、やはり小麦粉の代替として一時期相当話題になりました米粉、確かに米粉の消費も少し増えていますけれども、目標に比べるとまだまだ非常に小さい。しかも、米粉の大体原料価格は五十円ぐらいですかね、そんな形だと聞いていますので、うまくすればこれも十分代替できるということでありますけれども、一時期消費者の現場でも、米粉でパンが作れるような機械とか、米そのものでパンができるとか、そういったものも、見ると今もう発売中止になっていたり、何か一時期のその米粉需要、小麦粉代替としての米需要がちょっと陰りを見せているというふうに思いますし、確かに農水省も資料は作っておられますけれども、ただ若干力の入れ具合が弱いんじゃないのかなという気がするんですね。
そういう中で、まず一つ、小麦の代替としての米粉の生産拡大について、これ飼料用米と大体同じような水準での支援があるということを考えると、今取引価格が飼料用米よりずっと高いですので、もっとうまくすればしっかり需要に結び付く、しかも、今こういった小麦が非常に高騰している状況の中で、これはしっかりと消費に、また生産拡大に結び付けていくと。水田のフル活用という意味でも、やっぱり本来、まさにアジア・モンスーンというこの日本の気候を考えると、やっぱり水田としての利用が一番適しているというこの観点からいっても、しっかりこの米の、米粉の消費拡大、もっと言えば主食用米の消費拡大というのももっと取り組むべきだと思うんですけれども、その辺り、まず、米粉、小麦の代替としての米粉の生産拡大、消費拡大に向けて、やはり具体的にこれからどうしようとしていくのか、今どのようなメッセージを送っているのか、この局面を受けて今具体的に、今までにない具体的な取組、何をしているのか、この辺りについて、まず大臣からお願いしたいんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/108
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109・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 米粉についてのお尋ねでございますが、現在、小麦は約八五%が輸入でありまして、国産米粉を活用して輸入小麦の需要の一部に置き換えることは食料安定供給の観点からも重要な課題と認識しておりまして、このため、農林水産省といたしましては、粒子が細かく良質な米粉になる品質の開発普及、加工コストの低減に資する米粉製品の製造施設整備への支援、海外需要も視野に入れた日本産米粉の特徴を生かしたノングルテン米粉JASの推進やプロモーション等に対する支援なども行っております。
さらに、今般の原油価格・物価高騰緊急総合対策におきましては、ウクライナ情勢等に関連して高騰している輸入小麦から国産米粉への原材料の切替え等を支援することとしており、これらの支援を通じて国産米粉の需要と生産を拡大していく考えであります。
ただ、やっぱりすぐといってもなかなか難しいと思うんですね。だから、やっぱり委員がおっしゃるように、前は一時、米粉米粉と随分言っていましたので、本来ならばもう少し積極的にこの米粉の使用というのを取り組んでおけばよかったんでしょうけど。
それと、また、米粉というのはなかなか、使う方からいうと、使ってみたけど余り良くなかったというところも結構あるというので、なかなか米粉そのものの質そのものについても、実際それを使って販売する製造業の皆さん方が本当にそれを使っていただけるようなものをこれから製品開発をしていかなきゃいけないということで、いずれにしろ、将来もありますので、これから積極的に我々としても取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/109
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110・舟山康江
○舟山康江君 米粉の生産量、平成二十三年ぐらいに四十万トン近くあった、ようやく、一回減って、また今少し増えてきていますけれども、それだけ生産できますし、今、大臣、使いにくいという話がありました。ただ、そのブレンドの状況とか、米粉単体で売るんではなくて元々混ぜて売るとかいろんな使い方ありますし、逆に、米粉の小麦にない特徴、例えば、揚げ物でもからっと揚がるとか、パンももっちりするとか、そういったところを随分、平成の二十年代の前半ぐらい、宣伝しながら、何とか消費拡大、生産拡大を取り組んでいたと思うんです。やはり、そういったときにいろんな製粉機、製粉機を導入したものの今使っていないとか、こんな声も結構複数から聞こえてきますので、そういった今ある機械をどう使っていくのか、これからまた、いろんな新しい技術の中で恐らく使い勝手も少し向上しているのかなと思いますので、私、ここ、本当に力を入れていくべきではないのかなと思うんですね。高い高い、困った困ったではなくて、どうやってこれを、まあピンチをチャンスにというか、こういった危機を国内の農業の振興のプラスに変えていくのか。
先ほど申しましたように、もちろん小麦、国産小麦、これもまだまだ開発の余地あると思うんですよ、いろんな気候風土に応じた。そしてまた、様々な製品特性に適した品種の改良というのは、私、やっぱり米に比べて、小麦とか、もっと言えば大豆とか、そういった品種改良に入れる力の入れ具合は非常に弱かったんじゃないかと思っています。
こういったところもきちっと取り組むと同時に、やはりせっかくあるこの米、一方で主食用米は消費が減退して過剰傾向だというふうに言われています。そういう中で、是非もっと力を入れていただきたいということをお願いします。
もう一つ、主食用も、今どうなんでしょうか、小麦の価格の上昇に合わせて今主食用米の消費が増えているとか、そういった傾向があるというのが見られるのかどうなのかということと、もう一つは、やっぱり国としてそこに向けて何か具体的なアピール、取組されているのかどうか、こちらもお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/110
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111・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 米の需要、消費拡大についてのお尋ねでございますが、需要拡大策といたしまして、米や米加工品の海外市場への輸出の促進や、バッグ御飯ですか、バッグ御飯……(発言する者あり)あっ、パック御飯か、パック御飯、米粉など新たな需要拡大の支援、米飯学校給食への推進や、職員による広報活動のBUZZMAFFによる情報発信などを実施してきました。さらに、今般の原油価格・物価高騰総合緊急対策においては、ウクライナ情勢等に関連して高騰している輸入小麦等から国産米や米粉等への原材料の切替え支援や、自給率の高い米の消費促進に資する情報発信を行うことといたしております。
引き続き、あらゆる機会を捉えて消費の拡大にしっかり取り組んでまいります。
昨日も衆議院で、総理始め私どもも先頭に立って、消費拡大のために大いに、もう少しPRして、米を食べるように国民にお願いをしてみたらというお話もありましたので、総理にもお話をして、努めてそのように努力をしていきたいと思っております。
ただ、パン屋、パンを売っている人もいらっしゃるものですからついつい遠慮もありまして、これからは、しかし、チャンスはチャンスだと思うんです、やっぱりこれだけ値段が上がってきて、パンとあれとの差がなくなってきていると思いますので。どうぞ、先生方も、これからパンを食べないでできるだけ、私も毎日、今、朝食は御飯食べていますので、努めて努力していきたいと思っていますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/111
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112・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
本当に、何か余っているから食べてもらうではなくて、本当に米の良さアピールしながら、新潟のある学校では、やはりパン食より御飯給食の方が脳の活性化にもつながるというような、そんな実証の結果も聞いたことがございます。是非大臣、また国を挙げて、政府を挙げて、やはり米の消費拡大についても取り組んでいただきたいと思います。
ここからは法案の議論に移りたいと思います。
まずは活性化法ですね、活性化法による活性化計画についてお聞きします。
これまでの活性化計画は、簡単に言えば、基盤整備とか施設整備を行うために作成されたと、こういった側面が強いのかなと思うんですね。この計画がなければいろんな整備ができなかった、ハード整備ができなかったということで計画を作っていました。そういった背景から、作成は任意でした。
それが今回、改正法案では、いわゆる農用地の保全というこの新設部分ですね、これの側面が強く打ち出されたというふうに思っています。今まではその整備の方に重点が置かれましたけれども、今回はまさに基盤法と併せて地域の農用地をどうしていくのか、農用地の保全というその側面の中でこの活性化計画にも位置付けていこうと、こんなふうに思うんです。
そうなりますと、これ、今までは任意でしたけれども、ある意味では、これいろんな義務付けということに対する批判もあります。場合によっては、私は、この地域計画、活性化計画、一本でもいいんじゃないかというそんな議論もありますけれども、少なくとも、でも、このいわゆる農地としての利用ですね、農地としての利用以外の、こちらの活性化計画に位置付けられるべきことについても、やはりしっかりと、もう必須だと思うんです。
そう考えると、今までどおり任意でいいのか。何らかの形で地域でしっかりこの農地の在り方を考えていただくためには、何かもっと違う位置付けにしなければいけないんじゃないかと思いますけれども、その辺りどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/112
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113・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
まず、この農山漁村活性化法につきましては、この現行の法律が、農村地域の活性化のための積極的なお取組に対して支援をする、今委員からは施設整備というお話もあったところでございますけれども、そういった具体的な行動に対して支援をするという中身になっておりますことから、任意ということになっているわけでございます。
今回は、これに農用地の保全等に関する事業ということで、こういう、荒廃農地化を防止するようなお取組に対して支援をしていこうという中身を追加をするわけでございますけれども、こういった農地の荒廃化の防止といったようなものにつきましても、やはり地域内での話合いによりまして、地域の実情を踏まえて活性化計画を作成していただくということでございますので、これについては、やはり一律に求めるというよりかは、引き続き任意ということを考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/113
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114・舟山康江
○舟山康江君 今お話ありましたけれども、元々のこの法の目的というのは、定住促進とか地域間交流ということだったと思うんです。
そうなると、やっぱりそういった目的を達成するために、じゃ、どうしようということで、具体的にハード整備とか基盤整備なんかを入れながら様々な事業に取り組んでいたということですけれども、今局長おっしゃったように、今回、農用地の保全という、ある意味若干違う局面だと思うんですね。
農地を農地以外に、農村全体として活性化させるために利用していこうということと、農用地の保全というのは若干違う中で、一つお聞きしたいのは、ある意味、法の目的も、少しこれが加わったということにもかかわらず、なぜこの改正法で目的規定を変えなかったのか、そこを教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/114
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115・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
今回の法律案の改正につきましては、今委員から御指摘いただきましたように、この農用地の保全等に関する事業ということで、今までとは少し切り口の変わる事業を追加したというのは御指摘のとおりかというふうに思っております。
しかしながら、今回の改正では法目的は変えなかったところでございまして、あくまでも地域の活性化のためにいろいろなお取組に対する支援をするということは基本的に変わっていないところでございますので、そのような観点で目的規定などは改正をしなかったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/115
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116・舟山康江
○舟山康江君 そうなんでしょうかね。
農水省が提示している様々な資料を見ますと、基盤法も活性化法も、いずれも地域の農地の在り方についてしっかり議論をして決めていこうということですから、やっぱり農地をどうしていくのか、この観点非常に大きいと思うんですね。
ですから、説明の中でも、いろんな活性化計画の中で、いわゆる、何というんですか、効率的な集約ではない形での農業に使っていくというのも位置付けられているわけですし、そういった意味では、何か、やっぱり目的は大分変わったんじゃないのかなと思うんですよね。それは本文の方でも書いていますよね、農用地の保全とか、そのために農用地の農業上の利用の確保とか書いている中で、なぜ目的にそれを加えなかったのか。
私は、本当に大きな目的として、今までとは変わってそれが入ってくるんじゃないか。だからこそ、まさに一体的に協議の場をつくって、地域の農地をどうするのかということを議論する、そんな仕組みになっていると私は理解しているんですけれども、まあそのために多分一括審議にもなっていますし。
だから、そういったところが何で目的から抜けているのかちょっと分からないんですけれども、もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/116
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117・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
今回につきましては、この基盤法と併せて一括審議ということをお願いしているわけでございます。これはまさに、優良農地をいかにしっかり確保していくのか、荒廃農地化を防ぐかというのが非常に重要であるというような観点から、基盤法におきましては、優良農地のまさに集積、集約化を進めるということ、一方で、今回の活性化法におきましては、こういうその荒廃農地化のおそれのあるような場所につきまして、粗放的な利用を通じて何とか保全を図っていきたいというような観点で、併せて農地の確保をしっかり図っていくという観点で一括審議をお願いをしているところでございます。
しかしながら、この農山漁村活性化法につきましては、人口の減少、高齢化が進む農山漁村におきまして、まさにこの地域の活性化を図るために市町村等が作りますこの活性化計画に基づきまして、いろいろな活性化のための取組を支援をしていくというところからは、ことにつきましては、現在の法律上、法律におきます基本的な目的等はこれはもう一貫しているところでございますので、現在の法律の目的に沿ってこういった農地の保全に関する事業につきましても併せて行っていきたいという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/117
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118・舟山康江
○舟山康江君 農水省が作った資料でも、またこれまでの質疑に対する答弁の中でも、両法は一体的にきちっと整合性を持ちながら取り組んでいきますと言っているわけですから、何かもう少し、その農地の保全という部分もやっぱり大きなこの法の目的じゃないのかなと思いますし、そういった意味では、その計画ですね、それぞれ双方に計画ありますけれども、計画も何か別々に作るんじゃなくて一本で作るというのもありじゃないのかなと思います。
まあその辺はもう両法案に共通していると思うんですよ、地域の農地の在り方を地域で考えると。その全体を考えた中で、ここは集約化していく、ここは粗放的に使っていく、いや、ここはちょっと施設に変えていこうとか、そういったことですから、何か二つ法案ばらばらというのも、何かちょっと、本来はもっとこの連携を密にするべきじゃないのかなというふうに感じます。
その上で、国として、これも何度かもう質問出ていますけれども、一応国としては、まあある意味、自給率をしっかりと向上させていこうとか、生産確保していこうという、こういった大きな目標の中で確保すべき農地面積というものを二〇三〇年度四百十四万ヘクタールと、ようなことで目標を定めていると思います。
この算定方法について教えていただきたいと思います。今申しましたように、自給率とか生産目標から逆算しているのか、どういう基準でこの四百十四万ヘクタールが算定されているのか。あわせて、活性化計画の中の例えばその他農地というものもこの積み上げの中に入っているのか、この辺りを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/118
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119・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
まず、この令和十二年度の農地面積の見通しでございます四百十四万ヘクタールの考え方でございますけれども、これにつきましては、令和元年現在の農地面積、約四百四十万ヘクタールでございます。この四百四十万ヘクタールにつきまして、これまでの趨勢どおりに農地の転用又は荒廃農地の発生が起こるというふうに仮定をいたしますと、農地の転用によりまして十六万ヘクタールの減、また荒廃農地の発生によりまして三十二万ヘクタールの減というものが生じまして、これまでの趨勢が今後も継続した場合には、令和十二年時点の農地面積は三百九十二万ヘクタールになってしまうのではないかということでございます。
これに対しまして、荒廃農地の発生防止、また荒廃農地の解消ということで、中山間地域の直接支払を始めとする施策を積極的に講ずることによりまして、令和十二年度までに荒廃農地の発生防止を十七万ヘクタール抑え、また荒廃農地の解消を五万ヘクタール行うということをもって、令和十二年におきましては四百十四万ヘクタールというふうに見通しているところでございます。
このように、この数字につきましては、全国で、全国規模におきまして、これまでの趨勢、また政策効果を見通した上での見通しの数字ということでございます。
また、その他農地についての御指摘をいただいたところでございますけれども、この四百十四万ヘクタール、国として確保すべき農地面積の中には、農業経営基盤強化促進法によりまして地域計画に位置付けられて集約化等を図る農地、それに加えまして、農山漁村活性化法による活性化計画に位置付けられ保全を図る農地、今委員からはその他農地ということで御指摘をいただいたかと思いますけれども、いずれをも含まれるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/119
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120・舟山康江
○舟山康江君 何かあれなんですね、随分消極的な積み上げ方法なんだなということを感じました。
これ、経営局とか生産局の立場で、やはり今しっかりと生産を確保していきたいと、そんな思いの中でいろんな集約の努力をしたりとか担い手確保の努力をしていると思うんですけれども、まさに、今大きな目標として、しっかりと生産、自給率若しくは自給力、きちっと生産を継続していこうという目標がある中で、その目標を達成するためにも、この面積、そこは整合するんでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/120
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121・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
この、国として確保すべき農地面積には、先ほど御説明をいたしましたような経営基盤法によります集約化等を図る農地、それから、この活性化法によります保全を図る農地、合わせて四百十四万ヘクタールと見通しているところでございますけれども、この四百十四万ヘクタールにつきましては全国の農地面積の見通しでございまして、今委員からも御指摘いただきましたように、これは決して積み上げではないわけでございます。
しかしながら、これら経営基盤法あるいは農山漁村活性化法の施策が適切に実施されることによりまして実現に寄与するものというふうに考えておりますし、また、これは、この見通しにつきましては、食料・農業・農村基本計画における農地の見通しということでございますので、自給率目標とも整合性を持った面積となっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/121
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122・舟山康江
○舟山康江君 そうすると、この四百十四万ヘクタールがあればしっかりと食料自給率目標四五%を確保するに足りる面積だと、こういった理解で、これ経営局長に聞いた方がいいんじゃないですかね、どうなんでしょう。足りるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/122
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123・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 答弁求めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/123
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124・舟山康江
○舟山康江君 求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/124
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125・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 基本計画の中でその四百十四万ヘクタールという農地面積を見通しをしていて、その話と基本計画の中で同時に自給率についての目標を設定しているところでございますので、一つの同じ計画の中で二つの数字が整合性を持って定められているものと認識しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/125
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126・舟山康江
○舟山康江君 何かちょっと、その趨勢として、だって今自給率が三七%ですよ、それを上げていくんですよ。なのに面積は減る。そういう中で本当に自給率目標達成できるのか。
こういった議論をきちっとするべきだと思いますし、もう一つ、地域の話合いによって地域が農業上の利用が行われる農地を定めていくわけですよ。その積み上げというのが果たしてどのぐらいになるのか。まあそれはまだ結果が出てみないと分かりませんけれども、仮にその積み上げの面積と国が想定する確保すべきと考える農地との乖離が生じたときにどうするのか、それをどうやって一致させていくのか、その辺どうなんでしょう、大臣。私、ここ本当に分からないです、この整合性が。そこをお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/126
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127・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) 舟山先生へのお答えにちょっと合うかどうかということなんですが、農地の面積はそうなんですけれども、実は農地の面積以上に単収がかなり変わってきておりまして、例えば小麦なんですけれども、今、百八万トンといって、生産努力目標の……(発言する者あり)はい。なので、農地の面積プラス、そうなんですけれども、品種の改良ですとか単収を上げることによって四五%を達成すると、そういうふうな計画になっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/127
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128・舟山康江
○舟山康江君 じゃ、一応、単収が上がるからこの面積でしっかり自給率目標が確保できると、実現できるという数字だという理解で、分かりました。
で、その地域の積み上げとの乖離はどう埋めていくのか、ここについて教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/128
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129・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 地域の乖離といいますか、地域計画におきまして、農地の集約化等を図る農地というものも結果としてこの数字に入りますけれども、地域計画自身は農業経営基盤強化促進法で行うことになっていますので、例えば都市、市街化区域というのは対象にならないわけでございますね。
それと、あと、形といたしましては、基本構想を定めたところ、基本構想は定めることができるとなっている上で、定めたところについて今回地域計画を作るということなので、この農地面積と仮にこれを定めた結果の農地を積み上げたものがこの見通しの面積と整合するということはないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/129
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130・舟山康江
○舟山康江君 いや、それは細かく言えばそうかもしれませんけれども、基本的に基本計画を定めているようなところがある意味農業生産の中心地じゃないですか。そこでの積み上げが圧倒的に国が想定しているより低かったらどうするのかというところです。
その辺についてまた次回質問させていただきますけれども、ちょっと次、農業者、人について質問したいと思います。
先ほど谷合議員からもありましたけれども、配付資料を御覧ください。まあいろんな言葉が出てきて、誰が中心でどこに集約しようとしているのか。先ほど、午前中の答弁では、あくまでも担い手、つまり効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体若しくはそこを目指している経営体、基本計画でいうところの、いわゆるこの一番上の左側ですよね、担い手だということですけれども、担い手では足りないからこそ、その他の多様な経営体とか、まあ農業を担う者という新しい言葉も出てきましたけれども、いろんなことで、とにかくやってもらう人を増やしていこうということでここ何年間か特に動いてきたんじゃないのかなと思います。
このいろんな言葉がある中で、私、しかも今、これだけ、多様な経営体が必要だ、みどり戦略では新たな支え手という、こんな言葉も出てきます。もう多分現場分からないと思うんですよね。現場の方々は、じゃ、誰を設定してどこに集約させるのか。
八割目標は先ほどの答弁でもあくまで担い手と言っていた。担い手じゃない方々に対してもやっぱり集約する、そしてきちんと農業を担っていただくということは必要じゃないかと思いますので、改めて、これだけたくさん言葉が出てきますけれども、もう一回ちゃんと整理して、これ我々だってもう分からないぐらいですよ。さっき谷合委員ともしゃべっていて、よく分からないななんて話、していましたけれども、これ現場の皆さん大変だと思いますよ。
誰を設定してどこに集約するのか、ここの整理が必要だと思いますけれども、ここ、大臣、大臣にお聞きしますけれども、この辺りどうでしょうか、きちっと整理すべきじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/130
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131・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) 食料・農業・農村基本計画第三の二では、担い手として、先生御指摘のとおり、効率的かつ安定的な農業経営及びこれを目指して経営改善に取り組む認定農業者、認定新規農業者、将来法人化して認定農業者となることが見込まれる集落営農と規定をされています。
また、その他の多様な経営体については、地域社会の維持の面でも担い手とともに重要な役割を果たしているとされておりまして、担い手以外の経営体を指すのがその他の多様な経営体ということであります。
今回の法改正案においては、都道府県の基本方針及び市町村の基本構想に農業を担う者の確保及び育成に関する事項を定めることになっておりますが、この農業を担う者の中には、担い手とその他の多様な経営体を含む農業経営を営んでいる者全体と、雇用されて農業に従事している者、新たに農業を始めようとする者、農作業の受託サービスを提供する者など、農産物の生産活動等に直接関わっている者が幅広く該当するものとしており、経営規模の大小にかかわらず、また家族経営か法人経営かの別にかかわらず、地域農業を支える者を幅広く確保、育成していく必要があると、そういう意味で考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/131
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132・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間が来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/132
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133・舟山康江
○舟山康江君 はい。時間となりました。
そうであれば、なおさら集約の対象は担い手だけではなくてその他も含めてやるべきですし、そこの再整理が必要ではないかというこの問題提起をさせていただいて、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/133
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134・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。本日もよろしくお願いいたします。
私は今朝八時からいそいそと出かけまして、コロナ禍とウクライナ危機に伴う世界経済の状況と世界銀行の動きについて、世銀グループの一機関であります多数国間投資保証機関、いわゆるMIGAですね、MIGAの俣野長官を囲んでの意見交換会に参加をしてまいりました。世界経済は大きな岐路にあるというふうに俣野長官はおっしゃっていたんですね。
私もお話を聞いておりまして、低所得国の債務の持続可能性についてもかなり厳しい状況なんだということであるとか、不安定な国際情勢がもたらす世界経済への影響の大きさ、また中国は一帯一路政策を御存じのように進めておりまして、世銀が担うべき役割のところにまで進出していると、そういった状況の中で、世界経済のこのシステム、ルールさえも変えつつある、また暗号資産の広がりもあって、まさに朝からどのように次の時代へパラダイムシフトしていくのかということについて考えさせられたんですね。
そんなMIGAの本日の資料の中に出てきたのが、食料の輸入率、これ世界地図がばっと出ていまして、食料の、言ってみればその輸入率が五〇%以上の自給が低い国はどこなのかというのが一目瞭然になっています。赤マークになっているのは輸入率が五〇%以上ということで、これ見てやっぱり愕然としましたよね、日本やばいという一言です。この赤く世界地図染まっているところ、そんなに多くないんです。発展途上国が多い中で日本が赤く輝いているというのは大変不名誉なことであるというふうに思っております。
私、以前からもお伝えしておりますように、やはり日本の農業、今まで農業守ってこられた個人の方がたくさん安心して営農できるシステムになればいいなと思っています。若い人たちもどんどん入ってきていただいて、そして、企業も個人も生き生きと、日本のために社会のために、そして自分たちのために農業ができるというのが理想だというふうに思っておりますけれども、決して近視眼的になってはいけないと。余りに守りが強過ぎると、志村後ろ状態といいますか、やはりもう日本の農業はビジネスにしないでほしいと言われても、輸出入がある以上、農業というのは世界の経済に組み込まれてしまっている、そこから逃れることはできないのだという現実を直視しないといけないと思っておりまして、我が党では、リスクヘッジを取りながら、何とか八年後の二〇三〇年ぐらいに食料自給率五〇%ぐらいは持っていきたい、そのように思っている次第です。
ここで、この二つの両法案を見てみまして、この法案は必要だなと思っております。それは、やっぱり農地の集積、集約も大事ですし、でも、担い手という言葉出てきますよね。耕作放棄地であったりとかそういった問題も、農林水産のこの委員会に出てくる法案というのは、あれ、何かこの話前の法案でも見たな、この話また今回も出てくるんだなというふうに似ているものも多いというふうに思っているんですね。
私は、日本農業新聞さんなんかには、法人の農地取得ばっかりやっている、法案に関係ないというふうに言われたりもするんですけれども、私は法案に関係あると思っているから聞いているんですね。だって、賛成してきているんです、今までの法案。必要だなと思って、必要な法案の中でここはどうなんですかというところは質問をさせていただいております。
でも、基本的に考え方が根本としてちょっと違うな、人材確保というんだったらこっちの視点も必要なんじゃないのというようなことを考えると聞かざるを得ないというような形でついついシリーズ化してしまうという現状にございますので、ひょっとしたら今日も、ひょっとしたらといいますか、確実に飛び出すんではないかなというふうに思っておりますけれども、ここで最初の質問をさせていただきたいと思っております。
済みません、質問通告の四ポツの一番目になります。ごめんなさい、順番前後いたします。
ちょっと各種比率について、あるいは数値について教えていただきたいんですけれども、三十年前、そして現在の農業従事者の数あるいは比率、そして三十年前と現在の農業従事者の平均年齢、そして現在の専業、兼業、自給農家と、それぞれのスタンスで農業されている方いらっしゃるわけなんですけれども、その比率について農水省にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/134
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135・菅家秀人
○政府参考人(菅家秀人君) お答え申し上げます。
農林業センサス結果によりますと、二〇二〇年の基幹的農業従事者数、百三十六万三千人でございます。三十年前である一九九〇年の二百九十二万七千人に対しまして四六・六%となっているところでございます。
次に、平均年齢でございますが、二〇二〇年の基幹的農業従事者の平均年齢、六十七・八歳となっております。同じく三十年前、一九九九年の五十六・七歳から十一・一歳の上昇となっております。
また、専業、兼業別農家数でございますが、これは二〇二〇年の農林業センサスから調査を取りやめておりますので、直近の調査結果でございます二〇一五年調査、これによりますと、専業農家数は四十四万三千戸で、総農家数二百十五万五千戸に占める割合は二〇・五%でございます。同様に、兼業農家数は八十八万七千戸で四一・一%、自給的農家数は八十二万五千戸で三八・三%となっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/135
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136・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございました。
やはり、はあとため息が出る数字だと思っております。農業従事者の数でいいますと、三十年前に比べて四十六万減っていると。平均年齢は十一歳以上上がっている。そして、三十年前との比較はしていませんけれども、やはり専業というのは二〇%ぐらい、二〇一五年ということだったですけれども、とどまっていて、今はどうなのかなというふうに思うところです。二〇一五年から七年経過しております。もっと下がっているのではないかなというふうに私は思っております。
一人でも多くの農業従事者に農業の楽しみを知ってもらいたいと思っていますけれども、これ、農業だけではなくて、もう各業種、業種じゃないですね、各ジャンルでも危機的状況なんですよね、日本は。
ツイッターを買収したイーロン・マスクが、日本は消滅するんじゃないかって言いました。あれ出生数ですよね、死亡者数に比較して、このままでは日本が消滅するんじゃないですかっておっしゃった。それは、もう出生数だけではなくていろんなところから、ああ、そうかもしれないって、どきっとするわけです。
アカデミアにおける研究論文の数どうなったかといったら、一九九六年―九八年、これ世界第四位、二十年たって九位に後退しています。半導体、産業の米と呼ばれる半導体は、一九八八年、世界ナンバーワンシェア五〇%から、一九年には一〇%に転落しているというふうになっています。
これ、なぜかといったら、やっぱり規制改革ができずにイノベーションの芽、この発芽を抑制してきたからなんじゃないかというふうに、そういう側面も、全部じゃないけれども、それも絶対的にあると私どもは確信しているわけですね。なので、規制改革は必要ですというふうにはっきりと申し上げたく私は思います。
守るべきものは守り、変えるべきものは変える。これ、我が党がよく使うキャッチコピーでございまして、本当にうなずきながらお話を聞いていました。個人と企業、両方担い手として重要であるというふうに思っております。そして、農地のリースと取得、これは選択肢両方あった方がいいと。考えるべきは、よこしまなものからいかに貴重な資源である農地あるいは国土全般ですよね、を守るのかということで、私どもは、昨年でしたでしょうか、重要土地法案に対して甘いと、こんなんじゃ外国資本に土地どんどん買われちゃいますよというふうに、甘い甘いというふうに突っ込んできたわけなんです。けれども、日本には必要ですから賛成はいたしましたけれども、これじゃとてもじゃないけど日本の国土守れませんよということをやっていて、やはり農林水産委員会、農林水産政策だけではなく、全体的に見てグランドデザインとしてどうしていくかということを考えるとやはりこの法案も必要だと思うんですけれども、ちょっと広い目で見ていきたいなというふうに思っております。
さあ、ここでがらっと話題は変わりまして、今週、埼玉県に行ってまいりました。理事を中心といたしまして、東松山市、埼玉県の東松山市と小川町に視察に行かせていただきました。小川町では、有機農業界のレジェンドと呼ばれる金子美登さんの霜里農場を視察してまいりました。そして、東松山市では、分散錯圃していた農地の集約、集積の取組について女性農業委員の方からお話を伺い、現地も拝見してまいりました。すごくスムーズに集約、集積をされていかれたんです、東松山市。こんなにスムーズに反対意見もなくできたのはどうしてなのかなとお話伺っていますと、私は質問の際で言わせていただいたのが、まず日頃からの良好な関係ですね、これなしには行えないと思っていますし、あと事前アンケートをしたり説明会開いたり、必要なステップをちゃんと踏んだ実行のプロセスがあるということ、集約、集積に関する考え方についてちゃんと伝えるという説明がなされていた、そして、個人負担ないですよということとか、何かお困りのことないかなというような配慮ですよね、この四点が相まってこんなにもスムーズにいったんだろうと思っております。
そこで、今回の法案なんですけれども、今年の二月に全国市長会から出された意見、緊急意見ということで、かなり辛辣な言葉が並んでおりました。「唐突に現行の仕組みを変え、計画策定を一律に義務付けることは、目下、地域の実情を踏まえ、同プランの実行等にひた向きに取り組んでいる現場に大きな混乱をもたらすとともに、これまでの地方分権改革の取組にも沿わないものであり、強く反対するものである。」というふうに言われていたわけですね。そこから話合いというのをされまして、三月に改めて意見が出てきました。十分にこういうことを反映してくださいねという意見の中で、やはり一律に策定しないでほしいというようなことも盛り込まれていました。
この文言からは、地方の今まで積み上げてきたものがどうなってしまうのか、今までの努力ってどうなってしまうのかという不安と懸念がうかがえるんですけれども、ちょっと質問させていただきたいと思います。こちらは大臣でなくて結構でございます、農水省のどなたかからお答えいただければいいなと思っているんですけれども、地方の声をこの法案策定に当たり十分聞けていなかったのではないか、東松山と同じような配慮というものがあったかどうかということをお伺いしたく思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/136
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137・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
今回の法案に関しまして地方の声といいますか、地方との話合いでございますけれども、今回の人と農地の関連施策の見直しにつきまして、一月、二月に、全都道府県と全ての農地バンク、市町村、そして農業委員会の約千七百団体と意見交換を行いました。そして、本年三月には、全都道府県、市町村、農業委員会、JA、土地改良区などの約二千二百団体、加えて、全農地バンク、全都道府県農業会議、全都道府県中央会及び農業委員会の約四百五十団体に対して、複数に分けて改正法案の内容について御説明をしてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/137
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138・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
こういうふうにお答えいただくと、必要なプロセスを踏んでいらっしゃるなと思って、ああそうなんだというふうにお伺いするところなんですけれども、ここで非常に大事なことで文言になかなか表れないところなんですが、ガス抜きであってはならないということです。
その意見を伝えたりだとかヒアリングをしたりだとかというのが、本当にその当事者の声、地方の声を吸い上げるためにやっている会なのか、それともガス抜きで一応聞きましたよという場だけを設けたのかということは、非常に敏感に察するところなんですね。もちろん、農水省さんも心砕いて、何を皆さん考えていらっしゃるのかなと十分考えていらっしゃると思います。けれども、やはり地方の現場を抱える自治体からすると、まだまだその懸念点が伝わっていないんじゃないかという危惧が拭い去れなかったところがあるのではないかというふうにこの意見書を見ながら思うわけでございます。
そこで、次の質問、こちらは大臣にお伺いしたいんですけれども、これからの意思疎通というのが大切になってくると思います。まだこの三月の段階の意見に関しては、懸念というものがにじんでおります。これから真にその日本の農業の未来の姿というのを描いていただくのであれば、連携を取りながら意思疎通を図りながら行っていく必要があると思いますが、この地方との意思疎通について大臣はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/138
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139・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 先ほど局長からお話がありましたように、これだけの回数を経て、十分なこちら側としての説明をいたしまして、もちろん、向こうは向こうとしての御意見があって、御意見を踏まえながら法案をやってまいりました。
だから、ガス抜きということは決してございませんので。あくまでも、こういった中身の中でこういった改革をしたいと、そういう問題を相手がどう受け止めるかなんですよ。私も前、地方自治体の長をしておりましたからね。いろいろと向こうから、国から話があったときに、受け止める方もまた大事なんですよ。これが本当に、こういった形のものを、どう、じゃ、受け止めて、どうしたらどういうふうになるかということは、真剣に受け止めながら質問をするという人と、聞き流しの人もいるんですよ、まあこれは地方自治体にそんなことを言ったら怒られるかもしれませんけどね。だから、その辺のちょっと受け止め方が違ったのだろうと。
で、出てきた中身を最終的に、結果を、案というのを、やっぱり最終的に出しました案じゃないと最終的な説明はできない、最終的な、最初から説明に案を作るわけじゃないですから。聞いた中で、意見を聞いた上で一つのたたき台の案を出した中で、向こうからいろいろな意見が二月九日に出てきて、そこでお互いが調整してやってまいりました。
したがって、この調整して、一応地方自治体も御了解いただいていますし、我々は当然それを尊重しながら、これから仮にこれを実行に移していくためには、市町村のこれは協力なくてはできませんよ、正直言って、これはもう。そしてまた、市町村も、これからの自分たちの農業をどういうふうに地域でやっていくかと考えたら、重く受け止めて、やっぱりこれからどんどんどんどんもう高齢化社会になっていって、今は六十五歳以上が七割も土地を持っているわけですから、農村はね。これはもう絶対減っていくわけですから。
そういう中で全体的な農業を考えたときに、どう集約して、そしてどう効率的なものを作って、地域の特産をどういうふうに作り上げていくかというのは、真剣に彼らも考えていると思いますので、私たちもそれを十分に受け止めて、せっかくこれだけのこういった法案を作ったのは将来を考えて作った法案でございますので、そういう気持ちで取り組んでおりますので、そこは御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/139
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140・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。
今の大臣のお言葉というのは、所管大臣である金子大臣、そして地方行政を長く担ってこられた現場のトップとしての実績、御経験から出るものというふうにしっかりと受け止めました。是非とも、地方が主役の法律だと思いますので、よろしくお願いします。
では、人材確保、担い手という点から聞かせていただきたいと思うんですけれども、私は長く民間におりましたので、民間の人事担当者であるとか、人材確保のために本当に血のにじむような努力を企業はしているわけなんですけれども、そうすると、農業をやりたいなと思う人って四十代と二十代、男性と女性で全然違ってきたりするわけなんです。そういった年代別のマーケティング、リクルーティングというのを農水省はどのように戦略練っているのかについてお伺いしたいと思います。こちら、参考人からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/140
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141・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
新規就農者施策の推進に当たりまして、新規就農者が直面する課題を把握をして、それに対応して施策を展開することが重要です。
農林水産省においては、新規就農者に対する実態調査、これを三年から五年置きに実施をしておりますが、その際、委員御指摘の年齢、性別、農業との関わり方などの属性別に、就農の理由、就農時に苦労したことなどのほか、就農情報の入手先、支援策の利用状況など、実態把握に努めております。
例えば、新規就農者が就農時に苦労したこととしては、農地の確保、資金の確保、営農技術の習得の順になっておりますけれども、若い方ほど資金の確保に苦労されているといった状況を把握しました。
引き続き、委員御指摘のように、きめ細やかに実態を把握した上で施策を展開することが重要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/141
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142・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
もう一声といきたいところでございまして、若い人たちってざっくり言っても、二十代とやっぱり三、四十代、全然違います。子供を産んだから、あっ、農業って思うのと、SDGs、自然の一部としての自分をライフスタイルごと楽しみたいという人と、全然目的も違うわけですね。アプローチも違います。どう打てば響くのかというところ、だから、もう二十代、三十代、四十代向けに、そして男女別にどういう戦略、数を見て、そこから戦略をどう打つのかという、数見るところまではしてくださっている、そこからぼやんとしてくるので、そこを細分化して戦略を立てていただくということができれば個人としての担い手も増えるはずと思いますし、そういった視点を農水省として示すことでこの計画にも反映していただけると思うんですね。
やっぱり、そういうアイデアを提供していくというところを是非ともよろしくお願いしたいと思います。
今日は内閣府から赤池副大臣も来ていただいているので、ちょっと飛ばさせていただきまして、スマート農業のことをお伺いしたく思います。
デジタル田園都市構想なども政府として打ち出しまして、農水省とのコラボレーションというのも今後期待できるわけなんですけれども、私がこの法案で聞きたいのは、この話合いをしてくださりますよね、様々なステークホルダーの皆様が集まって。スマート農業についてもやっぱり話し合っていただかなくてはいけない中で、先ほどお聞きいただきました六十七歳平均年齢の農業従事者の方がデジタル語れるかというところなんです。
例えば、私、とある委員会の理事会でパソコン持込みの話題になったときに、二台持ち込ませてもらえませんかと言ったら、却下になったんですね、やっぱり、議運の方で諮っていただきまして。それ、却下になった訳が分からないと私は思っていて、そうすると、聞くところによると、二台持ち込む意味が分からないとおっしゃるんですよ。いやいや、このパソコン重たいんですね。皆さんのその質疑を聞いているときは、あっ、なるほど、そういうことかって調べるのにパソコンが便利。でも、質疑するときにはスワイプして軽いものでぽんぽんぽんぽんやっていきたいんです、下向いてじゃなくて。というので、用途が違うわけですね、デジタルデバイスでも。
そういったことを六十七歳が分かるかということです。スマート農業ってどういうことですかって、これなかなか難しいですよね。分からないと思います。スマート農業って、でもそういうこと……(発言する者あり)人による、済みません、人によります、人によります、はい。IT関連企業にお勤めの六十七歳の方もいらっしゃいますけれども、うちの母とかも全然駄目ですし、うちのお隣さんとかも大体六十代半ばですけれども全然分からないということもあって、スマホをさくさく使いこなす方とガラケーの方とっていらっしゃる。けれども、やっぱり永田町を見ていると、大体こんな景色なのかなと。スーツで全然違ったりとかするんですけれども、年齢が高いと、デジタル、私ですら弱いですから、子供に聞いています、小学校の十歳の子供に聞きます。
それぐらい波が激しいこのデジタルの中で、地域で未来の農業の姿を考えていく、これなかなか難しく、デジタル格差がこの農業においても起こるのではないかというふうに懸念をいたしておりますが、このスマート農業に余り得意でない方が話し合う、そういった可能性を考えると、どう格差をなくしていくか、是非とも、参考人で結構ですのでお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/142
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143・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
スマート農業は、生産者の減少、高齢化に伴う現場の課題を解決し、生産力の向上と持続性の両立を図る上でも不可欠と考えております。スマート農業につきましては、現在、全国二百二地区において実証を行っておりまして、直線アシスト付田植機やラジコン草刈り機の活用等によりまして高齢者、女性でも農作業に積極的に参画できるようになった事例や、これまで重労働でございました農薬散布をドローンを用いる農業支援サービスの活用によって労働時間が大幅に削減された事例、野菜産地においては、ハウス内のセンサーデータを共有することで新規就農者も含めた産地全体で生産性を向上した事例などがございます。
今後、こうした成果の横展開を図る上でも、委員御指摘のように、高齢者も含めた様々な農業者がその恩恵を受けられるように、更なる環境の整備を進めていくことが重要と考えています。
このため、今まで実証に加わってきた生産者や農研機構等を加えた支援チームによる産地のサポートや、導入コストを低減して農業者に代わって農作業を請け負う農業支援サービスの育成、普及、それから生産性の向上や作業の効率化に向けた産地ぐるみでの実証等を通じまして地域に寄り添った対応を進めて、いずれの地域においても課題に沿ったスマート農業が展開できるよう配慮していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/143
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144・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
高齢化率がどんどん高まる町などでどのように行われているのかなということも考えまして、その人材の流動性、特にスマート農業については促進できるような仕組みもこの法案と併せて今後考えていただけたらいいなというふうに思っております。
では、今日は内閣府の方から赤池副大臣にお越しいただきましたので、参考に聞かせていただきたいと思います。
そういったスマート農業を限界集落のようなところでも進めていけるように、やっぱり全国押しなべて進めていく必要があると思います。なので、そういった意味でも、企業の農地取得というのも可能性だと私は思っているんですが、内閣府の国家戦略特区、養父市の取組について、どのような企業が手を挙げていらっしゃるのか、どのような目的で手を挙げていらっしゃるのかについてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/144
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145・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) 委員お尋ねの国家戦略特区に関しましては、その目的は、産業の国際競争力の強化等の重要性に鑑みまして、特区において規制改革その他の施策を総合的かつ集中的に推進することを目的とした制度であります。
我が国におきましては、農業というのは国民生活の必要不可欠な食料を供給する機能を有するとともに、国土保全等の多面的機能を有しており、我が国の経済の中で重要な地位を占め、農産品の輸出戦略やその他国際競争力の強化も重要な課題として位置付けられております。
そのような中で、委員御指摘の兵庫県養父市では、中山間農業改革特区として、高齢化の進展、耕作放棄地の増大等の課題を抱える中山間地域において高齢者の積極的な活用をするとともに、民間事業者との連携による農業の構造改革を進めており、一定の成果を上げているものと承知しております。
中でも、法人の農地取得事業につきましては、本年二月に開催された国家戦略特区区域会議においても、養父市の広瀬市長さんの方から、特例活用法人について、地域コミュニティーの一員として農業、農村の活性化に大きく寄与し、限界集落が蘇生するという大きな効果も生み出していますといった発言があったところであります。
そのような事例を踏まえまして、関係者の了解の中で、引き続きしっかりした形で農業の振興、活性化に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/145
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146・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
様々なメリットがあったというようなことで現地の市長もおっしゃっているわけなんですけれども、内閣府が考える法人の農地取得のメリット、可能性について、もう一点お伺いしたく思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/146
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147・赤池誠章
○副大臣(赤池誠章君) リースと所有ということであります。
一般論としては、農地のリースについては、リース契約の解除や期間満了後の更新できないことにより、事業継続ができなくなる可能性などが考えられます。もちろん、規制の本旨であります農地の不適正利用は防がなければなりませんので、同時に、法人の合理的、実質的な経営判断の下で安定的、長期的な農業の経営環境を整備し、農業者が長期的な見通しの下で投資を行うことが可能とするためには、農地のリースに加えて農地の所有も選択肢の一つとすることが必要ということがこの国家戦略特区特例の背景の考え方ということであります。
具体的に、養父市の中でもそのような視点の中で評価をいただいているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/147
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148・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
長期的なというところが大変重要だと思っていまして、金子美登さんの農場に行きましたときに、土に対するこだわりが並々ならぬものを感じました。土というのは財産です。いずれ返さなくちゃいけないとなると、土も一生懸命一生懸命つくってつくって、農業にとって大変重要ですので、いずれ返さなくちゃいけないんだなというこの点を思うと、やっぱりリースを三年、五年行って信頼を積み上げたら取得ができるとか、そういった仕組みがあってもいいと思いますし、養父市のようにしっかりと自治体が責任を持つであるとか、ゾーニングであるとか、よこしまなものをどう排除していくかというのと、あと農業を甘く見た企業というのはやっぱり撤退の道を余儀なくされます。だから、個人の農家さんが企業の農業経営のコンサルティング業をするという時代もあっていいと思っているんですね。
私が目指すのは、優良企業評価の指針にこの農業経営というのが加わればいいなと思っています。自然と向き合うというのは本当に難しいことです。それを長年継続してやっている企業というのは信頼性に足るというふうにも思っていますし、なぜその企業という観点を持つかといったら、企業で働いている普通の、かつての私みたいな方々に、農業という、農業という選択肢を作付けするためですね。自分の会社が農業経営やっているというふうになったら触れるわけで、そこで会社で疲れたときに次のキャリアはという選択肢に入れてもらうということもできると思います。
最後のこの質問をして終わりたいと思うんですけれども、農林水産省は、実際に参入した、農地取得、参入した企業や養父市へのヒアリングはどれぐらい行われたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/148
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149・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 国家戦略特区法におきましては、国家戦略担当大臣あるいは関係地方公共団体の長で組織されます特区会議が区域計画を作成し、総理大臣が、内閣総理大臣が計画を認定することとされています。その進捗状況につきましては、国家戦略特区会議が地方公共団体から毎年一回の報告を受け、評価を行った上で総理に報告することとなっています。
このように、特区法の枠組みの中では、農林水産省が法人農地取得事業を活用している養父市や法人を対象にヒアリングを行う仕組みとはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/149
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150・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 時間になりましたので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/150
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151・梅村みずほ
○梅村みずほ君 では、農水省はヒアリングを行っていないということで確認をさせていただきました。
本日は質問以上となります。ありがとうございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/151
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152・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/152
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153・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
農業経営基盤強化促進法改正案についてお聞きします。
基盤法の目的は、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立するために育成すべき農業経営の目標を明らかにし、その目標を達成するための経営改善計画を作成した農業者が農用地の利用をしやすくするという法律です。
この基盤強化法の第四条、農業経営基盤強化促進事業を定義しているんですけども、今回、この定義が変わります。改正案では、農用地について利用権の設定若しくは移転又は所有権移転を促進する事業と書いてある前に、地域計画の達成に資するよう、農地中間管理事業及び第七条各号に掲げる事業を追加しているんですけれども、その理由について御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/153
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154・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
今後、高齢化、人口減少が加速して、それで地域の農地が適切に使われなくなることが懸念される中、農地が利用されやすくなるよう農地の集約化等に向けた取組を加速化することが重要でございます。
このため、改正後の基盤法でございますが、第四条第三号第一号の事業といたしまして、人・農地プランを地域計画として法定化し、地域の話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化し、それを実現すべく農地の集約化等を進めていくこととしております。
この場合、農地バンクを経由することによりまして、分散している農地をまとめて借り受けて、農家負担ゼロの基盤整備や、集積のための協力金などを活用して一団の農地で転貸することにより、農地の集約化等を円滑に実現することが可能になると考えております。
このため、今回の改正により基盤法第四条第三項第一号の事業として、地域計画の達成に資するよう、農用地についての利用権の設定等を促進するための手段として農地中間管理事業等を位置付けることとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/154
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155・紙智子
○紙智子君 確認をいたしますけれども、農業経営基盤強化促進事業は、効率的かつ安定的な農業経営者に対する事業であるので個人を対象にした事業なんですけれども、今回、地域計画の目標を達成するために農地中間管理事業を使えるようにするということですから、これ基盤強化促進事業というのは人を対象にした事業から地域を対象にした事業に変えるということになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/155
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156・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたとおり、基盤法の第四条第三号一号の事業として、プランを地域計画として法定化し、将来の農地利用の姿を明らかにした上で農地の集約化等を進めていくことにしています。
これにより、まず一点としては、引き続き農用地、失礼しました、効率的かつ安定的な農業経営を育成していく観点から担い手への農地の集積を加速する、これとともに、経営規模の大小にかかわらず、また家族か法人かの別を問わず、将来にわたり農地の、地域の農地を適切に維持、活用する方々により農用地の効率的かつ総合的な利用が図られるよう取組を推進していくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/156
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157・紙智子
○紙智子君 聞いたことに端的に答えていただきたいんですよね。ちょっといろいろ回りくどく言われると何言っているか分からなくなっちゃうんで、端的に答えていただきたいと思います。
それで、改正案は、農業経営基盤強化促進事業に農地中間管理事業を位置付けると、そのことによって、農地中間管理法の目的にありますように、農業経営の規模拡大、農用地の集団化、これを地域全体で進めることになるんだと思うんですね。
人・農地プラン、これ法律上の名称は地域計画という言い方を使っているわけですけれども、地域計画を達成するために農地中間管理事業を活用するということだというふうに理解します。
それで、改正案は、地域全体で農業経営の規模拡大、農用地の集団化を進めることになるわけですけれども、この生産者、そして担い手にも規模拡大を求める仕組みというのは変わっていないんですよね、今までと。
経営改善計画について聞くんですけれども、基盤強化促進法の第十二条のところで担い手に農業経営改善計画の作成を求めていますけれども、計画には何を書く必要がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/157
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158・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
農業経営改善計画におきましては、農業経営の現状、農業経営の規模の拡大、生産方式の合理化、経営管理の合理化、農業従事の態様の改善等の農業経営の改善に関する目標、これらの目標を達成するためとるべき措置などについて記載を行うこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/158
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159・紙智子
○紙智子君 つまり、担い手に対して、農業経営の規模の拡大、生産方式、経営管理の合理化のための目標であって、そのための具体策を書き込めるように求めているわけですよね。
それで、改正案では、担い手に規模拡大を求めるとともに、農畜産物の生産施設、農畜産物を原料、原材料とする製造、加工施設、農業用施設も記載することができるというのを追加したわけですよね。これなぜ追加したんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/159
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160・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
この農業経営改善計画に農業用施設の整備に関する事項を記載できることといたしましたのは、農業経営改善計画の認定と農地転用許可の審査をワンストップで行うためのものでございます。
この措置につきましては、公益社団法人日本農業法人協会からの政策提言等を踏まえまして、農業用施設を設置する際の手続負担を軽減し、認定農業者の経営改善を支援する観点から措置したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/160
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161・紙智子
○紙智子君 今お話にありましたように、手続の簡素化を求める要望が具体的には日本農業法人協会からあったと。その要望の内容について、簡潔に教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/161
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162・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
昨年四月の公益社団法人日本農業法人協会の提言におきましては、農業関係分野の規制緩和の推進といたしまして、生産コストを下げ、また経営を円滑に拡大していけるようにするため、農業用施設に関する建築規制などの各種規制を順次、抜本的に見直すことなどの提案がなされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/162
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163・紙智子
○紙智子君 つまり、農業者の負担を軽減するために申請手続をワンストップ化するというふうに言っているんですけれども、要望の今おっしゃった中身でいうと、各種規制を順次抜本的に見直すと、農業用施設は原則農地転用を許可ではなくて届出で設置可能というふうになっていますよね。だから、手続の簡素化というよりもこれ規制緩和なんじゃないのかなと思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/163
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164・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) 協会からの御要望はいろいろな点があったわけでございますけれども、今回のこの農業用施設の転用のワンストップ措置につきましては、認定農業者の認定と農地転用許可の審査を一体化するものでございまして、農地転用許可の基準自体を緩和するものではないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/164
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165・紙智子
○紙智子君 要望は、農業用施設は原則農地転用許可ではなく届出で設置可能というのがありますけれども、これは、じゃ、認めないということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/165
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166・牧元幸司
○政府参考人(牧元幸司君) その御要望に応える改正事項はないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/166
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167・紙智子
○紙智子君 それは認めないということになるということだと思います。
それで、届出というのは事後チェックになるんですよね。やっぱり事前チェックの仕組みというのは堅持すべきだと思うんです。
ただ、改正案は、経営規模を拡大する人にとっては、これ有り難いことだと思います。しかし、現状を維持したい生産者にとっては、これメリットには余りならないんじゃないかというふうに思います。
次に、農地法の改正についてお聞きするんですが、まず利用権の延長についてなんですね。
改正案は、農地バンクに対する遊休農地の貸付けに関わる裁定等における貸付期間の上限を二十年から四十年に延長するということなんですが、これはなぜ二十年だったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/167
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168・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
遊休農地に対する利用権の設定期間につきましては、委員御指摘のとおり、以前五年が上限であったところですが、遊休農地の解消には初期投資が必要で、その回収には五年では難しいことや、新規就農者が十分に元を取れるようにするために一定の期間の借入れを可能とする必要があることを踏まえ、平成三十年に上限の設定期間を五年から二十年に延長したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/168
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169・紙智子
○紙智子君 じゃ、利用権を二十年から四十年にするという根拠についてはどういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/169
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170・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 今回の法案におきましては、遊休農地の利用権の設定期間の上限を二十年から四十年に変更しております。
その考え方といたしましては、近年、二十年以上の利用権設定ニーズが増加をしており、平成二十七年から令和元年において、利用権設定件数のうち、二十年以上四十年未満が約三倍に増加をしております。また、二十年以上の利用権設定のうち、二十年以上四十年未満の割合は九割超を占めているところでございます。
このような状況を踏まえまして今回上限を四十年に引き上げておりまして、これによりまして、長期にわたってバンクから受け手に対して転貸できるようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/170
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171・紙智子
○紙智子君 今のお話だと、実態がそうなっているからだということなのかなというふうにお聞きしたんですけど、この基盤強化促進法は、担い手への農地の集積を利用権の移転という形で進めてきたと思うんですね。利用権の移転を一層進めるために、この農地中間管理事業が活用されているわけですよね。
しかし、元々は、さっきお話もあったけど、元々の期間は五年だったわけです。それを二〇一八年の改正で二十年にしたと。で、今回四十年だと。ニーズがあるからだということではなくて、なぜ当初五年にしたのか、それから、その根拠は何だったのか、その根拠をなぜ四十年まで認めるのかということについては、これちゃんと説明が必要なんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/171
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172・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 五年から二十年、そして二十年から四十年に引き上げる考え方につきましては先ほど申し上げました。
まず、なぜ五年からスタートしたかというところですけれども、この遊休農地につきまして、先ほど委員から御指摘ありましたけれども、まずはこれ、都道府県の裁定で設定される権限ということから五年でスタートしたと思います。五年のそういう制度がある中で、先ほども申し上げたような事情を勘案して国会で御了解をいただいて引き上げてきたものと考えています。そして、今回は、先ほど申し上げた考え方に基づいて四十年に上げさせていただければということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/172
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173・紙智子
○紙智子君 今回延ばしたのはどういう、もうちょっと詳しく、ちゃんと正式に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/173
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174・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
先ほどは、実態として二十年以上の利用権設定ニーズが急増していると、増加をしているという状況を踏まえて引上げをさせていただきたいと申し上げました。これ、四十年に農地バンクへの権利設定期間を引き上げるということは、農地バンクが借りた後、その後、農業者、受け手の方にそれを転貸することになるので、四十年借りられるということは、四十年まで貸付けを受け手の方にすることができるというふうになります。
これによりまして、受け手の方としては、長期間安定して営農することが可能になるということになります。例えば、鉄骨ハウスの設置などの高額な設備投資を行ったり、基盤整備に対する投資を行ったり、あるいは植栽を伴う果樹の栽培などについて安心してより取り組むことができるようなメリットがあると考えております。
当然でございますけど、四十年というのはあくまで上限でございますので、具体的な設定期間については農地バンクが受け手と協議の上に個別に設定されることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/174
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175・紙智子
○紙智子君 まあ五年の設定のときは都道府県がそういう実情に合わせてということで出発したという話もあったんですけど、この利用権の貸付期間が二十年が上限だったのが四十年に延長するということは、ちょっと考えてみると、一世代だなと。
例えば、三十代で借りる、利用権を得た場合は、四十年たったらもう七十代になるわけですよね。だから、もうほとんどそういう、一世代でそういうことが可能になるということになるんじゃないかと思うんですけど、それでいいですかね。そういうことですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/175
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176・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 四十年を一世代というふうに定義するかというのは判断あるかと思いますけれども、より、二十年を四十年にすることで、これを活用して営農を安定して受けることが可能な制度になるというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/176
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177・紙智子
○紙智子君 利用権の移転を活用することでこれ農地の流動化を進めてきたということで農地バンクなんだと思うんですね。
それで、二〇一三年の五月二十八日に、国家戦略特区ワーキンググループで、当時の奥原正明農林水産省の経営局長は、安倍当時の総理のプレゼン資料を使って、地域内農地の相当部分の利用権を農地バンクが持って、所有権ではないが、準公有状態を作り出すと。その上で、今の圃場の区画が非常に小さなものが多く、三十アール辺りの区画が結構多いのだが、それを三つ並べてあぜを取れば一ヘクタールの大きな区画になる、そういった大区画化のような整備を、所有者の負担は求めずに、個々の中間管理機構が所有者の負担を肩代わりする形で事業をやって、生産性の高い圃場に変えていく。そういった農地を担い手の法人経営とか企業経営とか、担い手ごとの農地の集約化に配慮して貸付けをするということだという発言を当時されています。
つまり、法人経営とか企業経営にとって、これ、利用権を使って農地の大区画化をすることは大きなメリットにつながるということではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/177
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178・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
当時の発言、手元にないので正確に承知をしておりませんけれども、それはあぜを取って大規模化してという発想の話を多分されたんだと思います、したんだと思いますけれども、今回の話も大規模化を否定しているわけでもございません。
そして、農地の利用集積は八割を目標にしてこれを実現していこうと、それでやっていこうということなんですが、一方、今回、何回も御説明申し上げておりますけれども、単に規模を拡大しましょう、利用集積をしましょうというだけではなくて、このままでは無秩序に散発的に出物が出てくるというか、そういう状況の中で、規模拡大したい人、集積したい人も受けられない状態にあるし、そうじゃない方も、農地をじゃ面倒見てくれといっても、なかなか、そんな大規模じゃなくても受けにくいような状況が出てきてしまう。そうであるならば、できるだけ、畦畔を除去するというよりは、その利用調整なども中心にしながら農地バンクが一旦預かって、それを目標地図に従って実現できるように貸付けを、再貸付けをする、転貸をするという形でできるだけ使いやすい形にしていこうと。それが結果的に規模拡大になるときもあれば、とにかく耕作放棄にならないで引き継がれる形にもなると、そういう発想でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/178
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179・紙智子
○紙智子君 私も、やりにくいところをちゃんと固めてやりやすくしていくというのは全然反対じゃないですよ。やっぱり農地を農地としてあくまでも利用していくと、使っていけるように整備をすることについては全く反対はないんだけれども、ただ、このときの、見ていきますと、安倍元総理のプレゼン資料では農地の集約イメージも書かれているんですけれども、中小・家族経営の農地の利用権を農業法人や大規模農家経営の家族経営、企業に移転することで地図上からは小規模家族経営が消える形を想定されているんですよ。やっぱり法人経営とか企業経営にとっては大きなメリットになるかもしれないけれども、この農地の賃貸借、これは農地法の三条に定めているわけですけど、この利用権を二十年から四十年に延長していくということによって、この農地法を事実上、空洞化させるものにならないのかというふうに思うんですけれど、これについてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/179
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180・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
農地法における貸借の話と、それは民法の規定に従って五十年まで通常の形ではできるわけです。それは、中間管理機構も、当然民法の規定で、五十年以内の範囲で個別に貸借期間というのは設定して行うという世界です。
今回のお話は、委員がおっしゃったように、都道府県、遊休農地について都道府県知事が裁定をして、その結果設定される期間の上限ということなので、農地の集約化をしましょう、集積をしましょう、それで今回はそれらを含めて地域の農地を効率的、総合的に使われるようにしていきましょうというときには、基本的な普通の貸借に、バンクを絡めてですね、それについては民法の五十年以内の中で個別具体的な当事者同士の相談の下に貸借期間が設定されてくるものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/180
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181・紙智子
○紙智子君 何か、やっぱりどうも、やっぱり農地法というものが元々あって、それがだんだんだんだん骨抜きになっていくような雰囲気があるなというのはちょっと感じて、結局、だから、本来やっぱり農地云々ということがあるけれども、そもそも農業を続けられるそういう条件、環境が今すごく厳しいわけじゃないですか、作っても米は下がるわね。農業経営そのものをどうやってやるかとみんなが悩んでいるときに、そこの一番大事なところがちゃんと手打たれないまんま農地だけどうこうしても、これ始まらないんじゃないかというのもちょっと思いとしてはあって、だからやっぱり農地法そのものをちゃんと原点に立ち返って考える必要があるんじゃないのかなと。
農地バンクを活用してこの利用権四十年に延長するというのは、当時、元の安倍総理が説明していたように、小規模家族経営を農業生産から撤退をさせて大規模経営や企業経営が活用しやすい仕組みになるんじゃないのかというふうに率直に思うわけなんです。
それで、農地の取得に係る、次に行くんですけど、もう一つ、下限面積ですね、これを撤廃することが今回なっているんですけど、その理由についても説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/181
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182・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 現在の、現行の農地法におきましては、農地取得のための下限面積について、都府県において五十アール、北海道で二ヘクタールと定められております。この要件につきましては、農業委員会の判断で現行の農地法に基づいてその面積を引き下げることが可能となっています。既に全国の約七割に当たる千二百四十八市町村において下限面積が引き下げられています。
また、新規就農者の方の部門別の参入の状況を見ますと、一般的に小規模でも高い収益を上げることが可能な野菜、果樹、こういったものが全体の約七割を占めていますが、これらの部門の新規就農者の参入時の経営面積は約五割超が五十アール未満となっているところでございます。
これらの状況を踏まえまして、農業者の高齢化などが加速化、今後していく中で、農業への新規参入者の増加などによって農地が適切に利用されるよう、今回廃止を法案に盛り込んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/182
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183・紙智子
○紙智子君 これも、だから下限面積をつくったのは、なぜつくったのかという理由をちょっと教えてほしいんですけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/183
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184・光吉一
○政府参考人(光吉一君) これは、農地について、やはり一定の収入を得て経営としてやっていくためには経営として成り立つようにそれなりの経営規模が必要だということで、意味がある規定だと考えられていたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/184
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185・紙智子
○紙智子君 まあ、本当にやろうと思ったらそれなりの面積が必要だということで下限をつくったんだと思うんですけど、それで農地を効率的に使って農業生産を増大させるためには最低限の農地が必要だから下限面積があったんじゃないかと思うんですよね。地域の実情に応じて既に引き下げているというんですけれども、これ、農業をしやすくするために引き下げているのであって、撤廃を求めているわけではないと思うんですよ。
下限面積を撤廃しても投機的な農地の取得にならないかという心配も出ているわけですけど、それはそういう心配はないというふうに言えるんでしょうか。これ、大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/185
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186・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 農地の権利取得に当たりましては、改正後においても、下限面積要件以外の、農地の全てを効率的に利用して耕作を行うこと、必要な農作業に常時従事すること、周辺の農地利用に支障はないことといった、農地法で定める要件を引き続き満たす必要があることから、投機的な農地取得はできないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/186
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187・紙智子
○紙智子君 撤廃を求めているわけじゃないと思うんですね、現地は。それで、今、そういう取得、投機的なことの心配はないというふうにお答えになっているんですけど、現地はやっぱり求めているわけではない、そこまでは求めていない、まあ引下げはあるかもしれないけれどもね、ということだと思うんです。
それで、安倍政権以降、攻めの農政、あるいは農業の成長産業化というのがずっと進められてきたんですけれども、日本の生産基盤というのは、じゃ、どうなったかと、強化されたのかというと、強化されるどころか、農地も基幹的従事者も減少してきたわけですよね。地域のコミュニティーの崩壊も進んでいると。農業の規制緩和や規模拡大が私は限界値を超えてきているんじゃないかというふうに思うわけなんですよ。
それなのに、引き続いてこの基盤法を改正をして規制緩和を進め、規模の拡大路線を続けるのかという思いが非常にふつふつとしてくるんですけれども、この点、大臣、最後にまたお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/187
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188・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 地域の農業が持続的に発展していくためには、継続的な発展が期待される効率的かつ安定的な農業経営を、担い手として育成、確保していき、これらの者への農地の利用集積を進めていくことが重要であります。一方で、今後、高齢化、人口減少が本格化し、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中、農地が利用されるよう、地域の農業を担う人材を幅広く確保、育成することは近々の課題となっています。
このため、今回、基盤法等の改正法案におきましては、地域計画における目標地図について、目指すべき将来の農地利用の姿として、農業を担う人ごとに利用する農用地等を定め、農地の集約化を進めることとしております。これにより、引き続き担い手への農地の集積を加速するとともに、経営規模の大小にかかわらず、また家族か法人かの別を問わず、将来にわたり地域の農地を適切に維持、活用する方々により農用地の効率的かつ総合的な利用が図られるよう取組を推進していくことといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/188
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189・紙智子
○紙智子君 余りちょっとかみ合っていないんですけれども、やっぱり私は、いや、担い手に政策集中しよう、集中しようと来てこれまでいるんだけど、その路線は成功していないんじゃないかというように思うんです。やっぱり中小・家族経営を含めた多様な農業が大事だと。議論すると、いや、多様な農業だよねって、大事だよねってなるのに、実際上の進む方向としてはやっぱり規模拡大化ということをいつまでも続けても、やっぱり駄目なんじゃないかと思うんですよ。
ですから、本当に多様な担い手を育てていくとか、地域においても経営においても、小規模も含めてきちんと応援していくような方向に切り替えるべきじゃないかということを最後に述べまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/189
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190・須藤元気
○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。
〔委員長退席、理事藤木眞也君着席〕
おととい、本法案に関する視察をしに、埼玉県東松山市と小川町に行ってきました。実は議員になって初めて理事の方とオフィシャルで視察をしたんですが、党派を超えてこの問題に取り組むことのすばらしさを学び、そして大人の遠足みたくて、とても楽しかったです。もちろん仕事ではあるんですが、大の大人がみんなでバスに乗って、お昼休みは廃校の学校の音楽室でランチをしました。給食のプレートに何か動物性のもの一切入っていないオーガニックの野菜のランチだったんですが、とてもおいしかったです。
あと、やはり食事する際、先生方や同行された農水省の方の顔が見れたのがうれしかったですね。僕、農水委員になってからずっとマスクだったので、皆さんの顔がどういう顔なのか、もう想像上でしかなかったんですよ。皆さんもないですかね、この人マスク外したらどういう顔しているんだろうという。実際外したら本当みんな美男美女で、本当に良かったです。
コミュニケーションをする上で、この表情が見えるということはとても大切で、言うまでもありませんが、ちょうど昨日、松野官房長官が、距離、屋外で距離があればマスクを外しても大丈夫だと発言されました。特に子供たちは比較考量してもマスクを外すべきだと私はずっと思っていたので、政府がそうやって示していただき、大変うれしく思っております。早く委員会でもマスクなしでできる日を待っております。
さて、質問に入らさせていただきますが、令和二年に閣議決定された食料・農業・農村基本計画に基づき、我が国の農業が成長産業として持続的に発展するためには、効率的かつ安定的な農業経営が求められているとされています。今回、この効率的かつ安定的なという農業経営の要素のうち、効率的という言葉についていま一度しっかりと検討する必要があると思います。
今回の基本計画では、経営規模、経営形態にかかわらず、担い手の育成、確保を進める方向性を示したものの、これまで政府は、農業経営の大規模化、担い手への農地の集積、集約化等を推進してきました。そして、この農地の集積、集約化にてこ入れをしてばらばらな状態を解消しようとしております。つまり、経営の大規模化を進め、生産性の向上につなげ、農地が利用されやすくするために分散錯圃の解消こそが大事だと考えていると思います。
あえて一つだけ言わせてもらいますと、この効率化イコール集約化に若干こだわり過ぎているようにも感じます。効率化にもいろいろなアプローチがあると思いますが、今回の改正案では、集積化以外のアイデアが余り見えてきません。そのことについて、農水省の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/190
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191・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
今後、高齢化、人口減少が本格化していって農地が使われなくなることが懸念される中で、それぞれの地域において農地を利用しやすくしていくことは待ったなしの課題と考えています。
今回の基盤法等の改正法案におきましては、将来の農地利用の姿などを明確化した地域計画を定めまして、農地の集約化等を進めていくこととしています。農地の集約化につきましては、農地が分散している状況というのを改善して、作業をしやすくして手間や時間、生産コストなどを減らすことができるようにするものでございます。このことは、受け手の規模の大小にかかわらず、農地を利用しやすくするものでございます。また、有機農業に取り組む農地を集約化することにより、隣接する圃場からの農薬の飛散を防止できるなどのメリットもございまして、農業者が有機農業に取り組みやすくなることも期待されると考えています。
このような集約化などを進めまして、地域における農地の適切な利用を確保してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/191
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192・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
私のやっていた格闘技でこの集約化とかいろいろ考えると何かなと思うと、逆に何かいろんな技を覚えたり、打、投、極という、投げ技、打撃技、関節技と、いろんなことをやはり学んで、それをやはり集約化していくものだと思うんですよね。
我が国においてなぜこの分散錯圃が生じたか。それは、歴史的背景を見ると、リスク分散の発想があると言われております。ある特定の場所に集中した農地を耕作していたとして、そこが台風や洪水、その他の天災、病虫害、環境汚染等があった場合に、農家の方が全てを失ってしまうということを避けるため、あえて農地を点在化させ、幾つかの農地を分散してきました。
〔理事藤木眞也君退席、委員長着席〕
分散錯圃の解消という、聞こえはいいんですけれども、何かリスク分散ができなくなったりしないんでしょうか。リスク分散といえば投資ですが、株、金、外貨預金、不動産投資など、いろいろとあります。皆さん、やられている方いらっしゃるか分かりませんが、その全部、自分の何か持ち金全部を何かビットコインにつぎ込むというような人っていないと思うんですよね。
もちろん、この投資のリスク分散と違うことは理解しております。機械化の進展や病害虫の防除対策など、農業技術が大きく改良されている現状で、以前と変わらずに、零細で、分散錯圃の状況のままでいいとは思っておりません。しかし、農地の集積、集約化を推進するのであるならば、農業従事者の方々の不安を払拭させるだけの理由と、安心して農業を続けていけるような担保、基盤をしっかりとつくることが大前提だと思います。
今回の法改正案では、農地バンクの事業の対象が広がり、これまでの中心であったリースに加え、経営受委託や農作業受委託が加わり、より一層農地の利用権の集積、集約化が促進されようとしておりますが、現在の所有者や耕作者の意思が現場で尊重されることが望まれます。
そこで、お尋ねします。効率化の名の下に、農業従事者の守るべき権利、守られるべき自由が本当に侵害されることはないのか、今回の法改正が本当に農業従事者、ひいては国民全体に必要不可欠なものなのか、改めてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/192
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193・中村裕之
○副大臣(中村裕之君) お答え申し上げます。
農業に限らず、経営者が様々なリスクに備えておくというのは非常に重要なことだというふうに思います。しかし、現在農業現場で生じている分散錯圃の状況というのは、自然災害等に対するリスク分散の観点から戦略的に行った結果というわけではなくて、むしろ、地域において農業者がリタイアをして、受け手が必要となった農地が散発的に無秩序に出てくる中で、残る農業者がそれらを引き受けていく過程で、その結果こういうふうに、分散錯圃の状況になっているというふうに考えています。
我が国においては、高齢化、人口減少が本格化し、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中で、農地が利用されやすくなるよう農地の集約化等に向けた取組を加速することが重要であります。
このため、基盤法等の改正法案では、地域の話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化し、それを実現すべく、地域内外から受け手を幅広く確保しつつ、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めていくこととしておりますが、この取組は強制的に利用権の設定や耕作地の変更を求めるものではございません。地域の関係者が将来の農業の在り方及び農地利用の姿について徹底して話し合い、その結果を踏まえて農地の集約化等を進めることによりまして、地域の農地利用の確保や農業経営の改善が図られ、地域全体の発展に寄与するものと考えております。
なお、リスクヘッジにつきましては、収入保険等の様々な施策もありますので、そうしたものの活用も進めていきたいというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/193
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194・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
是非、この集約化で、物事何でも両義性があるので、デメリットの部分もあるので、そこら辺しっかりとリスクヘッジしていただければと思います。
さて、本法案においては、地域の農家さんたちの話合いを踏まえ、市町村が地域計画を定めることとなっています。地域計画の中に目標地図を作成することとされており、この目標地図は十年後に目指すべき姿だとされています。
みどりの食料システム戦略で、有機農業の取組面積の拡大を目指すとされている中、地域計画、目標地図の作成に向けた地域の話合いにおいても、その取組の拡大が意識されることが期待されます。また、有機農業の取組面積の割合を二五%に拡大する目標を達成するため、政府としても有機農業の取組の検討を後押ししていくことが求められると考えます。
やはり、農薬を使う使わないで、この有機農業のエリア、慣行農業のエリアとでは一定の距離が離れていけないこともあるので、個人的に取り組むには限界があると思います。
先日、オーガニックワイン造られている武蔵ワイナリーさん、視察しましたが、農薬を使わないことで、隣から何か虫が来るとか何か言われたりとか、御近所付き合いのリスクがあるとこの醸造家の福島さんがおっしゃっておりました。そこで、最終的に行き着いた場所が有機を地域で全体的で取り組んでいる埼玉県小川町だったそうです。
そこで、目標地図に有機農業を盛り込むことの義務化、義務化ですかね、さらには有機農地面積の割合を数値目標化するのはいかがでしょうか。
さらに、みどり戦略において制度化された有機農業を促進するための栽培管理協定は、これらも踏まえて制度化されたものと理解しております。
地域計画、目標地図の作成に向けた地域の話合いをきっかけに、有機農業を地域として推進を図る場合の国による地方自治体のバックアップの在り方はどうなっているのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/194
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195・下野六太
○大臣政務官(下野六太君) お答えいたします。
今回、基盤法等の改正法案では、農業者や関係機関等による協議の場において、地域の農業の将来の在り方についてしっかり話合いをしていただいて、その結果を踏まえ、地域計画で将来の農地利用の姿を明確化して、農地の集約化等を進めていくこととしております。
地域として有機農業を推進していく上で、有機農業に取り組む農地を集約化することにより、隣接する圃場からの農薬の飛散を防止できる等のメリットがあり、産地として有機農業に取り組みやすくなることが期待されます。
このため、有機農業の義務付け等の御指摘をいただきましたけれども、まず、地域の協議の場において、農業の将来の在り方を話し合う中で、有機農業の取組について協議し、その結果を踏まえ、目標地図の作成に当たって有機農業を行う農地の団地化を位置付け、それを実現すべく、農地バンクを活用して農地の集約化等を促進することで有機農業の産地形成を進めていただくことが重要であると考えております。
なお、地域計画の策定に当たりましては、国としても、地域での話合いを円滑に進めるための専門人材によるサポートなどを行うほか、協議の進め方や地域計画の策定方法をマニュアルにしてお示しするとともに、各地方農政局におけるサポート窓口の設置や優良事例の紹介など、市町村が有機農業に取り組もうとする地域についても地域計画を円滑に策定できるよう強力に後押ししていく考えであります。
また、市町村が有機農業を地域として推進する場合には、地域ぐるみで行う生産から消費まで一貫した取組により有機農業を拡大することをみどりの食料システム戦略推進交付金により支援するとともに、セミナー等を通じ、有機農地の団地化に向けた取組など、全国の事例の共有を行い、地域の取組が推進するようしっかりと支援をしていく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/195
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196・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
義務化、まあ難しいのは分かるんですけれども、やはりみどり戦略を実際にこの目標数値達成するにはやっぱり一歩踏み込んでいかなきゃいけないと思いますので、そちらの方も考えていただければと思います。
ちなみに、僕らが行った武蔵ワイナリーさん、帰りに田名部先生からブドウジュースいただきまして、あれバスの中で飲んだんですが、物すごくおいしかったですね。すごく甘かったんですよ。何が入っているのかと思ったら、補糖、砂糖を入れているのかと思ったら、入っていなくて、小公子というブドウなんですけれども、とてもおいしかったので、何か本当に砂糖を入れないでこんな甘さが出るんだなと驚きました。
一口に有機農業と言っても、農業者にとって様々な考えがあります。また、気候、風土、地域によって求められる技術や資材も異なってくると聞きます。これまでは、みどり食料システム法案の審議の際に参考人としてお招きした北海道当麻町の瀬川さんや、おととい、委員会の視察で伺った埼玉県小川町の霜里農場の金子さんのような個々の農業者の門戸をたたいて研修を受け、有機農業の基本や栽培技術が伝承されてきたことと思います。
その金子さん、有機農業界のレジェンドだと存じ上げていたんですが、本人にお会いできて感動いたしました。やはり、達人って何かオーラがあるんですよね。何か、立ち姿とかその表情がグレイシー柔術創設者のエリオ・グレイシーにそっくりでして、僕の心の中でもうグレイシー金子さんと呼んでいたんですが。
そんな金子さんから農場を案内していただいたんですが、天ぷら油で動かしているというトラクターを見せていただきました。何か、排ガスのにおいが違うよといって金子さんがエンジンを掛けると、確かにほのかに何か天ぷらのにおいがするんですよね。この廃食用油をろ過したら軽油の代わりになるそうです。金子さんは菜の花プランと命名しており、菜の花から油を取り、それを天ぷら油として使い、使い終わったらそれをトラクターや車の燃料にするという循環農法の一つとして実施されていました。これは何か、僕、知らなかったんですけど、いいなと思って、僕だったら、もし農場やったら、隣にちょっと天ぷら屋つくるなというふうに考えたりとかもしていたんですが。
そこで質問ですが、この金子さんの菜の花プランのような菜の花を使った循環農法などの研究、取組はなさっているのでしょうか。また、より大きな視点でのバイオマス燃料と農業の関わりについて、現在の取組や将来の考えがあればお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/196
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197・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
バイオマス資源の循環利用は、脱炭素、環境の負荷の少ない社会の実現に向け重要な取組であることから、バイオマスを軸とした町、村づくりを目指すバイオマス産業都市を関係七府省が共同で選定する取組を行っており、現在、九十七市町村を支援しているところでございます。
議員御指摘の菜の花を原料とした廃食用油の活用につきましては、平成二十五年にバイオマス産業都市に選定された茨城県の牛久市におきまして、遊休農地で菜の花を栽培し、油を給食で活用した後に、その廃食用油を公用車等にバイオディーゼル燃料として導入するなどの取組が行われていると承知しております。
牛久市の例というのは一例でありますけれども、このようなバイオマスの活用を図るバイオマス産業都市構想の取組が全国各地に広がることは、持続可能な農林水産業や環境に優しい町、村づくりの実現に向けて重要なことと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/197
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198・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
是非、この循環型、本当に感動したので、これは是非やっていくべきだなと思うので、是非、横展開していただければなと思います。
実は、金子さんが農場を説明してくれているときにちょっと事件が起きまして、金子さんが農場にあるトイレを説明してくれたんです、あのバイオマスのですか。
で、そのトイレは微生物が汚物を分解してくれるということで、三層に分かれていました。徐々にきれいになっていくというこのマンホールを開いて中を見せてくれるんですが、だんだんだんだん一応きれいになっているなとは思っていたんですが、金子さん、こう言ったんです、これ最後になると飲めるよというふうに言いまして、さすがは達人、冗談きついなと思って。
そうしたら、本当にコップを取り出して、奥のタンクからすくったんです。このとき、私、やばいと思いました。私、体育会系出身なんですが、こういうときは一番下っ端の若手が、おい、須藤、飲んでみろと先輩議員に言われるなと思って、ちょっと目を伏せていたんですが、そんなところを、与党の理事の先生方が、どれどれと言いながらその水を飲まれたんですね。そして、視察を仕切っていた長谷川委員長も、しようがないなと言って飲んだんです。私は自民党の強さの秘密をそのとき知りました。いや、さすがに私は飲めませんでした。で、帰り際に農場で働いている方に、あの水飲んだよと先生方が言われたときに、スタッフの方が、えっ、あれ飲んだんですか、私たち飲んだことないと言って、みんな無言になったのを覚えております。本日、誰も欠席されないということで、取りあえず無事で良かったです。
さて、質問に戻りますが、半農半Xとの関わりについてお尋ねします。
今回の改正により農地等の権利取得に当たって下限面積の要件が廃止となりましたが、これにより個人の農業参入のハードルが下がり、農地利用希望者は増えるのではないかと思います。昨今、家庭菜園や週末だけ畑づくりをやる人などが増えてきていると聞いています。半農半Xという、農業生産活動に取り組みつつ農業以外の仕事をするといった農業の新たな関わり方が今後より進むように思います。
戦後史の写真の中で、昭和二十一年頃ですかね、国会議事堂の前が畑になって、人が何か麦を栽培している写真を見たことがあります。当時は、米の配給だけでは足りず、市民が自ら空き地を見付けて、そこで農作物を作っていたそうです。食糧難という理由ですけれども、国民が農業と近い距離にあるというのは大切なことだと思います。
そこでお尋ねしますが、この下限面積要件の廃止によりどういった効果が期待されるのか、具体的にお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/198
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199・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 現行の農地法におきましては、下限面積要件について、都府県で五十アール、北海道で二ヘクタールと定められております。これにつきましては農業委員会の判断により引き下げることが可能で、全国の七割の市町村において引下げが行われております。
新規就農者の方々の部門別の参入数を見ますと、一般的に小規模でも収益を上げることが可能な果樹ですとかあるいは野菜ですとか、こういったものが全体の約七割を占めております。それで、これらの部門の方々の参入時の経営面積は約五割超が五十アール未満となっているところでございます。
こうしたことを考えまして、今後高齢化などが加速化していく中で、新規参入の方の増加等を図って農地が適切に利用されるよう下限面積を廃止することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/199
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200・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。いろんな方が、この農業に触れていく方が多くなっていけばいいなと思っております。
さて、本法案においては、従来から育成することを目標としている効率的かつ安定的な農業経営に加えて、新たに農業を担う者の確保及び育成が基本方針及び基本構想に位置付けられることとなっております。
農業を担う者に対して国がサポートをしていく理念は非常に良いことだと思いますが、この担う者の範囲、ターゲット、該当する者の要件はあるんでしょうか。農地を借りて農業に参入している一般企業も基盤法に位置付けられる担う者に当てはまり、確保、育成の対象となるのか、お聞きします。
と申しますのは、懸念しているのは、この担う者として、最初は若者、個人を対象にして進めたものの、やっぱり応募者がいないということで個人から法人に広げ、さらには法人の中身も曖昧なまま担い手になるという、このなし崩し的になることが心配です。その辺りの方針についてどのようにお考えなのでしょうか。農水省の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/200
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201・光吉一
○政府参考人(光吉一君) 今後、高齢化、人口減少が本格化する中で、地域の農業を担う人材、これを幅広く確保、育成することが重要でございます。そして、それで、委員の御指摘のとおり、都道府県の基本方針などで農業を担う者の確保、育成に関する事項を定めることとしております。
この農業を担う者には、いわゆる効率的かつ安定的な農業経営といった担い手を含めまして、それだけに限らず、多様な経営体とを合わせた農業経営を営んでいる者全体でございます。それとあと、雇用されて農業従事している者、新たに農業を始めようとする者、あるいは農協など農作業の受託サービスを提供する者など、農産物の生産活動などに直接関わっている者が幅広く該当するものと考えております。
経営規模の大小にかかわらず、法人か家族かの別にかかわらず、地域農業を支える人を、者を幅広く確保、育成していく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/201
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202・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
この中身が曖昧なまま担い手になるようなことにならないような、なし崩しにならないようにしていただきたいと思います。
さて、借受けを希望する方をどうやって把握し、マッチングさせていくかという点についてお尋ねします。
農業参入をしたいという希望者とのマッチングにおいて、担い手となる希望者の情報を地域に限定せずに全国的に一元化して管理できるシステムが必要だと考えます。タブレットに入力してこれらの情報をデータベース化するという案もあるようですが、タブレットの活用といっても、先ほどもほかの先生方も言われていましたが、デジタル化が苦手とされている方多いと思います。こういった取組がなかなか前進しないのではないかと心配しております。
会計検査院の調査では、eMAFF農地ナビを四年も五年も全く更新していない農業委員会が全体の三割にも上るという指摘があります。もしも、結婚相手探しのマッチングサイトに登録してさあいい子を探そうといったときに、登録者がみんな四年前、五年前だとしたら、まあそこのサイトを利用しないと思います。また、タブレットを活用してとありますが、ほかの議員も言われていますけど、さすがにガラケーだけを持っている方は大分少なくはなってきましたが、iPadとか使えそうもない高齢者にスマホは便利だよとか渡しても全然使ってもらえず、やっぱりこれでいいとガラケーを使い続けるのと同じような感じがします。うちの母親が実際そうです。
そこでお尋ねしますが、地域の内外から就農を希望する者、規模拡大を図ろうとする農業経営体、農業参入を図る企業、半農半Xに取り組もうとする者等について、現在はどのように情報収集、整理がなされているのか、また将来はどのように活用しやすいシステムを構築していく方針か、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/202
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203・光吉一
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
これまで、農地の利用希望者につきましては、農業委員会が農業者からの個別相談に対応したり、あるいは農地バンクが法律に基づいて公募を行ったり、法律に基づく青年農業者等育成センターが就農希望者からの相談を受け付けるといった形で、各機関が個別に対応してきたところでございます。
今後、目標地図の円滑な作成や農地の適切な利用を進めていくためには、委員御指摘のとおり、農地の利用希望者について一元的に情報を共有していくということが重要と考えています。
具体的には、農業委員会の推進委員等が農地の出し手、受け手の意向などをタブレットに入力してデータベース化を進め、農地の受け手を幅広く探せるようにしたり、そして、この際には、現場においてできるだけやりやすい形で入力ができるような工夫をしたり、都道府県農業会議が農業委員会を指導するようにしたり、そういう取組で円滑な入力などができるようにしていきたいと考えています。そのほか、地域の就農支援などに関する情報を併せてデータベース化をして、就農希望者への情報提供、就農相談や、就農候補となる市町村との情報などを関係機関が情報をデータベースを活用して連携を取って取り組むことができるようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/203
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204・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
今日は基盤強化法改正案について質問させていただきました。次回は農村、漁村の活性化に関する改正案について質問をさせていただきます。
以上になります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/204
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205・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後二時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01320220512/205
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