1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和四年五月十七日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月十三日
辞任 補欠選任
山下 雄平君 小野田紀美君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 長谷川 岳君
理 事
酒井 庸行君
藤木 眞也君
山田 俊男君
田名部匡代君
紙 智子君
委 員
小野田紀美君
佐藤 啓君
進藤金日子君
野上浩太郎君
野村 哲郎君
宮崎 雅夫君
小沼 巧君
郡司 彰君
横沢 高徳君
熊野 正士君
下野 六太君
谷合 正明君
舟山 康江君
梅村みずほ君
須藤 元気君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
参考人
阿賀野市農業委
員会会長職務代
理 笠原 尚美君
全国農業会議所
事務局長 稲垣 照哉君
浜松市農業委員
会委員 森島 倫生君
─────────────
本日の会議に付した案件
○農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交
流の促進に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/0
-
001・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/1
-
002・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案及び農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、阿賀野市農業委員会会長職務代理笠原尚美君、全国農業会議所事務局長稲垣照哉君及び浜松市農業委員会委員森島倫生君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、笠原参考人、稲垣参考人、森島参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず笠原参考人からお願いいたします。笠原参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/2
-
003・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) ありがとうございます。笠原尚美と申します。ただいま御紹介いただきましたように、新潟県阿賀野市農業委員会会長職務代理を務めております。
本日は、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案と農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案に関する参考人質疑の場にお呼びいただき、誠にありがとうございます。このような場でお役に立てることは大変光栄なことでございますが、大変緊張もしております。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、市町村合併の平成十四年七月から二十年間農業委員を務めております。委員を拝命したのは、一番下の息子が一歳になるかならないかのときでした。家族の理解もあり、委員活動の際には子供の世話の必要はありませんでしたが、一度だけ家族の都合が付かず欠席の連絡をしたところ、合併前の旧京ケ瀬村村長から、預かり保育ができるように手配するので気にせずに職務に就いてください、あなたの仕事は公職なのですと言っていただいたことが私の農業委員としての原動力の一つとなっております。
農業委員を拝命した当初は農地の権利移動は多くなかったのですが、七年ほど前から私が担当する地域でもあっせんの申出が年々増加し、現在は、人・農地プランの実質化も相まって、まさに農地を動かしていると日々実感しております。
お手元にお配りしております資料は、全国農業新聞に隔月掲載されているもので、私の日々の農地あっせん活動を構成、作画されたものです。農地あっせんの際、どんなふうに農業者と向き合い、思いを受け止めて農地を動かしているかを知っていただきたく、今回の資料とさせていただきました。御覧いただければ幸いです。
私自身が農地のあっせんで権利移動した面積は二百ヘクタールを超えたと思います。昨年度一年間だけでも、隣接市町村を越えて行ったあっせんも含めると十五ヘクタールほどとなっており、近年どれだけ農地が動いているかを御想像いただけるのではないかと思っております。
こうした長年の農業委員会活動の中で行ってきた現場での活動や、各種の農業施策に取り組んできた現場経験を踏まえ、私の考えを申し上げたいと思います。
まず、新潟県阿賀野市の農業について御説明いたします。
阿賀野市は、越後平野の北東に位置し、新潟市内まで車で三十分程度の距離にあります。耕地面積は六千四百五十七ヘクタール、そのうち約六千百ヘクタールが水田となっております。農業はイコール稲作と誰もが思っているような水田地帯で、土地利用型の営農がほとんどを占めております。令和三年四月現在の数字ではありますが、これまでの担い手への集積面積は四千百七十三ヘクタール、集積率は六四・六三%です。
続いて、当市の農業委員、農地利用最適化推進委員についてです。現在の農業委員数は十九名、農地利用最適化推進委員数は十五名ですが、本年七月に改選があり、農業委員十五名、農地利用最適化推進委員十一名と、それぞれ四名ずつが減員されることになっています。事務局は専任職員六名と臨時職員二名の八名で、県内でもかなり恵まれた事務局体制となっております。
当委員会の特徴を幾つか挙げさせていただきます。
一点目は、農業委員会として、経営状況等の証明事務、並びに市全体の農地、農家の最新情報を整理し、現況との乖離を防ぐことを目的に、毎年一月一日現在の経営状況調査を行っております。既に七年分の調査の蓄積があり、あっせん活動や相談業務などの個別資料として活用しています。
二点目は、誰にどんなふうに農地を動かすのかを明確にし、あっせん担当委員のばらつきを減らすため、昨年十二月に阿賀野市あっせんマニュアルを委員が作成し、そのマニュアルを基にあっせん活動を行っております。
三点目は、市町村境のスムーズなあっせんや農地価格の情報を得るため、隣接する新潟市北区、新発田市の市町村境を担当する農業委員、農地利用最適化推進委員同士での情報交換を改選のたびに行っていることで、こちらについても委員からの提言から行っているものです。
以上三点は、いずれも農地利用の最適化を目的としており、円滑な農地の権利移動の一助となっております。
それでは、まず、農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案の内容について、私の意見を述べさせていただきます。
今回の改正法律案では、これまで地域で進めてきた人・農地プランを法定化し、農地の集約化を図るため、地域での話合いで十年後の農地利用の姿を目標地図として明確にすることだと理解しています。
私は、以前から、人・農地プランの話合いや規模の大きなあっせん等の際には、委員としてその地域の将来を見据えた青写真を持って地域に入るべきだと考えてきました。実際に私が地域に入る際は、対象となる地域の担い手は誰なのか、どの程度の規模拡大が可能なのか、自分が把握していない隠れた担い手はいるか、地域の担い手に集約まで見据えた権利移動を行うにはどういった手法を取るといいかなど、先ほどお話しした経営状況調査や周辺の情報収集を行った上で地域に入るようにしています。ただ目の前の農地を動かすことに注力するのではなく、地域にある農地や農業者の十年先、二十年先を想像するわけですが、もちろん私が描いていた青写真は正しいものでもなく、完成したものでもありません。地域の中で話合いをするたびに描き直しをし、地域の皆さんと共有し、一緒に考え、作り上げていくものだと思っています。今回の農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案の要の一つである目標地図は、私の考える青写真を見える化することではないかと思います。
ただ、農地は個人資産であり、一筆一筆に農業者それぞれの思い入れがあるものです。所有者の合意や地域の賛同が必要であり、地域での丁寧な説明は必須と考えます。
これまで、人・農地プランがどういったものなのかの説明をし理解を得るまで、それぞれの地域で何度も説明を重ねてまいりました。それは決して単純なものではなく、かなりのマンパワーと時間を要します。また、人・農地プランが実質化したことで満足し、その先に進んでいない地域が多数あるのも現実です。こうした状況を打開するためにも、丁寧な説明を重ねることが必要だと考えます。先ほど当市の農業委員会事務局の体制は恵まれていると申し上げましたが、それでも十分ではありません。他の市町村も同様ですので、マンパワー不足への手当てについては特段の御配慮をお願いしたいところです。
また、一口に集約と言っても、基盤整備が進んでいる地域と進んでいない地域、基盤整備事業を希望しない地域では集約の在り方も違います。地図上では一見集約されていないように見える場合であっても、水利状況などによっては担い手の作業性が良いケースもありますので、現場に即した目標地図の作成が必要であり、図面の上だけで集積、集約を判断することはできないと考えております。
地域計画、目標地図の作成は、受け手である地域の担い手を現在よりも更に明確にし、出し手となる農業者が今後自分の農地を誰が担ってくれるのかを見える化するものと考えます。受け手である担い手は将来の経営計画を描きやすくなりますし、出し手の農業者は自分の農地を将来誰が担ってくれるのか明確になる安心感を得ることができます。双方が制度をしっかりと理解して定期的に見直していくことで農地を通して地域の将来を考えることができるものであり、この後に意見を述べさせていただく農山漁村活性化法にもつながるため、本改正案の成立に大きな期待を持っております。
続いて、農地バンク運用の抜本見直しについて申し述べさせていただきます。
農地バンクの運用が始まった当初は、農地バンク経由での農地の貸し借りを促してもちゅうちょする農業者が大変多くいましたが、近年は、賃借料支払の簡便性などを理由にバンク利用が大変増加しております。
これから先、集積、集約が進めば、新規受付の増加に加え、農地利用集積円滑化事業からの移行や利用権の再契約手続が大幅に増えるとともに、移転手続や賃借料の変更等が増加すると考えられます。農地バンクが滞りなく事務手続ができるよう配慮が必要と感じております。
さらに、現状の農地中間管理権の設定には、配分には都道府県知事の認可が必要なため、利用権設定の倍の時間が掛かることを嫌がる農業者もいます。
こうした懸念を払拭するため、農地中間管理権の設定等に係る都道府県知事の認可は市町村長に権限を移譲していただき、農用地利用集積計画と同様に遅滞なく権利移動ができるよう御配慮いただくことで、バンク一本化にスムーズに移行できると感じております。
農地中間管理事業への一本化は、貸し借りを促進するルートが農地バンクに集中されることにより手続の煩雑さが緩和され、地域が一体となった貸し借りの手続が可能となるなど、担い手への一層の集積、集約や目標地図の実現につながるものと期待しています。
続いて、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部を改正する法律案について述べさせていただきます。
私は、農林水産省において開催された長期的な土地利用の在り方に関する検討会の委員として、土地利用の観点から検討に参加させていただきました。
既に人口減少社会が到来し農業の担い手も減少する中、特に中山間地を中心に農地の集積や集約、新規就農支援やスマート農業の普及など、様々な政策努力が払われてきましたが、それでもなお耕作困難な農地が発生しています。また、今後も増加することが予想されています。このため、検討会では、地域の将来像について話合いを促しながら、放牧や蜜源等に活用する農地の粗放的利用など、人口減少や高齢化にも対応できる多様な土地利用とその実施の仕組みについて検討を進めてきました。
検討会における議論の基本的な考え方は、地域の土地利用に関して地域で徹底した話合いをすること、様々な政策努力の下、放牧や景観作物などの粗放的利用も含め、農地を農地として利用することを基本としつつ、それでもなお農地として利用が困難な土地については、鳥獣害被害軽減のための緩衝帯など、農業生産の再開が容易な用途として利用することです。
しかし、そうした用途を検討してもなお農地として維持することが極めて困難であり、将来にわたって農地として利用される見込みがない土地があるのも現実です。そうした農地ではあるものの林地として利用することが有望な土地については森林として利用することも検討し、貴重な地域資源である農地を極力保全することに重きを置いた検討が進められました。
その検討結果が現在御審議いただいている農山漁村活性化法の改正であり、農用地保全事業として結実しています。
地域の土地利用の在り方については、人・農地プランの話合いと一体的に話し合っていくことが何よりも大切だと思います。基盤強化法と活性化法の両方を一体的に話し合うことで、現場における話合いの手戻りや競合を防ぐことができると考えるからです。
また、粗放的利用や管理については面的集約が必要ですが、既に非農地となっている元農地が虫食い状態で存在している中山間地もかなりあると思われますので、そういった元農地なども一元的に管理、活用ができるようにする必要があると思います。農山漁村活性化法案の改正は、そうした取組を行う際にも役立つものだと思っております。
農業委員会は、農地パトロールを行い、遊休化した農地を農地に戻すよう指導してきました。しかし、特に中山間地域の多くの現場を見るたびに心苦しく思っていた農業委員、農地利用最適化推進委員がたくさんいます。
中山間地の農地の荒廃は、水利などで平野部にも大きく影響を及ぼします。是非、今回の農山漁村活性化法の改正で現場での農地保全の選択肢を増やしていただきますようお願い申し上げます。
以上、今回の改正法案について、私自身が感じている課題等も併せて所見を述べさせていただきました。いずれの法案についても賛成であり、早期の成立をお願いしたいと考えております。また、法律の周知や施行、運用については、でき得る限り無理のない方法の検討をお願いいたします。
農業委員会は、活動の見える化を強く進めております。今回の両法案の改正によって、まさに活動の見える化が体現でき、地域農業の将来あるべき姿を地域とともに考え、農地という観点から携わっていけることは大きな喜びであり、誇りでもあります。今後も、農業委員として、地域の農業者と信頼関係を深めながら活動してまいりたいと思います。
本日は、拙い御意見を御清聴いただき、大変ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/3
-
004・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございます。
次に、稲垣参考人、お願いいたします。稲垣参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/4
-
005・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 全国農業会議所の稲垣でございます。
本日は、このような機会を頂戴し、本当に深く感謝申し上げます。
全国の農業委員会、現在、千六百九十七委員会ございます。そこに、約二万三千人の農業委員さん、さらに約一万七千人の農地利用最適化推進委員さん、両委員合わせると約四万人の委員さんとそれを支える約八千人を超える事務局の職員の皆さん、そういう声を踏まえ、法案審議に少しでも参考になるようなお話ができればと思い、お話をさせていただきます。具体的には、今回の法律改正の意義と課題を中心に意見を申し述べさせていただきます。
御案内のように、農業委員会は、平成二十七年の農業委員会法の改正を踏まえ新たな必須業務となった農地利用の最適化の活動に、農業経営基盤強化促進法などをフル活用して、組織を挙げて取り組んでまいりました。そして、毎年、その成果と課題を踏まえて、政策提案を国会、政府へ取りまとめてお届けしてまいりました。
今申し上げました詳細は、別添の資料の最終ページに、昨年の政策提案のうち今般の法律改正の条文に反映された部分だけを抜いてまいりました。こんなにも多くの条文に、この間の農業委員会の政策提案、農業委員会の思いが受け止めていただいていると認識している次第でございます。
以上を踏まえて、本日は、この法案の四つの点について意義と課題を申し述べさせていただきます。
一つは人・農地プランの法定化について、二つは農地バンクの運用の抜本見直しについて、三つ目は多様な農地利用について、そして最後に農地法の下限面積の撤廃の問題についてでございます。
まず、人・農地プランの法定化の意義でございますが、やはり、地域における話合いの結果が地域の農業の将来の在り方、農地利用などについて法律にしっかりと根拠を持つものとなり、その意義は大変大きいものがあると思っております。
その際、基盤法の中に、効率的かつ安定的な農業経営に加えて、農業を担う者を新たに明記いただいたことは、従来、ややもすると、現場でプランの話合いをする際に、中心経営体のためにやるのかとか、また農家の方から、俺に農業をやめるのかみたいな感情的なやり取りがあることも事実だったわけでありますが、今般、この一文を入れていただいたことによって、地域一丸となって取り組める契機ができたものと考えております。
そして、基盤法の二十一条に、地域計画の実現に向け、我々農業委員会が農家の皆さんに積極的に働きかけることを法律に明記いただきました。現在、農業委員会は、農家の皆さんからあっせんなどの申出があってから農地の利用関係の調整、売買、貸借に動くという受動的な立場にあるわけですが、今回の改正で、能動的に地域のために働きかけてまいるように位置付けていただいたものと考えております。
課題でございますが、この法定化の取組に当たっては、今回の基盤法の十八条、農業者などによる協議の場の設定、ここが決定的に重要だと思っております。これは、市町村のリーダーシップの下、JAさんの農業生産であるとか販売、また土地改良区さんの農地整備などの知見を持ち寄って地域のグランドデザインを描く、これで今後の成否が決まると認識しております。
それを踏まえて、我々農業委員会が目標地図の素案を作るとされておりますが、現場の委員会では、やはり令和七年までに農業委員会だけで作り上げることができるのかという不安があることは事実です。
地域の農業の実態や農業委員会の体制など、様々な市町村の実態を踏まえると、農業者の今後の営農意向や農地の貸借意向を地図に落としたあらあらの素案を作る農業委員会から、地域の農業を担う者ごとに利用する農地が明確になったほぼほぼ完成版、聞くところによりますと、今日御参集の先生方は、先日、埼玉県の東松山市の方に調査に行かれたと思いますが、あれがほぼほぼ完成版という理解だと思っているんですが、かなり幅広くその地図ができてくるということを強調させていただきたいと思います。
また、農業委員会によっては、事務局に職員が一人しかいないところ、又は専任職員が一人もいないような、そういうところも少なくございません。目標地図の作成に当たっては、市町村の農政部局など関係機関と一体となった体制を築けるかが成否を握っていると認識しております。
したがって、人・農地プランの法定化とは、従来以上に農業委員会が地域の農業者の皆さんの意向把握を徹底し、それを地図に落とし込んで、その取組を踏まえて現在各地で進められている人・農地プランの実質化の取組を更に発展させ、地図化、図示することについて地域の皆さんで合意、公表していくことだと思っております。
実質化が既に済んだところ、現在実質化に取り組んでいるところは話合いがなされているわけですので、そのような地区では地域計画の作成にさほど抵抗感なく取り組めるんだろうと思っております。ただ、法律の施行当初は、担い手が不在、そこへ農地を集積することを地図化することが困難なケースが少なくないと思います。その場合でも、JAさんの農作業受委託などを活用して、順次目標地図の完成に向けて練り上げていくことになると思っております。息の長い地域の話合いに取り組める手だてが重要であろうかと思っております。
次に、農地バンクの運用の抜本見直しの意義について申し述べます。
基盤法の二十二条に、農地バンクの事業推進に当たっては、地域計画の達成に資すると明記されたことについて、個人的にも非常にうれしく思っております。地域計画の達成に資するということになれば、バンクさんは、バンクは、農業委員会、市町村など現場の関係者とともに計画の実現を目指す同志的な、より身近な存在になってくださると期待をしております。
また、バンク法の第十八条で、農地バンクさんがバンク計画を策定するに当たって、我々農業委員会の意見を漏れなく聞くということも明記いただきました。これによって、現在、農業委員会は、バンク計画の設定に当たって、極めて限定的な関与から全面的に関与できるようになり、農業委員会と農地バンクの一体的な運用が進むものと期待しております。
一方、課題としては、市町村の利用集積計画を新たなバンク計画である農用地利用集積等促進計画に統合、一体化することについて、現場の農業委員会には不安と戸惑いがあることは事実でございます。二つございます。
一点は、農地バンクさんが本当に農地法第三条以外の農地の権利移動に遺漏なく対応できるのかということであります。農地バンクさんが間に入ることにより、農地の権利設定の手続について全て都道府県知事さんが扱うこととなり、これに伴う時間と手間の発生、小作料などの受取の問題、これに対して農水省さんは事務の抜本的な簡素化ということをうたっていらっしゃいますが、一刻も早くその姿をつまびらかにしていただきたいと思っているところであります。
一本化の二つ目の課題は、市町村の利用集積計画による利用権設定がなくなることへの不安です。一九八〇年、基盤法の前身法であります農用地利用増進法制定以来、耕作権の強い農地法三条に基づき、一旦農地を貸したら返ってこないという不安を払拭するため、期間の定めのある賃借権を設定することにより、期間が終了すれば農地が確実に戻り、安心して再設定ができるという制度が現場に果たしてきた役割は非常に大きかったわけでございます。これがなくなることについて、えっと懸念があるわけでございます。
しかし、今般の改正で、バンク法の第十八条第十一項に、農業委員会がバンクさんに対して農用地利用集積促進計画を策定することを要請できるという条文を明記いただきました。これと農用地利用集積促進計画に関する都道府県知事さんの認可権限を市町村に移譲することをセットで運用すれば、毎月、市町村で利用集積計画を決定、公告しているのと同等、むしろ現行の利用権設定にバンク特約が付いたと認識、運用すれば、農地バンクへの農地集積が促進され、地域計画への取組と一石二鳥の効果をもたらすと思っております。何とぞ、政府におかれましては、このような取組について前広に御指導をいただけたらと思うわけであります。
三点目の多様な農地利用については、農地利用の最適化に取り組む農業委員会の多くは、担い手に直ちには集積できない条件の悪い農地、また遊休農地でも直ちに非農地判断できないような農地がたくさんある中で、すぐに圃場整備などができるわけではなく、暫時遊休化したり、遊休化の度合いが増していることに、その対応に苦慮しているわけであります。
今回、活性化法で、農用地保全として放牧、鳥獣害緩衝帯、林地化など多様な取組が明らかにされ、事業にもつながるため、地域計画の取組とうまく活用して地域全体の効率的かつ総合的な取組と持続的な土地利用の実現に資するものと思っております。このような、圃場整備のように多額なコストと時間を要する手だてに代わり、コストを掛けずに農地保全ができる手だてが講じられたその意義は大変大きいのではないかと思っております。
私ども農業委員会は、農地法や基盤法に比べて活性化法について余りまだ周知が徹底されておりませんので、その徹底と御指導の強化が必要かと思っております。
課題としては、基盤法で進める地域計画とこの活性化法の活性化計画が、現場で取り組む際に調和して取り組めることが大事であり、競合したり、二度手間になったり、手戻りのないような運用が重要かと思っております。
最後に、農地法三条の下限面積の撤廃についてでございます。
意義としては、農業者の減少、高齢化が進行する中で、農村の定住、活性化のため、野菜、果樹など多様な新規参入を受け入れたり、さらには半農半Xを推進することは、農村、特に中山間地域などの振興を図る上では意義があると思っております。
課題としては、下限面積要件は農地法三条による権利移動を判断する際の有力な根拠条文でございます。下限面積がなくなった場合、投機的な農地取得が行われるのではないかとの不安が現場にはございます。一方で、下限面積要件を廃止しても、農地を全て効率利用する、常時農業に従事する、周辺の農業に悪影響を与えないといった他の要件は引き続き存置されるわけであります。
今後、目標地図に基づいて農地の集約化などを進めていくことになります。こうした動きと半農半Xなどの農地利用についていかに調和させていくのか、そういうことを地域計画の中で、農地権利取得に当たってのルール作りなりその運用を明らかにしたガイドラインなどの提示が重要であろうかと思っているところであります。
以上、今回の法案についての意義と課題を申し述べさせていただきました。
参考資料にも記載いたしましたように、農業委員会系統組織は、市町村、農業委員会、農地バンクなど関係機関が一丸となって人・農地プランの作成に取り組めるよう、その法定化を要望してまいりました。また、これを見越して、我々は本年度の事業推進も計画しております。
そういう意味では、今国会での審議について、全国の農業委員会の委員さんは固唾をのんで見守っていらっしゃるのだろうと思います。どうか枝ぶりの良い法律となりますよう、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。そして、今後とも、地域の実態に即した農業委員会の活動を尊重いただき、御支援、御指導を賜りたくお願い申し上げまして、話を閉じさせていただきます。
どうも本日はありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/5
-
006・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
次に、森島参考人、お願いいたします。森島参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/6
-
007・森島倫生
○参考人(森島倫生君) 浜松から参りました森島です。
豚を飼っております。私は飼っておりませんが、息子が主にやっておりまして、私は加工の方を主にやっているということです。だから、六次産業というふうに言われたところを割と早くから取り組んできて、現状、今があるということでございます。
今日は、お二人もおっしゃいましたけれども、この場にお呼びいただきまして本当に有り難いことだというふうに思っておりますし、是非先生方に申し上げたいのは、御苦労をいただいてこうやって農業振興、農業政策の立案に当たっていただいている、同時に、農業経営基盤強化促進法の一部改正する法律案が今日議論がされているわけでございますが、私、率直に申し上げまして、申し訳ないけど、まともにこれを議論している人たちの神経がよく分からないと、私が言っているわけじゃないですよ、今日私がここに来るに当たっていろんな方々の御意見を伺ってきた。
例えば、私どもとは政治的な立場も違う、考え方も違う方々、農協の職員であったり、あるいは保守の議員と言われる皆さん方の後援会の方々だったり、そういう方々のお話を伺ってきた。それで、おまえ本当に、行って、まともにそういうことを言ったとして事が変わると思うかというふうにも言われた。いや、変わるとは思わないけども、だけど、一農家として、一農業委員としてお伝えすべきことはやっぱり言わんならぬという思いで来ております。
残念ながら、皆さん方、先生方の御尽力にもかかわらず、恐らく、日本の全国のどこでも、生産力の低下というのはもう見る影もないというふうに私思うんです。それは浜松も同じでして、今、前段の方々がるるおっしゃいましたけれども、担い手がないと、ないに等しいという地域もある。そこで、ビジョンを作れ、集落で議論をやって、やるべき人を探してこいというわけですよ。
それで、私、私の地元選出の自民党の国会議員に言った、おまえがやれって、おまえ、もう。おまえ何やってるだという話をしましたよ。そうしたら、彼は答えた、私も入りますよって。入ってもらおうじゃないかということです。そういうことが、国の今の現状やっている仕事。私どもも、もうこの二、三年ぐらいかな、現場で集落、この人・農地プランについての議論やっているんですよ。
去年の七月です。暑いさなかだ。集落営農の議論を始める、やるから来てくれと言って来てもらった。そうしたら、お茶一本予算がないだ。それで、泡食って農業委員の担当者が、担当者って俺みたいな百姓の一人だけど、泡食ってペットボトル買い行ってるんだよ。それで、県の職員も市の職員もそのペットボトルは飲まない、口付けない。そういうことが一方で行われている中でのこういう議案審議があって、それで、仲間の連中に、ちょっと今夜集まりやるから来いや、言ったときに、何をやるだ、何をやれというだ、何を植えろというだ、何をまけというだという話から始まる。
やっぱりこの国の実情というのは、農業を守るということを、あるいは農業生産性、生産者を守っていく、次の世代もきちっと背負っていくという責任を国がきちっと果たせますというメッセージが全く出ていない、届いていない。ここの中でこういう事業をやるって、私やりますよ、やりますけど、農村に対するインパクトというのは極めて弱いものになっている中で、我々農業委員が義理と人情で、頼むわと言って来てもらって、これから集落営農についての、人・農地プランについてのビジョンを作っていくということだと私は思っています。
その意味で、先ほど農業会議所の方言われましたけれども、地域グランドデザインというんだよね、地域グランドデザイン、国が持っているのかと思うのよ。国が持っているんだったらそれ出せや、それ出したらそのデザインに合わせて俺らも村のこと、地域のこと重ね合わせて考えるから出せや、出てこないじゃないですか。ここのところで、我々農業委員が頑張って苦労してこれからやっていくという意味、農業委員の個々の人格というか人柄というか、義理人情で農村を立ち上がらせていく、そういう努力は私どもやっていきますよ。これは国がどうあれ、やらんならぬと思っています。だけど、もうちょっと本気になって、てんだってもらいたい。このことだけは申し上げたいと思います。
ですから、結論的に言うと、この一部改正する法案は反対、意味がない、そういうことで、二番目の方は、まあまあ我々の地域を支えていく今後の助けになるなというふうに思っています。細かい条文等については専門家のお話先ほどありましたので、私、余りそういうことについて得意じゃないのでこの辺でやめますが、時間はちょっとまだあるようですけど、これだけ言えば十分ですから、この辺で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/7
-
008・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/8
-
009・佐藤啓
○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。
それでは、まず笠原参考人にお伺いをしたいと思います。
受け手を見付けにくいこの中山間地において、阿賀野市農業委員会では人・農地プランの実質化ということに取り組まれて非常にこの成果を上げてきたというふうに思うんですけど、先ほど、この十年後、二十年後を見据えた青写真、グランドデザインを描くことの難しさについてもお話しいただきましたけれども、逆にこれまで成果を上げてきたそのポイント、またどういった点に御苦労されてきたのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/9
-
010・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) ありがとうございます。
私ども、先ほど意見陳述の中でも申し上げましたけれども、農業委員会として経営状況調査を七年間行っております。今後も続けていく予定であります。その中には、将来、その一軒一軒の農家が若しくは法人がどの程度まで農地を取得したいか、賃借で取得したいか、それから売買で取得したい場合はどのくらいの面積が欲しいのかというアンケートも同時に行っておりまして、そういったものが一覧表として出てまいります。そうしたものを私たちが相談業務若しくはあっせん業務の中で一つのデータとして持つことで、誰に動かしていくことが一番すんなりと農地を動かすことができるのか、それから、その担い手にとってどのくらいの通作距離までが可能なのかということまで聞いておりますので、そういったこと、そういったデータがあることが一番大きい要因かと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/10
-
011・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
今ほど、経営状況調査をしっかりやられているということが一つのポイントであるということであったと思うんですけれども、笠原参考人に引き続いてお伺いしたいと思いますけれども、こういった優良な農業委員会の取組をほかの農業委員会にも横展開といいますか、していくということが非常に重要なのかなというふうに思うんですけれども、経営状況調査をしっかりやるといったことなどですね、こういったものを他の農業委員会でも同様に、同じようにやって成果を上げていくということは可能でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/11
-
012・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 個人的には予算があれば可能なことだと思っておりますし、当方、当委員会でも、既に七年分に掛かった予算を毎年確保していただいて、実は、経営状況調査、私たちが一軒一軒回っているのではなくて、全て郵送での返送となっておりまして、ほぼ毎年八〇%ぐらいの回収率を誇っておりますので、きちんとした予算付けをしていただければ可能なことではないかと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/12
-
013・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
それでは、稲垣参考人にまた同様の質問をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、やはり、このグランドデザインを描いていく、地域のですね、この難しさについて先ほど言及をされたというふうに思うんですけれども、今ほどお話しいただいた阿賀野市のような非常に優れた取組をされているところもあると思いますけれども、稲垣参考人は全国の状況もよく把握をされているというふうに思いますが、全国のこの農業委員会がこういったしっかりとした取組を進める、青写真を描いていくために必要なことですね、ポイントを何点か教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/13
-
014・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) どうも御質問ありがとうございます。
今御質問ございましたように、全国でそういう人・農地プランなど話合い活動を進める上で、ざっくり誤解を恐れずに言えば、二パターンの地域、農業委員会があると思います。一つは阿賀野市さんのようにある程度担い手がしっかりいらっしゃる地域と、全然いない地域、この二パターンですね。一つの市町村の中にもその担い手が十分いらっしゃる地域とそうではない地域が併存していると思うんですが、担い手がいるということであれば、そこに農地を寄せていこうということでストレートに話を進めていけるということがざっくりできるのかなと。また、現にそういうふうに取り組み、成果を上げている市町村はございます。
問題は、担い手のいないところです。そういうところで、先ほど、よくこういう話合いをするときに、高齢者の方ばっかし集まって、何か未来のない人間ばっかし集まって何するんだよみたいな御批判もある中で、ただ、今やはりやらねばならないということで、そういう地域ではワークショップ的な、それこそ地域づくりとか町づくり、村づくりの観点から含めて話合いをする、そういう中から農地の利用の在り方も出てくる。一見迂遠に見えますが、そういう取組が必要なのかなということで、農業委員会組織としてもそういうワークショップみたいなやり方で話合いをするようなことを取り組んでおります。
その際、やはり、農業委員会なり、一つのそういう組織だけでは駄目なのかな。やはり部外者なり商工観光とかですね、またそういう町づくりのセクションの方、そういう外の血なり外の知見を入れて話合いをしていく、そういう体制をどうつくるのかという意味で、よく申し上げているんですが、全国に四万人の委員さんが先ほどいると申し上げましたが、やはりそれを動かしてくださる市町村部局の事務局、それは農業委員会の事務局だけではなく、市町村の農政部局、また町づくりとか商工とかそういうところが一体となって、そういう地域の話合いづくりの支援、バックアップ体制を取ることが重要かと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/14
-
015・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
今、外部人材を有効に活用していくことの重要性について稲垣参考人お話しいただいたんですけれども、今回の法律の改正の中でそういったことについて十分な配慮がされているのかどうかということについて御意見をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/15
-
016・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
今後、こういう法律ができて、またそれを具体化していく上でいろんな事業とか予算化する際に、こういう法律を起点に、そういう外部人材なりそういう話合い活動を充実するような事業化というものが当然重要になってくるのかな。今でもそういう事業を準備されておりますが、この法律制定を契機に、それを更に深掘り、広めるような取組を期待しているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/16
-
017・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
まさに今おっしゃっていただいたような、外部人材といっても、例えば今、稲垣参考人からお話しいただいたのは、例えばその地域の役場の職員であったり商工関係の方だったりということで、例えば中山間地域などだとそもそもそういった人材もかなり手薄だということもあるかもしれませんので、本当に外部からサポートをしてくれるようなそういった方々の必要性というものもあるんでしょうか。稲垣参考人にお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/17
-
018・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
外部人材については一概には言えないと思っております。約千七百弱の農業委員会のある地域、またその地域の中にも多様な地域があるわけですので、その一つ一つにカスタマイズされた人材をやるためには、あらかじめいろいろ多様な人材というものが想定されて、その中からうまくその地域にピックアップできるようなそういう体制をつくっていくということでいろんな人材をプールしておく、そういうことが今後重要なのかな。それが市町村役場のOBであったりJAのOBであったり、そういう方もいるかもしれませんし、全くその市町村外の外部の人でその地域に入っていきたい、そういう方も、多様なものを準備しておく、それをプールできるような体制というものが大事なのかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/18
-
019・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
また続いて稲垣参考人にお伺いしたいんですけれども、優れた農業委員会の取組を横展開していくことの難しさみたいなことについてお話を伺えればとも思うんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/19
-
020・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) どうも御質問ありがとうございます。
私、この組織に、学校を出てすぐこの組織に入って、三十九年、農業委員一筋にやってまいりました。
その質問が一番苦しいといいますか、胸に刺さるわけですが、農業委員会というのは人の組織でございます。今も四万人の委員さんが三年の任期ごとにどんどん替わっていくということで、あるポイントで非常に優良だった委員会が一定のタイムラグ後に非常に残念な状況になるというときに、人が替わったり事務局が変わったりということで、私ども全国農業会議所、また都道府県の農業会議、市町村の農業委員会としては、少しでもそういうものを横展開と同時に縦の時系列で、何とかそういう蓄積を人が替わってもつながるような努力をいろいろ、それは情報であったり研修であったり、また直接委員さんをほかの委員のところに行っていただいたり、そういうことの繰り返しをやっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/20
-
021・佐藤啓
○佐藤啓君 ありがとうございます。
今、この横展開という用語がいろんなところではやっているので、市町村の取組とか企業の取組とかもそうなんですけど、横展開と簡単に言うんですけど、そんな簡単にできないというのが、だから広がらないというのがまさにこの横展開の課題なわけでありますけれども。
最後に、今、そこの点を聞かれるのがなかなか苦しいところだというふうなお話あったんですけど、稲垣参考人から、逆にこういったサポートがあればそういったこともより少しは円滑に進むんだけどなということで、何か御要望があればお話しいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/21
-
022・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
なかなかストレートのお答えが出せないんですけれども、何度も申し上げておりますように、農業委員さんは、最適化推進委員さんもそうですが、基本、農業経営者、農家の方、農業者であります。そういう知見を、例えば人・農地プランであるとか農地利用の最適化、国が、地域が進める行政に知見を生かすということでありますので、それは農業委員さん、現場の農業者が中心になっていくというのをコアにして、再三申し上げたかと思いますが、そういう方々をその地域の中でうまく、うまくというか十分に活動していただくように、事務局機能、それは農業委員会の事務局だけではなくて、その市町村役場全体、場合によっては普及センターであるとかJAさんであるとか都道府県、そういう関係機関、支援機関の支援と。
あと、圧倒的にやはり農業委員会、それから市町村部局のマンパワーが今足りておりません。これはいろんなところで申し上げているんですが、行政の皆さんにはもうほぼほぼやれるだけのことはやっていただいていると思っております。制度も予算も目いっぱいやっていただいている。それでも人が実際増えないというこのネックをどう打破するのか。むしろ、これは政治の力にすがるしかないのかなと思っております。やはりマンパワーがボトルネックになっているということを特に強調させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/22
-
023・佐藤啓
○佐藤啓君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/23
-
024・小沼巧
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
本日は、笠原参考人、そして稲垣参考人、森島参考人、それぞれ貴重な御意見ありがとうございます。
今日は、ちょっと、法案審議ということもありますけれども、今皆さんの中で共通して出ていたことについて私なりに考えて解釈をして、質問をそれぞれにしてみたいと思います。
皆さんの中で、例えばいわゆる計画と実際の現場のギャップみたいなことがあって、その中で話合いについての意義について、皆さん、それぞれ触れられておらっしゃいました。この話し合うということは大事だよねということ、共通しているところでありますが、今回、話合いというのは別に法律があろうがなかろうが地域の現場でできることだと思っております。だから、法律で位置付けたといっても、その現場の中身の話合いの内容や地域の合意形成というものの実質面でうまくいかなければ、まさに絵に描いた餅に法律なってしまうんだろうなということで、必ずしも今までの日本の農地の集約とか担い手の育成ということはうまくいってきたとは言えない現状があったんだろうと、だからこそこの法律改正に至ったんだろうというところの背景を基にそれぞれ同じ質問をしてまいりたいと思いますが、この現場の話合いですね、今までの話合いでどういったところに問題なり課題なりというものがあったのか、今後それを実効性たらしめるためにどういった工夫、改善といったものが実際それぞれの現場の中で必要だと感じられておられるのか。
共通する質問でございますが、まずは笠原参考人から御解説をお願いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/24
-
025・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 順次でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/25
-
026・小沼巧
○小沼巧君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/26
-
027・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) まずは最初、笠原参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/27
-
028・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
私自身が感じていることですけれども、今までの話合いの中で、声の大きな方が大きな声でこうじゃないかと言ってしまえば、その地域全てがそれに右倣えしてしまうような現状がありました。それは、きっと農地に関わることだけではなくて、地域活動であるとかいろいろな地域の協議の中でも同じような状況だったかと思います。
今回、現場に入ることで、そういった方々の意見もきちんとお聞きしながら、ですが、ふだんであればなかなか声を発しない方々の声をきちんと聞く、若しくは欠席されるような方々には個別に訪問させていただいてお話をさせていただくことで、その場で結論を出さないような工夫をさせていただきました。
回数を重ねるたびに、意見をきちんと求められると、皆さんきちんとお話をしてくださいます。それを今までとは違う、皆さんの総意という形でまとめるまでにはかなり時間を要したというのが私自身の経験からの発言とさせていただきたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/28
-
029・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
その話合いの意義とか経過ということですが、二つのことを申し述べさせていただきたいと思います。
一つは、やはり、人・農地プランは、御案内のように、平成二十四年から事業として取り組まれているものでございます。そして、令和元年のバンク法五年後見直しで実質化ということで、更に強化されて今日に至っているわけであります。農業委員会組織としても、平成二十四年からこの話合い活動に取り組んできたわけであります。今先生御指摘のように、そのプランがあろうがなかろうが現場での話合い活動というのは今までも行われてきましたし、必要なものですが、このプランという今は事業でございます。そういう方向性、また行政なり政策の誘導していく上での意味合いがあったのかなと。それを農業委員会組織として法定化なり確固たるものにお願いしますといった背景には、更に法律に国、県、市町村、現場という形で位置付けていただくということに意味があるのかなと思っております。
それから二点目は、話合いのやり方は本当に地域地域でもうまちまちだろうと思います。このやり方がいいというのはないと思いますが、ただ、私ども全国農業会議所では、その話合いを一つのやり方でやってくださいということではなくて、一つの選択肢として、先ほども申し上げましたように、ワークショップであるとか、要するにみんながいろんなことを話し合えるということでファシリテーションのような手法も、そんなまどろっこしいことと言われるかもしれませんが、やはり担い手がいないようなところではそういうことからしていろんな話合いをするということに今注力しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/29
-
030・森島倫生
○参考人(森島倫生君) 御質問ありがとうございます。
先生、村のことがちょっと分かっているなと思いながら伺いました。私、今日は大きな声でしゃべっておりますが、村では余り大きな声でしゃべらぬようにしておりますので、笠原さんがおっしゃった大きな声に引っ張られるというところは私も感じています。ですから、私は大きな声では村ではしゃべらぬようにしております。
それで、私、ちょっとさっきも申し上げましたが、まず集まってちょうだいねと言わないかぬわけですよ、連絡しないかぬ。そのときに、何を話するだというふうに聞かれる。何を話するだというときに、いや、村の畑が荒れていっちゃいかぬもんで、みんなで相談するだと言うわけだけど、ここで大方の人が関心持てるかどうかということだと僕は思うんですよ。それで、その関心持てるかどうかの関心は国の力とか行政の力を借りていかないと、せっかく集まっても何の話をするのかというところが見えてこないので、さっき私言いましたけれども、じゃ、畑を、今ある畑をきれいにして次何を植えるのか、何の種をまくのかというところから話が始まるんですと、このことを皆さん方にお伝えしたい。そのときに是非力を貸してほしいということであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/30
-
031・小沼巧
○小沼巧君 ありがとうございます。それぞれ貴重な御意見ありがとうございます。
今、そのやはり担い手と話合いの中で、正直、昨今の法律の中で見ていて思いますのが、実際に土地を持っている人と耕す人とかの、そういう意味で分離の状況というのは結構広がってしまっているような現状もありますし、耕す人の現場でもいわゆる外国人技能実習生に頼らざるを得ない状況というのも相当続いてきてしまっているのかなというところがもろもろ感じているところでございます。
その話し合ってその中身を実質化させる、関心をみんなで持ってこの地域のことを考えていくんだというところの中で、実際の土地を持っている人と耕す人、担い手がちょっと分断されてしまっている現状もありますし、そういったことを踏まえると、やはり何らかの形で関心をちゃんと持ってもらう、真剣に地域のことを考えてもらう、耕作放棄地なんかの荒廃の状況を食い止めるためにはもう一工夫、今までとは違った形で改善の余地が必要なのではないかなと思うところでございまして、この点について、また共通の質問でございますが、順番、今度は森島参考人から稲垣参考人、笠原参考人、それぞれお答えいただければ有り難いと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/31
-
032・森島倫生
○参考人(森島倫生君) おっしゃるとおりだと思います。私ども、さっきの、この法案があろうとなかろうと集落の議論はしていかなければならないと思っておりますし、中には、国のこういうふうな動きを待っているまでもなく、もうどんどんやらないかぬというふうな動きとか話も出てきているのは事実でございまして、そういう積極的な村も現にあります。
ところが、先ほど稲垣さんがおっしゃっていたように、全く担い手がいないというところ、ここも、面的に優良農地が広がっているというところであればそれは可能なんだけど、大体そういうところというのは偏狭な、急峻なというような、決して農業をやっていく上で条件のいいところではない中で頑張っているところ、そういうところに対して企業が入ってきて担ってくれるなんてことは、そんなところはあり得ぬわけですから、やっぱり集落がきちっと立ち上がっていかなければならないというふうに思うときに、やっぱり、下世話に言うと、お金をどういうふうに機能させるかということかなというふうに思うんです。私、財政の専門家じゃありませんので、それは皆さん方に是非お任せしたいというふうに思うんですが、そこのところと農村が甘えているという議論では全くないということをちょっと付け加えさせていただきます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/32
-
033・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
話合いを今後効果的に進めていく上で思っていることというか、いろいろ全国を見て思うんですが、何度も申し上げますが、話合いは一通りじゃないと思いますね。いろんなやり方があると思っております。まず集落みんなが集まって話すというやり方もあるでしょうし、結構、農地の集積、集約が進んでいるようなところは、まずみんなで話して、特定の担い手に集積しようかみたいなことがまとまったら、次は担い手だけが集まって、その今度担い手で分散している農地を見ながらそれを集約していくとか、そういう話合いのフェーズを変えてやるやり方もありますし、あと、先ほども言いましたように、その集落の人間だけ、要するに農業者だけが集まるということではなくて、可能であれば世代を超えて家族で集まるとか、あと、場合によっては学生さんとか入れるとか、多様な人材で話合いの場を広げる。
同じことの繰り返しかもしれませんが、その地域地域に合った話合いのやり方を提起していく、またそれに取り組んでいただくということに、現に現場でやっている事例を、それこそ先ほど横展開という話がありましたが、そういうことをいろいろやっていく必要があるのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/33
-
034・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
私の住んでいるまさに集落の話になりますけれども、昨年度、集積協力金、地域集積協力金を受け取ることができました。その際に話をさせていただいたんですけれども、担い手の方々には、年に二回ぐらいきちんと集落と農地をどうしていくべきかという話合いをしましょうねと提案をさせていただきました。担い手ではないと言うと大変申し訳ないんですけれども、将来もしかしたら農地を出す側に回る方々、それから既に農地を担い手に託している方々に対しては、年に一回、農地について、地域について話合いをする機会を設けさせてくださいというふうにお願いしました。
切取り方は本当に集落によって違いますし、その手法も含めた上で私たちは地域に入っていくべきだと、委員として地域に入っていくべきだと思っておりますので、その集落に合わせたやり方を提案しながら、その集落のリーダーの方々と一緒に考えていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/34
-
035・小沼巧
○小沼巧君 ありがとうございました。時間になりましたので終わります。
今日は、貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/35
-
036・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合でございます。
今日は、三人の参考人の皆様、大変にありがとうございます。
それでは、早速質問に移らせていただきます。
まず、笠原参考人にお尋ねしたいと思います。
お尋ねする前に、資料としていただいた「農地あっせん日記」につきましては、大変分かりやすい資料だなと思って、後でゆっくり拝見させていただきたいと思います。
それで、事前にいただいていた資料の中に、農地の荒廃についてどう防いでいくかという問題意識をお示しいただいていました。今日の御見解を述べる際にもその話がありましたが、こう言われています。農地の荒廃というと中山間地の問題というイメージがありますが、平地に起きつつある問題にも国は何か手を打ってもらいたいと思いますとされていますが、その問題意識と、また必要な方策についての御意見があればお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/36
-
037・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
実は、私ども現場で話をするときに、遊休農地、若しくは耕作放棄地という言い方もありますけれども、中山間地は面で下りてくる、平地は点で攻めてくるという言い方をします。中山間地は、本当にそれなりの面積で一気に下りて、里山まで下りてきますけれども、平地は、ぽつんぽつんという虫食い状態の中で突然増えてくることがあります。そういう言い方なんですけれども、中山間地のみにかかわらず、やはり平地の方でもそういった手だては必要だとは思っておりますが、実は、私自身がどういった方法がいいのかまだ考えあぐねているところというのが正直なお話になります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/37
-
038・谷合正明
○谷合正明君 御率直な御回答、ありがとうございます。
続いても笠原参考人にお伺いします。農業委員会の負担軽減であったりとかデジタル化について伺いたいと思います。
目標地図の素案を農業委員会が作成することになっていると。参考人におかれましても、この目標地図の素案の作成は大事だというお話でありましたが、その事務負担の軽減を図る必要があるというのはこの国会質疑でも度々出ております。
その農業委員会の負担軽減の在り方について御所見を伺いたいのと、特に負担軽減となると、特にデジタル化というのがよく耳にするわけですが、極めて重要な取組であるという認識をしている一方で、なかなかそうはいっても現場は、何か簡単には、すぐに導入が円滑に進むものではないという声もあったりして、このデジタル化についての今後浸透していく上での課題であったり、そういうことについてお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/38
-
039・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
デジタル化につきましては、実は当委員会の方ではまだまだ進んでいないのが現状です。
実は、農地ナビという制度が、マップがありまして、私自身もかなり活用させていただいていますが、私自身から学んだというよりは、農家の方々から教わりながら使えるようになったというのが状況です。私たちが意外と使えていないのに農家の皆さんが農地ナビを使っていらっしゃるという状況を目の当たりにしたところで農地ナビの使い方をきちんと学ぼうというふうに思ったわけですが、そういった、現場の皆さんときちんと足並みをそろえながら、なかなか農業委員の中でも年齢的に高い方もいらっしゃいますし、スマホなりタブレットなりの操作が簡便には行えない方々もいらっしゃるんですけれども、そういった皆さんときちんと教わったり教えられたりしながら、私ども学んでいかなければいけないなというふうに思っているところです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/39
-
040・谷合正明
○谷合正明君 ありがとうございます。
稲垣参考人にお伺いしたいと思います。
今、デジタル化の話がありましたけれども、予算上は、国の予算上は最適化委員二人に一台のタブレットを支給というのかな、できる予算を組んでいるんですけれども、これをしっかり使っていただけるようにしていくということが大事だと思いますが、この農業委員会の事務負担の軽減の在り方として、デジタル化を進めていく上で、その意義だとか、またその課題についてどのように認識をされているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/40
-
041・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) どうも御質問ありがとうございます。
デジタル化は、これはもう不可避なものだと思っておりますし、また、これが入ったことによって劇的に農業委員会の手間が簡便化になっていることも事実です。
よく事例で出させていただいているのが、茨城県の笠間市がかつて、もう平成二十八、九年ぐらいからだと思います、タブレットで遊休農地調査を進めたわけですけれども、それまでは遊休農地調査が、大体八月一日を境にやるわけですが、三人か四人の事務局の職員が三か月ぐらい掛かって前年度の調査を白地図に落とし込んで残業をして準備をしていたのが僅か数秒でできて、終わってからもその整理に数か月掛かっていたのが、もう、すぐ終わるということで、デジタル化の効果が絶大であることはもう論をまたないわけでございます。
ただ、こういうデジタル化の話というのは、論理的にできることと実際にできることにすごく距離があったりして、その笠間市さんでうまくできたからといって、それがほかの市町村で直ちにできるとも限らない。
そこの間合いをどう埋めていくかということが大変で、御案内のように、平成二十六年の法律改正、農地法の改正で、農業委員会は農地ナビということで台帳情報を地図にしてお示しするということで、全国農業会議所の方でそのシステム設計を国からお金をいただいてやっているわけですが、やはり現場でいろいろなケースがあって、いまだ十分に使えていないというところもあるわけですが、そこはもう時間が限られている中で頑張ってやっていくと同時に、そういう人的、経済的な支援を継続的にいただく中で、そのデジタル化というものに、全国、今千六百九十五になりましたが、委員会で一〇〇%やっていくということが必要であると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/41
-
042・谷合正明
○谷合正明君 ありがとうございます。
続けて稲垣参考人にお伺いします。農地の集積、また集約について御所見を伺いたいと思います。
政府は、令和五年度末までに全農地の八割を担い手に集積するという目標を掲げているところでありまして、御案内のとおり、全国平均では今五八%、これから八割目標を達成していくためにはもう相当加速化が必要だと。
一方、私の問題意識としては、例えば私は住んでいるのは岡山県ですが、西日本の地域においてはその平均値を大分下回る実績なんですが、さはさりとて、別に何もしていないかというとそういうわけでもなく、その八割という目標設定自体が、今全国一律の目標設定というのはあるんですけれども、今後それを、何というかな、集積化していく上で、もう少し地域ごとの取組を促すような目標の設定の在り方というのはあるのではないかというふうに思います。
また、集約についてはまだ、メリットは示されておりますけれども目標設定するには至っていないんですが、数値目標ですね、ですので、その集積化の今後の方向性、また集約化の目標設定について何か御所見があれば、御意見があれば伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/42
-
043・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
まず、八割集積は国のKPIということですから、これを否定することはできないわけですけれども、確かに困難を来しているということは事実でありますので、そこに向けて頑張っていく、地域地域で頑張っていくということを申し上げていきたいと思います。
今般のこの地域計画の取組が、そういうものに近づいていく取組になっていくのかなと。今、担い手に農地八割ということですが、その担い手の定義なり対象の農地についても、もう少し精査が必要なのかなと思っております。
そして、集約についても、基本、集約は必要ですが、その集約の度合いについては、やはり地域なり作目によってまた違いがあるのかなと。何でもかんでも集約するということではなくて、危険分散ということがあれば、適度な集約というのもあるんだろうと思います。
そういう意味で、今般の法律の中で、省令の方で農地の集積・集団化の基準というものが今後定められると認識しておりますが、そういう中で、現場実態に合った運用が確保できるようなその集約化の指針が示されることを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/43
-
044・谷合正明
○谷合正明君 続きまして、森島参考人に伺いたいと思います。
今、担い手の話があって、今般それを、何というのかな、例えば多様な経営体ということを積極的に位置付けようとする人・農地などの関連施策の見直しというものがあるわけでありますが、参考人におかれましては、経営基盤強化法の改正についてはこれは反対だというお立場であるということは認識いたしたんですが、この多様な経営体というものを今後担い手に加えて位置付けていくことについて、国の取組、方針、評価、また懸念していること、課題について見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/44
-
045・森島倫生
○参考人(森島倫生君) ありがとうございます。
おっしゃるとおりでございまして、多様な担い手を確保するという物の考え方は大賛成でありまして、是非これはこれとして進めてもらいたい。
要するに、いろんなところで言われるのは、新しいその企業だったり、企業が立ち上げて新しい企業が起こってくるというようなことについて、私は拒否しているわけではありません。それはそれとして大事に迎え入れていくことが必要だというふうには思っております。
ただ、従来の我々のコミュニティーとの移ろいをきちっとやっぱり大事にしていってねというところは譲れないことでございまして、そのことなんかが村で共有できながら、多様ないろんな方々を拒否するものでは全くないというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/45
-
046・谷合正明
○谷合正明君 それでは、ちょっと最後、時間がありまして、森島参考人に引き続きお伺いしますが、活性化法、農村漁村活性化法については少しは評価する、ちょっと表現を忘れましたけど、評価するということでお話があった。具体的に何をどう評価されたのかということをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/46
-
047・森島倫生
○参考人(森島倫生君) そうですね、現に、我々、私の担当する農業委員会の調査会の中でも、もう手が付かないというところがあります。もう手が付かないほど荒れてしまっている地域、山間のところ、狭小なところというところですよ。
そういうところについては、都市から移住して新しい住まいとして農山村を求めたいという方々が入ってくることがあったり、あるいは外人の方が求められて入ってくるというようなことなんかがあったりして、それらについては我々農家の側が駄目だよと拒否するところは我々としても気を付けていかなければならないというふうに思っておりますので、そういう意味から、全ての担い手が農村を支えていくというこの物の考え方には賛成だということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/47
-
048・谷合正明
○谷合正明君 ありがとうございます。どうも、時間になりましたので終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/48
-
049・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
今日は、三人の参考人の皆様、ありがとうございました。
まず、笠原参考人でありますけれども、本当に高い意識と使命感を持って、まめに地域を歩いて地域の声を聞いてと、こういった農業委員の皆さんが地域の農業を支えていただいていて、恐らくそれには相当な時間と労力、手間、これも要するのかなと思っています。全ての農業委員の方がここまでできるのか。やはり、でも、できるようなその組織の在り方とか人の配置、やっぱりこれも非常に大事なのかなと感じました。
そういう中で、まず最初に笠原参考人にお聞きしたいのは、現在、要は農地の権利移動とかその集積の活動というのは、恐らく、中間管理機構、農地バンクとの連携のものと、独自に市町村で農地法というよりは多分基盤強化法に基づく利用権設定とか、こちらが多いのかなと思うんですけれども、その辺りのすみ分けというか比率というのは今現状どのような形なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/49
-
050・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
現在、どちらかというと、バンク利用の方が八割、九割ぐらいの割合になってきております。五年ほど前から急激に増え出しました。賃借料支払の簡便性というのが一番の要因になります。
ただ、どうしてもそこにはバンクの利用をしたくないという方々もいらっしゃいますし、この先少し相続でもめそうな方がいらっしゃったりすると、バンク利用をお願いしていいのかどうか迷うところもあったりしまして、相対の基盤強化法で選択していただくケースは間々、間々というよりは僅かにありますが、実際私が昨年度動かしたあっせんの中でバンクを利用したのは八割五分くらいという状況になっております。
皆さんに丁寧な説明をさせていただくと、バンク利用の方が便利だよねというふうに言っていただけますし、何より担い手の方々がバンクを利用するのであれば賃借受けていいですというようなお話になっておりますので、この先も多分どんどん増えていくのではないかというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/50
-
051・舟山康江
○舟山康江君 重ねて質問させていただきます。
バンク利用の場合に、いわゆる出し手は、その法文上というか制度上は出し手はバンクに預けてバンクが借り手を決めるというような形になっていますけれども、実態として、阿賀野市においては現場の方でその受け手まで含めて何か調整等の作業をされているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/51
-
052・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
正直申し上げて、バンクにお預けになっておしまいという状態ではないです。ですが、バンク利用を御希望される方々でも、農地バンク利用を希望される担い手の方々がかなりの数いらっしゃいますので、そういった方々にあっせんをしていくというのが実態となっております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/52
-
053・舟山康江
○舟山康江君 あっせんも、かなりの部分、現場の農業委員会の方で何かちょっと方向性を少し決めていくと、こんなような状況ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/53
-
054・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) そうです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/54
-
055・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
かなり、阿賀野市に関しては、こういった現場にすごく非常に頑張っていらっしゃる農業委員の方と、やはりそれを支える事務局体制が八人いらっしゃるということで、他の地域から比べるとかなり、御自身もおっしゃっていましたけれども、充実しているのかなと思っています。
そこで、稲垣参考人にお伺いしたいんですけれども、全国の現場の状況の中で、この八人、事務局体制がいて、しっかりと意向調査等も行っていると、ここまでできている体制を持つ農業委員会というのがどのぐらい、大体それが主流なのか、やはり極めて優良な部類なのか。そんな中で、先ほどお話の中にも、やはりきちっと人の手当てと、あとは事務の簡素化と。やっぱり現場でかなり業務が増える部分もあるのかなと思うんですけれども、人の手当てとか必要じゃないかというお話もありましたけれども、今、今後の課題として、事務局体制の充実等、何か全体見渡して、御意見、御要望があればお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/55
-
056・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御要望はという、どうも御質問ありがとうございます。
御要望はということだったら、とにかく人を増やしていただく、もうこれに尽きます。先ほど来何回か申し上げておりますけど、農業委員会事務局だけではなく、今回の地域計画なり活性化法を現場で動かしていくためには、市町村のマンパワーを農業委員会の事務局、市町村部局、まず増やしていただくということを再三申し上げておりますが、行政なりこれまで予算とか制度ではほぼほぼやり切った感があるにもかかわらず現に人が増えていないとすれば、これどこにボトルネックがあるのか。やはり、現在の財政構造であるとかそういう地方自治の中で人が増えないとすれば、これはもう政治の力でそこは突破していただく。待ったなしということで、未来永劫ということではないはずであります。期間を限定してでも結構でございますので、市町村段階のマンパワーの充実、繰り返し申し上げます、市町村の農政部局、農業委員会の事務局共に増やしていただくということは、本当にこれは政治にお願いするわけでございます。
その上で、金の掛からないやり方、また現場での実践ということであれば、ワンフロア化であるとか、要するに農業委員会の事務局と市町村部局が一緒になるということであるとか、あと、関係機関ですね、地域によってはJAさんとか普及センターも一つのフロアであるというような取組が今後重要になってくるのかなと思っております。
それから、農業委員会の職員さん、圧倒的に兼務が多うございます。現場を見ておりまして、いい兼務と悪い兼務があると私は思っております。悪い兼務というのは、市町村役場の中にはもう農政課とか農業という名前で課が立たずに、観光産業とか土木何とかという中で全ての仕事が一つのセクションに来る、その一つとして農業も農業委員会もやる、これ悪い兼務です。ですので、それは、やはりこれはマンパワーを増やしていくしかないのかなと。
また一方で、いい兼務というのもございまして、やはり、市町村部局の担当者の方と農業委員会の事務局が一緒に兼務してみるというもので、具体的に成果を上げた事例もございますので、いい意味での兼務を広げていくというのはやり方としてあるのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/56
-
057・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
私、最初の意見陳述の中で森島参考人がおっしゃった、地域のグランドデザインの前に国にはあるのかと、そんな御指摘がありました。私も、本当にこの点、非常に同じ思いを持っております。地域で様々な積み上げをしろと言っている一方で、じゃ、国全体としてどのような姿を描いてどういった農地の在り方を望んでいるのかということと、そしてもう一つは、恐らく、今担い手がいないとか、なかなか耕作放棄地が増えているということの問題の背景にはやはりこの担い手の減少、その担い手の減少の原因は、やっぱり生産性が上がらないというか、所得が上がらないと。ここの手当てをきちっとしていくということもやっぱり根本として非常に大きな問題なのかな。ですから、農地の問題だけではなくて、やっぱり、所得をどうするのか、所得を確保してきちんとそれで再生産できるような農業生産どう支えていくのか、こういった議論がセットでなければなかなか動かないのかなという思いを非常にいたしております。
そういう中で、これ、笠原参考人の事前に配っていただきました「季刊地域」秋号で書かれていること、私も本当にそう思うんですけれども、担い手って一体何なのか。何か、いわゆる効率的かつ安定的な農業経営と、そして、それだけで足りない中で中心経営体、その他の経営体、何かこう分ける形で、やっぱりいまだに農地の集積目標、八割集積する対象者というのはいわゆる認定農業者としての担い手という形になっていますけれども、まさにここで御指摘いただいているように、もうやっぱりきちっと農地を支えてくれている人はみんな担い手じゃないかという形でもう一度その辺の整理をするべきなのかなというふうに思っていますけれども、この点に関して、笠原参考人と森島参考人と、それぞれちょっとお考えをお聞かせいただければなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/57
-
058・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) じゃ、まずは笠原参考人からでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/58
-
059・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
私、個人的な考えで大変申し訳ありませんが、担い手はやはり育てていくものですし、増やしていくものだと思っております。
認定農業者制度ができて担い手が認定農業者に絞られてしまっていますけれども、現場を見れば見るほど、そういった方々を取り巻く兼業の方々で拡大意向のある方々はやはりそれなりの数いらっしゃいますので、そういった方々を、今まで言ってきた担い手と同等というふうにするかどうかは別としても、地元の中で担ってくださる方々として地元がきちんと担い手として認定していくことは必要だと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/59
-
060・森島倫生
○参考人(森島倫生君) ありがとうございます。
先ほど私が申し上げた拙い意見陳述にちょっと感じていただいて、有り難いことだというふうに思います。
先ほど阿賀野市の評価がございましたが、私、浜松市の農業委員として黙って聞いているわけにはいかなかったので、浜松の職員も頑張っていますよ。それから、とぴあ浜松農協の職員たちも頑張っている、静岡県の職員も頑張っている。一番遅れているのはやっぱりシステムだなと、制度だなというふうに思います。ここは是非本当に皆さん方とこの課題共有していただいて、一刻も早く、今、舟山委員が言われたように、国挙げて日本の農業を支えていくというふうに早くしないとなくなっちゃうよという思いがとても強くあるということです。そのことが今、舟山委員から問われたこと全てかなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/60
-
061・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
本当に、やはり何か、農地を守る人、農業を担ってくれる人を何か選んでいる場合じゃないな、そんな局面じゃないなというのは私非常に思うんですね。ですから、その農地の集約というところも、その八割目標というところも、何かこの一部の絞った人たちに農地を集約するという方向性も、やっぱり改めて、こうやって法改正の議論をしているのであれば、その辺りの位置付けもやっぱり見直していくべきかなということを本当に強く感じました。
最後に、これ、私も非常に悩ましいなと思っているんですけれども、いわゆる農地の下限面積、下限面積のいわゆる撤廃ですか、という方向が、一面では本当にまさに農地、農業を担ってくれる人を増やす方向にも働くのかもしれませんし、ただ一方で、場合によっては、いろんな思惑を持った方々が、本当に農業の生産目的じゃない人たちを入れることにもつながっていってしまうという、何かどっちの、双方の面があるのかなと思うんですけれども、その辺り、稲垣参考人いかがでしょうか。どういう、何か条件をもっと付けるとか、何かそれを阻止するような手だての何かお考えがあればお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/61
-
062・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございました。
この問題につきましては、やはり一昨年の食料・農業・農村基本計画で半農半Xというものを大きく政策の中心に打ち出してきたときから想定されていたことなのかなと。今般も農村政策の中で半農半X、今回の法律の中でもそれを入れるということでありますので、やっぱり一面そういうことなのかなと思っていますが、もう少しじっくり、その半農半Xの方が入ってくるに当たってどういう事態が想定できるのか、これからいろいろ検証なり検討していかなければならないのかな。
基本、今の農地制度というのは、農業を専業でやる方を想定してつくられている制度だと思います。新規就農される方も、結果として兼業農家になるわけであって、最初から兼業農家やりたいという方はなかなか今の制度にはなじみづらいわけですけれども、今度、半農半Xということであれば、もう最初から兼業農家でいきたいんですという方を地域の中で定着させる、また、その入口として農地制度がその最初のチェックするところになるということでございますので、それがうまくいくように、当然、その下限面積がなくなるということであっても、ほかの農地法三条の三つの全部効率要件、常時従事要件、地域調和要件、これ残るわけでございますし、そして、何よりもかによりも、今般の地域計画ということで、地域の中でみんなが議論をして農地利用を考えるときに、素人、素人というか、ぱっと考えても、ここが担い手でやっていこうというところにそんな下限面積、今の下限面積を下回るような人が入る余地はないはずなわけで、そういう運用が地域計画の中でしっかりできるようなガイドラインでありますとか運用が示されていくのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/62
-
063・舟山康江
○舟山康江君 時間……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/63
-
064・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) もう終わっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/64
-
065・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/65
-
066・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。
本日は、お三方の参考人の皆様、大変貴重なお話をありがとうございました。
今回のお話をお伺いしていまして一番衝撃的だった言葉が、舟山委員もおっしゃいました、国がグランドデザイン出せやという森島参考人の一言です。本当に魂からの言葉だというふうに受け取っています。この言葉とともに、生産力、見る影もないというふうにおっしゃいました。
お一人お一人の農林水産業者さんが今必死に日本を支えてくださっています。飼料も種も海外に依存して、そして担い手も海外に依存して、これから国際情勢が不安定になったときに日本人は大量に餓死するのではないかというふうに、本当に危機感が迫っております。それに対して、国の危機感のなさはどうだというふうに憤っていらっしゃるのではないかというふうに思っております。
このことを、私、大臣が一年置きに替わるというのもなかなか国が責任を取れない原因の一つでもないかなと思っているんですが、それをこの場で参考人の皆様に聞くわけにはいかないんです。でも、大臣が一年一年で替わってしまうということは、やっぱりこの農政に責任を、誰に転嫁したらいいんだってなったときに責任の所在がなかなか不明確だというのもあると思っていまして、やはり最低三年は大臣は同じ大臣を受け持っていただきたいというところもあるんですね。
今日お伺いしたいのは、まず、この法案が出てくるときに、全国市長会から緊急意見ということでかなり強い言葉で警鐘を鳴らされて、懸念を示されていました。地域の実情を見てほしいという訴えです。
意見書に関しましては、ペーパーで一枚ないし二枚というものですので、書きたい市長の皆様のお声というのは全ては掲載されてはいないわけなんですけれども、まずは笠原参考人と稲垣参考人にそれぞれお伺いしたいと思います。市長の皆様がおっしゃっている地域の実情を勘案してくれという言葉の影に何があると思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/66
-
067・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
正直申し上げて、どうお答えしていいのか分からないような状態ですけれども、確かに、地域によってそれぞれいろいろな悩みを抱えておりますし、いろいろな農地を抱えていらっしゃいます。そういった中で、その地域にとってベストな方法、ベターな方法、それぞれを地域の人たちが探るためにもう少し期間が欲しいという意味なのかなというふうにも捉えましたが、いずれにしろ、私ども農業委員、農地利用最適化推進委員が現場に入ることで、そういった地域の特性をきちんと把握した上で目標地図なりそういったものの策定に関わっていきたいというふうに思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/67
-
068・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございました。というか、その市長会さんの提言について見解を求められても、よそ様の組織でございますので失礼に当たるかもしれませんが。
ただ、あの提言が出たときにいささかびっくりしました、正直申し上げまして。再三申し上げておりますように、私どもの農業委員会組織としては、お手元の資料にもございますように、平成二十四年から人・農地プランに取り組む中で、今般、法定化も視野に人・農地プランをしっかりしたものにしていただきたいという提案を出させていただいたわけであります。同じ役場の中にいる、当時、別の方の方からああいうものが出てきて、あれっというのがいささか偽らざる印象ではありましたが。
ただ、私が拝読する限り、たしか一律の義務化をやるようなものについては反対というふうな、そういう表現があったかと思います。地域の実情を踏まえてということであれば、やはりその伝わり方として、令和七年に地域計画を作る際に完成版を全国一斉に求めるというふうに御認識になれば、それは一律義務化みたいな判断をされたのかなと思うわけですが、私どもの認識は、この間、人・農地プランの実質化にそれぞれの地域でお取り組みいただいているわけですから、その延長上に、先ほど申し上げましたが、今回の地域計画をべたな言葉で言わせていただければ、人・農地プランの実質化というのは最終的には作文で、この中心経営体に寄せていきますとか、その地域の作文をするわけであります。それを、今回の地域計画の中でそれを地図化していくということですから、ありていに言えば実質化を地図化していくという取組だと位置付ければ、その実質化の進捗状況に応じて、それこそ、その地域の実態に応じて取り組めるというふうに理解して取り組めるのであれば、市長会さんの認識もそうなのかなと。
要するに、現場実態に踏まえるということは、今現場で実質化が進んでいるわけですから、それに応じた地図化というものをしていく、それが今回の地域計画ということで、まさにその地域の実態に応じた取組を今回の法案の中で担保していただければ、ああいう御不安は払拭できるのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/68
-
069・梅村みずほ
○梅村みずほ君 お二方、ありがとうございました。
地域の皆様が今まで積み上げてきたものがございますので、それを大切にしたいという、国の意向もありながらも、やはり方向性としては何とかしなくてはいけないということでこの法定化になっていると思います。
言ってみれば、地方の皆様の積み上げを大切にしながら地方で独自にプランを描いてねというのは、ボトムアップの手法であるとも思います。一方で、森島参考人がおっしゃった国のグランドデザイン出せやというところは、やっぱりトップダウンの、国が見ているビジョンを示してもらわないと地方としても目標地図の作成がなかなかしづらいですよというところもあるのではないかなと思っております。
人を増やしてほしいというのはこの委員会でも大変よく聞くんですが、私が以前いました文教科学委員会でも先生を増やしてほしいというふうに聞きます。介護・医療現場もそうです。そして保育士さんも足りていません。労働人口そのものが減っていって、これからも減っていくので、じゃ、農業人口増やせますかといったときに、大変厳しい現実があるということは受け止めなくては日本が前に進むことができないと思っております。
そういった意味では、効率化であるとか合理化であるとか、今まで農林水産業で頑張ってこられた方々がやはり怖いと思われるようなことにも踏み込んでいく必要もあるのかもしれないんですが、国が全体としてどう思っているのか、これは農林水産大臣だけではなくて、各省各庁の責任者たちが、国の方向性、国を守るという方向性、そこを示して、やっぱりシャンパンタワーのように上から下の方に下ろしてくるというビジョンが必要ではないかというふうに思っています。
そこで、森島参考人にお伺いしたいと思っております。
「養豚経営四十年 そこから見た貧困と人権」という記事を拝見しました。本当に、これ一三年の記事ですけれども、そこから九年今経過して、大変厳しい状況の中で養豚の世界を担ってきてくださったということに心から敬意を表したいと思います。
だからこその危機感が今日のお言葉に表れていたと思うんですけれども、息子さんが養豚を継いでくださっています。苦しいことを覚悟で息子さんにこの事業を引き継がれたのはなぜかという点、そして、息子さんに、数十年後、今日の森島参考人と同じことを言わせてはならないと私どもは思っているわけなんですが、そのために、遅れているんだ、システム、制度がと先ほどおっしゃいましたけれども、肝のシステム、制度として何を担保しなくてはいけないのか、この二点、お伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/69
-
070・森島倫生
○参考人(森島倫生君) ありがとうございます。
私、国のガイドラインをまず示せというふうにさっき申し上げたのは、トップダウンで示せという意味ではありません。御一緒にやりましょうよというときに、やれやれって言っていて自分は何も言わずにいるというのは、それは一緒にやりましょうよというスタンスじゃないんじゃないのという意味で申し上げています。ですから、あくまでも私どもは、村で、現場で、国が何と言おうと、どう言おうと、やらなければならぬことはやるということが基本的スタンスであります。ただ、一緒にやりましょうよという手はずっと差し伸べていきたいというふうに思います。
それから、私が大学卒業して以来、金もうけの方にどんどん人間が行けばよかったんだけど、どうもそういうところに余り行かずにこんなことばっかりやっていましたので、なかなか経済的には厳しい養豚業界を生きてきたということは間違いないことでした。
ただ、息子がそれをなぜ継いだかということは、余り話したことはないんだけど、多分おやじが格好いいってどこかで思っているんだろうね、農協でのこととか、あるいは養豚組合でのこととか、豚を飼う姿とか、多分どこか格好いいって間違って思っちゃってそういうことになったということかなというふうに思います。
それはそれで、今息子は息子なりの苦しみの中で、なかなか展望が持てない中で世代間格差、私と息子の間では大きな世代間格差があります。ほとんど話をしないという状況の中で一緒に仕事をしております。話をすればけんかになるというのはどこのお宅でもあるようでございますが、うちも漏れなくそういうことになっています。ただ、男二人、何とか頑張れると思って頑張っていかないとなというところだけは息子と共有しているかなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/70
-
071・梅村みずほ
○梅村みずほ君 森島参考人は大変格好いいと本当に思うんですね。それはなぜかというと、私、地元が大阪府ですけれども、能勢町というところがあって、そこから、脱サラをして、地域で農林水産業者の若手をどんどん生み出している方に先週末お話聞いたんです。そうしたら、浜松すごいんですよと言っていたんです。とぴあ浜松ってあって、参考人として森島参考人が来られると知る前だったと思うんですけど、先週、お話聞いたときにですね。やっぱり、販売所を設けていると、それはやっぱり稼げない農家がたくさんいるからというところでいかれたのかなと思うんですけれども、小規模な農家の育成に熱心、直売所等も整備、消費者を半生産者ぐらいに引き上げるという感じですというふうに、その大阪の方でも浜松の取組というのはとどろいているということなんですね。
話をすればけんかになるとおっしゃいました。けんかを今しなきゃいけないんだと思っています。若手とベテラン、地方と国、そして個人と法人、それぞれ立場が違うけれども、農林水産業の未来を考えて熱心に取り組んでいるからこそ、けんかも起きると思っていますので、地方と国が、若手とベテランが、個人と法人がけんかをするべきなのではないかというふうに思っております。
森島参考人にもう一点だけお伺いしたいと思うんですけれども、なかなか、関係人口が減っていく中で、私は、法人というのはこれからの日本の胃袋を支えるのに鍵になってくると思っています。農地の取得というのはリースでいいというふうに農林水産委員会では度々聞くんですけれども、私は、リースで三年、五年実績を重ねれば取得もいいとは思っているのですが、その辺りの御見解をお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/71
-
072・森島倫生
○参考人(森島倫生君) 梅村委員のそういうお話、あるいはお立場は、日本農業新聞、農協の新聞できちっと紹介されておりますので、私よく承知しております。
よくあるお話で、私も、余りかちかちになって企業が駄目だというふうに十把一からげで言っているわけじゃないんです。ただ、法人というのは金もうけをすることが第一義的に求められる事柄じゃないんですかと。それで、金もうけと地域との共存というのは本当にきちっとうまくいくのかというふうに考えたときに、なかなか企業の経営者の方々が御苦労している現状もあるんです。それは農村の従来の古い人たちが意地悪だということばっかりじゃなくて、やっぱり経営をして金もうけをしていかな法人としては成り立たないというところでのいろんな無理や苦しみが今の日本社会の中に新たなバッティングを生むとすれば、ここは我々農業委員としてもちょっと物を言わせてもらうよというふうに思っているということでございますので、梅村委員とまたゆっくりとお話をさせていただきたいというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/72
-
073・梅村みずほ
○梅村みずほ君 終わります。是非ゆっくりと次回お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/73
-
074・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
三人の参考人の皆さん、今日は本当に貴重な御意見ありがとうございます。大変味のある話も含めて、感心して聞いております。
先日、実はこの参議院の農水委員会として、委員派遣で埼玉県の東松山などに行って、いろいろ見たり勉強したりということをやって、大体農水委員会で行くときというのはうまくいっている例が多いんですよね。それでもやっぱり現地でいろいろ話聞きますと、市の担当者の方が、政令や省令で決めることが多くなるわけで、具体的なことがなかなか見えていない中で不安もあるということで、率直な意見も出されていたんですね。
それで、今日やっぱり、これまで現場で実際当事者としていろいろ取り組んでこられて、人・農地プランと、これ具体的にしていくときにぶつかっている課題とか、それからやっぱり、苦労している、一番、そういう意味ではどこに一番苦労されているかなというところを三人の方からそれぞれお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/74
-
075・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) まずは笠原参考人。笠原参考人から順番にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/75
-
076・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
人・農地プランの話合いに入るときに一番私が苦労しているなというのは、世代間のギャップのところです。話合いに出てくるのは、どちらかというと農地所有者であるお父さん世代、おじいちゃん世代の方々が多くて、実際に農業を担っている方々は、まあおやじが行って話聞いてくれば済む話だろう程度に最初思われるケースがとても多いです。御自宅に戻られたときにその経営者、農地所有者の方から御家族に話がないというのが一番困るところで、おやじが聞いてきたんだけれども、お配りした資料の中にもそういった部分があるんですけれども、もう一回説明をしてくれないかと息子さん世代若しくは奥様から連絡をいただくケースもあります。
人・農地プラン、それからこれから始まるであろう目標地図の策定に関しては、その経営体全ての方がきちんと把握していただく必要があると思っておりますので、そこのギャップをも埋めるために、可能であれば若い世代の方々をもう一度集めた上で人・農地プランの話合いをしてきたケースもあります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/76
-
077・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
苦労はいっぱいあって、どれからしゃべっていいか分からないんですが、一つに絞ってお話しさせていただきます。
陳述の中でも申し上げた、どなたかの御質問の中でも申し上げたかと思いますが、これから地域計画、地図作り、要するに、農業を担う者をその地図に落とし込んでいくという作業にみんなが取り組む中で一番の課題は、担い手がいないということですよね。その地域に担い手がいないとすれば、どうやって外からそれを入れてくるのかということに、これもみんなが挙げて苦労しなければならないことだと思います。
口では地域外の担い手を呼ぶというのが、それだけの話ですけれども、実際それを入れることというのはいかに大変だし、また、その情報が、どこにそういう人がいるのか。また、入ってくる人に対して、逆に地域の方がうちはこういう地域だという情報発信も当然必要でしょうし、そういうことがなければ外からも人が入ってこない。そういう相互の、外から人に入っていただくことについての取組をどういうふうにやるのか。
今、今年度の農水省の予算の中でもそういうデータベース化の取組もあって、そういうものをどんどん太くしていくということも必要ですが、そういう装置的な対応も必要ですし、また、その地域の皆さんが外から人を入れるということについて、それはかなりの大きな決心だと思うんですね。
ある意味、よそ者を入れるということについてどういうふうに合意を取り付けていくのかということも含めて、そういうメンタル的なそういう合意形成と同時に、そういう情報として、うちの地域はこういう地域だと一々自ら発信して、それを受けて外から外部の人が入ってくる、そういうチャンネルをどうつくっていくかということが、この法律ができた後、運用していく段階で最大の課題になってくると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/77
-
078・森島倫生
○参考人(森島倫生君) お二人が前段おっしゃったとおりだと思います。
加えて、先ほど梅村委員からお話のあった私どもとぴあ浜松農協のファーマーズマーケットなどに出荷して、頑張って余り大きくない農業経営としても成り立たせようということで頑張るわけだけど、そのファーマーズマーケットに出店、出荷している程度では息子一人恐らく大学にやれないだろうなというようなレベルの仕事になっちゃっているわけですね。
だから、これを集落営農というか、集落できちっと農業をやって取り組めば息子や娘二人ぐらいは大学にやれるよというような展望をやっぱり若い人たちに示すことだというふうに思います。このことができれば村は盛り上がる、絶対に盛り上がるというふうに思っています。ここのところも是非先生方と共有したいということです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/78
-
079・紙智子
○紙智子君 それで、ちょっと続けて森島参考人にお聞きするんですけれども、この資料でもってJAとぴあ浜松という写真が載っていて、めちゃめちゃいい写真だなと思いながら見ていたんですけれども。
それで、先ほども、ほとんど舟山さんが質問されたこととかぶるんですけれども、私もお聞きしていて、現場の偽らざる本音の部分というか、いや、作れ作れと言うけど国はプランあるのかということというのはずしんと響くことで、やっぱり国としては、これから先、日本の農業をどうしようとしているのか、どういうふうな農地を確保しようとしているのかということがやっぱり問われているということを先ほどのお言葉から感じたわけなんですね。
それで、人・農地プランというのは、集落や地域でよく話し合って、現状に即して計画をみんなで取り組んでいくんだということで取り組まれてきたんだけれども、それでも実態は耕作面積も減り続けてきたし、販売農家や基幹的従事者も減り続けてきたわけですよね。これってなぜなんだろうかという思いは現場には本当にあると思うんです、なぜなのかと。どうしたら減少傾向に歯止めを掛けて農地を有効に活用していけるのか、国というのは農業の担い手をどうすれば励ませるというふうに、ちょっと今答え的なことを言っていましたけど、そこについてお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/79
-
080・森島倫生
○参考人(森島倫生君) ありがとうございます。
私ども農協の養豚協議会、養豚部会などで活動しておりますと、法人として成功して、立派に全国を代表するような養豚事業者になった方もおいでになります。
ところが、この間、国は規模拡大を求めた、全ての作目について規模拡大を求めた。それから、法人化を求めた。それからもう一つは、輸出を求めた。輸出事業として成功させていこうじゃないかというようなことを言った。
基本的に、私は全部失敗したと思っています。大規模にすればするほどどえらい思いをすることになっちゃったことの責任は一体誰が持っているの。私なんかは、もうこの方向駄目だなと思ったから大規模化しなかった。ちっちゃな規模でやっていける農業を、農業の道を歩もうというふうにもう三十年、四十年前に決意したのでその方向で来たんだけど、大規模にやった人ほど大変な思いをしているというのは、やっぱり農政の私、失敗とは言わないけれども、誰か責任持ってよというふうに彼らを見ていて思うんです。
そのことを、今、紙委員のお尋ねからすれば、もう先生方、十分こんなことは分かっていることでして、やっぱりG7の国々の、ここら辺の所得補償と価格保障についての組立て、アメリカの価格維持の政策、こんなことはもう先生方みんな分かっていることなんだけど、ここに全くこの国は手が着かないわけです。ここのところをちょっとでも触ると我々は元気になるし、若い子たちにも希望の光が見えてくるということではないかと思っています。ここに手を着けるのは先生方にとっては命懸けなんだろうけど、是非頑張ってもらいたいなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/80
-
081・紙智子
○紙智子君 それでは、笠原参考人にもお聞きします、ちょっとだんだん時間がなくなってきたんで。
私もこの資料を読ませていただいて、農山漁村文化協会の「季刊地域」、この中に書かれている笠原さんの考えというのを読んで、とても共感を実は覚えているんです。担い手というと、農水省が念頭に置いているのは大規模な専業農家や法人経営ですよね、人・農地プランでも、地域での話合いの結果、農地を担う中心経営体を決めるように言ってきたけど、私はこの言葉嫌いなんですと言われて、耕作面積が少なくても、米を作り続ける農家はみんな担い手です、経営の規模で農家を中心とそれ以外の分別して考えるのは間違っていますと言われているんですよね。担い手は絞るのではなくて増やすんだと、育てるんだというスタンス、ここにもとても共感を覚えます。
それで、やっぱり、これまで丁寧なその農業委員としての仕事をされてきているということで感心するわけですけど、この言われていることが、やっぱり法案の中にその言葉というか趣旨がきちっと書き込まれるべきではないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/81
-
082・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
まさに個人的にはという言い方になってしまいますけれども、私たち地域を回る際に、担い手を、今いる担い手をきちんと担い手として存続していただくことが一つ、それから、担い手を探し出していくことがもう一つの仕事だと私個人的には思っております。
そうなったときに、大きな中心経営体だけではなくて、その中心経営体とともに地域と農地を共に支えていく方々もやはり担い手であるべきだというふうに個人的には思っておりますので、法案に書くべきかどうかというところについては私からの発言は控えさせていただきますが、決して地域の中の担い手は大小ではないと思っているところです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/82
-
083・紙智子
○紙智子君 最後、ちょっと時間がなくなってきたんですけど、稲垣参考人にお聞きします。
確かに、農業委員会としていろんな要求してきている内容が今回大分反映されているというお話があって、私も一時期から見ると大分押し返しているなという感は実はあります。
農業経営基盤法の改正で、農業委員会の役割が非常に大きくなっていると。市町村の農政部局の職員が減っていて、実は農業の現場よく分からないとか、それから、バンクの職員も農業の現場を知らないという話も聞く中で、農業委員会に頼るしかない状況が生まれていると思うんです。でも、目標地図の素案を作るとか目標地図の達成にも農業委員会が中心になっていかざるを得ないと。そういう意味で、今のその体制で対応できるかどうかというのはとても心配でもあるんですけれども、その辺、最後にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/83
-
084・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
陳述の中でも申し上げましたし、いろんな方、先生の御質問の中でも申し上げましたが、この間、農地利用の最適化に平成二十七年の法律改正を踏まえて二十八年から農業委員会取り組んでいる中で、いろいろ課題等をおつなぎしてきた中で、今回条文でいろんなものを反映していただいたということ、本当にそういう意味では現場の取組がこちらの方に届いたのかなと思っております。大事なことは、このできた法律が現場でしっかりと四万人の委員さんが使いこなせるように、運用の段階でそういうものを整備していただくということに尽きるのだろうと思っております。それがマンパワーの話でもあるでしょうし、また、タブレットとかそういう物的な支援なりも含めて総合的に手だてを講じていく。
それからまた、地域の実情、要するに、地域の実情というか現場というのは、千六百九十五の農業委員会の現場もございますし、四万人の委員さんそれぞれが現場を持っているわけでありますので、それぞれの委員さんが伸び伸びと仕事ができるように、この法律を突破口にして運用の方でも手当てをお願いしたいということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/84
-
085・紙智子
○紙智子君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/85
-
086・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/86
-
087・須藤元気
○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。
参考人の皆様、本日は専門的かつ貴重な御意見をありがとうございます。
私は、農林水産委員会になる前から有機農業に興味がありまして、本法律案もうまく使っていけば有機農業を広げていく大きな流れになるのではないかと期待しております。
〔委員長退席、理事藤木眞也君着席〕
その有機農業を軸にちょっとお聞きしたいんですが、まずは笠原参考人にお尋ねいたします。
有機農業のマッチングについてですが、笹神地区は、JAを中心に有機農業に取り組んできたことから、若い専業農家が多いという記事を見ました。農薬の使用などの面で、有機農業のエリアと慣行農業のエリアとでは一定の距離が離れてなければいけないなど、いろいろな問題があるかもしれないんですが、そこでお伺いいたします。
実際、マッチングをされている現場において、有機農業はどのような問題点や課題があるのか、是非現場の声をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/87
-
088・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
笹神地区につきましては、かなり、既に多分四十年ほど前から有機農業に取り組んでまいりました。私のところであっせんが増えてくる前、実は、この笹神地区で大変あっせんが多く出ていたところです。その際に、あっせん委員となった農業委員の方々、大変苦労をされていたのが、やはりその有機農業の圃場と慣行栽培の圃場とのあっせんの仕方が違うという、今まで有機農業をしていたところに慣行農業を入れるのは余り特段問題はないんですけれども、有機農業を継続するためのあっせんをする際には、かなりの労力と、それから農業委員会としてのデータも必要となっていました。
結果としては、有機農業をしていらっしゃる、していた農地がそのまま有機農業を続けてくださる方々に渡っていた状態でしたので、笹神地区、今でも有機の里ということでうたっている状態ですけれども、これが慣行栽培をしている私どもの、私自身の担当地区にあったときには相当な苦労をするのではないかなというふうにずっと見ていたところです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/88
-
089・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
有機農業もそうですが、この貸し手、借り手の年齢も状況も農地の広さもいろいろある中で、マッチングってかなり大変なんだなと思いました。
〔理事藤木眞也君退席、委員長着席〕
いただいた資料のこの「ハニワの農地あっせん日記」を見て、弘兼憲史先生の漫画「黄昏流星群」をほうふつとさせました。そんなたくさんの、御存じですかね、あっ、知らないですかね、済みません。そんなたくさんの人間模様を見てきたと思いますが、あっせんをする上で一番のやりがいであったりこのモチベーションって何なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/89
-
090・笠原尚美
○参考人(笠原尚美君) 御質問ありがとうございます。
やりがいは、あなたのおかげで私は農地を手放さずに済みました、それから、荒らさずに済みました、その一言に尽きると思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/90
-
091・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
なぜお聞きしたかというと、やはり笠原参考人のような方が増えていくことがやっぱり一番何かスムーズに物事が進んでいくんだなと思うので、ありがとうございます。
続きまして、稲垣参考人にお伺いいたします。
稲垣参考人は、有機農業の取組面積の拡大について、人・農地などの関連施策の見直しに関する要請の中に組み込まれております。それによると、みどりの食料システム戦略による二〇五〇年までに有機農業の取組面積を全耕地面積の二五%とする目標の実現に向けた取組について、人・農地など関連施策の見直しとの整合性に留意して推進することとあります。この整合性に留意して推進する何か具体的なものなどがありましたら教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/91
-
092・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) 御質問ありがとうございます。
この要請をした段階では、そのみどりの話がつまびらかでない中で、有機農業百万ヘクタールというのが出てきて、正直びっくりしました。
まさに、人・農地プランの法定化を目指して働きかけをしていた農業委員会の考え方とそれがどうマッチングしていくのか、それは当座は分からぬ、今もうまく、よく分からないわけですし、笠原参考人の今の御答弁もありましたように、いろいろ話を聞く中で、現場でその有機農業のあっせんに多くの農業委員会で御苦労いただいている事例をたくさん耳にしている中で百万という数字が出てきて、一方で、担い手に農地を八割集める話とか、いろいろその計画なり目標がなる中で、その辺の整合性をとにかくしっかり付けていただきたい、その一心で要請書は書かせていただいたという次第で、それは今も変わりございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/92
-
093・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
僕も、有機農家さんとかにお話を、この二〇五〇年までに有機農地面積を二五%、ほとんど口をそろえて無理じゃないかなという言葉を聞いて、でも、やはり絵に描いた餅にしてはいけないと思うわけなんですが、この目標実現のために何かやっていくべきこととかあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/93
-
094・稲垣照哉
○参考人(稲垣照哉君) これは全国農業会議所の立場で申し上げるのではなくて、個人の、一個人の見解と思ってお話しさせていただきたいと思います。
百万ヘクタール有機農業でやるためには、例えが失礼だったらあれですが、今週ですか、東松山と一緒に小川町の金子美登さんのところ行かれたと思いますが、直感的にああいう系を百万ヘクタールというのはあり得ないのかなと思っております。あの取組を、私も二十歳のときにあそこに援農に行って有機農業に接した人間ではありますし、そういうものが広がっていくのは大変重要だと思っていますし、また、今回の地域計画の中でああいう形の有機農業がそれぞれの地域計画の中にバランスよく配置されるということが大事かと思っております。
ただ、百万ヘクタールということになりますと、これはやはり水田農業とか大規模の土地利用農業の方に適用せざるを、それなしにこなせないのかなと。そのためには、それに対応した技術といいますか、資材なり機械なり、そういう農法が形成されれば百万ヘクタールというものが具体化するのか、これは一個人の感覚で、感想と思って発言させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/94
-
095・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
続きまして、森島参考人にお伺いいたします。
森島参考人は息子さんと黒豚を飼育、加工されていると聞いております。ちょっとこの法案質疑と質問ずれるかもしれないんですが、この資料の写真、豚の写真を見ると、何だかちょっと幸せそうなんですよね。ネットの記事でも見ましたが、できる限り豚にストレスや無理を掛けない養豚にこだわり、平飼いにして、薬を用いない発酵飼料と天然の地下水を与えているそうですが、このアニマルウエルフェアの観点からもとても重要なことだと感じます。
そこで、有機農業と同様に有機畜産、まあ有機畜産とまでは言わず、こういう平飼いであったり、森島参考人の農場のような豚に思いやりを持つことって大切だと思うんですが、そのような飼育方法の大切さというものを教えていただいてもよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/95
-
096・森島倫生
○参考人(森島倫生君) 私が申し上げるまでもなく、須藤先生もう十分お分かりのようでございますが、有機であるとか、あるいはアニマルウエルであるとかというのは、とてもある意味その言葉でなかなか表現し切れるものかどうかというのは私、結構難しいなと思っています。
例えば、有機、有機農業って何と言われたときに、私の仲のいい人はアイガモ農法なんかやっているんだけど、彼の規定は農薬を使わないこと、それから化学肥料を使わないことというふうに言っています。これが彼の有機農業の、何というかな、規定だというふうに言います。
私は、豚を飼うときに、ほぼ一頭で、一頭でできれば六平米とか七平米ぐらいの面積が必要だというところから豚の飼い方を決めてきましたが、やっぱりそれを超えて密飼いになると豚というのは死ぬんだなということを本当によく豚に教えられてきました。ですから、一定の空間を超えると育たないという意味から私はこういう飼い方を選んでいるわけでして、特にその豚がどういうふうな肉に仕上がるかということも含めて、結構その辺りのところは豚というのは正直だなというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/96
-
097・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
本当に、近年はこの養豚に使う飼料が高騰し、養豚業の経営も本当大変である中、この森島参考人の、良い豚を育てよう、おいしい豚を育てようと手間を掛けるとそれだけコストが掛かるため、より大変だと思います。本当、このまま行ってしまったら、中小・家族経営というのは立ち行かなくなり、大規模資本家ばかりが介入してしまい、経営の効率化の下で本当にいいものが流通しなくなってしまう危険性もあると思っています。
そのような中で、この養豚業と資本主義の関係というんでしょうか、森島参考人はTPPにも反対されておられるようですが、そのようなお考えのこの背景事情などをお聞かせいただきたいんですが、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/97
-
098・森島倫生
○参考人(森島倫生君) おっしゃるとおりだと思います。
農業という仕事は、これ、私のお付き合いいただいている私どもの地域選出の自民党の国会議員の先生もよくおっしゃることなんですが、農業とか教育とか、あるいは医療とか、そういうものを金もうけで物を考えるなというふうによくおっしゃるところがあるんですね。私、そうだなというふうに思うんです。
特に、我々のやっている農業あるいは畜産というようなものは、それは金もうけないかぬけど、しかし一番は、先ほど笠原さんもおっしゃっていたことにつながるんだけど、やっぱりお客さんにおいしかったねと言ってもらって、また作ってねと言われる再生産の流れをつくっていくことが私はその資本主義の、新しい資本主義と言われるところの意味合いで、本来はそういう方向で今後の資本主義は進んでもらいたいなというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/98
-
099・須藤元気
○須藤元気君 貴重な御意見ありがとうございます。
そして、参考人の皆様、ありがとうございます。
私の質問は以上になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/99
-
100・長谷川岳
○委員長(長谷川岳君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様の深く見事な見識、経験に基づいた発言は各委員の心に届いたのではないかと思います。これからも日本の農業をお支えをいただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815007X01420220517/100
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。