1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和四年四月五日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
三月十六日
辞任 補欠選任
竹内 功君 藤川 政人君
三月十七日
辞任 補欠選任
藤川 政人君 竹内 功君
三月十八日
辞任 補欠選任
吉良よし子君 小池 晃君
三月二十二日
辞任 補欠選任
小池 晃君 吉良よし子君
三月二十三日
辞任 補欠選任
竹内 功君 藤川 政人君
宮口 治子君 杉尾 秀哉君
三月二十四日
辞任 補欠選任
藤川 政人君 竹内 功君
杉尾 秀哉君 宮口 治子君
三月二十八日
辞任 補欠選任
竹内 功君 岡田 直樹君
片山 大介君 片山虎之助君
三月二十九日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 竹内 功君
宮口 治子君 小沼 巧君
片山虎之助君 片山 大介君
三月三十日
辞任 補欠選任
小沼 巧君 宮口 治子君
四月四日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 山下 雄平君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 元榮太一郎君
理 事
今井絵理子君
上野 通子君
堂故 茂君
宮沢 由佳君
委 員
高橋はるみ君
竹内 功君
丸川 珠代君
水落 敏栄君
山下 雄平君
水岡 俊一君
宮口 治子君
蓮 舫君
佐々木さやか君
横山 信一君
伊藤 孝恵君
片山 大介君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 末松 信介君
副大臣
文部科学副大臣 田中 英之君
文部科学副大臣 池田 佳隆君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 高橋はるみ君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
政府参考人
内閣府科学技術
・イノベーショ
ン推進事務局審
議官 合田 哲雄君
文部科学省大臣
官房審議官 淵上 孝君
文部科学省総合
教育政策局長 藤原 章夫君
文部科学省高等
教育局長 増子 宏君
文部科学省高等
教育局私学部長 森 晃憲君
文部科学省科学
技術・学術政策
局長 千原 由幸君
文部科学省研究
振興局長 池田 貴城君
文部科学省研究
開発局長 真先 正人君
スポーツ庁次長 串田 俊巳君
文化庁次長 杉浦 久弘君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
する調査
(二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピッ
ク競技大会後のスポーツ施策に関する件)
(家庭環境と子供の教育格差に関する件)
(学校におけるALPS処理水の広報の在り方
に関する件)
(海洋プラスチックごみ問題に対する文部科学
省の取組に関する件)
(ヤングケアラーへの支援の必要性に関する件
)
(文理融合を進めていくための方策に関する件
)
(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の
充実支援事業に関する件)
(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業
に関する件)
○博物館法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/0
-
001・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/1
-
002・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官合田哲雄君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/2
-
003・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/3
-
004・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/4
-
005・水落敏栄
○水落敏栄君 皆さん、おはようございます。自由民主党の水落敏栄でございます。
冒頭、ロシア軍によるウクライナ侵攻で犠牲になられた皆様に対し、お見舞いを申し上げますとともに、哀悼の意をささげます。このロシアの暴挙に、政府は国際社会と一致団結し、ロシア政府に対して即刻停戦するよう強く働きかけることを求めます。
私事ですけれども、少しお話をさせていただきます。
私は、さきの大戦で父を亡くした戦没者の遺児であります。ウクライナの至る所で、いたいけな子供たちが泣き、おびえる姿に胸が締め付けられます。中でも、防空ごうにしている地下鉄の構内で、五歳ぐらいの男の子が、戦争は嫌だ、早く終わりにしてほしいと目にいっぱいの涙をためながら話す姿に、さきの大戦での自身の思い出が重なり、胸が張り裂けそうになりました。
戦争は絶対にしてはいけません。戦争は悲劇しか生みません。私は、二度と私たちのような遺族を出さないという固い決意の下結成された日本遺族会の会長を拝命しております。戦争の惨禍を繰り返さないためには、戦争の記憶の風化を防がなければなりません。私は、戦争で辛酸の限りを尽くした戦没者遺族に課せられた、戦争の悲惨さ、平和の尊さを語り継ぐ平和の語り部としての社会的責務を果たすべく、これからも活動を続け、平和な社会を希求してまいります。
戦後生まれが国民の九割を超え、戦争が風化される一方、世界に目を向ければ、ミャンマーの軍事クーデターによる混乱、北朝鮮の度重なるミサイル発射など、世界では紛争が絶えず、今もこの瞬間、罪のない命が失われ続けています。何より、ロシアによるウクライナ侵攻は、愚かな指導者により簡単に戦争が始まることを示しており、我が国にとっても決して対岸の火事ではありません。
私は、戦争をしないこと、つまり平和な国をつくることが政治の大前提だと思います。党派は関係ありません。国民の負託受けた私たち国会議員が、二度と戦争の惨禍を繰り返さない強い決意を持って、恒久平和な社会の構築に努力してまいりましょう。
それでは、質問に入りたいと思います。
昨年開催された東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、コロナの感染が広がる厳しい状況の中での大会開催となりましたが、大会関係者の方々の御尽力により、防疫措置の徹底を図り、クラスター感染も発生することなく、円滑に大会運営を行うことができました。また、コロナ禍での大会開催による不安や様々な制約がある中、全力で取り組む選手たちに寄せられた世界各国からの熱い声援は、今大会を成功に導く大きな支えとなりました。そして何よりも、選手が全力でプレーし、対戦した選手同士が相互の健闘をたたえる姿に、スポーツのすばらしさを感じることができました。スポーツの持つ価値を改めて確認することができた大会だったのではないでしょうか。私は、本大会が世界中の多くの方々に夢と希望と感動を与えたすばらしい大会となったことを高く評価したいと思います。
さて、こうした東京大会の成功をスポーツレガシーとして次につなげていく必要があると考えています。そのためにも、末松大臣が所信で述べた、述べられたように、全ての人々がする、見る、支える機会を確保することを通じ、スポーツ立国を実現することが必要です。
そこで、お尋ねします。東京大会の成功、成果をしっかりと継承し、スポーツ立国実現に向けて、第三期スポーツ基本計画を着実に実行するため、競技力の向上、部活動改革など子供のスポーツ機会の確保、スポーツを通じた健康増進や、経済、地域活性化、ドーピング防止活動、スポーツ関係予算をしっかりと確保し、これらの取組を推進していくことが重要と考えますけれども、大臣の所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/5
-
006・末松信介
○国務大臣(末松信介君) おはようございます。
文部科学省では、東京大会のスポーツレガシーを継承するとともに、誰もがスポーツに親しみ、スポーツの力で活力ある社会の構築を目指すため、先月、第三期スポーツ基本計画を決定をいたしました。今先生お話ありましたレガシー、まさにコロナ禍という困難の中でも東京大会をやり抜いたというそのノウハウ、また共生社会への理解であるとか地方創生とまちづくり、スポーツを通じての国際交流、こういったことが挙げられると思います。
計画の初年度となります令和四年度のスポーツ関係予算につきましては、前年度から増額の三百五十五億円を計上したところでございます。この計画をしっかり活用しながら、第三期スポーツ基本計画を着実に実行してまいりたいと考えております。
具体的には、持続可能な競技力向上の体制の確立、また運動部活動改革の加速化であるとか子供の体力向上、スポーツ参画人口の拡大、スポーツによる地方創生、経済活性化、そして今先生もお話ありましたドーピング防止活動などに取り組む考え方でございます。
東京大会、北京大会を通じまして、改めて、スポーツは国民に夢や希望を届けてくれる力、スポーツには力があるというのが実感でございます。文部科学省としましては、国民一人一人の人生を豊かにして、社会を変えて、そして未来をつくり上げる力が、このスポーツ振興により精力的に取り組むため、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/6
-
007・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
第三期スポーツ基本計画の実行に向けて、スポーツ関係予算の確保にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、国立競技場の東京大会後の利用についてお尋ねします。
私は文部科学副大臣在任中、東京大会の開催に向け、国立競技場の整備を担当しました。当時、新国立競技場整備事業に関する連絡会議を主宰し、関係者間の情報共有の徹底を図るとともに、競技場建設中、節目節目に現地に足を運び、労働環境の把握と改善に努め、安全を第一に着実な整備を進めました。こうして完成した国立競技場において、この度、オリンピック、パラリンピック共に、開会式、閉会式の開催を通じて世界中に感動を届けることができたことは大変喜ばしく思います。
その上で、私は、この東京大会で生み出された成果を一過性のものとせずに、本大会後、いかに利活用していくかが極めて重要であると考えます。
そこで、お尋ねします。東京大会後、国立競技場はどのように利活用されているのか、現状を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/7
-
008・串田俊巳
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
国立競技場についてでございます。国立競技場につきましては、昨年夏開催されました東京オリンピック・パラリンピック競技大会に使用された後、復旧の工事中でございましたけれども、先月末にこの工事については無事終了したところでございます。
この工事期間中の年末年始におきましては、サッカーやラグビーの選手権大会にも使用されたところでございますけれども、今月からいよいよ定常運営を開始いたしまして、年間を通じて国際大会や全国大会等が開催される予定となっております。我が国のスポーツ振興の中核拠点として最大限利用することとしております。
こうしたことに加えまして、東京大会終了後、少しでも多くの国民の皆様に国立競技場に親しんでいただけますよう、昨年十月からスタジアムの一般公開といったものを開始しております。復旧工事の休みの日になりますけれども、スタジアム内でフィールドを観覧できる取組といったものを実施したところでありまして、これまで一万人を超える参加を得ているというところでございます。今月からは更に見学できる場所を増やすなど、発展、充実を図ってまいりたいと思います。
スポーツ庁といたしましては、国立競技場について、こうした様々な取組を更に充実いたしまして、広く国民の皆さんがトップレベルのスポーツに触れ、スポーツへの関心を高める機会を提供する、また、日々人々が集まり、愛されるスタジアムとなるようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/8
-
009・水落敏栄
○水落敏栄君 国立競技場の利活用の状況は分かりました。
その上で、当時、私は大会後の運営管理に関する検討ワーキングチームの座長も務めておりました。このワーキングチームでは大会後の運営管理に関する基本的な考え方を取りまとめ、コンセッション方式を導入するなど、運営管理に関する民間事業化の検討を進める方針を示し、関係閣僚会議へ報告させていただきました。
また、この方針を取りまとめるに当たりまして、国際的な動向を調査し、私自身もフランスのスタッド・ド・フランス、イギリスのロンドン・オリンピックスタジアムを訪問し、各施設の管理者と意見交換しました。いずれの施設においても、スタジアムの収益性を高めるために、企業向けのボックスシートを販売することや、コンサート、スポーツ以外のイベントを誘致することなどによってそれぞれの施設に応じた取組を行っていました。また、コンセッション方式を導入するなど、民間活力をうまく活用し、収益性を、収益性の向上につなげていました。
そこで、お尋ねします。国立競技場の民間事業化の現在の検討状況と、今後どのように収益性を高めていくおつもりか、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/9
-
010・串田俊巳
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
国立競技場の運営管理についてでございますけれども、平成二十七年になりますが、関係閣僚会議におきまして民間事業への移行を図るということとされまして、文科省を中心といたしまして検討を進めてまいりました。また、平成二十九年当時になりますけれども、当時の水落文科副大臣のところで中心になって取りまとめていただきました大会後の運営管理に関する基本的な考え方におきまして、コンセッション事業の導入可能性に関する調査、それからマーケットサウンディングなどを行うこととされておりまして、現在これらの方針に沿って検討を進めてきたところでございます。
が、一方で、その後に生じました新型コロナウイルスの影響を受けまして、東京大会が一年延期されたこと、それから民間事業者を取り巻く経済環境も大きく変化しているということもございまして、事業者の関心の度合い、意見を改めて把握することが重要と考えております。
このため、国立競技場の所有者であります日本スポーツ振興センター、JSCにおきまして、昨年十一月から民間事業者への意見募集を開始しておりまして、事業者の感触等を丁寧に確認しながら、実現性のあります事業スキーム、スケジュールを見定めていくこととしております。
また、国立競技場の収益性を高めるため、年間を通じて国際大会、全国大会の主会場とするなど、先ほど申し上げたとおりのスポーツ振興の中核拠点として最大限利活用するとともに、スポーツ以外のイベントにも活用を広げてまいりたいと考えております。加えて、イベントのない日につきましては、先ほども申し上げましたが、現在行っております競技場の様々な見どころを見学するスタジアムツアーなどをより充実させていきたいと考えております。
こうした様々な取組におきまして、民間のノウハウを活用し、コストの削減につなげることが大事でございまして、スタジアム全体で収益性を高めていくことが求められております。現在、JSCにおきまして、専門家の助言を得つつ、民間事業者の意見などを集めながら検討を進めていると承知しております。
スポーツ庁といたしましては、民間のノウハウと創意工夫を最大限活用できる事業スキームの構築に向けて取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/10
-
011・水落敏栄
○水落敏栄君 次に、アンチドーピングについて伺います。
先般、北京で開催された冬季五輪においては、日本選手団の高木美帆選手、平野歩夢選手、小林陵侑選手の金メダルを含めて過去最高となるメダル十八個を獲得して、コロナ禍で沈みがちな国民に明るい話題をもたらしてくれました。一方で、フィギュアスケートのワリエワ選手については、オリンピック前の大会で行われたドーピング検査で禁止物質が検出されて、本来ならば暫定的資格停止処分となるところ、結果的には試合出場が認められて、大会運営に混乱を招きました。この影響を受けて、日本が三位となったフィギュア団体の成績も暫定扱いとなり、表彰式が大会期間中に開催されませんでした。スポーツはフェアでなければならない中、ドーピング違反は大きな脅威であり、許されることではありません。
そこで、お尋ねします。私が副大臣時代には常任理事を務めるなど、世界ドーピング防止機構、WADAの設立当初から中心的な役割を果たしてきている我が国として、ドーピングのないクリーンなスポーツの実現に強い責任を持って取り組まなければならないと思っています。このワリエワ選手の事案を含め、ドーピング違反に対して今後どのように対応していくのか、副大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/11
-
012・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 水落議員におかれましては、文部科学副大臣在任中、世界ドーピング防止機構、WADAの常任理事を務められ、二〇一九年九月のWADA常任理事会の日本招致、そしてまた、ラグビーワールドカップ二〇一九及び東京二〇二〇オリパラ大会に向けたアンチ・ドーピング体制の構築・強化に向けたタスクフォース報告書の取りまとめなど、ドーピング防止活動の推進に多大なる御貢献をされたと認識いたしております。
議員御指摘のとおり、我が国はWADA設立当初より一貫して常任理事国でありまして、国際的なドーピング防止体制の構築に中心的な役割を果たしてまいりました。私も、水落議員の後輩の常任理事として、しっかりとその役割を果たしてまいりたいと思っているところでございます。
お尋ねの、北京大会でワリエワ選手の試合出場を認めたスポーツ仲裁裁判所の決定については、個別競技の個別事案でありますので、政府としてのコメントは差し控えますが、この事案が生じたことによってアスリートにとって晴れの舞台であるメダル授与式が開催されなかったことは、フィギュアスケート団体で活躍した日本選手の気持ちを考えると、大変残念に思うところでございます。
アスリートにとって、クリーンでフェアなスポーツに参加する権利が守られることは大変重要なことである、認識しております。文部科学省といたしましては、アスリートが日頃の成果を最大限発揮できるよう、引き続きWADAと緊密に連携を図りながら、巧妙で高度化するドーピングに対応した検査分析体制の整備やドーピング検査員の育成及び研修、そして、アスリートをドーピングから守るため、国内の関連スポーツ団体等と連携した教育の実施並びに研究活動の推進などのドーピング防止活動の充実に今後も取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/12
-
013・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
クリーンなスポーツの実現に向けてドーピング違反への対応は重要であって、強い決意を持って取り組んでいただきたいと思います。
次に、科学技術分野に関して伺いたいと思います。
まず、若手研究者への支援について伺います。
資源の乏しい我が国にとって、優秀な研究者や技術者の育成、確保こそが最重要課題であると考えます。中でも、近年、激動する社会が我々に提示する課題は極めて複雑化、多様化している中で、それらを解決していくためには、高度な専門知識、能力を有する博士号取得者がより一層活躍できる社会にしていく必要があると思います。
しかしながら、元々、我が国では、諸外国と比べて博士号取得者数が少ないという状況に加えて、近年、大学の修士課程から博士課程への進学者数、進学率が減少傾向にあると承知しています。これは、博士課程への進学に経済的な不安があることや、将来の研究者等としてのキャリアパスが見えないことなどが要因として指摘されており、このままでは、将来のアカデミアのみならず、産業界を支える優秀な人材が確保できなくなることも強く危惧しています。
そこで、お尋ねします。将来の科学技術イノベーションを担う博士課程学生や若手研究者が経済的な不安を覚えることなく研究等に専念できるよう、経済的な面も含めて幅広い支援の充実を図るべきではないかと考えますが、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/13
-
014・千原由幸
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。
科学技術イノベーションを活性化するための最大の鍵は人材と存じております。博士後期課程学生を含め、高い意欲を持った優秀な若手研究者を育成し確保していく、このことが極めて重要であると認識しております。
昨年閣議決定されました第六期科学技術・イノベーション基本計画におきましては、博士後期課程学生の処遇向上や若手研究者のポスト確保などに関する目標が盛り込まれてございます。
文科省では、これらの目標を達成をするために、博士後期課程学生への経済的支援の抜本的な拡充、若手研究者等を中心に最長十年間にわたり研究支援を行う創発的研究支援事業の推進、国立大学における若手ポストの確保など、人事給与マネジメント改革を考慮した運営費交付金の配分の実施といった取組を進めているところでございます。
今後とも、優れた人材の育成及び確保に向けた取組をしっかり強化してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/14
-
015・水落敏栄
○水落敏栄君 ありがとうございました。
若手研究者への支援の充実をどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、私はかつて、文部科学副大臣として、理化学研究所、物質・材料研究機構、量子科学技術研究開発機構等の研究開発法人を訪問して、研究者等がチーム一丸となってマテリアルや放射線医学等、国の重要課題の解決に向けたイノベーションの創出に取り組む研究現場を視察しました。
研究者の自由な発想に基づく基礎研究がイノベーションを生み出す種になります。基礎研究はともにすれば成果が花開くまでは時間が掛かるかもしれませんが、だからこそ国がじっくりと腰を据えて支援する、国がその姿勢を示すことで若手研究者が研究の道を志す意欲を高めることにもつながると考えます。
そこで、お尋ねします。今後、どのような基礎研究を充実させていくのか、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/15
-
016・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 間もなく時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/16
-
017・池田貴城
○政府参考人(池田貴城君) 基礎研究は新たな知的、文化的な価値を創造し、ひいてはイノベーションの源泉となる重要なものと考えております。
文部科学省といたしましては、基礎研究の多様性と厚みを生み出していくため、若手研究者などが長期間腰を据えて挑戦的な研究に打ち込める環境の整備や、幅広い研究者の結集、融合により新たな研究分野の開拓、それから、人文学、社会科学から自然科学まで、全ての分野にわたる独創的な研究への支援といった取組が重要であると考えており、令和四年度予算におきましても、科研費を始め必要な経費を計上しております。
文部科学省としては、こういった基礎研究の支援の更なる強化を通じ、若手研究者を中心とする多様な研究者の潜在能力を引き出していけるよう、基礎研究力の底上げを図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/17
-
018・水落敏栄
○水落敏栄君 以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/18
-
019・宮口治子
○宮口治子君 立憲民主党の宮口治子です。
まず初めに、新型コロナウイルス感染症蔓延による休校措置についてお伺いをします。
全国の多くの地域で適用されていたまん延防止等重点措置が解除されましたが、感染状況はリバウンドしつつある状況であり、いまだ予断を許しません。そのような中で、日々大変な御苦労をされていらっしゃる医療関係者の方々、そして教育現場の方々に感謝と敬意を表します。
二〇二〇年より国内で感染が広がり始めた頃より約二年が経過いたしましたが、当時、感染拡大初期は全国一律の休校措置がとられました。その後の対応としては、学級閉鎖、学年閉鎖あるいは分散登校といった個別の学校での対応となり、教育現場がかなり混乱しました。
感染拡大初期からの流れで今このようになっておりますが、大臣、今までの流れについてどうお考えでしょうか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/19
-
020・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 二年前の予算委員会で水岡先生と安倍総理がやり取りをされたこと、休校と同時に卒業式であったと思うんですけれども、蓮舫先生の質問に、先、その後、二日後にだったのかな、質問されたときのことを、ちょっとやり取り覚えてございます。
それで、一昨年の全国一斉の臨時休業要請につきまして、この一、二週間、感染の流行を早期に収束させるための極めて重要な時期であるという専門家会議の見解を踏まえまして、多くの児童生徒や教職員が日常的に長時間集まることによる感染リスクをあらかじめ抑える観点から、あの当時行ったものでございます。
その当時、新型コロナウイルスの性質がよく分からなかった中で、感染の拡大を防ぎまして児童生徒の安全を最大限確保するという趣旨はおおむね何とか達成されたものと考えております。また、一斉休業の期間中に文部科学省から家庭での学びの継続を支援する情報を提供したり、厚生労働省において臨時休業に伴いまして仕事を休まざるを得なくなった保護者を経済的に支援する制度を創設したりするなど、現在につながる支援の枠組みを整備されてきたとは考えております。
新型コロナ対応が二年以上の長期に及ぶ中、児童生徒の重症化割合は他の年代に比べて低いことなども分かってきておりまして、学校での対策のノウハウも大分蓄積はされてきています。また、学校は、学習機会と学力の保障のみならず全人的な発達を保障する役割を持つこと、二つ目は、やはり子供の居場所やセーフティーネットとして福祉的な役割も担うということ、そして学校の休業はやはり保護者へ影響が極めて大きいことなど、改めて関係者の中で実は認識をされているところであります。
こうしたことを踏まえまして、文科省としましては、衛生管理マニュアル、そして臨時休業の基準を定めましたガイドラインを策定しまして、地域一斉の臨時休業は慎重に検討することが必要があることや、臨時休業を行う場合でも、まず感染者が所属する学級を閉鎖するなど必要な範囲で、そして期間で実施をするということなどを示してきたところでございます。
加えて、学校全体を臨時休業とする前に、児童生徒の発達段階等を踏まえまして、時差登校、分散登校、オンライン学習の可能性を積極的に検討しまして、学びの継続に取り組むよう学校設置者に依頼をいたしているところでございます。
引き続き、マニュアル等については専門家の意見を聞きながら随時必要な見直しを行うとともに、感染対策の徹底と学びの継続の両立に向けて取り組んでいきたいと思います。
少し長くなりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/20
-
021・宮口治子
○宮口治子君 そうですね、ありがとうございます。
これまでに日本が経験したことがない規模の新型感染症の脅威というのもあり、流行初期は、このような感染症の実態が分からないといったことも多かった中で、手探りでの対応を迫られたことは仕方のない部分も多かったと思います。
それでは続いて、コロナ禍における子供の教育機会の担保についてお伺いいたします。
感染状況に応じて、対面授業はもちろん、運動会、文化祭、修学旅行に代表される校外学習、クラブ活動など課外授業の機会が残念ながら大きく制限され、コロナ禍以前の状況からは一変してしまいました。子供たちの思い出づくりの場がなくなってしまっているという保護者の方からの声、そして子供自身、子供たち自身も寂しいという声が私の下にも届いております。
新型コロナウイルスとの闘い方の選択肢が広がってからは、対面授業については再開され、日常を取り戻しつつはありますが、校外学習や課外学習については各地域、各校の感染状況に応じて厳しい判断を迫られているのではないでしょうか。特に、オミクロン株が主流になってからは若年層における感染、発症が目立つようになり、教育現場におけるコロナリスクはむしろ高くなっているという状況です。
このような子供の校外学習や課外学習の機会が制限されている状況は改善しなければいけませんし、何よりも、教育だけの観点にとどまらず、子供たちの貴重な経験の機会が失われてしまうということは、子供たちの目線からも堪え難いことです。
政府にお伺いします。この子供の教育機会の担保について何か検討は進んでいますでしょうか。現在の議論や検討状況を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/21
-
022・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染下におきましても、感染症対策を徹底しつつ、最大限子供たちの健やかな学びを保障していくことが重要でございます。
先生御指摘の校外学習や課外学習の機会というものは、学校生活の中でも多くの子供たちの思い出に残る有意義な教育活動でございます。このため、例えば、学校行事、部活動の実施に当たりましては、地域の感染状況を踏まえた上で、感染対策、感染症対策の確実な実施や、保護者等の関係者の理解、協力を前提に、開催、活動方法を工夫するなど、その実施に向けて適切に対応いただきたいと考えているところでございます。
文部科学省としましては、こうした考え方につきまして四月一日にお示しをした衛生管理マニュアルや関連の事務連絡などにも明記をしてきているところでございますけれども、引き続き、学校関係者と緊密に連携しながら、児童生徒の健やかな学びが保障されるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/22
-
023・宮口治子
○宮口治子君 この問題については、あらゆるリスク、意見に対応した最適な答えを見付けることが困難であると思います。対応方法は、地域、学校の感染状況や考え方を尊重する観点から、判断を自治体や学校単位に任せる流れ、今も対応いただきたいというふうに言われましたが、この問題においては、自治体、教育現場の判断に委ねるという形は現場の負担や責任を過度に重くしてしまって混乱を招いている状況ではないでしょうか。
是非、有識者の方も交えて検討会などを行い、もっと具体的な取組について国として方針を示してほしいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/23
-
024・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 御指摘の点、そのとおりの部分もございます。
それで、新型コロナウイルス感染症につきましていまだ収束を見通せる状況ではございませんで、今後継続的な対応が必要となる可能性があると考えてございます。こうした中で、児童生徒の教育を受ける権利を保障していくためには、感染症対策と学校運営と教育活動の継続の両立を引き続き図っていくことが重要でございます。
このため、文部科学省では、衛生管理マニュアルで学校における衛生管理の詳細を示しつつ、新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドラインで臨時休業を実施する際の留意事項や、やむを得ずに学校に登校できない児童生徒への学習等について指針を示して、教育現場に対し周知を行ってございます。これらのガイドラインやマニュアルにつきましては、今月の一日に改訂を行ったところでございます。
今後につきましても、新型コロナの感染状況は新たな科学的な知見に基づいて絶えず見直し、必要な見直しを図って感染対策、感染症対策と子供たちの学びの保障の両立を図ってまいりたいと思います。
なお、せんだって吉良先生から御指摘ありました学校における保護者への情報提供、一応これ四月一日に中に入れましたので、検討でありましたけれども。学級内で感染者が出た場合に父兄に対して報告でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/24
-
025・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。
小中高の教育現場においてリモート授業が普及し、また、コロナ感染状況により今後も休校、学級閉鎖などの可能性もあるなど、学校に直接通う以外での広い意味での家庭学習の重要性がより高まっています。場所としての学校という一定の拘束がなくなる状況であって、家庭内でどれだけ学習機会を担保できるかが子供たちの学習習得により直結するようになっているのではないでしょうか。
まずは、この課題について政府がどのように認識しているか、現在の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/25
-
026・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) コロナ禍におきまして、子供たちが家庭で過ごす時間が長くなっております。
家庭環境の違いが子供たちに与える影響についての御指摘かと思いますけれども、この点、先月二十八日に公表いたしました全国学力・学習状況調査の一環として実施をいたしました保護者に対する調査の速報における臨時休業期間中の学習状況に関する質問への結果から、休業期間中の家庭での学習支援にばらつきがあると、こういうことが分かっております。
文部科学省といたしましては、臨時休業等を行う場合でありましても、まずはICT等も活用しながらしっかり子供たちの学びを継続をすることですとか、あるいはその際に家庭の事情などにより特に配慮を要する子供に対してはそのICT環境の整備のための特別な配慮措置を講じたりですとか、あるいは地域における学習支援の取組の利用を促したり特別に登校させたりするといったような対応などを取ることが必要だということをお示しをしてございます。
また、子供たちが登校してきた際には、登校再開後には、きめ細かく個々の子供たちの状況把握をいたしまして、学習の定着が不十分な子供に対しては必要に応じて補習などを行うように累次にわたって通知等でお示しをしてきているところでございます。
また、全国学力・学習状況調査の専門家による追加分析によりますと、臨時休業期間が長期にわたって社会経済的に困難な状況にありながらも学力が向上している小学校という例がございます。こうした小学校の例を追加分析をいたしますと、子供の面倒を見る預かりというのを学校で実施をしたり学校図書館を開放するなど子供と学校とのつながりをできるだけ絶やさないようにするといったような取組ですとか、家庭環境が困難であったり日々の学習で後れを取る子供に対して放課後や休み時間の重点的指導などの学習面で手厚いフォローを行っているといった特徴が見られることが報告をされております。
このような取組をしっかり周知をするなどして、各地域の取組を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/26
-
027・宮口治子
○宮口治子君 分かりました。
このような状況によって、新たな教育格差の要因が生まれているという指摘はあります。家庭での教育をするかしないか、できるかできないかによって、子供たちの間で学力格差が開いているというのは事実だと思います。この環境下で取り残されている子供を少しでも減らさなければいけないと思います。
そのフォローアップの方策というのは検討されているんでしょうか。複数学年にまたがった習熟度別のフォローアップやデジタル技術などを活用した習熟度コンテンツの提供など、様々議論していく余地はあると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/27
-
028・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) 先ほどの全国学力・学習状況調査につきましては、なお今速報という状況でございますので、更にその状況などは深めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/28
-
029・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。
家庭での教育をするかしないか、できるかできないかという点について、もう少し掘り下げてお伺いしたいと思います。
東大合格者の家庭は収入が高いなど、高い学歴を得るにはお金が掛かるというようなことはよく言われているところです。このような経済格差による教育への影響については、条件付ではございますが、高校の無償化、給付型奨学金の充実を図るなど、政府も御努力されていることと思います。
一方で、近年の研究によると、親の教育に対する意識、また周辺のコミュニティーでの教育状況など、子供を取り巻いている環境により子供の教育に格差が生じているのではないかと言われています。つまり、子供が選ぶことができない、生まれついた言わば教育環境が、その後の学習の状態、直接的に言えば学歴、ひいてはその後の社会人段階での収入の格差などに結び付いてくる可能性があるということを大臣は認識しておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/29
-
030・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 家庭の経済状況のみならず、先生御指摘の親の教育への、ある面、態度というんでしょうか、それと居住地域の状況なども含めて社会的な背景が子供の学力に影響しているとの指摘あることを、私はそのとおりだと、そういうふうに考えてございます。
私としては、子供たちが生まれ育った家庭環境や社会環境のみならず、質の高い教育を受けられるチャンスがやはり平等に与えられる社会にしていくという必要性がある、そのことを認識でしております。
このため、三月三日の所信におきましても、様々な課題を抱えている子供たちに、まあ難しい言葉ですけれども、誰一人取り残さず、可能性を最大限引き出す教育の実現に向けてやはり努力を続けたいという、教育の機会の保障にこれまで以上に力を入れたいということを述べたところでございます。そういう認識の下で頑張ってはいきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/30
-
031・宮口治子
○宮口治子君 認識されているということで、ありがとうございます。
現在、教育無償化、奨学金の充実などが進んできたことによって、政府の皆様の御努力があったことは感謝しています。しかし、そのような政策は、家庭の経済格差による教育への影響を軽減はするものの、先ほどお伝えしたような子供を取り巻く教育環境による教育格差を埋めるものではないと思います。ただし、子供の教育環境が教育格差を生むことについては、諸外国でも簡単には解決はできておらず、日本においても明確な処方箋がないという状態にあるのは私も認識しています。
そのため、まずは子供を取り巻く親の意識、またコミュニティーでの教育状況などに間接的な原因があることを認め、その上でどのような対処方針があり得るのかをしっかり議論していくことが必要だと思います。具体的には、先ほど私が申し上げた教育改革の中で取り組むテーマであって、まずは検討会などを設けて継続的に分析、対策、検討を進めていってはどうかなと思います。そこでは、教育関係者だけでなく、社会学の分野、教育問題に御尽力いただいているNPOの方々なども含めて多角的な分析を行える検討会がよいのではないかと思っています。
このような議論や検討の場を持つという策に対して、大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/31
-
032・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生今御指摘いただきました、家庭の事情にかかわらず子供たちの学びの機会を確保するために、文部科学省としては、まず学校教育の充実を図るべきだと考えます。
このために、今まで文科省としては、幼児教育あるいは保育の無償化など経済的負担軽減策、これは先生も今御指摘いただきました。GIGAスクールの構想であるとか、小学校の三十五人学級の計画的な整備などを着実に進めるとともに、地域と連携した放課後等における学習支援なども取り組んでいます。
私も昨年十一月に三鷹市でコミュニティ・スクールを視察させていただきましたが、その際も、やはり地域の方々が、学生たちが子供たちの学習を原則無料で継続的に熱心にサポートされている姿が大変印象的でございました。
本年二月に策定しました教育進化のための改革ビジョンというのがございますんですけれども、やはり会社とか経済界との対話もこれからやっぱりしっかり進めていきたいという、そのように考えてございます。
先生御指摘の子供の教育環境の影響も含めまして多角的に研究しまして、生まれた家庭環境、社会環境によらず学びの機会が確保できるように、財源も確保しつつ対策を講じてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/32
-
033・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。是非検討会について考えてみてください。
これまで取り残される子をなくすためのフォローアップについて質問をしてまいりましたが、一方で、意欲のある子供たちに更なる学習機会を与えていくというフォローアップも必要ではないかと思います。
例えば、教育内容について言えば、画一的な教育を行うのではなく、子供の状況に応じて適した教育を受ける機会を持つべきではないかと考えます。これまでのようにクラス全員に同じ内容を行うのではなく、子供の意欲やその時点での学習能力によっても内容を変えていくことは必要じゃないでしょうか。公立の小学校、中学校などでも、付いてこられない子供には丁寧にフォローするのはもちろんですが、学習が進んでいる子供に対しては、上の学年の内容を教えたり、より個別に最適化された教育の方に向かっていくべきだと考えます。
私、かつて学童で子供たちに宿題などを見ておりましたが、その学年の中で習っていない漢字を書くと先生に怒られるから書けないんだということを注意を受けていると聞いたことがあります。このような画一的な指導からは脱却しなければいけないのではないでしょうか。
今回、コロナ禍でのリモート学習などから、図らずともデジタル機器活用、教育のデジタルトランスフォーメーションにより個別最適化の学習への道筋が見えてきたのではないのかなと考えます。感染症や地政学上の問題など、日本、世界は今後、答えのない不確実な社会となっていきます。そのような教育の個別最適化により、ボトムアップも図っていくだけでなく、今後の日本に必要なイノベーションを引っ張っていく人材を育てていけるのではないかと思います。
日本の教育環境の抜本的な改革に向けた議論を今こそ進めていくべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/33
-
034・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生の御指摘と方向性は私は同じでございます。現場も大分見てまいりました。
それで、三日の本委員会でお話し申し上げましたけれども、所信ですが、やはり令和の日本型学校教育の実現、これ中教審の答申もあるんですけれども、個別最適な学びと協働的な学びとを一体的に充実しまして、子供たちを誰一人取り残さず、個々の可能性を最大限に引き出していくことが重要であるという、この認識はやっぱり一番大事でございます。
現行の学習指導要領でも、子供たち一人一人の個に応じた指導の充実を図っていくことができるように、補充的な学習や発展的な学習を取り入れる工夫について示してございます。そのためにも、そのGIGAスクールの中の一人一台端末というのは、実際どこまで習熟しているかって分かりますんで、ドリル出す場合でも、AIドリルの場合、個々の生徒に応じたそういった宿題を出していけるというシステムありましたから、かなり先生もこれによって個別なケアのできる授業ができておるということでございます。
余り話が長くなっちゃいけませんですけど、学習の遅れが見られる児童生徒については重点的な指導が行われるように、学習進度の速い生徒に対しては主体的に発展的な学習が取り組む機会を提供できるように、これまで以上に実施しやすい環境も整ってきましたので、引き続きの努力をいたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/34
-
035・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/35
-
036・宮沢由佳
○宮沢由佳君 立憲民主党・社民の宮沢由佳です。
早速質問に入らせていただきます。
立憲民主党は、三月十日、学校へのALPS処理水に関するチラシ配布に関する申入れを文部科学大臣、経済産業大臣、復興大臣に行いました。文部科学省への申入れに際しては、副大臣に御対応いただき、ありがとうございました。
この件について大まかに申し上げますと、復興庁と経済産業省がALPS処理水に関するチラシを教育委員会に事前連絡なしに直接学校に送付したために混乱が生じているというものです。
資料を御覧ください。これは、復興庁と経済産業省の各ホームページから配布したチラシと同じものを打ち出しました。一枚目が小学生向け、二枚目が中学生向けと聞いております。一枚目の裏側を御覧ください。親子で食事をしている、そこに汚染水、ALPS処理水と書いてありますが、まるで汚染水を飲んでいるような誤解もあります。そして、二枚目の表にはトリチウムを飲んでいる絵が描かれています。これを見て大変私は驚きました。
問題点は二点あると思います。
一つ目、情報発信の在り方です。
教育現場に政府のチラシを配布する、そのことを教育委員会が知らないということはかなり問題があると思います。この発信の在り方への反省と今後の方法論について政府内でどのように話をされたのでしょうか。私たちの申入れ後に進展がございましたでしょうか、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/36
-
037・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 三月十日に宮沢先生始め立憲民主党の幹部の先生方が、戻られた池田副大臣のところに申入れをお見えいただいたことは聞いてございます。
この指摘のチラシが学校に配布されたのは、昨年八月に関係閣僚等会議におきまして、放射線副読本にALPS処理水に関する記載を追加しまして、文部科学省のホームページで公表するとともに、ALPS処理水について分かりやすく説明したチラシとを併せて関係省庁が連携して全国の各学校へ配布、通知するとされたものを受けたものでございます。
このチラシは、経済産業省と復興庁がそれぞれ作成したものですが、児童生徒に配布を見合わせる学校や、一度配布した後に回収する学校などがあったことは承知をいたしてございます。この点から、この点、従来から申し上げておりますけれども、御党から、先生の党からですね、の申入れを踏まえまして、今後の取組においてもう少し丁寧な対応を取るべきだというのが話し合ったその考え方でございます。この考え方につきましては、経済産業省も復興庁も共有をいたしてございます。
いずれにしましても、ALPS処理水につきましては、風評影響を最大限抑制するため、ALPS処理水の安全性始め放射線に関係する科学的な情報を幅広く発信することは政府の重要な責務でもございます。文科省として関係閣僚等会議と、会議の決定等に基づきまして、教育現場に理解醸成に向けまして引き続き関係省庁と連携しまして丁寧な取組を行っていきたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/37
-
038・宮沢由佳
○宮沢由佳君 教育委員会に通知をしなかった、そして教育委員会が内容を知らなかった、ここがすごく問題でありまして、もっと文科省は教育現場に寄り添った丁寧な対応を取る必要があると思います。
同じように政府の意見を反映するチラシが今後も教育委員会を通さずに学校へ交付される可能性があるのでしょうか、大臣、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/38
-
039・末松信介
○国務大臣(末松信介君) これにつきましては、慎重かつ丁寧に対応しますから、副読本につきましては、文科省、配るときには各学校に必要ですかというやっぱりきちっと意識調査をしていますので、同様な形でやはり対応は私は考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/39
-
040・宮沢由佳
○宮沢由佳君 この副読本に、副読本が配られたときにはちゃんと意識調査をして、そして中身も教育委員会はしっかりと見ていた、だけれども、この副読本に挟み込んでください、その詳細な内容ですといってチラシが確認もなく配られた、ここが大変問題なんです。よく理解をしていただきたいと思います。
もう一つ問題があります、このチラシの問題。
発信した内容、チラシの内容です。チラシにはトリチウムの健康の影響は心配ありませんと強調されています。しかし、専門家の中でも様々な見解があります。
立憲民主党は、政府がALPS処理水の海洋放出を決めた昨年四月十三日にこのように談話を発表しています。海洋放出決定により、漁業関係者はもとより、福島県民を始め多くの国民が更なる不信感を募らせている、政府が直ちに取り組むべきことは、被害を受ける漁業関係者を始めとする全ての国民の意見を真摯に受け止め、海洋放出について再検討を含めた対応を早急に図るべきであると、このように発表して、発表しました。やはり、被災者の方々や漁業関係者などから不安や反対の意見が出ている以上、教育現場での取扱いは大変難しいと思います。
大臣、このように国民に不安が、国民が不安に思っていることを内容とするとてもデリケートなチラシを教育現場に配布することについてどのような見解をお持ちなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/40
-
041・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 今回のチラシは、教育現場における理解醸成に向けた取組強化の施策の一つとして、関係閣僚等会議の決定を受けまして三省庁で取り組んだものでございます。ALPS処理水による風評影響を最大限抑制するため、ALPS処理水の安全性を始め放射線に関する科学的な情報を幅広い世代に発信することは政府の重要な責務であるとは考えています。チラシの具体的な活用方法につきましては、各学校の実態に応じて御検討いただくべきものと思います。
繰り返しになりますんですけれども、放射線に関する科学的な情報を発信することは重要であると考えておりまして、教育現場におけるALPS処理水に関する理解醸成に向けて、引き続き関係省庁と連携して、何度も申し上げますけれども、丁寧に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/41
-
042・宮沢由佳
○宮沢由佳君 今年三月二日の衆議院文部科学委員会で、牧議員の質問に対し、文科省から、文科省としてチラシの内容そのものについて確認行為等は行っていないとの答弁がございました。
この意味を教えてください。他省庁作成の資料を学校に配布する際は、内容について全く見ていないのか、内容の正確性、数字や科学的根拠まで文部科学省は確認していないだけなのか、どちらでしょうか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/42
-
043・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
一般的に申し上げまして、学校に配布することを目的に他省庁で作成される配布物につきましては、他省庁からのお求めなどに応じまして、その作成段階から文部科学省がその内容を確認するということはあり得ることでございます。
他方、今回のチラシに関して申し上げますと、学校に配布する以前から経済産業省及び復興庁の責任と専門性に基づいて作成をされて、各所で活用されていたものと承知をしてございます。
このため、文部科学省としては、チラシを学校に配布する前に、既に作成されていたチラシがどういったものかということは承知をしておりましたが、その内容について両省庁に確認をしたり修正を求めたりといったようなことは行っておりませんので、その旨を御答弁申し上げたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/43
-
044・宮沢由佳
○宮沢由佳君 大臣、子供たちに配布する資料が年齢等を考慮し教育的にどのような意味を持つのか、吟味しなくていいんでしょうか。他省庁の資料を教育的考慮もせずに右から左へ流すだけでしょうか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/44
-
045・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生お話ありましたけれども、この指摘のチラシにつきましては、経済産業省が作成したものが小学校へ行き、復興庁が作成したものが中学校、高等学校へそれぞれ配布されたものでございまして、これは、それぞれのチラシの内容を踏まえて経済産業省と復興庁において判断されたものでございます。
御質問のこの、どのくらいの年齢になればということになってくるかもしれませんが、子供一人一人の状況は様々でございまして、一概に述べること困難ですが、文科省としては、関係等閣議、閣僚等会議決定に基づきまして、教育現場におけるALPS処理水に関する理解醸成を進めていくことは重要であると認識をいたしておりまして、小学校の六年間、中学校、高等学校の三年間の中で、児童生徒の心身の発達の段階や特性、学校の実態を十分考慮して活用いただくべきものと考えております。
ただ、もう一度、何度も申し上げますように、きちっとやっぱり丁寧な対応をやるべきだったという、そのことは私は何度も申し上げているとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/45
-
046・宮沢由佳
○宮沢由佳君 他省庁が作ったチラシを文科省はそのまま右から左に渡しちゃっていいんですかということを伺っているんです。
大臣、文科省の仕事は子供たちの教育のために汗をかくことじゃないでしょうか。教育的にふさわしくないものは、たとえ政府の資料とはいえども配布しないという姿勢が必要なんじゃないでしょうか。もちろん、時の権力によって恣意的な対応がなされては困りますので、中立性を担保した上で教育的な配慮ができる体制をつくるべきだと私は思います。
チラシを配布することによって、子供の意見表明権の観点からも大問題です。チラシによって、子供たちは、国民の賛否も専門家の見解も分かれるデリケートな問題に関して政府の見解をうのみにしてしまうおそれがあります。まずは、このチラシに十分書かれてはいないけれど、国民の間で賛成と反対の意見があること、専門家の見解も様々であることを伝えて、子供たちには自分で考えて結論を出せる批判能力、つまり批判的思考力がないと大変危ないと思います。
大臣は、先ほど、年齢に応じて、どのくらいの年齢になるか、なれば今回のALPS処理水のチラシについて批判的能力を備えられるとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/46
-
047・末松信介
○国務大臣(末松信介君) これは先生、何度も繰り返すことになってしまうんですけれども、子供一人一人の状況はやはり様々でございまして、一概に述べること困難でありますが、文科省としては、閣僚等会議決定等に基づきまして、教育現場におけるALPS処理水に関する理解醸成を進めていくことが重要であるという認識の下に立ってございます。
重ねて先生に御説明を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/47
-
048・宮沢由佳
○宮沢由佳君 問題変えて質問します。
このチラシは何歳の何年生の小学生に配布したものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/48
-
049・淵上孝
○政府参考人(淵上孝君) お答え申し上げます。
御指摘のチラシの配布につきましては、基本的には経済産業省、復興庁の方で配布をしたものでございますが、文部科学省作成の放射線副読本と同時に配布をしているものでございます。
文科省副読本と同数配布をしておりますので、そのことについてお答え申し上げますと、直近では平成三十年度に希望する全ての小中高等学校の、小中高等学校等の児童生徒を対象にまず全員に配布をしましたが、その後は、その後は毎年度第一学年の児童生徒分として希望する部数を配布しております。したがいまして、今年度分につきましても、希望する小中高等学校等の第一学年の児童生徒分を配布をしているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/49
-
050・宮沢由佳
○宮沢由佳君 先日、この委員会でも質問いたしましたけれども、子供の意見表明権について、私たちは子供の成長に応じて子供の意見を聞く機会と子供が自ら意見を述べる機会を設け、その意見を子供の施策に反映するべきだと考えています。子供の成長に応じてということは、課題に対して意見を言うための判断材料を吟味できる力、批判できる力を、力が備わっている段階を配慮しながらという意味だと私は考えています。
例えば、このチラシを大学生に配っても、たとえ政府の見解しか書かれていなくとも、大学生は批判能力を備えていると思いますので問題がないかもしれません。でも、同じ資料を小学校低学年に配ったらどうでしょうか。やっぱりうのみにすると思います。不安に思っている国民もいる、専門家の見解も様々というようなデリケートな問題をうのみにすれば、自分の頭で考えなくなる、その力をそぐことになります。将来政府見解をうのみにする学生になりかねません。それでは、これでは意見表明、意見表明をする前提、つまり自分で考えることができなくなり、子供の意見表明権など無に等しくなりかねません。大変危惧しています。だから、中立性を担保した上で、時の権力者が恣意的な対応をしないことを担保した上で教育的な配慮が必要だと言っています。
このチラシには、やはり反対の意見もある、しかしこういう意見を言っている学者もいる、両方の対立の意見を載せるべきだと私は考えます。大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/50
-
051・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 多少繰り返しになるんですけれども、このチラシ、ALPS処理水に風評影響を最大限抑制するために、先生、いろいろの考え方あろうかと思います。
ただ、現時点においてその科学的な根拠に基づき正確な情報発信が不可欠であるとの観点から作成されたものでございます。教育現場での理解醸成に向けた取組の強化として、関係閣僚等会議の決定を受けて、三省庁で配布をいたしたものでございます。
配り方についてはいろんな御意見ございます。その記載内容につきましては、経済産業省、復興庁の責任の下で、科学的根拠に基づいて正確な情報を記載しているものではあります。学校に配布するためだけに作成されたものではありませんが、経済産業省によりますと、できるだけ平易な言葉で説明する、振り仮名を振る、イラストや写真を活用するなど、小学生にも読んでもらえる工夫を行っていると伺っております。
ただ、先生おっしゃいました、その批判権である、政府のことをうのみにするという、やっぱりそれに対して反論権、考える力、私は、それはこの問題とは別にしても大事なことであるというように……(発言する者あり)うん、うん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/51
-
052・宮沢由佳
○宮沢由佳君 この問題について聞いているんです。
これ、本当に漁業関係者も、それから国民も、賛否分かれているんですよ。これを一方的な見解だけ、安心です、影響ありません、飲んでも大丈夫、そういったものを一方的に子供たちに送る、そして、そこには保護者にも伝えてくださいという一文まであるということ、これはやっぱり子供たちが判断することができなくなるというふうにあります。
新聞にも、賛否の議論は提示するべきだ、一面的な説明をしていくのは好ましくない、例えばこんなことも書いてあります。世の中で反対と賛成の議論があることとして子供にちゃんと提示しなければならない。さらには、将来あなたたちは魚を捕ったり買ったりするが、放出するのを許してもらえますかと問うのが筋だという意見もございます。
大臣、いかがですか。これ絶対、先ほど大臣も言った、賛否両論あるとおっしゃったじゃないですか。だから賛否両論を載せなきゃいけないんですよ。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/52
-
053・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生、それは意見としていろいろ話はあるということで申し上げて、私は、科学的根拠に基づいた正しい話をこのチラシに書かれているという趣旨はきちっと申し上げました。
先生、今回のチラシは、もう一度申し上げます、ALPS処理水による風評影響を最大限抑制するため、科学的根拠に基づき正確な情報発信が不可欠であるとの観点から作成されたもので、その記載内容は、経済産業省、復興庁責任の下、科学的根拠に基づいた正確な情報を記載しているものでございます。そのように認識をいたしてございます。御理解のほどをお願いを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/53
-
054・宮沢由佳
○宮沢由佳君 子供たちの思考的能力、これでは育たないと思います、批判的能力。本当に残念でなりません。もう一度考えていただきたいと思います。
質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/54
-
055・横山信一
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
それでは、海洋研究開発機構の取組について何点かお聞きをいたします。JAMSTECと呼ばれているところであります。
先月、国連環境総会におきまして、我が国が提案をいたしました海洋プラスチック対策の決議が採択をされました。今や海洋プラスチック対策は国際的な課題として重要度が増しております。JAMSTECではマイクロプラスチックの計測技術の開発、分布調査、生物への影響調査に取り組んできており、ハイパースペクトルカメラ等による高速分析技術の開発を進めています。
これまでの調査から、房総半島沖の黒潮続流域の深海底にプラスチックのごみだまりを発見したり、深海の二枚貝やサメ類から残留性有機汚染物質を検出するなど、私たちの身近なところにまで海洋プラスチックの悪影響が及んできていることを明らかにしてきております。
これらの成果を踏まえ、今後、海洋プラスチック対策にどのように取り組んでいくのか、大臣にお聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/55
-
056・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 横山先生にお答え申し上げます。
海洋プラスチックごみによる地球規模での環境汚染は、海洋生態系、あるいは生活環境、漁業、観光など、様々な分野に悪影響を引き起こすことが懸念されております。そのため、海洋プラスチックごみの分布把握や影響評価に関する研究開発進めること、大変重要でございます。
そのため、JAMSTECでは、海洋研究開発機構では、一つは海洋プラスチックごみを高速かつ自動で分析できる技術の開発、そして、海洋プラスチックごみが集積するホットスポットの解明や生態系への影響評価に関する研究開発を進めてきておりまして、先生御指摘の成果を生み出せるところまで来てございます。
今後は、こうしたJAMSTECの研究開発成果が広く社会でも活用できるように民間企業による実用化を進めていくとともに、海洋プラスチックのごみの分布や生態系への影響について更に理解を深めていく必要があると考えてございます。よろしく御指導いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/56
-
057・横山信一
○横山信一君 大臣、ありがとうございます。大臣は最後の方でも言っていただきましたけれども、広く社会で活用するということは非常に大事であります。
海というのは、これは世界中とつながっておりますので、この海洋プラスチック対策は日本だけの取組では解決できる問題ではありません。国際社会が連携して取り組まなければならない、またそうしなければ対策の効果は生まれないというものであります。
JAMSTECにおいては、共同研究、共同調査にとどまらず、海洋プラスチック問題を国際社会にアピールするということも重要だと考えますが、こうした取組を行ってはどうかと思いますけれども、これも大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/57
-
058・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 海洋プラスチックごみは、もう日本のみならず中国や東南アジア各国からも排出されておりまして、先生から御質問だったので数字調べてみたんですけれども、中国なんかは十年前でも百三十二万トンから三百五十三万トン出しておると。日本は確かにこれは二万から六万トンということでございますけれども、まあインドネシア、フィリピンは相当の数が出ております。こういった中国や東南アジア諸国からも排出されておりまして、また、日本近くの海域にはごみが集積しやすいホットスポットが存在しているとの指摘があること、聞いてございます。こうしたプラスチックごみの集積過程を明らかにするためには、先生御指摘のとおり、国際連携による観測や研究、極めて重要でございます。
このため、JAMSTECでは、国際連携による観測の一環として、例えば日本の、パラオ、日本―パラオ親善ヨットレースの機会を利用しまして、参加者にレース航路中の海洋プラスチックごみを採取してもらうなどの取組を進めてきております。また、海洋プラスチックごみの計測技術等の研究成果を国際会議で発信するなどの取組も進めてございます。
今後も、これらの取組を通じまして、海洋プラスチックごみ対策における国際社会との連携強化に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/58
-
059・横山信一
○横山信一君 JAMSTECは研究機関なので、ある意味研究をやるというのはそれが本業なんですけれども、そこだけにとどまらず、このJAMSTECの成果を踏まえた上で国際社会に積極的にアピールをしていくということが、連携をしながら海洋プラスチック対策の効果を生み出していくことになるというふうに思っております。
JAMSTECの運営交付金について伺っていきます。
令和四年度は約三百三億ということで、これは平成二十九年度から見ると、ずうっと減額が続いているという状況になっております。JAMSTECの生み出す研究成果は、国内にとどまらず国際社会に大きな影響を及ぼすものばかりということであります。そういう観点からいくと、JAMSTECの運営交付金の減額というのは本来あってはならないものだというふうに私は思います。このJAMSTECの事業規模の縮小というのは国力の低下につながりかねない、そういう重要問題だと私は思っております。加えて、老朽化している「しんかい六五〇〇」の更新のめども見えていないという状況にあります。
海洋立国日本を支えるJAMSTECをどうするのか、危機感を持ってこの運営交付金の確保に取り組んでもらいたい。大臣にお聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/59
-
060・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 四方を海に囲まれておりまして、国土の面積の約十二倍に相当する世界有数の広大な管轄海域を有する海洋国家であります日本でございます。海洋分野の研究開発に取り組むこと、大変重要なことであります。
御指摘のとおり、JAMSTECの運営交付金は、平成二十九年度三百十七億円から、令和三年度に、先生、三百億円を切る二百九十七億円まで減少したところでございます。令和四年度予算では、対前年度比約六億円増の三百三億円を計上することができました。加えて、令和三年度補正予算におきましては、北極域の研究船の建造、JAMSTEC関連予算として百一億円を計上するとともに、SIPの、この戦略的イノベーション創造プログラムを始めとする外部資金を獲得するなど、海洋研究を進めるための財源確保に努めているところでございます。
文科省としましては、先生の御支援もいただきながら、引き続きJAMSTECの予算の確保に積極的に取り組んでまいりたいと思います。横須賀にも私も行ってまいりまして、いろいろと御意見を頂戴をいたしております。よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/60
-
061・横山信一
○横山信一君 実際に大臣見てきていただいているということで大変心強いですけれども、減ったということが非常に重要なんだということで、まあ今年度は対前年度比増やしましたけれども、しっかりと運営交付金確保してもらいたいと。SIPは確かに上乗せをされるんですけれども、そこを見て全体を見るんじゃなくて、運営交付金がしっかりと予算を確保できる状態をつくり続けていくということが大事でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今、北極域の話も出ましたので、北極域の話もいたしますが、この北極域というのは地球温暖化の影響を最も受けやすい地域と言われております。我が国の二〇五〇年カーボンニュートラルに向けてこの北極域研究はどのような貢献ができるのか、政務官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/61
-
062・高橋はるみ
○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えをいたします。
二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けましては、その背景にある気候変動メカニズムなどの新たな科学的知見を獲得、そして蓄積していくことが重要であります。
議員御指摘のとおり、北極域は地球全体の約三倍の速さで温暖化が進行しているところでございまして、温暖化の影響を最も受けやすい地域と承知をいたします。また、観測データの空白域でもあります。こうした北極域における観測、研究を進めることで、地球規模の気象変更、気象変動に関する科学的知見を充実させることが可能と考えるところであります。
文科省におきましては、平成三年から約三十年間にわたり継続して北極域研究に取り組んできているところであります。北極域における温暖化増幅の仕組みの解明であるとか、また、研究者が取得したデータの共有システムの構築など、様々な成果を上げてきております。
今後さらに、北極域研究船の建造であるとか、また、北極域研究に取り組む若手人材の育成などの取組を加速していくことによりまして、二〇五〇年カーボンニュートラルを支える科学基盤の充実を図っていきたいと考えております。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/62
-
063・横山信一
○横山信一君 北極域研究というのは、我が国のこの温暖化対策にとっても非常に重要なデータを提供するものでありますので、ここはしっかり継続をしていかなくちゃいけないわけでありますが、今、ArCSⅡというものでこの北極域の環境変化の実態把握とかプロセス解明とか気象気候予測の高度化、精緻化などを行っているんでありますけれども、その北極という地域を考えると、これは当然ロシアとの関係は考えざるを得ないという状況になります。
これまでの北極域の研究というのは、日ロ間の良好な関係の下でなされてまいりました。しかし、現下のウクライナ情勢を考えますと、今後どうなっていくのかということについては、日本の北極域研究の研究者だけではなく、恐らくロシアも今まで一緒にやってきた日ロのその研究者双方共にどうなっていくのかということに対して不安を感じているというふうに思います。また、ロシア国内にも日本の観測拠点もあるということでもありますし、そのロシア国内での日本の観測拠点、今後どういうふうに運営していくのかということもあります。観測基地ですね、どうしていくのかということもあります。
今後のその日ロの共同調査、共同研究、これをどうしていくのか、今後の北極域研究の見通しを大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/63
-
064・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生御指摘の問題が海にも宇宙にもございます。
御指摘の北極域研究加速プロジェクトにおきましては、北極域に観測拠点を十一か所整備しておりますが、米国、カナダ、ノルウェー、グリーンランドなどでありますが、そのうち二か所については、先生お話しのとおり、ロシアに存在しています。これらの二つの観測拠点では、これまで一部の観測データの取得をロシアの研究機関が実施してきましたが、現在、日ロ間のデータのやり取りは行われていないと聞いております。
一方で、今後の観測の継続可否につきましては、ウクライナ情勢や各国の動向を注視しながら、状況を見守りながら判断する必要があると、そういう考え方でございます。なお、今後、仮にロシアでの観測データを取得しない場合、中央北極海やアラスカ海での観測を通じて北極域のデータを補完していくことが必要となると考えており、そのためには、北極域研究船などを活用しまして、我が国として自ら観測データを取得していくことの重要度が一層高まってくるものと考えております。
文科省として、今後の状況をしっかり見極めながら、関係国とも連携を図っていって、その上で北極域においての必要となる観測研究を進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/64
-
065・横山信一
○横山信一君 力強い御答弁だったと思いますが、状況が見極められない中でありますけれども、我が国の温暖化対策にとっては非常に重要な地域でありますので、そういう意味では、ロシアとの関係がどうなろうがしっかりとこの北極域研究を続けていくということが重要であります。
話を変えまして、学術情報ネットワーク、SINETというふうに言っておりますけれども、SINETについてお聞きをいたします。
SINETは、日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として国立情報学研究所が運用している情報通信ネットワークであります。教育研究のコミュニティー形成を支援し、学術情報の流通促進を図るためのネットワークを提供しています。また、国際間の研究情報流通を進められるよう、米国や欧州など海外研究ネットワークと相互接続をしています。
SINETは四月から次世代学術研究プラットフォームとして運用をされることになって、既に始まっています。そこで、これまで運用されてきたSINET5の成果と課題を政務官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/65
-
066・高橋はるみ
○大臣政務官(高橋はるみ君) 議員御指摘のとおり、SINETは国立情報学研究所が開発、運営する全国の大学や研究機関等をつなぐ超高速かつ大容量のネットワークでございまして、我が国の研究教育における重要な基盤となっております。
その第五世代となるSINET5につきましては、平成二十八年四月から本年の三月まで運用してきていたところでございますが、これまで、特に大容量データの活用が不可欠となる研究分野、具体的には、「富岳」等のスーパーコンピューターを活用した研究、またスーパーカミオカンデ等の大型施設の実験データを用いた高エネルギー研究、また地震観測データ等を用いた防災・減災研究、さらには医療画像データ等を収集する医療研究などで活用されてきたところでありまして、多くの成果創出につながったものと承知をいたしております。
一方で、SINET5の課題といたしましては、ネットワーク全体の通信量が増加し続けることを踏まえたネットワークの更なる高速化、大容量化の課題、また研究データを適切に管理、利活用するための全国的な仕組みの構築、さらには研究分野にとどまらない活用分野の拡大といったことが挙げられているところであります。
こうした課題を踏まえ、この四月から、更なる高速化、大容量化等を実現した次世代学術研究プラットフォームの運用を開始してきているところでありますが、引き続き運用面での課題についてしっかりと改善をしてまいる所存であります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/66
-
067・横山信一
○横山信一君 SINETは、今政務官、最後におっしゃっていただきましたけれども、学術研究の情報分野の活用にとどまらず、社会全般でどうやって活用していくのかということが今後重要になってくると思います。
そういう意味では、モデル事業として、初等中等教育でこのSINETが実証事業として六市町で行われてきました。ちょっと時間がないので質問飛ばしますけれども、こうした初等中等教育でこうした取組を行っているということが、今後、様々な形で我が国の教育にもいい意味で影響が出てくるんだというふうに思いますし、大きく変わっていく一つの基盤になっていくんだと思います。
そういうことを踏まえて、最後は大臣にお聞きをしたいんですけれども、このSINET、膨大な知のネットワークというふうに言われておりますが、様々な利活用が考えられます。社会基盤として活用するには、従来の活用例にとらわれずに専門家による検討が必要だというふうに思いますけれども、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/67
-
068・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生から事前通告受けまして、SINETのパンフレットを拝見をいたしまして、中の実は四百Gbps伝送装置の写真もちょっと拝見をさせていただきました。
高橋先生からお話がありました、政務官から御説明ありましたが、学術情報ネットワーク、このSINETは、国立情報学研究所が開発、運用する、全国の大学や研究機関をつなぐ超高速大容量のネットワークでございますから、我が国の研究教育者における重要な基盤となってまいります。
今後のSINETの整備につきましては、これまで文部科学省科学技術・学術審議会の下に民間企業や各分野の専門家を含めた作業部会を設置し、利用者からの要望等も踏まえつつ、研究基盤としてのみならず、例えば学校教育分野での活用等、御指摘の社会基盤としての活用も今後の方向性等について議論をいただいたところでございます。
その結果、ネットワーク基盤の更なる増強、整備に加え、研究データ基盤と一体的に運用すべきとの方向性が示されまして、この四月から新たに次世代学術研究プラットフォームとして運用開始をしております。
その際、横山先生御指摘のとおり、従来の利用にとらわれない活用が必要との観点から、今後、主体である国立情報学研究所に様々な外部有識者を含めた委員会を設置し、運用を進めることといたしております。
この学術研究での情報のやり取りが今まで全国的に大容量でストレスなく行われまして、点と点が今度一度に面的になるという、そういう表現でいろいろと私もちょっと御教示をいただきました。先生方のまたお力添えをお願いを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/68
-
069・横山信一
○横山信一君 可能性がいっぱい秘められているものでありますので、より一層の充実をよろしくお願いいたします。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/69
-
070・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 十八歳成年に伴い、この四月から高校で新科目、公共が必修化されます。雇用者の権利や職業選択など労働に関わる課題や、消費者の権利や責任、選挙の仕組みに至るまで、現実社会に対応する力を身に付けることが目的だと承知をしております。
義務教育の目的も、まさに社会に生きる市民として充実して過ごせるよう力を育むことです。大臣、この多様化、複雑化する社会に対応するため、義務教育課程において、大臣が子供たちに贈りたい力、授けたい力、リテラシー教育の今後についてどういう御所見をお持ちか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/70
-
071・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生の御質問は、義務教育において子供たちに求めるものというのでしょうか、そういう……(発言する者あり)ですね。
私、思うのは、義務教育の段階で、一つは、思うことは、やっぱり自分で問題点を見付けて、自分でそれを解決する力を一つ養ってほしいと思っています。二つ目は、私は心豊かな人づくりという言葉が好きでして、意味は何かといったら、心にたくさんの引き出しを持った方が私はいいなと思っています。やはり、面白いときは笑う、でも悲しいときは一緒に悲しんであげるという、やっぱりいろんな人の思いというものをきちっと酌み取ることができる、そういう意味での引き出しが多い方が、私はもう子供の頃にやっぱり醸成すべき大事なところかなということ、そういうことを思います。
そして同時に、やはりここからは少し法律とも関係しますけど、まずは学習基盤としての資質、能力、自分の思いを伝えていくための言語能力、そして情報活用能力、そしてさっき申し上げた問題発見、解決能力というのは大事かなということ。そして今、これから子供たちが大きくなってまいりますから、成人年齢も引き下がりましたので、やはり社会との関わり合いにおいては、主権者の教育であるとか、あるいは身の回りの環境をどう守っていくかという環境教育と、それと健康教育ということはやはり重要な、私はある面で理解しなきゃならぬところかなということを思います。
教育基本法の五条に義務教育のことについて書かれていることは書いてありますので、いろいろと私は、そのことは、義務教育に書かれているこの義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、国家や社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとするというところには、自主自立であるとか公共の精神とか、これは学校教育法の中にもずっと並べられておりますので、そういうことがやはり基本として大事だと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/71
-
072・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 いや、何かこれを言ってくれというような確たるものを持って質問したわけではなくて、やはり日本の子供たちが幸せに生きていくための土台をつくる文科省の最大ミッション、その長である大臣が今、この社会を俯瞰してみて、何が足りないのかなというふうに、どんなリテラシー教育をこの後されていくのかなというのが聞きたくて質問をさせていただきました。今るる御説明をいただきました。
先ほど、水落先生の水落少年の頃のお話を聞いて胸が詰まりましたし、今お話にもありますロシアによるウクライナの侵略に世界中の方々が心を潰している、そういった情報です。
私、ニュース等見ていて、この信じ難い両国の情報流通の分断、SNS上のエコーチェンバー現象見るにつけ、こういったメディアリテラシー、大臣もお触れになりました、こういったデジタル時代の人権保障、サイバー空間も含めた個人の尊重、AI時代の情報自己決定権、デジタルデモクラシーへの対応が必要だと切に感じます。もちろん、その他性教育や生理教育を含めたリプロダクティブヘルス・ライツはもちろん、人生百年時代というなら、高齢の親や自分自身の老いというものとどのように向き合ったらいいのかという高齢化リテラシー、エージングリテラシーも必要だというふうに感じます。
私、ヤングケアラー問題について当委員会でも度々質問しておりますが、ヤングケアラーというのは顕在化していない困窮者ですから、この生活が当たり前過ぎて自分が支援されるべき対象であるというふうに気付いていないヤングケアラー、又は思春期特有の羞恥心から周囲に助けを求められない、助ける知恵も、そして情報も、その相談に行く交通費も、こういうものもないヤングケアラーというのをどう支援につなげていけるかが最大の課題であります。
先週、愛知県で実施をいただいたこのヤングケアラー実態調査というのの結果がようやく出ました。残念ながらこれも全数調査ではなくて、学校アンケートのみ全ての公立小中高、子供たちは小五、中二、高二のおよそ二割への調査でしたが、これ驚いたのが、世話をしている家族がいると回答した小五は六人に一人、中二は九人に一人、高二は十四人に一人。全国平均は中二で十七人に一人、高二で二十四人に一人でしたので、いわゆる豊かと言われる愛知県においても物すごく高い割合になっていたという調査結果でした。
一方で、ヤングケアラーという言葉を知らないとした子供たちは約七割、話しづらいから、相談しても状況は変わらないからと相談したことがないと回答した子供たちは約六割、またこれ愛知県の特徴とも言えるのは、家族に代わり通訳をしているという子供たちがケア内容の第二位でありました。
これ、大臣に伺いたいんですが、国による全国調査をしていただいたおかげで課題は一定度顕在化をいたしました。次は自治体が調査をして、支援につないで、継続調査によって課題解決したか否かをチェックしていく必要がありますが、実際はおよそ七割の自治体というのが未着手です。ここを何とか動かすために、我々、児童福祉法改正案という形でヤングケアラー支援法を参議院に提出いたしましたが、成立の見込みというのは現在ありません。
じゃ、文科省には今何ができるのか、何がすべきか、ここのところを大臣に御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/72
-
073・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生から資料いただきまして、このヤングケアラー、全体では七〇%の子供がヤングケアラーという言葉を知らないということで、自分が家のお手伝いを、最初はお手伝いですけれども、抜けられない状態になってしまっておると、しかも声を出せないという話もよく聞きます。
それで、全ての児童生徒が家庭環境に左右されることなく豊かな学校生活を送って安心して教育を受けられる環境を整備すること、不可欠でございます。このため、ヤングケアラーについて、関係機関がしっかり連携協力して必要な支援につながっていくことが重要であります。
ヤングケアラーを適切に支援をつなげるためには、まず、今先生がまさに御指摘されたんですけれども、地方自治体単位の、もうこれやっぱり基礎自治体が実態把握を行うことが非常に有効であると考えます。昨年五月の文科省と厚労省の連携プロジェクトチームの報告書、たしか副大臣の皆さんがお入りになったと思うんですけれども、その旨を指摘しておりまして、文部科学省では、この報告書を教育委員会に周知するとともに、支援の充実を働きかけているところであります。
これ以降、地方自治体における調査も進み始めているところもありますが、先生御指摘のとおり、全体として見ればまだ不十分ではないか、そういう状況であるとも思います。しっかりと厚労省ともう一度連携しながら、自治体に声が届くような形で私もよく協議を重ねていきたいと思ってございまして、今のところは相談相手は厚労省でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/73
-
074・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 よく政治家も間違えがちなんですけども、ヤングケアラーというのはお手伝いではないんです。お手伝いとヤングケアラー、その違いが分からない、それはお手伝いの延長だろう、そういう誤解がこのヤングケアラー問題を深刻にしています。(発言する者あり)はい、大臣、お手伝いではありません。
先日、地元のZIP―FMという、ラジオ番組でお話を、このヤングケアラーについてお話をさせていただいた際に、リスナーの方から、ヤングケアラーについてや福祉サービスについてこそ学校で教えてはというふうに御意見をいただき、いや、本当にそうだなというふうに思いました。
本人が認識することが必要ですし、スティグマと言われるいわゆる差別、偏見、タブー感などなくて、あなたは支援につながり、そして幸せに大きくなるのだと、それはあなたがするケアの範囲を超えているのだと私たちは伝えていかなければならないですし、今、これ毎日新聞出版社から出ている、毎日新聞取材班四人の記者たちがヤングケアラーについて取材を重ねてこれ出された本、これ実は、この当委員会でのやり取りというのも、百五十五ページから何と一ページ半にわたって私と萩生田前大臣のやり取りがこれ記されてございます。この中の、これ特にエピソードというのがたくさん記されているんですけど、これが特に学びが深いんです。
これ、ただ、子供たちが手に取るような本ではありませんので、こういったものを児童書にしていただいたり絵本にしていただいたり、これしてほしいなというのをこの記者たちにリクエストしたところです。これに、大臣も、ヤングケアラーとお手伝いの違い書いてございますので、お届けいたしますし、これ、文科省のまさに副教材、副読本にしていただいてもいいと思います。
文科省も努力をしていただいているのは存じております。文科省主催の研修のテーマにする、ガイドラインを出す、様々していただいておりますけども、子供たちに伝わっていないんです。そういう部分でますますのお取組をお願いしたいと思います。
最後に、更年期ロスについて伺います。(発言する者あり)私、質問しております。
NHKと有識者による調査で、更年期ロス、つまり更年期障害により職を失ったり降格要因になったりした人が、女性のみならず男性も合わせて百万人規模でいることが明らかになりました。この調査結果の肝は、百万人というのもさることながら、誰にも相談していない人がおよそ八割というところです。
生理も更年期障害もこれまで個人の問題として捉えられ、社会の問題とは認識されてきませんでした。特に女性、女性というか子宮を持つ者ですね、の閉経に関してはタブー感が強く、会社も社会も閉経まで第一線まで働くことを想定してきませんでした。又は、第一線にいるからこそ語ってはいけないものだと当事者は胸のうちに秘めてきたかもしれません。これ、労働現場に長年内包されてきた大きな課題なんだと思います。
しかしですね、大臣、今、労働現場にいる女性のおよそ六割が更年期世代です。私も含みます。こういった、イギリスで当事者によって巻き起こされたメノポーズレボリューション、更年期革命では、メノポーズポリシーの策定や専門医の養成、保険適用や会社単位での様々な取組に加えて、中学校で更年期について教えることが義務化をされたそうです。当事者になってから戸惑うのではなくて、自分にもいずれ訪れる、まさに高齢化リテラシー、エージングリテラシーとして授業に組み込まれています。
私、生理政策を始めて、二〇二〇年に始めて驚いたんですけども、我が国の生理に係る法制というのはたった一つ、労基法六十八条の生理休暇のみです。労基法の傘の中にいる人だけに限られるので、フリーランスや公務員、子供たちも対象外ですし、生理中の労働者を対象とするものなので、閉経後の労働者も対象外となります。
月経随伴症状のつらさは、会社員であっても、学生であっても、大人であっても、子供であっても同じです。学校にも生理休校というかリプロ休校のようなものがあってもいいというふうに思います。大臣には、この点についていかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/74
-
075・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生御指摘のこのイギリスの動向につきまして、ニュースもちょっと拝見をしました。ダイアンさんという方が御活躍をされて、二〇二一年十月、イギリスの議会で更年期症状への対策を含めたこの法案審議が始まったいうことでございまして、イギリスの保健省コーフィールド政務次官が、あるいはキャロリン・ハリス議員が議論されたということを拝見をいたしました。
それで、昨年この十月にその更年期症状への対策を盛り込んだ法案が審議されて、イギリス保健省に更年期症状に関する対策本部が新たに設置することが決定されたということ、昨年から中学校で更年期症状について教えることが義務付けされたということなどにつきまして、これはさっきのニュースの報道で承知はいたしてございます。詳しくは承知はいたしておりませんけれども、大体の流れは聞いております。
我が国の中学校における健康教育では、学習指導要領に基づきまして、生徒が、いいですか、生徒が、現在及び将来の生活における健康に関する課題に対して、保健の知識及び技能を習得し、活用して、自他の健康の保持増進や回復を目指して的確に思考し、判断し、それを表現することができるよう、資質、能力の育成を図ってまいります。
文科省としては、子供たちが生涯にわたる健康課題に対して正しい判断の下に適切な意思決定や行動を選択できることに取り組んでいきたいと思います。
先生は大人の話をなさいましたかな。どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/75
-
076・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 生理政策は骨太の方針にも明記され、生理が政治の言葉になりました。大臣にも積極的なお取組をお願いして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/76
-
077・片山大介
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
私は、今日は、大臣も時々口にされている文理融合、大学での文理融合、文理横断についてちょっと聞きたいと思います。
これはその、あれですよね、文系、理系の区分にとらわれないで、分野横断的な知識を会得して、そして幅広い視野で課題を捉えようと、そして様々なその技術や情報を使いこなしながら解決していく力を養おうという新しい考え方の教育方針なんですが、これが最近、特に必要性が指摘されるようになりましたけれども、まず、その社会的な背景について教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/77
-
078・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 文理融合という言葉、よく出てまいります。未来創造会議でも出てまいります。
我が国は、気候変動など地球規模の課題の対応、課題への対応とか、少子化、少子高齢化問題、エネルギー資源問題といった、これまでになく多岐にわたりまして社会問題に直面するなど予測不能な時代に、真っただ中にあるということです。
このような時代におきまして、大学教育では、専攻分野についての専門性を有するだけでなくて、分野を超えた専門知識を組み合わせた総合的、文理融合的な知識、スキル、能力を身に付けることにより、多様な、かつ困難な社会の課題の発見とその解決に活用することが求められるということで、文理融合という言葉、そういうところからもよく使われるようになっていると理解しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/78
-
079・片山大介
○片山大介君 すごく必要なことだと思います。
それで、実際に何かこの四月から東海大学の熊本キャンパスでもこの文理融合学部が設置されるとか、徐々にそれを実践しようという大学も増えてきているようですけれども、どのような状況なのか、分かったら教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/79
-
080・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 文理融合学部の設置の状況ですね、先生。
この非常に変化激しくて、この予測不可能な社会が想定される中、高度な専門知識を持ちつつ普遍的な見方のできる能力と専門的なスキル、知識の双方を備えた人材の育成重要でありますから、こうした背景を基に各大学でも学部、研究科等といった従来の組織の枠を超えた文理横断的なカリキュラムの編成進められております。
国立大学では、金沢大学の融合学部、九州大学の共創学部、宮崎大学の地域資源創成学部といったところでございます。九州の創成学部なんかを例に挙げますと、人文科学、社会科学、自然科学といった学問分野横断的な教育がなされていると。
そして、先生からこの前、東海大学の文理融合学部を御指示、教えていただいたという方もおられまして、その話も私も聞きました。そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/80
-
081・片山大介
○片山大介君 こういう考え方はやっぱりもっと広めていっていいと思うんですよね。私は、実際理系の人間だったんですけど、大学は。だけど、余りその理系、文系に、余りこうこれまで分けて教えていたというのは、余り私も自分自身で経験して納得余りしていなかったので、もっとそういう考え方広がってきたらいいなと思うんですが。
これ、大学でもそうなんですけど、実は高校もこの文理の縦割りなんですよね。というのは、高校は、もう大学のその受験に合わせた形で高校もカリキュラム進んでいきますから、高校の文理縦割りというのもすごくあって、大体高校一年生から分けて、例えば私大文系コースとか何かを目指す人なんかはもう数学の勉強とかやらないですよね。
だから、そうするとやっぱり、もしその考え方、本当に今の教育の在り方を少し変える話にもなってくるので、やるとしたらその高校の構造も少し考えていかなきゃいけなくなるんじゃないかと思いますが、そこら辺どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/81
-
082・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 社会がこう非連続的と言えるほどに急速に変化してございます。現在においては、その特定分野に関する知識、技能だけではなくて、多分野に関する理解であるとか新たなことを学んで挑戦する意欲を育むこと、不可欠でございます。
このため、高等学校では、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語及び情報科を必履修教科として、全ての生徒が文系、理系を問わず幅広い教科、科目等をバランスよく履修した上で、生徒の能力、適性、興味、関心等に応じて多様な科目を選択して学ぶことができるようにしてございます。
しかしながら、実態として、先生今お話がありましたけれども、高校生の約七割が在籍する普通科において、多くの生徒がいわゆる文系、理系に分かれて、二年次以降、特定の教科について十分に学習しない傾向があるという、ここが一番の問題だと私は思います。
こうした指摘を踏まえまして、この度、文系、理系の類型にとらわれない学際的な学びに重点的に取り組む学科などを新学期から設置できるように制度改正を行うとともに、国内外の大学や企業等の連携によりまして、文理横断型のリベラルアーツ教育を推進する拠点校の整備など取り組んでいくところであります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/82
-
083・片山大介
○片山大介君 そうですね、その高校とかの段階からやっぱりそういう形で、もうこっち勉強しないとかというやり方じゃないんだろうなと僕も思っているんです。それを是非にやっていただきたいと思うんですね。
今のやり方によって、やっぱり分ける形にやって、何となくやっぱり文系に流れていく方の方多くなっちゃっていますよね、現実問題として。それで、その結果、今、日本では理系の人材が少ないというのよく言われるようになってきているんですよね。
これ、今日資料を用意したんですけど、資料の一枚目なんですが、これ高等教育機関で理系で学ぶ人がどれくらいの割合かって各国の国際比較なんですけど、これやっぱり日本一番少ない、ここで挙げた国の中で一番少なくて、例えば中国とかドイツのこれ半分ぐらいなんですよね、やっぱりね。
それで、これ文理融合とイコール、理系とイコールではないですけれども、やっぱり文理融合の考え方って、基本的にさっき言ったデータサイエンスだとか情報科学だとか、それから大臣が言われた社会環境学とかという分野は、どうしても私からするとやっぱり理系的な分野のように思う、どちらかというとね。そうすると、その底上げとしてのやっぱり理系の人材が少ないというのは、なかなか今やっていることをやろうとしてもできないんじゃないかなというふうに思ってしまう。
それで、資料の二枚目を見ていただきたいんですが、じゃ、今、実社会に出たときに求められる人材と、それから大学で学んできたことの分野のこの乖離がどれくらいあるかって表した表なんですけど、結構ここの、やっぱりデータベースだとか、やっぱり文理融合的な分野のところってこれかなり差がありますよね、きっとね、上見て分かるとおりね。
そうすると、そもそも、じゃ、理系って何でそんなに人材が日本育たないのか。まあ本質的な問題になってくるんですけど、ここら辺どのように分析されていますか、文科省としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/83
-
084・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 我が国におきまして、理工系の分野を専攻する学生の割合、諸外国に比べて低い水準になっております。この背景には、一概には言えないんですけれども、例えば人文社会系に比して理工系の学部の設置や運営に求められるコストが高いこと、そして、大学入試において文系の募集人員が多いことと相まって高校の段階において文系志向の生徒が多いことなどが指摘されるとは思います。
一方で、デジタル化の加速度的な進展に加えまして、脱炭素の世界的潮流はこれまでの産業構造を抜本的に変革し、労働需要の在り方にも大きな変化をもたらします。こうした中で、我が国においても、デジタルやグリーンといった重点分野や理工系の人材育成を強化していく必要がございます。
文科省では、複数の大学間の連携によりまして、文系学部でも自然科学の素養を身に付けられる教育プログラムの整備を促進して、これを通じて学部の再編を目指す取組を支援してまいりたいと思います。教育未来創造会議の議論も踏まえて、取組を加速、更なる対策を講じていきたいと思います。
理由と進め方を申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/84
-
085・片山大介
○片山大介君 やっぱり分析が今若干ちょっと足りないような感じがしたんですが、これはやっぱり大学の設置にやっぱりコストが掛かるから、それとも理系の学費、親御さんからするか、まあ学生からすると理系の学費が掛かるから、何でしょう、だからそこら辺の分析から始めていかないと、今のようなそういう融合したものをつくりますとかちょっとやっても、なかなかその抜本的な部分で直っていかないんじゃないかなと思いますけど、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/85
-
086・増子宏
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。
先生まさに御指摘いただいたように、理工系の学部を設置するには非常に文系よりも数倍コストが、施設費、整備費、そういうものへ金が掛かるということで、理工系の大学、学部が非常に少ないというのも大きな要因になっておりますので、その辺、今、設置基準の見直し含めて、理工系学部、理工系の学科がつくりやすいような環境づくり、そういうものも教育未来創造会議で議論をスタートしていますので、文科省もそれ踏まえて対応したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/86
-
087・片山大介
○片山大介君 いろんな要素はあると思うんですよね。だから、余り、今のだけでいいとか、そういう話でもないと思うんですけど、ただ、一つ一つこういうのを見ていかないと恐らくこれは直っていかない。
それで、今、日本はよく国際協力が低下しているだとか、イノベーションがなくなってきているとかという、やっぱり根底にはやっぱりこういった要素があると思うんですよね。だから、それはやっぱり考えていかなきゃいけないなと思っていますよね。
あと、あとまた理系の中でも特に女子、俗に言うリケジョですよね。よく新聞なんかでも最近よく書かれていますけど、これリケジョがやっぱり少なくなっているという。これ、文科省に何でですかというふうに聞いたら、これジェンダーバイアスだというふうに見ていると。例えば、理系は男子ばかりだとか、それから女子は理系が苦手だとかというような。だけど、私、実際理系の大学で学んできた者としては、そういうの全然関係なくて、やっぱり女性の方がやっぱり優秀だったですよ、やっぱり。よくリポートとか代筆とかしてもらっていましたからね。
そう考えると、そのジェンダーバイアスともう本当に言うんだったら、結構言葉としては簡単なんだけど、やっぱりきちっとそれを分析しなきゃいけない。そして、それを払拭しなきゃいけない。それから、どうしても女性の場合は、その後の人生設計とかに含めても、ある程度指針みたいなものを、モデルみたいなのも見せてあげなきゃいけないと思っているんですが。
そして、そうしたことを聞いて、何か内閣府が調査を行うところだというんですけど、じゃ、それはどのようなものなのか、教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/87
-
088・合田哲雄
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。
内閣府総合科学技術・イノベーション会議におきましては、四月一日に教育・人材育成に関する政策パッケージを取りまとめました。その中で、今先生から御指摘がございました、女性が理系を選択しない主な要因ということで、これまでの研究を踏まえますと、周囲からのバイアス、理数の苦手意識、ロールモデルや職業に関する情報不足、ライフイベントとキャリア形成の両立の不安といったことがあることを踏まえまして、十三の施策に速やかに関係府省で連携して取り組むことにしてございますが、その中に、先ほど申し上げた要因が各学校段階で具体的にどう作用したかの調査、分析が必要であることから、そのための調査を実施することも盛り込まれているところでございます。
具体的な内容でございますが、四年制大学の学部学生を対象に、小学校から大学までの各段階において理系への関心が薄れた理由、高校の進路において理系を選択しなかった理由などについて、アンケートによる振り返り調査などを行う方向で検討中でございます。
調査に当たっては、理系女子、理系男子、それから文系女子、文系男子のこの四グループでそれぞれ数百人程度のサンプル数を確保し、これら四グループ間の相互の比較をすることによって女性のサイエンス分野等への進路選択に関わる課題を統計的に把握し、その結果を踏まえて政策の重点化や更なる進展、深化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/88
-
089・片山大介
○片山大介君 規模はどれぐらいでやるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/89
-
090・合田哲雄
○政府参考人(合田哲雄君) 先ほど申し上げましたように、数百人程度、できれば五百人程度のサンプル調査を、理系女性、理系男性、理系女性、文系男性の四グループで取りたいと思ってございますので、数百、二千以上、数百程度の調査を行いたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/90
-
091・片山大介
○片山大介君 そうすると、その結果をそれぞれ関係省庁が、府省が対応していくんだと思うんですけど、文科省としてはどういうふうにそれ生かしていくおつもりか、お答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/91
-
092・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 我が国の科学技術イノベーションを推進する上で女性が活躍することが大変重要でありまして、特に次世代を担う女性の理工系人材の裾野拡大を取り組んでいくことが必要であると考えてございます。
一方で、女子中学生が理系進路を選択しない理由に、女性が科学技術分野に進んだときの将来像が描きにくいといった課題が挙げられると認識をしております。
このため、これまで文科省では、女子中学生の理系分野への興味、関心を高めて、適切に理系進路を選択できるように、ロールモデルの提示やワークショップの実施等の取組への支援を進めてきております。
また、現在、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の下に設置されました教育・人材育成ワーキンググループにおいて、理数系の学びに関するジェンダーギャップの解消に向けた議論を実施しているところでございます。その中で、女性が理系を選択しない要因の詳細を明らかにするアンケート調査を実施することは大変有意義なことだと思います。
文科省として内閣府と連携してこの調査を実施して、調査結果を踏まえて、女子中高生の理系進路選択を促進するための取組を検討していきたいと思います。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/92
-
093・片山大介
○片山大介君 究極的には余り理系、文系を分けない考え方していってほしいと思うんです。私も、結局、理系で大学入ったけど、途中でやっぱり文系の方がいい、自分には合っているなと思って文系就職でNHKの記者になったんですけど。だから、そうやってだんだん大学に入って勉強することによって視野が広がって、興味がここって自分で気付かなかった適性に気付いていく、これがやっぱり教育の過程だと思いますので、是非、その文系、理系に分けるんではなくて、いろいろ進めていって、考えていただきたいなというふうに思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/93
-
094・吉良よし子
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
冒頭ですが、先ほど大臣からもありましたが、先日、この委員会で質問した、学校で感染者が出た場合、保護者などへの情報提供の基準、これを新たに文科省が作成して教育委員会に発出したということ、昨日報告を受けました。保護者の切実な声を受けて文科省が動いたこと、これ本当に良かったですし、引き続き学校の感染対策の徹底を強く求めたいと思います。
それでは、今日は文化庁のコロナ支援策であるAFF事業について聞きたいと思います。
コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業として、昨年の第三次補正予算事業としてアーツ・フォー・ザ・フューチャー、AFFが始まって、この三月末には第二弾、AFF2の申請も開始されたところですが、まず初めに、このAFF1、昨年のAFF事業の申請件数、そして交付決定数、不交付件数、取下げ件数、それぞれお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/94
-
095・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
昨年実施されましたアーツ・フォー・ザ・フューチャー事業につきましては、一次募集、二次募集トータルで、申請件数一万一千二百件、交付決定数七千二十四件、不交付件数四千四十三件、取下げ件数百三十三件となりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/95
-
096・吉良よし子
○吉良よし子君 申請件数のうちの七割が交付されたということです。実際、このコロナを機に立ち上げられたアート関係者の互助ネットワークであるアートマネージャー・ラボという団体の皆さんによるアンケート調査でも、このAFFのおかげでコロナ禍になって以来初めて舞台に立てたとか、補助対象経費が全額補助であり、集客が厳しい状況でもスタッフやアーティストに常識的な対価を分配できたなど、評価する声も聞かれていることは確かです。
ただ一方、不交付となってしまった団体もあるわけで、その団体は資金繰りに困難が生じるなど、手を挙げたことで逆に追い詰められてしまった、そういう事例も少なくないわけです。
お配りした資料を見てください。先ほどのアートマネージャー・ラボの調査の結果なんですけれども、最大で不交付になった結果三百五十万円の資金繰り困難があったとの回答がありました。この場合、こうした皆さんは、この資金繰り困難への対応としては、借金又は生活資金、自分の生活資金を流用して対応したという団体もあるわけです。
しかも、この不交付だった理由についてちゃんと知らされたかというと、この上の方ですけれども、明確な理由が分からないというのが多数なんですね、このグラフにあるとおり。総合的に判断してと言われただけで、具体的、明確な説明もされてないと。ただ、なぜ、じゃ、今回駄目だったのか、理由が分からなければ、次回どうすれば交付されるのか、若しくは自分たち可能性があるのかも分からないままもう手挙げるのを諦めることにもなりかねないと。せめて、この問合せがなかった団体も含めて、不交付だった理由については具体的に知らせるべきではないでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/96
-
097・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
アーツ・フォー・ザ・フューチャー事業における第一次募集では、申請者に対し主たる不交付理由のみを提示していたところでございまして、委員御指摘のとおり、分かりづらい等の御意見を頂戴しました。
こうした御意見を踏まえまして、昨年夏には、二次募集での再審査に向け、審査担当者より一次募集で不交付になった団体に対して具体的な不備内容を個別にお知らせするなど、より手厚い対応を行ったところでございます。またさらに、二次募集からは、個別のお問合せがなかった団体も含めまして、複数の不交付理由を網羅的に通知するよう改善を図ってきたところでございます。
なお、現在募集しておりますAFF2におきましても、不交付理由の一覧を事前に公開するなど、関係者の皆様の声を踏まえながら更なる見直しを図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/97
-
098・吉良よし子
○吉良よし子君 いや、改善図ってきたとおっしゃいますけれども、この不交付者についてのアンケート結果見ても、明確な理由分からないというのが多数なんです。これ二次募集の後のアンケートの結果ですから、改善されたとは言えないわけで、やっぱりこういう状況ではもう手を挙げられないという声私も聞いていますし、事業継続が困難な文化の担い手広く支援するじゃなくって、もう申請しやすい交付実績のある特定の団体向けの支援に限られてしまう懸念もあるわけで、やっぱり問合せ対応はもちろん、不交付となった時点でその理由、具体的にちゃんと丁寧に説明して、チャンスを広げるべきだということ申し上げておきたいと思います。
しかも、今回のAFF事業、前回の継続支援事業と大きく異なって大問題になったのが、交付決定された団体であっても最終的に交付された額、交付決定額が当初に出した実績報告額よりも減額されたと、それで大きな負担をかぶったという話も聞きました。
確認します。この実績報告額が交付決定後、後から減額されたという件数は全体で何件あるのか、またその減額分の総額というのは幾らに上るのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/98
-
099・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
実績報告額から減額となった件数は二千四百九十件、補助金件数全体から見ますと三五・八%でございます。
減額分の総額は約九億八千六百万円で、これは交付決定総額から比べますと二・四%となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/99
-
100・吉良よし子
○吉良よし子君 減額の合計は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/100
-
101・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) 失礼しました。
減額分の総額は約九億八千六百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/101
-
102・吉良よし子
○吉良よし子君 減額分の合計が九億八千六百万円。十億円近くという額上っていると。しかも、二千四百九十件という件数というのは交付決定された七千二十四件のうちの三分の一に、以上に当たる数字なわけで、決して少ない数とは言えないと思うんです。
これだけの件数減額されたということは、申請する側だけのミスだけじゃなくって、やっぱり募集する側の説明が足りてないことが問題なんじゃないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/102
-
103・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
実績報告額からの減額につきましては、募集要項などにおきまして、あらかじめその減額となる場合がありますという旨につきましては申請者、お示しした上で申請者を募集しているところでございます。
すなわち、募集要項におきましては、交付決定を受けていても実績報告書等の確認時に補助対象外経費の計上が判明したり、適切な証拠書類が確認できなかった場合などは補助金が減額となることがあるという、この旨を募集要項などでお示しした上で申請者を募集してきたところでございます。
また、現在募集しておりますAF2におきましても、AF1を通じて明らかになった対象経費に関する御不明点などは、特にお問合せの多かった事項につきましては皆様がお知りになりたい情報をQアンドAの形式で提供いたしますFAQ、これを作りまして対応してございます。
今後も文化芸術関係者の皆様に寄り添いながら必要に応じて更なるFAQの充実を図りますとともに、相談会などもこれから設けますので、こうした機会を通じまして分かりやすく丁寧に説明してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/103
-
104・吉良よし子
○吉良よし子君 分かりやすく丁寧にこれから説明しますということなんですけれども、募集要項どおりに出しても、募集要項では例えば出演費とか作曲費とか対象になるって言われたけれども、実際開けてみたらそのうちの大部分が対象外でしたとか、会場の撮影費は対象になるというから出したら、本番中の会場撮影費は対象外でしたとか、要するに募集要項読んだだけじゃ分からない、そういった事例がたくさんあったわけです。しかも、減額された額というのは一団体につき数万円とか十万円とか単位じゃないんです。数百万円単位なんです。
お話伺った中では、交付決定額から五百七十万円も減額されたというところもありました。ひどい場合は、当初の報告額が全て、全て減額対象とされて最終的な交付額はゼロ円ですと通知が来たという団体があると、少なくとも私、三件その話聞いているんです。本件につきまして再審査は御容赦願うという文面とともに送られてきたというものもあったと聞くわけですが、交付決定後にこの交付額全部ゼロ円にするって、なぜそんなこと起きたんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/104
-
105・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) 済みません、ちょっと手元にその具体の事例がないものですから、どういうパターンがあるのかというのがちょっと一概に申し上げられませんが、先ほど申し上げたとおり、補助対象外経費のものが見付かったり、適切な証拠書類が確認できなかったりとか、そういった場合については補助金が減額ということでございまして、これのルールに沿って運用されているところでございます。
また、ちょっとその具体にどんな事例があるかについてはまたいろいろ教えてもらいたいと思いますけれども、このルールどおり動いているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/105
-
106・吉良よし子
○吉良よし子君 補助対象額じゃないものが申請されたものが主だという話ですけど、このゼロ円になったところを聞いてみると、劇団で確定申告出していたんだけど、前やっていた事業と、事業団体とちょっと名前を変えたと、その引継ぎが確認できなかったからゼロ円ですって言われたなんていう事例があるわけなんですけど、それ、ちゃんと行政書士が後でまた訂正して出したら、改めてそうやってやり直しを何とか頑張って食い付いてやったら、やっと一転、四百万円交付が決定したという事例もあるわけです。
でも、そもそもその団体の所在が確認できないというような事例というのは、補助対象額かどうかの話じゃなくって、交付か不交付かの話だと思うんですね。なのに、一回決定した後にゼロ円としておいて、食い下がったらまた交付決定額が上がるというこういうやり方、この手順、二重三重に私おかしな話だと思うんです。行政書士に頼んだらゼロ円が復活するけれども、先ほどの問合せ不可能ですというので諦めて泣き寝入りしたらもうゼロ円のままで、不交付のままで終わっちゃうみたいな話になりかねない話で、これは丁寧な対応だとは到底言えないと思うんですね。
大臣、これ、こうしてお話聞いていただいたんですけれども、こうやってそもそもコロナ禍で困難な中、支援がもらえるなら、国から支援があるならということで何とか活動を計画して、積極的なということで様々工夫をして手を挙げたのに、さんざん審査で待たされた挙げ句不交付ってなってしまったり、決定された後に大量に大幅に減額されたりして、結局、自分で借金背負ったり、自費を流出して、流用して対応しなければならない。取引先との信頼関係壊れたり、追い詰められた団体少なくないわけですけど、こういう国の支援が逆に申請者を追い詰めているようなこと、これはあってはならないと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/106
-
107・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 逆に追い詰めるようなことがあってはならない、当然あってはならぬことだと思います。
去年十一月の十七日に、芸団協の野村萬さん、陳情にお見えになったり、緊急事態舞台芸術ネットワークの劇団四季の方、あるいは野田秀樹さんなんかもお越しになられました。お話も伺いました。
それで、私自身、文化芸術団体の皆様から直接お話を伺う中で、新型コロナの影響が長期間にわたりまして関係者の皆様が大変厳しい状況に置かれているものと認識はいたしてございます。こうした状況を踏まえまして、昨年の文化芸術活動への支援であるアーツ・オブ・ザ・フューチャーでは、既にもうお話がありましたように七千団体の支援を実施をしました。
この指摘の点につきまして、申請に先立ち、募集要項などにおいても、交付決定を受けていても、実績報告書等の確認時に補助対象外経費の計上が判明したり、適切な証拠書類が確認できなかった場合には補助金が減額となることがある旨お示しをした上で、申請を募集したところでございます。
その一方で、関係者の皆様が置かれた状況を踏まえれば、このような減額は可能な限り、これ先生御指摘のとおり生じさせないようにすることはやっぱり大事だと思うんですね。
先月末より募集を開始をしておりますAF2においては、補助金申請に慣れていらっしゃらない多くの文化芸術関係者に寄り添って、補助対象になる経費とならない経費、なる経費とならない経費について、より具体的かつ丁寧に説明する改善に努めていきたいと思います。
先生がおっしゃる行政書士さんの書類も読みましたです、私、出している方。補助対象経費で、やっぱり間違ってこの接待交際費入っていたりとか、前年の実績書を出されていることもあったり、重複して出される方もおられたりとか、いろんなことがあったとは聞いてございますけれども、できるだけ前に進むように努力をしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/107
-
108・吉良よし子
○吉良よし子君 いや、そういった減額などが起きないようにということですけれども、減額された皆さんからは、もう支援のはずが被害なんだと、もう被害救済してほしいぐらいですという、そういう声まで出ているという実態は御承知いただきたいんです。数百万の借金背負う話になってしまうわけですからね。赤字、負債を抱えることになってしまうわけですからね。
やはり、そういったことは絶対に起こしてはならないですし、そうじゃなくても、この交付か不交付かのところでもさんざんやり取りが大変あるし、もう他の文化庁支援事業に参加した実績があるのに実績なしと判断されたとか、いや、現代アートとか複合アートの分野で活動しているのに美術分野の選択肢が絵画、彫刻しかなくて選べないとか、学校など社会教育活動などの様々非営利活動もやっているのにそれは支援の対象外だとか、もう幅広い様々な文化芸術があるのに、それにちゃんと寄り添う支援になってないじゃないかって、そういう声がもう多数出ているわけです。
もう是非とも、コロナで頑張る全ての文化芸術関係者を応援しようという制度の趣旨に沿った、照らした改善をちゃんとしていただいて、全ての困窮、文化芸術関係者救うように強く申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/108
-
109・舩後靖彦
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
まず、三月八日に質問させていただいたアーツ・フォー・ザ・フューチャーの進捗について、文化庁に何点か確認させていただきたく存じます。三月八日の質疑で大臣から御答弁いただいた件の進捗を確認させていただきます。
AFFの申請者に対して三月末日までの補助金の決定額の通知を終えるとのことでしたが、これは完了しましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/109
-
110・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
昨年度のアーツ・フォー・ザ・フューチャー事業の額の確定につきましては、委員御指摘のとおり、先日の本委員会における委員の御指摘も踏まえ、また、大臣からの答弁もしっかり御指示も踏まえまして、速やかな事務処理に向けて最大限努力いたしまして、三月中に全件の確定を行い、事業者の方に御連絡を差し上げたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/110
-
111・舩後靖彦
○舩後靖彦君 同様に、先般の質疑で、文化庁から四月末までに補助金の支払ができる予定と答弁いただきました。本日時点での進捗状況をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/111
-
112・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。
アーツ・フォー・ザ・フューチャー事業の補助金の支払の結果につきましては、昨日、四月四日までに全体の六七%、四千六百三十件が支払済みとなっております。三三%の二千三百二十二件につきましては、当初予定の四月末よりおおむね一週間程度前倒しということで、可能と見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/112
-
113・舩後靖彦
○舩後靖彦君 アーツ・フォー・ザ・フューチャーの申請者からの声で一番多かったのは、一つに、申請時にこの経費は助成対象にならないと説明されていたらその経費を計上しなかった、二つ目に、経費を使ってしまった後に実績報告後、その経費は対象にならないとされて自腹を切らざるを得なくなったことが一番苦しかったというものです。
私も、もう一度AFFの制度概要、申請関連、実績報告関連の資料を全て目を通しました。
資料を御覧ください。申請の募集要項には、補助対象経費と補助対象外経費に関する記述がありました。これを見ても、例えば広告宣伝費はどの範囲まで認められるか判別が付きません。そこで、実績報告の手引きのよくある質問、FAQを見てみますと、対象外経費について具体的記述がありました。例えば、撮影費は対象となりますかというクエスチョンに対して、団体の記録用撮影費や物販のための撮影費については対象となりませんと書かれています。
しかし、ここで問題なのは、募集時には申請の募集要項のみが公開され、実績報告の手引きが公開されるのが応募を締め切った後だということです。つまり、申請時の収支計画書に広告宣伝費として撮影費を計上して認められたのに、イベント実施後の収支報告書に撮影費を記載したら対象外経費としてはねられるということがあり得るのだと理解しました。申請者からの声にあった、事後に経費を認められず補助対象外になって、自腹を切って廃業したというからくりが分かり、ここは一刻も早く改善しないといけないと思いました。
AFF2の募集要項を見ても、補助対象経費と補助対象外経費については大まかな項目しか記載がないので、申請者はどこまでの範囲まで認められるか判断しかねると思います。ホームページのトップページにはFAQのバナーがありますが、募集要項とは別枠なので、そこまで見に行かない可能性があると思います。
大臣、補助対象経費と対象外経費についての詳細をもっと分かりやすく募集要項の中に記載していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/113
-
114・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 舩後先生御指摘のとおり、昨年度のAFF1ですね、この申請者の皆さんから審査基準が不明確、交付決定額から減額となった等の意見がございました。こうした意見を踏まえまして、先日、三月二十八日よりこの募集を開始しましたAFF2は、おきましては、よくある質問と答え、AFQを大幅に充実させまして、AF1開始当初に、当初に比べまして三倍弱の百九十項目を公表してございます。
今後も、文化芸術関係者の皆様にしっかり寄り添って向き合いながら、寄せられた御質問に追加するなどAFQの充実を図るとともに、説明会や相談会の機会を通じて分かりやすく丁寧に進めてまいりたいと思います。説明会には五千二百人ぐらい、強の方がお越しになりました。これから相談会を具体的に三月、四月に入ってから行ってまいります。そういう予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/114
-
115・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/115
-
116・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/116
-
117・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
FAQが充実したことは敬意を表します。その上で、ホームページを見やすくしていただきたく存じます。大臣、ホームページの改善をいつしてくださいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/117
-
118・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) 申し訳ございません。ちょっと事務的なところもありますので、私の方からお答えさせていただきます。
おっしゃるとおり、ホームページの方、見づらいということでございますので、その旨はまたちょっとよく研究してまいりたいと思います。
一応、今ちょうど舩後先生から御指摘あったこの、御示しあった資料三のアーツ・フォー・ザ・フューチャーホームページ、これの方で、上の方のFAQというところの方は、これはそのままロールをしながら見なきゃいけませんので、ホームページ上ずっと載っている状態になりますので、少し検索とかはしづらい、見にくいというところはございます。
ちなみに、募集要項と書かれているところの二つ右側のボタンクリックしていただくと、これエクセルになっていまして、こっちの方が断然検索はしやすいと思われます。任意団体の方は任意団体というのを取れば、必要な任意団体の方のクエスチョンが出てきますので、あるいは項目を入れればそれに合わせた検索ができますので、そういった御活用がいただけるといいかなと思いますが、ただ、ちょっと初めて入られた方にはちょっとそこがよく分からないというのは確かにあろうと思いますので、お使いになる利用者の方目線で、少しその辺りをよく考えて対応したいと思います。
募集要項の方も充実させなければならないですが、実はもう既に三十九ページ、表紙入れて四十ページとなっていまして、今度新しく来られる方が、もっと端的に言ってくれという、そういう話もございまして、なかなか悩ましいところでございますけれども、募集要項もしっかり充実させながら、同時にFAQでも皆様のお答えにうまく答えれるようにしっかりと、お問合せにうまく答えれるようにしっかりしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/118
-
119・舩後靖彦
○舩後靖彦君 もう一点、対象経費に掛かる消費税に関する質問をいたします。
AFF1の申請者の方からこういう事例を聞きました。実績報告をした後に、事務局から以下のような通知が来ました。消費税率をゼロ%で御計上された経費がございましたが、国内取引の場合は免税事業者や個人事業主ではない個人との消費税が計上されていない取引であっても消費税相当額が仕入れ税額控除の対象となりますため、消費税率分は補助対象外と判断されました。
この方は、もろもろの発送費、リハーサルスタジオ代、プレーガイド手数料、宿泊費や移動交通費には元々消費税は掛かっていなかったのに、そこから消費税分を引いた額を対象経費にされたことに納得がいかないとのことでした。
大臣、消費税率分が補助対象外となるのはどういう理由からなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/119
-
120・杉浦久弘
○政府参考人(杉浦久弘君) 申し訳ございません。事務的なところがありますので、そこを答弁させてください。
まず、発送費等につきましては、その消費税が掛からない発送費というのが、ちょっと済みません、にわかに分かりにくいものがございまして、ちょっと具体の話をしっかりとまず確認させていただかなけりゃいけないかと思います。すぐれて商取引につきましては消費税が掛かるものというふうになりますので、かなり特殊な事情かと思われますけれども、そこについてはまたちょっと、済みません、教えていただきたいと思います。
それからあと、消費税分が補助対象外となるということについてのことの、二点目のところにございますけれども、これは、これもやはり個別案件がいろいろありますので、詳細を確認してからでないと、確定的なお答え難しいところではございませんが、一般論で申し上げさせていただきます。
国から事業者に対する補助金につきましては、消費税相当分は事業者への課税の際に税額控除されると、こういう仕組みになっております。なので、事業者は消費税分は負担がなくなっております。ということからして、補助金の交付の際は補助、消費税分は支払わないという扱いがなされていて、これが一般的に定着されているルールでございます。
ちなみに、仮に、事業者の事業の性格上、補助額に消費税を含める方法が取られるという場合もありますけれども、この場合は、事業者は事後的に消費税分を補助金の交付元、文化庁補助金であれば文化庁へ返還しなくてはならないという形になってまいります。この場合は、交付された補助金のうち消費税相当額を事後的に返還する事務というのが発生しまして、事業者の方にとっては煩雑な返還手続がまた一つ大きく出てまいります。あるいは、この返還手続が漏れてしまうと複雑な事態が生じるというおそれもございます。このため、補助、事業者への補助金の場合は、先ほど申し上げたあらかじめ消費税分を除くという方法が一般的に取られているというふうに理解しております。
こうしたことから、コロナの、コロナ禍で収入減などで厳しい状況に陥っている文化関係事業者を支援するAF事業におきましても、昨年四月の第一次募集当初は、ほかの事業と同様、今申し上げた一般的なルールに基づいて消費税分を補助金対象外として認めてきたところでございますが、しかしながら、実際、一次募集を行った結果、申請者の中にはそもそもの消費税分の返還が不要な免税事業者ですとか任意団体とかからの申請も多くありました。
これらの事業者は、免税扱い等によりますのでそもそも税額控除を受けられないと、先ほど申し上げた一番最初の税額控除を受けられないとなりますので、そうなりますと、消費税分を自ら負担しなきゃならないという事態に陥ってしまいます。
このため、これらの団体からは、我々も消費税分をちゃんと補助対象経費としてほしいという要望を頂戴してきたところでございます。これを受けまして、こちらの方も実態に合わせて運用を見直しまして、昨年九月の第二次募集から、免税事業者などにつきましては消費税分も対象経費とすることができるというふうに改めさせていただきまして、あわせて、御迷惑をお掛けした第一次募集の採択団体にも同様のルールを遡って適用しているというところでございます。で、お支払いさせていただいたところでございます。
今後とも、皆様からの御意見頂戴しながら、適切な運営に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/120
-
121・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/121
-
122・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/122
-
123・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 次に、博物館法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。末松文部科学大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/123
-
124・末松信介
○国務大臣(末松信介君) この度、政府から提出いたしました博物館法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、博物館に求められる役割が多様化、高度化していることを踏まえ、博物館の設置主体の多様化を図りつつその適正な運用を確保するため、博物館登録制度の見直し等を行うものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、法律の目的について、社会教育法に加えて、文化芸術基本法の精神に基づくこととしております。
第二に、博物館の事業として、博物館資料に係る電磁的記録を作成し、公開すること等を追加するとともに、他の博物館等と連携協力すること、関係機関及び民間団体と連携協力して、地域の教育、学術及び文化の振興、文化観光等の推進を図り、地域の活力の向上に寄与することについての努力義務を設けることとしております。
第三に、博物館登録制度を見直し、博物館の設置者が、地方公共団体若しくは地方独立行政法人又は博物館を運営するために必要な経済的基礎を有すること等の要件に該当する法人のいずれかであることとしております。また、博物館における博物館資料の収集、保管及び展示並びに調査研究を行う体制、学芸員その他の職員の配置並びに施設及び設備が、都道府県等の教育委員会の定める基準に適合するもの等であることとしております。
第四に、登録審査等の手続について、都道府県の教育委員会は、登録を行うときは、あらかじめ学識経験者の意見を聴くこととするとともに、博物館設置者に対して報告徴収、勧告等を行うことができることとしております。また、博物館の設置者は、博物館の運営の状況について、定期的に報告しなければならないこととしております。
第五に、学芸員補の資格要件を、短期大学士等の学位を有する者で博物館に関する所定の科目の単位を修得したもの等とするとともに、国及び都道府県の教育委員会による研修の対象に、学芸員、学芸員補以外の者を含めることとしております。
第六に、この法律の施行期日は、一部を除き、令和五年四月一日としております。また、現に登録を受けている博物館は、施行日から五年間は、改正後の法における登録を受けたものとみなす等の経過措置を設けることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審査の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/124
-
125・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00420220405/125
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。