1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
舞立 昇治君 水落 敏栄君
五月二日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 竹内 功君
長峯 誠君 世耕 弘成君
五月九日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 本田 顕子君
宮口 治子君 勝部 賢志君
五月十日
辞任 補欠選任
本田 顕子君 舞立 昇治君
蓮 舫君 熊谷 裕人君
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出席者は左のとおり。
委員長 元榮太一郎君
理 事
今井絵理子君
上野 通子君
堂故 茂君
宮沢 由佳君
委 員
高橋はるみ君
竹内 功君
本田 顕子君
舞立 昇治君
丸川 珠代君
水落 敏栄君
勝部 賢志君
熊谷 裕人君
水岡 俊一君
蓮 舫君
佐々木さやか君
横山 信一君
伊藤 孝恵君
片山 大介君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 末松 信介君
副大臣
文部科学副大臣 池田 佳隆君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
政府参考人
出入国在留管理
庁出入国管理部
長 丸山 秀治君
文部科学省大臣
官房学習基盤審
議官 茂里 毅君
文部科学省総合
教育政策局長 藤原 章夫君
スポーツ庁次長 串田 俊巳君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/0
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001・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、舞立昇治君、足立敏之君、長峯誠君及び宮口治子君が委員を辞任され、その補欠として水落敏栄君、竹内功君、勝部賢志君及び本田顕子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/1
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002・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁出入国管理部長丸山秀治君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/2
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003・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/3
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004・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/4
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005・上野通子
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質疑の時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
いつの時代も、学校現場、教師は、国の未来を担う子供たち、これをしっかりと存在して教え導くものでございます。しかしながら、最近のこの国内外での様々な現象、事象が起きている、そして全く先が読めない、そういう予測不可能な時代に突入しました。だからこそ、この不安や国難を乗り越える力が今まで以上に必要となります。未来をつくる子供たちが、そのような生きる力、そして知識力、技術力、さらには人間力を育むための指導者の存在、これはますます重要となってきております。
それに対応した現在の教員、教師の研修体制はどうかといいますと、これが時代に合ったものではなくなっているという事象もあるのではないでしょうか。そこで多分、今回この法案が提出されたと思いますが、まず最初、本法案の提出の経緯について具体的にお伺いしたいと思います。
本法案には、教師の資質の向上をより合理的かつ効果的に実施するために、公立学校の教師に対する新たな研修システムの導入と教員免許更新制の発展的解消が盛り込まれています。この教員免許更新制が導入されたのは今から十二年前で、あっ、十三年前でございますが、どのような背景、理由から教員免許更新制を発展的解消にこの度するようになったのか、まずは文部科学大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/5
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006・末松信介
○国務大臣(末松信介君) おはようございます。
上野先生にお答え申し上げます。
グローバル化や情報化の進展によりまして、社会の在り方が急速に変化をするとともに、教育をめぐる状況そのものの変化もスピード感を増してございまして、GIGAスクール構想など情報化や特別なニーズを有する児童生徒への支援の充実など、適時適切に対応することが求められてきてございます。
また、平成二十八年の教育公務員特例法の改正以後、教師の資質向上に関する指標に基づきます教員研修計画により、各地域の課題あるいはニーズに応じた計画的、体系的な研修が進められております。さらに、新型コロナへの対応を契機といたしましてオンラインの活用が急速に広まっておりまして、地理的、時間的な制約を超えて機動的に研修を実施することが可能となってきています。
昨年十一月の中央教育審議会のまとめでは、こうした変化を踏まえまして、研修記録の作成や資質の向上に関する指導助言の義務付けなど新たな教師の学びの姿に向けた方策の実施によりまして、個別最適な学びなど、より効果的に進められる環境が整うことから、このタイミングで更新制を発展的に解消することが打ち出されたところでございます。中教審の渡邉会長からも直接熱心な話もお伺いしました。
一方、教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大や大学の関与の拡大であるとか良質な学習コンテンツの形成など、一定の成果は上げてまいりました。今後、大学の良質なコンテンツを全国の教師が受講できるようなどにするなど、教員免許の更新制の下で生み出された成果を新たな教師の学びの姿を構築する上で発展的に継承していくことを念頭に置きまして、発展的解消という用語を用いております。
より具体的に申し上げれば、教職員支援機構におきまして、免許状更新講習を継承しました大学等が開設する質の高い優良な学習コンテンツに関する情報を提供する一元的な情報提供サイトを構築するほか、今後、教育委員会や大学、民間などの研修コンテンツを一元的に収集、整理、提供する機能を備えたプラットフォームの構築も進めていくこととしております。
文部科学省としましては、新たな教師の学びの姿を実現する上で、教師の多様な学びの機会を更に充実させるものとして、このような各大学の優れたコンテンツを最大限生かして発展させてまいりたいと、そのように願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/6
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007・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
大変具体的な例まで示していただきまして、ありがとうございました。この教員更新制度、発展的解消がされることによって実現されると思われる令和の日本型学校教育、これを担う教師の新たな学びの姿について、今大臣からもお話ありましたが、改めてお伺いしたいと思います。
大臣の御答弁にもありましたデジタル化の進展、そして社会の在り方が急速に変化する、この中で教育も日々に変化している。教師がいかにその変化にスピード感を持って対応できるかが求められています。そして、今日的な教育課題に対応するためには、従来求められている学習指導や生徒指導の力のみならず、特別な配慮や支援を必要とする子供たちへの接し方、又はICTや情報教育データの利活用の能力、さらには、個人としてばかりでなく、学校の教師として、学校のチームとしてのチーム力なども必要とされています。
中教審の審議まとめでは、常に最新の知識を学び続けていく、主体的に学び続ける教師の姿は児童生徒にとっても重要なロールモデルであると指摘されております。そして、教師が継続的に主体的に学び続けることは、教師にとっての個別最適な学びが実現する上で前提となるものでもあります。
そこでお伺いしたいのは、この個別最適な教師の学びとは一体どのようなものなのでしょうか、文科省にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/7
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008・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 中央教育審議会の審議まとめでは、新たな教師の学びの姿の一つとして、教師として共通に求められる基本的な知識技能の修得にとどまらず、新たな領域の専門性を身に付けるなど自らの強みを伸ばすことが必要であり、一人一人の教師の個性に即して学校現場の課題に対応するための個別最適な学びが求められているとされております。
本法案では、校長等の管理職と教師が過去の研修等の記録を活用しつつ対話を行い、今後能力を伸長させる必要がある分野の研修について教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導助言を行うこととしております。これにより、教師が自らの学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下で、自ら必要な学びを行う主体的で個別最適な学びが実現されることになり、こうした学び続ける教師の姿は児童生徒にとっても重要なロールモデルとなるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/8
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009・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
文科省としては、児童生徒へも個別最適な学びを行っていくというのを念頭に置いていますので、同じように、まず指導者である教師自身が最適な、個別最適な学びを行うことが重要、これがよく分かりました。さらに、やっぱり多様性も生かしていくということもこれから重要になってくると思います。
次にお伺いしたいのは、個別最適な教師の学びの実現方法についてお伺いします。
中教審の審議まとめでは、学びの成果が可視化され、個人の学ぶ意欲を喚起できていることの重要性が指摘されております。ですが、その前にまず教師が何を学びたいのか、現場で生かしていくために何を学べばよいのかの目的を持って研修をすることはもちろん大切なことです。と同時に、一人一人の講師が、教師が、これまでどのような知識技能を身に付けられたのかという、現在の姿を自覚することが必要です。学びの成果の可視化、つまり、教師自身が何が身に付いているのか自ら説明できる状態となることにより、まず自身の現在の姿をしっかりと把握した上で、目指すべき将来の姿に向けて目的意識を持って次の学びを選択することが可能となるといいと思っております。
そこで、この前提となる教師の学びの成果の可視化とは具体的にどのようなことが行われるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/9
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010・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 審議まとめでは、研修等の履歴を記録するなどにより学びの成果の可視化が行われることで、教師自ら客観的に現在の姿を自覚するとともに、より適切な目標を設定し次の学びを選択することや、個々の学びの成果を周囲の教師も理解することで学校全体の教育力の向上につなげていくこと、人事配置や校務分掌の決定その他の取扱いに積極的に活用すること等が可能となるとされております。
今回の法案では、過去に教師が何を学んできたかを客観的に記録することを義務付けるとともに、これを基に教師の資質向上に対し指導助言等を行うという管理職の役割を明確にすることとしております。これにより、一人一人の教師が自身の学びを振り返りつつ、現状の把握と適切な目標設定を行うことが可能となり、このベースとなるのが可視化された研修等の記録であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/10
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011・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。学びの可視化について御答弁いただきました。
ちょっと申し上げておきたいのは、学びの成果とは、学んだ後の単なる、例えば、やらなくちゃならないというそれが、それ自身がやらなくてはならないという意識になったり、もう感想を書こうというような感想的なものになっては、研修でせっかく学んだことが反対に学級運営や教育活動の中で生かされなくなってしまうと。実際に活用されて何ぼということですので、研修の意義がしっかりと現場で生かされて初めて成果と言えるような、分かりやすい国からの支援も必要になってくるんじゃないかなと思います。それをしっかりと見える化していくこと、それが重要だと思います。
研修履歴を記録し、教師自らが客観的に振り返ることを可能にするという本法案の趣旨は、学びの成果の可視化を進める上でそのベースになるものだと理解はしました。その上で、知識技能や指導方法の改善も含め、研修で学んだことは学校現場の自主性の中で本当に生きて働いて、真の成果が日々の教育活動の中で発揮される、それが学校組織内で共有される、そのような見える化の取組を是非ともこれからも進めていただきたいと思っております。
ところで、先ほどの御答弁にもありましたが、新たな教師の学びの姿でございますが、この実現に当たっては、校長などの管理職から指導助言を行い、それぞれの置かれた立場に基づいて個別最適な研修を受講してもらう、そういうことになるのだと思います。
教師一人一人の学びの記録、それぞれの目指すべき姿の実現、それに向けて適切な助言を行うというのは管理職の非常に重要な役割でもあります。と同時に、非常に難しい役割でもあると思います。もちろん、こういった役割は、これからでも管理職の、今までもそうでしたが、これからも管理職の役割の一つである。今までもそうであったと思いますが、今回、法改正によって更に重要になるところで、そこで戸惑いも現場からは今現在聞こえております、どうしていったらいいのかというですね。管理職の皆さん、大変困惑しているという声が聞こえているところです。
そこで、いま一度、今後必要となる校長などの学校管理職の役割についての整理と、その資質能力の向上のためにどのような取組を行っていくのかについて、文部科学省にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/11
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012・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今回の改正では教育委員会に資質の向上に関する指導助言等を行うことを義務付けておりますが、実際は、校長等管理職が、教員育成指標、教員研修計画を踏まえつつ、当該記録を活用して所属校の教師に対し資質の向上に関する指導助言等を行うこととしており、校長の役割は極めて重要だと考えております。
現在行われている中教審の審議におきましても、校長等の管理職に求められる役割として、従前より求められている的確な判断力、決断力、交渉力、危機管理等のマネジメント能力に加え、令和の日本型学校教育においては、特に、様々なデータや学校が置かれた環境に関する情報について収集、整理、分析し共有することや、学校内外の関係者の相互作用により学校の教育力を最大化していくことなどが求められるとされております。また、校長等の管理職が、学校組織マネジメントや研修推進体制の観点から力を発揮し、教師個人、教職員集団全体の持続的な成長が可能となるよう、教師同士の学び合いの文化をつくり、教師それぞれの強みや専門性を引き出し、相互に掛け合わせることで集団の力を最大限に高めていくことが必要とされております。
これらも踏まえ、文部科学省としては、指針やガイドラインにおいて校長の役割を明確化し、教育委員会が定める教員研修計画に当該役割を踏まえた適切な指導助言等の方法を定めるようにすることや、教育委員会において校長に特化した育成指標を策定し、それに基づき教育長等が校長への指導助言を行うこと、国による新任校長向けの講習動画の配信やオンラインフォーラムの開催、全校長向けの研修動画を含む必要な情報等を集約した特設サイトの開設などにより校長の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/12
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013・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
今御答弁にありましたが、やはり校長は責任があります。校長のリーダーシップは大切なものですが、校長への支援もしっかりとしていただかないといけないなと思っております。
さらには、学校の問題でもあっても、しっかりと市町村の教育委員会も使命を持って、その役割を大事にしていくのも必要だと思います。
先日の、もう連休前になりましたが、参考人質疑において、戸田市の戸ヶ崎教育長からも、市町村教育委員会が果たすべき役割は大きいと、そして校長先生の経験も踏まえていろいろなお話ありましたが、教師の学びは決して学校現場に閉じたものではないと、より主体的にそれぞれの教育委員会が関わっていくことが重要だとおっしゃっておりました。
先ほどのお話にもありましたが、任命権者として都道府県教育委員会が策定する教員育成指標、さらには教員研修計画など、包括的な枠組みの中で指導者助言として一義的な責任を持つ教育委員会による適切な関与と支援、これ重要でございますので、これの下で校長にしっかりとリーダーシップを発揮していただきたいと思っておりますので、今後とも国も御支援よろしくお願いいたします。
では、次の質問に参ります。
教師が研修で学んだ教え方を実際に活用に生かしていくことは重要です、もちろん皆さんそう思っていらっしゃると思いますが。教師の学び方を支援する仕組み、これも更に重要になってきます。本法案の提案理由でも、大臣、さっきもおっしゃられましたが、前にもおっしゃられていますように、オンライン化された学びが急速に広がっているということ。例えば、いつでもどこでも何度でも学びたい内容を自分のペースで学ぶことができるオンデマンド型の研修コンテンツ、先ほどもお話ありました、このオンデマンドを利活用することなどによって、個別最適な教師の学びを実現する上では特に重要な役割を果たすのではないかと思います。
そこで、これも先ほど大臣から御答弁ありました、独立行政法人である教職員支援機構の提供するオンデマンド型の研修動画の活用も含めて、教師の学びの環境整備をどのように進めていくのか。また、非常勤の、例えば臨免教師などの非正規雇用の教員、この教員のためのスキルアップを、このオンデマンド型研修なども受けられるのかということも併せてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/13
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014・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 新型コロナへの対応も契機といたしましてオンラインの活用が急速に広まり、地理的、時間的な制約を超えて機動的に研修を実施することが可能になってきております。働き方改革の観点からも、学校現場を離れずに充実した研修を行える環境が必要であり、オンライン研修の一層の充実が重要と考えております。
こうした中、教職員支援機構では、各学校において校内研修などに活用できるよう約百七十の研修動画コンテンツを作成、公開しており、現在、更なる拡充に取り組んでいるところでございます。今後、更に取組を進め、教職員支援機構において基礎的な知識技能を身に付けるための標準的な動画コンテンツの開発を行ってまいります。
また、文部科学省、各都道府県教育委員会、教職員支援機構等を構成員とする協議会を立ち上げ、研修コンテンツの共同開発や共有化を図ってまいります。さらに、誰もが利用できる研修コンテンツを一元的に収集、整理、提供する機能を備えたプラットフォームの構築も併せて進めることにより、教師の学びの環境を整備してまいります。
また、臨時的任用教員等の非正規雇用の教員につきましても、いわゆる正規教員に準ずる形で研修の充実が図られることが重要であると考えております。先ほど申し上げました教職員支援機構等が提供するオンデマンド型の研修コンテンツを利用できるようにすることはもとより、臨時的任用教員が組織的な学びの場である校内研修等に参加することや、教育センターで実施される様々な研修への参加を認めるなど、研修機会に配慮するよう各教育委員会に指導してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/14
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015・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
正規教員ばかりではなく、非常勤の教員の皆さんにも研修の門戸を開いていただくということ、お伺いしました。また、共同開発をしていく、学校現場だけではなくて、様々な形でしっかりと誰もが利用できるプラットフォーム型の研修にしていくということ、是非とも進めていただきたいと思います。
でも、今、現場で、これから法案が変わるということで様々な御意見等を伺っている中で、やはり研修の負担が増えるのではないかという、その不安の声が一番大きいわけで、主体性が発揮できない受け身の研修のみでは、やらせられ感によってどうしても負担感が募ってまいります。今後の研修制度の充実が教師にとって学ぶ意欲を損なう負担感の増大に是非ともつながらないように、主体性、自律性を発揮した研修にすること、これが必要不可欠だと思います。
それとともに、学校の働き方改革、これは随分前からやられているわけですが、それをしっかりと更に進めることが急務です。教育基本法にもあるとおり、教師は絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならないとされており、研究と修養、つまり研修ですね、が教師が職務を行うに当たっての必要不可欠な要素とされているわけです。授業や生徒指導はもちろん、子供たちへの教育を充実させるために行われる研修に打ち込むことができるように、例えば勤務環境を整えることが極めて重要です。これまでも働き方改革を進めているとは思いますが、さらに、ICTの活用も含め学校の業務を更に効率化して、教師が教師でなければできないことに専念できるように一層の対策が必要だと思います。
そこで、今進めていらっしゃる働き方改革を今後更にどのように進めていくのかについてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/15
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016・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
今回の法案で提案する新たな研修の仕組みを円滑に運用されるためには、御指摘のありました教師の負担軽減や必要な研修を適時に行えることを可能とする、そういった環境整備が重要だと認識してございます。
このため、文科省といたしましては、令和元年に法改正を行い、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するとともに、教師用端末の整備や学校DX推進本部における校務の情報化の更なる検討、小学校における三十五人学級の計画的整備や教職員定数の改善、教員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実、それらに加えまして、部活動改革、学校向けの調査の精選、削減、こういった様々な取組を総合的に進めているところでございます。
今後とも、引き続き、教育現場の体制整備を進めるとともに、国、学校、教育委員会が連携し、教師が教師じゃなければできない、そういったことに先生が全力投球できるような環境整備にあらゆる手だてを尽くしながら取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/16
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017・上野通子
○上野通子君 やはり、一人一人の教師にきめ細やかな配慮をするというのはまだまだちょっと難しいかなというところもありますが、是非とも、教師が一層学校で魅力を感じて働ける、そういう環境をつくっていただきたいと思っていますので、教師の働き方改革と処遇改善を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、教師の学びの内容についてお伺いいたします。
昨年五月、議員立法である教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律、いわゆる教職員版のDBSが衆参全会一致で可決しました。そして、本年四月に施行されたところです。
教師による児童生徒への性暴力の根絶のためには、あらゆる角度からの対策が必要です。そして、児童生徒への性暴力等を行ってはならないことはもとよりですが、学校において性暴力等が疑われる場合にどのように対処すべきなのかなど取り扱うことが重要であると考えております。
そこで、今後、教師に対して児童生徒への性暴力等に関する研修を充実していくこと、これをどのようにしていくのか、この点について文科省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/17
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018・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 子供を守り育てる立場にある教員が子供に性暴力等を行うことは断じてあってはならないことであり、教育職員等による児童生徒への性暴力等を根絶するため、あらゆる角度から実効的な対策を講じていく必要があると考えております。
文部科学省においては、これまでも、各教育委員会に対して、児童生徒性暴力等の防止等に関する服務規律の徹底を図るとともに、効果的な研修の継続的な実施を求めてきたところでございます。
本年四月に教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が施行されたことを踏まえ、今後、更なる研修の充実を図るため、文部科学省において、児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための啓発動画を作成し周知を図ることや、各都道府県・市町村教育委員会における児童生徒性暴力等の防止等に関する研修の取組状況を調査し、好事例を周知することなどに取り組んでまいります。
文部科学省においては、引き続き、児童生徒等を教育職員等による性暴力等の犠牲者とさせないという断固たる決意で、性暴力等を行う教員の根絶に向けた取組の実施に全力を尽くしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/18
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019・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
昔と今の教師の生徒やそれから各家庭への対応が複雑化、多様化しております。一番必要なのは、教師とそして家庭と、そして教員とあと生徒ですね、それぞれ、生徒と、児童生徒と、そして教師、さらには家庭との、この三つが信頼関係がないと学校の生活を前に進めることはできない状況です。生徒と学校が、教師がしっかりと信頼関係があっても、教師とその家庭の信頼関係がなければ家庭の中では全くうまくいく状況も起こらないという現状もありますので、この性暴力に限らず家庭内の様々な課題、虐待問題等もございますし、さらには、いじめ問題がありながら誰にも言えないで抱え込んでいる、そういう子供たちもまだまだいるわけで、是非ともこの面のこのようなことへの研修、資質能力の中には入ってくると思いますので、学力や能力や技術もしっかりと身に付けてほしいですが、教師には更に人間力を高めるための研修の充実をこれからよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。そして、一人一人の教員への服務規程の徹底を、これをしっかりと引き続き図っていただきたいと思います。
続いて、免許更新制が発展的に解消した後の大学の役割についてお伺いしたいと思います。
もちろん、これからも大学はきちんとした形で指導を、教師に対して研修を行う場であると思います。冒頭、大臣からの御発言にもありましたとおり、免許更新制の導入によって免許更新講習の開設を通じて教師の学びのための良質な講義がそれぞれ大学から提供されてきたものと思います。
これらの大学での学びは、免許更新制が発展的に解消した後もどのように新たな教師の学びの中で生きてくるのでしょうか。さらに、大学はちゃんと検討をしていただいているのでしょうか。また、大学のこれからの以降はどうなっていくのでしょうか。教師の学びに対しての今後の大学の関与について、具体的にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/19
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020・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 教員免許更新制は、教師の資質能力の向上に対する大学の関与の拡大、教育委員会と大学との連携の強化など、大学に関しても一定の成果を上げてきました。
具体的には、年間一万件以上の更新講習が開設されるなど、多様な大学により多くの良質な学習コンテンツが整備されております。また、教育委員会が主催する講習に大学教員が登壇することや、大学と教育委員会が講習を共催するなど、大学と教育委員会の連携も進んでおります。
これらの教員免許更新制の下で生み出された成果を新たな教師の学びの姿において発展的に継承していくことが重要であり、引き続き大学の果たす役割は大きいと考えております。
具体的には、教職員支援機構において、大学の良質な学習コンテンツを継承、活用していくため、それらの情報提供サイトを構築することや、今後誰もが利用できる研修コンテンツを一元的に収集、整理、提供する機能を備えたプラットフォームの構築も進めていくこととしております。
また、各大学においても、これまでの更新講習の知見を生かし、新たに現職教師に対する研修プログラムを提供する取組が行われております。例えば、兵庫教育大学におきましては、これからの教師に求められる資質能力に関する中教審の議論も踏まえ、これからの教師に求められる五つの資質能力の柱に沿って、オンライン型や対面型も含め約六十もの多様なプログラムを今年度から提供しています。また、東京学芸大学におきましては、現代的教育課題に対応したオンデマンド型の研修動画やオンラインによる少人数双方向の年数回の連続講座などを今年度から提供しているところでございます。
文部科学省といたしましては、現職教師や教員免許状を有するものの教職には就いていない者への学びの機会の提供、教職大学院におけるリーダーの育成、教育委員会と大学が連携した養成や採用などにおいて引き続き大学が中核的な役割を担っていただくことが重要だと考えておりまして、そのように支援をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/20
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021・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
大学はしっかりとこれからも教師の資質の向上のために学びの場の提供をしていただけると思いますが、大学だけではなく、様々な、やっぱり体験、経験も教師には必要ですので、いろんなところで自分が学びを深めるために研修をしたいという、そういう場とかありましたら、それもしっかりとリサーチしていただいて、提供していただくような形もつくっていただきたいし、また民間から、特にデジタル化、情報化の推進ですから、民間企業の方がかなり進んだ人材育成に必要な人材を抱えているところもありますので、そういうところで学びたいというもし教師がいましたら、そちらの方とも連携できるような、柔軟性を持った学びの場づくりも是非していただきたいと思います。
産官学で連携していくこと、これからも大事ですし、大学の学びの場が、やはりここで学んで良かったという最終的には教員一人一人の喜びにつながらないと、それが子供に伝わっていかないと思います。子供たちは、先ほども言いましたが、しっかりと学校で学ぶことイコールしっかりと教師を信頼しているということの表れだと思いますので、最初に挙げましたように、こういう個別最適な学びを進めるのは生徒、児童生徒も教師も同じだと思います。是非とも、学び続ける、誰もが学び続ける学校現場をこれからもつくっていただきたい。そのために、大学をしっかりと教師を支える居場所にしていただきたいと思います。
教育は人なりと言われるように、学校教育の成否は更に教師に懸かっています。そうした教師の資質能力の向上について、本法案に盛り込まれた制度改正のみならず、先ほど言いましたが、学校、教育委員会、そして民間も含めて、さらには国がもちろんあらゆるレベルで充実に向けて取組を包括的に進めていく必要があると思います。
今まで様々な観点で質問、法案の質問をさせていただきました。主体的で個別最適な学びが求められる新たな教師の学びの姿の実現に向け、新たな研修システムをより充実したものとするために、各教育委員会、学校現場の取組を国が担保し支援していくこと、これは本当に重要だと思います。
今後、新たな研修制度に移行していく上で国がどのような役割を果たしていくのか、最後に大臣に決意をしっかりと答えていただきたいと思います。たっぷり時間取っていいです。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/21
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022・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生今お話がありましたように、教育は人なりと言われますように、学校教育の成否は先生方の資質能力に懸かっております。加えて、昨今の学校教育をめぐる様々な課題への対応が求められる中、優れた資質能力を備えた先生方の力というのは不可欠でございます。
本法案では、教師が主体性を発揮しつつ、個別最適な学びを学校組織全体として実現できるような、校長等の管理職と教師とが対話を行うということにしております。その際には、単に知識とか技能だけの修得ではなくて、教師間での協働的な学びも重視をする必要があると考えてございます。
教師自身が継続的に新しい知識技能を学び続けていくことで、子供一人一人の学びを最大限に引き出す質の高い指導が可能となることに加えまして、教師自身が一層やりがいを感じて教職生涯がより充実したものになるものと考えております。同時に、教師自身が、学びが児童生徒の学びのロールモデルになることを通じて、児童生徒の主体的、対話的で深い学びの充実につながるものと考えてございます。
文部科学省といたしましては、本法案成立の後には、新たな研修システムが着実に実施されるように、教師が身に付けるべき資質能力を明確化するための教師の資質向上に関する指針の改訂、そして新たな教師の学びの姿の高度化を支える研修の受講履歴システムの構築、そして基礎的な知識技能を身に付けるための標準的な動画コンテンツの開発などに取り組んで、国が責任を持って教師の資質向上に資する研修の環境整備を整えてまいりたいと、続けてまいりたいと、そのように考えているところでございます。よろしく御指導のほどお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/22
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023・上野通子
○上野通子君 ありがとうございます。
先ほど、働き方改革とともに、処遇改善をしっかりとしていく必要もあるのではないかということ、質問にはしなかったんですが、やはり必要だと思います。
私も教師の経験がありますが、やはり皆さん、最初教師を目指すときは、教師に魅力を感じて、子供たちが大好きだから、何とか子供たちの未来をつくりたいという思いで目指すんですが、今の日本のように、大変厳しい、忙しい、そして、やってもやっても次に新しいことが生まれる、課題もあるという状況だと、教師を目指すその若い方々が減少しているという状況も起きているというのも見聞きします。
やはり教師にやりがいを持たせて、そしてしっかりとした働き方改革も処遇改善もしているんですが、さらに、やっぱり意識を改革する、それが成長と分配の分配の方に当たるのではないかと思うんですが、日本には教師の人材を確保するための人材確保法というのが成立されていまして、しっかりと一般公務員と比べて給与も優遇されるということになっているんですが、なかなかそこがうまくいっていないんじゃないかなと私は思っております。
今後、やはり頑張っている教師にめり張りを付けること、これも考えていく必要があるし、働き方改革と同時に学校現場の今の状況をしっかりと把握していただいて、そして教師にもうちょっと処遇改善をしていく、これが重要なポイントになると思います。
私も現場の声を様々見聞きしておりますので、これから新しく法改正に向かって、しっかりと教師が未来に向かって本当に魅力あるとやりがいを持って指導をできるような、そういう現場を一緒につくらせていただきたいと思っています。それがまさに誰もが幸せを感じるウエルビーイングな社会づくりにつながっていくんだと思っております。
今日の答弁、大変丁寧にしていただきました。ありがとうございました。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/23
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024・勝部賢志
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
早速、教特法、教免法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
先日は代表質問をさせていただきました。末松文科大臣からそれぞれ答弁をいただきましたが、その答弁に基づいて、もう少し詳しくお聞きしたいことや確認したいことなどを質問させていただきます。
まず初めに、少し細かいことで、事務的な取扱いの話になるんですけれども、交付、失効した免許状の取扱いについてお伺いをしたいと思います。
答弁では、休眠状態を含め、現に有効な教員免許状については有効期間のない免許状になるということで、つまり、何もしなくてもそのような状態に復活するということ、そして、しかし、免許状が失効した者は自動的に復活することはない、再申請が必要、そういう趣旨の答弁がございました。
そこで、そもそも自分が取得しているその免許が今どのような状態になっているのか分からないという問合せがよくあります。現職の教員の先生方はそういうことはないと思うんですけれども、辞められた方、退職された方、あるいは免許状を持っていながら職に就いたことのない、教職に就いたことのない方もいらっしゃいますので、そういった方々から問合せを受けます。
そこで、確認をさせていただきますが、自分の免許状が休眠状態なのか、失効しているのか、どのように見分けたらよいのか、分かりやすく教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/24
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025・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 教員免許状には新免許状、旧免許状の二種類があるわけでございます。平成二十一年四月一日以降に初めて免許状を授与された方の免許状は新免許状でございます。それ以前に免許状を授与された方の免許状は旧免許状ということになります。
新免許状につきましては、基本的に、更新や延長手続を行わずに有効期間の満了の日を超過した場合、現職教員であるか否かにかかわらず失効となります。また、旧免許状について、基本的に、修了確認や延期の手続を行わずに修了確認期限を超過した場合、修了確認期限の日において現職教員であった場合は失効、現職教員でなかった場合は休眠という形になるわけでございます。
なお、更新等の手続を行った場合、新免許状の場合は有効期間更新証明書、旧免許状の場合は更新講習修了確認証明書などそれぞれの証明書が交付されておりますので、新しい有効期間の満了の日又は修了確認期限を確認することが可能と存じます。
本法案において施行日となる七月一日に、休眠の免許状を含め現に有効な教員免許状については手続なく有効期間のない免許状とし、更新講習の受講を必要とせず教壇に立つことが可能となるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/25
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026・勝部賢志
○勝部賢志君 その新免許状が講習を受けなければ失効になるというのは、自分が免許状をいつ取得したかが分かれば分かると思うんですけど、それ以前に免許状を取得した人は、そもそもそういうことに余り興味、関心のない人にとっては、自分の免許状がどういう状態かって分からないですよね。
そこで、今お話のあった、要は、旧免許状の人たちの中で、一旦講習を、一回講習を受けたけれども、その後、例えば退職をした人たちが年数以上経過しているとそれは失効になるということですよね。失効になった場合は直ちには戻らないということなので、そうなると、休眠状態の人と失効された人の取扱いが違う話になりますよね。違うことになりますよね。私はそこが一番おかしいというか分かりづらいなと思っているんですけど、なぜその失効した人の免許は今回の法改正で自動的に免許が復活するということにならないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/26
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027・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 先ほども御説明したところでございますけれども、旧免許状に関して申し上げれば、その修了確認期限が来たときといいますか、現職教員でない場合には休眠のままとなるわけでございますので、仮に旧免許状を保有している方が現職教員のときに一度更新をされて、その後退職をされて休眠状態になっているという形になるわけでございますけれども、その方につきましては、その免許状は休眠免許状という、そのままという形になるわけでございます。
そして、先ほど御質問ありましたけれども、基本的な考え方といたしましては、休眠、要するに現職教員でない方につきましては休眠状態という形にするわけでございますけれども、現に教員であって、そして免許更新の期限が来たにかかわらず更新をしなかったと、その結果失効したということであれば、その方は改めて再授与の申請をしていただく必要があると、こういった制度に今まではなっていたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/27
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028・勝部賢志
○勝部賢志君 ちょっと確認しますけど、そうしますと、現職の教員中に受けなければならない更新講習を受けなかった人のみですか、失効されるというのは。そういう確認でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/28
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029・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) はい。そのような考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/29
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030・勝部賢志
○勝部賢志君 そうしますと、私も代表質問で質問させていただきましたけれど、以前教員だった人が退職をして、その期間、十年以上経過をした場合、講習を受けなければならない年月を過ぎてしまっている、それがゆえに、再度教員になってほしいと言われたんだけど、免許状が失効していて採用できなかったという実態があるというお話しさせていただき、私も聞いているんです。そういう事実はないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/30
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031・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今先生がおっしゃった、先ほど私も申し上げた話でございますけれども、退職をされて、その後で十年といった期間が来たといたしましても、それは休眠状態のままでございますので、失効ではなく休眠のままであるということでございます。
したがいまして、この度の法改正が成立した暁には、その方は何ら手続を要せずして教壇に立つことが可能となると、こういった内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/31
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032・勝部賢志
○勝部賢志君 それ確認をさせていただきたいと思いますけど、大臣、そういうことでよろしいですか。そういう理解でよろしいですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/32
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033・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 横でじっくり聞いておりましたけれども、そのとおりでございます。私もそのように今理解、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/33
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034・勝部賢志
○勝部賢志君 そうしますと、今回失効状態になるだろうという人は物すごく限られるということですね。そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/34
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035・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) はい。今先生がおっしゃったように、基本的に失効した方というのは相当少ないものだというふうに私ども考えております。
そういう意味で、通常の場合は、現職でいたときに期限が来れば通常更新はされると、その中で、何らかの事情で更新ができなかったといったような、現職の教員のときにですね、そうした方について失効という形になるわけでございますけれども、そうしたケースはそう多いケースではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/35
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036・勝部賢志
○勝部賢志君 現職の教員が学校に、職場に勤務している最中に研修を受けなかったから失効になって教員をそこで停止するなんということって、ほとんど現実としてあり得ないですよね。それはあり得ないと思うんですよ。校長だって、講習受けていなければ、まあそれは年数来たら受けなきゃいけないって、いろんな指導や相談もあるでしょうから。現実にあしたからあなた教員でありませんというような話になるわけがないので、現職の人が失効するということはあり得ないと思いますよね。何か特別なことがない限りですね、はい。
それ以外で失効する人は、じゃ、いないという理解でいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/36
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037・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) ただいま申し上げましたのは旧免許状を所有している方について申し上げましたけれども、新免許状につきましては、これは十年という期限がそれぞれ付されているわけでございますので、その方については、十年が来れば、で、更新手続をしなければ失効という形になっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/37
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038・勝部賢志
○勝部賢志君 だから、その新免許状を取った人たちは、要するに、何だ、更新時講習、これまでの話ですよ、これからはもうその講習もないわけですからいいんですけど、これまでの話だったら、要するにそういう人たちは失効になっていたんですけど、現状、失効になっている人というのはどういう人ですか、そうしますと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/38
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039・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) それは、先ほど申し上げましたように、旧免許状と新免許状があるわけでございますけれども、旧免許状の場合は、その現職教員であるときに更新期限が来たにもかかわらず更新をしなかった方、これが失効という形になっております。
一方、新免許状の場合は、これ十年という期限が最初から付されているものでございますので、現職、現職でないにかかわらず十年の期限のときに更新をしなければ失効という形になっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/39
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040・勝部賢志
○勝部賢志君 何回もしつこくて申し訳ないんですけど、ちょっと本当に分からないんですよね。
というのは、その旧免許状を持っている人で失効をしたという人は、旧免許状、私なんか旧免許状なんです、で、例えば教員を続けていたとして、その免許制度が、更新制度が始まった以降、受けなければならない講習を受けなければ失職、失効になると。だから、それは意味分かりますよ。だけど、そのとき現職の教員なら、それ受けないということは自分は教員辞めるということですから、あるいは失効してもいいということを認めているわけで、よっぽどの何か事情がない限りは、さっき言ったように失効になることないじゃないですか。だから、そういう方っていないんじゃないですか。
その方が、退職をしてっておっしゃったけど、退職をした場合は休眠状態になるって答弁されましたよね。ですから休眠になるわけで、私も途中で退職をしたので休眠なんですよ、恐らく、だと思うんです。
そうだとすると、失効した人というのはほとんどいないという理解でいいですかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/40
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041・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 旧免許状に関して申し上げれば、先ほどの話でございますけれども、約十年の期限が来たときに、修了期限までに講習を受けなければ失効という形になるわけでございますけれども、通常、三月末に期限が来るとして、その二月前に、までに更新講習を修了してその申請をするわけでございますけれども、そこで更新がなされるということになります。
ただ、ごく少数の方でございますけれども、そこで何らかの形で更新講習を受けなかった場合、そうした、あるいはその講習を受講したけれども修了確認ができなかった、そうした方につきましては、そのまま期限が徒過してしまいますので一旦失効という形になります。
今先生がおっしゃったように、次の四月からもう働かないということを考えているような方は、その三月末までにそうした手続を行わないということもないわけではございませんので、そうしたケースが少数ながら存在しているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/41
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042・勝部賢志
○勝部賢志君 ちょっと、大分時間が経過しましたので、もう一問だけ聞きますけど、今文科省はその失効した、免許失効した人間が何人いるかというのは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/42
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043・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 失効した人数は、令和三年度末の、ああ、令和二年度末の数字でございますけれども、修了確認等がなされなかった方が千九百二十四名という数字がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/43
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044・勝部賢志
○勝部賢志君 全体の教員の数からすれば、千九百人ということなんですけれど、そんなに多い数ではないと思いますが、しかし、その人たちも今回の免許状の改正によって手続をすれば免許状は戻るということなんですけど、そこでお聞きしたかったのは、そういう人たちも含めて、今回その更新制が廃止になるわけですから、どうしてその手続をしなければ戻らないんですか。さっきの休眠状態の人とほとんど変わらないと思うんですけどね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/44
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045・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これは、先ほども申し上げたところでございますけれども、現在の制度では更新制が有効な制度でございます。その下できちんとした手続を踏むことが求められているという中で、その手続を経ずして失効したと、こういった結果があるわけでございますので、そうした場合には再授与の申請をしていただくということが基本なのだろうというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/45
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046・勝部賢志
○勝部賢志君 私はその基本がおかしいと思いますね。
というのは、免許更新制が継続している状態で失効の人が出た人の手続について再度ここで検討しているというのなら、どういう内容にしますかという検討があってしかるべきかと思うんですけど、免許更新制自体が廃止されるわけですから、その下で失効になった者が、事由を欠くような何か特別な事態がない限りは、休眠状態にある人と全く同じ条件でそれは復活することをすべきだというのが私は合理的な考え方だと思いますけど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/46
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047・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 今、藤原局長からお話がありました話ですけれども、文部科学省としましては、できるだけ申請者の立場を踏まえながら、各都道府県教育委員会において、法律の施行後、円滑に再授与が行われることが必要と考えてございます。
具体的には、都道府県の自治事務である授与実務に関わる内容でありますが、必要書類については、例えば、過去に免許状が授与された事実が確実に証明できる場合は一部の書類を省略すること、手続日数については、都道府県条例に基づきまして標準処理期間を踏まえて処理していただくことなどについて都道府県教育委員会とともに検討を進めてまいりたいと、そのように考えておるところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/47
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048・勝部賢志
○勝部賢志君 ちょっと手続の話になりましたので、その話ちょっとお聞きしたいんですけど、基本的に私は、そういう手続は一切なくて、今回を機にですね、休眠状態の人と同じように復活すべきだと思っています。
ただ、手続のお話をされたので、あえてもう一つ聞かせていただきますけれども、その申請の手続とか、あるいは時間とか金銭的な負担などは掛けるべきではないということはいろいろなところから意見が出ているようでありますけれど、今検討されているというふうにおっしゃったんですが、であれば、その手続に必要な書類ですとか、あるいは申請の仕方、あるいは申請から授与までの間の日数、どのようなイメージを持っておられるのか、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/48
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049・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 文部科学省といたしましては、できるだけ申請者の立場を踏まえつつ、各都道府県教育委員会において、法律の施行後、円滑に再授与が行われることが必要と考えております。
具体的には、都道府県の自治事務である授与実務に関わる内容ではありますが、必要書類については、過去に免許状が授与された事実が確実に証明できる場合、一部の書類を省略するということが考えられるところでございます。
手続日数につきましては、これは各都道府県が標準処理期間を定めているわけでございますけれども、例えば東京都であれば二十八日間といったような定めがございます。そうした期間を踏まえて適切に処理をしていただくことが必要というふうに考えております。
あと、免許状の授与に必要な書類という意味では、通常、これは申請書、それから学力に関する証明書、介護等体験の証明書や戸籍抄本、謄本、宣誓書といった内容が必要な書類として定められているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/49
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050・勝部賢志
○勝部賢志君 だから、それがその休眠の人と失効した人の扱いの極めて違うところですよね。そんなことまで用意しなきゃいけないというのと、そもそも免許証を持っていたことがはっきり分かるような、そういう書類と言われましたけど、要するに、一度も教壇に立ったことがない、教職に就いたことない人は休眠状態なわけですよ。だから、失効している人というのは一度ないしは結構長い間教員をやった人ですよね。そういう人を対象に今申請行為を求めているわけですけど、そのときになぜその免許状があったかないかなんてことが必要になってくるんですか。免許状のない人が教員やっていたんですか。そんなことにならないでしょう。
だから、言っていることおかしいし、しかも二十八日も掛けてですね、申請してから。先ほど来言っているように、教員不足などがあって、その一旦辞めた人たちの中からも学校で働いてほしいというような声もいっぱいあるわけで、そういう人たちが仮に失効した状態を回復するときに二十八日も掛かるようなことでは、採用に至らないですよね。
だから、やっぱりそういうことの制度設計はもっと現実的な対応をすべきだと思いますし、冒頭申し上げたように、私はこれは失効した人と休眠状態の人とは分け隔てをする必要ないと思います。そのことを申し上げておきたいと思います。
ちょっと時間が掛かり過ぎましたものですから、次の質問をさせていただきたいと思いますけれども、教員不足の対応について、ちょっと通告の順番を変えたいと思うんですけど、先ほど申し上げた教員不足が、この免許更新制によって教員不足になったのが一つの大きな要因だということは文科省もお認めになっています。大臣は、教員不足については危機感を持って受け止めていると答弁をされました。
そこで、お伺いをしたいと思いますけれども、文科省は昨年、教師不足に関する実態調査を行って、それは四月、五月段階のものだったというふうに承知をしておりますけれど、その後、年度途中やあるいは年度末でその教員不足の状態はどのようになったのか。改善されたのか、あるいは更に悪くなったのか、その辺も含めていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/50
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051・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 昨年度実施をした教師不足に関する実態調査は、一部の学校現場で年度当初に学級担任がおらず、管理職が学級担任を代替しているなどの指摘があったことも踏まえ、令和三年度の始業日時点、五月一日時点の教師不足の発生の有無を初めて全国調査したものでございます。このため、年度後半の状況については調査の対象としておりません。
具体的な数についての調査は行っていないものの、当該調査の際などに個別に教育委員会より聞き取ったところでは、自治体によって事情は異なりますけれども、年度後半の方が深刻化する傾向もあるといった声を聞いているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/51
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052・勝部賢志
○勝部賢志君 今年度当初、四月の状況は調査をされていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/52
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053・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今年度の状況について、全国的な悉皆調査は行っていないものの、幾つかの教育委員会にヒアリングをしたところでは、昨年度同様に依然として厳しい状況であるとのお話を伺っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/53
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054・勝部賢志
○勝部賢志君 去年、四、五月に実施をして、年度末には更に厳しくなっているという状況であるにもかかわらず、今年度はそれに対して調査は基本的にはやっていないと。どうやって対応するおつもりなんですか。本当にやる気があるのかということを疑いたくなりますよね。真剣に考えると言っていますけれど、調査もしていない。
確かに、学校現場にいろいろな調査を依頼をするのは、ただでさえ忙しい学校にとっては相当な負担なんです。けれども、年度当初に教員が足りているか足りていないかぐらいの調査は、これは基本調査で普通やるんで、当たり前に集約できるんですよ、これは、やろうと思えば。やろうと思ったらできることをやっていないということは、とにかくこれに対する対応について私は非常に疑義を覚えます。あれほど言っておきながら実際には何も対応していない。
まずは、今後調査する考えはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/54
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055・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) この調査、本年一月に報告をしたところでございまして、この先調査をどうするかということにつきましては、新型コロナの拡大の状況や教育現場の負担も考慮しながら、また教育委員会等の関係者の声も聞きつつ、適切に判断したいと考えております。
いずれにいたしましても、実態はしっかり把握をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/55
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056・勝部賢志
○勝部賢志君 いや、本当に、そういう勘案する余裕があるんならやったらいいですよ。やったらいいし、そんなに負荷なんか掛かりません、正直申し上げて。だから、これは毎年やったらいいんです。それも、四月、五月じゃなくて、だけじゃなくて、途中もやらなきゃいけないし、年度末もどうだったかというのはこれは必ず調べて、その上で、調べるだけじゃ駄目ですよ、調べた上でどう対応するかということが求められる、大事なので。
大臣、その点について、現状非常に厳しい状況だというふうに今政府参考人から答弁ありましたんで、どう対応するおつもりか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/56
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057・末松信介
○国務大臣(末松信介君) まず、先生から調査のお話がございまして、私の頭にも、今年一月に、今年でしたか、教師不足、当初二千五百五十三人という数字が出まして、四月、五月に先生方を採用、就いておられるようお願いをいたしまして、二千六十五まで数字が戻ったという、その数字を記憶をいたしてございます。
基本的に一番押さえないかぬところでありますけれども、大規模調査というのは非常に現場に負荷を掛けるということは今先生御指摘であったとおりでございますから、基本的調査のいかんにつきましてはよく内部で協議をしたいというように考えてございます。あっ、二千五百五十八人ですね、済みません、そういうことでございます。
教師不足のことにつきましては、四月の二十八日に、もう全国の都道府県、政令指定都市の教育長に対しまして、特別免許状云々のこともありますし、先ほどからもお話がありましたように、退職者の方のもう一度現場の復帰など、いろんな形で教師を、是非教壇に立っていただける人を探してほしいということを直接、まあオンラインでございましたけれども要請をしたりとか、いろんな工夫はいたしているところでございます。
今、急に御質問でございましたので、そのように答弁させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/57
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058・勝部賢志
○勝部賢志君 急に聞かれたから答えられないということは、いかに問題意識を持っていないかということ、その表れだというふうに受け止めざるを得ませんよ、そういう答弁だとですね。
それで、私が代表質問したときに大臣がお答えになったのは、計画的な教員の採用、それから学校における働き方改革、教員、教職の魅力向上ということを総合的に取り組むとおっしゃったんですけど、計画的な教員採用というのは、これは各都道府県がその採用をするわけですよね、小学校、中学校、高校もですけれど。そうしますと、その市町村、あっ、ごめんなさい、都道府県教育委員会が長期的な見通しを持てないと採用の計画も立たないんだと、だからどうしても新採用の教員は抑えぎみになるわけですよ、余っちゃうと困るんで。
だから、これは私も何度か申し上げていますが、文科省は、やはり五年、十年先を見据えた長期的な配置計画というんですかね、教員改善計画というのをしっかり示すべきなんです。そうしないと、地方の教育委員会は採用しなさいといったってできないんですよ、計画的には。ですから、それはもうしっかり示すべきだと、この現状を改善するためには長期的な定数改善計画をしっかり示すべきだと考えますけれども、見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/58
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059・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生のおっしゃるその定数改善の計画を持ちなさいというお話でございますけれども、調査をしましたら、確かに平成十三年から十七年、五か年計画を持っております。その前が第六次で、平成五年から平成十二年という計画を持っているということでありますから、こういった計画を示すべきであるということであろうかと思います。
それで、任命権者であります教育委員会が計画的に教員採用を行うことができるようにするためには、当然、中長期的な見通しを持った教職員定数の改善ということ、これは大変重要だと認識をいたしております。そのため、これまでも、発達障害を含む障害のある児童生徒に対する通級による指導であるとか、あるいは日本語指導等のための教職員定数については、平成二十九年度から令和八年度まで十年間で計画的な、ここは基礎定数化ということについて進めているところであります。また、御承知のように、小学校三十五人学級につきましても、令和三年度から令和七年度までの五年間で計画的な整備を図るなど、計画的な基礎定数の改善には取り組んでいるところではございます。
加えて、文部科学省としては、加配定数につきましてもできる限り見通しを持った改善を図ることが好ましいということで、小学校高学年においては教科担任制ということで、昨年末に財務省とも折衝いたしましたけれども、令和四年度から四年度ほど掛けまして計画的に進めていくと、これは三千八百人を予定をして対応したいと考えてございます。
各教育委員会におきまして、より一層計画的な正規教員の採用とか人事配置を行うよう引き続き促すとともに、文部科学省におきましても、各教育委員会が見通しを持って教員採用が計画できるように、作成できるように、引き続き計画的なその教職員定数の改善には努めていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/59
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060・勝部賢志
○勝部賢志君 だから、こういうふうに思っています、こういうふうにやりますからという話では駄目なんですよ。しっかりとした計画を示して、これに基づいて、あるいはこれに沿うような形で各都道府県で採用していきましょうというふうにもう法律としてしっかりと定めなきゃ駄目ですよ。だから、そうじゃないから、頑張りましょう、採用しましょう、計画的にやりましょうと言ったって進んでいかないんです。なので、第八次計画を策定して出したらいいじゃないですか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/60
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061・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 教職員定数の改善に当たりましては、任命権者であります教育委員会が計画的に教員採用を行うことができるよう工夫をすること、これも大切でございます。実際に、ある先生は、一万人採用しようとした場合に、実際に少し現場がゆとりを持つために一万一千人採用するということになってきました場合は、これはやっぱり県費でかなりの対応をされるということもできていることも事実でございます。
小学校におきましては、三十五人学級の基礎定数の改善につきましては法律改正も行いましたんで、その中で計画的な整備はこれはもう行うことになりましたです。また、加配定数についても、先ほど申し上げたように、小学校の高学年については教科担任制で四年間掛けましてこれも段階的に進めていくと、三千八百を確保していくということであります。
そういう形で対応いたしておりますけれども、先生今お話ありました件につきましても、全体的にこうあるべしという、かつて平成、先ほど申しました数字がございましたけれども、その改善計画についてどうあるべきかいうことを内部でよく検討したいということ、そのことを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/61
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062・勝部賢志
○勝部賢志君 是非、計画の策定に向けて検討いただきたいというふうに思います。
この際だから申し上げさせていただきますけれども、義務教育費国庫負担が、三分の二を国が持っているときから、それが三分の一になりました。結局、地方自治体がその分を持つという形になって、地方交付税で補填をするから大丈夫なんだって言ってきましたけれど、やはり地方財政の厳しいところはその教職員をしっかり配置することすら難しいんですよ。
だから、私は、先ほどからずっと言っているその学校現場のこの多忙化だとか教員が不足しているとか、こういう状態を改善するためには国が主導的にやらなきゃ駄目だと。国がしっかりした計画や方針を示して、これで全国一緒に頑張ろうという姿勢を示さなきゃ駄目なんですよ。これで、それは掛け声だけでは駄目だということなので、計画的な定数改善計画をしっかり作っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
さて、教職に対する魅力が減退をしているということも教師不足の原因の一つだというお話がありました。また、重要な研修さえ勤務時間中に取り組めないということも実態として報告を受けています。まさに教員の働き方改革をしっかり進めない限り、これらの問題は解決しません。
働き方改革について代表質問でも大臣に質問させていただきましたが、一定程度改善傾向にあり、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあると、このように答弁をされました。
現実にはそういう実感は全くないというのが現場の声でございます。今年度、勤務実態調査を行うこととなっております。その調査は、時間外在校等時間を正確に把握、分析することができるものにすべきだというふうに思っています。
そこで、お配りをしている資料をちょっと御覧いただきたいと思うんですけれども、今のお話の中で、中学校というのが青いところで真ん中に、一枚目あるんですが、二〇二〇年と二〇二一年度を比較した調査、これは実は北海道の教職員組合で取った資料なんです。
確かに、二〇二〇年から二〇二一年の中学校を見ていただきたいと思うんですけど、時間外在校等時間というのは、ちょっと小さい字で見づらいですけれど、青い枠であります。二〇二〇年は六十六時間、二〇二一年は四十九時間というふうに減っていますね。七一%から五〇・四%ということで、割合も減っているんです。
ただ、これは、実はこのとき、ちょうど北海道は緊急事態宣言が発出されていて、部活動の中止とか学校行事の延期等があって、そういう意味では先生方の負担というのはこの時期は非常に少なかったということがあるので、そういったことも勘案して見ていただきたいというふうに思うんですね。
それから、この表をお示しをさせていただいたのは、実は非常に大事なことがこの中にありまして、上のところに①、②って書いてあるんですけど、①は超過時間です。②は休憩時間の業務と書いています。そして、③、ちょっと間飛んで、持ち帰り業務というのが出ています。
実は、在校等時間には休憩時間、休憩時間というのは、ちょっとこれの裏の四ページ目をちょっと御覧いただきたいんですけれども、これは労基法上も八時間なり七時間半働くと、休憩時間、これはもう全く勤務を要しない時間ですけれど、これは四十五分以上取らなければいけないという決まりになっているんですね。ただ、学校現場は、普通だったら例えば昼休み、一時間ぐらい外に食事しに行ってもいい、何してもいいよという時間、普通の会社員だとあるんですね。けれど、学校の先生方は給食時間も指導なので、全く休み取れないわけですね。そうするために、そのために休憩時間は三時半から四時十五分まで取るというのが大体学校現場の通例なんです。
ただ、この時間帯何をしているかというと、ちょっと左の図見てください。子供との情報交換とか学年の打合せ、採点業務、保護者への連絡等々があって、とてもじゃないけど休憩などしている時間じゃないんですね。ところが、今回のその実態調査、よくやられている市町村でやっているもの、あるいはこれから文科省でやる調査にも私は是非含めてほしいと思うんですけど、この休憩時間にも仕事をしているかどうかということを調べてほしいんですね。
この文科省のQアンドAのときに、労働基準法に定められている少なくとも四十五分又は一時間の休憩時間を確実に確保した上で、在校等時間には含めないと書いてあるんですよ。これどういう意味かというと、休んでいるはずだから、これは数には、働いている時間には数えないでくださいねという意味なんだけど、実際には働いていますので、これはカウントさせた方がいいわけですよ。だから、そういうことができる調査にするべきだというのが一つですね。
それから、三ページ目をちょっと御覧いただきたいんですが、三枚目ですね、済みません、上の方に休憩時間の業務時間把握、あり、なしというのがあるんですけど、これどういうことかというと、各教育委員会などで調査やっているんですよね、ずっと継続的に。そのときに、この休憩時間に業務をしていますか、していませんかとか、その時間は何時間ですかとか何分ですかという調査をしているのは三六%で、それ以外はそこを聞いていないわけですね。だから、上がってきた数字には、先ほど言ったように、この時間に何分働いているかというのがカウントできないということです。
その右側、見てください。週休日、休日の業務時間把握というところもありますが、これは休みの日に出勤して仕事をしている、在校等時間にこれは含めるということで文科省答弁されていますので、ですから、これも入れなきゃいけないんですね。でも、実際にそれが含まれているのは五〇%ぐらいで、あと半数はこのことには含まないで調査の結果を出しているということがありますので、私は、今回行う文科省の調査では是非この辺を含めて調査できるようにすべきだと考えます。
それともう一点、先ほどの一枚目に戻っていただきたいんですが、さっきの言った③のところですね、持ち帰り業務、これは実は在校等時間ではありません。これは家に帰ってからの仕事なんです。ただ、これもやっぱり教員にとっては非常に大きな負担になっています、肉体的にも精神的にもですね。ですから、この時間も併せて調べることが私は必要ではないかというふうに思いますので、在校等時間の軽減、削減ということと併せて、やはり教職員への負担を軽減するという意味で、是非このようなことが分かる調査に取り組むべきと思いますけれども、見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/62
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063・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
御指摘の休憩時間や持ち帰り時間、持ち帰り業務の時間につきましては、前回の平成二十八年度の教員勤務実態調査においても同様に把握しているところでございます。
本年度予定しております調査におきましても、その比較ができるよう、しっかりと調査する方向で進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/63
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064・勝部賢志
○勝部賢志君 そのようにしていただきたいと思います。
そうであれば、やはりそのことが分かるように周知徹底していただいて、先ほど言った休憩時間もしっかりカウントしてくださいと。それから、休日の出勤などもカウントしてください。
で、持ち帰り時間はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/64
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065・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 先ほども御答弁申し上げましたが、持ち帰りについても同様に調査をさせていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、実態を把握することは大事だと思っておりますので、その実態を把握する際には、学校現場の方々にしっかりとその趣旨が伝わるように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/65
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066・勝部賢志
○勝部賢志君 はい、分かりました。よろしくお願いします。
それでは、先ほどお配りした資料の二ページ目をちょっと御覧いただきたいと思います。
二と書いてあって、過労死レベルを超えた者の割合という表がございます。この調査でも、真ん中のところ、赤いところがあるんですけれども、八十時間以上が過労死ライン、八十時間が過労死ラインと言われていますが、それを超える人たちが全校種で二〇%ぐらいあると、これは文科省の調査でも相当数になっているというふうに私は理解をしています。それから、先ほど言った持ち帰り時間なども合わせたら百時間を超えるというような人たちもいるということですね。
だから、私は、研修ができる時間を確保するとか教職の魅力を高めるということももちろん大事なんですけれども、絶対にあってはならないのは、やはり仕事をして過労で亡くなってしまうというようなことですね。過労死などは絶対に起こしてはならないというふうに思います。
だから、そういう意味でも、相当な覚悟を持ってこの働き方改革、取り組んでいただきたいというふうに思うんですけれども、ちょっと時間をお借りして、私が知っている北海道での事例をちょっとここで御紹介をさせていただきたいと思います。
私が住む北海道の中学校の教員が二〇一五年の五月に自宅でお亡くなりになりました。今から七年前なんです。その人は夜、自宅のソファーで横になっているときに呼吸が止まり、奥さんが発見して救急搬送したんですけれども、死亡が確認され、検視の結果、死因は急性循環不全ということで、とにかく過労が原因でお亡くなりになりました。
その一か月前の勤務状況なんですけど、新年度の準備があって、修学旅行もあって、そして引率もあった、それから部活動等の超過勤務もあって、計算をすると月百時間を超える勤務をしていたことが明らかになりました。これが七年前なんですけれども、実は、今年の二月にこの方々が求めていた労災、公務災害が認定されて、過労死ということが確定、認定されたわけです。
この奥さんという方にも私、お話をお聞きしました。奥さんも教員なんですね。小学校の教員なんです。この過労死の認定を受けるのに、仲間の教職員や学校の管理職も含めて、どういう勤務だったかということも当然陳述をしなければいけません。弁護士の方にもいろいろお力添えをいただいたということで、認定された後、この奥さんがお手紙を、メッセージを皆さんに送ったそうなんです。その一部を、御本人にも了解を得て、いただきました一部をここで御紹介をしたいと思うんですが。
二〇一五年、三十五歳の働き盛りの中、自宅で夫が倒れたとき、四人の子供のうち一番下はまだ二歳になったばかりで、状況は全然理解できていませんでした。今、お父さんの記憶はほとんどないものの、家族や周りの人たちから語られるお父さん像を頼りに、自分なりにお父さんを知ろうとしているのがよく分かります。その中で、私が一番つらいのは、どうしてお父さんは死んだのという質問でした。働き過ぎだったんだという答えは私の独り善がりに終わらないだろうか、それが明らかなものとして認められる日は本当に来るのだろうかと、そのたびにこの長い時間をやりきれない思いで過ごしてきましたと、こういうふうに書かれていて、さらに、この度過労死と認められたことがそのまま現場の状況改善につながるわけではないかもしれません。しかし、癒えない疲れを抱えて出勤し続けている教職員が過労死の予備軍として全国にまだ多く存在することは昨今の報道からも明らかです。働き方改革の更なるステップの弾みになれば夫の死も無駄ではなかったと思えるかもしれませんと、このように締めくくられているんですね。
お話をさせていただいて、今ちょうどその働き方改革は国会でも議論をしているので、是非御紹介をさせていただきたいという話をしたときに、私や私の子供のような悲しい思いを二度とさせないためにお役に立てるのであればというお話をされていました。
これが現実として起こっているということを是非受け止めていただいて、大臣も、不退転の決意で推進すると、こうおっしゃられました。私は、決意を持って臨んでいただくことを否定するつもりは全くありません。その思いは持ち続けていただきたいと思っていますけれども、具体的な改善策が示されなければ、改善策を打たなければ、改善はできないんです。
具体的に、じゃ、何をしたらいいか。やっぱり教職員が足りないんです。さっき言ったように、教員不足があるということもそうですが、ただでさえ教員が不足しているという現状がありますから、やっぱり定数改善、あるいは先ほど大臣もおっしゃった教科担任制の導入。それとか、あるいは子供の教育活動以外にある仕事、これが実は非常に多いんですね。これを思い切って削減するというようなことを、これも現場任せではできません。
ですから、やっぱり国が、余り、何というんですか、トップダウンで国が国がという時代ではないというふうには思うんですけど、でも、こういうことは私はむしろ国が責任を持ってしっかりとした枠組みをつくって、それぞれの現場がやりやすいような形を示すということが非常に大事だと思いますので、そういった観点でどのように取り組まれるおつもりか、最後にお聞きをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/66
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067・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生から今お手紙の内容を伺いまして、現場の教師、大変苦しいところへ追い込んでしまっているんだなと、過労死の話を聞きまして、胸が痛む本当に思いでございます。
私もかなり教師の知り合いがおります。もちろん水岡先生もよく知っておりますけれども、同時に、まだ私と同い年で教壇に立っている女性教師もおりまして、よく話もします。
やはり、事実であるかどうか調査をしていかなきゃならないのは、持ち帰り、やっぱり残業するなということを言われましたら残業はしないんですけれども、やっぱり仕事を持って帰るということもあります。七時五十分から学校に来るということですけれども、実際は、タイムカードは七時五十分になっていますけれども、七時二十分から来ているという実態もございます。それほど教師は現場忙しいと。恐らくは三十年前と比べてかなり学校に持ち込まれる相談も増えてきたんだなということをよく認識をいたしているところでございます。
総合的な観点からよく検討させていただきたいと思うんですけれども、先生がおっしゃったように、どうするか。確かに今、勤務実態調査を細かく行っているところでありまして、来年ゴールデンウイーク辺りには速報値が出てくるということは、衆議院でも申し上げました。伯井局長もそのように答弁もいたしたところでございます。
こういった場所に出ますと必ず答弁申し上げるのは、やはり、スクールカウンセラーも今配置を増やしています、教員業務を支援するサポートスタッフも増やしています、三十五人学級もやっていますと。確かにやっているのはやっておりますんですけれども、全体としての今先生おっしゃったような大きな計画云々については確かに現在進行形でございまして、働き方改革につきましても、やはり給特法のこれは問題を解決するために今勤務実態調査を行っているわけなんですけれども、教師の現場、今の倍率見ましても、相当厳しい職場であるからなかなか人も集まってこないということもよく分かっています。と同時に、責任の重たい職場であるということの裏返しでもあるかと思うんですけれども、そういう点もよく考えながらきちっと対応していきたいなということを思います。
先生にとっては、現場におられたので、物足らぬと言われましても、私としても、先生も不退転の決意でやってほしいと言ったから、私も本会議場で不退転の決意でやるということを申し上げました。ですから、できるだけ、今社会の問題、今の行政の問題の中で教師の働き方改革がやっぱり一番大きな課題の一つであるという認識を持ってございますので、理解を是非いただきたいという、そしてまたいろんな御意見をいただきたいと思います。
今日頂戴をいたしましたお話につきまして、本来業務以外の業務にいっぱい忙殺されているという話もよく聞いています。修学旅行の見積りだって教師がやる必要あるのかということを言っていますよね。安全点検だって教師がやらなきゃならないんだろうかと。物すごい業務量があることも現場からよく聞いておりますので、先生とまたいずれの時期かしっかりとまた話し合いたいとも、そのようにも考えてございます。
決意としてはそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/67
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068・勝部賢志
○勝部賢志君 時間が来ました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/68
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069・水岡俊一
○水岡俊一君 立憲民主の水岡でございます。
私、今日は冷静にお尋ねをしたいと、こういうふうに思っておりますので、大臣始め文科省の方々にも的を得たしっかりとしたお答えをいただきたいと、そして、意味のある質疑になるようにお力をいただきたいとお願いをしたいと思います。
それでは、質問に入ってまいります。
まず最初に、ウクライナから避難をされ、入国をしている子供たちがいると思うんですが、その子供たちの教育を受けている状況についてお尋ねをしたいと、こういうふうに思います。
それに先立って、今日は入管庁からもおいでをいただいております。どの程度の児童生徒が入国をし、そして、その彼らは生活の保障がちゃんとされているのかどうか、そういったことについて入管庁からの御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/69
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070・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
入管庁の方で把握しておりますウクライナ避難民の数でございますが、五月八日まで入国された方が締めて八百七十八人でございます。このうち、入管庁の方の集計としましては十八歳未満の方という形で集計しておりまして、そのうち十八歳未満の方は二百九人いらっしゃるということでございます。
また、生活状況等でございますけれども、御質問かと思うんですけれども、個々の方の生活状況を細かく私どもで把握できているわけではございませんが、基本的には今、そのうち大勢の方は日本の身寄りの親族とか知人の方を頼りに入国されておりますので、まずはこういうふうな方々が身元保証人となり、避難民の生活という、一定程度支援がなされていくことを想定しているところでございます。
他方、そればかりでは足りないところも出てまいります、思いますので、生活環境整備という点は重要と感じておりますので、出入国在留管理庁としましては、避難民の方々への様々な支援に役立てていただけるよう、地方自治体に対し避難民の方々の身分事項とか居住地等に関する情報も提供しておりますし、また、避難民の方々に当方の相談窓口とか学校教育の内容でございますとか、そういったことを含めて情報提供を随時行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/70
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071・水岡俊一
○水岡俊一君 なぜ細かく把握していないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/71
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072・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
私としましては、まず、居住地の把握等をまず優先的に行っておりまして、その後、地方自治体等を含めて種々の御支援をしていくといったその中で、まずは身元保証人といいましょうか、そういった方たちが支援をされて、想定しておりますけれども、身寄りのない方、あるいはそういった方たちの支援が受けられない方については国の方で対応するということで今進めているところでございます。
入管として把握できていますのは、居住地などについては把握できておりますけれども、事細か、委員の御指摘のその生活状況というのはどの程度のことまで指されているか、ちょっと何とも申し上げられないところですけれども、把握している内容は以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/72
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073・水岡俊一
○水岡俊一君 居住地だけ把握をしていて種々の支援ができるとはとても思えないですよね。
ウクライナから避難をされている方々に思いを寄せるというか、一緒に、何というか、生活の再建を考えていくという立場は日本の立場でしょう。だとすれば、入管庁、私は知らないということではなくて、しっかりと思いを込めて調査をし、そして必要があれば対応をするというような姿勢が私は必要だと思うので、これまでの入管庁と違うんだというお気持ちがあるんであれば、しっかりと対応してほしいなと、こんなふうに思っております。
それでは文科省にお聞きをしますが、その十八歳以下、今お聞きをしますと二百九名ですか、かなりの子供たち、児童生徒がおるようでありますけれども、その方々は教育を受けられる状況にあるんでしょうか。お尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/73
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074・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) ウクライナ避難民の教育につきましては、避難された態様にかかわらず、ウクライナ避難民の方々の子供の保護者がその子供を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているところでございます。
また、文部科学省では、日本語指導補助者等の外部人材の配置や、翻訳機などのICT機器を含め、外国人児童生徒へのきめ細かな支援に取り組む自治体を補助事業で支援をしております。今後、追加募集も行うこととしております。
このほか、ウクライナ避難民の子供の教育機会の確保に関する通知を自治体に発出をいたしますとともに、ウクライナ避難民への支援に関する一元的な問合せ窓口を設置したほか、学校で使う日本語をウクライナ語で説明した資料や、ウクライナ語版の就学ガイドブックを文部科学省のウエブサイトに掲載するなどの情報提供を行っているところでございます。
なお、こうした児童生徒を受け入れている学校の多くでは、特別の教育課程を編成し、日本語指導を実施をしているところでございます。文部科学省といたしましても、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法の規定に基づく着実な改善を行っているところでございます。
今後とも、文科省といたしましては、関係省庁や受入れ自治体等と緊密に連携協力しつつ、避難民の子供たちの就学機会の確保、きめ細かな支援に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/74
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075・水岡俊一
○水岡俊一君 局長、今、努力をされているというお話がありましたが、じゃ、具体的にウクライナ語の指導のできるような、あるいはウクライナ語に近い言語を話されるような、そういった方々を全国でどの程度今発掘をしてその子供たちに当たってもらっているわけですか。そこをちょっとお聞きしたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/75
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076・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今、こうしたウクライナ避難民の子供たちにつきましては、様々な形で学校への就学相談、それから、実際に既に就学をされているお子様方もいらっしゃるわけでございますけれども、その中で、今御指摘ありましたように、ウクライナ語での支援をどうするのかというのは一つの課題でございます。
これまで把握しているところでは、既に就学をしているような場合においては、最初に初期の日本語指導を行うというようなことで、そこで集中的な日本語指導を行っているような実例なども出てきているわけでございますけれども、ある自治体では、市の国際交流協会から通訳を派遣をしてもらっているような場合、また、身寄りがある場合がたくさん、今までのケースでは多数あるわけでございますけれども、そうした場合に日本語ができる親族の方が通訳を担っているというケースもあると伺っております。
ただ、いずれにいたしましても、こうしたものに対する支援を更に充実をさせていく必要があるというふうに考えているところでございまして、今後、様々な関係団体、それから大学等とも連携をしながら支援体制を充実をしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/76
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077・水岡俊一
○水岡俊一君 お答えをいただけないので、把握をしていないんだろうなと、こういうことですね。
大臣、要するに、見せかけだとか紙面上だとか、そういうことでは寄り添っていることにはならないんだと私は思うんですよ。だから、今、横浜でも都内でも幾つかの事例が出てきていて、やっぱりそこには教育委員会はもう必死に人を探して配置をするという努力をされているという、そんな情報も私はいただいているんですけれども、これを文科省はもっと支援しないといけないんじゃないですか。そんな義務標準法の範囲でみたいな、そんなことを言っていたら、今のウクライナからの避難をしている、本当に気持ち的にも極めて厳しい状況の中で日本にやってきている子供たちを何とか日本の学校でサポートするということにやっぱりしていく、そのことについては、これはもう今までの法律だとか今までの前例を超えた形で大臣主導でやっていく、やっていただきたいと思うんですが、いかがですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/77
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078・末松信介
○国務大臣(末松信介君) ウクライナの大使のコルスンスキーさんが、三週、四週間前にお見えになりました。そのときの具体の話は、ウクライナ語を教える大学の講座を開いてくれると、そういう話がございました。と同時に、今まで対応いただいていることに謝意がございましたけれども、その後、随分日にちがたって、ああいう戦況でございます。多くの方が避難されてきているということ、八百数十人でしたか、そういう数字も聞いておるところなんですけれども。
各都道府県でそれぞれ計画を組んで、兵庫県は兵庫県でウクライナ避難民の方の支援の計画を拝見いたしました。もう少し突っ込んで対応できるように、今先生おっしゃったように、義務教育云々の枠よりも、これは人道的にきちっと対応するという、この精神を生かして、一度、各都道府県教育委員会でどういう状況かまず把握をしたいということ、遅れておりましたのならばきちっと把握をしたいということ、このことをお話し申し上げたいと思います。その上で、対応できることを早急にまた検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/78
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079・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、是非、そういう子供たちを訪ねて大臣が行かれるとか、大臣の気持ちを表していただいて、都道府県の教育委員会あるいはまた地教委と協力をしてサポートを進めていただきたいなと、心から期待をし、お願いをしたいと、こういうふうに思っております。
次に、ロシアのモスクワ日本人学校のその後の様子が気になっておりますが、今分かっていることがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/79
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080・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) モスクワ日本人学校における四月からの新学期の在籍児童数は、四月十九日時点でございますけれども、五十九名と聞いているところでございます。このうち、当面ロシアにとどまる予定の児童生徒は、国際結婚家庭や永住者の子供たちなど二十五名となっております。それ以外の三十四名につきましては、日本に一時帰国中であるというふうに承知をしております。
このモスクワ日本人学校におきましては、四月十四日に入学式及び始業式をオンラインで実施をいたしまして、四月十五日からオンライン指導による授業を開始をしているところでございます。これに合わせて、このモスクワ日本人学校においては日本国内に分室を設置をいたしまして、一時帰国をした派遣教師が日本国内からオンライン指導による授業等の教育活動を実施をしているところでございます。また、校長及び教頭につきましては、当面の間、現地モスクワに残り、オンライン授業等に遅延を来すことがないような形で対応しているというふうに聞いているところでございます。
文部科学省としては、引き続き、モスクワ日本人学校や関係機関との緊密な連携を図りつつ、日本国内の分室の運営支援や今後の校長等の帰国等の調整など、必要な支援を行ってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/80
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081・水岡俊一
○水岡俊一君 モスクワ日本人学校は、その設立の基盤となっているのが、恐らくほかの国と同じような私立の学校という扱いになっていると思うので、必ずしも強固な基盤とは言えない、あるいは身分保障だとかそういった面についても難しいところがあると思うので、子供たちのことプラス教職員あるいは現地のスタッフの方々のそういった動向については是非注視をしていただいて、必要であれば支援をお願いをしたいなと、こんなふうに思ってお願いをいたします。
次に、質問を変えていきます。先ほど勝部さんの方からもお話がございました教員不足の件ですね。
先日のニュースで、東京都内の公立小学校約五十校で教員の配置が定数に満たず欠員が生じていることが分かった、追加採用する教員の候補者が多い東京都で年度初めに欠員が出るのは異例だと、こういう報道がございました。
先ほど把握をしていないという、欠員状態を把握をしていないというお話でしたが、民間ですらちゃんとこうやっていろんな資料が出てくるわけですよ。これ、どうして文科省はそういったきちっとした対応ができないんでしょうかね。悉皆で調査をせえということではなくて、スポットを当てて今の状況をどうであるかということを調べるためには方法はあるじゃないですか。
今現在つかんでいる情報、更にあればちょっと教えてほしいんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/81
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082・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今お話もありましたように、悉皆という形では行っていないところでございますけれども、自治体から様々情報を聞き取っているところでございます。
その中で、具体的に申し上げれば、沖縄県や島根県におきまして昨年度より状況は悪化しているというふうな報告を聞いているところでございます。一方、広島県などにおきましては、昨年度より、こちらの方は懸命な努力をやった結果ということでございますけれども、昨年度より改善をしたというふうな報告もあるわけでございますが、今お話のありましたように、東京都も今年度につきましては非常に厳しい状況になっているというふうな状況を聞いているところでございます。
いずれにいたしましても、そうした深刻な状況というのを私ども認識をしておりまして、今各都道府県教育委員会も懸命にそうした教員不足の解消に向けて取組を行っているところでございますので、そうした取組をしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/82
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083・水岡俊一
○水岡俊一君 各教育委員会も御努力をいただいたり、あるいはもう校長自らが電話を掛けて人を探して教員を配置をするといったようなことも聞かれているので、いろんな方々がいろんな面で御努力をされているということは私も承知をしております。
昨年度に比べて若干改善をしているということも、これまた事実だというふうに思います。その意味は、昨年も私も質問いたしましたけれども、担任がいないということはこれはゆゆしきことですよというお話、しましたですよね。今年は担任がいないというニュースが余りない。これを喜ぶべきかというふうに私はちょっと考えなきゃいけないと思っているんですね。
私が調べたところによると、確かに兵庫県、私の出身の兵庫県、大臣の出身の兵庫県ですが、兵庫県においても担任がいないというケースはかなり減ってきています。でも、そこにはからくりがあるんですよね。担任がいるのかいないかという調査をされたら、いるというふうに各学校は報告をするわけです。でも、それは正規の担任ではないんです。どういうことかというと、例えば教科担任を回したり、あるいは語学指導の人材を回したり、あるいは特別支援の教員を回したり、いろんな形で加配になっている教員を回して担任をしている、あるいは教頭が、あるいは校長が担任をして、事実上というか数字上は担任がいないということが少なくなっている。こういうことになっているんじゃないかなと思うんですよ。
これ大臣、こういうことに私たちは惑わされてはいけないというふうに思っているんですね。文科省としても加配を回せばいいじゃないかというようなことにはしていないですよね。その辺り、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/83
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084・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生のお話のとおり、今加配の教員が全国五万人おられますけれども、そういうことを加配の先生に期待しているわけじゃなくて、やっぱり正規の先生にきちっと担任を引き受けていただきたいというのは、そういう思いがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/84
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085・水岡俊一
○水岡俊一君 そこで、じゃ、ちょっと質問変えましょう。
去る四月の二十日に文科省から事務連絡が出ています。これ何の連絡かというと、教師不足に対応するための教員免許状等に関わる留意事項について、括弧、依頼とある文書なんですね。ここで私は注目をしたいのは、その一番目に書いてある、特別免許状の積極的な活用についてということでくだりが書いてあるんですが、この特別免許状の積極的な活用ということについて、ちょっと文科省から御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/85
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086・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 特別免許状の関係でございますけれども、学校の教員組織はこれまで以上に多様な知識や経験を持つ人材で構成されることが望ましいと考えており、特別免許状の仕組みを活用することは、学校における多様性の確保とともに、普通免許状を有する教師の採用ができない場合に優れた人材を広く社会から登用する手段の一つとしても有効であると考えております。
特別免許状については、昨年五月に国の指針を改訂をいたしまして、授与に係る審査基準や手続の緩和を行ってきましたが、依然として一部の都道府県教育委員会では、授与基準が整備をされていない、又は雇用されていないなど、積極的な活用がなされておらず、多様な経験を有する社会人の活用が進んでいるとは言い難い状況でございます。このため、この通知の発出等を通じて更なる活用をお願いをしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/86
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087・水岡俊一
○水岡俊一君 ううん、ちょっと、私たちに何か納得できる御答弁を求めているんですけれども、なかなか難しいですね。
ちょっと、委員の皆さんにも是非御理解をいただきたいなと思うのは、ここの通知に書いてある、ちょっと読んでみますね。「特別免許状は、教員免許状を持っていないものの優れた知識経験等を有する社会人を教師として学校現場に迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応や、その活性化を図るために授与することができる免許状です。」と。
こういう免許状を持っている人を登用しなさいと、登用してくださいという、そういうお話なので、私個人は極めて、何というか、賛成というか、もう多様な人材を入れるという観点で私は大賛成なんです。ただ、この時期にこういう通知が出るというのは、文科省の教員免許状に対する考え方として何か一貫性を欠くような気がしてならないんですよね。ここまで、教員免許状は重要だ、研修に研修、十年たったらもう研修、失効しちゃうんだみたいな、ここまで言っておいて、これ特別免許状。
いや、これちょっと、大臣、これ文科省としてこれはどういう考え方に基づいて、誤解を招くといけないので、私、私は賛成ですよ、私は賛成なんだけど、文科省の考え方が一貫性がないんじゃないかということについて、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/87
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088・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 昨年十月四日に就任をいたしました。私は、そういう社会で大いに活躍をされている、ここに書いてあります博士の方とか、あるいは外国に行かれて、商社マンであったとか、英語に堪能であるとか、あるいはスポーツ界で非常に活躍された方とか、そういった方々を教師として特別免許状を授与させていただいて、それで教壇に立ってもらうということは、ある面、その教師の数を満たすという以上に、もう一つは、いい意味での全く新しいタイプの方が教育界に入っていくということ自体で、私は、新鮮な空気を与えることができるという、そういう意味合いを私は自身は持っておるんです、実のところは。
それは数でいったら、先生、毎年二十万人の方が普通免許状持たれまして、特別免許状は二百人ぐらいですから。ただ、数においても少ないなという気はしましたので、幅広く当たっていくべきじゃないかというのが私の思いでございました。
そういうことでございまして、ちぐはぐというのは、数だけを頼りにした場合そうなんですけれども、私はちょっとそういう意味では、新しい風ということは私自身の頭の中にはあったことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/88
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089・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、ちょっと重ねてですけれども、私が今お尋ねをしたかったのは、文科省として教員免許状というものをどういうふうに捉えてきて、今どういうふうに変わろうとしているのか、そういった点について、大臣、文科省としての見解をもう少し明確にお示しをいただけないでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/89
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090・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 多少繰り返しになるんですけれども、私は、教員の免許状というのは物すごい重たいものだと思っています。私は、本当に生涯を通じて、やはり印象的な先生、その言葉ということはずっと、今六十数歳になっても自分の行動基準になっておりますから、そこに与える免許状というのはそれはよほど重たいものであるということでございまして、そういう意味で私は、それぞれの社会において活躍されている、こういう方に教壇に立っていただきたいなということは、私はあってしかるべきだというのは自分の思いでございます。
ただ、普通免許状、特別免許状、その定義におきましていろんな定めがあろうかと思いますけれども、現にあるものにつきまして、都道府県教育委員会でよく検討した上で、採用されるべき方がおられたら是非ということを申し上げているわけでございます。ちょっと先生、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/90
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091・水岡俊一
○水岡俊一君 この通知の中で、また、小学校における教師不足が深刻化している状況を踏まえ、特に小学校教諭の特別免許状の授与に当たっては、授与候補者の専門的な知識経験等に基づく複数教科の授与や、小学校高学年における教科担任制の推進を見据えた専科指導の対象教科の授与についても積極的に検討をお願いしますと、こういうふうに書いてあるところまで見ると、もう要するに教員不足を解消するために何でもありというふうに見る向きもありますよ、これは。
だから、そういうふうに考えたら、文科省の教員免許状の重要性というものについて考えてきた、おっしゃってきた、法律を作ってきた考え方が、私は何か揺らいでいるんじゃないかと。だったら、何か考え方をきちっと是正をしたり明確にしていくということがこれから求められるんじゃないですか。
だから、多様な経験、人生経験だとか職業経験だとか、そういうものが子供たちにとって大切だ、例えばその専科指導で、外国語だとか理科だとか算数だとかいろんなことを指導する中で、社会で活躍をしてきた方々を学校に招いて子供たちの前に立ってもらう、このことが重要なんだという考え方に立つんであれば、そういう方向に行きましょうや。またこれ、今ここから、この後話しますけど、また研修、研修、研修、何かおかしくないですか、これ。
これ、文科省として本当にその日本の教育の方向性を、何というか、築いていくというか定めていく、その省庁として、これ重要なポイントだと思うんですよね。これ、大臣、どうでしょう。もっとこう、もし今明確なお考えがないんだとすれば、これ、このことに関わってきちっとこれから考えていく、その姿勢だけでも示してもらえませんかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/91
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092・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 教員という社会に与える影響、子供に与える影響、一番大切な仕事でございます。その方々のある面、定義でございますので、今先生おっしゃった言葉、自分で一度受け止めたいと思ってございます。
ただ、特別免許状の意味としましては、先生、やはりそういう意味合いもあって、多様な人材ということも書かれておりますので、その点だけは理解をいただきたいと思います。
深刻な教員不足の対応状況として特別免許状の積極的な活用ということも念頭には確かにございます。ただ、いろんな工夫をしている中の一つでございまして、私はそれ以上に、特別免許状は新しい人材として教育界では活躍できる方がおられるんじゃないかという意味は持っています。
哲学については、先生のお話、しっかりと受け止めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/92
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093・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、私、言葉尻を捉えるつもりは全くないんですよ。だけど、これを工夫だと言ってもらうと、その場しのぎというか、まあ何か困っている状況を何かこう対応するためにあの手この手を使うんだというふうに聞こえちゃう部分があるんですよ。
私は、特別免許状を与えるということについては、これはもう教育の哲学として、これは文科省はもうかねてよりこういったことを抱えて、掲げてきたんだと、大事なんだと思ってきたんだという哲学を私はずっと持ち続けてほしいんですよ。質問取りをしたときも担当者がおっしゃっていた、これは別ににわかにそんなこと言っているわけじゃなくて、これまでから文科省はそういうことを提唱してきたんだと。そういうことを私は大事にしてほしいというふうに思うんですよ。
更に加えれば、社会経験というのはいろいろあるということはもう釈迦に説法ですが、何も大学の先生とか、どこどこ、何々界で活躍した人が先生になってもらいたいって私は別に思っていないんです。社会経験という意味では、子供たちに与える影響というのは物すごく大きい人というのはたくさんいますけども、地味な人でも私は物すごく大事なことってあるんですね。
例えばですよ、極論をしますよ。例えば、今東京でもどんどんと建っているビル、このビルの立て役者はとび職ですよ。例えば、とび職で活躍している人たちが学校の子供たちの前に立って、とび職というのはどういうことなんだ、こんなことをやってこんなものを建ててきたんだ我々は、そんなことを話してもらうような先生とか、私はそういうようなことを文科省がもっともっと考えてほしいなというふうに思うので、大臣、是非頼みますよ、これ、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/93
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094・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 今、水岡先生からいただきました御意見、大切にいたしたいと思うんですけれども、マイスター・ハイスクールなんかでも、まあこれ一つの制度のまた話しますけれども、確かに実学を学ぶ上で、生徒さんが企業に行って企業の会議室で実際に働いている方から生の教育を受けると、すばらしいことだと思います。先生の今のお話、生かしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/94
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095・水岡俊一
○水岡俊一君 それでは、教育公務員特例法に関係する内容に移りたいというふうに思います。
この改正に関わっては、文科省から中教審に答申をされて、令和の日本型学校教育を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けてという審議まとめが出て、そういったものに基づいて法案が作られてきたという経緯が私はあると思うんですが、この中で、この中で非常にその重要視されているのは教員の主体的な学びということですね、主体的な学び。この主体的な学びって文科省はどう捉えていらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/95
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096・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 教師につきましては、教育基本法でも「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」という規定があるわけでございますけれども、そうした中で、教師の研修について自主性が重要であるということは言うまでもないことであるというふうに考えているところでございます。
新たな研修制度におきましても、そうした点を十分踏まえて運用していくことが必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/96
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097・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、文科省は教員の主体的な学びが重要とおっしゃっているんだけれども、研修、今回、これ研修の記録を作成しろ、そしてその記録に基づいて管理職が指導助言をしろ、そしてそういう中身についてはガイドラインも作成をする。何か、何かね、そういったことの関連から見ると、教員の資質向上に対して、主体的な学びよりも管理統制をしながら教員を指導していくんだという思いが透けて見えるように私には思えますが、大臣はいかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/97
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098・末松信介
○国務大臣(末松信介君) そういう御意見も衆議院の委員会でもございました。
先生というのは、教師というのは、やっぱり職務遂行のために絶えず研究と修養ということはもう教育基本法に書かれているとおりでございまして、本法案で校長等の管理職が教師自身の過去の研修の記録を活用しつつ、今後能力を伸長させる必要がある分野などの研修について一人一人の教師から相談を受けたり、情報提供や指導助言を行うこととしております。
先生、ですから、どう考えるかということでありますけれども、ある小学校、済みません、中学校行きまして、そこの先生方、もちろん学校長とも話をしたんですけれども、研修そのものというのはやっぱり高みを目指す上では大変有効なものであると私は思っていますということでした。じゃ、研修記録についてはどうかということを聞きましたら、それについては、学びの足跡としてやはり自分が何をやってきたかということについては、是非それはいつでも分かるようにしておくことは有効じゃないかということ、そういう話がございました。転勤したときにも、確かに次の校長先生も、ある意味ではそういった履歴が分かるということは正しいことかなというように考えてございます。
今のところは私の言葉でございました。そういう、まさに今申し上げていることはそういうように私は思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/98
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099・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、私は何も記録が全く要らないというふうにも思っていないです。学びの足跡、自分の学びはどんなことをやってきたのかという足跡を残すというのも、これまた自分の励みにもなるんでいいかなというふうにも思いますし、また指導助言という面においては、例えば研修をしたくてもできない事情がそれぞれあるかもしれません。例えば、子育て中の方々でなかなかそこがうまく研修の時間を確保することができないとか、いろんな、あるいは校務分掌が多過ぎてなかなか研修に出向くことはできないんだというような事情がある中で、管理職がそれを聞いて、そしたらサポートをこういう形でサポートをするから研修の時間確保できるようにしようねみたいな助けが、ヘルプがあるんなら私はいいと思うんですよ。
ただ、今ここに書いてある内容というのは、どうもそういうふうには思えませんよ。これ、指導の、研修の記録を自分で作成していくということについてガイドラインを作るとおっしゃっていますけど、これガイドライン次第ではとんでもないことになりますよ。これ、私も学校現場にいたので思いますけれども、これほっといたら、誰々君、君、今度の研修、学校休んで二日も行ったんだなと、二日も行ったんだったら、一日当たりの研修でリポートを一日十ページぐらい書いて二十ページ今度提出しろよと、そうでなかったら意味がないじゃないかみたいな指導は想定されるんですよね。君が本当に研修に行っていたかどうか分からないじゃないかと、中身を出せみたいな話になってこないとも限らない。
私は、今大臣が言われたように、学びの足跡という意味であれば私は賛成です。だったら、ガイドラインを作成するに当たって、一つ私は約束してほしいと思うんですけど、極めて簡素化、例えば内容を次の五つから選んでレ点を付けるとか、あるいはその研修がどういったことに今後結び付くかという項目を三項目の中からレ点を付けて選ぶとか。もちろん、それはどこどこで、いついつ、どれぐらいの時間をやったかということは書き込むことは簡単ですよ。そういう記録なら私はできると思う。だけど、ガイドラインに曖昧なことを書くと、そういうリポートを提出しろと言われる人たちがいっぱい出てきますよ。管理職はそんなに甘いもんじゃないですよ。
ですから、実際に、水岡君はまだ若いんで青いんだと、もっと勉強しろといってがんがんとやらされる可能性もある、そういうことを私たちは想定しないといけない。主体的な学びと記録作成だとか指導助言ということについて明確な考え方を示してほしいというのが私は現場の偽らざる思いだと思いますが、大臣、いかがですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/99
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100・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 記録のことにつきまして申し上げましたら、少なからず学校現場の話は聞いておりまして、このゴールデンウイークの間に随分校長先生や現場の先生方とも話をしまして、今、水岡先生御指摘になりましたこの研修に行ったらレポートを書かなきゃいかぬじゃないかということが、あふれ返るほど話が出ておりました。物すごい負担なんですね。
昨日も文科省の若手課長にも申し上げました。ガイドラインこれから作るわけでありますけれども、それは本来の、レポートを書くことが目的じゃございません。ただ、行ったかどうかくらいのことはきちっと把握せないかぬわけですけれども、要するに、その時間がまた、書くことによって子供たちの教育に差し支えが出るほど時間が掛かってしまうようなことがあっては本末転倒になりますので、そういう意味では極めて簡素化にせえということ、このことは昨日も申し上げてございます。後ろに、ここにおります者も聞いてございますので。ですから、レポート提出とかそういったことについては私はできるだけ省略化していくということ。
それと、やはり校長との対話でございますんでね。やっぱり難しい校長先生にとったら、対話と言うけれども、そう簡単ではないこともよく分かっておりますんで。しかし、そこも何とかその辺は乗り切っていただきたいこと、そのことを思います。そういうことを通じて、私はある面で主体的な学びというのは確立されていくものであるという認識をしてございます。
重ねて、レポートの提出については、極めて私は簡素化する、そうあるべしと、そのことは先生とここで話を、今お話し申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/100
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101・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、ありがとうございます。是非その方向でお願いをしたいと、こういうふうに思っております。
そこで、少し話をぶり返すようで申し訳ないんですが、新たな研修というのが出てきているんですけれども、これ既存の研修制度がありますよね。既存の研修制度で足らないから新たな研修を入れるという考え方に立っているように私は思えてならないんですが、既存の研修制度で足らないんですか。これ文科省、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/101
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102・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これまでも、先生御承知のように様々な形で研修が行われてきているわけでございます。ただ、その一方で、社会が激しく変化していく中で、より一層教師の学びを個別最適で、かつ協働的な学びに変えていく必要があるということだろうと思っております。
その際、そうした教師の新しい学びの姿を実現していく上で、教師一人一人の置かれた状況に照らして適切な現状把握と具体的な目標設定を行いながら、そうした学びに向かっていくということがより有効ではないかということが考えられるわけでございまして、そうした中で、この度の改正法案におきましては、研修履歴の記録や指導助言、そうしたものを通じて教師の新しい学びを支えていくというふうな制度を実現していきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/102
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103・水岡俊一
○水岡俊一君 せっかく大臣が理解を示すお話をいただいたのに、また何か戻っちゃいましたね。
これ、今のお答えの中に既存の研修制度で十分でない理由なんて何一つ入っていませんでしたよ。既存の研修制度ではなぜ駄目なんですか。そこを答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/103
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104・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 既存、様々な研修制度がもちろんあるわけでございますけれども、そうしたものをより一層厳選、重点化していくということも重要だと思っております。教師の多忙化が進んでいく中で、より合理的、効率的に研修を進めていくと。その際には、先ほど議論もありましたが、オンラインといったものも十分に活用していくことが必要だと思っておりますけれども、そうしたものも含めて、個々の教師がより一層そのモチベーションを高めていく、そして、その一人一人の教師の学びだけではなくて、協働的に学校の中で様々な先生方が協力し合いながら学びを深め、そしてそれを現場の実践につなげていくような、そうした学びをより一層高めていくことが必要だということではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/104
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105・水岡俊一
○水岡俊一君 文科省のこれまでの施策の中でどうしても気になるのは、これまでやってきた施策のどこが良かってどこが悪かったのか、どこが足りなかったのか、どこが時代に合っていなかったのかという反省がないから、次なるものの積み上げが曖昧になるんですよ。
だから、既存の研修制度がどうであるかということの中で、時代の変化だとかいろいろあるから、それが新しいものも必要だということを、じゃ、例えば百歩譲ってその必要性を認めるとしましょう。そこで、局長、これ新しい研修はもちろん勤務時間内にできるんですよね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/105
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106・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 職務として行う研修が勤務時間内に行われるべきであると、これは現在も、それから今後も変わらないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/106
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107・水岡俊一
○水岡俊一君 大臣、あのね、今局長が答えられました。勤務時間内に行われるのが当然だという趣旨のお話でした。
二年前の給特法改正のときに文科大臣はどうおっしゃったか。勤務実態調査を今年やって、二二年度にやって、いろんなことを含めて改革も考えて検討していきたいと、こういうお話だったんですよね。そのときに何が示されたかというと、どうしても勤務時間内に収まらない仕事がたくさんあるから、ここはまげて、学校に、何だ、在校等時間というのを設定をして、何とかそこでそれ以上にならないように我慢してやってくださいねという話を強制的に押し付けられちゃったわけですよ。
だから、ただでさえ勤務時間内に収まらない仕事が山ほどあって、在校等時間、月四十五時間だっけ、四十五時間も我慢してくださいねと言われている中で、研修を勤務時間内にできるんですか、こんなの。どこに入れるんですか、そんなの。私は、局長はそう答えられたけど、現実的には無理だと思いますが、大臣、どうですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/107
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108・末松信介
○国務大臣(末松信介君) お答え申し上げますけれども、まずは、職務としての研修、勤務時間の中で行われることが前提でございます。各教育委員会が主催する研修や各学校で行われている校内研修は勤務時間の中で実施されているところであります。このことは本法案によって変わることございません。
文科省としては、職務として行われる研修が勤務時間外に行われることがないように、服務監督権者とある教育委員会や校長が適切にマネジメントを行うことによりまして、勤務時間内の受講環境が確保されるよう周知徹底を図ってまいりたいと思います。
次に、それでですね、ただ、先生おっしゃったように、本当にそれは時間もう厳しいの、私も、先生がお持ち、勝部先生がお持ちだったけど、私も教師の予定表ずっと見ていますけれども、それはトイレ行く暇もないぐらいの状態であることはよく承知しています。昼も給食指導やっていますから、戻っていません。そんな中ですから。
ただ、教師はやっぱり研さんを重ねなきゃならぬという点もございますので、そこのところは、校内の研修等いろいろございます、よく考えながらということで、御理解、御理解を是非いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/108
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109・水岡俊一
○水岡俊一君 いや、大臣、大臣のお気持ちも分からぬでもないんですけども、学校現場を見てもらったら今のお話にはならないと思うんですよ。だから、本当によく学校現場の様子を見ていただいて、今後の方向性を決めていただきたいと思うんですけども。
最後に一つ。これ人事評価とは関係ないと、人事評価の結び付くような研修の記録であったり指導助言ではないと、こういうことを衆議院の質疑でも答えられていますよね。局長、答えられていますよね。これ、学校現場にいた人間からちょっと一言最後に申し上げておきたいんだけども、研修の好きな人いるんですよ。もうどこどこ大学に行ったり、もう研修、もう今度三日間集中講座があるから行かせてほしい、学校の子供ほったらかしにして自分研修に行って、それが年間に何日も重なってきて、物すごい研修をしているこの人、すばらしい人間だなと、こんな評価に結び付いちゃ駄目なんですよ。子供をほったらかしにして、その周りの人間はそのカバーでもう必死、倒れちゃうんですよ。
だから、こういう研修の記録を取る、そのことがややもすると人事評価につながっていくようなことを文科省はやろうとしているという危険性を十分に考えていただきたい。そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/109
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110・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時二十分休憩
─────・─────
午後一時十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/110
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111・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、本田顕子君及び蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として舞立昇治君及び熊谷裕人君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/111
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112・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 休憩前に引き続き、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/112
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113・佐々木さやか
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。よろしくお願いいたします。
本日議題となっております法律案は、学校の教員の先生方の免許の更新制について、そして研修制度について大きく変わると、抜本的な改革と言ってもいいかと思いますけれども、そうした法律案となっております。
やはり、子供たちにとって最大の教育環境は教師であるというふうにも言われますけれども、学校の先生方が本当に教育に熱心で、そして能力があって、情熱があって、子供たちのために本来の教員としての業務に力を尽くしていただくと、これが子供たちにとって一番大切なことかなと思います。そのために、この今回の法改正もあるべきかなというふうに思っております。
中教審の審議まとめを拝見しますと、この令和の日本型学校教育の在り方、これは社会の在り方が劇的に変わるソサエティー五・〇時代、また新型コロナウイルスの感染拡大など、こういった先行き不透明な予測困難な時代の中で、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現、これを目指していくべきだと。そして、そのために、時代の変化に応じた高い資質能力を身に付けた教師を確保し、そしてその先生方が生き生きと活躍できる環境を整備することが重要だと、このように指摘があります。私もそのとおりだというふうに思っております。
やはり、この目指すべき姿に今回の法改正も資するものではないかなと期待をしておりますけれども、改めて、まず大臣に冒頭、この度の法改正の趣旨について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/113
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114・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 佐々木先生、お答え申し上げます。
情報に国境がなくなった時代でございます。こういった情報化やグローバル化の進展によりまして、社会の在り方が急速に変化するとともに、教育をめぐる状況そのものが変化もスピード感を増してございます。GIGAスクール構想など情報化や特別なニーズを有する児童生徒への支援の充実など、適時適切に対応することが強く求められているところであります。
また、平成二十八年の教育公務員特例法の改正以後、教師の資質向上に関する指標に基づく教員研修計画により、各地域の課題やニーズに応じた計画的、体系的な研修が求められております。また、新型コロナウイルス感染症への対応も契機といたしましてオンラインの活用が急速に広まっておりまして、地理的、時間的な制約を超えて機動的に研修を実施することが可能となってきました。
昨年末、中央教育審議会の審議まとめでは、こうした社会の変化やオンライン化の進展等によりまして研修環境の変化を受けまして、教師の学びの姿も変化することが必要であるとの指摘がなされてございます。具体的には、教師自身が学校を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、教職生涯を通じて探求心を持ちつつ主体的に学び続けること、一人一人の教師の個性に即して学校現場の課題に対応するための個別最適な学び、単なる知識技能の修得だけではなくて、各学校におきまして行われる校内研修等の教師同士の学び合いなどを通じて教師としてふさわしい資質能力が身に付けられる協働的な学びなどが求められているところでございます。
このため、文部科学省としましては、個々の学校現場や教師のニーズに即しました新たな研修システムによってこれからの時代に必要な教師の学びを実現させることとしまして、これに伴いまして、十年に一回の更新講習を義務付ける現行の教員免許法、教員免許更新制を発展的に解消することとしまして、今国会に関連法案を提出をいたしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/114
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115・佐々木さやか
○佐々木さやか君 この教員免許更新制、今回発展的に解消ということでございまして、この制度の問題点といいますか、そういったところについては、私のところにもかねてから現場の教員をやっていらっしゃる方々からお声をいただいてまいりました。
そのお声は、やはりこの業務多忙な中でそうした研修の時間を確保すること、また費用も掛かる、そういった負担感が非常に強いというお声でありましたけれども、大臣としてはこの従来の教員免許更新制についてどういう課題があったというふうに認識をされているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/115
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116・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 佐々木先生にもいろんなお話があったように、大臣であります私にもいろんな話が直接ございました。
教員免許更新制、この教師の学びの機会の拡大や、教師の資質能力の向上に対する大学の関与の拡大、これは、大学は今まで養成課程だったんですけども、大学で研修を行うという役目も受け持ったわけであります、受け持ったわけですけれども、一定の成果は確かに上げてきたものの、十年に一度の講習は常に最新の知識技能を学び続けていくことと整合的でないということと、免許状更新講習の受講は本質的には個人的なものとならざるを得ず、組織的なものとする上では限界があるということ、座学を中心とした大学の講習では現場に即した学びの実施が困難であるという、いろんな課題があると認識をいたしております。
このほか、教員免許更新制に関しましては、更新講習を受講しなければ教師自身の身分の得喪に関わるという精神的なこの負担感や、時間的、金銭的な負担感があること、そして、免許状の未更新又は更新手続の負担感により退職教員を採用できず、臨時的任用教員の確保ができないということなど、いろんな課題も指摘をいただいております。
これらの諸課題や、近年の急速な社会の変化や教師の研修環境の変化を踏まえた総合的な判断として、研修等の記録、そして指導助言の義務付けなど、新たな教師の学びの姿の実現に向けた方策の実施によりまして、教員免許更新制を発展的に解消することとしたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/116
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117・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今大臣からも御説明いただきましたように、いろいろな課題が認識をされてきたということでございます。
この免許更新制の本来の趣旨、最新の知識技能を修得をしていただくということ自体は教員として恐らくあるべき姿でありましょうし、何より子供たちのためを考えれば、これは是非あっていただきたいわけですけれども、その手段としてこれまでの制度というのが必ずしも効果的ではなかったのではないかと、こういうことかなと、これを改善をしていくための改正であると、このように認識をしております。
この、先ほど私も申し上げましたけれども、業務多忙な中で、本来、学校の先生方はいろんなことを学んでいただいて、自ら新しいことを経験していただいて、そういう感動を子供たちに伝えるとか、いろんな本来業務以外の自己研さんの時間取っていただきたいわけですけれども、何せ忙しいという、この教員の多忙化、働き方改革ということ、これがもう本当に重大な課題でございまして、ここを根本的に変えていかなければなりませんし、今回の法改正もそれを踏まえてのものであるというふうに思っております。
また、優秀な教員の確保、これも非常に重要な課題であります。多忙化とともに人手不足ということが言われておりますけれども、この教員の働き方改革、また優秀な教員の確保という問題、非常に重要だけれども難しい、なかなか、何というか、いい解決策というものが、これをすれば全て解決するということはないかもしれませんけれども、やはりこれが非常に重要な問題でございますので、この法改正も踏まえまして、大臣はこの教員の働き方改革、そして優秀な教員の確保という問題についてどのようにお考えになっているのか、伺いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/117
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118・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 午前中、三人の先生方からいろんな御意見をいただきまして、先生もお聞きをいただいたと存じます。
教師の働き方改革については、同時並行してたくさんのことをやっていかないとなかなか解決ができないということで、一つの言葉では簡単に対応できるものではないわけであります。教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境を整備するため、学校における働き方改革を進めることは文科行政の最重要課題の一つであるということを、午前中にも先生方にお話し申し上げました。
文部科学省としましては、教師の負担軽減を図るため、令和元年に法改正を行いまして、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するとともに、教職員定数の改善を始めとして様々な施策を総合的に講じているところでございます。
今後は、こうした様々な取組と成果等を踏まえつつ、今年度に勤務実態調査を改めて実施をしまして、給特法等の法制的な枠組みを含め検討をいたしてまいります。
また、優秀な教師を確保しまして多様で質の高い教職員集団を構築できるかどうかは、これから教育の最も重要な鍵となるところでございます。
現在、中央教育審議会、中教審におきまして、教員採用選考試験の早期化とかあるいは複線化を含めた実施時期の在り方、大学三年時から受験ルートの設定などを考えるということもございます。そういうこととか、特別免許状の授与手続とか基準の透明化など、多様な人材の確保などについて具体的な検討がなされておりまして、夏頃には中間的な取りまとめが出される見通しでございます。
文科省としましては、この議論を踏まえつつ、多様で質の高い教師の確保に向けた取組を進めていきたいと思います。また、こうした学校における働き方改革や教師の人材確保の方策につきましては、先日、四月二十八日ですけれども、私より都道府県あるいは指定都市教育委員会の教育長に対しまして、更なる取組の充実に呼びかけたところでございます。
なお、今回の法改正は、教員免許更新制を発展的に解消するとともに、教師の研修をより効果的かつ合理的に実施するための仕組みを整備するものでありまして、教師の負担軽減に寄与する側面もあるものと考えてはおります。また、免許の未更新によりまして休眠や失効がなくなることで、教師の人材確保にも一定程度資するものと考えてはございます。
長くなりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/118
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119・佐々木さやか
○佐々木さやか君 私が子供の頃は、学校の先生というのはなりたい職業で結構上位に上がっていたんじゃないかなと、こういうイメージもありますし、クラスの中でも優秀な友達、友人が今学校の教員をやっていたりとか、そういう、何というか、教員という仕事、本当に尊い仕事だと私は思いますけれども、今もそうした志を高く持って志望する学生さんたちもたくさんいらっしゃるわけですので、やはりその志をずっと持ったままこのやりがいを感じて働いていただけるような、そうした働き方改革、是非文科省としても頑張って引き続きいただきたいというふうに思います。
先ほど申し上げたように、先生方には最新の知識技能の修得ということ、これは重要でありますので是非やっていただきたいというふうに思いますし、この資質能力を伸ばしていただくということはすごく重要だと思いますけれども、そういった教員の能力向上のための充実した研修、これを実現するためには何が重要だというふうに考えているんでしょうか。そして、今回の改正によってその点についてはどのような制度になるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/119
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120・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 変化の激しい時代におけるこれからの教師の学びの姿といたしましては、教師一人一人の置かれた状況に照らして適切な現状把握と具体的な目標設定を行った上で、個別最適で協働的な学びが行われることが必要と考えております。
このため、本法案では、校長等の管理職と教師が過去の研修等の記録を活用しつつ対話を行い、今後能力を伸ばす必要がある分野などの研修について教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導助言を行うこととしております。これにより、教師が自らの学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下で、自ら必要な学びを行う主体的で個別最適な学びが実現されるものと考えております。
文部科学省としては、都道府県教育委員会や市町村教育委員会、校長などがそれぞれの役割を果たしながら適切な研修が実施できるよう、研修環境の整備に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/120
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121・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今の御説明だと、記録の作成、管理とともに、管理職の先生方がそういった現場の先生たちにこういったところをもっと研修した方がいいんじゃないのとかアドバイスをしていただけるということでした。この点については、午前中、ほかの委員の先生からも実際にはこういう問題もありますよという指摘もあったところでございます。そういった御指摘も是非踏まえていただいて、もちろん、そうした制度の趣旨にのっとった指導をしてくださる先生方もいらっしゃるでしょう。そういういい、何というか、スキームがこれから全国的に展開がされるように、そうしたモデルをつくるとか、分かりませんけれども、そういう工夫も必要なんではないかなというふうに思っております。
それから、この研修の時間的な負担ということも私は現場の先生方からも非常に聞きました。業務多忙な中で、研修をしたくてもなかなか時間が取れないと、こういう問題もあるわけですけれども、この点については今回の法改正でどのように改善されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/121
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122・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今御指摘がありましたように、大変多忙であるという御指摘があるわけでございます。
教師は職務の遂行のために絶えず研究と修養に努めることとされており、教師にとって研修は極めて重要でございます。その一方で、学校現場の勤務状況が大変厳しい中で、いかにして教師の学びの時間を確保するかが重要な課題であると認識をしております。
今回の法改正に伴い、文部科学大臣が定める資質向上に関する指針の改正や、それに基づくガイドラインを新たに策定することを予定しておりますが、この指針の中で、研修の厳選、重点化を含む効果的、効率的な実施などについて新たに規定するほか、ガイドラインにおいては、今回の改正法による研修等に関する記録や指導助言自体が過剰な負担となることがないよう留意しつつ、その基本的な考え方を示してまいりたいと考えております。
また、近年、オンラインの活用により、地理的、時間的な制約を超えて機動的に研修を実施することが可能になってきていることから、働き方改革の観点からも、学校現場から離れずに充実した研修を実施できるオンライン研修の一層の充実を進めてまいります。
引き続き、国、学校、教育委員会が連携しながら、働き方改革を強力に推進するとともに、教師が学ぶ時間を確保できる環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/122
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123・佐々木さやか
○佐々木さやか君 これも午前中のほかの委員の先生からの御指摘でしたけれども、研修に行ったことでレポートを書かされるというのを私は、済みません、勉強不足で今日知りまして、私は弁護士の仕事しかしたことないんですが、弁護士も最新の知識がないと業務ができませんので、いろんな研修、オンラインであったりとか、自己研さん、もちろんするわけですけれども、当然レポートなんかはありませんので、何というか、ああそうかと、研修に行っていただくだけでも時間が拘束されて、さらに、帰ってから宿題をやらなきゃいけないのかということで、それは大変だなというふうに思いました。
ですから、私もちょっとほかの業界での知見は余り持ち合わせていませんけれども、大臣もこの点は非常に問題で簡素化が重要だというふうにおっしゃっていましたけれども、一般的にはどうなのかとか、そういうところも踏まえながら、本当にその効果的な研修の在り方についてよく御検討をいただきたいと思います。
この研修というか、教員の先生方のいろいろな自己研さんの在り方の一つの関連として、埼玉県の戸田市では、ベテランの先生方の指導技術をデータ化、見える化して若手教員に引き継ぐという教育改革に取り組んでいらっしゃるそうです。戸ヶ崎教育長は、先日参考人質疑にもお越しいただきましたけれども、先輩のベテラン教師の背中を見て学べとか、習うより慣れろというような従来的な指導だけではなくて、こういう現代的なデータ化、AIの活用ですとかいったことも取り組んでいらっしゃる。これは先進事例として私は注目すべきではないかなというふうに思っています。
何というか、従来のこの修得方法が私は全部否定すべきものではないとは思うんですけれども、やはり子供たちのことを考えれば、成功したケースとかいい指導法とかということは是非その先生だけじゃなくていろんな方に共有していただいて、いろんな先生がそのいい指導法を身に付けていただきたいわけでして、それにはやっぱり、物理的に時間も場所も制限されるわけですから、こういったデータ化とかAIの技術を使うとかですね、いろんなICTも活用していってはどうかなというふうに思っております。
こういったこの先進事例、横展開なども含めて文科省としても是非注目していただきたいと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/123
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124・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) ただいま御指摘をいただきました戸田市におきましては、優れた教師の指導技術を言語化、可視化、定量化することなどを通じて、これを若手教師に効率的、効果的に伝承していくための取組を進めておられるというふうに承知をしています。具体的には、エビデンスベースによる教育施策の推進の一環として、教師の指導方法と児童生徒の学力の伸びとの相関関係を調査、分析するなどの取組がなされていると聞いております。
文部科学省としては、このような戸田市の事例を始めとして、全国の優良事例を把握し横展開するとともに、今後教師が身に付けるべき資質能力を明確化するための教師の資質向上に関する指針の改訂、新たな教師の学びの姿の高度化を支える研修受講履歴システムの構築、文部科学省、各都道府県教育委員会、教職員支援機構等を構成員とする協議会の立ち上げ、そして研修コンテンツの共同開発や共有化、さらには各教育委員会で活用可能な基礎的な知識技能を身に付けるための標準的な動画コンテンツの開発などに総合的に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/124
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125・佐々木さやか
○佐々木さやか君 次に、免許の未更新、免許のこの更新制度のことですけれども、課題の一つとしてこの免許の未更新が教員不足の一因にもなるというふうに指摘されてまいりました。更新期限を忘れてうっかり失効してしまうということですとか、それから休職中の教員が復帰しようと思ってもこの未更新によって教員として働くことができなかったりとか、こういう事例が実際にあったそうですけれども、こういった点については今回の法改正でどのように改善されることになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/125
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126・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 本年一月に公表した教師不足に関する実態調査では、半分以上の自治体が免許状の未更新又は更新手続の負担感等により臨時的任用教員を採用できなかったことを教師不足の要因の一つとして挙げているものと承知をしております。
本法案をお認めいただいた場合には、免許更新が不要となり、既に現役を退いた先生方や、育児、介護等で離職された先生方、また休眠状態の免許状をお持ちの社会人の方々を任用しやすくなることから、教師不足の解消にも一定程度資するものと考えております。
文部科学省としては、本法案による改正後の休眠状態又は失効状態の教員免許状の取扱いについて各教育委員会等に通知し、説明するとともに、文部科学省のホームページ等においても分かりやすく周知をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/126
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127・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今答弁の中にもありましたけれども、教員の産休、育休の取得、これ、私、以前も質問したことがあるんですけれども、学校の先生というのは最大三年育休が取れるということで、会社員とか一般のお仕事に比べると一見手厚い制度のようにも思えるわけですけれども、ただ、やはり育休を取ろうと思っても、ちょっとこの代わりの先生が見付からないからというふうに言われたりとか、なかなか実際にはそんなに取得しやすいわけではないという声もいただいております。
それから、男性の育休取得ということが今、国として取り組んでいるわけですけれども、学校で男性の先生が育休を取るということはもうまだまだごくまれなわけでして、男性の先生にも育休を取っていただくという意味では、この臨時的任用教員の確保ということは非常に必要性が高いかなと思います。
先ほども答弁していただいた中にも含まれているかもしれませんけれども、こういう教員の育休取得の推進という観点からの臨時的任用教員確保の点についてはどう取り組んでいくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/127
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128・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 近年の大量退職、大量採用を背景として、教員採用選考試験の採用倍率の低下が続いており、また、産休、育休を取得する子育て世代の若い教師が相対的に増えていることとも相まって、臨時的任用教員の確保も含め教師の人材確保は喫緊の課題として認識をしているところでございます。
先日、四月二十八日でございますけれども、都道府県・指定都市教育委員会教育長会議を開催し、大臣から直接、各教育長に対し、あらゆる手段を講じて教師の確保に取り組んでいただくよう依頼をしたところでございます。
具体的には、教特法第二十二条の五に規定する協議会の活用などを通じ、教員養成大学等と連携して卒業生や同窓会に情報を提供していくことや、離職された先生方や免許状を有する社会人の方々の任用などの取組を進めていくこととしているところでございます。
文部科学省としては、今年度、そうした方々の入職を支援するため、教職の基礎的な知識等を身に付けられるオンラインの研修プログラムを開発、提供することを予定しております。さらに、教育委員会における教師の人材確保に関する好事例の横展開や計画的な教員採用の促進等の取組を進めていくとともに、現在、中教審で行われている議論も踏まえつつ、教師の人材確保に向けた更なる取組を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/128
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129・佐々木さやか
○佐々木さやか君 臨時的任用教員の先生をしっかり確保するということとともに、子供たちのことを考えますと、当然この臨時的任用教員の先生にもしっかり能力を有していただきたいわけでして、臨時的任用教員の先生方の研修とかスキルアップ、これも重要だというふうに考えております。この点については、対策はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/129
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130・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 現職研修の更なる充実に向け、臨時的任用教員についても、いわゆる正規教員に準ずる形で研修の充実が図られることが重要であると考えております。
今回の改正では、教育委員会に義務付ける研修等の記録の作成と資質向上に関する指導助言等の対象として臨時的任用教員は含まれてはおりませんが、臨時的任用教員もその職責を遂行するために絶えず研究と修養に努めなければならないことに変わりはないことから、各教育委員会の判断において、正規教員と同様にこれらの対象とすることも考えられるところでございます。
その際、臨時的任用教員が基本的に一年以内の任期を定めて任用されるものであることを踏まえ、研修等に関する記録に関し正規教員と異なる取扱いとすることも含め、実情に応じて弾力的に運用されるよう、基本的な考え方等をガイドラインで示すことを考えております。
また、臨時的任用教員が、組織的な学びの場である校内研修等に参加するだけではなく、教育センターで実施される様々な研修への参加を認めるなど、研修機会に配慮するよう各教育委員会に指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/130
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131・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今回の法改正では、教員免許制度の更新に関するところ以外にも幾つか重要な改正がございます。
例えば、他の学校種の普通免許状の授与を受けようとする場合に必要な最低在職年数に係る規定の改正ということもあるそうでありますけれども、例えば中学校の先生として勤務をされてきたという教師の方が一定の単位の取得によって小学校の免許も取得できると、こういう制度があるそうであります。これについては、今回どういう内容の改正を行って、またその改正の趣旨についても教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/131
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132・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 現行制度においては、既に取得している免許状の学校種において良好な成績で勤務した在職年数が三年以上ある場合に、隣接する学校種の普通免許状の取得のための単位を減じることが可能となっております。
この度の改正は、この在職年数に含めることができる勤務経験の対象を拡大するものであり、今後取得しようとする免許状の学校種を対象に追加するものでございます。
あわせて、具体的な施設は文科省令で定めることになりますが、海外における日本人学校などでの勤務経験を新たに対象とすることを想定をしているところでございます。これにより、専科指導の立場で中学校免許状を用いて小学校で勤務する教師や、任命権者である都道府県教育委員会等の推薦により職務の一環として日本人学校に派遣される者の勤務経験等が算入されることになり、現職教員の隣接免許状の取得の促進に資するものであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/132
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133・佐々木さやか
○佐々木さやか君 私の知り合いにも日本人学校の先生として志望されて行かれたという方いらっしゃいましたけれども、この日本人学校などの在外教育施設に行かれる先生というのは、やっぱりやる気もあって教育熱心な方も多いですし、また、海外でのいろんな貴重な経験を経て子供たちに様々伝えることもきっと多いかと思います。そうした先生方がよりいい意味で柔軟に学校現場で活躍していただけるというのはいいことかなと思います。
それから、次の質問ですけれども、ちょっと時間が限られているので一問飛ばしますけれども、教育のデータ化ということも言われております。ICTの活用ですとか教育データの利活用、こういったことが更に今後教育現場では求められてくるわけでありますけれども、こういったことも今先生方には一生懸命研修を受けていただいたりとか、それを支援する人材を配置をしたりとかということをしておりますけれども、やっぱりこの多忙な中で現場に出てから初めて学んでいただくというのでは、なかなかそのスキルアップも十分ではないかもしれません。
ですので、こうしたICTの活用、教育データの利活用のスキルというのは、これから言わば必須のものとして教員養成課程で是非しっかり学んでいただく機会があった方がいいのではないかなと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/133
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134・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 教員養成段階におけるICT活用や教育データの利活用については、平成三十一年度に入学した学生が履修する教職課程において、各教科の指導法に関する科目の中でICT活用を明記し、必ず取り扱うことといたしました。また、令和四年度の入学者からICTを活用した教育の理論及び方法に関する科目を一単位以上必修化したところでございます。
具体的には、小中学校等の教員免許を取得するための教職課程コアカリキュラムにおいて、情報通信技術の活用の意義と理論の理解、情報通信技術を効果的に活用した学習指導や校務の推進の理解、児童及び生徒に情報活用能力を育成するための指導法を身に付けることを示しており、この中で、学習履歴など教育データを活用して指導や学習評価に活用することや、教員及び児童生徒のICT利活用について取り扱うことになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/134
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135・佐々木さやか
○佐々木さやか君 そうしたスキルを身に付けた先生方が現場に出られて、子供たちの学習において、教育において、より効果的に一人一人の個性を伸ばすような、そうした教育がより実現することを願いたいというふうに思います。
最後に、副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この子供たちの最大の教育環境は教師であるというふうに私は思っておりますけれども、今日はそういった先生方の最新の知識、技術を付けていただく、そういった先生方の能力のための研修制度について質問させていただいたわけですが、その大前提として絶対にあってはならないことと思っているのが教員による児童生徒への加害行為、とりわけわいせつ行為、児童生徒への性暴力というものはもう絶対にあってはならないわけでございます。
これについては、昨年、議員立法で対策の法律が成立をいたしまして、そして今年の四月に施行となりました。それに先立って、文科省の方でも教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針も決めていただいたわけでございます。この法律を作るに当たっては、公明党も絶対に子供たちを守るという、この強い気持ちで臨ませていただきまして、成立をすることができました。
いよいよ施行ということで、中でもこのポイントの一つでありますデータベースの作成、これはこれから文科省にしっかり取り組んでいただかなければなりませんし、そして、この児童生徒への性暴力があってはならないわけですけど、もしあったときにどうするかという対応、これはいよいよこれから運用がされるわけであります。
それに当たりまして、しっかりこのわいせつ教員対策、引き続き文科省として全力を挙げていただきたいと、このお願いを込めまして、副大臣に御見解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/135
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136・池田佳隆
○副大臣(池田佳隆君) 佐々木議員の御質問というか、決意を述べよというお求めに答えたいと思います。
本来、子供を守り育てる立場にある教員、そんな方々が子供に対して魂の殺人と呼ばれる性暴力を行って、生涯にわたって回復し難い心理的外傷、そしてまた心身に対する重大な影響を与えるなどということは断じてあってはならないことであります。言語道断なことであります。
昨年の通常国会において佐々木議員の多分な力もお借りをいたしました。不肖私が五年の歳月を掛けて、わいせつ教員から子供を徹底して守り抜く、そういった断固たる執念を持って作り上げた教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が衆参全会一致で成立するに至りました。本当にありがとうございました。
本法においては、教育職員等が児童生徒等へ性暴力等を行うことは全て法律違反であること、児童生徒性暴力等の防止のための教育職員等や児童生徒等に対する啓発や、児童生徒等への性暴力等が疑われる場合には学校が直ちに警察へ通報すること、学校の設置者が弁護士等の専門家と協力して調査をすること、児童生徒性暴力等により免許失効となった者についてのデータベースを国が整備をして教員採用権者による活用を義務付けること、児童生徒性暴力等により免許失効となった者への免許再授与については再授与審査会において懲戒免職となったわいせつ教員自身が二度と児童生徒性暴力を行わないことの挙証責任を負うこと、そして、免許授与権者である都道府県教育委員会が裁量的拒絶権を有すること等の徹底した取組が初めて規定され、本年四月一日より本法が施行された次第でございます。
また、文部科学省においては、都道府県及び政令指定都市の教育委員会に対し、教員による児童生徒性暴力等があった場合には懲戒免職を原則とするなど、厳正な処分を行うことを強く求めてきたところであります。
加えて、全国の学校現場や教育委員会において法律の運用を厳格かつ適切に進めることができるよう、本法に定める施策を総合的かつ効果的に推進するための基本指針を定め、過日、全国に周知徹底を行ったところでございます。
今このときも、まさに学校内外において被害児童生徒等が自身の性暴力被害を打ち明けられずに苦しんでいるかもしれないことに思いを巡らせれば、本法に定められた施策の実施には全力の限りを尽くしていかねばなりません。また、過去において見逃されていたような加害事案についても、本法の施行によって、児童生徒等への定期的な調査、保護者による学校等への通報、学校による警察への通報、専門家による徹底した児童生徒やわいせつ教員被疑者への調査などの対応が義務付けられたことから、これまで以上に徹底的に厳しく対処されるものと考えているところでございます。
文部科学省におきましては、未然防止のための取組や、免許状失効者に関するデータベースの構築などを始めといたしまして、教育職員等による児童生徒性暴力等の根絶に向けた実効的な対策をあらゆる角度から徹底的に講じて、子供たちを守っていく所存でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/136
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137・佐々木さやか
○佐々木さやか君 力強い御決意、ありがとうございました。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/137
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138・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
私も本会議登壇をさせていただきまして、あまた申し上げましたけども、大臣にお伝えしたかったのは主に二点です。
教育公務員特例法の第二十一条と第二十二条、つまり、研修は義務であると同時に権利でもある、ここに立法の趣旨があるという点です。
それからもう一つは、この研修というのは、教室の中で先生と生徒が目を合わせ向かい合う中で、先生たちが子供たちから受け取ったメッセージ、まあいろいろな、うれしいことばかりではないと思います。そういうつらいことも含めて生まれた、受け取った課題、それから後悔、もっと知りたい、まだまだ足りないというのを、その先生の気持ち、先生のその学びたいということを応援する仕組みなんではないかと、そういうことを申し上げました。
本会議のほかの他党の先生方の質問や、それから衆議院の質疑等、それから今日の質疑も聞いておりましたら、おおむね皆さん教員免許更新制やめることについては賛成だと。元々何でこんな制度をつくっちゃったのと、そういう検証もままならぬ人たちが、今度は研修記録、それから校長等による指導助言を義務化して、これ、ちゃんとトレースもしていないのに、同じ轍を踏むのではないかと、そういった疑義があるわけです。
じゃ、踏まないというんだったらどうガイドラインを作るつもりかというところを細かく答弁を取っていったり、もとい、まずはやっぱり働き方改革でしょうと、研修どうのこうのではなくて働き方改革でしょうというようなお話もありました。もちろん、先ほど水岡先生の方からは、文科省が子供たちの前にいる先生たちをどう捉えるのか、どう考えているのか、そこの政策哲学をというような本質的なお話もありました。
今回、二〇二一年度、公立小学校教員試験倍率というのは過去最低の二・六倍となりました。三倍を切ると危険水域というふうに言われておりまして、私、先般も参考人質疑のときに、この三という数字がどうも私にとっては腹落ちしないと、この確からしさについてどう思うかというふうに参考人にお伺いいたしましたところ、そこにある程度、エビデンスはないけれども、そこにある程度の納得感はあるというようなことをおっしゃって、まあ、へえと、そうなのかというふうに思った次第です。
大臣は、この今、三倍を切るというこの現状に対するどういう認識か、まずはお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/138
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139・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 伊藤先生、お答え申し上げます。
近年、大量退職、大量採用の影響もある中で、公立学校の教員採用選考試験の採用倍率の低下傾向は続いております。令和三年採用選考では小学校の採用倍率が過去最低の二・六倍となりまして、特に一部の自治体で倍率、採用倍率が著しく低くなっております。佐賀県一・四倍、長崎県、福岡県、富山県一・五倍、山形県、大分県一・六倍ということであります。
先生が三倍切ったらということで、私の率直な思いというのは、私も長い間地方議員をやっておりましたんですけれども、大体小学校のはやっぱり十倍前後でしたよね、以前。それが一体どうなったんだということ。そういう意味におきましては、確かに今、教師の現場が大変多忙を極めておるということで、そのことというのはやっぱり一般社会の中でも随分浸透してきている。あえて、そういった厳しいこの教員の職場は、教員となってその職場で働きたいという、その気持ちも少し陰りが出ている社会になっているという、このことに対しての危険性は私も感じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/139
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140・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 この三の危険水域というのを言う有識者は、大体、質の確保、質が落ちるというようなことをおっしゃるんですね。人間をつかまえて質とは何たる失礼な話だと思いますけども。
今大臣がおっしゃったように、学生動向、学生がそれを望む望まないというよりも、大量退職、大量採用になったから今、三という数字になっているんだというような御認識も文科省の中にはあるやに聞いておりますけども、この質という観点、それから三という倍率、そこについての大臣のお考えを聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/140
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141・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 四月二十八日に参考人質疑が行われたわけでして、紙も読みましたので。
四月二十八日、本委員会における参考人質疑におきまして、池田参考人が、今先生お話ありました、経験的に倍率が三倍切ってくると質の維持が難しくなるという趣旨の御発言をされたと聞いております。そのような指摘があることも承知をしておるところですが、教師の採用について、三倍を切っているから直ちに質が保てないというのは一概には言えないと思うんですけれども、いずれにしましても、いろいろな面で、さっき一つ申し上げた私の言い分もあるんですけれども、あらゆる面において厳しい状況であるということを受け止めております。
先ほど申し上げたような様々な取組を通じてやはり質の高い教師の確保を努めていくということで、これはやはり今ここでこうだからということについては、私もそれほどの哲学者ではありませんからですけれども、でも、いろんな意味で、どうしてその三倍を、三倍を切った場合に質が落ちるんですけれども、厳しい現場以外に何だろうということについて、もっと私も情報を集めてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/141
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142・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 厳しい現場にあるから人が目指してくれないんだと、それに対して取組が必要だというような御認識は大臣もおありになるというふうに伺いました。
本当にそうなんですよね。教員を目指す気持ちが折れてしまうような労働環境というのが知れ渡っております。なので、この教員そのものの数を増やすことが必要なのに、それを目指してくださらないという現状がある。なので、もうやることは明確で、教師でなくともできる仕事というのはもう削る、もうとにかく仕事を、先生の仕事を減らす、先生を助けてくれる人を増やす。それから、全般的な労働環境というのを改善しなきゃいけないし、待遇も改善しなきゃいけないし、いわく、それ給特法の抜本見直しということになると思います。これがマストだと思います。
これ、今直ちに給特法の抜本見直しについて発言はできないというようなことは事前に官僚の皆さんから伺っているんですけども、私思うんですよ。今回調査をした、これをもってどのように改善をするか。抜本的に改善しなかったら、もうこれ後がないと思うんですよね。もう教師目指す人いなくなっちゃう、若い人も社会人も。これ、最初で最後のチャンスの改正になると思うんです。そういう意味で、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/142
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143・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 私の思いとしては、今先生とおっしゃる考え一緒ですね。
もう今回、これほどの倍率が落ち、教員不足も二千五百五十八人という数字が出、一生懸命教師を集めても二千六十五人まだ不足しておるという実態もあります。今日、朝、午前中、議論をいろいろと重ねてまいりましたけれども、そういう意味においては、今回これほどのことと、私も長い間地方議員と、国会議員も十何年、八年やらせていただいていますけれども、危機的な状態であるということは認めたいと思います。しっかり受け止めないともう後がないというような、そういう気持ちはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/143
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144・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 そのもう後がない危機的な状況、そこの時点の文科大臣であるという、そこを大臣に御認識いただきたいと思いますし、ここでその学校現場の更なる失望を招いてしまっては、ああもう駄目だというふうに思われてしまっては、本当に先生になる方がいなくなってしまいます。にもかかわらず、我々は国会の意思で三十五人学級というのを実現すると決めましたので、これから新たに一万三千人を超える教員を迎え入れる必要があるし、私は更に少人数学級の実現というのが必要だと思っていますので、更に更に先生方に学校現場に入ってきていただかなければいけないので、そういう大切な改正になる、見直しになる、そういうことを意識していただければというふうに思います。
と同時に、どのような教育のためのどのような人材を必要としているのかというようなところも、誰でもいいわけじゃないですから、すごく必要になってくると思います。
中教審の答申も拝見しました。令和型の教育、令和の日本型学校教育を担う教師の在り方、そういったものも拝見をいたしました。感想としては、これむちゃくちゃ求め過ぎなんじゃないかと思うんですね。これができる人がいたら、もうスーパー人材ですよ、エグゼクティブ人材ですよ。
これ、大臣、求め過ぎだと思うんですけども、これについて、この教師像についてどのようにお考えか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/144
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145・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 中教審の答申でございますけれども、令和の日本型学校教育を支える教師を養成、また研修でその力を付けていく必要があるわけでございますけれども、教師に共通的に求められる資質能力の柱として、教職に必要な素養、学習指導、生徒指導、特別な配慮や支援を必要とする子供への対応、ICTや情報教育データの利活用、こういった五つの柱を中教審で議論をしているところでございます。
それから、どんどん社会が変化していくわけでございますけれども、そうした中で子供の教育の充実につなげていくためには、教職員組織そのものがより多様な専門性や背景を持つ人材との関わりを常に持ち続けるとともに、多様な人材を取り入れた組織になっていくことが必要というふうに考えておるところでございます。
このため、現在、中教審で行われている包括的な検討においても、教壇に立つ上で最低限の能力に加えて、児童心理や理系分野など特定分野に強みや専門性を持った教師を養成、採用する方策や、特別免許状を活用した多様な人材の確保などの議論がなされているわけでございます。
特定の一人の先生が全てのことをやるということでは必ずしもなくて、様々な強みを持った先生方が、多様な人材がそろった教職員集団にしていくということが一つの重要な柱ではないかというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/145
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146・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 いつもおっしゃるんですよね、多様で質の高い教職員集団をつくる、それは非常に大事なことだと思うんですけれども。
これ、参考人が、藤原和博さん、東京都初の民間校長で公立中学校の校長先生だった、私のリクルートの先輩でもありますけども、その方が二〇一三年に書いた「負ける力」というものの中で、先生についてですね、今でも、一人の教員が教科を上手に教え、生活指導と全ての児童生徒に関わる事務手続をし、防犯や防災に気を付けながら、一人一人のアレルギーをチェックし、AEDを使えるようにし、環境教育や情報教育に慣れ、福祉ボランティア教育と国際理解教育を教え、さらに食育にも消費者教育にも気を配り、尖閣諸島や北方領土への意識を守り立てて日本人として誇りを持たせ、おまけにスポーツ指導や部活を担当しながら、要望が強くなりがちな保護者の声に応えるなんて、一人の人間のやることとして明らかに無理がありますというふうに書いてあります。
今、文科省、局長は、全ての人がそんなスーパーマンじゃなくても、一人一人の方々がチームとしてそういう多様なところの教師集団、教職員集団をつくればいいというふうにおっしゃいましたけども、実際の現場はこういうようなふうに求められていたり、さらに、これ藤原先生の二〇一三年の著書ですけども、今二〇二二年になりました。一人一台パソコンが入ってきましたので、そういったものの運用も管理も、発達障害のインクルーシブ教育も進めないといけない、外国ルーツの子供たちも増えている、伴走するヤングケアラーという新たな政治イシューもあります。それから引きこもり、自殺については本当にゆゆしい状態で、このコロナ禍で、一九七八年の統計開始以来、小学生、中学生、高校生で自ら命を絶つ子供たちが今最大になっている、この子たちをどう命につなげるか、これ本当に大切なものです。それから、感染症への対応も新たにありますよね。
さらには、今、性教育も主権者教育も、メディアリテラシー教育もマネーリテラシー教育も高齢化リテラシー教育も、あらゆるリテラシー教育というものも生きる上で必要になってくると言われている上で、じゃ、逆に質問しますけど、どういうふうにこういう専門家一人一人が集まったら、この子供たちにチームとして多様な質の高い教職員集団をつくるようにできているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/146
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147・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今御指摘ありましたように、学校現場には様々な課題が求められていると、課題への対応を求められているということで、それは現場の多忙化につながっているということはそのとおりだろうと、こう思っております。
したがいまして、先ほども申し上げましたが、今後の教員養成の場面におきましても、基礎的な教師としての素養をしっかり身に付けているということを前提としながらも、様々な多様性、強みを持った教師を養成していくということが必要じゃないかというふうな議論が行われております。
それから、実際に教師になった後も、これは今回の研修制度にも関連してまいるわけでございますけれども、同じものを全ての先生がやるということだけではなくて、やはりそれぞれがその強みを伸ばしていくということがあろうかと思っております。例えば、外国人の児童生徒への指導ということにつきましては、やはりその分野を専門的にやっておられる先生方もいらっしゃるわけでございますけれども、そうした先生方の力をしっかり学校の中で生かしていくと、そういう方向でやっていくことが重要ではないかと思います。
また、教師ということだけではなくて、様々なサポートスタッフの充実ということも併せて進めているわけでございますけれども、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、その他その地域の方々、社会人の方々、そうした様々な方々の知見を生かして総合的に学校をチームとして力を強化していくと、そういう方向で進めていくべきではないかというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/147
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148・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 きれいな御答弁ですけども、やっぱり何か上滑るんですよね。だって、子供たちの目の前にいるのは、いろんな大人が入れ替わり立ち替わりいて、自分の心開けますか。自分が子供のときのこと想像してみてください。入れ替わり立ち替わりいろんな大人に関わってもらうの、私も必要だと思います。だけど、担任の先生やすごく頼りになる保健室の先生や、そういう人たちに支えられて、そういう人たちとつながって大人になりませんでしたか。そういう意味で、子供目線では全くない。淡々とパーツとパーツを組み合わせたらいろいろなものに対応できます、教室のあらゆる課題に、それは違うと思います。
かつ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー増やしても自殺増えています。どうしたらいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/148
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149・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 自殺の問題は大変深刻な状況だと考えております。
そうした子供たちの悩みをしっかり受け止める体制が重要だと思っております。そのためにスクールカウンセラーの配置を進めてきたわけでございますけれども、確かに、先生おっしゃるように、スクールカウンセラーだけで物事が解決するわけではないと思います。
ただ、これ、以前にはスクールカウンセラーというもの自体が配置をされていなかったわけでございますけれども、それがここ二十年余りを経過する中で全校配置というような形になってきて、やはり子供たちの相談する場所として重要な役割を果たしていることは事実なんだろうと思いますけれども、それとあわせて、自殺ということであれば、やはり学校全体の指導の問題、これをどう改善していくかということが大きいと思いますので、子供たちの気持ちを受け止められるような生徒指導、そうしたことも含めて取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/149
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150・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 そうですよね、だから担任の先生ってすごく大切だと思うんですよね、担任ですから。そういう先生方の、じゃ、どういう働き方を、どういうお給料を、どういう魅力的な職場をつくっていくか、それをここでは議論をしたいというふうに思いますし、いつも文科省の方々、ほかの公務員と比べてとか、今よりじゃ、何%とかという話をされるんですけれども、今からそういった思いを持った、心を持った方々を社会から受け入れる、学生にも選んでもらうんだったら、もう民間の方が環境いいじゃん、民間の方がフィーがいいじゃんだったら、みんな民間行きますよ。そういう対象ではなくて、我が国の子供たちの目の前にいるそういう先生たちを、どういう人材を迎え入れて、その方たちにどういう環境やどういうお給料を用意できるかという、そういう民間と比べてください。
皆さんのお給料や、ほかの公務員とか、今のベースから何パーって、そういうことを、そういう議論をしているんじゃないんです。目の前に、子供たちに対して教育を授けてくれる、知見を授けてくれる、いろいろな出会いやいろいろな心の窓を開いてくれる先生というのは本当にかけがえのない人たちなんです。
そして、ちなみにですね、民間の会社では当たり前なんですけど、こういう何か施策を考えるときに、ターゲットとゴールとKPIとトレースと改善、これ必ずセットですね。今回、ターゲット、じゃ、先生を増やす、先生が足りない、じゃ、どこをターゲットにしますかというのを聞きたいというふうに思うんですけども、社会人教員の確保というのも出てきていますけども、これも参考人の方からいただいたもので、社会人採用というのももちろん推進していくがいいんだけども、今、教員免許授与件数、普通免許というのは、小学校では約二万八千件、中学校では約四万六千件、高校は約五万五千件、特別支援学校は約一万三千件だそうです、令和元年度の文科省調査で。
一方、教員採用試験を受験された方で新卒、学卒者というのは、小学校で約一万七千人、中学校で約一万四千人、高校で約七千人、特別支援学校で約一千七百人だそうです。いろいろ区別していなくて一緒にカウントしているところもあるそうですけども、この免許状というのは校種をまたいで複数取得する方もいるので、私も教員採用、免許を取得して目指しましたけど、落ちましたので民間の会社に就職しましたけども、こういった免許を取得したというだけという学生は、単純計算すると、小学校でおよそ一万人、中学校ではおよそ三万人、高校では四・五万人、特別支援学校では一万人、そういう方々が採用試験にも進まずに、取り逃している可能性があるそうです。
こういう方々をターゲットとしていろいろな広報や施策を打っていくのか、社会人採用というのを目指して一回社会に出た方々をその社会で経験した知見を持って学校現場に来ていただくのか、どういうターゲットを想定しているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/150
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151・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今御紹介ありましたように、毎年、教員免許を取る、教員免許の発行数というのは二十万件ぐらいあるわけでございますけれども、採用の方は三万件余りと、三万人余りというようなことで、いわゆるペーパーティーチャーと言われる教員免許は持っているけれども教壇に立っていない、そうした方が大量にいらっしゃるわけでございます。
そういう意味で、今後の教師不足への対応ということを考えたときに、この層をどういうふうに取り込んでいくのかというのは非常に重要なポイントになるんじゃないかというふうに考えているところでございます。また、そのためには、まずは在学中からどうやって教師の魅力を伝えていくのかということに取り組む必要があると考えておりまして、大学によっては、教育委員会と連携をして、その在学中に教職の魅力を伝えられるような、そうした取組を様々行っております。
そうした取組を行う中で教職に魅力を感じていただいて、より多くの方にまず教員採用試験を受けていただくということが一つでございますし、また、最終的に、一旦民間企業に採用されたとしても、今度そうした知見を生かして学校現場に戻ってきていただくことができれば、それはまた大きな現場としての力になるわけでございますので、そうしたところをしっかり対象として考えて、施策を考えていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/151
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152・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 それ、民間のキャンペーンだったら絶対失敗するコースです、ターゲットが定まってないから。どこのターゲットを定めて学校現場に入ってきていただける、いただきたいと思っているのかと、そのためにどういう文科省はアクションを起こすのか、もう一回。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/152
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153・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) ターゲット、これは様々あるのでなかなか難しいんですけれども、例えば、今理系人材の問題が一つ大きな焦点でございます。やはり学校現場で理系に強い方が必ずしも多くないという課題が指摘をされている中で、そうした理系に関して深い専門知識を持っている方、あるいは企業等で経験豊かな方、そうした方々に現場に来ていただくということは一つの大きな施策になっていくのかなと、こう思っております。
そうした層を取り込んでいくための施策、それから、博士号取得者といったものもよく特別免許状との関係では議論されておりますけれども、そういう自ら研究をデザインできるようなそうした方々に対して現場に来ていただけるような、そうしたPRの仕方というものも併せて考えていく必要があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/153
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154・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 今、図らずも審議官からお話出ましたけども、まさに近年、STEAM教育、STEM、科学、技術、工学、数学、そこに芸術、リベラルアーツ等も加えたSTEAM分野のより多くの女性がもっと参画をできるように努力を払ってきたんですけども、その進歩は全く限定的でしかないというのが今我が国の現状です。今後、特にデジタル経済だとかコンピューターサイエンス、数学、工学などの分野での女性の進出というのは、今低調であるものをやっぱり好調にしていかなきゃいけないという課題はあります。
今、女子学生でもそういった理工学というのを選ぶ方も少ないですけども、さらに研究者となるとまた著しく少なくなってしまう。もしそういった理工系の女子学生、理工系の学生というのを増やしたいのであれば、そういう方々を狙って学校現場に来ていただいて、自分の研究でどのようなすてきな商品ができたのか、どのようなサービスができたのかというのを教育していただくというのも非常に有益だと思います。
今、苦し紛れにターゲットを言ったのかもしれませんけど、じゃ、そういう方々を学校現場に招き入れるために何が必要ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/154
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155・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) そうした方々も教職に魅力を感じていただける方というのはいらっしゃると思うんです。
ただ、一つは、免許の問題でいえば、免許を取っていない方も少なからずいらっしゃるので、そうした場合には特別免許状という形になっていくんだろうと思っております。これを活用することによってそうした方々を招き入れていくと。その際に、よくこれも議論の中で考える必要があるのは、学校現場としても、専門性はある、だけど教職としての、何というか、基礎的な素養がないんじゃないかというふうな不安があるわけでございます。
そうした方々に、今、文部科学省でコンテンツの開発を進めておりますけれども、最低限必要な教職としての知識、理解、そうしたものをパッケージでお示しをして、それを履修していることによって、それと専門知識、これを併せて教壇に立って活躍できると、そうした安心感を与えることが特別免許状の発行の促進につながるということを考えておりまして、そうした手だてを講じていきたいと思っております。
また、免許を持っていらっしゃるそうした理系の人材の方々というようなこともあるわけでございますけれども、やはりこれは今学校現場が大変で、なかなかそちらの方に志向が向かないというようなことが言われているわけでございますので、その環境自体を改善することがそもそもの大前提ということになるわけでございますけれども、あわせて、やはりその大変な中にも学校の先生には大きな魅力があるわけでございますので、そうした魅力を実際に知っていただくと、そういう取組がやはり非常に重要なのかなというふうには思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/155
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156・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 さっき水岡先生が指摘されたのってそこなんですよね。学校現場で今先生が足りないから、だから特別免許状を活用しますという話と、この国の未来に対してこういう分野のこういう専門性が必要だからその人たちを招き入れますというのがごっちゃになっちゃって、それを何となくうまくパッケージして施策を推進しようとしているから、そこに哲学はあるのかと突っ込まれるわけです。
今のお話だと、やっぱり特別免許状というのは、我が国に、じゃ、STEM、STEAMの分野の若者たちを、女性たちも引き入れようというのであれば、そういった特別免許状の活用についてを推進すべきで、その場合、やっぱり都道府県教委が決めて、都道府県教委が計画をして、そこで採用するというのは現実的なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/156
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157・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 免許状自体は、これは免許状授与権者ということで都道府県の教育委員会が担っているわけでございます。実際に、高校とかであれば自らということになるんでございますけれども、市町村の教員ということであればその市町村の考え方というものも踏まえる必要があるわけでございますけれども、今の仕組みの中では、免許授与権者である教育委員会、都道府県の教育委員会がその専門性等々を判断して、そして特別免許状を発行していると、こういった仕組みになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/157
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158・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 そうやって自治体の地方自治を重んじるという美名の下に、そうするとやっぱり教員が少ないというところに軸足が行っちゃうし、でも、審議官がおっしゃるように、我が国に必要な教員の形、特別免許状の専門人材のイメージというのがあるんだったら軸足がまた変わってくるし、そういうところをどういうふうに整理をしていきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/158
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159・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) いずれにいたしましても、文部科学省として特別免許状をもっと推進していく必要があるということを大きな課題と考えておりまして、これまでも様々な基準の見直し等を行ってきたわけでございますが、これを更に進めるための方策について、現在、中央教育審議会で審議を深めているところでございます。夏頃までには中間的な取りまとめが出る予定でございますので、それもしっかり踏まえて、この特別免許状が実際にもっと活用されるような、そうした仕組みをしっかり考えてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/159
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160・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 そうですね、もう採用試験の在り方というのも考えなきゃいけないですし、加配というのをどうするのか、それから代員、臨時採用というのもキーワードになってくると思いますし、ただ、忘れて言っていただけないのが、特別免許状の方、専門性のある方だというふうに思いますけども、これ、誰でもいいわけじゃないですよね。こういう方々が例えば、二百人ってさっきおっしゃいましたけども、離職率、ちゃんと定着するのか、ちゃんとそういう方々が学校現場で働き続けてくださるのかというのはトレースしていらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/160
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161・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 個別の特別免許状で入職された方のその後というのはトレースはしておりませんけれども、これはその方の様々な置かれている状況によって異なるのかなとは思います。
特別免許状でずっと教師として活躍していただくというのは一つのもちろん生き方でございますけれども、そうでなくても、一定の期間であっても社会で経験されたものを学校現場で生かしていただいて、また、その専門性の高い方であればまたほかの道に進んでいただくということもこれはこれであっていいのかなと思います。むしろ、流動性を持つ中でそうした社会の様々な知見が学校現場に生かされると、そういうような仕組みが必要なのかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/161
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162・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 それは同感です。ただ、社会人教員は一回民間で働いて学校現場に入ってくるけどやっぱり辞めてしまうという方が多いという話も識者からの指摘でありますので、こういう外の方が学校現場に入ってきて、子供の前でいろいろな知見を、自分の経験を話すことが、どう考えても物すごく豊かな経験にもかかわらず、ああばかばかしいと去ってしまう、そういうものの理由やその改善やというのは必ずすべきだというふうに思いますし、あと、先ほど佐々木委員の方からも、また上野委員の方からも指摘がありましたけども、わいせつ教員というか、わいせつ特別免許状教員というか、そういう方々をどういうふうにブロックするか。これ、議法で成立をさせていただきましたけれども、結局、欠格事由の厳格化というところは新卒に関してはまだ空いたまんまなんですよね。ここは穴が塞がれていません。
こういう学生時代にわいせつ行為を行った者、そういう方々を入ってきてはならぬと、子供たちのそばに置いてはならぬというような仕組みというのは、これはDBSができるまで待たなきゃいけないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/162
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163・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) こうしたわいせつ教員というものは断じて許してはいけないわけでございますけれども、これまで文部科学省では、都道府県・指定都市教育委員会や学校法人などの教員採用権者に対し、教員の採用段階において、教員になる前も含め、過去の退職歴やその理由を確認する観点から、履歴書に空白期間が生じないように記載を求めること、賞罰欄等に刑事罰のみならず懲戒処分歴も明示的に記載を求めること、必要に応じて過去の勤務先に懲戒処分事案の概要等の問合せをすること等を強く促してきたところでございます。
本年四月からはこの新しい法律が施行されたわけでございますが、今後、DBSの仕組み、これが非常に重要だというふうに考えておりまして、今後、政府全体でその検討が進められるというふうに承知をしておりますので、文部科学省としても積極的にその構築に協力をしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/163
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164・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 つまり、DBSができるまではそこの穴は空いたまんまということですね。今だと、懲戒されたら再授与はされない、二度と学校現場に戻れないということだと思いますけども、結局、新卒のところはそういったものを隠そうと思えば隠せるわけで、そこは空きっ放し、子供の近くに入れてしまう。そして、そういった国家資格、名称独占資格や業務独占資格等は一応その欠格事由というものがあるのでそこでチェックをすることができますけども、この特別免許状の場合はどのようにブロックができるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/164
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165・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 新卒の場合でございますけれども、そのブロックの仕方というのは先ほど申し上げたようなことでございますが、教員養成課程において学生にしっかりと啓発をしていくと、これも重要なことだと考えておりまして、それについてはこれまでも取り組んできたところですが、今後、更に動画なども活用して、しっかりとその段階での意識の徹底ということを進めてまいりたいと考えております。
それから、特別免許状の場合ということでございましたけれども、基本的に仕組みとしては一般の免許状の場合と同様のことになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/165
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166・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 局長、是非子供たちの周りに安全な学ぶ環境をつくっていただくことをお願いして、今日、実はマスクのことをいろいろ聞きたかったんですけども、それ、あさってに回させていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/166
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167・片山大介
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
もう何人もの委員の方が質問されて、大体まあ改正の、法改正の方が何か、幾つかのポイントというのは大体同じところなんで、質問が似通るかもしれませんが御容赦いただきたいと思います。
今回の法案の主な内容、もう何度も言っているように、教員免許更新制の廃止とともに、公立学校の教員に新たな研修制度を導入すること、なっています。
この法案の背景として、平成二十八年、前回の教員公務員特例法の改正で各地域の課題に応じた、課題やニーズに応じた体系的な研修が行えるようになってきたことが一つ。そして、教員についても、コロナの影響などもあってオンライン化された学びが広がってきたことなどが挙げられている。その上で、環境の変化や社会的変化や学びの環境の変化に伴ってその教師の、教員の学びの在り方も変える必要があるというのが今回の理由なんですけど、じゃ、まずそもそも論で聞きたいのが、今回、教員の学びの在り方を変えるというんですけど、じゃ、これまでの教員の学びの在り方についてどのような点に課題があったのか、まずここから教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/167
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168・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 午前中、各先生方ともお話を申し上げたんですけれども、グローバル化あるいは情報化の進展によりまして、社会が急速に変化するとともに、教育をめぐる状況の変化もスピードを増しておりまして、こうした中で、例えばGIGAスクール構想や特別なニーズに有する児童生徒への支援の充実など、それぞれの現場の課題を踏まえて適時適切に対応することが求められておりますけれども、今先生おっしゃったように、まさに体系的な研修やオンラインの活用が、急速にこの研修環境が変化をしました。ですから、例えば研修を受けようと思った場合でもオンラインで受けれるという、今まで直接三十時間足を運んでというようなことが多かったんですけど、そういう意味でオンラインが中心になってきたりとか、あらゆるまたツールを使って情報を取れるということもありますから、そういう意味では研修環境が随分変わってきたということも一つ挙げられるんではないかと思ってございます。
多く述べましたらたくさん広がりますので、取りあえず、そうですね、御答弁申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/168
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169・片山大介
○片山大介君 余りここで議論するのはあれじゃないんですけど、その課題という意味では課題じゃないのかなというふうに、課題として何かあったのかなというの、ちょっとよく分からないんですけど。だから、そんな変化に応じて変えていきましょうというのは分かるんですけど、これのところで何か課題が見えてきたのか、課題があったのか、そこら辺はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/169
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170・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 課題ということでございますけれども、おっしゃったように、元々、様々な研修制度が準備をされてきたわけでございます。ただ、その中で、特に現在、様々なまた新たな課題も生じてきているということでございます。
その一つとしては、GIGAスクールや特別なニーズを有する児童生徒の支援といったようなことを抱えているわけでございますけれども、そうしたものにより一層適切に対応していくと、そうしたことを考えていくときに、現在よりもこれも更に個別最適で協働的な学びを進めていくことが必要じゃないかと、そうした問題意識を持っているところでございます。
そして、個々の教師が学びを深めていくということだけではなくて、学校の中で協働的な学びをしていくことで学校全体、組織全体としての学びを深めて学校の力を向上させていくと、そうした研修制度をより一層充実することが必要ではないかと、このように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/170
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171・片山大介
○片山大介君 そういう話をやっぱり聞きたいんですよね。その変化に、環境が変わったから少し変えるとかというんじゃなくて、やはりどういうふうにこの研修の、教育の学びの在り方というか、それを変えていくかという大きな目標を持ってやっぱりそれやっていく、その過程で今回変えるというのなら分かるんですけど、それをはっきり明確にしないと、なかなかこういうのを改正をしていっても、何か目的がはっきりしないで終わらせちゃうわけにはいかないですから、それ是非やっていただきたいというふうに思います。
それで、教員免許更新制の廃止について、これを何か、もういろいろ言われたから今更とは思うところはあるんですけど、ただ、この教員免許、最初これが導入されたときって、これたしか教育改革の名の下に結構かなり大きく取り上げて導入されましたけど、その当初から批判はやっぱり多かったですよね。結局、それで今振り返ってみると、教員の多忙化や教員不足の原因にもなっている一つもされて、そういう批判も多くなって、今回やめることになった。
これについての、発展的解消みたいな言い方されていますけど、もっとこれ、文科省としては総括的にこれどういうふうに、何というのか、見ているのか、この総括をどう考えているのか、これを教えていただきたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/171
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172・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 教員免許の更新制、平成十九年に成立して、二十一年でしたか、実施されたのは、と思います。教師の学びの機会の拡大、大学による教師の資質能力の向上に関与の拡大など、先生いろいろ御指摘ありますけれども、一定の成果は上げてきたことはもう御答弁申し上げてまいりました。
一方で、これまでの更新制の下で、十年に一度の講習は常に最新の知識技能を学び続けることと整合的でないということ、これ事実でございます。座学を中心とした講習ではもう現場に即した学びの実施が困難といった課題も出てまいりました。
このため、教員免許更新制の下で大学等が形成しました良質な教育コンテンツを継承しつつ、個々の学校現場で教師のニーズに即した新たな研修システムによって、今局長もお話ありました個別最適な学びや協働的な学びなど、これからの時代に必要な教師の学びを実現させたいと願ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/172
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173・片山大介
○片山大介君 参考人でも結構です。そうすると、その総括として、どこに問題があったか、それで何が良かったのか、そこを教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/173
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174・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 良かったところは、今大臣から御答弁申し上げたように、この更新制によって様々な優良なコンテンツが形成をされてきたということがございます。それからまた、大学が養成の段階だけではなくて、教師の研修や資質の向上、そうしたことに対して関与が増大して、より大学とそれから教育委員会などが連携をしながら進めていくと、そうした体制ができてきたというふうに考えているところでございます。
一方で、課題ということでございますけれども、これは様々な課題があったということでございますけれども、十年に一度の講習は常に最新の知識技能を学び続けていくことと整合的ではないといったこと、あるいは、免許状更新講習の受講というのは本質的に個人的なものとならざるを得ず、組織的なものとする上で限界があること、それから、座学を中心とした大学の講習では現場の経験を重視した学びの実施が困難であることなどの課題があったものと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/174
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175・片山大介
○片山大介君 これ、導入のときにはそういう制度の課題というのはある程度見えなかったのかなとかというふうにちょっと思うことあるんですね。
それで、この前、連休前に参考人質疑があって、やはり同じようなことちょっと聞いたんですけど、やはり国の方でいろいろ決めていく制度、それが現場の方でなかなかそれがマッチしてない、現場の声どこまで聞いたかということは何かその先生も言われたんですけど、今回の導入時にそういうことはどうだったのかなというふうに思っているんですが、そこら辺はどうなんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/175
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176・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) この免許更新制でございますけれども、更新制のときに比べて、十年余りが経過したわけでございますけれども、その中で社会の環境が大きく変化してきたということだと考えております。
急速な社会の変化の中で、ICTを始めとして様々な状況が出てくる中で、教師が常に最新の知識技能を学ぶ必要性がより一層強まった、そのスピードが速くなったということ、また平成二十八年の教育公務員特例法の改正によって教員育成指標や教員研修計画等に基づく体系的、計画的な研修の充実が図られてきたこと、また新型コロナウイルス感染症に対する対応を契機としてオンライン化が大いに進んだと、こういった研修の環境の変化があったと、そうした中で、現在、新たな教師の学びの姿というものを実現していく環境が整ってきたという中での免許更新制の発展的な解消であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/176
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177・片山大介
○片山大介君 何か、そうすると、その制度導入のときは何かこの変化が予見できなかったということになるのかなというふうに今聞こえるんですけれども、やっぱり、よく教育改革って、その参考人質疑のときも言ったんですけど、政治主導で結構決まることが多くて、大学入試改革なんかもその一つですけど、大学入試改革も、結局現場の声の反対があって、それで記述式問題って見送られたりだとか、あと英語民間試験の導入も見直しされたりだとかってあったり、ありますよね。
それで、あの大学入試改革については、その後、検討会議というのが行われて、一年、一年半かな、掛けて何か議論されて提言まとめたと。それで、そこで出てきた提言では、今後、大学入試改革に関わる意思決定というのは議論の透明性が大切ですよと。それから、データやエビデンスの重視すること、多様な意見聴取だとかということに留意することが必要だというふうに。
今回のこの教員免許更新制についても、やっぱり、まあ解消するのはいいと思いますけれども、やっぱりこういったところをもう一回きちんと検証すべきだと思うんですけれども、これ、大学入試改革じゃなくとも同じことが当てはまっているような気もするんですけれども、そこら辺をどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/177
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178・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今般の教員免許更新制の見直しに当たりましては、令和二年九月より中央教育審議会において、制度導入後の変化や、公聴会や教育委員会等からのヒアリングなどに基づき、計六回にわたる包括的な検証を行ったところでございます。その上で、令和三年三月の諮問後におきましても八回にわたる丁寧な審議が行われ、その結果を踏まえてこの度の法案の提出に至ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/178
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179・片山大介
○片山大介君 余りちょっとかみ合っていないところもあるんですけれども。
ですから、これを今回廃止するのは、まあそうなんでそれはいいとして、だから、今後こういったことがまたないように、やはりその導入時の議論の透明性だとかなんとかというのはしっかりやっていっていただきたいと思いますけど、そこら辺はあれですかね、共感をしていただけるんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/179
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180・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 先生が今お話あったように、大学入試の改革について記述式が見送られたりとか、いろいろございました。やはり、工程を進めていく上で予想していなかったことが問題が出てきたりした場合には、やっぱり速やかに見直すとか一旦立ち止まるということは速やかな態度でもって示さなきゃならないということを思ってございます。
そういう意味では、今回、免許更新制、十年に一度ということ、これはもういろいろな意味を込めていますけれども、もちろん先生方にとっては時間的、経済的な負担もありました。私は、いろいろとお話を聞く中では、良かったという先生もおれば、授業には役に立たなかったという御意見も聞きました。やっぱり、こういうデジタル化が一気に進んだときですから、そういう意味では私はあらゆる角度で一旦見直してはどうかという思いでありますけれども、ただ、先生のおっしゃるように、理念きちっとまとめなきゃならないという、そういうことは強く思っているところでございます。
なお、先生、ちょっと続きますけれども、御指摘のこの議論の透明性ですけれども、先生、本会議でデータとエビデンスの重要性を御主張されました。多様な意見聴取は政策立案において極めて重要であると認識をいたしてございます。
文科省としては、教育政策を推進するに当たりまして、より効果的、効率的な教育政策の企画を推進するに当たりまして、済みません、教育政策の企画立案を行う観点ですね、観点や国民への説明を果たす観点から、客観的な根拠や議論の透明性、多様な意見聴取を重視をしてまいりたいと思います。また、今年二月に行いました次期教育振興基本計画の策定に向けた諮問では、多様な教育データをより有効な政策の評価、改善に活用するための方策について、検討を中央教育審議会にお願いをしたところでございます。
先生の御指摘のとおり、教育改革に当たりまして、データの活用もしっかりと進めていきたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/180
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181・片山大介
○片山大介君 しっかり行っていただきたいと思います。
それで、その新たな研修制度について次ちょっと聞きたいと思うんですけど。
これ、新たな教師の学びの姿を実現するための手段として公立学校の教員に対して研修記録の作成を義務付けるというんですけれども、その研修記録の作成を義務付けることが新たな教師の学びの姿を実現していく上で不可欠なのか。じゃ、ここもちょっとよく分からないんですけど、ここを教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/181
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182・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 変化の激しい時代におけるこれからの教師の学びの姿としては、教師一人一人の置かれた状況に照らして適切な現状把握等具体的な目標設定を行った上で、個別最適で協働的な学びが行われることが必要であると考えております。
このため、今回の法改正では、過去に教師が何を学んできたかを客観的に記録することを義務付けるとともに、これを基に個々の教師の資質向上について指導助言等を行うという管理職の役割を明確にすることが必要であると考えております。今回の法案で義務付ける研修等の記録は、一人一人の教師が自身の学びを振り返りつつ、現状の把握と適切な目標設定を行うために必要不可欠なもの、言わば学びの足跡であり、主体的で個別最適な学びを実施する上での、実現する上でのベースとなるものと考えております。
加えて、校長等の管理職におきましても、過去に教師が研修等で何を学んできたのかという客観的な情報に基づき、教師が今後どの分野の学びを深めるべきか、学校で果たすべき役割に応じてどんな学びが必要かなどについて、効果的な指導助言等が可能になるものと考えております。また、個々の教師の強みや専門性を把握した上で校務分掌を決定するなど効果的な学校運営を行うことが可能になり、結果として児童生徒への教育の充実にもつながるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/182
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183・片山大介
○片山大介君 趣旨は分かりました。
じゃ、実際にどうやってその今言ったことが実現できるのか、ちょっと幾つか聞いていきたいんですけど。
まず、これは法案では、これ都道府県の教育委員会が一人一人教員の研修記録を作成しなければならないと。令和三年度に文科省が実施した研修受講履歴管理状況調査では、小中学校の正規教員の研修受講履歴を管理している都道府県教育委員会は四十七都道府県のうち三十六だったと。既に多くのところで、半分、半数以上で実施はしているんですけど、じゃ、この研修記録を作成していない教育委員会と比べて、実際に学びの姿等々でやっぱりどう違っている結果が出てきているのか、まあメリットというんでしょうかね、そこを分かりやすく教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/183
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184・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 現在、約四分の三の都道府県教育委員会において教員の研修受講履歴を何らかの方法で管理をしているという状況でございます。これらの教育委員会においては、研修受講履歴が学校管理職等による教師一人一人の研修受講状況の確認のほか、教師による研修履歴の振り返りと受講計画の作成、学校管理職等による各教師への研修受講指導、一人一人の教師の強みを生かした配置などの人材育成などに活用されているというふうに承知をしているところでございます。
また、中教審の議論において研修履歴システムを活用している教育委員会からヒアリングを行いましたが、その中においても、管理職と教師が目指す教員像に関して面談を行う際、今後の研修を進める上で重要な資料となっていると。あるいは、教師が学校を異動したとしても受講履歴を確認することによってキャリアステージに応じた受講計画を立案できるといったような意見が述べられたところでございます。
今回の法改正によって研修履歴の記録とこれを活用した指導助言等の義務付けを行うことにより、個々の教師の強みや専門性が明らかとなり、教師自身が資質能力の更なる向上を図る上で基礎となる仕組みが構築できるほか、個々の教師の強みや専門性を生かした学校運営が全ての学校で可能となるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/184
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185・片山大介
○片山大介君 その研修、その受講履歴ですか、そうすると、三十六だから残り十一なんですね、じゃ、そうすると、まだやっていないところはね。じゃ、ここの十一に対しては、ではどのようにそれを、何というか、令和五年度ですから来年度ですかね、から開始させるに当たってどのようにしていくつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/185
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186・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今回の改正による研修等の記録の作成は任命権者である教育委員会が行うこととなるわけでございますが、具体的な方法等については各教育委員会が教員研修計画で必要な事項を定めることを想定をしております。研修の記録方法については、記録自体が過剰な負担となることがないよう留意する必要がございます。
文部科学省としては、各教育委員会の判断に資するよう、研修等の記録の基本的な考え方等をガイドラインで示してまいりたいと考えております。具体的には、ガイドラインにおいて、研修等に関する記録の内容や範囲、校長による指導助言等の方法や時期などについて定めることを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/186
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187・片山大介
○片山大介君 いや、だからこれ、この後のガイドライン、やっぱりこれまで質問ありましたけど、やっぱりこれから決めていくことが多いですよね、これ。しっかりかなりやっていただかないと、これは本当にその言われたような趣旨でできるかどうかということになってくるかなと思います。
それで、ちょっとこれ聞いたら、この研修記録なんですけど、これ紙になっていて、余り情報システムで何かこれできていないっていうことを聞いたんですけど、これ今実際どういう状況になっていらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/187
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188・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 先ほどお答えいたしましたように、研修、約四分の三の都道府県教育委員会で何らかの形で研修受講履歴を管理しているわけでございますけれども、そのうち、情報システムで管理しているのが二十六というふうになっておりますので、二十六が情報システムで管理をしており、残りの十につきましてはそれ以外の媒体、紙などで管理をしているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/188
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189・片山大介
○片山大介君 だから、四十七のうち十一がやっていなくて、それから十が紙でということなんですよね、だから。
それで、今、GIGAスクール構想で児童生徒一人一台になっている中で、その教員が自分の研修記録がそれは紙じゃないと見れなくて、しかもこれ教育委員会の事務局に行かなきゃいけないとかというんだと、これちょっと若干時代遅れになってしまっていますと思いますけど、ここら辺はやっぱり改善させて、いつでもどこでもという言い方になるのかな、分からないけど、見れるようにしなかったら、それ手間も掛かってしようがないと思いますけど、そこら辺はどのように考えているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/189
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190・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。
文部科学省では、教師の新たな学びの姿を高度化する仕組みとして、研修受講履歴を記録する情報システムの構築に向けまして、令和三年度補正予算で調査研究費を計上するとともに、令和四年度予算でその構築費用を計上しているところでございます。
このシステムの構築により、教育委員会の事務負担等を軽減しながら、研修等に関する記録を活用した学校管理職等による指導助言等の実効性を高めるための取組をより合理的かつ効果的に進めたいと考えてございます。そして、このシステムにつきましては、全ての都道府県教育委員会がこれを活用していくということを目指して進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/190
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191・片山大介
○片山大介君 ごめんなさい、ちょっとそれよく分からないですけど、それはあれですか、今自前のシステム持っている都道府県とはどういうリンクさせていく予定なのか。
あともう一つ気になったのが、これ令和五年度の後半に稼働するとかなんとかなっているんですけど、これ、だけど、あれですよね、研修記録の作成って令和五年度からですよね。ここの何かタイムラグがなぜ発生しちゃっているのか、これを教えてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/191
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192・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 文部科学省としてもできるだけ早く整備を進めたいと考えているわけでございますけれども、今議論がありましたように、都道府県等の実態を見ますと、情報システム未導入の教育委員会がある一方で、既に情報システムを導入している教育委員会もあるところでございます。このため、これらの既存システムとの連携や整合性に留意しつつ、教育委員会等とも十分に協議をしながら検討を進める必要があると考えております。
このため、まずは調査研究において都道府県教育委員会等にとって活用しやすいものとなるよう備えるべき機能などについて明らかにした上で、令和五年度中に試行的な稼働を目指して構築を進めていきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/192
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193・片山大介
○片山大介君 質問抜けているのが、その令和五年度からこの研修記録の作成義務付けるのに、その稼働が令和五年度の後半というか令和五年度中となっていますけど、これ間に合わせられないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/193
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194・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 御指摘のように、研修記録の義務付け自体はこれ令和五年度から始まるわけでございますが、一方で、そのシステムにつきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、既存のシステムとどう整合を取るのかと、ここをしっかりやっておきませんと、結果使われないものになってしまうと全く意味がございませんので、それについては極力私どもも早く整備を進めたいと考えておりますけれども、そうした都道府県との協議をしっかりやりながら、なるべく速やかにこれを構築してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/194
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195・片山大介
○片山大介君 ごめんなさい、余り何かいろいろ聞いてもと思いますけど、そうすると、それができるまでの間、自前のシステムを持っていない都道府県というのは、自前のシステムはつくるのは、まあつくらずに待っておいてもらうということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/195
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196・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 法律上記録が義務付けられるわけでございますので、その間どういった形でやるか、これは任命権者である都道府県教育委員会等がどういった形でやるかを判断されるということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/196
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197・片山大介
○片山大介君 何か、そこら辺コストが無駄に膨らまないように、地方も国も何かそれちょっときちんと連携取った方がいいと思いますし、やっぱり何か、せっかくやれって義務付けるんですから、これが新しい教師の学びの在り方として、学びの姿としてやらせるというんであれば、せめてそのシステムはそのスタートするときには間に合うぐらいの努力はした方がいいと思いますけれどもね。お金の問題なのか手間の問題なのか分からないですけど、そこはしっかりやってもらいたいと思いますが、じゃ、そこをまたお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/197
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198・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 私どもとしても、できるだけ速やかに構築を目指してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/198
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199・片山大介
○片山大介君 よろしくお願いします。
それで、次に、これまた指導助言なんですけど、これ、建前的という言い方になるのかな、教育委員会がその研修記録などを活用して校長及び教員に対して資質の向上に関する指導助言を行うと。だけど、実際のところは教員への指導助言は校長が実施すると言っていますけど、じゃ、さっきも話が出ましたけど、これ、大きな例えば高校などになれば、その教員が何十人とか百人超えたりするところもあるわけですよね。これ、校長が教員一人のその研修記録を確認をすると、それから指導助言を行うって、これ結構負担になりますよね。
それから、なおかつその研修は職務としての研修なんだから勤務時間内で行うということも何かさっきおっしゃったと思いますけれども、そうすると、それだけの多い数の教員をその勤務時間内に時間管理を行ってやっていくわけですよね。これ、校長先生のマネジメント能力って物すごく大変だと思うんですけど、ここら辺は本当にできると思っているのかどうか。また、文科省としてはどういうふうにそういうのはサポートしていくのかな。何か、そこら辺どのようにお考えなのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/199
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200・末松信介
○国務大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
研修等の記録の具体的な方法につきましては、教育委員会が教員研修計画において定めることを想定いたしております。その際、学校現場に負担のないように、地域の事情や研修の態様に応じて様々な記録の方法を定めることが考えられます。
それで、先生今おっしゃった、校長ということをおっしゃいました。もちろんそうなんですけれども、ただ、校長等の管理職が行う指導助言等でございますので、校長だけではないんです、これは。私、そういうふうに理解しております。今でも学校現場で行われております期首面談、期末面談の機会を活用して実施することを想定しておりまして、新たに大きな負担が生じるものではないと考えておりますけれども、やはり気になります。国として、記録や指導助言自体が過重な負担となることがないよう留意しつつ、教育委員会の判断に資するよう、研修等の記録や指導助言等の基本的な考え方をガイドラインで示してまいりたいと思うんです。
ただ、何が気になるかというのは、やはり校長、まあ校長等管理職ですけれども、やっぱり校長先生、いろいろな方もおられましょうし、対話がスムーズにさっと進むかどうかということにつきましては、ここ、個人個人やっぱり差が出てくるんじゃないかなという、そういう一抹の不安もございます。できるだけそういう不安が生じないように、事前に、先ほどもお話がありましたように、事前にきちっとガイドラインに示せればなということを考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/200
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201・片山大介
○片山大介君 だから、これもあれですよね、結局絵に描いた餅という言い方になるのかな、だから、やっぱり現場に負担が余り重くなったりするとやっぱり本末転倒ですからね。だから、そこはきちんともうちょっと考えていただきたいし、そういう意味でのガイドラインを作るのもしっかりやっていただかないと困るかなというふうに思いますね。
それで、あと、ちょっともう時間少なくなってきたので、あと次に、その研修の受講と懲戒処分との関係もちょっと聞きたいんですけど、本法案の提出の基になった中教審の審議まとめでは、特定の教員が期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合は、その職務命令に基づいて研修を受講させることや、職務命令に従わない場合は懲戒処分の可能性もある、こういう言及をしているというんですね。
だけど、研修は自主的なものでもあるべきだとも思いますし、それから、余りこういうふうになってしまうと、さっきも話あったですけど、やっぱり子供を置いてその研修の方にいそしんでしまう先生も増えちゃうんじゃないかとか、いろいろあると思いますけれども、そこら辺、この研修の受講と懲戒処分との何というか関係、一筋縄じゃいかないのかもしれないですけれども、そこら辺はどのように整理して考えていらっしゃるのか教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/201
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202・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 片山先生にお答え申し上げます。
校長等の管理職が研修の受講について指導助言を繰り返し行ったにもかかわらず、期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合などやむを得ない場合には、職務命令として研修を受講させる必要もあると考えているわけでありまして、なお、万が一、職務命令に従わないような事例が生じた場合は、法律に定める要件に当たり得ることから、事案に応じて任命権者の判断によりまして懲戒処分を行うこともあるものとは考えてはおります。
ただ、法案をこれお認めいただいた場合には、このような基本的な考え方を指針で示すとともに、具体的にどのような場合に期待される水準の研修を受けているとは到底認められないのかという判断すべきかは、これにつきましては教育委員会が適切に対応できるようにガイドラインを示していきたいと思ってございます。
ただ、到底認められない場合の例として考えられるのは、もう法定研修であるとか、教育委員会が定めた教員研修計画に基づいた全教員対象にした研修に参加しない場合とか、必要な校内研修に参加しない場合とか、もう非常に限定されて、合理的理由がなく研修を受講しない場合とか、まあ非常に限定されたものでございますし、それに行き着くまでには相当のキャッチボール、話合いをすると思います、先生方とは、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/202
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203・片山大介
○片山大介君 分かりました。
あともう一つは、やっぱりこの研修の受講と、もう一つはやっぱり人事評価との関係ですよね。これみんな気にしているところではあるんですけど。
まあ余り人事評価とはリンクをさせるものではないというふうにも言われているとは思いますけれども、ここについてもやっぱりどのように考えているのか。ここを間違えると、やはり子供をちょっとこう置いてその研修にいそしんでしまう先生ばかりが増えちゃうというのも本末転倒だと思いますけど、この受講と人事評価とはどのような関係になるのか、これを改めて整理して教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/203
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204・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 今回の法改正によりまして、教育委員会が行うことを想定している研修等に関する記録は、校長等の管理職が行うこととされる資質の向上に関する指導助言等の際に活用されるものでございまして、人事評価制度とその趣旨とは目的が異なるものでございます。これはきちっと申し上げたいと存じます。
教員の人事評価は、校長等の管理職が日常の職務行動の観察を通じて得られた情報などを総合的に踏まえつつ、各教師が発揮した能力や上げた業績を期末面談で確認した上で評価を実施するものでございます。このため、研修等に関する記録自体や研修量の多寡そのものが人事評価に直接反映されるものではありませんが、ただし、研修を行った結果として各教師が発揮した能力であるとかあるいは上げた業績については人事評価の対象になるものとは考えてございます。
平成二十八年に松野官房長官が文部大臣をされ、文部科学大臣を務めたときにも同様の答弁でございますので、六年間たっても変化はございません。全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/204
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205・片山大介
○片山大介君 ここが、言うのは、今そうやって整理されているが、実際に現場難しいところがあるかなと思いますから、そこはきちんとチェックというか、本当にきちんとそのとおり分離して行われているかどうかというのはきちんと見ていっていただきたいなと思います。
あと一分なので、最後に、教職特別課程の制度の見直し、これだけちょっと簡単に聞いて終わりたいなと思っているんですけど、この教職特別課程は、先ほど特別免許状の話はあったですけど、この教職特別課程も、大学で教職課程を取らなかった人たちが、社会人が教育免許状を取る、取得するために修業年限を一年として大学が設ける課程のことと。これを今回、弾力的に一年以上にしようということなんですけれども、だけど、そもそもこの教職特別課程、これ設置大学数がすごく少なくて、令和四年、令和三年か、四月現在、四大学にとどまっていると。
これ、この一年を一年以上に弾力的に見直すことによって、この横ばいの、まあ横ばいというか少ない数字が、これ本当に大学数、設置大学数の数が増えたりとか入学者数が増えたりすることにつながるのか、そこの見通しとか見込みってあるのかどうか、そこだけ教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/205
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206・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 間もなく時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/206
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207・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) はい。
この教職特別課程は、社会人を対象として教職に関する科目等の単位を修得させるために大学が設置する課程で、現行法では一年となっているわけでございますけれども、これを一年以上に弾力化することとしております。
これによりまして、平日のフルタイムでの課程に限らず、社会人が当該課程を履修することがより容易となるように様々な形での開設が可能になるというふうに考えておるところでございまして、今後そうした大学が増えるように文部科学省としてもしっかり周知を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/207
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208・片山大介
○片山大介君 是非、周知、それから大学と連携取りながら、これせっかくやるんでしたら実りあるようにしていただきたいと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/208
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209・吉良よし子
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
本法案でなくすことになる免許更新制についてまず伺いたいのですが、これは教育職員の身分にひも付けて三十時間以上の講習を義務付けるという仕組みでした。中教審のまとめでは、これについて、免許状を更新しなければ職務上の地位の喪失を招きかねない状況で、それが教師の主体的な姿勢、学びの姿勢を発揮することを阻害してきたという指摘をしているわけです。
また、先日の参考人質疑でも、参考人から、免許更新制のやはりポイントは、その身分にひも付いているというところ、本来は全く別のものだったはずという池田参考人、また、言わば脅し、強制による学びだったと妹尾参考人、講習を受けなければ身分が失効してしまう仕組みというのは課題があったと戸ヶ崎参考人と、三人の参考人それぞれからその問題点が指摘されたところであります。
一方、先日の本会議で、大臣は、免許更新制の下での十年に一度の講習は常に最新の知識技能を学び続けることと整合的でないことや、座学を中心とした講習では現場に即した学びの実施が困難であるといった課題を挙げたのみでした。
そこで、改めて文科大臣に伺いたいんですが、この免許更新制は、教員の資質向上、研修制度を教員免許という教職員の身分にひも付けてしまった、その仕組みそのものが間違いだったことであり、それが、そういう仕組みが教員の主体的な学びを阻害する要因になってしまったというのはもはや明白だと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/209
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210・末松信介
○国務大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
教員免許の更新制は、教師の学びの機会の拡大とか、教師の資質能力の向上に対する大学の関与の拡大など、一定の成果は確かに上げてきましたが、十年に一度の講習というのは常に最新の、今先生も答弁、話ありましたけれども、最新の知識技能を学び続けていくことと整合的ではないこと、座学を中心とした大学の講習では現場に即した学びの実施が困難であることなどが課題と認識をいたしてございます。
これらの諸課題、近年の急速な社会の変化や教師の研究変化の、環境の、研修環境の変化を踏まえた総合的な判断として、本法案では、研修等の記録や指導助言等の義務付けなど、新たな教師の学びの姿の実現に向けた方策の実施によりまして教員免許更新制を発展的に解消することとしたものでありまして、講習の未講習により教員免許が失効するとの仕組み自体に問題があったとは捉えていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/210
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211・吉良よし子
○吉良よし子君 仕組み自体に問題があったとは捉えてないというのをおっしゃっていますけど、いや、そんなはずないですよね。この審議まとめ、中教審の審議まとめの中にちゃんと書いてあるわけですよ。免許状を更新しなければ職務上の地位喪失を招きかねないという状況の下で、探求心を持ちつつ自律的に学ぶ、若しくは教師の主体的な姿勢が発揮されてきたと評価することには慎重にならざるを得ないと。
こうやって身分にひも付ける、講習をひも付ける、身分の失効と講習をひも付けることがやっぱり主体的な学びの阻害要因になっていたというのは中教審のまとめでも指摘されていることですよね。そうじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/211
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212・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 更新の講習、更新講習を受講しなければ教師自身の身分の得喪に関わるという精神的な負担感、時間的な、あるいは金銭的な負担感があったということ、このこと事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/212
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213・吉良よし子
○吉良よし子君 精神的な負担感と言いましたけど、はっきり書いてあるわけですよね。主体的な姿勢が発揮されてきたと評価することには慎重にならざるを得ないと中教審が書いているわけ、まとめで言っているわけですよね。その立場、中教審の立場は認めるわけですよね、文科省は。違うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/213
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214・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 免許更新制でございますけれども、これにつきましては、導入以後十年余りが経過したわけでございますけれども、そのときに、こうした十年に一度の講習で、そして最新の知識技能をリニューアルしていくということで始めたわけでございます。そうした中でやってまいったわけでございますが、その後の様々な環境の変化というものがございました。
そうした中で、より一層個別最適で協働的な教師の学びを実現していく上で新たな研修システムに移行していくことが適切だろうということでこの度の改正になったわけでございますけれども、そうした中で、議論する一つの要素として、必要な教師の確保といった課題もあったわけでございます。
教師不足ということが今一つの大きな論点になっているわけでございますけれども、そうした中で、免許更新制が一つのこの教師の確保の際の課題になっているというふうな指摘も多数ある中で、この度、総合的な判断としてこの免許更新制を発展的に解消して新しい研修システムに移行するということにしたわけでございますけれども、従前、当初、免許更新制を導入したとき、そのときのこの新たな、そのときのこの身分を失効させるというふうな仕組み自体が問題があったということで考えているわけではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/214
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215・吉良よし子
○吉良よし子君 中教審のまとめと言っていることが違うなと思うわけです。中教審のまとめでは、そうしたことも踏まえて、様々問題点、課題は指摘されているわけですけど、踏まえて、こういう新たな教師の学びの姿を実現する上で阻害要因となるのが教員免許更新制だと、もう制度の仕組みそのものが間違いだったんだということを指摘している。だから今回なくすことになったんだと思うわけですね。単なる環境の変化だけが理由なわけじゃなくて、制度そのものに問題があったということは、文科省、ちゃんと認識していただきたいと思うわけです、中教審のまとめに書いてあるわけですから。それも認められないというのはちょっと私は理解ができないんですけれども。
少なくとも、そして、参考人の皆さんからもその制度の仕組みの問題点というのは指摘されましたし、そういう教員の身分を人質に取るやり方が、教員の主体的な学び、この研修制度の主体的な学びというのは大事だということはさんざん言われている、前提だということは確認されていると思いますが、その主体的な学びとは相入れないということが明らかになったと思うんです。
さらに、この免許更新制、もうほとんどいいことがなかったとか、マイナスの影響の方がもっと、きっと大きかったという意見も参考人の皆さんから出されたところなんですけれども、本法案において免許更新制なくすわけですけど、廃止ではなくて発展的解消とおっしゃるわけです。つまり、継承すべきものがあるということだと思うんですけれども、じゃ、本法案において免許更新制の何を発展させ継承するというのでしょうか。参考人、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/215
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216・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大、教師の資質能力の向上に対する大学の関与の拡大、良質な学習コンテンツの形成など、一定の成果を上げてきました。これらの成果を踏まえ、当面、教職員支援機構においては、大学等が更新講習を継承して開設する質の高い学習コンテンツに関する情報を提供する一元的な情報提供サイトの構築を予定しております。
さらに、文部科学省においては、学習コンテンツをワンストップ的に収集、整理、提供するプラットフォームの構築を進めてまいります。このプラットフォームには、教職員支援機構や各教育委員会が開発するコンテンツはもとより、大学や民間事業者等が開発するコンテンツも含めて収集、整理、提供していきたいと考えております。
これらの取組を行うことで、教員免許更新制の下で生み出された成果を新たな教師の学びの姿を構築する上で発展的に継承していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/216
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217・吉良よし子
○吉良よし子君 まあいろいろおっしゃったわけですけど、要するに、免許更新制から継承するというのは、学びの機会であるとか教員、教師の学びの部分なんだということだと思うわけですね。
しかし、先ほど来私指摘していますとおり、もうそもそもこの教師の学びである研修とその教員の身分である免許制度をひも付けるということ自体が問題だったわけで、免許制度というのはそもそもこの学びとは全く関係ないものなわけですよ。それを、更新制の発展的解消という文脈でこの教師の学び、研修制度の見直しにつながるという、ここには私、違和感しかないわけです。しかも、今回の法改正で免許更新制により阻害されたとする教師の主体的な学びの姿勢というのが保障されるのか、むしろ阻害される要因がまたつくられるのではないかという懸念があるわけです。
例えば、中教審まとめ、審議まとめにおいて、先ほど来指摘されていますけど、必ずしも主体性を有しない教員に対する対応として、管理職等の期待する水準の研修を受けているとは到底認められない場合は、職務命令に基づき研修を受講させることが必要と明記され、本会議では、大臣は、その職務命令に従わないような事例が生じた場合には懲戒処分を行うこともあり得るという御答弁があったわけです。
こうやって最終的には懲戒処分もあり得るんだよという脅しのようなものがちらついていて、果たして教員の主体的に学ぶその姿勢が担保されるのか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/217
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218・末松信介
○国務大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
教師は職務の遂行のため絶えず研究と修養に努めることとされておりまして、教師の研修については自主性は重要であるということは言うまでもなく、このことは本法案によって変わるものでもございません。教育基本法にもこの九条に書いてございます。絶えず研究と修養と書いています。
本法案では、校長等の管理職と教師が過去の研修等の記録を活用しつつ対話を行いまして、今後能力を伸ばす必要がある分野などの研修について教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導助言を行うことを想定しております。その際、教師が自らの学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下、自らの研修ニーズや学校の教育課題に対応した必要な学びを行っていくことが期待されるものでありまして、この指導助言については校長等から一方的に指導するのではなく、言わば教師と校長との間のキャッチボールで行われることを基本だと考えているところでございます。
その上で、校長等の管理職が研修の受講について指導助言を繰り返し行ったにもかかわらず、期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合などには、そういうやむを得ない場合には、職務命令として研修を受講させる必要もあると考えております。
私は、先生、脅しとおっしゃったんですけど、そこまでは、そういう考え方は全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/218
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219・吉良よし子
○吉良よし子君 いや、でも実際には、最終的には懲戒処分という、そういう立て付けになってしまっているわけですよね。それはやっぱり私は脅し以外の何物でもないと思うんですよ。最終的には、管理職の言う研修を受けなければ最終的には懲戒処分があるんだからねというのは、さっき免許更新制で失効するのは精神的な負担ということがありましたけど、同じような精神的負担を与えるような立て付けになっているんじゃないのかと。
参考人質疑でも、この点について妹尾参考人が、先生方脅さないと学ばないというメッセージを発しかねないじゃないかと、この法律ではという御意見も出されたわけです。だから、私、やっぱりこういうのはおかしいと。先生方を脅さないと教員は学ばないと。もう研修の記録を取り、指導助言しなければ教員は学ばないというのが文科省のスタンスだということなんですか。大臣、いかがですか、もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/219
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220・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 午前中、先生方にも答弁させていただいたんですけれども、要するに、その合理的な理由なく法定研修や教育委員会が定めた教員研修計画に基づいた全教員を対象にした研修等にも参加しない場合とか、それと、やはり私の友人でも校内研修を高く評価しておるんですけれども、必要なこういった校内研修にも参加しない場合とか、ICT活用指導力など特定分野の資質の向上に強い必要性が認められるにもかかわらず、管理職等が受講を促してもなお合理的理由なく研修を受講しない場合など、こういったことを想定して申し上げているわけでありまして、中教審で専門的な検討を経た上で指針やガイドラインを整備してまいりたいと考えております。十分納得いただけるものにしたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/220
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221・吉良よし子
○吉良よし子君 いや、だから、こういうことをしないと先生方は主体的に学ばないと思われているのかということを聞いているんです。主体的に学ばないんですか、教員の皆さんは。そういう存在だと文科省思っていらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/221
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222・末松信介
○国務大臣(末松信介君) ほとんどの先生は、主体的にやっぱり高みを目指すというような教師が多うございますので、自分で学びたいと思っておられる先生がほとんどだと私は認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/222
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223・吉良よし子
○吉良よし子君 であれば、無理にこんな記録とか指導助言とか、わざわざ、もうほとんど全ての都道府県でそういう記録なんかも行われているのに、わざわざ今回義務化する必要というのはないんじゃないかと私は思うわけです。じゃ、わざわざ義務化するというところに、そういう先生方はこうやって何かしら義務化していかないと学ばない存在だということをこの法案でもって世間に示していることになってしまうじゃないかということを申し上げているわけです。
先ほど来コミュニケーションだとおっしゃっている指導助言についても伺いたいと思うんですけれども、この本法案によって規定される指導助言というのはパワハラの温床になり得ることもあるということは、パワハラの温床になり得ることもあるということは、衆議院でも、また先日の参考人からも指摘があったところです。
妹尾参考人は、いい校長たくさんいらっしゃいますけれども、残念ながらそういう校長ばかりではなくて、ハラスメントにつながりかねない、若手等を潰してしまう校長もいるというところを、繰り返しですけれども、非常に心配されている方も中にはいらっしゃって、恐らくこの懸念は当たるであろうというふうに思いますと発言されていたわけです。
衆議院では、この指導助言について、パワハラに、対話だから、対話の中で行うからパワハラにはならないとか、若しくはパワハラにならない形で行うとの答弁があったところですが、このパワハラにならない形とは何ですかと本会議で私、質問をしましたけれども、それについて明確な答弁がなかったんです。
改めて伺います。本法案における指導助言をする際のパワハラにならない形というのは一体どういう形なのでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/223
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224・末松信介
○国務大臣(末松信介君) お答え申し上げます。
今回の法改正で想定しておるのは、想定しているものは、あくまで教師と管理職等が対話を繰り返す中で、教師が自らの研修ニーズと自分の強みや弱み、今後伸ばすべき力や学校で果たすべき役割などを踏まえながら必要な学びを主体的に行っていくことでございます。
その際、校長等から指導助言等については一方的に指導するのではなく、校長等が教師からの相談に応じたり、校長等から情報提供を行うなど、言わば教師と校長等とのキャッチボールの中で行われることが基本でありまして、このような形の中で指導助言等がパワハラにつながるものではないと考えております。
いずれにせよ、パワハラの防止については、労働施策総合推進法によりまして、この三十二条に、三十条の二ですか、事業主に対しまして防止措置が義務付けられているところでございます。今後も様々な、様々な機会を捉えて、同法に基づく指針を踏まえた適切な対応について各教育委員会に指導をしてまいりたいというふうに考えておるところです。御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/224
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225・吉良よし子
○吉良よし子君 まあ、パワハラ防止措置義務が事業主にあるというのは私も承知しています。けれども、そうしてパワハラはあってはならないとする中でも、今回、こういう指導助言という仕組みをあえてこの教職、学校の下に持ってくるわけですから、そこの場でパワハラが起きるじゃないかという懸念があるわけです。それをどう防ぐのかと言ったら、いや、キャッチボールが基本だからパワハラにつながるものじゃありませんよと言われてもですね、現場でそれを防ぐ手だてが何ら示されてない状態じゃないですかということを申し上げているんです。
そうじゃなくても、学校現場、多忙化の下でパワハラ増えているという訴えも私のところに聞こえてきているわけです。だから、こういう指導助言の場がパワハラの温床になってはいけないわけですから、それを防ぐ具体的な手だてというのがあるのかということを聞いているのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/225
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226・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) このパワハラということでございますけれども、先ほど大臣からもお話ししたように、労働施策総合推進法に規定があるわけでございまして、事業主が講ずべき防止措置というものが定められておりまして、その中では、事業主の方針等の明確化及びその周知啓発、相談に応じ適切に対応するための必要な体制の整備、職場におけるパワハラに係る事後の迅速かつ適切な対応といったようなことが定められておりまして、こうした取組を学校現場も行っているという状況でございます。
また、あわせまして、文科省からは、パワハラ等の行為が明らかになった場合には厳正に対処することといった内容を通知しているところでございまして、そうしたことがないようにしっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/226
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227・吉良よし子
○吉良よし子君 そうじゃなくてですね、本法案で新たにこの研修の指導助言という仕組みを義務付けするわけですよね、現場に対して。管理職が教師に対する指導助言をするという、その場をつくるようにと義務付けをするわけです。その場でパワハラが起きたらどうするのかと、それをどうやってこの法において防ぐのかという話しているのに、いや、労働施策総合推進法で防ぐ手だてをするように言っているからありませんじゃなくて、新しい仕組みを持ってくるときに、どう防ぐのか、防ぐ手だてをどう取るのかということを聞いているんですけれども、もう一度お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/227
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228・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) この度の指導助言でございますけれども、その指導助言については、現場において負担とならないように、期首面談や期末面談などの機会を活用して行うといったようなことを想定しているわけでございますけれども、既にそうした期首面談、期末面談といったものは行われているわけでございまして、この度の指導助言というものが直ちにパワハラ云々というようなことにつながるものではないと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、しっかりと、そうしたことが、パワハラといったことがないようにこれはしっかりと取組をしてまいりたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/228
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229・吉良よし子
○吉良よし子君 期首面談や期末面談は既に行われているところでやるからパワハラにはならないって、逆に期首面談や期末面談で必ずパワハラは起きてないと言えるのかというのが問題になってくると思うんですね。
しかも、この期首面談や期末面談というのは人事評価をする面談なんです。その場でこの指導、研修の指導助言をやるということなんですけども、それ、今回の研修についてはこの人事評価の対象にはしないというのがこの間の答弁であるわけですけど、これ人事評価と異なる趣旨だっておっしゃいますけど、同じ場でやったらどこでどう区別を付けるのかというのは現場の校長また教員にとってはかなり困難だと思うんですが、実際にどうやってこの明確に区別をするんですか、その人事評価と指導助言と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/229
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230・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これは、繰り返し答弁申し上げておりますように、この度の指導助言とそれから人事評価というものは、これはその趣旨と目的が異なるということでございます。
教員の人事評価というのは、校長等の管理職が日常の職務行動の観察を通じて得られた情報などを総合的に踏まえつつ、各教師が発揮した能力や上げた業績を期末面談等で確認した上で評価を実施するというものでございます。
このため、研修等に関する記録自体や研修量の多寡そのものが人事評価に直接反映されるものではありませんが、研修を行った結果として各教師が発揮した能力や上げた業績については人事評価の対象になるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/230
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231・吉良よし子
○吉良よし子君 趣旨と目的が異なるから区別されるんだという御答弁だったと思うんですけど、現場でやられている教員が明確にそれを区別して考えられるのかと。人事評価を受ける面談の場で、これの研修、受けていない研修がありますよ、受けなさいねと言われたときに、それが評価の対象になるんじゃないかと恐れるのは当然じゃないかと思うんですね。それをどう明確に区別付けるのかということを申し上げているんです。
その評価の対象にはしない、あっ、ちなみに先ほど、参考人質疑、先日の参考人質疑でも、校長経験のある戸ヶ崎参考人ですらこの区別についてなかなか難しいことだろうと答弁されているわけで、難しいんですよ。そのことは本当に認識していただきたいです。
評価の話に移りますけど、この評価については研修の多寡などや記録自体は評価の対象じゃないと先ほども答弁がありました。一方で、研修の成果については評価の対象だという答弁もありました。じゃ、この研修の成果というのは具体的に何なのか。何をもって成果といって、何によってそれを測って評価していくおつもりか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/231
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232・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 研修を行った結果として各教師が発揮した能力や上げた業績、これは人事評価の対象になるということでございます。研修そのものについては、それが評価されるというものではないということだと考えております。
その上で申し上げますが、研修の成果をどうやって測るかということでございますけれども、これ、教育委員会が実施する研修や教職員支援機構が実施する研修などについては、通常、研修を受講した教師が研修報告書等を提出するなどの方法により教育委員会がその修了状況を確認しているところでございます。この報告書については極力簡素化を図っていくというようなことを先ほど申し上げたところでございます。
これらの研修も含め、今回新たに設けられる研修記録の作成や資質の向上に関する指導助言の仕組みにおいては、日常的に教師と接しコミュニケーションを図っている校長等の管理職が、期首面談、期末面談等の場を活用しつつ、個々の教師の目標設定を踏まえて研修成果を確認していくということを想定しているところでございます。
文部科学省としては、今回の法改正に伴い、文部科学大臣が定める資質向上に関する指針の改正を予定しており、その際、研修の内容、態様に応じた成果の確認方法を明確化していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/232
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233・吉良よし子
○吉良よし子君 いろいろおっしゃいましたけど、成果を測るための一つとして、研修報告書の提出ということをおっしゃったわけですよね。午前中の質疑では、そういうレポートを書かせるなんていう負担を与えてはならないじゃないかという議論があったわけですけど、結局そういう報告書の提出も必要になってくるわけじゃないですか、成果を評価するとなるとね。
大体、それにやっぱり私分からないんですけど、各教師が発揮した能力や上げた業績を評価すると言いますけど、その能力や業績というのは具体的に何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/233
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234・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) それは、能力や業績、これはそのケースにおいて様々だと思いますけれども、現行の人事評価制度の中で、どういった仕事をやってきたのか、達成したのかという中で発揮された能力、それから業績については、これは自ら立てた目標があるわけでございますので、そうした目標がどのように達成されたのかといったようなことを評価していくと、こういったものだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/234
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235・吉良よし子
○吉良よし子君 具体的に何なのか、さっぱり分からないんですよね。
しかも、仮に何らかの業績を上げた教師がいたとして、じゃ、それが研修を行った結果だとなぜ言えるのか。結局、その教師がどれだけの研修受けているのか、都道府県教委の作成した指標や計画に基づいた研修を受けているのかどうかというのが最終的な評価の対象になるということじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/235
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236・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 繰り返しになりますが、研修量の多寡そのものが人事評価に直接反映されるというものではないと考えているところでございます。
〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕
その一方で、研修を行った結果として各教師が発揮した能力や上げた業績については、これは人事評価の対象になるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/236
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237・吉良よし子
○吉良よし子君 多寡は評価の対象としないというけれども、研修によって、研修による成果というものが何なのかというのが判然としない中で、現場でやることといったら、結局、記録を取った、その研修の記録を基に、その多寡というのも評価の対象になってしまうことはあり得るんじゃないかという、そういう懸念だと思うんです。
ちなみに、確認したいと思うんですけど、今回、研修の記録に優先して記録される研修とは何なのかと。これ、各都道府県が策定している、都道府県教委が策定している教員育成指標と教員研修計画に基づく研修というものがやっぱり優先的に記録されると、そういうものでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/237
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238・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 改正法案第二十二条の五においては、都道府県教育委員会等が行う研修等に関する記録について、初任者研修や中堅教諭等資質向上研修、教員研修計画に基づき実施する研修を受講した状況、それから大学院レベルの専修免許状の取得のために必要な課程で学んだ状況、他の学校種の免許状の取得に必要な講習等を受講した状況、その他都道府県教育委員会等が記録の必要があると認めたものを記録することとしておりますが、この中で記録の優先順位を定めているものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/238
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239・吉良よし子
○吉良よし子君 優先順位定めていないということですが、先ほどのその二十二条の五の二項では、研修等に関する記録には当該校長及び教員が受講した研修実施者実施研修に関する事項を記載するものと、研修実施者実施研修というのがつまりはこの育成指標や研修計画に基づく研修なんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/239
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240・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 今御指摘ありましたように、こちらの二十二条の、二十二条の五の方で、第二項で、一号から四号まで掲げてあるわけでございます。
〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕
そして、その第一号では研修実施者実施研修というものが定められておるわけでございますが、そして第四号ではその他任命権者が必要と認めるものというふうなことが書いてあるわけでございますけれども、先ほど答弁申し上げましたのは、この一から四号まであるわけでございますけれども、優先順位を定めたものではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/240
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241・吉良よし子
○吉良よし子君 優先順位定めていないと、その他の研修も書くんだと言いますけど、この法律にしっかり書かれているのはこの研修実施者実施研修なんですよ。それというのは、やっぱりこういう都道府県教委が作成した教員育成指標とか研修計画に基づく研修のことだと思うわけです。それがやっぱり優先されて、それは必ず書かれるということになるわけで、その他については各任命権者が定めるということになっているわけで、結局、そうなると、その記録に基づいて指導助言しますといえば、その記録、つまり実施者研修、都道府県教委の定めた研修が優先されて、その研修を受けなければならないということがまずは優先されることになるんじゃないかということを申し上げているんです。
ちなみに、この教員育成指標については参考人からも批判の声が上がりました。例えば、池田参考人は、もう現場の子供がいることを忘れているんじゃないかと、その現場の課題から研修が始まるのに、外側から、このときはこういう時期で、こういう時期でと言えるはずがないと、こういう研修を受けたらすごくいい先生ですということはもうあり得ないという、そういう批判もありますし、妹尾参考人からも、こういった指標はどうしても具体的に書けば書くほど古くなるし、もう何のためにやっているか分からないというようなこともありますので、もう削除してもいいかなと思っているというような意見もあるぐらい、画一的で現場の課題から離れたような指標や計画に基づいた膨大な研修、これを優先的に記録して、指導助言で押し付ける、これが本法案の趣旨になってしまうんじゃないか、教員の主体的な学びから懸け離れたものになってしまうんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/241
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242・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 平成二十八年の教育公務員特例法の改正によりまして、全ての都道府県教育委員会等におきまして教員育成指標とこれに基づきます教員研修計画が策定されまして、教師の資質能力の向上のための体系的、計画的な研修が充実してきたと考えております。
社会の急速な変化等を踏まえまして、これからの教師の学びの在り方としては、まあ何度も使われる言葉でありますが、主体的な学びや個々の教師のニーズ、課題に対応しました個別最適な学びのほか、単に知識技能の修得だけではない教師間での協働的な学びや、地域や学校現場の課題に対応した多様なスタイルの学びなどが必要でございます。
今回の改正法案では、教師の職責や経験、適性に応じた資質の向上が図られるよう、管理職等が一人一人の教師に対して資質の向上に関する指導助言等を行うこととしておりまして、これにより従来より幅広い多様な学びが実現されるものとは考えております。したがいまして、教員育成目標と研修計画に基づく研修を押し付けることが本法案の趣旨ではないのかという厳しい御指摘は当たらないものと考えてはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/242
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243・吉良よし子
○吉良よし子君 指摘は当たらないということですけれども、もうこの指標や、育成指標や研修計画というのが体系的な学びになったんだということもおっしゃっていたかと思うんですけれども、先ほどおっしゃったその個別最適な学びとか現場の課題に対応した学びとは到底言えないものだよということを参考人の皆さんは指摘されていたわけなんです。
もう妹尾参考人なんかは、こうした書類に書けば教員は良くなると、教員は育つというようなそんな甘っちょろい前提は捨てられた方がよろしいとまでおっしゃっていたわけで、そういった、この何か体系をつくって、それを記録させて、それを受けなさいと指導助言していけばいい教師が育つみたいな、そういうやり方はやっぱりおかしいし、しかもそれを義務付けして現場に押し付けるというやり方というのは私は到底賛成できない。これは主体的な教員の学びを応援するものとは到底言えないと思うんです。
教員の研修について今問われているのは、こういう膨大な研修を現場に押し付けるということじゃなくて、個々の教師が自主的、自律的に学び、研修できるゆとりと時間をどうやって保障するかということなわけです。そういう意味では、持ちこま数なんかが本当に増えていて、業務ばっかり増えていくという現場の疲弊している状況もあるわけですから、それを、この持ちこま数を減らしていって、教職員を抜本的に増員する、教職員定数改善こそ必要だと思いますが、最後、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/243
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244・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 学校における、今先生、働き方改革の話であったと思います。学校における働き方改革に資するように、文部科学省でもこれまでも教職員定数の改善に努めてきたところでございます。
令和四年度予算では、小学校第三学年の学級編制の標準を三十五人に引き下げるために三千二百九十人や、通級による指導等の充実に必要な三百七十人の基礎定数の改善を盛り込むとともに、専門性の高い教科指導による教育の質の向上であるとか、先生御指摘の教員の持ちこま数軽減など、学校における働き方改革のため、小学校高学年における教科担任制の推進等、必要な千三十人の加配定数の改善も盛り込んだところでございます。
また、小学校高学年の教科担任制につきましては自治体間での取組状況が様々でございまして、文部科学省としては、各地域や学校の実情に応じた取組が可能となるよう、四年程度掛けてではございますが、段階的に取組を推進することとして、その間の改善総数三千八百人程度を見込んでございます。
教職員定数の改善に努力はしたい、してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/244
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245・吉良よし子
○吉良よし子君 教員の主体的な学びを保障するためには、やっぱりゆとりと時間をいかに保障するかと、このことの議論こそが必要だということを改めて申し上げまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/245
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246・舩後靖彦
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
本日は、教育公務員特例法及び教育職員免許法改正案につきまして、参考人質疑での参考人の御意見も参考にしてお伺いします。よろしくお願いいたします。
まずは、今回の改正で廃止されることになりました教員免許更新制についてお伺いいたします。
そもそも、なぜそれまで無期限であった教員免許に十年の期限を付け、研修をクリアしなければ免許失効という制度設計にしたのでしょうか。
元々の制度導入の意図に、安倍元首相が発足させた教育再生会議の報告にある不適格教員の排除があったと言われています。しかし、仮に指導力や教員の資質に問題がある教員がいたとしたら、衆議院の参考人質疑の際に佐久間参考人が述べていらしたように、十年間も待っていられません。研修制度の中に既に指導改善研修があり、また、指導改善をしても改まらない場合は就業規程による処分制度もあるわけです。意図的な処分の濫用は困りますが、免許更新制とリンクさせる必要はありませんでした。
また、初任者研修、十年研修という法定研修や教科ごとの研修、校長、教頭、主幹教諭、主任教諭などの職階ごとの研修などなどがある中、更に十年目に免許更新制を設ける必要があったのでしょうか。二年の間に大学などで三十時間以上の研修受講、しかも研修費用三万円という負担と研修の効果が釣り合うのかという声もありました。
これらの懸念、疑問は現実のものとなり、更新の期日を機に早期退職する教員、うっかり更新を忘れて免許失効する教員が出るだけでなく、更新をしてまで講師を希望する人が減少し、現場の人手不足は深刻化しました。それがまた教師の多忙化に拍車を掛け、その結果、教員志望者の激減という悪循環に陥ってしまい、免許更新制を廃止しなければ学校現場が回っていかないところまで来てしまったわけです。
文部科学省としても、免許更新制度の改善に係る検討会議や中教審教員養成部会、「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会で免許更新制の在り方、問題点をさんざん検討されてこられていますので、当然これらの現状は把握しておられることと思います。
そこで、大臣にお尋ねいたします。二〇〇九年から十三年間続いてしまった免許更新制をなぜやめることにされたのか。この間の教育現場への影響をどう総括されておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/246
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247・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 舩後先生にお答え申し上げます。
近年、社会の変化が早まりまして、非連続化するとともに、オンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など教師の研修を取り巻く環境が大きく変わるなど、更新制導入時にはなかった状況の変化が生じてございます。
また、教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大、また大学によります教師の資質能力の向上に対する関与の拡大など、一つの一定の成果を上げてまいりました。
一方で、十年に一度の講習は常に最新の知識技能を学び続けることと整合的でないということや、座学を中心とした講習では現場に即した学びの実施が困難といった、こうした課題もあったと認識をしております。
こうしたことを踏まえまして、総合的な判断として、研修等の記録や指導助言等の義務付けなど、新たな教師の学びの姿に向けた方策の実施によりまして、教員免許更新制を発展的に解消し、教師の個別最適な学び等をより効果的に進めることとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/247
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248・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。
引き続き、免許更新制についてお尋ねします。
免許更新制が導入された当時、いじめ、不登校、学力低下といった教育現場の問題が噴出していました。それに対して、道徳心、公共の精神、自律心などの精神論でもって教育の再生を図ろうとする教育再生会議の第一次報告を基に政治主導で行われた経緯があります。
一方で、教育予算を見ますと、二〇〇六年度より、義務教育費国庫負担割合は二分の一から三分の一へと引き下げられました。衆議院での参考人質疑で佐久間参考人がOECD調査の結果を紹介されていますが、二〇〇五年から二〇一八年の間で教員の給与を下げたのはごく僅か、そのごく僅かな国の中で日本は財政破綻したギリシャに次ぐワースト二位で、その下げ幅は最低でも一〇%ということでした。
つまり、免許更新制は、教員の労働環境、処遇の改善を置き去りにしたままスタートし、教員への負担増で現場が破綻し、続かなくなったわけです。今回、免許更新制を廃止するに当たり、一番の教訓は、教員の専門性や資質を向上させるためには、研修の強制や免許失効という罰ではなく、教員が自主的、内発的に学び、研修を受けられるよう、精神的、時間的な余裕を持てるようにするということです。そのためには、何よりも正規教員の数を増やすこと、教員の業務の選択、学習指導要領で決められた学ぶ量、書類作業を減らすなどの働く環境の改善、そして待遇改善が必要です。
免許更新制を廃止するに当たり、研修制度に付け加える前に、まずは教育に対する公的支出割合がOECD諸国内で最低ランクという日本の教育予算を大幅に拡充し、教員の働き方改革、待遇改善を優先すべきと考えます。大臣の考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/248
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249・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 御意見を、御指摘をいただきました。
教員免許の更新制の抜本的な見直しにつきましては、昨年三月の中央教育審議会の諮問におきまして、それまでの中教審における包括的検証も踏まえ、必要な教師数の確保とその資質能力の確保の両立を早急に図る必要があることから、先行して結論を得ることといたしました。文部科学省では、昨年十一月に審議が、審議まとめが報告されたことを踏まえまして、本法案を国会に提出をしたところでございます。中教審の渡邉会長ともこのことはしっかりと話をいたしました。
教師の勤務状況につきましては、文部科学省の調査結果では、時間外勤務は平成三十年度以降、一定度の改善傾向にはありますが、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあるものの、依然として長時間勤務の教職員も多く、引き続き取組を加速させていく必要があると強く認識をしております。
このため、文部科学省では、令和元年の給特法の改正によります教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するとともに、小学校三十五人学級の計画的整備や高学年の教科担任制の推進等の教職員定数の改善、教員業務支援員や部活動指導員を始めとする支援スタッフの充実など、様々な施策を総合的に講じているところでございます。今後は、これまで推進してきました働き方改革の取組と成果等を踏まえつつ、本年度に勤務実態調査を実施し、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況をきめ細かく把握する予定でありまして、その結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含め検討してまいります。
文科省として、引き続き働き方改革を強力に推進するとともに、必要な教育予算を着実に確保し、人への投資を通じて成長と分配の好循環を実現してまいりたいと思います。教育予算、着実に確保するために、また先生のお力添えをお願いを申し上げたいと存じます。
答弁二番目、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/249
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250・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。
次の質問に移ります。
ようやく免許更新制がなくなることになり、このことは歓迎したいと思います。一方で、教える立場である以上、教員の自己研さんとしての研修は当然必要です。しかし、研修で得た新しい知見や指導方法をどう授業や学級、学校運営、子供たちとの関係をつくっていく上で役立てていくかということこそが重要なはずです。そして、少なくとも、教科の指導、学級運営などに関する研修の成果を評価するのは、日々教員と接している子供たちであるはずです。
本委員会の参考人質疑で妹尾参考人、池田参考人が述べられたとおり、研修記録を残すことは本人の振り返りには役立ちますが、研修記録を作成すること自体が教員としての資質能力の向上を担保するわけではありません。妹尾参考人は、あってもいいというくらいのもので、法改正してまで必要不可欠なものとは思えない、記録がなくても本人の適性や授業の様子などを見てコンサルテーションは可能だと指摘されています。
その一方で、研修記録の範囲、内容、記載方法、利用の範囲が法案段階では不明確です。個人情報の取扱いの問題や、人事評価と結び付けられるのではないかという不安が教員から出ています。また、研修履歴の報告、記載、管理のために、教員の負担、教育委員会や学校管理職らの管理業務が増えることも予想されます。
このように、免許更新制を廃止する代わりに新たに研修履歴の管理システムを設けることは、教員の質向上の効果が期待できないだけでなく、研修の量だけこなすという研修の形骸化を招き、教育委員会、学校の業務負担を増すという弊害が予測されます。更新制廃止に至るまでの経緯に何も学んでいないことになります。
大臣にお伺いします。教員免許更新制を廃止する代わりに研修記録の作成がなぜ必要なのでしょうか。端的に更新制を廃止する、それだけでいいのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/250
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251・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 舩後先生にお答えを申し上げます。
これからの教師の学びの姿としては、教師一人一人の置かれた状況に照らして適切な現状把握と具体的な目標設定を行った上で、個別最適で協働的な学びが行われることが必要と考えております。
今回の法律案で義務付ける研修等の記録は、一人一人の教師が自身の学びを振り返りつつ、現状の把握と適切な目標設定を行うための必要不可欠なもの、言わば学びの足跡でありまして、主体的で個別最適な学びを実現する上でのベースとなるものでございます。
過去に教師が研修等で何を学んできたのかという客観的な記録を活用することで、校長等によります効果的な指導助言が可能となります。また、個々の教師の強みや専門性を把握した上で校務分掌を決定するなど、効果的な学校運営を行うことも可能になるものと考えてございます。
以上のような考えに基づきまして、今回の法案では研修等の履歴の記録を義務付けることとしたものでございます。御理解のほど、お願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/251
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252・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/252
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253・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/253
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254・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
手本とすべき文科省では、研修記録を付け、それをどのように活用しているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/254
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255・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 文部科学省では、通常、人事記録がございますけれども、そうした中に研修の履歴というものが、書く欄がございまして、そうしたところで記録をしていると、そして活用しているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/255
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256・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/256
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257・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/257
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258・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
質問は、どのように活用しているかということをお尋ねしています。活用方法について詳しく御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/258
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259・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。
研修、どのような研修を受けてきたのかというのは書く欄があるわけでございますけれども、文部科学省の方も、ほかの国家公務員と同様でございますが、人事評価、これ期首面談、期末面談がございます。そうした中で上司と話をするわけでございます。そして、その中で人事評価の関係で目標を定めて、それをどうやって達成していくかといったような話などを議論、議論を行うわけでございますけれども、そうした際の参照する情報として研修の記録といったものを活用しているということでございます。必要があれば、もちろんこうした研修を受けていくことが望ましいのではないかというような指導助言が行われることもあり得るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/259
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260・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/260
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261・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/261
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262・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
そのような方法だとパワハラにつながりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/262
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263・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) パワハラといったことにはつながっていないと存じております。そうしたことは、パワハラといったことはこれは厳にあってはならないことでございまして、そうした事例が仮に判明すれば厳しく対処していくと、そういう方針で臨んでいるものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/263
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264・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。
引き続き、研修についてお伺いいたします。
教育職員特例法にあるとおり、本来、教員の研修は義務であると同時に権利であるはずです。参考人質疑の中でも多々指摘されておりましたが、まず研修を受けるための教員の時間的、精神的余裕が重要なのは言うまでもありません。
二〇一九年の教職員給与特別措置法改正案の質疑の際に、教員の多忙の原因について聞き取りをしました。
教員生活二十年、都内の小学校に勤める先生は、この十年間で教員の多忙が深刻化したと証言しました。その理由の一つが研究授業の増加です。校内研修計画にのっとって幾つもの研修があり、研究授業の準備が以前と比べとても大変になっているということでした。十年前は全校で年に一回だったのに、今では六月から十二月まで毎月、年六回あります。研究授業のための指導案はA4判十ページにも及び、学年主任、主幹教諭、校長のチェック、修正、更に研究授業の講師、大抵は教育委員会の指導主事によるチェックと、何度も修正を重ねます。一回の研究授業のために二か月ほど必要で、夏休みや連休を費やしているのが実情だそうです。
教員にとっての一番の学びは、日々の授業や学校生活における子供との関わりの中で子供に学ぶこと、同僚の教員から学ぶことです。研修計画に記された授業づくりの目標にのっとって、研究授業のための机の上での準備と、修了後はその報告を書くために時間を費やし、目の前の子供に向き合う時間がなくなるなど本末転倒ではないですか。
さらに、今回の改正案では、校長、教員の資質向上に関する指導助言が盛り込まれていますが、これらが教育委員会、管理職による研修の強制、人事評価とリンクするのではないかという懸念が現場から上がってきています。
池田参考人は、免許更新制のポイントは、教員としてこの後もやっていけるかどうかを判断し、免許の更新をしないという判断もなされる制度なわけで、その発展的解消という筋書の中で研修が語られるとすれば、当然、教員としての職務遂行上の何らかの処遇の在り方と関連付けられてくるのではないかと語っています。これでは、教員が探求心を持って自律的に学ぶ研修にはなり得ません。
妹尾参考人が指摘されたとおり、この改正が通ったら、教員は管理しないと、校長から指導がないと学ばないという教師不信のメッセージを送ることになります。これでは教員のモチベーションを下げるだけで、ますます教員離れが加速し、免許更新制の過ちを繰り返すことになります。
大臣に重ねてお尋ねします。なぜ免許更新制を廃止する代わりに資質の向上に関する指導助言を付け加える必要があるのでしょうか。不要と考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/264
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265・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 舩後先生にお答え申し上げます。
法案では、本法案では、校長等の管理職と教師が過去の研修等の記録を活用しつつ対話を行いまして、今後能力を伸ばす必要がある分野などの研修について教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導助言を行うことを想定いたしております。その際に、教師が自ら学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下、自ら研修のニーズや学校の教育課題に対応した必要な学びを行っていくことが期待されるものでありまして、この指導助言等については校長等から一方的に指導するのではなくて、対話の中で行われることが基本だと考えております。
こうした仕組みによりまして、教師が主体性を発揮しつつ、個別最適な学びが学校組織全体として実現されるものと期待をいたしているところでございます。そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/265
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266・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
残念ながら納得できる回答はいただけませんでしたが、教育公務員特例法及び教育職員免許法改正に対する質問はここまでとします。
続いて、今回の教員免許法には直接関係ありませんが、教員養成という視点から、障害のある学生の教育実習の支援についてお尋ねします。
以前、本委員会で、手話で会話する聾の学生が教育実習先の学校で声を出すことを強要されるという差別的取扱いについて質問いたしました。その後、文科省は全国調査を実施し、適切な支援を求める通知を発出されました。さらに、文科省の委託事業で、大阪教育大学により、障害学生の教育実習における合理的配慮対応マニュアル、チェックリストが作成されたと報告を受けました。
資料を御参照ください。以下、このマニュアル、チェックリストに関連して質問いたします。
このマニュアル、チェックリストの作成は、障害学生がほかの学生と同様、当たり前に教育実習に参加できるために一歩前進の取組だと感じます。
その上でお尋ねします。完成したこのマニュアルとチェックリスト、文科省はどのように活用するのでしょうか。大切なのは、支援する教育実習担当部署、障害学生支援窓口、教育実習に参加する学生の元にきちんと周知されることです。支援担当者や学生の手元に届くような活用方法を御検討いただきたいと思います。この点について、大臣の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/266
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267・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 障害のある学生の教育実習の受入れに関し、舩後議員からの国会質疑等を通じ、受入先の学校で本人の意に沿わない実習方法となってしまった事例についての御指摘を踏まえ、文部科学省では、令和二年度に、教職課程のある大学に対し、障害のある学生の教育実習の受入れに関する実態調査を行うとともに、令和三年度に、障害のある学生の教育実習の円滑な実施に資するため、大学等が留意すべき点について委託事業により対応マニュアルを作成したところでございます。
文部科学省といたしましては、今後、教職課程を置く全ての大学に対し、この調査研究に関する報告書及びマニュアルについて通知を行うとともに、教職課程認定大学に対する説明会や文部科学省のホームページ等も活用し、周知を図っていく予定でございます。その際、本マニュアルについては、教育実習の担当部署のみならず、障害学生の支援窓口や学生にも情報が行き届くことが重要と考えており、各大学の関係部署が連携して取り組むことができるよう促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/267
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268・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
ありがとうございます。
マニュアルとチェックリストについて、障害学生の支援に携わっている当事者団体や教員に意見を聞いてみました。そのヒアリングから、懸念点などについてお尋ねします。
まず、障害学生本人の主体性を大切にしてほしいという点です。
マニュアル二ページ目には、学生本人の主体性を大切に、丁寧に話し合いましょうと書かれています。当事者支援団体、全国障害学生支援センターのスタッフは、このマニュアルやチェックリストはあくまでガイドであり、実際には障害学生本人との対話で配慮の内容や在り方を決め、妥当性を継続的に評価することが大切と指摘しています。
教員、学生間で力関係に差がある教育現場では、特に学生主体を意識する必要があります。活用に当たっては、この点を是非留意していただくよう、現場に周知徹底していただきたいと思います。大臣の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/268
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269・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 障害のある学生が教育実習に参加するに当たっては、障害のある学生の意思を尊重しながら、学生、大学、実習先の学校が互いの現状を認識共有し、話合いを進めることが重要と考えます。
本マニュアルにおいても、互いに納得のできる方法を検討するため、障害特性や特性に応じた物理的な環境調整、心理的なサポートについて、学生本人の主体性を大切に、丁寧に話し合うことを呼びかけているところであり、この点も含め、関係者に対ししっかりと周知をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/269
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270・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
ありがとうございます。
障害者差別解消法に基づき、各国立大学法人には、差別禁止や合理的配慮に対応するために必要なことをまとめた対応要領を作成する義務があります。教育実習における合理的配慮が大学が提供すべき合理的配慮の範囲に含まれていることを考慮すると、今回のマニュアルを基礎として、できれば各大学が対応要領に基づき、それぞれの大学でのマニュアル整備を進めることが望ましいと考えます。
さらに、整備に当たっては、障害当事者からの意見を聴取することで、より充実した内容になるのではないでしょうか。このマニュアル作成で完結させるのではなく、マニュアルを生かした取組を各大学に促してほしいと考えます。この点について、大臣の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/270
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271・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 障害の有無にかかわらず、教員を目指す全ての学生がその意欲と能力に応じて大学等で学ぶことができる環境等の整備は重要と考えております。既に障害のある学生向けに対応要領やマニュアル等を作成している大学もあると承知をしておりますが、その策定や改訂の際に障害のある学生等の意見を聴取することは意義があることと考えます。
文部科学省としては、この点も含め、障害のある学生の教育実習が円滑に実施され、学生が安心して教育実習に臨めるよう、教職課程を設置する大学に対し、本マニュアルを参考とした取組を促してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/271
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272・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
ありがとうございます。
以下、少し具体的な点についてお尋ねします。
このマニュアルを実際に障害学生の支援に携わった経験のある大学教員に見ていただきました。大方網羅できているとの評価があった一方、懸念点として、介助者の想定が足りていないのではないかという指摘もありました。
少し前の事例だそうですが、実際にこんなケースがあったそうです。全盲の学生が高校に実習に行った際、受入先の高校から介助員を付けるようにと言われました。しかし、高校では用意できないとも。このため、大学の先生が学内資金を申請して、アルバイトとして雇用したそうです。
対応マニュアルの中には、外部介助者が入構して支援を行う場合は、教職員だけでなく幼児児童生徒への説明が必要となるとの記載があります。それと同時に、同行する介助者が必要になった場合、その際の費用負担の在り方についても事前の調整が必要だと考えます。
この点について、必要と認められた場合、国としても財政的支援をするための枠組みを用意してほしいと考えます。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/272
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273・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 障害のある学生に対するものも含め、教育実習は大学の教職課程の一環でございます。したがって、その実施に当たっては、大学と障害のある学生とが十分話し合い、学生の障害の状況や希望、学校側の受入れ体制等を踏まえ、具体的な実習方法を決定していくことが重要でございます。そうした一連のプロセスの中で、障害のある学生から配慮の希望等があった場合、大学は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づき、必要な合理的な配慮を行うこととなります。
こうした点につきまして、例えば、大阪教育大学の例でございますけれども、聴覚障害のある学生が附属の特別支援学校で教育実習を行った際、手話通訳及びノートテーカーを大学の障がい学生修学支援ルームの職員や学生ボランティアをサポートとして派遣して実施をしたと、こういった事例もあるものと承知をしております。
そして、国の財政支援ということにつきましては、国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助金などの基盤的経費を活用しながら、各大学において合理的配慮の充実を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/273
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274・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
ありがとうございます。
今回のマニュアルの中にも実習前の面談の在り方という項目が作られていますが、実習前から継続的な取組をしていくことが重要だと考えます。
さきの教員の方からお聞きしたもう一つの事例を紹介します。ある学生が教員免許を取ろうとしたところ、実習前に予定されていた介護体験、学校見学といった科目で参加を拒否されることがあったそうです。この結果、教育実習を行く前に教師になることを諦めざるを得なかったとのことでした。
実習以外の免許取得の要件の科目についても継続的な支援体制が必要だということを示す事例だと思います。障害者差別解消法の理念に基づき、こうした事例が起きないようにしてほしいと願います。教育実習に関しては、全ての学生が一年次から参加をしているわけではないことは理解しています。しかし、入学時からの支援体制があれば、こうした問題は防げるのではないでしょうか。
障害のない学生同様、障害のある学生に対しても、教育実習の機会、教職課程を学べる機会が当たり前に提供されるように取り組んでいくことが重要です。ちょっと関心があるな、選択肢として教職課程を取っておきたいなという障害学生にも、障害のない学生と同じような機会、可能性が提供されるべきです。
教育実習への参加を見越しながら、入学時からの継続的な支援の必要性について、文科省から大学に働きかけていただけませんでしょうか。大臣、御検討をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/274
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275・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 入学時からの継続的な支援が重要ということで、文部科学省としてもそのように考えております。
これは滋賀大学の例でございますけれども、障害のある学生につきまして、個別支援チームというものを設置をして、一年次から支援の検討を開始をして、そして教育実習なども含めて様々なサポートを行っているというふうな事例がございます。
文部科学省としては、マニュアル等を今後周知する機会を活用し、障害のある学生が教員を目指すことの可能性や選択肢を諦めることのないよう、教育実習はもとより、入学時から教職課程全体を通じた継続的な支援を行うよう各大学に積極的に働きかけてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/275
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276・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
ありがとうございます。
障害学生の受入先として、設備や経験が豊富な学校はほとんどないと思います。そう考えますと、たとえ設備が十分でなくても、学生との対話を通じ、希望をかなえられるよう対応していくことが必要なのだと感じます。
さらに、障害学生が教育実習、教育現場にいることで、児童生徒にとって障害者とともに過ごすきっかけになるとともに、障害のある児童生徒にとってはロールモデルになるという好影響もあるはずです。
是非、国として、障害のある教員が教育現場にいる大切さを共有していく、機運を高めていくことをお願いし、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/276
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277・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
本案の修正について吉良君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉良よし子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/277
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278・吉良よし子
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
修正案提案の趣旨及びその内容について御説明を申し上げます。
教員免許更新制は、二〇〇七年に導入したものでありますが、我が党は、当時から一貫して、免許更新制に反対してきました。
政府原案は、免許更新制を廃止するものですが、それだけではなく、教育職員の研修の押し付けにつながる施策も併せて導入するものです。この部分には到底賛成できません。教員が、自主的、自律的な研修を行うことができる環境の整備、教職員の定数改善、労働環境の改善、教員の処遇の改善など、実施すべき施策は山積しています。
そこで、免許更新制の導入が誤りだったことを明確にし、二〇〇七年以前の状態に単に戻すという趣旨を明確にするため、次のような修正案を提出することといたしました。
すなわち、政府原案のうち、教育公務員特例法の改正部分を削除し、これに伴い、法律の題名を教育職員免許法の一部を改正する法律とするものです。
以上が修正案提案の趣旨及びその内容でございます。
何とぞ、委員各位の御賛同をいただけますようお願い申し上げまして、提案の理由説明とさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/278
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279・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/279
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280・吉良よし子
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、我が党提出の修正案に賛成、内閣提出の教育公務員特例法等改正案に反対の討論を行います。
本法案は、新たな教師の学びの姿を実現するためと称して、教員免許更新制をなくす代わりに教員の研修履歴の記録管理等履歴を活用した指導助言を義務付けるものです。
免許状の失効という教育職員の身分にひも付けて三十時間以上の講習を強制する免許更新制はもはや制度的に破綻しており、何の条件もなく直ちに廃止するのが当然です。にもかかわらず、発展的解消などと強弁し、更新制をなくす代わりに研修の記録の作成や指導助言の実施で国の方針に基づくあるべき教員像を現場に押し付ける仕組みを一層強化し、教員への管理統制を強めようとしていることは看過できません。
本法案で新たに義務付けられる研修の記録は、国が策定する資質向上指針を参酌して都道府県教育委員会などが策定する教員の資質向上指標及び教員研修計画などに基づく実施者実施研修が優先されることは明らかです。
さらに、この記録に基づいて管理職により行われる指導助言は、期首面談や期末面談など、人事評価の面談において行うことが想定されています。人事評価の場での指導助言は、実施者研修など教育委員会、管理職の意に沿う研修を受けなければならないという圧迫感、義務感、そんたくにつながり、パワハラも懸念され、事実上の強制になりかねません。
文科省は、本法案において、これら研修の記録自体やその多寡は人事評価の対象としないと言いながら、研修の成果は人事評価の対象となるとしており、結果として、研修の記録自体やその多寡も人事評価の対象になる可能性は否定できません。また、必ずしも主体性を有しない教員に対して職務命令に基づく研修の受講、場合によっては懲戒処分もあり得るという脅しまでちらつかせる制度の仕組みは、教員の主体的な学びとは相反する研修の押し付けと言わざるを得ず、到底賛成できません。
制度的に破綻している教員免許更新制を無条件に廃止し、教職員の定数改善始め深刻な教員の長時間勤務を是正し、全ての教員が自主的、自律的な研修を行うことができるゆとりと時間を保障することこそ必要であると申し上げて、討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/280
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281・舩後靖彦
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
私は、党を代表して、教育公務員特例法などの一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。
教育職員免許法改正案により、ようやく教員免許更新制がなくなることになりました。免許更新制は、現場や関係者の懸念、疑問を無視して導入されました。その結果、教員、非常勤講師のなり手が減少し、学校現場が回らないところまで来て破綻したわけです。
しかし、今回、発展的解消と称して教育公務員特例法を改正し、研修記録の作成と資質の向上に関する指導及び助言が義務付けられました。研修記録を義務付ける目的は、教員自らが個別最適な学びをより効果的に進めるためとされています。しかしながら、研修記録の範囲、内容、記載方法、利用の範囲が法案段階では不明確です。当該任命権者が必要と認めるものとは何の基準によるのか、運用次第でどうとでもなる懸念があります。
そもそも、研修履歴が教員の資質能力を担保するのではありません。量だけこなすという研修の形骸化を招き、研修報告を書くために教員の業務負担が増すという弊害が予測されます。さらに、資質の向上に関する指導及び助言に研修記録の情報を活用することは、教員が自律的に学ぶ研修の成果や効果まで管理職、教育委員会に評価され、教員に対する管理強化になりかねません。
また、研修についての対話と奨励が管理職、教育委員会による研修の事実上の強制、人事評価につながるのではないかという心配が現場から出ています。残念ながら、免許更新制廃止までの経緯から、これらの懸念が現実のものとなる可能性は高いと言わざるを得ません。それゆえ、免許更新制を廃止するだけでよく、研修記録の作成と資質の向上に関する指導及び助言などを付け加えることには反対いたします。
昨年度、文科省が行った調査で、公立学校で二千五百五十八人教員が不足という衝撃的な数字が明らかになりました。今年度も多くの自治体で学級担任が足りていない実態があります。必要なのは、研修制度に手を加えることではなく、教員が自主的、内発的に研修を受けられる時間的、精神的余裕を学校現場に取り戻すことです。そのためには、教育に対する公的支出割合がOECD諸国内で最低ランクという日本の教育予算を大幅に拡充するべきです。そして、正規教員の数を増やし、教員の働き方改革、待遇改善に最優先で取り組むべきであることを申し上げ、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/281
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282・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、吉良君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/282
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283・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 少数と認めます。よって、吉良君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/283
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284・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/284
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285・宮沢由佳
○宮沢由佳君 私は、ただいま可決されました教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一、「新たな教師の学びの姿」は、時代の変化が大きくなる中にあって、教員が、探究心を持ちつつ自律的に学ぶこと、主体的に学びをマネジメントしていくことが前提であることを踏まえ、資質の向上のために行われる任命権者による教員の研修等に関する記録の作成並びに指導助言者が校長及び教員に対して行う「資質の向上に関する指導助言等」は、研修に関わる教員の主体的な姿勢の尊重と、教員の学びの内容の多様性が重視・確保されるものとすることを周知・徹底すること。とりわけ、校長及び教員に対して行う「資質の向上に関する指導助言等」については、教員の意欲・主体性と調和したものとすることが前提であることから、指導助言者は、十分に当該教員等の意向をくみ取って実施すること。
二、オンデマンド型の研修を含めた職務としての研修は、正規の勤務時間内に実施され、教員自身の費用負担がないことが前提であることについて、文部科学省は周知・徹底すること。
三、本法による新たな研修制度が円滑に機能するよう、新制度への移行に向けた支援の充実を図るとともに、その周知に万全を期すこと。また、教育委員会等は、教員の資質の向上につながり、子どもの実態に即して教員が必要とする研修を実施すること。
四、文部科学省及び各教育委員会は、本法の施行によって、教員の多忙化をもたらすことがないよう十分留意するとともに、教員が研修に参加しやすくなるよう時間を確保するため、学校の働き方改革の推進に向けて実効性ある施策を講ずること。また、任命権者による教員の研修等に関する記録の作成に当たって、当該教員から研修の報告等を求める場合には、報告等を簡潔なものとするなど負担増とならないように留意すること。
五、任命権者による教員の研修等に関する記録の作成については、各学校で実施する校内研修・授業研究及び教育公務員特例法第二十二条第二項に規定する本属長の承認を受けて勤務場所を離れて行う研修も「任命権者が必要と認めるもの」として、その記載対象とするものとすること。また、当該記録については、個人情報の保護に関する法律にのっとり適切に管理されるよう各教育委員会に周知・徹底すること。
六、地方公務員法の規定により、現在行われている人事評価は、職務を遂行することに当たり発揮した能力及び挙げた業績を基に実施されており、本法による研修等に関する記録の作成及び資質の向上に関する指導助言等は、この人事評価制度と趣旨・目的が異なることを周知すること。
七、文部科学省及び各教育委員会は、臨時的任用教員に対する研修の機会が確保されるよう周知・徹底すること。また、会計年度任用職員についても校内研修など職務としての研修が勤務時間内で確保されるよう周知・徹底すること。
八、「教師不足」を解消するためにも、改正前の教育職員免許法の規定により教員免許状を失効している者が免許状授与権者に申し出て再度免許状が授与されることについて、広報等で十分に周知を図るとともに、都道府県教育委員会に対して事務手続の簡素化を図るよう周知すること。また、休眠状態の教員免許状を有する者の取扱いについて、周知・徹底すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/285
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286・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/286
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287・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 多数と認めます。よって、宮沢君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、末松文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。末松文部科学大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/287
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288・末松信介
○国務大臣(末松信介君) 失礼いたします。
ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処をしてまいりたいと存じます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/288
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289・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/289
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290・元榮太一郎
○委員長(元榮太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時三十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815104X00820220510/290
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